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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part3

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631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 18:22:02.49 ID:XYP1P/Qwo
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 18:23:14.57 ID:QObcZkMmO
宝箱発見
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 18:24:27.50 ID:XYP1P/Qwo
↓1と2見間違えた本当ごめん安価ずらしてくれ
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 18:39:04.76 ID:aGl1P5du0
はい
635 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 18:54:13.51 ID:lGlQ4aFD0
―テラヌス砂漠


 強化ソリ「」シャーッ


エバンス「……ん? あれは――」


 朽ちた遺跡「」ユラユラ


セイン「廃墟、か……?」

イリス「もしかしたら古代の遺跡かも! 行ってみませんか!?」

ミスティ「まあこのソリならすぐだし、寄り道していきましょうか」

 *
636 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 18:54:43.26 ID:lGlQ4aFD0
―朽ちた遺跡

 ヒュオオオオ――…

 ボロボロの石柱「」
 風化した石畳「」


ローガン「……確かにこれは、古代遺跡だな……。しかし……」

エバンス「かなり風化が進んでいるな。文字も読み取れなさそうだ」

イリス「そうですね……」

ミスティ「でも何かないかしら。古代の遺物とか……」ガサゴソ

イリス「と、盗掘になっちゃわないかな?」

セイン「僕たち以外の気配はない。例え盗掘になったとしてもバレることはないだろう」

イリス「そういう問題なのかなあ……」

 *

 ガサゴソ…

クロシュ「……!」ピコン

妖精「お、何か見つけた?」

クロシュ「うん……」

 ガサゴソ…グイッ!

 古びた宝箱「」ポン!

妖精「!」

ミスティ「これは……宝箱!」

イリス「わわ……!」

クロシュ「んへへ……」

エバンス「待った! すぐに開けちゃだめだ、何か罠が仕掛けられているかもしれん……!」

クロシュ「!」

エバンス「……ここは俺が開けてみよう。みんなは少し離れたとこにいてくれ」

ローガン「むう……私も解錠や罠避けには疎い。エバンスくん、頼む」

エバンス「おう、任せてくれ」


 カチャカチャ…パカッ


↓1コンマ
01-30 古代の金貨(所持金+)
31-60 古代の宝石(所持金++)
61-90 太陽の盾
91-00 獅子王の盾
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 18:58:03.14 ID:tq4pacNDO
はい
638 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 19:31:05.66 ID:lGlQ4aFD0
 古びた宝箱「」パカッ

 数枚の金貨「」チャリン

エバンス「……金貨が数枚。これは――」

ローガン「見ない型だな。古代の貨幣か」

イリス「古代の金貨……! 面白いものを見つけましたね!」

妖精「コレクターに売れば良い値が付きそうだね」

イリス「う、売っちゃうの!?」

妖精「え、他に使い道ある……?」

イリス「え、えと……ないかも……」

ミスティ「イリスってこういうのけっこう好きだったりするの?」

イリス「ま、まあ……好きなのかも……」


 ☆古代の金貨を手に入れました
  街に着いたら自動的に換金されます

 ◇
639 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 19:31:36.47 ID:lGlQ4aFD0
―夕方
 テラヌス砂漠 岩場

 焚き火「」パチパチ

イリス「この時間になると冷え込んで来るよね」

ミスティ「昼間が暑い分……寒暖差がきついわね……」

エバンス「今日は洞窟の中ってわけじゃないから、寒さには気を付けないとな」

クロシュ「えと……わたし……あったかくなった方が、良い……?」

妖精「バーニングスライムになるってこと? でもあれはすごくお腹が減るんでしょ? 砂漠は食べ物が豊富にあるわけじゃないから、やめときな」

クロシュ「ん……」

セイン「クロシュ……新たな力を身に着けたのか」

クロシュ「あ、うん」

ローガン「フッ……クロシュくんの成長は目覚ましいぞ」


テラヌス・ウルスからの帰り道2日目です。岩場で野営します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 19:32:13.26 ID:Y8mqGtgu0
イリスとセイン、お料理する
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 19:33:46.39 ID:H0pcakK+O
エバンス セインと模擬戦をして剣術と魔法の経験値を上げる
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 19:35:35.00 ID:c96aOkUt0
ローガン、セインに亡き息子の姿を重ね合わせる
643 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 19:48:05.29 ID:lGlQ4aFD0
 焚き火「」パチパチ

イリス「さーて、今日は何を作ろっかな〜」フンフン

セイン「僕も手伝おう。今回はまだ何も返せていない」

イリス「あはは、返すとか返さないとか考えなくて良いよ。行き先が同じなんだから、セインくん一人乗せても大して変わらないってミスティも言ってたでしょ?」

セイン「……僕なりのけじめだ。返させてくれ」

イリス「そっか。じゃあせっかくだし手伝ってもらおっかな!」

セイン「ああ。何をすれば良い?」

イリス「えっと、お料理については何ができるの?」

セイン「……食材を斬るくらいなら、多分できると思う」

イリス「え、何その曖昧な言い方……。料理の経験は……?」

セイン「ない。だが、僧侶の料理動作を観察したことならある」

イリス「そ、そう……まあとりあえずやるだけやってみよう!」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、サバクイナゴ、オオキイスナミミズ
野菜:枯れ草、乾燥植物、ウチワサボテン、テラヌスアロエ
穀物:サクサクパン、パラパラ米
果実:精霊サボテンの実、ウォータースイカ
卵乳:スナニワトリの卵、カビチーズ
特殊:スライムゼラチン、マジカルブラッドワイン、精霊樹の実のジャム、お宿の焼き菓子
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 19:50:19.03 ID:BUSfVFxnO
精霊サボテンの実、マジカルブラッドワイン
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 19:51:32.77 ID:tq4pacNDO
ウォータースイカ
精霊樹の実のジャム
646 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 21:09:18.44 ID:lGlQ4aFD0
イリス「それじゃあ、まずはこのサボテンの実とウォータースイカを切るんだけど――とりあえず私がやってみるね。ん、しょっ!」グイッ

 ザクッ!

セイン「理解した。僕も斬ってみよう」スッ

 ザッ…

セイン「……」

イリス「ど、どうしたの? 途中で止まってるよ?」

セイン「……このまま力を込めたら、まな板ごと切断してしまわないだろうか」

イリス「だ、大丈夫だよ! まな板って固いから!」

セイン「……本当に、大丈夫か? 全力で力を込めてしまっても」

イリス「……セインくんの全力は、確かにちょっと怖いかも……。う、上手い具合に……果物だけ切れるように加減、できる……?」

セイン「……やってみよう」ググ

 ザグッッッ!!!

 *

 傷跡が残ったまな板「」

セイン「すまない……切断こそしなかったが……傷を付けてしまった……」

イリス「あ、あはは! これくらい大丈夫だよ! まな板って傷が付くものだから」

セイン「だが力加減は覚えた。次は果物だけを上手く斬れるはずだ」

イリス「うん、じゃあお願い! 私はお鍋の方にいるから、何かあったら呼んでね」

セイン「ああ」

 *

 スパスパスパッ

 グツグツ…コトコト…

 *
647 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 21:09:44.66 ID:lGlQ4aFD0
 マジカルフェアリーソースがけサボテンスイカフルーツサラダ「」ポン!

クロシュ「わあ……!」

イリス「スイカとサボテンの実はセインくんが切ってくれました!」

ローガン「おお……淀みなき美しい切断面だ」

セイン「無理に褒めなくて良い。結局イリスには迷惑をかけてしまった」

イリス「そんなことないよ! 精霊サボテンの実ってけっこう固いから切るのも大変なの。セインくんが手伝ってくれたお陰で助かったよ」

セイン「………そうか……」

エバンス「料理ってのは力仕事だからな。セインも今度は自分で料理してみたらどうだ?」

セイン「考えておこう」

スライムクロシュ「……」ソワソワ

イリス「あ、ごめんねクロシュちゃん! いただきますしよっか」

スライムクロシュ「!」モニョ!


「いただきます!」モニョモニョニョ!

 *

スライムクロシュ「♪」モニョモニョ シャクシャク

ミスティ「甘酸っぱいサボテンの実と、水分たっぷりでシャキシャキなスイカ……!」」シャクシャク

エバンス「美味い……! 水分と魔力が体の隅々まで染み渡っていくようだ!」シャクシャク

ローガン「これは……砂漠でこのような食事をするとは、なんという贅沢か……!」シャクシャク

ミスティ「そしてこの、渋みと甘みが濃厚に混ざり込んだソースは……マジカルブラッドワインと精霊樹のジャムね……!」シャクシャク

イリス「うん! 魔力マシマシの組み合わせで煮込んで作ってみたの、どう?」

ミスティ「とっても美味しいわ……。ワインとジャムの甘酸っぱさが合わさって、魔力が体の隅々まで染み渡っていくかのよう……」

妖精「しかも精霊サボテンの実とウォータースイカっていう魔力が豊富な果物の組み合わせだもんね。下手なポーションより全然魔力が回復するよ、この料理……」シャクシャク

セイン「精霊サボテンの実に、ウォータースイカか……」

イリス「ウォータースイカは文字通り、水分と水属性魔力を豊富に含んだ果物のことだよ。トコナツ火山島でも栽培されてたけど、原産地はここテラヌス地方なんだって」

ミスティ「えっここが原産なの? この砂漠が、ウォータースイカの?」

イリス「そうらしいよ! サボテンもそうだけど、乾燥地帯だからこそ水をしっかり蓄えて育つ性質が備わったのかもね」

セイン「なるほど……水が不足する場所だからこそ、か」

イリス「それで精霊サボテンは……妖精さんの方が詳しいかな?」

妖精「あ、うん。えと、精霊サボテンは精霊たちの加護を受けやすい種類のサボテンだよ。精霊樹と似た性質があるみたいでね」

セイン「精霊樹の仲間なのか?」

妖精「遺伝的には全然違うけど、精霊に好かれるって点では仲間と言っても良いかもね。んで精霊に好かれるから魔力も溜まりやすくて、果実にも自然由来の魔力がたっぷりってわけ」

セイン「そうなのか。砂漠で水分補給と魔力回復に役立つ果物、程度の認識しかしていなかったが……知ってみると興味深いな……」


スライムクロシュ「」モニョモニョ シャクシャク

セイン「クロシュ……どうだ? 美味いか?」

スライムクロシュ「♪」モニョ!

