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安価とコンマで異世界転生!その10

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702 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 02:49:08.09 ID:lPdiyE970
副局長「こりゃたまげた、そんなことができるのか」

男「これでもかってほど魔力使うので、かなり厳しい制約の下ですが」

炎魔「神降ろしだけじゃないんですね、できること」

男「奇跡を代行するだけだから、あの時よりはかなり魔力の消費は抑えられるんだ。それでも人間一人じゃ賄えないし、無理にやろうとすれば反動で死にかねない」


少女神の奇跡は規模こそ小さいものの、それでも一人で使うとしばらくまともに動けなくなるレベルの反動がある
海神の奇跡を一人で使えば、体が即座にバラバラになるだろう
703 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 03:38:20.83 ID:lPdiyE970
本日はここまでです
ありがとうございました
704 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 18:39:06.89 ID:lPdiyE970
怪盗「じゃあ、人は欲しいですけど……」

男「明日の便を予約してはいるが、もしあの亡霊魔獣が出なければ、無理のない範囲で遅らせてくれても構わない」

副局長「それは……普通のお客様が乗るかによるね……」

狙撃少女「そうですね。実際、会わないに越したことはありませんから」


自分たちの意志を伝えた一行は、
再び宿へと帰ってきた
決して豪華ではない宿だが、潮風がほどよく入り、
田舎らしい温もりを感じる
705 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 01:28:18.57 ID:x6H4p7+t0
部屋は男女で分けられ、
バルコニーでそれぞれの部屋が繋がっていた


氷魔「……潮騒が……心地よいですね……」


バルコニーにはいくつかの椅子とテーブルが備え付けられており、ゆったり寛げる仕様だ


やる気「あっ、窓はなるべく閉めといたほうがいいっすよ」


男性部屋からやる気が顔を出して、忠告をする
706 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 01:31:37.96 ID:x6H4p7+t0
氷魔「……夜は冷えますからね……」


素直に窓を閉めて、椅子にかけ直す


やる気「金属製の武器使ってると、潮風で錆びちゃうんで、そっちっすね」

氷魔「……あぁ……私には盲点でしたね……」

男「お、夕陽が綺麗じゃないか」


二人が話しているのでふと窓辺を見た男が、
美しい夕暮れに気がついた
707 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 02:24:13.38 ID:x6H4p7+t0
本日はここまでです
ありがとうございました
708 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 19:49:16.33 ID:x6H4p7+t0
談話する二人の脇を通って、
バルコニーの縁に腰かける


やる気「おセンチの時間っすか?」

男「ひっどい物言いじゃないか。実際そうだが」

氷魔「……ふふ……」


冷徹な海が太陽を呑み込んでいく


まだ夕食までは時間がありそうだ


>>下1……なにをする?
1.中華の料理を手伝う
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/11(木) 19:58:42.19 ID:bGJ4oMTm0
710 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/12(金) 01:31:01.96 ID:TvLG8Gzq0
バルコニーを通って、女子部屋を覗く
別に、特段目を見張るものがあるわけでもない
大部屋なら一緒に泊まるし、貴重な光景でもない


ぶりっ子「な〜に〜見〜て〜る〜ん〜で〜す〜か〜!!」

男「うおっ」

ぶりっ子「覗きじゃないですかぁ!しばき回しますよぉ!?」
711 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/12(金) 01:38:45.04 ID:TvLG8Gzq0
本日はここまでです
ありがとうございました
712 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/12(金) 19:35:47.60 ID:v4XafFORO
男「そう怒るなって、別に隠すものもないだろ?」

ぶりっ子「死にたいんですかぁ?」

男「……すまん」


どことなくバイオレンスな気配を感じて、
謝罪しておく


ぶりっ子「どうせ暇なんでしょう?」

男「ああ、暇だ」

ぶりっ子「じゃあ>>下1しませんかぁ?」
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/12(金) 20:39:28.03 ID:bjZWga+DO
肩もみ
714 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 01:29:07.55 ID:nk5yrz9t0
ぶりっ子「肩もみしませんかぁ?」

