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安価とコンマで異世界転生!その11
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662 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/06(木) 20:10:54.37 ID:en4HQA+30
すみません遅れました
少年「正気か?あいつらは男を拐い……恐らく、始末しようとしていたんだぞ?」
男「……そうだ。だが、今はそうするべきだ」
狙撃少女「冷静さは美徳です。男さんが問題ないというのなら、止めることはしません」
中華「……優しいんだね」
男「冗談きついな、利用してやるだけさ」
663 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/06(木) 20:25:12.62 ID:en4HQA+30
AI妹「……なんだ、こんな所にいたのか」
街の外れで集まる一行の元に、再びAI妹が現れた
今度は重騎士を連れている
氷魔「……ここを去ったのでは……?」
AI妹「ふん、うちの馬鹿がはぐれてな……それに、街から出てどちらに行くにせよ、検問をやっているんだ」
重騎士「私はともかく、AIさんは帝国にマークされてるので、出られないんですよね〜」
AI妹「だが、こいつを一人で出せば確実に遭難する。平地でもだ。だから、戻ってきた」
664 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/06(木) 21:54:08.73 ID:en4HQA+30
男(市長?いや……なんか雰囲気がキツいな。別人か……?)
やる気「それより……俺っちらは仕方なく、一旦邪教徒側につくことになったっす」
AI妹「ほう、男を取り戻したのにか?」
ぶりっ子「帝国軍のほうが厄介だと判断したからですねぇ」
重騎士「へぇ……でも別に、あくまで一時の共闘ですよね?」
怪盗「そうです!」
男「そこで……奴らへ協力を申し出るために、あいつらのまとめ役に会いたい。どこにいるか知らないか?」
AI妹「>>下1」
665 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/06(木) 22:39:24.00 ID:C3inIGaD0
まとめ役じゃないが滝付近にいる。案内が必要か?
666 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/07(金) 01:26:14.31 ID:sBAMlmbu0
本日はここまでです
ありがとうございました
667 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/07(金) 18:25:55.01 ID:sBAMlmbu0
AI妹「まとめ役じゃないが滝付近にいる。案内が必要か?」
男「いや、滝の方角だけ教えてくれればいい」
AI妹「南東だ。とはいえ、この街の外なんだが……検問よりは内側だから辿り着けるはずだ」
重騎士「ええっ!?案内要らないんですか!?」
やる気「必要なのはあんただけっすよ……」
ぶりっ子(私とキャラが被り気味か……?)
668 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/08(土) 03:07:15.25 ID:ZkTJcXoG0
AI妹「ふむ、過学習だったか……やはり、人間の基準で言えば彼女は変わり者だからな」
重騎士「むぅ……」
不服そうな彼女を尻目に、一行の議題は次に移った
少なくとも、
裏門を突っ切るには大きなリスクが伴うのだ
中華「じゃあ、どうやってここを出ようか?」
氷魔「……そこですね……みんなに翼があればいいんですけれど……」
669 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/08(土) 03:09:28.00 ID:ZkTJcXoG0
重騎士「そこは、私にお任せ下さい!」
怪盗「え!?なにがすごい案があるんですか!?」
街を囲むようにある大きな壁を越えることは難しい
となれば、なんらかの抜け道を知っているのではないかと誰もが期待した
重騎士「私がみなさんを外まで投げ飛ばします!」
少年「……は?」
狙撃少女「なんと……おっしゃいました?」
670 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/08(土) 03:22:44.82 ID:ZkTJcXoG0
本日はここまでです
ありがとうございました
671 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/08(土) 19:47:47.61 ID:ZkTJcXoG0
重騎士「兜で声が籠ってましたか?」
炎魔「いや、そうじゃなくて……」
AI妹「だが、優れた選択の一つだろうな。時間はあまりないし、表の門も裏門のようになっていないとは限らない」
と、それができて当たり前かのような口ぶりで彼女は続ける
そもそも、そんなことができるのかすら一行にとっては怪しいものである
男「できるのか?そんなこと……」
AI妹「理由に関しては説明を省くが、こいつは凄まじい怪力を行使できる。人間を十数メートル投げ飛ばすこともできる」
672 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/09(日) 01:09:18.27 ID:pbthUltV0
中華「怖……」
重騎士「さぁ、最初は誰がいいですか!?」
炎魔「あ、私は自分で飛んでいくんで……」
半笑いの炎魔は街を囲む壁の上方へと飛んでいく
