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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】
- 578 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 19:33:05.07 ID:IU8TQFJE0
- ―夜
大樹の宿 ロビー
イリス「はあ、今日はなんだか疲れたなあ……」
妖精「大したことはできてないんだけどねえ」
ローガン「うむ……だがまあ、収穫がなかったわけではない」
ミスティ「そうね……。ティセリアさんの意向もわかったし……セイン、という人のことも……少しわかったし……」
宿屋アルラウネ「お休みのところちょっと良い?」スッ
クロシュ「?」
イリス「はい、なんでしょうか?」
宿屋アルラウネ「お手紙が届いてるよ。イリス・プラネットさん宛」ピラッ
手紙「イリス・プラネット様」
イリス「! ありがとうございます……!」
宿屋アルラウネ「旅中のお手紙って良いわよね。じゃごゆっくり〜」
バタム…
妖精「手紙?」
イリス「うん。ここに来た時にフラナ師匠にお手紙を書いてね。その返事かも……!」
ミスティ「すっかりフラナさんの弟子ね」
イリス「えへへ……。ちょっと読んでくる!」パタパタ
ミスティ「……フラナさんは、亡くなったイリスの師匠の知人なのよね」
妖精「そう言ってたね。その師匠はイリスの育ての親でもあるみたいだし……やっぱり寂しいのかもね」
ミスティ「……」
クロシュ「……」
ローガン「……」
妖精「……あなたたちも……家族がいないのは、やっぱり寂しい?」
ミスティ「……そうね。でも今はあなたたちもいるし、平気よ……」
ローガン「……全く寂しくないと嘘になるが、時の流れは残酷なものでな……。家族のない寂しさにも、慣れてしまったよ」
妖精「そうなんだ……。クロシュは?」
クロシュ「…………わかんない……。でも……みんなのこと……思いだすと…………」
クロシュ「……」ジワワ
妖精「……そうだよね。まだ……」
ミスティ「……ハンカチよ」スッ
クロシュ「あり、がと……」グスッ
ローガン「……クロシュくんは、その集落を失ってまだ間もないのだったな……」
ミスティ「ええ……。フメイのこともあって心の整理を付ける暇もなかったろうし……」
クロシュ「……」
妖精「……フメイを説得したら、お墓を立てに行こうよ。きっと……まだ、あのままだろうし」
クロシュ「…………うん」
ミスティ「……ソリを走らせればすぐよ。だから……必ず、フメイを連れ戻しましょう……」
ローガン「フメイくんと共に、弔ってあげなさい。私もできる限りのことはする」
クロシュ「……うん。……ありがと……みんな……」
*
- 579 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 19:33:39.07 ID:IU8TQFJE0
- ―客室
イリス「フラナ師匠からのお手紙……! えへへ、何が書かれてるかな……」ピラッ
↓1
01-05 ??
06-50 近況報告
51-95 選挙支援
96-00 私も旅行に来たわ
- 580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 19:34:07.58 ID:2RZYpvep0
- あ
- 581 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 20:10:41.28 ID:IU8TQFJE0
- ガチャッ
ミスティ「どんなことが書かれてたか聞いても良い?」スタスタ
イリス「あ、うん! 師匠、包帯取れたんだって!」
妖精「ああ、なんか凄いぐるぐる巻きだったねそういえば……。他には……うわっ、何これ? 魔法の術式?」
ミスティ「妖精、人の手紙を勝手に読んだりしちゃだめよ……」
イリス「あはは。別に良いよ、減るもんでもないし。私が考案した術式についてフラナ師匠に添削してもらったの」
ミスティ「そ、そういう使い方もあるのね……手紙って……」
イリス「個人的にはかなり良い感じだと思ってたんだけどなあ。まだまだ無駄が多かったみたい……てへへ」
妖精「へえ、確かに添削後の方はかなり洗練されてるね。流石は吸血鬼の魔法使い」
イリス「あ、それと風雪のルフさんがダークヒーローイリスの連載にちょっと行き詰まってるらしくて、何かネタが欲しいそうなんだけど……何か良い案ある……?」
ミスティ「いや、知らないわよそんなの……。ルフが勝手に始めた物語でしょうが……」
妖精「勝手に人の名前を使っておいて行き詰まったら本人に泣きつくとか凄い面の皮だなあ……」
クロシュ「……!」ピコン
イリス「お、クロシュちゃん何か思いついた?」
クロシュ「うん……。えと……ダークヒーローイリスが……建国の妖精さんと一緒に、緑の国のみんなを苦しめる悪い人たちをこらしめるお話、とか……」
妖精&イリス&ミスティ「!!」
イリス「それだ!! この際だから風雪新聞にも協力してもらおう!!」
妖精「冴えてるじゃんクロシュ!!」
ミスティ「今こそ偏向新聞の使い所だわ!! 早速返事を書きましょう!!」
イリス「よおし、じゃあ緑の国の現況も添えて――」
☆ダークヒーローイリス 緑の国の悪代官成敗編のプロット案を送りました
◆
- 582 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 20:21:04.34 ID:IU8TQFJE0
- ―緑の国フォレスティナ 滞在5日目
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:蜘蛛絹のレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・おうちの木を助ける(木の生命力[3/40])
・木の病気の原因を突き止める
・選挙で勝つ
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………
―朝
郊外 弱った木のおうち
チュンチュン
弱った木のおうち「」カサッ…
森妖精の子「うぅ……ミスティさん……まだ……?」グスグス
ドドドドド…
森妖精の子「ふえっ!? な、なに……?」
ドワーフ開拓団「エッホエッホ」ドドドドド
森妖精「ど、ドワーフさん……? おおぜいで……どこに、むかってるの……?」
*
フォレスティナ滞在5日目です(投票日までの残り行動可能日数4、おうちの木の残り生命力3)
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:21:36.98 ID:2RZYpvep0
- 紫髪ちゃんを食事に誘ってみる
- 584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:22:54.28 ID:NgwCUP0RO
- 公共温泉に行ったらティセリアと遭遇
- 585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:24:18.66 ID:ghhXgEBH0
- 森妖精がドワーフ開拓団についてクロシュたちに伝えて調査することに
- 586 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 22:49:29.75 ID:IU8TQFJE0
- ―滞在5日目 朝
露店通り
妖精「風が哭き、大地はひび割れ、枯れ落ちる木々――。今この国を襲う諸問題を放置すれば、終末への刻は限りなく加速していく。私は、それを止めたいだけ――」キラキラ
ワーワー!! タイボサマ-!!
妖精「苦しみからは逃れられないけれど、それを最小限に抑えることはできる――。どうか――あなたの賢明な一票を――」カリスマァ
ワーワーワー!! ヨウセイサンカワイイ
*
クロシュの懐でぐったりしている妖精「」
クロシュ「えと……お疲れさま……妖精さん……」
ミスティ「本当にお疲れ様、妖精……。まだ朝ご飯前なのに、ありがとう……」
イリス「この国の朝は早いよねえ。もうこんなに賑わってるんだもの」
妖精「本当に疲れたよ……。何か美味しいものを食べたい……」
ローガン「ここは妖精殿を労い、朝食を頂きにいこうか」
ミスティ「そうね……ん?」
紫髪のエルフ幼女「……」
ミスティ「あ……」
イリス「わ、わあ……。おはようございます、奇遇ですね……!」
紫髪のエルフ幼女「奇遇ではありません。見ていましたから。妖精の演説を」
妖精「げっ……」
紫髪のエルフ幼女「……普段とは全く違うのですね。態度も、言動も」
妖精「そりゃまあ……人の上に立つんならのはそれなりの威厳が必要でしょ」
紫髪のエルフ幼女「ご尤もですが……あなたのそれは少々芝居がかりすぎでは」
妖精「う、うるさいなあ。首長をやってた頃のことなんて忘れてんだから仕方ないじゃん」
紫髪のエルフ幼女「…………初代首長にして、建国の太母……ですか」
妖精「そうだよ。初代首長がこの国の未来を憂いて悪い?」
紫髪のエルフ幼女「悪いなどとは言っていません。しかし国を憂う気持ちなら、長年この国を放ったらかしにしていたあなたよりもティセリアの方が万倍上です」
妖精「ぐぎぎ……。憂う気持ちだけじゃ国は治められないもん……!」
紫髪のエルフ幼女「あなたのような過去の者が今のこの国を治められるとは――」
イリス「は、はいはいそこまで!!」バッ
妖精「むうぅ……」
紫髪のエルフ幼女「ふん……」
ミスティ「……ねえ。一つ良い?」
紫髪のエルフ幼女「何ですか」
ミスティ「もし朝ご飯がまだなら……一緒にどうかしら」
紫髪のエルフ幼女「え」
妖精「ええ!?」
◆
- 587 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 22:49:59.66 ID:IU8TQFJE0
- ―食事処 どんぐり食堂
ワイワイ キャッキャ
イリス「わあ、ここも風情があって良いねえ」
紫髪のエルフ幼女「自然と調和した街作りこそ、伝統派の最も得意とするものですから」
妖精「ずっと伝統派一強らしいじゃん。せっかく投票制にしたのに、これじゃ独裁と変わんない。不健全だよ」
紫髪のエルフ幼女「千年もずっと独裁し続けた人が言うと説得力がありますね」
妖精「私は建国者だからいいの!」
クロシュ「」オロオロ
ミスティ「ああもう……」
ローガン「ううむ……とりあえず食事を頼むとするか……。お品書きは……」
食堂妖精「あ、お客さんたち初めて? ここはお客さんに選んでもらった食材をうちのシェフが独断で調理する仕組みになってるんだよ!」
イリス「な、なんか凄く聞き覚えのあるシステムのような……」
ミスティ「お米とお米にしないように気を付けましょう……」
↓1〜2 食材を1〜2つ選択
1.畑の肉
2.マンドラ大根
3.食べられる野草
4.ニワトリの卵
5.サワガニ
6.ザリガニ
7.パン
8.ウルティ米
9.淡水海竜の大トロ
10.森林木苺
11.どんぐり
12.ヤマイモ
13.マジカルトリュフ
14.森ニンジン
15.ゴボウの根っこ
16.精霊樹の実
17.アルラウネオイル
18.スライムゼラチン
19.エルフミルク
20.フェアリーシロップ
- 588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 22:52:16.55 ID:ghhXgEBH0
- 16 19
- 589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 22:55:19.45 ID:Pj+er7pDO
- 10 20
- 590 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/19(月) 00:01:20.96 ID:98tnZsAX0
- イリス「……この、エルフミルクって……」
紫髪のエルフ幼女「……よく勘違いされる方がいますが、エルフが分泌したミルクのことではありませんよ。それはこの国のエルフと精霊が協力して育てた牛の出す高級ミルクの銘柄です」
イリス「わ、わあ〜そうなんだぁ〜。じゃあエルフミルクを一つ……!」
ミスティ「何を想像していたのよ、イリス……。そういえばこの国に来てから時々耳にする、このフェアリーシロップというのはどういうものなの?」
妖精「あー、それは……」
紫髪のエルフ幼女「企業秘密です。この国で最も人気のある特産品の一つなので、是非ご賞味ください」
ミスティ「そ、そう……。じゃあとりあえず、フェアリーシロップも一つ」
イリス「他のみんなは?」
ローガン「私は食せるものならなんでも好きだ。気にせず選ぶと良い」
紫髪のエルフ幼女「私もここの国民なので、この国のものならなんでも好きです。なので気にせずお選びください、旅人の妖精様」
妖精「はいはい、じゃあ私は精霊樹の実で」
クロシュ「……」
妖精「クロシュも遠慮しないで、選びな」
クロシュ「あ、えと……じゃあ……木苺……」
紫髪のエルフ幼女「森林木苺を選ぶとは、素晴らしい慧眼です。野生で育っているものも良いですが、ここで出されるものはアルラウネ農家が丁寧に育てた至高の一品。是非味わってください」
クロシュ「うん……」
食堂妖精「ご注文は、森林木苺と、精霊樹の実と、エルフミルクと、フェアリーシロップでよろしいですね!? それではお待ちください!」ピューッ
妖精「……それにしても……ふふ。あなた、本当にこの国が好きなんだね」
紫髪のエルフ幼女「当然です。あなたよりもずっとね」
*
- 591 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/19(月) 00:01:46.20 ID:98tnZsAX0
-
食堂妖精「はい、お待ちどうさま!」
木苺と精霊樹のフェアリーエルフアイスシェイク「」ポンッ
イリス「わぁ〜!」
ミスティ「素敵……!」
ローガン「ほう……!」
妖精「こ、これは……!」
紫髪のエルフ幼女「ふふふ……素晴らしいです。我が国の食材も、それを活かす優秀な料理人も。全てが、素晴らしい……!!」
クロシュ「いただきます……」モニョモニョ
*
イリス「あま〜い!!」
ミスティ「こ、これ氷魔法で再現できないかしら……」
妖精「美味しい……。悔しいけど、これは凄い……」
ローガン(……。我が妻と、子に……これを食べさせてやれれば……)
スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ
紫髪のエルフ幼女「……食材とシェフの腕も至高のものですが、あなた方の選び方が見事だったというのもあります。それは認めましょう」
妖精「……食事中にこんな話して悪いんだけどさ。本当のところ、ティセリアはどう考えてるの?」
紫髪のエルフ幼女「……そのスライムの子から聞いていないのですか?」
妖精「や、聞いてる。本心では苦しんでるって……。でも、そこはあなたから直接聞かないと筋が通らないと思って」
紫髪のエルフ幼女「……律儀ですね。まあ昨日私が口を滑らせた通り、ティセリアは……伝統と革新、抵抗と降伏の板挟みになって苦しんでいます」
妖精「……まあ、そりゃそうか。いくら為政者の仮面をかぶったところで、あの子の本質が変わるわけもないし」
紫髪のエルフ幼女「……あなたは……ティセリアの、何なのですか」
妖精「別に何でもないよ。ただ、幼い頃のあいつを知ってるってだけ」
紫髪のエルフ幼女「……」
妖精「ティセリアに言ってやってよ。自分の心を偽り続ければ――顔に張り付いて取れなくなった仮面ごと、何もかもが壊れちゃうよ――って」
紫髪のエルフ幼女「……あなたに言われるまでもありません」
妖精「そう。なら良いけど」
☆紫髪のエルフ幼女に意思を伝えました
ティセリアにも影響があります
◆
- 592 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/19(月) 00:04:48.96 ID:98tnZsAX0
- というわけで本日はここまでです。なかなか進まず申し訳ありません
次回は首長と裸の付き合い編とドワーフ開拓団とお話編からです
フェアリーシロップの正体については様々な噂がありますが、真相は闇に包まれています。緑の国が誇る人気の特産品なので、その製法は簡単には明かせないようです
そして今回の食材選びが功を奏し、紫髪のエルフ幼女さんに無事意思を伝えることができました。彼女もまた緑の国を愛する者の一人なので、地産地消はとても良かったと思います
それでは本日もありがとうございました。次回はまた土日になるかと思います。よろしくお願いいたします
- 593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 00:09:31.14 ID:aScWTVFko
- 乙
選挙の戦略や木の生命力問題も安価で行動しなきゃ不味いやつかね
勝手に話が進むわけじゃなく
- 594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 00:17:04.76 ID:vnXXDQuA0
- 乙です
森妖精の子悲しませたくないから弱った木のおうち救いたいけど良い安価が思いつかない
- 595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 13:24:28.96 ID:G25TtgkqO
- 乙
ミスティの故郷の襲撃者、セイン、アリシラ?に並ぶ闇に包まれた存在フェアリーシロップ…
弱った木のおうちはなんとかしたいけど、ドワーフ開拓団の調査がどうなるか
- 596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 12:14:05.96 ID:kkJhqJZQO
- フラナ氏今魔族自治区長なのかな
- 597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 16:07:23.39 ID:CpWyy8L7o
- 自力で回復できるまで木の寿命を持たせる必要もあるし
復権派が勝利したらどう王国と立ち向かうかも考えないとな
- 598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 21:38:22.82 ID:D5lt5kPd0
- これクロシュ達率いる復権派を妨害する為に勇者セインが自ら邪魔したり、刺客を送り込むような展開とかあるのかな?
- 599 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 19:44:37.94 ID:ZWqedsq80
- 安価で行動しなくともなるようにはなりますが、より良い結果を目指すのであれば安価で何らかの行動をさせてあげたほうが良いかもしれません
木のおうちについてはドワーフ開拓団を追っていただければ何か手がかりが掴めるかもしれません
フェアリーシロップは濃ゆい魔力と糖分とその他諸々を多分に含んだとても甘くて美味しい液体です。マナポーション代わりに魔力回復薬として使うこともできますが、糖分のとりすぎには注意が必要です
フラナ氏は現在新生魔族国の暫定的な指導者を務めています。しかし本人はあくまで暫定的なものと考えており、ゆくゆくは正当な指導者を選任するつもりでいるようです
これはネタバレなのですが、対王国については成り行きに任せてもなんとかなるかもしれません。もちろんしっかり対策を取っておけばより良い結果に繋がる可能性は高まります
前回の接触では特に復権派に対して敵対的な行動を取ってきたりはしなかったので、セインくん自身が何かをしてくる可能性は低いと思われます。セインくん以外が何かをしてくる可能性はあるかもしれません
- 600 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 19:45:10.11 ID:ZWqedsq80
- ―緑の国 公共温泉
カポーン…
妖精「あ〜……生き返るぅ……」グデッ
スライムクロシュ「〜〜」デロデロ
イリス「あはは、妖精さんまで溶けちゃいそう」
ミスティ「やっぱり溶けたくなるものなのよ……」
イリス「そ、そうなのかな? でもこの様子なら来て良かったねえ、温泉」
ミスティ「妖精が露骨に疲れたオーラを出していたものね……。まあ、午前中はこれで終わりにしましょう……」
イリス「そうだねえ……」
ガラッ
ティセリア「ふぅ……」
ミスティ「あっ」
ティセリア「……あ」
イリス「てぃ、ティセリアさん!?」ザバッ
妖精「あんだって……?」
*
- 601 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 19:45:42.57 ID:ZWqedsq80
- ティセリア「……おはようございます、復権派の皆さん」チャプン
ミスティ「え、ええ。おはようございます、ティセリア首長」
イリス「お、おはようございます」
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
妖精「おはよ〜……あなたも朝風呂……?」
ティセリア「ええ、まあ……。たまに、利用するのです……」
イリス「そうなんですね……」
妖精「……さっき、あなたの秘書?の紫髪の子と朝ご飯食べてきたよ」
ティセリア「……はい、聞き及んでおります。朝食を共にしたと……」
ミスティ「ええ……。でもあれ、朝ご飯って言って良いのかしら……」
イリス「どちらかと言うとデザートだよね、木苺と精霊樹のフェアリーエルフアイスシェイク」
ティセリア「……ふふ。今の緑の国を満喫されているようで、何よりです」
妖精「観光に来たわけじゃないんだけどなあ」
ティセリア「……この国を是正しに来た、のですよね」
妖精「いや……実は当初はそういうつもりでもなかったりして……」
ティセリア「……ええ!? 首長選挙以上に重要な目標があるってことですか!?」
妖精「そ、そういう言い方はちょっと語弊がある。どっちもとても重要な目標なんだよ、優先順位は付けられない」
スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ
妖精「そう。私たちは……この、クロシュの友達を捜しに来たんだ」
ティセリア「あ……。あの、ビラの……」
スライムクロシュ「〜」コク
妖精「フメイさえ見つかれば、私もこの国に干渉するつもりなんてなかった。もう首長なんて面倒なことやりたくなかったし。でも――」
ティセリア「……見過ごせないものを見つけてしまった、ということ……ですね……」
妖精「そういうこと。きっかけはそこのミスティが気まぐれに受けた冒険者ギルドの依頼だったんだけどね。木の家が弱ってるから助けて欲しいっていう」
ミスティ「……まあ、気まぐれと言えば気まぐれだけど……。でも、私にとってはあれも見過ごせないものだったわ……」
ティセリア「……そう、だったのですか……」
妖精「……ティセリア。やり方を変えてくれる気はないの?」
ティセリア「……」
↓1コンマ 紫髪のエルフ幼女との交流により補正+30
01-05 止まれません
06-50 もう少し考えさせてください
51-95 今夜革新派と話し合う予定です
96-00 ナシつけました
- 602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 19:52:23.85 ID:7QtoTavK0
- ナシつけました
- 603 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:08:22.85 ID:ZWqedsq80
- ティセリア「……その件についてですが、つい先程革新派の長と話を付けて来たところです」
妖精「へっ!?」
◆
―少し前
首長官邸
ティセリア「そうですか……。妖精が、そのようなことを……」
紫髪のエルフ幼女「はい。あのような老害の言葉を聞くのは癪ですが……どうか、ご決断ください。あなたが本当にしたいこと、すべきことを成すために――」
ティセリア「……」
ティセリア「サリー、来客準備を。マーベルの坊やと緊急会談します」
紫髪のエルフ幼女「……! はい……!」
*
- 604 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:08:50.16 ID:ZWqedsq80
- マーベル「急な呼び出しはやめてくださいよ。頼み事があるならそっちから来るのが筋でしょ?」スタスタ
セイン「……」スタスタ
ティセリア「……マーベル」
マーベル「しかもこれまたけったいな格好ですねえ。一体全体どうしたって言うんです?」
紫髪のエルフ幼女「言葉を慎みなさい……」
マーベル「はいはい。それで何の用なんです? 俺、忙しいんですけど」
ティセリア「……森林開発計画についてお話があります」
マーベル「またその話か。もう決まったことに後からグダグダ言わないでくださいよ」
ティセリア「いいえ。木々や住民への被害が深刻なものとなっています。開発の一時停止を命じます」
マーベル「はあ!? 開発に関して口を出さない取り決めだろ!」
ティセリア「不正な契約に効力はありません。法廷で争いますか?」
マーベル「お前ら伝統派の不正も明るみに出るぞ……!」
ティセリア「承知の上です。元より、私が大切にしているのは伝統派ではなく民と木々そのもの。痛くも痒くもありません」
マーベル「ふざけやがって、愛国ババアが……!!」
紫髪のエルフ幼女「言葉を慎めと言った……!」シャキンッ
セイン「――」シャッ
ティセリア「納めなさい、サリー」
マーベル「チッ……セイン、お前も納めろ」
紫髪のエルフ幼女「……」スッ
セイン「……」スッ
ティセリア「……被害の現状把握と原因究明、被害者救済は我々が行います。革新派は開発の一時停止および開拓団への説明と謝罪を――」
マーベル「……はいはい、わかりましたよ」
ティセリア「……素直ですね」
マーベル「伝統派と心中する気はないんでね。被害が悪いってんなら被害がなくなりゃ再開しても良いってことだろ?」
ティセリア「はい」
マーベル「だったら原因究明には俺たち革新派も一枚噛ませてもらう」
ティセリア「……! もちろん構いませんが……良いのですか?」
マーベル「お前ら老害だけに任せてたら何年かかるかわかんねえだろうが……。一刻も早く再開させたいだけだっての」
ティセリア「……いえ、ありがとう。是非よろしくお願いします」
マーベル「ところで、選挙の件は別だよな? 開発は俺たち革新派の事業でしかないが、選挙は王国が絡んでんだ。しくじったら国が滅ぶ」
ティセリア「……」
↓1コンマ
01-90 民と木々の為です。王国はどうにもなりません
91-00 秘策があります。正々堂々戦いましょう
- 605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 21:10:28.39 ID:asip2/r/O
- あ
- 606 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:49:57.88 ID:ZWqedsq80
- ティセリア「……はい。王国はどうにもなりませんから」
マーベル「へっ、流石にそこまで耄碌したわけじゃねえか。開発は後でもできるが国は滅んだら終いだからな」
ティセリア「……」
◆
―現在
公共温泉
ティセリア「……というわけで、間もなく開発の方は一旦停止します」
ミスティ「……!!」
スライムクロシュ「!!」モニョニョ
イリス「そ、それなら木のおうちも……!」
ティセリア「開発が止まるだけでは、恐らく木々を苦しめる毒気がすぐに消え去ることはないと考えられます……」
ミスティ「……まだ、安心はできないということね」
ティセリア「少しでも状況が良くなれば良いのですが……楽観視は危険でしょうね」
妖精「……ティセリア」
ティセリア「? 何でしょうか」
妖精「……ありがとう」
ティセリア「……! 首長として……いいえ、森に生きる者として当然の責務を果たしただけです」
☆森林開発が一時停止したことにより、木のおうちの生命力減少も停止しました
毒気はまだ残留しているため、生命力は自然回復しません
◆
- 607 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:50:53.98 ID:ZWqedsq80
- ―午後
郊外 森妖精の子のおうち
弱った木のおうち「」カサッ…
森妖精の子「えっ……? それじゃあ……これから、よくなるの……?」
ミスティ「……そうとは言い切れないみたい。でも、これ以上悪化することはないと思うわ……」
森妖精の子「……木さん、たすかる……?」
妖精「あなたが毎日しっかりお世話してあげれば、しばらくは大丈夫だと思う。でも現時点でとても弱ってるから、油断はできないよ」
森妖精の子「うん……おせわ、する……」
ミスティ「ええ、そうしてあげて……。私たちもこれから原因の調査に向かおうと思っているのだけれど……」
森妖精の子「……あ。そういえば……あさ、ドワーフさんたちが、えっほえっほ言いながら歩いてったの……。かんけい、あるかな……?」
ミスティ「ドワーフ……?」
ローガン「開拓と開発はドワーフの十八番だ。革新派に委託されて来た業者かもしれん」
イリス「現場に行ってみようよ……!」
◇
―郊外 森林開発現場
ドワーフの現場監督「一時停止だと? 応援が今朝到着してこれからって時にか」
マーベル「本当に申し訳ない。森への影響や被害が無視できない水準に達しましてね……」
ドワーフの現場監督「あんたの計画じゃ影響はほとんど出ないって話だったが」
マーベル「想定外に出すぎてしまったようです」
ドワーフの現場監督「……俺たちはどうなる。手ぶらで国に帰れってか」
イリス「な、なんか揉めてる?」
クロシュ「……! あの人……!」
ミスティ「……革新派のリーダー、マーベルね」
ローガン「急な計画の停止でゴタついているようだな……」
妖精「はあ。国の事業に他所の国の開拓団なんか招くからこんなことになるんだよ」
↓1 どうする?
1.その辺のドワーフ作業員に話を聞く
2.マーベルと現場監督の話に加わる
3.その他自由安価
- 608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 21:51:35.43 ID:e4VghjoiO
- 2
- 609 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 22:41:05.16 ID:ZWqedsq80
- 妖精「失礼」パタパタ
ミスティ「ちょっといいかしら……」
マーベル「んん? あなたは方は……!」
ドワーフの現場監督「誰だ?」
妖精「新参の復権派だよ。地域住民の被害報告を受けて調査に来たの」
ドワーフの現場監督「……被害は深刻なのか?」
ミスティ「……ええ。一部の住民の住居……木の家が、死に瀕するほどには」
ドワーフの現場監督「……いつからだ」
ミスティ「話によると、約一ヶ月前から影響が出始めたみたい……」
ドワーフの現場監督「……お前は知っていたのか?」
マーベル「いえ、私もつい先日報告を受けたばかりなのです」
ドワーフの現場監督「……」
ドワーフの現場監督「……俺たちは開拓と開発が大好きだが、それで誰かを苦しめたいわけじゃない。それを知っていれば……お前にわざわざ言われずとも、こちらの判断で開発は一時停止していただろう」
マーベル「……」
ドワーフの現場監督「……再開の目処が立ったらまた呼べ」
マーベル「これまでの賃金と旅費、違約金は滞りなくお支払い致します」
ドワーフの現場監督「……未完の仕事で悪いが、ありがたくいただこう。こちらも生活がかかっている」
◆
撤収作業中のドワーフ開拓団「エッホエッホ」ガタンゴトン
マーベル「……ふう。見苦しいところをお見せしてしまいましたね。復権派の皆さん」
妖精「あなたの見苦しいところを見に来たわけではないんだけどね」
マーベル「こりゃ手厳しいなあ。そういえば昨日もウチに来たそうですけど、何の用だったんですか?」
ミスティ「……あなたへの用はもう済んだわ……」
マーベル「……なるほど。ティセリアおばさんをたぶらかしたのもあなた方ですか」
妖精「ティセリア自身が自分で考えて行動しただけだよ」
マーベル「はあ、まあそういうことにしておいて差し上げますよ。全く、とんだおばあちゃんが出張って来たもんだ」
妖精「ああ!? 今なんつった!!?」パタパタパタ
マーベル「貫禄もクソもないし……。なんなんだよあんたは……」
◆
- 610 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 22:57:35.10 ID:ZWqedsq80
- ―緑の国フォレスティナ 滞在6日目
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:蜘蛛絹のレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・おうちの木を助ける(木の生命力[3/40]、減少停止中)
・木の病気の原因を突き止める(開発が関係しているっぽい?)
・選挙で勝つ
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………
―朝
郊外 森妖精の子のおうち
チュンチュン
森妖精の子「〜〜」ブツブツ
弱った木のおうち「」キラキラ…
森妖精の子「はあ、はあ……。木さん……しなないで……」
ミスティ「……今のは……癒やしの魔法……?」
森妖精の子「うん……。木さんをげんきにする、おまじない……。きのうより……ちょっとだけ、きいてるきがする……」
ミスティ(……私にも、癒やしの魔法が使えたら……)
ミスティ(いえ……ないものねだりをしても仕方ないわ。今は、この木を侵している病気を取り除くことを考えるのよ……。開発の停止と同時に病気の進行も止まったということは、開発が関係しているのは明らか……。開発の何が原因だったのか……それさえ突き止められれば……)
森妖精の子「えへへ……ミスティさんたちの、おかげなんだよね……。ありがと……」
ミスティ(この笑顔を……絶対に失わせないわ……)グッ
フォレスティナ滞在6日目です(投票日までの残り行動可能日数3)
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 22:59:03.98 ID:4B/CXLPZo
- 精霊の泉でセインとばったりはち合わせする
- 612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:00:03.53 ID:fPV8+qao0
- フラナに植物に効く薬がないか連絡してみる
- 613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:01:49.16 ID:NWp+Cpvu0
- 森林開発現場に行って気になる事がないか調べてみる
- 614 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 23:13:16.73 ID:ZWqedsq80
- 本日はここまでとなります。ただでさえ遅い筆がさらに遅くなっている気がします。申し訳ありません
次回は泉のセインくん編、薬師フラナの応援編、森林開発現場調査編です
自分で書いていて思うのですが、この程度のなんちゃって政治要素でさえかなり難航している模様です。ここ最近特に進行が遅くて申し訳ないですが、長い目で見ていただけると幸いです
ドワーフは地上だろうと地底だろうと整備開発を行うのが大好きな種族です。大陸の北の方にはとても長くて高い山脈が連なっており、そこの地下にはいにしえのドワーフ文明が築き上げた地底帝国の巨大遺跡が眠っています。今回来たドワーフ開拓団はその辺りの出身らしく、もしかしたら地底帝国の末裔かもしれません。なお山越えの難易度は登山ルートも地底ルートも同じくらい危険が危ないそうです。赤ちゃんスライムのクロシュちゃんは近づかないようにしましょう
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いします
- 615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 01:01:08.99 ID:SasbHdWYo
- 乙
政治って難しいね……
妖精おばあちゃんが可愛すぎる
最悪でも王国の手先とドンパチはなさそうで良かった、より良い形に着陸することを祈るのみ
- 616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 02:28:07.23 ID:55d9Todfo
- 乙
クロシュたちでは行けない入国難易度高いところが結構ありそうね世界には
- 617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 15:47:37.17 ID:yppByRpeO
- 対王国は勇者と正面で戦える人材を用意すればいいのでしょう
- 618 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 18:56:26.52 ID:SIF3YeF40
- 妖精おばあちゃんは今でこそこんな感じですが、首長をやっていた頃はもう少し威厳とか貫禄があったのかもしれません。今はすっかり失われています
王国の手先とのバトルが今後あるかどうかはわかりませんが、安価次第で良い結末へ向かうことは可能です。是非目指してみてください
常闇の樹海などもそうですが、行き来の難しい危険地帯はけっこうあります。そういう場所に行く場合には専門のガイドを雇うか、頑張ってサバイバル技術や戦闘力を磨くのが良いでしょう
勇者と真正面から戦える人材を用意できれば戦いになりますが、今のところ勇者と真っ向から争える戦闘力を有するのは魔王化した者くらいしかいないようです……
- 619 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 18:56:59.30 ID:SIF3YeF40
- ―朝
精霊の泉
チュンチュン
クロシュ「えと……木さんたちが病気になってること……知ってる……?」
水の精霊『……』コクリ
クロシュ「その……原因は……?」
水の精霊『……』フルフル
クロシュ「そうなんだ……。ありがと……」
水の精霊『……』コクリ
妖精「やっぱり原因まではわかんないか……。まあ、わかってたら精霊たちがなんとかしてるだろうしね」
水の精霊『……』ショボン
妖精「ああ、ごめん。責めてるわけじゃ――」
セイン「精霊と話せるのか」スタスタ
クロシュ「!」ピクッ
水の精霊『?』
妖精「……あなたは……セイン、だっけ」
セイン「ああ。スライムが精霊を認識できるのは知らなかった」
妖精「クロシュは珍しいスライムだからね。普通のスライムとはちょっと違うんだよ」
セイン「そうなのか」
クロシュ「……えと……セイン、さんも……見えるの……?」
セイン「ああ」
妖精「あなた、本当に人間?」
セイン「さあ」
妖精「まあなんでもいいけどさ。あなた革新派の護衛でしょ? こんなとこに何しに来たの?」
セイン「外出許可は得ている。少し水を汲みに来た」スッ
空き瓶「」
妖精「……何に使うの? 確かにここの水は良識の範囲内で観光客も汲んでいって良いことになってるけど」
セイン「……」
↓1
01-60 教えてくれない
61-90 少し教えてくれる
91-00 ??
- 620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 18:57:59.20 ID:UCIARSvRO
- あ
- 621 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 19:27:07.10 ID:SIF3YeF40
- セイン「……答える義務はない」
妖精「いや、答えたくないなら別に良いけどさ……。精霊の祝福を受けた水、大事に使ってよね」
セイン「ああ」
クロシュ「……」
セイン「……見つかると良いな。友達」
クロシュ「!」
セイン「では失礼する」スタスタ
クロシュ「あ……えと……あ、ありがと……!」
妖精「……やっぱり、悪い奴じゃないのかも。よくわかんないけど」
◆
- 622 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 19:27:51.00 ID:SIF3YeF40
- ―大樹の宿 ロビー
宿のアルラウネ「イリスさん、郵便が届いてるよ」
イリス「ありがとうございます!」
ミスティ「もう返事が来たの?」
イリス「や、実はいつもの手紙のやり取りとは別に植物に効く薬がないかっていう速達便もこの前送ったから、多分それの返事だと思う!」
ローガン「……そういえばフラナ氏は薬屋でもあったな。魔法使いや革命軍の指導者としての姿の方が印象に残ってしまっているが」
イリス「師匠の反魂丹には本当に助けられたもんね……。重さと厚みからして何か入ってるみたいだし、早速開けてみるよ……!」
↓1
01-35 樹木用活力剤(木の生命力+1)
36-65 疑似世界樹の葉(木の生命力+2)
66-95 疑似世界樹の雫(木の生命力+4)
96-00 植物用反魂丹(木の生命力全回復)
- 623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 19:28:34.23 ID:4GY18fvp0
- いけ
- 624 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 20:45:52.50 ID:SIF3YeF40
- 樹木用活力剤「」ポン
手紙『ごめんなさい、植物の薬は専門外だからこんなものしか用意できなかったわ。効能も一時的なものだから、やはり木を弱らせている原因を取り除くのが最善よ』
手紙『あなたたちの活躍は風の便りで聞いています。私たち魔族の大人はもちろん、聖女や子供たちもあなたたちを応援しているわ』
手紙『選挙活動も森林保護活動も大変だと思うけれど、体に気を付けて頑張りなさいね』
イリス「師匠……!! 専門外にも関わらず薬を作ってくれたんですね……!」ウルウル
ミスティ「……初めて会った時は剣呑な人だと思ったけれど、今はもう全然人の良い吸血鬼にしか見えないわね……」
ローガン「あの時はまだ王国の支配下にあった上、革命を間近に控えて気が張っていたのだろう。こちらが本来の彼女なのかもしれんな」
◇
―郊外 森妖精の子のおうち
樹木用活力剤「」トプトプ
弱った木のおうち「」ググ…
森妖精の子「……! まだ、声はきこえないけど……すこし、いいみたい……!」
イリス「本当!? よおし!」
ミスティ「やったわね……!」
イリス「うん……! でもこれは一時的なものだから、原因を取り除かないとね……!」
ローガン「うむ。クロシュくんたちと合流したら森林開発現場に向かおう」
ミスティ「ええ……!」
☆おうちの木の生命力が1回復しました
現在の生命力は[4/40]です
◆
- 625 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 20:47:30.52 ID:SIF3YeF40
- ―郊外
森林開発現場
建築中の鉄筋造りの建造物群「」
ティセリア「ここの地質はどうですか?」
地質専門アルラウネ「う〜ん……ここも異常なしね」
ティセリア「むう、一体どこから木を痛めつける毒気が流れているのでしょう……」
マーベル「一応言っておくが、建材に毒性のあるものは使ってないからな。これほどの被害は想定外ってのは本当なんだぜ」
ティセリア「わかっていますよ。責は承認した私にあります。原因の究明を急ぎましょう」
妖精「お〜い」パタパタ
ティセリア「あなた方は……復権派の皆さん」
ミスティ「私たちも手伝うわ……」
マーベル「なんだ? 新参の余所者が調査の邪魔をしないでもらえるか?」
紫髪のエルフ幼女「革新派のあなたが余所者を排斥するのですか? まるで伝統派の老害のようですよ」
マーベル「なんだと……」
妖精「老害ってのは実は年齢じゃなくて精神性のことなんだよねえ……」ニヤニヤ
マーベル「このババア……!」
ティセリア「こら、喧嘩はやめなさい! 今は協力して調査を行うのが先決でしょう!」
紫髪のエルフ幼女「すみません」
マーベル「チッ……わかってるっての」
妖精「はいはい、もちろんそのつもりだよ」
クロシュ「う、うん……!」
イリス「なんだかティセリアさんってみんなのお母さんみたい。妖精さんまで素直になってるし」
ローガン「フフ、釣られてクロシュくんまで返事をしているな」
ミスティ「みんな私たち人間よりも遥かに歳上なのよね……。なんだか不思議な気分になるわ……」
↓1コンマ 本日の調査結果
01-60 毒気は地下の深いところから出てきているらしい……?
61-90 地下深くに何かある?
91-00 ??
- 626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 20:49:06.92 ID:Dm4W3pW+0
- あ
- 627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 21:27:48.25 ID:SasbHdWYo
- お?!
- 628 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 21:43:26.51 ID:SIF3YeF40
- 地質専門アルラウネ「……ん!? この直下……なんだかすっごく嫌な感じがする……!」
ティセリア「! マーベル、サリー!」
マーベル「金属反応はねえが……なんだ、こりゃ……」ジリ…
紫髪のエルフ幼女「地下深くに、何か……ひっ……!? なに……これ……!?」ガタガタ
ティセリア「サリー!?」
ローガン「私も鋼魔法で地下を探知してみたが……確かに何かある……。だが、これは一体……」
イリス「……これは……封印? でも解けかけてて……封印されている何かが……漏れ出てるの……?」
ミスティ「……氷よりも……永久凍土よりも冷たい……これは……」
クロシュ「――」
妖精「……」
妖精「――ねえ。みんな疲弊しているみたいだし、今日の調査はここまでにしようよ」
ティセリア「妖精……?」
妖精「藪を突いて蛇を出すこともないでしょ」
ティセリア「何か、知っているのなら――」
妖精「さあ。私は何も知らないけど、みんなの反応を見れば厄モノがあることくらいわかるよ。何の準備もなしに掘り起こすのは危ないでしょ」
ティセリア「そ、それはそうですが……」
妖精「何かするなら選挙が終わってからにしな。幸い開発の一時停止で毒気の漏出も多少収まったみたいだし、木々も保つでしょ」
ティセリア「……そう、ですね……」
妖精「そうと決まれば撤収撤収!」
◆
- 629 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 22:10:22.89 ID:SIF3YeF40
- ―夜
大樹の宿 客室
イリス「……」zzz
ミスティ「……」zzz
スライムクロシュ「……」
妖精「……」スッ
スライムクロシュ「…」モニョ
妖精「……起きてたの、クロシュ」
クロシュ「妖精さん……どこ、行くの……?」デロ
妖精「どこって……ちょっと夜の散歩だよ」
クロシュ「……」
妖精「すぐ戻るから。心配しないで」
クロシュ「……やだ」
妖精「なあに、片時も私と離れたくないの? 全くもう、かわいい赤ちゃんスライムなんだから……」
クロシュ「……」
妖精「……」
クロシュ「……」
妖精「……クロシュは……もう、大丈夫だよね」
クロシュ「えっ……?」
妖精「イリスと、ミスティと、ローガンがいて……魔族国のみんなも、きっといつでもクロシュを待ってくれてる。フメイもきっと、いつでもクロシュのことを案じてる」
クロシュ「……??」
妖精「……フメイを連れ戻せたら……平和なところで、幸せに暮らすんだよ。生きるのは苦しいことばかりだけど……クロシュならきっと、大丈夫だから」
クロシュ「……???」
妖精「――それじゃ、さよなら」
クロシュ「え――」
妖精「あなたに――あなたたちに、精霊の加護がありますよう――」フワッ
ビュオッ
クロシュ「ふわっ……!」
窓「」ガラン
カーテン「」バタバタ
クロシュ「あっ……! よ、妖精さん……!!」
◆
- 630 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 22:14:55.22 ID:SIF3YeF40
- 本日はここまでとさせていただきます
地下に眠っていたもの、それは一体何だったのか。妖精は何を知っているのか。夜分遅くに一人でどこへ向かったのか。赤ちゃんスライムのクロシュに何ができるのか――
次回「恩讐のフォレスティナ」編。お楽しみに
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願い致します
- 631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 22:42:04.25 ID:4lj+pIIkO
- 乙
高コンマイベントで妖精に不穏なフラグが・・・?