男「凝ってんの?」

ぶりっ子「そりゃあ凝りますよぉ、色々持ってますし、心労もありますしぃ」

男「本当かなぁ」


笑って受け流しながら、
男はぶりっ子の肩に手を当てた
よく効く場所とそうでない場所は人によってばらつきがあり、最初にもむ時は確認が必要なのだ


ぶりっ子「ひぅっ!?」
715 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 01:32:09.09 ID:nk5yrz9t0
両肩が盛大に跳ねる
感覚が崩れるのでやめてほしい所だ


男「どうした?」

ぶりっ子「す……すみません、なんかびっくりしちゃって」

男「あー、慣れてないんだな、マッサージはされるにも慣れがいるぞ」

ぶりっ子「そ、そうなんですねぇ……」

男「そうだ。マッサージで気持ちよくなってるご老人は、揉まれの道を何年もかけて極めたとすら言える」


そんなことを言いながら、
つぼになっていそうな場所を探り当てる
あとは押し込んでほぐすだけだ
716 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 02:39:06.47 ID:nk5yrz9t0
本日はここまでです
ありがとうございました
717 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 18:31:49.45 ID:6PxAexbtO
耐性がどの程度あるか分からないが、
強く押し込んでみる


ぶりっ子「ぎゃあっー!!」

男「怪鳥みたいな声出てんぞ」

ぶりっ子「誰のせいだと思ってんですかぁ!?もっと優しくしなさいよぉ!私はデリケートなんですよぉ!」

男「注文の多いやつめ……」


仕方ないので、もう少し力を抑えて揉んでみる
718 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 19:31:31.60 ID:QPRM59LtO
ぶりっ子「あーそうです、そういう感じで……」


男はようやくぶりっ子の望む力加減を探し当て、
マッサージを続行する


男「ここにも極北にもマッサージや整体の店はないだろうし……そう考えると、俺っていいことしてるんじゃないか?」

ぶりっ子「じゃあみんなも揉みます?」

男「手ぇパンパンになるからやめとく」
719 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/14(日) 02:11:02.18 ID:XchPbpKP0
それからしばらくの間もみほぐし、
男はようやく手を休めた


ぶりっ子「終わりですかぁ?」

男「ああ……肩もみなんて何年ぶりだろうな。すぐ疲れるんだよ、これ」

ぶりっ子「まぁ、色々気を遣ってるのはなんとなく分かりましたよぉ」

男「マッサージ師が一番マッサージ師を求めてる、なんて話もあるしな……俺はそこまで高尚な肩もみはできんが」
720 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/14(日) 02:19:36.97 ID:XchPbpKP0
本日はここまでです
ありがとうございました
721 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/14(日) 19:21:43.67 ID:XchPbpKP0
それから夕食の時間になった
あまり魚料理は作らない中華だが、
今日はやたら豪快な魚料理を出した


怪盗「な、なんか……派手ですね?」

中華「香辛料もたくさん使うし、魚もほぼ全部の部位を食べられるようにしてあるんだ」

狙撃少女「すごいですね……スパイスの香りが強烈で、よだれが出ます」
722 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 03:46:09.26 ID:yY/7+fEB0
この街の特色に、水が安いというものがある
口内の辛味を流すためにいくらでも水を飲めるため、
中華は特に辛味の強い料理を提供したのだ


炎魔「ぎゃーっ!辛いっ!」

男「すげぇ!辛みで火吹いてる奴初めて見た!」


炎魔は驚異的な辛さに耐えきれなかったようだ
彼女は本当に炎を扱える生命体なので、
口から火柱が出ている
723 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 03:54:40.27 ID:yY/7+fEB0
本日はここまでです
ありがとうございました
724 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 19:41:04.53 ID:yY/7+fEB0
一行は辛みと格闘しながら、魚料理を食べ終えた


炎魔「お腹がちゃぽちゃぽです」

中華「炎魔さんには辛すぎたみたいだね、今度からはもっと抑えるよ」

氷魔「……舌が灼けるようでしたね……」

やる気「俺っちは結構好きっすよ、これ」

ぶりっ子「私もですねぇ、むしろこれくらいが丁度いいですぅ」
725 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 20:25:46.41 ID:yY/7+fEB0
中華がいろいろと聞き取りをして、
細かいメモ書きを作成しつつ、夕食の時間は終わった


