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【安価コンマ】オリウマ娘と共に

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227 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/16(土) 02:18:37.10 ID:TMTBqwG60
寝ます。おやすみなさい。



トレセン学園から一番近い所にあるショッピングモール。色んなウマ娘専用の服とか靴がたっくさん売ってる、トレセン生ご用達の場所。

……ま、全然通販とかで事足りると思うけどね〜。まあ、実際に見てみたいって気持ちは分かるけど。アタシもよくブラシとかは自分で買いに行くし。

シルフィー「こ、ここの映画館ってマイナーな映画とかも放映してくれたりしておすすめですよ……!」

ライム「映画ですか!むむ、最近見ていませんね……今放映してる中でおすすめとかありますか?」

シルフィー「……! っ!!」

パピヨン「うわ、シルフィーのオタク魂が喜んじゃってる。キモ〜」

お耳がパタパタ動いちゃって。ほんと自分の好きなもの語ってる時嬉しそ〜。ふんすふんすって。

パピヨン「あれ、もしかして映画見る流れ?アタシ、今日は新しい手入れ用品見たいんだけど」

ライム「でしたら私は今日新しい調理器具が欲しくて!まあ、ですが他の二人に合わせます!」

パピヨン「別に一つの場所にしか寄れないわけじゃないけどね。ぷぷぷ、ライムって料理とかできるんだ」

ライム「はい!よく幼馴染の子に作ってあげたりしてました!」

シルフィー「へー、凄い……お、幼馴染……!?」

へー、なんかすご。ライムってヒロイン?

……ま、アタシもヒロイン寄りだけど?いや、どっちかというとプリンセス?姫?

どうしよ?:安価直下
1 シルフィーおすすめ映画を見る会
2 アタシによるアタシのためのお手入れグッズ探し
3 ライムのドキドキクッキング編
4 まずご飯食べない?
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 04:07:14.07 ID:l9Il6YJGo
4
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 04:08:01.16 ID:l9Il6YJGo
おつおつ
ウマ娘ちゃん達の会話だ、脳が回復る〜
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 16:18:00.84 ID:Jl28nssxO
パピヨンもオタクな感じあるし人の事言えなさそう
手入れといいハマったらとことんなタイプな気がするし
231 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/17(日) 01:08:45.77 ID:WR8hU7p70
こんばんは、これだけです。



シルフィー「こういうショッピングモールのフードコートって……ちょっとワクワク、しますよね」

パピヨン「あ、分かる!何食べよっかな〜って、見て回ってる時間とかもアタシ好き〜」

ライム「確かにショッピングとかと同じで考えてる時も楽しいですよね!こういったフードコートは!」

珍しく全員の意見が一致した瞬間!ん〜、ハンバーガーうま!

パピヨン「はむはむ……」

ライム「ふふ、パピヨンさんのほっぺにケチャップ付いてますよ!私が拭いてあげましょうか?」

パピヨン「はむっ……!むぐっ、は〜!?なに、その優しい微笑み!別にアタシ一人で拭けるんだけど!」

というか拭いて欲しいとか言ってないんだけど!あ―なんかムカつく!

シルフィー「あ、でもパピヨンさんって……その、結構妹っぽい、ですよね。トレーナーさんも、お兄さんって呼んでますし……」

パピヨン「別にアタシは妹とかじゃないんですけど〜?お兄さんはお兄さんだから、お兄さんって呼んでるんですけど!」

あー!なんかニヤつかれてる!ムカつくムカつく!ちょっと子供っぽいって言いたいわけ!?ムーカーつーくー!

パピヨン「ふーんだ、ライムもシルフィーにもポテトシェアしてあげないから」

ライム「え!そ、そんな……!ポテトのシェアをしてくれないなんて!それが青春の象徴だというのに……!」

シルフィー「ライムさんって、結構ノリが良いタイプですよね?」

あーもううるさいうるさい!

何かお喋り:安価下2
1 レースの話
2 ライムの幼馴染の話
3 パピヨン「フードコート全制覇得点……?」
4 自由安価
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 01:20:53.77 ID:E/v1Jp+po
2
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 01:22:21.56 ID:HwuE2gHZ0
2
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 01:23:14.68 ID:GL8LLBT50
ぶっちゃけトレーナーは異性として有りか無しか
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 03:33:32.78 ID:rlWpE2XBo
おつ
ウマ娘の種族値にものをいわせた制覇は草
236 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/17(日) 15:45:44.55 ID:WR8hU7p70
テーオーロイヤル強すぎ。

こんな時間から、やります。



シルフィー「そ、そういえばライムさん。その、お、幼馴染って……」

お、シルフィー突っ込むじゃーん。と心の中で思いながら、アタシも後に続くように突っ込む。

顔を真っ赤にしながら聞いちゃう耳年増ちゃんめ〜。このこの。

パピヨン「あ、それアタシも気になる〜。もしかして……男の子?」

ライム「はい!私と同い年の男の子です!家が隣で、親同士の交流もあったので小さい頃から遊んでいて」

シルフィー「い、家が隣の幼馴染……ですか」

パピヨン「すご。ベタじゃん」

ライム「幼馴染ってこういうものなんじゃないですか?」

おお、なんだか強い。しかし、ほー……同い年で男の子で、ふーん。ご飯とかも作っちゃう……。

パピヨン「好きなの?その幼馴染」

シルフィー「ぱ、パピヨンさん!?」

ぷぷぷ、この手の話題に乗らないのは中学生ウマ娘の名折れ!別にそうじゃなくても普通に面白そ〜!

で、どうなの?:安価下2
1 あー、好きとかそういう関係じゃないんですよね
2 なっ、はっ!?いや、私は全然そんなんじゃ……
3 ……(顔真っ赤)
4 自由安価
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 16:03:55.83 ID:6rKnT0/z0
3
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 16:11:35.50 ID:GBbqGcRpO
3
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 16:31:06.70 ID:/5tYHt/ho
ヒューヒュー!
240 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/17(日) 16:44:02.24 ID:WR8hU7p70
ライム「…………」

うわ、あのライムが顔真っ赤にして黙っちゃった……うわ、うわ〜〜〜!

シルフィー「わっ、わぁっ……!」

パピヨン「ライム顔真っ赤じゃーん!ほらほら、その幼馴染くんのどういうところが好きなの〜?アタシ内緒にするからさ〜、ちょっとだけ教えて〜」

ライム「うっ、ぁ……ちょ、ほんと……や、止めてください!お、怒りますよ!?」

パピヨン「ぷぷぷ、ライムが怒っても全然迫力ないって〜!」

シルフィー「お、幼馴染さんとは付き合ったり……!?」

ライム「シルフィーさんも!そんな、私はまだ付き合ったりとか……」

パピヨン「まだ!?」

ライム「えっ、あ……!も、もう!本当に勘弁してください!」

うわ〜おもしろ!シルフィーは興味津々だし、ライムは顔真っ赤だし……。

……最高!

パピヨン「ほらほら〜今ここで喋っておかないと今後また聞きに来ちゃうよ〜?早く喋って楽になっちゃいなよ〜」

ライム「ぅ〜…………そ、その。凄い、優しい人で……私の作ったご飯、美味しいって食べてくれて……だから、その沢山料理の練習もして……」

パピヨン「!」

シルフィー「!!!」

――この後もっと詳しい話を訊こうと攻めたら拗ねて何も話してくれなくなっちゃった!

