【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part5

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168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/08(水) 21:00:05.15 ID:/dz/qdxA0
@
【名前】ナインハルト
【種族】人間
【性別】男
【年齢】25
【容姿】
長身で華奢な体格。金色の長い髪(ストレート)。赤い目。白い肌。目鼻立ちは整っているが、冷たそうな雰囲気を漂わせている風貌。
煌びやかな装飾の施されたローブと王冠、白色のマント、皇帝のみが持つことを許される宝剣。
【性格】穏やかで誠実。平和と芸術を愛するなど、武人的であった先帝と比べ文人的で線の細い人物。
【魔法】神聖魔法。悪意ある呪いや干渉を除去し、悪霊などを祓う。
【備考】
ユーリシア帝国の現皇帝。元々ユーリシア帝国の武断的な手法に対して疑念をもっており、民を啓蒙して内政中心で国を豊かにしようとする理想を抱いていたが、兄達が帝位に就けなくなった為、皇帝に即位せざるを得なくなる。
皇帝になった後は少なくない領土を失いながらも、国内の安定と発展を望み公務に励むが、魔族の排除や失地の奪還を望む民衆、帝国を狙う諸外国との攻防など理想と現実の差に苦悩する日々を送っている。
ちなみに魔法使いとしての技術や魔翌力は高く、彼個人の力量は決して侮れるものではない。

誰が選ばれるやら?
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/08(水) 21:15:44.45 ID:P/duQ3Zq0
C

【名前】フレン・ディアス
【種族】人間
【性別】男
【年齢】10歳前後
【容姿】赤髪の男の子。事件以降は眠れなかったり食欲も湧かないのか少しやつれ気味
【性格】明るく元気な男の子だったが、今は別人のように何かに怯えている
【魔法】炎魔法。まだ子供なので小さな灯りを作れる程度
【備考】ローガンの息子の友達だった男の子。ローガンの息子とはとても仲が良く、いつも二人で元気に遊び回っていた
しかしローガン妻子が魔物に襲われた事件以降は別人のように怯え始め、外にも出たがらなくなってしまう
もしかしたら何か事件の重大な秘密を見てしまったのかもしれない
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/08(水) 21:26:43.97 ID:Z3hiocCEO
@
【名前】エリオス
【種族】人間
【性別】男性
【年齢】24
【容姿】赤髪紅目、中肉中背の優しそうだがぱっと見ではあまり目立たない青年
細身に見えるがその実、かなり鍛え上げられた肉体を持っている
【性格】温和で理知的、強い意志力を持つ
【魔法】星属性の魔法を扱う
【備考】
ユーリシア帝国の現皇帝
外征よりも国内の発展を重視すべきとの声を退け続けた先帝の父親とは互いに反りが合わない部分があると認識しつつも、エリオスは父の武勇と覇気を、先帝はエリオスの叡智と周りを惹きつける求心力を認め合っていた
帝位継承上位の兄や姉達を尊敬しており、自分は次の皇帝を支えるための研鑽を重ねてきた
知勇、政治手腕ともに優れているが、現在の帝国の状況から不当に評価が低い
初代皇帝のみが完全に扱えたとされる英雄の剣を完全に扱いこなすが、それを公に宣伝していない
次期皇帝となる前に親しくしていたエルザとは今でも互いに密かに想いを寄せているが、その立場上互いに伝えられずにいる
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/08(水) 21:38:30.31 ID:OIl3FC2aO
D
【名前】セレナディア・ベールグラッド
【種族】ドラゴン
【性別】雌
【年齢】1900
【容姿】赤黒い鱗に立派な竜角を持つ巨大なドラゴン。家くらいデカイ。
【性格】食べることが大好きで、それ以外はまるで興味がない。好物は魔翌力がふんだんに染み込んだ魔鉱物や幸福に溢れた夢。
【魔法】暴食。どんなものでも食べることができ、概念や魔翌力、夢、記憶など形のないものすら食うことができる。
【備考】かつては傭兵をしており、とある者の依頼を受け妹と共にユーシリアに進攻した過去がある。国中でひと暴れした後は飽きたのか妹はどっかに消えてシノホシするわ、本人は好みの鉱山を見つけたので依頼者を無視して占領するわ、帝国の多くの勢力から邪魔に思われているはた迷惑ドラゴン。ちなみに妹はローガンの家族の仇その人である。
占領地から全然退いてくれないが、食べ物をくれるなら多少の相談には応じてくれる。結局善悪などなく食欲でしか物事を判断しない。強力なドラゴンブレスは数里先にも届く。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/08(水) 23:59:11.13 ID:tCVraAtOO
D
【名前】ヒューベルト・スタンフォード
【種族】サンダーバード
【性別】男
【年齢】255
【容姿】全長数メートルになる巨大な翼を持ち、空中でのスピードには自信がある。世の中の嫌なものをもう見たくないと常に目を閉じている。
【性格】合理的で目的のためなら非情になれると自称する繊細な男
【魔法】視界を奪う魔法
【備考】ユーシリアの魔族連合のまとめ役。
国もなくさ迷う憐れな魔族たちを纏め上げ、自分達の国を興すために独立運動をおこなう。魔族たちを完全に纏められているわけではなく、以前独立運動が過激化して多数の血が流れた時は心を痛めたが、自分達の独立こそが最優先と合理的に判断し、感情は心の奥底に封印した。
王宮内にも魔族を支援する勢力がおり、度々密談をして、支援をもらう代わりに謎の仕事を任されることがある。
独立運動、諸外国の進攻、王宮内のゴタゴタなど複数要因が重なり当時のユーシリアは地獄の有り様だったという。それら全てに責任を感じてしまっている自称合理的な男。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 08:46:45.92 ID:8+NLHz4N0

パティ2人出ちゃったけど片方はあだ名だからどうにか共存はできるかな
174 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 17:00:57.74 ID:Vb+rNfVt0
皆さまご投下ありがとうございました。募集の時にだいたい毎回こんなに読んでる人いるのかと困惑しそうになりますが、今回も採用させていただきたいと思います

パティさん(本名)とパティさん(愛称)がいるようです。性格もスタンスも異なっているので、たぶん問題ないと思われます。しかし本人たちにとってそれがどうなのかはまだわかりません
175 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 17:01:24.81 ID:Vb+rNfVt0
―夜
 野営地から少し離れた場所

ローガン「……」スッ
 灼鋼の盾「」ガシン

妖精「思い詰めたような顔で盾構えて、どうしたの」パタパタ

ローガン「私自身の役割について考えていた」

妖精「……やっぱりあれ? クロシュがもらった大盾のこと?」

ローガン「うむ。あの大盾の性能は非常に高いものだ。恐らくは、私が盾役を専任する必要性を大きく減らすほどに」

妖精「まあ……。でも盾の性能が優れていても、肝心のクロシュ自身が使いこなせるかは別じゃない?」

ローガン「クロシュくんは同化した装備に合わせて自身の能力を上げることができるだろう。使いこなせないということはないはずだ」

妖精「確かに、最近は随分いろいろこなれてきたみたいだけど。でもまだまだローガンの技量には及ばないでしょ」

ローガン「そうだろうか……」

妖精「それにクロシュは盾だけじゃなくていろんな装備を使うから、いつでも守りに専念できるってわけでもないし。例えば相手によっては魔法で遠距離攻撃できる人が多い方が良い時もあるでしょ? そういう場合は、今まで通りローガンが守ってくれた方がクロシュも安心して魔法を使えるはずだよ」

ローガン「フッ、全く君はお節介だな」

妖精「ちょっと! 真面目に言ってるんだけど!」

ローガン「わかっている。ありがとう。だが、最近はミスティくんも近接戦闘を学び始め、エバンスくんもいろいろ試行錯誤しているようだ。複数属性使えるイリスくんも、飛行の習得など研鑽に余念がない。私も、今までの経験に胡座をかいていればすぐに皆に追い越されてしまうだろう」

妖精「最近みんながんばってるよね。前よりもずっと強くなってると思う」

ローガン「ゆえに私も、新たな武芸を模索してみようかと思う。盾役をこなしつつ行えるような技、とかをな」

妖精「盾役をやりつつできる技ねえ……。盾にトゲトゲを付けて体当たりする……とかは私が言うまでもないか」

ローガン「盾を用いた体当たりはできるが、トゲを付けてみたことはなかったかもしれん。機会があれば試してみよう。即席のトゲを付けるくらいなら鋼魔法を使えば簡単にできるからな」

妖精「鋼魔法……そういえば、盾とか槍とかを作って飛ばしたりできるんだよね」

ローガン「うむ。実は鎧も作れるが、流石に戦闘中だと使い道がない」

妖精「武器、盾、鎧……あ! それなら、それらをまとめて動かせば鋼のゴーレムみたいにできるんじゃないの!?」

ローガン「む……まあ、やろうと思えばできると思うが……。つまり、多関節物体の遠隔操作か……」

妖精「もしくは、簡単な命令を組み込んで自律稼働させるとか。戦闘時だと遠隔で動かす余裕ないかもしれないし」

ローガン「そうなのか。すまぬ、ゴーレムの作り方など全く知らなくてな」

妖精「あー……そういえばローガンって魔法使いってわけじゃないんだよね。ごめん、難しいこと言ったかも……」

ローガン「いや、むしろ興味が湧いた。私にもできるだろうか?」

妖精「やってみる? 私も専門家ってわけじゃないけど簡単なゴーレムくらいなら作れるから少しは教えられるかも。相性次第だけど、私の知ってる術式を流用できるかもしれないし」

ローガン「うむ……ではご教授願ってもよろしいか?

妖精「もちろん!」


↓1コンマ
01-30 だめそう 魔法経験+1
31-60 まあまあ 魔法経験+2
61-90 いけそう 魔法経験+3
91-00 鋼の傀儡術師
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 17:02:32.62 ID:8+NLHz4N0
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 17:03:13.49 ID:Wer/3dN6o
ラーニング
178 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 17:26:06.49 ID:Vb+rNfVt0
鋼の甲冑ゴーレム「」ガションガション

妖精「わあ! もうできちゃったの!?」

ローガン「うむ……妖精くんの教え方がわかりやすかったお陰で、すぐに理解できた」

鋼の甲冑ゴーレム「」ガション
 鋼の槍「」ブンブン
 鋼の斧「」ポイポイ

妖精「武器も使いこなしてる!」

ローガン「武器の扱いに関しては、妖精くんから教わった術式に元々組み込まれていたようだ。相手に応じて武器を持ち替えたりもできるだろう」

妖精「わあ……。もしかしたら私より使いこなしてるんじゃ……」

ローガン「う、うむ……。相性が良かったのかもしれん」

鋼の甲冑ゴーレム「」シャキーン!

