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安価とコンマで異世界転生!その11
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572 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/15(水) 19:53:34.71 ID:lsJlMKsD0
AIさんって言う目付きが鋭い『人』だよ
573 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/16(木) 01:13:34.31 ID:+O6gjiym0
重騎士「AIさんって言う目付きが鋭い『人』だよ」
炎魔「そうですか、人ですか……」
重騎士「よくはぐれちゃうんですけどね、その度にめちゃくちゃ怒られるんですよ」
恐らく、妹のほうであろう
彼らのよく知るほうのAIは、
目付きが極端に鋭いわけでもなければ、
なにかに怒っているのも見たことがない
やる気「それなら、街の入り口のほうで見たっすよ」
574 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/16(木) 01:56:45.82 ID:+O6gjiym0
本日はここまでです
ありがとうございました
575 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/16(木) 19:54:28.01 ID:+O6gjiym0
重騎士「そうなんですか!?ありがとうございます!」
彼女はそう言うと、
重装備をがちゃがちゃ言わせながら走り出した
炎魔「ちょ、ちょっと!?逆だよ逆!」
しかし、その方向は街の入り口の反対であった
そう、彼女は極度の方向音痴なのだ
576 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/16(木) 21:11:01.63 ID:+O6gjiym0
重騎士「ほえっ!?す、すみません!」
彼女はぐるりと振り向いて、
本来行くべき方向へと走り出す
やる気「あ、そうだ」
重騎士「なんでしょう?」
やる気「男さん見てないすか?」
重騎士「>>下1」
577 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/16(木) 21:22:00.03 ID:lhNryqrR0
男さんって一緒に居た方ですか? その人は見てないですか三人組の男が水を出してる箱を持って行ったのは見ました
578 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/17(金) 05:21:30.80 ID:2JChLDGF0
重騎士「男さんって一緒に居た方ですか? その人は見てないですか三人組の男が水を出してる箱を持って行ったのは見ました」
炎魔「水を出してる……?」
やる気「箱……?」
重騎士「はい、変なもの見たなぁと思ったのでよく覚えてますよ」
それは二人にもよく分からない事象だった
箱の中が男なら、
どのような理由で水を出すのか考えたが、
それはついぞ分からなかったのだ
炎魔「じょ、情報提供に感謝します!」
重騎士「はい、じゃあ行きますね!」
579 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/17(金) 05:24:10.79 ID:2JChLDGF0
本日はここまでです
ありがとうございました
580 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/17(金) 19:23:34.03 ID:2JChLDGF0
彼女はそう言ってどこかへ去った
二人が周囲を観察すると、
確かに水の溢れた跡がどこかへと続いているのが見える
やる気「……どうするっすかね」
炎魔「流石に関係ないんじゃ?」
やる気「でも、こんな夜中……人っ子一人いないような夜中に、三人がかりで箱を運搬するなんてきな臭いっすよ」
炎魔「他に手がかりもないし……」
581 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/18(土) 03:08:08.47 ID:buwhdjCT0
この場に中華がいれば、
それが塩水であることを確かめたが、
実際ここに彼はいない
やる気「ま、行くしかないっすね」
炎魔「男さんを見つけるのが一番大きな目標ですけど、街の外への抜け道についても調べなきゃいけませんからね」
やる気「これを追っていって入り口に出られればそれでよし、そうでなければそこを探索っすね!」
それでも、二人は行くことを決めた
特にやる気は貪欲な性質であるのだ
582 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/18(土) 19:08:07.76 ID:buwhdjCT0
すみません寝落ちしました
ひたすらに水の跡を追う二人
乾いてしまわないかと心配になっている
炎魔「これで普通にお酒とか運んでるだけだったらどうします?」
やる気「笑えるっすね、状況は最悪っすけど」
正確に、かつ素早く滲むそれを追いかけ、
二人は最終的に>>下1にたどり着いた
583 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/18(土) 19:19:22.29 ID:4StGEMiZ0
かなり豪華な洋館
584 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/19(日) 04:29:53.20 ID:LOONGZoV0
そこにあったのは洋館だった
しかも、そのサイズは大きく、
豪邸であると言って差し支えないものであった
炎魔「お酒説、どうですか」
やる気「ちょっとアルコール濃度が上がったっすね」
炎魔「……行きます?」
やる気「ぶっちゃけ怪しくないすか?宗教絡みのなにかがあってもまるっと隠せそうっすよ」
585 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/19(日) 04:32:27.02 ID:LOONGZoV0
小さめのものであれば、
中に礼拝堂などがあっても分からないだろう
どこかへの抜け道が隠されている可能性もあった
炎魔「どこから入ります?」
やる気「玄関しかないっすよ、あんたと違って俺っちは煙突から入ったら焼け死ぬんす」
炎魔「それもそうですね」
しかし、玄関の戸に触れ、
少し動かしてみれば分かるだろう
当たり前だが施錠されているのだ
586 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/19(日) 04:34:02.19 ID:LOONGZoV0
本日はここまでです
ありがとうございました
587 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/20(月) 19:49:07.09 ID:gZvTbc220
なぜか昨日はここにアクセスできませんでした
すみません
やる気「面倒っすね……」
彼はドアノブ型生命体を玄関に取り付け、
そこを開いた
炎魔「いかにもなお屋敷ですね……」
ぶりっ子の持っている、
一行のギルドハウスに勝るとも劣らない内装であった
588 :
◆UEqqBEVZVY
[sage]:2025/01/20(月) 20:26:29.59 ID:gZvTbc220
やる気「さて、水の跡はどこに続いてるんすかね」
足元を見れば、入って右手にそれは続いていた
しかし、いかにも高級そうなそのカーペットの吸水性は高く、かなり薄くなってしまっている
炎魔「急がないと!」
やる気「そっすね!」
右手にある廊下へ飛び込み、
その突き当たりにある樫の大きな扉を開く
>>下1……扉の向こうの様子
589 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/20(月) 21:42:58.18 ID:LShk38RZ0
整然と並べられた檻があるだけだったが、その檻の中には女性のすすり泣く声が聞こえて来た
590 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/20(月) 21:52:08.17 ID:gZvTbc220
炎魔「ここは……!?」
そこは薄暗い通路のような空間だった
壁面の代わりに整然と檻が並べられており、
一階であるにもかかわらず地下牢のような雰囲気が漂っている
やる気「牢獄……?どうして、こんな所に……」
声を潜めて歩けば、異音が聞こえる
それは、女性のすすり泣きであった
591 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/20(月) 22:20:51.65 ID:gZvTbc220
本日はここまでです
ありがとうございました
592 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/21(火) 19:38:58.41 ID:Djn7HtiO0
足音が響くのも構わず、
二人は音の発生源へと駆け寄る
女性「うっ……うう……」
ぼろ切れを纏った女性が泣いていた
明らかにただ事ではない
やる気は鉄格子を両手で左右に歪ませ、
人が通れるだけの穴を作って侵入した
炎魔「か、怪力……」
やる気「どうしたんだ、こんな所で、こんな状態で……!」
女性「>>下1」
593 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/21(火) 19:54:50.42 ID:yLxArB5Y0
邪神を産んだ女認定されて監禁されてしまったの……
594 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/22(水) 02:13:49.57 ID:KcwnJ6+10
女性「邪神を産んだ女認定されて監禁されてしまったの……」
炎魔「邪神を……!?」
やる気「なんだってそんなことに……いや、今はそれどころじゃないか」
彼女につけられていた金属製の手枷や足枷をやる気は引きちぎる
炎魔(……あっ、語尾が違うときは魔王なんだ)
やる気「とにかく、この人を逃がしたいな……」
595 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/22(水) 02:16:38.65 ID:KcwnJ6+10
女性「いいんですか……!?」
炎魔「ええ!……と言いたいところですが……男さんどうするんですか?」
やる気「そこなんすよね……どうすか?自力で逃げられそうっすか?」
女性「……が、頑張ります」
やる気「……無理そうなら、俺っちが運ぶっすけど?」
それは、男の救出が遅れることを意味していた
炎魔「えっ?」
やる気「……あいつだったら、この人を優先するように言うだろうなって思ったんすよ」
596 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/22(水) 02:19:48.84 ID:KcwnJ6+10
本日はここまでです
ありがとうございました
597 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/22(水) 19:40:14.72 ID:KcwnJ6+10
女性「……お構いなく、私一人で行けます」
炎魔「でしたら、街の出口に急いで下さい。どの出口であっても、私たちの仲間が居ますから」
女性「ありがとうございます」
彼女はふらつきながらも、
屋敷の出口の方向へと進んでいく
やる気「おっと、忘れてたっす。聞かなきゃならないことがあるんすよ」
女性「なんでしょうか……?」
やる気「ここを、水の出てる箱を持って誰かが通らなかったっすか?」
女性「>>下1」
598 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/22(水) 19:42:48.51 ID:IprUAdYQ0
忙しそうに運んでいた方達なら居ました。何処となく磯の匂いがしましたけど
599 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/23(木) 01:43:16.87 ID:7IfoPiQy0
女性「忙しそうに運んでいた方達なら居ました。何処となく磯の匂いがしましたけど」
炎魔「そうですか、ありがとうございます」
やる気「引き留めてすまなかったっす。逃げ延びるんすよ」
女性「はい!ありかとうございます……」
今度こそ女性は去っていった
二人は牢獄の部屋の、さらに奥を目指していく
600 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/23(木) 01:46:09.67 ID:7IfoPiQy0
炎魔「磯の匂い、ですって」
やる気「こりゃ……マジで男かもしれないっすね」
炎魔「なんで塩水垂らしてるんでしょうか……」
やる気「そりゃ、こうして俺っちらに道筋を教えるためなんじゃないすか?」
