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安価とコンマで異世界転生!その10
- 502 : ◆cUhskXlNTw :2024/05/26(日) 04:36:47.45 ID:h7ay7hySo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 503 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 19:57:51.35 ID:h7ay7hyS0
- そして、レーダーを携えながら歩き始めた
ここで新たな情報が手に入る
やる気「お、音が大きくなってきたっすね?」
市長「……おかしいですね。かなり離れているはずなのですが、いつの間にか接近しています」
ぶりっ子「地下全体に空間の歪みがあるってことでしょうかぁ」
怪盗「その可能性は高そうです」
- 504 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 23:14:31.26 ID:h7ay7hyS0
- もう少し近寄ると、道端にそれは落ちていた
狙撃少女「あ、ありましたね」
男「時間はかかるが、この前のようにして破壊するか」
例のごとく、炎魔に温めてもらい、
それから氷魔が冷やして破壊した
炎魔「楽しいですね、これ」
- 505 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 03:42:03.20 ID:VtTJDeV20
- 市長「よかったです。結構負担を強いているので」
炎魔「みなさんの役に立てるのが嬉しいんですよ」
中華「空間が歪んでいて、結界を構成するあれへの接近が容易ってことは……この近くから外に出たら、ものすごい遠くの街に出たりするのかな」
氷魔「……その可能性はかなりあります……オークション会場を襲撃した集団が逃走のために用いた理由も分かりますね……」
- 506 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 03:52:52.38 ID:VtTJDeV20
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 507 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 19:10:46.05 ID:VtTJDeV20
- それからさらにレーダーを伝って生体結界のパーツを探して歩いた
市長「……また、動いてますね」
手元のモニターではパーツが動いている様子が映し出されている
やる気「……あれっすね」
>>下1……パーツはどうなっていた?
- 508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/27(月) 20:03:07.08 ID:s003qYsq0
- 中身のない鎧の騎士がパーツを装飾品として胸辺りに着けていた
- 509 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 02:04:45.98 ID:KnkxuLK80
- リビングアーマー「ガコン……ガコン……」
そこにいたのは、がらんどうの騎士
ひとりでに動き回る鎧で、リビングアーマーと呼ばれる存在だ
ぶりっ子「げ……填まってますね……」
そして、その胸の辺りには丁度いい穴が開いていて、
そこにかの生体結界のパーツがつけられていたのだ
- 510 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 02:07:43.54 ID:KnkxuLK80
- 怪盗「あれって、意志疎通できるんですか?」
やる気「多分できるっすね。ただ……」
狙撃少女「なにか問題があるんですか?」
中華「ちょっと、堅物な感じかも。交渉とかできるかな……」
目的もなくただ彷徨っているように見えるそれだが、
実の所かなりの威圧感を放っている
新米冒険者が出くわしたら、
とりあえず逃げるべき相手だろう
- 511 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 19:44:19.96 ID:KnkxuLK80
- すみません寝落ちしました
炎魔「とにかく、話してみましょう!」
中華「うーん、分かった。じゃあ、話しかけてみるね」
一撃で首をはねられないよう注意しながら、注意はリビングアーマーに近寄る
リビングアーマー「………………」
中華「あの〜すみませ〜ん……その胸の石をいただくことってできませんか……?」
リビングアーマー「>>下1」
- 512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/28(火) 20:56:45.04 ID:p+WvabWf0
- 『モールス信号』「・−・・ −・− −−・ ・・−− ・− −−・−・ ・・−・・ −−−− ・・− ・−・・ ・−・−・ −・ ・・ (かわりのいしとこうかんだ)」
- 513 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 01:56:04.78 ID:2glHhqtb0
- リビングアーマー「・−・・ −・− −−・ ・・−− ・− −−・−・ ・・−・・ −−−− ・・− ・−・・ ・−・−・ −・ ・・ (かわりのいしとこうかんだ)」