 ☆ローガンが鋼製甲冑ゴーレムを作れるようになりました
  さらに魔法経験を3獲得し、魔法レベルが1上がりました

 ◇
179 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 17:31:45.25 ID:Vb+rNfVt0
―夜
 野営地の近く

 焚き火「」パチパチ

 デロデロ…モニョモニョ…

大盾クロシュ「!」ポン!
 大盾「」ガシン!

 守護結界「」シュイン!

イリス「おお〜! セイラちゃんみたい!」

大盾クロシュ「んへへ……」

イリス「どういう仕組みで守護結界を展開してるのかな……。ラティアの技術、恐るべし……!」

大盾クロシュ「……イリスさん……ちょっと、攻撃……してもらって、いい……?」

イリス「えっ!? こ、攻撃!? 私がクロシュちゃんを……!?」

大盾クロシュ「うん……。結界は、出せるけど……戦いの時に、わたしがちゃんと使えるか……わかんないから……」

イリス「……そっか! クロシュちゃんの防御練習ってことだね。わかった!」

大盾クロシュ「うん。お願い、します……」

イリス「よおし……それじゃあかる〜くいくよ……!」スッ

大盾クロシュ「……!」ガシン!


↓1コンマ 訓練の成果
01-30 うーん… 防御経験+1
31-60 まあまあ 防御経験+2
61-90 そこそこ 防御経験+3
91-00 能力獲得 防御経験+6
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 17:33:29.89 ID:Mu7fQnsHO
181 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 19:02:27.38 ID:Vb+rNfVt0
イリス「たっ!」カッ!

 小さな火球「」ボッ!

大盾クロシュ「!」ガシン!

 守護結界「」シュイン!

 パシュウン―!

イリス「おお……! 火球が結界に阻まれて掻き消えた! 全然問題ないよ、クロシュちゃん!」

大盾クロシュ「……もっと、強くても……大丈夫そう……」

イリス「も、もっと強くか……。実際かなり手加減して撃ったけど……よし、それなら少しづつ強めてくよ!」

大盾クロシュ「うん!」

 *

 火炎「」ゴウッ!!
 雷撃「」バリリッ!!
 水球「」バシャン!!
 風刃「」バシュン!!

 守護結界「」パシンパシン!

 星弾「」バギュンッ!!

 守護結界「」バヂヂッ…!!

イリス「おお……星弾まで防がれちゃった! すごい!!」

大盾クロシュ「う、うん……」フラフラ

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…

イリス「わっ……! だ、大丈夫!? もしかして当たっちゃった……!?」

半スライムクロシュ「んーん……。でも……すこし、つかれちゃった……」モニョモニョ

イリス「そっか……。それじゃあ今日はもうおしまいにしよう。あれだけ防御できたんだから、実戦でも十分使えるはずだよ!」

半スライムクロシュ「うん……」モニョニョ

 ☆クロシュが防御経験を3積みました

 ◇
182 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 19:03:45.25 ID:Vb+rNfVt0
エバンス「とうっ!」ダンッ!

 風船パラシュート「」バサッ! フワフワ…


ミスティ「……私も何か新しい技を開発すべきかしら」

 フワフワ…ストッ

エバンス「ミスティちゃんも新技開発か?」

ミスティ「ええ。せっかく近接戦闘も学び始めたわけだし」

エバンス「なるほど。つっても、ミスティちゃんは現時点でかなり多芸だと思うぞ。普通の戦士じゃできないことがいくらでもできるし、あの瞬間凍結なんか決まればほぼ一撃必殺だろ?」

ミスティ「相手によるわ。この前の雷球みたいな実体を持たない相手を凍らせるのは難しいし、大きすぎる相手も凍らせ切れない」

エバンス「そんな例外あんまいないだろ……と思ったが最近そういう例外と戦う機会が多いな……」

ミスティ「そうでしょ? だから私も対応できる範囲を広げる必要がある」

エバンス「そういうことなら応援するぜ。それで、どんな技を新たに開発するんだ?」

ミスティ「そうね……」


↓1コンマ
01-30 思いつかなかった 魔法経験+1
31-60 氷の爆弾 剣経験+1、魔法経験+1
61-90 氷の機雷 剣経験+1、魔法経験+2
91-00 吹雪招来 剣経験+2、魔法経験+4
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 19:05:29.32 ID:TXGqbsMDO
184 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 19:49:53.63 ID:Vb+rNfVt0
 雪玉?「」ポン

エバンス「これは……雪玉か?」

ミスティ「まあ見てて」スッ

 ポイッ
 氷の爆発「」バンッ!

エバンス「うおっ冷たっ!」

ミスティ「成功ね……」

エバンス「けっこう離れた位置で爆発したのに、こっちまで冷気が飛んできたぞ」

ミスティ「まあ爆弾だし、生半可な威力じゃ攻撃にならないでしょ」

エバンス「そりゃそうだ」

ミスティ「氷を遠距離に飛ばすと、遠くなるほど威力が減衰するっていう弱点があったのよ。でもこれなら距離に関わらず威力は変わらないわ……!」

エバンス「おお! そういう設計思想だったのか!」

ミスティ「ええ。意外と上手くいって良かったわ」

 ☆ミスティが氷の爆弾を作れるようになりました
  さらに、剣経験と魔法経験を1づつ獲得しました

 ◆
185 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 20:05:46.59 ID:Vb+rNfVt0
―ユーシリア帝国への旅路 2日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    太陽のメダリオン
属性大全        踊り子の双剣      暗黒優待券
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  冒険者証(ランク1)
氷精の魔導書      精霊のローブ      大魔女帝国渡航権
ブラッドワイン*3               かたたたきけん
マッスルワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼殺ワイン*1               風船印のパラシュート
綺麗な砂                    ラティア勲章
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[2/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・剣技[3/6](クロシュ)
・魔法[3/6](クロシュ)
・防御[3/6](クロシュ)
・魔法[2/16](イリス)
・剣技[4/6](ミスティ)
・魔法[4/16](ミスティ)
・剣技[9/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[5/16](ローガン)
・魔法[2/8](ローガン)
……………………………………………………………………………………
186 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 20:07:04.85 ID:Vb+rNfVt0
―ユーシリア平原
 街道

 広大な平原「」ヒュオオオオ――…
 生い茂った草「」ワサワサ

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「のどかな平原だねえ。植物も元気いっぱいだよ」

ミスティ「のどかなのは良いけど、道の中にまで草が伸びてきててちょっと走りづらいわ……」

ローガン「ううむ……以前よりもかなり草が茂っているな。街道の整備が行き届いていないのだろうか……?」

妖精「いや……これは――」

 生い茂った草「」ワサワサ

妖精「――世界樹の光の影響かも」

ローガン「なに……?」

エバンス「世界樹の光の影響で草が伸びるのか……!?」

妖精「うん。やっぱりここに落ちたのは、地属性の光だったみたい。地属性の力がこの土地に行き渡って、大地の持つ命を育む力を活性化させてるんだと思う」

クロシュ「わあ……!」

イリス「すごい! 世界樹の光が落ちたことでこんなことになる場合もあるんだ!」

妖精「うーん……でもそれは地属性の力の一側面でしかないと思うんだよね。他に考えられるのは――」

 ドオーンッ!!
 ゴゴゴゴゴッ!!

 強化ソリ「」グラグラッ

イリス「うわあ!?」

クロシュ「わわっ……!」

ミスティ「くっ……!? こ、これはまさか……!!」

エバンス「じ、地震か……!!」

妖精「そう……。これが、地属性の力がもたらす……もう一つの影響だよ」

ローガン「これが散発的に来るとなるとかなり厄介だな……!」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-35 遭遇
36-50 食料発見(コンマ)
51-65 場所発見(コンマ)
65-80 良いこと(自由安価)
81-95 旅は道連れ
96-00 旅は道連れ(稀)
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 20:07:42.78 ID:8+NLHz4N0
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 20:07:48.27 ID:Wer/3dN6o
おー
189 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 20:16:06.43 ID:Vb+rNfVt0
良いことがあり、そして何者かと遭遇します

↓1自由安価 起こった良いこと

↓2コンマ
01-30 クロシュヴィア
31-60 ブラッド
61-90 金髪おさげ少女の率いる小隊
91-00 黒騎士
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 20:16:55.53 ID:TXGqbsMDO
移動魔法図書館登場
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 20:17:15.92 ID:o8gRTq21o
えいえい
192 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 21:28:54.80 ID:Vb+rNfVt0
 強化ソリ「」シャーッ

イリス「……ん? ええっ!? ちょ、ちょっと待ってミスティ!!」

ミスティ「何……んん!?」

妖精「なあに、二人して変な声出して……えっ!!?」


 浮遊する謎の扉「」フヨフヨ


エバンス「なんだありゃ!? 扉が浮いてるぞ!?」

イリス「ローガンさん! あれってユーシリアではよくあるものなんですか!?」

エバンス「いや、あんなものは私も初めて見た……」

ミスティ「……近付いて見る?」

妖精「危なくないかなあ……。中から恐ろしい怪物が出てくるかも……」

イリス「でも気になるし行ってみよう!」

 *

 浮遊する謎の扉「」フヨフヨ

妖精「……邪悪な気配は感じられないけど……だからって危険でない保証はどこにもないよ」

イリス「でも……この扉の先に何か凄いものがあると、魔法使いの勘が告げています!」

ミスティ「同感よ。この先に凄く良いものがある気がするわ」

妖精「わかったよぉ……。でもくれぐれも注意してね? 危なくなったらすぐに引き返すよ?」

イリス「はい!」

クロシュ「ん!」

エバンス「よし、意見はまとまったな! 開けるぞ……」ガチャッ

 浮遊する謎の扉「」ギィィィ…

 *
193 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 21:30:25.66 ID:Vb+rNfVt0
―???


 無限に続く本棚「」コオオオ…


エバンス「うお……!? こ、こりゃあ……」

ローガン「なんという圧倒的な本の数だ……! 天井も、奥行きも、見渡せん……!」

イリス「これって、まさか……伝説の、アカシャ図書館じゃ……!!?」

ミスティ「嘘でしょ……。アカシャ図書館なんて実在するわけ……」


「縺薙s縺ォ縺。縺ッ縲ゅh縺?%縺昴>繧峨▲縺励c縺?∪縺励◆」


妖精「!?」バッ
クロシュ「わ……!」
イリス「な、な、な……」


不定形の何か「縺ゅ≠縺励∪縺」縺溘?ょ、ア謨怜、ア謨」

 グニョグニョ…ポン!