うーん、もっと面白そうこと訊けそうだったのに……。
241 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/17(日) 17:14:53.26 ID:WR8hU7p70
シルフィー「ご、ごめんなさいライムさん……その、ちょっと調子に乗り過ぎました……」

パピヨン「そうそう、ごめんってライム〜。アタシたちもうしないから〜」

ライム「…………」

うーん、滅茶苦茶怒ってる!ま、確かにちょっとやりすぎたかな?

パピヨン「だからもう許してよ〜、ジュース奢ってあげるから。ね?」

ライム「……ふーん」

シルフィー「ど、どうしましょうパピヨンさん……!」

パピヨン「まあずっとプンプン怒ってるなんてことないと思うけど、ちょっとからかいすぎちゃったね」

ま、次行こ次〜。

どうしよ?:安価直下
1 映画見たくなってきちゃったかも
2 ちょっとアタシ料理に興味出てきたかも〜
3 今からライム用の尻尾オイルを買いに行きます
4 自由安価
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 17:16:55.44 ID:2803l+dDO
1
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 18:22:34.03 ID:E/v1Jp+po
3
244 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/17(日) 19:00:04.02 ID:WR8hU7p70
パピヨン「ほらほら!ポップコーン買おうポップコーン!塩とキャラメルミックスの奴!」

ライム「ちょ、ちょっとパピヨンさん……!……わ、ポップコーンなんて数年ぶりに食べますよ私」

シルフィー「ふふ、確かにポップコーンとかはあまり食べないですよね。袋売りの物とかは、私たまに食べるんですけど……」

取り合えず映画を見よう!と、ショッピングモールの映画館に来たけど……むむむ、ポップコーン結構色々種類あるんだ。

ライム「はは……えっと、それでシルフィーさんおすすめの映画て、今やってる中だと……」

シルフィー「あ、はい!そうですね、今やってる中だと――」

どれ見ようかな:安価直下
1 スポ根もの
2 動物感動もの
3 甘々恋愛もの
4 怪奇サメ映画
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 19:13:15.11 ID:6rKnT0/z0
1
246 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/17(日) 23:31:26.64 ID:WR8hU7p70
――――シルフィーのおすすめで見た映画はスポ根ものだった。

ダービー優勝を夢にトレセン学園に入学したウマ娘が、トレーナーと共にトレーニングに励み、ライバルたちと戦い最後には優勝を手にする。そんな感じのお話。

内容はベタベタのベタだったけど〜……うん、面白かった!登場人物の心理描写とか、レースの表現とかすごいしっかりしてて、思わず手に汗握っちゃった!

ライム「シルフィーさん!凄い面白かったです映画!ダービー優勝に向けひた向きに頑張る主人公と、それを支えるトレーナー……!レース中の迫力とか、音楽のダイナミックさ!」

シルフィー「はい、はい!大きな画面で、左右から大きなサウンドのBGMが流れて臨場感たっぷりなのを楽しめるのも、映画館で映画を見るメリット……ですよね」

ライム「いやぁー……良かったです本当に。パピヨンさんはどうでしたか!」

パピヨン「うん、アタシも面白かった〜。久しぶりに映画見たけど、やっぱ良いね〜」

ライム「ですよね!いやぁ、私手に汗握っちゃって……なんなら今ちょっと走りたくなってきました!」

シルフィー「えっ!?そ、そんなに熱中してくれたんですか……!」

パピヨン「えー……そこ目を輝かせて喜ぶポイント?」

なんか二人ともズレてるんだよねー。まあ、アタシが言えたことじゃないかもしれないけど、そんな走りたくなったとか……ねぇ?

走るのは好きだけど、それはそれじゃない?

ライム「――パピヨンさん!」

パピヨン「へっ!?あ、アタシ!?」

ライム「次のレースでは、私たちも……これくらい白熱のレースをしましょうね!」

あー……はいはい。そういうやつね。いやぁ、ビックリしちゃったじゃん。

パピヨン「……ん。アタシの気持ちのいい逃げで全員ビックリさせちゃうね〜?」

ライム「その逃げを私が後ろから抜かします!気持ちよく!」

シルフィー「ふふ、こういう流れもスポ根みたいですよね……」

――その後。色々と買い物やなんなりをして、トレセン学園に戻った。

ライムがウキウキで夜のコースに向かって行ったけど……全く、ほんと……こういうとこなんだろうね。

…………アタシも、ライムとは別の場所で少しだけ走った。ほんの気まぐれに、ほんの少しだけ。
247 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/17(日) 23:46:28.35 ID:WR8hU7p70
『キミって憧れのウマ娘とかいるのか?』

パピヨン「え、なにお兄さんそんな事訊いて……プライバシーの侵害だよ?」

『これだけでか……』

キモ〜、みたいな顔で見られている。

『キミは走るのが好きだろう?なら、こういう走りをしてみたい!って憧れるウマ娘がいても良いと思うんだが……』

パピヨン「もしかしてアタシとコミュニケーション取ろうとしてる?んも〜、お兄さん女性慣れしてなさ過ぎ〜!そんな話題じゃ、女の子は喜ばないよ〜?」

ドン引きな顔から、小ばかにしたような顔に。表情がコロコロ変わるのは彼女らしいが……隙を見せただけでこうなるか。

パピヨン「はぁ、憧れのウマ娘、憧れねぇ……うーん、そうだなぁ」

憧れのウマ娘とは――:安価直下
1 ……まあ、いないわけじゃないけど。
2 いない!憧れの走りはアタシの走り!
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 23:57:42.88 ID:MI+EVuTcO
1
249 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/18(月) 00:07:41.11 ID:yNJrYZUH0
パピヨン「……まあ、いないわけじゃないけど」

いないわけじゃない、自分から訊いておいてあれだが少し意外だった。

パピヨンにも憧れのウマ娘がいたのか……これは、今後の為にも訊いておかないといけない。

『誰なんだ、それは』

シルヴァーパピヨンのあこがれのウマ娘:安価下3まで
ウマ娘とその理由もお願いします
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 00:21:02.29 ID:ObdOiU4k0
スペシャルウィーク
ひたむきな姿勢と明るさに密かに憧れてる
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 01:05:53.10 ID:pEMRhEObo
ゴルシ
あくまで走りだけ、あんな破天荒になりたいとかじゃないと念押す

(当は周りなんて気にせず自分のやりたいことを貫ける姿勢)
252 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/18(月) 01:22:18.50 ID:yNJrYZUH0
それじゃあ寝ます、残った安価は下でお願いします。

お疲れさまでした。

ステラライムのトレーナーが結婚してなかったら幼馴染くんの脳みそぶっ壊れてそうだなぁって思いました。
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 07:45:32.13 ID:mgppwSfDO
乙です
ライスシャワー
普段の姿とレースの時の姿のギャップに惹かれる
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 07:46:26.56 ID:G5RAcOKHO
オグリキャップ
たまたまレースを見に行って、ダートで走った時のラストスパート時の足跡の深さが記憶に残っている
255 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/18(月) 21:04:14.71 ID:yNJrYZUH0
パピヨン「……ゴールドシップ先輩」

『え』

ゴールドシップ――その名前を知らない者はこのトレセン学園には存在しないだろう。

破天荒、奇人変人、トリックスター。そんな言葉が似合う奇行を繰り返し、暴れまわる――そんな彼女を憧れて……?

パピヨン「ちょっと!お兄さん絶対勘違いしてる!奇行とかに憧れてるわけじゃないって!」

アタシはあんな変人になりたいわけじゃないの!あくまで走り!走りだけ!