氷魔「……あ……」
やる気「ズルいっすよ!?」
673 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/09(日) 01:14:16.46 ID:pbthUltV0
ぶりっ子「わ、私は嫌ですよぉ!?」
やる気「……なら、俺っちが行くしかないっすね」
重騎士「じゃあ、私の腕に収まって下さい!」
重騎士は右手でやる気の重心を支え、
左手の平を飛ばすべき角度へ向けている
怪盗「だ、大丈夫なんです!?」
やる気「後に飛んでくるみんなをキャッチするなら、俺っちが一番適任っすよ!」
674 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/09(日) 01:30:47.76 ID:pbthUltV0
本日はここまでです
ありがとうございました
675 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/09(日) 19:34:04.84 ID:pbthUltV0
重騎士「じゃあ行きますよ……!」
やる気「どんと来い!」
重騎士「いち、にの……さんっ!」
槍投げのメダリストの如く美しいフォームで、
腕に収まっていたやる気を発射した
やる気「くおぉぉぉ……!」
そして、彼女の目算通りの放物線が描かれ、
やる気は見事壁を越えた
>>下1……壁の向こう側の地形
676 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/09(日) 21:08:21.80 ID:JSktBVNVo
平坦な草原
677 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 01:43:01.04 ID:5ZaYuB6H0
重騎士「そういえば、向こう側ってどんな地形なんでしょう?」
炎魔「あ、確認すれば良かった……」
一方、やる気は物理法則の権化と化して、地面へと叩きつけられようとしていた
やる気「しめたっ!」
地形が平坦な草原であることを確認した彼は、
即座に受け身の構えへと移行
流れるような動きで地面の衝撃を回避したのだった
678 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 01:45:33.63 ID:5ZaYuB6H0
炎魔は不安になりながらも壁の向こう側を確認する
炎魔「大丈夫ですかー?」
やる気「問題ないっす!ちゃんとした草原なんで、受け身も取りやすいし踏ん張って受け止めるのも楽っすよ!」
大きく両手を振りながら、やる気は安全を伝えた
炎魔「大丈夫みたいですー!」
679 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 01:48:09.25 ID:5ZaYuB6H0
本日はここまでです
ありがとうございました
680 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 19:22:12.19 ID:5ZaYuB6H0
それから、一行は次々に壁の向こうへ放り投げられた
バリスタのような重騎士の投擲と、
やる気の正確なキャッチが安全性のハーモニーを奏でる
ぶりっ子「や、や、も、もっと安全な方法ないんですかぁ!?」
AI妹「なんだ、お前はやけに情けないな」
ぶりっ子「あったり前じゃないですか!?私、花も恥じらう女の子ですよぉ!?」
最後に残ったのは、ぶりっ子だった
681 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 20:37:28.89 ID:5ZaYuB6H0
重騎士「ぶりっ子さん……!」
ぶりっ子「な、なんですかぁ!?」
重騎士「私もそうです」
兜で見えないはずの素顔は、
間違いなく笑顔であると言い切れるだろう
彼女はそのまま容赦なくぶりっ子を射出した
ぶりっ子「嘘つけえぇぇぇぇ!!!」
682 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/11(火) 02:03:15.06 ID:W6e1qNcK0
そして、ぶりっ子はやはり綺麗に飛び、
やる気にキャッチされるのであった
狙撃少女「さて……では全員揃いましたし、行きましょうか」
少年「ああ、そうだな」
平坦な草原であることから、視界状況も非常に良好だ
一行が目指すべき滝は大きく、
故に夜でも視認しやすかった
683 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/11(火) 19:34:38.58 ID:W6e1qNcK0
すみません寝落ちしました
夜の草原は動乱の街とは全くの別世界で、
ただただ静寂に包まれていた
男「本当に、ここに指導者的な存在がいるのか……?」
あっという間に滝崖まで辿り着いた一行
滝の近くを歩いてそれらしき人物を探す
中華「あっ、あれは……」
>>下1……一行が発見したのは
684 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/11(火) 20:36:37.87 ID:OoTyB3Jq0
出来合いの野営キャンプ地。よく見ると怪我人とかが目立つ
685 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/12(水) 02:26:59.62 ID:IqZ1TTwM0
滝壺の水面に映る暖かな光
それを投影する光源に向かえば、
そこには野営キャンプ地があった
氷魔「……人も居ますね……」
やる気「行くっすか?」
ぶりっ子「危険じゃないでしょうかぁ?」
怪盗「危険?」