黒い妖精「失礼しました。これで通じますか?」フヨフヨ


ミスティ「よ、妖精に……なった……!?」

黒い妖精「あなた方の中で、最も長く生きている方の姿を参考にさせていただきました。ヒト、またはスライムの姿の方が相応しいですか?」

妖精「い、いや……好きにすれば良いと思う。ええと……まず、何から聞けば良いのか……」

黒い妖精→司書「申し遅れてしまいました。私はここの司書のような役職を務めております。名前は特にないので、お気軽に司書とお呼びください」

イリス「司書……さん。ええと、この……図書館?は、一体……?」

司書「ここは、時の始まりから終わりまで、あらゆる知識と記録が集まる場所です。あなた方にとっては紙の本が所蔵された図書館という媒体が、最も相応しい形態だったのでしょう」

妖精「……来る者によって、姿形が変化するの?」

司書「はい。あなた方にもわかりやすい例を挙げるなら、巻物や石板が収められた場所となったこともあります」

イリス「す、すすす……すごい!! やっぱり伝説は本当だったんだ! アカシャ大図書館は実在したんだ!!」

司書「この場所をそのように呼称する方もおりますね。正式名称は特にないので、ご自由にお呼びください」

ミスティ「……ここにある本を読めば、あらゆる知識、記録が手に入るということ?」

司書「はい。しかし本来、ここは意識を有する者が入れる場所ではございません。ここを出れば、ここで知り得たことの全ては水泡の如く消え失せるでしょう」

イリス「そ、そんな……!」

エバンス「まあ……そんな美味い話はないよな」

司書「しかしあなた方はどうやら、運命神の祝福を受けているご様子。もしかしたら、ページ1枚分くらいであれば知識を持ち帰ることも不可能ではないかもしれません」

妖精「……ここで過ごす時間は、外界の流れと同じ?」

司書「いいえ。ここは全ての時を超越せし空間。扉を出れば、あなた方は元の時間、場所に戻れましょう」

ミスティ「……どうして、あの平原でここの扉が浮いていたの?」

司書「この星は時空を歪める力で溢れているので、時折入口が開かれてしまうことがあるようです。今回もそのような偶然が発生したものかと思われます。ここをアカシャ図書館と名付け伝説として広めた方も、元はそのような偶然から迷い込み、奇跡的に知識を持ち帰ることのできた人物なのでしょう」

エバンス「理解が追いつかねえ……。でも、ものすごく幸運だってことはわかるぜ!」

司書「どうします? 閲覧されていきますか?」

イリス「……いいよね!? これだけの知識、読まない方が損だし!!」

妖精「まあ……。でもなんだかちょっと不安だし、いくら時間が流れてないとしてもなるべく早く戻ろうよ」

クロシュ「うん……!」

↓1コンマ
01-50 全部忘れました
51-90 全員得意分野の経験+1
91-92 イリス  星属性LVUP
93-94 ミスティ 氷属性LVUP
95-96 ローガン 守の極意
97-98 エバンス 剣の極意
99-00 クロシュ ???
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 21:33:17.38 ID:FrrMyiW+0
195 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 21:41:02.91 ID:Vb+rNfVt0
―ユーシリア平原

 ヒュオオオオオ――…
 生い茂った草花「」サワサワ…

イリス「……あれ?」

ミスティ「……くぐったら消えたわね。あの扉……」

エバンス「なんだったんだろうな? 怪奇現象か?」

ローガン「ううむ……。私が騎士であれば、不審な扉が浮いていたと急いで報告に戻ったところだが……」

妖精「変なこともあるんだなあ……。まだまだ知らないことがいっぱいあって退屈しないよ。この世界は」

クロシュ「……」モニョニョ

 ◆
196 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 22:26:15.42 ID:Vb+rNfVt0
―夕方
 ユーシリア湖 湖畔


 大きな湖「」ユラユラ


 強化ソリ「」シャー

イリス「おお〜広大な湖!」

ミスティ「絶景ね……」

ローガン「ここはユーシリア湖。ユーシリア帝国内で最も大きな湖だ。豊富に淡水を確保できる貴重な場所でもある」

妖精「良い雰囲気の湖だね。急ぎの旅じゃなければ、少しくらいゆっくりしていきたかったところだけど」

ミスティ「じゃあ今夜はここの湖畔で野営しましょうか」

エバンス「そろそろ日没だし丁度良いな」

 *

―夕方
 ユーシリア湖 湖畔

 焚き火「」パチパチ
 鍋「」グツグツ

イリス「〜〜♪」



クロシュ(……ごはんまでは……まだ時間がある……)

クロシュ(ちょっと探検、してこよ……)トコトコ

 *
197 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 22:27:29.68 ID:Vb+rNfVt0
―ユーシリア湖 湖畔

 小さなお墓「」

クロシュ「……お墓」

 お供え物のリンゴ「」ポン

クロシュ「……リンゴ。きれい」


クロシュ「……」ナムナム

黒騎士「……」ナムナム

クロシュ「わ……!」

黒騎士「やあ、スライムの子よ」

クロシュ「わわ……! え、えと……わかるの……?」

黒騎士「纏う雰囲気でわかるさ。お祈りに来てくれたのかな?」

クロシュ「えと……。探検してたら……見つけたから……」

黒騎士「そうか! ここにはね、神様が眠っているんだよ」

クロシュ「かみさま……?」

黒騎士「ああ。世界を救うために身を捧げた、尊い女神様なんだ」

クロシュ「わあ……」

黒騎士「俺は女神様の騎士なんだ。だからここで、女神様を守ってる。羨ましいかい?」

クロシュ「えと……すごい、と思う……」

黒騎士「ははっ、ありがとう!」

クロシュ「……えと……わたし、クロシュって、いいます」

黒騎士→ヴァン「クロシュちゃんと言うのだね。俺はヴァン! 女神の騎士、ヴァン・アナザールートだ!」

クロシュ「わあ……!」

ヴァン「クロシュちゃんは、一人で探検しに来たのかい?」

クロシュ「えと……みんなで、首都に行く途中で……。今夜は湖畔で休もうって、ことになったから……。探検、してた」

ヴァン「ははっ、それはいけないな! 一人でフラフラ出歩いたら、他のみんなに心配をかけちゃうんじゃないかい?」

クロシュ「んゅ……。ヴァンさんは……ここの近くに、住んでるの……?」

ヴァン「そうとも! 女神様の騎士だからね、いつ何時であってもすぐに駆けつけられるようにしているのさ」

クロシュ「……でも……寂しく、ない……?」

ヴァン「女神様と一緒なのに、どうして寂しいと思うんだい?」

クロシュ「あ……そうかも……」

ヴァン「ははっ、クロシュちゃんは面白い子だ」

クロシュ「……わたしたち……ここの近くで、ごはん、食べる……。ヴァンさんも……食べる……?」

ヴァン「へえ、いいのかい? 女神様の騎士が食卓にいたら、みんな萎縮しちゃわないかな?」

クロシュ「大丈夫だと思う……!」

ヴァン「ははっ! それじゃあありがたくいただこう! みんなの元へ案内してくれるかな?」

 *
198 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 22:28:55.32 ID:Vb+rNfVt0
―夕方
 湖畔 野営地

ヴァン「こんにちは!」ガションガション!

妖精「うええっ!?」

エバンス「だ、誰だあんた!?」

ヴァン「俺はヴァン・アナザールート! 女神様の騎士だ! クロシュちゃんのお誘いで、ごはんを貰いに来た!」

イリス「め、女神様の騎士……?」

ミスティ「変な人を拾ってきたわね、クロシュ……」

クロシュ「んへへ……」


ローガン(……あれは確か、ユーシリア魔法騎士団の最精鋭にのみ与えられていたという黒鎧……。しかし黒鎧は、私が騎士団に入るよりもずっと前に廃止されたはず……。それにヴァン・アナザールートという名前もどこかで聞き覚えがある気がする……。何者だ、あの男……)

 ☆黒騎士のヴァンと遭遇し、交流を図ることができます(自由行動数+1)

野営地で一泊します
↓1〜4 自由安価 野営中何をする?
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 22:39:18.38 ID:+/Qm0si9o
ヴァンの顔を見せいと軽口をたたく
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 22:39:24.47 ID:+TCmvrmtO
ローガン 回転ノコギリを使った新技の開発をしてみる
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 22:42:17.44 ID:8+NLHz4N0
イリスとクロシュと妖精とヴァンで料理
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 22:42:44.88 ID:FmCdKehaO
今のユーシリアの情勢を聞く
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 22:43:56.97 ID:FrrMyiW+0
クロシュ
ヴァンと一緒にさらに 防御力の訓練
204 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/11(土) 22:52:15.95 ID:Vb+rNfVt0
というわけで本日はここまでとなります。次回はヴァン氏のご尊顔編、ローガン氏の回転ノコギリ技編、みんなでお料理編、ユーシリアの情勢を聞いてみよう編となります

今回はローガン氏が鋼の甲冑ゴーレムを作れるようになったり、クロシュちゃんが久しぶりに防御練習をしたり、ミスティさんが氷の爆弾を作れるようになったり、謎の図書館に迷い込んだ気がしたけど全て忘れたり、謎の黒騎士と出会ってしまったりしたようです
謎の黒騎士ヴァン氏が何者なのかは今のところ不明ですが、実のところ投下キャラクター案の内容を読むとその正体が簡単にわかってしまうらしいです。しかしクロシュたちは決して知り得ない情報なので、クロシュたちがそれを知ることになる日が来るかどうかは今はまだわかりません。がんばっていただきたいところであります

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/11(土) 23:00:21.83 ID:Wer/3dN6o
おつです
本当にスゴい人拾ってきたなクロシュちゃん
友好的な関係を維持したいがはたして
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 14:03:58.86 ID:f/Mklfoc0
おつ
まぁ高コンマでの出会いだしプラスに働きそうではある
207 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 17:05:39.91 ID:/OKfq64k0
ヴァン氏は謎の人物ですが、今のところ特に喧嘩になりそうな様子はないようです。今後どうなるかは未知数と言えるでしょう

そして実際高いコンマでの出会いなので、よほどひどいことが起きない限り良い方向に進む可能性が高いかもしれません。状況を注視していただければと思います
208 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 17:06:50.65 ID:/OKfq64k0
―夕方
 湖畔 野営地

 焚き火「」パチパチ

イリス「ヴァンさんは食べられないものとかありますか?」

ヴァン「特にはないかな?」

イリス「わかりました! あ、そういえば……食べる時は流石に兜を外しますよね……?」

クロシュ「顔……見てみたい……!」

ヴァン「俺の顔か? いいだろう」スッ

 カポッ

↓1コンマ
01-10 暗黒
11-50 濃い灰色
51-90 灰色
91-00 イケメン
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 17:07:14.87 ID:f/Mklfoc0
210 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 17:39:15.66 ID:/OKfq64k0
赤髪の灰色イケメン「改めて、ヴァン・アナザールートだ。よろしく!」ニコッ