セイン「そうか」フッ


 ☆マジカルフェアリーソースがけサボテンスイカフルーツサラダを食べて元気いっぱいになりました
  明日の戦闘時、コンマ+10のバフがかかります
648 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 21:10:51.24 ID:lGlQ4aFD0
―夜
 テラヌス砂漠 岩場

 ヒュオオオオ――…

エバンス「――」ブンッ ブンッ

セイン「素振りか」ヌッ

エバンス「セインか。もうだいぶ冷えてきたしテントに戻った方が良いぞ」

セイン「それを言うならあなたもだろう」

エバンス「俺は……良いんだよ。強くならきゃいけないからな」

セイン「……では、模擬戦でもしてみるか?」

エバンス「なにっ?」

セイン「いや……気が乗らないのなら――」

エバンス「いや、望むところだ! 模擬戦するぜ!」

セイン「承知した。僕は魔法を使わない方が――」

エバンス「いや、魔法も使ってくれ! 俺は剣も魔法もどっちも鍛えなきゃならないんだ」

セイン「……そうか。では加減なしでいいく」

 *

ローガン「それでは、審判はこのローガンが受け持とう!」


セイン「ああ、よろしく頼む」
 無銘の剣「」チャキッ

エバンス「頼んだぜ旦那。よし……」
 魔銀の剣「」シャキン


イリス「わわ! 模擬戦だって!」

ミスティ「あなたもセインと模擬戦したわよね。ここよりずっと足場の悪いところで……」

イリス「あ、あはは……あの時はセインくんの手加減と足場のお陰で引き分けられたんだよねえ」

妖精「でも今回のセインは、武器も魔法も使うみたいだよ。足場は……砂に足を取られる砂漠だから、地属性のエバンスの方が若干有利かな?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョニョ…

妖精「大丈夫だよ、どっちもこういう模擬戦には慣れてるから。怪我なんてしないよ」

スライムクロシュ「〜」モニョ


↓1コンマ
01-05 痛恨
05-35 敗北 剣技経験+1
36-65 敗北 剣技経験+1、魔法経験+1
66-95 敗北 剣技経験+2、魔法経験+1
96-99 相打ち 剣技経験+4、魔法経験+2
00-00 勝利
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 21:11:32.44 ID:Y8mqGtgu0
いけ
650 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 22:21:03.22 ID:lGlQ4aFD0
セイン「」ヒュンッ

エバンス「!!」ジャキッ

 ガギン!!

エバンス(なんて重さだ……!)ズザザッ

セイン「」シャッ
 無銘の剣「」シュビビビッ

エバンス「うおおおお!!?」バッ

 ガギギギギンッ!!

セイン「」バッ
 セインの掌に集まる光「」キュイーン―


エバンス(嘘だろ!? 模擬戦とか言いながら殺す気か!!?)バッ

エバンス(くそっ! 回避は間に合わねえ! なら俺は――)

 土壁「」ボゴンッ!!

 光「」カッ!!!!

 ドガァァァァァン!!



イリス「うわわわわ!? エバンスさん!!?」

ミスティ「こ、これ模擬戦よね……?」



エバンス「つつ、なんとか凌げたか……!?」

セイン「いや……終わりだ」

 無銘の剣の切っ先「」キラン
 エバンスの喉元「」

エバンス「うっ……お、俺の負けだ」


ローガン「勝負あり! 勝者、セインくん!」


スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

イリス「わ、わあ〜!」

ミスティ「まあ……そりゃそうよね。セイン、大陸どころか世界最強でしょ、多分……」

妖精「エバンスも粘った方だと思うよ、うん……」


エバンス「くっ……粘った方とか言われるのが一番効くぜ……!!」

セイン「まあ……王国の一般的な騎士に比べれば十分強いと思う。それが褒め言葉になるかはわからないが……」

エバンス「ちくしょう!!!」


 ☆エバンスの剣技経験と魔法経験がそれぞれ+1点加算されました

 ◇
651 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 22:32:08.44 ID:lGlQ4aFD0
―深夜
 トコナツ砂漠 岩場

 焚き火「」パチパチ

セイン「強くならなきゃいけない、か……」

セイン「……」

セイン「僕も……ずっとこのまま、というわけには……」


ローガン「セインくん。まだ起きていたのか」スタスタ

セイン「ローガンか。少し考え事だ」

ローガン「そうか……」

セイン「ああ」

ローガン「……」

セイン「……」

ローガン「セインくんは……なぜ、僧侶と共に世界樹の光を追っている?」

セイン「……それが、僕の使命だからだ」

ローガン「使命とは……誰かの、命令か?」

セイン「……」

ローガン「……すまぬ。答えられぬことであれば、無理に答える必要はない」

セイン「……」

ローガン「……だが……もし、何らかの問題を抱えていたり……他者の助けが必要な時があれば……是非、我々を頼ってくれ。君に比べれば大した力もないし、王国の事情に詳しいわけでもないが……頭数が増えれば、それだけでできることも増える。もしかしたら、力になれるやもしれぬ」

セイン「……ありがとう。だが大丈夫だ」

ローガン「そうか……」

セイン「……ああ」

ローガン「……」

セイン「……そういえば……あなたはなぜ、世界樹の光を追っている?」

ローガン「私か?」

セイン「ああ。緑の国で、あの妖精と共に復権派を名乗って活動していたのは知っているが……見たところ、あなたたちのパーティは緑の国の戦士には見えない。なぜあの妖精と共に、緑の国の任務に就いている?」

ローガン「フッ……大した理由ではない。元々私は、クロシュくんの友探しを手伝う為にパーティ入りしたのだが……気が付いたら、このような大仕事に巻き込まれてしまっていたのだ」

セイン「クロシュの……。確か、フメイという……」

ローガン「そうだ。奇しくも、そのフメイくんもまた世界樹の光を追う者の一人であるため……パーティの目的とも合致していたというわけだな」

セイン「なるほど。光を追えば、自ずとフメイを追うことにもなるというわけだ」

ローガン「うむ。説得は失敗続きだがな」

セイン「……早く、説得できると良いな」

ローガン「全くだ。ついでに、他の世界樹の光を追う者たちも退いてくれると助かるのだがな?」

セイン「……それはできない。先程も言ったが……僕には、それを全うしなければならない理由がある」

ローガン「フッ、そうか……」

セイン「……せめて、世界樹の光のある場所で出会わないことを願う」

ローガン「うむ……」
652 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 22:32:37.57 ID:lGlQ4aFD0

ローガン(セインくんが抱えているものが何なのか……それは、わからぬ……)

ローガン(だが、こうして話してみると……大人びた表層の内側……その内奥に、年相応の少年らしい面が見え隠れしている)

ローガン(…………)

ローガン(もし私の息子が生きて……彼くらいの年齢に成長していたら……どのようになっていただろうな……)

ローガン(私に似ていつもボサボサ頭だったから、セインくんのような二枚目にはならないだろうが……彼の金髪を見ると、どうも思い出してしまっていかん……)

ローガン(……この前の、オアシスモドキに見せられた幻覚の影響がまだ抜けきっていないのかもしれんな……)

ローガン(……彼の抱える問題も、どうにかしてやりたいものだが……。いや、彼自身が助けを求めていない以上、我々にはどうしようもないか)



ローガン「……さて! そろそろ寝るとしよう」

セイン「ああ」

ローガン「フッ、男ばかりのテントですまんな。クロシュくんと一緒のテントが良かったか?」

セイン「いや、特にこだわりはないが……」

 ◆
653 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 22:33:11.84 ID:lGlQ4aFD0
―芸術都市への道のり 3日目

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
魔術書「星の魔力」上  闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      亡国王のペンダント
魔王図鑑        
氷精の魔導書
マジカルブラッドワイン
吸血鬼殺ブラッドワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
魔術書「星の魔力」中
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風になる[3/12](クロシュ)
・魔法[1/6](イリス)
・魔法[3/6](ミスティ)
・氷属[6/8](ミスティ)
・剣技[2/8](エバンス)
・魔法[1/6](エバンス)
654 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 22:38:01.26 ID:lGlQ4aFD0
―テラヌス砂漠 踏破率[3/3日] 持久力[1010]


