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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part4
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202 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/09/30(月) 00:07:49.21 ID:BZ+8QHXH0
というわけで本日はここまでとなります。次回はついに、大魔女帝国編突入となります
イスファハーンでの戦いを終え、ついに訪れる大魔女帝国の空中楽園都市エデン。その巨大な街を支配する大魔女とは、噂通りの女神か、権謀術数企てる魔神か。クロシュたちは、無事に飛行手段を手に入れられるのか――
クーちゃんさんは自分のことをクールでミステリアスな闇の女だと思っているようですが、実のところクロシュたちはそのように思っていないようです。そんなわけで気の抜けたあだ名で呼ばれるのはやはり少し格好がつかないようですが、あまり否定しない辺り意外と満更でもないのかもしれません
それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります。よろしくお願いいたします。大魔女帝国編をお楽しみに
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/09/30(月) 01:49:18.51 ID:zQ3feBDEo
おつおつ
くーちゃんさん、初登場からすっかり丸くなっちゃってカワイイね!
ついに足を踏み入れる魔女国も楽しみ、一体どんな様子なんだ…
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/02(水) 12:13:33.98 ID:3LxATMV0O
乙
クロシュも風船スライムさんに擬態とかすれば飛べるようになるかな?って思ったけどそういえば緑の国編で綿毛になって飛んでたことあったね
まあ綿毛じゃみんなを運んで飛ぶとかは無理そうか
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 09:06:35.63 ID:LiTuNBdH0
乙
フラナさん昔は魔王だった・・・?
革命戦時は普通に兵士殺害してたし全然良識派ではない気が
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 12:53:53.59 ID:Qg6ADAOQO
クロシュヴィアコンマが恵まれなかっただけですぐ近くにいるんかね大魔女帝国にも出没しそう
207 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 17:27:57.28 ID:jx8kKVe00
クーちゃんさんはすっかりクロシュ一行にほだされてしまったようです。今回は大魔女帝国に行けませんでしたが、また道連れとなる機会もあるかもしれません
大魔女帝国編でクロシュが誰と出会い、どのような運命を辿るのかは今後の展開次第となります。お楽しみに
実のところ風船スライムさんが飛んでいる原理は単純なものでもないらしく、ただ擬態するだけではその浮遊能力を獲得することはできないかと思われます。風船スライムさんから欠片をもらうなどして同化すれば、その浮遊能力を獲得することができるかもしれません
綿毛に擬態した場合、クロシュ単独でなら空に浮かび上がることが可能ですが、重いものを持ち上げたりとかはやはり難しいようです。そして風がなければ自力で飛べず、風向きにも逆らえないため、少々扱いの難しい擬態となっているようです
魔王が元の姿や人格に戻った例は今のところなく、フラナ氏も魔王だったことはないと思われます。革命の時は悪魔のような冷酷さを見せたフラナ氏ですが、ここ最近は捕虜の待遇向上など、人間への扱いが以前よりも軟化していると見られているようです。魔族の中の過激派からすると、ここ最近のフラナ氏のやり方は少々ぬるすぎて気に入らないものなのかもしれません
クロシュヴィア氏が登場するかどうかはコンマ次第ですが、今のところ世の中の動向に積極的に介入する気はあまりないらしく、地道な宗教活動で人々の意思をデロデロにしようという考えが優勢のようです
そして大魔女帝国では大魔女信仰が非常に強いため、もしクロシュヴィア氏が大魔女帝国でデロデロ教の布教活動をしようとしても、すごく難航してしまうかもしれません
208 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 17:28:22.64 ID:jx8kKVe00
―イスファハーン港
埠頭
空中楽園都市エデン「」ズゥン――…
イリス「ま、間近で見ると……大きい……!!」
妖精「一体どんな方法でこれだけのものを浮かせているのやら……」
搭乗ハッチ「」プシュー…
タラップ階段「」ジャコンジャコン!
ミスティ「扉が開いて……階段が伸びてきたわ」
エバンス「誰か降りてくるぞ」
コツコツ…スタ
黒髪短髪の女性「遠路はるばるようこそいらっしゃいました、妖精御一行の皆様」
エバンス(おお、美人だ……)
ローガン(うむ……美人だな)
黒髪短髪の女性→ロディナ「皆様の迎え入れ対応をさせていただきます、受付係のロディナと申します。以後よろしくお願いいたします」ペコリ
イリス(おお……所作のひとつひとつが優雅だ……!)
ミスティ(クールな雰囲気ね……)
妖精(……この子……普通の生き物じゃないな)
ロディナ「それでは、足元にお気を付けて階段をお登りください。手すりもありますので、ご利用くださいませ」
イリス「は、はい! よろしくお願いします!」
ミスティ「よろしく……」
トンカントンカン…
◆
昇降機「」ウィーン…
ガゴン!
ロディナ「地上部に到着致しました。それでは改めまして――」
扉「」プシューッ
通りを行き交う人々「」ワイワイ
そびえ立つ摩天楼「」ドン
空を飛ぶ数々の飛行船「」ドドドド
遥か上方に広がる巨大な風船「」ゴゴゴゴ…
ロディナ「ようこそ、大魔女帝国へ――」
――大魔女帝国編 開幕
209 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 17:28:49.92 ID:jx8kKVe00
―空中楽園都市エデン
滞在用宿舎
ガチャッ
小綺麗な部屋「」ポン
ロディナ「皆さんはこちらにご滞在いただきます」スッ
ミスティ「滞在用宿舎……。確か、費用はかからないのよね?」
ロディナ「はい。宿泊費は無料となっております。また、一日三食まで食事を無償提供しておりますので、必要の際は一階の食堂をご利用ください」
クロシュ「!」
妖精「……一日三食までだからね?」
ロディナ「……四食目からはお代を頂きますが、他国の平均的な食事よりも安価に提供しておりますので、必要の際は是非ご利用ください」
イリス「すごい……! でもいいのかなあ、三食までタダでもらっちゃって……」
ロディナ「衣食住の保証は、滞在者のみならずこの国の住民全てが持つ当然の権利となっております。遠慮せずご享受ください」
エバンス「すげえ、流石は大魔女帝国だ」
ローガン「ふむ……承知した」
ロディナ「私は普段あちらの管理棟に駐在しておりますので、他に質問や要望などがありましたらお気軽にお越しください。それでは、良い滞在を……」スタスタ
イリス「ありがとうございました!」ペコッ
クロシュ「ありがと、ございました……!」ペコッ
◇
210 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 17:30:04.54 ID:jx8kKVe00
―大魔女帝国 滞在1日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ウニ盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:硬質革鎧 飾:
◇暗黒行商少女[闇の商人]
武:魔銀のナイフ 盾: 飾:貝殻の髪飾り
武: 防:闇のエプロン 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 暗黒優待券
属性大全 踊り子の双剣 冒険者証(ランク1)
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書 精霊のローブ かたたたきけん
ブラッドワイン*2
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
◯経験値
・風に[6/12](クロシュ)
・魔法[0/8](イリス)
・魔法[5/6](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
211 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 17:30:54.29 ID:jx8kKVe00
―宿舎
宿泊室
ベッド「」ポン
クローゼット「」ポン
テーブル「」ポン
微笑む大魔女が描かれた大きな絵画「」ドン!!!!
妖精「うわっ!?」
イリス「大魔女の絵!」
ミスティ「あれが……大魔女なのね……」
クロシュ「わあ……」
妖精「他の内装は小綺麗にまとまってるのに……いやまあ、逆にあの絵が引き立つとも言えるのか……」
イリス「ま、まあいいじゃない。ここはそういう国なんだからさ」
ミスティ「変わった国だわ……」
大魔女帝国滞在1日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 17:31:39.21 ID:ArtlReW/0
フラナに大魔女帝国に着いた事とリチャードと何を話したかを手紙で聞いてみる
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 17:31:44.35 ID:LiTuNBdH0
魔法学園(入れなかったら周辺で)で情報収集
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 17:37:50.33 ID:vslLc70DO
魔王図鑑を読む
215 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 18:22:32.66 ID:jx8kKVe00
―宿泊室
妖精「ティセリアへの報告は……ひとまずこれくらいでいいか。風の精霊いる〜?」
風の精霊『はぁ〜い』ヒュルヒュル
クロシュ「わあ……」
風の精霊『いつもすぐに出てきてびっくりしてる? ふふん、わたしたちはどこにでもいるんだよ〜』ヒュルヒュル
妖精「精霊と妖精の違いだね。精霊は個≠フ概念が薄いから、どこにでもすぐ現れるしすぐに消えたりもする」
風の精霊『そゆこと〜。でもお手紙はちゃんと届けるから安心してね〜』ヒュルヒュル
妖精「クロシュも、お手紙を出したければ出しても良いんだよ?」
クロシュ「あ、えと……。書くの……時間、かかっちゃうから……」
風の精霊『そっかぁ。じゃあ書けたらいつでも呼んでねえ。すぐに届けちゃうから〜』ヒュルヒュル
イリス「……妖精さんとクロシュちゃん、もしかして精霊さんとお話してる?」
妖精「あ、イリス。うん、風の精霊と。イリスもお手紙があるなら出す?」
イリス「出す出す! もう書いてあるから、良いかな?」スッ
手紙「」ポン
風の精霊『いいよ〜。じゃあ預かるねぇ〜』ヒュルヒュル
手紙「」フワッ
イリス「わっ、手紙が浮かび上がった……!」
妖精「人間にはそう見えるんだ……。ところで今回もフラナに?」
イリス「うん。ここに着いたことと、リチャードさんのこととか……」
妖精「そういえば知り合いなんだっけ……。変なとこで繋がりがあるんだなあ」
イリス「そうみたい……。まあいろいろあったけど、ここの渡航権をくれたりもしたしさ」
風の精霊『それじゃあお手紙はこれでいいかな?』ヒュルヒュル
妖精「あ、うん。お願い」
風の精霊『承りましたっ』ヒュルルッ!
