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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part4

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402 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 23:26:11.91 ID:++sINOUq0
 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「あの……」

妖精「クロシュ……!」

ヨハンナ「!? まさか……擬態……!?」

クロシュ「えと……レッサースライムさんたちも……一生懸命、生きてて……。何も、悪いことしてないのに、殺すのは……しないで、ください……。あっ……えと……お腹が減って、ごはんにするためとか、なら……仕方ないけど……」モニョモニョ…ペコリ

イリス「クロシュちゃん……! え、えと……私からも、お願いします……! 命は……大切にすべきものなんです……!!」

ミスティ「……私も……お願いします。無益な殺生は避けるべきだと……大魔女様も仰っていました」ペコ

妖精「………お願い。スライム語が理解できればわかるんだけど、レッサースライムたちは本当に無邪気に、ただ生きてるだけの子たちなんだよ。あなたが過去スライムに何をされたのかはわからないけれど……今を生きるスライムたちには、関係ないことのはず。どうか、賢明な判断を……」ペコリ


ヨハンナ「……」


↓1コンマ
01-50 (え、人に擬態とかこわ……。やっぱりスライムは殲滅しないと……)
51-90 (一理、あるかも。でもスライムの言葉なんて……)
91-00 (……でも……スライムを大切にすべき命と認めたら……私は……)
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 23:27:15.54 ID:bwPNQDwS0
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 23:35:24.83 ID:hlZFtp0po
5割響かないのを完結超えた……!
405 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 23:43:07.01 ID:++sINOUq0
ヨハンナ「…………考えさせて、ください」

クロシュ「……!」

イリス「ありがとう! 考えてくれるだけでも嬉しいです!」

ミスティ「……優しい結論を出してくれることを祈っているわ……」

妖精「まあ……さっきも言ったけど、問題があればホムンクルスや大魔女に頼んだ方が良いよ。うん」


ヨハンナ「……あなたたちは……スライムを、とても大切になさっていらっしゃるんですね」

イリス「えっ? うーん……そうなのかな?」

妖精「普通だと思うけど……」

ミスティ「別に……。この子……クロシュが大切なだけよ」

クロシュ「んへへ……」

ヨハンナ「……今日は、勝手に絡んだような形になってしまい申し訳ありませんでした。皆さんから頂いた言葉……ゆっくり考えさせていただきます」ペコリ

妖精「まあ……スライムは基本的にのんびりしてる良い子が多いから、好きになれとは言わないけどあんまり敵視しないでやってくれると嬉しいかな」

クロシュ「うん……。お願い、します……」ペコリ

 ☆ヨハンナに考えさせることに成功しました

 ◆
406 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 23:46:31.27 ID:++sINOUq0
というわけで本日はここまでとなります。次回はローガンとエバンスとトムくんの修行編となります

暴走青年とのバトル、突然の疑似魔王化、そして避けられぬ消滅……。敵は姿を隠したまま、着実に悪意のギアを上げていっているようです
そしてスライム風船運送の真似事をしてみたり、スライム嫌いのヨハンナ氏を相手にめげずにお願いをしてみたりと、本日のクロシュ氏もがんばったようでした
ヨハンナ氏はギリギリ失礼にならない程度の態度をなんとか装っていますが、実のところ極度のスライム嫌いなのでクロシュ氏が相手の今回もかなり無理をしていた可能性はあります。実際5割でスライムへの印象が悪化していた邪悪なコンマ判定をくぐり抜けて考えさせることに成功したのはすごくすごいことだったと言えるかもしれません。今後ヨハンナ氏がスライムにとって優しい結論を出してくれることを願わずにはいられない、と妖精も思っているかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 05:57:27.64 ID:x4eEwMm4o
おつおつ
風船スライムの能力も使えるようになって移動が更に楽になる、かな?
擬似魔王化……恐ろしいことやってんな(多分)アイツ
408 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 16:03:04.87 ID:Wh5qebX70
まだクロシュ氏は風船化に慣れてはいませんが、もっと慣れて自由に空を飛べるようになれば非常に優れた移動が可能となるでしょう
疑似魔王化がどのようなものなのかは今のところわかりませんが、ものすごく邪悪な手法による変化なのは疑いようのないことです。本物の魔王化よりも力の向上はかなり控えめで、ある程度の時間が経つと自滅してしまうという巨大な欠点があるようですが、邪悪なる黒幕は口封じもできて一石二鳥くらいに思っているかもしれません
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 16:03:33.32 ID:Wh5qebX70
―居住区
 公園

 噴水「」シャワシャワ

トム「ふんっ! せいっ!」
 斧「」ブンッブンッ


エバンス「お、昨日一緒に戦ってくれた少年じゃないか」スタスタ

ローガン「こんなところで修行か……?」スタスタ

トム「あ、ダークヒーローのおっさんたち! 昨日はありがとな!」

エバンス「おう。君こそクロシュちゃんと一緒に戦ってくれたんだろ?」

トム「へへ、あんま役に立てなかったけどな。クロシュさん剣技も魔法も強いとか反則だろ!」

ローガン「うむ……彼女のポテンシャルは輝きを秘めている。だが君の斧術もなかなかだった。その若さでそれだけ斧を使えるなら大したものだぞ」

トム「若さを理由に褒められてもなあ……。それってつまり、大人から見たらまだまだってことだろ?」

ローガン「はっはっは、言うではないか!」

エバンス「けどそういう反発心は大事だと思うぞ! よし、ここは俺たちも修行してくか!」

ローガン「それも悪くないが……正式な修行場などはないのか?」

トム「学園が開いてれば競技場で修行できるんだけど、今休校中だからさ」

エバンス「なるほど……ならまあここでいいか!」


↓1コンマ
01-30 剣技経験+1
31-60 剣技経験+1、魔法経験+1、トムLV+1
61-90 剣技経験+2、魔法経験+1、トムLV+2
91-00 剣技経験+3、魔法経験+2、トム覚醒
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 16:06:04.49 ID:QGsdq2MoO
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 17:11:46.88 ID:Wh5qebX70
 ガギンッ
   ギンッ
    ドガァンッ!!

トム「ぐわあーっ!」ドガッ ゴロゴロ

エバンス「うおっすまん! 大丈夫か!?」タタッ

トム「へっ……よ、余裕!」シャキッ

ローガン「根性で言えば既に一人前以上だな」

 *

トム「ぐへぇ〜っ! も、もうだめだ……」バタッ

エバンス「お疲れ。戦いの中で成長してたぞ、自分で気付いてたか?」

トム「一応頭使いながら戦ってたからなぁ……。おっさんたちの動きも参考になったし」

ローガン「やはり若い分、我々より成長も速いし伸び代もあるようだ」

エバンス「うっ……俺もけっこう若いつもりでいたが、けっこうヤバイのか?」

ローガン「エバンスくんは現時点で十分な実力もあるし成長も続けている。悲観する必要はないだろう」

エバンス「そ、そうか。だがそういうローガンの旦那も、その歳でけっこうまだまだ剣技が磨かれてるぜ」

ローガン「うむ……私も人生の後輩たちにはまだ負けられぬ」

 ☆ローガンとエバンスが剣技と魔法の経験を+1積みました
 ☆トムの戦闘レベルが上がりました

 ◆
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 17:12:15.77 ID:Wh5qebX70
―大魔女帝国 滞在9日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
413 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 17:22:37.69 ID:Wh5qebX70
―朝
 宿舎 宿泊室

 チュンチュン

 エデン新聞「」バサッ
 「自爆テロ再び! またも善良なる市民に犠牲者」
 「今回も犯行は国外からの滞在者によるもの」
 「外国人滞在者への在留許可基準に疑問の声」


イリス「えっ……!? 昨日もあったの、テロが……?」

ミスティ「これ……やばいんじゃないの? まだ裏で糸を引く黒幕は見つかっていないのでしょう?」

妖精(……しかも……この黒幕は、クロシュを造ったと思わしき邪悪な魔法使い……。今もなおクロシュの分体を操って、一連の事件の裏で暗躍しているとすれば……クロシュの身も、安全とはとても言えない……)

クロシュ「……」

イリス「一昨日までは、ここまで露骨な被害を出す事件は起こしていなかったのに……。犯人の目論見は一体何なの……?」

ミスティ「滞在者を操って市民を攻撃するように仕向けているみたいだけど……大魔女はなぜそのことを公表しないのかしら? このままじゃ他の滞在者に余計な憎しみが向いてしまうわ……」

妖精「……大魔女ですら手を焼く危険な魔法使いが暗躍してる……なんてことをここの国民が知ったら、多分もっとまずいことになるからだと思う。大魔女への信頼と信仰心が揺らぎ、底知れぬ犯人への恐怖が蔓延して……最悪、この国の秩序は崩壊することになる」

ミスティ「……! なるほど……良くも悪くも、大魔女への信仰によって成り立ってる国だから……それを揺るがすような情報は絶対に公開できないってこと……」

イリス「で、でも……このまま自爆テロが発生し続ければ、大魔女の責任を問う声が出るのも時間の問題じゃないの……!?」

妖精「うん……。だから多分、大魔女は今必死に事件解決の為に動いているはず。何もかもが手遅れになってしまう前に」

ミスティ「……黒幕は、そこまで把握した上でやってるのかしら」

妖精「その可能性は高い……。この犯人、あの大魔女ですら未だ尻尾を掴めないほど痕跡を消すのが上手いんだ。極めて危険で悪意に満ちた輩なのは間違いない……」

イリス「………大魔女でさえ欺くほどの実力を持っているのに……その力を、こんな酷いことに使うなんて……。同じ魔法使いとして……私、絶対に許せないよ」グッ

妖精「……」


妖精(正直に言って、めちゃくちゃに危険でやばい相手だ。大魔女を欺くほどの手腕だけでなく、クロシュを造って洗脳したということや、昨日のテロリストを操って魔王化のような現象まで引き起こした……。まともに考えれば、絶対に関わってはいけない存在だ……)

妖精(でも……ここで奴から逃げても、その先が安全だなんて保証はどこにもない。クロシュが奴に造られたのだとするなら、きっとこの先もクロシュはそいつに狙われる危険に晒され続ける……。だったら、大魔女に喧嘩を売っているこの状況を利用して、大魔女と共に奴を討ってしまうのが一番良い)

妖精(クロシュも、みんなも……絶対に、傷付けさせるもんか)


大魔女帝国滞在9日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:22:59.71 ID:mf2yUGkp0
ミスティ、ユキと模擬戦
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:23:39.57 ID:0JvDRc5yo
クロの出生話を聞く
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:23:46.27 ID:xX6JP2uDO
クロシュ達とトムやトリルと食事所で食事
故郷の事についてや故郷の知り合いについて話したりする
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:31:56.20 ID:xX6JP2uDO
クロシュ達、がクロシュ達とになって文章が変になってしまった
失礼しました
418 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 18:06:41.40 ID:Wh5qebX70
―居住区
 公園

ミスティ「静かね……」スタスタ

イリス「昨日と一昨日のテロ事件で、不要な外出は控えるようお触れが出たんだって。だからまあ、私たちも実はなるべく外に出ない方が良いんだけど……」スタスタ

ミスティ「そのお触れを出さなければならない原因を突き止める為に外に出たのだから、必要な外出よ」

イリス「まあそれもそうだね……ん?」


ユキ「せっ! はあっ!」

 氷「」ガギンッ!


