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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part3
- 510 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/16(金) 22:06:41.33 ID:93vWnxL80
- カッ
ボンッ!!!!
ザイル「チッ……!」バッ
フメイ「逃さない!」バッ
カッ!
カッ!
ドガァァァァンッ!!
ドガァァァァンッ!!!
ザイル「なんて火力だ……! もう既に星の力を会得しているのか……!?」
妖精「ううん。星の力を使っていたら、あんなものじゃ済まない」
ザイル「なんだと……? では、あの力はつまり――」
砂に埋まったアリシラ「――愛!!!!」
カッ!!
ドガァァァァァァンッ!!!
ザイル「ぐっ!!」ドゴオンッ ゴロゴロ
エバンス「まともに入ったぞ!」
ローガン「あれの直撃を受けてまだ動けるのか……!?」
イリス「……と、とにかく今はあの人をやっつけなきゃ!」スッ
ミスティ「ええ……世界樹の光を、テロリストなんかに渡すわけにはいかないわ……」スッ
ザイル「フッ……嫌われたものだな」
炎メイド剣士クロシュ「……」シャキンッ
ザイル「炎の剣士……そうか、君はスライムなのか。では、あの絵もその力で描いたのか?」
炎メイド剣士クロシュ「……ううん。あれは……わたし自身が、描いた景色……」
ザイル「フ……ククク、そうか……! ならば大望を抱く者同士、死合うしかないというわけだ……!!」
フメイ「……死ぬのは、お前一人……!!」チリチリ
↓1コンマ(光精の加護+20、フメイちゃん+30)
01-20 痛恨
21-80 劣勢
81-95 優勢
96-00 会心
- 511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/16(金) 22:07:07.71 ID:RIaRiNjz0
- お
- 512 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/16(金) 23:19:35.26 ID:93vWnxL80
- 炎メイド剣士クロシュ「!」シュバッ
赤熱メイドブレード「」ブォンッ!!
ザイル「!」ギンッ
炎メイド剣士クロシュ「フメイちゃん! 今のわたし、ほのお!」
フメイ「! わかった!」チリッ
ザイル「なにっ!?」
カッ
ドガァァァァァァン!!!
ザイル「ぐ、う……! まさか、スライムごと……!」ググッ
炎メイド剣士クロシュ「今のわたし、バーニングスライムで――」クルンッ デロッ
炎踊り子剣士クロシュ「踊り子だもん!!」ポンッ シャシャッ!!
赤熱踊り子ブレード「」シャッ
赤熱踊り子ブレード「」ゴウッ
ザイル「うおおお!!」ガギンガギンッザシュッ!
エバンス「俺たちもいるぜ!」シュバッ
ローガン「いかに魔族の王と言えど、多勢に無勢は辛かろう!!」シュバッ
シュババッ
ガギンガギンガギンッ
ザイル「ぬううう……!!」
ミスティ「今よ! 凍れ!」ギンッ
凍り付くザイル「!?」ガギンッ
イリス「そこ!! 星の力よ!」カッ
星弾「」バキュウンッ!!
凍り付くザイル「ぬおおおおお!!!」グググッ バギャッ
サッ!!
ミスティ「嘘でしょ!? 凍ってる体を無理矢理動かしたりなんかしたら――」
血「」ドクドク
ザイル「クッ……ククククッ……!! 侮っていた……!! まさかこれほどのパーティだったとは!!!」ニヤッ
妖精「降参しな。さもなくば首だけ取って王国に売り飛ばすよ」
ザイル「フッ……それだけは死んでもゴメンだな。しかし分が悪いのは十分に理解した……この光はお前たちにくれてやる!」
妖精「いや、元々あなたのものじゃないんだけど……」
ザイル「いいや、この光は間違いなくオレの……フッ、下らん戯言だ。忘れろ。だが次の光は、必ずや我らシノホシが頂いていく……!」
妖精「次なんてない。あなたは降参してお縄につくの。まあ王国は勘弁してやるけど――」
ザイル「はぁっ!」
光「」カッ!!!
妖精「うわっ!!」
イリス「ま、まぶし――」
ローガン「ぬかった!!」
ザイル「ではさらばだ……! 力ある者たちよ、次の邂逅を楽しみにしているぞ……!」シュバッ バサッバサッ
――戦闘終了――
- 513 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/16(金) 23:21:04.36 ID:93vWnxL80
- ―古テラヌス王家の石室 踏破率[10/10] 持久力[10/10]
古代王のミイラ「」プスプス
世界樹の光「」ポウ…
妖精「よし……回収完了! これを、私の体を通して星に返還すれば――」スゥ―
イリス「……あっ! なんだか……光属性の力が、じんわりと星の内側に溶け込んでいく気がする……!」
ミスティ「えっ、イリスそんなことがわかるの?」
イリス「う、うん。あっ! ミスティの耳飾りが――」
くすんだ虹晶の耳飾り「」スゥゥ―
仄かに光る虹晶の耳飾り「」ポウ―
イリス「星に流れる光属性に反応して、光を取り戻したみたい……!」
ミスティ「……私だけではないわ。あなたのも……パーティみんなのも、同じみたいよ」
エバンス「おっ……? 本当だ、ローガンの旦那のも光ってるぞ」
ローガン「う、うむ……少し派手になりそうだな、これは……」
☆世界樹の光[光属性]を星へ返還しました[1/5]
- 514 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/16(金) 23:22:00.46 ID:93vWnxL80
- アリシラ「も〜……フメイちゃん、どうしてみすみす星の力を渡しちゃったの?」
フメイ「……ごめん。でも……フメイ、光属性の力は扱えなかったと思う……」
アリシラ「……それもそっか。じゃあやっぱり今後の星の力は、なんとかして私が食べてくしかないなあ……」
妖精「……諦めてくれないの?」
アリシラ「当然でしょ〜? 星の力があればあるほど、私たちの目的が達成しやすくなるんだもの」
フメイ「……」
クロシュ「フメイちゃん……」
フメイ「……クロシュ。ありがと……。強くなったね……」
クロシュ「……! う、うん……! わたし……つよくなった……! だから……もう、フメイちゃんに、守られるだけじゃ、なくて……!」
フメイ「でも……さっきのテロリストみたいに……悪いやつはまだまだ、この世界にいっぱいいる……」
クロシュ「あ……」
フメイ「フメイたちは……そういう奴らを綺麗に掃除して、住みやすい世界を作りたいだけ。だから……大丈夫」
クロシュ「……」
フメイ「……クロシュも、強くなったからってあんまり無茶しちゃだめだよ……? 綺麗になった世界に、クロシュがいなかったら……絶対、だめだもん」
クロシュ「……フメイちゃんも……」
フメイ「…………うん……」
アリシラ「さて、じゃあもう行こっか。次の世界樹の光を探しにいかなっきゃ!」
フメイ「……うん」
アリシラ「でもやっぱりクロシュちゃんと一緒にいたいんでしょ?」
フメイ「……フメイには、やるべきことがあるから」クルッ
クロシュ「あっ……」
アリシラ「うふふ……それじゃあ私たちはもう行くねぇ。クロシュちゃんとそのお仲間さんたちもお元気で」ヒラヒラ
フメイ「クロシュ……またね」タンッ
ボンッ!!
アリシラ「うふふ、最近私もできるようになったんだよねえ〜」タンッ
ボンッ!!
煙「」フワリ…
クロシュ「またね……フメイちゃん……アリシラさん……」
――古テラヌス巨大墳墓 踏破完了――
↓1コンマ ダンジョンクリアボーナス
01-60 光精の祝福
61-90 ↑+亡国王のペンダント
91-00 ↑+黄金のカニ飾り
- 515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/16(金) 23:23:13.85 ID:SX3k1aGEO
- や
- 516 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/16(金) 23:32:24.26 ID:93vWnxL80
- 光精の祝福とテロリストの落としもの拾得が決まったところで本日はここまでとなります。次回、その頃テラヌス・ウルスでは――編からとなります
無事に巨大墳墓を攻略し、今回はちゃんと世界樹の光を星へ還すことができたクロシュ一行でした
途中テロリストの親分の襲撃があったりなど驚きの事態にも遭遇しましたが、フメイちゃんの協力もあって難なく撃退することができたようです
これは余談ですが、最初の古代王ミイラさんとの戦いで一度でも劣勢になった場合、フメイちゃんが星の力を解放していました。そうなってしまうといろいろ大変なことになってしまっていましたが、幸いそうはならずに済んだようです。今回は探索も戦闘もすんなり上手くいく一日でした
それでは本日もありがとうございました。次回、明日も多分更新できると思います。よろしくお願いいたします
- 517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 00:00:00.99 ID:AeoSV74jo
- 乙乙
フメイいればもう無敵よ
- 518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 00:46:37.98 ID:bXQwpzHRo
- おつでした
- 519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 00:49:05.95 ID:bXQwpzHRo
- フメクロが接種出来てコンマ神もご機嫌だったな
……やっぱりフメイちゃんと一緒にいるのがクロシュちゃん一番力出せるのかなぁ、でもはじめからフメイについて行ってたら弱々赤ちゃんスライムのままだったろうな
- 520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 07:36:54.13 ID:cLXN607B0
- 乙
メルルちゃんが向かったのはこの遺跡じゃなかったのかな
- 521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 12:15:17.27 ID:VsXB5UdgO
- シノホシは仲良く一緒に行動してるわけじゃないのか
- 522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 12:29:59.28 ID:AxFZ2/DQO
- 今回はクロシュヴィアあたりに星の光横取りされると思った
- 523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 12:43:20.60 ID:BqQDY2HDO
- >>487のコンマが90以下だったり、>>488でフメイとアリシラじゃなくてレイやセインが選ばれていたなら戦うボスもザイル以外のキャラになってたのかな
- 524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 13:55:55.61 ID:iy5XNIVX0
- 乙
シノホシのメンバーでセレスティアとアウル、フレメアとレインで行動していたからザイルとの戦闘の時にザイルは誰か一緒にいるのかなと思った。
- 525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 15:05:08.62 ID:fapeNGFjo
- シノホシの求心力ってどこにあるんだろ
セレスティアやフレメアは仲間意識希薄そうだし
- 526 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 17:29:00.44 ID:piF+KX1B0
- フメイちゃんは実際とても強いので、共闘できればとても心強いです。アリシラさんのように変な悪巧みもあまりしないので安心です。ただ、クロシュちゃんやアリシラさん以外の人が話しかけると少し機嫌が悪くなります(特に人間)。知らない人に対する警戒心が強いのかもしれません
クロシュ氏は、フメイちゃんと一緒にいるときはいつもよりイキイキしているように見えます。それは戦いの場でも同様のようです。いつも守られるばかりだったクロシュ氏にとって、フメイちゃんと共に戦えるのは嬉しいことなのかもしれません
初めからフメイちゃんに付いていった場合、クロシュ氏がどのようになっていたかはわかりません。フメイちゃんに守られるばかりのよわよわあかちゃんスライムのままだった可能性は実際けっこう高いかもしれません。しかしクロシュ氏はポテンシャルで言えば輝きを秘めうるスライムなので、フメイちゃんの考えに同調してすごい変化を遂げていた可能性もあります。それが良い変化と言えるかどうかは意見がわかれそうです
メルル氏が向かったのは、どうやらこの遺跡ではないようです。テラヌス砂漠には他にもいくつかの遺跡があるので、そのどれかに向かったのだと思われます。なおテラヌス砂漠の遺跡には、巨大墳墓よりもさらに危険で忌まわしき怨念のはびこる呪われた大遺跡があるという噂もあります。とてもこわいです
シノホシの構成員たちは、普段はそれぞれ別行動を取っていることが多いらしく、先日の芸術都市での大規模テロのように集まることの方が珍しいようです