686 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/12(水) 02:32:03.57 ID:IqZ1TTwM0
ぶりっ子「なんか、怪我してる人多いですしぃ……」
狙撃少女「設営も、規模の割には雑ですね……状況的にも、刺激したらまずそうです」
炎魔「でも、コンタクトは取らないと」
少年「どの道、みんな顔割れてそうだしな」
男「……じゃあ俺が」
中華「また拐われに行くの?」
男「すまん……」
687 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/12(水) 03:09:12.61 ID:IqZ1TTwM0
本日はここまでです
ありがとうございました
688 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/12(水) 19:51:39.01 ID:IqZ1TTwM0
氷魔「……やはり……安全のためにも……全員で行くべきでしょう……」
やる気「そうなるっすね」
かの暗殺者ほどの手練れがこのキャンプに潜んでいるとは考えにくかったが、
やや過敏になっている一行は、
固まってキャンプに侵入するのだった
ぶりっ子「お邪魔しま〜す……」
689 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/13(木) 03:13:37.12 ID:cup6bqSJ0
一行がそこに足を踏み入れれば、
やはりと言うべきかキャンプに集う人々は警戒を露わにした
その場から動かず視線を向ける者、
逃げ出す者、傷口を庇い様子見をする者、
傷痍を悟られぬようにする者……
様々な意識が向けられる
怪盗「待って下さい、私たちは事を荒立てに来たのではありません!」
少年「むしろ、帝国の公権力とはがっつり敵対中だぜ?」
690 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/13(木) 03:16:18.32 ID:cup6bqSJ0
本日はここまでです
ありがとうございました
691 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/13(木) 19:19:09.92 ID:cup6bqSJ0
狙撃少女「やはり、こうなりますか……」
周囲から向けられる視線に、
場は完全に冷えきり硬直
次の一手を考えなければならないフェイズだ
炎魔「……?」
しかし、唯一緩やかな足取りで一行に近付いてくる者がいた
その表情は見せかけかもしれないが、
決して威圧的ではなかった
>>下1……近付いてきた存在
692 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/13(木) 19:23:39.23 ID:9XNazXoY0
顔半分を包帯で巻いた女性(元男性)。 役職は現役勇者
693 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/14(金) 02:04:47.17 ID:frQXW21e0
勇者「やぁ、君たち……悪いが、彼らはここで大人しくしているだけなんだ。なにか話があるなら、ボクが聞こう」
どこかボーイッシュな印象を受ける女性がそこにいた
彼女の顔のうち半分は包帯で覆われており、
ここにいる人々の例に漏れず、
怪我をしたのだろうと推察できる
男「っ……!?」
男は彼女から奇妙な威圧感を感じた
これまでに会ってきた強者が放つようなそれが、
巧妙に隠されていることに勘づいたのだ
694 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/14(金) 02:13:05.50 ID:frQXW21e0
キャンプに集う人々は、彼女を力強い視線で見つめる
それは一行にも高い信頼を感じさせるほどだった
中華「ここに、邪教徒たちに対して強い影響力を持つ人物がいると聞いてね。多分、あなたですよね?」
勇者「そう言われるとむず痒いですね。……ですが、否定はしませんよ」
氷魔(……携えた宝剣……明らかに只者ではない雰囲気……穏健でいて芯も感じますし……予想以上の傑物が現れたかもしれませんね……)
やる気「うちらは……少なくとも一時的に、それ以降は状況によるっすけど、あなたたちを手を組みたいんすよ」
695 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/14(金) 04:10:03.12 ID:frQXW21e0
本日はここまでです
ありがとうございました
696 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/14(金) 19:42:55.85 ID:frQXW21e0
勇者「私たちと手を?ふむ……」
ぶりっ子「ここにも怪我人が沢山いるようですがぁ……向こうの街でも帝国軍は邪教徒を攻撃しようとしてますよぉ」
怪盗「私たちもあいつらは止めたいと思っているんです!」
狙撃少女「あなたたちとの因縁もありますが、今だけは忘れましょう」
少年「そういう訳だが……話を呑んでくれるか?」
勇者「>>下1」
697 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/14(金) 19:49:07.56 ID:PLQsXcFH0
…出来れば、男さんと2人だけでお話しさせてほしな。 僕自身も話さないといけない事もあるし
698 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 02:48:31.83 ID:/Wl17JSP0
勇者「…出来れば、男さんと2人だけでお話しさせてほしな。」
男「えっ、俺?」