 強化ソリ「」シャーッ


ミスティ「だいぶ走ったわね。今日中には着きそうかしら」

妖精「そうだね。この調子なら今日の夕方には芸術都市に着くよ、多分」

イリス「そっか……。そしたら、セインくんともまたお別れだね」

セイン「ああ。だが……恐らくきっと、また会うことになるだろう。お前たちが世界樹の光を目指している限り」

妖精「そ、そうだね……。まあその時はまた、お手柔らかに頼むよ?」

セイン「ああ……。なるべく、決定的な場面で出会わないことを願う」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-40 食料発見(コンマ)
41-60 物品発見(コンマ)
61-80 場所発見(コンマ)
81-00 良いこと(自由安価)
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 22:38:56.17 ID:Gchztvf+O
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 22:40:42.72 ID:eMgkY1GuO
こんま
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 22:41:05.96 ID:q9Gs1MCkO
良いこと
658 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 22:43:50.86 ID:lGlQ4aFD0
敵襲の前に、先に見つけた場所の判定です
また、3日連続場所発見ボーナスで見つかりにくい場所が見つかりやすくなります


01-20 呪われし古代遺跡
21-40 オアシス!
41-60 オアシス
61-80 サボテンの群生地
81-00 静謐な古代遺跡
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 22:44:11.36 ID:Y8mqGtgu0
660 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 22:44:13.84 ID:lGlQ4aFD0
↓1です
661 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 22:44:39.17 ID:lGlQ4aFD0
↑を採用します
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 22:44:40.85 ID:q9Gs1MCkO
遺跡
663 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 23:03:10.83 ID:lGlQ4aFD0
―テラヌス砂漠


 強化ソリ「」シャーッ


 遠くに見えるオアシス「」ユラユラ


エバンス「んん……? あれは……」

妖精「……! あれは――」

セイン「オアシスモドキだな」

妖精「ああーっ!! 私が言おうと思ったのに!!」

セイン「す、すまない……」

妖精「いやいいけど! とりあえずみんなに催眠解除魔法をかけるよ!」パァァァ―


 遠くに見えるオアシスモドキ(アリジゴクの姿)「」ユラユラ


イリス「うわあ……あんな風に待ち構えてるんだ……」

ミスティ「どうする……? わざわざ近づく意味もないけど……」

イリス「あ待って! あれは――」


 サボテンドラゴン「」ノッシノッシ

 オアシスモドキ「」ユラユラ


ミスティ「サボテンドラゴンが……オアシスモドキに近付いていってるわ!」

イリス「ど、どうしよう!?」

エバンス「……放っておけば良いんじゃないか? 水は足りているし……」

イリス「でも……サボテンドラゴンがオアシスモドキに食べられちゃうかも!」

ミスティ「ど、どうなのかしら……。見た感じはサボテンドラゴンの方が強そうだけど……」

ローガン「もしサボテンドラゴンがオアシスモドキの催眠にかかっているのなら、いかな体格差であろうとオアシスモドキの方が圧倒的に有利だろう……。あの時の我々のように……」

妖精「でもオアシスモドキの毒針ってサボテンドラゴンに効くのかなあ? もし催眠にかかってたとしても、毒が効かなければどっちも決定打を与えられなさそう……」

セイン「……クロシュは、どう思う?」

クロシュ「!」


↓1〜3多数決
1.二体の喧嘩を止めに行く
2.自然の成り行きに任せる
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 23:04:15.23 ID:wpJyyHK8O
1
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 23:04:19.62 ID:tq4pacNDO
1
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 23:04:26.77 ID:Y8mqGtgu0
667 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/22(木) 23:16:17.56 ID:lGlQ4aFD0
クロシュ「えと……妖精さん……。決定打がないと……どうなるの……?」

妖精「んー……オアシスモドキが疲れ果てるまで、サボテンドラゴンをどつきつづけるんじゃないかなあ……。でもサボテンドラゴンもトゲトゲだから、疲れ果てる前に参っちゃうかも……」

クロシュ「……えと……それは……どっちも……美味しくならないって、こと……?」

妖精「美味しく……まあ、そうだね。どっちも美味しい思いをできない、不毛な戦いにしかならない可能性が高いよ」

クロシュ「……」

クロシュ「わたし……止めにいく……」

セイン「!」

ミスティ「えっ、止めに?」

クロシュ「うん……。このまま……疲れるだけなら……。そんな喧嘩、良くない……」

ローガン「なるほど……どちらも捕食できないのであれば、確かにその戦いは不毛だ。それなら初めから戦わないのが一番だろう」

クロシュ「うん……」

ミスティ「なんとなくわかったわ……。よし、進路変更……あの二体の喧嘩を止めに行くわよ……!」グイッ

 *

サボテンドラゴン「〜〜」グルグル

オアシスモドキ「……」チキチキ


 強化ソリ「」シャーッ


オアシスモドキ「!」シャキンッ


スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ!

オアシスモドキ「キシャッ!!」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ…


妖精「交渉決裂! みんな、あいつらを止めて!」

セイン「ああ!」シュバッ


 ――戦闘開始 オアシスモドキ&サボテンドラゴン――


↓1コンマ
01-90 勝利
91-00 会心
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 23:17:02.33 ID:JZiLnrVGo
セインの暴力!
669 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 00:08:13.30 ID:o1pg+Z0X0
セイン「殺すのではなく……止めるんだったな」

 光の残像「」パヒュンッ

 ドガッ
オアシスモドキ「キシャッ…」ドサッ


イリス「え、えええ!? セインくんもう――」


サボテンドラゴン「〜〜!!?」チクチク


妖精「サボテンドラゴンが催眠から目覚めたよ!」

エバンス「おう! 峰打ちだ!」シュバッ

ローガン「多少の痛みは我慢せよ!」シュバッ

 ガッガッガッ!!

サボテンドラゴン「〜〜…」キュゥ…


ミスティ「お、終わったわね……」


 ――戦闘終了――

 *
670 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 00:09:18.89 ID:o1pg+Z0X0
―夕方
 テラヌス砂漠

妖精「良い? あなたが見せられてたのはオアシスの幻覚なの。このでかいアリジゴクが見せた」

サボテンドラゴン「〜〜」ウンウン

妖精「よし、わかったみたいだね。それじゃあもう行きな。太陽の光も前よりは和らいだはずだからさ」

サボテンドラゴン「〜」ウン

イリス「あ、ちょっと待って! 行く前に――それっ!」

 水のシャワー「」シャワーッ

サボテンドラゴン「〜〜〜♪」キャッキャ

イリス「ふふ、でも他の人間はあなたの水を狙うかもしれないから、人間はちゃんと警戒しなきゃだめだよ!」

サボテンドラゴン「〜〜」ウンウン


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

サボテンドラゴン「〜」スッ

 サボテンドラゴンの花「」ピョコン

スライムクロシュ「!」モニョ!

サボテンドラゴン「〜〜」ドウゾ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョニョ

サボテンドラゴン「〜〜」バイバイ


サボテンドラゴン「〜〜」ノッシノッシ…

 ☆サボテンドラゴンの花をもらいました

 *

妖精「さて、サボテンドラゴンは行っちゃったから……」

オアシスモドキ「」グッタリ

イリス「こっちのでっかいアリジゴクだけど……妖精さんは話せるの?」

妖精「虫は無理。サボテンドラゴンはアルラウネみたいなもんだからけっこう話せるけど、虫は多分私たちと根本的な思考体系が異なるからね……。クロシュも全然だめだったみたいだし」

ミスティ「じゃあ……どうする? 放って置く?」

妖精「まあそうするしかないかなあ。サボテンドラゴンはもう行っちゃったから目的は果たせたし」

イリス「わかった。それじゃあ、ちょっとここの砂を使って、即席の器を作って――」サラサラ


 砂の器「」ポン
 水のシャワー「」シャワーッ

 水がいっぱいになった砂の器「」ナミナミ

オアシスモドキ「キシャ…? キシャシャ!」ゴクゴク


イリス「これで良し! 攻撃して気絶させた分はこれでチャラ!」

 ◆
671 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 00:09:59.84 ID:o1pg+Z0X0
というわけで本日はここまでとなります。次回は再び芸術都市に入るところからとなります

砂漠の帰り道も終えるクロシュ一行です。短い間ですがセインくんと一緒に過ごし、いろいろとまた親交を深めたように思えます。またいつか会う日も来ることでしょう、その時まではしばしのお別れとなります

それでは本日もありがとうございました。次回ですが、土日が不明瞭なため、とりあえず代わりに明日(金曜日)の夕方くらいにも更新したい予定であります。よろしくお願いいたします
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 00:51:23.93 ID:eRWsPKvto
おつでした
ドラゴンと言われるもののどことなくかわいいサボテンドラゴンくん、強く生きろ
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 11:25:55.88 ID:pq2Ew1TvO

喰う喰われるの殺し合いはOKだけど不毛な喧嘩はNGという姿勢、クロシュちゃんの優しさと価値観が感じられて良い
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 12:13:25.84 ID:Muw09+7CO

オアシスモドキ実質砂漠編の隠しボスキャラ
675 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 18:41:55.71 ID:o1pg+Z0X0
サボテンドラゴンはドラゴンの形をしたサボテンなので、性格もドラゴンよりはサボテンに近く、普段は温厚でのんびりした性格のものが多いようです
しかしそれでも水不足が深刻になってくると、他の動植物や人間などを襲って水分を得ようとする獰猛さを見せることがあります。ノドの乾きには抗えません

クロシュ氏は、生きるために殺して食うという摂理には肯定的ですが、生存や生命活動とは関係のない争いや殺生には否定的な考えを持っているようです
今回、オアシスモドキとサボテンドラゴンの喧嘩を無理矢理止めたのも、そういう考えに基づいたものだと思われます

