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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】

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375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 17:07:18.14 ID:zRi2fl6Ho
〈港湾都市ウォーターポート〉
概要:
王国南西部の海に面した大きな港町。王国内外をつなぐ主要な玄関口のひとつ
いつも多くの人で賑わい、外国の物や文化が入ってくるせいか、どことなく異国情緒が感じられる

産業:
王国の輸出入の要となっているほか、漁業も盛ん
ここを中継地点として利用する観光客や旅人も多いため、そういった人たちを狙った珍しい土産物屋や旅人向けの店も多い
世界中から多様なものが集まってくるため少し変わった品揃えが見られる

情勢:
噂では、近海にこの港を利用する船を狙った海賊が出没するようになり
それを恐れて輸送船も漁船も本数が減っているらしい
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/02/01(木) 19:06:30.47 ID:nRB60+y6o
〈トウゲン帝国〉
概要:王国から北方、海を挟んだ別の大陸を支配する中華風の国家
国を興した初代皇帝は魔族を后とし人・魔間の融和に努めたという建国神話が残されており、魔族も普通に国民として生活している(少なくとも王国ほど表立った差別や対立はない)
華美であることを美徳とする独自の価値観があり、地方都市であっても他国の中心都市に匹敵する程の発展ぶりを誇るが
その分貴族・裕福な市民とそうでない庶民の貧富の差は激しく、スラム街も各地に存在する

産業:宝石や金細工といった宝飾品、独自の食文化が特に有名
中でも最南端の港湾都市〈ミンコン〉は美食の街として名高く、絶品料理を味わうためだけにここを訪れる旅行者も多いとか

情勢:過激な人族、及び魔族至上主義者によって結成されたマフィアがスラム街を中心に小競り合いをしながら勢力を拡大しつつある
近年は都市部においても活動が確認されており、国軍も手を焼いているようだ
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 19:17:33.80 ID:MdQzoHHg0
リテン・ヘイブン
概要:
王国から北の海に存在する島 かつては王国の犯罪者の流刑地であったが、いつしか犯罪者達に占拠されて半ば独立国家のようになった過去がある 現在でも何らかの事情で故郷にいられなくなった犯罪者者や逃亡者や亡命者が最後の逃げ場所とばかりに種族問わず集まってきている歓楽街
産業:
場所柄だけに他の地域では非合法な商品・あるいは曰く付きな商品が集まり、普通の賭博を楽しめる表カジノ・時には命を賭け合う過激な賭博を行ったり見学できる裏カジノ、どんな性癖持ちも満足できる多種多様な娼館等といった他の地域では
中々楽しめない産業で外貨を稼いでいる また各地から特殊な事情を持つ人々が集まってる関係上ガセ情報から国家機密レベルの情報まで多種多様の情報も売り買いされている
もちろんそういった怪しい部分に関わらないで小規模な農業や漁業でひっそりと自給自足して生活している人たちや普通の飲食店や宿屋を経営している人達もいる
情勢:
ここを追われたら他に逃げ場所が無い者が多く集まっているためか治安は意外と安定している しかしそれは後ろ盾の無い一般人レベルの話で上位の財力を持っている者達は独自の私兵を用意して派閥を形成し緊張状態が続いており、
また観光客に扮したスパイや暗殺者が紛れ込んでおり、人や情報をめぐって密かに争いあっている
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 19:38:46.50 ID:sr/9NWia0
機械都市テンペスター
概要:王国の南に位置する都市、機械産業が発展しており工場が数多く立ち並び、日夜様々な兵器や武器が開発されている。

産業:ここで作られる機械仕掛けの武器や兵器の性能は高く、様々な国が国防のためにここの製品を求めている。

情勢:腕があれば種族問わず活躍できるため、治安は比較的良いが、武器を横流しする闇市場も少なからず存在する。
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 20:55:25.56 ID:pDxJG3ETO
温泉町トウゲン
概要:山奥にある温泉町。そこかしこから温泉が沸き、観光地として人気。
産業:温泉は勿論のこと、宿や美味い料理や酒も人気。
情勢:治安はいいが、最近温泉の出が悪くなっており、魔物の仕業だと噂されている。
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 20:59:54.21 ID:AqkISvtu0
芸術都市ミュージア

概要:王国西部に位置する都市。芸術、及び芸能活動が盛んで、美術館や劇場などが至る所に立ち並んでいる。
芸術家や役者、歌手などを志す者にとっては憧れの街であり、この街で成功した者たちは皆、巨万の富と名声を手にしている。

産業:最近では少年少女たちが歌って踊るステージが人気を集めており、彼らまたは彼女らは"アイドル"と呼ばれている。
人気のアイドルともなれば熱狂的ファンも多く、ステージを見に遠方から駆けつけるファンもいるほどである。

情勢:今までは平和そのものだったが、アイドル達の人気に伴い様々な迷惑行為をする過激なファンが増えているという。
そのため、最近ではそういう連中の対処を冒険者に頼む事も多いようだ。
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 21:10:24.22 ID:y4HN3Neno
〈国名〉大魔女帝国
概要:空中機動要塞上にある独立都市国家。大魔女と呼ばれる強大な独裁者によって支配されている。大魔女の魔翌力によって空中機動を含むインフラの全てが運営されている。国民は大魔女のファンであり、大魔女は国民のことを愛しているアイドル国家。洗脳国家ともいう。入国条件は各国に置かれた大使館に申請した上で大魔女への愛を語る面接にクリアすること、要塞が迎えに来てくれる。割りとガバガバ入国できる。

産業:エンタメ産業が発達しているが、作品は大魔女が主役の映画や漫画、オペラ、小説など偏りが見られる。また、大魔女の教えにより魔法アイテム産業が盛ん。

情勢:長命の大魔女による独裁のため、政治は非常に安定しているが、他国の日照権を奪うわ国民という名の信者が布教してくるわ迷惑国家の誹りを受ける。大魔女暗殺未遂など事件の大半は専ら外国勢力によるもの。
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 21:20:05.86 ID:BWniqWVDO
〈オリシン王国〉
概要:大陸北東部に存在する国。世界で最も長い歴史を持つ最古の国の一つであり、各地に古代の遺跡やダンジョンが存在している。
また一方で「本の国」とも呼ばれ、首都に存在する世界最大の大図書館をはじめ、見られない本が無いと言えるほど、古今東西の本が閲覧・購入が可能である

〈産業〉
基本的な産業は自国で補う自給率の高さが特徴だが特に、遺跡の観光や欲しい本を目当てに集まる観光客や遺跡の探索者を相手にした商業が盛んであり、たまに遺跡から発掘された掘り出し物がオークションで取引されていたりする。
〈情勢〉
政治的には最近国王が幼い兄弟姉妹を残して亡くなり、権力争いが起こっている。 なお、当の兄弟姉妹同士は仲良しでお忍びで街に遊びに繰り出していたりする。
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 22:33:45.86 ID:W8vOxtYzO
〈ユーシリア帝国〉
概要:王国の東にある帝国
遥か昔に死闘の末に魔王を討伐した英雄が初代皇帝となり、建国したと言われている
初代皇帝が魔王討伐時の仲間の一部が、筆頭貴族となり、その内のいくつかの家は現在まで存続しており、魔王復活に備え先祖の武具や魔法を代々伝承し続けているとされている
しかし現在は問題をいくつも抱えておりそれなり程度の国の一つとなっており、国際的な発言力も低下中

産業:国内に肥沃地帯や港を抱えており、近海に優良な漁場も抱えている
そのため、食料の輸出や交易が盛ん
現皇帝が各種産業への魔法技術の活用を推進しており、その分野で芽が出つつある
長い歴史を持つため、古い遺跡や文化遺産、書物・文物があり観光業や留学生受け入れも盛んだったが、国内情勢の悪化により減退しつつある

情勢:十数年前までは、圧倒的な武勇を誇り建国の英雄の生まれ変わりとまで言われ、国民から絶大な人気を誇っていた前皇帝のもと、安定した情勢を保っていた
しかし遠征中に魔王復活を叫ぶ魔族達の襲撃により殺害
ほぼ同じくして帝位継承第一位が病により倒れ、魔族の呪いと噂されるようになる
それにより、後継者としての教育を受けて来なかった現在の皇帝が急遽即位
即位してすぐに、魔族排斥を訴える国民達に対して軽はずみに魔族の排斥を止めるよう発したことで国民の反発を招く
そして帝国内の混乱を見た近隣各国が帝国の肥沃な土地と財産を求め侵攻、帝国はかなりの領土を失う
この一連の流れにより、現皇帝の国民からの信頼は完全に失墜
皇帝の座を欲して、魔族と手を組んで偉大な先帝と肉親を手に掛けたとの噂まで流れ、帝国史上最低の愚帝とまで言われるようになる
一方で、現在の情勢は先帝の無理な外征と、国内の発展や後継者教育を怠ったことが主要因とし、現皇帝はそのツケを支払っているだけと見る者
現皇帝は配下の才覚を的確に見分け、公正明大な国政を行い、先帝よりも優れていると見る者もいる
皇帝の人となりを知る近しい人からは、彼を強く信頼するものが多く見受けられる
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 23:24:28.25 ID:5QsuC29AO
国名:国際商業都市イスファハーン
概要:世界の半分と言われしめるほど富を集積した国際都市
そして世界で最も貧富の差がある国家でもあり、世界一の大富豪が在住している傍ら各地にスラム街が広がる
世界一の高さを誇るタワーがあり、それが国家と富の象徴
御三家と呼ばれる大富豪一族の合議制をとっている
国家の華やかさと暗部のコントラストが最も激しい通称欲望と絶望の国
産業:商業が発展しており何でも売っている
農作物や鉱物、果ては奴隷、兵器、内臓など誰かが欲しいと思ったものは必ず揃えられる
情勢:とある御三家の一角は兵器武器の輸出目的で各国の紛争の裏で暗躍しており、子飼いの諜報機関やテロリストも存在する
現在、御三家同士の権力争いが激化しており、様々な思惑が暗躍する不安定な状況にある
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 23:31:02.74 ID:F6CtSJ7VO
〈テラヌス・ウルス〉
概要:荒涼とした砂漠地帯に位置する国家。多様な部族が共生しており、各部族の首長による議会制をとっている。
魔族に対しては寛容で部族も存在するが彼らは少数派で影響力は低い。
産業:良質な魔石の鉱脈が存在し、それらを用いた魔道具や魔術と過酷な環境に鍛えられた屈強な傭兵で外貨を得ている。
国内には傭兵を鍛えるための錬兵場も存在し訓練を受けることもできる。
また性には開放的で風俗業も盛ん。
情勢:
各国に対し中立を宣言しているが近年は干ばつによる水不足が深刻化しており、水の安定供給のために中立を捨てるべきという派閥が台頭しはじめている。
国内の治安は現在良好だが、中立を捨てるなら人間と魔族の間で対立が発生する可能性はある。
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 23:51:52.65 ID:ASEPbOy40
〈緑の国フォレスティナ〉
概要:王国のある大陸の巨大森林地帯にある、多種多様な種族が暮らす国
人間や亜人、妖精や魔族、精霊やはてはドラゴンまで、様々な存在がいる
四年に一度の選挙で代表者を選び政治を取り仕切る
森の中心には世界樹と呼ばれるてっぺんが見えないほどの巨大な木がある
一説には世界樹の上は天界に、根は星の中心に繋がっているとされる
世界樹近辺は聖域とされ、濃密かつ清浄な魔翌力が満ち溢れているが、世界樹の結界により一部の人物しか出入りできないようになっている
産業:森の恵みによる食料による自給自足が主
一部で食料や質の高い工芸品を輸出し、対価で森では手に入らない物資を輸入している
情勢:意外にも外からの来訪者にはそれほど排他的でもなく、国外から訪れる人もそれなりにいる
ただし森を荒らすと精霊達にポイッと追い出されるらしい
魔翌力が濃密で精霊と触れる機会も多いため、魔法の修行には最適
四年に一度の選挙ではいろんな種族の者たちが様々な手段で得意分野をアピールする、一種の大きな祭と化しており、それを楽しみにしてる人達も大勢いる
387 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2024/02/02(金) 00:02:07.79 ID:+Cy+Pbt60
皆さま、たくさんの案をありがとうございます。全ての場所を登場させられるかはわかりませんが、是非とも使わせていただきたいと思います
また事後的な通告となってしまい申し訳ないのですが、世界観や設定に合わせて内容を若干程度変更させていただくことがあります。ご了承くださいませ(ダメな場合は早めに連絡をお願いします)

敵対キャラクターや汎用クリーチャーの募集もしようかと思っていましたが、そちらは展開に沿って都度募集をした方が良さそうな気がしたので今回は見送りといたします
本編の更新は予定通り土日に行いたいと思います。よろしくお願いいたします
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/02(金) 00:50:32.80 ID:53IQCQFbo
了解報告おつー
389 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:07:35.65 ID:3BZznijO0
 ◆

―数日前 夜
 新生魔族国 宿 ロビー

ローガン「魔族国を出たらこのパーティはどこへ行く予定なのだ?」

イリス「あー、ええと……実はまだ、決まっていないというか……」

ミスティ「……このパーティ、明確な目的地はないのよね。強いて言うなら、捜し人のいるクロシュだけど……」

妖精「クロシュの捜し人もどこにいるかわかってるわけじゃないしねえ。まあ、適当に近辺を巡って聞き込みでもすれば良いんじゃない?」

クロシュ「……えと……ごめんなさい……」

イリス「いやいやクロシュちゃんが謝ることなんて何もないって! 元からそういうつもりのパーティだもん! ね?」

ミスティ「ええ……。私も目下の目的があるわけじゃないから、付き合ってあげるわ……」

ローガン「うむ……。私も行く宛のない流浪の身だ。正式にパーティ入りした今、異論などあるはずもない」

妖精「だってさ。良かったねクロシュ」

クロシュ「……ありがと、ございます……」ペコ

ミスティ「いいのよ……」ナデナデ

ローガン「うむ……」

 *

イリス「……とは言っても、聞き込みだけじゃ埒が明かないんじゃないかなあ……」

ミスティ「地道にやっていたら何年もかかってしまうかもしれないわね……。フメイ自身も恐らく定住はしないでしょうし……」

ローガン「そのフメイ殿が人間の絶滅を望む炎魔法の使い手だというのなら、この先何らかの過激な行動を起こすかもしれぬ。その後を追うというのはどうか」

イリス「で、できれば何かを起こす前にお話したいです、私は……」

妖精「それなら占い師とかを頼ってみるのはどう?」

ミスティ「占い……。妖精はアテがあるの?」

妖精「ないわけじゃないけど……私の知ってる奴は屑だからやめといた方が良いよ。あなたたちは?」

イリス「うーん……運命に関わる属性は希少中の希少らしいし……」

ミスティ「私も知らないわ……。ローガンさんは?」

ローガン「私もわからぬ……」

イリス「ううーん……あ!! 大魔女とか、どうかな!?」

妖精「ええ……」

ミスティ「だ、大魔女って……」

ローガン「もしや、大魔女帝国の……」

イリス「そ、そう! 大魔女はあらゆる属性に精通してるって話だし、占術魔法も使えるんじゃないかな……!?」

ミスティ「……入国する為に各国の大使館を巡るの? 今から?」

イリス「あっ」

ローガン「トウゲン帝国やオノゴロ諸島といった大陸外の国の大使館まで巡らねばならんとなると……今から目指すのは現実的ではないな……」

妖精「……占いの線は厳しそうだね、こりゃ」
390 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:08:03.28 ID:3BZznijO0

 窓「」ガラッ
ハーピィ記者「どうもこんばんは!!」ヌッ

妖精「うわああ!!」コテッ

クロシュ「!」ビクッ

ミスティ「い、いきなり何!?」

イリス「あ、あなたは……私を勝手にダークヒーロー扱いしてる悪徳記者!!」

ハーピィ記者「心外だなあ、人と魔族の架け橋となる記事を書いてるだけなんですから大目に見てください」

イリス「ま、まあ嫌われてるわけじゃないから別に良いですけど……」

ローガン「……それで、ハーピィの記者殿がなぜここに? 号外というわけでもなさそうだが」

ハーピィ記者「そこのクロシュちゃんの探し人の目撃情報と、ついでに次の目的地を盗聴して来たのでそのご報告を」

クロシュ「!!」

ハーピィ記者「ふっふっふ、それはですね――」


↓1〜 先に2票入ったもの 道中イベントはどれも自由安価×1、ランダム×2で統一します
1.宗教国家セクリエ・ロイエ(>>374
2.ユーシリア帝国(>>383
3.緑の国フォレスティナ(>>386
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 18:10:16.68 ID:TioO6gXI0
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 18:14:22.82 ID:tYqeAADd0
3
393 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:41:54.44 ID:3BZznijO0
ハーピィ記者「――フォレスティナです!」

妖精「えええええ!!!!?」ドテッ

イリス「フォレスティナ……! 世界樹があるっていう……!」

ハーピィ記者「ええ、そのフォレスティナです。今現在、彼女らはそこを目指しているようです」

ローガン「……不可解だな。人を滅ぼすつもりなら他に人間が繁栄している国などいくらでもありそうなものだが……なぜよりにもよって人の多くない緑の国を……?」

ミスティ「……まさか、世界樹を焼き滅ぼそうなんてつもりじゃ……」

妖精「……フメイの火は強力だけど、世界樹を死に至らせるのは到底無理だよ……。だからその心配はいらないと思う……」

ハーピィ記者「それじゃあ私は伝えましたので! 皆さんの旅路が良いものであることを祈ってますよ!」バサッバサッ


クロシュ「……フォレスティナ……」

ミスティ「まあ何にせよ、次の行き先は決まったわね……」

ローガン「うむ。森歩き用の装備を整えねばな」

イリス「いざ、緑の国フォレスティナ!」


妖精「うげぇ……フォレスティナかぁ……」ドンヨリ

 ◆
394 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:46:58.46 ID:3BZznijO0
―とある夜
 街道沿い 野営地

 焚き火「」パチパチ…

フメイ「……」

アリシラ?「もー、落ち込むくらいなら無理矢理にでもクロシュちゃんを引っ張って来たら良かったのに」

フメイ「……落ち込んでなんか、ない」

アリシラ?「いやいや、どう見ても落ち込んでるよ〜。それにクロシュちゃんなら、フメイちゃんがもっと食い下がって無理を言えば一緒に来てくれたかもよ?」

フメイ「……クロシュの優しさにつけ込むのは、嫌。それに……優しいクロシュが、フメイたちと一緒に来たら……きっと、いっぱい傷付く……」

アリシラ?「頑固だねえ。フメイちゃんがクロシュちゃんを大事にしたいのはわかるけどさ……。人類殲滅もクロシュちゃんのためなんでしょ?」

フメイ「……別に、クロシュのためだけじゃない。フメイだって人間が嫌いだし、フメイたち以外にも人間に苦しめられている種はいっぱいいる。人間がいなくなれば……」

アリシラ?「人間がいなくなっただけで、本当に世界が平和になると思う?」

フメイ「……」

アリシラ?「うふふ……見たよね? 憎さのあまりに子供や赤ん坊ですら串刺しにしてげらげら笑っていた魔族たちの姿を……」

フメイ「………」

アリシラ?「あの残虐性が、はぐれ者のクロシュちゃんやフメイちゃんに向けられることはないって断言できる?」

フメイ「…………」

アリシラ?「フメイちゃんの敵はねえ……人間だけじゃないんだよぉ。フメイちゃんは、クロシュちゃんに害をなそうとする全てを焼き滅ぼさなきゃいけないの……」

フメイ「………わかってる」

アリシラ?「自分の力だけじゃ、敵を全て滅ぼすのが難しいのもわかってるでしょ?」

フメイ「…………」

アリシラ?「下劣で狡猾で残虐な輩は、どこにでも、いくらでも、この世界に潜んでるの。そいつら全てを焼き滅ぼさなきゃ、クロシュちゃんが本当に安心して生きられる日なんて永遠に来ないんだよ……」

フメイ「…………」

アリシラ?「うふふ……焼き殺したいよね? でも、それが難しいのもわかるよね? じゃあ……どうしたら良いと思う……?」

フメイ「…………わかん、ないよ……」

アリシラ?「ふふ……。じゃあ、教えてあげる。フメイちゃんがどうしたら、クロシュちゃんが平和に暮らせる世界を作れるか」

フメイ「……?」

アリシラ?「というわけで、次の行き先はフォレスティナに決まり!」

フメイ「……なんで?」

アリシラ?「うふふふ……その時が来たら教えてあげる……」

フメイ「…………」

フメイ「あなた……誰?」

 ◆
395 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 19:56:49.59 ID:3BZznijO0
―緑の国への旅路
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・自己強化の練習をする[2/3]
……………………………………………………………………………………
―街道

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「緑の国へは……常闇の樹海沿いの街道をずっと行くと、緑の大森林の入口に着くんだよね」

ミスティ「森林に入ったらソリはどうしようかしら……」

妖精「フォレスティナまでは森林内でも街道が整備されてるから普通にソリで走れるよ。前と変わってなければね」

イリス「妖精さんは行ったことがあるの? ていうかもしかして出身だったり?」

妖精「黙秘」

 *
396 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 19:57:17.09 ID:3BZznijO0
イリス「それにしても色々貰っちゃったなあ……。反魂丹まで……」

ミスティ「私たちが使うためのものだったのにマリーさんに使わせちゃったから、って言ってたわね」

ローガン「律儀な方だ。そういうところが人望に繋がっているのだろうな」

クロシュ「……この、赤いのは……?」

 赤い液体が入った瓶「」チャプ

イリス「これは……マジカルブラッドワインっていう吸血鬼用のお酒、なんだって……」

ミスティ「……まさか、血が入ってるんじゃ……」

イリス「あ、そこは大丈夫みたい! これは非吸血種の子供でも飲めるように血を使わないで度数もかなり低くしたものみたいだから」

ローガン「ふむ……。私は度数が高い方が好みだが、名前からするとこれは君たち魔法使いに適したものなのだろう?」

イリス「そうみたいです。飲むと一時的に魔力の生産量と出力量が大きく上がるんだとか。人間が使う場合は体への負担もあって多用は厳禁みたいなんですけど」

ミスティ「一本しかないのなら多用する心配はないわね。ここぞって時に使いましょう」

イリス「うん。フラナ師匠がくれた餞別の品、大事に使わなきゃね」


妖精「……ん? 餞別袋の底の方にまだ何かある」ゴソゴソ

 石の賽「」コロン

クロシュ「……? いし……?」

ミスティ「石の……立方体ね」

ローガン「面には何も描かれていないが、大きさからするとサイコロのようにも見えるな」

イリス「なんだか、不思議な魔力を感じる……。何だろう、これはフラナ師匠からも聞いてないけど……」

妖精「……何かの加護がかけられてるけど……何だったかな、この感じは……」

イリス「う〜ん……わかんないや! でも悪い感じはしないし、大事にとっとこう!」

ミスティ「そうね。フラナさんたちが悪いものを渡すとも思えないし、次に会った時にでも聞いてみましょう」


 強化ソリ「」シャーッ


↓1 ランダムイベント
01-05 野生の魔王が現れた!!!!
06-20 襲撃
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-65 自生する果物(おいしい)
65-80 良いもの発見(自由安価。道具限定)
81-95 良いもの発見(自由安価。道具に限らず人やスポットでも可)
96-00 旅の仲間
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 19:58:33.64 ID:7m/pgekFO
398 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 20:58:06.59 ID:3BZznijO0
 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「ふう……」

イリス「お疲れ様!」

ミスティ「あなたも。風魔法で移動を補助してくれてたでしょ?」

イリス「えへへ、まあ……。できることないかなって思って」

ミスティ「氷魔法は使えないの?」

イリス「だめみたい。氷と闇はどうにも……」

ミスティ「……言っては何だけど、あなたが氷まで使えなくて良かったと今思ってしまったわ」

イリス「あ、あはは……もし使えたとしてもミスティには敵わないよ。所詮は器用貧乏だからね」

ミスティ「平均レベルより上だと思うわ。何にせよ、とりあえず今は休憩にしましょう」

妖精「はーい」

スライムクロシュ「〜」モニョ

ローガン「私は周辺を警戒していよう」

 *

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ん? なあに?」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「あっち? ああ、あれのこと?」

 森林木苺「」

スライムクロシュ「〜」モニョ

ローガン「おお、これは……!」

イリス「わあ、綺麗な木苺!」

ミスティ「美味しそうだけど……これは本当に木苺なの? 良く似た毒苺ってことはない?」

妖精「これは緑の大森林で採れるやつだね。人間が食べても大丈夫なやつだったと思う。多分」

ミスティ「多分……」

スライムクロシュ「〜〜」モグモグ

妖精「ほら、クロシュも平気で食べてるでしょ」

ローガン「クロシュくんはスライムだと思うのだが……」

イリス「……よし! 妖精さんが大丈夫って言ってるんだから大丈夫だよ!」プチッ

 モグモグ

イリス「あ……」

ミスティ「あ……?」

イリス「あま〜い!!」

 ☆森林木苺を食べて元気になりました
  この道中の次の戦闘時、コンマ+15

 ◆
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:11:24.71 ID:MsVjwJcEO
氷や闇は星と相性悪い? それともイリスの性質かな?
400 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 21:20:57.99 ID:3BZznijO0
―夕方
 関所 王国領側

 ワイワイ ガヤガヤ

露店A「安いよ安いよ〜」

露店B「今なら森歩きの靴がなんと銀貨一枚!!!」

露店C「マナポーションはいらんかね?」


 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「ここが……関所みたいね」

イリス「けっこう賑わってるなあ。観光地だからかな?」

ローガン「今年は四年に一度のフォレスティナ首長選挙があるらしい。それで人が多いのかもしれんな」

妖精「とりあえず王国領を出ようよ。私もクロシュも王国領にいると息が詰まる」

ミスティ「そうね……。それじゃあ妖精は隠れて、クロシュは犬か何かに擬態していて」

クロシュ「ん」コク

 *

―夕方
 関所 森林側

 木々「」サワサワ

イリス「わあ……こっち側はもうかなり森って感じだねえ」

ミスティ「地図によると、ここから緑の大森林……つまりフォレスティナ領ということみたいよ」

ローガン「ふむ。フォレスティナの首都までこの森林地帯が続くというわけか」

ミスティ「そういうことみたいね……。それにしても……」

 ワイワイ キャッキャ

森妖精A「フォレスティナにようこそ、旅人さん!」ヒラヒラ

森妖精B「えっへへ〜楽しんでいってね〜」ヒラヒラ

森妖精C「ねえねえ旅人さん、フェアリーシロップ欲しくない? ねえ欲しくない?」ヒラヒラ

森妖精D「妖精のお宿ですよ〜。妖精さんのせいいっぱいのご奉仕付きですよ〜」ヒラヒラ

 ワイワイ キャッキャ

ミスティ「……こっちもこっちで、賑やかね……」

イリス「そ、そうだね……。森の妖精さんは、積極的というか……」チラ

妖精「はあ……王国領にいるよりはマシだけどさ……」

ローガン「妖精殿は森の妖精が苦手なのか?」

妖精「別に……。ただ、相容れないってだけ……」

犬クロシュ「……」ペロペロ

妖精「うひゃあ! 急に舐めるな!!」


森の関所で一晩過ごします
↓1 どこに泊まる?
1.妖精のお宿(お金が減りますが、お元気になります)
2.野営(お金が減りません)
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:22:08.07 ID:65n6n0fxo
1
402 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 21:42:20.25 ID:3BZznijO0
イリス「今夜は妖精さんのお宿に泊まろうよ! 竜人姐さんも美味しいもんいっぱい食べろって言ってたし……!」

ミスティ「私も同意するわ。せっかく頂いたお金だもの、有意義に使いましょう」

ローガン「私も異論はない。心地良い環境での休息は良き活力となろう」

妖精「まあ……良い寝床なのは確かだと思うよ、うん……」

犬クロシュ「ハッハッハ」

ミスティ「……もう人やスライムの姿に戻って良いわよ、クロシュ……」

 *

―妖精のお宿

お宿の妖精たち「せっせせっせ」パタパタパタパタ


イリス「わぁ〜、小さい妖精さんたちが一生懸命働いてる……! かわいいなあ」

妖精「そういう視覚効果を狙った宿だからね。かわいく見せてるんだよ」

イリス「そ、そういうこと言うのやめてよぉ〜」

妖精「事実だもん。これでお金を落とす妖精性愛者が後を絶たないんだから。下品な商売だよ」

ミスティ「妖精はもうちょっとこう……言葉を選べないのかしら……」

妖精「これでも選んでる方なんだけど……」

ローガン「ううむ……。かわいいと思ってしまうが……それが意図されたものだと聞かされると、なんとも言い難い痒さがあるな……」

イリス「あれ? そういえばクロシュちゃんは?」

ミスティ「……あそこでお宿の妖精たちに囲まれているわね……」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

お宿の妖精A「わぁ〜黒いスライムさんだあ〜」

お宿の妖精B「黒くて綺麗でかっこいいです、お客様……」

お宿の妖精C「スライムさん向けのマッサージしてあげるね」フニフニ

スライムクロシュ「///」モニョニョ


妖精「何をやっているのあの馬鹿スライムは……」

妖精のお宿に一泊します
↓1〜3 自由安価 宿泊中何をする?
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:43:39.13 ID:TioO6gXI0
女性陣、温泉タイム
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:45:29.37 ID:07D4fN/So
クロシュ変身能力を戦闘用に磨く
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:45:57.54 ID:7m/pgekFO
冒険者ギルドで依頼探し
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:46:28.59 ID:7cH0PawQ0
星の魔翌力を読んでみる
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:46:33.14 ID:kpzElX0qo
お宿の妖精とうちの妖精さんとの会話
(あくまでお客様対応なのか、同族ぶっちゃけトークとなるのか)
408 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 22:26:58.29 ID:3BZznijO0
―妖精のお宿 温泉

 カポーン…

スライムクロシュ「〜〜」デロデロ

妖精「だから溶けてるってば」ペチペチ

イリス「あはは、クロシュちゃんってお風呂でいつも溶けそうになってるよね」

ミスティ「ふふ、気持ち良さそうよね。私もお風呂で溶けちゃいたいって思うことが時々あるわ……」

イリス「えっ」

ミスティ「え……」

妖精「……」

ミスティ「……な、ない? そういうの」

イリス「……ど、どう、かな……。私は……ない、かも……」

ミスティ「……よ、妖精は……?」

妖精「大気に溶けちゃいたいって思うことはあるけど……お風呂はないかな」

ミスティ「そ、それは私もわからないわね……」

半スライムクロシュ「……えと……わたしも……溶けちゃいたいとき……ある、よ……」モニョ

ミスティ「クロシュ……! クロシュならわかってくれると思ったわ……!!」

半スライムクロシュ「え、えへへ……」モニョニョ

 *
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 22:27:40.61 ID:3BZznijO0
―同刻 男湯

 カポーン

ローガン「ふう……。若い女性ばかりのパーティの唯一の男というのは、誉れ高い立場ではあるが……しかし、気疲れするな……」

ローガン「考えても見れば、あの子らは皆未だ20にも満たない子供たちか……。私の責任は重いな……」

ローガン「……フッ。どうせ生きる価値などない身だ。命を賭して、あの子たちの盾となれれば本望……」

 ガラッ

お宿の妖精「お客様ぁ、熱燗をお持ちいたしましたぁ〜」パタパタ

ローガン「む、ありがたい……」

お宿の妖精「お注ぎいたしますねぇ」

 熱燗「」トクトク

ローガン「感謝する……。いただこう」グビッ

お宿の妖精「わぁ、良い飲みっぷりですぅ」

ローガン「はっはっは、温泉でやる一杯はやはり格別だ!」

お宿の妖精「うふふ……お客様ぁ……追加サービスに、お夜伽はいかがですかぁ……?///」ピラ

ローガン「…………」

ローガン「」グビッ

ローガン「君はとても可愛らしく美しい妖精だが……私が愛するのは、亡き妻ただ一人……。丁重に断らせて頂こう……」グビグビ

お宿の妖精「わぁ……素敵な旦那様ですぅ……///」

ローガン「フッ。私は鋼属性ゆえ、誘惑には強いのだ」グビグビ

 ◆

―夜
 お宿の庭

スライムクロシュ「……」モニョモニョ

 小盾「」

スライムクロシュ「……」モニョモニョ


妖精「温泉を出てから見かけないと思ったら、こんなとこにいたの」パタパタ

スライムクロシュ「!」モニョ

妖精「ああ、前に武器屋で教わったやつね。できそうなの?」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「あと少しなの? じゃあ見ててあげるから、やってみて」

スライムクロシュ「〜」モニョ


↓1
01-95 成功
96-00 ??
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 22:29:29.76 ID:7cH0PawQ0
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:01:49.94 ID:3BZznijO0
スライムクロシュ「……」モニョニョ…

スライムクロシュ「!!」

 カッ!

盾を背負ったスライムクロシュ「!」ジャキンッ!


妖精「へっ?」

盾を背負ったスライムクロシュ「?」

妖精「……なんか、かたつむりみたいになってるよ?」

盾つむりスライムクロシュ「??」モニョニョ


風呂上がりローガン「何やら鋼の気配を感じて来てみれば……素晴らしい姿ではないか、クロシュくん!!」ホカホカ

妖精「うわっ! なんかちょっと酒臭いんだけどローガン!」

風呂上がりローガン「はっはっは、気にするな! どれ、私が今のクロシュくんの鋼度を測ってあげよう!」

妖精「なんかテンションおかしいし……」

盾つむりスライムクロシュ「?」モニョ

風呂上がりローガン「ふむ……かたつむりのような見た目だが、実のところ全身が鉄の堅さを獲得している! 試しに私の拳をコンコンしてみると――」

盾つむりスライムクロシュ「?」コンコン

風呂上がりローガン「うむ、堅い!! これで君は、見た目だけでなく能力の擬態までできるようになったというわけだ!!!」

盾つむりスライムクロシュ「!」

風呂上がりローガン「その盾の堅さを保ったまま他の姿に擬態できたりはするかね?」

盾つむりスライムクロシュ「〜」デロデロ


盾士クロシュ「!」ジャキーン!

妖精「……!」

風呂上がりローガン「素晴らしい……!! まるで小盾を構える為に生まれてきた聖騎士のようだ……!! しかも頑丈さは継続している……!」

盾士クロシュ「……!」

妖精(く、悔しいけど……ちょっとかっこいいって思っちゃった……)

風呂上がりローガン「これが、スライムの潜在能力と反映魔法を組み合わせた、クロシュくんの新しい力というわけだ!!!!」

盾士クロシュ「わたしの……ちから……!!」ジャキーン!

風呂上がりローガン「うむ!! 近接戦闘の心得なら私がいつでも教えてあげよう!! よくやったぞ、クロシュくん!!!」

盾士クロシュ「うん……!!」

妖精「……慣れるまでは無理しちゃだめだよ。新しい力なんだから」

盾士クロシュ「う、うん……!」

風呂上がりローガン「はっはっは! 妖精くんの言う通りだぞクロシュくん! 体が慣れるまで禁物だ! 無理はな!!」

 ◆
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:03:18.19 ID:3BZznijO0
―お宿 ロビー

 冒険者ギルド出張所「」
 出張所受付嬢「……」コックリコックリ

ミスティ「こんなところに冒険者ギルドの出張所……?」

イリス「せっかくだし見ていってみようよ」

ミスティ「お金にはまだまだ余裕があるわよ。それにフォレスティナの首都に向かっている最中なのだから、ここで依頼を受けている暇はないんじゃないかしら」

イリス「ま、まあそう言わずに。納品依頼とかなら手持ちでできるものもあるかもしれないし」

ミスティ「まあ、イリスリーダーがそう言うなら……」


イリス「すみません」

出張所受付嬢「はっ! こ、こんばんは! 冒険者ギルド、フォレスティナ関所出張所です! 寝ていません!」ビシッ

ミスティ「……まあ、夜も遅いしね」

イリス「あはは……。ええと、ちょっとした簡単な依頼とかってありますか? 明日の朝には出発したいので、納品とかここの掃除とか……」

出張所受付嬢「むむ……そうですね」


↓1
01-70 都合の良い依頼はなかった
71-90 納品:蜘蛛絹
91-00 納品:ザリガニのお守り
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:03:37.34 ID:tYqeAADd0
414 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:31:10.15 ID:3BZznijO0
イリス「……まあ、流石になかったね」

ミスティ「さっきも言ったけど、餞別をたくさんもらってるからしばらくは大丈夫よ」

イリス「そだね。部屋に戻ろっか」

ミスティ「ええ」

 ◆
415 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:31:36.09 ID:3BZznijO0
というわけで本日はここまでです。次回、フォレスティナ旅程後半から開始です

これはネタバレですが、氷と闇は他の属性とは実は若干成り立ちが異なります。星属性に含まれるのは火や光などの正の属性であり、負の属性である氷と闇は含まれていないのです
そしてクロシュちゃんの能力解放おめでとうございます。これで多分ちゃんと戦えるようになりました。あとは装備次第です。温かく見守ってあげましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:36:12.15 ID:TioO6gXI0

そういやフラナ氏他人からの吸血は控えてるクチかな
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:37:28.23 ID:NlvUPGaRO
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:38:33.26 ID:07D4fN/So
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 04:20:34.61 ID:akCfMb1to
おつー
クロシュちゃんこれで前線も張れるな!
妖精さん達のサイズ感はどのくらいなんだろう
420 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:02:51.00 ID:0AXMpM8i0
フラナさんは吸血鬼なので血液はちゃんと接種しています。血を吸わずとも直ちに死ぬことはありませんが、長期間接種しないと人間で言うところの栄養失調のような状態に陥り弱っていきます。そのため、よほど特殊な事情があったり変わった思想の持ち主でもない限り、血を吸わない吸血鬼はいないと考えられます

小盾を取り込んだクロシュ氏は軽量さを保ちつつ防御能力が向上しており、一般的な兵士や冒険者や下級騎士より少し強いくらいの戦闘力があるかと思われます。鉄の小盾を取り込んだため、属性が鉄属性に変化しています(鉄属性や鋼属性は地属性の派生です。ローガン氏が鋼の気配と誤認したのはこのためです)

妖精さんたちの大きさは、平均身長がだいたい20センチメートルくらいです。人間やその他の大きな種族を相手に宿泊業を営むのは大変そうに見えますが、実はそれほどの労力はかかっていません。お客様の前ではせっせせっせと一生懸命手作業で働いているように見せていますが、お客様の見ていないところでは高度に洗練された生活魔法を駆使して効率的に作業を行っています。意外としたたかな商売なのです

そして妖精性愛者とはそんな小さい妖精さんたちを性的に愛する変わった方々です
緑の国では妖精や他の知性ある種族の捕獲や略取は禁じられていますが、密猟の被害は少なからず出ています。緑の国の治安組織は捜査を行っていますが、末端の密猟者を捕まえることはできてもその大元を特定して根絶するには至っていないようです
緑の国住民の多くは、自国民以外を奴隷化するのが大好きな隣国の王国の仕業ではないかと疑っています。しかし決定的証拠はなく、また緑の国と王国は相互不可侵条約を締結しているため、治安組織は思い切った捜査に踏み切れないようです
421 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:03:38.17 ID:0AXMpM8i0
―朝
 妖精のお宿 玄関

 チュンチュン

妖精女将「またお越しくださいませ、旅人の皆様……」ペコリ

お宿の妖精A「また気てね〜」

お宿の妖精B「どうかお達者で……」

お宿の妖精C「体に気をつけてね、黒いスライムさん」

お宿の妖精D「またいらっしゃってくださいねぇ、鋼の旦那様ぁ」

 *

―緑の大森林 街道

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「良いとこだったねえ」

ミスティ「また来ても良いかもね。ちょっとお高かったけど」

クロシュ「うん」

ローガン「うむ。良き宿であった」

妖精「すっかり酔っ払ってたもんね、ローガン」

ローガン「はは、昨晩はすまんな。可愛らしい妖精さんにお酌されてしまってな。つい酒が進んでしまったのだ」

妖精「……」タジ

ローガン「……安心していただきたい。やましいことは何もしていないし、私が愛するのは亡き妻ただ一人」

イリス「え……亡き……?」

ローガン「……過ぎた話だ」

ミスティ「…………。ローガンさんも、なのね……」

ローガン「私も、とは?」

ミスティ「……私も……家族はもうないわ。家族っていうか……故郷も、ね」

イリス「え………」

妖精「クロシュもだね。まあ、クロシュにはまだフメイがいるけど」

クロシュ「……」コク

イリス「……」

↓1コンマ
01-50 イリスの師匠、既に他界
51-95 イリスの師匠、存命
96-00 イリスの師匠大魔女説
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 16:04:29.15 ID:i5hN0SVl0
423 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:39:36.48 ID:0AXMpM8i0
イリス「……私も……地の繋がった家族も、師匠も……もう、いないんだ」

ミスティ「イリスも……」

イリス「でもね……。師匠は私に、家を遺していってくれたから……。私には……帰る場所が、ある……」

ローガン「……そうなのだな」

イリス「はい……。だから……その……」

ミスティ「……ふふ。大切にしなさいよ。あなたの……帰るべき場所を……」

イリス「あ……」

ローガン「私にはもう望めぬが……イリスくんには、それをすることができる」

イリス「……!」

妖精「まあでも、天涯孤独って点じゃみんな同じみたいだね?」

クロシュ「……フメイちゃん……」

妖精「冗談だよ。クロシュにはまだ……家族と呼べる人が残ってるんだよね」

クロシュ「うん……」

イリス「……なら! 絶対、連れ戻そう! フメイちゃんをクロシュちゃんのもとへ……!」

ミスティ「ええ……。失ってからでは、遅いもの……。クロシュは、フメイを取り戻さなきゃ」

ローガン「うむ……! まだ間に合うのなら、クロシュくんはこれ以上我々と同じ苦しみを味わうべきではない」

クロシュ「……!」

妖精「ふふ。良かったねクロシュ。みんなお人好しで」

イリス「妖精さんもね」

妖精「私はただの暇つぶしだもん」


 強化ソリ「」シャーッ


 ☆妖精のお宿に宿泊したことにより、今回の道中戦闘時にコンマ+20の効果を得ます
  おいしい果実の効果と累積し、コンマ+35となります

↓1 ランダムイベント
01-05 野生の魔王が現れた!!!!
06-20 襲撃
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-75 良いもの発見(自由安価。道具限定)
76-95 良いもの発見(自由安価。道具に限らず人やスポットでも可)
96-00 旅の仲間
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 16:40:36.65 ID:hTXBPt1mO
425 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:47:25.53 ID:0AXMpM8i0
見つけたもの(アイテム限定)
↓1 自由安価
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 16:48:56.77 ID:i5hN0SVl0
開くと雨が降る確率が上がる魔法の傘
427 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 18:42:50.89 ID:0AXMpM8i0
 強化ソリ「」シャーッ

妖精「……ん? ちょっと止まれる?」

 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「何かあった?」

妖精「面白い気配がある」パタパタ

 *

―街道 道端

 打ち捨てられた傘「」

クロシュ「……?」

ローガン「……傘、だな」

妖精「何か感じない? イリス」

イリス「これ……微かだけど……雨の魔力……?」

妖精「うん。多分、これに込められているのは雨乞いの魔法。気休め程度のものだけど、これを開けば雨雲を呼び寄せやすくなるはずだよ」

ミスティ「傘なのに雨を呼んでしまうなんて……。なんだか本末転倒ね……」

イリス「じゃあ、雨が降っている時に開いたら?」

妖精「周囲の雨雲をさらに呼び寄せて、傘の周辺が集中豪雨になるだろうね」

ミスティ「ますます本末転倒じゃない……」

妖精「多分、イタズラ好きな妖精が作ったものだろうね。何も知らない旅人に拾わせて、雨の中でこれを差させるのが目的なんだと思う」

ローガン「な、なんと回りくどいイタズラか……」

イリス「……でも、使いようによっては凄い道具になるんじゃない? これ」

ミスティ「そうね……。任意に雨雲を呼べるっていうのは、かなり便利に思えるわ……」

妖精「肝心の雨雲が近くになければ意味ないけどね。使いようはあるって意見には同意」

イリス「じゃあ……拾わせる目的で置かれたものなら、遠慮なくもらっちゃおう!」

ミスティ「妖精の推測だけどね」

 ☆雨乞い傘を拾得しました

 ◆
428 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 18:44:59.70 ID:0AXMpM8i0
 強化ソリ「」スイー


クロシュ(森のトンネルを抜けて、一気に視界が開けると――)


 天を衝いて聳える世界樹「」キラキラ


 ワイワイ ガヤガヤ

妖精の露店「フェアリーシロップあるよ〜! 採れたてホヤホヤの新鮮なフェアリーシロップだよ〜」ヒラヒラ

馬頭の飛脚「オデ、荷物、運ベル。オ前、楽ニナル。オデ、儲カル。皆、シアワセ」

アルラウネの八百屋「野草、野菜、果物、なんでも揃ってるよ。私たちが丹精込めて育てた野菜、買ってかない?」

エルフの吟遊詩人「それでは聞いて下さい。魔族大革命の裏で暗躍した闇の英雄……ダークヒーローイリスの物語を……」ポロロン


クロシュ「――!」

イリス「――――わああ……!!」

ミスティ「これは……圧巻ね……!」

ローガン「なんと……森の中に、これほど美しく自然と調和した街並みが広がっているとは……!」

妖精「……変わってないか。良くも悪くも」


クロシュ(わたしたちは――緑の国フォレスティナの首都へ、到着した)

 ◆
429 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 18:46:10.99 ID:0AXMpM8i0
―緑の国 大樹の宿

イリス「わああ……! 大きな木の中に空洞があって、その中が宿になってるの……!?」

ミスティ「凄いわね……。でも、木の方は大丈夫なのかしら……」

妖精「ああ、うん……。中はくりぬかれてるけど、一応木の生命に影響は出ないようにやってるんだよ。木の方にも同意は得てるし、健康管理とかにも気を遣ってるからその辺の心配はいらないと思う」

ローガン「木の同意とは……。全く考えもしなかった世界だな……」


受付のアルラウネ「お客さん詳しいね。ここ出身の妖精?」

妖精「違います」

受付のアルラウネ「そう。まあ詮索はしないけど。部屋割りはどうするの?」

イリス「一人部屋と、三人部屋と、三人部屋にオプションの妖精付きをお願いします!」

受付のアルラウネ「はいはい。おじさんのハーレムかと思ったら違うのね」

ローガン「……私はそのような者に見えるのだろうか……」

 *

―大樹の宿 客室

 完全木造ベッド「」
 綿花のクッション「」
 光るキノコのランプ「」

イリス「おおお……! 内装も木! 植物! キノコ!」

ミスティ「徹底しているわね……。とりあえず、フメイ捜しは明日からにしましょう……少し疲れたわ……」

クロシュ「ん……」コク

妖精「クロシュがフメイの姿に擬態してれば聞き込みもしやすいし、意外と簡単に見つけられるかもね」

ミスティ「どちらかと言うと、見つけた後どう説得するかの方が難しそうだわ……」

イリス「た、確かに……。何か良い方法を考えなきゃね……」


……………………………………………………………………………………
―緑の国フォレスティナ
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません


フォレスティナ滞在初日の夜です
↓1〜3 自由安価 何をする?
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:49:57.19 ID:hTXBPt1mO
宿のマッサージサービスを受ける
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:52:20.62 ID:lWQQQJT5O
フメイちゃんの迷子ビラチラシをばら蒔くように大量に用意する
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:53:38.34 ID:2hazS27NO
星の魔翌力を読んでみる
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:53:46.37 ID:m2mpVXVlo
精霊の泉へ行く
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:53:53.52 ID:xleULxLA0
露店通りで買い物と散歩がてらフメイとアリシアの手がかりを探す
435 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 19:37:05.19 ID:0AXMpM8i0
イリス「とりあえず今夜はここでくつろごうよ。私、この宿の雰囲気を満喫したい……!」

