デジタルモンスター研究報告会 season2 エピローグ

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:37:33.54 ID:pQhiR4DH0
ユニモンを馬刺しにしてやれー!
213 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/25(日) 20:46:03.25 ID:CVYwBtcb0
農園の二大リーダーの一人、スティングモン。
信徒の元リーダー、バブンガモン。
その二体が対峙する。

『イチドダケイウ、グサグサ。カエレ』

『断る』

『ソウカ。ナラバオワカレダ。オマエトウタッテ、オドッタコト…タノシカッタ』

『ああ。私も楽しかった。お前と酒を呑み交わす友になれたことを、私は後悔していない。さらばだ友よ!』

『オレモ、コウカイシテイナイ。イクゾ…コロシテヤル!トモヨ!』

スティングモンとバブンガモンは、激しく衝突した。

この映像をデジドローンで撮影しているシュリモンは…スティングモンとフレイドラモン、どちらのアシストをすべきだろうか?

リーダーが口を開いた。
「シュリモン!フレイドラモンと共にユニモンを追え!AAAは、人に似たデジモンを育てて何かをする気だ!その最先端であるシスタモンを、絶対に生かしてはおけない!」

『わかった!』
デジドローンの映像から察するところ、シュリモンは足をバネのようにしてびよーんと高くジャンプし、バブンガモンを飛び越えたようだ。
器用だな!パルモンが進化した成熟期のシュリモンは。

後ろで激しい衝突音が鳴るのを聞きながら…
デジドローンは、フレイドラモンと、その奥にいるユニモンの姿を捉えた。

ユニモンは、さすが走行に特化した馬の姿をしているだけあって…
スピードがとてつもなく早い!
どんどん差を離されていきそうだ。

単純なスピードでは、フレイドラモンやシュリモンを大きく超えている。
やみくもに追いかけていては追い付けないぞ…!
214 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/25(日) 20:46:30.98 ID:MoFKrw45O
続く
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:47:08.26 ID:lOqhGweDO
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:48:04.20 ID:kGMa4gD0o

これ以上敵側に好き放題されたらどんどん状況悪くなるー
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/02/25(日) 20:50:58.25 ID:TIq9gstv0
乙でした
バブンガモンはカッコイイ漢だった
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:55:42.12 ID:Xpvd6LqD0

言葉が通じても友情を育んでも避けられない争いはあるものだな……
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:59:41.61 ID:MPC/BBEco

情けかけたらオサオサ一族も人間社会も犯罪者一人に滅ぼされちゃうから仕方ないね
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 16:41:36.91 ID:cCD+vczb0
スピードがあれば色々出来る
お馬さん並みに走れるデジモン欲しくなるな
221 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/26(月) 23:26:27.78 ID:DUSu9Hye0
いや、本当にスピードに差がありすぎる。
距離をどんどん離されていく。
シュリモンは手裏剣を投擲したが、射程範囲外のようだ。
フレイドラモンはシェイドラモンに変形し、粘着糸を飛ばすが、まったく届かない。

シュリモンに抱きかかえられているデジドローンの視界に映るユニモンの姿は、どんどん小さくなっていく。
このままじゃ逃げ切られる…!
どうすればいいんだ!

「あ…」
クルエが急に声を出した。
どうしたの!?

「いや…言っていいのかなコレ…」
言え!

「…ドーガモンで、AAAの声出せば止まってくれるんじゃない?」
おお!ナイスアイデア!
さすがクルエ!ろくでもないアイデアを出すことにおいてはチーム一だ!
「…あんま言いたくなかった…」

ドーガモン!頼む!
『出番ガ ネーノカト オモッタゼ イクゼ!』
ドーガモンは、AAAの声で叫んだ。

『止まれシスタモン!ユニモンを止まらせろ!そうすればこの追手共を倒せる!私を信じろ!』

さあどうなるか…!?
ユニモンは…
止まらない!!

デジドローンのスピーカー音量では小さすぎて、あの距離を蹄で地を鳴らして走っているユニモンや、それに乗っているシスタモンには聞こえてないんだ!
まさしく馬耳東風である。

くそ…もう追い付けないのか…!?

『オレたちの でばんは ねーのか?』
『ガッチモンどの 拙者たちは 平和利用デジモン 致し方ないことで ござる』

…!
ガッチモン、ナビモン!
そうか、こいつらがいた!
アプリンクしてくれるか!?

『どうしたんだ?いいけどよ』
『やるでござる!アプリンク!』
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 23:30:19.90 ID:DErV4qdLo
土壇場で新しい策を生み出せて能力高いなケン
223 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/26(月) 23:41:27.19 ID:DUSu9Hye0
これで、現在研究室のサーバーで待機中のガッチモンとナビモンは、機能をリンクした。
「検索」と「ナビゲート」を組み合わせて、同時に行えるようになったのだ。

カリアゲが、訝しげな見ている。
「なあ…やっぱりそいつら合体しないの?アプ合体、みたいな感じでさ」

メガが無理だって言ってただろ!
こんなときにふざけたこと言ってんじゃないよ!

「うん…ん−…俺が間違ってるのか…まあいいや」

『それでどうするんでござるか?』

追い付けないなら…
待ち伏せをする!

ナビモン!
今までのユニモンの走行ルートから、これからの逃走ルートを予測してくれ!

そしてガッチモン!
ユニモンの予測逃走ルート付近から、デジタルゲートを開けそうなアクセスポイントを検索して!
『わかったでござる!フン!ルート予測!』

リーダーが頷く。
「なるほど。いくらユニモンが逃げようとも、逃げた先のアクセスポイントからデジタルゲートを開き、そこから新たな追手を出せば差を縮められる!それで誰を向かわせるんだ?」

そこなんですよ。
正直、今の我々の手持ちでは、ユニモンを止められるデジモンがいない。

力の弱いマッシュモンとチビマッシュモン達や、オタマモンでは、蹴りとばされてしまうし。
ケンキモンとその中身のクラフトモンは絶対安静の療養中だ。
トコモンにはもちろん無理。

…パルタスさん!スターモンを出せませんか!?
『スターモン!?今はキウイモン島をジオグレイモンと共に攻めている!無理だ!』

えぇ!?
前に聞いた話では、ジオグレイモン?が単体で作戦をやるんじゃないでしたっけ!?
『作戦前に予行演習で別の任務をさせたが… 戦いになると頭に血が上って無差別に破壊してしまう!単体での任務遂行は無理だ!ゆえにスターモンをつけた』

ほ、他に出せるデジモンはいませんか!?
『…いない』

出せないデジモンはいるんですか!?
『秘密だ』

…うぅ、ジャスティファイアからは戦力を呼べないか。
待ち伏せ作戦をしようにも、待ち伏せをするデジモンがいない…!
224 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/26(月) 23:51:52.86 ID:DUSu9Hye0
カリアゲが驚いた声を出している。
「ん!?あれ!?フローティア島を見たら…トコモンが進化してる!」

クルエがカリアゲの席のディスプレイを覗いて、いっしょに驚いた。
「ほんとだ!可愛い!」

トコモンが!?成長期に!いつの間に!!?
で、出れるか!?