実際、オアシスモドキ氏はクロシュ一行を全滅寸前にまで追い込んだ強敵でした。素の戦闘力はそこまで高いわけではないようですが、彼の催眠能力と神経毒の一撃は、無対策であればかなりの格上でさえも殺しうる凶悪な力であります。砂漠で最も危険な魔物という評価は誇張ではないでしょう
676 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 18:42:28.80 ID:o1pg+Z0X0
―芸術都市ミュージア

 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「着いたわ」

セイン「……感謝する。大した礼もできなくてすまないが――」

イリス「ううん、料理を手伝ってくれたり、訓練に付き合ってくれたりしたでしょ? それで十分だよ」

セイン「そうか……。わかった」

ローガン「気を付けてな。セインくんは強いが、まだ若い。我々でなくとも……頼れる大人がいるなら、頼るのが良い」

セイン「……考えておこう」

ミスティ「あまり無茶はしないようにね。……私たちが言っても説得力はないかしら」

エバンス「はは、でも本当に軽率な無茶はするなよ?」

セイン「ああ……ありがとう」

妖精「ま、元気でね。あんまり元気すぎて世界樹の光を持ってかれても困るけど」

セイン「……それはお互い様だな」

クロシュ「……」

セイン「クロシュ……君も、元気で」

クロシュ「……うん! セインさんも……お元気で……!」

 握手「」ギュッ

セイン「また会おう……」

 ☆セインくんと別れました

 *
677 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 18:44:11.92 ID:o1pg+Z0X0
―芸術都市ミュージア
 絵空の家

レーティア「わーお! 皆さんお久しぶり……というほどお久しぶりでもありませんね!」

イリス「あはは、どうも!」

ミスティ「また泊めてもらうわね。今回は一晩だけだけど」

レーティア「一晩だけでも嬉しいですよ!」


芸術妖精「おおーっ!? 久しぶりだねみんな〜!」パタパタ

妖精「わっ! あなたまだこの街にいたの!?」

芸術妖精「いやあ……このままこの街を出ていくのもちょっと後味が悪くてねえ……」

レーティア「そういうわけですから、せっかくなので彼女には復興支援を呼びかける募金箱やポスターのデザインを手掛けてもらってます。外出する時は必ず私も一緒なのでご安心ください」

妖精「そうなんだ……。でも確かに、このまま出てくのが気分悪いってのはわかるかも……」

芸術妖精「でしょ!? 王国の災害支援だけじゃなくて、募金やボランティア希望者も少しづつ集まってきてるんだよ!」

エバンス「おお……! けっこう好調なんだな!」

レーティア「例の日に吹き飛ばされたのが、街の表層部分だけだったのが幸いでした。水道などの地下インフラにはほとんど被害がなかったので、建て直しもそれほど難航しなさそうですよ。ただ……」

ローガン「ただ……?」

レーティア「あの日以降……一部の住民の間に、とある終末論が広がりつつあるようで……。今は直接的な害こそないのですが、もしこれがもっと広がっていくと……復興活動にも支障が出てきてしまうかもしれないんですよね……」

妖精「終末論……? それって、まさか――」

芸術妖精「そう……あのクロシュちゃんの描いた絵だよ!」

クロシュ「!?」

芸術妖精「あれこそが真の正しい世界だから、溶け合って混ざり合うのが正しさなんだって! いつの日か、聖なるデロデロがこの星を覆い尽くして、みんな溶けて混ざってデロデロになって救われる――そういう言説がちょっと流行ってるんだよ!」

ミスティ「え、ええ……」

イリス「それは……ちょっと困りましたね……」

レーティア「フフ、本当にちょっとだけですけどね。直ちに何か問題があるってわけでもありませんし、復興さえすれば後ろ向きな考えも自然と消えていくと思いますよ」

芸術妖精「私はけっこう嫌いじゃないんだけど、街の復興や今後の展望についても考えるとあんまり歓迎すべき思想じゃないのも確かだからねえ」

クロシュ「……」

芸術妖精「あ、クロシュちゃん! 大丈夫だよ、芸術を鑑賞した誰かが何をどう思おうとも、その思いはその人自身が自ら引き出したものなの。芸術は、鑑賞者の奥底にある思いを引き出す切っ掛けに過ぎないんだよ。責任とか感じる必要は一切ないからね?」

クロシュ「あ、うん」


芸術都市の宿(絵空の家)に一泊します。この行動終了後、港湾都市へ向けて出発します
↓1〜3 自由安価 宿泊中何をする?
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 18:45:29.24 ID:cptaIOC30
フラナ・ティセリア・モーリィから芸術都市復興のための支援物資が届く
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 18:47:06.22 ID:carHTBcUo
クロシュがクロシュ内の同化したもの達との対話する
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 18:47:40.03 ID:sWkVVYRrO
レーティアと芸術妖精とイスファハーンの話、雑談
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 18:47:44.69 ID:U8h9ZQ6DO
森妖精の子からもミスティ宛の手紙が届いた
682 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 20:47:23.36 ID:o1pg+Z0X0
 カランカラン

レーティア「おや、またお客さんかな? ちょっと待っててくださいね」スタスタ

ハーピィ記者「どうも! ハーピィ運輸です〜」ニコッ


妖精「げっ!?」

イリス「は、ハーピィ運輸……!?」

ハーピィ記者「……おや? テラヌス・ウルスで内政干渉に大活躍だった復権派の皆さんじゃないですか!!」

妖精「あなたも共犯でしょ!!」

レーティア「わお、お知り合いですか?」

ミスティ「まあ……」

 *

ハーピィ記者「まあかくかくしかじかで、魔族国としても困るわけですよ。例のテロ組織の構成員が魔族ばかりだからって、魔族全体に憎しみを向けられるのはね。というわけで――これです!」

 大きなカバン「」ドサッ

レーティア「何ですか、これ?」

ハーピィ記者「支援物資です。中身は空間を拡張してありますので、お金とか食べ物とか医薬品とか衣類とかいろいろ入ってますよ」

レーティア「……それをなぜ私に? 私はただの宿の主人ですよ?」

ハーピィ記者「ご謙遜を。芸術都市の復興に最も貢献している人でしょう? 王国は信頼できませんがあなた個人であれば信頼できますからね」

レーティア「ああ、なるほど……。わかりました、私が受け取りましょう」

ハーピィ記者「どもども! しっかり『魔族国から』って宣伝してくださいね!」

レーティア「はあ。プロパガンダに加担したくはないのですが、事実は事実ですからね。嘘偽りなく伝えますよ」

イリス「レーティアさん! この胡散臭いハーピィの人はともかく、魔族国の人たちは本当に良い人たちなので……! きっと、本心から芸術都市の復興を願って送ってきてくれたんですよ!」

レーティア「イリスちゃん……。ふふ、わかってますよ。人も魔族も大した違いはありませんからね」

ハーピィ記者「ハーピィの人も胡散臭くないですよ! 本心から復興を願って持ってきました!!」

ミスティ「はいはい。まあ半分くらいは本心だと思ってあげるわ」

 *
683 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 20:49:06.72 ID:o1pg+Z0X0
ハーピィ記者「それじゃ私はこれで! あ、支援物資の中に大陸の情勢をまとめた新聞も入れておいたので、是非お読みくださいね!」

 扉「」ガチャ パタム


イリス「行っちゃった」

ミスティ「あの人、いつも言うだけ言ってさっさと行っちゃうのよね」

レーティア「でも何にせよありがたいですよ。支援物資はいくらあっても嬉しいですから」

妖精「まあそれはそう――ん?」

 ヒュルルッ

風の精霊『あ、妖精いた〜!』ヒュルヒュル

妖精「へ? あなたは緑の国の――」

芸術妖精「わあ、風の精霊だぁ〜」

レーティア「お、精霊さんがいるんですか?」

芸術妖精「うん! 緑の国から来たんだって!」

風の精霊『ティセリアからお届け物〜。ちょっとお外に出てくれる〜?』

妖精「え、ティセリアから?」

芸術妖精「なんだろ!」

 *

―夕方
 絵空の家 玄関前


風船スライム『〜〜』フヨフヨ モニョモニョ
 風船スライムに吊り下げられた大量の物資「」ドッサリ


クロシュ「わあ……!」

芸術妖精「わ、わわ! すごい!」

妖精「ええ……!? 風船スライムと一緒にここまで運んで来たの!?」

風の精霊『うん〜! この風船スライムさんは一時的に精霊化してるから人間には見つからないんだよ〜』

レーティア「え、ええと……何が見えているんです?」

風の精霊『あ、じゃあ下ろすね〜。風船スライムさん、ゆっくり降ろしてくれる?』

風船スライム『〜〜』モニョニョ

 ゆっくり降ろされる大量の物資「」フヨフヨ…ドスン!

レーティア「え……えええ!!? 急に大量の荷物が……!?」

風の精霊『じゃあこれ、街の偉い人に渡してね〜。あ、緑の国からっていうのもお忘れなく!』

芸術妖精「わかった! レーティアに頼んでみる!」

風の精霊『ありがと〜。それじゃ帰ろ、風船スライムさん!』ヒュルル

風船スライム『〜』モニョ

風の精霊『それじゃあばいば〜い! 復興がんばってね〜』ヒュルルッ!

風船スライム『〜〜』フヨフヨ モニョモニョ

スライムクロシュ「〜〜!」ピョンピョン モニョモニョ!



