【まほあこ二次創作】柊うてな「ネロアリスちゃんの肩慣らしです」

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68 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:25:06.68 ID:f+MMGtZP0
レディ「・・・ああ、そっか。貴方の目は肉眼だったわね。え〜っと」

   「だいたい電気使いのミスティくらいかしらね。14〜15歳くらいか。私の目には透視機能がついてること忘れてないでしょ」

   「認識阻害の魔法でごまかしてたのよ」

コブラ「な〜んでえ、つまんないの。10年早いぜ」

レオパ(こんな早くバレるとか! さっそく悪い予感がしてきたんだが逃げていい?)

ベーゼ(大丈夫です。多分。保護者枠を私一人にしないでください)


メモ:コブラから見てモニターの向こう側から聞こえる声(マジアベーゼ達の声)は≪≫で表してます。
  ()は聞こえないように小声で話してるとでも思ってください。

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69 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:26:18.05 ID:f+MMGtZP0
コブラ 「まずはマイトシガーだ」

   ポイッ  ボウウゥゥン

レディ 「あら、湿気ってるみたいね」

コブラ 「ちぇっ 線香花火にもなりゃしねえ」

    「仕方ねぇなあ、そんじゃ、ま、俺の身分証明書その2といきますか」 スチャッ

    「危ねえから下がっていろよ〜」

アリス ≪ん≫ (身構える)

ベーゼ ≪そんな拳銃で壊せるような代物じゃありませんよ。一晩かかった力作なのです≫

レオパ ≪…いやあれはちょっと不味い。大きすぎるぞ。あんな馬鹿でっかいもの見たことねぇ≫

    ≪ネロアリスひとりの魔力じゃ勝負あり、だ。なんだよあれ≫
70 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:26:52.58 ID:f+MMGtZP0
コブラ 「知らねえのかい。パイソン77マグナムってんだ」

    「銃口初速2000m/s。 500メートルの距離から撃っても厚さ100センチの特殊合金を撃ち抜けるんだぜ」

レオパ ≪小型ミサイル並じゃねえかよ!? そっ 備えろー!≫

アリス ≪ん!≫

   ガウゥーン!  ビシッ

アリス ≪ん…≫

ベーゼ ≪は、ははは。壁が凹んだだけじゃないですか。3人の魔力を合わせりゃこんなものですよ≫

   (傷一つつくはずないのにまたまたまたまた訳の分かんない人が… 泣いていいかな…)

レオパ(終わったらホテル行こうや〜 慰めてやるよ〜)
71 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:27:46.29 ID:f+MMGtZP0
コブラ 「ふうん・・・ 凄いねえ そんならこれでどうだ」

   ガウゥーン!  パキィィ ー ィン

ベーゼ ≪壁に、穴が・・・ なぜ? どうして今度は穴が開いたんです!?≫

コブラ 「銃声が1発分しか聞こえなかったかい。腕は錆びついていないようだぜ。俺は0.1秒で6発全部を撃てるんだ」

ベーゼ (人間に可能なのかしら?)

コブラ 「・・・っと、だがここまでだな。鉛弾がなくなっちまったい。もうパイソンは使えねえな。お手上げだ」

ベーゼ ≪よ、よっしゃ! まだ小さな穴が開いただけだ!≫

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72 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:29:05.54 ID:f+MMGtZP0
レディ 「しょうがないわね。それじゃあ選手交代ね」

ベーゼ ≪鎧を着こんだ人が挑戦するんですって≫
 
レオパ ≪透視機能付きの鎧って珍しいね≫

レディ 「・・・貴女たち勘違いしてるわね。鎧じゃあないわ。自己紹介しておきましょうか。私はアーマロイド・レディ」

    「古代火星文明の遺物:ライブメタル製のボディを持つアーマロイドよ」

アリス ≪ん〜?≫

レオパ(ヴェナさん、何のことかわかる?)

ヴェナ(わからないね。全ての並行世界やマルチバースを把握してはいないんだ)

レディ「凄まじい超合金でできた戦闘用強化サイボーグみたいなものと言えばわかるかしら? 格闘技もできるわ」

レオパ ≪…そっ 備えろー!≫
73 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:29:35.97 ID:f+MMGtZP0
レディ「用意はいいわね。それじゃあ行くわ」

 「デヤァー!」
    「デヤァー!」
       「デヤァー!」

 掛け声とともに鉄拳が壁にめり込んでいき、壁にヒビが広がっていく

レオパ ≪まずいぞ、ここままじゃ・・・≫

レディ「ふう・・・ デヤァー!」 バキィーン

ベーゼ「か、壁がぁ‥‥」

レディ「これはこれは。直接会うのは初めてだったかな。初めまして」

ベーゼ「は、初めまして…」

レディ「私達は小さくされていたのねえ。凄い魔法じゃない。見直したわよ」

   「よっと。あら、部屋から出たら体も大きくなるのね」

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74 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:30:14.39 ID:f+MMGtZP0
コブラ「そいで閉じ込められたら出られない部屋ってえのはどこでぇ?」

ベーゼ「すいません。勘弁してください」

ヴェナ「ものすごい戦闘能力だね。それに言い方は悪いけど人〇しの悪党のにおいでむせかえるようだ。よかったら組織に入らないかい」

   「服の上からでも分かるよ。鋼のような筋肉じゃないか。君みたいな地獄をねぐらとしているような逸材を探していたんだ」

   「僕はヴェナリータというんだ。君なら明日にでも全ての悪の組織のトップに立てるよ」

レオパ「コラー! 本気かー!」

アリス「んっ・・・」 (ちょっと嬉しそう)

コブラ「よせやい。俺は子守が苦手なんだ。用事の途中なんだ帰らせてもらうぜ」

   「タートル号応答せよ。こっちに急行してくれ」

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75 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:31:38.14 ID:f+MMGtZP0
ヴェナ「すばらしい宇宙船だ。仕事とは無関係に欲しくなったよ」

アリス「んっ・・・」

コブラ「いやだ。ことわる。」

レディ「異次元潜航エンジンに異状なし。すぐにでも目的地に行けるわ」

コブラ「そんじゃさようなら。もう悪いことするんじゃあねえぜっ」
76 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:35:10.37 ID:f+MMGtZP0

ー タートル号操縦席

コブラ「・・・っとやれやれ。とんだ寄り道になっちまった。お土産運んでる中途だってのによ」

   「俺はすぐに出られたが、例の彼女は永遠にたった一人っきりになるところだった… 一部屋だけの宇宙、か・・・」(神の瞳編)

レディ「だからあなたが行っておしゃべりしてあげるのよ。いいみやげ話ができたじゃない。ところで・・・」

   「なぜサイコガンを使わなかったの。サイコガンならあれくらいの壁は紙みたいなものでしょ?」

   「単純な腕力だって私よりあるんじゃなかった?」

コブラ「ははっ レディ、自分が言ったんだぜ。『あんまり女の子を怖がらせるもんじゃない』」

   「それに見たところ俺たちの文明よりだいぶん遅れているようだ。見せびらかしちゃ悪いってもんよ」

レディ「それもそうね。さあ急ぎましょうか。近くまで来たらこのウサギを持って行ってあげて」

   「広い宇宙を、遠くの銀河の輝きを見せてあげましょう」
77 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:35:41.33 ID:f+MMGtZP0
Dー2  第五回戦反省会


うてな「ヴェナさん何を考えてるんですかまったく。勧誘するならですね、もっとこう可愛らしい女の子をですね」

ヴェナ「作戦だようてな。君はときめきとかざわめきを感じなかったかい? そうかタイプじゃないか」

   「ストレートに言えば彼は女たらしだ。背伸びしたい女の子から伴侶を求める大人の女まで、女のほうからハートを鷲掴みにして欲しがる」

   「でも彼はイバラの道の未来を選び、女が心に描いてる幸せは手に入らないかもね。そこでさらに惹かれる」

   「まあ君にとっての幸せは根本的に形が違いすぎだ。あまりに特異というか風変りというか」

うてな「う、うう・・・」
78 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:36:41.60 ID:f+MMGtZP0
キウィ「つまりあれか、トレスマジアどもを色仕掛けで堕とそうってことか」

   「その前にうちのこりすが女の顔になってるぞ」

こりす「ん・・・」

キウィ「駄目だこりす、もう彼には会えない。ギルドとかいうのと抗争しててあんなダイナマイトや拳銃を持ち歩いてるんだぞ」

   「こりすは天国に行けるだろ、でもあいつがいつか行くのは地獄だ。住む世界が違うんだ」

こりす「ん・・・」(しょんぼり)
79 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:38:15.62 ID:f+MMGtZP0
E 第六回戦:探偵


キウィ「頭が沸いてるのが一人だけでも手に負えないってのに二人に増えちまった」

   「おっと自分を忘れてた。三人だったな。これ以上増えないでくれよ」

こりす「ん・・・」

ヴェナ「そいつは保証できないね。さて前回は人間の能力の限界に近い人を選んだら他の宇宙から化け物が来た」

   「こんどはもう少し身体能力を抑えようか」

うてな「でも結構がんばれたと思うんですよね。小型ミサイルに一度は耐えられたし」

   「そんじゃあそういうのを探してくださいね、猫ちゃん」
80 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:38:58.25 ID:f+MMGtZP0
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ゴクウ(この町はどこだ。次元移動ミサイルの事故に巻き込まれたことは覚えている)

   (ビルの林がないってのは見晴らしが良いもんだ… うん? あの襤褸切れみたいなぬいぐるみは俺を呼んでるのか?)