シノホシは世界樹の光を探知する術がクロシュ一行やアリシラや王国よりも乏しいので、構成員の一人一人が足で探し回っているというちょっと大変な事情があります。しかも構成員の何割かは不真面目なので、光探しは難航しているようです
クロシュヴィア氏はまだ高みの見物をしているようです。実際のところ、クロシュヴィア氏が真面目になってしまうと割とどうしようもないくらい簡単に星の力取られかねないのですが、さいわい今のところクロシュヴィア氏はそこまで熱心ではないようなので、彼女が真面目にならないうちに急ぐしかありません
>>487などでフメイちゃんたちが仲間になっていなかった場合でも、今回登場していたのはザイル氏でした。今回の星の属性が光だったため、同じく光属性を得意とするザイル氏が探知に成功して駆け付けてきたという経緯があります
とはいっても、もしフメイちゃんのような強力な助っ人が現れなかったり、光精の加護がなかったりした場合、とても分の悪い戦いになっていたため、流石にそれはひどいので何らかの調整措置が講じられていた可能性はあります(逆にフメイちゃんと加護のお陰で、今回はザイル氏にとってひどい展開だったかもしれません)
芸術都市編では二人組行動をしていたシノホシの方々ですが、いつもそうしているわけではないようです。一緒に行動する必要があれば一緒に動き、そうでなければその時の気分で動く、といった感じかもしれません。ちなみにザイル氏は他の構成員よりも単独行動が多いそうです
セレスティア氏は強いやつと戦えれば何でも良い感じの人なので、構成員が軒並み強くて王国の強者たちと戦う機会もあるシノホシでの仕事は割と気に入っているようです。忠誠心とかはたぶんありません。王国への復讐やら亡国の再興にも興味はないと思われます
フレメア氏も忠誠心とかはたぶんありませんが、気が狂って荒野をフラフラしていたところをザイル氏にひっぱたかれて正気に戻った経緯があり、その義理でシノホシに入ってやったそうです。彼女自身は正気に戻せなんて頼んでないと悪態をついていますが、実際のところ発狂している間は最悪の気分らしく、言葉にこそしないもののザイル氏にはちょっと感謝しているようです。また、文句を言いながらもちょっと気にかけてくれるレイン氏や、反応が面白い年下のイケメン狐に、破壊衝動に駆られても真っ向から受け止めてくれるセレスティア氏など、他の構成員たちのこともまあまあ気に入らなくもないようです。王国への復讐やら亡国の再興には興味がないと思われます
- 527 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 17:29:28.91 ID:piF+KX1B0
- ―夕方
古テラヌス王家の石室
クロシュ「……?」
落ちている何か「」キラキラ
クロシュ「……」トコトコ ヒョイ
血塗れのペンダント「」キラキラ
妖精「……ん? なにそれ、落ちてたの?」
クロシュ「うん……。たぶん……さっきの人の……」
妖精「テロリストの落とし物……? そんなもの捨てちゃいなよ、変に狙われたら最悪だよ」
クロシュ「でも……困ってるかも……」
イリス「それ、ロケットペンダントだね。開閉式の」
エバンス「ロケットペンダントって、恋人とかの肖像を入れとくやつだよな? てことは……」
ミスティ「シノホシ首領の……恋人の肖像が……?」
ローガン「……ふむ……。リーリアの国王に、妃はいなかったと記憶しているが……」
ミスティ「国が亡んだ後に、恋人ができた……とか……?」
エバンス「国王たるもの、本妻はいなくても妾の三人や四人くらいいたのかもしれんぜ」
イリス「うう、なんだか聞き心地の悪い話です……」
妖精「高い身分の男は大体そんなもんだよ。人だろうと魔族だろうとね」
ミスティ「……やっぱり、妖精やスライムの方が良いわね……」
- 528 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 17:29:58.26 ID:piF+KX1B0
- クロシュ「……」
血塗れのペンダント「」パカッ
イリス「あ、開けちゃった……!」
クロシュ「えっ……! だ、だめ、だった……?」
イリス「う、ううん! だめじゃないよ、多分……!」
ミスティ「どうせ今はもうテロリストなんだしね。どれどれ、大犯罪者の想い人のご尊顔は……」スッ
エバンス「ミスティちゃんって、なんというか……けっこう思い切りが良いよな! よし、俺も見るぞ!」ヌッ
ローガン「はは……まあ、ほどほどにな」
妖精「全く……まあでも、もし次に遭遇した時にちょっとした精神攻撃くらいには使えるかもしれないし、一応私も見とくか」スッ
血塗れのペンダント『優しい表情をした少女の肖像』パカッ
クロシュ「わあ……」
妖精「……普通の女の子だね」
エバンス「恋人にしちゃちょいと幼すぎるな……」
ミスティ「名前が彫られてるわ。これは……リーリア……?」
イリス「えっ……? リーリアって――」
ローガン「……王国に滅ぼされた国の名だな……あの男が治めていた」
イリス「どういうことだろう……? 国と同じ名前の女の子を好きになった……?」
エバンス「自分が治めていた国に見立てた架空の女の子……とかじゃないか? 恋人っていうよりは娘だな」
妖精「あの亡国王がそんなロマンティックなことするかなあ……」
ミスティ「……人には見せてこなかっただけで、そういうロマンティックな趣味があったのかもしれないわ……」
妖精「それは確かに否定できないけど……」
イリス「自分が治める国を、愛する一人娘に見立てる国王様かあ……。ふふっ、私そういうの好きかも!」
ローガン「フッ……もし本当にそうだったとしたら、見掛けによらないものだな」
妖精「今や大陸を揺るがすテロリストだけどね」
クロシュ「……」
クロシュ(王国の……悪くない人たちまで巻き込んで、酷いことをした人だけど……)
クロシュ(自分の国のことは……とっても、大事にしてたんだ……)
☆亡国王のペンダントを拾いました
*
- 529 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 17:30:58.24 ID:piF+KX1B0
- 一方その頃――
―テラヌス・ウルス宮殿
議事堂
ヨードリー「昨日再開した水脈についてだが、調査の結果水質に問題はなく、生活用水として十分に利用できることが判明している」
リアンノン「……」ゴクッ
ヨードリー「これにより我がテレス族では、非人間排斥法案は保留すべきとの意見が多数となった。私自身も同じ考えだ。他の首長たちはどうか?」
ザワザワ…
リアンノン「……私たちは以前と同様、非人間排斥法案には反対の立場です」
A部族の首長「あたしらも、水さえあるなら排斥の必要はないと考える」
B部族の首長「水があるんなら、わしも反対じゃ。魔族たちにゃ小さい子もおるでのう……」
C部族の首長「オデらも、保留……」
ミラ「ま、待ちなさいよ!! 一度枯渇した水脈なんて信用ならない! その水がこの先ずっと流れ続ける保証はあるの!?」
ザワザワ……
ラハニ四世「……」フム
ヨードリー「確かにあの水脈が枯渇しない保証などどこにもない。来年か、あるいは来月か、あるいは明日にでも、また枯れてしまうかもしれぬ」
ミラ「そうでしょ! だったら――」
ヨードリー「だが、今は流れている」
ミラ「!!」
ヨードリー「例え未来に枯渇する時が来るとしても……今この時、慌てて人間以外を排斥する必要はないのだ。枯渇したら、その時にまた審議を行えば良い。」
ミラ「でも……魔族なんて、いない方が……!!」
ザワザワ…
ヨードリー「……スピーゲル族の首長、ラハニ四世よ。そなたはどうか?」
ラハニ四世「………フッ。今回の審議、わしらスピーゲルは棄権させてもらおう」
ミラ「おじい……首長!!」ガタッ
ラハニ四世「ミラよ。気持ちはわかるが抑えよ。どうすればこの国の未来が最も輝くか――それを考えるのだ」
ミラ「うっ……うっううっ……!! おじいちゃんの馬鹿ァー!!!」ダンッ タッタッタッ
ガチャッバタンッ!!!
ラハニ四世「……」
ヨードリー「……ラハニ四世、ミラは――」
ラハニ四世「……神聖な議会であのような狼藉をさせてしまい、すまぬ。あやつに政治は向いておらんかったのだ」
ヨードリー「いや、構わない……。それでは決議を行う。今回の非人間排斥法案は――」
カッ――
ドガンッ!! ドガァン!!
キャァァァァ!!!! ナンナンダアアアア!!!? タスケテクダサイ!!! ウワー!!!!
ヨードリー「なんだ!?」ガタッ
ガチャッ!!!
テラヌス兵「審議中に失礼します!! 先日のミイラが、また来ました!!」
ヨードリー「!? 審議は一時中断! 戦える者は救助と応戦に出よ!!」シュバッ
リアンノン「は、はい! 私も行きます!!」バッ
ラハニ四世「ぬう……! わしも出るぞ!」バッ
◆
- 530 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 17:32:16.38 ID:piF+KX1B0
- ―夕方
テラヌス・ウルス市街
光のミイラ「キェアアアアア!!!!」パヒュンッ
光のミイラ「キェアアアアア!!!!」パヒュンッ
光のミイラ「キェアアアアア!!!!」パヒュンッ
光のミイラ「キェアアアアア!!!!」パヒュンッ
光のミイラ「キェアアアアア!!!!」パヒュンッ
光のミイラ「キェアアアアア!!!!」パヒュンッ
光の巨大ミイラ「ギェ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」パヒュンッ ドズンッ!!!
光の巨大ミイラ「ギェ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」パヒュンッ ドズゥンッ!!!
光の巨大ミイラ「ギェ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」パヒュンッ ドズゥンッ!!!!
光のドラゴンミイラ「ギェ゙ア゙オ゙オ゙オ゙オ゙ン゙!!!!」パヒュンッ バサッバサッ
光のドラゴンミイラ「ギェ゙ア゙オ゙オ゙オ゙オ゙ン゙!!!!」パヒュンッ バサッバサッ
ヨードリー「なんて数だ……! 以前とは比べ物にならんぞ……!!」
リアンノン「あ、あの空を飛ぶ巨大なミイラは……!!?」
ラハニ四世「……飛竜を模したミイラじゃな。何にせよ――わしらには迎え撃つ以外の選択肢はない!」
金細工の双剣「」シャキンッ!
*
- 531 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 17:33:15.55 ID:piF+KX1B0
- ―古テラヌス王家の石室
妖精「さて、とりあえず上手くいったことだしテラヌス・ウルスの街に戻ろう!」
ミスティ「ええ。……私たちも、亡国王やフメイたちみたいに、あの吹き抜け天井から外へ出られないかしら……」
妖精「流石にちょっと高いなあ……。でもまた墳墓の中を通っていくのも大変だし――」
光の精霊『わわわわ! 大変大変!! 人間の街が大変!!』パタパタ
妖精「えっ!? どういうこと!?」
イリス「よ、妖精さん?」
妖精「光の精霊が何か言ってるの!」
光の精霊『人間の街にミイラたちが押し寄せてるみたい!!』
妖精「えっなんで!? ミイラの親玉はやっつけたのに!?」
光の精霊『事切れる間際に召喚したみたい! みんな光になって街に行っちゃった!!』
妖精「ええええ!? そ、それじゃあ街は――」
光の精霊『大変みたい!』
妖精「ああ、くそっ! 急いで戻るよみんな! テラヌス・ウルスの街が光のミイラ軍団に襲撃されてるんだって!」
エバンス「な、なんだと!?」
ローガン「しかし、ここからではどれほど急いでも……!」
光の精霊『光送りする?』
妖精「あ、うん! お願い! 外のソリも一緒に!」
光の精霊『わかった!』キラキラ
ミスティ「え、今何をお願いしたの――」
光の精霊『みんな、光になあれ――』キラキラキラ
カッ――
*
- 532 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 17:33:47.06 ID:piF+KX1B0
- ―夕方
巨大墳墓 上空
ヒュオオオオオオ――…
パッ
クロシュ「……!?」
イリス「えっ」
ミスティ「な、なななっ……」
エバンス「おあああああ!!!?!!?」
ローガン「な、何がどうなって――」
妖精「だ、大丈夫! みんなちょっと我慢してね!」
光の精霊『次いっくよー』キラキラキラ
カッ
*
―巨大墳墓前
パッ
クロシュ「!!」
イリス「こ、これって――」
ミスティ「まさか、私たち――」
エバンス「光になって、瞬間移動してんのか!?」
ローガン「そ、そんなことが――」
妖精「大丈夫! あと何回かで終わるはずだから!」
強化ソリ「」
光の精霊『ソリってこれだよね。一緒に送るね。次いくよー』キラキラキラ
カッ
*
パッ
パッ
パッ
パッ
*
―夕方
テラヌス・ウルス正門前
パッ
クロシュ「んゅゅっ……!」トサッ
イリス「ううっ!」ドサッ
ミスティ「いたっ……!」ドサッ
エバンス「っつ!」ドサッ
ローガン「ぬう……!」ドサッ
妖精「っとと!」パタパタ
光の精霊『ごめんね、光って真っ直ぐにしか走れないから微調整が難しくて……』
妖精「ううん、助かった! ありがとう!」
光の精霊『うん。がんばってね。あそうだ……クロシュちゃん!』
クロシュ「ほえ?」キラキラ
キラキラ…ポン!