中華「……?なにを言っているんですか?」
やる気「あぁ、モールス信号ってやつっすね」
男「分かるのか、モールス信号が」
やる気「実家じゃ必修っすよ。ともかく……代わりになる石と交換して欲しいみたいっすね」
- 514 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 02:03:17.41 ID:2glHhqtb0
- 氷魔「……石といえば……アレがありましたね……」
彼女はバッグから、深紅に輝く魔石を取り出した
今やその効力を失っていると目されるものの、
あらゆるモノの方向をねじ曲げる凶悪な赤石だ
ぶりっ子「確かに!めちゃくちゃ綺麗ですし、いいんじゃないでしょうか」
怪盗「……えっ、なんですかそれ。見たことないんですけど」
- 515 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 02:17:13.19 ID:2glHhqtb0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 516 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 19:16:08.81 ID:2glHhqtb0
- リビングアーマー「(それならいいだろう)」
カタカタと身を震わせて信号を発するリビングアーマーは、破砕音を立てて胸部から結界のパーツを出した
氷魔「……それでは……失礼して……」
そして、氷魔が赤石を窪みに嵌め込む
すると、変化が起こった
リビングアーマー「ガ……ガガ……!!」
- 517 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 22:57:55.75 ID:2glHhqtb0
- すると、洞窟内が深紅の光に照らされる
そして、その光が晴れると、
そこには赤熱する鎧があった
リビングアーマー「(力が満ちてくる。……ありがとう)」
その顔があるべき場所にはなに一つありはしないが、
上機嫌であることが誰にでも分かるほど楽しげにそれは去っていった
狙撃少女「……うまくいったようですね!」
- 518 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 00:32:22.18 ID:ke7LLYcm0
- それから、またもその結界パーツを破壊した
市長「……そろそろ、あの結界の先に進める頃だと思いますよ」
炎魔「ついにですね!」
男「なにがあるんだろうな?」
市長「まず間違いないのは……この結界の本体です。それを破壊すれば、完璧に結界の効力は消え去るでしょう」
中華「へぇ〜」
- 519 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 00:41:10.43 ID:ke7LLYcm0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 520 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:22:38.40 ID:ke7LLYcm0
- 話しながら、結界の本体まで移動することにした
氷魔「……術師がいる可能性も……高いでしょうか……」
市長「低くはありません。外へ抜ける穴が結界の中にあり、かつ自分の結界ならすり抜けられる使い手であればこれ以上なく安全ですから」
氷魔「……そうだと……困りますね……結界が弱まっているのは明らかのはず……」
市長「えぇ、戦闘も覚悟すべきです。ということで、これを」
- 521 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:25:57.28 ID:ke7LLYcm0
- 彼女は氷魔に瓶を渡した
氷魔「……ポーション……でしょうか……」
市長「はい。後々、魔力を回復させる効能が効くはずです」
氷魔「……ありがとう……ございます……」
氷魔はそれをちびちびと飲みながら歩いた
しばらく歩けば、結界のある場所の前だった
ぶりっ子「これは……」
以前まで視認できなかった道があり、
その先には目に見える水色の膜……結界の本体があった
- 522 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:28:12.12 ID:ke7LLYcm0
- 市長「あれを破壊すれば結界は完全に壊れます」
やる気「っしゃ!任せるっすよ!」
彼は槍を片手に走りだし、結界に飛びかかった
それは膜に食い込み、ひびを入れた
怪盗「流石の破壊力!」
やる気「うりゃぁぁっっ!!」
そして、ひびに向かって鈍器のように槍を叩きつけると、それは砕け散った
- 523 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:31:15.66 ID:ke7LLYcm0
- 砕け散ったそれは、ふわりと浮かんだかと思えば、
氷魔に流れるように吸い込まれていった
狙撃少女「え?大丈夫なやつですか?」
市長「さっきのは結界のかけらを魔力として補給できるようになる薬なので、安心してください」
彼女が持つ予備の瓶には、
効力が持つのは二時間だと書いてあった
それから、砕けた結界の奥へと進んでいく
>>下1……結界の先にはなにがあった?
