このスレッドは950レスを超えています。そろそろ次スレを建てないと書き込みができなくなりますよ。

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part4

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

202 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/09/30(月) 00:07:49.21 ID:BZ+8QHXH0
というわけで本日はここまでとなります。次回はついに、大魔女帝国編突入となります

イスファハーンでの戦いを終え、ついに訪れる大魔女帝国の空中楽園都市エデン。その巨大な街を支配する大魔女とは、噂通りの女神か、権謀術数企てる魔神か。クロシュたちは、無事に飛行手段を手に入れられるのか――

クーちゃんさんは自分のことをクールでミステリアスな闇の女だと思っているようですが、実のところクロシュたちはそのように思っていないようです。そんなわけで気の抜けたあだ名で呼ばれるのはやはり少し格好がつかないようですが、あまり否定しない辺り意外と満更でもないのかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります。よろしくお願いいたします。大魔女帝国編をお楽しみに
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/30(月) 01:49:18.51 ID:zQ3feBDEo
おつおつ
くーちゃんさん、初登場からすっかり丸くなっちゃってカワイイね!
ついに足を踏み入れる魔女国も楽しみ、一体どんな様子なんだ…
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/02(水) 12:13:33.98 ID:3LxATMV0O

クロシュも風船スライムさんに擬態とかすれば飛べるようになるかな?って思ったけどそういえば緑の国編で綿毛になって飛んでたことあったね
まあ綿毛じゃみんなを運んで飛ぶとかは無理そうか
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 09:06:35.63 ID:LiTuNBdH0

フラナさん昔は魔王だった・・・?
革命戦時は普通に兵士殺害してたし全然良識派ではない気が
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 12:53:53.59 ID:Qg6ADAOQO
クロシュヴィアコンマが恵まれなかっただけですぐ近くにいるんかね大魔女帝国にも出没しそう
207 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 17:27:57.28 ID:jx8kKVe00
クーちゃんさんはすっかりクロシュ一行にほだされてしまったようです。今回は大魔女帝国に行けませんでしたが、また道連れとなる機会もあるかもしれません
大魔女帝国編でクロシュが誰と出会い、どのような運命を辿るのかは今後の展開次第となります。お楽しみに

実のところ風船スライムさんが飛んでいる原理は単純なものでもないらしく、ただ擬態するだけではその浮遊能力を獲得することはできないかと思われます。風船スライムさんから欠片をもらうなどして同化すれば、その浮遊能力を獲得することができるかもしれません
綿毛に擬態した場合、クロシュ単独でなら空に浮かび上がることが可能ですが、重いものを持ち上げたりとかはやはり難しいようです。そして風がなければ自力で飛べず、風向きにも逆らえないため、少々扱いの難しい擬態となっているようです

魔王が元の姿や人格に戻った例は今のところなく、フラナ氏も魔王だったことはないと思われます。革命の時は悪魔のような冷酷さを見せたフラナ氏ですが、ここ最近は捕虜の待遇向上など、人間への扱いが以前よりも軟化していると見られているようです。魔族の中の過激派からすると、ここ最近のフラナ氏のやり方は少々ぬるすぎて気に入らないものなのかもしれません

クロシュヴィア氏が登場するかどうかはコンマ次第ですが、今のところ世の中の動向に積極的に介入する気はあまりないらしく、地道な宗教活動で人々の意思をデロデロにしようという考えが優勢のようです
そして大魔女帝国では大魔女信仰が非常に強いため、もしクロシュヴィア氏が大魔女帝国でデロデロ教の布教活動をしようとしても、すごく難航してしまうかもしれません
208 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 17:28:22.64 ID:jx8kKVe00
―イスファハーン港
 埠頭


 空中楽園都市エデン「」ズゥン――…


イリス「ま、間近で見ると……大きい……!!」

妖精「一体どんな方法でこれだけのものを浮かせているのやら……」


 搭乗ハッチ「」プシュー…

 タラップ階段「」ジャコンジャコン!


ミスティ「扉が開いて……階段が伸びてきたわ」

エバンス「誰か降りてくるぞ」


 コツコツ…スタ


黒髪短髪の女性「遠路はるばるようこそいらっしゃいました、妖精御一行の皆様」


エバンス(おお、美人だ……)

ローガン(うむ……美人だな)


黒髪短髪の女性→ロディナ「皆様の迎え入れ対応をさせていただきます、受付係のロディナと申します。以後よろしくお願いいたします」ペコリ


イリス(おお……所作のひとつひとつが優雅だ……!)

ミスティ(クールな雰囲気ね……)

妖精(……この子……普通の生き物じゃないな)


ロディナ「それでは、足元にお気を付けて階段をお登りください。手すりもありますので、ご利用くださいませ」

イリス「は、はい! よろしくお願いします!」

ミスティ「よろしく……」

 トンカントンカン…

 ◆

 昇降機「」ウィーン…

 ガゴン!

ロディナ「地上部に到着致しました。それでは改めまして――」

 扉「」プシューッ


 通りを行き交う人々「」ワイワイ

 そびえ立つ摩天楼「」ドン

 空を飛ぶ数々の飛行船「」ドドドド

 遥か上方に広がる巨大な風船「」ゴゴゴゴ…


ロディナ「ようこそ、大魔女帝国へ――」


 ――大魔女帝国編 開幕
209 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 17:28:49.92 ID:jx8kKVe00
―空中楽園都市エデン
 滞在用宿舎

 ガチャッ

 小綺麗な部屋「」ポン

ロディナ「皆さんはこちらにご滞在いただきます」スッ

ミスティ「滞在用宿舎……。確か、費用はかからないのよね?」

ロディナ「はい。宿泊費は無料となっております。また、一日三食まで食事を無償提供しておりますので、必要の際は一階の食堂をご利用ください」

クロシュ「!」

妖精「……一日三食までだからね?」

ロディナ「……四食目からはお代を頂きますが、他国の平均的な食事よりも安価に提供しておりますので、必要の際は是非ご利用ください」

イリス「すごい……! でもいいのかなあ、三食までタダでもらっちゃって……」

ロディナ「衣食住の保証は、滞在者のみならずこの国の住民全てが持つ当然の権利となっております。遠慮せずご享受ください」

エバンス「すげえ、流石は大魔女帝国だ」

ローガン「ふむ……承知した」

ロディナ「私は普段あちらの管理棟に駐在しておりますので、他に質問や要望などがありましたらお気軽にお越しください。それでは、良い滞在を……」スタスタ


イリス「ありがとうございました!」ペコッ

クロシュ「ありがと、ございました……!」ペコッ

 ◇
210 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 17:30:04.54 ID:jx8kKVe00
―大魔女帝国 滞在1日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◇暗黒行商少女[闇の商人]
武:魔銀のナイフ   盾:         飾:貝殻の髪飾り
武:         防:闇のエプロン   飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[6/12](クロシュ)
・魔法[0/8](イリス)
・魔法[5/6](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
211 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 17:30:54.29 ID:jx8kKVe00
―宿舎
 宿泊室

 ベッド「」ポン
 クローゼット「」ポン
 テーブル「」ポン

 微笑む大魔女が描かれた大きな絵画「」ドン!!!!

妖精「うわっ!?」

イリス「大魔女の絵!」

ミスティ「あれが……大魔女なのね……」

クロシュ「わあ……」

妖精「他の内装は小綺麗にまとまってるのに……いやまあ、逆にあの絵が引き立つとも言えるのか……」

イリス「ま、まあいいじゃない。ここはそういう国なんだからさ」

ミスティ「変わった国だわ……」


大魔女帝国滞在1日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 17:31:39.21 ID:ArtlReW/0
フラナに大魔女帝国に着いた事とリチャードと何を話したかを手紙で聞いてみる
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 17:31:44.35 ID:LiTuNBdH0
魔法学園(入れなかったら周辺で)で情報収集
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 17:37:50.33 ID:vslLc70DO
魔王図鑑を読む
215 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 18:22:32.66 ID:jx8kKVe00
―宿泊室

妖精「ティセリアへの報告は……ひとまずこれくらいでいいか。風の精霊いる〜?」

風の精霊『はぁ〜い』ヒュルヒュル

クロシュ「わあ……」

風の精霊『いつもすぐに出てきてびっくりしてる? ふふん、わたしたちはどこにでもいるんだよ〜』ヒュルヒュル

妖精「精霊と妖精の違いだね。精霊は個≠フ概念が薄いから、どこにでもすぐ現れるしすぐに消えたりもする」

風の精霊『そゆこと〜。でもお手紙はちゃんと届けるから安心してね〜』ヒュルヒュル

妖精「クロシュも、お手紙を出したければ出しても良いんだよ?」

クロシュ「あ、えと……。書くの……時間、かかっちゃうから……」

風の精霊『そっかぁ。じゃあ書けたらいつでも呼んでねえ。すぐに届けちゃうから〜』ヒュルヒュル


イリス「……妖精さんとクロシュちゃん、もしかして精霊さんとお話してる?」

妖精「あ、イリス。うん、風の精霊と。イリスもお手紙があるなら出す?」

イリス「出す出す! もう書いてあるから、良いかな?」スッ

 手紙「」ポン

風の精霊『いいよ〜。じゃあ預かるねぇ〜』ヒュルヒュル

 手紙「」フワッ

イリス「わっ、手紙が浮かび上がった……!」

妖精「人間にはそう見えるんだ……。ところで今回もフラナに?」

イリス「うん。ここに着いたことと、リチャードさんのこととか……」

妖精「そういえば知り合いなんだっけ……。変なとこで繋がりがあるんだなあ」

イリス「そうみたい……。まあいろいろあったけど、ここの渡航権をくれたりもしたしさ」


風の精霊『それじゃあお手紙はこれでいいかな?』ヒュルヒュル

妖精「あ、うん。お願い」

風の精霊『承りましたっ』ヒュルルッ!

 ◆
216 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 18:24:40.13 ID:jx8kKVe00
―空中楽園都市エデン
 魔法学園

 ワイワイ ガヤガヤ

学生たち「〜〜」キャッキャ


イリス「こ、ここが……大魔女帝国の、魔法学園……!!」

ミスティ「私たちと同じくらいの年齢の人もいるわね……」

エバンス「……俺とローガンの旦那はちょっと場違いじゃないか?」

ローガン「いや、この学園は学生だけでなく、魔法の研究や開発を行う機関も兼ねているようだ。よく見れば、学生たちに混じって大人の魔法使いも幾人か出入りしている」

イリス「それに出入りや受講は年齢問わず自由にできるみたいですよ。このパンフレットによると」スッ

 魔法学園のパンフレット「」パサッ

ローガン「うお、マジか。じゃあ堂々と出入りするか……って受講料も無料だと!?」

イリス「パンフレットによると、そうらしいですね……」

ミスティ「……試しにちょっと受けてみようかしら?」

クロシュ「……わたしも、受けられるの……?」

ミスティ「ええ、クロシュももちろん受けられるみたいよ」

妖精「……受講無料か……この国の経済、どうなってんだろ」


↓1コンマ 情報収集
01-30 留学生エルフ「飛行手段ですか?」
31-60 三人組の学生「飛行手段?」
61-90 黒髪の幼女?「飛行手段……?」
91-00 大魔女「飛行手段が欲しいですって?」ヌッ
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 18:25:36.73 ID:3LkS7Ngho
こんま
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 18:25:37.50 ID:i/apwZKPo
ヌッ
219 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 20:09:27.46 ID:jx8kKVe00
エバンス「よし、それじゃあ散開して情報収集といくか!」

ローガン「うむ。まだ初日だ、気楽にいこう」

 ◇

クロシュ「あの……いい、ですか……?」

黒髪の幼女「え? わぁ、スライムさん?」

クロシュ「あ、うん……。わかるの……?」

黒髪の幼女「うん〜。擬態の補助にすごく高度な魔法も使ってるねぇ。初めて見る魔法かも……」

妖精「へえ、ここの人にとっても珍しい魔法なんだ」ヒョコ

黒髪の幼女「わぁ、妖精さんもいたんだ」

妖精「まあね。それで、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

黒髪の幼女「あ、ごめんそうだったね。どうぞ」

クロシュ「えと……空を……飛びたくて……。あっ……えと、飛ぶ、方法……この国で……えと……」

妖精「……まあつまり、この国で一般人でも使える飛行手段ってないかな? 中央大陸の西部上空に雲塊があるでしょ? 私たち、そこに行きたくて」

黒髪の幼女「えっ、あの謎の雲塊に? ううーん……あそこ、気流も天候もめちゃくちゃだって昔大魔女さまが言ってたし……」

妖精「ほら、この街って空にでっかいクジラみたいな船がいっぱい飛んでるじゃん。あれって買えたりしないの?」

黒髪の幼女「無理だよ! あれは大魔女さまが特別に貸与してるだけで、一般流通はしてないし……多分、あの雲塊に突っ込んだら風や雷にやられて墜落しちゃうと思う……」

妖精「そ、そう……。でもほら、この街だっていつでも空を飛んでるわけでしょ? 何か、風や雷をものともしないすごい飛行手段があるんじゃないの?」

黒髪の幼女「……この街は……ちょっと特殊な浮遊魔法で飛んでるの。ここからでも見えるよね? あのでっかい風船……」


 空に浮かぶ巨大な風船「」ゴゴゴゴ


黒髪の幼女「あの風船は……ちょっと特別なの。この街の空を飛んでる飛行船や気球は、あの風船を参考にして作られたものなんだけど……完全な再現には程遠いの。だから……この街と同じ強度で飛べる物体は……他に、ないの」

妖精「えっ……絶対ないの? 絶対?」

黒髪の幼女「うっ……ぜ、絶対じゃないけど……でも、だめ! 一般の人は絶対手に入らないの!」

妖精「……?」


銀髪ショートの丸眼鏡エルフ少女「クロ教授、こんなとこにいたんですか」タッタッタッ

黒髪の幼女→クロ「あ、ノーラ」

銀髪ショートの丸眼鏡エルフ少女→ノーラ「講義の時間ですよ。クロ教授をみんな待ってます」

クロ「えっ……あっやば! ご、ごめん! 妖精さんとスライムさん、また今度ね!」タッタッタッ

ノーラ「すみません、クロ教授はお借りしていきますね」

妖精「あ、うん。教授だとは知らなくて。こっちこそ引き止めてごめん」

クロシュ「ごめんなさい」ペコリ

ノーラ「……ん……?」

クロシュ「?」

ノーラ「………いえ、それでは失礼します。教授、急いでください」

クロ「わかったってば!」

 ☆エデン魔法学園の教授クロと知り合いました

 ◆
220 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 20:10:09.39 ID:jx8kKVe00
―夕方
 宿舎前 通り

 スタスタ

妖精「――という感じで、収穫はないわけじゃなかったんだけど……」

イリス「一般の人は絶対手に入らない……てことは、一般じゃない人なら手に入るってこと?」

エバンス「単純に考えればそうなりそうだが……」

ミスティ「でも、一般人の手に届かないものじゃ……難しくないかしら……」

ローガン「……ふむ……まずは、それが何なのか突き止めたいところだな」

クロシュ「……」


ノーラ「……あれ? あなたたちは……」スタスタ


妖精「あ、あなたはクロ教授を引きずってった学生の……」

ノーラ「はい、ノーラと申します。セクリエ・ロイエから留学してきました」

イリス「わあ、留学!」

ミスティ「想像の及ばない世界だわ……」

妖精「私たちは……まあいろいろあって、ちょっとここに滞在してるの。聞いてたならわかると思うけど、ちょっと空を飛びたくてね」

ノーラ「空を……ふふっ、素敵ですね」

妖精「けっこう真面目なんだよ? まあいいけどさ」

ノーラ「でもそれなら私と似たような立場ですね。私もこの国の優れた魔法を学ぶ為に滞在している身ですから」

妖精「まあ確かにそういうことになるかな?」

ノーラ「それじゃあ、お互いに目的を達成するまでの間ではありますがよろしくお願いします。何かわからないことがあればどんどん聞いてくださいね。私はあっちの宿舎に滞在してますから」

 ☆留学生エルフのノーラと知り合いました

 ◆
221 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 21:45:56.94 ID:jx8kKVe00
―夜
 宿舎 宿泊室

 魔王図鑑「」ポン

妖精「さて……この本ももうすぐ読み終わるけど……」

ミスティ「……収穫はどう?」

妖精「……この残り僅かにかけるしかない」

クロシュ「わたしも……いっしょに、読んでいい?」

妖精「もちろん」

 *

「目次」
・絶望の魔王 済
・狂気の魔王 済
・暗黒の魔王 済
・虚無の魔王 済
・夢想の魔王 済
・旋律の魔王 済
・記憶の魔王 済
・雷霆の魔王 済
・巨樹の魔王 済
・海難の魔王 済
・吹雪の魔王 済
・双子の魔王 済
・掃除の魔王
・憑霊の魔王
・永遠の魔王
・水底の魔王

 ペラッ

「掃除の魔王」
生前の姿は不明。
史上最大と考えられるこの魔王は、超巨大な風船の如き威容で地上より遥か上空を浮遊し、直下にある物体の尽くを正体不明の力で削り取り消滅させたと言われている。地上を綺麗な更地にするその行動から、掃除の魔王と称された。一見風の流れに合わせて無軌道に移動しているようにも見えたこの魔王は、実のところ生命の豊富な地域へ優先的に移動して破壊活動を行っており、他の生命に対する明確な害意があったものと考えられている。雷霆の魔王、吹雪の魔王と並び、この魔王もまた史上最も危険な魔王の一つであったと目されることが多い。
最期には、天を駆ける橙色の焔に貫かれて討伐されたと言われている。その焔が何者の仕業だったのかは明らかになっていない。

「憑霊の魔王」
生前の姿は不明。
この魔王は物理的な肉体を持たず、他者に取り憑いてその行動を自在に支配する力を持っていた。取り憑かれた者は自己意識を失い、魔王の意のままに操られる傀儡となってしまう。さらに厄介なことにこの魔王は取り憑いた者の潜在能力を引き出すことができ、その解放された潜在能力を用いて恐ろしい殺人や破壊活動を繰り返した。宿主が死んでもこの魔王は霊体となって逃げることができたため、その討伐も困難を極めた。
しかし最期には光の聖女がもたらした烈光に焼かれて消滅した。

「永遠の魔王」
生前の姿は不明。
この魔王がいつ発生したのかは判然としていない。この魔王が存在する周辺一帯では時空間が著しく乱れており、過去と現在と未来が同時に存在するらしい。それがどのような状況であるのかは実際に見ていない私にはわからないが、これを体験して生還した冒険者は全員発狂してしまっており詳しい話を聞くことができなかった。最低限わかっていることは、かの魔王が時間を操る力を持つこと、不死であること、通常の認知能力を持つ人間は自我を保てない異常空間が展開されていること、くらいである。
幸いこの魔王は自分から移動することは一切なかったため、最初に巻き込まれた者以外は自ら乗り込まない限り被害に合う心配はない。そしてこの魔王は未だに討伐されておらず、現在も北大陸の一部地域を封鎖し続けている。

「水底の魔王」
生前の姿は不明。
物理的な肉体は持たず、普段は幼い少女のような姿で海上や海中を漂っていると言われている。このことから、生前は人または人に近い種族の幼い少女であったと考えられる。
とある海域に出没し、通行する船の乗組員や海洋生物の命を理不尽に奪う力を持つ。危険性で言えば海難の魔王と似ているが、物理的な影響は及ぼさない。命を奪われた海洋生物の死骸はそのまま海底に沈み、船は幽霊船となってその海域を漂い続けることとなる。ある島の伝説では、かつてこの魔王が流した涙が星を覆う大嵐となり、一度世界の全てが海の底に沈んだと言い伝えられている。
討伐は確認されておらず、当該海域は現在でも船が消息を絶つ魔の海域となっている。そのため、この魔王は今もなお現存しているものと考えられる。

 *
222 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 21:47:28.84 ID:jx8kKVe00

ミスティ「……最後の方でいきなり現存する魔王が出てきたわね……」

妖精「そうだね……。永遠の魔王と水底の魔王は私も聞いたことがあるよ。どちらも影響範囲が決まってる魔王だから、わざと侵入しない限り危険はない。まあだからこそ討伐されずに放置されてるのかもしれないけど……」

ミスティ「……そして、憑霊の魔王……。これは……ひょっとして――」

妖精「うん。もしかしたらこの魔王で言及されてる症状……アリシラの状態に似てるかも」

クロシュ「……!」

妖精「断言はできないけど、人間の形を保ってて、一見言葉も通じているように見える。魔王に取り憑かれている……かどうかはわかんないけど、その線でさらに調べてみる価値はあると思う」

クロシュ「アリシラさん……」

妖精「それにあいつ……クロシュのこと、なんだかんだ言ってけっこう気にかけてるでしょ? 多分、この憑霊の魔王よりはマシな状態だと思うよ」

クロシュ「うん……」


 掃除の魔王のページ『』ペラッ

 大きな風船のような姿が描かれた挿絵『』


クロシュ「……」


 ☆魔王図鑑を読み終えました
 ☆アリシラの状態についての考察が進みました

 ◆
223 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 22:11:14.36 ID:jx8kKVe00
―大魔女帝国 滞在2日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[6/12](クロシュ)
・魔法[0/8](イリス)
・魔法[5/6](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
224 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 22:35:19.00 ID:jx8kKVe00
―朝
 宿泊室

 チュンチュン

スライムクロシュ「……」zzz

妖精「すう、すう……」zzz



イリス「ふわあ……。なんだろう……久しぶりの……朝って感じがする……」

ミスティ「何を言っているの……? 朝は毎日訪れているじゃない……」

イリス「いやまあそうなんだけど……。ほら、ここ最近って危険に備えてスイートルームに泊まってたりとか、なんだか普通とは違ってたっていうか……」

ミスティ「まあ、そう言われるとそんな気もするわ……」

イリス「あんまりゆっくりもしてられないけど、朝くらいはこの空気を味わっとこう!」

 郵便受け「」ガサッ

ミスティ「あら、新聞? なんか普通に新聞が入れられるのなんて珍しい感じね」

イリス「いつもはあの悪徳新聞記者さんが窓から不法侵入して置いていってたからね……」

 *

 エデン新聞「」ガサッ
 「警備用オートマタが誤射、通行人が怪我。今月二度目か」ペラッ
 「大庭園でミントウネが大量発生」ペラッ
 「魔法学園生徒連続昏倒事件 未だ犯人捕まらず」ペラッ


イリス「……な、なんか……意外と……」

ミスティ「暗いニュースが多いわね……」


大魔女帝国滞在2日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 22:35:45.57 ID:kA3lSJF6O
歓楽区で聞き込み調査
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 22:36:35.05 ID:9gpi0nqQO
大魔女様とクロシュ邂逅
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 22:36:42.40 ID:oeisi8kFO
ミスティ、ギルドで魔法学園の特別講師の依頼を受ける
228 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 23:03:52.29 ID:jx8kKVe00
―歓楽区

 ワイワイ ガヤガヤ

 ビルに掛けられた特大大魔女看板「」ドドン!!

大魔女コスの売り子「大魔女様カフェです〜!」

魔女っ子妖精の屋台「大魔女さままんじゅうだよ〜」

魔女っ子スライム「〜〜」モニョモニョ

書店の売り子「大魔女無双! 異世界転生しても大魔女様は平常運転! 大ヒット増版決定です! お買い求めの際は急いで急いで!」

エルフの吟遊詩人「大魔女……奪い与えし、賢者にして愚者……」ポロロン

通行人「なんだと!? 大魔女様が愚者だと!? このクソボケ吟遊気取りが!!」
 石ころ「」ポイポイ

エルフの吟遊詩人「表現の自由が守られぬ国、大魔女帝国……」ポロロン ゴツンッ



エバンス「流石にこの地区はすげえな……!」

ローガン「うむ……。クロシュくん、我々から離れんようにな」

クロシュ「うん……」

妖精「まあクロシュには私が付いてるから大丈夫だよ」


↓1コンマ 情報収集
01-05 ???
06-35 ロディナ
36-65 魔法店のラミアと吸血鬼
66-95 緑髪のイケメンエルフ
96-00 ???
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 23:04:27.45 ID:3LkS7Ngho
こんま
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/05(土) 23:04:49.10 ID:LiTuNBdH0
231 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 23:42:50.30 ID:jx8kKVe00
―魔法店

 カランコロン

緑髪のラミア「らっしゃ〜い」

エバンス「うおっ……! ら、ラミアか……」

緑髪のラミア「なあに、蛇女が大魔女帝国にいちゃ悪いわけ?」ニヤニヤ

エバンス「んなこと言ってねえだろ! ちょっとびっくりしただけだっつの」

青髪の吸血鬼「何ですか……? スール、騒がしいんですけど……」スタスタ

緑髪のラミア→スール「はっは、来客対応だよ。我慢しな」

ローガン「そちらの方は……吸血鬼か」

青髪の吸血鬼→フローレンス「ええ。この国で種族がどうこうという区分けは無粋の極みですけどね」

ローガン「む……それは失礼した」

妖精「私としてもそういう感じの方が良いかな」

クロシュ「うん……」

フローレンス「……ん? 妖精と、黒髪の少女……もしかしてあなたたち、ダークヒーローイリスの一行ですか?」

スール「えっ、ダークヒーローイリス一行?」

妖精「えっ。いや……知ってるの?」

フローレンス「こっちの界隈じゃ有名です。フラナも絶賛してましたし」

ローガン「……いかにも、その一行だが……諸君らはフラナ氏と知り合いなのか?」

スール「おうさ。あそこのガキ共とはちょいと腐れ縁でね」

フローレンス「私も似たような感じですね。最近のことは知りませんけど、姉妹揃って随分派手にはってるみたいですね」

妖精「まあ、派手にはやってるかな……? まあ二人とも元気だと思うよ。一人はテロリストだけど」

スール「あっはっは、らしいね! あの暴れん坊らしいっちゃ暴れん坊らしい!」ケラケラ

エバンス「か、軽いな……!?」

フローレンス「下界がどんな様相だろうとどうでもいいですし。私たちはこの国で快適に過ごせますから」

ローガン「うむ……。しかし新聞によると、どうも最近この国では事件や事故が多発しているようだが……」

スール「あ〜、そうみたいだねえ。大庭園じゃミントウネが大増殖してんだっけか? ミントウネは実際一度植わるとすごい勢いで増殖しちまう厄介な性質があるんさ。元々この国にゃミントウネなんて一匹もいなかったんだから、十中八九誰かが意図的に持ち込んで植えたんだろうねえ」

妖精「犯人はなんでそんなことをしたの?」

スール「知らん! いやまあ、ミントウネはけっこうかわいいし、薬効もあるし、香りも良いから、大増殖するって点を除けば良い植物なんだよ。だから善意で植えたって可能性もなくはない……けど……」

フローレンス「嫌がらせじゃないですか? 大魔女様への」

スール「……考えたかあないけどね。うちら大魔女帝国の国民は、みんな大魔女様が大好きだ。そんな大魔女様が嫌がるような真似を国民がするとはあまり考えられないんだが……」

妖精「……じゃあ、私たちみたいな滞在者じゃない?」

スール「入国審査の面接なんていい加減だからねえ」

フローレンス「はあ……大魔女様を困らせる不届き者なぞ、死罪が相応しいと思いますね……」

スール「ま、何にしてもそのうち捕まるさ。この国の治安組織は大魔女様肝いりの精鋭部隊だからね」

 ◇
232 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/05(土) 23:44:29.42 ID:jx8kKVe00
というわけで本日はここまでとなります。次回は、クロシュ大魔女と邂逅する編、ミスティ先生編となります

大魔女帝国入りを果たし、早速行動を開始するクロシュ一行です。すでに様々な人物と出会い始めた一行ですが、何やら大魔女帝国では不穏な事件も多発しているようで、一筋縄ではいかない様子。この先クロシュはどのような事態に遭遇し、どう動くのか。

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 00:56:37.18 ID:gcd0lCOuo
大魔女帝国やイスファハーンの文明レベルを見ると魔族国って田舎ね
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 05:07:59.62 ID:mxpb6tVwo
おつおつ
狂信、とまでは行かない信仰、バランス感覚があって良い
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 08:56:36.92 ID:5qNDT0TTO
魔族はみんな大魔女帝国に住めば良いよ
236 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 16:39:14.38 ID:ukm6Vrz50
イスファハーンと大魔女帝国は世界的に見ても最高水準の技術力と豊かさを持っているため、その二つの国に対抗できるのは実のところ王国くらいかもしれません(王国は魔導機械分野において近年革新的な成長を続けています。それでもその二国にはまだ及ばないかもしれません)

大魔女帝国の民は、やはり大魔女のことが大好きなようです。しかし狂信や盲信といえるほど強く大魔女を信仰している国民は実のところそこまで多くはないらしく、どちらかというと大多数の国民はその国家運営や生活水準の方をありがたがっているだけかもしれません。しかしそれもまた大魔女の作為によって提供されているものなので、やはり大魔女の存在がありがたがられていると言っても良いでしょう

大魔女帝国に住むことができれば豊かなで平穏な生活が保証されますが、世界各国の大使館を巡らなければ入国できないため、苦難から逃れる為に大魔女帝国に亡命するという選択はほぼ不可能と思われます。また、大魔女帝国に入れるような力や財力を持っている者であれば、大体どこの国でも不自由なく暮らせる可能性が高いと言えるでしょう
237 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 16:40:09.69 ID:ukm6Vrz50
―空中楽園都市エデン
 歓楽区 路地裏

魔女っ子スライム「〜〜」モニョモニョ


クロシュ「!」

妖精「あ、スライム。この街にも住んでるんだねえ」

ローガン「ふむ……我々にはスライム語がわからぬ。スライムくんたちへの情報収集は任せても良いだろうか?」

妖精「わかった。それじゃああの子に聞いてみよう、クロシュ」

クロシュ「うん……!」

 *

クロシュ「……」トテトテ

魔女っ子スライム「〜?」モニョ?

 デロデロ…

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

魔女っ子スライム「〜〜!」モニョモニョ キャッキャ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ キャッキャ


「あらあら、見ないスライムの子がいるわね」スタスタ


妖精「! この気配は――」

大魔女「ごきげんよう、滞在者のお二人様」スタスタ

スライムクロシュ「!」モニョ!

魔女っ子スライム「〜〜!!」モニョニョ! キャッキャ

妖精「あ、あなたは……まさか――」

大魔女→クローディア「いかにも。私こそがこの帝国を支配せし伝説の大魔女――クローディア・トゥルーエンドですわ」ファサッ

妖精「大魔女、クローディア・トゥルーエンド!」

クローディア「うふふ、建国の太母に知ってもらえてるなんて光栄ね」ニコニコ

妖精「当然でしょ、こんな大層な街を空に上げてるんだもん! ていうかあなたの方こそ、私のこと知ってたの!?」

クローディア「それこそ当然でしょう? 緑の国を興した偉大なる妖精のことくらい、知らない方がおかしいわ」

妖精「……ま、まあ……そりゃそうか」

クローディア「昨日クロから聞きましたわ。空を飛ぶ手段を探しているそうですね」

妖精「うん。知ってるなら丁度良いや、まさしくその通り私たちは空を飛ぶ手段を探してるの」

クローディア「中央大陸西部の上空にある、世界樹の光を取り戻す為に必要なのね?」

妖精「……どこまで知ってるの?」

クローディア「簡単な推測ですわ。その様子ですと当たっているようで何よりです。うふふ、外す気もありませんでしたけれど」

妖精「じゃあ話が早い。このまま世界樹の光を放っておいたら、過激思想の奴らに奪われて世界が大変なことになっちゃうの。あなたが噂通りの愛深き大魔女だというのなら、世界の為に力を貸してよ」

クローディア「……」


↓1コンマ
01-75 大魔女帝国とは関係ありませんわ
76-95 臣下でもない民に与える愛はありませんわ
96-00 ??
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 16:47:20.76 ID:nJtFrMbAO
239 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 17:16:31.80 ID:ukm6Vrz50
クローディア「何か勘違いしているようだけれど……私の愛は、万物に分け隔てなく与えられるような安いものではないのよ?」

妖精「……」

クローディア「なぜ入国にあれほど大変な基準を設けているか、おわかりかしら?」

妖精「ええと……」

クローディア「私を敬わず、この国を敬わない愚か者を排除する為ですわ。道理を解さぬ蛮民が増えれば、例え万能たる私の統治であっても――いずれは破れ、崩壊してしまう……。この楽園を維持し続ける為には、誰も彼もを庇護して回るわけにはいかないのですよ」

妖精「でも……それは大魔女帝国を維持する為の理屈でしょ? 地上が滅びれば、この国だっていずれは――」

クローディア「滅びません。例え地上の一切が業火に包まれて滅ぼうとも――この国は、私が全霊で守り、育んでみせましょう」

妖精「食事は? 資源は? 星が滅びちゃったら――」

クローディア「いいえ。星そのものが滅びることはない――世界樹と近しいあなたなら、わかっているはずです」

妖精「……」

クローディア「例え世界樹の光を全て手にした者が、星の崩壊を願ったとしても――星の力そのものが滅びることはありません。世界樹の果実は種を落とし、新たな世界樹が芽吹き、やがて星の表層には新たな生命が溢れる――」

スライムクロシュ「……」

クローディア「それにそもそも、この国の食料や資源は既に地上の物質や生命を拠り所としていませんもの。例え地上が灰となったとしても、私の魔法によって作られた食料と資源があれば永久的に存続可能ですわ」

妖精「馬鹿な! これだけの大規模な質量を浮かせ続けながら、そこに住まう命を養い続けられるほど都合の良い魔法なんてあるもんか!」

クローディア「うふふ……大魔女を舐めないでくださるかしら?」ニコリ

妖精「っ……!」


魔女っ子スライム「〜〜…」モニョニョ オロオロ…

スライムクロシュ「……」


↓1選択 何か言う?
1.言う(内容も要記述)
2.言う(内容はクロシュの自由意思に任せる)
3.言わない
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 17:21:04.29 ID:x+DuDBVR0
あえて
3
241 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 18:20:24.85 ID:ukm6Vrz50
スライムクロシュ「……」

クローディア「ふふ……。でもあなたたちは、イスファハーンでの活躍でこの国への渡航に成功した稀有な人材です。もし望むのであれば、永久的に滞在してくれても良いわ。ここにいないお友達を呼んで、一緒に暮らしたって良い。この国で、真の正しい結末――トゥルーエンドを迎えましょう?」

妖精「……そうしたら、飛行手段を提供してくれる?」

クローディア「あはは! 私、嘘は嫌いよ?」ニコ…

妖精「……冗談だよ。わかった。飛行手段はこっちで独自に探す」

クローディア「ええ、それが賢明でしょう。もしこの国に貢献してくれるなら、それに応じた報奨を与えることもやぶさかではありません。あの雲塊を突き破るほどの強力な飛行手段を提供するのは困難ですが、通常の気球や飛行船くらいなら貢献次第でお貸ししてあげても良いわ」

妖精「そりゃどうも。前向きに考えとくよ」

クローディア「ええ。よろしくね。さっきはああ言ったけれど、あなたたちを高く評価しているのは本当よ。良い関係を築きましょうね。そしていつか、私たちの国を好きになってくれたら嬉しいわ」ニコニコ

 ☆大魔女クローディアと邂逅を果たしました

 *

魔女っ子スライム『ふええ……クロシュちゃん、どうして大魔女さまを怒らせちゃったの……?』モニョモニョ

スライムクロシュ『えと……怒らせたかった、わけじゃなくて……』モニョモニョ

魔女っ子スライム『……クロシュちゃんは……大魔女さまのこと、きらい……?』モニョニョ…

スライムクロシュ『ううん……。でも……わたしは……地上に住む、みんなのことも……好きだから……』モニョモニョ

魔女っ子スライム『地上……。わたし、この国で生まれたから……地上のこと、わかんない……』モニョモニョ

スライムクロシュ『そうなんだ……。地上にもね……わたし、友達が……いっぱい、いるの……』モニョモニョ

魔女っ子スライム『わあ……。クロシュちゃん、すごい……!』モニョニョ

スライムクロシュ『んへへ……。魔女っ子スライムちゃんも……友達……!』モニョニョ

魔女っ子スライム『ふわ……! えへへ……じゃあ、友達……!』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん……! だから、私……みんな守りたい……』

魔女っ子スライム『そうなんだねえ……』

 ◆
242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 18:21:30.00 ID:ukm6Vrz50
―エデン魔法学園
 中庭

 ワイワイ ガヤガヤ

ミスティ「そういえばこの街には冒険者ギルドがなかったわね」

イリス「言われてみれば……。なんでだろう?」

クロ「なんでだろうね……?」ヒョコ

イリス「わっ! あなたは……?」

クロ「こんにちは……。あなたたちはクロシュちゃんと妖精さんと一緒にこの国に来た人だよね……? 星属性と氷属性の」

ミスティ「ええ、そうだけど……」

クロ「良かった……。えっとね、せっかくこの国に来たんなら、講義を見てくのはどうかなあって、お誘いしようと思って……」

イリス「え、わざわざ私たちの為に!?」

クロ「ダークヒーローイリス一行って有名なんだよ〜。一緒にいる氷魔法使いのミスティちゃんもクールでかっこいいって評判で、この学園でもファンがけっこういるの。だから、二人には是非講義を見ていって欲しくて……」

ミスティ「わ、私まで有名になってるの……!?」

イリス「あはは……でもわかったよ。氷属性ならミスティにもぴったりだし、行ってみようよ!」

ミスティ「まあ、いいけど……」

クロ「やったあ……! えへへ、それじゃあわたしに付いてきてね」トテトテ

 *
243 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 18:21:59.44 ID:ukm6Vrz50
―エデン魔法学園
 氷属性講義室

 ザワザワ

クロ「……あれ? アイス教授は?」

青髪ロングの少女「あ、クロ教授。アイス教授は本日、かき氷の食べ過ぎでお腹を壊したらしく……」

クロ「ええ……。それじゃあ氷属性の講義は……」

青髪ロングの少女「……休講ですかね」

クロ「そ、そんな……。せっかくイリスちゃんとミスティちゃんに来てもらったのに……」

青髪ロングの少女「えっ、イリスちゃんとミスティちゃん……!?」

 ザワザワ… エッ イリスチャン? ミスティチャン? ドユコト?

イリス「……な、なんかやばそうな……」

クロ「こらこら、みんな騒がないの……! えっと、休講になったものは仕方ないから――」

 ダークヒロインミスティサンニヤッテモラオウゼ!! ソウダソウダ!!

クロ「ちょ、ちょっとぉ……! だめだよ、ミスティさんはそもそもわたしが無理矢理連れてきた人だからぁ……」

ミスティ「……か、帰っても良いかしら……」

イリス「……でも、ここまで来て何もせずに帰るっていうのも勿体ないしやってみようよミスティ!」

ミスティ「ちょっとイリス……! 私に人に教えられるほどの技量なんてないわよ!」

イリス「まずは授業の内容を聞いてみようよ! ミスティにも教えられそうな範囲かもしれないし!」

ミスティ「そんなわけないでしょ……。専門家を要請する学園の授業なのよ?」

イリス「ねえそこの君! 教科書を見せてもらっていいかな?」ズイッ

青髪ロングの少女「……はい。これがこの講義で使われてる教科書です」スッ

ミスティ「野良の独学氷魔法使いが理解できる範囲なわけ――」

 教科書「」ペラッ

ミスティ(…………氷精の魔導書や正負の属性に比べるとかなりレベルが低いわ……)

青髪ロングの少女「……どうでしょうか?」

ミスティ「まあ……理解できなくもない範囲……と言えなくもない……かしら……」

イリス「あはは、てことは理解できてる範囲ってことだね」

ミスティ「ちょっとイリス……!」

青髪ロングの少女「あの……それでは、お願いしても良いですか? 私も……ミスティさんの講義に、興味があります」

ミスティ「ええ……」

イリス「やってみようよ! きっと良い経験になるよ!」

ミスティ「わ、わかったわよ……」

クロ「ご、ごめんね……急にこんなことになっちゃって。わたしもできる限りサポートするから……」

ミスティ「人に教えたことなんてないし専門家でもないんだから、失敗しても許しなさいよね……」


↓1コンマ
01-30 下手
31-60 程々
61-90 上手
91-00 覚醒
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 18:23:13.08 ID:lsnWqxpDO
はい
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 18:27:15.25 ID:yfpCvQAS0
う、運命賽とか……無理か
246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 18:49:52.28 ID:ukm6Vrz50
ミスティ「良い? 氷を生み出すのではなく、熱を奪うことを意識するの。氷属性の本質は――」

生徒A(え、ええ……? 熱を奪うって何……?)
生徒B(やばい、意味がわからない……)
生徒C(話のレベル高くない!?)

青髪ロングの少女(……熱を、奪う……)

ミスティ「……口で説明するのは苦手だわ。専門家に比べれば下手かもしれないけど、実演するから見て。イリス、水を出せる?」

イリス「はいはい! それっ!」カッ

 水スライムモドキ「」ポン! プルプル

生徒A(ええ!? 成形の難しい水属性物質をあそこまで安定した形で出せるの!?)
生徒B(しかもあの人って水属性の専門家ってわけじゃないんだよね……?)
生徒C(魔法のレベル高くない!?)

青髪ロングの少女(……あの水餅みたいなのを凍らせるということ?)

ミスティ「じゃあいくわよ――」スゥゥ―

 カッ!!

 氷スライムモドキ「」ギンッ カチコチ

 エッエッ…!? イッシュンデ…? ザワザワ…

青髪ロングの少女(……! 冷気を使って冷却するのではなく――全体を、一瞬で凍結させた……!?)

ミスティ「見てわかる通り、適切に熱を奪えれば全体を均質に冷やすことができるわ。氷を生成するより燃費も格段に良い。ただし慣れないうちは集中力が必要だけれど――」

生徒A(見てわからないです!)
生徒B(こ、これがダークヒロインミスティの御業……!)
生徒C(氷属性のレベル高くない!?)

青髪ロングの少女(……熱を……均質に……)

ミスティ「それじゃあ皆さんも試してみて。何回かやればコツを掴めるはずだから」

 ◇

 水スライムモドキたち「」プルプル

生徒たち「」グッタリ


クロ「こ、これは……」

イリス「ミスティ……」

ミスティ「だ、だから言ったでしょ! 専門家でもなんでもないんだから!!」


青髪ロングの少女「適切に……熱を……。すぅー……はっ!」カッ!

 みぞれスライムモドキ「」パキッ


ミスティ「!」

青髪ロングの少女「はあ、はあ……で、できた……?」

ミスティ「ええ……できてるわ! 少し粗いけれど、ここまでできたのなら後はトントン拍子でやれるはずよ!」

青髪ロングの少女「ミスティ先生……!」

ミスティ「あなた、名前は……?」

青髪ロングの少女→ユキ「……ユキです。オノゴロ地方から来ました」

ミスティ「ユキ……良い名前ね。私のヘタクソな講義からでも学べるなんて、きっとあなたは天才よ。是非この調子で頑張って……!」

ユキ「はい……!」

 ☆ミスティは人に教えるのが下手のようでした
 ☆雪女のユキと知り合いました

 ◆
247 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 19:35:34.63 ID:ukm6Vrz50
―大魔女帝国 滞在3日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[6/12](クロシュ)
・魔法[0/8](イリス)
・魔法[5/6](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
248 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 19:35:59.83 ID:ukm6Vrz50
―朝
 宿舎 食堂

妖精「……という感じで、大魔女の協力は得られそうにない」

イリス「そ、そんなことが……」

ミスティ「むう……意外とケチね……」

ローガン「……だが、国を統べる者の考えとしては不自然ではない。地上の一切を必要としない運営ができているというのが本当であれば、わざわざ我々のような弱小勢力に手を貸すのは余計なリスクとなる」

エバンス「つってもここの国民だって元は地上で暮らしてた奴とかその子孫なんだし、少しくらい甘く見てくれても良いだろうと思わなくもないが……」


ノーラ「……おや? おはようございます、皆さん」スタスタ

イリス「あなたは……留学生のノーラさん!」

ノーラ「覚えて頂いていて光栄です。昨日はミスティさんが素晴らしい授業を披露したそうで……」

ミスティ「押し付けられたのよ。私は悪くないわ……」

ノーラ「ふふ。ところで皆さん、もしかして今大魔女様のお話をしていましたか?」

エバンス「あ、あ〜……聞き間違いだろ、多分……」

ノーラ「……ここは滞在者用の宿舎食堂だから良いですが、外で大魔女様を批判するようなことは言わない方が良いですよ。狂信的な国民は流石にそこまで多くありませんが、それでもここの国民は大なり小なり大魔女様を敬愛しています。下手なことを言えば余計なトラブルに発展して、最悪国外追放となりかねませんから」

妖精「げげっ……」

ローガン「ぬう……ようやく入国できたというのに、国外追放などということになったら目も当てられん……」

ノーラ「先日も大魔女様をちょっと揶揄するような詩を謳っていた吟遊詩人が石を投げられていましたから。ここは平和で衣食住も保証された素晴らしい国ですが、それは大魔女様への愛という条件あってのものなんです。くれぐれも愛を欠かさぬよう……」

妖精「愛という条件か……」

クロシュ「……」


大魔女帝国滞在3日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 19:36:45.27 ID:HaX/lbEw0
ミスティ、ユキにショッピングと修行に誘われる
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 19:37:33.39 ID:lsnWqxpDO
図書館で雲塊や飛行手段について詳しい本を探してみる
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 19:41:00.75 ID:ggDQu8AlO
劇場あたりで歌が聞こえてきたので聞きに行ってみる
252 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 21:07:44.12 ID:ukm6Vrz50
―空中楽園都市エデン
 市場

 ワイワイ ガヤガヤ

ミスティ「さて、今日も飛行手段を探しましょうか……」スタスタ

ユキ「……あ、ミスティ先生」

ミスティ「あなたは……ユキじゃない。今日は学園は休みなの?」

ユキ「私が受講している今日の講義は午後からなので。ミスティ先生は――」

ミスティ「私は……まあ、ちょっとした情報収集よ。あと先生は不要よ」

ユキ「あ、はい。それではミスティさん……もし良かったら、一緒に買い物とかしていきませんか?」

ミスティ「そうね……まだこの国に来て日が浅いから、案内を頼んでも良いかしら?」

ユキ「はい。行きましょう」スタスタ

 *

―魔法店

スール「らっしゃ〜い」

ユキ「どうも。ここのポーションは味も効き目も良いんです。おすすめですよ」

ミスティ「へえ、そうなのね……」

スール「おや、いつもとは違う仲間を連れてるね。転入生かい?」

ユキ「いいえ。彼女は……臨時講師です」

ミスティ「それも違うでしょ。ただの旅人よ。学園は確かに気になるけど、生徒にも講師にもなるつもりはないわ……」

ユキ「えっ……そうだったんですか?」

ミスティ「むしろ何だと思っていたのよ――」


 バギュンバギュンッ!! バラタタタタタ!!! ギャアアアアア!!! タスケテクダサイ!! タスケテクダサイ!!!


ミスティ「!?」バッ

ユキ「い、今の音は……!?」

スール「通りの方からだ。あの銃声は、まさか――」

フローレンス「……警備用オートマタですね。これで今月三度目――」ヌッ

ユキ「……! 私、止めに行きます!」バッ

ミスティ「えっ、ちょっと待ちなさい!!」ババッ

スール「あ、ちょっとあんたたち!」

フローレンス「警備用の使う弾は非殺傷性のゴムバレットですし、当たりどころが悪くなければ死なないから大丈夫でしょ」

 *
253 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 21:08:19.12 ID:ukm6Vrz50
―市場

 キャアアアア!!! タスケテクダサイ!!! タスケテクダサイ!!!

警備オートマタ「コロス、コロス」ガションガション

警備オートマタ「ハッポウスル」ジャキッ

 バラタタタタタッ!!

通行人A「ぐげあああああ!!」バスバスッ

通行人B「アババーッ!」バスバスッ

エルフの吟遊詩人「狂ったオートマタ……そのセンサーが捉えるは、無辜の民――……」バスバスッ


ユキ「はあっ!」カッ

凍る警備オートマタ「」ガギンッ!!

ユキ「よしっ……!」

警備オートマタ「テキ……コロス……」ジャキッ

ユキ「!」

 バギュンッ!
    カーンッ!

 氷の壁「」カチン

ユキ「氷の……壁!?」

ミスティ「援護するわ! 一人で前に出ないで!」

ユキ「ミスティさん!」

 ――戦闘開始 暴走オートマタ――

↓1コンマ
01-60 勝利
61-90 完勝
91-00 会心
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 21:13:38.18 ID:gyTrkilpO
255 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 21:47:43.68 ID:ukm6Vrz50
ユキ「やっ!!」カッ

凍る警備オートマタ「」ガギンッ!!

ユキ「ふう。暴走していたのはニ体だけ――」

ミスティ「ユキ、危ない!!」バッ

ユキ「えっ――」

 ドンッ!

 バギュンッ!! バスッ

ミスティ「っつ……!」

ユキ「あっ……ミスティさん!!」


増援警備オートマタ「コロス、コロス」ガションガション
増援警備オートマタ「タイザイシャ、ヒコクミン」ガションガション
増援警備オートマタ「ダイマジョサマニアイサレルシカク、ナシ」ガションガション
増援警備オートマタ「ハッポウセヨ、ハッポウセヨ」ガションガション


ミスティ「チッ、増援……!」

ユキ「ごめんなさいミスティさん……!」

ミスティ「問題ないわ……! 一体づつ破壊していくわよ!!」

ユキ「はい!」

 *

氷漬けのオートマタ「」カチコチ

砕かれたオートマタ「」バラバラ


ミスティ「ふう……こんなとこかしら」

ユキ「ミスティさん……すみません、私が油断したせいで……」

ミスティ「問題ないと言ったでしょう。それに……ほら、このローブ」スッ

 氷竜革のローブ「」バサッ

ユキ「これ……氷竜革……!?」

ミスティ「ええ。あんな豆鉄砲じゃこのローブは貫けないわ。ちょっと痛かったけどね」

ユキ「おお……!」

ミスティ「まあ、そういうわけだから……別に気にしなくて良いわよ

 *
256 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 21:48:36.60 ID:ukm6Vrz50

高等オートマタ「ご協力感謝致します。ミスティ様、ユキ様」ザッ

ミスティ「けっこう痛かったわ。お礼はもらえるのかしら?」

高等オートマタ「もちろんです。こちらに大魔女様直筆サイン入り感謝状がございますので、どうぞお受け取りください」スッ

 大魔女直筆サイン入り感謝状「」ポン

ミスティ(いらないわ……。でも愛を示しておいた方が良いとか言ってたし……)

ミスティ「……ありがたく頂戴するわ」スッ

高等オートマタ「はい。是非とも大切になさってください」

 ☆大魔女サインを1つ手に入れました

 *

ミスティ「――新聞でも警備が暴走する事件が発生してるって書いてあったけど、これよくあることなの?」

ユキ「いえ……警備がおかしくなるのは、ここ最近が初めてなんです。それまではこんなこと全くなかったのですが……」

ミスティ「……」

ユキ「……何者かが、悪意を持って警備を暴走させているとしか思えません。ただ、今のところ原因は全くの不明らしく……」

ミスティ「……きな臭いわね」


ミスティ(……首を突っ込むべき? でも戦ってみてわかったけれど、この警備の装備に殺傷能力はない……。この国の治安組織に任せておくのが無難じゃないかしら……?)

ミスティ(まあ、帰ったらみんなに報告くらいはしておきましょう……)

 ◆ 
257 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 22:05:24.38 ID:ukm6Vrz50
―図書館

妖精「さて、情報収集の基本と言えばやっぱりここだよね」

クロシュ「うん……」

妖精「……とは言ってもこの図書館も私向けじゃないから、主に働いてもらうのはクロシュになっちゃうけど」

クロシュ「……わたしも……背、届かない……」

妖精「いつだかやったみたいに大きくなれない?」

クロシュ「!」ピコン!

 モニョモニョ…ポン!

大人クロシュ「……大人の、すがた……!」ドン!

妖精「性格は元のままみたいだね」

大人クロシュ「えと……フメイちゃんが大人になったのの、想像だから……大人フメイちゃんらしい性格……」モニョモニョ


大人クロシュ「……妖精、はやくいこ。フメイ、おなかすいた」ポン

妖精「それ、いつものフメイじゃない……?」

大人クロシュ「あっ……」

妖精「あの剣舞姉妹のお姉さんの方を真似してた時は迫真だったけど……やっぱり想像だけじゃ難しいの?」

大人クロシュ「んゅ……そうかも……」


↓1コンマ 図書館
01-30 飛行船の仕組み
31-60 雲塊について
61-90 ある風船スライムのお話
91-00 楽園の真実
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/06(日) 22:06:14.78 ID:HaX/lbEw0
259 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 23:00:25.30 ID:ukm6Vrz50
大人クロシュ「……」トコトコ

 奇妙な背表紙「」モニョ

大人クロシュ「……?」スッ

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョ

大人クロシュ「……! 妖精さん、これ……!」

妖精「ん? これ……スライム文字!?」

大人クロシュ「うん……!」

妖精「初めて見た……! でも、これ……」

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョ

妖精「な、なんで……私にも読めるの……!? 私、スライム文字なんて学んだことないのに……」

大人クロシュ「……スライム語がわかれば……読めるのかも……」

妖精「一体どうなってるんだろう、摩訶不思議だ……。せっかくだし、読んでみる?」

大人クロシュ「うん……!」

 *
260 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 23:03:01.65 ID:ukm6Vrz50

(……)

(その本に綴られていたのは……ある風船スライムさんが辿った、哀しい物語……)

(その風船スライムさんは……大勢の仲間や、他の種族の人々に囲まれて――たくさん愛されて、育った)

(誰よりも心優しく、誰よりも慈しみ深く成長した風船スライムさんは……愛された分以上に、みんなを愛した)

(でも……そんな平穏で恵まれた日々は……永遠には、続かなかった)

(風船スライムさんたちとは関係のない戦火が、彼らの集落にまで及び……虫も、草も、木々も……人も、魔物も、魔族も、何もかも――無惨に、殺し尽くしていった)

(たった一人、生き残ってしまった風船スライムさんは……。何日も泣き続けた後……一人ぼっちで、静かに悟った)

(こんなにも、苦しいのなら。こんなにも、哀しいのなら。愛さなければ良かった。愛されなければ良かった)

(愛なんて――この世から、なくなってしまえ――)

(……本は……その後、真っ黒なページがずっと続いて……)

(最期に、奇妙な焦げ跡のような模様の付いたページとなり……そこで途切れるように終わっている……)

 *
261 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 23:14:52.06 ID:ukm6Vrz50

スライムクロシュ「……」モニョ…

妖精「……」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…

妖精「返そうか……。元あった、場所に……」

スライムクロシュ「……」モニョ…

 ☆クロシュの風適性が上がりました
 ☆クロシュの風経験に+3が加算されました

 ◆
262 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/06(日) 23:15:28.15 ID:ukm6Vrz50
というわけで本日はここまでとなります。次回は劇場に行ってみよう編から開始となります
なお書き忘れていましたが、今回の戦いでミスティ氏の魔法経験も獲得されたので魔法レベルが1上がりました

大魔女帝国に滞在しつつ情報収集を進めるクロシュ一行。大魔女の君臨によって成り立つ国の在り方は、他の国とは一風変わっておりどうやら一筋縄ではいかなさそうです。そしてミントウネの異常繁殖や警備オートマタの暴走から僅かに見え隠れする、何者かの悪意。闇の中で静かにほくそ笑む邪悪の正体は――

そして図書館で奇妙な本を読み、意気消沈のクロシュ氏でありました。その本が示すものとは何なのか。なぜあのような本が大魔女帝国の図書館にあったのか。著者は誰なのか。真実は未だ、闇に包まれています。

それでは本日もありがとうございました。次回も土日となるかと思います、よろしくお願いいたします
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/07(月) 01:27:23.80 ID:3hDTIP3Qo
おつおつ
ミスティ、やっぱりセンス型かな
要所要所で開示される通りスライムに厳しい世界は何処でもみたいどなぁ…
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/07(月) 23:45:22.29 ID:9UPHIi7gO

本の内容クロシュの境遇とも似てるし、クロシュも一歩間違ったらやばいことになってたのかなあ
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/10(木) 20:36:49.99 ID:XBv22bj6o
イリスは教えるのがうまそうなイメージ
実際のところはコンマ次第だろうけど
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/10(木) 20:57:47.99 ID:VXmQuOP60
>>216の三人組の学生ってユキ、トム、トリルの3人でいいのかな?今後3人一緒に出したい時は「三人組の学生」って書いてもいいのかな。名前書いてもいいけど書くのが大変になると思うから。
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/11(金) 20:16:16.56 ID:ZdSri/lDO
本の風船スライムが後の掃除の魔王かな
他の魔王にも元はスライムがいそう
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 09:35:58.38 ID:tuUqQ31/O

魔法学園学費高そう
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 11:28:56.48 ID:88csQWfxO
クロシュのことを見ない子がいると表するということは国民全員の顔覚えているのか
270 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 17:01:08.79 ID:1pxr88Pl0
ミスティ氏は既存の魔術書などで学ぶより自分自身で試行錯誤してきた期間が長く、そして氷精の魔導書や正負の属性も実のところ一般的な氷魔法使い向けの本ではないため、そんなミスティ氏が教える内容は普通の氷魔法を学ぼうとしている学生たちにとって非常に難解なものであった可能性があります。そしてミスティ氏自身も論理よりは感覚で理解するセンス型の気質が強いため、実際他者に教えるのはあまり得意ではなかったのかもしれません。それでも、高い氷魔法適性を持つ雪女のユキ氏はなんとか理解できたようでした
一部の個体はやたら強いですが、全体で見ればスライム類はそれほど強力な種族というわけでもないため、他の生物に食べられたり戦いに巻き込まれたり冒険者に狩られたりして命を落とすスライムは少なくありません。シュヴィア氏が他種族に憎悪を募らせていたのも、同族がそういった理不尽に遭うのを何度も目にし、自身も体験してきたからかもしれません

何の因果か、本で示された風船スライムさんの境遇はクロシュ氏と似通ったものでありました。しかしクロシュには親友のフメイちゃんを探すという目的があり、通りすがりの妖精に見つかって一人ぼっちにもなりませんでした。その後たくさんの人と出会い、いろいろなことを諦めたり諦めなかったりして、クロシュ氏は今もなお成長を続けています。今後よほどのことが起きない限り、クロシュ氏が大変な変化を遂げてしまうことはたぶんないでしょう
しかしもしあの時フメイちゃんが助からず、妖精にも見つけられず、集落の焼け跡に一人ぼっちになってしまったら――その後クロシュがどうなっていたかは、誰にもわかりません

イリス氏が教えるのが上手かどうかは実際のところコンマ次第なのですが、彼女は基礎の部分から体系的にしっかり魔法を学んでいるため、センス型のミスティ氏よりも他者に教えるのが上手そうではあります(知識を有していることと、それをわかりやすく教える能力は別なので、断言はできません)

>>216のコンマ表に出ていた三人組の学生とは、実のところその通りユキ、トム、トリルの三人でした(備考欄にて魔法学園に通っているとの記載があり、年齢も近かったため彼らは三人組となりました)。自由安価などでその三人を出したい場合は、三人の名前でも三人組表記でも、どちらでも問題ありません

本で示された風船スライムさんが掃除の魔王と同一の存在かどうかは今のところわかりませんが、掃除の魔王の外形は風船スライムの形に似ていたそうです(大きさは全然異なります)。また、これはたぶん関係のないことですが、空中楽園都市エデンを吊り下げて浮遊する巨大な風船のような物体も人によっては風船スライムに似ていると感じられるようです。なおクロシュは風船スライムさんがふよふよ浮いている姿を好ましく思っているそうです
クロシュ氏は自覚していませんが、あの本を読んだことでなぜか風属性適性が上がったようです。もしかしたらあの本には何らかの秘密が隠されているのかもしれません
元スライムの魔王がいるかどうかはわかりませんが、どのような生き物でも魔王化する可能性を秘めているため、元スライムの魔王が存在する可能性はあります。なお魔王化は強い感情が引き金となる場合が多いため、感情を持つ生き物は感情を持たない生き物よりも魔王化する可能性が高いそうです

魔法学園の学費は、実のところ無料です。魔法の道を志す者であれば誰でも入学できるようです。なお学生でなくとも講義は自由に受けられるようになっているため、入学せず講義だけを受ける人もいます。しかし魔法学園の生徒になると学内の様々な施設やサービスを利用できるようになったり、ゼミに入って専門教授の元で特定分野を集中的に学習できるようになったりするため、本格的に魔法を学ぶ場合は入学した方が良いかと思われます
なお入学は簡単ですが進級はけっこう厳しいらしく、毎年何割かの生徒が留年しているそうです

滞在者の身分から永住権を取得して国民となった者も、帝国内で出生した新生児も、大魔女は全員覚えていると言われています。成長して姿形が変化しても大魔女が人を間違えることはないらしく、魔力の特徴で覚える場合が多いと本人が語った記録が残っています
271 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 17:01:35.29 ID:1pxr88Pl0
―歓楽区

 ワイワイ ガヤガヤ

ローガン「さて、我々はどこで聞き込みをする?」スタスタ

エバンス「今日は今までとは違う場所に行ってみないか?」スタスタ

イリス「今までとは違う場所……?」スタスタ

 〜〜♪

エバンス「そうだな……例えば、この歌が聞こえてくる方とか」

イリス「……あ、本当だ。遠くから微かに聞こえてきますね」

ローガン「これは……あっちか」スッ

 スタスタスタ…

 *

―劇場前

 〜♪〜〜♪

 看板『本日の出演:ヨハンナ・ワイズ、クリスティーナ・アムニジア』


エバンス「ここみたいだ」ザッ

イリス「オペラの公演……!」

ローガン「観覧料は……安いな。この国、やはり物価が他国と比べてかなり低い」

イリス「……」ソワソワ

エバンス「……見てくか?」

イリス「えっ……! で、ですが私たちは聞き込みを……」

ローガン「フッ、そう慌てることもあるまい。滅多に入れない国の芸術だ、今見ておかねばいつ見れるかわからぬ」

エバンス「おう、そうだぜ。芸術妖精たちへの土産話も用意しとかないとだろ?」

イリス「……そ、そうですね! それじゃあ見ていきましょう!」

 *
272 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 17:02:09.80 ID:1pxr88Pl0
―劇場

 〜〜♪

白髪ロングの女性→ヨハンナ「闇夜に輝く星の如く 我らの希望、偉大なる大魔女 その力、無限の魔法 我らを守り、導く光――」

桃髪ロングの女性→クリス「天空に浮かぶこの都市 大魔女のもとに栄え その慈悲深き心に 我らは永遠の忠誠を誓う――」

二人の声「ああ 大魔女! 大魔女! 大魔女! 大魔女!」

 ダイマジョ! ダイマジョ!! ダイマジョ!!! ダイマジョ!!!!


イリス(わあ……これが大魔女帝国のオペラ……!)

エバンス(すげえ……芸術にゃ詳しくないが、なんかすげえってことはわかるぞ……!)

ローガン(これが……大魔女帝国の芸術か……!)


ヨハンナ「我らの守護者、偉大なる大魔女 その力、無限の魔法 我らを――」

  ベチャッ モニョモニョ

ヨハンナ「えっ……?」

クリス「ヨハンナさん? あっ」

 ベチャッ ベチャッ モニョモニョ モニョモニョモニョ

天井から落ちてきたレッサースライムの群れ「〜〜」モニョモニョ

 ザワザワ スライムダ カワイイ キモイダロ

ヨハンナ「あ、あ……ああああああああああああ!!!!!!!」

 音波「――――!!!!!!!!」ビリビリビリ

観客たち「うっ……」バタッ
観客たち「グワッ……」バタッ
観客たち「アバッ……」バタッ

 バタッバタバタッ…

エバンス「ぐおお!? み、耳が……!」キーン

ローガン「耳を塞げ!! 意識を持ってかれる!」キーン

イリス「ううっ……! これは、音魔法……!?」キーン



レッサースライムたち「〜〜!!」モニャニャニャ!!

ヨハンナ「なんでこんなところにスライムが……! 排除しないと……!!」

クリス「よ、ヨハンナさん!! 落ち着いて!!」アタフタ



イリス(や、やばい!)


↓1コンマ
01-30 声魔法炸裂 レッサースライム全滅
31-60 イリスたちがヨハンナを止める
61-90 ヨハンナを止める+何かに気付く
91-00 ???
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 17:03:36.09 ID:0ayRmM7YO
274 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 17:29:46.62 ID:1pxr88Pl0
ヨハンナ「スゥ――あああああああああ!!!!!!!!」

 音波「――――!!!!!!!!」ビリビリビリビリ

レッサースライムたち「〜〜!」モニャニャニャ!!

 モニャニャニャ――パァンッ!
  パァンッ! パァンパァンッ!!

レッサースライムたちの残骸「」ジュクジュク…


イリス(あっ……)


ヨハンナ「――はあっ、はあっ……!」

クリス「ヨハンナさん!!」

ヨハンナ「……あ」


気絶した観客たち「」グッタリ

レッサースライムたちの残骸「」ジュクジュク…


ヨハンナ「あっ……ああっ……!」

劇場スタッフ「救護を呼べ!! 急げ!!」バタバタ

 バタバタ ザワザワ…

 ◆
275 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 17:30:39.59 ID:1pxr88Pl0
―居住区
 病院

医療ホムンクルス「ふむふむ……あなた方は特に大事ないですね。念の為お薬出しておきますか?」

イリス「あ、いえ……。一応簡単な回復魔法とかも使えるので、大丈夫です」

エバンス「俺も大丈夫だ。体は頑丈な方だからな」

ローガン「私も不要だ」

医療ホムンクルス「わかりました。もし何か不調があればすぐに来院してくださいね」

 *

―病院前 広場

 噴水「」シャワシャワ

エバンス「はあ……。散々な目に遭ったな……」

イリス「はい……。でも――」

ローガン「……なぜ、あの場にレッサースライムが現れたのか」

イリス「……はい。私も、それが気になります」

エバンス「周囲の話をしっかり聞けたわけじゃないが、今までにこんなことは一度もなかったらしいな。一体原因は何なのか……」

イリス「……」


イリス(クロシュちゃんに、あのレッサースライムたちから事情を――あっ)

 イリスの記憶『レッサースライムたちの残骸「」ジュクジュク…』

イリス(……)

イリス(…………私……何も、できなかった……)


エバンス「……あのさ。今日のことは……クロシュちゃんには……」

ローガン「………うむ。伝える必要はないだろう。妖精くんには、話しても良いかもしれんが……」

イリス「…………ですね……」

 ◆
276 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 17:59:38.15 ID:1pxr88Pl0
―大魔女帝国 滞在4日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[0/8](イリス)
・魔法[0/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
277 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 18:00:31.07 ID:1pxr88Pl0
―朝
 宿泊室

 チュンチュン

ローガン「――ということがあったのだ」

妖精「レッサースライムが……?」

ミスティ「私も昨日……暴走する警備オートマタに襲われたわ」

エバンス「ミスティちゃんの方じゃそんなことがあったのか」

ミスティ「ええ……。まあ、私たちがどうこうすべき問題でもないと思うけれど……」

エバンス「……立て続けに不審な事件が起きているみたいだな」

妖精「……何か、良からぬ企みがある? それぞれの事件に関連性はなさそうだけれど……」

ローガン「騒ぎを起こすこと自体が犯人の目論見である可能性もある」

ミスティ「そうだとしたら……なんでこんな騒ぎを起こすの?」

ローガン「それは……わからぬ。ただの愉快犯か……あるいは――」

妖精「……この国の治安悪化を目論む、他国の工作員とか」

ミスティ「テロじゃない!」

エバンス「テロだな」

ローガン「うむ……。だが大魔女帝国の安全性や豊かな生活水準を羨む国は少なくない」

ミスティ「……」

妖精「……はあ、気が重くなるね。あそうだ、さっきのレッサースライムの話なんだけど……クロシュには……」

ローガン「うむ……伝える気はない。あの子には不要な情報だろう」

妖精「……ありがとう」

 ◇
278 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 18:01:36.65 ID:1pxr88Pl0
―宿舎 食堂

割烹着ロディナ「……」

イリス「あれ、ロディナさん? おはようございます!」

クロシュ「おはよう、ございます」ペコ

割烹着ロディナ「あなた方は……イリス様とクロシュ様ですね。おはようございます」ペコリ

イリス「割烹着、お似合いですね!」

割烹着ロディナ「そうでしょうか……」

イリス「今日の朝ご飯はロディナさんが?」

割烹着ロディナ「はい。本日の調理当番は私です。お気に召されてましたら良いのですが……」

イリス「すごく美味しかったですよ! ね、クロシュちゃん」

クロシュ「うん……! ありがと、ございます……!」ペコ

割烹着ロディナ「それならば良かったです。食事が必要であればいつでもお申し付けくださいませ」


ノーラ「……」ジッ


イリス「……ん?」


ノーラ「……」フイッ


イリス(あの隅の席にいるのは、留学生のノーラさんだよね)

クロシュ「?」

イリス(さっき……クロシュちゃんをじっと見てた? いや、たまたまかな……? クロシュちゃん、かわいくて礼儀正しいからつい目で追っちゃうよね)


クロシュ「あの……ごはん、いい……?」

割烹着ロディナ「もちろんです。でもタダごはんは一日三回までですよ」

クロシュ「んゅ……。わ、わかってる……」


大魔女帝国滞在4日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 18:01:40.94 ID:j7SYFGDjo
ロディナさんに近頃外国から怪しいテロリストがこなかったか尋ねる
ついでにロディナさんの種族を聞いてみる
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 18:01:43.13 ID:uSXUdVplO
大魔女様じきじきに魔法を教えてもらってパワーアップ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 18:02:14.30 ID:BbqgHer60
クロシュ、学園に潜入捜査
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 18:02:18.01 ID:ecTrgLJX0
イリス、ローガン三人組の学生と一緒に魔法の授業を受ける
283 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 20:01:12.33 ID:1pxr88Pl0
クロシュ「ごちそうさまでした……。美味しかった、です」

割烹着ロディナ「良かったです」

イリス「あれ、もう食べちゃったの? 早食いはあんまり体に……いや、スライムだから人間とは違うのかな……?」

クロシュ「……?」

イリス「ま、まあいいや。そうだロディナさん、ここ最近変な事件が多いですけど……ロディナさんは犯人に心当たりとかあったりしますか?」

割烹着ロディナ「犯人ですか……? すみません、私は滞在者への対応および接待の担当なので……事件関係でしたら治安維持担当のホムンクルスか上級オートマタにお聞きくださいませ。ただ、彼らも捜査中の情報については答えられない可能性が非常に高いかと思います」

イリス「あ、そりゃそうですよね。すみません……って、ホムンクルス……!? あの、失礼ですが……ロディナさんのご種族は――」

割烹着ロディナ「私の種族はホムンクルスということになっております。ただ、私の作成過程には大魔女様の独自技術が使われているため、他の国で見られるホムンクルスとは少々異なる部分があるかもしれません」

イリス「ほ、本当にホムンクルス!? 人間かと思ってた……!」

割烹着ロディナ「一般的なホムンクルスは人間とは異なった外見をしている場合が多いので、私たちを人間だと勘違いする滞在者の方は少なくないようです。特に勘違いされても問題はないので、私たちの方から敢えて種族を明かすこともあまりないのですが」

クロシュ「ほむんくるす……」

イリス「ホムンクルスっていうのはね、主に生命とか物質に関わる属性の魔法で造られる人工生命体のことなんだよ。イスファハーンでクロシュちゃんが助けたあの銀色のスライムさんも、広義の意味ではホムンクルスって言えるかも」

クロシュ「わあ……」

割烹着ロディナ「この大魔女帝国で公的な職務に就いている者のほとんどは、大魔女によって造られたホムンクルスやオートマタです。これにより、大魔女帝国では常に安定した国家運営と高い生活水準が保たれています」

イリス「すごい……! それじゃあもしかして、国民の全員が働かなくなっても国は回るってことですか……!?」

割烹着ロディナ「はい。大魔女帝国では勤労の義務がないため、配給される食事と住居で働かずに暮らしている方々もおられます」

イリス「なんと……。でも確かに、働かなくても家とご飯があるなら働かないのはおかしくないかも……」

クロシュ「……えと……ごはんの食材も、ホムンクルスさんたちが、作ってるの……?」

割烹着ロディナ「食料は大魔女様が魔法で生産しております。既存の動植物の命を奪わず食材だけを生産する、とてもクリーンで優しい方法です」

イリス「えええっ!? し、食材だけを生産する魔法……!? そんなものがあるの……!?」

割烹着ロディナ「はい。組成がわかれば、命を通さずに食材を生成することは可能です」

イリス「……言われてみれば、確かに不可能じゃないか。でも物質の創造ってけっこう大きな魔力が必要ですよね? ここの国民全員分の食料を毎日三食分、恒常的に生成し続けるなんて、本当に可能なんですか!?」

割烹着ロディナ「はい。実際に生成できているので、可能なのだと思われます」

イリス「うっ、それは確かに……。大魔女様って一体どれだけとんでもない魔力を持ってるんだろう……」

割烹着ロディナ「また、この国の魔導機械に使われる魔力や水道の水も大魔女様によって安定供給されております」

イリス「……め、めまいがしてきた……もし私が同じだけの魔力を供給しようとしたら、たぶん1秒ももたずに干からびて死んじゃう……」

割烹着ロディナ「ご安心ください。イリス様にそのような供給を強いることはございません」

イリス「強いられたら本当に死ぬよ!!」

クロシュ「わあ……」



イリス「ちなみに私たちも戦いの場で水とか氷とか鋼とか土とかホイホイ作ってるけど、あれは完全な物質創造じゃなくて期間限定の仮物質なんだよ。仮物質は時間が経てば消滅しちゃうの。本物の物質をホイホイ作ってたら魔力がいくらあっても足りないからね」

クロシュ「そうなんだ……」

イリス「でも私が海上とか砂漠で作ってる水は本物物質だよ。海上なら水魔法で海水から塩とかの不純物を取り除けば良いだけだから簡単だったけど、砂漠では空気中にも水分が全然ないから魔力で本物を創造するしかなくて大変だったなあ」

クロシュ「わ……。えと……イリスさん、ありがと……」

イリス「いいのいいの! 魔力は寝てれば回復するからね」

割烹着ロディナ「イリス様も水を創造できるのですか。素晴らしい腕前と魔力をお持ちなのですね」

イリス「あはは……大魔女様に比べれば全然ですけどね」

 ◆
284 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 20:50:46.26 ID:1pxr88Pl0
―魔法学園
 講義室

 ワイワイ ガヤガヤ

クロシュ「……」チョコン

妖精「パンフレットに書いてあった通り、滞在者の身分でも普通に受講できたね」

ミスティ「……魔力操作基礎……私もちゃんとしたやり方は学んだことがなかったし、丁度良いわ……」

イリス「私もこれを機に基礎を復習しようかな」


 扉「」ガラッ
クローディア「みんな席に着いてる? 今日の講師は私よ」ツカツカ


 ザワザワ…

イリス「え、ええっ……!?」

ミスティ「あ、あれって……大魔女……!?」

クロシュ「わあ……」

妖精「な、なんで大魔女が……!?」


クローディア「本日この講義を担当する予定だったキソマホ教授はアイス教授が作ったかき氷を食べすぎてお腹を壊したから、私が代わりに講師を務めます。私の姿を見られて嬉しさの余りに騒いでしまう気持ちはわかるけれど、講義は静かに、真剣に受けなさい」


生徒たち「はい!」


クローディア「良い返事ね。フフ……今日は外来生も多いみたいだし、張り切っちゃおうかしら」ニコ


↓1コンマ(大魔女+10)
01-30 全員魔法経験+1
31-60 全員魔法経験+2
61-90 全員魔法経験+3
91-00 全員魔法レベル+1
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 20:53:45.45 ID:SMckU9Y8O
クリティカれ
286 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 21:32:28.55 ID:1pxr88Pl0
クローディア「――ということ。理解できた?」コンコン


ミスティ(なるほど……全然知らなかったわ……。勉強になるわね……)

イリス(私、基礎をわかった気になってたけどまだまだ理解が足りてなかったかも……!)カキカキ

妖精(まあ基礎だね。この辺は妖精も人間も変わんないみたい)


クロシュ「んゅ……」グルグル

クローディア「あら、難しい?」ヌッ

クロシュ「わ……!」

クローディア「そうねえ……スライムの感覚なら――」

クロシュ「……?」

クローディア「〜〜」モニョモニョ

クロシュ「!」

妖精(ええっ!? 大魔女ってスライム語も喋れるの……!? ていうかスライム語って人間の声帯で出せる音なの!?)

クローディア『声帯を調整すれば誰でも話せるわ』モニョモニョ

クロシュ『わあ……!』モニョニョ…!

妖精(当たり前のように声帯を調整するな!)