イリス「わあ、イケメン!」

エバンス「おお……女神の騎士を名乗れるくらいの顔ではあるな」

ヴァン「フッ、そうか? まあ俺は女神の騎士だからな」


妖精(んん……? あんな肌の色の種族なんていたっけ……? テラヌス地方の人とかはもうちょっと赤みがかった褐色だし……。それに……なんというか、この気配は……)

妖精(……いや、やめておこう。ちょっと変わってはいるけど、普通に話せてるし)

 *

ヴァン「ごはんを貰いに来たとは言ったが、タダメシ食いは性に合わないんだ。できることがあれば手伝っても良いかい?」

イリス「それならせっかくですし手伝ってもらいますね」

クロシュ「わたしも、手伝う……! 妖精さんも……!」

妖精「え、私も……?」

イリス「あはは、じゃあ今日はみんなで作ろう!」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉
魚介:オオキイタニシ、ザリガニ、ウナギ
野菜:野草、ノラ豆、ゴボウの根っこ、しわしわカボチャ
穀物:ノラ米、ノラ小麦、ヤマイモ、しわしわモロコシ
果実:リンゴ、どんぐり、しわしわリンゴ
卵乳:トリの卵
特殊:スライムゼラチン、ブラッドワイン、精霊樹のジャム、お宿の焼き菓子、マジカルシュガー、マジカルスパイス
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 17:41:17.21 ID:hjealSv9O
ザリガニリンゴ
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 17:57:32.43 ID:V49c+/Xl0
ノラゴメ ウナギ
213 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 19:33:55.22 ID:/OKfq64k0
エバンス「ザリガニとウナギを取ってきたぞ!」スタスタ

 ザリガニ「」ポン
 ウナギ「」ポン

イリス「わあ、ザリガニにウナギ!」

ローガン「私は米を採ってきた。恐らく元は食用米として作られていたものが野生化したものだ」スタスタ

 ノラ米「」ポン

イリス「久しぶりのお米ですね!」

ミスティ「私は……リンゴを採って来たわ」スタスタ

 リンゴ「」ポン

イリス「わあ、綺麗なリンゴ!」

ミスティ「ただ……ちょっと気になることがあったのよ。聞いてくれるかしら、妖精」

妖精「え、私?」

ミスティ「ええ。実はもう少し離れたところでもリンゴの木を見つけたのだけれど……そこに生えていたリンゴは、これみたいに綺麗なリンゴじゃなくて、しわしわに痩せ細っていたのよ……。なんでかしら……」

イリス「えっ……!? 今のユーシリアは地属性の力が高まってるから植物も活性化してるはずじゃ……!?」

妖精「……高まりすぎてるのかも」

ローガン「高まりすぎている……?」

妖精「うん。人間で例えるなら……毎日三食、脂肪分たっぷりのステーキ肉を食べるような状態……って感じなのかも」

エバンス「うっ……ステーキは俺も好きだが、毎日三食はきついな……」

妖精「過剰な栄養がかえって健康を害するのは、動物も植物も同じ。確かユーシリアは元々肥沃な土地だったらしいから……肥沃な大地がさらに活性化しちゃったら、元々十分だった栄養が過剰になってもおかしくないかも」

ローガン「なるほど……。栄養の足りていない土地であれば丁度良くなるかもしれんが、元々足りていた場所では逆効果になりかねないということか……」

妖精「実際にそのリンゴの木を見てきたわけじゃないから、今思いついた仮説だけどね」

 *

 煮込みリンゴとザリガニとウナギの炊き込みご飯「」ポン!

クロシュ「わああ……!」

イリス「煮込みリンゴとザリガニとウナギの炊き込みご飯です!」

ヴァン「おお〜!」

妖精「つかれた……」

ミスティ「お疲れ様……。ちょっと変わった組み合わせね……」

エバンス「あまりメジャーじゃないが、煮込みリンゴを使った炊き込みご飯ってけっこう美味いんだぜ」

ローガン「うむ……ではいただこう!」

 *

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

ミスティ「なるほど……確かにけっこういけるわね……」モグモグ

エバンス「けっこう美味いだろ?」モグモグ

ローガン「ザリガニとウナギという塩気のある力強い魚介に、リンゴ果汁が染み渡った甘みのある米がなかなか合う……!」モグモグ

妖精「まあこういう食べ方も悪くないかも」モグモグ

ヴァン「リンゴにこんな食べ方があったのか……! 今度女神様にも食べてもらおう!」モグモグ

イリス「おかわりもまだあるからどんどん食べてね、クロシュちゃん!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

 ☆ごはんを食べて元気になりました
  次回戦闘時、コンマに+10の値が加算されます

 ◆
214 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 19:34:40.05 ID:/OKfq64k0
―夜
 湖畔 野営地から少し離れた場所

 回転ノコギリ「」ギャリギャリ

ローガン「ふむ……」

妖精「今度はどうしたの?」

ローガン「いや……最近回転ノコギリをあまり使っていないな、と……」

妖精「まあ元々ローガンは防御の専門だったしね。攻め手が足りてるってことでもあるし、あえてローガンが攻めに回る必要もないんじゃない? 昨日もゴーレム作りを習得したことなんだし」

ローガン「それはそうだが、私としてはいかなる状況にも対応できるようにしておきたいのだ。例えばパーティが分断された場合、攻撃が疎かになってしまうと合流も難しいだろう」

妖精「それはまあそうだけど……。そんなに焦ることないんじゃない? 今すぐ恐ろしい敵と戦う予定があるわけでもないんだしさ」

ローガン「シノホシのような恐るべき攻撃者が、いつどこで襲って来るかはわからぬ。世界樹の光を追っている我々は、楽観していられる立場ではないはずだ」

妖精「そ、そうだけどさあ……。そんなに毎日気を張ってたら、疲れちゃうよ……」

ローガン「……すまない。祖国に戻ってきたからか、少し気が逸っているのかもしれん」

妖精「いやまあ……ローガンの言うことも正しいし」

ローガン「少し素振りをしたら戻る」スタスタ

妖精「ローガン……」


↓1コンマ(連日で異なる新技開発 -5)
01-10 肩を壊した
11-50 思いつかなかった 剣経験+1
51-90 甲冑ゴーレムが回転ノコギリを装備できるようになった 剣経験+1、魔法経験+1
91-00 植物特効
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 19:34:59.93 ID:uIjpBilpo
こんま
216 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 19:56:00.66 ID:/OKfq64k0
鋼の甲冑ゴーレム「」ガショガション
 即席回転ノコギリ「」ギャリリリ!

ローガン「……うむ、悪くなさそうだ。ゴーレムの扱いにも少し慣れてきたかもしれん」

ローガン「……」


ローガン(この地にいると……嫌でも思い出す。全てが手遅れだった、あの夜のことを……)

ローガン(……実際、焦っている。焦る理由も自覚している。だが……焦らずにいることが、できない)

ローガン(こんな調子では、妖精くんの言う通り疲労が溜まり続け……いつか、大きな失敗をしでかしてしまうだろう)

ローガン(………だが……気を鎮めるには、どうすれば良い?)

  ――荒らされた室内『』グシャア
  ――広がった血溜まり『』ドプ…
  ――原型を留めていない二つの――…

ローガン(……私は未だ……何一つとして、許していない)

 ◆
217 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 20:07:14.28 ID:/OKfq64k0
―夜
 湖畔 野営地

エバンス「そういえば、ヴァンはこの国に住んでるんだよな?」

ヴァン「そうとも。より詳しく言えば、俺はこの地に眠る女神様をお守りしているんだ」

エバンス「お、おう……。まあそれはわかったけど、今のこの国の情勢とかは知ってるか?」

ヴァン「この国の情勢?」

エバンス「ああ。なんか皇帝が代替わりしててんわやんわとかなんとかって噂は聞いてるんだが」

ヴァン「……」


↓1コンマ
01-10 救済の日は近い
11-50 全然知らない
51-90 最近騒がしい
91-00 女神様のお陰だ
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 20:08:08.17 ID:f/Mklfoc0
219 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 20:32:31.62 ID:/OKfq64k0
ヴァン「うーん……わからない! ごめん! 俺はいつも女神様を守っているから他のことは少し疎いんだ」

エバンス「そ、そうか。まあそんなような気はしてたし大丈夫だ」

ヴァン「代わりに女神様の最近の情勢を教えよう! 女神様は昨日も今日も明日も健やかで慈しみ深くいらっしゃるんだ!」

エバンス「そうかあ……。あんたの言う女神様ってのはすごいんだなあ……」

ヴァン「そりゃあもう凄いぞ! なんてったって――」

 ◇

ヴァン「――という具合に、優しく美しく慈悲深いんだ!!」

クロシュ「わああ……!」キラキラ

エバンス「……」zzz



ミスティ「ま、まだ話してるわ……」

イリス「付き合ってあげられるクロシュちゃんも凄いかも……」

 ◆
220 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 20:33:32.73 ID:/OKfq64k0
―翌朝

 チュンチュン

 静かなユーシリア湖「」ユラユラ


妖精「んん〜気持ちの良い朝! やっぱり湖って良いね」ググッ

クロシュ「ん……!」ググッ

妖精「そういえばヴァンの奴は? 昨日は遅くまで熱心に語ってたけど」

クロシュ「ほえ……?」キョロキョロ

 *

―湖畔

クロシュ「??」キョロキョロ トコトコ

イリス「えっと……小さなお墓があって、そこで会ったんだよね?」

クロシュ「うん……」

ミスティ「お墓なんて、どこにもないわ……」

クロシュ「んゅ……」

エバンス「だがここにいる全員があのヴァンっていうおかしな男を目撃してるし、言葉も交わしてる。昨日使った食器だって1人分多かったんだ。幻とかじゃないと思うぞ」

ローガン「ううむ……しかしそうだとすると、何だったのだろうか……」


妖精(……空気の流れが僅かに不自然だ。多分、隠蔽の結界か何かが施されてる。頑張れば暴けなくもなさそうだけど――)


 ――ヴァン『俺は女神様の騎士なんだ!』


妖精(……これは、彼の言う女神様を守る結界なのかも。だったら勝手に土足で上がっちゃだめだよね)

妖精(そっとしておこう)