『あ、ああ……』

ま、まあそうだろう。【貴方】はホっと胸をなでおろす。

パピヨン「あの後ろから一気に抜いて行くのとか、見てて気持ちいいでしょ?アタシにはそういうの出来ないけど、ああいう見てて気持ちのいい走り」

……やりたいなぁ。と、こぼすパピヨン。

パピヨン「ま、アタシはそういうガラじゃないけど――」

『やりたいと思うなら、やろうパピヨン』

パピヨン「へ?」

『走りたいように走るんだろうキミは。なら……走ろう!見てて気持ちのいい逃げを!』

キミの背中を走るウマ娘全員に見せつけて、最初から最後まで先頭を往く――そんな走りを!
256 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/18(月) 21:10:06.20 ID:yNJrYZUH0
パピヨン「……ぷっ、あははは!なにそれ、アタシにそんなこと出来ると――」

『キミにそれが出来ると思うから言ってるんだ!パピヨン!』

パピヨン「っ」

パピヨン「…………あ、あ〜!アタシ、ちょっと用事あったから、また明日ね!明日〜!」

『えっ?あ、ああ……また明日、お疲れさま!』

――急にトレーニングルームを飛び出していったパピヨン。

……【貴方】はまたトレーニングを考えないとな、と言い。沢山の書類や本が詰まれた机に向かった。


パピヨン「……ほんと、ほんとお兄さん……さぁ……!」

パピヨン「なんで、あんな、期待して……ああ、そっか」

トレーナーだから。担当だから……アタシの走りに魅了されたから。

お兄さんは、アタシに期待してるんだ……。

パピヨン「なら、お兄さんだけには……応えないと」

パピヨン「お兄さん、お兄さん……アタシ、頑張るから……」
257 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/18(月) 21:14:04.48 ID:yNJrYZUH0
『ついに届いたな――勝負服』

パピヨン「そりゃぁ、アタシはそろそろG1レースで走るウマ娘になるんだし当然だよね〜」

勝負服。それはウマ娘が特別なレースに出走する際に着用する衣装。身に着けると何やら不思議なパワーが与えられるというらしいが……それはウマ娘にだけ分かるとか。

今まではゼッケンに体操服を来て出走していたが、今後G1のようなレースを走るならこの勝負服を身にまとうことになる。

『それじゃあ、早速試着してみてくれ。サイズに間違えとかあるなら直さないといけないからな』

パピヨン「は〜い。それじゃ、お兄さん?変態のロリコンじゃないなら、ちょ〜っと部屋から出て行ってもらえるかな?」

『あっ、わ、悪い!それじゃあ着替えたら言ってくれ!』

パピヨン「ぷぷぷ、ほんとお兄さんってばキモ〜い!」

――
258 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/18(月) 21:15:27.44 ID:yNJrYZUH0
シルヴァーパピヨンの勝負服は:23時まで募集。

シルヴァーパピヨンのの勝負服の見た目を募集します。今日はあまり出来なさそうなので23時までに来た中から選ぼうと思います。
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 22:32:54.29 ID:pEMRhEObo
フリフリのフレアスカート紺ワンピースに背中に銀の蝶の羽、蝶の連なったデザインの冠
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 22:50:03.39 ID:/bNKTqeJ0
・ターボ師匠みたいなダボッとした一枚パーカー。模様は赤い炎に背中に溶けかけの銀の蝶
・黒の膝下ダメージソックス
・ヒト耳では絶対走りにくいピンヒールブーツ
・インナーは布面積狭めで「あれ……もしかしてパーカーの下穿いてない……?!?」と勘違いさせそうなやつ
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 22:59:35.62 ID:R4EzciKLo
トレセン学園の制服(ただしミニミニスカートに色調反転している)でシマシマニーソ


耳飾りデザインもしたいと思う
262 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/18(月) 23:16:49.29 ID:yNJrYZUH0
すみません、やっぱり更新難しそうなので今日はこれだけで終わりです。おやすみなさい。

パピヨン勝負服と一緒にステラライム勝負服の募集もしたいと思います。何かあったら送ってくれると嬉しいです。

>>261
沢山デザインしてください。耳飾り何も考えてなかったですし、右か左かも分からないので。

決めてない部分は積極的に採用していきたいです。
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/19(火) 12:30:26.50 ID:y3VI6n8lo
耳飾り
右耳に銀のパピヨンマスク
264 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/19(火) 19:25:02.99 ID:rA9TCc/p0
こんばんは、21時で締め切ろうと思います。

何かあればよろしくお願いします。
265 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/19(火) 22:17:27.23 ID:rA9TCc/p0
パピヨン「じゃーん。どうどう?似合ってるでしょ」

その場でクルリとターン。一回転した後、彼女は【貴方】を見てニヤリと笑う。

ダボっとしたカジュアルな感じの一枚パーカー。赤い炎の模様と、背中にはその熱で溶けかけの銀色の蝶。

ビリビリと破けたダメージソックスを履き、走りにくそうなピンヒールのブーツ。これで走れるのかと疑ってしまうが、きっと問題ないのだろう。

そして……いや、その。

『……キミ、パーカーの下は』

パピヨン「……あ〜〜〜!!!ぷっ、ぷくくくく!お兄さんへんた〜い!勝負服似合ってるぞ〜とか、そういう言葉より前に、アタシのパーカーの下が気になるんだ!」

『なっ……!』

パピヨン「いいよいいよ?お兄さんなら特別に〜……ちらり?」

『ちょ、おい、やめっ……やめなさい!ああ、悪かった!」

パーカーをたくし上げようとするパピヨンを止め、大きな声で謝る。その謝罪を聞いてなお、彼女はぷぷぷと笑っている。

パピヨン「ま、ちゃんと履いてるから大丈夫だって〜。あー、おもしろ〜。お兄さんも、そういう反応するんだ〜」

『……前々から言っているが、そういう言動は良くないと』

パピヨン「はいはい反省してま〜す。は〜……あ、サイズとかは全然大丈夫だよ?ちょっと前にぴょこぴょこジャンプとかしたけど、平気だったし」

『ん、ならいいな。それと……ああ、似合ってるぞ。その勝負服、キミらしいな』

パピヨン「……ぷぷ。ありがと、お兄さん?」
266 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/19(火) 22:36:55.46 ID:rA9TCc/p0
今日はこれだけです。すみません。お休みなさい。

イベント:安価直下
1 G1に向けたトレーニング
2 ニシノダスカともう一人と雑談
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/19(火) 22:38:38.00 ID:6YIne6lDO
乙です
1
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/19(火) 23:31:28.07 ID:ICQE2V3Ro
おつおつ
これは正統派メスガキ

ライムの勝負服は緑・黄色・白がメインカラーの爽やか系を妄想
でも白手袋と背中が広めに空いてて幼馴染くんが悶々とするんだ…
269 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/23(土) 01:34:56.45 ID:B6DtBSgr0
パピヨン「っ!やっ、ぁあああああああああ!!!」

『……』

カチリとストップウォッチのボタンを押しタイムを確認する。上がり三ハロンのタイムは前に比べると格段に速くなり、前の限界ギリギリの走りに比べるとだいぶ余裕が出てきた。

繰り返し行われたプールトレーニングと坂路トレーニング。そして瞬発力を強化するための筋トレとラダートレーニング。スタミナを切らさず最高速で駆け抜ける――それが出来れば苦労しないが、それを実現させるためにまずは基礎。