- 524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/30(木) 19:37:10.80 ID:GC2MrhADO
- d
(雪名ハウスで、ショタ晃と結婚したい灯里がイヤイヤしているのを輝莉が宥めてた?or窓で灯里と輝莉が覗いてた?or輝莉がR-18展開へ持ってこうとする灯里とベランダで異能バトルしてた?(&様子詳細 &雪名説教セリフ):窓で灯里と輝莉が覗いてた )
- 525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/30(木) 21:04:18.62 ID:bk+EuGFyo
- 禁域の雰囲気がする空間
- 526 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/31(金) 01:07:39.08 ID:NRp6XAWW0
- 炎魔「……空気が違います。これは……」
男「さ……最悪……多分禁域だぞここ……」
男たちにはそこがなんなのか分かってしまった
あの極寒の地に比べれば寒さこそないものの、
大気の組成すら違うのではないかと思わせる異様な空気
市長「ここがそうなのですか?話には聞いていましたが……ふむ、ほほう……面白いデータが取れそうです」
中華「能天気なことで……」
- 527 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/31(金) 19:25:54.56 ID:2flysmO5O
- すみません寝落ちしました
氷魔「……ここから先は……理が通用しません……警戒しましょう……」
だが、少なくとも通路の見た目自体はこれまで歩いてきた地下道と変わらなかった
やる気「なにかを隠すために結界が張られているとばかり思ってたっすけど、これもしかしたら破っちゃいけないやつだったのかもしれないっすね」
ぶりっ子「でも、破っちゃったなら責任は取らないといけませんよねぇ……憂鬱ですぅ」
- 528 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 03:19:58.61 ID:d7TRE9640
- 警戒しながら歩いていると、梯子があった
行き止まりになっていて、周りにはなにもない
怪盗「えっ、この上どうなってるんですか?」
市長「全く分かりません。結界が空間を歪ませていた可能性も高いですし、私たちのいた街の近くに出る可能性は低そうです」
狙撃少女「……ですが、行くしかありませんね」
- 529 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 03:25:39.12 ID:d7TRE9640
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 530 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 19:30:59.59 ID:m0JaKbNtO
- 禁域特有の緊張感に包まれながら、梯子を上っていく
男「これでお宝がありました、とかで終わってくれればいいんだけどな」
中華「いや〜……厳しいんじゃない?」
氷魔「……そろそろ上りきりますよ……」
>>下1……梯子の上にはなにがあった?
- 531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 20:12:18.03 ID:vZ/xIU9L0
- 禁書になった魔法の
秘伝書を集めた書庫
- 532 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:06:24.63 ID:XqUoOTWC0
- むせ返るほどの紙の匂いが漂う
そこは大きな書庫のようだった
やる気「……書庫?市長、ここ知らないっすか?」
市長「ふむ……データにありません。うちの市内ではないと見ていいでしょう」
ぶりっ子「どれどれ……うわっ、すっごい古い本ですねぇ……しかも、やたら難しいですぅ」
一冊の本をぶりっ子が手に取ってみせる
確かに古そうであることが全員に伝わるし、
表紙に書いてある文字列は、現代では使われていない古代のものだった
- 533 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:09:04.61 ID:XqUoOTWC0
- 男「……でも読めるな」
怪盗「え!?なんて書いてあるんですか?」
彼はいつの間にか手に入れていた万能通訳の力で、そのタイトルを読み取った
男「『封魂の魔術』……だな」
狙撃少女「よく分かりませんね」
市長「……もう本当だとしたら大変ですよ」
- 534 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:12:19.61 ID:XqUoOTWC0
- 炎魔「そうなんですか?」
市長「ええ、そのタイトルは『禁書一覧』にあったと記録しています」
男「……というと?」
市長「とてつもなく危険な魔術……その極意が記されているとみていいでしょう」
中華「と、とんでもないね……」
氷魔「……名前から察するに……生き物の魂を瓶などに封じ込め……保存や使役を行う……といったものでしょうか……」
市長「伝承にはときおり、そのような魔術もありますから……おそらく、その類でしょう」
- 535 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:14:31.42 ID:XqUoOTWC0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 536 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 19:47:26.44 ID:XqUoOTWC0
- 怪盗「へっへっへ、いただいていきましょう」
ぶりっ子「悪い顔してますねぇ」
炎魔「本に化物とか封じられてないといいんですけどね」
怪盗「……あ、そういうのあるんですか?」
何冊か抱えていた本を、恐る恐る本棚に戻した
男「お、この本……」
男は、禁書となった魔術書の中のうち、ある一冊に惹かれた