ミスティ「あら……」

イリス「ユキちゃんだ! 公園で……修行?」

ユキ「ミスティさん、イリスさん! ええ、まあ……昨日や一昨日のこともあったので、いつでも敵と戦えるようにしておかなければ、と……」

ミスティ「でも、犯人は滞在者を操って自爆テロに差し向けているのよ……? 一人で外に出ているのは危険だわ……」

ユキ「あっ……確かに。すみません、迂闊でした」

イリス「まあでも、今は私たちが来たから大丈夫だよ!」

ミスティ「そうね……。良ければ、私たちも修行に付き合うわ」

ユキ「良いのですか?」

イリス「もちろん! 私たちも、いつでも犯人と戦えるように力を付けておかないとだから」

ユキ「あの……それではミスティさん。私と、模擬戦をして頂けませんか」

ミスティ「えっ。いや、いいけど……どうして?」

ユキ「一昨日のミスティさんの動き……同じ氷魔法使いとして、とても洗練されているように見えました。できれば、それをもっと間近に見てみたいのです」

ミスティ「……ユキが言うほど整ったものじゃないわよ。いつもがむしゃらにやってるだけだし……。学園で真面目に学んでいるユキの方が洗練されていて強いと思うわ……」

ユキ「いえ、そんなことはありません。お願いします」

ミスティ「わ、わかったわよ。イリス、審判やってもらっていい?」

イリス「了解!」


 ――模擬戦闘開始 学生雪女のユキ――


↓1コンマ
01-20 敗北 魔法経験+1、ユキLV+1
21-60 勝利 魔法経験+1、ユキLV+1
61-90 勝利 魔法経験+2、ユキLV+2
91-00 会心 魔法経験+4、ユキ覚醒
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 18:19:46.35 ID:QGsdq2MoO
420 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 18:45:28.19 ID:Wh5qebX70
ミスティ「じゃあいくわよ……凍れ!」カッ

凍り付くユキ「!」パキパキ…

イリス「わっ! ちょっとミスティやりすぎじゃ――」

凍り付くユキ「いえ……問題ありません。だって私は――」パキパキ―

ミスティ「!!」

 パキンッ―
  コォォォォ――

氷の魔力を纏ったユキ「雪女ですから――」コォォォ

ミスティ「そりゃそうよね!」

ユキ「今度はこっちから行きます。ミスティさんに教えて頂いたこの技で……!」カッ!

ミスティ「!」サッ

 凍る地面「」パキッ!

ユキ「はっ! 凍て付け!」カッ! カッ!

ミスティ「っ!」サッサッ

 凍る地面「」パキッ!
  凍る地面「」パキッ!

ユキ「くっ……当たらない……!」

ミスティ「その技……集中と発動に若干時間がかかるのよ。あなたも気付いていると思うけど」

ユキ「むう……弱点も熟知しているのは当然ですか」

ミスティ「ええ。知らない相手にならほぼ確実に不意を付けるんだけどね」

ユキ「ならば……私の得意技をお見せします!」カッッッ!!

ミスティ「!」


イリス「こ、これは……!」


 吹雪の渦「」ビュオオオオオッ!!!


ミスティ「雪の、竜巻……!?」

ユキ「雪女に伝わる、相手を凍死に至らしめる極意です」


凍っていくミスティ「くっ……まずい、体が冷えて……」パキパキ

ユキ「さあ、どうしますかミスティさん……!」

凍っていくミスティ「そうね……こういう時は――」カッ

 氷塊「」ドンッ!!

ユキ「お、大きな氷の塊……!?」

凍っていくミスティ「氷属性が効かないなら……物理で殴るだけよ!!」シュバッ
 氷塊「」グオオオッ!!

ユキ「えっ……ひ、ひやああああっ!!!」アタフタ

 バゴンッッッ!!!!

ユキ「はうっ……」フラッ

 ドサッ…

ミスティ「はっ……し、しまった! ユキ、ユキ!」ユサユサ

イリス「し、試合終了!!」

 *
421 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 18:45:57.04 ID:Wh5qebX70

ユキ「……試合、ありがとうございました……!」

ミスティ「い、いえ……。それよりごめんなさい、つい熱が入ってしまって……」

ユキ「大丈夫です、雪女は怪我の治りも早いので。むしろ私こそ……氷が効かない雪女の身でミスティさんに勝負を挑んでしまうなんて、卑怯な真似をしてしまい……」

ミスティ「いえ、それは別にいいわ……。むしろ、氷が効かない相手にどう立ち回るかの勉強になったもの……」

ユキ「そうですか。私も……ミスティさんの戦技を間近で見て、体験することができて、とても勉強になりました……!」

ミスティ「それなら良かったわ。引き続きがんばっていきましょう」

ユキ「はいっ……!」


イリス(……前から少しそんな気はしてたけど……ミスティって、実はけっこう脳筋じゃ……?)


 ☆ミスティの魔法経験が+1となりました
 ☆ユキの戦闘レベルが上がりました

 ◆
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 19:07:50.30 ID:x4eEwMm4o
脳筋激情派だよ
423 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 20:16:18.23 ID:Wh5qebX70
―宮殿
 クロの部屋

クロ「わあ……。クロシュちゃんに妖精さん……」

クロシュ「こんにちは……」トコトコ

妖精「お見舞いに来たよ。調子は……良いわけないか」パタパタ

クロ「うん……。わたし、大魔女さまのお手伝いをしなきゃいけないのに……」

妖精「大丈夫。例の犯人に狙われたんでしょ? それならここにいた方が良いって。その方が大魔女も安心できるだろうし」

クロ「でも……大魔女さまのこと、心配……」

妖精「大魔女ならそれこそ大丈夫でしょ」

クロ「うん……」

 *

クロ「わあ……友達を探して、世界樹の光を追ってるなんて……すごいなあ……」

クロシュ「んへへ……」

妖精「光を追えば、フメイたちの道とも交わるだろうからね。一石二鳥なんだよ」

クロ「……不謹慎だけど……ちょっと、羨ましくなっちゃった……」

クロシュ「ほえ……?」

クロ「わたし……友達、いないから……」

妖精「え、そうなの?」

クロ「うん……。わたし、こんな見た目だから……大人には子供扱いされて……かといって、子供たちの輪にも入れないし……。教授仲間にも、大魔女さまの秘書だからってちょっと距離を置かれちゃうの……。それに……」

クロシュ「……」

クロ「あ、でも……! えと、大魔女さまには、本当にとっても良くして頂いてるよ……! だから、寂しくなんてないの。本当に……ちょっとだけ、羨ましいなって……思っただけ……」

クロシュ「………じゃあ……わたしが……クロさんの、友達……!」

クロ「え……?」

クロシュ「友達……!」ニコニコ

クロ「クロシュちゃん……」

妖精「良いんじゃない? 同じ黒髪の幼女みたいな外見なんだし。まあクロシュのはフメイの擬態だけど」

クロ「でも……わたし……」

クロシュ「?」

クロ「わたし……本当は……」

妖精「……?」

クロ「…………ううん……。なんでも……ない……」

クロシュ「……」

クロ「えへへ……わたしなんかの友達になっちゃ、だめだよ。クロシュちゃん……」グスッ

クロシュ「………」


↓1〜3 自由安価 クロさんとどんな風にどんなお話をする?
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 20:25:16.58 ID:rHy2Sqp3O
自尊心の低いクロに友達ったら友達だとわからせてやる
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 20:30:30.84 ID:fFb/2tA5O
自分は友達を大切にするみたいな事を伝えつつ何で友達になっちゃダメなのか聞いてみる。
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 20:36:24.53 ID:0JvDRc5yo
分体クロシュを作りクロにあげることでこの国から旅立っても友達として一緒に入れるようにする
427 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 21:00:19.84 ID:Wh5qebX70
クロシュ「……えと……どう、して……?」

クロ「……」

クロシュ「わたし……やだ……?」

クロ「ち、違うよ……! クロシュちゃんのこと、嫌なわけないよ……。でも……その……」

クロシュ「……?」

クロ「……わたし……誰かを、好きになっちゃ……いけないの……」

クロシュ「……??」

妖精「どういうこと……? 好きになるのがいけないなんて決まり、この世のどこにもないと思うけど……」

クロ「……ごめんなさい……。詳しくは……言えないの……」

クロシュ「………えと……わたし……クロさんの、こと……大切に、できる……!」

クロ「や、やめて……! 大切に……しないで……。わたしを……愛さないで……」

クロシュ「……???」


妖精(……本当に、どういうこと……? 一体このクロという子に、どんな事情があるの……?)


クロシュ「……!」ピコン!

 デロデロ…モニョモニョ…プチッ

分体スライムクロシュ「!」ポン!

クロ「えっ……。クロシュちゃん……それは……」

クロシュ「んへへ……わたしの、分体……!」

分体スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

クロ「えっ……」

クロシュ「えっとね、今……分体のわたしが、これからよろしくねって……」

クロ「ううん……。わたし……わかるよ……。スライムの、言葉……」

クロシュ「ほえ……」

妖精「え、わかるの!?」


分体スライムクロシュ『わあ〜』モニョモニョ キャッキャ

クロ『えっと……よろしくねって、どういうこと……?』モニョモニョ

分体スライムクロシュ『えっとね……クロさんが、寂しくないように……分体のわたし、ここにいる……!』モニョモニョ

クロ『ええっ……!?』モニョニョ…!?

