このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください

安価とコンマで異世界転生!その10

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

502 : ◆cUhskXlNTw :2024/05/26(日) 04:36:47.45 ID:h7ay7hySo
本日はここまでです
ありがとうございました
503 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 19:57:51.35 ID:h7ay7hyS0
そして、レーダーを携えながら歩き始めた
ここで新たな情報が手に入る


やる気「お、音が大きくなってきたっすね?」

市長「……おかしいですね。かなり離れているはずなのですが、いつの間にか接近しています」

ぶりっ子「地下全体に空間の歪みがあるってことでしょうかぁ」

怪盗「その可能性は高そうです」
504 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/26(日) 23:14:31.26 ID:h7ay7hyS0
もう少し近寄ると、道端にそれは落ちていた


狙撃少女「あ、ありましたね」

男「時間はかかるが、この前のようにして破壊するか」


例のごとく、炎魔に温めてもらい、
それから氷魔が冷やして破壊した


炎魔「楽しいですね、これ」
505 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 03:42:03.20 ID:VtTJDeV20
市長「よかったです。結構負担を強いているので」

炎魔「みなさんの役に立てるのが嬉しいんですよ」

中華「空間が歪んでいて、結界を構成するあれへの接近が容易ってことは……この近くから外に出たら、ものすごい遠くの街に出たりするのかな」

氷魔「……その可能性はかなりあります……オークション会場を襲撃した集団が逃走のために用いた理由も分かりますね……」
506 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 03:52:52.38 ID:VtTJDeV20
本日はここまでです
ありがとうございました
507 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/27(月) 19:10:46.05 ID:VtTJDeV20
それからさらにレーダーを伝って生体結界のパーツを探して歩いた


市長「……また、動いてますね」


手元のモニターではパーツが動いている様子が映し出されている


やる気「……あれっすね」


>>下1……パーツはどうなっていた?
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/27(月) 20:03:07.08 ID:s003qYsq0
中身のない鎧の騎士がパーツを装飾品として胸辺りに着けていた
509 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 02:04:45.98 ID:KnkxuLK80
リビングアーマー「ガコン……ガコン……」


そこにいたのは、がらんどうの騎士
ひとりでに動き回る鎧で、リビングアーマーと呼ばれる存在だ


ぶりっ子「げ……填まってますね……」


そして、その胸の辺りには丁度いい穴が開いていて、
そこにかの生体結界のパーツがつけられていたのだ
510 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 02:07:43.54 ID:KnkxuLK80
怪盗「あれって、意志疎通できるんですか?」

やる気「多分できるっすね。ただ……」

狙撃少女「なにか問題があるんですか?」

中華「ちょっと、堅物な感じかも。交渉とかできるかな……」


目的もなくただ彷徨っているように見えるそれだが、
実の所かなりの威圧感を放っている
新米冒険者が出くわしたら、
とりあえず逃げるべき相手だろう
511 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/28(火) 19:44:19.96 ID:KnkxuLK80
すみません寝落ちしました


炎魔「とにかく、話してみましょう!」

中華「うーん、分かった。じゃあ、話しかけてみるね」


一撃で首をはねられないよう注意しながら、注意はリビングアーマーに近寄る


リビングアーマー「………………」

中華「あの〜すみませ〜ん……その胸の石をいただくことってできませんか……?」

リビングアーマー「>>下1」
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/28(火) 20:56:45.04 ID:p+WvabWf0
『モールス信号』「・−・・ −・− −−・ ・・−− ・− −−・−・ ・・−・・ −−−− ・・− ・−・・ ・−・−・ −・ ・・ (かわりのいしとこうかんだ)」
513 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 01:56:04.78 ID:2glHhqtb0
リビングアーマー「・−・・ −・− −−・ ・・−− ・− −−・−・ ・・−・・ −−−− ・・− ・−・・ ・−・−・ −・ ・・ (かわりのいしとこうかんだ)」

中華「……?なにを言っているんですか?」

やる気「あぁ、モールス信号ってやつっすね」

男「分かるのか、モールス信号が」

やる気「実家じゃ必修っすよ。ともかく……代わりになる石と交換して欲しいみたいっすね」
514 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 02:03:17.41 ID:2glHhqtb0
氷魔「……石といえば……アレがありましたね……」


彼女はバッグから、深紅に輝く魔石を取り出した
今やその効力を失っていると目されるものの、
あらゆるモノの方向をねじ曲げる凶悪な赤石だ


ぶりっ子「確かに!めちゃくちゃ綺麗ですし、いいんじゃないでしょうか」

怪盗「……えっ、なんですかそれ。見たことないんですけど」
515 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 02:17:13.19 ID:2glHhqtb0
本日はここまでです
ありがとうございました
516 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 19:16:08.81 ID:2glHhqtb0
リビングアーマー「(それならいいだろう)」


カタカタと身を震わせて信号を発するリビングアーマーは、破砕音を立てて胸部から結界のパーツを出した


氷魔「……それでは……失礼して……」


そして、氷魔が赤石を窪みに嵌め込む
すると、変化が起こった


リビングアーマー「ガ……ガガ……!!」
517 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/29(水) 22:57:55.75 ID:2glHhqtb0
すると、洞窟内が深紅の光に照らされる
そして、その光が晴れると、
そこには赤熱する鎧があった


リビングアーマー「(力が満ちてくる。……ありがとう)」


その顔があるべき場所にはなに一つありはしないが、
上機嫌であることが誰にでも分かるほど楽しげにそれは去っていった


狙撃少女「……うまくいったようですね!」
518 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 00:32:22.18 ID:ke7LLYcm0
それから、またもその結界パーツを破壊した


市長「……そろそろ、あの結界の先に進める頃だと思いますよ」

炎魔「ついにですね!」

男「なにがあるんだろうな?」

市長「まず間違いないのは……この結界の本体です。それを破壊すれば、完璧に結界の効力は消え去るでしょう」

中華「へぇ〜」
519 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 00:41:10.43 ID:ke7LLYcm0
本日はここまでです
ありがとうございました
520 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:22:38.40 ID:ke7LLYcm0
話しながら、結界の本体まで移動することにした


氷魔「……術師がいる可能性も……高いでしょうか……」

市長「低くはありません。外へ抜ける穴が結界の中にあり、かつ自分の結界ならすり抜けられる使い手であればこれ以上なく安全ですから」

氷魔「……そうだと……困りますね……結界が弱まっているのは明らかのはず……」

市長「えぇ、戦闘も覚悟すべきです。ということで、これを」
521 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:25:57.28 ID:ke7LLYcm0
彼女は氷魔に瓶を渡した


氷魔「……ポーション……でしょうか……」

市長「はい。後々、魔力を回復させる効能が効くはずです」

氷魔「……ありがとう……ございます……」


氷魔はそれをちびちびと飲みながら歩いた
しばらく歩けば、結界のある場所の前だった


ぶりっ子「これは……」


以前まで視認できなかった道があり、
その先には目に見える水色の膜……結界の本体があった
522 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:28:12.12 ID:ke7LLYcm0
市長「あれを破壊すれば結界は完全に壊れます」

やる気「っしゃ!任せるっすよ!」


彼は槍を片手に走りだし、結界に飛びかかった
それは膜に食い込み、ひびを入れた


怪盗「流石の破壊力!」

やる気「うりゃぁぁっっ!!」


そして、ひびに向かって鈍器のように槍を叩きつけると、それは砕け散った
523 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/30(木) 19:31:15.66 ID:ke7LLYcm0
砕け散ったそれは、ふわりと浮かんだかと思えば、
氷魔に流れるように吸い込まれていった


狙撃少女「え?大丈夫なやつですか?」

市長「さっきのは結界のかけらを魔力として補給できるようになる薬なので、安心してください」


彼女が持つ予備の瓶には、
効力が持つのは二時間だと書いてあった
それから、砕けた結界の奥へと進んでいく


>>下1……結界の先にはなにがあった?
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/30(木) 19:37:10.80 ID:GC2MrhADO
d
(雪名ハウスで、ショタ晃と結婚したい灯里がイヤイヤしているのを輝莉が宥めてた?or窓で灯里と輝莉が覗いてた?or輝莉がR-18展開へ持ってこうとする灯里とベランダで異能バトルしてた?(&様子詳細 &雪名説教セリフ):窓で灯里と輝莉が覗いてた )
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/05/30(木) 21:04:18.62 ID:bk+EuGFyo
禁域の雰囲気がする空間
526 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/31(金) 01:07:39.08 ID:NRp6XAWW0
炎魔「……空気が違います。これは……」

男「さ……最悪……多分禁域だぞここ……」


男たちにはそこがなんなのか分かってしまった
あの極寒の地に比べれば寒さこそないものの、
大気の組成すら違うのではないかと思わせる異様な空気


市長「ここがそうなのですか?話には聞いていましたが……ふむ、ほほう……面白いデータが取れそうです」

中華「能天気なことで……」
527 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/05/31(金) 19:25:54.56 ID:2flysmO5O
すみません寝落ちしました


氷魔「……ここから先は……理が通用しません……警戒しましょう……」


だが、少なくとも通路の見た目自体はこれまで歩いてきた地下道と変わらなかった


やる気「なにかを隠すために結界が張られているとばかり思ってたっすけど、これもしかしたら破っちゃいけないやつだったのかもしれないっすね」

ぶりっ子「でも、破っちゃったなら責任は取らないといけませんよねぇ……憂鬱ですぅ」
528 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 03:19:58.61 ID:d7TRE9640
警戒しながら歩いていると、梯子があった
行き止まりになっていて、周りにはなにもない


怪盗「えっ、この上どうなってるんですか?」

市長「全く分かりません。結界が空間を歪ませていた可能性も高いですし、私たちのいた街の近くに出る可能性は低そうです」

狙撃少女「……ですが、行くしかありませんね」
529 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 03:25:39.12 ID:d7TRE9640
本日はここまでです
ありがとうございました
530 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/01(土) 19:30:59.59 ID:m0JaKbNtO
禁域特有の緊張感に包まれながら、梯子を上っていく


男「これでお宝がありました、とかで終わってくれればいいんだけどな」

中華「いや〜……厳しいんじゃない?」

氷魔「……そろそろ上りきりますよ……」


>>下1……梯子の上にはなにがあった?
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/01(土) 20:12:18.03 ID:vZ/xIU9L0
禁書になった魔法の
秘伝書を集めた書庫
532 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:06:24.63 ID:XqUoOTWC0
むせ返るほどの紙の匂いが漂う
そこは大きな書庫のようだった


やる気「……書庫?市長、ここ知らないっすか?」

市長「ふむ……データにありません。うちの市内ではないと見ていいでしょう」

ぶりっ子「どれどれ……うわっ、すっごい古い本ですねぇ……しかも、やたら難しいですぅ」


一冊の本をぶりっ子が手に取ってみせる
確かに古そうであることが全員に伝わるし、
表紙に書いてある文字列は、現代では使われていない古代のものだった
533 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:09:04.61 ID:XqUoOTWC0
男「……でも読めるな」

怪盗「え!?なんて書いてあるんですか?」


彼はいつの間にか手に入れていた万能通訳の力で、そのタイトルを読み取った


男「『封魂の魔術』……だな」

狙撃少女「よく分かりませんね」

市長「……もう本当だとしたら大変ですよ」
534 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:12:19.61 ID:XqUoOTWC0
炎魔「そうなんですか?」

市長「ええ、そのタイトルは『禁書一覧』にあったと記録しています」

男「……というと?」

市長「とてつもなく危険な魔術……その極意が記されているとみていいでしょう」

中華「と、とんでもないね……」

氷魔「……名前から察するに……生き物の魂を瓶などに封じ込め……保存や使役を行う……といったものでしょうか……」

市長「伝承にはときおり、そのような魔術もありますから……おそらく、その類でしょう」
535 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 02:14:31.42 ID:XqUoOTWC0
本日はここまでです
ありがとうございました
536 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 19:47:26.44 ID:XqUoOTWC0
怪盗「へっへっへ、いただいていきましょう」

ぶりっ子「悪い顔してますねぇ」

炎魔「本に化物とか封じられてないといいんですけどね」

怪盗「……あ、そういうのあるんですか?」


何冊か抱えていた本を、恐る恐る本棚に戻した


男「お、この本……」


男は、禁書となった魔術書の中のうち、ある一冊に惹かれた
そのタイトルは、>>下1
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/02(日) 19:55:15.70 ID:1qVNq6EDO
『鍵』の書
538 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/02(日) 21:10:22.98 ID:XqUoOTWC0
『鍵』の書とあった


狙撃少女「なにか、気になる本でもあったんですか?」


禁書となるほどに危険な魔法、その秘伝が集積されているとおぼしきこの書庫において、『鍵』とは些か迫力に欠ける名詞だった
だからこそ、その内容が男は気になったのだ


男「ああ、『鍵』の書というらしい。解錠魔法といえば、上級の魔法使いなら使える者も少なくはないが……禁書になるほどの『鍵』って、なんなんだろう?」
539 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/03(月) 03:24:20.79 ID:3AKFdH3o0
本日はここまでです
ありがとうございました
540 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/03(月) 19:58:43.86 ID:3AKFdH3o0
男は早速『鍵』の書を読み出した
知らない言語が沢山記されているが、
問題なく読み進めていく


氷魔「……鍵……?」

男「あぁ、普通になんでも開ける鍵魔法なんかも載っているが……?」

中華「なにかあったの?」

男「よく分からない。何らかの『鍵』で虚空に扉を開けて、どこかへと行こうとする実験が多いな」
541 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/03(月) 21:54:20.24 ID:3AKFdH3o0
やる気「へぇ、面白そうっすね」

男「最終的には、次元を超えて異世界に行くことを目指しているらしいな」

市長「異世界、ねぇ……」

男「………………」

ぶりっ子「どうかしましたかぁ?」

男「いや、なんでもない」

怪盗「それで、どうやったらその『鍵』は作れるんですか?」

男「複雑な手順を踏む必要があるな……例えば、>>下1とか」
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/03(月) 22:04:49.41 ID:YushOLD+o
禁域の深部にいる虹色の球体の連なりに啓示を受ける
543 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 01:16:37.02 ID:ARJxpG3y0
男「禁域の深部にいる虹色の球体の連なりに啓示を受けるとか」

狙撃少女「?」

男「不思議そうな顔しないでくれよ!俺だってよく分からんのに」

炎魔「よく分かんないですけど、多分それは生きてるんでしょうね」

市長「それよりも恐ろしいのは……それが記されている事実ですね。どうにかそこへたどり着き、そしてそれを記した者がいるということです」

中華「魔術師っていうのは、やっぱりすごい執念があるものなんだね」


言われてみれば、一文字一文字に、なんらかの妄執が込められているような気がする
544 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 01:19:50.39 ID:ARJxpG3y0
本日はここまでです
ありがとうございました
545 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 18:53:42.35 ID:ARJxpG3y0
氷魔「……すごい価値のある書庫です……誰のものなのでしょうか……」

やる気「確かめてみるっすか?」

市長「そうですね……誰のものでもなければ、面白いのですが」


市長は書庫の入り口である、古びた木製のドアを開く


>>下1……どこに続いていた?
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/04(火) 19:11:44.27 ID:s4YSX64Zo
紫の海と緑色の砂浜
空は黄色で太陽が黒の海辺
547 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 19:54:44.13 ID:ARJxpG3y0
その瞬間、異様な空気が外から流入するのを誰もが感じた


ぶりっ子「……!?」

市長「データにありません……!」


そこは海辺だった
だが、その海は紫に染まっており、
父なる海とは呼びがたい恐ろしいものだった
足元は緑が占めているが、踏み出してみれば、
それは植物の茂る大地ではなく砂であることが分かる
548 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/04(火) 20:01:10.09 ID:ARJxpG3y0
怪盗「上も下も、全部おかしいです!」


空を見やれば、ジュースのように黄色が満ちており、
帝王のように黒き太陽は一行を見下していた


狙撃少女「これが……禁域……!?」

男「確かに、禁域じゃこれぐらいあってもおかしくはないが……あそこが最後の禁域のはすで、ここは明らかに違う場所のはず……なんだが……」

中華「増えたか、あるいは……」

氷魔「……現実と隣りあった……禁域が染み出してきた時空に……入り込んでしまった……といったところでしょうか……」
549 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/05(水) 02:24:11.13 ID:jiV/9Ye70
本日はここまでです
ありがとうございました
550 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/05(水) 19:20:26.26 ID:jiV/9Ye70
やる気「探索したい気持ちはやまやまっすけど……これ、一介のパーティが単独で首を突っ込んでもいいんすかね?」

ぶりっ子「難しいところですね……」

市長「いずれにしても、脅威度は知っておく必要があります。そのためには、わずかにでも調査をせねばなりません」


そこにいるのは、ただの高性能AIではなく、市長である
自らの街で調査をするつもりであるからこそ、
ここで退く判断はなかった
551 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/05(水) 22:20:18.01 ID:jiV/9Ye70
意を決して、一行は外へと踏み出した
太陽は鬱陶しいほどに輝いていたが、
どこか肌寒かった
市長は砂や水を採集し、いろいろと考えている


怪盗「なにもかも異常なこの世界で、私たちが来た小屋だけが普通ですね」

狙撃少女「この世界にとっては異物なのでしょうね。嘆かわしいことです」


波打ち際の数メートル内側を歩き続け、奇妙な模様の岩場までやってきた
そして、いくつかの岩の上には>>下1
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/05(水) 22:24:32.44 ID:e+duL4XYo
様々な形のドアノブが群生している
553 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 02:44:55.68 ID:7CCvJ2qq0
いくつかの岩の上では、様々な形のドアノブが群生していた


男「あっ、あれは!」

市長「ご存知なのですか?岩にドアノブが付いているようにしか見えませんが」

男「俺たちも持ってるんだ、禁域のドアノブ」

中華「そうそう、なんでも開けてくれる生き物なんだ」

市長「そ……そんなものを持っていたのですか!?早く教えて欲しかったですね」

炎魔「……あれも生きてるんでしょうか?」
554 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 02:47:00.81 ID:7CCvJ2qq0
本日はここまでです
ありがとうございました
555 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 19:34:52.72 ID:7CCvJ2qq0
氷魔「……確か……生きていたはずです……なにを食べているのか……そもそも新陳代謝があるのかも怪しいですが……」

市長「検証したいですね、あれでもモノは開くのでしょうか」

やる気「うーん、なんか開きそうなものがあるといいんすけど」

炎魔「私開けます?」

男「………………」


こう、笑えない冗談はあるものだ
笑えなくしたのは男なのだが


炎魔「そ、そんな神妙な顔しないで!?」
556 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/06(木) 20:48:16.05 ID:7CCvJ2qq0
市長「……人体も開けられるのですか?」

ぶりっ子「そうですねぇ」


市長は驚きながらも、
自生しているドアノブを採集した


怪盗「どうやら、そこの川がこの海に注いでいるようですね」


海沿いを歩き続け、川を見つけた
557 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/07(金) 03:51:31.44 ID:9u49Cp0k0
川の水もやはり紫だった
その濃さは海に比べればすこし淡いが、
それでも毒のように見えて気味が悪い


狙撃少女「川の流域に文明があると、本で読んだことがあります」

男「俺も聞いたことがある話だ。……あまり、会いたくないが」

中華「やっぱり、色合いが全体的におかしいね……」
558 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/07(金) 04:24:40.19 ID:9u49Cp0k0
本日はここまでです
ありがとうございました
559 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/07(金) 19:39:09.82 ID:YPxsAqlrO
川があれば、そこには木が生えるのも道理だ
オレンジ色の木々が林を形成し、川の脇を固めている


炎魔「燃やしてやりたくなりますね、こんな森」

氷魔「……さすがに……蛮族の所業ですね……」

やる気「ん!?」


川沿いを歩く一行の頭上を、飛翔体が過ぎ去った
普段ならただの鳥だろうと思うところだが、
ここは禁域であり、あらゆるものに油断ならない
その飛翔体は>>下1であった
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/07(金) 19:49:52.79 ID:IvgScF/DO
翼の生えた深海魚
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/07(金) 19:50:07.20 ID:Tdc9U2UV0
紙飛行機(鋼鉄製)
562 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 03:45:57.29 ID:NN54Xtc60
振り向き、空を見れば、奇妙な魚が飛んでいた
翼が生えてこそいるものの、見た目は鳥よりも魚に近い


男「深海には、ああいう魚が住むそうだな」

市長「ええ、あれは深海魚です」

ぶりっ子「深海魚って飛ぶ……わけないですよねぇ」

怪盗「まぁ、襲われる感じではなさそうでよかったです」
563 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 04:26:00.26 ID:NN54Xtc60
本日はここまでです
ありがとうございました
564 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 19:45:58.87 ID:NN54Xtc60
奇妙な飛翔体に思いを馳せながら、ただ歩く
川のせせらぎは不気味なほどにこちらと同じで、
心の拠り所となった


狙撃少女「あ……家でしょうか?」


そこには白い立方体がぽつんとあった
明らかに人工的であり、無機質だが文明的だ


市長「困りましたね、知的生命体との接触は、もう少し下調べをしてからのほうがよかったのですが」
565 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/08(土) 21:02:37.92 ID:NN54Xtc60
男「……淡白だが、異様さは薄いな」