怪盗「ヘルシーでよかったですね」

狙撃少女「こんなに辛いものを食べたのは初めてです」


まだ就寝までは時間がある


>>下1……なにをする?
1.中華の後片付けを手伝う
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:41:19.12 ID:W1WsUpGfo
7
727 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/16(火) 02:03:37.46 ID:zyHLa4FQ0
辛いものを食べると体が熱くなるのはよくある話だ
男もその例に漏れず、
火照りを冷まそうとバルコニーへ出たのだ


男「あちー……」

炎魔「あっ、男さん」

男「おお、炎魔。もう元気か?」

炎魔「ええ、この通り!」


彼女は炎の翼を広げてバルコニーの外に浮かんでいた
728 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/16(火) 02:07:47.77 ID:zyHLa4FQ0
本日はここまでです
ありがとうございました
729 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/16(火) 19:20:28.67 ID:zyHLa4FQ0
男「便利な体してるよなー」

炎魔「おかげさまで」

男「よせって。それより、極北に行ったらフェニックスに会えるぞ」

炎魔「実質、お父さんみたいなものですよね」

男「そうか……?」

炎魔「もし会えたら、>>下1」
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 20:57:05.34 ID:mYnkQK/io
火力勝負、です!
731 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 01:11:12.43 ID:Ip5uvH9j0
炎魔「火力勝負、です!」


そう言って彼女は右手を突き出し、
炎をそこから迸らせて見せた
それは花火のように美しく、
生命の営みのように豪胆だった


男「はは、いいね」

炎魔「冗談だと思ってませんかー?」

男「まさか、俺はいつでも本気さ。もしギャンブルだったら、君に賭けよう」
732 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 02:13:29.79 ID:Ip5uvH9j0
炎魔「疑いはないんですか?」

男「炎魔は誰より無垢で無邪気だけど、やると言ったことはやる、そういう雰囲気がある」

炎魔「有言実行の女、というわけですね!」

男「そうだね。人間としては俺なんかと比べ物にならないほど若いし、伸び代がいくらでもある」

炎魔「……どっかで突き放してください!ひたすら褒められると恥ずかしいです!」
733 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 03:14:03.82 ID:Ip5uvH9j0
本日はここまでです
ありがとうございました
734 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 19:03:46.88 ID:Ip5uvH9j0
男「人は褒めて伸ばすタイプなんだ」

炎魔「んんーっ……!」


炎魔は空中で全身を限界まで張り詰めさせている


男「本当に伸びそうだからやめなさい!」

炎魔「楽しそうじゃないですか?褒められたら物理的に伸びて『私褒められると伸びるタイプなんです』って言うの」

男「妖怪だよそれ……」
735 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 01:19:31.92 ID:bK8BsgT50
可憐で荘厳な少女のままでいて欲しいというエゴから、男は炎魔の奇行を止めた


炎魔「……覚悟、決めなきゃですね!」

男「そうだな……」

炎魔「もし私が挫けたら、そのときはよろしくお願いします!」


炎魔は相変わらずの笑顔で告げたが、
その裏には太陽のように眩しい彼女の黒点が見えた
736 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 01:55:58.75 ID:bK8BsgT50
本日はここまでです
ありがとうございました
737 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 19:49:52.00 ID:bK8BsgT50
そして彼女は滑空しながら女子部屋に消えていった
男は夜風の只中に残されて、
数分月を見上げてから部屋に戻り、眠った


〜翌日・陽週月曜日〜


男「……ん、船が出るまであとどのくらい?」

中華「あと一時間強ある。のんびりいけるよ」

氷魔「……ぼちぼち……チェックアウトの準備をしましょうか……」
738 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 21:04:57.46 ID:bK8BsgT50
チェックアウトを済ませ、
だいぶ早めに港の管理局までやってきた


やる気「局員さーん」

局員「どうなさいましたか?」

やる気「今日の極北行きの便、俺っちら以外に何人ぐらいお客が乗るんすか?」

局員「そうですね、>>下1」
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 21:11:23.73 ID:cm6BwkOgo
1人でもいたら珍しい方ですよ
740 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/19(金) 02:40:17.64 ID:W4NjL+AD0
局員「1人でもいたら珍しい方ですよ」

