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デジタルモンスター研究報告会 season3
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48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/03(木) 21:46:19.65 ID:N8nNli7po
乙
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/03(木) 21:59:19.69 ID:Dp5qGrPr0
乙
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/04(金) 07:21:17.37 ID:KznOGrql0
スカウトされた人達はちゃんとデジモン育てられるのか
メタルティラノモンに勝つ方法あるのか(もうメタルティラノモンは別のナニかになってしまっている)
問題山積みなのにまた問題が増えた
51 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/04(金) 16:26:03.11 ID:sOUy5FuNO
スティングモンに連れられて、畑の様子を見に行った。
すると農作物の苗は……、どれもこれも白い糸でびっしりと覆われていた。
糸の中では何かがもぞもぞと大量に蠢いているのが見える。
「このムシ達だ…野菜の苗を食い荒らす。果物の木もぼろぼろだ。どうにもならん」
スティングモンは、遠くから糸まみれの農作物を指さす。
な、なんだこりゃ…?
デジドローンを近づけて観察してみよう。
「あまり近付くな!」
スティングモンがとっさにそう言ったので、デジドローンを空中で急静止させた。
その直後…
ひとつの苗から、二、三本の糸がデジドローンに向かって飛んできた。
うわ!
とっさに上昇し、ギリギリのところで糸を回避した。
危ない…危うくデジドローンが捕まるところだった。
私はデジドローンをあまり苗へ近寄らせずに、望遠モードで観察した。
すると、ようやく正体が見えてきた。
苗を覆う糸の巣の中には、黄色い幼虫型デジモンのクネモンが二〜三体いる。
さらにその幼体とみられるププモンや、小さなデジタマがびっしりと詰まっており、苗を食い荒らしていた。
「い゛や゛ァァァァ!!!無理無理無理無理!!キッショ!!」
クルエが絶叫しながらモニタールームから走り去っていった。
52 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/04(金) 16:46:39.77 ID:sOUy5FuNO
こ、これが信徒以上の脅威なのか…?
確かにウジャウジャいて厄介だけども…
「こんな奴らぶっ倒してやるぜー!」
エクスブイモンは愛用の武器、スナイモンの鎌を取り出した。
これもだいぶ刃こぼれしてきたな…。
「うおりゃあ!」
そしてエクスブイモンは鎌を振りかざし、中のクネモンの頭部を切り裂いた。
「へへん楽勝!」
「まずい!」
スティングモンが叫んだ直後…
その苗に潜む二体のクネモンが、エクスブイモンに糸を飛ばしてひっつけた。
「ん?」
その直後…!
農園中の苗の巣が共鳴するかのように同時に、バチバチと音を立て始めた。
そして、エクスブイモンに凄まじい電撃が浴びせられた。
「が!がぎゃああああああああ!!!」
絶叫するエクスブイモン。
な、なんだ!?一旦離れろエクスブイモン!
「うぎゃああああああ!」
だがエクスブイモンは感電していて動けない。見たところスタンガン以上の電撃だ。プラズマがバチバチと音を立てている。
たかが成長期デジモン二体の電撃攻撃が、高DPの成熟期であるエクスブイモンをここまで制圧できるのか…!?
しかしやばい!このままじゃエクスブイモンが死んでしまう!助けないと…!
その時。
「シャアアッ!」
鳴き声とともに火炎放射が飛んできて、エクスブイモンと苗をつなぐ糸を焼いた。
「が…ぐはっ…」
エクスブイモンはばたりと倒れる。
そこへ駆け寄ったのは、全身が炎のオーラで纏われた二足歩行の爬虫類型デジモン、フレアリザモンだ。
フレアリザモンは、エクスブイモンを抱えてその場から離れた。
「う、うぅ…」
地面に横たわるエクスブイモンの肌には、紫色をした稲妻模様がびっしりと刻まれている。
これはリヒテンベルク図形…いわゆる雷紋だ。
電撃によるダメージが大きいということだ。
「だ…大丈夫かエクスブイモン!」
カリアゲが心配して声を張り上げる。
幸い、フレアリザモンが早く助けてくれたおかげで命に別状はなさそうである。
「なんなんだこれ…?ただのクネモンが、なんでこんなに強えんだ!」
それは確かに気になる。
強力なDPをもつ成熟期のエクスブイモンを瞬時に昏倒させるなど、いくらなんでも幼虫型デジモン二体の出力でできることじゃない。
53 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/04(金) 16:57:03.04 ID:sOUy5FuNO
スティングモンがエクスブイモンの体を水で冷やす。
「だから待てと言ったのだ。今の貴様と同じ対処をした元信徒のシャーマモン達が、何体も死んだぞ」
「さき…に…言え…よ…!」
リーダーがその様子を見て、何かに気付いたようだ。
「わかった…。直列回路だ」
直列回路…?
「一体一体のクネモンが発電できる電圧は決して強くはない。だが、畑の大量の苗を覆う巣は、それぞれが電線の糸で繋がっているんだ」
あ、確かに。
巣同士が糸で繋がっていますね。
「クネモン達は外敵が近付くと、電気信号によってコミュニケーションをとり、一斉に放電を行う。大量のクネモン達の電流が直列回路によって束ねられ、それがエクスブイモンを襲ったんだ」
…な、なんだそりゃ…!
それじゃ、糸を一本でもひっつけれたら、全部の苗の巣から一斉に電撃が伝わってくるってことですかリーダー!
「そういう原理のようだ。グサグサが言っていたことは過言じゃない…。これは只の暴力で略奪に来る信徒共よりはるかに手強い」
…しかし、今まで見てきたクネモンはこんな凶悪じゃありませんでしたよ!
そもそも群生じゃなかったですし!
「農園の働き手や類人猿デジモンがどんどん進化しているんだ。ならば害虫デジモンも驚異的なスピードで進化しているのだろう」
…ど、どうすんだこれ。
スティングモンはげんなりした様子だ。
「メラメラ(フレアリザモン)が火炎放射で焼けば、このムシ…クネモンといったか。こいつ単体を遠くから倒すことはできる。だが苗も燃えてしまう。そうなっては収穫ができず、我々は飢えてしまう」
54 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/04(金) 17:07:27.47 ID:sOUy5FuNO
巣の様子をデジドローンで観察すると…
突如巣の糸の隙間から、まるまる太った幼年期のププモンが大量に飛び立った。
「!まずい!殺せ、そいつらを!メラメラ!」
「ンバアアアア!」
スティングモンに指示されたフレアリザモンは火炎放射を放ち、何体かのププモンを空中で焼き尽くした。
だが十数体のププモンは生き残り…
散り散りになって飛びまわり、まだ無事な苗にくっついた。
その直後、ププモン達は一斉に光に包まれ…
それぞれの苗でクネモンに進化した。
「くそ!また増えたッ!クソ虫どもがッ!」
スティングモンは激昂し、苗についたばかりのクネモンに襲いかかる。
二〜三体のクネモンは、スティングモンに糸を飛ばし、電撃攻撃を放つ。
「ぐっ…!この程度!もう慣れたぞッ!」
苗にくっついたばかりのクネモン達は、他の巣と接続していないため、大した電力を発揮できないようだ。
スティングモンは電撃に耐えながら、毒針でクネモン達を串刺しにした。
「ギュチイイッィ!」
そして、スティングモンはクネモン達をバリバリと捕食した。
「モグモグ…ふぅ。幸い毒は持っていないから、食おうと思えば食える。美味だ」
い、いいのか?グサグサ。
そんなの食べて。
「いいさ…もう手遅れだ」
他の前にくっついたクネモン達は、すでに苗を糸で覆い尽くし、他の巣との電線を接続完了したようだ。
なんて…
なんて凶悪な害虫だ…。
これを放置したらマジでこの農園滅ぶぞ。
なんとかできないのか…?
