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安価とコンマで異世界転生!その10

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201 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/19(火) 02:08:01.11 ID:B4sMv3xa0
ただ困惑しながら、次のページを開く
本来これを読むべきである中華を気にかけながらも、
目次のようになっているその頁に目を通す


やる気「おっ、面白いことが書いてある感じっすか?」

男「ああ、面白いかも」


いくつかの章に分けられており、
その始まりは著者の独白だった


ぶりっ子「まさか、本物ですかぁ?」
202 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/19(火) 02:12:17.40 ID:B4sMv3xa0
素早くそれを開くと、
彼がいかにして神へと至ったのかが記されていた
かつて王であったことも語られており、
『本人』のものであることは間違いなかった


男「つまり______」


彼は転生し、この世界でも覇道を歩んだのだろう
そして、その果てが神だったのだ


怪盗「なんですか、急に?」

男「本物だ、これは」


論理的に確信したが、
いざ理由を聞かれれば勘だと答えることになる
203 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/19(火) 04:12:46.38 ID:B4sMv3xa0
本日はここまでです
ありがとうございました
204 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/19(火) 19:57:28.81 ID:B4sMv3xa0
狙撃少女「そうなんですか?」

男「ああ、まぁ勘だが」

中華「えぇ……」

男「そんな顔をするな、とりあえず中華は読むべきだ」


そう言って彼に本を渡すと、
怪訝な顔をしつつも中華は本を読み出した


氷魔「……勘……ですか……」
205 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/20(水) 04:08:25.47 ID:RtksaVUf0
やる気「俺っちもなんか本探してくるっすかね」

怪盗「私も!」


二人は恐るべき速さで階段を上っていった


ぶりっ子「どうやったら、人間の体であんなスピードが出せるんでしょうかぁ……」

狙撃少女「いつか私の弾丸よりも早く走るのではないかと恐れています」
206 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/20(水) 04:22:31.46 ID:RtksaVUf0
本日はここまでです
ありがとうございました
207 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/20(水) 19:21:57.40 ID:rn6P+eJdO
去っていく二人を見失うと、
残った男と中華以外のメンバーは周りの本を見始めた


男「どうだ、中華。なにか自分の神格を上げる方法は見つかったか」

中華「うん、いくつか書いてある。章ごとに違うやり方が記されているみたいだ」

男「それはいい。それで、なにか自分でもできそうなものはあったか?勿論、最大限バックアップしよう」

中華「>>下1」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:54:53.83 ID:b5CwePkDO
ひたすら座禅して無の境地に至れって
209 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 04:39:40.76 ID:qGiUbp+40
中華「ひたすら座禅して無の境地に至れって」

男「無か……」

中華「ひたすらやればできそうじゃない?」

男「どうかな。料理のことを考えずにいられるかい?」

中華「それは……どうだろう?」

男「まぁ、料理のことを考えながらでも無の境地に至れるのであれば何ら問題はないな。ただ……」


そこまで言って男は顔を曇らせる
210 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 04:43:27.62 ID:qGiUbp+40
中華「……どうした?」

男「いやぁ、いらぬ心配をしたのさ。まさか中華が料理のことを忘れる訳ないしな」

中華「態度は豪快だけど、結構繊細だよね」

男「褒めてる?」

中華「七割くらいは」

男「ははは、そうか。……うん、中華なら座禅だってやれそうだ」
211 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 04:50:29.27 ID:qGiUbp+40
本日はここまでです
ありがとうございました
212 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 19:30:39.09 ID:qGiUbp+40
わけもなく空気感をしっとりさせていると、
怪盗が降りてきた


氷魔「……結構早かったですね……」

怪盗「変なことに興味はないのです」

ぶりっ子「やっぱり、上に行くほど変な本が増えるんですねぇ」

狙撃少女「それで、なんの本を持ってきたんですか?」

怪盗「ふっふっふ……>>下1」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 19:33:25.19 ID:nl32Mhet0
『真作と贋作の見極め方。これを知っていれば贋作でも本物と瓜二つ!!』
214 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/21(木) 22:51:36.99 ID:qGiUbp+40
怪盗「『真作と贋作の見極め方。これを知っていれば贋作でも本物と瓜二つ!!』」

男「なにかを偽造する気満々じゃないか!」

怪盗「し……失敬な、偽物掴まされないように勉強するだけですよ!」

???「こら、図書館ではお静かに、ね?」


注意する声の方を見ると、
浮遊するホログラムの女性がそこにいた


男「すみません。ところで……あなたは?」

市長「ここの市長をやっております」
215 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 04:43:34.40 ID:NlhhfKwv0
男「ああ、あなたが」