フラナ氏の店薬以外も怪しいアイテム売ってそう
- 632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 22:50:35.00 ID:SasbHdWYo
- 乙
あーヤバい!これ妖精さん離脱フラグに見えてしまう!
こんな時にあれだけど描写的に妖精さん何の属性かと言われたら多分、風だよね
- 633 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:07:44.49 ID:D8JY08mz0
- 原因特定が迅速に進んだという意味での高コンマだったのですが、確かにこれではせっかく高コンマを引いたのにバッドイベントが起きたように見えるので、次の判定に良い感じの補正をかけるなどの好影響を出したいと思います。紛らわしくて申し訳ありません
フラナ氏は薬師もできる魔法使いなので、彼女の店は魔法に関するいろいろなものが売られています。人間に向いたものもいくらかはあるかもしれません
妖精さんがどのような運命を辿るのかはこの後の展開次第であります。よろしくお願いします
これはネタバレですが、妖精の得意属性は自然というものです。自然に働きかけることによって様々なことができますが、出力はそれほど高くないため戦闘向きではないようです(台風の中やマグマ地帯など、自然の脅威がある場所では逆に猛威を振るうことができます)。妖精種はこの属性を得意としていることが多いようです
- 634 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:13:52.01 ID:D8JY08mz0
- ―とても昔
緑の国フォレスティナ 郊外
魔王樹『――』ギギギギギ
妖精「……ごめんね。あなたは――ただ、生きたかっただけなのに――」
魔王樹『――』ギギギ
妖精「生命を奪わなければ――生命は、生きられない。そしてあなたは――奪う生命が、多くなりすぎてしまった」
魔王樹『――』ギギ
妖精「……ごめんね」キラキラ
ヒュオッ…
封印の要石「」ズン…
アルラウネ族長「お、終わった……の……?」
エルフ族長「おお……ついに、あの魔王樹を――!」
馬頭族長「バンザイ! 妖精サンバンザイ!」バンザイ!
ワアアアア!! ヨウセイサンバンザイ!! バンザイ!!
妖精「……」
◆
幼ティセリア「えっ!? 妖精、首長辞めちゃうってほんと!!?」
妖精「うん……」
幼ティセリア「ど、どうして!? 妖精が辞めちゃったら誰がこの国を治めるの!?」
妖精「今いる子たちに任せるよ。いつまでも私がふんぞり返ってたら不健全でしょ」
幼ティセリア「……なにか、あったの?」
妖精「さあ。まあ、いろいろ疲れたってのもあるかな……」
*
―聖域
フォレスティナ建国千周年 戴冠式
妖精「みんな、千年間ありがとう。とても良い時間だった。後はよろしくね」
エルフ族長「妖精首長に託されたこの国を、必ずや強く美しく育て続けることを誓います……!!」
妖精「うん。それじゃあ……私はもう、行くよ」
エルフ族長「はい……!」
幼ティセリア「妖精……」ウルウル
妖精「後は頼んだよ、ティセリア。私は……世界を、見てくるから」
幼ティセリア「うん……!! 妖精の旅路に……精霊の加護がありますよう……!!」
妖精「ありがと。ティセリアとフォレスティナにも、精霊の加護がありますよう――」
ワーワー! イカナイデー!! ヨウセイサーン!!
妖精「それじゃあ――さようなら――」フワッ
ヒュオッ
幼ティセリア「あ――」
エルフ族長「……行ってしまったな」
幼ティセリア「うん……」ポロポロ
エルフ族長「いつか、妖精が帰ってくる時に……この国をもっともっと美しくして、驚かせて差し上げよう。ティセリア」
幼ティセリア「うん……!!」ポロポロ
◆
- 635 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:14:43.28 ID:D8JY08mz0
- ―とても昔
緑の国フォレスティナ 郊外
封印の要石「」
妖精「……」
妖精「あなたのような哀しい存在を生み出してしまうこの世界が……本当に良いものなのかどうか……。見てくるよ……」
封印の要石「」
妖精「……あなたの憎しみも、哀しみも……。きっと、永い時が癒やしてくれるから……。どうか、安らかに――」
封印の要石「」
◆
- 636 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:15:11.76 ID:D8JY08mz0
- ―現在 夜
フォレスティナ郊外
妖精「……」パタパタ
妖精(あれから……本当に、永い時間が経った)
妖精(この世界が良いものだと無邪気に信じられなくなったのも……もうずっと昔のことだ)
妖精(そんな苦しみに満ちた世界に――私は、あの魔王樹を閉じ込め続けてしまった)
妖精(魔王樹は……あの暗い地下で、怒りと憎しみと哀しみを募らせながら……ずっと、ずっと……封印が綻ぶのを待ち続けていたんだろう)
妖精(当時の私の甘さが招いた……致命的失敗。死をもって終わらせるのが忍びないからと――安らぎの結界で心だけでも救われて欲しいなどと、個人的感傷を優先したから)
妖精(――今この国を脅かしている苦しみは、私のせいだったんだ)
妖精(今度こそ、終わらせてあげないと。死ぬことでしか解放されない――魔王という、哀しい存在を)
◇
- 637 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:15:39.48 ID:D8JY08mz0
- ―大樹の宿 客室
クロシュ「い、イリスさん! ミスティさん!」モニョモニョ
イリス「んん……クロシュちゃん……?」
ミスティ「ど、どうしたのよ……? まだ真っ暗みたいだけど……」
クロシュ「よ、妖精さんが……出てっちゃった……!!」
イリス&ミスティ「!!」
扉「」バンッ!
ローガン「どこに行ったかわかるか!?」
クロシュ「え、えと……多分――」
ミスティ「――開発現場」
クロシュ「う、うん!」
イリス「た、確かに帰ってきてから少し様子が変だったけど……」
ローガン「明らかに何かを知っている様子でもあったな。一人で何かしようとしているのかもしれん、急ぐぞ!」
◇
- 638 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:16:09.75 ID:D8JY08mz0
- ―郊外
森林開発現場
要石の破片「」
妖精(どうして忘れていたのだろう。首長の退任を決意するほどの出来事だったはずなのに)
妖精(――忘却を促すのもまた……魔王の力……? そういえば、魔族国で勇者を呪ったとされる魔王も、多数の住民が目撃しているはずだし、時間もそれほど経っていないのに――覚えている者はあまり多くなかった)
妖精(……いや、今はそんな考察なんてどうでもいいか。自分自身の不始末を、付けにいかなきゃ)
妖精「――開け」
結界口「」ヴォン…
妖精(……元々は私が作った結界。この中でなら、例え魔王樹が相手でもこちらが圧倒的に優位だ)
妖精(そして魔王と言えど樹木なら、私の自然を司る魔法で枯らせられる……)
妖精(……でも多分、それでも命がけ。というか、十中八九生きては帰れない……)
妖精(でも仕方ない。私の責任だし……私一人の命で被害を食い止められるなら安いもんでしょ)
妖精(ティセリアはすっかり成長したし、優秀な側近もいる。マーベルとかいう奴もまあそこまで悪い奴ではなさそう)
妖精(王国への恭順は嫌だけど、理屈はわかるし無闇に抵抗するよりはマシだとも思う。一応策もあるみたいだし、頭ごなしに否定するほどじゃない)
妖精(……こいつさえなんとかすれば……この国は多分、大丈夫……。あとは今の子たちがなんとかやってくれるはず)
妖精(気がかりなのは――)
妖精の想像するクロシュ『〜〜』モニョモニョ
妖精(……)
妖精(イリスたちが見ていてくれるとは思うけど……でもやっぱり、心配なものは心配……)
妖精(そもそも、イリスとミスティだってまだまだ幼い子供みたいなもんだし……ローガンもローガンで時々危うさがちらついてる……)
妖精(……ああもう、何もかも私の楽観が招いた危機だ)
妖精「……そこの風の精霊。伝言頼める?」
風の精霊『?』ヒュオオ
妖精「ティセリアに、復権派のみんなをよろしくって伝えておいて」
風の精霊『!』ヒュイッ
ビュオオッ
妖精「……これでまあ、悪いようにはならないはず。さて――」
結界口「」ゴゴゴゴ…
妖精「……行こう」
*
- 639 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:16:37.17 ID:D8JY08mz0
- ―封印結界
ゴゴゴゴゴ
魔王樹『――』
妖精「久しぶり。その様子……全然変わってないね……」
魔王樹『――』ギギ
妖精「……覚えてるか。そうだよ……あなたをここに閉じ込めた、妖精だよ」
魔王樹『――』ギギギ
妖精「……あなたの怒りも、憎しみも――受けて立つ覚悟はできて――」
ゴゴゴゴ メキメキメキ
妖精「えっ――」
妖精を取り囲む樹木の群れ『――』ギギギ
妖精「なんで――数が増えて――」
蔓の触手「」ギュオッ
ガシシッ
妖精「ひっ……! や、放し――」
蔓の触手「」ギラッ
ギュオンギュオン
妖精(い、命が――吸われ――)
妖精「みん、な……ごめ…………」
カクン…
◆
- 640 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:18:22.09 ID:D8JY08mz0
- ―森林開発現場
結界口「」ゴゴゴゴゴ
クロシュ「!!」
ミスティ「あれは……!」
イリス「結界の……入口!」
ローガン「日中はなかったが!?」
イリス「きっと妖精さんが開けたんだ! でもこれ……一方通行だよ!」
ローガン「何!? なぜ――」
イリス「大抵は、中にいる何かを外に出さない為! でも術者なら関係なく出入りできるのが普通だから、妖精さんが術者だとしたら――」
クロシュ「――」シュバッ
結界口「」トプン…
ミスティ「クロシュ! くっ、一方通行が何よ……!」バッ
結界口「」トプン…
イリス「ああ、話は最後まで……ええい、私も!」タッ
結界口「」トプン…
ローガン「クッ、私でも守りきれる相手なら良いが……!」ダッ
結界口「」トプン…
*
- 641 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:19:35.06 ID:D8JY08mz0
- ―封印結界
ゴゴゴゴ
魔王樹『――』ギギ
捕らえられてぐったりしている妖精「」
クロシュ「!! 妖精さん!!」
ミスティ「妖精……!! くっ……なんて重いプレッシャーなの……!!」
イリス「……!! あれが……木々を弱らせてる、原因……!?」
ローガン「今助けるぞ……!」シャキン
ゴゴゴゴ メキメキメキ
クロシュ「!!」
ミスティ「なっ――」
クロシュたちを取り囲む樹木の群れ『――』ギギギ
ローガン「何っ!?」
イリス「えっ――」
殺到する蔓の触手「」ギュオオオオッ
↓1コンマ 最速発見ボーナスにより補正+10
01-02 劣勢、ミスティ負傷
03-04 劣勢、イリス負傷
05-07 劣勢、ローガン負傷
08-10 劣勢、クロシュ負傷
11-70 劣勢、伝統派参戦
71-90 優勢、伝統派+マーベル参戦
91-00 優勢、伝統派+マーベル+???参戦
- 642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:20:11.15 ID:SI6QBs3E0
- たのむ
- 643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:20:27.86 ID:kQbaZBIB0
- あ
- 644 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:39:14.96 ID:D8JY08mz0
- 殺到する蔓の触手「」ギュオオオオッ
ミスティ「ぼ、防御が間に合わな――」
「大地の壁!」
「風の精霊よ、哀しみの蔓を切り裂いて――!」
大地の壁「」ゴゴゴゴ!!
風の刃「」ヒュンヒュンッ
壁に防がれて切り裂かれる蔓の触手「」スパスパッ
ボトボトッ
ティセリア「大丈夫ですか! 復権派の皆さん!!」
紫髪のエルフ幼女「はあ、はあ……! 怪我はありませんか……!」
クロシュ「!」
ミスティ「伝統派……!!」
ローガン「あ、ありがたい……!」
イリス「助かりました……!!」
ティセリア「妖精は……あそこですね! 協力して助けますよ!」
紫髪のエルフ幼女「第二波が来る! 備えてください!」
↓1コンマ
01 劣勢、ミスティ負傷
02 劣勢、イリス負傷
03-04 劣勢、ローガン負傷
05-06 劣勢、クロシュ負傷
07-08 劣勢、ティセリア負傷
09-10 劣勢、紫髪のエルフ幼女負傷
11-50 劣勢
51-70 優勢
71-90 優勢、マーベル参戦
91-95 優勢、マーベル+???参戦
96-00 優勢、???+????参戦
- 645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:41:32.01 ID:NHwLEYG6o
- こうこんま
- 646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:41:58.60 ID:kCdreLYfO
- はい
- 647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:49:38.42 ID:9scI6R8No
- ヒェ
- 648 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:52:13.58 ID:D8JY08mz0
- 蔓の触手「」ビュンビュン
ミスティ「数が多すぎるわ……!!」
盾クロシュ「うう……!!」ガギンガギンッ
ローガン「くっ、私とクロシュくんだけでは守りきれん……!!」ギンギンッ
イリス「炎よ!」ゴウッ
蔓の触手「」メラメラ
ティセリア「……! 火の通りが良い……! 見かけは凶悪ですが、既に枯れかけているのかも――」
イリス「よおし、このまま――」
火の付いた蔓の触手「」ググ ブンッ
イリス「えっ――」
ミスティ「イリス!!」バッ
バシンッ!!!
ミスティ「う、ぐ……」フラッ
イリス「ミスティ!!!!」
↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-10 敗北
11-50 劣勢
51-60 優勢
61-90 優勢、マーベル参戦
91-95 優勢、マーベル+???参戦
96-00 優勢、???+????参戦
- 649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:53:06.62 ID:97tZ+3lwO
- いけ
- 650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:53:19.20 ID:kQbaZBIB0
- あ
- 651 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 21:06:03.49 ID:D8JY08mz0
- ミスティ「……」ドサッ
イリス「あ、あ……私が油断したせいで、ミスティが……」グニャァ
ローガン「イリスくん前を見ろ!!!!」
イリス「あ――」
ガギンッ!
イリス「え……?」
鉄板「」シャキーン!
「ふう、間一髪だ。急過ぎてダサい鉄板になっちまったぜ」スタスタ
ティセリア「あ、あなたは――」
紫髪のエルフ幼女「まさか――」
イリス「革新派の、マーベルさん!?」
マーベル「東洋の五行思想じゃ金は木に強ェんだぜ?」ニヤ
↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-05 敗北
06-35 劣勢
36-90 優勢
91-95 優勢、???参戦
96-00 優勢、???+????参戦
- 652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:07:48.40 ID:SI6QBs3E0
- い
- 653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:07:56.92 ID:kCdreLYfO
- はい
- 654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:08:09.66 ID:M4pW9B5z0
- あ
- 655 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 21:19:59.19 ID:D8JY08mz0
- マーベル「おら! 最先端の回転ノコギリだ!」ブンッ
飛翔する回転ノコギリ「」ギュオオッ
蔓の触手「」スパスパッ
マーベル「そして俺自身は――鎖ノコギリで伐採だ!!」ブオンッ
魔王樹の眷属樹木「」ギャリギャリ
ズバアッ ドスーンッ
マーベル「おらっ、次はどいつだ!?」シュババッ
ティセリア「あ、あんなに楽しそうに伐採して……」
紫髪のエルフ幼女「心強いですが癇に障りますね……」
ミスティ「……うっ」
イリス「ミスティ!! 今手当するからじっとしてて!!」
ミスティ「こ、これくらい……まだ戦えるわ……!!」ググッ
ローガン「マーベル氏の参戦で余裕ができた! クロシュくん、イリスくんとミスティくんをカバーするぞ!!」
盾クロシュ「うん!!」
↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-05 敗北
06-35 劣勢
36-90 優勢
91-95 勝利、???参戦
96-00 勝利、???+????参戦
- 656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:22:47.59 ID:SI6QBs3E0
- あ
- 657 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 21:34:14.01 ID:D8JY08mz0
- ズバアッ ドシーン ドシーン
ティセリア「戦局がこちらへ傾きました……! このまま畳み掛けますよ……!」ヒュンヒュン
紫髪のエルフ幼女「はい……!」ゴゴゴ
マーベル「おらっ、次は――」ギュイイッ
黒い精霊「……」
マーベル「うおおおっ!?」ズザザッ
黒い精霊「……」
マーベル「なんだ……お前は?」
黒い精霊「……」
マーベル「チッ……! お前、あの木の精霊か……!?」
黒い精霊「……」
マーベル「なんとか言え!」
黒い精霊「……おなか、すいた」
マーベル「……!?」
↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-05 敗北
06-90 勝利
91-95 勝利、???参戦
96-00 勝利、???+????参戦
- 658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:34:31.23 ID:Gl7108gDO
- はい
- 659 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 22:05:26.62 ID:D8JY08mz0
- 黒い精霊「」フッ
マーベル「!? 消え――」
魔王樹『』ギギ…
崩れていく蔓の触手「」シナシナ
崩壊する樹木の群れ「」メキメキメキ
イリス「あっ……黒い木が……!」
クロシュ「!」シュバッ
魔王樹から落ちる妖精「」ヒュウン…
モニョッ
スライムクロシュ「」モニョ
妖精「ぁ……くろ、しゅ……?」
スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ
妖精「……うん……。ごめん、ね……」
スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ
枯れていく魔王樹『』メキメキ パキパキ…
ティセリア「黒い木が……枯れていく……」
紫髪のエルフ幼女「……勝った、のでしょうか……」
ローガン「ふう……。皆生き残れた、か……」
――戦闘終了
◆
- 660 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 22:59:41.47 ID:D8JY08mz0
- ―朝
大樹の宿 客室
チュンチュン
ミスティ「……」パチ
イリス「ミスティ!」
クロシュ「ミスティさん!」
ミスティ「イリス……クロシュ……」
ローガン「ミスティくん。体の調子はどうだろうか」
ミスティ「ローガンさんも……。私、あれからまた気を失ったのね……。体は……まだ痛むけど、動きに支障はなさそうかしら……」ググッ
イリス「良かった! 一時はどうなることかと思ったけど、みんな無事で……」
ミスティ「……ということは、妖精も無事なのね?」
妖精「無事だよ。迷惑かけたね……」ヌッ
ミスティ「わっ……本当に無事みたいね……」
妖精「あなたたちのお陰でね……。本当に、ありがとう……」ペコッ
ミスティ「まあ……何かする前に相談くらいはして欲しかったわね……。パーティなのだし……」
妖精「返す言葉もない……」
イリス「……ねえ、どういうことだったのか聞いても良い?」
妖精「うん……話すよ。まずあの黒い木だけど……あれは、大昔に私と当時の族長たちが封印した樹の魔王なんだ」
イリス「ま、魔王……!? あの木、魔王だったの……!?」
ローガン「なんとなくそんなような気はしていたが……まさか本当に魔王だったとは」
妖精「当時は魔王樹って呼ばれてた。地中深くに根を張り巡らして、フォレスティナ中の命を吸い上げる困ったちゃんだったの」
ミスティ「困ったちゃんという次元ではない気がするわ……」
妖精「うん……。実は当時にトドメを刺すこともできたんだけど、その……かわいそうに思っちゃってさ……。私の主導で安らぎの封印結界に閉じ込めたんだよ。でもその結果はご覧の通り……全く安らげなかったみたいだし、今になってこの国に被害を出させた始末。本当、とんだ失策だったよ……」
ミスティ「そう……だったのね……」
妖精「……ずっと永い間……独りぼっちで、ひもじい思いをさせちゃったんだ。あの魔王樹も、元はこのフォレスティナの樹の一つだったはずなのに……。私……なんて仕打ちを……」
イリス「……それは……妖精さんが、悪いわけじゃないと思う……」
妖精「……そう、かもね」
クロシュ「……」
◆
- 661 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 23:00:21.38 ID:D8JY08mz0
- ―郊外 森妖精の子のおうち
ミスティ「おはよう……」スタスタ
妖精「おはよ…」パタパタ
森妖精の子「あ、ミスティさんと太母さん! おはよ!」
ミスティ「その後、おうちの具合はどうかしら……?」
森妖精の子「えっとね、木さんね……!」
少し元気になってきたおうちの木「」ググッ!
妖精「少し元気になってきたね」
森妖精の子「うん……! ミスティさんたちが、なにかやってくれたの……!?」
ミスティ「……まあ、そうね。恐らく病気の原因と思われるものをなんとかしたわ……」
森妖精の子「わあ……! やっぱりミスティさんたちがやってくれたんだ……!」パァ
ミスティ「ええ……」
妖精「でも、病み上がりだからしばらくはしっかり見てあげてね」
森妖精の子「うん……! しっかりみる……!」
ミスティ「ええ、是非そうして……。あなたがおうちの木を大事に思っているように……きっとおうちの木も、共に暮らすあなたのことを大事に思っているから……」
森妖精の子「うん……!! ずっといっしょだもん……!! だいじに、する……!」
ミスティ「ふふ、約束よ……」
森妖精の子「うん、やくそく! えへへ……ミスティさん、ほんとに、ほんとに……ありがと……!!」
☆緊急クエスト「おうちの木を助けろ!」を無事にクリアしました
報酬に「精霊樹の種」をいただきました
復権派の名声が大きく上がりました
◆
- 662 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 23:01:56.69 ID:D8JY08mz0
- ―緑の国フォレスティナ 滞在7日目
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:蜘蛛絹のレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・選挙で勝つ
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………
―朝
大樹の宿 客室
イリス「すっごく喜んでくれてたね……!」
クロシュ「うん……!」
ミスティ「ええ……。ふふ……本当に良かったわ……」
イリス「うん、本当に良かった! 後は、選挙に向けて一直線だね!」
妖精「うへぇ……。考えたくない……」
「号外だよー! 号外ー!」バサッバサッ
イリス「ん? この声は……」
ミスティ「まさか……」
窓「」バサッ
風雪新聞「ダークヒーローイリス、建国の太母と共に緑の国の闇に抗う!!!!」バササッ
イリス「やっぱり!!!」
フォレスティナ滞在7日目です(投票日までの残り行動可能日数2)
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:02:45.58 ID:SI6QBs3E0
- 紫髪ちゃんの依頼で魔物退治に同行
- 664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:03:58.79 ID:NHwLEYG6o
- フメイちゃんのこと知らないって伝統派と革新派の面々に舐めるように聞いて回る
- 665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:04:37.66 ID:97tZ+3lwO
- 三派閥で食事会
- 666 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 23:17:58.14 ID:D8JY08mz0
- というわけで本日はここまでです。次回は紫髪ちゃんと一緒に害獣退治編、伝統派と革新派にフメイちゃんのことを聞いて回る編、その後お食事会編です
突然発生したイベント戦闘でしたが、無事に勝利できたようで何よりです。伝統派と革新派と復権派が夢の共闘を果たしたことにより、いろいろとお話しやすくなったかもしれません。選挙に向けて頑張っていきましょう
なお魔王樹さんは、眷属を増やすという新技を見せて妖精を追い詰めましたが、実のところ永い封印と栄養の枯渇、無理な眷属の生成により戦闘開始時点で枯死寸前の状態だったようです。妖精さんはとても迂闊だったようですが、無事に勝利したことでかなしいお別れをすることもなくパーティに復帰することができました。おめでとうございます
それでは本日はありがとうございました。次回は例のごとく土日になるかと思います。よろしくお願いします
- 667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:28:15.42 ID:NHwLEYG6o
- 乙乙
これで懸念事項は対王国だけか
- 668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 00:25:24.90 ID:d5X025kao
- おつ
妖精さん…触手…ってそれどころじゃなくなってて樹枯れる
ミスティさんの巻き込まれ(不幸)属性とイリスのダークヒーロー属性確立したっぽい
三派手を取り合えるといいなぁ!
- 669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 12:49:10.05 ID:R7N4eWVIO
- 乙
おうちの木は助かったけど、魔王樹はかなしいね…
- 670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 16:11:38.94 ID:xGtNi7WDO
- 乙です
少し悲しい勝利だったけど、ファンタジー系の話だと報酬の精霊樹の種は浄化された魔王樹の生まれ変わりとかありそうだから、精霊樹の種は植木鉢に植えて育てながら一緒に旅したい
- 671 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 18:51:11.90 ID:8/Urd9QA0
- 革新派以外が選挙で勝利した場合、王国への対策は必須となります。なお現状、伝統派は依然として革新派を勝たせるつもりのようです
常闇の樹海には、精霊や妖精を好んで捕食する触手生物の存在が確認されたことがあります。気を付けましょう
>>1も01を引き当ててミスティさんが怪我をすることになったのには驚きました。コンマはコンマなので仕方がありませんが、ままならないものです
最近は魔族国以外でもダークヒーローイリスの知名度が上がってきているため、トンチンカンなプロパガンダであっても意外と効果が出てしまうかもしれません
おうちの木は無事に助かり、これから少しづつその生命力を回復させていくことになるかと思われます
そして魔王樹はようやくその生を終え、フォレスティナの大地に還りました。その跡地に残されていた小さな種が魔王樹の生まれ変わりかどうかはわかりませんが、緑の国ではあらゆる生命の誕生は祝福するのが良いと考えられています。きっとその種もまた、精霊の加護に包まれていることでしょう
- 672 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 18:52:03.21 ID:8/Urd9QA0
- ―郊外
クロシュ「今日は、こっちでやるの?」キョロキョロ
妖精「うん。例え人が少ないとしても、国民一人一人に声を届けることが大事なんだよ」
ミスティ「へえ。なんかそれっぽいわね」
イリス「私も、自分の足でしっかり地域を回ってくれる人は良いなあって思うよ」
ローガン「ううむ、しかし選挙というのは大変だな……。票を獲得するためにこうも奔走する必要があるとは……」
妖精「ほとんどの国は君主制だからねえ。多分大陸内でもフォレスティナくらいじゃないかな、選挙で国の長を決めてる国」
イリス「けっこう変わった制度って言われてるよね。妖精さんはどうしてこんな制度にしたの?」
妖精「フォレスティナっていろんな種族がいるでしょ? そんな国で特定の誰かがずっと王様をやるのはあんまり良くないと思ってさ。まあ実際には、千年間も首長をさせられ続けた奴がいたりもするんだけど……」
ミスティ「ふふ……ちゃんとした首長であれば、種族を気にする人もあまりいなかったということね……」
◇
ー郊外 道端
ピーヒョロロロ…
ア、フッケンハダ ヨウセイサンカワイイ タイボサマー!
妖精「いにしえより続く緑の大森林を守り……激化していく国際競争にも勝ち続ける……。どちらか一方だけに傾倒する必要なんてない……。私たち復権派は、全てを目指すの……」
妖精「大丈夫……。この建国の太母が、この国の過去も、未来も―――ん?」
ドドドドド…
紫髪のエルフ幼女「待ちなさい! 待て!!」タッタッタッ
イリス「あ、あれは……!?」
↓1
01-05 ??
06-35 狂い咲きアルラウネ
36-65 マノシシの群れ
66-95 脱走マンドラ大根
96-00 フォレスティナミドリガニ
- 673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 18:53:30.36 ID:C91FZY3DO
- はい
- 674 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 19:22:03.70 ID:8/Urd9QA0
- マノシシの群れ「ブヒーッ!!」ドドドドド
ミスティ「黒い……イノシシ!?」ザッ
イリス「図鑑で見たことある! あれマノシシってやつだ! でも生息地は常闇の樹海浅層のはずなのに……」
紫髪のエルフ幼女「復権派!? 丁度良い、そいつらを止めて!!」タッタッタッ
ローガン「言われずともそのつもりだ! 皆、構えろ!」シャキン
盾クロシュ「!」シャキン
妖精「民よ、私の後ろへ。次期首長として、責務を果たしましょう……」キラキラ
――戦闘開始
↓1
01-05 痛恨
06-15 劣勢
16-95 優勢
96-00 会心
- 675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:22:53.70 ID:hbOE93DQ0
- あ
- 676 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 19:36:01.57 ID:8/Urd9QA0
- マノシシの群れ「ブヒーッ!!」ドドドドド
ドゴンッ!!
盾クロシュ「んんーっ!!」ズザザザッ
ローガン「踏ん張れ、クロシュくん……!!」ズザザッ
妖精「クロシュ、あなたに精霊の加護を授けましょう――」キラキラ
イリス「私たちは突破してきたマノシシを迎え撃とう!」
ミスティ「ええ!」
マノシシ「ブヒーッ!!」ドドド
イリス「来た!」
ミスティ「これで!!」ヒュオオ―
氷の壁「」ガギン!!
激突するマノシシ「ブヒウーッ!!!」ドゴン!!
イリス「大人しくして! 水よ!」
泡「」ポワン
マノシシ「ブヒッ…」ジタバタ
紫髪のエルフ幼女「はあ、はあ……! 助かります……!!」タッタッタッ
↓1
01-05 痛恨
06-15 劣勢
16-95 勝利
96-00 勝利+??
- 677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:37:13.91 ID:DQxUkGF8O
- や
- 678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:37:30.35 ID:MiqS3FRL0
- どっせい
- 679 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 21:03:09.61 ID:8/Urd9QA0
- ガギンッ! ドガッ! バキャッ!!
制圧されたマノシシの群れ「ブヒ…」
妖精「哀れなマノシシたち……。なぜここに姿を現したのか……言葉を持たぬあなたたちに問うても、仕方のないことね……」
ワーワー!! タイボサマー!! フッケンハスゴイ!