55 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/04(金) 17:09:52.38 ID:sOUy5FuNO
カリアゲが嫌そうな目でモニターを眺める。
「害虫対策といえば、殺虫剤や農薬だけど…。あの体のデカさじゃ薬が十分回らなさそうだな…」
仮にあのクネモン達を殺せる猛毒を作ったところで、それを野菜の苗に浴びせたら苗ごと死んじゃいそうだね。
「苗ごと、どころじゃねえ。土が死ぬ」
確かにそうかも…。
56 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/04(金) 17:10:50.62 ID:sOUy5FuNO
つづく
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/04(金) 18:03:12.40 ID:TvX8h0NKo
乙
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/04(金) 18:06:44.13 ID:Au3WxwH4o
いつも死にかけるブイモン
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/04(金) 18:49:08.29 ID:lxzB7TBC0
難しい課題が次から次へと
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/04(金) 21:05:30.51 ID:Dyq5VUiK0
成熟期にまでなったらグロテスクな絵面になりそう
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/05(土) 10:22:11.98 ID:JoK/S//Go
でかくて強くてうじゃうじゃ増えるという理不尽の塊みたいな蟲どもだ
62 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/06(日) 19:50:43.37 ID:kRI17PLxo
試してみたいことがあるんですが、いいでしょうか。
とある場所から捕獲したいデジモンがいるんです。
「捕獲?いいぞ」
リーダーが快く承諾してくれたので、森林にデジタルゲートを開き、シュリモンに頼んでとあるデジモンを捕獲してもらった。
植物に擬態し、隠密行動をし、一気に捕まえた。
数々のデジタマを採取成功した実績があるシュリモンの手腕はさすがである。
そして、農園にそのデジモンを放った。
それは…
「ヒ、ヒヒー??」
…ウツボカズラに似た姿の植物型デジモン、ベジーモンである。
「なんだこいつは?」
スティングモンは不思議そうな顔でベジーモンを眺めた。
我々はベジーモンと意思疎通をとることができない。命令をすることはできない。
だとしても、今ここでベジーモンは、何をすればいいかが直感的に理解できるはずだ。
「ヒ…ヒヒー!」
ベジーモンは苗を眺めると、にったりと笑みを浮かべ、口を開けた。
しばらくすると…
スティングモンがまわりをクンクンと嗅いだ。
「ん?甘い匂いがしてきたぞ」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 19:52:30.64 ID:bcIHxcloo
おお来たか
64 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/06(日) 19:59:16.81 ID:kRI17PLxo
すると…
苗の巣から、クネモンやププモン達がもぞもぞと這い出てきた。
そしてなんと、それらの害虫デジモン達は自らベジーモンの口の中へ入った!
ベジーモンは全ての獲物が口の中に入ったのを確認すると、ばくんと口を閉じた。
「フヒ〜」
ま…満足そうだ。
「フヒッ!ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒビィィ!?」
突如、ベジーモンが痙攣し始めた。
体内からクネモンの電撃攻撃を受けているようだ。
だが、ベジーモンは自らの腹部をウネウネと動かし始めた。
「ンン…!ンギュギュゥゥ!」
すると、ベジーモンの腹部からブチブチと音が聞こえてきた。
ベジーモンは飲み込んだ獲物を確実に仕留めるために、咽頭歯という歯を消化官内に持っている。
これを使って、飲み込んだクネモン達を噛み砕いたのだ。
スティングモンは驚いている。
「おお…!これはいいぞ!もっと食え!」
だが…
ベジーモンは自分の腹を撫でた後、ゲップをして昼寝した。
「どうした!もっと食ってくれ!」
…ベジーモンはDPが低いデジモンです。つまり基礎代謝の消費カロリーが少ない。
こんだけ食えば当分は腹いっぱいでしょう。
「ならばもっと連れてこい!」
オッケー!
シュリモン、森でもっとベジーモンを連れてきてくれ!
「わかった!」
そう言い、シュリモンは森へ行ったが…
…なかなか見つからない。
ベジーモンは擬態が上手いのだ。シュリモンがいくら目が良くても、植物へ完全に擬態したベジーモンをすぐに見つけるのは難しい。
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 20:02:27.80 ID:NRRMEA8Uo
うーん順風満帆とはいかない
66 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/06(日) 20:04:32.10 ID:kRI17PLxo
カリアゲがイライラしている。
「デジドローンで観察しても見つからねえぞ…!運良く最初の一体を発見したはいいけど、もっとたくさん連れてかないとあの量は捌ききれねえんじゃねーか?」
少食のベジーモンなら、クネモン3体とたくさんのププモンを食ったら1週間は何も食わずに生きていけるだろうからね。
「お?あいつはどうだ?」
カリアゲが指差したのは…
「フヒッフヒッ!」
赤いベジーモン、レッドベジーモンだ。
ベジーモンよりもDPが高くて好戦的なヤツだ。
まあ…あれでいいか。
でもレッドベジーモンは強いからな、シュリモンだけで安全に捕まえるのは難しいかも。
我々はスティングモンに協力を仰ぎ、麻痺毒で一時的に痺れさせてからレッドベジーモンを連れ去った。
そして農園にレッドベジーモンを放った。
「フヒ…?フヒイイ!」
レッドベジーモンは、苗のクネモン達を見て興奮した。
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 20:06:15.17 ID:j6vRgeLO0
突然拉致られたと思ったらなんか飯もらった
68 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/06(日) 20:08:19.58 ID:kRI17PLxo
「フヒッ!フヒイイ!」
レッドベジーモンは…
苗に向かってドスンドスンと歩み寄り…
巣を触手で攻撃した!
クネモンを直接捕獲する気だ!
ああっ、そんなことをしたら…!