特別なトレーニングも、作戦もいらない。【貴方】はシルヴァーパピヨンの思い描く走りを見るために、ただひたすらに基礎トレをおこなった。

……そろそろ飽きて来ただろうな。

パピヨン「あー!飽きた!お兄さんちょっと――」

『ああ、一度休憩しようかパピヨン。アイシングをするからこっちにおいで』

パピヨン「……はーい」

ぶーぶーと何やら文句が聞こえてきそうだが聞こえないふり。彼女の足を軽くマッサージして、そのままアイシングを開始する。

パピヨン「は〜……ん、ねーお兄さん。アタシ、どうだった?」

『いい走りだったよ。さっきのタイムもだいぶ早くなっていたし。あの逃げならきっと――うわっ!?』

パピヨン「そうじゃないそうじゃない!違うってば!」

いきなり頭をグリグリと揉みくちゃにされ声を出す。彼女の顔を見ると分かってないな〜、と言わんばかりの表情。

パピヨン「……惚れた?さっきの走りで」
270 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/23(土) 01:36:24.27 ID:B6DtBSgr0
『……ああ。キミの走りから目が離せなかった。もう一度惚れ直したよ』

パピヨン「ん〜……お兄さんほんとキモ〜い。ほんと、めちゃキモい。終わってる〜!」

『んなっ……!キミが訊いてきたんだろ!?』

パピヨン「ぷぷぷ!はっずかし〜!」

……こんなやり取りも数回目。いつか分からせてやりたいと考えたこともあったが……今は彼女の走りだけを考えよう。

二戦二勝。ダートを駆ける我が担当ウマ娘が、一番にゴールを通過する走り。彼女が気持ちよく、楽しく走るために――【貴方】は力を尽くす。

『……ほら、そろそろ練習に戻ろう。パピヨン』

「あーお腹いた〜い……ぷぷ。オッケーお兄さん。頑張ってくるね〜」

――寒い冬の夜空。決戦の日は、もうすぐそこだ。



お久しぶりでこれで終わりです。次ステラライムとの勝負、G1全日本ジュニア優駿です。

勝つも負けるもコンマ次第。怪我無く走り切って欲しいです。
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 06:07:02.55 ID:DswJh/3vo
おつおつ
いちゃいちゃしやがって……もっとやれ
272 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/23(土) 22:01:20.66 ID:B6DtBSgr0
パピヨン「あー絶対外寒い!やだやだ勝負服で外出たくない!」

『えぇ……』

G1、全日本ジュニア優駿当日。各出走ウマ娘が控室で様々な準備をしている中。【貴方】の担当ウマ娘シルヴァーパピヨンは……騒いでいた。

パピヨン「だって今日すっごい寒いよ!?しかも夜だし!あー勝負服もっと暖かいのにすればよかったぁ!」

『そんなこと言われてもキミなぁ……出走前になれば集中で寒さとか気にならないんじゃないか?』

パピヨン「寒いものはさーむーいー!やだー!風邪とか引く!」

わーわーきゃーきゃー。と騒ぐその姿はあまりにもこれからG1の大舞台で走るウマ娘とは思えなかったが……今更だ。【貴方】は知っている、彼女は走るときは真面目だし、ふざけない。

……しかし、まあ。彼女の勝負服はチラチラ肌色が見えているし、寒いのは本当なんだろう。なら、【貴方】が出来ることは……。

『ほら、パピヨン。手を出して』

パピヨン「え〜……なに、ポッケから手出したくないんだけど〜……は〜。んも、しょうがないな――ひゃっ」

パーカーのポケットから嫌そうに手を出すパピヨン。白く綺麗でとても小さなその手を、【貴方】は自分の出てぎゅうと握りしめる。

『さっきまで暖かいペットボトルとか持っていたから、ちょっとはカイロ代わり……なんて、ならないか』

パピヨン「…………セクハラだよ普通にお兄さん?え、分かってる?」

『え』

パピヨン「やぁん!トレーナーのお兄さんに無理やり身体触られました〜!たづなさんとかクラスの先生にチクって上に報告してもらお〜!」

『わ、悪かった!悪かったから!はぁ……無理するもんじゃないな』

パピヨン「ぷぷ、でも女性経験ゼロのお兄さんにしては〜……頑張った方なんじゃない?」
273 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/23(土) 22:02:17.51 ID:B6DtBSgr0
パピヨン「あ、そろそろ時間。それじゃ――」

『ああ、ちょっと待ってパピヨン』

――楽しく走っておいで。キミが思うとおりに、走りたいように走れば、きっと大丈夫だから。

パピヨン「……うわ、なにそれ。アタシが楽しく走ってないって言うの?お兄さん」

『いや、そういうつもりじゃないが……その、ちょっと緊張してるんじゃないかって思ったから』

走りたいから走る。パピヨンが走りたいように走る。だから【貴方】はそれに魅了されたし、担当のトレーナーになった。

彼女の走りへの想い、その根っこ。それを忘れて走るというのは……良くないことだと思う。

『忘れないでほしいんだ、そういう気持ち。確かに緊張もするだろうけど、走るときは……キミには楽しんで欲しい』

パピヨン「はいはい、緊張とか意味わかんないけど、お兄さん」

アタシはアタシらしく、いつも通り走るだけ。沢山練習もしたし、努力もしたけど……最後はやっぱりそこだよね。

パピヨン「そして、ステラライムにリベンジ……しちゃうから。それじゃ〜ね、お兄さん?」

『ああ、行ってこい!』

――そして、彼女は行ってしまった。

どの様な結果になるかは分からない、が――きっと彼女なら。シルヴァーパピヨンなら。

……観客席に向かおう。そして見届けよう。
274 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/23(土) 22:03:02.77 ID:B6DtBSgr0
パピヨン「……あ」

ライム「あ!パピヨンさん!」

しまった。誰にも会うつもりなかったのに……あー、やらかした。

地下バ道でステラライムがこっちに向かってくる。

パピヨン「やっほーライム。偶然だねー……うわ、なんかすご」

勝負服を身にまとったライム。緑や黄色、城を中心としたなんだか春っぽい爽やか〜な感じの勝負服だけど……背中すご!だいぶ空いてる!

パピヨン「寒くないの?背中、すっごい空いてるけど……大胆だね?」

ライム「はい!最初はちょっと寒く感じましたけど、今はもう全然!レース前ですし、なんなら暑いくらいで!」

パピヨン「やば〜……」

うーんその感覚、ちょっと分かんないかも。アタシまだ寒いし。

ライム「……パピヨンさん。今日もアタシが勝ちますよ。G1の大舞台でも、私は貴女を差し切って……一番にゴールを通過します」

パピヨン「ふぅん……ま、出来るものならやってみれば?ま、今日のライムはずーっとアタシの後ろ姿だけを見ることになると思うけど」

ライム「ふふっ、そうこなくっちゃ――それじゃああとはレース中に走りで答え合わせを!今日は良いレースにしましょう!」

元気よくハキハキと。そして、ライムは駆け足にコースに向かって行った。

――んじゃ、アタシも行こう。
275 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/23(土) 22:03:41.58 ID:B6DtBSgr0
ワァアアアアアアア……!と、観客席から歓声が上がる。そうだ、そう言えばアタシG1どころか重賞も初めてだった。この歓声を訊いて思い出すなんて、なんだかなとアタシでも思う。

あーでも、お兄さんからも何回も言われてたかも。まあ、結構聞き流してたし。

――さあ、ダートに続々とウマ娘が姿を現しました。

ライム「……よし」

――5枠8番。今回のレース一番人気、ステラライム。前走では見事な末脚を発揮しましたが、G1という大舞台でもそれを発揮できるか。

パピヨン「……」

――3枠4番。二番人気シルヴァーパピヨン。逃げウマ娘としては同世代に比べ一級品。鮮やかなスタートダッシュを決め、今宵も逃げ切ることが出来るか。

あー、なんかそれっぽいこと言ってる。はー……てか二番人気なんだ、もっと低いのかなとか思った。一番人気はライム何だろうな、って確信だけはあったし。

パピヨン「あー……」

……なんだか頭がすっきりする。さっきまでだいぶ緊張してたのに、不安とかもいっぱいあったけど。こうなるとアタシもウマ娘なんだな、って感じがする。

走ることしか考えられない。走ることに集中したい。

はー、と白い息。寒い夜の風がびゅーと吹くけど、全然寒くない。むしろ火照った身体に心地いい。
276 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/23(土) 22:04:32.97 ID:B6DtBSgr0
ゲートに、入る。

――すっかり陽が落ちました、川崎レース場。ダート1600全日本ジュニア優駿に14人のウマ娘たちが挑みます。

――今日の主役は一番人気ステラライム。この評価を覆すことが出来るか、二番人気シルヴァーパピヨン。

――各ウマ娘、ゲートイン完了。出走準備整いました。

ふー……っ、と息を吐く。そして、構える。

アタシの今まで、全部見せて、リベンジして――そして勝つ!

