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デジタルモンスター研究報告会 season2 エピローグ
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163 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/23(金) 22:26:54.88 ID:BFJz8vNOO
一旦ここまで
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:28:12.68 ID:O0TqS0wRo
乙
可哀想だけど先に向こうが仕掛けてきたから仕方ないね…
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:28:35.62 ID:+cXy+MHj0
乙
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:29:12.64 ID:BM19BkAu0
乙
戦争は悲しい
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/23(金) 22:32:41.68 ID:rZOEGQtS0
乙
AAAが出てきたら雰囲気変わるかと思ったら全然いい感じだ……
168 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 12:16:02.79 ID:bLaIWLpwO
ジャングルモジャモンの一体が口を開いた。
『テンシサマ!バブンガモンノヤツ マタコナイ! レイハイ サボッテ コウセキサイクツ ヤッテル!バカ!ウホホ!』
『ああ…バブンガモンはまた居ないのか。無理もない、ヤツはお前達よりずっと頭が悪いのだ。礼拝だけでなく労働もサボっていたり、弱かったらヤツも制裁していたところだ』
信徒デジモン達は、それを聞いて大笑いした。
『笑えるだろう!アレがかつてお前達を導いていたのだ、あんな低能の出来損ないがな!バブンガモンを慕うんじゃないぞ。バカが伝染るからな!』
信徒デジモン達はさらに笑った。
シスタモンもクスクス笑っている。
クルエは不思議そうだ。
「…何が面白かったの?今の話の…」
リーダーが答えた。
「グサグサの話から察するに…AAAのヤツは、類人猿デジモンを品種改良して蛮族デジモンを作った。単為生殖のデジタルモンスターで品種改良を行うには…、方法はひとつ。不都合な形質を持った個体を『間引く』ことだ」
「間引き…」
優生学みたいですね。
「グサグサは信徒の中でカーストを作ったと言っていたが…、それはすなわち『被差別階級を作ること』を指す。ヤツらはAAAの命令に従い、高い知能を持つ個体を上位階級とし、AAAの命令に従わない個体を被差別階級にしたんだ」
…その結果、バブンガモンはカースト最底辺に貶められたということか。
労働力と戦闘力があるから残っているが…
それがない個体は『間引かれた』のだろう。
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 12:31:17.30 ID:5e8KZLPM0
うわぁ…人間社会でもそれなりによく見かける光景…
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 12:32:05.07 ID:mFddBl6No
相変わらずっすねえAAAさん
171 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 12:35:38.22 ID:bLaIWLpwO
『さて…余談はそろそろいいだろう。先日、フーガモンやドリモゲモンをはじめとする勇敢な神官戦士達が、我々天使と共に、悪魔と戦って…命を落とした。勇敢な最期だった』
信徒デジモン達は哀しみの声をあげた。
『フーガモンサマ…ドリモゲモンサマ…』
…いや、誰が悪魔だよ。人聞きの悪い…。
『そこで寝込んでいるキンカクモンは、この戦いを生き延びた勇者だ。キンカクモンは悪魔を追い詰め、あと一歩まで追い込んだが…力及ばず倒れた』
『オォ、キンカクモンサマ…』
シスタモンは、親であるキンカクモンの痛々しい腹部の縫い後を心配そうに眺めている。
『いずれ悪魔達は、信徒のお前達を攻めにくるだろう。ブルースキン達がそうであるようにな!』
信徒デジモン達はざわめく。
『オォオォ…!アクマ!ブルースキン!コワイ!』
『テンシサマ!オタスケクダサイ!』
『ブルースキンはお前達信徒の文明を侵略し、滅ぼそうとしている!』
文脈的に、悪魔は我々を指すのか。
ブルースキンってなんだ?
リーダーが返事をした。
「…おそらくディノヒューモン農園の奴らを指す言葉だ。農園の爬虫類デジモンや昆虫デジモンは、皮膚が緑の色素や青の構造色をしていることが多い」
おお、確かに。
ブイモンもそうだ。青の構造色は、紫外線を反射するから日照りが強い屋外での長時間活動に向いている。
農作業に従事した勲章の青い肌を…
AAAは蔑称にしているのか。
172 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 12:40:25.44 ID:bLaIWLpwO
カリアゲが眉を潜めた。
「いや、侵略してるのは蛮族だろ!なんで農園を侵略者呼ばわりしてんだ!」
「カリアゲ、おそらくAAAは…信徒たちが先に仕掛けたことを隠している」
「え?」
「信徒が先に仕掛け、それに対し農園が反撃したのを…『農園側からの一方的な侵略行為』として信徒デジモンへ教えているんだ」
「…は?」
「だから信徒にとって、農園への攻撃は略奪じゃない…復讐であり、制裁であり、誅罰なんだ」
「…分かり合えないのか?」
「無理だな。信徒達の言葉は農園の言葉とは違う。言葉が通じないから話し合えない。言語の壁を使って、AAAは意図的に対立構造を作っている」
「…バブンガモンとグサグサは通じあえてるんじゃ…」
「だからバブンガモンを貶めているんだろう。奴らと話せるから」
…。
私は言葉を失った。
173 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 12:40:52.35 ID:bLaIWLpwO
一旦ここまで
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 12:53:19.63 ID:d/pWe87G0
乙
全部わかってやってるのがたち悪いねえ
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 13:06:43.26 ID:zGHcRT3D0
乙
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 13:07:39.10 ID:ulIU/yEHo
乙
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 14:55:31.35 ID:G+IoiMeqo
乙
現実は相手も人間だから面倒なんよ
178 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 15:38:01.53 ID:HMJiXyN30
「それじゃあ…蛮族たちは…自分から農園を襲ったつもりじゃなくって…。『農園に攻撃されてるから、防衛のために戦ってるんだ』と勘違いしてるっていうのか…?リーダー…」
「そうなるな」
「…もしかしてよ、蛮族デジモン達って…そんなに悪い奴らじゃないんじゃねえか…?あいつ等はあいつ等なりに…仲間を護るために、命を懸けて、戦ってたってことじゃ…!」
「…そういうことだ、カリアゲ」
「な、なあ、どうにかして… シューティングスターモンを撃ち込む前に、あいつらを説得できねえかなリーダー…?あいつら日本語通じるんだろ?伝えるんだ、AAAに騙されてるって!」
「どうやってだ?奴らは我々が何を言おうと悪魔の誑言と決めつけるだろう。それに信徒の社会ではAAAの言いなりになることが地位を保証する。AAAの言葉を疑う者などいない」
「そんな…!」
「言葉が通じずとも意思疎通ができる相手もいる。ベーダモンのように。だが言葉が通じても意思疎通できない相手もいる。信徒達がそうだ」
「…助けられねえってことかよ…!」
その時、パルタス氏から通信が入った。
『こちらパルタス。シューティングスターモンのチャージは完了した。合図があればいつでも撃てるぞ!』
「パルタス!聞いてくれ!予想外のことが起こったんだ!」
『な、なんだ!?そちらのデジモンに被害が出たか、あるいは蛮族共が散らばって逃げたのか!?』
「違う、そうじゃない…蛮族デジモン達は、騙されていたんだ!AAAに!」
『…?今更どうした』
「奴らが騙されていたとしてもだ、好き好んで農園を略奪したり、悪事をしてるんなら…滅ぼされても仕方ねえって思ってた。だけど違うんだ!農園を攻撃してたのも、俺たちを攻撃してきたのも!その動機は自己防衛のためだったんだ!自分たちが被害者側だと、AAAに嘘を吹き込まれていた!あいつらそんなに悪い奴らじゃないんだよ!」
『…はぁ。それで?』
「それでって…!だから!どうにか話し合いを…!」
『それでというのは。予想外のこととはなんだ?』
「え、だから…。俺たちが蛮族なんて呼んでいた類人猿デジモン達が、実はそんなに悪行三昧の悪い奴らじゃなかったってことで…」