中華「もしかしたら、僕たちの世界と関係あるかもしれないね」

氷魔「……入り口はありませんが……」


立方体をぐるりと回って、氷魔はそう溢す


やる気「なけりゃ作るっすよ」

市長「でしたら、どうぞ」


市長はドアノブを立方体に装着する
やる気はそれを確認し、引き開けた


>>下1……立方体の中身
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/08(土) 21:30:11.21 ID:AlCIIF2o0
プルトニウム
567 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 04:25:54.32 ID:FcXoFk6K0
そして、その瞬間けたたましい音が鳴り響いた
まさか、警報器でもあったのかと身構えたが、
それが発せられたのは市長の体だった


ぶりっ子「え?」


驚く間もなく市長は扉に体当たりし、
それを閉じてドアノブを取り外した


市長「……危うく死ぬところでしたね」

怪盗「え……なんかあったんですか?なんもなさそうでしたけど」
568 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 04:39:17.81 ID:FcXoFk6K0
本日はここまでです
ありがとうございました
569 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 19:32:47.23 ID:FcXoFk6K0
市長「プルトニウムがありましたよ」

男「……そりゃ死ぬわ」

市長「一度帰りましょう。念のため、治療をすべきです」

狙撃少女「いや、なにもダメージを受けていませんが……」

市長「なんと説明すればよいか……猛毒で、溶けない呪いのようなものです。本体があり、接近するだけで致死性があります」


そう説明すると、男以外の全員は青ざめた


男「治せるのか?治療と言ったけれど」

市長「こう、細かい原理を説明すると長くなるのですが……蘇生魔法が治療効果を持つということが分かっています」
570 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/09(日) 19:35:25.47 ID:FcXoFk6K0
来た道を戻る最中、炎魔は不安そうに口を開いた


炎魔「私も死ぬんでしょうか」

市長「フェニックスの力が本当にあるなら、死なないと思いますよ。影響もあまりないかと」

中華「……まったく原理が分からない。けど、すごいんだなぁ」

氷魔「……しかし……どうしてあんなものが……」
571 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 02:35:49.18 ID:sY9F2Rww0
やる気「さぁ……」


それは誰にも分からなかった
だが、男だけはいくつかの仮説を持ってはいた


ぶりっ子「しかし、そんなわけ分からない……毒?みたいのも治療法が分かってるんですねぇ」

市長「自立学習を始める前に、私を設計した人物が入れたデータの中にあったのです。なぜそんなことを知っていたのか……」
572 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 03:32:24.75 ID:sY9F2Rww0
本日はここまでです
ありがとうございました
573 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 18:57:39.11 ID:sY9F2Rww0
一行は不気味な世界を後にして、
地下水道を歩き、ようやく市長のオフィスに戻ってきた


怪盗「早く治療を受けたいですね」

市長「ええ、別の私に連絡を取って、優秀な術師を手配しておきました」


どこまでも用意のいい彼女が合図をすると、
部屋の扉が開いて術師が入ってきた


>>下1……術師の外見
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/10(月) 19:15:19.51 ID:vyutY5vDO
ライオンの着ぐるみを来ている
575 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/10(月) 19:35:23.22 ID:sY9F2Rww0
蘇生術師「どうも」


その姿を見て、炎魔以外の全員が絶句した
ライオンの着ぐるみを着たその人物は、
それこそ王者のように威風堂々と部屋に入ってきたのだ
自分の衣装が奇怪であることなど、
一切気にしていなかった


炎魔「かっこいいですね!」

蘇生術師「それほどでも……ある」

狙撃少女「あるんですね……」
576 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 01:29:51.16 ID:nBlU+hiy0
市長「彼は外見から他人に敬遠されることが多いそうですが……腕は確かです」

男「へぇ……まぁ、シャーマンなんかは野生派の人も多いしな」

蘇生術師「別にシャーマンじゃないが……ともかく、市長に頼まれたのならやってやる」

中華「そういう制度?」

蘇生術師「いや、我が姿を見ても態度を変えなかったのは市長のみ。仕事も貰っていて、恩義がある」

氷魔「……人間でないので……偏見もないのですね……」
577 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 02:11:34.15 ID:nBlU+hiy0
本日はここまでです
ありがとうございました
578 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 18:57:06.17 ID:nBlU+hiy0
それから、蘇生術師は一人ずつ蘇生魔法をかけていった
最後に、念のため炎魔にもかけることにした


蘇生術師「きえーい!」

炎魔「ぬはぁーっ!」


その背中からは火柱が迸った
だが、それ以外に変化はなさそうだ


蘇生術師「吸血鬼が闇の力を吸収するみたいな原理だ」
579 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/11(火) 19:32:46.17 ID:nBlU+hiy0
蘇生術師は市長から報酬金を貰い、
笑顔で帰っていった


市長「という訳で治療は終わりました。また宿泊部屋にお戻り下さい」


一行は素直に従い、部屋に戻った
そして、夕食が届くのを待つ


>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.市長と話す
9.平成の少女に会いに行く
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/11(火) 20:00:12.52 ID:0oXVh6uDO
9
581 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/12(水) 02:25:32.39 ID:aR7SV7zy0
男「いるか?」

平成少女「はい、なんですか?」


いつも特に理由もなく他人の部屋を訪ねるのが恒例となっていたが、
今日ばかりは話しておくべきことがあった


男「色々あって、今日は禁域ってところに行ったんだが……それで、面白いものを見つけたんだ」

平成少女「そうですか……ちょっと部屋片付けるので待ってて下さいね……」
582 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/12(水) 02:40:23.79 ID:aR7SV7zy0
本日はここまでです
ありがとうございました
583 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/12(水) 19:18:22.50 ID:aR7SV7zy0
しばらくして部屋に通された
市長に貰ったのか、雑貨がいくつか置かれている


男「清潔感があるな」

平成少女「そりゃあ、そうでしょうよ。それより、面白いものってなんですか?」

男「禁域は異空間みたいなところなんだが……そこで、プルトニウムの入った真っ白な立方体を見つけたんだ」

平成少女「プルトニウム?」

男「……お前は知っとけよ……」
584 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/13(木) 01:00:01.82 ID:cU5GJHmJ0
平成少女「なんか、サイエンスな感じはしますね!」

男「ああ、危険な物質で、作るのは偶然では難しい」

平成少女「誰かが作ったんですね?」

男「そうだ。そして、危険だから残りかすの部分は廃棄されるんだが……それが、俺たちが見つけたプルトニウムの正体じゃないかと思うんだ」


やけに整然とした立方体の不自然さも、
それが禁域由来でないことを支持しているように思われた
585 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/13(木) 01:03:23.84 ID:cU5GJHmJ0
平成少女「つまり……どういうことですか?」

男「誰かが廃棄したんだ」

平成少女「そんな科学技術を持った人がいるんですか?……もしかして、あの市長を制作した方でしょうか?」

男「可能性としてありうるが……市長はプルトニウムのデータは持っていたが、その利用法については知らなかった」

平成少女「へ、へー……」

男「つまりだ、プルトニウムを利用できる世界……俺たちがもといた世界から、あの禁域は繋がっているんじゃないかと、俺は考えたんだ」
586 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/13(木) 19:37:38.26 ID:cU5GJHmJ0
すみません寝落ちしました


平成少女「元の世界に帰れるかもしれない……ってことですか?」

男「ああ、そうだ」

平成少女「でも、私たちも違う時代から来ましたし……同じ時間に帰れる保証はありませんよね」

男「その通りだ。そこで、どうしたい?帰りたいのか、そうじゃないのか」

平成少女「>>下1」
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/13(木) 19:38:50.24 ID:prm8tWr6o
正直な所悩んでいます
588 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 01:47:25.22 ID:S9SBUK/Z0
平成少女「正直な所悩んでいます」


消え入りそうな声でそう告げた


男「……そうか。たっぷり悩んで欲しい」

平成少女「……急かさないんですか?説得も」

男「俺だってそうだし」

平成少女「……意外です。この世界が好きそうでしたから」

男「ああ、好きだ。……はぁ……いや、それより、君はなぜ?」
589 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 01:54:01.75 ID:S9SBUK/Z0
平成少女「別に、元の世界でもいい暮らししてたわけじゃないですからね」

男「……そうか。こっちにいれば、望みはあるだろうな」

平成少女「そう……だといいんですけど。怖いです」

男「市長を頼ろう。彼女ならきっと、守ってくれる」

平成少女「私が怖いのは、そのことなんです」

男「市長は悪いやつじゃないと思うが……」

平成少女「そうではなく、環境に失望し、諦めていた私にチャンスがある……その状況でもなにもできずに、ただ庇護されるだけの無能だったらと思うと、私は……」
590 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 01:55:57.05 ID:S9SBUK/Z0
本日はここまでです
ありがとうございました
591 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/14(金) 20:04:04.72 ID:HUF2XCe7O
慣れない環境でメンタルが不安定になっているのは言うまでもないが、そもそも彼女本人がネガティブな性質のようだ


男「……つまり、自分に自信がないんだな」

平成少女「軽く流してくれますね……」

男「いやいや、そういうわけじゃないさ。自分でもやれるってとこを見せられれば、自分に自信が持てるんだろ?」

平成少女「まぁ、そうですが……」
592 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 00:44:42.97 ID:UJsusuxM0
男「どうだ、モフモフやもちもちを世のため人のために役立ててみるとかは」

平成少女「確かに、私の言うことは聞いてくれますが……」

男「それは自分の力じゃないって言いたいんだろう?」

平成少女「……はい」


そのくらいは考えたことがあるのだろう
だからこそ、男はその不安に向き合うことにした


男「俺だって、かつてはなーんもできない人間だった。でも、仲間を集めて……そらなりにやれる雰囲気を出してた」

平成少女「へぇ、そうなんですね」

男「やれる雰囲気で、必死に頑張ってたら……実際、それなりにやれる人間になった!神を宿すこともできる!」
593 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 01:52:30.71 ID:UJsusuxM0
力説して見せると、少女も少しは心から聞いてくれているようだ


平成少女「なんでもいいから、やれってことですか?」

男「そうだ、自分はやれるんだと思うことが大切だ」

平成少女「……そう、ですか」

男「……ま、平成15年の人間なら、頑張りすぎないことの大切さは分かってるだろ?やりたいようにやればいいさ」
594 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 01:53:18.45 ID:UJsusuxM0
本日はここまでです
ありがとうございました
595 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/15(土) 19:55:51.55 ID:UJsusuxM0
平成少女「……分かりました」

男「嫌になったらどうにか俺に連絡つけてくれ。帰れるかどうかやってみる」


それから男は自分たちの部屋に戻った
どうやら、もう夕食は届いているようだ


やる気「お、戻ってきたっすね」

男「すまんな、ちょっと話しすぎた……それで、夕食の献立は何かな?」

やる気「>>下1っすよ」
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/15(土) 20:11:38.29 ID:K0Trh5hDO
お寿司
597 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 03:29:44.35 ID:n3xV5Qrj0
やる気「お寿司っすよ」

男「おっ、マジか!いいね!」


テーブルの上には、大量の寿司が並べられていた
専用の容器に入ったそれらの彩りは眩しく、
鮮度も良好であることがうかがえる


ぶりっ子「すごいですよねぇ。それに、どうやって新鮮な魚をここまで運んできたのかも気になりますぅ」
598 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 03:33:48.78 ID:n3xV5Qrj0
確かに、この街はかなり内陸の位置にある
いくら運送ギルドが急いだとしても、
これだけの鮮度の魚を用意するのは難しいはずだ


市長「お答えしましょう」


モニターに表示された無機質な顔が喋り出す
しかし、市長と付き合う中で、
不気味さは感じなくなっていた


怪盗「びっくりした……」

市長「養殖によって、魚は調達しています。ただし、スペースの都合上……あまろに広い距離を動き回らなくてはならない魚や、まだ養殖法が確立していない魚はご用意できませんでした」
599 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 04:30:32.28 ID:n3xV5Qrj0
本日はここまでです
ありがとうございました
600 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 19:02:49.84 ID:n3xV5Qrj0
狙撃少女「お寿司……食べたことないです!」

男「……それにしても、見事な出来だ。素晴らしい職人がいるのだろうか?」

市長「文献を参考に、私が握りました」

炎魔「なんでもできますね!」

市長「お褒めにあずかり光栄です」


市長は愛想よく笑ってモニターを切った
601 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/16(日) 19:49:53.60 ID:n3xV5Qrj0
それから、一行は寿司を食べ始めた
この世界における寿司といえば、海沿いの街でしか食べることのできない料理であり、そのくせ高い
なので、寿司を食べられるのは非常に貴重な経験なのだ


中華「やっぱり、市長は料理もできるんだね」

氷魔「……なにか……できないことはあるのでしょうか……?」

やる気「あー、それ気になるっすね」

ぶりっ子「欠点の一つでもあったほうが、可愛げがありますよねぇ」
602 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/17(月) 03:40:26.35 ID:4CSCZw7/0
本日はここまでです
ありがとうございました
603 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/17(月) 19:45:43.39 ID:4CSCZw7/0
それから話は、市長ができないことはあるのか、という議題になった


怪盗「……戦えるんでしょうか、市長?」

狙撃少女「どうなんでしょう、それなりにはやれそうですけど」

男「これで腕っぷしまで強かったら、俺たちもちょっと肩身が狭いよな」

中華「聞いてみる?」


問いかけつつ、返事は聞かずに中華はモニターのスイッチを入れた
604 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/18(火) 03:22:38.39 ID:TqpD4Onh0
市長「……お代わりでしょうか?」


モニターが完全に起動すると、
落ち着き払った様子で質問をしてきた


氷魔「……あ……いえ……」

やる気「そういやお代わりも欲しいっすね、同じ大皿もう一つ頼むっすよ」

市長「承りました。今すぐご用意します」
605 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/18(火) 03:42:44.36 ID:TqpD4Onh0
本日はここまでです
ありがとうございました
606 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/18(火) 19:19:03.77 ID:TqpD4Onh0
市長はなにやら操作して通達している


ぶりっ子「そういえばぁ、市長に聞きたいことがあるんですよぉ」

市長「なんでしょうか?観光案内なら得意ですが」

怪盗「市長って戦えるんですか?」

市長「>>下1」
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/18(火) 19:55:05.29 ID:ZSuihmsU0
機械の身体ですので、相手の生死を問わなくて良いのであれば可能です
608 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/18(火) 21:28:22.56 ID:TqpD4Onh0
市長「機械の身体ですので、相手の生死を問わなくて良いのであれば可能です」

狙撃少女「お……恐ろしいこと言いますね」


人間が筋肉を操作してやるような、細やかな手加減はできないということだろう


炎魔「確かに、鉄の塊に殴られたら普通の人は死にますね」

市長「そうですね、別に武器も内蔵されていますが」
609 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/19(水) 00:59:13.61 ID:Gp9Ffsyf0
男「やっぱ、ビームとか出るのか?」

市長「最初は搭載を検討していましたが……燃費と威力の兼ね合いから、その案は却下されました」

中華「ドラゴンの熱線とかも、よっぽど強いドラゴンじゃないと乱発できないもんね」

市長「……あと、私はどれも同じ見た目ではありますが、兵装に関しては差異があることもあります」

氷魔「……単なる警備に……殺人兵器を持ち出すのは……やりすぎですしね……」
610 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/19(水) 01:33:45.51 ID:Gp9Ffsyf0
本日はここまでです
ありがとうございました
611 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/19(水) 19:20:02.77 ID:Gp9Ffsyf0
市長「そうですね、無駄は減らしています」


できる市長の顔をして、冷静に告げた


ぶりっ子「それでですねぇ……市長さんにできないことなんてあるのか、って話をしてたんですよぉ」

市長「なるほど……実は、市民にも聞かれたことがありますよ」

ぶりっ子「なんかあるんですかぁ?」

市長「大抵のことはできますが……実は、>>下1だけはできません」
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/19(水) 20:27:58.59 ID:WHvjPi8DO
芸術
613 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/20(木) 01:17:01.37 ID:T4Qg0nF50
市長「芸術だけはできません」

怪盗「はぁ、なるほど……」

狙撃少女「絵や文学ができないのですか?」

市長「完全で、完璧で、合理的なことしか私は目指せないのです。芸術の美しさとは、理論的な点数では表せないものですから」

男「型を破れないのか」

市長「そうですね、適切な表現だと思います。私は、型を真似ることはできても、それを創造することはできないのです」
614 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/20(木) 01:20:36.43 ID:T4Qg0nF50
中華「なるほどねー……」


中華はなにか複雑そうな顔をしている
おそらく、料理と芸術との関係を脳内で模索しているのだろう


市長「見てください、これが私の制作した音楽です」


彼女はモニターにいくつかの五線譜を映した
非常に整ったよい楽譜で、それらが一つの曲を構成していた


男「いいんじゃないか」

市長「……誰もが知るコード、恋のクリシェ、メジャーな楽器……私には、それしか使えません」
615 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/20(木) 01:24:21.42 ID:T4Qg0nF50
本日はここまでです
ありがとうございました
616 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/20(木) 19:26:55.53 ID:T4Qg0nF50
それから、芸術について軽く論じて夕食は終わった
そのまま一行は入浴の時間となった


やる気「今日はとんでもない目に遭ったっすね〜」

男「全くだなぁ。だが、面白いものも見られた」

中華「あの大きな書庫とか、すごかったよね」


今でも、あの異様なほど緊張感のある書庫がありありと思い出される
617 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/21(金) 03:00:53.29 ID:Vn8ueUPC0
やる気「しっかし、これからどうするんすかね……」

男「ああ、この禁域の話にどこまで踏み込むかだな」

中華「僕たちの目的は、あくまで極北……禁域は、さらに大きな問題な気がするよね」


成り行きで動くのはいつものことだったが、
流石に自発的に指針の変更を図らなくてはならないと、三人は思い始めた
女性陣でも、氷魔やぶりっ子はそのような気持ちが高まりつつあるのだ
618 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/21(金) 03:01:40.81 ID:Vn8ueUPC0
本日はここまでです
ありがとうございました
619 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/21(金) 19:35:09.64 ID:Yf8wyvyTO
それから自分たちの部屋に帰ると、氷魔たちがなにやら本を読んでいた


やる気「んー……?なに読んでるんすか?」

氷魔「……実は怪盗さんが……こっそり……あの書庫から本を持ち出していたんです……」

男「相変わらずだし、反省してないなぁ。まぁいいけど……なんて本?」

怪盗「読めないです!」

男「ああ、そういえばそうか……」


男は本のタイトルを上から覗き込んだ
そこには、>>下1と書いてあった
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/21(金) 19:45:11.83 ID:8h4O+wBq0
凍てつく波動
621 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/21(金) 21:13:59.16 ID:yQTJmdnXO
凍てつく波動と書いてあった


ぶりっ子「で、なんて書いてあるんですかぁ?」

男「凍てつく波動だって」

狙撃少女「なんですか、それ……」

氷魔・炎魔「……凍てつく波動……!!」


二人が顔を見合せて目を輝かせている
確かに、とても好きそうだ
622 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/22(土) 03:16:18.13 ID:2Xd0onRv0
中華「強そうではあるね」

男「中身は読んだのか?」

氷魔「……あまりに古すぎる言葉は……読めていません……一部しか理解できていませんね……」

やる気「波動ってのが、なんか強そうっすよね。魔法っぽくもなければ、術とも一線を画してる感じがあるっすよ」


簡単なことから解説するのがやり口のようで、
まずはその他の準備を抜きにした凍てつく波動の撃ち方が記載されている
623 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/22(土) 03:32:24.33 ID:2Xd0onRv0
本日はここまでです
ありがとうございました
624 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/22(土) 19:32:19.69 ID:CjfcY2dqO
男「まず、精神を集中してその場に立つ」

炎魔「はい」


別に指示をした訳ではないが、彼女はその通りに動くようで、男の方を見て次の指示を待っている


男「……両手の平を対象に向け、腰を落とす」

炎魔「はい」

男「あとは凍てつく波動を放つだけ!って書いてあるぞ」

炎魔「それが分からないんでしょう!!」
625 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/23(日) 03:57:14.42 ID:hicBfdX60
男の頭は軽く叩かれる


男「まぁそう怒るな」

ぶりっ子「でも、実際どうやるんですかぁ?」

男「俺にはできないんだが……それぞれ打ち消し合う組み合わせの魔力を体内でぶつけ合って、純粋な魔力を精製する過程が必要らしい」

氷魔「……確かに……高度です……」
626 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/23(日) 04:05:01.32 ID:hicBfdX60
本日はここまでです
ありがとうございました
627 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/23(日) 19:33:11.32 ID:hicBfdX60
怪盗「盗んでおいてなんですけど、これ禁書なんですよね?」

狙撃少女「もし発動していたら……と思うと怖いですね」

中華「そもそも、凍てつく波動ってなんなんだろうね?」

やる気「そりゃあ、なんか冷気が出るんじゃないすか?」

炎魔「そんなものが禁書になると思いますか!?」


奇妙はポーズをしながら炎魔は叫ぶ


男(……『アレ』じゃないのか?凍てつく波動って……)


かなり心当たりのある男だったが、
念のため本で確認することにした


>>下1……凍てつく波動の効果
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/23(日) 19:51:00.91 ID:QjstsajUO
敵の強化、弱体、状態異常を全て解除する
629 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/23(日) 22:01:02.63 ID:hicBfdX60
そして、男は確認した
やはり、『アレ』だった