…案じた通り、レッドベジーモンに糸が飛んできた。
「フッギャアアアアアアアアア!!!」
例の直列放電攻撃をくらうレッドベジーモン。
「助けたほうがいいか?」
スティングモンが首をかしげる。
…勝手に拉致して利用しておいて心苦しいところだが、フレアリザモンを危険に晒してまで無理することはないだろう。
やがて電撃が止まると…
レッドベジーモンはばたりとその場に倒れた。
心停止…死んだのだ。
恐ろしい。
DPが高い成熟期すらこんなに瞬殺されてしまうなんて。
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 20:11:29.73 ID:SshZoaBG0
レッド君は進化して失った能力あるか
70 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/06(日) 20:12:20.81 ID:kRI17PLxo
どうやらレッドベジーモンは好戦的すぎて、ベジーモンのようなまどろっこしい手段で獲物をおびき寄せようとしないらしい。
…皮肉にも、肉体が強くなって闘争本能を得たせいで、勝てる相手に勝てなくなってしまったのだ。
「んんーもどかしいな!ベジーモンをたくさん集められればいいんだけど、肝心のベジーモンがぜんぜん見つからねえ!」
昼寝中のベジーモンを見たシンが呟く。
「このベジーモンを繁殖させるとかは?」
…そうしてる間に農作物が先になくなるよ。
「やっぱそーッスよねぇ」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 20:17:05.91 ID:i6m9O2h30
やはりベジーモン(バカ)とは友好関係は結べない
72 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/06(日) 20:19:25.59 ID:kRI17PLxo
「あのさぁ…君達なにか忘れてない?」
メガが苦笑いしながら口を開いた。
「忘れる?何をだよ」
カリアゲがキョトンとしている。
「頼れよ!もっと!僕達デジタルアソートのアプリモンスターズをさ!」
あ…
そういやいたっけ。
…
『秘技!ディイーーープサーーーチ!!』
検索の能力を持つアプリモンスター、ガッチモンが森林で検索を行い、ベジーモンの位置を特定した。
『見つけた、ここだ!マップ転送するぜ!ベジーモンの居場所は検索済みだ!』
おお、森林マップに赤い点がいくつも出ている。
その点をよく見ると…
…いた!ベジーモンだ!よく見たらベジーモンだ!
ここさっき探したはずなのに。
肉眼だけでは見つけられなかった。なんて精巧な擬態なんだ…
…シュリモン、GO!
「ここ?わ、ほんとにいた!ベジーモン、手を貸して!」
「フヒッフヒッ!」
…そうして我々は、森林から大量のベジーモンを捕獲し、農園に放った。
クネモンとその子供たちはぞろぞろと自らベジーモンの香りに誘われ、口に入り…
そして、消化されていった。
やがて農作物を覆った糸の巣は、中に小さなデジタマが残っているだけで、蠢く幼虫達はいなくなった。
73 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/06(日) 20:25:48.99 ID:kRI17PLxo
どうだグサグサ。
害虫は駆除したよ。
「凄いぞ貴様達!見直した。我々は飢えから救われた、貴様らのお陰で。助かった」
おお、あのグサグサが感謝している。
「過去に私のタマゴを奪った件は、これで水に流してやる」
それはどうも。
そうしてグサグサと話していると、農園のたくさんのデジモン達が我々のもとにきて、次々に礼を言ってきた。
その中には…
農園のリーダー、ディノヒューモンの姿があった。
「おう、おめぇら!あのムシ共を退治してくれたってなぁ!ありがどなぁ!」
な…!
訛ってる!
ディノヒューモンの言葉、訛ってるぞ!
「おお、そうだな」
カリアゲが頷いた。
「あーのムシ達ほんと悪さしてて、おら方ホント迷惑しとったんだ。あーこれで助かっただ、神様仏様セキュリティ様だぁ!」
んん!?仏様!?
「はーナムナムナム。今度うんまい大根(でぇこん)取れたらくれでやるからなぁ!」
は…はい。
ありがとうございます。楽しみにしてます。
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 20:26:51.85 ID:JpV4eQISo
そんな喋り方だったのか…
75 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/06(日) 20:32:38.57 ID:kRI17PLxo
「…終わったの?はーよかった!」
クルエが部屋に戻ってきた。
…この作戦3日以上かかってたけども、なんとその間クルエは一度もモニタールームに戻ってこなかったのである。
「これでディノヒューモン農園に感謝されて、交流が持てて、めでたしめでたしだねぇ、ケン!」
…なぜ訛ってるんだ?
「え?」
おかしいだろ。
たしかディノヒューモンは、バブンガモンから信徒の言語としてこの言葉を習ったんだろ?スティングモンと一緒に。
「そーだっけね」
なんでディノヒューモンだけ訛ってて、バブンガモンとスティングモンは訛ってないんだ?
「それは…なんでだろ。キャラ付け?」
言語の訛りっていうのは、たくさんの話者、広い土地、長い年月があって初めて生じるものなんだよ。
なのに、聞いた感じこの農園でこんなに訛った言葉遣いしてるのはディノヒューモンだけだ。
おかしいぞ!絶対!
「そんなに気になる?どうでもよくない?」
それにさ!語彙もちょっと変なんだよ!仏様とかナムナムとか言ってたけど、いつ誰からそんな言葉教わったんだろうか?
「わかんないよそんなの…本人に聞けば?」
で、ディノヒュー…じゃなくて、えーと、オサオサさん。
仏様って言葉、どこで聞いたんですか?
「ん?そだな…オラもわがんね!」
…本人すら知らないとは。
やはりこのディノヒューモンという個体、底が知れない。
76 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/06(日) 20:33:08.49 ID:kRI17PLxo
つづく
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 20:36:58.12 ID:kZbLm9C30
乙
こわ〜
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/06(日) 20:38:46.18 ID:9U1o0aE4o
乙
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/07(月) 02:28:04.00 ID:gFvf2c32o
無から知識を得てることになるから得体がしれない
80 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 11:26:21.07 ID:IBnujYOxo
〜AAA視点〜
今日も今日とて私は忙しい。やることが沢山ある。
目下早急にやるべきことは、セキュリティ共に殺されたアイスデビモンの代わりを育て上げることだ。
他にもタスクは山ほどあるが、それは部下にやらせている。
我々のクラッカーチームは基本的に、最初に私がやったことをマニュアル化して、部下に任せるという流れで動いている。
欠けたワイヤーゴーレモンの補填はQQのババァに任せている。あれほどの能力を持つデジモンの育成は、二つ星クラッカーでなくては務まらない。
私がタスクを命じるのとは別に、メンバーにはある程度自由にデジモンを使ったサイバー攻撃やサイバー犯罪をやらせている。
ただし「必ず目立たないようにする」というのが鉄則だ。
QQのババァはその規則を破って勝手にクレカ会社への攻撃を行い、ズバモンとルドモンを鹵獲された。何度思い出しても腹立たしい。
ババァには再びズバモンとルドモンのような武器デジモンを育て上げることを命じているが…、それに必要な『トータモンのデジタマ』がなかなか手に入らない。
リクガメ型デジモンのトータモンは、デジタマを固めた土の巣の中で育てる。
何度も類人猿デジモンを送り込みデジタマ採取を試みたが、全て迎撃された。
一応、トータモンのタマゴを直接回収するのでなく、集落からトータモンの子孫であるガメモンを拉致して成熟期に育て上げるというアプローチも試しているのだが…
うまくいっていない。
クソ!!