「いや、ケン… 進化したトコモン、あんまフィジカル強くなさそうだから、ユニモンを止めるのは無理だと思うぞ…」
だめか!!

「んお!?ふぁ、ファンビーモンのデジタマが!?な、なんだ… トコモン!そいつをとりあえずデジタルゲートの前へ連れていけ!」

え!?何!?
今度は何が起こったの!?

「ファンビーモンのデジタマがひとりでに動いた!」
まさか…デジタマモンと同じ現象か!?

『ディープサーチ完了!もう十秒後に、ユニモンはこのアクセスポイントに来るぞ!どうする!?』

ええい、いちかばちかだ!
進化したトコモンと、ファンビーモンのデジタマを!ゲートから出してくれ!

「ケン!そういうのはやけくそっていうんじゃねえのか!?ええい、だけど他に方法がない!いけ!ええと、名前は…」
カリアゲが悩んでいる。

「悩んでる場合じゃないでしょカリアゲ!私が名前を付ける!」
「お、おお!頼むクルエ!」

225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 23:53:43.57 ID:DErV4qdLo
デジタマにもやっぱ意識あるっぽいねえ
226 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/26(月) 23:58:46.12 ID:DUSu9Hye0
デジドローンからは遠くてよく見えないが…
デジタルゲートから、なにかデジモンが出てきた。
人型のシルエットをしているようだ。

「いっけー!ティンカーモン!」

ティンカーモン…それがトコモンが進化したデジモンの名前か。
遠くて姿が見えないが、頑張れ!

ティンカーモンは…
ファンビーモンのデジタマを抱えたまま、こっちに向かって飛んできた!

…うん、ごめん。
やっぱ成長期なりたててユニモンを止めるのは無理だよね。
しかし、ファンビーモンのデジタマを持ってきてどうするんだ?

やがて、バテかけながら全力疾走しているフレイドラモンのところへ…
デジタマを抱えたティンカーモンが来た。
https://imgur.com/fusILB5.jpg

おお、人間そっくり… というか、ほぼ人間みたいだ。さすがシスタモンの姉(?)。
それに蝶のような翅が背中から生えている。
人間というか… 妖精?に近いな。

『コレを!』
ティンカーモンが抱えたデジタマは…
飛び跳ねて、フレイドラモンにぶつかった!

おお、な、何をするんだ…!?
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:01:25.19 ID:jpTQiIhQo
おぉ会話できるのか
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:03:51.14 ID:6RdVeWjA0
トコモンからこんな人型になるってビビるな
人という概念を理解しているが故の進化かな?
229 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/27(火) 00:03:55.49 ID:9JkRu4Ts0
フレイドラモンと、ぶつかったデジタマは…
同時に光り輝いた。
そして、ふたつのシルエットが混ざり合った。

やがて、シルエットから何かが飛び出てきた。
…これは…
炎の紋様が刻まれた、デジタマのような形状の物体。
『勇気のデジメンタル』が小型化したような物体だ。

なんだ?
なんでフレイドラモンが、ファンビーモンのデジタマと混ざり合ってから…
小さい勇気のデジメンタルが飛び出たんだ!?

やがて、光が止むと…

そこには、フレイドラモンでもシェイドラモンでもない姿のデジモンがいた。

https://imgur.com/kMpb3T0.jpg

…四足歩行の獣型の体型になったブイモンが、全身に黒い装甲を纏ったような姿。
額からは、イナズマの形をした刃物のツノが生えている。

な、なんだ…
何が起こった!?
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:04:54.74 ID:jpTQiIhQo
ティンカーモンはこれを予測していたと言うのか
231 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/27(火) 00:05:16.79 ID:9JkRu4Ts0
獣型の形態になったブイモンは…
突然叫んだ。

『うるっせえええ!!!ファンビーモン!!!すこししずかにしろ!!!!』 

ど、どうした!?
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:05:49.07 ID:t4BD4Ebco
ブイモンすげえ活躍するじゃん
コマンドラモンに負けてない
233 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/27(火) 00:05:52.62 ID:9JkRu4Ts0
つづく
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:06:14.11 ID:t4BD4Ebco
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:09:52.23 ID:6RdVeWjA0

最近のブイモンの活躍を見ればあの時はブイモンは要らないと言ったパルタスさんの答えも変わってるかもしれない
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:11:24.30 ID:LrxUz4Av0

オサオサ村産のデジモン有能多いな
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:22:22.19 ID:R2rCTbhX0

ブイモンには無限の可能性があるな
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:53:53.13 ID:h7rHSDXr0
乙でした
かっこいいよねライドラモン
239 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/27(火) 23:47:39.17 ID:6Dfaq9QS0
ど、どうしたブイモン!?

『ファンビーモンのやつ、あたまのなかでうるせえんだ!はやく狩れ、仕留めろ、殺せ、食わせろって!わかってるっつーの!』

そ、そうか。

『わーったって!今追い付くから黙ってろ!うおおおお!!』

四足歩行型形態のブイモンは、全速力で走りだす。
うおお速い!フレイドラモンよりもずっと早い。
ユニモンとの距離がちょっとずつ縮まっていく…か…?

…いや!縮まらない!!
これでもまだユニモンの方が速い!!

それでもまあ、今までよりずっと速くなったな。
四肢の獣の形質を、ファンビーモンと融合したドリモゲモンのデジタマから引き出したのだろうか。
『くらえええ!!おりゃああ!』

おおっ!?
獣型形態のブイモンは、頭部のツノから放電攻撃を繰り出し、ユニモンへ浴びせた!
『ヒヒィィン!?』

電気ショックを浴びたユニモンは、一瞬体が硬直した。
すごい…電撃攻撃までできるのか!
でもなんでだ?