*
紫髪のエルフ幼女「ふう……本当に助かりました。街中では不用意に地属性魔法を使うわけにもいかず……」
イリス「ええと、でもどうしてマノシシがここに? 確かに常闇の樹海と緑の森は隣接していますけれど……」
紫髪のエルフ幼女「……原因は不明です。腹をすかせてこちらまで餌を探しに来たのか……」
クロシュ「えと……マノシシさん、おなかすいてたの……?」
紫髪のエルフ幼女「仮説の一つです。実際の原因は現地に行って調べなければわからないでしょう」
ミスティ「そういえば冒険者ギルドにも常闇の樹海の調査員募集があったわね……」
紫髪のエルフ幼女「ああ、あの依頼は私たちと冒険者ギルドが共同で貼り出したものですね。冒険者ギルドは周辺各国と連携して樹海の闇を解き明かそうとしているようです。私たちももちろんそれに協力を惜しまないつもりなのですが――」
ローガン「……その様子では、調査は遅々として進んでいないようだな」
紫髪のエルフ幼女「……ええ。仰る通り、樹海の調査は順調とはとても言い難い状況が続いています。深層に進んだまま帰らない調査員は数知れず……。樹海と地続きの緑の森に住む私たちにとっては全く気の休まらない状況なのです。しかも最近は人間至上主義を掲げるセイントレア王国も台頭してきて……」
イリス「うわあ、王国と常闇の樹海に若干挟まれてるんだ、この国……」
妖精「常闇の樹海は昔っからあんな感じだからどうしようもないっちゃどうしようもないんだよね。森が地続きだから魔族国みたいに防壁を建造するわけにもいかないし」
紫髪のエルフ幼女「ええ……。まあ王国と違い、悪意をもって侵略してくることはないのでそこまで急を要する問題ではないのが救いですが」
*
- 680 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 21:03:40.76 ID:8/Urd9QA0
- ―首長官邸
ティセリア「お疲れ様、サリー。そしてご助力感謝致します、復権派の皆さん」
ミスティ「……当然のことをしただけよ。感謝する必要はないわ……」
ティセリア「まあそう言わず。あなたがたの活躍で多くの被害を未然に防ぐことができたのです。いち緑の国の民として、是非お礼をさせてください」
クロシュ「おれい……」
ティセリア「はい。何か、私たちにして欲しいことはありますか?」
妖精「……じゃあ選挙で復権派を――」
ティセリア「それ以外で!」
妖精「ケチ!」
ティセリア「私たちの不正を糾弾した口で不正を持ちかけるのはどういう了見ですか!!」
妖精「ま、まだ選挙で復権派をとしか言ってないし……」アセアセ
ティセリア「まだということはその後言うつもりだったのでしょう!! 勝たせろ、と!!!」
妖精「う、うぐぐ……」
イリス「よ、妖精さん……。それは筋が通らないよ……」
ミスティ「はあ、もう……。でもお礼か……。ローガンさんは何かある……?」
ローガン「君たちに任せよう。私の欲するものは、既に持っているか、あるいは二度と届かぬものしかない」
ミスティ「それはそれで難しい話ね……。うーん……私も今すぐ欲しいものは特にないかしら……」
イリス「私も特には。自分の魔法については自分で解き明かしたいし。ということで……クロシュちゃん!」
クロシュ「?」
イリス「フメイちゃんのこと、もっといっぱい探してって頼んじゃおうよ!」
クロシュ「!」
ミスティ「……ごめんなさい、私がこの国の問題に首を突っ込んだからあまり探せていないのよね……」
クロシュ「んーん……。ミスティさんのやりたいことも……この国のことも……大事、だから……」
ミスティ「クロシュ……ありがとう……」
ローガン「うむ……! 私もそれが良いと思う。せっかくお国の人に頼めるチャンスなのだ、生かさぬ手はない」
妖精「まあそうだね。選挙活動ばっかりで後回しにしちゃってて悪かったよ。ティセリアたちにも探してもらおう」
クロシュ「うん……!」
ティセリア「クロシュちゃんのお友達、フメイちゃんの捜索ですね。彼女のビラはこちらでも一枚預かっております。そして現在集まっている目撃情報ですが――」
↓1
01-60 郊外の方で黒髪の幼女が薄茶髪の少女と一緒にいた
61-90 露店通りで食べ歩いていた
91-00 聖域付近をうろついていた
- 681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 21:05:54.63 ID:hbOE93DQ0
- どうだ
- 682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:04:09.22 ID:ZbHHMC1Fo
- 隠れる気なさそうで草
- 683 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 22:06:04.49 ID:8/Urd9QA0
- ―ある日
露店通り
アリシラ?「あれ美味しそうじゃない? 食べてみようよぉ」グイグイ
ヤマイモ餅屋台の森妖精「ヤマイモ餅あるよ〜。焼き立てホヤホヤのヤマイモ餅だよ〜」
フメイ「ヤマイモ餅……? 美味しそうだけど……お金、もうあんまりないんじゃないの」
アリシラ?「フッフッフ、実はあるんだよねえ」スッ
金貨袋「」ジャラッ
フメイ「!? ど、どこで拾ってきたの?」
アリシラ?「妖精の密猟者っぽい奴らがいたから、ちょっと永眠してもらってぇ……そしたら誰の持ち物でもないお金を見つけたの!!」
フメイ「……いつの間に追い剥ぎなんてしてたの?」
アリシラ?「フメイちゃんがおねんねしてる間かな? でも追い剥ぎなんて人聞き悪いなあ。私はあの人たちが現世でこれ以上罪を重ねないよう、終わらせてあげただけだよ?」
フメイ「……そういう考え方もあるんだ」
アリシラ?「生きとし生けるものは、生まれながらに罪を背負い……生きている限り、さらなる罪を重ね続けるの……。だからそれを終わらせてあげるのもまた、救いの一つなんだよ」
フメイ「わかるような、わからないような……」
アリシラ?「うふふ……フメイちゃんはクロシュちゃんのことだけを考えていれば良いと思うよ。でも今はヤマイモ餅のことも考えよう!」
*
ヤマイモ餅屋台の森妖精「ありがと〜。熱いうちに食べてね〜」
ヤマイモ餅「」ホカホカ
フメイ「……」ジュルリ
アリシラ?「じゃあいただきま〜す! はむっ、はふはふ、あふい!」アチチ
フメイ「いただきます。はむ……もぐもぐ……」モグモグ
アリシラ?「わあ、流石炎のフメイちゃん! 熱いのも平気なんだねえ」
フメイ「ごくん……。あなたが猫舌なだけでしょ……」
アリシラ?「そうかなあ? ふふ、でも私って体が弱いみたいだし熱さにも弱いのかもねえ」
フメイ「……はむ。もぐもぐ……」モグモグ
フメイ(ヤマイモ餅は、とても美味しかった)
フメイ(……クロシュと一緒に……食べたいな……)
フメイ(…………アリシラ、ずっとこのままなのかな……)
◆
- 684 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 22:07:22.63 ID:8/Urd9QA0
- ―首長官邸
ティセリア「――露店通りで、クロシュちゃんと同じ姿の黒髪の女の子が、薄茶髪の少女と一緒にヤマイモ餅を食べている姿が目撃されたようです」
クロシュ「!!」ガタッ
妖精「本当にここに来てたんだ! フラナたちの情報を疑ってたわけじゃないけど――」
イリス「でもこれは大きな前進だよ! フメイちゃんたちもこの国に滞在してて、しかもけっこう私たちの知くにいるかもしれないってことでしょ!?」
ミスティ「露店通りと言えば、本当に近い可能性があるわね……。ニアミスしてるかも……」
ローガン「その時の様子や、どんな話をしていたかもなどもわかるだろうか」
ティセリア「熱いのが平気とか、猫舌がどうとか……だそうです」
イリス「……な、なんか普通の会話だね」
ミスティ「意外と満喫しているのかしら……」
クロシュ「……フメイちゃん、熱いの平気で……アリシラさん、猫舌だった……」
ローガン「うむ……二人の特徴とは一致しているわけだな……」
ミスティ「……もっと目撃情報が欲しいわね。たまたま露店通りを通っただけで、いつもは全然別の場所にいるかもしれないし……」
イリス「そうだね……。ティセリアさん、他に目撃情報はないですか?」
ティセリア「ごめんなさい、私たちが掴んでいるのはこれくらいで……。元々人通りの多い時期ですから、人混みに紛れてしまうとなかなか難しいのです……」
妖精「まあそればかりは仕方ないか……。そうだクロシュ、あなた革新派の奴らにもビラを渡したんでしょ? あいつらにも聞いてみようよ」
クロシュ「!」
ティセリア「なるほど、革新派ですか……。あの若造が皆さんに失礼なことを言わないか心配なので、私も同行しましょう……」スッ
◆
- 685 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 22:22:27.96 ID:8/Urd9QA0
- ―森林開発現場
マーベル「……ここの地質も問題なし。やはりあの魔王樹が異常の原因だったと考えて――」
ティセリア「マーベル。ここにいたのですね」スタスタ
マーベル「あなたがたは……伝統派のおばさま方と復権派の大老ではありませんか」
妖精「うるさいよ若年老害」
紫髪のエルフ幼女「躾のなってないガキは嫌いですね」
ティセリア「ああもう、やめなさい! マーベルは煽らないで、妖精とサリーも乗らないで! 私たちはこんな煽り合いをしに来たわけではありません!」
マーベル「何だ、用があったのなら先に言ってくださいよ」
ティセリア「何か言う前にあなたが煽ってきたのでしょう……」ゲンナリ
*
マーベル「ああ、あのビラの子の件か! もちろん俺たち革新派でも目撃情報を集めてはいるが――」
↓1
01-60 郊外の方で黒髪の幼女が薄茶髪の少女と一緒にいた
61-90 露店通りで食べ歩いていた
91-00 聖域付近をうろついていた
- 686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:22:53.21 ID:98lh4wjI0
- あ
- 687 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 23:46:43.39 ID:8/Urd9QA0
- ―ある日
郊外
焚き火「」パチパチ
アリシラ?「ねえフメイちゃん……」
フメイ「なに」
アリシラ?「……テント……買わない?」
フメイ「……」
アリシラ?「いや、フメイちゃんが野宿が平気な女の子だっていうのはもうわかったから……。温室育ちのアリシラちゃんは、もうちょっとマシな環境で寝泊まりしたいなあって……」
フメイ「……そういうとこは、元のアリシラと同じなんだ」
アリシラ?「テントどころか寝袋もなしに地面で熟睡できるフメイちゃんがおかしいだけだと思うんだけどなあ……」
フメイ「クロシュも地面で熟睡できてたけど……」
アリシラ?「クロシュちゃんはスライムだから、お布団を使う必要があんまりないだけだと思うなあ」
フメイ「……」
アリシラ?「フメイちゃんもさ、炎の魔力が体の内側でぽかぽかしてるから、お布団いらなかったりするんじゃない?」
フメイ「……フメイだって、固い地面で寝るのが好きなわけじゃない。まあ、暑さとか寒さには確かに他の人より強いような気もするけど……」
アリシラ?「でしょお? でもか弱いアリシラちゃんは、か弱いからお布団がいっぱい必要なの。わかるよね?」
フメイ「まあ……」
アリシラ?「というわけでちょっくら買ってくるから! テントと寝袋! フメイちゃんの分もね!」
フメイ「あ、うん」
*
不格好なテント「」
アリシラ?「……テントを張るのって難しいんだね」
フメイ「……うん。こんなに難しいなんて知らなかった……」
アリシラ?「まあでも、これで私たちも一国一城の主! 雨風を凌げる場所で存分に寝よう!」
フメイ「うん」
*
- 688 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 23:47:50.17 ID:8/Urd9QA0
- ―不格好なテント内
ランプ「」ユラユラ
アリシラ「それじゃあ灯り消すよ〜」
フメイ「うん」
ランプ「」フッ
アリシラ「おやすみ〜」
フメイ「うん……」
フメイ「……」
アリシラ「……」zzz
フメイ「……」
フメイ(テントの外から、そよ風の音と虫の声が聞こえる)
フメイ(でもこのテントの中は真っ暗で、何も見えない。まるでここだけ、外から切り離されてしまったかのよう)
フメイ(……もしここが、あの集落だったら……)
フメイ(クロシュと、みんなと、こうやって……テントのお泊りを楽んでいるのだったら……)
フメイ(どれだけ………)ジワ…
ポロポロ グスッ スンッ ポロポロ
アリシラ?(……)
アリシラ?(フメイちゃんも……まだ、赤ちゃんみたいなものだもんねえ……)
アリシラ?(ああ――どうして世界は、この無垢なる子供たちに、かくも残酷な運命を強いるのでしょう――)
アリシラ?(――ごめんね。でも、だからこそ……利用させてもらうよ。あなたの、炎を)
アリシラ?(この最悪の世界を――焼き尽くして、終わらせる為に――)
◆
- 689 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 23:48:41.16 ID:8/Urd9QA0
- ―森林開発現場
マーベル「郊外の空き地で、そこのクロシュちゃんと同じ容姿の女の子と薄茶髪の少女がテントを設営していたらしい」
クロシュ「!!」
マーベル「だがその情報を聞いたのは実際に目撃した翌日でな……。俺たちは急いで現地に向かったんだが、そこには焚き火の跡が残っているくらいで既に誰もいなかった」
イリス「フメイちゃんともう一人の人は、テントで寝泊まりしながら郊外を転々としている……ということ!?」
マーベル「まあその可能性は高いだろうな。だが郊外と一口に言ってもかなり広い。毎日寝床を変えているとなると見つけるのは簡単じゃないぜ。ただでさえ今の時期は他にもテントを張って寝泊まりしてる観光客や冒険者が大勢いるからな」
ミスティ「でもこれも大きな前進よ……! 寝泊まりは郊外で、日中は首都にやってきて何かをしているということなのかも……!」
ティセリア「しかし、一体どういう状況なのでしょう? この国へ来ているのなら、どこかであのビラを見ることもあるでしょうし、それならクロシュちゃんに直接会いに来てもおかしくなさそうなものですが……」
妖精「あー、それはまあ、ちょっと込み入った事情があってね……」
マーベル「家出とかか?」
妖精「家出……言われてみれば、家出みたいなものなのかも」
クロシュ「……」
ティセリア「……私たちも目を増やしましょう。マノシシの件のみならず、魔王樹の討伐などについても、あなたたち復権派には大きな恩がありますから」
マーベル「まあ、俺もできる範囲で探しといてやる。元はと言えばあの魔王樹のせいで開発に支障が出たわけだからな。借りっぱなしは性に合わねえ」
クロシュ「えと……ありがと、ございます」ペコリ
ティセリア「いえいえ、恩を返すだけですから!」
マーベル「おう。借りを返すだけだ。礼はいらねえぜ」
妖精「だってさ。何にしても良い感じに進みそうだね、クロシュ」
クロシュ「うん……!」
ティセリア「ところで皆さん、本日は一緒にお夕飯などいかがですか?」
マーベル「は?」
妖精「いいよ」
イリス「え、ええと」
ミスティ「いいのかしら……?」
ティセリア「はい。昨晩の戦は急だったので、終わった後はそのままへとへとで解散してしまいましたが、祝勝会をやっていなかったなあと思いまして」
ローガン「なるほど……。確かに、魔王を倒したのであれば祝杯くらいは上げたいものですな」
マーベル「いや、だがこのタイミングで祝勝会って……。もう選挙まで日も少ないのに呑気すぎるだろ……」
紫髪のエルフ幼女「これが伝統派のやり方です。で、あなたは来るんですか?」
マーベル「……行くが。伝統派と復権派だけで食事会なんてどんな談合が行われるかわかったもんじゃねえ」
ティセリア「決まりですね! では突発的ですが、三派閥で食事会です!」
◇
- 690 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 23:49:20.43 ID:8/Urd9QA0
- 本日はここまでです。次回は食事会編からとなります
フメイちゃんとアリシラ?さんは隠れる気があるんだかないんだかわからない行動をしているようです。ばったり街中でクロシュちゃんと会ってしまったらどうするつもりなのでしょう。多分、どうするつもりでもないのでしょう。実際のところ、フメイちゃんはばったりクロシュちゃんと会いたいとすら思っているかもしれません。偶然なら仕方ないよね、くらいの甘えがあっても良いと思います
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 01:08:08.61 ID:J8snD3daO
- 乙
アリシラ?さんラスボス説
- 692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 01:57:19.19 ID:fUICvygXo
- 乙
今ならフメイに会いに行くとかコンマだけど通りそうな感出てきたなw
そしてアリシラ?さんの中味やべー奴だこいつ
- 693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 13:41:37.47 ID:i4Lm5S3eO
- 王国だけだと敵が足りないからねアリシラさんには頑張って貰いたいね光堕ちしそうだけど
- 694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 15:03:55.66 ID:T98ojF2DO
- 乙です
個人的にはアリシラ?さんは>>67の時の頃のアリシラの人格を取り戻してまたクロシュやフメイと一緒に仲良くやって欲しいから、当時の人格はまだいきていて欲しいな
- 695 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 18:13:33.39 ID:sMwqW2700
- アリシラ?さんが今後クロシュちゃんたちの前に立ちふさがるかどうかは今のところわかりませんが、彼女は少々変わった価値観を持ち、世界を破壊しようとしているようです
また、以前のアリシラ氏であれば知り得ないはずのことを知っていたり独特の価値観を披露したりなど人格が異なっているかのような言動を繰り返していますが、野宿や熱いものが苦手だったりなど、以前のアリシラ氏と共通する面も有しているようです。完全に何者かに成り代わられてしまったわけではないのかもしれません。真相は闇に包まれています
自由行動でフメイちゃんを捜すことももちろん可能です。成否はコンマ次第ではありますが、ビラ配り効果や目撃情報なども集まってきているため、全く手がかりなしで捜すよりは成功率が高くなっているかと思います
- 696 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 18:14:46.20 ID:sMwqW2700
- ―夕方
どんぐり食堂
ワイワイ キャッキャ
ミスティ「祝勝会もここなのね」
紫髪のエルフ幼女「見かけこそ庶民的ですが、ここは食材も料理人も最高水準です。他の国の三ツ星店にも引けを取りません」
ティセリア「産地直送でお値段も抑え、誰でも気軽にご利用いただけるようにあえて庶民的な雰囲気にしているそうですよ」
食堂妖精「そうそう! いかにも高級って感じの雰囲気だと気後れしちゃうからね〜」
イリス「へ〜そうなんですね。でも確かにこっちの方が親しみやすいと思います!」
セイン「……」
クロシュ「……」
妖精「あら、あなたもいたんだ」
セイン「ああ。魔王樹との戦には参加できなかったが」
マーベル「護衛なのに護衛してくれねえんだよ、こいつ。いつもふらっとどっか行っちまうし」
セイン「逆だ。何も言わずどこかに行くのはマーベルの方だろう」
マーベル「そうだっけか? 悪いな、護衛を連れるってのがどうも慣れなくてな」
ローガン「セインくんもなかなか苦労をしているようだな……」
食堂妖精「それで、今日の食材はどうするの?」
↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:畑の肉、マノシシ肉(期間限定)
野菜:食べられる野草、マンドラ大根、マジカルトリュフ、森ニンジン、ゴボウの根っこ
穀物:ウルティ米、パン、ヤマイモ
魚介:サワガニ、ザリガニ、淡水海竜の大トロ
果実:森林木苺、どんぐり、精霊樹の果実
卵乳:ニワトリの卵、エルフミルク、エルフチーズ、エルフバター
特殊:アルラウネオイル、スライムゼラチン、フェアリーシロップ
※表にない調味料などが使われることもあります
- 697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 18:23:20.04 ID:Q8BUp91CO
- 海竜の大トロ、マノシシ肉
- 698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 18:23:46.61 ID:hOJrVWiLo
- マンドラ大根
スライムゼラチン
- 699 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 21:28:39.31 ID:sMwqW2700
- ミスティ「前回はデザートみたいな感じだったけど、今回はどうする……?」
イリス「せっかくだから今回はがっつりいきたいかも!」
紫髪のエルフ幼女「がっつりいくのなら、本日最適の食材があります」スッ
メニュー表「マノシシ肉(期間限定)」
ローガン「これは……もしや!」
ティセリア「はい。あなたがたに制圧していただいたマノシシたちの肉を加工し、このどんぐり食堂に納入しました」
ミスティ「マノシシって食べられるのね……」
紫髪のエルフ幼女「常闇の樹海出身の生物は全体的に黒みがかっているため敬遠されがちですが、マノシシの肉に毒性はなく、味もイノシシ肉とさほど変わらないものです」
マーベル「ちょっとクセは強いけどな。俺は嫌いじゃない」
イリス「じゃあ一つはマノシシ肉にしようよ! 私たちのお手柄でもあるんだしさ」
ミスティ「そうね……。そういえば前も気になったのだけど……淡水海竜って、矛盾してないかしら……。海竜なのに、淡水って……」
紫髪のエルフ幼女「ああ……きっと、初めて海竜が発見されたのは海だったんでしょうね。だから当時の発見者たちはその竜を海竜と名付けてしまい……」
イリス「そっか……! 後になって、淡水域に生息する海竜の仲間が発見されちゃったんだ……!」
紫髪のエルフ幼女「恐らくはそういうことなのだと考えられます」
ミスティ「なるほどね……。合点がいったわ……」
妖精「そういえば大トロって生で食べるんだっけ……?」
紫髪のエルフ幼女「はい。このフォレスティナでも、魚類を生で食べる文化が浸透してきたのはごく最近のことですが」
マーベル「大陸より東の文化圏じゃ昔から生で食ってたらしいがな」
妖精「う〜ん……でも魚を生で食べたりして大丈夫なの? なんか気持ち悪くなりそう……」
マーベル「なんだい、おばあちゃん大トロ食ったことねえの? じゃあせっかくだから頼もうぜ、大トロ!」
妖精「ええっ!? い、いらないよ! ていうかおばあちゃん言うな!」
マーベル「一度食ってみろって! 絶対美味いから!」
妖精「うへぇ……」
ティセリア「妖精ほど長く生きていても、食べたことのない食材があるのですね……。さて、あと二品は……」
- 700 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 21:29:09.53 ID:sMwqW2700
- マーベル「セイン、お前は何か食いたい食材とかないのか?」
セイン「特にない。だが出されたものはなんでも食べるつもりだ」
イリス「あ、ローガンさんも似たようなこと言ってましたよね」
ローガン「そうだったろうか……。まあ、私も出されたものはなんでも食そう。皆で好きに選ぶと良い」
紫髪のエルフ幼女「セインさんとローガンさんは紳士的で奥ゆかしい方なのですね。私も普段からこの食堂を利用しているので……ティセリアはどうしますか?」
ティセリア「私もいつも美味しいものを食べさせてもらっていますから、復権派の皆さんに選んでいただきたく思います」
ミスティ「……それじゃあ、肉と魚でこってりしているから……野菜も入れたいわ……。マンドラ大根、良いかしら……?」
イリス「た、確かにお肉とお魚じゃ重いよね……! 良いと思う! それじゃあ、あと一品だけど……クロシュちゃん、どれが良いとかある?」
クロシュ「……えと……この、スライムゼラチン、っていうのは……?」
紫髪のエルフ幼女「これは森スライムの皆さんから分けていただいているスライム性ゼラチンです。美容と健康にとても良いと多くの種族の女性から好評をいただいている人気食材の一つなんですよ」
クロシュ「……わたしからも、出せる……? ゼラチン……」
紫髪のエルフ幼女「それは……わかりません。私たちが契約しているのは他種族が食しても問題のない種の森スライムの方々なので……黒いスライムであるクロシュさんの体から採れるゼラチンを他種族が摂取しても問題ないかは、一度調べてみないとわからないかと」
クロシュ「そうなんだ……」
妖精「なあに、もしかして自分から採れたゼラチンをみんなに食べさせたいの?」
クロシュ「え、えと……体に、良いなら……。非常食代わりにも、なるかも……」
イリス「いやいやいや! クロシュちゃんを非常食代わりになんてしないよ!?」
ミスティ「何を言っているのよ、もう……。クロシュを食べたりなんてしないわよ……」
妖精「ほんとにもう、この赤ちゃんスライムは……」
ローガン「フッ……他のメンバーはともかく、クロシュくんはやはり放っておけんな……」
紫髪のエルフ幼女「復権派の皆さんが、クロシュさんのお友達を一緒に捜してあげている理由が少しわかる気がします」
ティセリア「ふふ、ええ……。クロシュちゃんは優しい子なのですね」
マーベル「危うい優しさだがな。俺もそこのおっさんと同意見だ、もしパーティメンバーだったら放っておけん」
ローガン「私はマーベル氏よりも遥かに年下なのだが……」
セイン「……」
◇
- 701 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 21:30:54.65 ID:sMwqW2700
-
薄切り大根と角煮マノシシ肉のスライムあんかけ大トロカルパッチョ「」ジャン!
ミスティ「こ、これは……初めて見る料理だわ……。カルパッチョ、と言うの……?」
食堂妖精「うん! 見た目はちょっと独創的だけど、味はしっかり美味しいから安心してよ!」
イリス「盛り付けの仕方も勉強になるなあ……」
ティセリア「それでは料理も揃ったので、皆さん祝杯の準備を」
マーベル「はいよ」スッ
セイン「……」スッ
ミスティ「祝杯なんて、いつぶりかしら……」スッ
イリス「私もすっごい久し振りかも……。魔族国では復興最優先でそんな余裕なかったもんねえ」スッ
ローガン「次に魔族国に立ち寄ることがあれば、改めて上げたいものだな」スッ
妖精「ほらクロシュも、グラスを持って」クイクイ
クロシュ「えと……こ、こう……?」
紫髪のエルフ幼女「お願いします、ティセリア」
ティセリア「はい! それでは――今回の勝利を祝い、この国の輝かしい未来を祈って――」
「乾杯!」カチャン!
*
- 702 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 21:32:09.96 ID:sMwqW2700
-
イリス「もぐもぐ……ごくん。これ美味しいかも……!」
ミスティ「ええ……! 実をいうと私もスライムあんかけと大トロは初めてだったんだけど、美味しく感じるわ……!」
ローガン「これは……! 柔らかく煮込まれたマノシシの角煮と冷たくも濃厚な大トロの二つがスライムあんかけによって絶妙な味を作り出している……! そして大根の薄切りがアクセントとなってそれを引き立てているのも見逃せん……!」
紫髪のエルフ幼女「ふふふ、流石はどんぐり食堂です。やはりここに来て正解でしたね、ティセリア」
ティセリア「ええ。こうやって、食材を選んで出てきた予想外の料理を楽しむのもこの店の楽しさですよね」
マーベル「で、どうよおばあちゃん。美味いだろ? ちょっと俺が想像してた大トロとは違ったけどな!」
妖精「もぐもぐ……。なんか……不思議な味と食感……。まあ、悪くはないけど……。あとおばあちゃん言うな」モグモグ
クロシュ「もぐもぐ」モグモグ
妖精「クロシュ、スライムの姿で食べても良いよ。緑の国ならスライムの姿を気にする人はいないから」
クロシュ「! う、うん……ありがと」デロデロ
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ
セイン「……」モグモグ
☆各派閥の親交が深まりました
◆
- 703 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 22:36:49.74 ID:sMwqW2700
- ―緑の国フォレスティナ 滞在8日目
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:蜘蛛絹のレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・選挙で勝つ
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
- 704 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 22:37:51.47 ID:sMwqW2700
- ―朝
大樹の宿 ロビー
チュンチュン
イリス「昨日は楽しかったなあ……!」
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ
ローガン「うむ……! 私も久し振りに羽目を外せた気分だ」
ミスティ「ええ……。伝統派と革新派の人たちのことを……少しだけ知れたような気がするわ……」
妖精「明日には票を巡って争う相手だけどね……」
イリス「はっ……! も、もう明日だっけ!? 投票日!!」
ローガン「明日だな……」
妖精「まあやれるだけのことはやってきたと思うし、後はなるようになるよ」
イリス「で、でも勝てるかなあ……。もし私たちが負けちゃったら、この国は王国の靴を舐めることになるんでしょ……?」
ミスティ「私たちが勝ったら、靴を舐めるどころじゃ済まなくなる可能性もあるけどね……。でも対策はあるんでしょ? 妖精」
妖精「……まあ、ないわけじゃないよ。でもマーベルは絶対に反対するだろうし……ティセリアは……どうだろう」
イリス「え、ええ……? それ、どういう対策なの……?」
妖精「聖域の範囲を緑の国全域まで広げて、フォレスティナを完全に鎖国する」
イリス&ミスティ&ローガン「!!?」
妖精「自由な往来は妖精と精霊と、あとは一部の認められた者だけしか行えなくなる。聖域を広げる際に適切な選別を行えば観光客や冒険者も聖域外に追い出せるし、あのセインってやつもそれは例外じゃない。だからフォレスティナの安全は確実に保てるようになるよ」
イリス「そ、それはそうかもしれないけど……!」
妖精「王国に滅ぼされるか、王国の靴を舐めるか、閉じた楽園にみんなで引きこもかの三択なんだよ。その中なら一番マシでしょ」
ミスティ「……私たちは、どうなるの?」
妖精「確実に外患とならないことがわかっている者には、聖域の通行許可を与える。まあ、最初はあなたたちくらいだけどね」
スライムクロシュ「〜」モニョ…
妖精「大丈夫。フメイも聖域の中にいれたままにしてあげるから。聖域を閉じた後、みんなで捜せばきっと見つかるよ」
ローガン「……しかし、国民は納得するだろうか? 彼らの理解を得られないまま強行するのは危険だと思うのだが……」
妖精「世界樹の意思ってことにすれば良い。私の意図で行えば反対も出るだろうけど、世界樹が気まぐれに聖域を広げたのなら受け入れざるを得ないよ。世界樹は、この国の根幹なんだもん」
イリス「……そもそも、妖精さんの手で聖域を広げることなんて可能なの? それこそ、世界樹自身でもないのに」
妖精「私を誰だと思っているの? 千年間も世界樹の近くにいて、この国を支え続けた建国の太母だよ? 聖域の結界はとっくの昔に解析済みだし、範囲を変更する手法も確立してる……ていうか今の聖域も実は範囲を変更した後なんだよね」
イリス「え、ええ!? そうだったの!?」
妖精「うん。元々、世界樹の結界は緑の森を覆うくらい広かったんだよ。でもそれじゃ往来に不便だったから、建国の時に私が手を加えたの。だからまあ、厳密に言えば聖域を広げるっていうよりは元の広さに戻すって感じかな」
ミスティ「元に戻すだけ……確かに、それなら仕方ないような気もするわ……」
イリス「う〜ん……それしかないのかな……」
ローガン「……気持ち的には納得し難いところだが……これより良い作戦も思いつかん……」
妖精「まあ、納得できない気持ちはわかるよ……。でも国際競争なんかに挑んだって、その行く末はきっと慈悲も仁義もない弱肉強食だもん。だったら閉じた聖域の中で、食うのも食われるのも最小限に留めて穏やかに暮らした方が良いと私は思う」
イリス「……そうなの、かも……?」
ミスティ「……そうね。異議はないわ……。あの森妖精の子も……きっとその方が、穏やかに暮らせるだろうし……」
ローガン「……奪うことも奪われることもなく、穏やかに暮らせるのなら……それに越したことはない、か……」
スライムクロシュ「……」
妖精「……すぐに納得してくれとは言わないよ。でも、生きることの痛みを知っているあなたたちなら……きっと、わかってくれると思う。いや、無理にわかれとも言わないけども……」
スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ
妖精「クロシュ……ありがと」ニコ
フォレスティナ滞在8日目です(投票日までの残り行動可能日数1、選挙前最終行動です)
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 22:39:33.20 ID:rrqZ4NBU0
- ミスティ、個人で魔法の特訓
- 706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 22:42:46.09 ID:T98ojF2DO
- フメイとアリシラ?を目撃された所を中心に探してみる
- 707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 22:50:11.10 ID:hOJrVWiLo
- セインくんに王国ファッキューと喧嘩でも売る
- 708 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 23:04:33.54 ID:sMwqW2700
- あまり進まずに申し訳ありませんが、本日はここまでとさせていただきます
次回はミスティの特訓編、フメイちゃんとアリシラ?さんを捜す編、セインくんの真意を探る編となります
突然の鎖国宣言ですが、果たして上手くいくでしょうか。それは実際にやってみなければわかりません。そもそも選挙で復権派が勝てるかどうかもわからないので、あまり気にする必要もないかと思います
そしてもう選挙の前日です。当初は険悪だった三派閥ですが、いろいろあってお食事会を楽しめる程度には仲良くなれたようです。これが実際の投票日にどのような影響を及ぼすかはわかりませんが、恐らく悪い方には傾かないことでしょう。緑の国の平和を願う気持ちは、概ねみんな共通しています
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 01:11:03.98 ID:+Eup+wAsO
- 乙
妖精おばあちゃんかわいい
クロシュちゃんの末っ子感も良き
- 710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 01:22:19.08 ID:Q0tCnD3No
- おつ
またクロシュ殿が庇護欲チャームを発動しておられるぞ!
クロシュゼラチンはなんか苦そう(暴言)
- 711 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 19:49:08.57 ID:5xNdH34H0
- 妖精おばあちゃんは国の運営に関してはともかく、個人的な趣味嗜好については割と保守的なため、生魚を食べたことがなかったようです。ちなみに緑の国のエルフは肉も魚も食べるので、細身ではない人も多く見られます
クロシュちゃんは実際、パーティの末っ子のような感じなのかもしれません。もう穀潰しではありませんが、その立ち位置はあまり変わっていないようです
クロシュゼラチンがどんな味かは、実際に食べてみないとわかりません。また、スライムゼラチンは種によって毒性があったりもするので、摂取には注意が必要です。どんぐり食堂で提供されている森スライムのゼラチンは、おおよそほとんどの生物が食しても毒性を示すことがない安心安全なゼラチンです
- 712 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 19:49:37.70 ID:5xNdH34H0
- ―朝
大樹の宿 ロビー
ミスティ「それで……今日はどこで活動するの?」
妖精「それなんだけど、今日は各自自由行動にしない?」
イリス「えっ!? 明日選挙だよ!?」
妖精「知名度は十分上がったし、やれることも大体やったもん。あとはなるようになるよ」
ローガン「妖精くんが言うならそうなのだろう。私には未だに選挙のせの字もわからんしな……」
ミスティ「それはその通りね……。妖精がもう十分だと思ったのなら、私たちはそれを信じるしかないわ……」
妖精「まあそういうわけで私はちょっとやることあるから、みんな今日は自由に好きなことやっててね」
クロシュ「……? 妖精さん……」ジッ
妖精「この前みたいに一人で危ないことしに行くわけじゃないから大丈夫だよ。ちょっとティセリアたちと話をしてくるだけ」
ミスティ「……さっき言った作戦を話してくるのね」
妖精「そういうこと。あなたたちがいても、その……できることがないと思うからさ……」
イリス「遠回しに戦力外通告されちゃった! 事実だけど!」
ローガン「う、うむ……。実際、妖精くん以外はつい先日ここに来たばかりの部外者だからな、我々は……」
妖精「今更だけど悪かったね、この国のゴタゴタに巻き込んじゃってさ……」
ミスティ「いいえ、首を突っ込んだのは私自身の意思よ。巻き込まれたつもりはないわ」
イリス「右に同じく!」
ローガン「うむ。微力ではあろうが、建国の太母に力添えできて光栄だ」
クロシュ「ん……」コクリ
妖精「ありがと! それじゃ行ってくるよ」フワッ パタパタ
- 713 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 19:50:17.96 ID:5xNdH34H0
- *
ミスティ「……それじゃあ、私も一人でやりたいことがあるから出るわね」スクッ
イリス「えっ? 一人で?」
ミスティ「ええ」
ローガン「相わかった。しかしいくらこの国の治安が良いと言えど……いや、君には言うまでもないか」
ミスティ「ええ、心得ているわ。元より一人で放浪してきた身だもの、警戒は怠らない」
ローガン「ならば良し」
イリス「さ、流石だなあ……」
ミスティ「日が暮れるまでには帰るわ。それじゃあ行ってくる」スタスタ
クロシュ「いってらっしゃい……」
*
クロシュ「……」
イリス「……それじゃあ私たちは、フメイちゃんを捜しに行こっか!」
クロシュ「!」
ローガン「うむ。目撃された場所を中心に捜してみるとしよう」
イリス「はい!」
クロシュ「えと……ありがと、ございます」ペコ
*
- 714 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 19:50:46.21 ID:5xNdH34H0
- ―郊外
精霊の泉
ホーホケキョ
ポッポーホーホー
ミスティ「……」
ミスティ(先日の戦いで……私だけ、無様に攻撃を食らって気を失ってしまったわ……)
ミスティ(イリスを庇う為だった……なんてのは言い訳にしかならない……。わざわざ体を張らずとも、氷の壁を張るとか他に手はあったはずだもの……)
ミスティ(……歴戦の戦士であるローガンさん、複数属性扱えるイリス、最近戦えるようになってきたクロシュ、実は凄い人物だった妖精……。みんな、凄い人……)
ミスティ(それに比べて……私は……。かき氷が作れて、ソリを動かせるだけの女……。このままでは……みんなに、申し訳が立たないわ……)
ミスティ(強く……ならないと……)グッ
*
宙に浮く氷柱「」キラキラ
ミスティ(私の作る氷柱……相手が人や獣であればある程度は有効だけど……樹木にはまるで刃が立たなかったわ……)
ミスティ(……樹木だけじゃない。強固な装甲を纏っている相手には、同様に通じないはず……)
ミスティ(今までは自分が生き残ることさえできれば、必ずしも戦いに勝つ必要はなかったけれど……。この前みたいに、仲間の誰かが敵対者に捕まったりしたら、そうも言ってられないわね……)
ミスティ(でも、勝つ為にはどうすれば良いのかしら……。イリスみたいにしっかり魔法を学んで来たわけじゃないのが災いしたわ……。我流以外のやり方がわからない……)
ミスティ(イリスも氷属性は使えないらしいし……。ここはやはり、魔力の限り氷柱を重く鋭くしていくしか……)
↓1コンマ
01-60 燃費の悪い新技を開発
61-90 燃費の良い新技を開発
91-00 負属性への理解
- 715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 19:54:14.82 ID:P/dEHdxMO
- 過負荷
- 716 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 20:31:16.07 ID:5xNdH34H0
- 宙に浮く巨大な氷柱「」グググ
バリンッ
砕け散った氷柱「」シュウウ…
ミスティ「っ、だめね……。魔力量に見合わない真似をしても、燃費が悪すぎる上に不安定……。実戦じゃとても使えないわ……」
ミスティ「……それにしても……」
砕け散った氷柱「」
ミスティ「この無理矢理大きくしようとして砕けた氷柱の破片……やけに白っぽいわね……。なんでかしら……」スッ
ミスティ「……そもそも普段から私の作る氷は妙に白みがかっているけれど……。この氷柱は特に白っぽいというか……」
ミスティ「昔、ママが作った魔法の氷はもっと透明で澄んでいたわ……。一体何が違うのかしら……」
砕け散った氷柱「」パキン…
ミスティ「……! ……これ、空気なんだわ! 製氷の精度が甘いせいで空気が混ざり込むから……!」
ミスティ「この大きくしすぎた氷柱がいつもよりさらに白っぽいのは、無理矢理大きくしたせいで普段よりさらに精度が失われていたから……!」
ミスティ「それなら空気が混ざらないように――ママの魔法みたいに、氷を作ることができれば――」グッ
◇
澄んだ透明な氷柱「」キラン…
ミスティ「……コツを掴めば意外と簡単にやれたわ。あとはこれを――」
ヒュンッ
ドスッ
大岩に深々と突き刺さった透明な氷柱「」
ミスティ「よし……。これなら岩のゴーレムが相手でも有効打を与えられるわね……」
ミスティ「ついでに、氷柱ばかりだと刺突に強い相手には不利だから――」ヒュオオ
宙に浮く氷の刃「」シャキン
宙に浮く氷塊「」ゴゴゴ
ミスティ「これで斬撃も打撃もカバーできるわ……」
ミスティ「……それにしても……コツを掴んだお陰かしら。製氷の燃費が良くなった気がするわ……。空気という不純物のせいで余計な消耗を強いられていたかも……」
ミスティ「ふう……。とりあえずまだやれそうね……私も……」
☆ミスティの製氷技術が上がりました
◆
- 717 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 20:32:28.52 ID:5xNdH34H0
- ―露店通り
イリス「まずはここだね。ヤマイモ餅を食べてたってことは――」
ヤマイモ餅屋台の森妖精「ヤマイモ餅が食べたい? 焼き立てホヤホヤだよ〜、どうぞどうぞ〜」
イリス「ヤマイモ餅屋さん、何日か前にここへ来た二人組について知らない? 一人は――」
クロシュ「……えと……わたしに、似てる……黒髪の、女の子……」
ヤマイモ餅屋台の森妖精「あっ、この前買ってってくれたお客さん! ……に似てる子……?」
イリス「うん……。なんていうのかな……まあ、双子みたいなものなんだけど、私たちはその子を捜してるの」
ヤマイモ餅屋台の森妖精「双子ちゃんかあ〜! 迷子なの? 大変だねえ」
クロシュ「えと……薄茶色の、お姉さんも……一緒だった……?」
ヤマイモ餅屋台の森妖精「うん、一緒だったよ〜。なんだか面白い二人組だったから印象に残ってるかも〜」
ローガン「その二人組がどこへ向かったか、知らないだろうか」
ヤマイモ餅屋台の森妖精「それはわかんないな〜。私はヤマイモ餅を買って食べた後は、人混みに紛れてどっか行っちゃったと思うよ〜」
イリス「うーん、そう簡単には見つからないか……。でもありがとう! ヤマイモ餅買うね! 三本!」
ヤマイモ餅屋台の森妖精「えへへ、ありがと〜。熱いうちに食べてね〜」
*
ヤマイモ餅「」ホカホカ
イリス「いただきまーす! あむっ……あふいっ!」
ローガン「熱いうちに、と言うがこれは熱いうちは食べられん熱さだな……」
クロシュ「あむ……もぐ、もぐ……」モグモグ
イリス「わあ、クロシュちゃん凄いな! こんなに熱いのに食べれるんだ……!」
クロシュ「ごっくん……。うん……」
◇
- 718 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 20:35:14.62 ID:5xNdH34H0
- ―郊外 空き地
焚き火跡「」
ローガン「ここだな。次の目撃現場は」
イリス「微かに、あの時食らった炎の魔力の残滓を感じる……。フメイちゃんがここにいたのは間違いないと思う」
クロシュ「フメイちゃん……」
ローガン「だがやはりここにはいないようだな……。せめて足跡が見つかれば良いのだが……」キョロキョロ
イリス「私ももっと魔力探知してみる……!」
クロシュ「……」
探索度合計100%以上でフメイちゃんを見つけます
イリスの魔力探知
↓1コンマ(目撃情報により+10)
01-05 空振り
06-35 探索度+10%
36-65 探索度+20%
66-95 探索度+40%
96-00 イリス「近くにいる!」
ローガンの斥候術
↓2コンマ(目撃情報により+10)
01-05 空振り
06-35 探索度+10%
36-65 探索度+20%
66-95 探索度+40%
96-00 ローガン「この足跡は新しいぞ!」
クロシュの発想
↓3コンマ(目撃情報により+10)
01-05 空振り
06-35 探索度+10%
36-65 探索度+20%
66-95 探索度+40%
96-00 クロシュ「フメイちゃん!」
- 719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:35:46.82 ID:3oRZ2lMwo
- 高
- 720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:35:53.65 ID:PL2k9n3S0
- あ
- 721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:38:01.97 ID:Nkdw7v6GO
- を
- 722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:38:10.31 ID:DdwxTlTuO
- あ
- 723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:38:29.29 ID:JW0mXv2k0
- えい
- 724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:46:52.35 ID:YaELrgGqo
- やるぅ!
- 725 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 22:49:09.97 ID:5xNdH34H0
- イリス「魔力反応は……微かだけど、こっちに続いてる」
ローガン「私も足跡を発見した。方向は……イリスくんの示すものと同様だな」
イリス「本当ですか! それなら間違いなさそうです……!」
犬クロシュ「……」クンクン
イリス「わっ、クロシュちゃんいつの間に犬の姿に……!?」
犬クロシュ「……!」
犬クロシュ「」シュバッ
イリス「急に走り出さないでよぉ!」ダッ
ローガン「くっ、なんという速さだ……! しかしあの様子は、まさか――」ダッ
*
- 726 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 22:50:11.48 ID:5xNdH34H0
- ―郊外 森の境
犬クロシュ「」シュタタタッ
デロッポンッ
クロシュ「フメイちゃん!!」トタトタ
フメイ「え……? クロ、シュ……?」
クロシュ「フメイちゃん!」
フメイ「クロシュ……どうして……」
クロシュ「…………かえろ……? 一緒に……」
フメイ「…………」
アリシラ?「あ〜クロシュちゃんだ〜! お久しぶり〜!」ヌッ
クロシュ「!」ビクッ
フメイ「……」
アリシラ?「あれぇ? 私のこと忘れちゃったの? アリシラちゃんだよぉ、お隣さんの〜」
クロシュ「え、えと……」オロオロ
フメイ「……アリシラは、少し変になってるの。放っておいてあげて」
アリシラ?「も〜、変になんてなってないよ〜」
フメイ「……」
クロシュ「……あ、アリシラさんも……。かえろ……?」
アリシラ?「ん〜? どこに?」
クロシュ「あ……」
アリシラ?「うふふ……。帰るとこなんて、ないよ。私たちの住んでたとこがどうなったか、覚えてるでしょ? お母さんもお父さんも、村のみんなも……私たち以外、みーんな死んじゃったもの」
フメイ「……」
アリシラ?「だからごめんね? クロシュちゃんと一緒には帰れないかな〜」
クロシュ「えと……でも……お墓、だけでも……」
アリシラ?「お墓かあ……。それも悪くないけど……うふふ……むしろクロシュちゃんこそ、私たちと一緒に行こうよ。この最悪の世界を、私たちと一緒に綺麗にしよう?」
クロシュ「えっ……?」
フメイ「……」
アリシラ?「クロシュちゃんも見たでしょ? 惨たらしくいたぶられ、辱められ、殺される人間たちと……人間の赤ちゃんを惨たらしくいたぶって殺しながら、哄笑を上げる魔族たちの姿を……。かつて虐げられた魔族が、立場が変わった途端に同じことをし返すの。あれはあの魔族たちが特別悪い奴らだったというわけではないんだよ? 誰だってああなるの。誰もが魔王≠ノなる可能性を秘めているの」
クロシュ「……」
アリシラ?「うふふ……怖いねぇ。でも大丈夫。クロシュちゃんを傷付けようとする者は全てこの世から追い出してあげるから。ね、フメイちゃん?」
フメイ「……うん。フメイが……みんな、焼き払う。私たちをいじめる奴らは……全員……」
クロシュ「フメイちゃん……」
アリシラ?「そういうわけだから、私たちはまだ帰れないの。お墓はいつか作ってあげたいけどね。それで……どう? クロシュちゃんも一緒に来ない?」
フメイ「……クロシュを巻き込まないで。これは、私とあなたが始めたことでしょ」
アリシラ?「クロシュちゃんに聞いてるの〜。フメイちゃんは黙っててよぉ」
クロシュ「……」
- 727 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 22:50:52.09 ID:5xNdH34H0
-
クロシュ(アリシラ?さんの言うことも……ちょっと、わかる……)
クロシュ(まさにその時、妖精さんが言っていたように……命には、どうにもならない面がある……)
クロシュ(フメイちゃんとアリシラ?さんは……そのどうにもならないものを、どうにかしようとしているのかもしれない……)
クロシュ(でも口ぶりからすると……そのやり方もまた、きっとどうにもならないくらい悲惨なものだ……)
クロシュ(どっちに転がっても……どうにもならないことに変わりはない……)
クロシュ(わたしは……)
↓1〜3多数決
1.やっぱりどうにもならないと思う。一緒には行けない
2.やっぱりどうにかしたいけど、悲惨なやり方はだめ。一緒には行けない
- 728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:52:10.25 ID:YaELrgGqo
- 2
- 729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:52:11.02 ID:PL2k9n3S0
- 2
- 730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:52:44.56 ID:5biNd+1DO
- 2
- 731 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 23:20:41.31 ID:5xNdH34H0
- クロシュ(……)
クロシュ(聖女さんは……あの光景を目の当たりにしながら……それでも、命は苦しめ合うだけじゃないって……魔族国でがんばってる……)
クロシュ(妖精さんも……どうにもならないと口では諦めたようなことを言いながら……今この国で、必死に奔走してる……)
クロシュ(……それに……森妖精の子のおうちだって……)
クロシュ(わたし一人じゃ、何もできなかったかもしれないけれど……みんなで諦めずにがんばったから……助けられたんだ……)
クロシュ(……)
クロシュ(どうにもならないことは、やっぱりどうにもならないかもしれないけれど……)
クロシュ(それでも……やっぱり、わたしも……)
クロシュ(諦めたくない……!)
クロシュ「……一緒に……行けない」
フメイ「……うん。クロシュは、安全なところに……」
クロシュ「んーん……。フメイちゃんも……アリシラさんも……危ないことは、やめて……やっぱり、一緒にかえろ……?」
フメイ「え……」
アリシラ?「……」
クロシュ「えと……ひどいやり方は……だめ……。それじゃあ、本当に……どうにも、ならなくなっちゃう……」
フメイ「……」
アリシラ?「まあ、優しいクロシュちゃんには向いてないとも思ってたし仕方ないかな。やっぱり私とフメイちゃんの二人でやるしかないねぇ」
フメイ「……」
アリシラ?「うふふ……もしかしてフメイちゃん、帰りたくなっちゃった?」
↓1コンマ
01-95 それでも……
96-00 帰りたくなっちゃった
- 732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 23:21:44.31 ID:bwRLZh0o0
- あ
- 733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 23:22:00.20 ID:5biNd+1DO
- はい
- 734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 23:22:00.20 ID:JW0mXv2k0
- もうやだおうちかえるぅ!
- 735 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 00:07:09.14 ID:R0Lzpolx0
- ―
――
――――
―燃える集落
ゴオオオ……
メラメラ… パチパチ…
燃える大人の死体「」メラメラ
燃える子供の死体「」メラメラ
燃えるスライムの死骸「」ジュクジュク…
◆
―焼け落ちた集落跡
雨「」ザァァァァ…
大人の焼死体「」
子供の焼死体「」
スライムの焼死骸「」
- 736 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 00:08:04.45 ID:R0Lzpolx0
- ――――
――
―
フメイ「……」グッ
クロシュ「フメイちゃん……」
フメイ「……クロシュ……。ごめん……。フメイ……一緒に、帰れない……」
クロシュ「あ……」
フメイ「……みんなを焼いたの……フメイの炎、だから……。フメイに……帰る資格なんて……ない……」
クロシュ「そんな……こと……。だって、フメイちゃんは……仕方なかったもん……」
フメイ「仕方なく、ない……。フメイのせいで……みんな、死んじゃった……」
アリシラ?「……」
フメイ「だから……あの村のみんなが夢見てた……差別も暴力もない、平和な世界を……フメイが、作る……。あんなこと……二度と、起こさせないために……」
クロシュ「……フメイ、ちゃん……」
アリシラ?「ごめんねぇ。フメイちゃんも本音ではクロシュちゃんと一緒にいたいんだけどね? それ以上に、やらなっきゃならないことがあるの……」
クロシュ「……」
フメイ「……クロシュは……安全なとこで、待ってて……」
クロシュ「…………」ジワ
フメイ「……ごめんね、クロシュ。本当に……ごめんね……」
アリシラ?「うふふ……つらいねぇ……。待つ身も、待たせる身も……」
イリス「クロシュちゃーん!」タッタッタッ
ローガン「クロシュくん!」タッタッタッ
アリシラ?「あらら、クロシュちゃんの新しいお友達? 鉢合わせるのも面倒だしお暇しよっか、フメイちゃん」
フメイ「あっ……。クロシュ……! これ……!」ビリッ
スッ
フメイの服の切れ端「」
クロシュ「ふえ……?」
フメイ「涙、拭いて……。毎日熱殺菌してるから、清潔だから……」
クロシュ「あ……」
フメイ「それじゃあ、またね……!」
ボンッ!