   「殺風景な部屋だ・・・ 古臭いディスプレーしか置いてない。映画館か? チケット売り場はなかったが」

ベーゼ≪いやあ、お忙しいところご足労いただきまして。私は悪の組織エノルミータのマジアベーゼと言うものです≫

   ≪この部屋は特別に頑丈に作った、いわば閉じ込められたら出られない部屋… 出たいなら力づくです≫
 
   ≪まあ私たちの魔力で押さえつけますけどね。ふへへ≫

ゴクウ「そいつはいい。保証書はついてるのか。クリスマスに売り出せ。」
81 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:40:03.74 ID:f+MMGtZP0
 シュボっというライターの音が聞こえた。煙草に火をつけながら顔色一つ変えずにジョークを飛ばしてくる。
 ワイシャツなしのスーツとでもいうような独特の服装をしている。眼差しは淋しそうに渇いていた。

レオパ(なんか… 前回の人と同じ匂いがするんだが、知り合いかな)

アリス(ん)

ベーゼ(服装も同じようなテイストです)

ゴクウ「内緒のひそひそ話は女の子の特権だな。特に中学生あたりは秘密を持ちたがる」


 ー認識阻害魔法検知 解除中 解除成功ー

 ー氏名 阿良河キウィ 柊うてな 杜乃こりすー
82 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:41:21.19 ID:f+MMGtZP0
ゴクウ「そういうことかい、阿良河キウィ 柊うてな 杜乃こりす。こっちも自己紹介しよう。風林寺悟空だ。よくジェームズ・ディーンと間違われる」

レオパ ≪おい! 個人情報まで知られたのこれで2回目だ、どーすんだよ!?≫

ベーゼ ≪なぜ、どうしてわかったんです?≫

ゴクウ「調べりゃわかる。俺の左目は超高性能端末機になっていて世界中のコンピュータにアクセス可能だ。スキャナー機能もついている。」

   「お前さんたちの顔をスキャンして画像データ化しネットワーク検索するくらいすぐできるさ。住所と電話番号も把握済みだ」

   「だが驚かされたな。魔法を検知したのは初めてだしそっちの浮いている黒いのの正体は不明だ」

レオパ ≪嘘つけ、AI顔認証じゃねえか! 目ん玉みたいなちっちゃい機械でそんなことできるわけないだろ〜!≫

アリス ≪ん!≫ (そうだそうだ)
83 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:42:22.56 ID:f+MMGtZP0
ゴクウ「そんなに信用のない顔かな。刑事をやめて正解だった… 政治家にでもなろうか」

   「君のブラジャーの色でも透視してやったら信用するかい。おまけでスリーサイズも計測してやる」

レオパ ≪おまけにセクハラ魔だー! 私にセクハラしていいのはうてなちゃんだけだぞー!≫

ベーゼ ≪しないよ≫

ゴクウ「お前さん、自分の下半身を見たことがないのかい。どっちがセクハラ魔だ。まあいいお巡りさんを呼んでくれ」

   「犬のおまわりさんだぞ。なにせここに迷子の子猫ちゃんがいるからな」

   「安心してくれおうちも大丈夫だ。西暦2014年の東京シティに帰りたいって泣いてるんだ」

ベーゼ ≪2014年ってこりすちゃん産まれてたっけ? だいぶん昔だよ≫

アリス ≪ん?≫

レオパ ≪それに東京シティってなんだよ≫
84 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:43:53.73 ID:f+MMGtZP0
ゴクウ「なんだと? ・・・ ・・・・ 確かにそのようだ。ここでは2014年が昔のことらしい」

   「なんて未来だ。・・・違うなここは別の宇宙かもしれん。道理でOSがおかしいと思った」

   「次元移動ミサイルめ。今度会ったら損害賠償請求してやる」


ヴェナ ≪君たち目的を見失っていないかい? ネロアリスの魔力を鍛えるんだろ?≫

ベーゼ ≪あ、そうだった。え〜っとゴクウさんでしたね。そんなに急いで帰りたがらなくてもいいじゃないですか≫

    ≪ちょいと付き合ってくださいよ。具体的にはその部屋から出ようと足搔いてください≫

    ≪それとも諦めて子猫ちゃんとして飼われますか? なんてね、ふへへへっへ≫

    ≪いくらコンピュータネットワークに侵入できてもその部屋から出るのは無理ですよ≫

レオパ ≪おまけに私たちがどこの誰かまで知ってしまったからな。かわいそうだが一生そこにいてもらうぜ≫
85 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:44:25.72 ID:f+MMGtZP0
ゴクウ「そいつは断る。子猫は脱走の名人だからな。そしてこんな玩具まで持っている」

   「如意棒だ。こいつは無限に伸びるんだ」


     ギュオオオオ・・・・ オオォン  ドゴオオオォン

レオパ「壁に、穴が、2つ…」

 崩れた壁を広げて咥え煙草の男性が顔を出す。少なくとも見た目は人間であることが安心材料だと自分自身に言い聞かせた。
 左目が赤く光ったように見えた。キウィはスリーサイズとブラの色がバレるという恐怖を感じたが、そこまでデリカシーがなくはなかった。


ゴクウ「すまないがタクシー呼んでくれ。ツケで走ってくれるのが良い」

ベーゼ「ううう… 徹夜で修理して補強したのに…」

   「マグナムより酷いですよ。マグナムは弾ぎれしますから。」

アリス「…ん」

ゴクウ「おしゃべりはそこまでだ。悪の組織とか言ったな。ここはお前たちのアジトらしいが、俺がさまよった街とは別の空間か?」
86 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:45:00.52 ID:f+MMGtZP0
ヴェナ「ここはナハトベースだ。通常の空間とは別物だね」

ゴクウ「それなら俺が元いた世界・宇宙に帰る方法がわかるか?」

ヴェナ「残念だがわからない。マルチバースをすべて把握してはいないんだ」

ゴクウ「それじゃあ帰る方法を考え付いてくれ。できないなら魔法を使え」

ベーゼ(むちゃくちゃなこと言い出しましたよ!)

レオパ(魔法を使えって… んあっ!?)

   「異次元潜航エンジンのついた宇宙船をついこの間見たばっかしじゃねえか! そいつのおもちゃをつくりゃいいんだ!」

   「そいつを本物にしちまおうぜぃ! できっだろアリス?」

ベーゼ「む、む、むちゃだよ。そんなのネロアリスちゃんの魔力だけじゃ足りないよ絶対。」

ゴクウ「エネルギー問題か。この如意棒は衝撃波も出せる。威力は無限大だ。こいつを使えないか」
87 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:46:30.82 ID:f+MMGtZP0
レオパ(・・・無限?)

ベーゼ(さっきも無限ってさらりとトンデモナイこと言わなかった?)

アリス「ん」(なるたけやってみます)

レオパ「おっちゃんもさぁその義眼凄いんだろ。インターネット検索とか資料の分析・解析もできんの?」

   「できるんならパラレルワールドとか多元宇宙論とかの論文探して協力してよ。こっちは女子中学生だよ。」

ゴクウ「いいだろう。それじゃあ頼む。オートメーション化された工場もあればなおさら助かるんだがな」

ベーゼ(悪い人じゃなさそうですけど個人情報握られたら言うこと聞くしかないですよね)

レオパ(うん)

アリス(ん)



メモ:1989年のOVA「MIDNIGHT EYE ゴクウ」での風林寺悟空の声はムック(ガチャピンの相方)の声と同じ松田さん
88 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:47:05.40 ID:f+MMGtZP0
Eー2  第六回戦反省会

キウィ「おあ〜・・・・ 3人+ヴェナさんの魔力を全部持ってかれた・・・ でもきちんと動いてよかった・・・」

うてな「・・・やっと帰ってくれましたね。前回同様ハードボイルだけどもっと濃厚に危険な香りがしてバイオレンスでエロティックでした」

   「逆らったら私たちが正体だってことに加えて住所氏名電話番号スリーサイズに下着の色まで拡散されるかもと気が気でなかったです」

キウィ「露伴先生にもらった札束が宇宙船模型の材料に消えちまったぃ。泣けるぜ」

こりす「ん」

うてな「わかったことがあるんですよ。めっちゃくちゃ頑丈に作って魔力も3人分注ぎ込んだドールハウスなのに・・・」

   「力づくでいとも簡単にぶち壊されてしまいました」
89 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/20(土) 23:48:01.76 ID:f+MMGtZP0
キウィ「パイソン77マグナムやアーマロイド、無限に伸びる如意棒? が相手なら仕方ねえっしょ」

うてな「それは言えますけど、やっぱし考えなしのゴリ押しって失敗のもとですね。相手の特技や個性を研究して対処しないといけないんです」

   「例えば… 凍らせてくる敵なら高性能の暖房器具をいっぱい置いておく、とか…」

ヴェナ「それは言えているかもしれないね」

   「ネロアリスちゃんも様々な敵と戦い、着実に経験を積んでいます。もうちょっとで仕上がりますよ!」
90 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:37:15.36 ID:OZXdXJQH0

F 第七回戦:子守ロボット&小学生


うてな「力づくの相手は食傷気味です。もっとこういろいろ手を変え品を変え立ち向かってくる相手がいいですね」

   「私のもそうですが自分の領域に取り込んでしまえば何でもありのネロアリスちゃんの魔法にも臨機応変の判断力が必須です」

   「トップレベルの猛者達と戦ってアリスちゃんの魔法も鍛えられてますけどね」

キウィ「まあ気長に探しゃあいいだろ… 都合のいい奴がそうそう居るもんじゃねえよ」

こりす「ん…」

ヴェナ「バラエティ豊かな能力、ということだね。そもそも多芸なのか、一種類の能力で応用がきくのか… 」

   「! こいつはラッキーだ。あっちを歩いてる3人がいるだろう。あいつらを引き込むんだ」

キウィ「誰だよあの顔のデカいの。連れはこりすくらいか? もうちょい上かな?」

ヴェナ「いいからいいから。多分向こうは僕のこと知らないけど、悪の組織として知っておくべき相手なんだ」

   「とんでもないお宝が手に入る。はははは」
91 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:37:45.26 ID:OZXdXJQH0
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ドラ 「いやあ、今日は買い物につき合わせちゃって悪かったね2人とも」

ジャイ「いいってことよ。どうせ家にいても店番させられっからよ」

のび 「しずちゃんにスネ夫も来ればよかったのにね」

ジャイ「荷物もってやったんだぞ。お茶くらい飲ませてくれよ」

ドラ 「やっぱりそれが狙いかい。まあいいよ」

のび 「あれ・・・? しずちゃんたちも来てるみたいだよ、ほらあれ。迎えに来てくれたみたい」

(のび太はネロアリスのぬいぐるみをロボッターか無生物催眠メガホンで動いていると勘違い)

ドラ 「ああ、本当だね」

(ドラえもんはのび太の勘違いに引きずられた)

ジャイ「そんじゃあっちに行こうぜ」

(もちろんジャイアンも)

ドラ 「なかなかおしゃれな洋館に入っていったね。喫茶店かな?」

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92 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:38:17.54 ID:OZXdXJQH0
ドラ 「何だいこの部屋は。資材置き場かな」

のび 「あっ見てよ。あんなおっきなテレビがある」

ジャイ「なんでえ喫茶店だと思ったのによ。まあいい帰ろうぜ」

のび 「テレビとガラクタだけおいてあるなんて変なの〜」

   「?」ガチャ ガチャガチャ

   「ドアノブが壊れちゃったのかな?」

ドラ 「ええー? 何してるんだよもう」

ジャイ「俺がやってみる」

ドラ 「ああ力任せにやったらますます壊れちゃうよ」

   「いざとなりゃ道具があるからさ」
93 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:39:00.03 ID:OZXdXJQH0

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ベーゼ「なんですかあのずんぐりむっくりは。あんなのがすごいんですか?」

ヴェナ「僕たちの商売仇だよ。あまりに自然にこの時代に溶け込んでいるから君たちは不審に思うことすらないけどね」

   「彼は特定意志薄弱児童監視指導員… 要するに未来からきた子守ロボットだ。あまり活躍されると悪の組織に引っかける子がいなくなる」

レオパ「へえ〜 そう言われりゃあ変なロボットにも見えてきたぜ」

ヴェナ「世界各国に彼の仲間がいてね。ちょっとやりにくいと思っていたんだ。訓練ついでに排除してしまおう」

   「そうすりゃすばらしく便利な道具も大量に手に入る。僕たちは無敵だ。トレスマジアなんぞイチコロにできる。キヒヒヒヒ」

ベーゼ(ん? 私はこっちの味方でいいのかな?)