――さあ、今ゲートが開きスタートいたしました!
277 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/23(土) 22:07:42.62 ID:B6DtBSgr0
結果は――:コンマ直下

1 逃げ切り逃げ切り!
2〜4 ギリギリの勝利!
5〜8 ギリギリの負け……
9 掲示板
0 おおっと
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:09:13.47 ID:PmZecKPDO
はい
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:18:39.04 ID:DswJh/3vo
ライバル度モリモリですねぇ!
280 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/23(土) 22:54:20.51 ID:B6DtBSgr0
ちょっと時間かかりそうなのでもう一つコンマ

パピヨンのレース後様子:コンマ直下
1〜3 くやしいくやしい!
4〜6 ちょっと泣きそう
7〜0 お兄さん嫌わないで……
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:57:22.31 ID:gx48Y+wX0
悔しい
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 23:00:50.52 ID:DswJh/3vo
メンタルダメージ軽微ヨシ!
283 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 00:03:26.93 ID:ktj7gsI90
――シルヴァーパピヨン好スタートを切り前に進み、先頭に立ちます。

スタートダッシュに成功し、ハナを握る。アタシがこのレースのペースを作り上げる。

風を切る音と後ろから追ってくるウマ娘の足音。それしか聞こえない。うん、良い感じ。

――二番手には一バ身ほど離れて9番。次に1番、11番、そして他ウマ娘が集団に固まり、一番人気ステラライムこの位置です。

パピヨン「ふっ……ふっ……!」

最初のコーナーを外に大きく膨らまないよう気を付けながら曲がる。後ろから聞こえてくる足音は……変わらない、アタシの速さも変わっていない。

――陽の落ちた川崎レース場で、ウマ娘たちの走りが輝かしく映ります。

――向こう正面でも変わらず戦闘はシルヴァーパピヨン、その後方に二バ身ほど離れ、集団が少しずつ伸びこの位置に1番、その後ろに9番、ステラライムは足を溜めている。次に――。

逃げる、逃げる、逃げる。まだ脚は止まらない。今までだったらここで少し苦しくなっていたけど、まだ脚は動く!

お兄さんとのトレーニングのおかげ、なのかな!ああ、楽しい――!先頭を自由に走るのは、風をこの身に受けるのは気持ちが良い――!

パピヨン「はぁああああああああ!!」

そのまま第三コーナーに差し掛かる。
284 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 00:08:14.92 ID:ktj7gsI90
――さあ、第三コーナーを曲がり最終コーナー!戦闘は相も変わらずシルヴァーパピヨン、だが後方のウマ娘が次第に迫る!

パピヨン「っ!」

少し外に膨れた……!けど、これくらい……なら!

パピヨン「はっ、はぁ、はっ――!?」

この、感じ……!

ライム「――やぁああああああ!!!」

――最終直線、ここで外からステラライム!ステラライムがシルヴァーパピヨンに迫る!

――それに続くように最後方から13番!9番と続く!シルヴァーパピヨン逃げ切れるか!

パピヨン「はっ、はぁ、はぁ、はぁ……!はぁあああああ!!!」

後ろから来る足音がドンドン大きくなる。逃げる、大きく腕を振って、逃げる。最終直線で、もう体力は殆ど使い切ったけど――まだ、走れる!

逃げる、逃げろ!先頭はアタシのモノ、アタシのモノ……なの!!!

ライム「――っ!!!」

――残り200メートル!シルヴァーパピヨンとステラライムの一騎打ち!その差は半バ身!

――逃げるシルヴァーパピヨン!追うステラライム!このデッドヒート、並ぶか……並んだ!並んだ並んだ!

視界の一番端に、ライムの顔が見えた。嫌だ、いやだいやだいやだ!負けたくない、負けたくない――!

ライム「やぁああああああああ!!!!!」

パピヨン「ぁああああああああ…………っ!!!!」
285 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 00:12:29.16 ID:ktj7gsI90

……あと少し、あと少しでゴール版。なの、に――!この、脚が、もう…………っ!

――残り100――ステラライム!ステラライムかわした!先頭はステラライムだ!

アタシの視界に、ライムの背中が映る。

――――そしてステラライムが今!ゴールインッ!!!二番手にはシルヴァーパピヨン!三番手には13番――。
286 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 00:14:15.24 ID:ktj7gsI90
ライム「はぁ、はぁ、はぁ――はぁ…………!!!」

パピヨン「はぁーっ、はぁーっ…………っ!はっ、はぁ、うっ…………ぉぇ…………」

頭に酸素が巡らない、血が流れない。今にも吐いちゃいそうなくらい、気持ち悪いのに……何故だか思考は鮮明だ。

負けた、負けた。最後に後ろから差されて、負けた――あんなに頑張ったのに、あんなにやったのに……!

ワァアアアアアアア……!!!と、大きな歓声が上がる。

ライム「…………っありがとう、ありがとうございました!本当にありがとうございました!!!」

大きな声で感謝の言葉、そして観客席に向かって大きく手を振るステラライム。それでまた歓声が大きくなる。

凄いなぁ、本当に。凄いなぁ……アタシは、もうそんなことできないよ。

ライム「……パピヨンさん!」

パピヨン「はぁ……ぁ、ライム?」

ライム「へへ、今日も私の勝ち、ですね!でもパピヨンさんの走りも凄かった……!最後の最後まで、本当に勝負が分かりませんでした
……!」

パピヨン「ぷ、はは……そんな風に言わないでよ、勝者が言っても嫌味に聞こえるよ?」

ライム「そ、そんなつもりじゃないですよ!本当に、本当にいい勝負だったから――はい。やっぱり、私はパピヨンさんをライバルだと思ってます!」

アタシの手を握りしめる。

ライム「貴女がどう思っているのかは分かりませんが――だから、また走りましょう!もっともっとも―っと走って、貴女の口から、ライバルだと言わせて見せます!」

パピヨン「……!」

ライム「それでは、また!次のウイニングライブで!」

――ライバル。ライバルかぁ、前にお兄さんにも言われた、その言葉。

…………。
287 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 00:23:18.25 ID:ktj7gsI90
『――お疲れさま』

パピヨン「ねえお兄さんちょっとあれさせて」

『え?あ、あれって――うわっ!?』

控室に戻ってきたパピヨン。初めて負けたレース、何があっても良いように身構えていたが、何をされるかと思えば……いきなり、抱きしめられた。

ぎゅうと、お腹に顔を埋めて。あの時の、前のプラタナス賞の時みたいに。

パピヨン「ごめん、負けちゃった。でも、でも……お兄さんはそういうの、失望とか、しないでしょ?」

『……それは、勿論』

パピヨン「でも、そういう怖さとか全部置いといて……アタシ、悔しい。悔しい、悔しい悔しい悔しい!あんなに頑張ったのに!あんなに走ったのに!最後の最後までアタシが先頭だったのに!なのに、負けた……!」