ミスティ「そうね。きっとこんな宿はここ緑の国にしかないでしょうし、しっかり味わっていきましょう」

妖精「悔しいけど、妖精である私にとってもやっぱり心地良い環境なんだよね……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

イリス「あはは、クロシュちゃんも疲れちゃった? スライムの姿に戻ってる」

 コンコン

ミスティ「あら? ローガンさんかしら……」

イリス「ちょっと見てくるね」スクッ


イリス「はあい、どちら様?」

ドアの向こう「初日限定のマッサージサービスにお伺い致しております」

イリス「あ、そういえば受付の時に……」

ドアの向こう「はい。お時間の変更やキャンセルも受け付けておりますが、いかが致しますか?」

イリス「あ、いえいえ! せっかくなのでお願いします!」ガチャッ


マッサージ担当アルラウネ「かしこまりました。それでは、誠心誠意マッサージさせていただきます」スッ

 *

イリス「うう……服を脱ぐ必要があったなんて……///」

ミスティ「もう……タダだからって軽率に頼むからよ……///」

スライムクロシュ「」モニョモニョ

妖精「ねえ、スライムも受けられるの?」

マッサージ担当アルラウネ「もちろんです。私共のマッサージはスライムの方にも対応しております」

妖精「そうなんだ……」

スライムクロシュ「」モニョモニョ

マッサージ担当アルラウネ「それでは始めさせていただきたいと思います。まずはアルラウネオイルを全身にお塗り致します……」

 ヌリヌリ

イリス「ひゃっ……!///」ヌリヌリ

ミスティ「ひ、ひんやりするわね……///」ヌリヌリ

妖精「んっ……」ヌリヌリ

スライムクロシュ「!」モニョニョ

マッサージ担当アルラウネ「それでは、ここからが本番です。施術を始めます……」

 *

↓1 マッサージの効果
01-60 疲れが取れました
61-90 クロシュがアルラウネに擬態できるようになった
91-00 能力も含めて擬態できるようになった
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 19:38:46.58 ID:i5hN0SVl0
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 19:38:51.28 ID:m2mpVXVlo
ほい
438 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 20:27:55.14 ID:0AXMpM8i0
 *

イリス「ほわああ……な、なんか……すごかった……///」

ミスティ「え、ええ……。でも、なんだか体が軽くなったような気がするわ……」


妖精「」ビクンビクン

スライムクロシュ「〜〜?」モニョモニョ

妖精「は、はひっ……ひまは……さわら……ないで……くろしゅ……///」ビクンビクン

スライムクロシュ「〜」モニョ

 ☆疲れが取れました

 *

―同刻 ローガンの部屋

マッサージ担当アルラウネ「随分、こっていますね……」

ローガン「ぬ、ぬう……」

マッサージ担当アルラウネ「ふふ……。お夜伽も追加致しますか……?」

ローガン「ここ緑の国では、そうするのが流行っているのかね……?」

マッサージ担当アルラウネ「さあ……。でも、そういうサービスがお好きなお客様は少なくありませんから……」

ローガン「そ、そうか……」

マッサージ担当アルラウネ「でも、お客様のように身持ちが固い殿方もお好きですよ……? 私……」

ローガン「それは光栄だ……。しかし私は、愛する者は一人と決めているのでな……」

マッサージ担当アルラウネ「ふふ……それは残念です……。せめて体の疲れは、しっかり解して差し上げますね……」

ローガン「う、うむ……」

 ◇
439 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 20:28:44.29 ID:0AXMpM8i0
―大樹の宿 客室

妖精「ああもう……! 酷い目にあった……!」プンスコ

イリス「あ、あはは……。妖精さん、けっこうすごい声出してたよね……」

妖精「う、うるさい……! くそお、何が『アルラウネオイルは妖精には刺激が強すぎるかもしれません』だよ!」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

ミスティ「クロシュも気持ち良かったみたいね……。妖精にだけ刺激が強かったのかしら……」

イリス「で、でも疲れは取れたんじゃない? 妖精さんも!」

妖精「うぐぐ……確かに、体は解れてるけど……」

ミスティ「ならまあ、良しとしましょうよ……」

イリス「ねえ、疲れた取れたからついでに明日からどうするか考えてみない? 聞き込みの他に、何か良いやり方がないかさ」

スライムクロシュ「!」モニョッ

ミスティ「そうね……。就寝まで時間はあるし、少し考えてみましょう……」

 *

イリス「……ビラ配り!」

ミスティ「なるほど……その手があったわね……!」

スライムクロシュ「!」モニョモニョ

妖精「……紙はどこから調達するの? 絵は誰が書くの?」

イリス「あ」

↓1コンマ
01-30 宿泊中の暗黒行商人が大量の紙と画材を持っていた(とても高い)
31-60 宿泊中の行商人が大量の紙と画材を持っていた
61-90 宿泊中の優良行商人が大量の紙と画材を持っていた(安い)
91-00 ハーピィ記者「話は聽かせて貰いましたよ」ガラッ
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 20:29:50.81 ID:xleULxLA0
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 20:29:57.63 ID:hTXBPt1mO
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 20:40:18.24 ID:m2mpVXVlo
ルフさんかなり好きだから再登場の目あるみたいなの嬉しい
443 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 21:07:36.10 ID:0AXMpM8i0

イリス「も、もしかしたらこの宿に紙と画材を売っている行商人の人が泊まってるかもしれない!!」

妖精「いやいや、そんな都合の良いことがあるわけ……」

 *

―大樹の宿 ロビー

ターバンの褐色少女「いかにも、あたしは行商人だけど」

ミスティ「本当にいた……」

イリス「ターバンは行商人の証って昔から決まってますもんね!」

ターバンの褐色少女「実際ターバンは行商人組合で定められた行商人の正装だかんね。あんたの認識は正しい。巻いてない奴も多いけど」

イリス「それでですね、行商人さん。紙と画材はありますか?」

妖精「まあ、いくら行商人がいたとしてもそこまでピンポイントな偶然は……」

ターバンの褐色少女「あるよ。どれくらい欲しい?」

妖精「嘘でしょ」

ミスティ「こんなことが……」

 *

ターバンの褐色少女「王国の芸術都市で仕入れた質の良い紙と画材だよ。まさか旅人に売れるとは思ってなかったけどね。まいど!」

イリス「ありがとう!」

ターバンの褐色少女「こちらこそ。今後ともご贔屓に」

 ☆紙と画材を買いました
  お金が少し減りました

 ◇

―客室

イリス「というわけで、作りましょう! ビラを!」

スライムクロシュ「!」モニョモニョ

ローガン「い、いつの間にそんなことになっていたのか……。だが安く仕入れられたのは幸いだな」

ミスティ「偶然って凄いわ……」

妖精「……それで、この中で一番絵が上手いのは誰?」

全員「……」

コンマ数値が大きいほど絵が上手い(0が最大)
↓1 1桁目クロシュ 2桁目妖精

↓2 1桁目イリス 2桁目ミスティ

↓3 1桁目ローガン
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 21:08:23.40 ID:i5hN0SVl0
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 21:08:53.32 ID:3o1UX2IDO
はい
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 21:08:54.82 ID:57XNqXpkO
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 21:10:41.69 ID:m2mpVXVlo
やるやんクロシュちゃん
448 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 21:28:06.87 ID:0AXMpM8i0
イリス(絵心2)「うう〜……絵って苦手なんだよなあ……」

ミスティ(絵心3)「……絵の描き方なんて学んだことないわ……」

ローガン(絵心2)「私もだ……。生まれてこの方、絵筆など取った記憶がない……」

妖精(絵心4)「私でもマシな方だなんて……。このパーティ、絵心なさすぎるんじゃ……」

イリス「いや、待って! まだ、クロシュちゃんの絵を見ていない……!」

妖精「ええ? あのぼんやり赤ちゃんスライムがちゃんとした絵を描けるわけ……」


スライムクロシュ(絵心10)「……」モニョモニョ カキカキ

 写実的なフメイちゃんの似顔絵「」ピラッ

妖精「なっ……」

ミスティ「なんですって……!!?」

ローガン「これは、まさか……!」

イリス「すごい……すごいよ、クロシュちゃん!!」

スライムクロシュ「……」モニョモニョ カキカキ

 ◇

 フメイちゃんの迷子ビラ束「」ドサッ

イリス「あ、あっと言う間に描き終えちゃった……」

ローガン「途中から版画板に擬態してバンバン刷っていたな……」

妖精「まさか、クロシュにこんな才能があったなんて……。擬態とか反映魔法の応用……?」

スライムクロシュ「〜」モニャァ

ミスティ「ふふ……スライム語はわからないけど、今クロシュがドヤ顔をしているのはなんとなくわかったわ……」

 ☆クロシュの天才的な描画能力が判明しました
 ☆擬態による活版印刷が可能となりました
 ☆フメイちゃんの迷子ビラを大量に作成しました

 ◆
449 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 22:04:25.29 ID:0AXMpM8i0
―大樹の宿 夜更け

スライムクロシュ「……」zzz

妖精「すう、すう……」zzz


 キノコランプ「」ボウ…

 ペラッ カキカキ

イリス「……」

 魔術書「星の魔力」ペラッ
 イリスの研究ノート「」カキカキ

イリス「……」ペラッ

イリス「……」カキカキ

イリス「……」ペラッ

イリス「…………ふわあ……」ググ


ミスティ「お疲れ様、イリス……。はい」

 コトン…
 カモミールティー「」ホカホカ

イリス「あ、ミスティ。ありがと……」ゴクゴク

イリス「……あったまる……。美味しいや」

ミスティ「この国で採れたカモミールで淹れたお茶よ。ロビーのアルラウネが用意してくれたの。疲れに効いて、睡眠に良いって」

イリス「そうなんだ……。後でお礼を言わないとね……。あ、そういえば起こしちゃった? ごめん」

ミスティ「気にしないで……。それより、根を詰めすぎじゃない? まだここに来たばかりなのだから、そんなに慌てて読み解かなくても」

イリス「……でも私、ミスティがソリを動かしてる間……ちょっと風を吹かせるくらいしかできないんだよ」

ミスティ「適材適所よ、それは」

イリス「でも……クロシュちゃんは、この前持っている道具の力を自分に取り込む能力を身に付けたし……絵も上手で、活版印刷もできるんだよ。それに比べたら……」

ミスティ「いや、あなただって土鍋を作ったり火も起こしたり即席温泉も湧かせたりできるじゃない……。ソリの運行とかき氷作りくらいしかできない私よりずっと多才だと思うのだけれど……」

イリス「そ、そうかな……」

ミスティ「そうよ。自分にできることに自信を持ちなさいよ……」

イリス「……えへへ、ありがと」

ミスティ「全くもう……。後ろ向きは私の役でしょう……」

イリス「それはそれでどうかと思う……。ふわ……」

ミスティ「もう寝ましょう。明日からフメイ捜しよ」

イリス「だね。クロシュちゃんに悲しい思いをさせないよう、頑張らなきゃ」

ミスティ「ええ」

 ◆

イリスの勉強成果
↓1
01-30 読解1/4
31-60 読解2/4
61-90 読解3/4
91-00 イリス「あれ? 私の属性って……」
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 22:05:00.43 ID:i5hN0SVl0
451 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 22:16:37.64 ID:0AXMpM8i0
というわけで、イリスさんの魔術書読解が2/4まで進んだところで本日はここまでです。次回から緑の国で本格的な活動開始です

風雪のルフことハーピィ記者さんはかなり自由に動ける上に空も飛べるので、もしかすると今後の登場機会が魔族国住民の中で最も多いかもしれません。今回のようにコンマ表に紛れ込むこともあれば、記事のネタを探すために火事場に突っ込んできたりすることもあるでしょう。もちろんルフ氏に限らず、今までに登場したキャラクターが再登場することはあると思います

そして今回クロシュ氏の隠れた才能が発掘されました。擬態や反映魔法を応用した結果なのか、クロシュ自身の内なる才能なのかはわかりませんが、非常に優れた描画能力を持っていることだけは確かなようです。もう穀潰しなどとは呼べないかもしれません。おめでとうございます

それでは本日もありがとうございました。次回も恐らく土日になるかと思います。よろしくお願いいたします
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 22:19:13.08 ID:cIDZZwTvo

迷子チラシって犬猫かな
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 23:35:55.11 ID:xleULxLA0
乙です
ぼんやり赤ちゃんスライム脱却?おめでとう
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/05(月) 00:21:37.74 ID:WhagOvCCO

国境を越えて広がるダークヒーローイリス伝説
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/05(月) 01:02:25.76 ID:RxyZTYASo
おつおつ
フォレスティナで妖精さんの過去が明らかになりそう
456 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/08(木) 21:41:49.75 ID:foosXCaP0
迷子ビラも行方不明者ビラも意味するものと目的は同じかと思います。なおクロシュ氏は犬猫などの動物と人や魔族などの知性を持つ種族をあまりはっきりとは区別していないようです

ここ最近急にクロシュ氏のできることが増えました。お絵描きに関してははお金を取っても良い出来かもしれません。赤ちゃんから一気にプロフェッショナルです。これはとてもすごいです。でも中身はぼんやり赤ちゃんスライムのままなのでごあんしんください

実のところ風雪新聞は魔族国以外にも出回っているので、魔族国ほどではないと思いますがダークヒーローイリスの威名はそこそこ知れ渡り始めているのかもしれません

妖精の過去が緑の国編で明らかになるかどうかは今後の展開次第であります。気になる場合は自由行動で交流してみても良いでしょう
妖精に限らず仲間や他の特定の人物を指定して交流を図ると、クロシュの中でその人への理解が深まったり、擬態や能力のレパートリーが増えたり等、いろいろな良いことがあるかもしれません
457 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/08(木) 21:42:49.91 ID:foosXCaP0
本日は本編の更新はできませんが、近日開催予定の緑の国首長選挙における候補者をニ名募集したいと思います
一人は現首長であり今回の選挙でも最有力と目される伝統派、もう一人は近年台頭してきた親王国路線の改革派です
よろしくお願いします

↓2伝統派(現首長・最有力)
【名前】
【種族】(森っぽい種族であると良いです)
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】

↓4革新派(親王国・対抗)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 22:04:52.48 ID:mgkUIQhs0
【名前】ティセリア
【種族】エルフ
【性別】女性
【年齢】1500才
【容姿】外見では二十歳前後
緑髪のポニーテール
スタイル抜群の爽やかな雰囲気の美少女
【性格】明るく快活ながらも、慈愛と威厳も併せ持った女性
【魔法】精霊との親和性が非常に高い
様々な属性の精霊の力を借り、千年以上の研鑽を積んだ武術に上乗せする
【備考】
他種族との平和な暮らしを望む、冷静で大局的な判断もできる首相
多忙ではあるが、他の国の文化も興味を持って知ろうとしている
お菓子作りが得意で身近な人におすそ分けしたりしている
彼女の魔翌力が籠もったお菓子は食べると心身ともに元気になる
精霊や子供に懐かれやすいが、懐かれやすすぎてちょくちょくじゃれつかれまくってあわあわ言ってる
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 22:26:57.14 ID:/ZEjezBSO
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 22:28:55.02 ID:asZrKp7/0
【名前】サリー
【種族】エルフ
【性別】女
【年齢】1000歳
【容姿】見た目は紫ショートの幼女
【性格】冷静沈着だが時折腹黒な一面も
【魔法】基本地属性魔法が得意だが、幻術も使える。
【備考】毎日業務に追われるもそれが使命だとして日々励んでいる。その経験からか人の心を見透かすこともできる。
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 22:29:02.54 ID:6Urb/6UHO
【名前】マーベル・クライス
【種族】エルフ
【性別】男
【年齢】600
【容姿】フォレスティナの伝統衣装の上に今国際的に流行りのブランドマントを着けている。笑顔が特徴的な薄金髪のお兄さん。
【性格】脱田舎思考のシティボーイ。新しい物好き。気さくな時とシリアスの時のギャップがある。
【魔法】金属を生み出し操る
【備考】世界を渡り歩いた国際通として革新派から出馬。人当たりがよく選挙活動の一環で街に出没して色んな人に握手を求める。
森しかない祖国に多少のコンテンツを増やす目的で一部森林の開拓を主張する。レジャーやスポーツ、その他娯楽施設を開業することで国民の幸福度は上がるわ、業者から裏金が入ってくるわとWin-Win。彼の事務所には王国やその他の外国の者たちが出入りしてるが、いったい何なのだろうね。
祖国は歴史的に伝統派が強く、そのため進歩が止まっている事実に悲観し、森>進歩の現状を変えようと心から思っている。それはそれとして汚職はする。
462 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/08(木) 23:01:39.34 ID:foosXCaP0
皆さんありがとうございます。伝統派の現首長は>>458のティセリア氏、革新派は>>461のマーベル氏に決定いたしました。スタイル抜群伝統派エルフとイケメン汚職エルフです
惜しくも安価から外れてしまった>>460の幼女エルフのサリー氏も、ちょっとした役柄で登場することがあるかもしれません。よろしくお願いします


それでは本日はありがとうございました。土日(+祝日?)に本編更新をしたいと思いますので、よろしくお願いします
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 23:02:35.50 ID:6Urb/6UHO
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 23:27:20.42 ID:6es3rq5Do
おつおつ
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/08(木) 23:29:37.70 ID:mgkUIQhs0
乙でした
466 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:17:42.74 ID:au/cfXdQ0
―緑の国フォレスティナ 滞在2日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・フメイちゃんの迷子ビラ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
―翌朝
 露店通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ミスティ「朝からもう賑わっているわね……。流石は観光地といったところかしら……」

ローガン「しかももうすぐ首長選挙だ。国内外問わず見物客が首都に集まってきているのだろう」

妖精「うんざりするね。毎日毎日頭空っぽの奴らがお祭り騒ぎしててさ」

ミスティ「タイミング的に、私たちもお祭り騒ぎしに来た観光客と思われてるでしょうね……」

イリス「でも、人目が多い時期ならフメイちゃんの目撃情報もきっとあるはずだよ!」

妖精「言われてみればそうか。クロシュ、ビラ配りの準備は良い?」

クロシュ「ん」コク

 *
467 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:18:43.53 ID:au/cfXdQ0

イリス「人を捜しています!」ピラッ

金髪爆乳エルフ「あら、迷子? 見かけたら連絡するわね」


ミスティ「この子を見たら、大樹の宿に連絡を……」ピラッ

エルフの吟遊詩人「ふむ……覚えておきましょう……」ポロロン


ローガン「失礼。この子に見覚えはないだろうか」ピラッ

馬頭の飛脚「オデ、見覚エナイ。見タラ教エル」


妖精「迷子を捜してま〜す。お見かけの方は大樹の宿まで〜」ピラッ

森妖精「わあ、かわいい絵! あなたが描いたの?」キャッキャ



クロシュ「え、えと……と、友達を……さがして……」オロオロ

 ガッ(つまづく音)

クロシュ「ひゃっ……」

 ドテッ
 バッサァ…(ビラが散らばる音)

クロシュ「あ、あ……」ジワワ

 ザワザワ ナンダァ?

クロシュ「ご、ごめ、なさ……」オロオロ


「――風の精霊よ、ビラを集めて―――」

 フワッ
 バササササッ!(ビラが綺麗に集まる音)

 フメイちゃんのビラ束「」ビシッ!

緑髪エルフの少女「……はい、どうぞ!」ニコッ

クロシュ「あ……ありがと、ございます……」スッ

緑髪エルフの少女「転んだところは……あら、もう治ってる。ふふ、流石はスライムの子です」

クロシュ「え……?」

緑髪エルフの少女「ああ、申し遅れちゃいましたね。私はティセリア。この緑の国の――」


「一枚忘れてますよ? ティセリア首長殿?」ヌッ

 フメイちゃんのビラ「」ピラッ

クロシュ「あ……」

薄金髪エルフの青年「もう落としちゃダメだぜ?」ニコッ
468 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:20:07.20 ID:au/cfXdQ0
ティセリア(緑髪エルフの少女)「……マーベル」

マーベル(薄金髪エルフの青年)「おっと、そう睨まないでくださいよ。ビラを拾ってこの子に渡しただけでしょ?」

ティセリア「睨んでなどいませんが。ご協力、感謝致します」ペコ

マーベル「どういたしまして。ところで君……この子、迷子なのかい?」

クロシュ「あ、うん……」

マーベル「じゃあお兄さんも一枚もらっていいかな? 手伝うよ」

ティセリア「……! 私も手伝います、一枚もらっても良いですか?」

クロシュ「うん……」

 ピラッピラッ

マーベル「……フメイちゃんて言うのか。君にそっくりだけど、双子とか?」

クロシュ「あ、えと……わたし、フメイちゃんの姿に、化けてて……」

 デロデロ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

マーベル「なるほど」

ティセリア「状況はわかりました」

 デロデロ

クロシュ「……よろしく、お願いします……」ペコリ


紫髪のエルフ幼女「……こんなところで何をしているんですか、ティセリア」スタスタ

ティセリア「あっ、ごめんなさい! それでは失礼します、お探ししますからね!」タタッ


マーベル「おー、流石首長殿はお忙しいねえ」

「……マーベル」スタスタ

マーベル「っと、俺にもお迎えか」


クロシュ「…………!!?」バッ

勇者サイン?「……? お前……あの時の……」スタスタ

マーベル「ん? 知り合いか? セイン」

セイン「……」

マーベル「なんだ、気になるな。もしかしてお前、こういう子が好みなのか?」ニヤニヤ

セイン「いや」

マーベル「はあ、相変わらず遊びのねえやつ。まあいい、行くぞ」ザッ

セイン「……ああ」

マーベル「んじゃまたな。俺も捜しとくけど見つかると良いな」ヒラヒラ スタスタ

セイン「……」ジッ

クロシュ「……」

セイン「……」クルッ スタスタ…


クロシュ「……」

 *
469 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:22:20.86 ID:au/cfXdQ0
―緑の国
 郊外 農道

 ヒュオオオ…
 ヒラヒラ パシッ

 フメイちゃんの迷子ビラ「」パタパタ…

アリシラ?「わお、フメイちゃんフメイちゃん、これ見て!」

フメイ「……? え、クロシュ!?」バッ

アリシラ?「ううん、この紙に描かれてるのはフメイちゃんのことみたいだよ。捜しています、だって」

フメイ「捜し、て……?」

アリシラ?「クロシュちゃんだよぉ! このインク、クロシュちゃんの粘液がちょっとだけ混じってるもん!」

フメイ「あ……クロシュ……」

アリシラ?「うふふ……フメイちゃんも愛されてるんだねえ……」

フメイ「……」グッ

アリシラ?「どうする? 会ってあげる?」

フメイ「……だめ。今はまだ……クロシュに、会えない……」

アリシラ?「も〜、強情なんだからぁ」

フメイ「……」

アリシラ?「そうは言ってもねえ、実のところ選挙の日までやることないんだよねぇ」

フメイ「じゃあ……その辺で寝てれば良い……」

アリシラ?「寝てるだけじゃ暇で死んじゃうよぉ」

フメイ「……アリシラの顔してるなら、もっとアリシラらしく振る舞って」

アリシラ?「うふふ……私はアリシラだよ?」

 *
470 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:23:06.99 ID:au/cfXdQ0

妖精「え、ええ!? あの勇者っぽいやつを見たって!?」

クロシュ「うん……」

ローガン「なんと……。この国に来ているのか……」

イリス「で、でもそれならクロシュちゃんが無事で良かったよ……!」

ミスティ「……流石に、この平和な国で事を起こそうなんて気はないってことかしら……」

ローガン「何にせよ、警戒は必要だな……。単独で人目の少ない場所に行くのはやめておいた方が良いかもしれん」

妖精「うへぇ……とんだ災難だよ全く……」


フォレスティナ滞在2日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:25:03.28 ID:X0Zzvddk0
精霊の泉に行ってみる
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:25:37.35 ID:tYfygy3t0
冒険者ギルドを覗いてみる
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:26:00.81 ID:64t3KZmJo
聖域侵入
474 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 21:55:11.65 ID:au/cfXdQ0
―精霊の泉

 サラサラ…(水の流れる音)

イリス「おお〜、ここが精霊の泉……」

 泉「」サラサラ…

イリス「……」

妖精「……」

クロシュ「……」

イリス「……精霊、見えない」

妖精「精霊が物理的に目視できる姿を見せることなんて滅多にないもん。ほとんどは自然の中に同化してるだけだから、いないわけじゃない」

イリス「ここでならもしかしたら、って思ったんだけどなあ……」

クロシュ「えと……どうして、精霊に……会いたかったの……?」

イリス「私、いつも木の杖を使ってるでしょ? この木、精霊樹って言って精霊の力を授かりやすい性質があるの。だから日頃のお礼を言おうかなあって思って」

妖精「あー、何か親しみやすい杖だなあって思ってたけど、それ精霊樹だったんだ」

イリス「うん。なんでか知らないけど私の属性とも相性が良いみたいで、師匠から頂いた大事なものなんだあ」

妖精「自然の属性を感じ取ったりとか、なんかイリスの属性ってただの複数属性じゃないっぽいよね。もしかして私たち妖精の仲間なんじゃない?」

イリス「そ、そうなのかな? でも妖精さんの魔法は原理も術式も全然わかんないよ、私」

妖精「……じゃあ妖精じゃないか。……あそうだ、自然の属性を感知する感じで精霊の気配でも探ってみれば?」

イリス「……ど、どうかなあ。精霊は感じ取れたことさえないし……」

妖精「自然の属性を感じ取れるイリスなら、自然と同化してる精霊を見つけられるかもよ」

イリス「わ、わかったよ。やれるだけやってみる……!」


↓1
01-70 わかりませんでした
71-90 気配がある?
91-00 見つけた!
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:55:40.09 ID:tYfygy3t0
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 21:56:16.68 ID:X0Zzvddk0
見つけた!
477 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 22:19:21.88 ID:au/cfXdQ0
イリス「むむむ……むむむむ……!」ムムム

イリス「…………だめだぁ!」バタッ

妖精「お疲れさま。まあそもそも普通の人間は精霊を感じ取れるようにできてないからね。自然を感じられるだけでも人間にしては十分凄いと思うよ」

イリス「うぐうう……『人間にしては』って枕詞が逆にすっごく悔しい……!!」

妖精「あっはは、褒めたつもりなんだけどなあ。まあ悔しさをバネに頑張りなよ」

イリス「うん……! ところでクロシュちゃんは?」

妖精「泉の……水の精霊と遊んでる」

イリス「え゛」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ キャッキャ

水の精霊『〜〜』キャッキャ


イリス「うぐううう!!! 私には見えないよおお!!」ジダンダ

 ◆
478 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/10(土) 22:21:47.15 ID:au/cfXdQ0
急用が入ってしまったため一旦休止いたします。本日中に再開できるかは未定です。あまり進んでいないのに申し訳ありません
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 22:26:41.62 ID:64t3KZmJo
乙まってる
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/10(土) 22:29:30.97 ID:rBtjtE1lo
一旦乙
481 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 16:41:00.35 ID:lCHmayLY0
昨日はすみませんでした。再開します
482 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 16:41:28.79 ID:lCHmayLY0
―冒険者ギルド 緑の国支部

 ワイワイ ガヤガヤ

ミスティ「流石にここは賑わっているわね……酒場も併設されているし……」

ローガン「すまないな。わざわざ付き合ってもらって」

ミスティ「気にしないで。私もここのギルドの雰囲気を見ておきたかったし」

ローガン「では冒険者証の更新をしてくる。待っていてくれ」スタスタ

ミスティ「ええ……」


ミスティ「……」

ミスティ「……路銀にはまだまだ全然余裕があるけれど、せっかくだしどんな依頼があるか見ていきましょうか」スタスタ


 依頼書「常闇の樹海調査員募集 報酬:極高」
 依頼書「マンドラ大根の収穫手伝い募集 報酬:中」
 依頼書「おうちの木がよわってるの たすけて 報酬:時価」
 依頼書「選挙祭でのバックダンサー募集!! 報酬:中」
 依頼書「畑の害獣駆除 報酬:中」


ミスティ「……いろいろあるわね。常闇の樹海調査員とバックダンサー以外なら、やれないこともなさそうだけど……」

↓1選択
1.マンドラ大根の収穫を手伝う
2.おうちの木を助ける
3.害獣駆除をする
4.今回はやめておく
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 16:42:39.00 ID:eFmSDMSH0
2
484 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 17:50:08.30 ID:lCHmayLY0

 依頼書「おうちの木がよわってるの たすけて 報酬:時価」

ミスティ「……」

ミスティ(拙い字……。書き手の不安と、藁にも縋りたい想いが伝わってくるかのよう……)

ミスティ(どう見ても、ロクな報酬は望めない……。時価というのも、ギルドがお情けで付けてあげた表記ということくらい私にもわかる……)

ミスティ(他の冒険者たちも、見向きもしない……。確実に、時間と労力の無駄だもの……)

ミスティ(……当然、私も………)



――
――――
485 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 17:51:15.89 ID:lCHmayLY0
―ある日
 雪の降る街

 キャハハハハ!!  ウワアアア!!!
   イヤアアアア!!! タスケテクダサイ!!
  シンジャエー!!!   キャハハハハ!!!
    キャハハハハハハ!!!  アバーッ!!

幼ミスティ「あ、あ……」ガクガク

ミスティ母「ごほっ……。ごめん、ね……。ミスティ……」

幼ミスティ「……マ、マ……」

ミスティ母「このソリに乗ったら……そのまま、じっとしていて……。それで……人のいるところに、着いたら…………助けてって……ごほっごほっ!」

幼ミスティ「やだ……やだ……! パパとママも、いっしょじゃなきゃ……!!」

ミスティ母「ごめんね……。ママは、もう……。パパも……」

 近くで斃れているミスティ父「」

幼ミスティ「やだあ……!!」

ミスティ母「わがまま……言わない、の……。ミスティは……強い子、なんだから……」キラキラ…

幼ミスティ「ふ、え……」

 トサッ…

ミスティ母「はあ、はあ……。ごめんね、ミスティ……。許してね……」グイッ


 ポフッ(幼ミスティがソリに乗せられる音)

 輝きと共に走り出すソリ「」キラキラ… スイーッ…


ミスティ母「……さようなら……ミスティ……」

ミスティ母「氷の精霊よ――どうかミスティを、お守りください――」

――――
――
486 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 17:52:04.78 ID:lCHmayLY0

ミスティ「……」

ミスティ「……」パシッ

 依頼書「おうちの木がよわってるの たすけて 報酬:時価」ベリッ

ミスティ「……」スタスタ


ミスティ(馬鹿ね、私……。こんな依頼……受けたところで何の足しにもならないのに……)スタスタ

ミスティ(でも……この依頼主の不安が、恐怖が……私には、痛いほどにわかってしまうから……)スタスタ

ミスティ(ふふ……もう、イリスのことを馬鹿にできないわね……)スタスタ

 *

ローガン「おお、ミスティくん。丁度冒険者証の更新が終わったところだ……む? それは依頼書かね?」

ミスティ「……ええ。ひとまず、先に謝っておくわ……」

 依頼書「おうちの木がよわってるの たすけて 報酬:時価」ピラッ

ローガン「……ふむ。相わかった。君の意思でこの依頼書を持ってきたというのなら、謝る必要などない。同じパーティの一員として全力で取り組むのみだ」

ミスティ「ありがとう……」

 *
487 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 17:52:35.23 ID:lCHmayLY0
―緑の国 露店通り

ミスティ「……というわけで突然で悪いのだけど……みんなにも手伝って欲しいわ……」

イリス「もちろん!! 改まって何事かと思ったら、まさかミスティがこんな依頼を持ってくるなんて……!」

妖精「確かに意外だなあ。ミスティってこういうのはけっこうドライだと思ってた」

ミスティ「……ガラじゃないのはわかってるわ……」

ローガン「フッ……私としては安心したがな。ミスティくんくらいの歳で感性を冷え切らせてしまうのはあまりに哀しいことだ」

ミスティ「そ、そういうものかしら……」


クロシュ「……」

ミスティ「ごめんね、クロシュ……。フメイ捜しも進んでないのに……」

クロシュ「ううん……。わたしも……この人の、つらさ……わかる、から……」フルフル

ミスティ「クロシュ……」

クロシュ「わたしも……助けて、あげたい……」

ミスティ「……ええ。助けてあげましょう……!」

 *
488 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 18:02:13.25 ID:lCHmayLY0
―依頼主のおうち

 弱った木のおうち「」

クロシュ「……!」

イリス「こ、これは……」

ミスティ「植物には詳しくないけれど……私にも、この木の具合が悪いことはわかるわ……」

ローガン「ひとまず依頼主に会おう。ドアの呼び鈴は……」キョロキョロ

ミスティ「これね」スッ

 チリンチリン

ドアの向こう『だ、だあれ……?』

ミスティ「ギルドの依頼を見て来たミスティよ。連絡は来ているかしら」

ドアの向こう『あっ! い、いまあける……!』

 ガチャッ

森妖精の子「こ、こんにちは。よろしくおねがいします」ペコッ

 *

ミスティ「ふむふむ。症状が出始めたのは、大体一ヶ月くらい前……」

森妖精の子「う、うん……。さいしょは……木さんも、これくらいへーきへーきって言ってたんだけど……」

 弱った木のおうち『……』

森妖精の子「どんどん、くるしそうになってって……。いまはもう、声もきこえなくなっちゃって……」ジワワ

森妖精の子「いらい……出しても……だれも、来てくれなくて……」ポロポロ

ミスティ「……」


ミスティ(……妖精。この木は、助かりそうなの?)

妖精(……ごめん。最初は、私が見れば病気の原因なんて一発でしょとか思ってたんだけど……私の知らない病気だ、これ)

ミスティ(嘘でしょ……)

妖精(……軽率な約束はできないよ。最悪のケースも想定しておいて)

ミスティ(……っ)


森妖精の子「でも……ミスティさん、来てくれた……! えへへ……これで、たすかるんだよね……?」

ミスティ「…………」

森妖精の子「……?」

ミスティ「全力を……尽くすわ……!!」

 ■緊急クエスト発生「おうちの木を助けろ!」
  木の生命力:5/40(1日1減ります)

 ◆
489 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 18:24:44.66 ID:lCHmayLY0
―露店通り

ミスティ「……」ウロウロ

イリス「お、落ち着いてミスティ。まだ時間はあるんだから、きっとなんとかなるよ」

ミスティ「落ち着いてなんかいられないわ……! 妖精の見立てだとあと5日くらいしか保たなそうなのよ……!」

ローガン「5日もあるのか、5日しかないのか……。いや、そんな言葉遊びに意味はないな……」

クロシュ「妖精さん……。原因は……やっぱり、わかんないの……?」

妖精「うん……。あんな症状、初めて見た……。虫や寄生植物にやられてるわけでもないし……呪いの魔力も感じられなかったし……。そもそも精霊樹は精霊の加護を受けやすい木なんだから他の植物よりも丈夫なはずなのに……」ブツブツ

イリス「あ、あの木って精霊樹なんだっけ。じゃあ精霊に聞いてみるっていうのは……?」

妖精「もう聞いた。精霊たちにもわかんないし、もう加護もかけてるって」

イリス「そんな……」

ミスティ「……」


ミスティ「……聖域に侵入してくるわ」

妖精「!?」
イリス「!?」
ローガン「!?」

クロシュ「?」

ミスティ「世界樹には、あらゆる生命の傷病を癒やす果実が実ると聞くわ。その果実を取ってきて、おうちの木に与えれば……」

妖精「いやいやいや!!! 無茶だよいくらなんでも!!!」

イリス「そ、そうだよ!! 聖域への侵入は最悪極刑なんだよ!!?」

ローガン「落ち着き給え……!! 昨日の今日来たばかりの旅人が容易く侵入できると本気で思っているのか……!?」

ミスティ「……もうそれくらいしかないじゃない……! 原因がわからないとなれば、こっちも強硬手段を取るしか……!!」

妖精「ま、まだ完全に調査し尽くしたとは全然言えないでしょ! 気が早すぎるって!」

イリス「そうだよ! いつもの冷静なミスティに戻って……!」

ミスティ「冷静になったら、侵入なんて絶対にできないじゃない……!!」

ローガン「そ、それはそうかもしれんが……」

クロシュ「……」


↓1〜3多数決
1.ミスティさんを止める
2.擬態と反映魔法を使った侵入のお手伝いを申し出る
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 18:28:55.48 ID:/1n5IyJQ0
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 18:30:14.32 ID:34dVM2fQO
1
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 18:35:56.68 ID:7y2ITODZo
2
493 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 19:02:22.32 ID:lCHmayLY0
クロシュ「……わたし……擬態、できる……」

妖精「……は?」

クロシュ「……だから……侵入……手伝える、かも……」

ミスティ「クロシュ……!!」

妖精「はあああ!!!?」

イリス「く、クロシュちゃんまで……」

ローガン「お、落ち着くんだ、クロシュくん……!」

クロシュ「……あの、森妖精さん……おうちの木も、家族だった……。だから……きっと……あのおうちの木が、死んじゃったら……」

イリス「……」

ローガン「ぬう……」

妖精「でも……だからって、そんなに慌てなくたって……」

クロシュ「……ごめんなさい。でも……わたしも……すぐにでも、助けたい……」

ミスティ「クロシュ……ありがとう……。でも極刑の危険があるから、あなたはサポートだけしてくれれば……」

クロシュ「ううん……。わたしの方が……スライムだし、擬態できるし、ちょっと隙間があれば隠れられるから……向いてると思う……」

ミスティ「…………じゃあ、こうしましょう。私が司令官で、あなたは私の命令に従って聖域に侵入しただけの何も知らないスライム……こういう筋書きでどう?」

クロシュ「……? よくわかんないけど……うん」

ミスティ「決まりね。絶対に成功させるわよ……!!」

クロシュ「ん……!」


妖精「ああもう……」

イリス「なんだか大変なことに……」

ローガン「せめて私たちにできることは……」

 *
494 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 19:03:33.74 ID:lCHmayLY0
―深夜
 緑の国首都中央 聖域前

馬頭の警備「……」

エルフの警備「……」



ミスティ「……やっぱりいるわね、警備が……」

クロシュ「うん……」

ミスティ「作戦通りに行くわよ……」

妖精「ねえ、警備を突破しても世界樹の結界はどうするつもりなの?」

ミスティ「それは――」


↓1
01-40 無策
41-70 反映魔法で精霊の気配を纏う
71-90 ティセリアに擬態
91-00 精霊化
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 19:04:02.46 ID:MAvJpvBDO
はい
496 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 20:56:15.99 ID:lCHmayLY0
クロシュ「ん……!」フォン―

精霊装クロシュ「……」パァ…

妖精「! クロシュ、こんなこともできたの……!?」

ミスティ「……クロシュがいなかったら、どうにもならなかったわ」

精霊装クロシュ「ん……。でも……姿までは……精霊みたいに、消せない……」

ミスティ「十分よ。道は私が開くわ……」キラキラ…

 宙に浮く無数の氷の粒「」キラキラ

ミスティ「騒ぎを起こすから、その間に頼むわ!」シュバッ

精霊装クロシュ「ん!」

妖精「……クロシュ一人じゃ心配だから私も行くよ。懐に入れて」

精霊装クロシュ「! うん……!」

 *
497 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 20:56:45.92 ID:lCHmayLY0

エルフの警備「ふわあ……。どうせ結界があんだから警備なんていらないと思うんだけどなあ」

馬頭の警備「眠イノカ?」

エルフの警備「そりゃ眠いさ。昼間起きて夜に寝るのが普通だからな」

馬頭の警備「ソウカ……ム?」

 ――バラララララッ

 降り注ぐ大粒の雹「」バララララララッ!!

エルフの警備「うおおおおおおお!!? いたたたたっ、なんだなんだ!?」

馬頭の警備「ムムッ!?」

 突然の落雷「」ドガアン!

 降り注ぐ鋼の槍の雨「」ビュンビュン!

エルフの警備「うおあああああああ!!! 異常気象だ、異常気象だ!!!」

馬頭の警備「敵襲! 敵襲!! 増援ヲ遅レ!!」

 *

―結界前

精霊装クロシュ「……」ヒョコヒョコ

妖精「ずさんな警備だったなあ……。さて、あとは結界を抜けられるか……」

 聖域の結界「」

精霊装クロシュ「……」スッ

 聖域の結界「」トプン…

妖精「本当にいけた……。やるなあクロシュ」

精霊装クロシュ「えへへ……。あ、でも妖精さんは……」

妖精「私? 私も通れるよ。ダメだったら私がクロシュも通してあげようと思ってたし」トプン

精霊装クロシュ「ほえ……」

妖精「私たち妖精も精霊の親戚みたいなもんだからね。とにかく早く行こ。あんまりのんびりしてたらバレちゃう」パタパタ

精霊装クロシュ「ん」トテトテ

 *
498 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 20:57:43.87 ID:lCHmayLY0
―聖域
 世界樹の麓

 天に向かって聳える世界樹「」キラキラ…

クロシュ「わあ……!」

妖精「……さて」

クロシュ「えっと、くだものは……」キョロキョロ

妖精「……や、果実を採っていくのは流石にまずい。葉っぱにしとこう」

クロシュ「ふえ……?」

妖精「世界樹の果実には確かに癒やしの力があるけれど、あれの本来の役割は全然別だから。私たちが私的な目的で勝手に採って良いものじゃないの」

クロシュ「う、うん」

妖精「葉っぱを煎じればそれでも十分癒やしの力は得られるから、とりあえずはそれで――」


世界樹の精霊「…………」ジーッ


妖精「げっ!!」

クロシュ「!」


世界樹の精霊「……妖精と……スライム? 精霊の気配を纏っているけれど……」

クロシュ「あ、え、えと……」アタフタ

妖精「こ、こんばんは。ちょっと葉っぱの剪定をしに……」

世界樹の精霊「葉と言えど勝手に取らないで欲しい。それはみんなの生命でできているの」

妖精「そ、そこをなんとか……!」

クロシュ「なんとか……!」

世界樹の精霊「何に使うの?」

妖精「……友達の住んでる木が弱ってるんだ。それを癒やすために、葉が欲しい」

世界樹の精霊「……みんなの生命を、不公平に分けるの?」

妖精「それを言うなら、あの木はよくわからない病気で不公平に苦しんでるんだよ。帳尻を合わせるだけ」

世界樹の精霊「……」


↓1
01-05 妖精警備「そこで何してるの!」
06-30 だめ
31-95 いいよ
96-00 ??
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 20:58:19.29 ID:je7B667bo
500 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 21:40:40.19 ID:lCHmayLY0

世界樹の精霊「……だめ。不条理も含めて……循環は、公平」

妖精「ケチ!」

世界樹の精霊「……ケチ、なの?」

クロシュ「え? えと……」

妖精「ケチだよ! いっぱいあるんだからちょっとくらいいいじゃん!」

世界樹の精霊「…………」

世界樹の精霊「……落葉なら、持っていって構わない」

妖精「え! 本当!?」

世界樹の精霊「……本当は、落葉も大事な生命の欠片だけど……ケチと言われるのは……心外……」

妖精「……! ありがとうございます、世界樹の精霊様!」ペコッ

クロシュ「ありがと、ございます」ペコペコ

世界樹の精霊「……釈然としない」

 *

世界樹の精霊「……一つ、良い?」

クロシュ「?」

妖精「な、何? 今更返せなんて言わないでよ?」

世界樹の精霊「ケチじゃないもの……。そうじゃなくて……一つだけ、お願いを聞いて欲しい……」

クロシュ「おねがい…?」

世界樹の精霊「……緑の森の一部に、嫌な気が広がっている。その弱っている木も、多分それやられたのだと思う」

妖精「嫌な気……?」

世界樹の精霊「正体は……私にも、わからない……。だから……あなたたちに、その原因を突き止めて修正して欲しい」

妖精「……わかったよ。私も気になるしね。あ、でもそれって本来は私たちみたいな外様じゃなくて、この森に棲む者たちがすべきことじゃないの?」

世界樹の精霊「あなたは……ここの妖精じゃないの……?」

妖精「違います」

世界樹の精霊「そう……? 一応、ティセリアにも伝えてある。でもティセリアには……いろいろなしがらみがあって、難しいみたい……」

妖精「はぁ〜、そういうこと……。まあわかった。私たちも調べてみるよ」

世界樹の精霊「お願い……。スライムの、あなたも……」

クロシュ「あ、うん……!」

世界樹の精霊「ふふ……精霊の気を纏えるスライム、初めて見た……。また、いつでも遊びに来てね……」

クロシュ「うん……!」

妖精「いや、見つかったら極刑だからね!?」

 *
501 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 21:41:58.84 ID:lCHmayLY0
―結界前

 バララララッ

ミスティ「くっ……! クロシュ、妖精……まだなの……!」

ローガン「このままでは我々が見つかってしまう!」

イリス「だ、大丈夫だよ! もうすぐ来る……ほら!」


精霊装スライムクロシュ「……」モニョモニョ

クロシュに取り込まれている妖精「……」モゴモゴ


ミスティ「クロシュ! 妖精!」

ローガン「来たか……! 退くぞ!」

イリス「よおし最後にもう一発!」

 落雷「」ドガアン!!