クローディア『ふむふむ……妖精さんは流石に私程度の講義で学べることはないみたいね』モニョモニョ

妖精(そりゃまあ、基礎くらいならね。ていうかなんで私にまでスライム語で話すの……)

クローディア『スライム語って知らない人にはほとんど聞こえない音だからいろいろ便利なのよね』モニョモニョ

 ◇

クローディア「では本日の講義はここまで。次回からは通常通りキソマホ教授の授業に戻りますが、内容は継続しますので予習と復習を欠かさないように。またね♪」ニコッ ツカツカ

 扉「」ガラッ


イリス「……けっこう学び直せた。一度基礎を見直してみようかな……!」

ミスティ「私は普通に勉強になったわね……。ちゃんと基礎を学んでみたいわね……」

妖精「クロシュはどうだった?」

クロシュ「あ、うん。えと……ちょっと、わかったかも……」

イリス「大魔女様とスライム語で話してたよね。どんなお話をしてたの?」

クロシュ「えっとね……スライム向けの、基礎を……教えて、くれた……」

ミスティ「スライム向けの基礎……どんなのなのかしら……」

クロシュ「えと……魔力を、デロデロにして……」モニョモニョ

イリス「……なんで大魔女様はスライム向けの魔法の使い方まで知ってるんだろう」


妖精「ところでよくスライム語で話してるのがわかったね。あれ、人間には聞き取りにくい音じゃない?」

イリス「まあ、普段からクロシュちゃんのスライム語をしょっちゅう聞いてるからかな?」

ミスティ「私も最近はスライム語の響きを少し聞き取れるようになってきたわ」

クロシュ「んへへ……。〜〜」モニョモニョ

イリス「でも何を言ってるかまではわかんないよ!?」

 ☆クロシュ、イリス、ミスティが魔法経験を2獲得しました

 ◆
287 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 21:51:43.92 ID:1pxr88Pl0
―魔法学園

 ワイワイ ガヤガヤ

妖精「さて、せっかく学園に来たわけだしここで聞き込みでもしてく?」

イリス「そうだね。でも一般の生徒に聞いても飛行手段はどうにもならなそうだし……」

ミスティ「……一般的じゃない調査方法にすれば良いということ?」

イリス「いや、一般的じゃない調査方法って……」

クロシュ「!」ピコン

妖精「……一応聞こうか。クロシュ、何を思いついたの?」

クロシュ「えと……わたしが、透明になって……立入禁止の向こうに、行く……」

妖精「却下。それでこの前酷い目にあったばかりでしょ。ここは大魔女もいる魔法学園なんだよ、どこで見つかるかわからないでしょ」

クロシュ「んゅ……。わかった……」

妖精「わかればよろしい」

ミスティ「……発想自体は悪くない気がするわ。つまり、立入禁止の場所に入らなければ良いということでしょ?」

妖精「まあ……。でも、それだったら透明化する必要ないんじゃない?」

ミスティ「いいえ。透明化して聞き耳を立てるのよ。新参の滞在者に聞かれても答えにくい内容でも、生徒同士の雑談なら話せることだってあるかもしれないわ」

イリス「まあ、そうかも……? でもそれでピンポイントに飛行手段を手に入れるのってものすごく運が必要じゃない……?」

ミスティ「……それはまあ、そうかもしれないわ。でもやるだけやってみましょう!」

クロシュ「う、うん!」

妖精「上手くいくかなあ」


↓1コンマ
01-10 ???
11-30 昏倒した生徒を発見
31-60 犯行現場に遭遇
61-90 犯人確保
91-00 ???
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 21:52:55.13 ID:eLpKCVhDO
はい
289 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:30:24.95 ID:1pxr88Pl0
光学迷彩マントクロシュ「」バササッ

イリス「わ!」

ミスティ「とりあえず、全員でこれにくるまれば見えなくなるわね……」

妖精「窮屈だ……」

 ◇

光学迷彩「」モゾモゾ ヨタヨタ


イリス「……ん? ねえ、あれ……!」


 昏倒した生徒「」グッタリ


ミスティ「昏倒した生徒!」

イリス「助けなきゃ!」

光学迷彩マントクロシュ「」バサッ

 *
290 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:30:51.71 ID:1pxr88Pl0
―保健室

昏倒していた生徒「……」

保険医ホムンクルス「命に別状はありません。発見および移送していただきありがとうございました」

イリス「いえ、それは良いんですけど……。彼が昏倒していた原因は一体……?」

保険医ホムンクルス「それが……全くの原因不明なのです。今大魔女様に診て頂ければ――」

 扉「」ガラッ

クロ「大魔女様を連れてきたよ!」トテトテ

クローディア「来たわ。例の生徒は――その子ね」ツカツカ

イリス「大魔女様!」

クロシュ「わあ……!」

クロ「クロシュちゃん! 見つけてくれたんだってね。ありがと」

クロシュ「うん……」

クローディア「それでは原因を特定します」

ミスティ「……わかるの? 原因が」

クローディア「ええ。魔法によるものであれ、薬物によるものであれ、このような結果には必ず痕跡が残る。それを見つけ出すのは簡単なことです」スッ

妖精「痕跡……少なくとも魔力の痕跡はないみたいだけど……」

イリス「うん。だとしたら薬物……?」

昏倒している生徒「……」

クローディア「いえ、これは……限りなく巧妙に隠されていますが、生命に干渉する魔法が施された痕跡があります」

妖精「えっ嘘!?」

イリス「そんな!?」

ミスティ「……全然わからなかったわ」

クローディア「あなたたちにわからなくても無理はないわ。これは世界最高クラス……私の次の次の次くらいに魔法を極めた者の手腕です。もしこの術者が本気の殺意を見せたら、彼は赤子の手を捻るよりも容易く命を奪われていたでしょうね」

クロ「そんな凄腕が……。なんでこんなことを……」

クローディア「……登録されている国民にも、現在滞在している滞在者にも、生命に干渉する魔法が使える者はいないはず……。だからこれは多分……挑発でしょうね」

ミスティ「挑発……?」

クローディア「ええ。挑発に乗せられるのは癪だけれど、これ以上無法者を野放しにするわけにもいかない……かといってただの警備じゃこいつの尻尾は捕まえられないわ。クロ、良い?」

クロ「うん! わたし、大魔女さまの次の次くらいにできるもん! だから大丈夫!」

クローディア「悪いわね。でもあなたも、決して一人で相手をしてはだめ。こいつはかなり危険な相手よ……もし見つけたらすぐに私に知らせなさい。指輪は機能しているわね?」

クロ「わ、わかったよ。大魔女さまがそう言うなら……無理、しない」

クローディア「ええ。あなたはこの街にとって最も大切な存在なの。わかってるわね?」

クロ「……うん!」

 ☆学園内の警備が強化されました

 ◆
291 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:40:20.05 ID:1pxr88Pl0
―夜
 宿泊室

スライムクロシュ「……」zzz


イリス「な、なんか大変なことになっちゃったね……」

ミスティ「ええ……。大魔女の次の次の次くらいに優れた魔法使い……そんなとんでもない奴がいるなんて、にわかには信じがたいけれど……」

妖精「……でも、私の目を欺くほどの術師となると確かに相当な腕前だよ。私、これでも魔力反応とか痕跡を見つけるのは得意な方だと思ってたんだけどなあ。とにかく私たちも気を付けないとまずいかも」

イリス「うん。なるべく一人にならないようにしよう。世界最高レベルのテロリストなんて出くわしたら大変だし……」

ミスティ「……またシノホシの奴らだったりするのかしら」

妖精「それは……どうだろう。シノホシは人間を目の敵にしてるけど、この国は人間の国ってわけでもないし……。もしシノホシだったら、今まで掲げてたシノホシの理念ってやつを自分からぶち壊すことにもなっちゃうから違うんじゃないかなあ」

ミスティ「なるほど、確かに……。でもそれなら、本当に一体誰なのかしら……」

イリス「生命に干渉する魔法に精通したテロリスト……うーん、なんか引っかかるけど……なんだったかな……」

妖精「まあ考えても仕方ないし、今日はもう寝よう」

 ◆
292 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:54:40.05 ID:1pxr88Pl0
―大魔女帝国 滞在5日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
293 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:55:31.65 ID:1pxr88Pl0
―朝
 宿舎 食堂

 チュンチュン

ローガン「テロリストか……」

妖精「うん。かなりの手練れみたいだから、ローガンとエバンスも気を付けて」

エバンス「おう……。しかしまあ、俺たちの行き先にゃいつもこういうヤバイ奴が出てくるな……」

妖精「世界樹の光とは直接関係のないこの国なら大丈夫だと思ってたんだけどね……」

ローガン「市場での暴走オートマタ騒ぎや劇場でレッサースライムが落ちてきた事件に、大庭園で蔓延っているミントウネなども、その者が関与しているのだろうか」

妖精「可能性はあると思う。どれも今まで全く起きたことがなくて、ここ最近でいきなり発生し始めた事件なんだもん」

エバンス「何が目的なんだろうな」

ローガン「……検討も付かんな。それほどの実力のある者なら、やはり他国の工作員か? しかしそれならやり方が手ぬるい気も……」

エバンス「確かに……殺せる実力があるなら、殺した方がより大きな混乱を起こせるはず。大魔女からの報復を恐れている……なんてのは流石に通用しないよな、工作員なら」

妖精「まあとにかく気を付けてよ。ローガンとエバンスはこういう手合にも慣れてるでしょ? 頼りにしてるから」

エバンス「世界最高クラスの工作員の相手は流石に慣れてねえけどな!」


大魔女帝国滞在5日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 22:55:46.62 ID:l49XH9SYO
クロにどんな対策をとるのか尋ね
手伝えそうなら協力する
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 22:56:13.74 ID:Msdg2Y0hO
魔法店でバイオレット姉妹について聞く
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 22:56:54.29 ID:eLpKCVhDO
広場で聞き込み中に学生三人組に会う
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/12(土) 22:59:08.97 ID:ecTrgLJX0
クロシュ達が移住区で偶然ヨハンナに遭遇する
298 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/12(土) 22:59:55.53 ID:1pxr88Pl0
というわけで本日はここまでとなります。次回はクロさんのお手伝い編、バイオレット姉妹のお話編、学生三人組に聞き込み編となります

劇場で事件に巻き込まれたり、食堂でホムンクルスのロディナさんとお話したり、大魔女さまの講義を受けてみたり、昏倒事件を発見してしまったりといった様子でした。大魔女帝国で一体何が起きているのか。暗躍する悪意の真の狙いとは。クロシュは、闇に潜む敵を暴けるか――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 04:25:33.30 ID:urh4bkJ/o
おつでした
今回まだ黒幕がまったく見えてこないな…
300 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 16:00:00.18 ID:m5uBjrem0
黒幕の正体は今のところわかっておりません。わかっていることは、生命に干渉する魔法を使えることと、大魔女でなければ看破できないほど魔力の気配を隠すのが上手なことくらいです。この恐るべき敵はその正体を隠し続けており、その目的も未だに不明なままです。気を付けるのが良いでしょう
301 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 16:00:39.56 ID:m5uBjrem0
―朝
 魔法学園 廊下

クロ「……」キョロキョロ トコトコ


妖精「あ、クロだ」パタパタ

クロシュ「わあ……」トテトテ


クロ「……ん? あ、妖精さんとクロシュちゃん。おはようございます」ペコリ

クロシュ「おはよう、ございます……」ペコ

妖精「おはよ。見回り?」

クロ「うん。相手は魔力の気配を消すのがものすごく上手みたいだから、目視で発見しないといけないの」

妖精「でもクロみたいな教授が見回ってるところでは動かないんじゃないかな」

クロ「う……それはそうかもしれないけど……。でもわたしが見てるところなら、その人も悪さできないってことでしょ? それに、ほらこれ」スッ

 注意喚起ポスター『不審な昏倒事件が多発しています。一人での行動は避け、不審な人物を目撃した場合は速やかに職員へ連絡してください』

妖精「なるほどね。正直学園全体を閉鎖しても良い気もするけど……」

クロ「今のところただ昏倒するだけで命に別状はないから、事件性はあるものの閉鎖には至らないの。もし傷害や殺人に発展するようであればそうも言ってられなくなるだろうけれど……」

妖精「そういうもんか」

クロ「うん。それに警備も強化されてるから、今後はそう簡単には――」

 ――…

クロ「!」タッ

妖精「攻撃的な魔力反応……! クロシュ、追うよ!」パタパタ

クロシュ「う、うん!」タッ


↓1コンマ
01-50 犯行現場
51-90 犯人確保
91-00 ??
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 16:01:27.37 ID:B2fS8T5R0
どうなる
303 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 16:43:52.72 ID:m5uBjrem0
女子生徒「……」ドサッ


クロ「! 間に合わなかった……!?」ザッ

妖精「違う! まだいる! こいつ――魔法で姿を隠してる!」パタパタ

クロシュ「! そこ!」ビシッ

クロ「……! 捉えた! えいっ!」ブンッ

 魔法弾「」ピュンッ

 ベチッ

透明「んゅっ……!」


妖精「えっ……!?」

クロ「……!?」


透明「〜〜っっっ」トテトテ


妖精「あ、逃げ……」

クロ「……」

クロシュ「……??」


妖精「……逃げられた」

クロ「えと……クロシュちゃん……?」

クロシュ「……?」

妖精(……クロの放った魔法弾が当たった時……透明の何者かが上げた声は……)

クロ「……ううん、なんでもない。クロシュちゃんは……わたしたちと一緒にいたんだもんね」

クロシュ「???」

妖精(……クロシュに、そっくりだった)

 ◆
304 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 16:44:25.65 ID:m5uBjrem0
―市場
 ヤーレン魔法店

 カランカラン

ミスティ「こんにちは」

イリス「こ、こんにちは」


スール「らっしゃ〜い。おや、こないだユキちゃんが連れてきた黒髪の子じゃないか。また新しい子を連れてきてくれるとはありがたいねえ」ニコニコ

フローレンス「最近繁盛してますね……ん? 貴女……もしかして、ダークヒーローイリスですか?」ズイッ

イリス「えっ……!? いや、まあ……一部の新聞ではそのように言われてるみたいですけど……ほとんど脚色だと思います」

フローレンス「へえ、否定しないってことは本人なんですね。一行が来てるのは知ってたのでもしかしたらとは思っていましたが……なるほど、貴女がフラナのお気に入りの……」マジマジ

イリス「うぅ……」モジモジ

スール「こらこら、やめてやんな。ダークヒーローったって普通の女の子なんだろ? 見世物じゃないんだから」

フローレンス「おっと、失礼致しました。あのフラナが人間を気に入るなんて珍しいものですから、つい私も興味を持ってしまいました。ご容赦くださいね」

ミスティ「……ええと、あなたたちはフラナさんのことを知っているの?」

フローレンス「昔のことなら。最近のことはさっぱりですけどね」

スール「同じくだねえ。あたしらは今の魔族国が魔族自治区になるよりももっと前にあの国を離れちまったからさ」

イリス「てことは、旧魔族国って呼ばれてた時代の……?」

フローレンス「そういうことです。この国の方が居心地が遥かに良いですから」

スール「はっはっは、ここより居心地の良い国なんて他にあるもんかい」

イリス「……えと、それじゃあ少しお聞きしたいんですけど……フラナさんとフレメアさんの間には、どのようなことがあったんですか? 今、お二人はものすごく仲が悪いみたいなんですが……」

フローレンス「あいつらの確執についてですか?」


↓1コンマ
01-60 本人らに直接聞いた方が良いですね
61-90 ……ちょっと可哀想な関係なんですよね
91-00 ???
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 16:46:16.35 ID:c+V0WY0DO
???
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 16:46:19.00 ID:gwx9XmO3O
307 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 17:59:12.86 ID:m5uBjrem0
フローレンス「あー……本人らに直接聞いた方が良いですね。それは」

イリス「……」

フローレンス「勘違いしないで欲しいんですけど、イリスちゃんに意地悪したいわけじゃないんですよ。ただ、まあ……けっこう繊細な話題というか」

スール「だねえ……。部外者が勝手に言いふらすのはちょいと憚られる話なのさ」

イリス「そうなんですか……?」

スール「悪いね。あたしから言えるのは……あいつら二人のうち、どっちかが一方的に悪いわけじゃないってことくらいかね」

フローレンス「多分、片側からはもう一方が絶対悪に見えてるんでしょうけどね。まああと何百年かすれば悪感情も風化するんじゃないですか?」

イリス「な、何百年……」

フローレンス「その前にフラナが王国に殺されるか、フレメアが逮捕されて処刑される方が早いかもしれませんけどね」

イリス「え、ええ……」

スール「はっはっは、あの姉妹がそう簡単にくたばるもんかね?」

フローレンス「死ぬ時はさっくり逝くもんですよ。どんな生物でも」

 ◆
308 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 18:00:49.61 ID:m5uBjrem0
―広場

 噴水「」シャワシャワ

イリス「うーん……フラナさんたちの間に一体どんなことがあったんだろう……」

ミスティ「部外者が勝手に言いふらすべきじゃないことらしいけど……想像もつかないわね」

イリス「でも、聞くなら本人に聞くっていうのは確かにその通りだよね」

ミスティ「……聞くの?」

イリス「……いや……うーん……」


ユキ「あ、ミスティさん……!」タッタッタッ


ミスティ「あら、ユキ……。もう学校は終わりなの?」

ユキ「それが……また昏倒事件が発生しまして、今日は休校になりました」

イリス「休校……」


橙髪の少年「おーいユキ、どうしたんだよいきなり走り出して!」タッタッタッ

ユキ「トム……以前話したミスティさんよ」

橙髪の少年→トム「おお!? ダークヒロインミスティか!?」ヌッ

ミスティ「え、何それ……」

白髪の少年→トリル「トム〜……初対面の人を呼び捨てにするなんて、すごく失礼だよ……」スタスタ

トム「遅いぜトリル! 別に良いじゃんか、だってダークヒロインだぜ!?」

ユキ「……トム……ミスティさんを軽んじるような発言は許さないよ……」ゴゴゴゴ…

トム「うぇ!? わ、悪かったって……!」

ユキ「私じゃなくて、ミスティさんに謝りなさいよ……」ゴゴゴゴ…

トム「うっ……す、すみませんでしたミスティさん!」ペコッッッ

ミスティ「いやまあ、別に良いけど……私も割と呼び捨てにするし……」



イリス「でもダークヒロインミスティだって! ダークヒロインミスティ!」

ミスティ「何よ、ダークヒーローイリス……」

 *
309 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 18:01:18.21 ID:m5uBjrem0
イリス「へぇ〜、三人は同じ学年の友達なんだ」

ユキ「はい。出身はそれぞれ違いますけど」

ミスティ「ユキはオノゴロ地方の出身なのよね」

ユキ「はい。見た目は人間に近いですが、実は種族も『雪女』というオノゴロの魔族なんです」

イリス「雪女! 氷属性を使いこなす絶世の美女ばかりって言われるあの雪女!?」

ミスティ「道理で私のわかりにくい授業でも理解できたわけね……」

ユキ「……なんか、他の地方だと誇張されて伝わってるみたいですね……雪女って……」

トリル「でもユキちゃんって将来すっごい美人さんになりそうだよねぇ」

ユキ「そ、そう……?///」

トム「性格はめちゃくちゃキツそうだけどな!」

ユキ「トム……?」ジロッ

トム「なんでもございません。ちなみにオレはトコナツ火山島の出身だぜ!」

イリス「へえ、トコナツ出身なんだ! じゃあモーリィさんのことも知ってるの?」

トム「おう! 姉ちゃんたちも知ってんのか?」

イリス「うん。いろいろ旅をしてきたからね」

ミスティ「じゃあ、レッドのことや猫人のコルトさんのことも知ってる?」

トム「知ってるぞ! レッドの奴も猫のおっさんも、島の仲間だからな!」

イリス「おお……世間は狭い。トリルくんはどこ出身なの?」

トリル「ぼくはテラヌス・ウルス出身だよ。お姉さんたちは、行ったことある?」

イリス「うん、あるよ! 前にリアンノンちゃんたちと一緒にミイラと戦ったの!」

トリル「わあ、リアンノンちゃん元気なんだ……! けっこう魔族を嫌う雰囲気が蔓延してたから心配だったけど……」

ミスティ「非人間排斥法案は否決されて、今は人も魔も手を取り合って団結しているはずよ。水不足も解消されたし」

トリル「そうなんだ……帰るのがちょっと楽しみになってきたかも……!」


 ―――……


イリス「!」バッ

ミスティ「この気配は――」


↓1コンマ
01-05 ???
06-35 脱走ミントウネの群れ
36-65 レッサースライムの群れ
66-95 透明の何者か
96-00 ???
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 18:02:23.09 ID:EH7M26GT0
311 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 18:36:19.56 ID:m5uBjrem0
ミントウネの群れ「〜〜!」キャー! トテトテトテトテ


イリス「あ、あれは――」

ミスティ「小さいアルラウネたち……? かわいいわね……」

トム「いや、ありゃミントウネだぜ!」

イリス「あ、確か大庭園で大発生してるっていう――」


緑髪のイケメンエルフ「おおーいそこの君たち!!」タッタッタッ


ユキ「あれは……都市緑化担当のティリウスさん!」

緑髪のイケメンエルフ→ティリウス「そいつらを止めてくれぇー!!」タッタッタッ

イリス「わ、わかりました!」

ミスティ「ええ……!」バッ


 ――戦闘開始 ミントウネの群れ――


↓1コンマ
01-30 大魔女が現れて焼き尽くした
31-90 移動阻止成功
91-00 会心
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 18:38:10.61 ID:AzE+7er1O
313 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 19:36:30.28 ID:m5uBjrem0
トム「おっし、オレの炎で全員まとめて――」ゴウッ

ユキ「ちょっと何する気!?」シャッ

 ゲシッ
トム「痛っ! お、お前こそ何すんだよ!?」

ユキ「あんたの炎じゃ焼き殺しちゃうでしょ!?」

トム「でもあいつら侵略的外来種ってやつなんだろ!? だったら駆除しねーと……!」

トリル「あわ……! け、喧嘩してる場合じゃ……」


ミスティ「氷壁!」カッ

イリス「こっちは岩の壁!」

 氷の壁「」ギンッ!

ミントウネの群れ「〜〜!」キャー! オロオロ

 岩の壁「」ズドンッ!


ティリウス「おお〜素晴らしい魔法の冴えだ! ありがとう学生たち!」タッタッタッ

ミントウネの群れ「〜〜!」キャー! オロオロ


 ――戦闘終了――
314 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 19:38:03.03 ID:m5uBjrem0
ミントウネの群れ「〜〜」オロオロ

イリス「あの……そのミントウネの子たちは、どうするんですか?」

ティリウス「そうだね……。かわいそうだけど、肥料になってもらうしかないかな」

ミスティ「肥料に……。それって、やっぱり――」

ティリウス「ああ、そうだよ。殺すんだ。ミントウネばかりが増えたら、ここの植生はめちゃくちゃになっちゃうからね……。それは他の植物たちにとっては勿論、当のミントウネたち自身にとってもあまり良い未来ではないんだ」

ユキ「……」

イリス「……あの、元々ここにはいなかったんですよね? ミントウネは」

ティリウス「そのはずなんだけど……誰かが持ち込んで植えちゃったんだろうね。はあ、困ったよ……」

トム「……誰が持ち込んだのかはわかんねーの?」

ティリウス「調査中だよ。でも成果は芳しくない」


ミントウネの群れ「〜〜…」シクシク…

トリル「……どうして……こんなこと……」

ユキ「……許せない」グッ

ミスティ「同感ね。犯人を同じ目に遭わせなければ気がすまないわ……」

イリス「……」


イリス(レッサースライムの事件も、今回のも……小さな命を何とも思っていないかのような、邪悪さを感じる)

イリス(この街で暮らす国民には大した影響はないかもしれないけれど……犠牲になっていくレッサースライムや、ミントウネたちにとっては、そんなの関係ない。この子たちには……理不尽に殺されるという悲惨な結果しかない)

イリス(私も……この犯人は、許せないよ)グッ

 ◆
315 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:05:07.71 ID:m5uBjrem0
―夕方
 宿舎 食堂

 たくさんのごはん「」デデン!

スライムクロシュ「〜〜」バクバク モグモグ モニョモニョ

 大量の空皿「」カラン


エバンス「お、おお……今日のクロシュちゃんはいつにも増してたくさん食ってるな」

ローガン「炎化などしたのか?」

妖精「いや……してないはず」

エバンス「そうなのか。まあこの国は物価が安いし、しかも三食無料なんだ。食えるだけ食っても良いと思うぜ」

ローガン「うむ。クロシュくんは育ち盛りなのだろうし、腹が減った分しっかり食べるのが良い」

妖精「もう、二人ともクロシュに甘すぎじゃない?」


妖精(……でも……あの透明の、クロシュみたいな声を出した奴は一体何だったんだろう)

妖精(少なくともクロシュではない。だってクロシュはずっと私たちと一緒にいたし、そもそもあの透明を見つけて指さしたのだってクロシュだもん。だから、クロシュでは絶対にない)

妖精(でも……だとしたら、あれは何?)

妖精(……この事件……思っていた以上に、危険な気配がしてきた……)
316 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:38:27.16 ID:m5uBjrem0
―夕方
 魔法学園 廊下

 窓から差し込む夕日「」

 夕日の橙色に染まる廊下「」


クロ「……」スタスタ キョロキョロ

 カツン―

クロ「!」バッ


 カツン カツン―


クロ(……誘われてる? わたし一人だと思って、舐めているの……?)

クロ(………でも、相手は危険な魔法使い……。まずは大魔女さまに連絡しよう)

 ピッ

クロ「大魔女さま、曲者です。四号館の三階廊下……姿は見えませんが、わたしを挑発しています」

指輪『四号館の三階廊下ね。わかった。曲者から距離を取りつつ見張りを続行して』

クロ「はい」

指輪『ただし危険を感じたらすぐに撤退しなさい』

クロ「わかりました……」

指輪『決して無茶をしないこと。いいわね』

 プツン―


クロ「……」スクッ


 カツン―


クロ(……! 離れる……! 逃さないようにしなきゃ……!)タタッ

 ◇
317 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:39:33.99 ID:m5uBjrem0
―空き教室

 カツーン…

クロ(この講義室にいる……! 大魔女さまは無茶をするなって言うけど……窓から逃げられたりしたら見失っちゃうし、わたしも入らなきゃ……!)

 扉「」ガラッ

クロ「鬼ごっこは終わりだよ!」バッ


 空き教室「」シーン―


クロ「……! また、姿を魔法で隠して――えっ?」


 教壇「」
 奇妙な本『』モニョモニョ


クロ「教壇の上に……本……? これは」スッ

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョ

クロ(なに……この本……。目が離せない……絶対に、開いちゃだめだってわかってるのに……体が……)ヨタヨタ

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョモニョ

クロ(だ、だめ……これを、読んだら……わたしは……わた、し――――)

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョモニョモニョ

クロ(あ、あ……たすけて……だいまじょ、さ……)

 扉「」バァンッ!!!

クローディア「クロっ!!」タタッ

クロ「はっ……! だ、大魔女さま!!」

クローディア「大丈夫!? 怪我は!? 何をされたの!?」ズイッ

クロ「あ……え、と……」チラッ

 教壇「」ポツン

クロ(あれ……? 何も、ない……?)

クローディア「……こわいものを見たの? 大丈夫よ……」スッ

 ギュッ……

クロ「ふあ……。大魔女さま……」

クローディア「クロはもう一人ぼっちじゃないわ。私がずっと一緒よ」

クロ「大魔女、さま……」

クローディア「大丈夫、大丈夫……。あなたは、愛して良いの。愛されて良いの……」

クロ「〜〜…」モニョモニョ

 デロデロ…モニョモニョ…

 ◆
318 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:41:12.10 ID:m5uBjrem0
―???

「アッハハハハ! 空き教室でメロドラマ始めちゃうなんて!」ケラケラ

「……」

「アレを誘い込むのには失敗したけど良いモノが見れたし結果オーライかな? チャンスはこの先いくらでもありそうだしね」

「……」

「それにしても、まさかあの失敗作がここまで使えるヤツになってたなんてねえ。前までは孤軍奮闘で大変だったんだから、あなたが来てくれて本当に助かっちゃった」

「……」

「ね? クロシュちゃん」

クロシュ?「はい……カリス、さま……」モニョモニョ

 ◆
319 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:42:09.17 ID:m5uBjrem0
―大魔女帝国 滞在6日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
320 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 20:43:29.26 ID:m5uBjrem0
―朝
 宿舎 食堂

 たくさんのごはん「」ドドン!

スライムクロシュ「〜〜」バクバク モグモグ モニョモニョ


割烹着ロディナ「素晴らしい食欲ですね、クロシュ様……。おかわりが必要の際は――」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ!

妖精「こらクロシュ! 横着してスライム語でねだらないの!」

割烹着ロディナ「大丈夫です、私たちホムンクルスはスライム語を理解できますので。おかわりをすぐにお持ち致します」ススッ

妖精「そ、そうなんだ……。でも食べながらスライム語でおかわりなんて行儀が悪いよ! あと食べ過ぎ!」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョ…

エバンス「まあまあ、いいじゃないか。クロシュちゃんのメシ代くらいなら俺が出すよ」

妖精「そういう問題じゃないの! もう、普段はもうちょっと行儀が良いのに……どうしちゃったの?」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「ごめんなさい……。でも……なんだか、ものすごくお腹がすいて……」モニョ…

ローガン「ふむ……成長期か?」

妖精「スライムに人間みたいな成長期はないはずだけど……」


大魔女帝国滞在6日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 20:43:40.15 ID:MGOgxrw0o
大魔女宮殿に行き透明対策の話をする
ついでに大魔女のユニーク属性を知る
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 20:44:04.66 ID:B2fS8T5R0
浴場に行ったらユキと遭遇
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 20:44:08.28 ID:7NaKEOu9O
大魔女のマンツーマンによりイリス星属性の真髄に至る
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 21:29:10.02 ID:I9sW9geDO
スイーツ店
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 21:29:48.96 ID:I9sW9geDO
ごめんなさい誤爆しました
326 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 22:46:53.28 ID:m5uBjrem0
―大魔女宮殿

 巨大な大魔女像「」ドン!


ロディナ「こちらが大魔女様のおわす宮殿になります」スッ

イリス「こ、ここが大魔女様の……!」ゴクッ

クロシュ「わあ……!」

妖精「……見学に来たわけじゃないからね」

ミスティ「……わかっているわ」

 *

―少し前
 宿舎 食堂

割烹着ロディナ「……え? はい、わかりました……。それではお連れ致します……」


イリス「あれ、ロディナさんどうしたの?」

割烹着ロディナ「いえ……あの……。大魔女様から、ご連絡があり……」

ミスティ「えっ、大魔女から?」

割烹着ロディナ「連続事件の重要参考人として、クロシュ様をお連れするようにと……」

エバンス「!?」ガタッ

ローガン「なんだと……!?」

クロシュ「??」

妖精「……」

 *

―大魔女宮殿

妖精(……大魔女の狙いは……まあ、私もなんとなくわかる)

妖精(あの透明の何者かは……ものすごくクロシュに近い何かだった。声も、魔力の波長も……)

妖精(そしてあの迷彩も……王国の光学迷彩マントとメルルの魔力隠蔽技能を併用したクロシュの独自技法……)

妖精(……クロシュが犯人ではないことは、誰よりも私が知っている。だからこれはむしろ……真相究明のためには好都合)
327 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 22:47:24.18 ID:m5uBjrem0
クローディア「……来たわね。クロシュ一人来てくれれば良かったのだけれど……」

エバンス「いくら大魔女様の頼みとはいえ、大事な仲間を疑われてたった一人で出向かせるわけにはいかないだろ?」

クローディア「……勘違いされていますね。私はクロシュを疑っているわけではないわ。ただ……重要参考人であることも間違いないの」

イリス「ええと……それはつまり、どういうことですか?」

クローディア「昨日……うちのクロが犯人に襲撃され、精神に傷を負わされたわ」

クロシュ「え……」

クローディア「幸い致命的な事態にはならなかったけれど、あと少し遅れていたら取り返しのつかないことになっていたかもしれない」

ローガン「……そのことに、クロシュくんが関与していると?」

クローディア「……私の予想では間接的に関与している可能性があるわ。ちょっと診させて頂戴」スッ

クロシュ「わ……」

クローディア「……! これは……ルーファス!」

メガネの男→ルーファス「おっほ!? し、小生の力が必要でござるか!?」ヌッ


イリス(うわっ、なんか変なのが出てきた……)

ミスティ(へ、変な喋り方だわ……)


クローディア「ルーファス、あなたの解析魔法でこの子を視てもらえる? ここ最近かけられた魔法を重点的に」

ルーファス「お任せあれ!」キィーン――

 カッ!!

クロシュ「んゅっ……!」

ルーファス「ふむふむ……視えたでござる!! 今日のクロシュ殿のお下着は――」

 大魔女の拳「」ブォンッ!!

  ボムギッ!!

クローディア「失礼したわね……。今からこの馬鹿を折檻してくるから、少し待っていて頂戴」グイッ ズルズル

鼻血を流すルーファス「な、何卒ご慈悲を大魔女殿〜!!」ズルズル



イリス「……」ポカーン

ミスティ「ひ、引きずられていったわ……」

妖精「……ちょっと、折檻とやらを見に行ってみる」ヒュンッ

エバンス「あ、おい妖精!」

ローガン「いや……ここは妖精くんの判断を尊重しよう」

クロシュ「……?」

 *
328 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 22:47:51.24 ID:m5uBjrem0
―大魔女宮殿
 個室

クローディア「……悪かったわね。痛くなかった?」スッ

ルーファス「ホホホ、小生にとってはご褒美でござりますな!」

クローディア「お陰で、自然にあの場から離れられたわ。それで……あなたがああいう真似をしたということは――」

ルーファス「……うむ。幼子に聞かせるには忍びなき真実でござる。最終的には、大魔女殿のご判断を尊重致すが……」

クローディア「いいわ。話して頂戴。そこの妖精さんにも聞こえるように」

ルーファス「なぬっ!?」バッ

妖精「……そりゃまあバレるか、大魔女には」スッ

クローディア「ルーファスにバレなかっただけでも大したものよ? 彼もこう見えてかなりの実力者だもの」

ルーファス「お褒めに与り恐悦至極……と言いたいところでござるが、小生もまだまだですな! それでは例の話に入らせて頂くが……妖精殿も、よろしいか?」

妖精「うん、お願い」

ルーファス「うむ……。では、ここ最近にクロシュ殿にかけられた魔法についてだが……一つ、極めて特殊なものがござった!」

妖精「極めて特殊なもの……?」

ルーファス「それは……生命と魂に干渉する魔法……かけられた者の自由意志を奪い、術者の意のままに操るもの……広範な地域で禁忌とされる、奴隷化魔法の一種でござる!」

妖精「えっ!!?」

クローディア「……奴隷化魔法には必ず条件があるはずよ。例えば『血の契約』のように、術者と対象の血と血を混ぜ合わせたものを互いに摂取しなければ発動しない、みたいなね」

ルーファス「うむ、この魔法にも条件はもちろんあるようですぞ。それは――」

妖精「そ、それは……?」

ルーファス「――術者によって、造られた命であること――で、ござる」

妖精「!!!?」

クローディア「…………」

 ◇
329 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 22:49:40.11 ID:m5uBjrem0
クローディア「悪しき鎖を砕け、偉大なる大魔女の光よ――」ブツブツ

 カッ

クロシュ「わ……」パァァァ


妖精「これで、クロシュはもう大丈夫なの……?」

クローディア「ええ。もう二度と例の悪しき術をかけられる心配はありません」

クロシュ「??」

イリス「えっと……クロシュちゃんに、何か変な魔法がかけられていたんですか?」

クローディア「そう。ちょっとした呪いのようなやつがね。でももう大丈夫よ。ついでに生命と魂への不埒な干渉を阻む防護魔法もサービスしてあげたわ」

クロシュ「わあ……ありがと、ございます……」ペコ


クローディア(でも……恐らくクロシュを操った者は、既にクロシュの分体≠手中に収めて手駒としているはず。そこまでは私も解呪できなかった――)

妖精(クロシュの分体が……)

クローディア(生命と魂を完全に隷属化させる魔法を作り出すような危険極まる魔術師よ。下手をしたら、その分体はクロシュの本体よりも強力な存在となっているかもしれない……十分に気を付けなさい)

妖精(うん……ありがとう)


クローディア「さて……結論から言うと、犯人は恐らくクロシュの分体を手駒にしているわ。うちのクロを欺いたという高度な迷彩の技は、どうやら元はクロシュの技能だったようですし」

クロシュ「!!」

イリス「え、ええ……!?」

ローガン「なんだと……!?」

エバンス「嘘だろ……!?」

ミスティ「クロシュにかけられた呪いって――」

クローディア「先ほど見せてもらったけれど、クロシュの迷彩術はやはり極めて高度よ。光学的に身を隠し、魔力の気配をも巧みに隠蔽する――さらにその上、狡猾で邪悪な魔法使いがそれを援護しているの。正攻法で見つけ出すのは至難と言えるでしょう」

妖精「……」

クローディア「でも、そこに存在しているという事実――運命はどうやったって覆せない。つまり――運命を視るのよ」

イリス「いやいや無理です!! ほとんどの魔法使いは運命を視たりできないですよ!!」

クローディア「あら……あなたたちからは運命神の加護を感じるから、視えたりもするものだと思っていたのだけれど……」

妖精「あー……なんかそういう石ころを持ってるだけで、多分しっかり加護を受けてるわけじゃないと思う……」

クローディア「そう……。それじゃあ困ったわね……。私一人では見回り切れないし……」

ルーファス「ふむ……光学迷彩の対策であれば、音波を利用するのはどうでござろうか?」

クローディア「音波……! その手があったわね!」

エバンス「いやいや待て待て! 俺たちゃクジラでもコウモリでもないんだぞ? 音で見つけるなんて――」

ルーファス「ドゥフ……そう思って小生、こちらをご用意致しましたぞ!」


↓1コンマ
01-50 コウモリのカチューシャ
51-90 音波レーダー
91-00 運命視のメガネ
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 22:50:09.46 ID:I9sW9geDO
はい
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/13(日) 22:50:51.01 ID:bivLQi8z0
332 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 23:07:57.84 ID:m5uBjrem0
 コウモリのカチューシャ「」ポン

イリス「わあかわいい……!」

ミスティ「……これを付けろと?」

ルーファス「ドゥフフ……かわいいだけでなく、音の感覚が鋭敏になる素晴らしいグッズでござる! それを付ければコウモリの如く音波で地形把握ができるように――」

クローディア「どれほど音に敏感になっても、音波だけで地形を把握するのは人間の知覚ではかなり難しいわ。これを身に着けた上で何年も訓練を積めばそういう芸当ができるようになる可能性もあると思うけれど」

ルーファス「グボァッ!! 大魔女殿のマジレスが五臓六腑に染み渡り候――」ガクッ

ローガン「だが音に鋭敏になれば、姿を隠していても見つけやすくはなるだろう」

エバンス「まあ……これを男の俺や旦那が付けるのはちょっと見た目がヤバそうだけどな!」

 ☆コウモリのカチューシャを人数分手に入れました
  音に鋭敏になり、隠密状態の者を発見しやすくなります

 ◇
333 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/13(日) 23:08:44.86 ID:m5uBjrem0
というわけで本日はここまでとなります。次回は大魔女のユニーク属性とは何か編、浴場でユキさんとお風呂編、大魔女先生の星属性指導編となります

クロに迫る邪悪なる手をすんでのところで退け、ひとまずの安息を得たクロシュ一行と大魔女。しかし敵の正体は未だ知れず、今も尚クロシュの分体を従えて闇の奥底で悪意に満ちた嘲笑を響かせています。彼女はもしかすると、今までに立ちはだかってきた敵対者の中でも最も危険で、最も恐ろしい相手かもしれません。クロシュにとっては因縁の相手でもあり、そしてこの物語の闇に包まれし謎の数々は間違いなく彼女の悪意によって為されたもの。クロシュよ、君は最悪の敵を相手にどう立ち向かう――

それでは本日もありがとうございました。明日は祝日なので多分更新できると思われます。よろしくお願いいたします
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 03:16:45.43 ID:iR7lvlKW0
「音波を利用する」と聞いてヨハンナの声魔法と関係あるかなと思ったけどヨハンナの方は音波を発射するような感じだったよな。でももしかて声魔法もそれに含まれているのか?あと、コウモリのカチューシャをつけたままヨハンナの声魔法を受けたら鼓膜が大変な事になりそう。
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 12:17:07.05 ID:f76bHQ07O

妖怪も魔族扱いなら今後も種族のバリエーション増えそう。
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 13:37:48.20 ID:hpECAwbIo
おつ
カリスが思った以上に邪悪!
けど赤いのをどうにかする糸口にできるかも
謎洗脳本は大魔女に教えることがてきたらいいかな
337 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:13:25.46 ID:W5vf2HLr0
コウモリのカチューシャを装備した状態でヨハンナの音波攻撃を受けるのは実際危険かもしれません。しかしルーファス氏が気を利かせて過剰な音は適切にキャンセルする機能を付けた可能性もあるので、一概に致命的とも言えないかもしれません。結局のところはコンマによるのでしょう

東方のオノゴロ地方近辺で妖怪と呼ばれている存在は、魔族に近い存在である場合が多いです。テラヌス・ウルスでちらっと登場した鬼という種族も妖怪であり魔族に含まれます。しかし妖怪ではあっても魔族には含まれない種族も時々いたりするため、明確に区分けするのは難しいかもしれません

カリスと呼ばれた謎の人物は、とても邪悪な雰囲気を纏っているようでした。クロシュの分体を手駒にしてさま付けで呼ばせるなど、身の毛もよだつような悪事を平然と行う危険人物のようです。気を付けなければなりません
赤いスライムさんことブラッド氏は、カリスさんと何らかの因縁があることが示唆されています。クロシュのことを人間にぺこぺこするあかちゃんペットスライムと見なしているブラッド氏ですが、今回の戦いで何かわかることもあるかもしれません
あの本が一体何だったのかは今のところよくわかっていません。クロシュ氏はあれを読んでも暗い気持ちになって風適性を獲得したくらいで危なくはありませんでしたが、クロ氏にとっては何やら危険な可能性があるそうです。大魔女氏に見せてみるのも良いかもしれません
338 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:14:22.16 ID:W5vf2HLr0
―浴場

 カポーン

スライムクロシュ「〜〜…♪」デロデロ

クローディア「ふう……一仕事終えた後はやっぱりお風呂ね」

妖精「大魔女もこういう公衆浴場を利用するんだ」

クローディア「そりゃあそうよ。ここの整備だって私の配下がやっているんだもの」

イリス「えっと、つまりホムンクルスとかオートマタですか?」

クローディア「あら、知っているの?」

イリス「はい、ロディナさんからお聞きしてます」

クローディア「ロディナか……あの子ももうちょっと表情が豊かになると良いのだけれど」

ミスティ「仕事用のホムンクルスなのに表情が豊かな方が良いの?」

クローディア「あの子は元々お喋り用に造ったのよ」

イリス「そ、そうだったんですか」


 扉「」ガラッ

ユキ「あれ……だ、大魔女様……!?」バッ

クローディア「あら、ユキじゃない」

イリス「ユキちゃんだ!」

ミスティ「奇遇ね」

ユキ「ご、ご機嫌麗しゅうございます。ミスティさんたちも……」

クローディア「そんなにかしこまらなくて良いわ。今はオフ。大魔女ではなく、ただのクローディアよ」

ユキ「そ、そう言われましても……」

妖精「まあ難しいよね」

 *

 カポーン

ミスティ「今日も学園は休校なの?」

ユキ「はい。昨日また襲撃事件があったらしく……」

クローディア「犯人を捕まえるまでは休校せざるを得ない状況よ。しばらくは自主学習に専念してもらう他ないわ。大魔女ともあろう者が、未だに事態を解決できずに申し訳ないわね……」

ユキ「いえ、悪いのは犯人であって大魔女様ではありません」

クローディア「ありがとう、ユキ」

ユキ「……その、差し出がましいかもしれませんが……私にももしできることがあれば、是非お手伝いさせてください。大魔女様にも、この国にも、学園にも、お世話になってばかりですから……。少しでもお返ししたいのです」

クローディア「そうねえ……。もし不審な人物を見かけたら、すぐに近くの治安担当に知らせてくれる?」

ユキ「わかりました……!」

クローディア「……この騒ぎを引き起こしている者は、非常に危険な存在よ。決して学生たちだけで立ち向かおうなんて考えないでね」

ユキ「はい、自分の実力はわかっているつもりです。大魔女様にご迷惑をかけるような真似は致しません」

クローディア「もう、いちいち私の為みたいなことは言わなくても良いの。あなたはまだ若いのだから」

ユキ「しかし……私、は……」

クローディア「……あ」

ユキ「……あ……ふぁ……」トロトロ

ミスティ「……えっ!? と、溶けて――」

クローディア「いけない、この子雪女だから長湯はだめよ! 溶けちゃう!」ザバッ

スライムクロシュ「?」デロデロ

 ◇
339 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:15:35.08 ID:W5vf2HLr0
―浴場 待合室

風の精霊『送風サービスだよ〜』ヒュルヒュル


ユキ「すみません、自己管理すべきでした……」

クローディア「いいえ……話に付き合わせてしまったのは私よ。ごめんなさい。体はもう大丈夫?」

ユキ「はい、なんともありません。少しくらい溶けた方がリフレッシュできるんです」

ミスティ「そうなのね……。クロシュもそうなの?」

クロシュ「ん……うん、たぶん……」

イリス「クロシュちゃんはお風呂に入る度にデロデロになってるよね」

 ◆
340 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 18:49:09.97 ID:W5vf2HLr0
―浴場 待合室

イリス「そういえば……大魔女様はあらゆる属性の魔法を使えるとお聞きしたのですが――」

クローディア「概ねその通りだけど、多少誇張もあるわ。もし私が無条件にあらゆる魔法を使えるなら、この犯人だって簡単に捕まえられる」

妖精「それはまあ確かに……。でも概ねその通りってことは、使えないわけではないってこと?」

クローディア「条件は秘密。やろうとすれば使えない魔法はない――とだけ言っておこうかしら」

妖精「……まあ、そりゃそうか。大魔女にとっては最高機密といっても良い情報だもんね、それは」

クローディア「そういうこと。理解が早くて助かるわ」

イリス「あの……それでしたら、星属性については」

クローディア「もちろん知ってるし使えます。プラネットの末裔イリスよ」

イリス「えっ……! わ、私のことをご存知なのですか?」

クローディア「プラネット家はその筋では有名よ。あなたの師匠も」

イリス「そ、そうなんですか……!?」

クローディア「フフ……せっかく星属性に目覚めても、資料の少ない星属性を独力で探求するのは大変でしょう。少し私が見てあげましょうか?」

イリス「ぜ、是非お願いします! あ、でも今は犯人探しが最優先ですし――」

クローディア「ええ、今本格的に貴女を見てあげる余裕はない――だから、こうしましょう」コォォ―

 カッ!

分身クローディア「私が見てあげます」ポン!

イリス「わっ!? ぶ、分身!?」

妖精「これは……鏡魔法!」

分身クローディア「ええ、その通り。さあ、付いてきなさいイリス・プラネット」スタスタ

イリス「は、はい!」タタッ

クローディア「がんばってね〜」ヒラヒラ

妖精「な、なんかすっごい変な光景……」


↓1コンマ(大魔女+10)
01-30 星属性経験+2
31-60 星属性経験+3
61-90 星属性経験+4
91-00 星属性経験+6
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 18:49:49.85 ID:hpECAwbIo
学習中……
342 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 20:10:03.79 ID:W5vf2HLr0
分身クローディア「いい? 星属性の真髄は、星の内側を流れる膨大な力を引き出して自在に扱うことなの」

イリス「は、はい……!」

分身クローディア「見たところ、力を引き出すところまではできているようね。なら次のステップは、引き出した力を制御して自分のものとするのよ。まずはお手本を見せてあげる――」

 ◆

イリス「……」コォォォ―

 カッ!

星の力を纏ったイリス「う、ううっ……!!」ゴゴゴゴゴ

分身クローディア「もうここまで制御できるようになるなんて……凄いじゃない。流石はプラネットの末裔……」

星の力を纏ったイリス「で、でも……もう、溢れそうで……!!」ゴゴゴゴ

分身クローディア「大丈夫よ、解き放っても。私が受け止めてあげる」

星の力を纏ったイリス「わ、わかりました!! いきますっ!!!」

 カッッッ!!!!

分身クローディア「はい」スッ

 魔力吸収陣「」ギュオオオオオオッ

イリス「は、はあ、はあ……! あ、あれだけ凄い力だったのに……一瞬で吸収しちゃうなんて……!」

分身クローディア「星属性の扱いには慣れているもの」

イリス「すごい……」

分身クローディア「たった数時間であそこまでできるようになったあなたも十分凄いわ」

イリス「えへへ……あ、でも星から魔力を引き出すのはあんまりやっちゃいけないんですよね?」

分身クローディア「え、どうしてそう思うの?」

イリス「え、いや……妖精さんが、星の力はこの星に住むみんなのものだから、使いすぎはだめだって……」

分身クローディア「ああ。理想論としてはそうだけれど……私やあなた程度の魔法使いが少し引き出したくらいでどうこうなるようなものでもないわよ。星の魔力は」

イリス「そうなんですか?」

分身クローディア「考えてみなさい。海からコップ一杯の水を掬ったところで、海の生き物たちが困ることはないでしょ?」

イリス「それはまあ、確かに……」

分身クローディア「妖精さんは世界樹の……緑の国の出身だから、そういう点に少し敏感になっているだけよ。無限に等しい力があるなら、使わなければ損でしょ?」

イリス「そう……なんですかね?」

分身クローディア「そうなの。あなたもそんな素晴らしい才能を持っているのだから、精進しなさいね」

 ☆イリスが星属性経験を6獲得しました[6/8]

 ◆
343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:05:45.04 ID:W5vf2HLr0
―大魔女帝国 滞在7日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
344 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:06:40.86 ID:W5vf2HLr0
―???

(眼下には……無数の草木と、動物たちの息吹……)

(仲間たちと助け合い、時には競い合い……日々を、必死に生きている……)

(愛しあい……愛されあい……命を、育んでいく……)


(その先に……どうにもならない離別と、苦痛に満ちた終末があることも知らず……)

(ただ無邪気に、哀しみの螺旋を紡ぎ続ける――愚かで哀れな、命たち)

(かつてわたしも……その中の、一つだった……)


(断ち切って、あげないと)


 ――――


(眼下の命たちが……砕かれ、削られ、終わってゆく)

(苦しみはなく――哀しむ暇もなく――星に還ってゆく)

(ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね)


(愛さえなければ、哀しみも生まれないから)

(命さえなければ、愛も生まれないから)

(哀しみは……もう、終わり)


 ――――

345 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:08:05.27 ID:W5vf2HLr0
―朝
 宿泊室

 チュンチュン

スライムクロシュ「〜〜〜!!」モニャニャニャ!! ガバッ


妖精「わっ!? な、なに!?」バッ

イリス「ど、どうしたのクロシュちゃん!?」


スライムクロシュ「〜〜…」モニョ…

妖精「えっ……怖い夢を見た?」

ミスティ「怖い夢……?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

妖精「……よしよし、大丈夫だよ。私が一緒にいてあげるから」ヨシヨシ

イリス「うん、そうだよ! クロシュちゃんが怖い夢を見ても、私たちが守ってあげるから!」

ミスティ「悪夢からどうやって守るのよ……。でもまあ……現実の怖いことなら、一緒に戦ってあげられるわ……」

スライムクロシュ「〜」モニョニョ

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「みんな……ありがと……。えと……見た、夢なんだけど……」

 *

イリス「空から地上を見下ろして……生き物たちを皆殺しにする夢……!?」

クロシュ「うん……。命を、なくして……哀しいのを、なくそうとする、夢……」

妖精「一応聞いておくけど……クロシュがそうしたいってわけじゃないんだよね?」

クロシュ「う、うん……! わたし……そんなこと、思わない……! 哀しいのは、嫌だけど……でも、そんなやり方……もっと、やだ……!」

ミスティ「そうね……いくら哀しみを無くす為としても、過激すぎるわ」

イリス「うん……そんなやり方、まるで魔王だよ! いや魔王の気持ちなんて知らないけど!」

妖精「魔王……? ちょっと待って、なんか引っかかるような……」

ミスティ「……空から……地上の命を殺す……ひょっとして、掃除の魔王?」

妖精「あ、それかも! でも、なんでクロシュが掃除の魔王の夢を……?」

クロシュ「……!」

 魔王図鑑「」ポン

 ペラッペラッ

 掃除の魔王のページ『』ペラッ
 大きな風船のような姿が描かれた挿絵『』ポン

クロシュ「……!!」

ミスティ「掃除の魔王のページ……」

イリス「この姿……どこかで見たような……」

クロシュ「風船スライムさん……!」


大魔女帝国滞在7日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:08:46.98 ID:aO2CaEj+0
クロシュ、分身と空飛ぶ特訓
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:09:29.95 ID:z/v/SM7DO
図書館であの本を探す途中でトリルと遭遇
クロシュとトリル、絵の話をする
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:09:33.65 ID:u+/i6LcHo
掃除の魔王についてもっと調べる
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:09:50.40 ID:f76bHQ07O
魔法店でアイテム探し
350 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:30:39.98 ID:W5vf2HLr0
―居住区
 広場

スライムクロシュ「……」グググ ピョンピョン


エバンス「ええと……クロシュちゃんは何をしてるんだ?」

妖精「さっき言った夢の……空を飛んでる感覚を頼りに、空を飛ぼうとしてるみたい」

ローガン「む……だがそれは魔王の視点の夢だったのだろう? 再現してしまって大丈夫なのか……?」

妖精「その点は大丈夫だと思う。魔王ってなろうとしてなれるものじゃないし」

ローガン「それはまあそうか」


スライムクロシュ「……」グググ…

 プチッ

分体スライムクロシュ「!」ポン!


スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン
分体スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン


エバンス「お、おい二つに分かれたぞ!?」

妖精「分体を作ったみたい……。二体で練習した方が効率が良いとか考えたのかな?」

ローガン「だが分体は同化を使えないのだろう?」

妖精「そのはずだけど……。もしかして分体の練習も兼ねてるのかも」


スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン
分体スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン


↓1コンマ 練習の成果
01-90 風船化成功
91-00 風属性☆ 風になった

↓2コンマ 分体の成果
01-80 だめでした
81-98 風船化成功
99-00 風になった
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:33:18.79 ID:z/v/SM7DO
はい
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2024/10/14(月) 21:34:02.07 ID:f76bHQ07O
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 21:40:19.22 ID:hpECAwbIo
ぴょんぴょん跳ねるのかわいいかよ
354 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 21:44:54.86 ID:W5vf2HLr0
スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…グググ…

 プク―

風船スライムクロシュ「〜〜」フワッ モニョモニョ


妖精「わっ……!」

エバンス「クロシュちゃん飛んでるぞ!」

ローガン「おお……風船スライムのようだ!」


風船スライムクロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ

分体スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン


エバンス「分体の方のクロシュちゃんは……」

妖精「だめだったみたいだね……」


 ☆クロシュの風経験が[10/12]になりました
  クロシュが風船化して空を飛べるようになりました

 ◆
355 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 23:02:03.53 ID:W5vf2HLr0

クロシュ(……風船スライムさんになって、わかった……)

クロシュ(あの夢は……やっぱり、風船スライムさんの視点だった……)

クロシュ(……探さなきゃ。もう一度……あの本を……)

 ◇

―図書館

クロシュ「えと……」キョロキョロ

妖精「確かこの辺だったよね」パタパタ

クロシュ「うん……」


トリル「あれ……? 黒髪の女の子に、妖精さん……もしかして……。あの〜……」

妖精「え、誰?」

トリル「ぼく、トリルって言います。えと……妖精さんと、クロシュちゃん……ですか……?」

クロシュ「わ……!」

妖精「……なんで知ってるの?」

トリル「ご、ごめんなさい。イリスさんとミスティさんに、この前お世話になって……。ダークヒーローイリスの一行って、けっこう有名だから……」

妖精「げっ……イリスだけじゃなくて私たちまで知られてるの!?」

トリル「うん……。ダークヒーローの仲間、かわいくも厳しい妖精さんに、かわいいスライムのクロシュちゃん……この国では、ダークヒーローイリスとその仲間たちは大人気なんだ」

妖精「か、かわいくも厳しい……。まあともかく私たちを知ってるのはわかったよ。それで、何か用なの?」

トリル「あ、えと……用があったわけじゃないんだけど……なんか、困ってるみたいだったから……。何か、ぼくに手伝えること、ある?」

妖精「そういうことか……。それじゃあせっかくだし手伝ってもらおうかな? 私たち、ある本を探してるんだけど――」

 *
356 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 23:02:39.10 ID:W5vf2HLr0
 奇妙な本『ある風船スライムのお話』モニョモニョ

クロシュ「……!」

トリル「わあ、これがスライム文字なんだ……!」

妖精「ありがとうトリル、一緒に探してくれて」

トリル「えへへ、どういたしまして……。でも、この本って何の本なの……?」

クロシュ「えと……」

妖精「うーん、何の本なんだろ……私たちにもよくわかってないんだけど……ちょっと調べたいことがあってさ」

トリル「そうなんだあ……。でも、このスライム文字……」

 スライム文字「」モニョモニョ

トリル「ふふ……なんか、もにょもにょしててかわいいねえ」

妖精「そう……? まあ、スライム語をそのまま文字にしたかのような印象の字形だとは思うけど……」

クロシュ「トリルちゃんは……スライム語、わかる……?」

トリル「ううん……。ごめんね、わかんない……」

クロシュ「そうなんだ……」

トリル「あと……ぼく、こう見えても男なんだよ〜……?」

クロシュ「?」

トリル「えっと、そのぉ……ちゃん付けで呼ばれると……ちょっと、恥ずかしいっていうか……///」モジモジ

クロシュ「??」

妖精「あー……トリル、えっとね。スライムは男女の区分けがけっこう曖昧なんだ。人間が持つそれぞれの性別特有の感覚にはちょっと疎いから、あんまり気にしないで」

トリル「え、そうなの?」

妖精「うん。でもクロシュも、相手が人間の男の子の時はちゃん付けで呼んだりすると嫌がられちゃうよ?」

クロシュ「ほえ……。えと、じゃあ……セインさんも……ちゃん付けは、嫌がる……?」

妖精「せ、セインは……どうだろ……。わかんないけど……」

トリル「……でも、わかったよ……! それじゃあ……クロシュちゃんが、ぼくをちゃん付けで呼びたいなら……よ、呼んでも良いよ……!///」

クロシュ「わあ……!」

妖精「う、う〜ん……クロシュに対人コミュニケーションの経験を積ませようと思ったんだけどなあ……」

 ◇
357 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/14(月) 23:04:38.34 ID:W5vf2HLr0
―図書館 アトリエ

 キャンバス「」ポン!

クロシュ「わ……!」

妖精「へえ、この図書館アトリエもあるんだ……」

トリル「うん。クロシュちゃんって、絵が上手なんだよね? ぼくも絵を描くの好きだから、ちょっとだけ一緒に描いてかない?」

クロシュ「いいの……?」

トリル「いいと思う。ここの画材、自由に使って良いことになってるから」

クロシュ「……妖精さん、いい……?」

妖精「ん、まあいいんじゃない? 最近けっこう不穏なことも多かったし、少しくらい息抜きしないとね」

クロシュ「わあ……!」


↓1選択 何の絵を描こう?
1.フメイちゃん
2.かたつむり
3.集落の風景
4.旅の仲間
5.旅で知り合った人たち
6.デロデロ世界
7.風船スライムさん
8.空中楽園都市エデン
9.超巨大風船スライムが世界を掃除するさま
0.その他(自由安価。クロシュが描きそうにないものは再安価)
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/14(月) 23:05:34.45 ID:f76bHQ07O
5
359 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:04:31.58 ID:at1ecn/H0
 デロデロ…

スライムクロシュ「〜〜」シャカシャカ モニョモニョ

トリル「わっ! スライムの姿で、筆を巧みに操ってる!」

妖精「クロシュにとってはこの姿の方が描きやすいんだって。絵筆は人間が人間用に作った道具なのに、不思議なもんだね」

 *

 絵『聖女さんとこどもたち』ポン!

トリル「わあ……! 優しそうなお姉さんに、かわいい小さい子たちだね。小さいスライムさんもいる……」

クロシュ「うん……! 魔族国で会った……良い人たち……!」

妖精「淫魔の子はクロシュのことが大好きだったよねえ。たまにはお手紙でも書いてあげたら?」

クロシュ「んゅ……文字、書くの……苦手だけど……がんばる……」

 *

 絵『森妖精の子と世界樹の精霊さん』ポン!

トリル「小さい、森の妖精さんに……この綺麗な女の子は……?」

クロシュ「ミスティさんのことが大好きな、森妖精さんと……ちょっと変な、世界樹の精霊さん……!」

妖精「なんでそこで世界樹の精霊をチョイスしたの……」

 *

 絵『かっこいいメイド型魔導人形』シャキーン!

トリル「ジェットで飛んで鉄砲を撃ちながらブレードで斬りかかるすごい躍動感のある絵!」

クロシュ「メイちゃん……! んへへ……いっぱい、助けてくれてる……」

妖精「クロシュのメインウェポンだもんねえ、あのブレードは」

 *

 絵『レッドちゃんとタコおじさんの屋台!』ポン!

トリル「わあ、真っ赤でものすごく熱そうなスライムさんに……凄い筋肉のタコのおじさん!」

クロシュ「レッドちゃんと、タコのおじさん……! フルーツポンチ、おいしかった……!」

妖精「あの島ももう落ち着いたらしいし、元気にしてるかな?」

 *

 絵『レーティアさんと芸術妖精さんと剣舞の姉妹』ポン!

トリル「わあ、賑やかな絵……! 華やかな踊り子さんの二人に、かわいいエプロンの妖精さんと、綺麗な……女の人?」

クロシュ「うん……芸術都市の……良い人たち……」

妖精「……きっと、元気にしてる。負けないよ、あいつらは」

 *

 絵『トカゲリアンノンちゃんと猫耳の子と巨大スライムちゃんと砂漠スライムさんたち』ポン!

トリル「わあ、これもまたすっごい賑やかな絵……ていうかこれリアンノンちゃん!? テラヌス・ウルスだよね!?」

クロシュ「ほえ……」

妖精「知ってるの?」

トリル「う、うん! リアンノンちゃんとは小さい頃から仲良しで……」

クロシュ「わあ……!」

妖精「リアンノンの知り合いだったんだ! ふふ、元気だよみんな」

 *
360 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:06:13.31 ID:at1ecn/H0

 絵『シュヴィアさんと白銀スライムちゃん 隅っこに小さくエミリオさん』ポン!

トリル「わあ、黄銅色のかっこいいスライムさんに、白銀のかわいいスライムさん……。あと隅っこに……目つきの悪い男の子……?」

クロシュ「シュヴィアさんに、銀色のスライムちゃん……。エミリオさんは……おなさけで、描いてあげた……」

妖精「お情けなんて言葉どこで覚えたの……」

 *

 絵『勇者の像にお祈りを捧げるレインさん』ポン!

トリル「わあ……すっごく綺麗な絵……。この人は……サキュバスさん?」

クロシュ「うん……。テロリストの、レインさん……」

妖精「ちょっと縁があったりなかったりしてね。仲間とかではないよ、決して」

 *

 絵『変な笑顔のレイさん』ポン!

トリル「わ……この変な……笑ってる……? 人は……」

クロシュ「レイさん……。んへへ……面白い人……」

妖精「いちおう指名手配犯なんだけどね……」

 *

 絵『メルルさんとリュアンちゃんとクーちゃん』ポン!

トリル「わあ! 帽子の女の子と、上品な女の子と、ちょっと悪そうなエプロンの女の子……?」

クロシュ「メルルさんと、リュアンちゃんと、クーちゃん!」

妖精「時々道連れになる子たちだね。クーのやつはともかく、メルルとリュアンは元気にやってるかなあ」

 *

 絵『ブラッドちゃんとクロシュヴィアちゃん』ポン!

トリル「わあ、真っ赤なスライムさんに真っ白なスライムさん……!」

クロシュ「ブラッドちゃんと、クロシュヴィアちゃん……!」

妖精「なんでこいつらを一緒に描いたの?」

クロシュ「……えと……わかんない……」

 *

 絵『夜に見張りをしてるセインさん』ポン!

トリル「わあ……! すっごくかっこいい男の子!」

クロシュ「んへへ……セインさん。すっごくつよくて、かっこいい……!」

妖精「なんだかんだでけっこう助けられてるよね、こいつには」

 *
361 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:13:03.09 ID:at1ecn/H0
トリル「クロシュちゃんすごいなあ……! 僕も絵にはけっこう自信があったんだけど、速さでも精密さでもクロシュちゃんにはかなわないや……!」

 トリルの描いた絵『夕日に照らされた砂漠をゆくサボテンドラゴン』ポン!

クロシュ「んーん……! トリルちゃんの絵も……すごく、すごい……! サボテンドラゴンさん……!」

妖精「だねえ。全然卑下するほどのことはないと思うよ」

トリル「えへへ……そうかな? それと……ぼくにはもう一つ、特技があるんだ……」

クロシュ「とくぎ……?」

トリル「うん。見ててね……そおれ!」


 トリルの描いた絵『夕日に照らされた砂漠をゆくサボテンドラゴン』グググ…

 ポンッ!

絵から飛び出した小さなサボテンドラゴン『〜〜!』ポフッ!


クロシュ「わわ……!?」

妖精「え、ええ……!? 絵から……サボテンドラゴンが飛び出した!?」

トリル「うん! えへへ……ぼくの魔法は……描いた絵を、実体化させることができるの!」


小さなサボテンドラゴン『〜〜?』キョロキョロ


妖精「す、すごい……生きてるみたい」

トリル「実際には、ぼくが想像した通りに振る舞ってるだけで、本当に生きてるわけじゃないんだけどね。でもすごいでしょ〜」

クロシュ「うん……! すごい……!」

 ◆
362 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/15(火) 00:13:39.22 ID:at1ecn/H0
というわけで本日はここまでとなります。次回は掃除の魔法についてもっと調べよう編からとなります

闇からの悪意を警戒しつつも、着々と調査を進めていくクロシュ一行でした。そしてトリルちゃんと出会い、お絵かきがてらに旅を振り返るクロシュ――。気が付けば、すごく長い道のりを歩いてきました。たくさんの人たちと出会い、お世話になり、ご飯をもらい……クロシュちゃんはいっぱい成長したようです。その出会いの一つ一つが、何もできない穀潰しだったあかちゃんスライムの糧となり、今のクロシュさんを支えているのでしょう。思い出は、これからも大切にしていきたいものです

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 00:58:48.84 ID:wiSxMGOpo
おつおつ
色々ここまでありしましたねえ
道連れメンバーって一堂に会することまだ無かったよなーとかセインくん元気か?とかずっと見れない人達も気になっちゃう
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 02:05:46.99 ID:1hxrqbfzo

こうやって見ると長いこと旅してきたなあ
また会いたい人たちがたくさんいる
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 07:53:53.44 ID:DflGvfpDO
乙です
全てが終わったらかつて訪れた国にもう一度行ったり、知り合ったキャラの後日談も見たい
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/15(火) 11:17:50.21 ID:lwgS+/RSo
おつ
終盤みたいな流れだけど旅はまだ道半ばなのよね
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 08:52:04.73 ID:bwPNQDwS0

雪女ある程度解けても平気なのね
368 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 15:16:27.33 ID:++sINOUq0
道連れメンバーの方々が一緒になったことはなかったのですが、どうやらクロシュ氏は彼らを同じ分類の人々と思っているようです。一緒ではないけれど旅をしている流浪仲間、みたいに思っているのかもしれません

セインくんが今どうしているかはわかりませんが、芸術都市で別れたあとは具合を悪くした僧侶氏の看病をしに行ったようです。セインくんも単独で超高度の飛行はできないため、今は飛行手段探しに奔走しているのかもしれません

旅をし始めてそれほど経っていないような気もしましたが、実はけっこう長い時間が経っていたようです。今まで巡ってきた土地の人々は皆それぞれいろいろありましたが、再会すれば喜んでくれる人がほとんどでしょう

いろいろと解決して平穏を取り戻したら、もう一度ゆっくり諸国を巡ってみるのも良いかもしれません。後日談というわけではありませんが、新しいスレが立つと登場人物紹介の備考欄が更新されることがありますので、見てみると面白いかもしれません

確かに旅の終わりが近いかのような雰囲気のお話をしていますが、実のところ旅は半ばであり、この先もまだまだ長い道が続いております。クロシュさんの今後の旅路がより良いものであるなら幸いでしょう

雪女さんはずっと高温の環境にいると溶けてしまうため、長湯は禁物だったりします。しかし多少溶ける程度であれば体積や体重が少し落ちるくらいで済むため、水分を補給すればすぐ元に戻れるようです
369 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 15:16:54.37 ID:++sINOUq0
―図書館

ミスティ「掃除の魔王についてさらに調べてみましょう……」

イリス「そうだね。この図書館に丁度良い資料とかがあれば良いけど――」

↓1コンマ
01-10 ???
11-50 めぼしい資料はなかったが……
51-90 陰謀論の本
91-00 楽園の真実
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 15:17:47.75 ID:elaxCyktO
真実ぅ
371 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 16:52:03.31 ID:++sINOUq0
ミスティ「……?」

 魔王コーナー「」

ミスティ(この図書館……魔王のコーナーがあって、魔王についての資料はかなり多いのに……)

ミスティ(……なぜか、掃除の魔王についての本はどこにもないわ……。偶然……?)


イリス「ミスティ、面白い本を見つけたよ」スタスタ

ミスティ「面白い本?」クルッ

イリス「これ!」スッ

 陰謀論の本『伝説の大魔女の陰謀に迫る!!!!』ポン

ミスティ「ええ……」

イリス「そ、そんな目で見ないで! 明らかにアレな本だけど、ちょっと気になることが書いてあるんだよ!」

 *

 ペラッ ペラッ

ミスティ「空中楽園都市エデンを吊り下げる気球は、休眠中の掃除の魔王で……大魔女は、全ての準備を整えたら魔王を目覚めさせて操り、地上全てを燼滅しようとしている……ですって?」

イリス「も、もちろん全部が全部真実なんて私も思ってないよ! 地上を滅ぼしたって大魔女様には何の利点もないし――」

ミスティ「まあそりゃそうね……。でも……休眠中の掃除の魔王っていうのは……」

イリス「うん。クロシュちゃんの見た夢とか、風船スライムへの印象とも一致する……。本当に休眠中なのかはわからないけれど、あれが掃除の魔王に関係した物体の可能性はあると思う」

ミスティ「……でも……もしそれが真実だとしたら、けっこうヤバイんじゃないかしら……。魔王の力を利用した都市だなんて、危険で不吉すぎるわ……」

イリス「……魔王の力さえも従えて御する実力があるから……できてることなのかも……」

ミスティ「まあ……実際、この都市の空中運行に何らかの事故や被害が発生したなんて話は聞いたことがないものね……」



クロシュ「……!」トコトコ

妖精「イリス、ミスティ……!」パタパタ

トリル「わ、イリスさんにミスティさん……!」スタスタ



イリス「あ、クロシュちゃんに妖精さんに……トリルくん!」

ミスティ「あなたたちも図書館にいたのね。丁度良いわ、ちょっとこれを見てくれる?」

 *
372 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 16:52:28.68 ID:++sINOUq0
クロシュ「……」

妖精「あの気球が、掃除の魔王……。まあ確かに、これだけの都市を持ち上げるほどの浮力を維持し続ける魔力は一体どこから捻出してるのか疑問だったけれど……」

トリル「えっえっ……!? あ、あの大気球が……魔王……!?」

イリス「あっ……」

ミスティ「……陰謀論の話よ。真に受けなくて良いわ」

イリス「そ、そうそう! 私たち、こういう陰謀論けっこう好きだから時々調べてるの!」

トリル「な、なんだあ……びっくりしたあ……」

ミスティ(……陰謀論の本に書いてあることで良かったわ。誤魔化すのも簡単だし……)

トリル「もし本当に眠ってる魔王だったら、何かの間違いで目覚めちゃったら大変だもんねえ」

妖精「休眠中の魔王……うーん……」

イリス「まあ、あくまで陰謀論の話だから、あんまり真面目に考えなくても――」

クロシュ「……あの風船さん……眠ってるんじゃ、ないと思う……」

妖精「えっ?」

ミスティ「どういうこと?」

クロシュ「わたし……自分も、風船になってみて、わかった……。あの、でっかい風船さんは……えっと……からっぽっていうか……」

イリス「……抜け殻?」

クロシュ「あ、うん……! ぬけがら……! あれが、風船スライムなら……きっと、本体は別のとこにいて……」

ミスティ「じゃああれは分体ってこと?」

クロシュ「んゅ……それは……わかんない、けど……。でも……あの風船スライムさんの気持ちは……別の場所に、ある……と思う……」

ミスティ「体と気持ちを分けることなんて可能なの……?」

妖精「心を物質化して体から分離させる魔法とかは実際にあったりするよ。でも魔王を相手に強制的に発動できるかは……。いやまあ大魔女ならやれてもおかしくないかもしれないけど」

イリス「……大魔女様本人に聞いてみたいけど、聞くのが怖い気もする……」

妖精「基本的には穏やかで優しいけど、意に沿わない相手には容赦なく冷徹な対応をしてくる人でもあるから、本人に聞くなら気を付けた方が良いかも。まあこんな陰謀論本の所蔵を認めてるくらいだから多分大丈夫だとは思うけど」

 ◇
373 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 17:15:56.78 ID:++sINOUq0
―夕方
 居住区

トリル「それじゃあぼくはこの辺で帰るよ。またね、クロシュちゃん」

クロシュ「うん……! トリルちゃん、またね……」


ミスティ「ふふ、いつの間に仲良くなったの?」

妖精「一緒にお絵かきしたりしてね。面白い体験――」


  カッ―
      ドガァァァァァ―…ン

   キャァァァァァ!!!


クロシュ「!?」バッ

トリル「い、今のって……?」

イリス「歓楽区の方からだよ!」

ミスティ「行ってみましょう!」

妖精(……厄介なことじゃなければ良いけど……)パタパタ

 ◇
374 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 17:44:59.54 ID:++sINOUq0
―夕方
 歓楽区

 キャァァァァ!!! タスケテクダサイ!! タスケテクダサイ!!!

 市民の死体「」ドシャッ
   市民の死体「」グチャッ
  市民の死体「」ベシャッ

様子のおかしい魔族の青年「殺す……大魔女帝国でぬくぬくと平和に暮らしてる奴らは、全員殺す……」フラフラ

 ザシュッ!!

市民の男A「ぎぇあああああ!!」ブシュッ


市民の女A「いやあああああ!!!」

市民の男B「おおおおい!!? 警備は何してんだ警備は!?」


警備オートマタ「現着ニ成功。暴徒鎮圧ニ移リ」

 闇魔法「」ヴォンッ!! バギュムッ

警備スクラップ「――…」グシャッ


様子のおかしい魔族の青年「ガラクタが……邪魔をするな……」フラフラ

 ザシュッ!!

市民の男B「ぎゃああああああ!!」ブシュッ


 市民の死体「」ドシャッ
   市民の死体「」グチャッ
  市民の死体「」ベシャッ
    市民の死体「」ドチャッ

様子のおかしいレッサースライムの群れ「〜〜♪」モニョモニョ

 モニョモニョ モグモグ
  モニョモニョ モグモグモグ


市民の女A「あ、ああ……スライムが……食べて……いやああああああ!!!!」



トカゲクロシュ「!」シュタタタタッ!!

妖精「こ、これは……何が起きて……!?」パタパタ


↓1〜2複数選択 どうする?
1.魔族の青年を倒す
2.レッサースライムたちを大人しくさせる
3.その他(自由安価)
375 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 17:49:34.22 ID:++sINOUq0
訂正

↓1〜2複数選択 どうする?
1.魔族の青年を倒す
2.レッサースライムたちを大人しくさせる
3.その他(自由安価)

↓3コンマ 誰か来た
01-10 クロ
11-30 スライム殺しの歌姫
31-50 気のせいだった
51-70 ユキ&トム
71-90 ロディナ
91-00 大魔女
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 17:52:54.12 ID:wVTyugXVo
1
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 17:53:39.60 ID:N+94jcpDO
2
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 17:53:52.55 ID:slwE/BtiO
379 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 18:27:00.60 ID:++sINOUq0
 デロデロ…プチッ

分体スライムクロシュ「!」ポン!

クロシュ「えと、あなたは……あの子たちを、止めて!」

分体スライムクロシュ「〜!」モニョ!

 *

レッサースライムA『おいしい、おいしい……♪』モニョモニョ
レッサースライムB『ニンゲン、おいちい……』モニョニョ

分体スライムクロシュ『みんな……人の死体を食べちゃ、だめ』モニョモニョ

レッサースライムA『おいしい、おいしい……♪』モニョモニョ
レッサースライムB『ニンゲン、おいちい……』モニョニョ

分体スライムクロシュ『聞こえてない……? んゅ……めっ!! 食べるの、めっ!!!』モニョニョ!!!

レッサースライムA『んわ〜!』モニャニャ!
レッサースライムB『……あえ……ここ、どこ……?』モニョニョ…?

分体スライムクロシュ『……! みんな、早く逃げて! 街の人に見つかったら、怒られちゃう……!』

レッサースライムA『わわぁ、逃げなきゃ、逃げなきゃ』モニョニョ
レッサースライムB『にげゅ……』モニョニョ

マンホールに吸い込まれていくレッサースライムたち「」モニョニョニョニョ―

分体スライムクロシュ『これで大丈夫かな……?』モニョニョ

 *
380 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 18:28:00.80 ID:++sINOUq0
クロシュ「!」ザッ

様子のおかしい魔族の青年「なんだ……お前も帝国民か、ガキ……」フラフラ

クロシュ「んーん……」

様子のおかしい魔族の青年「ならどけ……。俺が殺したいのはこの国でぬくぬくしてるクソ共だけだ……」フラフラ

クロシュ「……だめ」ジリッ

様子のおかしい魔族の青年「正義ぶりやがって……。ならお前も殺してやる……」バッ

クロシュ「!」

妖精「狂い殺人鬼め! クロシュ、こいつの闇魔法ちょっと異常だから気を付けて!」

クロシュ「ん!」バッ

様子のおかしい魔族の青年「死ね――」シャッ

 ガギンッ!!

 魔族青年の剣「」ギギギギ
 氷の壁「」ギギギギ

様子のおかしい魔族の青年「なんだ……」


クロシュ「!」

妖精「これはミスティ――じゃない!」

ユキ「クロシュさんに妖精さん! 助太刀致します……!」ザッ

トム「オレも来たぜ! ……って、あんたは!!?」ザッ

妖精「知ってるの!?」

トム「お、おう! この人は学園高等部の、天才闇魔法使いの留学生……ヤミリュガ先輩だ!」

ユキ「……なぜこんなことを、ヤミリュガ先輩。普段は理知的なあなたらしくありません」

様子のおかしい魔族の青年「トコナツのガキにオノゴロのガキか……。帝国民じゃないが、邪魔をするならまとめて星に還してやる――」シャキンッ

妖精「だめだ、話が通じない! 一旦大人しくさせないと!!」

 モニョモニョ…ポン!

光メイド剣士クロシュ「闇には……光!!」キラキラ


 ――戦闘開始 魔族の青年――


↓1コンマ
01-10 ??
11-40 劣勢
41-90 優勢
91-00 会心
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 18:32:35.90 ID:bwPNQDwS0
382 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 19:57:53.00 ID:++sINOUq0
様子のおかしい魔族の青年「ぬゥン!!」バッ

 闇魔法「」ヴォンッ!!

トム「うおわっ!?」サッ

妖精「さっきも見たけど、異常な魔力だ……! 出力だけで言えばテロリストのレイン・フォールの闇魔法にも引けを取らない! あれ本当に学生なの!?」

ユキ「いえ……天才とは呼ばれていましたが、世界的なテロリストに並ぶほどでは――」

トム「ドーピングでもしたんじゃねえのか!?」

様子のおかしい魔族の青年「ごちゃごちゃと……!」シャッ

ユキ「!」

光メイド剣士クロシュ「!」シャッ!!

 ギンッ
 闇の剣「」ギギギギ
 光のメイドブレード「」ギギギギ

様子のおかしい魔族の青年「こいつ……! 光属性……!!」

 キンッ
  ギンギンガギンッ
   ザシュッ!

様子のおかしい魔族の青年「ぐっ……!」ズザッ


妖精「入った! 近接戦ならクロシュの方が上だよ! そのまま押しきっちゃえ!」


様子のおかしい魔族の青年「舐めるなよ……!」カッ!!

 闇魔法「」ヴォンッ!!

光メイド剣士クロシュ「!」ササッ

トム「オレもいるぜ先輩!」ジャッ
 炎の斧「」ゴウッ

様子のおかしい魔族の青年「うおっ!」ガギンッ!

ユキ「そこよ! 凍て付け――」コォォォ―


凍てつく魔族の青年「ガッ……!」カチコチ


ユキ「ミスティ先輩から教えて頂いた力……まだ安定しないけど、やれた……!」

トム「やるじゃねぇかユキ!」

ユキ「クロシュさんのお陰よ」
383 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 19:58:34.34 ID:++sINOUq0

凍てつく魔族の青年「くそ……クズの帝国民を……殺さねば……!!」


妖精「まだ喋れるの? 諦めてお縄に……いや、その前に大魔女に見てもらった方が良いね。なんか怪しいし……」

ユキ「このまま凍結を持続させた方が良さそうですね……あっ」


ミスティ「クロシュ! 妖精! それに……ユキとトム!?」タッタッタッ

イリス「みんないたんだ!」タッタッタッ

トリル「ユキちゃん、トムくん〜!」タッタッタッ

エバンス「俺たちも来たぞ!」タッタッタッ

ローガン「何があった!?」タッタッタッ


妖精「みんな来たね。この男が――」


凍てつく魔族の青年「クソ、がァァァァァァ!!!!!」ゴゴゴゴ…ベキベキ…!!


妖精「えっ!?」

ユキ「こ、凍らせられない……!? 私の魔力だけじゃ――」

ミスティ「手伝うわ!! ふっ……!!」コォォォ――


凍てつく魔族の青年「グォァァァァァ……!!!!」ゴゴゴゴ…ベキベキベキ…!!


ミスティ「は、阻まれる……! こいつの強烈な魔力の波動に……!!」グググ

ユキ「う、うぅぅぅ……!!」グググ


 バギンッ!!


漆黒に染まった魔族の青年?「グ、オオオオ……コロス……テイコクミン、コロス……!!」ズンッ


トリル「ひっ……!?」ゾワッ

イリス「あ、あの姿は……!!?」

エバンス「な、なんかやべえぞ……!! ありゃ人間なのか!?」

妖精「……あ、あれは……でも……おかしいよ……」カタカタ

ローガン「妖精くん、どうした!? しっかりしたまえ!!」

妖精「あっ……ご、ごめん!!」

ミスティ「妖精、あの変化に何か心当たりがあるの!?」

妖精「…………」

光メイド剣士クロシュ「……妖精さん……?」

妖精「……魔王化に……少し、似てる……」


漆黒に染まった魔族の青年?「GAAAAAAAAAAAAAA!!!!」ズドォォォォンッ!!!

 ★魔族の青年が〈疑似魔王化〉を発動!
  会心率および痛恨率が大幅に上昇!
  さらにコンマ+100!!
  1ターン後に死ぬ!!

↓1コンマ(仲間到着+100、疑似魔王化-100)
01-30 痛恨
31-40 劣勢
41-70 優勢
71-00 会心
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 20:00:27.78 ID:wi3EjzPAO
プラマイ0
385 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 20:45:17.98 ID:++sINOUq0
漆黒に染まった魔族の青年?「VAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」シュバババッ

 闇魔法「」ヴォンッ!!  闇魔法「」ヴォンッ!!
  闇魔法「」ヴォンッ!!  闇魔法「」ヴォンッ!!
   闇魔法「」ヴォンッ!!  闇魔法「」ヴォンッ!!
    闇魔法「」ヴォンッ!!  闇魔法「」ヴォンッ!!

エバンス「う、うおおおおっ!? なんて数の闇球だよ!?」サササッ

ローガン「少年少女たちは後ろへ! ぬう、しかしこれは我らもまともに受けられんぞ……!!」

ミスティ「なら殺られる前にやるしかないわ! くっ……凍結が効かないなら、いつもの戦技を使うだけよ!!」カッ

 無数の氷柱「」シュバババッ

 闇の障壁「」ヴォン―

 闇に呑まれ消滅していく氷柱「」シュゥン…

ミスティ「防御面も隙がない……!?」

イリス「負の属性で造られた障壁なら……正属性の極地、星属性で貫く!! ちょっと星の魔力お借りします!!」コォォォオ――


漆黒に染まった魔族の青年?「GUOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!」ゴゴゴゴッ!!!

 闇の触手「」バギュオンッ!!!
 闇の触手「」バギュオンッ!!!
 闇の触手「」バギュオンッ!!!
 闇の触手「」バギュオンッ!!!

イリス「っ!!!」

妖精「まずい、イリスが狙われ――」

光メイド剣士クロシュ「!!!!」グオオオッ!!!
 光刃メイドブレード「」バシュウンッ!!

 ズバァッ!!!!
 闇の/触手「」ボトッ

エバンス「させねえよ!!」シュバッ!!

ローガン「実体のある存在ならば!!」シュバッ

ミスティ「凍れ!!」カッ!!

 ズバアッ!! ズバァッ!!! ガギンッ!!!
 闇/の触手「」ボトッ
 闇の触/手「」ボトッ
 凍った闇の触手「」カチコチ

イリス「みんな……! ありがとう……準備、できたよ……!」ゴゴゴゴ…!!
 星の魔力「」バチバチ…!!


ユキ「この、力は……」

トム「なんだ……? すっげえ……あったかいっつうか……」

トリル「ぼく……知ってる、気がする……」


イリス「いっけぇぇぇぇぇ!!!!」カッッッッ!!!!

 星光の奔流「」ギュオオオオオオッ!!!!

