安価とコンマで異世界転生!その11

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621 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/27(月) 19:29:19.88 ID:QdVSShOX0
やや引き気味の炎魔をよそに、
男は自由になった腕を動かす
手首にはまだ枷の残骸が纏わりついている


男「んー……よし!ありがとう」

やる気「まぁこれが目的っすからね」

炎魔「さて……」


戦士淫魔は立ち上がった
まだ赤子を抱いている


男「そいつは誰の子だ?」

戦士淫魔「>>下1」
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/27(月) 19:42:37.31 ID:IxLe/8vE0
牢屋に居た女性の…
623 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/28(火) 03:53:48.43 ID:Nv+J9s1a0
戦士淫魔「牢屋に居た女性の…」

男「牢屋?」


男は彼女についてはなにも知らなかった


やる気「あぁ、あの人の……」

炎魔「確かあの人……邪神を産んだという認定をされたと言ってましたね?」

男「……そうなのか?なるほど、分かってきたかもしれないな」
624 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/28(火) 04:34:16.78 ID:Nv+J9s1a0
本日はここまでです
ありがとうございました
625 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/28(火) 18:58:28.85 ID:Nv+J9s1a0
やはり、その赤子には何らかの利用価値があるのだろう
どうにかして連れ戻したいと男は考えた


やる気「で……どうするんすか?子供庇ってるやつに手を上げるのは流石に気が引けるっすけど」

炎魔「そうなんですよね……」


どうしたものかと考えていると、
入ってきた階段の方から足音が聞こえてくる
626 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/29(水) 02:59:00.97 ID:i0BLjE6A0
男「ん……?」


まさか敵の増援かと思い、
三人は警戒して扉を見やる


戦士淫魔「………………」


その扉はやけにゆっくりと開かれた
そこにいたのは……


女性「あっ……」
627 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/29(水) 03:02:17.79 ID:i0BLjE6A0
先ほど外へと向かったはずの女性であった
なぜか彼女は三人の元へと現れた


やる気「あ、あんたは!」

炎魔「どうして……?」

女性「……無理よ。たとえ邪神と言われようとも、自分の子供を捨てて一人で逃げるなんてできない!」

戦士淫魔「っ!」

男「なるほど、この人がそうなのか。……すごい覚悟だ」
628 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/29(水) 03:12:57.33 ID:i0BLjE6A0
本日はここまでです
ありがとうございました
629 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/29(水) 18:07:56.22 ID:i0BLjE6A0
服装はみすぼらしく、肌は煤け髪はぎしぎしだ
しかし、その覇気は本物だった


やる気「……逃げるように言って、悪かったっす」

女性「いえ、気にしていません……むしろ、だからこそ私は自分の意志でその子を助けに来たと誇れる」

炎魔「……という訳です。その子を母親に返してくれませんか?」

戦士淫魔「>>下1」
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/29(水) 18:18:40.58 ID:GeqCO9S+0
ならば返します
631 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/30(木) 02:51:17.74 ID:YLhLFQ/N0
戦士淫魔「ならば返します」

女性「ありがとうございます……」


二人は、慈愛に満ちた手つきで赤子を受け渡した


男「要求しといてなんだが、よかったのか?」

戦士淫魔「私は淫魔だからな」
632 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/30(木) 03:12:06.96 ID:YLhLFQ/N0
本日はここまでです
ありがとうございました
633 :ノブ :2025/01/30(木) 07:45:19.89 ID:jfxj7bWZ0
>>633 どこまでやるん!?
634 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/30(木) 19:51:42.32 ID:YLhLFQ/N0
その発言の真意は、その場の誰も知り得なかった


やる気「よし、帰るっすよ______」

戦士淫魔「まずい!」


彼女は虚空に向かって剣を振るった
それはただ空を斬るのではなく、一点で静止し、
ナイフでそれを受け止める者の姿を現出させた
635 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/30(木) 19:54:32.67 ID:YLhLFQ/N0
炎魔「あ、あなたはっ!」

