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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】

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588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 22:52:16.55 ID:ghhXgEBH0
16 19
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 22:55:19.45 ID:Pj+er7pDO
10 20
590 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/19(月) 00:01:20.96 ID:98tnZsAX0
イリス「……この、エルフミルクって……」

紫髪のエルフ幼女「……よく勘違いされる方がいますが、エルフが分泌したミルクのことではありませんよ。それはこの国のエルフと精霊が協力して育てた牛の出す高級ミルクの銘柄です」

イリス「わ、わあ〜そうなんだぁ〜。じゃあエルフミルクを一つ……!」

ミスティ「何を想像していたのよ、イリス……。そういえばこの国に来てから時々耳にする、このフェアリーシロップというのはどういうものなの?」

妖精「あー、それは……」

紫髪のエルフ幼女「企業秘密です。この国で最も人気のある特産品の一つなので、是非ご賞味ください」

ミスティ「そ、そう……。じゃあとりあえず、フェアリーシロップも一つ」

イリス「他のみんなは?」

ローガン「私は食せるものならなんでも好きだ。気にせず選ぶと良い」

紫髪のエルフ幼女「私もここの国民なので、この国のものならなんでも好きです。なので気にせずお選びください、旅人の妖精様」

妖精「はいはい、じゃあ私は精霊樹の実で」

クロシュ「……」

妖精「クロシュも遠慮しないで、選びな」

クロシュ「あ、えと……じゃあ……木苺……」

紫髪のエルフ幼女「森林木苺を選ぶとは、素晴らしい慧眼です。野生で育っているものも良いですが、ここで出されるものはアルラウネ農家が丁寧に育てた至高の一品。是非味わってください」

クロシュ「うん……」

食堂妖精「ご注文は、森林木苺と、精霊樹の実と、エルフミルクと、フェアリーシロップでよろしいですね!? それではお待ちください!」ピューッ


妖精「……それにしても……ふふ。あなた、本当にこの国が好きなんだね」

紫髪のエルフ幼女「当然です。あなたよりもずっとね」

 *
591 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/19(月) 00:01:46.20 ID:98tnZsAX0

食堂妖精「はい、お待ちどうさま!」

 木苺と精霊樹のフェアリーエルフアイスシェイク「」ポンッ

イリス「わぁ〜!」

ミスティ「素敵……!」

ローガン「ほう……!」

妖精「こ、これは……!」

紫髪のエルフ幼女「ふふふ……素晴らしいです。我が国の食材も、それを活かす優秀な料理人も。全てが、素晴らしい……!!」

クロシュ「いただきます……」モニョモニョ

 *

イリス「あま〜い!!」

ミスティ「こ、これ氷魔法で再現できないかしら……」

妖精「美味しい……。悔しいけど、これは凄い……」

ローガン(……。我が妻と、子に……これを食べさせてやれれば……)

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

紫髪のエルフ幼女「……食材とシェフの腕も至高のものですが、あなた方の選び方が見事だったというのもあります。それは認めましょう」



妖精「……食事中にこんな話して悪いんだけどさ。本当のところ、ティセリアはどう考えてるの?」

紫髪のエルフ幼女「……そのスライムの子から聞いていないのですか?」

妖精「や、聞いてる。本心では苦しんでるって……。でも、そこはあなたから直接聞かないと筋が通らないと思って」

紫髪のエルフ幼女「……律儀ですね。まあ昨日私が口を滑らせた通り、ティセリアは……伝統と革新、抵抗と降伏の板挟みになって苦しんでいます」

妖精「……まあ、そりゃそうか。いくら為政者の仮面をかぶったところで、あの子の本質が変わるわけもないし」

紫髪のエルフ幼女「……あなたは……ティセリアの、何なのですか」

妖精「別に何でもないよ。ただ、幼い頃のあいつを知ってるってだけ」

紫髪のエルフ幼女「……」

妖精「ティセリアに言ってやってよ。自分の心を偽り続ければ――顔に張り付いて取れなくなった仮面ごと、何もかもが壊れちゃうよ――って」

紫髪のエルフ幼女「……あなたに言われるまでもありません」

妖精「そう。なら良いけど」

 ☆紫髪のエルフ幼女に意思を伝えました
  ティセリアにも影響があります

 ◆
592 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/19(月) 00:04:48.96 ID:98tnZsAX0
というわけで本日はここまでです。なかなか進まず申し訳ありません
次回は首長と裸の付き合い編とドワーフ開拓団とお話編からです

フェアリーシロップの正体については様々な噂がありますが、真相は闇に包まれています。緑の国が誇る人気の特産品なので、その製法は簡単には明かせないようです
そして今回の食材選びが功を奏し、紫髪のエルフ幼女さんに無事意思を伝えることができました。彼女もまた緑の国を愛する者の一人なので、地産地消はとても良かったと思います

それでは本日もありがとうございました。次回はまた土日になるかと思います。よろしくお願いいたします
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 00:09:31.14 ID:aScWTVFko

選挙の戦略や木の生命力問題も安価で行動しなきゃ不味いやつかね
勝手に話が進むわけじゃなく
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 00:17:04.76 ID:vnXXDQuA0
乙です
森妖精の子悲しませたくないから弱った木のおうち救いたいけど良い安価が思いつかない
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 13:24:28.96 ID:G25TtgkqO

ミスティの故郷の襲撃者、セイン、アリシラ?に並ぶ闇に包まれた存在フェアリーシロップ…
弱った木のおうちはなんとかしたいけど、ドワーフ開拓団の調査がどうなるか
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 12:14:05.96 ID:kkJhqJZQO
フラナ氏今魔族自治区長なのかな
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 16:07:23.39 ID:CpWyy8L7o
自力で回復できるまで木の寿命を持たせる必要もあるし
復権派が勝利したらどう王国と立ち向かうかも考えないとな
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 21:38:22.82 ID:D5lt5kPd0
これクロシュ達率いる復権派を妨害する為に勇者セインが自ら邪魔したり、刺客を送り込むような展開とかあるのかな?
599 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 19:44:37.94 ID:ZWqedsq80
安価で行動しなくともなるようにはなりますが、より良い結果を目指すのであれば安価で何らかの行動をさせてあげたほうが良いかもしれません

木のおうちについてはドワーフ開拓団を追っていただければ何か手がかりが掴めるかもしれません

フェアリーシロップは濃ゆい魔力と糖分とその他諸々を多分に含んだとても甘くて美味しい液体です。マナポーション代わりに魔力回復薬として使うこともできますが、糖分のとりすぎには注意が必要です

フラナ氏は現在新生魔族国の暫定的な指導者を務めています。しかし本人はあくまで暫定的なものと考えており、ゆくゆくは正当な指導者を選任するつもりでいるようです

これはネタバレなのですが、対王国については成り行きに任せてもなんとかなるかもしれません。もちろんしっかり対策を取っておけばより良い結果に繋がる可能性は高まります

前回の接触では特に復権派に対して敵対的な行動を取ってきたりはしなかったので、セインくん自身が何かをしてくる可能性は低いと思われます。セインくん以外が何かをしてくる可能性はあるかもしれません
600 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 19:45:10.11 ID:ZWqedsq80
―緑の国 公共温泉

 カポーン…

妖精「あ〜……生き返るぅ……」グデッ

スライムクロシュ「〜〜」デロデロ

イリス「あはは、妖精さんまで溶けちゃいそう」

ミスティ「やっぱり溶けたくなるものなのよ……」

イリス「そ、そうなのかな? でもこの様子なら来て良かったねえ、温泉」

ミスティ「妖精が露骨に疲れたオーラを出していたものね……。まあ、午前中はこれで終わりにしましょう……」

イリス「そうだねえ……」


 ガラッ

ティセリア「ふぅ……」

ミスティ「あっ」

ティセリア「……あ」

イリス「てぃ、ティセリアさん!?」ザバッ

妖精「あんだって……?」

 *
601 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 19:45:42.57 ID:ZWqedsq80
ティセリア「……おはようございます、復権派の皆さん」チャプン

ミスティ「え、ええ。おはようございます、ティセリア首長」

イリス「お、おはようございます」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「おはよ〜……あなたも朝風呂……?」

ティセリア「ええ、まあ……。たまに、利用するのです……」

イリス「そうなんですね……」

妖精「……さっき、あなたの秘書?の紫髪の子と朝ご飯食べてきたよ」

ティセリア「……はい、聞き及んでおります。朝食を共にしたと……」

ミスティ「ええ……。でもあれ、朝ご飯って言って良いのかしら……」

イリス「どちらかと言うとデザートだよね、木苺と精霊樹のフェアリーエルフアイスシェイク」

ティセリア「……ふふ。今の緑の国を満喫されているようで、何よりです」

妖精「観光に来たわけじゃないんだけどなあ」

ティセリア「……この国を是正しに来た、のですよね」

妖精「いや……実は当初はそういうつもりでもなかったりして……」

ティセリア「……ええ!? 首長選挙以上に重要な目標があるってことですか!?」

妖精「そ、そういう言い方はちょっと語弊がある。どっちもとても重要な目標なんだよ、優先順位は付けられない」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ

妖精「そう。私たちは……この、クロシュの友達を捜しに来たんだ」

ティセリア「あ……。あの、ビラの……」

スライムクロシュ「〜」コク

妖精「フメイさえ見つかれば、私もこの国に干渉するつもりなんてなかった。もう首長なんて面倒なことやりたくなかったし。でも――」

ティセリア「……見過ごせないものを見つけてしまった、ということ……ですね……」

妖精「そういうこと。きっかけはそこのミスティが気まぐれに受けた冒険者ギルドの依頼だったんだけどね。木の家が弱ってるから助けて欲しいっていう」

ミスティ「……まあ、気まぐれと言えば気まぐれだけど……。でも、私にとってはあれも見過ごせないものだったわ……」

ティセリア「……そう、だったのですか……」

妖精「……ティセリア。やり方を変えてくれる気はないの?」

ティセリア「……」


↓1コンマ 紫髪のエルフ幼女との交流により補正+30
01-05 止まれません
06-50 もう少し考えさせてください
51-95 今夜革新派と話し合う予定です
96-00 ナシつけました
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 19:52:23.85 ID:7QtoTavK0
ナシつけました
603 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:08:22.85 ID:ZWqedsq80
ティセリア「……その件についてですが、つい先程革新派の長と話を付けて来たところです」

妖精「へっ!?」

 ◆

―少し前
 首長官邸

ティセリア「そうですか……。妖精が、そのようなことを……」

紫髪のエルフ幼女「はい。あのような老害の言葉を聞くのは癪ですが……どうか、ご決断ください。あなたが本当にしたいこと、すべきことを成すために――」

ティセリア「……」

ティセリア「サリー、来客準備を。マーベルの坊やと緊急会談します」

紫髪のエルフ幼女「……! はい……!」

 *
604 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:08:50.16 ID:ZWqedsq80
マーベル「急な呼び出しはやめてくださいよ。頼み事があるならそっちから来るのが筋でしょ?」スタスタ

セイン「……」スタスタ

ティセリア「……マーベル」

マーベル「しかもこれまたけったいな格好ですねえ。一体全体どうしたって言うんです?」

紫髪のエルフ幼女「言葉を慎みなさい……」

マーベル「はいはい。それで何の用なんです? 俺、忙しいんですけど」

ティセリア「……森林開発計画についてお話があります」

マーベル「またその話か。もう決まったことに後からグダグダ言わないでくださいよ」

ティセリア「いいえ。木々や住民への被害が深刻なものとなっています。開発の一時停止を命じます」

マーベル「はあ!? 開発に関して口を出さない取り決めだろ!」

ティセリア「不正な契約に効力はありません。法廷で争いますか?」

マーベル「お前ら伝統派の不正も明るみに出るぞ……!」

ティセリア「承知の上です。元より、私が大切にしているのは伝統派ではなく民と木々そのもの。痛くも痒くもありません」

マーベル「ふざけやがって、愛国ババアが……!!」

紫髪のエルフ幼女「言葉を慎めと言った……!」シャキンッ

セイン「――」シャッ

ティセリア「納めなさい、サリー」

マーベル「チッ……セイン、お前も納めろ」

紫髪のエルフ幼女「……」スッ

セイン「……」スッ

ティセリア「……被害の現状把握と原因究明、被害者救済は我々が行います。革新派は開発の一時停止および開拓団への説明と謝罪を――」

マーベル「……はいはい、わかりましたよ」

ティセリア「……素直ですね」

マーベル「伝統派と心中する気はないんでね。被害が悪いってんなら被害がなくなりゃ再開しても良いってことだろ?」

ティセリア「はい」

マーベル「だったら原因究明には俺たち革新派も一枚噛ませてもらう」

ティセリア「……! もちろん構いませんが……良いのですか?」

マーベル「お前ら老害だけに任せてたら何年かかるかわかんねえだろうが……。一刻も早く再開させたいだけだっての」

ティセリア「……いえ、ありがとう。是非よろしくお願いします」

マーベル「ところで、選挙の件は別だよな? 開発は俺たち革新派の事業でしかないが、選挙は王国が絡んでんだ。しくじったら国が滅ぶ」

ティセリア「……」


↓1コンマ
01-90 民と木々の為です。王国はどうにもなりません
91-00 秘策があります。正々堂々戦いましょう
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 21:10:28.39 ID:asip2/r/O
606 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:49:57.88 ID:ZWqedsq80
ティセリア「……はい。王国はどうにもなりませんから」

マーベル「へっ、流石にそこまで耄碌したわけじゃねえか。開発は後でもできるが国は滅んだら終いだからな」

ティセリア「……」

 ◆

―現在
 公共温泉

ティセリア「……というわけで、間もなく開発の方は一旦停止します」

ミスティ「……!!」

スライムクロシュ「!!」モニョニョ

イリス「そ、それなら木のおうちも……!」

ティセリア「開発が止まるだけでは、恐らく木々を苦しめる毒気がすぐに消え去ることはないと考えられます……」

ミスティ「……まだ、安心はできないということね」

ティセリア「少しでも状況が良くなれば良いのですが……楽観視は危険でしょうね」

妖精「……ティセリア」

ティセリア「? 何でしょうか」

妖精「……ありがとう」

ティセリア「……! 首長として……いいえ、森に生きる者として当然の責務を果たしただけです」

 ☆森林開発が一時停止したことにより、木のおうちの生命力減少も停止しました
  毒気はまだ残留しているため、生命力は自然回復しません

 ◆
607 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:50:53.98 ID:ZWqedsq80
―午後
 郊外 森妖精の子のおうち

 弱った木のおうち「」カサッ…

森妖精の子「えっ……? それじゃあ……これから、よくなるの……?」

ミスティ「……そうとは言い切れないみたい。でも、これ以上悪化することはないと思うわ……」

森妖精の子「……木さん、たすかる……?」

妖精「あなたが毎日しっかりお世話してあげれば、しばらくは大丈夫だと思う。でも現時点でとても弱ってるから、油断はできないよ」

森妖精の子「うん……おせわ、する……」

ミスティ「ええ、そうしてあげて……。私たちもこれから原因の調査に向かおうと思っているのだけれど……」

森妖精の子「……あ。そういえば……あさ、ドワーフさんたちが、えっほえっほ言いながら歩いてったの……。かんけい、あるかな……?」

ミスティ「ドワーフ……?」

ローガン「開拓と開発はドワーフの十八番だ。革新派に委託されて来た業者かもしれん」

イリス「現場に行ってみようよ……!」

 ◇

―郊外 森林開発現場

ドワーフの現場監督「一時停止だと? 応援が今朝到着してこれからって時にか」

マーベル「本当に申し訳ない。森への影響や被害が無視できない水準に達しましてね……」

ドワーフの現場監督「あんたの計画じゃ影響はほとんど出ないって話だったが」

マーベル「想定外に出すぎてしまったようです」

ドワーフの現場監督「……俺たちはどうなる。手ぶらで国に帰れってか」



イリス「な、なんか揉めてる?」

クロシュ「……! あの人……!」

ミスティ「……革新派のリーダー、マーベルね」

ローガン「急な計画の停止でゴタついているようだな……」

妖精「はあ。国の事業に他所の国の開拓団なんか招くからこんなことになるんだよ」


↓1 どうする?
1.その辺のドワーフ作業員に話を聞く
2.マーベルと現場監督の話に加わる
3.その他自由安価
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 21:51:35.43 ID:e4VghjoiO
2
609 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 22:41:05.16 ID:ZWqedsq80
妖精「失礼」パタパタ

ミスティ「ちょっといいかしら……」

マーベル「んん? あなたは方は……!」

ドワーフの現場監督「誰だ?」

妖精「新参の復権派だよ。地域住民の被害報告を受けて調査に来たの」

ドワーフの現場監督「……被害は深刻なのか?」

ミスティ「……ええ。一部の住民の住居……木の家が、死に瀕するほどには」

ドワーフの現場監督「……いつからだ」

ミスティ「話によると、約一ヶ月前から影響が出始めたみたい……」

ドワーフの現場監督「……お前は知っていたのか?」

マーベル「いえ、私もつい先日報告を受けたばかりなのです」

ドワーフの現場監督「……」

ドワーフの現場監督「……俺たちは開拓と開発が大好きだが、それで誰かを苦しめたいわけじゃない。それを知っていれば……お前にわざわざ言われずとも、こちらの判断で開発は一時停止していただろう」

マーベル「……」

ドワーフの現場監督「……再開の目処が立ったらまた呼べ」

マーベル「これまでの賃金と旅費、違約金は滞りなくお支払い致します」

ドワーフの現場監督「……未完の仕事で悪いが、ありがたくいただこう。こちらも生活がかかっている」

 ◆

撤収作業中のドワーフ開拓団「エッホエッホ」ガタンゴトン


マーベル「……ふう。見苦しいところをお見せしてしまいましたね。復権派の皆さん」

妖精「あなたの見苦しいところを見に来たわけではないんだけどね」

マーベル「こりゃ手厳しいなあ。そういえば昨日もウチに来たそうですけど、何の用だったんですか?」

ミスティ「……あなたへの用はもう済んだわ……」

マーベル「……なるほど。ティセリアおばさんをたぶらかしたのもあなた方ですか」

妖精「ティセリア自身が自分で考えて行動しただけだよ」

マーベル「はあ、まあそういうことにしておいて差し上げますよ。全く、とんだおばあちゃんが出張って来たもんだ」

妖精「ああ!? 今なんつった!!?」パタパタパタ

マーベル「貫禄もクソもないし……。なんなんだよあんたは……」

 ◆
610 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 22:57:35.10 ID:ZWqedsq80
―緑の国フォレスティナ 滞在6日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・おうちの木を助ける(木の生命力[3/40]、減少停止中)
・木の病気の原因を突き止める(開発が関係しているっぽい?)
・選挙で勝つ