氷魔「その姿は……?」

市長「かりそめの姿です。この塔は魔力が非常に豊富なので、素体がなくともホログラムで現れることができます」

やる気「んー……なんすか?」


彼もまた、本を取って戻ってきたようだった


市長「市長です」

やる気「ああ、話は聞いてるっすよ。異常に美人なんで、そうじゃないかと思ってたっす」
216 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 04:45:47.51 ID:NlhhfKwv0
本日はここまでです
ありがとうございました
217 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 19:46:52.09 ID:NlhhfKwv0
男「そうだ、市長さん」

市長「いかがなさいました?」

男「この図書館について、知りたいことがあるんですが……質問しても?」

市長「ぜひどうぞ。しかし、私は司書ではございませんので、専門的なことはお答えできない可能性もあります」


非常に機械的な一文だった
そもそも、統合的AIにも答えられないほどの専門的質問とやらはあるのだろうか


男「……この図書館の地下に、魔神が封じられているとの噂がありますが……真実ですか?」

市長「>>下1」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/22(金) 19:54:37.71 ID:27O0croDO
いますけど、とてもおとなしい子ですよ
219 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 22:11:48.11 ID:NlhhfKwv0
市長「いますけど、とてもおとなしい子ですよ」

怪盗「それはよかったです」

市長「みなさまで三組目ですかね」

狙撃少女「?」

市長「あの魔神を倒すつもりでやってきた方々です」

中華「まぁ……悪いやつだったら、実際倒すつもりだったね」
220 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/22(金) 22:20:09.99 ID:NlhhfKwv0
氷魔「……まぁ……魔神って自由ですからね……」


かつて一行が遭った魔神は、
邪悪なものとしてこの世に喚ばれ、
しかしヒトの如く哲学的にもものを考えられる存在だった


市長「他の魔神に会ったことがあるのですか?」

やる気「そっすね、超危険っすけどコミュニケーションは全然取れるし、打ち解けることもできる感じだったっすよ」

市長「ふむ……やはり、現存する魔神の多くは、最初に与えられた使命については忘却しているか、あるいは……ともかく、さらにそれ以外の魔神も、話せば分かる者が多いと推察できます」
221 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/23(土) 02:32:25.89 ID:cTz9Srcv0
ぶりっ子「まぁ、安全じゃなかったらその上にこんな大きな図書館作りませんよねぇ」

市長「……図書館ができたのは、魔神を確認する前だったんです」

怪盗「適当ですね〜」

市長「そうですね、なにぶん私が市長になる前のことですから」

狙撃少女「あなたなら、そういったことはしないと?」

市長「勿論、その通りです。元々、私はかの魔神を観測し、情報を集めるためのAIとして製作されたのです。ベースの思考から、リスク管理にはかなりシビアであることが求められていたのですね」
222 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/23(土) 03:02:12.31 ID:cTz9Srcv0
本日はここまでです
ありがとうございました
223 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/23(土) 19:08:10.49 ID:8W5fF1+OO
男「……なんで、それが市長に?」


明らかに繋がらない
最初から街を統御するために造られたAIだとばかり一行は思っていたが、そうではないようだ


市長「この街を守るには、それしかなかったのです。少なくとも、私の計算によれば」

中華「いや、どうやったんですか?」

市長「『開発』を進めようとする資本家やその手先を欺き、この街に手出しできないようにしました。彼らは魔神と戦うつもりだったので」

氷魔「……深く立ち入らないほうが良さそうな話ですね……」
224 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/23(土) 19:46:15.19 ID:8W5fF1+OO
市長「そろそろ予定がございますので、私は行きますね」


そう言って彼女はその場から消滅した


やる気「すごい人だったっすね……いや、AIっすね」

ぶりっ子「そうですねぇ、なんかちょっと怖かったですよぉ」

怪盗「そういえば、やる気さんはなんの本を持ってきたんですか?」


問われると、本を胸のあたりまで持ち上げて返事をする


やる気「これっすか?>>下1っす」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 19:57:41.43 ID:GkEITseu0
埋蔵金伝説の本
226 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/24(日) 04:35:47.03 ID:aDGEGDRl0
やる気「埋蔵金伝説の本っす」


表紙には光り輝く金の延べ棒の絵が踊り、
内容もまたロマンを求める者を駆り立てるようなものだった


狙撃少女「こういうのが好きなんですか?」

やる気「嫌いじゃないっす。なんか、懐かしい気分になったんすよ」

男「そりゃまたなんで」
227 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/24(日) 04:40:32.83 ID:aDGEGDRl0
やる気「うちの親父が、探してたんすよね」