 ◆
502 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 21:42:26.99 ID:lCHmayLY0
―明け方
 おうちの木

妖精「世界樹の落葉を煎じて作ったお茶を……」

ミスティ「根本に……かけるわ……!」


 世界樹のお茶「」トプトプトプ…


 弱っているおうちの木「……」

 少し元気になったおうちの木「……」ググ…


森妖精の子「……あ……まだ、くるしいの……?」

 少し元気になったおうちの木「……」

森妖精の子「うぅ……」



ミスティ「……だめ、だったの?」

妖精「ううん。だめだったわけじゃない。少しだけど、体力は回復したみたいだし。でも落葉程度の力じゃ、焼け石に水かも」

ミスティ「果実や、新鮮な葉は……」

妖精「流石に、多分無理……。世界樹の精霊に見つかっちゃってるし……」

ミスティ「……やはり、原因を排除しなければどうしようもないってことね」

妖精「うん。でも精霊からいろいろ聞いてきたから、やりようはあるよ」

ミスティ「……わかったわ。クロシュ、妖精……今回は……本当に、ありがとう……。私の我儘で、あなたたちを危険に晒してしまったわ……」

クロシュ「えと……ううん」

妖精「……まあ、結果的にいろいろ収穫はあったから良し」

クロシュ「うん。わたしも……自分で、行っただけだもん」

ミスティ「……本当に、ありがとう。恩は必ず返すから」

妖精「ふふっ、じゃあ楽しみにしてる」

クロシュ「ん……!」

 ☆木の生命力が2回復しました

 ◆
503 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 21:43:59.04 ID:lCHmayLY0
―緑の国フォレスティナ 滞在3日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・おうちの木を助ける(木の生命力[6/40])
・木の病気の原因を突き止める

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………

―朝
 大樹の宿 ロビー

妖精「ふわぁ……。流石に、眠い……」

イリス「お疲れ様……。とりあえず上手くいって良かったよ」

ミスティ「ええ……。でも、まだ解決したわけじゃないわ……」

イリス「……嫌な気、だっけ。一体何なんだろう……」

ローガン「ううむ……。まだこの国で何が起きているのかもわからん。情勢を調べてみても良いかもしれんな」

妖精「ティセリア……っていう、現首長に話を聞きに行くのも良いかもね。まあ、忙しいから簡単には会えないかもしれないけど」

クロシュ「えと……弱ってる、木さんから……嫌な気を辿ってみるのは……?」

妖精「うーん……私にも他の妖精や精霊たちも、その気配にすら全然気付けてないんだよね……。普通の毒気や瘴気なら気付けると思うんだけど……」

イリス「一体、何なんだろ……」

ミスティ「……絶対、突き止めましょう」


フォレスティナ滞在3日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 21:44:45.65 ID:/1n5IyJQ0
首長に会いに行ってみる
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 21:45:26.98 ID:J8Z4iv+bo
妖精の昔の伝手を頼れないか聞いてみる
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 21:45:55.87 ID:7y2ITODZo
選挙戦に飛び入り
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 21:46:06.77 ID:34dVM2fQO
イリス、これまでのことをフラナに手紙報告
508 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/11(日) 21:55:29.49 ID:lCHmayLY0
安価が出揃ったところで本日はここまでです。次回は首長に会いに行く編と妖精の昔の伝手編と選挙飛び入り編です

緑の国編における役者も出揃ってきました。それぞれが様々な思惑で動いているようです。一体この国はどこへ向かうのでしょうか
なお実は>>1には政治とかの知識が全然ないので、今後の選挙描写で明らかにおかしかったり不自然だったりする箇所が出てくるかもしれません。ご容赦くださいませ

それでは本日もありがとうございました。明日もやれそうなので、よろしくお願いいたします
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 22:04:27.87 ID:7y2ITODZo
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 23:04:17.77 ID:eFmSDMSH0
乙です
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/11(日) 23:55:47.46 ID:ZIiiGEE6O

ミスティお姉さんドライ言われてるけど最初にクロシュちゃん助けた頃からずっとウェットにしか見えねえw
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 02:16:00.18 ID:VR/JrcnGo
乙乙
油断していた所にお出しされたミスティさん過去……色々ヤバそうな存在の影が
妖精さんも確実にフォレスティナが故郷っぽいのに頑なに否定する所に闇ががが
513 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 15:27:04.46 ID:Sa+yTSxq0
言われてみれば、ミスティ氏はクロシュちゃんたちをソリで送っていくのを提案した時から一貫してずっとお人好しですね……。ドライなのは表面上だけで、中身はぷるんぷるんに潤っているのかもしれません

ミスティ氏が住んでいた場所で何が起きたのかは、ミスティ本人にすらよくわかっていません。数少ない生き残りは、小さな子供のような笑い声を度々聞いたという証言をしていますが、今のところそれが何だったのか、犯人の声だったのかどうかさえもわかっていないようです。真相は闇に包まれています。なお似たような事件は大陸の各地で幾度か発生しており、冒険者ギルドを初めとした様々な国際組織が調査を続けています

妖精は緑の国の仕組みや情勢に少し詳しいように見えますが、当人は緑の国出身ではないと言い張っているようです。真相は闇に包まれています
514 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 15:29:10.36 ID:Sa+yTSxq0
―緑の国
 首長官邸前

クロシュ「わあ……。でっかい木……」

イリス「というわけで首長さんのおうちに来てみました!」

ローガン「来てみたは良いが……アポなしで一介の旅人などに会ってくれるのだろうか……」

妖精「今は選挙前で忙しいだろうから、そもそも今ここにいるかどうかも……」

ミスティ「……悩む前に行動よ。呼び鈴を鳴らすわ!」ザッ

 チリンチリン

↓1
01-10 マーベル「首長は留守だぜ」ヌッ
11-36 紫髪のエルフ幼女「お引き取りください」
35-65 紫髪のエルフ幼女「御要件は? 聞くだけ聞いてあげます」
66-90 ティセリア「あ、昨日のスライムの子!」
91-00 ティセリア「あれ……? あなた……もしかして!」
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 15:33:51.23 ID:jCDG94y10
516 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 15:44:05.94 ID:Sa+yTSxq0

扉の向こう「どちら様でしょうか」

ミスティ「旅人のミスティよ。首長と話がしたいわ」

扉の向こう「首長は多忙の身です。お引き取りください」

ミスティ「……伝言だけでも」

扉の向こう「国民でもない旅人の陳情にまで耳を傾けていてはキリがありません。ご理解ください」

ミスティ「くっ……」

イリス「ど、どうするの……?」

クロシュ「……」


クロシュはどうする?
↓1
1.できることはなさそう
2.擬態してミスティの補助をする(誰に擬態するか要記載。成否はコンマ)
3.その他自由安価
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 16:00:53.71 ID:+ByeLDcDO
3
駄目元で(因縁ありそうな?)妖精に交渉して欲しいと頼む
518 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 16:19:46.57 ID:Sa+yTSxq0
クロシュ「……」チラッ

妖精「……?」

クロシュ「……」ジッ

妖精「……」

クロシュ「……」オロオロ

妖精「いやいや、言いたいことがあるならはっきり言え!」

クロシュ「え、えと……。妖精さん……ティセリアさんと……知り合いだったり、とか……しない……?」

妖精「しない」

クロシュ「あぅ……」

妖精「……まあ、言いたいことはわかった。ここの国民のフリくらいならできるし、やるだけやってあげる」

クロシュ「!」

ミスティ「……ごめんなさい、私からも頼むわ……。昨日から頼ってばかりで申し訳ないけど……」

妖精「いいよ。このままじゃ埒があかないのも事実だしね」


 コンコン

扉の向こう「まだいたのですか。お引き取りくださいと言ったはずですが」

妖精「私はこの国の妖精だよ。話っていうのも、緑の森や木々に関わる大事なこと。国民の声なら聞いてくれるんだよね?」

扉の向こう「……」

↓1
01-05 ??
06-70 紫髪のエルフ幼女「魔紋は……確かにこの国の妖精のものですね。良いでしょう、聞いてあげます」
71-95 ティセリア「あれ……? 妖精!?」バァン
96-00 ??
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 16:23:15.56 ID:8e+IFkk3O
高く
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 16:54:52.36 ID:VR/JrcnGo
(ほぼ確定してた気がするが)ここで妖精がフォレスティナ出身なのがほぼほぼ確定したか
521 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 17:30:35.48 ID:Sa+yTSxq0
扉の向こう「魔紋は……確かにこの国の妖精のものですね。良いでしょう、お入りください」

 扉「」ギィ…

ミスティ「……!」

妖精「よし、じゃあ入ろっか」

 *

―首長官邸
 応接室

 ふかふかのソファ「」ボフッ

イリス「わぁ……。木の中だけど、大樹の宿とはまた違って気品のある内装……!」

紫髪のエルフ幼女「官邸は首長の住居であると同時に、執務を執り行う施設ですから。内装も相応しいものとなっています。それで、御要件は――」

妖精「……郊外の、ある精霊樹の家が不可解な病気にかかって死にかけてる。原因を知っていたら教えて欲しい」

紫髪のエルフ幼女「……その件ですか。同様の事例は既にいくつか報告を頂いております」

ミスティ「……! じゃあ……なぜ放置しているのかしら」

紫髪のエルフ幼女「放置しているわけではありません。しかしながら私共も正確な原因は未だ掴めておらず、解決の見通しが立っていないのです」

妖精「……正確じゃない原因は?」

紫髪のエルフ幼女「……お答えできかねます」

ローガン「……何か知っていることがあれば、教えて頂きたい。住む場所を失いかけている妖精もいるのだ」

紫髪のエルフ幼女「何も答えることはできません」

妖精「……緑の森と自然を一番大切にするのが伝統派でしょ。下らないしがらみなんかの為にその理念まで捨てるつもり?」

紫髪のエルフ幼女「……」

紫髪のエルフ幼女「お引き取りください」

妖精「かーっ! 何も変わってないどころか悪化してんじゃん!! もういいよこんな国!! 森が滅んだら次は世界樹、その次は世界そのものだよ!! バーカ!!!」パタパタ

イリス「ああっ、妖精さん!」

ミスティ「くっ……ありがとう、ございました」ペコッ

ローガン「……ご多忙のところ、時間を取って頂き感謝する。お互い後悔のないように生きたいものですな」

紫髪のエルフ幼女「……ええ。そうですね」

ローガン「それでは」

 ガチャ バタム…


紫髪のエルフ幼女「……」

紫髪のエルフ幼女「好き勝手言ってくれて……。何も知らない癖に……」グッ

 ◇
522 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 17:31:02.46 ID:Sa+yTSxq0
―首長官邸前

妖精「あーやだやだ!! だから嫌いなんだよ、こんな国!」プンスコ

イリス「妖精さん、どうどう……。お水飲む? 水魔法で作ったやつだけど……」

 パシッ

妖精「飲む! んぐ、んぐ……」ゴクゴク


ミスティ「……お話を聞く作戦は失敗だけど……」

ローガン「うむ。次善の策を立てておいて正解だったな」

ミスティ「ええ……。噂をすれば……」


官邸の隙間から這い出てきたスライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「クロシュ!」

イリス「クロシュちゃん!」

ミスティ「首尾は……いえ、一旦宿に戻りましょう」

ローガン「うむ……!」

 ◆
523 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 18:41:03.30 ID:Sa+yTSxq0
―大樹の宿 客室

クロシュ「……これで……いい?」

 クロシュが盗み見て版画印刷した伝統派内部資料「」ペラッ

妖精「こ、これは……」

ミスティ「……革新派の森林開発計画……!?」

イリス「ええ……!? なんで革新派の計画が伝統派の資料に……!?」

ローガン「ここを見てみろ……!」

ミスティ「革新派の大規模森林開発計画を秘密裏に支援……ですって!?」

妖精「……嘘でしょ。ティセリアの、血判まで……」ワナワナ

ローガン「計画によると開発に着手したのはおおよそ一ヶ月と少し前……。依頼主の家の木が弱り始めた時期と合致する……」

イリス「で、でも、革新派が選挙に勝ったわけでもないのに勝手に開発なんか始めちゃだめなんじゃないの!?」

ローガン「……現政権の首長が承認しているのだ。恐らく法的には問題のない行為だろう」

ミスティ「この分だと……選挙も、もしかしたら……」

ローガン「……票を偏らせる工作くらいはしていてもおかしくないだろうな」

イリス「ど、どうして……。伝統派と革新派って、水と油みたいな関係なんでしょ?」

妖精「……知らないよ。わかってるのは……伝統派も、もう既に内の内まで腐りきってたってことだけだ!!」

クロシュ「よ、妖精さん……」オロオロ

ローガン「落ち着き給え……! 革新派と伝統派の間に何らかの取引があったのは間違いないだろうが、この資料からは伝統派にとっての利点が一切読み取れん。伝統派が一方的に開発支援をするばかりで、その見返りなどについては何も書かれていないのだ」

ミスティ「それは、つまり……?」

ローガン「……どちらか片方に利点のない共同関係など通常は成立せん。個人ならともかく組織なら尚更だ。それが成立しているということは――」

イリス「……お金? 票?」

ローガン「いや、伝統派の組織理念からすると恐らくそのどちらでもない。これは――」

妖精「――脅迫」

ローガン「……根拠はないがな。しかしそうでもなければ、辻褄が合わん。それを一番わかっているのは、他ならぬ妖精くんだろう?」

妖精「……そうだね。ティセリアはぽやぽやしてるところはあるけれど……事情もなしに、こんな馬鹿なことをする奴じゃない。そうだったよ」

クロシュ「……!」

妖精「……でも……世界樹は文字通り、世界の樹だ。それを危険に晒さなきゃいけないほどの脅しって……何……?」

 ◆
524 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 18:41:30.44 ID:Sa+yTSxq0
―大樹の宿 客室

イリス「……こ、これからどうしよう?」

ローガン「……ううむ。開発計画が原因とすると、相手は革新派で……しかも裏には現政権である伝統派まで付いていることになる……」

ミスティ「……」

ローガン「……変な気は起こさないでくれたまえよ。世界樹の侵入は上手くいったが、今後もあのような危ないことをし続けるのは御免被るぞ……」

ミスティ「わ、わかっているわよ……。テロなんて考えてないわ……」

イリス「テロ!? あ、いや考えてないってことか……。良かったあ……」ホッ

ローガン「いや、考えてないのならなぜそんな物騒な単語が真っ先に出てきたのだ……」

ミスティ「気のせいよ……。ねえ……妖精は、この国の出身なんでしょ?」

妖精「……もう隠しても仕方ないか。そうだよ。まあ、いろいろあって今は放浪してるけど」

ミスティ「……ティセリア首長とも知り合いっぽい雰囲気みたいだけど……何か手はない? 例えば、とても強い影響力を持つ第三者の知り合いがいるとか――」

妖精「……」

↓1
01-05 いるにはいるけど……
06-35 元首長(故人)
36-65 元首長(病気)
66-95 元首長(隠居)
96-00 元首長(私)
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 18:42:26.99 ID:qC6Tec/h0
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 18:46:17.30 ID:KBsE9u3Jo
これは大物妖精
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 18:50:39.47 ID:VR/JrcnGo
凄え所きた!
528 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 20:13:51.27 ID:Sa+yTSxq0

妖精「いないいない、影響力の強い知り合いなんているわけないじゃん」

ミスティ「誰でもいいのよ。例えば、元首長とか……」

イリス「ミスティ、誰でもいいで出す例えじゃないと思う。元首長は」

ミスティ「そ、そうかしら……。まあ、とにかく誰でも……」

妖精「……」

ミスティ「……妖精? もしかして、心当たりがあるの?」

妖精「あー……いや……。その可能性は……考えてなかった、というか……」ダラダラ

ミスティ「いるの!? いるなら――」

妖精「いや……でもお……」

ミスティ「あの子の木のおうちが……世界の危機なのよ! 苦手な人物だったら、交渉は私たちがするから……! お願い……!!」

妖精「こ、交渉は、大丈夫っていうかぁ……」

クロシュ「……?」

ローガン「……一体何が問題なのだ?」

妖精「えっと……その、ね……?」

イリス「うん……」



妖精「すっごい昔だけど……。私……首長、やってたこと……あったり……」

ミスティ「え――」

ローガン「な、に――」

イリス「えええええええええ!!!?」

クロシュ「わあ……!」キラキラ

 *
529 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 20:15:32.00 ID:Sa+yTSxq0

妖精「と言っても、本当に昔のことだよ。もう覚えてる人もほとんどいないくらい、ずっと昔。長命種の中でも記憶力の良い奴が時々覚えてるかもって程度だと思うし……影響力に期待は……」

ミスティ「ロビーの本棚に歴代首長名鑑があったわ! これによると――」パラパラッ

妖精「や、やだ! 見ないで……!」


〈歴代首長名鑑〉パラッ
◇妖精
第1期から第250期まで連続で首長を務めた、初代にして歴代最長記録を持つ首長。建国の太母と呼ばれる。
各種族の調停、インフラ整備、規範・法の導入、教育の徹底等、1000年の時をかけて緑の国を強く美しく育てあげた。
他の妖精と同様に愛らしい幼子の姿をしていたが、その心奥には深い知性と慈愛を秘めていた。
彼女は最後の任期を終える瞬間まで、他の妖精たちと同様に自らの名は持たず、ただ『妖精』とだけ名乗り続けた。
最後の任期を終えた後、惜しまれる拍手喝采の中で一人静かに緑の森の奥へ姿を消したとされる。


ミスティ「挿絵に描かれてる人物とも特徴が完全に一致してる……!」

イリス「ええっ……!! 元首長どころか――」

ローガン「……建国の太母、だと――!?」

クロシュ「妖精さん……! すごい……!!」

妖精「……ま、まあ……そんなやつ、らしいよ……。私……」

ミスティ「影響力に期待どころじゃないでしょ!! あなたが立ち上がれば、緑の国はきっと――」

妖精「いや、だから誰も覚えてないって! 初代首長を名乗る精神異常妖精だと思われるだけだよ!」

ローガン「いや、他の妖精や精霊、エルフ、トレントなどの長命種であれば覚えている者もいるはずだ……!」

妖精「エルフとトレントはともかく、普通の妖精や精霊は記憶力が悪いから覚えてないと思う……。世界樹の精霊も私のこと覚えてなかったし……」

ミスティ「でも覚えている者がいることに変わりはないわ……!」

妖精「そ、そうかもしれないけどぉ……」

イリス「……初代首長、建国の太母の大いなる帰還だよ。腐った国を叩き直す為に、世界の果てから還ってきたんだ……!! 革命――ううん、これは――大政奉還の時だよ!!!」

妖精「ひ、ひええ……もうそれしか、ないの……?」グニャァ

 ◆
530 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 20:18:50.89 ID:Sa+yTSxq0
―緑の国
 露店通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ティセリア「緑の森を守り、世界樹を守り、全ての生命を守っていく所存です! どうか世界の為に伝統派へ清き一票を!」

 ワーワー ティセリアチャーン!!

マーベル「伝統なんて古い古い! これからは都市開発と娯楽の時代だ!! 外貨を稼いでもっと豊かに暮らすのが時代の流れだぜ!」

 キャー! マーベルサマー!!

マーベル「……」ニヤ

ティセリア「……っ」


「生命? 外貨? そんなものにこだわって何になるの。こんな、泡沫みたいな世界で――」


 ザワザワ エッダレ?

ティセリア「え――? その、声――」

マーベル「ああん――?」



妖精「どうせ全ては、終わりゆく運命。哀しみからも苦しみからも、決して逃れられない。だから――」ヒラヒラ

妖精「私が、導いてあげる。哀しみも、苦しみも乗り越えた先――最期の楽園へ―――」キラキラ…



クロシュ「わ、わー!! 行きたい! 楽園、行きたい!!!」

ミスティ「ね、ねえあれって建国の太母じゃない!!?」

イリス「ほ、ほんとうだー!!! どう見ても初代から千年もの間フォレスティナを支え続けた初代首長にして建国の太母の妖精さんだー!!!」

ローガン「建国の太母の帰還だあああああ!!!!」

 ザワザワ エッマジ!? タ、タシカニミオボエガ…


ティセリア「あ……あ、あ……」ジワッ

マーベル「ウッソだろ……」


↓1 選挙活動結果(99クリティカルのため超有利)
01-60 歓声
61-90 大歓声
91-00 ハーピィ記者「プロパガンダならお任せあれ!」
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 20:20:27.80 ID:DFPLKeYQO
532 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 20:51:13.17 ID:Sa+yTSxq0

 ワアアアアアア!!!

 キャーヨウセイチャーン!! オレモツレテイッテクレーッ!! タイボサマァァァァ!!!

妖精「みんな、ありがとう。きっと――導いてあげるから――」カリスマァ…

 *

―夜
 大樹の宿 客室

イリス「やったねえ!! 大歓声だったよ、大歓声!!」

ミスティ「初動はバッチリね……!! 凄いオーラだったわ、妖精……!!」

ローガン「これで復権派≠ヘ一気に知れ渡ったはずだ……!!」

クロシュ「うん……! 妖精さん……かっこよかった……!」

妖精「うへぇ……もうやだ……」ゲッソリ

 ◆
533 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 23:24:26.45 ID:Sa+yTSxq0
―首長官邸
 首長の私室

ティセリア「……」

マーベル「……アレ、何ですか? 初代首長とか言われてますけど」

ティセリア「……知りません」

マーベル「伝統派ってのは初代首長の流れを汲んだ組織なんでしょ? なら知らないはずないじゃん」

ティセリア「ほ、本当に知らないんです」

マーベル「まあいいけどさ。でももし政権取れなかったら……王国にどう言い訳すんの?」

ティセリア「……」

 壁「」ドンッ

ティセリア「!」ビクッ

マーベル「……わかってるよな? 今回、俺たち革新派が政権を取れなかったら……この国は、終わる」

ティセリア「……」

マーベル「本来なら、もうとっくに侵略されて奴らの植民地にされててもおかしくない状況なんだ。それをなんとかギリギリ保ててるのは、俺たち革新派が必死に交渉を続けてるお陰なんだぜ?」

ティセリア「……はい。わかっています……」

マーベル「王国には勇者がいる。戦争になれば……いや、戦争にすらならねえ。勇者が一瞬で電撃的に侵攻して、首長の首を獲って終わりだ。その後は……かつての魔族自治区のような、屈辱に満ちた支配が待っているだろう」

ティセリア「……」

マーベル「だが必死の交渉の結果、俺たち親王国の革新派が政権を勝ち取れば侵略だけは免れられる。最低限の尊厳は保てんだよ」

ティセリア「……無理矢理従わせられるよりは、率先して媚びを売った方がまだ待遇が良いかもしれないということですね」

マーベル「そういうこと。哀しいことにウチは王国の隣国なんだ。逃げも隠れもできねえ。植民地になるくらいなら、王国の靴を舐めて子分の地位を確保した方がマシだろ?」

ティセリア「……結局……王国の言いなりという点は変わらないですけどね」

マーベル「いいんだよ、今は言いなりで。勇者は人間だ、その寿命は俺たちよりずっと短い。今は下手に楯突かず、無害な腰抜け平和主義国家のフリして……勇者の寿命が尽きるのを待つんだよ。その間に外貨を稼いで、力を蓄えて、牙を研いで――勇者が死んだら、後はこっちのもんだ」

ティセリア「……あなたのその計画は、合理的だと思う。でも――」

マーベル「なんだよ? もしかして森林開発のこと、まだ納得できてねえの? 外貨を稼ぐにゃアレが一番手っ取り早いし、それに森しかねえこの国を近代化して楽しく暮らしやすくすんのは王国関係なく良いことだろ。王国を出し抜いても国際競争は続くんだ、古臭い価値観に囚われてちゃ負けるぜ」

ティセリア「……しかし、日に日に苦しみを訴える声が大きくなっています。急進的な開発はやはり――」

マーベル「大丈夫だろ。星脈の流れはちゃんと調べた上で開発してんだ、世界樹への影響はないと断言できる。そりゃいくつかの地区や木に悪い影響は出るかもしれねえが、今後見込める外貨収入を考えれば必要な犠牲ってやつだろ」

ティセリア「……」

マーベル「大局的に見ろよ、おばさん。1500年も生きてりゃわかるだろ?」

ティセリア「……お黙りなさい。若造」

マーベル「おっ、反抗的だなあ。王国の犬である俺にそんな態度取って良いんですか?」スッ

 ティセリアの顎「」クイッ

ティセリア「くっ……自分から、犬などと……。あなたに、エルフの誇りはないのですか……?」

マーベル「誇りで国が守れるかよ」

ティセリア「……そう」

マーベル「…………王国の侵略を許せば、一番危ないのはあんたなんだ。わかってんのか」

ティセリア「だから何です……」

マーベル「……」

ティセリア「……?」

マーベル「別に。俺にも守りたいもんがあるってだけさ」スッ

 ◆
534 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 23:36:36.95 ID:Sa+yTSxq0
投票日まであと――
↓1コンマ
01-50 4日
51-80 5日
81-00 6日
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 23:36:53.69 ID:KBsE9u3Jo
こんま
536 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/12(月) 23:49:46.47 ID:Sa+yTSxq0
―緑の国フォレスティナ 滞在4日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・おうちの木を助ける(木の生命力[4/40])
・木の病気の原因を突き止める
・選挙で勝つ

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………

―朝
 大樹の宿 客室

妖精「はああ〜〜〜……。外に出たくない……。引きこもっていたい……」ゴロゴロ

スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ

ミスティ「よ、妖精……なんとか……立ち上がってもらえないかしら……。無理を強いているのは、わかっているのだけれど……」

イリス「あ、あと5日しかないんだよ! もっと宣伝とかして知名度を上げていかないと! いくら伝説の太母でも、街頭宣伝一回だけじゃ……」

妖精「う〜ん……わかってるけどぉ……」ゴロゴロ


スライムクロシュ「!」ピコン!

 デロデロ…ポンッ!

妖精クロシュ「……」ヒラヒラ


イリス「わっ! クロシュちゃん……! その姿は妖精さんの……!」

ミスティ「これは……かなり再現度が高い気がするわ……!」

妖精「う、うわあ……。なんかすっごい変な気分……」

妖精クロシュ「これで……わたしが……妖精さんの、代わりに……!」

妖精「……ちょっと、昨日の私を真似て演説とかしてみて」

妖精クロシュ「ん!」


妖精クロシュ「……生命は……どうしようも……ない……」

妖精クロシュ「みんな……どうにも……ならない……」

妖精クロシュ「えと……。だから……わたしが、みんなを……えと……救って……」モニョモニョ

妖精スライムクロシュ「〜〜……」モニョモニョ…


妖精「だめだこりゃ……。やっぱ私が出るしかないみたいだね……」スッ


フォレスティナ滞在4日目です(投票日までの残り行動可能日数5)
↓1〜3 自由安価 何をする?
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 23:50:42.56 ID:VR/JrcnGo
ティセリアに色々問い質す
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 23:53:11.65 ID:KBsE9u3Jo
ついでにマーベルも締め上げる
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 23:57:58.94 ID:1OdYU32RO
フラナに手紙を出す
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/12(月) 23:58:30.95 ID:zb2MEoQG0
露店通りで地道に演説&民の声を聞く
541 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/13(火) 00:07:21.33 ID:Wvgy9xDa0
というわけで安価が揃ったところで本日はここまでとなります

クロシュ一行、初代首長の妖精を立てて電撃参戦という急展開です。この流れは>>1の目をもってしても全く読めませんでした。実のところこの展開に一番うろたえているのは>>1かもしれません
何やら99クリティカルのせいで異常に設定の盛られた妖精さんですが、クロシュの保護者面をするお節介妖精というこれまでの姿勢は今後も変わらないのでごあんしんください。ただ、設定が盛られた分いろいろ融通がきくようにはなったかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回は多分また土日になるかと思います。よろしくお願いいたします
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 00:12:17.28 ID:++/DdK8Xo

王国はラスボス枠かな
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 00:41:02.08 ID:LOAAHgzvO

クロシュ氏が着々と有能になっていってるけどゆるい時はぼんやり赤ちゃんスライムのままで良き
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 01:25:25.44 ID:P0hwC5hBo
おつ
超大物設定が生えてきた妖精さんの明日はどっちだ
イケメン金髪エルフもクズなだけじゃなく色々抱えてそうで……
とりあえず王国は縮小しろ
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 12:15:01.63 ID:RJV9VfB9O

もうただの侵略兵器だな勇者
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/13(火) 18:08:05.92 ID:hNI9lfr0o

紫髪幼女エルフの妖精対応がどこまで変わるのか愉しみだぜ
547 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 19:47:02.11 ID:UHyRCctI0
王国がラスボスかどうかはわかりませんが、大陸における影響力は宗教国家セクリエ・ロイエに次いで大きいと言えます。単純な軍事力で言えば世界最強です(勇者を抜きにしても実はかなり強いです)

クロシュちゃんも彼女なりに成長しているようです。穀潰しの誹りを受けることは多分もうないでしょう。中身はぼんやり赤ちゃんスライムなので、やや打たれ弱いところもあります

妖精さんは気楽な放浪生活の方が好きなようです。立候補にはあまり気乗りしていない様子ですが、一応建国者らしく緑の国に対する憂いはけっこうあるようです
イケメン金髪汚職エルフ氏はいろいろ考えていることもありそうに見えます。ところで彼は600歳ですが、1500歳のティセリア氏からすると若造のようです。フラナ氏があのやり取りを聞いていたら喜んでいたかもしれません

勇者は実際、兵士というよりは兵器のように考えられているかもしれません。こちらの世界で例えるならいろいろと融通が効く大量破壊兵器という感じだと思います。風雪新聞の過去の記事には勇者を「王国が保持する非人道的生物兵器」と揶揄し批判した記事があります

紫髪幼女エルフ氏は妖精のことを知らなかったようです。彼女が生まれた時代には妖精は既に緑の国を後にしていたと思われます。妖精が去った後の時代に生まれた世代に初代首長の威光が通じるかどうかは今後のがんばり次第でしょう(初回演説は好調だったため、割と上手くいくかもしれません)
548 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 19:47:43.06 ID:UHyRCctI0
―大樹の宿 客室

妖精「……いや、その前にもう一度ティセリアのとこに行こう。復権派からの会談申込みなら無視はできないでしょ」

ミスティ「ただの旅人でも国民でもない今なら、確かに昨日のように門前払いされることもなさそうね」

妖精「そういうこと。いろいろ直接聞きたいこともあるしね」

 ◇

―首長官邸前

 チリンチリン

妖精「復権派の妖精だよ。ティセリアはいる?」

扉の向こう「……お入りください」

 ガチャッ…

 *
549 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 19:50:02.94 ID:UHyRCctI0
―首長官邸 応接室

妖精「……」

ティセリア「……」

紫髪のエルフ幼女「……」

ミスティ「……」

イリス「……」

ローガン「……」

クロシュ「……」ソワソワ


妖精「……久しぶりだね、ティセリア」

ティセリア「……はい。お久しぶりです、初代首長」

妖精「なに、改まっちゃって。妖精って呼べば良いじゃん、昔みたいに」

ティセリア「……昔話をしに来たわけではないでしょう」

妖精「……そうだね。じゃあ単刀直入にいこう。なぜ革新派の事業に協力しているの?」

紫髪のエルフ幼女「!!?」

ティセリア「……」

妖精「確かな筋からの情報でね。あなたたち伝統派が、革新派の森林開拓計画に加担してるのは知ってるんだよ。票の操作にも手を染めるつもりだと」

ティセリア「…………隠しても無駄のようですね」

妖精「そうだよ。洗いざらい話しちゃいなさい」

ティセリア「……確かに私たち伝統派は、革新派の事業に協力しています。次の選挙でも、革新派を勝たせるつもりです」

妖精「理由は何?」

ティセリア「……緑の国を、終わらせない為です」

 *

妖精「……つまり、王国への白旗ってこと?」

ティセリア「……簡単に言えばそうです。私たち伝統派より、以前から王国と交渉を続けている革新派が政権を取った方がより安全で確実なので」


イリス(王国……!! こんなところでも……!!)ギリッ

ミスティ(……でも、これだと私たち復権派が勝ったら一番まずい展開になるんじゃ……?)


妖精「……大体わかった。抗おうともしないで奴隷の安息を選んだってわけだ」

ティセリア「……今更戻ってきた癖に、知ったようなことを言わないで。私たちの決断には、大勢のフォレスティナ国民の生命がかかっているのです」

妖精「……」

ティセリア「私たちのことを想うなら、参政を取りやめてください。突然のあなたの出現で国民は活気づいていますが、王国との緊張は高まりかねません」

妖精「…………森林開発も王国からの命令?」

ティセリア「……いえ。それは革新派の意向です。王国とは関係ありません」

妖精「……じゃあ、それはやめられるよね。現在進行系で民や木々を苦しませてどうするの」

ティセリア「…………それは……」

↓1
01-10 今更太母面しないで!
11-50 復権派が退くなら考えます 
51-90 もう一度革新派とよく話し合います
91-00 ??
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 19:51:09.44 ID:KHNCXCim0
551 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 20:30:33.51 ID:UHyRCctI0
ティセリア「……復権派が、今回の選挙から退くなら考えてあげます」

妖精「……今苦しんでる民より、不正選挙が滞りなく進むことの方が大事なの?」

ティセリア「……不正は不正でも、国が存続するための不正……必要悪です。それに革新派の事業も、今後の緑の国の国際競争力を培う意味では大きな価値のあるものだと私は考えています」

妖精「未来のためなら、不正を許容し今を苦しむ民も切り捨てるってことか」

ティセリア「……はい」

妖精「……成長したね。草木の一本一本を慈しみ、虫一匹殺せなかったあの精霊の申し子ティセリアちゃんが、こんな冷徹な判断を下せるようになっていたなんて」

ティセリア「……っ」

妖精「よくわかったよ。もうあなたは立派な為政者で――そして私の政敵だ。新参の立候補者として、全力で立ち向かわせて頂く」

ティセリア「……!? ま、待ってください! 話を聞いていなかったのですか!? 復権派が退くなら考えると――」

妖精「為政者の『考える』を信用してやれるほど耄碌したつもりはないから。私も昔よく言ったしね」

ティセリア「……!」

妖精「私が勝ったら民の苦痛も王国の侵略も全部平穏無事に解決してやるから、安心して首長の座を譲りなよ」

ティセリア「……」


妖精「じゃ、そういうことで。行くよ、みんな」フワッ

イリス「あ、うん!」

ミスティ「え、ええ……」ペコッ

ローガン「ありがとうございました……」ペコッ

 ガチャッ… バタン…

 *
552 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 20:31:24.97 ID:UHyRCctI0

ティセリア「……」

ティセリア「…………」ジワワ

ティセリア「………………」ポロポロ

紫髪のエルフ幼女「ティセリア……」

ティセリア「……どうすれば……良かったの……。どうして……」ポロポロ

紫髪のエルフ幼女「…………マーベルも、妖精も……どいつもこいつも、自分勝手すぎるんです……!」

ティセリア「…………」ポロポロ



スライムクロシュ「……」モニョ

なんとなく気になってこっそり残っていたクロシュが、首長の涙を目撃してしまいました
何かしますか?
↓1
1.少しだけ謝っておく
2.そっとしておく
3.自由安価
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 20:32:40.51 ID:3VKqVvoso
1
554 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 21:50:45.23 ID:UHyRCctI0
スライムクロシュ「……」デロデロ

クロシュ「あの……」

ティセリア「!!?」

紫髪のエルフ幼女「曲者!!」バッ

クロシュ「ひゃっ!」

ティセリア「待って! あなたは……そういえば、ビラを配っていた――」

紫髪のエルフ幼女「……! あの時のスライム……妖精のお供だったの……?」

クロシュ「うん……。えっと……ごめんなさい」ペコリ

ティセリア「えっ。ど、どうして謝るのですか?」

クロシュ「えと……妖精さんが……ひどいこと、言ったから……」

ティセリア「……いいえ。妖精の言ったことは、間違っていません。私は……冷徹な、為政者なのです」

紫髪のエルフ幼女「違います! ティセリアは……誰よりも優しくて、民想いで……今回の決断だって、ティセリア自身がどれだけ苦しい気持ちを抑えてるか……!!」

ティセリア「サリー!」

紫髪のエルフ幼女「あっ……も、申し訳ありません……」

クロシュ「……本当は……ティセリアさんも……いやなの……?」

ティセリア「……嫌、では……」

クロシュ「……いやなら……やだって、言った方が……良いと思う……」

ティセリア「……」

クロシュ「えと……妖精さんも……ティセリアさんが、やだって言わないと……きっと、わかんないから……」

ティセリア「……」

クロシュ「……えと……それじゃあ……私も、帰るね……。お話……ありがと、ございました……」デロデロ


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

 ズルズル…


ティセリア「……ぐすっ。ふふっ……かわいいお供を連れているのですね……妖精は……」

紫髪のエルフ幼女「……!」

ティセリア「嫌なことには、やだって言え、かあ……。首長の身でそれは……難しいなあ……」グスッ

紫髪のエルフ幼女「……。良いんじゃないですか。首長が、嫌なことにやだって言っても」

ティセリア「でも……」

紫髪のエルフ幼女「どうせ復権派の台頭で今回の選挙は大荒れです。国内世論もどこへ向かうかわからない。それなら好きにやりましょうよ」

ティセリア「……少しだけ、考えさせて」

 ◆
555 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 21:52:04.15 ID:UHyRCctI0
―首長官邸前

妖精「う〜ん……言い過ぎたかなあ……。でも政敵である以上手加減するのは失礼だし……」フヨフヨ

イリス「お疲れ様、妖精さん……!」

ミスティ「政治のことはあまりわからないけれど、ティセリアさんの言い分も一理あると思ってしまったわ……」

ローガン「うむ……。これについてはどちらが正解というわけでもないからな。だが戦うと決めた以上は、我々も全力で票を取りにいかなければならん」

ミスティ「ええ……わかってるつもりよ……」


スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「あ、クロシュ! 遅いよ、何してたの!」

クロシュ「え、えと……。ティセリアさんと……ちょっとだけ、お話……」

ミスティ「えっ、ティセリアさんと……!?」

クロシュ「えと……ティセリアさん……泣いてた……。だから……妖精さんがひどいこと言ってごめんなさい、って……」

イリス「な、泣いて……」

ミスティ「……傷付いていたのね……」

ローガン「妖精くん……」

妖精「わ、悪かったよお……! でもティセリア……根っこは、昔のままなのかなあ……」

ミスティ「……彼女の心根がどれだけ優しいとしても……それで今を苦しむ民が救われるわけではないわ。それは違えないようにしないとね……」

 ◇
556 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 21:53:32.91 ID:UHyRCctI0
―革新派事務所前

ミスティ「というわけで今度は革新派の事務所にやってきたわ……。この国どころか大陸中でも珍しい、鉄筋建築ね……」

イリス「首長への陳情がだめだったなら、革新派に直接文句を言おうってことだね!」

ミスティ「ま、まあそうね……。ちょっと短絡的かしら……」

妖精「聞いてくれるとは思いにくいけど、革新派の頭と話をしてみたいとは思ってたし丁度良いよ」

ローガン「しかし革新派は強引な森林開発や親王国路線など、やや不穏な姿が見え隠れしている。警戒はすべきだろう」

ミスティ「そうね……。荒事になることはないと思うけれど、最低限の警戒はしておきましょう……」

クロシュ「……」

ミスティ「それじゃあ、呼び鈴を鳴らしましょうか……」

 チリーン


↓1
01-30 セイン「……」ヌッ
31-90 マーベル&セイン
91-00 マーベル1人
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 21:54:29.27 ID:GJRW3Cmk0
a
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 21:54:35.05 ID:VKYrdVUdO
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 22:14:42.56 ID:3VKqVvoso
げぇっ!勇者!
560 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 22:21:17.46 ID:UHyRCctI0
 ガラッ

セイン「……」ヌッ

クロシュ一行「!!!?」

セイン「…………」


妖精(なんで勇者がこんなとこにいるの!!?)

イリス(し、知らないよお〜!!)

ミスティ(ま、まさか二日目辺りでクロシュが出くわしたのって――)

クロシュ(え、えと……)

ローガン(革新派に潜んでいたというのか!?)


セイン「……」

セイン「……マーベルは留守だ」

ミスティ「え、ええと……そ、そうなのね……」

セイン「ああ」

セイン「……」ジッ

クロシュ「……?」

セイン「……」

妖精「……クロシュに何か用?」

セイン「……クロシュと言うのか。その……影のスライムは」

クロシュ「……? うん」

セイン「……」

妖精「……ちょっと。相手の名前だけ知って、自分が名乗らないのは失礼じゃないの」

セイン「……失礼した。僕はセイン。革新派マーベルの……護衛だ」

ミスティ「……革新派の……護衛?」

イリス「……」

ローガン「……」

クロシュ「えと……魔族革命の時は……」

セイン「……何のことかわからないな」

クロシュ「……」


妖精(やめなさいクロシュ! 下手に突っ込んだら消されちゃうよ!)

クロシュ(う、うん……)


セイン「……茶でも飲んでいくか?」

イリス「えっ!」

ミスティ「お茶……」

ローガン「う、ううむ……」


↓1〜3多数決
1.飲んでいく
2.帰る
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 22:22:31.97 ID:X/Xj0hIko
1
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 22:22:42.29 ID:KHNCXCim0
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 22:23:31.66 ID:u/gfYZYDO
1
564 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 22:41:59.16 ID:UHyRCctI0
クロシュ「……うん」コク

妖精「クロシュ!?」

 *

―革新派事務所
 応接室

 鉄瓶「」トプトプ

 湯呑み「」ホカホカ

セイン「どうぞ」スッ

イリス「け、けっこうなお点前で……」

ミスティ「珍しい形のティーポットね……」

セイン「……この鉄瓶か? これは……マーベルがオノゴロ諸島を旅した時の土産物……だそうだ」

ローガン「ほう、これがオノゴロ諸島の製鉄技術か……! 私もいつか行ってみたいものだ」

セイン「物品の良し悪しは僕にはわからないが……これは良いものなのか」

ローガン「ああ、良いものだ。鋼魔法の使い手たる私が言うのだから間違いない。マーベル氏もなかなかお目が高いと見受けられるな」

セイン「そうなのか」


クロシュ「んぐ、んぐ」ゴクゴク

クロシュ「……おかわり……いい……?」

セイン「どうぞ。茶菓子も出そう」スッ


↓1〜2 話題や聞きたいこと
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 22:49:47.98 ID:GJRW3Cmk0
勇者サインとはどういう関係?
(前からセインになってるけど誤字じゃないよね?)
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 22:49:55.60 ID:VKYrdVUdO
以前魔族自治区で会わなかったか
567 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 23:15:16.66 ID:UHyRCctI0
イリス「……セインくんって、勇者サインとはどういう関係なの? とてもよく似ているけれど……」

セイン「赤の他人だ。少なくとも、僕は勇者サインについて何も知らない」

イリス「そ、そうなんだ……」

セイン「ああ」


クロシュ「……」

セイン「……」

クロシュ「……」モジモジ

セイン「……別に、取って食ったりなどしない。聞きたいことがあれば聞け」

クロシュ「あ、えと……。じゃあ……」

クロシュ「……魔族自治区で……どうして……あんなこと……したの……?」


妖精&イリス&ミスティ&ローガン「!!!!」


セイン「……やはり、お前はあの時のスライムか」

クロシュ「……うん」

セイン「……」


↓1
01-75
76-95
96-00
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 23:16:32.68 ID:KHNCXCim0
569 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 23:47:45.37 ID:UHyRCctI0
セイン「……茶会は終わりだ」ガタッ

クロシュ「あっ……」

セイン「今の僕はマーベルの護衛。それ以外のことは知らないし、する気もない」

クロシュ「……」

セイン「影のスライムクロシュが今日ここに来たことは、忘れておく。さあ、早く帰れ」

クロシュ「……」

妖精「……帰るよ、クロシュ」

クロシュ「う、うん……」

 *

―夕方
 露店通り

イリス「……なんか……不思議な時間だったね」

ミスティ「ええ……。あの時の苛烈な光魔法を使う姿しか見ていなかったから……」

ローガン「……時折、年相応な表情を見せていたような気もしたが……ううむ……」

妖精「……はあ。クロシュが変に突っ込むから死ぬかと思った……」

クロシュ「ご、ごめんなさい……」

イリス「でも……セインくん、意外と良い人かも。クロシュちゃんのこと、忘れておくって……」

ミスティ「……釘を刺したとも取れるわ……。これ以上こちらに深入りするな、という……」

ローガン「一欠片の温情もなければ、釘を刺すまでもなく目撃者である我々は始末したはずだ。私は、彼は人としての善性を持っていると思いたい」

クロシュ「……」

 *
570 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/17(土) 23:49:34.56 ID:UHyRCctI0
―革新派事務所

セイン「……」

セイン「クロシュ……」

セイン「……」

セイン「……」チラッ

 フメイちゃんの迷子ビラ「」

セイン「そういえば……マーベルが、言っていたな……」

セイン「……フメイって子を……捜している……女の子……」

セイン「…………」

セイン「………………???」

 ズキッ

セイン「う、ぐっ……」ガクッ

セイン「なん、だ……頭、が……」


「あらあらあら、ダメですよ? 勇者が余計なこと考えちゃあ……」

セイン「……おま、え……は……」

「勇者は何も考えず、ただ神の御心のままに、聖務を遂行していれば良いのです。わかりますね?」

セイン「……」

「さあ、心を真っ白にして……。穢い雑念は勇者に相応しくありません……」コオオオ…

セイン「う……ぁ……」

 バタッ…

「ふふ……」

 ◆
571 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 00:03:58.45 ID:IU8TQFJE0
本日はここまでです。次回はフラナ氏へのお手紙編です

ティセリア氏を泣かせ、マーベル氏は留守で会えずお茶して帰っただけの復権派ですが、まあ残り日数はまだまだあるので多分大丈夫でしょう。一応将来のビジョンや王国対策なども考えておくと良いかもしれません
セイン氏は勇者サインと似ている容姿と似た名前ですが、その名前は誤字ではないようです。本人は赤の他人と言っていますが、その真相は闇に包まれています。今回のような交流を重ねればもしかしたら彼の口から何らかの真実を聞ける時もあるかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 00:06:39.24 ID:2RZYpvep0
乙、紫髪ちゃんいじめられていたところをティセリアさんに助けられてからは忠誠を誓ってるのかな
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 00:11:35.75 ID:qcdj26Fco

セインとグイグイ交流して推し切ればよいのだね
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 11:52:25.87 ID:5Tz9o532o

デカい黒幕の影が…この黒幕は最後まで黒幕できるだろうか(前作を思い出しつつ)
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 15:55:50.58 ID:Is4HdSZrO

セイン自身は異種族への悪感情なさそうね
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 16:13:04.13 ID:Pj+er7pDO
現在のラスボスというか黒幕候補は宗教国家セクリエ・ロイエかな

王国はセクリエ・ロイエに利用されてるか、逆に利用してラスボスに上り詰めるか

アリシラ?は他の国の息がかかっているのか完全な第三勢力かは分からないけど、ラスボスにならないで本来の人格取り戻してフメイと一緒に仲間入りして欲しいな
577 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 19:27:07.24 ID:IU8TQFJE0
紫髪のエルフ幼女さんがティセリア氏に仕えている理由は今のところ明らかになっていませんが、強い信頼関係で結ばれていることは確かなようです。一方を説得すればもう一方も傾きやすくなります

セイン氏は突然お茶に誘う程度にはクロシュちゃんのことが気になっているようです。不意打ちとは言え、臨戦態勢に入っている彼に体当たりを命中させてよろけさせた存在が珍しかったのかもしれません
人間以外の種に対してどう思っているかはよくわかりませんが、今のところは悪く思っているわけではなさそうに見えます

何か怪しい人物が見え隠れしているような気がしますが、彼または彼女が黒幕となるかどうかは今後の展開次第とも言えます。クロシュちゃんは真の敵の姿を見極めることができるでしょうか

セクリエ・ロイエは影響力こそ大陸一ですが、現在の教皇は穏健派のため、少なくとも表立ってその影響力が行使されることはあまりないようです。ロイエ教の教えに従い、平和的な宗教活動を行ってます
ただ、穏健派と対立を深める急進派の勢力も決して小さくはなく、いろいろときな臭い動きがあるようです

アリシラ?さんはアリシラちゃんが知らないはずのことを知っていたり等、明らかに不可解な言動を繰り返しています。彼女が何なのかは現時点ではよくわかりませんが、選挙の日にフメイちゃんと何らかの行動を起こそうとしているようです。フメイちゃんは彼女をアリシラちゃんではないと思っているようですが、真相は闇に包まれています
578 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 19:33:05.07 ID:IU8TQFJE0
―夜
 大樹の宿 ロビー

イリス「はあ、今日はなんだか疲れたなあ……」

妖精「大したことはできてないんだけどねえ」

ローガン「うむ……だがまあ、収穫がなかったわけではない」

ミスティ「そうね……。ティセリアさんの意向もわかったし……セイン、という人のことも……少しわかったし……」


宿屋アルラウネ「お休みのところちょっと良い?」スッ

クロシュ「?」

イリス「はい、なんでしょうか?」

宿屋アルラウネ「お手紙が届いてるよ。イリス・プラネットさん宛」ピラッ

 手紙「イリス・プラネット様」

イリス「! ありがとうございます……!」

宿屋アルラウネ「旅中のお手紙って良いわよね。じゃごゆっくり〜」

 バタム…


妖精「手紙?」

イリス「うん。ここに来た時にフラナ師匠にお手紙を書いてね。その返事かも……!」

ミスティ「すっかりフラナさんの弟子ね」

イリス「えへへ……。ちょっと読んでくる!」パタパタ


ミスティ「……フラナさんは、亡くなったイリスの師匠の知人なのよね」

妖精「そう言ってたね。その師匠はイリスの育ての親でもあるみたいだし……やっぱり寂しいのかもね」

ミスティ「……」

クロシュ「……」

ローガン「……」

妖精「……あなたたちも……家族がいないのは、やっぱり寂しい?」

ミスティ「……そうね。でも今はあなたたちもいるし、平気よ……」

ローガン「……全く寂しくないと嘘になるが、時の流れは残酷なものでな……。家族のない寂しさにも、慣れてしまったよ」

妖精「そうなんだ……。クロシュは?」

クロシュ「…………わかんない……。でも……みんなのこと……思いだすと…………」

クロシュ「……」ジワワ

妖精「……そうだよね。まだ……」

ミスティ「……ハンカチよ」スッ

クロシュ「あり、がと……」グスッ


ローガン「……クロシュくんは、その集落を失ってまだ間もないのだったな……」

ミスティ「ええ……。フメイのこともあって心の整理を付ける暇もなかったろうし……」

クロシュ「……」

妖精「……フメイを説得したら、お墓を立てに行こうよ。きっと……まだ、あのままだろうし」

クロシュ「…………うん」

ミスティ「……ソリを走らせればすぐよ。だから……必ず、フメイを連れ戻しましょう……」

ローガン「フメイくんと共に、弔ってあげなさい。私もできる限りのことはする」

クロシュ「……うん。……ありがと……みんな……」

 *
579 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 19:33:39.07 ID:IU8TQFJE0
―客室

イリス「フラナ師匠からのお手紙……! えへへ、何が書かれてるかな……」ピラッ


↓1
01-05 ??
06-50 近況報告
51-95 選挙支援
96-00 私も旅行に来たわ
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 19:34:07.58 ID:2RZYpvep0
581 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 20:10:41.28 ID:IU8TQFJE0
 ガチャッ

ミスティ「どんなことが書かれてたか聞いても良い?」スタスタ

イリス「あ、うん! 師匠、包帯取れたんだって!」

妖精「ああ、なんか凄いぐるぐる巻きだったねそういえば……。他には……うわっ、何これ? 魔法の術式?」

ミスティ「妖精、人の手紙を勝手に読んだりしちゃだめよ……」

イリス「あはは。別に良いよ、減るもんでもないし。私が考案した術式についてフラナ師匠に添削してもらったの」

ミスティ「そ、そういう使い方もあるのね……手紙って……」

イリス「個人的にはかなり良い感じだと思ってたんだけどなあ。まだまだ無駄が多かったみたい……てへへ」

妖精「へえ、確かに添削後の方はかなり洗練されてるね。流石は吸血鬼の魔法使い」

イリス「あ、それと風雪のルフさんがダークヒーローイリスの連載にちょっと行き詰まってるらしくて、何かネタが欲しいそうなんだけど……何か良い案ある……?」

ミスティ「いや、知らないわよそんなの……。ルフが勝手に始めた物語でしょうが……」

妖精「勝手に人の名前を使っておいて行き詰まったら本人に泣きつくとか凄い面の皮だなあ……」

クロシュ「……!」ピコン

イリス「お、クロシュちゃん何か思いついた?」

クロシュ「うん……。えと……ダークヒーローイリスが……建国の妖精さんと一緒に、緑の国のみんなを苦しめる悪い人たちをこらしめるお話、とか……」

妖精&イリス&ミスティ「!!」

イリス「それだ!! この際だから風雪新聞にも協力してもらおう!!」

妖精「冴えてるじゃんクロシュ!!」

ミスティ「今こそ偏向新聞の使い所だわ!! 早速返事を書きましょう!!」

イリス「よおし、じゃあ緑の国の現況も添えて――」

 ☆ダークヒーローイリス 緑の国の悪代官成敗編のプロット案を送りました

 ◆
582 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 20:21:04.34 ID:IU8TQFJE0
―緑の国フォレスティナ 滞在5日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・おうちの木を助ける(木の生命力[3/40])
・木の病気の原因を突き止める
・選挙で勝つ

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………

―朝
 郊外 弱った木のおうち

 チュンチュン

 弱った木のおうち「」カサッ…

森妖精の子「うぅ……ミスティさん……まだ……?」グスグス


 ドドドドド…


森妖精の子「ふえっ!? な、なに……?」


ドワーフ開拓団「エッホエッホ」ドドドドド


森妖精「ど、ドワーフさん……? おおぜいで……どこに、むかってるの……?」

 *

フォレスティナ滞在5日目です(投票日までの残り行動可能日数4、おうちの木の残り生命力3)
↓1〜3 自由安価 何をする?
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:21:36.98 ID:2RZYpvep0
紫髪ちゃんを食事に誘ってみる
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:22:54.28 ID:NgwCUP0RO
公共温泉に行ったらティセリアと遭遇
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:24:18.66 ID:ghhXgEBH0
森妖精がドワーフ開拓団についてクロシュたちに伝えて調査することに
586 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 22:49:29.75 ID:IU8TQFJE0
―滞在5日目 朝
 露店通り

妖精「風が哭き、大地はひび割れ、枯れ落ちる木々――。今この国を襲う諸問題を放置すれば、終末への刻は限りなく加速していく。私は、それを止めたいだけ――」キラキラ

 ワーワー!! タイボサマ-!!