   「念のため僕は隠れているけどあとは任せたよ。やっちまえネロアリス! 君は最強無敗の神にだってなれるんだ!」
94 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:39:33.25 ID:OZXdXJQH0
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ベーゼ ≪初めまして皆さん、お困りのようですねぇ≫

のび 「あ、テレビに人が映ったよ。こっちが見えてるのかな」

ドラ 「こんにちは。ぼくドラえもん。ここは君の部屋かい? 悪いね、知らずに入っちゃった」

   「鍵が壊れちゃったみたいなんだ。外から開けてくれないかな」

ベーゼ ≪そいつはできない相談ですねえ。なぜなら皆さんはここで私達エノルミータに倒されるからです≫

のび 「ねえドラえもんの知ってる人? 聞いたことないよ」

ドラ 「今までにやっつけた奴らの残党かな」

ジャイ「やい! エノルミータだか絵の具三日だか知らねえけど何が目的だ? 教えやがれ!」

ベーゼ ≪この子の遊び相手になって欲しいんですよ。早い話がサンドバッグですね。必死に抵抗してください≫

アリス ≪ん!≫

レオパ ≪悪の組織が能力お披露目に一般人を襲うあれだよ≫

ドラ 「何言っているんだ。そんな乱暴な話があるか」
95 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:40:01.74 ID:OZXdXJQH0
ジャイ「・・・////」

のび 「・・・////」

レオパ ≪・・・? ・・・はは〜ん≫ ニヨニヨ

    ≪ひょっとしてさ、小学生の坊やにはコスチュームの刺激が強すぎた? ウブでやんのw≫ ニヨニヨ

ドラ 「ああもうまったく世話が焼けるなあ・・・ ドリームガン! 少し眠っててもらおう」 

   ズキュン  ズキュン

レオパ「はあ? 撃った!?」

ヴェナ(驚くことはないよ。おそらく麻酔銃だ。ああいった未来の不思議で便利な道具で彼はいろんなことができるのさ)

レオパ(その道具も頂いちまおうってことか)

ドラ 「四次元ポケットにしまってと。さてと、君たちエノルミータだっけ。どうも僕が未来のロボットだと知ってるようだね」

   「こっから見た未来の時空犯罪者ってとこかな」

ベーゼ ≪いいえ、それは違います。少なくともこの3人は現代人なので≫

アリス ≪ん≫

ドラ 「ふうん。どちらにしても僕たちを襲おうってわけだ。仕方ないね」

ベーゼ ≪ふっふっふ。覚悟は決まりましたか≫

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96 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:40:35.10 ID:OZXdXJQH0
ドラ 「馬鹿馬鹿しい。付き合ってられないよ。どこでもドアー! これで帰らせてもらうからね」ガチャ

ベーゼ(あのポケットみたいなのが倉庫なんだな〜 あんな大きいのも入るんだ)

ドラ 「あれ? どういうこと?」


ドアの向こうには資材置き場(?)が続いていた。いつもの空き地に行くつもりのドラえもんは面食らう。
どこでもドアが使えないのはどういう場合だったのかドラえもんは記憶をたどった。


ベーゼ ≪その空間は魔法をかけてあるから逃げれないんですよ≫

ドラ 「・・・そうみたいだね。もっと正確に言えばここは君たちの作った空間だろ。この場所は内蔵地図にないしドアは次元をまたげない」

   「どうも君たちを甘く見ていたね。ひみつ道具を総動員しなくっちゃ」

ベーゼ ≪そう来なくちゃ≫

ドラ 「その前に、緊急ドラミ連絡通信機! これで助けを呼んでやる。  ・・・だめだ電池切れだ」

ベーゼ ≪そ、そうですか≫

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97 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:41:03.50 ID:OZXdXJQH0
ドラ (スペースイーターじゃ時間がかかりすぎるね。見逃しちゃくれないだろ)

   「壁をぶち抜いてやる! 空気ピストル! バンバンバン」

ベーゼ ≪それくらいじゃあびくともしませんね≫

ドラ 「それじゃあ空気砲! ドッカーン!」

アリス ≪ん≫

ドラ 「机が飛んできてななめになった? そのためのガラクタか。その小さい子の超能力だね。圧縮空気弾の威力をななめの板で弱めるなんて」

   「ショックガン! 衝撃波ピストル! アタールガン!」


無機物にショックガンはあまり意味がなかった。アタールガンも威力不足だった。
そして衝撃波ピストルの衝撃波は、硬い壁などに当たると跳ね返ってくることをドラえもんは忘れていた。


ドラ 「ぐべへっ  おお痛い。衝撃波が跳ね返ってきた・・・」

98 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:41:38.37 ID:OZXdXJQH0
レオパ(ちょっと間が抜けてるとこがあるな)

ドラ 「手投げミサイル、ペンシル・ミサイル」

アリス ≪んー≫

ドラ 「駄目か。威力が弱いな。そんじゃあ取って置きだね」

   「君たちがかかってきたんだからね。悪く思わないでくれよ。ジャンボガン&熱線銃! これで最後だ!」

   「戦車だって吹き飛ぶしビルディングも溶かしちまうんだぜ?」

レオパ「おい! パイソン77マグナムよりマジヤバだぞあれ!?」

アリス ≪んー!≫


コンクリのブロックが飛んできてドラえもんの手からジャンボガンと熱線銃を叩き落とした。
そのまま2丁とも叩き潰してしまった。ひしゃげた銃を見てドラえもんが青ざめる。
99 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:42:31.63 ID:OZXdXJQH0
ドラ 「うわあ! なんてことするんだ、こいつは膨大なエネルギーを詰め込んだひみつ道具なんだぞ!? それを叩き潰したらねえ!」

ベーゼ ≪・・・変な音がして白煙が上がってきましたね≫

ドラ 「えっと、えっと、ないしょごみすてホール! ホールが開かない! じゃあ安全カバーをひっくり返して…  はひぃ、間に合った・・・」

   「やい! ものすごい大爆発が起きて部屋ごと吹き飛ぶところだったんだよ!」

ベーゼ ≪す、すいません・・・ ほらアリスちゃんも謝って≫

ドラ 「・・・!? 僕が安全カバーに入れば安全に君たちを吹き飛ばせたかもしれないのに」

レオパ ≪やっぱちょっとぬけてるとこあるぞあいつ≫

ドラ 「うるさいなあもう、放っておいてよ」

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100 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:43:11.18 ID:OZXdXJQH0
ドラ (なんで僕一人がこんな目に。のび太君だけでも起こしときゃ良かった)

   (起こしときゃ? これだ!)

   「夜ランプ、それに暗くなる電球!」

夜ランプをつけると出られない部屋が薄暗くなり、暗くなる電球で完全に真っ暗闇となった。
モニター越しではドラえもんがどこで何をしているのか全く見えない。


ドラ 「僕が何をしているのかわからないだろう」

ベーゼ ≪お部屋が真っ暗・・・ これはこれは≫

レオパ(あの2つって名前以外に何が違うんだよ? 良く見えねえな… )

   (なんだかぼんやり見えるような見えないような…)

ドラ「そして、こけおどし手投げ弾。音の機能は壊しておいた」

 ・・・カッ・・・ (ものすごい閃光)

アリス ≪ん!≫

ベーゼ ≪ぐう?≫

ヴェナ ≪うわっ?≫

レオパ ≪め、目が・・・≫
101 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:43:37.63 ID:OZXdXJQH0
ドラ 「暗いから目を凝らしてよ〜く見ていただろ? まさかスターライトスコープとか覗いてなかっただろうね。」

   「眼科に行っときな。そんじゃ僕は出ていく用意をするからね」

ベーゼ ≪くう 逃げられる・・・? まだよく見えない≫

レオパ ≪ぼ、ぼやける・・・  いやあっちだ、ネロアリス、あっちへ何か飛ばせ!≫

アリス ≪ん!  ・・・んん?≫


レオパルトがドラえもんらしき影を認めてネロアリスに指示を出した。それに従ってネロアリスは木槌を飛ばして影は粉々になった。
ドラえもんはロボットのはずなのに部品が散らばったりしないし悲鳴も聞こえない。何かおかしいなと思っているとドラえもんの声が聞こえる。


ドラ 「そいつはウソ800の入れ物じゃあない。僕はこの部屋から出ていくことができない」

   「そして僕ドラえもんが入っているのはどこでも大ほうだ。入った人はどこへでも飛んでいける機械、じゃないんだ。じゃあねじゃない!」

アリス ≪んん!≫

レオパ ≪よっしゃ間に合った! 木槌で叩けば大砲だってバラバラだぜ・・・?≫
102 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:44:31.37 ID:OZXdXJQH0
========================

ヴェナ ≪いや聞いたことある。あれは喋ったことがウソになる薬だ。「ドラえもんが入っているのはどこでも大ほうだ」だって?≫

ドラ 「そっちはコピーロボットじゃあないんだよ。これは通り抜けフープじゃない!」

   (これは壁の原子を揺らして穴をあけるんだ。空間を捻じ曲げるわけじゃないからどこでもドアじゃ駄目でも・・・)