中華「実在する自信があったのかな」


そう聞くと、彼は意味ありげに笑う


やる気「半分、そうだったと思うっす。実際言い伝えは確かにあったんすよ。俺っちらの祖先が、未来に託したという埋蔵金が」

氷魔「……鵜呑みにはしていなかった……ということですか……?」

やる気「鵜呑みにせざるを得なかったんすよ。一族の誇りとして、かつての栄華を象徴する埋蔵金が、『やっぱり無かった』なんてことはあっちゃいけないっす」


寂しそうな目で、彼は遠くを見ている
話しぶりから、ホームシックの類でないことは明らかだ
228 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/24(日) 05:05:21.15 ID:aDGEGDRl0
本日はここまでです
ありがとうございました
229 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/24(日) 19:32:48.22 ID:oyasrpF4O
ぶりっ子「かわいそうな話ですねぇ」

やる気「そっすね、でも埋蔵金探しに行ったのは宝探しみたいで楽しかったっす。いい思い出っすね」

怪盗「だから、それに興味を持ったんですね」

やる気「怪盗も好きそうっすよね」

怪盗「ええ!そういったロマンと生きるのが私ですから!」


それから一行は、三人の本をそれぞれ一緒に閲覧し、
夕方まで時間を過ごした
230 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/25(月) 04:04:10.68 ID:Qt5RgQO90
狙撃少女「もう夕方ですね」

男「今晩の宿についてだが、さっきあたりを付けておいた」

中華「ありがたいね」

男「例のパンフレットがここにもあったからな。一階の受付に置いてあった」


それから男は、ギルドの面々を宿まで連れていった
それは住宅地の中にあり、いかにも普通の宿だった
231 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/25(月) 04:32:38.03 ID:Qt5RgQO90
本日はここまでです
ありがとうございました
232 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/25(月) 19:54:07.27 ID:Qt5RgQO90
一行が宿に入っていくと、カウンターに店主がいた


店主「おお、冒険者の方々ですか?」

氷魔「……はい……そうですが……」

店主「うちは冒険者の方を割引で泊めてるんですよ、部屋も沢山空いてます!」

やる気「へぇ、そりゃいいっすね。……部屋が沢山空いてるってことは、あんまり冒険者来てないんすか?」

店主「ええ、実はそうなのです」

ぶりっ子「なんでですかぁ?いい街だし、いい宿だと思うんですけどねぇ」

店主「>>下1」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 20:16:35.76 ID:FV6o/Wrf0
何者かわかりませんが、最近冒険者を狙う恐ろしい集団がいるみたいで…
234 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 04:09:26.67 ID:Dw4TtJJo0
店主「何者かわかりませんが、最近冒険者を狙う恐ろしい集団がいるみたいで…」

怪盗「冒険者を……?」

狙撃少女「市民や商人ならともかく、武力のある冒険者を狙うとは、変わってますね」

店主「ええ。動機はともかく、それでまだ捕まっていないのが恐ろしいのです」

男「だが、俺たちはまだ遭っていないな」

中華「本拠地でも分かれば、倒しにいきたい所だね」
235 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 04:13:20.38 ID:Dw4TtJJo0
店主「そうしていただけるとありがたいのですが……それもそれで不安です」

氷魔「……彼らが……不死鳥より強いのでなければ……倒せなくてはいけませんから……」

炎魔「戦いですか……面白いんですか?」

やる気「人によるっすねー……炎魔は楽しめると思うっすよ」

ぶりっ子「私はなるべく戦いたくないですけどねぇ」

怪盗「スリの腕はそこまででもないので、直接対決しなきゃ盗めないものもありますから、手段として楽しんでますよ」
236 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 04:15:04.27 ID:Dw4TtJJo0
本日はここまでです
ありがとうございました
237 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 19:05:07.69 ID:LNSG9CjFO
嘆く店主を尻目に、一行は部屋に向かった
いわゆる大部屋であり、全員宿泊できる


狙撃少女「夕飯はいつですか?」

男「ああ、今回は頼んでないんだ。中華に作ってもらおうかと思って」

中華「いいのかい?冷凍してあるとはいえ、肉は早めに使いたかった所なんだ」

氷魔「……期待できますね……」

男「厨房は手狭だが、本格的なキッチンのある宿はほぼない。許してくれ」
238 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/26(火) 21:32:12.15 ID:Dw4TtJJo0
中華は充実した様子でキッチンへと入っていった