『…?事前に予想していた通りではないか』
「…え?」
『典型的な宗教テロ組織の思想だな。まあそんなものだろう。シューティングスターモンを撃ち込む作戦の障害になる情報はまだ何もないが…』
「…何言ってんだ?あんた」
『貴様こそ何を言っている、カリアゲ。無駄話をしている余裕はないと思うが?』
「パルタス…てめぇ…!蛮族デジモン達が、こういう考えだと分かってたのか…?分かったうえで、シューティングスターモンを撃ち込むって提案してきたのか!!」
『何を今更。蛮族デジモン達は、戦いの最中に自分たちを信徒と、AAAを天使と呼んでいた。この手の支配をされていることは、それだけで容易に読み取れることだろう?それが分かったうえで貴様たちも私の提案を呑んだんじゃないのか?』
179 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 15:49:18.04 ID:HMJiXyN30
カリアゲは、机を拳で叩いた。
「…俺だけが… 俺だけが何もわかってなかったのか…!」
震えるような声を絞り出すカリアゲに、クルエが声をかけた。
「…私も同じ気持ちだよ、カリアゲ」
「…クルエ」
「…気持ちは。分かるよ」
「…」
カリアゲ。私も気持ちは分かる。
同じことを思っていた。ただ黙っていただけだ。
「…ケン」
だけど…言葉にできなかったんじゃない。言葉に『しなかった』んだ。
「…そうだよな、そうだよな、ケン!クルエ…!」
『いい加減にしろカリアゲ!自分が正義のヒーローか何かだとでも思っているのか!』
「…!」
『貴様らは何者だ、セキュリティチーム!リーダーからは、コミックに登場するような正義の戦隊だとでも教わっているのか!?』
「…違うよ。俺たちは正義のヒーローじゃないと…。生存競争をしているんだと、聞いた…。あんたが言ってるようにだ、パルタス…」
『ならば必然!敵が勧善懲悪のコミックから出てきたようなヴィランでないことも分かるだろう!あんなフィクションは、後腐れなく制裁欲求を満たして脳内麻薬を刺激し快楽を得るためだけの低俗な娯楽にすぎない!現実にあんなサンドバッグなどいない!デジタルワールドにもだ!』
「…リーダー、悪い。俺、別の部屋で… フローティア島にいるパートナー達の面倒を見てるよ…」
「…カリアゲ」
「作戦がうまくいってさ、グサグサと仲良くなれたらよ… 俺の代わりに、ブイモンとデジタマモンを褒めてやってくれ…」
「…分かった。こっちでやっておく」
カリアゲは席を立とうとしたが…
『逃げるな!!カリアゲ!!!』
「っ…」
『己が背負う業から目を背けるな!!!それが責任というものだろうが!!』
「…わ、わかった…わかったよ…!見届ける…すべて…!」
カリアゲは震える声で、席に着いた。
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 16:03:15.38 ID:ulIU/yEHo
カリアゲ…
181 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 16:03:34.83 ID:HMJiXyN30
画面を見ると、ニセシャッコウモンはすでに演説を始めていた。
ん?あ、あれ?もう始まってたのか。
今の騒ぎで画面をぜんぜん観てなかった。
誰か、信徒達がどういう話をされてたか聞いてましたか?
「…しまった。聞いていなかった」
リーダーが苦い顔をしていた。
私もクルエもシンも聞いていなかった。
「僕は聞いてたよ」
メガは画面を見ながらそう答えた。
め、メガ…!
ニセシャッコウモンの演説を聞いてたのか。
ということは逆に、こっちの騒ぎは聞いてなったの!?
「?だってそんなの、僕たちがフローティア島で原住民のガニモンを殺戮したことの延長線上でしょ。人の姿に擬態しているからって何が違うわけでもない」
…すごいねメガは。私ですらそう割り切れない。
人に擬態してるから殺しにくいだけ、か。
「畑を荒らす猪を撃てて、猿は撃てないハンターがいるという。人に近い獣は同情心を誘うんだってさ。くだらない。どっちも同じだろうに」
…そう割り切れるメガがいて助かるよ。
それで、ニセシャッコウモンは何を話してたの?
「メモ取りながら聞いてる。サーバーに置いてあるから読んで」
私はメガがとったメモを読んだ。
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 16:10:11.15 ID:ad+M93xCo
動物と違って人間並みの思考できて言語使えるってところが法整備のとき問題になりそう
183 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/24(土) 16:52:50.45 ID:HMJiXyN30
一旦ここまで
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 16:56:10.88 ID:KGldbCyao
乙
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 17:00:18.91 ID:nGMQliz00
乙
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2024/02/24(土) 17:11:17.21 ID:8MMIPl210
乙
長だったバブンガモンを被差別階級に追いやって笑ってる奴らに話し合いは無理だろ
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/24(土) 17:13:28.66 ID:zGHcRT3D0
乙
188 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 16:34:08.95 ID:CVYwBtcb0
〜少し時間を遡り、メガ視点〜
ニセシャッコウモンが演説を始めた。
話を聞く限り、AAAはセキュリティチームのことを「悪魔」と、ディノヒューモン農園のことを「ブルースキン」と呼んでおり、
両者のことを信徒に襲い掛かる加害者、外敵であると教えているらしい。
それを聞いたカリアゲが、ショックを受けて騒ぎ始めた。蛮族デジモン達の価値基準が僕たち人間に似通っていることに気づいたらしい。
…まあ心配はいらないだろう。リーダーやケンなら、カリアゲをうまく落ち着かせられるはずだ。
その間、僕は僕がやるべきことをやる。
ニセシャッコウモンの演説内容を記録し、それを読み解けば、今後AAAがやろうとしている悪事について情報が得られるかもしれない。
あちらのことはあちらに任せて…
僕はニセシャッコウモンの演説内容を書き留めた。
『我々天使は、キンカクモンやフーガモンと共に悪魔と戦った。フーガモンやドリモゲモンは悪魔と刺し違えて倒れた…。だが敗北したわけではない!敵もまた大きな損害を負った!』
『オォ〜…!』
『だが信徒達よ!危機感を持て!このまま貴様達が今よりも強くならなければ!力を増した信徒達やブルースキン達が、貴様たちが蓄えた富を奪い、貴様達の家族を貪り食いに来る!』
『アクマコワイ…!』『ブルースキンコワイ…!』
『だが絶望はするな、希望を持て信徒達よ!神は敬虔な信徒のお前たちの信仰に応えて、天使の力の一端を授けた!キンカクモンを、そしてその子孫シスタモンを見よ!我々天使の姿にどんどん近づいている。これは大いなる天使の、悪を撃ち滅ぼす力が芽生えていることを意味する!』
『オォオーーー!!』
シスタモンがちょっと照れている。
『信徒達よ!フーガモンを、ドリモゲモンを超えて強くなれ!これまで以上に力を磨き、己を鍛え上げ!そして我々「天使」に近しい存在へと進化するのだ!そうして力を合わせれば、必ず悪魔を撃ち滅ぼせる!貴様達も、その家族も!子供も!皆救われる!戦うしかないのだ!』
『カミサマー!テンシサマァァ!!』
『さて…。目指すべき将来像を共有したところで。ここにいる者達の中には、これまで私から直に啓示を受けたことのない者も大勢いることだろう。私が出来損ないのバブンガモンに代わり、お前達信徒を統べるようになってから産まれた者達の中には特にな』
…そうか。
今の世代には、既にニセシャッコウモンが蛮族を統べるようになってから産まれた個体も多くいるんだ。
かつてバブンガモンが、類人猿デジモンのリーダーだったこと自体を知らない個体も…。
そういう個体から見れば、バブンガモンは生まれた時既に被差別階級だったということになる。
かつて祖先たちを導いた先代リーダーのバブンガモンに対して、敬意も何もあるはずがない。敬意を持てるはずがない。
きっとバブンガモン派もいたのだろうが…
そういう者達は間引かれてしまったのだろう。
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 16:37:37.59 ID:tkdX+IUKo
人…というかデジモンを見下して貶すことを楽しむデジモン達はどのみちろくな奴じゃなさそうか
190 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 16:41:47.83 ID:CVYwBtcb0
おそらく、初期の類人猿型デジモンは、猿やネズミに近い姿だったのだろう。
バブンガモンや、その親プレイリモン(プレーリードッグに似ているらしい)、ジャングルモジャモン、ゴリモンなど。
だが、ニセシャッコウモンは今の話から察するに、「人の姿に近づく進化をした個体」を、カースト上位に据えようとしているとうかがえる。