光クロシュ「わあ……」キラキラ
光の精霊『私たちの祝福、あげる。いつでも光のスライムになれるよ』
光クロシュ「うん……! ありがと……!」キラキラ
☆クロシュが光の祝福を受け、いつでも光スライムに変化できるようになりました
光スライムになっている間、お腹がとても減ります
*
- 533 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 17:45:50.73 ID:piF+KX1B0
- ―テラヌス・ウルス市街
キェアアアアアアア!!!!
ウワアアアアア!!!!
タスケテクダサイ!!! アアアアア!!!!!!
テラヌス兵A「おおおお!! 民を守れ!!」ザザッ
市民の男性「兵士さんが来てくれたぞ!!」
市民の女性「助けてください!! お願いします、お願いします!!」
テラヌス兵B「おお! 今の俺たちは腹いっぱい水を飲んだからな!!」ザッ
テラヌス兵C「やってやんぜ!!」ザッ
トカゲリアンノン「私も……この街を守る……!!」ググッ
ラハニ四世「斬り込みはわしらに任せよ! 議長は避難誘導を頼む!!」シャキンッ
ヨードリー「すまない、住民の避難が済み次第すぐに合流する!!」シュバッ
――テラヌス・ウルス防衛戦 光のミイラ軍団――
↓1コンマ
01-60 劣勢
61-90 優勢
91-00 ??
- 534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 17:47:16.08 ID:QlJVJL0BO
- ??
- 535 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 18:28:57.50 ID:piF+KX1B0
- 光のミイラ剣士「」パヒュンッ
テラヌス兵D「なに!? こいつ剣を持って――」
光のミイラ剣士「キェアアアアアア!!!」ブオンッ!
テラヌス兵D「ぐあっ!」ズバッ
トカゲリアンノン「このお!!」シュバッ ズガンッ!!
光のミイラ剣士「キェア…」グチャッ
テラヌス兵D「す、すまねえトカゲさん!」
トカゲリアンノン「リアンノンです! 一緒に戦います!」
テラヌス兵D「おお……!」
*
光のミイラ「キェアアアアアア!!!!」ジリジリ
猫耳の褐色少女「ひっ……! お、おねえちゃ……たすけ――」
ラハニ四世「ぬう!」シュバッ
ザシュッ!!
光のミ/イラ「キェア…」バタッ
猫耳の褐色少女「あっ……」
ラハニ四世「無事かい、お嬢ちゃん」ニッ
猫耳の褐色少女「は、はい――あっ、おじいさん後ろ!!」
ラハニ四世「!?」バッ
光のミイラ剣士「」パヒュンッ グオッ
ラハニ四世(しくじったか。この態勢からでは避けられん――)
ラハニ四世(だが猫人の子を守って死んだとなれば、スピーゲル族の名誉回復にもなろう。あとはミラのバカタレが心残りじゃが――)
ガギィィィーン!!!
光のミイラ剣士「キェアア…!!!」ギギギギ
ラハニ四世「なぬ……!? 彼奴の剣が、わしの寸前で止まっておる――」
ベスティア「大丈夫ですか、ラハニ四世!」シュタッ
ラハニ四世「お主はホトルス族の!」
ベスティア「はい! ……あの子を守ってくれたんですね」
猫耳の褐色少女「おじいさん……! おねえさん……!」
ラハニ四世「フッ……」
ベスティア「共に戦いましょう! 私は結界を用いた防御が得意なので、ラハニ四世は攻撃に専念を!」
ラハニ四世「応!!」シャキンッ!
*
ヨードリー「避難はこんなところか……。戦況は……芳しくないようだな」
アニス「ヨードリー! 西門からの攻撃が激しいの! 増援を頼める!?」タタッ
ヨードリー「くっ……激しくない場所などない! 私が向かう!」シュバッ
アニス「ありがとう! 私も行くわ!」タッ
*
- 536 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 18:29:36.76 ID:piF+KX1B0
- ―テラヌス・ウルス市街
シミンヲマモレ!! キェアアアアアア!!!
エバンス「くっ……! なんて混沌とした状況だ!」
ローガン「こうなっては陣形もクソもあるまい! 目についたミイラを片端から撃破していくぞ!」
ミスティ「氷の刃で切り刻むわ……!」コォォ―
イリス「炎をエンチャントします!」ゴウッ
妖精「クロシュは炎の力で遊撃! 雑魚には剣、大型には魔法で!」
炎クロシュ「ん!」チリッ
↓1コンマ
01-45 劣勢
46-75 優勢
76-00 ??
- 537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 18:31:19.34 ID:R+W55TmAO
- あ
- 538 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 19:41:39.97 ID:piF+KX1B0
- オアアアアア!!! キェアアアアア!!!!!
タスケテクレエエエエ!!!
ナンテコトダ キェアアアアアアアア!!!!!
ミラ「何なのよこれは!!! なんでまたミイラが攻めてきてるのよ!!?」
光のミイラ「」パヒュンッ
光のミイラ「」パヒュンッ
光のミイラ「」パヒュンッ
光のミイラ「」パヒュンッ
ミラ「どいつもこいつも……私の邪魔ばかりして……!!」イライライライラ
カッ!
分身ミラ「」ポン!
ミラ「死体モドキどもが、このミラ様に楯突くんじゃないわよ!!!」シャキンッ
分身ミラ「」シャキンッ
シュバッ
シュバッ
ズババババッ
ズババババッ
光のミ/イラ「キェア…」バタッ
光のミイ/ラ「キェア…」バタッ
光のミ/イラ「キェア…」バタッ
光のミイ/ラ「キェア…」バタッ
ミラ「あっははははは!! 雑魚ばっかじゃない!! この程度の分際で――」
ズバッ
ミラ「あぐっ……!?」ブシュッ
ズバッ
分身ミラ「」シュウン―
光のミイラ剣士A「キ」ケタケタ
光のミイラ剣士B「キキ」ケタケタ
ミラ「……こ、こいつら……! ぶ、分身を――」ググッ
光のミイラ剣士A「キェア!」ゲシッ
ミラ「あがっ……!」ドガッ ゴロゴロ
光のミイラ剣士B「キキ」ケタケタ
ミラ「ば、馬鹿に――」
光のミイラ剣士B「キェア!」ゲシッ
ミラ「かはっ!」ドゴッ ゴロゴロ
光のミイラ剣士A「キキキ」ケタケタ
ミラ(こ、こいつら……剣を持ってる癖に……! 私で、遊んでいるの……!?)
ゲシッ ゲシッ
ゲシッゲシッゲシッ
ミラ(いたい……いたい……! たすけて……おじいちゃん……おとうさん……おかあさん……)
ミラ(ミ……カ……)
ズバァッ!!!
光のミイ/ラ剣士A「キェア……」バタ
光のミ/イラ剣士B「キェ……」バタ
ミラ(…………?)ボー
軍刀を構えた鬼の後ろ姿「――」
*
- 539 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 19:42:12.47 ID:piF+KX1B0
- キェアアアアア!!! キェアアアアアアアア!!!!
ヨードリー「くっ……! 消えろ!」バッ
闇球「」ヴォン!
光のミイラたち「キァ」ヴォン
光のミイラたち「」パヒュンパヒュンッ
アニス「キリがないわ……! ヨードリー、一度後退して立て直さないと――」
ヨードリー「これ以上街へ入れるわけにはいかぬ! 私はまだ戦えるぞ!!」
アニス「ヨードリー! あなたまで失ったら、テラヌス・ウルスは――」
ズバシュッ!!!
光のミイラたち「キェア…」バタバタッ
アニス「えっ!?」
猫人の女「手を貸してやろうか? 報酬はオムレツで」シュタッ
猫人の青年「何でオレたちがイエネコタウンなんか守んなきゃならないんスか?」シュタッ
猫人の若者「へへ、でもさっきめっちゃかわいい褐色猫の子がいたぜ! イエネコになんのも悪くねえかも」
ヨードリー「あなたたちは……!?」
猫人の青年「ミカヅキっつー鬼に頼まれて来たッス」
猫人の若者「なあ、この戦いが終わったらあの褐色の子と番って良いか!?」
猫人の女「お前たち、つべこべ言ってんじゃない! で、オムレツ出すのか?」
ヨードリー「オムレツなら出す! 協力を願う!!」
猫人の女「なら手を貸してやる!」ニヤッ
↓1コンマ
01-30 劣勢
31-90 優勢
91-00 ??
- 540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 19:43:44.55 ID:cLXN607B0
- あ
- 541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 19:43:58.97 ID:bXQwpzHRo
- そろそろコンマ神起きてくれ!
- 542 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 20:15:46.82 ID:piF+KX1B0
- トカゲリアンノン「りゃあああ!!!」ガパッ
ポイズンブレス「」ドギュウウウンッ!!!
光の巨大ミイラ「ギェ゙ア゙ ア゙……」ジュウウウ――ドズゥン―…
テラヌス兵D「リアンノンちゃんがでかいのを討ち取ったぞ!!」
テラヌス兵E「しゃあ! 俺たちもリアンノンちゃんに続けェ!!」シュバッ
光のドラゴンミイラ「ギェ゙ア゙オ゙ン゙…!!!!」バサッバサッ ドズゥゥゥン!!!!
テラヌス兵F「う、うおおおおおお!!」ガクガク
テラヌス兵D「臆するな! どうせでかいだけの見掛け倒しだ!」
トカゲリアンノン「私が突撃します! 皆さんは隙を見て援護を!!」シュバッ
テラヌス兵E「お、おいリアンノンちゃん!!」
トカゲリアンノン「このおっ!」バッ
尻尾「」ブオンッ!!
光のドラゴンミイラ「」ガギンッ
トカゲリアンノン「堅い――」
光のドラゴンミイラ「ギェ゙ア゙!!」
尻尾「」ブオンッ!!
バギャッ!!
トカゲリアンノン「あぐううっ!」ドガアンッ!! ゴロゴロゴロ!!
ゴシャッ!!
