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デジタルモンスター研究報告会 season2 エピローグ
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112 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/17(土) 22:35:14.68 ID:41ewblYPO
シュリモンから連絡が来た。
もうすぐ蛮族デジモン達の集会が始まりそう…らしい。
集会とはつまり、ニセシャッコウモンという端末を通したAAAによる演説である。
即座にジャスティファイアへその旨を伝達した。
パルタス氏からの返答は早かった。
『ふはははは!待ちわびたぞ!シューティングスターモン、デジタルワールドに出てエネルギーチャージの準備をしろ!』
パルタスさん。
蛮族の集会が始まり次第、集会のど真ん中にシューティングスターモンの突撃攻撃を撃ち込むということでいいですか?
『できれば集会が終わったタイミングで丁度良く撃ち込みたいところだな!シューティングスターモンは秘密兵器だ、AAAとやらに知らせたくない!』
集会が終わったタイミングで丁度良く撃ち込む…厳しくないですか?
終わり次第解散するかもしれませんし。
「それならうちのドーガモンが時間稼ぎをするよ、ケン」
メガ!
「ドーガモンの力でニセシャッコウモンの姿と声を投影して、『演説の続き』をやる。そこへシューティングスターモンを着弾させると同時にドーガモンを引っ込める。これで蛮族デジモン達を爆心地へ留まらせることができるはずだよ」
『はっはっは!メガよ、デジタルアソートは非戦闘用の平和利用デジモンの開発をしていると聞いたが、随分なキラーカードに化けたな!』
「いや?ドーガモンは何も手を下さないよ、ただちょっとイタズラをするだけ」
『ふはははは!では、共同作戦といこう!』
…そして、シューティングスターモン着弾と同時に、キウイモンの島にスターモンとジオグレイモンが攻め入るんですね。
キウイモンがいたら保護をお願いします。
『そうだな!』
113 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/17(土) 22:44:33.30 ID:41ewblYPO
リーダーが立ち上がった。
「この機会に便乗して…ひとつ、やっておきたいことがある。『ディノヒューモン農園に恩を売る』ことだ」
恩を売る…?
「そうだ。現在は蛮族と対立しているディノヒューモン農園だが、蛮族が潰れたらAAAが農園を味方に付けようとするかもしれない。だから先手を打ち、農園に恩を売って味方につける」
カリアゲが頷く。
「ベーダモンのときみたいにか?リーダー」
「そうだ」
でも、どうやって恩を売るんですか?
「簡単な話だ。シューティングスターモンの爆撃を、フレイドラモンの仕業ということにして、農園の者へ爆心地へ近付かないように事前通告すればいい」
手柄の横取りをするつもりですかリーダー!?
いいんですかパルタスさん!
『ふはははは面白い!シューティングスターモンは秘密兵器だ、他の誰かの仕業にできるならこちらとしても大助かりだ!加えてそれを貴様らセキュリティチームの仕業にできるなら、貴様らの抑止力としての実績アピールにもできるだろう。いいぞ!やるがいい!』
…でも交渉できるんですか?
ディノヒューモン農園の言葉ってまだまだ原始的でボキャブラリーが少ないじゃないですか。
「農園の言葉と我々の言葉の自動変換アプリはメガが開発済みだ。それを使って、どうにか意思疎通をする」
大丈夫なんですか…?
「問題ないはずだ。『暴力による解決を、誰がやるのか』を伝えるだけだ。彼らのボキャブラリーに十分収まる情報だろう?」
なるほど…確かに。
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/17(土) 22:46:02.31 ID:tkOTY8s4o
遂に本格的な接触か
115 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/17(土) 22:50:23.59 ID:41ewblYPO
フレイドラモンがやったことにするのはいいとして…
ブイモンは大丈夫なんでしょうか?
こないだの戦闘で、骨にヒビが入ったと聞いてますが。
ブイモン、調子はどう?
『いてて…まだなおってねーよ』
ほら、無理そうですよ。
「やれるな?ブイモン」
『ああ、やれるぜ!デジタマモンがついてるからな!まかせろ!』
リーダー!?
無理させるんですか!?ブイモンに!
「ブイモンはこれくらいの無理はやってくれる」
いいんですかそんな扱いで…。
『いいぞ!』
「いいんだ。別に実際に戦うわけじゃない、ちょっとディノヒューモンの前に姿を表すだけだ」
か、カリアゲ!
止めないのか!?
「…最近気付いたけど…ブイモンは逆境なほど燃えるとこあるんだよ。いや、いいとこなんだけどな?それに、『ブイモンの体を気遣って黙ってた』と言ったほうがブイモンには悪い」
カリアゲ…。
「過保護にしすぎるのは、仲間への信頼とは真逆だぞ。ケン」
ううっ、カリアゲに諭された…。
正論だ。
116 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/17(土) 22:51:14.34 ID:41ewblYPO
つづく
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/17(土) 22:52:03.06 ID:OcaLkWnDo
乙
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/17(土) 23:00:11.67 ID:Bcrx3rF40
乙
いつの間にか責任重大な役目だブイモン
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/17(土) 23:13:51.13 ID:Cgr6rNic0
乙
120 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/18(日) 07:45:43.05 ID:9tGqR25xo
リーダーはデジドローンとブイモン、デジタマモンをデジタルワールドへ送り込み…
ディノヒューモン農園付近のアクセスポイントから出現させた。
よし…
それじゃブイモン、デジクロスを頼む。
『よっしゃ、やるぞデジタマモン!』
『ウミョォ〜ン!』
デジタマモンは、脚を引っ込めた。
卵殻に炎の紋様が浮き出て、ナイフのように鋭い角が生えた。
https://i.imgur.com/EQAt5Qw.png
カリアゲはデジタマモンのこの形態に「勇気のデジメンタル」と名付けて呼んでいるらしい。
勇気のデジメンタルは、いくつかの破片に分割され、ブイモンを囲った。
破片から放たれる光がブイモンを包み込むと、光の中のシルエットは徐々に大きくなっていく。
やがて、破片が頭部と胸部、手足に装着されて装甲と化し…
フレイドラモンへのデジクロスが完了した。
『できたぜ!』
デジクロスの成功を見届けたリーダーは、デジドローンから音声を発した。
「フレイドラモン、できるだけエネルギー消費を抑えて形態維持に務めることはできるか?」
『そういうのはシェイドラモンのほうが得意じゃねえかなぁ』
「シェイドラモンは喋れるのか?」
『チャットならできるけど…喋るのは厳しいな』
声帯の構造が、喋るのに適してないのか。
「では、シェイドラモンに代わってくれ。チャットの文章を読み上げソフトで機械音声にすれば擬似的な会話はできるな」
『よし!ワームモン、代わるぞ』
フレイドラモンはシェイドラモンへと形態変化した。
シェイドラモンのチャットを読み上げソフトに接続する。
どう?喋れる?
『あー あー きこえる?』
おお!聞こえた!
大丈夫そうだね。
「それでは、ディノヒューモン農園とコンタクトを取りに行くぞ」
リーダーが操作するデジドローンは、シェイドラモンと共に農園の入口へ向かった。
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/18(日) 08:06:16.52 ID:jbKC7HXgo
デジタマモン単独の戦闘力は想定されてない感じか
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/18(日) 08:18:16.21 ID:1VFc8Ueq0
いくらスポンサーさんでもフレイドラモンシェイドラモンへの変形合体も可能!DXブイモン&デジタマモンなんて玩具作れないよなあ
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/18(日) 08:18:28.12 ID:KqJkrjbd0
>>121
この作品だとデジクロスに特化してる設定っぽいし>デジタマモン
124 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/18(日) 08:42:59.92 ID:9tGqR25xo
農園の入口へ付いた。
リーダーは、ディノヒューモン語翻訳ソフトを駆使しながら、マイクに向かって発話する。
「モシモシー! キャクキャク!」
やがて、何者かがやってきた。
…スティングモンだ。
『ナゾナゾ!?』
スティングモンは問いかけてくる。
翻訳ソフトには「誰だ」と文字が出てくる。
リーダーは「私は味方だ、蛮族の敵だ」
「ワレワレ!トモトモ!ウホウホ、ボコボコ!」
それを聞いたスティングモンは…
『お前達、信徒の、仲間か?』
おお!?
日本語で発話して話しかけてきたぞ!?