男「凍てつく波動は、その名で誤解されがちだが、攻撃を行う技法ではないんだ」

氷魔「……え……そんな……!」

男「指先から迸る波動によって、敵の強化、弱体、状態異常を全て解除する……それが凍てつく波動なんだ」

炎魔「思ったよりめちゃくちゃトリッキーですね!」
630 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/24(月) 02:43:16.97 ID:Dswjv9vo0
ぶりっ子「それが、禁書なんですかぁ?」

男「そうだな、理由は推測だが……肉体の強化や、バリアの類がこれのせいで用をなさなくなったからじゃないか?」

ぶりっ子「それはそうだと思いますけどぉ、それってそんなに問題ですかねぇ?」

怪盗「単純に、そういう魔法を否定しすぎるから禁書に指定されたのか、あるいは……」

狙撃少女「なにか心当たりがあるんですか?」

怪盗「お伽噺ですけどね、魔法のバリアで侵略を防いでいた魔法都市が昔あったとかなんとか」
631 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/24(月) 02:57:19.61 ID:Dswjv9vo0
本日はここまでです
ありがとうございました
632 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/24(月) 19:51:24.41 ID:Dswjv9vo0
炎魔「もしこんなの使われたら、丸裸じゃないですか!」

中華「そうだね……その都市が訴えたからなのか、その都市が滅んだからなのか……全く関係ない可能性もあるけどね」

やる気「俺っちとしては、かなり好みの技っすね」

氷魔「……そうなのですか……?」

やる気「奇策を力でねじ伏せることができるっすからね。魔王に向いてるっすよ」

ぶりっ子「覚えておいて損はなさそうですが……覚えるのも難しそうですねぇ」
633 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/24(月) 21:43:03.02 ID:Dswjv9vo0
怪盗「ええ、魔法ではなさそうですが、魔力の操作は要求されますし……魔法に長けた方でなければ覚えられないかもしれませんね」

氷魔「……ここのみなさんなら誰でも……少し努力すればできるようになるとも思いますが……」

狙撃少女「とにかく、便利なので誰かには覚えてもらいましょう」


それから一行は、誰が凍てつく波動を覚えるべきかの会議を始めた
寝るまであまり時間はなかったので、
それは手早く遂行された


>>下1……誰が凍てつく波動を覚えることになった?
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/24(月) 21:52:12.36 ID:DJoKO1HDO
平成少女
635 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/25(火) 04:03:34.97 ID:NzDb1seB0
問題はそう簡単ではなかった
便利なのは確かだが、氷魔や炎魔でなければ一朝一夕で習得できるような技ではなかったのだ
しかし、氷魔はあまり乗り気でなかったし、炎魔は使いこなせる自信がないと言っていた


男「どうしたものか……」


そう悩んでいると、市長がモニターを起動させた


市長「お悩みですか?私に分かる可能性があるなら、なんでも聞いてください」
636 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/25(火) 04:08:25.53 ID:NzDb1seB0
本日はここまでです
ありがとうございました
637 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/25(火) 19:41:07.73 ID:NzDb1seB0
中華「怒らないで聞いてほしいんだけど」

市長「感情なんてありませんよ」


それが疑いようのない真実であるかのように市長は言ってのけた


男(嘘つけ……)

中華「禁書を一冊持ち出したんだ」

市長「……そうですか」


かなり険しい顔をしている
これで感情がないと言うのだからすごいものだ
638 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/26(水) 01:52:48.92 ID:VzKGvq7B0
中華「それで、そこに書いてある凍てつく波動を覚えようってことになったんだけど……誰が覚えたらいいかなって」

市長「事情は分かりました」

氷魔「……助かります……」

市長「やはり、魔力の扱いに長けた______「私、やります!」


オフィスからの中継に、突如新たな人影が映りこんだ
一瞬映像が不明瞭になったが、すぐにピントが合って、
そこに平成少女がいることが明らかになった
639 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/26(水) 02:39:41.80 ID:VzKGvq7B0
本日はここまでです
ありがとうございました
640 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/26(水) 18:23:05.49 ID:VzKGvq7B0
やる気「ん?なんすか?」

平成少女「その技、私覚えたいです!」


かつてないほど積極的な態度だ
よい傾向であると言えるだろう


市長「……だ、そうですが」

ぶりっ子「市長は異論ないんですかぁ?」

市長「いろいろ頑張ってみたい、と先ほど報告されたので。自主性に任せています」
641 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/26(水) 20:38:30.66 ID:VzKGvq7B0
完全に保護者の顔だった
一行のうち誰も意欲的に習得しようという感じでもなかったため、平成少女に任せることにした


平成少女「いいんですか!?頑張ります!今から受け取りに行きますね!」


禁書を彼女に受け渡した一行は、
その未来に期待しつつ、眠ることにした
642 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/27(木) 01:14:26.13 ID:VrN0cT4E0
〜翌日・陽週日曜日〜


怪盗「あー……朝ですね」


寝起き特有のがらがら声で彷徨い、
水を一杯飲み干してベッドに腰かけている
朝にも酒にも弱いらしい


狙撃少女「今日、どうするんですか?」

男「一旦市長と話して、問題なさそうならこの街を一旦出ようと思う」
643 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/27(木) 01:16:29.46 ID:VrN0cT4E0
本日はここまでです
ありがとうございました
644 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/27(木) 19:09:54.23 ID:VrN0cT4E0
一行は市長のオフィスにやってきた


市長「おや、みなさんどうされましたか?」

中華「実は、相談があって……」

市長「はい、なんでしょうか」

氷魔「……昨日の調査で……禁域についての初期調査はできたかと思います……私たちにも元の目的がありますので……一度旅に戻りたいのですが……」

市長「>>下1」
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/27(木) 19:13:45.30 ID:zuCC1jgw0
それがいいぞ。禁域の
奥に向かうと命取りだ
646 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 01:08:34.31 ID:yAm0ucJU0
市長「それがいいぞ。禁域の奥に向かうと命取りだ」

やる気「ありがたいっすね」

市長「なんでもすぐに解析できる訳ではありませんから、みなさんを待たせてしまうかもしれませんしね」


一行が支度をして宿を出ようとしていると、平成少女が部屋に入ってきた


平成少女「も……もう行っちゃうんですか……?」

ぶりっ子「本当の目的はこの街にはないんですよねぇ」
647 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 01:27:56.09 ID:yAm0ucJU0
平成少女「その、なんとなくみなさんずっとここにいるものだと思ってました」

怪盗「あはは、確かにここには長く居ましたね」

狙撃少女「お陰様で、あなたにも会えましたね」


準備を終えた一行は出立しようとする


平成少女「……あの、またここに帰ってきますか?」

男「俺たちは冒険者だから、絶対は無理だな……生きてたら、な」
648 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 02:12:28.05 ID:yAm0ucJU0
本日はここまでです
ありがとうございました
649 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 20:07:35.26 ID:s+pKpeeNO
すみません遅れました


平成少女「約束、してください」


少女は毅然と、そう言ってのけた


男「……そんなに?」

平成少女「それはもう。約束してくれないなら、男さんの秘密バラしちゃいますよ」

男「えっ!?わ……分かった。約束するよ」
650 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/28(金) 21:02:43.02 ID:s+pKpeeNO
彼女にとっては、男は同じ世界からやってきた唯一の仲間だったのだ
それが手の届く位置から消えるということは、
ある種の暗闇に放り込まれるようなものだった


平成少女「約束ですからね!」


必死そうな少女にしばしの別れを告げて、一行は宿を出た


中華「男の秘密って、なに?」

男「んー……大したことじゃないよ」

氷魔「……その割には……慌てていたようですが……」

男「いや、ほんとほんと!少なくとも、みんなが知って傷つくことじゃないよ!」
651 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/29(土) 04:27:11.78 ID:Npvi2SCF0
手配した馬車に乗り、北の港を目指す


御者「しかし、北の港へ行きたいだなんて久しぶりのお客だ」

やる気「確かに、その先には極北しかないっすし、街もないっすからね」

御者「見たところ冒険者みたいだが、まさか極北まで行くつもりかい?」

ぶりっ子「そうですよぉ」

御者「そりゃすごいね。強いギルドには見た目だけじゃない『華』があるもんだが、確かにそれを感じるよ」
652 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/29(土) 04:27:55.11 ID:Npvi2SCF0
本日はここまでです
ありがとうございました
653 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/29(土) 19:35:52.72 ID:Npvi2SCF0
図書館の街は大陸の中ではかなり高地だったようで、馬車はひたすら坂を下っていく
あるとき視界が開けて、一つの港町が下に見えた


怪盗「あそこが北の港ですね!」

狙撃少女「旅も終盤……」

男「ようやくだな」


どこからかカモメの鳴き声がこだましている
654 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/30(日) 03:22:32.23 ID:+nJ/k8w30
午後の昼下がり、一行は北の港に到着した

【ギルドの資金】72262295


御者「それじゃ、頑張ってくれよ!」

中華「応援ありがとうございます」


御者は馬を引いて去っていった


氷魔「……では……船の予定を調べましょうか……」
655 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/30(日) 03:36:11.87 ID:+nJ/k8w30
本日はここまでです
ありがとうございました
656 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/30(日) 19:10:57.05 ID:+nJ/k8w30
船着き場には一つ大きな建物があり、
そこで諸々の取引をしている
普通の街ならば貿易の精査をするような建物であったり、乗船を管理する建物だったり、その他様々な施設が必要となるが、ここはほとんどそういった施設が必要ないので、一つの建物にすべて集まっている


やる気「……そういう訳で、極北行きの船を探してるっす」

局員「なるほど、事情は分かりました」

ぶりっ子「次はいつになるんですかぁ?」

局員「そうですね、次極北行きが出るのは>>下1です」
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/06/30(日) 19:27:39.25 ID:Ypb0NfHDO
明日になります
658 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/06/30(日) 22:42:16.43 ID:+nJ/k8w30
局員「明日になります」

怪盗「分かりました」

狙撃少女「とりあえずチケットは買っておきましょうか」


一行は極北行きのチケットを購入した
砕氷船は丈夫で大きく作ったものの、極北まで行く人が少ないとのことなので、かなり割安のチケットが手に入った


【ギルドの資金】72260295
659 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/01(月) 03:51:34.54 ID:EPs91N8T0
それから一行は建物から出て、
これからの行動について考えていた


男「宿取るか?」

中華「いや、この街に旅人はほとんどいないし……満室の可能性はないんじゃないかな」

氷魔「……同意見ですね……」

やる気「じゃ、ぶらつくっすかね」
660 : ◆UEqqBEVZVY [sage]:2024/07/01(月) 04:03:42.20 ID:EPs91N8T0
本日はここまでです
ありがとうございました
661 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/01(月) 20:02:28.81 ID:EPs91N8T0
一行は街に繰り出した
とはいえ、娯楽施設などはなさそうだ


ぶりっ子「レストランがありますねぇ」

炎魔「というより、定食屋でしょうか」


そして、流れるようにその店へ入っていった


店主「らっしゃせー」

怪盗「店長!なんかおすすめのメニューありますか?」

店主「>>下1」
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/01(月) 20:25:45.63 ID:2djCmV6Lo
あん? うちには一つしか出すもんねーよ
663 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 01:09:25.21 ID:/2UUmgYn0
店主「あん? うちには一つしか出すもんねーよ」


地方の地元に根差した店にはありがちなことだが、
店主の態度が驚くほど悪い
だが、そういう店の料理は大抵うまい


狙撃少女「ひっ」

男「じゃあそれで、八人前で頼むよ」

店主「あいよ!」
664 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 01:13:14.28 ID:/2UUmgYn0
応答すると、持っていた新聞をカウンターへやって、厨房へと入っていった


ぶりっ子「な……なんですかあの態度ぉ」

男「そう怒るな、飯屋の価値は味で決まるものさ」

中華「そうだね……まぁ、都市に店出すならああはいかないけど」

氷魔「……一つしかない……というのは随分な自信のようにも思います……」

やる気「一品でやってけるほど美味いってことっすよね」
665 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 01:56:57.64 ID:/2UUmgYn0
本日はここまでです
ありがとうございました
666 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 19:52:07.35 ID:/2UUmgYn0
中華「刺身っぽいなぁ」

怪盗「港町だからですか?」

中華「それもあるけど、刺身おろしてる時の音がするよ」


その発言に反応し、耳をそばだてる者もいた
だが、聞こえるのは潮騒とそれぞれの息づかいばかりで包丁の音は聞こえなかった


狙撃少女「なにが聞こえてるんですか……?」
667 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/02(火) 20:59:28.39 ID:/2UUmgYn0
不思議がっていると、店主が海鮮丼を持って出てきた


店主「あいよぉ!」


刺身の数々は非常に鮮やかだった
色味からして新鮮であることが伝わってきている


男「いただきます」


それを口に運べば、その感触にただ驚いた
歯を弾き返すかのようにいきいきとした食材だが、見事な技巧でそれが膜のように薄く刺身となっているのだ
668 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/03(水) 01:26:28.89 ID:ax37IkXP0
中華「とんでもない技術だ!どこで修行を!?」

店主「親父にみっちり叩き込まれたのよ!」


醤油をつけても変わらず美味だった
そもそも薄く切ってあるので、あまりつけすぎると痛い目を見るが、節度を守れば問題なかった


氷魔「……こういう食べ物も……あるのですね……」

ぶりっ子「うーん、確かにこれはすごく美味しいですねぇ」

店主「折角漁師が獲ってきた魚だからな。あいつらも食いに来よるし、それを台無しにするような真似できんのよ」
669 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/03(水) 01:29:29.76 ID:ax37IkXP0
本日はここまでです
ありがとうございました
670 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/03(水) 19:29:01.35 ID:ax37IkXP0
やる気「だから都会に店出してないんすね」

店主「俺も若い頃は都会に出ようと思ってたがな。親父にここを継いでくれと言われちまって……すっぱり諦めたよ」

中華「……それも、料理人としての幸せってやつなのかな」


出された料理はすぐに平らげられた


怪盗「はぁ〜食べました」

狙撃少女「あの、この辺に観光できる所ってありませんか……?」

店主「>>下1」
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/03(水) 19:36:42.74 ID:d7y17p23o
こんな田舎に洒落たところなんてあるか
自然を感じるんだ自然を
672 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/04(木) 01:03:37.63 ID:g7m29p6+0
店主「こんな田舎に洒落たところなんてあるか」

男「ま、まぁ……」

店主「自然を感じるんだ自然を」


とりあえず店主のアドバイスに従って海辺にやってきた
海岸には冷たい波が打ちつけている


氷魔「……いい波……いい風ですね……」

やる気「なに言ってるんすか!?だいぶ寒いっすよ、ここ!」
673 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/04(木) 01:19:21.99 ID:g7m29p6+0
ぶりっ子「そうですねぇ……海水浴って感じじゃなさそうですしねぇ」


極北からの海流が海岸に届き、その冷気の一端を感じとれる


炎魔「私がその気になれば温水にだってできますよ!」

怪盗「まぁ、それは検討しましょうか」

狙撃少女「釣竿でもあればよかったのですが……」
674 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/04(木) 01:51:21.72 ID:g7m29p6+0
本日はここまでです
ありがとうございました
675 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/04(木) 19:35:05.38 ID:g7m29p6+0
潮風に吹かれて談話していると、
海からの贈り物がやってきた


男「おい、なんか漂着したぞ」

中華「なんだろ?」


それは近くの岩場に乗り上げ、返す波には乗れず留まることとなった


>>下1……漂着物の正体
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/04(木) 20:02:58.25 ID:lnbljYMDO
赤子を抱いた母親らしき女性
677 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 00:10:32.35 ID:8DseFwzx0
女性「ぅ……くっ……」

氷魔「……これは……!!」


岩場に打ち捨てられていたのは、
一人の女性と、彼女が抱える赤子だった
久しく感じていないタイプの緊張感が一行に走る


やる気「大丈夫っすか!?」


考えるよりも早く彼は跳び、両腕で二人を掬い上げた
678 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 00:27:45.07 ID:8DseFwzx0
赤子「ぁー……あぁー……」

ぶりっ子「まずい!赤ちゃんが弱ってます!」

怪盗「ミルク買ってきます!」


彼女は持ち前の身のこなしで風のように街へと戻っていった


炎魔「ここは、私の出番でしょうね!」


彼女は実体のない炎の翼を現出させると、
それで身を寄せ合う二つの命を包み込み、自分の体も密着させた
679 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 00:50:18.47 ID:8DseFwzx0
本日はここまでです
ありがとうございました
680 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 20:03:13.80 ID:EelV5oMvO
母親「はぁぁ……ふぅぅ……」

炎魔「よし!呼吸が安定してきています!」

狙撃少女「すごいです!……あなたがいなければ、相当生還率は下がっていたはず……」


岩場は休めるような環境ではないが、
それでも手を尽くしたことによって確実に回復していっている
681 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 20:08:19.98 ID:EelV5oMvO
怪盗「買ってきました!」


驚くべき速さで怪盗は戻ってきた
瓶に詰められたミルクと、魚の練り物で作られた団子を持っている


狙撃少女「食べさせながら街に戻りましょう!」


彼女は母親を負い、それを後ろから炎魔が暖め、残りのメンバーが手分けしながら買ってきたものを食べさせた
682 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 20:12:00.93 ID:EelV5oMvO
日の暮れないうちに宿まで辿り着き、
大きめの部屋を二つ取った
そして、そのうちの一つに全員が集まり、
母子を介抱していた


母親「……はっ!」

男「やった!目覚めた!」

母親「子供は……私の子供は!?」

中華「今は寝ています。お返ししましょう」


中華は安らかに寝息を立てる赤子を母に返した


母親「あぁ……よかった……!」
683 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/05(金) 20:15:03.29 ID:EelV5oMvO
そこでようやく母親の表情は和らいだ
子供を抱き、涙を流して微笑んでいる


氷魔「……どうにかなりましたね……」

やる気「喫緊の問題は解決したっすけど……」

母親「みなさん、ありがとうございます!なんとお礼を言えばいいのか……!」

ぶりっ子「お礼なんていりませんよぉ。それより、どうして海に流されてたんですかぁ?」

母親「>>下1」
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/05(金) 20:21:56.41 ID:j+sp6p8N0
大波で船がひっくり返ってしまいました
685 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/06(土) 04:20:50.10 ID:L1vF1jc40
母親「大波で船がひっくり返ってしまいました」

怪盗「ええっ!?」

狙撃少女「他にも流されている人がいるかもしれないということですね?」

母親「いえ……恐らく、その可能性は低いでしょう」


嫌な想像がよぎる
そして、それは事実となって突きつけられるのだ


男「まさか、作為的なものだったのか?」
686 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/06(土) 19:31:07.81 ID:aIQc9r9/O
すみません寝落ちしました


母親「はい……海中の怪物が、高波を使って船をひっくり返したのです」

中華「なんだって!?」


それは、これから極北に向かう自分たちにとっても無視できない情報だった
極寒の海に放り出されれば、
よほど幸運でなければ生きていられない


母親「夫は、私たちを守って身代わりに……」
687 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/06(土) 19:33:44.80 ID:aIQc9r9/O
涙ながらに語るその姿は非常に痛ましいものだった
彼女らには、生還を喜ぶこともできないのだ


氷魔「……大変不躾なお願いなのですが……」

母親「なんでしょうか……」

氷魔「……私たちとしても……その怪物の情報が必要です……なにか特徴など覚えていらっしゃれば……教えていただけたらと……」

母親「>>下1」
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 19:43:23.10 ID:Esoa8cx80
鯨の様な一角を持った怪物で、咄嗟に見た時は槍を持った人型がそばにいました
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/06(土) 19:46:22.23 ID:Q+P4YrvDO
巨大な手とハンマーしか見えませんでした……
690 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/07(日) 02:37:17.71 ID:+lNNMfTN0
母親「鯨の様な一角を持った怪物で、咄嗟に見た時は槍を持った人型がそばにいました」

ぶりっ子「……つまり、どういうことなんでしょう?」

怪盗「一角の怪物と、槍を持った人型のなにかがいるってことじゃないですか?」

狙撃少女「もしかしたら、変身しているのかもしれませんよ」

男「……ともかく、嫌なことを思い出させてしまった。忘れてくれ」
691 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/07(日) 03:15:53.86 ID:+lNNMfTN0
本日はここまでです
ありがとうございました
692 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/07(日) 19:42:32.37 ID:+lNNMfTN0
母親「いえ……お気になさらず」

中華「家はあるんですか?」

母親「はい、この港町にあります」

氷魔「……これから生きていくのは……困難が多いでしょうけれど……私たちも応援しています……」

母親「ありがとうございます。みなさん優しい方なので、この子の世話も、少しお願いしようと思っています……」


彼女は軽く赤ちゃんを撫でた
693 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/08(月) 03:17:32.02 ID:B3XV0AG60
それから一行はその母親を見送り、
宿屋の前に立っていた


やる気「さて、どうするっすか?海洋生物で、しかも魔獣っぽいっすよ」

ぶりっ子「この事故を港の機関が把握してないはずがありません。なにか手がかりを持っている可能性が高いですねぇ」

怪盗「そうですね、行ってみましょうか」

狙撃少女「そうですね……明日の便は欠航かもしれませんけど」
694 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/08(月) 03:22:04.89 ID:B3XV0AG60
本日はここまでです
ありがとうございました
695 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/08(月) 19:15:27.61 ID:B3XV0AG60
それから一行は港の管理局まで行き、
受付に問い合わせることにした