炎魔「……あの人、ちゃんとした魔法使えますよね?」
やる気「まぁ……確かにそれで逃げられそうではあるっすね……」
601 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/23(木) 01:52:11.79 ID:7IfoPiQy0
本日はここまでです
ありがとうございました
602 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/23(木) 19:47:57.43 ID:7IfoPiQy0
そんなことを話しながら、
二人はさらに続く扉を開くのだった
炎魔「……きな臭さ、倍増」
そこは、地下へと下る階段であった
湿った嫌な空気が鼻を突く
やる気「こうなりゃ行くしかないっす……はぁ、どうして暗殺者に捕まっちまったんすかね」
603 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/23(木) 21:05:00.69 ID:7IfoPiQy0
黴臭いその階段をひたすら降りていく
炎魔「……長いですね?」
やる気「そっすね……」
降りれば降りるほど、
びりびりと肌に魔力が伝わってくるのだ
最終段を下り、目の前に現れた赤色の扉
その向こうから発せられているのだろう
炎魔「じゃ、私が開けますから……後ろに隠れてくださいね」
やる気「なんか情けないっすけど、お願いするっす」
炎魔はその扉に手をかけ、
勢いよくそれを押し開けた
>>下1……扉の向こうの様子
604 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/23(木) 21:11:12.51 ID:S6MM4v5x0
手枷を嵌められた男と十数人の淫魔化した館の住人、そして戦士風の淫魔に抱き抱えられた赤ん坊が居た
605 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/23(木) 23:01:37.33 ID:7IfoPiQy0
瞬間、異臭と魔力が突き抜ける
男「くっ……」
炎魔「男さん!」
やる気「待つっす!」
部屋の中央には手枷をつけられた状態の男がいた
助けようと飛び出した炎魔を、やる気が引き留める
炎魔「な、なんなんですか!」
606 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/23(木) 23:06:32.46 ID:7IfoPiQy0
炎魔を待ち構えていた者どもが、部屋の隅から現れた
翼に角、そして不気味なまでに麗しいその容姿が十数人
やる気「淫魔っす……!」
男「っ……」
やる気「……!」
男は俯いた状態で、視線を一方に向ける
やる気がそのサインに気付きその方向を見ると、
そこには剣に鎧を身につけた、
他のそれとは違って享楽的ではない雰囲気の淫魔がいた
607 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/24(金) 03:10:44.84 ID:SULIjrpu0
本日はここまでです
ありがとうございました
608 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/24(金) 19:21:13.25 ID:SULIjrpu0
戦士淫魔「………………」
その手には赤子が抱かれている
他の淫魔は二人でいくらでもどうにかできそうだが、
彼女だけは強敵であることが疑いようもないだろう
炎魔「ど、どうしましょう?」
やる気「そっすね、ここは……」
>>下1……作戦
1.とにかく男を引いて逃げる
2.戦士淫魔が赤子を抱いていることから手出しし辛いと読んで堂々と突入
3.自由安価
609 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/24(金) 20:23:50.29 ID:CMrCdqxW0
2
610 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/25(土) 01:27:19.90 ID:0QUb2f+W0
男「…………っ」
男の力強い視線が向けられる
やる気「突っ切るっす!かかって来い!淫魔どもっ!」
炎魔「よっしゃぁーっ!」
二人はその大きめの部屋に突入し、
大立ち回りを開始する
611 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/25(土) 01:32:35.23 ID:0QUb2f+W0
やる気「うおおぉぉーっ!」
地響きを起こすのではないかというほどの咆哮とともに、やる気は男の場所へと突貫する
炎魔「焼魔ぁぁぁーッ!」
炎魔が内なる炎を昂らせると、
巨大な翼型の火炎が立ち上る
そこから放たれる大量の火球が、
邪なものだけを焼き尽くしていく
淫魔A「くあぁぁっ!!」
612 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/25(土) 19:20:30.36 ID:0QUb2f+W0
すみません寝落ちしました
やる気が男に辿り着くまでの直線経路に、
淫魔が割って入ってこないように炎魔は援護する
男「やる気!」
やる気「さぁ、逃げるっすよ男さん!」
彼はがっちりと男の手を掴み、
引っ張り上げて立たせた
そして、それと同時に近くにいる戦士淫魔を一瞥すると______
>>下1……戦士淫魔の様子
613 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/25(土) 20:19:57.54 ID:JqII3a4d0
赤子をかばうようにうずくまっている
614 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/26(日) 03:38:16.70 ID:3nKgLf2O0
男「それより……」
男はやる気と同じ視線を向ける
赤子をかばうようにして、
戦士淫魔がうずくまっているのだ
炎魔「ど、どうしたんですか?」
男「最初は強そうな淫魔なんで警戒していたが……だんだんこいつのことが気になってきた」
やる気「確かに、心まで魔に染まっていたら子供なんてかばわないっすね」
615 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/26(日) 04:20:37.62 ID:3nKgLf2O0
本日はここまでです
ありがとうございました
616 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/26(日) 19:04:06.09 ID:3nKgLf2O0
炎魔「……なら!」
彼女はドーム状に聖なる炎を広げた
中にいるのは三人と、戦士淫魔______そして、彼女が守る赤子だけだった
戦士淫魔「っ……!」
男「なぜ、その子を庇う?」
手枷を嵌められたままの男は、
それでもふてぶてしく彼女に問うた
戦士淫魔「>>下1」
617 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/26(日) 19:18:38.05 ID:kf+xFRze0
新しい世界を開くキーマンだから
618 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/27(月) 01:29:58.27 ID:QdVSShOX0
戦士淫魔「新しい世界を開くキーマンだから」
やる気「……どういうことっすか?」
それは、単なる親心やそれに類するものではなかった
彼女の眼には、確信があった
炎魔「中途半端に人間らしくてやんなりますね」
619 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/27(月) 01:43:37.98 ID:QdVSShOX0
炎魔は炎のドームを解いた
その余波で、周りの淫魔はほとんど倒されてしまった
男「……あ、そうだ。手枷外してくれない?」
やる気「うっす」
彼は男の手枷を固定し、
膝蹴りで勢いよくそれを叩き壊した
炎魔「うわぁ……」
620 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/27(月) 03:29:12.08 ID:QdVSShOX0
本日はここまでです
ありがとうございました
621 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/27(月) 19:29:19.88 ID:QdVSShOX0
やや引き気味の炎魔をよそに、
男は自由になった腕を動かす
手首にはまだ枷の残骸が纏わりついている
男「んー……よし!ありがとう」
やる気「まぁこれが目的っすからね」
炎魔「さて……」
戦士淫魔は立ち上がった
まだ赤子を抱いている
男「そいつは誰の子だ?」
戦士淫魔「>>下1」
622 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/27(月) 19:42:37.31 ID:IxLe/8vE0
牢屋に居た女性の…
623 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/28(火) 03:53:48.43 ID:Nv+J9s1a0
戦士淫魔「牢屋に居た女性の…」
男「牢屋?」
男は彼女についてはなにも知らなかった
やる気「あぁ、あの人の……」
炎魔「確かあの人……邪神を産んだという認定をされたと言ってましたね?」
男「……そうなのか?なるほど、分かってきたかもしれないな」
624 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/28(火) 04:34:16.78 ID:Nv+J9s1a0
本日はここまでです
ありがとうございました
625 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/28(火) 18:58:28.85 ID:Nv+J9s1a0
やはり、その赤子には何らかの利用価値があるのだろう
どうにかして連れ戻したいと男は考えた
やる気「で……どうするんすか?子供庇ってるやつに手を上げるのは流石に気が引けるっすけど」
炎魔「そうなんですよね……」
どうしたものかと考えていると、
入ってきた階段の方から足音が聞こえてくる
626 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/29(水) 02:59:00.97 ID:i0BLjE6A0
男「ん……?」
まさか敵の増援かと思い、
三人は警戒して扉を見やる
戦士淫魔「………………」
その扉はやけにゆっくりと開かれた
そこにいたのは……
女性「あっ……」
627 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/29(水) 03:02:17.79 ID:i0BLjE6A0
先ほど外へと向かったはずの女性であった
なぜか彼女は三人の元へと現れた
やる気「あ、あんたは!」
炎魔「どうして……?」
女性「……無理よ。たとえ邪神と言われようとも、自分の子供を捨てて一人で逃げるなんてできない!」
戦士淫魔「っ!」
男「なるほど、この人がそうなのか。……すごい覚悟だ」
628 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/29(水) 03:12:57.33 ID:i0BLjE6A0
本日はここまでです
ありがとうございました
629 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/29(水) 18:07:56.22 ID:i0BLjE6A0
服装はみすぼらしく、肌は煤け髪はぎしぎしだ
しかし、その覇気は本物だった
やる気「……逃げるように言って、悪かったっす」
女性「いえ、気にしていません……むしろ、だからこそ私は自分の意志でその子を助けに来たと誇れる」
炎魔「……という訳です。その子を母親に返してくれませんか?」
戦士淫魔「>>下1」
630 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/29(水) 18:18:40.58 ID:GeqCO9S+0
ならば返します
631 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/30(木) 02:51:17.74 ID:YLhLFQ/N0
戦士淫魔「ならば返します」
女性「ありがとうございます……」
二人は、慈愛に満ちた手つきで赤子を受け渡した
男「要求しといてなんだが、よかったのか?」
戦士淫魔「私は淫魔だからな」
632 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/30(木) 03:12:06.96 ID:YLhLFQ/N0
本日はここまでです
ありがとうございました
633 :
ノブ
:2025/01/30(木) 07:45:19.89 ID:jfxj7bWZ0
>>633
どこまでやるん!?
