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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉
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1 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
情報を引き出すために拷問した相手から「お前らを○しにゴルゴがやってくるぞ」と教えられる、第69話『動作・24分の4』みたいなことになったら怖いかな〜って思って勝手にSSにしました。
キャラに似合ってないしゃべりかたとか原作との不整合な点とかルール違反とかあったらすいません。許して。
姫様「話します、話します」
今日も今日とて碌に抗うことなく姫様はご馳走責め・・・ 拷問に屈することに決めた。
トーチャーさんがいつもと同じように満足げに微笑む。エクスは日常通りにぼやく。
きちんと食事は3食与えられているというのに別腹はどれだけ底なしなのだろう。
エクス「あ〜あ〜あ、またですか。いっそのこと知ってる秘密全部紙に書いて提出すりゃどうです? 魔族の皆さんも手間が省けるでしょ?」
姫様 「そうがっかりするなエクス・・・ 話すのは止めだ。私は今、私の勝利を確信したぞ。残念だったな貴様、お前たちの悪運は尽きたようだ」
トーチャー「ほう、見事な自信ですね。揚げたてのドーナッツの誘惑を退ける精神力が残っていたとは」
姫様 「私の勝利はゆるぎないぞ。なぜなら・・・ 知っている秘密はもう全部話しちゃったからさ!」
エクス「お、おう」
妙に強気だと思ったらそういうことかとエクスは脱力した。いや用済みとして王国に追放されるのではなかろうか。
それなら喜ぶ事態だろうかと現実逃避にいそしむ。とにかくこれ以上恥をさらすことだけはなさそうだ。
トーチャー「それではこれは片づけるしかなさそうですね。ダターマ、負けを認めて向こうで一緒に食べましょう」
姫様 「待ってください。何か思い出します。どうか待ってください。」
なんだ、まだまだ続くのか。まあ追放されたら食い意地に負けて秘密を洩らした売国奴としてどんな目に合うかわからんからな。
そいつの持ち物・仲間として自分だってどうなるか。それならこのままのが良いのかもな。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1713798788
2 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:14:59.65 ID:NAWvVgn00
パート1 1年と1ヵ月前の来客
【姫様は思いついた】
姫様 「思い出したぞモグモグ。1年と1ヵ月くらい前の話だ。私は国王軍第三騎士団長として、ある人物を王宮に案内するよう言われたんだ」
姫様 「そいつが変な奴でさぁ、私が案内してるのにいつの間にかいなくなっちゃうんだよ。失礼しちゃうよね。モグモグ」
トーチャー 「変な奴、ですか」
トーチャー (ほう、姫様は騎士団長として数々の武勲を立てた。その戦闘力は折り紙付き。)
トーチャー (その姫様を撒くとは只者ではないな。)
姫様 「探しても見つからないから謁見の間に行ったらそいつが出てくるんだよ。モグモグ。『用事は済んだ。見送りは無用だ』とか言っちゃって」
姫様 「ジモチに聞いても話の内容も誰なのかも教えてくれないの。でもすっごい重要VIPなんだよ。だって高貴で聡明で麗しい王女が案内役だもん」
エクス「へ〜 そんな王女もいたんですね〜」
姫様 「ここにいるよ! そいつは体つきはガッチリしてて眼光が鋭かったから特殊部隊かな。すごい目つきだったな本当」
トーチャー (案内されることが嫌いでガッチリした体つき、特殊部隊の兵士みたいで目つきが鋭い・・・ どっかできいたような・・・)
トーチャー 「・・・! 体つきはガッチリしててカミソリのような鋭い目、髪の毛は黒色で短髪、東洋系、身長は182センチくらい」
トーチャー 「それから無表情であんまり喋らなかった?」
姫様 「モグモグ。なんでそこまで知ってるのさ?」
3 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:16:18.81 ID:NAWvVgn00
トーチャー 「・・・ ・・・・」 カキカキ カキカキカキ
↑ 似顔絵を描いてる
トーチャー 「こんな感じで高倉健や千葉真一に雰囲気が似ていました?」
姫様 「へ〜 上手だね、そっくり!」
これは不味いことになったとトーチャーさんは戦慄した。背中を冷たいものが流れる。
トーチャー 「姫様、私は急用ができました。残りのドーナッツはダターマが砂糖をふってくれますから食べててください」
姫様 「あれ、いらないの。じゃあ食べちゃうよ」
いつになくシリアスなトーチャーさんといつも通り能天気な姫様の雰囲気のどっちに合わせるべきかダターマ&エクスは困惑したが放っておかれた。
4 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:18:07.97 ID:NAWvVgn00
パート2 超A級への対抗者
【トーチャーさんは説明した】
ーーー 魔王城 地下会議室
ホワイトボードに種々の資料を貼り付けたトーチャーさんが魔王軍幹部たちを前に解説している。
トーチャー 「・・・以上お話しした通りです。拷問により得られた情報から、超A級スナイパーが魔王様を狙っているようです」
トーチャー 「警戒体制を整えるよう進言いたします」
魔王様 「ワシを狙うスナイパーの情報か。なかなか有益ではないか。褒めて遣わすぞ、トーチャー」
魔王様 「それにしても”ゴルゴサーティーン”とはな・・・ なんと不吉なコードネームではないか」
ブルーゼ 「それだけ国王軍にも余裕がないんだろう、なりふり構わず汚い手を使いやがるぜ」
トーチャー「おっしゃる通りかと。今はどのように魔王様を警護するかが先決です」