◆
216 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 18:24:40.13 ID:jx8kKVe00
―空中楽園都市エデン
魔法学園
ワイワイ ガヤガヤ
学生たち「〜〜」キャッキャ
イリス「こ、ここが……大魔女帝国の、魔法学園……!!」
ミスティ「私たちと同じくらいの年齢の人もいるわね……」
エバンス「……俺とローガンの旦那はちょっと場違いじゃないか?」
ローガン「いや、この学園は学生だけでなく、魔法の研究や開発を行う機関も兼ねているようだ。よく見れば、学生たちに混じって大人の魔法使いも幾人か出入りしている」
イリス「それに出入りや受講は年齢問わず自由にできるみたいですよ。このパンフレットによると」スッ
魔法学園のパンフレット「」パサッ
ローガン「うお、マジか。じゃあ堂々と出入りするか……って受講料も無料だと!?」
イリス「パンフレットによると、そうらしいですね……」
ミスティ「……試しにちょっと受けてみようかしら?」
クロシュ「……わたしも、受けられるの……?」
ミスティ「ええ、クロシュももちろん受けられるみたいよ」
妖精「……受講無料か……この国の経済、どうなってんだろ」
↓1コンマ 情報収集
01-30 留学生エルフ「飛行手段ですか?」
31-60 三人組の学生「飛行手段?」
61-90 黒髪の幼女?「飛行手段……?」
91-00 大魔女「飛行手段が欲しいですって?」ヌッ
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 18:25:36.73 ID:3LkS7Ngho
こんま
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 18:25:37.50 ID:i/apwZKPo
ヌッ
219 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 20:09:27.46 ID:jx8kKVe00
エバンス「よし、それじゃあ散開して情報収集といくか!」
ローガン「うむ。まだ初日だ、気楽にいこう」
◇
クロシュ「あの……いい、ですか……?」
黒髪の幼女「え? わぁ、スライムさん?」
クロシュ「あ、うん……。わかるの……?」
黒髪の幼女「うん〜。擬態の補助にすごく高度な魔法も使ってるねぇ。初めて見る魔法かも……」
妖精「へえ、ここの人にとっても珍しい魔法なんだ」ヒョコ
黒髪の幼女「わぁ、妖精さんもいたんだ」
妖精「まあね。それで、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
黒髪の幼女「あ、ごめんそうだったね。どうぞ」
クロシュ「えと……空を……飛びたくて……。あっ……えと、飛ぶ、方法……この国で……えと……」
妖精「……まあつまり、この国で一般人でも使える飛行手段ってないかな? 中央大陸の西部上空に雲塊があるでしょ? 私たち、そこに行きたくて」
黒髪の幼女「えっ、あの謎の雲塊に? ううーん……あそこ、気流も天候もめちゃくちゃだって昔大魔女さまが言ってたし……」
妖精「ほら、この街って空にでっかいクジラみたいな船がいっぱい飛んでるじゃん。あれって買えたりしないの?」
黒髪の幼女「無理だよ! あれは大魔女さまが特別に貸与してるだけで、一般流通はしてないし……多分、あの雲塊に突っ込んだら風や雷にやられて墜落しちゃうと思う……」
妖精「そ、そう……。でもほら、この街だっていつでも空を飛んでるわけでしょ? 何か、風や雷をものともしないすごい飛行手段があるんじゃないの?」
黒髪の幼女「……この街は……ちょっと特殊な浮遊魔法で飛んでるの。ここからでも見えるよね? あのでっかい風船……」
空に浮かぶ巨大な風船「」ゴゴゴゴ
黒髪の幼女「あの風船は……ちょっと特別なの。この街の空を飛んでる飛行船や気球は、あの風船を参考にして作られたものなんだけど……完全な再現には程遠いの。だから……この街と同じ強度で飛べる物体は……他に、ないの」
妖精「えっ……絶対ないの? 絶対?」
黒髪の幼女「うっ……ぜ、絶対じゃないけど……でも、だめ! 一般の人は絶対手に入らないの!」
妖精「……?」
銀髪ショートの丸眼鏡エルフ少女「クロ教授、こんなとこにいたんですか」タッタッタッ
黒髪の幼女→クロ「あ、ノーラ」
銀髪ショートの丸眼鏡エルフ少女→ノーラ「講義の時間ですよ。クロ教授をみんな待ってます」
クロ「えっ……あっやば! ご、ごめん! 妖精さんとスライムさん、また今度ね!」タッタッタッ
ノーラ「すみません、クロ教授はお借りしていきますね」
妖精「あ、うん。教授だとは知らなくて。こっちこそ引き止めてごめん」
クロシュ「ごめんなさい」ペコリ
ノーラ「……ん……?」
クロシュ「?」
ノーラ「………いえ、それでは失礼します。教授、急いでください」
クロ「わかったってば!」
☆エデン魔法学園の教授クロと知り合いました
◆
220 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 20:10:09.39 ID:jx8kKVe00
―夕方
宿舎前 通り
スタスタ
妖精「――という感じで、収穫はないわけじゃなかったんだけど……」
イリス「一般の人は絶対手に入らない……てことは、一般じゃない人なら手に入るってこと?」
エバンス「単純に考えればそうなりそうだが……」
ミスティ「でも、一般人の手に届かないものじゃ……難しくないかしら……」
ローガン「……ふむ……まずは、それが何なのか突き止めたいところだな」
クロシュ「……」
ノーラ「……あれ? あなたたちは……」スタスタ
妖精「あ、あなたはクロ教授を引きずってった学生の……」
ノーラ「はい、ノーラと申します。セクリエ・ロイエから留学してきました」
イリス「わあ、留学!」
ミスティ「想像の及ばない世界だわ……」
妖精「私たちは……まあいろいろあって、ちょっとここに滞在してるの。聞いてたならわかると思うけど、ちょっと空を飛びたくてね」
ノーラ「空を……ふふっ、素敵ですね」
妖精「けっこう真面目なんだよ? まあいいけどさ」
ノーラ「でもそれなら私と似たような立場ですね。私もこの国の優れた魔法を学ぶ為に滞在している身ですから」
妖精「まあ確かにそういうことになるかな?」
ノーラ「それじゃあ、お互いに目的を達成するまでの間ではありますがよろしくお願いします。何かわからないことがあればどんどん聞いてくださいね。私はあっちの宿舎に滞在してますから」
☆留学生エルフのノーラと知り合いました
◆
221 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 21:45:56.94 ID:jx8kKVe00
―夜
宿舎 宿泊室
魔王図鑑「」ポン
妖精「さて……この本ももうすぐ読み終わるけど……」
ミスティ「……収穫はどう?」
妖精「……この残り僅かにかけるしかない」
クロシュ「わたしも……いっしょに、読んでいい?」
妖精「もちろん」
*
「目次」
・絶望の魔王 済
・狂気の魔王 済
・暗黒の魔王 済
・虚無の魔王 済
・夢想の魔王 済
・旋律の魔王 済
・記憶の魔王 済
・雷霆の魔王 済
・巨樹の魔王 済
・海難の魔王 済
・吹雪の魔王 済
・双子の魔王 済
・掃除の魔王
・憑霊の魔王
・永遠の魔王
・水底の魔王
ペラッ
「掃除の魔王」
生前の姿は不明。
史上最大と考えられるこの魔王は、超巨大な風船の如き威容で地上より遥か上空を浮遊し、直下にある物体の尽くを正体不明の力で削り取り消滅させたと言われている。地上を綺麗な更地にするその行動から、掃除の魔王と称された。一見風の流れに合わせて無軌道に移動しているようにも見えたこの魔王は、実のところ生命の豊富な地域へ優先的に移動して破壊活動を行っており、他の生命に対する明確な害意があったものと考えられている。雷霆の魔王、吹雪の魔王と並び、この魔王もまた史上最も危険な魔王の一つであったと目されることが多い。
最期には、天を駆ける橙色の焔に貫かれて討伐されたと言われている。その焔が何者の仕業だったのかは明らかになっていない。
「憑霊の魔王」
生前の姿は不明。
この魔王は物理的な肉体を持たず、他者に取り憑いてその行動を自在に支配する力を持っていた。取り憑かれた者は自己意識を失い、魔王の意のままに操られる傀儡となってしまう。さらに厄介なことにこの魔王は取り憑いた者の潜在能力を引き出すことができ、その解放された潜在能力を用いて恐ろしい殺人や破壊活動を繰り返した。宿主が死んでもこの魔王は霊体となって逃げることができたため、その討伐も困難を極めた。
しかし最期には光の聖女がもたらした烈光に焼かれて消滅した。
「永遠の魔王」
生前の姿は不明。
この魔王がいつ発生したのかは判然としていない。この魔王が存在する周辺一帯では時空間が著しく乱れており、過去と現在と未来が同時に存在するらしい。それがどのような状況であるのかは実際に見ていない私にはわからないが、これを体験して生還した冒険者は全員発狂してしまっており詳しい話を聞くことができなかった。最低限わかっていることは、かの魔王が時間を操る力を持つこと、不死であること、通常の認知能力を持つ人間は自我を保てない異常空間が展開されていること、くらいである。
幸いこの魔王は自分から移動することは一切なかったため、最初に巻き込まれた者以外は自ら乗り込まない限り被害に合う心配はない。そしてこの魔王は未だに討伐されておらず、現在も北大陸の一部地域を封鎖し続けている。
「水底の魔王」
生前の姿は不明。
物理的な肉体は持たず、普段は幼い少女のような姿で海上や海中を漂っていると言われている。このことから、生前は人または人に近い種族の幼い少女であったと考えられる。
とある海域に出没し、通行する船の乗組員や海洋生物の命を理不尽に奪う力を持つ。危険性で言えば海難の魔王と似ているが、物理的な影響は及ぼさない。命を奪われた海洋生物の死骸はそのまま海底に沈み、船は幽霊船となってその海域を漂い続けることとなる。ある島の伝説では、かつてこの魔王が流した涙が星を覆う大嵐となり、一度世界の全てが海の底に沈んだと言い伝えられている。
討伐は確認されておらず、当該海域は現在でも船が消息を絶つ魔の海域となっている。そのため、この魔王は今もなお現存しているものと考えられる。
*
222 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 21:47:28.84 ID:jx8kKVe00
ミスティ「……最後の方でいきなり現存する魔王が出てきたわね……」
妖精「そうだね……。永遠の魔王と水底の魔王は私も聞いたことがあるよ。どちらも影響範囲が決まってる魔王だから、わざと侵入しない限り危険はない。まあだからこそ討伐されずに放置されてるのかもしれないけど……」
ミスティ「……そして、憑霊の魔王……。これは……ひょっとして――」
妖精「うん。もしかしたらこの魔王で言及されてる症状……アリシラの状態に似てるかも」
クロシュ「……!」
妖精「断言はできないけど、人間の形を保ってて、一見言葉も通じているように見える。魔王に取り憑かれている……かどうかはわかんないけど、その線でさらに調べてみる価値はあると思う」
クロシュ「アリシラさん……」
妖精「それにあいつ……クロシュのこと、なんだかんだ言ってけっこう気にかけてるでしょ? 多分、この憑霊の魔王よりはマシな状態だと思うよ」
クロシュ「うん……」
掃除の魔王のページ『』ペラッ
大きな風船のような姿が描かれた挿絵『』
クロシュ「……」
☆魔王図鑑を読み終えました
☆アリシラの状態についての考察が進みました
◆
223 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 22:11:14.36 ID:jx8kKVe00
―大魔女帝国 滞在2日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ウニ盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 暗黒優待券
属性大全 踊り子の双剣 冒険者証(ランク1)
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書 精霊のローブ かたたたきけん
ブラッドワイン*2
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
◯経験値
・風に[6/12](クロシュ)
・魔法[0/8](イリス)
・魔法[5/6](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
224 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 22:35:19.00 ID:jx8kKVe00
―朝
宿泊室
チュンチュン
スライムクロシュ「……」zzz
妖精「すう、すう……」zzz
イリス「ふわあ……。なんだろう……久しぶりの……朝って感じがする……」
ミスティ「何を言っているの……? 朝は毎日訪れているじゃない……」
イリス「いやまあそうなんだけど……。ほら、ここ最近って危険に備えてスイートルームに泊まってたりとか、なんだか普通とは違ってたっていうか……」
ミスティ「まあ、そう言われるとそんな気もするわ……」
イリス「あんまりゆっくりもしてられないけど、朝くらいはこの空気を味わっとこう!」
郵便受け「」ガサッ
ミスティ「あら、新聞? なんか普通に新聞が入れられるのなんて珍しい感じね」
イリス「いつもはあの悪徳新聞記者さんが窓から不法侵入して置いていってたからね……」
*
エデン新聞「」ガサッ
「警備用オートマタが誤射、通行人が怪我。今月二度目か」ペラッ
「大庭園でミントウネが大量発生」ペラッ
「魔法学園生徒連続昏倒事件 未だ犯人捕まらず」ペラッ
イリス「……な、なんか……意外と……」
ミスティ「暗いニュースが多いわね……」
大魔女帝国滞在2日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 22:35:45.57 ID:kA3lSJF6O
歓楽区で聞き込み調査
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 22:36:35.05 ID:9gpi0nqQO
大魔女様とクロシュ邂逅
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 22:36:42.40 ID:oeisi8kFO
ミスティ、ギルドで魔法学園の特別講師の依頼を受ける
228 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 23:03:52.29 ID:jx8kKVe00
―歓楽区
ワイワイ ガヤガヤ
ビルに掛けられた特大大魔女看板「」ドドン!!