リーダーが画面を見ながらつぶやく。
「ドリモゲモンの頭部のツノは…もともとは放電器官だったのかもしれない。その電気をドリルに供給して回転させ、地面を掘れるように進化したのがドリモゲモンなのではないだろうか」

な、なるほど…。
現在のドリモゲモンから退化している放電能力を、先祖返りによって獲得したということか。

なら、新しい形態のブイモンの姿を…
ライドラモンと名付けよう!

240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 23:49:38.73 ID:m3lEDgcyo
誰かを乗せやすそうな見た目だし正に「ライド」ラモンだ
241 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/28(水) 00:13:35.14 ID:yoIcpPOF0
ライドラモンは、二撃目の放電を浴びせようとするが…

『ダメ!ユニモンは、ワタシが!マモる!』
そう言い、シスタモンは杖を構えると…
自身とユニモンを光の膜で覆った。

ってか、ほんとにユニモンって名前で合ってたんだ。
AAAとネーミングセンスが一致したみたいで気色悪いけどまあいいや。

『くらええ!』
ライドラモンは、再度放電攻撃を放つが…
シスタモンが張った光の膜が、電撃攻撃を弾いた。

ば…バリアか!
シスタモンのやつ、戦闘能力がなさそうだと思ってたら、防護に特化していたのか。

しかし、成熟期相当のデジクロス体の放電攻撃を弾くとは、かなりの耐久性能だ。
成長期にしてはかなりやるな、あいつ…。
ティンカーモンもああいうことはできるんだろうか。

そうしていると…
突如、デジドローンが映している映像がガタついた。
『ぜはっ、ぜはっ…も、もうだめ、はしれない…』
シュリモンの声だ。

デジドローンの映像が揺れ、ライドラモンたちからどんどん引き離されていく。
どうやら全力疾走し続けていたシュリモンの体力の限界が来てバテたようだ。
シュリモンは立ち止まって、ぜぇはぁと荒い呼吸をした。

…バテはしたが、シュリモンは決してフィジカルが弱いデジモンというわけではない。
我々のサーバーのシステムが、先日の侵攻で破壊されてしまい復旧中であるため、まだシュリモンの筋肉のデータを解析したりはできていないが…
おそらくシュリモンの筋肉は、ほとんどが『白筋』だと推測される。

筋肉には、赤筋と白筋の二種類がある。
赤筋は、ミオグロビンという酸素を蓄えるタンパク質を大量に含んでいるため、長時間力を発揮するスタミナがある。
しかし血中の栄養素を分解してエネルギーを得るのが若干遅いため、瞬発力やパワーは劣る。

一方で白筋は、ミオグロビンがほぼ無いが、パルブアルブミンというたんぱく質がある。
これは血中の糖分を分解することで、瞬時に大量のエネルギーを生成できる。
だから瞬発力やパワーはあるが、スタミナが劣る。

馬などの長時間走り続けることが得意な動物は、筋肉のほとんどが赤筋だという。


シュリモンがバテるのが早かったのは…
瞬発的な戦闘能力に特化しているが故のトレードオフといえるだろう。
242 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/28(水) 00:15:19.93 ID:yoIcpPOF0
『まてー!』
『ヒヒィイン!』
ユニモンとライドラモンは、そのままシュリモンが抱えるデジドローンが視認できないほど遠くまで走り去っていった。

『ぜーはー…ごめん、ケン…』
…気にしないで、シュリモン。
全速力で追い付こうとはしなくていいさ。
一息ついたら、シュリモンが無理のないペースで、まっすぐ進んでみよう。

きっとライドラモンは、うまくやってくれるはずだ。
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 00:17:41.86 ID:LgJcaQF1o
仕方ない頑張った
244 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/28(水) 00:25:23.44 ID:yoIcpPOF0
…しばらくして、シュリモンが体力を取り戻してから。
ジョギングくらいのペースで進んでいると…

何かが見えてきた。

『はぁ、はぁ…』
ブイモンとデジタマモン。
そして、大きな黒いピーナッツのような形をした物体だ。

ブイモンは地面に座って、険しい表情をしている。
デジタマモンも、地面に座っている。


…ユニモンとシスタモンの姿は、そこになかった。

『…ケン…』
お疲れ、ブイモン。

『…ちくしょう…にげられちまった、ちくしょう…!』

何があったの?

『なんぱつか、デンキをくらわせて、バリアをやぶれたんだけど… ユニモンのやつ、そらとびやがった』

空を…!?

『うちおとそうとおもったけど…とどかなかった』

…追跡失敗か…?
いや、まだだ…
ガッチモン!かつて沼でシャコモンの殻を探したように、周囲からユニモンとシスタモンを検索してくれ!

『やってみる!』

ガッチモンは、一度さっきティンカーモンが出てきたアクセスポイントにデジタルゲートを開き、そこからデジタルワールドに出たらしい。
そして、検索を行った。

『…みつからねえ』

だ、ダメか…!?

『オレのけんさく、じめんから情報をとってくるから… そらとんでるやつはみつけられねえみてーだ』

…。
逃げられた。

『わりい、ケン…。オイラ、しっぱいしちまった…』

その時。
パルタス氏から連絡が来た。

『貴様ら喜べ!上を必死に説得した結果、我がジャスティファイアの最終撃滅部隊…「天地人」の一部に出撃許可が出たぞ!』
ぱ、パルタスさん…。

『さっきのデジタルゲートで待ち伏せすればいいんだな!?』

…その地点はもう過ぎました。
シスタモンには逃げられてしまいました。

『…逃げ延びさせてしまったか。確実に仕留めておきたかったな』

…。
我々は、できることを全てやったはずだ。
ベストを尽くしたはずだ。

二足歩行のフレイドラモンでは追い付けない猛スピードのユニモンに、引き離されそうになった時…
奇跡のような出来事が起きて、ブイモンはライドラモンとなった。

四足歩行になり、飛び道具を獲得した。
この状況で最も欲しい形質を手に入れた…それは間違いない。

だが、それでも尚。
我々が起こした奇跡を…
ユニモンとシスタモンが積み重ねてきた力が、上回ったのだ。


『ジョーカーたった一枚が舞い込んだだけでは、ゲームには勝てない』…。
AAAがかつて言った言葉が、身に染みて理解できた。
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 00:27:43.47 ID:LgJcaQF1o
どうしても一手二手上回られて後手に回るしかなくなる
246 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/28(水) 00:30:33.15 ID:yoIcpPOFo
『どうしよう、ケン…』