噴水「」グシャッ
- 543 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 20:17:34.97 ID:piF+KX1B0
- 壊れた噴水「」グシャッ…チョロチョロ…
トカゲリアンノン「あ、ああ……噴水が……。わ、私のせいで……希望の、象徴が……」グニャァ
光のドラゴンミイラ「ギェ゙ア゙オ゙ン゙…」ドズン ドズン…
テラヌス兵D「う、うおおお!! リアンノンちゃんを守れ!!」ジャキッ
テラヌス兵E「ちくしょう!! 勝てる気がしねえぞ!!」ジャキッ
テラヌス兵F「アバッアバッ」ガクガク
トカゲリアンノン(ああ……私のせいで……兵士さんたちが……)
トカゲリアンノン(やっぱり……私なんかが……首長の真似事なんかして、調子に乗ったから――)
砂漠スライムたち「〜〜」モニョモニョ ピョンピョン
砂漠スライム長老「〜〜!」モニョモニョ
トカゲリアンノン「え……スライムさん、たち……?」
砂漠スライム長老「援軍を呼んだのぢゃ!!!!」
トカゲリアンノン「え――」
壊れた噴水「」グググググ――
バゴッ――
吹き上がる水柱「」バシュウウウウウンッ!!!!!
テラヌス兵D「おわあああああ!!?」
テラヌス兵E「何だァァァァ!!?」
テラヌス兵F「アバッアバーッ!!!」
ドズゥゥゥゥンッ!!!!!!!
分体巨大スライム「〜〜」モニョモニョモニョ
光のドラゴンミイラ「ギェ゙ア゙!!?」
トカゲリアンノン「で、でっかい……スライム……!!?」
分体巨大スライム「〜〜♪」モニョニョ…モニョモニョ
↓1コンマ
01-90 優勢
91-00 ??
- 544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 20:19:58.71 ID:BqQDY2HDO
- はい
- 545 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 20:55:31.55 ID:piF+KX1B0
- 分体巨大スライム「」ピョンッ
光のドラゴンミイラ「ギェ」
モニョン――
光のドラゴンミイラ「ギェ゙ァ゙オ゙オ゙ン゙!!!!」ジタバタ
分体巨大スライム「〜〜」モニョモニョ モグモグ
光のドラゴンミイラ「ギェ゙ ア゙」デロデロ
デロデロ…モニョモニョ…
プスン…
分体巨大スライム「…」モニョ…
トカゲリアンノン「ドラゴンミイラを……食べちゃった……!?」
砂漠スライム長老「違うのぢゃ……同化しようとして、間違えて消化しちゃったのぢゃ!!」
分体巨大スライム「…」モニョニョ…
◇
- 546 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 20:56:57.62 ID:piF+KX1B0
- エバンス「らあっ!」ズバッ
ローガン「あとどれくらいだ!!?」ズバッ
妖精「かなり押してる!! でも――」パタパタ
空を飛ぶ光のドラゴンミイラ「ギェ゙ア゙オ゙オ゙オ゙ン゙!!!!」バサッバサッ
光のミイラたち「」ヒューン ボトボト
ミスティ「!!? ミイラたちが……落ちてくる!?」
妖精「多分あいつが召喚してるんだ! あいつを倒さない限り、どこまで続くかわかんないよ!」
イリス「でも、あそこまで高く飛ばれると射撃魔法でも――」
クロシュ「……!」
キラキラ…ポン!
光クロシュ「今の、わたしなら……いける……!」
イリス「えっ!?」
パヒュンッ―
ミスティ「クロシュが、消え――」
イリス「まさか、光速移動!?」
妖精「あの馬鹿! また一人で無茶を――」
*
―テラヌス・ウルス上空
空を飛ぶ光のドラゴンミイラ「ギェ゙ア゙オ゙オ゙オ゙ン゙!!!!」バサッバサッ
光クロシュ「」パヒュンッ
空を飛ぶ光のドラゴンミイラ「ギェ゙ア゙!?」
チリチリ…ポン!!
炎魔女クロシュ「――ほのお!!」チリリッ
空を飛ぶ光のドラゴンミイラ「ギ――」
カッ――
ドガァァァァァン!!!
――戦闘終了――
*
- 547 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 22:36:54.81 ID:piF+KX1B0
- ―テラヌス・ウルス 滞在10日目
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ウニ盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:革の鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
魔術書「星の魔力」上 闇の欠片 精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 暗黒優待券
属性大全 踊り子の双剣 亡国王のペンダント
魔王図鑑
氷精の魔導書
マジカルブラッドワイン
吸血鬼殺ブラッドワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
魔術書「星の魔力」中
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
◯経験値
・風になる[3/12](クロシュ)
・魔法[1/6](イリス)
・魔法[3/6](ミスティ)
・氷属[6/8](ミスティ)
・剣技[1/8](エバンス)
……………………………………………………………………………………
□テラヌス・ウルス首都 主要施設
中央区:宿屋、噴水広場、市場、武具屋、酒場、浴場、冒険者ギルド、商人ギルド、宮殿、神殿、他
外周区:宝飾店、劇場、図書館、博物館、鍛冶工房、娼館、兵舎、練兵場、他
- 548 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 22:37:33.29 ID:piF+KX1B0
- ―朝
月明かりのオアシス
チュンチュン
スライムクロシュ「」zzz
イリス「んく……ふわああ……。か、体が重い……」ググッ
ミスティ「昨日は長距離移動に連戦だったもの……。そりゃ疲れるわよ……」
イリス「でも巨大墳墓での探索も、この街の防衛も、大きな被害が出ることもなくて良かったよ」
妖精「昨日は幸運が続いたねえ。まあ、あのバカクロシュには本当に困っちゃったけど……」
イリス「い、いいじゃない。クロシュちゃんのお陰で迅速にドラゴンミイラを倒せたんだしさ」
妖精「まあ……あの子なりに、最善を尽くそうとしたのはわかるけどさ」
ミスティ「……クロシュはちゃんと自分の力量を把握してると思うわ。できると思ったからやっただけで……できないことを無理にやろうとする愚かさはないはずよ……」
妖精「うん……」
*
- 549 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 22:38:23.45 ID:piF+KX1B0
- ―テラヌス・ウルス市街
ワイワイ ガヤガヤ
ヨードリー「水脈の復旧とミイラの撃退を祝って――今日は祝祭だ!!」
オオー!! ワーワー!!!
*
砂漠オムレツ「」ポン
猫人の若者「うおおおお!! うんめええええ!!」ガツガツモグモグ
猫人の青年「悪くないッスね」モグモグ
猫人の女「……前に喰ったやつより少し薄いな」モグモグ
褐色銀髪赤眼の幼女「〜〜」バクバクガツガツモグモグモニョモニョ
メルル「はあ〜面白い景色は見れたけどお宝は見つかんなかったなァ……。でも帰ってきたらオムレツ食べ放題のお祭りやってたから良し! いつの間にか水も復活したみたいだしね! というわけでおじちゃんおかわり!」トンッ
屋台のおじさん「あいよ!」
アニス「うふふ、昨日の防衛に協力してない人からはちゃあんとお代を頂きますからね〜」
メルル「え゛っ!!?」
*
テラヌス兵D「リアンノンちゃん昨日はお疲れ様!」
リアンノン「お、お疲れ様です……」
テラヌス兵E「おお……トカゲの姿だと勇ましく力強かったが、こっちの姿だとこんなにも小さくて可憐だったとは……!」
リアンノン「かか、可憐……!?///」
ベスティア「ふふ、すっかり人気者になったみたいですね」スッ
リアンノン「ベスティアさん!」
ラハニ四世「活躍は聞いたぞ。でかいのを討ち取る大金星を挙げたそうじゃな」
リアンノン「ラハニ四世! え、ええと……皆さんのお陰ですよ!」
テラヌス兵D「そんなことないぞ! リアンノンちゃんが頑張ったからだ!」
ラハニ四世「わっはっは! 気立ての良い娘じゃ! こりゃホトルス族も安泰じゃな!」
リアンノン「は、はあ……」
ラハニ四世「わしの態度が不思議か? もう嫌われ役になる必要もないからのう」カカカ
リアンノン「えっ……? 嫌われ……?」
ベスティア「ふふ……国の為に、仮面をかぶっていたのですね」
ラハニ四世「クク、それは買いかぶりすぎじゃ。半分はビジネスの為じゃよ」
リアンノン「ふふっ……! あ、そういえばミラさんは!?」
ラハニ四世「ミラは――」
◇
- 550 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 22:39:55.76 ID:piF+KX1B0
- ―テラヌス砂漠
ヒュオオオオオ――…
ザッザッザッ…
ミラ「待って!!」
鬼の後ろ姿「……」ピタ
ミラ「あなた、なんで……なんで今さら、戻って来たのよ……!」
鬼の後ろ姿「……」
ミラ「どうして……私のお母さんとお父さんを、殺したの……!? なんで、あなたが……!!」
鬼の後ろ姿「……」
ミラ「……なんとか言いなさいよ!! ミカヅキ!!!!」ジワワ
鬼の後ろ姿「……貴女に合わせる顔はない。これまでも、これからも――…」ザッザッザッ…
ミラ「あっ……」
ヒュオオオオオ――――……
砂嵐「」ザァァァァ――
ミラ「うっ……!」
ヒュオオオオオ――――……
ミラ「ミカ……ヅキ……」ポロポロ
- 551 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 22:41:45.11 ID:piF+KX1B0
- ―テラヌス・ウルス市街
ワイワイ ガヤガヤ
イリス「わあ! もうお祭り始まってる!」
ミスティ「昨日あれだけの戦いがあったというのに、タフな人たちね……」
妖精「この打たれ強さこそが砂漠に生きる民の力強さなんだね。きっと」
エバンス「簡単にへばってちゃ生きていけねえもんな」
ローガン「フッ……我々も見習いたいものだ」
クロシュ「……」
クロシュ(フメイちゃん……元気かな……)
クロシュ(また……会えるよね……)
テラヌス・ウルス滞在最終日です
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 22:43:01.86 ID:AeoSV74jo
- ベスティアさんとクロシュヴィアの関係性を暴く
- 553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 22:43:06.66 ID:cLXN607B0
- クロシュと妖精、ヨードリーが先代の墓参りをしているところを発見
- 554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/17(土) 22:44:46.16 ID:bXQwpzHRo
- ミスティとミラ、サシでシーシャ吸いつつお話
- 555 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/17(土) 23:00:46.74 ID:piF+KX1B0
- というわけで本日はここまでとなります。次回はヨードリーのお墓参り編、ミスティとミラの謎茶会編、伝説降臨編となります
テラヌス・ウルスでの激しい戦いを終えたクロシュ一行。次なる目的地へ向かう前の、しばし羽休めの時。
テレス族の先祖へ向けて礼を尽くすヨードリー。幼馴染の不可解な行動に傷付きながらも涙するミラ。そして――旧友の気配を辿り、砂漠の街へ降臨する一つの意思――
伝説との邂逅に、クロシュは何を思う――
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 00:30:18.66 ID:uaA3Y2Vlo
- 乙乙
これ早速クロシュヴィア氏が真面目モードになるんじゃ
- 557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 01:01:29.95 ID:OlcYSqvtO
- 乙
ミカヅキも登場したことで現地募集キャラは部族名とかも含め全員登場したな1人除いて
- 558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 01:50:49.63 ID:xaFdm9FDo
- 乙
防衛戦で全員協力モードになるところ大好き
ミュージアがかなり損害出ちゃった分、テラヌスはほぼ守りきれてホッとしたぜ
- 559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 14:30:04.70 ID:iI7dNV9RO
- 伝説スライム陣営が伝説コンビ陣営になっちゃう?