634 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/30(木) 19:51:42.32 ID:YLhLFQ/N0
その発言の真意は、その場の誰も知り得なかった
やる気「よし、帰るっすよ______」
戦士淫魔「まずい!」
彼女は虚空に向かって剣を振るった
それはただ空を斬るのではなく、一点で静止し、
ナイフでそれを受け止める者の姿を現出させた
635 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/30(木) 19:54:32.67 ID:YLhLFQ/N0
炎魔「あ、あなたはっ!」
暗殺者「………………!」
現れたのは男を捕らえた暗殺者だった
どうやって戦士淫魔がその姿を捉えたのかは分からないが、ともかく彼が現れたのだ
男「助かった!今、そいつを倒すっ!」
男は鍔迫り合いで動けない暗殺者に斬りかかったが、
身を翻されてしまう
暗殺者「……分が悪いな」
636 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/30(木) 21:23:24.52 ID:YLhLFQ/N0
暗殺者はそう溢して、
風のようにその場を去っていった
やる気「ちっ、逃げられたっす……」
女性「……な、なんだったの……?」
炎魔「あいつ、男さんを捕まえたやつですよね?」
男「ああ、そうだな……なぁ、あいつはなんなんだ?」
戦士淫魔「>>下1」
637 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/01/30(木) 21:29:31.49 ID:aAUo9jOv0
…邪教の一派。この地では魔神崇拝はテロ行為になってるから
638 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/31(金) 04:05:19.63 ID:vFgxlcV+0
本日はここまでです
ありがとうございました
639 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/01/31(金) 19:49:52.95 ID:vFgxlcV+0
戦士淫魔「…邪教の一派。この地では魔神崇拝はテロ行為になってるから」
やる気「へぇ……魔神なんすね、信仰対象は」
炎魔「ちなみに、あなたは?」
戦士淫魔「私は……別に魔神を信仰している訳ではない」
だからこそ、あの暗殺者と敵対できたのだ
そこで、三人に疑問が生じる
男「だが、俺はやつに捕まってここに連れて来られたぞ?」
戦士淫魔「うむ……魔神信仰こそないが、淫魔は奴らと協力関係にある」
640 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/01(土) 03:05:23.66 ID:BbSp39p+0
やる気「……あんた、裏切ったんすか?」
戦士淫魔「そういうことになる。私としては、最初から仲間のつもりはなかったが」
六人で階段を昇る
最初に二人が訪れたときよりも、
精神的な不気味さがかなり減っている
炎魔「すごいです……」
戦士淫魔「……淫魔らしさとは、子供にも責任を持つことだと思うからな」
641 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/01(土) 03:06:52.92 ID:BbSp39p+0
本日はここまでです
ありがとうございました
642 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/01(土) 19:34:09.52 ID:BbSp39p+0
そんなことを話しながら、六人は館の外に出る
まだ夜中であった
女性「それでは、私たちはこの辺で……」
戦士淫魔「あぁ……私も、身の振り方を考えなければ」
そう言って三人は一行と別れた
男「いやぁ……助かったな。今更だが、本当にありがとう」
643 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/02(日) 03:00:05.70 ID:x+2p8PjW0
やる気「そりゃ全くっすね。出ようと思えば出られたんじゃないすか?」
男「まぁな……ただ、威力が制御できないから、運搬してる人を巻き込みそうで」
炎魔「それで、水垂らしてたんですか?」
男「道標にはなるかな……ってのと、もしかしたら運搬の人たちがパニック起こして箱ごと置いてかないかなって」
やる気「……はぁ」
男「いや、ごめん!本当に申し訳ない!」
644 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/02(日) 03:03:39.00 ID:x+2p8PjW0
炎魔「過ぎたことですしね。早くみんなにも無事を報告しないと!」
やる気「そっすね!街の出口に急ぐっすよ!」
男「ああ!」
三人は男の無事を報告するため、
まずは街の正面入口へと走って向かうのだった
645 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/02(日) 03:54:31.21 ID:x+2p8PjW0
本日はここまでです
ありがとうございました
646 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/02(日) 18:58:28.28 ID:x+2p8PjW0
中華「あっ、あれは……」
正門に詰めていた中華が、
やってくる男たちを発見した
やる気「戻ってきたっすよー!」
ぶりっ子「どうやら、うまくやったようですねぇ」
炎魔「そっちはなにか異常ありませんでしたか?」
少年「>>下1」
647 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/02(日) 19:52:59.72 ID:qNa6Z+rI0
帝国兵が邪教徒たちを武力制圧し始めた
648 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/02(日) 20:11:33.60 ID:x+2p8PjW0
少年「帝国兵が邪教徒たちを武力制圧し始めた」
男「どういうことだ?」
少年「そもそも、他の街でも帝国兵は邪教徒たちを追い立てていたらしいんだが……奇しくも、皆のように逃げ場を求めてこの街に多くが流れてきていたようだ」
中華「それで、何人かの邪教徒と、それを追う帝国兵が街に入っていったんだ」
やる気「……まずくないっすか?」
ぶりっ子「はい、激ヤバです」
炎魔「えっ、どういうことですか?」
649 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/02(日) 20:22:25.86 ID:x+2p8PjW0
少年「帝国のことだ……それを口実に、またこの街を戦禍に沈めるだろう」
炎魔「あっ、そういうことですか!」
男「となれば、決断する必要があるな」
中華「そうだね……」
やる気「この街に残って邪教の排除や帝国への抵抗を行うか……戦火に晒される前にさっさと逃げるか……っすね」
ぶりっ子「絶対後者のほうが安全です、けれど……」
炎魔「勝手に隠れ蓑にして、放って逃げる……というのは少し不義理かもしれませんね」
650 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/03(月) 00:16:04.89 ID:/z2yRx6/0
本日はここまでです
ありがとうございました
651 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/03(月) 18:43:27.08 ID:/z2yRx6/0
少年「欠員がいるのに意志決定をしようとするのは、あまりよろしくないんじゃないのか?」
男「そうだな、街の裏側の門へと急ごう」
流れてきた邪教徒と帝国兵の影響か、
だんだんざわめいてきた街を横切り、
街の裏門へと向かう
中華「氷魔と怪盗と狙撃少女がいるから、こっちより安全そうだし情報も持ってそうだね」
>>下1……裏門の状態
652 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/03(月) 19:07:25.97 ID:7V51BU530
帝国軍と邪教徒の睨み合いが勃発してるが一触即発な雰囲気を醸し出していた
653 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/04(火) 03:27:59.85 ID:2K6TXRPq0
皆が裏門を駆けつけると、その足音を聞いて氷魔、怪盗、そして狙撃少女がやってきた
氷魔「……終わったんですね……!」
やる気「なんとか、無事っすよ」
怪盗「みなさんが来られて良かった!私たち、どうしたらいいのか全然分からなくて……!」
ぶりっ子「なにがあったんですかぁ?」
狙撃少女「あれを見て下さい」
654 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/04(火) 03:31:31.05 ID:2K6TXRPq0
本日はここまでです
ありがとうございました
655 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/04(火) 19:46:54.46 ID:2K6TXRPq0
門の内側に並ぶは邪教徒たち
なにやら宗教的な刻印のされた衣装を纏っている
そして、外側に控えるは帝国軍
決して少なくはない人数が待ち構えている
炎魔「……両陣営とも、苛立ってますね」
睨み合いの状況だが、
まだお互いに手を出してはいない
邪教徒たちはその戦力差から、帝国軍はその立場と司令のないことを理由に動いていない
少年「まずいな……」
656 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/04(火) 21:33:53.45 ID:2K6TXRPq0
だが、どちらの陣営もざわめいていた
先手を打てば勝てるのではないか、と数人の邪教徒は考えており、命令などなくとも邪教徒を討伐したい血の気の多い兵士もいた
男「なんとかして止めたいが……弱ったな、俺たちはどっち側からしても敵だ」
中華「そもそも、帝国側は仕事でやってるんだし……止めようってのも難しいよね」
氷魔「……最悪……実力行使も考えなければなりませんね……」
657 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/05(水) 19:39:27.39 ID:lQgw/c4O0