暗殺者「………………!」


現れたのは男を捕らえた暗殺者だった
どうやって戦士淫魔がその姿を捉えたのかは分からないが、ともかく彼が現れたのだ


男「助かった!今、そいつを倒すっ!」


男は鍔迫り合いで動けない暗殺者に斬りかかったが、
身を翻されてしまう


暗殺者「……分が悪いな」
636 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/30(木) 21:23:24.52 ID:YLhLFQ/N0
暗殺者はそう溢して、
風のようにその場を去っていった


やる気「ちっ、逃げられたっす……」

女性「……な、なんだったの……?」

炎魔「あいつ、男さんを捕まえたやつですよね?」

男「ああ、そうだな……なぁ、あいつはなんなんだ?」

戦士淫魔「>>下1」
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/01/30(木) 21:29:31.49 ID:aAUo9jOv0
…邪教の一派。この地では魔神崇拝はテロ行為になってるから
638 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/31(金) 04:05:19.63 ID:vFgxlcV+0
本日はここまでです
ありがとうございました
639 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/01/31(金) 19:49:52.95 ID:vFgxlcV+0
戦士淫魔「…邪教の一派。この地では魔神崇拝はテロ行為になってるから」

やる気「へぇ……魔神なんすね、信仰対象は」

炎魔「ちなみに、あなたは?」

戦士淫魔「私は……別に魔神を信仰している訳ではない」


だからこそ、あの暗殺者と敵対できたのだ
そこで、三人に疑問が生じる


男「だが、俺はやつに捕まってここに連れて来られたぞ?」

戦士淫魔「うむ……魔神信仰こそないが、淫魔は奴らと協力関係にある」
640 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/01(土) 03:05:23.66 ID:BbSp39p+0
やる気「……あんた、裏切ったんすか?」

戦士淫魔「そういうことになる。私としては、最初から仲間のつもりはなかったが」


六人で階段を昇る
最初に二人が訪れたときよりも、
精神的な不気味さがかなり減っている


炎魔「すごいです……」

戦士淫魔「……淫魔らしさとは、子供にも責任を持つことだと思うからな」
641 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/01(土) 03:06:52.92 ID:BbSp39p+0
本日はここまでです
ありがとうございました
642 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/01(土) 19:34:09.52 ID:BbSp39p+0
そんなことを話しながら、六人は館の外に出る
まだ夜中であった


女性「それでは、私たちはこの辺で……」

戦士淫魔「あぁ……私も、身の振り方を考えなければ」


そう言って三人は一行と別れた


男「いやぁ……助かったな。今更だが、本当にありがとう」
643 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/02(日) 03:00:05.70 ID:x+2p8PjW0
やる気「そりゃ全くっすね。出ようと思えば出られたんじゃないすか?」

男「まぁな……ただ、威力が制御できないから、運搬してる人を巻き込みそうで」

炎魔「それで、水垂らしてたんですか?」

男「道標にはなるかな……ってのと、もしかしたら運搬の人たちがパニック起こして箱ごと置いてかないかなって」

やる気「……はぁ」

男「いや、ごめん!本当に申し訳ない!」
644 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/02(日) 03:03:39.00 ID:x+2p8PjW0
炎魔「過ぎたことですしね。早くみんなにも無事を報告しないと!」

やる気「そっすね!街の出口に急ぐっすよ!」

男「ああ!」


三人は男の無事を報告するため、
まずは街の正面入口へと走って向かうのだった
645 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/02(日) 03:54:31.21 ID:x+2p8PjW0
本日はここまでです
ありがとうございました
646 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/02(日) 18:58:28.28 ID:x+2p8PjW0
中華「あっ、あれは……」