男「船が一隻転覆したそうだが、知っているか?」

局員「えぇ、明日の便の返金処理でしたら受け付けておりますよ」

男「……いや、いい。それより俺たちは見ての通り冒険者でな、どうにか奴を倒したい。情報が欲しいんだ」

局員「そういうことでしたら……少しお待ちください」
696 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/08(月) 21:25:29.18 ID:B3XV0AG60
その若い局員は、彼よりも年季が入っていそうな局員を連れてきた


中華「あなたは?」

副局長「副局長をやらせてもらっている」

氷魔「……呼ばれたということは……知っているのですか……?……あの魔獣とおぼしき存在について……」

副局長「>>下1」
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/08(月) 22:07:38.10 ID:FsJEXeoUO
少し前から討伐の役に立つだろうと、正体を調べていた。まだ情報は少ないが……亡霊に近い存在だということまでは分かった。
698 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/09(火) 01:56:30.91 ID:gUo7UbUC0
副局長「少し前から討伐の役に立つだろうと、正体を調べていた。まだ情報は少ないが……亡霊に近い存在だということまでは分かった。」

やる気「そうなんすか!?」

ぶりっ子「亡霊系の敵とはあまりやり合ったことないですよねぇ」

怪盗「聖水でもぶち撒けたい所ですが……海じゃ意味なさそうですね」

狙撃少女「スナイパーライフルなら、よほど深くに潜られない限り撃てますよ」


狙撃少女は自信ありげに語る


男「撃つといっても、亡霊だからな。当たらないんじゃ意味なくないか?」
699 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/09(火) 02:16:15.96 ID:gUo7UbUC0
本日はここまでです
ありがとうございました
700 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/09(火) 19:32:24.19 ID:gUo7UbUC0
狙撃少女「銀の弾丸、というやつですよ」

男「なるほど!それなら亡霊にも当たるだろうな」

中華「じゃあ、後はどう狙うかだね」

氷魔「……よほど高速で動き回られなければ……狙撃少女さんなら当てられそうですね……」

炎魔「じゃあ、私がそこだけ海を干上がらせる!」

やる気「できるんすか!?」

炎魔「……無理かも!」
701 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 02:39:34.30 ID:lPdiyE970
流石に不死鳥の力があるとはいえ、限界はあるようだ


男「でも、そのアイディアは実にいい感じだね」

ぶりっ子「おっ、アレですか?」

男「ああ、海を割ってやるしかないだろう。そうすれば動き回れはしまい」


明日の便への乗船がどれほどキャンセルされるのか、本当に出港するのかは怪しいが、人が乗り込めば乗り込むほど奇跡を行使する際の魔力の消費は押さえられる
702 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 02:49:08.09 ID:lPdiyE970
副局長「こりゃたまげた、そんなことができるのか」

男「これでもかってほど魔力使うので、かなり厳しい制約の下ですが」

炎魔「神降ろしだけじゃないんですね、できること」

男「奇跡を代行するだけだから、あの時よりはかなり魔力の消費は抑えられるんだ。それでも人間一人じゃ賄えないし、無理にやろうとすれば反動で死にかねない」


少女神の奇跡は規模こそ小さいものの、それでも一人で使うとしばらくまともに動けなくなるレベルの反動がある
海神の奇跡を一人で使えば、体が即座にバラバラになるだろう
703 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 03:38:20.83 ID:lPdiyE970
本日はここまでです
ありがとうございました
704 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/10(水) 18:39:06.89 ID:lPdiyE970
怪盗「じゃあ、人は欲しいですけど……」

男「明日の便を予約してはいるが、もしあの亡霊魔獣が出なければ、無理のない範囲で遅らせてくれても構わない」

副局長「それは……普通のお客様が乗るかによるね……」

狙撃少女「そうですね。実際、会わないに越したことはありませんから」


自分たちの意志を伝えた一行は、
再び宿へと帰ってきた
決して豪華ではない宿だが、潮風がほどよく入り、
田舎らしい温もりを感じる
705 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 01:28:18.57 ID:x6H4p7+t0
部屋は男女で分けられ、
バルコニーでそれぞれの部屋が繋がっていた


氷魔「……潮騒が……心地よいですね……」


バルコニーにはいくつかの椅子とテーブルが備え付けられており、ゆったり寛げる仕様だ


やる気「あっ、窓はなるべく閉めといたほうがいいっすよ」


男性部屋からやる気が顔を出して、忠告をする
706 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 01:31:37.96 ID:x6H4p7+t0
氷魔「……夜は冷えますからね……」


素直に窓を閉めて、椅子にかけ直す


やる気「金属製の武器使ってると、潮風で錆びちゃうんで、そっちっすね」

氷魔「……あぁ……私には盲点でしたね……」

男「お、夕陽が綺麗じゃないか」


二人が話しているのでふと窓辺を見た男が、
美しい夕暮れに気がついた
707 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 02:24:13.38 ID:x6H4p7+t0
本日はここまでです
ありがとうございました
708 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/11(木) 19:49:16.33 ID:x6H4p7+t0
談話する二人の脇を通って、
バルコニーの縁に腰かける


やる気「おセンチの時間っすか?」

男「ひっどい物言いじゃないか。実際そうだが」

氷魔「……ふふ……」


冷徹な海が太陽を呑み込んでいく


まだ夕食までは時間がありそうだ


>>下1……なにをする?
1.中華の料理を手伝う
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/11(木) 19:58:42.19 ID:bGJ4oMTm0
710 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/12(金) 01:31:01.96 ID:TvLG8Gzq0
バルコニーを通って、女子部屋を覗く
別に、特段目を見張るものがあるわけでもない
大部屋なら一緒に泊まるし、貴重な光景でもない


ぶりっ子「な〜に〜見〜て〜る〜ん〜で〜す〜か〜!!」

男「うおっ」

ぶりっ子「覗きじゃないですかぁ!しばき回しますよぉ!?」
711 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/12(金) 01:38:45.04 ID:TvLG8Gzq0
本日はここまでです
ありがとうございました
712 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/12(金) 19:35:47.60 ID:v4XafFORO
男「そう怒るなって、別に隠すものもないだろ?」

ぶりっ子「死にたいんですかぁ?」

男「……すまん」


どことなくバイオレンスな気配を感じて、
謝罪しておく


ぶりっ子「どうせ暇なんでしょう?」

男「ああ、暇だ」

ぶりっ子「じゃあ>>下1しませんかぁ?」
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/12(金) 20:39:28.03 ID:bjZWga+DO
肩もみ
714 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 01:29:07.55 ID:nk5yrz9t0
ぶりっ子「肩もみしませんかぁ?」

男「凝ってんの?」

ぶりっ子「そりゃあ凝りますよぉ、色々持ってますし、心労もありますしぃ」

男「本当かなぁ」


笑って受け流しながら、
男はぶりっ子の肩に手を当てた
よく効く場所とそうでない場所は人によってばらつきがあり、最初にもむ時は確認が必要なのだ


ぶりっ子「ひぅっ!?」
715 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 01:32:09.09 ID:nk5yrz9t0
両肩が盛大に跳ねる
感覚が崩れるのでやめてほしい所だ


男「どうした?」

ぶりっ子「す……すみません、なんかびっくりしちゃって」

男「あー、慣れてないんだな、マッサージはされるにも慣れがいるぞ」

ぶりっ子「そ、そうなんですねぇ……」

男「そうだ。マッサージで気持ちよくなってるご老人は、揉まれの道を何年もかけて極めたとすら言える」


そんなことを言いながら、
つぼになっていそうな場所を探り当てる
あとは押し込んでほぐすだけだ
716 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 02:39:06.47 ID:nk5yrz9t0
本日はここまでです
ありがとうございました
717 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 18:31:49.45 ID:6PxAexbtO
耐性がどの程度あるか分からないが、
強く押し込んでみる


ぶりっ子「ぎゃあっー!!」

男「怪鳥みたいな声出てんぞ」

ぶりっ子「誰のせいだと思ってんですかぁ!?もっと優しくしなさいよぉ!私はデリケートなんですよぉ!」

男「注文の多いやつめ……」


仕方ないので、もう少し力を抑えて揉んでみる
718 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/13(土) 19:31:31.60 ID:QPRM59LtO
ぶりっ子「あーそうです、そういう感じで……」


男はようやくぶりっ子の望む力加減を探し当て、
マッサージを続行する


男「ここにも極北にもマッサージや整体の店はないだろうし……そう考えると、俺っていいことしてるんじゃないか?」

ぶりっ子「じゃあみんなも揉みます?」

男「手ぇパンパンになるからやめとく」
719 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/14(日) 02:11:02.18 ID:XchPbpKP0
それからしばらくの間もみほぐし、
男はようやく手を休めた


ぶりっ子「終わりですかぁ?」

男「ああ……肩もみなんて何年ぶりだろうな。すぐ疲れるんだよ、これ」

ぶりっ子「まぁ、色々気を遣ってるのはなんとなく分かりましたよぉ」

男「マッサージ師が一番マッサージ師を求めてる、なんて話もあるしな……俺はそこまで高尚な肩もみはできんが」
720 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/14(日) 02:19:36.97 ID:XchPbpKP0
本日はここまでです
ありがとうございました
721 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/14(日) 19:21:43.67 ID:XchPbpKP0
それから夕食の時間になった
あまり魚料理は作らない中華だが、
今日はやたら豪快な魚料理を出した


怪盗「な、なんか……派手ですね?」

中華「香辛料もたくさん使うし、魚もほぼ全部の部位を食べられるようにしてあるんだ」

狙撃少女「すごいですね……スパイスの香りが強烈で、よだれが出ます」
722 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 03:46:09.26 ID:yY/7+fEB0
この街の特色に、水が安いというものがある
口内の辛味を流すためにいくらでも水を飲めるため、
中華は特に辛味の強い料理を提供したのだ


炎魔「ぎゃーっ!辛いっ!」

男「すげぇ!辛みで火吹いてる奴初めて見た!」


炎魔は驚異的な辛さに耐えきれなかったようだ
彼女は本当に炎を扱える生命体なので、
口から火柱が出ている
723 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 03:54:40.27 ID:yY/7+fEB0
本日はここまでです
ありがとうございました
724 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 19:41:04.53 ID:yY/7+fEB0
一行は辛みと格闘しながら、魚料理を食べ終えた


炎魔「お腹がちゃぽちゃぽです」

中華「炎魔さんには辛すぎたみたいだね、今度からはもっと抑えるよ」

氷魔「……舌が灼けるようでしたね……」

やる気「俺っちは結構好きっすよ、これ」

ぶりっ子「私もですねぇ、むしろこれくらいが丁度いいですぅ」
725 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/15(月) 20:25:46.41 ID:yY/7+fEB0
中華がいろいろと聞き取りをして、
細かいメモ書きを作成しつつ、夕食の時間は終わった


怪盗「ヘルシーでよかったですね」

狙撃少女「こんなに辛いものを食べたのは初めてです」


まだ就寝までは時間がある


>>下1……なにをする?
1.中華の後片付けを手伝う
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.自由安価
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/15(月) 20:41:19.12 ID:W1WsUpGfo
7
727 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/16(火) 02:03:37.46 ID:zyHLa4FQ0
辛いものを食べると体が熱くなるのはよくある話だ
男もその例に漏れず、
火照りを冷まそうとバルコニーへ出たのだ


男「あちー……」

炎魔「あっ、男さん」

男「おお、炎魔。もう元気か?」

炎魔「ええ、この通り!」


彼女は炎の翼を広げてバルコニーの外に浮かんでいた
728 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/16(火) 02:07:47.77 ID:zyHLa4FQ0
本日はここまでです
ありがとうございました
729 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/16(火) 19:20:28.67 ID:zyHLa4FQ0
男「便利な体してるよなー」

炎魔「おかげさまで」

男「よせって。それより、極北に行ったらフェニックスに会えるぞ」

炎魔「実質、お父さんみたいなものですよね」

男「そうか……?」

炎魔「もし会えたら、>>下1」
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/16(火) 20:57:05.34 ID:mYnkQK/io
火力勝負、です!
731 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 01:11:12.43 ID:Ip5uvH9j0
炎魔「火力勝負、です!」


そう言って彼女は右手を突き出し、
炎をそこから迸らせて見せた
それは花火のように美しく、
生命の営みのように豪胆だった


男「はは、いいね」

炎魔「冗談だと思ってませんかー?」

男「まさか、俺はいつでも本気さ。もしギャンブルだったら、君に賭けよう」
732 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 02:13:29.79 ID:Ip5uvH9j0
炎魔「疑いはないんですか?」

男「炎魔は誰より無垢で無邪気だけど、やると言ったことはやる、そういう雰囲気がある」

炎魔「有言実行の女、というわけですね!」

男「そうだね。人間としては俺なんかと比べ物にならないほど若いし、伸び代がいくらでもある」

炎魔「……どっかで突き放してください!ひたすら褒められると恥ずかしいです!」
733 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 03:14:03.82 ID:Ip5uvH9j0
本日はここまでです
ありがとうございました
734 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/17(水) 19:03:46.88 ID:Ip5uvH9j0
男「人は褒めて伸ばすタイプなんだ」

炎魔「んんーっ……!」


炎魔は空中で全身を限界まで張り詰めさせている


男「本当に伸びそうだからやめなさい!」

炎魔「楽しそうじゃないですか?褒められたら物理的に伸びて『私褒められると伸びるタイプなんです』って言うの」

男「妖怪だよそれ……」
735 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 01:19:31.92 ID:bK8BsgT50
可憐で荘厳な少女のままでいて欲しいというエゴから、男は炎魔の奇行を止めた


炎魔「……覚悟、決めなきゃですね!」

男「そうだな……」

炎魔「もし私が挫けたら、そのときはよろしくお願いします!」


炎魔は相変わらずの笑顔で告げたが、
その裏には太陽のように眩しい彼女の黒点が見えた
736 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 01:55:58.75 ID:bK8BsgT50
本日はここまでです
ありがとうございました
737 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 19:49:52.00 ID:bK8BsgT50
そして彼女は滑空しながら女子部屋に消えていった
男は夜風の只中に残されて、
数分月を見上げてから部屋に戻り、眠った


〜翌日・陽週月曜日〜


男「……ん、船が出るまであとどのくらい?」

中華「あと一時間強ある。のんびりいけるよ」

氷魔「……ぼちぼち……チェックアウトの準備をしましょうか……」
738 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/18(木) 21:04:57.46 ID:bK8BsgT50
チェックアウトを済ませ、
だいぶ早めに港の管理局までやってきた


やる気「局員さーん」

局員「どうなさいましたか?」

やる気「今日の極北行きの便、俺っちら以外に何人ぐらいお客が乗るんすか?」

局員「そうですね、>>下1」
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/18(木) 21:11:23.73 ID:cm6BwkOgo
1人でもいたら珍しい方ですよ
740 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/19(金) 02:40:17.64 ID:W4NjL+AD0
局員「1人でもいたら珍しい方ですよ」

ぶりっ子「そりゃ都合がいいですねぇ」


当然といえば当然のことである
この港町がただでさえ辺鄙極まりないのに、
もはやほぼ未開の地である極北に向かおうとする者などほぼいないだろう


局員「みなさんのような物好きの冒険者がいなければ、乗船券も売ってなかったでしょうね」
741 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/19(金) 02:51:39.97 ID:W4NjL+AD0
本日はここまでです
ありがとうございました
742 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/19(金) 18:59:07.28 ID:j9VvFcjAO
乗船だけなら既にできると局員が言ったため、
一行はそのまま船に乗り込んだ


怪盗「甲板は冷えますねー……」


容赦のない北風に鳥肌が立つ
しかし、乗組員たちは寒さなど恐れず出航の準備をしていた


狙撃少女「そうですね。……おや」
743 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 00:32:29.69 ID:UL9gXH/p0
規律正しく動く乗組員たちに指示を飛ばす者がいた
それは、つい先日会った副局長だった


男「副局長さん。他のお客さんはいなさそうですね?」

副局長「幸か不幸かな」

男「よかったと思っていただけるよう頑張るのが我々の仕事です」

副局長「では、報酬のことでも考えるとするかな」

男「あれば嬉しいですが……まぁ、なくても構いません。人のためにやることなので」
744 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 03:00:39.71 ID:UL9gXH/p0
忙しそうなので世間話はせず切り上げて、
与えられた船室に向かうことにした
それぞれに個室が割り当てられており、
どれも明らかに広めだ


中華「大きな船でよかった」


中華のように、早速部屋でくつろぐ者もいれば、


やる気「つっても、なんもないっすねー……部屋」


やる気のように、船室を荷物置きとしか思っていない者もいた
745 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 03:03:47.60 ID:UL9gXH/p0
本日はここまでです
ありがとうございました
746 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 20:12:12.44 ID:Rxj7lDVgO
すみません遅れました


氷魔「……ふぅ……」


甲板では氷魔が本を読んでいた
高い船なので、濡れる心配はまったくない


男「この寒いのに、よくもまぁ甲板で……」

氷魔「……丁度いいと思っているのですが……」
747 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/20(土) 21:25:58.71 ID:UL9gXH/p0
狙撃少女「………………」

男「……?」


一方、狙撃少女はただ水平線を見て立ち尽くしていた


やる気「なにしてんすか?」

狙撃少女「遠くを見ています。……そうすると、視力がよくなるらしいですよ」

男「まぁ、そういう話もあるが……」


なにもない水平線で効果があるのかは疑問だった
そんなことを話しているうちに出航の用意が整い、船は水をかき分け、極北に進み始めた


>>下1……極北に着くまでに一角の亡霊に出会えたか
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/21(日) 00:46:12.63 ID:R+5ePhWDO
出会えた
749 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/21(日) 03:40:32.03 ID:wzXngSKi0
寒さはどんどん激しくなり、
甲板に出ていたメンバーも氷魔以外は震えることも多くなり始めた頃
突如として船が大きく揺れた


氷魔「……おおっと……これは……!」

中華「出たのかいっ!?」


中華や冷え性の女性陣、
そしてどこにいたのか炎魔も船内から飛び出してきた


やる気「……いるっす!」
750 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/21(日) 04:12:06.24 ID:wzXngSKi0
本日はここまでです
ありがとうございました
751 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/21(日) 19:49:30.47 ID:wzXngSKi0
海を見れば、巨大な一角を持った鯨のような存在が船を角で突き刺そうとしている
一度揺れたことを考えると、
この船は少なくとも一発はそれを耐えているということである


ぶりっ子「で、でかすぎませんかぁ!?」

男「水から出せば、ただの魚だッ!船員の皆さん、海神様に祈ってください!」


男が呼び掛けると祈ろうとする者もいたし、
パニックでそれどころではない者もいた
752 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/22(月) 01:52:25.24 ID:EwQFZFBW0
副局長「ひるむなっ、みんな!祈るんだ!」


やはり、見ず知らずの冒険者が言うよりも慣れ親しんだ上司が言うほうが耳に届く
慌てふためきなにもできないでいた船員たちも、みな祈り始めた


怪盗「さっすがー!」

狙撃少女「……さぁ、私たちも祈りましょう」

炎魔「そうですね!」
753 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/22(月) 03:41:23.64 ID:EwQFZFBW0
本日はここまでです
ありがとうございました
754 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/22(月) 19:11:09.11 ID:EwQFZFBW0
男が精神を統一し、目を見開く
その背後には、既に海神のビジョンが浮かんでいた


男「『海割りの奇跡』ッ!!」


念を亡霊に叩きつけるように叫ぶ
するとたちまちそこから海が二つに割けていく


狙撃少女「いきますよっ!」

炎魔「がってん承知ー!」
755 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 00:24:18.13 ID:KgPu91mz0
船のへりに狙撃少女は脚をかけ、
そのまま中空に身を投げ出す


狙撃少女「的が大きくて助かりますね!」


そのままスナイパーライフルで銀の弾丸を撃ち込み、
巨大な亡霊に命中させる


一角「オォォォォォ……!!」


それは大気を震わせる唸りを上げ、苦しむ
756 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 00:28:54.55 ID:KgPu91mz0
炎魔「よっと……!ライフルおっもいですね!?」

狙撃少女「性能とトレードオフです。それより、ちゃんと支えておいてくださいねっ!」


割られた海の間に吸い込まれていくように落下する鯨のような亡霊は、
銀の弾丸を避ける為に人型に変貌した
一方の狙撃少女は浮遊する炎魔に負われた体勢のまま、
構わずライフルのリロードをしていた



中華「やはり、的を小さくしてきたね!」

757 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 00:32:25.10 ID:KgPu91mz0
狙撃少女「このライフルの前では、視認に足る体躯であれば誤差に過ぎません」


お世辞にも安定感があるとは言えない少女の上で、
彼女は落下する人間大の的に狙いを定める


炎魔「さぁ、やっちゃってください!」

狙撃少女「はい!……そこですっ!」


彼女が放った弾丸は、あらゆる悪条件を貫通し、
人型の亡霊を貫いた


氷魔「……素晴らしい……!」
758 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 01:23:46.62 ID:KgPu91mz0
本日はここまでです
ありがとうございました
759 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/23(火) 19:32:31.39 ID:KgPu91mz0
男「よし、降りるぞ!海神サマ、頼みます!」