『……』

パピヨン「またライムに負けた!負けて、なのにライバルだって言って、あんなキラキラした眼で……!アタシ、アタシ……悔しい!勝ちたい、勝ちたいよ……!」

『……』

何か一言:安価下2
1 ……その悔しさを糧にして、また頑張ろう
2 自由安価
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 00:33:23.26 ID:GKll3v70o
kskst
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 00:49:43.15 ID:ZTDDm9+lO
1
290 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 01:56:24.14 ID:ktj7gsI90
『……その悔しさを糧にして、また頑張ろう』

頭を撫でる、【貴方】のお腹に顔を埋め悔しさを口にするパピヨンの頭を、くしゃりと撫でる。

『そうやって悔しがれるなら、まだ大丈夫。キミはまだまだ強くなれる、まだ沢山……走れるよ』

パピヨン「……アタシ。決めたお兄さん」

――ステラライム。アタシ、ステラライムのライバルになる。

『……』

パピヨン「あっちはずっとライバルだって言ってるけど。アタシがそう思えるように。ライムにふさわしいライバルになって……期待に、応えたい」

『……そっか』

『キミに、新しい理由が出来たな。あのキミが誰かのライバルになりたいだなんて……な』

パピヨン「な、なに。おかしい?」

『そんなことはないさ、立派な理由だと思う。だったら、もっと頑張らないとな』

パピヨン「…………あー!なんかムカつく!なんか理解あるトレーナーみたいなこと言って!キモ!キモ!最低!」

ガシガシと足を蹴られる。しかし、やはり手加減をされているのかあまり痛く……いた、痛い!

パピヨン「それじゃ、アタシライブあるから!それじゃあね!」

――出て行ってしまった。

自分の走りが出来ればいい。それで他はあまり考えなかった彼女が、ステラライムという相手を気にしている――。

……来年からのクラシック級。どうなるか楽しみだ。
291 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 02:09:20.64 ID:ktj7gsI90
今日はこれで終わりです。お疲れさまでした、おやすみなさい。

次はクリスマスとかお正月とか。

ステラライムがライバルしてくれてとても嬉しいです。正統派に良い子で正統派に強いので。
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 12:38:51.17 ID:5qAKx6E9o
おつおつ
パピヨンサンタコス着よう!
293 : ◆OX0aJKbZO.0H [sage]:2024/03/24(日) 15:41:19.71 ID:ktj7gsI90
メイケイエールとナムラクレアに頑張ってほしいです。

サンタパピヨンはプレゼントを上げるんじゃなくてプレゼントを搾り取る方ですね。
294 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 18:38:31.29 ID:ktj7gsI90
――全日本ジュニア優駿から数週間。【貴方】は今後のレースの事を考える。

『……ステラライムのライバルになる、か』

ステラライムはマイルダートを主軸に走るウマ娘。それは今までのレースや全日本ジュニア優駿からも明らかだった。

……となると四月に行われるG3マリーンカップや、六月のユニコーンステーク辺りに出走する可能性はありそうだ。

『しかし、なぁ』

パピヨンが走りたいのならそれを止める理由はない。しかし、やはり【貴方】の頭には……短距離を走る彼女の姿が思い浮かぶ。

今でこそスタミナをつけマイルを走れるように頑張っているが、根っこの部分はスプリンター。そこで華麗に逃げ切る彼女を見たくないわけがない。

『……昇竜ステークス、天保山ステークス……まあ、ここを走るとなると』

時期の関係で彼女はステラライムと走れなくなってしまう。まあ、これは【貴方】のエゴだ。最後に決めるのはやはり彼女、シルヴァーパピヨン。

ステラライムは今後もっと強くなっていくだろう。ならこちらももっともっと強くならないといけない――トレーニングメニューの見直しや、フォームの確認なども必要だろう。

『それにしても……今日はクリスマスか』

……パピヨンはいない。きっとクリスマスだし他の子と遊んでいるんだろう。

クリスマスイベント:安価直下
1 『一応プレゼントとか用意したんだけどな……』
2 パピヨンサンタさん襲来
3 パピヨンにパーティー誘われる
4 自由安価
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 18:48:35.81 ID:GbFeZGY50
2
296 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 19:34:33.93 ID:ktj7gsI90
パピヨン「――ぷぷ、お兄さんもしかして〜……クリスマスなのに一人ぼっち〜?」

トレーナー室の扉が開かれて、そこからパピヨンが顔だけ覗かせてこっちを見ている。

『ぱ、パピヨン?』

パピヨン「寂しそ〜なお兄さんの為に〜……じゃーん!パピヨンサンタさんで〜す!」

ニヤニヤと笑うパピヨンは、そう言いながらぴょん。とトレーナー室に入ると……なんと。

『どうしたんだ、その服』

――サンタさんだった。可愛らしい赤と白を基調とした、ウマ娘サンタさんの衣装。

パピヨン「ぷぷ、お兄さんにはちょ〜っと刺激が強かったかな〜?でも、ほらほら?嬉しいでしょ〜?」

この前ショッピングモールに遊びに行ったら売ってたんだ〜。アタシに似合いそうだったから思わず買っちゃったの。と、彼女は当然のように言って。

……そしてパピヨンは【貴方】の隣にピッタリとくっ付いた。

『……キミ、こういうのは良くないよ。もっと自分を――』

パピヨン「はいはい真面目なお兄さんは偉いでちゅね〜!ぷぷぷ!ほらほら、パピヨンサンタさんに、何か欲しいものとかないんでちゅか〜?」

なんだか今日のパピヨンはいつにもまして勢いがあるな。とかなんとか思う。

【貴方】は考える。ここで欲しいものを素直に言っても良いものか。しかし、何を頑張っても揶揄われる未来は変わらないような――。

『……欲しいもの、か』

パピヨンサンタさんに――:安価直下
1 欲しいものが、ある。
2 実はこっちからもプレゼントがあるんだ。
3 ……最近ちょっと舐められすぎてないか?
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 19:40:16.27 ID:GKll3v70o
2
298 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 20:12:24.46 ID:ktj7gsI90
パピヨン「あ、もしかして〜……いやぁん。お兄さん、アタシにちょっと欲望丸出しの――」

『……そうだ、実はキミにプレゼントがあるんだ』

パピヨン「……へ?」

机の引き出しに入れていたそれを取り出す。一応クリスマスということで、トレーナーとして大人として用意をしておいたものを。

パピヨン「いやいや!お兄さん、今回はアタシがサンタさんなんだけど〜!ぎゃくぎゃく!」

『でも……じゃあ、要らないか?』

パピヨン「要る!」

――こういうところは本当に素直だと感心する。まあ、彼女が気に入るかどうかは分からないが――。
299 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 20:14:28.60 ID:ktj7gsI90
パピヨンへのプレゼント:安価1〜3
何かプレゼントできそうなものを。
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 20:26:01.14 ID:5qAKx6E9o
ウマ尻尾用オイル
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 20:33:54.56 ID:4gq/HcG80
蹄鉄
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 20:43:31.84 ID:zO2Yv9QsO
ウマ耳ケア用品
303 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/24(日) 22:53:44.01 ID:ktj7gsI90
ごめんなさい、これで終わりです。おやすみなさい。