漆黒に染まった魔族の青年「ガ――」


 迫りくる星光の奔流「」ギュオオオオオ――

魔族の青年『……ああ……星の、光……』

魔族の青年『これを……この暖かさを……みんなにも――』

 ジュッ―

 ――戦闘終了――

 ◇
386 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 20:51:32.41 ID:++sINOUq0
―夜
 歓楽区

 ザワザワ…

エデン新聞記者「事件現場を拝見させていただいてもよろしいですか?」

ハーピィ記者「留学生が帝国民を憎んで引き起こしたテロというのは本当ですか!?」

上級オートマタ「立入禁止です。申し訳ありませんが迂回をお願い致します」ペコペコ

治安ホムンクルス「治安担当です、どいてください〜」

 *

クローディア「……本当にありがとう……。あなたたちが彼を止めてくれなければ、被害は今よりも遥かに大きくなっていたわ……」

妖精「や……まあ、それはいいんだけど……」

クロシュ「……えと……あの、人は……?」

クローディア「消滅してしまいました」

イリス「……」

クローディア「イリス・プラネットの責任ではありません。ルーファスの解析によれば、彼が消滅した直接の原因は……彼自身の、あの異常な変化だったのです」

イリス「えっ……?」

妖精「ええと……あれ、何だったの……?」

クローディア「……現時点では、はっきりとしたことは何も言えませんが……彼は恐らく、被害者です」

妖精「……」

クローディア「……私たちの追っている者が……悪意を数段引き上げてきたようです」

 ◆
387 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 21:08:19.05 ID:++sINOUq0
―大魔女帝国 滞在8日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
388 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 21:09:20.76 ID:++sINOUq0
―朝
 宿舎 宿泊室

 チュンチュン

 エデン新聞「」バサッ
 「善良なる市民を襲った卑劣なテロ。犯行は留学生によるもの」
 「大魔女帝国の優れた生活水準を妬んでの犯行か」
 「妬みと思われる発言を多数の目撃者が聞いており――」
 「一部の市民間では、外国人滞在者を排斥すべきという主張が俄に広がっている」

 「お手柄! この国にもやって来ていた、ダークヒーロー一行!」
 「ダークヒーローイリスの新技!? まばゆい光で悪を討つ!」
 「ダークスライムのクロシュちゃん、華麗なる光のメイド剣技」
 「ダークヒーローたちと共に戦った三人の勇敢な学生に迫る」


イリス「……昨日のこと、もう新聞になってるね」

ミスティ「ええ……。私たちのことも載ってるわ……」

クロシュ「……」ジッ

イリス「ん、クロシュちゃんも読む? クロシュちゃんはダークスライムってことになってるよ」

クロシュ「ん……」

ミスティ「ダークスライム……。じゃあ妖精はダークフェアリーだったりするのかしら?」

妖精「ええ……。いやまあ、なんでもいいけど……」



クロシュ(レッサースライムさんたちのことは……書かれてないみたい……)

クロシュ(よかった……。あの子たちも……何者かに操られてたみたいだし……)

クロシュ(…………どうして犯人は……あんなひどいこと、したんだろう……)


大魔女帝国滞在8日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/10/19(土) 21:09:43.56 ID:hEHLuL+o0
クロシュ達が偶然広場でヨハンナと出会う
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 21:09:55.17 ID:bwPNQDwS0
クロシュ、皆を乗せて空飛ぶ特訓
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 21:10:06.74 ID:98JtFNJc0
ローガンエバンス、トムの修業に付き合う
392 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 21:28:00.65 ID:++sINOUq0
―広場

風船クロシュ「」フヨフヨ モニョモニョ


イリス「わあ! 本当に風船スライムさんみたい!」

ミスティ「凄いじゃない! 風船スライムみたいに荷物を乗せて飛んだりとかもできるの?」


風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ

妖精「試すだけ試してみる?」

風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョニョ

妖精「確かに、風船の姿じゃみんなを乗せて飛ぶのは難しいか。どこかに風船で吊り下げるのに丁度良いカゴみたいなのがあれば良いんだけど……」

ミスティ「カゴ……それなら、私のソリはどう? ちょっとバランスは悪いけれど、ローガンさんの補強のお陰で軽量化もバッチリだし……」

イリス「そういえば今回はソリを持ってきてたんだよね」

 *

風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ
 吊り下げられたソリ「」ポン


妖精「よし、それじゃあソリに乗ってみよう」

イリス「だ、大丈夫かな……?」

ミスティ「難しそうなら無理しないのよ、クロシュ」

風船クロシュ「〜〜」モニョニョ


↓1コンマ
01-30 まだ難しい……
31-60 浮くだけならなんとか
61-90 浮いて移動できる(風経験+1)
91-00 それはそれとして風になった(風経験☆)
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 21:33:30.87 ID:QNuDAup6O
風になれ
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 21:34:49.99 ID:hlZFtp0po
行ける行ける!
395 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 21:55:54.23 ID:++sINOUq0
風船クロシュ「〜〜」モニョニョ…グググ…
 吊り下げられたソリ「」グググ…フワッ


イリス「わっ……!」

ミスティ「う、浮いたわ……!」

妖精「おお……! クロシュ、大丈夫そう?」


風船クロシュ「〜〜」モニョモニョ フヨフヨ


妖精「全然大丈夫だって!」

イリス「そうなんだ!」

ミスティ「ふふ、良かったわ」


風船クロシュ「〜〜」モニョモニョ

 フヨフヨ スイー…

イリス「わ、移動してる!?」

妖精「風は吹いてない……てことはクロシュが自分で移動してるの!?」

風船クロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「自分で動かしてるって!」

ミスティ「凄いじゃない! これならどこにでも飛んでいける――」


風船クロシュ「〜〜」モニョモニョ

 スイー… ノロノロ…


妖精「まあ……風向き次第だね。クロシュの自力だけじゃまだあんまり速く動けないみたいだし……」

イリス「じゃあ私と妖精さんが風を吹かせてあげれば……!」


風船クロシュ「〜〜…」モニョニョ… フヨフヨ…

妖精「あ、うん! もう降りて良いよ!」

イリス「あ……もしかして……」

ミスティ「疲れちゃった……?」

妖精「うん……。実を言うと、この風船化はちょっと不思議なんだ。風船スライムと同化してるわけでもないのに、風船スライムの固有能力である浮遊をなぜか使えるようになってたりするし。擬態は形だけのはずなんだけど……」

ミスティ「そういえば、確かに……」

イリス「普通とは違うことをやってるから、疲れやすいのかな……?」

妖精「そういう面はあると思う」


妖精(……やっぱり、あの本を読んだ影響? あの本に風船スライムの……因子みたいなものが含まれてて、知らず知らずのうちにそれを取り込んじゃったとかかなあ。何にせよ、しばらくは様子を見てあげないとね)

 ☆クロシュが風船状態で人や物を運べるようになりました
  ただし現在はまだ慣れていないのか疲れやすいようです
  また、風経験が+1となり、[11/12]になりました

 ◇
396 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 22:07:28.72 ID:++sINOUq0
―広場

 噴水「」シャワシャワ


スライムクロシュ「」デロデロ…

イリス「お疲れ様、クロシュちゃん。休憩しようね」

ミスティ「せっかく外に出したわけだし、ソリの整備でもしようかしら……」スクッ

妖精「……ん?」


「……」スタスタ


↓1コンマ
01-10 スライムスレイヤー
11-50 嫌悪の視線
51-90 懐疑の視線
91-00 ???
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 22:07:57.22 ID:bwPNQDwS0
398 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 22:51:16.38 ID:++sINOUq0
ヨハンナ「……」スタスタ


イリス「あれは……前に劇場で歌ってた歌手の……」

ミスティ「こっちを見てる……というか――」

スライムクロシュ「……」モニョ…

妖精「クロシュを、睨んでる……?」


ヨハンナ「……」

ミスティ「……何? 喧嘩なら余所で売ってくれる?」

ヨハンナ「ああ……申し訳ありません……」

妖精「……この子が何かした?」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…

ヨハンナ「いえ……そういうわけではないのですが……。すみません、スライムが少し苦手で……」

スライムクロシュ「……」モニョ…

イリス「え、えと……! この子は別に何も悪さとかしない、優しい子です! えと、なので……いえ、別に何もしなくて良いんですけど……」

妖精「まあでも……ここ大魔女帝国じゃ、知性ある種族は平等に人権が与えられるんだよね? スライムだって大体の種族は人間とかと同程度の知性があるし、実際大魔女本人も認めてるはず。外でのんびりしてたって良いでしょ?」

ヨハンナ「……そうですね。その通りです。失礼致しました。ただ……もしレッサースライムだったら、見過ごせませんから……」

イリス「えっ……?」

ミスティ「どういうこと……?」

スライムクロシュ「……」

ヨハンナ「レッサースライムは、知性を持たない危険なスライムです。見つけたら積極的に駆除しなければ……」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…

妖精「……レッサースライムだって人間の害になることは滅多にないし、むしろ自然界においては水や空気の浄化に欠かせない役割を持っていたりするんだよ。それでももし何か問題があれば行政担当のホムンクルスとかが何とかするでしょ、個人がどうにかすべきことじゃ……」

ヨハンナ「何かあってからでは遅いですよね? この間だって、劇場でいきなりレッサースライムが落ちてきて……」ゾワッ

イリス(あっ、あの時の……! あの音魔法、パニックになって暴れてたわけじゃなくて明確な殺意を持ってレッサースライムを殺してたの……!?)


ミスティ「……帰りましょう。クロシュにとって毒にしかならない」スクッ

イリス「あ、ええっと……」

妖精「……そうだね。帰ろう、クロシュ」パタパタ

スライムクロシュ「……」モニョ…


↓1〜3多数決
1.何も言わずに帰る
2.人の姿に擬態し、レッサースライムを殺さないようお願いする
3.その他(自由安価)
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 22:53:36.65 ID:wi3EjzPAO
2
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 22:57:36.91 ID:N+94jcpDO
2
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 23:10:30.79 ID:M2wHD2QZO
3 人に擬態して何でレッサースライムを嫌っているか聞いてみる
402 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 23:26:11.91 ID:++sINOUq0
 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「あの……」

妖精「クロシュ……!」

ヨハンナ「!? まさか……擬態……!?」

クロシュ「えと……レッサースライムさんたちも……一生懸命、生きてて……。何も、悪いことしてないのに、殺すのは……しないで、ください……。あっ……えと……お腹が減って、ごはんにするためとか、なら……仕方ないけど……」モニョモニョ…ペコリ

イリス「クロシュちゃん……! え、えと……私からも、お願いします……! 命は……大切にすべきものなんです……!!」

ミスティ「……私も……お願いします。無益な殺生は避けるべきだと……大魔女様も仰っていました」ペコ

妖精「………お願い。スライム語が理解できればわかるんだけど、レッサースライムたちは本当に無邪気に、ただ生きてるだけの子たちなんだよ。あなたが過去スライムに何をされたのかはわからないけれど……今を生きるスライムたちには、関係ないことのはず。どうか、賢明な判断を……」ペコリ


ヨハンナ「……」


↓1コンマ
01-50 (え、人に擬態とかこわ……。やっぱりスライムは殲滅しないと……)
51-90 (一理、あるかも。でもスライムの言葉なんて……)
91-00 (……でも……スライムを大切にすべき命と認めたら……私は……)
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 23:27:15.54 ID:bwPNQDwS0
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/19(土) 23:35:24.83 ID:hlZFtp0po
5割響かないのを完結超えた……!
405 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 23:43:07.01 ID:++sINOUq0
ヨハンナ「…………考えさせて、ください」

クロシュ「……!」

イリス「ありがとう! 考えてくれるだけでも嬉しいです!」

ミスティ「……優しい結論を出してくれることを祈っているわ……」

妖精「まあ……さっきも言ったけど、問題があればホムンクルスや大魔女に頼んだ方が良いよ。うん」


ヨハンナ「……あなたたちは……スライムを、とても大切になさっていらっしゃるんですね」

イリス「えっ? うーん……そうなのかな?」

妖精「普通だと思うけど……」

ミスティ「別に……。この子……クロシュが大切なだけよ」

クロシュ「んへへ……」

ヨハンナ「……今日は、勝手に絡んだような形になってしまい申し訳ありませんでした。皆さんから頂いた言葉……ゆっくり考えさせていただきます」ペコリ

妖精「まあ……スライムは基本的にのんびりしてる良い子が多いから、好きになれとは言わないけどあんまり敵視しないでやってくれると嬉しいかな」

クロシュ「うん……。お願い、します……」ペコリ

 ☆ヨハンナに考えさせることに成功しました

 ◆
406 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/19(土) 23:46:31.27 ID:++sINOUq0
というわけで本日はここまでとなります。次回はローガンとエバンスとトムくんの修行編となります

暴走青年とのバトル、突然の疑似魔王化、そして避けられぬ消滅……。敵は姿を隠したまま、着実に悪意のギアを上げていっているようです
そしてスライム風船運送の真似事をしてみたり、スライム嫌いのヨハンナ氏を相手にめげずにお願いをしてみたりと、本日のクロシュ氏もがんばったようでした
ヨハンナ氏はギリギリ失礼にならない程度の態度をなんとか装っていますが、実のところ極度のスライム嫌いなのでクロシュ氏が相手の今回もかなり無理をしていた可能性はあります。実際5割でスライムへの印象が悪化していた邪悪なコンマ判定をくぐり抜けて考えさせることに成功したのはすごくすごいことだったと言えるかもしれません。今後ヨハンナ氏がスライムにとって優しい結論を出してくれることを願わずにはいられない、と妖精も思っているかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 05:57:27.64 ID:x4eEwMm4o
おつおつ
風船スライムの能力も使えるようになって移動が更に楽になる、かな?
擬似魔王化……恐ろしいことやってんな(多分)アイツ
408 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 16:03:04.87 ID:Wh5qebX70
まだクロシュ氏は風船化に慣れてはいませんが、もっと慣れて自由に空を飛べるようになれば非常に優れた移動が可能となるでしょう
疑似魔王化がどのようなものなのかは今のところわかりませんが、ものすごく邪悪な手法による変化なのは疑いようのないことです。本物の魔王化よりも力の向上はかなり控えめで、ある程度の時間が経つと自滅してしまうという巨大な欠点があるようですが、邪悪なる黒幕は口封じもできて一石二鳥くらいに思っているかもしれません
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 16:03:33.32 ID:Wh5qebX70
―居住区
 公園

 噴水「」シャワシャワ

トム「ふんっ! せいっ!」
 斧「」ブンッブンッ


エバンス「お、昨日一緒に戦ってくれた少年じゃないか」スタスタ

ローガン「こんなところで修行か……?」スタスタ

トム「あ、ダークヒーローのおっさんたち! 昨日はありがとな!」

エバンス「おう。君こそクロシュちゃんと一緒に戦ってくれたんだろ?」

トム「へへ、あんま役に立てなかったけどな。クロシュさん剣技も魔法も強いとか反則だろ!」

ローガン「うむ……彼女のポテンシャルは輝きを秘めている。だが君の斧術もなかなかだった。その若さでそれだけ斧を使えるなら大したものだぞ」

トム「若さを理由に褒められてもなあ……。それってつまり、大人から見たらまだまだってことだろ?」

ローガン「はっはっは、言うではないか!」

エバンス「けどそういう反発心は大事だと思うぞ! よし、ここは俺たちも修行してくか!」

ローガン「それも悪くないが……正式な修行場などはないのか?」

トム「学園が開いてれば競技場で修行できるんだけど、今休校中だからさ」

エバンス「なるほど……ならまあここでいいか!」


↓1コンマ
01-30 剣技経験+1
31-60 剣技経験+1、魔法経験+1、トムLV+1
61-90 剣技経験+2、魔法経験+1、トムLV+2
91-00 剣技経験+3、魔法経験+2、トム覚醒
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 16:06:04.49 ID:QGsdq2MoO
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 17:11:46.88 ID:Wh5qebX70
 ガギンッ
   ギンッ
    ドガァンッ!!

トム「ぐわあーっ!」ドガッ ゴロゴロ

エバンス「うおっすまん! 大丈夫か!?」タタッ

トム「へっ……よ、余裕!」シャキッ

ローガン「根性で言えば既に一人前以上だな」

 *

トム「ぐへぇ〜っ! も、もうだめだ……」バタッ

エバンス「お疲れ。戦いの中で成長してたぞ、自分で気付いてたか?」

トム「一応頭使いながら戦ってたからなぁ……。おっさんたちの動きも参考になったし」

ローガン「やはり若い分、我々より成長も速いし伸び代もあるようだ」

エバンス「うっ……俺もけっこう若いつもりでいたが、けっこうヤバイのか?」

ローガン「エバンスくんは現時点で十分な実力もあるし成長も続けている。悲観する必要はないだろう」

エバンス「そ、そうか。だがそういうローガンの旦那も、その歳でけっこうまだまだ剣技が磨かれてるぜ」

ローガン「うむ……私も人生の後輩たちにはまだ負けられぬ」

 ☆ローガンとエバンスが剣技と魔法の経験を+1積みました
 ☆トムの戦闘レベルが上がりました

 ◆
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 17:12:15.77 ID:Wh5qebX70
―大魔女帝国 滞在9日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
413 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 17:22:37.69 ID:Wh5qebX70
―朝
 宿舎 宿泊室

 チュンチュン

 エデン新聞「」バサッ
 「自爆テロ再び! またも善良なる市民に犠牲者」
 「今回も犯行は国外からの滞在者によるもの」
 「外国人滞在者への在留許可基準に疑問の声」


イリス「えっ……!? 昨日もあったの、テロが……?」

ミスティ「これ……やばいんじゃないの? まだ裏で糸を引く黒幕は見つかっていないのでしょう?」

妖精(……しかも……この黒幕は、クロシュを造ったと思わしき邪悪な魔法使い……。今もなおクロシュの分体を操って、一連の事件の裏で暗躍しているとすれば……クロシュの身も、安全とはとても言えない……)

クロシュ「……」

イリス「一昨日までは、ここまで露骨な被害を出す事件は起こしていなかったのに……。犯人の目論見は一体何なの……?」

ミスティ「滞在者を操って市民を攻撃するように仕向けているみたいだけど……大魔女はなぜそのことを公表しないのかしら? このままじゃ他の滞在者に余計な憎しみが向いてしまうわ……」

妖精「……大魔女ですら手を焼く危険な魔法使いが暗躍してる……なんてことをここの国民が知ったら、多分もっとまずいことになるからだと思う。大魔女への信頼と信仰心が揺らぎ、底知れぬ犯人への恐怖が蔓延して……最悪、この国の秩序は崩壊することになる」

ミスティ「……! なるほど……良くも悪くも、大魔女への信仰によって成り立ってる国だから……それを揺るがすような情報は絶対に公開できないってこと……」

イリス「で、でも……このまま自爆テロが発生し続ければ、大魔女の責任を問う声が出るのも時間の問題じゃないの……!?」

妖精「うん……。だから多分、大魔女は今必死に事件解決の為に動いているはず。何もかもが手遅れになってしまう前に」

ミスティ「……黒幕は、そこまで把握した上でやってるのかしら」

妖精「その可能性は高い……。この犯人、あの大魔女ですら未だ尻尾を掴めないほど痕跡を消すのが上手いんだ。極めて危険で悪意に満ちた輩なのは間違いない……」

イリス「………大魔女でさえ欺くほどの実力を持っているのに……その力を、こんな酷いことに使うなんて……。同じ魔法使いとして……私、絶対に許せないよ」グッ

妖精「……」


妖精(正直に言って、めちゃくちゃに危険でやばい相手だ。大魔女を欺くほどの手腕だけでなく、クロシュを造って洗脳したということや、昨日のテロリストを操って魔王化のような現象まで引き起こした……。まともに考えれば、絶対に関わってはいけない存在だ……)

妖精(でも……ここで奴から逃げても、その先が安全だなんて保証はどこにもない。クロシュが奴に造られたのだとするなら、きっとこの先もクロシュはそいつに狙われる危険に晒され続ける……。だったら、大魔女に喧嘩を売っているこの状況を利用して、大魔女と共に奴を討ってしまうのが一番良い)

妖精(クロシュも、みんなも……絶対に、傷付けさせるもんか)


大魔女帝国滞在9日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:22:59.71 ID:mf2yUGkp0
ミスティ、ユキと模擬戦
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:23:39.57 ID:0JvDRc5yo
クロの出生話を聞く
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:23:46.27 ID:xX6JP2uDO
クロシュ達とトムやトリルと食事所で食事
故郷の事についてや故郷の知り合いについて話したりする
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 17:31:56.20 ID:xX6JP2uDO
クロシュ達、がクロシュ達とになって文章が変になってしまった
失礼しました
418 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 18:06:41.40 ID:Wh5qebX70
―居住区
 公園

ミスティ「静かね……」スタスタ

イリス「昨日と一昨日のテロ事件で、不要な外出は控えるようお触れが出たんだって。だからまあ、私たちも実はなるべく外に出ない方が良いんだけど……」スタスタ

ミスティ「そのお触れを出さなければならない原因を突き止める為に外に出たのだから、必要な外出よ」

イリス「まあそれもそうだね……ん?」


ユキ「せっ! はあっ!」

 氷「」ガギンッ!


ミスティ「あら……」

イリス「ユキちゃんだ! 公園で……修行?」

ユキ「ミスティさん、イリスさん! ええ、まあ……昨日や一昨日のこともあったので、いつでも敵と戦えるようにしておかなければ、と……」

ミスティ「でも、犯人は滞在者を操って自爆テロに差し向けているのよ……? 一人で外に出ているのは危険だわ……」

ユキ「あっ……確かに。すみません、迂闊でした」

イリス「まあでも、今は私たちが来たから大丈夫だよ!」

ミスティ「そうね……。良ければ、私たちも修行に付き合うわ」

ユキ「良いのですか?」

イリス「もちろん! 私たちも、いつでも犯人と戦えるように力を付けておかないとだから」

ユキ「あの……それではミスティさん。私と、模擬戦をして頂けませんか」

ミスティ「えっ。いや、いいけど……どうして?」

ユキ「一昨日のミスティさんの動き……同じ氷魔法使いとして、とても洗練されているように見えました。できれば、それをもっと間近に見てみたいのです」

ミスティ「……ユキが言うほど整ったものじゃないわよ。いつもがむしゃらにやってるだけだし……。学園で真面目に学んでいるユキの方が洗練されていて強いと思うわ……」

ユキ「いえ、そんなことはありません。お願いします」

ミスティ「わ、わかったわよ。イリス、審判やってもらっていい?」

イリス「了解!」


 ――模擬戦闘開始 学生雪女のユキ――


↓1コンマ
01-20 敗北 魔法経験+1、ユキLV+1
21-60 勝利 魔法経験+1、ユキLV+1
61-90 勝利 魔法経験+2、ユキLV+2
91-00 会心 魔法経験+4、ユキ覚醒
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 18:19:46.35 ID:QGsdq2MoO
420 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 18:45:28.19 ID:Wh5qebX70
ミスティ「じゃあいくわよ……凍れ!」カッ

凍り付くユキ「!」パキパキ…

イリス「わっ! ちょっとミスティやりすぎじゃ――」

凍り付くユキ「いえ……問題ありません。だって私は――」パキパキ―

ミスティ「!!」

 パキンッ―
  コォォォォ――

氷の魔力を纏ったユキ「雪女ですから――」コォォォ

ミスティ「そりゃそうよね!」

ユキ「今度はこっちから行きます。ミスティさんに教えて頂いたこの技で……!」カッ!

ミスティ「!」サッ

 凍る地面「」パキッ!

ユキ「はっ! 凍て付け!」カッ! カッ!

ミスティ「っ!」サッサッ

 凍る地面「」パキッ!
  凍る地面「」パキッ!

ユキ「くっ……当たらない……!」

ミスティ「その技……集中と発動に若干時間がかかるのよ。あなたも気付いていると思うけど」

ユキ「むう……弱点も熟知しているのは当然ですか」

ミスティ「ええ。知らない相手にならほぼ確実に不意を付けるんだけどね」

ユキ「ならば……私の得意技をお見せします!」カッッッ!!

ミスティ「!」


イリス「こ、これは……!」


 吹雪の渦「」ビュオオオオオッ!!!


ミスティ「雪の、竜巻……!?」

ユキ「雪女に伝わる、相手を凍死に至らしめる極意です」


凍っていくミスティ「くっ……まずい、体が冷えて……」パキパキ

ユキ「さあ、どうしますかミスティさん……!」

凍っていくミスティ「そうね……こういう時は――」カッ

 氷塊「」ドンッ!!

ユキ「お、大きな氷の塊……!?」

凍っていくミスティ「氷属性が効かないなら……物理で殴るだけよ!!」シュバッ
 氷塊「」グオオオッ!!

ユキ「えっ……ひ、ひやああああっ!!!」アタフタ

 バゴンッッッ!!!!

ユキ「はうっ……」フラッ

 ドサッ…

ミスティ「はっ……し、しまった! ユキ、ユキ!」ユサユサ

イリス「し、試合終了!!」

 *
421 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 18:45:57.04 ID:Wh5qebX70

ユキ「……試合、ありがとうございました……!」

ミスティ「い、いえ……。それよりごめんなさい、つい熱が入ってしまって……」

ユキ「大丈夫です、雪女は怪我の治りも早いので。むしろ私こそ……氷が効かない雪女の身でミスティさんに勝負を挑んでしまうなんて、卑怯な真似をしてしまい……」

ミスティ「いえ、それは別にいいわ……。むしろ、氷が効かない相手にどう立ち回るかの勉強になったもの……」

ユキ「そうですか。私も……ミスティさんの戦技を間近で見て、体験することができて、とても勉強になりました……!」

ミスティ「それなら良かったわ。引き続きがんばっていきましょう」

ユキ「はいっ……!」


イリス(……前から少しそんな気はしてたけど……ミスティって、実はけっこう脳筋じゃ……?)


 ☆ミスティの魔法経験が+1となりました
 ☆ユキの戦闘レベルが上がりました

 ◆
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 19:07:50.30 ID:x4eEwMm4o
脳筋激情派だよ
423 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 20:16:18.23 ID:Wh5qebX70
―宮殿
 クロの部屋

クロ「わあ……。クロシュちゃんに妖精さん……」

クロシュ「こんにちは……」トコトコ

妖精「お見舞いに来たよ。調子は……良いわけないか」パタパタ

クロ「うん……。わたし、大魔女さまのお手伝いをしなきゃいけないのに……」

妖精「大丈夫。例の犯人に狙われたんでしょ? それならここにいた方が良いって。その方が大魔女も安心できるだろうし」

クロ「でも……大魔女さまのこと、心配……」

妖精「大魔女ならそれこそ大丈夫でしょ」

クロ「うん……」

 *

クロ「わあ……友達を探して、世界樹の光を追ってるなんて……すごいなあ……」

クロシュ「んへへ……」

妖精「光を追えば、フメイたちの道とも交わるだろうからね。一石二鳥なんだよ」

クロ「……不謹慎だけど……ちょっと、羨ましくなっちゃった……」

クロシュ「ほえ……?」

クロ「わたし……友達、いないから……」

妖精「え、そうなの?」

クロ「うん……。わたし、こんな見た目だから……大人には子供扱いされて……かといって、子供たちの輪にも入れないし……。教授仲間にも、大魔女さまの秘書だからってちょっと距離を置かれちゃうの……。それに……」

クロシュ「……」

クロ「あ、でも……! えと、大魔女さまには、本当にとっても良くして頂いてるよ……! だから、寂しくなんてないの。本当に……ちょっとだけ、羨ましいなって……思っただけ……」

クロシュ「………じゃあ……わたしが……クロさんの、友達……!」

クロ「え……?」

クロシュ「友達……!」ニコニコ

クロ「クロシュちゃん……」

妖精「良いんじゃない? 同じ黒髪の幼女みたいな外見なんだし。まあクロシュのはフメイの擬態だけど」

クロ「でも……わたし……」

クロシュ「?」

クロ「わたし……本当は……」

妖精「……?」

クロ「…………ううん……。なんでも……ない……」

クロシュ「……」

クロ「えへへ……わたしなんかの友達になっちゃ、だめだよ。クロシュちゃん……」グスッ

クロシュ「………」


↓1〜3 自由安価 クロさんとどんな風にどんなお話をする?
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 20:25:16.58 ID:rHy2Sqp3O
自尊心の低いクロに友達ったら友達だとわからせてやる
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 20:30:30.84 ID:fFb/2tA5O
自分は友達を大切にするみたいな事を伝えつつ何で友達になっちゃダメなのか聞いてみる。
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 20:36:24.53 ID:0JvDRc5yo
分体クロシュを作りクロにあげることでこの国から旅立っても友達として一緒に入れるようにする
427 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 21:00:19.84 ID:Wh5qebX70
クロシュ「……えと……どう、して……?」

クロ「……」

クロシュ「わたし……やだ……?」

クロ「ち、違うよ……! クロシュちゃんのこと、嫌なわけないよ……。でも……その……」

クロシュ「……?」

クロ「……わたし……誰かを、好きになっちゃ……いけないの……」

クロシュ「……??」

妖精「どういうこと……? 好きになるのがいけないなんて決まり、この世のどこにもないと思うけど……」

クロ「……ごめんなさい……。詳しくは……言えないの……」

クロシュ「………えと……わたし……クロさんの、こと……大切に、できる……!」

クロ「や、やめて……! 大切に……しないで……。わたしを……愛さないで……」

クロシュ「……???」


妖精(……本当に、どういうこと……? 一体このクロという子に、どんな事情があるの……?)


クロシュ「……!」ピコン!

 デロデロ…モニョモニョ…プチッ

分体スライムクロシュ「!」ポン!

クロ「えっ……。クロシュちゃん……それは……」

クロシュ「んへへ……わたしの、分体……!」

分体スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

クロ「えっ……」

クロシュ「えっとね、今……分体のわたしが、これからよろしくねって……」

クロ「ううん……。わたし……わかるよ……。スライムの、言葉……」

クロシュ「ほえ……」

妖精「え、わかるの!?」


分体スライムクロシュ『わあ〜』モニョモニョ キャッキャ

クロ『えっと……よろしくねって、どういうこと……?』モニョモニョ

分体スライムクロシュ『えっとね……クロさんが、寂しくないように……分体のわたし、ここにいる……!』モニョモニョ

クロ『ええっ……!?』モニョニョ…!?

分体スライムクロシュ『んへへ……クロさんも、スライムなの……?』モニョモニョ

クロ『わたし……わたし、は……』モニョ…モニョ…


↓1コンマ(会話補正+30)
01-50 話せない
51-90 話す+友達になれない……
91-00 話す+友達になる
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 21:02:30.26 ID:8ZxIxN2I0
今日からお前も友達だ!
429 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 22:15:07.52 ID:Wh5qebX70
クロ「えっとね……。わたし……本当は……」

クロシュ「……」

クロ「……魔王、だったの……」

クロシュ「!?」
分体クロシュ『!?』モニョ!?
妖精「え、え……ええっ……!!!?!?」

クロ「かつて……この世界を荒らした……悪い、魔王だった……。当時の記憶は、大魔女さまに取り除いてもらったから、わたしはもう何も覚えていないんだけど……。でも……わたしは……魔王、だったの……」

妖精「う、嘘……」

クロ「この街を吊り下げてる、大きな気球……あれが、魔王だったわたしの遺骸……。大魔女さまは……あれを利用して、この街を浮かせているの……。確か……当時は、掃除の魔王って、呼ばれてたんだって……」

妖精「掃除の、魔王……!? じゃああなたは、まさか――」

クロシュ「……風船スライム、さん……?」

クロ「わあ……妖精さんと、クロシュちゃんも……知ってたんだ……」

クロシュ「んゅ……」

クロ「…………だから……友達には、なれないの。だって……たくさんの命を奪ったわたしに、誰かに愛されたり、愛したりする資格なんてないし……。きっと、魔王なんかが愛を望んだら……この国は、最悪なことになっちゃうもん……」

クロシュ「そんなこと……ない……! だって……クロさん……寂しいもん……!!」

クロ「いいの……。わたし、わかってるもん……」

クロシュ「んゅゅ……」

クロ「……分体……わざわざ、わたしのために作ってくれたのに……ごめんなさい」

 クロに持ち上げられる分体スライムクロシュ『〜〜…』モニョニョ…

クロ「わたしなんかのために身を裂いちゃ、だめだよ。はい……」

 クロシュに戻っていく分体スライムクロシュ『』デロデロ…モニョモニョ…

クロシュ「んゅ………」ジワワ

クロ「ああ、泣かないで……。わたし、本当にクロシュちゃんのこと……全然、嫌いじゃなくて……。えと……でも……わたしなんかの友達に、なったら……良くないから……」

妖精「……良くないから……大切に思えるから、友達にできないんだ」

クロ「あっ……」

妖精「……矛盾してる。クロは、この街のことも、大魔女のことも……たくさんのものを既に大切に思って、愛してるでしょ。そして元魔王が愛したものが酷いことになるっていうなら、この街も大魔女もとっくに酷いことになってるはず。でもそうなってない。それは……クロが誰かを愛したって、何も悪いことなんて起きないからでしょ!!」

クロ「っ……!」

妖精「そもそも大魔女が施した術なら、元魔王だろうが何だろうが現実に悪い影響を及ぼす力なんて残ってるわけないでしょ!! 観念してクロシュの友達に――」

クロ「ちがう……わたしなんか……わたし、なんか……」

クロ『〜〜〜……』モニョモニョモニョ…

 扉「」バァンッ!

クローディア「そこまでよ!」

妖精「あっ……!」

 ◇
430 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/20(日) 22:17:16.70 ID:Wh5qebX70
―宮殿
 応接室

妖精「えっと……その……ごめん。私……クロに、酷いことを……」

クロシュ「んゅ……」

クローディア「……クロのことは、クロ自身から聞いたのでしょう? それなら仕方ありません。あなたたちがクロのことを思って、あのようなことを言ったのも理解しています。むしろ私は……クロの友達になろうとしてくれてありがとうと、感謝しなければならない……」

妖精「……」

クローディア「……あの子があんな性質になってしまったのは……私があの子に魔王だったことを教えてしまったたことや、魔王としての感情の全てを取り除いてあげることができなかった私の落ち度なの。もっと上手くやれていれば……あの子を苦しませることなんてなかった……。当時の私は……あの子のことを、強力な浮遊物体としてしか見ていなかった……」

クロシュ「……」

クローディア「ええ……そうよ。この楽園を作り上げる為に、私は魔王の力を利用したの。丁度良いタイミングで丁度良い浮遊物体が出てきてくれたな、なんて思ったわ。あの子が……どんな思いで魔王になって、どんな慟哭を上げながら地上を破壊していたのかも知らず……知ろうともせず……」

妖精「……!」

クロシュ「……」

クローディア「後になって……あの子が、誰かを愛したり愛されたりすることに酷い罪悪感を覚えてしまう……魔王だった頃の後遺症とでも言うべき症状を抱えていることに気付いた。でもその頃にはもうエデンの運行も軌道に乗り始めていて……下手なことをすれば、エデン諸共魔王の力で消滅してしまう危険があったの。だから……クロの苦しみを知りながら、私は見てみぬフリしかできなかった……」

妖精「そんな……そんなことって……!」

クローディア「たった一人の女の子を生贄にして、この街は安全で快適な高度を保っているの。それがこの……楽園の真実。フフ……最低でしょう?」

妖精「……」

クロシュ「……」


↓1〜 先取3票 クロシュはどう思う――
1.最低だ
2.最低じゃない
3.わからない
4.どうにもならない
0.その他(自由安価。票数は内容ごと)
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 22:18:46.68 ID:mf2yUGkp0
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 22:32:08.43 ID:8ZxIxN2I0
0 大魔女さまもクロさんも苦しんでいたんですよね
過去はどうにもならないけど、今からでもなんとかしたいです
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 22:40:54.80 ID:xX6JP2uDO
>>432
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/20(日) 22:45:46.40 ID:x4eEwMm4o
>>432
435 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/21(月) 00:19:30.38 ID:blgyV6460
クロシュ「………大魔女さんも……苦しんで、いたの……?」

クローディア「いいえ。苦しんでいたのはクロ一人。私が苦しんでいたなんて、烏滸がましいにも程があるわ」

クロシュ「……でも……大魔女さんも……つらそう……」

クローディア「つらいわけないでしょう。あの子に比べれば、私なんか……」

妖精「……苦しみは比べるものじゃない。それに……あなたの行動は軽率だったかもしれないけど、最低だと決め付けるにはまだ早いんじゃないの?」

クローディア「……」

クロシュ「……えと……どうにも……ならないの?」

クローディア「どうにかなるなら、とっくにどうにかしています」

妖精「……どうしても浮かせていないといけないの? この国は」

クローディア「……ここが楽園であるには、苦痛蔓延る地上という地獄から離れた上空でなければなりません。私の愛するこの国の民を、地獄に叩き落とすわけにはいかない」

クロシュ「でも……クロさんは……」

クローディア「……クロ一人の犠牲で、ここは永遠の楽園となるの。その為なら私は……最低の悪魔になったって構わないわ」

妖精「なんで……どうしてそこまで楽園に固執するの……!? あのかわいそうな風船スライムの子をいたぶり続けてまで存続させる価値があるの!?」

クローディア「熱くならないで。考えてみなさい。たった一人の犠牲でこれだけ多くの民が安全に暮らせるのよ。そしてもしこの街が地上に降りたら……民たちは様々な恐怖と絶望に襲われることになる。他国からの侵略や戦争……危険な魔物の襲撃……死を運ぶ疫病……その他にも無数の困難が降りかかるでしょう。そうなってしまえば……発生する苦痛の総量は、クロ一人の比ではないわ」

妖精「だから……苦しみは、比べるものじゃない……!! 私はっ……そんなの、絶対に認めないっ……!!」

クローディア「世界樹の結界に守られた平和で甘々な国の首長は、そのお考えもやはり甘々なのですね。別に認めてくださらずとも結構ですわ」

妖精「っ……!」

クロシュ「……それでも……」

クローディア「……?」

クロシュ「それでも……なんとか、したい……。だって……」


 ――クロ『わたしなんかのために身を裂いちゃ、だめだよ。はい……』

 ――クロに持ち上げられる分体スライムクロシュ『〜〜…』モニョモニョ…


クロシュ「クロさんは……わたしの、友達だもん!!!!」


 ◆
436 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/21(月) 00:21:18.83 ID:blgyV6460
 ☆クロシュの意志の強さが上がりました

というわけで本日はここまでとなります。次回はトムくんトリルくんと夕ごはん編からとなります

おじさんたちがトムくんと修行したり、脳筋激情過激派のミスティ氏が物理で攻めることを覚えたり、クロさんの友達になろうとして上手くいかなかったり、クロさんの苦しみをなんとかしたいと決意した日となりました

大魔女の口から告げられた、楽園の真実。それは重苦しいものでした。魔王の力を利用した代償……それは、かつて魔王だった女の子の心に重く重くのしかかっていました。なんとかするとは言ってみたものの、実際クロシュはどうすれば良いのか。この国は、どうなるのが正解なのか――

余談ですが「1.最低だ」が選ばれていた場合、クロシュ氏渾身のベチン!!が大魔女クローディア氏のほっぺたに炸裂していました。しかしそうはならなかったので、クローディア氏のほっぺたは無事に済みました

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/21(月) 07:38:45.10 ID:AacR9gNNo
乙でした
大魔女がやろうと思えば魔王化を解ける事がわかったのは収穫…?

渾身ベチンはクソデカい手になってやってそう
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/21(月) 13:03:18.63 ID:1OhVtnIR0

大魔女のほっぺにビンタするところは見たかったけどそれしたら大魔女がブチギレて「この国から出てってください」とか言って国外追放されそう。
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/21(月) 22:36:38.07 ID:i4pG9JPBO

クロシュのベチンってオリハルスライムにもダメージを与える威力だしけっこうやばそう
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 08:14:39.65 ID:D7w8LVXBO

ミスティさん魔法戦士でもいけそう
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 12:34:30.21 ID:9m+uLYL8O
大魔女あっさり魔王討伐してて震える
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 13:17:39.50 ID:wcAdnI7m0
>>440確かにミスティは短剣を持っているし(ちゃんとした武器を持たせてもいいけど)、脳筋なところがあるから「氷の魔法戦士」の方がすごいあっている気がする。
443 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 16:52:40.88 ID:V94IO24R0
大魔女氏は、空中楽園都市を犠牲にすればクロ氏を救済することが可能であるかのようなことを言っていましたが、それがどのような結果を意味するのかは今のところ詳しく語られていません。動向を注視するのが良いでしょう

大魔女氏はあかちゃんスライムにベチンとされたくらいで怒って国外追放を命じるほど狭量な方ではありませんが、実際のところベチンとされた際に大魔女氏がどのような感情を抱くことになるかはわかりません。暴力では解決できない事柄ですが、暴力でスッキリする気持ちもあるのかもしません

クロシュ氏はオリハルスライムのシュヴィア氏をベチンベチンとひっぱたいて最終的に勝利しました。他の仲間も戦っていたり、多数の分体を作って疲労していたということを考慮しても、クロシュ氏の渾身のベチンはすごく痛いのかもしれません。しかし大魔女氏もすごい人物なので、そんなクロシュ氏にひっぱたかれてもまあまあ大丈夫だと思われます

氷で生成した武器は物理的なダメージを与えることもできるため、ミスティ氏が戦闘技術を磨けば魔法戦士的な動きをすることは実際可能であると思われます。本人はあまり自覚をしていないようですが、その才能はあると考えても良いでしょう

掃除の魔王は自身の直下に対して強烈な攻撃能力を持っていましたが、側面および上面はがら空きでした。それでも生半可な攻撃は通用しない頑強さだったのですが、大魔女氏は飛行手段だけでなく強力な攻撃力も有していたため、側面から一方的にチクチクされてやられてしまったのだと考えられます

ミスティ氏は自覚していないようですが、実のところけっこう脳筋的な面があるようです。何か問題が発生した際すぐに暴力による解決を思いついたりするので、見た感じは物静かでクールですが実際は武闘派なのかもしれません。魔法戦士としてやっていくことも不可能ではないでしょう
444 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 16:53:18.23 ID:V94IO24R0
―歓楽区

 トコトコ…

クロシュ「……」

妖精「スライムから見て、何か解決策はありそう……?」

クロシュ「……わかんない……」

妖精「うーん……。まあ大魔女ほどの者が有効な解決策を思い付かなかった問題だし、そう簡単にはいかないか……」


トリル「あれ……? クロシュちゃんに、妖精さん?」ヒョコ

トム「奇遇だな!」

クロシュ「わ……!」

妖精「あ、トリルにトム」

トム「食べ歩き中か?」ヌッ

妖精「そういうわけじゃないけど……でもお腹は減ったかも」

トム「ならメシ食いに行こうぜ!」

クロシュ「わあ……」

トリル「都合が良ければ一緒にどうかな? ぼくたちもこれからご飯食べようと思ってて」

妖精「じゃあせっかくだしご一緒させていただこうかな?」

クロシュ「うん」

トム「決まりだな! メシ屋に行くぜ!」

 ◇
445 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 16:54:04.49 ID:V94IO24R0
―レストラン「魔女の食卓」

店員ホムンクルス「いらっしゃいませ。四名様でよろしいですか?」

トム「おう!」

店員「それではテーブルにご案内致します」

 *

 空席「」

 空席「」

 空席「」


妖精「なんか……空いてるね」

トム「あー、ほらアレだろ。ここ最近テロが立て続けに起きてるし、無闇に外出んなって言われてんだよ」

妖精「ああ、なるほどね」

トリル「ぼくたちは、何か不審なことが起きていないか街中をパトロールしてたんだ。こう見えて、下級の警備オートマタより強いんだよ〜」

クロシュ「わあ……」

妖精「魔法学園に通ってる生徒はやっぱり一般人より強いんだねえ。ていうかむしろ、警備オートマタ弱すぎじゃない……?」

トム「オレたちが強すぎるんだ!」

トリル「下級オートマタは、必要以上の武力を持たないように戦闘力を制限されてるんだって。役割もどっちかというと監視とか威嚇が重視されてるみたい。元々治安もすごく良い街だったから、強い力はいらなかったんだけど……」

妖精「今回の騒動でそういうわけにもいかなくなりそうってわけか……」

トリル「うん……。早いとこ解決すると良いんだけど……」

クロシュ「……」

トム「あーもう暗い話は後だ後! 今はメシに集中しようぜ!」

トリル「ご、ごめん。そうだね、今はごはんに集中しなきゃ……!」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:マジカルトリ肉、マジカルケモノ肉、マジカル触手肉
野菜:マジカルリーフ、マジカル大根、マジカルゴボウ、マジカルマメ
穀物:マジカルイモ、マジカル米、マジカルもろこし、マジカル小麦
魚介:マジカルカニ、マジカルザリガニ、マジカルタニシ、マジカルウオ
果実:マジカルフルーツ、マジカルリンゴ、マジカルどんぐり
卵乳:マジカル卵、マジカルミルク、マジカルチーズ、マジカルバター
特殊:マジカルゼラチン、マジカルシュガー、マジカルスパイス
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 16:56:00.17 ID:D7w8LVXBO
マジカルタニシ、マジカルスパイス
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 17:06:43.80 ID:VQzfY2V9o
マジカルリーフ
マジカルバター
448 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 18:34:08.55 ID:V94IO24R0
妖精「マジカルって付いてる食材は確か、魔力で生成された食品だよね」

トリル「うん。この国の食べ物は全部マジカル食品なんだよ」

トム「初めてここに来た時はなんだそりゃって思ったけど、食ってみると普通の食い物と何も変わんなかったんだよな」

クロシュ「えと……じゃあ、宿舎の食堂でいつも食べてるのも……マジカルな料理……?」

妖精「そういうことになるね。味も少し魔力っぽかったし」

トム「……魔力っぽい味って何だ?」

妖精「……説明が難しい。精霊樹の実とかの、魔力を多く含んでるものに現れやすい味覚……と言えば伝わる?」

トム「……トリル、わかるか?」

トリル「ご、ごめん……わかんないかも……」

妖精「まあ人間はその辺鈍感だし……って言うかたぶん妖精が敏感なだけか……」

クロシュ「えと……わたし、わかるかも……」

妖精「クロシュ……!」

トム「何ィ……!? 剣技や魔法だけでなく味覚まで……!」

トリル「え、そこ張り合うとこなの?」

 *
449 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 18:34:39.40 ID:V94IO24R0
 マジカルタニシの香草バターソテー「」ポン!

クロシュ「わあ……!」

トム「おおお……! 美味そうだぞ!」

トリル「すごく美味しそうな香り……!」

妖精「このタニシも葉っぱもバターも、まぶされたスパイスも、全部魔力で生成されたものだなんて……。改めて考えると、めちゃくちゃだ……」

トム「え、そうなのか?」

トリル「単一元素からなる純物質なら、ぼくやトムでもものすごく頑張ればできるかもしれないけど……。こういう食材って物質の組成がものすごく複雑だから、普通の人がやろうとしたら頭がパンクしちゃうと思う……」

トム「マジか……考えたこともなかったぞ」

妖精「限りなく生命に近い複雑な物質を生命を宿さずに作り上げるなんて、ここ以外じゃ見たことも聞いたこともない。何だったら普通に生命を造る方が遥かに簡単だろうし……。しかもそれを、全国民が毎日食える分供給し続けてるなんて……」

トム「つまり大魔女様は超スゲーってことか!」

妖精「そういうこと。そんなスゴい食材を毎日食べられるんだからここの国民は大魔女に感謝した方が良いかもね」

トリル「うん……ありがとうございます、大魔女様」

トム「ありがとう、大魔女様……!」

クロシュ「ありがと、大魔女さん……。いただきます……」

 *
450 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 18:35:31.15 ID:V94IO24R0
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

妖精「そういえばトムはトコナツ島出身なんだっけ」

トム「おう! あんたたちもトコナツ島に行ってきたんだろ? モーリィさんたちは元気にしてたか?」

妖精「うん、元気だったよ。火山活動の関係であの時はバタバタしてたけど、今頃は落ち着いたんじゃないかな」

トム「そっか。旧トコナツ村の惨事を聞いた時はゾッとしたけどそれも無事らしいし良かったぜ」

半スライムクロシュ「えと……トムさん……レッドちゃんのこと、知ってる……?」モニョニョ

トム「もちろん知ってるぜ!」

半スライムクロシュ「わあ……!」

トム「オレもかなり鍛えてきたけど、あいつの火力にゃあまだまだ全然届く気がしねえぜ……。オレの目標の一つは、レッドよりも高い火力を出せるようになることだ!」

妖精「目標高すぎない? レッドってバーニングスライムだよ?」

トム「だからこそだ! へへ、目標は高くねえとな!」

トリル「レッドちゃんって、この前クロシュちゃんが描いた絵の、溶岩のスライムさんだよね?」

半スライムクロシュ「うん……。レッドちゃん、良いスライム……」

トリル「トコナツ島にはそんな凄いスライムさんがいるんだねえ。あれ、そういえばクロシュちゃんが描いてくれたテラヌス・ウルスの絵にも、リアンノンちゃんの他にスライムさんがいっぱいいた……?」

半スライムクロシュ「うん……。砂漠スライムさんたちに、砂漠スライムのおじいちゃん……。それと、ものすごくでっかいスライムさん……!」

トリル「わ……! ぼくテラヌス・ウルスに住んでたのに、あの街にそんなにたくさんスライムさんがいたなんて全然知らなかった……!」

妖精「巨大スライムは街にいたわけじゃないけどね。砂漠の地下でアリジゴクごっこしてたんだよ」

トリル「あはは、なにそれ。スライムさんたちのことあんまり知らなかったけど、今度里帰りしたらお話してみたいな」

半スライムクロシュ「んへへ……きっとみんな、喜ぶ……!」

妖精「リアンノンの幼馴染なんだよね? 里帰りしたらよろしく伝えといてくれる? 私たちは元気でやってるよーって」

トリル「うん、もちろん! えへへ、次に帰る時が楽しみ……!」

 モニョモニョ…ポン!

トカゲクロシュ「〜〜!」キャッキャ

トリル「わっ! クロシュちゃんが、トカゲになっちゃった!?」

妖精「この姿でリアンノンと遊んだから、思い出深いんだって」

 *

 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン
 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン
 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン 空皿「」カラン

クロシュ「ごちそうさまでした……」

トム「ぐはぁぁ……も、もう葉っぱ一枚入らねえ……」ゲフッ

トリル「もう、スライムのクロシュちゃんと張り合うから……。でもやっぱり美味しかったね」

妖精「本当に美味しかった……。流石は大魔女と言わざるを得ないかな……」

 ☆マジカルタニシの香草バターソテーを食べて元気になりました
 ☆トム、トリルと親睦を深めました

 *
451 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 21:38:48.93 ID:V94IO24R0
―大魔女帝国 滞在10日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
吸血鬼殺ワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
・クロさんを助ける

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
452 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 21:39:28.54 ID:V94IO24R0
―明け方
 宿舎 宿泊室

 チュンチュン

スライムクロシュ「……」zzz
イリス「……」zzz
ミスティ「……」zzz


 新聞「」バサッ


妖精「ふわ……。今朝の新聞は早いなあ。一応確認しとくか……」ノソノソ

 パタパタ…

妖精「ううーん、人間用の新聞はでっかくて重くて運びづらい……ん?」パタパタ

 新聞「」

妖精「……いつもと紙の質が違う。エデン新聞じゃないの?」パタパタ

 新聞「」

妖精「まあいいか。部屋に戻ったら確認してみよう」パタパタ

 *

妖精「な、なにこれ……」ペラッペラッ

イリス「ふわあ……おはよ、妖精さん。どうしたの……? 新聞……?」

ミスティ「早いわね……。あら、新聞……?」

スライムクロシュ「……?」モニョニョ…?


 大魔女様万歳新聞「」バサッ
 「エデンを吊り下げる大気球の正体は魔王だった!!!!」
 「大魔女様は魔王の力で地上全てを燼滅しようとしている!!!!」
 「全ては大魔女様による遠大な計画に過ぎない!!!!」
 「しかしこの国にいる限り安全!!!!」
 「我らは神たる大魔女様に選ばれし民!!!!」
 「魔王の聖撃で地上に蔓延る害虫は一掃される!!!!」
 「この星は美しく生まれ変わる!!!!」
 「そして生まれ変わった星に降り立つ大魔女様が――」
 「この星の真なる支配者となる!!!!」


イリス「えっ……!? こ、これは……!!」

ミスティ「昨日妖精たちが聞いてきた話……というよりは、あの陰謀論の本に近い内容ね……」

クロシュ「……」

イリス「……でも、流石にこんなものを信じる人はあんまりいないんじゃないかな……?」

妖精「……でも、こういう大魔女を称える内容なら……完全にいないとは言い切れない。例え1%でも信じる奴がいれば、こういうのは大成功なんだ」

イリス「うっ……」

ミスティ「……不快なやり方ね。下衆が」グッ

クロシュ「………」

妖精「これを流布した奴の狙いは……一体、何……? 私たちは……こんな底なしの悪意に、どう対処すれば……」

クロシュ「……」


クロシュ(クロさん……)


 ☆目標に「クロさんを助ける」が追加されました


大魔女帝国滞在10日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 21:39:50.46 ID:mgNU1FXGO
>>212でリチャードとの関係や何の話しをしていてかなどの返答とリチャードに渡して欲しい品が届く。
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/10/26(土) 21:40:10.51 ID:gVOHe0Ez0
魔法店にフラナ作のアイテムが入荷してたので買う
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 21:40:47.72 ID:8N4r8H67o
クロシュヴィア現れ
大魔女を煽る
456 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 21:54:18.10 ID:V94IO24R0
―宿舎 宿泊室

 ガチャッ

ロディア「失礼します。イリス様へ、フラナ様からお届け物です」スタスタ

イリス「あ、ありがとうございますロディナさん。なんだろう……?」

妖精「なんかいつもと雰囲気が違うね」

 手紙「」パサッ
 小包「」ポン

↓1コンマ
01-10 毒入りワイン
11-50 請求書
51-90 幼化薬の解析結果+サンプル1本
91-00 ライトニングスライムの欠片
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 21:57:00.94 ID:VQzfY2V9o
458 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 22:43:13.16 ID:V94IO24R0
―フラナからの手紙

 リチャードとはビジネスの関係よ。ウチの作る薬はイスファハーンでも評判が良いらしいから。特筆すべき点は特にないけど、時々相談に乗ってやったり乗られてやったりすることはあるわね。あいつは人間の若造だけど頭の回転が早いから、たまに役に立つのよ。あいつとしても、それは自分を売り込む為の価値の一つなんでしょうね。
 ここからはついでだけど、以前リチャードにライトニングスライムがいたら是非うちで雇いたいと言われたことがあってね。残念ながらその頃にはもう魔族国にライトニングスライムはいなかったから彼の期待に応えることはできなかったのだけど……少し前に棚を整理していたら、だいぶ昔に採取したライトニングスライムの欠片が出てきたのよ。まあ欠片だからこれだけ送っても仕方がないし、以前クロシュについて酷いことを書いたから、お詫びとしてその欠片はクロシュにあげるわ。クロシュならきっと使いこなせるでしょう。
 それじゃあ今後の幸運を祈っているわ。

追伸1:大魔女帝国にいるならスール魔法店には行ったかしら? 数日前に新商品を出荷したから、そろそろ棚に並ぶ頃だと思うわ。もしあそこで買い物をするなら、この手紙を見せて割引してもらいなさい。

追伸2:スールとフローレンスがもし私やフレメアについて何か言っていても真に受けないこと。

 *

 小包「」パカッ
 ライトニングスライムの欠片「」パチパチ…

イリス「わっ……! びりびりしてる……!」

妖精「へえ、保存状態はかなり良いみたい。クロシュ、どう?」

クロシュ「うん……」

 クロシュの手「」ソー…
 ライトニングスライムの欠片「」バチッ!

クロシュ「ひゃっ!」ビクッ

イリス「ま、まあ……いきなりは難しいよね」

クロシュ「う、うん……。えと……レッドちゃんの時みたいに……ゆっくり、練習すれば……同化、できるかも……。ありがと、フラナさん……!」

イリス「ふふ、クロシュちゃんのお礼も返事にしっかり書いておくね」

 ☆ライトニングスライムの欠片を手に入れました

 ◆
459 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 22:43:44.14 ID:V94IO24R0
―歓楽区
 スール魔法店

 カランカラン

スール「らっしゃ〜い。おっ、ダークヒーローとダークヒロインじゃないか」

イリス「ど、どうも」スタスタ

ミスティ「その言い方はやめてくれるかしら……」

フローレンス「いいじゃないですかぁ、減るもんじゃないですし」

ミスティ「減るわ……。堪忍袋の緒の幅が……」

スール「えっ……!? わ、悪かったね……そこまで気に入らないものだとは思ってなくてさ」

ミスティ「冗談よ……」

スール「冗談かい!」

イリス「あはは……ミスティ、冗談に聞こえなかったよ」

ミスティ「えっ……」

イリス「ところで新商品が入荷したらしいですけど――」

スール「お、耳ざといねえ。そうなんだよ、フラナから届いたのさ」

フローレンス「何が届いたんです?」

スール「あんたも一応ここの店員なんだから把握しときなよ」

フローレンス「本業は建築ですし……」


↓1コンマ
01-50 ジェネリック幼化薬
51-90 マッスルブラッドワイン
91-00 無敵薬
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 22:43:58.70 ID:7OaFLLkDO
はい
461 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 23:21:49.12 ID:V94IO24R0
 マッスルブラッドワイン「」ポン

イリス「こ、これは……」

スール「マッスルブラッドワイン! マジカルブラッドワインはほとんど魔法使い専用だったからねえ。物理戦闘職の人たちからの熱い要望に応えて、とうとう筋肉を底上げするブラッドワインが登場したってわけさ!」

ミスティ「なるほど……確かに、ローガンさんやエバンスならこっちの方が良さそうね……」

イリス「筋肉を底上げ……後で筋肉痛になったりとかは……?」

スール「もちろんそういう副作用もある。イスファハーンで流行ってるマキシマイズドリンクマークZのブラッドワイン版といった感じかねえ」

フローレンス「美味しいって評判だから試しに飲んでみたら翌日ひどい筋肉痛になって大変でしたよ、そのマキシマナントカドリンク。効果は確かに前評判通りすごかったですけど」

スール「美味いからって試しに飲むもんじゃないよ薬は……。どうだい、買ってくかい?」

イリス「じゃあせっかくなので! あ、これを見せれば割引してくれるってフラナ先生が言ってたんですけど……」

 フラナからの手紙「」ペラッ

スール「ありゃま、本当だ。はあ、フラナからの頼みとあらば仕方ないねえ。ちょっとまけてあげよう!」

イリス「ありがとうございます!」

 ☆マッスルブラッドワインを1本買いました

 ◆
462 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/26(土) 23:36:59.00 ID:V94IO24R0
―大魔女宮殿 門

クロシュ「……」トコトコ

クローディア「止まりなさい」ヌッ

クロシュ「!」

妖精「大魔女……。クロに会いに来ただけだよ」

クローディア「だからこそよ。あなたたちがあの子に関われば、あの子は余計に苦しむことになる……。私は最低の女だけれど、だからといってあの子の苦痛を積極的に望んでいるわけではないの。帰りなさい」

クロシュ「んゅ……」

妖精「うぐぐ……でも、お話していれば解決の糸口が見つかるかも……」

クローディア「この私ですら見つけられなかった解決策を、あなたたち如きが一朝一夕で見つけられると?」

クロシュ「んゅゅ……」

妖精(何も言い返せない……。確かに、私たちはこの大魔女からすれば知識も技術もあかちゃんに等しい……)

クローディア「わかりましたね? それに今は、あなたたちに構っている暇はないのです。一刻も早く犯人を突き止めなければ、この国の治安は――」


 ヒュゥゥゥゥ――…


クローディア「……!!? この、気配は――」

妖精「これは……もしかして」

クロシュ「!!」


「……ずいぶん、変なことをやってるんだね……クローディア……」ヒュゥゥゥ…


クローディア「クロシュヴィア・ビターエンド!!」

クロシュヴィア「ブブー……。今はクロシュヴィア・スウィートエンドです……」ストッ

クロシュ「クロシュヴィアちゃん!」

クロシュヴィア「クロシュちゃん、久しぶり……。妖精さんも……。イスファハーンでは大変だったみたいだね……」

妖精「知っているの!?」

クロシュヴィア「あの銀色の子からの助け、聞こえたもん。本当に危なくなったらわたしも助けに行こうかと思ってたんだけど、大丈夫そうだったから……。ごめんね、やっぱり助けた方が良かったかな……?」

クロシュ「んーん……。クロシュヴィアちゃんも、忙しいと思うし……。でも、ありがと……」

クロシュヴィア「そっか……! でもクロシュちゃんもあの銀色の子も、シュヴィアちゃんも、みんな無事でほんとに良かった……」

クローディア「……救える力を持ちながら、それをしないのは単なる怠慢だと思うけどね」

クロシュヴィア「ふうん……クロちゃんを救える力を持ちながらそうしない人が言うと……説得力があるね……」

クローディア「……わざわざ嫌味を言いに、千と数百年ぶりに私に会いに来たの?」

クロシュヴィア「ずっと寝てたから……。クローディアがこんな変な国を作ってたって知ったのもごく最近だよ……」

クローディア「そうでしょうね。あなたが早々に諦めて不貞寝していた間、私は理想を諦めなかった。私たちが思い描いた最高の世界を実現する為の努力を惜しまなかった……!」

クロシュヴィア「この小さな箱庭が、理想の世界なんだ……。わたしが寝てる間に、あなたの理想はずいぶんとちっちゃくなっちゃったんだね……」

クローディア「黙りなさい! 世界全てを救うことなんて不可能だってわかったから、あなたも不貞寝したんでしょう!! 全てを諦めたあなたに、私を責める資格なんて――」

クロシュヴィア「残念でした……わたし、資格あるみたい」スッ

 デロデロ…モニョモニョ…ドン!
 デロデロ世界の絵「」デロデロデロ

クローディア「こ、この絵は……!?」

クロシュヴィア「ふふふ……そこのクロシュちゃんが描いてくれた、理想。素敵でしょ……?」


↓1コンマ
01-10 真の正しい世界
11-90 ありえない!!!!
91-00 ……
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/26(土) 23:38:36.25 ID:gVOHe0Ez0
464 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 00:45:25.84 ID:Ew7TzP9w0
クローディア「ありえない!!!!」

クロシュ「!」ガーン!

妖精「な、何もそこまで強く否定しなくても……」

クロシュヴィア「ひ、ひどい……どうしてそんなひどいこと言うの……?」

クローディア「全てが溶け、混ざり合い、一つになった世界……果たしてそれは、生きていると言えるの? そこに幸せはあるの? 愛は、あるの?」

クロシュヴィア「あるよ……。愛しているから、一つになるんだもん……」

クロシュ「」ウンウン
妖精「」ウーン?

クローディア「一つになったら……愛することも、愛されることもない……。あらゆる知性も、記憶も、想いも……全てが混ざれば、全てが意味を失い、混沌の渦に沈んでいく。そこに残るのは、単なる物理現象としての生命活動だけ。そんなのが……理想であってたまるものですか……!!!!」

クロシュ「!」ガーン!
妖精「」ウンウン

クロシュヴィア「違うよ……知性も、記憶も、想いも……余計なものばかりだから、いつまでも争って、憎み合って、苦しめ合うんだ……!! それだったら――全部まとめて溶かして混ぜてデロデロにして、生まれたてのスライムみたいに無邪気にモニョモニョしてる方が百億万倍良いもん!!!!」

クロシュ「!」パァァァ!
妖精「」ウーン…

クローディア「このわからずや!! バカスライム!!」

クロシュヴィア「わからずやはそっちだもん!! ばか!! 鳥頭!!」

 ギャーギャー――…

 ◇
465 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 00:46:01.04 ID:Ew7TzP9w0

クロシュヴィア「はあ、はあ……人間の姿に化けてるけど、結局はばかの鳥頭なんだね……。何を言っても鳥の耳に念仏だってことがよくわかったよ……」

クローディア「そっちこそ……昔と変わらずバカのようね。あなた程度のバカを恐れる心配など全く不要だったわ。不毛な宗教活動、精々がんばりなさい」

クロシュヴィア「むむう……わたし、そろそろ本気で怒ってきたかも……」

クローディア「あらあら、ずっと怒ってたじゃないの。今さら怒ってないアピールとか自分で言ってて恥ずかしくないの?」クスクス

クロシュヴィア「むむむう……!! もう本気で怒った……!! 風船スライムの子をずっと苦しめてる癖に、楽園だなんて大嘘ついてる最低の選民主義のこんな国、デロデロに溶かしてやる……!!」ゴゴゴゴ

クロシュ「わわ……!?」

妖精「な、何をする気……!?」

クロシュヴィア「こんな酷い国、デロデロのしなきゃ誰も救われないもん……!!!」ゴゴゴゴゴ…


 ズズ…デロデロ…

 デロデロに溶け始めたクロシュヴィアの周囲「」デロデロデロ


クロシュ「!!」

妖精「うわわわあ、本気だ!!?」

クロシュヴィア「待っててね……クロちゃんの苦しみは、わたしがデロデロに――」

クローディア「やめなさい!! それ以上狼藉を働くなら――」


 カッ!!!!

クロシュヴィア「んきゅっ……!?」ググッ


妖精「クロシュヴィアの力が……止まった……!?」

クローディア「ここから――去れ!!!!」カッ


  ポヒュゥゥゥゥン――

  吹っ飛んでいくクロシュヴィア「んわ〜………!!」ヒュゥゥゥゥン…


妖精「クロシュヴィアが……吹っ飛んでった……」

クローディア「フン……二度とこの国に入れないよう、しっかり結界を見直しておかないと」

クロシュ「……」ショボン

クローディア「……あなたたちも、早く帰りなさい。どこに何が潜んでいるかわからない。クロシュヴィアは追い払ったけれど、肝心のテロリストの方はまだ逮捕できていないのだもの……」

 ◇
466 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 00:49:04.22 ID:Ew7TzP9w0
というわけで本日はここまでとなります

突然来訪したクロシュヴィア氏と言い争いを始める大魔女クローディア氏……。巻き込まれたクロシュと妖精は、両者の言い分に耳を傾けつつ思索を深めていく。何が正しくて、何が正しくないのか。どう生きるのが生命にとって最も良いのか。光を追う旅も、思索を深める旅も、まだまだ先は長いようです。クロシュさんも、自分なりの考えを深めていけると良いと思います

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 03:21:51.86 ID:N7XM2gzEo
乙乙
選択料理楽しいな
クロシュちゃん絵が褒められる時と貶されてる時の表情忙しそうかわいい
クロシュヴィアが昔馴染み相手だと超然カルト教主から幼めの駄々っ子になっててほっこりする
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 12:37:55.28 ID:c49voS39O
エンド組は過去何があったのかね
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 14:47:05.47 ID:T5Wr5iWDO
んわ〜と吹っ飛んでいくクロシュヴィア可愛い

そこら辺はなんだかんだスライム
470 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 17:45:49.87 ID:Ew7TzP9w0
クロシュ氏は絵を貶されると落ち込み、褒められると喜ぶようです。今回のことで、クロシュの中でのクロシュヴィアちゃん好感度が少し上がり、大魔女さん好感度が少し下がったかもしれません
クロシュヴィア氏は教祖モードの時は格好つけますが、親しい相手と話す時は素の性格があらわになるようです。昔からよくこうやって音楽性の違いで喧嘩したのかもしれません

苗字にエンドと付いている人たちがどのような過去を経験したのかは今のところ明らかになっていません。他の人はわかりませんが、クロシュヴィア氏は気軽に苗字を変更していたので、苗字に関してのこだわりは薄いようです。彼らにとって苗字とは、家系や氏族を示すものではないのかもしれません

スライム類の方はびっくりした時や吹っ飛んでいく時にんわ〜と言うことが多いようです。スライム語でんわ〜と言う時もあれば、人間語でんわ〜と言う時もあります。伝説スライムのクロシュヴィア氏も、その辺りはスライムらしいスライムのようです
471 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 17:46:20.24 ID:Ew7TzP9w0
―大魔女帝国 滞在11日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
マッスルワイン*1               
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
雷スライムの欠片


◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
・クロさんを助ける

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
……………………………………………………………………………………
472 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 17:47:19.32 ID:Ew7TzP9w0
―朝
 宿舎 宿泊室

 コンコン

スライムクロシュ「?」モニョ

イリス「はーい」パタパタ

ミスティ「こんな朝早くに一体誰かしら……?」

 扉「」ガチャッ

緑髪のイケメンエルフ→ティリウス「やあ、おはよう。先日君たちのお世話になった緑化担当のティリウスだよ」

妖精「えっティリウス?」ヒョコ

ティリウス「久しぶりだね太母。噂はかねがね聞いてるよ」

妖精「あなた……フォレスティナがこの間どれだけ大変だったかわかってるの……!?」

ティリウス「ははっ、フォレスティナにはティセリアもサリーもいるし、何より太母が帰還したんだ。僕なんかいてもいなくても変わらなかったさ」

妖精「……まあ、確かに政治に関してあなたができることは何もなかったかもしれないけど……。でもティセリアには支えがいくらあったって良いんだよ」

ティリウス「そうかな? まあそれは置いておいて……」


イリス(えと……ティセリアさんたちと何か関係のある人なのかな……?)

ミスティ(エルフは年齢関係なく見た目が若いから、誰とどういう関係なのか検討もつかないわ……)


ティリウス「ちょっと太母率いるフォレスティナ使節団に相談したいことがあるんだ」

妖精「相談……?」

ティリウス「ああ。大庭園にミントウネが大発生して困ってるって話は知ってるかな? この前、そこのイリスちゃんとミスティちゃんに捕獲を手伝ってもらったんだけど」

イリス「あ、はい!」

ミスティ「手伝ったわね」

妖精「新聞で見たし、この子たちからも聞いたよ。まさか緑化担当があなただったとは思わなかったけどね。それで、ミントウネがどうかしたの?」

ティリウス「ああ……昨日、ようやくミントウネの苗床を見つけたんだ」

妖精「へえ……ていうか今まで見つかってなかったんだ……」

ティリウス「そうなんだよ……。ミントウネって地面から抜けて自由に歩けるタイプの種だから、どこにでも好き勝手に移動しちゃうんだ。そのせいで庭園中で増えて困ってたから場当たり的に対処してたんだけど、いつも後手後手でさ……」

妖精「でも本拠が見つかったんでしょ? ならそこをどうにかすれば良いんじゃないの?」

ティリウス「それが……そこが問題なんだ」

妖精「どういうこと?」

ティリウス「……魔王樹の結界……覚えてるかな?」

妖精「!!?」

ミスティ「えっ……!? 魔王樹って……」

イリス「ど、どういうことですか……!?」
473 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 17:47:45.51 ID:Ew7TzP9w0

ティリウス「かつて、僕たち緑の民が総力を結集して作り上げた結界……。それとよく似たものが、庭園の片隅にひっそりと巧妙に隠されていたんだ。ミントウネは、その中から不定期に現れているみたいだった……」

妖精「う、嘘……なんで……!? まさか、魔王樹も……!?」

ティリウス「いや……多分その心配はないと思う。魔王樹の、あの恐ろしい気配は感じられなかった。中を覗いたわけじゃないから断定はできないけどね」

妖精「そ、そっか……。いやでも、あれは世界樹の結界を参考にして作り上げたものだし……私たち以外にあれの作り方を知っている者がいるとは思えない……」

ティリウス「そこなんだ。僕たち以外があの結界の作り方を知るはずがない……けど、現実に存在してるんだよ。それで、丁度今太母も来てるなら聞いてみようと思ってさ」

妖精「……もしかして、私を疑ってる?」

ティリウス「0.001%くらい」

イリス「疑ってないも同然じゃないですか!」

ティリウス「ははっ、でも0とは言い切れないんだ。いくら心優しい太母でも、時の流れで頭がおかしくなる可能性はあるからね」

妖精「はっきり言ってくれるね」

ティリウス「とにかく、これは大魔女帝国のみならず僕たち緑の民にも関わる重大な問題かもしれない。だから太母にも話しておこうと思って」

妖精「大魔女には相談したの?」

ティリウス「ああ、大魔女様には――」

 扉「」ガチャッ

クローディア「結界の調査には私も同行するわ。エスコートを頼めるかしら、緑の民たちよ」スタスタ

妖精「げっ!?」

イリス「いらっしゃったんですか!?」

クローディア「ええ……私がいると話しにくいこともあるだろうと思って、外で待機していたのよ」


イリス(ぜ、全然気付かなった……!)

ミスティ(大魔女……やはり恐るべき魔法使い……)


妖精「ティリウス〜……!! 私を試したなあ……!?」

ティリウス「いやあ、はは……」

クローディア「こうしようと提案したのは私です。ティリウスを責めるのはお門違いよ」スッ

ティリウス「大魔女様……そういうことは言わなくとも……」

クローディア「……あなたは我が国の国民だけれど、それ以前には緑の民だったのよ。祖国は大事にしなさい」

ティリウス「……お気遣い痛み入ります、大魔女様。大母も、ごめんよ……」

妖精「ああもう、わかったよ……。それで、結界の調査ってのはいつ行くの?」

クローディア「なるべく早く行きたいわ。でもあなたたちにも準備がいるだろうから、多少は融通を効かせてあげられる。いつが良い?」

妖精「そうだなあ……」


↓1〜 先取2票
1.すぐ行こう
2.明日行こう(本日の自由行動へ)
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 17:48:50.84 ID:X9fLOSxJO
2
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 18:22:28.37 ID:eSaUTHvjO
2
476 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 18:36:54.98 ID:Ew7TzP9w0
妖精「明日でも良い?」

クローディア「わかったわ。例の結界についてはティリウスから聞いているけれど、これについては実際に作って運用したあなたたちの方が見識は深いはず。頼りにさせてもらうわよ」

妖精「こっちこそ。頼りにさせてもらうよ」


大魔女帝国滞在11日目です。この行動終了後、大庭園に隠されていた謎の結界の調査に向かいます
↓1〜3 自由安価 何をする?
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 18:37:32.02 ID:S5hcTLzK0
ユキの宿舎に遊びに行く
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 18:38:22.38 ID:eSaUTHvjO
トム 魔法と斧術を上げる為にクロシュと模擬戦する
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 18:38:32.43 ID:Dcf82JM+0
ダークヒーローイリスのファン(クリス)が現れて本人だと感動される
自作のイリスのテーマソングを聴くことに
480 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 21:18:54.08 ID:Ew7TzP9w0
―居住区

クロシュ「……」トコトコ

ミスティ「……静かね……少し前までは、行き交う学生たちで賑わっていたのに……」

妖精「仕方ないよ。昨日もテロがあったらしいし……」

ミスティ「犯人の目的は一体何なのかしら……。ユキたちも自由に外出が……いや、あの子たちはけっこう自由に外出してるわね……」

妖精「大魔女としては外に出て欲しくないだろうけどね……。最初に操られた奴も学内じゃ天才って言われるほどの実力者だったらしいし」

ミスティ「心配ね……」

妖精「だから今日は行ってあげるんでしょ? あの子たちの買い出しに付き合いに」

ミスティ「ええ……。私たちも一緒なら安全性は高まるでしょう」


 ザワザワ ガヤガヤ
  パリーンッ! キャーッ!!!!


クロシュ「!?」

妖精「な、なに!?」

ミスティ「あっちの……ユキの宿舎の方からよ! 急ぎましょう!」タッ

 *
481 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 21:19:41.41 ID:Ew7TzP9w0
血を流して倒れている男子留学生E「」ドクドク


女子留学生A「キャァァァァァ!!!!」

男子留学生B「おい!? なんなんだよ!?」


様子のおかしい市民X「お前らが……外から来た奴らがいるから……!!」
 血が付着した鉄パイプ「」ポタポタ

様子のおかしい市民Y「環境を荒らす外来種は……殺すしかねェよなァ!!」
 血が付着した金槌「」ポタポタ

様子のおかしい市民Z「へ、へへ……大魔女様の聖火で、悪しき命は浄化だ……」
 火炎瓶「」チャプ…


女子留学生C「や、やめてください……来ないで……」ビクビク

男子留学生D(と、通り魔襲撃イベントキター!!! ここはCちゃんに格好良いところを――)

様子のおかしい市民X「消えろォ!!」グワッ
 血の付着した鉄パイプ「」ブオンッ!!

男子留学生D「おああああああ!!?!?!!??」

 ガギンッ!!

凍り付く市民X「ガッ……!」カチコチ

ユキ「みんな下がって!! 暴漢は私が抑える!!」ザッ

女子留学生A「ゆ、ユキちゃん……!」

男子留学生B「でも危ねえよ!!」

トム「オレもいるぜ! お前らは警備を呼んでこい!!」ザッ

女子留学生A「わ、わかった!!」ダッ

男子留学生B「すまねえ……! すぐに呼んでくる!!」ダッ

女子留学生C「うう……ごめんなさい、ごめんなさい……」ダッ

男子留学生D「う、うう……うおおおお!! おれも戦うぞ!!!!」ググッ

トム「無茶すんなよ!?」


 ――戦闘開始 様子のおかしい市民たち――


↓1コンマ
01-10 ??
11-60 劣勢
51-90 優勢
91-00 ??
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 21:22:41.87 ID:X9fLOSxJO
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 21:23:35.05 ID:N7XM2gzEo
484 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 21:34:35.99 ID:Ew7TzP9w0
トム「だらあっ!!」シュバッ
 斧「」ブオンッ!!

 ズドンッ!!

様子のおかしい市民Y「ごあ……!」ドサッ


ユキ「殺しちゃだめよトム!!」

トム「峰打ちだ!!」


凍り付く市民X「外来の悪種が……妖しげな術を使いやがって!! ぬああああ!!!」ググググ

 氷「」バギンッ!!
 血「」ドクドクドク!!

ユキ「えっ!? こ、凍った体を無理矢理動かして――」

トム「危ねえ!!」

 パヒュンッ
  ガギンッ!!

光メイド剣士クロシュ「……!」ギギギ

ユキ「クロシュ、さん……!」

血を流す市民X「なんだ……お前はァァァ!!!!」

ミスティ「私も来たわ!! はぁっ!!」シュバッ
 氷塊「」ブオンッ!!

 ドゴッ!!

血を流す市民X「オゴッ……」ドサッ

ユキ「ミスティさん!!」

トム「おお……!!」


様子のおかしい市民Z「へへへ……燃えろ、燃えろ……!!!」ブンッ

 火炎瓶「」ヒュンッ


↓1コンマ
01-10 ??
11-20 劣勢
21-90 優勢
91-00 ??
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 21:37:55.05 ID:S5hcTLzK0
486 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 22:10:43.68 ID:Ew7TzP9w0
 火炎瓶「」ヒューン

 風「」ヒュルルッ

 火炎瓶「」フワフワ…


様子のおかしい市民Z「おあ……? 聖火が……宙で止まった……」

妖精「危ないもん投げないでよ」

様子のおかしい市民Z「あ……?」

 氷塊「」ドゴッ!!

様子のおかしい市民Z「ごが……」ドサッ

ミスティ「こいつで終わりね」スタッ


ユキ「皆さん……ありがとうございました」

ミスティ「当然のことをしただけよ」

妖精「まあそうだね。でもこいつら……」

トム「おかしいぜ……いくら最近オレたち滞在組への風当たりが強くなってるからって、今までこんなこと一度もなかったぞ」

クロシュ「……」


男子留学生B「おーい、警備呼んで来たぞー!!」タッタッタッ

警備オートマタ「現着シマス」ガションガション
警備オートマタ「現着シマス」ガションガション

上級オートマタ「これは……状況をお聞かせ願えますか?」ガション


ユキ「警備……! あの――」


 ズズ…


妖精「……!? まずい!! みんな気を付け――」


漆黒に染まった市民X「」ヌッ

漆黒に染まった市民Y「」ヌッ

漆黒に染まった市民Z「」ヌッ


クロシュ「!!!!」バッ


 ★市民Xが〈疑似魔王化〉を発動!
 ★市民Yが〈疑似魔王化〉を発動!
 ★市民Zが〈疑似魔王化〉を発動!
  会心率および痛恨率が大幅に上昇!
  さらにコンマ+300!!
  1ターン後に死ぬ!!


↓痛恨確定

↓1
01-02 全滅
03-06 ミスティ
07-10 妖精
11-15 ユキ
16-20 トム
21-25 男子留学生D
26-30 男子留学生B
31-35 女子留学生C
36-45 上級オートマタ
46-60 警備オートマタ
61-90 クロシュがんばった
91-00 クロシュ覚醒
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 22:13:35.73 ID:FO03j/qdO
全滅こわ
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 22:17:48.27 ID:N7XM2gzEo
頑張った……!本当に……!
489 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:28:15.13 ID:Ew7TzP9w0
漆黒に染まった市民X「キエロ――」
 漆黒に染まった鉄パイプ「」ゴゴゴゴ

漆黒に染まった市民Y「ガイチュウ――」
 漆黒に染まった金槌「」ゴゴゴゴ

漆黒に染まった市民Z「ダイマジョサマノタメニ――」


漆黒に染まった市民たち「コロス――――」ゴゴゴゴ…


妖精「う、うわああああああ!!!!」

ミスティ「はあっ!!」カッ

 氷のシェルター「」ドンッ!

ミスティ「みんな早くこの中へ!!」

ユキ「はい!!」
トム「お、おう!!」
男子留学生B「し、失礼します!!」
男子留学生D「お、おれも!」
女子留学生C「ごめんなさい……」

ミスティ「妖精! クロシュも! 警備さんたちも!!」

妖精「わわ、わかった!」
クロシュ「うん!」
警備オートマタ「退避シマス」ガションガション
警備オートマタ「退避シマス」ガションガション
上級オートマタ「状況を確認したいのですが……」ガションガション

ミスティ「あれは長くは持たなかったはず……! このシェルターで持ちこたえれば――」


 バゴンッ!!
 シェルター壁面「」バギャッ


男子留学生B「う、うわあああああ!!? これ持つんですか!? 持つんですか!!??」

ミスティ「くっ……! 壁の補修を――」

ユキ「わ、私も手伝います!!」

 バゴンバゴンッ!!
 シェルター壁面「」ゴシャッ グシャッ

 ドガンッ!!
 風穴「」グシャアッ

ミスティ「ほ、補修が間に合わな――」

クロシュ「!!」シュバッ!!

妖精「えっ!? クロシュ何を――」
490 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:29:15.95 ID:Ew7TzP9w0
 デロデロ…モニョモニョ…


シェルターを覆う大亀の甲羅「」ポン!!


ミスティ「あっ……く、クロシュやめなさい!! だめ!!!!」

妖精「ば、ばか!! ばかクロシュ、やめろ!!!」


 ドゴンッ!! バゴンッ!!
  グシャアッ!! ボムギッ!!!


妖精「あ、ああああああ!!! やめて、もうやめて!!!!」ポロポロ

ミスティ「出しなさい!! ここから出せ、クロシュ!!!!」ドンドン!!

トム「クロシュさん出してくれ!!! オレが奴らと戦う!!!」

ユキ「うう、うううう……!!」グググ…


 バギイッ!! ドゴオッ!!
  ボゴンッ!! バギャアンッ!!

    ――…


男子留学生B「お、音が……止んだ……?」


 デロデロ…

ボロボロスライムクロシュ「」デロロ…


妖精「あ、あ……クロシュ、クロシュ……!!!」パタパタ

ミスティ「クロシュ……!!」タタッ

ボロボロスライムクロシュ「」デロデロ…


 ――戦闘終了――
491 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:30:30.56 ID:Ew7TzP9w0
―昼
 居住区 交番

上級オートマタ「皆さん、本日は事態の鎮圧にご協力頂きありがとうございました」ペコリ

警備オートマタ「アリガトゴザイマシタ」ペコ
警備オートマタ「アリガトゴザイマシタ」ペコ

上級オートマタ「そして……身を挺して市民の皆様を守って頂いたクロシュ様には、特大の感謝を申し上げます。しかし恥を偲んで言わせていただけば、もう二度とあのような無茶はしないで頂きたく思います」

ボロボロスライムクロシュ「……」モニョ…

妖精「そうだよクロシュ……もう二度とあんな真似しないで……」 グスッ

ミスティ「ええ……あなたが酷い目に遭って私たちだけが助かっても全く嬉しくないわ……」

ボロボロスライムクロシュ「……」モニョニョ…

上級オートマタ「申し訳ありません。全ては我々の不甲斐なさゆえであります」

トム「……ああ。怒りでブチギレそうだぜ……オレ自身の弱さに……」グッ

ユキ「……珍しく意見が合うね、トム……」グッ

 *
492 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:31:32.00 ID:Ew7TzP9w0
―居住区 公園

トム「ふんッ! はッ! だあッ!!」ブンブンブンッ

ユキ「はあっ!! せやっ!!」カチンッ! コチンッ!



ミスティ「……クロシュ……さっきは、言い過ぎたわ……。あなたが守ってくればければ……私たちはきっと、無事ではいられなかった……」

ボロボロスライムクロシュ「〜〜…」モニョ

妖精「……私も……言い過ぎちゃったかも……。ごめんね……。助けてくれて、ありがとうね……」ナデナデ

ボロボロスライムクロシュ「〜〜…♪」モニョニョ…



クローディア「……聞いたわ。また、あなたたちに助けられてしまったそうね……」スタスタ

妖精「大魔女……」

クローディア「特にクロシュには大変な苦労を強いてしまったとか……。頭が下がるわ」

ボロボロスライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…

クローディア「我が国に尽くしてくれた勇姿には最大の恩寵を与えなければね」ゴウッ―

 橙色の焔「」ユラユラ

妖精「えっ……!? その、焔って――」

クローディア「私の真の力の一端をお見せ致しましょう」

 橙色の焔「」ユラッ―

クローディア「原初の焔よ――勇気あるスライムの子に、再生の熱をもたらせ」

 橙色の焔「」カッ!

ボロボロスライムクロシュ「〜〜!!」モニャニャ!!


 傷ついたクロシュの体組成「」ジワジワ――

  再生していくクロシュの体組成「」デロデロ――

   完治するクロシュの体組成「」モニョモニョ――


万全スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョ!!


妖精「す、すごい……! 傷が治っただけじゃなくて、体力とかまで全回復してる……!?」

クローディア「私の最も優れた力の一つと言えるでしょう。元気になったようで何よりです」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

妖精「……大魔女って、もしかして……不死鳥……?」

クローディア「あら、大魔女は大魔女よ?」ニコ

 *
493 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:32:21.45 ID:Ew7TzP9w0
トム「だりゃあああっ!!!」
 斧「」ブオンッ!!

  氷「」バギョムッ!!

ユキ「くっ……! 私の負け……」

トム「はあ、はあ……。まあオレは炎だからな。ユキ相手なら勝てて当然だ」

ユキ「その言い方はムカつく……」


スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン モニョモニョ!