魔王様 「クックック。ワシは人間どものピストルとかライフルには耐え抜く自信がある」
魔王様 「そのワシに警護だと? その超A級スナイパーはガトリング砲や対戦車ミサイルも使うのか?」
トーチャー「主に自動小銃を使いますが過去には重機関銃や対物ライフルを使用した例もあります」
魔王様 「ほう。少しは出来そうではないか、そやつ」
ブルーゼ 「今気づいたが・・・ こんなこと言っていいのかわからないけど・・・ 姫様はそのスナイパーと国王の会談の内容を知らないって・・・?」
5 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:20:14.66 ID:NAWvVgn00
魔王様 「遠慮することはないぞ。言いたいことがあるのなら思ったことを言ってみろ」
ブルーゼ 「・・・目的は王妃様かマオマオちゃん様かも知れないかもって ・・・・ ・・・・・」
トーチャー 「あっ」
カナッジ 「な!」
魔王様 「うあっ!? だっ黙らんか!? お、お、お前!! こん畜生! なんてこと言いやがる?」
ブルーゼ 「ひいぃ お許しをっ ご容赦をっ」
魔王様 「い、いやすまん。取り乱した。確かに一理ある。 ・・・・ぐううう」
魔王様 「2人に万一があればワシも生きてはいけぬ。どうすればいいのだ? 良い知恵のあるものはおらんのか?」
幹部たち 「・・・」 「・・・・」 「・・・ ・・・」
カナッジ 「・・・恐れながら魔王様。私の独断で外部のプロフェッショナルとコンタクトを取りました」
カナッジ 「既にこの城に来るよう言っておいてあります。ゴルゴに対抗するには我らだけでは限界が。お目通り願います」
魔王様 「よくやったぞ。到着次第会ってみよう。お前たちも同席するがいい」
6 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:21:00.21 ID:NAWvVgn00
パート3 敗北は成功の基
ーーー 翌日
カナッジは30代後半と思しき男性を招き入れた。
モリス 「お初にお目にかかります。ボディーガードチーム「ホリーズ・ガード」の責任者でモリスと申します」(第261話『西経一七五度』)
モリス 「まだ詳しく伺っておりませんが、あのゴルゴ13に狙われているとか・・・」
カナッジ 「そうなんだ。誰が標的かもわからないから力を借りたいんだ!」
カナッジ 「単刀直入に聞くぞ。勝算はあるのか」
モリス 「成功させると断言できません。我々ホリーズ・ガードはかつてゴルゴに敗北したことがあります」
ブルーゼ 「な、なんだそりゃあ? カナッジ、お前、そんな負けた奴を呼んだのかよ?」
魔王様 「黙らんかブルーゼ」
魔王様 「他人の失敗をみんなの前で馬鹿にしちゃだめだろ。頭を下げて謝っておけ」
ブルーゼ 「あ、いや、その、どうもすいませんでした・・・ 大変な失言をいたしました。モリスさん、どうかお許しください」
魔王様 「ワシからも謝ろう。部下が大変な失礼をした。危ないと思って気が立っているのだ。許してやって欲しい」
モリス (・・・こいつら本当に魔物かよ)
7 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:21:54.71 ID:NAWvVgn00
モリス 「いえ、失敗したのは事実ですから能力を疑われるのは当然のことです」
モリス 「過去の失敗についてお話ししましょう。私どもを雇うのはそれからでも遅くありますまい」
モリス 「あのときは期限付きの護衛でした。期日まで標的を護衛したのですが、偽情報に踊らされ、あわてて日付変更線を跨いで一日前に戻されました」
モリス 「そこを撃たれたのです・・・ 私たちの油断と狼狽が招いた失敗です」
カナッジ「今回は期限も標的も不明瞭だろう。より難しい仕事と思うけど・・・」
魔王様 「クックック、だが逆に言えば、そのヒットマンはそういう小賢しいトリックを使う所まで追い込まれたのだろう」
魔王様 「それだけホリーズ・ガードとの正面対決を恐れていたということだ。そしてホリーズはその失敗から学び成長したはずだ」
魔王様 「よかろう契約するぞ。ワシとワシの家族に死者も怪我人も出すな。書面をくれたら記名しよう」
【魔王様は契約した】
8 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:22:40.52 ID:NAWvVgn00
モリス (この魔物、よくわからんけど善人だな)「ありがとうございます。それではチームメンバーも呼び寄せます」
トーチャー 「他にゴルゴ13についてご存じのことがあれば情報共有したいのですが・・・」
モリス 「ああ、そうですね。奴はシガリロという葉巻を愛用し、常にクレバーな仕事をする冷酷な頭脳犯です」
モリス 「ナチス残党の武装勢力をたった一人で壊滅させたことも(第183話『崩壊 第四帝国 狼の巣』)、重傷を負いながら武器もなしに米露の特殊部隊を退けたこともある(第333話「最後の戦場」)と聞きます」
モリス 「そして1キロメートル先の人間の眉間を狙い撃ちできます(第37話『AT PIN-HOLE!』)。裏の世界では伝説・・・ いや神話と言っていい」
魔物たち ((ええ〜 むちゃくちゃだよ・・・))
モリス 「しかし私の知る限りでもゴルゴは2度狙撃に失敗しています。一度目は故意に混ぜられた不発弾で(第61話『アクシデンタル』)、二度目は依頼者に騙されて(第71話『欧州官僚特別便』)。奴も人の子です。必ず何かしらの反撃の手段はあるはずです」
モリス 「私たちにできることは、あらゆる可能性の想定。そしてできる限りの備えをしましょう!」
9 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:23:39.47 ID:NAWvVgn00
パート4 安全地帯に3人+1振り
ーーー 魔王城 牢屋
陽鬼 「姫様、引っ越しの時間だよ!」
陰鬼 「秘密の地下シェルターに引っ越してもらうよ。先に言っておくけどしばらく出てこれないからね」