分体スライムクロシュ『んへへ……クロさんも、スライムなの……?』モニョモニョ

クロ『わたし……わたし、は……』モニョ…モニョ…


↓1コンマ(会話補正+30)
01-50 話せない
51-90 話す+友達になれない……
91-00 話す+友達になる
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 21:02:30.26 ID:8ZxIxN2I0
今日からお前も友達だ!
429 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 22:15:07.52 ID:Wh5qebX70
クロ「えっとね……。わたし……本当は……」

クロシュ「……」

クロ「……魔王、だったの……」

クロシュ「!?」
分体クロシュ『!?』モニョ!?
妖精「え、え……ええっ……!!!?!?」

クロ「かつて……この世界を荒らした……悪い、魔王だった……。当時の記憶は、大魔女さまに取り除いてもらったから、わたしはもう何も覚えていないんだけど……。でも……わたしは……魔王、だったの……」

妖精「う、嘘……」

クロ「この街を吊り下げてる、大きな気球……あれが、魔王だったわたしの遺骸……。大魔女さまは……あれを利用して、この街を浮かせているの……。確か……当時は、掃除の魔王って、呼ばれてたんだって……」

妖精「掃除の、魔王……!? じゃああなたは、まさか――」

クロシュ「……風船スライム、さん……?」

クロ「わあ……妖精さんと、クロシュちゃんも……知ってたんだ……」

クロシュ「んゅ……」

クロ「…………だから……友達には、なれないの。だって……たくさんの命を奪ったわたしに、誰かに愛されたり、愛したりする資格なんてないし……。きっと、魔王なんかが愛を望んだら……この国は、最悪なことになっちゃうもん……」

クロシュ「そんなこと……ない……! だって……クロさん……寂しいもん……!!」

クロ「いいの……。わたし、わかってるもん……」

クロシュ「んゅゅ……」

クロ「……分体……わざわざ、わたしのために作ってくれたのに……ごめんなさい」

 クロに持ち上げられる分体スライムクロシュ『〜〜…』モニョニョ…

クロ「わたしなんかのために身を裂いちゃ、だめだよ。はい……」

 クロシュに戻っていく分体スライムクロシュ『』デロデロ…モニョモニョ…

クロシュ「んゅ………」ジワワ

クロ「ああ、泣かないで……。わたし、本当にクロシュちゃんのこと……全然、嫌いじゃなくて……。えと……でも……わたしなんかの友達に、なったら……良くないから……」

妖精「……良くないから……大切に思えるから、友達にできないんだ」

クロ「あっ……」

妖精「……矛盾してる。クロは、この街のことも、大魔女のことも……たくさんのものを既に大切に思って、愛してるでしょ。そして元魔王が愛したものが酷いことになるっていうなら、この街も大魔女もとっくに酷いことになってるはず。でもそうなってない。それは……クロが誰かを愛したって、何も悪いことなんて起きないからでしょ!!」

クロ「っ……!」

妖精「そもそも大魔女が施した術なら、元魔王だろうが何だろうが現実に悪い影響を及ぼす力なんて残ってるわけないでしょ!! 観念してクロシュの友達に――」

クロ「ちがう……わたしなんか……わたし、なんか……」

クロ『〜〜〜……』モニョモニョモニョ…

 扉「」バァンッ!

クローディア「そこまでよ!」

妖精「あっ……!」

 ◇
430 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 22:17:16.70 ID:Wh5qebX70
―宮殿
 応接室

妖精「えっと……その……ごめん。私……クロに、酷いことを……」

クロシュ「んゅ……」

クローディア「……クロのことは、クロ自身から聞いたのでしょう? それなら仕方ありません。あなたたちがクロのことを思って、あのようなことを言ったのも理解しています。むしろ私は……クロの友達になろうとしてくれてありがとうと、感謝しなければならない……」

妖精「……」

クローディア「……あの子があんな性質になってしまったのは……私があの子に魔王だったことを教えてしまったたことや、魔王としての感情の全てを取り除いてあげることができなかった私の落ち度なの。もっと上手くやれていれば……あの子を苦しませることなんてなかった……。当時の私は……あの子のことを、強力な浮遊物体としてしか見ていなかった……」

クロシュ「……」

クローディア「ええ……そうよ。この楽園を作り上げる為に、私は魔王の力を利用したの。丁度良いタイミングで丁度良い浮遊物体が出てきてくれたな、なんて思ったわ。あの子が……どんな思いで魔王になって、どんな慟哭を上げながら地上を破壊していたのかも知らず……知ろうともせず……」

妖精「……!」

クロシュ「……」

クローディア「後になって……あの子が、誰かを愛したり愛されたりすることに酷い罪悪感を覚えてしまう……魔王だった頃の後遺症とでも言うべき症状を抱えていることに気付いた。でもその頃にはもうエデンの運行も軌道に乗り始めていて……下手なことをすれば、エデン諸共魔王の力で消滅してしまう危険があったの。だから……クロの苦しみを知りながら、私は見てみぬフリしかできなかった……」

妖精「そんな……そんなことって……!」

クローディア「たった一人の女の子を生贄にして、この街は安全で快適な高度を保っているの。それがこの……楽園の真実。フフ……最低でしょう?」

妖精「……」

クロシュ「……」


↓1〜 先取3票 クロシュはどう思う――
1.最低だ
2.最低じゃない
3.わからない
4.どうにもならない
0.その他(自由安価。票数は内容ごと)
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 22:18:46.68 ID:mf2yUGkp0
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 22:32:08.43 ID:8ZxIxN2I0
0 大魔女さまもクロさんも苦しんでいたんですよね
過去はどうにもならないけど、今からでもなんとかしたいです
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 22:40:54.80 ID:xX6JP2uDO
>>432
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 22:45:46.40 ID:x4eEwMm4o
>>432
435 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/21(月) 00:19:30.38 ID:blgyV6460
クロシュ「………大魔女さんも……苦しんで、いたの……?」

クローディア「いいえ。苦しんでいたのはクロ一人。私が苦しんでいたなんて、烏滸がましいにも程があるわ」

クロシュ「……でも……大魔女さんも……つらそう……」

クローディア「つらいわけないでしょう。あの子に比べれば、私なんか……」

妖精「……苦しみは比べるものじゃない。それに……あなたの行動は軽率だったかもしれないけど、最低だと決め付けるにはまだ早いんじゃないの?」

クローディア「……」

クロシュ「……えと……どうにも……ならないの?」

クローディア「どうにかなるなら、とっくにどうにかしています」

妖精「……どうしても浮かせていないといけないの? この国は」

クローディア「……ここが楽園であるには、苦痛蔓延る地上という地獄から離れた上空でなければなりません。私の愛するこの国の民を、地獄に叩き落とすわけにはいかない」

クロシュ「でも……クロさんは……」

クローディア「……クロ一人の犠牲で、ここは永遠の楽園となるの。その為なら私は……最低の悪魔になったって構わないわ」

妖精「なんで……どうしてそこまで楽園に固執するの……!? あのかわいそうな風船スライムの子をいたぶり続けてまで存続させる価値があるの!?」

クローディア「熱くならないで。考えてみなさい。たった一人の犠牲でこれだけ多くの民が安全に暮らせるのよ。そしてもしこの街が地上に降りたら……民たちは様々な恐怖と絶望に襲われることになる。他国からの侵略や戦争……危険な魔物の襲撃……死を運ぶ疫病……その他にも無数の困難が降りかかるでしょう。そうなってしまえば……発生する苦痛の総量は、クロ一人の比ではないわ」

妖精「だから……苦しみは、比べるものじゃない……!! 私はっ……そんなの、絶対に認めないっ……!!」

クローディア「世界樹の結界に守られた平和で甘々な国の首長は、そのお考えもやはり甘々なのですね。別に認めてくださらずとも結構ですわ」

妖精「っ……!」

クロシュ「……それでも……」

クローディア「……?」

クロシュ「それでも……なんとか、したい……。だって……」


 ――クロ『わたしなんかのために身を裂いちゃ、だめだよ。はい……』

 ――クロに持ち上げられる分体スライムクロシュ『〜〜…』モニョモニョ…


クロシュ「クロさんは……わたしの、友達だもん!!!!」


 ◆
436 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/21(月) 00:21:18.83 ID:blgyV6460
 ☆クロシュの意志の強さが上がりました

というわけで本日はここまでとなります。次回はトムくんトリルくんと夕ごはん編からとなります

おじさんたちがトムくんと修行したり、脳筋激情過激派のミスティ氏が物理で攻めることを覚えたり、クロさんの友達になろうとして上手くいかなかったり、クロさんの苦しみをなんとかしたいと決意した日となりました

大魔女の口から告げられた、楽園の真実。それは重苦しいものでした。魔王の力を利用した代償……それは、かつて魔王だった女の子の心に重く重くのしかかっていました。なんとかするとは言ってみたものの、実際クロシュはどうすれば良いのか。この国は、どうなるのが正解なのか――

余談ですが「1.最低だ」が選ばれていた場合、クロシュ氏渾身のベチン!!が大魔女クローディア氏のほっぺたに炸裂していました。しかしそうはならなかったので、クローディア氏のほっぺたは無事に済みました

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/21(月) 07:38:45.10 ID:AacR9gNNo
乙でした
大魔女がやろうと思えば魔王化を解ける事がわかったのは収穫…?

渾身ベチンはクソデカい手になってやってそう
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/21(月) 13:03:18.63 ID:1OhVtnIR0

大魔女のほっぺにビンタするところは見たかったけどそれしたら大魔女がブチギレて「この国から出てってください」とか言って国外追放されそう。
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/21(月) 22:36:38.07 ID:i4pG9JPBO

クロシュのベチンってオリハルスライムにもダメージを与える威力だしけっこうやばそう
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 08:14:39.65 ID:D7w8LVXBO

ミスティさん魔法戦士でもいけそう
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 12:34:30.21 ID:9m+uLYL8O
大魔女あっさり魔王討伐してて震える
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 13:17:39.50 ID:wcAdnI7m0
>>440確かにミスティは短剣を持っているし(ちゃんとした武器を持たせてもいいけど)、脳筋なところがあるから「氷の魔法戦士」の方がすごいあっている気がする。
443 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 16:52:40.88 ID:V94IO24R0
大魔女氏は、空中楽園都市を犠牲にすればクロ氏を救済することが可能であるかのようなことを言っていましたが、それがどのような結果を意味するのかは今のところ詳しく語られていません。動向を注視するのが良いでしょう

大魔女氏はあかちゃんスライムにベチンとされたくらいで怒って国外追放を命じるほど狭量な方ではありませんが、実際のところベチンとされた際に大魔女氏がどのような感情を抱くことになるかはわかりません。暴力では解決できない事柄ですが、暴力でスッキリする気持ちもあるのかもしません

クロシュ氏はオリハルスライムのシュヴィア氏をベチンベチンとひっぱたいて最終的に勝利しました。他の仲間も戦っていたり、多数の分体を作って疲労していたということを考慮しても、クロシュ氏の渾身のベチンはすごく痛いのかもしれません。しかし大魔女氏もすごい人物なので、そんなクロシュ氏にひっぱたかれてもまあまあ大丈夫だと思われます