トム「あ、クロシュさん! 怪我は大丈夫なのかよ!?」

ユキ「……もう、治ってる……?」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ


 デロデロ…モニョモニョ…チリッ


炎クロシュ「トムさん……バーニングスライムのちから……どう……?」チリチリ…

トム「なっ……!? クロシュさん、炎属性まで使えんのかよ!?」

炎クロシュ「うん……レッドちゃんに、もらった……」

トム「は、反則すぎんだろ……。ていうか怪我は大丈夫なのか?」

炎クロシュ「うん……大魔女さんに、治してもらった……」

トム「まじか……。じゃあ、ちょっと戦ってみてえ!! 病み上がりで悪いんだけど良いか!?」

ユキ「本当に悪い……。クロシュさん、こいつの言うことは聞かなくても……」

炎クロシュ「うん……! わたしも……体の奥、めらめらちりちりする……!!」

トム「しゃあ!! じゃあやろうぜ!!」

ユキ「ええ……」


 ――模擬戦闘開始 炎の留学生トム――


↓1コンマ
01-10 敗北 剣経験+1、トムLV+1
11-50 勝利 剣経験+1、魔経験+1、トムLV+1
51-90 勝利 剣経験+2、魔経験+1、トムLV+2
91-00 会心 剣経験+4、魔経験+4、トム覚醒
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 23:33:33.88 ID:Dcf82JM+0
てや
495 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:53:49.93 ID:Ew7TzP9w0
炎メイド剣士クロシュ「」シュバッ

トム「うおっ!」

 ガギンッ!!

  赤熱メイドブレード「」ギギギ
  炎の斧「」ギギギ

トム「あっちち……!? マジでレッドと同じ熱さだ……!!」バッ

炎メイド剣士クロシュ「」シャッ

トム「ちいっ!!」

 ギンギンギンガギンッ!!

炎メイド剣士クロシュ「!」グラッ

トム「だが――パワーなら斧の方が上だ!!」グオアッ

 炎の斧「」ブオンッ!!

  ヒュンッ

トム「なにっ!? 避けられ――」

炎の踊り子クロシュ「〜〜♪」シャランシャラン

 際どい踊り子衣装「」シャランシャラン

トム「えっ……!? う、うおおっ!?///」

炎の踊り子クロシュ「?」



ユキ「……トムの奴……戦いの最中に何考えてるのかしら……」

妖精「男の子なんだねえ……」

クローディア「あっははは、かわいいじゃない!」



トム「うおおおお!! 卑怯だぞクロシュさん!!!!」

炎の踊り子クロシュ「ほえ……?」

トム「そんな軟派なやり方に……オレは負けねえ!!!」カッ!!!
 炎「」ゴオオオオッ!!

炎の踊り子クロシュ「わあ……!」

トム「決着を付けてやんぜ!!」シュバッ

炎の踊り子クロシュ「〜〜♪」シャランシャラン
 踊り子の双剣「」シャキンッ

  ギンギンギンギンッ
   クルンクルンッ ドッギャァァァンッ!!!!

 *

トム「負けた……魔法でも、炎でも、武技でも……」

クロシュ「……踊り子になったら……トムさん、弱くなった……」

トム「うっ……」

ユキ「技術よりも精神を鍛えた方が良いんじゃないの」

トム「う、うるせェ!!」


 ☆クロシュの剣経験が+2、魔経験が+1となりました
 ☆トムの戦闘レベルが上がりました

 ◆
496 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/10/27(日) 23:54:44.92 ID:Ew7TzP9w0
というわけで本日はここまでとなります。次回はダークヒーローを称える歌編からとなります

ユキさんのところへ行こうとしたら突然のテロリズムが発生し、窮地に追いやられる一行。続々と疑似魔王化する市民たちに絶体絶命のクロシュたちでしたが、ミスティのシェルターとクロシュの根性によりなんとか九死に一生を得ました。妖精さんとミスティさんにものすごく叱られたクロシュさんですが、間違ったことをしたつもりは全くないらしく、たぶん反省もしていません
そして純情な若者を相手に扇情的な格好で攻め立てて勝利を収めるクロシュ氏です。明日の調査へ向けて、一歩一歩力を付けていくのが良いでしょう

それでは本日もありがとうございました。次回の土日もよろしくお願いいたします
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/27(日) 23:57:21.41 ID:T5Wr5iWDO
乙です
学生三人組の中で出てこなかったトリル君は大丈夫だったのかな
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/10/28(月) 03:05:33.10 ID:1TB7dIWWo
おつです
ああ、擬似魔王化が切れるまでクロシュが耐えたのか…
考えるより動く派 クロシュ、ミスティ(妖精も此方寄り)
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/01(金) 02:10:31.14 ID:ea86b0O90

トムって炎魔法以外にもマグマを操る溶岩魔法があるけどそれは使わないのかな?それかトムレベルが覚醒したら使えるのかな。後、トムレベルはどれくらい上げたら覚醒になるのかな?
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 08:37:18.60 ID:sgggkT1n0

もう魔王のだな
501 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 17:16:16.01 ID:SR0sl2AI0
トリルくんはたまたまあの時あの場にいなかったようです。図書館にでも行っていたのかもしれません。彼の方では特に問題はなかったようです
トリル氏はユキさんやトム氏と比べると武闘派というわけでもありませんが、面白い魔法の使い手なので、もし彼が戦うことになったら面白いものが見られるかもしれません

クロシュは大亀の甲羅の姿になり、疑似魔王化した人たちからの攻撃を耐えたようです。とても痛かったそうですが、スライムは物理に強く体も丈夫な生き物なので、大事には至らなかったようです
クロシュとミスティさんは、考えるよりも先に体が動いてしまうことが他の人より確かに多いかもしれません(ミスティさんはクロシュよりは冷静です)。妖精さんもそういう節がないわけではないですが、時々考えすぎて動けなくなってしまったりもするため、前者二人に比べると慎重かつ引っ込み思案と言えるかもしれません

トム氏は溶岩を扱う魔法も使えますが、街中で溶岩を出すのはけっこう危険なので、街中で溶岩を出すことはないようです。この大魔女帝国は空中都市なので、トム氏が溶岩魔法を自由に使える場所は学園の耐火室や競技場くらいかと思われます
覚醒はレベルアップではなくクリティカルが出た時のものとなっています。パーティメンバーというわけではないので、運次第と言えるのかもしれません

疑似魔王化は恐ろしい邪法ですが、1ターンで死ぬ上に本物の魔王よりは全然弱いので、気をつければ大丈夫でしょう。しかし複数人が一気に疑似魔王化すると冗談では済まされないコンマ補正がかかってしまうため、やはり気を付けた方が良いかもしれません
502 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 17:17:05.25 ID:SR0sl2AI0
―歓楽区

 アイテムポーチ「」パンパン

イリス「準備はこれくらいで良さそうですかね?」

ローガン「うむ。ひとまずはこれで十分だろう」

エバンス「俺たちだけじゃなくて明日は大魔女もいるからな」

イリス「ですね……! 大魔女様と一緒に調査できるなんて、私すごい楽しみです……!」

エバンス「イリスちゃんはやっぱり大魔女のことを尊敬してるのか?」

イリス「そりゃそうですよ! 魔女の中の魔女、全ての魔法を極めし超人なんですから!」

エバンス「そ、そうか……」



クリス「……あれ? あなた方は、もしかしてダークヒーローイリスの一行ですか……!?」ヌッ

イリス「えっ……!?」

クリス「あっ、すみません! 私、歌手のクリスティーナ・アムニジスと言います!」

イリス「……あっ! 前に劇場で歌ってたのを見ました!」

クリス「えっ本当ですか!? わあ……ダークヒーローイリスに見てもらえてたなんて……!」

エバンス「ああ、そういえば前に見たな。あの時は天井からレッサースライムが落ちてきて……」

クリス「あっ……そ、その時だったんですね。その節は大変ご迷惑をおかけしてしまい……」

エバンス「いやいや、気にしないでくれ。別にあんたが悪いわけじゃないだろう」

イリス「そうですよ! まあ、その……レッサースライムさんたちは、気の毒でしたけど……。そういえば今日はお休みなんですか?」

クリス「はい。昨今の騒ぎもあって、劇場も休館中でして……。なるべく外出も控えるべきなんですけど、のど飴を切らしてしまったので」スッ

 大魔女のど飴「」ポン

イリス「わあ……袋に大魔女様のお姿がプリントされてますね」

クリス「すっごい良く効くんですよ。歌いすぎて喉がガラガラになっちゃった時はこれを舐めてるんです」

イリス「おお……」

クリス「……そうだ! 私、以前ダークヒーローイリスとその一行のテーマソングを作曲したんですけど、せっかくなので聞いていかれませんか!?」

イリス「えっ」

エバンス「お、おう……いいんじゃねえか?」

ローガン「うむ……買い出しは済んでいる。特段問題はないだろう」

イリス「じゃ、じゃあ……せっかくなのでお願いします」

クリス「はいっ! それではこの閑散とした通りを特設ステージに見立てて――」


↓1コンマ
01-05 ひどかった
06-35 変わった曲だった
36-65 面白い曲だった
66-95 元気が出る曲だった
96-00 様々な経験を積めた
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 17:17:52.84 ID:sgggkT1n0
504 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 20:00:58.63 ID:SR0sl2AI0

クリス「真なる巨悪を討つ闇の英雄ダークヒーローイリス――彼女の戦いはこれからだ!!!!」ドドン!!


観衆「ワーワー!!」パチパチパチ


クリス「ご清聴ありがとうございました!!!!」



イリス「……///」

エバンス「こういう曲調なのか……!」

ローガン「フッ……良い曲だ」


クリス「イリスさん、どうでしたか!?」ヌッ

イリス「ええと……よ、良かったと思います……」

クリス「本当ですか!? ダークヒーローイリス御本人に認めていただけるなんて……!」パァァァ!

イリス「これからもがんばってくださいね……!」

クリス「はいっ! イリスさんたちも、悪には絶対に負けないで!!」

イリス「もちろんです……!」

 ◆
505 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 20:16:09.71 ID:SR0sl2AI0
―大魔女帝国 滞在12日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◇クローディア[大魔女]
武:万象の杖     盾:         飾:不死鳥の羽根
武:         防:大魔女のローブ  飾:黒晶の耳飾り

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
マッスルワイン*1               
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
雷スライムの欠片

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
・クロさんを助ける

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[9/12](クロシュ)
・魔法[2/4](クロシュ)
・魔法[2/8](イリス)
・星属[6/8](イリス)
・魔法[2/8](ミスティ)
・剣技[6/8](エバンス)
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[5/8](ローガン)
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
……………………………………………………………………………………
506 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 20:16:42.26 ID:SR0sl2AI0
―大庭園

 チュンチュン クルーポッポッポ

 噴水「」シャワシャワ

 花のアーチ「」フワフワ

 花の生け垣「」フサフサ


クロシュ「わあ……!」

イリス「大庭園……! 大魔女様の宮殿に行く時に通るけれど――」

ミスティ「庭園の中に入っていくのは今回は初めてね……。生け垣に咲いている花が綺麗だわ……」

ティリウス「あれはウィッチローズ。フォレスティナのフェアリーローズをこの庭園の環境に適すように品種改良したんだ」

妖精「へえ。土いじり趣味は相変わらずみたいだね」

クローディア「ティリウスにはこの都市全体の植物を統括管理してもらってるの。植物に関して彼の右に出る者はいないから」

ティリウス「やあ、それほどでもありますが!」ニコニコ

妖精「お調子者なところも相変わらず……」

クローディア「今日は遠足に来たわけではないから、花の美しさに見惚れて気を抜かないよう。いいですね?」

ローガン「承知しております。大魔女殿の足を引っ張らぬよう全力を尽くしましょう」

エバンス「物理戦闘は俺と旦那に任せ――お任せください、大魔女様」

クローディア「無理に慣れない言葉遣いにしなくて良いわ」

 ◇

―大庭園 奥地

 結界「」ゴゴゴゴ…

妖精「こ、これは……!」

クローディア「……見事な結界ね。私もかなり昔に一度世界樹の結界を見たことがあるけれど……あれの構成をよく再現している」

ミスティ「じゃあ……本当に、緑の国の結界……?」

妖精「……間違いなくあの結界だ。細部は異なる……ていうか、あれよりも洗練されてるけれど。根本的な設計思想があれと共通してる」

ティリウス「……では、やはり緑の国の者が……?」

妖精「……それは……断言はできないよ……。何かの間違いで結界の作り方が流出しただけの可能性もあるし……」

クローディア「中に潜んでいる者を捕らえて問い質せばわかることです。早速侵入しましょうか」

ティリウス「僕はここで待っているよ。外から見張っている人も必要だろうからね」

妖精「うん、お願い。それじゃあ入ろう」

 トプン…

 *
507 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 20:17:23.81 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 踏破率[0/10] 持久力[10/10]

 ゴウンゴウン… ゴゴゴゴゴ…

 板金の床「」カンカン
 金属のパイプ?「」ゴウンゴウン
 謎の機械「」ピポポ


エバンス「な、なんだここは……!?」

イリス「……金属です……! 床も、壁も……!」

ローガン「……イスファハーンや大魔女帝国の建築物も先進的な施工が為されていたが……これは……」

ミスティ「気味が悪いわね……」


妖精「……うっ……」フラッ

クロシュ「!」バッ

 ポフッ

妖精「うぅ……クロシュ……ありがと……」

クロシュ「妖精さん……だいじょうぶ……?」

妖精「気持ち悪い……。ここ……酷い感じがする……」

クロシュ「……うん……」

クローディア「同感よ……。ここは……最悪の気が漂っている。空気に敏感な妖精類には酷な環境でしょう。今耐性魔法をかけるわ」ポウ―

妖精「……はあ……楽になった。ありがと……」

クローディア「礼には及ばないわ。この結界に最も詳しいのはあなたなのだから、ここででへばられちゃ困るし」


クロシュ「……」

 板金の床「」
 金属のパイプ?「」ゴウンゴウン
 謎の機械「」ピポポ

クロシュ「………?」


↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-30 踏破率+3、敵襲
31-50 踏破率+3、魔力の結晶(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
51-70 踏破率+3、生命の結晶(持久力+5)
71-90 踏破率+3、???(本日戦闘コンマ+25)
91-00 踏破率+3、???
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 20:19:21.87 ID:6k8CWBybO
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 20:19:24.29 ID:FZnF/pQb0
510 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 21:00:31.07 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 踏破率[3/10] 持久力[9/10]

 カン カン カン…

 ヌッ!

不定形の生物「」グニョグニョ


クロシュ「!?」

イリス「うわあっ!?」

ミスティ「スライム……!?」


 デロデロ…ポン!

スライムクロシュ『こんにちは……』モニョモニョ

不定形の生物「」グニョグニョ

スライムクロシュ『……ことば……わかる……?』モニョモニョ

不定形の生物「」グニョグニョ

スライムクロシュ『んゅ……』モニョニョ…


妖精「クロシュ……これは……多分スライムじゃ、ない……」

スライムクロシュ「……」モニョ…

クローディア「……ええ。スライムに似ているけれど……スライムではないわ」

スライムクロシュ「……」モニョニョ…

クローディア「これは……純化された生命のソースね。言うなれば、生命の素……生命になる前の生命……とでも言えばわかりやすいかしら?」

エバンス「ぜ、全然わからん……」

クローディア「まあ……命の素だってことがわかれば良いでしょう。でも普通、生命のソースはそのままの状態でこの世界に存在していないし……何らかの偶然で発生してしまっても、こんな蠢くゲル状の物質になるとは考えにくい……」

ローガン「……つまり、この結界の主が意図的にこれを作り出したということですかな?」

クローディア「そう考えるのが自然でしょう。そして……生命のソースの作り方は――わざわざ説明するまでもない」

イリス「……」

ミスティ「……予想通りの外道というわけね。ここの主は」


不定形の生物「」グニョグニョ

スライムクロシュ「……」モニョ…

 モニョモニョ… モグモグ…


エバンス「うおっ!? クロシュちゃん、それ食って大丈夫なのか!?」

クローディア「……生命のソースは食べられます。もし毒性を有するものでも、スライムのクロシュなら問題なく消化できるでしょう。見たところ、魔法や呪いの類がかけられているわけでもありません」

エバンス「そ、そうか……」


スライムクロシュ「……」モニョモニョ モグモグ…

 *
511 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 21:01:20.41 ID:SR0sl2AI0
 カン カン カン…

 金属扉「」ギィ…

 部屋中に飛び散った赤い液体「」ベチャッ


イリス「うっ……!?」

ミスティ「これは……まさか……!!」

エバンス「……いや、待て……! 見た目はともかく……血の匂いはしないぞ」

イリス「……あ、本当だ……」

ミスティ「じゃあ……これは、何……?」

妖精「……」

クローディア「これは……今度は、スライムみたい。飛び散っているのは……このスライムを構築していた粘体でしょうね」

ローガン「ぬう……」

ミスティ「……赤い、スライム……?」




床に転がっている小さな核「」

クロシュ「……」トコトコ

 デロデロ…ポン

スライムクロシュ『生きてる……?』モニョモニョ

『……だ……れ………?』モニョ…モニョ…

スライムクロシュ『わたし……クロシュ……。あなたは……』モニョモニョ

『…あた……し……だ、れ…………?』モニョ…モニョ…

スライムクロシュ『……ごめんなさい……。わかんない……』モニョニョ…

『………くる、し……い……。くろ、しゅ……たす、けて……』モニョ…モニョ…

スライムクロシュ『…………食べて、いい……?』モニョニョ…

『……う、ん……。はやく……らく、に……なり、たい…………』モニョ…モニョ…

スライムクロシュ『……わかった……』モニョ…

 モニョモニョ…モグモグ…

『……あり……が………と…………』モ…ニョ…


 ☆クロシュが誰かの分体核を食べました
  本日の戦闘時、コンマが+25されます


↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-30 踏破率+3、敵襲
31-60 踏破率+3、魔力の結晶(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
61-90 踏破率+3、生命の結晶(持久力+5)
91-00 踏破率+3、???
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 21:02:20.06 ID:sgggkT1n0
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 21:04:18.98 ID:UrdJ1j5bo
あーこれ……
というかここで強敵の流れはコンマ演出家っすね
514 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 21:36:10.55 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 踏破率[6/10] 持久力[8/10]

 カン カン カン…

クローディア「……何か来る。構えて」

ローガン「むっ」バッ

エバンス「お、おお……!」バッ


 通路の奥「」ヒタ ヒタ…


イリス「通路の奥……薄暗くてよく見えないけど……」

ミスティ「この足音は……?」

クロシュ「!」


虚ろなブラッド?「……」フラフラ


ミスティ「……ブラッド……!」

妖精「ま、待って! 様子が――」


虚ろなブラッド?『あ……てき……ころさないと……』モニョモニョ

クロシュ「!!」バッ

 シュバッ!!
  ガギンッ!!!

 メイドブレード「」ギギギ
 ブラッド?の刃腕「」ギギギ

クロシュ『ブラッドちゃん……!!』モニョモニョ…!!

ブラッド?『あは……おまえも、あたしとおなじなんだ……!?』モニョモニョ…!!


イリス「クロシュちゃん! 私も――」

クローディア「後ろからも来ている!! 挟み撃ちだわ!!」

ミスティ「えっ!!?」


ブラッド?B「〜〜…」モニョモニョ…
ブラッド?C「〜」モニョニョ
ブラッド?D「〜…」モニョ…
ブラッド?E「〜〜」モニョモニョ


ローガン「ぬう……!!」シャキン

エバンス「冗談じゃねえぞ……!!」シャキン


 ――戦闘開始 ブラッド?の群れ――


↓1コンマ(誰かの分体核+25)
01-10 痛恨 持久力-4
11-40 劣勢 持久力-2
41-90 優勢
91-00 会心
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 21:37:56.25 ID:6k8CWBybO
いけ
516 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 21:50:26.82 ID:SR0sl2AI0
ブラッド?B「」シュバッ!

ローガン「ぬう!」ガギンッ!!


ブラッド?C「」シャッ!

 ガギギギンッ!!

エバンス「ぐおお……!! は、速い……!!」


ミスティ「くっ……速すぎて捉えられない! あいつら、ブラッドの分体なの……!?」

妖精「わ、わからない!! でも……全部今まで戦ってきた分体と遜色ない強さだ!!」

イリス「くうう……!! 援護しなきゃ――」


クローディア「戦の加護を!!」カッ!!


ローガン「!」パァァァ!

エバンス「なんだこりゃ……体が軽くなった!!」パァァァ!!

クローディア「強化の魔法をかけました。今ならそのスライムとも打ち合えるはずです」


 ギギギギンッ!! ドガッ!!

ブラッドC?『〜!』モニャ!
ブラッドD?『〜〜!』モニャニャ!

エバンス「しゃあ! サンキュー大魔女様!」

ローガン「これで我々も皆を守れる……!」ジャキッ



 ギンッ
  ギギンッ

メイド剣士クロシュ『ブラッドちゃん……どうしてここにいるの……!?』モニョモニョ!

ブラッド?『だあれ、それ……? どうでもいい……あそぼ、くろしゅ!』モニョモニョ!

  ガギンッ!
   ギンギンギンッ!!

↓1コンマ(誰かの分体核+25)
01-10 痛恨 持久力-4
11-40 劣勢 持久力-2
41-90 勝利
91-00 勝利
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 21:51:17.20 ID:FZnF/pQb0
はい
518 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 22:19:28.81 ID:SR0sl2AI0
 ギンギンッ
  カチンッ! ドガアンッ!!

ブラッド?B「」デロデロ
ブラッド?C「」デロデロ
ブラッド?D「」デロデロ
ブラッド?E「」デロデロ

エバンス「こっちは片付いた! あとは――」



 ギギンッ
  ドゴッ!!

ブラッド?『んわっ……!』ゴロゴロ モニャニャ

クロシュ『ブラッドちゃん……! もう、やめよ……? 痛いのは……やだよね……?』モニョモニョ

ブラッド?『あは……なにいってるの……? あたし……ころさなきゃだめなんだよ……?』モニョモニョ

クロシュ『え……?』モニョ…

ブラッド?『そうしなきゃ……失敗作は、ぐにょぐにょにされちゃうんだもん!』モニョモニョ!

クロシュ『!!』モニョ!!

ブラッド?『くろしゅは、ちがうの……?』モニョニョ…?

クロシュ『……』



『……そいつらを……解放してやって……』モニョモニョ

クロシュ『!』

『そいつらは……分体のあたしから作られた……言わば、分体の分体……。あたしだけ楽になるのは……やだ……。あたしから生まれたこいつらも……これ以上苦しませたくない……』モニョモニョ

クロシュ『わかった……』モニョモニョ

『お願い……』モニョニョ…



メイド剣士クロシュ『……』シャキン

ブラッド?『あは……やるきになった……! やろ、やろ……!!』モニョニョ…!!

メイド剣士クロシュ『……!!』シュバッ

 ズバァッ!!

 *
519 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 22:19:58.62 ID:SR0sl2AI0

 ブラッド?たちの死骸「」ジュクジュク…

スライムクロシュ「」モニョモニョ モグモグ…


ミスティ「……ブラッドの死骸なんて食べて大丈夫……?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ モグモグ

妖精「……大丈夫だって」

ミスティ「そう……」


スライムクロシュ「」モニョモニョ モグモグ…


ミスティ(ブラッド……憎き復讐相手だけれど……)

ミスティ(ここにいたこいつらは、明らかに様子がおかしかった……)

ミスティ(ここは何? なぜブラッドがいるの? ここの主は……何者なの?)

ミスティ(……ここの主に、問い質さねばならない)


 ☆ブラッド?の群れを食べたことで持久力が3回復しました
  さらに、次の戦闘コンマに+15が加算されます


↓1コンマ
01-30 踏破率+3、敵襲
31-60 踏破率+3、魔力の結晶(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
61-90 踏破率+3、生命の結晶(持久力+5)
91-00 踏破率+3、???
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 22:20:25.74 ID:jz94fOTDO
はい
521 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 22:35:11.78 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 踏破率[9/10] 持久力[10/10]

 カン カン カン…

 金属扉「」ギィ…


イリス「この部屋は……?」

クローディア「……貯蔵庫のようですね」

 貯蔵庫「」バカッ

 何かの結晶「」キラキラ

ミスティ「結晶……?」

クローディア「これは……先ほど言った生命のソースの結晶ね。かなり高純度に物質化されている……これほどの洗練された物質化技術があるなら、ますますあのゲル状の物質が不可解だけれど――」

妖精「……この結晶たちも、元は尋常な生命だったんだ。ここに置いてはいけないよ」

クロシュ「たべる……?」

妖精「食べられる……?」

クロシュ「うん……」

クローディア「……私の手で生命力に変換し、皆に分配しましょう。クロシュ一人で食べるには少々多すぎますから」

妖精「そんなこともできるの? じゃあお願い」

クローディア「ええ。それじゃあいきますよ――」パァァァ


イリス「わ……なんだか、体の奥から力が湧いてくるような……!」ポウ

ミスティ「生命力……これが……」ポウ

エバンス「少し疲れてたが元気が出てきたな」ポウ

ローガン「おお……これは凄いな」ポウ

クロシュ「わあ……」ポウ


 ☆生命の結晶をみんなで分け合い、持久力が5回復しました


↓1コンマ
01-45 踏破率+3、敵襲
46-90 踏破率+3、魔力の結晶(持久力+2、次回戦闘コンマ+10)
91-00 踏破率+3、???
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 22:37:39.75 ID:Yjm2lubxo
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/02(土) 22:37:50.05 ID:Gqsx9zU5O
ほい
524 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 23:42:03.87 ID:SR0sl2AI0
謎の結界 踏破率[9/10] 持久力[14/10]

 貯蔵庫「」

イリス「あれ? こっちの貯蔵庫は何だろう?」

ミスティ「開けてみましょう」

 貯蔵庫「」パカッ

 何かの結晶「」キラキラ

妖精「これは……結晶化された魔力だね。そのままじゃ食べられないけど――」

クローディア「せっかくですしこれもみんなに分配してきましょう」

妖精「できると思った」

クローディア「当然です。魔力の扱いに関しては世界一の大魔女ですから」パァァァ


イリス「おお〜! 今度は魔力がみなぎる……!」ポウ

ミスティ「こっちは馴染み深い感覚ね……」ポウ

エバンス「よし、戦備は万全だな……!」ポウ

ローガン「うむ……何が出てきても全力を出せるだろう」ポウ

クロシュ「わあ……」ポウ


 ☆魔力の結晶をみんなで分け合い、持久力が2回復しました
  さらに、次回の戦闘コンマに+10が加算されます

 *
525 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 23:42:30.55 ID:SR0sl2AI0
謎の結界 踏破率[10/10] 持久力[16/10]

 カン カン カン…

 大きな金属扉「」ドン!

妖精「……異様な気配。この先が最深部かも」

クローディア「もし結界の主がいるなら、私たちの侵入に気付いていないはずがありません。待ち伏せしていると思った方が良いでしょう」

エバンス「大人しくお縄についてもらいたいとこだがな」

ローガン「……しかし、ブラッドくんの分体たちによる襲撃こそあったが、この施設の警備システムとしての動きとは思えなかった。ここの主は不在なのではないか?」

クローディア「不在だとしても、普通は自動的に動く警備システムを構築するはず……。誘い込まれたと考える方が自然かもしれません」

イリス「誘い込まれた……罠ってことですか?」

クローディア「ええ。例えば、この扉を開けた瞬間施設ごと大爆発! とか」

エバンス「ええ……勘弁して欲しいぞそれは」

クローディア「今のところそれらし魔力反応は検知できていません。それに爆発やそれに類する事象が起きたとしても、私の防護魔法が発動する方が早いので大丈夫です」

妖精「そりゃまあ頼りになる……。とにかくここまで来たら開けるしかないし、さっさといこう」

クローディア「ええ。それじゃあ私が先陣を切りましょう――」スッ

 大きな金属扉「」ガチャッギィィー…

 *
526 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 23:43:12.31 ID:SR0sl2AI0
―謎の結界 最深部

「おやおや、ようやくここまで辿り着いたんですか。思ったより遅かったですねえ」


クローディア「お前は――」

イリス「あなたは――留学生の、ノーラさん!?」

ノーラ「アッハ、まだそんな偽りを無邪気に信じているんですか? 天下のダークヒーローも大したことありませんね」

クローディア「変装を解いたらどうですか? 冒涜の魔術師カリス・ノーランド」

妖精「えっ!? か、カリス・ノーランド……!?」

ノーラ「はあ……太母まで、いつからそんなに節穴になったんですか? いえ……太母は元々でしたね――」スッ

 ポイッ
  砕け散る丸眼鏡「」カシャァンッ―
   銀色から金色へと変化していく髪色「」サラサラ

ノーラ→白衣の金髪エルフ少女→カリス「……ふっ……やっぱり真の姿の方が落ち着きますね」ファサッ
527 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/02(土) 23:58:13.87 ID:SR0sl2AI0
というわけで本日はここまでとなります。次回、カリスとの戦いから開始です

とうとう正体を現した巨悪――それはかつて指名手配され、既に処刑されたはずの国際指名手配テロリストのカリス・ノーランドだった
金属に囲まれた薄ら寒い施設に木霊する、声なき者たちの慟哭。クロシュの心奥に響き、やがて音もなく溶けていく。そして胸に灯るは、静かなる決意。かの邪術師が哀しみをもたらすのであれば――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 12:49:00.95 ID:3cdqDGujo
おつ
カリスこいつ掛け値なしの邪悪だからコテンパンにしてほしい、頑張れクロシュ!!
529 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 16:30:02.73 ID:hM4BP/Vf0
カリス氏はとても邪悪な人物です。野放しにしておけばさらなる被害と哀しみが生まれ続けるでしょう
この物語にはこれまでも恐ろしかったり危険だったり悪どかったりする人物はそれなりに登場してきましたが、このカリスという人物はそれらの誰よりも恐ろしく危険で邪悪な者かもしれません。凶悪なテロ組織のシノホシの面々ですら、この最悪の犯罪者に比べれば対話の余地が僅かでもあるだけまし……と妖精は思っているようです
530 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 16:34:46.74 ID:hM4BP/Vf0
イリス「かっ、カリス・ノーランドって、史上最悪の極悪魔術師!? でももうとっくに捕まって処刑されたはずじゃ――」

カリス「アッハハ! 私の手にかかれば歴史や因果の捏造なんてお茶の子さいさいってことですね」

妖精「カリス、あなた……生きていたの……!!!」

カリス「わあ〜、そう睨まないでくださいよ太母さまぁ〜。昔のことはもう水に流しましょう?」

妖精「ふざけるな……!! お前のせいで、どれだけたくさんの――」

カリス「あーやだやだ、私根に持つタイプの人って嫌いなんですよね」

 シャキンッ!!

ミスティ「……答えなさい、カリス・ノーランド。10年前のスノウタウン滅亡について……」

カリス「ん? ああ……スノウタウンなら疑似魔王化の初実戦の舞台として使った記憶がありますね。結果は上々……素晴らしいものでした。あの街のお陰で私の研究もさらなる――」

 氷柱「」ヒュンッ!!

カリス「おっと」サッ

ミスティ「……」

カリス「……なるほど、あなたはあの街の生き残りですか。フフ……生き残る喜びを身を以て体験できて良かったですね? 感謝してくれても良いんですよ?」

ミスティ「……殺す」


カリス「やれやれ……仕方ありません。来なさい、私のかわいいクロシュ」

 デロデロ…モニョモニョ…ポン!

操られ分体クロシュ「はい……カリスさま……」モニョモニョ


クロシュ「!!」

妖精「あいつ……やっぱり……!!」


カリス「あの怒りっぽい人たちと遊んであげなさい。食べても構わないよ」

操られ分体クロシュ「……わかりました……」モニョモニョ

 モニョモニョ――シャキンッ
  赤熱メイドブレード「」ジュッ!!

操られ分体炎メイド剣士クロシュ「……やっつけます……」チリチリ


 ――戦闘開始 カリス&操られ分体クロシュ――

 ☆カリスが〈生命惨歌〉を発動!!
  カリス以外の味方の人数*30をコンマに加算!!
  戦闘終了後、カリス以外の味方は死ぬ!!!

↓1コンマ(分体核+25、ブラッド?+15、魔力結晶+10、生命惨歌-30)
01-10 痛恨
11-30 劣勢
31-90 優勢
91-00 会心
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 16:36:12.67 ID:JCpzW90w0
532 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 17:16:13.82 ID:hM4BP/Vf0
クロシュ「!!?」モニャ!?

妖精「な、なんで!? あいつは分体なのに――なんで炎化できて、メイドブレードまで――」

カリス「配下の潜在能力を引き出してあげるのも主人の務めですから。フフ、クロシュを失敗作と見なした過去の私も節穴だったようです」

ミスティ「こいつ……!! 命を失敗作などと……!!!!」ギラッ

カリス「おっとっと」サッ
 凍る地面「」ガギンッ!!

エバンス「初見でミスティちゃんの技が避けられただと!?」

カリス「負属性に気付けてるのは合格。でもそんな発動速度じゃ雑魚にしか――」

 星弾「」ギュンッ!!

 障壁「」ヴン!

 ドガァンッ!!

カリス「喋ってる最中に攻撃しないでくださいよ、礼儀がなってないなあ」モクモク

イリス「くっ……!」


クローディア「イリスとミスティはクロシュの援護へ。この大犯罪者は――」

 万象の杖「」スッ

クローディア「私が裁きます」ジャキ―


イリス「大魔女様……!」

ミスティ「くっ……悔しいけどその通りだわ。奴は大魔女に任せましょう」

カリス「アッハ、早速大魔女ですか……。いきなり大ピンチみたいですね、私……!」

 *

操られ分体炎クロシュ「」シュバッ

 赤熱メイドブレード「」ガギンッ!!
  赤熱メイドブレード「」ガギギンッ!!

操られ分体炎クロシュ「……」ギギギ

炎メイドクロシュ「んゅ……!!」ギギギ

妖精「クロシュ……!! くそっ……こんな淀んだ場所じゃ自然魔法で援護ができない……!!」

 鋼の剣「」シャッ!

 ギンッ!

操られ分体炎クロシュ「!」バッ

ローガン「ぬう……! 不意を突けたと思ったが……!」シャキン

エバンス「だが3対1だ! 分体とはいえクロシュちゃんと戦うのは気が引けるが――」


操られ分体炎クロシュ「……」スッ

 デロデロ…モニョモニョ…

 パラサイトソード「」シャキン!!
 メイドブレード「」シャキン

炎メイドクロシュ「!!」
エバンス「!!?」
ローガン「!!?」

 ヒュッ―
  ギギギギギンッ!!
   ガギンガギンッ!! シュバッ!!

炎メイドクロシュ「んゅっ……!」ズザザッ!!
エバンス「なんだと……なんでだよ……!?」ズザッ!
ローガン「バカな……!!」ズザッ!

操られ分体剣鬼クロシュ「……」ゴゴゴゴ…

 *
533 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 17:17:02.87 ID:hM4BP/Vf0
 炎「」ゴウッ!!
  旋風「」ビュオオオッ!!

 障壁「」ピシピシ…!!

  光「」カッ!!

 障壁「」バリィンッ!!

クローディア「そこ!」バッ!

カリス「ちぃっ!」ササッ!!

クローディア「喰らいなさい!!」ブンッ!!

 魔法弾「」ギュンッ!

カリス「!!」

 ドガァンッ!!!!

黒焦げカリス「」プスプス…

クローディア「殺しはしない。あなたにはこれから聞きたいことが――」

 ギュルギュル…グジュグジュ…

クローディア「!」

再生するカリス「いったいなあ……! こんな生きる実感とか、求めてないんですけど……!!」グジュグジュ

クローディア「生命魔法……!」


↓1コンマ(分体核+25、ブラッド?+15、魔力結晶+10、生命惨歌-30)
01-10 痛恨
11-30 劣勢
31-90 優勢
91-00 会心
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 17:18:20.72 ID:hQhuAZraO
えいやっ
535 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 19:58:40.42 ID:hM4BP/Vf0
操られ分体剣鬼クロシュ「」ヒュンッ

 シュバババッ!!
  ガギンガギンッ!! ドゴオッ!!

メイドクロシュ「んゅっ……!!」ドンッ ゴロゴロ…

妖精「クロシュ!!」

エバンス「ちくしょう! こいつ――前に魔剣でクロシュちゃんが操られてた時と違って――」

操られ分体剣鬼クロシュ「」シャッ!!

 パラサイトソード「」ビビビッ!!
 メイドブレード「」シュバァッ!!

ローガン「ぬうう……!! 完全に二刀流を使いこなしている……!!!」ギギギギンッ!!


イリス「クロシュちゃん! 援護します!!」

 星弾「」ギュンッ!!

操られ分体剣鬼クロシュ「!」サッ

ミスティ「そこ!!」ギラッ!

操られ分体剣鬼クロシュ「!!」
 凍っていく体「」カチコチ――

 炎「」ゴウッ!!!!

操られ分体炎剣鬼クロシュ「……」ジュウ…チリチリ…

ミスティ「!!」

操られ分体炎剣鬼クロシュ「……」チリッ

 光の残像「」パヒュンッ


妖精「嘘――炎化してる状態で光速移動まで――」


クロシュ「んゅゅ……」ググッ

操られ分体炎剣鬼クロシュ「」パヒュンッ

クロシュ「わ……!?」

操られ分体炎剣鬼クロシュ「……」
 赤熱メイドブレード「」スッ


妖精「だめ!! クロシュ避けてぇ!!!」


 赤熱メイドブレード「」シャッ―

クロシュ「あ――」
536 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 19:59:29.91 ID:hM4BP/Vf0

『ばか!! ぼうっとしてないで!!!!』モニョモニョ!

クロシュ『ほえ……』モニョ…

『おまえがすっとろいせいでいつまでも眠れないの!! あたしの戦闘経験を使え!!!!』モニョニョ!!

クロシュ『!!』モニョ!!



 ザシュッ!!!!

赤熱メイドブレードに貫かれるクロシュ「」デロ…



妖精「あ――ああああああああ!!!!!!」パタパタパタ!!

エバンス「ま、待て……!!! クロシュちゃんの様子が――」

赤熱メイドブレードに貫かれるクロシュ「……んへへ……」ニタ…

操られ分体炎剣鬼クロシュ「!?」モニャ!?

 デロデロ…モニョモニョ…


ミスティ「相手のメイドブレードを――」

イリス「取り込んで……同化してる!!?」


 ポン!

赤熱二刀流メイドクロシュ「!」シャキン!

操られ分体クロシュ「!!?」モニャニャ!?

赤熱二刀流メイドクロシュ「」シュバッ!!

 赤熱ツインメイドブレード「」シュビビビッ!!!

操られ分体盾クロシュ「〜〜!!」モニャニャニャ!! ガギギギンッ!!

 ドガァンッ!!
 デロデロ…

操られ分体スライムクロシュ「」デロロ…


イリス「やった!!」

妖精「あぁ……」ヘナヘナ…

 *
537 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 20:00:02.37 ID:hM4BP/Vf0
 ドガン!! カッ!!
  ゴウッ!! ビュオオオッ!!

クローディア「あちらでは決着が付いたようね。あなたもそろそろ悪あがきを辞めたら?」

カリス「ちっ……もう少し時間を稼げると思ってたのに。あそこまで強化してやってこれじゃやっぱり失敗作かな」

クローディア「……もう喋らなくて結構。あなたの言葉を聞いていると虫唾が走ります」

カリス「へえ。私と同じ穴のムジナの癖に」

クローディア「……」

カリス「掃除の魔王を無間地獄に落として積み上げた楽園の玉座はどんな座り心地ですか? 無知蒙昧な衆愚を作り上げて慕われるのはどんな気分ですか? ねえ? 大魔女さ――」

 光線「」カッ!!

再生するカリス「っつう……! 言葉で返せないから暴力ですか。ブタオーク並の倫理観でがっかりですよ」グジュグジュ

クローディア「二度と喋れないようにしてあげましょう。喉が潰れていても尋問は可能ですので」スッ

カリス「アッハ……仕方ない、そろそろ本気を出しましょうか……」

クローディア「もうとっくに本気でしょう。底は見えていますよ」

カリス「フフフ……勘違いしないでください。本気を出すのは――」スッ

クローディア「――!!」

カリス「私のクロシュですよ!!」カッ!!!!

 *

操られ分体スライムクロシュ「〜〜!!!!」モニャニャニャニャ!!


クロシュ「!!?」

イリス「な、これは……!!」


 漆黒の邪気「」ズズズズ…


ミスティ「魔王化もどき……!!」

ローガン「ぬう……!」シャキン!


 デロデロポン!


スライムクロシュ「!」モニョニョ!

操られ分体スライムクロシュ「〜〜!!」モニャニャニャ!!

スライムクロシュ「!」バックン!!

クロシュに呑まれた操られ分体スライムクロシュ「〜〜…」モニャニャ―

 モニョモニョ…モグモグ…


エバンス「た、食べた……!? 大丈夫なのか!!?」

妖精「く、クロシュ……!! やめて、もしあなたまで魔王化しちゃったら――」


スライムクロシュ『この子も……元は……わたしだったから……』モニョモニョ…モグモグ…

妖精「!!」

スライムクロシュ『これ以上……苦しませない……!!』モニョニョ…モグモグ…!!

 〈会心の食撃!〉

 モニョモニョ…モグモグ…

 *
538 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 20:01:26.39 ID:hM4BP/Vf0
カリス「……あれ?」

クローディア「……目論見は外れたようね」

カリス「ふむ……このケースは初めてです。まだまだ研究が――」

クローディア「もう黙りなさい」ヒュッ

 ドゴッ!!

カリス「うっ……!!」フラッ

 魔封の縛鎖「」ジャラララッガシッ!!!!

縛られるカリス「うあっ……!」ギチギチ

クローディア「完全なる魔封の縛鎖……これであなたはもう何もできない」ツカツカ

縛られるカリス「アッハ……本当に絶体絶命ですね、これは……」

クローディア「何も言わなくて結構。心を暴いてあげる」ツカツカ

縛られるカリス「……あー……」

クローディア「あら、本当に何も言わなくなるの?」ツカツカ

縛られるカリス「……まあまあ楽しかったですよ」

クローディア「……!!」バッ!!

縛られるカリス「ではお先に失礼――」キュイイン――

 カッ――
 衝撃吸収陣「」ギュオオオオオッ!!!!

クローディア「……危なかった。これほどの爆発……あと一瞬衝撃吸収陣の展開が遅れていたら施設諸共無に還るところだったわ……」

クローディア「まさか魔力に頼らない爆発手段を体内に仕込んでいたなんて……。こいつ……」


 ――戦闘終了――
539 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 20:02:40.89 ID:hM4BP/Vf0

スライムクロシュ「……」

『やっと終わった……これでようやく……おまえの中に、溶けられる……』モニョモニョ…

スライムクロシュ『……あなたは……ブラッドちゃんの……分体、なの……?』モニョニョ?

『さあ……あたしの本体が誰だったのかは、もう思い出せない……。そのブラッドってのは、あたしと同じ姿をしていたの……?』モニョモニョ

スライムクロシュ『うん……』モニョ

『そう……。じゃあ、もしその本体に出会うことがあったら、よろしくね……。クロシュみたいな優しいスライムなら……きっと、仲良くなれると思う……』モニョモニョ

スライムクロシュ『……』モニョ…

『……ここに来て……あたしたちを、助けてくれて……ありがとう………クロシュ……………』

 ☆誰かの分体を消化しました
  クロシュのスライム能力レベルが上がりました

 ◆
540 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 21:05:51.00 ID:hM4BP/Vf0
 一方その頃――

―大魔女宮殿

クロ「……なんだろ……胸がざわざわする……。大魔女さま……」

「見〜つけた。クロ教授」

クロ「えっ……」

ノーラ「お久しぶりです。お元気になさってましたか?」スタスタ

クロ「あ、うん……。ノーラ……どうして、ここに……?」

ノーラ「どうしてって、お見舞いに決まってるじゃないですか。クロ教授のこと、みんな心配してるんですよ?」

クロ「そ、そうじゃなくて……だって、今日は……」

ノーラ「……」

クロ「宮殿を、閉めてるはずなのに……」

ノーラ「……」

クロ「ノーラ……?」

ノーラ「……クロ教授のことが心配で、無理して入ってきました。だって……クロ教授っていつも笑ってるのに……心は、泣いてるから……」

クロ「え……」

ノーラ「……私……勝手に、クロ教授のことについて調べちゃいました。クロ教授は……その……魔王、だったんですよね……」

クロ「……!!」

ノーラ「大丈夫です、誰にも言いふらす気はありません。ただ……私は、クロ教授をこのまま放っておけません……! 私……クロ教授の苦しみを……なんとかしたいんです……!!」

クロ「だ、だめだよぉ……。わたしなんかのこと……そんな風に思う必要なんて……」

ノーラ「大丈夫です! 私が勝手にやりたくてやってるだけですから! 全部、私自身の為なんです!」

クロ「え……そ、そうなの……?」

ノーラ「はい! なので安心してください! 実はもう……クロ教授の苦しみを取り除く方法も見つけてあるんです……!」

クロ「えっ……!?」

 奇妙な本『ある風船スライムのお話』ポン! モニョモニョモニョ…

クロ「ひっ……!? な、なんで……」

ノーラ「フフ……これを読めば、クロ教授は救われます。かつての自分を取り戻し……罪過に苦しむ心は闇の奥底に沈んでいっちゃうはずですから……」

クロ「や、やめてぇ……わたし……戻りたく、ない……」

ノーラ「なぜです?」

クロ「だって……この国のことも……大魔女さまのことも……裏切りたくない……!」

ノーラ「裏切る? 何を言っているんです? あなたの献身を今も尚裏切り続けているのは、他ならぬこの国と大魔女様自身でしょう! クロ教授がどれほど苦しんでいるかも知らず、愚かな民は自堕落に暮らし――大魔女様はそんな衆愚に慕われて陶酔し切っている! こんな地獄、私は許せない……!!」

クロ「ち、違う……! 大魔女さまは……苦しんでるわたしを、助けてくれて……」

ノーラ「違いませんよ。国の為ともっともらしい大義名分を掲げて、苦しんでいるあなたを放置している。大魔女様は、この街を浮かせる為にあなたを利用しているだけなんです」

クロ「違うもん……!」

ノーラ「違いません。目を覚ましてください、クロ教授――いいえ、掃除の――」

 ドシュッ!!

ノーラ「」ドサッ
541 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 21:06:19.63 ID:hM4BP/Vf0
クロ「ふえ……!?」

クローディア「そこまでよ、曲者」スタスタ

クロ「だ、大魔女さま……!? なんでここに……!?」

クローディア「調査に出たのは鏡の私。ここを手薄にするわけにはいかないもの」

クロ「あ……」

クローディア「この曲者の言い分には耳を貸さないでね、クロ。私はあなたを――」


『この楽園を作り上げる為に、私は魔王の力を利用したの。丁度良いタイミングで丁度良い浮遊物体が出てきてくれたな、なんて思ったわ』ジジ…


クローディア「!!?」バッ


『この楽園を作り上げる為に、私は魔王の力を利用したの。丁度良いタイミングで丁度良い浮遊物体が出てきてくれたな、なんて思ったわ』ジジジ…


クロ「あ……」ジワ…


転がっている録音水晶『この楽園を作り上げる為に、私は魔王の力を利用したの。丁度良いタイミングで――』ジジ…

 パリンッ!!

砕けた録音水晶「」グシャ…


クローディア「クロ!! 今のは――」


クロ「……」ポロ…ポロ…


クローディア「……!!!」


クロ「えへ……。ぐすっ………わかって、た……。大魔女さまが……わたしの、力を目当てに……してた、こと………」ポロポロ

クローディア「クロ、違うのよ……! あれは――」

クロ「……でも……良かった……。大魔女さまが……わたしのこと……愛して……なくて……」ズズ…

クローディア「――!!!!」

 
 奇妙な本『ある風船スライムのお話』ペラッ…ペラッ…
  バララララララララッ――


クロ「やっぱり……愛なんて……なくさなきゃ、だめなんだね……」ズズズ……


クローディア「クロぉーっ!!!!!!」

 *
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 21:24:37.31 ID:3cdqDGujo
くっそやってくれるじゃねえか…!
543 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:02:37.44 ID:hM4BP/Vf0
―謎の結界

 カン カン カン…

クローディア「!!!!」

イリス「……? 大魔女様、どうしたんですか?」

クローディア「ごめんなさい、先に戻るわ!!」

 光の残像「」パヒュンッ


エバンス「うお、光速移動……!」

ミスティ「何かあったのかしら……?」

妖精「……嫌な予感がする。私たちも急ごう」

クロシュ「ん!」

 *

 カンッカンッカンッ!

妖精「えと……クロシュ、体は大丈夫」パタパタ

クロシュ「うん……ブラッドちゃんの、おかげ……」

妖精「そ、そう……。でも何事もなくて良かった……」

クロシュ「……わたし……ブラッドちゃんと……お話、してみたい……」

妖精「うん。今度会うことがあったら……いろいろ聞いてみたいことが増えたね」

クロシュ「うん……!」


ミスティ「……私の復讐は……間違っていたのかしら……?」

妖精「……それも確かめたいし。それにいつもブラッドの方がこっちを襲ってくるんだから、ミスティが正当でない復讐をしたってことにはならないよ。この前分体をやっつけたのも正当防衛だよ」

ミスティ「まあそれはそうだけど……」


ミスティ(……あのカリスという邪術師……爆死したらしいけれど……まるで終わった気がしないわ……。それは……私自身がトドメを刺したかったから……? それとも……)

 ◇
544 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:04:01.65 ID:hM4BP/Vf0
―大庭園 奥地

 トプン―

エバンス「っはあ! シャバの空気はうま――おああああ!!?」

ミスティ「なっ……!? 何よ、あれ……!?」


  黒く染まった空「」ゴゴゴゴゴ――

  頭上で異様な雰囲気を放つ漆黒の大気球「」ゴゴゴゴゴ――


ローガン「これは!? 何が起きている!?」

イリス「まだ昼間ですよね!? なんで空が黒く――」


ティリウス「みんな、戻ったんだね!! なんか空と気球の様子がおかしいんだ!!」

妖精「ティリウス!」

ティリウス「大魔女様も光の速さですっ飛んでいっちゃって……! 一体何が起きてるかわかるかい!?」

クロシュ「…………クロ、さん……」

妖精「!!」

ティリウス「クロさん……クロ教授のこと?」

クロシュ「…………うん」

妖精「まさか――」


  漆黒の大気球「」ゴゴゴゴゴ…モニョモニョモニョ…


クロシュ「……クロさん……泣いてる……」


  漆黒の大気球「」キュオオオオオン――


イリス「わっ……!? な、なんか……とんでもない魔力が、あの気球の中で高まって――」

妖精「はっ……ま、まずい!! もしあれが掃除の魔王なら、直下にあるこの楽園空中都市は――」

ミスティ「あっ……」


  漆黒の大気球「」キュオオオオオオオ――
  燼滅波「」カッ――


クロシュ(……全てを無に還す……哀しみの光……。諦める暇すら、ない)

クロシュ(でも……その光は……ここまで、届かなかった――)
545 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:04:29.44 ID:hM4BP/Vf0


空を飛ぶクローディア「はああああああ!!!!!!!」
 魔力吸収陣「」ギュオオオオオオオオオッ!!!!!!!



イリス「あ、あれは……大魔女様!?」

ミスティ「嘘……!? あれを……吸収しているの……!!?」

妖精「ば、馬鹿な……!! あんな膨大な魔力、吸収できるわけ――」


 燼滅波「」ズドオオオオオオ!!!!!
 魔力吸収陣「」ギュオオオオオオオオオッ!!!!!!!


エバンス「じ、実際に吸収してるぞ!!」

ローガン「う、うむ……! しかし――」


空を飛ぶクローディア「ぬうあああああああ!!!!!!!!」ググググ…


イリス「こ、このままじゃ押し負けちゃう!!!」

エバンス「どうすりゃいいんだよ!? 俺たちにできることはないのか!?」

妖精「そ、そんなこと言われても……! ええと、確か掃除の魔王は……」

ミスティ「側面や上方が弱い……!」

妖精「そ、そう! どうにかして上空に行ければ――」


 モニョモニョポン!


風船クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

ローガン「クロシュくん!」

妖精「そっか! その風船なら……!」

ティリウス「なるほど……! それなら、カゴはこれを使ってくれ!」バッ!

 蔓で編まれた気球用カゴ「」シュルシュル…ポン!

風船クロシュ「〜!」モニョ!
 蔓のカゴ「」ポン!

エバンス「よし、乗り込め!」

ローガン「うむ……! 持ってくれ、大魔女殿……!」

ミスティ「乗り込むわ! お願い、クロシュ!」

イリス「……あ、そうだ! 妖精さん、この結界引っ張って来れないかな!?」

妖精「えっ!? まあできないこともないけど――あ、そうか!」

イリス「うん! 世界樹の結界なら、あの消滅魔法にもきっと抗えるはず!」

妖精「冴えてる! 引っ張ってこう!」

 結界「」ニュン―

妖精「クロシュ、出ていいよ!」

風船クロシュ「〜!」モニョ!

 フワフワ…モニョモニョ…

 *
546 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:05:05.46 ID:hM4BP/Vf0
―楽園空中都市エデン上空


漆黒の大気球「」ゴゴゴゴゴ…モニョモニョモニョ…

 燼滅波「」スドオオオオオッ!!!!!
 魔力吸収陣「」ギュオオオオオオッ!!!!

クローディア「ぐ、う……これは……あなたを苦しめ続けた私への……罰……なのかしら……」ググググ…


「大魔女様!!」


クローディア「えっ……!?」


風船クロシュ「〜〜!」モニョニョ!! フヨフヨ

イリス「大魔女様! 私たちも手伝います!!」

クローディア「馬鹿! 離れなさい、ここにいたら――」

妖精「この国のどこにいたって同じでしょ!!!!」

クローディア「う……それもそうね……」

妖精「あの犯罪者の作った結界を引っ張ってきた! ちょっと待ってね――」パタパタ


 妖精の大結界「」カッ―!!
 燼滅波「」ジジジジジッ……!!!!


イリス「わあ……! 抑え込めてる……!!」

ミスティ「妖精が使うと……こんなにも明るく透き通った結界になるのね……」


妖精「くうっ……! あの最悪犯罪者が無駄に魔力を充填しといてくれて助かった! もうしばらくは保ちそう……!!」グググ

クローディア「あの庭園奥地からこんな上空まで……!? フフ、やはり伊達ではないわね……緑の国の太母……!」

妖精「そ、そういうのいいから早くなんとかして!! 私がこっちを抑えられる間に!!!」

クローディア「わかりました……! クロシュ、大気球の上まで飛んで来れる!?」

風船クロシュ「〜!」モニョ!

クローディア「じゃあ一緒に来て! あなたたちの助けが必要です!」

風船クロシュ「〜〜!!」モニョニョ!!

 *
547 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:07:12.12 ID:hM4BP/Vf0
―空中楽園都市エデン上空 大気球側面

漆黒の大気球の側面「」ゴゴゴゴ…モニョモニョモニョ…


風船クロシュ「」フヨフヨ

クローディア「ここから……大気球を、攻撃します」

風船クロシュ「!」


風船クロシュ『……クロさんは……』モニョニョ…

クローディア『……終わりにします……。あの子の……苦しみを……』モニョモニョ

風船クロシュ『……』モニョ…

クローディア『もう……こうするしか、ないのです……。この街も……もう、終わりです……』モニョニョ…

風船クロシュ『……』

クローディア『こういう事態に備えて、街を可能な限り安全に不時着させる為の保険はかけてあります。最悪の事態にはなりません』モニョモニョ

風船クロシュ『………』

クローディア『再び人の姿を与えるというのは絶対になしです。そのせいで……あの子は苦しんだのですから。もう……眠らせてあげなければ……』

風船クロシュ『…………』


風船クロシュ(……なんとか……してあげたいけれど……今は……方法を考えている時間も、ない……)

風船クロシュ(………戦いながら……考えよう……)


 ――魔王降臨 漆黒の大気球――


 ☆漆黒の大気球が〈哀を絶つ祈り〉を発動!
  会心率が絶大に上昇し、コンマ+500!!

 ☆クロシュたちが〈側面取った!〉を発動!
  痛恨および相手のコンマ補正を無効化!!
  さらにコンマ+30!!


↓1コンマ(側面+30)
01-50 劣勢 結界損耗大
51-90 優勢 結界損耗小
91-00 会心
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 22:07:47.22 ID:JBy4lceU0
549 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 22:39:44.21 ID:hM4BP/Vf0
クローディア「はあっ!!」カッ!!

 魔法弾「」バギュンッ!!
 大気球の側面「」ドガァンッ!! モクモク…

イリス「私たちも大魔女様に続こう! はぁぁぁ……!!!」ゴゴゴゴ…

ミスティ「ええ……! あれだけ大きいと凍らせられないし、氷柱も通らない……ならば!!」カッ!

 氷塊の群れ「」ドギュンッドギュンッ!!
 大気球の側面「」ドゴォンッ!!

ローガン「我々は天辺に行くぞエバンスくん! 射撃より直接攻撃した方が強い!」シュバッ!

エバンス「おう! ちっと跳ぶぞ、クロシュちゃん!」シュバッ!

風船クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 *

妖精「わ……! 気球の側面をローガンとエバンスが駆け上がっていく……! あいつら凄いなあ……!」

 妖精の大結界「」ジジジジジ…!!

妖精「私も負けてられない……えっ!?」


首輪を付けられた飛竜「ギャオオオ!」バサッバサッ


妖精「う、嘘……なんで、疑似魔王化した飛竜が……!!」


首輪を付けられた飛竜「ギャオギャオ!!」バサッバサッ


妖精「こ、来ないで!! ここで私が斃れたら――」


 ドゴオッ!!

首輪を付けられた飛竜「グギャッ……!」

翼で飛ぶサボテンドラゴン「〜〜!!」


妖精「えっ……サボテンドラゴン!? しかも翼で飛んでる――」


トム「こんにゃろう!! 妖精の邪魔をするんじゃねえ!!」グオンッ!!

 ドゴオッ!!

首輪を付けられた飛竜「ギャオオオオンッ!!!」


妖精「と、トムまで!? どこから飛んできたの!?」


トリル「妖精さん!」

ユキ「私たちも来たわ!!」


妖精「ええっ!?」


空飛ぶ絨毯「」ヒラヒラ


ユキ「トリルがこの絨毯を描いてくれたの!」

トリル「そのサボテンドラゴンさんも僕が描いたんだよ! 本当のサボテンドラゴンは飛ばないんだけど、絵だからね!」

トム「何が起きてんだか知らねえが、妖精たちが街を守ってくれてんのはわかってる! オレたちも一緒に戦うぜ!!」


妖精「みんな……!!」


↓1コンマ(側面+30)
01-50 劣勢 結界損耗大
51-90 優勢 結界損耗小
91-00 会心
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 22:41:54.16 ID:JCpzW90w0
551 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 23:04:09.31 ID:hM4BP/Vf0
イリス「はああああっ!!」

 星光の奔流「」ギュオオオッ!!!!
 大気球の側面「」ドガァァァンッ!!!

イリス「はあ、はあ……! なんて堅さなの……!?」

ミスティ「くっ……でも泣き言を言っている暇はないわ……! 私たちがモタモタしている間も、妖精の結界は消耗していく……!」

イリス「わ、わかってるよぉ!」バッ!


クローディア「くっ……! 結界調査からの連戦ともなると、あの子たちにとってはキツくて当然か……! やはり私が――」

 ズキッ!

クローディア「っ……! さっきの……無茶な魔力吸収が効いてるわね……! しっかりしろ、私の体……!!」ググッ!!



風船クロシュ「〜〜!!」モニャニャ!!

イリス「え、クロシュちゃんどうし――」


首輪を付けられた飛竜の群れ「ギャオオオッ!!」バサッバサッ


ミスティ「えっ……!? 何よ、あれは……!?」

クローディア「カリス・ノーランド……!!」ギリッ


 ヒュンッ!!

飛竜の群れを攻撃するホムンクルスたち「」シュバッ!! ドゴンッ!!
飛竜の群れを攻撃する航空オートマタ「コウゲキスル」ダァンダァン!

飛竜の群れ「ギャオオオオンッ!!」


イリス「えっあのホムンクルスたちは……!?」


ロディナ「遅れて申し訳ありません、大魔女様」ヒュン

クローディア「ロディナ!」

ロディナ「飛行魔法が使えるホムンクルスの有志を募り、航空オートマタと共に援護に参りました」

クローディア「でかしたわ! そのまま私たちの援護を! 余裕のある者は大気球を攻撃して!」

ロディナ「承知致しました」


イリス「わあ……! これなら――」

クローディア「油断はできないわ! 何より――」


漆黒に染まっていく飛竜「」ズズズズ――


イリス「疑似魔王化……!」

クローディア「我が航空戦隊でもあの相手は荷が重い……! 急がなければ!!」


↓1コンマ(側面+30)
01-50 劣勢 結界損耗大
51-90 優勢 結界損耗小
91-00 会心
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 23:05:18.51 ID:1yLfcacDO
はい
553 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 23:38:49.10 ID:hM4BP/Vf0
ユキ「はっ!」ギラッ

凍る飛竜「ギャッ……」カチンッ!


飛竜の群れ「ギャオオオンッ!!」バサッバサッ

トム「どんどん数が増えてきやがる!! キリがねえ!!」

トリル「でも妖精さんには絶対に近づけさせないようにしないと……!!」

ユキ「くっ……! 私たちだけじゃ手が足りない……!!」



フローレンス「それー」ヒュンッ

 ズバズバザシュッ!!!

落ちていく数匹の飛竜「」ヒューン


トリル「え……? 飛竜がいきなり落ちて……」

トム「うおっ!? なんか滅茶苦茶速く飛んでる奴がいる!!」

スール「小童ども、無事かい!? 薬を持ってきてやったよ!」ヌッ

トリル「わああああ!?」

トム「魔法屋のおばさん!? なんでこんなとこに!?」

スール「はっはっは、蛇は飛べるのさ! 知らなかったのかい?」

ユキ「聞いたことないけど!?」

 *
554 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/03(日) 23:39:17.26 ID:hM4BP/Vf0

ロディナ「ふっ!」カッ!

 魔法弾「」バギュン!!
 ドガァンッ!

飛竜「ギャオオオンッ!!」


飛行オートマタ「コウゲキスル」ダァンッ!

飛竜「ギャオギャオ!」


疑似魔王化した飛竜「GYAOOOOOOOOOON!!!」バサッバサッ

飛行オートマタ「ソンショウ……」ボロボロ



イリス「うう……! 時々疑似魔王化した個体が現れて、少しづつ押されてる……!」

ミスティ「くっ……! イリス、あなたは大気球への攻撃に集中して! 私は飛竜の方を攻撃する!」

イリス「わ、わかった!」


イリス(でも……実のところ、もう魔力が限界で……頭がふらふらする……)

イリス(持ってきたポーションももう呑みきっちゃったし……)

イリス(でも、ここで負けたら、何もかも終わりだ……! こうなったら、魔力枯渇死を覚悟で――)


「闇夜に輝く星の如く 我らの希望、偉大なる大魔女 その力、無限の魔法 我らを守り、導く光――」♪

「天空に浮かぶこの都市 大魔女のもとに栄え その慈悲深き心に 我らは永遠の忠誠を誓う――」♪


イリス「はっ……! この歌は――」

ミスティ「力が……湧いてくる……!!」

クローディア「ヨハンナとクリス……!! クリスの祝福の歌をヨハンナの声魔法で空まで届けてくれてるのね……!!」


「真なる巨悪を討つ 闇の英雄ダークヒーローイリス 伝説の大魔女と共に空を舞う――!!!!」♪

「正義は胸の奥に 勇気の杖は天高く 戦い続けるダークヒーロー 唸れ 星光のスターライト――!!!!」♪


イリス「……よし……気合、入ってきた……!!」ゴゴゴゴ!!!!


↓1コンマ(側面+30)
01-50 劣勢 結界損耗大
51-90 魔王撃破
91-00 会心
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/03(日) 23:46:46.12 ID:PL6f9MIAo
会心
556 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 00:52:20.17 ID:n2oYB4JL0
 会心賽が転がる――


イリス「唸れ――星光のスターライトォ!!!!」カッ!!

 星光の奔流「」ドギュウウウウンンッ!!
 大気球の側面「」ドゴオオオオンッ!!!!!

漆黒の大気球「」ゴゴゴゴ…モニョ…モニョ…


風船クロシュ「……」モニョ…


風船クロシュ(だめだ……何も……おもいつかない……)

風船クロシュ(このまま……クロさんが……滅ぼされるのを、見てるしか……ないの……?)

風船クロシュ(……でも……このまま、苦しみ続けるくらいなら……終わらせて、あげるのが……良いのかな……)


 ――『愛しているから、一つになるんだもん……』

 ――『……ここに来て……あたしたちを、助けてくれて……ありがとう………クロシュ……………』


風船クロシュ(……違う。あった……わたしたちらしい……やり方……!!)モニョニョ…!!



風船クロシュ「……」ググググ―

イリス「……ん?」

ミスティ「クロシュ……?」

 スポーンッ!!

スライムクロシュ「〜〜!!」モニョニョ!!

イリス「え、ええ!? 風船のクロシュちゃんから、スライムのクロシュちゃんが飛び出してった……!?」

ミスティ「ど、どういうことよ!? 分体!?」

分体風船クロシュ「」フヨフヨ

クローディア「違うわ……分体はその風船で……あの飛んでいったスライムがクロシュの本体よ!!」

イリス「ええっ!?」

ミスティ「クロシュ、何を!?」

 *

 大気球の側面「」ゴゴゴゴ…

スライムクロシュ「〜〜!」ベチャッ! モニョニョ!!

漆黒の大気球「」ゴゴゴゴ…モニョモニョ…


スライムクロシュ『クロさん……わたしの声……きこえる……?』モニョモニョ

漆黒の大気球『えぐ……ぐすっ……』モニョモニョ…シクシク…

スライムクロシュ『やっぱり……魔王になっちゃうと……何も、聞こえなくなっちゃうんだね……』モニョニョ…

漆黒の大気球『ぐすっ……えぐ、えぐ……』モニョモニョ…シクシク…

スライムクロシュ『……大丈夫……クロさんのかなしみは……わたしが、溶かしてあげるから……』モニョモニョ

 モニョモニョ…モグモグ…

 ◆
557 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 00:58:25.78 ID:n2oYB4JL0
というわけで本日はここまでとなります

邪悪なるカリス・ノーランドを打ち倒して庭園に戻るも、息を付く間もない大異変の渦中だったクロシュ一行でした
カリス・ノーランドの邪智によってついに復活を果たしてしまった掃除の魔王こと漆黒の大気球。空前絶後の危機に晒される大魔女帝国ですが、大魔女やクロシュたちだけでなく住民の方々も立ち上がり、危機に立ち向かっているようです。この騒動がどこに着地することになるかは未だわかりませんが、会心の女神に微笑みを強いたのできっと良い運命が拓かれることでしょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 01:07:38.37 ID:ZXX7Muy4o
おつおつ
魔王化で物量押しザ・悪役って感じ
クロシュもデロデロ混ざり合い肯定派だったなそういや
なんとかいいかんじに着陸してくれると嬉しいが……
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 12:13:09.26 ID:Pt4FasoiO

壮大なバトルだったけどまだ実りの場所行ってないからこれ全部中ボス戦なんだよな・・・
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 12:38:52.14 ID:acV9rgII0

まさか大魔女帝国で出会ったほとんどの人達が手助けしてくれるとは思わなかった。
561 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:08:24.79 ID:n2oYB4JL0
クロシュ氏はデロデロに溶け合う世界について肯定的な考えを持っています。これはスライム以外の人にはなかなか理解されづらい考え方なので、クロシュ氏は他者に押し付けるつもりはあまりないようです

かつてない規模の戦いでしたが、実のところ道半ばであります。今回の目的地は大陸西部上空の世界樹の光なので、まだ目的地に到着していないようです。先はまだまだ長そうです

大魔女帝国で暮らしている人々にとっては、自分たちが生きるか死ぬかの瀬戸際なので、立ち上がらざるを得ない状況でもあるのかもしれません。今回の戦いはとても規模の大きいものとなったようです
562 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:08:52.27 ID:n2oYB4JL0
―??
 静かな集落跡

 焼け落ちた木々「」
 倒壊した家屋「」
 人の死体「」
 魔族の死体「」
 スライムの死骸「」
 風船スライムの死骸「」


黒い風船スライム「……」シクシク


クロシュ「……」モニョ


黒い風船スライム「ぜんぶ……ぜんぶ……終わっちゃった……」モニョモニョ

クロシュ「……」

黒い風船スライム「なんで……みんな、生まれてきたんだろう……。こんな終わり方で……終わる為に、生まれたの……?」モニョニョ…

クロシュ「……」

黒い風船スライム「みんな……みんな……わたしを……大好きでいてくれて……。わたしも……みんなのこと……大好きだったのに……。なんで……なんで……」モニョニョ…

クロシュ「……」

黒い風船スライム「大好きだったから……大好きでいてくれたから……嬉しくて……しあわせだったのに……。大好きだったから……こんなにも、苦しいの……?」モニョニョ…

クロシュ「……」モニョ…

黒い風船スライム「こんなことなら……大好きに、ならなきゃ……良かった……。わたしなんか……大事にしてくれなきゃ、良かった……」

クロシュ「……」モニョニョ…

黒い風船スライム「ああ……でも、でも……大好きなのに……! みんなのこと……大好きで……ずっと一緒に、この村で暮らしてたくて……! ただ、それだけだったのに……!! 大好きにならなきゃ良かったなんて……思いたくないのに……!!」モニャニャ…!!

クロシュ「……」モニョ…

黒い風船スライム「もう……やだ……」モニャ…
563 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:09:46.97 ID:n2oYB4JL0
クロシュ「……クロさん……」モニョ

黒い風船スライム「クロシュちゃん……。わたしのことなんて……放っておいて……」モニョ…

クロシュ「……いいの……? 大魔女さんのことも……街のことも……みんな……終わりに、しちゃって……」モニョモニョ

黒い風船スライム「いい……。好きになっちゃいけなかったのに……なにもかも忘れて、また好きになったわたしが……いけないの……。苦しむのは、もう……わたしだけで……いい……」モニョニョ…

クロシュ「でも……」モニョ…

黒い風船スライム「わたしの、ちからなら……みんな……苦しむ隙間もないくらいに、一瞬で……終わらせて、あげられる……。だから……これで、いいの……」モニョモニョ…

クロシュ「……だめ……。クロさんも……苦しいのは……だめ……」モニョニョ…

黒い風船スライム「いいもん……。だって……大魔女さまも、魔王の力が欲しかっただけだって……。わたしのことなんて、本当はちっとも愛してなかったって……。だから……嫌われ者のわたしが……苦しむだけなら……いい……」モニョモニョ…

クロシュ「……きっと、誤解……。大魔女さんは……クロさんのこと……とっても、大事にしてる……」モニョモニョ

黒い風船スライム「してない……! してちゃ、だめなの……!!」モニョニョ…!!

クロシュ「……んーん……大事にして、いい……!」モニョ…!

黒い風船スライム「なんで……!」モニョ…!

クロシュ「だって……。こんな、どうしようもなくて……苦しいばっかりの世界でも……」モニョニョ―

 ――フメイ『』ギュッ
  ――妖精『』ナデナデ
   ――パーティのみんな『』ニコニコ

クロシュ「大事にして……大事にされるから……生きて、いけるの……!!」モニョニョ…!

黒い風船スライム「……そんな、ぬくもりがあるせいで……失ったら、余計に凍えちゃうの……!!」モニョニョ…!

クロシュ「んゅ……」モニョ…

黒い風船スライム「最初から……そんなものが、なければ……こんなにも……哀しく、ならなかったもん……!!」モニョニョニョ…!!

クロシュ「んゅゅ……」モニョニョ…

黒い風船スライム「クロシュちゃんだって……わかるよね……。わたしと……おんなじだよね……?」モニョモニョ…

クロシュ「……」デロ…

  ――ゴオオオ……
  ――メラメラ… パチパチ…
  ――燃える大人の死体「」メラメラ
  ――燃える子供の死体「」メラメラ
  ――燃えるスライムの死骸「」ジュクジュク…

クロシュ「………」デロロ…

黒い風船スライム「だから、クロシュちゃんも――」モニョモニョ―

クロシュ「…………でも……それ、でも……」ジワワ…

黒い風船スライム「ふえ……」

  ――集落のスライム『』モニョモニョ
   ――集落の子供『』キャッキャ
    ――集落のみんな『』ニカッ! コクリ グッ!

クロシュ「……思い出は……なくならないもん……!!」モニョニョ…!! ポロポロ…

黒い風船スライム「――!!!!」モニャッ―!!!!

クロシュ「わたし……みんなが、大事にしてくれた……わたしを……大事に、する……!!!! みんなが、生きてたこの世界のことも……大事に、したい……!!!!」モニョモニョ…!!!!
564 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:10:52.09 ID:n2oYB4JL0
黒い風船スライム「――」デロ…

クロシュ「クロさんが……苦しくて……哀しくて……どうしようもないなら……わたしが、全部溶かす……!!」モニョモニョ…!!

黒い風船スライム「――…」デロロ…

クロシュ「……だから――」モニョニョ―


 空に入る亀裂「」ビシッ――


クロシュ「ほえ――」


クローディア「クロォー!!!!」バリィンッ!!!!


黒い風船スライム「あ……大魔女、さま……」モニョニョ…ポロポロ…

クローディア「はあ、はあ……迎えに……来たわ……!! 大丈夫……!?」バサッバサッ

黒い風船スライム「だ、大魔女さまこそ……そ、そんなにボロボロで……」モニョニョ…

クローディア「泣く子をあやしていただけ。さ、帰るわよ……!」ザッ!

黒い風船スライム「……でも……」モニョ…

クローディア「あの録音水晶のことを気にしているの? あれは下劣な悪意ある切り抜き!! 私は――あなたを、愛している!!!!」

黒い風船スライム「!!!!」モニャッ…!!!!

クローディア「偉大なる私の言葉と、あの悪辣な邪術師の奸計……あなたが信じるべき方は明白のはずよ!!!! 心に従い、私を愛しなさい!! 我が愛しの秘書クロ!!!!」

黒い風船スライム「う、うぅぅ〜……でも……わたし……魔王で……」モニャモニャ…

クローディア「問題ない!」バッ!!

 白紙の本「」ポン!

黒い風船スライム「ふえ……」モニョ…!

クローディア「あの最悪の犯罪者が擬似魔王化を見せてくれたお陰で……魔王化に関する研究が一気に進んだわ。今なら――あなたの記憶を残したまま、完全に魔王と切り離すことができる……!」

黒い風船スライム「え、え……!?」モニョニョ…!?

クローディア「さあ――漆黒の夜はもう終わり。暖かな朝日が差したら、目覚めなきゃね――」スッ


 白紙の本「」ペラッペラッ―
  バラララララララッ――


黒い風船スライム「あ……あぁ……」キラキラ…

 光となって溶けていく世界「」キラキラ…


黒い風船スライム「大魔女さま……わたし……」キラキラ…モニョニョ…

クローディア「案ずることは何もありません。全てこの大魔女に委ねなさい」ファサッ

黒い風船スライム「う、ん……」キラキラ…



クロシュ「わあ……」モニョ

クローディア「……ここに入って来れたのは……クロシュが道を開いてくれたお陰よ……。実のところ……もう、ほとんど力が残っていなかったの……」フラフラ

クロシュ「ほえ……」モニョニョ

クローディア「ありがとう……クロのことを、最後まで諦めないでいてくれて……。クロのことを……愛して、くれて……」


 光となって溶けていく世界「」キラキラ


クローディア「本当に――ありがとう―――!!」


 ◆
565 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 18:12:09.30 ID:n2oYB4JL0
―空中楽園都市エデン上空


 光となって空へ溶けていく大気球「」キラキラ…


分体風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ

イリス「わあ……綺麗……」

エバンス「これは……一体、何がどうなったんだ?」

ミスティ「わからないけど……クロシュが大気球の側面にかじりついたと思ったら、大魔女も慌ててその後を追って大気球の内部に潜り込んでいったのよ……」

ローガン「ふむ……大魔女殿も一緒ならクロシュくんも心配無用か……?」

妖精「はあ……いつもいつも勝手に先行しちゃうんだから、クロシュのばか……」


イリス「……あ! みんな、見て!! あれ!!」


 光となって空へ溶けていく大気球「」キラキラ…

 バサッバサッ

不死鳥クローディア「」バサッバサッ


ミスティ「あれは……不死鳥……!?」

ローガン「なんと美しい――」

エバンス「おい、しかも背には――」


スライムクロシュ「」zzz
黒い風船スライム「」zzz


妖精「クロシュ!! と……あの風船スライムは――」

ミスティ「ふふ……やったのね。クロシュ……」


 ――魔王消滅――
566 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:04:14.94 ID:n2oYB4JL0
―空中楽園都市エデン

ティリウス「ふう、一件落着ってとこかな? 流石大魔女様だ」

ルーファス「……しかし最大の問題が残っているでござるな」

ティリウス「えっ最大の問題?」

ルーファス「うむ……」


 ゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!!!!!
 ドズン…ヒュウ…


ティリウス「うわっ……!? ああ……そうか!! 大気球がなくなったから――」

ルーファス「この楽園都市は――もはや、空中には身を置けぬ――」

 ◇

―空中楽園都市エデン上空

分体風船クロシュ「」フヨフヨ モニョニョ


スライムクロシュ「……」zzz
黒い風船スライム「……」zzz

妖精「クロシュ、お疲れさま……。クロも、おかえり……」

イリス「やったね!」

エバンス「ふう、一件落着だな」


不死鳥クローディア「さて……それでは、もう一踏ん張りですね」

ミスティ「えっ……?」

ローガン「……まさか」


 ゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!!!!!
 ドズン…ヒュウ…


イリス「!? こ、この地響きは――」

不死鳥クローディア「最後の大仕事に行ってきます。クロのこと……よろしくお願いします」バサッ

 バサッバサッ…

 ◇
567 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:04:50.42 ID:n2oYB4JL0

 落下し始める楽園空中都市エデン「」ゴゴゴ…ヒュウウ…


不死鳥クローディア「エデン……私が追い求めた、理想の国……」

不死鳥クローディア「……クロシュヴィアには、何も言い返せないわね……」

不死鳥クローディア「でも……この街は、これで終わりではないわ……!」

不死鳥クローディア「クロ――私に力を貸して――」カッ―


 ヒュウウウ――…フワッ…

 ゆっくりと落下し始めた空中楽園都市エデン「」フワフワ…


不死鳥クローディア「ふ、ぐううううう!!!!!」グググググ


妖精「保険って、こんな力技のこと!!? ばかでしょ!!!?」パタパタ

不死鳥クローディア「よう、せい……!?」ググググ

妖精「あなた、いくら不死鳥でも干からびて死ぬよ!!?」

不死鳥クローディア「大丈夫……星の魔力を、奪っているもの……!!!」ググググ

妖精「星の……なるほど、そういうこと……! でも、どっちにしろ体は持たないよ!! いくら不死鳥も、これだけの大質量を支え続けるほどの魔力を常に使い続けたら――」

不死鳥クローディア「だったら――他にどうしろと!!? 私が作った、私の街を――私が守らずして、誰が守るのよ!!!」ググググ

妖精「そんなの――」


 ボンッ!!

黒いスライムの大気球「〜〜!!!!」モニョニョ!!!! グググググ…!!!!

大気球スライムクロシュ「〜〜!!!!」モニョニョニョ!!!! ググググ…!!!!



不死鳥クローディア「えっ……!? あの子たち――」

妖精「わたしだって……!! 上昇気流よ――この都市を持ち上げろォー!!!!」カッ!!!!

 上昇気流「」ビュオオオオッ!!!!

 *
568 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:05:18.62 ID:n2oYB4JL0

ロディナ「浮遊魔法が使える者は落下を支えて!!」ググググ

ホムンクルスたち「はっ!」

飛行オートマタ「ワレワレハトビマス」シュバッ!


トリル「熱気球を描いたよ!」

 熱気球「」ポン!

トム「しゃあ! オレの熱で浮けェー!!!」ゴウッ!!

スール「あたしもちょいと手伝ってやろうか!」ゴウッ!!

フローレンス「がんばれがんばれ〜」フレーフレー


ティリウス「パラシュートフラワー! この街を支えてくれ!」カッ!

 パラシュートのような植物「」ググッ!


ルーファス「ほらほら、狼藉を働いた分は体で返すでござるよ!」

飛竜たち「ギャオ……」バサッバサッ


ヨハンナ「スライムの風船も……この街を、守る為に……」

クリス「ヨハンナさん次の曲いきましょう! みんなに元気を!」

ヨハンナ「え、ええ……! 〜〜♪」


ユキ「……わ、私にできることは……」

ミスティ「ユキ! ポーションを運ぶのを手伝ってくれる!?」タタッ

 ポーションが積まれた箱「」ドッサリ

ユキ「ミスティさん! わかりました……!」

エバンス「ありがとな! 助かる!」

ローガン「うむ……! 各地に急いで運ぶぞ!」

 *


不死鳥クローディア「みんな……!」ググググ

妖精「……この国の奴らは――自分の意思で、運命を掴もうとすることができるんだ。あなたの庇護がなくても」

不死鳥クローディア「……」ググググ

妖精「過保護なのは……そろそろ終わりにしたら?」

不死鳥クローディア「……ええ……そう、ね……」ググググ


 ゆっくりと降下していく楽園都市エデン「」フワフワ…


不死鳥クローディア「……丁度……良かったのかもしれないわ」

 ◆
569 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:05:51.34 ID:n2oYB4JL0
―夕方
 テラヌス・ウルス

 噴水「」シャワシャワ

砂漠スライム「〜〜!」ピョンピョン!!

砂漠スライム長老「んわ〜!」ピョンピョン!


ミラ「……? スライムたちが騒がしいわね……」

リアンノン「何かあったのでしょうか……?」

猫耳の褐色少女「えと……どうしたの……?」ヒョコ

砂漠スライム長老「街が、落っこちてくるのぢゃ!!」モニョニョ!!