大魔女コスの売り子「大魔女様カフェです〜!」
魔女っ子妖精の屋台「大魔女さままんじゅうだよ〜」
魔女っ子スライム「〜〜」モニョモニョ
書店の売り子「大魔女無双! 異世界転生しても大魔女様は平常運転! 大ヒット増版決定です! お買い求めの際は急いで急いで!」
エルフの吟遊詩人「大魔女……奪い与えし、賢者にして愚者……」ポロロン
通行人「なんだと!? 大魔女様が愚者だと!? このクソボケ吟遊気取りが!!」
石ころ「」ポイポイ
エルフの吟遊詩人「表現の自由が守られぬ国、大魔女帝国……」ポロロン ゴツンッ
エバンス「流石にこの地区はすげえな……!」
ローガン「うむ……。クロシュくん、我々から離れんようにな」
クロシュ「うん……」
妖精「まあクロシュには私が付いてるから大丈夫だよ」
↓1コンマ 情報収集
01-05 ???
06-35 ロディナ
36-65 魔法店のラミアと吸血鬼
66-95 緑髪のイケメンエルフ
96-00 ???
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 23:04:27.45 ID:3LkS7Ngho
こんま
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 23:04:49.10 ID:LiTuNBdH0
ん
231 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 23:42:50.30 ID:jx8kKVe00
―魔法店
カランコロン
緑髪のラミア「らっしゃ〜い」
エバンス「うおっ……! ら、ラミアか……」
緑髪のラミア「なあに、蛇女が大魔女帝国にいちゃ悪いわけ?」ニヤニヤ
エバンス「んなこと言ってねえだろ! ちょっとびっくりしただけだっつの」
青髪の吸血鬼「何ですか……? スール、騒がしいんですけど……」スタスタ
緑髪のラミア→スール「はっは、来客対応だよ。我慢しな」
ローガン「そちらの方は……吸血鬼か」
青髪の吸血鬼→フローレンス「ええ。この国で種族がどうこうという区分けは無粋の極みですけどね」
ローガン「む……それは失礼した」
妖精「私としてもそういう感じの方が良いかな」
クロシュ「うん……」
フローレンス「……ん? 妖精と、黒髪の少女……もしかしてあなたたち、ダークヒーローイリスの一行ですか?」
スール「えっ、ダークヒーローイリス一行?」
妖精「えっ。いや……知ってるの?」
フローレンス「こっちの界隈じゃ有名です。フラナも絶賛してましたし」
ローガン「……いかにも、その一行だが……諸君らはフラナ氏と知り合いなのか?」
スール「おうさ。あそこのガキ共とはちょいと腐れ縁でね」
フローレンス「私も似たような感じですね。最近のことは知りませんけど、姉妹揃って随分派手にはってるみたいですね」
妖精「まあ、派手にはやってるかな……? まあ二人とも元気だと思うよ。一人はテロリストだけど」
スール「あっはっは、らしいね! あの暴れん坊らしいっちゃ暴れん坊らしい!」ケラケラ
エバンス「か、軽いな……!?」
フローレンス「下界がどんな様相だろうとどうでもいいですし。私たちはこの国で快適に過ごせますから」
ローガン「うむ……。しかし新聞によると、どうも最近この国では事件や事故が多発しているようだが……」
スール「あ〜、そうみたいだねえ。大庭園じゃミントウネが大増殖してんだっけか? ミントウネは実際一度植わるとすごい勢いで増殖しちまう厄介な性質があるんさ。元々この国にゃミントウネなんて一匹もいなかったんだから、十中八九誰かが意図的に持ち込んで植えたんだろうねえ」
妖精「犯人はなんでそんなことをしたの?」
スール「知らん! いやまあ、ミントウネはけっこうかわいいし、薬効もあるし、香りも良いから、大増殖するって点を除けば良い植物なんだよ。だから善意で植えたって可能性もなくはない……けど……」
フローレンス「嫌がらせじゃないですか? 大魔女様への」
スール「……考えたかあないけどね。うちら大魔女帝国の国民は、みんな大魔女様が大好きだ。そんな大魔女様が嫌がるような真似を国民がするとはあまり考えられないんだが……」
妖精「……じゃあ、私たちみたいな滞在者じゃない?」
スール「入国審査の面接なんていい加減だからねえ」
フローレンス「はあ……大魔女様を困らせる不届き者なぞ、死罪が相応しいと思いますね……」
スール「ま、何にしてもそのうち捕まるさ。この国の治安組織は大魔女様肝いりの精鋭部隊だからね」
◇
232 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/05(土) 23:44:29.42 ID:jx8kKVe00
というわけで本日はここまでとなります。次回は、クロシュ大魔女と邂逅する編、ミスティ先生編となります
大魔女帝国入りを果たし、早速行動を開始するクロシュ一行です。すでに様々な人物と出会い始めた一行ですが、何やら大魔女帝国では不穏な事件も多発しているようで、一筋縄ではいかない様子。この先クロシュはどのような事態に遭遇し、どう動くのか。
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 00:56:37.18 ID:gcd0lCOuo
大魔女帝国やイスファハーンの文明レベルを見ると魔族国って田舎ね
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 05:07:59.62 ID:mxpb6tVwo
おつおつ
狂信、とまでは行かない信仰、バランス感覚があって良い
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 08:56:36.92 ID:5qNDT0TTO
魔族はみんな大魔女帝国に住めば良いよ
236 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 16:39:14.38 ID:ukm6Vrz50
イスファハーンと大魔女帝国は世界的に見ても最高水準の技術力と豊かさを持っているため、その二つの国に対抗できるのは実のところ王国くらいかもしれません(王国は魔導機械分野において近年革新的な成長を続けています。それでもその二国にはまだ及ばないかもしれません)
大魔女帝国の民は、やはり大魔女のことが大好きなようです。しかし狂信や盲信といえるほど強く大魔女を信仰している国民は実のところそこまで多くはないらしく、どちらかというと大多数の国民はその国家運営や生活水準の方をありがたがっているだけかもしれません。しかしそれもまた大魔女の作為によって提供されているものなので、やはり大魔女の存在がありがたがられていると言っても良いでしょう
大魔女帝国に住むことができれば豊かなで平穏な生活が保証されますが、世界各国の大使館を巡らなければ入国できないため、苦難から逃れる為に大魔女帝国に亡命するという選択はほぼ不可能と思われます。また、大魔女帝国に入れるような力や財力を持っている者であれば、大体どこの国でも不自由なく暮らせる可能性が高いと言えるでしょう
237 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 16:40:09.69 ID:ukm6Vrz50
―空中楽園都市エデン
歓楽区 路地裏
魔女っ子スライム「〜〜」モニョモニョ
クロシュ「!」
妖精「あ、スライム。この街にも住んでるんだねえ」
ローガン「ふむ……我々にはスライム語がわからぬ。スライムくんたちへの情報収集は任せても良いだろうか?」
妖精「わかった。それじゃああの子に聞いてみよう、クロシュ」
クロシュ「うん……!」
*
クロシュ「……」トテトテ
魔女っ子スライム「〜?」モニョ?
デロデロ…
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
魔女っ子スライム「〜〜!」モニョモニョ キャッキャ
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ キャッキャ
「あらあら、見ないスライムの子がいるわね」スタスタ
妖精「! この気配は――」
大魔女「ごきげんよう、滞在者のお二人様」スタスタ
スライムクロシュ「!」モニョ!
魔女っ子スライム「〜〜!!」モニョニョ! キャッキャ
妖精「あ、あなたは……まさか――」
大魔女→クローディア「いかにも。私こそがこの帝国を支配せし伝説の大魔女――クローディア・トゥルーエンドですわ」ファサッ
妖精「大魔女、クローディア・トゥルーエンド!」
クローディア「うふふ、建国の太母に知ってもらえてるなんて光栄ね」ニコニコ
妖精「当然でしょ、こんな大層な街を空に上げてるんだもん! ていうかあなたの方こそ、私のこと知ってたの!?」
クローディア「それこそ当然でしょう? 緑の国を興した偉大なる妖精のことくらい、知らない方がおかしいわ」
妖精「……ま、まあ……そりゃそうか」
クローディア「昨日クロから聞きましたわ。空を飛ぶ手段を探しているそうですね」
妖精「うん。知ってるなら丁度良いや、まさしくその通り私たちは空を飛ぶ手段を探してるの」
クローディア「中央大陸西部の上空にある、世界樹の光を取り戻す為に必要なのね?」
妖精「……どこまで知ってるの?」
クローディア「簡単な推測ですわ。その様子ですと当たっているようで何よりです。うふふ、外す気もありませんでしたけれど」
妖精「じゃあ話が早い。このまま世界樹の光を放っておいたら、過激思想の奴らに奪われて世界が大変なことになっちゃうの。あなたが噂通りの愛深き大魔女だというのなら、世界の為に力を貸してよ」
クローディア「……」
↓1コンマ
01-75 大魔女帝国とは関係ありませんわ
76-95 臣下でもない民に与える愛はありませんわ
96-00 ??
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 16:47:20.76 ID:nJtFrMbAO
あ
239 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 17:16:31.80 ID:ukm6Vrz50
クローディア「何か勘違いしているようだけれど……私の愛は、万物に分け隔てなく与えられるような安いものではないのよ?」
妖精「……」
クローディア「なぜ入国にあれほど大変な基準を設けているか、おわかりかしら?」
妖精「ええと……」
クローディア「私を敬わず、この国を敬わない愚か者を排除する為ですわ。道理を解さぬ蛮民が増えれば、例え万能たる私の統治であっても――いずれは破れ、崩壊してしまう……。この楽園を維持し続ける為には、誰も彼もを庇護して回るわけにはいかないのですよ」
妖精「でも……それは大魔女帝国を維持する為の理屈でしょ? 地上が滅びれば、この国だっていずれは――」
クローディア「滅びません。例え地上の一切が業火に包まれて滅ぼうとも――この国は、私が全霊で守り、育んでみせましょう」
妖精「食事は? 資源は? 星が滅びちゃったら――」
クローディア「いいえ。星そのものが滅びることはない――世界樹と近しいあなたなら、わかっているはずです」
妖精「……」
クローディア「例え世界樹の光を全て手にした者が、星の崩壊を願ったとしても――星の力そのものが滅びることはありません。世界樹の果実は種を落とし、新たな世界樹が芽吹き、やがて星の表層には新たな生命が溢れる――」
スライムクロシュ「……」
クローディア「それにそもそも、この国の食料や資源は既に地上の物質や生命を拠り所としていませんもの。例え地上が灰となったとしても、私の魔法によって作られた食料と資源があれば永久的に存続可能ですわ」
妖精「馬鹿な! これだけの大規模な質量を浮かせ続けながら、そこに住まう命を養い続けられるほど都合の良い魔法なんてあるもんか!」
クローディア「うふふ……大魔女を舐めないでくださるかしら?」ニコリ
妖精「っ……!」
魔女っ子スライム「〜〜…」モニョニョ オロオロ…
スライムクロシュ「……」
↓1選択 何か言う?