 ☆謎の黒騎士ヴァンと別れました

 ◇
221 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 20:44:20.04 ID:/OKfq64k0
―ユーシリア帝国への旅路 3日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ラティアの大盾  飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え+赤雷球
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    太陽のメダリオン
属性大全        踊り子の双剣      暗黒優待券
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  冒険者証(ランク1)
氷精の魔導書      精霊のローブ      大魔女帝国渡航権
ブラッドワイン*3               かたたたきけん
マッスルワイン*1               大魔女帝国滞在許可証
吸血鬼殺ワイン*1               風船印のパラシュート
綺麗な砂                    ラティア勲章
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[2/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・剣技[3/6](クロシュ)
・魔法[3/6](クロシュ)
・防御[3/6](クロシュ)
・魔法[2/16](イリス)
・剣技[4/6](ミスティ)
・魔法[4/16](ミスティ)
・剣技[9/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[6/16](ローガン)
・魔法[3/8](ローガン)
……………………………………………………………………………………
222 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 20:44:47.86 ID:/OKfq64k0
―ユーシリア平原
 街道

 強化ソリ「」シャーッ


クロシュ「……あと、どれくらい……?」

妖精「このペースで行けば、明日のお昼前には着くと思う」

イリス「ユーシリアの首都かあ……一体どんな街なんだろう?」

ローガン「……先に言っておくが、イスファハーンや大魔女帝国と比べれば文明の水準は低い。あまり期待はしない方が良いだろう」

エバンス「いや、その二国が異常なだけだろ……」

イリス「タワマン、だっけ……。天を衝くような巨塔がただの集合住宅なんだもん、常識が覆されたよ……」

妖精「まあイスファハーンと大魔女帝国を基準にしちゃだめなのは間違いないね、うん……」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-35 遭遇
36-50 食料発見(コンマ)
51-65 場所発見(コンマ)
65-80 良いこと(自由安価)
81-95 旅は道連れ
96-00 旅は道連れ(稀)
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 20:45:14.69 ID:QFfF2XzxO
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 20:46:30.33 ID:hjealSv9O
225 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 20:50:06.20 ID:/OKfq64k0
またしても良いことがあり、そして再び何者かと遭遇します

↓1自由安価 起こった良いこと

↓2コンマ
01-25 クロシュヴィア
26-50 ブラッド
51-00 金髪おさげ少女の率いる小隊
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 20:50:17.86 ID:dpYGENyVo
風雪ハーピィさんとエンカウント
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 20:50:54.64 ID:ZOyardII0
治癒魔法の教本を発見
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 20:51:32.05 ID:f/Mklfoc0
229 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 21:48:13.35 ID:/OKfq64k0
 強化ソリ「」シャーッ


「お〜い!」バサッバサッ


イリス「……今、何か声が聞こえたような……」

ハーピィ記者「聞き間違いではないと思いますよ。お久しぶりです皆さん」ヌッ

イリス「うわあっ!?」ドテッ

クロシュ「わ……!」

ミスティ「出たわね……」

妖精「魔族国の捏造新聞記者!」

ハーピィ記者「風評被害です!」

ローガン「風評被害を広める側だろう、君は……。しかし魔族国の記者がなぜこんなところに?」

ハーピィ記者「なんでって、ここ最近のユーシリア帝国が激アツだからですよ! 記者魂が震えて夜しか眠れないんです!」

ミスティ「ちゃんと眠れてるんじゃない……。で、たまたま私たちを見かけたから挨拶に来たってこと?」

ハーピィ記者「そういうことです。でもあなた方がいるということはやはり私の見立て通り、植物の異常状態と相次ぐ地震は世界樹の光に起因するものだったということですね」

妖精「けっこう調べてるんだ。それじゃあいろいろ教えてよ、私たちまだ首都にも着いてないから全然知らないんだよ、この国の情勢とか」

ハーピィ記者「情勢とざっくり言われても何から話したものか……。ホットな話題が多すぎる上にどれも甲乙付けがたいんですよこれが……!」

イリス「ホットな話題……」

ハーピィ記者「ええい、順番に話しましょう! まず今言った植物の異常と地震の影響について。まああえて私が言うまでもなく、作物がダメになったりならなかったりで食糧事情は芳しくない状況のようです。ただでさえでかいスラムに貧民が大勢いるような国なのに、ここからさらに食料供給がヤバいなんてことになったら……目も当てられないことになるでしょうねえ」

エバンス「ま、マジでヤバいじゃねえかそれは……」

ハーピィ記者「今はまだ王宮が緊急時用に備蓄していた食料を開放したことでなんとか凌いでいるようですけど、いつまで持つことやら。それで地震についてですが……これはあえて私が言及するまでもないですよね。地震が起きれば家屋が崩れ、住人も死にます。以上です」

妖精「……」

ハーピィ記者「妖精さんや緑の国の方々が気に病むことではないですね。王国のアホ共が世界樹の果実を狙ったのが悪いですから」

妖精「わかってるよ。気に病んでなんかないし」

ハーピィ記者「アハハ、失礼しました! でも問題はこれだけじゃないですよ……! 前皇帝が遠征中にサックリ逝ったのはご存知で?」

ローガン「噂程度には。仔細は知らぬ」

ハーピィ記者「なんか遠征中に暗殺されたらしいですよ。犯人は不明ですが、ユーシリア国内では魔族の仕業っていう見方が主流になっているようです。真相は闇の中ですがね」

イリス「それは……」

ハーピィ記者「私からはノーコメントです。まあでも、魔族差別の根強いここの国民たちにとっては、魔族の襲撃による名誉の戦死なんて物語の方がいろいろ都合がよろしいのでは?」

妖精「まあ例え本当に魔族の仕業だとしても、魔族全体にその責を問うのは間違ってるね。悪いのはその襲撃した本人だけなんだから」

ハーピィ記者「そういうことです! んで、皇帝がぽっくり逝けばその隙を見逃すほど周辺国が生易しいはずもなく――」

ローガン「攻め入られ、多くの領土を失ったそうだな。特に王国の侵攻が激しいものだったと聞く」

ハーピィ記者「その通り! 私としては人間同士どんどん潰し合えとしか思わな、ごほん!! 戦争とは悲しいものです。早くいろいろ収まると良いですね」

ミスティ「本音ダダ漏れだったわね……」

ハーピィ記者「でも面白いのが、これだけ周辺国に好き放題されても、怒りの矛先が向かうのは国内の魔族や他の非人間種なんですね。ユーシリア国内の魔族弾圧は一層過激化し、酷い有り様のようです。しかしそんな状況に一石を投じる者が一人……。なんと、それは――」



ハーピィ記者「――お、丁度面白いのが来たみたいです。私はしばらく身を隠させて頂きますので、機会があれば今夜にでもまたお会いしましょう!」バサッ ビュンッ!!

 ハーピィの羽根「」ヒラヒラ


イリス「えっ……?」

ミスティ「ん……? 街道の向こうから何かがこっちに来るわ。あれは……」

ローガン「……武装した騎士団の小隊だな。こちらは正式に入国しているのだから、問題はないはずだ。職務質問くらいはされるかもしれんが……」

 *
230 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 22:13:47.88 ID:/OKfq64k0
 騎士団の小隊「」パカラッパカラッ

 強化ソリ「」スイー…

金髪おさげの小隊長「そこの……ソリ! 止まりなさい!」

 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「……何?」

金髪おさげの小隊長「……ええと、身分を証明できるものはありますか?」

ローガン「冒険者証で構わないだろうか?」ヌッ

金髪おさげの小隊長「えっ……!? ろ、ローガン隊長!!?」

帝国騎士A「えっ!?」
帝国騎士B「なに!?」

 ザワザワ…

ローガン「……久しぶりだな、エルザくん。まさか君が小隊長を任されるようになっていたとは」

金髪おさげの小隊長→エルザ「お、お久しぶりですローガン隊ちょ……ローガンさん! え、ええと……こ、この度は……」モゴモゴ

エバンス「……旦那、けっこう偉い役職だったのか?」

ローガン「いや、そんなことはないと思うが……。とにかく、冒険者証で構わないか?」

エルザ「は、はい! もちろん構いま――」

無精髭の痩せ型騎士「おいおい、天下の魔法騎士団が下々相手にそんな態度取ってどうすんだよ隊長」ヌッ

ローガン「君は……」

エルザ「さ、サージェスさん……!」

無精髭の痩せ型騎士→サージェス「よおローガン。今更どんな風の吹き回しで戻ってきたんだ?」ニヤニヤ

ローガン「用が済んだらすぐに出ていくさ」

サージェス「用って何だ?」

ローガン「答える義務はないと思うが」

サージェス「ほう? 天下のユーシリア魔法騎士団に楯突く気か?」

ローガン「それは越権行為だろう。エルザくん、隊員の教育がなっていないようだが?」

エルザ「ひゃい!? あ、も、申し訳ありません! サージェスさん、やめてください! 越権行為ですよ!」

サージェス「へへっ、わかってますよ。冗談です、冗談」ヘラヘラ

ローガン「フッ……相変わらずのようだな」

 *

クロシュ「……」ドキドキ

 クロシュの冒険者証「ランク1」ポン

エルザ「……はい、確認終わりました。冒険者さんだったんだね。ありがとう、返すね」スッ

クロシュ「ん……」スッ


エルザ「でも、ええと……これはどういったパーティなんですか? いえ、これは職務質問ではなく単なる私個人の質問なので答えなくても構わないんですけど」

サージェス「冒険者でも敬遠するような情勢だぜ、今のこの国は。それとも義勇兵にでもなりに来たのかよ?」


ローガン(……どう答える?)

妖精(騎士団に詳しいのはローガンだし……)

クロシュ「……」


↓1〜 先取2
1.世界樹の光を探している
2.適当に誤魔化す
0.自由安価(票数は内容ごと)
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 22:15:52.50 ID:hjealSv9O
2
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 22:16:54.71 ID:uIjpBilpo
1
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 22:17:53.96 ID:ig3b9ojK0
1
234 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 23:06:06.26 ID:/OKfq64k0
ローガン(……騎士団の情報が得られれば、光の探索に役立つかもしれん。正直に言おう)

妖精(わかった)


ローガン「かなり前、緑の国フォレスティナの世界樹から光が飛んだことを知っているか?」

エルザ「えっ……!?」

サージェス「……ああ、知ってるが」

ローガン「我々はそれを探しに来た。緑の国の使者として、世界樹の光を星へ返還する為に」

エルザ「!!?」

サージェス「……」


妖精(……ね、ねえ……なんかこの反応、変じゃない?)

