【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part5

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846 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 20:16:07.76 ID:XSpHUjFT0
 ギィ…ギギィ……

スライムクロシュ「……」


クロシュ(船が、ぎいぎい言ってる……。ちょっと、聞き覚え、ある……。どこだっけ……?)

 ――ヴァン「女神……」
 ――夢想の女神「ヴァン……」
 ――ベッド「」ギシ…

クロシュ(!)ピコン!

クロシュ(あのとき……ヴァンさんと女神さま……変なこと、やってた……)

クロシュ(えと……どうてい、そつぎょう……?)

クロシュ(聞いてみよ……)モニョモニョ

 ◇

イリス「えっな、何!?」

ミスティ「クロシュ、今何て……」

クロシュ「えと……どうていって、なに……?」

イリス「え、ええとだねえ……」

ミスティ「……まだ早いんじゃないかしら。教育に悪いわ……」

デュア「何ッ!? 童貞がどうかしたのか!?」

イリス「うわあ!?」

ミスティ「いや……そういうわけではなく……」

イリス「く、クロシュちゃんが意味を知りたいらしくて……」

デュア「む……なるほど……。確かに、説明するのは少し……」

妖精「童貞って、交尾をしたことのない男のことでしょ?」パタパタ

イリス「うわあ妖精さん!!」

ミスティ「よ、妖精……」

クロシュ「えと……こうびって、なに……?」

妖精「あ、そこからか……」

 *
847 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 20:16:38.89 ID:XSpHUjFT0
クロシュ「ほえ……。じゃあ、ヴァンさんと夢の女神さまは……」

妖精「そう、夢の中で交尾をしてたってこと」

イリス「///」
ミスティ「……///」
デュア「め、めでたいことだな!///」

クロシュ「……えっと……子供が、欲しかったから……?」

妖精「どうだろ。子供を生じさせる行為ではあるけど、交尾をする者が絶対に子供を欲しているとは断言できないと思う」

クロシュ「そうなの?」

妖精「不思議でしょ? 交尾って、お互いを愛し合う儀式みたいな面もあるんだって」

クロシュ「あいしあう……」

妖精「あと、すごく気持ち良いんだとか。だからそういうのを求めて交尾に及ぶツガイもいると思う」

クロシュ「そうなんだ……」

イリス「クロシュちゃんはまだだめだよ!? そういうのは大人になってからだからね!?」

クロシュ「う、うん」

ミスティ「……そもそも、スライムもそういうことをするの?」

妖精「……確かしないと思う。他種族の交尾の真似事をしても子供は生じないし、気持ち良くもならないはず」

ミスティ「ならまあ、安心?……かしら」

イリス「あれ? それじゃあスライムってどうやって生まれるの?」

妖精「本体から切り離された欠片に核が生じて、新たなスライムとして目覚めることがあるみたい。あと、分体が勝手に独立して別個のスライムになることもあるんだって」

デュア「……つまり、ツガイを作ることはないということか!」

妖精「そういうこと。稀にスライム同士で欠片を寄せ合わせて、そこから新たなスライムが生まれることもあるみたいだけど……それをツガイとか交尾と言って良いかはわからない」

ミスティ「スライム……不思議な生態なのね……」

 ◇
848 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 20:17:04.60 ID:XSpHUjFT0
―行商船内

風の精霊「お手紙だよ〜!」ヒュルヒュル

妖精「はいはい。ミスティ宛だね」


ミスティ「私宛?」

妖精「ユキからの返事だよ」

ミスティ「わかったわ」

 ユキからの手紙「」パラッ

妖精「住所?」

ミスティ「ええ。ふむふむ……霊峰の麓にある、秘湯の隠れ里……?」

イリス「……ん? それってもしかして、行商人さんがくれた宿泊券の旅館のあるとこじゃ!?」

ミスティ「そうみたい」

妖精「だから雪女なのにお風呂が大好きだったのかな?」

イリス「あっ確かに!」

 ☆ユキの実家の住所を知りました

 ◇
849 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/02/24(月) 20:18:28.63 ID:XSpHUjFT0
―行商船内

エバンス「そういえばオノゴロには温泉の他に何が有名なんだ? 俺は温泉の他は食い物のことしか知らないんだ」

オノゴロ行商人「オノゴロと言えば刀! 刀と言えばオノゴロ! ってくらいに、オノゴロの刀は有名ですわい」

エバンス「ああ、オノゴロ刀! そういやミスティちゃんが買ったのも、オノゴロ刀の短いやつだったな!」

オノゴロ行商人「鍛冶の技術なら世界最高水準と言っても過言じゃありゃせんと自分は思っとります! 今この船には小せェのしか積んでありやせんが、本当に行きゃあお兄さん方のお気に召す刀剣もきっと見つかりまさァ」

エバンス「なるほどな。情報提供感謝だ!」

オノゴロ行商人「あとはお兄さんの仰った通り、食い物――特に海鮮が絶品でっせ! イカ、タコ、エビ、マグロ……そしてカニ!!」

エバンス「カニか!!」

ローガン「ヒヒイロガニの伝説なら私も聞いたことがあるぞ。オノゴロを統べる姫巫女の神剣は、ヒヒイロガニの甲羅に含まれている伝説的な希少金属で作られていると……!!」

オノゴロ行商人「まさしく仰る通り! 姫巫女様の神剣アマノムラクモは、ヒヒイロガニの神力を宿した最強の剣!! 姫巫女様とアマノムラクモがある限り、オノゴロは永久に不滅!!」

エバンス「お、おお……なんかユーシリアの皇帝と勇者の剣に少し似てるな」

ローガン「強い力を有した武器は、統治者の力と権威の象徴として伝説に謳われやすいのだ」

オノゴロ行商人「けども……ここ最近はちっと、困ったことになってんす……」

エバンス「ん? 何かあったのか?」

オノゴロ行商人「今の姫巫女様は歴代最年少で、右も左もわかんねェ童なんす……」

ローガン「右も左もわからん童、だと……!? 先代はどうしたのだ!?」

オノゴロ行商人「病気で死んじまった。んで死ぬ前に次ん代へ継承を急いだんだけども、次ん代として控えてた長女っ子もぽっくり逝っちまって……。仕方なく、歳の離れた小せぇ次女っ子に継承するしかなかったんす……」

エバンス「え、ええ!?」

オノゴロ行商人「まだおっかぁもお姉も恋しかろう齢に、いっぺんに亡くしちまって……姫巫女っつー重責を負わされるなんてよォ……。しかもそんな時に、海の荒れ波はいつまで経っても治まんねェし……。おれぁ不憫でならねェんだ……」

ローガン「むう……」

エバンス「オノゴロ諸島もかなり困ったことになってそうだな……」

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