ぶりっ子「そりゃ都合がいいですねぇ」


当然といえば当然のことである
この港町がただでさえ辺鄙極まりないのに、
もはやほぼ未開の地である極北に向かおうとする者などほぼいないだろう


局員「みなさんのような物好きの冒険者がいなければ、乗船券も売ってなかったでしょうね」
741 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/19(金) 02:51:39.97 ID:W4NjL+AD0
本日はここまでです
ありがとうございました
742 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/19(金) 18:59:07.28 ID:j9VvFcjAO
乗船だけなら既にできると局員が言ったため、
一行はそのまま船に乗り込んだ


怪盗「甲板は冷えますねー……」


容赦のない北風に鳥肌が立つ
しかし、乗組員たちは寒さなど恐れず出航の準備をしていた


狙撃少女「そうですね。……おや」
743 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 00:32:29.69 ID:UL9gXH/p0
規律正しく動く乗組員たちに指示を飛ばす者がいた
それは、つい先日会った副局長だった


男「副局長さん。他のお客さんはいなさそうですね?」

副局長「幸か不幸かな」

男「よかったと思っていただけるよう頑張るのが我々の仕事です」

副局長「では、報酬のことでも考えるとするかな」

男「あれば嬉しいですが……まぁ、なくても構いません。人のためにやることなので」
744 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 03:00:39.71 ID:UL9gXH/p0
忙しそうなので世間話はせず切り上げて、
与えられた船室に向かうことにした
それぞれに個室が割り当てられており、
どれも明らかに広めだ


中華「大きな船でよかった」


中華のように、早速部屋でくつろぐ者もいれば、


やる気「つっても、なんもないっすねー……部屋」


やる気のように、船室を荷物置きとしか思っていない者もいた
745 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 03:03:47.60 ID:UL9gXH/p0
本日はここまでです
ありがとうございました
746 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 20:12:12.44 ID:Rxj7lDVgO
すみません遅れました


氷魔「……ふぅ……」


甲板では氷魔が本を読んでいた
高い船なので、濡れる心配はまったくない


男「この寒いのに、よくもまぁ甲板で……」

氷魔「……丁度いいと思っているのですが……」
747 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 21:25:58.71 ID:UL9gXH/p0
狙撃少女「………………」

男「……?」


一方、狙撃少女はただ水平線を見て立ち尽くしていた


やる気「なにしてんすか?」

狙撃少女「遠くを見ています。……そうすると、視力がよくなるらしいですよ」

男「まぁ、そういう話もあるが……」


なにもない水平線で効果があるのかは疑問だった
そんなことを話しているうちに出航の用意が整い、船は水をかき分け、極北に進み始めた


>>下1……極北に着くまでに一角の亡霊に出会えたか
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/21(日) 00:46:12.63 ID:R+5ePhWDO
出会えた
749 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/21(日) 03:40:32.03 ID:wzXngSKi0
寒さはどんどん激しくなり、
甲板に出ていたメンバーも氷魔以外は震えることも多くなり始めた頃
突如として船が大きく揺れた


氷魔「……おおっと……これは……!」

中華「出たのかいっ!?」


中華や冷え性の女性陣、
そしてどこにいたのか炎魔も船内から飛び出してきた


やる気「……いるっす!」
750 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/21(日) 04:12:06.24 ID:wzXngSKi0
本日はここまでです
ありがとうございました
751 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/21(日) 19:49:30.47 ID:wzXngSKi0
海を見れば、巨大な一角を持った鯨のような存在が船を角で突き刺そうとしている
一度揺れたことを考えると、
この船は少なくとも一発はそれを耐えているということである


ぶりっ子「で、でかすぎませんかぁ!?」

男「水から出せば、ただの魚だッ!船員の皆さん、海神様に祈ってください!」


男が呼び掛けると祈ろうとする者もいたし、
パニックでそれどころではない者もいた
752 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/22(月) 01:52:25.24 ID:EwQFZFBW0
副局長「ひるむなっ、みんな!祈るんだ!」