ローガン(う、うむ……。まさか……この小隊……いやいや、まさか……)
235 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 23:07:00.09 ID:/OKfq64k0
エルザ「……卑怯な真似はしたくないので、私も正直に言います。私たちも追っているんです。この国を脅かしている、その光を」

サージェス「チッ……」

妖精「あー……」

ローガン「……」ダラダラ

エルザ「つまり……ローガンさんたちとは、目的の競合する敵同士というわけです」

妖精「……ええと、私たち、一応緑の国の使者だから……あなたたち騎士が私たちを攻撃したら、国際問題に……」

サージェス「鎖国して国交断絶した国とどんな問題が起きるってんだ?」

妖精「ぐっ……。で、でも……あの光を放っておけばこの国がどんなことになるかわかるでしょ……!? だからここは私たちに任せた方が……」

エルザ「……あなたたちの国が光を飛び散らせたせいで、こんな事態になったのに?」

妖精「ぐえっ……」

クロシュ「よ、妖精さんたちは……そうしたくして、したわけじゃ、なくて……!」

サージェス「知らねえよ。てめえらの管理不行き届きがこんな事態を招いたんだろうが」

妖精「」

イリス(今まさに大変なことになっているこの国の人にとっては、情勢が全てだ……。私たちは妖精さんたちが悪くないことを知っているけれど……彼らにもそれをわかれと押し付けることは……)

ミスティ「は? 妖精たちは最善を尽くしたわ。何も知らない部外者が吠えないでくれるかしら」

イリス(み、ミスティ……!!)

サージェス「最善を尽くしたからなんだ? それで腐った作物が元に戻んのか? 死んだ奴が墓から這い出てくんのか? ああ?」

ミスティ「矛先が違うってのよ!! あなたたちが真に憎むべきは――」

妖精「い、いいよミスティ……。実際、私たちの管理が甘かったんだ。それが、あの結果を招いた……」

ミスティ「妖精……」

エルザ「それじゃあ……この国に落ちた光は、私たちに任せて頂けるんですね?」

妖精「……ううん。それとこれともまた別。この国が負った損害については、フォレスティナの責任として賠償する……。でも、世界樹の光は星に還さないとだめなの! 世界樹の光が星に還らない状態が長く続けば、いつか大変な崩壊が起きちゃう……!!」

エルザ「……じゃあやっぱり、敵同士ってことですね」

ローガン「エルザくん……。妖精くんの言っていることは本当のことなのだ。わかってくれないか……」

エルザ「……ローガンさんこそ……このままじゃ、世界が崩壊する前にユーシリアが壊れちゃうんです……!! ……やっぱり、捨てた国のことなんか、どうでも良いんですか……?」

ローガン「そんな、ことは……」

サージェス「ハッ、どうでも良いに決まってるだろ。妻子の命日にすら墓参りに戻らねえ男だぞ?」

ローガン「……」


エルザ「………ルクリリさんには伝えないでおきます。なるべく早くこの国から出ていってくださいね。それでは失礼します。皆、行きますよ」スッ


 離れていく騎士団小隊「」パカラッパカラッ…


ローガン「……」

クロシュ「ローガンさん……」

 *

サージェス「おい、あいつらしょっぴいて行かなくて良いのかよ? 敵だろ隊長」パカラッパカラッ

エルザ「彼らに本気で抵抗された場合、互いに甚大な被害が出ます。私は小隊長なので、隊員の身の安全を優先しなければなりません」パカラッパカラッ

サージェス「……模範解答どうも。ま、確かに俺もまだ死にたかねえや」パカラッパカラッ


エルザ「………どうして……こんな時に、そんな理由で戻ってきたんですか……。ローガン隊長……!!」ギリリ

 ◆
236 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 23:20:48.93 ID:/OKfq64k0
―夜
 街道沿い 野営地

 焚き火「」パチパチ

ローガン「……」

妖精「……」


スライムクロシュ「……」モニョニョ…

イリス(く、空気が……重い……!)

ミスティ(くそ、あいつら好き勝手言ってくれて……)

エバンス(今までで一番深刻みたいだな……この国は……)

ハーピィ記者「いやー大変でしたねえ! でも良かったじゃないですか、ここの国の生の感情を浴びることができて!」バササッ

妖精「うわあ!」

ローガン「ぬう……」

イリス「き、記者さん!」

ハーピィ記者「わかりました? 今回の国は今までとはちょっと違うかもしれませんよ。少なくとも国家権力の協力は簡単に得られないと思った方が良い。この国の宰相さんが血眼になって光探索を命じているみたいですから」

ローガン「宰相が……?」

ハーピィ記者「まあはぐれ者同士、今夜は一杯やりましょう! 聞きたいことがあれば答えてあげますから!」

 ☆ハーピィ記者と交流することができます(自由行動+1)

野営地で一泊します
↓1〜4 自由安価 野営中何をする?
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 23:22:12.50 ID:f/Mklfoc0
ハーピィに国に協力できそうな人がいないか聞く
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 23:23:04.10 ID:ig3b9ojK0
ローガンに当時の魔法騎士団はどんな感じだったかリチャードやさっきの人達以外どんな人がいたのか聞いてみる
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 23:23:24.86 ID:hjealSv9O
フラナに手紙で相談してみる
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 23:27:13.71 ID:Uz/9GmTEO
クロシュ
スピリチュアルジェルがやってた
スライム交信を試みて帝国の話を聞いてみる
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 23:28:17.04 ID:3WTTHDAYO
この国の魔族のアジト的な所の情報を求める
242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/12(日) 23:34:58.95 ID:/OKfq64k0
というわけで本日はここまでとなります。次回は協力者がいるか聞こう編、魔法騎士団の人員編、フラナ先生相談室編、クロシュのスライム交信編となります

今回は謎の黒騎士ヴァン氏と交流してみたり、ハーピィ記者氏が突然やってきたり、魔法騎士団の方々に本気の怒りをぶつけられてローガンさんと妖精さんのメンタルがデロデロになったりしたようでした
実のところエルザ氏は優しい女の子なのですが、今回はとても状況が悪かったとしか言えないかもしれません。サージェス氏は元から優しくないですが、状況も実際悪かったと言えるでしょう。設定的には一番やばそうなヴァン氏との交流が実は最も和やかだったようです。ローガン氏の明日はどっちなのか。あかちゃんスライムのクロシュに、この大変な国で何ができるというのか――

それでは本日もありがとうございました。次回、明日もたぶん更新できると思います。よろしくお願いいたします
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/12(日) 23:46:30.37 ID:Uz/9GmTEO
歴代で一番ピンチの国ユーシリア
伊達にずっと選択されなかっただけはある
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 00:46:39.80 ID:gxp4CpOZo
おつおつー
皇帝に無策で会いに行ったら、というか会えないかもなこれ
ローガンさん、やっぱりまずい失踪の仕方してたんですね…
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 00:54:10.84 ID:V/B3fPlLO
今でこそパーティーの頼れる年長者だけど、初期は自暴自棄の気配あったからねローガンさん……
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 01:34:31.55 ID:zpo/dJ6l0

エルザは魔法騎士団のメンバーだったのね。キャラ募集した魔法騎士団のメンバーが登場しているから他の魔法騎士団のメンバーもどう登場するかクロシュ達とどう関わっていくことになるのかな。
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 12:24:23.33 ID:ltmxKEBOO

そのうち実りの光巡って戦争とか起きない・・・よね?
248 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 17:10:25.85 ID:5V1yIjm10
既に世界樹の光が飛び散ってからけっこうな日数が経過しており、そのうえ前皇帝の殺害、高継承順位者にも相次いだ謎の病気の蔓延、他国の侵攻、魔族弾圧とその反発なども重なり、ユーシリアはとても不安定な状況のようです

現皇帝はおそらく今とても忙しい立場なので、簡単に会うことはできないでしょう
エルザ氏の言動を聞く限りでは、ローガン氏は当時それなりに慕われていたのかもしれません。しかし今は部外者なので、当時の名声が役に立つかどうかはわかりません

登場初期のローガン氏は、無駄死には御免被るが若い女子を守って死ぬなら悪くないみたいな適当な考えで魔族革命に参加するようなおじさんでした。実のところ今でもそういう面がないわけではないのですが、最近はクロシュたちとの交流のかいあって少し前向きかもしれません

エルザ氏はユーシリア帝国魔法騎士団に所属しているとのことです。ユーシリア帝国軍の中でも、魔法騎士団は優れた武勇か血筋を持つ者しか入団を認められないエリート集団のようです。他の団員とも縁があれば会う機会はあるかもしれません。しかし今のところ、魔法騎士団とは敵対関係になる可能性が高いかもしれません

世界樹の光はほうぼうに飛び散っており、残るはユーシリア帝国とオノゴロ諸島のようです。ユーシリア帝国は実際のところ周辺国から虎視眈々と狙われている現状ですが、最近は魔法騎士団の奮闘もあり、以前ほどの侵攻は許していないようです。そしてオノゴロ諸島ですが、実のところ最近島の周辺の海流が激しさを増しており、他国が狙おうにも島に近づくことさえできない状況である……という噂です
249 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 17:10:54.64 ID:5V1yIjm10
―夜
 野営地

イリス「じゃあ、国家権力以外で協力してくれそうな人はいないんですか?」

ハーピィ記者「今はどの勢力も旅の一行なんかに肩入れしてられる状況じゃないですからねえ。あまりおすすめはしませんけど、魔族連合とかなら条件次第で協力してくれるかもしれませんよ」

ミスティ「魔族連合……?」

ハーピィ記者「この国で迫害されてる戸籍のない魔族たちをまとめて独立運動を起こしている勢力です。当然反政府的な面も併せ持ってますから、王宮が探している世界樹の光を横取りできるとなれば力を貸してくれる可能性がありますよ」

ローガン「むう、反政府組織か……」

ハーピィ記者「はい。ですから、そんな組織と手を組むこと自体がリスクと言えます。ただでさえあなたたちは魔法騎士団に目をつけられちゃったわけですし」

ミスティ「……もう目をつけられているのだから、むしろ気兼ねなく反政府の立場に立てるとも言えないかしら?」

ハーピィ記者「わお! ミスティさんロック……! イリスさんよりダークヒーローの素質があるのでは?」

ミスティ「え、いやダークヒーローはイリスの方が似合ってるでしょ」

イリス「なんでよ!?」

ハーピィ記者「他は……特にいないと思いますね。流石にスラムのガキンチョ共なんかは役に立たないでしょうし」

エバンス「スラムのガキンチョ……?」

ハーピィ記者「武力だけはある無軌道な子供の集団がいるんですよ。でも武力しかないし、目先の損得と好悪感情で身勝手に暴れ回る危険物なので、はっきり言って関わらない方が良いです。獣の群れみたいなもんですよ」

イリス「そ、そんな子たちが……」

ローガン「ううむ……スラムの問題は未だに解決していないか……」

ハーピィ記者「……ああそうそう。もしカラスのハーピィと出くわしても、関わらない方が良いです」

妖精「カラスのハーピィ? 急だね」

ハーピィ記者「まあ……ちょっと因縁がありましてね。自称情報屋ですが、その中身には捏造と誤情報と扇動しかありません。今回もどうせユーシリアの滅亡を肴にしようとハゲタカの如く飛んできたんでしょう」