氷で生成した武器は物理的なダメージを与えることもできるため、ミスティ氏が戦闘技術を磨けば魔法戦士的な動きをすることは実際可能であると思われます。本人はあまり自覚をしていないようですが、その才能はあると考えても良いでしょう

掃除の魔王は自身の直下に対して強烈な攻撃能力を持っていましたが、側面および上面はがら空きでした。それでも生半可な攻撃は通用しない頑強さだったのですが、大魔女氏は飛行手段だけでなく強力な攻撃力も有していたため、側面から一方的にチクチクされてやられてしまったのだと考えられます

ミスティ氏は自覚していないようですが、実のところけっこう脳筋的な面があるようです。何か問題が発生した際すぐに暴力による解決を思いついたりするので、見た感じは物静かでクールですが実際は武闘派なのかもしれません。魔法戦士としてやっていくことも不可能ではないでしょう
444 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 16:53:18.23 ID:V94IO24R0
―歓楽区

 トコトコ…

クロシュ「……」

妖精「スライムから見て、何か解決策はありそう……?」

クロシュ「……わかんない……」

妖精「うーん……。まあ大魔女ほどの者が有効な解決策を思い付かなかった問題だし、そう簡単にはいかないか……」


トリル「あれ……? クロシュちゃんに、妖精さん?」ヒョコ

トム「奇遇だな!」

クロシュ「わ……!」

妖精「あ、トリルにトム」

トム「食べ歩き中か?」ヌッ

妖精「そういうわけじゃないけど……でもお腹は減ったかも」

トム「ならメシ食いに行こうぜ!」

クロシュ「わあ……」

トリル「都合が良ければ一緒にどうかな? ぼくたちもこれからご飯食べようと思ってて」

妖精「じゃあせっかくだしご一緒させていただこうかな?」

クロシュ「うん」

トム「決まりだな! メシ屋に行くぜ!」

 ◇
445 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 16:54:04.49 ID:V94IO24R0
―レストラン「魔女の食卓」

店員ホムンクルス「いらっしゃいませ。四名様でよろしいですか?」

トム「おう!」

店員「それではテーブルにご案内致します」

 *

 空席「」

 空席「」

 空席「」


妖精「なんか……空いてるね」

トム「あー、ほらアレだろ。ここ最近テロが立て続けに起きてるし、無闇に外出んなって言われてんだよ」

妖精「ああ、なるほどね」

トリル「ぼくたちは、何か不審なことが起きていないか街中をパトロールしてたんだ。こう見えて、下級の警備オートマタより強いんだよ〜」

クロシュ「わあ……」

妖精「魔法学園に通ってる生徒はやっぱり一般人より強いんだねえ。ていうかむしろ、警備オートマタ弱すぎじゃない……?」

トム「オレたちが強すぎるんだ!」

トリル「下級オートマタは、必要以上の武力を持たないように戦闘力を制限されてるんだって。役割もどっちかというと監視とか威嚇が重視されてるみたい。元々治安もすごく良い街だったから、強い力はいらなかったんだけど……」

妖精「今回の騒動でそういうわけにもいかなくなりそうってわけか……」

トリル「うん……。早いとこ解決すると良いんだけど……」

クロシュ「……」

トム「あーもう暗い話は後だ後! 今はメシに集中しようぜ!」

トリル「ご、ごめん。そうだね、今はごはんに集中しなきゃ……!」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:マジカルトリ肉、マジカルケモノ肉、マジカル触手肉
野菜:マジカルリーフ、マジカル大根、マジカルゴボウ、マジカルマメ
穀物:マジカルイモ、マジカル米、マジカルもろこし、マジカル小麦
魚介:マジカルカニ、マジカルザリガニ、マジカルタニシ、マジカルウオ
果実:マジカルフルーツ、マジカルリンゴ、マジカルどんぐり
卵乳:マジカル卵、マジカルミルク、マジカルチーズ、マジカルバター
特殊:マジカルゼラチン、マジカルシュガー、マジカルスパイス
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 16:56:00.17 ID:D7w8LVXBO
マジカルタニシ、マジカルスパイス
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 17:06:43.80 ID:VQzfY2V9o
マジカルリーフ
マジカルバター
448 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 18:34:08.55 ID:V94IO24R0
妖精「マジカルって付いてる食材は確か、魔力で生成された食品だよね」

トリル「うん。この国の食べ物は全部マジカル食品なんだよ」

トム「初めてここに来た時はなんだそりゃって思ったけど、食ってみると普通の食い物と何も変わんなかったんだよな」

クロシュ「えと……じゃあ、宿舎の食堂でいつも食べてるのも……マジカルな料理……?」

妖精「そういうことになるね。味も少し魔力っぽかったし」

トム「……魔力っぽい味って何だ?」

妖精「……説明が難しい。精霊樹の実とかの、魔力を多く含んでるものに現れやすい味覚……と言えば伝わる?」

トム「……トリル、わかるか?」

トリル「ご、ごめん……わかんないかも……」

妖精「まあ人間はその辺鈍感だし……って言うかたぶん妖精が敏感なだけか……」

クロシュ「えと……わたし、わかるかも……」

妖精「クロシュ……!」

トム「何ィ……!? 剣技や魔法だけでなく味覚まで……!」

トリル「え、そこ張り合うとこなの?」

 *
449 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 18:34:39.40 ID:V94IO24R0
 マジカルタニシの香草バターソテー「」ポン!

クロシュ「わあ……!」

トム「おおお……! 美味そうだぞ!」

トリル「すごく美味しそうな香り……!」

妖精「このタニシも葉っぱもバターも、まぶされたスパイスも、全部魔力で生成されたものだなんて……。改めて考えると、めちゃくちゃだ……」

トム「え、そうなのか?」

トリル「単一元素からなる純物質なら、ぼくやトムでもものすごく頑張ればできるかもしれないけど……。こういう食材って物質の組成がものすごく複雑だから、普通の人がやろうとしたら頭がパンクしちゃうと思う……」

トム「マジか……考えたこともなかったぞ」

妖精「限りなく生命に近い複雑な物質を生命を宿さずに作り上げるなんて、ここ以外じゃ見たことも聞いたこともない。何だったら普通に生命を造る方が遥かに簡単だろうし……。しかもそれを、全国民が毎日食える分供給し続けてるなんて……」

トム「つまり大魔女様は超スゲーってことか!」

妖精「そういうこと。そんなスゴい食材を毎日食べられるんだからここの国民は大魔女に感謝した方が良いかもね」

トリル「うん……ありがとうございます、大魔女様」

トム「ありがとう、大魔女様……!」

クロシュ「ありがと、大魔女さん……。いただきます……」

 *
450 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 18:35:31.15 ID:V94IO24R0
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

妖精「そういえばトムはトコナツ島出身なんだっけ」

トム「おう! あんたたちもトコナツ島に行ってきたんだろ? モーリィさんたちは元気にしてたか?」

妖精「うん、元気だったよ。火山活動の関係であの時はバタバタしてたけど、今頃は落ち着いたんじゃないかな」

トム「そっか。旧トコナツ村の惨事を聞いた時はゾッとしたけどそれも無事らしいし良かったぜ」

半スライムクロシュ「えと……トムさん……レッドちゃんのこと、知ってる……?」モニョニョ

トム「もちろん知ってるぜ!」

半スライムクロシュ「わあ……!」

トム「オレもかなり鍛えてきたけど、あいつの火力にゃあまだまだ全然届く気がしねえぜ……。オレの目標の一つは、レッドよりも高い火力を出せるようになることだ!」

妖精「目標高すぎない? レッドってバーニングスライムだよ?」

トム「だからこそだ! へへ、目標は高くねえとな!」

トリル「レッドちゃんって、この前クロシュちゃんが描いた絵の、溶岩のスライムさんだよね?」

半スライムクロシュ「うん……。レッドちゃん、良いスライム……」

トリル「トコナツ島にはそんな凄いスライムさんがいるんだねえ。あれ、そういえばクロシュちゃんが描いてくれたテラヌス・ウルスの絵にも、リアンノンちゃんの他にスライムさんがいっぱいいた……?」

半スライムクロシュ「うん……。砂漠スライムさんたちに、砂漠スライムのおじいちゃん……。それと、ものすごくでっかいスライムさん……!」

トリル「わ……! ぼくテラヌス・ウルスに住んでたのに、あの街にそんなにたくさんスライムさんがいたなんて全然知らなかった……!」

妖精「巨大スライムは街にいたわけじゃないけどね。砂漠の地下でアリジゴクごっこしてたんだよ」

トリル「あはは、なにそれ。スライムさんたちのことあんまり知らなかったけど、今度里帰りしたらお話してみたいな」

半スライムクロシュ「んへへ……きっとみんな、喜ぶ……!」

妖精「リアンノンの幼馴染なんだよね? 里帰りしたらよろしく伝えといてくれる? 私たちは元気でやってるよーって」

トリル「うん、もちろん! えへへ、次に帰る時が楽しみ……!」

 モニョモニョ…ポン!

トカゲクロシュ「〜〜!」キャッキャ

トリル「わっ! クロシュちゃんが、トカゲになっちゃった!?」

妖精「この姿でリアンノンと遊んだから、思い出深いんだって」

 *

 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン
 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン
 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン

クロシュ「ごちそうさまでした……」

トム「ぐはぁぁ……も、もう葉っぱ一枚入らねえ……」ゲフッ

トリル「もう、スライムのクロシュちゃんと張り合うから……。でもやっぱり美味しかったね」

妖精「本当に美味しかった……。流石は大魔女と言わざるを得ないかな……」

 ☆マジカルタニシの香草バターソテーを食べて元気になりました
 ☆トム、トリルと親睦を深めました

 *
451 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 21:38:48.93 ID:V94IO24R0
―大魔女帝国 滞在10日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
・クロさんを助ける

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
452 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 21:39:28.54 ID:V94IO24R0
―明け方
 宿舎 宿泊室

 チュンチュン

スライムクロシュ「……」zzz
イリス「……」zzz
ミスティ「……」zzz


 新聞「」バサッ


妖精「ふわ……。今朝の新聞は早いなあ。一応確認しとくか……」ノソノソ

 パタパタ…

妖精「ううーん、人間用の新聞はでっかくて重くて運びづらい……ん?」パタパタ

 新聞「」

妖精「……いつもと紙の質が違う。エデン新聞じゃないの?」パタパタ

 新聞「」

妖精「まあいいか。部屋に戻ったら確認してみよう」パタパタ

 *

妖精「な、なにこれ……」ペラッペラッ

イリス「ふわあ……おはよ、妖精さん。どうしたの……? 新聞……?」

ミスティ「早いわね……。あら、新聞……?」

スライムクロシュ「……?」モニョニョ…?