   (ついでに、そろそろウソ800の効果が切れる頃合いだな)

ベーゼ ≪あ・・・≫

アリス「ん」


壁に空いた穴の向こうへドラえもんが消えていく。ネロアリスが大慌てでドールハウスを開いた。


ドラ 「通り抜けた! ってあれれ・・・? またどっかの家の中じゃないか」

   「さっきまで居たところじゃないね。なんだいあいつらは。・・・大きなぬいぐるみやブリキの兵隊、エノルミータの仲間だね」

ベーゼ ≪第二ラウンドですよ、ドラえもんさん≫

   (アリスちゃんがとっさの機転で領域展開してくれて助かりました。成長を感じますね)

    ≪あなたが部屋から脱出した瞬間、別の建物へご案内しました。残念でしたね≫

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103 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:45:16.18 ID:OZXdXJQH0
ドラ「とりあえず、タケコプター」

  「大きいだけで玩具じゃないか、おもちゃにはおもちゃだ、おもちゃの兵隊! それ突撃だ、みんな頑張れ!」

  「ころばし屋! 10円持っててよかった。みんなガリバートンネルを通って大きくなりな」

  「おまけでデラックスライト! これでデラックスなころばし屋と兵隊さんになったよ。撃て撃て!」

  ズダダダーン ガウン ガウン バキューン バキューン

アリス ≪んッ・・・ ん?≫

ベーゼ ≪これは不味い。防戦一方になってしまいました≫

ヴェナ ≪しかし壊されるほどの威力はないようだね。敵の弾ぎれを待とう≫

レオパ ≪あれ、どこへ行きやがったあのずんぐりむっくり?≫
104 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:45:51.42 ID:OZXdXJQH0
ドラ (透明マント。これで今のうちにこの館を探ろう)

アリス ≪ん? んん〜?≫

     うにゃー! ボカっ

ドラ 「あいて! 痛いなあもう。マントがはぎ取られちゃった」

   「な、なぜ見破れたんだい? 透明マントで見えなかったはずだ。まさか魔法!? 22世紀の科学が魔法に負けたって?」

ベーゼ ≪いやその・・・ その赤くて丸い小さいの、しっぽですか? それが見えてました≫

レオパ ≪ちょっと間が抜けてるところがあるって言われないか?≫

アリス ≪ん≫

ドラ 「し、しまった」

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105 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:46:42.15 ID:OZXdXJQH0
ドラ (透明マント。これで今のうちにこの館を探ろう)

アリス ≪ん? んん〜?≫

     うにゃー! ボカっ

ドラ 「あいて! 痛いなあもう。マントがはぎ取られちゃった」

   「な、なぜ見破れたんだい? 透明マントで見えなかったはずだ。まさか魔法!? 22世紀の科学が魔法に負けたって?」

ベーゼ ≪いやその・・・ その赤くて丸い小さいの、しっぽですか? それが見えてました≫

レオパ ≪ちょっと間が抜けてるところがあるって言われないか?≫

アリス ≪ん≫

ドラ 「し、しまった」

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106 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:47:11.80 ID:OZXdXJQH0
ドラ 「どうすりゃいいんだ・・・」

なる (ドラえもん、ドラえもん、聞こえるかね? なるほどロボットだ。ポケットの中から話すから聞きたまえ)

   (敵にバレるといけないからこっちは見ないほうがいい。大丈夫だ時間稼ぎすればよろしい。自分で解決しなくていいのだ)

   (ミチビキエンゼルもそう言っておる)

ドラ (頼りになるね、とにかく君たちを信じようか。ありがとう)


倒さなくてもいいというのなら逃げ回っていてもいいということか。それなら捕まらないようにすればいいとドラえもんは考えた。
敵は自律的に動いているわけではなさそうだ。どうしても一呼吸遅れて動く。その点で優位に立てそうな道具ならいくつかある。


ドラ 「クイック&スロー、このクイックのほうを飲む。ついでにチャカチャねじ巻き(ハッスルねじ巻き)も巻いておこう」

   「そうするとね、とっても速く動けるようになる。こんな感じにね」

    ヒュン    ヒュオン

ベーゼ ≪す、すごい速い!≫

ヴェナ ≪落ち着け。いくら速くても領域展開からは逃れられないよ≫

レオパ ≪敵兵はだいたい片付いたぞ。こっちのが防御が固かったんだ。じっくり探しゃいい≫
107 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:47:47.70 ID:OZXdXJQH0

ああそうか。今いる場所は敵の一人が魔法やら超能力やらで物を飛ばしてきたり操ったりできる場所じゃないか。
逃げ回るだけではいくら速く動いてもそのうち捕捉されるかもしれないな。やっぱり次から次へと攻撃しなきゃダメか。


ドラ 「コエカタマリン!」

  ワワッ!! 
        ワワッ!! 
               ワワッ!! 

ヴェナ ≪まだ飛び道具があるのか。しかも音速ということかい?≫

レオパ ≪だけどあっちの思うようには利いてなさそうだぜ。こっちは堅いんだよ≫

ベーゼ ≪アリスちゃんのおかげですよ≫

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108 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:48:21.06 ID:OZXdXJQH0
ドラ 「その子の魔法は念力みたいなものだね。ただの玩具を動かして操ってるわけだ」

   「無生物催眠メガホン。君たちはドラえもん配下のひみつ道具だ! ドラえもんの命令に従うんだ!」

レオパ ≪ぐぐ、第二回戦と同じような展開に・・・≫

ベーゼ ≪でもアリスちゃんが押してますよ。こっちの支配下に置けそうです≫

アリス ≪んんー!≫

ドラ 「ひみつ道具ひとつとどっこいどっこいか。やっかいな魔法じゃないか。」

   「それじゃあね、ロボッタ―! こいつをくっつければ僕の命令に従うロボットになるんだ。えい!」

ベーゼ ≪手伝いますよアリスちゃん。魔力を貸してあげます≫

アリス 「ん〜」

ドラ  「そしてなんでも操縦機。さっきから見ていると猫のお化けが君のお気に入りのようだ」

    「僕に操縦されるぬいぐるみを他の玩具で攻撃できるかい」

アリス 「んーん」(否定)

ドラ  「だろうねえ」

    「そしてコピーロボット。僕の代わりに頼むぜ」

コピー 「あいよー 任しとけ」
109 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:48:50.26 ID:OZXdXJQH0
ヴェナ ≪逃がすか! おもちゃ以外も操れるって忘れてないか?≫

    ≪コピーロボットに金床を直接ぶつけてやる!≫

   ゴ ッ ツ ン

コピー 「ぐへえ〜 悪いけど僕はもうだめだ、すまないね。本物の僕も気をつけな」 プシュ〜・・・ 

ドラ  「なんて乱暴な奴らだ。ええと、ええと、ひらりマント・・・ はずっと使ってないといけないね。」

    「がんじょうを飲んでおこう。これで僕は鉄より硬いから瓦礫やガラクタでもどんと来いだ」


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110 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:49:18.03 ID:OZXdXJQH0
ドラ 「そしてミニドラえもん! 3人いるんだ。壊されちゃ困る、がんじょうを飲んどきな」

赤「どら」 緑「どら」 黄「ら」

べーぜ ≪あら可愛らしい。一体欲しいです≫

アリス ≪ん≫

ドラ 「君たちおもちゃの兵隊&ころばし屋を出しな。ビッグライト! フエルミラー!」

   「ロボッタ―は外されたのか。でもメガホンの効果は残ってるね。止まれ、動くな! 今だよミニドラ」

赤「どらら!」 緑「どら!」 黄「ら!」 (撃て撃て! 撃ちまくれ! それ!)

 パン パン  パン パン パン

ドラ 「いいぞ、空気砲やミサイルも使うんだ!」

レオパ ≪ちッ 玩具ども、気を抜くとずんぐりむっくりを守ろうとしやがるぜ。おまけに敵の数が増えやがった≫

べーぜ ≪でも一体一体の性能は落ちているようですよ。悪あがきですね≫

ドラ  「そりゃあ本命はこっちだからね。たつまきストロー! こいつで吹き飛ばしてやる。おまけで強力うちわ「風神」!」
111 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:49:48.18 ID:OZXdXJQH0

 「たつまき」とか「うちわ」とか聞こえたので嵐を呼び起こすひみつ道具だとネロアリスは理解した。
 配下のおもちゃ軍団にひとかたまりになって耐え過ごすように指令を出す。しかし想像以上の風圧でいくつか吹き飛ばされてしまった。

   ビュオオオオオオ・・・・・  ギュオオオオ・・・・ オオオ  ・・・・


レオパ ≪うわっ! こりゃひどい!≫

ヴェナ ≪ひるむな。ただ単に飛ばされただけだ。≫

アリス ≪ん・・・ ≫

ベーゼ ≪え、飛ばされないよう魔法で抑えてたのに飛ばされた? まずいな疲れてきちゃったみたい。魔力が低下してる≫

レオパ ≪こっちもひみつ道具だ。元気栄養ドリンク〜! ほらこれ飲んで頑張りな。冷えてておいしいぞ≫


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112 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:50:47.64 ID:OZXdXJQH0
ドラ 「今のうちだね。ミニドラ、戻ってきてポケットに隠れな。今から壁をぶち抜くから」

   「強力ウルトラスーパーデラックス錠! ウルトラリング! ・・・は意味ないか。スーパー手ぶくろ!」

   「レンガやら金床やらダンベルやら置いといたのが裏目に出たね。今の僕はサイヤ人やスーパーマンみたいなもんだ。ガラクタでぶち破ってやる」

レオパ ≪あ・・・ ≫

 自信たっぷりの顔のドラえもんがいつの間にやら集めていたガラクタを一つ握りつぶして粉々にした。
 レオパルトとベーゼは「お前たちもこうなるのだ」と威嚇されたと思って恐怖した。
 だが2つ3つ粉砕するとドラえもんは怪訝な面持ちになり、やがて青ざめてきて、最後には泣きそうになった。
 ドラえもんが何をしたいのかエノルミータの3人と1体にはわからなかった。