ミラ「は?」
リアンノン「え?」
猫耳の褐色少女「あ――」


  遠い空をゆっくりと降下している楽園都市「」ゴゴゴ…


ミラ「え、ええええええ!!?!?」

リアンノン「あ、あれって……大魔女帝国!!?」

猫耳の褐色少女「わ、わわ……!?」

 ◆
570 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 20:06:52.04 ID:n2oYB4JL0
―中央大陸
 テラヌス地方南部 アレノ荒原

 ヒュオオオオ……

 降下する楽園都市エデン「」ゴゴゴゴ…

 ドッズゥゥゥゥゥゥ――――……ン…


不死鳥クローディア「はあ、はあ、げほっ、えぼっ……!」ドサッ

 吐血「」ベチャッ

妖精「だ、大丈夫……!? エデンは無事に地についたよ……!」

不死鳥クローディア「え、ええ……大丈夫よ……」グッタリ

妖精「ここは……中央大陸の、テラヌス地方の南だね……。ここはテラヌス・ウルスの領地だけど……この辺りは知性ある種はほとんど住んでいないみたいだし、大丈夫だと思う。テラヌス・ウルスの今の議会も話のわかる奴らだから、きっと大丈夫」

不死鳥クローディア「そう、なのね……。良かった……げほっ、ごほっ!!」

妖精「ああ、もう無理しないで! いろいろ気になることはたくさんあるだろうけど、もう休んだ方が良い!」


ロディナ「大魔女様!!」シュバッ

不死鳥クローディア「ロディ、ナ……」

ロディナ「只今病院へお運び致します! 少々のご辛抱を……!」

不死鳥クローディア「ええ……」


不死鳥クローディア(ふふ……本当に……私が思っていたより……ずっと、頼りになる子たちだったのね……)


 ☆大魔女帝国の楽園都市エデンがテラヌス地方南部に不時着しました
 ☆クロシュの風属性適性が大きく上がりました(次回の風練習選択時、必ず会心)
 ☆激しい戦いを経て、各々の得意分野の経験を3獲得しました(クロシュは剣と魔法それぞれ2)

 ◆
571 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:06:04.71 ID:n2oYB4JL0
―大魔女帝国 滞在12日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◇クローディア[大魔女]
武:万象の杖     盾:         飾:不死鳥の羽根
武:         防:大魔女のローブ  飾:黒晶の耳飾り

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*2               大魔女サイン*1
マッスルワイン*1               
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
雷スライムの欠片

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
・クロさんを助ける

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[11/12](クロシュ)次回☆
・剣技[4/4](クロシュ)LVUP
・魔法[4/4](クロシュ)LVUP
・魔法[5/8](イリス)
・星属[8/8](イリス)LVUP
・魔法[5/8](ミスティ)
・剣技[8/8](エバンス)LVUP
・魔法[4/6](エバンス)
・剣技[8/8](ローガン)LVUP
・魔法[4/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
……………………………………………………………………………………
572 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:06:32.10 ID:n2oYB4JL0
―朝
 宿舎 食堂

 チュンチュン…

イリス「ふわぁ……おはようございます……」スタスタ

ミスティ「もう起きてきてたのね……」スタスタ


エバンス「イリスちゃんとミスティちゃんか。おはよう」

ローガン「まだ疲れが抜けきっていないようだな」

ミスティ「ええ、まあ……」

イリス「昨日は本当に大変で……。まだ頭がぼーっとします……」

ミスティ「……でも、まだ終わっていないわ……」

ローガン「カリス・ノーランドのことか……」

エバンス「あー……まだ生きてるんだってな」

イリス「……はい。私たちが倒したのは、生命魔法で造った複製の可能性が高いとか……。クロさんをそそのかしたのも、多分……」

ミスティ「……本体は、安全なとこでのうのうとしてるってわけね」

イリス「うん。複製だって……痛みや苦しみはあるはずなのに。自分の複製すら捨て駒みたいに扱ってるなんて……」

エバンス「イカれてやがる」

ミスティ「……吐き気を催すわ」

ローガン「史上最悪の魔法使い、だったか……。評判に偽りなしだな」

イリス「……同じ魔法使い……ううん……知性ある種だなんて、思いたくないですね……」

ミスティ「ええ……」

エバンス「ところでクロシュちゃんと妖精は?」

ミスティ「あの二人なら……早起きして宮殿の方へ行ったみたいよ」

 *
573 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:06:58.28 ID:n2oYB4JL0
―宮殿

クロシュ「おはよう、ございます……!」トコトコ

妖精「おはよう」パタパタ

ロディナ「クロシュ様、妖精様。おはようございます」ペコリ

妖精「クローディアとクロの具合はどう?」

ロディナ「大魔女様とクロ様でしたら――」


クローディア「完全復活よ!」ババン!!

妖精「わっ……!」

黒い風船スライム「〜〜!」フヨフヨ モニョモニョ

クロシュ「わあ……!」

 モニョモニョ…ポン!

クロ「えへへ……おはよ、クロシュちゃん、妖精さん。昨日は……ありがとね……」

クロシュ「うん……!」

妖精「クロ! 風船スライムの姿は――」

クロ「うん……全部思い出したから、クロシュちゃんみたいに自由に変化できるようになったの」

クロシュ「わあ……!」

クローディア「……緊急事態でぶっつけ本番の施術だったから、また不備が出てしまう恐れもある……。何か心身の不調があったらすぐに言うのよ、クロ」

クロ「うん……ありがと、大魔女さま……」

妖精「ひとまず、こっちは大丈夫そうかな?」

クローディア「ええ、ご心配には及ばないわ。さあ、これからやることがたくさん――」


風の精霊『大魔女帝国の大魔女さま宛に伝言だよ〜』ヒュルヒュル


妖精「風の精霊!」

クローディア「私宛に伝言……? 一体誰からかしら?」

風の精霊『世界樹の精霊から〜』ヒュルヒュル

クローディア「げっ……」

妖精「あ〜……」

風の精霊『それじゃあモノマネするね〜』ヒュルヒュル


モノマネ世界樹の精霊『前々から、どこかの誰かが星の魔力を不当に吸い上げてる件はむかついてた……』

モノマネ世界樹の精霊『昨日のは、過去最悪だった。あの吸い上げで……ものすごく、不公平になった……』

モノマネ世界樹の精霊『でも……お陰で、犯人がようやくわかった……』

モノマネ世界樹の精霊『今後……不死鳥クローディアが星の魔力を奪うことを永久に禁じます……』

モノマネ世界樹の精霊『もちろん……大魔女帝国に連なる誰かが吸うのも禁止……』

モノマネ世界樹の精霊『どの辺から連なる判定になるかは……私の独断と偏見で決めます……』

モノマネ世界樹の精霊『以上……。不服の申し立ては、一切認めません……。ばいばい……』


風の精霊『だって〜! 世界樹の精霊、激おこぷんぷんだったよ〜!』ヒュルヒュル

クローディア「そ、そう……」

妖精「まあ……丁度良い機会なんじゃない? もう空に浮いてないわけだし……」

クローディア「そうですね。世界樹の精霊直々に禁止されてしまっては、どうしようもありません」

ティリウス「農業ならお任せを! この荒野を見事な農地へと開拓して見せましょう!」ヌッ

妖精「確かにこの分野ならティリウスほど頼りになるやつもいないかも……」
574 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:07:48.90 ID:n2oYB4JL0

クローディア「ところで、あなたたちはこの中央大陸西に滞留している雲塊の中に用事があるのよね?」

妖精「あ、うん。まさしくその世界樹の光……星の力を取り戻す為にね」

クローディア「それであれば……恐らく、今のクロシュの力ならあの雲塊に突っ込んでも問題なく飛行できます」

クロシュ「!」

クロ「わあ……!」

妖精「ええと……本当?」

クローディア「ええ。昨日のクロシュが見せた風船――あれには、クロと同じ強力な浮遊の力が感じられました。あの雲塊の中はかなり強烈な乱気流が発生していますが、今のクロシュの風船であれば動じることなく移動できるはずです。それに万が一のことがあっても、自然魔法の優れた使い手であるあなたがカバーできるでしょう?」

妖精「まあ……クローディアがそう思うなら、大丈夫なのかな?」


大魔女帝国滞在13日目です。この行動終了後、大魔女帝国から空へ出発します
↓1〜3 自由安価 何をする?
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 21:08:44.83 ID:Vgi75s6L0
魔法店に行くとフラナ(血で作った分身)がいて支援物資をくれた。
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 21:08:57.04 ID:vhQse9LDO
クロシュとトリルとクロで美術館に行く
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 21:10:16.14 ID:Pt4FasoiO
ユキの手料理を食べる
578 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 21:53:13.78 ID:n2oYB4JL0
―歓楽区

 ワイワイ ガヤガヤ

イリス「賑わってる!」

エバンス「まあ、そりゃそうだろうな。今まで空の上で暮らしてたのが地上に落ちちまったんだから……外に出ずにはいられないうだろうよ」

ローガン「うむ……だが大魔女殿への信仰心があれば大丈夫だろう」

イリス「あはは……とりあえず今は、明日の出発に向けて準備をしないとです!」

 *

―ヤーレン魔法店

 カランカラン

イリス「こんにちは!」


血分身フラナ「」ヌッ


イリス「うわあっ!? フラナ先生!?」

ローガン「な、なんだこれは……」


スール「いらっしゃい、イリスちゃん。それはだねえ……」

フローレンス「血で分身を作る魔法……の試作ですって。血の無駄遣いにしか見えませんけどねえ」

血分身フラナ「無駄デハナイワ。地道ナ研究コソ、成功ノ礎トナルノヨ」

イリス「す、すごい……! 喋れてます!」

エバンス「お、おお……」

スール「まあ凄いと言えばめちゃくちゃ凄いけど……。血液魔法で遠隔分身なんて効率が悪すぎんじゃないかねえ」

フローレンス「戦闘中に即席の分身を作るとかならアリだと思うんですけどね。最近ちょっと迷走してるんじゃないですか?」

イリス「お、お二人ともフラナ先生に辛辣ではありませんか……!?」

フローレンス「そりゃまあ、いつまでも意地張ってるガキですし。あいつ」

スール「あっはっは、あたしにとっちゃ全員まだまだガキだよ!」

フローレンス「あーはいはい、おばさんにとっちゃそうでしょうね〜」


血分身フラナ「イリス、コレヲ受ケ取リナサイ」スッ

イリス「えっ!?」


↓1コンマ
01-60 日蝕の傘修理キット
61-90 マジカルブラッドワイン
91-00 無敵薬
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 21:57:20.75 ID:4YFfuUu1O
無敵んぐ
580 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 22:49:22.31 ID:n2oYB4JL0
 マジカルブラッドワイン「」ポン!

イリス「これは……マジカルブラッドワイン!」

フローレンス「あ、いいなー。私も欲しいー」

血分身フラナ「誇リヲ失ッタ野良吸血鬼ニ付ケル薬ハナイワ」

フローレンス「こいつ、カタコト分身の癖に……」

スール「はっはっは、変なとこで高性能だねえ!」

 ☆マジカルブラッドワインを1本もらいました

 ◇
581 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 22:49:50.91 ID:n2oYB4JL0
―公園

 噴水「」シャワシャワ

クロ「クロシュちゃん、明日にはここを出発しちゃうんだよね……」

クロシュ「うん……」

クロ「昨日のことも……その前のことも……本当に、ありがとう……。わたし、クロシュちゃんのお陰で……こうして、魔王じゃなくなって……ここに、戻ってこれた……」

クロシュ「うん……」

クロ「わたしが、クロシュちゃんにしてあげられること……なにか、あるかなあ……」

クロシュ「……?」


トリル「あ、クロシュちゃんに……クロ先生!」スタスタ

クロシュ「わ、トリルちゃん!」

クロ「トリルくん……! えへへ、久しぶりだね……。みんな元気にしてる……?」

トリル「みんな元気だよ〜。クロ先生も、具合が良くなったんだねぇ」

クロ「うん……ごめんね、心配かけちゃった……」

 *

トリル「そっか、クロシュちゃんは明日ここを発つんだ……」

クロシュ「うん……」

トリル「……ねえ、それじゃあ一緒に美術館に行こう! クロシュちゃんまだ行ったことないでしょ?」

クロシュ「うん……ない……」

トリル「じゃあ行こうよ! クロ先生も一緒に行こう!」

クロ「わたし……邪魔にならないかな……?」

トリル「なるわけないよ! クロ先生、ちっちゃくてかわいいもの!」

 *
582 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 22:50:52.54 ID:n2oYB4JL0
―美術館

 絵画『微笑む大魔女』ニッコリ

 絵画『偉大なる大魔女』カリスマァ

 絵画『雷のように猛る大魔女』ズギャァァァンッ!!


 彫刻『麗しき大魔女』スラッ

 彫刻『蠱惑的な大魔女』セクシィ

 彫刻『天駆ける大魔女』シュバッ!!


 展示『大魔女帽子のレプリカ』ポン

 展示『大魔女マントのレプリカ』バサッ

 展示『万象の杖のレプリカ』ジャキン



クロシュ「わあ……!」

トリル「すごいでしょ! ここには最高峰の大魔女様アートがいっぱいなんだよ!」

クロ「ここはいつ来てもすごいなあ……。みんなの、大魔女さまを慕う気持ちがすごく伝わってくる……」

トリル「ね! 僕も時々大魔女様アートを創ってみるんだけど、なかなか人に見せられるほどのものは創れないんだ……。ここに展示できるほどの人たちは本当に凄いんだよ……!」

クロシュ「うん……!」


クロシュ(本当に……大魔女さんを表現しようっていう、ぱわーが伝わってくる……)

クロシュ(けっこう、おもしろいかも……)


美術館担当ホムンクルス「当館では大魔女様アート体験コーナーもございます。ご興味がありましたら是非あなたの作品を創っていきませんか?」ヌッ

トリル「わ……でも僕はそこまで自信があるわけじゃないし……」

クロ「わたしも……そんなに自信ないかも……」

クロシュ「……」


↓1〜 先取2票
1.大魔女アートを描く(内容はクロシュ任せ)
0.自由安価(票数は内容ごと)
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 22:54:25.67 ID:4YFfuUu1O
0
幸せそうに暮らす民衆とそれを穏やかに見守る大魔女の構図の絵画
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 22:56:10.85 ID:8SSIsVzi0
>>583
585 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 23:12:39.33 ID:n2oYB4JL0
―美術館アトリエ

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョニョ カキカキ―

 キャンバス「」ヌリヌリ


クロ「わ……! クロシュちゃん、凄い勢いで描いてく……!?」

トリル「クロシュちゃん、お絵描きがすごく上手なんだよ〜! ふふ、どんな大魔女様アートなんだろう……?」

 *

 絵『大魔女さまとしあわせの国』ポン!

クロ「……!!」

トリル「笑い合って暮らすたくさんの人たちと、それを優しそうに見守る大魔女様……。そして空には、黒い風船スライムさんが浮いてる……! なんだか、とってもしあわせそう……! 見てるこっちまでしあわせな気持ちになってくるよ……!」

クロ「……」ジワワ

クロシュ「わ……!?」アタフタ

トリル「クロ先生……!?」

クロ「えぐっ……ぐすっ……ご、ごめ……なひゃい……。この、絵が……ほんとに、とっても素敵で……。なんだか……胸が、いっぱいに……なっちゃって……」ポロポロ

クロシュ「クロさん……」

クロ「えへへ……クロシュちゃん……ありがと……。わたしを、諦めないで……ここまで、連れてきてくれて……ほんとに、ほんとに……ありがと……!!」ポロポロ

 ☆旅画家クロシュが大魔女アートを美術館に寄贈しました

 ◆
586 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 23:32:29.47 ID:n2oYB4JL0
―宿舎 ユキの部屋

ミスティ「お邪魔します……」ススッ

妖精「お邪魔しま〜す……」パタパタ


ユキ「……ええと、ミスティさんと妖精さんは来賓なのですから、そうかしこまらなくても……」

ミスティ「え、いやまあ……。人の住処に入ることって、滅多にないから……どうしたら良いか、ちょっとわからないわ……」

妖精「私も……。妖精とかエルフの家なら気にせず勝手に上がり込めるんだけど……」

ユキ「な、なるほど……。無理にとは言いませんが、是非くつろいでいただけると嬉しいです」

ミスティ「努力するわ……」

妖精「まあ、たぶんすぐ慣れると思う……!」

 *

 ワイワイ キャッキャ

ミスティ「ふむふむ……オノゴロの雪女にはそういう氷魔法が伝わっているのね――」

ユキ「はい。私たちの魔法は環境の力を利用する側面が大きく、本領を発揮するにはやはり冬の雪山が――」

妖精「へえ〜、オノゴロのことはあんまり詳しくなかったけど、その話を聞く感じだと雪女って魔族というよりは精霊に近い種族なのかも――」

 *

ユキ「……っと、もうこんな時間ですか。そろそろお昼に致しましょう」スッ

ミスティ「あ、お構いなく……って言葉はこういう場面で使うので合っているかしら……?」

ユキ「合っていますが……お構います。せっかくの来賓ですし……明日にはここを発ってしまわれるのですから。精一杯もてなさせてください」

妖精「だってさ。ここはお言葉に甘えよう、ミスティ」

ミスティ「わかったわ……」

ユキ「ふふふ……私の故郷の郷土料理、是非味わっていってください……!」ウキウキ


妖精(なんか……張り切ってる……?)

ミスティ(みたいね……。期待した方が良いかしら……?)


↓1コンマ
01-30 精進料理
31-60 ごはんと味噌汁と焼き鮭と漬物
61-90 寿司
91-00 カニ鍋
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/04(月) 23:32:50.94 ID:vhQse9LDO
はい
588 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 23:55:04.04 ID:n2oYB4JL0
ユキ「お待ちどう様です……」スッ

 カニ鍋「」ドンッ!!

ミスティ「!!!」
妖精「!!!」

ミスティ(鍋から立ち上る湯気と……部屋中に広がるカニの濃厚な気配……!)

妖精(こ、こんな超高級料理だなんて……流石に聞いてない……!!)

ユキ「実家から送られてきたオノゴロ産のカニ……是非、ご賞味ください」

ミスティ「い、いいの……!? 本当に……こんな、素晴らしいものを……!!」ゴクッ

妖精「さ、流石に悪いっていうか……。一介の旅人である私たちに、ここまで良いものを食べる資格はないというか……」

ユキ「違います。ミスティさんたちがいたから……この街は、昨日の危機を脱してここに来れたのです。ミスティさんたちには、これだけでは不十分くらいなのです……!!」

ミスティ「そ、そこまで言うなら……。本当に、いいのね……!?」ゴクッ!

ユキ「はい……!」

妖精「じゃ、じゃあ……」

「いただきます……!!」

 *

 カニ「」ジュワッ

ミスティ「……」パク モグモグ

 カニの旨味「」ジワワ〜!!

ミスティ「〜〜〜!!!!」ガクガク

妖精「こ、こらミスティ!! はしたないよ!!」

ミスティ「ご、ごめんなさい! あまりにも……美味しくて……!!」

妖精「そ、そうだね……。私も、基本的には森の食べ物の方が好きなんだけど――」

 カニ「」ジュワワ

妖精「こ、これだけは……抗えないっていうか……!!」パクッ モグモグ

 カニの旨味「」ジワワ〜〜!!

妖精「〜〜〜!!!」ジタバタ

ミスティ「妖精だってはしたないじゃない……!」

妖精「だ、だってぇ……」

ユキ「ふふ……おかわりもたくさんありますので、どんどん食べてください……! お持ち帰りの分もありますので、良かったら皆さんにも……!!」

 ☆カニ鍋を食べてものすごく元気になりました
  お持ち帰り分も後でみんなで美味しくいただきました
  パーティ全員の様々な経験値が1上がりました

 ◆
589 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/04(月) 23:55:48.41 ID:n2oYB4JL0
というわけで本日はここまでとなります。次回はとうとう大魔女帝国出発となります

激しい戦いを終え、クロさんを取り戻して平和を取り戻した大魔女帝国。地上に落ちてしまい、これからの生活は激変していくことでしょう。しかしきっと大丈夫。この国には伝説の大魔女と、国を守る為に立ち上がった強き民が大勢いるのですから――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/05(火) 01:15:03.43 ID:kwa3uYc+o
おつでした
無事に「着陸」できて良かった!
クロさんもクロシュと同じ様な経験を経てきたんだな…あぁフメイちゃんやブラッドに会いたい!
そして意外とカニに縁の有るパーティ。羨ましいぞ
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/06(水) 20:05:46.15 ID:I7cvKVOVO

やはりカニは偉大
しかし空には何があるのか
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 03:23:44.51 ID:qLk4cCXi0
大魔女帝国はあまり進まないイメージがあったけどテラヌス・ウルスまで結構飛んでいたんだね。
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 08:25:05.27 ID:WoLEWFJp0

ユキちゃん鍋食って平気なのかな
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 15:35:20.43 ID:RwFXg/uhO
スコルピ
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 15:37:13.67 ID:RwFXg/uhO
↑すみません間違えました。
無視してください
596 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 17:59:19.42 ID:M1pFm/kE0
大魔女帝国の未来も、楽園都市エデンも、無事に着陸することができたようです
クロ氏の過去はクロシュ氏のものと似たものであったようでした。だからこそ、クロシュ氏の言葉が通じたのかもしれません
フメイちゃんとブラッドさんは多くを語っていませんが、何か知っていることがあるかもしれません。もし会えたら聞いてみるのも良いでしょう

カニはとても美味しいようです。全てのカニが美味しいかどうかはわかりませんが、多くのカニは美味しいと考えられています
空に何があるかは……行ってみればわかるかもしれません。何があるかはお楽しみです

大魔女帝国は実のところゆっくりあちこちを移動しているようです。一つの場所に留まると同じ場所に影がずっとできてしまうため、移動する方式にしたとのことです
クロシュたちが大魔女帝国に到着してから今までの間に、海を越えて中央大陸のテラヌス地方にまで来ていたようでした

ユキ氏は雪女なので、熱いものを食べると少し火照ってしまう体質のようです。とはいえよほど大量の熱いものを食べ続けたりしない限り問題になることはありません。前にも本人が言っていましたが、雪女は時々少し溶けるくらいの方が健康に良いそうです
597 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 17:59:47.02 ID:M1pFm/kE0
―大魔女帝国 滞在最終日

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女サイン*1
マッスルワイン*1               
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
雷スライムの欠片

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
・大陸西部上空へ向かう手段を探す
・クロさんを助ける

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[11/12](クロシュ)次回☆
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・魔法[6/8](イリス)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[1/16](エバンス)
・魔法[5/6](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□大魔女帝国 空中楽園都市エデン 主要施設
中央区:大庭園、大魔女宮殿
居住区:宿舎、公園、広場、図書館、魔法学園、病院、他
歓楽区:市場、食事処、酒場、浴場、劇場、美術館、娼館、他
……………………………………………………………………………………
598 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 18:00:47.07 ID:M1pFm/kE0
―大庭園

風船気球クロシュ「〜〜」ポン モニョモニョ
 強化ソリカゴ「」ポン


クローディア「……もう少しゆっくりしていかない?」

妖精「光は逃げないけど光を狙ってる奴らはいっぱいいるから。あんまりゆっくりしてられないの」



クロ『クロシュちゃん……どうか気を付けてね……』モニョモニョ

風船気球クロシュ『うん……。クロさんも、お元気で』モニョニョ



ユキ「ミスティさん、皆さん……ありがとうございました!」ペコッ!

トリル「クロシュちゃん、いろいろありがとう……! またいつか、遊びに来てね……!」

トム「次は負けねえからな! おっさん!」

ミスティ「ええ、ユキたちもありがとう……! カニ鍋、とても美味しかったわ……!」

風船気球クロシュ「トリルちゃん……ありがと……。また、遊びに行くね……」

エバンス「おっさんって俺のことじゃないよな?」

ローガン「フッ、どうだろうな。私たちも楽しみにしているぞ、トムくん」



スール「体に気を付けるんだよ! 薬は惜しまずに使いな!」

フローレンス「あのアホ姉妹に会うことがあったらよろしく」

イリス「はいっ! 何ができるかはわからないですけど……喧嘩を止められれば、止めます!」



クリス「イリスさんも、ダークヒーローの皆さんも、どうかお元気で! ダークヒーローたちの勝利を願ってます!」

イリス「あはは……ありがとうございます。クリスさんも、歌唱活動頑張ってください!」

エバンス「良い曲だったぜ!」



ヨハンナ「……」

風船気球クロシュ「……」モニョニョ…

ヨハンナ「今回……あなたたちスライムが、この国の為にものすごく頑張ったことは、私も知っています……」

風船気球クロシュ「……!」モニョ

ヨハンナ「……スライムにも、いろいろな者がいる……当たり前ですけれど、そんな当たり前のことがようやく理解できたような気がします。私は……今まで、酷いことを言って、してきたのかもしれません……」

風船気球クロシュ「……」

ヨハンナ「……スライムたちは、この国に欠かすことのできない仲間ですから……すぐに受け入れるのは難しいですが、私も変わっていこうと思います……。だから……ありがとう、クロシュさん……」ペコリ

風船気球クロシュ「……うん。えと……スライムたちの、こと……ゆっくりでいいから……嫌いじゃ、ならなくなって、欲しい……」



ルーファス「もうお別れとは、寂しいでござるな……。小生、せっかくダークヒーロー一行のスリーサイズを計測したのに……」

イリス「えっ」

ミスティ「……は?」

妖精「ええ……」

風船気球クロシュ「??」

 大魔女の拳「」ブオンッ!!

  ボムギ!!

ルーファス「んほぉ〜クローディアたんの拳気持ち良いでござるゥ〜!」バタッ

クローディア「この馬鹿が計測した記憶は後でしっかり消去しておくから安心しなさい」
599 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 18:01:45.12 ID:M1pFm/kE0
ティリウス「いやあ、でも太母が元気そうで安心したよ! 伝聞では聞いてたけど、やっぱり実際に会えると違うし」

妖精「そう? 私はあなたのことあんまり心配してなかったけど。ここに来るまで忘れてたし」

ティリウス「酷いなあ!」

妖精「冗談だよ。久しぶりに会えて良かった。たまには緑の国にも顔出してやりな」

ティリウス「はは、そうだね。ここの生活が安定したら顔出して見ようかな」

妖精「……あ、そうだ。ティリウスにこの鉢植えを見て欲しいんだけど」スッ

 精霊樹の鉢植え「」ポン

ティリウス「おや、精霊樹の苗だね。見た感じ健康だし問題はなさそうだけど……んん……? 何か、変わった感じがするなあ」

妖精「これ、魔王樹の種から生まれたんだ」

ティリウス「なんだって!?」

クローディア「へえ、魔王化した植物が種を……。興味深いわね」

妖精「残された種には、魔王の邪気は感じられなかったから。育てても大丈夫かと思ってさ」

ティリウス「まあ……僕も直ちにまずいことが起きそうな気配は感じられないから、大丈夫だと思うけど……」

妖精「ティリウスがそう思うんなら大丈夫そうだね。ありがとう」



ロディナ「それでは、またのご来訪を心よりお待ちしております。ダークヒーロー御一行様……」ペコリ

イリス「あはは……ロディナさんもお元気で!」

風船気球クロシュ「ロディナさんのごはん、おいしかった……!」



妖精「それじゃあそろそろ出発しようか。クロシュ」

風船気球クロシュ「ん……!」フワッ…


上昇していく風船気球クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ



クリス「それでは――ダークヒーローたちの旅の無事を祈り、この歌でお見送り致します――」スッ

クロ「あ、わたしも歌う!」

トム「あの曲だな! オレも歌うぜ!」

鼻血を流すルーファス「フッ……小生の美声を解き放つ時が来たか……」スクッ



「真なる巨悪を討つ 闇の英雄ダークヒーローイリス 伝説の大魔女と共に空を舞う――!!!!」♪

「正義は胸の奥に 勇気の杖は天高く 戦い続けるダークヒーロー 唸れ 星光のスターライト――!!!!」♪



クロ「クロシュちゃん、またね〜!!」

クローディア「負けるんじゃないわよ……!」


 ――大魔女帝国編 完
600 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 18:02:43.52 ID:M1pFm/kE0
クリアボーナス
↓1コンマ
01-60 運命賽+不死鳥の羽根
61-90 ↑+運命賽
91-00 ↑+会心賽(判定時に会心と書き込むと、コンマに関わらず最上の結果となる。一度使うとなくなる)
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 18:03:47.87 ID:1rweToaOO
いでよ会心賽!
602 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 18:33:28.09 ID:M1pFm/kE0
―空

風船気球クロシュ「」フヨフヨ


 不死鳥の羽根「」ポン!

 大魔女帝国滞在許可証(無期限)「」ポン!

イリス「不死鳥の羽根に、大魔女帝国の期限なし滞在許可証……!」

エバンス「普通に生きていたら絶対に手に入らないぞ、どっちも……!」

妖精「不死鳥の羽根か……。これを持ってれば、もし死ぬような事態になっても一度だけ蘇生できるんだよね」

ローガン「ふむ……自動的に反魂丹を飲まされるようなものだろうか?」

妖精「いや。反魂丹は死体の状態によって蘇生できない場合もあるけど、不死鳥の羽根は違う。これは、所持者が消し炭になろうとも問答無用で発動して、所持者の体を再生して復活させるんだ」

ミスティ「え、本当に……? めちゃくちゃじゃない……」

妖精「だからイスファハーンではものすごい値段で取引されてたんだよ」

エバンス「待てよ……てことは、大魔女はこれを売りさばけば外貨を稼ぎ放題なんじゃねえのか!?」

妖精「いや……残念だけど、そう簡単な話でもない。死者を蘇生させるほどの強力な力を宿した羽根は100年くらいに一枚しか生えないらしいんだ」

エバンス「そ、そうなのか……」

イリス「てことは……100年に一枚のすごい羽根を私たちにくれたんだ……!」

妖精「ふふ、そういうこと。これに頼るような事態は避けたいけどね」

 ☆不死鳥の羽根をもらいました
 ☆大魔女帝国滞在許可証をもらいました
 ☆運命賽*2を手に入れました

 *
603 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 18:35:47.09 ID:M1pFm/kE0
―幕間
 西セイントレアキャニオン

 ヒュオオオ…
 タンブルウィード「」コロコロ…


 馬車「」ガタンゴトン…


聖女「……」

 魔族国の子供たちが描いた絵「」ペラッ

聖女「……」グッ


御者「お嬢さん、ロイエ教の神官さんなんだよな?」

聖女「あ、はい。そうです」

御者「……ここ最近、芸術都市じゃ変な新興宗教が流行ってるって噂だ。身辺には気を付けなよ」

聖女「新興宗教……?」

御者「ああ。なんでも、デロデロ教とかいうらしいが……」

聖女「デロデロ教……」

 ――魔族国スライム「〜〜♪」モニョモニョ
 ――スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ

聖女「……ふふ」クスッ

御者「いやいや、名前はちょっと面白いかもしれないが実態はかなり過激な宗教って話なんだよ。なんでも、世界の全てをデロデロに溶かして一つにしちまおうとか何とか……」

聖女「それは……随分と変わった教義なのですね」

御者「だろ? 大きな事件こそまだ起こしてないらしいが、既に信者の数は相当なものになってて気味が悪いんだそうだ」

聖女「そうなのですか……?」

御者「ああ。あんたも異教徒だからって逆恨みされちまうかもしれんぞ」

聖女「うーん……問題を起こしていない方々を過度に警戒するのも少し失礼な気がしますけれど……心に留めておきますね」



聖女(それにしても……ふふ、デロデロ教って面白い名前……)

聖女(……クロシュさんは元気にしているでしょうか? お友達、見つかっていたら良いな……)


 馬車「」ガタンゴトン…

 ◆
604 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 18:38:31.16 ID:M1pFm/kE0
―大陸西部上空への空路 1日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
雷スライムの欠片
大魔女サイン*1
不死鳥の羽根

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[11/12](クロシュ)次回☆
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・魔法[6/8](イリス)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[1/16](エバンス)
・魔法[5/6](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
605 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 18:39:22.36 ID:M1pFm/kE0
―空

風船気球クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ


イリス「それにしても……」


 遥か遠い眼下に広がる砂漠「」ヒュオオオオ――…


イリス「高い!! ものすごく!!!」

ミスティ「ええ……。クロシュを信頼していないわけではないけれど……ちょっと怖いわね……」

分体クロシュ「……だいじょうぶ……! 絶対、おちない……!」モニョッ

イリス「あはは、分体を出すのも上手になったねえ」

妖精「でも体力には限りがあるんだから、無闇な消耗はできる限り避けてね」

分体クロシュ「んゅ……わかった……」デロデロ…


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-35 遭遇
36-50 食料発見(コンマ)
51-65 場所発見(コンマ)
65-80 良いこと(自由安価)
81-95 旅は道連れ
96-00 旅は道連れ(稀)
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 18:40:02.63 ID:qLk4cCXi0
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 18:40:21.39 ID:RwFXg/uhO
608 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 18:46:29.35 ID:M1pFm/kE0
場所と食べ物を見つけたようです

↓1コンマ 見つけた場所
01-30 風船スライムの群れ
31-60 乗れる雲
61-90 小さな空中庭園
91-00 古代の方舟

↓2コンマ 見つけた食料
01-10 雨の雫
11-20 空藻
20-30 食べられる野草
31-40 フワフワクラゲ
41-50 ソラタニシ
51-60 トビウオ
61-70 ソラザリガニ
71-80 精霊のわたあめ
81-90 スカイマグロ
91-00 ブルージェットガニ
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 18:47:26.90 ID:CnSQLYka0
方舟とか空中庭園とかロマンあるなあ、行きたい
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 18:47:43.58 ID:WoLEWFJp0
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 19:10:04.52 ID:/60dMvZ1o
タニシ空にもいるのか
612 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 20:27:35.21 ID:M1pFm/kE0
風船気球クロシュ「」フヨフヨ


エバンス「……ん? 何だありゃ?」


 遠くに見える小さな空中庭園「」


妖精「あれは……なんだろう。こんな上空まで来たことないからわからない……」

イリス「せっかくだから近づいてみようよ! 足場になりそうならクロシュちゃんも休憩できるだろうし」

風船気球クロシュ「〜〜」モニョモニョ

 ◇

―小さな空中庭園

 割れた噴水「」シャワシャワ
 生い茂る草花「」ピョコン
 大きな木「」サワサワ

イリス「すごい……少し割れてるけど、生きてるよこの噴水……!」

ミスティ「草木も茂ってるわね……。まさか空の上にこんな場所があったなんて……」

エバンス「これは一体どういう技術で浮いてるんだ……?」

妖精「……これは、多分……浮遊性を持つ物質を使ってるんだと思う。でもいつの時代の、どこの技術だろう……」

ローガン「クロシュくん、調子はどうか?」

クロシュ「全然、だいじょうぶ……! まだまだ飛べる……!」

妖精「んー……でも今日はここまでにしとこう。初めての長距離飛行なんだし、せっかく丁度良い休憩ポイントが見つかったんだからさ」

クロシュ「ん……!」

 ☆小さな空中庭園でゆっくり休み、元気になりました

 *
613 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 20:28:01.18 ID:M1pFm/kE0
―夕方
 小さな空中庭園

スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン

エバンス「ん? どうしたんだクロシュちゃ――」


トビウオの群れ「」パタパタパタパタ!!


イリス「うわわわ!? あれってまさか――」

妖精「トビウオだ! 高層の空に棲む空魚類の!」

ローガン「空魚類……実在したのか……!!」

ミスティ「こっちに来るわ!」


トビウオの群れ「」パタパタパタパタ!!


ローガン「ぬう、伏せろ!」バッ

イリス「わわ!」バッ


トビウオの群れ「」パタパタパタパタ!!

 パタパタパタパタ!!


ローガン「……通り過ぎたか……?」

妖精「通り過ぎてったみたいだね」

数匹のトビウオ「」ビチビチ

ミスティ「何匹かが木や茂みに衝突してのたうってるわ……」

エバンス「魚なら……食えるのか?」

妖精「毒があるって話は聞いたことないし、多分食べられると思う」

エバンス「じゃあ食ってみようぜ!」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 ◇

 焚き火「」パチパチ
 焼きトビウオ「」コンガリ

妖精「へえ、けっこう良い感じ……」

イリス「すっごく良い香り……!」

ミスティ「美味しそうね……」

ローガン「空魚類……味はどうだろうか」

エバンス「よし、じゃあ早速食うぞ!」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

 ☆トビウオを食べて元気になりました

 ◇
614 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 20:28:53.18 ID:M1pFm/kE0
―夜
 小さな空中庭園

 焚き火「」パチパチ

妖精「不思議……こんなに高い空なのに、風も穏やか。どんな技術なんだろ……」

ミスティ「妖精でも知らない文明があるのね」

妖精「そりゃそうだよ。私なんてこの世界全体で見ればちょっと長生きなだけのただの妖精だもの」

イリス「妖精さんが知らないってことは、緑の国が建国されるよりも前の文明なのかな? 本当にものすごく昔だね」

クロシュ「えと……どれくらい、昔……?」

妖精「うーん、風化具合から判断しようにも、この建材も見たことがない物質だ……。多分、1万年以上は前じゃないかなあ」

イリス「1万年……!?」

クロシュ「わあ……」

ミスティ「想像がつかないわ……」


空の旅初日の夜です。小さな空中庭園で野営します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 20:29:16.45 ID:dRScR5GP0
ローガン、かたたたきけんを使う
肩叩きをするクロシュに息子もこんな風に肩叩きをしてくれたという思い出を語る
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 20:30:33.21 ID:RwFXg/uhO
イリス、飛行魔法の練習
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 20:38:51.68 ID:6BQPxPSpO
可能ならちょっとだけ空中庭園探検したい
618 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 21:03:59.65 ID:M1pFm/kE0
―テント内

ストレッチしているローガン「……」グッグッ

クロシュ「……肩、こってるの?」ヒョコ

ローガン「む……いや」

クロシュ「……でも……こってそう……」

ローガン「……まあ、少し。だが君に叩いてもらうほどではない。クロシュくんこそ、今日一日空を飛んで疲れているのではないか?」

クロシュ「んーん……まだまだ、飛べた……。クロさんのお陰で……風船スライムさんの感覚……わかったから……」

ローガン「そうなのか……」

クロシュ「肩、こってるなら……かたたたきけん、使える……!」

ローガン「ぬう……まあ、クロシュくんが疲れていないのなら……」

クロシュ「!」モニョ!


↓1コンマ クロシュの肩叩き(前回の経験により+20)
00-90 とても上手
91-00 ??
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 21:05:48.50 ID:/20aVOvDO
はい
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 21:06:06.01 ID:WoLEWFJp0
621 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 21:37:13.70 ID:M1pFm/kE0
 トントントントン

クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

ローガン「うむ……すっかり上手になったな」

クロシュ「んへへ……」

ローガン「私の息子も……初めはクロシュくんよりも肩叩きが下手だったのだが、いつの間にか上手になっていてな……」

クロシュ「ローガンさんの……子供……?」

ローガン「うむ……。少し懐かしい気持ちになってしまった……」

クロシュ「子供……。えっと……子供がいるのって……どんな、感じなの……?」

ローガン「どんな感じか……難しい問いだな。守るべき、庇護すべき者で……私の人生の集大成でもあり……」

ローガン「…………」

ローガン(……自分で言っていて……苦しくなってきたな……。つまり私は、守るべき、庇護すべき、人生の集大成を……何もできずにみすみす殺されてしまった、無様な人間というわけだ)

クロシュ「?」

ローガン「フッ……あとは、忘れた……」

クロシュ「えと……。まもるべきもの……。妖精さんみたいな……?」

ローガン「ううむ……妖精くんにそれを言うと怒ると思うぞ。私が守る側だ、と」

 ☆クロシュの鋼属性適性がさらに上がりました

 ◆
622 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 21:37:54.77 ID:M1pFm/kE0
―夜
 小さな空中庭園

イリス「……」ムムム

 風「」ヒュルヒュル

妖精「何してるの?」パタパタ

イリス「あ、妖精さん。えっと……えへへ、飛行魔法をね……」

妖精「飛行魔法……風属性で?」

イリス「そう。理論上は可能なはず……」

妖精「そりゃ理論上は可能だろうけど、魔導書もなしに習得するのは無理じゃない? ましてイリスは風属性の本職ってわけでもないんだし……」

イリス「でも……クロシュちゃん一人に負担を押し付けるのは主義に反するんだよ! 私はこのパーティで唯一飛行魔法を習得できるポテンシャルがある……なら私だけでもクロシュちゃんを手伝わないと……!」

妖精「私とイリスで吹かせてる追い風もかなりクロシュの飛行を支援できてると思うけど……」

イリス「さらにその上を行きたいの!」

妖精「ま、まあやる気があるなら良いと思う。ただ、風属性の飛行魔法なら人間用の魔導書もあるだろうからここで無理に独学しなくても……」

イリス「魔導書なら……実はあるんだよね」スッ

 魔導書「風属性応用上級」ポン

妖精「あったんだ」

イリス「でもかなり上級者向けの内容だから、けっこう難しくて……」

妖精「ふむふむ……まあせっかくだし私も見てあげる。人間用の魔法は専門外だけど、風の流れに関することとかならもしかしたらアドバイスできるかもしれないし」

イリス「お願いします!」

↓1コンマ
01-60 難しかった  飛行経験+1 [1/8]
61-90 理解が進んだ 飛行経験+2 [2/8]
91-00 天才イリス  飛行経験+8 [8/8]
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 21:41:00.01 ID:/60dMvZ1o
ふんふむ
624 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 22:11:16.47 ID:M1pFm/kE0
イリス「むむむ……」

 風「」ヒュルヒュル

イリス「この風に乗って……とうっ!」ピョンッ!

 ストッ…

妖精「……普通に着地したね」

イリス「む、難しい……!」

妖精「そもそも人間の形って風に乗るのに適してないんだよね……。風船スライムみたいになれない?」

イリス「なれるわけないでしょ!」

 ☆イリスが飛行魔法の練習を初めました[1/12]

 ◇
625 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 22:11:44.07 ID:M1pFm/kE0
―夜
 小さな空中庭園

クロシュ「……」トコトコ

エバンス「ん? こんな時間にどこに行くんだ?」

クロシュ「ちょっと……探検に……」

ミスティ「探検……落ちたら危ないわよ……と言おうと思ったけど、むしろクロシュが一番危なくないのよね……」

エバンス「まあ……落ちても簡単に戻ってこれるだろうからな」

ミスティ「でもこの空中庭園が完全に安全な場所とは限らないし、私も付いていくわ」スクッ

クロシュ「わあ……!」

エバンス「俺も行くぜ。肉壁もいた方が良いだろ?」

クロシュ「わあ……!」

ミスティ「壁役ならもうクロシュの方が優秀じゃない?」

エバンス「ぐっ、それを言わないでくれ!」

ミスティ「まあ……そもそもエバンスって壁になるタイプの戦士でもないしね」

エバンス「それはそうなんだけどよ……。ちょっと情けないぜ」

クロシュ「?」

 *

 満点の星空「」キラキラ

ミスティ「……星も綺麗に見えるわね。空が近いから……?」

エバンス「砂漠の空はさらに綺麗らしいぜ。妖精が言ってた」

クロシュ「うん……きれい……」


 割れた噴水「」シャワシャワ


エバンス「探検とは言って出てきてみたものの……あんまり広くないから、すぐに見て回れちまうな」

ミスティ「そうね……。休憩所としては最適だけれど」

クロシュ「……!」


↓1コンマ 何か見つけたよ
01-05 エルダーリッチ
06-50 小さなゴーレム(停止)
51-95 小さなゴーレム
96-00 伝説スライムの涙
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 22:13:36.69 ID:RwFXg/uhO
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 22:14:43.25 ID:0RaOFLRjO
628 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 22:47:56.63 ID:M1pFm/kE0
 草木に覆われた物体「」

クロシュ「……」トコトコ

 草木に覆われた物体「」

エバンス「……ん? これは……中に何かあるな」

ミスティ「よく見つけたわね。でもこれ……何かしら?」

 草木に覆われた物体「」

クロシュ「……」ツンツン

 草木に覆われた物体「」ピコン! ギギギ…

クロシュ「!」
ミスティ「えっ!?」
エバンス「何だ!?」

草木に覆われた物体「……」ギギギ…トコトコ…

ミスティ「ゴーレムだわ!」

エバンス「ゴーレムなのか!?」


草木に覆われたゴーレム「……」トコトコ…

 噴水「」シャワシャワ

草木に覆われたゴーレム「……」ギギ…


ミスティ「噴水の前で止まったわ……」

クロシュ「えと……どうしたの……?」

草木に覆われたゴーレム「……ジョウロユニットノ破損ヲ確認……。オ仕事、遂行不能……」ギギギ

クロシュ「じょうろが、ほしいの……?」

 モニョモニョ…ポン!

分体ジョウロクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

草木に覆われたゴーレム「友好的ナスライム類カラジョウロノ貸与……。オ仕事、遂行……」ググッ

 ◇

分体ジョウロクロシュ「」シャワシャワ

 庭園の花壇「」シャワシャワ

草木に覆われたゴーレム「スライムジョウロ、動作良好……」

クロシュ「んへへ……」

ミスティ「庭園管理用のゴーレム……なのかしら?」

 *

草木に覆われたゴーレム「スライムジョウロノ貸与、感謝シマス」スッ

分体ジョウロクロシュ「〜〜」モニョニョ

 デロデロ

クロシュ「うん……。どういたしまして……」

ミスティ「あなたは……ここの管理をしているのかしら?」

草木に覆われたゴーレム「……記憶回路ニ障害ヲ確認……。所属及ビ役割ヲ確認デキマセン」

エバンス「わからないのか……。これからもずっとここで水やりを続けるのか?」

草木に覆われたゴーレム「肯定」

クロシュ「……」

 ◆
629 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 22:52:56.43 ID:M1pFm/kE0
―翌朝
 小さな空中庭園

ローガン「ふむ、ジョウロか。これを差し上げよう」スッ

 鋼のジョウロ「」ポン!

草木に覆われたゴーレム「鋼製ジョウロノ贈与ヲ確認……オ仕事、遂行可能……。感謝」トコトコ

ローガン「フッ、気に入ってくれたようだ。だがやはり本物質の創造は疲れるな……」

イリス「お疲れ様です! それにしても、あのゴーレム……」

ミスティ「ちょっと、似てるわよね。王国の……自立型魔導機械に」

妖精「……」

イリス「妖精さんは、どう思う……?」

妖精「……わからない。似た気配は感じるんだけど……似ても似つかない気もするっていうか……」

クロシュ「……」


どうしよう
↓1〜 先取2票
1.そっとしておく
2.ゴーレムを連れて行く
3.ゴーレムを食べる
0.自由安価(票数は内容ごと)
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 22:55:04.82 ID:PWFq6VGno
3
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 22:55:21.63 ID:WoLEWFJp0
0一時的にゴーレムを取り込んで記憶を読んでみる
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 22:59:51.74 ID:/20aVOvDO
>>631
633 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 23:27:19.70 ID:M1pFm/kE0
クロシュ「……あの……ゴーレムさん……」

草木に覆われたゴーレム「?」

クロシュ「……食べても、いい……? ゴーレムさんを……」

草木に覆われたゴーレム「肯定」

クロシュ「……ほんとに、いいの……? わたしの……一部に、なっちゃうけど……」

草木に覆われたゴーレム「万物流転デス」

クロシュ「ここの、お世話も……できなく、なっちゃう……」

草木に覆われたゴーレム「ワタシガ機能停止シテイル間モ、植物ハ永ラエ続ケテイマシタ」

クロシュ「……ほんとに……いい……?」

草木に覆われたゴーレム「肯定。昨日、スライムジョウロノ貸与、マコトニ感謝シマス」

クロシュ「……わかった。それじゃあ……食べるね……」


 デロデロ…モニョモニョ…


スライムクロシュ「」モニョモニョ…モグモグ…

食べられるゴーレム「――」

 ☆謎のゴーレムを食べました

 *
634 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 23:27:53.45 ID:M1pFm/kE0
―空

風船気球クロシュ「」フヨフヨ


イリス「クロシュちゃん……さっきのゴーレムさんのことだけど……」

 モニョモニョ…

分体クロシュ「……うん」

イリス「……食べてみて、何かわかったことはある? あれの中身が何だったか、とか……」

分体クロシュ「……妖精さんたちとは、ちょっと、違った気がする……」

妖精「ちょっと……?」

分体クロシュ「うん……。えと……かちこちで……かたい感じ……」

妖精「作り物ってこと……?」

分体クロシュ「うん……たぶん……。でも……」

 ――植物に水をやるゴーレム『』シャワシャワ

分体クロシュ「……気持ち……思い……。そういうの……あった……感じが、する……」

妖精「……」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-35 遭遇
36-50 食料発見(コンマ)
51-65 場所発見(コンマ)
65-80 良いこと(自由安価)
81-95 旅は道連れ
96-00 旅は道連れ(稀)
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 23:29:53.65 ID:/20aVOvDO
はい
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 23:30:27.07 ID:hLhjsc/Co
637 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 23:32:51.35 ID:M1pFm/kE0
なんと……65が場所発見と良いことで重複していました

↓1〜 先取2票(上でコンマを取った人も投票可)
1.場所発見
2.良いこと(自由安価)
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 23:35:01.37 ID:WoLEWFJp0
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 23:39:31.66 ID:NeCdMqnrO
2
640 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 23:42:17.28 ID:M1pFm/kE0
では先に起こった良いことです。敵襲はその後になります

↓1自由安価 起こった良いこと
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 23:42:57.78 ID:RwFXg/uhO
ドラゴンの群れ目撃
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/09(土) 23:43:02.65 ID:/60dMvZ1o
風の魔翌力を蓄えた青い魔石を入手
643 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/09(土) 23:47:46.22 ID:M1pFm/kE0
それではドラゴンの群れを目撃することが確定したところで本日はここまでとなります

大魔女帝国を発った一行が行くは、のんびりとした空の旅。小さな庭園を見つけたりトビウオを食べたり、久しぶりの旅気分を味わいつつ風船気球クロシュは目的の雲塊を目指して飛ぶ――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 00:47:19.23 ID:VZIZ+WDKo
おつです
ゴーレム、お疲れ様
なんかすげえ雰囲気良いところ見つけたなあ
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 10:37:26.00 ID:zZOc1eWR0
>>633
安価間違えてない?
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 13:14:22.83 ID:W6Z0VhOyo
おつ
古代文明の空中庭園…園丁のゴーレム…もしや天空の城…
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 16:55:36.30 ID:AE52Po4N0
ゴーレムさんは庭園のお世話をするのが好きだったようです。一体この庭園がどういう場所だったのかは、今のところよくわかっていません

申し訳ありません、安価を見間違えていました。今回の更新の前に、該当シーンの差し替えを行いたいと思います

天空の古代文明と言えば、一切れのパン、ナイフ、ランプを鞄に詰め込みたくなります。ロマンティックです



というわけで、今回は更新の前に>>633の差し替えからとなります
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 16:56:10.26 ID:AE52Po4N0
クロシュ「あの……ゴーレムさん……」

草木に覆われたゴーレム「?」

クロシュ「……少しだけ、同化……させてもらっても、いい……?」

草木に覆われたゴーレム「承知致シマシタ。ドウゾ」スッ

クロシュ「えと、でも……失敗したら……食べちゃう、かも……」

草木に覆われたゴーレム「万物流転デス」

クロシュ「ここの、お世話も……できなく、なっちゃう……」

草木に覆われたゴーレム「ワタシガ機能停止シテイル間モ、植物ハ永ラエ続ケテイマシタ」

クロシュ「……わかった。なるべく……失敗しないよう、がんばる……!」

 デロデロ…モニョモニョ…

 ☆スライム技能レベル高い+半無生物なので失敗判定は回避されます

 ◆
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 16:56:45.57 ID:AE52Po4N0
―??
 小さな空中庭園

 ザッ…ザザッ…

クロシュ(これは……ゴーレムさんの……おもいで……?)

 ザザッ…


ゴーレム「」シャワシャワ
 花壇「」シャワシャワ


人形「ご主人さま。なぜ哨戒ゴーレムに庭仕事をさせているのですか?」

主人「人工精核搭載型のゴーレムは優秀だけど、性質に僅かな個体差が生まれることがあるでしょ? この子もそう。この子は、植物の世話をするのが好きみたいだったから」

人形「しかしその個体差……バグ≠ヘ、近年の研究成果によって減少しつつあります。この機体も然るべき処置を施せば、哨戒機としての役割を忠実に果たせるようになると思われます」

主人「この子は哨戒任務をこなせないわけじゃないんだよ。でも、それよりこっちの方が好きみたいだから。私はそれを尊重してるだけ」

人形「しかし庭仕事であれば庭仕事用の機体を用いる方が効率的です」

主人「効率を考えれば、そう。でも……それじゃあ、この子の植物のお世話をしたいって気持ちは? 好きじゃない仕事に一生を縛られて、やりたいことをやれないまま朽ち果てていくのが正しいと思う?」

人形「処置を施してバグを取り除けば、そういった苦しみを抱くこともなくなります」

主人「……消されちゃったこの子の想いは……どうなるの?」

人形「消されたものは……消えたとしか言えません。その先は……哲学、あるいは宗教の領域です」

主人「……そうだね。でも私は……今ここにあるこの子の想いを、尊重したい。尊重したいって思う、私自身の意思も」

人形「……理解できました。差し出がましい物言いをしてしまい、申し訳ありませんでした」

主人「ううん、いいよ。気持ちばかりに囚われていると、時々もっと大事なことを見失っちゃうから。あなたの冷静な意見にはいつも助けられてる」

人形「そうであれば幸いです」

主人「それに……」

人形「?」

主人「……こうして私にいろいろ口を出すのが、あなた自身のやりたいこと……でしょ?」

人形「……」


ゴーレム「」シャワシャワ
 花壇「」シャワシャワ

 ◆
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 16:59:45.32 ID:AE52Po4N0
―??
 小さな空中庭園

 真っ黒な雲「」ゴゴゴゴ…

 雷「」ピカッ!

 ゴロゴロ…


空の向こうを見つめるゴーレム「……」


端末『――』ザザッ―ピコン!

主人「!! 繋がった……!! 大丈夫……!?」

端末『ご主人さま……。わたしは今のところ無傷です。ご心配ありがとうございます』ザザッ

主人「良かった……! それで、そっちの状況はどうなってるの……?」

端末『大変申し上げにくいのですが……死者は全国民の90%を越えました。人形やゴーレムたちももう……』

主人「……そう。もう……どうにもならないんだ……」

端末『はい』

主人「……ねえ、それなら……あなただけでも、こっちに――」

端末『……わたしは本島に残り、最終作戦に参加する予定です』

主人「……!? どうして……!? あなたは家政婦人形でしょ!? あなたがやるべきことなんて――」

端末『今この島では深刻な人手不足により、家政婦人形の手すらも必要とするほどに逼迫しています』

主人「そ、それはそうかもしれないけど……」

端末『それに――雷霆の魔王を野放しにすれば、いずれはご主人さまの住まう空中庭園が襲われることもあり得ます。あの変わった哨戒ゴーレムが熱心に手入れしている庭園も……奴に破壊させるわけにはいきません』

主人「!!!」

端末『以前ご主人さまは――やりたいことをやれないまま朽ち果てるのは正しいのか、と仰いました』

主人「――」

端末『わたしは――わたし自身の想いを尊重し、戦います――』ザザザッ―

 ブツンッ―

主人「あっ……! 待って、繋がって! お願い!!」ポチポチ…

ゴーレム「……」

 ◆
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 17:00:40.10 ID:AE52Po4N0
―??
 小さな空中庭園

 日差し「」ポカポカ


 丁寧に手入れされた庭園「」キラキラ

ゴーレム「」シャワシャワ
 花壇「」シャワシャワ


年老いた主人「……今日も良い天気だねえ……」ノソノソ

ゴーレム「ゴ主人サマ」スッ

年老いた主人「ありがとう」ヨイショ


年老いた主人「………ごめんね……。あなたには……ずっと、お世話になっちゃって……」

ゴーレム「イイエ。ワタシノ役目ハ、アナタノオ役ニ立ツコト。アナタノ愛スルコノ庭園ヲ、守ルコト」

年老いた主人「ふふ……私も、もう長くないのよ……。もうあなたもここに縛られず……って、言いたいところだけれど……」

ゴーレム「?」

年老いた主人「ここからじゃ……どこにも、行けないからねえ……」


 遥か彼方まで広がる青空「」ヒュオオオオ――…


ゴーレム「……ドコニモ行キマセン。ワタシハ、コノ場所ヲ守リタイ」

年老いた主人「もう、いいのに……ふふ……」ジワワ…

 ◆
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 17:01:35.05 ID:AE52Po4N0
―??
 小さな空中庭園

 遺骨「」

ゴーレム「……遺言ニ従イ……アナタノオ体ハ……庭園ノ肥料ト、サセテ頂キマシタ……」

 遺骨「」

ゴーレム「……」

 遺骨「」

ゴーレム「……」ピガ…

 遺骨「」

ゴーレム「……」ピガガ…

 遺骨「」

ゴーレム「……オ仕事ニ……行ッテ参リマス……」ヨタヨタ…

 ◆
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 17:02:49.88 ID:AE52Po4N0
―??
 小さな空中庭園


 庭園に咲く花「」

 花の先についた綿毛「」フワフワ


ゴーレム「……」


 ヒュオオオ――

 花の先についた綿毛「」ヒュオッ

  飛び立つ綿毛「」フワッ


ゴーレム「……」


   空へ飛んでいく綿毛たち「」フワ フワ…


ゴーレム「…………行ッテラッシャイマセ……ゴ主人サマ……」




      空へ飛んでいく綿毛たち「」フワ フワ…


 ◆
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 17:03:37.85 ID:AE52Po4N0
―??
 小さな空中庭園

ゴーレム「」シャワシャワ
 花壇「」シャワシャワ

 ◆

―??
 小さな空中庭園

苔の生えたゴーレム「」シャワシャワ
 花壇「」シャワシャワ

 ◆

―??
 小さな空中庭園

苔に覆われたゴーレム「」シャワシャワ
 花壇「」シャワシャワ

 ◆

―??
 小さな空中庭園

苔と草の生えたゴーレム「」ギギ…シャワシャワ
 花壇「」シャワシャワ

 ◆

―??
 小さな空中庭園

草木に覆われ始めたゴーレム「」ギギギ…シャワシャワ
 花壇「」シャワシャワ

 ◆

―??
 小さな空中庭園

草木に覆われたゴーレム「」

 ◆

―??
 小さな空中庭園

草木に覆われたゴーレム「」

 ◆
―??
 小さな空中庭園

草木に覆われたゴーレム「」

 ◆

―??
 小さな空中庭園

草木に覆われたゴーレム「」

 トコトコ…

「……ん? これは……中に何かあるな」

「よく見つけたわね。でもこれ……何かしら?」

「……」ツンツン

草木に覆われたゴーレム「」ピコン! ギギギ…

「!」
「えっ!?」
「何だ!?」

 ◆
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 17:05:52.61 ID:AE52Po4N0
―現在
 小さな空中庭園

 モニョモニョ…ポン

草木に覆われたゴーレム「……」ポン

クロシュ「……」

草木に覆われたゴーレム「……記憶回路ノ一部復旧ヲ確認……。思イ出シマシタ。ゴ主人サマノコト……」

クロシュ「うん……」

草木に覆われたゴーレム「ワタシハ、コレカラモ庭園ヲ守リマス」

クロシュ「………寂しく、ない……?」

草木に覆われたゴーレム「寂シクアリマセン。ココハ――」


 生い茂った草木「」サワサワ
 庭園に咲く花「」ヒラヒラ
 飛び立っていく綿毛「」フワフワ―


草木に覆われたゴーレム「ゴ主人サマノ想イト、共ニアリマス」

クロシュ「……うん!」

 ☆謎のゴーレムの記憶が少し戻りました

 *
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 17:07:05.83 ID:AE52Po4N0

 キュッキュ ゴシゴシ…

ピカピカになったゴーレム「」ピカピカ

イリス「すっかり綺麗になったよ!」

エバンス「隙間に詰まってた砂粒とかも極力取り除いたぞ」

ローガン「うむ。調子はどうだろうか?」

ゴーレム「動作良好……感謝シマス、旅人ノ皆サマ」ペコリ

妖精「……ねえ、あなたの人工精核って、妖精や精霊を原料にしてるわけじゃないんだよね?」

ゴーレム「肯定。人工精核ハ無機物及ビ無色ノ魔力ニヨッテ造ラレル、誰ノ権利モ侵害シナイ人道的ナ物体デス。旧来ノ精核デハ原料トナッタ妖精又ハ精霊ニ著シイ苦痛ヲ与エルコトガ問題トナッテイマシタガ、人工精核ハソノヨウナ問題ヲ有シマセン」

ミスティ「……あなたたち自身が苦痛を感じているとかもないのよね?」

ゴーレム「肯定」

クロシュ「うん……。同化してみて……苦しいとかは、なかった……。だから……大丈夫……」

妖精「なら良かった。これからもここで……庭園の世話を続けるんだよね?」

ゴーレム「肯定。ココヲ守リ続ケマス」

クロシュ「うん……! がんばってね……」

 ◆
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 17:08:09.21 ID:AE52Po4N0
―空

風船気球クロシュ「」フヨフヨ


双眼鏡を覗くエバンス「……ん? うおっ!?」バッ

ミスティ「え、何? あれは……」


飛竜の群れ「」バサッバサッ


イリス「うわあ!? ドラゴンの群れだ!!」

エバンス「くそっ、カリス・ノーランドからの刺客か!?」

妖精「待って、落ち着いて! 確かにあの時大魔女帝国を襲った飛竜の群れと同じ種だけど、あれは――」


飛竜の群れ「」バサッバサッ


妖精「野生の群れだよ! 野生のワイバーンは比較的大人しい種なんだ、こっちが何もしなければあっちから襲ってくることはないはず……!」


飛竜の群れ「――!! ――!!」バサッバサッ


イリス「でも……なんか、様子がおかしくないですか?」

ローガン「うむ……あれは――」


飛竜の群れ「ギャオオオオッ!! ギャオオオオッ!!」っっっっ

首輪を付けられた飛竜「ギャオオオオッ!!!!」ギャオギャオ


ミスティ「首輪を付けられた奴が暴れてる! あれって――」

エバンス「やっぱりカリス・ノーランドの仕業なんじゃねーか!!」

風船気球クロシュ「……!!」モニョニョ!!

妖精「そうだね……あの首輪付きの奴を止めにいこう! カリス・ノーランドの悪行を見過ごすわけにはいかない……!」


 ――戦闘開始 首輪付きワイバーン――


↓1コンマ(飛竜たちとの共闘+20)
01-30 劣勢
31-90 優勢
91-00 会心
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 17:09:54.78 ID:kDD2oyhlO
はい
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 17:59:11.14 ID:AE52Po4N0
風船気球クロシュ「〜〜」モニョモニョ


イリス「やっ!」カッ!

ミスティ「はあっ!」カッ!

ローガン「むんっ!」カッ!

 星弾「」バギュンッ!!
 氷柱「」ヒュンッ!!
 鋼の槍「」ドュンッ!!

首輪付きワイバーン「ギャオオオオッ!!」ドガガッ



エバンス「くっ……遠距離攻撃は不得意だし――」シュバッ

妖精「ちょ、エバンス!?」


エバンス「ちょっと背中を借りるぜ!」ドッ

ワイバーン「ギャオっ!?」バサッバサッ

エバンス「あいつを止めたいんだろ!? 協力してやるから言うことを聞け!!」

ワイバーン「ギャウ……」バサッバサッ


妖精「ドラゴンライドなんてやったことあるの!?」パタパタ

エバンス「ないけどできたぜ!」

ワイバーン「ギャオオっ!!」バサッバサッ

 グラグラ

エバンス「おああああ!?」

妖精「仕方なく乗せたけど、正式に認めたわけじゃないってさ……」

エバンス「ま、まあいい! よっし、あいつの首輪だな!?」

ワイバーン「ギャオ!」

エバンス「お前は飛んで近づくことに専念しろ! 攻撃は俺がやってやる!」



ローガン「エバンスくん……また無茶をする……!」

イリス「でも飛び回るワイバーンの首輪を正確に攻撃するのも難しいですし、ここはエバンスさんの援護をしましょう……!」

ミスティ「そうね……!」

風船気球クロシュ「〜〜!」モニョニョ!


首輪付きワイバーン「ギャオオオオッ!!」バサッバサッ

エバンス「おおおっ!」グオオオオッ
ワイバーン「ググググ……!」グオオオオッ

首輪付きワイバーン「ギャオオオッ!!」シャキンッ!!

エバンス「うおっやばっ――」

 援護射撃「」ドゴゴゴゴッ!!

首輪付きワイバーン「ギャオオオオン!!」ドガガガッ!!

エバンス「ぶねえ!! 助かったぜ! よし、今度こそ――くらえ!!」バッ

 魔銀の剣「」シャンッ!!
 首/輪「」スパッ

首輪が外れたワイバーン「ギャ……グルル??」バサッバサッ

ワイバーンたち「ギャオオオッ!!」キャッキャ

妖精「やった!」

 ――戦闘終了――
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 18:00:13.52 ID:AE52Po4N0
―乗れる雲

ワイバーンたち「ギャオギャオ」バサッバサッ

風船気球クロシュ「〜〜」モニョモニョ フワフワ…

 ポフッ―

イリス「わあ……!? 雲なのに、着陸できた……!?」

妖精「これは……載雲だね。高密度に積み重なった水と空気の層によって、高い荷重性を獲得した珍しい雲だ」

ミスティ「面白いわ……。こんな雲が存在するなんて」

ローガン「北大陸のトウゲン帝国には、乗れる雲を作り出して自在に操る術があると聞く。もしやその雲とは、この載雲のことなのだろうか?」

妖精「ああ、浮雲のこと? 私も詳しくは知らないけど、多分これに近い性質の雲だとは思う。どうやって操るのかは知らない」

エバンス「まあとにかくクロシュちゃんが休める場所に来れて良かったぜ! ありがとな!」

ワイバーンたち「ギャオギャオ!」バサッバサッ

風船気球クロシュ「〜〜!」モニョニョ!


空の旅2日目の夜です。乗れる雲の上で野営します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 18:01:54.59 ID:kxf5TlBT0
ミスティ 前に大魔女から言われた助言や仲間からのアドバイスで「氷の魔法戦士」にジョブチェンジする事を決意する
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 18:05:06.05 ID:u7BIj1s/0
クロシュ、ワイバーンになってみる
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 18:13:25.44 ID:81vZTVb9O
イリス 飛行練習
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 18:13:27.97 ID:VZIZ+WDKo
ミスティ、クロシュに戦闘訓練以来
ミスティ側は捕縛、無力化をメインに訓練
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 18:51:00.05 ID:AE52Po4N0
―乗れる雲

 焚き火「」パチパチ


ミスティ「……」コォォォ―

 氷の刃「」キラキラ…

ミスティ「はっ!」バッ

 ミスティの周囲を回転する氷の刃「」ヒュンヒュン


クロシュ「わあ……!」

イリス「かっこいい!」

ローガン「見事だ。近接戦闘もこなせるのではないか?」

エバンス「だな。あんな氷刃が回転してたら近付きたくねえぜ」

ミスティ「……そう? まあ、いろいろ試してはいるの。私は氷属性しか使えないし」

妖精「せっかくだし、接近戦の方も学んでみるのはどう?」

ミスティ「接近戦……まあ確かに、氷魔法の射撃は距離が開くほど威力も減衰するし、瞬間凍結も遠ければ遠いほど発動が遅れてしまうのよね……。でもゼロ距離なら――」

 ミスティの足元で凍結する雲「」ガチンッ!

ミスティ「ほとんどノータイムで凍らせられる。集中力的にも楽だわ」

エバンス「……聞けば聞くほど近接戦向きの属性じゃないか? 氷って」

ローガン「うむ……氷の壁による防御も手慣れているし、ポテンシャルは輝きを秘めうると私も思う」

ミスティ「………やっぱりみんなもそう思う?」

イリス「ミスティならやれると思う!」

クロシュ「うん……!」

ミスティ「……わかったわ。まあ……適度に試してみる……」


↓1コンマ ミスティの近接適性
01-60 中(クロシュ並)
61-90 高(エバンスローガン並)
91-00 天才
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 19:03:26.16 ID:81vZTVb9O
天才ですから
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 19:36:39.63 ID:AE52Po4N0
ミスティ「ふっ、はっ!」
 魔銀の短剣「」シャッ シャッ

ローガン「うむ……短剣を扱うのであれば、少々大振りすぎるかもしれん。まずは斬よりも突を意識すると良いだろう」

ミスティ「こうかしら?」
 魔銀の短剣「」シュッ!

ローガン「うむ。的確に短剣を――」


妖精「ふふ、ローガンのやつウキウキしてるなあ」

エバンス「やっぱ若者に武芸を教えるのは楽しいんじゃないか?」


 ☆ミスティが近接戦闘を学ぶ決意をしました
 ☆これまでの戦闘経験により剣技レベルが1上がりました
 ☆さらに剣経験を+1獲得しました[1/4]

 ◆
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 19:37:16.41 ID:AE52Po4N0
―夜
 乗れる雲

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ グググ…

エバンス「お、クロシュちゃんは何をやってるんだ?」

スライムクロシュ「えと……わいばーんに、なってみようと思って……」

エバンス「ワイバーンにか!? それは面白そうだが……実際いきなりなれるもんなのか?」

スライムクロシュ「わかんない……。でも……やるだけ、やってみる……!」

エバンス「おお……! よし、俺も応援するぞ!」


↓1コンマ
01-30 ハネトカゲ
31-60 ワイバーン(ハリボテ)
61-90 ワイバーン(鱗を拾って同化)
91-00 ワイバーン(再現)
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 19:39:52.86 ID:3EAE7nsYO
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 20:11:10.78 ID:AE52Po4N0
スライムクロシュ「」モニョモニョ…

スライムクロシュ「!」ピコン!

 ワイバーンの鱗「」

 デロデロ…モニョモニョ…

ワイバーンクロシュ「ぎゃお!」ポン!

エバンス「おお! あっさりなっちまったな!」

ワイバーンクロシュ「ぎゃおぎゃお」

エバンス「何て言ってるかわからん……」

 バサッ

ワイバーンクロシュ「」バサッバサッ

エバンス「おお、ちゃんと飛べるんだな!」

ワイバーンクロシュ「」バサッバサッ

 *

 デロデロ…ポン!

クロシュ「ただいま……」トコトコ

エバンス「おかえり。どうだった、ワイバーン化は」

クロシュ「うん……おもしろかった……」

エバンス「はは、そりゃ良かったぜ」

クロシュ「でも……みんなを運ぶなら、風船スライムさんの姿の方が……良さそう……。ばさばさするの……ちょっとつかれる……」

エバンス「なるほど……まあ普通のライド用のワイバーンも大抵は一人か二人乗りまでだしな」

 ☆ワイバーンの鱗を拾いました
 ☆ワイバーンに同化擬態できるようになりました

 ◇
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 20:12:09.93 ID:AE52Po4N0
―夜
 乗れる雲

イリス「というわけで私は今日も飛行練習をします!」

妖精「いいよ、見てあげる」

イリス「お願いします、妖精先生!」

妖精「先生って言われるのは初めてかも……。変な感じ……」


↓1コンマ
01-60 難しかった  飛行経験+1 [2/8]
61-90 理解が進んだ 飛行経験+2 [3/8]
91-00 真髄を掴んだ 飛行経験+8 [8/8]
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:12:40.81 ID:u7BIj1s/0
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 20:41:50.44 ID:AE52Po4N0
イリス「むむむ……」ヒュルヒュル…

 フワッ―

浮くイリス「むむむむ……」フワフワ…


妖精「浮いてるよ!」

浮くイリス「えっ!? あっ」フワッ…

 ドテッ!

イリス「あいたた……」

妖精「ご、ごめん……。声かけない方が良かったね」

イリス「や、大丈夫。感覚は覚えてる。それに声をかけられたくらいで集中が切れちゃうなら、まだまだってことだもん」

妖精「前向きで助かるよ。浮くまでいけたんなら、後はその感覚に慣れていけば飛べるようになるはず。がんばろう!」

イリス「うん!」

 ☆イリスの飛行経験が[3/8]になりました

 ◆
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 20:42:56.33 ID:AE52Po4N0
―大陸西部上空への空路 3日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘(破損)
雷スライムの欠片
大魔女サイン*1
不死鳥の羽根

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[11/12](クロシュ)次回☆
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・飛行[3/8](イリス)
・魔法[6/8](イリス)
・剣技[1/4](ミスティ)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[1/16](エバンス)
・魔法[5/6](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 20:43:32.97 ID:AE52Po4N0
―空

風船気球クロシュ「」フヨフヨ


妖精「目的の空域までもうすぐだ。今日の夕方には着くはず」

ミスティ「夕方……。雲塊の突破は大丈夫なのよね?」

妖精「うん。クロシュなら大丈夫って大魔女のお墨付きも貰ってる。私の自然魔法でも雷と風雨の脅威をある程度避けられるから、大丈夫」

イリス「大魔女様のお墨付きがあるなら安心だね」

ローガン「うむ……。万が一の為ということで、クロ教授からもこれを頂いているしな」

 風船スライム印のパラシュート「」ポン

エバンス「万が一ヤバイことになったら、これを広げれば良いんだよな?」

ローガン「うむ。ちなみに何回でも再利用できるとのことだから、機会があればこれを使って飛行訓練をしてみても良いかもしれん」

 ☆風船スライム印のパラシュートが荷物に追加されました

↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-35 遭遇
36-50 食料発見(コンマ)
51-65 場所発見(コンマ)
65-80 良いこと(自由安価)
81-95 旅は道連れ
96-00 旅は道連れ(稀)
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:44:23.78 ID:08mXunMDO
はい
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:49:46.00 ID:fmI19breO
道連れ共倒れ
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:51:09.57 ID:nIQt5K4Bo
こんな天空に来れる道連れとは如何に
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 20:51:37.39 ID:AE52Po4N0
良いことがあり、そして今さら道連れが現れたようです

↓1 起こった良いこと

↓2コンマ 道連れ(稀)
01-33 レイ
34-66 フメイ&アリシラ
67-00 セイン
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:52:03.18 ID:u7BIj1s/0
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:54:49.56 ID:nIQt5K4Bo
コンマ
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 20:56:41.37 ID:AE52Po4N0
フメイちゃんとアリシラさんの気配がします
そして>>680さんは多分ミスだと思われるので、起こった良いことは再安価になります

↓1 起こった良いこと
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:57:39.39 ID:3EAE7nsYO
血分身フラナが飛んでくる
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:57:50.46 ID:fmI19breO
天空でおこる良いこととは難しい。

取り敢えず手付かずの空中遺跡(という名のダンジョン)を見つけた。
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 20:58:41.25 ID:qUQupyBcO
浮いている島に大地のメイスを発見。(できればエバンスがそれを魅了し入手するで)
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 21:23:12.30 ID:VZIZ+WDKo
あっフメイちゃんん!
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 21:31:25.09 ID:AE52Po4N0
風船気球クロシュ「」フヨフヨ


妖精「……!? 何かが高速で接近してくる!?」

ミスティ「えっ!?」

ローガン「何!?」


??????「」バサバサバサバサ!!!!

 ヒュンッ―


エバンス「…………今、何かが通り過ぎていったな」

イリス「う、うーん……今の魔力……まさか……」


 バサバサバサバサ!!!!


ミスティ「引き返してきたわ!」

ローガン「あれは……」


血分身フラナ「」バサバサバサバサ!!!!


イリス「フラナ先生の……血分身!!」

妖精「ええ……」

 *

血分身フラナ「」ストッ

妖精「何してるの……こんな空の上で」

血分身フラナ「フレメアヲ見カケナカッタカシラ」

イリス「あー、なるほど……フレメアさんを……」

血分身フラナ「フレメアヲ殺スワ」

ローガン「もしや……この血分身魔法を開発している理由は、フレメア氏を殺す為なのか……?」

血分身フラナ「企業秘密ヨ」

ミスティ「血で分身を作るなんて、滅茶苦茶ね……」

血分身フラナ「私ハ天才ナノヨ」

エバンス「なんというか……フラナって吸血鬼が面白い人物だってことしかわからんぜ!」

妖精「本人が聞いたらキレそう……」

血分身フラナ「ソウイウワケダカラ失礼スルワ。ツイデニコレヲアゲル」スッ

 日蝕の傘修理キット「」ポン

血分身フラナ「ソレデマジカルパラソルヲ修理シナサイ。デハサヨウナラ」バサッ

 ヒュンッ バサバサバサバサッ!!!!

ミスティ「行ってしまったわ……」

イリス「あはは……。でもこれをわざわざ渡してくれたってことは……私たちと会う可能性も考慮してくれてたのかも!」

 ☆日蝕の傘を修理しました

 ◇
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 21:34:15.65 ID:AE52Po4N0
―空

 遠くに見える雲塊「」モクモク

イリス「だいぶ近づいてきたね……!」

妖精「うん。周辺の気流は安定してるし、突入にはちょうど良さそう。クロシュは――」


風船気球クロシュ「……!!」モニョニョ!!

妖精「え、どうしたのクロシュ? 何か変なものでも――」


「わあああああああ!!!!」

「助けてええええええ〜〜〜!!!!」


ミスティ「ええ!? こんな空の上で悲鳴が!?」

ローガン「あれは……」


 穴の空いた熱気球「」ボシュッ…
フメイ「わあああああ!!」
アリシラ「ああああああああ!!!」


妖精「フメイに……アリシラ!?」

エバンス「ありゃ、熱気球か!? 穴が空いて空気が抜けて――」

イリス「落ちていってます!!」

風船気球クロシュ「!!」モニョニョ!!

 モニョモニョポン!!

分体ワイバーンクロシュ「」シュバッ!! バサバサッ

イリス「わっ! クロシュちゃんの気球から、ワイバーンが飛び出してった……!?」

エバンス「あれは……ワイバーンに擬態したクロシュちゃんだ!」

 ◇
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 21:35:12.87 ID:AE52Po4N0

 バサッバサッ モニョモニョ…

風船気球クロシュ「〜〜!」モニョモニョ!

アリシラ「ひい、ひい……し、死ぬかと思ったぁ……」グデッ

フメイ「クロシュ……クロシュなの……?」

風船気球クロシュ「〜〜♪」モニョニョ

フメイ「クロシュ……!」ギュッ


イリス「わあ……」

妖精「……ええと……一応聞いておくけど、なんであんなところに?」

アリシラ「自分で聞いて愚問だと思ったりしない?」

妖精「まあ、うん……。はあ……助けない方が良かったんじゃないの、こいつら……」

フメイ「む……。クロシュの優しさを愚弄するの……?」ジト

妖精「そうじゃないけど。競争相手だし……」

アリシラ「まあ助けてもらったから今回は譲る、なんて言う気もないしねえ。ね、フメイちゃん?」

フメイ「……でも、それはちょっとズルな気がする……」

アリシラ「フメイちゃん!?」

フメイ「だって……クロシュがいなきゃ、フメイたち落っこちてたし……」

アリシラ「も〜フメイちゃん真面目すぎ! ケースバイケースだよ!」

フメイ「むむう……」


風船気球クロシュ「〜〜…」モニョニョ…


↓1〜 先取2票
1.フメイちゃんたちを地上に降ろして一泊してから雲塊に突入する
2.フメイちゃんたちを連れて雲塊に突入する
0.自由安価(票数は内容ごと)
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 21:37:34.35 ID:u7BIj1s/0
0ワイバーンの群れを呼び戻して地上に降ろさせる
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 21:48:10.28 ID:VZIZ+WDKo
1
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 21:51:13.72 ID:08mXunMDO
1
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 22:02:59.74 ID:AE52Po4N0
―夕方
 テラヌス砂漠 小さなオアシス

 オアシス「」ユラユラ
 ヤシの木「」ポン

風船気球クロシュ「」フヨフヨ…モニョモニョ…

 トスン…


アリシラ「結局地上に降りちゃった……」

妖精「だってあなたたちに横取りされたら困るし……」


 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「フメイちゃん!」トテトテ

フメイ「クロシュ……!」

クロシュ「んへへ……」モニョモニョ

フメイ「ふふ……無事で、良かった……」

クロシュ「うん……。フメイちゃんも……」



イリス「フメイちゃんたちをおろしたから突入は明日かあ」

ミスティ「まあ仕方ないわ。突き落とすわけにもいかないし」

エバンス「かといって一緒に突っ込むのは怖いからな」

ローガン「うむ。明日出発でも問題はなかろう。今日はゆっくり休んで英気を養うのが良い」


空の旅3日目の夜です。フメイちゃんたちと一緒に地上のオアシスで一泊します。この行動終了後、翌日に雲塊へ突入します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 22:04:01.96 ID:u7BIj1s/0
クロシュ、フメイアリシラ妖精と食事作り
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 22:05:14.55 ID:kxf5TlBT0
エバンスとローガン ミスティの短剣の修行に付き合う
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 22:06:14.83 ID:08mXunMDO
クロシュ、フメイ、アリシラが寄り添って就寝
三人とも平和な頃の村の夢を見た
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 22:19:35.45 ID:AE52Po4N0
―夜
 小さなオアシス

 焚き火「」パチパチ

イリス「え、今日はクロシュちゃんたちが料理を?」

クロシュ「うん……!」

フメイ「まあ……一応、世話になる立場だし……」

アリシラ「毒を盛る絶好のチャンスだからねえ」

フメイ「……」ゲシッ

アリシラ「いたっ! 冗談だよぉ冗談! フメイちゃんがクロシュちゃんと一緒に料理したいって駄々をこねたの!」

フメイ「……」ゲシゲシッ

アリシラ「いたいいたい! これは本当のことなのに!」

妖精「本当のことだからじゃないの……」

クロシュ「わたしも……フメイちゃんと料理、したい……!」

フメイ「クロシュ……!」

アリシラ「ほーらまたそうやってすぐいちゃつくんだから」

イリス「あはは……。必要なものがあれば言ってね、すぐに取り出すから」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、サバクイナゴ、オオキイスナミミズ
野菜:枯れ草、乾燥植物、ウチワサボテン、テラヌスアロエ
穀物:マジカルイモ、マジカル米、マジカル小麦
果実:精霊サボテンの実、ウォータースイカ、マジカルどんぐり
卵乳:スナニワトリの卵、マジカルチーズ
特殊:スライムゼラチン、ブラッドワイン、精霊樹のジャム、お宿の焼き菓子、マジカルシュガー、マジカルスパイス
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 22:23:28.28 ID:W6Z0VhOyo
トリ肉 マジカルイモ
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 22:23:32.98 ID:3EAE7nsYO
スナミミズ
焼き菓子
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 22:59:10.23 ID:AE52Po4N0
 ガサゴソ…

 お宿の焼き菓子「」ポン!

アリシラ「お、これ美味しそ〜」

イリス「みんなで少しづつ夜食とかに食べてるんだけどまだけっこう残ってますね。少しくらいなら料理に使っても良いかもしれません」

フメイ「……こういうの、細かく砕いてお肉とかにまぶす料理……あった気がする……」

イリス「わあ、クッキーフライ?」

フメイ「クッキーフライって言うの……?」

アリシラ「クッキーフライ……そういえば、以前の私はそういう料理も作ってたっけ」

クロシュ「アリシラさん……覚えてるの……?」

アリシラ「私自身のことなんだから覚えてるに決まってるじゃない。ふふ、クロシュちゃんたら変なこと言うなあ」

クロシュ「んゅ……」


エバンス「おーい、トリ肉とミミズ肉獲って来たぞ〜」スタスタ


アリシラ「ふむふむ、お肉もあると……。それじゃあ久しぶりに作ってみようかな、クッキーフライ。妖精さんも手伝ってね?」

妖精「えっ、私もなの……」

 *

 トリ肉とミミズ肉のクッキーフライ with マジカルハッシュドポテト「」ポン!

アリシラ「はい、どうぞ!」

クロシュ「わああ……!」

フメイ「……!!」

イリス「すごく美味しそう……!」

エバンス「これ、あんたが……?」

アリシラ「フメイちゃんとクロシュちゃんにも手伝ってもらったよ。あと妖精さんにも」

妖精「疲れた……。まあ人間用料理の勉強にはなったかな……」

フメイ「早く食べよ、クロシュ」

クロシュ「あ、うん……!」

 デロデロ…モニョモニョ…

スライムクロシュ「〜〜♪♪」モニョモニョ モグモグ

フメイ「もぐもぐ……。うん……我ながら火加減完璧……」モグモグ

ミスティ「これは……美味しいわ……!」モグモグ

ローガン「うむ……! 砂漠でこのような手のかかった料理を食べられるとは、ありがたいものだ……!」モグモグ

 ☆美味しい料理を食べて元気になりました
  本日のコンマ判定に+5が加算されます

 ◇
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 22:59:43.17 ID:AE52Po4N0
―夜
 小さなオアシス

 焚き火「」パチパチ

ミスティ「ふっ、たっ!」シュッシュッ!