シント…信徒。
我々が蛮族と呼んでる輩は、デジタルワールドではそう名乗っているのか。
リーダーも日本語で返答した。
「いいや違う。信徒達と戦っている者だ」
『なぜ、この言葉を、使える』
「これは元々我々が使っている言葉だ。信徒の親玉…AAAも、この言葉を使っている」
『トリプルエー?天使のことか』
スティングモンが発した「天使」という名称を聞き、リーダーは眉を潜めた。
「天使…?AAAは、あなた達にはそのように名乗っているのか。傲慢なものだな、天使とやらは」
『傲慢?知らない言葉だ。どういう意味だ』
「他人を見下してばかりいる奴のことだ」
『なるほど、傲慢。信徒共は確かに傲慢だ』
…スティングモンの態度がちょっと和らいだ気がする。
リーダーは今、『AAAの悪口』を交渉の手段として用いたのだ。
敵の敵は味方であることを、感情的・心情的に理解させるための手だ。
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/18(日) 08:45:59.12 ID:1VFc8Ueq0
誰かへの悪口で結束を固める…人間も日常的に使う手段だ…
126 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/18(日) 08:50:05.92 ID:9tGqR25xo
一旦ここまで
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/18(日) 08:50:54.33 ID:rn228+OFo
乙
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/18(日) 08:51:39.10 ID:1VFc8Ueq0
乙
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/18(日) 13:53:24.92 ID:PBKz+Nm80
乙
スティングモン普通に日本語理解してるのすごいな
130 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/21(水) 21:55:13.89 ID:gvIQkeT90
『それで、お前達、何者だ。どこから来て、何をしに来た』
スティングモンが問いかけてくる。
リーダーはデジドローン越しに返事をする。
「我々はセキュリティチーム。ここから遠く離れた土地で、お前達のように社会を形成して生きている。お前達が天使と呼ぶ者、AAAはその社会をデジモンの力で破壊しようとしている悪党だ。それを退治しようとしているのが我々だ」
スティングモンは頷く。
『なるほど、とりあえず信じよう。それで、何の用だ』
「そうか、助かる。今日は話が…」
『また我々の元からタマゴを奪いに来たのか』
「…!?いや、違う!そうじゃない!」
『気づかないと思ったか、セキュリティチーム。そこにいるデジモンは、私の子供だな』
「…認めよう。確かにこのシェイドラモンは、お前の子供だ、スティングモン」
『スティングモン?なんだその呼び方は。私が盟友オサオサから貰った名は「グサグサ」だ。他の名前で呼ぶな』
「…そ、そうか。分かった。お前のことはグサグサと呼ぶ」
グサグサ…
スティングモンってディノヒューモンからそう呼ばれてるんだ。
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/21(水) 21:59:35.41 ID:jhAv3S6go
自分の血縁は分かるもんなのな
132 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/21(水) 22:22:28.45 ID:gvIQkeT90
『あの時、信徒達の襲撃で、ブイブイとブンブンが死んだ。お前達と共犯じゃないのか、セキュリティチーム』
ううっ、すごく睨まれている…!
ブイブイとモスモンが死んだことを怒っている。そりゃそうだ。
「…そう勘違いされるのも無理はない。あのとき我々は、AAAに部下がいることを…信徒達がいることを知らなかった」
『無理な言い訳だな』
「オレは真実を語っている、グサグサ。我々は今からAAAと信徒達を滅ぼしに行くつもりだ。今ここでお前に嘘をついても何の得もない」
『滅ぼしに行く?仲間をか?』
「…何度も言うが、オレたちはAAAの仲間じゃない、敵同士だ。ブイブイとグサグサのタマゴを奪ったことは謝罪する。だがそれは、お前達が優秀なデジモンであり、AAAを倒すためにはその力が必要だと考えたからだ」
『ブイブイの子供はどうした?』
ブイブイ…エクスブイモンの子供。
つまりブイモンのことだ。
「今ここにいるシェイドラモンは… ブイブイの子供ブイモンと、グサグサの子供ワームモンが合体している姿だ。お前がブイブイと合体したように」
『何…!?ガチャガチャができるのか!?さすが我が子、優秀に育ったものだ』
「あの時、我々がお前とブイブイのタマゴを奪ったせいで、グサグサとブンブンに隙ができて…結果、二人はAAAの部下、信徒達に殺されてしまった。どれだけ詫びても、二人の命を戻すことはできない」
『そうだろうな』
「だからせめて、罪滅ぼしに… 償いとして、オレ達が今からこの手で、信徒達を皆殺しにする。そしてこれ以上、信徒達にお前たちの村が襲われないようにする」
『信徒たちを滅ぼす?できるのか?お前たちに。あれらは我々が長い間戦い、未だに滅ぼせていない敵だ。お前たちにあれが滅ぼせるのか?』
「できるさ。シェイドラモンの力があればな」
『それほど強いのか、我が子は』
そう言うと…
スティングモンは構えた。
『シェイドラモン、私と戦え。力試しをしてやる』
スティングモンは、あのスコピオモンの子孫だ。
デジクロスしてパイルドラモンやディノビーモンにならずとも、単体でかなり強いと予想される。
「しかし、今体力を消耗しては、信徒達を滅ぼすための体力が…」
リーダーがそう言おうとしたが…
シェイドラモンは突如光り輝き、フレイドラモンに変形した。
『リーダー!オイラやるよ。見せてやるんだ、今のオイラの強さを、ワームモンの親に!』
構えるフレイドラモン。
…ブイモンは先日の戦いの怪我がまだ残っているのだが…
大丈夫なんだろうか。
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/21(水) 22:25:00.78 ID:JlW5ngTv0
戦うことで分かり合うという概念はデジモンにも存在するのか
134 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/21(水) 22:31:45.09 ID:gvIQkeT90
スティングモンが、フレイドラモンに飛び掛かる!
凄いスピードだ!
フレイドラモンは、スティングモンのパンチをいなす。
そして、スティングモンの顔にパンチを打ち込む!
スティングモンは素早い身のこなしで、フレイドラモンのパンチを躱し…
フレイドラモンの頭部へ右フックを決めようとした!
この軌道は回避できない…!
しかし、フレイドラモンはぴかっと光り、一瞬でシェイドラモンへ変形した。
シェイドラモンはフレイドラモンよりも身長差が低いため、スティングモンの右フックは空を切った。
態勢を崩したスティングモンに向かって、シェイドラモンは粘着糸を放った。
スティングモンの腕に粘着糸が絡まる!
スティングモンがもがいていると…
シェイドラモンは、フレイドラモンに変形し、スティングモンの顔面に蹴りを放つ!
…フレイドラモンは、スティングモンの顔に蹴りが当たる寸前で、脚を寸止めした。
『どうだ?オイラの実力は』
スティングモンは、ふぅと溜息をついた。
『中々やるな。だが、私とブイブイが合体した姿には及ばない』
『つえーもんな、パイルドラモン。オイラもあのくらい強くなりてーぜ!…で?まだやるのか、スティングモン?』
『グサグサと呼べ。…今のが全力か?シェイドラモン』
スティングモンは、フレイドラモンのことをシェイドラモンと呼んだ。
まあフレイドラモンという名前は教えてないから、仕方ないか。
『今はな』
『…私はもういい。貴様らはどうする?このまま私を殺せるチャンスだぞ?ん?』
スティングモンはまだ我々を疑っているようだ。まあ無理もないか…。
リーダーがマイクを握る。
「我々の社会には、『敵の敵は味方』という言葉がある。AAAを滅ぼそうとしている我々にとって、君たちは味方だ。グサグサ」
『…まあ今は信じてみようじゃないか』
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/21(水) 22:33:55.16 ID:CrDonzXso
完全体と成熟期相当のアーマー体では流石にね
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/21(水) 22:35:58.00 ID:NVV9lkz40
成熟期で上位のスティングモンにこれだからほんとに強いねえ
137 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/21(水) 22:42:24.08 ID:gvIQkeT90
「…デジタマを奪って悪かった、グサグサ。だがお前の子供は、これほど強く育ったぞ」
スティングモンは、ふふっと笑った。
『安心した。私の子供は既に信徒たちに食われていると思っていた…諦めていた。だが、生きていたんだな。これほど強くなって…』
「ああ。我々の大切な仲間だ」
『信徒たちに奪われるより、貴様らに奪われた方が、いくらか私の子供は幸せになったようだ』
「間違いない」
『それで、我々にその子を返す気はあるのか?』
「シェイドラモン本人に聞いてくれ」
『…我が子よ、村でオサオサと共に暮らさないか。美味いヤサイがたくさんあるぞ。最近は果物も採れるようになった』
フレイドラモンは、シェイドラモンへ変形し、チャットで返事をした。
『くらさない ぼくのかぞくは セキュリティチームだから』
『…フフ、そうか』
スティングモンは苦笑した。
『でも ぼくをうんでくれて ありがとう グサグサ。きみが ぼくを うんでくれた おかげで ぼくは セキュリティチームの みんなと しあわせに くらせてる』
『…』
『いのちを ありがとう』
『…これから信徒たちと戦うのか?我が子よ』
『そうだよ!』
『必ず生きて帰れ。どのように勝ったか、どのように活躍したか。私に聞かせるんだぞ。シェイドラモン』
スティングモンは、シェイドラモンの頭を優しく撫でた。
『うん!グサグサ!』
スティングモンはリーダーのデジドローンの方を向いた。
『…我が子を粗末に扱うなよ』
「ああ、もちろんだ。大切な家族を、粗末になんかしない」
『ならばよい。罪滅ぼしとやらをするのだろう、さっさとやってこい』
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/21(水) 22:45:38.63 ID:Rr6y42Zao
優しい
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/21(水) 22:46:38.78 ID:NVV9lkz40
スコピオモンの一代目と二代目の子孫なことも含めて感慨がある
140 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/21(水) 22:51:20.90 ID:gvIQkeT90
「いや、まだ話は終わっていない。そちらから聞きたい事と、こっちから伝えたいことがある」
『なんだ、セキュリティチーム』
「まずは聞きたい事だが… グサグサ、なぜお前は我々の言葉が話せる?これは我々やAAAの社会で使われている言葉だ」
『…奴に教わった。バブンガモンに』
バブンガモン…!?