やはり、見ず知らずの冒険者が言うよりも慣れ親しんだ上司が言うほうが耳に届く
慌てふためきなにもできないでいた船員たちも、みな祈り始めた


怪盗「さっすがー!」

狙撃少女「……さぁ、私たちも祈りましょう」

炎魔「そうですね!」
753 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/22(月) 03:41:23.64 ID:EwQFZFBW0
本日はここまでです
ありがとうございました
754 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/22(月) 19:11:09.11 ID:EwQFZFBW0
男が精神を統一し、目を見開く
その背後には、既に海神のビジョンが浮かんでいた


男「『海割りの奇跡』ッ!!」


念を亡霊に叩きつけるように叫ぶ
するとたちまちそこから海が二つに割けていく


狙撃少女「いきますよっ!」

炎魔「がってん承知ー!」
755 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 00:24:18.13 ID:KgPu91mz0
船のへりに狙撃少女は脚をかけ、
そのまま中空に身を投げ出す


狙撃少女「的が大きくて助かりますね!」


そのままスナイパーライフルで銀の弾丸を撃ち込み、
巨大な亡霊に命中させる


一角「オォォォォォ……!!」


それは大気を震わせる唸りを上げ、苦しむ
756 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 00:28:54.55 ID:KgPu91mz0
炎魔「よっと……!ライフルおっもいですね!?」

狙撃少女「性能とトレードオフです。それより、ちゃんと支えておいてくださいねっ!」


割られた海の間に吸い込まれていくように落下する鯨のような亡霊は、
銀の弾丸を避ける為に人型に変貌した
一方の狙撃少女は浮遊する炎魔に負われた体勢のまま、
構わずライフルのリロードをしていた



中華「やはり、的を小さくしてきたね!」

757 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 00:32:25.10 ID:KgPu91mz0
狙撃少女「このライフルの前では、視認に足る体躯であれば誤差に過ぎません」


お世辞にも安定感があるとは言えない少女の上で、
彼女は落下する人間大の的に狙いを定める


炎魔「さぁ、やっちゃってください!」

狙撃少女「はい!……そこですっ!」


彼女が放った弾丸は、あらゆる悪条件を貫通し、
人型の亡霊を貫いた


氷魔「……素晴らしい……!」
758 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 01:23:46.62 ID:KgPu91mz0
本日はここまでです
ありがとうございました
759 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 19:32:31.39 ID:KgPu91mz0
男「よし、降りるぞ!海神サマ、頼みます!」

海神「はーい」


船の下の海もゆっくりと割れて、海底に着く
そこでは二発の弾丸を食らった亡霊が槍を持って苦しんでいた


亡霊「ォ……ォォ……!」

男「やい亡霊野郎!なんだって船を襲うんだ!?」

亡霊「>>下1」
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/23(火) 19:49:15.74 ID:XtAEZk2DO
不幸な運命になる魂に……死という安らぎを与える為に……
761 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/24(水) 02:05:17.90 ID:mvTB66VX0
亡霊「不幸な運命になる魂に……死という安らぎを与える為に……」

やる気「不幸?冗談きついっすね、うちはラッキーで生きてるんすよ」

亡霊「どうだろうな……私には……お前たちから死臭すら感じるぞ……」

ぶりっ子「ええっ!?」

亡霊「ここで死ねば……魂は海に還る……邪悪なる者と対峙するということは……魂すらも煉獄に焼かれる覚悟がいる……」
762 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/24(水) 02:42:26.36 ID:mvTB66VX0
本日はここまでです
ありがとうございました
763 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/24(水) 19:27:29.11 ID:mvTB66VX0
男「……だったらなんだと言うんだ」

亡霊「今のうちに死んでおくべきだ……」


そう言ってゆらゆらと立ち上がろうとする亡霊だったが、そこに炎魔が飛び掛かった


炎魔「おおっと、そりゃいけませんね!」

怪盗「ナイスです!」
764 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 02:12:45.61 ID:sqBnJBZS0
海神「……私がなにかするまでもなさそうですね」


炎魔に続いて臨戦態勢になっていた海神だが、
その警戒を解いたようだ
心配なので男もなにかしようと考えたが、
海神の様子を見てそれをやめている


亡霊「あ……暖かい……」

炎魔「そうです!あなたがずっといた深海に、こんな暖かさはないはずです……」

亡霊「私は……私はっ……」
765 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 02:17:53.56 ID:sqBnJBZS0
切なげな表情を浮かべる亡霊に、
炎魔は慈母のごとく寄り添った