本当にあの損失は大きい。
殺されたならばともかく、「鹵獲された」というのが本当に酷く堪える。
もしもセキュリティチーム共が、ズバモンとルドモンを成熟期まで育て上げ、武器型デジモンを量産したとなったら手に負えない。
我々は圧倒的な不利を強いられることになる。
だからこそ私は、多少強引なタイミングでもセキュリティの本拠地へハッキングを仕掛け、類人猿型デジモンを送り込んでシステムの破壊とズバモン・ルドモンの奪還を強行したのだ。
結果として、類人猿デジモン達は撃退されて私は敗北した。
まあ別にいい…プラチナスカモンとナニモンが生還できたのだから被害は軽めで済んだほうだ。
いや…アイスデビモンの損失は大きいが…とにかく地獄に仏だ。
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 11:36:39.27 ID:5+p9QU4Xo
反則なように見えてる相手も相応の苦労しとる
82 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 11:41:13.39 ID:IBnujYOxo
それに収穫もないではない。
セキュリティチームはなんと、農園のパイルドラモンがやったようなデジクロスの再現に成功した。
奴らが再現に成功したのならば、我々にも再現できる可能性はある。
いかなる条件を満たせばデジクロスが再現できるのかは不明だ。
ブイモンを庇ったあの大きなデジタマは何だ?
ブイモンの奴はアレをワームモンと呼んでいたが…、部下の報告によれば、ワームモンはモリシェルモンの罠で確実に致命傷を与えて殺したはずなのだ。
ヤツらの手の内を暴きたいところだ。
デジクロスしたフレイドラモンを鹵獲して解剖・解析すれば多少はカラクリが見えてくるだろうか。
そう考えていると…
QQのババァから連絡が来た。
『AAA様ァ!お望みのピコデビモンを捕獲しましたよォ!ヒーッヒッヒッヒ!』
ご苦労。あのすばしっこいやつをよく捕獲したものだ。
さすがは元三ツ星クラッカー。
さっそくこちらへ転送しろ。
『了解!ヒッヒッヒ!』
しばらくすると、翼を釘で打ち付けられて木の板に拘束されたピコデビモンが私のパソコンへ転送されてきた。
正規品のデジクオリアを起動し、パソコン内のデジタル空間…
実験室内を覗く。
「キ…ギギー!」
ピコデビモンは必死にもがいて脱出しようとしている。
私は実験室に、シャーマモンが寒冷地に適応した亜種である類人猿型成長期デジモン、スノーゴブリモンを呼び出した。
スノーゴブリモン!私の指示通りにやれ。
いいな?
「ウワーオゥ!グッヘッヘ…」
スノーゴブリモンは、メスを手に取ると…
ピコデビモンの解剖を始めた。
「ギャアアア!!!ギャギャギャギャギャ!!!」
生きたまま解剖されるピコデビモンは絶叫した。
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 11:46:34.08 ID:u0hc2MEB0
乙
84 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 11:52:07.38 ID:IBnujYOxo
スノーゴブリモンが解剖を進めている中、私は切開部からデータを計測する。
デジモンのデータを解析する際、五体満足なまま表層から情報を読み取るのと、切開して体内からデータを読み取るのとでは、採取できる情報の質がはるかに異なる。
…バイオシミュレーション研究所のデジモンの進化は、我々クラッカーチームの進化に比べてかなり遅いように見える。
人為的な進化の方向付けも、おそらくデータを食わせてパッチ進化をさせる程度であり、『それ以上』をやっているフシがない。
これは勝手な予想だが…
バイオシミュレーション研究所は、生物研究の基本や基本たる『解剖』をろくすっぽやっていないのではないだろうか?
だとしたら随分な半端者だ。
生物の研究を深めるには古今東西、生体解剖が必須といえる。
生きたまま循環系や臓器の仕組みを観測するからこそ、様々な知見が得られる。
それはデジモンとて同じことだ。
強襲を仕掛けた際、ヤツらは我々の戦力の多様さに驚いていたが…
もし奴らが『解剖』をしていないのだとすると、そこに差が出て当然のことだ。
やるべきことをやらずに何が研究者だ。
笑わせてくれる。ただのペット飼育の延長線上ではないか。
私の方がよっぽど『研究者』らしいことをしている。
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 11:57:12.80 ID:4D14mOhvo
動物なら色んな法に引っ掛かりそうだ
86 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 11:59:05.23 ID:IBnujYOxo
その時、部下の一人から通信が入った。
『ぐふふ、AAA氏ィ!報告があるおww』
なんだ?JJ。
私はピコデビモンの解剖で忙しい。後にしろ。
『まあまあそう言わずに!今しか見れないおww』
…なんだ?今しか見れない?
そう言われると気になるが。
『ダルクモンたんの貴重な産卵シーンだおwwハァハァ(;´Д`)』
勝手にしろ!
そのくらい貴様が面倒見れるだろう。いちいち急ぎで私に報告することではないだろう。
『ななな!こんな可愛いおにゃの子の貴重な産卵の瞬間を見ないなんて!損だお!拙者は部下に向けて実況配信注ですのにwwAAA氏ってホモかお?』
違う!