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………

―朝
 郊外 森妖精の子のおうち

 チュンチュン

森妖精の子「〜〜」ブツブツ

 弱った木のおうち「」キラキラ…

森妖精の子「はあ、はあ……。木さん……しなないで……」

ミスティ「……今のは……癒やしの魔法……?」

森妖精の子「うん……。木さんをげんきにする、おまじない……。きのうより……ちょっとだけ、きいてるきがする……」


ミスティ(……私にも、癒やしの魔法が使えたら……)

ミスティ(いえ……ないものねだりをしても仕方ないわ。今は、この木を侵している病気を取り除くことを考えるのよ……。開発の停止と同時に病気の進行も止まったということは、開発が関係しているのは明らか……。開発の何が原因だったのか……それさえ突き止められれば……)


森妖精の子「えへへ……ミスティさんたちの、おかげなんだよね……。ありがと……」


ミスティ(この笑顔を……絶対に失わせないわ……)グッ


フォレスティナ滞在6日目です(投票日までの残り行動可能日数3)
↓1〜3 自由安価 何をする?
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 22:59:03.98 ID:4B/CXLPZo
精霊の泉でセインとばったりはち合わせする
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:00:03.53 ID:fPV8+qao0
フラナに植物に効く薬がないか連絡してみる
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:01:49.16 ID:NWp+Cpvu0
森林開発現場に行って気になる事がないか調べてみる
614 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 23:13:16.73 ID:ZWqedsq80
本日はここまでとなります。ただでさえ遅い筆がさらに遅くなっている気がします。申し訳ありません
次回は泉のセインくん編、薬師フラナの応援編、森林開発現場調査編です

自分で書いていて思うのですが、この程度のなんちゃって政治要素でさえかなり難航している模様です。ここ最近特に進行が遅くて申し訳ないですが、長い目で見ていただけると幸いです
ドワーフは地上だろうと地底だろうと整備開発を行うのが大好きな種族です。大陸の北の方にはとても長くて高い山脈が連なっており、そこの地下にはいにしえのドワーフ文明が築き上げた地底帝国の巨大遺跡が眠っています。今回来たドワーフ開拓団はその辺りの出身らしく、もしかしたら地底帝国の末裔かもしれません。なお山越えの難易度は登山ルートも地底ルートも同じくらい危険が危ないそうです。赤ちゃんスライムのクロシュちゃんは近づかないようにしましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いします
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 01:01:08.99 ID:SasbHdWYo

政治って難しいね……
妖精おばあちゃんが可愛すぎる
最悪でも王国の手先とドンパチはなさそうで良かった、より良い形に着陸することを祈るのみ
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 02:28:07.23 ID:55d9Todfo

クロシュたちでは行けない入国難易度高いところが結構ありそうね世界には
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 15:47:37.17 ID:yppByRpeO
対王国は勇者と正面で戦える人材を用意すればいいのでしょう
618 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 18:56:26.52 ID:SIF3YeF40
妖精おばあちゃんは今でこそこんな感じですが、首長をやっていた頃はもう少し威厳とか貫禄があったのかもしれません。今はすっかり失われています

王国の手先とのバトルが今後あるかどうかはわかりませんが、安価次第で良い結末へ向かうことは可能です。是非目指してみてください

常闇の樹海などもそうですが、行き来の難しい危険地帯はけっこうあります。そういう場所に行く場合には専門のガイドを雇うか、頑張ってサバイバル技術や戦闘力を磨くのが良いでしょう

勇者と真正面から戦える人材を用意できれば戦いになりますが、今のところ勇者と真っ向から争える戦闘力を有するのは魔王化した者くらいしかいないようです……
619 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 18:56:59.30 ID:SIF3YeF40
―朝
 精霊の泉

 チュンチュン

クロシュ「えと……木さんたちが病気になってること……知ってる……?」

水の精霊『……』コクリ

クロシュ「その……原因は……?」

水の精霊『……』フルフル

クロシュ「そうなんだ……。ありがと……」

水の精霊『……』コクリ

妖精「やっぱり原因まではわかんないか……。まあ、わかってたら精霊たちがなんとかしてるだろうしね」

水の精霊『……』ショボン

妖精「ああ、ごめん。責めてるわけじゃ――」


セイン「精霊と話せるのか」スタスタ

クロシュ「!」ピクッ

水の精霊『?』

妖精「……あなたは……セイン、だっけ」

セイン「ああ。スライムが精霊を認識できるのは知らなかった」

妖精「クロシュは珍しいスライムだからね。普通のスライムとはちょっと違うんだよ」

セイン「そうなのか」

クロシュ「……えと……セイン、さんも……見えるの……?」

セイン「ああ」

妖精「あなた、本当に人間?」

セイン「さあ」

妖精「まあなんでもいいけどさ。あなた革新派の護衛でしょ? こんなとこに何しに来たの?」

セイン「外出許可は得ている。少し水を汲みに来た」スッ

 空き瓶「」

妖精「……何に使うの? 確かにここの水は良識の範囲内で観光客も汲んでいって良いことになってるけど」

セイン「……」


↓1
01-60 教えてくれない
61-90 少し教えてくれる
91-00 ??
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 18:57:59.20 ID:UCIARSvRO
621 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 19:27:07.10 ID:SIF3YeF40
セイン「……答える義務はない」

妖精「いや、答えたくないなら別に良いけどさ……。精霊の祝福を受けた水、大事に使ってよね」

セイン「ああ」

クロシュ「……」

セイン「……見つかると良いな。友達」

クロシュ「!」

セイン「では失礼する」スタスタ


クロシュ「あ……えと……あ、ありがと……!」

妖精「……やっぱり、悪い奴じゃないのかも。よくわかんないけど」

 ◆
622 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 19:27:51.00 ID:SIF3YeF40
―大樹の宿 ロビー

宿のアルラウネ「イリスさん、郵便が届いてるよ」

イリス「ありがとうございます!」

ミスティ「もう返事が来たの?」

イリス「や、実はいつもの手紙のやり取りとは別に植物に効く薬がないかっていう速達便もこの前送ったから、多分それの返事だと思う!」

ローガン「……そういえばフラナ氏は薬屋でもあったな。魔法使いや革命軍の指導者としての姿の方が印象に残ってしまっているが」

イリス「師匠の反魂丹には本当に助けられたもんね……。重さと厚みからして何か入ってるみたいだし、早速開けてみるよ……!」


↓1
01-35 樹木用活力剤(木の生命力+1)
36-65 疑似世界樹の葉(木の生命力+2)
66-95 疑似世界樹の雫(木の生命力+4)
96-00 植物用反魂丹(木の生命力全回復)
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 19:28:34.23 ID:4GY18fvp0
いけ
624 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 20:45:52.50 ID:SIF3YeF40
 樹木用活力剤「」ポン

手紙『ごめんなさい、植物の薬は専門外だからこんなものしか用意できなかったわ。効能も一時的なものだから、やはり木を弱らせている原因を取り除くのが最善よ』

手紙『あなたたちの活躍は風の便りで聞いています。私たち魔族の大人はもちろん、聖女や子供たちもあなたたちを応援しているわ』

手紙『選挙活動も森林保護活動も大変だと思うけれど、体に気を付けて頑張りなさいね』



イリス「師匠……!! 専門外にも関わらず薬を作ってくれたんですね……!」ウルウル

ミスティ「……初めて会った時は剣呑な人だと思ったけれど、今はもう全然人の良い吸血鬼にしか見えないわね……」

ローガン「あの時はまだ王国の支配下にあった上、革命を間近に控えて気が張っていたのだろう。こちらが本来の彼女なのかもしれんな」

 ◇

―郊外 森妖精の子のおうち

 樹木用活力剤「」トプトプ

 弱った木のおうち「」ググ…

森妖精の子「……! まだ、声はきこえないけど……すこし、いいみたい……!」

イリス「本当!? よおし!」

ミスティ「やったわね……!」

イリス「うん……! でもこれは一時的なものだから、原因を取り除かないとね……!」

ローガン「うむ。クロシュくんたちと合流したら森林開発現場に向かおう」

ミスティ「ええ……!」

 ☆おうちの木の生命力が1回復しました
  現在の生命力は[4/40]です

 ◆
625 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 20:47:30.52 ID:SIF3YeF40
―郊外
 森林開発現場