悔やんでいても仕方がない。
スティングモンとバブンガモンが戦っているであろう地点へ戻ろう。

途中にあったアクセスポイントのとこまで戻れば、そこからデジタルゲートを開いて、集落跡地まで戻れる。

『…そっか』

我々は最後の詰めに失敗した。
だが…
失敗して終わり、じゃない。
戦犯探しをして誰かに責任を押し付けて責めたり、「次は頑張ろうね」と励まし合っても仕方が無い。

我々のチームの誰かに悪気があったわけじゃないし…
今回だって最大限頑張ったのだから。

我々は研究チームだ。
研究とは、いつも失敗し、振り返り、学んで進んでいくものだ。

事が済んだら、失敗を分析し…
どうすれば良かったか。次に成功するにはどうすればいいか。
それを考えていこう。
247 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/28(水) 00:33:30.37 ID:yoIcpPOFo
今回は敗けたとしても…
次こそは勝つために。




…ブイモンとデジタマモン、シュリモンが、デジタルゲートを通じて集落へ戻ると…

大きな衝突音が聞こえてきた。


何か大きなものが飛んできて、地面を転がった。

それは…
『ぐっ…うっ…!』
全身の甲殻が痛々しくヒビ割れ、右腕がへし折れた、血まみれのスティングモンだった。
248 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/28(水) 00:33:37.91 ID:deiywyfMO
つづく
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 00:36:17.87 ID:TpqE4yWB0
乙でした
バブンガモン強いな
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 00:38:00.98 ID:MxX5DUEy0

日頃から戦ってるスティングモンに戦闘嫌いなバブンガモンが勝つとは
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 00:38:10.22 ID:LgJcaQF1o

グサグサ負けてたか
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 09:41:30.91 ID:qmINGn2H0

やはり好きなリアリティライン
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 22:26:29.29 ID:JKeF4keEo
こんな強いバブンガモンのデジタマも欲しいな
254 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/29(木) 22:34:38.89 ID:TNwSBUqw0
スティングモンが飛んできた方を見ると…

『フゥッ…フゥゥッ…!』

岩のような甲殻の隙間に、いくつもの刺し傷があるバブンガモンが立っていた。

す、スティングモン!負けたのか!?
ボロボロだぞ!大丈夫か!?

『グサグサと呼べと…言ったはずだ。私一人ならば、この結果は敗北だが…。お前達がいる。よって…私の、勝利だ』
どういうこと!?
スティングモンがそう言うと、バブンガモンは…

『オッ…ウグォォ…!』
がくっと膝をついた。
『シ、シビレル…ウゴケン…!』

こ、これは…!?
バブンガモンの動きが止まった!

『ぜぇ、ぜぇ…。私の針には、しびれさせる毒がある。信徒には、長く効かないが…』
スコピオモンから受け継いだ麻痺毒か!

『オマエ、タチ… シスタモンヲ、ドウシタ…』

…逃げられたよ。
ユニモンと一緒に飛び去って行った。

『…ソウカ。オレノヤクメ、ハタシタ。コロスナラ、コロセ』
バブンガモンは体の力を緩め…
地面に尻をついて座り込んだ。

スティングモンに殴り勝つほど強かったのか、バブンガモンは。
だが、体が麻痺しているのなら、仕留める方法はいくらでもある。
オタマモン(赤)で顔面に火炎放射を放ち、甲殻の隙間をシュリモンの手裏剣で突き刺す。
そうすれば確実に倒せる。

ど、どうする。

私がそう言うと、メガが口を開いた。
「どうするも何もないよ、ケン。とどめを刺さない理由がない」
メガ…。
「バブンガモン。君は僕たちを憎んでいるだろう、恨んでいるだろう」

『…ニクイ…。カゾクヲ、ミナゴロシニシタ、オマエタチガ。ニクイ、キライ、タオシタイ…』
バブンガモンは震えるような声で言う。

「この通りだよ、ケン。ここで見逃せば、きっとバブンガモンはAAAと共に僕らへ復讐をしようとするだろう。トドメを刺さないで放っておくメリットが何もない」
…。
「ただでさえシスタモンに逃げられたんだ。バブンガモンにまで逃げられたら不利になるだけだ。そうでしょ、ケン。とどめを刺そう」
255 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/29(木) 22:45:47.63 ID:TNwSBUqw0
その時。
「もう…いいだろ…」
カリアゲ…?
「もういいだろ!!!こんなこと!!!」
カリアゲが声を張り上げた。
「バブンガモン!!お前はAAA…じゃない、天使を!信奉していなかった!あいつに群れを乗っ取られて嫌だったんだろ!従いたくないんだろ!?」

『…テンシハ、ナカヨシダッタオレノカゾクタチニ、イジメヲツクッタ。アラソワセタ。ミンナ、アンマリ ナカヨシジャ、ナクナッタ』

「…なあ、みんな。シスタモンにはもう逃げられちまった…。もうバブンガモンを倒す意味なんてないだろ!?」

「…生かすメリットが何かあるの?カリアゲ」

「メリットとかそういうことじゃねえだろ!メガ!もうこんなの十分だろ!生き残ったバブンガモンまで殺して何になるんだよ!」

「ここで仕留めるメリットと、見逃すデメリットはさっき言ったはずだよ、メガ」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 22:47:57.89 ID:mF/gNQpc0
やはり何か言うかカリアゲ
257 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/29(木) 23:05:07.16 ID:TNwSBUqw0

「…バブンガモン。家族を殺されてつらいだろ」

『アタリマエノ、コト、キクナ…ツラスギルニ、キマッテル』

「だけど今まで、オサオサやグサグサの村の住人達も、信徒デジモン達に殺されてきたんだ。おんなじことを、お前の家族たちもやってたんだよ、バブンガモン」

『…ウ、ウゥ…!』

「バブンガモン、お前はどうなんだ。グサグサを殺したくないんだろ?」

『…ウン…』

「グサグサ、お前だってバブンガモンを殺したくないだろ!」

『…降りかかる火の粉は、払わなくてはならない』

「でもお前を殺したくないって言ってるぞ」

『…ならば殺す理由はないが…』

「…ならもういいじゃねえか、バブンガモン…」

『デモ、オレハ、ダイジナカゾクノ、カタキ、トラナキャ、イケナイ…。ニクイ、オマエタチガ…』

「っ…それは…」

その時。
リーダーがマイクをONにした。
「バブンガモン。お前の家族は生きている」

『エ…』

「前に我々は天使の軍と戦った。その時、天使は信徒を、お前の家族たちを、ある島へ置き去りにしたんだ」

…そういえば、そうだった。
リーダーはドーガモンの力でAAAのデジドローンの偽物を作り、成長期蛮族たちとケンタルモンを騙して、離島へ島流しにしたんだ。
あいつら今どうなってるんだろ。