すみません寝落ちしました
やる気「少なくとも、こっち側から街を出ることは不可能っすね」
ぶりっ子「目立ちすぎますねぇ」
怪盗「あ、逃げるんですか?」
少年「そのことについて話していてな」
狙撃少女「逃げるのか、この事態に立ち向かうか……という所ですね?」
目の前の光景に対して取るべきアクションも、
方針次第であるだろう
一行は自分たちの身の振り方を議論した
>>下1……これからの方針
1.事態に対処する
2.どうにかこの街から脱出する
3.自由安価
658 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/05(水) 20:07:31.09 ID:AveVGzDA0
1
659 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/06(木) 03:26:12.65 ID:en4HQA+30
男「……やはり、放ってはおけない」
中華「じゃあ、まずは目の前の争いを止めないと!」
男「いや……酷なことを言うが、それでも今俺たちにできることはないだろう」
氷魔「……少なくとも……思いつきはしませんね……有効な手立ては……」
やる気「つっても、こりゃどうにかしないとまずいっすよ」
方針としては、事態の解決を目指すことにした
だが、それが一筋縄ではいかないことを、
考えれば考えるほど実感することになる
660 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/06(木) 03:30:21.47 ID:en4HQA+30
男「俺たちの目的は、この街を守ることだ。そこは皆同意してくれることだろう」
ぶりっ子「そうですねぇ」
男「ともすれば、帝国軍に有利に働くような真似はできない……奴らは、邪教徒だけでなく、この街の本来の住人たちとも敵対しているからだ」
感覚には反することだが、
『その』決断をせざるを得ないと男は考えた
怪盗「そうですね?」
男「……だから、奴らを追い払うことを小目標として……邪教徒たちと、手を組みたい」
炎魔「え"っ!?」
661 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/06(木) 03:32:47.36 ID:en4HQA+30
本日はここまでです
ありがとうございました
662 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/06(木) 20:10:54.37 ID:en4HQA+30
すみません遅れました
少年「正気か?あいつらは男を拐い……恐らく、始末しようとしていたんだぞ?」
男「……そうだ。だが、今はそうするべきだ」
狙撃少女「冷静さは美徳です。男さんが問題ないというのなら、止めることはしません」
中華「……優しいんだね」
男「冗談きついな、利用してやるだけさ」
663 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/06(木) 20:25:12.62 ID:en4HQA+30
AI妹「……なんだ、こんな所にいたのか」
街の外れで集まる一行の元に、再びAI妹が現れた
今度は重騎士を連れている
氷魔「……ここを去ったのでは……?」
AI妹「ふん、うちの馬鹿がはぐれてな……それに、街から出てどちらに行くにせよ、検問をやっているんだ」
重騎士「私はともかく、AIさんは帝国にマークされてるので、出られないんですよね〜」
AI妹「だが、こいつを一人で出せば確実に遭難する。平地でもだ。だから、戻ってきた」
664 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/06(木) 21:54:08.73 ID:en4HQA+30
男(市長?いや……なんか雰囲気がキツいな。別人か……?)
やる気「それより……俺っちらは仕方なく、一旦邪教徒側につくことになったっす」
AI妹「ほう、男を取り戻したのにか?」
ぶりっ子「帝国軍のほうが厄介だと判断したからですねぇ」
重騎士「へぇ……でも別に、あくまで一時の共闘ですよね?」
怪盗「そうです!」
男「そこで……奴らへ協力を申し出るために、あいつらのまとめ役に会いたい。どこにいるか知らないか?」
AI妹「>>下1」
665 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/06(木) 22:39:24.00 ID:C3inIGaD0
まとめ役じゃないが滝付近にいる。案内が必要か?
666 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/07(金) 01:26:14.31 ID:sBAMlmbu0
本日はここまでです
ありがとうございました
667 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/07(金) 18:25:55.01 ID:sBAMlmbu0
AI妹「まとめ役じゃないが滝付近にいる。案内が必要か?」
男「いや、滝の方角だけ教えてくれればいい」
AI妹「南東だ。とはいえ、この街の外なんだが……検問よりは内側だから辿り着けるはずだ」
重騎士「ええっ!?案内要らないんですか!?」
やる気「必要なのはあんただけっすよ……」
ぶりっ子(私とキャラが被り気味か……?)
668 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/08(土) 03:07:15.25 ID:ZkTJcXoG0
AI妹「ふむ、過学習だったか……やはり、人間の基準で言えば彼女は変わり者だからな」
重騎士「むぅ……」
不服そうな彼女を尻目に、一行の議題は次に移った
少なくとも、
裏門を突っ切るには大きなリスクが伴うのだ
中華「じゃあ、どうやってここを出ようか?」
氷魔「……そこですね……みんなに翼があればいいんですけれど……」
669 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/08(土) 03:09:28.00 ID:ZkTJcXoG0
重騎士「そこは、私にお任せ下さい!」
怪盗「え!?なにがすごい案があるんですか!?」
街を囲むようにある大きな壁を越えることは難しい
となれば、なんらかの抜け道を知っているのではないかと誰もが期待した
重騎士「私がみなさんを外まで投げ飛ばします!」
少年「……は?」
狙撃少女「なんと……おっしゃいました?」
670 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/08(土) 03:22:44.82 ID:ZkTJcXoG0
本日はここまでです
ありがとうございました
671 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/08(土) 19:47:47.61 ID:ZkTJcXoG0
重騎士「兜で声が籠ってましたか?」
炎魔「いや、そうじゃなくて……」
AI妹「だが、優れた選択の一つだろうな。時間はあまりないし、表の門も裏門のようになっていないとは限らない」
と、それができて当たり前かのような口ぶりで彼女は続ける
そもそも、そんなことができるのかすら一行にとっては怪しいものである
男「できるのか?そんなこと……」
AI妹「理由に関しては説明を省くが、こいつは凄まじい怪力を行使できる。人間を十数メートル投げ飛ばすこともできる」
672 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/09(日) 01:09:18.27 ID:pbthUltV0
中華「怖……」
重騎士「さぁ、最初は誰がいいですか!?」
炎魔「あ、私は自分で飛んでいくんで……」
半笑いの炎魔は街を囲む壁の上方へと飛んでいく
氷魔「……あ……」
やる気「ズルいっすよ!?」
673 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/09(日) 01:14:16.46 ID:pbthUltV0
ぶりっ子「わ、私は嫌ですよぉ!?」
やる気「……なら、俺っちが行くしかないっすね」
重騎士「じゃあ、私の腕に収まって下さい!」
重騎士は右手でやる気の重心を支え、
左手の平を飛ばすべき角度へ向けている
怪盗「だ、大丈夫なんです!?」
やる気「後に飛んでくるみんなをキャッチするなら、俺っちが一番適任っすよ!」
674 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/09(日) 01:30:47.76 ID:pbthUltV0
本日はここまでです
ありがとうございました
675 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/09(日) 19:34:04.84 ID:pbthUltV0
重騎士「じゃあ行きますよ……!」
やる気「どんと来い!」
重騎士「いち、にの……さんっ!」
槍投げのメダリストの如く美しいフォームで、
腕に収まっていたやる気を発射した
やる気「くおぉぉぉ……!」
そして、彼女の目算通りの放物線が描かれ、
やる気は見事壁を越えた
>>下1……壁の向こう側の地形
676 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/09(日) 21:08:21.80 ID:JSktBVNVo
平坦な草原
677 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 01:43:01.04 ID:5ZaYuB6H0
重騎士「そういえば、向こう側ってどんな地形なんでしょう?」
炎魔「あ、確認すれば良かった……」
一方、やる気は物理法則の権化と化して、地面へと叩きつけられようとしていた
やる気「しめたっ!」
地形が平坦な草原であることを確認した彼は、
即座に受け身の構えへと移行
流れるような動きで地面の衝撃を回避したのだった
678 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 01:45:33.63 ID:5ZaYuB6H0
炎魔は不安になりながらも壁の向こう側を確認する
炎魔「大丈夫ですかー?」
やる気「問題ないっす!ちゃんとした草原なんで、受け身も取りやすいし踏ん張って受け止めるのも楽っすよ!」
大きく両手を振りながら、やる気は安全を伝えた
炎魔「大丈夫みたいですー!」