勇者「僕自身も話さないといけない事もあるし」
意味深なことを言う彼女に、
男は少し離れた場所へ誘導される
炎魔「行くんですか?」
男「まぁ、な。みんな不安だろうけど、名指しされちゃあ仕方ないってもんだ」
699 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 02:51:55.87 ID:/Wl17JSP0
勇者「火でも起こしながら話そうか」
男が向かったそこは、
キャンプの中心地にならなかった場所だ
焚き火の用意だけがしてあった
男「いや、夜は冷える。さっさと温めよう」
男は薪に着火魔法を放って場を温める
悠長にしてもいられないということを、
暗に示す形となった
勇者「感謝するよ」
700 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 02:56:27.34 ID:/Wl17JSP0
男「気にするな。それより、俺と二人で話したいとは、どういうつもりなんだ?」
勇者「代表者同士で話し合ったほうが早いでしょ?」
男「……まぁな。顔は割れてるんだったか」
勇者「それなりに有名人だしね、君たち」
男「あまり表立って暴れたつもりはないんだけどな……」
勇者「でも、捕捉しやすいよ。堂々と動くし、動線も基本的には真っ直ぐだし、定期的に神を呼ぶから、それで本物かどうかも分かる」
701 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 03:01:54.38 ID:/Wl17JSP0
本日はここまでです
ありがとうございました
702 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 20:13:59.07 ID:HM6Qb2KhO
すみません遅れました
男「ちゃんと下調べしてるな……」
勇者「ま、うち的には要注意勢力だし」
男が拾った木片を焚き火を投げ込むと、
軽い音を立てて燃えた
男「……それで、俺に話って、なにかな」
勇者「>>下1」
703 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/15(土) 20:21:40.60 ID:zTiZe8hs0
先にかつての仲間たちが貴方にしたことを謝らせて下さい。淫魔になる前の僧侶や魔法使いは元は優しい娘たちでした
704 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 23:14:01.97 ID:/Wl17JSP0
勇者「先にかつての仲間たちが貴方にしたことを謝らせて下さい。」
男「仲間?」
勇者「淫魔になる前の僧侶や魔法使いは元は優しい娘たちでした」
そう言われると、
男はこれまで出会った淫魔たちを思い出す
男「僧侶……は、あいつか。まぁ、死にはしなかったし、別にいいさ」
705 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/16(日) 06:22:58.22 ID:Xw4HNMsD0
勇者「そう、ですか……」
男「魔法使いってのは……あれ、まさか……」
勇者「あなたの仲間である炎魔さん……彼女の素体に魔力を流し込んだ存在です」
昔、男性型の淫魔から炎魔の元々の肉体は、
勇者パーティの魔法使いによって起動させられた可能性が高いという話を男は聞いたことがある
男「ということは……あなたはまさか?」
706 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/16(日) 06:31:53.53 ID:Xw4HNMsD0
本日はここまでです
ありがとうございました
707 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/16(日) 19:50:11.87 ID:Xw4HNMsD0
勇者「そう。僕は勇者だ」
堂々とカミングアウトする
なぜこんな所にいるのか、
と男にとっては不思議でしかないだろう
男「……勇者サマが、邪教徒とつるんでるのか?」
勇者「まぁ、色々あってね……」
包帯の巻かれたその姿からは、
確かになにか事情がありそうだと感じられる
708 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/16(日) 22:09:16.05 ID:Xw4HNMsD0
男「それで、交渉の件だが」
勇者「僕個人としては、ぜひ受け入れたいと思っている」
男「いいのか?」
勇者「難しい質問だね。僕はあくまで人望がちょっとあるだけで、教祖でもなんでもないし」
鼻にかけたような台詞だが、
その表情の儚さからは自嘲的なものを強く感じることができる
709 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/17(月) 00:37:35.22 ID:4soi0GT90
本日はここまでです
ありがとうございました
710 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/17(月) 19:54:18.65 ID:4soi0GT90
男「とりあえず、承諾は得られたと解釈するよ」
勇者「構わない」
彼女は、ただ焚き火の炎を見つめていた
男「……それでだ、俺たちはあの街に戻らなきゃいけない」
勇者「そのはずだね」
男「俺たちと邪教徒とが仲間だと示せる『証』が欲しいんだ。なにか持ってたりしないか?」
勇者「>>下1」
711 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/17(月) 21:29:23.94 ID:UYoScceG0