そのタイトルは、>>下1
- 537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 19:55:15.70 ID:1qVNq6EDO
- 『鍵』の書
- 538 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 21:10:22.98 ID:XqUoOTWC0
- 『鍵』の書とあった
狙撃少女「なにか、気になる本でもあったんですか?」
禁書となるほどに危険な魔法、その秘伝が集積されているとおぼしきこの書庫において、『鍵』とは些か迫力に欠ける名詞だった
だからこそ、その内容が男は気になったのだ
男「ああ、『鍵』の書というらしい。解錠魔法といえば、上級の魔法使いなら使える者も少なくはないが……禁書になるほどの『鍵』って、なんなんだろう?」
- 539 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/03(月) 03:24:20.79 ID:3AKFdH3o0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 540 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/03(月) 19:58:43.86 ID:3AKFdH3o0
- 男は早速『鍵』の書を読み出した
知らない言語が沢山記されているが、
問題なく読み進めていく
氷魔「……鍵……?」
男「あぁ、普通になんでも開ける鍵魔法なんかも載っているが……?」
中華「なにかあったの?」
男「よく分からない。何らかの『鍵』で虚空に扉を開けて、どこかへと行こうとする実験が多いな」
- 541 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/03(月) 21:54:20.24 ID:3AKFdH3o0
- やる気「へぇ、面白そうっすね」
男「最終的には、次元を超えて異世界に行くことを目指しているらしいな」
市長「異世界、ねぇ……」
男「………………」
ぶりっ子「どうかしましたかぁ?」
男「いや、なんでもない」
怪盗「それで、どうやったらその『鍵』は作れるんですか?」
男「複雑な手順を踏む必要があるな……例えば、>>下1とか」
- 542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/03(月) 22:04:49.41 ID:YushOLD+o
- 禁域の深部にいる虹色の球体の連なりに啓示を受ける
- 543 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 01:16:37.02 ID:ARJxpG3y0
- 男「禁域の深部にいる虹色の球体の連なりに啓示を受けるとか」
狙撃少女「?」
男「不思議そうな顔しないでくれよ!俺だってよく分からんのに」
炎魔「よく分かんないですけど、多分それは生きてるんでしょうね」
市長「それよりも恐ろしいのは……それが記されている事実ですね。どうにかそこへたどり着き、そしてそれを記した者がいるということです」
中華「魔術師っていうのは、やっぱりすごい執念があるものなんだね」
言われてみれば、一文字一文字に、なんらかの妄執が込められているような気がする
- 544 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 01:19:50.39 ID:ARJxpG3y0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 545 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 18:53:42.35 ID:ARJxpG3y0
- 氷魔「……すごい価値のある書庫です……誰のものなのでしょうか……」
やる気「確かめてみるっすか?」
市長「そうですね……誰のものでもなければ、面白いのですが」
市長は書庫の入り口である、古びた木製のドアを開く
>>下1……どこに続いていた?
- 546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/04(火) 19:11:44.27 ID:s4YSX64Zo
- 紫の海と緑色の砂浜
空は黄色で太陽が黒の海辺
- 547 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 19:54:44.13 ID:ARJxpG3y0
- その瞬間、異様な空気が外から流入するのを誰もが感じた
ぶりっ子「……!?」
市長「データにありません……!」
そこは海辺だった
だが、その海は紫に染まっており、
父なる海とは呼びがたい恐ろしいものだった
足元は緑が占めているが、踏み出してみれば、
それは植物の茂る大地ではなく砂であることが分かる
- 548 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 20:01:10.09 ID:ARJxpG3y0
- 怪盗「上も下も、全部おかしいです!」
空を見やれば、ジュースのように黄色が満ちており、
帝王のように黒き太陽は一行を見下していた
狙撃少女「これが……禁域……!?」
男「確かに、禁域じゃこれぐらいあってもおかしくはないが……あそこが最後の禁域のはすで、ここは明らかに違う場所のはず……なんだが……」
中華「増えたか、あるいは……」
氷魔「……現実と隣りあった……禁域が染み出してきた時空に……入り込んでしまった……といったところでしょうか……」
- 549 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/05(水) 02:24:11.13 ID:jiV/9Ye70
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 550 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/05(水) 19:20:26.26 ID:jiV/9Ye70