バブンガモンって、蛮族側のデジモンじゃないか!ヒヒ型の!
「バブンガモンは信徒ではないのか?」
『奴は信徒が信徒になる前からいた信徒だ。だから信徒であって信徒ではない』
?????????????????????
141 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/21(水) 22:51:48.15 ID:gvIQkeT90
つづく
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/21(水) 22:53:32.76 ID:JlW5ngTv0
乙
語彙力がまだ足りない!
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/21(水) 22:56:43.10 ID:NVV9lkz40
乙
バブンガモンここで出てくるんだな……
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/21(水) 22:57:00.72 ID:95K34g0g0
乙
元々バブンガモンの群れがいてAAAが接触して蛮族になってフーガモンとかが生まれたのかな
145 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/22(木) 23:06:54.21 ID:Vr+itFZ/0
リーダーは…
「何?バブンガモンが、信徒が信徒になる前からいた信徒で、だから信徒であって信徒ではない、と?」
『何を言っている?理解不能だ』
「いや、グサグサが今言ったことをそのまま復唱したんだが…」
『復唱とはなんだ、知らない言葉だ』
「相手が行ったことを、そのまま話すことだ」
『…私が言ったのか。自分で言ったが、わけがわからないな。あー、…つまり、だ。信徒が信徒になる前に、バブンガモンはすでに信徒だったのだ』
「…要するに…」
リーダーはスティングモンにいろいろと言葉を教えてから、言いなおさせた。
『言いなおそう。つまりバブンガモンは、類人猿デジモンの集団が、AAAに支配され信徒となる前から、既に類人猿デジモンのグループにいたのだ』
「よし!よく理解できた。言葉を覚えてくれてありがとう、グサグサ」
『セキュリティチームの…貴様はリーダーと言ったな。こちらこそ助かった。便利な言葉を教えてもらった』
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/22(木) 23:08:22.84 ID:yEFKwtK30
言語というものは便利だ
147 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/22(木) 23:34:03.42 ID:Vr+itFZ/0
話を要約すると…
我々が『蛮族』と呼んでいるデジモンは、AAAが一から生み出したわけではない。
元々、類人猿型のデジモンの集団がジャングルにいたのだが…
ある日そこにゲートが開き、ニセシャッコウモンが現れた。
そしてニセシャッコウモンは、類人猿型デジモン達に餌として「砂糖」という粉を与えた。
この「砂糖」の甘味に憑りつかれた類人猿型デジモン達は、ニセシャッコウモンの指示を聞くようになった。
ニセシャッコウモンは自身を神の遣い…「天使」と名乗り、天使に従う者を「信徒」と呼ぶようになった。
そうして信徒たちに言葉を学ばせ、青銅の精錬などの原始的な科学知識を教えた。
ニセシャッコウモンは、信徒達にカースト付けをするようになった。
よりよく言語を学んだ者、よりよく神や天使を信仰する者に、優先的に砂糖を与えた。
やがてニセシャッコウモンは信徒達を統率・支配し、狩りやディノヒューモン農園への略奪をさせるようになった。
最初期の信徒達は、「砂糖」によってコントロールされていたのだが…
そのうち信徒達は、砂糖がなくともニセシャッコウモンのいうことを聞くようになった。
信徒という集団そのものに、「ニセシャッコウモンに認められる者ほど身分が高く、支配的な立場をもらえる」という上下関係が出来上がったため、
信徒のデジモン達自身が砂糖という物質的報酬を必要とせずにニセシャッコウモンに認められる行動をとり始めたのだ。
そうしておかしくなっていく類人猿型デジモンの群れを…
バブンガモンは、快く思っていなかった。
だがここで反旗を翻しても結果は目に見えているため、信徒の集団の中では表立って目立った行動はしなかった。
戦うのが嫌いなバブンガモンは、略奪には参加せずに、他の仕事をしていたそうだ。
たとえ、かつて類人猿型デジモンのリーダーだった自分が、どれだけ低いカーストに落ちることになったとしても。
そうしてバブンガモンは、ニセシャッコウモンに従う振りをしつつ、密かにスティングモン及びディノヒューモンとコンタクトをとっていたのだ。
スティングモンとディノヒューモン… ザクザクとオサオサが日本語を学んだのはその機会によるものだそうだ。
スティングモンは日本語の語彙の多さに苦労したが…
先に習得したディノヒューモンから教わり、なんとか使えるようになった。
ディノヒューモン農園にもこの言葉を広めようとしたが…
群れの多くは『敵の言葉なんて使いたくない』と言い、頑なにこの便利な言語の習得を拒んだそうだ。
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/22(木) 23:35:38.14 ID:XEQ439Ddo
麻薬かよ…
149 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/22(木) 23:42:39.70 ID:Vr+itFZ/0
クルエはその話を聞いて、こそっと聞いてきた。
「AAAの奴、砂糖なんかどうやって調達したのかな…」
カリアゲが答えた。
「砂糖も塩も見つけてるよ。砂糖の方は草原に生えるイネ科っぽい植物『サットの実』を、塩はマングローブに生える『ジョッパの実』を収穫すると作れるぞ」
「えー!フローティア島では栽培しないの?」
「ジョッパの実は栽培するぞ。海水で育つからな。ただサットの実はだめだあれ。一度砂糖を作って、コマンドラモンに舐めてもらったことがあったんだよ」
「なんて言ってたの?」
「『これはいけない。こんなものを舐めていてはダメになる。…ところで、もう一回舐めていいか』って5回くらい繰り返し言ってたぜ」
「あー危険薬物ですわこれ。そんなのを蛮族に与えるなんて…やっぱAAAってとんでもない奴だ」
「でも砂糖だぞ?」
「砂糖ならいっか!」
よくない。
…まあクルエとカリアゲの話はいいや。
スティングモンの話の続きを聞こう。
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/22(木) 23:45:30.37 ID:Z0F81XMd0
砂糖を日常的に大量摂取してる我ら人間はダメになりまくっていた?