679 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 01:48:09.25 ID:5ZaYuB6H0
本日はここまでです
ありがとうございました
680 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 19:22:12.19 ID:5ZaYuB6H0
それから、一行は次々に壁の向こうへ放り投げられた
バリスタのような重騎士の投擲と、
やる気の正確なキャッチが安全性のハーモニーを奏でる
ぶりっ子「や、や、も、もっと安全な方法ないんですかぁ!?」
AI妹「なんだ、お前はやけに情けないな」
ぶりっ子「あったり前じゃないですか!?私、花も恥じらう女の子ですよぉ!?」
最後に残ったのは、ぶりっ子だった
681 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/10(月) 20:37:28.89 ID:5ZaYuB6H0
重騎士「ぶりっ子さん……!」
ぶりっ子「な、なんですかぁ!?」
重騎士「私もそうです」
兜で見えないはずの素顔は、
間違いなく笑顔であると言い切れるだろう
彼女はそのまま容赦なくぶりっ子を射出した
ぶりっ子「嘘つけえぇぇぇぇ!!!」
682 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/11(火) 02:03:15.06 ID:W6e1qNcK0
そして、ぶりっ子はやはり綺麗に飛び、
やる気にキャッチされるのであった
狙撃少女「さて……では全員揃いましたし、行きましょうか」
少年「ああ、そうだな」
平坦な草原であることから、視界状況も非常に良好だ
一行が目指すべき滝は大きく、
故に夜でも視認しやすかった
683 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/11(火) 19:34:38.58 ID:W6e1qNcK0
すみません寝落ちしました
夜の草原は動乱の街とは全くの別世界で、
ただただ静寂に包まれていた
男「本当に、ここに指導者的な存在がいるのか……?」
あっという間に滝崖まで辿り着いた一行
滝の近くを歩いてそれらしき人物を探す
中華「あっ、あれは……」
>>下1……一行が発見したのは
684 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/11(火) 20:36:37.87 ID:OoTyB3Jq0
出来合いの野営キャンプ地。よく見ると怪我人とかが目立つ
685 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/12(水) 02:26:59.62 ID:IqZ1TTwM0
滝壺の水面に映る暖かな光
それを投影する光源に向かえば、
そこには野営キャンプ地があった
氷魔「……人も居ますね……」
やる気「行くっすか?」
ぶりっ子「危険じゃないでしょうかぁ?」
怪盗「危険?」
686 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/12(水) 02:32:03.57 ID:IqZ1TTwM0
ぶりっ子「なんか、怪我してる人多いですしぃ……」
狙撃少女「設営も、規模の割には雑ですね……状況的にも、刺激したらまずそうです」
炎魔「でも、コンタクトは取らないと」
少年「どの道、みんな顔割れてそうだしな」
男「……じゃあ俺が」
中華「また拐われに行くの?」
男「すまん……」
687 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/12(水) 03:09:12.61 ID:IqZ1TTwM0
本日はここまでです
ありがとうございました
688 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/12(水) 19:51:39.01 ID:IqZ1TTwM0
氷魔「……やはり……安全のためにも……全員で行くべきでしょう……」
やる気「そうなるっすね」
かの暗殺者ほどの手練れがこのキャンプに潜んでいるとは考えにくかったが、
やや過敏になっている一行は、
固まってキャンプに侵入するのだった
ぶりっ子「お邪魔しま〜す……」
689 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/13(木) 03:13:37.12 ID:cup6bqSJ0
一行がそこに足を踏み入れれば、
やはりと言うべきかキャンプに集う人々は警戒を露わにした
その場から動かず視線を向ける者、
逃げ出す者、傷口を庇い様子見をする者、
傷痍を悟られぬようにする者……
様々な意識が向けられる
怪盗「待って下さい、私たちは事を荒立てに来たのではありません!」
少年「むしろ、帝国の公権力とはがっつり敵対中だぜ?」
690 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/13(木) 03:16:18.32 ID:cup6bqSJ0
本日はここまでです
ありがとうございました
691 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/13(木) 19:19:09.92 ID:cup6bqSJ0
狙撃少女「やはり、こうなりますか……」
周囲から向けられる視線に、
場は完全に冷えきり硬直
次の一手を考えなければならないフェイズだ
炎魔「……?」
しかし、唯一緩やかな足取りで一行に近付いてくる者がいた
その表情は見せかけかもしれないが、
決して威圧的ではなかった
>>下1……近付いてきた存在
692 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/13(木) 19:23:39.23 ID:9XNazXoY0
顔半分を包帯で巻いた女性(元男性)。 役職は現役勇者
693 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/14(金) 02:04:47.17 ID:frQXW21e0
勇者「やぁ、君たち……悪いが、彼らはここで大人しくしているだけなんだ。なにか話があるなら、ボクが聞こう」
どこかボーイッシュな印象を受ける女性がそこにいた
彼女の顔のうち半分は包帯で覆われており、
ここにいる人々の例に漏れず、
怪我をしたのだろうと推察できる
男「っ……!?」
男は彼女から奇妙な威圧感を感じた
これまでに会ってきた強者が放つようなそれが、
巧妙に隠されていることに勘づいたのだ
694 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/14(金) 02:13:05.50 ID:frQXW21e0
キャンプに集う人々は、彼女を力強い視線で見つめる
それは一行にも高い信頼を感じさせるほどだった
中華「ここに、邪教徒たちに対して強い影響力を持つ人物がいると聞いてね。多分、あなたですよね?」
勇者「そう言われるとむず痒いですね。……ですが、否定はしませんよ」
氷魔(……携えた宝剣……明らかに只者ではない雰囲気……穏健でいて芯も感じますし……予想以上の傑物が現れたかもしれませんね……)
やる気「うちらは……少なくとも一時的に、それ以降は状況によるっすけど、あなたたちを手を組みたいんすよ」
695 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/14(金) 04:10:03.12 ID:frQXW21e0
本日はここまでです
ありがとうございました
696 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/14(金) 19:42:55.85 ID:frQXW21e0
勇者「私たちと手を?ふむ……」
ぶりっ子「ここにも怪我人が沢山いるようですがぁ……向こうの街でも帝国軍は邪教徒を攻撃しようとしてますよぉ」
怪盗「私たちもあいつらは止めたいと思っているんです!」
狙撃少女「あなたたちとの因縁もありますが、今だけは忘れましょう」
少年「そういう訳だが……話を呑んでくれるか?」
勇者「>>下1」
697 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/14(金) 19:49:07.56 ID:PLQsXcFH0
…出来れば、男さんと2人だけでお話しさせてほしな。 僕自身も話さないといけない事もあるし
698 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 02:48:31.83 ID:/Wl17JSP0
勇者「…出来れば、男さんと2人だけでお話しさせてほしな。」
男「えっ、俺?」
勇者「僕自身も話さないといけない事もあるし」
意味深なことを言う彼女に、
男は少し離れた場所へ誘導される
炎魔「行くんですか?」
男「まぁ、な。みんな不安だろうけど、名指しされちゃあ仕方ないってもんだ」
699 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 02:51:55.87 ID:/Wl17JSP0
勇者「火でも起こしながら話そうか」
男が向かったそこは、
キャンプの中心地にならなかった場所だ
焚き火の用意だけがしてあった
男「いや、夜は冷える。さっさと温めよう」
男は薪に着火魔法を放って場を温める
悠長にしてもいられないということを、
暗に示す形となった
勇者「感謝するよ」
700 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 02:56:27.34 ID:/Wl17JSP0
男「気にするな。それより、俺と二人で話したいとは、どういうつもりなんだ?」
勇者「代表者同士で話し合ったほうが早いでしょ?」
男「……まぁな。顔は割れてるんだったか」
勇者「それなりに有名人だしね、君たち」
男「あまり表立って暴れたつもりはないんだけどな……」
勇者「でも、捕捉しやすいよ。堂々と動くし、動線も基本的には真っ直ぐだし、定期的に神を呼ぶから、それで本物かどうかも分かる」
701 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 03:01:54.38 ID:/Wl17JSP0
本日はここまでです
ありがとうございました
702 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 20:13:59.07 ID:HM6Qb2KhO
すみません遅れました