ヴェナ ≪・・・?≫

ベーゼ ≪・・・ あれ、何してるんです?≫

ドラ 「飲み過ぎだった。力加減が上手くできないんだよ。レンガでも石ころでも掴んだら粉々になっちゃうんだ」

レオパ ≪掴む・・・? 団子やゴムまりみたいな手でどうやって掴んでんのそれ?≫

ドラ  「ペタリハンドって言ってね。正確に言えば吸い付かせるんだ。でも掴むって言えば意味わかるだろ?」

    「やりにくいから手袋をはずそう… あっ、破れちゃった。今度は慎重に・・・ タイムふろしきに包まる」

    「これで強力ウルトラスーパーデラックス錠を飲む前の僕になったよ」
113 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:51:35.79 ID:OZXdXJQH0
ベーゼ ≪記憶は消えないんですね≫

ドラ 「漫画だから細かいことはいいの」

レオパ ≪・・・ガラクタを投げつけないで壁を自分で殴ったらいけなかったのか?≫

ドラ 「あっ」

レオパ ≪おっちょこちょいのあわてんぼ〜w≫

ドラ 「放っておいてって言ってるじゃないか!」

レオパ ≪ずんぐりがバカやってる間にネロアリスが復活したぜ〜 回りくどいこと止めてさ、直接壁にぶつけちまえっ それ!≫

アリス ≪んん〜≫ (重いなあ)
114 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:52:22.19 ID:OZXdXJQH0
ドラ 「わ、わ、わ、 僕は129.3キログラムだぞ、よく持ち上がったね、 うわあー」

      べ ち こ 〜 ん

   「ぐへえ・・・ 酷いじゃないか。だったらエスパーぼうし!」

   「念力(テレキネシス)、透視(クレヤボヤンス)、瞬間移動(テレポーテーション)が使えるんだぜ」

ヴェナ ≪透視と瞬間移動はとにかく、念力はやっかいだな≫

ベーゼ ≪おっと、忘れてましたよ。ロボットだけど人間みたいにエスパーになれるというのなら≫

    ≪アリスちゃん、あのずんぐりを私たちの子分にしてやりましょう!≫

アリス ≪ん!≫

ドラ  「へ? ・・・・精神操作か!? それじゃあこれだ、四次元ハット〜!」

    「『ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?』でドラ・ザ・キッドが被ってた帽子と同じ型番だよ」

レオパ ≪よくわかんねけど洗脳は出来ないってことか≫
115 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:53:09.53 ID:OZXdXJQH0
========================

ヴェナ ≪ちくしょう、やけに粘るじゃないか。とはいえ使い方の解説はありがたい、か≫

レオパ ≪そろそろ決めねえと元気ドリンクなんかその場しのぎだぞ≫

ドラミ ≪こっちも飲みましょ。錠剤だけどおいしいわよ≫

レオパ ≪お、サンキューな≫

アリス ≪ん≫

ベーゼ ≪気が利くじゃないですか。ありがとうございます≫
116 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:53:39.25 ID:OZXdXJQH0
レオパ ≪どこへ行ってたんだよ≫

ドラミ ≪ごめんね、この階級ワッペンを取ってきたのよ。みんなは二等兵のをつけてね≫

    ≪そして私は大元帥のワッペンをつけるっと。質問に答えなさい。みんなオモイコミンを飲んだわね?≫

4体  ≪イエス、マム! 全員オモイコミンを飲みました!≫

ドラミ ≪それじゃあ私を最高司令官と思い込むのよ。私が戻るまで待機せよ≫

4体  ≪イエスマム!≫
117 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:54:38.27 ID:OZXdXJQH0
========================

ドラ 「ドラミ〜 助かった〜 どうしてここが分かったんだい?」

赤「どら」 緑「ら」 黄「っら」

ドラミ「ドラえもんズ結成記念パーティーの買い物からなかなか帰ってこないから居所探知機とたずね人ステッキを使ったのよ」

   「そしたらお兄ちゃんが悪の組織とドンパチやってるじゃない。だからまず仲間入り線香で私を仲間と思わせて」

   「飲ませたオモイコミンと階級ワッペンであいつらは末端の下っぱで私がトップだって思い込ませちゃった」

   「ついでに魔法辞典にエノルミータ構成員を洗脳する方法を書いといたのよ。駄目押しで未来ノート、あらかじめ日記も使ったわ」

ドラ 「流石はドラミだ。本当に助かったよありがとう。こいつらのこと知ってるのかい?」
118 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:55:07.38 ID:OZXdXJQH0
ドラミ「何言ってるのよ子守り学の座学でやったでしょ。この時代に暗躍した悪者集団エノルミータ!」

   「まあ私たちの時代にはとうに壊滅してるから詳しくはやらなかったかな。」

   「それでね、お兄ちゃんよく聞いてね。まずタイムパトロールに連絡してこいつら逮捕してもらおうと思ったんだけど管轄外なんだって」

ドラミ「管轄外? そういや時空犯罪者じゃなくて現代人だとかなんとか言ってたな・・・ この時代の法令に介入しちゃいけないからね」

   「次にこの時代の警察に通報したら、今度は悪の組織のことは魔法少女に一任してあるって言われちゃった」

   「そもそも下手人は小中学生だから無理に警察沙汰にしても補導がせいぜいよ。ヴェナリータは人間じゃないからこっちも難しいの」

ドラ 「なんだいそりゃ」
119 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:55:47.01 ID:OZXdXJQH0

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ドラミ「つまりなっともならんってことね。でも放ってはおけないでしょ」

   「そういうわけで、私たちの記憶や知識をこいつらから完全に消去するってのはどう?」

   「ヴェナリータがお兄ちゃんを狙ったのもひみつ道具欲しさなんだから、それで問題は解決すると思うんだけど」

ドラ 「そいつはいい。それでもう絡まれることもなさそうだ。」

ドラミ「だったらさっそく・・・ わすれろ草! ワスレンボー! メモリーディスク!」

   「そして魔法辞典、未来ノート、あらかじめ日記っと・・・ これでもう大丈夫よ。のび太さんとジャイアンさんにも忘れてもらいましょ」

   「壊れちゃった玩具やドールハウスは復元光線で直しとけばいいわね」

   「10分もすればメモリーディスクの偽の記憶を覚えて目を覚ますわ。さて帰りましょうか」
120 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:56:57.92 ID:OZXdXJQH0
========================

ドラ 「いやいや今日は2人ともご苦労だったねえ。だいぶ歩かせちゃったみたい」

のび 「う・・・ん」

ジャイ「ふあぁ〜 なんだもうこんな時間か」

ドラミ「今日はお兄ちゃんにつきあってくれてありがとうね。お礼に私がお夕飯をおごるわ」

のび 「ドラミちゃんも来てたんだ」

ジャイ「お! ほんとか! だったらよ、この近くにおいしいカツ丼屋ができたって噂だからよ、行ってみようぜ」

のび 「さんせ〜い」

ドラ 「僕の分は僕が出そう。それじゃあ行こうか。遅くなるって電話しときなよ」

ジャイ「おう、ちょっと連絡してくる、あっちのほうだから先に歩いててくれ」

   「すぐに追いつくからよ〜!」
121 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:57:35.75 ID:OZXdXJQH0
Fー2  第七回戦反省会


うてな「今日はこりすちゃんの欲しいお人形さん探してあっちこっち歩きましたねえ。見つからずに残念でした」

   「明日からネットでも探してあげますからね。気を落としちゃだめですよ」

キウィ「すっかり遅くなっちまったな〜。もうどっかで晩飯喰ってこうぜ〜 そんでそれから一泊しようよ〜」

うてな「明日は学校あるから駄目だし明日がお休みでもホテルは行かないよ」

こりす「ん」

キウィ「ちぇ。つれないの。晩飯だけでもどっかで食べてこうよ。おなかすいたしラーメン屋行こうよ」 
122 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/07/29(月) 23:58:08.79 ID:OZXdXJQH0
うてな「いいよ。こりすちゃんどうする? 行くんならおうちの人に電話しておきなよ」

キウィ「夜中に小学生を連れまわす中学生カップルとか補導案件だかんな。保護者の承諾は得とかんと」

うてな「カップルじゃないけど」

キウィ「ヴェナさんにも唐揚げくらい買ってやろっか?」

ヴェナ「そうかい。ありがたいね。ご相伴にあずかろうか」
123 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:26:39.52 ID:4Rsh0DBe0
G 第八回戦:からくり人形


うてな 「やれやれ、こりすちゃんのお人形探しもひと段落しましたし、そろそろ魔力強化特訓を再開しましょうか」

ヴェナ 「そうだね。せっかく身についた経験だ。放っておくとまた感覚を忘れてしまうからね」

こりす 「ん」

キウィ 「あ〜 肩慣らしも良いけどさぁ・・・ うっぷん晴らしとか景気づけとかして〜な〜」

うてな 「ホテルには行きませんよ」

キウィ 「違うって! 4回目で失敗したやつだよ! こちとら悪の組織の幹部だぞ、それくらい許されっしょ」

    「まあアレだ、あんまり弱っちいのだと気が滅入るから加減が難しいけどさ」

    「面白半分に小突いたり引っ叩いたりしても弱い者いじめにならないくらいのはいないのかよ」

こりす 「ん〜」(ジト目)

うてな 「な、なんて自己中な…」

    「あれれ、なんでしょうあの小っちゃいの。人間じゃなさそうだけど… 生意気にも刀なんか背負っちゃって」
124 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:27:15.01 ID:4Rsh0DBe0
========================

コロ助 「〜♬ コロッケいっぱい買っちゃったナリ〜 ママさんのコロッケも美味しいけどたまにはお店で買うのも楽しいナリ」

    「キテレツ、みよちゃん、ブタゴリラにトンガリ、勉三さん、それにワガハイの食べる分で、ええっと・・・ 12個ナリ」

    「早く家に帰って食べるナリ〜♪  おや? 可哀そうに、おんぼろの子がいるナリ。コロッケ食べるかい、ナリ」

    「え、そっちが君のおうちナリか? 武士として怪我してる子を放っておけないナリ。送ってあげるナリよ」
125 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:27:46.05 ID:4Rsh0DBe0

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キウィ 「改めてよく見れば、なんだあの小っちゃいの… ロボット? にしては動きが滑らかだな」

    「頭はボールで体は… お風呂の桶かな?」

うてな 「アリスちゃんのぬいぐるみにコロッケを食べさせようとしてますよ。そうすると年齢は幼稚園児くらいかな」

    「あ、ついてきた‥‥」

ヴェナ 「ふうん・・・? 僕もあいつが何なのかわからないね。興味深い」

アリス 「ん」
126 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:28:20.07 ID:4Rsh0DBe0
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コロ助 「? ここが君のおうちナリか。なんだか窓のない部屋ナリね。あ、おっきいテレビがついてるナリ」