151 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/23(金) 00:02:09.48 ID:Jk9MsKze0
『つまり… 信徒という集団は今や我々の敵だが、唯一バブンガモンだけは信用できる』
「敵のスパイになっている可能性はないのか?」
『無い。一度それを疑ったこともあった。バブンガモンにニセの情報を本当らしく伝えて、信徒達の待ち伏せをしたが… 罠は不発だった。バブンガモンがAAA達に情報を漏らさなかったからだ』
「なるほど」
『そういうことだ。もし信徒を滅ぼすのなら、バブンガモンと…その親のプレイリモンだけは手を出さないでくれ』
「…」
『どうした』
「我々は、信徒達が集会をしているときに、そのど真ん中に大きな火球を落として一気に全滅させるつもりだ。一体一体倒していくわけではない」
『…!?そんなことができるのか!?シェイドラモンに!?』
「シェイドラモンだけでなく、オレ達セキュリティチームのデジモンの仲間の力を集めて行うんだ」
『…それでは…』
「…トータモンやカメモンが巻き込まれない範囲に落とすようにしてある。だが、そのバブンガモンという奴は、今更個別で攻撃範囲から助けることは難しい」
『トータモン?カメモン?誰だそれは』
「こいつらだ」
リーダーはそれら二種のデジモンの姿を、デジドローンのプロジェクターで投影した。
『…カチカチとノシノシか。こいつらはオサオサの大事な家族だ。助けてくれるのは助かる。だが…バブンガモンが…』
「…すまない。もう間に合わない。バブンガモン個人に伝えて『一人だけ逃げろ』と伝えたら、信徒全員に逃げろと言う可能性がある」
『…間違いなくそうするだろう。何に支配されようと、信徒たちはバブンガモンの家族だ。家族を皆殺しにすると伝えられて、怒らない者などいない』
「…」
『…』
「…許してくれるか、オレ達を」
『…バブンガモンは良い奴だった。狩ったニクをくれたこともあった。一緒に踊って歌ったこともあった』
「…」
『…だが、バブンガモン一人を助けるために、信徒全員を殺せるチャンスを捨てるわけにはいかない。やってくれ』
そう言うスティングモンの声は…
とても辛そうだった。
152 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/23(金) 00:03:02.79 ID:Jk9MsKze0
つづく
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 00:05:47.55 ID:+NBiskQro
乙
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 00:08:03.71 ID:+cXy+MHj0
乙
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 00:12:35.31 ID:BM19BkAu0
乙
うーん悲しい
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 01:58:19.97 ID:nCbXQG1lo
バブンガモン…惜しい奴だった…
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 21:00:03.98 ID:hKsgNtkLo
グサグサとオサオサ以外の村デジモンにとってはバブンガモンそこまで思い入れある奴じゃなさそうなのが救いか
158 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/23(金) 22:11:40.85 ID:BFJz8vNOO
…さて今、蛮族もとい信徒達の集落はどうなっているか。
草木に紛れて隠れているシュリモンが隠し持っているデジドローンからの映像を見てみよう。
広場に、シャーマモンやコエモン、ジャングルモジャモン、セピックモンが集まっている。
その中には、傷付いたキンカクモンの姿もあった。
腹部には大きな傷跡が残っている。糸で傷を縫っているようだ。
…あの糸はどうやって調達したんだろう。既に糸を紡ぐ技術がこの原始的な文明にはあるのだろうか。
キンカクモンはまだ立って歩けるほど癒えていないらしく、横たわっている。
そこへ…
一体のデジモンが、瓶のような土器を持って近付いてきた。
https://i.imgur.com/TbNo2V6.jpg
これは…!?
人間の少女か!?
どことなく修道女を思わせるような出で立ちの、甘ロリータ衣装を纏った、まるで人間の少女そのものであるかのようなデジモンだ。
信徒デジモンはここまで人間に近付いたのか…!?
『ミズデス キンカクモンサマ』
この修道女デジモンには、仮称としてノワールシスタモンという名を付けておいた。
シスタモンは水瓶をキンカクモンに渡す。
『ヨロシイ ワガコヨ』
キンカクモンはそう言って水瓶を受け取り、水を飲んだ。
なんということだ…。
キンカクモンの子供はああなるのか。
うちのフローティア島にいる第一子はまだトコモンなのに。あっちの方が成長が早いな。
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:13:12.74 ID:O0TqS0wRo
こんなデジモンでも抹殺される映像をドキュメンタリー番組として世に出せるかどうか
160 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/23(金) 22:14:22.10 ID:BFJz8vNOO
キンカクモンのもとへ、トコモンが一体、ぴょいんぴょいんとやってくる。
口には袋を咥えている。
トコモンはキンカクモンへ、袋を差し出した。
中身は果物のようだ。
『タスカルゾ ワガコヨ』
キンカクモンは、果物をいくつか食べたあと…
『アトハ オマエガ オタベ』
残りはトコモンへ差し出した。
トコモンは、美味しそうに果物を食べ始めた。
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:19:40.38 ID:BM19BkAu0
これから爆撃するっていうのにやりづらくなりそうな絵面を
162 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/23(金) 22:25:29.19 ID:BFJz8vNOO
広場にはたくさんの信徒デジモンが集まっている。
バブンガモンの姿は見えない。
やがて、デジタルゲートからニセシャッコウモンが出てきた。
信徒デジモン達は一斉に平伏した。
『カミサマ!テンシサマアアーーー!』
ニセシャッコウモンのもとへシスタモンが駆け寄った。
『ミナノモノ!テンシサマの オイデだ!ソノミコトバを イチゴイック カミシめ アリガタく キクヨウに!』
シスタモンがそう言うと、信徒デジモン達は声を揃えてニセシャッコウモンを称えた。
『テンシサマ!シンセイナル テンシサマ! ワレラニ ヨゲンヲ サズケタマエ!』
やがて、ニセシャッコウモンが語り始めた。
『うむ。集まったな。…キンカクモン、これはお前の子か?』
声は異なるが…口調は間違いなくAAAだ。
ボイスチェンジャーを使っているのだろうか。
弱っているキンカクモンの代わりに、シスタモンが答える。
『ハイ!テンシサマ!ワタシは テンシサマのソンザイに チカヅクタメに キンカクモンサマカラ シンセイな ニクタイを サズカり ウマレて キマシた!』
『ふむ、よくやったキンカクモン!これほどまでに我々に近づくとはな!シスタモン、貴様がさらに進化すれば、ようやく我らの一員になれるやもしれんぞ』
『ハハー! アリガタき オコトバ!』
シスタモンはニセシャッコウモンに平伏す。
『第二子はいるのか?シスタモン』
『ワタシの キョウダイが コチラに!』
シスタモンがトコモンがぴょこぴょこと近寄ってきた。
『プワァ!』
『フム、幼年期の段階ではまだシスタモンの幼年期と同じか。貴様も我々に近付けるよう、修行に励むことだ』
そう言い、ニセシャッコウモンはトコモンを撫でた。
『プワァ〜!』
…あいつもデジモンを撫でたりするのか。
163 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/23(金) 22:26:54.88 ID:BFJz8vNOO
一旦ここまで
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:28:12.68 ID:O0TqS0wRo
乙
可哀想だけど先に向こうが仕掛けてきたから仕方ないね…
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:28:35.62 ID:+cXy+MHj0
乙
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:29:12.64 ID:BM19BkAu0
乙
戦争は悲しい
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:32:41.68 ID:rZOEGQtS0
乙
AAAが出てきたら雰囲気変わるかと思ったら全然いい感じだ……
168 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 12:16:02.79 ID:bLaIWLpwO
ジャングルモジャモンの一体が口を開いた。
『テンシサマ!バブンガモンノヤツ マタコナイ! レイハイ サボッテ コウセキサイクツ ヤッテル!バカ!ウホホ!』
『ああ…バブンガモンはまた居ないのか。無理もない、ヤツはお前達よりずっと頭が悪いのだ。礼拝だけでなく労働もサボっていたり、弱かったらヤツも制裁していたところだ』
信徒デジモン達は、それを聞いて大笑いした。
『笑えるだろう!アレがかつてお前達を導いていたのだ、あんな低能の出来損ないがな!バブンガモンを慕うんじゃないぞ。バカが伝染るからな!』
信徒デジモン達はさらに笑った。
シスタモンもクスクス笑っている。
クルエは不思議そうだ。
「…何が面白かったの?今の話の…」
リーダーが答えた。
「グサグサの話から察するに…AAAのヤツは、類人猿デジモンを品種改良して蛮族デジモンを作った。単為生殖のデジタルモンスターで品種改良を行うには…、方法はひとつ。不都合な形質を持った個体を『間引く』ことだ」
「間引き…」
優生学みたいですね。
「グサグサは信徒の中でカーストを作ったと言っていたが…、それはすなわち『被差別階級を作ること』を指す。ヤツらはAAAの命令に従い、高い知能を持つ個体を上位階級とし、AAAの命令に従わない個体を被差別階級にしたんだ」
…その結果、バブンガモンはカースト最底辺に貶められたということか。
労働力と戦闘力があるから残っているが…
それがない個体は『間引かれた』のだろう。
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 12:31:17.30 ID:5e8KZLPM0
うわぁ…人間社会でもそれなりによく見かける光景…
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 12:32:05.07 ID:mFddBl6No
相変わらずっすねえAAAさん
171 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 12:35:38.22 ID:bLaIWLpwO
『さて…余談はそろそろいいだろう。先日、フーガモンやドリモゲモンをはじめとする勇敢な神官戦士達が、我々天使と共に、悪魔と戦って…命を落とした。勇敢な最期だった』
信徒デジモン達は哀しみの声をあげた。
『フーガモンサマ…ドリモゲモンサマ…』
…いや、誰が悪魔だよ。人聞きの悪い…。
『そこで寝込んでいるキンカクモンは、この戦いを生き延びた勇者だ。キンカクモンは悪魔を追い詰め、あと一歩まで追い込んだが…力及ばず倒れた』
『オォ、キンカクモンサマ…』
シスタモンは、親であるキンカクモンの痛々しい腹部の縫い後を心配そうに眺めている。
『いずれ悪魔達は、信徒のお前達を攻めにくるだろう。ブルースキン達がそうであるようにな!』
信徒デジモン達はざわめく。
『オォオォ…!アクマ!ブルースキン!コワイ!』
『テンシサマ!オタスケクダサイ!』
『ブルースキンはお前達信徒の文明を侵略し、滅ぼそうとしている!』
文脈的に、悪魔は我々を指すのか。
ブルースキンってなんだ?