 大魔女様万歳新聞「」バサッ
 「エデンを吊り下げる大気球の正体は魔王だった!!!!」
 「大魔女様は魔王の力で地上全てを燼滅しようとしている!!!!」
 「全ては大魔女様による遠大な計画に過ぎない!!!!」
 「しかしこの国にいる限り安全!!!!」
 「我らは神たる大魔女様に選ばれし民!!!!」
 「魔王の聖撃で地上に蔓延る害虫は一掃される!!!!」
 「この星は美しく生まれ変わる!!!!」
 「そして生まれ変わった星に降り立つ大魔女様が――」
 「この星の真なる支配者となる!!!!」


イリス「えっ……!? こ、これは……!!」

ミスティ「昨日妖精たちが聞いてきた話……というよりは、あの陰謀論の本に近い内容ね……」

クロシュ「……」

イリス「……でも、流石にこんなものを信じる人はあんまりいないんじゃないかな……?」

妖精「……でも、こういう大魔女を称える内容なら……完全にいないとは言い切れない。例え1%でも信じる奴がいれば、こういうのは大成功なんだ」

イリス「うっ……」

ミスティ「……不快なやり方ね。下衆が」グッ

クロシュ「………」

妖精「これを流布した奴の狙いは……一体、何……? 私たちは……こんな底なしの悪意に、どう対処すれば……」

クロシュ「……」


クロシュ(クロさん……)


 ☆目標に「クロさんを助ける」が追加されました


大魔女帝国滞在10日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 21:39:50.46 ID:mgNU1FXGO
>>212でリチャードとの関係や何の話しをしていてかなどの返答とリチャードに渡して欲しい品が届く。
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/10/26(土) 21:40:10.51 ID:gVOHe0Ez0
魔法店にフラナ作のアイテムが入荷してたので買う
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 21:40:47.72 ID:8N4r8H67o
クロシュヴィア現れ
大魔女を煽る
456 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 21:54:18.10 ID:V94IO24R0
―宿舎 宿泊室

 ガチャッ

ロディア「失礼します。イリス様へ、フラナ様からお届け物です」スタスタ

イリス「あ、ありがとうございますロディナさん。なんだろう……?」

妖精「なんかいつもと雰囲気が違うね」

 手紙「」パサッ
 小包「」ポン

↓1コンマ
01-10 毒入りワイン
11-50 請求書
51-90 幼化薬の解析結果+サンプル1本
91-00 ライトニングスライムの欠片
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 21:57:00.94 ID:VQzfY2V9o
458 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 22:43:13.16 ID:V94IO24R0
―フラナからの手紙

 リチャードとはビジネスの関係よ。ウチの作る薬はイスファハーンでも評判が良いらしいから。特筆すべき点は特にないけど、時々相談に乗ってやったり乗られてやったりすることはあるわね。あいつは人間の若造だけど頭の回転が早いから、たまに役に立つのよ。あいつとしても、それは自分を売り込む為の価値の一つなんでしょうね。
 ここからはついでだけど、以前リチャードにライトニングスライムがいたら是非うちで雇いたいと言われたことがあってね。残念ながらその頃にはもう魔族国にライトニングスライムはいなかったから彼の期待に応えることはできなかったのだけど……少し前に棚を整理していたら、だいぶ昔に採取したライトニングスライムの欠片が出てきたのよ。まあ欠片だからこれだけ送っても仕方がないし、以前クロシュについて酷いことを書いたから、お詫びとしてその欠片はクロシュにあげるわ。クロシュならきっと使いこなせるでしょう。
 それじゃあ今後の幸運を祈っているわ。

追伸1:大魔女帝国にいるならスール魔法店には行ったかしら? 数日前に新商品を出荷したから、そろそろ棚に並ぶ頃だと思うわ。もしあそこで買い物をするなら、この手紙を見せて割引してもらいなさい。

追伸2:スールとフローレンスがもし私やフレメアについて何か言っていても真に受けないこと。

 *

 小包「」パカッ
 ライトニングスライムの欠片「」パチパチ…

イリス「わっ……! びりびりしてる……!」

妖精「へえ、保存状態はかなり良いみたい。クロシュ、どう?」

クロシュ「うん……」

 クロシュの手「」ソー…
 ライトニングスライムの欠片「」バチッ!

クロシュ「ひゃっ!」ビクッ

イリス「ま、まあ……いきなりは難しいよね」

クロシュ「う、うん……。えと……レッドちゃんの時みたいに……ゆっくり、練習すれば……同化、できるかも……。ありがと、フラナさん……!」

イリス「ふふ、クロシュちゃんのお礼も返事にしっかり書いておくね」

 ☆ライトニングスライムの欠片を手に入れました

 ◆
459 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 22:43:44.14 ID:V94IO24R0
―歓楽区
 スール魔法店

 カランカラン

スール「らっしゃ〜い。おっ、ダークヒーローとダークヒロインじゃないか」

イリス「ど、どうも」スタスタ

ミスティ「その言い方はやめてくれるかしら……」

フローレンス「いいじゃないですかぁ、減るもんじゃないですし」

ミスティ「減るわ……。堪忍袋の緒の幅が……」

スール「えっ……!? わ、悪かったね……そこまで気に入らないものだとは思ってなくてさ」

ミスティ「冗談よ……」

スール「冗談かい!」

イリス「あはは……ミスティ、冗談に聞こえなかったよ」

ミスティ「えっ……」

イリス「ところで新商品が入荷したらしいですけど――」

スール「お、耳ざといねえ。そうなんだよ、フラナから届いたのさ」

フローレンス「何が届いたんです?」

スール「あんたも一応ここの店員なんだから把握しときなよ」

フローレンス「本業は建築ですし……」


↓1コンマ
01-50 ジェネリック幼化薬
51-90 マッスルブラッドワイン
91-00 無敵薬
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 22:43:58.70 ID:7OaFLLkDO
はい
461 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 23:21:49.12 ID:V94IO24R0
 マッスルブラッドワイン「」ポン

イリス「こ、これは……」

スール「マッスルブラッドワイン! マジカルブラッドワインはほとんど魔法使い専用だったからねえ。物理戦闘職の人たちからの熱い要望に応えて、とうとう筋肉を底上げするブラッドワインが登場したってわけさ!」

ミスティ「なるほど……確かに、ローガンさんやエバンスならこっちの方が良さそうね……」

イリス「筋肉を底上げ……後で筋肉痛になったりとかは……?」

スール「もちろんそういう副作用もある。イスファハーンで流行ってるマキシマイズドリンクマークZのブラッドワイン版といった感じかねえ」

フローレンス「美味しいって評判だから試しに飲んでみたら翌日ひどい筋肉痛になって大変でしたよ、そのマキシマナントカドリンク。効果は確かに前評判通りすごかったですけど」

スール「美味いからって試しに飲むもんじゃないよ薬は……。どうだい、買ってくかい?」

イリス「じゃあせっかくなので! あ、これを見せれば割引してくれるってフラナ先生が言ってたんですけど……」

 フラナからの手紙「」ペラッ

スール「ありゃま、本当だ。はあ、フラナからの頼みとあらば仕方ないねえ。ちょっとまけてあげよう!」

イリス「ありがとうございます!」

 ☆マッスルブラッドワインを1本買いました

 ◆
462 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 23:36:59.00 ID:V94IO24R0
―大魔女宮殿 門

クロシュ「……」トコトコ

クローディア「止まりなさい」ヌッ

クロシュ「!」

妖精「大魔女……。クロに会いに来ただけだよ」

クローディア「だからこそよ。あなたたちがあの子に関われば、あの子は余計に苦しむことになる……。私は最低の女だけれど、だからといってあの子の苦痛を積極的に望んでいるわけではないの。帰りなさい」

クロシュ「んゅ……」

妖精「うぐぐ……でも、お話していれば解決の糸口が見つかるかも……」

クローディア「この私ですら見つけられなかった解決策を、あなたたち如きが一朝一夕で見つけられると?」

クロシュ「んゅゅ……」

妖精(何も言い返せない……。確かに、私たちはこの大魔女からすれば知識も技術もあかちゃんに等しい……)

クローディア「わかりましたね? それに今は、あなたたちに構っている暇はないのです。一刻も早く犯人を突き止めなければ、この国の治安は――」


 ヒュゥゥゥゥ――…


クローディア「……!!? この、気配は――」

妖精「これは……もしかして」

クロシュ「!!」


「……ずいぶん、変なことをやってるんだね……クローディア……」ヒュゥゥゥ…


クローディア「クロシュヴィア・ビターエンド!!」

クロシュヴィア「ブブー……。今はクロシュヴィア・スウィートエンドです……」ストッ

クロシュ「クロシュヴィアちゃん!」

クロシュヴィア「クロシュちゃん、久しぶり……。妖精さんも……。イスファハーンでは大変だったみたいだね……」

妖精「知っているの!?」

クロシュヴィア「あの銀色の子からの助け、聞こえたもん。本当に危なくなったらわたしも助けに行こうかと思ってたんだけど、大丈夫そうだったから……。ごめんね、やっぱり助けた方が良かったかな……?」

クロシュ「んーん……。クロシュヴィアちゃんも、忙しいと思うし……。でも、ありがと……」

クロシュヴィア「そっか……! でもクロシュちゃんもあの銀色の子も、シュヴィアちゃんも、みんな無事でほんとに良かった……」

クローディア「……救える力を持ちながら、それをしないのは単なる怠慢だと思うけどね」

クロシュヴィア「ふうん……クロちゃんを救える力を持ちながらそうしない人が言うと……説得力があるね……」

クローディア「……わざわざ嫌味を言いに、千と数百年ぶりに私に会いに来たの?」

クロシュヴィア「ずっと寝てたから……。クローディアがこんな変な国を作ってたって知ったのもごく最近だよ……」

クローディア「そうでしょうね。あなたが早々に諦めて不貞寝していた間、私は理想を諦めなかった。私たちが思い描いた最高の世界を実現する為の努力を惜しまなかった……!」

クロシュヴィア「この小さな箱庭が、理想の世界なんだ……。わたしが寝てる間に、あなたの理想はずいぶんとちっちゃくなっちゃったんだね……」

クローディア「黙りなさい! 世界全てを救うことなんて不可能だってわかったから、あなたも不貞寝したんでしょう!! 全てを諦めたあなたに、私を責める資格なんて――」

クロシュヴィア「残念でした……わたし、資格あるみたい」スッ

 デロデロ…モニョモニョ…ドン!
 デロデロ世界の絵「」デロデロデロ

クローディア「こ、この絵は……!?」

クロシュヴィア「ふふふ……そこのクロシュちゃんが描いてくれた、理想。素敵でしょ……?」


↓1コンマ
01-10 真の正しい世界
11-90 ありえない!!!!
91-00 ……
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 23:38:36.25 ID:gVOHe0Ez0
464 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 00:45:25.84 ID:Ew7TzP9w0
クローディア「ありえない!!!!」

クロシュ「!」ガーン!