この教団の前教祖(死亡済み)から頂いた『討神への十字架』を貴方に渡すよ。 教えを改善する権限がある
712 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/17(月) 22:36:48.72 ID:4soi0GT90
勇者「この教団の前教祖から頂いた『討神への十字架』を貴方に渡すよ。」
そう言うと、
彼女はロザリオのようなものを男に渡した
何らかのアーティファクトのようなオーラを放っている
男「前教祖?」
勇者「まぁ、もう死んでるんだけどね」
男「なるほど……これがあれば、仲間だと認めてもらえるのか?」
勇者「教えを改善する権限がある」
男「えっ!?」
713 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/17(月) 22:41:16.18 ID:4soi0GT90
あまりの発言に、男も目を見開いて驚いた
それを見て、勇者は少しだけ微笑んだ
勇者「好きに使うといいよ。僕が使うにはちょっと荷が重い……精神的にね」
男「なんだってこんなものを持ってたんだ……」
勇者「だから、貰ったんだって」
男「もっと持つべき立場の人間がいたんじゃないのか?」
勇者「そうかもしれないね。でも、残念ながら彼らは僕からこれを奪えるほど強くはなかったよ」
にやりと歯を見せて笑うと、
少しだけ剣を抜いて鈍い金属に火の明かりを反射させた
714 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/18(火) 03:31:11.14 ID:RSB9s++n0
本日はここまでです
ありがとうございました
715 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/18(火) 19:18:30.02 ID:RSB9s++n0
男「味方する方を間違えてたら俺の首はなかったかもな」
底知れない精神の澱みが、
その笑顔の奥には渦巻いていた
勇者「さぁ、どうだろうね」
彼女は立ち上がりながら剣を抜き放ち、
その風圧で焚き火を消してしまった
男「話は終わりか」
716 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 03:47:57.82 ID:RWgY+sLr0
勇者「あぁ、時間はないんだろう?」
男「……そうだな」
勇者「場合によれば、また会うこともあるだろう」
男「味方として?」
勇者「……そのつもり。それよりも、別の問題があるけれど」
男「問題?」
717 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 03:52:29.39 ID:RWgY+sLr0
勇者「ちょっと、まだこの体に慣れていなくてね」
男「『この体』?」
勇者「……なんでもないよ」
違和感のようなものを感じたが、
男には時間がないのも事実だったので、
ロザリオのようなそれを身につけてその場を離れた
男「……よし」
718 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 04:03:32.45 ID:RWgY+sLr0
本日はここまでです
ありがとうございました
719 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 19:55:01.60 ID:RWgY+sLr0
中華「あ、戻ってきた」
氷魔「……なにか……アクセサリーを着けていますね……」
相変わらず気まずそうな一行の元に、男が帰還する
男「この装飾品……『討神への十字架』を着けていれば、教団の教えにまで干渉できるらしいぞ」
やる気「とんでもねぇもん貰ってきたっすね……」
720 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 21:12:19.98 ID:RWgY+sLr0
それから、一行はそそくさとキャンプ地を後にした
まずは街へと戻るため、草原を急ぐ
ぶりっ子「とりあえず正門へ向かいましょう、あっちはまだ人が集まってなかったですよねぇ?」
怪盗「今はどうか分かりませんけどね」
そして、街の正面の門へと辿り着く
>>下1……正門の様子
721 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2025/02/19(水) 21:58:22.74 ID:02ZiNarP0
邪教徒と帝国軍がまるで天安門事件のように争っている
722 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/20(木) 03:26:47.45 ID:SMD7LVfR0
本日はここまでです
ありがとうございました
723 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/20(木) 18:23:30.33 ID:SMD7LVfR0
帝国兵「突撃ーッ!」
少年「おい、嘘だろ……」
一行がそこへ訪れた瞬間、号令が響き渡る
正門に陣取る邪教徒たちに向けて、
帝国のチャリオットが突撃していくのだ
狙撃少女「まずいっ!」
男「待て!」
彼女は射撃の構えを取ったが、男はそれを制した
724 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/20(木) 18:29:29.78 ID:SMD7LVfR0
狙撃少女「どうしてですか!」
炎魔「ライフルでは弾が足りませんが、パチンコでは届きません!まずは接近しましょう!」
男「そうだ、急ぐぞ!」
街を囲う壁の側面をなぞるように、
一行は正門前へと向かっていく
そこでは既に、一部の邪教徒がチャリオットに弾き飛ばされていた