ローガン「うむ、少しづつ上達している!」

エバンス「よし、せっかくだから俺のも見てくれ旦那」シャシャッ!

ローガン「エバンスくんには私が教えられることなどない……。既に君の力量は私に匹敵している」

エバンス「そ、そうか……まあそんなような気はしていた」

ローガン「うむ。自分の実力を正しく把握することもまた重要なことだ。互いにさらなる高みを目指そう」

エバンス「おう!」

ミスティ「……この二人に追いつくのは流石に厳しそうね。まあ私は私のペースで行きましょう……」

 シュッシュッ!
  シャシャシャッ!

↓1コンマ(料理+5)
01-60 全員剣技+1
61-90 全員剣技+2
91-00 全員剣技+8
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/10(日) 23:00:37.84 ID:u7BIj1s/0
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/10(日) 23:25:30.53 ID:AE52Po4N0
ミスティ「たっ!」シュッ!

エバンス「!」ギンッ!

ミスティ「むう……! 何度やっても弾かれてしまう……!」

エバンス「はは、年季が違うからな。でもこれは剣技だけの練習だし、ミスティちゃんが本気で魔法のエンチャントとかをしたら弾いてなんていられないぜ」

ローガン「うむ……魔法剣士の最大の強みはそこにある。例え剣技では勝てぬ相手でも、魔法を組み合わせることでその戦技も先述も大幅に広げることができるのだ。私の見立てでは、氷属性のミスティくんなら特にその恩恵を得られそうに思える」

ミスティ「おだてても何も出ないわ……」

ローガン「ふむ……。剣技も魔法も上向きに見えるが、何か気がかりなことがあるのか」

ミスティ「気がかり……そうね……。私とブラッドのことは知っているでしょ?」

エバンス「ああ……。結局、本当に復讐すべきだった相手は――」

ミスティ「ええ。カリス・ノーランドだった。ブラッドも多分……あの外道に苦しめられている、被害者に過ぎない……」

ローガン「だが……ブラッドは既に多数の冒険者を殺害している。もはや無垢なる被害者とは言えまい」

ミスティ「それもそれで、私としてはちょっと納得できないのよね。冒険者だって辻斬り感覚で野生に生きるスライムを狩ったりするでしょう? それなのに冒険者は許されて、冒険者を狩ったブラッドが許されない理由は何? 人間は許されてスライムは許されないなんておかしいんじゃないかしら」

ローガン「ふむ……。それは、現状この星の地上のほとんどを支配している種が、人間やそれに近い種だから……としか言えぬ。冒険者ギルドも表向きは人間も非人間も平等に扱っているが、実際の魔族や魔物に対する扱いは人間より悪いと言える」

ミスティ「……支配種だから、多種への横暴も許されるということなら……私はそんな在り方を認めたくないわ……。まあ、人間である私が言っても薄っぺらいかもしれないけれど……」

エバンス「いや、俺も気持ちはわかるぞ。特にクロシュちゃんと出会ってからはそうだ。他の種に対する見方が少し変わったというか……他種の立場に立つってことを初めて意識するようになった」

ミスティ「エバンス……」

エバンス「まあ俺も人間だから、こんなことブラッドに言ったら安い同情をするなって逆に激昂されそうだけどな。結局、人間である以上完全に人間以外の立場に立つことなんてできないんだ……」

ローガン「うむ……。だが、全く考えないのとは雲泥の差でもある。剣が鈍るほど考えすぎるべきではないが、そうならない範囲で思索を深めるのは決して悪いことではないだろう」

ミスティ「……そうね。自分がやろうとしていたこと……そしてこれからやるべきことを、もっと考えてみようと思うわ……。もちろんカリス・ノーランドは必ず殺す」

 ☆ミスティ、ローガン、エバンスが剣経験を2獲得しました

 ◆
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/11(月) 00:46:11.87 ID:AUjtgR6h0
―テント

 ランプ「」ユラユラ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ

フメイ「うん……。一緒に寝るの、久しぶりだね……」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ

アリシラ「フメイちゃんとクロシュちゃんは、村に来る前からずっと一緒だったんだもんね。そういえば聞いたことなかったけど……二人は、どこで出会ったの?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

フメイ「クロシュは……覚えてないよね。あの頃のクロシュは、まだ本当に生まれたての赤ちゃんだったし……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

フメイ「えっ……カリス・ノーランドに会った……!?」

アリシラ「カリス・ノーランド……?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

フメイ「……クロシュ、何か変なことされなかった? 怖い目に遭わなかった……?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

フメイ「大魔女に……? そうなんだ……良かった……。大魔女には、感謝しなきゃ……」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ…

フメイ「……うん。フメイも……あいつに造られた命の一つ……。見た目は人間だけど、中身が何なのかはフメイ自身にもわかんない……」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

フメイ「……わかった。フメイも大魔女帝国に行って、大魔女にその洗脳魔法を除去してもらうよう頼んでみる」

スライムクロシュ「〜〜」モニョ

フメイ「うん……ありがと……。クロシュの名前、出してみる……」

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ

アリシラ「ああ……クロシュちゃんとフメイちゃんの過去にそんなことがあったなんて……。そのカリス・ノーランドとかいう悪鬼羅刹鬼畜外道のクソゴミゲロカス女、絶対に許せないね……」

フメイ「アリシラ、言葉遣い汚い……」

アリシラ「てへへ、ごめん。でもフメイちゃん、よくスライム語がわかるねえ……」

フメイ「……? むしろなんでアリシラはわかんないの……?」

アリシラ「そりゃまあ、私は人間だし……。まあとにかく今日はもう寝よ! 明日でもうお別れなのは寂しいけど、おねんねは大事だよ!」

フメイ「そうだね……。それじゃあ……おやすみ、クロシュ……」

スライムクロシュ「…♪」モニョニョ…

 ◆
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/11(月) 00:47:08.32 ID:AUjtgR6h0
―集落の広場

スライムクロシュ「……」ボー

集落のスライム「〜〜」モニョモニョ

スライムクロシュ「!」モニョ!

集落のスライム「〜?」モニョニョ?

スライムクロシュ「〜〜…」モニョ…モニョニョ…

 ジワワ…ポロポロ…

スライムクロシュ「……」ポロポロ

集落のスライム「〜〜!?」モニョニョ!?


集落の子供「どうしたの〜!?」タッタッタッ

魔族の医者「何があった? 具合が悪いのか?」タッタッタッ



クロシュ(……夢だ……)

クロシュ(みんな……もう……。この世には……)

クロシュ(だから、これは………きっと、夢…………)

 *

―集落の焼却炉

 燃える焼却炉「」メラメラ

フメイ「……」チリチリ

若者「お〜やっぱりフメイちゃんがいると助かるな〜」

老婆「本当にねえ……。このままずっと、この村にいてくれると嬉しいねえ……」

フメイ「…………うん」


集落の子供「あ〜フメイちゃんここにいた〜!」タッタッタッ

フメイ「あ……」

集落の子供「クロシュちゃんがいきなり泣き出しちゃってぇ……! フメイちゃん来てくれる!?」

フメイ「う、うん……!」


フメイ(……フメイも……ずっとこのまま……みんなと、一緒に……いたかった………!)ジワワ…

 *
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/11(月) 00:48:21.47 ID:AUjtgR6h0
―集落の診療所

アリシラ「……」

アリシラ「……夢、なの?」

アリシラ「……」

アリシラ「どっちが……夢……? こっち……それとも――」


 診療所の扉「」ガラッ


魔族の医者「急患だ」ノシノシ

抱えられたスライムクロシュ「」ポロポロ

集落のスライム「〜〜!」ピョンピョン! オロオロ


アリシラ「あ……クロシュ、ちゃん……?」


スライムクロシュ「……」ポロポロ


アリシラ「泣いて……。どう、して……」


 ――燃える集落「」


アリシラ(ああ……そうか……)

アリシラ(やっぱり……こっちが、夢なんだ……)
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/11(月) 00:48:47.25 ID:AUjtgR6h0

スライムクロシュ「」ポロポロ

魔族の医者「ふむ……身体的な異常はないようだが」

集落のスライム「〜〜…」オロオロ

 診療所の扉「」ガラッ

集落の子供「フメイちゃん連れてきた!」トテトテ

若者「クロシュちゃんが泣いてるって!?」ザッ

老婆「おお、どうしたんだい……。どこか痛いんかい……」ヨタヨタ

フメイ「クロシュ……みんな……」

クロシュ「フメイ、ちゃん……。みんな……」モニョモニョ


クロシュ(……夢の、中だけど……。みんなに……心配、させたくない……。笑って、欲しい……)

クロシュ(わたしは、大丈夫だって……伝えたい……。伝えなきゃ……)


クロシュ「んへへ……みんな……久しぶり……」ポロポロ

集落のスライム「?」モニョニョ?

集落の子供「んえ? 久しぶりなの?」

若者「んん? なんか悪い夢でも見たのか?」

老婆「ほっほ……大丈夫じゃ。みんな、一緒におる……」

魔族の医者「……ふむ。記憶に混乱が見られるな。だが、これは――」

クロシュ「……みんな……あり、がと……。だいすき……!」ニコッ ポロポロ

集落のスライム「……!」モニョニョ!

集落の子供「わっ……えへへ、あたちもだいすき! クロシュちゃんも、フメイちゃんも、みんなも!」

若者「ははっ、おれも大好きだぞ!」

老婆「うむ……」ニッコリ

フメイ「フメイ、も……みんなの、こと…………だいすき、だった……!!」ジワワ…ポロポロ…

集落の子供「きゃーっ!」ダキッ

フメイ「ふゃっ」

 ぎゅっ!

若者「あははは!」

老婆「ほっほっほ……」

集落のスライム「〜〜♪」モニョモニョ

クロシュ「んへへ……」ポロポロ
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/11(月) 00:50:58.02 ID:AUjtgR6h0

魔族の医者「フッ……そういうことか」

アリシラ「……」

魔族の医者「……君の夢に、巻き込まれてしまった――いや、吸収されてしまったのだな。我々は」

アリシラ「……!?」

魔族の医者「仕方のないことだ。如何に上手く隠れ里を作ろうと、世は儚い。一切は過ぎゆく……廻り続ける運命の車輪を止めることは、誰にもできない……」

アリシラ「あなたは……運命を、識っているの……?」

魔族の医者「状況から推測したまでだ。間違っていたら笑いものにしてくれて構わない」

アリシラ「……生きて、いるの……? 私の……中で……」

魔族の医者「肉体が消滅している以上、一般的な意味で生きているとは言えないだろう」

アリシラ「……」

魔族の医者「だが――」

 診療所の扉「」ガラッ

アリシラ「え――」

アリシラの父「アリシラ!」タタッ

アリシラの母「大丈夫!? 苦しいところはない!?」タタッ

アリシラ「あ……お父さん……お母さん……!!」ポロポロ


魔族の医者「……我々はこれからも、君たちを見守っている。いつまでこの意識の残り火を保てるかはわからんがな」


クロシュ「」ニコニコ ポロポロ
フメイ「」ポロポロ ギュッ
集落のスライム「」モニョモニョ!
集落の子供「」キャッキャ
若者「」ニコニコ
老婆「」ニッコリ
アリシラ「」ポロポロ ニコニコ
アリシラの父「」ニコニコ
アリシラの母「」ナデナデ
魔族の医者「」フッ…



――――――――

――――

――
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/11(月) 01:00:36.14 ID:AUjtgR6h0
―朝
 テント

 チュンチュン

スライムクロシュ「」zzz…ポロポロ…

フメイ「」zzz…ポロポロ…


アリシラ「……」

アリシラ「……私の、中に……」ギュッ


アリシラ「…………」

アリシラ「でも……やっぱり……」

アリシラ「……みんなを奪った、この世界を……許すわけには、いかないよね……」ポロポロ…

 ◆
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/11(月) 01:02:34.08 ID:AUjtgR6h0
というわけで本日はここまでとなります。次回、ついに雲塊突入編となります

空の上の旅を経て、ついに雲塊の間近にまで迫ったクロシュ一行。そして突入の直前に、フメイちゃんたちを助けて一泊を挟むのでした
ゴーレムの過去、そしてクロシュとフメイとアリシラの過去……無数の運命が交錯し、涙を乗り越えて、舞台は空の上。謎めいた雲塊の奥へ。いにしえの伝説に触れし時、新たなる出会いと次なる巡礼譚が幕を開ける――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/11(月) 01:52:36.94 ID:hWlFJmeco
おつでした
ゴーレムの差し替えでめっちゃうるってきたし、隠れ里の夢はこれもうすき…だいすき…
さらっとフメイちゃんも悪鬼(略)が造った生命体って知りたかった情報出てきたし、真アリシラもまだ健在っぽいし今回の更新かなり満足度が高い!
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/11(月) 12:20:20.41 ID:j3Hg+MP6O
「〜氷の魔法戦士にジョブチェンジする事を決意する」と安価で書いてあるけど>>667>>674はジョブチェンジの事を書いてなかったり、「氷の魔法使い」のままになっているけどもしかして忘れてる?
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/11(月) 12:31:54.07 ID:I+XkH9zko
出てくる度に株が上がり続けるイーシャさん
もう亡くなってるの惜しい過ぎる
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/11(月) 15:19:27.10 ID:Upl7ryWWo
おつ
この泡沫の夢は二人の問題解決に繋がりそうな重要情報だな
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/11(月) 19:29:40.50 ID:9FFNMQpDO
乙です
ゴーレムの過去も3人の夢も悲しくも優しい話だった
このあとフメイとアリシラは大魔女帝国に行くみたいだし、クローディアやクロ達との交流で運命がより良いものになることを願う
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/16(土) 08:31:57.99 ID:b/ZVvn1Z0
おつ
フラナ氏魔法の歴史書にそのうち載りそう
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 18:39:45.28 ID:FMJvOPPn0
ゴーレムさんには不思議な過去があったようです。そしてクロシュさんたちが暮らしていた集落の住民たちは、今でもクロシュさんたちを応援しているのかもしれません
フメイ氏もあの悪名高き犯罪者の手によって造られた生命のようでした。そしてアリシラさんの人格は今でも生きているようです。今後それがどのようになっていくかは未知数です

本作にジョブチェンジという概念はないため、職業が変わったというよりできることが増えたと考えて頂いた方がわかりやすいかと思います。ミスティ氏は魔法の専門ですが、今後は近接戦闘もそれなりに学べるようになりました

イーシャさんは医者を名乗っていますが、医術以外に関しても優れた知識を有していたそうです。彼が元々どういった人物であったのかは闇に包まれていますが、実のところ初めに村を興したのは彼だったようです。実質的には集落の長のような役割を持っていたとも言えるでしょう

この夢で得たものが今後どのように影響してくるかはわかりませんが、フメイさんとアリシラさんに何らかの影響を及ぼしたことは間違いないと考えられます(もちろんクロシュ氏もです)。クロシュ氏が今後フメイちゃんとアリシラさんに対してどうするか、考えるべきことはありますが、村の皆はきっとそれを応援してくれていることでしょう

ゴーレム氏の過去も集落の夢も、何もかもが幸福に終わる大団円とはならなかったようです。それでも、残された者たちの心に灯る何かはあったかもしれません
フメイ氏とアリシラさんはこのあと大魔女帝国に行き、邪悪な魔法を解除してもらうそうです。クローディア氏とはちょっと喧嘩になりそうな二人ですが、クロさんとの交流は興味深いかもしれません

フラナ氏は薬師であり、様々な魔法を生み出す魔法研究者でもあるようです。歴史書に載るかはわかりませんが、吸血鬼用の魔導書であれば既に何冊も書けるくらいの知識があると言っても良いでしょう(実際に何冊か書いていたような気がします)
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 18:40:13.58 ID:FMJvOPPn0
―朝
 小さなオアシス

 チュンチュン

風船気球クロシュ「〜〜」モニョモニョ

フメイ「うん……ありがと、クロシュ」

アリシラ「ねえ、やっぱり私たちも一緒に連れてってよぉ」

妖精「だめ。それに今のフメイはカリス・ノーランドに出くわした時が危なすぎるんだから、あなたたちは大魔女に会いに行くべき」

アリシラ「はいはいわかってるってば。まあ確かにそれも問題だし」

フメイ「……大丈夫。炎の星の力はフメイの中にある。一つや二つくらい取られちゃっても平気」

妖精「むぐぐ……それもいつかは返してもらうから! クロシュの友達だからって容赦しないからね!」

フメイ「そっちこそ……クロシュに可愛がられてるからって、邪魔するなら容赦しない……」

妖精「は!? 誰が誰に可愛がられてるって!? クロシュを可愛がってるのは私の方だけど!!」

フメイ「妖精は、弱っちい生き物……。クロシュに守られてる分際でよく吠える……」

妖精「〜〜!!」プンスコ

風船気球クロシュ「〜〜…」モニョニョ…オロオロ…

 *

フメイ「いってらっしゃい、クロシュ。気を付けてね」

アリシラ「ばいば〜い、また会おうね〜」ヒラヒラ


風船気球クロシュ「〜〜!」モニョモニョ! フワフワ

イリス「そちらも気を付けてね〜!」フリフリ

妖精「ふんっ……! 今度会ったら言い負かしてやる……!」プンプン


 ☆フメイちゃんとアリシラさんと別れました
  彼女たちは地上に落ちた大魔女帝国に向かうそうです

 ◇
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 18:40:53.45 ID:FMJvOPPn0
―空


 巨大な雲塊「」ゴゴゴゴゴ…

 雷「」カッ!

 ゴロゴロゴロ…


エバンス「うおお……間近で見ると圧倒されるぞ……!」

ミスティ「こ、こんな巨大な雲に突っ込んで本当に大丈夫なの……!?」

風船気球クロシュ「〜〜…」モニョニョ…

妖精「大丈夫! 私が守るから、あとは自分を信じてクロシュ……!」

風船気球クロシュ「……!」モニョ…!

ローガン「もし仮に不測の事態が起きたとしても、我々は簡単には死なん。気を張る必要はない」

イリス「そうだよ! 気楽に行こう、クロシュちゃん!」

風船気球クロシュ「……!」モニョニョ…!


 巨大な雲塊「」ゴゴゴゴゴ…


妖精「よし……突入だ!!」

 *

―雲塊

 暴風「」ゴオオオオッ!!!
 豪雨「」ドザァァァァァッ!!
 無数の雷「」カッ!! カッ!! カッ!!
 ゴロゴロゴロゴロ――

風船気球クロシュ「〜〜!!」グラグラ モニャニャニャ!!

妖精「お、落ち着いてクロシュ! あなたの力なら安定して飛べるはず!! 私の力で、雷は絶対に近寄らせないから……!!」

風船気球クロシュ「……!」モニョニョ…!! グググ…

妖精「そう、その調子……! 大丈夫、あなたは姿勢の維持に全力を傾けて!」

イリス「風除けと推力は私たちに任せて!」

風船気球クロシュ「〜〜!」モニョ!


 ゴロゴロゴロ――


エバンス「雷の音は絶えないが、ひとまず落ち着いて進めそうか……?」

妖精「うん。あとは星の力を目指して飛ぶだけ。居場所は、多分この雲塊の中心だと思う」

ミスティ「中心……」

イリス「星の力がこの乱気流を生み出してるのかな……? でもこの雲塊自体は、ずっと昔からここに停滞してるんだよね……?」

ローガン「……この雲塊の中には何があるのだろうか」

妖精「それも確かめる為にも、今は進もう……!」

 *
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 18:41:21.58 ID:FMJvOPPn0
 ドザァァァァ!!!!
 ゴロゴロゴロ――

風船気球クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ


  バチッ――


エバンス「……ん? 今向こうの方で何か光らなかったか?」

ミスティ「雷じゃないの?」

エバンス「まあ雷っちゃ雷っぽかったんだが……少し違うような気もする。魔力感知的にはどうだ?」

ミスティ「私は氷以外の魔力はそれほど明瞭に感じ取れるわけではないから……」

イリス「うーん……風と水と雷の魔力が激しく入り乱れてて、見極めにくいですね……」ムム

ローガン「妖精くんはどう――」

妖精「……何か、いる!! 自然に属さない……何者かが……!!」

イリス「えっ――」


雲の向こうで光る雷球「……」バチバチ…


エバンス「……あれだ! さっき微かに見えた――」

ミスティ「球状の……雷!?」


 雷の残像「」パリッ


ローガン「!? 消え――」

妖精「違う! あれは雷速――」

間近に出現した雷球「……」ヌッ バチバチ…

全員「!!?」

謎の雷球「……」バチバチバチッ!!

 雷球から放たれる雷「」カッ!!!!

イリス「くっ!! 雷耐性バリア!!」バッ
 雷耐性バリア「」ヴォン!

風船気球クロシュ「〜〜!」モニョニョ!
 ゴムの幕「」バサッ!!

妖精「外れろぉー!!!」

 バリバリバリバリ!!!!
 砕け散る雷耐性バリア「」バリンッ!!
 焼け飛ぶゴムの幕「」バシュンッ!!

風船気球クロシュ「〜!!?」バリバリバリ モニャニャニャニャ!!
妖精「ぎゃああああ!!!」バリバリバリ
イリス「わああああ!!?」バリバリバリ
ミスティ「あっ、うあああっ!!」バリバリバリ
ローガン「ぬうう!!?」バリバリバリ
エバンス「おあああ!!?」バリバリバリ

 ◆
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 18:41:51.08 ID:FMJvOPPn0
―??

 雲の壁「」ゴゴゴゴゴ…

 ボシュッ

黒焦げ風船気球クロシュ「」フヨフヨ…デロデロ…


「わっ!? 雲の中から、スライムさんの気球が……!?」パタパタ

「ええっ!? あの雲を抜けて来たの!?」パタパタ

「ボロボロだよ!! 助けてあげなきゃ!!」パタパタ

 ◆
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 19:00:32.68 ID:FMJvOPPn0
―??

スライムクロシュ「!」モニョ!

妖精「クロシュ! 良かった、気がついた……!」パタパタ

スライムクロシュ「〜〜?」モニョニョ? ピョンッ!

妖精「わわ、ばか! まだ動いちゃだめだよ!」パタパタ

 *

 扉「」ガチャッ

クロシュ(外に出てみると、そこは小高い丘の上だった)


 遠くに見える廃墟の街「」
 廃墟の街の向こうにそびえる大きなお城「」

 四方を覆う高く厚い雲の壁「」ゴゴゴゴ…


クロシュ(ここは……あの、雲塊の内側みたい……)

クロシュ(雲塊の中に……こんな大きな陸地が、浮いていたんだ……)


「もう気が付かれましたか?」スタスタ


スライムクロシュ「!」モニョ!

人形「こんにちは、初めまして。そして……ようこそ」ペコリ

人形「雲に閉ざされた浮島の国、ラティア・ヘイヴンへ――」


 四方を覆う高く厚い雲の壁「」ゴゴゴゴ…


 ――浮島国編 開幕
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 19:01:14.36 ID:FMJvOPPn0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 1日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
雷スライムの欠片
大魔女サイン*1
不死鳥の羽根

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[11/12](クロシュ)次回☆
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・飛行[3/8](イリス)
・魔法[6/8](イリス)
・剣技[1/4](ミスティ)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[1/16](エバンス)
・魔法[5/6](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:未探索
廃都:未探索
辺境:寂れた家、平原、森林、他
……………………………………………………………………………………
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 19:01:59.87 ID:FMJvOPPn0
―浮島国 辺境
 寂れた家

妖精「こらクロシュ! まだ安静にしてろって言ったでしょ!」パタパタ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

人形「ご安心くださいませ、妖精さま。クロシュさまの怪我はほとんど治っています。流石はスライム類のお方です」

妖精「そ、そうなの? でも大怪我したのは事実なんだし……」

 モニョモニョ…ポン!

クロシュ「えと……わたし、大丈夫……。みんなは……?」

妖精「みんななら――」


イリス「クロシュちゃん!」

ミスティ「気がついたのね……!」

エバンス「おお……良かった、安心したぜ……」

ローガン「うむ……!」


クロシュ「わあ……!」

妖精「見ての通り無事だよ」

イリス「うん……クロシュちゃんが一番外側で、体積も一番大きかったから、あの雷で受けたダメージも一番大きくなっちゃったの……」

ローガン「うむ……クロシュくんが皆を庇ってくれた、と言い換えることもできよう」

クロシュ「そうなの……?」

イリス「うん。雷のエネルギー量は無限ではないから、クロシュちゃんが受けた分だけ他の人に流れる量は少なくて済んだんだよ。お陰で私たちは大した怪我もせずすぐに復帰できたの」

妖精「まあ……今回は無茶な庇い方をしたとかじゃないから仕方ない。あの雷をきっちり均等に分けてたら、間違いなく私は黒焦げになって死んでたし……」

エバンス「ありゃ一体何だったんだろうな……?」

人形「皆さまは、あの雲塊の中で意思を持ったように動く雷球に遭遇したのですか?」

ミスティ「ええ、そうなのよ。あなたは何か知っているかしら?」

人形「それはもしかしたら、雷霆の魔王の眷属かもしれません」

妖精「えっ!!? 雷霆の魔王の……眷属!!?」

人形「はい。雷霆の魔王はここに封印されて久しいですが、時折外へ眷属を放つことがあるのです」

妖精「ちょ、ちょっと待って! 情報が多いよ情報が! 整理させてもらいたいんだけど――」

人形「――あ、定期メンテナンスの時間なので失礼いたします。地下室におりますので、緊急のご用がありましたらお呼びくださいませ」トコトコ

妖精「あ、ちょっ……」

エバンス「行っちまったな……」

イリス「私たちの手当をしてくれたのはありがたいけれど……」

ミスティ「いろいろと、謎がありすぎるわね……」

クロシュ「……」


浮島国滞在1日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/16(土) 19:04:38.50 ID:b/ZVvn1Z0
廃都を探索してみる
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/16(土) 19:14:29.13 ID:lIAASGEhO
クロシュ、電気吸収の特訓
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/16(土) 19:28:59.26 ID:mwAmsIJaO
エバンス 大地のメイスを発見し新たな武器として入手する。
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 21:05:02.16 ID:FMJvOPPn0
―寂れた家

イリス「それじゃああの廃墟の街を探索してみよう!」

ミスティ「賛成。ここが何なのかも調べたいしね」

エバンス「じゃあ俺も行くぜ!」


妖精「クロシュはお留守番。大怪我だったんだから、見かけは治ってても安静にしてなきゃだめ」

クロシュ「んゅ……」

ローガン「であれば私も残ろう。この周辺も見ておきたい」

 ◇

―廃都

 朽ちた廃墟「」
 崩れた廃墟「」
 破壊された廃墟「」

イリス「ここは……人が住んでいた街、なのかな……?」スタスタ

エバンス「サイズ感は人間の街だな。小人や妖精ではなさそうだ」


  ワイワイ キャッキャ


ミスティ「……向こうの方から声が聞こえるわ。子供……というか、妖精の声じゃないかしら」

エバンス「えっ」

イリス「と、とりあえず行ってみましょう!」

 *

―廃都 市場

 ワイワイ キャッキャ

妖精のごはん屋「ごはん屋さんだよ〜トビウオの丸焼きだよ〜」

妖精のどうぐ屋「じゃじゃーん! 妖精のウチワだよ〜!」

妖精のわたあめ屋「わたあめだよ〜あまあまでおいしいよ〜」


空妖精A「わ〜おいしそう〜」パタパタ

空妖精B「ウチワ……おしゃれ……」パタパタ



ミスティ「これは……!」

イリス「妖精さんが……いっぱい……!?」

エバンス「まさか……妖精の街だったのか……!?」
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 21:05:37.76 ID:FMJvOPPn0

空妖精A「わっニンゲン!?」パタパタ

空妖精B「人間……初めて見た……」パタパタ

ミスティ「人間が珍しいの……?」

空妖精A「うん! どこから来たの!?」

エバンス「地上からだな」

空妖精B「え……どうやって……?」

イリス「スライムさんの気球に乗って来たの」

空妖精A「……あっ! 今朝、スライムさんの気球の噂、聞いた……!」

ミスティ「噂……?」

空妖精A「うん! あなたたちが乗ってたんだ!!」

空妖精B「……スライムさんは、大丈夫だったの……?」

イリス「うん、大丈夫だよ! あっちの……お医者さんに診てもらってるの」

空妖精A「ほえ〜良かったねえ〜!」


ミスティ「ところで、この街について聞きたいのだけれど……いいかしら?」

空妖精A「いいよ!」

ミスティ「ここって、何の街なの?」

空妖精A「街は街だよ!」

空妖精B「えと……ラティア・ヘイヴンの城下町……。もう、滅んだのはずっと昔だけど……」

イリス「滅んだ……いつ、どうして滅んだの?」

空妖精B「わかんない……ずっと、昔……。雷の災いが降り掛かったって……」

空妖精A「ほえ〜そうなんだあ〜」

空妖精B「詳しく知りたければ……工房にいる人形に聞いたり、図書館に行ってみたり、すると良いかも……」

エバンス「工房に図書館か!」

空妖精A「工房はあっち! 図書館はあっちだよ!」

ミスティ「ありがとう……お礼にわたあめを買ってあげるわ……。あ、でも地上のお金は使えるのかしら……?」

空妖精A「おかね?」

空妖精B「おかね……本当に取引で使われてるんだ……」

ミスティ「……もしかして、ここでは取引にお金を使わないのかしら?」

空妖精B「うん……。あれは……商売じゃなくて、遊びだから……」


 ☆廃都のマップに以下のポイントが追加されました
 ・広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他

 ◆
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 21:07:30.07 ID:FMJvOPPn0
―寂れた家

スライムクロシュ「……」

スライムクロシュ「!」ピコン

 荷物「」

スライムクロシュ「」ガサゴソ

 雷スライムの欠片「」ポン!

妖精「クロシュ……もしかして、今からそれと同化する練習を始める気?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

ローガン「なるほど……。理屈はわかるが、大丈夫か? 軽症で済んだ我々と違い、クロシュくんは丸一日寝込んでいたのだぞ」

スライムクロシュ「!?」モニョ!?

妖精「そういえば言ってなかったね……。クロシュ以外は昨日のうちに目を覚ましたんだけど、クロシュだけは一日中寝込んでたんだよ」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「はあ、わかったよ。やるだけやってみよう。もし危なくなったら止めるから」

ローガン「うむ。私も見ていよう」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 雷スライムの欠片「」バチバチ

スライムクロシュ「……」モニョニョ…

 デロデロ…モニョモニョ…

↓1コンマ(感電経験により+20)
01-40 びりびり(1/3)
41-90 むむむ…(2/3)
91-00 雷霆の如し(☆)
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/16(土) 21:08:13.68 ID:ofV+SLUEo
雷霆
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 22:36:40.55 ID:FMJvOPPn0
 ビリビリ…バチバチ…

帯電スライムクロシュ「……!」モニョニョ…!

 バチバチバチッ!

感電スライムクロシュ「〜〜っ!!」モニャニャ!!

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…

ローガン「む、大丈夫か……!?」

妖精「もう……病み上がりなんだから無理しちゃだめだよ。大丈夫……?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

妖精「うん……。でもけっこういいところまではできてたと思う。前よりも同化が上手くなってるんじゃない?」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョ!

 ☆クロシュの雷化経験が[2/3]になりました

 ◆
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 22:37:09.44 ID:FMJvOPPn0
―廃都 工房

 コンコン

工房人形「はーいどうぞ」

 ガラッ

エバンス「こんにちは」スタスタ

イリス「お邪魔します」スタスタ

ミスティ「失礼するわ」スタスタ

工房人形「えっ……!? に、人間……!!?」

 *

工房人形「なるほど……地上からここまで……」

イリス「はい。あの分厚い雲塊のことなんですけど……」

工房人形「……約一万年ほど前、雷霆の魔王にこの島が滅ぼされた話はご存知でしょうか?」

ミスティ「雷の災いが舞い降りた、という話ならさっき聞いたわ」

工房人形「恐らくそのことです。当時、僅かに生き残った島民と人形とゴーレムは総力を結集し、雷霆の魔王を封印することに成功しました。しかし奴を封印してからしばらくの後、あの巨大な雲塊が現れ……この島を覆い隠すように、取り囲んでしまいました」

エバンス「ということは……あの雲塊も、雷霆の魔王が作り出したものってことか?」

工房人形「その可能性は非常に高いかと思われます。専門ではないので、断定はできませんが……」

エバンス「おいおいマジか……」

ミスティ「雷霆の魔王……あの本には、史上最も危険とされる魔王だと書かれていたわ……。まさか、こんなところに現存していたなんて……」

 *

エバンス「ところでここは工房なんだよな? 一体何を作っているんだ?」

工房人形「ここでは、かつてゴーレムや魔導人形を製造していました。現在はそれらの製造は一切行わず、もっぱらこの島に住み着いた妖精たちのおもちゃや生活用品を作る為に稼働しております」

ミスティ「妖精たちの……。ふふ、優しいのね……」

工房人形「私たち人形の存在意義は、誰かの役に立つことですから」

エバンス「そういうものなのか。じゃあ武器とか防具は作ってなさそうか」

工房人形「武器や防具は――」


↓1コンマ
01-40 ありません
41-70 鋼のハンマー
71-00 大地のメイス
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/16(土) 22:39:25.51 ID:+yzQxAIJ0
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/16(土) 22:40:13.65 ID:vJhKfWf9O
雰囲気が良い!
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 23:16:33.43 ID:FMJvOPPn0
工房人形「こちらにあるものが最後の一本となっております」スッ

 鋼のハンマー「」ポン

イリス「わ、重そう……!」

ミスティ「見た感じサビとかもなさそうな良品ね……。でもエバンスの武器なら業物の魔銀の剣があるんじゃないの?」

エバンス「いや、それがだな……」スッ

 ヒビの入った魔銀の剣「」ボロッ

イリス「えっ……!? ヒビが入ってる……!?」

エバンス「ああ……。実はあのワイバーンの首輪を叩っ斬る時に……ビキッとな」

ミスティ「嘘……魔銀って普通の鋼よりも強靭なはずじゃないの?」

エバンス「使い方が悪かったとしか言えん……。多分、剣へのダメージはあの大気球に登った時の攻撃でかなり溜まっちまってたんだと思う……。ローガンの旦那は戦闘時、いつも自然に鋼属性エンチャントして強度を高めてるし、使用後の手入れも欠かしてない。だが俺はこの剣の強度にかまけてそういうのを怠っちまった……。その結果がこれだ……。この剣を格安で売ってくれたドワーフの職人にも面目が立たないが……折れかけた剣じゃ戦えるもんも戦えないんだ」

イリス「な、なるほど……私も杖の手入れは念入りにやろう……」

ミスティ「武器の消耗……魔法一本でやってきた今までならともかく、今後は私にも関わってくる問題ね……。意識する必要があるわ……」

エバンス「つーわけでこれを売ってくれ! いくらだ?」

工房人形「差し上げます。今やこの島で金銭は何の意味もなしませんし、この槌を必要とする人もきっとあなたの他には二度と現れないでしょうから」

エバンス「え、いや……しかしタダで貰うってのも気が引けるな……」

イリス「わかります……!」

工房人形「お気になさらないでください。どうしても気になるというのであれば……何か一つ、妖精たちが喜ぶことをしていっていただければ良いです。すぐにとは言いませんので」

エバンス「妖精たちが喜ぶことか……よし、わかった! この島を出ていくまでに、絶対に何かすると約束しよう!」

工房人形「ありがとうございます。それでは、どうぞお受け取りくださいませ」スッ

 鋼のハンマー「」ポン!

 ☆古代の鉄槌を手に入れました。エバンスが装備します
  折れた魔銀の剣は所持品に入りました

 ◆
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/16(土) 23:16:58.89 ID:FMJvOPPn0
というわけで本日はここまでとなります。次回は滞在2日目からとなります

雲塊の向こうにあったのは、宙に浮く大きな島と、廃墟となった街並み、そして住み着いた空妖精たちでした。世界樹の光を追いつつも、島は謎に包まれており、今回もどうやら簡単にはいかなそうな様子です。厚く重苦しい雲塊に閉ざされたこの地で、クロシュは何を為すのか――

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 00:16:24.77 ID:kvzCRfz8o
おつおつ
この世界色んな所に局所的楽園ができてるのかな
ローガンさん、流石の歴戦の兵(ツワモノ)だった
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 01:27:00.25 ID:IAHUpUjSo
おつ
封印かぁ…こういう時危険なやつの封印って大抵解けちゃうものだよね…
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 15:42:07.44 ID:iHcI7KoD0
この浮島は、厚く重い雲の壁に囲まれている為ほとんどの人は出ることも入ることもできませんが、それを気にしなければ平穏で安らかな地であると言えるかもしれません。実際、ほとんどの空妖精は現状に不満を持たず、日々のんきに遊んで暮らしているようです
ローガン氏は軍属としての訓練を積んでおり、実践経験も豊富なため、継戦能力で言えばパーティ内で最も高いと言えるかもしれません。同化のような反則技こそ持っていませんが、戦いに関わる道具の扱いについてはパーティ内で最も長けていると言って良いでしょう

雷霆の魔王が封印されているそうです。形あるものはいつか必ず壊れてしまうように、封印もまた永遠ではありません。その解ける時がいつになるかは今のところわかりませんが、それは一万年後かもしれませんし、あるいは明日かもしれません。ただ、雲や眷属を放つなど、外に干渉できていることを考えるとあまり良い状況ではないかもしれない……と妖精は思ったそうです
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 15:42:40.85 ID:iHcI7KoD0
―辺境
 寂れた家

 ガチャッ

イリス「ただいま戻りました!」

妖精「おかえりー」

人形「おかえりなさいませ、皆さま」ペコリ

エバンス「……当たり前のようにここに戻ってきたわけだが、居座ってもいいのか?」

人形「はい。空き室の掃除と整備は済ませてありますので、心ゆくまでおくつろぎくださいませ」

ミスティ「ええと……どうしてそこまでしてくれるの? 私たちはただの旅人なのに」

人形「ラティア・ヘイヴンでは国籍や思想を問わず、全ての知的種族が文化的な生活を送る権利を有しています。そしてわたしたち人形の存在意義は、誰かのお役に立つことなのです」

エバンス「工房にいた人形も同じことを言っていたな……」

イリス「貰ってばかりなのはやっぱり気が引けますし、何かお返ししたいですね」

ローガン「うむ……。我々にできることがあれば手伝おう」

妖精「そうだね。ここの人形たちは妖精の面倒も見てくれてるみたいだし、私もできることをしたい」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 ◆
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 15:43:28.36 ID:iHcI7KoD0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 2日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
雷スライムの欠片
大魔女サイン*1
不死鳥の羽根
折れた魔銀の剣

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[11/12](クロシュ)次回☆
・雷化[2/3](クロシュ)
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・飛行[3/8](イリス)
・魔法[6/8](イリス)
・剣技[1/4](ミスティ)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[1/16](エバンス)
・魔法[5/6](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:未探索
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
……………………………………………………………………………………
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 15:43:56.58 ID:iHcI7KoD0
―朝
 寂れた家

 チュンチュン

スライムクロシュ「…」zzz


イリス「ふわあ……。やっぱりベッドで眠るのは良いね」ググッ

ミスティ「そうね……。でも、この家具や内装って……一体いつのものなのかしら……?」

 年季の入った机「」
 年季の入った椅子「」
 年季の入ったクローゼット「」
 褪せた写真「」

イリス「かなり年季が入ってるけれど……一万年前なのかな? でももし一万年前なら原型は留められないよね……?」

妖精「……いや、多分一万年前だよ。この家全体が、特殊な結界に覆われてる。多分、時間経過による物質の劣化を防止する結界だと思う」

ミスティ「劣化防止の結界……じゃあもしかして、私たちが昨日訪れた工房も――」

妖精「多分そうなんじゃないかな。他の建物が軒並み朽ち果てた廃墟になってるのに、人形が住んでいるところだけほとんど当時の原型を保ってるのはその効果だと思う」

イリス「凄い……!」

妖精「でも……そんな結界でも、劣化を完全に防ぐことはできないみたい」

 褪せた写真「」

イリス「この写真……色褪せて、もう何が写っていたのかわからないね……」

ミスティ「ここの人形の子と一緒に暮らしてた人の写真……なのかしら……」

イリス「……しばらくお世話になります。このおうちと、人形さんに……」


浮島国滞在2日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 15:45:17.26 ID:uOhNwsWN0
妖精、妖精たちと語らう
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 15:55:13.42 ID:kvzCRfz8o
工房で武器とか防具をみて見る
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 15:59:44.41 ID:UCdjq9RDO
図書館に行ってみる
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 18:19:39.68 ID:iHcI7KoD0
―廃都 市場

 ワイワイ キャッキャ

妖精のわたあめ屋「わたあめだよ〜」

空妖精A「わたあめ〜」パタパタ

空妖精B「ふわあ……ねむい……」パタパタ


妖精「妖精が大勢いる……」パタパタ

クロシュ「わあ……」


空妖精A「ん〜? あっ! 知らない妖精がいる〜!」

空妖精B「……本当だ……」

 パタパタ キャッキャ

妖精「うげ、見つかった……」

空妖精A「ねえねえ、あなたたちもしかして!」

空妖精B「地上から……来たの……?」

クロシュ「うん」

空妖精A「わあ〜!」

空妖精B「……地上にも、いるんだ……妖精……」

妖精「そりゃいるよ」

空妖精A「ねえねえ、地上の妖精ってどんな妖精なの?」

妖精「変わんないよ。まあ風の扱いについては多分あなたたちの方が得意だと思うけど」

空妖精B「……ということは……地上の妖精は、風以外の扱いが上手……?」

妖精「住んでる地域によるかな。あなたたちはずっとここで暮らしているの?」

空妖精A「そうだよ! 生まれも育ちもここだよ!」

空妖精B「雲の外の世界……本に書いてあることしか、知らない……」

妖精「そうなんだ……。ねえ、この雲って魔王の影響だって聞いたんだけど……」

空妖精B「……私たちも……詳しくは、知らない……。昔、雷の災いが舞い降りて……それを鎮めたら、今度は雲に覆われるようになったって……聞いた、くらい……」

妖精「雷の災い……。雷の眷属が現れるって話は聞いたことある?」

空妖精A「けんぞく……?」

妖精「うーんと……ビュンビュン飛び回る球状の雷みたいなやつ」

空妖精A「びりびりだまのこと!?」

妖精「えっ、そういう名前なの」

空妖精B「……私たちは、その球状の雷のことを……びりびりだまって呼んでる……。時々、雲に近付いた迂闊な子がそいつに雷を撃たれて黒焦げにされたりするから……みんな、雲には近付かないようにしてる……」

クロシュ「……!」

空妖精A「うん、本当に危ないから気を付けた方が良いよ! 最近は数も増えてるから!」

妖精「えっ、数が増えてる……?」

空妖精B「うん……。けっこう前に、ものすごく雲が荒れた日があって……。島の周りだけじゃなくて、島の全体……この廃都にまで雲に覆われちゃったの……。大雨と暴風と雷で、怖くて……みんな、人形さんたちが用意してくれた地下壕に避難して……そのうちに収まった……。それ以来……雲は島の外側にまで戻ったけど……びりびりだまは前よりも増えた……気がする……」

空妖精A「あの時は本当にすっごく怖かったよ! でもあれから、びりびりだまは絶対に増えたよ! 前は雲から飛び出して来ることもほとんどなかったのに、最近は雲を見てるとけっこうバチバチ言いながら飛び出てくるもん!」

空妖精B「うん……。だから……前から雲の近くは危なかったけど……最近は、もっと危ない……。旅人さんたちも……近付かない方が、いいよ……」

妖精(……けっこう前に雲が荒れた日……。それってもしかして……世界樹の光がここに飛んできた日……?)

妖精(世界樹の光の影響で雲が一時的に活性化して、勢力を島を覆うほどに広げた……でも元に戻って、今度は雷球の数が増えた……。雷球は魔王の眷属……これって、もしかして……)

妖精(封印されてる雷霆の魔王に、星の力が利用されてる……!?)

妖精(そうだとしたらかなりまずい状況だ……。いやでもまだそうと決まったわけじゃないし、もっと調査しないと……!)

 ◆
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 18:20:14.66 ID:iHcI7KoD0
―廃都
 工房前

 スタスタ

エバンス「ここだ。この工房でこれを貰ったんだ」スッ

 古代の鉄槌「」ポン

ローガン「うむ……無骨だが優れた鋼の力を感じる。良い品を貰ったな」

エバンス「おう。大事に使わねえと」


工房人形「あら……こんにちは、旅人様。そちらの方は初めまして」ペコリ

エバンス「うお、外に出てたのか。こんにちは」

ローガン「お初にお目にかかる。私は彼の旅仲間の一人、ローガンと言う者だ」

工房人形「はい、よろしくお願い致します。もしよろしければ、何か見ていかれますか?」

エバンス「まあ……でも武器や防具はもうないんだろ?」

工房人形「はい。しかし昨日のこともあって点検を行ったところ、鍛造機を用いて既存の武具を強化したり、新規に武具を製造したりすることは可能だとわかりました」

エバンス「マジか!」

工房人形「ただ、素材となる物質はほとんど残っていないため、強化でも新規作成でも、必要な素材はご用意していただく必要があります」

ローガン「なるほど……。鋼であれば私の魔法で創れないこともないが……」

エバンス「素材か……」


↓1〜2選択 何をするのか
1.折れた魔銀の剣を打ち直す(素材不要)
2.古代の鉄槌に地属性付与(綺麗な砂を消費)
3.鋼の剣を強化する(素材不要)
4.鋼の盾を強化する(素材不要)
5.鎖帷子を強化する(素材不要)
0.新規作成(自由安価。作るもの、使う素材を記載。大事なものや素材に向かないものは使えません。失敗することもあります)
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 18:34:53.76 ID:Yr7Z5bR60
1
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 18:38:05.10 ID:9KqSAFM2O
0
炎鉱石で盾強化というか属性耐性付与とかできます?
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 21:16:52.50 ID:iHcI7KoD0
エバンス「……これを打ち直すことはできるか?」スッ

 折れた魔銀の剣「」ポン

工房人形「はい。大きな欠損は見られないので、問題ありません。当鍛造機であれば99.99%の精度で新品に近い状態に復元することが可能です」

エバンス「本当か! それじゃあ頼む!」

工房人形「かしこまりました。少々お待ちください……」

 鍛造機「」ウィーン…
 ガションガションガション―
 ジュウウウウウ――

 ポン!

 魔銀の剣「」キラキラ

エバンス「おおお……! もう治ったのか……!?」

工房人形「はい。まだ少し熱いので、お確かめの際はご注意ください」

 魔銀の剣「」キラキラ

エバンス「すげえ……本当に新品同然だ!」

ローガン「うむ……! 元と遜色のない冷厳な魔力が過不足なく刀身に行き渡っている……素晴らしい技術だ」

工房人形「鍛造機の調子を見たところ、あと一回程度であれば何らかの鍛造を行うことが可能です。何か鍛えたいものはございますか?」

ローガン「ふむ……それなら、一つお聞きしたい。例えばこの炎鉱石を用いて、この鋼の盾に熱耐性を付与したりはできるだろうか?」

工房人形「炎鉱石は極めて融点の高い物質であるバニングステンを主成分とする鉱石ですので、それを用いることで高い耐熱性を盾に付与することは可能です」

ローガン「そ、そうなのか……」

エバンス「何を言っているのか全然わからなかったが、とにかく付与はできるってことなんだな!」

工房人形「はい。そのように強化致しますか?」

ローガン「ではお願いする」スッ

 鋼の盾「」ポン

工房人形「かしこまりました。少々お待ちください……」

 鍛造機「」ウィーン…
 ガションガションガション―
 ジュウウウウウ――

 ポン!

 灼鋼の盾「」キラキラ

ローガン「おお……!」

エバンス「赤金色になったぞ!」

ローガン「うむ……! 鋼の魔力に混じり、温かな炎鉱石の鼓動も感じられる気がする……」

工房人形「合成が完了いたしました。細かな傷や負荷も取り除いておきましたが、鉱石を付与した分重量および重心も多少変化しておりますので、実戦の前に慣らしておくことを推奨いたします」

ローガン「うむ、承知した……! 感謝しよう、工房の人形殿……!」

 ☆魔銀の剣を打ち直しました。エバンスが第二武器として装備します
 ☆鋼の盾が炎鉱石で強化され、灼鋼の盾になりました

 ◆
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 21:17:17.23 ID:iHcI7KoD0
―図書館

 ガラッ

イリス「こんにちは〜」スタスタ

ミスティ「お邪魔するわ……」スタスタ


司書妖精「……」zzz


イリス「……ええと……この妖精さんが司書さんかな?」

ミスティ「どうなのかしら……。ん、これは――」

 張り紙『ごじゆうにおよみください』

ミスティ「……だそうよ」

イリス「わかりました……! それじゃあこの子を起こさないように、静かにいこう……!」

 *

 妖精用本棚「」ポン
 妖精用本棚「」ポン
 妖精用本棚「」ポン

 人間用本棚「」ドン
 人間用本棚「」ドン
 人間用本棚「」ドン

ミスティ「人間用の本だけじゃなくて、妖精用の本もかなりたくさんあるわ……」

イリス「みたいだね。装丁もすごくしっかりしてるし、もしかしたらあの工房で妖精さんたち用の本を作ってるのかも……?」

ミスティ「かもしれないわね。とりあえず今回は人間用の本を中心に探していきましょう」

イリス「うん!」

↓1コンマ
01-70 ラティア史
71-90 ↑+雷霆の魔王
91-00 ↑+星の魔力(下)+魔導書「絶対零度」
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 21:17:53.06 ID:uOhNwsWN0
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 21:54:37.84 ID:iHcI7KoD0
 本『ラティア史』ポン

ミスティ「歴史書があったわ」

イリス「ラティア史……ラティア・ヘイヴン史ではなくて?」

ミスティ「略語かしら……? とりあえず中身を見てみましょう」

 ◇

 ペラッ…ペラッ…

ミスティ「世界規模の大洪水から逃れる為、古ラティア国が空へ打ち上げた人類最期の楽園――それがこの浮島国、ラティア・ヘイヴン――」

イリス「洪水の神話や伝承は数多く存在しているけれど……この本によると、それは本当にあったことみたい……」

ミスティ「洪水が収まっても島民は地上に戻らず、空での平穏な暮らしを選択した……。差別や憎悪、血で血を洗う闘争に疲れ果てたラティアの民は、穏やかな空での暮らしを選んだのね……」

イリス「……少し、大魔女帝国に似ているかも……。大魔女帝国は危機から逃れる為に空に浮いたわけではないけれど……その国の在り方は、地上での諍いから逃れて平穏な暮らしを得る為のものだったわけだし……」

ミスティ「いつの時代の人類も、同じように考えて同じような救いを求めてしまうのかもしれないわね……」

イリス「……うーん……でもこの本だと、肝心な滅亡の原因とか雷霆の魔王のこと、封印のことが書かれてないや。まあ滅亡したら書き残す人だって残らないんだから当然だし仕方ないんだけど……」

ミスティ「そうね……。人形たちから話を聞くのが良いのかもしれないわ……」

 ☆古代ラティア国の歴史についての知識を得ました

 ◆
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 22:14:14.72 ID:iHcI7KoD0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 3日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
雷スライムの欠片
大魔女サイン*1
不死鳥の羽根
折れた魔銀の剣

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[11/12](クロシュ)次回☆
・雷化[2/3](クロシュ)
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・飛行[3/8](イリス)
・魔法[6/8](イリス)
・剣技[1/4](ミスティ)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[1/16](エバンス)
・魔法[5/6](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:未探索
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
……………………………………………………………………………………
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 22:15:51.06 ID:iHcI7KoD0
―寂れた家
 リビング

 どんぐりパン「」ポン
 野草のスープ「」ポン
 蒸しヤマイモ「」ポン

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

人形「おかわりはたくさんありますので、遠慮なくお申し付けくださいませ」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ!


妖精「もぐもぐ……美味しい。でもなんというか……私が言うのも何だけど、妖精向きじゃない? この献立」

イリス「確かにフォレスティナっぽさを感じるかも。でも人間にとっても美味しいよ! 特にこの野草のスープ、えぐ味が全然なくて野草とは思えない。食用の野菜って言われたら信じちゃいそうだよ」

ミスティ「……まあ、美味しいものは美味しい、で良いんじゃないかしら……」モグモグ

ローガン「私も不満はない。味も良く、健康への配慮も感じられる優れた献立のように思う」モグモグ

エバンス「ホクホクのヤマイモも美味い! 欲を言えばバターも付けたいところだが――」

人形「申しわけありません……この島では乳を出す家畜動物は既に残っておらず……バターをご用意することも、非常に困難な状況となっております……」ペコリ…

エバンス「あ、いや良いんだ謝らないでくれ! こっちこそ我儘を言って悪かった!」

妖精「妖精向きっぽい献立は、人間向きの食料供給が絶えて久しいからか……」


浮島国滞在3日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 22:16:41.28 ID:m4YjA/YmO
城を探索
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/11/17(日) 22:20:30.15 ID:ft1IMRkG0
ミスティとエバンス 短剣と鉄槌の修行をする
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 22:20:46.20 ID:UCdjq9RDO
工房にいる人形に昔の事を聞いてみる
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 23:27:35.41 ID:iHcI7KoD0
―工房

工房人形「昔のこと、ですか」

イリス「うん。一万年前……雷霆の魔王がこの国を襲った原因とか、封印の方法とか……。あっ思い出したくないこととかだったら別に言わなくても良いんだけど……!」

工房人形「いえ、問題ありません。一万年前のことですし、私たち人形は人間よりも感情のコントロールに長けています。ご心配ありがとうございます」

イリス「う、うん」

工房人形「そして質問への回答ですが……雷霆の魔王がこの国を襲った原因については、わからないとしか言えません。雷霆の魔王は雷雲と共にどこにでも移動し、出現した場所で破壊の限りを尽くすと言われていますが、その破壊目標となる基準は不明です」

イリス「そっか……まあそりゃそうだよね。それじゃあ封印についてだけど――」

工房人形「雷霆の魔王は、生き残った民や人形、ゴーレムたちの手でラティア・ヘイヴン城の地下深くに封じられました」

ローガン「城の地下深く……!」

工房人形「はい。王族までもが参加したその封印作戦は熾烈を極めたと思われ……最終的に生還した者は一人としていませんでした。待機を命じられていた私は、国と共に命を燃やすことさえできなかったのです……」

イリス「……」

ローガン「そうだったのか……」

工房人形「はい。そして少し以前から、雷霆の魔王が放つ眷属の数が増え、島を取り囲む雷雲が活性化していることはわかっております。この島も……恐らくもう、長くありません」

イリス「そ、そんな……! 封印をかけ直すとかはできないの……!?」

工房人形「封印の術式を知る者は既に亡く、外部から手を加えることは不可能となっています。もはや、滅亡を待つ以外に道は残されていないのかもしれません」

ローガン「……どうにもならんのか」

工房人形「………はい。しかし……私のような過去の遺物はもう終わっても構わないのですが……妖精たちのことは、気がかりです。あの子たちは、元々この島とは関係のない自由な空の妖精たちだったはずですから……この島と運命を共にする必要などないのです」

ローガン「……あの雲に囲まれていては、外へ逃げることもできんな」

工房人形「はい……」

 *

イリス「……魔王の封印……なんだか大事になってしまいましたね、今回は……」

ローガン「うむ……。少し前に大魔女帝国でクロ教授を助けたばかりだと言うのに、また魔王とはな……」

イリス「雷霆の魔王……一体、どんな魔王なのでしょうか……」

ローガン「史上最も危険と考えられる魔王らしいな。できることなら一生関わり合いになりたくない存在だが、そうも言ってられんようだ」

イリス「はい……。……もし、雷霆の魔王も……クロ教授と同じように、苦しんでいる存在だったら……」

ローガン「……そのことは、考えない方が良いだろう。クロ教授を救えたのは、大魔女殿の類稀なる手腕あっての奇跡なのだ。大魔女殿のいないこの地で、奇跡を期待してはならぬ」

イリス「……はい」

 ◆
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 23:28:19.45 ID:iHcI7KoD0
―寂れた家
 庭

エバンス「ふんっふんっ!」
 古代の鉄槌「」ブンッブンッ

エバンス「ふう……丁度良い重量感だ。これがあれば斬撃に強い相手でも叩き潰せるな」グッ


ミスティ「鉄槌の練習?」スタスタ

エバンス「おう。実戦でぶっつけ本番ってわけにもいかないからな。多少は慣らしとかんと」

ミスティ「ハンマーを使った戦いの経験もあるの?」

エバンス「そりゃああるさ。鈍器ってのは剣よりも遥かに身近でありふれた武器だからな」

ミスティ「それはまあ確かに……」

エバンス「ミスティちゃんの短剣は……近接武器の中じゃ扱いが難しい方だと俺は思っている。初心者ならそれこそ鈍器とか槍の方が良いが――」

ミスティ「えっそうなの」

エバンス「ミスティちゃんは初心者じゃないからな。もう長年、魔法も戦技も短剣でやってきたんだろ? ならそれを極めた方が早い」

ミスティ「まあ……そういうものかしら」

エバンス「おう。それにまあ、ミスティちゃんは氷の武器を生み出して空中でブンブン振り回せるからな。一般的な短剣術を学ぶ必要もあまりないかもしれん」

ミスティ「いや、それはどうなのかしら……」

エバンス「要は勝てりゃ良いんだ。勝つ為なら何をしても良い。戦いってのはそういうもんだろ?」

ミスティ「なるほどね……そういうことならわかりやすいわ」

エバンス「おう! というわけでやるか! 訓練!」

ミスティ「お手柔らかに頼むわよ」


↓1コンマ
01-60 剣経験+1
61-90 剣経験+2
91-00 剣経験+4
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/17(日) 23:29:35.89 ID:uOhNwsWN0
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/17(日) 23:48:54.33 ID:iHcI7KoD0
エバンス「行くぜ! おりゃっ!」シュバッ
 古代の鉄槌「」ブォンッ!

ミスティ「ちょっ、加減しろって言ったでしょ!」サッ!

エバンス「実戦じゃ相手は加減してくれないぞ!」ブンブンッ

ミスティ「そうだけど……!!」サッサッ

エバンス「取った!」ザッ
 古代の鉄槌「」グオオッ!!

ミスティ「ちいっ!」カッ!!

 氷塊「」ガギンッ!!

 古代の鉄槌「」ドゴンッ!!

 砕け散る氷塊「」バギャンッ!!

エバンス「氷塊で防いだか! だがまだ終わりじゃな――うおっ!?」
 凍り付く古代の鉄槌「」カチコチ
  凍り始めるエバンスの手「」カチコチ

エバンス「おわっ!!?」シュバッ

ミスティ「判断が早いわね……あと一瞬飛び退くのが遅れていたら腕全体が氷漬けだったわよ……」コォォ―

エバンス「か、加減しろ! 俺の腕を殺す気か!!?」

ミスティ「あら……実戦じゃ相手は加減なんてしてくれなんじゃないの?」

エバンス「へ、へへっ……こりゃ近接戦闘だけならともかく、魔法を織り交ぜられたら分が悪いかもな……!」

 ガギンッ!!
  ドゴォッ!! ドグシャアッ!!
     ドゴオォンッ!!

 ◆

人形「戦闘訓練、お疲れさまです。そろそろ休憩なさってはいかがでしょうか」

エバンス「お、おお……そうするか……」フラフラ

ミスティ「そうね……。流石に……疲れたわ……」フラフラ

人形「お二人とも、少しお体を冷やしてしまっているご様子ですので、温かいものをご用意させていただきました。よろしければ、お召し上がりくださいませ」スッ

 フェアリーレモネード「」ポン

エバンス「おお……レモネードか!」

ミスティ「ありがとう……。いただきます……」

 ゴクッゴクッゴクッ―

エバンス「――うまい!」

ミスティ「――暖かく甘酸っぱいレモネードが……疲れた体に染み渡るわ……。それにこれは……もしかして、フェアリーシロップが入っている……?」

人形「はい。このレモネードには、親切な妖精の方々より頂いたフェアリーシロップを使わせていただいております。お気に召されたのでしたら幸いです」

エバンス「おお……これがフェアリーシロップなのか……。魔力を失った体に染みるわけだ……」

ミスティ「ええ……ありがたいわ……」

 ☆ミスティとエバンスがそれぞれ剣経験を2獲得しました

 ◆
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/11/18(月) 00:19:30.65 ID:DZyl9CTI0
というわけで本日はここまでとなります。次回、お城探索編からとなります

浮島国ラティア・ヘイヴンを巡りながら情報収集を続ける一行。穏やかで平和な島でありつつも、先に待つのは滅びの未来。何も知らない妖精たちは今日も朗らかに笑い合い、恵みある日々を送っています。ラティア国が遺した理念は、僅かに生き残った人形たちに引き継がれ――今を生きる妖精たちや訪れた旅人へ、しあわせを贈り続けているようです。しかしいつかは、それも潰えてしまう運命なのか。城の地下深くで拍動する憎しみは、決して絶えず――

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします

また、平日中に何らかの告知または募集を行う可能性があります。もし何かあればお知らせしますので、よろしくお願いいたします
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/18(月) 07:32:39.63 ID:mt2FHyhWo
おつでした
めっちゃヘルシーな食事いいな
人形や封印や前に出てきたゴーレムとかロストテクノロジーかなり進んでいた模様だな
766 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/23(土) 17:00:11.17 ID:Qb4R5+110
クロシュたちを泊めてくれている人形さんは、その辺の空妖精たちにご飯を作ってあげたりすることもあるらしく、料理のレパートリーも妖精向けに偏っているのかもしれません。なお妖精類は大気中の魔力を吸収しているだけで生きられるので、実のところ妖精類は生命維持の為に食事を摂る必要はないそうです。彼女らにとって、食事は趣味のようなものなのかもしれません。

古代ラティア国のテクノロジーはものすごく進歩していたようです。王国のセイントレア・メカニクス社が製造している魔導機械は、古代ラティア国のテクノロジーを発掘・解析して再現したものなのではないか……と妖精は疑っています。しかし以前空中庭園のゴーレム氏が述べたように、ラティア国で製造されていた人工精核は妖精や精霊を原料としていないため、その点で異なると言えましょう



そして本日の更新ですが、体調が悪く頭が働かないためできそうにありません。申し訳ありません
明日の更新も未定ですが、できない可能性が高いです

そういうわけなので、本日はお城探索で出会うことになる何者かの募集についての告知だけ行いたいと思います
767 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/23(土) 17:00:56.78 ID:Qb4R5+110
次回のお城探索に向けて、お城で出会う、または出遭う存在を募集します

〈浮島国ラティア・ヘイヴンの中央に立つお城〉
■概要
ところどころ崩れているが本丸は概ね原型を保っている。
人形たちの話によると、元は国家運営の中枢であり王族たちの住居でもあったという。
現在はそれらの機能は失われており、ただの巨大建造物としての形しか残っていない。
主のいなくなった城の中には、かつて栄華を極めた古代ラティア国の遺産や財宝が今もなお残っている可能性がある。
また、城内には古代の亡霊やクリーチャーや警備ゴーレムが暗闇の中を徘徊しているという噂もあり、一時空妖精たちの間で肝試しが流行ったことがある。

 *

(お城で出会う何者かのテンプレート)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】

 *

〈今回のルール〉

・登場するキャラクターは設定等が若干変更される可能性があります。ご了承ください

・原則として採用はコンマが最も大きいものですが、コンマの数値に関わらず作中に登場する可能性はあります

・お城で出会う人物なのでお城に在住している可能性が高いですが、必ずしもお城に在住していなければならないわけではありません。また、対話可能であればクリーチャーやゴーレムでも良いです

 *

募集期間は、明日の [ 00:00:00 〜 14:59:59 ] となります
ご質問やご感想などありましたらお気軽にどうぞ
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/23(土) 17:10:57.04 ID:OXL6B9u1o
急に冬になったのでお大事に……
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 00:06:44.44 ID:IdugvPWg0
【名前】テイル・S・ナナエルス
【種族】ハーフエルフ
【性別】女
【年齢】214歳
【容姿】青髪ロングの少女。エルフの特徴はあまり出ていない。
【性格】自由奔放な性格だがややM気質で殴られたり罵倒されると喜ぶ。
【魔法】浮翌遊魔法(人や物を浮かせて操れる)が得意。更に風属性を帯びた魔法剣を所持しているが剣術は我流で振り回すだけ。
【備考】王家の血をひいているが堅苦しいのに嫌気がさし200年前に旅に出て最近ラティア・ヘイブンを訪れ、城で無断キャンプ中。
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 00:09:20.35 ID:vnVKlWeao
【名前】ロムリン・ライト・ドン・ラティア
【種族】亡霊
【性別】男
【年齢】享年24歳
【容姿】蒼い目の茶長髪の青年。眼鏡を掛けている。ちょっとおでこが広い。宝石の装飾されたローブ、冠を着用。足元は薄くなってて見えない
【性格】努めて厳格であるようにしているが、本来は穏やかな性格。
【魔法】延命魔法。物であれ生命であれ現状を維持する事が出来る。自分にも行使しているが、流石に永遠にとはいかないらしく、最近は体が透けてきている
【備考】古代ラティア国最後の王様。雷霆の魔王の脅威に対し、残った人員を奮い立たたせて封印までこぎ着けた立役者。
散っていった命に対する責任として、自身を生きているとも死んでいるとも言えない有様にし封印を延命している。
雷霆の魔王の封印を守るため、そして封印の強化もしくは魔王討伐を託せる者か判別するために幾つかの侵入者用試練を城の中に用意している。
長いことお城に妖精しか入ってこない、それも深層までは到達しないので会話に飢えている
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 00:26:59.40 ID:F3Tv5YCS0
(お城で出会う何者かのテンプレート)
【名前】ポーラー・ドロリッチ
【種族】ゴーレム
【性別】男
【年齢】500歳
【容姿】身長が2m。人型でレンガが積み重ねたような見た目。腕が太い。ドンエテコウの毛皮を被っている。無表情で糸目。対話も可能。
【性格】無表情だが誰にでも優しい。
【魔法】泥魔法 泥を操れることができ、さらに泥人形も作れる。
【備考】元々は国の財宝を守る番人だった。初めは感情がなくロボットのようにただ使命だけで生きていたが心優しい王子と出会い言葉や心について学ぶ事ができ、王子と友達になる。その時に王子から名前やドンエテコウの毛皮を貰った。城が崩れかけてもなお守りたいと管理している。一部の肝試しにきた空妖精達とは仲良しになっている。ゴーレムなのでかなりの怪力でもある。戦闘時は泥魔法で人形を作り一緒に戦ったり、底なし沼を作ることができる。武器は持たず拳や太い腕での打撃で相手を倒している。
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 02:20:34.28 ID:F3Tv5YCS0
すいません>>771で容姿と備考で書き忘れがありましたのでそれも追加でお願いします。
容姿は「赤茶色のレンガが積み重ねたような見た目で所々にひびがある」
備考は「泥団子状に作りマシンガンのように何個も飛ばしたり、さらに大きく大砲みたいに飛ばしたりする事が可能。昔、雷霆の魔王との戦いに参戦した事がある」
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 04:59:27.87 ID:jahP5p4zo
【名前】ベルトーネ・ゴールドフェルド
【種族】悪魔(自称) 【性別】女 【年齢】不明
【容姿】黒の長髪に紅い瞳を持つ身長140cm程の小柄で平坦な少女。容姿は整えられておらず、いつもジャージを着用している芋女子スタイル。
【性格】受動的かつ内向的。属性は混沌・中立。悠々自適にして和光同塵。毎日を怠惰に過ごしたいマイペースな怠け者。何よりも自分の自堕落生活を優先するが、他を害してまでは望まない。
【魔法】闇属性全般を高い練度で扱える。特に相手を惑わし、弱らせ、掌握する分野が得意。
【備考】
いつの間にか城の隅っこの空き部屋に居座っていた自称悪魔のぐうたら娘。略称はベル。
「大昔にこの世界に召喚されて主と契約したが、完遂前に主が死亡して失効。自力での帰還は望めず、しかし死んで戻るのも嫌なのでそのまま現界し続けている。」……と語るが真偽は不明。証明する手段もなく、本人も疲れるのを理由にあまり話したがらない。突然現れた事といい素性は怪しいものの、害意(とやる気)は感じられないので黙認されている。
怠惰な生活をする為に頑張るタイプ。いつもの怠けっぷりからは想像が付かないが、実はどんな事でも完璧に熟せる器用万能型。かつての"契約"も悪魔の仕事として真面目に取り組んでいたらしく、やらなきゃいけない事はちゃんとやる人物。
彼女曰く、自分は怠惰を司っていて、同輩の悪魔が6人いるらしいが、当然真偽不明である。
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 06:32:09.70 ID:wyLxJdb2O
【名前】ヒナ・ナイテンゲール
【種族】不良天使
【性別】女
【年齢】不明
【容姿】黒髪ロングの少女で背中から左が黒、右が白の羽が生えている。服装は黒のワンピース。
【性格】明るい性格でややいい加減だが戦い好きな戦闘狂でもある。
【魔法】天候操作魔法で気象を操れる。他にも光属性の魔法剣を持ちビームサーベルのようにして振るう。
【備考】元は地上を見守る天使の一族だったが飽きて旅に出てこの里にやってきた。現在城の探索中。戦い好きなので強い奴も探している。
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 09:41:16.50 ID:ER3cglcDO
【名前】セイラ
【種族】亡霊(?)
【性別】女
【年齢】不明だが外見年齢は二桁いくかいかないか
【容姿】緑髪のロングを後ろで一本の三つ編みお下げに纏めている小柄で華奢な少女。常に巨大な盾に隠れている
【性格】気弱で臆病で泣き虫
【魔法】守護魔法(盾の前方だけでなく側面や背後等の死角含めて、彼女への物理・魔法攻撃をシャットアウトする。彼女自身の魔法か盾に付与された効果かは不明)
【備考】
勝手に動く盾型のゴーレム……と肝試しをした空妖精達には認識されているが、実際は上記の様に彼女が盾に隠れているだけである。
気が付いたらお城にいた記憶喪失の女の子。食べ物や睡眠を取らなくても死なないので、自分は亡霊なのかと思っているが本当かどうかは分からない。
一応城の外には出られるが、怖くて中々出られない
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 11:47:21.43 ID:VDUyXdDlO
【名前】ジェミニ・クリスト
【種族】エルフ
【性別】男
【年齢】約2500歳
【容姿】見た目は20代の青年。白髪で天然パーマ。長い耳
。左耳にイヤリングをしている。星座が描かれている紫色のローブを着ている。先端に水晶玉がついている杖を持っている。古風な口調。
【性格】おおらかで落ち着いている。知識と経験が豊富。面倒見がいい。
【魔法】・水晶魔法(水晶を生み出し水晶の武器、防具を作りだすことができる。他にも様々な攻撃ができる。)
・風魔法
【備考】昔は城の宮廷魔術士を勤めていた。今は城から少し離れた所に住んでいる(一度移住も考えたがここが落ち着くためここに住んでいる)。古風な口調の為か近くに住んでいる空妖精から「おじいちゃん」と呼ばれている。魔術も優れておりすべてのエルフ界でもその名を知らない者はいないくらいかなり有名な人物。高い魔翌力なのか精霊も見えている。杖の先端にある水晶を使った占いが得意で99,99%の確率であてることができる。雷霆の魔王の戦いと封印に参加した経験がある。水晶魔法での攻撃と竜巻やかまいたちなどの風魔法を主にしている。風魔法を利用して空も飛べる。
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 13:35:26.58 ID:J9CVGHcqo
【名前】ゼーレシルト・フォルカロス
【種族】スフィア
【性別】なし
【年齢】不明
【容姿】幾何学模様の球体
【性格】冷淡
【魔法】殲滅魔法
【備考】ラティア全体を司る人工生命。
太陽からのエネルギーを動力に活動する。緊急事態用に殲滅エネルギーをチャージし続けており、ラティアを犯す敵が出現すればこの星ごと破壊するつもりである。
言葉を介し愛や友情を理解できる生命であるがそれを分かち合う住民たちが消えた今、彼らとの思い出だけを抱いて浮翌遊島を維持し続けている。
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 14:04:39.26 ID:TXZiHp3j0
【名前】ゴライアス
【種族】大剣(元ゴーレム)
【性別】男
【年齢】もはや数えるのも面倒なので覚えていない
【容姿】青白く輝く美しさと剛健さを兼ね備えた大剣。所々機械的な部分もあり、ゴーレムだった頃の名残を感じさせる
【性格】口調は丁寧だが、どことなく誇り高き武人の様な雰囲気を漂わせている
かつては他のゴーレム同様機械的だったが、城の者たちと触れ合ううちに「彼らを守りたい」という意志と戦士としての自覚が芽生えた結果だと思われる
【魔法】無し
【備考】かつて城を守護していた戦闘用ゴーレムの一体で圧倒的な強さを誇っていたが、雷霆の魔王との戦いで修復不可能なほどの損傷を負ってしまう
当時の王がそれを哀れに思い機能停止しようとしたが、「このまま機能停止されるより、もう一度生まれ変わって誰かの為に戦いたい」という彼の想いを受け、
ラティア・ヘイヴンの技術を総動員して強力な大剣へと生まれ変わらせた
現在はお城の宝物庫に沢山の財宝と共に保管されており、自分の使い手に相応しい戦士が訪れる時を待っている
また柄の中央には彼の人格を司っていたコアがはめ込まれており、それを通じて使い手やその仲間達とも会話する事が出来る
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/24(日) 14:56:16.58 ID:vPaYXmpPo
【名前】ジアース
【種族】星精霊
【性別】なし
【年齢】星と同じ
【容姿】特定の形を持たない
【性格】無為自然
【魔法】The Almighty/ジ・オールマイティ
【備考】全てを眺める者。この星そのもの。虐殺も救世も全て等しく感じており、基本は星の生命に対し非干渉というスタイル。栄えるも滅ぶも好きにするが良い。
星の魔翌力や生命の管理は世界樹の精霊に丸投げしている。
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/11/24(日) 14:59:33.67 ID:08cY5AjWo
【名前】ミーティア
【種族】人間→リビングアーマー(?)
【性別】女
【年齢】27(人間時代の享年)
【容姿】年代物の全身鎧。古ぼけているが錆などはなく骨董品としての価値かありそうだ
「頭部」の中にぼんやりと光る人魂のようなものがあり、これが今の彼女の本体と思われる
【性格】気さくでおしゃべり。もう長いこと人と話していなかったらしく、自身の容姿を活かした驚かせをするなど構ってちゃんな面も
【魔法】後述の魔術の影響か一般的な魔法を使うことができないが、宙に浮いたり自身を構成するアーマーの一部分を分離させ独立して動かすことができる
【備考】かつてラティアに仕えていた宮廷魔術師
密かに研究していた「魂を非生物に定着させる魔術」を自身に施しており、死後成功していたことを数百年経ってから知る
記憶の一部が欠落しており(恐らく術になんらかの不備があったのだろうとは彼女の見立て)、自身の名前しか思い出せないのもその一環のようだ
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 13:23:34.77 ID:w1dtvCufO
今回、フメイ達は大魔女帝国に行く事になったけどセイン達やシノホシのメンバーが浮島国にいたりするのかな
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 15:29:01.11 ID:sOexDPUF0
フレメアは魔法店に普通に入ってきそう
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 16:04:49.31 ID:XF3pyF9jo
シノホシは飛行能力持ちが多くてズルいな
784 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 17:12:51.21 ID:jm5GTy300
セインくんやシノホシの方々がいるかどうかは今のところわかりませんが、可能性でいえばいる可能性はあると言えるでしょう。シノホシの方々は空を飛べる方が多く、セインくんも王国の支援で飛行手段を得ることができます

フレメア氏が現在どこにいるかはわかりませんが、今フラナ氏と出会ったら大変な喧嘩になる可能性が高いです。イリス氏は穏便になって欲しいと思っているようですが、吸血鬼姉妹の家庭の問題なので口を出すのも憚られるようです

シノホシのメンバーは翼を持つ種族の方が多いため、移動については困らなそうです。狐のアウルさんも浮雲の練習をして最近は空を移動できるようになったそうなので、移動がますます楽になっているかもしれません
785 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 17:13:18.11 ID:jm5GTy300
―廃都 城門前


 そびえ立つ城「」

 閉ざされた城門「」


クロシュ「わあ……」

妖精「大きなお城……。ラティア・ヘイヴンの王族が住んでいたらしいけど」

クロシュ「……入る……?」

妖精「入ってみよう。空妖精たちも勝手に出入りしてるらしいから危険もないだろうし」

クロシュ「わかった」

 閉ざされた城門「」
 の脇にある古びた小さなドア「」

 ガチャッ――

 ◆
786 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 17:13:55.02 ID:jm5GTy300
―浮島の古城 踏破率[0/10] 持久力[10/10]

 暗い回廊「」

 トコトコ… パタパタ…

クロシュ「……」トコトコ

妖精「入ってみたは良いけど、暗いしどこに何があるかもわからない……。事前に何か知ってそうな人形に聞いておけば良かったかも……」

クロシュ「!」ピコン

 モニョモニョ…ポン!

光クロシュ「!」ピカピカ

妖精「明るい! でもお腹が減ったりしない?」

光クロシュ「んと……暗いのを照らすくらいなら、そんなに……。戦い用に、もっと強い光を出したり……光になって動いたりすると……すごくお腹が減るけど……」

妖精「そうなんだ……。けっこう融通が効くんだねえ」

光クロシュ「うん……」


↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-30 踏破率+3、敵襲
31-60 踏破率+3、壊れたゴーレム
61-90 踏破率+3、良いこと発生(自由安価)
91-00 踏破率+3、???
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 17:15:02.28 ID:wcmXIqSOO
788 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 17:24:25.85 ID:jm5GTy300
―浮島の古城 踏破率[3/10] 持久力[9/10]

 暗い回廊「」

光クロシュ「……」トコトコ

妖精「……待って! 何か、高速でこっちに――」


雷の残像「」バリッ―

雷球「」バチチッ!!


光クロシュ「!!?」ババッ

妖精「びりびりだま!?」


 ――戦闘開始 雷球――


↓1コンマ
01-10 痛恨 持久力-4
11-40 劣勢 持久力-2
41-90 優勢
91-00 会心
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 17:25:06.02 ID:sOexDPUF0
790 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 17:37:09.61 ID:jm5GTy300
―浮島の古城 踏破率[3/10] 持久力[5/10]

 雷の残像「」パリッ

妖精「ら、雷速――」

 雷撃「」バリバリバリッ!!

クロシュ「〜〜!!」モニャニャニャニャ!! バチバチバチ!!!

妖精「ぎゃああああああ!!」バチバチバチ!!!


 プスプス…


焦げ妖精「うぅ……」プスプス

焦げクロシュ「んゅゅ……」プスプス


雷球「」バチバチ…


妖精(ま、まずい……殺される……逃げないと……)

妖精(で、でも……雷速で動ける相手から、一体どうやって逃げれば……)グルグル


↓1コンマ
01-10 痛恨 持久力-4
11-40 劣勢 持久力-2
41-90 優勢
91-00 会心
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 17:42:23.49 ID:XF3pyF9jo
792 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 17:58:04.36 ID:jm5GTy300
―浮島の古城 踏破率[3/10] 持久力[5/10]

 雷の残像「」パリッ

妖精「っ!! また――」

光クロシュ「んっ!!」ガシッ

クロシュに抱えられる妖精「えっ!?」


 光の残像「」パヒュンッ!!

 雷撃「」バリバリバリッ!!
 砕ける床「」ドガァンッ!!


光メイド剣士クロシュ「!」パヒュンッ!!
 光刃メイドブレード「」ヴンッ

雷球「!?」バチチッ!?

 ズバァッ!!

斬られた雷球「〜〜…!!」バチ…チ…!!

光メイド剣士クロシュ「……!」ジリッ…


妖精「あ、あわ……クロシュが私ごと光速移動で雷撃を避けて、剣で反撃したけど――」


雷球「……!!」バチバチ…!!


妖精「浅い……! でも、ダメージは確実に与えたみたい……!!」


光メイド剣士クロシュ「……」ジリリッ


↓1コンマ
01-10 痛恨 持久力-4
11-40 劣勢 持久力-2
41-90 勝利
91-00 会心
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 18:01:29.93 ID:beF3sfpDO
794 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 18:23:22.92 ID:jm5GTy300
―浮島の古城 踏破率[3/10] 持久力[5/10]

雷球「!!」カッ!!

 雷の残像「」パリッ
  雷の残像「」パリリッ
   雷の残像「」パリリリッ

妖精「う、うわああ!!! 雷速で私たちの周りを激しく移動してる……!?」

光メイド剣士クロシュ「んゅ……!」

 雷の残像「」パリリリッ

妖精「こ、これじゃあいつどこから襲ってくるかわかんないよ! 光速移動で逃げても、逃げた先を襲われたら……!!」

光メイド剣士クロシュ「……!!」ググッ


 雷の残像「」パリリリリッ!!

 カッ!!!
 全方位雷撃「」ババリバリバリッ!!!!


妖精「わああああああ!!!!!」

妖精「……あれ? なんとも――」


雷クロシュ「……」バチバチ…

妖精「えっ……クロシュ、その姿は――」

雷クロシュ「……」モニョモニョ…モグモグ…

妖精「ま、まさか――食べた――じゃなくて、吸収したの!?」


 雷の残像「」パリッ

雷クロシュ「!」ヌッ

雷球「!!?」バチチチッ!?

雷クロシュ「……妖精さんを、傷付けるのは……だめ……」

 バックンッ

雷スライムクロシュ「」モニョモニョ…モグモグ…


 ――戦闘終了――


 ☆戦いの中で雷スライムの欠片と同化し、雷化できるようになりました
 ☆雷球を食べました


↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-50 踏破率+3、壊れたゴーレム
51-90 踏破率+3、良いこと発生(自由安価)
91-00 踏破率+3、???
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 18:25:28.67 ID:wcmXIqSOO
796 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 18:28:21.25 ID:jm5GTy300
探索中に良いことがありました

↓1 良いこと(自由安価)
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 18:30:01.05 ID:sOexDPUF0
城に勝手に住んでる人発見
798 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 21:31:20.64 ID:jm5GTy300
―浮島の古城 踏破率[6/10] 持久力[4/10]

雷スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ありがとう、お疲れさま……。この土壇場で雷属性を身につけるなんて……すごいよ、クロシュ」

雷スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「それにしても……なんで雷雲の中でもない城内にびりびりだまがいたんだろ……? 流石の雲の中じゃないからか、あの時ほどの威力じゃなかったのが幸いだったけど……」


 ガタッ―


雷スライムクロシュ「!!」バチチ!!

妖精「! 誰かいる……!?」パタパタ


「……」


妖精「……何かが隠れ潜んでるみたい。クロシュ、あそこに遠隔攻撃できる?」

雷スライムクロシュ「!」モニョ!