これは明らかに、人工的に進化を促しているアプローチだ。
人間の姿を提示し、それに近づくように進化をしろと促しているのだ。
そうして、猿型デジモンはどんどん人の姿へ近づいていったんだ。
シャーマモン、フーガモン、キンカクモン… そしてシスタモン。
いったい何の目的で、デジモンの姿を人間に近づけようとしているのかは…
まだ分からない。
191 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 17:24:03.65 ID:CVYwBtcb0
『敬虔なる信徒のために、今一度!この世界の成り立ちを!そしてお前達の信仰に対する加護を!説明しよう!』
はてさて、どんな話が出てくるか…。
『考えたことはあるか?お前達が住むこの世界は…いったいいつ、どこで、どうやってできたのか。なぜデジタルモンスター達が住んでいるのか。なぜ朝があり、夜があり、火があり、水があり、土があるのか』
『ザワザワ…』
『なぜだと思う?シスタモン』
『ハイ!カミサマが!ツクッタノデス!』
『その通りだ!よく教育しているなキンカクモン。そう、この世界、デジタルワールドは神が作った。その大いなる存在に仕えるのが、我々天使だ』
AAAのやつ、自分のことを天使だという嘘を大真面目に言い張ってるのか。よくそんなことが言えたもんだ。
『神がこの世界を作ったのは、お前達信徒のためだ。水はお前たちが飲むために。土はお前達が踏みしめるために。太陽はお前達を暖めるために。夜はお前達が眠るために。そしてデジタルモンスター達は、お前達信徒が食べるために。信徒のために用意したのだ。お前たちは神の子なのだ!』
『オォ〜アリガタヤアァ〜!』
神の子…ねぇ。
リアルワールドで大きな勢力拡大に成功している様々な宗教の教義を切り貼りしているっぽいな。
『だが!お前達の遠い祖先は、神を裏切り、神の立場を乗っ取ろうと叛逆した。その結果、神はお前たちの祖先の罪を裁いた。だが慈悲によって、獣に似た姿に変えて生きることを許したのだ。罪を償うために』
『ソセンユルセネェェ!』『ソセンハフケイダー!』
『なぜお前達信徒は、天使の姿に近づいているのか?それはお前達が祖先から背負わされた原罪を、敬虔な信仰と働きによって、少しずつ浄化しているからだ。少しずつ罪が清められ、元の姿と知能を取り戻しているのだ』
『オォオーー!!』
『一方でブルースキン達…あれらは、お前たちの祖先から枝分かれした者の一部だ。獣の姿になっても尚、罪を清めるどころかさらに神に叛逆したため、罪を重ね… あのような醜い異形の姿になったのだ』
『ブルースキンユルセネエェ!』『ブルースキンハフケイダー!』
…類人猿型デジモンが、農園の爬虫類型デジモンと枝分かれしたのは、そんな理由じゃないと思うけど。
『信徒達よ!お前達の子孫が完全な天使の姿へと至った時!お前達の祖先が犯した罪は完全に清められるのだ!信徒達よ!それを目指し清く正しく努めよ!』
『オォー!キヨク!タダシクウウゥウ!!』
何が清く正しくだ。
サイバー犯罪者がどの口で言うんだか。
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 17:25:52.43 ID:0LcQ/i4To
間違った知識を流布することは科学者が許しちゃいけないことの一つだな
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 17:42:55.71 ID:Xpvd6LqD0
未知と可能性に満ちた存在が恣意的に歪められるのは無情だな……
194 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 18:20:04.15 ID:CVYwBtcb0
しかし…なるほど。
いくらなんでも、自分たちの祖先を被差別階級に貶めるなんて、蛮族共は随分底意地が悪いんじゃないか?と思ったけど…
『原罪』という概念を利用していたのか。
蛮族デジモン達は、生まれつき祖先が犯した罪を背負っている…ということにして。
正しい行い(サイバー犯罪への加担や、農園への略奪行為)を繰り返すことで、その罪が清められ、人格的な正しさを得ていくのだと。
それに加担しないバブンガモンは、罪が清められていない咎人であるがゆえに…
『悪人』と見なされているんだ。
そんなのに騙されるか?くだらない…と、思いがちだけど、案外ばかにできない。
リアルワールドの人間達は、これら蛮族デジモン達と同様に、罪人とみなした者に対して集団で行う私刑を、「正義」と呼ぶことがある。
実際に罪を犯したかどうかにかかわらず。
2018年、メキシコ中部のアカトランである事件が起きた。
二名の男性が飲酒運転で捕まるという、なんということもない事件だった…。当初は。
しかし、インターネットのSNS上で、彼らは「幼児の連続誘拐犯だ」「車の中に酒があったのがその証拠だ」とデマを流された。
やがてSNSのユーザー達の中では「釈放されたら何人もの幼児が犠牲になる」「だから彼らに正義の裁きを下そう」という意見が膨らんだ。
結果、二名が釈放された後、150人ものインターネットユーザーが彼らを殴り、蹴り、ガソリンをかけて燃やし…死に至らしめた。
そういう事件が、実際にあったのだ。
このように、「罪人のレッテルを貼られた者」に対しては、現代人すらも狂気の残酷性を発揮するのだ。
人間ですら、マインドコントロールによって野蛮な正義感を発揮し、理屈の通らない私刑を行うのだ。
人に近い姿へ進化している類人猿型デジモンが、同じ理屈のマインドコントロールをされるのは、不自然なことじゃない。
195 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 18:31:57.47 ID:CVYwBtcbo
と、このあたりでカリアゲやケン達の一悶着が終わったらしいので…
今までとっていたメモの置き場を教えた。
落ち着いたら読んでくれるだろう。
ニセシャッコウモンがそう話していると…
一体のシャーマモンが、ぷるぷると震えだした。
『ヨクモ…フーガモンサマヲ…!アクマ!ユルセネエエエ!』
シャーマモンは光り輝き…進化した!
https://i.imgur.com/oBEoNOm.jpg
人…というよりはなんだろう。
ファンタジー作品のゴブリンとかドワーフに近い姿になった。
『おお!いいぞ、獣からさらに天使に近づいたな!お前の名は…グロットモンと命名する!』
『ハハァー!』
…こうやって進化を促しているのか、AAAは。
196 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 18:51:40.86 ID:CVYwBtcb0
それからは、演説でたいしたことは言っていなかった。
戒律についてちょっと触れた程度だった。
そろそろ演説が終わる…という雰囲気を察して、僕はパルタス氏に連絡をした。
パルタスさん!
演説が終わるよ!
『わかった!シューティングスターモン、発射スタート!』
『オーケーイ!!!!』
シューティングスターモンから通信が入る。
ウィンドウに、シューティングスターモンを映すデジドローンの映像が映し出された。
既にデジタルワールドに出て、準備をしていたらしい。
密林から少し離れた森林の中だ。
『ファアイブ… フォォー… スリィーー… ツゥーー… ワァン…!』
シューティングスターモンの下部から、凄まじい風圧の空気が噴射され始める。
周囲20mほどの地面に散らばっている枯れ葉や土砂、幼年期デジモンなどが、放射状に吹き飛ばされていく。
木々がざわめき、シューティングスターモンを中心にして木々が斜めに傾いている。
『シュウゥゥッ!!!!』
シューティングスターモンの下部から、爆発的なエネルギーが放出され…
シューティングスターモンは天高く飛び上がった。
197 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 19:12:18.13 ID:CVYwBtcb0
…
〜ケン視点〜
ニセシャッコウモンの演説が終わった。
ニセシャッコウモンは、デジタルゲートから出ていこうとしている。
「ケンパイセン、この映像ってシュリモンが隠し持ってるデジドローンで撮影してるんっスよね?シュリモンであの土偶っぽいやつ倒せませんか?」
シンがそう言ってきた。
気持ちは分かる…シン。
だけどあの土偶は、おそらく中にAAAのデジドローンが入ってる。
「だからこそ!破壊しといてもいいんじゃないッスか!?」
…AAAのデジドローンに、ハックモンがマーカーを付着させてるのを覚えてる?シン。
今AAAのデジドローンを破壊すれば、デジドローンを再構築して復活させるまでしばらくの間活動不能にできるけども…
それは同時に、AAAの本拠地へデジモン伝送路を繋げる貴重な布石を失うことになる。
それを失ってまで、今ここでニセシャッコウモンを破壊するメリットはない。
「…そうなんスね。AAAのやつムカつくんで、一発おみまいしてやれないッすかね」
…今からそうするんだろう。
手駒を全滅させて。
「…なるほど」
198 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 19:32:26.07 ID:CVYwBtcb0
ニセシャッコウモンがちょうどデジタルゲートから出ていったあたりで…
上空から飛行機のような音が近づいてきた。
…こちらの映像でも、シューティングスターモンの影が確認できたぞ!