男「ちゃんと下調べしてるな……」
勇者「ま、うち的には要注意勢力だし」
男が拾った木片を焚き火を投げ込むと、
軽い音を立てて燃えた
男「……それで、俺に話って、なにかな」
勇者「>>下1」
703 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/15(土) 20:21:40.60 ID:zTiZe8hs0
先にかつての仲間たちが貴方にしたことを謝らせて下さい。淫魔になる前の僧侶や魔法使いは元は優しい娘たちでした
704 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/15(土) 23:14:01.97 ID:/Wl17JSP0
勇者「先にかつての仲間たちが貴方にしたことを謝らせて下さい。」
男「仲間?」
勇者「淫魔になる前の僧侶や魔法使いは元は優しい娘たちでした」
そう言われると、
男はこれまで出会った淫魔たちを思い出す
男「僧侶……は、あいつか。まぁ、死にはしなかったし、別にいいさ」
705 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/16(日) 06:22:58.22 ID:Xw4HNMsD0
勇者「そう、ですか……」
男「魔法使いってのは……あれ、まさか……」
勇者「あなたの仲間である炎魔さん……彼女の素体に魔力を流し込んだ存在です」
昔、男性型の淫魔から炎魔の元々の肉体は、
勇者パーティの魔法使いによって起動させられた可能性が高いという話を男は聞いたことがある
男「ということは……あなたはまさか?」
706 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/16(日) 06:31:53.53 ID:Xw4HNMsD0
本日はここまでです
ありがとうございました
707 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/16(日) 19:50:11.87 ID:Xw4HNMsD0
勇者「そう。僕は勇者だ」
堂々とカミングアウトする
なぜこんな所にいるのか、
と男にとっては不思議でしかないだろう
男「……勇者サマが、邪教徒とつるんでるのか?」
勇者「まぁ、色々あってね……」
包帯の巻かれたその姿からは、
確かになにか事情がありそうだと感じられる
708 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/16(日) 22:09:16.05 ID:Xw4HNMsD0
男「それで、交渉の件だが」
勇者「僕個人としては、ぜひ受け入れたいと思っている」
男「いいのか?」
勇者「難しい質問だね。僕はあくまで人望がちょっとあるだけで、教祖でもなんでもないし」
鼻にかけたような台詞だが、
その表情の儚さからは自嘲的なものを強く感じることができる
709 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/17(月) 00:37:35.22 ID:4soi0GT90
本日はここまでです
ありがとうございました
710 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/17(月) 19:54:18.65 ID:4soi0GT90
男「とりあえず、承諾は得られたと解釈するよ」
勇者「構わない」
彼女は、ただ焚き火の炎を見つめていた
男「……それでだ、俺たちはあの街に戻らなきゃいけない」
勇者「そのはずだね」
男「俺たちと邪教徒とが仲間だと示せる『証』が欲しいんだ。なにか持ってたりしないか?」
勇者「>>下1」
711 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/17(月) 21:29:23.94 ID:UYoScceG0
この教団の前教祖(死亡済み)から頂いた『討神への十字架』を貴方に渡すよ。 教えを改善する権限がある
712 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/17(月) 22:36:48.72 ID:4soi0GT90
勇者「この教団の前教祖から頂いた『討神への十字架』を貴方に渡すよ。」
そう言うと、
彼女はロザリオのようなものを男に渡した
何らかのアーティファクトのようなオーラを放っている
男「前教祖?」
勇者「まぁ、もう死んでるんだけどね」
男「なるほど……これがあれば、仲間だと認めてもらえるのか?」
勇者「教えを改善する権限がある」
男「えっ!?」
713 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/17(月) 22:41:16.18 ID:4soi0GT90
あまりの発言に、男も目を見開いて驚いた
それを見て、勇者は少しだけ微笑んだ
勇者「好きに使うといいよ。僕が使うにはちょっと荷が重い……精神的にね」
男「なんだってこんなものを持ってたんだ……」
勇者「だから、貰ったんだって」
男「もっと持つべき立場の人間がいたんじゃないのか?」
勇者「そうかもしれないね。でも、残念ながら彼らは僕からこれを奪えるほど強くはなかったよ」
にやりと歯を見せて笑うと、
少しだけ剣を抜いて鈍い金属に火の明かりを反射させた
714 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/18(火) 03:31:11.14 ID:RSB9s++n0
本日はここまでです
ありがとうございました
715 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/18(火) 19:18:30.02 ID:RSB9s++n0
男「味方する方を間違えてたら俺の首はなかったかもな」
底知れない精神の澱みが、
その笑顔の奥には渦巻いていた
勇者「さぁ、どうだろうね」
彼女は立ち上がりながら剣を抜き放ち、
その風圧で焚き火を消してしまった
男「話は終わりか」
716 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 03:47:57.82 ID:RWgY+sLr0
勇者「あぁ、時間はないんだろう?」
男「……そうだな」
勇者「場合によれば、また会うこともあるだろう」
男「味方として?」
勇者「……そのつもり。それよりも、別の問題があるけれど」
男「問題?」
717 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 03:52:29.39 ID:RWgY+sLr0
勇者「ちょっと、まだこの体に慣れていなくてね」
男「『この体』?」
勇者「……なんでもないよ」
違和感のようなものを感じたが、
男には時間がないのも事実だったので、
ロザリオのようなそれを身につけてその場を離れた
男「……よし」
718 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 04:03:32.45 ID:RWgY+sLr0
本日はここまでです
ありがとうございました
719 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 19:55:01.60 ID:RWgY+sLr0
中華「あ、戻ってきた」
氷魔「……なにか……アクセサリーを着けていますね……」
相変わらず気まずそうな一行の元に、男が帰還する
男「この装飾品……『討神への十字架』を着けていれば、教団の教えにまで干渉できるらしいぞ」
やる気「とんでもねぇもん貰ってきたっすね……」
720 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/19(水) 21:12:19.98 ID:RWgY+sLr0
それから、一行はそそくさとキャンプ地を後にした
まずは街へと戻るため、草原を急ぐ
ぶりっ子「とりあえず正門へ向かいましょう、あっちはまだ人が集まってなかったですよねぇ?」
怪盗「今はどうか分かりませんけどね」
そして、街の正面の門へと辿り着く
>>下1……正門の様子
721 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2025/02/19(水) 21:58:22.74 ID:02ZiNarP0
邪教徒と帝国軍がまるで天安門事件のように争っている
722 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/20(木) 03:26:47.45 ID:SMD7LVfR0
本日はここまでです
ありがとうございました
723 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/20(木) 18:23:30.33 ID:SMD7LVfR0
帝国兵「突撃ーッ!」
少年「おい、嘘だろ……」
一行がそこへ訪れた瞬間、号令が響き渡る
正門に陣取る邪教徒たちに向けて、
帝国のチャリオットが突撃していくのだ
狙撃少女「まずいっ!」
男「待て!」
彼女は射撃の構えを取ったが、男はそれを制した
724 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/20(木) 18:29:29.78 ID:SMD7LVfR0
狙撃少女「どうしてですか!」
炎魔「ライフルでは弾が足りませんが、パチンコでは届きません!まずは接近しましょう!」
男「そうだ、急ぐぞ!」
街を囲う壁の側面をなぞるように、
一行は正門前へと向かっていく
そこでは既に、一部の邪教徒がチャリオットに弾き飛ばされていた
中華「くっ、まずい……!」
725 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/21(金) 02:15:00.52 ID:4KSeIv/D0
氷魔「……入り込んでしまった帝国兵は……各個対処するしかありません……ですから……まずは突貫するチャリオットを……」
やる気「そっすね!でもどうするっす?あの質量と速度と数は面倒っすよ!」
正門前に立ち、邪教徒よりも先の位置でチャリオットを迎撃することにした
氷魔「……お任せ下さい……氷空魔法……!」
彼女は魔力を迸らせる
だが、氷空魔法は特殊な魔法であり、
その行使を肉眼で捉えることはできない
726 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/21(金) 18:51:23.31 ID:4KSeIv/D0
すみません寝落ちしました