 建築中の鉄筋造りの建造物群「」

ティセリア「ここの地質はどうですか?」

地質専門アルラウネ「う〜ん……ここも異常なしね」

ティセリア「むう、一体どこから木を痛めつける毒気が流れているのでしょう……」

マーベル「一応言っておくが、建材に毒性のあるものは使ってないからな。これほどの被害は想定外ってのは本当なんだぜ」

ティセリア「わかっていますよ。責は承認した私にあります。原因の究明を急ぎましょう」



妖精「お〜い」パタパタ

ティセリア「あなた方は……復権派の皆さん」

ミスティ「私たちも手伝うわ……」

マーベル「なんだ? 新参の余所者が調査の邪魔をしないでもらえるか?」

紫髪のエルフ幼女「革新派のあなたが余所者を排斥するのですか? まるで伝統派の老害のようですよ」

マーベル「なんだと……」

妖精「老害ってのは実は年齢じゃなくて精神性のことなんだよねえ……」ニヤニヤ

マーベル「このババア……!」

ティセリア「こら、喧嘩はやめなさい! 今は協力して調査を行うのが先決でしょう!」

紫髪のエルフ幼女「すみません」

マーベル「チッ……わかってるっての」

妖精「はいはい、もちろんそのつもりだよ」

クロシュ「う、うん……!」


イリス「なんだかティセリアさんってみんなのお母さんみたい。妖精さんまで素直になってるし」

ローガン「フフ、釣られてクロシュくんまで返事をしているな」

ミスティ「みんな私たち人間よりも遥かに歳上なのよね……。なんだか不思議な気分になるわ……」


↓1コンマ 本日の調査結果
01-60 毒気は地下の深いところから出てきているらしい……?
61-90 地下深くに何かある?
91-00 ??
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 20:49:06.92 ID:Dm4W3pW+0
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 21:27:48.25 ID:SasbHdWYo
お?!
628 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 21:43:26.51 ID:SIF3YeF40
地質専門アルラウネ「……ん!? この直下……なんだかすっごく嫌な感じがする……!」

ティセリア「! マーベル、サリー!」

マーベル「金属反応はねえが……なんだ、こりゃ……」ジリ…

紫髪のエルフ幼女「地下深くに、何か……ひっ……!? なに……これ……!?」ガタガタ

ティセリア「サリー!?」


ローガン「私も鋼魔法で地下を探知してみたが……確かに何かある……。だが、これは一体……」

イリス「……これは……封印? でも解けかけてて……封印されている何かが……漏れ出てるの……?」

ミスティ「……氷よりも……永久凍土よりも冷たい……これは……」

クロシュ「――」

妖精「……」



妖精「――ねえ。みんな疲弊しているみたいだし、今日の調査はここまでにしようよ」

ティセリア「妖精……?」

妖精「藪を突いて蛇を出すこともないでしょ」

ティセリア「何か、知っているのなら――」

妖精「さあ。私は何も知らないけど、みんなの反応を見れば厄モノがあることくらいわかるよ。何の準備もなしに掘り起こすのは危ないでしょ」

ティセリア「そ、それはそうですが……」

妖精「何かするなら選挙が終わってからにしな。幸い開発の一時停止で毒気の漏出も多少収まったみたいだし、木々も保つでしょ」

ティセリア「……そう、ですね……」

妖精「そうと決まれば撤収撤収!」

 ◆
629 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 22:10:22.89 ID:SIF3YeF40
―夜
 大樹の宿 客室

イリス「……」zzz

ミスティ「……」zzz

スライムクロシュ「……」


妖精「……」スッ


スライムクロシュ「…」モニョ

妖精「……起きてたの、クロシュ」

クロシュ「妖精さん……どこ、行くの……?」デロ

妖精「どこって……ちょっと夜の散歩だよ」

クロシュ「……」

妖精「すぐ戻るから。心配しないで」

クロシュ「……やだ」

妖精「なあに、片時も私と離れたくないの? 全くもう、かわいい赤ちゃんスライムなんだから……」

クロシュ「……」

妖精「……」

クロシュ「……」

妖精「……クロシュは……もう、大丈夫だよね」

クロシュ「えっ……?」

妖精「イリスと、ミスティと、ローガンがいて……魔族国のみんなも、きっといつでもクロシュを待ってくれてる。フメイもきっと、いつでもクロシュのことを案じてる」

クロシュ「……??」

妖精「……フメイを連れ戻せたら……平和なところで、幸せに暮らすんだよ。生きるのは苦しいことばかりだけど……クロシュならきっと、大丈夫だから」

クロシュ「……???」

妖精「――それじゃ、さよなら」

クロシュ「え――」

妖精「あなたに――あなたたちに、精霊の加護がありますよう――」フワッ

 ビュオッ

クロシュ「ふわっ……!」

 窓「」ガラン
 カーテン「」バタバタ

クロシュ「あっ……! よ、妖精さん……!!」

 ◆
630 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 22:14:55.22 ID:SIF3YeF40
本日はここまでとさせていただきます

地下に眠っていたもの、それは一体何だったのか。妖精は何を知っているのか。夜分遅くに一人でどこへ向かったのか。赤ちゃんスライムのクロシュに何ができるのか――
次回「恩讐のフォレスティナ」編。お楽しみに

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願い致します
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 22:42:04.25 ID:4lj+pIIkO

高コンマイベントで妖精に不穏なフラグが・・・?
フラナ氏の店薬以外も怪しいアイテム売ってそう
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 22:50:35.00 ID:SasbHdWYo

あーヤバい!これ妖精さん離脱フラグに見えてしまう!
こんな時にあれだけど描写的に妖精さん何の属性かと言われたら多分、風だよね
633 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:07:44.49 ID:D8JY08mz0
原因特定が迅速に進んだという意味での高コンマだったのですが、確かにこれではせっかく高コンマを引いたのにバッドイベントが起きたように見えるので、次の判定に良い感じの補正をかけるなどの好影響を出したいと思います。紛らわしくて申し訳ありません

フラナ氏は薬師もできる魔法使いなので、彼女の店は魔法に関するいろいろなものが売られています。人間に向いたものもいくらかはあるかもしれません

妖精さんがどのような運命を辿るのかはこの後の展開次第であります。よろしくお願いします

これはネタバレですが、妖精の得意属性は自然というものです。自然に働きかけることによって様々なことができますが、出力はそれほど高くないため戦闘向きではないようです(台風の中やマグマ地帯など、自然の脅威がある場所では逆に猛威を振るうことができます)。妖精種はこの属性を得意としていることが多いようです
634 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:13:52.01 ID:D8JY08mz0
―とても昔
 緑の国フォレスティナ 郊外

魔王樹『――』ギギギギギ

妖精「……ごめんね。あなたは――ただ、生きたかっただけなのに――」

魔王樹『――』ギギギ

妖精「生命を奪わなければ――生命は、生きられない。そしてあなたは――奪う生命が、多くなりすぎてしまった」

魔王樹『――』ギギ

妖精「……ごめんね」キラキラ

 ヒュオッ…

 封印の要石「」ズン…


アルラウネ族長「お、終わった……の……?」

エルフ族長「おお……ついに、あの魔王樹を――!」

馬頭族長「バンザイ! 妖精サンバンザイ!」バンザイ!

 ワアアアア!! ヨウセイサンバンザイ!! バンザイ!!

妖精「……」

 ◆

幼ティセリア「えっ!? 妖精、首長辞めちゃうってほんと!!?」

妖精「うん……」

幼ティセリア「ど、どうして!? 妖精が辞めちゃったら誰がこの国を治めるの!?」

妖精「今いる子たちに任せるよ。いつまでも私がふんぞり返ってたら不健全でしょ」

幼ティセリア「……なにか、あったの?」

妖精「さあ。まあ、いろいろ疲れたってのもあるかな……」

 *

―聖域
 フォレスティナ建国千周年 戴冠式

妖精「みんな、千年間ありがとう。とても良い時間だった。後はよろしくね」

エルフ族長「妖精首長に託されたこの国を、必ずや強く美しく育て続けることを誓います……!!」

妖精「うん。それじゃあ……私はもう、行くよ」

エルフ族長「はい……!」

幼ティセリア「妖精……」ウルウル

妖精「後は頼んだよ、ティセリア。私は……世界を、見てくるから」

幼ティセリア「うん……!! 妖精の旅路に……精霊の加護がありますよう……!!」

妖精「ありがと。ティセリアとフォレスティナにも、精霊の加護がありますよう――」

 ワーワー! イカナイデー!! ヨウセイサーン!!