「もしも、ここですべての戦いを終わりにして…、二度と天使と組まないと誓えるのなら、そいつらと合わせてやる。残った家族と暮らせばいい」

『…イキノコリ、イルノカ』

「そうだ。だが、我々に復讐するというのなら…お前を仕留め、島流しになった信徒達も見捨てる。どうする」

『オ、オレハ、オレハ…!』

バブンガモンは混乱している。

カリアゲがマイクを握った。
「バブンガモン、お前は家族を護りたいんだろ…。戦いたいわけじゃないんだろ?」

『…ウ、ウウゥ、ゥウウ〜〜…!タタカイタク、ナイ…!タタカイタク、ナカッタンダ…!』
バブンガモンは、ぽろぽろと涙を流した。
258 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/29(木) 23:12:03.37 ID:TNwSBUqw0
パルタス氏が我々に通信してきた。
『何をやっている、リーダー』

「…こいつらにもう戦意がないなら、殺す理由はない」

『だが生かす理由もない!たとえバブンガモンに戦意が無くとも!せっかく島流しにした蛮族共の集団が生き残れば、AAAは必ずそいつらを洗脳してまた手駒にする!』

「そうならないようにバブンガモンが御すればいいだろう」

『できるわけがなかろう!こんな猿にシビリアンコントロールなど!バブンガモンがどう言おうが、あの狡猾な男はまたバブンガモンの家族を乗っ取るぞ!』

「…っ」

『恨みの滴はたった一滴残っただけでもヘドロを生み、我々に復讐をしに来る。唯一の回避策は、すべてを根絶してしまうことだ!』
パルタス氏がそう言ったとき…
クルエが口を開いた。

「いや、ひとつだけあるよ。バブンガモンの家族が、AAAに操られずに暮らしていける方法」

『なんだ?そんなものがあるわけ…』

「グサグサやディノヒューモンの村の一員になればいいじゃん」

『な…!?』
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 23:13:01.46 ID:aYeBUu/Bo
クルエの十八番 奇策
260 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/02/29(木) 23:13:01.52 ID:FgOQ77lFO
一旦ここまで
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 23:13:14.17 ID:aYeBUu/Bo
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 23:13:48.64 ID:mF/gNQpc0

急展開なところで引き
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 23:17:27.53 ID:medEWl0l0

ディノヒューモン一族は元々敵対関係だった昆虫デジモンとも同じ村の一員になったし
バブンガモンと宴会したことあるし受け入れる下地はあるのか
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 23:27:15.46 ID:imD6Vg3s0
乙でした
ティンカーモンを糸口に説得するかと思ったらびっくりだな
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/01(金) 00:45:28.74 ID:9tHAwMw00

あの島をここで拾ってくるんだ……
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/01(金) 19:36:15.68 ID:srcqN3Eto
意思疎通出来ない獣なら熊みたいな扱い出来るけど意思疎通出来ちゃうとなると難しいな
267 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/03(日) 19:31:29.10 ID:pGg+9bOKO
「バブンガモンだけで類人猿デジモンの群れを率いるなら、AAAに隙を狙われてまた支配されるかもしれませんけども…、でも、スティングモンやディノヒューモンみたいなしっかり者もいれば、きっと大丈夫じゃないですか?」

クルエの提案を聞いて、パルタス氏が答えた。
『クルエといったか。貴様の提案は、危険のない研究室で安全にくつろげる余所者だから言える絵空事だ。視点がマクロなままで理想だけを言い並べている。ミクロのレベルに視点が向いていない!』

「そうですか?」

『そうだ!ディノヒューモン村の民からすれば、蛮族共は兄弟や子を殺傷した集団だ。個人単位で晴れることのない恨みを抱いているに決まっている!そんな状況で和解できるのなんてマンガの中だけだ!』

「でも、バブンガモンとスティングモンは和解したがってるみたいですよ。きっと大丈夫ですよ」

『きっとだと?たとえ五分五分で和解に成功したとて、我々には何らメリットはない。だが和解に失敗すれば、せっかく滅ぼしかけたAAAの手駒が補充されかねない。得がなく損しかない賭けだ!そんなものなどやる意味がない!』

「うぅ…」

『バカな夢想などせず現実を見ろ。遊びではないんだ。失敗したときの被害は我々だけでなく守るべき市民に及ぶのだぞ。市民の安全を第一にするのが貴様らセキュリティチームではないのか!』
268 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/03(日) 19:52:02.76 ID:pGg+9bOKO
得なら…あります!
和解するメリットが!我々にも!

『なに…?』

今回、蛮族デジモンが集会をした直後にシューティングスターモンを撃ち込みましたが…
本当に、デジタルワールドの類人猿デジモンを、バブンガモンとシスタモン以外みな滅ぼせたとお思いですか。

『…全てではないかもしれないな』

そうです。
蛮族デジモンの集落には、被差別階級の身分のデジモン達がいた。

差別され虐げられた類人猿デジモンが、すべて虐げらながら集落に留まっていたとは考えにくい。
フーガモンのいる集落から離れたところに逃げ延び、AAAの支配から逃れた類人猿デジモンもいるはずです。

『…そうだな』

たとえ今一時、フーガモン集落を壊滅させたとしても。
AAAはそうしてフーガモン集落から散らばった類人猿デジモンを集めて、手駒を補充する可能性があります。

『ならばそいつらも滅ぼせばいいだろう!ガッチモンで探して、フレイドラモンで焼き尽くせばできるはずだ!』

暴力は恐怖を生みます。
溺れる者は藁をも掴む。
類人猿デジモンを探して虱潰しにしようとするなら、彼らは我々を恐れ、自らAAAに助けを求めるようになるのではないでしょうか。

そうすれば、AAAは生き残りの類人猿デジモンを今より容易に味方につけられるはずです。

『ならばどうするというのだ』

ガッチモンで類人猿デジモンを探すのは同じです。
しかし、生き残りの類人猿デジモンたちには、ジェノサイドの使者としてフレイドラモンを差し向けるのではなく。
対話の使者としてバブンガモンに出向いてもらいます。

そうして彼らをディノヒューモン農園の労働力として囲い込めれば、AAAの手駒が増えるのを防げます。

『…確実性がない。メリット足りえないな。やはり類人猿デジモンは滅ぼしてしまった方が安全だな』
269 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/03(日) 20:03:05.52 ID:pGg+9bOKO
メガが口を開く。
「パルタスさん、覚えてる?僕たちの社会には、デジモンを全て滅ぼしてしまえと言う人達がたくさんいる。クラッカーデジモンだけでなく、セキュリティデジモンや野生デジモンまでも」

『ふむ…そうだったなメガ』

「どう思う?パルタスさん」

『下らん。セキュリティデジモンはクラッカーデジモンだけでなく、一般のマルウェアの侵入を防ぐこともできる。それを滅ぼせなどと、まるで理解が足りていない』

「今のパルタスさんは、それと同じことを言ってますよ。あなたは、そして今までの僕は、無理解からくる恐怖に囚われて、怖がっていただけだ!」

『なんだと…』

メガ…!