中華「くっ、まずい……!」
725 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/21(金) 02:15:00.52 ID:4KSeIv/D0
氷魔「……入り込んでしまった帝国兵は……各個対処するしかありません……ですから……まずは突貫するチャリオットを……」
やる気「そっすね!でもどうするっす?あの質量と速度と数は面倒っすよ!」
正門前に立ち、邪教徒よりも先の位置でチャリオットを迎撃することにした
氷魔「……お任せ下さい……氷空魔法……!」
彼女は魔力を迸らせる
だが、氷空魔法は特殊な魔法であり、
その行使を肉眼で捉えることはできない
726 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/21(金) 18:51:23.31 ID:4KSeIv/D0
すみません寝落ちしました
ぶりっ子「なにをしたんですか?」
氷魔「……見れば分かりますよ……退いてください……」
彼女の合図に従って一行は門まで下がる
帝国兵「うおおぉぉ……っ!?」
チャリオットのうち、馬は仕掛けを走り抜けた
だが、車輪は見えない氷の斜面で強く滑り、
圧倒的な加速度そのままに兵の乗っている部分だけが空中に打ち上げられる
727 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/22(土) 04:17:06.81 ID:+s5Xwet90
やる気「おぉ!」
そして滞空時間のうちに、
地面と平行ではなくなったそれは、
勢いよく横転する形で地面に打ちつけられる
氷魔「……こういう姑息な魔法の仕掛けが……数ばかりある敵にはよく効くんですよ……」
怪盗「これ、もしかして超有効?」
728 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/22(土) 04:21:23.39 ID:+s5Xwet90
氷魔「……魔法の心得がある者がいれば……対策も分かることでしょう……対策が為されるまでの時間は稼げます……」
狙撃少女「兵器が使われないのであれば、こちらでも充分抵抗できますね」
追加のチャリオットが来ないため、
既に乗り込んできた帝国兵たちは街中へと逃げることになった
少年「とはいえ、戦力差は歴然だ……だが、そろそろじゃないか?」
729 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/22(土) 04:31:48.72 ID:+s5Xwet90
本日はここまでです
ありがとうございました
730 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/22(土) 19:31:51.42 ID:+s5Xwet90
炎魔「そろそろ?」
男「ついに、街中にまで侵攻してきた訳だしな」
そう言うと、彼は逃げる帝国兵を見た
帝国兵「くそっ、どうなってるんだ……っ!?」
チャリオットの立てた砂煙に紛れて逃げようとする彼を、何者かが吹き飛ばした
中華「この街の人々は、かつて帝国と戦った者達だし……ここまでされて黙ってはいないよね」
>>下1……現れた街の勇士とは
731 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/22(土) 19:34:38.41 ID:M4ir9Smm0
小柄な老人
732 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/22(土) 20:10:08.62 ID:pHjKl/BY0
両腕が機械の男拳士
733 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/23(日) 01:45:34.84 ID:9lUuoXhy0
中華プロクシが通らなくなったと思ったらNGワード入ってたのか
734 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 03:13:27.64 ID:mfXWeB8s0
老人「街に入ってきたのなら……侵略と見なすぞ?」
砂煙が晴れ、そこから彼は現れた
小柄だが隙のない、老練の勇士だ
氷魔「……只者ではありませんね……」
単に筋力で帝国兵を吹き飛ばしたわけではないことは、すぐに分かることだ
彼の両手には魔力が込められており、
そのきめ細やかな魔力操作は人族では類いまれだ
735 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 03:25:16.98 ID:mfXWeB8s0
本日はここまでです
ありがとうございました
736 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 19:52:53.41 ID:mfXWeB8s0
やる気「これで、侵入してくるやつらをどうにかすればよくなったっすね」
男「あぁ、今のうちだ……」
まだ帝国軍は氷魔の魔法に気付いていない
そこで、男は再び視線を変え、
事態に唖然とする邪教徒たちを見た
ぶりっ子「どうぞぉ」
男「聞け!信徒たち!俺たちはお前たちの仲間であり、この場において、皆を指揮する者だ!」
そう叫び、彼は『討神への十字架』を掲げた
737 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 20:37:04.02 ID:mfXWeB8s0
邪教徒A「あ……あれはっ……!」
邪教徒B「代行者だ!代行者が来たんだ!」
男「集えっ!」
高らかに宣言すると、
邪教徒たちは集まってくる
怪盗「……これで人手は集まりましたが」
狙撃少女「どうやって戦いましょうか?」