アリシラ?「それじゃあまたねぇ、クロシュちゃん。あそうそう、選挙の日はあんまり世界樹に近付かない方が良いかもよ? じゃ!」タッタッタッ
クロシュ「あ、うん……」
*
- 737 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 00:21:15.63 ID:R0Lzpolx0
- 本日はここまでとなります。クロシュちゃんのメンタリティにまた少し変化があったようです
今回はミスティさんが魔法のコツを掴み、フメイちゃんとの接触に成功しました
コンマ表にちらっとありましたが、ミスティさんの魔法はさらにもう一段上の可能性を秘めています。もし機会があれば、今回のようにパーティメンバーの成長を促すような行動をするのも良いかもしれません
そしてフメイちゃんを説得するのはとても難しそうに見えますが、アリシラ?さんを説得するよりは易しいかもしれません。今回ある程度のコミュニケーションが取れたのは、クロシュちゃんにとってもフメイちゃんにとっても良いことだったと思います
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 02:49:18.41 ID:xAbX2HRfo
- 乙
なんか世界樹にやるつもりなんかフメイちゃんたち……
修行はやればいい事ある、前作でもそうだった
- 739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 10:11:45.95 ID:W+ELYYdDo
- 乙乙
なんかフォレスティナ編でフメイちゃん問題解決できそうな勢い
- 740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 15:40:15.82 ID:YjytK3sl0
- 乙
何だかんだパーティに愛着わいてるミスティさん
- 741 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 20:24:31.25 ID:R0Lzpolx0
- フメイちゃんとアリシラ?さんが何をしようとしているかはわかりませんが、アリシラ?氏がろくでもないことを考えているのは確かだと思われます。気を付けましょう
フメイちゃんは心情的にはクロシュちゃんと一緒にいたいようなのですが、村を焼いた罪悪感やら、王国や人間等への憎しみやら、平穏な世界を作りたい願いやら、様々な感情が絡まり、折り合いが付かなくなってしまっているようです。クロシュちゃんはフメイちゃんと一緒に帰りたいだけなのに、なかなか上手くいかないようです
ミスティさんの氷魔法は、一人で旅をする中ほぼ独学で身に付けたもののため、実は意外と荒削りだったりします。そういう点では、自分の属性を正しく理解できていない状態で複数属性を使っているイリスと良い勝負かもしれません。二人ともちゃんと自分の属性を理解すればもっと凄いことができるようになります。クロシュちゃんやローガンさんも、修行をすれば良い発見があるかもしれません
実はミスティさんはこのパーティに愛着が湧いています。今まで誰も信用せずに一人で旅をしてきた彼女にとって、警戒せず一緒にいられる仲間というのはとても新鮮で心地良いものだったのかもしれません。それゆえに、パーティの仲間に迷惑をかけかねない自らの不甲斐なさが許せなかったのでしょう
- 742 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 20:25:20.23 ID:R0Lzpolx0
- ―郊外 森の境
イリス「そっか……。説得、できなかったんだね……」
クロシュ「うん……」
イリス「……でも、フメイちゃんはクロシュちゃんのことを今でも大切に思ってくれてるんでしょ? だったら……きっと、まだ手はあるよ……!」
ローガン「うむ。しかしアリシラという子の性格が以前と大きく異なっているとのことだが、もしかするとフメイくんよりもアリシラくんの奇妙な変化について調べた方が良いかもしれんな」
イリス「そうですね……私もそれは思いました。もしかしたらフメイちゃんは、変になったアリシラちゃんに引っ張られてるのかもしれませんし……」
クロシュ「うん……。アリシラさん……前はもっと、静かで優しい人だったのに……」
ローガン「謎は深まるばかりだな……」
イリス「とりあえず今日はもう帰りましょう。そろそろミスティも戻ってるかもしれない」
クロシュ「うん……」
*
- 743 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 20:27:12.49 ID:R0Lzpolx0
- ―夕方
郊外 街道
カァー カァー
スタスタスタ…
イリス「……」スタスタ
ローガン「……」スタスタ
クロシュ「……」ヨタヨタ
セイン「……」スタスタ
イリス「セインくん!」
ローガン「なんと」
クロシュ「……!」
セイン「……お前たちか」
イリス「うん! セインくんも帰るとこなの?」
セイン「いや、マーベルを探している」
ローガン「……やはり大変なのだな。彼の護衛というのは」
セイン「もう慣れた。お前たちはマーベルを見ていないか?」
イリス「見てないなあ……。ごめんね、役に立てなくて」
セイン「いや、いい。護衛でありながら奴を見失った僕の責任だ」
イリス「真面目!」
ローガン「勤め人の辛いところだな……。旅人は気楽で良いぞ。セインくんも旅人にならないか?」
セイン「僕にはやらなければならないことがある。気楽に旅をしている暇などない」
ローガン「ふむ……。彼の護衛もその一環なのか?」
セイン「……お喋りが過ぎたな。僕はもう行く」スタスタ
イリス「あっ……!」
ローガン(……これ以上は無理か。前に釘を刺されたばかりだし、深追いは禁物――)
クロシュ「……なんで……王国なんかのために、動いてたの……?」
イリス&ローガン「!!?」
セイン「……」ピタ
- 744 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 20:28:19.06 ID:R0Lzpolx0
- クロシュ「みんな……王国のせいで、ひどい目にあって……苦しんでる……。セインさんは……悪い人じゃ、なさそうなのに……どうして……?」
セイン「……」
ローガン「く、クロシュくん! もうやめておけ! それ以上はまずい!!(小声)」
イリス「そ、そうだよクロシュくん! セインくんは怒らせない方が……!(小声)」
クロシュ「あっ……ご、ごめんなさ……(小声)」
セイン「……」
↓1
01-50 無視
51-90 僕は悪人だ
91-00 ??
- 745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 20:29:05.96 ID:YjytK3sl0
- あ
- 746 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:16:10.17 ID:R0Lzpolx0
- セイン「……僕は……守るべきものを、守りたいだけだ」
クロシュ「え……?」
セイン「その結果、王国の悪しき陰謀の走狗となり――罪のない者たちを手にかける、悪そのものに堕ちるとしても――構わない」
イリス「……!」
ローガン「セインくん、君は――」
セイン「僕の邪魔をする者は、誰であろうと――」クルッ
クロシュ「――」
セイン「……!」ズキッ
セイン「う、ぐ……」グラッ
クロシュ「あっ……! せ、セインさん……!」トテトテ
ポフッ(クロシュがセインを支える音)
セイン「はあ、はあ……! まさか……お前は……お前、たちは……!!」
クロシュ「??」
セイン「う、ぐ、ああああっ……!!」
「はいそこまで」フォン
クロシュ&イリス&ローガン「!?」
僧侶「困るんですよね。私たちのセインくんに勝手なことされると」スタスタ
イリス「あ、あなたは……?」
僧侶「私ですか? セインくんの仕事仲間……ってとこですかね」
ローガン「では、あなたも革新派の護衛を?」
僧侶「革新派の護衛ィ?? ぷっ……あっはははは!! なんで神の僕たるこの私が、こんな土臭い国の泥臭い奴らの護衛なんかしなきゃならないんです??」
イリス「……セインくんは、その土臭くて泥臭い革新派の護衛やってるみたいですけど」イラッ
僧侶「あーはいはいそういえばそういうことになってましたね。私としたことが、ロールをすっかり忘れていました。反省反省」
ローガン「……貴様、何者だ」
僧侶「……まあ、いいでしょう。教えて差し上げます。私は――」
僧侶「ロイエ教原理派幹部――名前は、神に捧げたのでもうありません。ただの僧侶とお呼びくださいませ」カーテシー
- 747 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:19:16.50 ID:R0Lzpolx0
- イリス「ろっ……ロイエ教原理派幹部!!? な、なんでそんな人がここに――」
僧侶「さあ、なんでだと思います?」
ローガン「明日の選挙へ向けた内政干渉……いや、工作か?」
イリス「そ、それって条約違反じゃ――」
僧侶「神の代行者である私たちが、人間同士の取り決めに従う必要なんてあります?」
イリス「滅茶苦茶だ……!」
ローガン「……何を企んでいる? セインくんの仕事仲間とはどういう意味だ?」
僧侶「いきなり質問攻めとかやめてくれません? デリカシーのないおじさんとか最悪なんですけど」
クロシュ「……」ギュッ
セイン「…うっ……」
クロシュ「セインさん……。あの人は……だめ……」
セイン「………やはり……お前、は……」
僧侶「うわっ、よく見たらそれスライムじゃないですか。穢いなあ、セインくんから離れてよ」シッシッ
クロシュ「……」キッ
僧侶「は? 何ですかその目つき。スライムの分際で生意気ですね」
クロシュ「……」
僧侶「うざ……。もういいです、浄化して差し上げます。来世では馬頭くらいになれると良いですね」コオオ…
イリス「あ、ああっ! だめっ!!」
ローガン「クロシュくん!!」
セイン「や……めろ……!」ザッ
クロシュ「セインさん……!」
僧侶「んん? ちょっとセインくん、何のつもりですか?」
セイン「……こいつを殺したら……僕は、お前たちと手を切る……」
僧侶「は?」
セイン「……」
僧侶「あなた自分が何を言っているかわかっているのですか? あなたが手を切ったら、あの子たちは――」
セイン「だが、お前たちは……僕という戦力を失う……」
僧侶「……チッ。交渉ごっこですか? 悪知恵を付けましたね」
セイン「……」
僧侶「はあ、わかりましたよ。セインくんに機嫌を損ねられると困るのは私たちですからね」
セイン「……」
僧侶「そういうわけですから、本日は見逃して差し上げます。帰りますよ、セインくん」
セイン「いや……僕は、マーベルを探さなければ……」
僧侶「それはもういいです!!」
*
- 748 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:19:59.49 ID:R0Lzpolx0
- イリス「……何だったんでしょうか。あの人」
ローガン「……いろいろ、聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がするな」
イリス「正直、生きた心地がしませんでした。消されなかったのは奇跡じゃないですか、これ……」
ローガン「うむ……。恐らくセインくんのお陰だろうが……。しかしロイエ教原理派、か……。王国と言い、良からぬ企みが渦巻いているな。この大陸には……」
イリス「明日の選挙……心配ですね……」
ローガン「妖精くんには報告しておいた方が良いだろうな」
クロシュ「セインさん……」
イリス「セインくんも……心配だね……」
ローガン「彼は……不本意に利用されているのかもしれんな」
◆
- 749 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:50:10.72 ID:R0Lzpolx0
- ―首相官邸 応接室
ティセリア「今日は一人なのですね」
妖精「あの子たちがこの場にいても仕方ないからね。フメイ捜しとか他にもいろいろやりたいことがあるだろうから、今日は選挙活動はお休みだよ」
紫髪のエルフ幼女「前日だというのに余裕ですね。建国の太母だからって甘く見ていると足元を掬われますよ」
妖精「その時はその時だよ。大体、不正を働くあなたたちには正攻法じゃ勝ちようがないでしょ?」
紫髪のエルフ幼女「……」
ティセリア「……では、正攻法ではないやり方があるのですか?」
妖精「そういうこと。今日は交渉に来たの。不正をやめさせるためのね」
紫髪のエルフ幼女「交渉……? この国の未来を天秤にかけるほどの交渉材料があるとは思えませんが」
妖精「それがあるんだよね。それも、王国の干渉を完全に遮断することのできる名案が――」
ティセリア&紫髪のエルフ幼女「!?」
妖精「簡単に言うと――聖域で、フォレスティナを鎖国するの」
*
ティセリア「た、確かにそれは、王国の干渉を完全に遮断することができますが……」
紫髪のエルフ幼女「しかし他のあらゆる国や地域との国交もほとんど断絶してしまいます! この国がこれまでに築き上げ、諸外国からも人気を博してきた数多の観光産業はどうなるんです!! 鎖国なんて簡単に言いますが、妖精のお宿のように外貨で生計を立てている者たちもいるんですよ!? 国外資源の輸入もできなくなれば、生活水準も……!!」
妖精「でも、王国を排除できる」
ティセリア&紫髪のエルフ幼女「……!!!」
妖精「鎖国によって収入が減ったり失業したりした事業者や労働者には手厚い補償を与える。衣食住に関する自給率はどれも余裕で十割を越えてるんだから、みんなが生きるのに困らない程度に資源を分配しても問題はないでしょ?」
ティセリア「それは、まあその通りですが……。国外へ輸出する分を国内へ回せば、むしろ供給過多なくらいですし……」
妖精「国外資源についてはまあ……私たち妖精とか認められた者は聖域を自由に通行できるから、国外との交流が完全に絶たれるわけじゃないし、なんとかできるでしょ。完全に信頼できる相手としか取引はできないから難しくはなるけれど、不可能ってわけじゃない。まあ私としては、王国以外とも完全に国交を絶って昔ながらの森と共に生きる生活に戻っても良いと思うんだけど……これは流石に老害意見すぎるかな……」
ティセリア「…………」
妖精「……どう? 王国の奴隷になるのと、多少の痛みを我慢してこの国の秩序と尊厳を守るのは……どっちが良い?」
☆太母の威光、復権派の名声、伝統派との親交により判定は自動成功となります
- 750 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:51:53.20 ID:R0Lzpolx0
-
紫髪のエルフ幼女「……例え、手厚い補償を与えられても……これまでに築き上げてきたものが崩れ去る苦しみは、簡単には癒えません……」
妖精「……わかってるよ。でも……あったかいご飯と、あったかい寝床と……家族や友達と穏やかに過ごせる時間があれば……それもいつか、癒やされると思う……」
紫髪のエルフ幼女「そんなの……ただの、根拠のない楽観でしょう……。そうやって楽観視した結果が、あの魔王樹だったのではありませんか」
妖精「……でも、今度は……誰にもお腹を空かさせないし、寂しい思いもさせない」
紫髪のエルフ幼女「口だけなら、なんとでも……」
ティセリア「サリー。もう良いでしょう……」
紫髪のエルフ幼女「……!」
ティセリア「あなただって……わかっているはずです。王国に隷属すれば……鎖国するどころではない痛みと苦しみが、この国に吹き荒れることを……」
紫髪のエルフ幼女「……」
ティセリア「滅亡でも、降伏でもない……私たちが夢にまで見た、第三の選択肢なのです……。それが完全に理想的なものではなかったとしても……十分すぎるではありませんか」
紫髪のエルフ幼女「…………はい……。私も……わかって、いるのです……。申し訳、ありません……」
ティセリア「……妖精。私たち伝統派はあなたの提案を支持し、公正公平な選挙を執り行うことを約束します」
妖精「ありがとう。当日は正々堂々戦おう」
ティセリア「はい。もし私たち伝統派が勝った時は、鎖国の施行を手伝ってもらいますからね」
妖精「当然。あなたたちこそ、もし私たちが勝ったらいろいろ手伝ってもらうからね」
ティセリア「ええ、もちろんです」
◆
- 751 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:54:30.15 ID:R0Lzpolx0
- ―森林開拓現場
マーベル「よし、もう十分だな。地質良し、星脈良し、リスク無し! ドワーフたちを呼び戻して開発再開を――」
妖精「やっぱりここにいたね、マーベル」フヨフヨ
マーベル「復権派の妖精に――伝統派のおばさんたちか。なんだ、また食事のお誘いか? 若いイケメンが恋しいのか?」
ティセリア「……この国の未来を左右する、大事なお話をしに来たのです」
マーベル「なんだ? 明日の選挙のことか? それならもうやることは決まってるだろ、王国を敵に回さないように――」
妖精「私から提案がある。その王国に降伏も隷属もしないで済む方法を、伝えに来たの」
マーベル「なんだと……?」
*
マーベル「さ……鎖国だと!!?」
妖精「うん。この国を守るためには、もうそれ以外の選択肢はない。先んじて王国の靴を舐めるという革新派の路線は、国家滅亡という最悪こそ避けられるかもしれないけれど……結局その先は、かつての魔族自治区のような、王国からの苛烈な差別と搾取がまかり通る生き地獄にしかならないよ」
マーベル「ぐっ……それは、そうかもしれねえが……。しかし、鎖国なんてしちまったら――」
妖精「……革新派が目指していた、外貨を獲得して国全体を豊かにしていく方針は……多分、達成できなくなるね」
マーベル「そうだよ! 鎖国なんてしちまったら、この国は今より更に土いじりしか脳のない土人国家になっちまう!! 俺たちの森林開発だけじゃねえ、他の連中の観光業もようやく軌道に乗ってきたとこなんだぞ!? それをお前……お前!! 鎖国なんて……!!!」
紫髪のエルフ幼女「……しかし王国を受け入れれば……この国の観光業は、破壊と搾取の限りを尽くされます。私たちが大切に育て上げた観光業を……王国に踏み躙られるか、私たち自身の手で終わらせるか……そのどちらかなのです……」
ティセリア「マーベル……どうか、賢明な判断を……」
マーベル「……」
↓1コンマ(復権派の名声、革新派との親交により+40)
01-50 認めねえ!!!
51-90 仕方ねえか……
91-00 待てよ?
- 752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 22:55:24.21 ID:xAbX2HRfo
- マーベルわかってくれ
- 753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 22:56:26.94 ID:W+ELYYdDo
- 待てよ?
- 754 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/11(月) 00:04:44.47 ID:U5ZzJzPU0
- マーベル「……チクショウ。わかってんだよ……。王国なんぞの軍門に下るくらいなら、鎖国しちまった方が遥かにマシだってことくらい……」
ティセリア「マーベル……!」
マーベル「俺一人の我儘で、王国のカス共をこの国に入れさしたら……国民も、産業も、何もかもが王国の慰み者になっちまう……。んなことくらい……わかってんだよ……」
紫髪のエルフ幼女「マーベル……」
マーベル「俺はさ……。この国をもっと、盛り上げたかったんだ。諸外国の新しい文化を取り入れたり、開発や観光で外貨をもっと稼いだりして……この国をより豊かに、より楽しい国にしたかったんだ。いつも元気に飛び回る妖精たちも、意外と順応性の高いアルラウネの奴らも、言葉足らずながら気の優しい馬頭の連中も、頭の固い老害ばかりのエルフも……誰もが豊かに楽しく暮らせるようにしてえって、本気で思ってたんだぜ」
妖精「うん……」
マーベル「だがまあ……潮時だったのかもな。目先の開発に固執して、聞こえているはずの声を、見えていたはずの涙を無視しちまった……。上に立つ者として、やっちゃいけないことをしちまったんだ。しかもそれで魔王樹っつー脅威を見落としていたんだぜ? 笑い話にもならねえよ」
ティセリア「……」
マーベル「……まあ、そういうわけだ。革新派は……復権派の提案を受け入れる」
妖精「……ありがとう」
マーベル「この国のことを考えりゃ当然の判断だろ。しかしこうなると……選挙は普通にやるってことか?」
ティセリア「はい。どうやら、私たちの誰が勝っても鎖国する方針は確定のようですから」
紫髪のエルフ幼女「私たち以外の候補者が勝った場合は……どうしますか」
ティセリア「その時は改めて、新首長へこの提案をしましょう。私の知る限り、どの候補者もこの国の現状をしっかり理解している方々ですから、きっと受け入れてくれるかと……」
マーベル「俺が受け入れたんだから大丈夫だろ。はっきり言って俺以外は全員伝統派よりの考え方だしな」
紫髪のエルフ幼女「それもそうですね……。革新派はそういう意味では貴重な存在です」
マーベル「フッ……。さっきは潮時と言ったが、革新を求める支持者がいる限り革新派は不滅だ。まあ、今後の活動は少々慎重になるかもしれんが……」
妖精「鎖国って言っても、完全に国交を断絶するわけじゃないからさ。妖精と精霊と、認められた者には通行の許可を与えることができる。だから、規模は縮小しちゃうかもしれないけど……」
マーベル「おう。やれることを模索していくぜ」
☆伝統派と革新派の説得に成功しました
◆
- 755 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/11(月) 00:19:19.49 ID:U5ZzJzPU0
- 三派閥の合意を得られたところで、本日はここまでです。次回はついに、フォレスティナ首長選挙編開始です
ついに姿を現した、セインくんを裏で操る巨悪の影――ロイエ教原理派。セクリエ・ロイエで急進派と呼ばれているのは何を隠そうこの原理派のことでもあり、その実態は闇に包まれています。大陸の闇に蠢くその悪意を前に、クロシュちゃんはどうすれば良いのでしょう。一介の赤ちゃんスライムにできることなどあるのでしょうか
そして今回は三派閥がついに手を取り合いました。これで選挙は、誰が勝っても鎖国する方向で統一されることでしょう。しかし暗躍する王国や原理派、そしてアリシラ?さんの世界樹に近づくなという不可解な発言など、不確定要素も少なくないようです。選挙は無事に始まり、そして無事に終わることができるのか――
それでは本日はありがとうございました。次回も恐らく土日です。よろしくお願いたします
- 756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 00:47:31.87 ID:t7DOiXMDO
- 乙です
- 757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 18:06:17.33 ID:HN+yNsOmO
- 乙
三派閥団結できたけど不穏だな
- 758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 20:28:28.57 ID:5Sy/Dn7a0
- 乙
中々の胸糞野郎出てきましたね・・・
セイン君上司への忠誠心は一応本物なのかな。
- 759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 22:14:32.51 ID:V7bwC0nPo
- おつ
セインくんも色々抱えてるなぁ
- 760 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:55:58.50 ID:gsRHWqSF0
- 候補者たちの思惑は異なれど、国への想いは皆本物なのかもしれません。団結できたのは良いことと思います
しかしこの選挙の行方がどうなるかは誰にもわかりません。クロシュちゃんは、真なる敵の姿を見極めることができるでしょうか
僧侶氏は、少なくともクロシュちゃんにとってはかなり嫌な存在だったようです。クロシュちゃんはできればあまり関わりたくないと思っているようですが、それだけにセインくんのことが心配でもあるようです
彼女がセインくんの上司にあたる関係なのかはわかりませんが、僧侶氏の行動をセインくんが邪魔した辺りを見ると明確な上下関係があるわけではないようです。しかしはっきりしたことはまだわかりません
セインくんにも彼自身の考えや目的があるようです。その事情は明らかになっていませんが、やはりクロシュちゃんのことが気になるようです。好みのタイプというわけではないらしいですが、真相は闇に包まれています
- 761 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:56:31.73 ID:gsRHWqSF0
- ―緑の国フォレスティナ 滞在9日目
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:蜘蛛絹のレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種
・フメイの服の切れ端
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・選挙で勝つ
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
- 762 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:57:32.68 ID:gsRHWqSF0
- ―フォレスティナ首長選挙投票日
露店通り 広場
ワイワイ ガヤガヤ
森妖精の屋台「太母まんじゅうだよ〜! フェアリーシロップたっぷりでとっても甘いよ〜!」
エルフの屋台「こっちはティセリア様のお手製クッキーですよ〜! エルフミルクたっぷりでとっても濃厚ですよ〜!」
観光客の男性「太母のシロップとティセリア様のミルクだと!? おれはどっちを選べば良いんだ……!!!」
エルフの男性「私は当然、ティセリア様の濃厚ミルクですね」
*
エルフの吟遊詩人「無数の触手に捕まり、四肢を拘束されて絶体絶命の太母――。万事休す、運命はここで潰えてしまうのか――」ポロロン
エルフの子供「たいぼさま……しんじゃやだ……」ウルウル
観光客の女性「無数の触手に四肢を拘束された伝説の妖精……ゴクッ……」
宿屋アルラウネ「そ、それでどうなっちゃうの……!?」
エルフの吟遊詩人「しかしそこへ業火一閃! 無数の触手を炎の刃で切り払って現れたのは――我らがダークヒーローイリス!!!」ポロロン
エルフの子供「わあああ!! だーくひーろーいりす!!」
観光客の女性「うおおお!! ダークヒーローイリス!!」
宿屋アルラウネ「来たあああ!! ダークヒーローイリス!!!」
*
マーベル「富国強兵文明開化! 革新革命近代化! イエーッ!」シュババッ
森妖精の踊り子「イエーッ!」シュババッ
エルフの踊り子「イエーッ!」シュババッ
アルラウネの踊り子「イエーッ!」シュババッ
馬頭の踊り手「イエーッ!」シュババッ
革新派支持者たち「イエーッ!」
観光客のマーベルファンA「キャーマーベル様ー!」
観光客のマーベルファンB「こっち向いて〜!」
観光客のマーベルファンC「素敵です、マーベル様……」
*
イリス「わあ……! すっごい盛り上がってる……! 流石は四年に一度の特大イベント……!!」
ミスティ「あのダンサーの募集、革新派だったのね……」
ローガン「伝統派もお菓子の屋台を出しているようだな。しかし太母まんじゅうはいつ手配したのだ?」
妖精「あの妖精たちが勝手に私を使って商売してるだけだと思う……。私は何もしてないし許可も出してないし……」
イリス「あ、あはは……妖精って自由な種族だよね」
*
―郊外の投票所
紫髪のエルフ幼女「投票用紙をお書きになりましたらこちらの箱へお入れください」
森妖精の子「えと……ここ……?」
紫髪のエルフ幼女「はい」
森妖精の子「ありがと……」ヒョイ
紫髪のエルフ幼女「……ところで、あなたはお祭り会場には行かないのですか?」
森妖精の子「」「……うん。今は……木さんといっしょに……いたいから……」ニッコリ
紫髪のエルフ幼女「……ふふ。そうですか」
*
- 763 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:58:16.31 ID:gsRHWqSF0
- ―夕方
露店通り 広場
ティセリア「フォレスティナ国民の皆さん、投票ありがとうございました。観光に来た方々も、お越しいただきありがとうございます。現首長のティセリアです」ペコリ
ワーワー ティセリアチャン!!
ティセリア「皆さんに支えられ、私はここまで首長として歩んでくることができました。今回の結果がどうなろうとも、皆さんへの感謝と、緑の国への想いが変わることはありません」
ティセリア「本当に、本当に……ありがとうございました」
公務員エルフ「……」ススッ
ティセリア「……ありがとう。それでは――たった今開票結果が届きましたので、読み上げさせていただきます」
ティセリア「今回のフォレスティナ首長選挙は――」
↓1コンマ
01-05 ??
06-15 革新派
16-55 伝統派
56-00 復権派
- 764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 18:04:51.83 ID:l9Il6YJGo
- はい
- 765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 18:05:41.82 ID:yrqqU8o00
- どうなる
- 766 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 18:58:40.35 ID:gsRHWqSF0
- ティセリア「――復権派の妖精――建国の太母、堂々の再当選です!!」
ワアアアア!! タイボ! ヨウセイ!! ソンナァー! マーベルサマァァ!!!
妖精「えええええ!!!? いや、もう私が当選する必要は――」
ティセリア「新首長!! 当選のお言葉をお願い致します!!」
妖精「……あー、こほん。みんな、ありがとう――。前と同じように――私は、みんなが平和で幸せに生きていけるよう、最善を尽くすから――。よろしくね――」
ワアアアアア!! オメデトオオオ!! パチパチパチ!!
ティセリア「それでは、続けて新首長就任式を聖域にて行います。本日は、厳正な審査を受けて頂ければ一般の方も聖域に入ることができます。参加をご希望で未だ審査を受けていない方は、こちらで審査を行っておりますので――」
*
妖精「なんてことだ……こんなことになるなら直前に棄権すれば良かった……。もう鎖国の合意が取れている今、私が当選する必要なんて全くなかったのに……」
イリス「ま、まあまあ……! この国のみんな、妖精さんのことをちゃんと覚えてくれてて、今でも好きでいてくれたってことだよ!」
クロシュ「うん……! 妖精さん……大人気……!」
妖精「う〜ん……まあ、確かに悪い気はしないけれど……。でもまあ、この国の運営についてあそこまで口出ししちゃったんだから仕方ないか……」
ミスティ「そうね……。四年間の任期、頑張りましょう……」
ローガン「フッ……思っていたよりも長い間この国に滞在することになりそうだな」
妖精「……それにしても……昨日イリスが言っていた奴ら、影も形も見せないね」
イリス「そうだね……。もう工作とかをするタイミングは過ぎたように思えるけれど……はっ!? まさか暗殺――」
ローガン「一応、私も細心の注意を払っている。今のところ厄介な気配は感じないが……」
ミスティ「聖域に侵入して何かするつもりなんじゃ……? 審査があるとは言え、今日は聖域が一般公開されるわけだし……」
妖精「まあ、流石に聖域に入り込んで不届きを働くなんて狂った真似をする輩がいるとは思いたくないね……」
クロシュ「……」
ティセリア「復権派の皆さん、ここにいらしたんですね」スタスタ
妖精「ティセリア……」
ティセリア「ふふ、首長就任おめでとうございます、妖精」
妖精「あー、うん……ありがと……」
ティセリア「先ほども話しましたが、就任式を聖域で執り行いますので、妖精だけでなく復権派の皆さんにもご出席をお願いしたいのです」
イリス「えっ! いいんですか!?」
ティセリア「良いに決まっているじゃありませんか。あなたがたが世界樹に狼藉を働くような輩でないことはとっくにわかっておりますし」
ミスティ「それはありがたいけれど……。一般の人に対しては、審査はちゃんとやるのよね……?」
ティセリア「もちろんです。世界樹はこの国の象徴というだけでなく、世界そのものを維持する存在なのですから。不届き者の侵入を許すことは決してありません」
ローガン「うむ……。それなら安心だが……」
ティセリア「そういうわけですから、ご都合がよろしければ是非ともご参加くださいね」
◆
- 767 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 19:00:23.37 ID:gsRHWqSF0
- ―聖域
世界樹「」キラキラ
イリス「ここが……世界樹の聖域……!!」
ミスティ「清浄な……それでいて力強い魔力に満ちているわ……!」
ローガン「不思議だ……。鋼の力すら感じられる……」
イリス「……」
イリス(鋼だけじゃない……ものすごく多様な魔力が……ここに集まってきてる……)
イリス(これが……星の魔力……?)
イリス(……でも……それならどうして……)
イリス(私……この魔力が、こんなにも体に馴染むんだろ……?)
↓1コンマ
01-30 まあそういうこともあるか!
31-60 私の複数属性って、もしかして星属性にも適性がある!?
61-90 私の本当の属性って――
91-00 ??
- 768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 19:06:35.21 ID:4zjXfLimo
- なじむ実に! なじむぞ
- 769 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:32:28.81 ID:gsRHWqSF0
- イリス(まあそういうこともあるか!)
イリス(……そういえば最近あの本読めてないなあ。選挙が終われば、読む時間も取れるかな……?)
*
―聖域
首長就任式
紫髪のエルフ幼女「それでは、伝統派ティセリアより復権派妖精へ、首長交代の儀を行います。ティセリア、妖精、お願い致します」
ティセリア「はい」
妖精「はい」
ティセリア「……妖精。あなたが、またこの国の首長になってくれて……私は、とても嬉しいです。どうか、この国の未来と、民の幸せを――よろしく、お願い致します――」
妖精「ええ――。後は、私が――」
クロシュ(世界樹の前で、ティセリアさんと妖精さんが言葉を交わしてる……)
クロシュ(わたしたち復権派も、伝統派も、革新派も、他の参加者も……みんな、静かにそれを見守ってる……)
クロシュ(これから、きっといろいろ大変だけど……みんなで協力してがんばれば、きっとこの国は大丈夫……)
クロシュ(だから、どうか――変なことは、起こらないで――)
クロシュ(でも――そんな、わたしの祈りは――)
クロシュ(どこにも、届かなかったみたい――)
カッ
ドガアアアアアン!!!!
キャアアアア!!! ナ、ナンナンダ!? ナニガオキタ!!!?
イリス「な、何が起きたの!?」
ローガン「くっ……!! 煙で何も見えん……!! 皆無事か!?」
ミスティ「わ、私は無事よ!! クロシュと妖精は!!?」
クロシュ(これは……フメイちゃんの炎だ……)
クロシュ(フメイちゃんたちの気配が、世界樹の上の方へ向かっていってるのがわかる……)
クロシュ(わたしも……行かなきゃ……!)
クロシュ「わたし……世界樹の上に、行く……!!!」シュバッ
イリス「え、えええ!!? なんで!?」
ミスティ「説明不足よクロシュ!!!!」
ローガン「くっ……! 我々もクロシュくんを追うぞ……!!」
*
- 770 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:35:18.82 ID:gsRHWqSF0
- ―世界樹
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ヨジヨジ
妖精「クロシュ!! 何してるの!?」パタパタ
スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ ヨジヨジ
妖精「フメイが……! なら早く追うよ!! 上昇気流の魔法を使って上げるから凧か何かに化けて!」
スライムクロシュ「!」デロデロ
綿毛クロシュ「!」フワッ
妖精「いくよ!!」
ビュオオオオオッ
*
- 771 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:36:42.04 ID:gsRHWqSF0
- ―世界樹 中腹
アリシラ?「うふふ……面白いくらい簡単に来れちゃった……!」
フメイ「……本当に、ここにあるの? 世界を覆すほどの……力が……」
アリシラ?「あるよ。その力があれば、嫌な奴らをみんなまとめて焼き払える。フメイちゃんの理想の世界が実現するんだよ」
フメイ「……」
アリシラ?「まだ半信半疑だね。でも力さえ手に入れば、全てはフメイちゃんの思うがまま……。フメイちゃんが今まで奪われてきたものを、存分に奪い返して――」
「その力って――これのことですかぁ?」スタスタ
フメイ「!」バッ
アリシラ?「……誰?」
僧侶「下賎な者どもに名乗る名なんてありませんけど? それで……その力って、これのことですよね?」スッ
僧侶の手に抱えられた大きな果実「」キラキラ
アリシラ?「……!」
僧侶「図星みたいですねえ? うふふ……あなたたちのような下賎なる者共が手にして良いものではありませんよ? これは」
アリシラ?「……フメイちゃん。あいつ、焼いていいよ」
フメイ「ん」チリッ
爆炎「」ゴウッ!
ブンッ
切り払われた爆炎「」シュウウ…
セイン「……」シャキン
僧侶「危ないなあ。セインくんがいなかったら火傷しちゃってましたね」
アリシラ?「へえ……また会ったねえ」
セイン「……」
フメイ「お前……クロシュを殺そうとした……」
セイン「…………」
僧侶「セインくん、こんな奴らとも知り合いなんですか? 友達は選べと言ったはずですが?」
セイン「言われた記憶はないが」
僧侶「もう、冗談の通じない子ですねえ。でも、やることはわかってますよね?」
セイン「ああ」
僧侶「そうです。神に仇なす下賎の者どもを、救済して差し上げなさい」
セイン「……」シャキン
*
- 772 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:37:33.51 ID:gsRHWqSF0
-
ビュオオオオッ
綿毛クロシュ「」フワフワ
妖精「見えてきたよ……! でも、あれは……」
キンキンキンッ!!
ゴオオオッ!!
ギュオオオン!!
妖精「え、枝の上で戦ってる!! フメイたちと……セインと、変な女!」
綿毛クロシュ「!」フワフワ
妖精「ど、どうする!? 下手に突っ込んだら巻き添えで死ぬよアレ!?」
↓1〜3多数決
1.制止を呼びかける
2.戦いに割って入る
3.様子を見る
- 773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 20:38:14.15 ID:yrqqU8o00
- 3
- 774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 20:41:08.22 ID:ODWz7FtHO
- 3
- 775 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 21:34:42.83 ID:gsRHWqSF0
- セイン「……」ビビビッ
フメイ「ううっ!」ササッ
アリシラ?「吸収!」バッ
セイン「同じ手は食わない」ヒョイ
アリシラ?「勇者モドキ、やるなあ……!!」
フメイ「やるどころじゃない、強すぎる……! どうするの……!?」
僧侶「当然です。お前たち如き虫けらなど、セインくんの敵ではありません。しかし――」
セイン「……」
僧侶「さっきから何を遊んでいるのですか!! さっさと救済しろと言ったはずです!!」
セイン「僕は全力だ。奴らが想定以上に強い」
僧侶「くっ……! あの薄穢いスライムのせいですね……セインくんに下らない感傷を植え付けて……!!」
フメイ「……スライム?」
僧侶「……丁度お前にそっくりな容姿の小穢いスライムでしたね。ああ、思い出すだけでイライラしてきます……早く殺してしまいなさい!!」
フメイ「お前……クロシュに何をした」ゴオオオオッ
*
- 776 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 21:35:18.85 ID:gsRHWqSF0
- 綿毛クロシュ「」フワフワ
妖精「あいつらが何を喋っているかまでは聞き取れないけど、あの変な女が手に持ってるアレ世界樹の果実だ……!!」パタパタ
綿毛クロシュ「?」フワフワ
妖精「詳しく説明してる暇はないけど、簡単に言うと世界を内包する卵みたいなものなんだよ! アレは誰かの手に渡って良いものじゃない!! 下手に扱えば世界が滅びる!!」パタパタ
綿毛クロシュ「!」フワフワ
妖精「なんとかアレだけでも奪い返さないと……!」
世界樹の精霊「……」ジーッ
妖精「……!? あなたは……世界樹の精霊!」
世界樹の精霊「……森の脅威を……解決してくれて、ありがとう……」
妖精「あ、うん……いや、今はそれどころじゃなくて……!」
世界樹の精霊「うん……。果実を……取られちゃって……今……とても、困っている……」
妖精「だろうね!」
世界樹の精霊「だから……度々申し訳ないけれど……取り返して欲しい……」
妖精「言われなくてもそうするよ! でも今回はあなたも手伝って!」
世界樹の精霊「えっと……何をすれば、いいの……?」
妖精「ええと、そうだな……じゃあ囮になってあいつらの目を引き付けて! その間に私たちが果実を奪い返すから!」
世界樹の精霊「ええ……痛いのは、やだ……」
妖精「精霊なら殴られても物理的なダメージは受けないでしょ!!」
世界樹の精霊「ダメージはないけど……気分は、悪い……」
妖精「ああもうつべこべ言うな!! あなた自身の果実が危ないんでしょうが!!!」
世界樹の精霊「……そうだった。じゃあ……やるだけ、やってみる……」フヨフヨ
妖精「全くもう、これだから精霊ってやつは……! 私たちもこっそり行くよ、クロシュ……!」
綿毛クロシュ「!」フワフワ
*
- 777 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 21:36:01.23 ID:gsRHWqSF0
- フメイ「……」ゴオオオオッ
セイン「っ……!」
アリシラ?「フメイちゃん……凄い、凄いよ! あの勇者モドキを圧倒する炎……!! それでこそ――」
僧侶「な、なんだと言うのです、薄穢いガキどもめ……!! セインくん、早く殺ってしまえと言っているで――」
世界樹の精霊「ばあ」ヌッ
僧侶「ひゃあああああ!!!」ドテッ
妖精「今だよクロシュ!」
クロシュ「!」シュバッ
↓1コンマ
01-20 転ぶ
21-80 果実を奪うが……
81-00 果実を奪う
- 778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 21:39:48.85 ID:2QotgElDO
- はい
- 779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 21:39:59.14 ID:yrqqU8o00
- あ
- 780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 22:16:48.95 ID:Ab2zNFwho
- おや……僧侶(ちゃん?)の様子が……?
- 781 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:41:41.46 ID:gsRHWqSF0
- シュバッ ガッ
僧侶「あっ……!!」
クロシュ「!」タタッ
クロシュの手に収まった果実「」キラキラ
僧侶「こ、この劣等種がァァァ!!! セインこいつを殺せェェェェ!!!」
フメイ「クロシュ……!! させない……!!!」ゴウッ
セイン「!!」ササッ
妖精「でかしたクロシュ! さあ、世界樹の果実はクロシュの手の中だぞ!! 異邦の者共よ、矛を納めなさい!!」
僧侶「劣等種の分際で……!! 私たちの聖務を妨害するなどと……!!!」
セイン「……」
- 782 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:42:22.14 ID:gsRHWqSF0
- アリシラ?「……ねえ、クロシュちゃん……その果実、私たちにくれない?」
クロシュ「……」
妖精「あげないよ。これは誰のものでもない。世界樹に還さなきゃならないものだ」
アリシラ?「クロシュちゃんに聞いてるの。ねえ……それがあれば、この世界をとっても綺麗にできるんだよ? そうしたら、クロシュちゃんはまたフメイちゃんと一緒に暮らすことができるの……。あの頃、あの村で過ごしたみたいに……みんなで、ずうっと、平和に、幸せに……。だから――それ、私たちに頂戴?」
クロシュ「……」
妖精「クロシュ、耳を貸さないで! これはそんな都合の良いものじゃ――」
光の残像「」パヒュンッ
フメイ「はっ! クロシュ――」
クロシュ「え――」
アリシラ?「させるか!!」バッ
セイン「!!」キキッ
アリシラ?「全く、こっちが丁寧にクロシュちゃんを説得しようとしてる時にさあ……」
セイン「……」
妖精(……まずい。果実を奪い返せたは良いけど、こいつらを相手に逃げ回り続けるのは不可能だ……)
妖精(いっそクロシュに果実を食べてもらう? いや……それはだめだ。一番だめ)
妖精(ああもう、どうすれば良い……!?)