1.言う(内容も要記述)
2.言う(内容はクロシュの自由意思に任せる)
3.言わない
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 17:21:04.29 ID:x+DuDBVR0
あえて
3
241 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 18:20:24.85 ID:ukm6Vrz50
スライムクロシュ「……」
クローディア「ふふ……。でもあなたたちは、イスファハーンでの活躍でこの国への渡航に成功した稀有な人材です。もし望むのであれば、永久的に滞在してくれても良いわ。ここにいないお友達を呼んで、一緒に暮らしたって良い。この国で、真の正しい結末――トゥルーエンドを迎えましょう?」
妖精「……そうしたら、飛行手段を提供してくれる?」
クローディア「あはは! 私、嘘は嫌いよ?」ニコ…
妖精「……冗談だよ。わかった。飛行手段はこっちで独自に探す」
クローディア「ええ、それが賢明でしょう。もしこの国に貢献してくれるなら、それに応じた報奨を与えることもやぶさかではありません。あの雲塊を突き破るほどの強力な飛行手段を提供するのは困難ですが、通常の気球や飛行船くらいなら貢献次第でお貸ししてあげても良いわ」
妖精「そりゃどうも。前向きに考えとくよ」
クローディア「ええ。よろしくね。さっきはああ言ったけれど、あなたたちを高く評価しているのは本当よ。良い関係を築きましょうね。そしていつか、私たちの国を好きになってくれたら嬉しいわ」ニコニコ
☆大魔女クローディアと邂逅を果たしました
*
魔女っ子スライム『ふええ……クロシュちゃん、どうして大魔女さまを怒らせちゃったの……?』モニョモニョ
スライムクロシュ『えと……怒らせたかった、わけじゃなくて……』モニョモニョ
魔女っ子スライム『……クロシュちゃんは……大魔女さまのこと、きらい……?』モニョニョ…
スライムクロシュ『ううん……。でも……わたしは……地上に住む、みんなのことも……好きだから……』モニョモニョ
魔女っ子スライム『地上……。わたし、この国で生まれたから……地上のこと、わかんない……』モニョモニョ
スライムクロシュ『そうなんだ……。地上にもね……わたし、友達が……いっぱい、いるの……』モニョモニョ
魔女っ子スライム『わあ……。クロシュちゃん、すごい……!』モニョニョ
スライムクロシュ『んへへ……。魔女っ子スライムちゃんも……友達……!』モニョニョ
魔女っ子スライム『ふわ……! えへへ……じゃあ、友達……!』モニョモニョ
スライムクロシュ『うん……! だから、私……みんな守りたい……』
魔女っ子スライム『そうなんだねえ……』
◆
242 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 18:21:30.00 ID:ukm6Vrz50
―エデン魔法学園
中庭
ワイワイ ガヤガヤ
ミスティ「そういえばこの街には冒険者ギルドがなかったわね」
イリス「言われてみれば……。なんでだろう?」
クロ「なんでだろうね……?」ヒョコ
イリス「わっ! あなたは……?」
クロ「こんにちは……。あなたたちはクロシュちゃんと妖精さんと一緒にこの国に来た人だよね……? 星属性と氷属性の」
ミスティ「ええ、そうだけど……」
クロ「良かった……。えっとね、せっかくこの国に来たんなら、講義を見てくのはどうかなあって、お誘いしようと思って……」
イリス「え、わざわざ私たちの為に!?」
クロ「ダークヒーローイリス一行って有名なんだよ〜。一緒にいる氷魔法使いのミスティちゃんもクールでかっこいいって評判で、この学園でもファンがけっこういるの。だから、二人には是非講義を見ていって欲しくて……」
ミスティ「わ、私まで有名になってるの……!?」
イリス「あはは……でもわかったよ。氷属性ならミスティにもぴったりだし、行ってみようよ!」
ミスティ「まあ、いいけど……」
クロ「やったあ……! えへへ、それじゃあわたしに付いてきてね」トテトテ
*
243 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 18:21:59.44 ID:ukm6Vrz50
―エデン魔法学園
氷属性講義室
ザワザワ
クロ「……あれ? アイス教授は?」
青髪ロングの少女「あ、クロ教授。アイス教授は本日、かき氷の食べ過ぎでお腹を壊したらしく……」
クロ「ええ……。それじゃあ氷属性の講義は……」
青髪ロングの少女「……休講ですかね」
クロ「そ、そんな……。せっかくイリスちゃんとミスティちゃんに来てもらったのに……」
青髪ロングの少女「えっ、イリスちゃんとミスティちゃん……!?」
ザワザワ… エッ イリスチャン? ミスティチャン? ドユコト?
イリス「……な、なんかやばそうな……」
クロ「こらこら、みんな騒がないの……! えっと、休講になったものは仕方ないから――」
ダークヒロインミスティサンニヤッテモラオウゼ!! ソウダソウダ!!
クロ「ちょ、ちょっとぉ……! だめだよ、ミスティさんはそもそもわたしが無理矢理連れてきた人だからぁ……」
ミスティ「……か、帰っても良いかしら……」
イリス「……でも、ここまで来て何もせずに帰るっていうのも勿体ないしやってみようよミスティ!」
ミスティ「ちょっとイリス……! 私に人に教えられるほどの技量なんてないわよ!」
イリス「まずは授業の内容を聞いてみようよ! ミスティにも教えられそうな範囲かもしれないし!」
ミスティ「そんなわけないでしょ……。専門家を要請する学園の授業なのよ?」
イリス「ねえそこの君! 教科書を見せてもらっていいかな?」ズイッ
青髪ロングの少女「……はい。これがこの講義で使われてる教科書です」スッ
ミスティ「野良の独学氷魔法使いが理解できる範囲なわけ――」
教科書「」ペラッ
ミスティ(…………氷精の魔導書や正負の属性に比べるとかなりレベルが低いわ……)
青髪ロングの少女「……どうでしょうか?」
ミスティ「まあ……理解できなくもない範囲……と言えなくもない……かしら……」
イリス「あはは、てことは理解できてる範囲ってことだね」
ミスティ「ちょっとイリス……!」
青髪ロングの少女「あの……それでは、お願いしても良いですか? 私も……ミスティさんの講義に、興味があります」
ミスティ「ええ……」
イリス「やってみようよ! きっと良い経験になるよ!」
ミスティ「わ、わかったわよ……」
クロ「ご、ごめんね……急にこんなことになっちゃって。わたしもできる限りサポートするから……」
ミスティ「人に教えたことなんてないし専門家でもないんだから、失敗しても許しなさいよね……」
↓1コンマ
01-30 下手
31-60 程々
61-90 上手
91-00 覚醒
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 18:23:13.08 ID:lsnWqxpDO
はい
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 18:27:15.25 ID:yfpCvQAS0
う、運命賽とか……無理か
246 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 18:49:52.28 ID:ukm6Vrz50
ミスティ「良い? 氷を生み出すのではなく、熱を奪うことを意識するの。氷属性の本質は――」
生徒A(え、ええ……? 熱を奪うって何……?)
生徒B(やばい、意味がわからない……)
生徒C(話のレベル高くない!?)
青髪ロングの少女(……熱を、奪う……)
ミスティ「……口で説明するのは苦手だわ。専門家に比べれば下手かもしれないけど、実演するから見て。イリス、水を出せる?」
イリス「はいはい! それっ!」カッ
水スライムモドキ「」ポン! プルプル
生徒A(ええ!? 成形の難しい水属性物質をあそこまで安定した形で出せるの!?)
生徒B(しかもあの人って水属性の専門家ってわけじゃないんだよね……?)
生徒C(魔法のレベル高くない!?)
青髪ロングの少女(……あの水餅みたいなのを凍らせるということ?)
ミスティ「じゃあいくわよ――」スゥゥ―
カッ!!
氷スライムモドキ「」ギンッ カチコチ
エッエッ…!? イッシュンデ…? ザワザワ…
青髪ロングの少女(……! 冷気を使って冷却するのではなく――全体を、一瞬で凍結させた……!?)
ミスティ「見てわかる通り、適切に熱を奪えれば全体を均質に冷やすことができるわ。氷を生成するより燃費も格段に良い。ただし慣れないうちは集中力が必要だけれど――」
生徒A(見てわからないです!)
生徒B(こ、これがダークヒロインミスティの御業……!)
生徒C(氷属性のレベル高くない!?)
青髪ロングの少女(……熱を……均質に……)
ミスティ「それじゃあ皆さんも試してみて。何回かやればコツを掴めるはずだから」
◇
水スライムモドキたち「」プルプル
生徒たち「」グッタリ
クロ「こ、これは……」
イリス「ミスティ……」
ミスティ「だ、だから言ったでしょ! 専門家でもなんでもないんだから!!」
青髪ロングの少女「適切に……熱を……。すぅー……はっ!」カッ!
みぞれスライムモドキ「」パキッ
ミスティ「!」
青髪ロングの少女「はあ、はあ……で、できた……?」
ミスティ「ええ……できてるわ! 少し粗いけれど、ここまでできたのなら後はトントン拍子でやれるはずよ!」
青髪ロングの少女「ミスティ先生……!」
ミスティ「あなた、名前は……?」
青髪ロングの少女→ユキ「……ユキです。オノゴロ地方から来ました」
ミスティ「ユキ……良い名前ね。私のヘタクソな講義からでも学べるなんて、きっとあなたは天才よ。是非この調子で頑張って……!」
ユキ「はい……!」
☆ミスティは人に教えるのが下手のようでした
☆雪女のユキと知り合いました
◆
247 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 19:35:34.63 ID:ukm6Vrz50
―大魔女帝国 滞在3日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ウニ盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 暗黒優待券
属性大全 踊り子の双剣 冒険者証(ランク1)
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書 精霊のローブ かたたたきけん
ブラッドワイン*2
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
◯経験値
・風に[6/12](クロシュ)
・魔法[0/8](イリス)
・魔法[5/6](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
248 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 19:35:59.83 ID:ukm6Vrz50
―朝
宿舎 食堂
妖精「……という感じで、大魔女の協力は得られそうにない」
イリス「そ、そんなことが……」
ミスティ「むう……意外とケチね……」
ローガン「……だが、国を統べる者の考えとしては不自然ではない。地上の一切を必要としない運営ができているというのが本当であれば、わざわざ我々のような弱小勢力に手を貸すのは余計なリスクとなる」
エバンス「つってもここの国民だって元は地上で暮らしてた奴とかその子孫なんだし、少しくらい甘く見てくれても良いだろうと思わなくもないが……」
ノーラ「……おや? おはようございます、皆さん」スタスタ
イリス「あなたは……留学生のノーラさん!」
ノーラ「覚えて頂いていて光栄です。昨日はミスティさんが素晴らしい授業を披露したそうで……」
ミスティ「押し付けられたのよ。私は悪くないわ……」
ノーラ「ふふ。ところで皆さん、もしかして今大魔女様のお話をしていましたか?」
エバンス「あ、あ〜……聞き間違いだろ、多分……」
ノーラ「……ここは滞在者用の宿舎食堂だから良いですが、外で大魔女様を批判するようなことは言わない方が良いですよ。狂信的な国民は流石にそこまで多くありませんが、それでもここの国民は大なり小なり大魔女様を敬愛しています。下手なことを言えば余計なトラブルに発展して、最悪国外追放となりかねませんから」
妖精「げげっ……」
ローガン「ぬう……ようやく入国できたというのに、国外追放などということになったら目も当てられん……」
ノーラ「先日も大魔女様をちょっと揶揄するような詩を謳っていた吟遊詩人が石を投げられていましたから。ここは平和で衣食住も保証された素晴らしい国ですが、それは大魔女様への愛という条件あってのものなんです。くれぐれも愛を欠かさぬよう……」
妖精「愛という条件か……」
クロシュ「……」
大魔女帝国滞在3日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 19:36:45.27 ID:HaX/lbEw0
ミスティ、ユキにショッピングと修行に誘われる
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 19:37:33.39 ID:lsnWqxpDO
図書館で雲塊や飛行手段について詳しい本を探してみる
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 19:41:00.75 ID:ggDQu8AlO
劇場あたりで歌が聞こえてきたので聞きに行ってみる
252 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 21:07:44.12 ID:ukm6Vrz50
―空中楽園都市エデン
市場
ワイワイ ガヤガヤ
ミスティ「さて、今日も飛行手段を探しましょうか……」スタスタ
ユキ「……あ、ミスティ先生」
ミスティ「あなたは……ユキじゃない。今日は学園は休みなの?」
ユキ「私が受講している今日の講義は午後からなので。ミスティ先生は――」
ミスティ「私は……まあ、ちょっとした情報収集よ。あと先生は不要よ」
ユキ「あ、はい。それではミスティさん……もし良かったら、一緒に買い物とかしていきませんか?」
ミスティ「そうね……まだこの国に来て日が浅いから、案内を頼んでも良いかしら?」
ユキ「はい。行きましょう」スタスタ
*
―魔法店
スール「らっしゃ〜い」
ユキ「どうも。ここのポーションは味も効き目も良いんです。おすすめですよ」
ミスティ「へえ、そうなのね……」
スール「おや、いつもとは違う仲間を連れてるね。転入生かい?」
ユキ「いいえ。彼女は……臨時講師です」
ミスティ「それも違うでしょ。ただの旅人よ。学園は確かに気になるけど、生徒にも講師にもなるつもりはないわ……」
ユキ「えっ……そうだったんですか?」
ミスティ「むしろ何だと思っていたのよ――」
バギュンバギュンッ!! バラタタタタタ!!! ギャアアアアア!!! タスケテクダサイ!! タスケテクダサイ!!!