エクス「何っ 地下から出てこれないだと、そ、そうか! ついになれ合いの拷問は終わりということか!」
エクス「狭い地下牢に閉じ込め昼も夜もわからなくして精神的に追い詰めようということだな、なんと恐ろしい!」
陽鬼 「いや全然。すっごく広くてトレーニングルームや図書室にプール、ネット環境も整ってて外部と電話も通じるし」
陰鬼 「発電機も浄水装置も空気清浄機も設計されてるしおいしいご飯もおやつも山ほど備蓄してあるよ」
エクス 「・・・そうか」
トーチャー 「もちろん外に出ない限り自由に使って構いません。ただし条件があります」
姫様 「条件? テレビゲームは駄目なんて嫌だよ」
トーチャー 「条件というのは王妃様とマオマオちゃん様とを保護することです。既に避難しておられます」
トーチャー 「御二方を狙う○し屋の情報をキャッチしました。姫様の超人的な身体能力を見込んで、最後の砦となっていただきます」
トーチャー 「安全が確認されたら連絡します。この封筒に合言葉が入っていますから内部から開けてください」
トーチャー 「マオマオちゃん様には視察兼お泊り会と伝えてあります。むやみに怖がらせないようにとの配慮です」
10 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:24:33.31 ID:NAWvVgn00
姫様 「こっこっ ころころっ ○し屋ぁ!? マオマオちゃんにだとォ〜!? 許さねえ、絶対に許さねえよそんなの!」(憤怒)
姫様 「返り討ちでボコボコにしてやらぁ」(激昂)
陽鬼 「それじゃあ頼んだよ。地下駐車場に装甲車を用意してある」
陰鬼 「後はこっちのガードマンの皆さんに頼んであるから」
姫様 「うおっしゃあ! 籠城戦じゃい! ゆくぞエクス、抜かるなよ」(凛々しい騎士団長モード)
モリス「それでは私たちがお供します。助勢に感謝しますが敵は遠距離狙撃の名手。装甲車から頭を出さないようにして下さい」
モリス「歩兵戦闘車と戦闘ヘリも護衛につきます。まずはこのヘルメットと防弾チョッキをどうぞ」
モリス「第一ゲート内には装甲車に乗ったまま入ります。それから第一ゲートを閉め、下車し、第二ゲートを開けます」
モリス「急ぐので第二ゲートから先は車の中で話しましょう」
姫様 「ありがと!」
エクス 「魔王の家族の護衛にさんざん拷問した捕虜を充てるって。いまさらだけどよ」
ホリーズ隊員A(おい、喋る剣なんて初めて見たぜ俺。本当にここって魔界なんだな)
ホリーズ隊員B(ああ、ツノとか生えてるし。ファンタジーの世界だぜ)
ホリーズ隊員C(捕虜とか拷問とか俺たちと言葉の意味が違うんかな)
【姫さまはお引っ越しした】
11 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:25:57.98 ID:NAWvVgn00
パート5 危険地帯の魔王様
ーーー 魔王城 玉座の間
カナッジ 「ご報告いたします。姫様がエクスを携えて無事、秘密の地下シェルターに入りました。王妃様・マオマオちゃん様と合流しました」
モリス 「現在のところ3人とも無事です。喋る聖剣もです。」
魔王様 「ご苦労であった。礼を言うぞ」
魔王様 「標的はワシや家族とは限らない、機密情報を多く知る者の口封じもあり得る・・・ モリスさんの意見も的確かもしれん」
魔王様 「1年ちょっと前というと時期がズレてるが捕虜がとられた時のためのあらかじめの依頼かもしれんしな」
カナッジ「仮にその推理が正しければ、国王は自分の娘を・・・ 知らせてやるべきでしょうか」
魔王様 「ううむ・・・ 捕虜となったことは知られているはず。そうだとすれば今頃ストッピング・オーダーを出しているだろう」
12 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:26:34.63 ID:NAWvVgn00
魔王様 「いずれにしても姫は戦争が終われば無傷で帰国させないといけない。それにマオマオちゃんも姫には懐いているから精神的なケアにもなる」
魔王様 「とにかく標的はワシ一人となった。警戒しやすくなったかな」
モリス 「そのことですが・・・ しつこいようで恐縮ですが、やはり魔王様もシェルターへ避難されたほうが・・・」
魔王様 「クックック。それは出来ない。あなたの仕事をややこしくして悪いが、その分の報酬は上乗せする」
魔王様 「政治的な問題がある。ワシは魔王、いなくなればすぐに一般市民にも感づかれるだろう。それは不信を生む」
魔王様 「そして魔王軍には動揺が走るだろう。戦う兵士を置き去りにしていなくなった指導者に誰が従うだろう。逃げたにしても同じこと」
モリス 「・・・わかりました。もう言いません。あなたの覚悟は立派だと思います。」
モリス 「魔王城の警固を全力で行いつつ、ゴルゴ探索も開始しましょう。発見すればやりやすくなります」
13 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:27:06.91 ID:NAWvVgn00
パート6 猛獣には猛獣を
数日が経過した。事態を知らされた一部の魔王軍メンバーとホリーズ・ガード隊員は必死にゴルゴ13を探索した。
空港からの入国者記録に「デューク・東郷」の名前が見つかり緊張が高まったが、滞在先のはずのホテルにはいなかった。
だが一般市民を巻き込んではだめだという魔王様の意向により、指名手配などはされないままであった・・・
モリス 「今日は商店街のほうを探ってみましょう。食料など購入しているかもしれない」
トーチャー「大型店の監視カメラには映っていませんでしたが、個人商店なら店主が覚えているかも」
トーチャー「とはいえ敵に先を越されないといいのだけれど・・・」
クロル 「そこはミケにゃんやシロにゃん達の出番だよ! どんなプロフェッショナルでも種族は人間さ、猫の感覚には敵わないよ!」
モリス (犬や猫を操れるのって、すごいな。)
ウニャー! フシャー! ニャー!