リーダーが返事をした。
「…おそらくディノヒューモン農園の奴らを指す言葉だ。農園の爬虫類デジモンや昆虫デジモンは、皮膚が緑の色素や青の構造色をしていることが多い」
おお、確かに。
ブイモンもそうだ。青の構造色は、紫外線を反射するから日照りが強い屋外での長時間活動に向いている。
農作業に従事した勲章の青い肌を…
AAAは蔑称にしているのか。
172 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 12:40:25.44 ID:bLaIWLpwO
カリアゲが眉を潜めた。
「いや、侵略してるのは蛮族だろ!なんで農園を侵略者呼ばわりしてんだ!」
「カリアゲ、おそらくAAAは…信徒たちが先に仕掛けたことを隠している」
「え?」
「信徒が先に仕掛け、それに対し農園が反撃したのを…『農園側からの一方的な侵略行為』として信徒デジモンへ教えているんだ」
「…は?」
「だから信徒にとって、農園への攻撃は略奪じゃない…復讐であり、制裁であり、誅罰なんだ」
「…分かり合えないのか?」
「無理だな。信徒達の言葉は農園の言葉とは違う。言葉が通じないから話し合えない。言語の壁を使って、AAAは意図的に対立構造を作っている」
「…バブンガモンとグサグサは通じあえてるんじゃ…」
「だからバブンガモンを貶めているんだろう。奴らと話せるから」
…。
私は言葉を失った。
173 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 12:40:52.35 ID:bLaIWLpwO
一旦ここまで
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 12:53:19.63 ID:d/pWe87G0
乙
全部わかってやってるのがたち悪いねえ
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 13:06:43.26 ID:zGHcRT3D0
乙
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 13:07:39.10 ID:ulIU/yEHo
乙
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 14:55:31.35 ID:G+IoiMeqo
乙
現実は相手も人間だから面倒なんよ
178 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 15:38:01.53 ID:HMJiXyN30
「それじゃあ…蛮族たちは…自分から農園を襲ったつもりじゃなくって…。『農園に攻撃されてるから、防衛のために戦ってるんだ』と勘違いしてるっていうのか…?リーダー…」
「そうなるな」
「…もしかしてよ、蛮族デジモン達って…そんなに悪い奴らじゃないんじゃねえか…?あいつ等はあいつ等なりに…仲間を護るために、命を懸けて、戦ってたってことじゃ…!」
「…そういうことだ、カリアゲ」
「な、なあ、どうにかして… シューティングスターモンを撃ち込む前に、あいつらを説得できねえかなリーダー…?あいつら日本語通じるんだろ?伝えるんだ、AAAに騙されてるって!」
「どうやってだ?奴らは我々が何を言おうと悪魔の誑言と決めつけるだろう。それに信徒の社会ではAAAの言いなりになることが地位を保証する。AAAの言葉を疑う者などいない」
「そんな…!」
「言葉が通じずとも意思疎通ができる相手もいる。ベーダモンのように。だが言葉が通じても意思疎通できない相手もいる。信徒達がそうだ」
「…助けられねえってことかよ…!」
その時、パルタス氏から通信が入った。
『こちらパルタス。シューティングスターモンのチャージは完了した。合図があればいつでも撃てるぞ!』
「パルタス!聞いてくれ!予想外のことが起こったんだ!」
『な、なんだ!?そちらのデジモンに被害が出たか、あるいは蛮族共が散らばって逃げたのか!?』
「違う、そうじゃない…蛮族デジモン達は、騙されていたんだ!AAAに!」
『…?今更どうした』
「奴らが騙されていたとしてもだ、好き好んで農園を略奪したり、悪事をしてるんなら…滅ぼされても仕方ねえって思ってた。だけど違うんだ!農園を攻撃してたのも、俺たちを攻撃してきたのも!その動機は自己防衛のためだったんだ!自分たちが被害者側だと、AAAに嘘を吹き込まれていた!あいつらそんなに悪い奴らじゃないんだよ!」
『…はぁ。それで?』
「それでって…!だから!どうにか話し合いを…!」
『それでというのは。予想外のこととはなんだ?』
「え、だから…。俺たちが蛮族なんて呼んでいた類人猿デジモン達が、実はそんなに悪行三昧の悪い奴らじゃなかったってことで…」
『…?事前に予想していた通りではないか』
「…え?」
『典型的な宗教テロ組織の思想だな。まあそんなものだろう。シューティングスターモンを撃ち込む作戦の障害になる情報はまだ何もないが…』
「…何言ってんだ?あんた」
『貴様こそ何を言っている、カリアゲ。無駄話をしている余裕はないと思うが?』
「パルタス…てめぇ…!蛮族デジモン達が、こういう考えだと分かってたのか…?分かったうえで、シューティングスターモンを撃ち込むって提案してきたのか!!」
『何を今更。蛮族デジモン達は、戦いの最中に自分たちを信徒と、AAAを天使と呼んでいた。この手の支配をされていることは、それだけで容易に読み取れることだろう?それが分かったうえで貴様たちも私の提案を呑んだんじゃないのか?』
179 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 15:49:18.04 ID:HMJiXyN30
カリアゲは、机を拳で叩いた。
「…俺だけが… 俺だけが何もわかってなかったのか…!」
震えるような声を絞り出すカリアゲに、クルエが声をかけた。
「…私も同じ気持ちだよ、カリアゲ」
「…クルエ」
「…気持ちは。分かるよ」
「…」
カリアゲ。私も気持ちは分かる。
同じことを思っていた。ただ黙っていただけだ。
「…ケン」
だけど…言葉にできなかったんじゃない。言葉に『しなかった』んだ。
「…そうだよな、そうだよな、ケン!クルエ…!」
『いい加減にしろカリアゲ!自分が正義のヒーローか何かだとでも思っているのか!』
「…!」
『貴様らは何者だ、セキュリティチーム!リーダーからは、コミックに登場するような正義の戦隊だとでも教わっているのか!?』
「…違うよ。俺たちは正義のヒーローじゃないと…。生存競争をしているんだと、聞いた…。あんたが言ってるようにだ、パルタス…」
『ならば必然!敵が勧善懲悪のコミックから出てきたようなヴィランでないことも分かるだろう!あんなフィクションは、後腐れなく制裁欲求を満たして脳内麻薬を刺激し快楽を得るためだけの低俗な娯楽にすぎない!現実にあんなサンドバッグなどいない!デジタルワールドにもだ!』
「…リーダー、悪い。俺、別の部屋で… フローティア島にいるパートナー達の面倒を見てるよ…」
「…カリアゲ」
「作戦がうまくいってさ、グサグサと仲良くなれたらよ… 俺の代わりに、ブイモンとデジタマモンを褒めてやってくれ…」
「…分かった。こっちでやっておく」
カリアゲは席を立とうとしたが…
『逃げるな!!カリアゲ!!!』
「っ…」
『己が背負う業から目を背けるな!!!それが責任というものだろうが!!』
「…わ、わかった…わかったよ…!見届ける…すべて…!」
カリアゲは震える声で、席に着いた。
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 16:03:15.38 ID:ulIU/yEHo
カリアゲ…
181 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 16:03:34.83 ID:HMJiXyN30
画面を見ると、ニセシャッコウモンはすでに演説を始めていた。
ん?あ、あれ?もう始まってたのか。
今の騒ぎで画面をぜんぜん観てなかった。
誰か、信徒達がどういう話をされてたか聞いてましたか?