海神「はーい」


船の下の海もゆっくりと割れて、海底に着く
そこでは二発の弾丸を食らった亡霊が槍を持って苦しんでいた


亡霊「ォ……ォォ……!」

男「やい亡霊野郎!なんだって船を襲うんだ!?」

亡霊「>>下1」
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/23(火) 19:49:15.74 ID:XtAEZk2DO
不幸な運命になる魂に……死という安らぎを与える為に……
761 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/24(水) 02:05:17.90 ID:mvTB66VX0
亡霊「不幸な運命になる魂に……死という安らぎを与える為に……」

やる気「不幸?冗談きついっすね、うちはラッキーで生きてるんすよ」

亡霊「どうだろうな……私には……お前たちから死臭すら感じるぞ……」

ぶりっ子「ええっ!?」

亡霊「ここで死ねば……魂は海に還る……邪悪なる者と対峙するということは……魂すらも煉獄に焼かれる覚悟がいる……」
762 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/24(水) 02:42:26.36 ID:mvTB66VX0
本日はここまでです
ありがとうございました
763 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/24(水) 19:27:29.11 ID:mvTB66VX0
男「……だったらなんだと言うんだ」

亡霊「今のうちに死んでおくべきだ……」


そう言ってゆらゆらと立ち上がろうとする亡霊だったが、そこに炎魔が飛び掛かった


炎魔「おおっと、そりゃいけませんね!」

怪盗「ナイスです!」
764 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 02:12:45.61 ID:sqBnJBZS0
海神「……私がなにかするまでもなさそうですね」


炎魔に続いて臨戦態勢になっていた海神だが、
その警戒を解いたようだ
心配なので男もなにかしようと考えたが、
海神の様子を見てそれをやめている


亡霊「あ……暖かい……」

炎魔「そうです!あなたがずっといた深海に、こんな暖かさはないはずです……」

亡霊「私は……私はっ……」
765 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 02:17:53.56 ID:sqBnJBZS0
切なげな表情を浮かべる亡霊に、
炎魔は慈母のごとく寄り添った


炎魔「他者を殺めてまで頑張る必要はありません……あなたにも、救いは必要です」

亡霊「私が……導かねば……」

炎魔「思い出してください。……あなたも、導かれるべき存在です」

亡霊「………………」

炎魔「海面は、陽光に照らされて輝くのです……悲しみの底から抜け出して、父なる海に還りましょう……」


そう囁かれると、亡霊はゆっくりと、
溶けるように、消えていった
いつでもわんぱく少女のようだったはずの炎魔の顔と声には、
司書の紛い物だったときのような思慮深さが滲んでいた
766 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 03:01:25.75 ID:sqBnJBZS0
本日はここまでです
ありがとうございました
767 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/25(木) 19:19:20.47 ID:sqBnJBZS0
狙撃少女「……消えていった……」

海神「ううむ、やっぱり私の見込んだ通りでしたなぁ〜」


誰に吹き込まれたのか、
珍妙な口振りで海神は語り、頷く


男「なんかしましたっけ」

海神「私の眷属になれば人間の感覚あげるって話です。もしあの子が眷属だったならなぁ〜!私の格も爆上がりってもんですよ」

男「……なんか、似てるしな」
768 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 00:19:46.14 ID:ZXS7gX8g0
海神「あぁ……確かにそうかも?でも、前に会ったときとはすっかり変わっちゃいましたね」

男「根っこの所は変わってないみたいだけどね。今、海神サマも見たでしょ?」

海神「うーん、なおのこと口惜しい……」


男は久しぶりに実体化した海神としばらく話し、
それから船を海上に戻してもらった


中華「いやぁ、どうにかなったね」

氷魔「……この船……凄まじく頑丈ですね……」
769 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 00:38:10.01 ID:ZXS7gX8g0
本日はここまでです
ありがとうございました
770 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 19:19:28.87 ID:ZXS7gX8g0
そして、ついに一行は極北へと辿り着く
船は流氷を砕き、堅い凍土の上に作られた港へ接岸する


やる気「ついに来たっすね!」

ぶりっ子「防寒具……なんで買ってこなかったんでしょう……」

怪盗「私も同じ気持ちです……」


ぶりっ子と怪盗は寒さに震えている
771 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/26(金) 19:23:53.27 ID:ZXS7gX8g0
乗組員たちは積荷を降ろし、逆にいくつかの物資は港から船に運び込まれていく


狙撃少女「そういえば……向こうとこちらをわざわざ行き帰りしているのならば、理由があるはずですね」

男「ああ、やはりあの積み込まれていく箱じゃないか?」


話していると、近くに副局長が見えた
どうやって淹れたのか、コーヒーを飲んでリラックスしている


狙撃少女「副局長さん、あの港から積み込まれているものはなんでしょうか?」

副局長「>>下1」
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/26(金) 20:47:44.53 ID:8TEkQYI0o
溶けない氷さ
773 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 02:13:41.43 ID:AUnxxG140
副局長「溶けない氷さ」

中華「えっ、そんなのあるの?」


食材の冷蔵に利用したいので、
中華はそれに非常に反応した


副局長「ああ、極北で取れる……特殊な魔力を含んだ氷なんだ」

男「確かに、中華みたいな人は欲しがりそうだし、値段が付きそうだ」
774 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 02:14:42.70 ID:AUnxxG140
本日はここまでです
ありがとうございました
775 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 19:03:44.36 ID:AUnxxG140
それから、一行は港にやってきた
先ほどまでいた街は、鄙びてこそいたものの、
まだ街らしさがあったといえる
だが、この港にはキャンプのようなものがいくつか用意されているだけだ


氷魔「……基地……といった感じですね……」

やる気「そっすねー……でも、探査とかしてる人多そうっすし、色々聞けそうっすね」
776 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/27(土) 19:54:12.82 ID:AUnxxG140
それらのキャンプ地の中に踏み込むと、
防寒具を着て作業をしている人が何人かいた


ぶりっ子「すみませぇん、お時間いいですかぁ?」

隊員「……ん、冒険者か。寒そうな身なりをしているな」

ぶりっ子「そうですねぇ、冷え性なので困りますぅ」

怪盗「私たち、不死鳥を探して極北まで来たんです。どこにいるか知りませんか?」

隊員「>>下1」
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/07/27(土) 20:16:17.84 ID:pT38vo2m0
極南にいるらしいよ
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/27(土) 20:18:49.46 ID:l54jRw7x0
「ハハっ、そんな伝説上の生物は流石の此処でもお目にかからないよ。いたとしてもこの周辺にある泉や海底の奥深く迄探して見ないとね」
779 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 00:57:40.78 ID:IUEvGzV40
隊員「極南にいるらしいよ」

狙撃少女「……へ?」

隊員「いやぁ、確かに極北にいるって言い伝えはあるけど……火の鳥なんだから、北より南にいるほうがそれらしいでしょ」

男「……極南は、寒くないんですか?」

隊員「いや、寒いよ。だって極北の隣だし」

男「え?ええ?世界が球形だとしたら、ちょうど一番遠いんじゃないのか?」

隊員「そうか、世界地図ってあんまメジャーじゃないのか」
780 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 01:10:07.15 ID:IUEvGzV40
本日はここまでです
ありがとうございました
781 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 19:07:02.38 ID:IUEvGzV40
彼は寛大にも一つのドーム状の拠点に一行を案内し、世界地図を見せた


中華「これが……」

隊員「世界地図と呼ばれるものはいくつもあって、眉唾物な地理が記載されたものも多いんだけど……実測した感じ、これが一番もっともらしいよ」


男にとって奇妙だったのは、
世界がやけに細長いことである
相当縦長のスクロールが、地図としてそこにはあったのだ
782 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/28(日) 19:10:47.25 ID:IUEvGzV40
男「なんか……縦長?」

隊員「我々の認識では、世界はこのようになっている」


彼は、地球儀に相当するそれを私物の棚から取り出した
この世界でなんと呼ばれているかは分からないが、
男の知る限りそれは『メビウスの輪』だった


男「細長い世界が、ループしているということですね?」

隊員「基本的には、そうだね。……なんか、特定の位置から特定の場所に踏み入るとか、特別な儀式を使うとか……胡散臭いけど、そういう方法で環状世界の外に出られるって話もあるよ」
783 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/29(月) 01:50:24.15 ID:DRFJLIqO0
氷魔「……このような形状ならば……極北と極南は……隣り合っていてもおかしくはありませんね……」

隊員「そうだね、でも注意すべきことがいくつかある」


指を立て、注意を促してきた


やる気「なんすか?やっぱ過酷なんすか?」

隊員「それが一つだ。いくら冒険者とはいえ、正気とは思えない行為だな。……次に、極北と極南の境界についてだ」
784 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/29(月) 02:10:36.30 ID:DRFJLIqO0
本日はここまでです
ありがとうございました
785 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/29(月) 19:19:32.19 ID:DRFJLIqO0
ぶりっ子「なんかあるんですかぁ?」

隊員「さっき言った、『特定の位置』があるんだ」

怪盗「はぁ」

隊員「どこからかは分からないが、境界を特定の座標からまたぐと、異界に飛んでしまう」

狙撃少女「よく知ってますね……」

隊員「こんなとこの調査に来るのはよっぽどの地理オタクだけだからね」

炎魔「では、その異界とはどんな場所なのか分かりますか?」

隊員「>>下1」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/29(月) 19:51:37.47 ID:B6MLDo/6o
見た目はあまり変わらないが、一歩歩けば百歩先に進んでたり、一時間たったと思っても一分しか時間が過ぎてなかったりする
787 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 03:08:56.28 ID:bJsSWgf40
隊員「見た目はあまり変わらないが、一歩歩けば百歩先に進んでたり、一時間たったと思っても一分しか時間が過ぎてなかったりする」

男「迷い込んだら終わりか……?」

隊員「かもね。生還した人がいるから言い伝えがあるけれど、逆に言えば、その生還者以外は消えたってことだし」


彼は笑って言う
マニアには、得意分野の話ともなれば過激になるものと、彼のようにいやに淡々となるものがいる
788 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 03:24:28.32 ID:bJsSWgf40
本日はここまでです
ありがとうございました
789 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 03:57:44.63 ID:bJsSWgf40
本日はここまでです
ありがとうございました
790 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/30(火) 19:12:08.43 ID:bJsSWgf40
中華「あの、まったく関係ない質問なんですけど」

隊員「うん?」

中華「僕、料理人なんですよ。極北ではみなさん、なにを食べているんですか?」


隊員の男性は、ゴミ箱を指した
日持ちする乾燥肉が入っている


隊員「持ってきた保存食を食べることが多いねぇ……でも、ここで食べ物を獲得することもあるよ」

中華「へぇ、なにをとるんですか?」

隊員「>>下1」
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/30(火) 19:17:23.12 ID:GqY5Nmkio
海を泳ぐ鳥かな
792 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 02:12:56.91 ID:mKoVfQvB0
隊員「海を泳ぐ鳥かな」

氷魔「……ペンギンでしょうか……」

隊員「あぁ……そう思うよね。実は違うんだ」


基地にある黒板に、
彼は魚と鳥の中間とも呼べる存在を描き出した
奇妙なことに、爬虫類らしさはまったくなかった


やる気「なんすか、その生き物」

隊員「『シガイチョウ』だね。死んでるんじゃないかと思うほど痩せてるからみんなそう呼んでる」
793 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 02:35:42.64 ID:mKoVfQvB0
ぶりっ子「可食部なさそ〜」

隊員「確かに量はないけど、栄養は詰まってる。消化がゆっくりで、腹の中にあるものによっては、化学反応でちょっとおいしくなってたりするよ」


一行はそうした説明を受け、隊員に礼を言ってから、
極北のさらに北へ進まんとした
しかし、外に出るともう夕方だった


怪盗「寝床探さないとまずいよ!」

狙撃少女「そもそも、宿なんてあるのでしょうか……?」
794 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 03:18:08.58 ID:mKoVfQvB0
本日はここまでです
ありがとうございました
795 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/07/31(水) 19:03:07.72 ID:mKoVfQvB0
男「すみません」


男はまたも近くを歩いている人間に声をかけた


女性「はい?」

中華「僕たち、どこか泊まれる場所を探しているんです。極北に来るのは初めてで……」

女性「あぁ……>>下1」
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/07/31(水) 19:15:40.45 ID:47ynrCLDO
巨大なかまくら式の宿屋ならあるよ
797 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 01:59:55.16 ID:bssqUmWI0
女性「巨大なかまくら式の宿屋ならあるよ」


彼女はやや遠くにある、大きな建造物を指した
確かにかまくらの形をしている


氷魔「……あれ……宿屋だったんですね……」

やる気「雰囲気があっていいじゃないっすか!」

ぶりっ子「ってことは、あれ全部雪で出来てるんですかぁ!?」

女性「そうだね。溶けないもん」
798 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 02:02:34.67 ID:bssqUmWI0
一行は女性にも感謝を告げ、
宿屋に向かって氷と雪の道を歩き始めた


炎魔「むむむ……むむ……」

怪盗「なにしてるんですか?」

炎魔「精神統一です。宿でもし私の心が不意に昂ったら、かまくらが溶けちゃうかもしれないので……」

狙撃少女「確かにそうですね。でも、炎魔さんって精神統一とかしても興奮するイメージがありますよ」

炎魔「そうですか?じゃあ、面倒ですし自然体で行きますか!」
799 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 02:09:07.52 ID:bssqUmWI0
本日はここまでです
ありがとうございました
800 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/01(木) 19:24:14.82 ID:bssqUmWI0
宿に着くと、そこが巨大なドームの中にくつろぐスペースや睡眠用のスペースがあるという奇妙な形態の宿であることが分かった


看板娘「まさか、ご宿泊ですか!?」


一行が入ると、ファッショナブルなもこもこの防寒具を身に付けた看板娘が現れた


男「そのまさかだけど、なんかまずいかな?」

看板娘「いえ、そういうことではなく……珍しいことに、本日はもう一組お客様が来ていて……たまに一組宿泊される程度なので、珍しくて」

中華「そうなんだ。どんな人たちなんだい?」

看板娘「>>下1」
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/01(木) 19:58:52.77 ID:lpFj4YWDO
それが明らかに大人の保護者のいない子供達の集団で……

相場の十倍のお金を出されたうえに、場所が場所だけに野宿させる訳にもいかないので断りきれずに……
802 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 02:29:08.92 ID:wi9oasYy0
看板娘「それが明らかに大人の保護者のいない子供達の集団で……」

氷魔「……え……それはまずくないですか……」

やる気「そっすね、なんか泊められる制度とかあるんすか?」

看板娘「相場の十倍のお金を出されたうえに、場所が場所だけに野宿させる訳にもいかないので断りきれずに……」


看板娘は眉をへにゃりと曲げてやるせなさを醸している


ぶりっ子「えぇ……?」

怪盗「不思議ですね……私たちは今日の船で大陸から来ましたが、子供は乗ってませんでしたよ?」
803 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 02:31:59.74 ID:wi9oasYy0
看板娘「そうなんですか!?」

狙撃少女「まず間違いなく、極北から来ているようですね」

炎魔「でも、たくさんお金出したんでしょ?ってことは魔物とかじゃない可能性が高いよね」

男「なんか衝撃与えるとかして、お金が実は雪玉でした……とかじゃなければ、まぁそうなるな」

中華「……さっき調査の隊員が話してたことが引っ掛かるなぁ。異界と関係があるのかも?」
804 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 02:38:57.48 ID:wi9oasYy0
本日はここまでです
ありがとうございました
805 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 19:11:36.94 ID:wi9oasYy0
耳をすませば、
かまくらの奥から子供たちの声が聞こえてくる


看板娘「私どもとしても、お客様を疑いたくはないのですが……」

氷魔「……えぇ……少なくとも……あなたがたから彼らに干渉するのは好ましくありませんね……」

やる気「そういう訳で、俺っちらが調べてやるっすよ」

看板娘「ありがとうございます!」


そして、一行はこれからどうするかの作戦会議を始めた


>>下1……これからの対応
1.子供たちに突撃して話を聞く
2.払われたお金の真贋を確認する
3.一旦外に出て極北の人々に聞き込みをする
4.自由安価
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/02(金) 19:54:12.27 ID:tO/AN1kDO
1
807 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 23:40:30.76 ID:wi9oasYy0
炎魔「じゃあ行きましょう!」

ぶりっ子「ちょっとぉ!?」


炎魔は迷うことなく宿の奥へと飛んでいった


怪盗「ど……どうします?」

男「……もう行くしかなくね?行くべ」

狙撃少女「あ……はい」
808 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/02(金) 23:46:37.36 ID:wi9oasYy0
炎魔を追いかけていくと、
二人の子供と戯れているのが見えた
『子供の集団』と看板娘は言っていたため、
そこにいるのが全員ではないと考えられる


少女「そりゃっ!」

炎魔「はーっはっはっは!甘い甘い!」

少年「わー!すごーい!」


少女が次々と投げつける雪玉を、
飛行しつつ回転しながら華麗に避けている
809 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/03(土) 03:06:06.54 ID:rm8sT4zs0
本日はここまでです
ありがとうございました
810 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/03(土) 19:36:55.91 ID:rm8sT4zs0
中華「早速楽しんでる……」

氷魔「……子供の相手は……得意そうですもんね……」


炎魔は空中で大きく体を捻ると、そのまま着地した


少女「チャンス!」

炎魔「いよっ……捕まえましたー!」


目ざとく投げられた雪玉をサイドステップで躱し、
そのまま少女の後ろに回り込んで抱きすくめる


少女「ぐえー……」

少年「足も速いんだね!」
811 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/03(土) 20:46:12.18 ID:rm8sT4zs0
やる気「いやーお見事っすね」

炎魔「あっ、みなさん来たんですね」

少女「友達?」

炎魔「そうだよ」

少年「よろしくおねがいします……」


少年は控えめなタイプらしく、
恐る恐る挨拶をしている


ぶりっ子「よくできた子ですねぇ」

怪盗「みんなはどこから来たの?」

少女「>>下1」
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/03(土) 21:54:42.43 ID:ozPRtZ3DO
私たち極東と呼ばれる地域から来たの
近所の古寺の近くにある洞窟で皆で肝試しをしていたら気がついたらここにいたの
813 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/04(日) 03:01:04.49 ID:Bz/1D/Si0
本日はここまでです
ありがとうございました
814 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/04(日) 19:44:39.24 ID:Bz/1D/Si0
少女「私たち極東と呼ばれる地域から来たの」

狙撃少女「極東……?そんな所あるんですね」

少女「近所の古寺の近くにある洞窟で皆で肝試しをしていたら気がついたらここにいたの」

男「えぇっ!?なんてこった!」

少女「もう寒くて寒くて……家もどこか分からないし、困っちゃった」
815 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/04(日) 20:10:10.05 ID:Bz/1D/Si0
中華「ど……どうしよう?何者なのかはのく分かったけど」

氷魔「……このことは……報告すべきですね……」


一旦少年少女に別れを告げ、
あっという間に看板娘の所まで出戻りした


やる気「とりあえず、一番重要なことは分かったっす」

看板娘「そうなんですか!?」
816 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/05(月) 02:08:41.97 ID:0Rt2n9N80
やる気「どうやらあの子ら、遠くから瞬間移動的な方法ですっ飛ばされてきちゃったらしいっす」

看板娘「よりにもよって、極北までですか……」

ぶりっ子「困りましたよねぇ」

看板娘「しかし、なにか企みがあるわけではなさそうですね。そこは安心です」

炎魔「はい!一緒に遊んだこの私が保証します!」


炎魔は胸を叩いて鼻息を荒くしている
817 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/05(月) 02:24:52.29 ID:0Rt2n9N80
本日はここまでです
ありがとうございました
818 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/05(月) 19:29:22.77 ID:0Rt2n9N80
報告を終える頃、
出掛けていた宿屋の主人が帰宅してきた


主人「……ん?今日は二組目も来たのか」

看板娘「それより……あの子供たちの正体が分かったんです」

主人「そうか、なんだって?」

怪盗「どうも、テレポートしてきちゃったらしいですよ?極東っていうとこから……極東ってどういうとこか知ってますか?」

主人「>>下1」
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/05(月) 22:21:38.90 ID:w361S0PDO
自然と調和した独特の文化な地域というぐらいしか知らないな
820 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/06(火) 03:57:46.30 ID:HlWg6SaT0
主人「自然と調和した独特の文化な地域というぐらいしか知らないな」

狙撃少女「へぇ……そういう感じなんですね」

男「だが、あいつらをどうするかという問題は残ったままなんだよな……」

主人「気にすんな、うちで面倒見るさ。金はかなり貰ったし、次の定期便が来るまでは預かってやらんとな」

中華「太っ腹だね」

主人「どうせ客なんぞほとんど来ねぇんだ、話し相手が増えて得したぜ」
821 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/06(火) 04:00:25.43 ID:HlWg6SaT0
そう言って主人は裏手に去っていった
一行も自分たちが泊まる巨大かまくらの一角に集まり、寛ぎはじめた


氷魔「……落ち着きますね……かまくらは……」

やる気「雪の中とは思えないほど暖かいっすね」


遠くから響く子供の笑い声を聞きながら、
雪の上でただリラックスする時間は、
童心を思い出させてくれるだろう
822 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/06(火) 19:52:08.28 ID:HlWg6SaT0
すみません寝落ちしました