アリシラ?「クロシュちゃん、わかったでしょ? こんな暴力的な奴らにその果実を渡したら大変なことになるんだよ。でも私たちなら、それを有効に活用できるの。さあ、早くそれをこっちへ渡して?」
セイン「……」
フメイ「クロシュ……」
僧侶「くそっ……!!」ギリギリ
クロシュ「……」
- 783 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:44:25.84 ID:gsRHWqSF0
-
世界樹の精霊「……」
世界樹の精霊「クロシュちゃん」
クロシュ「?」
世界樹の精霊「もうどうしようもないみたい。だから……それ、壊しちゃって」
全員「!!!?」
世界樹の精霊「それでも、世界には戻るから――。少し、歪になるかもしれないけれど――」
クロシュ「……本当に……いいの?」
世界樹の精霊「いいの。多分……それが、一番まし」
クロシュ「……わかった」コク
スッ……
僧侶「だめええええええ!!」
グシャッ――
- 784 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:46:41.53 ID:gsRHWqSF0
- ―聖域
世界樹上空「」パァァァァァ
紫髪のエルフ幼女「あ、あれは……? 世界樹上空から――夜空に、色とりどりの光が、広がって――」
マーベル「一体何が起きてやがんだ……?」
ティセリア「とっても、綺麗だけれど――なんだか――」
*
―世界樹下層
世界樹上空「」パァァァァァ
ローガン「くっ、この歳になって木登りは……む? あの光は――」
ミスティ「……オーロラ……? いえ……この地方でオーロラが見えるはずが……」
イリス「……!! 体の奥底が……震えるような……。これは……何? 何なの……?」
*
―露店通り
世界樹上空「」パァァァァァ
ザワザワ…
観光客の男性「なんだあ、あれは……?」
観光客の女性「すっごく綺麗……。これ、選挙祭の演出……?」
エルフの男性「長年生きてきたが、こんな演出は初めてだ……」
エルフの吟遊詩人「世界樹の空から放たれる、命の光――。それは、愛の輝き――あるいは、哀の叫び――」ポロロン
宿屋アルラウネ「……世界樹に、何かあったのかしら……」
マーベルファン「マーベル様……」
ヤマイモ餅屋台の森妖精「こんな時こそヤマイモ餅だよ!」
ハーピィ記者「こりゃ面白い現象ですねえ……。ヤマイモ餅一つお願いします」
*
―郊外
世界樹上空「」パァァァァァ
森妖精の子「わあ……きれい……。でも……」
元気になったおうちの木「」サワサワ
森妖精の子「どうして……こんなに……むねが、くるしいの……?」ジワワ
元気になったおうちの木「」サワサワ…
森妖精の子「木さんも……かなしいの……? えへへ……いっしょだね……」ポロポロ
*
- 785 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:47:52.09 ID:gsRHWqSF0
- ―魔族国
旧市街 広場
フォレスティナ方面の夜空「」パァァァァァ
フラナ「あれは……星属性の光? 世界樹に何かあったのかしら……」
竜人の女性「あいつら大丈夫か……? 今はフォレスティナにいるんだろ?」
ムチムチラミア「なんだか政治活動をしているらしいわよお……。変なことに巻き込まれてなきゃ良いけどお……」
ムキムキオーク「ははっ、あいつらなら変なことに巻き込まれていても大丈夫だろう!」
フラナ「もしあの光の近くにいるのなら、何か掴めると良いわね。星属性の申し子、イリス・プラネットよ――」
聖女「美しい光……ですが、どこか胸騒ぎがします……。クロシュさん……妖精さん……皆さん……どうか、ご無事で……」
淫魔の幼女「あの光の下に、いるのかな……クロシュちゃん……」
魔族国スライム「〜〜…」モニョモニョ…
魔族の子供「きっと元気でやってるよ! もう友達とも会えたかもしれないし!」
聖女「ええ……。きっと元気でやっています。待ちましょう、あの子たちが再び、ここに来る日を――」
*
- 786 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:48:28.12 ID:gsRHWqSF0
- ―世界樹中層
クロシュ(わたしが壊した世界樹の果実から、五色の光が放たれていった)
クロシュ(世界樹が永い年月をかけて実らせた、世界を形作る命の光――)
クロシュ(それが、こうして不意に放たれてしまったことの意味は――――)
- 787 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:49:14.56 ID:gsRHWqSF0
- 本日はここまでとなります。次回は、選挙祭の後始末編です
今回は復権派の妖精さんが首長に返り咲き、聖域で行われたテロに対してクロシュちゃんが独自のアプローチを仕掛けるお話と相成りました
今回、イリスさんが何やらアホの子のような感じになってしまいましたが、星の魔力についての本を読むことによって今回自分の身で感じたことを整理することができるかもしれません。今回の出来事が自身の属性について考える切っ掛けとなれば良いねえとフラナ氏も考えているようです
そして、果実を壊したことによって世界に放たれた五色の光。それの意味するものが何なのかは現時点ではわかりませんが、もしかしたら世界に何かしらの影響があるかもしれません。状況を注視していただければと思います
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 00:06:55.79 ID:KdKCKk/2o
- 乙
世界樹の果実を巡る旅になりそう
- 789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 00:42:17.53 ID:2803l+dDO
- 乙です
五色の光ということは少なくとも五つの国は巡るのかな
- 790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 03:30:30.97 ID:rlWpE2XBo
- おつ
やっぱり僧侶とアリシラ?は別勢力か
- 791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 06:40:13.15 ID:2krOjXts0
- 乙
今までの活動次第では選挙のコンマ範囲も決まってたのかな。
それと僧侶さんずっと嫌味な男キャラだと思ってましたすみません。
妖精さんこの国は2人に任せて旅は続けるのかな。
- 792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 08:27:59.60 ID:wH6pCqpM0
- 乙です
これ僧侶がいるロイエ教原理派のキャラは何人か登場するのかな?もし登場するなら久しぶりのキャラクター案での募集はあるのかな。
- 793 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:17:58.15 ID:CDFR2Oyl0
- クロシュたちの次の旅がどのような目的になるかはわかりませんが、もし光を追うとすれば最低でも5つの国を巡ることになるのは恐らくその通りだと思われます
僧侶とアリシラ?さんは面識はないようで、その目的も異なるものと考えられます。彼女たちはとても相性が悪そうです
妖精の知名度や復権派のこれまでの活動により、選挙結果のコンマ範囲が決まりました。最終的には伝統派よりも僅かに優位と言えるほどには名声を獲得できていたようです
僧侶氏はどうやら女性のようです。そして今気付きましたが、主要キャラクターの女性率が高いように見えます。男性キャラクターも少し意識して登場させた方がバランスが良いかもしれません……
復権派メンバーは首長の任期である四年間をフォレスティナでの活動にあてるつもりでいたようですが……未曾有の世界樹テロが発生した今は状況が変わったかもしれません
原理派の人物は、僧侶氏以外にも何人か登場するかと思います。募集するかどうかは未定です(原理派のイメージは既に>>1の中である程度固まってしまっているため、自由度の高い募集をすることは難しいかもしれません)
穏健派の人物については、穏健な人格の持ち主でさえあれば問題ないので、然るべき時が来たら募集するかと思います(魔族国編で登場した聖女さんは穏健な性格ですが、穏健派の所属ではないようです)
- 794 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:18:52.81 ID:CDFR2Oyl0
- 世界樹の精霊『――ありがとう』スゥゥ―
クロシュ(世界樹の精霊さんは、そう言って消えていった……)
僧侶「あ、ああ……!! 果実が……!! 私たちの、希望が……!!!」ガクッ
アリシラ?「ざぁんねん……。計画はおじゃんだねえ、フメイちゃん……」
フメイ「……おじゃんになったの?」
アリシラ?「うふふ……実際どうだろうね? あの光を追いかければ、ひょっとしたらまだ取り返せるかも?」
フメイ「……まだやれる?」
アリシラ?「お、フメイちゃんやる気だねえ。多分だけど、まだやれるよ。私たちの目指す世界は――まだ潰えてない」
フメイ「じゃあ――」
クロシュ「フメイちゃん……!」
フメイ「クロシュ……。無事で、良かった」
クロシュ「うん……。えと……ごめんね……。果実……壊しちゃった……」
フメイ「……いいよ。クロシュなら……」
アリシラ?「良くないよ! も〜!」
クロシュ「う、うん……」
フメイ「……でも、フメイたち……諦めないから」
クロシュ「……うん」
フメイ「……安全なとこで待ってて、とはもう言わない。だから……クロシュは、生きて」
クロシュ「……!」
フメイ「クロシュが生きていてくれれば……フメイは……それで、十分だから」
クロシュ「…………わたしも……フメイちゃんに、生きてて欲しい……」
フメイ「……クロシュがそう言うなら……」
クロシュ「うん……」
フメイ「それじゃあ、フメイたち、もう行く……。クロシュ……本当に、生きてね」スッ
ボンッ!
アリシラ?「ほんとにも〜、次は邪魔しないでよ〜?」ピョンッ
*
- 795 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:20:33.40 ID:CDFR2Oyl0
- ―世界樹 麓
妖精「はあ……結局、フメイは連れ戻せず……。あの僧侶とかいう変な女とセインの姿もいつの間にか消えてるし……。世界樹の果実は割れて飛散しちゃったし……」パタパタ
綿毛クロシュ「……」フワフワ
妖精「首長の就任式がこんなことになっちゃったし……ああ〜首長に就任した途端にこれとか最悪だあ〜……」
綿毛クロシュ「……」フワフワ
ティセリア「妖精! クロシュちゃん!」
妖精「ティセリア……。一般参加者たちは帰してくれたんだ……」
ティセリア「はい。しかし一体上で何があったのですか!?」
マーベル「セインの奴もいつの間にかいなくなってるし、一体何が起きてんだよ!?」
妖精「あ〜……話すとちょっと長くなるんだけど……」
*
ティセリア「そんな、世界樹の果実が……」
妖精「下手人たちも取り逃がした……というか私たちの手に負える相手じゃなかったんだもん」
ティセリア「いえ……犯人たちを目撃して来て頂いただけでもありがたいです……! しかし……クロシュちゃんのお友達のフメイちゃんと……同郷のアリシラさんが……」
クロシュ「ごめんなさい……」
ティセリア「いえ、クロシュちゃんが謝ることではありません。しかし……うう、どうしたものでしょう……」
マーベル「……しかしセインの奴……やはり王国の手の者だったのか」
紫髪のエルフ幼女「気付いていたのですか……?」
マーベル「勇者サインにそっくりだからな。何らかの関係者であることはわかっていた。だからこそ俺の目が届くところに置いておこうと思っていたんだが……」
紫髪のエルフ幼女「しょっちゅう別行動してたではありませんか……」
マーベル「いやまあ……それは本当に悪かった。だが奴も勇者だとすると、王国は二人の勇者を抱えてるってことなのか……!?」
妖精「ううん。勇者サインは死亡してるみたい。だから、セインが勇者だとしても勇者は依然として一人だよ。まあ、一人だけでも十分脅威なんだけどね」
マーベル「なにィ!?」
ティセリア「勇者サインが既に死んでいる、ですって……!?」
紫髪のエルフ幼女「初耳です……!!」
妖精「まあ、王国自身も秘匿してるみたいだからね……。でもこれは魔族国で得た確かな筋からの情報だから、信用して良い」
ティセリア「し、しかしそうだとするとまだ彼はこの国にいるということでしょう……!?」
妖精「そうだけど……目的は世界樹の果実だったみたいだし、今すぐこの国に侵攻してくるってことはないじゃないかな……。殺ろうと思えば、私たちなんていつでも殺れただろうし」
マーベル「チッ……癪だが、実際その通りだろうな。この国を侵略する目的なら、わざわざ俺の護衛を志願するなんてまどろっこしい真似をする必要はねえ」
妖精「うん。だからまだ猶予はある。それと――聖域を拡張するなら、多分今が絶好のタイミングだよ」
ティセリア「……そうですね。この混乱に乗じて聖域を拡張すれば――」
マーベル「テロに対する世界樹の防衛反応ってことにすりゃ丁度良いってことか」
紫髪のエルフ幼女「嘘も方便というわけですね」
妖精「そういうこと」
◆
- 796 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:22:19.95 ID:CDFR2Oyl0
- クロシュ(その後……世界樹から降りてきたイリスさんたちも合流して……妖精さんたちは、世界樹の聖域を元の大きさに戻す施術をした)
クロシュ(でも今は観光客の人がいっぱいいるから、一気に元の大きさに戻すわけじゃなくて、ゆっくり少しづつ大きくしていくそう)
クロシュ(最初こそ混乱が広がったけれど……緑の国の人たちは、大らかにそれを受け入れてくれる声が多数だったみたい……)
クロシュ(……)
クロシュ(でも……受け入れられない声も……なかったわけじゃないみたい……。その声も……ちゃんと、聞かなきゃだめなんだって……)
クロシュ(……政治って……難しい……)
◆
- 797 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:23:03.86 ID:CDFR2Oyl0
- 日後
露店通り
ワイワイ ガヤガヤ
観光客の男性「あと数日でフォレスティナ観光も見納めかあ……」
観光客の女性「世界樹がテロを怖がって聖域を広げ始めちゃったんだよね」
観光客の男性「でも仕方ねえよなあ……。ま、あと数日楽しむとするか!」
ヤマイモ餅屋台の妖精「そーそー! あと数日、うちのヤマイモ餅を楽しんでいってよ!」
エルフの吟遊詩人「世界樹の涙は――やがて世界を潤す命の雫となって――大地へ染み渡るだろう――」ポロロン
*
- 798 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:23:42.00 ID:CDFR2Oyl0
- >>797訂正
日後 → ―数日後
- 799 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:24:09.22 ID:CDFR2Oyl0
- ―首長官邸
妖精「ふう……。とりあえず聖域関連はこれで一段落かな……」
ティセリア「お疲れ様です、妖精」
妖精「本当に疲れたよ……。でも……まだ、重大な問題が残ってるんだよね……」
ティセリア「飛散した果実の光、ですね……」
妖精「うん……。あの場では、世界樹自身が自らの意思でああすることを選んだけど……実際、あれがあの場では最善だったとは思う。でも――」
ティセリア「……はい。あの光が落ちた国々で異変が起きている――そのような話が既に伝わってきています」
妖精「世界樹の果実を危険に晒して、こういった事態を引き起こしてしまったのは私の責任だ。放置するわけにはいかない……。でも……」
ティセリア「……大丈夫です。この国のことは」
妖精「ティセリア……」
ティセリア「今回の選挙で、妖精が戻ってきてくれて……本当に、良かった……。もし妖精が戻ってきてくれなかったら……きっと、今よりもずっと悲惨な状況に陥ってたと思います」
妖精「……」
ティセリア「だから……この国の中のことは……私たちに任せてください。妖精は、妖精が成すべきことを――」
妖精「……ごめん。建国の太母として、みんなに期待されて首長に返り咲いたのに……」
ティセリア「いいのです。それに、世界樹の果実のこともこの国の問題には違いないのですから」
妖精「……ふふ、それもそうだね。じゃあ……この国の中のことは、任せて良い?」
ティセリア「はい……!」
◆
- 800 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:25:34.21 ID:CDFR2Oyl0
- ―緑の国フォレスティナ 滞在最終日
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:蜘蛛絹のレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種
・フメイの服の切れ端
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹
……………………………………………………………………………………
―朝
大樹の宿 ロビー
妖精「というわけであの光を追うよ。出立は明日。みんな、準備は良い?」
イリス「妖精さん……! 首長としての仕事は……!?」
妖精「ティセリアたちに任せる。今のこの国を熟知してるのはあの子たちの方だもの。私にできることなんてないし」
ミスティ「……そ、そうなのね……。でもわかったわ……。明日、出立ね……」
ローガン「フッ……恐らくこういうことになるだろうと予想はしていた。準備はできている」
クロシュ「……」コク
妖精「……あの光を追えば、きっとその先にフメイたちもいるよ。何度でも……諦めずに、説得し続けよう」
クロシュ「うん……!」
フォレスティナ滞在最終日です。この行動終了後、フォレスティナを出ます
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:26:57.47 ID:2krOjXts0
- セインに関してのことをフラナに連絡する
- 802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:32:07.30 ID:Nsm5/tF1O
- 魔族自治区に送る名産品を見繕う
- 803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:34:30.94 ID:wH6pCqpM0
- 次に行く国(もしくは島、街)はどこにするか話し合う
- 804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:35:35.63 ID:6rKnT0/z0
- 星の魔翌力を読む
- 805 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:54:50.35 ID:CDFR2Oyl0
- ―大樹の宿 ロビー
宿屋アルラウネ「イリス・プラネットさん宛にお手紙が来てるわ」スタスタ
イリス「! 師匠からだ!」
妖精「マメだねえ。今回も魔法の授業?」
イリス「それもあるけど、今回はセインくんのことについても報告したの。師匠の意見を聞いておきたくて」
ローガン「ふむ……確かに、フラナ氏の見解は気になるな」
ミスティ「どんなことが書かれてるか、私たちにも見せてもらっても良いかしら……?」
イリス「うん……! 読んでみる……!」
↓1コンマ
01-30 全然わからないわ
31-60 勇者サインの血縁者かしら
61-90 王国とロイエ教について調べてみるわ
91-00 ??
- 806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:57:26.51 ID:6rKnT0/z0
- えいや
- 807 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 23:20:30.79 ID:CDFR2Oyl0
- 手紙『勇者サイン本人は、もし仮に生きていたとしたら二十代半ばほど。しかしあの勇者モドキはまだ十代前半くらいにしか見えない』
手紙『安直に考えるなら、奴は勇者サインの血縁者ね。人間にしては年の離れた弟と考えるのが最も自然でしょう』
手紙『ただ――勇者サインの家族関係については、一切の情報がないのよ。だから軽率に断定することはできないわ』
イリス「ううーん……本人は、前に勇者サインは赤の他人だって言ってたけど……」
妖精「口先では何とでも言えるよ。隠してるだけかもしれないし」
ミスティ「でも……もし本当に弟なら、そう名乗った方が勇者として活動しやすいんじゃなかしら……?」
ローガン「ううむ……しかし彼が王国の勇者だとすると、ロイエ教原理派幹部とも共同で動いているのも不可解だ。一体どういう関わりがあるのだろうか……」
クロシュ「……セインさん……守りたいものがあるって……」
イリス「……セインくんは、やっぱり悪い人じゃなさそうに思えるんだよね。何か……王国とかロイエ教原理派に、人質を取られたりしてるのかも……」
妖精「でもあの勇者に人質なんて通用する? 瞬間的には光の速さで動けるんだから、人質なんて意味がない気がする」
ローガン「人質が複数人いて、それぞれ別の場所に捕らえられているなどの場合はそうも言えないかもしれん」
ミスティ「……可能性を考え出すとキリがないわね……」
イリス「そ、そうだね……。今はっきりしてるのは、セインくんが王国とロイエ教原理派に従ってるってことくらいかな……」
妖精「……まあ、実際そんなに悪い奴ではなさそうだよね。セイン」
クロシュ「うん……」
*
イリス「とりあえず師匠に返事を書いて……」
宿屋アルラウネ「ちゃんとこの国を出る旨も書くのよ? ここにお師匠さんからの返事が来たら、あなたには届けられないからね」
イリス「はい、大丈夫です! いつもありがとうございます!」
宿屋アルラウネ「どういたしまして。ねえ、せっかくならお土産とかも送ってあげれば? この国を出る前に」
イリス「あ、それ良いですね……! 師匠だけじゃなくて聖女さんやあの子たちにもいろいろ送ってあげたいかも……!」
クロシュ「うん……!」
ミスティ「何が良いかしら……」
ローガン「ここの名産品であれば――」
宿屋アルラウネ「それにしても、あなたたちとも明日でお別れなのねえ。ふふ、初日はまさか建国の太母が率いるパーティだなんて思いもしなかったわ」
妖精「こっちも名乗るつもりなんてなかったんだけどね……」
宿屋アルラウネ「世界樹を癒やす旅、頑張ってね。私も陰ながら応援してる」
妖精「ありがと」
*
- 808 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 23:21:28.95 ID:CDFR2Oyl0
- というわけで本日はここまでです。次回は魔族国へ送るお土産編、次に向かう場所決め編となります
ついに選挙が終わりました。鎖国を選んだ緑の国にも、ひとまずの安らぎが訪れることでしょう
そして首長となった妖精はその座をティセリアに譲り渡し、クロシュたちは世界樹の光を巡る新たな旅へ――
それでは本日もありがとうございました。次回は、可能であれば祝日などもやろうかと思います。よろしくお願いいたします
- 809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 23:44:56.48 ID:KdKCKk/2o
- 乙
次の国も楽しみ
採用されてる国は幾つあるんかな
- 810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 01:08:45.89 ID:pEMRhEObo
- 乙
つなぎが上手い
妖精さん離脱覚悟していたがついてきてくれてありがとう……
フメイちゃんが今回の件でクロシュちゃんのこと守るべきか弱い存在から見直した気配感じて良き
- 811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/19(火) 14:16:29.72 ID:CPjmhmj60
- 乙
確かに主要キャラクターは女性が多いから男性のキャラクターを増やした方がいいと思った。
- 812 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 18:57:10.30 ID:bATUIh+T0
- 採用されている国について、全ての場所を実際に登場させるのは難しいですが、いちおう頂いた案の国・都市・地域は全てこの世界内に存在するものとして考えています(世界観や設定の整合性を取るために、内容を一部変更させていただいている場合もあります)
今まではクロシュのフメイ捜しに付き合ってくれている形の妖精でしたが、世界樹の光を追うという能動的な目的を持ったため、今後は以前よりも積極的にいろいろ参加してくれるようになるかもしれません
フメイ氏にとって、クロシュちゃんは一人では生きていけないか弱い妹分スライムだったのかもしれません。しかしクロシュちゃんのがんばりが功を奏したのか、その認識は改まりつつあるようです
気を抜くとつい女性キャラクターを登場させてしまうので、意識的に男性キャラクターを登場させるよう気をつけようと思います
- 813 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 18:57:39.48 ID:bATUIh+T0
- ―露店通り
ワイワイ ガヤガヤ
森妖精の露店「フェアリーシロップだよ〜! 鎖国間際の大感謝特売中だよ〜!」ヒラヒラ
馬頭の飛脚「オデ、荷物、運ベル。デモ、森ノ外ニハ、運ベナイ。ゴメン」
アルラウネの八百屋「フォレスティナの野菜が食べられるのも今週が最後よ。買っていきなさい」
エルフの露店「森エルフ印の乳製品、買っていきませんか〜? 今を逃すとこの先一生味わえないかもしれませんよ〜?」
森妖精の装飾品露店「ふわあ……。安いよ〜……人間用のもあるよ〜……」
エルフの吟遊詩人「この国を訪れし全ての旅人に、精霊の加護がありますよう――」ポロロン
クロシュ「わあ……」
ミスティ「前よりも、さらに賑わっているかしら……?」
妖精「鎖国が解かれるのがいつになるかもわからないからねえ」
ローガン「買う方も売る方も、今しかないというわけだ」
イリス「慎重に選ばないと……!」
↓1〜3自由安価 魔族国へ送る特産品(特定の誰かに贈りたい場合はその旨も)
- 814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:01:49.83 ID:9MXNK8wP0
- フラナ氏に純潔エルフの血のような色のワイン。
- 815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:13:57.40 ID:qJ+qaNaiO
- 子供達に世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ。
- 816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:15:05.08 ID:vFgImliTo
- なんか拾った世界樹の枝
- 817 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:49:38.41 ID:bATUIh+T0
- 看板『鎖国直前超特価! エルフ酒造』
ローガン「む……!」
クロシュ「おさけ……?」
妖精「酒だね」
イリス「お酒と言えば――フラナ師匠はワインが好きだったはず!」
ミスティ「でもワインはあるのかしら……」
紫髪のエルフ幼女「もちろん。大抵のお酒は取り扱っています」ヌッ
イリス「ティセリアさんの秘書の――サリーさん!」
紫髪のエルフ幼女「どうも。旅立ちの前にお土産探しですか?」
ミスティ「実は――」
*
紫髪のエルフ幼女「なるほど……魔族国への贈り物を選んでいるのですね。もうすぐ鎖国を迎えるこの国の特産品は今後希少価値が高まるでしょうから、良い考えだと思います」
イリス「あ、あはは……そこまで考えたわけじゃないですけど」
紫髪のエルフ幼女「よろしければ私がご案内致しましょうか」
妖精「えっ、でも今忙しいんじゃないの? あなたもティセリアも」
紫髪のエルフ幼女「あなたが建国の太母としての威光と手腕でいろいろ調整してくれたお陰で、今は余裕があります。この国の為に影に日向に尽力してくれた復権派の皆さんに、せめてもの恩返しをさせてください」
ミスティ「そういうことなら……お言葉に甘えさせていただこうかしら……」
*
- 818 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:50:04.24 ID:bATUIh+T0
-
紫髪のエルフ幼女「聞けば、あなたのお師匠様は吸血鬼だそうですね」
イリス「はい、そうなんです! いやまあ、師匠というのは私が勝手にそう呼んでるだけで、実際は師匠ではないんですけど……」
紫髪のエルフ幼女「そ、そうですか……。いえ、吸血鬼の方でしたらピッタリのお酒があると思いまして」
イリス「ピッタリの……?」
紫髪のエルフ幼女「こちらです」スッ
ヴァージンエルフワイン「」
イリス「ま、真っ赤……!!」
ミスティ「マジカルブラッドワインよりさらに鮮やかな赤色ね……」
ローガン「これは、まさか――」
紫髪のエルフ幼女「ご安心ください。本物の血は使用しておりません。これはエルフ酒造の方々が長年の研究を積み重ねて開発した、純潔エルフの血液に極めて近い成分を含有する人工血液――を用いて造られたワインなのです」
イリス「純潔エルフの血液に極めて近い成分を含有する人工血液……」
ミスティ「を用いて造られたワイン……?」
ローガン「う、うむ……。つまり……美味いのか?」
紫髪のエルフ幼女「吸血種の方々からは非常に高い評価を頂いておりますが、それ以外の方からの評価はあまり芳しくありませんね……。まあ、元々吸血種の方向けに開発されたワインですので当然と言えば当然なのですが」
イリス「そうなんですね……! それなら確かに師匠にピッタリかも……!」
妖精「じゃあお土産の一つはこれに決定?」
イリス「うん!」
◇
- 819 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:50:38.56 ID:bATUIh+T0
- ―露店通り
イリス「師匠に宛てたお土産はこれで良さそうだけど……これで喜ぶのは多分師匠だけだし、他のお土産もいるよね」
ミスティ「そうね。他のみんなには、何が良いかしら……」
クロシュ「……えと……魔族国には……甘いもの……あんまり、なかったから……」
ローガン「甘味だな。サリー殿、お土産に適したスイーツなどがあればご教示頂きたい」
紫髪のエルフ幼女「お土産スイーツですね。それならば――」
*
―甘味処 木苺堂
カランカラン
ティセリア「いらっしゃいませ――えっ!?」
紫髪のエルフ幼女「こんにちは、ティセリア」スタスタ
妖精「ティセリア……ここでも働いてるんだ」
ティセリア「いえ、まあ、軽い手伝い程度で……本業に差し支えはありませんので……」
妖精「あいや、そういうことを言いたいんじゃなくて。ティセリア、今でもお菓子作り好きだったんだなあって思ってさ」
ティセリア「あ……はい! ふふ、ずっと好きですよ」
森妖精の子「いらっしゃいませ……ミスティさん!」パタパタ
ミスティ「わっ……あなたもここで働いていたの……!?」
森妖精の子「うん。まだみならいだけど……」
ティセリア「選挙祭が終わって少し後くらいに、ここでかけていた募集に応募してきてくれたんです」
森妖精の子「おかね……あった方が、いいと思って……。ミスティさんたちにも……あんまり、おかね、だせなかったから……」
ミスティ「いいのよ。あなたとあなたのおうちの木が助かったことが、一番の報酬だもの……」
森妖精の子「……??」
イリス「ミスティ、すっかりその子に甘々だねえ」
ミスティ「そ、そういうのじゃないわ……」
*
- 820 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:51:08.31 ID:bATUIh+T0
-
ティセリア「なるほど。魔族国の方々へのお土産ですね」
クロシュ「うん……。どれが……良い……?」
ティセリア「それでしたら、これはどうでしょう?」
色とりどりの世界樹の果実風ゼリー「」キラキラ
クロシュ「わあ……!」
ミスティ「綺麗ね……」
妖精「世界樹の果実風? なかなか洒落てるじゃん」
ティセリア「ふふ、そうでしょう。味はリンゴやブドウなど既存の果物を模したものになっていますが、とても美味しいと好評を頂いているんですよ」
妖精「まあ、世界樹の果実の味を知ってる奴なんてどこにもいないからね……」
森妖精の子「えっとね……フェアリーシロップと、スライムさんのゼラチンも、使ってるんだよ……」
クロシュ「!」
ティセリア「魔力にも健康にも美容にも良いスイーツとなっております。せっかくですから試食品をどうぞ、クロシュちゃん」スッ
クロシュ「う、うん……。あむ……」モグモグ
スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ
ミスティ「クロシュ、溶けているわ……」
妖精「ふふ、溶けるほど美味しいってさ」
ティセリア「それほどまでに美味しく感じて頂けたのでしたら良かったです」
ミスティ「それじゃあ、もう一つのお土産は世界樹の果実風ゼリーにしましょう……」
妖精「そうだね。きっとあの子たちも喜ぶよ」
◆
- 821 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:51:38.16 ID:bATUIh+T0
- ものすごく眠いので本日はここまでとなります。全然進まず申し訳ありません
ワインとお菓子、お土産はやはり消え物が良いのかもしれません。そして次のお土産は世界樹の枝編です。よろしくお願いします
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願い致します
- 822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 00:05:03.38 ID:mrvFCogIo
- 乙乙
- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 00:58:50.72 ID:L70PP43Qo
- 乙
商魂逞しい住民が多い
- 824 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 20:08:50.63 ID:MsQneFxu0
- 緑の国はここ最近観光産業に力を入れていたこともあり、観光客向けの商売に積極的な住民も多い模様です
鎖国はそういった住民たちに大きな影響を及ぼすものですが、ほとんどの国民は元から自給自足で暮らしていたため、鎖国を言い渡されても切羽詰まることなく商売を続けられるようです
- 825 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 20:09:42.65 ID:MsQneFxu0
- 本編更新の前に今後の進め方について多数決を取りたいと思います
クロシュたちは世界樹の光を追うことになったわけですが、その旅程について少々決めたいことがございます。よろしくお願いします
↓1〜5
1.光が遠くに落ちたので、途中にある他の国や地域を経由する必要がある
2.光は近くに落ちたので、目的の場所へは意外とすぐに到着する
◇簡単な解説◇
〈1.他の国や地域を経由する〉
他の国や地域を経由することになるので長旅になります。メインシナリオに加えて多くのサブシナリオが発生する可能性があります。出会いと別れもあるでしょう
世界観や登場人物の描写は増量されますが、全体的なお話のテンポは悪くなってしまうかもしれません
〈2.経由せずすぐ到着〉
サブシナリオはあまり発生せず、メインシナリオ(王国や原理派との戦い、勇者の謎、フメイちゃんとアリシラ?さんの行方)を主に追う形式となります
全体的なお話のテンポは早くなりますが、世界観や登場人物の描写は薄くなってしまうかもしれません
- 826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:10:34.42 ID:sl8eDkbq0
- 1
- 827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:12:08.65 ID:+sz04aaIO
- 1
- 828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:12:49.14 ID:+4puIc1EO
- 1
- 829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:20:52.64 ID:PmZecKPDO
- 一応1
- 830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:41:35.16 ID:eQjF9W320
- 他の登場人物にもスポットを当ててほしいから
1
- 831 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 21:02:09.00 ID:MsQneFxu0
- 皆さんありがとうございます。それでは、光は遠くに落ちたので他の国や地域を経由していくこととなりました
- 832 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 21:02:42.92 ID:MsQneFxu0
- ―大樹の宿 ロビー
イリス「それじゃあ、魔族国へ送るお土産はこの二つで良いかな?」
ヴァージンエルフワイン「」
世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ「」
クロシュ「うん」
妖精「異議なし」
ミスティ「ええ、良いと思うわ」
ローガン「うむ。私も異論はない」
イリス「みんなありがとう! それじゃあお土産はこの二つ――」
世界樹の精霊「……」ジーッ
ローガン「む……? 妖精の子だろうか……?」
ミスティ「世界樹の果実風ゼリーが気になるのかしら……?」
イリス「あー……ごめんね、これはお土産として送るためのもので――」
妖精「そいつ世界樹の精霊だよ」
イリス「えっ……ええええええええ!!!?!??!?」ガタンッ
ミスティ「せ、世界樹の精霊……!?」
ローガン「そんな方が、どうしてこんなところに……」
妖精「それは私が聞きたい。あなた、聖域の外に出て大丈夫なの?」
世界樹の精霊「うん。ここも聖域に包まれる予定だから。クロシュちゃん、お久しぶり」
クロシュ「あ、うん。世界樹の精霊さん、お久しぶりです」ペコ
イリス「な、なんかクロシュちゃんと知り合いになってる……!?」
妖精「ま、まあいろいろあってね……。それで、今日はどうしてこんなところに?」
世界樹の精霊「今日は……これを渡そうと思って、来た……」スッ
世界樹の枝「」
妖精「こ、これ……世界樹の枝!?」
イリス「え、ええ!? 世界樹の枝!!!?!?!?」
世界樹の精霊「うん。あなたたちに、あげる」
妖精「いやいやいや……この前葉っぱ一枚くれるのすら渋ってたじゃん!」
世界樹の精霊「もうこの枝に循環すべき命は残っていないから、大丈夫」
妖精「そ、そう……」
世界樹の精霊「でも、とても良い触媒になる……ってティセリアが言ってた」
イリス「触媒って……魔法の触媒のこと?」
世界樹の精霊「わからない」
ローガン「わからないのか……」
世界樹の精霊「そういうわけだから、今回のお礼に、あげる。ありがとう……」
妖精「わかったよ……。ありがたくもらっとく」
世界樹の精霊「どういたしまして」
*
- 833 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 21:03:55.23 ID:MsQneFxu0
-
イリス「世界樹の枝かあ……。素材としては最高級の逸品なのは間違いないけど……」
ミスティ「少し手に余るわね……。何か良い活用法はないかしら、妖精」
妖精「魔法の触媒としてなら、一般的な補助具より遥かに強力な効果を期待できると思う。でも未加工で使うのは危ないし消耗も早まるだろうからやめといた方が良いよ」
ローガン「ならば杖などに加工すれば――いや、明日出立するのに加工している暇はないな……」
クロシュ「……えと……それじゃあ……一緒に、魔族国に送るのは……?」
イリス「そっか! 魔族国なら魔法技術も緑の国と遜色ないし、師匠なら世界樹の枝の使い方もなんか知ってそうだもんね……!」
ミスティ「なんか知ってそう……。まあ、確かになんか知ってそうではあるわね……」
ローガン「そうだな。我々は持て余してしまうが、魔族国の者たちなら有効活用できるかもしれん」
妖精「じゃあこれも魔族国に送っちゃおうか」
イリス「うん!」
☆ヴァージンエルフワイン、世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ、世界樹の枝を魔族国に送ります
◆
- 834 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 22:18:21.99 ID:MsQneFxu0
- ―大樹の宿 ロビー
妖精「さて、お土産の発送も完了したところで次の目的地についての話をしよう」
イリス「うん! あの日の夜、世界樹から飛び散っていった光の行き先だよね」
妖精「そう。あの光が落ちた場所で被害が出てるから、私は緑の国の妖精としてそれを解決したい。……よく考えたら、首長ではないあなたたちにまで強要することはできないんだけど……」
ミスティ「今更水臭いわね……。私たちは共に選挙で勝利を治めた復権派の仲間じゃない……」
ローガン「うむ。首長のサポートを行うのは復権派構成員として当然の務めだ」
イリス「そうだよ! 妖精さん一人につらい思いなんてさせないんだから!」
クロシュ「うん……! それに……フメイちゃんたちも、そこにいるから……」
妖精「みんな……ありがとう。それじゃあ早速本題に入らせてもらうよ。まず次の目的地は――」
↓1〜 先取3票
1.ユーシリア帝国[>>383](チカーバの街[>>75]を経由)
2.テラヌス・ウルス[>>385](芸術都市ミュージア[>>380]、砂漠[危険地帯]を経由)
3.トコナツ火山島[熱帯](機械都市テンペスター[>>378]および港湾都市ウォーターポート[>>375]を経由)
※4.オノゴロ諸島[>>373](ユーシリア帝国[>>383]、???を経由)
※5.大陸西部上空(港湾都市ウォーターポート[>>375]、国際商業都市イスファハーン[384]、大魔女帝国[>>381]を経由)
※6.トウゲン帝国(オリシン王国[>>382]、大山脈[超危険地帯]、北部地方[超危険地帯]、リテン・ヘイヴン[>>377]を経由)
※7.常闇の樹海[超危険地帯]
(※が付いているものはまだ選べません)
(※4はユーシリア帝国編クリアで解放されます)
(※5〜7は特定の条件を満たすと解放されます)
(温泉町トウゲン[>>379]はオノゴロ諸島にあるようです)
- 835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:19:48.32 ID:DswJh/3vo
- 2
- 836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:20:11.63 ID:nWLHZMcCo
- 3
- 837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:21:27.41 ID:sl8eDkbq0
- 3
- 838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:22:17.11 ID:MuZ841l8o
- 2
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:23:57.50 ID:+sz04aaIO
- 3
- 840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:24:09.25 ID:PmZecKPDO
- 3
- 841 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:01:47.50 ID:MsQneFxu0
- 妖精「――トコナツ火山島。聞いたことはある?」
イリス「えっ、トコナツ火山島!? それってあのトコナツ火山島!?」
妖精「トコナツ火山島って地名は多分一つしかないと思う」
ミスティ「聞いたことあるわ。確か、一年中熱い季節が続く熱帯の島だとか……」
ローガン「しかも活火山があって溶岩も頻繁に出る、と聞いたことがあるな」
クロシュ「ようがん……」
妖精「とっても熱い、燃えて溶けてる岩のことだよ」
クロシュ「???」
ミスティ「私も実物を見たことがないから、溶岩という物体の知識はあるけれど、気持ちはクロシュと似たようなものよ……。燃えて溶ける岩なんて全く想像が付かないわ……」
ローガン「精錬で溶けた金属なら見たことはあるが、あんな感じなのだろうか……」
イリス「私、昔魔法の大会をお師匠様と見に行ったときに一度だけ見たことある。なんていうか……メラメラでデロデロで、すごかった」
クロシュ「メラメラで、デロデロ……。わたしも……デロデロなら、できる」
妖精「絶対触っちゃだめだからね!?」
ミスティ「とりあえずトコナツ火山島が目的地となったのはわかったわ。でもそれだと……海に出る必要があるけれど、どうするの?」
イリス「トコナツ火山島は大陸の南の海だよね。それなら最も近い港は――」
ローガン「……港湾都市ウォーターポートだな。王国の」
イリス「げげっ」
妖精「……まあ、こればかりは仕方ない。王国内ではまたクロシュの服の中とかに隠れるから、その時は入れさせてよね」
クロシュ「ん」コク
ミスティ「ところで……ウォーターポートと隣接している、このテンペスターという街は?」
ローガン「テンペスターは王国の武器庫と呼ばれる工業都市だな。通常の武器だけでなく、機械式の武器や兵器も開発・生産しているらしい」
妖精「げえ、機械兵器は私たち妖精の天敵だ……! 自然の力が通じにくい上に、自然の守りを容易く壊してくるんだよ!」
イリス「そ、そういえばマーベルさんが振り回してた機械式の回転ノコギリ、魔王樹に効果抜群だったね……」
妖精「そういうこと……! 魔王樹も元は精霊樹だったことを考えると、機械がいかに私たち妖精や精霊の天敵かわかるでしょ? はあ……。そんな街が港の近くにあるなんて……」
クロシュ「えと……妖精さんが、危なくなったら……わたしの中に……隠れて、いいよ……?」
妖精「ふふ、ありがとクロシュ。でも私が危ない時はクロシュも危ないだろうから、一緒に隠れよう」
クロシュ「うん」
☆次の目的地がトコナツ火山島になりました
港湾都市ウォーターポート&工業都市テンペスターを経由して向かいます
◆
- 842 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:04:38.11 ID:MsQneFxu0
- ―魔族国
妖しい魔法店
カランカラン
馬頭の飛脚「コンニチワ、馬頭便デス。イリス・プラネット様ヨリ、オ届ケ物ガゴザイマス」ヌッ
フラナ「ありがとう、ご苦労様。……あなた、緑の国の飛脚よね? もうすぐ鎖国するそうだけれど、帰りは大丈夫なの?」
馬頭の飛脚「アッ! ヤバイカモシレマセン」
フラナ「……。まあ、今この国は働き手がいくらでも欲しいから、もし緑の国に帰れなかったら魔族国に来なさい。寝床と仕事を用意してあげるから」
馬頭の飛脚「オ世話ニナリマス!」
フラナ「いやまずは帰れるかどうか確認しなさいよ」
*
フラナ「はあ、全く……。緑の国の住民ってちょっとのんきすぎる気があるのよね。そこが良いところでもあるのだろうけれど……」
フラナ「それより今はイリスからの届け物ね。何かしら……」ワクワク
ヴァージンエルフワイン「」ポン!
フラナ「こ、これは……生娘エルフの血――に限りなく近い味と成分の人工血液を用いて造られたヴァージンエルフワイン……!!!」
フラナ「鎖国すると聞いた時はもう飲めないかと諦めていたけれど……まさかイリスがこれを送ってきてくれるなんて……!!」
フラナ「ふふふふ、持つべきものは優秀な教え子ね……。後で飲みましょ」
フラナ「……ん? 他にも入ってるわね。何かしら――」
世界樹の枝「」ポン
フラナ「世界樹の――枝!?」
◆
- 843 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:05:13.94 ID:MsQneFxu0
- ―魔族国旧市街
ロイエ魔族国教会
ガチャッ
馬頭の飛脚「コンニチワ、馬頭便デス。クロシュ様ヨリ、オ届ケ物ガゴザイマス」ヌッ
聖女「はい、こんにちは……えっクロシュさんから!?」
馬頭の飛脚「ハイ」
聖女「あ、あの……クロシュさんたちは、お元気でしたか?」
馬頭の飛脚「ハイ。ミナサン、息災デアッタト記憶シテオリマス」
聖女「そうですか、良かった……。あれ、でも確か今は緑の国にいっていて、緑の国はもうすぐ鎖国で……あっ! あなたは大丈夫なのですか!?」
馬頭の飛脚「同ジコトヲ別ノオ客様ニモ言ワレマシタ。ヤバイカモシレマセン」
聖女「そ、そうですか……。あの、もしお国に帰れなかったら、ロイエ教の教会をお尋ねください。簡易的な宿泊施設と、炊き出しも行っておりますので……」
馬頭の飛脚「オ世話ニナリマス!」
聖女「まずは帰れるかどうかご確認くださいね!」
*
聖女「ふう……お布団もご飯も無限にあれば良いのですが……」
ガチャッ
魔族の子供「こんにちは、お姉さん! 遊びに来たよ!」ヒョコッ
魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ
淫魔の幼女「こんにちは、おねーさん!」ヒョコッ
聖女「あら、いらっしゃい! なんと今ですね――クロシュちゃんから、緑の国のお土産が届いたんです!」
魔族の子供「えっ、本当!?」
魔族国スライム「!」モニョモニョ
淫魔の幼女「……言われてみれば、クロシュちゃんの匂いがする……」
聖女「に、匂いがするかは私にはわかりませんが……こちらを、みんなで食べて欲しいと」スッ
世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ「」ポン!
淫魔の幼女「わああ……! きらきら……!!」
魔族の子供「これ、何!?」
聖女「これはゼリー≠ニいうおやつです。緑の国で人気のお菓子なのだそうですよ」
魔族国スライム「〜」モニョモニョ
魔族の子供「ゼリー……!」
淫魔の幼女「ええ、食べていい? 食べていい?」
聖女「ふふ、もちろんです。ゼリーは逃げませんから、ゆっくりね……」
◆
- 844 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:07:57.70 ID:MsQneFxu0
- ―???