妖精「苦しみからは逃れられないけれど、それを最小限に抑えることはできる――。どうか――あなたの賢明な一票を――」カリスマァ

 ワーワーワー!! ヨウセイサンカワイイ

 *

クロシュの懐でぐったりしている妖精「」

クロシュ「えと……お疲れさま……妖精さん……」

ミスティ「本当にお疲れ様、妖精……。まだ朝ご飯前なのに、ありがとう……」

イリス「この国の朝は早いよねえ。もうこんなに賑わってるんだもの」

妖精「本当に疲れたよ……。何か美味しいものを食べたい……」

ローガン「ここは妖精殿を労い、朝食を頂きにいこうか」

ミスティ「そうね……ん?」


紫髪のエルフ幼女「……」

ミスティ「あ……」

イリス「わ、わあ……。おはようございます、奇遇ですね……!」

紫髪のエルフ幼女「奇遇ではありません。見ていましたから。妖精の演説を」

妖精「げっ……」

紫髪のエルフ幼女「……普段とは全く違うのですね。態度も、言動も」

妖精「そりゃまあ……人の上に立つんならのはそれなりの威厳が必要でしょ」

紫髪のエルフ幼女「ご尤もですが……あなたのそれは少々芝居がかりすぎでは」

妖精「う、うるさいなあ。首長をやってた頃のことなんて忘れてんだから仕方ないじゃん」

紫髪のエルフ幼女「…………初代首長にして、建国の太母……ですか」

妖精「そうだよ。初代首長がこの国の未来を憂いて悪い?」

紫髪のエルフ幼女「悪いなどとは言っていません。しかし国を憂う気持ちなら、長年この国を放ったらかしにしていたあなたよりもティセリアの方が万倍上です」

妖精「ぐぎぎ……。憂う気持ちだけじゃ国は治められないもん……!」

紫髪のエルフ幼女「あなたのような過去の者が今のこの国を治められるとは――」

イリス「は、はいはいそこまで!!」バッ

妖精「むうぅ……」

紫髪のエルフ幼女「ふん……」

ミスティ「……ねえ。一つ良い?」

紫髪のエルフ幼女「何ですか」

ミスティ「もし朝ご飯がまだなら……一緒にどうかしら」

紫髪のエルフ幼女「え」

妖精「ええ!?」

 ◆
587 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/18(日) 22:49:59.66 ID:IU8TQFJE0
―食事処 どんぐり食堂

 ワイワイ キャッキャ

イリス「わあ、ここも風情があって良いねえ」

紫髪のエルフ幼女「自然と調和した街作りこそ、伝統派の最も得意とするものですから」

妖精「ずっと伝統派一強らしいじゃん。せっかく投票制にしたのに、これじゃ独裁と変わんない。不健全だよ」

紫髪のエルフ幼女「千年もずっと独裁し続けた人が言うと説得力がありますね」

妖精「私は建国者だからいいの!」

クロシュ「」オロオロ

ミスティ「ああもう……」

ローガン「ううむ……とりあえず食事を頼むとするか……。お品書きは……」

食堂妖精「あ、お客さんたち初めて? ここはお客さんに選んでもらった食材をうちのシェフが独断で調理する仕組みになってるんだよ!」

イリス「な、なんか凄く聞き覚えのあるシステムのような……」

ミスティ「お米とお米にしないように気を付けましょう……」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
1.畑の肉
2.マンドラ大根
3.食べられる野草
4.ニワトリの卵
5.サワガニ
6.ザリガニ
7.パン
8.ウルティ米
9.淡水海竜の大トロ
10.森林木苺
11.どんぐり
12.ヤマイモ
13.マジカルトリュフ
14.森ニンジン
15.ゴボウの根っこ
16.精霊樹の実
17.アルラウネオイル
18.スライムゼラチン
19.エルフミルク
20.フェアリーシロップ
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 22:52:16.55 ID:ghhXgEBH0
16 19
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 22:55:19.45 ID:Pj+er7pDO
10 20
590 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/19(月) 00:01:20.96 ID:98tnZsAX0
イリス「……この、エルフミルクって……」

紫髪のエルフ幼女「……よく勘違いされる方がいますが、エルフが分泌したミルクのことではありませんよ。それはこの国のエルフと精霊が協力して育てた牛の出す高級ミルクの銘柄です」

イリス「わ、わあ〜そうなんだぁ〜。じゃあエルフミルクを一つ……!」

ミスティ「何を想像していたのよ、イリス……。そういえばこの国に来てから時々耳にする、このフェアリーシロップというのはどういうものなの?」

妖精「あー、それは……」

紫髪のエルフ幼女「企業秘密です。この国で最も人気のある特産品の一つなので、是非ご賞味ください」

ミスティ「そ、そう……。じゃあとりあえず、フェアリーシロップも一つ」

イリス「他のみんなは?」

ローガン「私は食せるものならなんでも好きだ。気にせず選ぶと良い」

紫髪のエルフ幼女「私もここの国民なので、この国のものならなんでも好きです。なので気にせずお選びください、旅人の妖精様」

妖精「はいはい、じゃあ私は精霊樹の実で」

クロシュ「……」

妖精「クロシュも遠慮しないで、選びな」

クロシュ「あ、えと……じゃあ……木苺……」

紫髪のエルフ幼女「森林木苺を選ぶとは、素晴らしい慧眼です。野生で育っているものも良いですが、ここで出されるものはアルラウネ農家が丁寧に育てた至高の一品。是非味わってください」

クロシュ「うん……」

食堂妖精「ご注文は、森林木苺と、精霊樹の実と、エルフミルクと、フェアリーシロップでよろしいですね!? それではお待ちください!」ピューッ


妖精「……それにしても……ふふ。あなた、本当にこの国が好きなんだね」

紫髪のエルフ幼女「当然です。あなたよりもずっとね」

 *
591 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/19(月) 00:01:46.20 ID:98tnZsAX0

食堂妖精「はい、お待ちどうさま!」

 木苺と精霊樹のフェアリーエルフアイスシェイク「」ポンッ

イリス「わぁ〜!」

ミスティ「素敵……!」

ローガン「ほう……!」

妖精「こ、これは……!」

紫髪のエルフ幼女「ふふふ……素晴らしいです。我が国の食材も、それを活かす優秀な料理人も。全てが、素晴らしい……!!」

クロシュ「いただきます……」モニョモニョ

 *

イリス「あま〜い!!」

ミスティ「こ、これ氷魔法で再現できないかしら……」

妖精「美味しい……。悔しいけど、これは凄い……」

ローガン(……。我が妻と、子に……これを食べさせてやれれば……)

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

紫髪のエルフ幼女「……食材とシェフの腕も至高のものですが、あなた方の選び方が見事だったというのもあります。それは認めましょう」



妖精「……食事中にこんな話して悪いんだけどさ。本当のところ、ティセリアはどう考えてるの?」

紫髪のエルフ幼女「……そのスライムの子から聞いていないのですか?」

妖精「や、聞いてる。本心では苦しんでるって……。でも、そこはあなたから直接聞かないと筋が通らないと思って」

紫髪のエルフ幼女「……律儀ですね。まあ昨日私が口を滑らせた通り、ティセリアは……伝統と革新、抵抗と降伏の板挟みになって苦しんでいます」

妖精「……まあ、そりゃそうか。いくら為政者の仮面をかぶったところで、あの子の本質が変わるわけもないし」

紫髪のエルフ幼女「……あなたは……ティセリアの、何なのですか」

妖精「別に何でもないよ。ただ、幼い頃のあいつを知ってるってだけ」

紫髪のエルフ幼女「……」

妖精「ティセリアに言ってやってよ。自分の心を偽り続ければ――顔に張り付いて取れなくなった仮面ごと、何もかもが壊れちゃうよ――って」

紫髪のエルフ幼女「……あなたに言われるまでもありません」

妖精「そう。なら良いけど」

 ☆紫髪のエルフ幼女に意思を伝えました
  ティセリアにも影響があります

 ◆
592 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/19(月) 00:04:48.96 ID:98tnZsAX0
というわけで本日はここまでです。なかなか進まず申し訳ありません
次回は首長と裸の付き合い編とドワーフ開拓団とお話編からです

フェアリーシロップの正体については様々な噂がありますが、真相は闇に包まれています。緑の国が誇る人気の特産品なので、その製法は簡単には明かせないようです
そして今回の食材選びが功を奏し、紫髪のエルフ幼女さんに無事意思を伝えることができました。彼女もまた緑の国を愛する者の一人なので、地産地消はとても良かったと思います

それでは本日もありがとうございました。次回はまた土日になるかと思います。よろしくお願いいたします
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 00:09:31.14 ID:aScWTVFko

選挙の戦略や木の生命力問題も安価で行動しなきゃ不味いやつかね
勝手に話が進むわけじゃなく
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 00:17:04.76 ID:vnXXDQuA0
乙です
森妖精の子悲しませたくないから弱った木のおうち救いたいけど良い安価が思いつかない
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/19(月) 13:24:28.96 ID:G25TtgkqO

ミスティの故郷の襲撃者、セイン、アリシラ?に並ぶ闇に包まれた存在フェアリーシロップ…
弱った木のおうちはなんとかしたいけど、ドワーフ開拓団の調査がどうなるか
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 12:14:05.96 ID:kkJhqJZQO
フラナ氏今魔族自治区長なのかな
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 16:07:23.39 ID:CpWyy8L7o
自力で回復できるまで木の寿命を持たせる必要もあるし
復権派が勝利したらどう王国と立ち向かうかも考えないとな
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/21(水) 21:38:22.82 ID:D5lt5kPd0
これクロシュ達率いる復権派を妨害する為に勇者セインが自ら邪魔したり、刺客を送り込むような展開とかあるのかな?
599 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 19:44:37.94 ID:ZWqedsq80
安価で行動しなくともなるようにはなりますが、より良い結果を目指すのであれば安価で何らかの行動をさせてあげたほうが良いかもしれません

木のおうちについてはドワーフ開拓団を追っていただければ何か手がかりが掴めるかもしれません

フェアリーシロップは濃ゆい魔力と糖分とその他諸々を多分に含んだとても甘くて美味しい液体です。マナポーション代わりに魔力回復薬として使うこともできますが、糖分のとりすぎには注意が必要です

フラナ氏は現在新生魔族国の暫定的な指導者を務めています。しかし本人はあくまで暫定的なものと考えており、ゆくゆくは正当な指導者を選任するつもりでいるようです

これはネタバレなのですが、対王国については成り行きに任せてもなんとかなるかもしれません。もちろんしっかり対策を取っておけばより良い結果に繋がる可能性は高まります

前回の接触では特に復権派に対して敵対的な行動を取ってきたりはしなかったので、セインくん自身が何かをしてくる可能性は低いと思われます。セインくん以外が何かをしてくる可能性はあるかもしれません
600 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 19:45:10.11 ID:ZWqedsq80
―緑の国 公共温泉

 カポーン…

妖精「あ〜……生き返るぅ……」グデッ

スライムクロシュ「〜〜」デロデロ

イリス「あはは、妖精さんまで溶けちゃいそう」

ミスティ「やっぱり溶けたくなるものなのよ……」

イリス「そ、そうなのかな? でもこの様子なら来て良かったねえ、温泉」

ミスティ「妖精が露骨に疲れたオーラを出していたものね……。まあ、午前中はこれで終わりにしましょう……」

イリス「そうだねえ……」


 ガラッ

ティセリア「ふぅ……」

ミスティ「あっ」

ティセリア「……あ」

イリス「てぃ、ティセリアさん!?」ザバッ

妖精「あんだって……?」

 *
601 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 19:45:42.57 ID:ZWqedsq80
ティセリア「……おはようございます、復権派の皆さん」チャプン

ミスティ「え、ええ。おはようございます、ティセリア首長」

イリス「お、おはようございます」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「おはよ〜……あなたも朝風呂……?」

ティセリア「ええ、まあ……。たまに、利用するのです……」

イリス「そうなんですね……」

妖精「……さっき、あなたの秘書?の紫髪の子と朝ご飯食べてきたよ」

ティセリア「……はい、聞き及んでおります。朝食を共にしたと……」

ミスティ「ええ……。でもあれ、朝ご飯って言って良いのかしら……」

イリス「どちらかと言うとデザートだよね、木苺と精霊樹のフェアリーエルフアイスシェイク」

ティセリア「……ふふ。今の緑の国を満喫されているようで、何よりです」

妖精「観光に来たわけじゃないんだけどなあ」

ティセリア「……この国を是正しに来た、のですよね」

妖精「いや……実は当初はそういうつもりでもなかったりして……」

ティセリア「……ええ!? 首長選挙以上に重要な目標があるってことですか!?」

妖精「そ、そういう言い方はちょっと語弊がある。どっちもとても重要な目標なんだよ、優先順位は付けられない」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ

妖精「そう。私たちは……この、クロシュの友達を捜しに来たんだ」

ティセリア「あ……。あの、ビラの……」

スライムクロシュ「〜」コク

妖精「フメイさえ見つかれば、私もこの国に干渉するつもりなんてなかった。もう首長なんて面倒なことやりたくなかったし。でも――」

ティセリア「……見過ごせないものを見つけてしまった、ということ……ですね……」

妖精「そういうこと。きっかけはそこのミスティが気まぐれに受けた冒険者ギルドの依頼だったんだけどね。木の家が弱ってるから助けて欲しいっていう」

ミスティ「……まあ、気まぐれと言えば気まぐれだけど……。でも、私にとってはあれも見過ごせないものだったわ……」

ティセリア「……そう、だったのですか……」

妖精「……ティセリア。やり方を変えてくれる気はないの?」

ティセリア「……」


↓1コンマ 紫髪のエルフ幼女との交流により補正+30
01-05 止まれません
06-50 もう少し考えさせてください
51-95 今夜革新派と話し合う予定です
96-00 ナシつけました
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 19:52:23.85 ID:7QtoTavK0
ナシつけました
603 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:08:22.85 ID:ZWqedsq80
ティセリア「……その件についてですが、つい先程革新派の長と話を付けて来たところです」

妖精「へっ!?」

 ◆

―少し前
 首長官邸

ティセリア「そうですか……。妖精が、そのようなことを……」

紫髪のエルフ幼女「はい。あのような老害の言葉を聞くのは癪ですが……どうか、ご決断ください。あなたが本当にしたいこと、すべきことを成すために――」

ティセリア「……」

ティセリア「サリー、来客準備を。マーベルの坊やと緊急会談します」

紫髪のエルフ幼女「……! はい……!」

 *
604 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:08:50.16 ID:ZWqedsq80
マーベル「急な呼び出しはやめてくださいよ。頼み事があるならそっちから来るのが筋でしょ?」スタスタ

セイン「……」スタスタ

ティセリア「……マーベル」

マーベル「しかもこれまたけったいな格好ですねえ。一体全体どうしたって言うんです?」

紫髪のエルフ幼女「言葉を慎みなさい……」

マーベル「はいはい。それで何の用なんです? 俺、忙しいんですけど」

ティセリア「……森林開発計画についてお話があります」

マーベル「またその話か。もう決まったことに後からグダグダ言わないでくださいよ」

ティセリア「いいえ。木々や住民への被害が深刻なものとなっています。開発の一時停止を命じます」

マーベル「はあ!? 開発に関して口を出さない取り決めだろ!」

ティセリア「不正な契約に効力はありません。法廷で争いますか?」

マーベル「お前ら伝統派の不正も明るみに出るぞ……!」

ティセリア「承知の上です。元より、私が大切にしているのは伝統派ではなく民と木々そのもの。痛くも痒くもありません」

マーベル「ふざけやがって、愛国ババアが……!!」

紫髪のエルフ幼女「言葉を慎めと言った……!」シャキンッ

セイン「――」シャッ

ティセリア「納めなさい、サリー」

マーベル「チッ……セイン、お前も納めろ」

紫髪のエルフ幼女「……」スッ

セイン「……」スッ

ティセリア「……被害の現状把握と原因究明、被害者救済は我々が行います。革新派は開発の一時停止および開拓団への説明と謝罪を――」

マーベル「……はいはい、わかりましたよ」

ティセリア「……素直ですね」

マーベル「伝統派と心中する気はないんでね。被害が悪いってんなら被害がなくなりゃ再開しても良いってことだろ?」

ティセリア「はい」

マーベル「だったら原因究明には俺たち革新派も一枚噛ませてもらう」

ティセリア「……! もちろん構いませんが……良いのですか?」

マーベル「お前ら老害だけに任せてたら何年かかるかわかんねえだろうが……。一刻も早く再開させたいだけだっての」

ティセリア「……いえ、ありがとう。是非よろしくお願いします」

マーベル「ところで、選挙の件は別だよな? 開発は俺たち革新派の事業でしかないが、選挙は王国が絡んでんだ。しくじったら国が滅ぶ」

ティセリア「……」


↓1コンマ
01-90 民と木々の為です。王国はどうにもなりません
91-00 秘策があります。正々堂々戦いましょう
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 21:10:28.39 ID:asip2/r/O
606 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:49:57.88 ID:ZWqedsq80
ティセリア「……はい。王国はどうにもなりませんから」

マーベル「へっ、流石にそこまで耄碌したわけじゃねえか。開発は後でもできるが国は滅んだら終いだからな」

ティセリア「……」

 ◆

―現在
 公共温泉

ティセリア「……というわけで、間もなく開発の方は一旦停止します」

ミスティ「……!!」

スライムクロシュ「!!」モニョニョ

イリス「そ、それなら木のおうちも……!」

ティセリア「開発が止まるだけでは、恐らく木々を苦しめる毒気がすぐに消え去ることはないと考えられます……」

ミスティ「……まだ、安心はできないということね」

ティセリア「少しでも状況が良くなれば良いのですが……楽観視は危険でしょうね」

妖精「……ティセリア」

ティセリア「? 何でしょうか」

妖精「……ありがとう」

ティセリア「……! 首長として……いいえ、森に生きる者として当然の責務を果たしただけです」

 ☆森林開発が一時停止したことにより、木のおうちの生命力減少も停止しました
  毒気はまだ残留しているため、生命力は自然回復しません

 ◆
607 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 21:50:53.98 ID:ZWqedsq80
―午後
 郊外 森妖精の子のおうち

 弱った木のおうち「」カサッ…

森妖精の子「えっ……? それじゃあ……これから、よくなるの……?」

ミスティ「……そうとは言い切れないみたい。でも、これ以上悪化することはないと思うわ……」

森妖精の子「……木さん、たすかる……?」

妖精「あなたが毎日しっかりお世話してあげれば、しばらくは大丈夫だと思う。でも現時点でとても弱ってるから、油断はできないよ」

森妖精の子「うん……おせわ、する……」

ミスティ「ええ、そうしてあげて……。私たちもこれから原因の調査に向かおうと思っているのだけれど……」

森妖精の子「……あ。そういえば……あさ、ドワーフさんたちが、えっほえっほ言いながら歩いてったの……。かんけい、あるかな……?」

ミスティ「ドワーフ……?」

ローガン「開拓と開発はドワーフの十八番だ。革新派に委託されて来た業者かもしれん」

イリス「現場に行ってみようよ……!」

 ◇

―郊外 森林開発現場

ドワーフの現場監督「一時停止だと? 応援が今朝到着してこれからって時にか」

マーベル「本当に申し訳ない。森への影響や被害が無視できない水準に達しましてね……」

ドワーフの現場監督「あんたの計画じゃ影響はほとんど出ないって話だったが」

マーベル「想定外に出すぎてしまったようです」

ドワーフの現場監督「……俺たちはどうなる。手ぶらで国に帰れってか」



イリス「な、なんか揉めてる?」

クロシュ「……! あの人……!」

ミスティ「……革新派のリーダー、マーベルね」

ローガン「急な計画の停止でゴタついているようだな……」

妖精「はあ。国の事業に他所の国の開拓団なんか招くからこんなことになるんだよ」


↓1 どうする?
1.その辺のドワーフ作業員に話を聞く
2.マーベルと現場監督の話に加わる
3.その他自由安価
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 21:51:35.43 ID:e4VghjoiO
2
609 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 22:41:05.16 ID:ZWqedsq80
妖精「失礼」パタパタ

ミスティ「ちょっといいかしら……」

マーベル「んん? あなたは方は……!」

ドワーフの現場監督「誰だ?」

妖精「新参の復権派だよ。地域住民の被害報告を受けて調査に来たの」

ドワーフの現場監督「……被害は深刻なのか?」

ミスティ「……ええ。一部の住民の住居……木の家が、死に瀕するほどには」

ドワーフの現場監督「……いつからだ」

ミスティ「話によると、約一ヶ月前から影響が出始めたみたい……」

ドワーフの現場監督「……お前は知っていたのか?」

マーベル「いえ、私もつい先日報告を受けたばかりなのです」

ドワーフの現場監督「……」

ドワーフの現場監督「……俺たちは開拓と開発が大好きだが、それで誰かを苦しめたいわけじゃない。それを知っていれば……お前にわざわざ言われずとも、こちらの判断で開発は一時停止していただろう」

マーベル「……」

ドワーフの現場監督「……再開の目処が立ったらまた呼べ」

マーベル「これまでの賃金と旅費、違約金は滞りなくお支払い致します」

ドワーフの現場監督「……未完の仕事で悪いが、ありがたくいただこう。こちらも生活がかかっている」

 ◆

撤収作業中のドワーフ開拓団「エッホエッホ」ガタンゴトン


マーベル「……ふう。見苦しいところをお見せしてしまいましたね。復権派の皆さん」

妖精「あなたの見苦しいところを見に来たわけではないんだけどね」

マーベル「こりゃ手厳しいなあ。そういえば昨日もウチに来たそうですけど、何の用だったんですか?」

ミスティ「……あなたへの用はもう済んだわ……」

マーベル「……なるほど。ティセリアおばさんをたぶらかしたのもあなた方ですか」

妖精「ティセリア自身が自分で考えて行動しただけだよ」

マーベル「はあ、まあそういうことにしておいて差し上げますよ。全く、とんだおばあちゃんが出張って来たもんだ」

妖精「ああ!? 今なんつった!!?」パタパタパタ

マーベル「貫禄もクソもないし……。なんなんだよあんたは……」

 ◆
610 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 22:57:35.10 ID:ZWqedsq80
―緑の国フォレスティナ 滞在6日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・おうちの木を助ける(木の生命力[3/40]、減少停止中)
・木の病気の原因を突き止める(開発が関係しているっぽい?)
・選挙で勝つ

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………

―朝
 郊外 森妖精の子のおうち

 チュンチュン

森妖精の子「〜〜」ブツブツ

 弱った木のおうち「」キラキラ…

森妖精の子「はあ、はあ……。木さん……しなないで……」

ミスティ「……今のは……癒やしの魔法……?」

森妖精の子「うん……。木さんをげんきにする、おまじない……。きのうより……ちょっとだけ、きいてるきがする……」


ミスティ(……私にも、癒やしの魔法が使えたら……)

ミスティ(いえ……ないものねだりをしても仕方ないわ。今は、この木を侵している病気を取り除くことを考えるのよ……。開発の停止と同時に病気の進行も止まったということは、開発が関係しているのは明らか……。開発の何が原因だったのか……それさえ突き止められれば……)


森妖精の子「えへへ……ミスティさんたちの、おかげなんだよね……。ありがと……」


ミスティ(この笑顔を……絶対に失わせないわ……)グッ


フォレスティナ滞在6日目です(投票日までの残り行動可能日数3)
↓1〜3 自由安価 何をする?
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 22:59:03.98 ID:4B/CXLPZo
精霊の泉でセインとばったりはち合わせする
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:00:03.53 ID:fPV8+qao0
フラナに植物に効く薬がないか連絡してみる
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:01:49.16 ID:NWp+Cpvu0
森林開発現場に行って気になる事がないか調べてみる
614 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/23(金) 23:13:16.73 ID:ZWqedsq80
本日はここまでとなります。ただでさえ遅い筆がさらに遅くなっている気がします。申し訳ありません
次回は泉のセインくん編、薬師フラナの応援編、森林開発現場調査編です

自分で書いていて思うのですが、この程度のなんちゃって政治要素でさえかなり難航している模様です。ここ最近特に進行が遅くて申し訳ないですが、長い目で見ていただけると幸いです
ドワーフは地上だろうと地底だろうと整備開発を行うのが大好きな種族です。大陸の北の方にはとても長くて高い山脈が連なっており、そこの地下にはいにしえのドワーフ文明が築き上げた地底帝国の巨大遺跡が眠っています。今回来たドワーフ開拓団はその辺りの出身らしく、もしかしたら地底帝国の末裔かもしれません。なお山越えの難易度は登山ルートも地底ルートも同じくらい危険が危ないそうです。赤ちゃんスライムのクロシュちゃんは近づかないようにしましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いします
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 01:01:08.99 ID:SasbHdWYo

政治って難しいね……
妖精おばあちゃんが可愛すぎる
最悪でも王国の手先とドンパチはなさそうで良かった、より良い形に着陸することを祈るのみ
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 02:28:07.23 ID:55d9Todfo

クロシュたちでは行けない入国難易度高いところが結構ありそうね世界には
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 15:47:37.17 ID:yppByRpeO
対王国は勇者と正面で戦える人材を用意すればいいのでしょう
618 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 18:56:26.52 ID:SIF3YeF40
妖精おばあちゃんは今でこそこんな感じですが、首長をやっていた頃はもう少し威厳とか貫禄があったのかもしれません。今はすっかり失われています

王国の手先とのバトルが今後あるかどうかはわかりませんが、安価次第で良い結末へ向かうことは可能です。是非目指してみてください

常闇の樹海などもそうですが、行き来の難しい危険地帯はけっこうあります。そういう場所に行く場合には専門のガイドを雇うか、頑張ってサバイバル技術や戦闘力を磨くのが良いでしょう

勇者と真正面から戦える人材を用意できれば戦いになりますが、今のところ勇者と真っ向から争える戦闘力を有するのは魔王化した者くらいしかいないようです……
619 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 18:56:59.30 ID:SIF3YeF40
―朝
 精霊の泉

 チュンチュン

クロシュ「えと……木さんたちが病気になってること……知ってる……?」

水の精霊『……』コクリ

クロシュ「その……原因は……?」

水の精霊『……』フルフル

クロシュ「そうなんだ……。ありがと……」

水の精霊『……』コクリ

妖精「やっぱり原因まではわかんないか……。まあ、わかってたら精霊たちがなんとかしてるだろうしね」

水の精霊『……』ショボン

妖精「ああ、ごめん。責めてるわけじゃ――」


セイン「精霊と話せるのか」スタスタ

クロシュ「!」ピクッ

水の精霊『?』

妖精「……あなたは……セイン、だっけ」

セイン「ああ。スライムが精霊を認識できるのは知らなかった」

妖精「クロシュは珍しいスライムだからね。普通のスライムとはちょっと違うんだよ」

セイン「そうなのか」

クロシュ「……えと……セイン、さんも……見えるの……?」

セイン「ああ」

妖精「あなた、本当に人間?」

セイン「さあ」

妖精「まあなんでもいいけどさ。あなた革新派の護衛でしょ? こんなとこに何しに来たの?」

セイン「外出許可は得ている。少し水を汲みに来た」スッ

 空き瓶「」

妖精「……何に使うの? 確かにここの水は良識の範囲内で観光客も汲んでいって良いことになってるけど」

セイン「……」


↓1
01-60 教えてくれない
61-90 少し教えてくれる
91-00 ??
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 18:57:59.20 ID:UCIARSvRO
621 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 19:27:07.10 ID:SIF3YeF40
セイン「……答える義務はない」

妖精「いや、答えたくないなら別に良いけどさ……。精霊の祝福を受けた水、大事に使ってよね」

セイン「ああ」

クロシュ「……」

セイン「……見つかると良いな。友達」

クロシュ「!」

セイン「では失礼する」スタスタ


クロシュ「あ……えと……あ、ありがと……!」

妖精「……やっぱり、悪い奴じゃないのかも。よくわかんないけど」

 ◆
622 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 19:27:51.00 ID:SIF3YeF40
―大樹の宿 ロビー

宿のアルラウネ「イリスさん、郵便が届いてるよ」

イリス「ありがとうございます!」

ミスティ「もう返事が来たの?」

イリス「や、実はいつもの手紙のやり取りとは別に植物に効く薬がないかっていう速達便もこの前送ったから、多分それの返事だと思う!」

ローガン「……そういえばフラナ氏は薬屋でもあったな。魔法使いや革命軍の指導者としての姿の方が印象に残ってしまっているが」

イリス「師匠の反魂丹には本当に助けられたもんね……。重さと厚みからして何か入ってるみたいだし、早速開けてみるよ……!」


↓1
01-35 樹木用活力剤(木の生命力+1)
36-65 疑似世界樹の葉(木の生命力+2)
66-95 疑似世界樹の雫(木の生命力+4)
96-00 植物用反魂丹(木の生命力全回復)
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 19:28:34.23 ID:4GY18fvp0
いけ
624 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 20:45:52.50 ID:SIF3YeF40
 樹木用活力剤「」ポン

手紙『ごめんなさい、植物の薬は専門外だからこんなものしか用意できなかったわ。効能も一時的なものだから、やはり木を弱らせている原因を取り除くのが最善よ』

手紙『あなたたちの活躍は風の便りで聞いています。私たち魔族の大人はもちろん、聖女や子供たちもあなたたちを応援しているわ』

手紙『選挙活動も森林保護活動も大変だと思うけれど、体に気を付けて頑張りなさいね』



イリス「師匠……!! 専門外にも関わらず薬を作ってくれたんですね……!」ウルウル

ミスティ「……初めて会った時は剣呑な人だと思ったけれど、今はもう全然人の良い吸血鬼にしか見えないわね……」

ローガン「あの時はまだ王国の支配下にあった上、革命を間近に控えて気が張っていたのだろう。こちらが本来の彼女なのかもしれんな」

 ◇

―郊外 森妖精の子のおうち

 樹木用活力剤「」トプトプ

 弱った木のおうち「」ググ…

森妖精の子「……! まだ、声はきこえないけど……すこし、いいみたい……!」

イリス「本当!? よおし!」

ミスティ「やったわね……!」

イリス「うん……! でもこれは一時的なものだから、原因を取り除かないとね……!」

ローガン「うむ。クロシュくんたちと合流したら森林開発現場に向かおう」

ミスティ「ええ……!」

 ☆おうちの木の生命力が1回復しました
  現在の生命力は[4/40]です

 ◆
625 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 20:47:30.52 ID:SIF3YeF40
―郊外
 森林開発現場

 建築中の鉄筋造りの建造物群「」

ティセリア「ここの地質はどうですか?」

地質専門アルラウネ「う〜ん……ここも異常なしね」

ティセリア「むう、一体どこから木を痛めつける毒気が流れているのでしょう……」

マーベル「一応言っておくが、建材に毒性のあるものは使ってないからな。これほどの被害は想定外ってのは本当なんだぜ」

ティセリア「わかっていますよ。責は承認した私にあります。原因の究明を急ぎましょう」



妖精「お〜い」パタパタ

ティセリア「あなた方は……復権派の皆さん」

ミスティ「私たちも手伝うわ……」

マーベル「なんだ? 新参の余所者が調査の邪魔をしないでもらえるか?」

紫髪のエルフ幼女「革新派のあなたが余所者を排斥するのですか? まるで伝統派の老害のようですよ」

マーベル「なんだと……」

妖精「老害ってのは実は年齢じゃなくて精神性のことなんだよねえ……」ニヤニヤ

マーベル「このババア……!」

ティセリア「こら、喧嘩はやめなさい! 今は協力して調査を行うのが先決でしょう!」

紫髪のエルフ幼女「すみません」

マーベル「チッ……わかってるっての」

妖精「はいはい、もちろんそのつもりだよ」

クロシュ「う、うん……!」


イリス「なんだかティセリアさんってみんなのお母さんみたい。妖精さんまで素直になってるし」

ローガン「フフ、釣られてクロシュくんまで返事をしているな」

ミスティ「みんな私たち人間よりも遥かに歳上なのよね……。なんだか不思議な気分になるわ……」


↓1コンマ 本日の調査結果
01-60 毒気は地下の深いところから出てきているらしい……?
61-90 地下深くに何かある?
91-00 ??
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 20:49:06.92 ID:Dm4W3pW+0
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 21:27:48.25 ID:SasbHdWYo
お?!
628 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 21:43:26.51 ID:SIF3YeF40
地質専門アルラウネ「……ん!? この直下……なんだかすっごく嫌な感じがする……!」

ティセリア「! マーベル、サリー!」

マーベル「金属反応はねえが……なんだ、こりゃ……」ジリ…

紫髪のエルフ幼女「地下深くに、何か……ひっ……!? なに……これ……!?」ガタガタ

ティセリア「サリー!?」


ローガン「私も鋼魔法で地下を探知してみたが……確かに何かある……。だが、これは一体……」

イリス「……これは……封印? でも解けかけてて……封印されている何かが……漏れ出てるの……?」

ミスティ「……氷よりも……永久凍土よりも冷たい……これは……」

クロシュ「――」

妖精「……」



妖精「――ねえ。みんな疲弊しているみたいだし、今日の調査はここまでにしようよ」

ティセリア「妖精……?」

妖精「藪を突いて蛇を出すこともないでしょ」

ティセリア「何か、知っているのなら――」

妖精「さあ。私は何も知らないけど、みんなの反応を見れば厄モノがあることくらいわかるよ。何の準備もなしに掘り起こすのは危ないでしょ」

ティセリア「そ、それはそうですが……」

妖精「何かするなら選挙が終わってからにしな。幸い開発の一時停止で毒気の漏出も多少収まったみたいだし、木々も保つでしょ」

ティセリア「……そう、ですね……」

妖精「そうと決まれば撤収撤収!」

 ◆
629 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 22:10:22.89 ID:SIF3YeF40
―夜
 大樹の宿 客室

イリス「……」zzz

ミスティ「……」zzz

スライムクロシュ「……」


妖精「……」スッ


スライムクロシュ「…」モニョ

妖精「……起きてたの、クロシュ」

クロシュ「妖精さん……どこ、行くの……?」デロ

妖精「どこって……ちょっと夜の散歩だよ」

クロシュ「……」

妖精「すぐ戻るから。心配しないで」

クロシュ「……やだ」

妖精「なあに、片時も私と離れたくないの? 全くもう、かわいい赤ちゃんスライムなんだから……」

クロシュ「……」

妖精「……」

クロシュ「……」

妖精「……クロシュは……もう、大丈夫だよね」

クロシュ「えっ……?」

妖精「イリスと、ミスティと、ローガンがいて……魔族国のみんなも、きっといつでもクロシュを待ってくれてる。フメイもきっと、いつでもクロシュのことを案じてる」

クロシュ「……??」

妖精「……フメイを連れ戻せたら……平和なところで、幸せに暮らすんだよ。生きるのは苦しいことばかりだけど……クロシュならきっと、大丈夫だから」

クロシュ「……???」

妖精「――それじゃ、さよなら」

クロシュ「え――」

妖精「あなたに――あなたたちに、精霊の加護がありますよう――」フワッ

 ビュオッ

クロシュ「ふわっ……!」

 窓「」ガラン
 カーテン「」バタバタ

クロシュ「あっ……! よ、妖精さん……!!」

 ◆
630 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/24(土) 22:14:55.22 ID:SIF3YeF40
本日はここまでとさせていただきます

地下に眠っていたもの、それは一体何だったのか。妖精は何を知っているのか。夜分遅くに一人でどこへ向かったのか。赤ちゃんスライムのクロシュに何ができるのか――
次回「恩讐のフォレスティナ」編。お楽しみに

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願い致します
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 22:42:04.25 ID:4lj+pIIkO

高コンマイベントで妖精に不穏なフラグが・・・?
フラナ氏の店薬以外も怪しいアイテム売ってそう
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 22:50:35.00 ID:SasbHdWYo

あーヤバい!これ妖精さん離脱フラグに見えてしまう!
こんな時にあれだけど描写的に妖精さん何の属性かと言われたら多分、風だよね
633 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:07:44.49 ID:D8JY08mz0
原因特定が迅速に進んだという意味での高コンマだったのですが、確かにこれではせっかく高コンマを引いたのにバッドイベントが起きたように見えるので、次の判定に良い感じの補正をかけるなどの好影響を出したいと思います。紛らわしくて申し訳ありません

フラナ氏は薬師もできる魔法使いなので、彼女の店は魔法に関するいろいろなものが売られています。人間に向いたものもいくらかはあるかもしれません

妖精さんがどのような運命を辿るのかはこの後の展開次第であります。よろしくお願いします

これはネタバレですが、妖精の得意属性は自然というものです。自然に働きかけることによって様々なことができますが、出力はそれほど高くないため戦闘向きではないようです(台風の中やマグマ地帯など、自然の脅威がある場所では逆に猛威を振るうことができます)。妖精種はこの属性を得意としていることが多いようです
634 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:13:52.01 ID:D8JY08mz0
―とても昔
 緑の国フォレスティナ 郊外

魔王樹『――』ギギギギギ

妖精「……ごめんね。あなたは――ただ、生きたかっただけなのに――」

魔王樹『――』ギギギ

妖精「生命を奪わなければ――生命は、生きられない。そしてあなたは――奪う生命が、多くなりすぎてしまった」

魔王樹『――』ギギ

妖精「……ごめんね」キラキラ

 ヒュオッ…

 封印の要石「」ズン…


アルラウネ族長「お、終わった……の……?」

エルフ族長「おお……ついに、あの魔王樹を――!」

馬頭族長「バンザイ! 妖精サンバンザイ!」バンザイ!

 ワアアアア!! ヨウセイサンバンザイ!! バンザイ!!

妖精「……」

 ◆

幼ティセリア「えっ!? 妖精、首長辞めちゃうってほんと!!?」

妖精「うん……」

幼ティセリア「ど、どうして!? 妖精が辞めちゃったら誰がこの国を治めるの!?」

妖精「今いる子たちに任せるよ。いつまでも私がふんぞり返ってたら不健全でしょ」

幼ティセリア「……なにか、あったの?」

妖精「さあ。まあ、いろいろ疲れたってのもあるかな……」

 *

―聖域
 フォレスティナ建国千周年 戴冠式

妖精「みんな、千年間ありがとう。とても良い時間だった。後はよろしくね」

エルフ族長「妖精首長に託されたこの国を、必ずや強く美しく育て続けることを誓います……!!」

妖精「うん。それじゃあ……私はもう、行くよ」

エルフ族長「はい……!」

幼ティセリア「妖精……」ウルウル

妖精「後は頼んだよ、ティセリア。私は……世界を、見てくるから」

幼ティセリア「うん……!! 妖精の旅路に……精霊の加護がありますよう……!!」

妖精「ありがと。ティセリアとフォレスティナにも、精霊の加護がありますよう――」

 ワーワー! イカナイデー!! ヨウセイサーン!!

妖精「それじゃあ――さようなら――」フワッ

 ヒュオッ

幼ティセリア「あ――」

エルフ族長「……行ってしまったな」

幼ティセリア「うん……」ポロポロ

エルフ族長「いつか、妖精が帰ってくる時に……この国をもっともっと美しくして、驚かせて差し上げよう。ティセリア」

幼ティセリア「うん……!!」ポロポロ

 ◆
635 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:14:43.28 ID:D8JY08mz0
―とても昔
 緑の国フォレスティナ 郊外

 封印の要石「」

妖精「……」

妖精「あなたのような哀しい存在を生み出してしまうこの世界が……本当に良いものなのかどうか……。見てくるよ……」

 封印の要石「」

妖精「……あなたの憎しみも、哀しみも……。きっと、永い時が癒やしてくれるから……。どうか、安らかに――」

 封印の要石「」

 ◆
636 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:15:11.76 ID:D8JY08mz0
―現在 夜
 フォレスティナ郊外

妖精「……」パタパタ

妖精(あれから……本当に、永い時間が経った)

妖精(この世界が良いものだと無邪気に信じられなくなったのも……もうずっと昔のことだ)

妖精(そんな苦しみに満ちた世界に――私は、あの魔王樹を閉じ込め続けてしまった)

妖精(魔王樹は……あの暗い地下で、怒りと憎しみと哀しみを募らせながら……ずっと、ずっと……封印が綻ぶのを待ち続けていたんだろう)

妖精(当時の私の甘さが招いた……致命的失敗。死をもって終わらせるのが忍びないからと――安らぎの結界で心だけでも救われて欲しいなどと、個人的感傷を優先したから)

妖精(――今この国を脅かしている苦しみは、私のせいだったんだ)

妖精(今度こそ、終わらせてあげないと。死ぬことでしか解放されない――魔王という、哀しい存在を)

 ◇
637 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:15:39.48 ID:D8JY08mz0
―大樹の宿 客室

クロシュ「い、イリスさん! ミスティさん!」モニョモニョ

イリス「んん……クロシュちゃん……?」

ミスティ「ど、どうしたのよ……? まだ真っ暗みたいだけど……」

クロシュ「よ、妖精さんが……出てっちゃった……!!」

イリス&ミスティ「!!」

 扉「」バンッ!