妖精「それじゃあ――さようなら――」フワッ

 ヒュオッ

幼ティセリア「あ――」

エルフ族長「……行ってしまったな」

幼ティセリア「うん……」ポロポロ

エルフ族長「いつか、妖精が帰ってくる時に……この国をもっともっと美しくして、驚かせて差し上げよう。ティセリア」

幼ティセリア「うん……!!」ポロポロ

 ◆
635 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:14:43.28 ID:D8JY08mz0
―とても昔
 緑の国フォレスティナ 郊外

 封印の要石「」

妖精「……」

妖精「あなたのような哀しい存在を生み出してしまうこの世界が……本当に良いものなのかどうか……。見てくるよ……」

 封印の要石「」

妖精「……あなたの憎しみも、哀しみも……。きっと、永い時が癒やしてくれるから……。どうか、安らかに――」

 封印の要石「」

 ◆
636 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:15:11.76 ID:D8JY08mz0
―現在 夜
 フォレスティナ郊外

妖精「……」パタパタ

妖精(あれから……本当に、永い時間が経った)

妖精(この世界が良いものだと無邪気に信じられなくなったのも……もうずっと昔のことだ)

妖精(そんな苦しみに満ちた世界に――私は、あの魔王樹を閉じ込め続けてしまった)

妖精(魔王樹は……あの暗い地下で、怒りと憎しみと哀しみを募らせながら……ずっと、ずっと……封印が綻ぶのを待ち続けていたんだろう)

妖精(当時の私の甘さが招いた……致命的失敗。死をもって終わらせるのが忍びないからと――安らぎの結界で心だけでも救われて欲しいなどと、個人的感傷を優先したから)

妖精(――今この国を脅かしている苦しみは、私のせいだったんだ)

妖精(今度こそ、終わらせてあげないと。死ぬことでしか解放されない――魔王という、哀しい存在を)

 ◇
637 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:15:39.48 ID:D8JY08mz0
―大樹の宿 客室

クロシュ「い、イリスさん! ミスティさん!」モニョモニョ

イリス「んん……クロシュちゃん……?」

ミスティ「ど、どうしたのよ……? まだ真っ暗みたいだけど……」

クロシュ「よ、妖精さんが……出てっちゃった……!!」

イリス&ミスティ「!!」

 扉「」バンッ!

ローガン「どこに行ったかわかるか!?」

クロシュ「え、えと……多分――」

ミスティ「――開発現場」

クロシュ「う、うん!」

イリス「た、確かに帰ってきてから少し様子が変だったけど……」

ローガン「明らかに何かを知っている様子でもあったな。一人で何かしようとしているのかもしれん、急ぐぞ!」

 ◇
638 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:16:09.75 ID:D8JY08mz0
―郊外
 森林開発現場

 要石の破片「」

妖精(どうして忘れていたのだろう。首長の退任を決意するほどの出来事だったはずなのに)

妖精(――忘却を促すのもまた……魔王の力……? そういえば、魔族国で勇者を呪ったとされる魔王も、多数の住民が目撃しているはずだし、時間もそれほど経っていないのに――覚えている者はあまり多くなかった)

妖精(……いや、今はそんな考察なんてどうでもいいか。自分自身の不始末を、付けにいかなきゃ)


妖精「――開け」


 結界口「」ヴォン…


妖精(……元々は私が作った結界。この中でなら、例え魔王樹が相手でもこちらが圧倒的に優位だ)

妖精(そして魔王と言えど樹木なら、私の自然を司る魔法で枯らせられる……)

妖精(……でも多分、それでも命がけ。というか、十中八九生きては帰れない……)

妖精(でも仕方ない。私の責任だし……私一人の命で被害を食い止められるなら安いもんでしょ)


妖精(ティセリアはすっかり成長したし、優秀な側近もいる。マーベルとかいう奴もまあそこまで悪い奴ではなさそう)

妖精(王国への恭順は嫌だけど、理屈はわかるし無闇に抵抗するよりはマシだとも思う。一応策もあるみたいだし、頭ごなしに否定するほどじゃない)

妖精(……こいつさえなんとかすれば……この国は多分、大丈夫……。あとは今の子たちがなんとかやってくれるはず)

妖精(気がかりなのは――)

 妖精の想像するクロシュ『〜〜』モニョモニョ

妖精(……)

妖精(イリスたちが見ていてくれるとは思うけど……でもやっぱり、心配なものは心配……)

妖精(そもそも、イリスとミスティだってまだまだ幼い子供みたいなもんだし……ローガンもローガンで時々危うさがちらついてる……)

妖精(……ああもう、何もかも私の楽観が招いた危機だ)


妖精「……そこの風の精霊。伝言頼める?」

風の精霊『?』ヒュオオ

妖精「ティセリアに、復権派のみんなをよろしくって伝えておいて」

風の精霊『!』ヒュイッ

 ビュオオッ

妖精「……これでまあ、悪いようにはならないはず。さて――」

 結界口「」ゴゴゴゴ…

妖精「……行こう」

 *
639 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:16:37.17 ID:D8JY08mz0
―封印結界

 ゴゴゴゴゴ

魔王樹『――』

妖精「久しぶり。その様子……全然変わってないね……」

魔王樹『――』ギギ

妖精「……覚えてるか。そうだよ……あなたをここに閉じ込めた、妖精だよ」

魔王樹『――』ギギギ

妖精「……あなたの怒りも、憎しみも――受けて立つ覚悟はできて――」

 ゴゴゴゴ メキメキメキ

妖精「えっ――」

 妖精を取り囲む樹木の群れ『――』ギギギ

妖精「なんで――数が増えて――」

 蔓の触手「」ギュオッ
 ガシシッ

妖精「ひっ……! や、放し――」

 蔓の触手「」ギラッ
 ギュオンギュオン

妖精(い、命が――吸われ――)


妖精「みん、な……ごめ…………」

 カクン…

 ◆
640 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:18:22.09 ID:D8JY08mz0
―森林開発現場

 結界口「」ゴゴゴゴゴ

クロシュ「!!」

ミスティ「あれは……!」

イリス「結界の……入口!」

ローガン「日中はなかったが!?」

イリス「きっと妖精さんが開けたんだ! でもこれ……一方通行だよ!」

ローガン「何!? なぜ――」

イリス「大抵は、中にいる何かを外に出さない為! でも術者なら関係なく出入りできるのが普通だから、妖精さんが術者だとしたら――」

クロシュ「――」シュバッ

 結界口「」トプン…

ミスティ「クロシュ! くっ、一方通行が何よ……!」バッ

 結界口「」トプン…

イリス「ああ、話は最後まで……ええい、私も!」タッ

 結界口「」トプン…

ローガン「クッ、私でも守りきれる相手なら良いが……!」ダッ

 結界口「」トプン…

 *
641 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:19:35.06 ID:D8JY08mz0
―封印結界

 ゴゴゴゴ

魔王樹『――』ギギ

 捕らえられてぐったりしている妖精「」


クロシュ「!! 妖精さん!!」

ミスティ「妖精……!! くっ……なんて重いプレッシャーなの……!!」

イリス「……!! あれが……木々を弱らせてる、原因……!?」

ローガン「今助けるぞ……!」シャキン


 ゴゴゴゴ メキメキメキ


クロシュ「!!」

ミスティ「なっ――」

 クロシュたちを取り囲む樹木の群れ『――』ギギギ

ローガン「何っ!?」

イリス「えっ――」

 殺到する蔓の触手「」ギュオオオオッ


↓1コンマ 最速発見ボーナスにより補正+10
01-02 劣勢、ミスティ負傷
03-04 劣勢、イリス負傷
05-07 劣勢、ローガン負傷
08-10 劣勢、クロシュ負傷
11-70 劣勢、伝統派参戦
71-90 優勢、伝統派+マーベル参戦
91-00 優勢、伝統派+マーベル+???参戦
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:20:11.15 ID:SI6QBs3E0
たのむ
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:20:27.86 ID:kQbaZBIB0
644 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:39:14.96 ID:D8JY08mz0
 殺到する蔓の触手「」ギュオオオオッ

ミスティ「ぼ、防御が間に合わな――」


「大地の壁!」
「風の精霊よ、哀しみの蔓を切り裂いて――!」

 大地の壁「」ゴゴゴゴ!!
 風の刃「」ヒュンヒュンッ

 壁に防がれて切り裂かれる蔓の触手「」スパスパッ
 ボトボトッ

ティセリア「大丈夫ですか! 復権派の皆さん!!」

紫髪のエルフ幼女「はあ、はあ……! 怪我はありませんか……!」

クロシュ「!」

ミスティ「伝統派……!!」

ローガン「あ、ありがたい……!」

イリス「助かりました……!!」

ティセリア「妖精は……あそこですね! 協力して助けますよ!」

紫髪のエルフ幼女「第二波が来る! 備えてください!」


↓1コンマ
01 劣勢、ミスティ負傷
02 劣勢、イリス負傷
03-04 劣勢、ローガン負傷
05-06 劣勢、クロシュ負傷
07-08 劣勢、ティセリア負傷
09-10 劣勢、紫髪のエルフ幼女負傷
11-50 劣勢
51-70 優勢
71-90 優勢、マーベル参戦
91-95 優勢、マーベル+???参戦
96-00 優勢、???+????参戦
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:41:32.01 ID:NHwLEYG6o
こうこんま
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:41:58.60 ID:kCdreLYfO
はい
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:49:38.42 ID:9scI6R8No
ヒェ
648 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:52:13.58 ID:D8JY08mz0
 蔓の触手「」ビュンビュン

ミスティ「数が多すぎるわ……!!」

盾クロシュ「うう……!!」ガギンガギンッ

ローガン「くっ、私とクロシュくんだけでは守りきれん……!!」ギンギンッ


イリス「炎よ!」ゴウッ

 蔓の触手「」メラメラ

ティセリア「……! 火の通りが良い……! 見かけは凶悪ですが、既に枯れかけているのかも――」

イリス「よおし、このまま――」

 火の付いた蔓の触手「」ググ ブンッ

イリス「えっ――」

ミスティ「イリス!!」バッ

 バシンッ!!!