信徒デジモン達はざわめいて、上空の機影を観察している。
やがて、パルタス氏が号令を出した。
『やれ!シューティングスターモン!出力100%!クラスターボムも同時に放て!!』
上空のシューティングスターモンは、自身の周囲に無数のエネルギー弾を展開した。
そして…
広場の中央に、ジェット噴射しながら勢いよく落下してきた!
シューティングスターモンが、広場のど真ん中に直撃する!
凄まじい衝撃音が鳴り響き、土砂が抉れ、衝撃波と熱波が広がり…
広場に残っていた数多くの信徒デジモン達が、吹き飛ばされ、こなみじんに砕け散った。
続いて、上空に浮いていた無数のエネルギー弾が、シューティングスターモン着弾地点から放射状に飛んできた。
これは…
まるでクラスター爆弾!
信徒デジモン達は逃げているが…
次々とエネルギー弾の空爆に巻き込まれて吹き飛んでいく。
『はぁっ、はぁっ…!』
シスタモンは、よろめくキンカクモンを肩に担いで逃げている。
足元にはトコモンもおり、一緒に逃げている。
空爆の範囲は、どんどんシスタモンたちへ近づいていく。
そして、シスタモンたちに空爆が命中しそうになったとき…
キンカクモンは、シスタモンとトコモンに後ろからとびかかり…
二体に覆いかぶさった。
…シュリモンはそのタイミングで、デジタルゲートから退避し、空爆から避難した。
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 19:35:18.77 ID:tytsGkhto
悲しいけどこれ戦争なのよね
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 19:36:05.12 ID:Xpvd6LqD0
派手だ……
演説の続きをやる案は無いぐらいタイミングドンピシャだったのかな
201 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 19:46:44.72 ID:CVYwBtcb0
ゲートを潜ったシュリモンは、ビオトープで待機している。
そして1分が経過したころ、パルタス氏から通信が入った。
『シューティングスターモンによる空爆が完了した。続いて、ティンクルスターモン&ピックモンズによる残党狩り兼食料収集を開始する。シュリモン、お前も手伝え』
そう言われたので…
シュリモンはデジタルゲートから出てきた。
…信徒の住処だったジャングルは、辺り一面が焦土と化していた。
着弾地点の広場には深いクレーターができており、その周囲1kmほどが、ほぼ生物の痕跡がないほどにメチャクチャに破壊しつくされていた。
シューティングスターモンは、深さ10mほどのクレーターのど真ん中で、土砂に埋もれていた。
『アァーーーーーハラヘッタァーーーー… ブカドモヨ オレサマノタメニサッサトメシヲアツメロォーーーー…』
焼けこげた木々が根元から引っこ抜けて、散乱している。
バラバラになった信徒デジモン達の、焼けこげた肉片が散らばっている。
シューティングスターモンの激突、およびエネルギー弾は焼夷弾ではないため、直接炎を出して木々や信徒デジモン達を燃やしたわけではない。
放たれた熱エネルギーが凄まじいため、その熱波によって焼かれたのだ。
中には瀕死の状態で生き残っているデジモンもいる。
グロットモンが、全身に火傷を負いながら、地面に倒れている。
腹部に折れた木の枝が深々と突き刺さっており、飛んできた土砂で全身を貫かれているようだ。
『ヒィー… ヒィー… テンシ…サマ… ダズゲ、デ…』
そこへ、ティンクルスターモンが回転しながら飛んできて…
グロットモンの頸動脈を深々と切断した。
『ゴボッ!ガボボ… セッガグ… シンガシタ… ノニ… ゴポッ…』
ティンクルスターモンは、次々と瀕死の信徒デジモン達にとどめを刺していく。
苦痛にあえぐ絶叫や、命乞いの言葉が、ひとつひとつ消えていく。
クルエは震えながら画面を見ている。
「あ…あぁ…っ。私たちが…やったの…?これを…!う、うぷっ…!」
クルエは口を手で押さえ、駆け出すように部屋から出ていった。
シンはうつむいて何も言わない。
カリアゲは涙を流しながら、悲惨な光景を目に焼き付けている。
「くっ…うっ…!ごめんっ… ごめんっ…!」
202 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 19:59:06.92 ID:CVYwBtcb0
メガはただただ驚いている。
「嘘でしょ…?単独の成熟期デジモンが、一度の攻撃行為でこんな広範囲を、ここまで徹底的に破壊しつくせるものなのか…?破壊力は間違いなく、これまで観察してしてきたレベル5を超えている…!」
リーダーは険しい表情で現場を観察している。
「攻撃力もすさまじいが、シューティングスターモン自身の耐久力も驚異的だ。あんな勢いで地面に衝突したら並のデジモンなら自身の攻撃力によって粉々に消し飛ぶだろう」
そして、信徒デジモンの住処の跡地へ…
スティングモンが飛んできた。
『シェイドラモンが、これを…。本当に滅ぼしたのか、信徒を…!素晴らしいぞ、我が子よ…』
スティングモンは、周囲をきょろきょろと見まわし、何かを探している。
シェイドラモンを探しているんだろうか…?
カリアゲが口を開いた。
「探してるのは、たぶん… バブンガモンの死体だよ」
…そうだったね。
ゴーサインを出したのはスティングモンだった。
せめて友の亡骸を葬ろうと、やってきたのだろうか。
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:08:01.29 ID:pQhiR4DH0
核兵器かな?
204 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:09:24.08 ID:CVYwBtcb0
やがて、スティングモンは何かを見つけた。
それは、地面にうつ伏せに倒れているキンカクモンだった。
焼けただれた背中に木片や、硬く尖った岩がいくつも深々と突き刺さっている。
どう見ても死んでいる。
…あれほどの破壊力の空爆を食らって、原型をとどめているあたり、キンカクモンはそうとう頑丈なデジモンだったといえるだろう。
だが、そのキンカクモンが…
ちょっと動いた。
警戒するスティングモン。
キンカクモンの下から声がした。
『ゲホ、ゲホッ…!あ、ああ… キンカクモンさま…!』
『プワァ…ッ!』
…シスタモンとトコモンだ。
親がかばったおかげで生き延びたのか。
それを見たスティングモンは、腕から鋭く長い針をシャキンと伸ばす。
『生き残りがいたか。詰めが甘いぞ、シェイドラモンよ』
スティングモンは、シスタモンにとどめを刺そうと詰め寄る。
…その時。
突如飛んできた火炎弾が、スティングモンの頭部に命中した。
『ぐあぁッ!…なんだ!』
スティングモンは、火炎弾が飛んできた方を振り向く。
205 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:12:28.30 ID:CVYwBtcbo
そこにいたデジモンは2体だ。
一体は、シマユニモンに翼が生えたような姿をしている、天馬のようなデジモン。
https://i.imgur.com/CoZObnU.jpg
そして…
https://i.imgur.com/LRxSU4u.jpg
『スティングモン… ナンダ、コレハ…! オレノカゾクニ…ナニヲシタ!』
全身が岩のような甲殻で覆われたヒヒ型デジモン。
バブンガモンであった。
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:13:06.65 ID:kGMa4gD0o
別動隊がいたかっ!