おいおい なんだっていうんだよ えさなんかもってないぞ
14 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:27:54.22 ID:NAWvVgn00
クロル 「むっ 怪しい奴を発見したようだよ あっちだ!」
モリス 「おいお前! ゆっくりとこっちを向け!」 チャキッ
??? 「うわ、何だよ撃たないでくれよ! 撃つなって」
??? 「猫たちを虐めたりしてないぜ」
トーチャー (いた! こいつだ!)
トーチャー 「デューク・東郷!?」
クロル (んん〜 なんか雰囲気違うよなぁ)
??? 「デューク・東郷? 前にも聞いたことあるな、ろくな目に合わなかった」
??? 「そんな名前の奴と間違われてマフィアと撃ち合いになったんだっけ・・・ 同じ東郷でも俺はトニーっていうんだよ」
15 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:28:40.18 ID:NAWvVgn00
トニー・東郷「本当だって。俺は電気工具のセールスマンだ。この国にはセールスの依頼で来たんだよ」(第399話『間違われた男』)
トニー 「しかし待ち合わせの約束の場所に依頼主が来なかったんで帰国するつもりだ。代理の奴が違約金を持ってきたけどよ」
モリス 「依頼主って誰だい。代理の奴はどんな奴だった。」
トニー 「手紙で依頼されたから依頼主には会ったことないんだ。代理の奴は通りすがりらしかった」
クロル (そっくりだけど別人だね。だけれどいかにも怪しいよ)
モリス (依頼主ってのが我々を攪乱しようとしたゴルゴかもな。絞る価値はあるな)
トーチャー 「ダターマ、その人を捕らえて。拷問にかけて洗いざらい吐いてもらいます」
トニー 「何だと? おいなんだお前! 俺はアメリカ市民だ、後々めんどうだぜ!? おい?」
・・・数時間後
トニー 「わけがわからねえ。旨い飯を鱈腹喰わせてもらってお土産をどっさり持たされた。拷問って聞こえたんだが」
トニー 「まあいいや帰ろう。違約金も十分だ。これってラッキーなのかな・・・ 乗り遅れたから別の飛行機を手配しなきゃ・・・・」
【トニーは出国した】
16 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:29:09.06 ID:NAWvVgn00
パート7 機械のスポッター集団
ーーー 数日前 秋葉原 某電器店
ゴルゴ 「ショーン・鍛冶屋(第538話「ホワイトハッカー」など)の紹介で来た東郷だ。話は聞いているか」
電気店主「おお、あんたが東郷さんか。観測用のドローンが欲しいんだって? しかも大量に」
ゴルゴ 「そうだ。一つは任意の地点から特定の対象物がどの方角にどれだけ離れているのかミリ単位で測定できるもの」
ゴルゴ 「対象物が移動すればその速度・方向もわかるようにしてくれ」
ゴルゴ 「二つは広範囲の風向きや風力、気温、湿度を観測できるものだ。どちらもリアルタイムで観測したい」
ゴルゴ 「それぞれ少なくとも10個は欲しい。精密さが要求される。平均値がモニターに表示されるようにしてくれ」
17 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:30:06.37 ID:NAWvVgn00
ゴルゴ 「もちろん飛行時間や静音性もだ。数個が墜落する事態も考えられる。」
電気店主「おいおい・・・ 俺はドローンは専門だが、ややこしいカメラも俺が一から作るのか?」
ゴルゴ 「鍛冶屋からこのUSBを預かってきた。仕様書だ」
電気店主「ちょっと見てみるからそこで待っててくれ、・・・ああ確かにあいつの作ったもんだ。これなら大丈夫そうだな」
電気店主「もう少しどういったものか説明してもらおうか」
18 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:30:53.68 ID:NAWvVgn00
パート8 魔王城襲撃さる
ーーー 魔王城 会議室
トーチャー 「ご報告いたします。残念なことに現在のところゴルゴ13の発見に至っておりません」
トーチャー 「例のそっくりさんも陽動作戦の可能性がありますが、拷問しても有益な情報は得られず解放しました」
トーチャー 「本人は何も知らなかったようです」
ジャイアント 「こっちもよく似たやつを捕らえましたが別人のようですので解放しましたよ」
ジャイアント 「黒猫のロンとか名乗る自称○し屋(作・小池一夫、画・やまさき拓味「ラブZ」)でしたがギャグ顔になるので別人で間違いないです」
モリス (あれは拷問ではない。詰問ですらない。しかし拷問とはどういうものか教えてやったらドン引きされて信頼なくなるぞ)
モリス (魔物のほうが温厚で人間味あふれてるとか調子狂うぜ・・・ っといかんいかん余計なことは考えるな)
19 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:31:52.47 ID:NAWvVgn00
魔王様 「無関係の人を捕まえてしまったとは悪いことをしたな。まあ敵の作戦を一つ潰したということか。引き続いて頼むぞ」
魔王様 「敵の作戦を一つ潰したならばワシの警護の兵を娘や妻を守るのに使うべきとも思うのだが・・・?」
モリス 「ご家族を想う気持ちはよくわかるつもりです。本当に温かい家族愛です。しかし御家族は既にシェルターに避難しておられます」
カナッジ 「魔王様が倒れれば軍兵も市民もどうなりますか」
魔王様 「そうか、そう言ってくれるか」
ド ド ド ドカーン!