738 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 20:45:18.09 ID:mfXWeB8s0
男が掲げた十字架に信者たちからエネルギーが集まり、発光する
男「えっ」
少年「どうなってんだ……?」
その光は次第に大きくなり、
男の姿はそれに呑まれていく______
男「……ここは……?」
そして、光の向こう側になにかの姿が見える
そこにいたのは、>>下1だった
739 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/23(日) 21:21:49.28 ID:HzwxtTUi0
教会にいた気弱少女
740 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/24(月) 01:34:09.99 ID:cpyCAWjb0
本日はここまでです
ありがとうございました
741 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/24(月) 19:49:58.57 ID:cpyCAWjb0
気弱少女「こんばんは……」
男「君は……!」
光の中、そこに見えたのはボロボロの教会で祈りを捧げていた少女だった
気弱少女「……えっと……その……私……」
男「……どうしたんだ?まずは落ち着いて、深呼吸してから話すといい」
その言葉は、男本人にも言い聞かせているようだった
突拍子もない事態に、彼も当然冷静ではいられない
742 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 03:14:35.26 ID:qI1k3Fnb0
気弱少女「私……『執行者』みたいなんです」
男「……執行……?」
気弱少女「神様が私に語りかけてくるんです。力を執行しろと……」
男「そ、そうなのか……?」
気弱少女「さっきから、ずっとそうなんです。頭の中が、声で埋め尽くされて。割れそうなほどうるさくて」
彼女は頭を抑えて踞ってしまう
743 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 03:18:13.74 ID:qI1k3Fnb0
男「……なんだか分からないが、力を使えば楽になるんじゃないか?」
気弱少女「そうなのでしょうか……」
男「そうしろ、と言われているんだ。それで君が苦しんでいるなら……するべきなんじゃないか?『執行』……」
そう男が問えば、気弱少女は頭を軽く振った
気弱少女「それも怖い……です。なにが起こるかなんて分からないのに」
男「はぁ……君はまだまだ子供だ。いっちょ前に責任のことなんて考えるな。どうしても怖いなら、俺が全責任を負ってやる」
744 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 04:00:44.09 ID:qI1k3Fnb0
本日はここまでです
ありがとうございました
745 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 19:29:29.53 ID:qI1k3Fnb0
気弱少女「そんな……」
男「君は……お前は今、弓に過ぎない」
気弱少女「え……?」
男「矢をつがえて、射るのは俺だ。それが自分を撃つことになろうと、誰かを殺してしまおうと、それは俺の罪だ」
気弱少女「………………」
彼女はその言葉を聞くと押し黙ってしまった
だが、否定はしていない
男「さぁ、やれ!楽になるんだ!執行しろ!」
気弱少女「うぅ……うわぁぁぁっ!!」
746 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 20:32:22.71 ID:qI1k3Fnb0
彼女の絶叫は響き渡った
光に包まれた空間は破れ、
その外にいる誰もがそれを聞いた
だが、それをかき消すほどの轟音がそれに続いた
炎魔「これは……!」
中華「す、すごいな……」
街の外に待機している帝国軍に向かって、
何条もの雷霆が突き刺さる
それが、『執行』だった
747 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 20:37:56.36 ID:qI1k3Fnb0
光と一緒に、気弱少女の姿は消えていた
恐らく、あの教会に送還されたのだろう
男(気にしていないといいが……)
邪教徒A「す……すごい!裁きだ!」
邪教徒B「裁きが下ったんだ!」
邪教徒たちは男を見て歓喜の声を上げる
彼にとっては、普段奇跡を行使するのとよく似ていたのでさしたる驚きはなかったが
748 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/26(水) 02:41:30.70 ID:NfclsN7D0
本日はここまでです
ありがとうございました
749 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/26(水) 19:28:46.23 ID:NfclsN7D0
氷魔「……少なくとも……大きな被害は出ましたね……」
歓喜する信者たちを見て、
男はあることを思いついた
所持する十字架を再び掲げる
男「代行者の名の元に、諸君らを導く教えを改める!」
邪教徒C「おおぉっ!」
それは、教義の変化だった
全ての教義の確認と精査は後に回すとして、
今変えるべきものもあるだろう
男「本日より、>>下1」
750 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/26(水) 19:45:46.94 ID:svxDskJ00
魔神に対し崇拝や排斥・討滅をせず和解と対話を目指し魔神との共存を目指す!!