アリシラ(……)
アリシラ(真っ暗で……何も、見えない……)
アリシラ(ここは……どこ、なのかな……)
アリシラ(帰らなきゃ……)
アリシラ(……? 帰るって……どこに……?)
アリシラ(あれ……? 私は……私って、誰……?)
アリシラ?「帰る場所なんて、もうないよ」
アリシラ(え――)
アリシラ?「忘れたの? 私の大好きなお父さんも、お母さんも――私が殺したんじゃない」
アリシラ(あ――あ、ああ―――!!)
アリシラ?「思い出した? あの日の夜のこと」
アリシラ(わ、私……私は……!!!)
アリシラ?「でも仕方ないよ。だって、私が吸収しなくたってお父さんもお母さんもあのままなら死んでたんだもの)
アリシラ(だからって……だからって……!)
アリシラ?「うふふ……一緒に死ねていたら良かったのにね。生存欲なんてものがあったばかりにね……。大好きな人たちと一緒に死ねず、後を追うこともできず、現世を彷徨い続けるしかない……」
アリシラ(どう、して……。私、だけ…………)
アリシラ?「それは私が、他者の命を奪って生き延びる力を持っていたから。ただ、それだけ。単なる必然」
アリシラ(…………あなたは……誰、なの……?)
アリシラ?「私は私だよ。アリシラ」
アリシラ(……)
アリシラ?「うふふ……本当だよ? だって私も≠ィ父さんとお母さんからその名前を授かったんだもの」
アリシラ(それは……どういう……)
アリシラ?「私はね――あなたが死産した時に生まれて、蘇生と引き換えに消滅した――」
魔王アリシラ「――魔王の、断片だよ」
◆
- 845 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:18:03.28 ID:MsQneFxu0
- 本日はここまでとなります。次回はとうとう緑の国を出発する時となります
今回、旅の方式が他の国や地域を経由していくものになりました。話のテンポはゆっくりになってしまうかもしれませんが、文量はその分増えますので、他の登場人物にスポットが当たることも増えるかと思います。よろしくお願いします
そして次の目的地であるトコナツ火山島は、劇中でも説明のあった通り、熱帯に位置する火山島です。赤道に近いため一年中暑く、独特の文化が発達しています。観光に訪れる人も多く、一年中賑わっています。海も山も遺跡もあるので、冒険者にも人気があるようです
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 23:38:33.05 ID:nWLHZMcCo
- 乙乙
条件で解放されるということはラスダンみたいな空気ある常闇の樹海にも条件次第で序盤にいけるんかね
- 847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 23:42:39.03 ID:eQjF9W320
- 乙です
気になったけどイリス、ミスティ、ローガンが戦闘以外でパーティーから離脱する可能性はあったりするのかな?
- 848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 23:48:45.05 ID:PmZecKPDO
- 乙です
超危険地帯には勇者とか魔王以上にヤバいのが眠ってそう
- 849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 01:16:31.80 ID:5qAKx6E9o
- 乙
魔王関係はアリシラ?さんの方だった!
こういう一つ前の国のその後ちょっと見せてもらえるのすき
- 850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 07:30:40.65 ID:lDuvULJr0
- 乙
フラナ氏昔はヤンチャ吸血鬼として無差別に吸血してそう
- 851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 19:46:19.95 ID:YO9073hoO
- 乙
鎖国してもギルドは続投するのかな
- 852 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:50:25.40 ID:h/5HXvT10
- 特定条件で解放される目的地についてですが、条件を満たすにはメインシナリオを進める必要もあるため、序盤の段階で突入することは難しいかと思われます(無理に行こうとしても他のパーティメンバーに止められます)
イリス、ミスティ、ローガンが離脱する可能性についてですが、魔族国編での革命参加選択の時のように、各仲間の意にそぐわない行動を選ぶと離脱判定が発生することがあります
なお現時点ではクロシュおよびパーティそのものに対する好感度は全員けっこう高いため、よほど信念に反する行動を取らない限りは基本的に離脱する可能性は低いと考えて頂いて大丈夫かと思います
ただし特定のサブイベントなどでは、展開次第で離脱判定または強制離脱が発生する可能性もあります
超危険地帯には、勇者は多分いないと思いますが、魔王やそれに比肩する存在が潜んでいる可能性はあります。通行する際は十分に注意しましょう
アリシラ?さんは、かつて魔王化したアリシラさんの凶悪な力の断片のようです。厳密には魔王ではないので、災害と呼べるほどの力は残っておらず、言葉も通じるように思えます
本来のアリシラさんもどうやら消滅したわけではないようです
フラナ氏が若い頃にどういう吸血鬼だったかは明らかではありませんが、竜人の女性氏やムキムキオーク氏が尊敬するような人物だったのは確かなようです
緑の国の冒険者ギルド支部は一旦活動を休止することになるかと思います。鎖国が解消されたら再び活動を再開するでしょう
- 853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:51:42.45 ID:h/5HXvT10
- ―朝
露店通り
ワイワイ ガヤガヤ
ティセリア「……もう出立の時なのですね」
妖精「うん。世話になったね」
ティセリア「こちらこそ。本当に……この年の選挙に戻ってきてくれて、ありがとうございました」
妖精「あなたこそ、この国を守ってくれてありがとう。これからも頼っちゃうけれど、よろしくね」
ティセリア「はい……」
紫髪のエルフ幼女「これを。旅にお役立てください」
お金の入った袋「」ジャラッ
イリス「わっ……! こ、こんなに良いんですか……!?」
紫髪のエルフ幼女「……むしろ、この程度の額しか用意できなかったことをお許しください。本来であれば、世界樹の光の回収は国を挙げて支援すべき事案なのですが……」
ローガン「とんでもない。これほどの大金を頂けるとは、ありがたみしかありません」
妖精「うん。この情勢でここまで捻出してくれて本当に助かるよ。ありがたく使わせてもらうね」
紫髪のエルフ幼女「それと、これをお受け取りください」スッ
精霊の印「」キラキラ
クロシュ「きらきら……」
イリス「なんだろ……透き通った心地良い魔力を感じる……」
紫髪のエルフ幼女「これは精霊の魔力が込められたお守りです。認められた人がこれを持っていれば、聖域を自由に通行できるようになります」
ミスティ「……本当に良いの? 私たちのような素性の知れぬ旅人に、聖域の通行許可なんて与えて……」
紫髪のエルフ幼女「あなたがたは現首長妖精と共に復権派として活動し、この国の為に尽力してくださった賓客ですから。どうかお受け取りください」
クロシュ「うん……ありがと……」
- 854 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:52:59.13 ID:h/5HXvT10
-
マーベル「なんだ、もう行くのか。帰って来る時はなんか珍しい土産とか持ってきてくれよ」
妖精「はいはい。覚えてたらね」
イリス「あの、今更ですけど……あの時、魔王樹の攻撃から助けてくださって、ありがとうございました……!」ペコッ
マーベル「あー、そういえばそんなこともあったな……。恩を着せようと思ったわけじゃないが、せっかくだから貸し一つってことにしとくか」
イリス「は、はい」
妖精「ちょっと、イリスに変な要求しないでよ」
マーベル「しねえよ! 百年どころか十数年しか生きてないガキにんな大人げないことするかっての!」
妖精「ならいいけど」
マーベル「まあ、そうだな……。またここに来ることがあったら、外国土産とか持ってきてくれりゃいい。それと、もしセインの奴に会うことがあったら、マーベルの分っつって一発ぶん殴っておいてくれ」
イリス「え、ええ!? セインくんを……それはちょっと、ハードルが高いというか……」
マーベル「あいつ変なとこで真面目だから、俺の名前出せば殴られてくれると思うぞ。多分な」
イリス「わ、わかりました。やれそうならやってみます……」
マーベル「ったく、あいつが勇者じゃなけりゃな……」
森妖精の子「ミスティさん……もう、いっちゃうの……?」
ミスティ「ええ……。私たちには、やらなければならないことがあるのよ」
森妖精の子「……うん。ミスティさんは……たびびと、だもんね……」
ミスティ「ええ……」
森妖精の子「…………これ……あげる……」スッ
精霊樹の実のジャム「」ポン
ミスティ「これは……ジャム?」
森妖精の子「うん……。木さんの、実と……わたしのフェアリーシロップで、つくったの……。ティセリアさんに、やりかた、おしえてもらって……」
ミスティ「すごいわ……! お菓子作り、もうできるのね……」
森妖精の子「えへへ……。木さんと、ティセリアさんのおかげ……。ミスティさん……げんきでね……」
ミスティ「ありがとう……。お菓子作り、応援してるわ。あなたも、元気で……」
☆お金をいっぱいもらいました
☆精霊の印(持っていると聖域を通行できます)を人数分もらいました
☆精霊樹の実のジャム(魔力大回復、甘くて美味しい)をもらいました
◇
- 855 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:54:05.52 ID:h/5HXvT10
- ―緑の国フォレスティナ
森のトンネル前
妖精「それじゃあ行ってくるよ。後はよろしくね、ティセリア、サリー」
ティセリア「はい、お任せください。あなたがたも、どうか無事に帰ってきてくださいね」
紫髪のエルフ幼女「……私たちを打ち負かして首長の座を取ったのですから、勝手に消えたら承知しません。絶対、五体満足で帰ってきてください」
妖精「わかってるよ。責任は全うする。飛び散った光を集めて、必ず戻るよ」
ティセリア「……もし、上手くいかなくても……どうか気に病まず、堂々と帰ってきてください。あなた方の無事が、一番の良い知らせになりますから」
妖精「うん……」
ティセリア「あなたがたに、精霊の加護がありますよう……」
紫髪のエルフ幼女「復権派に、精霊の加護がありますよう」
森妖精の子「ミスティさんたちに……せいれいのかごが、ありますよう……」
マーベル「あいつらに精霊の……あー面倒臭ェな! 老衰でくたばんじゃねえぞ妖精のババア!」
妖精「緑の国フォレスティナとその民に、精霊の加護が――ああ!!? あんのクソガキ!!!」
イリス「お、落ち着いて妖精さん!! フォレスティナの人たちに、精霊の加護がありますよう!!」
ローガン「はは……。フォレスティナの民に、精霊の加護がありますよう……」
ミスティ「もう……。フォレスティナと――あの子たちに、精霊の加護がありますよう――……」
クロシュ「えと……森のみんなに……精霊の加護が、ありますよう……!」
強化ソリ「」シャーッ
――緑の国フォレスティナ編 完
- 856 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:54:39.84 ID:h/5HXvT10
- クリアボーナス
↓1
01-60 運命賽(致命的な運命を辿った時、直前の判定を振り直せる。一度使うとなくなる)
61-90 ↑+鋼の回転ノコギリ
91-00 ↑+会心賽(判定時に会心と書き込むと、コンマに関わらず最上の結果となる。一度使うとなくなる)
- 857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 19:55:51.77 ID:iLkxzaAN0
- 会心
- 858 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 20:51:50.33 ID:h/5HXvT10
- ―王国港湾都市への旅路
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:エルフのレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・精霊樹の種
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
- 859 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 20:52:30.65 ID:h/5HXvT10
- ―緑の大森林 街道
強化ソリ「」シャーッ
ミスティ「良いとこだったわね……フォレスティナ……」
クロシュ「うん……!」
イリス「でも、だからこそ鎖国しちゃうのがもったいなく思えちゃうよ、仕方のないことだけれど……」
ローガン「うむ……だが我々には通行許可がある。ある意味では、緑の国の観光を独占できると言っても良いだろう」
イリス「な、なんかちょっとズルしてるみたいな気分になっちゃいそうです……」
妖精「いいじゃん。私たちは復権派なんだからさ」
ミスティ「そうね……。次に来た時は、のんびりしてみたいわ……」
ローガン「ところで……先ほどから、どこか鋼の気配を感じるのだが……」
妖精「奇遇だね……。私も、なんだか忌々しい気配を感じてたとこ……」
謎の荷物「」ゴゴゴゴゴ
イリス「あ、あの荷物は……?」
ミスティ「ソリを出す前に、マーベルさんが餞別とか言って置いてったのよ。言うのを忘れていたわ……」
妖精「あいつ……爆弾でも置いてったんじゃないだろうね」
ローガン「ははは、まさか……。この鋼の気配は、悪いものではないだろう……」
イリス「とりあえず開けてみよう!」
*
鋼の回転ノコギリ「」ドン!
妖精「……」
ローガン「これは……マーベル氏が使っていた機械式の武器だな……」
イリス「え、ええと……ローガンさん、使えそう……?」
ローガン「……使えないこともないだろうが、かなりクセが強そうだ……。ううむ……」
クロシュ「えと……じゃあ……わたしは……?」
妖精「だ、だめ! クロシュはこんな忌々しい武器を使っちゃだめだよ!」
クロシュ「う、うん……」
ローガン「……うむ。盾しか使っていないクロシュくんが、いきなりこのような変則的な武器を持つのは推奨できん。まあとりあえず私が試してみよう」
☆ローガンが状況に応じて回転ノコギリを使用するようになります
↓1 ランダムイベント
01-05 ???
06-20 襲撃
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-65 自生する果物(おいしい)
65-80 良いもの発見(自由安価。物品またはスポット)
81-95 旅は道連れ
96-00 ???
- 860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 20:53:47.39 ID:YO9073hoO
- あ
- 861 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 21:58:10.91 ID:h/5HXvT10
-
強化ソリ「」シャーッ
ミスティ「そろそろお昼ね……。休憩にしましょうか」
クロシュ「おひる……!」
イリス「ミスティ、魔力は大丈夫?」
ミスティ「ええ。少し前にコツを掴んだから、燃費はすこぶる良いわ」
ローガン「おお、以前よりも快速な気がしていたが、燃費も良くなっていたのか」
ミスティ「ふふ、私はソリの運行くらいしかできないから。これくらいは役立たせて欲しいわ」
妖精「むしろミスティがいなきゃ行軍にものすごく困るんだよね……」
*
―森の空き地
自生する森ニンジン「」
自生するゴボウ「」
自生するドングリ「」
妖精「お、森ニンジンとゴボウが生えてる。昼はあれも食べようよ」
イリス「わ、森ニンジンとゴボウってその辺に自生してるものなの?」
妖精「うん。味は流石に農場で作ってるのに劣るけれど、旅の糧食としては十分でしょ?」
ローガン「流石は緑の森だな……。自然の恵みに感謝せねば」
*
森の恵み野菜スープ「」ポン!
焼きドングリ「」ポン!
スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ
イリス「ふふ、おかわりもあるからたくさん食べてね」
ミスティ「ふう……体が温まるわね……。美味しいわ……」
ローガン「うむ。このドングリもコクがあって美味いな。いくらでも食べられそうだ」ポリポリ
イリス「緑の森の食べ物は美味しいし、こうやって現地調達すれば保存食の節約にもなるし、森の恵み様々だね」
☆野菜スープを飲んで元気になりました
この道中の次の戦闘時、コンマ+10
◆
- 862 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 21:59:06.29 ID:h/5HXvT10
- ―夕方
関所 森林側
ワイワイ キャッキャ
森妖精A「フォレスティナに来てくれてありがと〜!」
森妖精B「えっへへ〜またいつか鎖国が解かれたら遊びに来てね〜」
森妖精C「ねえねえ旅人さん、鎖国前にフェアリーシロップ欲しくない? もう二度と手に入らないかもよ?」
お宿の妖精「妖精のお宿ですよ〜。鎖国前なので格安で提供してますよ〜。最後の一泊、どうですか〜?」
クロシュ「……!」
ローガン「ここはまだ、営業してるのだな……」
イリス「妖精さんのお宿……! 入国した時に一泊したのが、もうずっと昔みたいに感じられるなあ……」
ミスティ「格安でやってるみたいだし、今夜も妖精のお宿で一泊していかない……?」
妖精「……そうだね。泊まっていこう」
◇
お宿の妖精A「わあ、黒いスライムさん! また来てくれたんだあ」
お宿の妖精B「ああ……黒くて滑らかで……美しいです、お客様……」
お宿の妖精C「スライムさん向けのマッサージ、気に入ってくれた?」フニフニ
スライムクロシュ「///」モニョニョ
お宿の妖精D「またいらっしゃってくださったんですねぇ、鋼の旦那様……」
ローガン「う、うむ……。またよろしく頼む」
イリス「あはは、クロシュちゃんもローガンさんも覚えられちゃったみたい」
ミスティ「ふふ……でも、いいわね。そういうのも……」
妖精「クロシュもローガンもすっかり気を良くしちゃってるなあ。ふふ、本当に上手い商売」
妖精のお宿に一泊します
↓1〜3 自由安価 宿泊中何をする?
- 863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:00:31.81 ID:iLkxzaAN0
- 星の魔翌力を読む
- 864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:03:47.64 ID:V31yk4qDO
- お宿の妖精達に精霊樹の種の育て方のアドバイスを聞く
- 865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:04:56.77 ID:lDuvULJr0
- 売店で何か買う
- 866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:06:42.80 ID:ZEee4nhk0
- 鋼の回転ノコギリを試してみる(宿の中だと危ないので外でやってみる)
- 867 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 22:21:02.24 ID:h/5HXvT10
- ―妖精のお宿 客室
イリス「さて、と……。久しぶりに時間が取れそうだし……」ガサゴソ
魔術書「星の魔力」ポン!
イリス「今夜こそはこれをしっかり読み込んでみよう……! この前世界樹で感じたことを照らし合わせれば、何かが見えるような気がする……!」
イリス「よおし……」グッ
↓1 イリスの勉強成果
01-90 私の本当の属性って――
91-00 ???
- 868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:21:36.32 ID:Z/K+OqFho
- 💡
- 869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:21:49.02 ID:V31yk4qDO
- はい
- 870 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 23:34:04.94 ID:h/5HXvT10
- 魔術書「星の魔力」ペラッ
イリスの研究ノート「」カキカキ
イリス「……」ペラッ
イリス「……」カキカキ
イリス「……」ペラッ
イリス「……」カキカキ
イリス「……」
イリス「…………」
イリス(……あの日、夜空を飛び散っていった光は……星の魔力を源泉とした――火、水、風、地、光属性の、奔流……)
イリス(……)
イリス(そして私が使える属性も……火、水、風、地、光。他にも使える属性はあるけれど、それらも今言った五大属性の派生属性……)
イリス(つまり――私の、複数属性というのは――)
イリス(――星属性)
イリス(……そっか。あの時感じた、あの魔力に対する馴染みやすさは……私と一致した属性の魔力だったから……。単純な話だったんだ)
イリス(……)
イリス(お師匠様……。私、ようやく見つけました。私の、本当の属性を……)
☆イリスが自らの属性を自覚しました
◇
- 871 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 23:34:56.35 ID:h/5HXvT10
- 本日はここまでとなります。緑の国フォレスティナ編、クリアおめでとうございます
当初は選挙に飛び入り参加する方向などは全然考えていませんでしたが、こうして完結してみるとちゃんと綺麗に収まっているように思えます。妖精が建国者になったり、ティセリア氏とマーベル氏と和解に至ったり、とても良い着地をすることができたかと思います
そして次の更新の前に、やっぱり敵対ネームドキャラクターや汎用クリーチャーの募集などを平日中に行うかもしれません。その時はよろしくお願いします
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 00:37:52.63 ID:UW8oLAmpo
- 乙乙
緑の国は比較的爽やか国で好きよ
- 873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 01:50:28.78 ID:xLWbrYB2o
- おつ
電ノコ?はこのあと活躍する、といいな
妖精さん周りがかなりイレギュラーだったはずだけど上手くまとめて凄い
- 874 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/27(水) 00:18:10.80 ID:bJdOTkdK0
- 緑の国編は魔族自治区編と比べると、実際明るく前向きな雰囲気で進んでいたかと思います。というか魔族自治区編が際立って重苦しかっただけかもしれません……
鋼の回転ノコギリは、単純な破壊力で言えばローガン氏の愛用しているはがねのつるぎよりも上なので、活躍しないということはないと思います。ただしローガン氏自身も言っていたように癖が強い武器のため、使いこなすにはある程度の習熟が必要となるでしょう
妖精さんが突然大物になりましたが、>>1自身も意外とちゃんとまとめられたことに驚いております。この調子で今後も良い感じに書いていきたいところです
- 875 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/27(水) 00:20:10.95 ID:bJdOTkdK0
- というわけで本日は更新はできませんが、敵対ネームドキャラクターおよび汎用クリーチャーの募集を行いたいと思います
全員出せるかはわかりませんが、機会があれば是非とも使わせていただきたく思います。よろしくお願いします
(ネームドキャラクター用テンプレート)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)
(汎用クリーチャー用テンプレート)
【種族】
【分類】
【外見】
【性質】
【備考】
■参考:
(敵対ネームドキャラクター例)
【名前】ブラッド(冒険者ギルド命名)
【種族】スライム類の一種と推測される
【性別】♀
【年齢】不明
【容姿】血のように赤いスライム。人間に擬態する時は、真紅の髪を足元の辺りまで無造作に伸ばした幼子の姿を取る
【性格】わがまま。感情の起伏が激しく、気に入らないことがあるとすぐに癇癪を起こす
【魔法】詳細は不明だが、通常のスライムとは一線を画す卓越した擬態能力と同化能力を有する
【備考】幼い外見とは裏腹に異常な力を有しており、何人もの冒険者を血の海に沈めている
単純な戦闘能力も高いが、擬態能力を活かして不意打ちや騙し討ちをする等の狡猾さもあり、危険
過去に起きた災害級の事件に関与している疑いがあり、冒険者ギルドは調査を進めている
(汎用クリーチャー例)
【種族】ヒヒイロガニ
【分類】甲殻類
【外見】緋緋色の美しい甲殻を持つカニ
【性質】穏やかな性格であることが多い。大抵のヒヒイロガニは不要な争いを避け、静穏な環境を好んで暮らしている
【備考】甲殻に希少金属を含有している珍しいカニ。極めて頑強で堅く、並の物理攻撃では傷一つ付かない
特定の地域では高級食材として扱われている
↓1〜 23:59:59まで
- 876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 01:56:46.10 ID:VpdFCuxLo
- 【種族】溶岩魚
【分類】魚類
【外見】魚の形をした岩
【性質】おとなしいが危険を感じると発熱し、地面を溶かして地中に潜る
【備考】溶岩中で生きられるようにウロコが耐熱岩石になった魚。自己発熱は溶岩を上回る熱を発するが、自分でも長くは耐えられないので何らかの方法で逃げられなくすると自ら焼き魚となる
骨には火属性耐性があり道具として有用
- 877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 02:03:48.70 ID:3ZzTQ8kPo
- 【名前】セレスティア・ベールグラッド
【種族】ドラゴン
【性別】女
【年齢】1800
【容姿】赤いドレスと赤い眼、金髪、立派な龍角を持つ妖艶美人で真の姿は赤いドラゴン。龍角から加工した大業物の槍を持つ。
【性格】面白いものが何より好きで、退屈が何より嫌いな気分屋。自由人。基本は気さくだが、心から誰かを愛さないし心から憎むこともないどこまでいっても爬虫類。仲良くなった相手でも必要があれば敵対するし、その逆もある。
【魔法】ドラゴンとしての溢れる魔翌力を魔法というよりドラゴンブレスとして雑に魔翌力の塊をぶつけるだけのストロングスタイル。変身魔法も使えるが杜撰。
【備考】秘密結社「シノホシ」のメンバー(ナルトの暁みたいなもの)をしている。面白そうというだけで特に目的意識も忠誠心もない。組織のメンバーになれるだけにかなりの実力者。組織の任務以外には傭兵業をこなして生計を立てている。世界でも稀な純正純粋のドラゴンだが、めんどくさいいざこざに巻き込まれないため普段は人間の姿をしている。しかし度々龍角が生えちゃうくらい爪の甘い変身っぷりで、その度にファッションだからと変な言い訳をしている。空を飛べ、普段はフワフワ空中で揺られながら昼寝してる。気に入った相手は背に乗せてくれる。気に入った相手でも仕事なら[ピーーー]のも仕方ない。空から不法入国を繰り返す常習犯。本質はどこまでも冷めた人であり、戦いの中で、唯一ひりつく感情の中で死にたい。
【種族】触手属 ◯◯触手
【分類】触手目 触手科 触手属
【外見】触手。獲物を捕食するときに先っぽが4つに割れ口となる。
【性質】縄張りに入り込んだ獲物に巻き付き捕食してくる習性を持つ。
【備考】そこらの地面から突然飛び出してくるが、魔翌力探知の鋭い人なら予知できる。触手属は色によって序列が決まっており、薄紅、黄、緑、青、紫、黒、白の順で強くなっていく。獲物を捕食すればするほど強くなり、色が変化していく生態。
薄紅触手はパワーも弱く、毒もなく、そんなに伸びない初心者向けであり、たまに植木鉢で売られている。
青色触手までは人類でも対処可能な域にあるが、紫色触手以上は規格外。特に、白色触手にもなるとバカみたいに高い戦闘力を有しており、速度、硬度、長さ、消化力、食欲どれをとっても一級品である。白色触手がたった一本だけでも住み着いた土地は一切の生物が生存できない死の土地となる。強い触手ほど多くの獲物の栄養を蓄えており、美味。白色は市場にほぼ出回らないほどの高級食材。
触手属は実は結構人に懐く。どっかの爬虫類よりよっぽど情がある。
- 878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 12:33:39.72 ID:JFs8u6VCO
- 【名前】メイ841
【種族】メイド型オートマトン(機械人形)
【外見】メイド服を着た黒髪ロングの15歳くらいの少女
【年齢】不明
【性格】無機質で機械的な喋り方をする
【魔法】魔法は使えないが護衛用に右手にブレード、左手にマシンガンを仕込み、両足にローラー、背中にジェットエンジンを備える。
【備考】かつて機械都市で量産されたメイドロボだが、売れ残りが廃棄処分された内1体が怨みの念で自我を得て自らを改造して人間達への復讐を目論んでいる。
- 879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 13:50:08.77 ID:9NY8K/CW0
- 【名前】ガッタ・ファーブ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】50
【容姿】身長は高い。白髪で頭部の両端にクワガタの顎のような髪型をしている。鼻は少し長くカイゼル髭を生やしている。白衣を着ている。
【性格】昆虫(もしくは昆虫型モンスター)が好きでいつも昆虫の事を考えている。人をあまり信用していなく疑い深い性格。ネチネチと小言をよく言っている。小言が多いが仕事仲間には優しい気にかける事がある。
【魔法】昆虫魔法
・普通の昆虫を使役し操る事が出来る。
・オリジナルの昆虫を召喚して操れる(例えば火に耐性があったり、切っても分裂できる等)。
・自身の体の一部を昆虫の一部に変える事が出来る(例えば背中に蝶々の羽を生やす、両足をバッタの足に変える等)。
【備考】王国で護衛兼学者とやっている。結構頭もよい。昆虫に関する論文で高い評価を受けたり、新種の昆虫型モンスターを発見したして、学者の間では結構有名。武術も強く、護衛の為に習ったら才能が開花した。武術に関しては王国の騎士隊長以上に強くなっている。その強さから王国にも認められている。王国の命令があれば必ず遂行する。勇者セインとはともに仕事した事がある。自身の魔法もおり混ぜて戦う戦闘スタイル。一人称は「ミー」でよくカイゼル髭をいじっている。
- 880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 14:56:04.14 ID:5nHP6WRUO
- ネームド
【名前】カリス・ノーランド
【種族】エルフ
【性別】女性
【年齢】400
【容姿】
身長145cm。小柄で華奢な体格やショートカットにしたサラサラの金髪、青い瞳、白い肌など。幼く活発そうな可愛らしい顔立ち。
顔立ちは幼く小柄で華奢な体格だが、その幼さとは裏腹にバストは大人顔負けに実っている。どこがとは言わないが生えてない。白衣を着た医者のような服装。
【性格】一見陽気で無邪気だが、道徳や人道といった倫理観に理解を示さない狂人。
【魔法】生命・魂に干渉する魔法。
【備考】
魔王化を研究し、自身も魔王になろうとしているマッドな研究者。
過去に様々な動植物を魔王化させようと自身の魔法で実験を繰返し凶悪な怪物を誕生させ続けたことから指名手配されている。
彼女自身の戦闘能力は未知数だが、実験で怪物と化した者達は一様に彼女に従順で護衛をしているため、彼女を倒すことは困難を極めるだろう。
クリーチャー
【種族】オアシスモドキ
【分類】虫
【外見】人間に近いサイズの大きなアリジゴク
【性質】
肉食で貪欲かつ獰猛。一応彼らが使う神経毒は活用できるが、人類・魔族どちらにとっても害虫である。
【備考】
砂漠に生息する神経毒を有し幻術を操るアリジゴクのような虫型クリーチャー。砂漠の真ん中でオアシスの幻を発生させて引き寄せ、噛みついて神経毒で麻痺させて捕食する生態の持ち主。
オアシスを幻術で見せているが、再現しているのは見た目だけなので注意深く観察すれば見破れる点や飛んでいる相手に攻撃する手段がない点は覚えておこう。
ちなみに毒腺が討伐の証拠になる。
- 881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 15:26:04.89 ID:rHuztZjuO
- 【名前】アウル・フォクシー
【種族】狐の獣人
【性別】男
【年齢】25
【容姿】銀髪で狐耳と狐の尻尾がある。顔は整っておりイケメン。長い槍を背負っている。いつもニヒルな表情をしている。
【性格】腹黒い性格。本人は自覚していないがナルシストなところがある。
【魔法】毒を操る魔法(毒液や毒霧も可能)
【備考】昔暮らしていた村が人間によって滅ぼされてしまった過去がありそれ以降人間を憎んでいる。魔物に対しては結構普通に接している。ある組織に所属している。槍術と毒の魔法が得意。腹黒い性格もあって騙し討ちもする事がある。テンションが上がるとヒステリックな笑い方をする。実は緑の国に滞在時、世界樹の果実を潰しそれから五色の光が放たれている様子を目撃している。
【種族】ボーンクラーケン
【分類】軟体動物 タコ類
【外見】頭に動物の骨を被っており、八本の足にはそれぞれ動物や人間などの骨を持っている。
【性質】獰猛な性格で縄張りに入ると襲ってくる。
【備考】基本的に暖かい海に生息している。骨を武器にして襲う事がある。タコなのでスミをはく。骨をめぐって仲間同士で争う事が結構ある。見た目は怖いが食べる事ができ、地域の所では食用として販売している。
- 882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 19:19:06.05 ID:AkxJ8ODuO
- ネームドエネミー
【名前】クロシュヴィア・ビターエンド
【種族】レジェンドスライム
【性別】なし
【年齢】2000
【容姿】特に一つの姿に頓着せず、様々な姿に変身する。普段は風になって漂っている。
【性格】姿形を変えられるように性格もいくらでも変えられる。普段は朗らか風。しかし本質はことなかれ主義の悲観論者。
【魔法】体積も質量も材質もエネルギーも無視して何にでもなれる。コピーした相手の能力魔法すら使いこなせる。
【備考】人間が魔物を嫌うようにどんな種族でも別の種族を嫌ったり好いたりと差別心を心に抱えている。そんな世界でもみんなから好かれるため嫌われないため、相対する種族に合わせて姿を変え偽り生きている(人間相手には人間として振る舞うなど)。そのためスライムとしての姿を捨て他種族として生きるようになった。スライム界の伝説の人物であるがスライムとしての本来の姿には、もう長いこと戻っていない、スライム界の裏切り者。この世の嫌なものを見すぎたことから、理想の世界を創り上げる計画のために今は動いている。膨大な魔翌力さえあれば、本来のスライムとしての姿を無尽蔵に膨張させることで文字通り世界を飲み込むことができる。世界を飲み込み、世界そのものになることで、もう誰からも排斥されることはなくなる。それこそが理想郷。
クリーチャー
【種族】レッサースライム
【分類】スライム
【外見】とても分かりやすいくらいスライム
【性質】スライム属の中でも知能が低い種族。まともな言語も操れず、本能で動く。
【備考】戦闘力は雑魚だが、ぺしぺし体当たりされたり、粘液まみれの身体で触ってきたりと野宿してる時に遭遇すると最悪。簡単に人間が殺されることはないが、放置してると続々と群れの仲間が集まってくるわ、無性生殖で一匹がガンガン増えるわとイナゴの大群みたいな存在。基本的には本能で動く野生動物だが、上位スライムの命令にのみ忠実に従う。上位かどうかは感知する魔翌力総量で判断してるらしいというのが最近の学説。ペット人気がちょっとある。
- 883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 20:05:04.66 ID:BkQ5zu/n0
- 【名前】フレメア=バイオレット
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】444歳
【容姿】赤毛ロングの幼女
【性格】普段は無口だが怒ると暴言をまき散らす
【魔法】巨大化魔法。全身は勿論一部分だけ大きくもできる。
【備考】フラナの腹違いの姉、こちらはより高位の魔族を血を受け継いだせいで理性をほぼ失っており、破壊衝動にかられており暴走状態になって彷徨っている。フラナ的には家族としての情は薄かったため話題にすることはなかった。
【種族】パラサイトソード
【分類】リビングソード(邪悪な意思が宿った剣)
【外見】禍々しい装飾が施された剣
【性質】握った者を意のままに操る。浮翌遊して移動することも可能。
【備考】宝箱に入っていたり店売りの剣に紛れ込むこともある。
- 884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 20:14:32.68 ID:pBxejSw50
- 【名前】ドノヴァン・ホロゲイト
【種族】人間
【性別】男
【年齢】26
【容姿】黒いシルクハットに黒マント姿の男性。髪は長い銀髪で後ろで束ねている。イケメンなのだがどことなく胡散臭い。
【性格】ノリが良く、たまに寒いギャグを言っては自分でツッコんだりしている。しかし時折、常人とは思えない程の冷たい殺気を纏う事がある。
【魔法】空間魔法。主に転移やアイテムの格納に使うが、空間を削り取るなど攻撃的な使い方も出来る。
【備考】神出鬼没の謎の商人で、常に独特な口調(こちらの世界で言う関西弁)で話す。
各国に現れては巧みな話術で王族などの支配者層に取り入り、莫大な財を成しているという。
だが彼が扱う商品はとても一介の商人に仕入れられるとは思えない様な強力かつ貴重な武器やアイテムばかりであり、一体どうやって手に入れたのかや、その素性については一切謎に包まれている。
そのため実は〇〇のスパイなのではないか、各国に強力な武器やアイテムを流す事で戦争を引き起こそうとしているのではないか…などといった噂が飛び交い、これまで何度も身辺調査が行われてきたが、そのどれもが不発に終わっている。
現時点ではクロシュ達の明確な敵になるかは分からないが、恐らく味方になる事もないと思われる。
- 885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 21:34:45.64 ID:GpGlts6fO
- 【名前】ザイル
【種族】魔族
【性別】男
【年齢】1000歳
【容姿】銀の長髪、中肉中背
頭にある二本の角、背中には黒い翼を持つ
それ以外は特徴を持たない普通の青年
【性格】泰然自若
知識を尊び、色んな物事に興味を示し、他者の話に良く耳を傾け、良く喋る
だが自身の価値観は頑なに譲らない
力こそ全てとし、力で意志と矜持を貫き通す
一方で身体が弱くても、強き心を持つものには敬意を払う
【魔法】圧倒的な出力の光魔法
【備考】産まれてから暫くの間、非力でそこらの村人より弱かった魔族
力なき故に他の魔族から虐げられ、飢えと渇きに苦しみながら、死にたくない一心で生き続け、鍛え続けてきた
ある時、長年自身を虐げてきた魔族を殺害。その魔族が貯め込んだ食料を喰らうことで、生まれて初めてのまともな食事にありつく
かつて自分より遥かに強かった魔族を倒し、飢えから解放されたことにより、力さえあれば飢えることもなく、尊厳も守れると力に執着していった
研鑽の日々の中、滅ぼされた村の生き残りの少女を虐げて楽しむ魔族を見つける
力こそ全て。ならば、少女が虐げられるのも弱いが故
そう考えるも怒りを覚えたザイルは魔族を屠り、少女を助けた
その後、助けた者の義務として少女を養う。始めは義務感のみで少女と接していたが、次第に情が移り兄妹のように仲良くなる
しかし、かつて虐げていたザイルが自分達より遥かに強くなったことを妬んだ魔族達が義妹(少女)が連れ去る
だがザイルの実力を見誤った魔族達は、義妹を人質にザイルを脅す間もなく皆殺しにされる
このことから、大切なものを守り通すにも力が必要と信じるようになる
やがて圧倒的な力と知識を手に入れたザイルは、繁栄も豊かさも平和も、人材すらも力で得られると、周辺の者を種族関係なく従える
そして自分の思う通りの法を整え、思い通りの国を作らせ、その国を亡き義妹の名前からリーリアと名付けた
かつての飢えの経験から、食事がなによりの楽しみ。一番の好物は義妹の得意料理だったシチュー
世界樹から放たれた光に、義妹と似た魔翌力を感じ、光を手に入れようと動き出す
- 886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 22:57:33.28 ID:P2Jlc1kW0
- 【名前】エルザ・アーシェライト
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】18
【容姿】金髪お下げ髪
平均よりやや小柄、胸は結構大きい
優しげで幼さを残した顔立ちに、意志の強さを感じさせる眼
【性格】子供っぽさを残しつつも、真面目な頑張り屋
基本的に敬語
仕事に私情は挟まないとクールに振る舞おうとするも、すぐに人の良さや負けず嫌いなところが出てしまう
優秀ながらもどこかポンコツな女の子
【魔法】回復魔法
【備考】ユーシリア帝国軍所属
現皇帝に忠誠を誓う新米小隊長
皇帝と帝国のために世界樹の光を手に入れようと、皇帝に(半ば強引に)志願して四、五名の兵士を従え、遠征に出た
子供っぽさや嘘がつけない(すぐバレる)性格、皇帝と自分が恋仲になる妄想を度々していることなどから、ポンコツ感が漂う
でも、いざというときはきちんとした観察力や判断力、指揮能力を発揮するなど、なんだかんだ優秀
根の性格も優しいし、度々手料理を振る舞ったりしているため、本国でも遠征時でも兵士達からは敬われこそしないが慕われている
行く先々で人助けしてることで、帝国の評判を地味に上げ帝国に貢献している節がある(無自覚)
昔の英雄が使っていた弓を受け継いでおり、弓と回復魔法はなかなかの腕前
- 887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 23:48:54.97 ID:MVBsYy+DO
- 【名前】レイ・アンバー
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】18
【容姿】長身だが猫背で地面につくほど長い灰色の髪をした陰鬱なオーラを醸し出してる女性 体中にタトゥーのように無数の魔法陣が刻まれている
【性格】根暗で対人恐怖症で常に不安と恐怖に囚われている
【魔法】体中に刻まれた魔法陣の影響でによって禁呪扱い・あるいは歴史の中で忘れ去られた魔法や呪術を含めて多数の魔法を使える
【備考】かつてはとある国(どの国かは作者に任せます)の孤児院で暮らしていた普通の少女だったが、その孤児院は邪神(とロイエ教では扱われている)を信仰するカルト教団が運営しており、彼女は邪神の器として選ばれてしまいその際に魔法陣が刻まれる。そして邪神を彼女に憑依させる儀式の直前にカルト教団を滅ぼすためにロイエ教原理派が襲撃。その混乱に乗じる+魔法陣によって使えるようになった魔法を駆使して脱走に成功したものの、カルト教団とロイエ教原理派双方によって全世界の冒険者ギルドに捕獲や討伐の依頼が出されお尋ね者になってしまい、常に怯えながら逃走生活を続けている。しかしお尋ね者でまっとうな職に就けないとはいえ盗みを働いて金や食糧を得たり、不安と恐怖が強すぎるあまり追手と勘違いして無関係の一般人を攻撃したりと単純な被害者とは言えない行動をしてしまっている。過去のことで善良な心が歪んでしまったのか、あるいは元から邪神の器に相応しい素質を持っていたのか……
【種族】ケイオス・パイダー
【分類】魔蜘蛛
【外見】平均体長約1メートルの色とりどりの蜘蛛
【性質】色によって違う能力を持ち、集団で狩りを行う
【備考】能力の違いの一例
赤色 鋭い爪や牙を持つ
青色 強い粘着力を持つ糸を放つ
緑色 毒液や治療液を使い分ける
黒色 希少かつかなり小型で、人や動物に寄生して乗っ取り同じ姿に油断した人や動物たちを狩場に誘い込む
- 888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 23:53:31.49 ID:MVBsYy+DO
- 【名前】レイ・アンバー
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】18
【容姿】長身だが猫背で地面につくほど長い灰色の髪をした陰鬱なオーラを醸し出してる女性
体中にタトゥーのように無数の魔法陣が刻まれている
【性格】根暗で対人恐怖症で常に不安と恐怖に囚われている
【魔法】体中に刻まれた魔法陣の影響でによって禁呪扱い・あるいは歴史の中で忘れ去られた魔法や呪術を含めて多数の魔法を使える
【備考】かつてはとある国(どの国かは作者に任せます)の孤児院で暮らしていた普通の少女だったが、その孤児院は邪神(とロイエ教では扱われている)を信仰するカルト教団が運営しており、彼女は邪神の器として選ばれてしまいその際に魔法陣が刻まれる。
そして邪神を彼女に憑依させる儀式の直前にカルト教団を滅ぼすためにロイエ教原理派が襲撃。その混乱に乗じる+魔法陣によって使えるようになった魔法を駆使して脱走に成功したものの、カルト教団とロイエ教原理派双方によって全世界の冒険者ギルドに捕獲や討伐の依頼が出されお尋ね者になってしまい、常に怯えながら逃走生活を続けている。
しかしお尋ね者でまっとうな職に就けないとはいえ盗みを働いて金や食糧を得たり、不安と恐怖が強すぎるあまり追手と勘違いして無関係の一般人を攻撃したりと単純な被害者とは言えない行動をしてしまっている。
過去のことで善良な心が歪んでしまったのか、あるいは元から邪神の器に相応しい素質を持っていたのか……
【種族】ケイオス・パイダー
【分類】魔蜘蛛
【外見】平均体長約1メートルの色とりどりの蜘蛛
【性質】色によって違う能力を持ち、集団で狩りを行う
【備考】能力の違いの一例
赤色 鋭い爪や牙を持つ
青色 強い粘着力を持つ糸を放つ
緑色 毒液や治療液を使い分ける
黒色 希少かつかなり小型で、人や動物に寄生して乗っ取り同じ姿に油断した人や動物たちを狩場に誘い込む
改行されてなくて読みにくくなっていたので、再投稿します
申し訳ありません
- 889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 23:59:20.14 ID:xhgFyQKpO
- 【名前】レイン・フォール
【種族】エルダーサキュバス
【性別】女
【年齢】120
【容姿】金髪オッドアイで黄色いパーティードレスを着たナイスバディ美人。泣きぼくろがチャームポイント。
【性格】気が強く孤高の寂しがり屋
【魔法】心理支配が最も得意で催眠や読心などを行える。
攻撃系統だと闇魔法も得意。触れたら消滅する強力な闇の塊を生み出し操るが、心理魔法ほど練度は高くない