やる気「城下町に帰れば毎日食えるんすけどね」

ぶりっ子「今日図書館で調べたんですけどぉ、ここ、かなり極北に近いですよぉ」

怪盗「そうなんですね、あとどのくらいですか?」

ぶりっ子「ここからさらに北の港から行けるらしいですねぇ」


まだ夕食までは時間があるようだ


>>下1……どうする?
1.中華の料理を手伝う
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/26(火) 22:01:29.43 ID:CaPDctyDO
7
240 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/27(水) 00:38:53.55 ID:LNvNHsjO0
男「どうだ、炎魔。その力には慣れたか?」

炎魔「はい、日常で暮らすぶんには!」

男「そうか。……明るくなったな」

炎魔「前の方がお好きですか?」

男「いやぁ、そういうんじゃないさ。俺の好みはさておき、楽しそうでなによりだ」

炎魔「そうですか!」

男「……で、炎魔。これからどうするんだ?」
241 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/27(水) 00:55:58.12 ID:LNvNHsjO0
本日はここまでです
ありがとうございました
242 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/27(水) 19:18:50.64 ID:LNvNHsjO0
炎魔「え、どうするって……?」

男「既に人間の感覚は得たし、ここは図書の街だ。ここで暮らすのがベストなんじゃないか?」

炎魔「うーん……そうかもしれないんですけど、私の元になった司書さんにも会ってみたいんですよね」

男「……あんまりネガティブなことは言わないようにしていたが。そもそも生きているのか?」

炎魔「それは分かりません。でも、諦めたら私はきっと後悔します」
243 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/28(木) 04:27:51.11 ID:rUB0zay20
男「……そうか」

炎魔「なにか面白いですか?」


それを聞いて、男は笑顔になった


男「いや、すごいと思ったのさ」

炎魔「そうですか」

男「炎魔がそう言うなら、探し出そうじゃないか。君の元になった存在を」
244 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/28(木) 04:36:04.45 ID:rUB0zay20
炎魔「あの、説明してくれませんか?細かい機微は私にはまだ分かりません」

男「君が自発的に、しかも感情的に発言したんだ。勝手なことだが、進歩と言っていい」

炎魔「そうですか?」

男「そうとも、性格が変わっても、心根まで変わるのは難しい。だが、君は間違いなく変わった。意識的でない行動からも分かる」

炎魔「それを聞いて、すごいと?」

男「ああ、嬉しかった」
245 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/28(木) 04:41:55.89 ID:rUB0zay20
本日はここまでです
ありがとうございました
246 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/28(木) 19:45:19.45 ID:rUB0zay20
炎魔「私も嬉しいです!」


そう言うと、体から炎が炸裂した
燃え移るタイプの炎ではないようだが、
とても心臓に悪い
また、部屋の気温が上がった


男「そ、そうか……だが、人前であまり燃えないほうがいいぞ。怒られるか、心配されるかだからな」

炎魔「はい!そういえば私、この力を得てから新たな特技を習得したんです!」

男「話の展開が強引だな……でも気になるな、なにができるようになったんだ?」

炎魔「>>下1」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/28(木) 20:08:24.76 ID:2ykYOaZV0
少ししょぼいですが、『破魔の炎魔』と『焼魔』を覚えました
248 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 04:08:29.86 ID:24rABtDY0
炎魔「少ししょぼいですが、『破魔の炎魔』と『焼魔』を覚えました」

男「めちゃくちゃ強そうだけど」

炎魔「『破魔の炎魔』はその名の通りですが……」

男「いや、分からんよ!?」


大したことではなさそうに話を進めようとする彼女を止める
むしろ、そちらの方が分からない


炎魔「私の体と炎で立ちふさがり、邪な力の侵食を阻む技です」

男「肉壁かぁ。あんまり使わせたくないな」
249 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 04:12:58.75 ID:24rABtDY0
炎魔「しかし、この肉体はもはやか弱い人形のものではないのですよ」

男「ほう」

炎魔「神聖なる不死鳥の力は、あらゆる災いを跳ね退けるのです!」


そう言って羽ばたくようなポーズを取る
飛べば様になるものを、立ったままポージングしている


男「……まぁ、そういうならそうなんだろう。でも気分的に嫌だな」

炎魔「そして『焼魔』はなんと……魔物に非常によく効く炎を放つ技です!予想だにしなかったでしょう!」

男「いやいやいや、聞いたまんまだよ。随分面白くなったな」
250 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 04:32:28.73 ID:24rABtDY0
本日はここまでです
ありがとうございました
251 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 19:09:15.21 ID:24rABtDY0
炎魔「人間とかには効かないので、みなさんを巻き込んだりしても大丈夫です!」