「…どうして僕はこんな簡単なことに気付けなかったんだろう。僕は、デジタルアソートは…、元々デジモンの平和利用を目指し、人とデジモンが共存できる社会をつくっていこうとしていたのに」

『…怖がって何が悪い。市民がクラッカーの魔の手に脅かされる可能性を恐れない者に国防が務まるとでも?』
270 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/03(日) 20:05:37.68 ID:pGg+9bOKO
「もしも、バブンガモンとスティングモンが無事に共生できたら…、その映像を、僕達デジタルアソートのプロモーションとして利用させてもらうよ。デジタルモンスターは分かり会える存在だとアピールするためにね」

『…』

「世の中が平和で便利になることは!ジャスティファイアの望みじゃないのか!パルタス!」

『っ…』
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 20:05:43.88 ID:5+eEa8w2o
目につくデジモンをみんな潰していくのも現実的ではないからなあ
272 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/03(日) 20:06:06.49 ID:pGg+9bOKO
つづく
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 20:07:01.98 ID:Nh4Yq9REo

デジモンで利益得るのが本来の目的だったからね
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 20:08:06.95 ID:ND5SOe3l0
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 20:13:13.70 ID:FfCtJ/DD0

うーんどう転ぶかわからない
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 20:18:57.87 ID:eyIuU/Gp0
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 20:58:38.54 ID:swYQQ1tmo
危険なデジモンみんな滅ぼそうとすると行き着く先は倉田か
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:00:08.13 ID:qYFcEzE40
スポンサーさんならバブンガモンからも金儲けのインスピレーションを得られるのだろうか
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 22:15:57.52 ID:eMzAxSO80
島流し蛮族どもも懐柔してそいつらのデータやデジタマ大きな利益になるんだろうか
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/14(木) 20:04:48.65 ID:Zvw3uBqmO
まだかな
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/15(金) 23:15:04.36 ID:1NVVoZjXo
展開に困ってるのだろうか
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 23:08:56.14 ID:AssGmYTco
最近来ないな
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 23:57:48.11 ID:cB5Mc2ix0
更新ペース遅くなるって言われてたのにここまでまあまあ早かったからこれが正常かなあと思う
自分も気になるけど待つよ
284 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/21(木) 22:59:32.61 ID:6awLkqYo0
『…我々ジャスティファイアは功利主義だ。貴様ら研究チーム共が何を思い煩おうが知ったことではない。市民にとって得かどうか。それですべてを決める』

パ、パルタスさん…。それはつまり…。

『おいバブンガモン!聞こえるか!私はパルタスだ!』

『ナ、ナンダ』

『私は貴様たちに情けなどかけん!貴様らが我々の役に立つかどうか、それですべてを決める!役に立たないならばこのまま殺してやる!』

『…ドウシロト、イウンダ』

『貴様ら蛮族共は、天使を名乗る犯罪者、AAAに操られていた!だがその一味は死んだ!お前らはどうする、AAAの部下になっていいように使われるのか!?』

『バ、バンゾク?ハンザイシャ?シラナイコトバダ』

…蛮族は信徒と同じ意味。犯罪者は、盗んだり殺したりする悪い奴らって意味だよ。

『オ、オレハ、ソンナコト、シタクナイ…シタクナインダ』

『ならば!罪滅ぼしをしろ!禊だ!これから貴様と生き残りたちは、我々セキュリティ側の軍門に下れ!そしてともにAAAが差し向けてくる刺客と戦うのだ!』

『ミソギ?グンモンニクダレ?サシムケル?シカク?ワ、ワカラナイ、コトバガ』

パルタスさん、あまり難しい言葉を使わないで…。

『難しくないだろう!AAAのヤツ、言語教育がなっとらんな。我々のデジモン達はこのくらい難なく理解できるぞ』

…パルタスさんに代わって私が言うよ、バブンガモン。
つまり、我々と共に天使の部下たちと戦ってくれるなら、天使が置き去りにした生き残りの信徒デジモンを解放できるよ、って言ったんだ。

『ソレハ… シスタモンヤ、ユニモント、タタカエトイウノカ』

あ…。
そ、そうなっちゃいますよ、パルタスさん。

『そうだ。…そうだと言っている!』

『デ、デキナイ、ソンナコト!シスタモン、キンカクモンガノコシタ コドモ! タタカエナイ!』

『ならば十数体の貴様の家族たちを見殺しにするのか!』

『ウゥ…!』

リーダーは、パルタス氏の問いかけを聞いて青ざめている。
「パルタス氏…トロッコ問題を仕掛けてきたか。シスタモンを見捨てて十数体のシャーマモンたちをとるか。十数体のシャーマモンたちを見捨ててシスタモンをとるか…!」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 23:01:55.31 ID:kdeJO+Jio
あの星形軍団がそんな難しい言葉理解できるの!?
286 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/21(木) 23:26:45.33 ID:6awLkqYo0
短いけど今回はここまで
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 23:28:15.04 ID:yALvUfZwo
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 23:31:11.02 ID:s5ziRUPq0
つ、続きが来てる!
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 23:40:15.89 ID:kdeJO+Jio

ハーメルンで投下された方はここではなかった話かな
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/22(金) 11:12:15.23 ID:xt0xRRWN0
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/26(火) 18:56:06.71 ID:VDdO2Ub2o
また前みたいに年単位でお休みになるかな?
292 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/31(日) 22:46:12.09 ID:ZsDi2GLI0
我々がそう話していると…
スティングモンがよろめきながらやってきた。