ローガン「どこに行ったかわかるか!?」

クロシュ「え、えと……多分――」

ミスティ「――開発現場」

クロシュ「う、うん!」

イリス「た、確かに帰ってきてから少し様子が変だったけど……」

ローガン「明らかに何かを知っている様子でもあったな。一人で何かしようとしているのかもしれん、急ぐぞ!」

 ◇
638 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:16:09.75 ID:D8JY08mz0
―郊外
 森林開発現場

 要石の破片「」

妖精(どうして忘れていたのだろう。首長の退任を決意するほどの出来事だったはずなのに)

妖精(――忘却を促すのもまた……魔王の力……? そういえば、魔族国で勇者を呪ったとされる魔王も、多数の住民が目撃しているはずだし、時間もそれほど経っていないのに――覚えている者はあまり多くなかった)

妖精(……いや、今はそんな考察なんてどうでもいいか。自分自身の不始末を、付けにいかなきゃ)


妖精「――開け」


 結界口「」ヴォン…


妖精(……元々は私が作った結界。この中でなら、例え魔王樹が相手でもこちらが圧倒的に優位だ)

妖精(そして魔王と言えど樹木なら、私の自然を司る魔法で枯らせられる……)

妖精(……でも多分、それでも命がけ。というか、十中八九生きては帰れない……)

妖精(でも仕方ない。私の責任だし……私一人の命で被害を食い止められるなら安いもんでしょ)


妖精(ティセリアはすっかり成長したし、優秀な側近もいる。マーベルとかいう奴もまあそこまで悪い奴ではなさそう)

妖精(王国への恭順は嫌だけど、理屈はわかるし無闇に抵抗するよりはマシだとも思う。一応策もあるみたいだし、頭ごなしに否定するほどじゃない)

妖精(……こいつさえなんとかすれば……この国は多分、大丈夫……。あとは今の子たちがなんとかやってくれるはず)

妖精(気がかりなのは――)

 妖精の想像するクロシュ『〜〜』モニョモニョ

妖精(……)

妖精(イリスたちが見ていてくれるとは思うけど……でもやっぱり、心配なものは心配……)

妖精(そもそも、イリスとミスティだってまだまだ幼い子供みたいなもんだし……ローガンもローガンで時々危うさがちらついてる……)

妖精(……ああもう、何もかも私の楽観が招いた危機だ)


妖精「……そこの風の精霊。伝言頼める?」

風の精霊『?』ヒュオオ

妖精「ティセリアに、復権派のみんなをよろしくって伝えておいて」

風の精霊『!』ヒュイッ

 ビュオオッ

妖精「……これでまあ、悪いようにはならないはず。さて――」

 結界口「」ゴゴゴゴ…

妖精「……行こう」

 *
639 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:16:37.17 ID:D8JY08mz0
―封印結界

 ゴゴゴゴゴ

魔王樹『――』

妖精「久しぶり。その様子……全然変わってないね……」

魔王樹『――』ギギ

妖精「……覚えてるか。そうだよ……あなたをここに閉じ込めた、妖精だよ」

魔王樹『――』ギギギ

妖精「……あなたの怒りも、憎しみも――受けて立つ覚悟はできて――」

 ゴゴゴゴ メキメキメキ

妖精「えっ――」

 妖精を取り囲む樹木の群れ『――』ギギギ

妖精「なんで――数が増えて――」

 蔓の触手「」ギュオッ
 ガシシッ

妖精「ひっ……! や、放し――」

 蔓の触手「」ギラッ
 ギュオンギュオン

妖精(い、命が――吸われ――)


妖精「みん、な……ごめ…………」

 カクン…

 ◆
640 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:18:22.09 ID:D8JY08mz0
―森林開発現場

 結界口「」ゴゴゴゴゴ

クロシュ「!!」

ミスティ「あれは……!」

イリス「結界の……入口!」

ローガン「日中はなかったが!?」

イリス「きっと妖精さんが開けたんだ! でもこれ……一方通行だよ!」

ローガン「何!? なぜ――」

イリス「大抵は、中にいる何かを外に出さない為! でも術者なら関係なく出入りできるのが普通だから、妖精さんが術者だとしたら――」

クロシュ「――」シュバッ

 結界口「」トプン…

ミスティ「クロシュ! くっ、一方通行が何よ……!」バッ

 結界口「」トプン…

イリス「ああ、話は最後まで……ええい、私も!」タッ

 結界口「」トプン…

ローガン「クッ、私でも守りきれる相手なら良いが……!」ダッ

 結界口「」トプン…

 *
641 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:19:35.06 ID:D8JY08mz0
―封印結界

 ゴゴゴゴ

魔王樹『――』ギギ

 捕らえられてぐったりしている妖精「」


クロシュ「!! 妖精さん!!」

ミスティ「妖精……!! くっ……なんて重いプレッシャーなの……!!」

イリス「……!! あれが……木々を弱らせてる、原因……!?」

ローガン「今助けるぞ……!」シャキン


 ゴゴゴゴ メキメキメキ


クロシュ「!!」

ミスティ「なっ――」

 クロシュたちを取り囲む樹木の群れ『――』ギギギ

ローガン「何っ!?」

イリス「えっ――」

 殺到する蔓の触手「」ギュオオオオッ


↓1コンマ 最速発見ボーナスにより補正+10
01-02 劣勢、ミスティ負傷
03-04 劣勢、イリス負傷
05-07 劣勢、ローガン負傷
08-10 劣勢、クロシュ負傷
11-70 劣勢、伝統派参戦
71-90 優勢、伝統派+マーベル参戦
91-00 優勢、伝統派+マーベル+???参戦
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:20:11.15 ID:SI6QBs3E0
たのむ
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:20:27.86 ID:kQbaZBIB0
644 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:39:14.96 ID:D8JY08mz0
 殺到する蔓の触手「」ギュオオオオッ

ミスティ「ぼ、防御が間に合わな――」


「大地の壁!」
「風の精霊よ、哀しみの蔓を切り裂いて――!」

 大地の壁「」ゴゴゴゴ!!
 風の刃「」ヒュンヒュンッ

 壁に防がれて切り裂かれる蔓の触手「」スパスパッ
 ボトボトッ

ティセリア「大丈夫ですか! 復権派の皆さん!!」

紫髪のエルフ幼女「はあ、はあ……! 怪我はありませんか……!」

クロシュ「!」

ミスティ「伝統派……!!」

ローガン「あ、ありがたい……!」

イリス「助かりました……!!」

ティセリア「妖精は……あそこですね! 協力して助けますよ!」

紫髪のエルフ幼女「第二波が来る! 備えてください!」


↓1コンマ
01 劣勢、ミスティ負傷
02 劣勢、イリス負傷
03-04 劣勢、ローガン負傷
05-06 劣勢、クロシュ負傷
07-08 劣勢、ティセリア負傷
09-10 劣勢、紫髪のエルフ幼女負傷
11-50 劣勢
51-70 優勢
71-90 優勢、マーベル参戦
91-95 優勢、マーベル+???参戦
96-00 優勢、???+????参戦
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:41:32.01 ID:NHwLEYG6o
こうこんま
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:41:58.60 ID:kCdreLYfO
はい
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:49:38.42 ID:9scI6R8No
ヒェ
648 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 20:52:13.58 ID:D8JY08mz0
 蔓の触手「」ビュンビュン

ミスティ「数が多すぎるわ……!!」

盾クロシュ「うう……!!」ガギンガギンッ

ローガン「くっ、私とクロシュくんだけでは守りきれん……!!」ギンギンッ


イリス「炎よ!」ゴウッ

 蔓の触手「」メラメラ

ティセリア「……! 火の通りが良い……! 見かけは凶悪ですが、既に枯れかけているのかも――」

イリス「よおし、このまま――」

 火の付いた蔓の触手「」ググ ブンッ

イリス「えっ――」

ミスティ「イリス!!」バッ

 バシンッ!!!

ミスティ「う、ぐ……」フラッ

イリス「ミスティ!!!!」


↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-10 敗北
11-50 劣勢
51-60 優勢
61-90 優勢、マーベル参戦
91-95 優勢、マーベル+???参戦
96-00 優勢、???+????参戦
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:53:06.62 ID:97tZ+3lwO
いけ
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 20:53:19.20 ID:kQbaZBIB0
651 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 21:06:03.49 ID:D8JY08mz0
ミスティ「……」ドサッ

イリス「あ、あ……私が油断したせいで、ミスティが……」グニャァ

ローガン「イリスくん前を見ろ!!!!」

イリス「あ――」

 ガギンッ!

イリス「え……?」

 鉄板「」シャキーン!


「ふう、間一髪だ。急過ぎてダサい鉄板になっちまったぜ」スタスタ


ティセリア「あ、あなたは――」

紫髪のエルフ幼女「まさか――」

イリス「革新派の、マーベルさん!?」

マーベル「東洋の五行思想じゃ金は木に強ェんだぜ?」ニヤ


↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-05 敗北
06-35 劣勢
36-90 優勢
91-95 優勢、???参戦
96-00 優勢、???+????参戦
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:07:48.40 ID:SI6QBs3E0
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:07:56.92 ID:kCdreLYfO
はい
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:08:09.66 ID:M4pW9B5z0
655 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 21:19:59.19 ID:D8JY08mz0
マーベル「おら! 最先端の回転ノコギリだ!」ブンッ

 飛翔する回転ノコギリ「」ギュオオッ
 蔓の触手「」スパスパッ

マーベル「そして俺自身は――鎖ノコギリで伐採だ!!」ブオンッ

 魔王樹の眷属樹木「」ギャリギャリ

 ズバアッ ドスーンッ

マーベル「おらっ、次はどいつだ!?」シュババッ


ティセリア「あ、あんなに楽しそうに伐採して……」

紫髪のエルフ幼女「心強いですが癇に障りますね……」


ミスティ「……うっ」

イリス「ミスティ!! 今手当するからじっとしてて!!」

ミスティ「こ、これくらい……まだ戦えるわ……!!」ググッ


ローガン「マーベル氏の参戦で余裕ができた! クロシュくん、イリスくんとミスティくんをカバーするぞ!!」

盾クロシュ「うん!!」


↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-05 敗北
06-35 劣勢
36-90 優勢
91-95 勝利、???参戦
96-00 勝利、???+????参戦
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:22:47.59 ID:SI6QBs3E0
657 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 21:34:14.01 ID:D8JY08mz0
 ズバアッ ドシーン ドシーン

ティセリア「戦局がこちらへ傾きました……! このまま畳み掛けますよ……!」ヒュンヒュン

紫髪のエルフ幼女「はい……!」ゴゴゴ


マーベル「おらっ、次は――」ギュイイッ

黒い精霊「……」

マーベル「うおおおっ!?」ズザザッ

黒い精霊「……」

マーベル「なんだ……お前は?」

黒い精霊「……」

マーベル「チッ……! お前、あの木の精霊か……!?」

黒い精霊「……」

マーベル「なんとか言え!」

黒い精霊「……おなか、すいた」

マーベル「……!?」


↓1コンマ
01 敗北、ミスティ死亡
02-05 敗北
06-90 勝利
91-95 勝利、???参戦
96-00 勝利、???+????参戦
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 21:34:31.23 ID:Gl7108gDO
はい
659 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 22:05:26.62 ID:D8JY08mz0
黒い精霊「」フッ

マーベル「!? 消え――」


魔王樹『』ギギ…

崩れていく蔓の触手「」シナシナ

崩壊する樹木の群れ「」メキメキメキ


イリス「あっ……黒い木が……!」

クロシュ「!」シュバッ


魔王樹から落ちる妖精「」ヒュウン…

 モニョッ

スライムクロシュ「」モニョ

妖精「ぁ……くろ、しゅ……?」

スライムクロシュ「〜〜…」モニョモニョ

妖精「……うん……。ごめん、ね……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ



枯れていく魔王樹『』メキメキ パキパキ…


ティセリア「黒い木が……枯れていく……」

紫髪のエルフ幼女「……勝った、のでしょうか……」

ローガン「ふう……。皆生き残れた、か……」

 ――戦闘終了

 ◆
660 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 22:59:41.47 ID:D8JY08mz0
―朝
 大樹の宿 客室

 チュンチュン

ミスティ「……」パチ

イリス「ミスティ!」

クロシュ「ミスティさん!」

ミスティ「イリス……クロシュ……」

ローガン「ミスティくん。体の調子はどうだろうか」

ミスティ「ローガンさんも……。私、あれからまた気を失ったのね……。体は……まだ痛むけど、動きに支障はなさそうかしら……」ググッ

イリス「良かった! 一時はどうなることかと思ったけど、みんな無事で……」

ミスティ「……ということは、妖精も無事なのね?」

妖精「無事だよ。迷惑かけたね……」ヌッ

ミスティ「わっ……本当に無事みたいね……」

妖精「あなたたちのお陰でね……。本当に、ありがとう……」ペコッ

ミスティ「まあ……何かする前に相談くらいはして欲しかったわね……。パーティなのだし……」

妖精「返す言葉もない……」

イリス「……ねえ、どういうことだったのか聞いても良い?」

妖精「うん……話すよ。まずあの黒い木だけど……あれは、大昔に私と当時の族長たちが封印した樹の魔王なんだ」

イリス「ま、魔王……!? あの木、魔王だったの……!?」

ローガン「なんとなくそんなような気はしていたが……まさか本当に魔王だったとは」

妖精「当時は魔王樹って呼ばれてた。地中深くに根を張り巡らして、フォレスティナ中の命を吸い上げる困ったちゃんだったの」

ミスティ「困ったちゃんという次元ではない気がするわ……」

妖精「うん……。実は当時にトドメを刺すこともできたんだけど、その……かわいそうに思っちゃってさ……。私の主導で安らぎの封印結界に閉じ込めたんだよ。でもその結果はご覧の通り……全く安らげなかったみたいだし、今になってこの国に被害を出させた始末。本当、とんだ失策だったよ……」

ミスティ「そう……だったのね……」

妖精「……ずっと永い間……独りぼっちで、ひもじい思いをさせちゃったんだ。あの魔王樹も、元はこのフォレスティナの樹の一つだったはずなのに……。私……なんて仕打ちを……」

イリス「……それは……妖精さんが、悪いわけじゃないと思う……」

妖精「……そう、かもね」

クロシュ「……」

 ◆
661 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 23:00:21.38 ID:D8JY08mz0
―郊外 森妖精の子のおうち

ミスティ「おはよう……」スタスタ

妖精「おはよ…」パタパタ

森妖精の子「あ、ミスティさんと太母さん! おはよ!」

ミスティ「その後、おうちの具合はどうかしら……?」

森妖精の子「えっとね、木さんね……!」

 少し元気になってきたおうちの木「」ググッ!

妖精「少し元気になってきたね」

森妖精の子「うん……! ミスティさんたちが、なにかやってくれたの……!?」

ミスティ「……まあ、そうね。恐らく病気の原因と思われるものをなんとかしたわ……」

森妖精の子「わあ……! やっぱりミスティさんたちがやってくれたんだ……!」パァ

ミスティ「ええ……」

妖精「でも、病み上がりだからしばらくはしっかり見てあげてね」

森妖精の子「うん……! しっかりみる……!」

ミスティ「ええ、是非そうして……。あなたがおうちの木を大事に思っているように……きっとおうちの木も、共に暮らすあなたのことを大事に思っているから……」

森妖精の子「うん……!! ずっといっしょだもん……!! だいじに、する……!」

ミスティ「ふふ、約束よ……」

森妖精の子「うん、やくそく! えへへ……ミスティさん、ほんとに、ほんとに……ありがと……!!」


 ☆緊急クエスト「おうちの木を助けろ!」を無事にクリアしました
  報酬に「精霊樹の種」をいただきました
  復権派の名声が大きく上がりました

 ◆
662 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 23:01:56.69 ID:D8JY08mz0
―緑の国フォレスティナ 滞在7日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・選挙で勝つ

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
……………………………………………………………………………………

―朝
 大樹の宿 客室

イリス「すっごく喜んでくれてたね……!」

クロシュ「うん……!」

ミスティ「ええ……。ふふ……本当に良かったわ……」

イリス「うん、本当に良かった! 後は、選挙に向けて一直線だね!」

妖精「うへぇ……。考えたくない……」


「号外だよー! 号外ー!」バサッバサッ


イリス「ん? この声は……」

ミスティ「まさか……」

 窓「」バサッ
 風雪新聞「ダークヒーローイリス、建国の太母と共に緑の国の闇に抗う!!!!」バササッ

イリス「やっぱり!!!」


フォレスティナ滞在7日目です(投票日までの残り行動可能日数2)
↓1〜3 自由安価 何をする?
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:02:45.58 ID:SI6QBs3E0
紫髪ちゃんの依頼で魔物退治に同行
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:03:58.79 ID:NHwLEYG6o
フメイちゃんのこと知らないって伝統派と革新派の面々に舐めるように聞いて回る
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:04:37.66 ID:97tZ+3lwO
三派閥で食事会
666 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/25(日) 23:17:58.14 ID:D8JY08mz0
というわけで本日はここまでです。次回は紫髪ちゃんと一緒に害獣退治編、伝統派と革新派にフメイちゃんのことを聞いて回る編、その後お食事会編です

突然発生したイベント戦闘でしたが、無事に勝利できたようで何よりです。伝統派と革新派と復権派が夢の共闘を果たしたことにより、いろいろとお話しやすくなったかもしれません。選挙に向けて頑張っていきましょう
なお魔王樹さんは、眷属を増やすという新技を見せて妖精を追い詰めましたが、実のところ永い封印と栄養の枯渇、無理な眷属の生成により戦闘開始時点で枯死寸前の状態だったようです。妖精さんはとても迂闊だったようですが、無事に勝利したことでかなしいお別れをすることもなくパーティに復帰することができました。おめでとうございます

それでは本日はありがとうございました。次回は例のごとく土日になるかと思います。よろしくお願いします
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 23:28:15.42 ID:NHwLEYG6o
乙乙
これで懸念事項は対王国だけか
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 00:25:24.90 ID:d5X025kao
おつ
妖精さん…触手…ってそれどころじゃなくなってて樹枯れる
ミスティさんの巻き込まれ(不幸)属性とイリスのダークヒーロー属性確立したっぽい
三派手を取り合えるといいなぁ!
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 12:49:10.05 ID:R7N4eWVIO

おうちの木は助かったけど、魔王樹はかなしいね…
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 16:11:38.94 ID:xGtNi7WDO
乙です
少し悲しい勝利だったけど、ファンタジー系の話だと報酬の精霊樹の種は浄化された魔王樹の生まれ変わりとかありそうだから、精霊樹の種は植木鉢に植えて育てながら一緒に旅したい
671 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 18:51:11.90 ID:8/Urd9QA0
革新派以外が選挙で勝利した場合、王国への対策は必須となります。なお現状、伝統派は依然として革新派を勝たせるつもりのようです

常闇の樹海には、精霊や妖精を好んで捕食する触手生物の存在が確認されたことがあります。気を付けましょう

>>1も01を引き当ててミスティさんが怪我をすることになったのには驚きました。コンマはコンマなので仕方がありませんが、ままならないものです
最近は魔族国以外でもダークヒーローイリスの知名度が上がってきているため、トンチンカンなプロパガンダであっても意外と効果が出てしまうかもしれません

おうちの木は無事に助かり、これから少しづつその生命力を回復させていくことになるかと思われます
そして魔王樹はようやくその生を終え、フォレスティナの大地に還りました。その跡地に残されていた小さな種が魔王樹の生まれ変わりかどうかはわかりませんが、緑の国ではあらゆる生命の誕生は祝福するのが良いと考えられています。きっとその種もまた、精霊の加護に包まれていることでしょう
672 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 18:52:03.21 ID:8/Urd9QA0
―郊外

クロシュ「今日は、こっちでやるの?」キョロキョロ

妖精「うん。例え人が少ないとしても、国民一人一人に声を届けることが大事なんだよ」

ミスティ「へえ。なんかそれっぽいわね」

イリス「私も、自分の足でしっかり地域を回ってくれる人は良いなあって思うよ」

ローガン「ううむ、しかし選挙というのは大変だな……。票を獲得するためにこうも奔走する必要があるとは……」

妖精「ほとんどの国は君主制だからねえ。多分大陸内でもフォレスティナくらいじゃないかな、選挙で国の長を決めてる国」

イリス「けっこう変わった制度って言われてるよね。妖精さんはどうしてこんな制度にしたの?」

妖精「フォレスティナっていろんな種族がいるでしょ? そんな国で特定の誰かがずっと王様をやるのはあんまり良くないと思ってさ。まあ実際には、千年間も首長をさせられ続けた奴がいたりもするんだけど……」

ミスティ「ふふ……ちゃんとした首長であれば、種族を気にする人もあまりいなかったということね……」

 ◇

ー郊外 道端

 ピーヒョロロロ…
 ア、フッケンハダ ヨウセイサンカワイイ タイボサマー!

妖精「いにしえより続く緑の大森林を守り……激化していく国際競争にも勝ち続ける……。どちらか一方だけに傾倒する必要なんてない……。私たち復権派は、全てを目指すの……」

妖精「大丈夫……。この建国の太母が、この国の過去も、未来も―――ん?」


 ドドドドド…

紫髪のエルフ幼女「待ちなさい! 待て!!」タッタッタッ


イリス「あ、あれは……!?」

↓1
01-05 ??
06-35 狂い咲きアルラウネ
36-65 マノシシの群れ
66-95 脱走マンドラ大根
96-00 フォレスティナミドリガニ
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 18:53:30.36 ID:C91FZY3DO
はい
674 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 19:22:03.70 ID:8/Urd9QA0
マノシシの群れ「ブヒーッ!!」ドドドドド


ミスティ「黒い……イノシシ!?」ザッ

イリス「図鑑で見たことある! あれマノシシってやつだ! でも生息地は常闇の樹海浅層のはずなのに……」


紫髪のエルフ幼女「復権派!? 丁度良い、そいつらを止めて!!」タッタッタッ


ローガン「言われずともそのつもりだ! 皆、構えろ!」シャキン

盾クロシュ「!」シャキン

妖精「民よ、私の後ろへ。次期首長として、責務を果たしましょう……」キラキラ


 ――戦闘開始


↓1
01-05 痛恨
06-15 劣勢
16-95 優勢
96-00 会心
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:22:53.70 ID:hbOE93DQ0
676 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 19:36:01.57 ID:8/Urd9QA0
マノシシの群れ「ブヒーッ!!」ドドドドド

 ドゴンッ!!

盾クロシュ「んんーっ!!」ズザザザッ

ローガン「踏ん張れ、クロシュくん……!!」ズザザッ

妖精「クロシュ、あなたに精霊の加護を授けましょう――」キラキラ


イリス「私たちは突破してきたマノシシを迎え撃とう!」

ミスティ「ええ!」


マノシシ「ブヒーッ!!」ドドド

イリス「来た!」

ミスティ「これで!!」ヒュオオ―

 氷の壁「」ガギン!!
 激突するマノシシ「ブヒウーッ!!!」ドゴン!!

イリス「大人しくして! 水よ!」

 泡「」ポワン
 マノシシ「ブヒッ…」ジタバタ


紫髪のエルフ幼女「はあ、はあ……! 助かります……!!」タッタッタッ


↓1
01-05 痛恨
06-15 劣勢
16-95 勝利
96-00 勝利+??
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:37:13.91 ID:DQxUkGF8O
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 19:37:30.35 ID:MiqS3FRL0
どっせい
679 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 21:03:09.61 ID:8/Urd9QA0
 ガギンッ! ドガッ! バキャッ!!

制圧されたマノシシの群れ「ブヒ…」

妖精「哀れなマノシシたち……。なぜここに姿を現したのか……言葉を持たぬあなたたちに問うても、仕方のないことね……」

 ワーワー!! タイボサマー!! フッケンハスゴイ!

 *

紫髪のエルフ幼女「ふう……本当に助かりました。街中では不用意に地属性魔法を使うわけにもいかず……」

イリス「ええと、でもどうしてマノシシがここに? 確かに常闇の樹海と緑の森は隣接していますけれど……」

紫髪のエルフ幼女「……原因は不明です。腹をすかせてこちらまで餌を探しに来たのか……」

クロシュ「えと……マノシシさん、おなかすいてたの……?」

紫髪のエルフ幼女「仮説の一つです。実際の原因は現地に行って調べなければわからないでしょう」

ミスティ「そういえば冒険者ギルドにも常闇の樹海の調査員募集があったわね……」

紫髪のエルフ幼女「ああ、あの依頼は私たちと冒険者ギルドが共同で貼り出したものですね。冒険者ギルドは周辺各国と連携して樹海の闇を解き明かそうとしているようです。私たちももちろんそれに協力を惜しまないつもりなのですが――」

ローガン「……その様子では、調査は遅々として進んでいないようだな」

紫髪のエルフ幼女「……ええ。仰る通り、樹海の調査は順調とはとても言い難い状況が続いています。深層に進んだまま帰らない調査員は数知れず……。樹海と地続きの緑の森に住む私たちにとっては全く気の休まらない状況なのです。しかも最近は人間至上主義を掲げるセイントレア王国も台頭してきて……」

イリス「うわあ、王国と常闇の樹海に若干挟まれてるんだ、この国……」

妖精「常闇の樹海は昔っからあんな感じだからどうしようもないっちゃどうしようもないんだよね。森が地続きだから魔族国みたいに防壁を建造するわけにもいかないし」

紫髪のエルフ幼女「ええ……。まあ王国と違い、悪意をもって侵略してくることはないのでそこまで急を要する問題ではないのが救いですが」

 *
680 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 21:03:40.76 ID:8/Urd9QA0
―首長官邸

ティセリア「お疲れ様、サリー。そしてご助力感謝致します、復権派の皆さん」

ミスティ「……当然のことをしただけよ。感謝する必要はないわ……」

ティセリア「まあそう言わず。あなたがたの活躍で多くの被害を未然に防ぐことができたのです。いち緑の国の民として、是非お礼をさせてください」

クロシュ「おれい……」

ティセリア「はい。何か、私たちにして欲しいことはありますか?」

妖精「……じゃあ選挙で復権派を――」

ティセリア「それ以外で!」

妖精「ケチ!」

ティセリア「私たちの不正を糾弾した口で不正を持ちかけるのはどういう了見ですか!!」

妖精「ま、まだ選挙で復権派をとしか言ってないし……」アセアセ

ティセリア「まだということはその後言うつもりだったのでしょう!! 勝たせろ、と!!!」

妖精「う、うぐぐ……」

イリス「よ、妖精さん……。それは筋が通らないよ……」

ミスティ「はあ、もう……。でもお礼か……。ローガンさんは何かある……?」

ローガン「君たちに任せよう。私の欲するものは、既に持っているか、あるいは二度と届かぬものしかない」

ミスティ「それはそれで難しい話ね……。うーん……私も今すぐ欲しいものは特にないかしら……」

イリス「私も特には。自分の魔法については自分で解き明かしたいし。ということで……クロシュちゃん!」

クロシュ「?」

イリス「フメイちゃんのこと、もっといっぱい探してって頼んじゃおうよ!」

クロシュ「!」

ミスティ「……ごめんなさい、私がこの国の問題に首を突っ込んだからあまり探せていないのよね……」

クロシュ「んーん……。ミスティさんのやりたいことも……この国のことも……大事、だから……」

ミスティ「クロシュ……ありがとう……」

ローガン「うむ……! 私もそれが良いと思う。せっかくお国の人に頼めるチャンスなのだ、生かさぬ手はない」

妖精「まあそうだね。選挙活動ばっかりで後回しにしちゃってて悪かったよ。ティセリアたちにも探してもらおう」

クロシュ「うん……!」


ティセリア「クロシュちゃんのお友達、フメイちゃんの捜索ですね。彼女のビラはこちらでも一枚預かっております。そして現在集まっている目撃情報ですが――」

↓1
01-60 郊外の方で黒髪の幼女が薄茶髪の少女と一緒にいた
61-90 露店通りで食べ歩いていた 
91-00 聖域付近をうろついていた
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 21:05:54.63 ID:hbOE93DQ0
どうだ
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:04:09.22 ID:ZbHHMC1Fo
隠れる気なさそうで草
683 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 22:06:04.49 ID:8/Urd9QA0
―ある日
 露店通り

アリシラ?「あれ美味しそうじゃない? 食べてみようよぉ」グイグイ


ヤマイモ餅屋台の森妖精「ヤマイモ餅あるよ〜。焼き立てホヤホヤのヤマイモ餅だよ〜」


フメイ「ヤマイモ餅……? 美味しそうだけど……お金、もうあんまりないんじゃないの」

アリシラ?「フッフッフ、実はあるんだよねえ」スッ

 金貨袋「」ジャラッ

フメイ「!? ど、どこで拾ってきたの?」

アリシラ?「妖精の密猟者っぽい奴らがいたから、ちょっと永眠してもらってぇ……そしたら誰の持ち物でもないお金を見つけたの!!」

フメイ「……いつの間に追い剥ぎなんてしてたの?」

アリシラ?「フメイちゃんがおねんねしてる間かな? でも追い剥ぎなんて人聞き悪いなあ。私はあの人たちが現世でこれ以上罪を重ねないよう、終わらせてあげただけだよ?」

フメイ「……そういう考え方もあるんだ」

アリシラ?「生きとし生けるものは、生まれながらに罪を背負い……生きている限り、さらなる罪を重ね続けるの……。だからそれを終わらせてあげるのもまた、救いの一つなんだよ」

フメイ「わかるような、わからないような……」

アリシラ?「うふふ……フメイちゃんはクロシュちゃんのことだけを考えていれば良いと思うよ。でも今はヤマイモ餅のことも考えよう!」

 *

ヤマイモ餅屋台の森妖精「ありがと〜。熱いうちに食べてね〜」


 ヤマイモ餅「」ホカホカ

フメイ「……」ジュルリ

アリシラ?「じゃあいただきま〜す! はむっ、はふはふ、あふい!」アチチ

フメイ「いただきます。はむ……もぐもぐ……」モグモグ

アリシラ?「わあ、流石炎のフメイちゃん! 熱いのも平気なんだねえ」

フメイ「ごくん……。あなたが猫舌なだけでしょ……」

アリシラ?「そうかなあ? ふふ、でも私って体が弱いみたいだし熱さにも弱いのかもねえ」

フメイ「……はむ。もぐもぐ……」モグモグ


フメイ(ヤマイモ餅は、とても美味しかった)

フメイ(……クロシュと一緒に……食べたいな……)

フメイ(…………アリシラ、ずっとこのままなのかな……)

 ◆
684 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 22:07:22.63 ID:8/Urd9QA0
―首長官邸

ティセリア「――露店通りで、クロシュちゃんと同じ姿の黒髪の女の子が、薄茶髪の少女と一緒にヤマイモ餅を食べている姿が目撃されたようです」

クロシュ「!!」ガタッ

妖精「本当にここに来てたんだ! フラナたちの情報を疑ってたわけじゃないけど――」

イリス「でもこれは大きな前進だよ! フメイちゃんたちもこの国に滞在してて、しかもけっこう私たちの知くにいるかもしれないってことでしょ!?」

ミスティ「露店通りと言えば、本当に近い可能性があるわね……。ニアミスしてるかも……」

ローガン「その時の様子や、どんな話をしていたかもなどもわかるだろうか」

ティセリア「熱いのが平気とか、猫舌がどうとか……だそうです」

イリス「……な、なんか普通の会話だね」

ミスティ「意外と満喫しているのかしら……」

クロシュ「……フメイちゃん、熱いの平気で……アリシラさん、猫舌だった……」

ローガン「うむ……二人の特徴とは一致しているわけだな……」

ミスティ「……もっと目撃情報が欲しいわね。たまたま露店通りを通っただけで、いつもは全然別の場所にいるかもしれないし……」

イリス「そうだね……。ティセリアさん、他に目撃情報はないですか?」

ティセリア「ごめんなさい、私たちが掴んでいるのはこれくらいで……。元々人通りの多い時期ですから、人混みに紛れてしまうとなかなか難しいのです……」

妖精「まあそればかりは仕方ないか……。そうだクロシュ、あなた革新派の奴らにもビラを渡したんでしょ? あいつらにも聞いてみようよ」

クロシュ「!」

ティセリア「なるほど、革新派ですか……。あの若造が皆さんに失礼なことを言わないか心配なので、私も同行しましょう……」スッ

 ◆
685 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 22:22:27.96 ID:8/Urd9QA0
―森林開発現場

マーベル「……ここの地質も問題なし。やはりあの魔王樹が異常の原因だったと考えて――」


ティセリア「マーベル。ここにいたのですね」スタスタ

マーベル「あなたがたは……伝統派のおばさま方と復権派の大老ではありませんか」

妖精「うるさいよ若年老害」

紫髪のエルフ幼女「躾のなってないガキは嫌いですね」

ティセリア「ああもう、やめなさい! マーベルは煽らないで、妖精とサリーも乗らないで! 私たちはこんな煽り合いをしに来たわけではありません!」

マーベル「何だ、用があったのなら先に言ってくださいよ」

ティセリア「何か言う前にあなたが煽ってきたのでしょう……」ゲンナリ

 *

マーベル「ああ、あのビラの子の件か! もちろん俺たち革新派でも目撃情報を集めてはいるが――」


↓1
01-60 郊外の方で黒髪の幼女が薄茶髪の少女と一緒にいた
61-90 露店通りで食べ歩いていた
91-00 聖域付近をうろついていた
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:22:53.21 ID:98lh4wjI0
687 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 23:46:43.39 ID:8/Urd9QA0
―ある日
 郊外

 焚き火「」パチパチ

アリシラ?「ねえフメイちゃん……」

フメイ「なに」

アリシラ?「……テント……買わない?」

フメイ「……」

アリシラ?「いや、フメイちゃんが野宿が平気な女の子だっていうのはもうわかったから……。温室育ちのアリシラちゃんは、もうちょっとマシな環境で寝泊まりしたいなあって……」

フメイ「……そういうとこは、元のアリシラと同じなんだ」

アリシラ?「テントどころか寝袋もなしに地面で熟睡できるフメイちゃんがおかしいだけだと思うんだけどなあ……」

フメイ「クロシュも地面で熟睡できてたけど……」

アリシラ?「クロシュちゃんはスライムだから、お布団を使う必要があんまりないだけだと思うなあ」

フメイ「……」

アリシラ?「フメイちゃんもさ、炎の魔力が体の内側でぽかぽかしてるから、お布団いらなかったりするんじゃない?」

フメイ「……フメイだって、固い地面で寝るのが好きなわけじゃない。まあ、暑さとか寒さには確かに他の人より強いような気もするけど……」

アリシラ?「でしょお? でもか弱いアリシラちゃんは、か弱いからお布団がいっぱい必要なの。わかるよね?」

フメイ「まあ……」

アリシラ?「というわけでちょっくら買ってくるから! テントと寝袋! フメイちゃんの分もね!」

フメイ「あ、うん」

 *

不格好なテント「」

アリシラ?「……テントを張るのって難しいんだね」

フメイ「……うん。こんなに難しいなんて知らなかった……」

アリシラ?「まあでも、これで私たちも一国一城の主! 雨風を凌げる場所で存分に寝よう!」

フメイ「うん」

 *
688 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 23:47:50.17 ID:8/Urd9QA0
―不格好なテント内

 ランプ「」ユラユラ

アリシラ「それじゃあ灯り消すよ〜」

フメイ「うん」

 ランプ「」フッ

アリシラ「おやすみ〜」

フメイ「うん……」



フメイ「……」

アリシラ「……」zzz

フメイ「……」



フメイ(テントの外から、そよ風の音と虫の声が聞こえる)

フメイ(でもこのテントの中は真っ暗で、何も見えない。まるでここだけ、外から切り離されてしまったかのよう)

フメイ(……もしここが、あの集落だったら……)

フメイ(クロシュと、みんなと、こうやって……テントのお泊りを楽んでいるのだったら……)

フメイ(どれだけ………)ジワ…

 ポロポロ グスッ スンッ ポロポロ


アリシラ?(……)

アリシラ?(フメイちゃんも……まだ、赤ちゃんみたいなものだもんねえ……)

アリシラ?(ああ――どうして世界は、この無垢なる子供たちに、かくも残酷な運命を強いるのでしょう――)

アリシラ?(――ごめんね。でも、だからこそ……利用させてもらうよ。あなたの、炎を)

アリシラ?(この最悪の世界を――焼き尽くして、終わらせる為に――)

 ◆
689 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 23:48:41.16 ID:8/Urd9QA0
―森林開発現場

マーベル「郊外の空き地で、そこのクロシュちゃんと同じ容姿の女の子と薄茶髪の少女がテントを設営していたらしい」

クロシュ「!!」

マーベル「だがその情報を聞いたのは実際に目撃した翌日でな……。俺たちは急いで現地に向かったんだが、そこには焚き火の跡が残っているくらいで既に誰もいなかった」

イリス「フメイちゃんともう一人の人は、テントで寝泊まりしながら郊外を転々としている……ということ!?」

マーベル「まあその可能性は高いだろうな。だが郊外と一口に言ってもかなり広い。毎日寝床を変えているとなると見つけるのは簡単じゃないぜ。ただでさえ今の時期は他にもテントを張って寝泊まりしてる観光客や冒険者が大勢いるからな」

ミスティ「でもこれも大きな前進よ……! 寝泊まりは郊外で、日中は首都にやってきて何かをしているということなのかも……!」

ティセリア「しかし、一体どういう状況なのでしょう? この国へ来ているのなら、どこかであのビラを見ることもあるでしょうし、それならクロシュちゃんに直接会いに来てもおかしくなさそうなものですが……」

妖精「あー、それはまあ、ちょっと込み入った事情があってね……」

マーベル「家出とかか?」

妖精「家出……言われてみれば、家出みたいなものなのかも」

クロシュ「……」

ティセリア「……私たちも目を増やしましょう。マノシシの件のみならず、魔王樹の討伐などについても、あなたたち復権派には大きな恩がありますから」

マーベル「まあ、俺もできる範囲で探しといてやる。元はと言えばあの魔王樹のせいで開発に支障が出たわけだからな。借りっぱなしは性に合わねえ」

クロシュ「えと……ありがと、ございます」ペコリ

ティセリア「いえいえ、恩を返すだけですから!」

マーベル「おう。借りを返すだけだ。礼はいらねえぜ」

妖精「だってさ。何にしても良い感じに進みそうだね、クロシュ」

クロシュ「うん……!」


ティセリア「ところで皆さん、本日は一緒にお夕飯などいかがですか?」

マーベル「は?」

妖精「いいよ」

イリス「え、ええと」

ミスティ「いいのかしら……?」

ティセリア「はい。昨晩の戦は急だったので、終わった後はそのままへとへとで解散してしまいましたが、祝勝会をやっていなかったなあと思いまして」

ローガン「なるほど……。確かに、魔王を倒したのであれば祝杯くらいは上げたいものですな」

マーベル「いや、だがこのタイミングで祝勝会って……。もう選挙まで日も少ないのに呑気すぎるだろ……」

紫髪のエルフ幼女「これが伝統派のやり方です。で、あなたは来るんですか?」

マーベル「……行くが。伝統派と復権派だけで食事会なんてどんな談合が行われるかわかったもんじゃねえ」

ティセリア「決まりですね! では突発的ですが、三派閥で食事会です!」

 ◇
690 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/02(土) 23:49:20.43 ID:8/Urd9QA0
本日はここまでです。次回は食事会編からとなります

フメイちゃんとアリシラ?さんは隠れる気があるんだかないんだかわからない行動をしているようです。ばったり街中でクロシュちゃんと会ってしまったらどうするつもりなのでしょう。多分、どうするつもりでもないのでしょう。実際のところ、フメイちゃんはばったりクロシュちゃんと会いたいとすら思っているかもしれません。偶然なら仕方ないよね、くらいの甘えがあっても良いと思います

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 01:08:08.61 ID:J8snD3daO

アリシラ?さんラスボス説
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 01:57:19.19 ID:fUICvygXo

今ならフメイに会いに行くとかコンマだけど通りそうな感出てきたなw
そしてアリシラ?さんの中味やべー奴だこいつ
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 13:41:37.47 ID:i4Lm5S3eO
王国だけだと敵が足りないからねアリシラさんには頑張って貰いたいね光堕ちしそうだけど
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 15:03:55.66 ID:T98ojF2DO
乙です
個人的にはアリシラ?さんは>>67の時の頃のアリシラの人格を取り戻してまたクロシュやフメイと一緒に仲良くやって欲しいから、当時の人格はまだいきていて欲しいな
695 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 18:13:33.39 ID:sMwqW2700
アリシラ?さんが今後クロシュちゃんたちの前に立ちふさがるかどうかは今のところわかりませんが、彼女は少々変わった価値観を持ち、世界を破壊しようとしているようです
また、以前のアリシラ氏であれば知り得ないはずのことを知っていたり独特の価値観を披露したりなど人格が異なっているかのような言動を繰り返していますが、野宿や熱いものが苦手だったりなど、以前のアリシラ氏と共通する面も有しているようです。完全に何者かに成り代わられてしまったわけではないのかもしれません。真相は闇に包まれています

自由行動でフメイちゃんを捜すことももちろん可能です。成否はコンマ次第ではありますが、ビラ配り効果や目撃情報なども集まってきているため、全く手がかりなしで捜すよりは成功率が高くなっているかと思います
696 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 18:14:46.20 ID:sMwqW2700
―夕方
 どんぐり食堂

 ワイワイ キャッキャ

ミスティ「祝勝会もここなのね」

紫髪のエルフ幼女「見かけこそ庶民的ですが、ここは食材も料理人も最高水準です。他の国の三ツ星店にも引けを取りません」

ティセリア「産地直送でお値段も抑え、誰でも気軽にご利用いただけるようにあえて庶民的な雰囲気にしているそうですよ」

食堂妖精「そうそう! いかにも高級って感じの雰囲気だと気後れしちゃうからね〜」

イリス「へ〜そうなんですね。でも確かにこっちの方が親しみやすいと思います!」


セイン「……」

クロシュ「……」

妖精「あら、あなたもいたんだ」

セイン「ああ。魔王樹との戦には参加できなかったが」

マーベル「護衛なのに護衛してくれねえんだよ、こいつ。いつもふらっとどっか行っちまうし」

セイン「逆だ。何も言わずどこかに行くのはマーベルの方だろう」

マーベル「そうだっけか? 悪いな、護衛を連れるってのがどうも慣れなくてな」

ローガン「セインくんもなかなか苦労をしているようだな……」



食堂妖精「それで、今日の食材はどうするの?」

↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:畑の肉、マノシシ肉(期間限定)
野菜:食べられる野草、マンドラ大根、マジカルトリュフ、森ニンジン、ゴボウの根っこ
穀物:ウルティ米、パン、ヤマイモ
魚介:サワガニ、ザリガニ、淡水海竜の大トロ
果実:森林木苺、どんぐり、精霊樹の果実
卵乳:ニワトリの卵、エルフミルク、エルフチーズ、エルフバター
特殊:アルラウネオイル、スライムゼラチン、フェアリーシロップ
※表にない調味料などが使われることもあります
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 18:23:20.04 ID:Q8BUp91CO
海竜の大トロ、マノシシ肉
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 18:23:46.61 ID:hOJrVWiLo
マンドラ大根
スライムゼラチン
699 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 21:28:39.31 ID:sMwqW2700
ミスティ「前回はデザートみたいな感じだったけど、今回はどうする……?」

イリス「せっかくだから今回はがっつりいきたいかも!」

紫髪のエルフ幼女「がっつりいくのなら、本日最適の食材があります」スッ

 メニュー表「マノシシ肉(期間限定)」

ローガン「これは……もしや!」

ティセリア「はい。あなたがたに制圧していただいたマノシシたちの肉を加工し、このどんぐり食堂に納入しました」

ミスティ「マノシシって食べられるのね……」

紫髪のエルフ幼女「常闇の樹海出身の生物は全体的に黒みがかっているため敬遠されがちですが、マノシシの肉に毒性はなく、味もイノシシ肉とさほど変わらないものです」

マーベル「ちょっとクセは強いけどな。俺は嫌いじゃない」

イリス「じゃあ一つはマノシシ肉にしようよ! 私たちのお手柄でもあるんだしさ」

ミスティ「そうね……。そういえば前も気になったのだけど……淡水海竜って、矛盾してないかしら……。海竜なのに、淡水って……」

紫髪のエルフ幼女「ああ……きっと、初めて海竜が発見されたのは海だったんでしょうね。だから当時の発見者たちはその竜を海竜と名付けてしまい……」

イリス「そっか……! 後になって、淡水域に生息する海竜の仲間が発見されちゃったんだ……!」

紫髪のエルフ幼女「恐らくはそういうことなのだと考えられます」

ミスティ「なるほどね……。合点がいったわ……」

妖精「そういえば大トロって生で食べるんだっけ……?」

紫髪のエルフ幼女「はい。このフォレスティナでも、魚類を生で食べる文化が浸透してきたのはごく最近のことですが」

マーベル「大陸より東の文化圏じゃ昔から生で食ってたらしいがな」

妖精「う〜ん……でも魚を生で食べたりして大丈夫なの? なんか気持ち悪くなりそう……」

マーベル「なんだい、おばあちゃん大トロ食ったことねえの? じゃあせっかくだから頼もうぜ、大トロ!」

妖精「ええっ!? い、いらないよ! ていうかおばあちゃん言うな!」

マーベル「一度食ってみろって! 絶対美味いから!」

妖精「うへぇ……」

ティセリア「妖精ほど長く生きていても、食べたことのない食材があるのですね……。さて、あと二品は……」
700 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 21:29:09.53 ID:sMwqW2700
マーベル「セイン、お前は何か食いたい食材とかないのか?」

セイン「特にない。だが出されたものはなんでも食べるつもりだ」

イリス「あ、ローガンさんも似たようなこと言ってましたよね」

ローガン「そうだったろうか……。まあ、私も出されたものはなんでも食そう。皆で好きに選ぶと良い」

紫髪のエルフ幼女「セインさんとローガンさんは紳士的で奥ゆかしい方なのですね。私も普段からこの食堂を利用しているので……ティセリアはどうしますか?」

ティセリア「私もいつも美味しいものを食べさせてもらっていますから、復権派の皆さんに選んでいただきたく思います」

ミスティ「……それじゃあ、肉と魚でこってりしているから……野菜も入れたいわ……。マンドラ大根、良いかしら……?」

イリス「た、確かにお肉とお魚じゃ重いよね……! 良いと思う! それじゃあ、あと一品だけど……クロシュちゃん、どれが良いとかある?」

クロシュ「……えと……この、スライムゼラチン、っていうのは……?」

紫髪のエルフ幼女「これは森スライムの皆さんから分けていただいているスライム性ゼラチンです。美容と健康にとても良いと多くの種族の女性から好評をいただいている人気食材の一つなんですよ」

クロシュ「……わたしからも、出せる……? ゼラチン……」

紫髪のエルフ幼女「それは……わかりません。私たちが契約しているのは他種族が食しても問題のない種の森スライムの方々なので……黒いスライムであるクロシュさんの体から採れるゼラチンを他種族が摂取しても問題ないかは、一度調べてみないとわからないかと」

クロシュ「そうなんだ……」

妖精「なあに、もしかして自分から採れたゼラチンをみんなに食べさせたいの?」

クロシュ「え、えと……体に、良いなら……。非常食代わりにも、なるかも……」

イリス「いやいやいや! クロシュちゃんを非常食代わりになんてしないよ!?」

ミスティ「何を言っているのよ、もう……。クロシュを食べたりなんてしないわよ……」

妖精「ほんとにもう、この赤ちゃんスライムは……」

ローガン「フッ……他のメンバーはともかく、クロシュくんはやはり放っておけんな……」

紫髪のエルフ幼女「復権派の皆さんが、クロシュさんのお友達を一緒に捜してあげている理由が少しわかる気がします」

ティセリア「ふふ、ええ……。クロシュちゃんは優しい子なのですね」

マーベル「危うい優しさだがな。俺もそこのおっさんと同意見だ、もしパーティメンバーだったら放っておけん」

ローガン「私はマーベル氏よりも遥かに年下なのだが……」

セイン「……」

 ◇
701 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 21:30:54.65 ID:sMwqW2700

 薄切り大根と角煮マノシシ肉のスライムあんかけ大トロカルパッチョ「」ジャン!

ミスティ「こ、これは……初めて見る料理だわ……。カルパッチョ、と言うの……?」

食堂妖精「うん! 見た目はちょっと独創的だけど、味はしっかり美味しいから安心してよ!」

イリス「盛り付けの仕方も勉強になるなあ……」


ティセリア「それでは料理も揃ったので、皆さん祝杯の準備を」

マーベル「はいよ」スッ

セイン「……」スッ

ミスティ「祝杯なんて、いつぶりかしら……」スッ

イリス「私もすっごい久し振りかも……。魔族国では復興最優先でそんな余裕なかったもんねえ」スッ

ローガン「次に魔族国に立ち寄ることがあれば、改めて上げたいものだな」スッ

妖精「ほらクロシュも、グラスを持って」クイクイ

クロシュ「えと……こ、こう……?」

紫髪のエルフ幼女「お願いします、ティセリア」

ティセリア「はい! それでは――今回の勝利を祝い、この国の輝かしい未来を祈って――」

「乾杯!」カチャン!