もういいか、切るぞ。
『ああ待っ…』
あまりにくだらない報告だったので通話を切った。
87 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 12:00:28.89 ID:IBnujYOxo
一旦ここまで
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 12:02:04.98 ID:s8QUDiyco
乙
やっぱ女に見えるんだ…
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 12:18:01.37 ID:VGRme60u0
乙
埋まらない戦力差と一方的に攻撃されて
勝てる未来見えないなあ
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 15:06:42.11 ID:cabrzCx1o
まずは全陣営戦力を蓄える期間か
91 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 22:52:40.87 ID:cc3C5b5wO
この男のコードネームは『JJ』。
スパイウェア型のズルモン・ゲレモンを使った情報窃盗や、ダルクモンの世話などを担当している。
この男はデジモン出現以前からやり手のクラッカーだった。
動画や漫画、アダルトコンテンツを違法に複製して無料で公開するサイトを運営している。
インターフェースの利便性故か、毎日のアクセス数は凄まじいことになっているようだ。
まあ、そんないかがわしいサイトを何の利益もなく運営するはずもなく。
当然ながらサイトにはスパイウェアが仕込まれている。
動画や漫画などを閲覧しに来たユーザーのパソコンにウィルスを送り込み、情報窃盗をしているのである。
『ぐふふ、AAA氏ぃ、ぼくって悪党だと思うかお?』
そうだな、大悪党だ。
『まぁねぇ』
だが、本来有料であるはずのコンテンツをタダで違法に閲覧しようとするユーザー共も悪党だ。
小悪党が大悪党の餌になっているだけだ。一種の食物連鎖だな。
『どぅふふww』
…こうは言っているが、デジモン発生以前のJJはやや困っていたようだ。近年ではウィルスセキュリティ技術が格段に向上しており、なかなかユーザーのパソコンにマルウェアを送り込めずに四苦八苦していたようだ。
そんなコイツに…
私はデジモンを与えた。
結果JJは、物凄く狡猾にズルモンやゲレモンを活用し、多大な成果を出した。
自身が運営するサイトへゲレモン達を仕込み、違法アダルトコンテンツを閲覧しに来たユーザーが画像や動画データをダウンロードする際に、ユーザーのパソコンへデジモン伝送路を繋げてゲレモンを送り込むのだ。
人間が開発したファイヤウォールなど、伝送路が繋がった状態でのデジモンの前では無力だ。
そうしてJJは大勢のユーザーから情報窃盗に成功し、我々の組織の運営資金を稼ぐことに大いに貢献しているのだ。
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 23:01:16.82 ID:hi28C1WTo
デジモン見つけてしまったことで生じる被害エグいな
経済傾きそう
93 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 23:10:16.62 ID:IBnujYOxo
まあそういうわけだ。
貴様の働きには期待しているぞ、JJ。
『ほめられたww承認欲求満たされるゥ〜
www』
…ところでだ、JJ。
貴様には以前から、類人猿デジモンの傾向進化の調整を任せていたな。
『ういッスw』
このプロジェクトを最初に始めたのは私だ。
ほぼ猿同然の姿だったジャングルモジャモンを品種改良し、人の姿に近づけるというプロジェクトだ。
医療研究機関から盗んだ様々な人体計測データを類人猿デジモンへ食わせ、パッチ進化を促した。
それに加えて、我々がアブラハムの宗教観をベースにして単純化してでっち上げたインチキ宗教における『天使』のイメージを、集会の演説にて伝え…、
そして『天使の姿に近いほど清く正しく、獣の姿に近いほど穢れている』という固定観念を植え付け、差別を煽ることで、猿デジモン達へ『天使の姿へ近づきたい』というストレスを与え続けた。
結果、当初は猿のようだったジャングルモジャモン達が、セピックモンやゴリモン、ハヌモンなどを経て少しずつ人の姿へ近づいていき…、ついに原人型デジモンのフーガモンが誕生した。
そこまでは、私がやったことだ。
後はその延長線上のことを繰り返すだけだから、JJにタスクを引き継いだ。
(ニセシャッコウモンを使った演説のときだけは私が担当したが…)
結果、フーガモンの子孫は、女性型のキンカクモンへ進化し…
キンカクモンの子孫はほぼ人間の、それもアングロサクソン系の少女そっくりなシスタモンへ進化した。
そしてそのシスタモンが、天使型のダルクモンへと至った。
我々の計画が大きく前進したわけだ。
よくやった。
『あざっすww』
して…気になることが一点あるのだが、JJ。
『なんスか?』
…フーガモンの子のキンカクモンから、なぜいきなり女性型になった?
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 23:17:18.32 ID:lXNtk/s9o
さすがに何か理由はあったか
95 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 23:25:03.40 ID:IBnujYOxo
『そ、それは、えーっとっすねwwなんででしょww…あ、そうだ、哺乳類型デジモンだから授乳できるようにボインちゃんになったんじゃないですかねwwきっとそうだおww』
…正直に答えろ、JJ。
貴様が運営しているサイトに掲載している、卑猥なコンテンツのデータを食わせてパッチ進化を促したな?
『ギクッ』
どうなんだ。
『…なんでばれたんだおww』
分からんわけがなかろうが!
キンカクモンといいシスタモンといいダルクモンといい、姿に貴様の趣味が出すぎているんだよ!
類人猿が聖職者の姿に近づくのはいい。天使や神を崇拝する存在だからな。
女性型に近い容姿になるのもまあいいだろう。
だがなんだあのデザインは?
https://i.imgur.com/5JgsyRv.jpeg
聖職者…というパブリックイメージには随分遠くないか?
ええ?
『う、おうぉ…』
ダルクモンだってそうだ。
天使…というには布が足りないように見えるが。
https://i.imgur.com/4NZBHFr.jpeg
『どぅ、ドゥフフwwwぼくこういうの好きなんスよww』
やっぱりじゃないか!!貴様!
これでモヤモヤがハッキリした。
なぜこんな姿に…と思ったが!貴様の仕業か、JJ!!
96 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 23:34:50.63 ID:IBnujYOxo
『うぅ…なんかペナルティがあるかお?』
…クソ!なんというか…気分的には何か裁きを下してやりたいところだが。
奇しくも貴様は、私が命じた要件をしっかり満たした成果を出している。
聖職者型デジモンを経由し、天使型デジモンへの進化を誘発する。
この私以外にこのような傾向進化を促せる手腕を持つ者がいるだろうかと不安だったが、貴様はそのミッションをやり仰せた。
随分趣味に寄せたようだがな。
『だって、ゴリマッチョなんか育ててもつまらんおwwどうせやるなら楽しくやんなきゃモチベ上がらねえおwww』
…JJにとやかく言うのはここまでにしておこう。
我々の組織はアウトローのならず者の集団だ。そこにまるで健全な会社のように規律や秩序を求めるのはお門違いというものだ。
それに合わない社会不適合だからこそ、我々の犯罪者集団に流れ着いたのだから。
ある程度好き勝手にやらせるのも、このろくでなし共をまとめ上げるための一つの手だ。
だが…JJ。
なんだ、その、あまり卑猥な姿にしすぎるなよ。
今の路線のまま全裸とかにしたらさすがに何らかの処罰を下すからな。
『…AAA氏ィ』
なんだ。
『…コスプレ物で、途中で脱ぐのってクソだと思わないかお?www』
知るか!
97 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/08(火) 23:35:18.01 ID:IBnujYOxo
続く
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 23:38:10.35 ID:sGWWKrz+o
乙
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/08(火) 23:38:29.48 ID:4D14mOhvo
乙
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 00:13:52.95 ID:IEsYKmYW0
乙
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 08:52:59.72 ID:MmJaI68K0
法律や世間体や倫理観気にしない勢力は際限なく何でも出来てしまうのが厄介だなあ
102 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/09(水) 14:28:48.69 ID:Uilm7vzvO
〜バイオシミュレーション研究所視点〜
『して セキュリティよ 余のタマゴは 孵るのか』
我々はベーダモンからデジタマを託された。
曰く、ベーダモンがデジタマを産んでみたはいいものの、全く孵化しないのだそうだ。
それ故に、我々に託して孵化を試みてほしいと頼んできたのである。
しかし、全く孵化の気配はない。
仮説はある。
ベーダモンは海のタコ型デジモン、オクタモンが苦しみながら淡水に適応し、陸上へ適応して進化したレベル5デジモンだ。
そんな無茶なほど急激な進化をしすぎた故に、デジタマがまだ陸上での孵化に適応していないのではないだろうか。
…ねえ、ベーダモン。
やっぱり水中で孵化させた方がいいんじゃない?