芸術妖精「――というわけで、緑の国からの支援物資だって!」

レーティア「何がというわけなのかさっぱりわかりませんが、とりあえず緑の国からの支援物資ということだけは理解しました」

妖精「ティセリアもなかなか面白い空輸方法を思いつくなあ……」
684 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 20:49:42.06 ID:o1pg+Z0X0
モーリィ「ほう、他からも届いていたのか」バサッバサッ
 モーリィがぶら下げた多くの物資「」ズッシリ


レーティア「こ、今度は一体!?」バッ


星竜の子供「……」バサッバサッ
 星竜の子供がぶら下げた多くの物資「」ズッシリ

溶岩エイ「キュウ、キュウ」フヨフヨ
 溶岩エイがぶら下げた多くの物資「」ズッシリ


妖精「あなたたちは……トコナツ火山島の!」

モーリィ「妖精までいたのか。久しぶりだな」ストッ

溶岩エイ「キュウ!」フヨフヨ

イリス「わあ! エイさんも久しぶりだね!」

星竜の子供「ギャウ……」ジト

スライムクロシュ「…」モニョ…

モーリィ「これ、ドラ子よ。クロシュを恨むのはやめろと言ったはずだ」

星竜の子供「ンギュ……」

モーリィ「恨むのならこの私を恨め。いいな?」

星竜の子供「ギャゥ……」

モーリィ「さて、本題に移るか。我々はトコナツ火山島の者だ。芸術都市の悲劇を耳にし、支援の用意をしてこちらに参った。物資を運び込むのはこちらで構わないか?」

レーティア「あ、はい! そうですね……本来なら役場の方に届けるべきなのですが……今この街は人間以外の種に対する風当たりが強いので、私のところに持ってきたのは正解かもしれません」

モーリィ「そうか……。では、あなたに任せても?」

レーティア「ええ、責任をもってこの街の復興にお役立てしますよ!」

星竜の子供「ンギャギャ?」

モーリィ「妖精たちが共にいる者なら大丈夫だろう。それでは、こちらの荷物はあなたに任せよう」

 トコナツからの大量の物資「」ドッサリ

レーティア「ありがとうございます!」

モーリィ「礼には及ばん。トコナツ火山島を今後ともよろしく頼む。……復興作業なども手伝っていきたいところだが、我々もそこまで余裕はなくてな。すまんが、これだけで失礼する」

レーティア「いやいや、物資を頂けるだけでもすごく助かりますよ! トコナツ火山島の方々からの支援物資、しかとお預かりいたします!」

妖精「ねえ、ところでトコナツ島の方は大丈夫なの? あれから」

モーリィ「我々の方は復興が一段落したところだ。大丈夫でなければ他国の見舞いなどできん」

妖精「そりゃそうか。でも良かったよ」

モーリィ「フッ……トコナツの方にもいろいろと支援があったからな。お陰で迅速に進んだのだ」

レーティア「それは、もしかして魔族国と緑の国から?」

モーリィ「その通り。こちらに届いていたのもその二国からのようだな」

レーティア「なるほど……これはまた、ありがたい話ですね」

モーリィ「ああ、全くな」

 ☆芸術都市に魔族国、緑の国、トコナツ火山島からの支援物資が届きました

 ◇
685 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 20:52:00.71 ID:o1pg+Z0X0
―夜
 絵空の家 ロビー

レーティア「ふう、なぜ私が支援物資の窓口になっているのでしょう……」

妖精「まあ、王国だからねえ。役人なんかよりはレーティアの方が信用できるってのは本当だと思うよ」

レーティア「それは喜んで良いことなのかどうか判断に迷いますね……」

エバンス「そういえばレーティアは金稼ぎの達人なんだろ? イスファハーンについて詳しかったりしないか?」

レーティア「あ〜、まあ、人並み程度ですね……多分」

ローガン「やけに歯切れの悪い言い方だな……」

芸術妖精「レーティアは確か、学生の頃イスファハーンに留学してたんだよね?」

レーティア「そういえばそんな過去もありましたね……」

妖精「へえ……じゃあその金稼ぎの力もそこで磨いたの?」

レーティア「悔しいですけど多分そうですね。本当は芸術の方を学びたかったんですが……まあでも、今こうして肥やした私腹を使う機会も来たりしてますから、なんだかんだで無駄ではなかったと思ってますよ」

妖精「じゃあさ、イスファハーンで大魔女帝国行きのチケットが闇取引されてるって情報を仕入れたんだけど……どこに売られてるか知ってる?」

レーティア「大魔女帝国行きのチケットですか?」


↓1
01-30 知らないですね
31-60 聞いたことならあります
61-90 多分知ってますよ
91-00 良いものを差し上げます
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 20:52:51.02 ID:5TuWBAfkO
良いものだ!
687 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 21:32:02.30 ID:o1pg+Z0X0
レーティア「う〜ん……わかりません。でも闇取引されてるものなんていくらでもある……というか取引されていないものの方が少ないような場所ですから、あるのは間違いないと思いますよ」

ローガン「あるのは確か、か」

レーティア「ええ。でも闇取引は闇取引なので、私としてはあまり勧めたくないですねえ……。良からぬ危険に巻き込まれちゃうかもしれませんし」

妖精「それはまあそうなんだけど……。今から世界各国を行脚して大魔女帝国の大使館を巡ってたら、時間がいくらあっても足りないでしょ」

レーティア「そりゃその通りです。ていうか正規の手段で大魔女帝国入りする人なんてどれくらいいるんですかね……」

芸術都市「私も行ったことないんだよねえ。文化も技術も芸術もかなり発展してるって噂は聞くし、一度くらい行ってみたいなあ」

エバンス「そもそも、大魔女って一体どんなやつなんだ?」

妖精「遥か昔から生き長らえ、あらゆる属性に精通し、あらゆる魔法を使いこなす伝説の魔女……という触れ込みだね。どこまで真実かは知らないけど、大魔女帝国の技術力は本物だよ。テンペスターの機械技術よりもさらに先を行ってる、と思う」

ローガン「テンペスターを上回る技術か……!」

エバンス「なんか普通に楽しみな気がしてきたぞ……!」

レーティア「もし行けたら、お土産話を聞かせてくださいね!」

芸術妖精「大魔女帝国の芸術を教えてね!」

 ◆
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 21:38:22.47 ID:OFdepvBgo
空見上げたら普通に飛んでそう
大魔女帝国
689 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 21:52:21.99 ID:o1pg+Z0X0
―夜
 絵空の家 客室

イリス「……」zzz

ミスティ「……」zzz

妖精「……」zzz

スライムクロシュ「……」zzz

 ◆

―集落

 チュンチュン

クロシュ「……」


メイ841「クロシュ」

クロシュ「!」

メイ841「お疲れさまです。ここは、あなたの夢の中です」

クロシュ「……?」

バーニングスライムの欠片「おはようクロシュちゃん! あ、でも実際にはおやすみなさいなのかな?」

星竜の珠「どちらでも良かろう」

ウニ盾「おはよ、クロシュちゃん……」

クロシュ「あ、うん……。おはよ、みんな……」

踊り子の双剣・姉「ふふ、私たちもいますよ」
踊り子の双剣・妹「使ってくれてありがとね、クロシュちゃん!」

クロシュ「あ、うん……!」

光の精霊「わあ〜大所帯なんだねえ、クロシュちゃんの中って」

クロシュ「ほえ……?」

光の精霊「ふふ、祝福っていうのは精霊自身を分け与えることなんだよ。これからもよろしくね」

クロシュ「あ、うん!」


ウニ盾「ふふ……でも、最古参は、わたし……」

メイ841「ウニ盾さんは最近出番がありません。一番クロシュの役に立っているのはメイドブレードです」

ウニ盾「む……」

バーニングスライムの欠片「いやいや、一番強いのはボクだよ! クロシュちゃんをフメイちゃんと同じ炎属性にして、圧倒的なバーニングパワーで何もかも焼き払えちゃうんだもん!」

星竜の珠「フッ、下らん。貴様らは愚鈍ゆえ気付いていないようだが、竜珠の杖と同化するとクロシュは全ての能力が向上する。つまり最も優れているのは我だ」

踊り子の双剣・姉「わ、私たちも……クロシュちゃんをかわいく綺麗に仕立てて、踊らせてあげることができます!」
踊り子の双剣・妹「そうだそうだ! かわいさこそが一番の正義なんだよ!」

光の精霊「わひゃぁ、クロシュちゃん好かれてるねえ……。まあでも、光速移動っていう最速の移動方法が使えるのは私だけなんだけどね?」

クロシュ「んゅ……」

ウニ盾「クロシュちゃん……わたしが、一番だよね……?」

メイ841「いいえ、一番はメイドブレードです。そうですね、クロシュ」

バーニングスライムの欠片「あはは、一番はボクだよ〜。ね、クロシュちゃん!」

星竜の珠「ハッ、無様な連中よ。最上は聞くまでもなく我に決まっているだろう」

踊り子の双剣・姉「私たちは……一番じゃなくてもいいわ」
踊り子の双剣・妹「でも、これからもかわいく踊らせてよね!」

光の精霊「ふふふ、面白いなあ……。ねえクロシュちゃん、結局一番は誰なの?」

クロシュ「んゅゅ……」

 ◆
690 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 21:52:58.15 ID:o1pg+Z0X0
―朝
 絵空の家 客室

スライムクロシュ「〜〜…」zzz モニョニョ…

妖精「クロシュ……なんかうなされてる……」

ミスティ「何か悪い夢でも見ているのかしら……」

妖精「いや……これは……」

スライムクロシュ「〜〜…」zzz モニャニャ…!