『貴様達、さっきから勝手なことを好き勝手に言いやがって…』

グサグサ、無事だったのか。

『バブンガモンとその家族を何に利用するだのと…貴様たちが、今決めることではない。天使の味方につかなければいいだけの話だろう』

それはそうだけど…

『バブンガモン。家族とともに、私の農園に来い。私の仲間たちは信徒デジモンをとても嫌っているが…、しっかり働けば受け入れるだろう』

『ウケイレテ…クレルノカ?』

『…私やブンブンも、最初はオサオサにとって敵だった。だがオサオサは、やがて我々を受け入れた。和解し、協力しあえた』

ブンブン…モスモンか。

『信徒デジモン達が働かずに盗み食いでもしようものなら容赦なく叩き伏せる。それでよければ、こちらに来い』

『…イイノカ、グサグサ』

『無意味な質問だ』

『…ヤッパリ、オレハ…オマエニデアエテ、ヨカッタ』

『同感だ』

どうやら話はまとまったようだ。
パルタス氏が慌てた声で通話してくる。

『お、おい!スティングモン!勝手に話を終わらせるんじゃない!バブンガモン達には、私が対クラッカー用のデジモンとして従軍するように言ってる最中だぞ!』

もういいじゃないですか。
土台無理な話です。家族同士で殺しあえだなんて。

『く…。スティングモン!バブンガモン共がまたAAAに加担したら、貴様らの農園も容赦なく叩きつぶすからな!』

『私のことはグサグサと呼べと言っている。…信徒共がまた天使に加担したら、私が処刑するから安心しろ』
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 22:46:56.20 ID:nH3seRuqo
おひさしぶり
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:03:37.32 ID:L1lim30Ao
中々日本語上手くなったグサグサ
295 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/31(日) 23:07:29.26 ID:ZsDi2GLI0
そうして戦いは終わった。
かつてのAAAとの戦いの最中にリーダーが島流しにしたシャーマモンやコエモンたちのいる孤島に、デジタルゲートを繋げてみた。
今どうなってるのかな…

孤島のシャーマモンやコエモン達は、まだ生き残っている個体もいたが、既に死んでいる個体や、危篤状態の個体もいた。

海に入って魚デジモンを捕えながら生き延びているようだが…
餌と飲料水が明らかに不足しているのは見て分かる。

海水を飲みすぎて体調を崩している個体が多いようだ。

なんだか、今にも共食いを始めそうな雰囲気だ。

…ケンタルモンの姿は見えないですね、リーダー。
「ケンタルモンは別の孤島に送った」

そうなんですね。
それじゃバブンガモン、この水と食料を持ってゲートを潜って。
スティングモンとディノヒューモンから預かった野菜だ。

『ワカッタ』

バブンガモンは、飲料水と食料を持って、孤島に出た。

『カゾクタチ!!天使ニウラギラレタ、カゾクタチ!タスケニキタゾ!!!』

『バ、バブンガモン!?ナンデ、ココニ!』
シャーマモンが驚いている。

『オマエタチハ、天使ニミステラレテ、オキザリニサレタ。コノママ見殺シニサレルトコロダッタ。ダガ、オサオサ農園ガ、オマエタチヲタスケタンダ』

『オサオサ農園…?』

『天使ガ「ブルースキン」ト呼ビ、オマエタチノ敵ダトフキコンダノガ、オサオサ農園ダ。オマエタチハダマサレテ戦ワサレテイタ!』

『ウ、ウソダ、ソンナ…!』

『嘘ナラナゼ天使ハ助ケニコナイ!』

『オ、オォ、ォオオォ…!』

『エラベ、オマエタチ!コノママ天使ノ言ッタコトヲ信ジツヅケルナラ、コノ島デ天使ヲ待チツヅケロ!ダガ!コレカラブルースキン達ト共ニ暮ラシテ働ク奴ハ、コレヲ食エ!』

だ、大丈夫かな…。
AAAの洗脳は大分強そうだけど。

『オ…』

シャーマモンたちの反応はいかに…!?

『…ォオオーーー!!天使ィーーー!クタバレェーーー!』
『オレタチヲミステタ天使ナンカ知ラネェーー!ブルースキント暮ラス!!』
『飯クレェェーーーー!!』

おお…。
意外なほどあっさりAAAを見限ったぞ。

「まあ、こうなるだろうな」
リーダー…
分かってたんですか?

「フーガモンや幹部たちは本気でAAAを信仰していたかもしれないが…こいつらは違う。周りがAAAを信仰していたからマネしていただけだ」

それじゃあ…
心から信仰してはいなかったと?

「結局、自分たちに飯を食わせてくれる者に従うだけだったんだ」

…そういうことだったんですね。
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:14:38.19 ID:uNk+oSuno
ケンタルモンは一応見捨てられたといえば見捨てられたか
297 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/31(日) 23:20:27.41 ID:ZsDi2GLI0
シャーマモンやコエモン達は、バブンガモンが差し出した野菜にかぶりついた。
『ウメエエエエエーーーー!!!』
『ヤッパリサイコーニウメエエ!!』

無中で野菜を食べるシャーマモン達を見るバブンガモン。
『コレカラハ、盗ミハダメダゾ。働イテ、一緒ニ野菜ヲツクルンダ』

『バブンガモンサマーーーー!!ブルースキン!!!バンザーーーイ!!!』

…このシャーマモン達も、かつてはバブンガモンを被差別階級として見下していたんだろうに…。
それを許して、家族として救いの手を差し伸べるバブンガモンは、器が大きいな…。




その後。
バブンガモンおよび孤島から救出された類人猿型デジモン達は、スティングモン及びバブンガモンに連れられてディノヒューモン農園にやってきた。

農園のデジモン達は、類人猿型デジモン達を睨みつけ、殴り掛かろうとしたが…
土下座して謝る類人猿型デジモン達を見て、ひとまず振り上げた拳を下したようだ。

類人猿型デジモン達は当初、農作業に従事するように指示を受けていたが…
いきなり異文化の中に溶け込むのは難しいようだ。

農園のブイモンやカメモンたちは、農作業を楽しみながらやっているが…
類人猿型デジモン達は、この反復作業に飽きて、嫌気がさしてきているようだ。

無理もない。
デジモン達の脳や、そこに根付く本能は、自分の生活に適した特性に特化した進化をする。
狩猟と略奪を生存戦略としてずっと続け、それに特化した脳を獲得した類人猿型デジモン達には、農作業は土台向いていないのだった。

中には、収穫済みの農作物を盗み食いしたシャーマモンもいたが…
その個体には、バブンガモンが鉄拳制裁を下した。

…共生は無理なのかと思われていたが…
しばらくすると、類人猿型デジモン達は、畑を狙ってやってくる害獣デジモン達を狩ったり、あるいは農園の外へ狩りに出るようになった。