    「こんな大きいのでグランドロボを見たら、さぞかし大迫力ナリねえ」

ベーゼ  ≪残念ですがロボットアニメは上映しませんよ≫

コロ助 「それは残念ナリ。ワガハイは怪我をした子をここへ送り届けただけだから、これで失礼するナリ。さようならナリ」

レオパ  ≪そうは行かねえな。もうちょい遊んで行けよ≫

コロ助 「寄り道しちゃだめってキテレツに言われたナリよ。おいとまするナリ。 ・・・・ぎょへっ!? 化け猫ナリ!」

127 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:28:54.17 ID:4Rsh0DBe0
アリス  ≪・・・ん≫(にんまり)

ベーゼ  ≪ここは悪の組織エノルミータの用意した部屋です≫

ベーゼ  ≪どうしても帰るというのならコロッケ置いていきなさい。そしたら無事に帰してあげますよ≫

レオパ (おいコロッケなんか強奪してどうすんだよ)

ベーゼ (お腹すいてきて食べたくなってきました… それに私達って悪者だから…)
128 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:29:30.01 ID:4Rsh0DBe0
========================

コロ助 「コロッケ泥棒に変な部屋に閉じ込められてしまったナリ。しかしワガハイは侍の端くれナリ。悪者に屈するわけにはいかないナリ」

    「エノキダケとかいう悪党を成敗してやるナリ! こんな時のためにキテレツが発明品を持たせてくれたナリ」

レオパ ≪最初の二文字しか合ってねえ。やっぱ幼稚園児か≫

コロ助 「放っておいてほしいナリ。ワガハイこそキテレツの発明品第1号、助手兼掃除当番のサムライ・コロ助ナリ! いざ!」

ヴェナ  ≪発明品だって? キテレツというのは君を作った人なのかい≫

コロ助 「その通りナリ。ワガハイの他にも発明品がいっぱいあるんだナリ。」

    「いろんなことができてみんながビックリするナリ」エヘン
129 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:30:02.74 ID:4Rsh0DBe0
ヴェナ  ≪そうかい、それじゃあ君が持っているものだけでもいただくとしようか≫

コロ助 「コ、コロッケのみならず発明品まで盗むつもりナリ!? とんでもない泥棒ナリ! 絶対に絶対に渡さないナリ!」

レオパ (おいおい、そこまで分捕らなくてもいいじゃねえかよ)

ヴェナ (わからないかいレオパルト、あのコロ助とかいうやつ、今の科学じゃまず作れないぞ。あの頭はどうみてもゴム毬だろう)

    (そんなものを作り出した人物の発明品… 悪の組織としては喉から手が出るほど欲しいね)

レオパ (そう言われるとそうだな)

========================
130 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:30:40.49 ID:4Rsh0DBe0
コロ助 「まずはこの部屋から出ないといけないナリ エイヤ!」


コロ助が背中の刀を抜いて威勢よく壁に切りかかる。しかし無常にも跳ね返される。
跳ね返されて転がったところで巨大化け猫に襲われる始末であった。


コロ助 「ふんぎゃあ、ワガハイ、お化けは嫌いナリ! 如意光ナリ!」 
 

   テーテ テーテ テレレッレー テッテッ


 懐中電灯のような器具でネロアリスの巨大猫を照らすとみるみる小さくなるではないか。
 これにはヴェナリータも驚きを隠せない。大興奮である。

ヴェナ ≪こいつは凄い! あの猫を小さくするなんてどういう技術だい?≫

コロ助 「ワガハイはよくわからないナリ。でも小さくしたらなんとか勝てるかも知れないナリ」

  「一人を大勢で襲おうとは卑劣ナリ、1対1で正々堂々と勝負するナリよ」
131 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:31:23.84 ID:4Rsh0DBe0
ベーゼ ≪むう、確かに・・・ あんまり力の差があっても興ざめですね。それじゃあちょうど小さくなったその子でいいでしょう≫

アリス ≪ん!≫

コロ助 「いざ尋常に勝負、ナリ」

    「えいや! とあー! きえー!」

 未来の世界では剣道師範になっているくらいの腕前である。簡単に負けたりはしない。
 それどころか押しているではないか。ちなみにコロ助の日本刀はピストルの弾をはじき返す描写がある。

アリス ≪んん…≫

ベーゼ ≪あの子なかなかやりますね。ネロアリスちゃん頑張れ≫

コロ助 「ていやー!」

   ふにゃー!?   どさっ
132 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:31:58.60 ID:4Rsh0DBe0
アリス  ≪んっ・・・≫

コロ助 「安心するナリ。ワガハイ、無益なせっしょうは好まないから峰打ちナリ」

    「実際には歴史上どの剣術の流派にも峰打ちなんて技は存在しないけどカッコいいから練習したナリ」

レオパ  ≪へえー お前、物知りじゃねえか。そんなの知らなかったぜ≫

コロ助 「褒められると照れるナリ」 えへへ


========================
133 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:32:34.93 ID:4Rsh0DBe0
レオパ ≪ところで・・・ 何か無くなっているものはないかい?≫

コロ助 「ほえ? あー!? コロッケが持っていかれるナリ! 返すナリー」


猫一匹を倒したところでネロアリスのおもちゃ軍団はいくらでもいるのだ。バレリーナみたいな人形がコロッケを持って逃げていく。
コロ助が大慌てでその後を追いかける。

コロ助 「コロッケを返すナリ―! 待つナリー!」

レオパ ≪待てと言われて待つ馬鹿はいね〜よ≫

ヴェナ (なるほど、これで彼をこっちへ誘い込んで捕獲するわけだね)

ベーゼ (え? ああそっか。そこまで考えてなかった。)
134 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:33:02.99 ID:4Rsh0DBe0
コロ助 「や、やっと取り返したナリ。 ・・・なんだか軽くなっているナリね。2個入の包みが・・・ 1、2、3、4、5つナリ」

    「キテレツ、みよちゃん、ブタゴリラ、トンガリ、勉三さん、ワガハイ・・・ 全部で5人かな、ナリ。ええと、ええと」

    「あっ違うナリ! 6人だから包みを1つ盗まれたナリ! 返すナリー!」

ベーゼ (私はコロッケが欲しくて・・・ さすがに全部取り上げたらかわいそうだから2個だけ・・・)

レオパ (コロッケがメインかよ! しかも一人につき半分じゃねえか) 

アリス 「ん」

コロ助 「に、逃げられたナリ、見失ったナリ! うわあ〜ん うわあ〜ん 」

ベーゼ (心が痛むので共犯になってください・・・)

135 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:33:32.99 ID:4Rsh0DBe0
========================

ベーゼ  ≪あ、でもすごい美味しいですねこれ。ばいきんまん大先輩になった気分ですよ。ははは≫

レオパ  ≪ほー まだ揚げたてだな、やっぱ揚げたてが一番だな≫

アリス  ≪んっ≫ もぐもぐ

コロ助 「うぐぐ〜 泣けるナリ」

ベーゼ  ≪コロ助ちゃんはコロッケの美味しいお店を見つけるのが上手いんですねえ≫

コロ助 「チラシや地域情報誌をよく読むナリよ。特集があってお小遣いがあれば買いに行くナリ」

レオパ (機嫌なおったぜ。ちょろ!)

ヴェナ  ≪研究熱心でいいことじゃないか。コロッケを盗んだことは謝るよ。空腹だったものでね≫

     ≪ところでその如意光の他にはどんな発明品を持っているんだい≫
136 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/06(火) 13:34:04.25 ID:4Rsh0DBe0
コロ助 「野良犬に襲われた時のために愛愛あめを持ってるナリ」


   テーテ テーテ テレレッレー テッテッ


コロ助 「これを生き物に食べさせると食べさせた人を慕ってくるナリ」

ベーゼ  ≪なにそれ! めっちゃ欲しい!≫

コロ助 「? 悪の組織のくせに野良犬に襲われるナリ? そんなのおかしいナリ」

    「キテレツは他にも、ええと、2人で入れば本物の夫婦だと思い込むこころみの家とか、動物を自由に動かす獣類操り機とか発明したナリ」

ベーゼ  ≪魔法少女も植物や菌類じゃないから動物に該当するよな… めっちゃ欲しい!≫
137 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:51:38.00 ID:yzVy9JAl0
レオパ  ≪是が非でも手に入れるぜ、絶対に!≫

アリス  ≪ん!≫

コロ助 「あ、そういえばお前たち、発明品も分捕るとか言っていたナリ! 余計なこと喋っちゃったナリ?」

ヴェナ  ≪君を人質… ロボ質にしてキテレツとかいう人に発明品を持ってきてもらうことにするよ≫

レオパ  ≪悪く思うなよ。このレオパルトちゃんにはマジアベーゼちゃんと本物の夫婦・・・ 婦婦? になるという壮大な夢があるのだ≫

コロ助 「一大事ナリ! 必殺召し捕り人か唐倶利武者でも連れてくればよかったナリ!」


========================
138 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:52:07.26 ID:yzVy9JAl0
ヴェナ  ≪君くらい高級だと催眠術くらい効くだろう。ネロアリス、とりあえず眠らせてしまえ≫

アリス  ≪ん!≫

ドラミ  ≪はいはいわかったわ。砂男式さいみん機! まったくもう… よしよし4人とも寝たわね≫

ドラミ  ≪コロ助さん大丈夫だった? 怪我はなさそうね≫

コロ助 「た、助かったナリ。ありがとうナリ。ええ〜と…」

ドラミ  ≪ドラえもんの妹のドラミよ。悪いけどコロ助さんにも寝てもらうわね。さいみん機!≫

ドラ   ≪見に来てよかったよ。魔法でひみつ道具の効果が薄まることがあるっていうものね≫

ドラミ  ≪話がややこしくなるからコロ助さんにも忘れてもらいましょ。こいつらももう一回記憶消去ね≫

ドラミ  ≪江戸時代に22世紀のひみつ道具にも匹敵するいろいろな発明品を作り上げた異才・キテレツ斎・・・≫

ドラ   ≪発明品を悪用されないで本当良かったよ。オーパーツにも程がある代物ばっかりだからね≫

========================
139 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:52:34.46 ID:yzVy9JAl0