妖精「ふふ、ちょっと嬉しそう」

 ◆
691 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 22:36:28.64 ID:o1pg+Z0X0
―芸術都市
 絵空の家 玄関前

剣舞妹「ちょっと! 来てたのなら言ってよ!!」

エバンス「わ、悪い! でも昨日の夕方来たばっかなんだよ!」

剣舞妹「あ、そうだったの……? ご、ごめん……」


踊り子クロシュ「えと……わたし、踊った……! 剣、ありがと……!」シャラン

剣舞妹「あ、うん……! 使ってくれたんだ、こっちこそありがと……!」

踊り子クロシュ「んへへ……」

剣舞妹「返すのはまだまだ先で良いからね。この前貸したばっかりなんだから、いろんな国に行って、私たちの踊りを見せてあげて!」

踊り子クロシュ「ん!」シャラン


パペットマスター「今回はもう行ってしまうのか。忙しい旅のようだなッ!」

ローガン「うむ……。実際急ぎの旅なのだ、すまぬな」

エバンス「いろいろ決着が着いたらまた来るぜ! あの子のこと頼んだぞ!」

パペットマスター「任せたまえッ! 彼女はボクが一丁前の芸術家に育てあげよう!」

剣舞妹「だからあんたの弟子になった覚えはないってば!!」


レーティア「次は港湾都市で、そこから海を渡ってイスファハーンに向かうんですよね」

妖精「うん。けっこうな長旅になるかも」

芸術妖精「気を付けてね! イスファハーンと大魔女帝国のお土産、楽しみにしてる!」

ミスティ「ふふ、わかったわ」

レーティア「……繰り返しになりますが、イスファハーンは権謀術数渦巻く狂気の都……。迂闊者を叩き落とす奈落の落とし穴がそこかしこで大口を開いていますから、くれぐれもお気を付けくださいね」

イリス「うう……なんか怖くなってきました……」

妖精「わかった。十分気を付けるよ、忠告ありがとう」

レーティア「いえいえ。それではまた!」

 ◆
692 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 22:38:05.89 ID:o1pg+Z0X0
―芸術都市 町外れ

 ワーワー ガヤガヤ

男「真の正しい世界! 真の正しい世界!!」

 シンノタダシイセカイ!! シンノタダシイセカイ!!!!

リュアン「しんの……ただしい、せかい……」ボー

女「導師クロシュ様……どうか我々を、この力なき末人たちをお導きください……」

リュアン「クロシュ、ちゃん……?」

 ヒュオオオオオ――…
 デロデロ…ポン!!
 スタッ―

白い幼女「……」ニコ

 ザワザワ エッエッ マサカ…!

男「ま、まさか……あなた様は――」

女「導師、クロシュ様……!?」

白い幼女「んーん……。クロシュちゃんは、今大事な用事があって動けないから……。代わりに、クロシュちゃんの一番の理解者であり、同じ種の一人でもあるこのわたし……クロシュヴィア・スウィートエンドが来たの」

 ザワザワ… クロシュヴィア…?

クロシュヴィア「みんな……この、苦しみと哀しみに満ちた世界に、疲れ果てているんだよね……。大丈夫……わたしたちが……みんなを、真の正しい世界に導いてあげる……」

 ザワザワ…オオ…オオ…!!

クロシュヴィア「でもね……溶けて混ざってデロデロになるのを、拒む人たちが……救いを拒絶する愚かな人たちが、この世界にはまだ、大勢いるの……。わたしも、クロシュちゃんも……みんな全員、別け隔てなく救いたいのに……ワガママで、困っちゃうよね……」

 ザワザワ… クロシュサマヲキョゼツスルナンテ!! オロカモノタチ!!

クロシュヴィア「だから……協力してくれる? わたしたちの導きが……真の正しい世界が、あまねく世界中に染み渡るように……。誰一人、取りこぼさずに……みんなで、救われるために……。あなたたちも……愚かな人たちを、導いてあげて……!」

 オオ…オオ…!!!! ヤルゾ!! シンノタダシイセカイ!! オレタチガミチビクンダ!!!!

クロシュヴィア「ありがとう……みんなで、目指そうね……真の、正しい世界を……!!」

 ◆
693 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 22:41:38.59 ID:o1pg+Z0X0
ここからセイントレアキャニオン〜王国平原の移動ですが、既に一度行き来した旅路なので、省略するかどうか選択することができます

旅路を省略する?
↓1〜3多数決
1.省略する
2.省略しない
3.短縮する(ランダムイベントと自由安価を1日分だけ行う)
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 22:42:32.97 ID:cptaIOC30
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 22:43:31.13 ID:OFdepvBgo
1
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 22:44:08.30 ID:U8h9ZQ6DO
1
697 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 22:56:42.79 ID:o1pg+Z0X0
―セイントレアキャニオン〜王国平原〜港湾都市

 強化ソリ「」シャーッ―――……

 ☆旅路を省略しました

―港湾都市ウォーターポート

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
魔術書「星の魔力」上  闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      亡国王のペンダント
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花
氷精の魔導書
マジカルブラッドワイン
吸血鬼殺ブラッドワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
魔術書「星の魔力」中
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風になる[3/12](クロシュ)
・魔法[1/6](イリス)
・魔法[3/6](ミスティ)
・氷属[6/8](ミスティ)
・剣技[2/8](エバンス)
・魔法[1/6](エバンス)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
□機械工業都市テンペスター 主要施設
大通り:武具店、雑貨店、機械店、無人食事処、自販機通り、冒険者ギルド、他
裏通り:闇市、薄暗い路地裏、他
沿岸部:港、造船所、コンテナ港、工場地帯、灯台、他
698 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 22:58:47.41 ID:o1pg+Z0X0
―夕方
 港湾都市ウォーターポート 宿屋「旅の船着き場」

宿の看板娘「あー皆さんお久しぶりです!! そ、その……芸術祭では大変なことがあったようで……」

エバンス「おう……あったぜ、大変なこと……」

宿の看板娘「でも皆さんご無事で良かったです!」

ローガン「うむ……」

妖精「一泊お願いできる?」

宿の看板娘「ええ、もちろんです! ゆっくりしていってくださいね!」


ミスティ「ふふ、なんだか懐かしいわ。それほど経ったわけでもないのにね」

イリス「何回か泊まるとやっぱり身近に思えちゃうよね」

妖精「明日からまた船旅だから今日はしっかり休まないとね」

クロシュ「ん!」


港湾都市の宿(旅の船着き場)に一泊します。この行動終了後、イスファハーンへ向けて海へ出ます
↓1〜3 自由安価 何をする?
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 23:00:22.13 ID:vuMdbKkoO
クロシュ、夜釣りに挑戦
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 23:05:54.51 ID:TxmjOPgAO
クロシュ通りすがりのドラゴンを餌付け
イスファハーンへの特急便ゲット
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 23:10:23.30 ID:U8h9ZQ6DO
魔王図鑑を読む
完読するとアリシラ関係のイベントに関わるのかな
702 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 23:16:38.95 ID:o1pg+Z0X0
というわけで本日はここまでとなります。次回はクロシュの夜釣り編、野良ドラ餌付けチャレンジ編、魔王図鑑の続き編です

芸術都市を再び通り、港湾都市へと至ったクロシュ一行です。そして次なる目的地は国際商業都市イスファハーン。イスファハーンでは一体どのような出来事が待ち受けているのか。クロシュちゃんたちは無事に大魔女帝国行きのチケットを手に入れられるのか――

そしてついに暗躍を始めたクロシュヴィア・スウィートエンド氏です。苦しみと哀しみに押しつぶされた人々に囁かれる、とろけるように甘い誘惑。人々の心はどこへ向かうのか。そして、従者を喪い弱り果てているリュアンちゃんの未来は――

なお魔王図鑑ですが、読み進めていけばアリシラさんと似たような症状の魔王が見つかるかもしれません。それがアリシラさんの現状を解決することに繋がるかはなんとも言えませんが、何かのヒントにはなるでしょう。また、もしかしたら魔王図鑑の中には今もまだ生きている魔王が載っていたりもするかもしれないので、それの対策として読む価値も全くないわけではない……かもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回ですが、やはり今回の土日は難しそうなので、次の更新は来週の土日とさせていただきます。よろしくお願いいたします
703 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/23(金) 23:25:57.71 ID:o1pg+Z0X0
よく見たら明日の土曜は更新できそうだったので、明日の土曜は更新できそうです。よろしくお願いいたします
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/23(金) 23:38:51.43 ID:wgVuxR/Wo
おつです
土曜も更新やったぜありがとう

ハーピィ記者(運輸)(ルフ)いいキャラだからパーティ同行チャンス転がってないかな
クロシュヴィア……っ、破滅に向かう宗教は邪悪だって!
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 09:14:55.84 ID:JJLl5hXM0

リュアンちゃんを救えるか否か・・・
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 14:05:13.14 ID:7lo9/2V0O
クロシュヴィアに実力行使されて世界の光奪われるよりはマシか?
フメイセインあたりと実力並ぶか?
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 15:17:51.13 ID:0+18HfHGO
大丈夫?ドラゴン、テロリストだったりしない?
708 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 15:36:34.34 ID:821op0bT0
ハーピィ記者はどこにでも出没する可能性があるので、良いこと(自由安価)で指定すれば同行させることができるかもしれません(道連れ表にないキャラでも、ある程度仲が良ければ同行してくれます)
クロシュヴィア氏は、自分の考えや目的が破滅に向かうものだとは考えていないようです。むしろ彼女にとっては、ようやく見つけた一筋の希望なのかもしれません。クロシュちゃんの描いた絵は、大きな波乱を巻き起こす可能性があるようです