草食性になった農園のデジモン達は、類人猿型デジモン達が狩猟によって仕留めたデジモンの肉を食べなかったが…
骨器や革製品などを生活に取り入れることで、今までになかった文化がもたらされたようだ。

そんなわけで…
当初の理想通りとはいかず、苦労しているようだが、それでも共生の道を模索し続けているようだ。
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:21:28.69 ID:uNk+oSuno
土下座って文化あるのか
299 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/31(日) 23:27:43.12 ID:ZsDi2GLI0
とりあえず、一件落着したようで何よりですねリーダー。

「ああ。シスタモンたちは取り逃がしたが…それでもAAAから蛮族という戦力は引きはがした。当分大規模な活動はできないだろう」

農園と類人猿型デジモン達の共生の様子は、メガが録画撮影を続けています。
ドキュメンタリー番組に使い、デジタルアソートのプロモーションに使うつもりなんだとか。

「俺も頼りになるチームの仲間を持ったものだな」

そういえば、何か忘れているような気がしますね。

「ん?なんだ?」

なんだっけ…
そう悩んでいると、パルタス氏から通話がかかってきた。

『貴様ら!我々にキウイモン島の蛮族掃討を任せておいて、その結果を聞こうともしないとは何事だ!』

ああ!それだ!
スターモンと…なんだっけ…なんかのデジモンを、キウイモン島の蛮族の掃討に出向いてもらってましたね。
どうなりましたか?

『ふむ。記録映像と共に伝えよう』
300 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/03/31(日) 23:28:12.49 ID:6ptIbc93O
続く
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:28:32.33 ID:uNk+oSuno
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:28:43.21 ID:ytwC00+mo
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:29:18.71 ID:1PUa2QvU0

流石にいけるのか!?って思ってたけどいけるもんなんだなあ
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:31:52.91 ID:TZsLmsEp0

可能な限り平和への努力は大切だ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 00:20:57.57 ID:G03mXO9z0
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 11:06:44.03 ID:xVSsZU4no
農園と類人猿デジモン達はどこまで人間社会の利益に使えるか
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/04(木) 21:33:53.10 ID:osBykvP6o
ジオグレイモン誕生の経緯とかこの段階でも気になって見てみたい話いっぱいあるなあ
308 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/04/14(日) 20:01:06.76 ID:qtUdmRv9O
〜時は遡り、シューティングスターモン発射直後… パルタス視点〜

私の名は、コードネーム「パルタス」。
独立行政法人ジャスティファイアの所長だ。

現在はある任務の最中だ。
クラッカーAAAは、その悪質な手口と技術力の高さ、そして保有するデジタルモンスターの戦力の膨大さから、国家危機級の危険犯罪者とみなされた。
これだけ強大な戦力に本拠地を攻められたバイオシミュレーション研究所はよく奴らを撃退できたものだ。

AAAの配下は、デジタルワールドに巣食って増え続けている。
これらを排除しなければ国民達の命にすら危機が及びかねない。
よって国家防衛戦力である我々ジャスティファイアが動くことになった。

AAAの配下のうち蛮族と呼ばれる類人猿型デジモンが、集会をしていると報告を受けた。
そちらにはシューティング
スターモンと、ティンクルスターモン、ピックモンズを差し向けた。
シューティングスターモンの100%の火力を叩き込めば、集落の一つや二つなど造作もなく滅ぼせるだろう。

奴ら類人猿型デジモンは、高い知能と器用な手足を持った優秀なデジモンだ。
そのため、我々はずいぶんと前に、狩りの最中の蛮族デジモン…セピックモンを拉致して捕獲した。

現在そのセピックモンは、我々のサーバーの隔離チェンバーで、両脚と左腕を切断された状態で飼育されている。
強力なデジタマをコンスタントに確保し続けたいのなら、野生デジモンを拉致してこうやって産卵機能と最低限の生存機能を残して飼育し続けるのが1番効率がいい。

そうしてセピックモンから産まれた類人猿型デジモンは、極めて強力な戦力へ育ち…、最終撃滅部隊『天地人』の一角を担うまでに成長している。

その存在はもちろん秘匿している。
国家防衛組織が自らの戦力のすべてを堂々と晒す意味などないからだ。

…余談が過ぎた。
ようは、蛮族デジモンを滅ぼすことのデメリットは皆無ということだ。
せいぜいシューティングスターモンの餌として死骸を回収し、保存食になってもらうとしよう。
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 20:04:05.86 ID:QE82hXgKo
お久
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 20:05:24.96 ID:ryEoljEK0
バレたら面倒な法律とか世論云々で身動き取れなくなりそう
311 : ◆VLsOpQtFCs [saga]:2024/04/14(日) 20:16:48.66 ID:qtUdmRv9O
さて、シューティングスターモンの発射と同時に、我々はもうひとつのミッションに取り掛かった。
キウイモン島に巣食う蛮族デジモンの掃討である。

元々、キウイモン島に蛮族デジモンがいるという情報は、クロッソ・エレクトロニクスのクロッソ氏(バイオシミュレーション研究所のスポンサー)から聞いた情報だ。

作戦に前立って偵察のために、キウイモン島のアクセスポイントへデジドローンを送り込んだことがあったが…
デジドローンの視界は完全に闇に覆われていた。

バイオシミュレーション研究所と同様、AAAもまたアクセスポイントにセキュリティを施していたのだ。
おそらく青銅製の箱でアクセスポイントを密封し、合言葉を言うと待機しているシャーマモンあたりが箱を開けるという簡素な仕組みだろう。

これはごく単純だが、極めて有効なセキュリティ手段だ。
なぜならデジドローンが出てこれる最小限の空間を確保する小さな箱の中だ。それを破壊できるデジモンをその中に繰り出せないのである。
正直、我々のデジモンではこれを突破できない。
箱の中に出せるデジモンはせいぜいピックモン数体程度。その破壊力では青銅の箱は壊せない。

とにかく戦闘力を高めるためのスパルタトレーニングで、DPを極限まで高めるという我々の方針が逆手に取られたというわけだ。

もっとも、この路線が間違っているとはつゆ程も思わない。
なぜならデジモンによるサイバー犯罪は、とどのつまり暴力で反抗デジモンを排除してしまえば解決するからだ。
故にどれだけ膨大な維持コストがかかろうと、最上位の暴力装置となる最強デジモンを保有してさえいれば、最終的には解決できるということだ。
…そのコストを捻出できる我々だからこそ取れる手といえる。

さて…このセキュリティを突破するにはどうすればいいか?
226.05 KB Speed:1.3   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)