ミスティ「!?」バッ
ユキ「い、今の音は……!?」
スール「通りの方からだ。あの銃声は、まさか――」
フローレンス「……警備用オートマタですね。これで今月三度目――」ヌッ
ユキ「……! 私、止めに行きます!」バッ
ミスティ「えっ、ちょっと待ちなさい!!」ババッ
スール「あ、ちょっとあんたたち!」
フローレンス「警備用の使う弾は非殺傷性のゴムバレットですし、当たりどころが悪くなければ死なないから大丈夫でしょ」
*
253 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 21:08:19.12 ID:ukm6Vrz50
―市場
キャアアアア!!! タスケテクダサイ!!! タスケテクダサイ!!!
警備オートマタ「コロス、コロス」ガションガション
警備オートマタ「ハッポウスル」ジャキッ
バラタタタタタッ!!
通行人A「ぐげあああああ!!」バスバスッ
通行人B「アババーッ!」バスバスッ
エルフの吟遊詩人「狂ったオートマタ……そのセンサーが捉えるは、無辜の民――……」バスバスッ
ユキ「はあっ!」カッ
凍る警備オートマタ「」ガギンッ!!
ユキ「よしっ……!」
警備オートマタ「テキ……コロス……」ジャキッ
ユキ「!」
バギュンッ!
カーンッ!
氷の壁「」カチン
ユキ「氷の……壁!?」
ミスティ「援護するわ! 一人で前に出ないで!」
ユキ「ミスティさん!」
――戦闘開始 暴走オートマタ――
↓1コンマ
01-60 勝利
61-90 完勝
91-00 会心
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 21:13:38.18 ID:gyTrkilpO
あ
255 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 21:47:43.68 ID:ukm6Vrz50
ユキ「やっ!!」カッ
凍る警備オートマタ「」ガギンッ!!
ユキ「ふう。暴走していたのはニ体だけ――」
ミスティ「ユキ、危ない!!」バッ
ユキ「えっ――」
ドンッ!
バギュンッ!! バスッ
ミスティ「っつ……!」
ユキ「あっ……ミスティさん!!」
増援警備オートマタ「コロス、コロス」ガションガション
増援警備オートマタ「タイザイシャ、ヒコクミン」ガションガション
増援警備オートマタ「ダイマジョサマニアイサレルシカク、ナシ」ガションガション
増援警備オートマタ「ハッポウセヨ、ハッポウセヨ」ガションガション
ミスティ「チッ、増援……!」
ユキ「ごめんなさいミスティさん……!」
ミスティ「問題ないわ……! 一体づつ破壊していくわよ!!」
ユキ「はい!」
*
氷漬けのオートマタ「」カチコチ
砕かれたオートマタ「」バラバラ
ミスティ「ふう……こんなとこかしら」
ユキ「ミスティさん……すみません、私が油断したせいで……」
ミスティ「問題ないと言ったでしょう。それに……ほら、このローブ」スッ
氷竜革のローブ「」バサッ
ユキ「これ……氷竜革……!?」
ミスティ「ええ。あんな豆鉄砲じゃこのローブは貫けないわ。ちょっと痛かったけどね」
ユキ「おお……!」
ミスティ「まあ、そういうわけだから……別に気にしなくて良いわよ
*
256 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 21:48:36.60 ID:ukm6Vrz50
高等オートマタ「ご協力感謝致します。ミスティ様、ユキ様」ザッ
ミスティ「けっこう痛かったわ。お礼はもらえるのかしら?」
高等オートマタ「もちろんです。こちらに大魔女様直筆サイン入り感謝状がございますので、どうぞお受け取りください」スッ
大魔女直筆サイン入り感謝状「」ポン
ミスティ(いらないわ……。でも愛を示しておいた方が良いとか言ってたし……)
ミスティ「……ありがたく頂戴するわ」スッ
高等オートマタ「はい。是非とも大切になさってください」
☆大魔女サインを1つ手に入れました
*
ミスティ「――新聞でも警備が暴走する事件が発生してるって書いてあったけど、これよくあることなの?」
ユキ「いえ……警備がおかしくなるのは、ここ最近が初めてなんです。それまではこんなこと全くなかったのですが……」
ミスティ「……」
ユキ「……何者かが、悪意を持って警備を暴走させているとしか思えません。ただ、今のところ原因は全くの不明らしく……」
ミスティ「……きな臭いわね」
ミスティ(……首を突っ込むべき? でも戦ってみてわかったけれど、この警備の装備に殺傷能力はない……。この国の治安組織に任せておくのが無難じゃないかしら……?)
ミスティ(まあ、帰ったらみんなに報告くらいはしておきましょう……)
◆
257 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 22:05:24.38 ID:ukm6Vrz50
―図書館
妖精「さて、情報収集の基本と言えばやっぱりここだよね」
クロシュ「うん……」
妖精「……とは言ってもこの図書館も私向けじゃないから、主に働いてもらうのはクロシュになっちゃうけど」
クロシュ「……わたしも……背、届かない……」
妖精「いつだかやったみたいに大きくなれない?」
クロシュ「!」ピコン!
モニョモニョ…ポン!
大人クロシュ「……大人の、すがた……!」ドン!
妖精「性格は元のままみたいだね」
大人クロシュ「えと……フメイちゃんが大人になったのの、想像だから……大人フメイちゃんらしい性格……」モニョモニョ
大人クロシュ「……妖精、はやくいこ。フメイ、おなかすいた」ポン
妖精「それ、いつものフメイじゃない……?」
大人クロシュ「あっ……」
妖精「あの剣舞姉妹のお姉さんの方を真似してた時は迫真だったけど……やっぱり想像だけじゃ難しいの?」
大人クロシュ「んゅ……そうかも……」
↓1コンマ 図書館
01-30 飛行船の仕組み
31-60 雲塊について
61-90 ある風船スライムのお話
91-00 楽園の真実
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 22:06:14.78 ID:HaX/lbEw0
あ
259 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 23:00:25.30 ID:ukm6Vrz50
大人クロシュ「……」トコトコ
奇妙な背表紙「」モニョ
大人クロシュ「……?」スッ
奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョ
大人クロシュ「……! 妖精さん、これ……!」
妖精「ん? これ……スライム文字!?」
大人クロシュ「うん……!」
妖精「初めて見た……! でも、これ……」
奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョ
妖精「な、なんで……私にも読めるの……!? 私、スライム文字なんて学んだことないのに……」
大人クロシュ「……スライム語がわかれば……読めるのかも……」
妖精「一体どうなってるんだろう、摩訶不思議だ……。せっかくだし、読んでみる?」
大人クロシュ「うん……!」
*
260 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 23:03:01.65 ID:ukm6Vrz50
(……)
(その本に綴られていたのは……ある風船スライムさんが辿った、哀しい物語……)
(その風船スライムさんは……大勢の仲間や、他の種族の人々に囲まれて――たくさん愛されて、育った)
(誰よりも心優しく、誰よりも慈しみ深く成長した風船スライムさんは……愛された分以上に、みんなを愛した)
(でも……そんな平穏で恵まれた日々は……永遠には、続かなかった)
(風船スライムさんたちとは関係のない戦火が、彼らの集落にまで及び……虫も、草も、木々も……人も、魔物も、魔族も、何もかも――無惨に、殺し尽くしていった)
(たった一人、生き残ってしまった風船スライムさんは……。何日も泣き続けた後……一人ぼっちで、静かに悟った)
(こんなにも、苦しいのなら。こんなにも、哀しいのなら。愛さなければ良かった。愛されなければ良かった)
(愛なんて――この世から、なくなってしまえ――)
(……本は……その後、真っ黒なページがずっと続いて……)
(最期に、奇妙な焦げ跡のような模様の付いたページとなり……そこで途切れるように終わっている……)
*
261 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 23:14:52.06 ID:ukm6Vrz50
スライムクロシュ「……」モニョ…
妖精「……」
スライムクロシュ「……」モニョニョ…
妖精「返そうか……。元あった、場所に……」
スライムクロシュ「……」モニョ…
☆クロシュの風適性が上がりました
☆クロシュの風経験に+3が加算されました
◆
262 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/06(日) 23:15:28.15 ID:ukm6Vrz50
というわけで本日はここまでとなります。次回は劇場に行ってみよう編から開始となります
なお書き忘れていましたが、今回の戦いでミスティ氏の魔法経験も獲得されたので魔法レベルが1上がりました
大魔女帝国に滞在しつつ情報収集を進めるクロシュ一行。大魔女の君臨によって成り立つ国の在り方は、他の国とは一風変わっておりどうやら一筋縄ではいかなさそうです。そしてミントウネの異常繁殖や警備オートマタの暴走から僅かに見え隠れする、何者かの悪意。闇の中で静かにほくそ笑む邪悪の正体は――
そして図書館で奇妙な本を読み、意気消沈のクロシュ氏でありました。その本が示すものとは何なのか。なぜあのような本が大魔女帝国の図書館にあったのか。著者は誰なのか。真実は未だ、闇に包まれています。
それでは本日もありがとうございました。次回も土日となるかと思います、よろしくお願いいたします
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/07(月) 01:27:23.80 ID:3hDTIP3Qo