炎魔「他者を殺めてまで頑張る必要はありません……あなたにも、救いは必要です」

亡霊「私が……導かねば……」

炎魔「思い出してください。……あなたも、導かれるべき存在です」

亡霊「………………」

炎魔「海面は、陽光に照らされて輝くのです……悲しみの底から抜け出して、父なる海に還りましょう……」


そう囁かれると、亡霊はゆっくりと、
溶けるように、消えていった
いつでもわんぱく少女のようだったはずの炎魔の顔と声には、
司書の紛い物だったときのような思慮深さが滲んでいた
766 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 03:01:25.75 ID:sqBnJBZS0
本日はここまでです
ありがとうございました
767 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 19:19:20.47 ID:sqBnJBZS0
狙撃少女「……消えていった……」

海神「ううむ、やっぱり私の見込んだ通りでしたなぁ〜」


誰に吹き込まれたのか、
珍妙な口振りで海神は語り、頷く


男「なんかしましたっけ」

海神「私の眷属になれば人間の感覚あげるって話です。もしあの子が眷属だったならなぁ〜!私の格も爆上がりってもんですよ」

男「……なんか、似てるしな」
768 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 00:19:46.14 ID:ZXS7gX8g0
海神「あぁ……確かにそうかも?でも、前に会ったときとはすっかり変わっちゃいましたね」

男「根っこの所は変わってないみたいだけどね。今、海神サマも見たでしょ?」

海神「うーん、なおのこと口惜しい……」


男は久しぶりに実体化した海神としばらく話し、
それから船を海上に戻してもらった


中華「いやぁ、どうにかなったね」

氷魔「……この船……凄まじく頑丈ですね……」
769 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 00:38:10.01 ID:ZXS7gX8g0
本日はここまでです
ありがとうございました
770 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 19:19:28.87 ID:ZXS7gX8g0
そして、ついに一行は極北へと辿り着く
船は流氷を砕き、堅い凍土の上に作られた港へ接岸する


やる気「ついに来たっすね!」

ぶりっ子「防寒具……なんで買ってこなかったんでしょう……」

怪盗「私も同じ気持ちです……」


ぶりっ子と怪盗は寒さに震えている
771 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 19:23:53.27 ID:ZXS7gX8g0
乗組員たちは積荷を降ろし、逆にいくつかの物資は港から船に運び込まれていく


狙撃少女「そういえば……向こうとこちらをわざわざ行き帰りしているのならば、理由があるはずですね」

男「ああ、やはりあの積み込まれていく箱じゃないか?」


話していると、近くに副局長が見えた
どうやって淹れたのか、コーヒーを飲んでリラックスしている


狙撃少女「副局長さん、あの港から積み込まれているものはなんでしょうか?」

副局長「>>下1」
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/26(金) 20:47:44.53 ID:8TEkQYI0o
溶けない氷さ
773 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 02:13:41.43 ID:AUnxxG140
副局長「溶けない氷さ」

中華「えっ、そんなのあるの?」


食材の冷蔵に利用したいので、
中華はそれに非常に反応した


副局長「ああ、極北で取れる……特殊な魔力を含んだ氷なんだ」

男「確かに、中華みたいな人は欲しがりそうだし、値段が付きそうだ」
774 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 02:14:42.70 ID:AUnxxG140
本日はここまでです
ありがとうございました
775 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 19:03:44.36 ID:AUnxxG140
それから、一行は港にやってきた
先ほどまでいた街は、鄙びてこそいたものの、
まだ街らしさがあったといえる
だが、この港にはキャンプのようなものがいくつか用意されているだけだ


氷魔「……基地……といった感じですね……」

やる気「そっすねー……でも、探査とかしてる人多そうっすし、色々聞けそうっすね」
776 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 19:54:12.82 ID:AUnxxG140
それらのキャンプ地の中に踏み込むと、
防寒具を着て作業をしている人が何人かいた