妖精「な、何もそこまで強く否定しなくても……」

クロシュヴィア「ひ、ひどい……どうしてそんなひどいこと言うの……?」

クローディア「全てが溶け、混ざり合い、一つになった世界……果たしてそれは、生きていると言えるの? そこに幸せはあるの? 愛は、あるの?」

クロシュヴィア「あるよ……。愛しているから、一つになるんだもん……」

クロシュ「」ウンウン
妖精「」ウーン?

クローディア「一つになったら……愛することも、愛されることもない……。あらゆる知性も、記憶も、想いも……全てが混ざれば、全てが意味を失い、混沌の渦に沈んでいく。そこに残るのは、単なる物理現象としての生命活動だけ。そんなのが……理想であってたまるものですか……!!!!」

クロシュ「!」ガーン!
妖精「」ウンウン

クロシュヴィア「違うよ……知性も、記憶も、想いも……余計なものばかりだから、いつまでも争って、憎み合って、苦しめ合うんだ……!! それだったら――全部まとめて溶かして混ぜてデロデロにして、生まれたてのスライムみたいに無邪気にモニョモニョしてる方が百億万倍良いもん!!!!」

クロシュ「!」パァァァ!
妖精「」ウーン…

クローディア「このわからずや!! バカスライム!!」

クロシュヴィア「わからずやはそっちだもん!! ばか!! 鳥頭!!」

 ギャーギャー――…

 ◇
465 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 00:46:01.04 ID:Ew7TzP9w0

クロシュヴィア「はあ、はあ……人間の姿に化けてるけど、結局はばかの鳥頭なんだね……。何を言っても鳥の耳に念仏だってことがよくわかったよ……」

クローディア「そっちこそ……昔と変わらずバカのようね。あなた程度のバカを恐れる心配など全く不要だったわ。不毛な宗教活動、精々がんばりなさい」

クロシュヴィア「むむう……わたし、そろそろ本気で怒ってきたかも……」

クローディア「あらあら、ずっと怒ってたじゃないの。今さら怒ってないアピールとか自分で言ってて恥ずかしくないの?」クスクス

クロシュヴィア「むむむう……!! もう本気で怒った……!! 風船スライムの子をずっと苦しめてる癖に、楽園だなんて大嘘ついてる最低の選民主義のこんな国、デロデロに溶かしてやる……!!」ゴゴゴゴ

クロシュ「わわ……!?」

妖精「な、何をする気……!?」

クロシュヴィア「こんな酷い国、デロデロのしなきゃ誰も救われないもん……!!!」ゴゴゴゴゴ…


 ズズ…デロデロ…

 デロデロに溶け始めたクロシュヴィアの周囲「」デロデロデロ


クロシュ「!!」

妖精「うわわわあ、本気だ!!?」

クロシュヴィア「待っててね……クロちゃんの苦しみは、わたしがデロデロに――」

クローディア「やめなさい!! それ以上狼藉を働くなら――」


 カッ!!!!

クロシュヴィア「んきゅっ……!?」ググッ


妖精「クロシュヴィアの力が……止まった……!?」

クローディア「ここから――去れ!!!!」カッ


  ポヒュゥゥゥゥン――

  吹っ飛んでいくクロシュヴィア「んわ〜………!!」ヒュゥゥゥゥン…


妖精「クロシュヴィアが……吹っ飛んでった……」

クローディア「フン……二度とこの国に入れないよう、しっかり結界を見直しておかないと」

クロシュ「……」ショボン

クローディア「……あなたたちも、早く帰りなさい。どこに何が潜んでいるかわからない。クロシュヴィアは追い払ったけれど、肝心のテロリストの方はまだ逮捕できていないのだもの……」

 ◇
466 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 00:49:04.22 ID:Ew7TzP9w0
というわけで本日はここまでとなります

突然来訪したクロシュヴィア氏と言い争いを始める大魔女クローディア氏……。巻き込まれたクロシュと妖精は、両者の言い分に耳を傾けつつ思索を深めていく。何が正しくて、何が正しくないのか。どう生きるのが生命にとって最も良いのか。光を追う旅も、思索を深める旅も、まだまだ先は長いようです。クロシュさんも、自分なりの考えを深めていけると良いと思います

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 03:21:51.86 ID:N7XM2gzEo
乙乙
選択料理楽しいな
クロシュちゃん絵が褒められる時と貶されてる時の表情忙しそうかわいい
クロシュヴィアが昔馴染み相手だと超然カルト教主から幼めの駄々っ子になっててほっこりする
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 12:37:55.28 ID:c49voS39O
エンド組は過去何があったのかね
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 14:47:05.47 ID:T5Wr5iWDO
んわ〜と吹っ飛んでいくクロシュヴィア可愛い

そこら辺はなんだかんだスライム
470 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 17:45:49.87 ID:Ew7TzP9w0
クロシュ氏は絵を貶されると落ち込み、褒められると喜ぶようです。今回のことで、クロシュの中でのクロシュヴィアちゃん好感度が少し上がり、大魔女さん好感度が少し下がったかもしれません
クロシュヴィア氏は教祖モードの時は格好つけますが、親しい相手と話す時は素の性格があらわになるようです。昔からよくこうやって音楽性の違いで喧嘩したのかもしれません

苗字にエンドと付いている人たちがどのような過去を経験したのかは今のところ明らかになっていません。他の人はわかりませんが、クロシュヴィア氏は気軽に苗字を変更していたので、苗字に関してのこだわりは薄いようです。彼らにとって苗字とは、家系や氏族を示すものではないのかもしれません

スライム類の方はびっくりした時や吹っ飛んでいく時にんわ〜と言うことが多いようです。スライム語でんわ〜と言う時もあれば、人間語でんわ〜と言う時もあります。伝説スライムのクロシュヴィア氏も、その辺りはスライムらしいスライムのようです
471 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 17:46:20.24 ID:Ew7TzP9w0
―大魔女帝国 滞在11日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
マッスルワイン*1               
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
雷スライムの欠片


◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
・クロさんを助ける

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
……………………………………………………………………………………
472 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 17:47:19.32 ID:Ew7TzP9w0
―朝
 宿舎 宿泊室

 コンコン

スライムクロシュ「?」モニョ

イリス「はーい」パタパタ

ミスティ「こんな朝早くに一体誰かしら……?」

 扉「」ガチャッ

緑髪のイケメンエルフ→ティリウス「やあ、おはよう。先日君たちのお世話になった緑化担当のティリウスだよ」

妖精「えっティリウス?」ヒョコ

ティリウス「久しぶりだね太母。噂はかねがね聞いてるよ」

妖精「あなた……フォレスティナがこの間どれだけ大変だったかわかってるの……!?」

ティリウス「ははっ、フォレスティナにはティセリアもサリーもいるし、何より太母が帰還したんだ。僕なんかいてもいなくても変わらなかったさ」

妖精「……まあ、確かに政治に関してあなたができることは何もなかったかもしれないけど……。でもティセリアには支えがいくらあったって良いんだよ」

ティリウス「そうかな? まあそれは置いておいて……」


イリス(えと……ティセリアさんたちと何か関係のある人なのかな……?)

ミスティ(エルフは年齢関係なく見た目が若いから、誰とどういう関係なのか検討もつかないわ……)


ティリウス「ちょっと太母率いるフォレスティナ使節団に相談したいことがあるんだ」

妖精「相談……?」

ティリウス「ああ。大庭園にミントウネが大発生して困ってるって話は知ってるかな? この前、そこのイリスちゃんとミスティちゃんに捕獲を手伝ってもらったんだけど」

イリス「あ、はい!」

ミスティ「手伝ったわね」

妖精「新聞で見たし、この子たちからも聞いたよ。まさか緑化担当があなただったとは思わなかったけどね。それで、ミントウネがどうかしたの?」

ティリウス「ああ……昨日、ようやくミントウネの苗床を見つけたんだ」

妖精「へえ……ていうか今まで見つかってなかったんだ……」

ティリウス「そうなんだよ……。ミントウネって地面から抜けて自由に歩けるタイプの種だから、どこにでも好き勝手に移動しちゃうんだ。そのせいで庭園中で増えて困ってたから場当たり的に対処してたんだけど、いつも後手後手でさ……」

妖精「でも本拠が見つかったんでしょ? ならそこをどうにかすれば良いんじゃないの?」

ティリウス「それが……そこが問題なんだ」

妖精「どういうこと?」

ティリウス「……魔王樹の結界……覚えてるかな?」

妖精「!!?」

ミスティ「えっ……!? 魔王樹って……」

イリス「ど、どういうことですか……!?」
473 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 17:47:45.51 ID:Ew7TzP9w0

ティリウス「かつて、僕たち緑の民が総力を結集して作り上げた結界……。それとよく似たものが、庭園の片隅にひっそりと巧妙に隠されていたんだ。ミントウネは、その中から不定期に現れているみたいだった……」

妖精「う、嘘……なんで……!? まさか、魔王樹も……!?」

ティリウス「いや……多分その心配はないと思う。魔王樹の、あの恐ろしい気配は感じられなかった。中を覗いたわけじゃないから断定はできないけどね」

妖精「そ、そっか……。いやでも、あれは世界樹の結界を参考にして作り上げたものだし……私たち以外にあれの作り方を知っている者がいるとは思えない……」

ティリウス「そこなんだ。僕たち以外があの結界の作り方を知るはずがない……けど、現実に存在してるんだよ。それで、丁度今太母も来てるなら聞いてみようと思ってさ」

妖精「……もしかして、私を疑ってる?」

ティリウス「0.001%くらい」

イリス「疑ってないも同然じゃないですか!」

ティリウス「ははっ、でも0とは言い切れないんだ。いくら心優しい太母でも、時の流れで頭がおかしくなる可能性はあるからね」

妖精「はっきり言ってくれるね」

ティリウス「とにかく、これは大魔女帝国のみならず僕たち緑の民にも関わる重大な問題かもしれない。だから太母にも話しておこうと思って」

妖精「大魔女には相談したの?」

ティリウス「ああ、大魔女様には――」

 扉「」ガチャッ

クローディア「結界の調査には私も同行するわ。エスコートを頼めるかしら、緑の民たちよ」スタスタ

妖精「げっ!?」

イリス「いらっしゃったんですか!?」

クローディア「ええ……私がいると話しにくいこともあるだろうと思って、外で待機していたのよ」


イリス(ぜ、全然気付かなった……!)