おつおつ
ミスティ、やっぱりセンス型かな
要所要所で開示される通りスライムに厳しい世界は何処でもみたいどなぁ…
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/07(月) 23:45:22.29 ID:9UPHIi7gO
乙
本の内容クロシュの境遇とも似てるし、クロシュも一歩間違ったらやばいことになってたのかなあ
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/10(木) 20:36:49.99 ID:XBv22bj6o
イリスは教えるのがうまそうなイメージ
実際のところはコンマ次第だろうけど
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/10(木) 20:57:47.99 ID:VXmQuOP60
>>216
の三人組の学生ってユキ、トム、トリルの3人でいいのかな?今後3人一緒に出したい時は「三人組の学生」って書いてもいいのかな。名前書いてもいいけど書くのが大変になると思うから。
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/11(金) 20:16:16.56 ID:ZdSri/lDO
本の風船スライムが後の掃除の魔王かな
他の魔王にも元はスライムがいそう
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 09:35:58.38 ID:tuUqQ31/O
乙
魔法学園学費高そう
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 11:28:56.48 ID:88csQWfxO
クロシュのことを見ない子がいると表するということは国民全員の顔覚えているのか
270 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 17:01:08.79 ID:1pxr88Pl0
ミスティ氏は既存の魔術書などで学ぶより自分自身で試行錯誤してきた期間が長く、そして氷精の魔導書や正負の属性も実のところ一般的な氷魔法使い向けの本ではないため、そんなミスティ氏が教える内容は普通の氷魔法を学ぼうとしている学生たちにとって非常に難解なものであった可能性があります。そしてミスティ氏自身も論理よりは感覚で理解するセンス型の気質が強いため、実際他者に教えるのはあまり得意ではなかったのかもしれません。それでも、高い氷魔法適性を持つ雪女のユキ氏はなんとか理解できたようでした
一部の個体はやたら強いですが、全体で見ればスライム類はそれほど強力な種族というわけでもないため、他の生物に食べられたり戦いに巻き込まれたり冒険者に狩られたりして命を落とすスライムは少なくありません。シュヴィア氏が他種族に憎悪を募らせていたのも、同族がそういった理不尽に遭うのを何度も目にし、自身も体験してきたからかもしれません
何の因果か、本で示された風船スライムさんの境遇はクロシュ氏と似通ったものでありました。しかしクロシュには親友のフメイちゃんを探すという目的があり、通りすがりの妖精に見つかって一人ぼっちにもなりませんでした。その後たくさんの人と出会い、いろいろなことを諦めたり諦めなかったりして、クロシュ氏は今もなお成長を続けています。今後よほどのことが起きない限り、クロシュ氏が大変な変化を遂げてしまうことはたぶんないでしょう
しかしもしあの時フメイちゃんが助からず、妖精にも見つけられず、集落の焼け跡に一人ぼっちになってしまったら――その後クロシュがどうなっていたかは、誰にもわかりません
イリス氏が教えるのが上手かどうかは実際のところコンマ次第なのですが、彼女は基礎の部分から体系的にしっかり魔法を学んでいるため、センス型のミスティ氏よりも他者に教えるのが上手そうではあります(知識を有していることと、それをわかりやすく教える能力は別なので、断言はできません)
>>216
のコンマ表に出ていた三人組の学生とは、実のところその通りユキ、トム、トリルの三人でした(備考欄にて魔法学園に通っているとの記載があり、年齢も近かったため彼らは三人組となりました)。自由安価などでその三人を出したい場合は、三人の名前でも三人組表記でも、どちらでも問題ありません
本で示された風船スライムさんが掃除の魔王と同一の存在かどうかは今のところわかりませんが、掃除の魔王の外形は風船スライムの形に似ていたそうです(大きさは全然異なります)。また、これはたぶん関係のないことですが、空中楽園都市エデンを吊り下げて浮遊する巨大な風船のような物体も人によっては風船スライムに似ていると感じられるようです。なおクロシュは風船スライムさんがふよふよ浮いている姿を好ましく思っているそうです
クロシュ氏は自覚していませんが、あの本を読んだことでなぜか風属性適性が上がったようです。もしかしたらあの本には何らかの秘密が隠されているのかもしれません
元スライムの魔王がいるかどうかはわかりませんが、どのような生き物でも魔王化する可能性を秘めているため、元スライムの魔王が存在する可能性はあります。なお魔王化は強い感情が引き金となる場合が多いため、感情を持つ生き物は感情を持たない生き物よりも魔王化する可能性が高いそうです
魔法学園の学費は、実のところ無料です。魔法の道を志す者であれば誰でも入学できるようです。なお学生でなくとも講義は自由に受けられるようになっているため、入学せず講義だけを受ける人もいます。しかし魔法学園の生徒になると学内の様々な施設やサービスを利用できるようになったり、ゼミに入って専門教授の元で特定分野を集中的に学習できるようになったりするため、本格的に魔法を学ぶ場合は入学した方が良いかと思われます
なお入学は簡単ですが進級はけっこう厳しいらしく、毎年何割かの生徒が留年しているそうです
滞在者の身分から永住権を取得して国民となった者も、帝国内で出生した新生児も、大魔女は全員覚えていると言われています。成長して姿形が変化しても大魔女が人を間違えることはないらしく、魔力の特徴で覚える場合が多いと本人が語った記録が残っています
271 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 17:01:35.29 ID:1pxr88Pl0
―歓楽区
ワイワイ ガヤガヤ
ローガン「さて、我々はどこで聞き込みをする?」スタスタ
エバンス「今日は今までとは違う場所に行ってみないか?」スタスタ
イリス「今までとは違う場所……?」スタスタ
〜〜♪
エバンス「そうだな……例えば、この歌が聞こえてくる方とか」
イリス「……あ、本当だ。遠くから微かに聞こえてきますね」
ローガン「これは……あっちか」スッ
スタスタスタ…
*
―劇場前
〜♪〜〜♪
看板『本日の出演:ヨハンナ・ワイズ、クリスティーナ・アムニジア』
エバンス「ここみたいだ」ザッ
イリス「オペラの公演……!」
ローガン「観覧料は……安いな。この国、やはり物価が他国と比べてかなり低い」
イリス「……」ソワソワ
エバンス「……見てくか?」
イリス「えっ……! で、ですが私たちは聞き込みを……」
ローガン「フッ、そう慌てることもあるまい。滅多に入れない国の芸術だ、今見ておかねばいつ見れるかわからぬ」
エバンス「おう、そうだぜ。芸術妖精たちへの土産話も用意しとかないとだろ?」
イリス「……そ、そうですね! それじゃあ見ていきましょう!」
*
272 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 17:02:09.80 ID:1pxr88Pl0
―劇場
〜〜♪
白髪ロングの女性→ヨハンナ「闇夜に輝く星の如く 我らの希望、偉大なる大魔女 その力、無限の魔法 我らを守り、導く光――」
桃髪ロングの女性→クリス「天空に浮かぶこの都市 大魔女のもとに栄え その慈悲深き心に 我らは永遠の忠誠を誓う――」
二人の声「ああ 大魔女! 大魔女! 大魔女! 大魔女!」
ダイマジョ! ダイマジョ!! ダイマジョ!!! ダイマジョ!!!!
イリス(わあ……これが大魔女帝国のオペラ……!)
エバンス(すげえ……芸術にゃ詳しくないが、なんかすげえってことはわかるぞ……!)
ローガン(これが……大魔女帝国の芸術か……!)
ヨハンナ「我らの守護者、偉大なる大魔女 その力、無限の魔法 我らを――」
ベチャッ モニョモニョ
ヨハンナ「えっ……?」
クリス「ヨハンナさん? あっ」
ベチャッ ベチャッ モニョモニョ モニョモニョモニョ
天井から落ちてきたレッサースライムの群れ「〜〜」モニョモニョ
ザワザワ スライムダ カワイイ キモイダロ
ヨハンナ「あ、あ……ああああああああああああ!!!!!!!」
音波「――――!!!!!!!!」ビリビリビリ
観客たち「うっ……」バタッ
観客たち「グワッ……」バタッ
観客たち「アバッ……」バタッ
バタッバタバタッ…
エバンス「ぐおお!? み、耳が……!」キーン
ローガン「耳を塞げ!! 意識を持ってかれる!」キーン
イリス「ううっ……! これは、音魔法……!?」キーン
レッサースライムたち「〜〜!!」モニャニャニャ!!
ヨハンナ「なんでこんなところにスライムが……! 排除しないと……!!」
クリス「よ、ヨハンナさん!! 落ち着いて!!」アタフタ
イリス(や、やばい!)
↓1コンマ
01-30 声魔法炸裂 レッサースライム全滅
31-60 イリスたちがヨハンナを止める
61-90 ヨハンナを止める+何かに気付く
91-00 ???
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 17:03:36.09 ID:0ayRmM7YO
あ
274 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 17:29:46.62 ID:1pxr88Pl0
ヨハンナ「スゥ――あああああああああ!!!!!!!!」
音波「――――!!!!!!!!」ビリビリビリビリ
レッサースライムたち「〜〜!」モニャニャニャ!!
モニャニャニャ――パァンッ!
パァンッ! パァンパァンッ!!