男「それは便利だな。ただ……状況次第で中華とやる気は燃えそうだ」

炎魔「ええっ!?魔物だったんですか!?」

男「いや、魔王の力を持ってるんだ。平時はともかく、力を解放してるときに撃つと燃えるかも」

炎魔「まだ改良が必要ですね……」

男「気に病むことはない。それよりも、もっと自分の人生を楽しむ技術を磨いたらどうだ?」
252 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/29(金) 21:16:12.56 ID:24rABtDY0
そんなことを話しているうちに、
夕食の時間となった


中華「はーいお待たせー」


彼は山盛りの肉を運んでくる
大皿から自由に取って食べる方式のようだ


氷魔「……すごい量ですね……」

やる気「よっしゃー!」
253 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/30(土) 04:26:33.74 ID:8aQIk2gf0
本日はここまでです
ありがとうございました
254 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/30(土) 19:41:43.59 ID:8aQIk2gf0
積まれた肉をものすごい勢いでやる気が食べていく
他のメンバーも適宜を肉を取って食べている
女性陣はどちらかといえば野菜を多く食べる傾向にあるが、炎魔は肉しか食べていない


ぶりっ子「魔神ってなんなんでしょうねぇ?」

男「本来、俺たちとは関係のない存在だ。だが、清算を要求されることにはなるかもしれないな」

怪盗「面倒な奴らですねぇ」
255 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/31(日) 04:38:35.45 ID:TRPfNB330
中華「魔獣も食べた、幻獣も食べたとなると……魔神の味も気になるね」

狙撃少女「えっ、急になんですか?」

中華「いや、魔神の話してたじゃん?」

炎魔「おいしそうでした?会ったことあるんですよね?」

男「……とてもじゃないけど、食べる気分にはならんなぁ」

氷魔「……いかにも危険そうなものでも……食べてみればおいしいこともあります……」
256 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/31(日) 04:41:01.39 ID:TRPfNB330
やる気「チャレンジ精神っすね」

中華「そう、何事もチャレンジしてみればできるかもしれないんだ。ね、炎魔?」


彼は野菜をフォークで刺し、渡す


炎魔「お野菜ですか……?」

ぶりっ子「苦手なんですかぁ?」

炎魔「味覚がろくにない頃は、むしろ好んで食べていたんですが……」
257 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/31(日) 04:44:13.77 ID:TRPfNB330
本日はここまでです
ありがとうございました
258 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/03/31(日) 19:56:37.83 ID:TRPfNB330
怪盗「私にも苦手な野菜はあります。彼女を責めることはできません」

狙撃少女「おいしいのに……」

男「だが、野菜が苦手なやつに野菜を食わすのは一筋縄ではいかんぞ」

中華「やっぱり?」

氷魔「……説得……というのもありきたりで効果は薄いですし……」

中華「じゃあ、うちに伝わる秘伝のメソッドで食べさせるしかないね!」

男「そんなものがあるのか!どうやって食べさせるんだ!?」

中華「>>下1」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 20:27:31.62 ID:lHKZBJ9z0
肉を野菜で巻いて食べる方法だよ! キャベツロールとかピーマンの肉詰めより手軽で巻くだけだからね!
260 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/01(月) 00:29:09.22 ID:rn7YhWAf0
中華「肉を野菜で巻いて食べる方法だよ! キャベツロールとかピーマンの肉詰めより手軽で巻くだけだからね!」


そう言って彼は肉と野菜を合体させた
そして、それを再び炎魔に食べさせようとする


炎魔「うっ……うー……ええいっ!」


一瞬渋る様子を見せたが、最後にはそれにかじりついた
261 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/01(月) 00:32:23.04 ID:rn7YhWAf0
恐怖の表情のまま、恐る恐るそれを咀嚼する
そして、どうにか嚥下した


ぶりっ子「どうですかぁ?」

炎魔「ま……まぁ、これだったら、食べてもいいですね!」

怪盗「そういえば、私もおばあちゃんにやってもらったような思い出がありますね」

狙撃少女「なんか、こういう一面があると安心します」
262 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/01(月) 19:48:14.95 ID:rn7YhWAf0
すみません寝落ちしました


微笑ましい夕食を終え、中華は洗い物を始めた


男「野菜をうまいと感じるかどうかと年齢には関係があるらしいな。歳を取ればとるほどうまく感じるという」

氷魔「とすれば……炎魔さんは生後数日……厳しいですね……」


>>下1……どうする?
1.中華の洗い物を手伝う
2.氷魔と話す
3.やる気と話す
4.ぶりっ子と話す
5.怪盗と話す
6.狙撃少女と話す
7.炎魔と話す
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 20:18:18.82 ID:HSsap0/g0
3.内容:最近、ベリアル側からのアプローチが無いと相談する
264 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/02(火) 01:40:02.02 ID:Xhzlv4H10
男「そういえば……」