ミスティ「う、ぐ……」フラッ

イリス「ミスティ!!!!」


↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-10 敗北
11-50 劣勢
51-60 優勢
61-90 優勢、マーベル参戦
91-95 優勢、マーベル+???参戦
96-00 優勢、???+????参戦
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:53:06.62 ID:97tZ+3lwO
いけ
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:53:19.20 ID:kQbaZBIB0
651 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 21:06:03.49 ID:D8JY08mz0
ミスティ「……」ドサッ

イリス「あ、あ……私が油断したせいで、ミスティが……」グニャァ

ローガン「イリスくん前を見ろ!!!!」

イリス「あ――」

 ガギンッ!

イリス「え……?」

 鉄板「」シャキーン!


「ふう、間一髪だ。急過ぎてダサい鉄板になっちまったぜ」スタスタ


ティセリア「あ、あなたは――」

紫髪のエルフ幼女「まさか――」

イリス「革新派の、マーベルさん!?」

マーベル「東洋の五行思想じゃ金は木に強ェんだぜ?」ニヤ


↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-05 敗北
06-35 劣勢
36-90 優勢
91-95 優勢、???参戦
96-00 優勢、???+????参戦
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:07:48.40 ID:SI6QBs3E0
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:07:56.92 ID:kCdreLYfO
はい
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:08:09.66 ID:M4pW9B5z0
655 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 21:19:59.19 ID:D8JY08mz0
マーベル「おら! 最先端の回転ノコギリだ!」ブンッ

 飛翔する回転ノコギリ「」ギュオオッ
 蔓の触手「」スパスパッ

マーベル「そして俺自身は――鎖ノコギリで伐採だ!!」ブオンッ

 魔王樹の眷属樹木「」ギャリギャリ

 ズバアッ ドスーンッ

マーベル「おらっ、次はどいつだ!?」シュババッ


ティセリア「あ、あんなに楽しそうに伐採して……」

紫髪のエルフ幼女「心強いですが癇に障りますね……」


ミスティ「……うっ」

イリス「ミスティ!! 今手当するからじっとしてて!!」

ミスティ「こ、これくらい……まだ戦えるわ……!!」ググッ


ローガン「マーベル氏の参戦で余裕ができた! クロシュくん、イリスくんとミスティくんをカバーするぞ!!」

盾クロシュ「うん!!」


↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-05 敗北
06-35 劣勢
36-90 優勢
91-95 勝利、???参戦
96-00 勝利、???+????参戦
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:22:47.59 ID:SI6QBs3E0
657 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 21:34:14.01 ID:D8JY08mz0
 ズバアッ ドシーン ドシーン

ティセリア「戦局がこちらへ傾きました……! このまま畳み掛けますよ……!」ヒュンヒュン

紫髪のエルフ幼女「はい……!」ゴゴゴ


マーベル「おらっ、次は――」ギュイイッ

黒い精霊「……」

マーベル「うおおおっ!?」ズザザッ

黒い精霊「……」

マーベル「なんだ……お前は?」

黒い精霊「……」

マーベル「チッ……! お前、あの木の精霊か……!?」

黒い精霊「……」

マーベル「なんとか言え!」

黒い精霊「……おなか、すいた」

マーベル「……!?」


↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-05 敗北
06-90 勝利
91-95 勝利、???参戦
96-00 勝利、???+????参戦
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:34:31.23 ID:Gl7108gDO
はい
659 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 22:05:26.62 ID:D8JY08mz0
黒い精霊「」フッ

マーベル「!? 消え――」


魔王樹『』ギギ…

崩れていく蔓の触手「」シナシナ

崩壊する樹木の群れ「」メキメキメキ


イリス「あっ……黒い木が……!」

クロシュ「!」シュバッ


魔王樹から落ちる妖精「」ヒュウン…

 モニョッ

スライムクロシュ「」モニョ

妖精「ぁ……くろ、しゅ……?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ

妖精「……うん……。ごめん、ね……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ



枯れていく魔王樹『』メキメキ パキパキ…


ティセリア「黒い木が……枯れていく……」

紫髪のエルフ幼女「……勝った、のでしょうか……」

ローガン「ふう……。皆生き残れた、か……」

 ――戦闘終了

 ◆
660 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 22:59:41.47 ID:D8JY08mz0
―朝
 大樹の宿 客室

 チュンチュン

ミスティ「……」パチ

イリス「ミスティ!」

クロシュ「ミスティさん!」

ミスティ「イリス……クロシュ……」

ローガン「ミスティくん。体の調子はどうだろうか」

ミスティ「ローガンさんも……。私、あれからまた気を失ったのね……。体は……まだ痛むけど、動きに支障はなさそうかしら……」ググッ

イリス「良かった! 一時はどうなることかと思ったけど、みんな無事で……」

ミスティ「……ということは、妖精も無事なのね?」

妖精「無事だよ。迷惑かけたね……」ヌッ

ミスティ「わっ……本当に無事みたいね……」

妖精「あなたたちのお陰でね……。本当に、ありがとう……」ペコッ

ミスティ「まあ……何かする前に相談くらいはして欲しかったわね……。パーティなのだし……」

妖精「返す言葉もない……」

イリス「……ねえ、どういうことだったのか聞いても良い?」

妖精「うん……話すよ。まずあの黒い木だけど……あれは、大昔に私と当時の族長たちが封印した樹の魔王なんだ」

イリス「ま、魔王……!? あの木、魔王だったの……!?」

ローガン「なんとなくそんなような気はしていたが……まさか本当に魔王だったとは」

妖精「当時は魔王樹って呼ばれてた。地中深くに根を張り巡らして、フォレスティナ中の命を吸い上げる困ったちゃんだったの」

ミスティ「困ったちゃんという次元ではない気がするわ……」

妖精「うん……。実は当時にトドメを刺すこともできたんだけど、その……かわいそうに思っちゃってさ……。私の主導で安らぎの封印結界に閉じ込めたんだよ。でもその結果はご覧の通り……全く安らげなかったみたいだし、今になってこの国に被害を出させた始末。本当、とんだ失策だったよ……」

ミスティ「そう……だったのね……」

妖精「……ずっと永い間……独りぼっちで、ひもじい思いをさせちゃったんだ。あの魔王樹も、元はこのフォレスティナの樹の一つだったはずなのに……。私……なんて仕打ちを……」

イリス「……それは……妖精さんが、悪いわけじゃないと思う……」

妖精「……そう、かもね」

クロシュ「……」

 ◆
661 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 23:00:21.38 ID:D8JY08mz0
―郊外 森妖精の子のおうち

ミスティ「おはよう……」スタスタ

妖精「おはよ…」パタパタ

森妖精の子「あ、ミスティさんと太母さん! おはよ!」

ミスティ「その後、おうちの具合はどうかしら……?」

森妖精の子「えっとね、木さんね……!」

 少し元気になってきたおうちの木「」ググッ!

妖精「少し元気になってきたね」

森妖精の子「うん……! ミスティさんたちが、なにかやってくれたの……!?」

ミスティ「……まあ、そうね。恐らく病気の原因と思われるものをなんとかしたわ……」

森妖精の子「わあ……! やっぱりミスティさんたちがやってくれたんだ……!」パァ

ミスティ「ええ……」

妖精「でも、病み上がりだからしばらくはしっかり見てあげてね」

森妖精の子「うん……! しっかりみる……!」

ミスティ「ええ、是非そうして……。あなたがおうちの木を大事に思っているように……きっとおうちの木も、共に暮らすあなたのことを大事に思っているから……」

森妖精の子「うん……!! ずっといっしょだもん……!! だいじに、する……!」

ミスティ「ふふ、約束よ……」

森妖精の子「うん、やくそく! えへへ……ミスティさん、ほんとに、ほんとに……ありがと……!!」


 ☆緊急クエスト「おうちの木を助けろ!」を無事にクリアしました
  報酬に「精霊樹の種」をいただきました
  復権派の名声が大きく上がりました

 ◆
662 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 23:01:56.69 ID:D8JY08mz0
―緑の国フォレスティナ 滞在7日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・選挙で勝つ

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………

―朝
 大樹の宿 客室

イリス「すっごく喜んでくれてたね……!」

クロシュ「うん……!」

ミスティ「ええ……。ふふ……本当に良かったわ……」

イリス「うん、本当に良かった! 後は、選挙に向けて一直線だね!」

妖精「うへぇ……。考えたくない……」


「号外だよー! 号外ー!」バサッバサッ


イリス「ん? この声は……」

ミスティ「まさか……」

 窓「」バサッ
 風雪新聞「ダークヒーローイリス、建国の太母と共に緑の国の闇に抗う!!!!」バササッ

イリス「やっぱり!!!」


フォレスティナ滞在7日目です(投票日までの残り行動可能日数2)
↓1〜3 自由安価 何をする?
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:02:45.58 ID:SI6QBs3E0
紫髪ちゃんの依頼で魔物退治に同行
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:03:58.79 ID:NHwLEYG6o
フメイちゃんのこと知らないって伝統派と革新派の面々に舐めるように聞いて回る
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:04:37.66 ID:97tZ+3lwO
三派閥で食事会
666 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 23:17:58.14 ID:D8JY08mz0
というわけで本日はここまでです。次回は紫髪ちゃんと一緒に害獣退治編、伝統派と革新派にフメイちゃんのことを聞いて回る編、その後お食事会編です