正門に詰めていた中華が、
やってくる男たちを発見した


やる気「戻ってきたっすよー!」

ぶりっ子「どうやら、うまくやったようですねぇ」

炎魔「そっちはなにか異常ありませんでしたか?」

少年「>>下1」
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/02(日) 19:52:59.72 ID:qNa6Z+rI0
帝国兵が邪教徒たちを武力制圧し始めた
648 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/02(日) 20:11:33.60 ID:x+2p8PjW0
少年「帝国兵が邪教徒たちを武力制圧し始めた」

男「どういうことだ?」

少年「そもそも、他の街でも帝国兵は邪教徒たちを追い立てていたらしいんだが……奇しくも、皆のように逃げ場を求めてこの街に多くが流れてきていたようだ」

中華「それで、何人かの邪教徒と、それを追う帝国兵が街に入っていったんだ」

やる気「……まずくないっすか?」

ぶりっ子「はい、激ヤバです」

炎魔「えっ、どういうことですか?」
649 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/02(日) 20:22:25.86 ID:x+2p8PjW0
少年「帝国のことだ……それを口実に、またこの街を戦禍に沈めるだろう」

炎魔「あっ、そういうことですか!」

男「となれば、決断する必要があるな」

中華「そうだね……」

やる気「この街に残って邪教の排除や帝国への抵抗を行うか……戦火に晒される前にさっさと逃げるか……っすね」

ぶりっ子「絶対後者のほうが安全です、けれど……」

炎魔「勝手に隠れ蓑にして、放って逃げる……というのは少し不義理かもしれませんね」
650 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/03(月) 00:16:04.89 ID:/z2yRx6/0
本日はここまでです
ありがとうございました
651 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/03(月) 18:43:27.08 ID:/z2yRx6/0
少年「欠員がいるのに意志決定をしようとするのは、あまりよろしくないんじゃないのか?」

男「そうだな、街の裏側の門へと急ごう」


流れてきた邪教徒と帝国兵の影響か、
だんだんざわめいてきた街を横切り、
街の裏門へと向かう


中華「氷魔と怪盗と狙撃少女がいるから、こっちより安全そうだし情報も持ってそうだね」


>>下1……裏門の状態
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/03(月) 19:07:25.97 ID:7V51BU530
帝国軍と邪教徒の睨み合いが勃発してるが一触即発な雰囲気を醸し出していた
653 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/04(火) 03:27:59.85 ID:2K6TXRPq0
皆が裏門を駆けつけると、その足音を聞いて氷魔、怪盗、そして狙撃少女がやってきた


氷魔「……終わったんですね……!」

やる気「なんとか、無事っすよ」

怪盗「みなさんが来られて良かった!私たち、どうしたらいいのか全然分からなくて……!」

ぶりっ子「なにがあったんですかぁ?」

狙撃少女「あれを見て下さい」
654 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/04(火) 03:31:31.05 ID:2K6TXRPq0
本日はここまでです
ありがとうございました
655 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/04(火) 19:46:54.46 ID:2K6TXRPq0
門の内側に並ぶは邪教徒たち
なにやら宗教的な刻印のされた衣装を纏っている
そして、外側に控えるは帝国軍
決して少なくはない人数が待ち構えている


炎魔「……両陣営とも、苛立ってますね」


睨み合いの状況だが、
まだお互いに手を出してはいない
邪教徒たちはその戦力差から、帝国軍はその立場と司令のないことを理由に動いていない


少年「まずいな……」
656 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2025/02/04(火) 21:33:53.45 ID:2K6TXRPq0
だが、どちらの陣営もざわめいていた
先手を打てば勝てるのではないか、と数人の邪教徒は考えており、命令などなくとも邪教徒を討伐したい血の気の多い兵士もいた


男「なんとかして止めたいが……弱ったな、俺たちはどっち側からしても敵だ」

中華「そもそも、帝国側は仕事でやってるんだし……止めようってのも難しいよね」

氷魔「……最悪……実力行使も考えなければなりませんね……」
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