ミスティ(大魔女……やはり恐るべき魔法使い……)


妖精「ティリウス〜……!! 私を試したなあ……!?」

ティリウス「いやあ、はは……」

クローディア「こうしようと提案したのは私です。ティリウスを責めるのはお門違いよ」スッ

ティリウス「大魔女様……そういうことは言わなくとも……」

クローディア「……あなたは我が国の国民だけれど、それ以前には緑の民だったのよ。祖国は大事にしなさい」

ティリウス「……お気遣い痛み入ります、大魔女様。大母も、ごめんよ……」

妖精「ああもう、わかったよ……。それで、結界の調査ってのはいつ行くの?」

クローディア「なるべく早く行きたいわ。でもあなたたちにも準備がいるだろうから、多少は融通を効かせてあげられる。いつが良い?」

妖精「そうだなあ……」


↓1〜 先取2票
1.すぐ行こう
2.明日行こう(本日の自由行動へ)
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 17:48:50.84 ID:X9fLOSxJO
2
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 18:22:28.37 ID:eSaUTHvjO
2
476 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 18:36:54.98 ID:Ew7TzP9w0
妖精「明日でも良い?」

クローディア「わかったわ。例の結界についてはティリウスから聞いているけれど、これについては実際に作って運用したあなたたちの方が見識は深いはず。頼りにさせてもらうわよ」

妖精「こっちこそ。頼りにさせてもらうよ」


大魔女帝国滞在11日目です。この行動終了後、大庭園に隠されていた謎の結界の調査に向かいます
↓1〜3 自由安価 何をする?
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 18:37:32.02 ID:S5hcTLzK0
ユキの宿舎に遊びに行く
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 18:38:22.38 ID:eSaUTHvjO
トム 魔法と斧術を上げる為にクロシュと模擬戦する
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 18:38:32.43 ID:Dcf82JM+0
ダークヒーローイリスのファン(クリス)が現れて本人だと感動される
自作のイリスのテーマソングを聴くことに
480 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 21:18:54.08 ID:Ew7TzP9w0
―居住区

クロシュ「……」トコトコ

ミスティ「……静かね……少し前までは、行き交う学生たちで賑わっていたのに……」

妖精「仕方ないよ。昨日もテロがあったらしいし……」

ミスティ「犯人の目的は一体何なのかしら……。ユキたちも自由に外出が……いや、あの子たちはけっこう自由に外出してるわね……」

妖精「大魔女としては外に出て欲しくないだろうけどね……。最初に操られた奴も学内じゃ天才って言われるほどの実力者だったらしいし」

ミスティ「心配ね……」

妖精「だから今日は行ってあげるんでしょ? あの子たちの買い出しに付き合いに」

ミスティ「ええ……。私たちも一緒なら安全性は高まるでしょう」


 ザワザワ ガヤガヤ
  パリーンッ! キャーッ!!!!


クロシュ「!?」

妖精「な、なに!?」

ミスティ「あっちの……ユキの宿舎の方からよ! 急ぎましょう!」タッ

 *
481 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 21:19:41.41 ID:Ew7TzP9w0
血を流して倒れている男子留学生E「」ドクドク


女子留学生A「キャァァァァァ!!!!」

男子留学生B「おい!? なんなんだよ!?」


様子のおかしい市民X「お前らが……外から来た奴らがいるから……!!」
 血が付着した鉄パイプ「」ポタポタ

様子のおかしい市民Y「環境を荒らす外来種は……殺すしかねェよなァ!!」
 血が付着した金槌「」ポタポタ

様子のおかしい市民Z「へ、へへ……大魔女様の聖火で、悪しき命は浄化だ……」
 火炎瓶「」チャプ…


女子留学生C「や、やめてください……来ないで……」ビクビク

男子留学生D(と、通り魔襲撃イベントキター!!! ここはCちゃんに格好良いところを――)

様子のおかしい市民X「消えろォ!!」グワッ
 血の付着した鉄パイプ「」ブオンッ!!

男子留学生D「おああああああ!!?!?!!??」

 ガギンッ!!

凍り付く市民X「ガッ……!」カチコチ

ユキ「みんな下がって!! 暴漢は私が抑える!!」ザッ

女子留学生A「ゆ、ユキちゃん……!」

男子留学生B「でも危ねえよ!!」

トム「オレもいるぜ! お前らは警備を呼んでこい!!」ザッ

女子留学生A「わ、わかった!!」ダッ

男子留学生B「すまねえ……! すぐに呼んでくる!!」ダッ

女子留学生C「うう……ごめんなさい、ごめんなさい……」ダッ

男子留学生D「う、うう……うおおおお!! おれも戦うぞ!!!!」ググッ

トム「無茶すんなよ!?」


 ――戦闘開始 様子のおかしい市民たち――


↓1コンマ
01-10 ??
11-60 劣勢
51-90 優勢
91-00 ??
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 21:22:41.87 ID:X9fLOSxJO
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 21:23:35.05 ID:N7XM2gzEo
484 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 21:34:35.99 ID:Ew7TzP9w0
トム「だらあっ!!」シュバッ
 斧「」ブオンッ!!

 ズドンッ!!

様子のおかしい市民Y「ごあ……!」ドサッ


ユキ「殺しちゃだめよトム!!」

トム「峰打ちだ!!」


凍り付く市民X「外来の悪種が……妖しげな術を使いやがって!! ぬああああ!!!」ググググ

 氷「」バギンッ!!
 血「」ドクドクドク!!

ユキ「えっ!? こ、凍った体を無理矢理動かして――」

トム「危ねえ!!」

 パヒュンッ
  ガギンッ!!

光メイド剣士クロシュ「……!」ギギギ

ユキ「クロシュ、さん……!」

血を流す市民X「なんだ……お前はァァァ!!!!」

ミスティ「私も来たわ!! はぁっ!!」シュバッ
 氷塊「」ブオンッ!!

 ドゴッ!!

血を流す市民X「オゴッ……」ドサッ

ユキ「ミスティさん!!」

トム「おお……!!」


様子のおかしい市民Z「へへへ……燃えろ、燃えろ……!!!」ブンッ

 火炎瓶「」ヒュンッ


↓1コンマ
01-10 ??
11-20 劣勢
21-90 優勢
91-00 ??
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 21:37:55.05 ID:S5hcTLzK0
486 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 22:10:43.68 ID:Ew7TzP9w0
 火炎瓶「」ヒューン

 風「」ヒュルルッ

 火炎瓶「」フワフワ…


様子のおかしい市民Z「おあ……? 聖火が……宙で止まった……」

妖精「危ないもん投げないでよ」

様子のおかしい市民Z「あ……?」

 氷塊「」ドゴッ!!

様子のおかしい市民Z「ごが……」ドサッ

ミスティ「こいつで終わりね」スタッ


ユキ「皆さん……ありがとうございました」

ミスティ「当然のことをしただけよ」

妖精「まあそうだね。でもこいつら……」

トム「おかしいぜ……いくら最近オレたち滞在組への風当たりが強くなってるからって、今までこんなこと一度もなかったぞ」

クロシュ「……」


男子留学生B「おーい、警備呼んで来たぞー!!」タッタッタッ

警備オートマタ「現着シマス」ガションガション
警備オートマタ「現着シマス」ガションガション

上級オートマタ「これは……状況をお聞かせ願えますか?」ガション


ユキ「警備……! あの――」


 ズズ…


妖精「……!? まずい!! みんな気を付け――」


漆黒に染まった市民X「」ヌッ

漆黒に染まった市民Y「」ヌッ

漆黒に染まった市民Z「」ヌッ


クロシュ「!!!!」バッ


 ★市民Xが〈疑似魔王化〉を発動!
 ★市民Yが〈疑似魔王化〉を発動!
 ★市民Zが〈疑似魔王化〉を発動!
  会心率および痛恨率が大幅に上昇!
  さらにコンマ+300!!
  1ターン後に死ぬ!!


↓痛恨確定

↓1
01-02 全滅
03-06 ミスティ
07-10 妖精
11-15 ユキ
16-20 トム
21-25 男子留学生D
26-30 男子留学生B
31-35 女子留学生C
36-45 上級オートマタ
46-60 警備オートマタ
61-90 クロシュがんばった
91-00 クロシュ覚醒
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 22:13:35.73 ID:FO03j/qdO
全滅こわ
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 22:17:48.27 ID:N7XM2gzEo
頑張った……!本当に……!
489 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:28:15.13 ID:Ew7TzP9w0
漆黒に染まった市民X「キエロ――」
 漆黒に染まった鉄パイプ「」ゴゴゴゴ

漆黒に染まった市民Y「ガイチュウ――」
 漆黒に染まった金槌「」ゴゴゴゴ

漆黒に染まった市民Z「ダイマジョサマノタメニ――」


漆黒に染まった市民たち「コロス――――」ゴゴゴゴ…


妖精「う、うわああああああ!!!!」

ミスティ「はあっ!!」カッ

 氷のシェルター「」ドンッ!

ミスティ「みんな早くこの中へ!!」

ユキ「はい!!」
トム「お、おう!!」
男子留学生B「し、失礼します!!」
男子留学生D「お、おれも!」
女子留学生C「ごめんなさい……」

ミスティ「妖精! クロシュも! 警備さんたちも!!」

妖精「わわ、わかった!」
クロシュ「うん!」
警備オートマタ「退避シマス」ガションガション
警備オートマタ「退避シマス」ガションガション
上級オートマタ「状況を確認したいのですが……」ガションガション

ミスティ「あれは長くは持たなかったはず……! このシェルターで持ちこたえれば――」


 バゴンッ!!
 シェルター壁面「」バギャッ


男子留学生B「う、うわあああああ!!? これ持つんですか!? 持つんですか!!??」

ミスティ「くっ……! 壁の補修を――」

ユキ「わ、私も手伝います!!」

 バゴンバゴンッ!!
 シェルター壁面「」ゴシャッ グシャッ

 ドガンッ!!
 風穴「」グシャアッ

ミスティ「ほ、補修が間に合わな――」

クロシュ「!!」シュバッ!!

妖精「えっ!? クロシュ何を――」
490 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:29:15.95 ID:Ew7TzP9w0
 デロデロ…モニョモニョ…


シェルターを覆う大亀の甲羅「」ポン!!


ミスティ「あっ……く、クロシュやめなさい!! だめ!!!!」

妖精「ば、ばか!! ばかクロシュ、やめろ!!!」


 ドゴンッ!! バゴンッ!!
  グシャアッ!! ボムギッ!!!


妖精「あ、ああああああ!!! やめて、もうやめて!!!!」ポロポロ

ミスティ「出しなさい!! ここから出せ、クロシュ!!!!」ドンドン!!