207 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:13:19.27 ID:CVYwBtcbo
※誤記
✕→スティングモン
◯→グサグサ
208 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:26:02.20 ID:CVYwBtcb0
『…生きていたか、バブンガモン』
『グサグサ、コレハナンダト…キイテイル!』
『セキュリティチームとやらがやったそうだ。そして、我が子がな』
『…オレノ!カゾクタチガ!!シンダノカ!!ミンナ!!!』
『生き残りもわずかにいるようだな。そいつ含めて』
スティングモンは、上半身を起こして震え、涙を流しているシスタモンと、トコモンの方へ視線を向ける。
『ひっ… ひぃぃっ…!』
『プワァ…!』
バブンガモンは激昂する。
『セキュリティチーム…ナンダ…ソイツハ!オマエノ…シリアイカ!?オマエノ!サシガネカ!グサグサ!!』
『そうだ。私と信徒達は、もともと殺しあう仲だった。お前も知っていたことだろう、バブンガモン』
『ワカッテハ…イタ!イタガ!コンナコトガ!アルカ!!!ウガァア!!』
『私は去る。そいつにとどめを刺してからだ』
スティングモンは、腕から出た長い針をシスタモンへ突き出そうとするが…
バブンガモンがそれを弾いた。
『ウガアァ!!オレノ!カゾク!!!コレイジョウ!!コロサセナイ!!!』
『バブンガモン…私は知っているぞ。信徒達はお前を見下し、虐げている。元リーダーのお前を。そんな奴ら、もう護らなくていいのではないか!』
『ドウッテコトナイ!!オレノカゾクガ!!ゲンキナラ!!オレハイインダ!!!』
『…バブンガモン。お前自身が我々の村に侵攻しなかったから目をつぶっていたが…。貴様の家族とやらに我々の村民は随分と命を奪われたぞ。私がその復讐をしたがる気持ちは分かるだろう』
『ワカッテル!!ダガ!!コレイジョウ!!!カゾク!!シナセナイ!!!』
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:28:16.97 ID:kGMa4gD0o
日本語教えてくれたバブンガモンより日本語ペラペラだなグサグサ
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2024/02/25(日) 20:30:30.31 ID:TIq9gstv0
バブンガモンが良い奴過ぎる…
211 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:33:55.78 ID:CVYwBtcb0
縞々が無く、翼が生えたシマユニモンの亜種… 仮称ユニモンは、シスタモンとトコモンを自身の背に乗せた。
『タスケテクレルの…?バブンガモン…。ワタシを…?』
『サッサトイケ!シソンヨ!』
『アリガトウ…!』
ユニモンは駆け出そうとする。
そこへ…。
『行かせねえよ!!』
何者かがやってきた。
…フレイドラモンだ!
『スティングモン!あいつはオイラがやっつける!』
フレイドラモンは、シスタモンとトコモンを背負ったユニモンを追跡しようとしているようだ。
『グサグサと呼べと言っている!我が子よ!わかった、頼むぞ』
スティングモンがフレイドラモンにそう返事をすると…
バブンガモンが、フレイドラモン&スティングモンとユニモンの間に割って入った。
『ウガアァァ!!!カゾク!!!イキノコリ!!!シナセナイ!!ゼッタイニ!!!』
ユニモンは、全速力で地を駆り、走り去っていく。
『そこをどけえぇ!!』
フレイドラモンは、バブンガモンを躱してユニモンを追いかけようとする。
バブンガモンがフレイドラモンを通せんぼしようとするが…
スティングモンが、腕の張りでバブンガモンを攻撃した!
それを受け止めるバブンガモン。
『我が子シェイドラモンよ!私がバブンガモンの相手をする!お前はあれを仕留めろ!』
『ああ、わかった!』
フレイドラモンは、スティングモンのおかげでバブンガモンの通せんぼをかいくぐり…
ユニモンの追跡を始めた。
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:37:33.54 ID:pQhiR4DH0
ユニモンを馬刺しにしてやれー!
213 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:46:03.25 ID:CVYwBtcb0
農園の二大リーダーの一人、スティングモン。
信徒の元リーダー、バブンガモン。
その二体が対峙する。
『イチドダケイウ、グサグサ。カエレ』
『断る』
『ソウカ。ナラバオワカレダ。オマエトウタッテ、オドッタコト…タノシカッタ』
『ああ。私も楽しかった。お前と酒を呑み交わす友になれたことを、私は後悔していない。さらばだ友よ!』
『オレモ、コウカイシテイナイ。イクゾ…コロシテヤル!トモヨ!』
スティングモンとバブンガモンは、激しく衝突した。
この映像をデジドローンで撮影しているシュリモンは…スティングモンとフレイドラモン、どちらのアシストをすべきだろうか?
リーダーが口を開いた。
「シュリモン!フレイドラモンと共にユニモンを追え!AAAは、人に似たデジモンを育てて何かをする気だ!その最先端であるシスタモンを、絶対に生かしてはおけない!」
『わかった!』
デジドローンの映像から察するところ、シュリモンは足をバネのようにしてびよーんと高くジャンプし、バブンガモンを飛び越えたようだ。
器用だな!パルモンが進化した成熟期のシュリモンは。
後ろで激しい衝突音が鳴るのを聞きながら…
デジドローンは、フレイドラモンと、その奥にいるユニモンの姿を捉えた。
ユニモンは、さすが走行に特化した馬の姿をしているだけあって…
スピードがとてつもなく早い!
どんどん差を離されていきそうだ。
単純なスピードでは、フレイドラモンやシュリモンを大きく超えている。
やみくもに追いかけていては追い付けないぞ…!
214 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/25(日) 20:46:30.98 ID:MoFKrw45O
続く
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:47:08.26 ID:lOqhGweDO
乙
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:48:04.20 ID:kGMa4gD0o
乙
これ以上敵側に好き放題されたらどんどん状況悪くなるー
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2024/02/25(日) 20:50:58.25 ID:TIq9gstv0
乙でした
バブンガモンはカッコイイ漢だった
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:55:42.12 ID:Xpvd6LqD0
乙
言葉が通じても友情を育んでも避けられない争いはあるものだな……
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/25(日) 20:59:41.61 ID:MPC/BBEco
乙
情けかけたらオサオサ一族も人間社会も犯罪者一人に滅ぼされちゃうから仕方ないね
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/26(月) 16:41:36.91 ID:cCD+vczb0
スピードがあれば色々出来る
お馬さん並みに走れるデジモン欲しくなるな
221 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/26(月) 23:26:27.78 ID:DUSu9Hye0
いや、本当にスピードに差がありすぎる。
距離をどんどん離されていく。
シュリモンは手裏剣を投擲したが、射程範囲外のようだ。
フレイドラモンはシェイドラモンに変形し、粘着糸を飛ばすが、まったく届かない。
シュリモンに抱きかかえられているデジドローンの視界に映るユニモンの姿は、どんどん小さくなっていく。
このままじゃ逃げ切られる…!
どうすればいいんだ!
「あ…」
クルエが急に声を出した。
どうしたの!?
「いや…言っていいのかなコレ…」
言え!
「…ドーガモンで、AAAの声出せば止まってくれるんじゃない?」
おお!ナイスアイデア!
さすがクルエ!ろくでもないアイデアを出すことにおいてはチーム一だ!
「…あんま言いたくなかった…」
ドーガモン!頼む!
『出番ガ ネーノカト オモッタゼ イクゼ!』
ドーガモンは、AAAの声で叫んだ。
『止まれシスタモン!ユニモンを止まらせろ!そうすればこの追手共を倒せる!私を信じろ!』
さあどうなるか…!?
ユニモンは…
止まらない!!
デジドローンのスピーカー音量では小さすぎて、あの距離を蹄で地を鳴らして走っているユニモンや、それに乗っているシスタモンには聞こえてないんだ!
まさしく馬耳東風である。
くそ…もう追い付けないのか…!?
『オレたちの でばんは ねーのか?』
『ガッチモンどの 拙者たちは 平和利用デジモン 致し方ないことで ござる』
…!
ガッチモン、ナビモン!
そうか、こいつらがいた!