レッサースライムたちの残骸「」ジュクジュク…
イリス(あっ……)
ヨハンナ「――はあっ、はあっ……!」
クリス「ヨハンナさん!!」
ヨハンナ「……あ」
気絶した観客たち「」グッタリ
レッサースライムたちの残骸「」ジュクジュク…
ヨハンナ「あっ……ああっ……!」
劇場スタッフ「救護を呼べ!! 急げ!!」バタバタ
バタバタ ザワザワ…
◆
275 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 17:30:39.59 ID:1pxr88Pl0
―居住区
病院
医療ホムンクルス「ふむふむ……あなた方は特に大事ないですね。念の為お薬出しておきますか?」
イリス「あ、いえ……。一応簡単な回復魔法とかも使えるので、大丈夫です」
エバンス「俺も大丈夫だ。体は頑丈な方だからな」
ローガン「私も不要だ」
医療ホムンクルス「わかりました。もし何か不調があればすぐに来院してくださいね」
*
―病院前 広場
噴水「」シャワシャワ
エバンス「はあ……。散々な目に遭ったな……」
イリス「はい……。でも――」
ローガン「……なぜ、あの場にレッサースライムが現れたのか」
イリス「……はい。私も、それが気になります」
エバンス「周囲の話をしっかり聞けたわけじゃないが、今までにこんなことは一度もなかったらしいな。一体原因は何なのか……」
イリス「……」
イリス(クロシュちゃんに、あのレッサースライムたちから事情を――あっ)
イリスの記憶『レッサースライムたちの残骸「」ジュクジュク…』
イリス(……)
イリス(…………私……何も、できなかった……)
エバンス「……あのさ。今日のことは……クロシュちゃんには……」
ローガン「………うむ。伝える必要はないだろう。妖精くんには、話しても良いかもしれんが……」
イリス「…………ですね……」
◆
276 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 17:59:38.15 ID:1pxr88Pl0
―大魔女帝国 滞在4日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ウニ盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 暗黒優待券
属性大全 踊り子の双剣 冒険者証(ランク1)
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書 精霊のローブ かたたたきけん
ブラッドワイン*2 大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[0/8](イリス)
・魔法[0/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
277 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 18:00:31.07 ID:1pxr88Pl0
―朝
宿泊室
チュンチュン
ローガン「――ということがあったのだ」
妖精「レッサースライムが……?」
ミスティ「私も昨日……暴走する警備オートマタに襲われたわ」
エバンス「ミスティちゃんの方じゃそんなことがあったのか」
ミスティ「ええ……。まあ、私たちがどうこうすべき問題でもないと思うけれど……」
エバンス「……立て続けに不審な事件が起きているみたいだな」
妖精「……何か、良からぬ企みがある? それぞれの事件に関連性はなさそうだけれど……」
ローガン「騒ぎを起こすこと自体が犯人の目論見である可能性もある」
ミスティ「そうだとしたら……なんでこんな騒ぎを起こすの?」
ローガン「それは……わからぬ。ただの愉快犯か……あるいは――」
妖精「……この国の治安悪化を目論む、他国の工作員とか」
ミスティ「テロじゃない!」
エバンス「テロだな」
ローガン「うむ……。だが大魔女帝国の安全性や豊かな生活水準を羨む国は少なくない」
ミスティ「……」
妖精「……はあ、気が重くなるね。あそうだ、さっきのレッサースライムの話なんだけど……クロシュには……」
ローガン「うむ……伝える気はない。あの子には不要な情報だろう」
妖精「……ありがとう」
◇
278 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 18:01:36.65 ID:1pxr88Pl0
―宿舎 食堂
割烹着ロディナ「……」
イリス「あれ、ロディナさん? おはようございます!」
クロシュ「おはよう、ございます」ペコ
割烹着ロディナ「あなた方は……イリス様とクロシュ様ですね。おはようございます」ペコリ
イリス「割烹着、お似合いですね!」
割烹着ロディナ「そうでしょうか……」
イリス「今日の朝ご飯はロディナさんが?」
割烹着ロディナ「はい。本日の調理当番は私です。お気に召されてましたら良いのですが……」
イリス「すごく美味しかったですよ! ね、クロシュちゃん」
クロシュ「うん……! ありがと、ございます……!」ペコ
割烹着ロディナ「それならば良かったです。食事が必要であればいつでもお申し付けくださいませ」
ノーラ「……」ジッ
イリス「……ん?」
ノーラ「……」フイッ
イリス(あの隅の席にいるのは、留学生のノーラさんだよね)
クロシュ「?」
イリス(さっき……クロシュちゃんをじっと見てた? いや、たまたまかな……? クロシュちゃん、かわいくて礼儀正しいからつい目で追っちゃうよね)
クロシュ「あの……ごはん、いい……?」
割烹着ロディナ「もちろんです。でもタダごはんは一日三回までですよ」
クロシュ「んゅ……。わ、わかってる……」
大魔女帝国滞在4日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 18:01:40.94 ID:j7SYFGDjo
ロディナさんに近頃外国から怪しいテロリストがこなかったか尋ねる
ついでにロディナさんの種族を聞いてみる
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 18:01:43.13 ID:uSXUdVplO
大魔女様じきじきに魔法を教えてもらってパワーアップ
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 18:02:14.30 ID:BbqgHer60
クロシュ、学園に潜入捜査
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 18:02:18.01 ID:ecTrgLJX0
イリス、ローガン三人組の学生と一緒に魔法の授業を受ける
283 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 20:01:12.33 ID:1pxr88Pl0
クロシュ「ごちそうさまでした……。美味しかった、です」
割烹着ロディナ「良かったです」
イリス「あれ、もう食べちゃったの? 早食いはあんまり体に……いや、スライムだから人間とは違うのかな……?」
クロシュ「……?」
イリス「ま、まあいいや。そうだロディナさん、ここ最近変な事件が多いですけど……ロディナさんは犯人に心当たりとかあったりしますか?」
割烹着ロディナ「犯人ですか……? すみません、私は滞在者への対応および接待の担当なので……事件関係でしたら治安維持担当のホムンクルスか上級オートマタにお聞きくださいませ。ただ、彼らも捜査中の情報については答えられない可能性が非常に高いかと思います」
イリス「あ、そりゃそうですよね。すみません……って、ホムンクルス……!? あの、失礼ですが……ロディナさんのご種族は――」
割烹着ロディナ「私の種族はホムンクルスということになっております。ただ、私の作成過程には大魔女様の独自技術が使われているため、他の国で見られるホムンクルスとは少々異なる部分があるかもしれません」
イリス「ほ、本当にホムンクルス!? 人間かと思ってた……!」
割烹着ロディナ「一般的なホムンクルスは人間とは異なった外見をしている場合が多いので、私たちを人間だと勘違いする滞在者の方は少なくないようです。特に勘違いされても問題はないので、私たちの方から敢えて種族を明かすこともあまりないのですが」
クロシュ「ほむんくるす……」
イリス「ホムンクルスっていうのはね、主に生命とか物質に関わる属性の魔法で造られる人工生命体のことなんだよ。イスファハーンでクロシュちゃんが助けたあの銀色のスライムさんも、広義の意味ではホムンクルスって言えるかも」
クロシュ「わあ……」
割烹着ロディナ「この大魔女帝国で公的な職務に就いている者のほとんどは、大魔女によって造られたホムンクルスやオートマタです。これにより、大魔女帝国では常に安定した国家運営と高い生活水準が保たれています」
イリス「すごい……! それじゃあもしかして、国民の全員が働かなくなっても国は回るってことですか……!?」
割烹着ロディナ「はい。大魔女帝国では勤労の義務がないため、配給される食事と住居で働かずに暮らしている方々もおられます」
イリス「なんと……。でも確かに、働かなくても家とご飯があるなら働かないのはおかしくないかも……」
クロシュ「……えと……ごはんの食材も、ホムンクルスさんたちが、作ってるの……?」
割烹着ロディナ「食料は大魔女様が魔法で生産しております。既存の動植物の命を奪わず食材だけを生産する、とてもクリーンで優しい方法です」
イリス「えええっ!? し、食材だけを生産する魔法……!? そんなものがあるの……!?」
割烹着ロディナ「はい。組成がわかれば、命を通さずに食材を生成することは可能です」
イリス「……言われてみれば、確かに不可能じゃないか。でも物質の創造ってけっこう大きな魔力が必要ですよね? ここの国民全員分の食料を毎日三食分、恒常的に生成し続けるなんて、本当に可能なんですか!?」
割烹着ロディナ「はい。実際に生成できているので、可能なのだと思われます」
イリス「うっ、それは確かに……。大魔女様って一体どれだけとんでもない魔力を持ってるんだろう……」
割烹着ロディナ「また、この国の魔導機械に使われる魔力や水道の水も大魔女様によって安定供給されております」
イリス「……め、めまいがしてきた……もし私が同じだけの魔力を供給しようとしたら、たぶん1秒ももたずに干からびて死んじゃう……」
割烹着ロディナ「ご安心ください。イリス様にそのような供給を強いることはございません」
イリス「強いられたら本当に死ぬよ!!」
クロシュ「わあ……」
イリス「ちなみに私たちも戦いの場で水とか氷とか鋼とか土とかホイホイ作ってるけど、あれは完全な物質創造じゃなくて期間限定の仮物質なんだよ。仮物質は時間が経てば消滅しちゃうの。本物の物質をホイホイ作ってたら魔力がいくらあっても足りないからね」
クロシュ「そうなんだ……」
イリス「でも私が海上とか砂漠で作ってる水は本物物質だよ。海上なら水魔法で海水から塩とかの不純物を取り除けば良いだけだから簡単だったけど、砂漠では空気中にも水分が全然ないから魔力で本物を創造するしかなくて大変だったなあ」
クロシュ「わ……。えと……イリスさん、ありがと……」
イリス「いいのいいの! 魔力は寝てれば回復するからね」
割烹着ロディナ「イリス様も水を創造できるのですか。素晴らしい腕前と魔力をお持ちなのですね」
イリス「あはは……大魔女様に比べれば全然ですけどね」
◆
284 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 20:50:46.26 ID:1pxr88Pl0
―魔法学園
講義室
ワイワイ ガヤガヤ
クロシュ「……」チョコン
妖精「パンフレットに書いてあった通り、滞在者の身分でも普通に受講できたね」
ミスティ「……魔力操作基礎……私もちゃんとしたやり方は学んだことがなかったし、丁度良いわ……」
イリス「私もこれを機に基礎を復習しようかな」
扉「」ガラッ
クローディア「みんな席に着いてる? 今日の講師は私よ」ツカツカ
ザワザワ…
イリス「え、ええっ……!?」
ミスティ「あ、あれって……大魔女……!?」
クロシュ「わあ……」
妖精「な、なんで大魔女が……!?」
クローディア「本日この講義を担当する予定だったキソマホ教授はアイス教授が作ったかき氷を食べすぎてお腹を壊したから、私が代わりに講師を務めます。私の姿を見られて嬉しさの余りに騒いでしまう気持ちはわかるけれど、講義は静かに、真剣に受けなさい」
生徒たち「はい!」
クローディア「良い返事ね。フフ……今日は外来生も多いみたいだし、張り切っちゃおうかしら」ニコ
↓1コンマ(大魔女+10)
01-30 全員魔法経験+1
31-60 全員魔法経験+2
61-90 全員魔法経験+3
91-00 全員魔法レベル+1
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 20:53:45.45 ID:SMckU9Y8O
クリティカれ
286 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 21:32:28.55 ID:1pxr88Pl0
クローディア「――ということ。理解できた?」コンコン
ミスティ(なるほど……全然知らなかったわ……。勉強になるわね……)
イリス(私、基礎をわかった気になってたけどまだまだ理解が足りてなかったかも……!)カキカキ
妖精(まあ基礎だね。この辺は妖精も人間も変わんないみたい)
クロシュ「んゅ……」グルグル
クローディア「あら、難しい?」ヌッ
クロシュ「わ……!」
クローディア「そうねえ……スライムの感覚なら――」
クロシュ「……?」
クローディア「〜〜」モニョモニョ
クロシュ「!」
妖精(ええっ!? 大魔女ってスライム語も喋れるの……!? ていうかスライム語って人間の声帯で出せる音なの!?)
クローディア『声帯を調整すれば誰でも話せるわ』モニョモニョ
クロシュ『わあ……!』モニョニョ…!
妖精(当たり前のように声帯を調整するな!)