リュアンちゃんは……とてもつらいようです。彼女が真の正しい世界についてどう思っているかは今のところわかりませんが、真の正しい世界を叫ぶ人々は、リュアンちゃんと似た境遇の哀しみを背負っている人が多いのかもしれません。あの場にいれば一人ぼっちになることはないかと思われますが……それがリュアンちゃんの未来にどのような影響を及ぼすかは未知数です

クロシュヴィア氏は風になって広範囲を見渡し、どこにでも飛んでいくことができます。また、他にも様々な極まったスライム能力を有しているようです。素の戦闘力がどれくらいかはわかりませんが、できることはとても多いため、本気で世界樹の光を集める気になったら恐らく誰も勝てません。クロシュヴィア氏が現状世界樹の光を使うことを考えていないのは、溶けるのが嫌な人々にとっては不幸中の幸いであると言えるでしょう
なぜクロシュヴィア氏が世界樹の光という万能の力を使おうとしていないのかはわかりませんが、以前クロシュ氏に言われたことを真面目に受け止めて、今は地道な説得活動に専念したいのかもしれません

野良ドラゴン氏がテロリストかどうかは……わかりません。もしテロリストだったらちょっと危ないかもしれません。気を付けましょう
709 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 15:37:24.46 ID:821op0bT0
―夜
 港湾都市ウォーターポート 埠頭

 ザァーン ザザァーン…

カニ「チョキチョキ」


エバンス「よし、久しぶりに釣りでもするか!」

イリス「良いですね、やりましょう!」

クロシュ「……」

イリス「クロシュちゃんにも教えてあげる! はい、釣り竿!」

 釣り竿「」ポン

クロシュ「あ、うん」


↓1コンマ
01-10 釣れなかった……
11-20 まずい海藻
20-30 うまい海藻
31-40 フヨフヨクラゲ
41-50 ウミタニシ
51-60 ウマアジ
61-70 ウミデメキン
71-80 マグロ
81-90 ウミザリガニ
91-00 ウォーターミズイロガニ
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 15:40:36.56 ID:JJLl5hXM0
711 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 16:03:01.79 ID:821op0bT0
クロシュ「……」

 釣り竿「」ググッ

クロシュ「!」

エバンス「お、かかったな! 引き上げられるか?」

クロシュ「うん……!」

 釣り竿「」グイッ
 ウマアジ「〜〜!」ザバッ ビチビチ

イリス「わあ! 美味しそうなウマアジ!」

エバンス「なかなかの大物だな! よっし、俺も負けてられん……!」

 *

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

エバンス「どうだ? 自分で釣った魚は」

スライムクロシュ「〜〜!」モニョニョ

イリス「多分、美味しいって言ってます!」

エバンス「はは、なら良かったぜ」

 ☆ウマアジを食べて元気になりました
  明日の戦闘コンマに[+10]の加算が入ります

 ◇

―夜
 海岸

 ザァーン ザザァーン…


エバンス「さて、あまり遅くなると明日に響くしそろそろ――」

イリス「あ、ちょっと待ってください! あれ……海岸に何かいます……!」

クロシュ「……!」


ドラゴン?「……」モゾモゾ


エバンス「なっ……こ、こんなところにドラゴンだと……?」

イリス「街の兵士さんに連絡した方が良いでしょうか……?」

クロシュ「……」


ドラゴン?「……」モゾモゾ


クロシュ「おなか……空いてるのかも……」

イリス「そうなのかな……?」

クロシュ「……ごはん、あげてみる」トテトテ

エバンス「あ、おいクロシュちゃん!」


ドラゴン?「……?」

クロシュ「あの……これ、いる……?」

 ウマアジ「」ポン

ドラゴン?「……」


↓1
01-10 わたくしを餌付けとは……面白い!
11-40 無視された……
41-70 威嚇された……
71-90 食べてくれた
91-95 ワイバーンだ!
96-00 海竜だ!
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 16:06:24.35 ID:YHPhKy/YO
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 16:19:25.37 ID:lBzXKWDYo
塩対応…
714 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 17:26:22.20 ID:821op0bT0
野良ドラゴン「……」プイッ

クロシュ「あっ……」

野良ドラゴン「……」zzz

イリス「ね、寝てる……」

エバンス「眼中にないって感じだな……」

クロシュ「え、えと……。でも、ここにいたら……危ないよ……?」

野良ドラゴン『しつこい……。眠いんだから放っておいて……』

クロシュ「んゅ……!?」

野良ドラゴン『あとで食っといてやるから、その魚は置いてってね。おやすみ』zzz

クロシュ「んゅゅ……」

 *

クロシュ「えと……。眠いから、放っておいて、だって……」

エバンス「そうなのか……」

イリス「でもお話できたんだね。そういうドラゴンなら通報はしない方が良いかな……?」

エバンス「ああ。話ができる類のドラゴンなら無駄な破壊活動とかもしないはずだ。朝になりゃどっかに飛んでくだろ」

イリス「そうですね。じゃあそっとしておきましょう!」

クロシュ「ん」

 ◇
715 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 17:26:50.97 ID:821op0bT0
―夜
 旅の船着き場 客室

 魔王図鑑「」

妖精「さて……」

ミスティ「読むのね。手伝うわ」

妖精「いつも悪いね。じゃあお願い」

ミスティ「ええ……」

 ペラッ

 *

「目次」
・絶望の魔王 済
・狂気の魔王 済
・暗黒の魔王 済
・虚無の魔王 済
・夢想の魔王 済
・旋律の魔王 済
・記憶の魔王 済
・雷霆の魔王 済
・巨樹の魔王 済
・海難の魔王
・吹雪の魔王
・双子の魔王
・憑霊の魔王
・永遠の魔王
・水底の魔王

 ペラッ

「海難の魔王」
生前の姿は不明。
とある海域に出現し、通行する船や海洋生物たちを海の底へと沈めた。その体躯は巨大であり、無数の触手に捕らえられた獲物は二度と海上に上がれず、海の底に引きずり込まれて圧殺されたと言われる。その触手の形状から、生前はクラーケンかその近縁種の巨大海洋生物だったのではないかと考えられる。
当時の世に悪名を轟かせていた大海賊と死闘を繰り広げ、最期には共に海の藻屑となった。

「吹雪の魔王」
比較的最近の魔王。生前の姿は不明だが、美しい人型の女性の姿だったため、人か亜人であった可能性が高い。
かつて中央大陸の北部地方を極寒に陥れ、数多の動植物の命を奪った。その影響は今も尚残っており、中央大陸北部地方では今でも他の地域より平均気温が低くなっているという。その危険性、影響力、奪った命の数から総合して、雷霆の魔王と並び最も危険な魔王と称されることが多い。
最期には、一体のバーニングスライムが命と引き換えにこれを討伐した。

「双子の魔王」
生前の姿は不明。双方共に人の子供のように小柄で、瓜二つの姿であったとされる。
二対一組の魔王で、個別には「守護の魔王」と「暴食の魔王」と呼ばれていた。守護の魔王は極めて堅い装甲を持ち、いついかなる時も暴食の魔王を守り続けた。そして暴食の魔王は小柄な体躯でありながら恐るべき食欲を持ち、通り道にある動植物の全てを喰らい尽くしていったという。双子と名付けられてこそいるものの彼らが本当に双子であったかはわかっておらず、近年では元々一体の魔王が役割ごとに分離しただけなのではないかとする説も浮上している。
大陸を横断しながら全てを喰らっていくこの魔王を討伐せんと当時の国々は様々な策を尽くしたもののいずれも失敗に終わったと言われている。しかし最期には数人の英雄たちが挑み、正面から打ち破った。

 *
716 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 17:28:35.99 ID:821op0bT0
妖精「吹雪の魔王と双子の魔王は私も聞いたことがある。どっちもこの大陸に現れた魔王だ」

ミスティ「……私も吹雪の魔王は知ってる……北部地方は私の出身地だもの……」

妖精「……吹雪の魔王がもたらした被害は本当に大きかったんだよね。当時は、あのまま大陸全土が氷に閉ざされるんじゃないかって恐怖が広がってたなあ……」

ミスティ「……でも、バーニングスライムによって討伐されたということは……この頃はまだバーニングスライムたちは絶滅していなかったのね」

妖精「いや……それもちょっと語弊があるというか……。当時は、そのバーニングスライムこそが最期の一体だと思われてたんだよ」

ミスティ「えっ……? それって……」

妖精「……復讐、だったんだと思う。バーニングスライムは……ほとんどが、吹雪の魔王に殺されたんだ」

ミスティ「……そうだったのね……」

妖精「うん。だから、彼が吹雪の魔王と共に蒸発してしまった時に……この世からバーニングスライムは完全に消えてしまったと私も思ってたんだ。でも――」

ミスティ「……いたのよね。レッドという……バーニングスライムの、生き残りが……」

 *

ローガン「双子の魔王は……私の出身国の建国伝説でよく語られていたな。確か、この魔王を討った英雄たちが国を興したとか……」

妖精「あっ、てことはローガンはユーシリア帝国の出身だったの?」

ローガン「うむ。そういえば今まで言っていなかったな」

ミスティ「へえ、ローガンさんはユーシリア帝国の出身だったのね」

ローガン「隠していたわけではないのだが……特に言う機会も必要もなかったのでな」

妖精「てことはローガンの騎士としての技術や作法はユーシリア帝国騎士団のものなんだ」

ローガン「そういうことになる。私が騎士を辞してからもう何年も経っているゆえ、今の内情はわからんがな」

妖精「……まだ調査中だけど、ユーシリア帝国にも世界樹の光が落ちた疑惑があるんだ」

ローガン「なに……?」

ミスティ「え……? でも、ユーシリア帝国で問題が発生してるって話はあまり聞かないわよ……?」

妖精「うん。だからまだ疑惑。真相は今後の調査次第。でももしあそこに落ちてたら頼りしても良い? ローガン」

ローガン「うむ……私にできることであれば、最善を尽くそう」

 ◆
717 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 17:36:54.74 ID:821op0bT0
―朝
 港湾都市ウォーターポート 海岸