 *
702 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 21:32:09.96 ID:sMwqW2700

イリス「もぐもぐ……ごくん。これ美味しいかも……!」

ミスティ「ええ……! 実をいうと私もスライムあんかけと大トロは初めてだったんだけど、美味しく感じるわ……!」

ローガン「これは……! 柔らかく煮込まれたマノシシの角煮と冷たくも濃厚な大トロの二つがスライムあんかけによって絶妙な味を作り出している……! そして大根の薄切りがアクセントとなってそれを引き立てているのも見逃せん……!」

紫髪のエルフ幼女「ふふふ、流石はどんぐり食堂です。やはりここに来て正解でしたね、ティセリア」

ティセリア「ええ。こうやって、食材を選んで出てきた予想外の料理を楽しむのもこの店の楽しさですよね」

マーベル「で、どうよおばあちゃん。美味いだろ? ちょっと俺が想像してた大トロとは違ったけどな!」

妖精「もぐもぐ……。なんか……不思議な味と食感……。まあ、悪くはないけど……。あとおばあちゃん言うな」モグモグ

クロシュ「もぐもぐ」モグモグ

妖精「クロシュ、スライムの姿で食べても良いよ。緑の国ならスライムの姿を気にする人はいないから」

クロシュ「! う、うん……ありがと」デロデロ

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

セイン「……」モグモグ

 ☆各派閥の親交が深まりました

 ◆
703 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 22:36:49.74 ID:sMwqW2700
―緑の国フォレスティナ 滞在8日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・選挙で勝つ

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
704 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 22:37:51.47 ID:sMwqW2700
―朝
 大樹の宿 ロビー

 チュンチュン

イリス「昨日は楽しかったなあ……!」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

ローガン「うむ……! 私も久し振りに羽目を外せた気分だ」

ミスティ「ええ……。伝統派と革新派の人たちのことを……少しだけ知れたような気がするわ……」

妖精「明日には票を巡って争う相手だけどね……」

イリス「はっ……! も、もう明日だっけ!? 投票日!!」

ローガン「明日だな……」

妖精「まあやれるだけのことはやってきたと思うし、後はなるようになるよ」

イリス「で、でも勝てるかなあ……。もし私たちが負けちゃったら、この国は王国の靴を舐めることになるんでしょ……?」

ミスティ「私たちが勝ったら、靴を舐めるどころじゃ済まなくなる可能性もあるけどね……。でも対策はあるんでしょ? 妖精」

妖精「……まあ、ないわけじゃないよ。でもマーベルは絶対に反対するだろうし……ティセリアは……どうだろう」

イリス「え、ええ……? それ、どういう対策なの……?」

妖精「聖域の範囲を緑の国全域まで広げて、フォレスティナを完全に鎖国する」

イリス&ミスティ&ローガン「!!?」

妖精「自由な往来は妖精と精霊と、あとは一部の認められた者だけしか行えなくなる。聖域を広げる際に適切な選別を行えば観光客や冒険者も聖域外に追い出せるし、あのセインってやつもそれは例外じゃない。だからフォレスティナの安全は確実に保てるようになるよ」

イリス「そ、それはそうかもしれないけど……!」

妖精「王国に滅ぼされるか、王国の靴を舐めるか、閉じた楽園にみんなで引きこもかの三択なんだよ。その中なら一番マシでしょ」

ミスティ「……私たちは、どうなるの?」

妖精「確実に外患とならないことがわかっている者には、聖域の通行許可を与える。まあ、最初はあなたたちくらいだけどね」

スライムクロシュ「〜」モニョ…

妖精「大丈夫。フメイも聖域の中にいれたままにしてあげるから。聖域を閉じた後、みんなで捜せばきっと見つかるよ」

ローガン「……しかし、国民は納得するだろうか? 彼らの理解を得られないまま強行するのは危険だと思うのだが……」

妖精「世界樹の意思ってことにすれば良い。私の意図で行えば反対も出るだろうけど、世界樹が気まぐれに聖域を広げたのなら受け入れざるを得ないよ。世界樹は、この国の根幹なんだもん」

イリス「……そもそも、妖精さんの手で聖域を広げることなんて可能なの? それこそ、世界樹自身でもないのに」

妖精「私を誰だと思っているの? 千年間も世界樹の近くにいて、この国を支え続けた建国の太母だよ? 聖域の結界はとっくの昔に解析済みだし、範囲を変更する手法も確立してる……ていうか今の聖域も実は範囲を変更した後なんだよね」

イリス「え、ええ!? そうだったの!?」

妖精「うん。元々、世界樹の結界は緑の森を覆うくらい広かったんだよ。でもそれじゃ往来に不便だったから、建国の時に私が手を加えたの。だからまあ、厳密に言えば聖域を広げるっていうよりは元の広さに戻すって感じかな」

ミスティ「元に戻すだけ……確かに、それなら仕方ないような気もするわ……」

イリス「う〜ん……それしかないのかな……」

ローガン「……気持ち的には納得し難いところだが……これより良い作戦も思いつかん……」

妖精「まあ、納得できない気持ちはわかるよ……。でも国際競争なんかに挑んだって、その行く末はきっと慈悲も仁義もない弱肉強食だもん。だったら閉じた聖域の中で、食うのも食われるのも最小限に留めて穏やかに暮らした方が良いと私は思う」

イリス「……そうなの、かも……?」

ミスティ「……そうね。異議はないわ……。あの森妖精の子も……きっとその方が、穏やかに暮らせるだろうし……」

ローガン「……奪うことも奪われることもなく、穏やかに暮らせるのなら……それに越したことはない、か……」

スライムクロシュ「……」

妖精「……すぐに納得してくれとは言わないよ。でも、生きることの痛みを知っているあなたたちなら……きっと、わかってくれると思う。いや、無理にわかれとも言わないけども……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョニョ

妖精「クロシュ……ありがと」ニコ


フォレスティナ滞在8日目です(投票日までの残り行動可能日数1、選挙前最終行動です)
↓1〜3 自由安価 何をする?
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 22:39:33.20 ID:rrqZ4NBU0
ミスティ、個人で魔法の特訓
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 22:42:46.09 ID:T98ojF2DO
フメイとアリシラ?を目撃された所を中心に探してみる
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 22:50:11.10 ID:hOJrVWiLo
セインくんに王国ファッキューと喧嘩でも売る
708 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/03(日) 23:04:33.54 ID:sMwqW2700
あまり進まずに申し訳ありませんが、本日はここまでとさせていただきます
次回はミスティの特訓編、フメイちゃんとアリシラ?さんを捜す編、セインくんの真意を探る編となります

突然の鎖国宣言ですが、果たして上手くいくでしょうか。それは実際にやってみなければわかりません。そもそも選挙で復権派が勝てるかどうかもわからないので、あまり気にする必要もないかと思います
そしてもう選挙の前日です。当初は険悪だった三派閥ですが、いろいろあってお食事会を楽しめる程度には仲良くなれたようです。これが実際の投票日にどのような影響を及ぼすかはわかりませんが、恐らく悪い方には傾かないことでしょう。緑の国の平和を願う気持ちは、概ねみんな共通しています

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 01:11:03.98 ID:+Eup+wAsO

妖精おばあちゃんかわいい
クロシュちゃんの末っ子感も良き
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 01:22:19.08 ID:Q0tCnD3No
おつ
またクロシュ殿が庇護欲チャームを発動しておられるぞ!
クロシュゼラチンはなんか苦そう(暴言)
711 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 19:49:08.57 ID:5xNdH34H0
妖精おばあちゃんは国の運営に関してはともかく、個人的な趣味嗜好については割と保守的なため、生魚を食べたことがなかったようです。ちなみに緑の国のエルフは肉も魚も食べるので、細身ではない人も多く見られます

クロシュちゃんは実際、パーティの末っ子のような感じなのかもしれません。もう穀潰しではありませんが、その立ち位置はあまり変わっていないようです
クロシュゼラチンがどんな味かは、実際に食べてみないとわかりません。また、スライムゼラチンは種によって毒性があったりもするので、摂取には注意が必要です。どんぐり食堂で提供されている森スライムのゼラチンは、おおよそほとんどの生物が食しても毒性を示すことがない安心安全なゼラチンです
712 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 19:49:37.70 ID:5xNdH34H0
―朝
 大樹の宿 ロビー

ミスティ「それで……今日はどこで活動するの?」

妖精「それなんだけど、今日は各自自由行動にしない?」

イリス「えっ!? 明日選挙だよ!?」

妖精「知名度は十分上がったし、やれることも大体やったもん。あとはなるようになるよ」

ローガン「妖精くんが言うならそうなのだろう。私には未だに選挙のせの字もわからんしな……」

ミスティ「それはその通りね……。妖精がもう十分だと思ったのなら、私たちはそれを信じるしかないわ……」

妖精「まあそういうわけで私はちょっとやることあるから、みんな今日は自由に好きなことやっててね」

クロシュ「……? 妖精さん……」ジッ

妖精「この前みたいに一人で危ないことしに行くわけじゃないから大丈夫だよ。ちょっとティセリアたちと話をしてくるだけ」

ミスティ「……さっき言った作戦を話してくるのね」

妖精「そういうこと。あなたたちがいても、その……できることがないと思うからさ……」

イリス「遠回しに戦力外通告されちゃった! 事実だけど!」

ローガン「う、うむ……。実際、妖精くん以外はつい先日ここに来たばかりの部外者だからな、我々は……」

妖精「今更だけど悪かったね、この国のゴタゴタに巻き込んじゃってさ……」

ミスティ「いいえ、首を突っ込んだのは私自身の意思よ。巻き込まれたつもりはないわ」

イリス「右に同じく!」

ローガン「うむ。微力ではあろうが、建国の太母に力添えできて光栄だ」

クロシュ「ん……」コクリ

妖精「ありがと! それじゃ行ってくるよ」フワッ パタパタ
713 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 19:50:17.96 ID:5xNdH34H0
 *

ミスティ「……それじゃあ、私も一人でやりたいことがあるから出るわね」スクッ

イリス「えっ? 一人で?」

ミスティ「ええ」

ローガン「相わかった。しかしいくらこの国の治安が良いと言えど……いや、君には言うまでもないか」

ミスティ「ええ、心得ているわ。元より一人で放浪してきた身だもの、警戒は怠らない」

ローガン「ならば良し」

イリス「さ、流石だなあ……」

ミスティ「日が暮れるまでには帰るわ。それじゃあ行ってくる」スタスタ

クロシュ「いってらっしゃい……」

 *

クロシュ「……」

イリス「……それじゃあ私たちは、フメイちゃんを捜しに行こっか!」

クロシュ「!」

ローガン「うむ。目撃された場所を中心に捜してみるとしよう」

イリス「はい!」

クロシュ「えと……ありがと、ございます」ペコ

 *
714 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 19:50:46.21 ID:5xNdH34H0
―郊外
 精霊の泉

 ホーホケキョ
 ポッポーホーホー

ミスティ「……」

ミスティ(先日の戦いで……私だけ、無様に攻撃を食らって気を失ってしまったわ……)

ミスティ(イリスを庇う為だった……なんてのは言い訳にしかならない……。わざわざ体を張らずとも、氷の壁を張るとか他に手はあったはずだもの……)

ミスティ(……歴戦の戦士であるローガンさん、複数属性扱えるイリス、最近戦えるようになってきたクロシュ、実は凄い人物だった妖精……。みんな、凄い人……)

ミスティ(それに比べて……私は……。かき氷が作れて、ソリを動かせるだけの女……。このままでは……みんなに、申し訳が立たないわ……)

ミスティ(強く……ならないと……)グッ

 *

 宙に浮く氷柱「」キラキラ

ミスティ(私の作る氷柱……相手が人や獣であればある程度は有効だけど……樹木にはまるで刃が立たなかったわ……)

ミスティ(……樹木だけじゃない。強固な装甲を纏っている相手には、同様に通じないはず……)

ミスティ(今までは自分が生き残ることさえできれば、必ずしも戦いに勝つ必要はなかったけれど……。この前みたいに、仲間の誰かが敵対者に捕まったりしたら、そうも言ってられないわね……)

ミスティ(でも、勝つ為にはどうすれば良いのかしら……。イリスみたいにしっかり魔法を学んで来たわけじゃないのが災いしたわ……。我流以外のやり方がわからない……)

ミスティ(イリスも氷属性は使えないらしいし……。ここはやはり、魔力の限り氷柱を重く鋭くしていくしか……)


↓1コンマ
01-60 燃費の悪い新技を開発
61-90 燃費の良い新技を開発
91-00 負属性への理解
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 19:54:14.82 ID:P/dEHdxMO
過負荷
716 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 20:31:16.07 ID:5xNdH34H0
 宙に浮く巨大な氷柱「」グググ

 バリンッ

 砕け散った氷柱「」シュウウ…


ミスティ「っ、だめね……。魔力量に見合わない真似をしても、燃費が悪すぎる上に不安定……。実戦じゃとても使えないわ……」

ミスティ「……それにしても……」

 砕け散った氷柱「」

ミスティ「この無理矢理大きくしようとして砕けた氷柱の破片……やけに白っぽいわね……。なんでかしら……」スッ

ミスティ「……そもそも普段から私の作る氷は妙に白みがかっているけれど……。この氷柱は特に白っぽいというか……」

ミスティ「昔、ママが作った魔法の氷はもっと透明で澄んでいたわ……。一体何が違うのかしら……」

 砕け散った氷柱「」パキン…

ミスティ「……! ……これ、空気なんだわ! 製氷の精度が甘いせいで空気が混ざり込むから……!」

ミスティ「この大きくしすぎた氷柱がいつもよりさらに白っぽいのは、無理矢理大きくしたせいで普段よりさらに精度が失われていたから……!」

ミスティ「それなら空気が混ざらないように――ママの魔法みたいに、氷を作ることができれば――」グッ

 ◇

 澄んだ透明な氷柱「」キラン…

ミスティ「……コツを掴めば意外と簡単にやれたわ。あとはこれを――」

 ヒュンッ
 ドスッ

 大岩に深々と突き刺さった透明な氷柱「」

ミスティ「よし……。これなら岩のゴーレムが相手でも有効打を与えられるわね……」

ミスティ「ついでに、氷柱ばかりだと刺突に強い相手には不利だから――」ヒュオオ

 宙に浮く氷の刃「」シャキン
 宙に浮く氷塊「」ゴゴゴ

ミスティ「これで斬撃も打撃もカバーできるわ……」

ミスティ「……それにしても……コツを掴んだお陰かしら。製氷の燃費が良くなった気がするわ……。空気という不純物のせいで余計な消耗を強いられていたかも……」

ミスティ「ふう……。とりあえずまだやれそうね……私も……」

 ☆ミスティの製氷技術が上がりました

 ◆
717 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 20:32:28.52 ID:5xNdH34H0
―露店通り

イリス「まずはここだね。ヤマイモ餅を食べてたってことは――」

ヤマイモ餅屋台の森妖精「ヤマイモ餅が食べたい? 焼き立てホヤホヤだよ〜、どうぞどうぞ〜」

イリス「ヤマイモ餅屋さん、何日か前にここへ来た二人組について知らない? 一人は――」

クロシュ「……えと……わたしに、似てる……黒髪の、女の子……」

ヤマイモ餅屋台の森妖精「あっ、この前買ってってくれたお客さん! ……に似てる子……?」

イリス「うん……。なんていうのかな……まあ、双子みたいなものなんだけど、私たちはその子を捜してるの」

ヤマイモ餅屋台の森妖精「双子ちゃんかあ〜! 迷子なの? 大変だねえ」

クロシュ「えと……薄茶色の、お姉さんも……一緒だった……?」

ヤマイモ餅屋台の森妖精「うん、一緒だったよ〜。なんだか面白い二人組だったから印象に残ってるかも〜」

ローガン「その二人組がどこへ向かったか、知らないだろうか」

ヤマイモ餅屋台の森妖精「それはわかんないな〜。私はヤマイモ餅を買って食べた後は、人混みに紛れてどっか行っちゃったと思うよ〜」

イリス「うーん、そう簡単には見つからないか……。でもありがとう! ヤマイモ餅買うね! 三本!」

ヤマイモ餅屋台の森妖精「えへへ、ありがと〜。熱いうちに食べてね〜」

 *

 ヤマイモ餅「」ホカホカ

イリス「いただきまーす! あむっ……あふいっ!」

ローガン「熱いうちに、と言うがこれは熱いうちは食べられん熱さだな……」

クロシュ「あむ……もぐ、もぐ……」モグモグ

イリス「わあ、クロシュちゃん凄いな! こんなに熱いのに食べれるんだ……!」

クロシュ「ごっくん……。うん……」

 ◇
718 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 20:35:14.62 ID:5xNdH34H0
―郊外 空き地

 焚き火跡「」

ローガン「ここだな。次の目撃現場は」

イリス「微かに、あの時食らった炎の魔力の残滓を感じる……。フメイちゃんがここにいたのは間違いないと思う」

クロシュ「フメイちゃん……」

ローガン「だがやはりここにはいないようだな……。せめて足跡が見つかれば良いのだが……」キョロキョロ

イリス「私ももっと魔力探知してみる……!」

クロシュ「……」


探索度合計100%以上でフメイちゃんを見つけます
イリスの魔力探知
↓1コンマ(目撃情報により+10)
01-05 空振り
06-35 探索度+10%
36-65 探索度+20%
66-95 探索度+40%
96-00 イリス「近くにいる!」

ローガンの斥候術
↓2コンマ(目撃情報により+10)
01-05 空振り
06-35 探索度+10%
36-65 探索度+20%
66-95 探索度+40%
96-00 ローガン「この足跡は新しいぞ!」

クロシュの発想
↓3コンマ(目撃情報により+10)
01-05 空振り
06-35 探索度+10%
36-65 探索度+20%
66-95 探索度+40%
96-00 クロシュ「フメイちゃん!」
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:35:46.82 ID:3oRZ2lMwo
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:35:53.65 ID:PL2k9n3S0
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:38:01.97 ID:Nkdw7v6GO
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:38:10.31 ID:DdwxTlTuO
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:38:29.29 ID:JW0mXv2k0
えい
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 20:46:52.35 ID:YaELrgGqo
やるぅ!
725 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 22:49:09.97 ID:5xNdH34H0
イリス「魔力反応は……微かだけど、こっちに続いてる」

ローガン「私も足跡を発見した。方向は……イリスくんの示すものと同様だな」

イリス「本当ですか! それなら間違いなさそうです……!」

犬クロシュ「……」クンクン

イリス「わっ、クロシュちゃんいつの間に犬の姿に……!?」

犬クロシュ「……!」

犬クロシュ「」シュバッ

イリス「急に走り出さないでよぉ!」ダッ

ローガン「くっ、なんという速さだ……! しかしあの様子は、まさか――」ダッ

 *
726 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 22:50:11.48 ID:5xNdH34H0
―郊外 森の境

犬クロシュ「」シュタタタッ

 デロッポンッ

クロシュ「フメイちゃん!!」トタトタ


フメイ「え……? クロ、シュ……?」

クロシュ「フメイちゃん!」

フメイ「クロシュ……どうして……」

クロシュ「…………かえろ……? 一緒に……」

フメイ「…………」


アリシラ?「あ〜クロシュちゃんだ〜! お久しぶり〜!」ヌッ

クロシュ「!」ビクッ

フメイ「……」

アリシラ?「あれぇ? 私のこと忘れちゃったの? アリシラちゃんだよぉ、お隣さんの〜」

クロシュ「え、えと……」オロオロ

フメイ「……アリシラは、少し変になってるの。放っておいてあげて」

アリシラ?「も〜、変になんてなってないよ〜」

フメイ「……」

クロシュ「……あ、アリシラさんも……。かえろ……?」

アリシラ?「ん〜? どこに?」

クロシュ「あ……」

アリシラ?「うふふ……。帰るとこなんて、ないよ。私たちの住んでたとこがどうなったか、覚えてるでしょ? お母さんもお父さんも、村のみんなも……私たち以外、みーんな死んじゃったもの」

フメイ「……」

アリシラ?「だからごめんね? クロシュちゃんと一緒には帰れないかな〜」

クロシュ「えと……でも……お墓、だけでも……」

アリシラ?「お墓かあ……。それも悪くないけど……うふふ……むしろクロシュちゃんこそ、私たちと一緒に行こうよ。この最悪の世界を、私たちと一緒に綺麗にしよう?」

クロシュ「えっ……?」

フメイ「……」

アリシラ?「クロシュちゃんも見たでしょ? 惨たらしくいたぶられ、辱められ、殺される人間たちと……人間の赤ちゃんを惨たらしくいたぶって殺しながら、哄笑を上げる魔族たちの姿を……。かつて虐げられた魔族が、立場が変わった途端に同じことをし返すの。あれはあの魔族たちが特別悪い奴らだったというわけではないんだよ? 誰だってああなるの。誰もが魔王≠ノなる可能性を秘めているの」

クロシュ「……」

アリシラ?「うふふ……怖いねぇ。でも大丈夫。クロシュちゃんを傷付けようとする者は全てこの世から追い出してあげるから。ね、フメイちゃん?」

フメイ「……うん。フメイが……みんな、焼き払う。私たちをいじめる奴らは……全員……」

クロシュ「フメイちゃん……」

アリシラ?「そういうわけだから、私たちはまだ帰れないの。お墓はいつか作ってあげたいけどね。それで……どう? クロシュちゃんも一緒に来ない?」

フメイ「……クロシュを巻き込まないで。これは、私とあなたが始めたことでしょ」

アリシラ?「クロシュちゃんに聞いてるの〜。フメイちゃんは黙っててよぉ」

クロシュ「……」
727 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 22:50:52.09 ID:5xNdH34H0

クロシュ(アリシラ?さんの言うことも……ちょっと、わかる……)

クロシュ(まさにその時、妖精さんが言っていたように……命には、どうにもならない面がある……)

クロシュ(フメイちゃんとアリシラ?さんは……そのどうにもならないものを、どうにかしようとしているのかもしれない……)

クロシュ(でも口ぶりからすると……そのやり方もまた、きっとどうにもならないくらい悲惨なものだ……)

クロシュ(どっちに転がっても……どうにもならないことに変わりはない……)

クロシュ(わたしは……)


↓1〜3多数決
1.やっぱりどうにもならないと思う。一緒には行けない
2.やっぱりどうにかしたいけど、悲惨なやり方はだめ。一緒には行けない
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:52:10.25 ID:YaELrgGqo
2
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:52:11.02 ID:PL2k9n3S0
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 22:52:44.56 ID:5biNd+1DO
2
731 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/09(土) 23:20:41.31 ID:5xNdH34H0
クロシュ(……)

クロシュ(聖女さんは……あの光景を目の当たりにしながら……それでも、命は苦しめ合うだけじゃないって……魔族国でがんばってる……)

クロシュ(妖精さんも……どうにもならないと口では諦めたようなことを言いながら……今この国で、必死に奔走してる……)

クロシュ(……それに……森妖精の子のおうちだって……)

クロシュ(わたし一人じゃ、何もできなかったかもしれないけれど……みんなで諦めずにがんばったから……助けられたんだ……)

クロシュ(……)

クロシュ(どうにもならないことは、やっぱりどうにもならないかもしれないけれど……)

クロシュ(それでも……やっぱり、わたしも……)

クロシュ(諦めたくない……!)



クロシュ「……一緒に……行けない」

フメイ「……うん。クロシュは、安全なところに……」

クロシュ「んーん……。フメイちゃんも……アリシラさんも……危ないことは、やめて……やっぱり、一緒にかえろ……?」

フメイ「え……」

アリシラ?「……」

クロシュ「えと……ひどいやり方は……だめ……。それじゃあ、本当に……どうにも、ならなくなっちゃう……」

フメイ「……」

アリシラ?「まあ、優しいクロシュちゃんには向いてないとも思ってたし仕方ないかな。やっぱり私とフメイちゃんの二人でやるしかないねぇ」

フメイ「……」

アリシラ?「うふふ……もしかしてフメイちゃん、帰りたくなっちゃった?」


↓1コンマ
01-95 それでも……
96-00 帰りたくなっちゃった
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 23:21:44.31 ID:bwRLZh0o0
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 23:22:00.20 ID:5biNd+1DO
はい
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 23:22:00.20 ID:JW0mXv2k0
もうやだおうちかえるぅ!
735 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 00:07:09.14 ID:R0Lzpolx0

――
――――

 ―燃える集落

  ゴオオオ……
  メラメラ… パチパチ…

 燃える大人の死体「」メラメラ

 燃える子供の死体「」メラメラ

 燃えるスライムの死骸「」ジュクジュク…

  ◆

 ―焼け落ちた集落跡

  雨「」ザァァァァ…

 大人の焼死体「」

 子供の焼死体「」

 スライムの焼死骸「」
736 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 00:08:04.45 ID:R0Lzpolx0
――――
――


フメイ「……」グッ

クロシュ「フメイちゃん……」

フメイ「……クロシュ……。ごめん……。フメイ……一緒に、帰れない……」

クロシュ「あ……」

フメイ「……みんなを焼いたの……フメイの炎、だから……。フメイに……帰る資格なんて……ない……」

クロシュ「そんな……こと……。だって、フメイちゃんは……仕方なかったもん……」

フメイ「仕方なく、ない……。フメイのせいで……みんな、死んじゃった……」

アリシラ?「……」

フメイ「だから……あの村のみんなが夢見てた……差別も暴力もない、平和な世界を……フメイが、作る……。あんなこと……二度と、起こさせないために……」

クロシュ「……フメイ、ちゃん……」

アリシラ?「ごめんねぇ。フメイちゃんも本音ではクロシュちゃんと一緒にいたいんだけどね? それ以上に、やらなっきゃならないことがあるの……」

クロシュ「……」

フメイ「……クロシュは……安全なとこで、待ってて……」

クロシュ「…………」ジワ

フメイ「……ごめんね、クロシュ。本当に……ごめんね……」

アリシラ?「うふふ……つらいねぇ……。待つ身も、待たせる身も……」



イリス「クロシュちゃーん!」タッタッタッ

ローガン「クロシュくん!」タッタッタッ



アリシラ?「あらら、クロシュちゃんの新しいお友達? 鉢合わせるのも面倒だしお暇しよっか、フメイちゃん」

フメイ「あっ……。クロシュ……! これ……!」ビリッ

 スッ
 フメイの服の切れ端「」

クロシュ「ふえ……?」

フメイ「涙、拭いて……。毎日熱殺菌してるから、清潔だから……」

クロシュ「あ……」

フメイ「それじゃあ、またね……!」

 ボンッ!

アリシラ?「それじゃあまたねぇ、クロシュちゃん。あそうそう、選挙の日はあんまり世界樹に近付かない方が良いかもよ? じゃ!」タッタッタッ

クロシュ「あ、うん……」

 *
737 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 00:21:15.63 ID:R0Lzpolx0
本日はここまでとなります。クロシュちゃんのメンタリティにまた少し変化があったようです

今回はミスティさんが魔法のコツを掴み、フメイちゃんとの接触に成功しました
コンマ表にちらっとありましたが、ミスティさんの魔法はさらにもう一段上の可能性を秘めています。もし機会があれば、今回のようにパーティメンバーの成長を促すような行動をするのも良いかもしれません
そしてフメイちゃんを説得するのはとても難しそうに見えますが、アリシラ?さんを説得するよりは易しいかもしれません。今回ある程度のコミュニケーションが取れたのは、クロシュちゃんにとってもフメイちゃんにとっても良いことだったと思います

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 02:49:18.41 ID:xAbX2HRfo

なんか世界樹にやるつもりなんかフメイちゃんたち……
修行はやればいい事ある、前作でもそうだった
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 10:11:45.95 ID:W+ELYYdDo
乙乙
なんかフォレスティナ編でフメイちゃん問題解決できそうな勢い
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 15:40:15.82 ID:YjytK3sl0


何だかんだパーティに愛着わいてるミスティさん
741 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 20:24:31.25 ID:R0Lzpolx0
フメイちゃんとアリシラ?さんが何をしようとしているかはわかりませんが、アリシラ?氏がろくでもないことを考えているのは確かだと思われます。気を付けましょう

フメイちゃんは心情的にはクロシュちゃんと一緒にいたいようなのですが、村を焼いた罪悪感やら、王国や人間等への憎しみやら、平穏な世界を作りたい願いやら、様々な感情が絡まり、折り合いが付かなくなってしまっているようです。クロシュちゃんはフメイちゃんと一緒に帰りたいだけなのに、なかなか上手くいかないようです

ミスティさんの氷魔法は、一人で旅をする中ほぼ独学で身に付けたもののため、実は意外と荒削りだったりします。そういう点では、自分の属性を正しく理解できていない状態で複数属性を使っているイリスと良い勝負かもしれません。二人ともちゃんと自分の属性を理解すればもっと凄いことができるようになります。クロシュちゃんやローガンさんも、修行をすれば良い発見があるかもしれません

実はミスティさんはこのパーティに愛着が湧いています。今まで誰も信用せずに一人で旅をしてきた彼女にとって、警戒せず一緒にいられる仲間というのはとても新鮮で心地良いものだったのかもしれません。それゆえに、パーティの仲間に迷惑をかけかねない自らの不甲斐なさが許せなかったのでしょう
742 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 20:25:20.23 ID:R0Lzpolx0
―郊外 森の境

イリス「そっか……。説得、できなかったんだね……」

クロシュ「うん……」

イリス「……でも、フメイちゃんはクロシュちゃんのことを今でも大切に思ってくれてるんでしょ? だったら……きっと、まだ手はあるよ……!」

ローガン「うむ。しかしアリシラという子の性格が以前と大きく異なっているとのことだが、もしかするとフメイくんよりもアリシラくんの奇妙な変化について調べた方が良いかもしれんな」

イリス「そうですね……私もそれは思いました。もしかしたらフメイちゃんは、変になったアリシラちゃんに引っ張られてるのかもしれませんし……」

クロシュ「うん……。アリシラさん……前はもっと、静かで優しい人だったのに……」

ローガン「謎は深まるばかりだな……」

イリス「とりあえず今日はもう帰りましょう。そろそろミスティも戻ってるかもしれない」

クロシュ「うん……」

 *
743 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 20:27:12.49 ID:R0Lzpolx0
―夕方
 郊外 街道

 カァー カァー
 スタスタスタ…

イリス「……」スタスタ

ローガン「……」スタスタ

クロシュ「……」ヨタヨタ


セイン「……」スタスタ


イリス「セインくん!」

ローガン「なんと」

クロシュ「……!」

セイン「……お前たちか」

イリス「うん! セインくんも帰るとこなの?」

セイン「いや、マーベルを探している」

ローガン「……やはり大変なのだな。彼の護衛というのは」

セイン「もう慣れた。お前たちはマーベルを見ていないか?」

イリス「見てないなあ……。ごめんね、役に立てなくて」

セイン「いや、いい。護衛でありながら奴を見失った僕の責任だ」

イリス「真面目!」

ローガン「勤め人の辛いところだな……。旅人は気楽で良いぞ。セインくんも旅人にならないか?」

セイン「僕にはやらなければならないことがある。気楽に旅をしている暇などない」

ローガン「ふむ……。彼の護衛もその一環なのか?」

セイン「……お喋りが過ぎたな。僕はもう行く」スタスタ

イリス「あっ……!」

ローガン(……これ以上は無理か。前に釘を刺されたばかりだし、深追いは禁物――)


クロシュ「……なんで……王国なんかのために、動いてたの……?」

イリス&ローガン「!!?」


セイン「……」ピタ
744 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 20:28:19.06 ID:R0Lzpolx0
クロシュ「みんな……王国のせいで、ひどい目にあって……苦しんでる……。セインさんは……悪い人じゃ、なさそうなのに……どうして……?」

セイン「……」


ローガン「く、クロシュくん! もうやめておけ! それ以上はまずい!!(小声)」

イリス「そ、そうだよクロシュくん! セインくんは怒らせない方が……!(小声)」

クロシュ「あっ……ご、ごめんなさ……(小声)」


セイン「……」


↓1
01-50 無視
51-90 僕は悪人だ
91-00 ??
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 20:29:05.96 ID:YjytK3sl0
746 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:16:10.17 ID:R0Lzpolx0
セイン「……僕は……守るべきものを、守りたいだけだ」

クロシュ「え……?」

セイン「その結果、王国の悪しき陰謀の走狗となり――罪のない者たちを手にかける、悪そのものに堕ちるとしても――構わない」

イリス「……!」

ローガン「セインくん、君は――」

セイン「僕の邪魔をする者は、誰であろうと――」クルッ

クロシュ「――」

セイン「……!」ズキッ

セイン「う、ぐ……」グラッ

クロシュ「あっ……! せ、セインさん……!」トテトテ

 ポフッ(クロシュがセインを支える音)

セイン「はあ、はあ……! まさか……お前は……お前、たちは……!!」

クロシュ「??」

セイン「う、ぐ、ああああっ……!!」


「はいそこまで」フォン


クロシュ&イリス&ローガン「!?」

僧侶「困るんですよね。私たちのセインくんに勝手なことされると」スタスタ

イリス「あ、あなたは……?」

僧侶「私ですか? セインくんの仕事仲間……ってとこですかね」

ローガン「では、あなたも革新派の護衛を?」

僧侶「革新派の護衛ィ?? ぷっ……あっはははは!! なんで神の僕たるこの私が、こんな土臭い国の泥臭い奴らの護衛なんかしなきゃならないんです??」

イリス「……セインくんは、その土臭くて泥臭い革新派の護衛やってるみたいですけど」イラッ

僧侶「あーはいはいそういえばそういうことになってましたね。私としたことが、ロールをすっかり忘れていました。反省反省」

ローガン「……貴様、何者だ」

僧侶「……まあ、いいでしょう。教えて差し上げます。私は――」

僧侶「ロイエ教原理派幹部――名前は、神に捧げたのでもうありません。ただの僧侶とお呼びくださいませ」カーテシー
747 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:19:16.50 ID:R0Lzpolx0
イリス「ろっ……ロイエ教原理派幹部!!? な、なんでそんな人がここに――」

僧侶「さあ、なんでだと思います?」

ローガン「明日の選挙へ向けた内政干渉……いや、工作か?」

イリス「そ、それって条約違反じゃ――」

僧侶「神の代行者である私たちが、人間同士の取り決めに従う必要なんてあります?」

イリス「滅茶苦茶だ……!」

ローガン「……何を企んでいる? セインくんの仕事仲間とはどういう意味だ?」

僧侶「いきなり質問攻めとかやめてくれません? デリカシーのないおじさんとか最悪なんですけど」


クロシュ「……」ギュッ

セイン「…うっ……」

クロシュ「セインさん……。あの人は……だめ……」

セイン「………やはり……お前、は……」


僧侶「うわっ、よく見たらそれスライムじゃないですか。穢いなあ、セインくんから離れてよ」シッシッ

クロシュ「……」キッ

僧侶「は? 何ですかその目つき。スライムの分際で生意気ですね」

クロシュ「……」

僧侶「うざ……。もういいです、浄化して差し上げます。来世では馬頭くらいになれると良いですね」コオオ…


イリス「あ、ああっ! だめっ!!」

ローガン「クロシュくん!!」


セイン「や……めろ……!」ザッ


クロシュ「セインさん……!」

僧侶「んん? ちょっとセインくん、何のつもりですか?」

セイン「……こいつを殺したら……僕は、お前たちと手を切る……」

僧侶「は?」

セイン「……」

僧侶「あなた自分が何を言っているかわかっているのですか? あなたが手を切ったら、あの子たちは――」

セイン「だが、お前たちは……僕という戦力を失う……」

僧侶「……チッ。交渉ごっこですか? 悪知恵を付けましたね」

セイン「……」

僧侶「はあ、わかりましたよ。セインくんに機嫌を損ねられると困るのは私たちですからね」

セイン「……」

僧侶「そういうわけですから、本日は見逃して差し上げます。帰りますよ、セインくん」

セイン「いや……僕は、マーベルを探さなければ……」

僧侶「それはもういいです!!」

 *
748 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:19:59.49 ID:R0Lzpolx0
イリス「……何だったんでしょうか。あの人」

ローガン「……いろいろ、聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がするな」

イリス「正直、生きた心地がしませんでした。消されなかったのは奇跡じゃないですか、これ……」

ローガン「うむ……。恐らくセインくんのお陰だろうが……。しかしロイエ教原理派、か……。王国と言い、良からぬ企みが渦巻いているな。この大陸には……」

イリス「明日の選挙……心配ですね……」

ローガン「妖精くんには報告しておいた方が良いだろうな」


クロシュ「セインさん……」

イリス「セインくんも……心配だね……」

ローガン「彼は……不本意に利用されているのかもしれんな」

 ◆
749 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:50:10.72 ID:R0Lzpolx0
―首相官邸 応接室

ティセリア「今日は一人なのですね」

妖精「あの子たちがこの場にいても仕方ないからね。フメイ捜しとか他にもいろいろやりたいことがあるだろうから、今日は選挙活動はお休みだよ」

紫髪のエルフ幼女「前日だというのに余裕ですね。建国の太母だからって甘く見ていると足元を掬われますよ」

妖精「その時はその時だよ。大体、不正を働くあなたたちには正攻法じゃ勝ちようがないでしょ?」

紫髪のエルフ幼女「……」

ティセリア「……では、正攻法ではないやり方があるのですか?」

妖精「そういうこと。今日は交渉に来たの。不正をやめさせるためのね」

紫髪のエルフ幼女「交渉……? この国の未来を天秤にかけるほどの交渉材料があるとは思えませんが」

妖精「それがあるんだよね。それも、王国の干渉を完全に遮断することのできる名案が――」

ティセリア&紫髪のエルフ幼女「!?」

妖精「簡単に言うと――聖域で、フォレスティナを鎖国するの」

 *

ティセリア「た、確かにそれは、王国の干渉を完全に遮断することができますが……」

紫髪のエルフ幼女「しかし他のあらゆる国や地域との国交もほとんど断絶してしまいます! この国がこれまでに築き上げ、諸外国からも人気を博してきた数多の観光産業はどうなるんです!! 鎖国なんて簡単に言いますが、妖精のお宿のように外貨で生計を立てている者たちもいるんですよ!? 国外資源の輸入もできなくなれば、生活水準も……!!」

妖精「でも、王国を排除できる」

ティセリア&紫髪のエルフ幼女「……!!!」

妖精「鎖国によって収入が減ったり失業したりした事業者や労働者には手厚い補償を与える。衣食住に関する自給率はどれも余裕で十割を越えてるんだから、みんなが生きるのに困らない程度に資源を分配しても問題はないでしょ?」

ティセリア「それは、まあその通りですが……。国外へ輸出する分を国内へ回せば、むしろ供給過多なくらいですし……」

妖精「国外資源についてはまあ……私たち妖精とか認められた者は聖域を自由に通行できるから、国外との交流が完全に絶たれるわけじゃないし、なんとかできるでしょ。完全に信頼できる相手としか取引はできないから難しくはなるけれど、不可能ってわけじゃない。まあ私としては、王国以外とも完全に国交を絶って昔ながらの森と共に生きる生活に戻っても良いと思うんだけど……これは流石に老害意見すぎるかな……」

ティセリア「…………」

妖精「……どう? 王国の奴隷になるのと、多少の痛みを我慢してこの国の秩序と尊厳を守るのは……どっちが良い?」


 ☆太母の威光、復権派の名声、伝統派との親交により判定は自動成功となります
750 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:51:53.20 ID:R0Lzpolx0

紫髪のエルフ幼女「……例え、手厚い補償を与えられても……これまでに築き上げてきたものが崩れ去る苦しみは、簡単には癒えません……」

妖精「……わかってるよ。でも……あったかいご飯と、あったかい寝床と……家族や友達と穏やかに過ごせる時間があれば……それもいつか、癒やされると思う……」

紫髪のエルフ幼女「そんなの……ただの、根拠のない楽観でしょう……。そうやって楽観視した結果が、あの魔王樹だったのではありませんか」

妖精「……でも、今度は……誰にもお腹を空かさせないし、寂しい思いもさせない」

紫髪のエルフ幼女「口だけなら、なんとでも……」

ティセリア「サリー。もう良いでしょう……」

紫髪のエルフ幼女「……!」

ティセリア「あなただって……わかっているはずです。王国に隷属すれば……鎖国するどころではない痛みと苦しみが、この国に吹き荒れることを……」

紫髪のエルフ幼女「……」

ティセリア「滅亡でも、降伏でもない……私たちが夢にまで見た、第三の選択肢なのです……。それが完全に理想的なものではなかったとしても……十分すぎるではありませんか」

紫髪のエルフ幼女「…………はい……。私も……わかって、いるのです……。申し訳、ありません……」


ティセリア「……妖精。私たち伝統派はあなたの提案を支持し、公正公平な選挙を執り行うことを約束します」

妖精「ありがとう。当日は正々堂々戦おう」

ティセリア「はい。もし私たち伝統派が勝った時は、鎖国の施行を手伝ってもらいますからね」

妖精「当然。あなたたちこそ、もし私たちが勝ったらいろいろ手伝ってもらうからね」

ティセリア「ええ、もちろんです」

 ◆
751 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/10(日) 22:54:30.15 ID:R0Lzpolx0
―森林開拓現場

マーベル「よし、もう十分だな。地質良し、星脈良し、リスク無し! ドワーフたちを呼び戻して開発再開を――」

妖精「やっぱりここにいたね、マーベル」フヨフヨ

マーベル「復権派の妖精に――伝統派のおばさんたちか。なんだ、また食事のお誘いか? 若いイケメンが恋しいのか?」

ティセリア「……この国の未来を左右する、大事なお話をしに来たのです」

マーベル「なんだ? 明日の選挙のことか? それならもうやることは決まってるだろ、王国を敵に回さないように――」

妖精「私から提案がある。その王国に降伏も隷属もしないで済む方法を、伝えに来たの」

マーベル「なんだと……?」

 *

マーベル「さ……鎖国だと!!?」

妖精「うん。この国を守るためには、もうそれ以外の選択肢はない。先んじて王国の靴を舐めるという革新派の路線は、国家滅亡という最悪こそ避けられるかもしれないけれど……結局その先は、かつての魔族自治区のような、王国からの苛烈な差別と搾取がまかり通る生き地獄にしかならないよ」

マーベル「ぐっ……それは、そうかもしれねえが……。しかし、鎖国なんてしちまったら――」

妖精「……革新派が目指していた、外貨を獲得して国全体を豊かにしていく方針は……多分、達成できなくなるね」

マーベル「そうだよ! 鎖国なんてしちまったら、この国は今より更に土いじりしか脳のない土人国家になっちまう!! 俺たちの森林開発だけじゃねえ、他の連中の観光業もようやく軌道に乗ってきたとこなんだぞ!? それをお前……お前!! 鎖国なんて……!!!」

紫髪のエルフ幼女「……しかし王国を受け入れれば……この国の観光業は、破壊と搾取の限りを尽くされます。私たちが大切に育て上げた観光業を……王国に踏み躙られるか、私たち自身の手で終わらせるか……そのどちらかなのです……」

ティセリア「マーベル……どうか、賢明な判断を……」

マーベル「……」


↓1コンマ(復権派の名声、革新派との親交により+40)
01-50 認めねえ!!!
51-90 仕方ねえか……
91-00 待てよ?
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 22:55:24.21 ID:xAbX2HRfo
マーベルわかってくれ
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/10(日) 22:56:26.94 ID:W+ELYYdDo
待てよ?
754 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/11(月) 00:04:44.47 ID:U5ZzJzPU0
マーベル「……チクショウ。わかってんだよ……。王国なんぞの軍門に下るくらいなら、鎖国しちまった方が遥かにマシだってことくらい……」

ティセリア「マーベル……!」

マーベル「俺一人の我儘で、王国のカス共をこの国に入れさしたら……国民も、産業も、何もかもが王国の慰み者になっちまう……。んなことくらい……わかってんだよ……」

紫髪のエルフ幼女「マーベル……」

マーベル「俺はさ……。この国をもっと、盛り上げたかったんだ。諸外国の新しい文化を取り入れたり、開発や観光で外貨をもっと稼いだりして……この国をより豊かに、より楽しい国にしたかったんだ。いつも元気に飛び回る妖精たちも、意外と順応性の高いアルラウネの奴らも、言葉足らずながら気の優しい馬頭の連中も、頭の固い老害ばかりのエルフも……誰もが豊かに楽しく暮らせるようにしてえって、本気で思ってたんだぜ」

妖精「うん……」

マーベル「だがまあ……潮時だったのかもな。目先の開発に固執して、聞こえているはずの声を、見えていたはずの涙を無視しちまった……。上に立つ者として、やっちゃいけないことをしちまったんだ。しかもそれで魔王樹っつー脅威を見落としていたんだぜ? 笑い話にもならねえよ」

ティセリア「……」

マーベル「……まあ、そういうわけだ。革新派は……復権派の提案を受け入れる」

妖精「……ありがとう」

マーベル「この国のことを考えりゃ当然の判断だろ。しかしこうなると……選挙は普通にやるってことか?」

ティセリア「はい。どうやら、私たちの誰が勝っても鎖国する方針は確定のようですから」

紫髪のエルフ幼女「私たち以外の候補者が勝った場合は……どうしますか」

ティセリア「その時は改めて、新首長へこの提案をしましょう。私の知る限り、どの候補者もこの国の現状をしっかり理解している方々ですから、きっと受け入れてくれるかと……」

マーベル「俺が受け入れたんだから大丈夫だろ。はっきり言って俺以外は全員伝統派よりの考え方だしな」

紫髪のエルフ幼女「それもそうですね……。革新派はそういう意味では貴重な存在です」

マーベル「フッ……。さっきは潮時と言ったが、革新を求める支持者がいる限り革新派は不滅だ。まあ、今後の活動は少々慎重になるかもしれんが……」

妖精「鎖国って言っても、完全に国交を断絶するわけじゃないからさ。妖精と精霊と、認められた者には通行の許可を与えることができる。だから、規模は縮小しちゃうかもしれないけど……」

マーベル「おう。やれることを模索していくぜ」

 ☆伝統派と革新派の説得に成功しました

 ◆
755 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/11(月) 00:19:19.49 ID:U5ZzJzPU0
三派閥の合意を得られたところで、本日はここまでです。次回はついに、フォレスティナ首長選挙編開始です

ついに姿を現した、セインくんを裏で操る巨悪の影――ロイエ教原理派。セクリエ・ロイエで急進派と呼ばれているのは何を隠そうこの原理派のことでもあり、その実態は闇に包まれています。大陸の闇に蠢くその悪意を前に、クロシュちゃんはどうすれば良いのでしょう。一介の赤ちゃんスライムにできることなどあるのでしょうか
そして今回は三派閥がついに手を取り合いました。これで選挙は、誰が勝っても鎖国する方向で統一されることでしょう。しかし暗躍する王国や原理派、そしてアリシラ?さんの世界樹に近づくなという不可解な発言など、不確定要素も少なくないようです。選挙は無事に始まり、そして無事に終わることができるのか――

それでは本日はありがとうございました。次回も恐らく土日です。よろしくお願いたします
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 00:47:31.87 ID:t7DOiXMDO
乙です
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 18:06:17.33 ID:HN+yNsOmO

三派閥団結できたけど不穏だな
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 20:28:28.57 ID:5Sy/Dn7a0

中々の胸糞野郎出てきましたね・・・
セイン君上司への忠誠心は一応本物なのかな。
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 22:14:32.51 ID:V7bwC0nPo
おつ
セインくんも色々抱えてるなぁ
760 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:55:58.50 ID:gsRHWqSF0
候補者たちの思惑は異なれど、国への想いは皆本物なのかもしれません。団結できたのは良いことと思います
しかしこの選挙の行方がどうなるかは誰にもわかりません。クロシュちゃんは、真なる敵の姿を見極めることができるでしょうか

僧侶氏は、少なくともクロシュちゃんにとってはかなり嫌な存在だったようです。クロシュちゃんはできればあまり関わりたくないと思っているようですが、それだけにセインくんのことが心配でもあるようです
彼女がセインくんの上司にあたる関係なのかはわかりませんが、僧侶氏の行動をセインくんが邪魔した辺りを見ると明確な上下関係があるわけではないようです。しかしはっきりしたことはまだわかりません

セインくんにも彼自身の考えや目的があるようです。その事情は明らかになっていませんが、やはりクロシュちゃんのことが気になるようです。好みのタイプというわけではないらしいですが、真相は闇に包まれています
761 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:56:31.73 ID:gsRHWqSF0
―緑の国フォレスティナ 滞在9日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種
・フメイの服の切れ端

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・選挙で勝つ

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません
762 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:57:32.68 ID:gsRHWqSF0
―フォレスティナ首長選挙投票日
 露店通り 広場

 ワイワイ ガヤガヤ

森妖精の屋台「太母まんじゅうだよ〜! フェアリーシロップたっぷりでとっても甘いよ〜!」

エルフの屋台「こっちはティセリア様のお手製クッキーですよ〜! エルフミルクたっぷりでとっても濃厚ですよ〜!」

観光客の男性「太母のシロップとティセリア様のミルクだと!? おれはどっちを選べば良いんだ……!!!」

エルフの男性「私は当然、ティセリア様の濃厚ミルクですね」

 *

エルフの吟遊詩人「無数の触手に捕まり、四肢を拘束されて絶体絶命の太母――。万事休す、運命はここで潰えてしまうのか――」ポロロン

エルフの子供「たいぼさま……しんじゃやだ……」ウルウル
観光客の女性「無数の触手に四肢を拘束された伝説の妖精……ゴクッ……」
宿屋アルラウネ「そ、それでどうなっちゃうの……!?」

エルフの吟遊詩人「しかしそこへ業火一閃! 無数の触手を炎の刃で切り払って現れたのは――我らがダークヒーローイリス!!!」ポロロン

エルフの子供「わあああ!! だーくひーろーいりす!!」
観光客の女性「うおおお!! ダークヒーローイリス!!」
宿屋アルラウネ「来たあああ!! ダークヒーローイリス!!!」

 *

マーベル「富国強兵文明開化! 革新革命近代化! イエーッ!」シュババッ
森妖精の踊り子「イエーッ!」シュババッ
エルフの踊り子「イエーッ!」シュババッ
アルラウネの踊り子「イエーッ!」シュババッ
馬頭の踊り手「イエーッ!」シュババッ
革新派支持者たち「イエーッ!」

観光客のマーベルファンA「キャーマーベル様ー!」
観光客のマーベルファンB「こっち向いて〜!」
観光客のマーベルファンC「素敵です、マーベル様……」

 *

イリス「わあ……! すっごい盛り上がってる……! 流石は四年に一度の特大イベント……!!」

ミスティ「あのダンサーの募集、革新派だったのね……」

ローガン「伝統派もお菓子の屋台を出しているようだな。しかし太母まんじゅうはいつ手配したのだ?」

妖精「あの妖精たちが勝手に私を使って商売してるだけだと思う……。私は何もしてないし許可も出してないし……」

イリス「あ、あはは……妖精って自由な種族だよね」

 *

―郊外の投票所

紫髪のエルフ幼女「投票用紙をお書きになりましたらこちらの箱へお入れください」

森妖精の子「えと……ここ……?」

紫髪のエルフ幼女「はい」

森妖精の子「ありがと……」ヒョイ

紫髪のエルフ幼女「……ところで、あなたはお祭り会場には行かないのですか?」

森妖精の子「」「……うん。今は……木さんといっしょに……いたいから……」ニッコリ

紫髪のエルフ幼女「……ふふ。そうですか」

 *
763 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 17:58:16.31 ID:gsRHWqSF0
―夕方
 露店通り 広場

ティセリア「フォレスティナ国民の皆さん、投票ありがとうございました。観光に来た方々も、お越しいただきありがとうございます。現首長のティセリアです」ペコリ

 ワーワー ティセリアチャン!!