20 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:33:35.32 ID:NAWvVgn00
ジャイアント 「う!?」
カナッジ 「どこだ?」
モリス ≪A班は爆破地点に向かえ、B班は逆方向だ。C班は持ち場を離れるな! 陽動かもしれん、冷静に対処しろ!≫ ← 無線機
ホリーズ隊員 ≪チーフ、ゴルゴです、A班はゴルゴを発見しました! 北門付近、武装しています、交戦中です!≫
モリス ≪指示を取り消す。B班もそっちへ向かえ。俺も行こう。魔物の兵隊さん達もよろしくお願いします≫
トーチャー 「この部屋はセーフルーム(緊急時に一時的な避難ができる密室のこと。パニックルームともいう)になっています」
トーチャー 「魔王様はここにいてくださいますよう」
21 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:34:14.89 ID:NAWvVgn00
ーーー爆破地点付近
ホリーズ隊員「撃て、撃て!」
ドガガガガ ズキュン ズキュン
魔物兵隊 「魔王様のところへ行かせるな〜!」
ゴルゴ 「・・・・」
ドウン ドウン ドウン
魔物兵隊 「うひゃあ」「危ねえ」
モリス 「おい怪我はないか、撃たれたらさがるんだ」
モリス 「やはりゴルゴ13! お前の狙いは何だ?」
ゴルゴ 「・・・」
ドウン ドウン
22 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:34:43.53 ID:NAWvVgn00
モリス 「ううっ 教えるつもりなどない、か」
モリス 「ならば俺たちの返答はこれしかないな! 撃て!」
ズキュン ズキュン ズキュン ガガガガ ドウン ドウン ズキュン ドガガガガ
魔物兵隊 「どひゃあ、 に、逃がすな! 捕らえろ!」
ドウン ドウン
魔物兵隊 (うまいぐあいに魔王様の部屋とは別方向に逃げていくじゃないか、まずは一安心かな)
魔物兵隊 (でも逃げられたらどうしよう・・・)
ドウン ドウン ズキュン ガガガガ ズキュン ズキュン ドウン ドウン・・・
【ゴルゴは姿を消した】
23 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:35:14.81 ID:NAWvVgn00
パート9 3人+1振り+1人
ーーー 魔王城 地下会議室
カナッジ 「幸いなことに昨日深夜の戦闘で死傷者は出ておりません」
カナッジ 「しかしゴルゴ13を取り逃がしました。再度襲来する恐れもあるかと」
魔王様 「・・・」
トーチャー「既にこの魔王城は安全地帯とは言い難くなっております」
トーチャー「モリスさんの進言を容れるべきというのが私達の総意です」
魔王様 「・・・うん。部下のお前たちやホリーズ・ガードの皆さん方を危険な目に合わせてしまった、ワシの判断ミスだ」
魔王様 「反省しなければいかん。すまなかった。ワシも避難すればゴルゴもどうしようもあるまい」
魔王様 「本音を言えばマオマオちゃんに会いたい。それにやはり妻子の最後の砦を人任せにはできない。父親の仕事だ」
モリス (家族愛に溢れているなこの魔王)
魔王様 「だがワシがシェルターに入ろうとしたとき、ゴルゴに襲撃されたら・・・ それが恐ろしいのだ・・・ 中には娘も妻もいる」
24 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:36:32.34 ID:NAWvVgn00
魔王様 「ついでに人質の姫と聖剣も」
カナッジ 「シェルターは幾重ものゲートで塞がれております。万が一、いえ兆が一、隙をついて魔王様を倒し第一ゲートを突破しても」
カナッジ 「それからどうにかできるものではありません。バンカーバスターや原水爆にも耐え、細菌兵器も通しません。大丈夫です」
魔王様 「クックックッ。わかった。避難計画はエキスパートに任せよう。準備出来次第、避難したい」
モリス 「なるべく早く計画を作成します」
モリス (魔王の他に目ぼしい奴はいない。仮に狙いが他の奴とすればとうの昔に仕事は終わっているはずだ)
モリス (シェルターに入るその時が勝負だ!)
25 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:37:06.71 ID:NAWvVgn00
パート10 スペシャリストの疑問
爆発現場を魔王軍とホリーズ・ガードが共同で見分している。
マッドカイザー 「城壁が崩れているが、幸い発見が早かったからそこで諦めたのかもな」
マッドカイザー 「魔王様の居場所ともだいぶ離れている。あてずっぽうで仕掛けたのかも知れねえ」
マッドカイザー 「凄腕のヒットマンにしては仕事が雑じゃねえか・・・ ホリーズ・ガードはどう思います?」
ホリーズ隊員 「標的の居場所と離れた場所を爆破したのは、一般的にはそっちに注意を向けるためだろ」
ホリーズ隊員 「しかし今回、ゴルゴは爆発現場付近で俺たちを待ち構えていたような・・・ チーフのご見解を教えて下さい」
モリス (なんで一幹部がカイザーを名乗るんだよ? スペルが違うのか? まあゴッドのほうが上だけどよ)
モリス 「今思い出したが、奴は拳銃しか使っていない。それに誰も○していないんだ」
モリス 「言うなれば騒ぎを起こしただけ。裏工作をした形跡もない」
26 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:37:36.42 ID:NAWvVgn00
モリス 「何事も綿密な調査を怠らないゴルゴがそんな穴だらけの仕事を・・・? 俺たちの武装が軽いものだと予測していたのか?」
モリス (俺は前回ゴルゴの偽情報に惑わされ、ガード対象者を避難させた先で撃たれた)
モリス (だが今回は避難させることこそが目的とは思えん。充分な武器があるなら昨日の時点で使えばいい)
モリス (どれだけ考えても奴にとって魔王様を避難させたい理由がないのだ!)