やる気「なんすか?」


大量の肉を平らげて満足げなやる気に話しかける


男「あのベリアルとかいうやつ、最近は刺客とか寄越してこないな」

やる気「そうっすね……夢にまで干渉できるなら、なんらかの方法で攻撃してきもおかしくはないんすけど」
265 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/02(火) 01:44:04.04 ID:Xhzlv4H10
男「あっち側にも事情があるのか?」

やる気「それは分からないっすけど……まず、ここじゃ手出しできないんじゃないすか?あの市長、底が知れないっすからね」

男「ああ、市長が工作している可能性はありそうだ。だが、オークションの時は?」

やる気「ピエロの奴らと関係があるかもしれないっすね。だとすれば、接点はあったっすけど」

男「揮毫を強奪した奴らと繋がっている可能性もあるな。まぁ、ここ二つの街だったら理由付けはできそうだが……もっと攻めてきたら怖いな」
266 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/02(火) 01:48:04.63 ID:Xhzlv4H10
本日はここまでです
ありがとうございました
267 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/02(火) 19:28:10.61 ID:Xhzlv4H10
やる気「不安なら、調べてみたらいいんじゃないっすか?この街になら多分資料もあるっすよ」

男「そうだな。そういえば、俺は読んでないんだが……」

やる気「埋蔵金っすか?」

男「ああ、そうだ。なんか取れそうなやつあったか?」

やる気「正直な話、金脈の採掘権持ってるならいらないんじゃないすか?」

男「まぁ……それを言われると苦しい。だが、ロマンとして気になる。なんかないか?」

やる気「>>下1」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/02(火) 20:37:01.34 ID:CS4xVpBk0
貪欲な王様が飛行船一杯の金銀財宝をとある地方の地底奥深くに埋めたって話が載ってたっす
269 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/03(水) 02:51:02.00 ID:qkbMYFVu0
やる気「貪欲な王様が飛行船一杯の金銀財宝をとある地方の地底奥深くに埋めたって話が載ってたっす」

男「おぉー……面白そうだな」

やる気「もしこの大陸にあるとすれば……探せなくはなさそうっすよ?」

男「そうか?結構難しそうだが」

やる気「巨大地下水脈の話があったじゃないすか。もしかしたら、それと関係してるのかもしれないなって思ったんすよ」

男「なるほどね。一国の王ともなれば、その存在は知っていてもおかしくはない」
270 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/03(水) 02:52:46.99 ID:qkbMYFVu0
やる気「まぁ、その王様じゃなくても、水脈の存在を知ってる権力者なら利用しそうっすよね」

男「ああ、あり得る……本格的に気になってきたな」

やる気「大陸にいくつか入り口があるって話っすし、調べてみるのもよさそうっすね」

男「ああ、調べたほうがいいことを洗い出せたよ。ありがとう」

やる気「礼には及ばないっす。単なる世間話なんで」
271 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/03(水) 03:56:02.76 ID:qkbMYFVu0
本日はここまでです
ありがとうございました
272 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/03(水) 18:37:48.49 ID:qkbMYFVu0
それから洗い物を終えた中華を全員で労い、眠りについた

〜翌日・陰週火曜日〜


中華「今日はどうするの?」

男「今日も図書館に行こうと思う。昨日は自由に本を探したが、今回はきちんと情報に狙いを定めてやるよ」

氷魔「……いいですね……最近……よく分からないことが多いですから……」


行動指針を決定し、一日お世話になった宿に別れを告げた

【ギルドの資金】72270295
273 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/03(水) 21:32:17.75 ID:qkbMYFVu0
そして、再び図書館へやってきたのだった


やる気「それで、どれについて調べるんすか?」

男「大魔王ベリアルとやらのことを知っておきたいな」

ぶりっ子「そりゃまた随分上まで上がらないといけなさそうですねぇ」


脇に見える書庫にある本のタイトルをちらちらと流し見しながら、ひたすら階段を上る
そして、ついにそれらしい本を見つけた


>>下1……その本のタイトル
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/03(水) 21:50:32.57 ID:e2ItHYXDO
魔王年代記
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/03(水) 21:55:08.36 ID:Jar0ug8H0
『魔王の成り立ち 魔王の12通りの名乗り方と「大魔王になる為の試練」』

魔王の名を名乗れる方法を大きく分けて分類する

失伝
失伝
前任者の魔王を倒す事
魔王の名を襲名する事
魔神に祝福される事
魔王の力を譲渡する事
人々から恐れられる事
神を倒す事
生まれ持った才で名乗る事
人の手によって生まれる事
人々の邪な信仰を持って誕生する事
魔に精通し人智を越える事