- やる気「探索したい気持ちはやまやまっすけど……これ、一介のパーティが単独で首を突っ込んでもいいんすかね?」
ぶりっ子「難しいところですね……」
市長「いずれにしても、脅威度は知っておく必要があります。そのためには、わずかにでも調査をせねばなりません」
そこにいるのは、ただの高性能AIではなく、市長である
自らの街で調査をするつもりであるからこそ、
ここで退く判断はなかった
- 551 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/05(水) 22:20:18.01 ID:jiV/9Ye70
- 意を決して、一行は外へと踏み出した
太陽は鬱陶しいほどに輝いていたが、
どこか肌寒かった
市長は砂や水を採集し、いろいろと考えている
怪盗「なにもかも異常なこの世界で、私たちが来た小屋だけが普通ですね」
狙撃少女「この世界にとっては異物なのでしょうね。嘆かわしいことです」
波打ち際の数メートル内側を歩き続け、奇妙な模様の岩場までやってきた
そして、いくつかの岩の上には>>下1
- 552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/05(水) 22:24:32.44 ID:e+duL4XYo
- 様々な形のドアノブが群生している
- 553 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 02:44:55.68 ID:7CCvJ2qq0
- いくつかの岩の上では、様々な形のドアノブが群生していた
男「あっ、あれは!」
市長「ご存知なのですか?岩にドアノブが付いているようにしか見えませんが」
男「俺たちも持ってるんだ、禁域のドアノブ」
中華「そうそう、なんでも開けてくれる生き物なんだ」
市長「そ……そんなものを持っていたのですか!?早く教えて欲しかったですね」
炎魔「……あれも生きてるんでしょうか?」
- 554 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 02:47:00.81 ID:7CCvJ2qq0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 555 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 19:34:52.72 ID:7CCvJ2qq0
- 氷魔「……確か……生きていたはずです……なにを食べているのか……そもそも新陳代謝があるのかも怪しいですが……」
市長「検証したいですね、あれでもモノは開くのでしょうか」
やる気「うーん、なんか開きそうなものがあるといいんすけど」
炎魔「私開けます?」
男「………………」
こう、笑えない冗談はあるものだ
笑えなくしたのは男なのだが
炎魔「そ、そんな神妙な顔しないで!?」
- 556 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 20:48:16.05 ID:7CCvJ2qq0
- 市長「……人体も開けられるのですか?」
ぶりっ子「そうですねぇ」
市長は驚きながらも、
自生しているドアノブを採集した
怪盗「どうやら、そこの川がこの海に注いでいるようですね」
海沿いを歩き続け、川を見つけた
- 557 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/07(金) 03:51:31.44 ID:9u49Cp0k0
- 川の水もやはり紫だった
その濃さは海に比べればすこし淡いが、
それでも毒のように見えて気味が悪い
狙撃少女「川の流域に文明があると、本で読んだことがあります」
男「俺も聞いたことがある話だ。……あまり、会いたくないが」
中華「やっぱり、色合いが全体的におかしいね……」
- 558 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/07(金) 04:24:40.19 ID:9u49Cp0k0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 559 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/07(金) 19:39:09.82 ID:YPxsAqlrO
- 川があれば、そこには木が生えるのも道理だ
オレンジ色の木々が林を形成し、川の脇を固めている
炎魔「燃やしてやりたくなりますね、こんな森」
氷魔「……さすがに……蛮族の所業ですね……」
やる気「ん!?」
川沿いを歩く一行の頭上を、飛翔体が過ぎ去った
普段ならただの鳥だろうと思うところだが、
ここは禁域であり、あらゆるものに油断ならない
その飛翔体は>>下1であった
- 560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/07(金) 19:49:52.79 ID:IvgScF/DO
- 翼の生えた深海魚
- 561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/07(金) 19:50:07.20 ID:Tdc9U2UV0
- 紙飛行機(鋼鉄製)
- 562 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 03:45:57.29 ID:NN54Xtc60
- 振り向き、空を見れば、奇妙な魚が飛んでいた
翼が生えてこそいるものの、見た目は鳥よりも魚に近い
男「深海には、ああいう魚が住むそうだな」
市長「ええ、あれは深海魚です」
ぶりっ子「深海魚って飛ぶ……わけないですよねぇ」
怪盗「まぁ、襲われる感じではなさそうでよかったです」
- 563 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 04:26:00.26 ID:NN54Xtc60
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 564 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 19:45:58.87 ID:NN54Xtc60