中華「しまった、ここじゃ料理できない」

ぶりっ子「ま、じきに夕飯も運ばれてきますよぉ」

怪盗「かまくらが溶けたら終わりですからね」


まだ夕食までは時間がありそうだ


>>下1……なにをする?
1.中華と話す
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
8.凍てつく波動の魔導書を読む(誰が読むかも)
9.子供たちに会いに行く
10.自由安価
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/06(火) 20:18:13.80 ID:09O9kBtDO
9
824 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/07(水) 02:19:09.62 ID:QrCWDg7G0
男は子供たちの様子でも見に行こうかと考え、
巨大なかまくらの中を歩き出した


男「……?」


しばらくすると、楽器の音が聞こえてきた
これがなんなのか男は知っていた
それは、篠笛の音色なのだ


篠笛少年「……ふぅ」


それを吹いていた少年の元に辿り着くころ、
丁度彼は演奏に区切りをつけた
825 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/07(水) 02:22:31.11 ID:QrCWDg7G0
男「……篠笛吹ける子供なんて、初めて見たな」

篠笛少年「そうですか?」


謙遜の態度ではない
彼の知り合いにも篠笛が吹ける者がいるのだろう


男「そうとも。しかしなぜ一人なんだ?」

篠笛少年「一人も好きなので。……それに、ここはよく音が響きます。楽器をやるにはいい場所ですから」

男「確かにそうだな。……俺もなんか持ってりゃよかったなぁ」
826 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/07(水) 02:25:49.40 ID:QrCWDg7G0
本日はここまでです
ありがとうございました
827 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/07(水) 18:19:34.34 ID:QrCWDg7G0
篠笛少年「歌ってはいかがですか?」

男「なんか恥ずかしいからやめとくわ」

篠笛少年「そうですか……」


少し残念そうな少年を尻目に、かまくらを歩く
かまくらの中にいくつものかまくらがあり、
それらを巡っていくだけでも楽しい


少女「っ!」

男「え……?」


遠くに一人の女の子が見えたかと思えば、
こちらに向かって突如走ってきた
魔物ではないので、
臨戦態勢をとるべきか男は迷っている
そうしているうちに、少女は走りながら口を開いた


少女「>>下1」
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/07(水) 21:29:03.49 ID:ab6lc2x3o
向こうににゃんこの大群が!
829 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/08(木) 03:34:56.16 ID:OjNaipQg0
少女「向こうににゃんこの大群が!」

男「へっ!?」


そう言いながら彼女は僕の隣を過ぎ去っていった
しかし、目の前には一面真っ白な雪があるばかりで、
猫などいるようには見えなかった


???「にゃぁぁぁ……」


だが、ここで男はそれに気付いた
景色が揺れているように突如見え出したのだが、
その原因は雪と見紛うほど白い猫の大群であった
830 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/08(木) 03:46:48.97 ID:OjNaipQg0
本日はここまでです
ありがとうございました
831 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/08(木) 19:15:41.35 ID:OjNaipQg0
男「おわぁぁぁーっ!!」


そして、彼はもこもこの雪崩に潰された
一直線に走る猫の群れは、彼を引き倒していったのだ


少女「ふぅ」


先ほど隣を過ぎていった少女がどこからか現れる
男は全身の雪と毛を払い落として、
どうにか立ち上がった
832 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/08(木) 20:55:35.75 ID:OjNaipQg0
男「いやぁ、ひどい目にあった。無事かい?」

少女「ええ、私は平気です」


彼女は猫の大群からどのようにしてか逃れたらしく、
まるでさっきと変わらない状態だった


男「あの猫、なに?」

少女「>>下1」
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/08(木) 21:16:45.78 ID:/SqE2YgDO
分からない
突然雪の中から次々出てきたの
834 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/09(金) 03:10:41.19 ID:hiigtz700
少女「分からない」

男「そうか……」

少女「突然雪の中から次々出てきたの」

男「ふぅん……だが、面白いものを見たな」


猫が去っていった方角を見て、
男はしみじみとそう感じ入った


少女「真っ白で綺麗だったから、一匹や二匹だったら欲しかったなぁ」

男「猫派?」
835 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/09(金) 03:11:41.37 ID:hiigtz700
本日はここまでです
ありがとうございました
836 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/09(金) 19:39:15.17 ID:hiigtz700
少女「狸派よ」

男「狸……そういえば、直接見たことはないな」

少女「この辺りっていないの?」

男「確か……極東から来たんだっけ?多分極東とかその近くにしかいないんじゃない?」

少女「ふーん、そういえば、異国では犬派と猫派があるって聞いたわね」
837 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/09(金) 19:41:49.03 ID:hiigtz700
男「じゃあ、そっちじゃ違うの?」

少女「ええ、極東じゃ狸派と狐派が主よ」


確かに対立的なイメージのある動物だ、と男は納得した
だが、それらは家畜化された動物ではない


男「飼ってるの?」

少女「うーん、普通の狸や狐は飼われてないわ」

男「あぁ、やっぱりそうなんだ」

少女「でもアレよ?化け狸とか化け狐はよく飼われてるわ。まぁ、庶民はほとんど飼ってないけれど」
838 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 02:40:18.55 ID:aS9ooNer0
奇妙な極東文化の話を聞いてから、
男は自分たちのかまくらに帰った


中華「ご飯届いたよ」

男「おっ、マジか。食おう食おう」


雪の上に堂々と置かれた木製のテーブルに料理が並んでいる


氷魔「……魚が多いのは……流石といったところでしょうか……」

やる気「温かそうな汁物もあるっすよ!こりゃ嬉しいっすね!」
839 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 03:00:48.85 ID:aS9ooNer0
本日はここまでです
ありがとうございました
840 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 18:08:40.23 ID:aS9ooNer0
肉の出汁が効いたワイルドなスープを啜り、
男は自分の考えを口にした


男「子供たちはなんらかの転送機構でこっちに来たっぽいが……送り返せる機構もあるんじゃないか?」

ぶりっ子「あるとは言い切れないですけどねぇ」

男「そうだな。……俺としては、そいつを探し出して、さっさと子供たちを帰してやりたい」

怪盗「むしろ、そうしないとどうなるか分かったもんじゃないですしね」
841 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 21:07:20.45 ID:aS9ooNer0
男「じゃあ、飯が終わり次第色々聞きに行こう」


一行は食事を通じてゆっくりと体を温め、
それから子供たちの所へ向かった
子供たちは丁度集まっており、
男たちがやってきたのに反応して、
代表らしき子供が一人歩み出てきた


代表少年「なにか用ですか」

狙撃少女「私たちは、みんなを極東へどうにかして返したいと考えています」
842 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/10(土) 21:09:44.15 ID:aS9ooNer0
その発言に、子供たちはどよめいた
特有の落ち着きのなさが発露している


男「そこで……まずは君たちがどのようにしてここまで転送されてきたのかを知りたい」

代表少年「なるほど……」

男「直接送り返す方法があれば楽なんだが、君たちが飛ばされてきた極北の地点に……なにか不審なものはなかったか?」

代表少年「>>下1」
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/11(日) 00:09:52.50 ID:KpLZbOx40
ドアノブがいっぱいあった
844 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/11(日) 03:12:07.21 ID:QxDY1O5X0
代表少年「ドアノブがいっぱいあった」

中華「えぇっ!?」

代表少年「うちらの住んどる場所にドアノブなんてあらんし……物の怪の類いかと思ってひたすら逃げたんよ」


過程はやや違うが、結論が合っていた
そのドアノブは物の怪とも呼べる存在なのだ


氷魔「……禁域を経由して……ここへ来たのかもしれませんね……」

やる気「ほぼ確定っすね。まぁ、ドアノブだけ出てる可能性もなくはないっすが」
845 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/11(日) 19:40:11.94 ID:QxDY1O5X0
すみません寝落ちしました


それからまた一行は作戦会議を始めるはめになった


ぶりっ子「ど、どうしますぅ?」

怪盗「帰したいって言いましたけど……禁域は私たちでも安全に動けるとは言い難いですね」

炎魔「意外とどうにかなるんじゃない?」

狙撃少女「そうかもしれませんが……慎重になるべきでしょう」

男「そうだな……」


>>下1……一行の決断
1.禁域とおぼしき場所の探索をして子供たちを素早く帰還させる
2.別の方法を考える
3.自由安価
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/11(日) 20:26:18.74 ID:KtW7mXFv0
3 頼れる戦士を迎えよう
847 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/12(月) 04:07:11.16 ID:hwnesyXa0
中華「いやぁ、どうしようね?」

男「……俺たちと子供たちだけで物事を解決するにも限界がある」

氷魔「……ここは……やはり諦めますか……?」


そう聞かれた男の顔は、少しも曇っていなかった


男「いや、極北の環境に強い戦士を探そう。そうすれば少しでも安全に探索ができる」

やる気「なるほど……いればいい感じっすね」
848 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/12(月) 04:13:26.22 ID:hwnesyXa0
本日はここまでです
ありがとうございました
849 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/12(月) 18:32:43.30 ID:hwnesyXa0
それから男は、宿屋の主人を訪ねた


主人「ん……どうされました?」

男「実は、人を探す必要ができまして」

主人「ははぁ、そうですか。とりあえず上がってくださいな」


主人は宿のエントランスにある従業員用の扉を開き、
その奥にある部屋に男を招き入れた
850 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/12(月) 21:13:31.14 ID:hwnesyXa0
そこはかまくらではなく、普通の部屋だった


男「普通の部屋もあるんですね」

主人「でなければ、もしかまくらが溶けてしまったら、私どもの家までなくなってしまいますからね」

男「……それで、いきなり本題なのですが」

主人「はい」

男「極北の探索に慣れている戦士……ご存知ありませんか?俺たちはそうした人に協力を仰ぎたい」

主人「>>下1」
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/12(月) 23:14:55.18 ID:SqMsF9OUo
それならば「境界」の変動を監視しているあの男ですな
852 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/13(火) 03:18:33.16 ID:NZG8pPMn0
主人「それならば「境界」の変動を監視しているあの男ですな」

男「心当たりがあるんですか?」

主人「ええ、探査のために多くの人が極北に来ておりますが……彼は仕事柄、奥地に踏み込むことも少なくありません」


それなら頼れそうだ、と男は思った
だが、境界とはなんなのかが気になった


男「境界ってなんですか?」

主人「この世界はある程度流動的だと彼は言っていました。極北と極南の境界も、いつ観測するかによって位置が違うそうです」
853 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/13(火) 03:21:59.47 ID:NZG8pPMn0
本日はここまでです
ありがとうございました
854 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/13(火) 19:53:53.72 ID:NZG8pPMn0
男「へぇ、そうなんですね」

主人「彼は確か、探査基地の端に小屋を立てて一人で暮らしていますよ」

男「そうですか、では明日訪ねてみます」


男は主人に礼を言って、自分たちのかまくらに戻った


ぶりっ子「どうでしたぁ?」

男「訪ねるべき相手は分かった。明日言ってみて、反応がよければ子供たちを改めて誘おう」
855 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/14(水) 02:03:29.51 ID:au2Gzgwu0
それから一行は眠ることにした
かまくらの中は温かく、
極北とは思えないほど暖かかった
どこからか差し込んだ月光が、
かまくらの雪に反射して薄明かりの中で眠るのだ


〜翌日・陽週火曜日〜


怪盗「んぉ……」

狙撃少女「あの……寝相どうなってるんですか……?」
856 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/14(水) 02:13:54.63 ID:au2Gzgwu0
ベッドがなく、
敷き布団で眠るタイプの宿だったため、
寝相の悪いものはいつにもまして凄まじい体勢になっていた


男「……やば」


怪盗は寝相が悪く、枕に片足を、
足のあるはずの場所に頭を置き、
もう片足を狙撃少女のベッドに突っ込んでいた


怪盗「うん……?」
857 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/14(水) 02:15:31.71 ID:au2Gzgwu0
本日はここまでです
ありがとうございました
858 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/14(水) 19:44:07.33 ID:au2Gzgwu0
怪盗はばつが悪そうに目覚める


中華「……なんか、もっとヤバいやついるよ?」

氷魔「……え……?……どこの布団にもいませんが……」

中華「違う違う。あそこだよ」


彼の指差す先には、
空中で全身をフィギュアスケートのようにダイナミックに捻りながら空中で眠る炎魔がいた


やる気「……寝袋かなんかで拘束しないと、野宿しただけで行方不明になりそうっすね」
859 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/15(木) 03:59:42.78 ID:qmAj7gzV0
朝っぱらから大声を出すわけにもいかず、
炎魔をどうにか起こすのにはみな苦労した


ぶりっ子「ほら、行きますよ」

炎魔「あぁい……」

怪盗「揶揄され損でしたね、私」


一旦チェックアウトして、外れの小屋を目指す
子供たちについての調査代として、
宿泊代は無料にしてもらえた
860 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/15(木) 04:02:16.90 ID:qmAj7gzV0
基地の外周に沿って歩いていると、
遠くに小屋が見えた
いくら小屋といっても、
極寒の気候ではそれなりの小綺麗さがなければまともに住めはしないと一行は考えていた


狙撃少女「本当に住んでるんですかね、人」


その小屋は小さくボロボロで、
物置と言われたら信じてしまいそうなほどだった
861 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/15(木) 04:08:42.17 ID:qmAj7gzV0
本日はここまでです
ありがとうございました
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2024/08/15(木) 18:40:33.57 ID:etbRM4lWO
男「誰かいますかー?」


外から小屋に呼び掛けても返答はない
扉をノックしても、反応はない
むしろ、鍵もかかっていないのかノックで扉が開いてしまった


極北戦士「なにか用か?」


どうやらいつの間にか一行の後ろにいたようで、
話しかけてくる
恐らく出掛けていたのだろう
みな焦って振り向く


>>下1……極北戦士の外見
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/15(木) 21:06:10.51 ID:UPJEiW0DO
シロクマの獣人
864 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/16(金) 02:54:23.76 ID:tGsZMJIg0
そこにいたのは、まさしく雄大なる極北を象徴するかのような巨体
純白の体毛に全身を覆った彼は、
シロクマの獣人であった


中華「大きい……!」

氷魔「……実は私たち……あなたに折り入って頼みがございまして……」

極北戦士「そうか。とりあえず上がっていけ……と言いたいが、人間にはこの小屋では外と変わらんな……」
865 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/16(金) 02:55:54.68 ID:tGsZMJIg0
本日はここまでです
ありがとうございました
866 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/16(金) 19:04:19.42 ID:tGsZMJIg0
仕方ないので、
一時的に近くの建物に入って話をすることにした
調査で来ている人の迷惑にならないよう、
注意しなければならない


ぶりっ子「実はぁ……禁域、または禁域の装置によって極北に子供たちが十人転送されてきちゃってるんですよぉ」

極北戦士「なんと……それは問題だな」

怪盗「そこで、その地点を調査して……どうにか子供たちを返す方法を見つけたいのです」
867 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/16(金) 20:53:15.15 ID:tGsZMJIg0
狙撃少女「ですが……それには子供を連れていく必要があります。私たちも極北の気候や土地には不慣れで……」

男「それだけではなく、危険な禁域と関わる可能性もある。極北について十分な知識があり、強い戦士を俺たちは探していたんだ」


男はまっすぐ極北戦士を見つめる


中華「……そういう訳なんですが、護衛を受けていただけますか?もちろん、報酬は出します」

極北戦士「>>下1」
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/16(金) 21:47:44.48 ID:1O8gye8zO
こんなところに居ては子供達にどんな危険があるか分からない。直ぐにでも協力しよう
869 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/17(土) 01:59:13.53 ID:VzLg37j00
極北戦士「こんなところに居ては子供達にどんな危険があるか分からない。直ぐにでも協力しよう」

氷魔「……ありがとうございます……!」

やる気「じゃあ、誰か一人すぐに連れてくるっすよ!」


彼は急いで宿へと戻っていく
五分ほど置いて、二人で戻ってきた
代表の子供がその背中に負われている


炎魔「ちゃちゃっと探して、無事に帰しちゃいましょう!」
870 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/17(土) 02:06:12.51 ID:VzLg37j00
本日はここまでです
ありがとうございました
871 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/17(土) 18:11:15.60 ID:MbGW2QK+O
一行は準備を整え、調査隊のキャンプから出て本格的に極北の地に足を踏み入れた


代表少年「この前とはまるで違って見える……」


生きるか死ぬかの状況で見る世界と、
最低限の余裕がある状態でみる世界は違うものだ
極地ともなれば、
その違いはより感覚的に現れるだろう


極北戦士「……そうだな。時にひどく残酷に見えることもあるが……基本的には美しいとすら思える」
872 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/18(日) 02:12:16.81 ID:ZuB7I0d00
銀世界と形容すべきものはみな見てきたが、
その光景は銀ほど鈍くはなかった
純白の鏡のような大地が茫漠としているのだ


ぶりっ子「安全なら観光にでも来たい場所ですよ、本当に……」

極北戦士「計画としてはあるらしい。調査隊の資金も無限ではないからな」

怪盗「危険じゃないんですか?」

極北戦士「安全とは言いがたいな……だが、この土地では生息できる魔物もそう多くはない。対策も立てやすいだろう」
873 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/18(日) 02:37:25.60 ID:ZuB7I0d00
代表少年の微かな記憶と、
それを現実的なものに手繰り寄せる極北戦士の土地勘によって、極寒の大地においても少ない苦労で目的地を目指すことができている


狙撃少女「火魔法で暖を取りたいですね……」

極北戦士「洞穴でやるべきだな。寒いのは魔獣どもも同じだから、感知力に優れた魔獣を誘き寄せてしまう」

男「どうしてもヤバそうだったら極北戦士さんに抱えてもらおうか。非常に暖かそうだ」

極北戦士「本当に緊急の時ならばやぶさかでもない……基本的には、不意の事態に対応するために身軽でいたいがな」
874 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/18(日) 03:14:16.50 ID:ZuB7I0d00
本日はここまでです
ありがとうございました
875 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/18(日) 19:51:15.88 ID:ZuB7I0d00
半刻ほど歩くと、代表少年が声を上げた


代表少年「多分、この辺りです」

中華「結構登ったね……」


舗装はおろか整備もされていない大自然なので起伏が激しいが、ほとんど下ることなく上に登っていった結果としてそこに辿り着いた


極北戦士「ふむ……アレか」


彼はある一点を指差した
そこには、>>下1があった
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/18(日) 20:29:22.02 ID:IE/kPjy5o
光る石柱
877 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/19(月) 01:46:50.94 ID:0+ea3MtU0
そこには光る石柱があった


氷魔「……なんでしょう……あれ……」

やる気「なんか知ってるっすか?」

極北戦士「分からないな」


鼓動のように、
強く光ったり淡く光ったりを繰り返すそれは、
幻想的な極北の風景といやにマッチしていた
878 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/19(月) 01:49:59.15 ID:0+ea3MtU0
ぶりっ子「手がかりであることは間違いなさそうですがぁ……」


ただ立ち尽くしていると、炎魔がその間を抜けた
そして、誰かが声をかける間もなくそれに触れた


炎魔「こういうのは触れてみたりすると……おおっ!?」


一際強くそのモノリスが明滅すると、
炎魔の姿はそこから消え失せてしまった
879 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/19(月) 19:40:37.38 ID:0+ea3MtU0
すみません寝落ちしました


怪盗「え?」

狙撃少女「消えちゃいましたね……?」

男「『おおっ!?』じゃないぞあのバカ!くそっ、どうせこれが転移装置だ。行くしかなくなった!」


男も迷うことなく石柱へ手をつける


極北戦士「ま、待て!君にもリスクがあるだろうっ!」


制止は既に遅く、男も光の点滅とともに瞬間移動した


>>下1……移動先
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/19(月) 20:05:25.91 ID:s4ACmYVDO
AI市長や平成少女がいる街
881 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/20(火) 01:11:32.71 ID:8M+jrPxd0
男「痛って!」


転移後、彼は二メートル程の高さから落下した
振り返れば鈍く光る石柱はまだあり、
近くで炎魔も警戒をしている


炎魔「あ、来たんですね」

男「そりゃそうなるだろ。……あれ?ここ、まさか」

炎魔「そうなんですよ……ここ、本の街なんです」
882 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/20(火) 01:15:53.91 ID:8M+jrPxd0
そこは、市長のオフィスにほど近い公園だった
モノリスが出現したためか、
即席のフェンスで封鎖されている


男「……よし、市長に会ってくる」

炎魔「どうしてですか?」

男「どういう訳か、こいつは極北と繋がってるんだ。すぐ故郷には帰してやれなくても、市長に子供たちの面倒を見てもらえるんじゃないかと思ってな」

炎魔「じゃあ、今すぐ戻ってみなさんに伝えますね!」

男「いや、待つんだ!」
883 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/20(火) 01:30:52.98 ID:8M+jrPxd0
男は炎魔の服の首元を後ろから掴み、
どうにか手綱を握る