『断る 余は陸に居を移したのだ 今更水中になど戻る気はない 二度と言わせるな 空け者が』
チャットの返信が辛辣だ!
うーん…、そうはいっても、上陸したてのデジモンは水中でデジタマを孵化させることが多いんだよ。
ナメクジ型デジモンのヌメモンも、昔は沼なんかの水中にタマゴ産んでたし。
カエル型デジモンのフロッグモンもタマゴは水中で産む。
ベーダモンも無理せずそれらに倣ってみたら?
主な住処は陸上でいいだろうけど、子供を育てる時だけ川や湖にしてみたらどうだろう?
『水中には戻らぬと言っておろうが たわけが』
…頑なにこうだ。
ベーダモンはなぜか水中をひどく嫌っている。何故なんだろうか…。
103 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/09(水) 14:35:34.38 ID:Uilm7vzvO
クルエが何か思いついたようだ。
「もしかして…、ホエーモンに追い回されたトラウマがあるからじゃないの?」
可能性はある。
オクタモンはかつて海中の頂点捕食者のひとつといっていいほどのニッチにいた。
だが部下のシェルモン、ゲソモンと共にルカモンを襲った時、獲物のルカモンは突如レベル5の巨大なクジラ型デジモン…ホエーモンへと進化したのだ。
命からがら必死に逃げたオクタモンは、死ぬほど苦労して淡水へ、そして陸上へと適応し今の姿になった。
…正直、こういうケースは前例がない。
環境への適応力が高いのは成長期の特徴だ。
成熟期になるとふつうはもう生き方を変えられないのだ。
シンがマイクを握り、ベーダモンに問いかけた。
「もしかしてホエーモンが怖いからッスか?」
し…シン!
プライドが高いベーダモンに、そんなセンシティブなことをド直球で聞くやつがあるか!!
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 14:41:24.50 ID:SukzUQwHo
よく見ると顔怖いもんなあいつ
105 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/09(水) 14:44:48.20 ID:Uilm7vzvO
『ホエーモンとは なんだ』
「あれ、見せたことなかったっけか こいつッスよ」
そう言いシンは、オクタモンがホエーモンに追い回されていたときの録画映像をベーダモンへ見せた。
デジドローンからホログラムで映像が映し出される。
するとベーダモンは…
「ヒ、ヒイイィィ!!」
声を出して驚いた。
ベーダモンは人語を喋れるほど声帯が発達していないため、意思疎通はチャットで行うが、いちおう鳴き声くらいは出せるようだ。
「ヒイィィイィ!!」
ベーダモンは光線銃をホログラム映像へ向け、洗脳光線を放った。
録画映像だから意味はない。
こ…ここまで取り乱すとは!
シン、映像を止めて!
「ウィッス」
「ゼー…ゼー…」
ベーダモンは汗だくになっている。
「ベーダモンさん、やっぱ今でもホエーモンが怖いんスね」
シン…君ちょっと無敵の人すぎない?
「いや忖度してたら話進まないっしょ」
それはそうだけどさ。
『恐れている だと 違う まだ倒す準備が整っていないだけだ まだな』
むむ?
倒す準備とは?
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 14:46:16.13 ID:4XiA5nu50
そら怖いわ
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 14:55:06.73 ID:KtRNVR5Ho
海底は神秘だ
108 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/09(水) 14:55:11.10 ID:Uilm7vzvO
『余は この光線銃で 下僕を増やしている 見たことはあるか 余の軍勢を』
軍勢?
そういや見たことないな。
『ならばついてこい 見せてやる』
そうチャットを送ったベーダモンは、ウニョウニョという奇声を発し始めた。
すると…
蛾と蜂を足して二で割ったような姿の昆虫型成熟期デジモン、フライモンが舞い降りた。
ベーダモンのお気に入りの手駒だそうだ。
『乗れ』
私はデジドローンをフライモンの上に移動させた。
ベーダモンもフライモンに乗り、奇声を発した。
すると、ベーダモンとデジドローンを乗せたフライモンは飛び立った。
やがて…
ベーダモンの拠点が見えてきた。
なんと言えばよいだろうか…
土でできた、大きな砦である。
そこに十数体のデジモンがいた。
ガジモン、グルルモン、セピックモン、などなど…。
これら全員ベーダモンの洗脳光線で操られた下僕か。
『こいつらには 食糧調達や 砦の建設を命じている 驚いたであろう 汝ら』
…正直あんま驚いてないけど黙っておこう。
機嫌損ねたら嫌だし。
『これぞベーダモン文明だ』
ベーダモンは誇らしげに言う。
「いや…これ別に文明じゃないッスよね?」
し…シン!何を!?
109 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/09(水) 15:03:11.28 ID:Uilm7vzvO
『其の方 たしかシンといったか 余の文明にケチをつける気か 大した度胸ではないか』
し…シン!謝って!
機嫌を損ねて敵に回られたらダメだぞ!
「あ、すんませんッス。そっすね文明ッスね
〜」
『フン…』
ふぅ、危ない…
我々セキュリティ最大のリスクは「ベーダモンに敵に回られること」だ。
はっきり言って洗脳光線をもつベーダモンは、他のデジモン達とは別格の存在だ。
制圧力が高すぎる。
その上、DPはかなり低い。肉体の強度を捨てているためだ。
もしもベーダモンがクラッカーの味方についたら、はっきりって詰む。
こいつ一体だけで我々のセキュリティデジモン達すべてが無力化されかねないほどだ。
だからリーダーは、「無理に味方につけなくていいので、せめてクラッカーの味方にはつけさせなうようにしろ」とカリアゲ及びクルエに指令を出した。
その結果、今の関係を築けているのである。
…台無しになったら大変だった。
シンが平謝りした後…
カリアゲがマイクを握った。
「ベーダモン。今のはシンにも一理あると思うぞ」
か…カリアゲ!
何を!?
『カリアゲ 汝まで 余を見下すというのか 余の築いた文明を否定するというのか』
ベーダモンに怒りの表情が見える。
オイオイオイオイ…カリアゲ何を言うんだ!せっかくベーダモンの怒りを鎮めたとこなんだぞ!?