- 奇妙な飛翔体に思いを馳せながら、ただ歩く
川のせせらぎは不気味なほどにこちらと同じで、
心の拠り所となった
狙撃少女「あ……家でしょうか?」
そこには白い立方体がぽつんとあった
明らかに人工的であり、無機質だが文明的だ
市長「困りましたね、知的生命体との接触は、もう少し下調べをしてからのほうがよかったのですが」
- 565 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 21:02:37.92 ID:NN54Xtc60
- 男「……淡白だが、異様さは薄いな」
中華「もしかしたら、僕たちの世界と関係あるかもしれないね」
氷魔「……入り口はありませんが……」
立方体をぐるりと回って、氷魔はそう溢す
やる気「なけりゃ作るっすよ」
市長「でしたら、どうぞ」
市長はドアノブを立方体に装着する
やる気はそれを確認し、引き開けた
>>下1……立方体の中身
- 566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/08(土) 21:30:11.21 ID:AlCIIF2o0
- プルトニウム
- 567 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 04:25:54.32 ID:FcXoFk6K0
- そして、その瞬間けたたましい音が鳴り響いた
まさか、警報器でもあったのかと身構えたが、
それが発せられたのは市長の体だった
ぶりっ子「え?」
驚く間もなく市長は扉に体当たりし、
それを閉じてドアノブを取り外した
市長「……危うく死ぬところでしたね」
怪盗「え……なんかあったんですか?なんもなさそうでしたけど」
- 568 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 04:39:17.81 ID:FcXoFk6K0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 569 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 19:32:47.23 ID:FcXoFk6K0
- 市長「プルトニウムがありましたよ」
男「……そりゃ死ぬわ」
市長「一度帰りましょう。念のため、治療をすべきです」
狙撃少女「いや、なにもダメージを受けていませんが……」
市長「なんと説明すればよいか……猛毒で、溶けない呪いのようなものです。本体があり、接近するだけで致死性があります」
そう説明すると、男以外の全員は青ざめた
男「治せるのか?治療と言ったけれど」
市長「こう、細かい原理を説明すると長くなるのですが……蘇生魔法が治療効果を持つということが分かっています」
- 570 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 19:35:25.47 ID:FcXoFk6K0
- 来た道を戻る最中、炎魔は不安そうに口を開いた
炎魔「私も死ぬんでしょうか」
市長「フェニックスの力が本当にあるなら、死なないと思いますよ。影響もあまりないかと」
中華「……まったく原理が分からない。けど、すごいんだなぁ」
氷魔「……しかし……どうしてあんなものが……」
- 571 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 02:35:49.18 ID:sY9F2Rww0
- やる気「さぁ……」
それは誰にも分からなかった
だが、男だけはいくつかの仮説を持ってはいた
ぶりっ子「しかし、そんなわけ分からない……毒?みたいのも治療法が分かってるんですねぇ」
市長「自立学習を始める前に、私を設計した人物が入れたデータの中にあったのです。なぜそんなことを知っていたのか……」
- 572 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 03:32:24.75 ID:sY9F2Rww0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 573 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 18:57:39.11 ID:sY9F2Rww0
- 一行は不気味な世界を後にして、
地下水道を歩き、ようやく市長のオフィスに戻ってきた
怪盗「早く治療を受けたいですね」
市長「ええ、別の私に連絡を取って、優秀な術師を手配しておきました」
どこまでも用意のいい彼女が合図をすると、
部屋の扉が開いて術師が入ってきた
>>下1……術師の外見
- 574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/10(月) 19:15:19.51 ID:vyutY5vDO
- ライオンの着ぐるみを来ている
- 575 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 19:35:23.22 ID:sY9F2Rww0
- 蘇生術師「どうも」
その姿を見て、炎魔以外の全員が絶句した
ライオンの着ぐるみを着たその人物は、
それこそ王者のように威風堂々と部屋に入ってきたのだ
自分の衣装が奇怪であることなど、
一切気にしていなかった
炎魔「かっこいいですね!」
蘇生術師「それほどでも……ある」
狙撃少女「あるんですね……」
- 576 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 01:29:51.16 ID:nBlU+hiy0
- 市長「彼は外見から他人に敬遠されることが多いそうですが……腕は確かです」
男「へぇ……まぁ、シャーマンなんかは野生派の人も多いしな」
蘇生術師「別にシャーマンじゃないが……ともかく、市長に頼まれたのならやってやる」
中華「そういう制度?」
蘇生術師「いや、我が姿を見ても態度を変えなかったのは市長のみ。仕事も貰っていて、恩義がある」
氷魔「……人間でないので……偏見もないのですね……」