炎魔「おっと!」

男「極北からこっちに来れるのは間違いないが、こっちから極北に行けるかは分からない。もし仲間の誰かが石柱で来た場合にそのことを伝える役割を頼みたい」

炎魔「あ、確かにそうですね」

男「ああ、一応連絡は取れるがな」


男はバッグから一対になる巻物を取り出した


炎魔「持ち合わせがいいですね」

男「炎魔が転移したから急いで片方用意したんだ。本当に焦らせる」

炎魔「す、すみません……」
884 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/20(火) 01:31:40.54 ID:8M+jrPxd0
本日はここまでです
ありがとうございました
885 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/20(火) 18:51:24.88 ID:8M+jrPxd0
男「ま、いいさ……そういう訳で話つけてくる」

炎魔「行ってらっしゃーい!」


男はフェンスを跳び越え、街中へ駆け出した
そして十分後、市長のオフィスまでやって来た


男「市長ー?いますかー?」

市長「なにかご用でしょうか……!?」
886 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/20(火) 19:02:46.85 ID:8M+jrPxd0
市長はこちらを見て面食らっている
その姿はいつもと違って完全にホログラムだった


男「今、そこの公園に石柱ありますよね。あれ転移装置みたいで……極北から飛ばされて来たんですよ」

市長「なんと、そうでしたか……」

男「……そもそも、あんなのに触れなきゃいけなくなる事情がありまして……」
887 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/21(水) 02:05:04.90 ID:z+WJEx4y0
それから男は子供たちについて説明をした


市長「中々興味深い事象ですね」

男「ああ……それで、もしよければ子供たちを預かって欲しいんだ」

市長「……構いませんが、ここは託児所ではありませんよ?」

男「分かっています、だから用事が終わったらすぐに戻ってきます」

市長「……そう言うとは思っていましたよ」


彼女はため息をつきながらそう言ってみせた
888 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/21(水) 03:07:48.07 ID:z+WJEx4y0
本日はここまでです
ありがとうございました
889 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/21(水) 18:58:24.13 ID:z+WJEx4y0
男が巻物に連絡事項を書くと、
了承する旨が書き込まれた


男「じゃ、一回石柱見てきます」

市長「はい」市長「行ってらっしゃいませ」


男が部屋から飛び出すと、
そこにホログラムではない市長もいて、
彼女も別れの言葉を贈ってきた
890 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/22(木) 03:28:02.62 ID:uXXO6bjJ0
公園に戻ると、代表少年と炎魔がいた


男「お、来てたか」

代表少年「ここ、どこなんですか?」

男「極北のちょっと南だ」

炎魔「それで、交渉は……」

男「引き受けてくれたよ。みんな、市長が住まわしてくれるそうだ」
891 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/22(木) 03:28:43.55 ID:uXXO6bjJ0
本日はここまでです
ありがとうございました
892 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/22(木) 19:18:14.40 ID:uXXO6bjJ0
しばらく待っていると、子供たちは全員やってきた
極北戦士は、仕事もあるので一旦帰るように勧めた


やる気「そういう訳で、子供たちをよろしくお願いするっす」

市長「承りました。移住者を想定したデータも取れますしね……」

平成少女「こんなすぐ会うことになるとは思ってませんでしたよ」

ぶりっ子「ほんとびっくりですよねぇ」
893 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/22(木) 19:21:22.46 ID:uXXO6bjJ0
それから一行は、再び石柱の前までやってきた


怪盗「ここから無事に極北に戻れればいいんですけどね」

狙撃少女「知らない場所に飛ばされちゃったらどうします?」

男「……人生、なるようになるさ」

炎魔「非対称な転移装置なんて作らないと思いますけどね〜」


意を決して、取り囲んだモノリスに皆で触れる
するとやはりそれは明滅し、人々を転送していく


>>下1……どこに転移させられた?
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/22(木) 20:03:03.64 ID:gV1l1802o
元の極北
895 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/23(金) 04:10:07.69 ID:hjkL9UQs0
風鳴りと寒気が身を責める
男たちは、元の極北の地へと戻ってきていた


中華「おっ、戻ってこれたね」

氷魔「……助かりましたね……」

やる気「これで、子供たちのことは一旦気にせずに探索できそうっすね」

ぶりっ子「そうですねぇ、この石柱が対称ってことは、極東に行ける転移装置もありそうですしねぇ」
896 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/23(金) 04:56:28.97 ID:hjkL9UQs0
本日はここまでです
ありがとうございました
897 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/23(金) 19:48:23.56 ID:hjkL9UQs0
怪盗「ええっと……ここ、それなりの標高ですよね?」

狙撃少女「そうですね、極北でもかなり寒い部類の場所だと思いますよ」

男「もっと登ってみるか」

怪盗「そう!それが言いたかったの!」


寒いというのに、怪盗は元気だった
果たして本当に冷え性なのか、と男は思った


中華「危険だけど、望みがありそうだ」
898 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/24(土) 03:09:59.11 ID:VctvlHuO0
一行は恐る恐る登山を再開した
いつ吹雪に襲われてもいいように、
洞穴を一つ一つ数えながら、
確実に雪と氷を踏みしめていく


氷魔「……私が寒いと思ったのは……人生で三度目です……」

やる気「あ、氷魔でも流石に寒いんすね」

氷魔「……私も……人の子なので……」

炎魔「暖めます?」

ぶりっ子「炎魔ちゃあぁぁん……こっちの耐性のない人たちを暖めてくださぁい……」
899 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/24(土) 03:13:45.35 ID:VctvlHuO0
炎魔の炎は不思議なもので、
それがなにかを燃やして灰にしてしまうことはなくとも、温かみだけは確かにあった


怪盗「なんか……霧が出てきましたよ?」

狙撃少女「困りましたね……方向感覚まで奪われるのはまずいです」

男「……まぁ、壊れてるけど俺たちにはコンパスがある。地磁気がイカれてなければ帰れるさ」

中華「食材も見当たらないなぁ」
900 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/24(土) 03:46:02.58 ID:VctvlHuO0
本日はここまでです
ありがとうございました
901 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/24(土) 19:40:03.38 ID:VctvlHuO0
相変わらず中華は食材を探している
よく謎の動物や茸を採集しているが、
男たちはそれで腹を壊したことはない


氷魔「……霧を抜けます……!」


怯むことなく進めば、それを抜けることができた
恐れて動きを緩めていれば、
寒さと恐怖に蝕まれていただろう


やる気「ここは……!」
902 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/24(土) 19:43:38.60 ID:VctvlHuO0
そこには息を呑むほどの絶景が広がっていた
一行が霧だと思っていたものは雲の層であり、
それを抜けた天空の世界には、
果てなく澄んだ大空のみが雪山から見えていた


炎魔「なんて綺麗!」

ぶりっ子「こりゃいい思い出になりますねぇ!生きて帰れればですけどぉ」

怪盗「……あれ、山の上のほうになにかあるよ?」

狙撃少女「確認しましょう」


狙撃少女はスコープを覗き、
山の上にあるそれを視認した


>>下1……なにがあった?
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/24(土) 20:41:19.14 ID:GjukUHCko
塔とその頂上で燃え盛る火の鳥
904 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/25(日) 04:15:39.16 ID:qORmWbu40
男「どうだ?」

狙撃少女「塔、ですね……いえ、それだけじゃありません」

中華「こんな所に塔?しかもそれだけじゃないの!?」

狙撃少女「火の鳥が……煌々と……燃え盛っています」

氷魔「……そ……それは……まさか……」

やる気「ついに辿り着いちまったっすね、フェニックスの元に……!」
905 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/25(日) 04:35:11.70 ID:qORmWbu40
本日はここまでです
ありがとうございました
906 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/25(日) 19:44:43.04 ID:qORmWbu40
ぶりっ子「え……行きます……?」

怪盗「行くしかないでしょう!」

狙撃少女「この目標を果たせば、とりあえず積んであるタスクに集中できますしね」

ぶりっ子「わ……分かりましたよぉ……怖いなぁ……」


一行はさらに斜面を登り続け、
天を衝くそれの入り口までやってきた
ごうごうと不死鳥の鳴き声が響き渡る
907 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/26(月) 03:34:30.77 ID:Wv94amqa0
青銅製の門は重く冷えていて、
数人がかりで押して開いた


怪盗「さて……やっぱり、一筋縄ではいかなそうですね」

狙撃少女「螺旋階段にでもなっていれば楽だったのですが」


中は入り組んでおり、
まさにダンジョンの様相を呈している


炎魔「燃えてきましたね」
908 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/26(月) 04:07:28.15 ID:Wv94amqa0
本日はここまでです
ありがとうございました
909 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/26(月) 19:54:49.09 ID:Wv94amqa0
男「というか、空間おかしいな」


外から見るとひどく劣化した塔だったが、
中に入れば瑕瑾は見られない
また、広さも外見から予想されるそれを逸脱している


中華「なにが起きてもおかしくないね」


>>下1コンマ……探索判定
1〜20……階段発見
21〜40……魔物出現
51〜60……極光カウンター+1
61〜80……トレジャー!
それ以上……!?
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/26(月) 20:46:40.47 ID:lP/wrZKCO
911 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/26(月) 22:05:07.02 ID:Wv94amqa0
丁度抜けてましたが極光カウンターのほうでした


探索を始めると、
薄暗いダンジョンに突如オーロラがかかった


氷魔「……どういうことですか……これは……?」

やる気「綺麗っすけど……ここ屋内っすよね?」

???「ようこそ、不死鳥の尖塔へ」
912 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/27(火) 03:58:31.75 ID:8wYBVUbr0
そして、オーロラから人型の存在が現れた
全身に外套を纏い、仮面を被っており、
その性別や年齢が一切分からない


ぶりっ子「あ……あなたは?」

極光「名に頓着はしない。一意に定めたければ極光と呼ぶといい」

怪盗「敵ですか?それとも……味方?」

極光「少なくとも味方ではない。今はね」
913 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/27(火) 04:16:18.80 ID:8wYBVUbr0
本日はここまでです
ありがとうございました
914 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/27(火) 19:52:20.80 ID:8wYBVUbr0
そう言ってその存在は空間から消滅した
どこかから流れてきたオーロラも消え去り、
寒々しい暗闇に戻ってしまった


狙撃少女「なんだったんでしょうか」

男「なぜ宣言したのかは分からないが、味方じゃないことは明言された。……気をつけよう」


一行は気を引き締めて探索に戻った



>>下1コンマ……探索判定
1〜30……階段発見
31〜50……魔物出現
51〜60……極光カウンター+1
61〜80……トレジャー!
それ以上……!?
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/27(火) 20:50:14.35 ID:XT5H9ieDO
はい
916 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/27(火) 21:19:26.48 ID:8wYBVUbr0
???「ボゴッ……ボゴッ……!」


ひたすら歩き続けていると、
水中で溺れるような音を漏らしながら、
鈍い光を放つ『ドラゴン』が現れた


中華「な……なんだ!?」


それがドラゴンであると思ってしまったのがなぜなのか、男には分からなかった
ゲル状の肉体を透明で伸縮性のある皮膜が覆っており、そこら中が膨張したり縮小したりしている
917 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/28(水) 04:26:01.24 ID:w1hiMQCT0
氷魔「……皮膜は竜のようですが……原型はありませんね……」

ゲルドラゴン「ジュゴォォォッ!!!」


四肢をのたくらせ、右翼と腹で歩き、
尻尾を振り回して叫ぶ
その口からは淡く光るゲル状の魔力が漏れ出している


やる気「気持ち悪いっす!なんか……これを同じ生物として認めたくないっす!」
918 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/28(水) 04:26:32.13 ID:w1hiMQCT0
本日はここまでです
ありがとうございました
919 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/28(水) 19:23:09.62 ID:w1hiMQCT0
undefined
920 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/28(水) 19:23:39.17 ID:w1hiMQCT0
undefined
921 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/28(水) 19:25:01.55 ID:w1hiMQCT0
・男
【筋力】124【HP】68【素早さ】200【MP】114【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージ+6、それ以外で+3)
『平凡人』(戦闘能力以外最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』
武器:レジストソード(攻撃力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー(ダメージを1/3)
習得魔法:上級火魔法 上級氷魔法 闇魔法 上級風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)、"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本、ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃翌力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値10/40……レベル31)

・中華
【筋力】133【素早さ】191【HP】43【MP】75【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』『神格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
武器:デモンズスピア(攻撃力4)
防具:ミレニアムアーマー(ダメージ1/3)
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:上級火魔法 上級水魔法 上級光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値22/38……レベル29)

・氷魔
【筋力】162【HP】??+36【MP】177【素早さ】151【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ(ダメージ半減)
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 超上級水魔法 上級風魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値12/47……レベル38)
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/08/28(水) 19:25:40.35 ID:w1hiMQCT0
・やる気
【筋力】157【HP】57【MP】129 【素早さ】174【顔面】36【加護】20
『[ピーーー]気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス(攻撃翌力6)
防具:ミレニアムアーマー(ダメージ1/3)
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 上級闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値0/36……レベル27)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】140【素早さ】102【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
『風より速く動く術』
武器:ドラゴンキラー(攻撃翌力3)
防具:ソードブレイカー(ダメージ1/3) 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔翌翌翌力吸収 )
習得魔法:上級水魔法 上級氷魔法 光魔法 回復魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値30/39……レベル30)

・怪盗
【HP】??+1【筋力】120
【MP】136【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌 防具:ソードブレイカー(ダメージ1/3)
習得魔法:上級火魔法 風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値6/34……レベル25)
923 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/28(水) 19:26:30.03 ID:w1hiMQCT0
・狙撃少女
【筋力】122【MP】137【素早さ】??+6
武器:守人のパチンコ(攻撃力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
習得魔法:水魔法 光魔法
所持:スパークナイフ(攻撃力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃力8、一発)
(経験値11/39……レベル30)

・炎魔
能力値不明
『破魔の炎魔』(邪な影響から味方をかばえる)
『焼魔』(魔物系にしか効かないが、攻撃力6)
『不滅の肉体』(基本的に死なない)
武器:なし
防具:なし
(経験値0/34……レベル25)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)無限に重なる葉っぱ、ホームセンター便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体、クイックポーション、超回復ポーション、仮死薬、とろける濃厚牛乳、タンブルウィード×5、オークションカタログ、ある兄弟の話、ベヒーモスの解体肉
【ギルドの資金】72260295
924 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/28(水) 19:34:16.56 ID:w1hiMQCT0
戦闘開始!
怪盗の【素早さ】355
ゲルドラゴンの【素早さ】50


ぶりっ子「あの気持ち悪いのに攻撃しなきゃいけないんですかぁ!?」

怪盗「なんも盗めなさそうですし、嫌ですねぇ」

狙撃少女「まぁ、やるしかありませんね……」


狙撃少女はパチンコを引き絞り、連射する
ぶりっ子と怪盗も嫌々ながらそれに続いて攻撃する


下1コンマ下一桁×7.5……連携攻撃のダメージ
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/28(水) 20:10:08.73 ID:4h2lWsvDO
はい
926 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/28(水) 20:52:18.58 ID:w1hiMQCT0
22ダメージ!ぶりっ子はレベルアップ!


ぬちょ、と嫌な音を立てて攻撃は命中した
ゲルドラゴンは怯んだようにも見えたが、
単にバランスが悪いので傾いただけのようだ


男「あんま効いてなさそうだな……」

中華「腐ってもドラゴンだしね」

氷魔「……ドラゴン……というよりゲルが本体の気もしますが……」
927 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/28(水) 20:58:27.77 ID:w1hiMQCT0
ゲルドラゴン「クルルルル……」

やる気「気圧されていても始まらん。どうにか倒すぞ」

中華「そうだね……!」


二人は魔王の力を解放し、
自らの獲物を構えて突貫する


男「微力ながら助太刀する!」


三人は渾身の一撃をゲルドラゴンに叩き込んだ


>>下1コンマ×2+3……連携攻撃のダメージ
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/28(水) 21:10:02.23 ID:ZpOy1of4O
929 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/29(木) 02:55:02.94 ID:5kdoqIt60
49ダメージ!三人ともレベルアップ!


ゲルドラゴン「ブピィッ!」


流石に効いたようだが、まだ動けるようでもある
体の孔という孔からゲルを漏らし、
それでも生きている


ぶりっ子「なんなんですかあの生き物ぉ!」

怪盗「いちいち生理的嫌悪感を煽ってきやがりますね」
930 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/29(木) 03:01:09.62 ID:5kdoqIt60
本日はここまでです
ありがとうございました
931 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/29(木) 19:37:58.50 ID:5kdoqIt60
狙撃少女「物理的手段でうまくいかないのなら、すべきことは一つです」

氷魔「……そうですね……私の出番といった所でしょうか……」

炎魔「私も参加していいですか!?」

氷魔「……構いませんよ……では……」


二人は敵に向かって構えをとり、そして口を開く


炎魔「焼魔ッ!」

氷魔「究極氷魔法……ッ!!」


>>下1コンマ下一桁×21+10……魔法のダメージ
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/29(木) 20:38:13.11 ID:z3X8G8qDO
はい
933 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/30(金) 03:35:48.70 ID:JD78DYfC0
31ダメージ!


二人の放った魔力の奔流は凄まじいものだったが、
相反する属性の合体技であるため、
それに慣れていない二人の魔力は打ち消し合って本来の威力を発揮できなかった


ゲルドラゴン「コキィィッ……」

炎魔「あぁっ!すみませんっ!私が余計なことしなければ!」

氷魔「……お気になさらず……私も慣れていませんから……」
934 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/30(金) 03:43:39.05 ID:JD78DYfC0
本日はここまでです
ありがとうございました
935 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/30(金) 19:27:44.42 ID:JD78DYfC0
ゲルドラゴン「ギャギャギャギャギャ」


水音混じりの駆動音のような響きがあり、
そのおぞましい竜の口や耳から、
凄まじい勢いでゲルが射出された


男「げえっ!こっち来た!」


正体不明の液体が、岩をも砕かんばかりの威力で男に命中する


>>下1コンマ……ゲルのダメージ
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/30(金) 20:44:34.78 ID:cPIGSdrDO
はい
937 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/31(土) 04:25:39.69 ID:llOZkBeC0
ミレニアムアーマーがダメージをカット!
26ダメージ!


中華「大丈夫!?」

男「……かなり臭いし痛いが、まだやれる!」


あえてオーバーに食らい、ゴロゴロと地面にその体を擦り付けてゲルを落とした


氷魔「……あれでいて……攻撃力まであるのですか……」
938 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/31(土) 04:29:23.53 ID:llOZkBeC0
やる気「……だが、奴も流石に弱ってきている」


先ほどよりも体を多く引きずっている
竜の肉体の耐久力もまた有限であり、
いずれにせよ勝利はそう遠くないだろう


ぶりっ子「もう一踏ん張りってとこですねっ!」

炎魔「実戦って、思ったより大変ですね……!」
939 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/31(土) 05:34:43.36 ID:llOZkBeC0
本日はここまでです
ありがとうございました
940 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/31(土) 19:01:58.57 ID:llOZkBeC0
狙撃少女「とにかく撃ち込んで倒しましょう」


やや焦って狙撃少女はパチンコを構える
遠距離にいるので、
多少焦っても直接的に危機に陥ることはない


炎魔「こっちなら魔力がうまくコントロールできなくてもいけそうですね!」

狙撃少女「え、ああ、そういうことですか。いいですね……では行きますよっ!」

炎魔「焼魔っ!」


炎魔は狙撃少女の後ろに立つと、
発射寸前のパチンコの弾に魔力を込める
そして、それは真っ赤な軌跡を描いて放たれた


>>下1コンマ下一桁×11……連携攻撃のダメージ
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/08/31(土) 19:11:37.62 ID:sJ9CD+oDO
はい
942 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/08/31(土) 20:45:19.70 ID:llOZkBeC0
22ダメージ!二人ともレベルアップ!


ゲルドラゴン「ベシャッ!」


反射的にゲルを飛んでくる弾にぶつけられ、
その威力は多少減衰した状態で命中した


狙撃少女「くっ……!」

男「まだやるのか、あいつ……」
943 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/01(日) 04:25:33.27 ID:z8dVOq3s0
本日はここまでです
ありがとうございました
944 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/01(日) 19:49:42.16 ID:z8dVOq3s0
やる気「もう虫の息だな」

中華「次こそとどめにしよう」


二人は再び槍を構え、その先端で敵を見据える
そして鈍重なゲルドラゴンに向かって駆け出し、
その先端を突きつける


>>下1コンマ下一桁×14.5……連携攻撃のダメージ
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/01(日) 20:23:48.28 ID:MVpO2xLDO
946 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/02(月) 19:03:25.34 ID:CZQlhjjN0
すみません寝落ちしました


116ダメージ!二人はレベルアップ!