アプリンクしてくれるか!?
『どうしたんだ?いいけどよ』
『やるでござる!アプリンク!』
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/26(月) 23:30:19.90 ID:DErV4qdLo
土壇場で新しい策を生み出せて能力高いなケン
223 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/26(月) 23:41:27.19 ID:DUSu9Hye0
これで、現在研究室のサーバーで待機中のガッチモンとナビモンは、機能をリンクした。
「検索」と「ナビゲート」を組み合わせて、同時に行えるようになったのだ。
カリアゲが、訝しげな見ている。
「なあ…やっぱりそいつら合体しないの?アプ合体、みたいな感じでさ」
メガが無理だって言ってただろ!
こんなときにふざけたこと言ってんじゃないよ!
「うん…ん−…俺が間違ってるのか…まあいいや」
『それでどうするんでござるか?』
追い付けないなら…
待ち伏せをする!
ナビモン!
今までのユニモンの走行ルートから、これからの逃走ルートを予測してくれ!
そしてガッチモン!
ユニモンの予測逃走ルート付近から、デジタルゲートを開けそうなアクセスポイントを検索して!
『わかったでござる!フン!ルート予測!』
リーダーが頷く。
「なるほど。いくらユニモンが逃げようとも、逃げた先のアクセスポイントからデジタルゲートを開き、そこから新たな追手を出せば差を縮められる!それで誰を向かわせるんだ?」
そこなんですよ。
正直、今の我々の手持ちでは、ユニモンを止められるデジモンがいない。
力の弱いマッシュモンとチビマッシュモン達や、オタマモンでは、蹴りとばされてしまうし。
ケンキモンとその中身のクラフトモンは絶対安静の療養中だ。
トコモンにはもちろん無理。
…パルタスさん!スターモンを出せませんか!?
『スターモン!?今はキウイモン島をジオグレイモンと共に攻めている!無理だ!』
えぇ!?
前に聞いた話では、ジオグレイモン?が単体で作戦をやるんじゃないでしたっけ!?
『作戦前に予行演習で別の任務をさせたが… 戦いになると頭に血が上って無差別に破壊してしまう!単体での任務遂行は無理だ!ゆえにスターモンをつけた』
ほ、他に出せるデジモンはいませんか!?
『…いない』
出せないデジモンはいるんですか!?
『秘密だ』
…うぅ、ジャスティファイアからは戦力を呼べないか。
待ち伏せ作戦をしようにも、待ち伏せをするデジモンがいない…!
224 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/26(月) 23:51:52.86 ID:DUSu9Hye0
カリアゲが驚いた声を出している。
「ん!?あれ!?フローティア島を見たら…トコモンが進化してる!」
クルエがカリアゲの席のディスプレイを覗いて、いっしょに驚いた。
「ほんとだ!可愛い!」
トコモンが!?成長期に!いつの間に!!?
で、出れるか!?
「いや、ケン… 進化したトコモン、あんまフィジカル強くなさそうだから、ユニモンを止めるのは無理だと思うぞ…」
だめか!!
「んお!?ふぁ、ファンビーモンのデジタマが!?な、なんだ… トコモン!そいつをとりあえずデジタルゲートの前へ連れていけ!」
え!?何!?
今度は何が起こったの!?
「ファンビーモンのデジタマがひとりでに動いた!」
まさか…デジタマモンと同じ現象か!?
『ディープサーチ完了!もう十秒後に、ユニモンはこのアクセスポイントに来るぞ!どうする!?』
ええい、いちかばちかだ!
進化したトコモンと、ファンビーモンのデジタマを!ゲートから出してくれ!
「ケン!そういうのはやけくそっていうんじゃねえのか!?ええい、だけど他に方法がない!いけ!ええと、名前は…」
カリアゲが悩んでいる。
「悩んでる場合じゃないでしょカリアゲ!私が名前を付ける!」
「お、おお!頼むクルエ!」
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/26(月) 23:53:43.57 ID:DErV4qdLo
デジタマにもやっぱ意識あるっぽいねえ
226 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/26(月) 23:58:46.12 ID:DUSu9Hye0
デジドローンからは遠くてよく見えないが…
デジタルゲートから、なにかデジモンが出てきた。
人型のシルエットをしているようだ。
「いっけー!ティンカーモン!」
ティンカーモン…それがトコモンが進化したデジモンの名前か。
遠くて姿が見えないが、頑張れ!
ティンカーモンは…
ファンビーモンのデジタマを抱えたまま、こっちに向かって飛んできた!
…うん、ごめん。
やっぱ成長期なりたててユニモンを止めるのは無理だよね。
しかし、ファンビーモンのデジタマを持ってきてどうするんだ?
やがて、バテかけながら全力疾走しているフレイドラモンのところへ…
デジタマを抱えたティンカーモンが来た。
https://imgur.com/fusILB5.jpg
おお、人間そっくり… というか、ほぼ人間みたいだ。さすがシスタモンの姉(?)。
それに蝶のような翅が背中から生えている。
人間というか… 妖精?に近いな。
『コレを!』
ティンカーモンが抱えたデジタマは…
飛び跳ねて、フレイドラモンにぶつかった!
おお、な、何をするんだ…!?
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 00:01:25.19 ID:jpTQiIhQo
おぉ会話できるのか
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 00:03:51.14 ID:6RdVeWjA0
トコモンからこんな人型になるってビビるな
人という概念を理解しているが故の進化かな?
229 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/27(火) 00:03:55.49 ID:9JkRu4Ts0
フレイドラモンと、ぶつかったデジタマは…
同時に光り輝いた。
そして、ふたつのシルエットが混ざり合った。
やがて、シルエットから何かが飛び出てきた。
…これは…
炎の紋様が刻まれた、デジタマのような形状の物体。
『勇気のデジメンタル』が小型化したような物体だ。
なんだ?
なんでフレイドラモンが、ファンビーモンのデジタマと混ざり合ってから…
小さい勇気のデジメンタルが飛び出たんだ!?
やがて、光が止むと…
そこには、フレイドラモンでもシェイドラモンでもない姿のデジモンがいた。
https://imgur.com/kMpb3T0.jpg
…四足歩行の獣型の体型になったブイモンが、全身に黒い装甲を纏ったような姿。
額からは、イナズマの形をした刃物のツノが生えている。
な、なんだ…
何が起こった!?
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 00:04:54.74 ID:jpTQiIhQo
ティンカーモンはこれを予測していたと言うのか
231 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/27(火) 00:05:16.79 ID:9JkRu4Ts0
獣型の形態になったブイモンは…
突然叫んだ。
『うるっせえええ!!!ファンビーモン!!!すこししずかにしろ!!!!』
ど、どうした!?
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 00:05:49.07 ID:t4BD4Ebco
ブイモンすげえ活躍するじゃん
コマンドラモンに負けてない
233 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/27(火) 00:05:52.62 ID:9JkRu4Ts0
つづく
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 00:06:14.11 ID:t4BD4Ebco
乙
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 00:09:52.23 ID:6RdVeWjA0
乙
最近のブイモンの活躍を見ればあの時はブイモンは要らないと言ったパルタスさんの答えも変わってるかもしれない
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 00:11:24.30 ID:LrxUz4Av0
乙
オサオサ村産のデジモン有能多いな
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 00:22:22.19 ID:R2rCTbhX0
乙
ブイモンには無限の可能性があるな
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 00:53:53.13 ID:h7rHSDXr0
乙でした
かっこいいよねライドラモン
239 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/27(火) 23:47:39.17 ID:6Dfaq9QS0
ど、どうしたブイモン!?
『ファンビーモンのやつ、あたまのなかでうるせえんだ!はやく狩れ、仕留めろ、殺せ、食わせろって!わかってるっつーの!』
そ、そうか。
『わーったって!今追い付くから黙ってろ!うおおおお!!』
四足歩行型形態のブイモンは、全速力で走りだす。
うおお速い!フレイドラモンよりもずっと早い。
ユニモンとの距離がちょっとずつ縮まっていく…か…?
…いや!縮まらない!!
これでもまだユニモンの方が速い!!