トム「クロシュさん出してくれ!!! オレが奴らと戦う!!!」

ユキ「うう、うううう……!!」グググ…


 バギイッ!! ドゴオッ!!
  ボゴンッ!! バギャアンッ!!

    ――…


男子留学生B「お、音が……止んだ……?」


 デロデロ…

ボロボロスライムクロシュ「」デロロ…


妖精「あ、あ……クロシュ、クロシュ……!!!」パタパタ

ミスティ「クロシュ……!!」タタッ

ボロボロスライムクロシュ「」デロデロ…


 ――戦闘終了――
491 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:30:30.56 ID:Ew7TzP9w0
―昼
 居住区 交番

上級オートマタ「皆さん、本日は事態の鎮圧にご協力頂きありがとうございました」ペコリ

警備オートマタ「アリガトゴザイマシタ」ペコ
警備オートマタ「アリガトゴザイマシタ」ペコ

上級オートマタ「そして……身を挺して市民の皆様を守って頂いたクロシュ様には、特大の感謝を申し上げます。しかし恥を偲んで言わせていただけば、もう二度とあのような無茶はしないで頂きたく思います」

ボロボロスライムクロシュ「……」モニョ…

妖精「そうだよクロシュ……もう二度とあんな真似しないで……」 グスッ

ミスティ「ええ……あなたが酷い目に遭って私たちだけが助かっても全く嬉しくないわ……」

ボロボロスライムクロシュ「……」モニョニョ…

上級オートマタ「申し訳ありません。全ては我々の不甲斐なさゆえであります」

トム「……ああ。怒りでブチギレそうだぜ……オレ自身の弱さに……」グッ

ユキ「……珍しく意見が合うね、トム……」グッ

 *
492 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:31:32.00 ID:Ew7TzP9w0
―居住区 公園

トム「ふんッ! はッ! だあッ!!」ブンブンブンッ

ユキ「はあっ!! せやっ!!」カチンッ! コチンッ!



ミスティ「……クロシュ……さっきは、言い過ぎたわ……。あなたが守ってくればければ……私たちはきっと、無事ではいられなかった……」

ボロボロスライムクロシュ「〜〜…」モニョ

妖精「……私も……言い過ぎちゃったかも……。ごめんね……。助けてくれて、ありがとうね……」ナデナデ

ボロボロスライムクロシュ「〜〜…♪」モニョニョ…



クローディア「……聞いたわ。また、あなたたちに助けられてしまったそうね……」スタスタ

妖精「大魔女……」

クローディア「特にクロシュには大変な苦労を強いてしまったとか……。頭が下がるわ」

ボロボロスライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…

クローディア「我が国に尽くしてくれた勇姿には最大の恩寵を与えなければね」ゴウッ―

 橙色の焔「」ユラユラ

妖精「えっ……!? その、焔って――」

クローディア「私の真の力の一端をお見せ致しましょう」

 橙色の焔「」ユラッ―

クローディア「原初の焔よ――勇気あるスライムの子に、再生の熱をもたらせ」

 橙色の焔「」カッ!

ボロボロスライムクロシュ「〜〜!!」モニャニャ!!


 傷ついたクロシュの体組成「」ジワジワ――

  再生していくクロシュの体組成「」デロデロ――

   完治するクロシュの体組成「」モニョモニョ――


万全スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョ!!


妖精「す、すごい……! 傷が治っただけじゃなくて、体力とかまで全回復してる……!?」

クローディア「私の最も優れた力の一つと言えるでしょう。元気になったようで何よりです」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

妖精「……大魔女って、もしかして……不死鳥……?」

クローディア「あら、大魔女は大魔女よ?」ニコ

 *
493 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:32:21.45 ID:Ew7TzP9w0
トム「だりゃあああっ!!!」
 斧「」ブオンッ!!

  氷「」バギョムッ!!

ユキ「くっ……! 私の負け……」

トム「はあ、はあ……。まあオレは炎だからな。ユキ相手なら勝てて当然だ」

ユキ「その言い方はムカつく……」


スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン モニョモニョ!


トム「あ、クロシュさん! 怪我は大丈夫なのかよ!?」

ユキ「……もう、治ってる……?」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


 デロデロ…モニョモニョ…チリッ


炎クロシュ「トムさん……バーニングスライムのちから……どう……?」チリチリ…

トム「なっ……!? クロシュさん、炎属性まで使えんのかよ!?」

炎クロシュ「うん……レッドちゃんに、もらった……」

トム「は、反則すぎんだろ……。ていうか怪我は大丈夫なのか?」

炎クロシュ「うん……大魔女さんに、治してもらった……」

トム「まじか……。じゃあ、ちょっと戦ってみてえ!! 病み上がりで悪いんだけど良いか!?」

ユキ「本当に悪い……。クロシュさん、こいつの言うことは聞かなくても……」

炎クロシュ「うん……! わたしも……体の奥、めらめらちりちりする……!!」

トム「しゃあ!! じゃあやろうぜ!!」

ユキ「ええ……」


 ――模擬戦闘開始 炎の留学生トム――


↓1コンマ
01-10 敗北 剣経験+1、トムLV+1
11-50 勝利 剣経験+1、魔経験+1、トムLV+1
51-90 勝利 剣経験+2、魔経験+1、トムLV+2
91-00 会心 剣経験+4、魔経験+4、トム覚醒
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 23:33:33.88 ID:Dcf82JM+0
てや
495 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:53:49.93 ID:Ew7TzP9w0
炎メイド剣士クロシュ「」シュバッ

トム「うおっ!」

 ガギンッ!!

  赤熱メイドブレード「」ギギギ
  炎の斧「」ギギギ

トム「あっちち……!? マジでレッドと同じ熱さだ……!!」バッ

炎メイド剣士クロシュ「」シャッ

トム「ちいっ!!」

 ギンギンギンガギンッ!!

炎メイド剣士クロシュ「!」グラッ

トム「だが――パワーなら斧の方が上だ!!」グオアッ

 炎の斧「」ブオンッ!!

  ヒュンッ

トム「なにっ!? 避けられ――」

炎の踊り子クロシュ「〜〜♪」シャランシャラン

 際どい踊り子衣装「」シャランシャラン

トム「えっ……!? う、うおおっ!?///」

炎の踊り子クロシュ「?」



ユキ「……トムの奴……戦いの最中に何考えてるのかしら……」

妖精「男の子なんだねえ……」

クローディア「あっははは、かわいいじゃない!」



トム「うおおおお!! 卑怯だぞクロシュさん!!!!」

炎の踊り子クロシュ「ほえ……?」

トム「そんな軟派なやり方に……オレは負けねえ!!!」カッ!!!
 炎「」ゴオオオオッ!!

炎の踊り子クロシュ「わあ……!」

トム「決着を付けてやんぜ!!」シュバッ

炎の踊り子クロシュ「〜〜♪」シャランシャラン
 踊り子の双剣「」シャキンッ

  ギンギンギンギンッ
   クルンクルンッ ドッギャァァァンッ!!!!

 *

トム「負けた……魔法でも、炎でも、武技でも……」

クロシュ「……踊り子になったら……トムさん、弱くなった……」

トム「うっ……」

ユキ「技術よりも精神を鍛えた方が良いんじゃないの」

トム「う、うるせェ!!」


 ☆クロシュの剣経験が+2、魔経験が+1となりました
 ☆トムの戦闘レベルが上がりました

 ◆
496 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:54:44.92 ID:Ew7TzP9w0
というわけで本日はここまでとなります。次回はダークヒーローを称える歌編からとなります

ユキさんのところへ行こうとしたら突然のテロリズムが発生し、窮地に追いやられる一行。続々と疑似魔王化する市民たちに絶体絶命のクロシュたちでしたが、ミスティのシェルターとクロシュの根性によりなんとか九死に一生を得ました。妖精さんとミスティさんにものすごく叱られたクロシュさんですが、間違ったことをしたつもりは全くないらしく、たぶん反省もしていません
そして純情な若者を相手に扇情的な格好で攻め立てて勝利を収めるクロシュ氏です。明日の調査へ向けて、一歩一歩力を付けていくのが良いでしょう

それでは本日もありがとうございました。次回の土日もよろしくお願いいたします
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 23:57:21.41 ID:T5Wr5iWDO
乙です
学生三人組の中で出てこなかったトリル君は大丈夫だったのかな
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/28(月) 03:05:33.10 ID:1TB7dIWWo
おつです
ああ、擬似魔王化が切れるまでクロシュが耐えたのか…
考えるより動く派 クロシュ、ミスティ(妖精も此方寄り)
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/01(金) 02:10:31.14 ID:ea86b0O90

トムって炎魔法以外にもマグマを操る溶岩魔法があるけどそれは使わないのかな?それかトムレベルが覚醒したら使えるのかな。後、トムレベルはどれくらい上げたら覚醒になるのかな?
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 08:37:18.60 ID:sgggkT1n0

もう魔王のだな
501 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 17:16:16.01 ID:SR0sl2AI0
トリルくんはたまたまあの時あの場にいなかったようです。図書館にでも行っていたのかもしれません。彼の方では特に問題はなかったようです
トリル氏はユキさんやトム氏と比べると武闘派というわけでもありませんが、面白い魔法の使い手なので、もし彼が戦うことになったら面白いものが見られるかもしれません

クロシュは大亀の甲羅の姿になり、疑似魔王化した人たちからの攻撃を耐えたようです。とても痛かったそうですが、スライムは物理に強く体も丈夫な生き物なので、大事には至らなかったようです
クロシュとミスティさんは、考えるよりも先に体が動いてしまうことが他の人より確かに多いかもしれません(ミスティさんはクロシュよりは冷静です)。妖精さんもそういう節がないわけではないですが、時々考えすぎて動けなくなってしまったりもするため、前者二人に比べると慎重かつ引っ込み思案と言えるかもしれません

トム氏は溶岩を扱う魔法も使えますが、街中で溶岩を出すのはけっこう危険なので、街中で溶岩を出すことはないようです。この大魔女帝国は空中都市なので、トム氏が溶岩魔法を自由に使える場所は学園の耐火室や競技場くらいかと思われます
覚醒はレベルアップではなくクリティカルが出た時のものとなっています。パーティメンバーというわけではないので、運次第と言えるのかもしれません

疑似魔王化は恐ろしい邪法ですが、1ターンで死ぬ上に本物の魔王よりは全然弱いので、気をつければ大丈夫でしょう。しかし複数人が一気に疑似魔王化すると冗談では済まされないコンマ補正がかかってしまうため、やはり気を付けた方が良いかもしれません
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