ぶりっ子「なにをしたんですか?」
氷魔「……見れば分かりますよ……退いてください……」
彼女の合図に従って一行は門まで下がる
帝国兵「うおおぉぉ……っ!?」
チャリオットのうち、馬は仕掛けを走り抜けた
だが、車輪は見えない氷の斜面で強く滑り、
圧倒的な加速度そのままに兵の乗っている部分だけが空中に打ち上げられる
727 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/22(土) 04:17:06.81 ID:+s5Xwet90
やる気「おぉ!」
そして滞空時間のうちに、
地面と平行ではなくなったそれは、
勢いよく横転する形で地面に打ちつけられる
氷魔「……こういう姑息な魔法の仕掛けが……数ばかりある敵にはよく効くんですよ……」
怪盗「これ、もしかして超有効?」
728 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/22(土) 04:21:23.39 ID:+s5Xwet90
氷魔「……魔法の心得がある者がいれば……対策も分かることでしょう……対策が為されるまでの時間は稼げます……」
狙撃少女「兵器が使われないのであれば、こちらでも充分抵抗できますね」
追加のチャリオットが来ないため、
既に乗り込んできた帝国兵たちは街中へと逃げることになった
少年「とはいえ、戦力差は歴然だ……だが、そろそろじゃないか?」
729 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/22(土) 04:31:48.72 ID:+s5Xwet90
本日はここまでです
ありがとうございました
730 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/22(土) 19:31:51.42 ID:+s5Xwet90
炎魔「そろそろ?」
男「ついに、街中にまで侵攻してきた訳だしな」
そう言うと、彼は逃げる帝国兵を見た
帝国兵「くそっ、どうなってるんだ……っ!?」
チャリオットの立てた砂煙に紛れて逃げようとする彼を、何者かが吹き飛ばした
中華「この街の人々は、かつて帝国と戦った者達だし……ここまでされて黙ってはいないよね」
>>下1……現れた街の勇士とは
731 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/22(土) 19:34:38.41 ID:M4ir9Smm0
小柄な老人
732 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/22(土) 20:10:08.62 ID:pHjKl/BY0
両腕が機械の男拳士
733 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/23(日) 01:45:34.84 ID:9lUuoXhy0
中華プロクシが通らなくなったと思ったらNGワード入ってたのか
734 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 03:13:27.64 ID:mfXWeB8s0
老人「街に入ってきたのなら……侵略と見なすぞ?」
砂煙が晴れ、そこから彼は現れた
小柄だが隙のない、老練の勇士だ
氷魔「……只者ではありませんね……」
単に筋力で帝国兵を吹き飛ばしたわけではないことは、すぐに分かることだ
彼の両手には魔力が込められており、
そのきめ細やかな魔力操作は人族では類いまれだ
735 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 03:25:16.98 ID:mfXWeB8s0
本日はここまでです
ありがとうございました
736 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 19:52:53.41 ID:mfXWeB8s0
やる気「これで、侵入してくるやつらをどうにかすればよくなったっすね」
男「あぁ、今のうちだ……」
まだ帝国軍は氷魔の魔法に気付いていない
そこで、男は再び視線を変え、
事態に唖然とする邪教徒たちを見た
ぶりっ子「どうぞぉ」
男「聞け!信徒たち!俺たちはお前たちの仲間であり、この場において、皆を指揮する者だ!」
そう叫び、彼は『討神への十字架』を掲げた
737 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 20:37:04.02 ID:mfXWeB8s0
邪教徒A「あ……あれはっ……!」
邪教徒B「代行者だ!代行者が来たんだ!」
男「集えっ!」
高らかに宣言すると、
邪教徒たちは集まってくる
怪盗「……これで人手は集まりましたが」
狙撃少女「どうやって戦いましょうか?」
738 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/23(日) 20:45:18.09 ID:mfXWeB8s0
男が掲げた十字架に信者たちからエネルギーが集まり、発光する
男「えっ」
少年「どうなってんだ……?」
その光は次第に大きくなり、
男の姿はそれに呑まれていく______
男「……ここは……?」
そして、光の向こう側になにかの姿が見える
そこにいたのは、>>下1だった
739 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/23(日) 21:21:49.28 ID:HzwxtTUi0
教会にいた気弱少女
740 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/24(月) 01:34:09.99 ID:cpyCAWjb0
本日はここまでです
ありがとうございました
741 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/24(月) 19:49:58.57 ID:cpyCAWjb0
気弱少女「こんばんは……」
男「君は……!」
光の中、そこに見えたのはボロボロの教会で祈りを捧げていた少女だった
気弱少女「……えっと……その……私……」
男「……どうしたんだ?まずは落ち着いて、深呼吸してから話すといい」
その言葉は、男本人にも言い聞かせているようだった
突拍子もない事態に、彼も当然冷静ではいられない
742 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 03:14:35.26 ID:qI1k3Fnb0
気弱少女「私……『執行者』みたいなんです」
男「……執行……?」
気弱少女「神様が私に語りかけてくるんです。力を執行しろと……」
男「そ、そうなのか……?」
気弱少女「さっきから、ずっとそうなんです。頭の中が、声で埋め尽くされて。割れそうなほどうるさくて」
彼女は頭を抑えて踞ってしまう
743 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 03:18:13.74 ID:qI1k3Fnb0
男「……なんだか分からないが、力を使えば楽になるんじゃないか?」
気弱少女「そうなのでしょうか……」
男「そうしろ、と言われているんだ。それで君が苦しんでいるなら……するべきなんじゃないか?『執行』……」
そう男が問えば、気弱少女は頭を軽く振った
気弱少女「それも怖い……です。なにが起こるかなんて分からないのに」
男「はぁ……君はまだまだ子供だ。いっちょ前に責任のことなんて考えるな。どうしても怖いなら、俺が全責任を負ってやる」
744 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 04:00:44.09 ID:qI1k3Fnb0
本日はここまでです
ありがとうございました
745 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 19:29:29.53 ID:qI1k3Fnb0
気弱少女「そんな……」
男「君は……お前は今、弓に過ぎない」
気弱少女「え……?」
男「矢をつがえて、射るのは俺だ。それが自分を撃つことになろうと、誰かを殺してしまおうと、それは俺の罪だ」
気弱少女「………………」
彼女はその言葉を聞くと押し黙ってしまった
だが、否定はしていない
男「さぁ、やれ!楽になるんだ!執行しろ!」
気弱少女「うぅ……うわぁぁぁっ!!」
746 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 20:32:22.71 ID:qI1k3Fnb0
彼女の絶叫は響き渡った
光に包まれた空間は破れ、
その外にいる誰もがそれを聞いた
だが、それをかき消すほどの轟音がそれに続いた
炎魔「これは……!」
中華「す、すごいな……」
街の外に待機している帝国軍に向かって、
何条もの雷霆が突き刺さる
それが、『執行』だった
747 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/25(火) 20:37:56.36 ID:qI1k3Fnb0
光と一緒に、気弱少女の姿は消えていた
恐らく、あの教会に送還されたのだろう
男(気にしていないといいが……)
邪教徒A「す……すごい!裁きだ!」
邪教徒B「裁きが下ったんだ!」
邪教徒たちは男を見て歓喜の声を上げる
彼にとっては、普段奇跡を行使するのとよく似ていたのでさしたる驚きはなかったが
748 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/26(水) 02:41:30.70 ID:NfclsN7D0
本日はここまでです
ありがとうございました
749 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/26(水) 19:28:46.23 ID:NfclsN7D0
氷魔「……少なくとも……大きな被害は出ましたね……」
歓喜する信者たちを見て、
男はあることを思いついた
所持する十字架を再び掲げる
男「代行者の名の元に、諸君らを導く教えを改める!」
邪教徒C「おおぉっ!」
それは、教義の変化だった
全ての教義の確認と精査は後に回すとして、
今変えるべきものもあるだろう
男「本日より、>>下1」
750 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/26(水) 19:45:46.94 ID:svxDskJ00
魔神に対し崇拝や排斥・討滅をせず和解と対話を目指し魔神との共存を目指す!!