モリス 「昨日の襲撃の目的は分からない。しかし充分な武器もなく情報収集も覚束ない状況にあるのかもしれない」
モリス 「奴が何をしたかったか考えても仕方ないな。やはり態勢を整える前に避難してもらおう。まごまごするべきじゃない」
27 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:38:10.75 ID:NAWvVgn00
パート11 貨物運搬計画
ーーー 魔王城 地下会議室
モリスはホワイトボードに資料を貼り付け、立案した避難計画を説明している。
モリス 「解説したことをもう一度大まかに言っておこう。装甲車を4台、兵員輸送車を1台使う」
モリス 「1台の装甲車を離れて走らせる。これで周囲の警戒・偵察を行う」
モリス 「その後ろを魔王様を乗せた兵員輸送車でついていく。これを貨物船と呼ぶ。こちらは左右とすぐ後ろを装甲車で囲む」
モリス 「先頭の装甲車は水先案内人だ」
モリス 「万一攻撃されたときには貨物船だけでも逃がす。そのため前は開けておく。連絡は暗号化する無線機でとりあう」
モリス 「まあこんな感じかな」
・←・←・←・←・←・←・←・・装甲車
←← 装甲車(やや距離を取る)兵員輸送車 装甲車
・←・←・←・←・←・←・←・・装甲車
28 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:39:21.81 ID:NAWvVgn00
ブルーゼ 「装甲車にはホリーズ隊員に乗ってもらうとして、貨物船には俺も乗り込もう」
ブルーゼ 「いざというときには俺を盾にして魔王様には無事でいてもらわなくてはいけない!」
魔王様 「・・・・ 礼を言わねばならんな、ブルーゼ」
モリス 「・・・・ 続けます。車列の周辺1キロメートル以内は魔王軍とホリーズ・ガードで警戒監視します」
モリス 「ゴルゴを発見したら直ちに全隊に知らせること! それでは準備にかかってください」
29 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:40:05.54 ID:NAWvVgn00
パート12 魔王撃たれる
ーーー 兵員輸送車内部
魔王様 「ワシは肩に角が生えている。入り口が狭いのではないかと心配したが、よい輸送車を探してくれた」
魔王様 「ブルーゼのようなデカブツでも難なく乗り込めるとはな。クックック」
ブルーゼ「ひどいなぁ・・・ ジュラルミンの盾も持ってきたんですよ」
モリス (・・・冗談を言えるくらいには精神的な疲労が取れたようだな)
ズッガーン!!!
モリス ≪何事だ! 何があった、水先案内人、説明しろ!≫ ← 無線機
ホリーズ隊員 ≪こちらは水先案内人です。地雷を踏んだ模様です。タイヤが駄目になって走れません≫← 無線機
30 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:40:50.04 ID:NAWvVgn00
ドガーン!!!
ブルーゼ 「ぐあっ こっちもだ! 走れ、逃げろ!」
運転手 「駄目です、タイヤがやられました! 走行不能!」
モリス 「うう、あと少しのところで・・・ シェルターがすぐそこにあるというのに・・・」
モリス (? なぜタイヤが破損する程度に抑えたんだ? 吹き飛ばせる地雷は大きすぎて見つかりやすいと踏んだのか?)
ブウウウ ・・・・ ウウウウウ ブウウウ・・・・・
モリス 「何の音だ、双眼鏡をよこせっ! ああっ ドローンだ! 隊員は下車しろ、撃ち落とせ撃ち落とせ!」
ズキュン ズキュン ズキュン ズキュン ズキュン ズキュン ズキュン
31 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:41:22.00 ID:NAWvVgn00
モリス (しかし爆弾など積んではいないようだ。囮か? ドローンに気を向けさせようというのか?)
モリス (ならばドローンは無視して一刻も早くシェルターへ避難させねばっ)
モリス ≪周辺1キロメートル以内にゴルゴはいないな!?≫
ホリーズ隊員 ≪はい、誰も見つけていません!≫
モリス 「魔王様っ、シェルターまで走れますか?」
魔王様 「クックック、見くびるな。ワシは飛べるぞ。」
魔王様 「あの大部隊の見張りを潜り抜けるとは、敵ながら見事なものよ」
ブルーゼ「感心している場合ではありませんっ 俺の陰に隠れて全速力でお願いします! それっ」
魔王様 (マオマオちゃんが成人するまでは○ぬわけにいかぬわ!)スピードフォーム
ビシーンッ!