それでもまあ、今までよりずっと速くなったな。
四肢の獣の形質を、ファンビーモンと融合したドリモゲモンのデジタマから引き出したのだろうか。
『くらえええ!!おりゃああ!』
おおっ!?
獣型形態のブイモンは、頭部のツノから放電攻撃を繰り出し、ユニモンへ浴びせた!
『ヒヒィィン!?』
電気ショックを浴びたユニモンは、一瞬体が硬直した。
すごい…電撃攻撃までできるのか!
でもなんでだ?
リーダーが画面を見ながらつぶやく。
「ドリモゲモンの頭部のツノは…もともとは放電器官だったのかもしれない。その電気をドリルに供給して回転させ、地面を掘れるように進化したのがドリモゲモンなのではないだろうか」
な、なるほど…。
現在のドリモゲモンから退化している放電能力を、先祖返りによって獲得したということか。
なら、新しい形態のブイモンの姿を…
ライドラモンと名付けよう!
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/27(火) 23:49:38.73 ID:m3lEDgcyo
誰かを乗せやすそうな見た目だし正に「ライド」ラモンだ
241 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/28(水) 00:13:35.14 ID:yoIcpPOF0
ライドラモンは、二撃目の放電を浴びせようとするが…
『ダメ!ユニモンは、ワタシが!マモる!』
そう言い、シスタモンは杖を構えると…
自身とユニモンを光の膜で覆った。
ってか、ほんとにユニモンって名前で合ってたんだ。
AAAとネーミングセンスが一致したみたいで気色悪いけどまあいいや。
『くらええ!』
ライドラモンは、再度放電攻撃を放つが…
シスタモンが張った光の膜が、電撃攻撃を弾いた。
ば…バリアか!
シスタモンのやつ、戦闘能力がなさそうだと思ってたら、防護に特化していたのか。
しかし、成熟期相当のデジクロス体の放電攻撃を弾くとは、かなりの耐久性能だ。
成長期にしてはかなりやるな、あいつ…。
ティンカーモンもああいうことはできるんだろうか。
そうしていると…
突如、デジドローンが映している映像がガタついた。
『ぜはっ、ぜはっ…も、もうだめ、はしれない…』
シュリモンの声だ。
デジドローンの映像が揺れ、ライドラモンたちからどんどん引き離されていく。
どうやら全力疾走し続けていたシュリモンの体力の限界が来てバテたようだ。
シュリモンは立ち止まって、ぜぇはぁと荒い呼吸をした。
…バテはしたが、シュリモンは決してフィジカルが弱いデジモンというわけではない。
我々のサーバーのシステムが、先日の侵攻で破壊されてしまい復旧中であるため、まだシュリモンの筋肉のデータを解析したりはできていないが…
おそらくシュリモンの筋肉は、ほとんどが『白筋』だと推測される。
筋肉には、赤筋と白筋の二種類がある。
赤筋は、ミオグロビンという酸素を蓄えるタンパク質を大量に含んでいるため、長時間力を発揮するスタミナがある。
しかし血中の栄養素を分解してエネルギーを得るのが若干遅いため、瞬発力やパワーは劣る。
一方で白筋は、ミオグロビンがほぼ無いが、パルブアルブミンというたんぱく質がある。
これは血中の糖分を分解することで、瞬時に大量のエネルギーを生成できる。
だから瞬発力やパワーはあるが、スタミナが劣る。
馬などの長時間走り続けることが得意な動物は、筋肉のほとんどが赤筋だという。
シュリモンがバテるのが早かったのは…
瞬発的な戦闘能力に特化しているが故のトレードオフといえるだろう。
242 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/28(水) 00:15:19.93 ID:yoIcpPOF0
『まてー!』
『ヒヒィイン!』
ユニモンとライドラモンは、そのままシュリモンが抱えるデジドローンが視認できないほど遠くまで走り去っていった。
『ぜーはー…ごめん、ケン…』
…気にしないで、シュリモン。
全速力で追い付こうとはしなくていいさ。
一息ついたら、シュリモンが無理のないペースで、まっすぐ進んでみよう。
きっとライドラモンは、うまくやってくれるはずだ。
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/28(水) 00:17:41.86 ID:LgJcaQF1o
仕方ない頑張った
244 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/28(水) 00:25:23.44 ID:yoIcpPOF0
…しばらくして、シュリモンが体力を取り戻してから。
ジョギングくらいのペースで進んでいると…
何かが見えてきた。
『はぁ、はぁ…』
ブイモンとデジタマモン。
そして、大きな黒いピーナッツのような形をした物体だ。
ブイモンは地面に座って、険しい表情をしている。
デジタマモンも、地面に座っている。
…ユニモンとシスタモンの姿は、そこになかった。
『…ケン…』
お疲れ、ブイモン。
『…ちくしょう…にげられちまった、ちくしょう…!』
何があったの?
『なんぱつか、デンキをくらわせて、バリアをやぶれたんだけど… ユニモンのやつ、そらとびやがった』
空を…!?
『うちおとそうとおもったけど…とどかなかった』
…追跡失敗か…?
いや、まだだ…
ガッチモン!かつて沼でシャコモンの殻を探したように、周囲からユニモンとシスタモンを検索してくれ!
『やってみる!』
ガッチモンは、一度さっきティンカーモンが出てきたアクセスポイントにデジタルゲートを開き、そこからデジタルワールドに出たらしい。
そして、検索を行った。
『…みつからねえ』
だ、ダメか…!?
『オレのけんさく、じめんから情報をとってくるから… そらとんでるやつはみつけられねえみてーだ』
…。
逃げられた。
『わりい、ケン…。オイラ、しっぱいしちまった…』
その時。
パルタス氏から連絡が来た。
『貴様ら喜べ!上を必死に説得した結果、我がジャスティファイアの最終撃滅部隊…「天地人」の一部に出撃許可が出たぞ!』
ぱ、パルタスさん…。
『さっきのデジタルゲートで待ち伏せすればいいんだな!?』
…その地点はもう過ぎました。
シスタモンには逃げられてしまいました。
『…逃げ延びさせてしまったか。確実に仕留めておきたかったな』
…。
我々は、できることを全てやったはずだ。
ベストを尽くしたはずだ。
二足歩行のフレイドラモンでは追い付けない猛スピードのユニモンに、引き離されそうになった時…
奇跡のような出来事が起きて、ブイモンはライドラモンとなった。
四足歩行になり、飛び道具を獲得した。
この状況で最も欲しい形質を手に入れた…それは間違いない。
だが、それでも尚。
我々が起こした奇跡を…
ユニモンとシスタモンが積み重ねてきた力が、上回ったのだ。
『ジョーカーたった一枚が舞い込んだだけでは、ゲームには勝てない』…。
AAAがかつて言った言葉が、身に染みて理解できた。
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/28(水) 00:27:43.47 ID:LgJcaQF1o
どうしても一手二手上回られて後手に回るしかなくなる
246 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/28(水) 00:30:33.15 ID:yoIcpPOFo
『どうしよう、ケン…』
悔やんでいても仕方がない。
スティングモンとバブンガモンが戦っているであろう地点へ戻ろう。
途中にあったアクセスポイントのとこまで戻れば、そこからデジタルゲートを開いて、集落跡地まで戻れる。
『…そっか』
我々は最後の詰めに失敗した。
だが…
失敗して終わり、じゃない。
戦犯探しをして誰かに責任を押し付けて責めたり、「次は頑張ろうね」と励まし合っても仕方が無い。
我々のチームの誰かに悪気があったわけじゃないし…
今回だって最大限頑張ったのだから。
我々は研究チームだ。
研究とは、いつも失敗し、振り返り、学んで進んでいくものだ。
事が済んだら、失敗を分析し…
どうすれば良かったか。次に成功するにはどうすればいいか。
それを考えていこう。
247 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/28(水) 00:33:30.37 ID:yoIcpPOFo
今回は敗けたとしても…
次こそは勝つために。
…ブイモンとデジタマモン、シュリモンが、デジタルゲートを通じて集落へ戻ると…
大きな衝突音が聞こえてきた。
何か大きなものが飛んできて、地面を転がった。
それは…
『ぐっ…うっ…!』
全身の甲殻が痛々しくヒビ割れ、右腕がへし折れた、血まみれのスティングモンだった。
248 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/28(水) 00:33:37.91 ID:deiywyfMO
つづく
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/28(水) 00:36:17.87 ID:TpqE4yWB0
乙でした
バブンガモン強いな
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/28(水) 00:38:00.98 ID:MxX5DUEy0
乙
日頃から戦ってるスティングモンに戦闘嫌いなバブンガモンが勝つとは
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/28(水) 00:38:10.22 ID:LgJcaQF1o
乙
グサグサ負けてたか
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/28(水) 09:41:30.91 ID:qmINGn2H0
乙
やはり好きなリアリティライン
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/29(木) 22:26:29.29 ID:JKeF4keEo
こんな強いバブンガモンのデジタマも欲しいな
254 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/29(木) 22:34:38.89 ID:TNwSBUqw0
スティングモンが飛んできた方を見ると…
『フゥッ…フゥゥッ…!』
岩のような甲殻の隙間に、いくつもの刺し傷があるバブンガモンが立っていた。
す、スティングモン!負けたのか!?