ティセリア「皆さんに支えられ、私はここまで首長として歩んでくることができました。今回の結果がどうなろうとも、皆さんへの感謝と、緑の国への想いが変わることはありません」

ティセリア「本当に、本当に……ありがとうございました」

公務員エルフ「……」ススッ

ティセリア「……ありがとう。それでは――たった今開票結果が届きましたので、読み上げさせていただきます」

ティセリア「今回のフォレスティナ首長選挙は――」


↓1コンマ
01-05 ??
06-15 革新派
16-55 伝統派
56-00 復権派
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 18:04:51.83 ID:l9Il6YJGo
はい
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 18:05:41.82 ID:yrqqU8o00
どうなる
766 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 18:58:40.35 ID:gsRHWqSF0
ティセリア「――復権派の妖精――建国の太母、堂々の再当選です!!」

 ワアアアア!! タイボ! ヨウセイ!! ソンナァー! マーベルサマァァ!!!

妖精「えええええ!!!? いや、もう私が当選する必要は――」

ティセリア「新首長!! 当選のお言葉をお願い致します!!」

妖精「……あー、こほん。みんな、ありがとう――。前と同じように――私は、みんなが平和で幸せに生きていけるよう、最善を尽くすから――。よろしくね――」

 ワアアアアア!! オメデトオオオ!! パチパチパチ!!


ティセリア「それでは、続けて新首長就任式を聖域にて行います。本日は、厳正な審査を受けて頂ければ一般の方も聖域に入ることができます。参加をご希望で未だ審査を受けていない方は、こちらで審査を行っておりますので――」

 *

妖精「なんてことだ……こんなことになるなら直前に棄権すれば良かった……。もう鎖国の合意が取れている今、私が当選する必要なんて全くなかったのに……」

イリス「ま、まあまあ……! この国のみんな、妖精さんのことをちゃんと覚えてくれてて、今でも好きでいてくれたってことだよ!」

クロシュ「うん……! 妖精さん……大人気……!」

妖精「う〜ん……まあ、確かに悪い気はしないけれど……。でもまあ、この国の運営についてあそこまで口出ししちゃったんだから仕方ないか……」

ミスティ「そうね……。四年間の任期、頑張りましょう……」

ローガン「フッ……思っていたよりも長い間この国に滞在することになりそうだな」


妖精「……それにしても……昨日イリスが言っていた奴ら、影も形も見せないね」

イリス「そうだね……。もう工作とかをするタイミングは過ぎたように思えるけれど……はっ!? まさか暗殺――」

ローガン「一応、私も細心の注意を払っている。今のところ厄介な気配は感じないが……」

ミスティ「聖域に侵入して何かするつもりなんじゃ……? 審査があるとは言え、今日は聖域が一般公開されるわけだし……」

妖精「まあ、流石に聖域に入り込んで不届きを働くなんて狂った真似をする輩がいるとは思いたくないね……」

クロシュ「……」


ティセリア「復権派の皆さん、ここにいらしたんですね」スタスタ

妖精「ティセリア……」

ティセリア「ふふ、首長就任おめでとうございます、妖精」

妖精「あー、うん……ありがと……」

ティセリア「先ほども話しましたが、就任式を聖域で執り行いますので、妖精だけでなく復権派の皆さんにもご出席をお願いしたいのです」

イリス「えっ! いいんですか!?」

ティセリア「良いに決まっているじゃありませんか。あなたがたが世界樹に狼藉を働くような輩でないことはとっくにわかっておりますし」

ミスティ「それはありがたいけれど……。一般の人に対しては、審査はちゃんとやるのよね……?」

ティセリア「もちろんです。世界樹はこの国の象徴というだけでなく、世界そのものを維持する存在なのですから。不届き者の侵入を許すことは決してありません」

ローガン「うむ……。それなら安心だが……」

ティセリア「そういうわけですから、ご都合がよろしければ是非ともご参加くださいね」

 ◆
767 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 19:00:23.37 ID:gsRHWqSF0
―聖域

 世界樹「」キラキラ


イリス「ここが……世界樹の聖域……!!」

ミスティ「清浄な……それでいて力強い魔力に満ちているわ……!」

ローガン「不思議だ……。鋼の力すら感じられる……」


イリス「……」

イリス(鋼だけじゃない……ものすごく多様な魔力が……ここに集まってきてる……)

イリス(これが……星の魔力……?)

イリス(……でも……それならどうして……)

イリス(私……この魔力が、こんなにも体に馴染むんだろ……?)


↓1コンマ
01-30 まあそういうこともあるか!
31-60 私の複数属性って、もしかして星属性にも適性がある!?
61-90 私の本当の属性って――
91-00 ??
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 19:06:35.21 ID:4zjXfLimo
なじむ実に! なじむぞ
769 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:32:28.81 ID:gsRHWqSF0
イリス(まあそういうこともあるか!)

イリス(……そういえば最近あの本読めてないなあ。選挙が終われば、読む時間も取れるかな……?)

 *

―聖域
 首長就任式

紫髪のエルフ幼女「それでは、伝統派ティセリアより復権派妖精へ、首長交代の儀を行います。ティセリア、妖精、お願い致します」

ティセリア「はい」

妖精「はい」

ティセリア「……妖精。あなたが、またこの国の首長になってくれて……私は、とても嬉しいです。どうか、この国の未来と、民の幸せを――よろしく、お願い致します――」

妖精「ええ――。後は、私が――」



クロシュ(世界樹の前で、ティセリアさんと妖精さんが言葉を交わしてる……)

クロシュ(わたしたち復権派も、伝統派も、革新派も、他の参加者も……みんな、静かにそれを見守ってる……)

クロシュ(これから、きっといろいろ大変だけど……みんなで協力してがんばれば、きっとこの国は大丈夫……)

クロシュ(だから、どうか――変なことは、起こらないで――)


クロシュ(でも――そんな、わたしの祈りは――)

クロシュ(どこにも、届かなかったみたい――)


 カッ
 ドガアアアアアン!!!!

 キャアアアア!!! ナ、ナンナンダ!? ナニガオキタ!!!?


イリス「な、何が起きたの!?」

ローガン「くっ……!! 煙で何も見えん……!! 皆無事か!?」

ミスティ「わ、私は無事よ!! クロシュと妖精は!!?」


クロシュ(これは……フメイちゃんの炎だ……)

クロシュ(フメイちゃんたちの気配が、世界樹の上の方へ向かっていってるのがわかる……)

クロシュ(わたしも……行かなきゃ……!)


クロシュ「わたし……世界樹の上に、行く……!!!」シュバッ


イリス「え、えええ!!? なんで!?」

ミスティ「説明不足よクロシュ!!!!」

ローガン「くっ……! 我々もクロシュくんを追うぞ……!!」

 *
770 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:35:18.82 ID:gsRHWqSF0
―世界樹

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ ヨジヨジ

妖精「クロシュ!! 何してるの!?」パタパタ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ ヨジヨジ

妖精「フメイが……! なら早く追うよ!! 上昇気流の魔法を使って上げるから凧か何かに化けて!」

スライムクロシュ「!」デロデロ


綿毛クロシュ「!」フワッ

妖精「いくよ!!」

 ビュオオオオオッ

 *
771 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:36:42.04 ID:gsRHWqSF0
―世界樹 中腹

アリシラ?「うふふ……面白いくらい簡単に来れちゃった……!」

フメイ「……本当に、ここにあるの? 世界を覆すほどの……力が……」

アリシラ?「あるよ。その力があれば、嫌な奴らをみんなまとめて焼き払える。フメイちゃんの理想の世界が実現するんだよ」

フメイ「……」

アリシラ?「まだ半信半疑だね。でも力さえ手に入れば、全てはフメイちゃんの思うがまま……。フメイちゃんが今まで奪われてきたものを、存分に奪い返して――」


「その力って――これのことですかぁ?」スタスタ


フメイ「!」バッ

アリシラ?「……誰?」

僧侶「下賎な者どもに名乗る名なんてありませんけど? それで……その力って、これのことですよね?」スッ

 僧侶の手に抱えられた大きな果実「」キラキラ

アリシラ?「……!」

僧侶「図星みたいですねえ? うふふ……あなたたちのような下賎なる者共が手にして良いものではありませんよ? これは」

アリシラ?「……フメイちゃん。あいつ、焼いていいよ」

フメイ「ん」チリッ


 爆炎「」ゴウッ!
 ブンッ
 切り払われた爆炎「」シュウウ…


セイン「……」シャキン

僧侶「危ないなあ。セインくんがいなかったら火傷しちゃってましたね」


アリシラ?「へえ……また会ったねえ」

セイン「……」

フメイ「お前……クロシュを殺そうとした……」

セイン「…………」


僧侶「セインくん、こんな奴らとも知り合いなんですか? 友達は選べと言ったはずですが?」

セイン「言われた記憶はないが」

僧侶「もう、冗談の通じない子ですねえ。でも、やることはわかってますよね?」

セイン「ああ」

僧侶「そうです。神に仇なす下賎の者どもを、救済して差し上げなさい」

セイン「……」シャキン

 *
772 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 20:37:33.51 ID:gsRHWqSF0

 ビュオオオオッ

綿毛クロシュ「」フワフワ

妖精「見えてきたよ……! でも、あれは……」

 キンキンキンッ!!
        ゴオオオッ!!
   ギュオオオン!!

妖精「え、枝の上で戦ってる!! フメイたちと……セインと、変な女!」

綿毛クロシュ「!」フワフワ

妖精「ど、どうする!? 下手に突っ込んだら巻き添えで死ぬよアレ!?」


↓1〜3多数決
1.制止を呼びかける
2.戦いに割って入る
3.様子を見る
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 20:38:14.15 ID:yrqqU8o00
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 20:41:08.22 ID:ODWz7FtHO
3
775 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 21:34:42.83 ID:gsRHWqSF0
セイン「……」ビビビッ

フメイ「ううっ!」ササッ

アリシラ?「吸収!」バッ

セイン「同じ手は食わない」ヒョイ


アリシラ?「勇者モドキ、やるなあ……!!」

フメイ「やるどころじゃない、強すぎる……! どうするの……!?」

僧侶「当然です。お前たち如き虫けらなど、セインくんの敵ではありません。しかし――」

セイン「……」

僧侶「さっきから何を遊んでいるのですか!! さっさと救済しろと言ったはずです!!」

セイン「僕は全力だ。奴らが想定以上に強い」

僧侶「くっ……! あの薄穢いスライムのせいですね……セインくんに下らない感傷を植え付けて……!!」

フメイ「……スライム?」

僧侶「……丁度お前にそっくりな容姿の小穢いスライムでしたね。ああ、思い出すだけでイライラしてきます……早く殺してしまいなさい!!」

フメイ「お前……クロシュに何をした」ゴオオオオッ

 *
776 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 21:35:18.85 ID:gsRHWqSF0
綿毛クロシュ「」フワフワ

妖精「あいつらが何を喋っているかまでは聞き取れないけど、あの変な女が手に持ってるアレ世界樹の果実だ……!!」パタパタ

綿毛クロシュ「?」フワフワ

妖精「詳しく説明してる暇はないけど、簡単に言うと世界を内包する卵みたいなものなんだよ! アレは誰かの手に渡って良いものじゃない!! 下手に扱えば世界が滅びる!!」パタパタ

綿毛クロシュ「!」フワフワ

妖精「なんとかアレだけでも奪い返さないと……!」


世界樹の精霊「……」ジーッ


妖精「……!? あなたは……世界樹の精霊!」

世界樹の精霊「……森の脅威を……解決してくれて、ありがとう……」

妖精「あ、うん……いや、今はそれどころじゃなくて……!」

世界樹の精霊「うん……。果実を……取られちゃって……今……とても、困っている……」

妖精「だろうね!」

世界樹の精霊「だから……度々申し訳ないけれど……取り返して欲しい……」

妖精「言われなくてもそうするよ! でも今回はあなたも手伝って!」

世界樹の精霊「えっと……何をすれば、いいの……?」

妖精「ええと、そうだな……じゃあ囮になってあいつらの目を引き付けて! その間に私たちが果実を奪い返すから!」

世界樹の精霊「ええ……痛いのは、やだ……」

妖精「精霊なら殴られても物理的なダメージは受けないでしょ!!」

世界樹の精霊「ダメージはないけど……気分は、悪い……」

妖精「ああもうつべこべ言うな!! あなた自身の果実が危ないんでしょうが!!!」

世界樹の精霊「……そうだった。じゃあ……やるだけ、やってみる……」フヨフヨ

妖精「全くもう、これだから精霊ってやつは……! 私たちもこっそり行くよ、クロシュ……!」

綿毛クロシュ「!」フワフワ

 *
777 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 21:36:01.23 ID:gsRHWqSF0
フメイ「……」ゴオオオオッ

セイン「っ……!」

アリシラ?「フメイちゃん……凄い、凄いよ! あの勇者モドキを圧倒する炎……!! それでこそ――」

僧侶「な、なんだと言うのです、薄穢いガキどもめ……!! セインくん、早く殺ってしまえと言っているで――」

世界樹の精霊「ばあ」ヌッ

僧侶「ひゃあああああ!!!」ドテッ



妖精「今だよクロシュ!」

クロシュ「!」シュバッ


↓1コンマ
01-20 転ぶ
21-80 果実を奪うが……
81-00 果実を奪う
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 21:39:48.85 ID:2QotgElDO
はい
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 21:39:59.14 ID:yrqqU8o00
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 22:16:48.95 ID:Ab2zNFwho
おや……僧侶(ちゃん?)の様子が……?
781 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:41:41.46 ID:gsRHWqSF0
 シュバッ ガッ

僧侶「あっ……!!」


クロシュ「!」タタッ
 クロシュの手に収まった果実「」キラキラ


僧侶「こ、この劣等種がァァァ!!! セインこいつを殺せェェェェ!!!」

フメイ「クロシュ……!! させない……!!!」ゴウッ

セイン「!!」ササッ


妖精「でかしたクロシュ! さあ、世界樹の果実はクロシュの手の中だぞ!! 異邦の者共よ、矛を納めなさい!!」

僧侶「劣等種の分際で……!! 私たちの聖務を妨害するなどと……!!!」

セイン「……」
782 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:42:22.14 ID:gsRHWqSF0
アリシラ?「……ねえ、クロシュちゃん……その果実、私たちにくれない?」

クロシュ「……」

妖精「あげないよ。これは誰のものでもない。世界樹に還さなきゃならないものだ」

アリシラ?「クロシュちゃんに聞いてるの。ねえ……それがあれば、この世界をとっても綺麗にできるんだよ? そうしたら、クロシュちゃんはまたフメイちゃんと一緒に暮らすことができるの……。あの頃、あの村で過ごしたみたいに……みんなで、ずうっと、平和に、幸せに……。だから――それ、私たちに頂戴?」

クロシュ「……」

妖精「クロシュ、耳を貸さないで! これはそんな都合の良いものじゃ――」


 光の残像「」パヒュンッ


フメイ「はっ! クロシュ――」

クロシュ「え――」

アリシラ?「させるか!!」バッ

セイン「!!」キキッ

アリシラ?「全く、こっちが丁寧にクロシュちゃんを説得しようとしてる時にさあ……」

セイン「……」



妖精(……まずい。果実を奪い返せたは良いけど、こいつらを相手に逃げ回り続けるのは不可能だ……)

妖精(いっそクロシュに果実を食べてもらう? いや……それはだめだ。一番だめ)

妖精(ああもう、どうすれば良い……!?)



アリシラ?「クロシュちゃん、わかったでしょ? こんな暴力的な奴らにその果実を渡したら大変なことになるんだよ。でも私たちなら、それを有効に活用できるの。さあ、早くそれをこっちへ渡して?」

セイン「……」

フメイ「クロシュ……」

僧侶「くそっ……!!」ギリギリ


クロシュ「……」
783 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:44:25.84 ID:gsRHWqSF0

世界樹の精霊「……」

世界樹の精霊「クロシュちゃん」

クロシュ「?」

世界樹の精霊「もうどうしようもないみたい。だから……それ、壊しちゃって」

全員「!!!?」

世界樹の精霊「それでも、世界には戻るから――。少し、歪になるかもしれないけれど――」

クロシュ「……本当に……いいの?」

世界樹の精霊「いいの。多分……それが、一番まし」

クロシュ「……わかった」コク

 スッ……

僧侶「だめええええええ!!」

 グシャッ――
784 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:46:41.53 ID:gsRHWqSF0
―聖域

 世界樹上空「」パァァァァァ


紫髪のエルフ幼女「あ、あれは……? 世界樹上空から――夜空に、色とりどりの光が、広がって――」

マーベル「一体何が起きてやがんだ……?」

ティセリア「とっても、綺麗だけれど――なんだか――」

 *

―世界樹下層

 世界樹上空「」パァァァァァ


ローガン「くっ、この歳になって木登りは……む? あの光は――」

ミスティ「……オーロラ……? いえ……この地方でオーロラが見えるはずが……」

イリス「……!! 体の奥底が……震えるような……。これは……何? 何なの……?」

 *

―露店通り

 世界樹上空「」パァァァァァ


 ザワザワ…

観光客の男性「なんだあ、あれは……?」

観光客の女性「すっごく綺麗……。これ、選挙祭の演出……?」

エルフの男性「長年生きてきたが、こんな演出は初めてだ……」

エルフの吟遊詩人「世界樹の空から放たれる、命の光――。それは、愛の輝き――あるいは、哀の叫び――」ポロロン

宿屋アルラウネ「……世界樹に、何かあったのかしら……」

マーベルファン「マーベル様……」

ヤマイモ餅屋台の森妖精「こんな時こそヤマイモ餅だよ!」

ハーピィ記者「こりゃ面白い現象ですねえ……。ヤマイモ餅一つお願いします」

 *

―郊外

 世界樹上空「」パァァァァァ


森妖精の子「わあ……きれい……。でも……」

元気になったおうちの木「」サワサワ

森妖精の子「どうして……こんなに……むねが、くるしいの……?」ジワワ

元気になったおうちの木「」サワサワ…

森妖精の子「木さんも……かなしいの……? えへへ……いっしょだね……」ポロポロ

 *
785 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:47:52.09 ID:gsRHWqSF0
―魔族国
 旧市街 広場

 フォレスティナ方面の夜空「」パァァァァァ


フラナ「あれは……星属性の光? 世界樹に何かあったのかしら……」

竜人の女性「あいつら大丈夫か……? 今はフォレスティナにいるんだろ?」

ムチムチラミア「なんだか政治活動をしているらしいわよお……。変なことに巻き込まれてなきゃ良いけどお……」

ムキムキオーク「ははっ、あいつらなら変なことに巻き込まれていても大丈夫だろう!」

フラナ「もしあの光の近くにいるのなら、何か掴めると良いわね。星属性の申し子、イリス・プラネットよ――」



聖女「美しい光……ですが、どこか胸騒ぎがします……。クロシュさん……妖精さん……皆さん……どうか、ご無事で……」

淫魔の幼女「あの光の下に、いるのかな……クロシュちゃん……」

魔族国スライム「〜〜…」モニョモニョ…

魔族の子供「きっと元気でやってるよ! もう友達とも会えたかもしれないし!」

聖女「ええ……。きっと元気でやっています。待ちましょう、あの子たちが再び、ここに来る日を――」

 *
786 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:48:28.12 ID:gsRHWqSF0
―世界樹中層

クロシュ(わたしが壊した世界樹の果実から、五色の光が放たれていった)

クロシュ(世界樹が永い年月をかけて実らせた、世界を形作る命の光――)

クロシュ(それが、こうして不意に放たれてしまったことの意味は――――)
787 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/16(土) 23:49:14.56 ID:gsRHWqSF0
本日はここまでとなります。次回は、選挙祭の後始末編です

今回は復権派の妖精さんが首長に返り咲き、聖域で行われたテロに対してクロシュちゃんが独自のアプローチを仕掛けるお話と相成りました
今回、イリスさんが何やらアホの子のような感じになってしまいましたが、星の魔力についての本を読むことによって今回自分の身で感じたことを整理することができるかもしれません。今回の出来事が自身の属性について考える切っ掛けとなれば良いねえとフラナ氏も考えているようです
そして、果実を壊したことによって世界に放たれた五色の光。それの意味するものが何なのかは現時点ではわかりませんが、もしかしたら世界に何かしらの影響があるかもしれません。状況を注視していただければと思います

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 00:06:55.79 ID:KdKCKk/2o

世界樹の果実を巡る旅になりそう
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 00:42:17.53 ID:2803l+dDO
乙です
五色の光ということは少なくとも五つの国は巡るのかな
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 03:30:30.97 ID:rlWpE2XBo
おつ
やっぱり僧侶とアリシラ?は別勢力か
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 06:40:13.15 ID:2krOjXts0

今までの活動次第では選挙のコンマ範囲も決まってたのかな。
それと僧侶さんずっと嫌味な男キャラだと思ってましたすみません。
妖精さんこの国は2人に任せて旅は続けるのかな。
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 08:27:59.60 ID:wH6pCqpM0
乙です
これ僧侶がいるロイエ教原理派のキャラは何人か登場するのかな?もし登場するなら久しぶりのキャラクター案での募集はあるのかな。
793 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:17:58.15 ID:CDFR2Oyl0
クロシュたちの次の旅がどのような目的になるかはわかりませんが、もし光を追うとすれば最低でも5つの国を巡ることになるのは恐らくその通りだと思われます

僧侶とアリシラ?さんは面識はないようで、その目的も異なるものと考えられます。彼女たちはとても相性が悪そうです

妖精の知名度や復権派のこれまでの活動により、選挙結果のコンマ範囲が決まりました。最終的には伝統派よりも僅かに優位と言えるほどには名声を獲得できていたようです

僧侶氏はどうやら女性のようです。そして今気付きましたが、主要キャラクターの女性率が高いように見えます。男性キャラクターも少し意識して登場させた方がバランスが良いかもしれません……

復権派メンバーは首長の任期である四年間をフォレスティナでの活動にあてるつもりでいたようですが……未曾有の世界樹テロが発生した今は状況が変わったかもしれません

原理派の人物は、僧侶氏以外にも何人か登場するかと思います。募集するかどうかは未定です(原理派のイメージは既に>>1の中である程度固まってしまっているため、自由度の高い募集をすることは難しいかもしれません)
穏健派の人物については、穏健な人格の持ち主でさえあれば問題ないので、然るべき時が来たら募集するかと思います(魔族国編で登場した聖女さんは穏健な性格ですが、穏健派の所属ではないようです)
794 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:18:52.81 ID:CDFR2Oyl0
世界樹の精霊『――ありがとう』スゥゥ―

クロシュ(世界樹の精霊さんは、そう言って消えていった……)


僧侶「あ、ああ……!! 果実が……!! 私たちの、希望が……!!!」ガクッ

アリシラ?「ざぁんねん……。計画はおじゃんだねえ、フメイちゃん……」

フメイ「……おじゃんになったの?」

アリシラ?「うふふ……実際どうだろうね? あの光を追いかければ、ひょっとしたらまだ取り返せるかも?」

フメイ「……まだやれる?」

アリシラ?「お、フメイちゃんやる気だねえ。多分だけど、まだやれるよ。私たちの目指す世界は――まだ潰えてない」

フメイ「じゃあ――」


クロシュ「フメイちゃん……!」

フメイ「クロシュ……。無事で、良かった」

クロシュ「うん……。えと……ごめんね……。果実……壊しちゃった……」

フメイ「……いいよ。クロシュなら……」

アリシラ?「良くないよ! も〜!」

クロシュ「う、うん……」

フメイ「……でも、フメイたち……諦めないから」

クロシュ「……うん」

フメイ「……安全なとこで待ってて、とはもう言わない。だから……クロシュは、生きて」

クロシュ「……!」

フメイ「クロシュが生きていてくれれば……フメイは……それで、十分だから」

クロシュ「…………わたしも……フメイちゃんに、生きてて欲しい……」

フメイ「……クロシュがそう言うなら……」

クロシュ「うん……」

フメイ「それじゃあ、フメイたち、もう行く……。クロシュ……本当に、生きてね」スッ

 ボンッ!

アリシラ?「ほんとにも〜、次は邪魔しないでよ〜?」ピョンッ

 *
795 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:20:33.40 ID:CDFR2Oyl0
―世界樹 麓

妖精「はあ……結局、フメイは連れ戻せず……。あの僧侶とかいう変な女とセインの姿もいつの間にか消えてるし……。世界樹の果実は割れて飛散しちゃったし……」パタパタ

綿毛クロシュ「……」フワフワ

妖精「首長の就任式がこんなことになっちゃったし……ああ〜首長に就任した途端にこれとか最悪だあ〜……」

綿毛クロシュ「……」フワフワ



ティセリア「妖精! クロシュちゃん!」

妖精「ティセリア……。一般参加者たちは帰してくれたんだ……」

ティセリア「はい。しかし一体上で何があったのですか!?」

マーベル「セインの奴もいつの間にかいなくなってるし、一体何が起きてんだよ!?」

妖精「あ〜……話すとちょっと長くなるんだけど……」

 *

ティセリア「そんな、世界樹の果実が……」

妖精「下手人たちも取り逃がした……というか私たちの手に負える相手じゃなかったんだもん」

ティセリア「いえ……犯人たちを目撃して来て頂いただけでもありがたいです……! しかし……クロシュちゃんのお友達のフメイちゃんと……同郷のアリシラさんが……」

クロシュ「ごめんなさい……」

ティセリア「いえ、クロシュちゃんが謝ることではありません。しかし……うう、どうしたものでしょう……」


マーベル「……しかしセインの奴……やはり王国の手の者だったのか」

紫髪のエルフ幼女「気付いていたのですか……?」

マーベル「勇者サインにそっくりだからな。何らかの関係者であることはわかっていた。だからこそ俺の目が届くところに置いておこうと思っていたんだが……」

紫髪のエルフ幼女「しょっちゅう別行動してたではありませんか……」

マーベル「いやまあ……それは本当に悪かった。だが奴も勇者だとすると、王国は二人の勇者を抱えてるってことなのか……!?」

妖精「ううん。勇者サインは死亡してるみたい。だから、セインが勇者だとしても勇者は依然として一人だよ。まあ、一人だけでも十分脅威なんだけどね」

マーベル「なにィ!?」

ティセリア「勇者サインが既に死んでいる、ですって……!?」

紫髪のエルフ幼女「初耳です……!!」

妖精「まあ、王国自身も秘匿してるみたいだからね……。でもこれは魔族国で得た確かな筋からの情報だから、信用して良い」

ティセリア「し、しかしそうだとするとまだ彼はこの国にいるということでしょう……!?」

妖精「そうだけど……目的は世界樹の果実だったみたいだし、今すぐこの国に侵攻してくるってことはないじゃないかな……。殺ろうと思えば、私たちなんていつでも殺れただろうし」

マーベル「チッ……癪だが、実際その通りだろうな。この国を侵略する目的なら、わざわざ俺の護衛を志願するなんてまどろっこしい真似をする必要はねえ」

妖精「うん。だからまだ猶予はある。それと――聖域を拡張するなら、多分今が絶好のタイミングだよ」

ティセリア「……そうですね。この混乱に乗じて聖域を拡張すれば――」

マーベル「テロに対する世界樹の防衛反応ってことにすりゃ丁度良いってことか」

紫髪のエルフ幼女「嘘も方便というわけですね」

妖精「そういうこと」

 ◆
796 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:22:19.95 ID:CDFR2Oyl0
クロシュ(その後……世界樹から降りてきたイリスさんたちも合流して……妖精さんたちは、世界樹の聖域を元の大きさに戻す施術をした)

クロシュ(でも今は観光客の人がいっぱいいるから、一気に元の大きさに戻すわけじゃなくて、ゆっくり少しづつ大きくしていくそう)

クロシュ(最初こそ混乱が広がったけれど……緑の国の人たちは、大らかにそれを受け入れてくれる声が多数だったみたい……)

クロシュ(……)

クロシュ(でも……受け入れられない声も……なかったわけじゃないみたい……。その声も……ちゃんと、聞かなきゃだめなんだって……)

クロシュ(……政治って……難しい……)

 ◆
797 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:23:03.86 ID:CDFR2Oyl0
日後
 露店通り

 ワイワイ ガヤガヤ

観光客の男性「あと数日でフォレスティナ観光も見納めかあ……」

観光客の女性「世界樹がテロを怖がって聖域を広げ始めちゃったんだよね」

観光客の男性「でも仕方ねえよなあ……。ま、あと数日楽しむとするか!」

ヤマイモ餅屋台の妖精「そーそー! あと数日、うちのヤマイモ餅を楽しんでいってよ!」

エルフの吟遊詩人「世界樹の涙は――やがて世界を潤す命の雫となって――大地へ染み渡るだろう――」ポロロン

 *
798 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:23:42.00 ID:CDFR2Oyl0
>>797訂正
日後 → ―数日後
799 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:24:09.22 ID:CDFR2Oyl0
―首長官邸

妖精「ふう……。とりあえず聖域関連はこれで一段落かな……」

ティセリア「お疲れ様です、妖精」

妖精「本当に疲れたよ……。でも……まだ、重大な問題が残ってるんだよね……」

ティセリア「飛散した果実の光、ですね……」

妖精「うん……。あの場では、世界樹自身が自らの意思でああすることを選んだけど……実際、あれがあの場では最善だったとは思う。でも――」

ティセリア「……はい。あの光が落ちた国々で異変が起きている――そのような話が既に伝わってきています」

妖精「世界樹の果実を危険に晒して、こういった事態を引き起こしてしまったのは私の責任だ。放置するわけにはいかない……。でも……」

ティセリア「……大丈夫です。この国のことは」

妖精「ティセリア……」

ティセリア「今回の選挙で、妖精が戻ってきてくれて……本当に、良かった……。もし妖精が戻ってきてくれなかったら……きっと、今よりもずっと悲惨な状況に陥ってたと思います」

妖精「……」

ティセリア「だから……この国の中のことは……私たちに任せてください。妖精は、妖精が成すべきことを――」

妖精「……ごめん。建国の太母として、みんなに期待されて首長に返り咲いたのに……」

ティセリア「いいのです。それに、世界樹の果実のこともこの国の問題には違いないのですから」

妖精「……ふふ、それもそうだね。じゃあ……この国の中のことは、任せて良い?」

ティセリア「はい……!」

 ◆
800 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:25:34.21 ID:CDFR2Oyl0
―緑の国フォレスティナ 滞在最終日
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘
・精霊樹の種
・フメイの服の切れ端

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、おうちの木、森林開発現場、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、冒険者ギルド、他
聖域:世界樹
……………………………………………………………………………………

―朝
 大樹の宿 ロビー

妖精「というわけであの光を追うよ。出立は明日。みんな、準備は良い?」

イリス「妖精さん……! 首長としての仕事は……!?」

妖精「ティセリアたちに任せる。今のこの国を熟知してるのはあの子たちの方だもの。私にできることなんてないし」

ミスティ「……そ、そうなのね……。でもわかったわ……。明日、出立ね……」

ローガン「フッ……恐らくこういうことになるだろうと予想はしていた。準備はできている」

クロシュ「……」コク

妖精「……あの光を追えば、きっとその先にフメイたちもいるよ。何度でも……諦めずに、説得し続けよう」

クロシュ「うん……!」


フォレスティナ滞在最終日です。この行動終了後、フォレスティナを出ます
↓1〜3 自由安価 何をする?
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:26:57.47 ID:2krOjXts0
セインに関してのことをフラナに連絡する
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:32:07.30 ID:Nsm5/tF1O
魔族自治区に送る名産品を見繕う
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:34:30.94 ID:wH6pCqpM0
次に行く国(もしくは島、街)はどこにするか話し合う
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:35:35.63 ID:6rKnT0/z0
星の魔翌力を読む
805 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 21:54:50.35 ID:CDFR2Oyl0
―大樹の宿 ロビー

宿屋アルラウネ「イリス・プラネットさん宛にお手紙が来てるわ」スタスタ

イリス「! 師匠からだ!」

妖精「マメだねえ。今回も魔法の授業?」

イリス「それもあるけど、今回はセインくんのことについても報告したの。師匠の意見を聞いておきたくて」

ローガン「ふむ……確かに、フラナ氏の見解は気になるな」

ミスティ「どんなことが書かれてるか、私たちにも見せてもらっても良いかしら……?」

イリス「うん……! 読んでみる……!」


↓1コンマ
01-30 全然わからないわ
31-60 勇者サインの血縁者かしら
61-90 王国とロイエ教について調べてみるわ
91-00 ??
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 21:57:26.51 ID:6rKnT0/z0
えいや
807 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 23:20:30.79 ID:CDFR2Oyl0
手紙『勇者サイン本人は、もし仮に生きていたとしたら二十代半ばほど。しかしあの勇者モドキはまだ十代前半くらいにしか見えない』

手紙『安直に考えるなら、奴は勇者サインの血縁者ね。人間にしては年の離れた弟と考えるのが最も自然でしょう』

手紙『ただ――勇者サインの家族関係については、一切の情報がないのよ。だから軽率に断定することはできないわ』


イリス「ううーん……本人は、前に勇者サインは赤の他人だって言ってたけど……」

妖精「口先では何とでも言えるよ。隠してるだけかもしれないし」

ミスティ「でも……もし本当に弟なら、そう名乗った方が勇者として活動しやすいんじゃなかしら……?」

ローガン「ううむ……しかし彼が王国の勇者だとすると、ロイエ教原理派幹部とも共同で動いているのも不可解だ。一体どういう関わりがあるのだろうか……」

クロシュ「……セインさん……守りたいものがあるって……」

イリス「……セインくんは、やっぱり悪い人じゃなさそうに思えるんだよね。何か……王国とかロイエ教原理派に、人質を取られたりしてるのかも……」

妖精「でもあの勇者に人質なんて通用する? 瞬間的には光の速さで動けるんだから、人質なんて意味がない気がする」

ローガン「人質が複数人いて、それぞれ別の場所に捕らえられているなどの場合はそうも言えないかもしれん」

ミスティ「……可能性を考え出すとキリがないわね……」

イリス「そ、そうだね……。今はっきりしてるのは、セインくんが王国とロイエ教原理派に従ってるってことくらいかな……」

妖精「……まあ、実際そんなに悪い奴ではなさそうだよね。セイン」

クロシュ「うん……」

 *

イリス「とりあえず師匠に返事を書いて……」

宿屋アルラウネ「ちゃんとこの国を出る旨も書くのよ? ここにお師匠さんからの返事が来たら、あなたには届けられないからね」

イリス「はい、大丈夫です! いつもありがとうございます!」

宿屋アルラウネ「どういたしまして。ねえ、せっかくならお土産とかも送ってあげれば? この国を出る前に」

イリス「あ、それ良いですね……! 師匠だけじゃなくて聖女さんやあの子たちにもいろいろ送ってあげたいかも……!」

クロシュ「うん……!」

ミスティ「何が良いかしら……」

ローガン「ここの名産品であれば――」



宿屋アルラウネ「それにしても、あなたたちとも明日でお別れなのねえ。ふふ、初日はまさか建国の太母が率いるパーティだなんて思いもしなかったわ」

妖精「こっちも名乗るつもりなんてなかったんだけどね……」

宿屋アルラウネ「世界樹を癒やす旅、頑張ってね。私も陰ながら応援してる」

妖精「ありがと」

 *
808 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/17(日) 23:21:28.95 ID:CDFR2Oyl0
というわけで本日はここまでです。次回は魔族国へ送るお土産編、次に向かう場所決め編となります

ついに選挙が終わりました。鎖国を選んだ緑の国にも、ひとまずの安らぎが訪れることでしょう
そして首長となった妖精はその座をティセリアに譲り渡し、クロシュたちは世界樹の光を巡る新たな旅へ――

それでは本日もありがとうございました。次回は、可能であれば祝日などもやろうかと思います。よろしくお願いいたします
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 23:44:56.48 ID:KdKCKk/2o

次の国も楽しみ
採用されてる国は幾つあるんかな
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/18(月) 01:08:45.89 ID:pEMRhEObo

つなぎが上手い
妖精さん離脱覚悟していたがついてきてくれてありがとう……
フメイちゃんが今回の件でクロシュちゃんのこと守るべきか弱い存在から見直した気配感じて良き
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/19(火) 14:16:29.72 ID:CPjmhmj60

確かに主要キャラクターは女性が多いから男性のキャラクターを増やした方がいいと思った。
812 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 18:57:10.30 ID:bATUIh+T0
採用されている国について、全ての場所を実際に登場させるのは難しいですが、いちおう頂いた案の国・都市・地域は全てこの世界内に存在するものとして考えています(世界観や設定の整合性を取るために、内容を一部変更させていただいている場合もあります)

今まではクロシュのフメイ捜しに付き合ってくれている形の妖精でしたが、世界樹の光を追うという能動的な目的を持ったため、今後は以前よりも積極的にいろいろ参加してくれるようになるかもしれません

フメイ氏にとって、クロシュちゃんは一人では生きていけないか弱い妹分スライムだったのかもしれません。しかしクロシュちゃんのがんばりが功を奏したのか、その認識は改まりつつあるようです

気を抜くとつい女性キャラクターを登場させてしまうので、意識的に男性キャラクターを登場させるよう気をつけようと思います
813 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 18:57:39.48 ID:bATUIh+T0
―露店通り

 ワイワイ ガヤガヤ

森妖精の露店「フェアリーシロップだよ〜! 鎖国間際の大感謝特売中だよ〜!」ヒラヒラ

馬頭の飛脚「オデ、荷物、運ベル。デモ、森ノ外ニハ、運ベナイ。ゴメン」

アルラウネの八百屋「フォレスティナの野菜が食べられるのも今週が最後よ。買っていきなさい」

エルフの露店「森エルフ印の乳製品、買っていきませんか〜? 今を逃すとこの先一生味わえないかもしれませんよ〜?」

森妖精の装飾品露店「ふわあ……。安いよ〜……人間用のもあるよ〜……」

エルフの吟遊詩人「この国を訪れし全ての旅人に、精霊の加護がありますよう――」ポロロン



クロシュ「わあ……」

ミスティ「前よりも、さらに賑わっているかしら……?」

妖精「鎖国が解かれるのがいつになるかもわからないからねえ」

ローガン「買う方も売る方も、今しかないというわけだ」

イリス「慎重に選ばないと……!」


↓1〜3自由安価 魔族国へ送る特産品(特定の誰かに贈りたい場合はその旨も)
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:01:49.83 ID:9MXNK8wP0
フラナ氏に純潔エルフの血のような色のワイン。
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:13:57.40 ID:qJ+qaNaiO
子供達に世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ。
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:15:05.08 ID:vFgImliTo
なんか拾った世界樹の枝
817 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:49:38.41 ID:bATUIh+T0
 看板『鎖国直前超特価! エルフ酒造』

ローガン「む……!」

クロシュ「おさけ……?」

妖精「酒だね」

イリス「お酒と言えば――フラナ師匠はワインが好きだったはず!」

ミスティ「でもワインはあるのかしら……」

紫髪のエルフ幼女「もちろん。大抵のお酒は取り扱っています」ヌッ

イリス「ティセリアさんの秘書の――サリーさん!」

紫髪のエルフ幼女「どうも。旅立ちの前にお土産探しですか?」

ミスティ「実は――」

 *

紫髪のエルフ幼女「なるほど……魔族国への贈り物を選んでいるのですね。もうすぐ鎖国を迎えるこの国の特産品は今後希少価値が高まるでしょうから、良い考えだと思います」

イリス「あ、あはは……そこまで考えたわけじゃないですけど」

紫髪のエルフ幼女「よろしければ私がご案内致しましょうか」

妖精「えっ、でも今忙しいんじゃないの? あなたもティセリアも」

紫髪のエルフ幼女「あなたが建国の太母としての威光と手腕でいろいろ調整してくれたお陰で、今は余裕があります。この国の為に影に日向に尽力してくれた復権派の皆さんに、せめてもの恩返しをさせてください」

ミスティ「そういうことなら……お言葉に甘えさせていただこうかしら……」

 *
818 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:50:04.24 ID:bATUIh+T0

紫髪のエルフ幼女「聞けば、あなたのお師匠様は吸血鬼だそうですね」

イリス「はい、そうなんです! いやまあ、師匠というのは私が勝手にそう呼んでるだけで、実際は師匠ではないんですけど……」

紫髪のエルフ幼女「そ、そうですか……。いえ、吸血鬼の方でしたらピッタリのお酒があると思いまして」

イリス「ピッタリの……?」

紫髪のエルフ幼女「こちらです」スッ

 ヴァージンエルフワイン「」

イリス「ま、真っ赤……!!」

ミスティ「マジカルブラッドワインよりさらに鮮やかな赤色ね……」

ローガン「これは、まさか――」

紫髪のエルフ幼女「ご安心ください。本物の血は使用しておりません。これはエルフ酒造の方々が長年の研究を積み重ねて開発した、純潔エルフの血液に極めて近い成分を含有する人工血液――を用いて造られたワインなのです」

イリス「純潔エルフの血液に極めて近い成分を含有する人工血液……」

ミスティ「を用いて造られたワイン……?」

ローガン「う、うむ……。つまり……美味いのか?」

紫髪のエルフ幼女「吸血種の方々からは非常に高い評価を頂いておりますが、それ以外の方からの評価はあまり芳しくありませんね……。まあ、元々吸血種の方向けに開発されたワインですので当然と言えば当然なのですが」

イリス「そうなんですね……! それなら確かに師匠にピッタリかも……!」

妖精「じゃあお土産の一つはこれに決定?」

イリス「うん!」

 ◇
819 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:50:38.56 ID:bATUIh+T0
―露店通り

イリス「師匠に宛てたお土産はこれで良さそうだけど……これで喜ぶのは多分師匠だけだし、他のお土産もいるよね」

ミスティ「そうね。他のみんなには、何が良いかしら……」

クロシュ「……えと……魔族国には……甘いもの……あんまり、なかったから……」

ローガン「甘味だな。サリー殿、お土産に適したスイーツなどがあればご教示頂きたい」

紫髪のエルフ幼女「お土産スイーツですね。それならば――」

 *

―甘味処 木苺堂

 カランカラン

ティセリア「いらっしゃいませ――えっ!?」

紫髪のエルフ幼女「こんにちは、ティセリア」スタスタ

妖精「ティセリア……ここでも働いてるんだ」

ティセリア「いえ、まあ、軽い手伝い程度で……本業に差し支えはありませんので……」

妖精「あいや、そういうことを言いたいんじゃなくて。ティセリア、今でもお菓子作り好きだったんだなあって思ってさ」

ティセリア「あ……はい! ふふ、ずっと好きですよ」


森妖精の子「いらっしゃいませ……ミスティさん!」パタパタ

ミスティ「わっ……あなたもここで働いていたの……!?」

森妖精の子「うん。まだみならいだけど……」

ティセリア「選挙祭が終わって少し後くらいに、ここでかけていた募集に応募してきてくれたんです」

森妖精の子「おかね……あった方が、いいと思って……。ミスティさんたちにも……あんまり、おかね、だせなかったから……」

ミスティ「いいのよ。あなたとあなたのおうちの木が助かったことが、一番の報酬だもの……」

森妖精の子「……??」

イリス「ミスティ、すっかりその子に甘々だねえ」

ミスティ「そ、そういうのじゃないわ……」

 *
820 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:51:08.31 ID:bATUIh+T0