「…しまった。聞いていなかった」
リーダーが苦い顔をしていた。
私もクルエもシンも聞いていなかった。
「僕は聞いてたよ」
メガは画面を見ながらそう答えた。
め、メガ…!
ニセシャッコウモンの演説を聞いてたのか。
ということは逆に、こっちの騒ぎは聞いてなったの!?
「?だってそんなの、僕たちがフローティア島で原住民のガニモンを殺戮したことの延長線上でしょ。人の姿に擬態しているからって何が違うわけでもない」
…すごいねメガは。私ですらそう割り切れない。
人に擬態してるから殺しにくいだけ、か。
「畑を荒らす猪を撃てて、猿は撃てないハンターがいるという。人に近い獣は同情心を誘うんだってさ。くだらない。どっちも同じだろうに」
…そう割り切れるメガがいて助かるよ。
それで、ニセシャッコウモンは何を話してたの?
「メモ取りながら聞いてる。サーバーに置いてあるから読んで」
私はメガがとったメモを読んだ。
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 16:10:11.15 ID:ad+M93xCo
動物と違って人間並みの思考できて言語使えるってところが法整備のとき問題になりそう
183 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 16:52:50.45 ID:HMJiXyN30
一旦ここまで
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 16:56:10.88 ID:KGldbCyao
乙
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 17:00:18.91 ID:nGMQliz00
乙
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2024/02/24(土) 17:11:17.21 ID:8MMIPl210
乙
長だったバブンガモンを被差別階級に追いやって笑ってる奴らに話し合いは無理だろ
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 17:13:28.66 ID:zGHcRT3D0
乙
188 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 16:34:08.95 ID:CVYwBtcb0
〜少し時間を遡り、メガ視点〜
ニセシャッコウモンが演説を始めた。
話を聞く限り、AAAはセキュリティチームのことを「悪魔」と、ディノヒューモン農園のことを「ブルースキン」と呼んでおり、
両者のことを信徒に襲い掛かる加害者、外敵であると教えているらしい。
それを聞いたカリアゲが、ショックを受けて騒ぎ始めた。蛮族デジモン達の価値基準が僕たち人間に似通っていることに気づいたらしい。
…まあ心配はいらないだろう。リーダーやケンなら、カリアゲをうまく落ち着かせられるはずだ。
その間、僕は僕がやるべきことをやる。
ニセシャッコウモンの演説内容を記録し、それを読み解けば、今後AAAがやろうとしている悪事について情報が得られるかもしれない。
あちらのことはあちらに任せて…
僕はニセシャッコウモンの演説内容を書き留めた。
『我々天使は、キンカクモンやフーガモンと共に悪魔と戦った。フーガモンやドリモゲモンは悪魔と刺し違えて倒れた…。だが敗北したわけではない!敵もまた大きな損害を負った!』
『オォ〜…!』
『だが信徒達よ!危機感を持て!このまま貴様達が今よりも強くならなければ!力を増した信徒達やブルースキン達が、貴様たちが蓄えた富を奪い、貴様達の家族を貪り食いに来る!』
『アクマコワイ…!』『ブルースキンコワイ…!』
『だが絶望はするな、希望を持て信徒達よ!神は敬虔な信徒のお前たちの信仰に応えて、天使の力の一端を授けた!キンカクモンを、そしてその子孫シスタモンを見よ!我々天使の姿にどんどん近づいている。これは大いなる天使の、悪を撃ち滅ぼす力が芽生えていることを意味する!』
『オォオーーー!!』
シスタモンがちょっと照れている。
『信徒達よ!フーガモンを、ドリモゲモンを超えて強くなれ!これまで以上に力を磨き、己を鍛え上げ!そして我々「天使」に近しい存在へと進化するのだ!そうして力を合わせれば、必ず悪魔を撃ち滅ぼせる!貴様達も、その家族も!子供も!皆救われる!戦うしかないのだ!』
『カミサマー!テンシサマァァ!!』
『さて…。目指すべき将来像を共有したところで。ここにいる者達の中には、これまで私から直に啓示を受けたことのない者も大勢いることだろう。私が出来損ないのバブンガモンに代わり、お前達信徒を統べるようになってから産まれた者達の中には特にな』
…そうか。
今の世代には、既にニセシャッコウモンが蛮族を統べるようになってから産まれた個体も多くいるんだ。
かつてバブンガモンが、類人猿デジモンのリーダーだったこと自体を知らない個体も…。
そういう個体から見れば、バブンガモンは生まれた時既に被差別階級だったということになる。
かつて祖先たちを導いた先代リーダーのバブンガモンに対して、敬意も何もあるはずがない。敬意を持てるはずがない。
きっとバブンガモン派もいたのだろうが…
そういう者達は間引かれてしまったのだろう。
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 16:37:37.59 ID:tkdX+IUKo
人…というかデジモンを見下して貶すことを楽しむデジモン達はどのみちろくな奴じゃなさそうか
190 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 16:41:47.83 ID:CVYwBtcb0
おそらく、初期の類人猿型デジモンは、猿やネズミに近い姿だったのだろう。
バブンガモンや、その親プレイリモン(プレーリードッグに似ているらしい)、ジャングルモジャモン、ゴリモンなど。
だが、ニセシャッコウモンは今の話から察するに、「人の姿に近づく進化をした個体」を、カースト上位に据えようとしているとうかがえる。
これは明らかに、人工的に進化を促しているアプローチだ。
人間の姿を提示し、それに近づくように進化をしろと促しているのだ。
そうして、猿型デジモンはどんどん人の姿へ近づいていったんだ。
シャーマモン、フーガモン、キンカクモン… そしてシスタモン。
いったい何の目的で、デジモンの姿を人間に近づけようとしているのかは…
まだ分からない。
191 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 17:24:03.65 ID:CVYwBtcb0
『敬虔なる信徒のために、今一度!この世界の成り立ちを!そしてお前達の信仰に対する加護を!説明しよう!』
はてさて、どんな話が出てくるか…。
『考えたことはあるか?お前達が住むこの世界は…いったいいつ、どこで、どうやってできたのか。なぜデジタルモンスター達が住んでいるのか。なぜ朝があり、夜があり、火があり、水があり、土があるのか』
『ザワザワ…』
『なぜだと思う?シスタモン』
『ハイ!カミサマが!ツクッタノデス!』
『その通りだ!よく教育しているなキンカクモン。そう、この世界、デジタルワールドは神が作った。その大いなる存在に仕えるのが、我々天使だ』
AAAのやつ、自分のことを天使だという嘘を大真面目に言い張ってるのか。よくそんなことが言えたもんだ。
『神がこの世界を作ったのは、お前達信徒のためだ。水はお前たちが飲むために。土はお前達が踏みしめるために。太陽はお前達を暖めるために。夜はお前達が眠るために。そしてデジタルモンスター達は、お前達信徒が食べるために。信徒のために用意したのだ。お前たちは神の子なのだ!』
『オォ〜アリガタヤアァ〜!』
神の子…ねぇ。
リアルワールドで大きな勢力拡大に成功している様々な宗教の教義を切り貼りしているっぽいな。
『だが!お前達の遠い祖先は、神を裏切り、神の立場を乗っ取ろうと叛逆した。その結果、神はお前たちの祖先の罪を裁いた。だが慈悲によって、獣に似た姿に変えて生きることを許したのだ。罪を償うために』