ぶりっ子「すみませぇん、お時間いいですかぁ?」

隊員「……ん、冒険者か。寒そうな身なりをしているな」

ぶりっ子「そうですねぇ、冷え性なので困りますぅ」

怪盗「私たち、不死鳥を探して極北まで来たんです。どこにいるか知りませんか?」

隊員「>>下1」
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/07/27(土) 20:16:17.84 ID:pT38vo2m0
極南にいるらしいよ
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/27(土) 20:18:49.46 ID:l54jRw7x0
「ハハっ、そんな伝説上の生物は流石の此処でもお目にかからないよ。いたとしてもこの周辺にある泉や海底の奥深く迄探して見ないとね」
779 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 00:57:40.78 ID:IUEvGzV40
隊員「極南にいるらしいよ」

狙撃少女「……へ?」

隊員「いやぁ、確かに極北にいるって言い伝えはあるけど……火の鳥なんだから、北より南にいるほうがそれらしいでしょ」

男「……極南は、寒くないんですか?」

隊員「いや、寒いよ。だって極北の隣だし」

男「え?ええ?世界が球形だとしたら、ちょうど一番遠いんじゃないのか?」

隊員「そうか、世界地図ってあんまメジャーじゃないのか」
780 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 01:10:07.15 ID:IUEvGzV40
本日はここまでです
ありがとうございました
781 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 19:07:02.38 ID:IUEvGzV40
彼は寛大にも一つのドーム状の拠点に一行を案内し、世界地図を見せた


中華「これが……」

隊員「世界地図と呼ばれるものはいくつもあって、眉唾物な地理が記載されたものも多いんだけど……実測した感じ、これが一番もっともらしいよ」


男にとって奇妙だったのは、
世界がやけに細長いことである
相当縦長のスクロールが、地図としてそこにはあったのだ
782 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 19:10:47.25 ID:IUEvGzV40
男「なんか……縦長?」

隊員「我々の認識では、世界はこのようになっている」


彼は、地球儀に相当するそれを私物の棚から取り出した
この世界でなんと呼ばれているかは分からないが、
男の知る限りそれは『メビウスの輪』だった


男「細長い世界が、ループしているということですね?」

隊員「基本的には、そうだね。……なんか、特定の位置から特定の場所に踏み入るとか、特別な儀式を使うとか……胡散臭いけど、そういう方法で環状世界の外に出られるって話もあるよ」
783 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/29(月) 01:50:24.15 ID:DRFJLIqO0
氷魔「……このような形状ならば……極北と極南は……隣り合っていてもおかしくはありませんね……」

隊員「そうだね、でも注意すべきことがいくつかある」


指を立て、注意を促してきた


やる気「なんすか?やっぱ過酷なんすか?」

隊員「それが一つだ。いくら冒険者とはいえ、正気とは思えない行為だな。……次に、極北と極南の境界についてだ」
784 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/29(月) 02:10:36.30 ID:DRFJLIqO0
本日はここまでです
ありがとうございました
785 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/29(月) 19:19:32.19 ID:DRFJLIqO0
ぶりっ子「なんかあるんですかぁ?」

隊員「さっき言った、『特定の位置』があるんだ」

怪盗「はぁ」

隊員「どこからかは分からないが、境界を特定の座標からまたぐと、異界に飛んでしまう」

狙撃少女「よく知ってますね……」

隊員「こんなとこの調査に来るのはよっぽどの地理オタクだけだからね」

炎魔「では、その異界とはどんな場所なのか分かりますか?」

隊員「>>下1」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/29(月) 19:51:37.47 ID:B6MLDo/6o
見た目はあまり変わらないが、一歩歩けば百歩先に進んでたり、一時間たったと思っても一分しか時間が過ぎてなかったりする
787 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 03:08:56.28 ID:bJsSWgf40
隊員「見た目はあまり変わらないが、一歩歩けば百歩先に進んでたり、一時間たったと思っても一分しか時間が過ぎてなかったりする」

男「迷い込んだら終わりか……?」

隊員「かもね。生還した人がいるから言い伝えがあるけれど、逆に言えば、その生還者以外は消えたってことだし」


彼は笑って言う
マニアには、得意分野の話ともなれば過激になるものと、彼のようにいやに淡々となるものがいる
788 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 03:24:28.32 ID:bJsSWgf40
本日はここまでです
ありがとうございました
789 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 03:57:44.63 ID:bJsSWgf40
本日はここまでです
ありがとうございました
790 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 19:12:08.43 ID:bJsSWgf40
中華「あの、まったく関係ない質問なんですけど」