- 560 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 17:54:14.75 ID:Cu4wtLUP0
- クロシュヴィア氏が真面目になるかどうかはわかりませんが、彼女が何らかの行動を起こすきっかけにはなるかもしれません。注視していくのが良いでしょう
今回はいろいろあったのでなるべく登場させようと試みましたが、それでも展開の都合で全員を登場させることはできませんでした
今回の防衛戦では、砂漠編で登場したキャラクターが大勢登場したように思います。実質的には勝ちイベント戦だったので、お祭り感を楽しんでいただければ幸いでした
伝説スライム陣営が今後どのような動きを見せるのかはまだわかりませんが、何らかの行動を起こす可能性はあります。注視していくのが良いでしょう
- 561 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 17:54:43.47 ID:Cu4wtLUP0
- ―夕方
テラヌス・ウルス宮殿 屋上
沈む夕日「」キラキラ
遠く微かに見える巨大墳墓「」
ヨードリー「……」
ベスティア「ここにいたのですね、ヨードリー様」スタスタ
ヨードリー「……ベスティアか」
妖精「私たちもいるよ」パタパタ
クロシュ「こんばんは……」トコトコ
ヨードリー「なんだ、これはまた変わった面子だな」
ベスティア「リアンノンは酔い潰れてしまいまして……」
妖精「うちの男どもも酔い潰れてたよ。だらしないんだから」
クロシュ「えと……ヨードリーさん……途中から、姿が見えなかった、から……」
ヨードリー「む……客人に心配をかけてしまうとは、失礼した。少し風に当たりたい気分だったのでな……」
ベスティア「お墓参りですか」
ヨードリー「まあ……そうとも言える」
屋上の隅にある小さな墓「」
妖精「こんなところにお墓が……」
ヨードリー「ここに埋葬してあるわけではない。今のテレス族は……遺体を砂漠に還す習わしとなっている」
クロシュ「……」
ヨードリー「これは象徴だ。先人を忘れぬ為の。もっとも、昔のテレス族はミイラ葬をしていたそうだがな」
妖精「!」
妖精(そういえば……テレス族って、巨大墳墓を造った古テラヌス王家の末裔なんだっけ……)
ヨードリー「……事の次第は概ね理解している。世界樹の光が落ちた先……西方で強まる光……光の力を持ったミイラたちの襲撃……。私の先祖が、この国と貴殿らに迷惑をかけてしまったようだ」
妖精「……それは違う。あれは世界樹の光っていう過剰な力がもたらしてしまった悪影響で……あなたの先祖は何も悪くないよ」
ヨードリー「フッ……そうは言うが……私は、先祖たちの気持ちが理解できるのだ。包帯巻きの無様な姿になってでも、永遠を求めた……哀れな、死への恐怖が……」
妖精「……」
ヨードリー「この地に攻め入ったミイラたちから、感じたよ。生者への羨ましさ、妬ましさ……狂おしいほどの、生への渇望を……」
ベスティア「……」
ヨードリー「……父上も……死ぬ前に、何度となく私に言った。すまぬ……生きられず、国を守れず、お前を守れず、すまぬ、と――。生きられぬこの身が口惜しく――この国を守れぬ未来が、たまらなく怖いと――」
ヨードリー「そして私も――もし自分が死んでしまったらと思うと――。明日の日も、友の姿も、民の声も――二度と感じることができず、この国を守ることができなくなると思うと――たまらなく、怖い。この砂漠の砂粒一つ一つが……どうしようもないくらい、愛おしく思えてくるのだ」
ベスティア「ヨードリー様……」
ヨードリー「……祭りの日だというのに、つまらない愚痴を聞かせてしまったな。許せ」フッ
ベスティア「いいえ……ヨードリー様のお気持ちの一端を知れて、嬉しく思います」
ヨードリー「アニスには言うなよ。彼奴には少し心配性すぎるからな」
ベスティア「それは心配をかけるヨードリー様も悪いと思うのですが……」
ヨードリー「言ってくれるな! ……まあ、アニスには本当に世話になっているからな。気を付けるよ」
◇
- 562 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 17:55:09.75 ID:Cu4wtLUP0
- ―テラヌス・ウルス市街 オムレツ屋台
イリス「んにゃぁぁ〜〜おししょぉしゃまぁ〜〜」グデッ
ミスティ「い、イリス……!? あなた何をしているの!?」
イリス「みすてぃ……? でへへぇ……わらしぃ、ほしのしんずいがねぇ……」グデデ
ミスティ「さては酒を飲んだわね!? もう……! 宿に運ぶわよ!!」グイッ
◇
―月明かりの宿 客室
イリス「」zzzz
ミスティ「ぐっすり眠っちゃったわ……」
猫耳の褐色少女「お酒って……そんなに美味しいのでしょうか……」
ミスティ「……はっきり言って味は美味しくないわよ。変な苦味があって」
猫耳の褐色少女「えっ……。じゃあ、どうして大人の人たちはあんなに美味しそうに飲むんですか……?」
ミスティ「さあ……私にもよくわからないわ……。大人になると味覚がおかしくなるんじゃないかしら」
猫耳の褐色少女「そ、そうなんですか……」
ミスティ(でもクロシュも美味しそうに飲んでたわね……いえ、クロシュは何でも美味しそうに飲み食いするから参考にならないわ……)
猫耳の褐色少女「イリスさんとおじさんたちのことは、わたしがちゃんと見ていますので、ミスティさんはお祭りに戻っても大丈夫ですよ」
ミスティ「そういえばローガンさんとエバンスも酔い潰れてたわね……。じゃあ、お願いしようかしら……」
猫耳の褐色少女「はい……! 任せてください……!」
ミスティ「ふふ、何かお土産を買ってくるわね」
◇
- 563 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 17:55:46.67 ID:Cu4wtLUP0
- ―夕方
テラヌス・ウルス市街 甘味処
ミスティ(甘味処……甘いものでも買っていきましょうか)スッ
ミラ「……」モクモク
シーシャ「」モクモク
ミスティ(あれは……スピーゲル族のミラ氏……。やけに暗い表情ね……。吸っているアレは……シーシャとかいうこの地域特有の水タバコ、だったかしら)
ミスティ(まあ私には関係ないわね……)スタスタ
ミラ「……待ちなさいよ」
ミスティ(うわ、刺々しい声で誰かを咎めているわ……。関わらないでおきましょう……)スタスタ
ミラ「待ちなさいって言ってるでしょ! あなたに言ってるのよ、そこの黒髪の旅人女!」
ミスティ「えっ、何……。私、あなたに何かしたかしら……?」
ミラ「あなた、ここの防衛に協力した一行の一人でしょ?」
ミスティ(この人、酔ってるわね……顔が真っ赤だわ……)
ミスティ「そうだけど……何?」
ミラ「礼をしてやるって言ってんの!! 上流階級の私が言ってるんだから付き合いなさいよ!!」
ミスティ「え、ええ……?」
*
- 564 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 17:56:14.75 ID:Cu4wtLUP0
-
シーシャ「」モクモク
ミラ「いい? ここを持ってこう吸うの。わかるわね?」
ミスティ「吸いたいなんて一言も言っていないのだけど……」
ミラ「吸いなさいよ! 私の言うことが聞けないの!!?」ガタンッ
ミスティ(め、面倒くさすぎるわ……。仕方ない、ちょっとだけ吸ってあげましょう……)
シーシャ「」モクモク
ミスティ「すぅ……けほっ、げほっ!!」
ミラ「あっははは! 一気に吸いすぎよ、馬鹿ね!!」
ミスティ「……」イラッ
ミラ「いい? 慣れないうちは少しづつ吸いなさい。慌てなくても煙は逃げないわ」
ミスティ「……すぅ……」
ミラ「そうそう、それで良いのよ!!」
ミスティ(……変な感じ……何が良いのかしら、これ……)モクモク
*
ミラ「どう? 美味しかったでしょ、私が手ずから調合した渾身のフレーバーなのよ!」
ミスティ「……まあ、良かったんじゃないかしら……」
ミラ「でしょう!? ふふん、やっぱり街の外の人間の方が物わかりが良いわね!!」
ミスティ(この街では不評なのね……)
ミラ「このシーシャ、持っていって良いわ! 私からの報酬よ!」
ミスティ「ここまでかさばる物体は持っていけないわ……」
ミラ「そ、そう……なら仕方ないわね」
ミスティ「……もういいかしら?」
ミラ「ま、待ちなさい!」
ミスティ「何……? お礼ならもう十分いただいたわ……」
ミラ「少し話を聞かせて……! あなたの仲間に妖精がいたわよね!?」
ミスティ「……ええ。それが何か?」
ミラ「……妖精って……この国ではあまり見かけないけれど……一緒にいて、大丈夫なの……?」
ミスティ「大丈夫じゃなきゃ一緒にいないわよ」
ミラ「そ、それはそうよね。変なことを聞いたわ……」
ミスティ「……スピーゲル族は人間以外を排除したいんでしょ? そんなことを聞いてどうするの?」
ミラ「…………そうよ。人間以外の、下劣で愚かで残虐な種は……この国にいるべきじゃない……」
ミスティ「……」
ミラ「でも……あなたの仲間の妖精や……。この街の防衛に尽力したトカゲ族のように……そうじゃない奴もいるってことを……知っておきたかっただけよ……」
ミスティ「……そう」
◆
- 565 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 17:57:37.16 ID:Cu4wtLUP0
- ―宵
テラヌス・ウルス宮殿 屋上
ヒュオオオオオ――…
ベスティア「さて……そろそろ戻りましょうか」
妖精「そうだね。イリスとミスティも心配してるだろうし」
クロシュ「うん――…………?」
妖精「クロシュ、どうしたの?」
クロシュ「――――!!」
ヒュオオオオオ―――……
妖精「えっ……!?」
ヨードリー「何だ、この気配は……!?」シャキンッ
ベスティア「――こ、この魔力は、まさか――」
ヒュオオオオオ―――……
モニョモニョ―― モニョモニョ――
ポン!!
白い幼女「――」ストッ
ベスティア「クロシュヴィア……!!!!」
クロシュヴィア「ベスティア……久しぶりだね……」
クロシュ「!!!!」
妖精「クロシュヴィア、だって……!?」
ヨードリー「い、一体――」
クロシュヴィア「初めまして。わたしはクロシュヴィア・スウィートエンド……あまあまスライムだよ……」
ベスティア「えっ……!? ビターエンドじゃ――」
クロシュヴィア「変えたの。ふふ、かわいいでしょ……?」
ベスティア「ええと……」
妖精「ほ、本当に……伝説スライムのクロシュヴィアなの……!?」
クロシュヴィア「わあ……伝説になってるっていうのは聞いてたけど、本当なんだ……。ふふふ、そうだよ……! わたしこそが、伝説スライムのクロシュヴィアです……!」エッヘン!
クロシュ「わあ……!!」
クロシュヴィア「初めましてだね、クロシュちゃん……」
クロシュ「わ! わたしのこと……知ってるの……!?」
クロシュヴィア「一方的にだけどね……。クロシュちゃんの描いた絵、すごかったもん」
クロシュ「わあ……!!」
妖精「えっ……てことは、あの芸術祭の場に――」
クロシュヴィア「うん。見てたよ。ほら――」
デロデロ…モニョモニョ…
何かが描かれた大きなキャンバス「」ドンッ!