言って男のその足元に数弾の弾丸が放たれた。何処から狙ったのか判らないがかなり遠くから撃たれたかもしれない
751 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/27(木) 03:11:18.83 ID:YO0lJ+CR0
男「魔神に対し崇拝や排斥・討滅をせず和解と対話を目指し魔神との共存を目指す!!」
彼はそう高らかに宣言した
少なくとも、彼にとって魔神とは中々に話せる連中であるからだ
皆が分かりあえるはずだ、と思っている
やる気「危ないッ!」
だが、そう思わない者もいるようだった
驚異的な反応速度でやる気が男を突き飛ばすと、
かつて彼の足元だった場所に複数の弾丸が撃ち込まれていたのだ
752 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/27(木) 03:15:09.42 ID:YO0lJ+CR0
ぶりっ子「た、助かりましたねぇ……」
邪教徒たちにどよめきが走る
突然の攻撃に、パニック寸前だ
男「ありがとう、やる気……皆!俺はこの通り無傷だ!なにも心配はいらない!」
彼がそう叫ぶと、どよめきはかなりマシになった
怪盗「……今の、どこから?」
狙撃少女「方向はなんとなく分かります。ですが……そちらにはなにも視えませんでした」
753 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/27(木) 03:19:40.14 ID:YO0lJ+CR0
本日はここまでです
ありがとうございました
754 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/27(木) 19:11:18.49 ID:YO0lJ+CR0
少年「……超遠距離か?」
狙撃少女「確かに、私の持っているライフル……ではやや力不足ですが、そういうものなら撃てますね」
炎魔「……でも、弾は一発じゃないですよね?長距離をスナイプする重火器って、大抵一発しか撃たないイメージがありますけど」
中華「……見えない敵が撃った、とか?」
氷魔「……面白いですね……」
やる気「それがありならなんでもありじゃないっすか……と言いたい所っすけど、否定はできないっすね」
755 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/28(金) 01:04:17.58 ID:h4b7/Eq30
男「ともかく、ここでまごついてはいられない。今度は裏門へ向かうぞ!」
ぶりっ子「ですねっ!」
男は邪教徒たちを率いて、
街の裏門の方向へと進みだした
怪盗「……油断できませんね」
狙撃少女「随分気を張っていますね」
怪盗「超スピードだろうが、超遠距離だろうが、見えない敵だろうが……私が追いつけさえすれば、どうにかなるんです!ここ数回、有効に動けてないんで……」
756 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/28(金) 01:49:45.91 ID:h4b7/Eq30
本日はここまでです
ありがとうございました
757 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/28(金) 20:06:25.00 ID:h4b7/Eq30
すみません遅れました
老人「これ、そう思い詰めるな」
彼女に声をかけたのは、
先ほど帝国兵を倒した小柄な老人だった
怪盗「………………」
老人「確かにお主の肉体はしなやかじゃ。瞬発力に関しては、言うことなしじゃろう」
怪盗「分かってるじゃないですか」
老人「……だが、心の緊張とプレッシャーは体のバネを鈍らせる。ゆめゆめ忘れるな」
758 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/02/28(金) 21:27:20.04 ID:h4b7/Eq30
忠告される怪盗をよそに、
信者たちを連れた男は大通りを進んでいく
??「待て!」
男「……おっと」
しかし、その行く手を遮る者がいた
だが、信者たちはもはや動揺しない
わずかな時間で、彼はひとまずは信頼のおける先導者になっていた
>>下1……立ちはだかった存在
759 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/03/01(土) 09:08:03.96 ID:S37yB7hVO
帝国の鎧を着た若い正騎士の青年
760 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/01(土) 19:54:53.26 ID:hAVnNJIc0
正騎士「貴様らをここから先に進ませる訳にはいかない!」
男「知ったことじゃない。押し通るぞ」
そう冷たく男が言い放つと、
彼は折り目正しい構えで剣を男に向けた
身につけた鎧も帝国のある程度は位の高い騎士のもので、まずそこいらの兵士と同格ではないだろう
少年「……けっ、ムカつく奴だ。自分に正義があると信じ込んでないとできねぇ表情してやがる」
761 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/01(土) 20:46:49.80 ID:hAVnNJIc0
炎魔「……私はちょっと相性が悪いですかね」
中華「しかし……なぜここにいるんだ?」
正騎士「裏門を突破したからさ」
氷魔「……それは……嘘ですね……」
彼女は静かにそう溢した
正騎士「嘘?」
氷魔「……裏門を突破できているなら……もっと人が雪崩れ込んでいるはずです……どこもかしこも戦場のはず……」
やる気「帝国のやり方は荒っぽいから、そもそも突破されてるなら音や煙で遠くからでも分かりそうなもんっすね」
762 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/02(日) 04:16:47.84 ID:DsH9KNwX0
正騎士「流石に、そこまで単純じゃないようだね」
ぶりっ子「察するに、あなたは遊撃手ですねぇ」
男「一人で立ち回れる精鋭を投入したという訳だ」
怪盗「油断できませんね!」
正騎士は不適に笑うと、剣を構え直した
その構えには、先ほどよりは力が籠りすぎていなかった
763 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/02(日) 04:29:55.64 ID:DsH9KNwX0
本日はここまでです
ありがとうございました
764 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/02(日) 19:45:34.67 ID:DsH9KNwX0
狙撃少女(妙ですね……状況は不利も不利なはず。なのに彼は落ち着き払っている)
戦場では高揚から恐怖を忘れる兵も少なくはない
だが、目の前の彼がそうであるように見えなかった
少年「どうした?」
狙撃少女「……いえ、なんでも」
>>下1……正騎士が堂々としている理由
765 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/03/02(日) 20:45:10.50 ID:dPOz21O5o
皇帝から下賜された強力な魔翌力を秘めた道具の一つを持っている
766 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/03(月) 03:14:32.20 ID:nzLZQT1m0
炎魔「さっさとボコボコにしちゃいましょう!」
正騎士「できるかな?」
男(流石に自信ありげ過ぎるな……警戒はしておくか)
怪盗の【素早さ】355
正騎士の【素早さ】95
中華「さて、一気に行くよ!」
767 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/03(月) 19:27:35.49 ID:nzLZQT1m0
すみません寝落ちしました
中華は一気に正騎士の前に躍り出た
男「おう!」
やる気「一気に畳み掛ける!」
男とやる気もそれに続き、武器を構え突撃する
男の斬撃と中華とやる気の刺突が彼の鎧を貫く
>>下1コンマ×18……連携攻撃のダメージ
768 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/03/03(月) 19:32:04.52 ID:iKpfBef80
ゾロ目コイコイ
769 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/03(月) 23:18:09.42 ID:nzLZQT1m0
36ダメージ!三人ともレベルアップ!
正騎士「くっ……!」
だが、彼はその威力を前にしても吹き飛ばされることはなく、石畳にすら跡がつくほどの踏ん張りを行う
結果として、
それなりの距離を後ずさるだけで済んだのだ
氷魔「……口だけではないようですね……」
770 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/04(火) 00:45:59.63 ID:VOaceCsj0
正騎士「ふぅ……」
彼は自身の剣を杖のように地面に突き立て、
一つ深呼吸をする
ぶりっ子「えっ……!?」
正騎士「でも、流石に痛いかな」
すると、彼の鎧に空けられた穴はあっという間に塞がってしまった
魔法の類を詠唱した様子もなく、
ただただ不可解であった
771 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/04(火) 01:32:00.44 ID:VOaceCsj0
本日はここまでです
ありがとうございました
772 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/04(火) 18:41:36.34 ID:VOaceCsj0
怪盗「怯んだらおしまいです、とりあえずもう一撃試してみましょう!」
ぶりっ子「え、えぇ!」
狙撃少女「完全に破壊すれば……再生などできないかもしれませんしね」
狙撃少女は数発の弾丸を飛ばし、
その威力で正騎士の動きを封じる
そして、そこに怪盗とぶりっ子が獲物を振り抜くのだ
>>下1コンマ下一桁×14.5……連携攻撃のダメージ
773 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/03/04(火) 20:14:12.69 ID:Sc02OqqO0
乙
774 :
◆UEqqBEVZVY
[saga]:2025/03/04(火) 20:36:25.09 ID:VOaceCsj0
130ダメージ!
ぶりっ子と狙撃少女は3レベルアップ!
怪盗は4レベルアップ!
正騎士「ぐぅっ!?」
ぶりっ子「深いッ!」
怪盗「スイートスポット直撃っ!」
狙撃少女の本命の弾・二人のインパクトが完璧に揃い致命的な威力を発揮する
正騎士「ぐぁぁぁぁっ!!」
こればかりは堪えることもかなわず、
正騎士はとてつもない威力で吹き飛ばされる
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