ミスティ「……それあなたのことじゃなくて?」

ハーピィ記者「失礼な! 私は憶測や誇張はしますが、根も葉もないデタラメは決して記事にしません! 今回もまあ……滅亡まではそんなに望んでないですよ、たぶん」

 *
250 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 17:11:49.42 ID:5V1yIjm10
ハーピィ記者「はあ全く。善意でこんなにたくさんの情報を提供したというのに、悪徳記者扱いは流石に凹みます」

ミスティ「ごめんなさい、冗談よ。助かったわ」

ハーピィ記者「ええ、是非役立ててください。そうだ、ローガンさんって元魔法騎士団員だったんですよね? いろいろ教えてあげた代わりに、インタビューさせてもらっても良いですか?」

ローガン「む……まあ、構わないが……。我々の不利になるような記事は書かないで頂けるなら」

ハーピィ記者「大丈夫ですよ! あなたたちは人間ですけど、魔族国の賓客でもありますからね」

妖精「騎士団の情報は私も聞いておきたいかな。今後もし敵対することになった場合、相手の情報があれば対策も立てやすい。その、ローガンにとってはつらいかもしれないけど……」

ローガン「いや、構わない。元より覚悟はできている。知っていることを話そう――」

 *

ローガン「……というわけで気を付けるべき相手は、今日会った『弓使いのエルザ』、『メイス二刀流のノエル』、『金属魔法使いのルクリリ』だ。また直接出くわす可能性は低いが、もし出会ってしまったら危険なのが『最高司令官のエドワード』、『指揮官のマーズ』、『教官のリュウゼン』だろう。リュウゼンは高齢ゆえ、既に退役している可能性もあるが」

ハーピィ記者「ふむふむ、なるほど……。私が調べた騎士団の実力者とも概ね一致しますね」

ローガン「エルザは射手として優れているだけでなく、回復魔法による後方支援も得意としていた。彼女の率いる小隊と交戦する場合、真っ先に討ちにいかねばジリ貧を強いられるかもしれん。もちろん、彼女もそう容易く討たせてはくれぬだろうが」

イリス「回復魔法……!」

ミスティ「撃ち合いは避けた方が良いのかしら……」


ローガン「ノエルはメイス二刀流に目が行きがちだが、その真に厄介な点は、奴の模倣魔法だ。実際に交戦するまで、奴が何の魔法を保持しているかわからぬ」

イリス「模倣魔法……!?」

ミスティ「噂程度には聞いたことがあるけれど……。それって、イリスの星魔法とか、クロシュの反映魔法も模倣できるのかしら?」

ローガン「理論上は可能だろう。ただ、戦闘中に敵対者の魔法を模倣する可能性は低い。いくら模倣できたとしても、使い慣れていない魔法など事故の元だからな。まあ一発限りの不意打ちで模倣してくる可能性も全くないとは言えないが……」

イリス「ミスティの瞬間凍結なんて模倣されたらたまんないですよ!」

ローガン「いや、氷属性については安心して良いかもしれん。いつだったか、奴は闇属性と氷属性だけは模倣したくないと言っていたことがあった。なんでも属性の質が他と全く違っていて制御できなかったらしい。あの瞬間凍結を模倣したら、最悪自分の体が凍結してしまうのではないかな」

ミスティ「まあ……あれってかなりの修練と集中が必要な魔法だから、もし簡単に模倣されたら凹むわね……」

ローガン「その点は奴も同じだ。模倣した魔法も修練が足りなければ上手く使えない場合が多い。逆に言えば、しっかり修練すればどんな魔法も使えるということでもある。闇と氷以外ならな」

ミスティ「闇と氷……。これも、負の属性っていうやつが関係しているのかしら……」


ローガン「そして金属魔法使いのルクリリ。彼女も前二人に負けず劣らず、厄介な術師だ」

イリス「金属魔法……ローガンさんの鋼魔法……よりは、フォレスティナのマーベルさんの魔法が近いのかな?」

ローガン「確かに、私よりはマーベル氏の魔法の方が近いだろうな。しかしマーベル氏とは決定的な違いがある。彼女自身は金属を創造できないという点だ」

ミスティ「金属を……創造できない」

ローガン「うむ。ゆえに彼女は、金属のない場所ではほとんど魔法を使えないという大きな弱点がある。ただ、問題なのは……現代における装備のほとんどは、金属でできているということだ」

エバンス「げっ……! てことは――」

ローガン「うむ……。もし彼女が強い殺意を持って我々の金属製武具に触れれば、それはたちまち我々の体を串刺しにする凶器と化す。彼女との接触は絶対に避けねばならぬ」

エバンス「俺は剣と槌だけだからまだ良いが、ローガンの旦那は全身鋼だから全身弱点ってことになんのか!」

ローガン「うむ……。もし彼女と他の騎士が共に攻めてきた場合、極めて厳しい戦いを強いられることになるだろう……」

ミスティ「金属操作……恐ろしい魔法ね……」

イリス「そういえば、エルザさんが去り際に『ルクリリさんには黙っておく』って言ってましたけど……あれはどういう意味だったんですか?」

ローガン「……わからん。なぜルクリリくんの名前があの場で出たのか全く検討が付かぬ。できればルクリリくんだけでなく、司令官や指揮官にも黙っていて欲しいところだが……」

 ◇
251 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 17:13:34.09 ID:5V1yIjm10
―夜
 野営地

 焚き火「」パチパチ

イリス「さて、こんな時は先生に相談だよね」カキカキ

ハーピィ記者「既に想定されていたようですよ。はい」スッ

 フラナからの手紙「」ポン

イリス「うわあ!? なんで!?」

ハーピィ記者「次は恐らくユーシリアだろうからと、先んじて私に持たせたようです。無事に渡せて良かったですね」

イリス「ま、まあありがたいですけど」

ハーピィ記者「何が書いてあるかは私も知らないので、早く開けて読んでみましょう!」

ミスティ「あなたも読む気満々ね……」


↓1コンマ
01-10 フレメアから果し状が届いたから決着を付けてくるわ
11-90 ユーシリア大図書館に向かいなさい
91-00 良いものを贈るわ
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 17:19:21.80 ID:gxp4CpOZo
さすが!
253 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 18:04:29.78 ID:5V1yIjm10
手紙『ユーシリア大図書館に向かい、そこの管理人を頼りなさい。話はもう付けてあるから、あなたたちに協力してくれるはずよ』

イリス「わあ!」

ミスティ「……あっさり見つかりそうね。協力者が」

ハーピィ記者「大図書館は盲点でした……! やっぱり面白い人脈がありますねえ、あの人」

 *

イリス「というわけで、まず図書館に行こうよ!」

妖精「わかった! これで協力が得られれば凄く助かるなあ」

ローガン「大図書館の管理人……変わりなければ、魔術顧問のパティ殿だろうか」

ハーピィ記者「そういえばフラナさんの文通相手にパティ氏の名前を見たことがありましたね」

ミスティ「どんな人物なの?」

ローガン「……変わった方だ。滅多に図書館から出ないが、国内や騎士団の情勢を熟知しており、必要があれば皇帝や宰相に助言を行うこともある。そして私が子供の頃からずっと若い女性の姿のままだ」

イリス「典型的な魔女ですね……」

妖精「……この国では、魔女の扱いはどうなってるの? 聞く限りだと、その人は既に人間を逸脱していると思うけど……」

ローガン「私が務めていた当時は特に何もなかったはずだ」

ハーピィ記者「反魔族感情が高まっている今は、ちょっと怪しいかもしれませんね。下手したら、人間なのに魔族に与する裏切り者だなんて言われて、魔族以上に苛烈に攻撃されるかもしれませんよ。人間は敵以上に裏切り者に厳しい生き物なので」

妖精「……人間を逸脱した魔女や魔法使いへの迫害は、この国以外でも時々起こる現象だからね。もし危ない立場にいるなら、早く会った方が良いかも」

 ◇
254 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 18:05:12.49 ID:5V1yIjm10
 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「……」モニョニョ…グググ…

妖精「……? クロシュ、何してるの?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「え、あのステラスライムがやってたみたいに、星脈を通して他のスライムとお話?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョ

妖精「まあ理論上は可能かもしれないけど……。試すだけ試してごらん」

スライムクロシュ「!」モニョニョ!

 デロデロ…モニョモニョ…

 竜珠の杖「」カッ!

↓1コンマ
01-05 クロシュヴィア『クロシュちゃんも来たんだ……』モニョモニョ
06-10 ブラッド『面白いことやってるじゃん』モニョモニョ
11-30 レッサースライムたち『〜〜』モニョモニョ
31-50 野良スライムたち『なあに〜?』モニョモニョ
51-70 帝都のシティスライムたち『来ない方が良いよ〜』モニョモニョ
71-90 王宮にいる森スライム『わあ、初めまして〜』モニョモニョ
91-00 ??
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 18:10:39.08 ID:zfmdpgr7O
はてな
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 18:18:09.76 ID:gxp4CpOZo
赤いの!
257 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 19:03:44.87 ID:5V1yIjm10
―??

 遥か彼方の空に浮かぶ白い光「」ユラユラ

 地上に瞬く無数の光「」チカチカ


クロシュ「〜〜……」モニャニャ…デロデロ…

白銀スライム「クロシュちゃん!」モニョッ!

クロシュ「わっ……! 銀色の、スライムちゃん……!」モニョニョ!