妖精「あっ! これ、クロシュが描いた絵!!」
クロシュヴィア「瓦礫に埋もれてたから、わたしが掘り出してもらっちゃった……。すっごい素敵な絵なんだもん、良いよね……?」
クロシュ「え、えと……うん」
クロシュヴィア「やった……! ありがと、クロシュちゃん」
- 566 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 17:58:22.10 ID:Cu4wtLUP0
-
ヨードリー「……こ、これは……何の絵だ……?」
ベスティア「……溶け合い、混ざり合い……一つになる世界……? クロシュヴィア――あなたは、まさか――」
クロシュヴィア「んふふふ……そうだよ……。わたし……クロシュちゃんの描いたこの――真の正しい世界を、実現するの……!」
クロシュ「!!!」
妖精「!!?」
クロシュヴィア「今日はね……クロシュちゃんを眺めてたら懐かしい顔を見つけたから、つい降りてきちゃったの……。わたしたちが大昔に諦めた理想を、ベスティアに見せてあげよーって思って」
ベスティア「クロシュヴィア! あなたは――本気で、これを目指すつもりなのですか!?」
クロシュヴィア「そ、そうだけど……。あれ、ベスティアは反対……?」
ベスティア「だ、だって……この絵に描かれている世界は――あまりにも――」
何かが描かれた大きなキャンバス「」デロデロデロデロ
クロシュヴィア「そう……。ベスティア……変わったね……。あの頃は……どんな手を使ってでも、この世界から差別や苦しみを無くすって息巻いてたのに……」
ベスティア「あなたは……ちっとも変わっていないのですね……」
クロシュヴィア「まあ、別に良いや……。わたしには、クロシュちゃんっていう最大の味方がいるもんね」
クロシュ「!」
クロシュヴィア「ねね、クロシュちゃん……。クロシュちゃんはこの絵を、自分の信じる理想として描いたんだよね……? クロシュちゃん自身の、全霊のぱわーで、この理想の世界を描いたんだよね……?」
クロシュ「うん……」
クロシュヴィア「あは……! ねえ、それなら――わたしと一緒に、この世界を溶かそ……? 溶かして、混ぜて、デロデロにして――みんなで一つになろう……?」
クロシュ「……え、えと……」
妖精「こらっ!! クロシュの気持ちを誘導しないで!!」パタパタ
クロシュヴィア「むむう……あなたこそ、クロシュちゃんの気持ちを自分の都合で誘導してるんじゃないの……?」
妖精「えっ……」
クロシュヴィア「だって、これはクロシュちゃん自身の理想なんだよ……? クロシュちゃんが本心から望んで描いた世界なんだよ……? それなのに、クロシュちゃんが未だにこの世界を求めようとしていないのは――あなたたちがクロシュちゃんを縛り付けてるからなんじゃないの……?」
妖精「そ、そんなこと……ない! ないもん! ないよね、クロシュ……?」
クロシュ「う、うん……」
妖精「ほら!」
クロシュヴィア「んむむ……ずるい……クロシュちゃんの優しさに付け込んでるんだ……!」
妖精「付け込んでないもん!!」
クロシュヴィア「付け込んでるの……!」
妖精「付け込んでないもん!!」
ベスティア「落ち着いて!! あなたたち二人でどうこう言い争っても仕方ないでしょう!!」
妖精「むぐ……」
クロシュヴィア「うー……」
- 567 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 17:59:40.90 ID:Cu4wtLUP0
-
クロシュ「え、えと……クロシュヴィアちゃん……」
クロシュヴィア「う、うん……!」バッ
クロシュ「わたしも……あの絵に描いたことが……本当になったら……すごく、いいって……思う……」
妖精「!!!!」
クロシュヴィア「!!!!」パァァァ
クロシュ「でも……デロデロになるのが、嫌な人も……いる、から……」
クロシュヴィア「えっ……」
妖精「……!」
クロシュ「わたし……そういう人たちの、気持ちも……尊重、したい……」
クロシュヴィア「そ、そんなぁ……。そういう人たちだって……溶けちゃえば、幸せになれるんだよ……? 嫌なのは、きっと最初だけだよ……?」
クロシュ「うん……。でも……もし、みんなで溶けるなら……みんなが、溶けていいよって……思えるようになってからの方が……いいと、思う……」
クロシュヴィア「…………そっか。確かに……無理矢理は、良くないもんね……」
クロシュ「うん……。でも……クロシュヴィアちゃんの……気持ちも……わかる、よ……」
クロシュヴィア「クロシュちゃん……」
クロシュ「……この、世界には……どうしようもなくて……どうにもならない、ひどいことが……いっぱい、あふれてるから……。無理矢理にでも……溶かしちゃった方が、良いかもって……思うときも……あるもん……」
クロシュヴィア「………うん……」
妖精「…………」
ベスティア「…………」
クロシュ「でも……どうしようもなくない、ことも……あるから……。わたし……まだ、諦めたくない……」
クロシュヴィア「…………そうだね……。クロシュちゃん……わたしより、ずっとたくさん、いろいろ考えてるんだね……。ふふ……わたし、伝説スライムなのに、恥ずかしいな……」
ベスティア「ふふ……。ずっと年下の子に諭されちゃいましたね、クロシュヴィア」
クロシュヴィア「うん……。よし、わかった……! わたし、溶けることの良さをみんなに伝えてくよ……。みんなが溶け合って、デロデロになりたいって思えるように……この星のみんなが、最高の甘い結末に辿り着けるように――がんばって、説得する……!」
妖精「え、そうなるの……」
クロシュヴィア「クロシュちゃん、そういうことだよね……?」
クロシュ「うん……! みんなが、いいって言うなら……いいと思う……!」
クロシュヴィア「ありがと、クロシュちゃん……」
クロシュ「クロシュヴィアちゃんも……わたしの絵……好きになって、くれて……ありがと……」
クロシュヴィア「えへへ……。クロシュちゃんは……世界樹の光っていうのを、追ってるんだよね……?」
クロシュ「うん……」
クロシュヴィア「それじゃあ、わたしと一緒に説得活動はできないね……。うん……クロシュちゃんは光集め、がんばってね……。わたしはみんなの説得、がんばる……」
クロシュ「うん……! がんばってね……」
クロシュヴィア「うん……!」
握手「」ギュッ
☆クロシュヴィアと出会いました
☆クロシュヴィアが説得活動を開始しました
◆
- 568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 18:20:26.74 ID:sWJUqRbzo
- 説得…説得だよね?
- 569 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 20:02:00.02 ID:Cu4wtLUP0
- ―テラヌス・ウルス 出発の日
◇クロシュ [あかちゃんスライム]
武:メイドブレード 盾:ウニ盾 飾:くすんだ耳飾り
武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾:
◇妖精 [世話焼き妖精]
武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のレオタード 飾:
◇イリス [星の魔法使い]
武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:魔術師のローブ 飾:
◇ミスティ [氷の魔法使い]
武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:精霊のローブ 飾:
◇ローガン [鋼の戦士]
武:鋼の剣 盾:鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り
武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾:
◇エバンス [地の傭兵]
武:魔銀の剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り
武: 防:革の鎧 飾:
◯所持アイテム
[道具] [装備品] [大事なもの]
運命賽*2 蜘蛛絹の下着 魔族国永久旅券
会心賽*1 ザリガニのお守り フメイの服の切れ端
反魂丹*2 大きな巻き貝 精霊の印
鉄鍋+携帯調理器具 大きな軽石 精霊樹の実のジャム
魔術書「星の魔力」上 闇の欠片 精霊樹の鉢植え
お宿の焼き菓子 フリルワンピ水着 フメイとアリシラの人形
お宿の妖精の織物 魔法学園のスク水 メルルの帽子
魔導飯盒 炎鉱石 溶岩石のアミュレット
妨害魔力波発生装置 ガラスのザリガニ 暗黒優待券
属性大全 踊り子の双剣 亡国王のペンダント
魔王図鑑
氷精の魔導書
マジカルブラッドワイン
吸血鬼殺ブラッドワイン
綺麗な砂
魔術書「正負の属性」
魔術書「星の魔力」中
吸血鬼の日焼け止め
日蝕の傘
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[1/5]
◯仲間の目標
・ブラッドを倒す(ミスティ)
◯経験値
・風になる[3/12](クロシュ)
・魔法[1/6](イリス)
・魔法[3/6](ミスティ)
・氷属[6/8](ミスティ)
・剣技[1/8](エバンス)
……………………………………………………………………………………
□テラヌス・ウルス首都 主要施設
中央区:宿屋、噴水広場、市場、武具屋、酒場、浴場、冒険者ギルド、商人ギルド、宮殿、神殿、他
外周区:宝飾店、劇場、図書館、博物館、鍛冶工房、娼館、兵舎、練兵場、他
- 570 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 20:02:29.84 ID:Cu4wtLUP0
- ―テラヌス・ウルス
噴水広場
修理された噴水「」シャワシャワ
砂漠スライムたち「〜〜」モニョモニョ
砂漠スライム長老「〜〜」モニョモニョ
褐色銀髪赤眼幼女「〜〜」モニョモニョ
強化ソリ「」ガチャン
ヨードリー「もう出発か。貴殿らには散々世話になったな……。ロクに返せていなくてすまないが……」
ローガン「こちらこそ世話になった。昨日の宴に招かれただけでも十分以上の報酬だとも」
アニス「またいつでもいらしてくださいね〜。テラヌス・ウルスはいつでも皆さんを歓迎いたしますから〜」
エバンス「おお! また寄った時は美味い水を頼むぜ!」
ヨードリー「礼になるかはわからないが……これを渡しておこう」スッ
太陽のメダリオン「」ポン
ローガン「これは……!」
アニス「テラヌス・ウルスで大きな功績を挙げた者に贈られる証です。これがあればテラヌス・ウルス領内での通行が自由になりますし、テラヌス商会に属す商人や店との取引が少しお得になるかもしれませんよ〜」
ヨードリー「ちょっとした箔付けにもなるだろう。是非有効活用して欲しい」
エバンス「おお……! ありがたくいただくぜ!」
リアンノン「クロシュちゃん……もう行っちゃうんですね……」
クロシュ「うん……」
ベスティア「がんばってくださいね……。どうか、意思を強く持って……」
クロシュ「うん……!」
猫耳の褐色少女「元気でね、クロシュちゃん……」
クロシュ「うん……!」
ラハニ四世「そうか、旅立ちか」
妖精「いろいろあったけど、長生きしなよ。あなたはきっと、この国に必要な人材だから」
ラハニ四世「フッ……また水が涸れれば、人間以外を排斥し始めるかもしれぬぞ?」
妖精「まあ……大丈夫でしょ。今回は簡単には枯れないよ。例え日照りが続いてもね」
ラハニ四世「……? それはどういう意味じゃ?」
妖精「さあ? 私たち妖精は、あなたたちより見えるものも知ってることも多いのかもよ?」
ミラ「……」
ミスティ「あら……あなたも見送りに?」
ミラ「……昨日は悪かったわね。悪い酔い方をしていたわ……」
ミスティ「別に良いけど……」
イリス「え、昨日何があったの……!?」
ミスティ「酔ったミラ氏に絡まれたのよ」
イリス「ええっ!?」
◇
- 571 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 20:03:22.85 ID:Cu4wtLUP0
- ―テラヌス・ウルス正門
太陽「」サンサン
ヒュオオオオオ――…
強化ソリ「」シャーッ――…
猫耳の褐色少女「気をつけてね〜〜!!」ピョンピョン
砂漠スライムたち「〜〜!」ピョンピョン モニョモニョ!
砂漠スライム長老「いってらっしゃい、なのぢゃ!!」ピョンピョン
褐色銀髪赤眼幼女「〜〜〜!!」ピョンピョン モニョモニョモニョ!!