尻尾か耳か:安価直下
1 >>300
2 >>302
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:59:17.61 ID:GbFeZGY50
1
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 01:15:36.29 ID:JpZxqXpDO
おつです
これ暫くはレースなしで日常パートですかね
バレンタインでパピヨンのお菓子作りもみたいかも
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 01:52:09.28 ID:xLWbrYB2o
おつおつ
このままこれを使っていくのかっ
307 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/26(火) 23:27:45.55 ID:S3hZin4r0
パピヨン「……あ!これアタシが欲しかったやつ……!」

『え、本当か?』

クリスマス用の包装を取り、中にはウマ娘の尻尾に使うオイル。色々とパピヨンに合いそうなものを探してプレゼントしたんだが……どうやらお気に召したようだ。

『良かった、丁度キミが欲しかったもののようで。頑張って選んだかいがあったよ』

パピヨン「え、うそ!結構これ高かったと思うんだけど……え、やば!お兄さんありがとう!うわ〜……」

年早々に目を輝かせて、耳をぴょこぴょこさせ、尻尾をふりふりと我慢できなさそうに横に揺らして。

……あのパピヨンがこんなに喜んでいるのを見るのは初めてかもしれない。

パピヨン「え、じゃあお兄さんお兄さん!早速やってよ!」

『え?』

パピヨン「尻尾の手入れ!ほら!早く早く!前教えてあげた通りにやれば大丈夫だから!」

はーやーくー!ほらはーやーくー!と急かされて、【貴方】は急いで準備をする。

……自分から言い出しておいてあれだが、このサンタのコスプレをしているウマ娘はプレゼントをどうしたのだろうか?まあ、気にはならないが。
308 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/26(火) 23:28:17.76 ID:S3hZin4r0
これだけです、おやすみなさい。



パピヨン「…………〜♪」

櫛を適切な角度で入れて、優しく梳く。撫でるように尻尾の先に向かって三回。

尻尾の毛の流れが綺麗になったのを確認して、【貴方】がプレゼントしたオイルを手の平に馴染ませる。そして、尻尾全体に広げていく。

……スッキリとした匂いが、ふわりと部屋に広がる。

パピヨン「あ、この匂い好き……ん〜。やっぱりお高いだけあるな〜、アタシじゃ中々手を出せないくらいのお金のはずなんだけど〜……」

『……お金は沢山貰える仕事なものでな』

トレーナーは結構高給だ。ただそれで貰ったものを使うことが出来るかどうかは別の話だが。

……使う機会のないお金を、こうして使えるのなら本望だ。

パピヨン「ふん、ふふん、ふ〜……ふ〜ん。んっ……お兄さん、そこ。そこもう少し撫でて……」

『はいはい』

尻尾の付け根の手前くらいを、指先ですりすりと撫でる。

パピヨン「ん〜……ん、まあ。お兄さんにしては、上手いかもね〜……♪」

『もっと上手になれるように精進するよ、プロ』

パピヨン「ふふん、上級者を敬う姿勢忘れないでよ〜?ぷぷぷ……」

――クリスマス。トレーナー室にトレーナーとサンタ姿のウマ娘が一人ずつ。

尻尾を梳く音とオイルの音、そして可愛らしい彼女の鼻歌だけが聞こえている……。
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 01:04:37.80 ID:VpdFCuxLo
おつ
クリスマスにトレーナーとふたりきりで体の一部を触ってもらい気持ちよさそうにする

もしもしたずなさん?
310 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/27(水) 14:41:02.19 ID:YUP9f6/q0
たずなさん見逃して



――お正月。トレーナー室にいると。

パピヨン「あ〜お兄さん、こんな時もお仕事してる〜」

『ん、ああ。パピヨン、どうしたんだいきなり』

パピヨン「――いやぁ、暇そうなお兄さんがいるんじゃないかな〜って思って?ちょっと顔見せに来ただけだよ〜」

あ、お菓子貰っていくね〜と、いつも通り変わらずお菓子を棚から取り出してソファに横になって――。

フラワー「パ、パピヨンちゃん……!」

……突然、扉からひょこりとフラワーが飛び出してきた。

『え、フラワー……?』

フラワー「あ、パピヨンちゃんのトレーナーさん!明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!」

『あ、ああ……あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします……』

とても丁寧に挨拶をされたので、こちらも丁寧に返してしまう。というか、何故フラワーがここに……。

パピヨン「げ、フラワー。ちょっと待ってよ、アタシにはアタシのペースってのがあるんだって」

フラワー「それはそうかもしれないけど、早々にくつろぎ過ぎだよ……!ほら、新年の挨拶しないと……」

パピヨン「…………あけおめことよろ〜。お兄さ〜ん」

サクサク、とスナック菓子を食べながら。

フラワー「パピヨンちゃん……!」

『は、はは……』
311 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/27(水) 14:41:34.46 ID:YUP9f6/q0
「今後もパピヨンちゃんをよろしくお願いします!」と言い残して、フラワーはトレーナー室を去っていった。

パピヨン「フラワーってば、いつもお世話になってるトレーナーさんにはちゃんと挨拶をした方が良いよ〜って、アタシをグイグイここまで引っ張って……」

『礼儀正しい子なんだな』

パピヨン「そうそう、フラワーは礼儀正しくて真面目で良い子なんだ〜」

そういうパピヨンの表情はなんだか嬉しそうだった。フラワーと幼馴染という彼女としては、ちょっと誇らしいのかもしれない。

パピヨン「まあ、それにしてはちょ〜っと強引な気もするけどね。別にお兄さんに挨拶とかよくない?」

『それはそれで少し悲しいけどな……』

パピヨン「そう?お兄さん、そういうの気にするんだ〜?へ〜……」

あ、というか。と、パピヨンが話を変える。

パピヨン「新年の抱負、とかあるのお兄さん。アタシ別にそういうの――あ、いや、一応あるけど」

『パピヨンの新年の抱負?』

パピヨン「ステラライムに勝つ。アタシの走りで、逃げ切って――っていうのは、お兄さんならもう知ってて当然?結構話してるしね」

『……なるほどな』

なら、自分の新年の抱負は――と、【貴方】は。


【貴方】の新年の抱負:安価直下
1 自分もキミをライバルに勝てるウマ娘にするよ
2 スタミナをつけて余裕を持てる走り
3 ……必殺技だな!
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 15:28:54.64 ID:8sL0bzDp0
1
313 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/27(水) 16:11:32.19 ID:YUP9f6/q0
『キミをライバルに勝てるウマ娘にするよ』

パピヨン「ぷぷ、何当然のこと言ってるのお兄さん。一応トレーナー、って形なんだからそれくらいの仕事して貰わないと」

一応トレーナー、ではなくちゃんとトレーナーなんだが……と言いたくなったが、グッとこらえる。

『じゃあ、そのためにも早速トレーニングをしないとな』

パピヨン「……は!?お兄さんもしかして外出ろって言ってる!?やだやだ元旦からトレーニングとか!外出たくない寒い!ストーブとかエアコンのあるここから出たくない!」

『いやいやキミなぁ……』

パピヨン「やーだー!やーだー!」

――いやいやキミもライバルに勝ちたいと言っただろう。

結局。トレーニング後に好きなお菓子とジュース、尻尾手入れを念入りにすることを条件に、トレーニングを承諾して貰った。
314 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/27(水) 16:50:40.08 ID:YUP9f6/q0
ライム「――はい、ありがとうございます。今後もトレーナーさんと共に研鑽を積み、頑張っていきます!」