ボロボロだぞ!大丈夫か!?
『グサグサと呼べと…言ったはずだ。私一人ならば、この結果は敗北だが…。お前達がいる。よって…私の、勝利だ』
どういうこと!?
スティングモンがそう言うと、バブンガモンは…
『オッ…ウグォォ…!』
がくっと膝をついた。
『シ、シビレル…ウゴケン…!』
こ、これは…!?
バブンガモンの動きが止まった!
『ぜぇ、ぜぇ…。私の針には、しびれさせる毒がある。信徒には、長く効かないが…』
スコピオモンから受け継いだ麻痺毒か!
『オマエ、タチ… シスタモンヲ、ドウシタ…』
…逃げられたよ。
ユニモンと一緒に飛び去って行った。
『…ソウカ。オレノヤクメ、ハタシタ。コロスナラ、コロセ』
バブンガモンは体の力を緩め…
地面に尻をついて座り込んだ。
スティングモンに殴り勝つほど強かったのか、バブンガモンは。
だが、体が麻痺しているのなら、仕留める方法はいくらでもある。
オタマモン(赤)で顔面に火炎放射を放ち、甲殻の隙間をシュリモンの手裏剣で突き刺す。
そうすれば確実に倒せる。
ど、どうする。
私がそう言うと、メガが口を開いた。
「どうするも何もないよ、ケン。とどめを刺さない理由がない」
メガ…。
「バブンガモン。君は僕たちを憎んでいるだろう、恨んでいるだろう」
『…ニクイ…。カゾクヲ、ミナゴロシニシタ、オマエタチガ。ニクイ、キライ、タオシタイ…』
バブンガモンは震えるような声で言う。
「この通りだよ、ケン。ここで見逃せば、きっとバブンガモンはAAAと共に僕らへ復讐をしようとするだろう。トドメを刺さないで放っておくメリットが何もない」
…。
「ただでさえシスタモンに逃げられたんだ。バブンガモンにまで逃げられたら不利になるだけだ。そうでしょ、ケン。とどめを刺そう」
255 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/29(木) 22:45:47.63 ID:TNwSBUqw0
その時。
「もう…いいだろ…」
カリアゲ…?
「もういいだろ!!!こんなこと!!!」
カリアゲが声を張り上げた。
「バブンガモン!!お前はAAA…じゃない、天使を!信奉していなかった!あいつに群れを乗っ取られて嫌だったんだろ!従いたくないんだろ!?」
『…テンシハ、ナカヨシダッタオレノカゾクタチニ、イジメヲツクッタ。アラソワセタ。ミンナ、アンマリ ナカヨシジャ、ナクナッタ』
「…なあ、みんな。シスタモンにはもう逃げられちまった…。もうバブンガモンを倒す意味なんてないだろ!?」
「…生かすメリットが何かあるの?カリアゲ」
「メリットとかそういうことじゃねえだろ!メガ!もうこんなの十分だろ!生き残ったバブンガモンまで殺して何になるんだよ!」
「ここで仕留めるメリットと、見逃すデメリットはさっき言ったはずだよ、メガ」
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/29(木) 22:47:57.89 ID:mF/gNQpc0
やはり何か言うかカリアゲ
257 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/29(木) 23:05:07.16 ID:TNwSBUqw0
「…バブンガモン。家族を殺されてつらいだろ」
『アタリマエノ、コト、キクナ…ツラスギルニ、キマッテル』
「だけど今まで、オサオサやグサグサの村の住人達も、信徒デジモン達に殺されてきたんだ。おんなじことを、お前の家族たちもやってたんだよ、バブンガモン」
『…ウ、ウゥ…!』
「バブンガモン、お前はどうなんだ。グサグサを殺したくないんだろ?」
『…ウン…』
「グサグサ、お前だってバブンガモンを殺したくないだろ!」
『…降りかかる火の粉は、払わなくてはならない』
「でもお前を殺したくないって言ってるぞ」
『…ならば殺す理由はないが…』
「…ならもういいじゃねえか、バブンガモン…」
『デモ、オレハ、ダイジナカゾクノ、カタキ、トラナキャ、イケナイ…。ニクイ、オマエタチガ…』
「っ…それは…」
その時。
リーダーがマイクをONにした。
「バブンガモン。お前の家族は生きている」
『エ…』
「前に我々は天使の軍と戦った。その時、天使は信徒を、お前の家族たちを、ある島へ置き去りにしたんだ」
…そういえば、そうだった。
リーダーはドーガモンの力でAAAのデジドローンの偽物を作り、成長期蛮族たちとケンタルモンを騙して、離島へ島流しにしたんだ。
あいつら今どうなってるんだろ。
「もしも、ここですべての戦いを終わりにして…、二度と天使と組まないと誓えるのなら、そいつらと合わせてやる。残った家族と暮らせばいい」
『…イキノコリ、イルノカ』
「そうだ。だが、我々に復讐するというのなら…お前を仕留め、島流しになった信徒達も見捨てる。どうする」
『オ、オレハ、オレハ…!』
バブンガモンは混乱している。
カリアゲがマイクを握った。
「バブンガモン、お前は家族を護りたいんだろ…。戦いたいわけじゃないんだろ?」
『…ウ、ウウゥ、ゥウウ〜〜…!タタカイタク、ナイ…!タタカイタク、ナカッタンダ…!』
バブンガモンは、ぽろぽろと涙を流した。
258 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/29(木) 23:12:03.37 ID:TNwSBUqw0
パルタス氏が我々に通信してきた。
『何をやっている、リーダー』
「…こいつらにもう戦意がないなら、殺す理由はない」
『だが生かす理由もない!たとえバブンガモンに戦意が無くとも!せっかく島流しにした蛮族共の集団が生き残れば、AAAは必ずそいつらを洗脳してまた手駒にする!』
「そうならないようにバブンガモンが御すればいいだろう」
『できるわけがなかろう!こんな猿にシビリアンコントロールなど!バブンガモンがどう言おうが、あの狡猾な男はまたバブンガモンの家族を乗っ取るぞ!』
「…っ」
『恨みの滴はたった一滴残っただけでもヘドロを生み、我々に復讐をしに来る。唯一の回避策は、すべてを根絶してしまうことだ!』
パルタス氏がそう言ったとき…
クルエが口を開いた。
「いや、ひとつだけあるよ。バブンガモンの家族が、AAAに操られずに暮らしていける方法」
『なんだ?そんなものがあるわけ…』
「グサグサやディノヒューモンの村の一員になればいいじゃん」
『な…!?』
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/29(木) 23:13:01.46 ID:aYeBUu/Bo
クルエの十八番 奇策
260 :
◆VLsOpQtFCs
[saga]:2024/02/29(木) 23:13:01.52 ID:FgOQ77lFO
一旦ここまで
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/29(木) 23:13:14.17 ID:aYeBUu/Bo
乙
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/02/29(木) 23:13:48.64 ID:mF/gNQpc0
乙
急展開なところで引き
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