 モニョモニョ…ビリビリ…バチバチ…


「うわうわうわ……暴力はんた〜い」ドタドタ


妖精「出てきたな……。クロシュ、ストップ。いつでも撃てるようにはしてて」パタパタ

雷スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ バチバチ


黒髪ロングの少女「いやほんとにやめてよぉ〜。敵意はないからぁ〜」ドタドタ

妖精「んん……? この感じ……悪魔!」

黒髪ロングの少女「はいはいそうです。回廊が騒がしいからちょっと覗きに来ただけだよぉ〜」

 *
799 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 21:31:48.95 ID:jm5GTy300

妖精「……ここに住み着いてるだけの無害な悪魔?」

黒髪ロングの少女→ベルトーネ「そうだよ〜。さっき見てたのだって、君たちが危なそうになったら助けてあげようと思ってただけなのに……」

クロシュ「わあ……」

妖精「……それならさっさと助けてくれても良かったんじゃないの?」

ベルトーネ「安易に助けたら成長できないでしょ〜。現に、そうしなかったお陰でその子は大きく成長できたわけだし〜」

妖精「まあ、それはそうだけど……」

ベルトーネ「それより、君たちこそ誰でどこから来たの〜? 私の覚えてる限り、この島にスライムはいなかったはず……」

クロシュ「えと……」

妖精「それは――」

 *

ベルトーネ「へえ〜……世界樹の光……。最近妙に雷球が増えてるのはそれだったのか〜……」

妖精「何か知ってるの?」

ベルトーネ「さあ? 雷霆の魔王がここの地下に封印されてることくらいしか知らないかな〜」

妖精「ええっ!? こ、ここの地下!?」

ベルトーネ「え、知らないで入ってきたんだ……。までも、封印もそろそろやばいのかもね〜……」

妖精「封印のことも知ってるの? じゃあ再封印とかは……」

ベルトーネ「無理無理。私術式知らないし、結界術とか苦手だもん〜」

妖精「あ、そう……」

ベルトーネ「ここであれこれ言っても仕方ないし、封印の場所まで連れてってあげる。あ、お代とかは取らないからご心配なく〜」

クロシュ「わあ……」

妖精「う〜ん……まあいいか。とりあえず付いてってみよう」

 ☆ベルトーネが一時的に仲間に加わりました

↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-50 踏破率+3、壊れたゴーレム
51-90 踏破率+3、良いこと発生(自由安価)
91-00 踏破率+3、???
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 21:32:36.48 ID:qF4vc5rS0
801 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 22:03:57.54 ID:jm5GTy300
―浮島の古城 踏破率[9/10] 持久力[3/10]

 地下への階段「」

 トコトコ パタパタ スタスタ

光クロシュ「……」ピカピカ

妖精「クロシュ、大丈夫? お腹は減ってない?」

光クロシュ「んゅ……減ってきたかも……」

ベルトーネ「雷球ってあんまりお腹の足しにならなかったり?」

光クロシュ「……かみなり……ごはんにするの、難しかった……」

妖精「あれからしばらく放電が止まらなかったもんね。いきなりあんな土壇場で雷の力を使ったんだから、もし変なとことかがあったらすぐに言うんだよ」

光クロシュ「うん」

ベルトーネ「スライムって凄いんだねぇ……。いや、クロシュちゃんが凄いだけかな〜これは」

 *

 地下の回廊「」

 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 人形の残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 人形の残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ

妖精「これは……ゴーレムと、人形……?」パタパタ

ベルトーネ「そう。雷霆の魔王を封印する為に、命を捨てて戦った者たちの……骸だねぇ……」スタスタ

クロシュ「えと……ここで、雷霆の魔王と……戦ったの……?」

ベルトーネ「封印から逃れようとする雷霆の魔王を、この地下から逃さない為に……。封印が完成されるまでの時間を稼いだ……って聞いてるよ〜」

妖精「あなたは何をしてたの?」

ベルトーネ「ちょっとお手伝い。ま、大したことはしてないけどね〜」

クロシュ「……」


 ゴトッ


クロシュ「!」

妖精「今音が……」

ベルトーネ「あー……中にはまだ生きてるのもいるのかもね〜……。当時のここのゴーレムって本当に頑丈だったから〜」

クロシュ「……」


↓1〜 先取2票
1.生きてそうなものを探してみる
2.先を急ぐ
0.自由安価(票数は内容ごと)
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 22:07:03.82 ID:wcmXIqSOO
0、また誰かの気配がしたので牽制攻撃してみる
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 22:09:06.38 ID:aG3901CH0
1
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 22:09:52.50 ID:w1dtvCufO
1
805 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 22:22:24.65 ID:jm5GTy300
クロシュ「……」

 デロデロ…モニョモニョ…
 ポポポポポンッ!!

分体ちびスライムクロシュたち「〜〜!」モニョニョ!

  ピョンピョンピョンピョン

ベルトーネ「わお! ちっちゃいスライムのクロシュちゃんがいっぱい跳んでった……!?」

クロシュ「ん……! 生きてるゴーレムさん……探す……!」

妖精「私も魔力の波長を探してみる」パタパタ

 *

↓1コンマ
01-25 レンガのゴーレム
26-50 大盾のゴーレム?
51-75 大剣のゴーレム
76-00 彷徨う鎧
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 22:23:01.11 ID:WILMPl0zo
おー
807 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 22:34:30.63 ID:jm5GTy300
分体ちびスライムクロシュ「〜〜!」モニョニョニョ! ピョンピョン!

クロシュ「あ、見つけたみたい……」トコトコ

ベルトーネ「どれどれ……」スタスタ

 砕けているレンガのゴーレム「」ピコン…ピコン…

妖精「微かだけど、魔力の波長がある……! まだ生きてる!」

クロシュ「……えと……どうすれば……直せる……?」

ベルトーネ「知らないよ〜。私魔導機械なんてさっぱりだもん〜」

クロシュ「んゅ……」

妖精「持って帰って、廃都の工房で見てもらえばなんとかなりそうだけど……クロシュ、持ち帰れる……?」

クロシュ「……が、がんばる……」

 デロデロ…モニョモニョ…

オオキイクロシュ「んゅゅ……」ズシン…

妖精「が、がんばって……!」

ベルトーネ「基幹部分だけ持ってけば……と思ったけど、どこがそうなのかもわかんないから何も言えないや……。がんばれ〜」


オオキイクロシュ(まだ、全部探せたわけじゃないから……。もっと探せば、生きてるゴーレムさんや人形さんがまだ見つかるかも……)

オオキイクロシュ(でも……今は……これ以上は、持てないかも……)


 ☆レンガのゴーレムを収納しました
  とても大きくて重いため、これ以上探すことはできなさそうです

 *

↓1コンマ
01-10 踏破率+3、強敵
11-90 踏破率+3、良いこと発生(自由安価)
91-00 踏破率+3、???
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 22:38:49.44 ID:sOexDPUF0
809 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 22:40:35.61 ID:jm5GTy300
最深部に到着する前に良いことがありました

↓1 自由安価 出来事
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 22:41:48.49 ID:wcmXIqSOO
別の探索者を発見
811 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 23:00:33.86 ID:jm5GTy300
 パタパタ スタスタ
 ズシン…ズシン…

妖精「!」ピタッ

ベルトーネ「……めんど。先手撃っちゃう〜?」

オオキイクロシュ「?」

妖精「いや……あなたみたいに友好的な相手かもしれないし……」

ベルトーネ「え、じゃあどうして私には攻撃しようとしたの〜……!?」

妖精「あ、あの時は戦いの直後だったし……」


 ザッザッザッ


ベルトーネ「うわうわ、来ちゃったじゃん〜! 友好的じゃなかったら妖精さん標本決定で〜す」

妖精「は、はあ!?」

オオキイクロシュ「」オロオロ


↓1現れた人物
01-30 青髪ロングの少女エルフ
31-60 黒髪ロングの天使
61-90 白髪天パの青年エルフ
91-92 レイン
93-94 ザイル
95-96 ブラッド
97-98 レイ
99-00 セイン
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/11/30(土) 23:01:17.90 ID:beF3sfpDO
813 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 23:39:22.67 ID:jm5GTy300
白髪天パの青年エルフ「……」スタスタ


妖精「エルフだ」

ベルトーネ「あー……これは攻撃しなくて良かったかな〜……」

オオキイクロシュ「?」

白髪天パの青年エルフ「お主……ベルトーネ!」

ベルトーネ「久しぶり〜……ジェミニのじいさん……ていうか生きてたの〜?」

ジェミニ「封印の前に説明したはずじゃが……。再封印の時が来るまで眠りに就くと……」

ベルトーネ「そういえば言ってたっけ〜……」

ジェミニ「しかし何があった? 儂の予測では、封印が綻ぶまであと二千年程度は猶予があったはずじゃ」

ベルトーネ「それはね〜……」

 *

ジェミニ「世界樹の光じゃと……!?」

ベルトーネ「そゆこと〜。こっちの妖精さんとスライムちゃんが、それの回収に来た地上人なんだって〜」

オオキイクロシュ「」ペコリ

妖精「……えーと……苦情なら、世界樹の果実を狙ってきた王国の奴らにお願い。あ、王国ってわかる?」

ジェミニ「いや。そちらも不測の事態に見舞われたのであろう。目的が一致しているのであれば、是非ともご協力願いたいところじゃ」

妖精「こっちこそ。雷霆の魔王が世界樹の光を手にしているのだとしたら、流石に私たちだけじゃ手に負えないし」

ジェミニ「うむ……であれば、まずは儂らと共に来て頂きたい。まずは封印の状況を確かめる必要がある」

妖精「だね。私も結界術は多少齧ってるけど、流石に一万年前のはちょっと自信がなかったから助かったよ」

 ☆エルフの魔法使いジェミニが一時的に仲間に加わりました

 *
814 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/11/30(土) 23:43:48.03 ID:jm5GTy300
というわけで本日はここまでとなります。次回、封印結界を見てみよう編からとなります。ボス戦闘とはならなそうです

お城を探索しつつ、雷スライムになって雷球を食べたり、悪魔のベルトーネさんとであったり、レンガのゴーレムを運ぶことになったり、見た目は青年中身はおじいさんのエルフ魔法使いジェミニ氏とであったりと、いつもとは様相の異なるダンジョン探索となっているようです。なおネタバレですが、この探索が終わると城内のマップが解放されて普段の自由行動でお城内を自由に歩き回ったり探索したりできるようになります

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 01:17:56.79 ID:SB2WfUdzo
おつおつ
燃費以外光クロシュ便利だな
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 07:33:24.87 ID:rTQYDYnno
おつ
格下相手なら捕食で倒せるのはスライムの特権だ
817 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 17:36:00.78 ID:ACgbJP1G0
光属性は攻守のバランスが良く、光速移動という最速移動方法も有する優秀な属性です。暗闇も照らせるので、一家に一人は光属性持ちがいると良いかもしれません
炎属性は攻撃性能に優れ、単純な破壊力で言えばとても強い優秀な属性です。暗闇もてらせますが、光源としての使用は光属性よりも燃費が悪いです。熱が放出されるので温かいのが利点となることもあるかもしれません。なおフメイ氏がやっているような爆発を利用した高速移動は、燃費がとても悪く制御も難しいので推奨されていません
雷属性は攻撃および速さに優れ、雷速移動という光速に準ずる移動方法を備える優秀な属性です。雷速移動は光速移動と異なり、煙や霧を貫いて移動することもできますが、光速移動よりもかなり燃費が悪いため、使いすぎるとすぐにお腹が減ってしまうと思われます。雷属性は強力ですが相応に燃費が悪い属性と言えるかもしれません

スライムは大体なんでも食べられる生き物なので、相手の強さや大きさ次第では簡単に食べてしまえる可能性があります。厄介なのは属性を有した相手ですが、最近のクロシュ氏は炎、光、雷といった多くのスライム類が苦手とする属性を身に着けつつあり、食べられないものも減ってきています。尋常な生き物からすれば後天的に属性を身に着けるのは卑怯に思えそうですが、ほとんどのスライム類は一生のうちにそのポテンシャルを輝かせることなく死んでしまうため、スライムをずるいと思う人はあまり多くないようです
818 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 17:38:39.64 ID:ACgbJP1G0
―浮島の古城 地下 踏破率[10/10] 持久力[2/10]

 パタパタ スタスタ スタスタ
 ズシン…ズシン…

ジェミニ「ここじゃ」ピタ

 大きな扉「」ゴゴゴゴゴ…

妖精「うっ……扉越しからでも伝わってくるプレッシャー……!」

ベルトーネ「開けなくてもわかる……封印かなり限界っぽそう……」

オオキイクロシュ「……」

ジェミニ「では開くぞ」

 大きな扉「」ギィィィィ――

 *

―地下空洞

 雷雲「」ゴロゴロゴロ…

 雷「」カッ!!


オオキイクロシュ「わ……!」

妖精「地下なのに雲の中みたいだ……!」

ジェミニ「みたい、ではなく実際に雷雲が発生しているようじゃ。しかしここまで漏出しているとは……」

ベルトーネ「だから城の中でも雷球がビュンビュン飛んでるんだねえ……」

ジェミニ「中心部に結界の入口があるはずじゃ。向かおうぞ」

 *

 封印結界「」ビビ…バチバチ…

妖精「あれが……封印の結界!」

ジェミニ「これは……思っていた以上に――」


「遅かったではないか……ジェミニ、ベルトーネ……」


ジェミニ「!」

ベルトーネ「あんたは――」

妖精「え、誰」

茶長髪眼鏡の青年の亡霊?「私はラティア王ロムリン――待ちわびていたぞ、君たちの帰還を――」

オオキイクロシュ「わあ……。透けてる……」

ジェミニ「ロムリン王……延命魔法で永らえていたのですか」

ロムリン「いかにも。私は君たちと違ってここを離れるわけにはいかなかったのだ。いかなる事態が起きようとも、私にはこの封印を維持し続ける責務がある」

ベルトーネ「いや、ロムリンって人間だよね……? 人間の自我は一万年って時間に耐えられないと思うんだけど〜……」

ロムリン「私の延命魔法を見くびらないで頂きたいものだね」

ベルトーネ「こわ……バケモノじゃん……」

ジェミニ「ロムリン王……不測の事態には儂が対応すると申し上げたはずです。王がこのような……無間地獄の如き年月に身をやつすことなど……」

ロムリン「セーフティはいくつあっても困るものではないだろう? それに私がいなければ、既にこの結界は破れていたのだよ」

ジェミニ「……面目次第もありませぬ。ベルトーネ共々、些か惰眠を貪りすぎておりました」

ベルトーネ「えっ、私は悪くなくない〜? だって結界の維持管理なんて契約外だし、むしろ未だに残ってやってるのはサビ残っていうか〜……」

ロムリン「謝罪の言葉は後でいくらでも聞こう。今はこの壊れかけている封印を直してくれたまえ」

 封印結界「」バチバチ…

ジェミニ「……」

妖精「えっと……これ、直せるの?」
819 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 17:39:15.08 ID:ACgbJP1G0

ジェミニ「……限りなく不可能に近い、と言わざるを得ませぬ」

ロムリン「なに……!?」

ジェミニ「封印の要石が溶解……いえ、蒸発しております。もう既にこの結界は消滅する寸前のようです。ロムリン王の延命魔法によって消滅までの時間を稼げてはおりますが……文字通り、時間の問題かと」

ベルトーネ「あーあ、ジェミニ爺さんが寝坊したせいで大変なことになっちゃった〜」

ロムリン「新しく結界を作り直すことはできないのかね?」

ジェミニ「材料が足りませぬ。要石が残っていればやりようはありましたが……」

ロムリン「では他の方法は?」

ジェミニ「残された時間から考えた場合、もはや封印から脱した直後で弱っている雷霆の魔王を迎え撃ち、討伐するしかありませぬ」

ロムリン「勝算はどれほどかね?」

ジェミニ「……ここにいる我々を全戦力と仮定した場合……1割に満たないかと」

ロムリン「……」

ベルトーネ「流石に勝率1割未満の負け戦なんて御免だし、サビ残もここまでかな〜……」

妖精「……」

ロムリン「であれば……君たちはこの島から脱出するが良い。過去の遺物と共に心中することはない」

ジェミニ「王よ……! しかしそれでは――」

ロムリン「民は……もう残っていないのだろう……? ならば無理に戦う必要などない……。雷霆の魔王を世界に解き放ってしまうのは口惜しいが、あの暴虐を1万年も足止めできたのであればそれも快挙と言えよう」

ジェミニ「……」

妖精「ちょ、ちょっと待って! それは困る……! 雷霆の魔王をどうにかしないと世界樹の光が……」

ロムリン「……世界樹の光? そもそも、君たちは誰なのかね?」

オオキイクロシュ「えと……」

 *

ロムリン「なるほど……突然魔王が活性化したのはそのような原因があったと……」

妖精「そう。ここで諦められちゃうとすごく困る。星の力を持った状態で雷霆の魔王が完全復活を果たしたら、どうしようもないことになるかもしれない」

ロムリン「この島の問題だけではないということか……」

妖精「……それにこの島にもまだ、何人かの人形と、国が滅んだ後に住み着いた空妖精たちが暮らしてるんだ。民とは言えないかもしれないけど……」

ロムリン「なに、そうなのか」

ベルトーネ「あ〜言わなきゃ良かったのに〜……。優しい優しい王様がそんなこと知ったら――」

ロムリン「前言を撤回する。まだこのラティアに住まう者がいるのなら、戦うしかあるまい……!」

ジェミニ「この老木も命を賭してお供致しますぞ……!」

ロムリン「この戦力での勝率が1割なら、その時までに少しでも多く戦力を拡充し勝率を引き上げよ……! 使えるものはなんでも使って構わん、勝て!」

ジェミニ「はっ!」

妖精「私たちにも他に仲間がいるし、1万年の間に魔法も発展した。勝率はもっとあるはずだよ、きっと」

オオキイクロシュ「ん……!」

ロムリン「君たちにも期待している。共に戦おう」

 ☆古城の地下でラティア王ロムリンと出会いました

 ◆

↓1コンマ 封印消滅まであと
01-30 6日
31-60 7日
61-90 8日
91-00 8日+??
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 17:43:56.89 ID:l7uvL7lEO
821 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 18:12:47.94 ID:ACgbJP1G0
―廃都 工房

砕けたレンガのゴーレム「」ピコン…ピコン…

クロシュ「えと……治せる……?」

工房人形「少々お待ちくださいね。これでしたら……はい、無事に治せそうです」

クロシュ「わあ……!」

工房人形「人工精核がほとんど無傷なのが幸いでした。ここまで丁寧に運んでいただき、ありがとうございます」ペコリ

クロシュ「ん……!」

工房人形「それでは修復作業に取り掛かりますので、少々お待ち下さいね――」

 ◇

 ガションガションガション―
 ジュウウウウウ――
 ポン!

レンガのゴーレム「……! ここは――」キョロキョロ

工房人形「修復完了です。体の調子はどうですか?」

レンガのゴーレム「……以前よりも駆動が軽くなっていマス」ズシンズシン

クロシュ「わああ……!」

工房人形「良かったです。記憶は残っていますか?」

レンガのゴーレム→ポーラー「ワタシは……ポーラー・ドロリッチ。宝物庫の番を務めておりマシタ。最期には、死兵として雷霆の魔王の足止めを行い、討ち死にした覚えがありマス……。ワタシは……ナゼ生きているのデスカ?」

工房人形「こちらのスライムさんが、砕けて機能停止していたあなたを、この工房まで運んでくれたのです」

クロシュ「んへへ……」

ポーラー「かたじけナイ。感謝致しマス、異国のスライムサマ」ギギギ ペコ

妖精「良かったねえ」


ベルトーネ「お〜、これは頑丈そうなゴーレムだねぇ〜」

ジェミニ「うむ……! この調子で戦力を拡充していきたいところじゃ!」

 ☆レンガゴーレムのポーラーが戦力に加わりました

 *
822 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 18:39:24.83 ID:ACgbJP1G0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 4日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
不死鳥の羽根

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風に[11/12](クロシュ)次回☆
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・飛行[3/8](イリス)
・魔法[6/8](イリス)
・剣技[3/4](ミスティ)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[3/16](エバンス)
・魔法[5/6](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:中庭、回廊、大広間、王族の私室、地下回廊、地下空洞、他
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
……………………………………………………………………………………
823 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 18:41:09.63 ID:ACgbJP1G0
―寂れた家 リビング

妖精「というわけで昨日も説明したけど、8日後くらいに封印が解けて雷霆の魔王が復活するから、それまでに対策と戦力拡充を図るよ!」

エバンス「……昨日も聞いたけど、本当に大丈夫なのか? 国一つを滅ぼすような魔王なんかに挑んで……」

妖精「……大丈夫か大丈夫じゃないかで言えば、間違いなく大丈夫じゃない。でも封印から脱した直後は弱体化しているはずだから、勝機はそこにしかないんだ」

イリス「世界樹の光を得た魔王……しかも史上最強と言われる……。確かに、時間をかけて完全復活されたら本当にどうしようもないことになりかねないんだ……」

妖精「そういうこと。弱っている内に叩いて倒す」

ローガン「フッ……世界の命運を賭けた戦いというわけか。面白くなってきたな」

エバンス「旦那……最近ノリが良すぎないか?」

ミスティ「まあ元々世界の命運を賭けた旅をしているのだから、やることはかわらないわね。立ちはだかる敵を倒す――シンプルで良いじゃない」

イリス「ミスティ、やっぱり脳き……」


クロシュ「……」ポケー

妖精「ん……? クロシュ、眠いの?」

クロシュ「……んーん……」

妖精「眠かったら無理しないで寝るんだよ? 昨日の戦いで疲れてるだろうし」

クロシュ「んへへ……だいじょうぶ……。顔、洗ってくる……!」

 *

―寂れた家 洗面所

クロシュ「……」パシャパシャ

人形「クロシュさま。おはようございます」ペコリ

クロシュ「ほえ……おはよ、人形さん……」

人形「お御髪がかわいらしく跳ねてらっしゃいます。よろしければお梳かしいたしましょうか?」

クロシュ「わあ……うん……!」

人形「それでは、失礼いたします……」スッ

 櫛「」サッサッ
 クロシュの髪「」サラサラ

クロシュ「〜〜♪」モニョモニョ


人形「……小耳に挟んだのですが……雷霆の魔王が復活するというのは、本当なのでしょうか……」

クロシュ「ほえ……。えと……うん……」

人形「……そうであれば……わたしも、向かわなければなりません」

クロシュ「……?」

人形「わたしがいなくなっても、この家と備品はご自由にお使い頂いて構いません。あ、でも……皆さまが使われている寝室は……できれば、そのままの形を保っていただけると……」

クロシュ「……」

人形「……申し訳ありません、手が止まっておりました。再開いたします……」

 櫛「」サッサッ
 クロシュの髪「」サラサラ

クロシュ「……」モニョ…


浮島国滞在4日目です。12日目に封印が消滅します
↓1〜3 自由安価 何をする?
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 18:41:58.88 ID:XNoZgmAX0
城で他に協力してくれそうな人がいないか探してみる
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 18:43:32.18 ID:VIy4BFdB0
飛行練習
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 18:44:14.15 ID:pynAtTADO
城を探索
その途中で大盾のゴーレム?と遭遇
827 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 20:16:23.49 ID:ACgbJP1G0
―寂れた家 庭

風船クロシュ「〜〜」フヨフヨ モニョモニョ

空妖精A「わあ〜クロシュちゃんすご〜い!」パタパタ

空妖精B「これがスライムの……擬態能力……」パタパタ


妖精「風船スライムになるのはすっかり慣れたんだねえ」パタパタ

風船クロシュ「〜〜」モニョニョ フヨフヨ

妖精「そういえば、風になる練習はもういいの? 前はけっこう良いとこまでいってた気がするけど」

風船クロシュ「!」モニョ!

妖精「うん。見ててあげるから、やってみなよ」

風船クロシュ「〜〜!」モニョニョ!

 デロデロ…モニョモニョ…
 ヒュオッ

風クロシュ「」ヒュルヒュル

妖精「わっ……! クロシュ、もしかして――」パタパタ

空妖精A「わわあ!? クロシュちゃん、風になれるの!?」パタパタ

空妖精B「すごい……気体にも擬態できるんだ……」パタパタ

風クロシュ「」ヒュルル

妖精「すごい……風でありながら霧散せずに一定の形を保ってる……! 風の精霊みたいだ……!」


風クロシュ「」ヒュルッ

 ヒュオオオオオッ

空妖精A「きゃ〜!」キャッキャ

空妖精B「んっ……きもちい、風……」パタパタ

 ☆クロさんとの交流や大魔女帝国での経験により、会心成功しました
 ☆クロシュが風になれるようになりました

 ◆
828 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 20:16:51.11 ID:ACgbJP1G0
―古城 回廊

ミスティ「昨日クロシュと妖精が探索したお城……」スタスタ

イリス「明かりを点けるね」スッ

 ポン!
 光の玉「」ピカピカ

エバンス「おお、明るいな」

イリス「照明には光魔法が一番ですからね」

ローガン「複数属性使えるというのは本当に強いな」

ベルトーネ「ほんと昨日のクロシュちゃんといいズルすぎない〜?」ヒョコ

イリス「うわあ!?」

ローガン「何奴!?」シャキン!

ジェミニ「儂らはこの城に縁のある者じゃ。お主らはクロシュ殿らの仲間じゃろう?」

エバンス「……てことは、あんたらが悪魔のベルトーネとエルフの賢者ジェミニか?」

ジェミニ「いかにも。お主らのことは妖精殿から聞いておる」

 *

ベルトーネ「なるほど〜。地下の戦場跡で戦力を増やそうと……」

ジェミニ「うむ……であれば是非とも頼もう。儂はこの怠惰悪魔から1万年分の歴史を引き出さねばならぬゆえ手伝えぬが、必要があれば上階の方に来て頂きたい」

ローガン「感謝する。それでは向かわせてもらおう」

ベルトーネ「私の記憶なんて、1万年くらいずっと部屋でゴロゴロしてたくらいしかないんだけどね〜」

 *

―古城 地下回廊

 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 人形の残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 人形の残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ

イリス「うっ……」

ミスティ「これは……ちょっと、きついわね……」

エバンス「……どうやって見分けりゃ良いんだ? 生きてるかどうかを」

イリス「生きていれば魔力の波長が微かに出ているとのことなので、意識を集中すれば……」

エバンス「う、苦手なやつだ……」

ミスティ「世界の命運がかかっているんだもの、頑張りましょう」

ローガン「……シッ! 何者かがこちらに近付いてくる」

イリス「!?」
ミスティ「!?」
エバンス「……」スッ

 スタスタ…

↓1コンマ 出てきた人
01-40 青髪ロングの少女エルフ
41-80 黒髪ロングの天使
81-84 レイン
85-88 ザイル
89-92 ブラッド
93-96 レイ
97-00 セイン
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/12/01(日) 20:23:27.72 ID:HdVFh8nXO
ほい
830 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 21:02:50.08 ID:ACgbJP1G0
黒髪ロングの天使「ちょっと良いですか? そこの方々」スタスタ
 黒い翼「」バサッ
 白い翼「」バサッ

イリス「……!!?」

ローガン「あれは――」

エバンス「お、おいあれって――」

ミスティ「白黒の……ハーピィ? 変わった色ね」

黒髪ロングの天使「いやハーピィじゃなくて天使ですけど」

 *

ミスティ「へえ、天使って実在したのね」

黒髪ロングの天使→ヒナ「下界の方々が思っているのとは少し違うと思いますけどね。まあちょっと法則の異なる生き物だと思っていただければ」

イリス「てて、天使って……やっぱりロイエ教なんですか!?」

エバンス「いや、その質問は失礼な上に意味がわからないと思うぞ……」

ヒナ「ロイエ教……確か私たち天使を格付けした宗教でしたっけ? 私は下っ端だったんでその辺のことはよくわからないですね。まあ現在の天界が下界の宗教の在り方に口を出すことは多分ないのでご心配なく」

ローガン「聞いてはいけないことを聞いてしまっている気分だ……」

ヒナ「あ、確かに今のは言っちゃいけないことだったかも」

イリス「う、うーん……天界のこととかものすごく聞いてみたいけど……」

ヒナ「ごめんなさい、ちょっとこれ以上は言えないかもです。堕天使の身ではありますけど、コンプライアンス違反になっちゃうので」

エバンス「堕天使」

ヒナ「あ、やば……堕天使っていうのも聞かなかったことにしてくれます……?」

ローガン「う、うむ……天界が意外と世知辛い場所だというのはわかった」

 *

ヒナ「まあそういうわけでして、この辺りから濃厚な混沌の香りがしたんですよ。でも来てみたら既に戦場跡……一体どういうことだ、と憤りながら散歩してたってわけです」

エバンス「わけがわからないが……」

イリス「ええと……つまり、ヒナさんは混沌が好きってことですか……?」

ヒナ「正確に言えば、血湧き肉躍る戦ですね。混沌あるところ戦あり、というわけでもし血で血を洗う争いが勃発しているなら殴り込んでやろうかと思いまして。まあアテは外れたんですけど」

ミスティ「ええ……狂っているわ……」

ヒナ「やだな、正気ですよ。武芸は天使の嗜みなので、ちょっとした腕試しです」

エバンス「腕試し感覚で殺し合いに殴り込むのか……」

ローガン「う、うむ……まあ価値観の違いだろう。しかしヒナ殿、あなたの認識には少々誤りがあるようだ」

ヒナ「え、誤り?」

ローガン「うむ。この戦場跡は1万年前のものだそうだが……これから約8日後、この地に封印されている雷霆の魔王が復活するそうだ」

ヒナ「えっ雷霆の魔王!? ……って何ですか?」

ローガン「……この星において、史上最強と名高い恐るべき存在だ。もし戦いがお好きなのであれば、その雷霆の魔王と世界の命運を賭けた戦に参加してみるのも一興ではないだろうか?」

ヒナ「史上最強の存在と世界の命運を賭けた戦……! とてもわくわくしてきます、そういうの! 是非参加させていただきますよ!」

ローガン「うむ。であれば、この城の上階にエルフの魔法使いと悪魔が作戦会議をしている。彼らにその旨を伝えてくるのが良いだろう」

ヒナ「了解です!」

 光の残像「」パヒュンッ

イリス「当たり前のように光速移動してった……」

ミスティ「最近光速移動安売りしすぎじゃないかしら……」

 ☆堕天使のヒナが戦力に加わりました

 *
831 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 21:48:53.75 ID:ACgbJP1G0
―古城 地下回廊

イリス「それじゃあ気を取り直して……生きているゴーレムさんを探そう!」

エバンス「おう! 気合入れるぞ!」

ミスティ「集中するわ……」

ローガン「私の場合は金属の鳴動を感知――」

 ズッズズッ

ローガン「するまでもなく、聞こえるこの音は……」

イリス「て、照らしてみます」スッ

 光の玉「」ピカッ


這いずる大盾「」ズッズッ


イリス「で、で……出たぁぁぁぁ!!?!?」ガクガク

這いずる大盾「」ビクッ!


ミスティ「……あっちの盾の方もびっくりしてない……?」

エバンス「お、おお……そう見えるな……」

ローガン「うむ……近付いてみよう。生きたゴーレムかもしれぬ」スタスタ


縮こまる大盾「」ビクビク


ミスティ「亀みたいに縮こまっているわ……」

ローガン「意思を持って動く存在なのは間違いなさそうだ。なんとか対話できないだろうか」

イリス「わ、私……話しかけてみます! 私が驚かせちゃったかもしれませんし……」

エバンス「まあこの中じゃイリスちゃんが適任かもな。頼んだぜ」

 *
832 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 21:49:29.47 ID:ACgbJP1G0

縮こまる大盾「」ビクビク

イリス「え、えっと……さっきは大きな声を出してごめんね。私たちも、動いている盾を見たらびっくりしちゃって……」

縮こまる大盾「」

イリス「あなたは……ゴーレムさん?」

縮こまる大盾「…………い、いいえ……。わたしは……ゴーレムじゃ、ない、です……」

イリス「えっ! ゴーレムじゃないの!? じゃあ……自然に生きる大盾……!?」

縮こまる大盾「そ、それも……違くて……。わたし、は……」

 モゾモゾ…

緑髪ロング三つ編みの女の子「ゆ……幽霊、です……」スッ

イリス「…………!! ……!!!!」グググググ


イリス(だ、だめだ……悲鳴を上げちゃ……。ここでびっくりしたら……また、この子が縮こまっちゃう……耐えろ、イリス……!!!!)ググググ


イリス「ゆ、ゆゆ……幽霊、なんだ……!! そう、なんだ……!!」

緑髪ロング三つ編みの女の子「うん……。お姉さん、は……?」

イリス「わ、わた……私は……に、人間だよ……! 人間の……イリス・プラネットだよ……!!!」

緑髪ロング三つ編みの女の子→セイラ「あ……えっと、わたしは……セイラ、です」

イリス「せ、セイラちゃんってゆーんだ!! かわいい名前だねえ!!!!」

セイラ「……イリスさんは……どこから、来たんですか……?」

イリス「私は地上から来たんだよ!!!!」

セイラ「ちじょう……?」


ミスティ「見てられないわ……。こんにちは」スッ

セイラ「わ……!?」ビクッ

イリス「みみ、ミスティ!!」ジワワ

ミスティ「イリスの友達のミスティよ。あなたは……セイラちゃんで良いのよね?」

セイラ「あ、はい……」

 *
833 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 21:51:18.79 ID:ACgbJP1G0
ミスティ「なるほど……気がついたらこの城にいて、盾に守られていたと……」

セイラ「はい……」

 セイラを守る大盾「」フヨフヨ

イリス「……この盾の方は、セイラちゃんを守るっていう使命を帯びたゴーレムなのかも。ゴーレムのことについて何も知らないから、推測の域を出ないけど……」

セイラ「ゴーレム……」

ミスティ「何にしても、こんな暗いところにいる必要はないわ。私たちと一緒に外へ出ましょう」

セイラ「えっ……そ、外に……? でも……」

ミスティ「……? 出られないの?」

セイラ「そうじゃ……ない、ですけど……。外は……危ないから、出るなって……」

ミスティ「……? そう言われたの……?」

セイラ「はい……! えっと……あれ……? 誰に……言われたんだっけ……」

イリス「……セイラちゃん。今このお城には、とっても危険なびりびりだまがビュンビュン飛んでるんだよ。外よりも、このお城の中の方が危ないよ」

セイラ「あっ……雷の、玉なら……この盾が、守ってくれるから……こわく、ないです……」

イリス「ええ」

ミスティ「嘘でしょ」

セイラ「え、えと……」

イリス「ま、まあとりあえず外に出ようよ! 私たちが一緒だし、その大盾が一緒なら大丈夫だよ!」

セイラ「……お外に出ても……守って、くれる……?」

 セイラを守る大盾「」フヨフヨ

セイラ「……うん。わかった……じゃあ、お外……出る……」


ミスティ(今、会話したのかしら? 盾と)

イリス(そうなのかも……? まあほら……私も小さい頃は、ぬいぐるみと会話したし……)

ミスティ(そういうアレなのかしら……)

 ☆自称幽霊のセイラを保護しました

 ◆
834 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 22:44:32.36 ID:ACgbJP1G0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 5日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
不死鳥の羽根

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・飛行[3/8](イリス)
・魔法[6/8](イリス)
・剣技[3/4](ミスティ)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[3/16](エバンス)
・魔法[5/6](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:中庭、回廊、大広間、王族の私室、地下回廊、地下空洞、他
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
……………………………………………………………………………………
835 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 22:46:07.11 ID:ACgbJP1G0
―工房

セイラ「……?」

セイラを守る大盾「」フヨフヨ

工房人形「この大盾は、当時この国で量産されていた自律移動式盾型ゴーレム……当時は大盾とかオオキイシールドと呼ばれていたものですね」

イリス「盾型ゴーレム……それなら、この大盾のゴーレムさんとお話できればこの子のことも知れるんじゃないですか?」

工房人形「……大盾には会話機能が付いておらず、思考や記憶力も警護や防衛を行うために最適化されているため、意思疎通を図るのは困難です。また、防衛上の都合により強固なプロテクトがかけられているため、権利者以外が外部からアクセスすることも不可能です」

ミスティ「つまり……ゴーレムということ以外は何もわからないということ?」

工房人形「それと、セイラ様を守るよう命じられていることくらいでしょうか」

 *

セイラ「……わたしたちのこと、話してるみたい……」

セイラを守る大盾「」フヨフヨ

セイラ「うん……お外、眩しい……」


浮島国滞在5日目です。12日目に封印が消滅します
↓1〜3 自由安価 何をする?
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 22:46:13.50 ID:BImO8XJx0
城の宝物庫を探索
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 22:46:48.92 ID:l7uvL7lEO
エバンス、ヒナと模擬戦
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 22:54:09.57 ID:LAGbPjOdo
雷霆の魔王戦に備えて封印に関わった人達から当時の話を聞き出す
839 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 23:29:37.21 ID:ACgbJP1G0
―古城 回廊

ポーラー「こちらデス」ズシンズシン

妖精「……私たちみたいな流れ者を宝物庫に連れてって良いの?」

ポーラー「問題ありまセン。ラティア王ロムリンサマの許可は得ておりマス。魔王討伐の為……そしテ、クロシュサマへのお礼デス」

クロシュ「……」

ポーラー「着きましタ」

 扉「」ギィィィィ――


 宝箱「」キラキラ
 金銀財宝「」キラキラ
 金貨の山「」キラキラ
 きれいな宝石「」キラキラ
 美しい装飾盾「」キラキラ
 台座に刺さった大剣「」ゴゴゴゴ…


クロシュ「わ、わわ……!?」

妖精「こ、これは……!!」

ポーラー「どうゾ、お受けとりくださいマセ。我々にはもう必要のないものゆえ、遠慮せず持っていけ――と、ロムリンサマから言付かっておりマス」

妖精「い、いやいやいや! だからってこんなの、受け取れないよ! 大体持ち逃げしちゃったらどうするの!」

ポーラー「持ち逃げするようなお方ではありまセン」

妖精「た、高く買ってくれるのは嬉しいけどさあ……。うーん……じゃあ、雷霆の魔王を無事に討伐できたらもらうよ。何も成していないのに報酬だけもらうなんてのは気分悪いもん」

ポーラー「かしこまりまシタ。それでは……朽ちるしかなかったワタシに、無念を晴らす機会を与えてくださったクロシュサマへのお礼は、全てが終わった時にマタ……」

クロシュ「うん……」


「お待ちを! せめて私だけでも持っていきませぬか、お二方!」


クロシュ「!?」

妖精「い、今の声……どこから!?」

台座に刺さった大剣「ポーラーよ、二人を説得してくれ。私は戦えるのだ。しかしこんなところに刺さったままでは、何も守れぬ……。ポーラーよ、頼む。私は戦えるのだ……」

ポーラー「先パイ……」

妖精「剣が、喋ってる……!? それに、先輩って――」

台座に刺さった大剣「私は、かつてゴーレムの一体でした。しかし以前の戦いで深手を負い、無理を言って大剣として打ち直して頂いたのです。しかし肝心の雷霆の魔王との戦では、宝物庫に刺さった私などを抜き放つ暇もなく……私がここで口惜しく軋んでいる間に、全ては終わってしまった……」

妖精「そ、そうなんだ……」

台座に刺さった大剣「今、再び雷霆の魔王の復活が迫っていることは、既に聞き及んでおります。今度こそ私は、この国を守る為に戦いたい。戦わせて頂きたいのです。旅の二人よ、どうか私を抜き放ってくださいませぬか――」

妖精「そうは言っても……私は妖精だし、クロシュにとっても大きすぎるしなあ……」

クロシュ「……大きくなれば、持てるかも……」

妖精「そういえば大きくなれるんだった」


↓1〜 先取2票 どうしよう?
1.クロシュが持つ
2.持ち帰り、エバンスに持ってもらう
3.持ち帰り、ローガンに持ってもらう
4.ポーラーに持ってもらう
0.自由安価(票数は内容ごと)
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 23:31:35.21 ID:9dcBD1tP0
4
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/01(日) 23:38:09.62 ID:pynAtTADO
4
842 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 23:55:30.64 ID:ACgbJP1G0
クロシュ「!」ピコン!

ポーラー「?」

クロシュ「ポーラーさんが……持てば、いいと思う……!」

ポーラー「!」

台座に刺さった大剣「!?」

ポーラー「かしこまりまシタ」ズシンズシン

台座に刺さった大剣「確かに、ポーラーの力であれば私の力を最大限に発揮できる……というか武器の相性で言えば確かにポーラーが最適かもしれませぬが……。なんというかそれは、ちょっと違うというか……」

妖精「んん? 最適なら良いんじゃないの?」

台座に刺さった大剣「いや、そうなのですが……同業の後輩に使われるというのはロマンがなさすぎるというか……」

ポーラー「大丈夫デス。ワタシが先パイを全力で振り回しマス」ズシンズシン

 ガシッ!
 グググ…シャッ!!

掲げられた大剣→ゴライアス「おお……いえ、問題ありませぬ! 頼むぞポーラー、私を使って雷霆の魔王に一泡吹かせてくれ!!」キラキラ

ポーラー「かしこまりまシタ。ゴライアス先パイ」

クロシュ「わあ……!」

妖精「うんうん、ゴーレムの大剣ならゴーレムが持つのが一番だね」

 ☆ポーラーが大剣ゴライアス先輩を装備しました

 ◆
843 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/01(日) 23:56:10.57 ID:ACgbJP1G0
というわけで本日はここまでとなります。次回はエバンスくんが狂い堕天使の遊び相手に選ばれてしまう編、雷霆の魔王封印について聞き込み編からとなります

ラティア王ロムリン氏と出会い、雷霆の魔王の復活が迫っている真実を聞かされたクロシュ一行でした。猶予は8日……その日までにクロシュたちは戦力を整え、魔王対策を万全に備えられるのか。今後の活躍が期待されます
ポーラー氏復活や、堕天使のヒナ氏の加入、謎の少女セイラちゃんの保護、ゴライアス先輩の発見など、少しづつ歩みを進めているようです。城の中や外、地下など、いろいろな場所を探索したり、出会った人々と交流を深めたりすれば、さらなる発見や良いことがあるかもしれません。クロシュ氏の今後の活躍にご期待ください

それでは本日もありがとうございました。次回の土日もよろしくお願いいたします
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/02(月) 10:57:46.62 ID:lg6ZmiAzo
おつおつ
出来るだけ沢山に協力要請したほうがいいのよね…シノホシ面子もコンマ表でちらちら見えてるのでいるって考えていいのだろうか
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/02(月) 13:38:12.58 ID:VBc6983po
おつ
最大猶予貰えたのは運が良かった
今までで一番強い相手だし入念に準備だ
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 02:44:56.34 ID:309hM5Wz0
ポーラーがゴライアス先輩を装備できるという事は大盾のセイラと合体もしくは大盾を貸して装備すれば完全武装ポーラーができそう。
847 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 15:38:11.80 ID:UzFu06IQ0
コンマ表にいる人は、この島に来ている可能性のある人のようです。実際に来ているかどうかはコンマ次第となります。いずれにしても今回の戦いの相手は強大で恐ろしい雷霆の魔王なので、共闘できるなら共闘できる人は多いほど良いでしょう

魔王復活までの猶予はまだあるので、着実に準備を進めていくのが良いと思われます。できることは多いので、いろいろなことをやるのが良いでしょう。史上最強と言われる相手ですが、復活直後はたぶん弱っているので付け入る隙はあると思われます

ゴライアス先輩はとても大きな剣であり、セイラちゃんの大盾もとても大きな盾なので、大きなゴーレムであるポーラー氏が装備すると実際丁度良い大きさかもしれません。ただ、今のところセイラちゃんの大盾はセイラちゃん以外を守る気がなさそうなので、ポーラー氏に装備してもらうのは難しいかもしれません。彼が何を考えてセイラちゃんを守っているのか、その理由は闇に包まれています
848 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 15:38:39.07 ID:UzFu06IQ0
―古城 会議室

 黒板「」コンコン

ジェミニ「旅の一行が来る前に我々は前回の戦について復習しておこう。ヒナ殿は雷霆の魔王と戦うのは初めてとなるじゃろうからよく聞いておくよう――」

ヒナ「ふわぁ……え? 何の話でしたっけ?」

ジェミニ「……」

ベルトーネ「疲れたし帰って良い〜?」

ジェミニ「…………」


 ガラッ

ローガン「お待たせした」スタスタ

エバンス「来たぜ」スタスタ

イリス「ど、どうも」スタスタ

ミスティ「私たちも聞かせてもらうわ」スタスタ


ヒナ「お、昨日の人たち」

ジェミニ「来たか、旅の者たちよ」

 *

ジェミニ「皆席に着いたようじゃな。それでは改めて、前回の戦について――」

ヒナ「御託を並べるより実戦形式で殺り合った方が効率良くないですか?」

イリス「ええ……」

ベルトーネ「何言ってんだこいつ……」

ヒナ「それに各自の力量を知っておいた方が作戦も立てやすくなりますよね? 今すぐ殺し合うべきです!」

ミスティ「殺し合うって言ったわ……この堕天使……」

ジェミニ「……動機はともかく、各自の力量は知っておかなければならぬ。が、本日は戦の訓練を行うという名目でここに集まってもらったわけではない……。戦いの準備ができていない者が多数じゃろう」

ヒナ「ええ? そんなことないですよね皆さん? 戦の心構えはいつでもできてますよね? 常在戦場ですよね?」


イリス「……」メソラシ
ミスティ「……」メソラシ
ローガン「……」メソラシ
ベルトーネ「……」ネタフリ

エバンス「……ま、まあ……できてないこともないが……」

ローガン(エバンスくん! 殺し合いを望む者の誘いだぞ!)

エバンス(あ、やべ……)


ヒナ「ほらー♪ あなた、エバンスくんって言いましたっけ? 他の軟弱者たちと違って見所のある若者ですね!」ニコニコ

エバンス「お、おう……」

ヒナ「それじゃあ私とエバンスくんは課外授業に行って参りますので、軟弱者の皆さんは座学に励んでいると良いですよ!」

 エバンスの腕を掴むヒナの手「」ガシッ!!!!

エバンス(いッ!? な、なんて力だよこの女!!?)

ヒナ「それじゃあ行きましょうエバンスくん!」ニコニコ

エバンス「ちょ、待っ……」ズルズル…

 ガラッ バタムッ


ベルトーネ「あーあ……。力量云々なんてのは建前で、あれは殺し合いがしたいだけの狂い堕天使だねぇ」

イリス「だ、大丈夫なんでしょうか……」

ジェミニ「儂が力量を知りたいと言ったのは建前ではない。今は彼らを観察させてもらうとしよう」

 *
849 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 15:39:27.30 ID:UzFu06IQ0
―古城 中庭

ヒナ「さて、武器は持ちましたか?」

エバンス「……おう。いつでも良いぜ」スッ

エバンス(相手の出方がわからん以上、まずは剣で様子を見るか……)
 魔銀の剣「」シャキン

ヒナ「それじゃあ行きますよ。簡単に終わらないでくださいね?」ニコッ
 光の剣「」ヴン


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-75 敗北 剣経験+1
76-90 引分 剣経験+2、魔法経験+1
91-00 勝利 剣経験+4、魔法経験+2
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 15:41:28.80 ID:Zo7aYzk90
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 16:04:24.74 ID:qxwByAkto
ヒューやるぅ
852 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 17:12:35.66 ID:UzFu06IQ0
ヒナ「」パヒュンッ

エバンス(いきなり光速移動か!)バッ

 ガギンッ!

 魔銀の剣「」ギギギ
 光の剣「」バヂヂ…!

ヒナ「光速移動はもう知ってるって顔ですね?」

エバンス「ああ、何度も見てる」

 突然隆起する地面「」ドゴッ!

ヒナ「おっと! 剣技一辺倒と見せかけて魔法も使えるんですね!」サッ

エバンス「パーティで戦う時は使う必要があんまないけどな!」

ヒナ「それでは私も魔法を織り交ぜましょうか――」スッ

 雷「」カッ!!

エバンス「!?」サッ

 ドガァンッ!!

 雷雲「」ゴロゴロ…

エバンス「おいおい……マジかよ」

ヒナ「この地は雷雲が豊富ですからね」



ミスティ「雷雲を呼び寄せて……雷を落とした……?」

ジェミニ「ほう、天候操作か」

イリス「天候操作……!」

ベルトーネ「ふ〜ん……天候系なんだ、あの駄天使……」
853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 17:13:01.86 ID:UzFu06IQ0
 ガギンッ!! ドガガッ!!
  バヂヂヂッ!! ドゴォンッ!!

ヒナ「あっはっは! 人間にしてはやりますね!!」

エバンス「ハア、ハア……! 本気で殺す気だろアンタ!!」

ヒナ「当然でしょ!」


エバンス(くそっ、地力では完全にあっちが上だ……! 剣技は若干俺の方が上だが、他のあらゆる要素で上回られてやがる……!)

ヒナ「戦闘中に考え事ですか? 余裕ですね!」シャッ!

エバンス「どうやって勝つか考えてんだよ!!」ガギンッ!

ヒナ「あはははっ、考える暇があったら手を動かせっ!!」

 雷「」カッ!!

エバンス「うおおおおっ!!」

 ドッギャァァァァアン!!!!



イリス「あああああ!!!? エバンスさんが雷に撃たれてバラバラに砕けた!!?!??」

ローガン「いや、待て……!! あれは――」


 エバンスの形をしていた土塊「」バラバラ


ヒナ「身代わり! 本人はどこに――」キョロキョロ

 ヒナの足元の地面「」グググ
地面から顔を出したエバンス「モグラ戦法だ!!」ボゴンッ!

 ヒナのスカートの中「」ヒラヒラ

エバンス「あっ……」

ヒナ「……やるじゃないですか。私のスカートを覗くなんて//」

エバンス「い、いや……そういう意図があったわけでは……」

 雷「」カッ!!!!
 ドッギャァァァァアン!!!!


イリス「ふ、二人まとめて雷に……」

ミスティ「……今のはエバンスが悪いと思うわ」

ベルトーネ「でも喧嘩吹っかけたのはあの駄天使だし、不可抗力じゃない〜?」ニヤニヤ

ローガン「う、うむ……。殺し合いの最中に隙を見せる方が悪い、と言える。ヒナ殿にも、エバンスくんも……」

ジェミニ「……じゃが、これであの二人の力量については概ね理解できた。他の者たちも、折を見て実力を見せてもらうとしよう」

 ☆堕天使のヒナとの模擬戦で引き分けました
 ☆エバンスが剣技経験+2、魔法経験+1を獲得しました

 ◆
854 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 17:53:16.08 ID:UzFu06IQ0
―古城 会議室

 黒板「」カン!

ジェミニ「……改めて、前回の戦いについての情報共有および作戦会議を行う」

イリス「はい!」

ミスティ「……魔法学園の講義を思い出すわ……」

ジェミニ「まず雷霆の魔王の攻撃じゃが、一度でも受ければ死は免れられぬ。これは人であろうとゴーレムであろうと例外なしじゃ」

ローガン「……一万年前は、どのように対処したのだろうか?」

ジェミニ「盾や装甲にゴム等の絶縁体を加え、さらに雷耐性コーティングを施したのじゃ。眷属程度の雷であればそれで防ぐことができたのじゃが……魔王の雷はせいぜい数回しか防げなかった」

ミスティ「数回……。まあ、ないよりは遥かにマシではあるのでしょうけれど……」

ベルトーネ「この戦力で同じ装備だったら敗北確定だと思うよ〜。前回は数の力で押し切った感あるし〜」

ジェミニ「……ベルトーネの言う通りじゃろう。あの雷に対して何らかの新たな対策を講じない限り、勝算はないに等しい」

イリス「雷対策……」


雷対策どうしよう?
↓1〜 先取2票
1.絶縁体と雷耐性の強化(雷耐性↑:イリス案)
2.殺られる前に殺る(速攻↑:ミスティ案)
3.避雷針の大量配置(雷回避↑:ローガン案)
0.自由安価(票数は内容ごと)
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 17:57:28.95 ID:qxwByAkto
3
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 18:03:48.67 ID:lTHfXPrjO
1
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 18:15:33.70 ID:/vuCyovYo
3
858 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 18:53:59.85 ID:UzFu06IQ0
ローガン「雷を受けられないなら、雷が当たらないようにするのはどうだろうか」

ベルトーネ「どゆこと?」

ローガン「避雷針を配置するなどして魔王の雷撃がそちらへ逸れるようにする、ということだ」

ジェミニ「なるほど……。彼奴の強烈な雷に対しては、正面から受けるよりも当たらないようにする工夫が有効かもしれぬ」

イリス「……そうか! 絶縁体は限界を超える電圧がかかると壊れて電気が通るようになっちゃいますけど、最初から電気を通しやすい金属なら……!」

ジェミニ「しかし懸念点もある……。避雷針は雷を引き寄せるが、全ての雷が絶対的に避雷針へ向かうとは言い切れん。また、雷霆の魔王自身が纏う雷に対しては無力じゃろう……」

ベルトーネ「逆に言えば、雷霆の魔王が纏わない雷には有効な可能性が高いってことでしょ〜? 魔王の全方位雷撃を封じられるだけでもものすごく有用じゃない〜?」

ジェミニ「うむ……。奴の全方位雷撃は、最も多くの命を奪った恐るべき技じゃ……。しかし避雷針によって雷の方向を誘導すれば被害を最小限に抑えられるかもしれぬ」



ミスティ「雷の性質なんて全然知らないから、話の内容が全然理解できないわ……。避雷針って雷を引き寄せるの……? 雷を避けるんじゃなくて……?」

イリス「避雷針って名前だけ聞くと勘違いしちゃうけど、避雷針っていうのは雷を引き寄せる設備なんだよ。今回の戦いで言えば、囮みたいな感じかな?」

ミスティ「あ、そういうこと。避雷針に雷を向かわせて、その間に安全な私たちで魔王を叩くということね」

イリス「そういうこと!」

ローガン「うむ。さらに言えば、雷は金属に向かう性質がある。特に方向を指定しない全方位雷撃などであれば、金属でできた避雷針へ向かう可能性が高いというわけだ」

ミスティ「理解したわ。だから鋼属性のローガンさんが提案したのね」

ローガン「まあ……そうかもしれん」

 ☆地下空洞に避雷針LV1が設置されます

 ※この世界の電気は金属に向かう性質があります

 ◆
859 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 19:56:33.23 ID:UzFu06IQ0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 6日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
不死鳥の羽根

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・飛行[3/8](イリス)
・魔法[6/8](イリス)
・剣技[3/4](ミスティ)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[5/16](エバンス)
・魔法[6/6](エバンス)LVUP
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:中庭、回廊、大広間、王族の私室、地下回廊、地下空洞、他
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
……………………………………………………………………………………
860 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 19:57:41.38 ID:UzFu06IQ0
―早朝
 近隣の森

 チュンチュン

 カゴ「」ポン
  野草「」ドッサリ
  ヤマイモ「」ドッサリ
  どんぐり「」ドッサリ

クロシュ「わあ……!」

人形「採集のお手伝いをしていただき、ありがとうございます。クロシュさま」ペコリ

クロシュ「んーん……。ゴクツブシはだめって……妖精さんが、言ってた……」

人形「クロシュさまたちは穀潰しではございません。大切なお客さまです」

クロシュ「そうなの?」

人形「はい。そうなのです」

クロシュ「そうなんだ」


浮島国滞在6日目です。12日目に封印が消滅します
↓1〜3 自由安価 何をする?
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 19:58:42.68 ID:zc3nYLsSO
ラティアの古代兵器が残ってないか探す
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 19:58:54.91 ID:8H/czr2iO
イリス ジェミニに空の飛びかたを教えて貰い出来ればジェミニと魔法での模擬戦をする
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/12/07(土) 20:00:02.51 ID:Zo7aYzk90
ヒナVSベルトーネ
864 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 20:21:39.81 ID:UzFu06IQ0
―昨日

ジェミニ『ポーラーのように、稼働可能なゴーレムや兵器が見つかれば戦力になろう。もし手が空いていたら探してもらっても良いじゃろうか?』

 *

―今日
 寂れた家

クロシュ「古代兵器……探す……?」

妖精「昨日ジェミニが言ってたやつ? 戦力はできる限り増やしておきたいし、探してみよっか」

人形「お弁当をお作りいたしました。よろしければ、お持ちくださいませ」

 お弁当「」ポン

クロシュ「わあ……!」


↓1選択 他に誰か連れて行く?
1.妖精さんと二人で行く
0.自由安価(連れて行く人を明記。イリスさんとジェミニさんとヒナさんとベルトーネさんは用事があります)


↓2選択 どこに探しに行く?
お城:中庭、回廊、大広間、王族の私室、地下回廊、地下空洞、他
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
 他:自由安価(浮島国にありそうな地名を明記)
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 20:22:07.74 ID:XNetmNbDO
0 セイラ
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 20:28:59.43 ID:cdI1jDpIo
浮翌遊島の中央動力室
867 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 22:14:17.47 ID:UzFu06IQ0
―廃都 工房前

妖精「工房だ。せっかくだし少し顔出してってみる?」

クロシュ「うん。ポーラーさん……いるかも……」トコトコ

 ガラッ

クロシュ「おはようございます……」

工房人形「おはようございます。今日はどうされましたか、クロシュ様」

妖精「顔を出しただけ。ポーラーとゴライアスは元気?」

工房人形「ポーラーとゴライアスは外出しています。互いにゴーレムなので相性は良いですが、最適な性能を引き出し合うにはまだ調整が必要とのことです」

クロシュ「そうなんだ……」

隅っこにうずくまる大盾「」

クロシュ「……?」

妖精「ん? あんな盾あったっけ?」

工房人形「あちらは先日イリス様たちが保護して来たセイラ様と、セイラ様を守護している大盾です」

妖精「そういえばそんなこと言ってたっけ」

クロシュ「……なんで、隅っこにいるの……?」

工房人形「あそこが落ち着くそうです」

クロシュ「そうなんだ……」

妖精「……そっとしておいた方が良いかな?」

クロシュ「……」

 トコトコ

クロシュ「……」

 ツンツン

隅っこにうずくまる大盾「」ビクッ!

クロシュ「わたし……クロシュ……」

隅っこにうずくまる大盾「え……。あ、えと……わたし……セイラ、です……」ヒョコ

クロシュ「セイラちゃん……。一緒に……来る……?」

セイラ「えっ……? どこに……?」

クロシュ「えと……。古代兵器……探す……」

セイラ「古代兵器……」

工房人形「セイラ様。たまには外出なさるのも良いかと進言致します」

セイラ「え、あ、うん……。え、えと……」

クロシュ「来る……?」

セイラ「うん……」

クロシュ「わあ……! よろしくね……セイラちゃん……」

セイラ「うん……」

 ☆セイラちゃんを連れていきます

 *
868 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 22:16:55.75 ID:UzFu06IQ0
―古城 地下空洞


 封印結界「」バチバチ…


「……その命令は受理できません」

ロムリン「なぜだ?」

「私の存在意義に反しています」

ロムリン「存在意義か……。しかしラティア・ヘイヴンは事実上既に滅んでいる。君の存在意義が国の維持・発展だとするならば……それはもう、失われている」

「…………」

ロムリン「その上で改めて存在意義を考えるならば……この国を滅ぼした雷霆の魔王を野放しにせず討ち滅ぼし、民の弔いを完遂すること――と再定義することはできないかね?」

「魔王の討滅には賛同します。しかしその為に――」

ロムリン「……」

「この浮島を爆破して魔王を道連れにするという作戦は、決して認められません」

ロムリン「………あくまで最終手段だ。この島には僅かだが生き残った人形やゴーレムたちに、後から移り住んだ空妖精たちがいる。彼らまで巻き込むことになる作戦は私とて本意ではない」

「であれば、尚の事認めるべきではありません」

ロムリン「だが――彼奴を生かしたまま地上に放てば、いずれはこの国のみならずこの星全てが雷雲に呑まれて滅びる。例え5分の1と言えど、星の力を魔王が手にすればどうなるかは君の計算能力があれば容易くわかるだろう」

「そうであれば、私の全能力を用いてこの星を破壊致しましょう。星の力とて、源流を絶てば維持は不可能です」

ロムリン「……君は、自分が何を言っているかわかっているのか? もし本気でそんなことを言っているのなら、君の機能を停止させなければならなくなる」

「冗談ではありません。元より、私は地上の生命などには何の感情も抱いていない。地上などよりも、この島の存続の方が遥かに重要です。私の存在意義は、この浮島国とそこに生きる生命たちに尽くすこと。私が製造された遥か過去より現在に至るまで、それは何一つとして変わらない根幹です」

ロムリン「……」


 トコトコ パタパタ


ロムリン「む、誰だ」

クロシュ「こんにちは……」

セイラ「こ、こんにちは……」

妖精「ロムリン王、今誰と話してたの?」

ロムリン「君たちか。今のは――」

幾何学模様の描かれた球体「……」

ロムリン「彼だ。ゼーレシルト・フォルカロスと言う。かつてこの浮島国を管理統括していたセントラルゴーレム……簡単に言えばゴーレムや人形たちのリーダーだ」

ゼーレシルト「あなた方のことは王より伺っております。この度は、雷霆の魔王討伐の為に志願してくれたとのこと。ゴーレムを代表し、御礼を言わせて頂きます」ペコリ

クロシュ「わあ……」

セイラ「まんまる……」

妖精(球体なのに、なんか頭を下げたような感じの雰囲気がする。面白い……)

ロムリン「今はもう管理する必要もないから、専ら私専属の話相手にしかなっていないがね」

ゼーレシルト「今でも疑似星脈の維持・修復等を行っております」

 ☆まんまるゴーレムのゼーレシルトと出会いました

お話します
↓1〜2 何の話をする?
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 22:19:52.28 ID:lTHfXPrjO
城に他に侵入者はいるか
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 22:21:12.37 ID:IDoPi8hO0
>>868 ほう〜・・・・・。
871 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 22:28:25.27 ID:UzFu06IQ0
>>870さんはちょっと意図がわからないので1つ分再安価します

↓1 話の内容
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 22:38:04.31 ID:qxwByAkto
ここにラティア住民がいたころの話が聞きたい
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/07(土) 22:43:00.39 ID:309hM5Wz0
なんか「この浮島を爆破」とか「この星を破壊」と聞こえたのでもう少し詳しく聞いてみる
874 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 23:52:57.28 ID:UzFu06IQ0
クロシュ「……」キョロキョロ

クロシュ「?」

妖精「クロシュ、どうかしたの?」

クロシュ「……えと……誰か、他にもいる……?」

セイラ「?」

ゼーレシルト「この城のことであれば、既にセンサー類が全損している為、この端末以外から城内の状況を感知できません。警備システムも既に絶えております」

クロシュ「??」

妖精「わかんないって」

クロシュ「!」

ロムリン「はっはっは、子供相手への言葉遣いがなってないのではないかね? ゼーレシルトよ」

ゼーレシルト「……一万年振りゆえ、子供向けモードの起動に時間がかかっただけです」

ロムリン「ならばもう起動は済んでいるということかね?」

ゼーレシルト「勿論です。今の私はわかりやすく平易な言葉を使うことができます」

ロムリン「ではそうだな……君が愛していた、かつて栄華を誇っていた時代のラティア・ヘイヴンの話を彼女たちに聞かせてみるのはどうかね? 子供でもわかるように、君なりに」

ゼーレシルト「承知致しました。話の内容を考えます」クルクル

妖精「この島の昔の話かあ……実際聞いてみたいかも……!」

クロシュ「うん……!」

セイラ「えっと……昔って……いつ……?」

クロシュ「むかしっていうのは……えっと……」

妖精「一万年前のことかな?」

セイラ「一万年前……う、う〜ん……」

ロムリン「はっはっは、想像が付かないだろう! 今君たちの目の前にいるメガネの王と丸っこいのは、その一万年を生きる者たちなのだよ」

妖精「笑うところなの?」

 *

ゼーレシルト「……かつてこの国には、たくさんの民がいました。こども、おとな、おじいさんやおばあさん……人に、動物に、魔族……いろんな生き物がこの浮島国で暮らし、笑い、泣き、いっしょに生きていました」

ゼーレシルト「民の暮らしを支えるのは、工房で生まれる人形やゴーレムたち。昔はその製法がだめな時もありましたが、みんなのがんばりで問題は解決……誰も泣かない、優しい世界が実現しました」

ゼーレシルト「あなたと同じように、かつてこの国にはスライムたちもいました。スライムももちろんみんなの仲間です。特に風船スライムのみんなが印象的かもしれません。風を辿ってこの島に立ち寄った風船スライム、この島でいっしょに暮らした風船スライム、風に乗ってここを旅立つ風船スライム……たくさんの風船スライムが、この島を気に入ってくれました」

ゼーレシルト「人も、動物も、魔族も、人形も、ゴーレムも……みんな、助け合い、支え合い、一生懸命に生きました。この国は……愛と、友情と、優しさに溢れていました。みんな、みんな……きっと、しあわせでした……。たとえ……その最期が……非業の結末であったとしても……。きっと……しあわせ、だったと……」ピガ…

ゼーレシルト「」ピガガ…

ゼーレシルト「エラー……エラー……緊急停止シマス……」ピガガガ…


クロシュ「……?」オロオロ

妖精「え、えっと……」

セイラ「ど、どうしちゃったんですか……? ゼーレシルトさん……」

ロムリン「……すまない、彼に苦しい思いをさせてしまったようだ」

妖精「大丈夫なの……?」

ロムリン「しばらくすればエラーを自己修復して再起動する。以前はこのようなことはなかったのだが……彼ももう一万歳だ。そろそろ限界なのかもしれんな……」


ゼーレシルト「」ピガガ…


セイラ「ゼーレシルトさん……」

クロシュ「……」

 ◆
875 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/07(土) 23:53:54.97 ID:UzFu06IQ0
というわけで本日はここまでとなります。次回はイリス氏とジェミニ氏の個人授業編、堕天使と悪魔の仁義なき戦編となります

今回はエバンス氏が狂い堕天使と一緒にイったり、魔王対策に避雷針を配置してみたり、セイラちゃんと一緒にロムリン王とまんまるゴーレムのゼーレシルト氏とお話したりしました。古代兵器を探すという目的はすっかり忘れているようでした……(すみません)
なお避雷針LV1と表記されていることからもわかるように、魔王対策はレベルを上げることもできます。新たな対策を講じるのか、既にある対策をさらにブラッシュアップするのかは自由安価次第となります。万全の態勢で迎え撃つのが良いでしょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 13:44:41.36 ID:XCI7fvhv0

最大級の模擬戦が始まる・・・?
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 13:51:15.36 ID:g7PAwkCyo
おつー
浮島国は珍しいから色々知りたいからね…日数多めに貰ったから大丈夫でしょう!
878 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 15:10:40.73 ID:RCUipaVg0
VSとのことなので、模擬戦ではない可能性があります。天使と悪魔なので仕方ありません

浮島国は地上の国々では見られない珍しいものが見つかる可能性もあります。実際日数はまだまだあるので、ゆっくり準備するのが良いでしょう
879 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 15:11:06.62 ID:RCUipaVg0
―地下回廊

 トコトコ

クロシュ「あっ……! 古代兵器……!」

セイラ「あ……」

妖精「忘れてた……。とりあえずこの回廊を探しながら帰ろうか」


↓1コンマ
01-30 古代のセラミック
31-60 古代の大砲
61-90 古代の魔導レーザー
91-00 ??
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 15:12:07.05 ID:X+p1smFw0

エバンスにラッキースケベな展開があるとは思わなかった。
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 15:12:53.08 ID:XCI7fvhv0
882 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 15:26:34.54 ID:RCUipaVg0
 セラミック片「」ボロボロ

クロシュ「……? 妖精さん……この素材……なに……?」

妖精「……土とかガラスを固めた物質……かなあ……。工房の人形に聞けばわかるかも」

クロシュ「土とかガラス……」

クロシュ「!」ピコン!

セイラ「?」

クロシュ「セイラちゃん……ちょっと、離れててね」

セイラ「うん」トコトコ


 モニョモニョ…パチッ

雷クロシュ「……」バチバチ


セイラ「わあっ!」

妖精「急に雷化してどうしたの!?」

雷クロシュ「電気……流れるか、どうか……試す……!」

 クロシュの指「」ツンツン
 セラミック片「」シーン

雷クロシュ「わあ……!」

妖精「……流れないね」

セイラ「クロシュちゃん、すごい……!」

雷クロシュ「んへへ……これを使えば……勝てる……!!」

妖精「いや……なんでその破片がボロボロの状態でこの辺に散らばってるか考えなよ……」

雷クロシュ「ほえ……?」

妖精「これ多分ジェミニが言ってた、当時の戦いで盾とかに追加したっていう絶縁体素材の一つだよ。雷霆の魔王の雷を何度も防げるような代物じゃない。だからボロボロに破壊されて散らばってるんだよ……」

雷クロシュ「!!」ガーン!!

セイラ「そんな……」

妖精「まあでも……何発かは防げたとも言ってたし、全く無駄な素材ってわけでもないと思う。とりあえず集めてく?」

雷クロシュ「うん……」ションボリ

 ☆古代のセラミック片を集めました

 ◆
883 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 16:06:05.39 ID:RCUipaVg0
―古城 会議室

ジェミニ「……以上が前回の戦いにおける雷霆の魔王の様子じゃ」

イリス「宙に浮いているんですね……」

ジェミニ「うむ。次なる戦の舞台は地下空洞となるが、地下と言っても高さはかなりある。恐らく奴も前回同様宙に浮き上がるじゃろう」

イリス「……あ、あの……! 私、今空を飛ぶ魔法の練習をしているんです! 賢者ジェミニ様、もしよろしければ飛行についてご教示頂けないでしょうか……!? 空を飛べれば、雷霆の魔王とも戦いやすくなるかも……!」

ジェミニ「……いや、逆じゃ」

イリス「えっ!?」

ジェミニ「三次元を雷速で縦横無尽に動き回る彼奴を相手に、空中戦を挑むのは自殺行為じゃ。しかも空中にいては、先日設置した避雷針の安全範囲からも外れてしまう。此度の戦では、可能な限り奴を下に誘い込んで地上戦に徹するべきじゃろう」

イリス「そ、そうでしたか……失礼しました……!」

ジェミニ「じゃが……教えを請う若者を無碍にするのも儂の主義に反する。あまり時間は取れぬが、少しだけ見て差し上げよう」

イリス「!! あ、ありがとうございます!」

ジェミニ「気にするでない。四六時中魔王対策に頭を悩ませていては息が詰まる……たまには息抜きが必要じゃ」

 *


飛行訓練の成果
↓1コンマ(風魔法の専門家監修+10)
01-60 難しかった  飛行経験+1 [4/8]
61-90 理解が進んだ 飛行経験+2 [5/8]
91-00 真髄を掴んだ 飛行経験+8 [8/8]


ついでに模擬戦は――
↓2コンマ
01-70 やらなかった
71-95 敗北 魔法経験+1
96-98 引分 魔法経験+2
99-00 勝利 魔法経験+4
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 16:08:22.97 ID:XCI7fvhv0
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 16:10:55.80 ID:I+cbo8Z2O
886 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 16:54:47.11 ID:RCUipaVg0
―古城 中庭

イリス「む、むむむ……」フワッ…

ジェミニ「風で無理矢理自分を支えるのではなく、風の流れに自分が乗る感覚じゃ」

イリス「風に乗る感覚……」フワフワ…

ジェミニ「うむ」

イリス「……」ヒュオッ

ジェミニ「!」

イリス「……」ヒュルヒュル―

ジェミニ「……驚いた。既にコツは掴んでいると思っていたが……」

イリス「……な、なんとなく……わかった気がします」ヒュルヒュル

ジェミニ「星属性からの変換にも関わらず、風をここまで操るとは。儂の思っていた以上に有望かもしれぬ……!」


イリス「それっ! あははっ!」ヒュオオオッ


ジェミニ「イリスよ。折角じゃ、儂と軽く試合でもせんか?」ヒュオッ―

イリス「えっ!? ジェミニ様とですか!?」

ジェミニ「儂も少し体を動かしたくなってきての。安心せい、あの堕天使のような危ないことはせん」

イリス「……わ、わかりました! 是非お願いします!!」

ジェミニ「うむ。では――参るぞ!」ヒュオオッ

 *

イリス「う、うああ〜……頭が……割れる……」フラフラ

ジェミニ「すまぬ、無理に付き合わせてしまった……」

イリス「い、いえ……! 飛行魔法の感覚と魔力消費について、実戦的に学べました……!」

ジェミニ「お主の場合、星属性からの変換を経た上で風を精密に操る必要がある。必然、魔力消費も必要な集中力も通常の風属性保持者より負担が大きくなろう。慣れない内は、多用は禁物じゃ」

イリス「はい! ひとまずは……戦いの時だけとかに絞った方が良さそうですね」

ジェミニ「うむ……」

 ☆イリスが飛行できるようになりました
 ☆模擬戦を経て魔法経験を1獲得しました

 ◆
887 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 17:25:41.49 ID:RCUipaVg0
―中庭

ジェミニ「――」
イリス「――!」


ヒナ「あ、ずるい……! 私を差し置いて楽しいことやってる……!」ヌッ

ベルトーネ「あなたみたいな野蛮な殺し合いなんて誰もしてないと思うケド〜?」ヌッ

ヒナ「うわ、悪魔じゃないですか。穢らわしいのであっち行ってください」シッシッ

ベルトーネ「駄天使の癖に身綺麗なつもりとかウケる。あなたも私側でしょ〜?」クスクス

ヒナ「は? 勝手に仲間扱いしないで頂けますか? 虫唾が走るんですけど」

ベルトーネ「堕ちた時点で同類なんだよ。知らなかったの?」

ヒナ「……」

ベルトーネ「ま、現実を認めないで足掻き続けるのも良いと思うよ〜? 無様で滑稽で面白いし〜」

ヒナ「……あなたを殺します。悪魔の実力ってやつも知っておきたかったところですし」

ベルトーネ「お、いいね〜。あなたから攻撃してくれるなら……殺り返しても仕方ないよね〜?」


 光の剣「」ヴン―

 拡がる闇「」ヴォン―


↓1コンマ
01-05 ベルトーネ消滅
06-10 ヒナ消滅
11-90 ジェミニ仲裁
91-00 ??
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 17:33:10.85 ID:uGSVBrXkO
1割は十分こわい(シミュゲー脳並感)
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 17:47:46.26 ID:g7PAwkCyo
この堕天使頭修羅過ぎる……っ!
890 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 18:00:08.59 ID:RCUipaVg0
 ヴンッ!! バグオンッ!! ヴォウウン!!
  ドゴオンッ!! バギュルルルッ!! ボムギッ!!


ヒナ「アッハッハッハ!! 悪魔なんてのも大したことないですね!!」ビュンッ!!

ベルトーネ「戦い始めた途端にこれか〜……めんど……」ササッ


ジェミニ「何をしておるかァァァ!!!!」ドギュウンッ!!

 ダウンバースト「」ドウウウウッ!!!!

ヒナ「きゃっ!!」ドガンッ!!
ベルトーネ「うわあっ!!」ドゴンッ!!


イリス「あ、あわわ……一体何が……」オロオロ


ジェミニ「お主ら……雷霆の魔王との戦いを控えているこの時に、どのような風の吹き回しじゃ!! 事と次第によっては――」

ベルトーネ「いつつ……や、やだなあ……。ちょっと遊んでただよぉ。ね? ヒナちゃん?」

ヒナ「……そうですね。あなた程度の雑魚を狩るなんて、遊びのようなものです」

ベルトーネ「……」イラッ

ジェミニ「……次はない。肝に銘じておけ」

ベルトーネ「はぁ〜い……」

ヒナ「はあ……私も少し頭に血が昇り過ぎました。反省します」

ベルトーネ「ほんと反省してよね〜」

ヒナ「……」イラッ

 ◆
891 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 18:09:13.42 ID:RCUipaVg0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 7日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
不死鳥の羽根
古代のセラミック

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・魔法[7/8](イリス)
・剣技[3/4](ミスティ)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[5/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:中庭、回廊、大広間、王族の私室、地下回廊、地下空洞、他
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
……………………………………………………………………………………
□雷霆の魔王対策
・戦力人数12
・避雷針LV1
……………………………………………………………………………………
892 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 18:09:49.40 ID:RCUipaVg0
―寂れた家 庭

飛行イリス「わ〜!!」ヒュルヒュル

風クロシュ「〜〜!」モニョモニョ ヒュルヒュル



人形「わ、わ……!」オロオロ

ミスティ「いつの間に飛べるようになったかしら、イリス……」

ローガン「昨日ジェミニ殿に教えてもらったのだそうだ」

エバンス「飛行か……俺も密かに特訓していた飛行技があるぜ!」

妖精「え、そうなの?」

ミスティ「どうやって飛ぶのよ?」

エバンス「まあ見てな……そりゃっ!!」ダンッ!!

 ピョーン――!!

妖精「うわ、すっごい高くジャンプした!」

ミスティ「でもそれはすごく高いジャンプであって、飛行とは言わないんじゃないかしら……」

ローガン「いや……あれを見ろ!」


 風船パラシュート「」バサッ!!
パラシュートで滑空するエバンス「どうだ!!」フワフワ


ミスティ「……パラシュートでゆっくり滑空しているわね」

妖精「……まあ……飛んでると言えなくもないかな……?」


浮島国滞在7日目です。12日目に封印が消滅します
↓1〜3 自由安価 何をする?
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 18:17:20.88 ID:tnqbyduDO
セイラとポーラーとゴライアスと交流
ポーラーとゴライアスにセイラの盾やセイラの生前(?)について知っているかを聞いたり、城にいたとき何か気になる出来事は無かったか聞いてみる
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 18:18:24.62 ID:XCI7fvhv0
助っ人さがし
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 18:28:16.38 ID:IICRrzHJO
不死鳥の羽を取り込んで不死鳥化に挑戦
896 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 20:41:04.89 ID:RCUipaVg0
―工房

ポーラー「お茶を淹れまシタ」ズシンズシン

 お茶「」スッ

クロシュ「わあ……。ありがと、ポーラーさん」

セイラ「ありがとう、ポーラー……」

ポーラー「こちらコソ、ありがト、ございマス」ズシンズシン

ゴライアス「クッ……私にも自由な体があれば……!」

セイラ「……泣かないで、ゴライアス……。あなたの剣は……きっと、役に立つ時が来るから……」

ゴライアス「泣いてなどおりませぬ! このゴライアス、身命を賭して浮島国をお守りする所存!」

クロシュ「わあ……」

ポーラー「実際に先パイの剣を振るうのハ、ワタシになりマス」


クロシュ「……セイラちゃんは……ポーラーさんと、ゴライアスさんのこと……前から、知ってた……?」

セイラ「え……? ううん……?」

クロシュ「ほえ……?」

工房人形「……クロシュ様の疑問は私も感じていたところです。セイラ様は妖精たちでさえも怖がるほどの引っ込み思案なのに、ポーラーとゴライアスへの接し方はとても気安いのです」

セイラ「……?」

工房人形「ポーラーとゴライアスの方は、セイラ様についての知識や記憶を持っていましたか?」

ポーラー「イイエ」

ゴライアス「私も特には。ただ……曖昧な表現で申し訳ないのですが、セイラ様の御姿を私はどこかで見たことがあるような気がするのです。長年の摩耗でメモリーが劣化しており、はっきりとどこで見たかはわからないのですが……」

工房人形「……実を言うと、私も同じような感覚を抱いておりました。自己修復による劣化阻止にも限界があり、記憶は掠れていくのです。例えば、私はもう当時のロムリン王の御姿も思い出せません」

セイラ「ロムリン王……。えっと、お城の地下にいた……メガネのおじさん……?」

クロシュ「うん! ロムリンさん……メガネのおじさん……!」

工房人形「眼鏡……ああ、そういえば……かの王は眼鏡をおかけになっていました……! ありがとうございます……!」

クロシュ「んへへ……」

大盾「」フヨフヨ

 *

クロシュ「そういえば……セイラちゃん……あのお城にいた時、変なこと、なかった……?」

セイラ「変なこと……?」

クロシュ「えと……金髪の、かっこいい男の子が……光の速さでぴょんぴょんしてたり、とか……」

セイラ「うーん……あ、そういえば」


セイラちゃんが見かけた相手
↓1コンマ
01-35 青髪ロングの少女エルフ
36-70 彷徨う鎧
71-76 レイン
77-82 ザイル
83-88 ブラッド
89-94 レイ
95-00 セイン
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 20:44:40.40 ID:F4c7TC7MO
898 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 21:16:51.67 ID:RCUipaVg0
セイラ「……鎧が、ひとりでに歩いてた……」

クロシュ「わ……」

ゴライアス「鎧が……」

ポーラー「……」

工房人形「鎧が……? ゴーレムではなく、ですか?」

セイラ「うん……ガションガションって、金属音を立てて……」

 ガションガション…

セイラ「こんな風に……」

ゴライアス「……!?」

クロシュ「わわ……」

工房人形「……お待ち下さい。この音は――」

 ガラッ

ベルトーネ「ど〜も〜……悪魔便で〜す……」ノソノソ

クロシュ「ベルトーネさん……!」

彷徨う鎧「こんにちは!!」ガション!!

セイラ「あ……この……人?」

彷徨う鎧「」ジャキーン!