ラハニ四世「フッ……行ってしまったな……」
ヨードリー「ああ。さて、やることは山積みだぞ!」グッ
リアンノン「私たちもお手伝いします! 何をすれば良いですか?」
アニス「そうですね〜。水脈調査、今回の被害算定、破壊された家屋の修繕に――」
ベスティア「う……わ、私にできることはあるのでしょうか……」
ミラ「……ミカヅキ………あなたは……今、どこにいるの……?」
*
強化ソリ「」シャーッ―
妖精「砂漠の国テラヌス・ウルスに、精霊の加護がありますよう――」
エバンス「さらば……エキゾチックな砂漠の街よ――」
イリス「素敵な街でしたね。砂漠の不思議な情緒があって……」
ミスティ「水が枯れている時に来ちゃったのが惜しいわね」
ローガン「フッ……またいつか、訪れれば良いさ」
クロシュ「うん……。あの子がいる限り……水は、もう涸れない……!」
――テラヌス・ウルス編 完
- 572 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 20:04:02.79 ID:Cu4wtLUP0
- テラヌス・ウルス編クリアボーナス
↓1コンマ
01-60 運命賽*1
61-90 ↑+太陽の盾
91-00 ↑+会心賽
- 573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:04:54.20 ID:yU8UKCJRO
- あ
- 574 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 20:22:25.14 ID:Cu4wtLUP0
- ―テラヌス砂漠
強化ソリ「」シャーッ
ミスティ「一度、王国の芸術都市に戻るのよね?」
妖精「うん。結局、どこに行くにしても王国を経由するのが一番手っ取り早いからね」
ローガン「王国は現在最も国土面積の大きな大陸国だからな……」
エバンス「でも芸術都市に行くってのは賛成だぜ! やっぱちっと心配だしな」
イリス「そうですね……。あれからそれほど経ったわけじゃないけど、復興は進んでるかなあ……」
妖精「まあ、着いてみればわかるよ。それより次の目的地のことだけど――」
↓1〜3多数決
1.ユーシリア帝国
(芸術都市 → チカーバ → ユーシリア)
2.大陸西部上空
(芸術都市 → 港湾都市 → イスファハーン → 大魔女帝国 → ???)
*3.オノゴロ諸島
(ユーシリア帝国 → ??? → オノゴロ諸島)
*4.トウゲン帝国
(オリシン王国 → 大山脈[超危険地帯] → 北部地方[超危険地帯] → リテン・ヘイヴン → トウゲン帝国)
*5.常闇の樹海[超危険地帯]
(魔族国 or 緑の国 or 王国平原 → 常闇の樹海)
(*が付いているものはまだ選べません)
(*3はユーシリア帝国編クリアで解放されます)
(*4はトコナツ編およびテラヌス・ウルス編をクリアで解放されます)
(*5、6は特定の条件を満たすと解放されます)
(温泉町トウゲンはオノゴロ諸島にあるようです)
(今のクロシュたちの実力なら、危険地帯は無理なく突破できそうです)
(超危険地帯はまだ危ないです)
- 575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:25:18.82 ID:aePucXy2o
- 2
- 576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:25:40.29 ID:3ke78vyaO
- 1
- 577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:26:18.09 ID:xBZ+qGUDO
- 2
- 578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:26:30.82 ID:LVyJF4yU0
- 2
- 579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:35:23.95 ID:uaA3Y2Vlo
- 次は2か
ベスティアさんが採用されているということは設定文的に大魔女は伝説スライムと顔馴染みだったりするんか
- 580 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 20:47:44.42 ID:Cu4wtLUP0
- 妖精「……ここより、ちょっと北のあたりに……あるっぽいんだ、世界樹の光が……」
イリス「えっそうなの!? それじゃあ予定を変更して――」
妖精「いや、それが……空なんだよね……」
エバンス「ええ……?」
妖精「空。高度はかなり高いみたい……」
ミスティ「嘘でしょ……。そんなとこ、どうやって行くのよ……」
クロシュ「あ……! 光になれば……」
妖精「だめ。風の精霊たちの観測によると、目標は分厚い雲に覆われてるみたい。光速移動は霧や煙でも阻害されるから……もしそんな高度で阻害されたら、そのまま落っこちてお陀仏だよ」
クロシュ「んゅ……」
ローガン「だが……それでは、そんな場所にある光をどうすれば回収できるのだ……?」
妖精「……大魔女帝国を利用する」
イリス「!!?」
ミスティ「!!?」
エバンス「……!?」
ローガン「ま、まさか……正気か……!?」
妖精「そうする以外ないでしょ。飛行可能な種族でも到底届かない位置なんだもの……。あんな場所に行くには、大魔女帝国の技術力を頼るしかない」
イリス「で、でも……大魔女帝国って、この地上にある大体の国にあるっていう大使館を巡らないといけないんじゃ……」
妖精「ふっふっふ……そこで登場するのが、国際商業都市イスファハーンだよ!」
エバンス「イスファハーン……? どういう関係があるんだ?」
妖精「地上の富の半分が集積すると言われるイスファハーンにはね……大魔女帝国へ行く権利さえも裏取引されてるんだよ!!」
ローガン「な、なんだと……! だが、それは違法なのでは……!?」
妖精「世界の危機だってのに法も違法もないでしょ! 私たちはそこで大魔女帝国行きのチケットを手に入れるしかないってこと! わかった!?」
ミスティ「だ、大丈夫なのかしら……この旅……」
☆次の目的地が、大陸西部上空に決まりました
芸術都市、港湾都市、イスファハーン、大魔女帝国を経由します
◇
- 581 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 20:49:20.41 ID:Cu4wtLUP0
- そしてここから砂漠移動ですが、既に一度行き来した旅路なので、省略するかどうか選択することができます
旅路を省略する?
↓1〜3多数決
1.省略する
2.省略しない
3.短縮する(ランダムイベントと自由安価を1日分だけ行う)
- 582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:50:22.83 ID:MH7K1XBC0
- 3
- 583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:51:57.88 ID:LVyJF4yU0
- 2
- 584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:57:15.80 ID:yU8UKCJRO
- 2
- 585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:57:57.89 ID:srchuhmD0
- 毎度候補にでてくるけど選ばれないユーシリア帝国さん
- 586 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 22:12:36.35 ID:Cu4wtLUP0
- それでは今回は旅路を省略しません。ゆっくりいくのが良いでしょう
大魔女の人物像はたぶんまたどこかで募集するかと思いますので、クロシュヴィア氏と知り合いであるかどうかは採用された大魔女の設定次第かもしれません
……………………………………………………………………………………
―テラヌス砂漠 踏破率[0日/3日] 持久力[10/10]
強化ソリ「」シャーッ―
エバンス「いやあしかし今回は大仕事だったな……!」
ローガン「うむ。それだけに達成感もある」
イリス「街を守って、水を復活させて、光を取り戻して、また街を守る……大活躍だったんじゃないですか、私たち!」
ミスティ「ふふ……たまには、こういうのも良いかもね……」
妖精「私は流石にちょっと疲れたけどね……」
クロシュ「妖精さん……おつかれさま……」
↓1〜2コンマ ランダムイベント
01-05 強敵
06-20 敵襲
21-35 食料発見(コンマ)
36-50 物品発見(コンマ)
51-65 場所発見(コンマ)
66-80 良いこと(自由安価)
81-95 旅は道連れ
96-00 旅は道連れ(稀)(やっぱり分離しました)
- 587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 22:13:07.59 ID:uaA3Y2Vlo
- こんま
- 588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 22:13:48.00 ID:3ke78vyaO
- あ
- 589 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 22:18:34.27 ID:Cu4wtLUP0
- 場所を見つけました
また、落とし物を拾ったせいか本来なら道連れにならない人が現れる可能性もあります
↓1コンマ 見つけた場所
01-10 呪われし古代遺跡
11-30 オアシス!
31-50 枯れた川床
51-70 オアシス
71-90 地下水脈
91-00 静謐な古代遺跡
↓2コンマ 出会った道連れ(稀)
01-10 ザイル
11-40 レイ
41-70 フメイちゃんたち
71-00 セインくん
- 590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 22:19:02.79 ID:xBZ+qGUDO
- はい
- 591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 22:19:34.92 ID:MH7K1XBC0
- ま
- 592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 22:19:49.86 ID:3XiMuOuXO
- あ
- 593 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 22:47:10.35 ID:Cu4wtLUP0
- 夕日「」サンサン
強化ソリ「」シャーッ
エバンス「にしても……この時間になってもまだ暑いな!!」
イリス「フラナ先生からもらった日傘はミイラに壊されちゃったから……今日一日大変な暑さでしたね……」
妖精「世界樹の光の影響がなくても、砂漠が暑いのは元からだからねぇ……」
ローガン「そろそろ野営に適した場所を見つけたいところだが――むっ!」
大きな岩場「」
洞窟「」
エバンス「おっ洞窟だ!」
ミスティ「丁度良いわね……今日の野営地はあそこで決まりかしら……」
◇
―洞窟
ピチョン ピチョン
地下水脈「」サラサラ
イリス「おお……おおお!! これ、テラヌス・ウルスのとはまた別の地下水脈だ!!」
ミスティ「これは良い発見だわ! 今夜はここでゆっくり休めそう――」
「誰が入ってきたかと思えば……まさかお前たちとは……」スタスタ
イリス「え……その声は――」
クロシュ「わあ……!!」
セイン「久しぶりだな……」
ローガン「セインくん! 無事だったのか!」
セイン「ああ……。何だかわからないが……感謝する」
*
- 594 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/18(日) 22:48:16.23 ID:Cu4wtLUP0
- ―洞窟の外
焚き火「」パチパチ
セイン「そうか……光はもう回収してしまったか」
妖精「うん。ひと足……というか随分遅かったね」
セイン「ああ……あの後少し休養を挟んだ上……僕が回復して砂漠へ向かおうとした直前……僧侶が芸術都市で体調を崩したんだ」
イリス「休養を……ていうか、僧侶さんが体調を……!?」
セイン「ああ。芸術都市の惨状を見て、吐瀉していた」
ミスティ「……あの過激派差別主義者にも、そんなナイーブな面があるのね……」
セイン「僕もしばらくは回復を待っていたが……僧侶の方から先に行けと言われて、結局こうして一人で来た」
ローガン「ふむ……僧侶氏も心配だが、君の方こそ大丈夫なのか……? あの時、どうにも普通ではない様子だったが……」
セイン「……すまない、僕自身あの時何があったのか覚えていないんだ。ただ、生きているのが奇跡だと言われたが……」
エバンス「よくわからんが……まあとにかく、今は元気そうで良かったぜ! どうする? このまま俺たちと一緒に芸術都市まで戻るか?」
セイン「良いのか?」
ミスティ「いいわよ……一人増えるくらい、ソリの運行に支障はないわ……」
セイン「すまない……それでは、同乗させてもらう」
☆地下水脈でゆっくり休めるので、持久力が[4]回復します
☆セインくんがいました。今回の旅に同行します
テラヌス・ウルスからの帰り道です。地下水脈で野営します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
- 595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 22:50:03.33 ID:3ke78vyaO
- 女性陣、服を洗濯
- 596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 22:52:35.02 ID:JrjKvBFlO
- クロシュ
真の正しい世界について思案
セインにもどう?と聞いてみる