- 577 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 02:11:34.15 ID:nBlU+hiy0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 578 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 18:57:06.17 ID:nBlU+hiy0
- それから、蘇生術師は一人ずつ蘇生魔法をかけていった
最後に、念のため炎魔にもかけることにした
蘇生術師「きえーい!」
炎魔「ぬはぁーっ!」
その背中からは火柱が迸った
だが、それ以外に変化はなさそうだ
蘇生術師「吸血鬼が闇の力を吸収するみたいな原理だ」
- 579 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 19:32:46.17 ID:nBlU+hiy0
- 蘇生術師は市長から報酬金を貰い、
笑顔で帰っていった
市長「という訳で治療は終わりました。また宿泊部屋にお戻り下さい」
一行は素直に従い、部屋に戻った
そして、夕食が届くのを待つ
>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.市長と話す
9.平成の少女に会いに行く
- 580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/11(火) 20:00:12.52 ID:0oXVh6uDO
- 9
- 581 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/12(水) 02:25:32.39 ID:aR7SV7zy0
- 男「いるか?」
平成少女「はい、なんですか?」
いつも特に理由もなく他人の部屋を訪ねるのが恒例となっていたが、
今日ばかりは話しておくべきことがあった
男「色々あって、今日は禁域ってところに行ったんだが……それで、面白いものを見つけたんだ」
平成少女「そうですか……ちょっと部屋片付けるので待ってて下さいね……」
- 582 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/12(水) 02:40:23.79 ID:aR7SV7zy0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 583 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/12(水) 19:18:22.50 ID:aR7SV7zy0
- しばらくして部屋に通された
市長に貰ったのか、雑貨がいくつか置かれている
男「清潔感があるな」
平成少女「そりゃあ、そうでしょうよ。それより、面白いものってなんですか?」
男「禁域は異空間みたいなところなんだが……そこで、プルトニウムの入った真っ白な立方体を見つけたんだ」
平成少女「プルトニウム?」
男「……お前は知っとけよ……」
- 584 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/13(木) 01:00:01.82 ID:cU5GJHmJ0
- 平成少女「なんか、サイエンスな感じはしますね!」
男「ああ、危険な物質で、作るのは偶然では難しい」
平成少女「誰かが作ったんですね?」
男「そうだ。そして、危険だから残りかすの部分は廃棄されるんだが……それが、俺たちが見つけたプルトニウムの正体じゃないかと思うんだ」
やけに整然とした立方体の不自然さも、
それが禁域由来でないことを支持しているように思われた
- 585 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/13(木) 01:03:23.84 ID:cU5GJHmJ0
- 平成少女「つまり……どういうことですか?」
男「誰かが廃棄したんだ」
平成少女「そんな科学技術を持った人がいるんですか?……もしかして、あの市長を制作した方でしょうか?」
男「可能性としてありうるが……市長はプルトニウムのデータは持っていたが、その利用法については知らなかった」
平成少女「へ、へー……」
男「つまりだ、プルトニウムを利用できる世界……俺たちがもといた世界から、あの禁域は繋がっているんじゃないかと、俺は考えたんだ」
- 586 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/13(木) 19:37:38.26 ID:cU5GJHmJ0
- すみません寝落ちしました
平成少女「元の世界に帰れるかもしれない……ってことですか?」
男「ああ、そうだ」
平成少女「でも、私たちも違う時代から来ましたし……同じ時間に帰れる保証はありませんよね」
男「その通りだ。そこで、どうしたい?帰りたいのか、そうじゃないのか」
平成少女「>>下1」
- 587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/13(木) 19:38:50.24 ID:prm8tWr6o
- 正直な所悩んでいます
- 588 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 01:47:25.22 ID:S9SBUK/Z0
- 平成少女「正直な所悩んでいます」
消え入りそうな声でそう告げた
男「……そうか。たっぷり悩んで欲しい」
平成少女「……急かさないんですか?説得も」
男「俺だってそうだし」
平成少女「……意外です。この世界が好きそうでしたから」
男「ああ、好きだ。……はぁ……いや、それより、君はなぜ?」
- 589 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 01:54:01.75 ID:S9SBUK/Z0
- 平成少女「別に、元の世界でもいい暮らししてたわけじゃないですからね」
男「……そうか。こっちにいれば、望みはあるだろうな」
平成少女「そう……だといいんですけど。怖いです」
男「市長を頼ろう。彼女ならきっと、守ってくれる」
平成少女「私が怖いのは、そのことなんです」
男「市長は悪いやつじゃないと思うが……」