【備考】かつて勇者サインと恋に落ちたサキュバス。勇者に一目惚れしてつきまとうようになり、いつしか勇者も受け入れてくれた。何故魔物である自分を受け入れたのか、そんな勇者の心は魔法をもってしても最期まで見透かすことができなかった。今はもう愛した勇者はいない。たった一人になった彼女は、勇者に誘惑催眠をかけたサキュバスと人類社会から烈火の如く憎まれ、勇者と仲良くしている裏切り者と魔物社会からも侮蔑の限りを尽くされていた。それらに抵抗するうちにいつの間にか国際指名手配の極悪人。賞金稼ぎに狙われ、傷つけられ、既に心は世界への復讐心にとりつかれていた。そのため、今では自分を迫害してきた社会に対して、悲しみと怒りをぶつける手段としてテロに興じる。
彼女はただの一度だって勇者に催眠をかけたことはない。あの時感じた純粋な恋心を魔法なんかで汚したくはなかった。
- 890 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/28(木) 00:06:00.37 ID:yIqV7jV30
- 皆さま、この度もたくさんのキャラクター案をありがとうございます。全員を登場させられるかはわかりませんが、機会があれば是非とも登場させていただきたく思います
例によって、世界観や設定に合わせて内容を若干程度変更させていただく場合がございます。ご了承くださいませ
それでは本日はありがとうございました。本編の更新は予定通り土日にかけて行いたいと思います。よろしくお願いいたします
- 891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/28(木) 00:24:01.24 ID:PTvHYHdUo
- おつおつ
- 892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/28(木) 10:17:33.80 ID:dp/H2lzQ0
- 乙
募集したキャラがどう登場するか楽しみにしてます。
- 893 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 21:24:53.65 ID:sxWb9StR0
- 彼ら彼女らがどのように登場するかは今後の展開次第となります。道中での偶発的な遭遇もあれば、宿命的な邂逅を果たしてしまうこともあるでしょう
敵対キャラクターなので、基本的には友好的でない出会いとなる可能性が高いです
- 894 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 21:25:48.02 ID:sxWb9StR0
- ―妖精のお宿 ロビー
ミスティ「……そういえば……魔王樹を討伐した後に、妖精のポケットにいつの間にか入ってたっていう種……あれ、どうしたの?」
妖精「ああ、あの精霊樹の種? 今も持ってるけど………フォレスティナに植えてくれば良かったね。持ち歩いても仕方ないし……」
ミスティ「こういうのって、種のまま放っておくのも良くないと聞いたことがあるわ……。大丈夫かしら……」
妖精「確かに種のままずっと放置してると死んじゃうけど、ニ、三年くらいは大丈夫だよ」
ミスティ「でも、出自が出自だし……普通の種と同じように考えて大丈夫かしら……」
妖精「そう言われると確かに心配かも……。私の感覚ではまだ元気な感じだけど、念の為早めに植えてあげた方が良いかもしれないね」
ミスティ「……でも、植える場所がないわよね……。勝手に緑の森に植えるのも良くないだろうし……」
妖精「う〜ん、まあそうだね……。これがもし魔王樹が遺した種だとしたら、万が一の可能性もあるし……」
ミスティ「……鉢とか、どうかしら……。まずは、様子見って感じで……」
妖精「多分大丈夫だと思うけど、念の為他の妖精の意見も聞いてみよう」
ミスティ「他の妖精……?」
妖精「長い事国外を放浪してた私より、ずっとこの森で暮らしてる妖精の方が今の精霊樹の栽培情勢に詳しいだろうし」
*
お宿の妖精E「えっ、精霊樹の種の育て方?」
妖精「うん。精霊樹って鉢に植えても大丈夫だっけ?」
お宿の妖精E「大丈夫ですよ。鉢の大きさにもよりますが、一年くらいまでなら鉢で育てられると思います。むしろ鉢の方が、外敵が減る分安全に成長させられるかもです」
妖精「普通に世話してやれば良いの?」
お宿の妖精E「昼間は陽の光をいっぱいに浴びさせてあげて、夜は寒くなりすぎないように気にかけてあげてください。お水は朝か夕方にあげるのが良いです。あ、でも夏の日差しは幼い木にはつらいからほどほどに。妖精のあなたが見ていてあげれば大丈夫だと思いますが」
ミスティ「なるほどね……。一年後はどうすれば……?」
お宿の妖精E「栄養がいっぱいあって日当たりも良い土地に植え替えてあげてください。精霊樹なら精霊の祝福をいっぱいにもらって元気に育ってくれますよ」
妖精「植え替えまですれば後は普通の精霊樹と同じだね」
お宿の妖精E「そういうことです」
ミスティ「あ……精霊樹を植えた鉢を、ソリで運んだりしても大丈夫かしら……?」
お宿の妖精E「えっ、ソリですか? あまり揺らさない方が良いかと思いますが、ひっくり返したりしなければ大丈夫だと思いますよ」
妖精「ミスティのソリならあんまり揺れないし大丈夫じゃない?」
ミスティ「それなら良いけれど……」
*
―お宿 庭
精霊樹の鉢植え「」ポン
ミスティ「こんな感じで良いのかしら……?」
お宿の妖精E「うんうん、良い感じです。あとは先程申し上げたことをしっかり守って大切に育ててあげてくださいね」
妖精「うん。ありがとう」
ミスティ「でも、鉢まで頂いてしまって良いの……?」
お宿の妖精E「はい。元々はここで使う予定だった鉢ですけれど、もうすぐ無期限休業に入りますから……」
妖精「……」
お宿の妖精E「だから、遠慮せず持っていってください。新たな命を育む揺りかごになれるなら、その方が良いので」
ミスティ「……わかったわ……。大切に使う……」
☆お宿の妖精から妖精の鉢をもらいました
☆妖精の鉢に精霊樹の種を植えました
◆
- 895 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 21:26:27.12 ID:sxWb9StR0
- ―妖精のお宿
ロビー
ローガン「すまないな、近接戦闘訓練に付き合わせてしまって」
クロシュ「んーん……。わたしも……訓練、しないとだから……」
ローガン「うむ……クロシュくんは立派だな。しかしあまり気負いすぎないように――」
お宿の売店妖精「閉館特売中だよ〜。そこの旅人さん、何か買ってかない〜?」
ローガン「む、特売か。せっかくだし見ていこうか?」
クロシュ「あ、うん」
*
フェアリーシロップが入った瓶「」
お宿の焼き菓子「」
シロップ漬け森林木苺「」
保存どんぐり「」
お宿の妖精たちが描かれた織物「」
お宿の妖精たちを模した人形「」
クロシュ「わあ……」
ローガン「ふむ。前回は酒に酔っていてあまり見ていなかったが、いろいろあるな」
お宿の売店妖精「いらっしゃ〜い。安いよ〜在庫処分だよ〜」
ローガン「クロシュくんは何か欲しいものはあるかね?」
クロシュ「あ、えと……」
↓1〜3 自由安価 買うもの(特に指定がなければパーティの共有アイテムになります)
- 896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 21:29:16.18 ID:0hpPKwgs0
- 焼き菓子
- 897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 21:32:16.72 ID:YnyWimufO
- 織物
- 898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 21:33:55.12 ID:kTp6qw+DO
- お宿の妖精たちを模した人形
(フメイとアリシラの面影がある妖精の人形を見つけてクロシュ個人の持ち物として出来れば)
- 899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 21:34:07.16 ID:+nV4hiwD0
- フェアリーシロップ
- 900 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 23:52:54.88 ID:sxWb9StR0
- クロシュ「ローガンさんは……?」
ローガン「私か? そうだな……私はこの焼き菓子を買おうかな。旅の補給食に丁度良さそうだ」
お宿の焼き菓子「」
お宿の売店妖精「この焼き菓子に目をつけるとはお目が高いね〜。これは一枚一枚うちの妖精たちが丁寧に焼き上げた至高の逸品なんだよ〜」
ローガン「表面に描かれた妖精たちの絵もかわいらしい。優れた製菓技術をお持ちのようだ」
お宿の売店妖精「お、旦那さんも好きだねえ〜。それじゃあこっちの織物もどう?」
お宿の妖精たちが描かれた織物「」キラキラ
ローガン「こ、これは……か、かわいらしいが……」
お宿の売店妖精「旦那さんが懇ろにしてた子もしっかり描かれてるよ〜。どう? どう?」
ローガン「い、いやしかしだな……」
お宿の売店妖精「お願い! 旦那さんが買ってくれないと廃棄処分になっちゃうかもしれないの!」
ローガン「うっ……廃棄処分は忍びないな……。わかった、買おう……」
お宿の売店妖精「わあい! 鋼の旦那さん、だぁいすき!」キャッキャ
ローガン「はは……」
お宿の売店妖精「大切にしてね! 飾るのも良いし、ふわふわの木綿だからブランケットにするのも良いと思うよ!」
ローガン「うむ……。我がパーティの女性陣なら似合うだろう……」
お宿の妖精たちを模した人形「」
クロシュ「……」ジッ
クロシュ「……!」
黒髪セミロングの女の子の人形「」
薄茶髪の小柄な少女の人形「」
お宿の売店妖精「その人形が気になるの? それは丁度昨日ここに泊まってった二人組の――ってあれ!? あなただよ! 今日も泊まりに来たの!?」
クロシュ「あっ……え、えと……! これ……!」スッ
フメイちゃんの迷子ビラ「」ピラッ
お宿の売店妖精「え、え……? つまり、どういう……?」
ローガン「うむ……。その子とこのビラの子は、生き別れの姉妹のようなものでな……。我々は彼女を追って旅をしているのだ」
お宿の売店妖精「そ、そうだったんだあ……。えっとね、その人形はうちの制作担当がその二人組を気に入っちゃってねえ。一晩で作ったんだけど、うちの従業員の人形じゃないからどうしよっかってなってたとこでえ……」
ローガン「そ、そうなのか……」
クロシュ「え、えと……これ……買っても、いい……?」
お宿の売店妖精「事情があるみたいだし、売り物としてもどうしよっかってとこだったから、今日のお買い物のオマケってことであなたにあげる!」
クロシュ「あ、え、えと……」
ローガン「売店の妖精さんもこう言っていることだし、ありがたく頂いておこう。クロシュくん。」
クロシュ「うん……」
クロシュ(フメイちゃん……アリシラさん……)
☆お宿の焼き菓子、お宿の妖精の織物を買いました
☆フメイ人形、アリシラ人形をオマケとしていただきました
◆
- 901 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 23:53:21.63 ID:sxWb9StR0
- ―朝
妖精のお宿 客室
チュンチュン
スライムクロシュ「……」モニョモニョ
フメイ人形「」
アリシラ人形「」
イリス「昨日売店でもらってきたっていうフメイちゃんとアリシラちゃんのお人形をずっと大事に抱えてるね、クロシュちゃん……」
ミスティ「やっぱり、寂しいのよね……。私たち、あの子の支えになれているかしら……」
妖精「……支えにはなってるよ、間違いなく。でも……私たちは、クロシュにとってのフメイの代わりには決して成り得ない」
イリス「……代わりにはなれないけれど、支えになれるなら……支えてあげないとね」
ミスティ「ええ……。次こそは、フメイを説得できるように……」
◆
―妖精のお宿 玄関
妖精女将「この度のご利用、誠にありがとうございました……」ペコリ
お宿の妖精A「鎖国が終わったらまた来てね〜」
お宿の妖精B「どうか、どうか、お達者で……」
お宿の妖精C「さよなら、黒いスライムさん!」
お宿の妖精D「またいつか、お越しになってくださいね……。鋼の旦那様……」
お宿の妖精E「精霊樹、大切に育ててあげてくださいね」
お宿の売店妖精「早く追いつけると良いね〜」
イリス「本当に良いとこだったねえ。首都の大樹の宿も良いとこだったし……」
ミスティ「鎖国、早く終わると良いけれど……」
ローガン「私が生きている内に終わることは……ないだろうな……」
妖精「まあ……王国っていう脅威が存在する限り鎖国は解けないからねえ……」
クロシュ「王国……」
妖精「クロシュが気にすることじゃないよ。私たちは世界樹の光を追うことに専念しよう」
◆
- 902 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 23:55:34.94 ID:sxWb9StR0
- ―王国港湾都市への旅路
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:エルフのレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
―王国領
平原 街道
強化ソリ「」シャーッ
ミスティ「久しぶりの王国領ね……。道も視界も広いわ……」
妖精「街から離れた平原は景色も良いんだけどねえ……」
クロシュ「えと……そういえば……どうして、王国を通るの……?」
ローガン「王国はこの大陸で最も領土が広い。大陸南部を中心とした四分の一程度は王国領と言っても良いだろう。今回の目的地であるトコナツ火山島に行く場合、王国のウォーターポート以外の港を使おうとすれば大幅な遠回りになってしまうのだ」
クロシュ「そうなんだ……」
妖精「元々は大陸南部で興った小国だったんだよ。でも侵略戦争が上手くてさ、いつの間にか周辺国家を打ち負かして従えてどんどん領土を広げてったんだ。勇者が出現する前からそんなだったのに、勇者が出てきてからは……」
ミスティ「勇者……おとぎ話じゃ、世界を滅ぼそうとする魔王と戦う人間の英雄なのよね……」
妖精「王国の奴らが勝手に勇者だなんて言ってるだけで、実態は大量破壊兵器だよ。セインのやつがどうなのかはよくわかんないけど」
イリス「セインくん……。マーベルさんとも約束したし、ちゃんとお話してみたいな……」
クロシュ「……」
↓1 ランダムイベント
01-05 ??
06-15 強敵
16-30 敵襲
31-50 食料調達
51-70 発見(自由安価:物品またはスポット)
76-95 旅は道連れ
96-00 ??
- 903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 23:57:32.60 ID:+nV4hiwD0
- あ
- 904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 23:57:37.61 ID:YnyWimufO
- あ
- 905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/03/30(土) 23:58:11.91 ID:VujD7bkx0
- 星の魔力は読み終わったのではないでしょうか?
- 906 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 00:00:23.74 ID:XhvIJ33c0
- 読み終わっていました。以下のように修正です
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
↓
◯仲間の目標
・星の魔力を読む[4/4](イリス)達成!
↓1 見つけた物品またはスポット
- 907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 00:07:25.32 ID:WMskVGobO
- 勇者サインの銅像(手入れもされずさびれている状態)
- 908 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 00:10:54.27 ID:XhvIJ33c0
- 勇者サインの銅像を見つけたところで本日はここまでとなります
>>1の現実が今現在少々忙しく、更新のペースが遅くなってしまっています。明日も遅くなってしまうかもしれません。申し訳ありませんがご了承ください
精霊樹の鉢植えは、旅をしていれば芽を出すかと思います。一年後くらいには地面に植え替えてあげた方が良いのですが、その時くらいまでにクロシュちゃんの旅が終わるかどうかはまだわかりません
もし旅が終わらなくとも、信頼できる人の管理する場所に植えることはできます。今のところ、魔族国と緑の国が信頼できる安全な植え替え候補地として選択可能です
それでは本日もありがとうございました。上述の通り明日も遅くなってしまうかと思いますが、よろしくお願いいたします
- 909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 00:16:11.25 ID:nFvL0/fQo
- 乙乙
いつまでも待つ
- 910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 00:32:08.92 ID:3zqlNL5DO
- おつ。妖精にもなにかしら武器がほしいな。縫い針を武器にした妖精がいる漫画もあるし。
- 911 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 21:08:47.18 ID:XhvIJ33c0
- 来月も更新が遅れる場合が多くなってしまうかもしれません。気長にお待ちいただければさいわいです
これまではクロシュのサポートをすることが多かった妖精ですが、世界樹の光を追うという目的を得た今なら武器を手に主体的に戦ってくれるようになるかもしれません
人間用の武器は大きくて重いため、もし武器を持たせたい場合は妖精用の武器を別途調達する必要があります。針などの暗器は隠密性や素早さに優れた妖精に適した武器と言えます
妖精の自然魔法を活かすのであれば、物理的な武器よりも魔法の補助具の方が良いかもしれません(なお本人は補助具を使うのは甘えだと思っているようです。参考:>>144)
- 912 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 21:09:28.00 ID:XhvIJ33c0
- ―街道沿い
廃村
打ち捨てられた廃屋「」
荒れた畑「」
枯れた井戸「」
野ざらしの農具「」
地に刺さった剣「」
割れた盾「」
折れた槍「」
強化ソリ「」スイー
イリス「ここは……」
ミスティ「廃村ね……」
ローガン「激しい戦いの跡が見えるな。遠目からでは詳しいことはわからんが……」
妖精「野盗の群れに襲われたか、あるいは人間に恨みを持つ魔族たちの報復か……。何にせよ、長居はしたくないね」
クロシュ「……あ」
イリス「何かあった?」
クロシュ「うん……あれ……」スッ
寂れた勇者サインの銅像「」
イリス「あれは……大人になったセインくん! じゃなくて――」
ミスティ「勇者サインの銅像ね……。すっかり荒れ果ててるけれど……」
妖精「あれが壊されてないってことは、襲撃者が魔族の線は薄くなったかな」
ローガン「しかしイリスくんも言ったように、やはり似ているな」
クロシュ「セインさん……」
↓1 どうしよう
1.放っておく
2.手入れする
- 913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 21:10:24.80 ID:nFvL0/fQo
- 2
- 914 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 22:02:54.47 ID:XhvIJ33c0
- クロシュ「あの……。銅像さん、だけでも……」
イリス「そうだね。このまま放っていくのもかわいそうだし……」
妖精「ええ、掃除してくの? 勇者サインの銅像なんて放っておけば良いのに」
クロシュ「で、でも……セインさんに、似てるし……」
ローガン「はは、まあ良いじゃないか。銅像に罪はないのだし」
ミスティ「そういう問題なのかしら……? まあ、私は構わないけれど……」
妖精「わかったよ、仕方ないなあ……」
*
ミスティ「この青いサビってどう取れば良いかしら……? 素人が削るのは危ないわよね……」
ローガン「いや、その青いサビは取らなくて良い。それが表面にあると内側への腐食を防いでくれるんだ」
イリス「へえ……! 流石ローガンさん、金属のことには詳しいんですね……!」
ローガン「そうだろうか……。とりあえず表面は砂や泥を拭き取る程度で良いだろう」
イリス「じゃあ私の水魔法で高圧洗浄します!」
バシャバシャバシャ――
*
クロシュ「雑草さんは……」
妖精「こいつらはただここで生まれただけなのに、像の見栄えなんかの為だけに殺すのはあまりに理不尽だ。そのままにしとこうよ」
クロシュ「うん……」
ミスティ「そうね……。生活の為とかならともかく、もう誰も住んでいない廃村に生える草を刈る意義なんて、ないものね……」
妖精「そうそう。自然のままにしとくのが一番だよ」
「あなたたち、その像に何をしているの?」
妖精「!?」
イリス「っ!!?」
ミスティ「!!」
ローガン「……!」
クロシュ「?」
淫魔の女「こんな、誰もいない村の銅像なんか掃除して……何になるの?」スタスタ
ローガン(……接近に全く気付けなかった。何者だ、この女……!)
イリス「あ、あなたは……?」
淫魔の女「質問に質問で返さないで。そんな像の手入れなんかして、何になるのかって聞いているのよ」スタスタ
ミスティ(な、なんかヤバいわ……。私たち、今かなり危ない状況なんじゃないかしら……)
妖精(じ、実際ヤバイ! あれ多分エルダーサキュバスだ! 魔族国にもほとんどいないめちゃくちゃ高位の魔族だよ……!)
淫魔の女「早く答えなさいよ……。さもないと――」スッ
闇の塊「」ヴォン―
イリス(うわあああ!!! ヤバイ!!)
ミスティ(本当にヤバイわ……)
ローガン(くっ……! 私に防げるか……!?)
クロシュ「……」
↓1選択
1.銅像さんがかわいそうだったから
2.セインさんと友達だから
3.(自由安価)
- 915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 22:06:00.93 ID:xZhd2rhDO
- 1
- 916 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 23:09:17.97 ID:XhvIJ33c0
- クロシュ「え、えと……。銅像さんが……かわいそうだったから……」
淫魔の女「……銅像が?」
クロシュ「うん……。砂とか……泥とかで、汚れて……。誰もいないここで……独りぼっちで……」
淫魔の女「……銅像なんかに、意思も感情もあるわけないでしょう。ただの無機物よ」
クロシュ「でも……もし、あったら……。きっと、寂しい……」
淫魔の女「……」
クロシュ「……」
淫魔の女「……その像が模している人物を尊敬しているとか、そういうわけではないの?」
クロシュ「うん……。えと、勇者サインって人のことは……あんまり、知らない……」
淫魔の女「………じゃあ、本当に……銅像自体をかわいそうに思ったってだけ?」
クロシュ「うん……」
淫魔の女「……」
闇の塊「」シュゥン…
淫魔の女「……そういう理由なら、好きにすれば良いわ。邪魔して悪かったわね……」クルッ
イリス「あっ……! あ、あの……あなたは、一体……」
淫魔の女「……レイン・フォールって名前――聞いたことあるかしら」スタスタ
ミスティ「え――」
ヴォン―
妖精「消えた……。レイン・フォール……どこかで聞いたことがあるような……」
ローガン「レイン・フォール……はっ!! まさか、国際指名手配犯のレイン・フォールか!?」
イリス「え、えええ!!?」
妖精「あー……思い出した……勇者をたぶらかした、魔族の裏切り者のレイン・フォール……」
ミスティ「……ほ、本当に危ないところだったのね……。クロシュの返答のお陰で命拾いしたわ……」
クロシュ「え、えっと……」
妖精「はは……この赤ちゃんスライムは、きっと本心から言葉を返しただけだけどね……」
イリス「つ、つまりクロシュちゃんの正直さが私たちの窮地を救ったってことだね……!」
ローガン「うむ……。クロシュくんのおかげだな……!」
クロシュ「う、うん……」
クロシュ(でも……。あの人も……)
クロシュ(なんだか……寂しそうだった……)
☆国際指名手配犯レイン・フォールと出遭ってしまいました
◆
- 917 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 23:16:02.87 ID:XhvIJ33c0
- ―夜
街道沿い 野営地
即席岩風呂「」カポーン
イリス「みんな、湯加減どう?」
スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ デロデロ
ミスティ「丁度良いわ……。ありがとう、イリス……」
妖精「どこでもお風呂が作れるなんて本当に便利だよねえ、複数属性って」
イリス「あ〜……それなんだけど、実は昨日の夜に私の本当の属性が判明しまして……」
ミスティ「えっ、複数属性じゃないの?」
イリス「……私、星属性ってやつみたい……」
ミスティ「な、なんですって……!?」
妖精「……いや、言われてみれば確かに辻褄は合うかも……」
イリス「や、あはは……まあ、まだ属性がはっきりしただけで、魔法の運用についてはまだ更新できてないんだけどね」
ミスティ「むう……私が氷属性のコツを掴んだと思ったら……」
イリス「てへへ、私も日進月歩なんだよ……!」
妖精「でもイリスが星属性なら、世界樹探索にすごく良いかも。私の自然属性でもある程度は星属性を追えるけれど、やっぱり星属性そのものの持ち主の方が精度は高いだろうし」
イリス「ほんと!? よおし、それなら張り切っちゃおうかな……!」
ミスティ「私も負けてられないわね……。星属性でカバーできない氷は、私の領分よ……」
スライムクロシュ「〜」デロデロ
*
即席衝立の向こう「」キャッキャ
ローガン「……」
ローガン「くっ……やはり女性ばかりのパーティに男一人というのは体に悪い……」
ローガン「……」
ローガン「ええい! こんな時こそ回転ノコギリで素振りだ!!」ザッ
回転ノコギリ「」ギャリギャリ
街道沿いの野営地で一泊します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
- 918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:17:00.62 ID:rGLtDq5x0
- クロシュ、攻撃技習得のための個人訓練をする
- 919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:17:43.43 ID:PfR/Nu9v0
- で、星属性ってどんな属性なの考察
- 920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:18:37.80 ID:nFvL0/fQo
- クロシュ
スライム能力を極める
- 921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:19:33.28 ID:nQKzZevZ0
- 回転ノコギリの練習
- 922 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 23:49:47.53 ID:XhvIJ33c0
- ローガン「むん! むん!」
回転ノコギリ「」ギャリギャリ
妖精「わあ、ローガンも張り切ってる……。あの気持ち悪い武器がそんなに気に入ったのかなあ……」
クロシュ「……コツを掴んだミスティさんも……属性を見つけたイリスさんも……回転ノコギリの練習をするローガンさんも……みんな、すごくすごい……」
妖精「そうだねえ……。クロシュも、盾を使えるようになったし」
クロシュ「……でも……わたし……まだ、よわい……」
妖精「一般的な冒険者よりもちょっと強いくらいの実力はあると思うよ。赤ちゃんスライムなのにそれだけ戦えるのは十分すごいことだよ」
クロシュ「みんなよりは……よわい……」
妖精「強情だなあ……。じゃあ、クロシュもなんか特訓とかしてみる?」
クロシュ「うん……!」
*
盾クロシュ「えい! えい!」ブンッブンッ
妖精「う〜ん……盾を振り回すのは、なんか違う気がする……」
盾クロシュ「えと……だめ……?」
妖精「だめってわけじゃないけど、盾って振り回すものじゃないからねえ。盾以外の装備は取り込めないの?」
盾クロシュ「えと……」
妖精「例えば……ここに置いてある、ローガンの鋼の剣とか」
はがねのつるぎ「」シャキン
盾クロシュ「ん……!」スッ
デロデロ…ポン!
剣士クロシュ「!」シャキーン!
妖精「おお! 鋼の剣を振り回す為に生まれた剣士の女の子みたい……! 見た目は十分良い感じだよ!」
剣士クロシュ「ん!」
妖精「せっかくだし実技の方もやってみよう。ちょっとここの土をこねこねして……」コネコネ
土塊の王国騎士風ゴーレム「」ドン!
剣士クロシュ「わ……」
妖精「見た目だけの木偶の坊だけど、練習台には丁度良いでしょ。こいつと戦ってみて」
剣士クロシュ「う、うん……!」
土塊の王国騎士風ゴーレム「」モゾモゾ
――模擬戦闘開始――
↓1
01-05 だめだめ
06-35 練習すればなんとか
36-65 ふつう
66-95 筋が良いらしい
96-00 天賦の才
- 923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:51:51.32 ID:xZhd2rhDO
- はい
- 924 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/01(月) 00:04:01.57 ID:B1BNW+yr0
- 剣士クロシュ「えい! えい!」ブンッブンッ
土塊の王国騎士風ゴーレム「」ゴッゴッ
剣士クロシュ「えいっ!」ブンッ
ドスッ
土塊の王国騎士風ゴーレムに突き刺さった鋼の剣「」
剣士クロシュ「あっ……えと、えと……えいっ!」グイグイ
土塊の王国騎士風ゴーレムから抜けない鋼の剣「」グイグイ
土塊の王国騎士風ゴーレム「……」
剣士クロシュ「あっ、あっ……」ジワワ
妖精「そ、そこまで!! なんでそんな土塊相手に苦戦した上に剣が抜けなくなっちゃってるの!?」
剣士クロシュ「うぅ……」
妖精「全くもう……」パチン
土に還るゴーレム「」ボロボロ
はがねのつるぎ「」カラン
スライムクロシュ「」デロデロ…
妖精「……まあ突き刺す前までは、そこまで酷くなかったし……練習すればなんとかなるよ……。多分……」
スライムクロシュ「」デロロ……
☆クロシュの剣技が『微妙』レベルになりました
◇
- 925 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/01(月) 00:17:47.59 ID:B1BNW+yr0
- 本日はここまでです。次回は星属性の使い方編、クロシュの特訓Part2編です
指名手配犯のレイン氏は、勇者サインのことが大好きで、勇者サイン以外の大体全てが大嫌いな人物のようです。今後関わることがあるかはわかりませんが、関わる際は細心の注意を払いましょう
そしてクロシュ氏の剣技が微妙レベルだということが判明いたしました。一応クロシュちゃん自身はスライム特有の高耐久と物理耐性で前衛を張れますので、剣がへたっぴでもなんとかなります
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
- 926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 00:23:33.06 ID:I0+RComoo
- 乙乙
セインと友達と言ってたら危なかったんかな
- 927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 00:56:58.07 ID:CYjUSApDO
- 乙です
- 928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 01:31:04.64 ID:cRVpjXDTo
- おつおつ
ローガンさん紳士ですね…ごめんやっぱ草
ヤンデレサキュバスとはまだ敵対しないルートありそう
- 929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 02:16:59.76 ID:jsUFyrbI0
- 乙でした
ローガンさんは紳士故に余計に肩身狭そう
というかパーティメンバーが皆良い人ばかりだからその点、クロシュちゃんに取ってなによりだよね
世界観が結構サツバツなところあるから尚更
そして敵対キャラ案が軒並みやべーやつらばかりである(妄想ポンコツ小隊長から目を逸らしつつ)
- 930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/02(火) 18:42:01.35 ID:nf0fTVK1O
- 乙
クロシュちゃん能力のポテンシャルは高いけどメンタルが戦いに向かなそうすぎる…
- 931 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:03:02.45 ID:6b3CAlvT0
- セインくんと友達だと言っていた場合、誰そいつ……という感じになり、勇者サイン本人ではないということで見逃してもらえたかと考えられます
メタ的な話になってしまいますが、ファンブルイベントではないのでよほど酷い回答をしない限り事を構えるということにはならなかったかと思います
レイン氏は怖い人ですが、実際今のところ双方に敵対する理由はありません。今のクロシュちゃん一行には厳しい相手なので、理由がなければ敵対しないでおいた方が無難です
ローガンさんは亡き妻子を今でも強く想っているため、よほどのことがない限り他の女性に手を出すことはありません。しかしそれはそれとして、年齢的にはまだ枯れていないため、若い女の子ばかりのパーティにいる現状ではいろいろ持て余すようです
お人好しが多い現在のパーティは、実際クロシュちゃんにとって居心地の良いものであります。殺伐としたこの世界においては珍しい集団かもしれません
敵対キャラクターは皆恐ろしい方々ですが、上記のレイン氏のように時と場合によっては敵対せずに済む可能性もあります(時と場合に関わらず激突不可避のキャラクターもいます)。赤ちゃんスライムのクロシュちゃんは賢く立ち回りましょう
妄想ポンコツ小隊長さんは……恐らく敵対キャラクターの中では話が通じやすいと思われますが、目的がクロシュ一行とバッティングしているため、遭遇時は気を付けた方が良いかもしれません
クロシュ氏は実際、能力のポテンシャルで言えば輝きを秘めうると言えましょう。戦う決意もできてはいる……のですが、生来の優しさや臆病さが足を引っ張っているかもしれません
- 932 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:03:49.94 ID:6b3CAlvT0
- ―夜
街道沿い 野営地
焚き火「」パチパチ
ミスティ「……世界樹の光……星属性の塊、らしいけれど……。あれが何なのか、星属性のイリスにはわかるの……?」
イリス「あの本に書いてあったことと、あの日起きたことを照らし合わせれば……素人なりの推察はできそうかなあ。妖精さんに聞いた方が正確だと思うけど……」
ミスティ「今はクロシュと遊んでるわね……」
イリス「だねえ……。よし、じゃあおさらいがてらに私の見解を述べます!」
ミスティ「よろしくお願いします……」
イリス「妖精さんが言っていたように、あの光は世界樹の果実が宿した莫大な星の魔力……の欠片。地、水、火、風、光の五属性に分割されて、それぞれ別の方向に飛んでいきました」
ミスティ「氷はないのよね……」
イリス「氷は……星属性には含まれないみたい。星属性も全ての属性を含んでいるわけじゃなくて、氷と闇と、特定の希少属性やユニーク属性は含まないんだって。あの本にも少しだけ触れられていたけれど、本筋じゃないからかその辺りのことはあんまり書かれてなかったんだよね」
ミスティ「……仲間外れにされたてしまったわ……」
イリス「そ、そんなことないよ!? ミスティは私の友達で、私たちの大事なパーティメンバーだよ!!」
ミスティ「ふふ、冗談よ……。脱線したわね……それで、分割された星属性の光は各地に飛んでいったわけだけど……放っておくとどうなるの……?」
イリス「えっと、星属性というのはこの星が内包する大きなエネルギーで、この星を形作る資源でもあるから……あの光が落ちた場所では、エネルギーと資源が過剰になります!」
ミスティ「……つまり?」
イリス「なんか、大変なことになってると思う!」
ミスティ「そ、そうらしいわね……」
イリス「……ご、ごめん! 不勉強です!」
ミスティ「い、いいわよ別に……。まだ始めたばかりでしょ、勉強……」
イリス「そう言ってもらえると助かるよお〜……」
- 933 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:05:05.16 ID:6b3CAlvT0
- ミスティ「それじゃあ……ちょっと話題を変えましょう。あなた自身の星属性について……」
イリス「えっ私?」
ミスティ「実際、星属性ってことがわかって、どう……? 魔力の使い方とかも変わるの……?」
イリス「そ、そうだねえ。今までよりは少し魔力効率が良くなるかもしれない」
ミスティ「星属性固有の魔法とかは書かれてなかったの?」
イリス「うん。あの本、前編らしくて。星属性についての概要と、他の属性に転用する場合の効率的なやり方とかは書いてあったんだけど、星属性固有の魔法とか運用については中編とか後編なんだって」
ミスティ「……ええと。それじゃあ、つまり……」
イリス「ちょっと効率が良くなったよ! 最近のミスティとおんなじだね!」
ミスティ「そ、そうなのね……」
イリス「でもせっかくだから、自分で固有の使い方を模索してみるよ。この前の世界樹の時に星属性の感触は覚えられたから、あとは術式を考えれば……」
ミスティ「……イリスは術式を自分で組めるのよね。羨ましいわ……。私は魔導書で学んだものと、それを自己流でアレンジしたものくらいしか使えないから……。アレンジも上手くいくことの方が少ないし……」
イリス「誰の教えも受けず独学で魔導書を読んでそれをモノにできるミスティも凄いよ! 私なんか、お師匠様……私の育ての親のお師匠様がいなかったら、きっと魔法なんて絶対に使えなかったもん」
ミスティ「そうかしら……。でも、私も誰の教えも受けてないわけではないわ……。ママ……母から、簡単な手ほどきは受けていたもの……。母が教えてくれなければ、私もきっと魔法は使えなかったわ……」
イリス「そっか……。えへへ……私たち、やっぱり似たもの同士なのかも?」
ミスティ「……ふふ、そうね……」
イリス「今思ったけれど、フラナさんを勝手に師匠呼びするのは……なんだか良くないよね」
ミスティ「そ、そうね……。まあ、フラナさん自身も師匠になった覚えはないと言っていたものね……」
イリス「だからこれからはフラナ先生と呼ぶことにします」
ミスティ「い、いいんじゃないかしら……」
イリス「うん!」
◆
- 934 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:11:21.32 ID:6b3CAlvT0
-
スライムクロシュ「」デロデロ…
妖精「クロシュは打たれ強いんだから、剣がへたっぴでもなんとかなるよ」
半スライムクロシュ「うゅ……」モニョニョ
妖精「納得できてなさそうだなあ……。クロシュにしかできないことは他にもいっぱいあるんだから元気出しなって」
半スライムクロシュ「わたしにしか、できないこと……?」モニョニョ
妖精「そう。例えば擬態とか、お絵かきとか。精霊の気配を纏うのも、精巧な絵を描くのも、クロシュにしかできないことだよ」
半スライムクロシュ「……!」モニョ
妖精「せっかくパーティを組んでるんだから、一人で何でもできるようになるより、得意分野を伸ばしてみんなができないことをカバーできるようになった方が良いんじゃない?」
半スライムクロシュ「とくいぶんや……」モニョモニョ
妖精「そうそう。お絵かきについてはもうお金を取っても良さそうなレベルだし、伸ばすなら擬態とかの方面かな」
クロシュ「……うん!」スクッ
*
剣士クロシュ「!」シャキーン
妖精「再び鋼の剣を取り込んでみたわけだけど……やっぱり、クロシュ自身の属性も鋼に変化してるね。これがスライムの固有能力……同化とかマテリアライズって言うらしいね」
剣士クロシュ「まてりあらいず……」
妖精「今までは鉄の小盾と鋼の剣っていう、金属……つまり地属性に分類される物質を使ったわけだけれど……。これが例えば、他の属性の物質とか、あるいは生き物だったら? できそう?」
剣士クロシュ「んと……わかんない……。でも、生き物は……消化しちゃうかも……」
妖精「そりゃそうか……。まあ試すだけ試してみようよ。この野営地にもいろいろあるしさ」
剣士クロシュ「うん」
↓1 同化を試みる物質
1.精霊樹の杖 難度:易
2.魔銀の短剣 難度:易
3.雨乞い傘 難度:易
4.水 難度:普
5.空気 難度:難
6.焚き火 難度:超
7.自由安価 難度:?
※↓1のコンマにより成否が決定されます
- 935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 21:11:53.09 ID:AfVrputDO
- 1
- 936 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:29:20.85 ID:6b3CAlvT0
- 精霊樹の杖「」ポン
妖精「お、こんなところにイリスの杖。精霊樹を使った質の良い品だね。これとかどう?」
クロシュ「やってみる……!」
デロデロ……ポン!
魔女っ子クロシュ「!」キラキラ
妖精「…………ええと。魔術師のローブっぽい衣装はまあ良いとして……その三角帽子はどこから出てきたの?」
魔女っ子クロシュ「?」
妖精「自覚なしか! うう〜ん……クロシュが無意識にイメージする、杖を持つ魔法使いがそんな感じってことなのかな……?」
魔女っ子クロシュ「??」
妖精「まあいいか……。精霊樹の杖、どんな感じ? 何か面白いことできそう?」
魔女っ子クロシュ「……」
↓1コンマ
01-35 鈍器
36-65 反映魔法を他者にもかけられます
66-95 ↑+なんか精霊魔法を使えます
96-00 ↑+???
- 937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 21:30:38.94 ID:9a9l6VhFO
- あ
- 938 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 22:52:45.06 ID:6b3CAlvT0
- 魔女っ子クロシュ「えと……えいっ!」ブンッ
岩「」ヴン
勇者サインの銅像「」ポンッ
妖精「えっ……! い、今何したの!?」
魔女っ子クロシュ「えと……。あの岩を……お昼に見た、銅像に……見えるようにした……」
妖精「自分以外を擬態させられるってこと……!? それって私にも使えたり……!?」
魔女っ子クロシュ「うん。えいっ!」ブンッ
ポンッ
スライム妖精「わわっ!」
魔女っ子クロシュ「わあ……!」
スライム妖精「か、体がデロデロのスケスケになっちゃった……! 私、スライムみたいな質感になってる……!」
魔女っ子クロシュ「えへへ……妖精さんも、スライム……」
スライム妖精「こ、これは凄いかも……。あ、でも視覚的な見た目が変わっただけで私自身の能力は特に変わらないみたい。宙も飛べるし自然魔法も使える……本当にスライムになったわけじゃないんだね」
魔女っ子クロシュ「うん」
ポンッ
妖精「元に戻った……。や、やっぱり元の姿の方が落ち着くなあ……。でも凄いよクロシュ! なんかすっごい悪いことに使えそうじゃん!」
魔女っ子クロシュ「わるいこと……」
妖精「精霊樹の杖が、クロシュの魔法の潜在能力を引き出してくれたのかな?」
魔女っ子クロシュ「……あ。えっと……もう一つ……できそう」
妖精「へ?」
魔女っ子クロシュ「えいっ!」ブンッ
つむじ風「」ヒュルルル
妖精「わわっ! それ、精霊魔法!? どこで覚えたの!?」
魔女っ子クロシュ「えと……この杖が……教えて、くれた……」
妖精「そ、そんなことがわかるの!?」
魔女っ子クロシュ「うん……。でも……これ、わたしも、初めて……」
妖精「そ、そうなんだ……。いやでも本当に凄いな……クロシュ、あなたもしかしたら凄い才能の持ち主かもよ」
魔女っ子クロシュ「そうなの……?」
妖精「いきなり習ってもない適性もない属性の魔法を使ったんだもん。普通じゃありえないことだよ、それ」
魔女っ子クロシュ「?? イリスさんと……杖さんの、おかげ……?」
妖精「あはは、そうかもね。その杖はイリスのだから、クロシュがいつでも使えるわけじゃないのが惜しまれるなあ……。次の街に行ったら、クロシュ用の魔法具を買ってみるのも良いかもね」
魔女っ子クロシュ「うん」
☆魔法補助系アイテムと同化した際、反映魔法を他者へかけられるようになりました
☆魔法系アイテムと同化した際、そのアイテムの潜在魔法を引き出せるようになりました
◆
- 939 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 22:53:37.48 ID:6b3CAlvT0
- ―王国港湾都市への旅路
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:エルフのレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
……………………………………………………………………………………
―朝
王国平原 街道
強化ソリ「」シャーッ
イリス「ウォーターポートにはあとどれくらいで着くの?」
ミスティ「地図を見る限りだと、今日の夕方には着きそうね……」
イリス「夕方かあ……! 海の見えるとこに行くのはすっごい久しぶりだから、ちょっと楽しみ……!」
ミスティ「私も海は久しぶりね……。ウォーターポートには行ったことないけれど、どんな街なのかしら……」
ローガン「ウォーターポートは王国の主要な玄関口の一つだ。大陸外の国との貿易の要でもあるゆえ、他国の文化や物品、人の出入りも多い。王国内でもかなり栄えた街の一つだと言えるだろう」
イリス「大陸外の文化や物品かあ……どんなものがあるんだろう……!」
妖精「うへぇ……王国の栄えた街だなんて、聞くだけでげっそりするよ……」
ローガン「まあ……ウォーターポートは人間以外の種の出入りもかなりあるはずだ。異種族に対する風当たりも他の王国の街よりは比較的穏当だろう」
妖精「でもその隣には機械工業都市があるんでしょ? 異種族を殺すための兵器を作ってるっていう」
ローガン「うむ……そちらの方については私もわからんが……特に用がなければ行く必要はないだろう」
ミスティ「そうね。私たちに必要なのはトコナツ島行きの船だもの……機械都市に用はないから大丈夫よ、妖精……」
イリス「そうだよ妖精さん……! 何かあったら私たちが守るから、安心してよ……!」
クロシュ「妖精さん……わたしの中に隠れてれば、大丈夫……」
妖精「守るのは私……と言いたいとこだけど、先走ってみんなに迷惑をかけた前科があるから何も言えない……。でも、ありがとね……」
↓1 ランダムイベント
01-05 ??