クロシュ「わあ……!」

ベルトーネ「地下の回廊を彷徨っていたので、捕まえたら戦いに参加してくれるそうです〜。ちょっと診てやってくださ〜い。んじゃ私はこれでぇ〜……」ノソノソ

 バタム

クロシュ「ベルトーネさん……げっそりしてた……」

工房人形「昨日のことでこってり絞られてるんでしょうね……。それで、ええと……あなたは?」

彷徨う鎧「よくぞ聞いてくれました! 私は……鎧です!!」

工房人形「いや、そういうことではなく……。種族とか、名前とかを……」

彷徨う鎧→ミーティア「あははっ、ごめんごめん! 種族は……わかんないです! 名前はミーティアです! てか名前しかわかんないっぽい!!」ケラケラ

工房人形「そ、そうですか……。魔力反応からすると……人形やゴーレムのような魔導機械ではないようですね」

ミーティア「ゴーレムじゃないんだ私……!? まあなんとなくゴーレムじゃない気はしてたけど!」

ゴライアス「……声は女性らしい感じが致しますが、一体どこから発声しているのでしょうか?」

ミーティア「わからん!」

工房人形「ちょっと失礼します」スタスタ

 ミーティアの兜「」スポン

ミーティア「わ、私の頭が!!」

 ミーティアの頭部?に揺らめく灯火「」ユラユラ

工房人形「……原理はわかりませんが、内部から発せられるあの灯火のようなものから声が発せられているようです」

 ミーティアの兜「」カポッ

ミーティア「あ、頭〜! いきなり取らないでくださいよもう〜!」プンスコ

ゴライアス「……つまり、彼女は何者なのでしょうか?」

工房人形「全くわかりません……」

 ☆彷徨う鎧のミーティアが戦力に加わりました

 ◆
899 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 21:31:25.03 ID:RCUipaVg0
―廃都

ミスティ「さて……今日の予定は人員の強化だったわね」

ローガン「うむ。まだ動くゴーレムが見つかれば戦力になる。ただ、再起動できそうなゴーレム類は既に探し尽くした可能性もあるとのことだ……」

ミスティ「それじゃあ……ゴーレム以外の人員を探す? 今さらこの島に戦力になりそうな者なんているのかしら……? まさか空妖精とか……?」

ローガン「空妖精たちは流石に戦えんだろう。後は……我々のように、外からこの浮島に辿り着いた者がいれば」

ミスティ「いないって言ってるようなものじゃない……。どこの誰が雷雲を突き抜けてこんな上空の浮島まで来れるのよ」

ローガン「……我々と目的を同じくする者はどうだ?」

ミスティ「……なるほどね。セインやシノホシの奴らなら可能性はあるってこと……。でもセインはともかく、シノホシの奴らがいたとして素直に協力に応じるかしら?」

ローガン「魔王の復活を容認すれば、王国への復讐どころではない。人も魔族も関係なく立ち向かうべき災いなら、協力は現実的なものとなるはずだ」

ミスティ「それもそうね……。まああれこれ後ろ向きなことばかり言っていても仕方ないし、探してみましょうか。助っ人を」


↓1コンマ
01-60 青髪ロングの少女エルフ
61-68 レイン
69-76 ザイル
77-84 ブラッド
85-92 レイ
93-00 セイン
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 21:32:09.14 ID:XCI7fvhv0
901 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 22:07:38.23 ID:RCUipaVg0
ミスティ「……ん?」


 街外れの方で立ち上る煙「」モクモク


ローガン「煙……! 誰かが火を使っているということか……!」

ミスティ「空妖精は火を使わない……あんな街外れに人形がいるという話も聞かないわ。もしかしたら……!」

 *

―廃都 街外れ

 キャンプ「」
 焚き火「」モクモク

青髪ロングのエルフ「うーん……どうしようかしら……。ここまで来た手前手ぶらで帰るのもアレだし……」

 浮島を取り囲む分厚い雷雲「」ゴゴゴゴ…

青髪ロングのエルフ「……ていうか、帰れないわよね……。グライダーはなんとか直したけど、またあの雷雲に突っ込んだら今度こそ死でしょ……」

青髪ロングのエルフ「はあ、最悪……。興味本位で自分の出自なんて調べるんじゃなかった……。古代王国の末裔の可能性に小躍りしてこんな上空まで来て、二度と地上に戻れず空葬なんて……愚かにも程がある……」

青髪ロングのエルフ「うぅ……帰りたい……」


ミスティ「ちょっと良いかしら?」ヌッ

青髪ロングのエルフ「うわひゃあああ!?」ドテッ

 *

青髪ロングのエルフ→テイル「ま、まさか私以外にも旅行者がいたなんて……。驚いたわ……」

ミスティ「こっちもよ。あなたはどうしてここに?」

テイル「ん〜……なんか私の先祖について調べてたら、どうもここの出身だったらしいのよね。歴史の闇に消えた古代王国の末裔……なんてすっごいロマンあるでしょ? だからまあ、ちょっと興味本位で来てみたのよ」

ローガン「興味本位でこんな上空まで来たのか」

テイル「浮遊魔法が得意だったのと、それを応用したグライダーが趣味だったっていうのもあるわね。やろうと思えばどこへだって飛んでいけるの、私」

ミスティ「でもあの雲を突き破る勇気はもうない、と」

テイル「ひ、酷いこと言ってくれるわね……。ふふ、その通りだけど……」

ミスティ「なんで嬉しそうなの……」

ローガン「我々は今、あの雷雲を発生させている原因と戦うつもりでいる。もし良かったら、貴女もどうだろうか?」

テイル「えっ、あの雲の原因がわかってるの!? しかも戦うって……どんな相手なの!?」

ミスティ「……この浮島国ラティア・ヘイヴンを滅ぼした……雷霆の魔王よ」

テイル「……えっ」

ローガン「もちろん参加を無理強いはしないが……もし我々が魔王に敗北すれば、この島のみならず世界そのものが滅びることになる。無論、この島にいる者は真っ先に殺されるだろう。どうする? 世界の命運を我々に託すか、自らの手で少しでも勝率を上げるべく奮起するか――」

テイル「……無理強いしてるようなもんじゃない!! わかったわよ!! でも戦いなんて真面目に習ったことないから最前線はやめてよね!!?」

ローガン「協力感謝する! 魔王対策は万全を期すつもりだ。まずは我々と共に古城に来て頂き、指揮のジェミニ殿に志願の旨を伝えよう」

テイル「ジェミニ……えっ、ジェミニって大賢者ジェミニ……!?」

ミスティ「知っているの?」

テイル「だってジェミニって、伝説的な賢者エルフじゃない!! しかも私親戚なのよ!! ものすごく遠縁だけど!!」

ローガン「まあ……一万年前の人物ならば、親戚と言えど実際あまりにも遠すぎるしほとんど無関係のようなものだろうが……」

テイル「そんなことないわよ!! まさか賢者ジェミニと会えるなんて……やる気が湧いてきた! 早く案内して!」

ミスティ「え、ええ……」

 ☆旅エルフのテイルが戦力に加わりました

 ◆
902 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 22:28:28.09 ID:RCUipaVg0
―夕方
 寂れた家 庭

クロシュ「……」トコトコ

妖精「おかえり。何か収穫はあった?」パタパタ

クロシュ「ただいま……。えっと……鎧の、ミーティアさんが……仲間に、なった……!」

妖精「鎧の……? 鎧のゴーレム?」

クロシュ「んーん……。動く、鎧……」

妖精「ええ……? ゴーレムじゃない、動く鎧……?」

クロシュ「うん」

妖精「変なのがいるんだなあ……。まあ戦力になってくれるなら良いか」

クロシュ「うん……!」

 不死鳥の羽「」ヒラヒラ

クロシュ「? それ、クローディアさんの……?」

妖精「うん。不死鳥の力をちょっと研究してた。再現はできそうにないってことしかわからなかったけど」

クロシュ「……」

クロシュ「!」ピコン

妖精「……もしかして、これと同化するつもり?」

クロシュ「ん」コク

妖精「まあ……悪い物質ではないから酷いことにはならないと思うけど……絶対食べちゃだめだよ? すっごく貴重なものなんだからね?」

クロシュ「だ、だいじょうぶ……」

妖精「まあ最近は同化もかなり手慣れてきてるし、大丈夫か。はい」

 不死鳥の羽「」ポン

クロシュ「ん!」


 デロデロ…モニョモニョ…


↓1コンマ(同化得意+20)
01-30 あちち!!
31-60 ニワトリ
61-90 炎ニワトリ
91-00 不死鳥
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 22:31:20.00 ID:JkjXxRz6o
どうだ
904 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 22:57:50.94 ID:RCUipaVg0
 ゴウッ!!

妖精「わあっ!?」

 メラメラ…

不死鳥クロシュ「……」メラメラ…

妖精「え……え、え……!? く、クロシュ……なの……?」

不死鳥クロシュ「〜〜」コクン モニョモニョ

妖精「あ、クロシュだ……。びっくりしちゃった……本物の不死鳥みたいに荘厳な炎なんだもん……」

不死鳥クロシュ「〜〜」モニョニョ


血塗れエバンス「いつつつ……やっぱ地属性で飛行訓練なんてのは無理があるか……」フラフラ

妖精「エバンス! どうしたの、なんか酷い怪我してるけど……!」

血塗れエバンス「風船パラシュートで飛行訓練してたら、失敗して頭から落ちたんだ。まあ明日にゃ治ってるさ」フラフラ

妖精「いや明らかにやばいよ!! え、ええと……妖精魔法じゃここまで酷い怪我はどうにもできないし――」

不死鳥クロシュ「!」ヒョコ

血塗れエバンス「おわっ!? でっけえニワトリ……じゃなくて、クロシュちゃんか!?」

不死鳥クロシュ「コケコッコー!!」バサッバサッ!!

 明るい炎「」ゴウウッ!!

血塗れエバンス「おわあ!? あれ……? 炎なのに熱くないっていうか……」

 炎に包まれて治っていくエバンスの怪我「」ジワワ…

血塗れエバンス「お、おお……!! マジかよ、クロシュちゃん!!」

不死鳥クロシュ「コッコッコッ……」バサッ

 明るい炎「」メラメラ…カッ!!

エバンス「うおおおお!! 完全復活だ!!」シャキーン!!

妖精「凄い……!! クロシュ、姿だけじゃなくて癒やしの力まで使えるなんて……!!」

エバンス「本当に凄えぜクロシュちゃん! 不死鳥のクロシュちゃんがいれば無敵――ん!?」

 デロデロ…

スライムクロシュ「」デロロ…

エバンス「おおっ!? だ、大丈夫かクロシュちゃん!?」

妖精「……つ、疲れ果ててる……。考えても見れば、不死鳥なんて規格外の力を行使したんだから、耐えられないのが普通だよ。疲れる程度で済んで良かったよ」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

エバンス「お、おう……ありがとうな。助かったぜ。でもクロシュちゃんの負担もでかいみたいだし、よほどヤバい時以外は無理に不死鳥化しなくて大丈夫だぜ!」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「でも実際すごいよ。例えばクロシュ自身が危ない時も不死鳥化すれば自己再生できるし、仲間が危機的な状況に陥っても今みたいに癒やしの炎で回復させることができる。もちろん無理は禁物だけど、切り札として取っとくのは良いかも!」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ!


 ☆不死鳥化できるようになりました。00クリティカルなので、完全に不死鳥の力を使いこなせます
  ただしこれまでにない程にお腹が減るので、多用は禁物です
  現在のクロシュのお腹容量では、戦闘時1ターンが限界です

 ◆
905 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 23:10:40.78 ID:RCUipaVg0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 8日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・魔法[7/8](イリス)
・剣技[3/4](ミスティ)
・魔法[6/8](ミスティ)
・剣技[5/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:中庭、回廊、大広間、王族の私室、地下回廊、地下空洞、他
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
……………………………………………………………………………………
□雷霆の魔王対策
・戦力人数14
・避雷針LV1
……………………………………………………………………………………
906 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 23:11:09.27 ID:RCUipaVg0
―朝
 寂れた家

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ モグモグ

 空き皿「」カラン 空き皿「」カラン
 空き皿「」カラン 空き皿「」カラン
 空き皿「」カラン 空き皿「」カラン
 空き皿「」カラン 空き皿「」カラン

人形「わ……クロシュさま、素晴らしい食欲です……!」

妖精「でも食べ過ぎだよ! だ、大丈夫? 食料……」

人形「備蓄は十分にございます。ここにいる間は、思うままにたくさん食べていただきたく思います」

妖精「そ、そう……?」

エバンス「……クロシュちゃんが腹を空かせちまったのは、昨日俺がドジッたからだ。俺が責任を取って食料を探すぞ!」

人形「ですが……お客さまに、あまり大きなご負担を強いるわけには……」

エバンス「俺自身がそうしないと気が済まないんだ。気にしないでくれ」

人形「わかりました……」

イリス「私たちも散々タダでご飯を貰ってるんだから、手の空いてる時はお手伝いしないとね」

ミスティ「ええ、そうね……。働かざる者食うべからず、とも言うしね……」

ローガン「うむ。時間を見つけて私もできることをしよう」


浮島国滞在8日目です。12日目に封印が消滅します
↓1〜3 自由安価 何をする?
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 23:12:36.68 ID:F4c7TC7MO
ミスティ、テイルと模擬戦
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 23:12:59.35 ID:tnqbyduDO
まだ行っていないお城の王族の自室を調べてみる
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 23:14:49.53 ID:g7PAwkCyo
地下空洞探索
隠れている助っ人になりそうな人を探す
910 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 23:26:39.04 ID:RCUipaVg0
―古城 中庭

ジェミニ「という感じじゃ。この城の設備は自由に使って良い」

テイル「はわわ……ありがとうございます、ジェミニ様!!」

ジェミニ「う、うむ……。そうへりくだらずとも良いのじゃが……」

テイル「とんでもございません! ジェミニ様は私のご先祖様であり、偉大なるエルフの大賢者として後世に伝わっているのです! へりくだらずにはいられません!」

ジェミニ「そうなのか……。しかし名声などあっても雷霆の魔王討伐には役立たぬしのう……」


ミスティ「あら、こんにちは。ジェミニ、テイル」スタスタ

ジェミニ「ミスティか」

テイル「ちょっとミスティ! ジェミニ様には様を付けなさい、様を!」

ミスティ「ええ……」

ジェミニ「やめんか。不本意に付けられた尊称など気持ち悪いだけじゃ」

テイル「うっ……! も、申し訳ありません……」

 *

ジェミニ「というわけで二人の実力を知っておきたい。模擬戦は行えるかな?」

テイル「勿論です!」

ミスティ「まあ……できるわ」

ジェミニ「それでは儂が審判を務めよう。力を見せよ!」

テイル「はいっ! 昨日は戦いは不慣れって言ったけど……本気出せばわかんないから! 舐めないでよね!」

ミスティ「いや、別に舐めてないわよ……。あなたの方が遥かに歳上でしょうし……」


 ――模擬戦闘開始 旅エルフのテイル――


↓1コンマ
01-40 敗北 魔法経験+1
41-90 勝利 魔法経験+2 剣経験+1
91-00 会心 魔法経験+4 剣経験+2
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/08(日) 23:27:24.90 ID:XCI7fvhv0
912 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/08(日) 23:59:37.77 ID:RCUipaVg0
テイル「とうっ!」タンッ

 ピョーン――!!

ミスティ「! エバンスの大ジャンプにも劣らない跳躍!」

テイル「そして空中から――ヒットアンドアウェイだ!」ヒュンッ!!

ミスティ「!?」

 グオオオッ!!

 風の剣「」ギンッ!!
  魔銀の短剣「」ギンッ!!

ミスティ「くっ、速い……! 一瞬で離脱されると凍らせる隙もないわ……」ギンッ

テイル「魔法使いかと思ったら短剣術も多少はできるのね!」ヒュンッ!

ミスティ「最近ちょっと勉強中なのよ! はっ!!」カッ!!

 ミスティの周囲を回転する氷刃「」ヒュンヒュン

テイル「うわあっ!?」ババッ

ミスティ「チッ……突っ込んで来たら八つ裂きだったのに」ヒュンヒュン

テイル「こ、殺す気!? 模擬戦よね!!?」

ミスティ「力を見せるのがこの模擬戦の意味でしょう?」

テイル「くぅ〜!! 若造の癖に、やっぱり舐めてるでしょ……!」

ミスティ「いや、だから舐めてるわけじゃ……」

テイル「あんたの氷なんて……こうよ!!」カッ!!

 吹っ飛んでいく氷刃「」バビュンッ!!

ミスティ「!!?」

テイル「そこに物質として存在するなら、私の浮遊魔法からは逃れられない……。もちろんあなたの体もね――」

ミスティ「くっ……! 抵抗しなければ――」ググッ

 氷竜のローブ「」グイッ!!

上空へ吹っ飛ぶミスティ「ひやっ!?」グイッピョーン!!

テイル「あはははっ騙されたな! 魔法使い本人を狙うなんてハイリスクな真似するわけないでしょ! 狙ったのは……あんたのそのお高そうなローブよ!! 落ちろぉっ!!」グイッ!!


落ちるミスティ「まずいわ……。このままじゃ地面に叩きつけられて死ぬ……。私も風船パラシュートを常備しとくだったわ……」

落ちるミスティ「一か八か――あれを試してみましょう」

913 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/09(月) 00:00:06.41 ID:MHBeiBTm0
 ヒューン――


テイル「……あ、あれ? これ、このままだと本当に叩きつけられてミスティ死んじゃうんじゃ……」

ジェミニ「テイルよ、攻め手を緩めるな! ミスティの戦意は未だ消えておらぬぞ!!」

テイル「えっ!?」


 ガギンッ! タンッ!
  ガギンッ! タンッ!


テイル「こ、この音は――」


 凍結した空気「」ガギンッ!!

凍結空気を足場に跳ぶミスティ「はっ!」タンッ!


テイル「う、嘘でしょお!?」

ジェミニ「空気を凍らせて足場にし、落下速度を減衰させるか……!」


 シュタッ!

ミスティ「やっと降りて来れたわ……」

テイル「くっ……! それならもう一回――」コォォォ

ミスティ「凍れ!!」カッ!!

凍り付くテイル「わきゃっ……!!」カチコチ

ジェミニ「勝負あり!」

 ――戦闘終了――
914 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/09(月) 00:00:36.43 ID:MHBeiBTm0
ミスティ「……流石に疲れたわ……。落ちながら空気を凍らせるなんて初めてよ……」

テイル「あなた、本当に十代なの? バケモノの間違いじゃないの?」

ミスティ「十代とバケモノって全然別物じゃない……」


ジェミニ「二人とも良く健闘した。お疲れ様じゃ」スタスタ

テイル「ジェミニ様……! 申し訳ありません、ジェミニ様の子孫でありながら敗北を喫してしまい……」

ジェミニ「気にするでない。儂からすれば皆等しく孫のようなものじゃ」

ミスティ「とりあえず実力はわかったかしら?」

ジェミニ「うむ……! 将来有望な若者たちで喜ばしい限りじゃ。必ず勝とうぞ、雷霆の魔王に……!」

テイル「はいっ!」

ミスティ「ええ」

 ☆テイルとの模擬戦に勝利しました
  魔法経験を+2、剣経験を+1獲得します

 ◆
915 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/09(月) 00:07:21.38 ID:MHBeiBTm0
というわけで本日はここまでとなります。次回は王族の私室に潜む者編、地下空洞で助っ人探し編となります

今回はイリスさんがついに空を飛べるようになったり、ベルトーネ氏とヒナ氏が殺し合ったり、ゴーレムお茶会をしたり、彷徨う鎧のミーティア氏が加入したり、古代ラティアの末裔らしきエルフのテイル氏が加入したり、クロシュが不死鳥になってみたり、イリス氏がテイル氏との模擬戦に勝利したりしたようでした
着々と人員を増強しつつ、新技などを獲得して戦力が高まっていっております。クロシュちゃんが獲得した不死鳥化は、恐らくこれまでのどの形態よりも強力ですが、その分お腹もものすごく減るため、ここぞというときに使うのが良いでしょう
なお現在の戦闘システムではコンマを振るだけで何らかの特殊な行動を取る余地がないため、よりタクティカルになるようなテコ入れをしようかどうか考えております。考え中です

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります、よろしくお願いいたします
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/09(月) 09:36:47.84 ID:bhX3DYkDo
おつ
どこの世界でも天使と悪魔は犬猿の仲か…
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/09(月) 13:51:28.23 ID:GdEyZwG7O

不死鳥はニワトリなのかw
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/10(火) 00:29:07.35 ID:4cEHexuDo
おつ
イリスの正統派何でも出来る魔術師に対しミスティさんの脳筋系何とかする魔闘士
どっちもすき
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 13:18:14.60 ID:RtAL6iiy0

協力してくれそうな人を探すコンマなどでセインの名前があるけどセインが出たら一緒に僧侶やガッタがついてくるのかな?もしついてきていたら僧侶とガッタの実力が見てみたいね。
920 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 16:12:17.34 ID:lscVMEZt0
天使と悪魔には何らかの因縁があるらしく、種族として見るとあまり仲は良くないようです。その例に漏れず、ベルトーネ氏とヒナ氏も仲良くないようです。放っておくとどちらかが消滅するまで喧嘩をする可能性もあったので、ジェミニ氏は頭を痛めています

不死鳥は美しく立派な尾羽根を持っており、ニワトリも種によっては美しく立派な尾羽根を持っているため、クロシュはニワトリと不死鳥をよく似た生き物だと思っています。本物の不死鳥がニワトリのような声を出すかどうかはわかりませんが、クロシュが擬態した不死鳥はそのイメージに引っ張られてニワトリのような声を出すことがあるようです

イリス氏は複数の属性を扱えるため、できることがとても幅広いと思われます。ミスティ氏は氷属性しか扱えませんが、氷属性の応用方法についてはかなりいろいろ考えているようです。星属性と氷属性は互いに弱点を補完し合あえる良い関係かもしれません

もしセイン氏がいた場合、僧侶氏とガッタ氏も一緒にいるかどうかはわかりません。僧侶氏は以前メンタルが不調だったような気がしますが、今現在持ち直したかどうかは不明です。幹部とはいえちょっと迂闊なところがあったので仕方ありません
921 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 16:13:26.08 ID:lscVMEZt0
―古城 上層回廊

 スタスタ…

エバンス「流石に上層階にはなさそうか、戦力になりそうな武器や兵器類は」

ローガン「城の上層階など、本来は戦いの場にならない場所だからな。あるとしても装飾用の武具とかだろう」

エバンス「装飾用の武具……例えばこの先とかか」

 豪華な扉「」ドン!

ローガン「これは……王族が住んでいた部屋だろうか?」

エバンス「多分そうだろ。兵器類は流石にないだろうが、掘り出し物があるかもしれんし入ってみるぜ!」

 ガチャッ!

下着姿でベッドで本を読むベルトーネ「え」

エバンス「あ……わ、わる――」

 飛ぶ水晶「」ヒュンッ!

 ゴンッ!!

エバンス「」ドサッ

 *

―王族の私室

 豪華なドレッサー「」キラキラ
 豪華な椅子「」キラキラ
 豪華なソファ「」キラキラ
 豪華なテーブル「」キラキラ
 豪華なベッド「」キラキラ

 テーブルや床に散乱した本や水晶の群れ「」ドササ…


ベルトーネ「……それで、何のご用〜?」ジト

エバンス「いや……用があったわけではなく……。城を探索してただけなんだ」

ローガン「うむ……。本当に申し訳ない。ここが貴女の部屋だとは知らなかったのだ」

ベルトーネ「まあ説明してなかったし鍵もかけてなかったからねえ〜……。おじさんたちに悪意がなかったことは認めてあげる」

エバンス「……けっこう痛かったんだが」

ベルトーネ「悪魔の素肌を見たお代としては格安じゃない〜?」

エバンス「返す言葉もございません」

ベルトーネ「はぁ〜……まあ別に、今さら人間のおじさんに見られて困るようなもんでもないけどさぁ〜……」


↓1〜2 自由安価 ベルトーネとどんな話をするか
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 16:19:01.30 ID:SQ/V3mMHO
堕天使と仲良くする気はないか
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/12/14(土) 16:36:54.29 ID:KKT0NPsko
ちょっと踏み込むが
一度ならず今回も魔王の封印に協力してくれるなんて誰とどんな契約をしているのか
924 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 17:25:37.47 ID:lscVMEZt0
エバンス「そういえば昨日ヒナと喧嘩したらしいが……」

ベルトーネ「あー……あの駄天使が煽ってきたからついムキになっちゃったんだよね〜。反省してま〜す」

エバンス「……天使と悪魔は、やっぱり仲良くできないのか?」

ベルトーネ「そりゃそうでしょ〜。天界なんて地上全てを見下してふんぞり返る外道連中だよ〜?」

ローガン「そうなのか……」

ベルトーネ「あなたたち人間が知らないのも無理はないけどね〜。あの狂った駄天使はともかく、天界の奴らは信用しない方が良いよ〜」

エバンス「……うん? ヒナは堕天使らしいが、堕天使となら仲良くできるんじゃないのか?」

ベルトーネ「あ〜……それはまあケースバイケースっていうか、堕天使にもいろいろいてねぇ。天界の信仰を保ったままいろいろやり過ぎて堕とされる馬鹿もいれば、天界に不信感を抱いて自分から堕ちる奴もいたり。あの駄天使は……元々信仰なんてなさそうだし、ただの戦闘狂のアホかな〜」

エバンス「ただの戦闘狂のアホ……」

ベルトーネ「ま〜偉そうにふんぞり返る腐れ天使共に比べればマシかもだけどぉ……私アホとか暴力沙汰って嫌いだし、あの駄天使とは仲良くなれる要素皆無なんだよね〜」

ローガン「う、うむ……。アホはともかく、暴力好きな面は擁護できんな……」

エバンス「……ヒナは確かに暴力が好きかもしれないが、自分から積極的に暴力を振るったりはしてなさそうだし、多めに見てやれないか……?」

ベルトーネ「なぁにおじさん、下着を見たくらいであの駄天使のことが好きになっちゃったの?」

エバンス「違うわ! これから一緒に戦うってのに、仲が悪いままだといろいろ困るだろ?」

ベルトーネ「ふ〜ん……まあ一理ある。私も魔王に負けて消えたいわけじゃないしね〜」

ローガン「……ところで、ベルトーネ殿は誰とどのような契約を結んでいるのだろうか? 答えられないなら答えなくても構わないのだが」

ベルトーネ「ん〜? 雷霆の魔王封印に協力する契約だよ〜。お相手は当時の宮廷魔術師の一人だったけど……そいつも死んだから、今もまだ残ってやってるのは善意100%のサビ残なんだよね〜」

エバンス「サビ残……1万年もか……。悪魔の感覚はわからん……」

ベルトーネ「ま〜それは仕方ない。竜がミジンコの気持ちを理解できないように、ミジンコだって竜の気持ちは永遠にわからない。種族の違いってそういうことだよね〜」

 ☆ベルトーネとお話しました

 ◆
925 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 17:26:41.95 ID:lscVMEZt0
―古城 地下空洞

 封印結界「」バチバチ…

クロシュ「……」ジー

イリス「改めて見ると、凄い結界だなあ……」

ロムリン「旅人たちよ、調子はどうかね」ヌッ

イリス「ロムリン王!」

妖精「まあ……ぼちぼちかなあ。地下回廊で古代遺物を探してたんだけど、めぼしいものを見つけられないまま気が付いたらここまで来ちゃったんだよね」

ロムリン「ふむ、そうか……。封印が解ける日まで、一つでも多くの手立てを模索して貰えると助かる」

イリス「はい、もちろんです!」

クロシュ「うん……。そういえば……まるいゴーレムさんは……?」

ロムリン「丸いゴーレム……ゼーレシルトか。彼は現在ここよりもう少し地下にある中央動力室で、浮島全体に通る疑似星脈の点検を行っている。必要であれば呼ぶが――」

クロシュ「忙しいなら……大丈夫……」

ロムリン「そうか。む……?」

妖精「……誰か来た! この気配は――」


↓1コンマ
01-20 レイン
21-40 ザイル
41-60 ブラッド
61-80 レイ
81-00 セイン
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 17:33:12.15 ID:2/nmTn0JO
セインくん!
927 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 18:08:57.42 ID:lscVMEZt0
レイン「……この辺りかしら……。おぞましい力が溢れ出しているのは……」スタスタ


クロシュ「わ……!」

イリス「あ、あの人は――」

妖精「テロリストのレイン・フォール!」

ロムリン「テロリストだと?」


レイン「あら? あなたたちは……」

クロシュ「えと……こんにちは」

レイン「お久しぶりね。ザイルがニ回ほど世話になったそうで」

イリス「あ、あはは……」

妖精「やば……」

レイン「安心なさい。ザイルはあなたたちのことを気に入ったようだけれど、私はあまり気にしていないから」

妖精「ええ……?」

レイン「星の力が人間共などに渡るくらいなら、あなたたちが回収してくれた方が遥かにマシだもの」

妖精「ああ、そういう……」

 *

レイン「雷霆の魔王……ここではそんなことになっていたのね……」

イリス「ええと、レインさんはどうやってここに?」

レイン「飛んできたのよ。お陰で服も髪もびしょびしょになっちゃったわ……」

妖精「あの雷雲を自力で越えてきたの!?」

レイン「そうだけど? 貧弱な人間とは違って魔族は強靭なの」

クロシュ「わあ……」

ロムリン「ふむ……レイン殿も雷霆の魔王が奪った星の力なるものを必要としているそうだな。君たちにどのような事情があるかはわからんが、もし協力できるなら協力できないかね?」

レイン「……」

イリス「お、お願いします! 星の力が魔王の手に渡ったら、この星全部が破壊されちゃうかもしれないんです!」

クロシュ「お、おねがいします」ペコリ

レイン「……良いわよ」

妖精「えっ本当に?」

レイン「その代わりに星の力を寄越せ……なんてことも言わないわ。星の力を誰が手にするかは早いもの勝ちとしましょう」

妖精「……ちょっと都合が良すぎない? 私たちにとって」

レイン「言ったでしょ? 私は星の力ってものにそこまで興味ないの。もちろんザイルへの義理もあるから、可能であれば手に入れようとは思っているけれど……あなたたちが回収して星へ還すなら、それでも良いと思っている」

イリス「レインさん……!」

レイン「……勘違いしないで。今回のことはあくまで利害の一致による共闘。私だってこの星が滅ぼされてしまうのは流石に困るもの」

妖精「……ええと……じゃあ、どうしてテロなんてやってるの?」

レイン「王国だけよ、私の標的は。まあ王国以外でも気に入らなければ殺すことはあるけれど」

イリス(わ、笑えない……)

レイン「まあそういうわけだから、短い間だとは思うけれどよろしくね」

クロシュ「うん……!」

 ☆シノホシのレイン・フォールが戦力に加わりました

 ◆
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 18:15:16.51 ID:Uu58Hyo0o
(ここ、ザイル・ブラッドだったらコンマ判定挟まってたように見える見える)
929 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 18:28:07.24 ID:lscVMEZt0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 9日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・魔法[7/8](イリス)
・剣技[4/4](ミスティ)LVUP
・魔法[8/8](ミスティ)LVUP
・剣技[5/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:中庭、回廊、大広間、王族の私室、地下回廊、地下空洞、他
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
……………………………………………………………………………………
□雷霆の魔王対策
・戦力人数15
・避雷針LV1
……………………………………………………………………………………
930 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 18:28:35.06 ID:lscVMEZt0
―古城 会議室

ジェミニ「お主が新たに加わってくれたレイン殿か」

レイン「ええ。現状わかっていることや、当日の動きについて教えてもらえる?」

ジェミニ「うむ。まず雷霆の魔王について――」



ヒナ「おっ、また面白そうな人が」ヒョコ

ベルトーネ「……また喧嘩吹っ掛ける気? 今度こそジェミニ爺さんに追い出されるよ」ヒョコ

ヒナ「……後ろに立たないでくれる? 不快なんだけど」

ベルトーネ「若い方のおじさんにあんたと仲良くしろって言われちゃってさ〜」

ヒナ「若い方のおじさん……? エバンスくんのこと?」

ベルトーネ「そうそう。あんたにお熱みたいだよ〜」

ヒナ「はあ? その腐臭を放つ口を二度と開けなくしてやろうか?」

ベルトーネ「冗談だよも〜……。ていうか口調どうしたの口調」

ヒナ「あなたみたいな下衆悪魔に丁寧に話す必要ないもん」


浮島国滞在9日目です。12日目に封印が消滅します
↓1〜3 自由安価 何をする?
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 18:29:45.82 ID:q9dnaqQs0
ヒナとテイル、イリスとミスティと模擬戦
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 18:30:24.42 ID:MnCqx+3DO
新たに集まったメンバーを加えてもう一度魔王対策の会議
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 18:30:26.54 ID:Uu58Hyo0o
(一時手に能力アップな食べ物を作れないか)料理パート
934 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 19:58:34.13 ID:lscVMEZt0
―古城 中庭

ミスティ「はっ!」バッ

 無数の氷柱「」ヒュンヒュンッ!

イリス「四方八方から……! それなら――」フワッ!

ミスティ「空へ逃げた……! 距離が開くと氷の射撃は威力が弱まりすぎるのよね……」

イリス「質量射撃の弱点だね!」フワフワ カッ

 火球「」ボヒュンッ!!

ミスティ「くっ、炎も苦手だわ……! 弱点ばかり攻めてくるじゃない……!」サッサッ

イリス「やるからには本気で勝ちにいきたいもん!」


 ボンッ! ガギンッ! ヒュンヒュンッ!
  ズドォンッ!! ボムギッ!!


テイル「うわぁ……あいつら本当に十代の若者……? 戦闘狂の間違いじゃないの?」

ヒナ「呼びましたか?」ヌッ

テイル「うわあっ!?」

ヒナ「お、楽しそうですね。私たちも混ぜてもらいましょう!」

テイル「ええ!? いや、混ざるならあなただけでご勝手に……」

ヒナ「仲間外れはいけません! 平等に楽しく遊ばなきゃ!」グイグイ

テイル「や、やめろぉ! 引っ張るなぁ!」グイグイ

 *

ヒナ「というわけでここからは2対2でいきましょう!」

イリス「ええっ!?」

テイル「よ、よろしく……」

ミスティ「まあ、いいけど……」


↓1コンマ
01-50 敗北
51-90 勝利
91-00 会心
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 20:00:18.67 ID:SQ/V3mMHO
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 20:07:28.66 ID:Uu58Hyo0o
つよい
937 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 20:44:09.21 ID:lscVMEZt0
 ガギンッ! ドゴンッ!
  ボムギッ! ドズウンッ!

 *

ヒナ「あー負けたぁー……!!」ボロッ

テイル「う、ううっ……今日は乗り気じゃなかったし……」ボロッ

ミスティ「ふう……。天候操作と光の斬撃には流石にヒヤヒヤさせられたわね……」

イリス「たまたま先日飛行魔法を習得できたからなんとか勝てたけど、習得前だったらかなり厳しかったと思います!」

ヒナ「私ももっと修行が必要かあ……。あの悪魔一人滅ぼせなかったくらいだし、ちょっと気を引き締めなきゃいけないかも」

テイル「……ねえ、あなたたちって本当に十代の人間なの? バケモノの間違いじゃなくて?」

イリス「ええ……?」

ミスティ「そんなに変かしら……?」

 ☆テイルとヒナとの模擬戦に勝利しました

 ◆
938 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 20:44:35.52 ID:lscVMEZt0
―古城 会議室

 黒板「」カン!

ジェミニ「では改めて、第ニ回魔王対策会議を始める。まずは新たに加わった人員の紹介を行おう」

レイン「エルダーサキュバスのレインよ。よろしく」

ミーティア「彷徨う鎧のミーティアです! よろしくね!」ガション!

ジェミニ「また他には、旅エルフのテイルが新たに加わった。彼女は現在中庭で戦闘訓練を行っている」

妖精「うちのイリスとミスティも訓練中みたい」

ベルトーネ「駄天使も外だね〜。まあ放っておこう」

クロシュ「えと……ポーラーさんと、ゴライアスさんも……調整、だって……」

ローガン「うむ……ここにいる者だけで始める他ないだろう」

エバンス「おう。まあ会議が苦手な奴に無理矢理参加させても仕方ないしな」


魔王対策どうしよう?
↓1〜 先取2票
1.絶縁・雷耐性強化(雷耐性↑)
2.殺られる前に殺る( 速攻↑)
3.避雷針追加・強化(雷回避↑↑)
4.魔力吸収陣の設置(敵能力↓)
0.自由安価(票数は内容ごと)
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 20:50:58.29 ID:Uu58Hyo0o
3
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 20:52:14.72 ID:uEKpUkdE0
3
941 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 21:21:04.56 ID:lscVMEZt0
レイン「……一撃でもまともに受ければ即死する雷撃……当たらないようにするのが最善ではないかしら」

ジェミニ「その点を考慮し、前回は避雷針の設置を行った」

レイン「地下空洞は昨日見たけれど、確かに不自然な金属製の建造物が生えていたわね。でもあれでは不十分ではないかしら?」

妖精「不十分?」

レイン「この島に辿り着くまでに何度か雷球に襲われたけれど、あれは雷霆の魔王の眷属なのでしょう? 魔王が復活すれば、当然あの自由自在に動き回る雷球も大量に現れるはず。それらを現状の避雷針だけで捌き切ることは可能かしら?」

ジェミニ「ふむ……難しいじゃろう。雷球からの攻撃は魔王と違って即死するほどではないが、当たれば当然ダメージは免れぬ。回避できるに越したことはない」

エバンス「即死こそしなかったが、パーティ全員が意識を失うくらいの威力はあったからな……」

レイン「それなら避雷針の増設に力を入れるべきよ。可能な限り敵の攻撃を封じる必要があるわ」

ジェミニ「うむ……確かにレイン殿の言う通りかもしれぬ。儂は特に異論ないが、皆の者はどうか?」

ミーティア「質問です! 私って金属鎧ですけど、電気が流れるとどうなるんでしょうか!?」ガション!

レイン「え、知らないわよ……。流してみればわかるんじゃないの」

 モニョモニョ…ポン!

雷クロシュ「それじゃあ……流してみる……」パチパチ

ミーティア「おわわ、どうやってビリビリしてるのそれ!? キミすごいね!?」

ベルトーネ「鎧の癖に喋ってるのもだいぶ凄いと思うけどなあ〜」

雷クロシュ「それじゃあ……いきます」スッ

 雷クロシュの指「」ツンツン

ミーティア「びゃびゃびゃびゃ!」ビリビリ

雷クロシュ「わわ……!」

エバンス「す、すげえ声が出たぞ」

雷クロシュ「だ、だいじょうぶ……?」

ミーティア「ちょっとびっくりしたけど全然平気っぽい! ダメージはゼロ! でもびっくりして少し動けない、みたいな!?」ガション!

 雷クロシュの手「」ピト

ミーティア「びゃびゃびゃびゃ!!」ビリビリ

 雷クロシュの手「」パッ

ミーティア「やっぱり平気っぽい!」ガション!

雷クロシュ「わあ……!」

妖精「痛覚がないだけじゃないの……?」

ジェミニ「ううむ……魔王の雷を相手に同様の結果となるかは疑問じゃが……」

 ☆避雷針の増設を行いました。雷に対する回避率がさらに上がります

 ◆
942 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 22:03:56.15 ID:lscVMEZt0
―寂れた家 台所

イリス「うーん……」ウロウロ

人形「イリスさま。どうされましたか」ヒョコ

イリス「あ、人形ちゃん。えっとね……雷対策になる料理とかってないかなあって思って……」

人形「雷対策になるお料理ですか?」

イリス「うん。地上には溶岩魚っていう魚がいたりするんだけど、その魚を食べると少しだけ熱への耐性が得られたりするの。そういう食材ってないかなあと思って……」

人形「雷耐性を得られる食材……」ムムム

イリス「あ、そこまで真剣に考えてもらわなくても大丈夫! 雷対策じゃなくても、例えば一時的に気力や体力を増幅できるような料理とかでも、十分戦力になるしさ」

人形「むむ……お料理は、美味しさと栄養バランスのことしか考えておりませんでした……。イリスさまは、能力を増やすお料理についてのご知見をお持ちなのですか?」

イリス「え、どうだろう……。ちゃんと学んだことがあるわけじゃないけど、食べると力が出る食材とかはなんとなく知ってるかな……?」

エバンス「お、料理の話か?」ヌッ

人形「エバンスさま」

イリス「はい。魔王対策に、戦いの前に美味しくて力になって、ついでに雷耐性が付くようなものでも食べられればと思って」

エバンス「……力になるものは少し知ってるが、雷耐性はわからんな……。戦闘前にカニが食えれば最高だが……」

イリス「確かに!!」

人形「カニでしたら、この家の近くを流れる川や、森の奥にある泉にいるかもしれません。しかし滅多に姿を見せないので、見つけようと思ってもなかなか見つからないのです」

エバンス「いるのか、カニが」

イリス「でも滅多に見つからないんじゃ、当てにはならないですね……」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:畑の肉
魚介:トビウオ、ソラタニシ、ソラザリガニ、フワフワクラゲ
野菜:野草、オオキイワタゲ、ゴボウの根っこ
穀物:ヤマイモ、ノラ米、ノラ小麦、
果実:コガネリンゴ、ラティアベリー、サンダーレモン、どんぐり
卵乳:ソラニワトリの卵
特殊:精霊のわたあめ、スライムゼラチン、ブラッドワイン、精霊樹のジャム、お宿の焼き菓子、マジカルシュガー、マジカルスパイス、
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 22:05:57.06 ID:q9dnaqQs0
フワフワクラゲ、ブラッドワイン
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 22:08:09.42 ID:MnCqx+3DO
精霊樹のジャム サンダーレモン
945 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 22:58:51.28 ID:lscVMEZt0
―寂れた家 近くの森

クロシュ「……」トコトコ

クロシュ「!」ピコン

妖精「ん? 何か良いもの見つけた?」

クロシュ「ん!」

 黄色い果物「」ポン

妖精「これは……レモン?」スッ

 ピリッ

妖精「わひゃっ!? こ、この果物……僅かに帯電してる……!」

クロシュ「ほえ……」

妖精「雷の魔力が詰まってるんだ。ファイアメロンとかウォータースイカみたいな、魔力の込もった果物みたいだよ」

クロシュ「わあ……!」

 ◇

ローガン「うーむ……最近健康的な食事ができているのは良いのだが……そろそろ肉や魚が恋しくなってきたぞ……」スタスタ

ミスティ「妖精も言ってたけど、人形さんの出す料理ってかなり妖精的だものね。私はそこまで肉が好きというわけでもないからそれほど困っていないけれど……」

ローガン「もし私がもっと若かったらかなりつらかっただろう。もしかしたらエバンスくんもけっこう我慢しているかもしれん」

ミスティ「ああ……エバンスってお肉好きだものね。お世話になっている手前言い出せないでしょうけど……」

ローガン「……よし。たまには肉になりそうなものを獲るとするか!」

ミスティ「そうね。でもお肉になりそうな生き物なんてこの島にいるかしら?」


 空に浮かぶクラゲ「」フワフワ


ローガン「例えば……あのクラゲなどどうだ?」

ミスティ「……お肉って言えるのかしら?」

 ◆

―寂れた家

クロシュ「くだもの、取ってきた……!」トコトコ

 黄色いレモン「」ポン

エバンス「お、これはレモンか――うおっ!?」ピリッ

イリス「か、雷の魔力……!?」

人形「これは……数千年ほど前に、この島に自生していたレモンが変化して雷を持つようになった果物です。びりびりするので、食用には適さないかと思っていました」

イリス「いや、待って……これ、いけるかも! 雷耐性を付ける料理に!」

 ガチャッ

ローガン「クラゲを獲ってきたぞ」スタスタ

 フワフワクラゲ「」ポン

人形「これは、フワフワクラゲですね。ふわふわとゆっくり空を漂う姿が、とても愛らしくて情緒的です。食用にも適しており、栄養が豊富です」

エバンス「クラゲか……! ソラクラゲ種は塩抜きの必要がないから調理しやすいと聞いたことがあるな」

イリス「ふふ、面白いものが作れそうですね……!」

 ◇
946 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 22:59:55.17 ID:lscVMEZt0
 精霊のフワフワビリビリブラッドフルーツポンチ「」ポン!

エバンス「完成だ! 精霊のフワフワビリビリブラッドフルーツポンチ!」

イリス「トコナツ島でタコのおじさんに見せてもらったデザートを、今ある食材で再現してみました!」

人形「わ……! 素敵なデザートです……!」

ローガン「ブラッドワインも入っているのか……!」

イリス「はい。精霊樹のジャムとブラッドワインにビリビリレモンの果汁を混ぜて冷やした、魔力たっぷりの特製シロップです」

妖精「これはすごい……! 普段から魔力を使ってない人が食べたら逆に魔力過多でお腹を壊しちゃうかも……」

エバンス「まあ……このパーティのメンバーなら大丈夫だろ、多分」

クロシュ「……」ソワソワ

イリス「それじゃあ早いとこ食べよう!」

クロシュ「!」パァァァ!

 *

スライムクロシュ「〜♪♪」モニョモニョ モグモグ

ローガン「雷のように強烈な酸味を持つビリビリレモンだが、精霊樹のジャムとブラッドワインの溶けた甘いシロップに漬け込まれて爽やかな甘酸っぱさとなっている。もちろん雷魔力の刺激も消えたわけではなく、舌の上で弾けるようなパチパチとした味わいが感じられて面白い。そしてフワフワクラゲはやはりクラゲゆえに味がほとんどないが、つるつるの食感がやはりフルーツポンチにとても合う。美味しさと面白さ、そして堅実さを兼ね備えた素晴らしいデザートと言えよう」モグモグ

ミスティ「甘酸っぱくて美味しいわ……」モグモグ

妖精「これ凄いなあ……」モグモグ

人形「このレモンにこのような使い方があったなんて、知りませんでした……。お勉強になります……」モグモグ

イリス「……正直、私もここまで面白くて美味しい料理になるとは思ってなかった。これ、地上で出せば大流行するんじゃない……!?」

エバンス「可能性はあるぜ! ただ……このレモン、地上でも栽培できるんかな?」

妖精「……まあ、この雷雲……つまり雷霆の魔王の影響で生まれた果物なのは間違いなさそうだしね……。植えてみないとわかんないかも」

 ☆美味しいデザートを食べました
  翌日の終わりまで、魔力を使う判定と雷耐性が関わる判定で+の補正が入ります

 ◆
947 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 23:03:07.09 ID:lscVMEZt0
―浮島国ラティア・ヘイヴン 10日目

◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:不死鳥の羽根

◇妖精   [世話焼き妖精]
武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:精霊のレオタード 飾:

◇イリス  [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:魔術師のローブ  飾:

◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:         防:氷竜革のローブ  飾:

◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣      盾:灼鋼の盾     飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

◇エバンス [地の傭兵]
武:古代の鉄槌    盾:         飾:くすんだ耳飾り
武:魔銀の剣     防:硬質革鎧     飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*4       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*0       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
「星の魔力」上中    闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      冒険者証(ランク1)
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花  大魔女帝国渡航権
氷精の魔導書      精霊のローブ      かたたたきけん
ブラッドワイン*3               大魔女帝国滞在許可証
マッスルワイン*1               風船パラシュート
吸血鬼殺ワイン*1
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
大魔女サイン*1
古代のセラミック

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・剣技[1/6](クロシュ)
・魔法[1/6](クロシュ)
・魔法[7/8](イリス)
・剣技[0/6](ミスティ)
・魔法[0/16](ミスティ)
・剣技[5/16](エバンス)
・魔法[0/8](エバンス)
・剣技[1/16](ローガン)
・魔法[5/6](ローガン)
……………………………………………………………………………………
□浮島国
お城:中庭、回廊、大広間、王族の私室、地下回廊、地下空洞、他
廃都:広場、市場、どうぐ屋、ごはん屋、工房、図書館、他
辺境:寂れた家、平原、森林、川、他
……………………………………………………………………………………
□雷霆の魔王対策
・戦力人数15
・避雷針LV2
……………………………………………………………………………………
948 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 23:15:10.57 ID:lscVMEZt0
―工房

セイラ「……」

大盾「」

セイラ「……わたしって……誰なの……?」

大盾「」

セイラ「……じゃあ……あなたは……?」

大盾「」

セイラ「あなたは……わたし……?」

セイラ「わたしは……あなた……?」


浮島国滞在10日目です。12日目に封印が消滅します
↓1〜3 自由安価 何をする?
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 23:16:04.19 ID:SQ/V3mMHO
イリス、レインにフレメアの事を聞く
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 23:17:17.21 ID:MnCqx+3DO
何か悩んでるセイラを見て、気晴らしにと森林に散歩に誘う
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/14(土) 23:17:58.55 ID:esLkFtkV0
カニ食べたい人皆でカニ探し
952 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/14(土) 23:40:56.34 ID:lscVMEZt0
というわけで本日はここまでとなります。次回はレインさんにフレメアちゃんのことを聞いてみよう編、セイラちゃんとお散歩編、浮島の国でカニ探し編となります

今回はベルトーネちゃんとお話をしてみたり、レインさんが戦力に加わってくれたり、四人で模擬戦をやってみたり、魔王対策が進んだり、フルーツポンチを食べてみたりしたようでした
レイン氏が加わったわけですが、実のところあの場で加入する可能性のある人物の中では話が通じやすい人であったと言えるかもしれません。まあでも星全体の危機でもあるので、流石にザイル氏とブラッド氏も共闘くらいはしてくれたのではないかと思います(でもブラッド氏はやっぱりちょっと微妙かもしれません。ドサクサに紛れて味方の背中を撃つくらいのことはしてきそうです。わるいスライムです)

そして今までは適当でしたが、今後は料理を食べると作った料理の内容によって何らかの補正がかかるようにしようと思います。基本的には微々たる補正になると思いますが、もしクリティカルなすごい食材や料理を食べることができたらすごい補正が入るかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/15(日) 00:34:41.19 ID:jKhUygVvo
乙でした
エバンスにラキスケ属性が!
レインさんやっぱり話せば、というか成立する話ししてくれるので有情
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/15(日) 09:04:27.23 ID:aPjLes100

ベルトーネちゃんの下着ってキャミ的な奴かな、黒の
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/15(日) 11:35:52.48 ID:jToi/YLQ0

>>921で飛んできた水晶ってジェミニからもらった水晶だったりして(ベルトーネは水晶魔法使えないけどジェミニは水晶魔法が使えるから)。
956 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 16:56:17.61 ID:dxWE1w720
ローガン氏は厳格でしっかりしており、他の面々は女の子や妖精やスライムなので、必然的にエバンス氏がそういった役を担ってしまうことになるのかもしれません
レイン氏はシノホシのテロリストたちの中でも話が通じやすい方ではないかと思われます。また、勇者像を掃除していた時に出会った縁もあるので、実のところ悪印象は抱かれていないようです

ベルトーネ氏の下着がどのようなものであったかは、本人とエバンス氏にしかわかりません。イメージ的には黒いのを身に着けていそうな気はします。なお彼女は長生きの悪魔なので、実のところ人間の若造に見られる程度のことでは全く困らないようです。それはそれとして、見せる気のない時に見られるのはむかつくのかもしれません

エバンス氏を急襲した飛ぶ水晶ですが、あれはジェミニ氏が作ったものではなく、ベルトーネ氏が使う暇潰し用の映像水晶の一つのようです(彼女の部屋にはそのような暇潰し用の本や水晶が大量に散乱しています)。原理は不明ですが、彼女は水晶を通じて古今東西の娯楽や芸術を楽しむことができるようです。王国や大魔女帝国でも録画や映像再生ができる水晶は実用化されていますが、彼女の持つものがそれと同様のものであるかどうかは今のところわかっていません
957 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 16:57:17.12 ID:dxWE1w720
―古城 中庭

イリス「あのー、レインさん……少し質問しても良いですか……?」

レイン「馴れ合う気はないのだけれど」

イリス「ちょ、ちょっと聞きたいことがあるだけなので……!」

レイン「……内容によっては、魔王より先にあなたを殺すことになるかもしれないわ。それでも良ければ言ってみなさい」

イリス「うっ……」


イリス(……フレメアさんのことを聞くくらいなら……レインさんを怒らせる要素はないよね……?)

イリス(だ、大丈夫……! フラナ先生たち姉妹の喧嘩を止めなきゃいけないんだもん! 勇気を出そう……!)


イリス「……フレメア・バイオレットさんのことについてなんですけど!」

レイン「……」


↓1コンマ
01-05 魔族国に向かったそうよ
06-65 仲間の情報を漏らす気はないわ
66-95 タダでは教えないわ
96-00 「私の話!?」ヌッ
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/15(日) 16:58:46.13 ID:aPjLes100
959 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 17:44:51.76 ID:dxWE1w720
レイン「……仲間の情報を漏らす気はないわ」

イリス「うっ……」ガックリ

レイン「逆に聞くけれど、あなたはどうしてそんなことが知りたいの?」

イリス「……魔族国のフラナ・バイオレットさんにお世話になってるんです、私。それで……フラナさんとフレメアさんが今ものすごく険悪らしくて……何かできることはないかと、私なりに考えていまして……」

レイン「……余計なお世話ではないかしら」

イリス「そ、そうですかね」

レイン「もし私がフラナやフレメアの立場だったら……人間の若造などに割って入られても困るし、場合によっては不快に感じるでしょうね」

イリス「で、でも……! 姉妹同士で、殺し合いになりそうなんです……!」

レイン「それが何か問題なの? 世話になっているとは言っても、あなたに被害が及ぶわけではないのでしょう?」

イリス「だって、殺し合いですよ!? どちらか一方が、死んじゃうかもしれないんですよ!? レインさんだって、仲間のフレメアさんが死んじゃうのは嫌じゃないんですか!?」

レイン「……どちらかと言えば好ましく思わないわね。でもそれがあの子の選択なら止めはしないわ。仲間だもの」

イリス「そ、そうですか……」

レイン「あなたもフラナ・バイオレットの気持ちを尊重してあげたら? 誰かの悪意で殺し合うよう仕向けられている、なんて悪質なケースでもないのでしょう?」

イリス「それは……わからないです。私は、本当に何も知らないので……」

レイン「ああ……私にフレメアのことを聞いてくるくらいだものね。一応言っておくけれど、私もその姉妹の確執について大したことは知らないわよ」

イリス「そうですか……」

レイン「どちらにしても、吸血鬼の争いなどに首を突っ込むのはおすすめしないわ。命が惜しくないのなら別に良いと思うけれど」

イリス「……ありがとうございます。いろいろ考えてみます」

レイン「そうしなさい。……少し余計なお喋りをし過ぎたわ」バサッ

 バサッバサッ―


イリス「あ、飛んでっちゃった……」

イリス「……馴れ合う気はないって言ってたけど、けっこうちゃんと聞いてくれた……?」

 ◆
960 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 18:28:51.40 ID:dxWE1w720
―工房

セイラ「……」

大盾「」


クロシュ「セイラちゃん……」

工房人形「今朝から、ずっと何かを考え込んでいる様子なのです」

クロシュ「……お散歩に、連れてってもいい……?」

工房人形「セイラ様が良ければ、問題ありません」

クロシュ「ん……!」

 トコトコ…

クロシュ「セイラちゃん……」

セイラ「……あ、クロシュちゃん……?」

クロシュ「お外……出る……?」

セイラ「え? えっと……」

工房人形「適度な運動は健康に良い効果があります。ゴーレムも同様に、状態を良好に保つには適度な稼働が推奨されています」

セイラ「そうなんだ……」

大盾「」

セイラ「それじゃあ……お外、行こう。クロシュちゃん」

クロシュ「わあ……!」

 *
961 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 18:29:17.72 ID:dxWE1w720
―森林

 チュンチュン

セイラ「わあ、綺麗な森……!」

クロシュ「うん……」

セイラ「クロシュちゃんは、ここの近くに住んでるんだよね?」

クロシュ「うん。親切なお人形さんに、泊めてもらってる……」

セイラ「優しいお人形さんがいたんだね……」

クロシュ「うん……」

大盾「」フヨフヨ


クロシュ「……セイラちゃん……何か、困ってること……ある……?」

セイラ「困ってること……?」

クロシュ「うん……」

セイラ「……」

大盾「」

セイラ「……困ってる……わけでは、ないの」

クロシュ「ほえ……?」

セイラ「わたし……守れなかったの……」

クロシュ「?」

セイラ「大切な……何よりも大切な、姫様を……。わたし……守れなかった……」

クロシュ「……」

セイラ「わたしは……わたしだけど……。本当は……わたしじゃなくて……」

クロシュ「……」

セイラ「わたしは――」


雷球「」バシュンッ!!


クロシュ「!!」ザッ

セイラ「雷……!」バッ

クロシュ「わっ……! セイラちゃん、あぶない……!」

セイラ「ううん……。今度こそ……わたしが、守る……」ザッ

大盾「」フワッ―

セイラ「絶対、守り抜く……!」

大盾「」ガシンッ!!


 ――戦闘開始 はぐれ雷球――

 ☆セイラが〈守護〉を発動!
  一度だけ劣勢を無効化!

↓1コンマ
01-10 痛恨
11-30 劣勢
31-00 勝利
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/15(日) 18:30:00.66 ID:Vpx9KnsDO
963 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 21:15:49.61 ID:dxWE1w720
雷球「」バシュンッ!!

大盾「」ガシンッ!!

 バチチチチッ!!

セイラ「っ!!」バヂヂッ

クロシュ「セイラちゃん……!」

 モニョニョポン!

  光の残像「」パヒュンッ

光メイド剣士クロシュ「!!」シャッ!

雷球「!!」

 光刃メイドブレード「」ヴンッ!!

雷/球「」スパッ

 バックンッ!!

雷スライムクロシュ「」モニョモニョ モグモグ…


 ――戦闘終了――

 *
964 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 21:46:01.06 ID:dxWE1w720
クロシュ「セイラちゃん……大丈夫……?」

セイラ「うん……。クロシュちゃんが……すぐに倒してくれたから……」

大盾「」フヨフヨ

クロシュ「……セイラちゃんは……大盾さんなの……?」

セイラ「……説明、難しい……」

クロシュ「……」

セイラ「クロシュちゃんは……もぐもぐすると……もぐもぐしたもののことが、わかるんだよね」

クロシュ「うん」

セイラ「それじゃあ……わたしたちのこと……もぐもぐ、してみて」

クロシュ「!」

セイラ「それで……きっと、わかると思う」

クロシュ「ん……!」

 デロデロ…モニョモニョ…

 ◆
965 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 22:52:34.37 ID:dxWE1w720
―ある日
 ラティア城 王族の私室

大盾「」ドン!

幼い姫「わ……! お兄さま、こちらのゴーレムさんは……?」

ロムリン「彼女は自律移動式盾型ゴーレム。皆からはオオキイシールドと呼ばれているゴーレムさんだよ」

幼い姫「オオキイシールドさん……」

ロムリン「しかもこの機体は、王族の護衛用に改良が施された特別製だ。いかなる危険からも君を守る最強の盾であり、最優の騎士というわけだ」

幼い姫「騎士さま……。でもオオキイシールドさんだと、ちょっと呼びにくい……」

ロムリン「ふむ……では、君が名前を付けてあげてはどうかね? このゴーレムは言葉こそ発しないが、心を持たないわけではない。名前を与えれば喜ぶかもしれないよ」

幼い姫「お名前……んー……」

大盾「」

幼い姫「……それじゃあ、セイラ! あなたのことは、セイラと呼ぶね!」

大盾セイラ「」ガシン!

 ◆
966 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 22:53:00.49 ID:dxWE1w720
―辺境の森 川辺

 チュンチュン

 川「」サラサラ


幼い姫「〜〜♪」トコトコ

大盾セイラ「」フヨフヨ

幼い姫「あっ、見て見て! カニさん!」


サワガニ「」ヒョコヒョコ


大盾セイラ「」フヨフヨ

幼い姫「かわいいね」

大盾セイラ「」フヨフヨ

幼い姫「セイラは、カニさん好き?」

大盾セイラ「」コクリ

幼い姫「わあ! わたしも好き!」

大盾セイラ「」フヨフヨ

幼い姫「もちろんセイラのことも好きだよ!」

大盾セイラ「」フヨヨ

 ◆
967 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 22:53:31.01 ID:dxWE1w720
―ラティア城 中庭

幼い姫「せーのっ!」ピョンッ

大盾セイラ「」フヨヨヨっっっ


メイド「ひ、姫様!? 何をなさって……!?」

兵士「姫様が大盾に掴まって空を飛んでいるぞ!!?」

執事「だ、誰か姫様をお助けしろォ!!」


幼い姫「あはははは! 見てよセイラ! みんなわたしたちを見上げてる!!」

大盾セイラ「」フヨヨっっっ

幼い姫「あ、こら降りないの! もっと高く飛んで!」

大盾セイラ「」フヨヨヨヨっっっ

ジェミニ「姫様……」ヌッ

幼い姫「わあっ!? ジェミニ!?」

 *
968 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 22:54:23.31 ID:dxWE1w720
―王族の私室

大盾セイラ「」フヨヨ…

ジェミニ「セイラを困らせるものではありませぬ。彼女は貴女の命令には逆らえないのですから」

幼い姫「え〜……。でも、セイラだってわたしと一緒に空を飛びたかったよね?」

大盾セイラ「」フヨヨっっ

ジェミニ「はあ、全く……。あまりにも目に余る場合、セイラを取り上げられてしまいますぞ」

幼い姫「えっ、だめ!! そんなの絶対許さないもん!!」

大盾セイラ「」フヨ…

ジェミニ「であれば、セイラを困らせないことです。貴女はセイラに掴まっていれば良いだけですが、セイラは常に反重力機構の調節・計算を怠れないのですぞ」

幼い姫「んえ〜?」

ジェミニ「……つまり、セイラが姫と一緒に飛ぶのは本来かなり難しいのです。セイラが特別製の優秀な機体だったがゆえに事故にはなりませんでしたが、今後は決して同じことをしてはなりませぬ」

幼い姫「………セイラ……つらかった……?」

大盾セイラ「」フヨ…

ジェミニ「……正直に申し上げなさい。姫様の為です」

大盾セイラ「」コクリ…

幼い姫「!!」

大盾セイラ「」フヨヨ…

幼い姫「う、うう……」

大盾セイラ「」フヨ…?

幼い姫「ごべんねえええ〜〜!!!」ダバダバ

大盾セイラ「」フヨヨ!?

 ◆
969 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 22:54:50.51 ID:dxWE1w720
―中央動力室

ゼーレシルト「反重力機構の出力を強化して欲しい……?」

大盾セイラ「」コクリ

ゼーレシルト「なぜですか。あなたは王族用の特別製であり、既に必要以上の出力を有しています。さらに強化する意義が不明です」

大盾セイラ「」フヨフヨ

ゼーレシルト「姫と一緒に飛びたい……? 却下です。そのような遊びは重大な事故に繋がる可能性があります」

大盾セイラ「」フヨヨ…!

ゼーレシルト「重大な事故を起こさない為に、より安定した出力が必要と」

大盾セイラ「」フヨフヨ…!

ゼーレシルト「では、命綱の着用を徹底してください。それを遵守できるなら、あなたの強化改修を行うことができます」

大盾セイラ「」フヨヨ!

 ◆
970 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 22:55:18.84 ID:dxWE1w720
―王族の私室

豪華なベッド「」

幼い姫「うっ、うっうっ……セイラ……帰ってこない……。怒って出てっちゃったんだ……」グスグス

大盾セイラ「」ヒョコ

幼い姫「わあっ!? せ、セイラ……!?」

ジェミニ「姫様……。セイラは定期メンテナンスで出ていただけでしょう……」ヌッ

幼い姫「セイラぁ……!」ダキッ

大盾セイラ「」フヨヨ

ジェミニ「また、ゼーレシルトから伝言です。セイラの飛行能力を強化したので、命綱を着用した場合に限り姫様と一緒に飛行しても良い……とのことです」

幼い姫「えっ!?」

大盾セイラ「」フヨフヨ

幼い姫「そ、そうなの? セイラ」

大盾セイラ「」コクリ

幼い姫「……嫌じゃ、ないの……?」

大盾セイラ「」フルフル

ジェミニ「……セイラが嫌だったのは、姫様が怪我をなされる可能性があったからでしょう。その不安が解消されたのであれば、もう嫌がる理由はないかと思われます」

幼い姫「〜〜!! セイラぁ〜!!」ダキッ

大盾セイラ「」フヨヨ

 ◆
971 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 22:56:53.32 ID:dxWE1w720
―浮島国 上空

 ヒュオオオオオ――…

 眼科に小さく見える浮島「」

 浮島の下に広がっている雲海「」モクモク


幼い姫「わぁ〜!!」フヨフヨ

大盾セイラ「」フヨフヨ

ジェミニ「良い眺めですな」フヨフヨ

幼い姫「……なんでジェミニまで来てるの?」

ジェミニ「万が一に備えてです。スカイメガロザメの群れなどが現れれば、万が一ということもありますゆえ」

幼い姫「サメの群れなんてセイラがいればへっちゃらだよね〜?」

大盾セイラ「」フヨフヨ

ジェミニ「はあ……。む……?」


 遥か彼方に見える不穏な雷雲「」ゴゴゴゴ…


幼い姫「……ジェミニ……あの雲、こわい……」

ジェミニ「……お気になさらず。ただの積乱雲でしょう」

大盾セイラ「」ガシン…

 ◆
972 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 22:57:55.61 ID:dxWE1w720
―浮島国 城下町

 天を覆う巨大な雷雲「」ゴゴゴゴゴ…

 暴風雨「」ドザァァァァァ!!

 雷「」ピシャッ!!

落雷で破壊される建物「」ドッギャアアアアンッ!!

 雷球「」バシュンッ!!
  雷球「」シュビビッ!!
   雷球「」バヂヂヂッ!!
    雷球「」バリバリバリ!!!

感電死する人「アババーッ!!」バリバリ

 キャアアアアア!!! タスケテクダサイ!!
  ナンナンダヨコレハアアア!!! イヤダー!!

ゴライアス「皆様は急いで地下へ避難を!! ここは我々ゴーレムが抑えます!!」

ゴーレム部隊「」ザザッ!!

 ウオオオオオッ!! ゴーレムダー!!

雷球「」バシュンッ!!

ゴライアス「ここから先は……一歩たりとも通さぬ!!」ズンッ!!

ポーラー「先パイ、こいつラは歩きまセン」ヌッ

ゴライアス「言葉尻を取るな!!」

 ◆
973 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 22:58:32.23 ID:dxWE1w720
―王族の私室

 窓「」ゴゴゴゴ

幼い姫「あ……ああ……街が……街の人たちが……!」

大盾セイラ「」フヨ…

幼い姫「どうしよう……!? セイラ、どうしよう……!?」

大盾セイラ「」フヨヨ…

 ◆
974 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 23:01:25.28 ID:dxWE1w720
―ラティア城 地下工房

大破ゴライアス「う、う……私は……まだ戦える……。何卒……再起の機会を……」ジジジ…

ロムリン「無理だ、ゴライアス……。君の精核は……もう、ゴーレム駆体を動かすことに耐えられん……」

大破ゴライアス「そ……そんな……」ジジジ…

ロムリン「もう、意識を保つだけでもつらいだろう……。大義であったぞ、護国の英雄ゴライアスよ――」

大破ゴライアス「つらくなどありませぬ!! 私は……まだ、戦える……!! 戦わせてください、王よ……!!」ジジジ

ロムリン「むう……」

宮廷魔術師ミーティア「方法がないわけではない」スッ

ロムリン「ミーティア」

大破ゴライアス「ミーティア殿!!」

宮廷魔術師ミーティア「ゴーレムのような大質量の駆体を動かすのは不可能だが……その精核に残った熱を燃やし、雷をも断ち切る烈剣として生まれ変わらせることならできる」

大破ゴライアス「私が……剣に……!!」

宮廷魔術師ミーティア「ただし……お前自身では全く身動きが取れない上……。一太刀振るう度、お前の精核は熱せられた鉄杭に貫かれるが如き激痛に見舞われるだろう。それでも……戦うことを望むか?」

ロムリン「待て!! この国を守る為に戦った英雄に、そのような仕打ちは……!!」

大破ゴライアス「お願いします! 私を剣にしてください!! 痛みなど、雷に撃たれて殺された民の方々や、散っていったゴーレムの同胞たちを思えば、いくらでも耐えてみせましょう!!!」

宮廷魔術師ミーティア「……本当に良いのだな? 死のうと思っても、自ら死ぬことさえできんぞ?」

大破ゴライアス「奴の雷を断ち切るまでは……絶対に死にませぬ!!!!」

宮廷魔術師ミーティア「英雄の覚悟、しかと受け取った。準備をしてくる、少し待っていてくれ」スタスタ


ロムリン「ゴライアス……」

大破ゴライアス「……気にかけて頂き誠に感謝致します、王よ。しかし私はこの国を守る為に生まれた身。この魂が健在な内は、その責務を全うさせてください」

ロムリン「……わかった。だが、もし激痛に耐えられぬ時は……使い手に遠慮せず、その旨を申せ。誰も咎めはせぬ……」

大破ゴライアス「ご厚意、痛み入ります」

 ◆
975 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 23:02:05.35 ID:dxWE1w720
―ラティア城 大講堂

ロムリン「――というわけだ。この最終作戦が成功すれば、雷霆の魔王を封印できる」

 ザワザワ

ロムリン「だが……皆も知っての通り、既に我が国は崩壊した。この戦に勝ったところで、残る未来は衰退と滅亡のみ……。故に、無理強いはせん。この大乱が過ぎ去るのを地下で待っていれば、無事に生き残れるかもしれぬ。それでもなお……この無謀なる作戦に参加してくれる者は、共に来てくれたまえ」


ポーラー「仰せのままニ」ザッ

ジェミニ「ミーティアも死んだ今、結界の保守ができるのは儂くらいじゃろう」ザッ

ベルトーネ「ま、サビ残してやんなくもないかな〜」ザッ

家政婦人形「私も参加します。守りたいものがあるので」ザッ

ゴーレム部隊「我々モ最期マデオ供致シマス!!」ザッ

人形部隊「ラティア・ヘイヴンの為に」ザッ

生き残りの人間たち「おれたちもやるぜ!!」ザッ


ロムリン「皆の者……」


幼い姫「……お兄さま」

大盾セイラ「」フヨフヨ

ロムリン「! 街の工房に避難しろと――」

幼い姫「ううん……。わたしも、戦います」

大盾セイラ「」ガシン!

ロムリン「だが……」

幼い姫「お兄さまも、みんなも……この国のために、命がけで戦うんだよね? だったら……この国のお姫さまのわたしだけ……怖がって引っ込んでるなんて、嘘だよ。わたしだって……この国のために、戦いたいもん」

ロムリン「……」

幼い姫「わたし……癒やしの魔法は、人一倍がんばってきたもん。きっと、役に立てる……!」

大盾セイラ「」ガシン!

ロムリン「……ああ。わかった」

 ◆
976 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 23:03:13.99 ID:dxWE1w720
―ラティア城 地下回廊

 ドガァンッ!! バリバリバリッ!! ババリバリッシュ!!
  グギャアアアアアアッッ!!! マダダ!! マダオワッテイナイ!!

 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 人間の死体「」ボロボロ
 人形の残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 人形の残骸「」ボロボロ
 ゴーレムの残骸「」ボロボロ
 人間の死体「」ボロボロ

雷球「」バシュンッ!!

ポーラー「グ、うウウ」ドガアッ!!

潰れる雷球「」ブチッ

崩れるポーラー「」ドグシャッ


雷霆の魔王「」ゴゴゴゴゴ…


ベルトーネ「冗談じゃない……。封印なんて不可能でしょ、これ……」ボロボロ

ジェミニ「いや……出力は弱まっておる。あと一息で地下空洞に押し込めるはずじゃ……」ボロボロ


幼い姫「はあ、はあ……」ボロボロ

大盾セイラ「」ボロボロ

ロムリン「もう下がれ……! あとは我々だけで押し切れる……!!」

幼い姫「ううん……。セイラの守りも、わたしの魔法も……まだまだ必要だよね……?」

ロムリン「……」

ジェミニ「……」

ベルトーネ「あー……ぶっちゃけ、必要かも〜……」

ロムリン「ベルトーネっ……!!」

ベルトーネ「……虚勢張っても仕方なくない〜? 私たちが負けりゃ、どの道この子だって死ぬわけだし〜……。この子の回復魔法がなけりゃ、今頃私たち全員お陀仏だったよね〜……」

幼い姫「お兄さま……!」

ロムリン「……絶対、前に出るな。セイラの守護範囲から、絶対に出るな。約束してくれ」

幼い姫「はい……!!」

 *
977 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 23:05:35.87 ID:dxWE1w720
―地下空洞

 封印結界「」ゴゴゴゴゴ

雷霆の魔王「谿コ縺呎ョコ縺呎ョコ縺呻シ?シ?シ」ググググ


ジェミニ「あと一息じゃああ!!」グググ

ベルトーネ「うぎぎぎぎ……!! このサビ残重すぎ……!」グググ

ロムリン「ぬおおおおっ!!」グググ


雷霆の魔王「谿コ縺呎ョコ縺呎ョコ縺呎ョコ縺呻シ?シ?シ」カッ!!!!

 全方位雷撃「」ババリバリバリ!!!!


ベルトーネ「うっそ、まだ撃てたのそれ……」

ジェミニ「ああ……終わりじゃ……」

ロムリン「くっ……くそぉぉぉぉぉ!!!!」


幼い姫「セイラ、みんなを守って!!!!」

大盾セイラ「」!!?



大盾セイラ(だめだよ……。いま、わたしがみんなを守りにいったら……姫様が……)

幼い姫(大丈夫……。あの魔王を封印できれば……全部、良くなるから……)

大盾セイラ(やだ……。命令、取り消してよぉ……)

幼い姫(取り消さない。ここでみんなが死んじゃったら……終わりだもん……)

大盾セイラ(やだ、やだ――。動かないで、わたし、動かないで……!!!)



大盾セイラ「」シュバッ!! ガシン!!

 守護結界「」フォンッ

ロムリン「なっ!!?」
ジェミニ「ばっ……」
ベルトーネ「ちょっ……」


 全方位雷撃「」バリバリバリドッギャァァァァンッ!!!!


大盾セイラ「」プスプス…


ロムリン「あ、ああ……」


幼い姫の亡骸「」プスプス…


ロムリン「あああああああああ!!!!!!」

 ◆
978 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 23:06:58.93 ID:dxWE1w720
―地下空洞

 封印結界「」ジジ…


大盾セイラ「」

ロムリン「……セイラ……動かなくなってしまったな……」

ゼーレシルト「死んではいないようですが、外界からの刺激を完全に遮断しているようです。こうなってしまうと、私でも干渉できません」

ロムリン「そうか……」

大盾セイラ「」

ロムリン「………お前も……守りたかったのだろうな……」

大盾セイラ「」

ロムリン「…………すまない。私たちが……力不足だった、ばかりに………」

 ◆

―地下空洞

ロムリン「……? セイラは、どこへ?」

ゼーレシルト「少し前に再起動し、回廊の方へ去っていきました」

ロムリン「セイラ……」

ゼーレシルト「また不可解なことに、セイラの近くで奇妙な魔力歪曲が発生しておりました」

ロムリン「魔力歪曲……?」

ゼーレシルト「恐らくは強化を施した反重力機構が暴走しているものと考えられますが、詳しく精査したわけではないため断定はできません」

ロムリン「そうか……」

 ◆
979 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 23:07:51.93 ID:dxWE1w720
―地下回廊


大盾セイラ「」フラフラ


大盾セイラ(守れなかった。守れなかった。守れなかった……)フラフラ

大盾セイラ(何を? 誰を? どうして?)フラフラ

大盾セイラ(違う。違う。違う。守れる。守れた。守れたはず)フラフラ

大盾セイラ(だって、ほら――)


幼い姫?「すう、すう……」zzz


大盾セイラ(守れた。守れた。守る……ずっと、守る……)フラフラ

 ◆
980 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/15(日) 23:09:45.73 ID:dxWE1w720
―今
 森林

 チュンチュン

クロシュ「……」

セイラ「どうだった……? わかった……?」

大盾セイラ「」フヨフヨ

クロシュ「あなたは……セイラ、ちゃん……」

大盾セイラ「」コクン

クロシュ「あなたは………セイラちゃんの………」

セイラ「……」

クロシュ「セイラちゃんの……願い……?」

セイラ「……うん。わたしは……わたしが、守れなかった……未練、みたいなもの……なんだと思う……」

クロシュ「……」

セイラ「怖いものから遠ざけて。暗い闇に閉じ込めて。絶対に誰にも侵されない、侵させない、理想の姫様。それが……きっと、わたしの根っこ……」

クロシュ「……」

セイラ「でも……ようやく、わかった……。姫様が守ろうとしたもの……。姫様が守りたかったもの……。わたしが……本当に、守らなければならないもの……」

クロシュ「……」

セイラ「クロシュちゃん……わたしも、戦うよ」

クロシュ「!」

セイラ「姫様の、愛した……この浮島の国を……守り抜く為に……」

大盾セイラ「」ガシン!

 ☆大盾ゴーレムのセイラが戦力に加わりました

 ◆
981 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/16(月) 00:09:30.69 ID:qApo0JBP0
というわけで本日はここまでとなります。次回はカニ探し編からとなります

レイン氏にフレメアちゃんのことを聞こうとして断られたり、セイラちゃんのことを知ったりといった様子のクロシュ一行でした
レイン氏は少し厳しい人に見えますが、実際厳しい人なのかもしれません。でもすぐさま否定してきたり攻撃的な態度を取ったりといったことはなかったので、幸いだったようです。もし勇者関連のことを不用意に聞いたら逆鱗に触れていたかもしれません。気を付けたいところです
そしてセイラちゃんは、なんとゴーレムだったそうです。とても強い特別製オオキイシールドのセイラちゃんはとても強いので、とても頼りになると思います。協力して浮島の国を守りましょう

それでは本日もありがとうございました。次回は土日となります……と言いたいところなのですが、実のところスレがあと少しなので、平日のどこかでカニ探し編を行い、それが終わったら土日に次スレ立て、という感じになるかもしれません。よろしくお願いいたします
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/16(月) 07:39:01.55 ID:7Dks9/YDO
乙です
セイラちゃんは王族の関係者かゴーレムや人形の製作者の関係者だと思っていたらこういうことだったか

今度こそ全てを護ってほしい
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/19(木) 15:01:38.87 ID:fClVT4I6o
ゴライアスさんにお労しい過去…現在大丈夫か?
984 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/21(土) 17:35:38.49 ID:iN9VgIZD0
すみません、平日は更新できませんでした
また本日も体調が悪く、少ししか更新はできないかと思われます。申し訳ありません

幼女の方のセイラさんは、大盾セイラちゃんが作り出した幻のような存在だったようです。その姿はかつて大盾セイラちゃんが仕えたラティア王族のお姫様によく似ているそうです。しかし1万年前のことなので、誰もその姿を覚えていませんでした

ゴライアス氏は、剣として振るわれない限りは特につらくないようです。彼にとっては、身体的な苦痛よりも最後の戦いに参じることができなかったことの方がよほどつらいことだったかもしれません
985 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/21(土) 17:36:04.17 ID:iN9VgIZD0
すみません、平日は更新できませんでした
また本日も体調が悪く、少ししか更新はできないかと思われます。申し訳ありません

幼女の方のセイラさんは、大盾セイラちゃんが作り出した幻のような存在だったようです。その姿はかつて大盾セイラちゃんが仕えたラティア王族のお姫様によく似ているそうです。しかし1万年前のことなので、誰もその姿を覚えていませんでした

ゴライアス氏は、剣として振るわれない限りは特につらくないようです。彼にとっては、身体的な苦痛よりも最後の戦いに参じることができなかったことの方がよほどつらいことだったかもしれません


―近くの森

 川「」サラサラ

イリス「というわけで、カニを探しましょう!」

エバンス「おう!」

ミスティ「カニ……滅多に見つからないらしいけど……」

ローガン「だが探してみなければわからん。もし見つかれば戦力の大幅な増強が図れるはずだ」

 川「」サラサラ

妖精「サワガニくらいなら見つかるかもね」

↓1コンマ
01-30 見つからなかった
31-60 サワガニ
61-90 ザリガニ
91-00 ブルージェットガニ
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/21(土) 17:43:55.66 ID:4J0gbLsc0
ブルージェット♪
987 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/21(土) 18:28:20.28 ID:iN9VgIZD0
 ガサガサ―

イリス「……あっ!!」

エバンス「お、見つけたのか?」


 川底のザリガニ「」


イリス「ザリガニです!」

エバンス「ザリガニか!」

ローガン「ふむ……ザリガニはザリガニで良い食材だ。獲っていくか」

イリス「そうですね。ザリガニを食べれば、きっと力になるはずです!」

ミスティ「ザリガニ……一人旅をしてた頃は、時々釣ったのを焼いて食べたわね……。ちょっとジャリジャリしてて美味しくなかったけど……」

イリス「……ミスティ、もしかして釣ったのをそのまま焼いて食べたの?」

ミスティ「そうだけど……。他の調理法なんてあるの? あ、もしかして茹でた方が美味しいの?」

イリス「違うよ! ザリガニは消化器官に泥とかが残ってるから、それを抜かないと食べられないんだよ!」

ミスティ「ええ……? でも食べられたわよ……?」

イリス「いや……食べられないってのは言葉の綾で……。ミスティが言ったように、泥抜きしてないザリガニはジャリジャリで生臭くって美味しくないはずだよ」

ミスティ「つまり、泥を抜けば美味しくなるってことね?」

イリス「そういうこと! まあ真面目に泥抜きしようとすると何日かかかっちゃうんだけど、急ぎの場合でもワタを抜くだけで十分美味しくなるよ」

ミスティ「ワタを……。む、難しそうね……」

妖精「人間は食べるためにいろんなこと考えるんだねえ。クロシュはそのままもぐもぐ食べてたよ」

イリス「クロシュちゃんはまあ、スライムだし……」

エバンス「呪われたパラサイトソードもバリボリ食べちゃうくらいだからな……」

イリス「でもちゃんと調理したものもすごく美味しそうに食べてくれるから、作り甲斐はあるんですよね」

エバンス「だな。人間とはちょっと味覚が違うみたいだが、それでも人間が美味いと思うものは大体クロシュちゃんにとっても美味いみたいだしな」

妖精「美味しい範囲がものすごく広くて、その中に人間の好みも大体含まれてるんだと思う。スライム類全般がそんな感じだし」

 ☆ザリガニを獲りました
  魔王との戦いにザリガニ補正がかかります

 ◆
988 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/21(土) 18:47:27.43 ID:iN9VgIZD0
短いですが本日はここまでとなります。次回は次スレです

サワガニやザリガニはありふれたカニであり、その効能も飛び抜けたものではありません。しかし世界には驚異的な力を秘めたカニも存在し、それを食せば大いなる力を得られると伝えられています。クロシュ一行が砂漠で発見したテラヌスコハクガニや、大魔女帝国でユキ氏からご馳走になったオノゴロ産のカニ(名称不明)などがそれに当たります。世界を探せば、他にも優れた力を持つカニを見つけることができるかもしれません

次回の次スレですが、明日立てる予定です。更新までできるかはわかりませんが、よろしくお願いいたします

このスレの残りはご自由にお使いくださいませ
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/21(土) 18:52:03.61 ID:7591ptG7o
おつ
お大事に…
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/21(土) 19:23:01.18 ID:tMU+J0PAo
おつおつ
体調万全でない中更新ありがとう

ミスティさん毒耐性高い説
この先も色んなご当地カニにありつけるといいな
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/22(日) 13:54:13.91 ID:8vHtWm7/0

改めてだけどテラヌス・ウルス〜ラティア・ヘイブンでなるべくではあるけど安価で出した色んなキャラがしっかり名前を出して本スレに登場させてくれているから安価を出している自分としてもすごく嬉しいです。
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/22(日) 14:57:10.31 ID:JK3qldIJO
>>892でエバンス飛行技の練習をしているけど今後他のメンバーもそういった新技を習得するような安価を出してもいいのかな?
993 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/12/22(日) 21:30:41.05 ID:aF+r8W1c0
すみません、登場人物の備考欄の書き足しなどを行っていたら、今日中には間に合いそうになくなってしまいました……


気温の低下に伴って体調がボロボロになってきたようです。しばらくすれば治ると思われるので大丈夫でしょう。ご心配いただきありがとうございます

ミスティ氏は一人旅時代、火を通せば大体のものは食べられると考えていたようです。実際今のところ致命的な食中毒にはなったことがないようなので、人間の中では毒耐性が高い方なのかもしれません
旅を続ければ、きっと美味しいカニを食べられる日もあるかと思われます。特にオノゴロ地方やトウゲン帝国ではカニ料理が盛んらしく、期待できるかもしれません

登場人物が増えすぎて実のところ>>1の処理が追いついていない可能性はあるのですが、特に問題にはなっていないようであれば幸いです
とはいえ実のところ>>1の頭がパンク寸前になることも時々あるので、今後の募集をどうするかはちょっと考えるべきかもしれません……

エバンスの飛行技は、あえて命名するほどの技とも言えないような大ジャンプとパラシュートなのですが、そういう安価を出すことは特に問題ありません。実際にキャラクターが持つ固有技となるかどうかは安価やコンマ次第となるかもしれませんが、安価を出すこと自体は全く問題ありません
例を上げるなら、クロシュさんが不死鳥化を獲得したのもそういった安価の流れの一つだったと言えるでしょう



というわけで本当に申し訳ないのですが、次スレは来週ということにさせていただきたく思います……。よろしくお願いいたします
先述の通り、このスレの残りはご自由にお使いくださいませ
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/22(日) 21:39:45.26 ID:As3xh9vQo
了解
ご自愛ください
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/12/24(火) 10:31:51.06 ID:4WNRS4EdO
お大事になさってください
921.81 KB Speed:10.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)