『ソセンユルセネェェ!』『ソセンハフケイダー!』
『なぜお前達信徒は、天使の姿に近づいているのか?それはお前達が祖先から背負わされた原罪を、敬虔な信仰と働きによって、少しずつ浄化しているからだ。少しずつ罪が清められ、元の姿と知能を取り戻しているのだ』
『オォオーー!!』
『一方でブルースキン達…あれらは、お前たちの祖先から枝分かれした者の一部だ。獣の姿になっても尚、罪を清めるどころかさらに神に叛逆したため、罪を重ね… あのような醜い異形の姿になったのだ』
『ブルースキンユルセネエェ!』『ブルースキンハフケイダー!』
…類人猿型デジモンが、農園の爬虫類型デジモンと枝分かれしたのは、そんな理由じゃないと思うけど。
『信徒達よ!お前達の子孫が完全な天使の姿へと至った時!お前達の祖先が犯した罪は完全に清められるのだ!信徒達よ!それを目指し清く正しく努めよ!』
『オォー!キヨク!タダシクウウゥウ!!』
何が清く正しくだ。
サイバー犯罪者がどの口で言うんだか。
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 17:25:52.43 ID:0LcQ/i4To
間違った知識を流布することは科学者が許しちゃいけないことの一つだな
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 17:42:55.71 ID:Xpvd6LqD0
未知と可能性に満ちた存在が恣意的に歪められるのは無情だな……
194 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 18:20:04.15 ID:CVYwBtcb0
しかし…なるほど。
いくらなんでも、自分たちの祖先を被差別階級に貶めるなんて、蛮族共は随分底意地が悪いんじゃないか?と思ったけど…
『原罪』という概念を利用していたのか。
蛮族デジモン達は、生まれつき祖先が犯した罪を背負っている…ということにして。
正しい行い(サイバー犯罪への加担や、農園への略奪行為)を繰り返すことで、その罪が清められ、人格的な正しさを得ていくのだと。
それに加担しないバブンガモンは、罪が清められていない咎人であるがゆえに…
『悪人』と見なされているんだ。
そんなのに騙されるか?くだらない…と、思いがちだけど、案外ばかにできない。
リアルワールドの人間達は、これら蛮族デジモン達と同様に、罪人とみなした者に対して集団で行う私刑を、「正義」と呼ぶことがある。
実際に罪を犯したかどうかにかかわらず。
2018年、メキシコ中部のアカトランである事件が起きた。
二名の男性が飲酒運転で捕まるという、なんということもない事件だった…。当初は。
しかし、インターネットのSNS上で、彼らは「幼児の連続誘拐犯だ」「車の中に酒があったのがその証拠だ」とデマを流された。
やがてSNSのユーザー達の中では「釈放されたら何人もの幼児が犠牲になる」「だから彼らに正義の裁きを下そう」という意見が膨らんだ。
結果、二名が釈放された後、150人ものインターネットユーザーが彼らを殴り、蹴り、ガソリンをかけて燃やし…死に至らしめた。
そういう事件が、実際にあったのだ。
このように、「罪人のレッテルを貼られた者」に対しては、現代人すらも狂気の残酷性を発揮するのだ。
人間ですら、マインドコントロールによって野蛮な正義感を発揮し、理屈の通らない私刑を行うのだ。
人に近い姿へ進化している類人猿型デジモンが、同じ理屈のマインドコントロールをされるのは、不自然なことじゃない。
195 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 18:31:57.47 ID:CVYwBtcbo
と、このあたりでカリアゲやケン達の一悶着が終わったらしいので…
今までとっていたメモの置き場を教えた。
落ち着いたら読んでくれるだろう。
ニセシャッコウモンがそう話していると…
一体のシャーマモンが、ぷるぷると震えだした。
『ヨクモ…フーガモンサマヲ…!アクマ!ユルセネエエエ!』
シャーマモンは光り輝き…進化した!
https://i.imgur.com/oBEoNOm.jpg
人…というよりはなんだろう。
ファンタジー作品のゴブリンとかドワーフに近い姿になった。
『おお!いいぞ、獣からさらに天使に近づいたな!お前の名は…グロットモンと命名する!』
『ハハァー!』
…こうやって進化を促しているのか、AAAは。
196 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 18:51:40.86 ID:CVYwBtcb0
それからは、演説でたいしたことは言っていなかった。
戒律についてちょっと触れた程度だった。
そろそろ演説が終わる…という雰囲気を察して、僕はパルタス氏に連絡をした。
パルタスさん!
演説が終わるよ!
『わかった!シューティングスターモン、発射スタート!』
『オーケーイ!!!!』
シューティングスターモンから通信が入る。
ウィンドウに、シューティングスターモンを映すデジドローンの映像が映し出された。
既にデジタルワールドに出て、準備をしていたらしい。
密林から少し離れた森林の中だ。
『ファアイブ… フォォー… スリィーー… ツゥーー… ワァン…!』
シューティングスターモンの下部から、凄まじい風圧の空気が噴射され始める。
周囲20mほどの地面に散らばっている枯れ葉や土砂、幼年期デジモンなどが、放射状に吹き飛ばされていく。
木々がざわめき、シューティングスターモンを中心にして木々が斜めに傾いている。
『シュウゥゥッ!!!!』
シューティングスターモンの下部から、爆発的なエネルギーが放出され…
シューティングスターモンは天高く飛び上がった。
197 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 19:12:18.13 ID:CVYwBtcb0
…
〜ケン視点〜
ニセシャッコウモンの演説が終わった。
ニセシャッコウモンは、デジタルゲートから出ていこうとしている。
「ケンパイセン、この映像ってシュリモンが隠し持ってるデジドローンで撮影してるんっスよね?シュリモンであの土偶っぽいやつ倒せませんか?」
シンがそう言ってきた。
気持ちは分かる…シン。
だけどあの土偶は、おそらく中にAAAのデジドローンが入ってる。
「だからこそ!破壊しといてもいいんじゃないッスか!?」
…AAAのデジドローンに、ハックモンがマーカーを付着させてるのを覚えてる?シン。
今AAAのデジドローンを破壊すれば、デジドローンを再構築して復活させるまでしばらくの間活動不能にできるけども…
それは同時に、AAAの本拠地へデジモン伝送路を繋げる貴重な布石を失うことになる。
それを失ってまで、今ここでニセシャッコウモンを破壊するメリットはない。
「…そうなんスね。AAAのやつムカつくんで、一発おみまいしてやれないッすかね」
…今からそうするんだろう。
手駒を全滅させて。
「…なるほど」
198 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 19:32:26.07 ID:CVYwBtcb0
ニセシャッコウモンがちょうどデジタルゲートから出ていったあたりで…
上空から飛行機のような音が近づいてきた。
…こちらの映像でも、シューティングスターモンの影が確認できたぞ!
信徒デジモン達はざわめいて、上空の機影を観察している。
やがて、パルタス氏が号令を出した。
『やれ!シューティングスターモン!出力100%!クラスターボムも同時に放て!!』
上空のシューティングスターモンは、自身の周囲に無数のエネルギー弾を展開した。
そして…
広場の中央に、ジェット噴射しながら勢いよく落下してきた!
シューティングスターモンが、広場のど真ん中に直撃する!
凄まじい衝撃音が鳴り響き、土砂が抉れ、衝撃波と熱波が広がり…
広場に残っていた数多くの信徒デジモン達が、吹き飛ばされ、こなみじんに砕け散った。
続いて、上空に浮いていた無数のエネルギー弾が、シューティングスターモン着弾地点から放射状に飛んできた。
これは…
まるでクラスター爆弾!