06-15 強敵
16-30 敵襲
31-40 食料調達(まずい)
41-50 食料調達(うまい)
51-60 発見(自由安価:物品)
61-70 発見(自由安価:スポット)
71-95 旅は道連れ
96-00 ??
- 940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 22:54:04.23 ID:dG47LtOlo
- こんま
- 941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 22:57:11.34 ID:HSQZGo0Xo
- 敵襲!
- 942 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 00:14:50.52 ID:6rsMTgms0
-
赤いレッサースライムの群れ「」モニョモニョ
クロシュ「わ……」
妖精「あれは……レッサースライムの群れ? でもやけに赤いな……あんな種類いたっけ……?」
イリス「あはは、赤いのもかわいいねえ」
ミスティ「こうして遠くから眺める分にはかわいいものよね……」
ローガン「うむ……。ペットとして飼う者もいると――」
赤いレッサースライムの群れ「」フッ
クロシュ「!!?」
妖精「え――」
イリス「レッサースライムの群れが――」
ミスティ「消え――」
ローガン「!! 鋼よ!!」バッ
巨大な鉄板「」ガゴンッ
ドガガガガガガッ!!!!
イリス「うわわわ!!」
ミスティ「な、何が……」
ローガン「くっ……! だが間一髪……!」
「へえ、今のを防げるの?」ズズズ
イリス「れ、レッサースライムが集まって……」
ローガン「人型になっていく……!」
ミスティ「お前、は――」
クロシュ「――」
赤い髪の幼女「――ふうん。似た気配を感じたと思ったら、やっぱり」
- 943 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 00:16:14.08 ID:6rsMTgms0
-
クロシュ「……」
赤い髪の幼女「あたしを始末するために差し向けられたの? お前も哀れだね……」
クロシュ「……?」
イリス「あ、あなた……クロシュちゃんのこと知ってるの!?」
赤い髪の幼女「は? 人間の声とか聞きたくないんだけど」ズズ
バシュンッ
ミスティ「氷よ!!」
氷の壁「」ガガガガッ
イリス「あ――み、ミスティありが――」
ミスティ「まだよ!! こいつは――こいつは、話が通じる相手じゃない!!!」
赤い髪の幼女「……」
ミスティ「こいつは――こいつの声は!! 聞き間違うはずもない――!!!」
ミスティ「私の故郷を――パパとママを、返して!!!!」
――遭遇戦 血飛沫スライムのブラッド――
↓1コンマ
01-05 ??
06-30 劣勢
31-95 優勢
96-00 勝利
- 944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 00:18:24.68 ID:DqtnuXKDO
- はい
- 945 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 00:24:41.26 ID:6rsMTgms0
- というわけでキリは悪いですが、コンマ判定優勢が出たところで本日はここまでです。次回は戦闘の途中から再開となります
突然始まった戦いですが、先ほどいただいたキャラクター案を見返していたところ、突発的にクロシュ一行を襲ってきそうなキャラクターがあまりいないことに気付きました……。いるにはいますが、今現在のクロシュちゃんたちが相手取るには厳しい強さの人ばかりだったため、今回は自動的に血飛沫スライムのブラッドさんの登場となったようです。ミスティさんは、無事に怨敵を討ち果たすことができるのでしょうか――
それでは本日はここまでです。次回もよろしくお願いいたします
- 946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 01:02:48.05 ID:P8SerPaMo
- 乙乙
ランダムイベントの??はこれどっちもバッドイベントなんかな
- 947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 02:44:49.29 ID:8vVC0zs4o
- 乙乙
お尋ね者系を捕まえられたとしてギルドに引き渡せば報奨金もらえるかも?
ミスティさん、属性とは裏腹に感情起伏がパーティで一番大きいね
ブラッドさんは>>875(自分用メモ)
- 948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 13:56:50.39 ID:24W09jq/O
- 乙
スライムの分裂能力便利そう
クロシュも使えるんかな
- 949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 14:01:27.43 ID:jka2qhuC0
- 乙
フラナ先生魔族自治区の子供たちにも色々教えてそう。
- 950 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 16:39:05.28 ID:6rsMTgms0
- ランダムイベントの??についてですが、コンマの低いほうはファンブル、高い方はクリティカルとなっております。ファンブルの??は大変な悪いことが起こり、クリティカルの??はとても良いことが起きるかと思われます
お尋ね者をギルドに引き渡せば報酬をもらえるのはもちろんその通りなのですが、敵対キャラクターを捕縛するのは討伐するよりも遥かに難しいため、よほどクロシュ側が有利な状況でない限りあまり推奨されません
なお大抵の賞金首については、討伐した場合でもその証明さえできれば報酬を受け取ることはできます
ミスティさんは……基本的にはクールでドライな女の子のはずなのですが、最近は確かに感情的になる場面が多いですね……
ちなみに得意属性と性格や人間性に相関関係はありません。火属性で冷徹冷酷な人とかもいると思います
ただ、属性によっては周囲の人々からの扱いなどが変わることもあるため、それが人格形成に影響することはあります(闇属性の人は虐待やいじめの対象になりやすいため心が歪みやすい等)
高い技量を持ったスライムは自身の分体を作り出して操ることができるようです。現時点のクロシュちゃんにはまだ使えませんが、これはスライム類の種族特性でもあるため、研鑽を積めばいつか使えるようになるかもしれません
フラナ氏は教師というわけではありませんが、イリスとミスティに稽古を付けてあげた時のように、子供たちや保護者、聖女などから請われれば教鞭を取ることもあると思います
なお魔法についても薬学についても、弟子を取るつもりは今のところないようです
- 951 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 16:40:08.32 ID:6rsMTgms0
-
ミスティ「氷刃よ――!」ギラッ
氷の刃「」ヒュンッ
ドスッ
ブラッド「痛っ――とでも言うと思った?」ニヤ
妖精「ミスティ! 戦慣れしたスライムに物理攻撃はほとんど効かないよ!!」
イリス「で、でもあれは氷属性も入ってるんじゃ――」
ブラッド「――」ズズ
ローガン「! 氷の刃を取り込んで――」
氷刃ブラッド「」タンッ
ミスティ「な、速――」
ガギンッ!!
盾クロシュ「ううっ……!!」ズザザッ
ミスティ「クロシュ……!」
氷刃ブラッド「んん? 同類かと思ったけど……お前、力の使い方が全然なってないじゃん。ただのはぐれスライム?」
盾クロシュ「……?」
氷刃ブラッド「まあどうでもいいか。人間に与するなら死んでいいよ」スッ
氷の刃「」シュビビビッ
盾クロシュ「あ、うっ、あっ……!」ズバババッ
妖精「クロシュ!!!!」パタパタ
イリス「やめろーっ!!!」カッ
火球「」ボウッ
氷刃ブラッド「うわっ!」ボンッ
ジュウウウウ……
ブラッド「いたいなあ……! 雑魚の分際で……!!」ギリッ
↓1コンマ
01-05 ??
06-30 劣勢
31-95 優勢
96-00 勝利
- 952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 16:42:43.02 ID:P8SerPaMo
- 勝利
- 953 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 17:25:28.36 ID:6rsMTgms0
- クロシュ「あ、う……」ドサッ
妖精「クロシュ! クロシュ!」
ローガン「攻め続けろ! クロシュくんを守れ!!」ババッ
複数の鉄板「」ガゴンガゴン
イリス「クロシュちゃん……! 今はローガンさんの言う通り、攻め続けなきゃ……!」ゴゴ
ミスティ(私の安易な攻撃のせいで、クロシュが――いいえ、今は後悔している時ではない)
ミスティ(成形した氷での攻撃がダメなら――冷気そのものを浴びせれば――!)
冷気「」キンッ
ブラッド「遅い!」シュビッ
イリス「そこ!」カッ
雷撃「」バチッ
ブラッド「ああああ!!!」バリバリ
ミスティ「今度こそ! 凍れ!!」キラッ
冷気「」キンッ
ブラッド「う、ぐ……この、この……!」カチン
ローガン「凍ってしまえば同化もできまい!! 容赦せんぞ!!」バッ
回転ノコギリ「」ギュオオオオオ!!
ブラッド「」ギャリギャリ
バリンッ…!!
ブラッドだったものの破片「」バシャッ…
ミスティ「はあ、はあ……!! た、倒せた……?」
ローガン「……うむ。再生する気配もない。倒せたと見て問題ないだろう……」
イリス「クロシュちゃ――」
ヒュンッ
↓1
01-05 全滅
06-15 イリス
16-25 ミスティ
26-35 ローガン
36-65 クロシュ
66-95 覚醒(一時的)
96-00 覚醒(完全)
- 954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 17:27:01.84 ID:kSiwqZQCO
- え
- 955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 19:57:03.77 ID:8vVC0zs4o
- 殺意たっかいなこいつ!
- 956 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:07:38.22 ID:6rsMTgms0
- ドスッ
ミスティ「――え?」
ドスッ
イリス「あ――」
ドスッ
ローガン「ばか……な……」
ドサッ ドサッ ドサッ
ズズズズ……
ブラッド「分体一つ潰した程度で勝った気になるなんて、人間って本当に愚鈍……」
ブラッド「……まだ息がある。刺しとこ、トドメ」スタスタ
クロシュ「……」ヨタヨタ
妖精「だ、だめだよクロシュ……。私たちじゃ……どうしようも……」オロオロ
ブラッド「なあに、まだいたのお前たち……。人間じゃないから見逃してやろうかと思ってたのに……」
クロシュ「……その人たちに……手を出さないで……」キッ
ブラッド「はあ……身も心も完全に飼いならされたペットスライムか。可哀想だから、ここで終わらせてあげる……」スッ
分体ブラッドA「」ズズ
分体ブラッドB「」ズズ
分体ブラッドC「」ズズ
妖精「あ、あ……」ジワ
クロシュ「……」
ブラッド「ばいばい」
分体ブラッドたち「」シャキン バッ
- 957 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:17:16.64 ID:6rsMTgms0
- カッ!
分体盾クロシュ「」ガギンッ
分体剣士クロシュ「」ギンッ
分体魔女クロシュ「」ゴウッ
つむじ風「」ビュオオオッッ
分体ブラッドたち「!!」ズザザッ
クロシュ「……」キッ
ブラッド「!! お前……やっぱり……!!」
クロシュ「いなくなって……!! ここから……!!!」
分体盾クロシュ「」ザッ
分体剣士クロシュ「」シャキンッ
分体魔女クロシュ「」キラキラ
ブラッド「……その付け焼き刃であたしに勝つつもり? 舐めてるの?」
クロシュ「……」
ブラッド「……違うか。人間に飼いならされたお前は、もうそうする以外の選択肢がないってこと」
クロシュ「……」
ブラッド「はあ……いいよ、今回は見逃してあげる。人間に隷属してるとは言え、やっぱ同類を手にかけるのは気分良くないし」
クロシュ「……」
ブラッド「でも次に会った時にまだ人間のペットを続けてたら、容赦なく殺すから」
クロシュ「……」
ブラッド「じゃあね」トプン―
――戦闘終了――
◆
- 958 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:18:56.43 ID:6rsMTgms0
- ―街道沿い
イリス「――はっ!!!」ガバッ
ミスティ「イリス……!」
ローガン「イリスくん!」
妖精「良かった、気が付いた……」
イリス「あ、あれから……一体どうなったの?」
妖精「えっとね……」
*
イリス「あの赤い子が分身を作って襲ってきて、クロシュちゃんも分身で対抗して、追い払った!?」
妖精「うん……。私たちが最初に戦った相手も、実は分身の一体だったみたい……」
ローガン「……後で判明したことだが、あれはギルドに指定された特級危険生物――通称ブラッドという存在だったようだ……」
イリス「と、特級危険生物って……!」
ローガン「うむ……命があるのは奇跡かもしれん……」
ミスティ「……悔しいけれど……私たちの手に負える相手ではなかったみたい……」
イリス「ひ、ひええ……。そ、それで……クロシュちゃんは……?」
妖精「寝込んでる……。外傷はほとんど治ってるけど、使ったことのない能力を無理矢理使ったから、体にかなりの負担がかかっちゃったみたい……」
イリス「……そう、なんだ」
- 959 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:20:33.63 ID:6rsMTgms0
-
イリス(……悔しい。幼いクロシュちゃんに負担をかけて……私は結局何もできなかった……)
イリス(でも……きっとミスティの感じている悔しさや怒りは、私なんかとは比べ物にならないはず……)
イリス(ミスティの家族の仇……。私も、大切な人を喪っているけれど……それは、誰かに殺されたわけじゃない……)
イリス(だから、ミスティの気持ちに本当の意味で共感してあげることが、できない……)
イリス(それが……それも、とても悔しい……)
イリス(私は……私に、できることは……)
ミスティ(……復讐なんて考えず、安息の地を見つけて平穏に生きていこうと……半ば、諦めていたのに……)
ミスティ(どうして……こんな時に、出てくるのよ……。ようやく私の居場所を見つけられた……今に、なって……)
ミスティ(ようやく……ようやく、あいつのことを考えずにいられるように……なってきた、のに……)
ミスティ(許せない……。殺したい……。パパとママだけでなく、私の大切なパーティのみんなをも殺そうとした、あいつは……絶対に、許さない……)
ミスティ(でも……復讐に囚われたら……私は……)
ミスティ(きっと……このパーティには……もう……)
ローガン(……何という不甲斐なさだ。前衛の腕を買われてパーティ入りを果たしたというのに……)
ローガン(仲間を守れず、生き恥を晒し続けた甲斐もなく、無様な死体と成り果てかけた)
ローガン(どうせ死ぬなら誰かを守って死にたい――だと? 結局、家族もパーティも、誰一人として守れてなどいないではないか――)
ローガン(こんな無力で無能な中年に、守れるものなど――――……)
ローガン(……いかんな。一応は、私がこのパーティを守る盾なのだ。皆が不安にならぬよう、私だけは堂々としていなければ……)
ローガン(例え、その盾にヒビが入っているとしても……)
妖精(……みんな、塞ぎ込んでるね……)
妖精(……正直に言えば、私も塞ぎ込みたい。本当に、心底から絶望して涙が出たのは……一体、何年……何十年ぶりだろう……)
妖精(みんなが無事で……本当に、良かった……。でも……私、本当に役立たずだなあ……)
妖精(無駄に歳ばかり重ねてる癖に……あんな事態に何もできずに狼狽して、挙げ句赤ちゃんスライムのクロシュに守られる始末……)
妖精(はあ……。でもくよくよしてるわけにはいかないよね。私が一番歳上で、みんなを導かなきゃならないんだから)
妖精(ティセリアたちには、訃報なんて絶対に届けたくないもん)
◆
- 960 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:22:10.77 ID:6rsMTgms0
- ―夕方
強化ソリ「」シャーッ
スライムクロシュ「――…」モニョ
妖精「クロシュ……!」
イリス「クロシュちゃん!」
スライムクロシュ「?」モニョモニョ
妖精「うん……クロシュはあれからずっと寝てたんだよ」
イリス「えと……ありがとうね、クロシュちゃん。私たちを守ってくれて……」
ローガン「すまないな……本来は私が君を守らなければならなかったのに……」
ミスティ「ごめんなさい……今回はあなたに大きな負担をかけてしまったわね……」
半スライムクロシュ「あ、えと……いつもは、わたしがみんなに守ってもらってる、から……」モニョニョ
妖精「おあいこってことだね」
半スライムクロシュ「うん……」モニョ
イリス「……あ! 見て、みんな!」
ミスティ「え――?」
妖精「あ――」
ローガン「あれは――」
クロシュ「わあ……!」
水平線に沈む夕日「」
夕日にきらめく水面「」キラキラ
イリス「海だよ……!!」
ミスティ「海ね……」
ローガン「海だな……」
妖精「海だね」
クロシュ「海……!」
クロシュ(生まれて初めて見る海は、とてもきれいで、輝いていて……)
クロシュ(みんなと一緒に……生きて、これを見ることができて……良かった……)
クロシュ(…………フメイちゃんと、アリシラさんとも一緒に……これを、見られたら……)
◆
- 961 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:23:04.63 ID:6rsMTgms0
- ―夕方
港湾都市ウォーターポート
ワイワイ ガヤガヤ
露天商のおじさん「異国の装飾品はいかがかね〜」
行商妖精「綺麗な貝殻だよ〜。カニとかウニの殻もあるよ〜」
ターバンの褐色少女「芸術家御用達の画材ありま〜す! 港町に来た記念に一描きどうでしょう?」
観光エルフ「ああ、あれもこれも欲しいわ……。でも予算が……」
怪しい商人「へへへ、お姉さんほどの美人なら簡単な稼ぐ方法がありまっせ!」
クロシュ「うゆゅ……」グルグル
イリス「す、すごい……人が多すぎて目が回りそう……。クロシュちゃん、しっかりおてて繋いでようね」
クロシュ「うん……」
ミスティ「緑の国も賑わっていたけれど……同じ賑わいでも、ここはまた毛色が少し違うわね……」
ローガン「うむ……前にも言ったが、ここには大陸内外から様々な文化の人やモノが集まる。王国内では最も異文化に寛容な場所と言えるだろう」
妖精「そうみたいだね……。まさかこんなとこで商売をしてる妖精がいるなんて思わなかった……。仮にも王国なのにさ、ここ」
ミスティ「ふふ……良かったわね、妖精」
妖精「良かったのかなあ……」
◇
- 962 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:25:19.34 ID:6rsMTgms0
- ―港湾都市ウォーターポート
宿「旅の船着場」
宿の看板娘「お泊りは四名――五名様でよろしいですか?」ニコニコ
妖精「ねえ、私は妖精だから数に数えなくても良いんじゃない?」
宿の看板娘「そういうわけにはいきません! 他の街はともかく、ここウォーターポートでは人間以外の種族の方も等しくお客様ですから!」
妖精「お客様扱いも考えものだね……」
イリス「ま、まあいいじゃない妖精さん。路銀は足りてるわけだし、お客様として堂々とサービスを受けようよ」
妖精「なんか私がケチで面倒な客みたいに思われそうだし、そうしよっか」
ミスティ(もう既にケチで面倒な客と思われてる気がするわ……)
宿の看板娘「それでは部屋割りは――」ニコニコ
◇
- 963 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:26:34.72 ID:6rsMTgms0
- ―旅の船着き場 客室
イリス「おお〜! ここからでも夜の海が見えるよ!」
クロシュ「わあ……」
ミスティ「良い部屋ね……。異国情緒を感じられるわ……」
妖精「まあ悪くはないかな……。意外と妖精用に調整された気配りも感じられるし……」
妖精「さて、とりあえずトコナツ島行きの船探しは明日にして、今日はいろいろと疲れもあるしゆっくり休もっか」
イリス「そだね……。全員死にかけてるし、今日は無理しない方が良いよ本当に」
……………………………………………………………………………………
―港湾都市ウォーターポート 滞在初日
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:エルフのレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
◯仲間の目標
・???(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
ウォーターポート滞在初日の夜です
↓1〜3 自由安価 何をする?(疲れているため、宿から遠くへは行けません)
- 964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:27:07.37 ID:jka2qhuC0
- 温泉に入る
- 965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:29:18.17 ID:DqtnuXKDO
- 食事処で食事
- 966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:30:07.99 ID:kSiwqZQCO
- 到着の報を魔族自治区やフォレスティアに伝える
- 967 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:46:22.63 ID:6rsMTgms0
- 安価が揃ったところで本日はここまでとなります。次回は入浴編、お食事編、お手紙編です
ついに港湾都市ウォーターポートに到着です。目的地への経由地ですが、クロシュちゃんたちはすんなりトコナツ島へ向かうことができるのでしょうか
ブラッドは実際とても殺意が高いです。彼女は敵対キャラクターの中でも特に対話が通じにくく、人間だけのパーティであれば問答無用で皆殺しにしようとします。今回はクロシュに興味を持ったため、すんでのところで見逃されることとなりました
今回はファンブルの影響で彼女の本体が来てしまうという最悪の事態になってしまいましたが、分体一体程度であればクロシュたちのパーティなら十分に勝てるはずの相手でした(実際勝っています)。しかし幸い犠牲者は出ず、クロシュちゃんも自身の能力の発展性を自ら学ぶことができたため、最終的には悪くない結果となったと言えるかもしれません
ただ、ミスティさんのメンタルが少々不安定になってしまっているようです。もし余裕があれば気にかけてあげた方が良いかもしれません
それでは本日もありがとうございました。次回も土日となるかと思います。よろしくお願いいたします
- 968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:50:54.62 ID:P8SerPaMo
- 乙乙
強者相手には些かパーティの戦力不足がある
- 969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:53:07.68 ID:uVz+q1urO
- 乙
ブラッドはクロシュの知り合いっぽそうかと思ったらそうでもなさそうな雰囲気
- 970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 23:38:25.53 ID:aADiY3e10
- 乙
質問だけどクロシュは精霊樹の杖を取り込んで魔女ッ子クロシュになったけど雑貨店や武具店など買った物をクロシュに取り込んだら新たなクロシュが出来たりするの?
(例:弓でアーチャークロシュ、テディベアで着ぐるみクロシュなど)
- 971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/08(月) 17:56:26.00 ID:x6YqPCwOO
- 乙
スライムが強い世界観だ
- 972 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 18:39:15.22 ID:1FlrtliK0
- 現状のパーティでも平均的な冒険者パーティよりは強いのですが、強敵と相対するには実際少し力不足かもしれません。しかし皆まだまだ伸び代はたくさんあり、冒険の旅もまだ始まったばかりなので、彼らの成長を長い目で見ていただければ幸いです
ブラッドとクロシュは初対面のようです。しかし口ぶりからすると、ブラッドはクロシュの出自かあるいは種族について何か知っているのかもしれません。今のところクロシュの出自についての真相は闇に包まれています
クロシュは取り込んだものによって様々な姿に変化します。盾を取り込めば盾騎士に、剣を取り込めば剣士に、杖を取り込めば魔女っ子になるように、弓矢を持てばそれに応じた姿になるでしょう。テディベアは>>1にも予想が付きませんが……
人間の強さが各人によって様々なように、スライムの強さも個体によって様々です。今回登場したブラッドはスライムの中でも上澄みの部類に入る個体であり、平均的なスライムはあそこまで強くはありません
クロシュもどちらかと言えば弱い方の個体でしたが、ここ最近は実力を伸ばしつつあるようです。今後の成長に期待しましょう
- 973 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 18:39:43.38 ID:1FlrtliK0
- ―夜
ウォーターポート 公衆浴場
ワイワイ キャッキャ
カポーン…
イリス「大浴場は良いねやっぱり!」
ミスティ「イリスの作る即席風呂も良いと思うわ……。人目を気にする必要がないし……」
妖精「私にとってはどっちも大浴場みたいなもんだし、人目に付かないイリス風呂の方が良いなあ」
イリス「そ、そうなんだ……。確かに、ここじゃクロシュちゃんも安心して溶けられないもんね……」
半スライムクロシュ「んゅ……?」デロ…
イリス「わ、わわわ! く、クロシュちゃん!」
ミスティ「溶けてるわ……!」
半スライムクロシュ「!!」
キュッ
クロシュ「ん……」
妖精「一応ここは王国だから……なるべくスライムの姿を晒しちゃだめだよ、クロシュ」
クロシュ「う、うん……」
↓1コンマ
01-70 良い湯でした
71-00 湯は道連れ
- 974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 18:40:36.93 ID:mWzqsve/0
- あ
- 975 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 18:45:31.48 ID:1FlrtliK0
- 旅人の気配があります
↓1コンマ
01-19 帽子をかぶった緑髪の少女
20-38 黒髪の無愛想な青年
39-57 赤髪ロングポニテの冒険者女性
58-76 銀髪ウェーブセミロングお嬢様
77-95 ボサボサ黒髪の若い傭兵
96-98 フメイ&アリシラ
99-00 セイン
- 976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 18:48:53.06 ID:FggNe2o2O
- ふんぬ
- 977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 19:01:16.83 ID:XX+KlO0eO
- ローガン「えっ…また女性……」
- 978 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 20:40:54.61 ID:1FlrtliK0
- カポーン…
メルル「……ん?」
妖精「……んん?」
メルル「あんたたち、いつぞや会ったソリの旅芸人!」
ミスティ「誰が旅芸人よ……」
イリス「あなたは……確かメルルちゃん、だよね?」
メルル「そーそー! 久しぶりだねェ」
妖精(あの時は王国の間者かと思ったけれど、結局何もなかったし違うっぽいね)
イリス(そうだね……。ただの旅人みたい)
ミスティ(疑って悪いことしたわね……)
メルル「ね、あの後魔族自治区行ったんでしょ? もしかして魔族大革命に立ち会っちゃったんじゃないの……!?」
クロシュ「え、えと……」
妖精「あー……まあそうだね。すごかったよ、うん」
メルル「ワオ! あたしも付いてけば良かったなァ〜歴史的瞬間に立ち会いたかった……」
イリス「……そんなに、良いものでもないよ」
メルル「そーなの? でもさァ、アレでしょ? ダークヒーローイリスっていう謎の人間が、バッタバッタと悪者騎士をなぎ倒して愛と平和を掴み取ったんでしょ?」
イリス(うへぇ……そういうことになってるのかあ……)
妖精「ダークヒーローイリスが革命後の魔族国の在り方について大きな役割を果たしたのは間違いないけれど……。本当の彼女は、心優しい普通の女の子だったよ。新聞で書かれるようなセンセーショナルな人物では決してない」
メルル「ええ!? もしかして会ったことあるの!?」
妖精「……まあ、うん」
メルル「そうなんだ! でも普通の女の子かァ……ちょっと親近感湧いちゃうなァ」
イリス(妖精さん……)
*
- 979 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 20:42:00.18 ID:1FlrtliK0
- ―公衆浴場 待合室
ワイワイ キャッキャ
ローガン(男風呂を出たら、何やら知らぬ顔の少女がパーティに混ざっている……)
メルル「それで、ソリ芸人の皆さんは何をしにウォーターポートへ?」
ミスティ「だからソリ芸人ではないわ……。ちょっとトコナツ島に行きたくてね……」
メルル「あ〜、ちょっと間が悪かったかもねェ。今は一部の漁船とか交易船を除いて、船はほとんど出てないんだよ」
イリス「えっそうなの!? どうして!?」
メルル「なんか最近海賊がめっちゃ出るんだって! ガチガチの武装船でもないと身ぐるみ剥がされて海の藻屑だから、どこの船も欠航ってわけ!」
妖精「何それ……! 王国の無能騎士団は何してんの!?」
メルル「自分で答え言ってるじゃん! 無能だから検挙できてないんだよ!」
妖精「ええ……」
メルル「そーゆーわけだから、今は海に出らんないよ。トコナツに行くならここじゃない別の海路を使うか、海賊が検挙されるのを大人しく待つかだね」
ミスティ「……さっき、一部の漁船とか交易船と言ったわね。ガチガチの武装船とも……。そういう船には乗れないの……?」
メルル「無理無理。公の武装船は一介の旅人なんか乗せてくれないし、闇船は裏にマフィアとかが付いてるから関わっちゃだめ」
イリス「ま、マフィア……?」
メルル「実際のところ海賊ってのもそのマフィア関係だと思うんだよね。なぜかマフィアの闇船は海賊に襲われないみたいだしさァ」
ミスティ「それが本当なら酷いマッチポンプね……」
メルル「ほんっとやんなるよねェ。悪い奴らってさァ」
☆メルル・マインドストーンと再会しました
☆欠航の情報を入手しました
◆
- 980 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 20:43:47.96 ID:1FlrtliK0
- ―夜
食事処「ポートレストラン」
ワイワイ ガヤガヤ
クロシュ「わあ……」
イリス「おしゃれなレストラン……!」
メルル「良い雰囲気でしょ〜。料理も美味しいんだよここ〜」
ミスティ「当たり前のように混ざってるわね、あなた……」
メルル「そんなつれないこと言わないでよォ〜、旅は道連れ世は情けって言うでしょ?」
妖精「まあ……情報提供してくれたわけだしね」
メルル「そうとも! 奢ってくれても構わんよ?」
イリス「え、ええと……私は情報のお礼に奢ってあげても良いけれど……」チラッ
妖精「私もいいよ」
ミスティ「私も。メルルの情報がなければ何も知らず闇船のチケットを掴まされてた可能性もあるし」
クロシュ「うん……わたしも……」
ローガン「う、うむ……私も構わん……」
メルル「おじさん! おじさんって誰!?」
ローガン「だ、誰とは……」
メルル「前はいなかったよね!? どうして女の子ばっかりのソリパーティに混ざってるの!? ハーレムなの!?」
ローガン「ハーレムではない……! これにはいろいろ経緯があってだな……」
*
メルル「へェ〜若い女の子たちに求められるがままに応じちゃったんだァ……」
ローガン「誤解を招くような言い方はよしてくれたまえ……」
メルル「にゃは、冗談だって! でも凄いねェ、あたしがおじさんの立場だったら煩悩爆発で追放待ったなしだよ多分!」
ローガン「私が愛する女性は妻だけだ。違えることはない」
メルル「カタブツだ! 今どき珍しいイケオジじゃん……!」
イリス「そうだよ! ローガンさんはイケオジなんだよ! ちょっと髪がボサボサでヒゲも適当だけど!」
妖精「素材は良いんだから、身なりを整えれば実際かなりハンサムだと思うんだけどねえ」
ミスティ「そう言われるとちょっと見てみたいわね……身なりを整えたローガンさん……」
ローガン「……まあ、気が向いたらな」
↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉、オーク肉、触手肉
野菜:セイントレア草、王国キャベツ、ユーシリアカボチャ、海藻類、テラヌスアロエ(欠品中)、森ニンジン(欠品中)
穀物:ウルティ米、ヤマイモ、ふっくらパン、港湾パスタ、甘もろこし、ナッツ
魚介:カニ、海ザリガニ、異世エビ、アークサーモン、イクラ、ホタテ、ウニ、海竜(欠品中)
果実:リンゴ、モモ、トウゲンライチ(欠品中)、森林木苺(欠品中)、精霊樹の実(欠品中)、トコナツバナナ(欠品中)、トコナツドリアン(欠品中)、トコナツココナッツ(欠品中)
卵乳:トリの卵、ミルク、チーズ、バター、エルフ印の乳製品(欠品中)
特殊:スライムゼラチン、アルラウネオイル(欠品中)、フェアリーシロップ(欠品中)、きび砂糖(欠品中)、胡椒(欠品中)
※表にない調味料などが使われることもあります
- 981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 20:46:26.13 ID:5YpGiHnDO
- アークサーモン イクラ
- 982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 20:47:35.14 ID:6xoDRcXwO
- アークサーモン、港湾パスタ
- 983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 20:47:38.40 ID:tlpYTxwjO
- ケモノ肉
- 984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 21:31:52.75 ID:StsjIwlko
- サーモン旨そうだからね、皆頼むよね
- 985 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 22:13:47.10 ID:1FlrtliK0
- イリス「……欠品中多いね。欠航の影響……?」
メルル「それもあると思うけど、何日か前に夜空を光が流れた日があったでしょ? あの光が落ちたとこはなんか大変なことになってんだって。食材の取引どころじゃないんじゃない?」
ミスティ「トコナツ島原産っぽい果物類も見事に欠品してるわね……」
妖精「まあトコナツの果物は現地に行けば食べられるだろうし、今はあるものを頼もうよ」
ローガン「うむ。であれば、せっかくだしこの港湾都市ならではのものを食べてみたいところだが――」
メルル「それだったらやっぱり魚介とパスタだね! 漁港ならではの新鮮な海の幸と、ここの職人が丹念に伸ばしたパスタでしょ!」
クロシュ「ぱすた……?」
イリス「えっと、パスタっていうのはね……小麦粉を棒状に伸ばしたものを――」
クロシュ「???」
ミスティ「口で説明するより実物を見てもらった方が早いと思うわ……」
◇
サーモンとイクラのクリームパスタ「」ポン
クロシュ「わあ……!」キラキラ
ミスティ「これは……美味しそうだわ……!」
メルル「ささ、どうぞお嬢様方……」
妖精「奢られる立場でしょあなた……」
*
クロシュ「〜〜♪」モグモグ
ローガン「これは……サーモンの旨味とイクラの塩気がパスタによく合っている……! そしてそれらを優しく包み込むクリーミーな味わい……!」モグモグ
ミスティ「……美味しいわ。メルル、センス良いわね……」モグモグ
イリス「クリームを絡めるとこんなにもパスタがまろやかになるの……!? メモを取っておかなきゃ……!」ガサゴソ
妖精「……へえ。これ、本当に美味しい……。パスタ、嫌いじゃないかも……」
メルル「フッフッフ、凄いでしょ? これが港町の味ってわけ……!」
イリス「ねえ、このアークサーモンって普通のサーモンとは何が違うの?」
ミスティ「それは私もちょっと気になっていたわ……」
メルル「アークサーモンっていうのは、その名の通りアークなサーモン――つまりでっかいサーモンのこと!」
妖精「そ、そのまんますぎる……」
☆サーモンとイクラのクリームパスタを食べて元気になりました
◆
- 986 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 22:15:03.25 ID:1FlrtliK0
- ―夜
旅の船着場 客室
スライムクロシュ「……」zzz
カキカキ…
イリス「……」カキカキ
ミスティ「……フラナ先生へのお手紙?」
イリス「うん。聖女さんにも。ウォーターポートに着いたことを報告するの」
妖精「マメだねえ」
イリス「そ、そうかな? 緑の国のみんなにも出したいんだけど、流石に鎖国中だし届けられないよね」
ミスティ「…………」
妖精「ああ、緑の国なら手紙より速くて簡単な方法があるよ」
イリス「え?」
窓「」ガラッ
妖精「お〜いそこの風の精霊」
風の精霊『?』ヒュオ
妖精「緑の国のティセリアに、妖精一行が無事港町に着いたって伝えてくれる?」
風の精霊『』コク
イリス「そ、そんな裏技が……!」
妖精「他に何か伝えたいこととかある?」
イリス「あ、えと! そ、それじゃあ私たちは元気だからそちらもお元気でって……!」
妖精「ふふ、わかった。ミスティは?」
ミスティ「……」
↓1
01-05 ごめんね、と……あの子に……
06-35 私も……どうかお元気で、と……
36-65 何を言えば……良いのかしら……
66-95 私……どうすれば……
96-00 ……必ず、帰るから。心配しないでと、あの子に……
- 987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:16:21.30 ID:mWzqsve/0
- あ
- 988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:16:46.88 ID:Oa94jAdy0
- あ
- 989 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 22:47:48.06 ID:1FlrtliK0
- ミスティ「私も……どうかお元気で、と……」
妖精「イリスとおんなじ?」
ミスティ「ええ……。元気でいてくれれば……何よりよ……」
イリス「うんうん、そうだよね。ティセリアさんたちも、あの森妖精の子も……みんなが元気でいてくれたら、それが一番だよ」
ミスティ「……ええ」
妖精「……わかった。風の精霊、お願いして良い?」
風の精霊『!』ヒュイッ
ヒュオオッ
妖精「……行ったよ。すぐに届くと思う」
イリス「うん! でも良いなあ……私も精霊とお話できるようになりたい……」
ミスティ「……ふふ。なれるわよ……」
イリス「えへへ、そうかな?」
ミスティ「ええ……イリスなら、きっと……」
妖精「……」
☆魔族国と緑の国へ港湾都市到着の報を出しました
◆
- 990 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 22:51:36.03 ID:1FlrtliK0
- ―港湾都市ウォーターポート 滞在2日目
◆パーティメンバー
◇クロシュ 武:鉄の小盾 防:旅人の服
◇妖精 武:なし 防:エルフのレオタード
◇イリス 武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
◇ローガン 武:鋼の剣 防:鎖帷子
◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物
◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す
◯仲間の目標
・???(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
隣接地:機械工業都市テンペスター
……………………………………………………………………………………
―朝
旅の船着場 客室
チュンチュン
イリス「トコナツ島行きの船が今は出てないわけだけど……ど、どうしよっか?」
妖精「あー……どうしようか……」
ミスティ「……海賊ってやつらを滅ぼせば良いんじゃないかしら?」
イリス「えっ!?」ギョッ
妖精「……」
ミスティ「そいつらが私たちのみならず皆を困らせる不届き者なわけでしょう。だったら、そんな奴らこそ海の藻屑にしてしまえば良いわ……」
ローガン「落ち着けミスティくん……! 王国の騎士団が未だに検挙できていない手練れの海賊団だぞ……!」
イリス「そ、そうだよミスティ! それにもし戦うにしても……問答無用で海の藻屑にしちゃうのは……だめだよ!」
ミスティ「……そうね。ごめんなさい、少し寝ぼけているのかもしれないわ……。顔、洗ってくる……」フラフラ
クロシュ「ミスティさん……」
イリス「ミスティ……やっぱり……昨日のことで……」
ウォーターポート滞在2日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
- 991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:52:14.96 ID:mWzqsve/0
- ギルドで依頼探し
- 992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:52:33.42 ID:i8i+VCw9o
- 海賊対策に傭兵でも雇うか
- 993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:52:44.50 ID:Oa94jAdy0
- 新たな仲間を探す(バランス的にセイン以外の男キャラ)
- 994 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 23:09:05.70 ID:1FlrtliK0
- というわけで本日はここまでです。次回は冒険者ギルドで傭兵またはパーティメンバー探し編となります
旅は道連れということで、メルルさんと親交を深めることができました。正式なパーティメンバーにならずとも、親交を深めたキャラクターは一時的にパーティ入りしたり助っ人として現れたりすることがあるかもしれません。パーティ外の人との交流は赤ちゃんスライムであるクロシュにとっても良い刺激となることでしょう
また、今回のようなランダムイベントだけでなく、自由安価行動でパーティ外の人物と交流することも可能です(今回の傭兵探しや仲間探しも近い結果になるかもしれません)。旅は道連れ世は情け、クロシュちゃんにとって良き出会いがあることをお祈りいたします
それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
また、次回は次スレとなります。このスレの残りは質問や雑談やその他何でもご自由にお使いくださいませ
- 995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 23:10:44.01 ID:mWzqsve/0
- 乙
今回も女性陣の3サイズ設定とかあるのかな。
- 996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 23:15:14.76 ID:n6BX70PhO
- おつ。
過去作も見てみようかな。
- 997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 23:32:29.06 ID:6xoDRcXwO
- 乙
女湯シーンで男性が選出されたらどうなってたんだろうか
- 998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 00:39:13.13 ID:ERx9BvMDO
- 乙です
フメイ&アリシラ組やセイン&僧侶組にも道連れや仲間加入があったりするのかな?
- 999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 01:01:30.32 ID:FZ6nPxc7o
- おつおつ
メルル再登場はかなり薄い確率の所抜いててすごい
- 1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 02:42:52.75 ID:pNXy7EMUo
- 乙
空飛ぶ魔法とか覚えたら海賊問題解決かね
- 1001 :1001 :Over 1000 Thread
- ___, - 、
/_____)
. | | / ヽ || 父さんな、会社辞めて小説で食っていこうと思うんだ
|_| ┃ ┃ ||
(/ ⊂⊃ ヽ) /  ̄ ̄ ̄ \
! \_/ ! ( ( (ヽ ヽ
,\ _____ /、 | −、ヽ\ !
ゝ/  ̄ ̄ ̄ \ /. \/ ̄\/ .\ | ・ |─ |__ /
/ _____ヽ | | _┌l⊂⊃l | | ┌ - ′ ) /
| | / ─ 、−、! | | / ∋ |__| | | ヽ / ヽ <
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( ` ─ o−i ヽ / \ .ノ_ .j ̄ ̄ |
ヽ、 ┬─┬ノ / ̄ ./ ヽ- 、\ /  ̄ ヽ\
// /ヽ─| | ♯| / i | ..) ) \ i ./ |\\
| | / `i'lノ))┘/ , ─│ !-l⊂⊃l┐__ヽ__/\ / | | |
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