奇妙な生態に翻弄され続けた一行だったが、
ついに会心の一撃を叩き込むことに成功する
竜鱗を貫き、ゲル生命体の核へとその双槍を命中させたのだ


ゲルドラゴン「プシュゥゥッ……」

氷魔「……や……やりましたね……」
947 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/02(月) 19:05:56.83 ID:CZQlhjjN0
萎びて溶けたそれの死体は、
まるで幻だったかのように薄くまばらに散った


ぶりっ子「いやあ、強かったですねぇ」

怪盗「ちゃんとした実戦は久しぶりだし、カンが鈍ってたかもね」

狙撃少女「そうかもしれませんね。精進しなければ……」

炎魔「みなさん強かったと思いますけどねぇ?」
948 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/02(月) 19:08:09.50 ID:CZQlhjjN0
戦闘が終わったので一人ずつレベルアップさせていきます

男は1レベル、中華は2レベルアップです

>>下1コンマ……男の成長
>>下2コンマ……中華料理人の成長

〜男の成長テーブル〜
01〜20で筋力+3
21〜40でHP+3
41〜60でMP+3
61〜80で素早さ+3
81〜90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

〜中華料理人の成長テーブル〜
01〜20で筋力+3
21〜40でHP+3
41〜60でMP+2
61〜80で素早さ+4
81〜90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/02(月) 22:56:10.49 ID:Kxum6bzAo
ヌッ
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/03(火) 01:00:13.99 ID:W4SfzvhLO
951 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/03(火) 03:00:35.35 ID:iF7bWzPz0
本日はここまでです
ありがとうございました
952 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/03(火) 18:12:42.10 ID:iF7bWzPz0
男の【MP】117

中華は一回分再抽選です
>>下1コンマ……中華料理人の成長
>>下2コンマ……中華料理人の成長

〜中華料理人の成長テーブル〜
01〜40で全能力+6
41〜60で習得『料理習熟・地』
61〜80で習得『戦飯』
81〜90で上記全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

〜中華料理人の成長テーブル〜
01〜20で筋力+3
21〜40でHP+3
41〜60でMP+2
61〜80で素早さ+4
81〜90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/03(火) 19:44:08.30 ID:Iz0nb8fBo
ぬん
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/03(火) 20:39:13.11 ID:WT/I23XDO
はい
955 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/03(火) 20:47:28.57 ID:iF7bWzPz0
中華の【筋力】139【素早さ】197【MP】81

中華は一回分再抽選です
やる気は二レベルアップ!

〜中華料理人の成長テーブル〜
01〜40で全能力+6
41〜60で習得『料理習熟・地』
61〜80で習得『戦飯』
81〜90で上記全て
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

〜やる気青年の成長テーブル〜
01〜20で筋力+3
21〜40でHP+3
41〜60でMP+4
61〜80で素早さ+4
81〜90で全能力+5
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
956 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/03(火) 20:48:27.53 ID:iF7bWzPz0
すみません安価出し忘れました
>>下1……中華料理人の成長
>>下2……やる気の成長
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/03(火) 21:05:30.75 ID:6FfDcD3Ao
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/03(火) 21:16:40.25 ID:Iz0nb8fBo
959 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/04(水) 04:55:03.90 ID:d6Q7E31D0
本日はここまでです
ありがとうございました
960 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/04(水) 19:50:02.56 ID:d6Q7E31D0
中華は『戦飯』を習得しました
前日の食事によって戦闘にボーナスがかかるようになります

やる気の【HP】60


>>下1……やる気の成長
>>下2……ぶりっ子の成長

〜やる気青年の成長テーブル〜
01〜20で筋力+3
21〜40でHP+3
41〜60でMP+4
61〜80で素早さ+4
81〜90で全能力+5
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

〜ぶりっ子の成長テーブル〜
01〜20で筋力+3
21〜40でHP+2
41〜60でMP+5
61〜80で素早さ+4
81〜90で全能力+5
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/04(水) 21:24:36.71 ID:xkKHHW2DO
はい
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/04(水) 23:45:33.50 ID:XlfwtY0Bo
むん
963 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/05(木) 02:34:02.47 ID:CU2J2jOV0
やる気の【素早さ】178
ぶりっ子の【MP】145

成長安価だけだと物寂しいのでちょっと話進めます


男「回復したいな」

中華「僕あんまり魔法使わないから回復するよ。回復魔法っ!回復魔法っ!」

男「あー……効くわ。ありがとう」

氷魔「……こういう戦闘を繰り返したら……確実に消耗してしまいますね……」
964 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/05(木) 04:28:20.52 ID:CU2J2jOV0
本日はここまでです
ありがとうございました
965 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/05(木) 19:08:51.67 ID:CU2J2jOV0
リロールが発生しなければこれが最後のレベルアップです

>>下1コンマ……狙撃少女の成長
>>下2コンマ……炎魔の成長

〜狙撃少女の成長テーブル〜
01〜20で筋力+5
21〜40でHP+2
41〜60でMP+5
61〜80で素早さ+2
81〜90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる

〜炎魔の成長テーブル〜
01〜20で筋力+2
21〜40でHP+3
41〜60でMP+4
61〜80で素早さ+3
81〜90で全能力+4
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/05(木) 21:32:06.99 ID:/CquxRxDO
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/06(金) 01:29:25.70 ID:WRGpCCFDO
はい
968 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/06(金) 02:48:14.54 ID:AuOLnGHe0
炎魔の【素早さ】153

狙撃少女は次にリロールですね



やる気「しっかし、この塔にはあんな化け物ばっかりいるんすかね」

ぶりっ子「だったら最悪ですけどぉ……フェニックスはあんなに美しかったですよぉ?」

怪盗「さっきは綺麗なオーロラが出てましたもんね」
969 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/06(金) 03:00:17.09 ID:AuOLnGHe0
本日はここまでです
ありがとうございました
970 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/06(金) 19:27:51.48 ID:AuOLnGHe0
炎魔「私、もっと頑張らないと……」

狙撃少女「らしくないですね、元気はどこに行ったんですか?」

炎魔「さっき、あまりうまくいかなかったし……フェニックスにも勝ちたいし」

狙撃少女「……別に、気にしなくていいんじゃないですか?これからうまくいけばいいんですよ」

炎魔「そう、でしょうか……分かりました!」


彼女はとりあえず見かけ上は立ち直ったようだ
実際の所はまだ不安定だが、
これから次第では大丈夫である


狙撃少女の成長がリロールします

>>下1コンマ……狙撃少女の成長

〜狙撃少女の成長テーブル〜
01〜40で全能力+6
41〜60で習得『弱点の見極め』
61〜80で習得『ブルズアイ』
81〜90で素早さ+2
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/06(金) 20:23:32.55 ID:/NDvt1qXO
972 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/07(土) 04:10:59.81 ID:mkeF8oqU0
狙撃少女は明日、更なる高みへと昇る可能性が出てきましたね


男「……この塔、あまり寒くないな」

中華「吹雪を凌げるからじゃない?」

氷魔「……それもありますが……それだけでさなさそうです……」

やる気「外から見た感じと広さも違うっすし……多分、外の空間と完全に隔絶されてるっすね」
973 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/07(土) 04:11:48.19 ID:mkeF8oqU0
本日はここまでです
ありがとうございました
974 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/07(土) 18:36:44.97 ID:U2OWJPB7O
狙撃少女が救世主になる可能性が出てきました


>>下1コンマ……狙撃少女の成長


〜狙撃少女の成長テーブル〜
01〜30で全能力+10
41〜60で習得『弱点の見極め』『ブルズアイ』全能力+6
61〜90で『救世主の資格』
それ以上またはゾロ目で何かが起こる
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/07(土) 20:28:37.57 ID:XKJuo28No
ぬん
976 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/07(土) 22:08:09.66 ID:mkeF8oqU0
狙撃少女の【筋力】128【MP】143【素早さ】???+12

狙撃少女は『弱点の見極め』を習得しました
弱点のあるエネミー相手に自動でその弱点を狙うようになります

狙撃少女は『ブルズアイ』を習得しました
敵の弱点を突くか、攻撃のコンマ下一桁が『0』だったときにもう一度攻撃できるようになります(ただし、一ターンに一度のみ発動)
977 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/07(土) 22:12:09.99 ID:mkeF8oqU0
狙撃少女(……私は後衛なんだから、守られてるぶんは活躍しないといけない……!)


彼女は密かに闘志を燃やし、更なる成長へと繋げた


ぶりっ子「もう充分休憩しましたねぇ」

怪盗「早くいかないと日が暮れちゃうよね!」

炎魔「そうですね、敵が現れても次からはガンガンぶっ倒していきましょうっ!」


>>下1コンマ……探索判定
1〜50……階段発見
51〜60……極光カウンター+1
61〜80……トレジャー!
それ以上……!?
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/07(土) 22:25:04.81 ID:npuipP3DO
はい
979 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/08(日) 04:22:04.94 ID:UxRO2HXX0
本日はここまでです
ありがとうございました
980 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/08(日) 19:46:53.35 ID:UxRO2HXX0
リロールです!


男「階段がまったく見つからん……」

中華「思ったより広そうだね、この塔」

氷魔「……戦闘が増えそうで嫌ですね……」


>>下1コンマ……探索判定
1〜25……大階段発見
26〜50……極光カウンター+2
51〜75……レアトレジャー!
それ以上……!?
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/08(日) 23:05:27.41 ID:fHB02j0Co
982 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/09(月) 03:55:28.57 ID:x43qt9hJ0
暗がりを彷徨っていると、
再びオーロラが周囲を照らしていった
先程とは比べ物にならないほど強い光が発せられており、みな焦った


極光「随分とこの階層に長居しているようだ。……それに、魔物にも苦戦しているね」


やはり、どこからかその人影は現れた
年齢も性別も分かりはしない


やる気「そうっすけど……なんすか?」

極光「そう露骨に機嫌を悪くしないでほしいね。こちらとしては君たちに結構期待しているんだよ」
983 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/09(月) 03:58:14.35 ID:x43qt9hJ0
ぶりっ子「期待って、なんもしてないですけどねぇ」

極光「そうかな?……いずれにせよ、フェニックスに辿り着いた者は久しく見ていない」

怪盗「私たちがそうなると?」

極光「だから、あくまで期待さ。……また会おう」


そう言うと、その姿はどこかへ消え去り、
それに伴ってオーロラも消えていった
984 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/09(月) 04:29:38.04 ID:x43qt9hJ0
本日はここまでです
ありがとうございました
985 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/09(月) 19:26:49.40 ID:x43qt9hJ0
・男
【筋力】124【HP】68【素早さ】200【MP】117【顔面】30(神の力)【歌唱力】74【料理】111【中華料理】97【画力】26【加護】13
【刀術】・閃火斬(火属性武器でのダメージ+6、それ以外で+3)
『平凡人』(戦闘能力以外最低保証50)
『魔法の才能』(魔法習得難度易化)
『多芸』(感覚系ステータス+20)
『万能通訳』、『降神術』(神の依り代に適性)
『マグネリレーション』
武器:レジストソード(攻撃力3.5、魔法生物特効)
防具:ミレニアムアーマー(ダメージを1/3)
習得魔法:上級火魔法 上級氷魔法 闇魔法 上級風魔法 回復魔法 光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 耳鼻咽喉キャンセラレーション 海割りの奇跡
所持:麻薬(1回分)、"人は空を羽ばたけるのか?"鳥人間強制改造本、ドラゴンキラー(ドラゴン系にダメージ増)、上級氷魔導書、13時間時計、魔王のデモウイルス、サファイアの原石、厨二っぽい太刀(攻撃翌力3、炎属性)、ベヒーモスの角剣
(経験値9/41……レベル32)

・中華
【筋力】139【素早さ】197【HP】43【MP】81【中華料理】112【顔面】76【加護】10【運命力】29【求心力】33
『救世主の資格』(【運命力】と【求心力】追加)
『魔王の資格』『神格』
『器用』(回数で壊れるアイテムを一回多く使え、罠や精密機械などに関するコンマ判定にボーナスが付く)
『戦飯』
武器:デモンズスピア(攻撃力4)
防具:ミレニアムアーマー(ダメージ1/3)
装飾品:銀の腕輪(筋力+5)
習得魔法:上級火魔法 上級水魔法 上級光魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法 回復魔法
所持:危険な国三選、13時間時計
(経験値20/40……レベル31)

・氷魔
【筋力】162【HP】??+36【MP】177【素早さ】151【料理】37【歌唱力】27【ダンス】1【顔面】37【加護】20
『消費MP1/2』、『ポリシーブレイク』
『究極氷魔法』消費【MP】:240(120)
『メルティング』、『氷魔法上位混合』
武器:ホークワンド(魔法ダメージ+5)
防具:ミスローブ(ダメージ半減)
装飾品:冷却懐中時計(氷ダメージ+5)
習得魔法:極大氷魔法 氷空魔法 超上級水魔法 上級風魔法 超上級回復魔法 マナ電流互換改 着火魔法 照明魔法 洗濯魔法 水質検査魔法
所持:異性にモテる為の本(所持継続一日以上で【顔面】+5) 雷の魔導書、13時間時計
(経験値43/47……レベル38)
986 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/09(月) 19:31:25.55 ID:x43qt9hJ0
・やる気
【筋力】157【HP】60【MP】129 【素早さ】178【顔面】36【加護】20
『殺る気』(殺せると思った相手へのダメージ二段階上昇)
『魔王の資格(80%)』(不完全ながら能力値上昇、魔物の言語が分かる)
武器:スパイラルランス(攻撃力6)
防具:ミレニアムアーマー(ダメージ1/3)
習得魔法:超上級水魔法 土魔法 回復魔法 着火魔法 照明魔法 マナ電流互換改 洗濯魔法 水質検査魔法 上級闇魔法 天候操作魔法 ジャミングウェイブ 解錠魔法
所持:氷の上なら狙った場所に届くカーリングストーン爆弾
(経験値2/38……レベル29)

・ぶりっ子
【筋力】122 【HP】??+32【MP】145【素早さ】102【料理】73【歌唱力】44【ダンス】51【加護】10
【顔面】58
『誘惑』(【顔面】以下の【MP】の生物をたまに行動阻止)
『やりくり術』(アイテム値段を二割引)
『ドジっ子』(ランダム攻撃の対象から外れ、【顔面】+10)
『毒手』(攻撃を命中させた相手に永続スリップダメージ)
『従者式格闘術』(後出しでかばいダメージ上昇)
『風より速く動く術』
武器:ドラゴンキラー(攻撃力3)
防具:ソードブレイカー(ダメージ1/3) 緋色の法衣(炎や熱系の魔法や攻撃の無力化+魔法だった場合魔翌翌翌力吸収 )
習得魔法:上級水魔法 上級氷魔法 光魔法 回復魔法 マナ電流互換 着火魔法 照明魔法
必殺技:ぴゅん太郎
所持:化粧品(試供品)、13時間時計
(経験値13/40……レベル31)

・怪盗
【HP】??+1【筋力】120
【MP】136【素早さ】355
【歌唱力】53
『盗む』
武器:丁半槌 防具:ソードブレイカー(ダメージ1/3)
習得魔法:上級火魔法 風魔法 回復魔法
所持:アダマンタイトの曲刀、雷の力を吸収する杖
(経験値28/34……レベル25)
987 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/09(月) 19:37:28.16 ID:x43qt9hJ0
・狙撃少女
【筋力】128【MP】143【素早さ】??+12
武器:守人のパチンコ(攻撃力3.5、攻撃前に属性魔法を使用して属性付加可能、三発)
『弱点の見極め』
『ブルズアイ』
習得魔法:水魔法 光魔法
所持:スパークナイフ(攻撃力2.5、雷属性)アンチオールスナイパー(攻撃力8、一発)
(経験値16/40……レベル31)

・炎魔
【素早さ】153
『破魔の炎魔』(邪な影響から味方をかばえる)
『焼魔』(魔物系にしか効かないが、攻撃力6)
『不滅の肉体』(基本的に死なない)
武器:なし
防具:なし
(経験値19/35……レベル26)

【所持アイテム】竜毒血清、毒竜管、人造人間の子宮、金属、不思議な赤石、銀の鎖鎌、危険物の魔導書(乙種)人間サイズの蛇の胴体パーツ、邪教典、硫酸の入った瓶、筋トレメソッド本、13時間時計×3、純金小判×5 レア珍獣の生息地(本) 忘却されるまで封印した機械(本)無限に重なる葉っぱ、ホームセンター便利グッズ紹介本 回復スライム、氷スライム レインボースライム 探し物の位置を指し示すコンパス(『4回』、不良品)、牛スライム、文字を書き込んだら対になるものに文字が浮かび上がる一対の巻物、壊れたものを何でも直すレンチ、黄金の番人像、世界樹の露(三回分)、なんでも開けるドアノブ型生命体、クイックポーション、超回復ポーション、仮死薬、とろける濃厚牛乳、タンブルウィード×5、オークションカタログ、ある兄弟の話、ベヒーモスの解体肉
【ギルドの資金】72260295
988 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/09(月) 19:45:31.66 ID:x43qt9hJ0
狙撃少女「なんなんでしょうね、あの存在は……」

男「結構期待してくれてるみたいだし、聞けば存外答えてくれるかもしれないな」


オーロラの残り香は少し暖かかった


中華「さっさと上らないと失望されちゃうかもね」

ぶりっ子「知りませんよぉ、あんな奴」


>>下1コンマ……探索判定
1〜60……階段発見
61〜80……トレジャー!
それ以上……!?
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/09(月) 19:55:43.47 ID:rAoS+OLDO
はい
990 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/09(月) 20:46:14.03 ID:x43qt9hJ0
ひたすら歩き回り、ようやく階段が現れた
塔の内部と同じく、黒寄りの灰色である


氷魔「……上りましょう……」


特に何事もなく上り終え、第二層に到着する
そして、そこでやる気が異変に気付く


やる気「……なんか、明るくなってないすか?」

怪盗「明るく……そうですかね?」
991 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/10(火) 00:26:04.83 ID:nHlyew8N0
本日はここまでです
ありがとうございました
992 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/10(火) 18:06:25.69 ID:nHlyew8N0
目を凝らしてみれば、
光源こそ増えてはいないものの、
壁や天井、床がやや明るい色になっていることが分かる


狙撃少女「建物の色が明るくなってるみたいですね」

男「だんだん明るくなっていきそうだな」

中華「うーん……前からこうだったような……」


>>下1コンマ……探索判定
1〜20……階段発見
21〜40……魔物出現
41〜60……極光カウンター+1
61〜80……トレジャー!
それ以上……!?
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/10(火) 19:54:27.42 ID:AE4cvaNDO
994 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/10(火) 21:40:16.75 ID:nHlyew8N0
次なる階段を求めて進む一行を、
またもオーロラが包み込む


氷魔「……これは……!」

極光「やぁ」

やる気「なんすか、さっきからやたら出てくるっすね」

極光「そういう気分だからね」

ぶりっ子「なんか胡散臭いんですよねぇ」
995 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/10(火) 21:44:07.39 ID:nHlyew8N0
極光「人恋しいと思っちゃいけないの?」

炎魔「寂しがり屋さんなんですか?」

極光「ふふ、そうかもしれない」


素顔も感情も見えなかったその存在が、
ようやく心から笑ったらしい


狙撃少女「……いい加減教えてくれてもいいんじゃないですか?あなたの正体を……」

極光「>>下1」
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/11(水) 00:56:36.07 ID:Fz1vmqzjo
不死鳥の下までたどり着けば答えがある
997 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/11(水) 01:00:26.04 ID:25phXd9+0
本日はここまでです
ありがとうございました
998 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/11(水) 19:16:12.76 ID:25phXd9+0
極光「不死鳥の下までたどり着けば答えがある」

男「はぁ」

中華「勿体ぶるねー」

極光「寂しがり屋だから、構って欲しいのさ。では、また会おう」


そう言い残して、その存在はまたもかき消えた
光も引いていく


氷魔「……本当に敵なんでしょうか……あの存在は……」
999 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/09/11(水) 19:22:45.08 ID:25phXd9+0
やる気「もっと気に入ってくれりゃ、戦わずに済むかもしれないっすね」

ぶりっ子「だといいですねぇ」

怪盗「………………」

狙撃少女「どうしました?」

怪盗「あのローブの下……なにか隠し持ってたりしませんかね?」

狙撃少女「え、奴からも盗むんですか?」


>>下1コンマ……探索判定
1〜25……階段発見
26〜50……魔物出現
51〜60……極光カウンター+1
61〜80……トレジャー!
それ以上……!?
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/09/11(水) 20:35:35.60 ID:e7tOUv8DO
はい
1001 :1001 :Over 1000 Thread
  | l| l || || l|           | l| l || || l|         
  | l| | || || l!           | l| | || || l!         たらい回しの最果ての地へようこそ!
   l   l| .|    ☆        l   l| .|    ☆     
  ____ /    .     ____ /    
  ゝ___ノ がーん! .   ゝ___ノ がーん! 
   (    )  .   .  .     (    )
   と    i             と    i          SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
    しーJ              しーJ          http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
うんち @ 2024/09/11(水) 14:10:58.49
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1726031457/

クラシックは終わった・・・ @ 2024/09/10(火) 22:16:52.20
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1725974211/

最後の花火に今年もなったな @ 2024/09/10(火) 21:21:10.40 ID:u4RI/9LO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1725970869/

便器クラシック板 @ 2024/09/10(火) 16:48:51.76
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1725954531/

うん @ 2024/09/10(火) 12:11:00.80
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1725937860/

【しかのこのこのここしたんたん】おいらの糞は300とん @ 2024/09/10(火) 02:38:44.15 ID:5pYmKJgxO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1725903524/

寝このこのこのここしたんたん @ 2024/09/10(火) 00:00:26.60 ID:Qd6IFxGWo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1725894025/

A雑バズライトイヤー大好き部 @ 2024/09/09(月) 18:17:59.32 ID:cN1g7mvN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1725873478/



VIPサービスの新スレ報告ボットはじめました http://twitter.com/ex14bot/
管理人もやってます http://twitter.com/aramaki_vip2ch/
Powered By VIPService http://vip2ch.com/

344.77 KB Speed:2.6   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)