言って男のその足元に数弾の弾丸が放たれた。何処から狙ったのか判らないがかなり遠くから撃たれたかもしれない
751 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/27(木) 03:11:18.83 ID:YO0lJ+CR0
男「魔神に対し崇拝や排斥・討滅をせず和解と対話を目指し魔神との共存を目指す!!」
彼はそう高らかに宣言した
少なくとも、彼にとって魔神とは中々に話せる連中であるからだ
皆が分かりあえるはずだ、と思っている
やる気「危ないッ!」
だが、そう思わない者もいるようだった
驚異的な反応速度でやる気が男を突き飛ばすと、
かつて彼の足元だった場所に複数の弾丸が撃ち込まれていたのだ
752 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/27(木) 03:15:09.42 ID:YO0lJ+CR0
ぶりっ子「た、助かりましたねぇ……」
邪教徒たちにどよめきが走る
突然の攻撃に、パニック寸前だ
男「ありがとう、やる気……皆!俺はこの通り無傷だ!なにも心配はいらない!」
彼がそう叫ぶと、どよめきはかなりマシになった
怪盗「……今の、どこから?」
狙撃少女「方向はなんとなく分かります。ですが……そちらにはなにも視えませんでした」
753 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/27(木) 03:19:40.14 ID:YO0lJ+CR0
本日はここまでです
ありがとうございました
754 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/27(木) 19:11:18.49 ID:YO0lJ+CR0
少年「……超遠距離か?」
狙撃少女「確かに、私の持っているライフル……ではやや力不足ですが、そういうものなら撃てますね」
炎魔「……でも、弾は一発じゃないですよね?長距離をスナイプする重火器って、大抵一発しか撃たないイメージがありますけど」
中華「……見えない敵が撃った、とか?」
氷魔「……面白いですね……」
やる気「それがありならなんでもありじゃないっすか……と言いたい所っすけど、否定はできないっすね」
755 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/28(金) 01:04:17.58 ID:h4b7/Eq30
男「ともかく、ここでまごついてはいられない。今度は裏門へ向かうぞ!」
ぶりっ子「ですねっ!」
男は邪教徒たちを率いて、
街の裏門の方向へと進みだした
怪盗「……油断できませんね」
狙撃少女「随分気を張っていますね」
怪盗「超スピードだろうが、超遠距離だろうが、見えない敵だろうが……私が追いつけさえすれば、どうにかなるんです!ここ数回、有効に動けてないんで……」
756 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/28(金) 01:49:45.91 ID:h4b7/Eq30
本日はここまでです
ありがとうございました
757 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/28(金) 20:06:25.00 ID:h4b7/Eq30
すみません遅れました
老人「これ、そう思い詰めるな」
彼女に声をかけたのは、
先ほど帝国兵を倒した小柄な老人だった
怪盗「………………」
老人「確かにお主の肉体はしなやかじゃ。瞬発力に関しては、言うことなしじゃろう」
怪盗「分かってるじゃないですか」
老人「……だが、心の緊張とプレッシャーは体のバネを鈍らせる。ゆめゆめ忘れるな」
758 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/28(金) 21:27:20.04 ID:h4b7/Eq30
忠告される怪盗をよそに、
信者たちを連れた男は大通りを進んでいく
??「待て!」
男「……おっと」
しかし、その行く手を遮る者がいた
だが、信者たちはもはや動揺しない
わずかな時間で、彼はひとまずは信頼のおける先導者になっていた
>>下1……立ちはだかった存在
759 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/03/01(土) 09:08:03.96 ID:S37yB7hVO
帝国の鎧を着た若い正騎士の青年
760 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/01(土) 19:54:53.26 ID:hAVnNJIc0
正騎士「貴様らをここから先に進ませる訳にはいかない!」
男「知ったことじゃない。押し通るぞ」
そう冷たく男が言い放つと、
彼は折り目正しい構えで剣を男に向けた
身につけた鎧も帝国のある程度は位の高い騎士のもので、まずそこいらの兵士と同格ではないだろう
少年「……けっ、ムカつく奴だ。自分に正義があると信じ込んでないとできねぇ表情してやがる」
761 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/01(土) 20:46:49.80 ID:hAVnNJIc0
炎魔「……私はちょっと相性が悪いですかね」
中華「しかし……なぜここにいるんだ?」
正騎士「裏門を突破したからさ」
氷魔「……それは……嘘ですね……」
彼女は静かにそう溢した
正騎士「嘘?」
氷魔「……裏門を突破できているなら……もっと人が雪崩れ込んでいるはずです……どこもかしこも戦場のはず……」
やる気「帝国のやり方は荒っぽいから、そもそも突破されてるなら音や煙で遠くからでも分かりそうなもんっすね」
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