突然発生したイベント戦闘でしたが、無事に勝利できたようで何よりです。伝統派と革新派と復権派が夢の共闘を果たしたことにより、いろいろとお話しやすくなったかもしれません。選挙に向けて頑張っていきましょう
なお魔王樹さんは、眷属を増やすという新技を見せて妖精を追い詰めましたが、実のところ永い封印と栄養の枯渇、無理な眷属の生成により戦闘開始時点で枯死寸前の状態だったようです。妖精さんはとても迂闊だったようですが、無事に勝利したことでかなしいお別れをすることもなくパーティに復帰することができました。おめでとうございます

それでは本日はありがとうございました。次回は例のごとく土日になるかと思います。よろしくお願いします
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:28:15.42 ID:NHwLEYG6o
乙乙
これで懸念事項は対王国だけか
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 00:25:24.90 ID:d5X025kao
おつ
妖精さん…触手…ってそれどころじゃなくなってて樹枯れる
ミスティさんの巻き込まれ(不幸)属性とイリスのダークヒーロー属性確立したっぽい
三派手を取り合えるといいなぁ!
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 12:49:10.05 ID:R7N4eWVIO

おうちの木は助かったけど、魔王樹はかなしいね…
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 16:11:38.94 ID:xGtNi7WDO
乙です
少し悲しい勝利だったけど、ファンタジー系の話だと報酬の精霊樹の種は浄化された魔王樹の生まれ変わりとかありそうだから、精霊樹の種は植木鉢に植えて育てながら一緒に旅したい
671 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 18:51:11.90 ID:8/Urd9QA0
革新派以外が選挙で勝利した場合、王国への対策は必須となります。なお現状、伝統派は依然として革新派を勝たせるつもりのようです

常闇の樹海には、精霊や妖精を好んで捕食する触手生物の存在が確認されたことがあります。気を付けましょう

>>1も01を引き当ててミスティさんが怪我をすることになったのには驚きました。コンマはコンマなので仕方がありませんが、ままならないものです
最近は魔族国以外でもダークヒーローイリスの知名度が上がってきているため、トンチンカンなプロパガンダであっても意外と効果が出てしまうかもしれません

おうちの木は無事に助かり、これから少しづつその生命力を回復させていくことになるかと思われます
そして魔王樹はようやくその生を終え、フォレスティナの大地に還りました。その跡地に残されていた小さな種が魔王樹の生まれ変わりかどうかはわかりませんが、緑の国ではあらゆる生命の誕生は祝福するのが良いと考えられています。きっとその種もまた、精霊の加護に包まれていることでしょう
672 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 18:52:03.21 ID:8/Urd9QA0
―郊外

クロシュ「今日は、こっちでやるの?」キョロキョロ

妖精「うん。例え人が少ないとしても、国民一人一人に声を届けることが大事なんだよ」

ミスティ「へえ。なんかそれっぽいわね」

イリス「私も、自分の足でしっかり地域を回ってくれる人は良いなあって思うよ」

ローガン「ううむ、しかし選挙というのは大変だな……。票を獲得するためにこうも奔走する必要があるとは……」

妖精「ほとんどの国は君主制だからねえ。多分大陸内でもフォレスティナくらいじゃないかな、選挙で国の長を決めてる国」

イリス「けっこう変わった制度って言われてるよね。妖精さんはどうしてこんな制度にしたの?」

妖精「フォレスティナっていろんな種族がいるでしょ? そんな国で特定の誰かがずっと王様をやるのはあんまり良くないと思ってさ。まあ実際には、千年間も首長をさせられ続けた奴がいたりもするんだけど……」

ミスティ「ふふ……ちゃんとした首長であれば、種族を気にする人もあまりいなかったということね……」

 ◇

ー郊外 道端

 ピーヒョロロロ…
 ア、フッケンハダ ヨウセイサンカワイイ タイボサマー!

妖精「いにしえより続く緑の大森林を守り……激化していく国際競争にも勝ち続ける……。どちらか一方だけに傾倒する必要なんてない……。私たち復権派は、全てを目指すの……」

妖精「大丈夫……。この建国の太母が、この国の過去も、未来も―――ん?」


 ドドドドド…

紫髪のエルフ幼女「待ちなさい! 待て!!」タッタッタッ


イリス「あ、あれは……!?」

↓1
01-05 ??
06-35 狂い咲きアルラウネ
36-65 マノシシの群れ
66-95 脱走マンドラ大根
96-00 フォレスティナミドリガニ
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 18:53:30.36 ID:C91FZY3DO
はい
674 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 19:22:03.70 ID:8/Urd9QA0
マノシシの群れ「ブヒーッ!!」ドドドドド


ミスティ「黒い……イノシシ!?」ザッ

イリス「図鑑で見たことある! あれマノシシってやつだ! でも生息地は常闇の樹海浅層のはずなのに……」


紫髪のエルフ幼女「復権派!? 丁度良い、そいつらを止めて!!」タッタッタッ


ローガン「言われずともそのつもりだ! 皆、構えろ!」シャキン

盾クロシュ「!」シャキン

妖精「民よ、私の後ろへ。次期首長として、責務を果たしましょう……」キラキラ


 ――戦闘開始


↓1
01-05 痛恨
06-15 劣勢
16-95 優勢
96-00 会心
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:22:53.70 ID:hbOE93DQ0
676 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 19:36:01.57 ID:8/Urd9QA0
マノシシの群れ「ブヒーッ!!」ドドドドド

 ドゴンッ!!

盾クロシュ「んんーっ!!」ズザザザッ

ローガン「踏ん張れ、クロシュくん……!!」ズザザッ

妖精「クロシュ、あなたに精霊の加護を授けましょう――」キラキラ


イリス「私たちは突破してきたマノシシを迎え撃とう!」

ミスティ「ええ!」


マノシシ「ブヒーッ!!」ドドド

イリス「来た!」

ミスティ「これで!!」ヒュオオ―

 氷の壁「」ガギン!!
 激突するマノシシ「ブヒウーッ!!!」ドゴン!!

イリス「大人しくして! 水よ!」

 泡「」ポワン
 マノシシ「ブヒッ…」ジタバタ


紫髪のエルフ幼女「はあ、はあ……! 助かります……!!」タッタッタッ


↓1
01-05 痛恨
06-15 劣勢
16-95 勝利
96-00 勝利+??
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:37:13.91 ID:DQxUkGF8O
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:37:30.35 ID:MiqS3FRL0
どっせい
679 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 21:03:09.61 ID:8/Urd9QA0
 ガギンッ! ドガッ! バキャッ!!

制圧されたマノシシの群れ「ブヒ…」

妖精「哀れなマノシシたち……。なぜここに姿を現したのか……言葉を持たぬあなたたちに問うても、仕方のないことね……」

 ワーワー!! タイボサマー!! フッケンハスゴイ!

 *

紫髪のエルフ幼女「ふう……本当に助かりました。街中では不用意に地属性魔法を使うわけにもいかず……」

イリス「ええと、でもどうしてマノシシがここに? 確かに常闇の樹海と緑の森は隣接していますけれど……」

紫髪のエルフ幼女「……原因は不明です。腹をすかせてこちらまで餌を探しに来たのか……」

クロシュ「えと……マノシシさん、おなかすいてたの……?」

紫髪のエルフ幼女「仮説の一つです。実際の原因は現地に行って調べなければわからないでしょう」

ミスティ「そういえば冒険者ギルドにも常闇の樹海の調査員募集があったわね……」

紫髪のエルフ幼女「ああ、あの依頼は私たちと冒険者ギルドが共同で貼り出したものですね。冒険者ギルドは周辺各国と連携して樹海の闇を解き明かそうとしているようです。私たちももちろんそれに協力を惜しまないつもりなのですが――」

ローガン「……その様子では、調査は遅々として進んでいないようだな」

紫髪のエルフ幼女「……ええ。仰る通り、樹海の調査は順調とはとても言い難い状況が続いています。深層に進んだまま帰らない調査員は数知れず……。樹海と地続きの緑の森に住む私たちにとっては全く気の休まらない状況なのです。しかも最近は人間至上主義を掲げるセイントレア王国も台頭してきて……」

イリス「うわあ、王国と常闇の樹海に若干挟まれてるんだ、この国……」

妖精「常闇の樹海は昔っからあんな感じだからどうしようもないっちゃどうしようもないんだよね。森が地続きだから魔族国みたいに防壁を建造するわけにもいかないし」

紫髪のエルフ幼女「ええ……。まあ王国と違い、悪意をもって侵略してくることはないのでそこまで急を要する問題ではないのが救いですが」

 *
680 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 21:03:40.76 ID:8/Urd9QA0
―首長官邸