クローディア『ふむふむ……妖精さんは流石に私程度の講義で学べることはないみたいね』モニョモニョ
妖精(そりゃまあ、基礎くらいならね。ていうかなんで私にまでスライム語で話すの……)
クローディア『スライム語って知らない人にはほとんど聞こえない音だからいろいろ便利なのよね』モニョモニョ
◇
クローディア「では本日の講義はここまで。次回からは通常通りキソマホ教授の授業に戻りますが、内容は継続しますので予習と復習を欠かさないように。またね♪」ニコッ ツカツカ
扉「」ガラッ
イリス「……けっこう学び直せた。一度基礎を見直してみようかな……!」
ミスティ「私は普通に勉強になったわね……。ちゃんと基礎を学んでみたいわね……」
妖精「クロシュはどうだった?」
クロシュ「あ、うん。えと……ちょっと、わかったかも……」
イリス「大魔女様とスライム語で話してたよね。どんなお話をしてたの?」
クロシュ「えっとね……スライム向けの、基礎を……教えて、くれた……」
ミスティ「スライム向けの基礎……どんなのなのかしら……」
クロシュ「えと……魔力を、デロデロにして……」モニョモニョ
イリス「……なんで大魔女様はスライム向けの魔法の使い方まで知ってるんだろう」
妖精「ところでよくスライム語で話してるのがわかったね。あれ、人間には聞き取りにくい音じゃない?」
イリス「まあ、普段からクロシュちゃんのスライム語をしょっちゅう聞いてるからかな?」
ミスティ「私も最近はスライム語の響きを少し聞き取れるようになってきたわ」
クロシュ「んへへ……。〜〜」モニョモニョ
イリス「でも何を言ってるかまではわかんないよ!?」
☆クロシュ、イリス、ミスティが魔法経験を2獲得しました
◆
287 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 21:51:43.92 ID:1pxr88Pl0
―魔法学園
ワイワイ ガヤガヤ
妖精「さて、せっかく学園に来たわけだしここで聞き込みでもしてく?」
イリス「そうだね。でも一般の生徒に聞いても飛行手段はどうにもならなそうだし……」
ミスティ「……一般的じゃない調査方法にすれば良いということ?」
イリス「いや、一般的じゃない調査方法って……」
クロシュ「!」ピコン
妖精「……一応聞こうか。クロシュ、何を思いついたの?」
クロシュ「えと……わたしが、透明になって……立入禁止の向こうに、行く……」
妖精「却下。それでこの前酷い目にあったばかりでしょ。ここは大魔女もいる魔法学園なんだよ、どこで見つかるかわからないでしょ」
クロシュ「んゅ……。わかった……」
妖精「わかればよろしい」
ミスティ「……発想自体は悪くない気がするわ。つまり、立入禁止の場所に入らなければ良いということでしょ?」
妖精「まあ……。でも、それだったら透明化する必要ないんじゃない?」
ミスティ「いいえ。透明化して聞き耳を立てるのよ。新参の滞在者に聞かれても答えにくい内容でも、生徒同士の雑談なら話せることだってあるかもしれないわ」
イリス「まあ、そうかも……? でもそれでピンポイントに飛行手段を手に入れるのってものすごく運が必要じゃない……?」
ミスティ「……それはまあ、そうかもしれないわ。でもやるだけやってみましょう!」
クロシュ「う、うん!」
妖精「上手くいくかなあ」
↓1コンマ
01-10 ???
11-30 昏倒した生徒を発見
31-60 犯行現場に遭遇
61-90 犯人確保
91-00 ???
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 21:52:55.13 ID:eLpKCVhDO
はい
289 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 22:30:24.95 ID:1pxr88Pl0
光学迷彩マントクロシュ「」バササッ
イリス「わ!」
ミスティ「とりあえず、全員でこれにくるまれば見えなくなるわね……」
妖精「窮屈だ……」
◇
光学迷彩「」モゾモゾ ヨタヨタ
イリス「……ん? ねえ、あれ……!」
昏倒した生徒「」グッタリ
ミスティ「昏倒した生徒!」
イリス「助けなきゃ!」
光学迷彩マントクロシュ「」バサッ
*
290 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 22:30:51.71 ID:1pxr88Pl0
―保健室
昏倒していた生徒「……」
保険医ホムンクルス「命に別状はありません。発見および移送していただきありがとうございました」
イリス「いえ、それは良いんですけど……。彼が昏倒していた原因は一体……?」
保険医ホムンクルス「それが……全くの原因不明なのです。今大魔女様に診て頂ければ――」
扉「」ガラッ
クロ「大魔女様を連れてきたよ!」トテトテ
クローディア「来たわ。例の生徒は――その子ね」ツカツカ
イリス「大魔女様!」
クロシュ「わあ……!」
クロ「クロシュちゃん! 見つけてくれたんだってね。ありがと」
クロシュ「うん……」
クローディア「それでは原因を特定します」
ミスティ「……わかるの? 原因が」
クローディア「ええ。魔法によるものであれ、薬物によるものであれ、このような結果には必ず痕跡が残る。それを見つけ出すのは簡単なことです」スッ
妖精「痕跡……少なくとも魔力の痕跡はないみたいだけど……」
イリス「うん。だとしたら薬物……?」
昏倒している生徒「……」
クローディア「いえ、これは……限りなく巧妙に隠されていますが、生命に干渉する魔法が施された痕跡があります」
妖精「えっ嘘!?」
イリス「そんな!?」
ミスティ「……全然わからなかったわ」
クローディア「あなたたちにわからなくても無理はないわ。これは世界最高クラス……私の次の次の次くらいに魔法を極めた者の手腕です。もしこの術者が本気の殺意を見せたら、彼は赤子の手を捻るよりも容易く命を奪われていたでしょうね」
クロ「そんな凄腕が……。なんでこんなことを……」
クローディア「……登録されている国民にも、現在滞在している滞在者にも、生命に干渉する魔法が使える者はいないはず……。だからこれは多分……挑発でしょうね」
ミスティ「挑発……?」
クローディア「ええ。挑発に乗せられるのは癪だけれど、これ以上無法者を野放しにするわけにもいかない……かといってただの警備じゃこいつの尻尾は捕まえられないわ。クロ、良い?」
クロ「うん! わたし、大魔女さまの次の次くらいにできるもん! だから大丈夫!」
クローディア「悪いわね。でもあなたも、決して一人で相手をしてはだめ。こいつはかなり危険な相手よ……もし見つけたらすぐに私に知らせなさい。指輪は機能しているわね?」
クロ「わ、わかったよ。大魔女さまがそう言うなら……無理、しない」
クローディア「ええ。あなたはこの街にとって最も大切な存在なの。わかってるわね?」
クロ「……うん!」
☆学園内の警備が強化されました
◆
291 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 22:40:20.05 ID:1pxr88Pl0
―夜
宿泊室
スライムクロシュ「……」zzz
イリス「な、なんか大変なことになっちゃったね……」
ミスティ「ええ……。大魔女の次の次の次くらいに優れた魔法使い……そんなとんでもない奴がいるなんて、にわかには信じがたいけれど……」
妖精「……でも、私の目を欺くほどの術師となると確かに相当な腕前だよ。私、これでも魔力反応とか痕跡を見つけるのは得意な方だと思ってたんだけどなあ。とにかく私たちも気を付けないとまずいかも」
イリス「うん。なるべく一人にならないようにしよう。世界最高レベルのテロリストなんて出くわしたら大変だし……」
ミスティ「……またシノホシの奴らだったりするのかしら」
妖精「それは……どうだろう。シノホシは人間を目の敵にしてるけど、この国は人間の国ってわけでもないし……。もしシノホシだったら、今まで掲げてたシノホシの理念ってやつを自分からぶち壊すことにもなっちゃうから違うんじゃないかなあ」
ミスティ「なるほど、確かに……。でもそれなら、本当に一体誰なのかしら……」
イリス「生命に干渉する魔法に精通したテロリスト……うーん、なんか引っかかるけど……なんだったかな……」
妖精「まあ考えても仕方ないし、今日はもう寝よう」
◆
292 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 22:54:40.05 ID:1pxr88Pl0
―大魔女帝国 滞在5日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ウニ盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:氷竜革のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:硬質革鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中 闇の欠片 精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 暗黒優待券
属性大全 踊り子の双剣 冒険者証(ランク1)
魔王図鑑 サボテンドラゴンの花 大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書 精霊のローブ かたたたきけん
ブラッドワイン*2 大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
293 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 22:55:31.65 ID:1pxr88Pl0
―朝
宿舎 食堂
チュンチュン
ローガン「テロリストか……」
妖精「うん。かなりの手練れみたいだから、ローガンとエバンスも気を付けて」
エバンス「おう……。しかしまあ、俺たちの行き先にゃいつもこういうヤバイ奴が出てくるな……」
妖精「世界樹の光とは直接関係のないこの国なら大丈夫だと思ってたんだけどね……」
ローガン「市場での暴走オートマタ騒ぎや劇場でレッサースライムが落ちてきた事件に、大庭園で蔓延っているミントウネなども、その者が関与しているのだろうか」
妖精「可能性はあると思う。どれも今まで全く起きたことがなくて、ここ最近でいきなり発生し始めた事件なんだもん」
エバンス「何が目的なんだろうな」
ローガン「……検討も付かんな。それほどの実力のある者なら、やはり他国の工作員か? しかしそれならやり方が手ぬるい気も……」
エバンス「確かに……殺せる実力があるなら、殺した方がより大きな混乱を起こせるはず。大魔女からの報復を恐れている……なんてのは流石に通用しないよな、工作員なら」
妖精「まあとにかく気を付けてよ。ローガンとエバンスはこういう手合にも慣れてるでしょ? 頼りにしてるから」
エバンス「世界最高クラスの工作員の相手は流石に慣れてねえけどな!」
大魔女帝国滞在5日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 22:55:46.62 ID:l49XH9SYO
クロにどんな対策をとるのか尋ね
手伝えそうなら協力する
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 22:56:13.74 ID:Msdg2Y0hO
魔法店でバイオレット姉妹について聞く
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 22:56:54.29 ID:eLpKCVhDO
広場で聞き込み中に学生三人組に会う
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/12(土) 22:59:08.97 ID:ecTrgLJX0
クロシュ達が移住区で偶然ヨハンナに遭遇する
298 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/12(土) 22:59:55.53 ID:1pxr88Pl0
というわけで本日はここまでとなります。次回はクロさんのお手伝い編、バイオレット姉妹のお話編、学生三人組に聞き込み編となります
劇場で事件に巻き込まれたり、食堂でホムンクルスのロディナさんとお話したり、大魔女さまの講義を受けてみたり、昏倒事件を発見してしまったりといった様子でした。大魔女帝国で一体何が起きているのか。暗躍する悪意の真の狙いとは。クロシュは、闇に潜む敵を暴けるか――
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/13(日) 04:25:33.30 ID:urh4bkJ/o
おつでした
今回まだ黒幕がまったく見えてこないな…
300 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/13(日) 16:00:00.18 ID:m5uBjrem0
黒幕の正体は今のところわかっておりません。わかっていることは、生命に干渉する魔法を使えることと、大魔女でなければ看破できないほど魔力の気配を隠すのが上手なことくらいです。この恐るべき敵はその正体を隠し続けており、その目的も未だに不明なままです。気を付けるのが良いでしょう
301 :
◆eAA16RTlRw2e
[saga]:2024/10/13(日) 16:00:39.56 ID:m5uBjrem0
―朝
魔法学園 廊下
クロ「……」キョロキョロ トコトコ
妖精「あ、クロだ」パタパタ
クロシュ「わあ……」トテトテ
クロ「……ん? あ、妖精さんとクロシュちゃん。おはようございます」ペコリ
クロシュ「おはよう、ございます……」ペコ
妖精「おはよ。見回り?」
クロ「うん。相手は魔力の気配を消すのがものすごく上手みたいだから、目視で発見しないといけないの」
妖精「でもクロみたいな教授が見回ってるところでは動かないんじゃないかな」
クロ「う……それはそうかもしれないけど……。でもわたしが見てるところなら、その人も悪さできないってことでしょ? それに、ほらこれ」スッ
注意喚起ポスター『不審な昏倒事件が多発しています。一人での行動は避け、不審な人物を目撃した場合は速やかに職員へ連絡してください』
妖精「なるほどね。正直学園全体を閉鎖しても良い気もするけど……」
クロ「今のところただ昏倒するだけで命に別状はないから、事件性はあるものの閉鎖には至らないの。もし傷害や殺人に発展するようであればそうも言ってられなくなるだろうけれど……」
妖精「そういうもんか」
クロ「うん。それに警備も強化されてるから、今後はそう簡単には――」
――…
クロ「!」タッ
妖精「攻撃的な魔力反応……! クロシュ、追うよ!」パタパタ
クロシュ「う、うん!」タッ
↓1コンマ
01-50 犯行現場
51-90 犯人確保
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