 ザァーン ザザァーン…

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


大亀クロシュ「〜〜」プカプカ モニョモニョ

イリス「わあ! 久しぶりの大亀クロシュちゃん!」

ミスティ「またお願いね、クロシュ」

大亀クロシュ「〜〜」モニョニョ


エバンス「ここからイスファハーンまでは、3日くらいだよな確か」

妖精「うん。クロシュの航行速度なら多分それくらい」

ローガン「通常の帆船に比べればやはりかなり速いな。流石だ」

妖精「休み休み行こうね。疲れたら無理しちゃだめだよ、クロシュ」

大亀クロシュ「〜!」モニョ!

 ☆ウォーターポート港から海へ出ます

 ◆

ここから船旅ですが、前回とそれほど代わり映えしない海路なので、省略するかどうか選択することができます

船旅を省略する?
↓1〜3多数決
1.省略する
2.省略しない
3.短縮する(ランダムイベントと自由安価を1日分だけ行う)
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 17:40:39.60 ID:9q31AxbUO
3
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 17:40:53.13 ID:lBzXKWDYo
3
720 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 18:09:05.87 ID:821op0bT0
―国際商業都市イスファハーンへの海路(短縮)

 ◇クロシュ [あかちゃんスライム]
 武:メイドブレード  盾:ウニ盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:竜珠の杖     防:ゴスロリエプロン 飾:

 ◇妖精   [世話焼き妖精]
 武:         盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のレオタード 飾:

 ◇イリス  [星の魔法使い]
 武:精霊樹の杖[改] 盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:魔術師のローブ  飾:

 ◇ミスティ [氷の魔法使い]
 武:魔銀の短剣    盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:精霊のローブ   飾:

 ◇ローガン [鋼の戦士]
 武:鋼の剣      盾:鋼の盾      飾:くすんだ耳飾り
 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子      飾:

 ◇エバンス [地の傭兵]
 武:魔銀の剣     盾:         飾:くすんだ耳飾り
 武:         防:革の鎧      飾:

◯所持アイテム
[道具]        [装備品]       [大事なもの]
運命賽*2       蜘蛛絹の下着      魔族国永久旅券
会心賽*1       ザリガニのお守り    フメイの服の切れ端
反魂丹*2       大きな巻き貝      精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具   大きな軽石       精霊樹の実のジャム
魔術書「星の魔力」上  闇の欠片        精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子     フリルワンピ水着    フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物    魔法学園のスク水    メルルの帽子
魔導飯盒        炎鉱石         溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置   ガラスのザリガニ    暗黒優待券
属性大全        踊り子の双剣      亡国王のペンダント
魔王図鑑        サボテンドラゴンの花
氷精の魔導書
マジカルブラッドワイン
吸血鬼殺ブラッドワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
魔術書「星の魔力」中
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]

◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)

◯経験値
・風になる[3/12](クロシュ)
・魔法[1/6](イリス)
・魔法[3/6](ミスティ)
・氷属[6/8](ミスティ)
・剣技[2/8](エバンス)
・魔法[1/6](エバンス)
721 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 18:10:18.55 ID:821op0bT0
―海


 帆「」バサッ
大亀クロシュ「」スイスイ


イリス「久しぶりの大海原!」

ミスティ「クロシュの背中は揺れも少なくて良いわね……」

分体クロシュ「んへへ……」

妖精「お、分体もすっかり使いこなせてるね」

分体クロシュ「うん……。まだ、同化とかは、できないけど……」

エバンス「同化までできるようになったら強すぎねえか?」

ローガン「我々が以前戦った赤いスライム……あれは、分体だったが同化まで使いこなしていたぞ」

エバンス「う、そういえばそうだったな……。てことはあいつ、本体はめちゃくちゃヤバイんじゃ?」

妖精「エバンスが入る前に一度全滅されかけてるからねえ、あいつの本体には……」

エバンス「マジか」

ミスティ「……でも……レッドから教わった凍結魔法、やはり奴には効果抜群だったわ。付け入る隙はあるはずよ」

妖精「そうだね。まあ……それでも、あんまり出会いたくはないけど……」


↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-40 食料発見(コンマ)
41-60 物品発見(コンマ)
61-80 場所発見(コンマ)
81-00 良いこと(自由安価)
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 18:11:05.82 ID:GHzDuLG1o
はい
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 18:15:43.01 ID:Sh4fIx3uO
724 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 18:22:24.99 ID:821op0bT0
良いことがありましたが……強敵の気配もあるようです
まずはどんな良いことがあったのかからです

↓1 起こった良いこと(自由安価)
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 18:22:34.53 ID:Z39ZO4+DO
レイと遭遇
強敵戦で共闘or何かアイテムをくれる
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 18:22:55.16 ID:JJLl5hXM0
人魚目撃
727 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 18:57:40.77 ID:821op0bT0
―海

大亀クロシュ「」スイスイ


イリス「……ん? 何か泳いでる……」


レイ「」グッタリ
闇の眷属「」スイスイ


ミスティ「あれは……いつぞやの指名手配犯!?」

イリス「ど、どうしよう……!?」

エバンス「……見捨てるってのも寝覚めが悪い! 助けよう!」

ローガン「うむ! では私が救助してこよう!」ピョンッ バシャンッ

 ◇

レイ「はふぅ……た、助けて、いただいて……あ、あれ、あれれれれれ!!!?」ビクッ

イリス「お、お久しぶりですね……」

レイ「あわ、あわわわわ……く、クロシュちゃんは!? クロシュちゃんがなんでいないの!?」アタフタ

大亀クロシュ「〜〜」モニョモニョ

 モニョモニョ…ポン!

分体クロシュ「えと……こんにちは……」

レイ「あああああ〜〜!! クロシュちゃん!」

分体クロシュ「う、うん……」

レイ(はっ……わ、私気持ち悪がられてる……!? どど、どうしよう……!? クロシュちゃんに嫌われちゃったら……)

妖精「取って喰ったりなんかしないから落ち着きなよ。ただの人命救助だからさ」

レイ「は、はひ……」

 *

レイ「はえ〜、国際商業都市イスファハーンへ行くんですか……」

イリス「うん。レイさんは、どうしてまた漂流してたんですか……?」

レイ「どうしてと言われても……逃げてるうちにそうなってたというか……」

ミスティ「そ、そう……」

レイ「あ、あのォ……もも、もしよろしければ、なんですけどォ……」

妖精「いいよ、乗せてってあげても。変なことしないならね」

レイ「!」パァァァ

ローガン「ただし変なことをすればまた海へ逆戻りだ。いいな?」

レイ「もも、もちろんです!! クロシュちゃんに誓って変なことはしません!!!」

分体クロシュ「?」

エバンス「なんでクロシュちゃんに誓ってなんだ……?」

 ☆レイが一時的に同行します

 *
728 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/24(土) 18:58:09.40 ID:821op0bT0

レイ「ああ……クロシュちゃんの上にいるだなんて……私、なんて罪深いことを……」

分体クロシュ「え、えと……大丈夫、だよ……」

レイ「で、でもォ……。私、とっても汚い指名手配女なのに……」

分体クロシュ「きたないの……?」

レイ「うぐゥ…………き……きたない、です……」ジワワ

分体クロシュ「でも……わたしも、砂だらけになったり、するから……平気だよ……?」

レイ「クロシュちゃんんんん!!!」


ミスティ「ねえ……あれ、本当に大丈夫なの……?」

妖精「ま、まあ……悪さしてるわけじゃないし」

イリス「な、なんでクロシュちゃんにだけ態度があんな風なんだろ……?」

エバンス「前に庇ってもらったことに恩を感じてる……とかじゃないか?」


ローガン「……む!!」


ザイル「……先日ぶりだな」バサッバサッ


エバンス「なっ! お前は、テロリストのザイル!!」

ザイル「この海上では空を飛べるオレの方が圧倒的に有利……。貴様らは危険だ、ここで排除させてもらう!」バサッ

レイ「え、えええええ〜〜!? てて、テロリスト〜!!?」

妖精「くっ……!」


↓1〜3多数決
1.受けて立つ!(戦闘コンマ:ウマアジ+10、レイ+30)
2.ペンダントを人質に取る
3.ペンダントを返す
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 18:59:05.17 ID:oaJoK6+Ko
強敵アンタかよ!?
3で
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 19:00:17.74 ID:Sh4fIx3uO
3
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