ティセリア「お疲れ様、サリー。そしてご助力感謝致します、復権派の皆さん」

ミスティ「……当然のことをしただけよ。感謝する必要はないわ……」

ティセリア「まあそう言わず。あなたがたの活躍で多くの被害を未然に防ぐことができたのです。いち緑の国の民として、是非お礼をさせてください」

クロシュ「おれい……」

ティセリア「はい。何か、私たちにして欲しいことはありますか?」

妖精「……じゃあ選挙で復権派を――」

ティセリア「それ以外で!」

妖精「ケチ!」

ティセリア「私たちの不正を糾弾した口で不正を持ちかけるのはどういう了見ですか!!」

妖精「ま、まだ選挙で復権派をとしか言ってないし……」アセアセ

ティセリア「まだということはその後言うつもりだったのでしょう!! 勝たせろ、と!!!」

妖精「う、うぐぐ……」

イリス「よ、妖精さん……。それは筋が通らないよ……」

ミスティ「はあ、もう……。でもお礼か……。ローガンさんは何かある……?」

ローガン「君たちに任せよう。私の欲するものは、既に持っているか、あるいは二度と届かぬものしかない」

ミスティ「それはそれで難しい話ね……。うーん……私も今すぐ欲しいものは特にないかしら……」

イリス「私も特には。自分の魔法については自分で解き明かしたいし。ということで……クロシュちゃん!」

クロシュ「?」

イリス「フメイちゃんのこと、もっといっぱい探してって頼んじゃおうよ!」

クロシュ「!」

ミスティ「……ごめんなさい、私がこの国の問題に首を突っ込んだからあまり探せていないのよね……」

クロシュ「んーん……。ミスティさんのやりたいことも……この国のことも……大事、だから……」

ミスティ「クロシュ……ありがとう……」

ローガン「うむ……! 私もそれが良いと思う。せっかくお国の人に頼めるチャンスなのだ、生かさぬ手はない」

妖精「まあそうだね。選挙活動ばっかりで後回しにしちゃってて悪かったよ。ティセリアたちにも探してもらおう」

クロシュ「うん……!」


ティセリア「クロシュちゃんのお友達、フメイちゃんの捜索ですね。彼女のビラはこちらでも一枚預かっております。そして現在集まっている目撃情報ですが――」

↓1
01-60 郊外の方で黒髪の幼女が薄茶髪の少女と一緒にいた
61-90 露店通りで食べ歩いていた 
91-00 聖域付近をうろついていた
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 21:05:54.63 ID:hbOE93DQ0
どうだ
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:04:09.22 ID:ZbHHMC1Fo
隠れる気なさそうで草
683 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 22:06:04.49 ID:8/Urd9QA0
―ある日
 露店通り

アリシラ?「あれ美味しそうじゃない? 食べてみようよぉ」グイグイ


ヤマイモ餅屋台の森妖精「ヤマイモ餅あるよ〜。焼き立てホヤホヤのヤマイモ餅だよ〜」


フメイ「ヤマイモ餅……? 美味しそうだけど……お金、もうあんまりないんじゃないの」

アリシラ?「フッフッフ、実はあるんだよねえ」スッ

 金貨袋「」ジャラッ

フメイ「!? ど、どこで拾ってきたの?」

アリシラ?「妖精の密猟者っぽい奴らがいたから、ちょっと永眠してもらってぇ……そしたら誰の持ち物でもないお金を見つけたの!!」

フメイ「……いつの間に追い剥ぎなんてしてたの?」

アリシラ?「フメイちゃんがおねんねしてる間かな? でも追い剥ぎなんて人聞き悪いなあ。私はあの人たちが現世でこれ以上罪を重ねないよう、終わらせてあげただけだよ?」

フメイ「……そういう考え方もあるんだ」

アリシラ?「生きとし生けるものは、生まれながらに罪を背負い……生きている限り、さらなる罪を重ね続けるの……。だからそれを終わらせてあげるのもまた、救いの一つなんだよ」

フメイ「わかるような、わからないような……」

アリシラ?「うふふ……フメイちゃんはクロシュちゃんのことだけを考えていれば良いと思うよ。でも今はヤマイモ餅のことも考えよう!」

 *

ヤマイモ餅屋台の森妖精「ありがと〜。熱いうちに食べてね〜」


 ヤマイモ餅「」ホカホカ

フメイ「……」ジュルリ

アリシラ?「じゃあいただきま〜す! はむっ、はふはふ、あふい!」アチチ

フメイ「いただきます。はむ……もぐもぐ……」モグモグ

アリシラ?「わあ、流石炎のフメイちゃん! 熱いのも平気なんだねえ」

フメイ「ごくん……。あなたが猫舌なだけでしょ……」

アリシラ?「そうかなあ? ふふ、でも私って体が弱いみたいだし熱さにも弱いのかもねえ」

フメイ「……はむ。もぐもぐ……」モグモグ


フメイ(ヤマイモ餅は、とても美味しかった)

フメイ(……クロシュと一緒に……食べたいな……)

フメイ(…………アリシラ、ずっとこのままなのかな……)

 ◆
684 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 22:07:22.63 ID:8/Urd9QA0
―首長官邸

ティセリア「――露店通りで、クロシュちゃんと同じ姿の黒髪の女の子が、薄茶髪の少女と一緒にヤマイモ餅を食べている姿が目撃されたようです」

クロシュ「!!」ガタッ

妖精「本当にここに来てたんだ! フラナたちの情報を疑ってたわけじゃないけど――」

イリス「でもこれは大きな前進だよ! フメイちゃんたちもこの国に滞在してて、しかもけっこう私たちの知くにいるかもしれないってことでしょ!?」

ミスティ「露店通りと言えば、本当に近い可能性があるわね……。ニアミスしてるかも……」

ローガン「その時の様子や、どんな話をしていたかもなどもわかるだろうか」

ティセリア「熱いのが平気とか、猫舌がどうとか……だそうです」

イリス「……な、なんか普通の会話だね」

ミスティ「意外と満喫しているのかしら……」

クロシュ「……フメイちゃん、熱いの平気で……アリシラさん、猫舌だった……」

ローガン「うむ……二人の特徴とは一致しているわけだな……」

ミスティ「……もっと目撃情報が欲しいわね。たまたま露店通りを通っただけで、いつもは全然別の場所にいるかもしれないし……」

イリス「そうだね……。ティセリアさん、他に目撃情報はないですか?」

ティセリア「ごめんなさい、私たちが掴んでいるのはこれくらいで……。元々人通りの多い時期ですから、人混みに紛れてしまうとなかなか難しいのです……」

妖精「まあそればかりは仕方ないか……。そうだクロシュ、あなた革新派の奴らにもビラを渡したんでしょ? あいつらにも聞いてみようよ」

クロシュ「!」

ティセリア「なるほど、革新派ですか……。あの若造が皆さんに失礼なことを言わないか心配なので、私も同行しましょう……」スッ

 ◆
685 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 22:22:27.96 ID:8/Urd9QA0
―森林開発現場

マーベル「……ここの地質も問題なし。やはりあの魔王樹が異常の原因だったと考えて――」


ティセリア「マーベル。ここにいたのですね」スタスタ

マーベル「あなたがたは……伝統派のおばさま方と復権派の大老ではありませんか」

妖精「うるさいよ若年老害」

紫髪のエルフ幼女「躾のなってないガキは嫌いですね」

ティセリア「ああもう、やめなさい! マーベルは煽らないで、妖精とサリーも乗らないで! 私たちはこんな煽り合いをしに来たわけではありません!」

マーベル「何だ、用があったのなら先に言ってくださいよ」

ティセリア「何か言う前にあなたが煽ってきたのでしょう……」ゲンナリ

 *

マーベル「ああ、あのビラの子の件か! もちろん俺たち革新派でも目撃情報を集めてはいるが――」


↓1
01-60 郊外の方で黒髪の幼女が薄茶髪の少女と一緒にいた
61-90 露店通りで食べ歩いていた
91-00 聖域付近をうろついていた
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:22:53.21 ID:98lh4wjI0
687 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 23:46:43.39 ID:8/Urd9QA0
―ある日
 郊外

 焚き火「」パチパチ

アリシラ?「ねえフメイちゃん……」

フメイ「なに」

アリシラ?「……テント……買わない?」

フメイ「……」

アリシラ?「いや、フメイちゃんが野宿が平気な女の子だっていうのはもうわかったから……。温室育ちのアリシラちゃんは、もうちょっとマシな環境で寝泊まりしたいなあって……」

フメイ「……そういうとこは、元のアリシラと同じなんだ」

アリシラ?「テントどころか寝袋もなしに地面で熟睡できるフメイちゃんがおかしいだけだと思うんだけどなあ……」

フメイ「クロシュも地面で熟睡できてたけど……」

アリシラ?「クロシュちゃんはスライムだから、お布団を使う必要があんまりないだけだと思うなあ」

フメイ「……」

アリシラ?「フメイちゃんもさ、炎の魔力が体の内側でぽかぽかしてるから、お布団いらなかったりするんじゃない?」

フメイ「……フメイだって、固い地面で寝るのが好きなわけじゃない。まあ、暑さとか寒さには確かに他の人より強いような気もするけど……」

アリシラ?「でしょお? でもか弱いアリシラちゃんは、か弱いからお布団がいっぱい必要なの。わかるよね?」

フメイ「まあ……」

アリシラ?「というわけでちょっくら買ってくるから! テントと寝袋! フメイちゃんの分もね!」

フメイ「あ、うん」

 *

不格好なテント「」

アリシラ?「……テントを張るのって難しいんだね」

フメイ「……うん。こんなに難しいなんて知らなかった……」

アリシラ?「まあでも、これで私たちも一国一城の主! 雨風を凌げる場所で存分に寝よう!」

フメイ「うん」

 *
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