平成少女「そうではなく、環境に失望し、諦めていた私にチャンスがある……その状況でもなにもできずに、ただ庇護されるだけの無能だったらと思うと、私は……」
- 590 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 01:55:57.05 ID:S9SBUK/Z0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 591 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 20:04:04.72 ID:HUF2XCe7O
- 慣れない環境でメンタルが不安定になっているのは言うまでもないが、そもそも彼女本人がネガティブな性質のようだ
男「……つまり、自分に自信がないんだな」
平成少女「軽く流してくれますね……」
男「いやいや、そういうわけじゃないさ。自分でもやれるってとこを見せられれば、自分に自信が持てるんだろ?」
平成少女「まぁ、そうですが……」
- 592 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 00:44:42.97 ID:UJsusuxM0
- 男「どうだ、モフモフやもちもちを世のため人のために役立ててみるとかは」
平成少女「確かに、私の言うことは聞いてくれますが……」
男「それは自分の力じゃないって言いたいんだろう?」
平成少女「……はい」
そのくらいは考えたことがあるのだろう
だからこそ、男はその不安に向き合うことにした
男「俺だって、かつてはなーんもできない人間だった。でも、仲間を集めて……そらなりにやれる雰囲気を出してた」
平成少女「へぇ、そうなんですね」
男「やれる雰囲気で、必死に頑張ってたら……実際、それなりにやれる人間になった!神を宿すこともできる!」
- 593 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 01:52:30.71 ID:UJsusuxM0
- 力説して見せると、少女も少しは心から聞いてくれているようだ
平成少女「なんでもいいから、やれってことですか?」
男「そうだ、自分はやれるんだと思うことが大切だ」
平成少女「……そう、ですか」
男「……ま、平成15年の人間なら、頑張りすぎないことの大切さは分かってるだろ?やりたいようにやればいいさ」
- 594 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 01:53:18.45 ID:UJsusuxM0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 595 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 19:55:51.55 ID:UJsusuxM0
- 平成少女「……分かりました」
男「嫌になったらどうにか俺に連絡つけてくれ。帰れるかどうかやってみる」
それから男は自分たちの部屋に戻った
どうやら、もう夕食は届いているようだ
やる気「お、戻ってきたっすね」
男「すまんな、ちょっと話しすぎた……それで、夕食の献立は何かな?」
やる気「>>下1っすよ」
- 596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/15(土) 20:11:38.29 ID:K0Trh5hDO
- お寿司
- 597 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 03:29:44.35 ID:n3xV5Qrj0
- やる気「お寿司っすよ」
男「おっ、マジか!いいね!」
テーブルの上には、大量の寿司が並べられていた
専用の容器に入ったそれらの彩りは眩しく、
鮮度も良好であることがうかがえる
ぶりっ子「すごいですよねぇ。それに、どうやって新鮮な魚をここまで運んできたのかも気になりますぅ」
- 598 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 03:33:48.78 ID:n3xV5Qrj0
- 確かに、この街はかなり内陸の位置にある
いくら運送ギルドが急いだとしても、
これだけの鮮度の魚を用意するのは難しいはずだ
市長「お答えしましょう」
モニターに表示された無機質な顔が喋り出す
しかし、市長と付き合う中で、
不気味さは感じなくなっていた
怪盗「びっくりした……」
市長「養殖によって、魚は調達しています。ただし、スペースの都合上……あまろに広い距離を動き回らなくてはならない魚や、まだ養殖法が確立していない魚はご用意できませんでした」
- 599 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 04:30:32.28 ID:n3xV5Qrj0
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 600 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 19:02:49.84 ID:n3xV5Qrj0
- 狙撃少女「お寿司……食べたことないです!」
男「……それにしても、見事な出来だ。素晴らしい職人がいるのだろうか?」
市長「文献を参考に、私が握りました」
炎魔「なんでもできますね!」
市長「お褒めにあずかり光栄です」
市長は愛想よく笑ってモニターを切った
- 601 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 19:49:53.60 ID:n3xV5Qrj0
- それから、一行は寿司を食べ始めた
この世界における寿司といえば、海沿いの街でしか食べることのできない料理であり、そのくせ高い
なので、寿司を食べられるのは非常に貴重な経験なのだ
中華「やっぱり、市長は料理もできるんだね」
氷魔「……なにか……できないことはあるのでしょうか……?」
やる気「あー、それ気になるっすね」
ぶりっ子「欠点の一つでもあったほうが、可愛げがありますよねぇ」
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