コロ助 「う、う〜ん… 」

トンガリ「あ、いたぞ! こんなところで寝てちゃだめじゃないか。探したんだぞ」

コロ助 「トンガリ、どうしてここに、ナリ?」

トンガリ「コロッケ買いに行ったのに戻ってこないからキテレツもみんなも心配してるぞ。早く帰ろうよ」

コロ助 「そうするナリ。コロッケはここに… ありゃ? 包みが5つしかないナリ!?」

トンガリ「ええー? 落としたんじゃないかい。まあ大丈夫だよ。勉三さん、友紀さんとのデートの約束思い出して出かけちゃったから」

トンガリ「だから僕たちだけで食べてくれだってさ。だから5人でいいんだよ」

コロ助 「それを聞いて安心したナリ」

トンガリ「さ、暗くなる前に帰ろうよ。コロッケは晩御飯にすりゃいいか」
140 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:54:13.10 ID:yzVy9JAl0
Gー2 第八回戦反省会


キウィ 「面白半分に小突いたり引っ叩いたりしても弱い者いじめにならないくらいのって居ないもんだな」

キウィ 「今日は一日、待ちぼうけだったな…」

うてな 「ねえキウィちゃん、何か食べたような感触が口に残ってるんだけど、キウィちゃんはどう?」

キウィ 「ええー 気持ち悪いこと言うなよ〜 ・・・あれ? フライドポテトかな」

こりす 「んー」

うてな 「私はハッシュブラウンみたいに思うんですけどねぇ」

ヴェナ 「おかしなこともあるものだね」

ヴェナ 「それじゃまた数日後に集合してもらおうか。そろそろ仕上げと行こうじゃないか」
141 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:54:57.38 ID:yzVy9JAl0
H 第九回戦:高校生3人組


うてな「さて今回で7回目です。出られない部屋作戦で魔法力を鍛えた成果を見てみようと思います」

こりす「んっ!」

キウィ「でもさ、規格外のを誘い込むとまたこっちがケチョンケチョンにされて終わりだよ?」

   「格闘技をたしなんだことがあるとか、常識の範囲で喧嘩が強いとかにしときなよね」

ヴェナ「まあそういう人が通りがかるのを待とうか。いなけりゃ探しに行ってもいい・・・」

   「・・・あいつらなんかどうだい。ちょっと真面目そうなやつとモヒカンのコンビが歩いているね」

   「おっともう一人いたか」
142 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:55:27.15 ID:yzVy9JAl0
キウィ「お、いかにも頭が悪そうな顔! いいねあいつらにしよう!」

   「何だあのドラム缶?」

うてな「そんなものないよ?」

キウィ「あれ、見間違いかな・・・?」

========================
143 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:56:32.55 ID:yzVy9JAl0
林田 「道に迷ったから聞こうと思っただけなのに妙な家に閉じ込められちまったぜ・・・ なんだよあの猫は!」

神山 「林田くん、いくら困ったからってボロボロのぬいぐるみに聞かなくてもいいじゃないか」

メカ沢「まあそういうな。悪気があったわけじゃねえ。そんなことより周りを見ろよ」

林田 「ぬあ!? 変な奴らが俺たちを囲んでるぜ。」

メカ沢「どうやら俺たちをフクロにする気で待ち伏せしていたらしいな・・・ 」

林田 「いい度胸じゃねえか! ちょっとくれえ大きいからってよ、クロマティをなめんじゃねえぞコラァ?」

神山 「2人とも頑張って!」

========================
144 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:57:17.53 ID:yzVy9JAl0
キウィ「やっぱりドラム缶が喋ってる? いやよく見ると手も足もある・・・ ロボット!? こりすのおもちゃがまぎれこんでんぞ」

うてな「な、何を言ってるのキウィちゃん。そんなものどこにもないってば」

キウィ「え? いやほらあれ・・・ モヒカンが話しかけてる・・・ 人間は二人しかいないよね?」

うてな「ちょっと待って、状況を確認するね。まず優等生っぽい人がいるよね」

>『林田くん大丈夫かい?』(神山くん)

うてな「それからモヒカン」

>『くッ ボクシング部のこの俺のパンチが・・・ なかなか強えじゃねえか』(林田くん)
145 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:57:53.13 ID:yzVy9JAl0
うてな「そしてちょっと顔の大きい人。根性ってTシャツに書いてある」

>『だがクロマティの名を貶めるわけにゃあ行かねえ。降参は無しだぜぇ林田?』(メカ沢くん)

キウィ「ちょっと顔の大きい人・・・、ちょっと顔の大きい人??」


キウィはうてながちょっとふざけているだけかもしれないという希望を胸に抱いていた。
しかし、それはこれから彷徨う無間地獄の入り口に過ぎなかった・・・

========================
146 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:58:24.58 ID:yzVy9JAl0
メカ沢「数が多い・・・ どうやら本気を出さねえといけねえようだ。こいつを使わせてもらうぜぇ」


 キュイイイイイィィーン


林田 「おうよメカ沢! 数に頼る卑劣漢に容赦は無用だぜ!」

神山 「あれさえあれば百人力だよ。どこの誰だかわかんないけど覚悟するんだね!」

メカ沢「おらぁ! 喰らいな、ドリルパンチ!」

========================
147 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 12:58:51.33 ID:yzVy9JAl0
キウィ「ほ、ほら! ドリルだぞドリル。やっぱロボットじゃねえか!」

   「もう片方だってよく見りゃアルファベットのCみたいな形じゃねえかよ! こりすのおもちゃだろ、よく見てくれよ!」

アリス「ん〜?」

ヴェナ「・・・いや、あんなのは今まで見たことないよ。それにロボットなんているわけないじゃないか」

うてな「そうですよドリルハンドだって何かの事情でつけているんですよきっと」

キウィ「魔法少女が普通にいる世界でロボットなんているわけないなんて説得力ゼロにも程があるだろ、なあ・・・」

アリス「ん」

キウィ「ま、まさかネロアリスもそっち側・・・ 孤立無援なのか?」

========================
148 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:00:02.37 ID:yzVy9JAl0
神山 「メカ沢君、いつもの本調子じゃないようだけどどうしたんだい?」

メカ沢「くッ・・・ こいつら準備なしにクロマティに喧嘩を売ったわけじゃないらしいな」

   「ドリルパンチがどうもダメージを与えられねえんだよ」

林田 「だが怯んでる場合じゃねえ。敵の作戦を見破らねえと・・・」

神山 「あ、わかったぞ!」

   「敵は異様に皮膚の堅い人たちを集めたんだ! メカ沢君のパンチに耐えたのもそれで説明がつく!」

林田 「た、確かに! 俺たちを襲うのに異様に皮膚が硬い野郎を集めたに違えねえ!」

========================
149 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:00:41.89 ID:yzVy9JAl0

 一見するとまっとうな優等生に見える神山の発言は、ゆっくりと、しかし確実に、キウィの心をむしばむのであった。
四面楚歌、孤立無援、まさに今のキウィのためにあるような言葉である。


キウィ(い、異様に皮膚が硬い人だと? あいつらネロアリスの玩具を人間だと思ってんのか・・・?)

   (ネロアリスの精神錯乱攻撃・・・ じゃないよな、多分)

   (こっちはドラム缶ロボを人間だと思い込んでる、あっちはおもちゃを人間だと思い込んでる)

   (バランスがとれていて結構なことじゃないか、ははは… 世の中って変なところで上手くできてるよ)

   (いや待て、しっかりしろキウィ! お前まで陥落したら誰がロボットをロボットだと言い続けるんだ?)

   (・・・いやもう陥落してもいいんじゃないか)

========================
150 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:01:18.38 ID:yzVy9JAl0
林田 「けっ いくら異様なほど皮膚が硬くてもよ、結局メカ沢のドリルには勝てなかったようだな!」

   「効き目が弱いなら効くまでぼこりゃあいいんだよ!」

メカ沢「おう任しとけ! と言いてえところなんだが・・・」

   「あのぬいぐるみの繊維が巻き付いちまった・・・ 糸が絡まってうまく動かねえ」

神山 「な、なんてこったい」

メカ沢「落ち着け神山、俺の武器はこれだけじゃあねえんだよ。それにクロマティ魂がある限り負けるわけにはいかねえ・・・ だろ?」

神山 「そうだったね。すまない取り乱してしまった。僕も隠れてないで戦うよ」

メカ沢「いいってことよ」

========================
151 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:02:02.09 ID:yzVy9JAl0
キウィ (ロボットなのに不良っぽい熱いこと言ってる! やっぱ人間なのかな)

    「そ、そっかわかった。きっとああいう茶筒みたいな服を着た高校生なんだ。そうに違いない」

    「はは、ロボットなんているわけねえもん。中に人間が入っているんだ。漢字で書いたら女鹿沢かな。」

うてな 「・・・言ってる意味がよく理解できないけど、納得してくれたら嬉しいな」

アリス 「ん」

ヴェナ 「無理やり自分を納得させたみたいに見えるけどね」

========================
152 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:02:35.87 ID:yzVy9JAl0
メカ沢 「このタッパだけのデカブツどもめがぁ。俺にはこ〜んなとっておきもあるんだぜぇ」

    パカ 

      ひゅるるるるる 

              ドカーン!