白銀スライム「クロシュちゃんもできたんだ! えへへ、いつでもお話できるね……」

クロシュ「んゅ……でも……むずかしい……」デロデロ…

白銀スライム「そ、そっか……。それじゃあ私を中継してみて。そうすれば、クロシュちゃんの負担を減らしてあげられると思う」

クロシュ「わ、わかった……」モニョニョ

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

クロシュ「わあ……。楽になった……」

白銀スライム「良かった。通信したい時はいつでも言ってね」

クロシュ「うん……!」


ブラッド「へえ、面白いことやってるじゃん。お前たち」モニョッ


クロシュ「わっ!」

白銀スライム「わわ……! あ、赤い……スライムさん?」

ブラッド「ふうん……地下を流れる魔力の網を媒介にして交信できるのか。分体と交信できれば凄く役立ちそう」

白銀スライム「す、すごい……やり方、わかったの?」

ブラッド「そこの鈍臭い奴のお陰でね。こんな通信方法があるなら早く知っておけば良かった」

クロシュ「えっと……悪いことには、使わないでね……」

ブラッド「悪いことって何さ。便利なものは便利に使うだけでしょ」

クロシュ「んゅ……」

ブラッド「……ん? お前……その気配、私の分体を食った?」

クロシュ「あ……うん……。えっと……カリス・ノーランドのとこに……捕まってて……」

ブラッド「チッ……。まあ、分体を食ったこと自体は別に責めないよ。弱った奴が食われるのは当然のことだもん。でもカリス・ノーランドとかいうゴミクズはいつか必ず殺す」

白銀スライム「わ、わわ……。あ、危ないことは……」

ブラッド「はあ……どうしてスライムってのはこう、のろまそうな奴ばっかりなの……。だから他のクズ共にいつも食い物にされるんだよ。特にそこの、まだ人間のペットをやってる黒いの」

クロシュ「ほえ……」

ブラッド「………ふうん。お前今ユーシリアにいるんだ。ユーシリアっていえば最近けっこうやばいらしいけど……そうだ!」

クロシュ「?」

ブラッド「放っておいてもそのうち滅亡するだろうけど、せっかくだし引っ掻き回してやろう! 思い上がった人間共にわからせてやらないと」

白銀スライム「わ、わわ……!」

クロシュ「だ、だめ、だよ……!」

ブラッド「統制を失った群れが他者に食い殺されるなんて自然の摂理でしょ。何が悪いのさ」

クロシュ「んゅ……」


どうしよう……
↓1〜 先取2
1.無益な殺生は良くないからと言う
2.恨みを買うことになるからと言う
0.自由安価(票数は内容ごと)
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 19:05:24.64 ID:BfgOhotvO
2
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 19:07:28.85 ID:4UoC0V66o
0
ブラッドちゃん
命を大事に と説得
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 19:15:07.21 ID:lyYXi5oWO
2
261 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 19:36:41.97 ID:5V1yIjm10
クロシュ「ブラッドちゃんが……恨まれちゃう……」

ブラッド「??」

クロシュ「えと……。わたしの、仲間の……ミスティさんが……。ブラッドちゃんが、街を滅ぼしたって……誤解、してて……。ずっと、ブラッドちゃんを、恨んでて……。いつか絶対、殺すって、怒ってた……。その誤解は、解けたけど……もし、ユーシリア帝国で、酷いことしたら……今度は、ほんとに……」

ブラッド「……なあにそれ。あたしのことを心配とかしてるつもり?」

クロシュ「えと……そう、かも……」

ブラッド「……」


↓1コンマ(分体を助けた+10)
01-30 馬鹿にしてるの?
31-60 だからのろまスライムって嫌い
61-90 お前、むかつく……
91-00 ??
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/13(月) 19:37:19.32 ID:gxp4CpOZo
うむむ
263 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 19:55:11.44 ID:5V1yIjm10
ブラッド「……だからのろまスライムって嫌い。弱虫の癖に、同族のことは無駄に心配なんかして」

クロシュ「んゅ……」

白銀スライム「クロシュちゃんは……ブラッドちゃんのこと、本気で、心配してるんだよ……!」

ブラッド「だからのろまだって言ってるの! 力量もわからずに心配なんて、失礼なやつ! 復讐者なんていくら来ようが全員返り討ちにすれば良いだけじゃん!」

クロシュ「で、でも……すごく強い人が来たら……」

ブラッド「ちっ……まあ、気が向いたらやめといてあげる。放っておいても勝手に滅ぶだろうしね」

クロシュ「!」パァァァ

白銀スライム「!」パァァァ

ブラッド「……」

 ◇

―夜
 野営地

 焚き火「」パチパチ

スライムクロシュ「!」モニョ!

妖精「あ、起きた。どうだった? できた?」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「ブラッドちゃんに、会った……!」

妖精「ええ!?」

クロシュ「ユーシリアに、酷いことしようと思ったけど、やめるって……!」

妖精「そ、そうなんだ……。なんでやめたの?」

クロシュ「えっと……恨みを買うのは良くないって、わたしが、言ったから……?」

妖精「……そんなことであのブラッドがやめるかなあ……?」

 ◇

―少し離れたところ

分体ブラッド「あ、あいつ……気が向いたらって言ったのに! 勝手に断定するな、馬鹿!」

分体ブラッド「……本当、鈍臭いのろまスライム。やっぱり一回躾けてやろうかな……」

分体ブラッド「……」

分体ブラッド「………仲間でもない奴の心配なんてする? 普通……」

 ◆
264 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 21:46:32.64 ID:5V1yIjm10
―翌日
 ユーシリア平原 街道


 強化ソリ「」シャーッ


ハーピィ記者「もうすぐ着きそうですね。それじゃあ私はここら辺で! 陰ながら応援してますよ!」バサッ ビュンッ

 ハーピィの羽根「」ヒラヒラ

イリス「あはい! お元気でー!」

ミスティ「急に来て急に行ったわね……」

妖精「でもいろいろ教えてもらえたのは収穫だった。後は現地で確かめよう」

 *

―ユーシリア帝都 城門

ユーシリア衛兵「よし、通れ!」カン!

 城門「」ゴゴゴゴゴ…

妖精(問題なく通れそうだね)

ローガン(うむ。我々のことは伝わっていないようだ。まだ伝わっていないだけなのかどうかはわからんが)

ミスティ(とりあえず通るわよ)

 強化ソリ「」スイー…

 *
265 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 21:47:01.79 ID:5V1yIjm10
―ユーシリア帝都

 ヒュオオオオオ――…

俯いて歩く女性「」トボトボ

のろのろ歩く老人「」ノロノロ

たむろする子供たち「ハラへったな〜……」
たむろする子供たち「なんかくれねえかな〜……」

痩せた男性「……うるせえぞガキ共!! 往来にたむろしてんじゃねえ!!」

逃げる子供たち「そっちがうるせ〜!」タタタッ
逃げる子供たち「死んどけクソジジイ〜!」タタタッ

痩せた男性「クソガキ共が……!」ペッ



ローガン「……」

エバンス「こいつぁ……」

イリス「……魔族国を最初に訪れた時のことを、思い出してしまいました」

ミスティ「……生活が立ち行かなくなると、こうなってしまうのかしら……」

クロシュ「……」

クロシュの懐に隠れた妖精「……まずは早速、図書館に向かおう」

 ◇
266 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 22:13:33.94 ID:5V1yIjm10
―帝都大図書館

 巨大な本棚「」ドン!
 巨大な本棚「」ドン!
 巨大な本棚「」ドン!
 巨大な本棚「」ドン!

イリス「うわあ……! あ、圧倒される……!」

ミスティ「ここの図書館も凄いわね……。目が回りそうだわ……」

クロシュの懐に隠れた妖精「本探しも良いけど、今は管理人と接触しよう。……ん?」


紫髪ロングの女性「……」クイクイ


エバンス「……手招きしているな」

ローガン「あれは……管理人のパティ氏だ!」

 *
267 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2025/01/13(月) 22:15:02.91 ID:5V1yIjm10
―司書室

紫髪ロングの女性→パティ「遠路はるばるよく来たわね。私はパティ・イエスサーガ……フラナから話は聞いているわ。まあ座りなさい」

 椅子「」ススッ

エバンス「うお、椅子が勝手に……!」

パティ「初歩の念動魔法よ……驚くところではないわ」

ローガン「失礼します」スト

イリス「し、失礼します!」スト

クロシュ「しつれい、します……!」スト

パティ「……話には聞いていたけれど……本当にスライムの子がいるのね。見事な擬態だわ……。機会があれば是非観察させて欲しいところだけど、今はそれどころじゃない……というのはあなたたちもご存知よね?」

ローガン「ええ……魔族国の記者から断片的に聞いた程度ですが、我々も多少はこの国の情勢について聞き及んでおります」

パティ「……久しぶりね、ローガン。積もる話は……特にないけれど。あなたがいない間に、この国の状況は大きく変化したわ」

ローガン「……そのようですね」

パティ「今この国は史上最大の危機を迎えている。前皇帝の急逝、次期皇帝候補たちをも襲った眠り病の蔓延、周辺国からの侵攻、相次ぐ地震、作物収穫の不安定化、人魔の対立激化……何もかも最悪の状況よ」

イリス「ひええ……」

妖精「……その……なんと、申し上げれば良いか……」

パティ「……まあ、それは別に良いのよ。もしこの国が滅んだら、魔族国に亡命すれば良いだけだし。後味はとても悪いけれど……」

エバンス「ドライだな……」

パティ「でもできる限りのことはしたいわ。できるだけのことをやって滅びるなら、それは天命だったと諦めが付く。あなたたちにはその協力をしてもらいたい。見返りとして、世界樹の光について騎士団の情報を横流ししてあげる」

妖精「……パティは、世界樹の光を私たちに任せても良いと思っているの?」

パティ「当たり前でしょう。いち国家には過ぎた力よ。星に還せるなら還した方が良いに決まっている。宰相は……いいえ、宰相モドキはそう思っていないようだけれど」

ローガン「宰相……モドキ?」

パティ「……今の宰相は何者かに取り憑かれているわ。目的は不明だけれど、皇帝や騎士団をそそのかして必死に光を探索させているみたい。他の山積みになっている問題をそっちのけにしてね。元々の宰相であれば、そのような愚行には走らないはず」

ローガン「ぬう……」

パティ「世界樹の光はあなたたちに任せて騎士団の力を他に回すことができれば、この国の状況も多少はマシになるはずよ。まあ、余命が少し伸びるだけかもしれないけどね……」

エバンス「……つまり俺たちには、世界樹の光を探しつつ、宰相の正体を暴いて欲しい……っていう感じか?」

パティ「まあ大体そんなところ。私はもう宰相に警戒されているし、発言力も高いわけではないから。あと……欲を言えば、病気の原因特定とかもやって欲しいわ。防衛や人魔対立問題までは流石に頼れないけれど」

妖精「病気の特定も専門家じゃないから割と頼られたくないけど……まあ余力があれば気にしてみるよ」

パティ「ありがとう。もし騎士団や王宮関係者の中で接触したい人がいれば、私に言って。場を設けられるよう努力してみるわ」

ミスティ「現皇帝陛下とかとも会えるの?」

パティ「それは……流石にちょっと厳しいかも……」

イリス「そりゃそうですよね……」

パティ「寝泊まりはここの客室を使って頂戴。ここは私の領域だから、皇族だろうが騎士団だろうが簡単には手出しできない。安心して休めるはずよ」

ローガン「ありがたい。恩には必ず報いさせていただきましょう、パティ殿」

 ☆大図書館の客室に寝泊まりすることになりました
 ☆目標追加「宰相の正体を暴く」
 ☆目標追加「眠り病の原因を突き止める」
 ☆努力目標追加「前皇帝の死の真相を突き止める」
 ☆努力目標追加「人魔の対立をなんとかする」

 ◇
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