魔王様 「がぁっ・・・」
ブルーゼ「あ、あ、あー! 魔王様ー!?」
モリス 「とっ 止まらないで! 運べー! ゲートまで魔王様を運べ―!」
32 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:42:53.16 ID:NAWvVgn00
パート13 無言の対面
ーーー 地下シェルター内部 研修室
運び込まれた魔王様と魔王軍幹部、ホリーズ・ガードを前にルルン王妃が険しい顔をしている
ルルン王妃 「・・・・」
モリス 「・・・・」
ブルーゼ 「・・・・」
モリス 「・・・・あの」
ルルン王妃 「いいえ、何も言っていただかなくてよろしい」
ルルン王妃 「誰かここへマオマオちゃんを呼んでくるように。そして私達3人だけにして下さい」
ルルン王妃 「今必要なのは3人だけの時間です。同じ部屋に他の人はいて欲しくありません」
ブルーゼが不思議そうな顔をしたマオマオちゃんを連れてきた。それから促されて研修室から出て行った。
マオマオちゃんは何が起こったのかよくわかっていない。喋らない父親と険しい顔の母親を眺めている。
33 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:43:27.78 ID:NAWvVgn00
ルルン王妃 「ゴッちゃん、出会ってから今までいろんな事があったよね」
ルルン王妃 「まさかこんな日が来るなんてね。ゴッちゃん、いつも強くてカッコよかったのに」
ルルン王妃 「そのゴッちゃんが喋らなくなっちゃうなんて」
ルルン王妃 「とても怖かったんだね。でももう安心していいよ。ここには3人しかいないから」
魔王様 「クックック・・・ 見せてもらった弾丸は12.7x99mm NATO弾とか言うらしい」
魔王様 「そんなものがツノを掠めおった、震えが止まらぬ」
魔王様 「やっと言葉が出るようになりおったわ」
マオマオちゃん「やったね よく見なけりゃわかんないくらいのちっちゃな傷しかついてないよ」
マオマオちゃん「そんなすっごい弾も避けちゃうなんてスピードフォームはやっぱり凄いね!」
【魔王様は生き延びた】
34 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:47:58.54 ID:NAWvVgn00
ーーー別の部屋
姫様 「魔王代理の人も避難してきたね〜 」
エクス 「例え代理に過ぎなくても身代わりにはしない・・・ 魔族の頂点に立つ理由がここにあるのかも知れませんな」
35 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:48:38.48 ID:NAWvVgn00
パート14 空港にて
多くの人と魔物が行きかう空港ーーー 国際線乗り場付近
バニラ 「事もあろうに魔王様を狙撃した奴がいる。幸い失敗したが、逃亡するかもしれないからここで見張るんだ」
バニラ 「この事件は魔王軍上級幹部と直近の家来にのみ知らされた秘密だから言いふらさないように」
バニラ 「それじゃあ3手に分かれて監視を開始!」
両親が経営する施設の従業員 (なあ・・・ うちのお嬢様ってそんなに偉い人なの? さすがは上級拷問官だな)
両親が経営する他の施設の従業員 (知らないのかよ。名門中の名門に生まれ二親に鍛え上げられた期待の超新星だぞ)
バニラ 「私はあっちで見張るからあんた達はそっちとこっちね」
従業員s「は〜い頑張ります」
バニラ 「・・・いっちゃった。私も頑張らなきゃ」
バニラ 「こんな人込みだとなかなか見渡せないわよね・・・ あれ?」
バニラ 「・・・ん? ・・・・・・んん!?」
36 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:49:06.83 ID:NAWvVgn00
バニラ (げえっ!? よりによって一人の時に見つけてしまった!? ありゃ本物だ〜!! どうしようどうしよう)
バニラ (落ち着け、私はペシュッツ家のエリート魔族だぞ。人間風情を恐れてどうする)
バニラ 「おっ おっ おっ おいお前」
ゴルゴ 「・・・何か用か?」
バニラ 「」← カミソリのような目で睨まれたように感じた
バニラ 「ただいまてろたいさくちゅうです しょーみーゆあぱすぽーと ぷりーず」
バニラ (めっちゃこわい)
ゴルゴ 「これでいいか」 つ[旅券]
バニラ 「あっ あっ ありがとうございました おきをつけて おかえりください」
ゴルゴ 「うん・・・」
37 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:49:35.61 ID:NAWvVgn00
・
・
・
バニラ (ごるごがとうじょうぐちへあるいていくけど あんなのむりだ めっちゃこわい)
バニラ (しんだとおもうくらいすっごいこわい・・・ すっごい怖い? これって拷問に使えるのでは?)
バニラ 「誰かにできることがペシュッツ家に生まれたこの私にできないはずがない」
バニラ 「ジェットコースターだの手作りケーキだの小細工に走り、他人を心底震え上がらせるという拷問の本質を忘れていたかも」
バニラ 「あの一睨みだ! あの凄味、オーラこそ私が手に入れるべき本質なのだ! 今度の拷問は成功間違いなし、汚名返上の日は近い!」
ーーー後日
バニラ 「拷問の時間だ!」キリッ
姫様 「あれ、なにか決心したの。いつもよりやる気ある顔してるね」
バニラ 「」しょぼ〜ん
38 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:50:17.59 ID:NAWvVgn00
パート15 スペシャリストの推測
陽鬼 「ご報告いたします。デューク・東郷らしい人物が出国したとの知らせが空港からありました」
陰鬼 「武器や兵器は何も持ってなかったって」
魔王様 「そうか・・・ ならばもう脅えることもあるまい」
魔王様 「念のため、あと3ヵ月ほどここで暮らす。幼稚園にも連絡してお友達とオンライン対面できるようにお願いするのだ」
魔王様 「魔王城はどうなっている」
カナッジ「影武者のマッドカイザーとジャイアントが上手くやっております。勘付いた者はおりません」
モリス (あんなもん、誰だって見りゃ別人と分かるわい! いや別魔か? いちいち突っ込まねえけどよ!)