- 597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 22:54:03.66 ID:xBZ+qGUDO
- 魔王図鑑を読んでみる
- 598 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/19(月) 00:20:16.28 ID:ArWJRcQA0
- ―夜
洞窟の外
焚き火「」パチパチ
洗濯された衣服「」バサッ
セイン「すまない、僕の分まで」
イリス「今は一緒だもん、気にしないで」
エバンス「しかし夜に干して乾くもんなのか?」
ミスティ「砂漠は湿度が低いし……焚き火の熱もありから、けっこう乾くと思うわ……」
*
―地下水脈
ピチョン ピチョン
クロシュ「セインさん……」
セイン「クロシュか」
クロシュ「あの……聞きたいこと……あって……」
セイン「僕に答えられることなら」
クロシュ「セインさんは……わたしの描いた絵……見た……?」
セイン「ああ……あの、全てが溶けるような絵のことか」
クロシュ「うん……。えと……セインさんは……どう、思う……?」
セイン「……僕に、芸術の良し悪しは……」
クロシュ「そうじゃ、なくて……。みんなが、溶け合うのは……良いこと、だと思う……?」
セイン「………そう、だな……」
クロシュ「……」
セイン「……皆が、溶け合って……争いも、苦しみも、哀しみも……何もかもが、溶けてなくなるなら……悪いことじゃないと、思う」
クロシュ「……!」
セイン「………だが……恐らく、賛同する者は多くないだろう……」
クロシュ「……うん」
セイン「………まあ、個人的には好きだ。クロシュの描く、絵は」
クロシュ「んへへ……」
セイン「なんだ……真面目な話じゃないのか?」
クロシュ「えと……真面目に、うれしい……」
セイン「ふっ……そうか……」
*
- 599 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/19(月) 00:21:07.38 ID:ArWJRcQA0
- ―地下水脈
ピチョン ピチョン
妖精「むむ……」ヨイショヨイショ
魔王図鑑「」ペ…ラッ
ローガン「む、魔王の勉強か」
妖精「あ、うん」
ミスティ「例のごとく読むのに手こずっているようね。手を貸すわ」スッ
妖精「ありがと。人間用の本は読むのが大変でさ……」
*
「目次」
・絶望の魔王 済
・狂気の魔王 済
・暗黒の魔王 済
・虚無の魔王 済
・夢想の魔王 済
・旋律の魔王 済
・記憶の魔王
・雷霆の魔王
・巨樹の魔王
・海難の魔王
・吹雪の魔王
・双子の魔王
・憑霊の魔王
・永遠の魔王
・水底の魔王
ペラッ
「記憶の魔王」
生前は、北メモル大図書館(現在は廃墟)の主である大賢者リブラだとされる。
北メモル大図書館を中心とした広大な範囲に住まう知的種族の記憶に干渉し、自らの持つ膨大な知識と記憶を強制的に注入した。これに耐えられれば大賢者リブラの叡智を一瞬で身に付けることができたが、実際にこの記憶注入に耐えることのできた者は片手で数えられる程度にしかおらず、ほとんどの者は膨大な記憶に耐えられず廃人と化したと言われている。しかしそれでも、リブラの叡智を求めて記憶注入に挑戦する無謀な者が後を絶たなかった。
最期には、記憶注入の対象とならないレッサースライムの群れに襲われ、その存在に幕を下ろした。
ペラッ
「雷霆の魔王」
生前の姿は不明。
雷雲と共に移動し、雷鳴と共に現れ、雷霆の如き苛烈さで地上を破壊したとされる。雷雲と共に移動するため、他の魔王たちのように特定の活動地域を持たず、世界各地に現れては破壊の限りを尽くしたとされる。非常に素早く攻撃的で、現れた際にもたらす被害も非常に大きく、これを史上最も危険な魔王であると断じる識者も少なくない。
討伐記録はないが、現在は消息を絶っている。最期に現れたのは数百年前であるため、経緯は不明だが既に消滅している可能性は高い。
ペラッ
「巨樹の魔王」
生前は一本の精霊樹だったとされる。
地中深くから国一つを覆うほどの広範囲に根を張り巡らせ、地中の栄養だけでなく他の植物や動物の生命すらも吸い尽くしたとされる。これの出現した国は世界樹を擁する地でもあった為、この時は実際世界終焉の危機であったと当時を知るエルフは語る。
最期には、当該国の指導者とその臣下たちの手により封印された。
*
魔王図鑑「」パタン
妖精「……」
ミスティ「……魔王樹のことも書かれていたわね」
妖精「うん……。あの子は……もう、封印じゃなくて討伐されたから、この記述は少し間違ってるね」
ローガン「仕方なかろう。この本自体も、出版されたのが随分と昔のようだし」
妖精「そうだけどさ……」
精霊樹の鉢植え「」
精霊樹の芽「」ピョコン
ミスティ「ふふ……ちゃんと育ってるわ」
妖精「うん……。あの子が遺した種……ちゃんと、生きてる」
ローガン「フッ……」
*
- 600 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/19(月) 00:31:12.50 ID:ArWJRcQA0
- というわけで本日はここまでとなります。次回はテラヌス・ウルスからの帰り道二日目からとなります
たくさんの出会いと別れを重ねて、テラヌス・ウルスを発ったクロシュ一行。その旅路に同行することとなったのは、勇者モドキのセインくんでした。いろいろあって出遅れた彼ですが、旅の初めにクロシュたちと一緒になることが多いようです。不思議な縁であります(逆に、フメイちゃんとは世界樹の光のダンジョンで一緒になることが多い気がします)
そして次なる目的地は空の上――。行き方はとても難しく、一筋縄ではいかないようです。いろいろと違法な手段も必要になるかもしれませんが、とにかく前に進んでいくしかありません。クロシュヴィアちゃんとのお話もできて心機一転、がんばっていくのが良いでしょう
ちなみにユーシリア帝国ですが、クロシュ一行が光を探している間にもいろいろと内部の情勢が動いているようです。あまりにも放置しすぎると、何か良からぬ事態になっていたりもするかもしれません。こわいです
それでは本日もありがとうございました。次回ですが、ちょっと土日両方が怪しい感じなので、代わりに平日のどこかで更新するかもしれません。その場合は前日にお知らせします。よろしくお願いいたします
また、もしかしたら今度は登場アイテムの募集を24時間くらいのやつで行うかもしれません。よろしくお願いします
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/19(月) 00:59:56.21 ID:pxwaxquu0
- 乙
セインと同行することになったけどてっきりガッタも一緒かと思った。
後、登場アイテムの募集と書いてあるけど武器系でもいいのかな?
- 602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/19(月) 01:27:59.35 ID:uusRVcd2o
- おつでした
ついにクロシュヴィアと対面したな、今の所即同化を迫ったりはしないようだけど怖いは怖い
クロシュ-フメイ-セインが一同にパーティになったらフメイちゃんがかなり機嫌悪くなりそう、逆にセイン君はなんも気にしないのが見える
- 603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/19(月) 14:50:05.17 ID:Na4Fq6bxO
- 乙
クロシュヴィアちゃんは世界樹の光には関わらない方向なんかな?
褐色銀髪赤眼幼女もとい巨大スライムちゃん、人に化けてるのに言葉はスライム語しか喋れないっぽくてかわいいね
- 604 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/21(水) 00:00:09.42 ID:wonvfD690
- ガッタ氏は世界樹の光探索の任には着いていないようです。他の仕事で忙しいのでしょう
登場アイテムについては、武器でも盾でも防具でも装飾品でも日用品でも貴重品でも、なんでも大丈夫です。よろしくおねがいします
クロシュヴィア氏もクロシュちゃんに言われたことをちゃんと考えてくれるようです。問答無用でパックンモニョモニョすることは多分ないでしょう
フメイちゃんとセインくんが同時に同行することになった場合……クロシュちゃんとセインくんがお話している様子を見て、フメイちゃんが機嫌を悪くする可能性はあります。そして逆にセインくんが機嫌を悪くする要素はたぶんありません……。フメイちゃんはクロシュちゃんが大好きなので、仕方ありません
クロシュヴィア氏は、今のところ世界樹の光にはあまり興味がないようです
巨大スライムちゃんは知識が豊富なのですが、言語関係の知識は全然吸収していないようです。言語系の知識は他よりも学習が難しいとかがあるのかもしれません。なお、自然界で生きるスライムはスライム語しか喋れないことが多いです
- 605 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/08/21(水) 00:00:36.07 ID:wonvfD690
- というわけで、登場アイテムの募集を行いたいと思います。また、とりあえず木曜日の夕方くらいから本編を更新する予定です。よろしくお願いします
(アイテムテンプレ)
【名称】
【外見】
【用途】
【特徴】
■参考
(登場アイテム例1)
【名称】黒耀鋼のナイフ
【外見】黒い光沢を持つ黒耀鋼で作られた上質なナイフ
【用途】護身用。料理にも使える。刃渡りは短いため、激しい戦闘には向かない
【特徴】非常に頑強な黒耀鋼でできているため、強度が高く刃こぼれもしにくい
また黒耀鋼は比重も軽く、非力な女性や子供でも扱いやすい。ただし非常に高価
旅のお嬢様リュアンがお付きのメイドに持たされ、装備していた
(登場アイテム例2)
【名称】太陽の盾
【外見】光り輝く砂漠の太陽をあしらった豪華な装飾盾
【用途】高性能防御。光属性が込められており、光線を発射することもできる
【特徴】テラヌス・ウルスで活躍した戦士に贈られる美しい盾
儀礼用の装飾品と思いきや、激しい戦闘に耐えうる実用性を備えている
テラヌス・ウルスの金細工職人による丁寧な加工と装飾が非常に美しく、これを一目見ようと砂漠の国を訪れる観光客もいる
↓1〜 23:59:59まで
- 606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/21(水) 07:34:40.56 ID:BBR2aLnPo
- 【名称】ドクナシヤバキノコ
【外見】派手な模様の入った紫色の毒々しいキノコ
【用途】食材。食べてもいいし出汁にしてもいい
【特徴】他のキノコとは比較にならないほどの強烈な旨味成分を持つが致死性の毒も持つ「ヤバキノコ」を
毒属性の使い手が品種改良して、旨味はそのままに毒だけを完全に抜くことに成功したキノコ
なんだか怖いイメージを持っている人も多いが無害である
味は当然めちゃめちゃうまい。熱狂的な愛好家が存在する
- 607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/21(水) 09:05:42.82 ID:FAiIVwfbO
- 【名称】伝説スライムの涙
【外見】不定形のプルプルした何か
【用途】取り込むことで誰でも一時的に絶大な反映魔法を使用することができる。しかし、強力な哀しみにも同時に襲われてしまうデメリットつき。大昔の産物なのでその効果は短時間で終了するのが救い。
【特徴】理想の挫折からくる哀しみが一心に込められた伝説の断片。哀しみだけを削ぎ落とした結果の産物。大昔に打ち捨てられ風化せず今も残っているのは強力な魔翌力と哀しみが封じられているから。
- 608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/21(水) 11:31:02.36 ID:jjuY75qZo
- 【名称】蓄魔石(マナバッテリーとも)
【外見】基本形は幅10cm・長さ30cm程の黒い棒状の容器。中には水晶石が詰まっている。サイズ違いも様々で、大きさと貯蓄量は比例する。
【用途】マナの備蓄と放出
【特徴】
高濃度のマナを長期間浴び続けた事で、マナを蓄える性質を得た特殊な水晶石を利用したマナ貯蓄容器。現実における蓄電池のマナ版。
日々の余ったマナを貯めておき、自身のマナ保有量を実質的に増加させる使い方が主。マナの消費量が保有量を上回る魔法を行使したい時や、マナ切れに追い込まれた時等に重宝する。生活の中でも使える機会は多く、色んな利用法が考えられる今話題の一品。
ポーションのようなマナを回復させる薬品と比較すると、事前の貯蓄が必要な点とやや高価な点で劣り、繰り返し使える点で勝る。
これを搭載した「誰でも魔法を使える機械品」を機械都市が開発したとかしていないとか……。
- 609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/21(水) 11:44:59.88 ID:XWDGLeVX0
- 【名称】浮雲(うきぐも)
【外見】フワフワとした薄黄色の雲。
【用途】移動用。使用者の意思でまるで筋斗雲みたい空を飛ぶ事ができる。ちなみにフワフワしてさわり心地がとても良い。
【特徴】・自身の魔翌力を込めると浮雲の使用者として登録される(魔翌力は何でもいい)。登録した浮雲は使用者以外が使うと雲のようにすり抜けてしまう。使用者が亡くなると浮雲は消えてしまう。
・普段は1人乗りだが自身の魔翌力を込める事で少し大きくなり、2人乗りが可能となる(使用者が乗っている間はすり抜ける事なく1人乗れる)。浮雲を収納できる筒があり、リレーバトン位のサイズの為、持ち運びやすい。
・昔トウゲン帝国出身の男性が作っていたが病で突然亡くなってしまったのでどのように作っていたのかな不明になっており、待っていた人も次々に亡くなっているので数個しか確認出来ていない。そのうちの1つはシノホシのメンバーアウルが芸術都市襲撃後、テラヌス・ウルスから南西方面のさらに先にある廃村に偶然未使用の浮雲と使用方法が記載している紙を発見。何回も練習をし速く動く事はまだ難しいが操作は出来るようになった。
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