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 15:04:12.57 ID:sNR2AW5f0
ただの上下関係なら機嫌を損ねないことだけすれば正解だけどねえ
111 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/09(水) 15:14:23.48 ID:Uilm7vzvO
「否定はしねーよ、ベーダモン。お前のこの軍勢は凄いよ。仮に蛮族達が生き残っていたとしても、それと戦って負けないくらいに戦力がある」
『そうだろうな』
「それに、ちゃんとデジモン達はベーダモンの言うことを聞いて、集団生活してる。どんどん発展し、群れの仲間が増えて、土地が広がってる。その頂点にベーダモンがいる。…スゲェと思う。だけど文明かというと違うんじゃねーか?」
『どういうことだ』
「だってさ、たとえば…、ベーダモンが一ヶ月くらいここを離れたとしたら。こいつらは今と同じように発展できるのか?」
『…不可能だろうな 余が新たな指示を与えぬ限り こやつらは同じ命令に従い続けるだけだ 自分でものを考えることはこやつらにはできぬ』
「ベーダモン、人類史の資料は前に渡したことあったな。そこで読んだヒトの文明はどうだった?」
『…支配者が反乱によって打倒され、幾度となく世が変わっていた。それでも人類は発展し続けた』
「そうだろ?ベーダモンの軍勢は別にヒトの文明より劣ってるわけじゃない。絶対逆らわず、自分からはものを考えない支配体制。それはそれで強い。けど『文明』とは別物だ。だからさ、実態と違った呼び方すんのはややこしくねえか?ってことだ」
『…ふむ』
カリアゲとベーダモンの会話を聞いたシンがぼそりと呟いた。
「カリアゲパイセンって、ベーダモンと話す時だけIQ上がってないッスか?」
だけってなんだだけって。さすがに失礼だぞ。
カリアゲは私達と得意分野が違うだけだよ。
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 15:17:22.21 ID:tpHrRQrN0
インテリなはずなんだカリアゲ
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 15:21:31.68 ID:ZKvxPWq6o
指示役が1人しかいないと脆いよね
114 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/09(水) 15:23:32.79 ID:Uilm7vzvO
『ならなんと呼べば良い 他に適切な言葉を余は知らぬ』
「まあ人の世界には『なんでも言うことを聞かせられる洗脳光線銃』なんて無えからな。今のベーダモンの群れを言い表す言葉…なんだろ?」
カリアゲが悩んでいると、リーダーが来た。
「『コロニー』が近いんじゃないか?」
「コロニーか。確かにそれなら近いかもな、リーダー」
…外来語に置き換えて誤魔化してません?
『ふむ 気に入った 余のコロニーと呼ぶことにしよう 確かに以前から不満だった こやつらは余の言いなりにこそなるが 現場判断を全くせず融通が利かぬ 文明の一員と呼ぶにはあまりに能が足りぬと腹立たしかったのだ』
…丸く収まったみたいだ。
でも危ない綱渡りだったな…。
『やはり汝は面白いな カリアゲ もし汝らがただ太鼓打ちをするだけの輩ならば とっくに飽きていたところだ』
…むしろファインプレーか!?
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 15:24:19.75 ID:BzUoW19xo
太鼓打ちって言葉は知ってるのね
116 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/09(水) 15:32:54.93 ID:Uilm7vzvO
…えーと。
それでだ、ベーダモン。
いろいろ話が変わったけど、元はベーダモンのタマゴが孵化しないからどうにかしてほしいって話だったよね?
『そうだ よ 余は覚えていたぞ 忘れていないぞ 本題を うむ』
その原因は…その。
ホエーモンへのトラウマに由来する、水中回帰への本能的恐怖心だと。
『』
ベーダモン?
なんか空の文章でチャットが送られてきたけど…
『違うが? ホエーモンを倒す準備を進めるため軍備拡張している最中だが? 怖くないが?』
…まあともかく、あのホエーモンを倒すまでは不安だから水中でデジタマを育てられない。
あのホエーモンがいなくなれば、安心してデジタマを産める。そういうことだね?ベーダモン。
『どうする気だ 汝らの軍勢ではまだヤツに敵わぬぞ』
…一緒に見てみよう、ベーダモン。今の海の状況を。
久々の海中観察だ。
『ふむ よ 余に危険はないのだな』
デジドローンで観察するだけだから危険は無いよ。
『で では 見てやろうではないか』
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 15:33:39.29 ID:tdTdrfSZo
久しぶりのデジタルワールド観察だ
118 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/09(水) 15:35:15.45 ID:Uilm7vzvO
つづく
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 15:38:02.89 ID:4VnZ1/47o
乙
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 15:42:09.58 ID:jFpRu3Fc0
乙
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 15:45:32.83 ID:7Ff7Xhivo
乙
そろそろ色んな地形に対応できるデジモン欲しいね
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/09(水) 18:14:45.25 ID:IEsYKmYW0
乙
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/11(金) 14:43:20.69 ID:0OYUBjWxo
デジモンみたいにドローンも強くできれば色々楽になりそうなのになあ
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2024/10/12(土) 15:47:26.15 ID:IXvP/FVMo
確か前は海中は危険だとかであまり深く観察できなかったんだっけな
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/16(水) 01:16:02.50 ID:SIK6+l730
今どれだけデジモンやデジタマ保有してるんだろう?
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/16(水) 23:36:16.18 ID:KA3STSGx0
研究所の現在の所属デジモンは成熟期がクラフトモン、シュリモン、デジタマモン、エクスブイモンの4体
成長期がマッシュモン、オタマモン(赤)、ティンカーモンの3体
幼年期がクラフトモンのデジタマから生まれたコロモン1体
デジタマがガルルモン、オウルモン、イビルモン等のはず
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/16(水) 23:41:19.81 ID:KA3STSGx0
後プレイリモンとベーダモンのデジタマも研究所の管理下かな
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/18(金) 20:38:18.35 ID:ypEIHNf60
今になって再開していたことを知ったがやっぱりメチャクチャ面白い
1年だろうが半年だろうが待つ意味がある 引き続き応援し続けてるよ
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/19(土) 23:41:31.07 ID:RrQoBVxq0
まだかな
130 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/24(木) 11:03:32.83 ID:AVO9/pFAO
我々は寒冷地帯にデジドローンを飛ばした。
かつてアイスモンやユキダルモン、トゲモグモンがシードラモン達と死闘を繰り広げた土地だ。
ここは今どうなっているのだろうか。
ツンドラ気候の土地には、真っ白な美しいヘラジカに似た偶蹄類型デジモンがいた。
命名ムースモンである。
ムースモンは小さな草をモリモリ食べている。
蹄があることから、おそらくボアモンの子孫だ。
そのボアモンの兄弟であるトゲモグモンは、寒冷地帯でシードラモン軍団と戦って死亡した。
その後、トゲモグモンの子孫はどうなっているのだろうか。
寒冷地を観察していると…
懐かしいデジモンがいた。アザラシに似た姿の成長期デジモン、ゴマモンたちだ。
海でプカモンを捕獲し、食べるゴマモン達。
そこへ、大きな水影が近づいてきた。
海から飛び出してきたのはシードラモンだ!