小さなテレビで【貴方】とパピヨンは、ステラライムのインタビューを見ていた。

『……凄いな、彼女』

パピヨン「ねー、もう今の時期のダートの新星?期待の新顔?みたいな」

その番組はダートで活躍中の彼女にフォーカスしたものだった。トレーニング風景や、レースにかける思い。質疑応答などなど……。

パピヨン「てか、ライムがこれならアタシにもちょっとは取材が来てもいいんじゃないの?」

『キミが来る取材全部いつもの調子で煽ったりバカにしたりで追い返すからだろう……』

メイクデビューの時のような走り終わった後に観客をバカにする、みたいなことはあまりなくなったが。それでも彼女は変わっていない。グイグイ来るインタビュー取材には、色々と好き勝手言って門前払い。

……そのせいで最近は雑誌に記事が書かれても、なんだか問題児とか気性難とか、態度や性格云々みたいなそんな悪い記事が書かれがちだ。

『キミがそういうの気にしないというから放置はしているが、本当にいいのか?』

パピヨン「良いの良いの〜、アタシはそういうもんだから〜」

何て、言いながら欠伸。

……まあ、本当にまずそうな一定のラインを超えた記事だけはこちら側で処理はしているが。まあ……。

記者「――それで、次走についてですが」

ライム「次走については――」

次走:コンマ直下
1〜5 マリーン
6〜9 ユニコーン
0 ――短距離!?
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 17:21:32.57 ID:pim0QowkO
316 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/27(水) 23:45:14.27 ID:YUP9f6/q0
ライム「六月に開催されるユニコーンステークスにしようと考えています」

ユニコーンステークス。パピヨンの次走にも考えていたレース、それにライムが出走する。

パピヨン「……ふーん」

『……どうする?パピヨン』

パピヨン「当然。ライムにリベンジのチャンス〜……アタシが逃すわけないでしょ?」

ライム「あ、そうだ。すみません!少しマイク、お借りしてもよろしいですか?」

突然、ライムはそう言うと記者の一人からマイクを受け取ると。

ライム「――パピヨンさん。見ていますか?」

パピヨン「んぇ?」

パピヨンの口から、情けない声が漏れる。

ライム「もし良かったら――来てください!また貴女とレースをしたいです!いつでも、受けて立ちますから!」

パピヨン「――」

思わず、口が開いてしまう。【貴方】も、パピヨンも。

テレビでの名指しをしての宣戦布告。あのライムからの……驚いた。まさかこんなことをする子だったとは。

ライム「……あ!これ、生放送じゃないんでしたね……!す、すみません!少しなんだか気持ちが昂ってしまって――」
317 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/27(水) 23:46:08.46 ID:YUP9f6/q0
パピヨン「…………」

『パピヨン、パピヨン?』

パピヨン「え、あ、うん!?ど、どうしたのお兄さん!?」

――まだぽかーんとしていたパピヨンを引き戻す。

『……こりゃ、ますます負けられなくなったな』

パピヨン「…………うん、負けられない。負けられないよ、本当に」

――――こちらの次走も決まった。G3ユニコーンステークス。

次は、勝つ。レースでリベンジを果たそう――。
318 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/27(水) 23:50:42.84 ID:YUP9f6/q0
やりますイベント。前にも書きましたが、ウマ娘化されていない競走馬の登場などはNGです。

あと時間がとても空いてしまい申し訳ないです。



見たいイベント:自由安価下3まで。
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 23:56:58.36 ID:OqHB9903o
ナカヤマ、シリウス、そしてゴルシがポーカーしている所に巻き込まれるパピヨン
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/28(木) 00:03:06.22 ID:qfp0L+nhO
ライムとライムの幼馴染との電話をたまたま聞いてしまい、「え、これで付き合ってないの?」と思うパピヨン
しかしあとでパピヨンとトレーナーの会話を聞いていたダスカに同様のことを言われる
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/28(木) 00:23:36.44 ID:PTvHYHdUo
他のウマ娘のちょっと指導→トモの様子見るトレーナーの姿に嫉妬して尻尾絡ませをキメるパピヨン
なおトレーナーは気付いてないしパピヨンの方も無意識
322 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/28(木) 01:15:14.95 ID:KMc9I/rm0
今日はこれで終わります。全然書けませんでしたすみません。

おやすみなさい。
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/28(木) 08:12:15.11 ID:u3ZDXb8HO
遅くまで乙
324 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/29(金) 00:51:34.27 ID:PaYfBdJ50
ちょっとイベント前後させます。

今日はこれだけです。おやすみなさい。



ライム「――――♪」

パピヨン「んっ?」

あんまり人のいない校舎の裏。なんとなく探索がてらそこに向かうと――なんだか聞いたことのある声。

パピヨン(……ライム?)

ライムの声じゃん。しかもなんだか嬉しそう?

……電話をしてるみたいだけど、誰だろ。そう思った瞬間、アタシはまず――盗み聞きをすることにした。

ライム「――うん、うん。次の休みは家に帰る予定だから、その時一緒に――え?なになに、ご飯?」

あー、分かった。これあれだ、幼馴染だ。物陰からチラリとライムの様子を伺うと……?うわ、凄い乙女の顔!

ライム「えー、んもー。○○くんってば、ほんと私のご飯好きだよね……うん。分かった分かった美味しいの作るよ。じゃあ今度一緒に買い物行こうね」

……というか、雰囲気全然違う。なんだか、凄い年相応って感じ。これをネタに色々からかったり――いややめておこう、また拗ねちゃう。

ライム「あ!というかちゃんと勉強してる?○○くん、あんまり自分で勉強したがらないからな〜……ふふ、うん。知ってる知ってる、私がいなくても、ちゃんと一人で勉強してるんだよね?じゃあ今度テストの結果見せてもらおうかな〜」

パピヨン(……)

え、付き合ってるでしょこれ。付き合ってないの?フードコートであんな顔真っ赤にしてたのに、やっぱちゃんと付き合ってるでしょ?

ライム「……えっ?いや、そんな良いって……ふふっ。ちょっと恥ずかしいよ……んもう、じゃあ約束ね。うん、約束約束」

約束!?何を約束した!?彼氏……じゃない幼馴染は何を言ってライムを照れさせた!?

――ああ駄目だ、なんかこっぱずかしい。戻ろ……。
325 : ◆OX0aJKbZO.0H [saga]:2024/03/29(金) 00:52:29.47 ID:PaYfBdJ50
ライム「ってことがあったんだけどねスカーレット!まじ、あんなの付き合ってるよほんと〜!」

ダスカ「アンタねぇ……いや、まあ。話を聞く限り、分かるけど」

食堂で二人、昼食を食べながらそんな話をする。スカーレットも分かってくれたようで嬉しい!

ライム「早く付き合っちゃえばいいのに〜って思うけど、あれかな。お互い今の関係を崩したくないから告白できない〜みたいな奴かな」

ダスカ「ちょっと止めなさいよ、そういうのあんまり――というか、アンタが言えた話?」

ライム「は?」

――アタシの話?

ダスカ「この際ハッキリ言うけど、アンタもライムさんと同じ感じよ?えっ、これで付き合ってないの?みたいな」

ライム「いや、なにそれ意味わかんないんだけど?なに、アタシと誰が付き合ってないって?」

ダスカ「トレーナーに決まってるでしょ?ねえパピヨン、あんた学園内の同年代の間だと……結構噂されてるのよ?」

――年上のトレーナー相手にもグイグイ行って、トレーナー室を私物化。入り浸り。

ダスカ「距離近いし、尻尾の手入れとかもさせてるって――それ、だいぶ凄いわよ?アタシから見ても」

ライム「…………」

結果:安価直下
1 え〜?意味わかんないんだけど〜?
2 ……?(無自覚)
3 ……!??!?!?
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/29(金) 01:01:09.00 ID:FHVGuaYl0
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