隊員「うん?」

中華「僕、料理人なんですよ。極北ではみなさん、なにを食べているんですか?」


隊員の男性は、ゴミ箱を指した
日持ちする乾燥肉が入っている


隊員「持ってきた保存食を食べることが多いねぇ……でも、ここで食べ物を獲得することもあるよ」

中華「へぇ、なにをとるんですか?」

隊員「>>下1」
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/30(火) 19:17:23.12 ID:GqY5Nmkio
海を泳ぐ鳥かな
792 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 02:12:56.91 ID:mKoVfQvB0
隊員「海を泳ぐ鳥かな」

氷魔「……ペンギンでしょうか……」

隊員「あぁ……そう思うよね。実は違うんだ」


基地にある黒板に、
彼は魚と鳥の中間とも呼べる存在を描き出した
奇妙なことに、爬虫類らしさはまったくなかった


やる気「なんすか、その生き物」

隊員「『シガイチョウ』だね。死んでるんじゃないかと思うほど痩せてるからみんなそう呼んでる」
793 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 02:35:42.64 ID:mKoVfQvB0
ぶりっ子「可食部なさそ〜」

隊員「確かに量はないけど、栄養は詰まってる。消化がゆっくりで、腹の中にあるものによっては、化学反応でちょっとおいしくなってたりするよ」


一行はそうした説明を受け、隊員に礼を言ってから、
極北のさらに北へ進まんとした
しかし、外に出るともう夕方だった


怪盗「寝床探さないとまずいよ!」

狙撃少女「そもそも、宿なんてあるのでしょうか……?」
794 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 03:18:08.58 ID:mKoVfQvB0
本日はここまでです
ありがとうございました
795 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 19:03:07.72 ID:mKoVfQvB0
男「すみません」


男はまたも近くを歩いている人間に声をかけた


女性「はい?」

中華「僕たち、どこか泊まれる場所を探しているんです。極北に来るのは初めてで……」

女性「あぁ……>>下1」
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/31(水) 19:15:40.45 ID:47ynrCLDO
巨大なかまくら式の宿屋ならあるよ
797 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 01:59:55.16 ID:bssqUmWI0
女性「巨大なかまくら式の宿屋ならあるよ」


彼女はやや遠くにある、大きな建造物を指した
確かにかまくらの形をしている


氷魔「……あれ……宿屋だったんですね……」

やる気「雰囲気があっていいじゃないっすか!」

ぶりっ子「ってことは、あれ全部雪で出来てるんですかぁ!?」

女性「そうだね。溶けないもん」
798 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 02:02:34.67 ID:bssqUmWI0
一行は女性にも感謝を告げ、
宿屋に向かって氷と雪の道を歩き始めた


炎魔「むむむ……むむ……」

怪盗「なにしてるんですか?」

炎魔「精神統一です。宿でもし私の心が不意に昂ったら、かまくらが溶けちゃうかもしれないので……」

狙撃少女「確かにそうですね。でも、炎魔さんって精神統一とかしても興奮するイメージがありますよ」

炎魔「そうですか?じゃあ、面倒ですし自然体で行きますか!」
799 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 02:09:07.52 ID:bssqUmWI0
本日はここまでです
ありがとうございました
800 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 19:24:14.82 ID:bssqUmWI0
宿に着くと、そこが巨大なドームの中にくつろぐスペースや睡眠用のスペースがあるという奇妙な形態の宿であることが分かった


看板娘「まさか、ご宿泊ですか!?」


一行が入ると、ファッショナブルなもこもこの防寒具を身に付けた看板娘が現れた


男「そのまさかだけど、なんかまずいかな?」

看板娘「いえ、そういうことではなく……珍しいことに、本日はもう一組お客様が来ていて……たまに一組宿泊される程度なので、珍しくて」

中華「そうなんだ。どんな人たちなんだい?」

看板娘「>>下1」
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/01(木) 19:58:52.77 ID:lpFj4YWDO
それが明らかに大人の保護者のいない子供達の集団で……

相場の十倍のお金を出されたうえに、場所が場所だけに野宿させる訳にもいかないので断りきれずに……
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