口を開け、ゴマモン達に向かって氷の槍を発射しようとしている…!
そこへ…
なにか2つの物体が飛んできた。
一つは、角のような尖った物体だ。
ロケット砲のようなジェット噴射により高速で打ち上げられたそれは、多数の細かいトゲに分裂してシードラモンへ降り注いだ!
トゲの雨に打たれるシードラモンは悲鳴を上げた。
もう一つの飛来物は…
両刃の斧だ!
斧はシードラモンの胴体へ深々と突き刺さり、血飛沫を上げた。
131 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/24(木) 11:05:50.73 ID:AVO9/pFAO
ゴマモン達を助けに来たのは…
白い体毛に覆われた、大きな一本角と鋭い牙を持つ、セイウチに似た?海獣型デジモン、命名イッカクモン。
そして鋭い両刃斧を持った、シロクマに似た?獣型デジモン、命名ブリザーモンだ。
現在はこの2体の獣型成熟期が、ゴマモン達の親玉らしい。
トゲモグモンの子孫であろう。
背を向けて逃げようとするシードラモンに、ブリザーモンがふたつめの両刃斧を投擲する!
シードラモンの後頭部に斧が突き刺さり…
シードラモンは体を横にして水面にぷかぁと浮いた。
どうやらあれから陸上のデジモン達は力を増し、シードラモンに打ち勝つ力を手に入れたようだ。
132 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/24(木) 11:08:40.76 ID:AVO9/pFAO
一旦ここまで
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/24(木) 11:10:12.59 ID:SiLbWbcHo
海中は海中でも寒冷地帯の海中を見に行くのかな?
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/24(木) 11:12:16.93 ID:tCs7suNY0
自分の進化前食べちゃうんだゴマモン…
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/24(木) 14:04:39.59 ID:fF76EzLEO
乙
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/24(木) 20:11:21.48 ID:4+996khYo
てっきり海中のホエーモン見に行くのかと
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/26(土) 10:40:05.27 ID:Fgc0EY+io
寒冷地とそうじゃないとこの境目はどんなデジモンが生息しているのか
138 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/29(火) 11:15:04.59 ID:HgNlIvf6O
ブリザーモンはシードラモンを陸に引き上げ、斧で切り刻んだ。
そしてゴマモンや、群れの幼年期デジモン達に断片を与えた。
幼年期レベルT、パフモン。
全身が深い体毛で覆われた哺乳類型デジモンだ。
体毛の断熱効果のおかげで寒冷地でも平気なようだ。
https://i.imgur.com/EgOCc1z.jpeg
幼年期レベルU、プスリモン。
以前はゴマモン進化前の幼年期はトコモンだったが、しばらく見ない間に幼年期の姿も寒冷地に適応したようだ。
トコモンよりも全身が毛深い。ところどころにトゲが見えるのは、雪に埋まった時にスパイクの役割をして何かに役立つのかもしれない。
https://i.imgur.com/YCVYIi3.jpeg
そしてプスリモンが成長するとゴマモンになる…という進化系統を辿っているらしい。
ゴマモン達の巣は、雪や氷でできた構造物だ。
見ようによっては集団生活だ。デジタマを採取しておけば役に立つかも…
『おい』
ん?
ベーダモンから通信が入った。
『さっきから何を観察している たわけが 余はホエーモンの様子を見せろといったのだ 聞こえなかったのか』
うっ…そうだった。つい。
しばらくぶりに観るから夢中になっちゃって。
クルエさんがジトッとした目でこちらを見ている。
「なんか…前にもこういうことなかったっけ?」
リーダーは腕組みしている。
「サラマンダモンから元の主の情報を聞き出そうとしたときだな。本来の目的を忘れて体表の炎のオーラの解析に夢中になっていた」
ごめんて!
でもガッチモンの検索能力は水中には届かないから、大海原の中から地道にホエーモンを探すとなるとけっこう大変なんだよ。
なら陸上を見てホエーモンの痕跡を探すのは悪いアプローチじゃないでしょ?
『面倒だな 見つかった時にまた連絡しろ』
そう言い、ベーダモンは去ろうとした…。
「なあベーダモン。さっき見た中に、コロニーに加えたい奴はいたか?」
カリアゲがそう言うと、ベーダモンはピタっと止まった。
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/29(火) 11:22:54.50 ID:z+CnJnf6o
お久しぶり
140 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/29(火) 11:24:13.93 ID:HgNlIvf6O
『先ほどの 名前はなんだったか そう イッカクモンか 優れた遠隔攻撃能力がある あれは欲しい』
「ツノのミサイル飛ばすやつか!強そうだなあれ!砦を守るのにいいんじゃないか?」
『移動は遅そうだが 拠点防衛には最適だ』
おお、ベーダモンが機嫌を直した。
ナイスだカリアゲ!
シンがこっそり耳打ちしてきた。
「やっぱカリアゲパイセンってベーダモン関連になると普段の50倍くらい頼りになるッスね」
まるで普段は今の50分の1しか頼りにならないみたいな言い方だ…
「ああすまんッス」
我々が研究に勤しんでる間、カリアゲはフローティア島の開拓計画を練ったり、デジモン達とのコミュニケーションや教育・トレーニングをやってくれてるんだよ。
我々のパートナーデジモン達が、指示がなくともうまく現場判断できるのは、カリアゲの教育の賜物だ。
「俺も見習わないといけないッスね。…ところでホエーモンの痕跡は陸上で見つかったッスか?」
あ、いけね。
まだ見つかってないや。
141 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/29(火) 11:27:03.05 ID:HgNlIvf6O
ベーダモンから通信が来た。
『まあいい 痕跡が見つかり ホエーモンが見つかったら その時教えろ』
アッハイ。そうします。
今度こそベーダモンは通信を切ろうとした…
その時。
「キュイーーー!!」
寒冷地を映しているデジクオリアから、聞いたことのない鳴き声が聞こえた。
な、なんだ?
画面を見ると…
海から陸上に、奇妙な姿のデジモンが大慌てで上がってきたところだった。
https://i.imgur.com/0twwEXF.jpeg
142 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/10/29(火) 11:27:36.30 ID:HgNlIvf6O
つづく
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/29(火) 11:30:06.02 ID:YEWOYfPXo
乙
装飾とかが明らかに人工なデジモンだ
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/29(火) 11:30:45.24 ID:z+CnJnf6o
乙
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/29(火) 15:03:47.70 ID:7a/td5pj0
乙
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/29(火) 21:51:37.32 ID:82sovMyoo
色が青なら某キモイルカさんだ
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/10/30(水) 09:02:48.79 ID:X1fPFieo0
何故ホークモンから急にイルカになるのか不思議なデジモン
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