コレらの方法を五つ以上満たした者が晴れて『大魔王』を名乗ることが出来る
276 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/04(木) 03:16:28.36 ID:qKyxIGyk0
十分は階段を昇り続け、
周りの本はどんどんニッチになってきた
どれもが独自ジャンルのような本で、
分類分けがあまり機能していない


怪盗「あ、これいいんじゃないですか?」


梯子を使って取るべき高さの本を、
アクロバティックに宙返りしながら回収する


狙撃少女「タイトルはなんですか?」

怪盗「『魔王年代記』です!」
277 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/04(木) 03:17:06.36 ID:qKyxIGyk0
本日はここまでです
ありがとうございました
278 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/04(木) 18:39:51.81 ID:qKyxIGyk0
もはや何階なのかも分からない高層で、
読書スペースも閑散としていたために、
全員でそこに座ってそれを読むことにした
幸運にも、それは二冊あったのだ


炎魔「魔王、めちゃくちゃいますね……」


有史以来、その資格を得た者は100名を超える
しかし、『大魔王』の称号を持つ者はごく僅かだった


男「かなり最近にまで及んで、色んな魔王のことが書いてあるが……流石に、うちの二人については書かれてないな」
279 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/05(金) 05:07:43.34 ID:MGSmoKmT0
中華「魔王って人間じゃないイメージがあったけど、結構人間もいるね」


いわゆる魔物の中で、特に強い者が魔王であるという認識は古来から人間たちの中であるものだ
しかし、本質的には魔を統べる者でしかないため、
その力や資質を認められれば、種族はあまり関係ない


氷魔「……人間の魔王は……むしろ多すぎますね……魔族の中でも……様々な種族から輩出されていますが……」
280 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/05(金) 05:09:12.53 ID:MGSmoKmT0
本日はここまでです
ありがとうございました
281 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/05(金) 19:33:18.42 ID:MGSmoKmT0
やる気「あれ……?」

ぶりっ子「どうしたんですかぁ?」

やる気「ベリアルってやつ、確かに載ってますけど……300年前に死んでるっすよ?」

怪盗「えぇ!?」


衝撃の真実だった
誰もが、それに対し様々な仮説を考える


狙撃少女「ベリアルの名を騙る別人かもしれませんね、今のベリアルは……」
282 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/05(金) 21:09:21.07 ID:MGSmoKmT0
中華「ありうるね、でも……もしかしたら、本当に死んでたかもしれないよ?」

男「復活したということか?」

氷魔「……それも有力です……もし復活したとしたら……復活前の死因について……知っておいたほうがいいかもしれませんね……」

やる気「なるほど……それなら書いてあるっすよ」


魔王ごとに、知られているものはその死因まで記されている


ぶりっ子「で、そのベリアルはなんで死んだんですかぁ?」

やる気「>>下1」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/05(金) 22:36:28.26 ID:TOViheWG0
食中毒
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/05(金) 22:40:46.33 ID:SfJYQ0p70
当時の勇者一行とその他の仲間たちに討たれたって書いてある
285 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/06(土) 19:44:46.31 ID:UzPYIezk0
すみません寝落ちしました


やる気「食中毒っすね」

怪盗「……そんなことでぇ!?」

やる気「みたいっすよ?なに食って死んだのかが分からないっすけど」

狙撃少女「なにか、奴にとってはとてつもない毒になってしまう食べ物があるのかもしれませんね……」

男「知ることができれば、なにかに使えるかもしれないが……」
286 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/06(土) 19:47:56.17 ID:UzPYIezk0
使い道の定かではない情報を手に入れた一行は、魔王年代記を読むのをやめた


中華「よし、次の本を見に行こう」

氷魔「……次は……なんですか……?」

男「地下水道への入り口を知りたい。この地域の地理系の本なら、なにか書いてあるかもしれないと思っていてね」

炎魔「探検したいですね」

やる気「危険っすけどね」
287 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/07(日) 05:33:59.18 ID:DPCw094R0
ぶりっ子「地理誌とかなら、結構下ですねぇ」

怪盗「どういう人が読むんでしょうか?」

市長「お答えしましょう」


素朴な疑問に答えたのは市長だった
しかし、彼女が現れたのは完全に虚空からであり、この塔の全てを掌握していることを誇示するかのようだった


狙撃少女「心臓に悪いですね……」

市長「そうですか?では、なにか予告をつけることにしましょう。ご指摘ありがとうございます」
288 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/07(日) 05:35:01.28 ID:DPCw094R0
本日はここまでです
ありがとうございました
289 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/07(日) 18:56:24.30 ID:DPCw094R0
皮肉にしか聞こえないが、AIとはそういうものだ
紛れもなく本心である