魔王様 「ところでモリスさんが話があるようだ。他のものは席を外せ。話しづらいといかんからな」
魔王様 「・・・さて、ワシと貴方の二人だけだ。どうぞ話してください」
39 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:51:24.32 ID:NAWvVgn00
モリス 「魔王様にお支払いいただいた前金をお返ししようと思います。我々はミッションに失敗したと結論付けました」
魔王様 「ほう、それはどうして?」
モリス 「撃ち落としたドローンを調査したところ、空気の流れもわかるカメラ映像を送信した痕跡があります。ゴルゴはあの現場を見ていたのです」
モリス 「それに先日の死傷者なき魔王城襲撃、これを組み合わせるとゴルゴ13への依頼が見えてきました」
モリス 「ゴルゴは魔王様のツノを掠めるような狙撃を依頼されたのです・・・!」
モリス 「魔王城や自宅に居られては、外からでは壁や窓ガラスといった遮蔽物でわずかに射線がズレることも考えられます」
モリス 「忍び込んだところで魔王様の微妙な動きの予測は難しい・・・ すこし体を揺らすだけで”掠める”ことはできません」
モリス 「ましてやゴルゴの情報をキャッチして城中の警備が強化されています。静止した魔王様を狙える場所なんてありません」
魔王様 「ふうん・・・」
モリス 「だから魔王様には予測通りに動いてもらう必要があった・・・ シェルターの入り口へまっすぐに動いてもらったわけです」
モリス 「仮に魔王様の額がターゲットなら、一発目は試射ですぐに二発目が飛んできたはず。しかし一発だけでした」
モリス 「あの日の襲撃で我々を追い立て、魔王様に野外で予測通りの動きを取らせたのです! 前回と同じような手に引っ掛かりました・・・」
40 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:52:00.72 ID:NAWvVgn00
モリス 「これではプロ失格です。しかも警護対象者に怪我まで負わせてしまった。返金は当然のこと・・・ 違約金も払います」
魔王様 「クックック・・・ ワシの考えはちと違う。契約は誠実に遂行され成果も期待通りだ。返金など受け取らんぞ」
モリス 「は?」
魔王様 「こんなかすり傷を怪我とは言わない。『ワシとワシの家族に死者も怪我人も出すな』という契約通りだ」
魔王様 「それについ先日、王国騎士団から通信文が届きよった。」
モリス 「通信文、ですか」
魔王様 「要約するとこれは警告なんだそうだ。彼奴らめ、魔王軍が姫様に暴行を加え酷く負傷させていると思っておる」
魔王様 「それを止めねば次回は額に穴をあけるんだと。クックック、愚昧な者どもよ」
魔王様 「捕虜にそんな酷いことするわけないだろ。まったくもう! おまけに娘のお友達だぞ? それにしても鋭い推理だ。返金するというのなら」
魔王様 「幼稚園にでも寄付してください。早期教育の奨学金を創めることになりましたので。あと心苦しいから経費は貰っておいてください」
モリス 「あ・・・・ じゃあ・・・ そうします」
41 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:53:23.93 ID:NAWvVgn00
パート16 名もなき依頼人
ーーー5か月ほど前 王国 某所
モブ騎士 「あ、貴方が例のエキスパートか。先日は陛下が失礼をしたようだ。中身は知らないが依頼を受けてもらえなかったと聞いた、本当にすまなかった」
ゴルゴ13 「あんたは国王の代弁者か? それとも別口の依頼者か? 後者ならあんたには無関係だ。」
モブ騎士 「もちろん後者だ! 依頼というのは貴方に魔王を脅してほしいのだ! これは軍機だが、第三騎士団長の姫様が魔王軍の捕虜となった」
ゴルゴ13 「・・・・」
モブ騎士 「我が軍も救出を試みたが上手くいかない・・・ 悪虐な魔物どもが連日姫様に惨烈な暴行を加えているとの知らせもある」
モブ騎士 「どれほど辛く苦しい拷問かっ 想像もできないっ! 五体満足かもわからんっ 本来ならあいつらの首領・魔王の除去が一番良いのだろうが」
モブ騎士 「その報復か混乱で姫様が害されては元も子もない。姫様は高官として幾多の情報を知っているから捕虜交換も難しい」
モブ騎士 「だから・・・ 姫様に今以上のケガを負わせたら○されると怖気を震わせたい。『警告』を与えたいのだ」
モブ騎士 「不可解な話だが魔王は家族愛というのが人一倍強いらしい。だから魔王が強く家族を想っているときに○の恐怖を味わわせてやって欲しい」
42 :
◆pitV0nGrEw
[sage saga]:2024/04/23(火) 00:54:13.26 ID:NAWvVgn00
モブ騎士 「逆上しないよう敵を○すのは控えてくれ。この騎士団有志で集めた金貨で足りるだろうか?」
モブ騎士 「それからあなたのルールには反するかもしれないが・・・ これは警告なのだと貴方の仕事の後に教えてやってもいいかな?」
ゴルゴ13 「いいだろう。やってみよう・・・ ただしあんたの狙い通りにいくかどうかはわからない・・・」
モブ騎士 「・・・? ああ、ありがとう。よろしくお願いする・・・」
ーーー現在 魔王城
魔王様 「命を懸けてワシを守ろうとする魔物がいるように、何としてでも姫を助けたい人間もいるようだ」
魔王様 「手下に慕われるというのは良いことだな・・・」
END
おまけ
姫様 「あ”あ”あ”〜〜〜・・・ ぎぐ〜〜」 ← 秘密を喋らないと低周波マッサージ治療器を止めるぞと脅し上げる拷問に耐えている姫様
魔王軍がニューヨーク・ファミリーじゃなくてよかった。
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