神山 「よ、よしっ やった!」

林田 「一人倒したぜ。さすがはメカ沢だ!」

メカ沢「よせやい。褒めても何も出ねえよ」

========================
153 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:03:01.82 ID:yzVy9JAl0
キウィ「ほ、ほら見ろやっぱロボットだ! 今の見ただろ、頭の蓋がカパッて開いてミサイルが出てきたぞ!」

   「人間は頭の蓋がカパッて開かねえしましてやミサイルなんか内蔵してねえよ! つかできねえよ!」

アリス「ん?」

うてな「・・・あのねキウィちゃん、よく聞いてね。キウィちゃんのしてることはイジメだと思うの」

キウィ「・・・ ・・・・ ・・・・・え?」

うてな「人間なんだからきっといろんな事情があるんだよ。人それぞれの事情を考えずにロボットだロボットだって騒ぐなんて」

   「悪の組織の一員だとしてもちょっと違うんじゃないかな?」

ヴェナ「それは言えるかもね。悪の組織なのであってクズの集まりじゃないからね」

キウィ「・・・・ ・・・・・え? ええ?」
154 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:03:54.31 ID:yzVy9JAl0
アリス「んっ!」

キウィ「・・・ え、あ、 ・・・・・」

   「そ、そっか、私がおかしいんだな。ごめんね最近ちょっと疲れ気味で・・・ 無意識に攻撃的になってたかも」

うてな「わかってくれたらいいんだよ」

アリス「ん」

ヴェナ「反省は成長につながるね」

キウィ(悪夢を見ているのか? いや現実だ。スタンド攻撃ってやつ・・・? でもなさそうだ・・・ アーマロイドでもねぇよな・・・)

   (認識阻害魔法を使われてるのかも。だったら話を合わせとかなきゃ・・・)

   (ひょっとして本当に私がおかしくなったのかな? いやそんなことはない! 絶対あいつがロボットだって確実な証拠をつかんでやる!)
155 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:04:23.88 ID:yzVy9JAl0
うてな「ミサイル攻撃とはなかなか強力な技を持っていますね。精神攻撃に切り替えましょう」

アリス「ん」

キウィ(まさか魔法を反射してきた? ・・・違うな片方は自分の名前も間違えそうなほど馬鹿な顔だもん、そんな高度なことできるはずない)

   (待てよ、もしもロボットなら精神があるはずがない! つまり錯乱しないはずだよ! これではっきりするぜ!)

うてな「そんじゃあ精神攻撃やっちゃってください! 幼児化させましょう」

========================
156 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:05:09.05 ID:yzVy9JAl0
メカ沢 「うぐわあっ? ピー ガガガ ピー ピー ピー」

神山  「メカ沢くんどうしたんだい?」

林田  「こんな大変なときに様子がおかしいぜ」

メカ沢 「メ、 メカメカ、 メッメッ メカラッタ。メカラッタ」

林田  「・・・記憶が飛んじまったのか?」

神山  「いや違うね、これは・・・ きっと初期化だ! 誰かが遠隔操作でメカ沢くんを初期化したんだ!」

林田  「な、なんだと!? コンピュータウイルスってやつか? そう言われりゃあ弟のベータみてえになってやがる」

メカ沢 「メカラッタ」

神山  「ウイルスかどうかわからないけど不正アクセスには違いないよ!」 

    「メカ沢くんのアンチウイルスソフトやファイヤウォールを突破するなんてきっと犯人はとても高度なハッカーに違いないや!」

========================
157 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:05:42.43 ID:yzVy9JAl0

うてな 「ふっふっふ、大混乱していますね。ネロアリスちゃんの力は確実に成長しています」

ヴェナ 「もともと素質がある上にやる気もあって努力もするからね。掘り出し物だった」

アリス 「ん」フンス

キウィ (遠隔操作? 不正アクセス? アンチウイルスソフト? ハッカー?)

    (こいつらそれを聞いてもまだ人間だって言い張るんだろうな・・・ あ、もしかして左目が高性能端末のおっさんか?)

    (違うだろうな、洗脳や意識改変はできないはずだもん・・・)

    (とにかく私がしっかりしねえとロボットがどんどん侵出してきて人間が機械に支配されちまうぜ。頑張れキウィ!)


========================
158 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:06:13.47 ID:yzVy9JAl0
一方そのころ外では


前田  「林田とメカ沢はどこ行っちまったんだ。神山がついていながら迷子かよ」

北斗  「まあそう愚痴るな。今度から現地集合は止めておこう」

フレディ「・・・」

ゴリラ 「ンゴ」

前田  「ゴリラはどうやってここまで来たのかな? ・・・ん、おい大変だあれを見ろ!」

子分  「何だよ ・・・ああっ?」

北斗  「む・・・ うお!?」

前田  「家が空中に浮かんでいるぞっ! どういうことだ? こいつは尋常じゃないぜ!」

    「ひょっとしたら神山たちはあれに捕まっているんじゃねえのか? とにかく警察か消防に通報しねえと!」
159 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:07:13.76 ID:yzVy9JAl0
子分  「待て、前田。ちょいとビビったがそんなに騒ぐことじゃねえよ」

前田  「何言ってんだ浮かんでるのは家だぞ家! いやちょっと造りが安っぽいからおもちゃの家? どっちにしろ一大事だろうが?」

子分  「まあそう騒ぐんじゃねえ、落ち着け。いいか前田、お前はあれを大変な事態だと認識しているようだが・・・」

    「町中にゴリラや馬やロボットがいるのとあれとどっちが大変な事態だ?」

前田  「おお?」

北斗  「学校に隕石が落ちてきたこともある。隕石から宇宙人が出てきたこともある。それに比べてあれはどうだ」

    「ただプカプカと浮かんでいるだけではないか。騒ぐほどのことでもあるまい。」

前田  「・・・」
160 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:07:39.44 ID:yzVy9JAl0

平井さん「竹ノ内が二人いたこともあったな。まあ3人の仲間を見失い浮足立つのはわかる。仲間思いだという証拠だ。お前の美点だ」

    「しかし騒いでも迷子は見つからん。ここは冷静になろう」

前田  「・・・そ、そうだな。すまねえ。ちょいとびっくりした」

    「神山に林田、メカ沢を探さねえとな・・・」 

平井さん「よし、次はあっちを探すぞ」

子分  「神山〜! どこだ〜?」

前田  (・・・やっぱ町中を探してる場合じゃないような ・・・・・・)


========================
161 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:08:24.75 ID:yzVy9JAl0
林田  「何とかならねえのかよ神山? ラジオ組み立てたみたいにメカ沢も直せねえのかよ?」

神山  「とにかくカバーを外そう。僕の記憶が確かならこの辺に・・・ あったよ再起動ボタンだ!」

    「パソコンは再起動すれば不思議と不調が直ることも多いからね。サトウ電気店のおやじにつけてもらったんだ」

林田  「おお! さすがはサトウ電気店のおやじだぜ!」

神山  「上手くいけばいいんだけど。それじゃあ押すよ」 カチッ

  ピッ ウイイィン カタカタカタ ピー ピー ガガガ ピピー ピピー 

メカ沢 「う、う〜ん・・・ 俺は一体・・・」

神山  「上手くいったよ、やった!」

林田  「良かったなメカ沢!」

========================
162 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:08:58.91 ID:yzVy9JAl0
アリス 「ん〜・・・」

うてな 「ぐぬぬぬ、味な真似を…」

キウィ (再起動? 再起動… いや待てよ、さっき精神があれば操られるから人間だって結論出したよな)

    (ならば人間… ロボットじゃなくて人間… そうかやっぱ人間なんだな)

    「弟のベータって言ってたな。機械なら弟がいるはずねえし。」

    「はは、世界は広いな。あんな人間がいるんだもんな」

うてな 「まったくです。再起動ボタンでアリスちゃんの意識介入を無効化とは。あんな人間は初めてですよ」

キウィ 「もう人間でいいや」

========================
163 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:10:07.59 ID:yzVy9JAl0
メカ沢 「林田、神山、聞いちゃくれねえか? 衆寡敵せず、多勢に無勢ってやつだ」

林田  「んな?」

メカ沢 「このままじゃあ3人とも病院送りにされっちまうかもしれねえ… 後遺症が残らねえとも限らねえ」

神山  「な、何が言いたいんだい?」

メカ沢 「悔しくて悔しくて仕方ねえが… ここは逃げるってのも一つの手だって言いてえんだよ」

メカ沢 「クロマティの看板背負って逃げるなんて大恥だが、おめぇ達には未来ってもんがある。生き恥をさらさなきゃあいけない時もあるってことよ」

林田  「メ、メカ沢… 」

神山  「その通りかもしれない! 大丈夫だ、僕たちだって言いふらしたりしない! メカ沢君の武勇に傷はつかないよ!」

林田  「いや、メカ沢を笑うやつがいたらそいつはクロマティの男じゃねえ・・・ 俺がそいつをぶちのめしてやるぜ」

メカ沢 「すまねえな。それじゃあ変形・バイクモード! さあ乗ってくれ」

    「窓をぶち破る。顔を覆っておいてくれよ!」

       ブロロロロ・・・    ロロロ・・・

========================
164 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:10:52.35 ID:yzVy9JAl0
うてな 「あ、あー 逃げられた。残念ですがここまでですね」

    「とはいえ不良高校生3人をボコって逃走させたのです。ネロアリスちゃんの能力は素晴らしい成長をとげました!」

    「それにしてもノーヘルで二人乗りとは・・・ いけませんね・・・」

キウィ (バイクに変形する人間・・・  世界は広いんだそれくらいいるさ。だってうてなちゃんが疑問に思って無いもん)

    (ネロアリスだって疑問に思ってないしヴェナさんも何とも思ってない。だって人間だからさ)

    (だからロボットじゃない。ロボットじゃない)
165 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:11:30.17 ID:yzVy9JAl0
うてな 「んん、あれ、そういえば・・・ きゃあ!」

キウィ 「どした?」

うてな 「きゃあ! どうしようどうしよう!? あの根性ってTシャツの奴、き、き、き、き・・・」

キウィ (き・・・  きかい、機械か? やっぱりロボットだ! ロボットなんだ! 洗脳が解けたか?)

うてな 「き、着ているのは上の服だけで下にはズボンとか履いてなかったよ!」

キウィ 「惜しいけどそこじゃねえよ!」
166 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:12:02.75 ID:yzVy9JAl0
Hー2  第九回戦反省会


うてな「キウィちゃん、頭が混乱するとか言って帰っちゃった。大丈夫かな顔色悪かったけど」

こりす「ん!」

うてな「女医アリスで看病するって? こりすちゃんは優しいね。でもしばらく魔法から離れていたいんだって」

こりす「ん〜・・・」

うてな「まあしばらくそっとしておいてあげようよ。」
167 : ◆Db9kPKqzx. [sage saga]:2024/08/07(水) 13:12:33.61 ID:yzVy9JAl0

ヴェナ「そろそろトレスマジアと対峙していいころだ。だいぶ自分の魔法を使いこなせるようになった」

   「最初のうちは玩具をバラバラにされてポカンとしていたのが遠い昔のようだ」

   「精神支配だってトレスマジアは再起動できないんだからきっと大丈夫だろう」

こりす「ん!」

うてな「そうですよ。悪が魅力的に強力になればなるほど魔法少女が輝くのです! 」

   「次回はトレスマジアを引き込みましょう! そんでもって・・・  ふへへ・・・」


なげっぱ気味だがおわり!
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