男「それで、地理誌って誰が読むんですか?」

市長「私です。市民の多くにも、目を通してもらっています」

中華「そんなに人気なのかい?」

市長「安全で、不満の出ない開発のためです。こちらでできる限りのシミュレーションはしますが、市民からのフィードバックもかなり多く……ここは世界で最も地理誌が読まれている街なのです」
290 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/07(日) 22:18:58.59 ID:DPCw094R0
氷魔「……それなら……好都合です……」

市長「どういうことでしょうか?」

やる気「俺っちらは、この大陸の地下にあるという地下水脈の入り口を探してるんすよ」

市長「ああ、それですか」


どうやら、彼女は知っているようだ
特にそれを聞いて驚いた様子もない


ぶりっ子「どこにあるんですか?」

市長「>>下1」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:22:16.51 ID:Dmh6ZTOG0
この都市の下↓にあります
292 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/08(月) 03:35:13.15 ID:2Bgr1zje0
市長「この都市の下↓にあります」


そう言って彼女は下を指差す
地下なので、当然この都市の下にあるだろう


怪盗「具体的に、どこから入れるんですか?」

市長「いくつか入り口は繋げてありますが……一番近いものだと、この図書館の地下深くでしょうね」
293 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/08(月) 04:29:10.65 ID:2Bgr1zje0
本日はここまでです
ありがとうございました
294 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/08(月) 18:49:46.04 ID:2Bgr1zje0
狙撃少女「では、行ってみましょうか」

市長「それと、伝えておかなければならないことが」

男「なんですか?」

市長「この塔の地下から地下水脈へ行けることについては、他言なさらぬように」

中華「……なんで、僕たちには教えてくれたんですか?」

市長「先日のうちに、あなたたちについては調べました。色々と胡散臭いこともしていますが……悪意のある人達ではないことは分かったので」
295 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/08(月) 19:29:57.78 ID:2Bgr1zje0
氷魔「……そうですか……信用していただけるなら……それで……」

市長「地下に繋がる扉は施錠されています。鍵を渡しておきましょう」


彼女は男に鍵を渡してきた
この図書館にいるのはホログラムのはずだが、彼女は鍵を持てている
しかし、そのことを追及するのはやめることにした


男「どうも、ありがとうございます」


一行は彼女と別れ、長い螺旋階段をひたすらに下り、一階に降りた
そして、一階にある地下行きへの扉を開き、薄暗い螺旋階段をまた降りていく
296 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/09(火) 19:05:31.95 ID:BAMXj5dp0
すみません寝落ちしました


すると、煉瓦造りの地下階段に、土が露出するとともにトンネルが開けられている場所がある
若干の湿り気も感じ、ここが地下水脈の入り口なのだと分かる


中華「よし、行こうか」

氷魔「……なにが潜んでいるか……分かりませんから……気をつけましょう……」
297 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/09(火) 19:09:23.38 ID:BAMXj5dp0
そこは、まるで坑道か、あるいは下水道のようだった
洞穴の中央にはいつでも水が流れていて、
この空間自体の崩落は、トンネル端の木製の柱で防がれている
そして、その光景がひたすらに続いていく


ぶりっ子「どこまで続くのでしょうかねぇ」

やる気「話じゃ、大陸全土を結んでるって話っすよ。疲れたら切り上げて出口から出たほうが賢明っすね」

怪盗「お宝の匂いがします!」
298 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/09(火) 19:12:09.95 ID:BAMXj5dp0
それから半刻ほど歩くと、
興味を惹かれるものが現れた


狙撃少女「あっ、あれ見てください」


彼女が指す先には、小屋があった
ここが坑道のように作られたとしたら、
作業員や監督の拠点だろう


男「よし、入ってみようか。中になんか居たら嫌だし、警戒しておこう」


臨戦態勢に入ったまま、代表して男が入口のドアを開ける


>>下1……小屋の中の様子
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/09(火) 19:18:14.49 ID:W9wa+Xci0
ラフな服装の鉱夫がいた
300 : ◆UEqqBEVZVY [saga]:2024/04/10(水) 04:02:47.32 ID:rT0Zk5+D0
鉱夫「……ん?」


小屋に備え付けられた、年季の入った木製の椅子には、ラフな格好の鉱夫が腰掛けていた


中華「あ、こんにちは」

鉱夫「おう……今は昼ってことか」

氷魔「……そうですね……その様子ですと……かなり長く地下にいらっしゃるようで……」
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