信徒デジモン達は逃げているが…
次々とエネルギー弾の空爆に巻き込まれて吹き飛んでいく。
『はぁっ、はぁっ…!』
シスタモンは、よろめくキンカクモンを肩に担いで逃げている。
足元にはトコモンもおり、一緒に逃げている。
空爆の範囲は、どんどんシスタモンたちへ近づいていく。
そして、シスタモンたちに空爆が命中しそうになったとき…
キンカクモンは、シスタモンとトコモンに後ろからとびかかり…
二体に覆いかぶさった。
…シュリモンはそのタイミングで、デジタルゲートから退避し、空爆から避難した。
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 19:35:18.77 ID:tytsGkhto
悲しいけどこれ戦争なのよね
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 19:36:05.12 ID:Xpvd6LqD0
派手だ……
演説の続きをやる案は無いぐらいタイミングドンピシャだったのかな
201 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 19:46:44.72 ID:CVYwBtcb0
ゲートを潜ったシュリモンは、ビオトープで待機している。
そして1分が経過したころ、パルタス氏から通信が入った。
『シューティングスターモンによる空爆が完了した。続いて、ティンクルスターモン&ピックモンズによる残党狩り兼食料収集を開始する。シュリモン、お前も手伝え』
そう言われたので…
シュリモンはデジタルゲートから出てきた。
…信徒の住処だったジャングルは、辺り一面が焦土と化していた。
着弾地点の広場には深いクレーターができており、その周囲1kmほどが、ほぼ生物の痕跡がないほどにメチャクチャに破壊しつくされていた。
シューティングスターモンは、深さ10mほどのクレーターのど真ん中で、土砂に埋もれていた。
『アァーーーーーハラヘッタァーーーー… ブカドモヨ オレサマノタメニサッサトメシヲアツメロォーーーー…』
焼けこげた木々が根元から引っこ抜けて、散乱している。
バラバラになった信徒デジモン達の、焼けこげた肉片が散らばっている。
シューティングスターモンの激突、およびエネルギー弾は焼夷弾ではないため、直接炎を出して木々や信徒デジモン達を燃やしたわけではない。
放たれた熱エネルギーが凄まじいため、その熱波によって焼かれたのだ。
中には瀕死の状態で生き残っているデジモンもいる。
グロットモンが、全身に火傷を負いながら、地面に倒れている。
腹部に折れた木の枝が深々と突き刺さっており、飛んできた土砂で全身を貫かれているようだ。
『ヒィー… ヒィー… テンシ…サマ… ダズゲ、デ…』
そこへ、ティンクルスターモンが回転しながら飛んできて…
グロットモンの頸動脈を深々と切断した。
『ゴボッ!ガボボ… セッガグ… シンガシタ… ノニ… ゴポッ…』
ティンクルスターモンは、次々と瀕死の信徒デジモン達にとどめを刺していく。
苦痛にあえぐ絶叫や、命乞いの言葉が、ひとつひとつ消えていく。
クルエは震えながら画面を見ている。
「あ…あぁ…っ。私たちが…やったの…?これを…!う、うぷっ…!」
クルエは口を手で押さえ、駆け出すように部屋から出ていった。
シンはうつむいて何も言わない。
カリアゲは涙を流しながら、悲惨な光景を目に焼き付けている。
「くっ…うっ…!ごめんっ… ごめんっ…!」
202 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 19:59:06.92 ID:CVYwBtcb0
メガはただただ驚いている。
「嘘でしょ…?単独の成熟期デジモンが、一度の攻撃行為でこんな広範囲を、ここまで徹底的に破壊しつくせるものなのか…?破壊力は間違いなく、これまで観察してしてきたレベル5を超えている…!」
リーダーは険しい表情で現場を観察している。
「攻撃力もすさまじいが、シューティングスターモン自身の耐久力も驚異的だ。あんな勢いで地面に衝突したら並のデジモンなら自身の攻撃力によって粉々に消し飛ぶだろう」
そして、信徒デジモンの住処の跡地へ…
スティングモンが飛んできた。
『シェイドラモンが、これを…。本当に滅ぼしたのか、信徒を…!素晴らしいぞ、我が子よ…』
スティングモンは、周囲をきょろきょろと見まわし、何かを探している。
シェイドラモンを探しているんだろうか…?
カリアゲが口を開いた。
「探してるのは、たぶん… バブンガモンの死体だよ」
…そうだったね。
ゴーサインを出したのはスティングモンだった。
せめて友の亡骸を葬ろうと、やってきたのだろうか。
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:08:01.29 ID:pQhiR4DH0
核兵器かな?
204 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:09:24.08 ID:CVYwBtcb0
やがて、スティングモンは何かを見つけた。
それは、地面にうつ伏せに倒れているキンカクモンだった。
焼けただれた背中に木片や、硬く尖った岩がいくつも深々と突き刺さっている。
どう見ても死んでいる。
…あれほどの破壊力の空爆を食らって、原型をとどめているあたり、キンカクモンはそうとう頑丈なデジモンだったといえるだろう。
だが、そのキンカクモンが…
ちょっと動いた。
警戒するスティングモン。
キンカクモンの下から声がした。
『ゲホ、ゲホッ…!あ、ああ… キンカクモンさま…!』
『プワァ…ッ!』
…シスタモンとトコモンだ。
親がかばったおかげで生き延びたのか。
それを見たスティングモンは、腕から鋭く長い針をシャキンと伸ばす。
『生き残りがいたか。詰めが甘いぞ、シェイドラモンよ』
スティングモンは、シスタモンにとどめを刺そうと詰め寄る。
…その時。
突如飛んできた火炎弾が、スティングモンの頭部に命中した。
『ぐあぁッ!…なんだ!』
スティングモンは、火炎弾が飛んできた方を振り向く。
205 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:12:28.30 ID:CVYwBtcbo
そこにいたデジモンは2体だ。
一体は、シマユニモンに翼が生えたような姿をしている、天馬のようなデジモン。
https://i.imgur.com/CoZObnU.jpg
そして…
https://i.imgur.com/LRxSU4u.jpg
『スティングモン… ナンダ、コレハ…! オレノカゾクニ…ナニヲシタ!』
全身が岩のような甲殻で覆われたヒヒ型デジモン。
バブンガモンであった。
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:13:06.65 ID:kGMa4gD0o
別動隊がいたかっ!
207 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:13:19.27 ID:CVYwBtcbo
※誤記
✕→スティングモン
◯→グサグサ
208 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:26:02.20 ID:CVYwBtcb0
『…生きていたか、バブンガモン』
『グサグサ、コレハナンダト…キイテイル!』
『セキュリティチームとやらがやったそうだ。そして、我が子がな』
『…オレノ!カゾクタチガ!!シンダノカ!!ミンナ!!!』
『生き残りもわずかにいるようだな。そいつ含めて』
スティングモンは、上半身を起こして震え、涙を流しているシスタモンと、トコモンの方へ視線を向ける。
『ひっ… ひぃぃっ…!』
『プワァ…!』
バブンガモンは激昂する。
『セキュリティチーム…ナンダ…ソイツハ!オマエノ…シリアイカ!?オマエノ!サシガネカ!グサグサ!!』
『そうだ。私と信徒達は、もともと殺しあう仲だった。お前も知っていたことだろう、バブンガモン』
『ワカッテハ…イタ!イタガ!コンナコトガ!アルカ!!!ウガァア!!』
『私は去る。そいつにとどめを刺してからだ』
スティングモンは、腕から出た長い針をシスタモンへ突き出そうとするが…
バブンガモンがそれを弾いた。
『ウガアァ!!オレノ!カゾク!!!コレイジョウ!!コロサセナイ!!!』
『バブンガモン…私は知っているぞ。信徒達はお前を見下し、虐げている。元リーダーのお前を。そんな奴ら、もう護らなくていいのではないか!』
『ドウッテコトナイ!!オレノカゾクガ!!ゲンキナラ!!オレハイインダ!!!』
『…バブンガモン。お前自身が我々の村に侵攻しなかったから目をつぶっていたが…。貴様の家族とやらに我々の村民は随分と命を奪われたぞ。私がその復讐をしたがる気持ちは分かるだろう』
『ワカッテル!!ダガ!!コレイジョウ!!!カゾク!!シナセナイ!!!』
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:28:16.97 ID:kGMa4gD0o
日本語教えてくれたバブンガモンより日本語ペラペラだなグサグサ
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2024/02/25(日) 20:30:30.31 ID:TIq9gstv0
バブンガモンが良い奴過ぎる…
211 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:33:55.78 ID:CVYwBtcb0
縞々が無く、翼が生えたシマユニモンの亜種… 仮称ユニモンは、シスタモンとトコモンを自身の背に乗せた。
『タスケテクレルの…?バブンガモン…。ワタシを…?』
『サッサトイケ!シソンヨ!』
『アリガトウ…!』
ユニモンは駆け出そうとする。
そこへ…。
『行かせねえよ!!』
何者かがやってきた。
…フレイドラモンだ!
『スティングモン!あいつはオイラがやっつける!』
フレイドラモンは、シスタモンとトコモンを背負ったユニモンを追跡しようとしているようだ。
『グサグサと呼べと言っている!我が子よ!わかった、頼むぞ』
スティングモンがフレイドラモンにそう返事をすると…
バブンガモンが、フレイドラモン&スティングモンとユニモンの間に割って入った。
『ウガアァァ!!!カゾク!!!イキノコリ!!!シナセナイ!!ゼッタイニ!!!』
ユニモンは、全速力で地を駆り、走り去っていく。
『そこをどけえぇ!!』
フレイドラモンは、バブンガモンを躱してユニモンを追いかけようとする。
バブンガモンがフレイドラモンを通せんぼしようとするが…
スティングモンが、腕の張りでバブンガモンを攻撃した!
それを受け止めるバブンガモン。
『我が子シェイドラモンよ!私がバブンガモンの相手をする!お前はあれを仕留めろ!』
『ああ、わかった!』
フレイドラモンは、スティングモンのおかげでバブンガモンの通せんぼをかいくぐり…
ユニモンの追跡を始めた。
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