ティセリア「なるほど。魔族国の方々へのお土産ですね」

クロシュ「うん……。どれが……良い……?」

ティセリア「それでしたら、これはどうでしょう?」

 色とりどりの世界樹の果実風ゼリー「」キラキラ

クロシュ「わあ……!」

ミスティ「綺麗ね……」

妖精「世界樹の果実風? なかなか洒落てるじゃん」

ティセリア「ふふ、そうでしょう。味はリンゴやブドウなど既存の果物を模したものになっていますが、とても美味しいと好評を頂いているんですよ」

妖精「まあ、世界樹の果実の味を知ってる奴なんてどこにもいないからね……」

森妖精の子「えっとね……フェアリーシロップと、スライムさんのゼラチンも、使ってるんだよ……」

クロシュ「!」

ティセリア「魔力にも健康にも美容にも良いスイーツとなっております。せっかくですから試食品をどうぞ、クロシュちゃん」スッ

クロシュ「う、うん……。あむ……」モグモグ

スライムクロシュ「〜〜!」モニョモニョ

ミスティ「クロシュ、溶けているわ……」

妖精「ふふ、溶けるほど美味しいってさ」

ティセリア「それほどまでに美味しく感じて頂けたのでしたら良かったです」

ミスティ「それじゃあ、もう一つのお土産は世界樹の果実風ゼリーにしましょう……」

妖精「そうだね。きっとあの子たちも喜ぶよ」

 ◆
821 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/20(水) 23:51:38.16 ID:bATUIh+T0
ものすごく眠いので本日はここまでとなります。全然進まず申し訳ありません

ワインとお菓子、お土産はやはり消え物が良いのかもしれません。そして次のお土産は世界樹の枝編です。よろしくお願いします

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願い致します
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 00:05:03.38 ID:mrvFCogIo
乙乙
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/21(木) 00:58:50.72 ID:L70PP43Qo

商魂逞しい住民が多い
824 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 20:08:50.63 ID:MsQneFxu0
緑の国はここ最近観光産業に力を入れていたこともあり、観光客向けの商売に積極的な住民も多い模様です
鎖国はそういった住民たちに大きな影響を及ぼすものですが、ほとんどの国民は元から自給自足で暮らしていたため、鎖国を言い渡されても切羽詰まることなく商売を続けられるようです
825 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 20:09:42.65 ID:MsQneFxu0
本編更新の前に今後の進め方について多数決を取りたいと思います
クロシュたちは世界樹の光を追うことになったわけですが、その旅程について少々決めたいことがございます。よろしくお願いします

↓1〜5
1.光が遠くに落ちたので、途中にある他の国や地域を経由する必要がある
2.光は近くに落ちたので、目的の場所へは意外とすぐに到着する


◇簡単な解説◇
〈1.他の国や地域を経由する〉
他の国や地域を経由することになるので長旅になります。メインシナリオに加えて多くのサブシナリオが発生する可能性があります。出会いと別れもあるでしょう
世界観や登場人物の描写は増量されますが、全体的なお話のテンポは悪くなってしまうかもしれません

〈2.経由せずすぐ到着〉
サブシナリオはあまり発生せず、メインシナリオ(王国や原理派との戦い、勇者の謎、フメイちゃんとアリシラ?さんの行方)を主に追う形式となります
全体的なお話のテンポは早くなりますが、世界観や登場人物の描写は薄くなってしまうかもしれません
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:10:34.42 ID:sl8eDkbq0
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:12:08.65 ID:+sz04aaIO
1
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:12:49.14 ID:+4puIc1EO
1
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:20:52.64 ID:PmZecKPDO
一応1
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 20:41:35.16 ID:eQjF9W320
他の登場人物にもスポットを当ててほしいから
1
831 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 21:02:09.00 ID:MsQneFxu0
皆さんありがとうございます。それでは、光は遠くに落ちたので他の国や地域を経由していくこととなりました
832 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 21:02:42.92 ID:MsQneFxu0
―大樹の宿 ロビー

イリス「それじゃあ、魔族国へ送るお土産はこの二つで良いかな?」

 ヴァージンエルフワイン「」
 世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ「」

クロシュ「うん」

妖精「異議なし」

ミスティ「ええ、良いと思うわ」

ローガン「うむ。私も異論はない」

イリス「みんなありがとう! それじゃあお土産はこの二つ――」


世界樹の精霊「……」ジーッ


ローガン「む……? 妖精の子だろうか……?」

ミスティ「世界樹の果実風ゼリーが気になるのかしら……?」

イリス「あー……ごめんね、これはお土産として送るためのもので――」

妖精「そいつ世界樹の精霊だよ」

イリス「えっ……ええええええええ!!!?!??!?」ガタンッ

ミスティ「せ、世界樹の精霊……!?」

ローガン「そんな方が、どうしてこんなところに……」

妖精「それは私が聞きたい。あなた、聖域の外に出て大丈夫なの?」

世界樹の精霊「うん。ここも聖域に包まれる予定だから。クロシュちゃん、お久しぶり」

クロシュ「あ、うん。世界樹の精霊さん、お久しぶりです」ペコ

イリス「な、なんかクロシュちゃんと知り合いになってる……!?」

妖精「ま、まあいろいろあってね……。それで、今日はどうしてこんなところに?」

世界樹の精霊「今日は……これを渡そうと思って、来た……」スッ

 世界樹の枝「」

妖精「こ、これ……世界樹の枝!?」

イリス「え、ええ!? 世界樹の枝!!!?!?!?」

世界樹の精霊「うん。あなたたちに、あげる」

妖精「いやいやいや……この前葉っぱ一枚くれるのすら渋ってたじゃん!」

世界樹の精霊「もうこの枝に循環すべき命は残っていないから、大丈夫」

妖精「そ、そう……」

世界樹の精霊「でも、とても良い触媒になる……ってティセリアが言ってた」

イリス「触媒って……魔法の触媒のこと?」

世界樹の精霊「わからない」

ローガン「わからないのか……」

世界樹の精霊「そういうわけだから、今回のお礼に、あげる。ありがとう……」

妖精「わかったよ……。ありがたくもらっとく」

世界樹の精霊「どういたしまして」

 *
833 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 21:03:55.23 ID:MsQneFxu0

イリス「世界樹の枝かあ……。素材としては最高級の逸品なのは間違いないけど……」

ミスティ「少し手に余るわね……。何か良い活用法はないかしら、妖精」

妖精「魔法の触媒としてなら、一般的な補助具より遥かに強力な効果を期待できると思う。でも未加工で使うのは危ないし消耗も早まるだろうからやめといた方が良いよ」

ローガン「ならば杖などに加工すれば――いや、明日出立するのに加工している暇はないな……」

クロシュ「……えと……それじゃあ……一緒に、魔族国に送るのは……?」

イリス「そっか! 魔族国なら魔法技術も緑の国と遜色ないし、師匠なら世界樹の枝の使い方もなんか知ってそうだもんね……!」

ミスティ「なんか知ってそう……。まあ、確かになんか知ってそうではあるわね……」

ローガン「そうだな。我々は持て余してしまうが、魔族国の者たちなら有効活用できるかもしれん」

妖精「じゃあこれも魔族国に送っちゃおうか」

イリス「うん!」

 ☆ヴァージンエルフワイン、世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ、世界樹の枝を魔族国に送ります

 ◆
834 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 22:18:21.99 ID:MsQneFxu0
―大樹の宿 ロビー

妖精「さて、お土産の発送も完了したところで次の目的地についての話をしよう」

イリス「うん! あの日の夜、世界樹から飛び散っていった光の行き先だよね」

妖精「そう。あの光が落ちた場所で被害が出てるから、私は緑の国の妖精としてそれを解決したい。……よく考えたら、首長ではないあなたたちにまで強要することはできないんだけど……」

ミスティ「今更水臭いわね……。私たちは共に選挙で勝利を治めた復権派の仲間じゃない……」

ローガン「うむ。首長のサポートを行うのは復権派構成員として当然の務めだ」

イリス「そうだよ! 妖精さん一人につらい思いなんてさせないんだから!」

クロシュ「うん……! それに……フメイちゃんたちも、そこにいるから……」

妖精「みんな……ありがとう。それじゃあ早速本題に入らせてもらうよ。まず次の目的地は――」


↓1〜 先取3票
1.ユーシリア帝国[>>383](チカーバの街[>>75]を経由)
2.テラヌス・ウルス[>>385](芸術都市ミュージア[>>380]、砂漠[危険地帯]を経由)
3.トコナツ火山島[熱帯](機械都市テンペスター[>>378]および港湾都市ウォーターポート[>>375]を経由)
※4.オノゴロ諸島[>>373](ユーシリア帝国[>>383]、???を経由)
※5.大陸西部上空(港湾都市ウォーターポート[>>375]、国際商業都市イスファハーン[384]、大魔女帝国[>>381]を経由)
※6.トウゲン帝国(オリシン王国[>>382]、大山脈[超危険地帯]、北部地方[超危険地帯]、リテン・ヘイヴン[>>377]を経由)
※7.常闇の樹海[超危険地帯]

(※が付いているものはまだ選べません)
(※4はユーシリア帝国編クリアで解放されます)
(※5〜7は特定の条件を満たすと解放されます)
(温泉町トウゲン[>>379]はオノゴロ諸島にあるようです)
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:19:48.32 ID:DswJh/3vo
2
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:20:11.63 ID:nWLHZMcCo
3
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:21:27.41 ID:sl8eDkbq0
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:22:17.11 ID:MuZ841l8o
2
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:23:57.50 ID:+sz04aaIO
3
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 22:24:09.25 ID:PmZecKPDO
3
841 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:01:47.50 ID:MsQneFxu0
妖精「――トコナツ火山島。聞いたことはある?」

イリス「えっ、トコナツ火山島!? それってあのトコナツ火山島!?」

妖精「トコナツ火山島って地名は多分一つしかないと思う」

ミスティ「聞いたことあるわ。確か、一年中熱い季節が続く熱帯の島だとか……」

ローガン「しかも活火山があって溶岩も頻繁に出る、と聞いたことがあるな」

クロシュ「ようがん……」

妖精「とっても熱い、燃えて溶けてる岩のことだよ」

クロシュ「???」

ミスティ「私も実物を見たことがないから、溶岩という物体の知識はあるけれど、気持ちはクロシュと似たようなものよ……。燃えて溶ける岩なんて全く想像が付かないわ……」

ローガン「精錬で溶けた金属なら見たことはあるが、あんな感じなのだろうか……」

イリス「私、昔魔法の大会をお師匠様と見に行ったときに一度だけ見たことある。なんていうか……メラメラでデロデロで、すごかった」

クロシュ「メラメラで、デロデロ……。わたしも……デロデロなら、できる」

妖精「絶対触っちゃだめだからね!?」

ミスティ「とりあえずトコナツ火山島が目的地となったのはわかったわ。でもそれだと……海に出る必要があるけれど、どうするの?」

イリス「トコナツ火山島は大陸の南の海だよね。それなら最も近い港は――」

ローガン「……港湾都市ウォーターポートだな。王国の」

イリス「げげっ」

妖精「……まあ、こればかりは仕方ない。王国内ではまたクロシュの服の中とかに隠れるから、その時は入れさせてよね」

クロシュ「ん」コク


ミスティ「ところで……ウォーターポートと隣接している、このテンペスターという街は?」

ローガン「テンペスターは王国の武器庫と呼ばれる工業都市だな。通常の武器だけでなく、機械式の武器や兵器も開発・生産しているらしい」

妖精「げえ、機械兵器は私たち妖精の天敵だ……! 自然の力が通じにくい上に、自然の守りを容易く壊してくるんだよ!」

イリス「そ、そういえばマーベルさんが振り回してた機械式の回転ノコギリ、魔王樹に効果抜群だったね……」

妖精「そういうこと……! 魔王樹も元は精霊樹だったことを考えると、機械がいかに私たち妖精や精霊の天敵かわかるでしょ? はあ……。そんな街が港の近くにあるなんて……」

クロシュ「えと……妖精さんが、危なくなったら……わたしの中に……隠れて、いいよ……?」

妖精「ふふ、ありがとクロシュ。でも私が危ない時はクロシュも危ないだろうから、一緒に隠れよう」

クロシュ「うん」

 ☆次の目的地がトコナツ火山島になりました
  港湾都市ウォーターポート&工業都市テンペスターを経由して向かいます

 ◆
842 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:04:38.11 ID:MsQneFxu0
―魔族国
 妖しい魔法店

 カランカラン

馬頭の飛脚「コンニチワ、馬頭便デス。イリス・プラネット様ヨリ、オ届ケ物ガゴザイマス」ヌッ

フラナ「ありがとう、ご苦労様。……あなた、緑の国の飛脚よね? もうすぐ鎖国するそうだけれど、帰りは大丈夫なの?」

馬頭の飛脚「アッ! ヤバイカモシレマセン」

フラナ「……。まあ、今この国は働き手がいくらでも欲しいから、もし緑の国に帰れなかったら魔族国に来なさい。寝床と仕事を用意してあげるから」

馬頭の飛脚「オ世話ニナリマス!」

フラナ「いやまずは帰れるかどうか確認しなさいよ」

 *

フラナ「はあ、全く……。緑の国の住民ってちょっとのんきすぎる気があるのよね。そこが良いところでもあるのだろうけれど……」

フラナ「それより今はイリスからの届け物ね。何かしら……」ワクワク

 ヴァージンエルフワイン「」ポン!

フラナ「こ、これは……生娘エルフの血――に限りなく近い味と成分の人工血液を用いて造られたヴァージンエルフワイン……!!!」

フラナ「鎖国すると聞いた時はもう飲めないかと諦めていたけれど……まさかイリスがこれを送ってきてくれるなんて……!!」

フラナ「ふふふふ、持つべきものは優秀な教え子ね……。後で飲みましょ」

フラナ「……ん? 他にも入ってるわね。何かしら――」

 世界樹の枝「」ポン

フラナ「世界樹の――枝!?」

 ◆
843 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:05:13.94 ID:MsQneFxu0
―魔族国旧市街
 ロイエ魔族国教会

 ガチャッ

馬頭の飛脚「コンニチワ、馬頭便デス。クロシュ様ヨリ、オ届ケ物ガゴザイマス」ヌッ

聖女「はい、こんにちは……えっクロシュさんから!?」

馬頭の飛脚「ハイ」

聖女「あ、あの……クロシュさんたちは、お元気でしたか?」

馬頭の飛脚「ハイ。ミナサン、息災デアッタト記憶シテオリマス」

聖女「そうですか、良かった……。あれ、でも確か今は緑の国にいっていて、緑の国はもうすぐ鎖国で……あっ! あなたは大丈夫なのですか!?」

馬頭の飛脚「同ジコトヲ別ノオ客様ニモ言ワレマシタ。ヤバイカモシレマセン」

聖女「そ、そうですか……。あの、もしお国に帰れなかったら、ロイエ教の教会をお尋ねください。簡易的な宿泊施設と、炊き出しも行っておりますので……」

馬頭の飛脚「オ世話ニナリマス!」

聖女「まずは帰れるかどうかご確認くださいね!」

 *

聖女「ふう……お布団もご飯も無限にあれば良いのですが……」

 ガチャッ

魔族の子供「こんにちは、お姉さん! 遊びに来たよ!」ヒョコッ

魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ

淫魔の幼女「こんにちは、おねーさん!」ヒョコッ

聖女「あら、いらっしゃい! なんと今ですね――クロシュちゃんから、緑の国のお土産が届いたんです!」

魔族の子供「えっ、本当!?」

魔族国スライム「!」モニョモニョ

淫魔の幼女「……言われてみれば、クロシュちゃんの匂いがする……」

聖女「に、匂いがするかは私にはわかりませんが……こちらを、みんなで食べて欲しいと」スッ

 世界樹の果実風ゼリー詰め合わせ「」ポン!

淫魔の幼女「わああ……! きらきら……!!」

魔族の子供「これ、何!?」

聖女「これはゼリー≠ニいうおやつです。緑の国で人気のお菓子なのだそうですよ」

魔族国スライム「〜」モニョモニョ

魔族の子供「ゼリー……!」

淫魔の幼女「ええ、食べていい? 食べていい?」

聖女「ふふ、もちろんです。ゼリーは逃げませんから、ゆっくりね……」

 ◆
844 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:07:57.70 ID:MsQneFxu0
―???

アリシラ(……)

アリシラ(真っ暗で……何も、見えない……)

アリシラ(ここは……どこ、なのかな……)

アリシラ(帰らなきゃ……)

アリシラ(……? 帰るって……どこに……?)

アリシラ(あれ……? 私は……私って、誰……?)


アリシラ?「帰る場所なんて、もうないよ」

アリシラ(え――)

アリシラ?「忘れたの? 私の大好きなお父さんも、お母さんも――私が殺したんじゃない」

アリシラ(あ――あ、ああ―――!!)

アリシラ?「思い出した? あの日の夜のこと」

アリシラ(わ、私……私は……!!!)

アリシラ?「でも仕方ないよ。だって、私が吸収しなくたってお父さんもお母さんもあのままなら死んでたんだもの)

アリシラ(だからって……だからって……!)

アリシラ?「うふふ……一緒に死ねていたら良かったのにね。生存欲なんてものがあったばかりにね……。大好きな人たちと一緒に死ねず、後を追うこともできず、現世を彷徨い続けるしかない……」

アリシラ(どう、して……。私、だけ…………)

アリシラ?「それは私が、他者の命を奪って生き延びる力を持っていたから。ただ、それだけ。単なる必然」

アリシラ(…………あなたは……誰、なの……?)

アリシラ?「私は私だよ。アリシラ」

アリシラ(……)

アリシラ?「うふふ……本当だよ? だって私も≠ィ父さんとお母さんからその名前を授かったんだもの」

アリシラ(それは……どういう……)

アリシラ?「私はね――あなたが死産した時に生まれて、蘇生と引き換えに消滅した――」

魔王アリシラ「――魔王の、断片だよ」

 ◆
845 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/23(土) 23:18:03.28 ID:MsQneFxu0
本日はここまでとなります。次回はとうとう緑の国を出発する時となります

今回、旅の方式が他の国や地域を経由していくものになりました。話のテンポはゆっくりになってしまうかもしれませんが、文量はその分増えますので、他の登場人物にスポットが当たることも増えるかと思います。よろしくお願いします
そして次の目的地であるトコナツ火山島は、劇中でも説明のあった通り、熱帯に位置する火山島です。赤道に近いため一年中暑く、独特の文化が発達しています。観光に訪れる人も多く、一年中賑わっています。海も山も遺跡もあるので、冒険者にも人気があるようです

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 23:38:33.05 ID:nWLHZMcCo
乙乙
条件で解放されるということはラスダンみたいな空気ある常闇の樹海にも条件次第で序盤にいけるんかね
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 23:42:39.03 ID:eQjF9W320
乙です
気になったけどイリス、ミスティ、ローガンが戦闘以外でパーティーから離脱する可能性はあったりするのかな?
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/23(土) 23:48:45.05 ID:PmZecKPDO
乙です

超危険地帯には勇者とか魔王以上にヤバいのが眠ってそう
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 01:16:31.80 ID:5qAKx6E9o

魔王関係はアリシラ?さんの方だった!
こういう一つ前の国のその後ちょっと見せてもらえるのすき
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 07:30:40.65 ID:lDuvULJr0

フラナ氏昔はヤンチャ吸血鬼として無差別に吸血してそう
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 19:46:19.95 ID:YO9073hoO

鎖国してもギルドは続投するのかな
852 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:50:25.40 ID:h/5HXvT10
特定条件で解放される目的地についてですが、条件を満たすにはメインシナリオを進める必要もあるため、序盤の段階で突入することは難しいかと思われます(無理に行こうとしても他のパーティメンバーに止められます)

イリス、ミスティ、ローガンが離脱する可能性についてですが、魔族国編での革命参加選択の時のように、各仲間の意にそぐわない行動を選ぶと離脱判定が発生することがあります
なお現時点ではクロシュおよびパーティそのものに対する好感度は全員けっこう高いため、よほど信念に反する行動を取らない限りは基本的に離脱する可能性は低いと考えて頂いて大丈夫かと思います
ただし特定のサブイベントなどでは、展開次第で離脱判定または強制離脱が発生する可能性もあります

超危険地帯には、勇者は多分いないと思いますが、魔王やそれに比肩する存在が潜んでいる可能性はあります。通行する際は十分に注意しましょう

アリシラ?さんは、かつて魔王化したアリシラさんの凶悪な力の断片のようです。厳密には魔王ではないので、災害と呼べるほどの力は残っておらず、言葉も通じるように思えます
本来のアリシラさんもどうやら消滅したわけではないようです

フラナ氏が若い頃にどういう吸血鬼だったかは明らかではありませんが、竜人の女性氏やムキムキオーク氏が尊敬するような人物だったのは確かなようです

緑の国の冒険者ギルド支部は一旦活動を休止することになるかと思います。鎖国が解消されたら再び活動を再開するでしょう
853 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:51:42.45 ID:h/5HXvT10
―朝
 露店通り

 ワイワイ ガヤガヤ

ティセリア「……もう出立の時なのですね」

妖精「うん。世話になったね」

ティセリア「こちらこそ。本当に……この年の選挙に戻ってきてくれて、ありがとうございました」

妖精「あなたこそ、この国を守ってくれてありがとう。これからも頼っちゃうけれど、よろしくね」

ティセリア「はい……」



紫髪のエルフ幼女「これを。旅にお役立てください」

 お金の入った袋「」ジャラッ

イリス「わっ……! こ、こんなに良いんですか……!?」

紫髪のエルフ幼女「……むしろ、この程度の額しか用意できなかったことをお許しください。本来であれば、世界樹の光の回収は国を挙げて支援すべき事案なのですが……」

ローガン「とんでもない。これほどの大金を頂けるとは、ありがたみしかありません」

妖精「うん。この情勢でここまで捻出してくれて本当に助かるよ。ありがたく使わせてもらうね」


紫髪のエルフ幼女「それと、これをお受け取りください」スッ

 精霊の印「」キラキラ

クロシュ「きらきら……」

イリス「なんだろ……透き通った心地良い魔力を感じる……」

紫髪のエルフ幼女「これは精霊の魔力が込められたお守りです。認められた人がこれを持っていれば、聖域を自由に通行できるようになります」

ミスティ「……本当に良いの? 私たちのような素性の知れぬ旅人に、聖域の通行許可なんて与えて……」

紫髪のエルフ幼女「あなたがたは現首長妖精と共に復権派として活動し、この国の為に尽力してくださった賓客ですから。どうかお受け取りください」

クロシュ「うん……ありがと……」
854 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:52:59.13 ID:h/5HXvT10

マーベル「なんだ、もう行くのか。帰って来る時はなんか珍しい土産とか持ってきてくれよ」

妖精「はいはい。覚えてたらね」

イリス「あの、今更ですけど……あの時、魔王樹の攻撃から助けてくださって、ありがとうございました……!」ペコッ

マーベル「あー、そういえばそんなこともあったな……。恩を着せようと思ったわけじゃないが、せっかくだから貸し一つってことにしとくか」

イリス「は、はい」

妖精「ちょっと、イリスに変な要求しないでよ」

マーベル「しねえよ! 百年どころか十数年しか生きてないガキにんな大人げないことするかっての!」

妖精「ならいいけど」

マーベル「まあ、そうだな……。またここに来ることがあったら、外国土産とか持ってきてくれりゃいい。それと、もしセインの奴に会うことがあったら、マーベルの分っつって一発ぶん殴っておいてくれ」

イリス「え、ええ!? セインくんを……それはちょっと、ハードルが高いというか……」

マーベル「あいつ変なとこで真面目だから、俺の名前出せば殴られてくれると思うぞ。多分な」

イリス「わ、わかりました。やれそうならやってみます……」

マーベル「ったく、あいつが勇者じゃなけりゃな……」



森妖精の子「ミスティさん……もう、いっちゃうの……?」

ミスティ「ええ……。私たちには、やらなければならないことがあるのよ」

森妖精の子「……うん。ミスティさんは……たびびと、だもんね……」

ミスティ「ええ……」

森妖精の子「…………これ……あげる……」スッ

 精霊樹の実のジャム「」ポン

ミスティ「これは……ジャム?」

森妖精の子「うん……。木さんの、実と……わたしのフェアリーシロップで、つくったの……。ティセリアさんに、やりかた、おしえてもらって……」

ミスティ「すごいわ……! お菓子作り、もうできるのね……」

森妖精の子「えへへ……。木さんと、ティセリアさんのおかげ……。ミスティさん……げんきでね……」

ミスティ「ありがとう……。お菓子作り、応援してるわ。あなたも、元気で……」


 ☆お金をいっぱいもらいました
 ☆精霊の印(持っていると聖域を通行できます)を人数分もらいました
 ☆精霊樹の実のジャム(魔力大回復、甘くて美味しい)をもらいました

 ◇
855 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:54:05.52 ID:h/5HXvT10
―緑の国フォレスティナ
 森のトンネル前

妖精「それじゃあ行ってくるよ。後はよろしくね、ティセリア、サリー」

ティセリア「はい、お任せください。あなたがたも、どうか無事に帰ってきてくださいね」

紫髪のエルフ幼女「……私たちを打ち負かして首長の座を取ったのですから、勝手に消えたら承知しません。絶対、五体満足で帰ってきてください」

妖精「わかってるよ。責任は全うする。飛び散った光を集めて、必ず戻るよ」

ティセリア「……もし、上手くいかなくても……どうか気に病まず、堂々と帰ってきてください。あなた方の無事が、一番の良い知らせになりますから」

妖精「うん……」



ティセリア「あなたがたに、精霊の加護がありますよう……」

紫髪のエルフ幼女「復権派に、精霊の加護がありますよう」

森妖精の子「ミスティさんたちに……せいれいのかごが、ありますよう……」

マーベル「あいつらに精霊の……あー面倒臭ェな! 老衰でくたばんじゃねえぞ妖精のババア!」



妖精「緑の国フォレスティナとその民に、精霊の加護が――ああ!!? あんのクソガキ!!!」

イリス「お、落ち着いて妖精さん!! フォレスティナの人たちに、精霊の加護がありますよう!!」

ローガン「はは……。フォレスティナの民に、精霊の加護がありますよう……」

ミスティ「もう……。フォレスティナと――あの子たちに、精霊の加護がありますよう――……」

クロシュ「えと……森のみんなに……精霊の加護が、ありますよう……!」


 強化ソリ「」シャーッ


 ――緑の国フォレスティナ編 完
856 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 19:54:39.84 ID:h/5HXvT10
クリアボーナス
↓1
01-60 運命賽(致命的な運命を辿った時、直前の判定を振り直せる。一度使うとなくなる)
61-90 ↑+鋼の回転ノコギリ
91-00 ↑+会心賽(判定時に会心と書き込むと、コンマに関わらず最上の結果となる。一度使うとなくなる)
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 19:55:51.77 ID:iLkxzaAN0
会心
858 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 20:51:50.33 ID:h/5HXvT10
―王国港湾都市への旅路
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・精霊樹の種
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
859 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 20:52:30.65 ID:h/5HXvT10
―緑の大森林 街道

 強化ソリ「」シャーッ

ミスティ「良いとこだったわね……フォレスティナ……」

クロシュ「うん……!」

イリス「でも、だからこそ鎖国しちゃうのがもったいなく思えちゃうよ、仕方のないことだけれど……」

ローガン「うむ……だが我々には通行許可がある。ある意味では、緑の国の観光を独占できると言っても良いだろう」

イリス「な、なんかちょっとズルしてるみたいな気分になっちゃいそうです……」

妖精「いいじゃん。私たちは復権派なんだからさ」

ミスティ「そうね……。次に来た時は、のんびりしてみたいわ……」



ローガン「ところで……先ほどから、どこか鋼の気配を感じるのだが……」

妖精「奇遇だね……。私も、なんだか忌々しい気配を感じてたとこ……」

 謎の荷物「」ゴゴゴゴゴ

イリス「あ、あの荷物は……?」

ミスティ「ソリを出す前に、マーベルさんが餞別とか言って置いてったのよ。言うのを忘れていたわ……」

妖精「あいつ……爆弾でも置いてったんじゃないだろうね」

ローガン「ははは、まさか……。この鋼の気配は、悪いものではないだろう……」

イリス「とりあえず開けてみよう!」

 *

 鋼の回転ノコギリ「」ドン!

妖精「……」

ローガン「これは……マーベル氏が使っていた機械式の武器だな……」

イリス「え、ええと……ローガンさん、使えそう……?」

ローガン「……使えないこともないだろうが、かなりクセが強そうだ……。ううむ……」

クロシュ「えと……じゃあ……わたしは……?」

妖精「だ、だめ! クロシュはこんな忌々しい武器を使っちゃだめだよ!」

クロシュ「う、うん……」

ローガン「……うむ。盾しか使っていないクロシュくんが、いきなりこのような変則的な武器を持つのは推奨できん。まあとりあえず私が試してみよう」

 ☆ローガンが状況に応じて回転ノコギリを使用するようになります


↓1 ランダムイベント
01-05 ???
06-20 襲撃
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-65 自生する果物(おいしい)
65-80 良いもの発見(自由安価。物品またはスポット)
81-95 旅は道連れ
96-00 ???
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 20:53:47.39 ID:YO9073hoO
861 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 21:58:10.91 ID:h/5HXvT10

 強化ソリ「」シャーッ

ミスティ「そろそろお昼ね……。休憩にしましょうか」

クロシュ「おひる……!」

イリス「ミスティ、魔力は大丈夫?」

ミスティ「ええ。少し前にコツを掴んだから、燃費はすこぶる良いわ」

ローガン「おお、以前よりも快速な気がしていたが、燃費も良くなっていたのか」

ミスティ「ふふ、私はソリの運行くらいしかできないから。これくらいは役立たせて欲しいわ」

妖精「むしろミスティがいなきゃ行軍にものすごく困るんだよね……」

 *

―森の空き地

 自生する森ニンジン「」
 自生するゴボウ「」
 自生するドングリ「」

妖精「お、森ニンジンとゴボウが生えてる。昼はあれも食べようよ」

イリス「わ、森ニンジンとゴボウってその辺に自生してるものなの?」

妖精「うん。味は流石に農場で作ってるのに劣るけれど、旅の糧食としては十分でしょ?」

ローガン「流石は緑の森だな……。自然の恵みに感謝せねば」

 *

 森の恵み野菜スープ「」ポン!
 焼きドングリ「」ポン!

スライムクロシュ「〜〜♪」モニョモニョ モグモグ

イリス「ふふ、おかわりもあるからたくさん食べてね」

ミスティ「ふう……体が温まるわね……。美味しいわ……」

ローガン「うむ。このドングリもコクがあって美味いな。いくらでも食べられそうだ」ポリポリ

イリス「緑の森の食べ物は美味しいし、こうやって現地調達すれば保存食の節約にもなるし、森の恵み様々だね」

 ☆野菜スープを飲んで元気になりました
  この道中の次の戦闘時、コンマ+10

 ◆
862 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 21:59:06.29 ID:h/5HXvT10
―夕方
 関所 森林側

 ワイワイ キャッキャ

森妖精A「フォレスティナに来てくれてありがと〜!」

森妖精B「えっへへ〜またいつか鎖国が解かれたら遊びに来てね〜」

森妖精C「ねえねえ旅人さん、鎖国前にフェアリーシロップ欲しくない? もう二度と手に入らないかもよ?」

お宿の妖精「妖精のお宿ですよ〜。鎖国前なので格安で提供してますよ〜。最後の一泊、どうですか〜?」



クロシュ「……!」

ローガン「ここはまだ、営業してるのだな……」

イリス「妖精さんのお宿……! 入国した時に一泊したのが、もうずっと昔みたいに感じられるなあ……」

ミスティ「格安でやってるみたいだし、今夜も妖精のお宿で一泊していかない……?」

妖精「……そうだね。泊まっていこう」

 ◇

お宿の妖精A「わあ、黒いスライムさん! また来てくれたんだあ」

お宿の妖精B「ああ……黒くて滑らかで……美しいです、お客様……」

お宿の妖精C「スライムさん向けのマッサージ、気に入ってくれた?」フニフニ

スライムクロシュ「///」モニョニョ


お宿の妖精D「またいらっしゃってくださったんですねぇ、鋼の旦那様……」

ローガン「う、うむ……。またよろしく頼む」


イリス「あはは、クロシュちゃんもローガンさんも覚えられちゃったみたい」

ミスティ「ふふ……でも、いいわね。そういうのも……」

妖精「クロシュもローガンもすっかり気を良くしちゃってるなあ。ふふ、本当に上手い商売」


妖精のお宿に一泊します
↓1〜3 自由安価 宿泊中何をする?
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:00:31.81 ID:iLkxzaAN0
星の魔翌力を読む
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:03:47.64 ID:V31yk4qDO
お宿の妖精達に精霊樹の種の育て方のアドバイスを聞く
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:04:56.77 ID:lDuvULJr0
売店で何か買う
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:06:42.80 ID:ZEee4nhk0
鋼の回転ノコギリを試してみる(宿の中だと危ないので外でやってみる)
867 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 22:21:02.24 ID:h/5HXvT10
―妖精のお宿 客室

イリス「さて、と……。久しぶりに時間が取れそうだし……」ガサゴソ

 魔術書「星の魔力」ポン!

イリス「今夜こそはこれをしっかり読み込んでみよう……! この前世界樹で感じたことを照らし合わせれば、何かが見えるような気がする……!」

イリス「よおし……」グッ


↓1 イリスの勉強成果
01-90 私の本当の属性って――
91-00 ???
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:21:36.32 ID:Z/K+OqFho
💡
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 22:21:49.02 ID:V31yk4qDO
はい
870 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 23:34:04.94 ID:h/5HXvT10
 魔術書「星の魔力」ペラッ
 イリスの研究ノート「」カキカキ

イリス「……」ペラッ

イリス「……」カキカキ

イリス「……」ペラッ

イリス「……」カキカキ

イリス「……」

イリス「…………」


イリス(……あの日、夜空を飛び散っていった光は……星の魔力を源泉とした――火、水、風、地、光属性の、奔流……)

イリス(……)

イリス(そして私が使える属性も……火、水、風、地、光。他にも使える属性はあるけれど、それらも今言った五大属性の派生属性……)

イリス(つまり――私の、複数属性というのは――)


イリス(――星属性)


イリス(……そっか。あの時感じた、あの魔力に対する馴染みやすさは……私と一致した属性の魔力だったから……。単純な話だったんだ)

イリス(……)

イリス(お師匠様……。私、ようやく見つけました。私の、本当の属性を……)

 ☆イリスが自らの属性を自覚しました

 ◇
871 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/24(日) 23:34:56.35 ID:h/5HXvT10
本日はここまでとなります。緑の国フォレスティナ編、クリアおめでとうございます

当初は選挙に飛び入り参加する方向などは全然考えていませんでしたが、こうして完結してみるとちゃんと綺麗に収まっているように思えます。妖精が建国者になったり、ティセリア氏とマーベル氏と和解に至ったり、とても良い着地をすることができたかと思います
そして次の更新の前に、やっぱり敵対ネームドキャラクターや汎用クリーチャーの募集などを平日中に行うかもしれません。その時はよろしくお願いします

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 00:37:52.63 ID:UW8oLAmpo
乙乙
緑の国は比較的爽やか国で好きよ
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/25(月) 01:50:28.78 ID:xLWbrYB2o
おつ
電ノコ?はこのあと活躍する、といいな
妖精さん周りがかなりイレギュラーだったはずだけど上手くまとめて凄い
874 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/27(水) 00:18:10.80 ID:bJdOTkdK0
緑の国編は魔族自治区編と比べると、実際明るく前向きな雰囲気で進んでいたかと思います。というか魔族自治区編が際立って重苦しかっただけかもしれません……

鋼の回転ノコギリは、単純な破壊力で言えばローガン氏の愛用しているはがねのつるぎよりも上なので、活躍しないということはないと思います。ただしローガン氏自身も言っていたように癖が強い武器のため、使いこなすにはある程度の習熟が必要となるでしょう

妖精さんが突然大物になりましたが、>>1自身も意外とちゃんとまとめられたことに驚いております。この調子で今後も良い感じに書いていきたいところです
875 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/27(水) 00:20:10.95 ID:bJdOTkdK0
というわけで本日は更新はできませんが、敵対ネームドキャラクターおよび汎用クリーチャーの募集を行いたいと思います
全員出せるかはわかりませんが、機会があれば是非とも使わせていただきたく思います。よろしくお願いします

(ネームドキャラクター用テンプレート)
【名前】
【種族】
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】(主に使う魔法や得意属性など)
【備考】(来歴や嗜好、その他特徴や長所短所などなんでも)

(汎用クリーチャー用テンプレート)
【種族】
【分類】
【外見】
【性質】
【備考】

■参考:
(敵対ネームドキャラクター例)
【名前】ブラッド(冒険者ギルド命名)
【種族】スライム類の一種と推測される
【性別】♀
【年齢】不明
【容姿】血のように赤いスライム。人間に擬態する時は、真紅の髪を足元の辺りまで無造作に伸ばした幼子の姿を取る
【性格】わがまま。感情の起伏が激しく、気に入らないことがあるとすぐに癇癪を起こす
【魔法】詳細は不明だが、通常のスライムとは一線を画す卓越した擬態能力と同化能力を有する
【備考】幼い外見とは裏腹に異常な力を有しており、何人もの冒険者を血の海に沈めている
単純な戦闘能力も高いが、擬態能力を活かして不意打ちや騙し討ちをする等の狡猾さもあり、危険
過去に起きた災害級の事件に関与している疑いがあり、冒険者ギルドは調査を進めている

(汎用クリーチャー例)
【種族】ヒヒイロガニ
【分類】甲殻類
【外見】緋緋色の美しい甲殻を持つカニ
【性質】穏やかな性格であることが多い。大抵のヒヒイロガニは不要な争いを避け、静穏な環境を好んで暮らしている
【備考】甲殻に希少金属を含有している珍しいカニ。極めて頑強で堅く、並の物理攻撃では傷一つ付かない
特定の地域では高級食材として扱われている

↓1〜 23:59:59まで
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 01:56:46.10 ID:VpdFCuxLo
【種族】溶岩魚
【分類】魚類
【外見】魚の形をした岩
【性質】おとなしいが危険を感じると発熱し、地面を溶かして地中に潜る
【備考】溶岩中で生きられるようにウロコが耐熱岩石になった魚。自己発熱は溶岩を上回る熱を発するが、自分でも長くは耐えられないので何らかの方法で逃げられなくすると自ら焼き魚となる
骨には火属性耐性があり道具として有用
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 02:03:48.70 ID:3ZzTQ8kPo
【名前】セレスティア・ベールグラッド
【種族】ドラゴン
【性別】女
【年齢】1800
【容姿】赤いドレスと赤い眼、金髪、立派な龍角を持つ妖艶美人で真の姿は赤いドラゴン。龍角から加工した大業物の槍を持つ。
【性格】面白いものが何より好きで、退屈が何より嫌いな気分屋。自由人。基本は気さくだが、心から誰かを愛さないし心から憎むこともないどこまでいっても爬虫類。仲良くなった相手でも必要があれば敵対するし、その逆もある。
【魔法】ドラゴンとしての溢れる魔翌力を魔法というよりドラゴンブレスとして雑に魔翌力の塊をぶつけるだけのストロングスタイル。変身魔法も使えるが杜撰。
【備考】秘密結社「シノホシ」のメンバー(ナルトの暁みたいなもの)をしている。面白そうというだけで特に目的意識も忠誠心もない。組織のメンバーになれるだけにかなりの実力者。組織の任務以外には傭兵業をこなして生計を立てている。世界でも稀な純正純粋のドラゴンだが、めんどくさいいざこざに巻き込まれないため普段は人間の姿をしている。しかし度々龍角が生えちゃうくらい爪の甘い変身っぷりで、その度にファッションだからと変な言い訳をしている。空を飛べ、普段はフワフワ空中で揺られながら昼寝してる。気に入った相手は背に乗せてくれる。気に入った相手でも仕事なら[ピーーー]のも仕方ない。空から不法入国を繰り返す常習犯。本質はどこまでも冷めた人であり、戦いの中で、唯一ひりつく感情の中で死にたい。


【種族】触手属 ◯◯触手
【分類】触手目 触手科 触手属
【外見】触手。獲物を捕食するときに先っぽが4つに割れ口となる。
【性質】縄張りに入り込んだ獲物に巻き付き捕食してくる習性を持つ。
【備考】そこらの地面から突然飛び出してくるが、魔翌力探知の鋭い人なら予知できる。触手属は色によって序列が決まっており、薄紅、黄、緑、青、紫、黒、白の順で強くなっていく。獲物を捕食すればするほど強くなり、色が変化していく生態。
薄紅触手はパワーも弱く、毒もなく、そんなに伸びない初心者向けであり、たまに植木鉢で売られている。
青色触手までは人類でも対処可能な域にあるが、紫色触手以上は規格外。特に、白色触手にもなるとバカみたいに高い戦闘力を有しており、速度、硬度、長さ、消化力、食欲どれをとっても一級品である。白色触手がたった一本だけでも住み着いた土地は一切の生物が生存できない死の土地となる。強い触手ほど多くの獲物の栄養を蓄えており、美味。白色は市場にほぼ出回らないほどの高級食材。
触手属は実は結構人に懐く。どっかの爬虫類よりよっぽど情がある。
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 12:33:39.72 ID:JFs8u6VCO
【名前】メイ841
【種族】メイド型オートマトン(機械人形)
【外見】メイド服を着た黒髪ロングの15歳くらいの少女
【年齢】不明
【性格】無機質で機械的な喋り方をする
【魔法】魔法は使えないが護衛用に右手にブレード、左手にマシンガンを仕込み、両足にローラー、背中にジェットエンジンを備える。
【備考】かつて機械都市で量産されたメイドロボだが、売れ残りが廃棄処分された内1体が怨みの念で自我を得て自らを改造して人間達への復讐を目論んでいる。
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 13:50:08.77 ID:9NY8K/CW0
【名前】ガッタ・ファーブ
【種族】人間
【性別】男
【年齢】50
【容姿】身長は高い。白髪で頭部の両端にクワガタの顎のような髪型をしている。鼻は少し長くカイゼル髭を生やしている。白衣を着ている。
【性格】昆虫(もしくは昆虫型モンスター)が好きでいつも昆虫の事を考えている。人をあまり信用していなく疑い深い性格。ネチネチと小言をよく言っている。小言が多いが仕事仲間には優しい気にかける事がある。
【魔法】昆虫魔法
・普通の昆虫を使役し操る事が出来る。
・オリジナルの昆虫を召喚して操れる(例えば火に耐性があったり、切っても分裂できる等)。
・自身の体の一部を昆虫の一部に変える事が出来る(例えば背中に蝶々の羽を生やす、両足をバッタの足に変える等)。
【備考】王国で護衛兼学者とやっている。結構頭もよい。昆虫に関する論文で高い評価を受けたり、新種の昆虫型モンスターを発見したして、学者の間では結構有名。武術も強く、護衛の為に習ったら才能が開花した。武術に関しては王国の騎士隊長以上に強くなっている。その強さから王国にも認められている。王国の命令があれば必ず遂行する。勇者セインとはともに仕事した事がある。自身の魔法もおり混ぜて戦う戦闘スタイル。一人称は「ミー」でよくカイゼル髭をいじっている。
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 14:56:04.14 ID:5nHP6WRUO
ネームド
【名前】カリス・ノーランド
【種族】エルフ
【性別】女性
【年齢】400
【容姿】
身長145cm。小柄で華奢な体格やショートカットにしたサラサラの金髪、青い瞳、白い肌など。幼く活発そうな可愛らしい顔立ち。
顔立ちは幼く小柄で華奢な体格だが、その幼さとは裏腹にバストは大人顔負けに実っている。どこがとは言わないが生えてない。白衣を着た医者のような服装。
【性格】一見陽気で無邪気だが、道徳や人道といった倫理観に理解を示さない狂人。
【魔法】生命・魂に干渉する魔法。
【備考】
魔王化を研究し、自身も魔王になろうとしているマッドな研究者。
過去に様々な動植物を魔王化させようと自身の魔法で実験を繰返し凶悪な怪物を誕生させ続けたことから指名手配されている。
彼女自身の戦闘能力は未知数だが、実験で怪物と化した者達は一様に彼女に従順で護衛をしているため、彼女を倒すことは困難を極めるだろう。


クリーチャー
【種族】オアシスモドキ
【分類】虫
【外見】人間に近いサイズの大きなアリジゴク
【性質】
肉食で貪欲かつ獰猛。一応彼らが使う神経毒は活用できるが、人類・魔族どちらにとっても害虫である。
【備考】
砂漠に生息する神経毒を有し幻術を操るアリジゴクのような虫型クリーチャー。砂漠の真ん中でオアシスの幻を発生させて引き寄せ、噛みついて神経毒で麻痺させて捕食する生態の持ち主。
オアシスを幻術で見せているが、再現しているのは見た目だけなので注意深く観察すれば見破れる点や飛んでいる相手に攻撃する手段がない点は覚えておこう。
ちなみに毒腺が討伐の証拠になる。
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 15:26:04.89 ID:rHuztZjuO
【名前】アウル・フォクシー
【種族】狐の獣人
【性別】男
【年齢】25
【容姿】銀髪で狐耳と狐の尻尾がある。顔は整っておりイケメン。長い槍を背負っている。いつもニヒルな表情をしている。
【性格】腹黒い性格。本人は自覚していないがナルシストなところがある。
【魔法】毒を操る魔法(毒液や毒霧も可能)
【備考】昔暮らしていた村が人間によって滅ぼされてしまった過去がありそれ以降人間を憎んでいる。魔物に対しては結構普通に接している。ある組織に所属している。槍術と毒の魔法が得意。腹黒い性格もあって騙し討ちもする事がある。テンションが上がるとヒステリックな笑い方をする。実は緑の国に滞在時、世界樹の果実を潰しそれから五色の光が放たれている様子を目撃している。

【種族】ボーンクラーケン
【分類】軟体動物 タコ類
【外見】頭に動物の骨を被っており、八本の足にはそれぞれ動物や人間などの骨を持っている。
【性質】獰猛な性格で縄張りに入ると襲ってくる。
【備考】基本的に暖かい海に生息している。骨を武器にして襲う事がある。タコなのでスミをはく。骨をめぐって仲間同士で争う事が結構ある。見た目は怖いが食べる事ができ、地域の所では食用として販売している。
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 19:19:06.05 ID:AkxJ8ODuO
ネームドエネミー
【名前】クロシュヴィア・ビターエンド
【種族】レジェンドスライム
【性別】なし
【年齢】2000
【容姿】特に一つの姿に頓着せず、様々な姿に変身する。普段は風になって漂っている。
【性格】姿形を変えられるように性格もいくらでも変えられる。普段は朗らか風。しかし本質はことなかれ主義の悲観論者。
【魔法】体積も質量も材質もエネルギーも無視して何にでもなれる。コピーした相手の能力魔法すら使いこなせる。
【備考】人間が魔物を嫌うようにどんな種族でも別の種族を嫌ったり好いたりと差別心を心に抱えている。そんな世界でもみんなから好かれるため嫌われないため、相対する種族に合わせて姿を変え偽り生きている(人間相手には人間として振る舞うなど)。そのためスライムとしての姿を捨て他種族として生きるようになった。スライム界の伝説の人物であるがスライムとしての本来の姿には、もう長いこと戻っていない、スライム界の裏切り者。この世の嫌なものを見すぎたことから、理想の世界を創り上げる計画のために今は動いている。膨大な魔翌力さえあれば、本来のスライムとしての姿を無尽蔵に膨張させることで文字通り世界を飲み込むことができる。世界を飲み込み、世界そのものになることで、もう誰からも排斥されることはなくなる。それこそが理想郷。

クリーチャー
【種族】レッサースライム
【分類】スライム
【外見】とても分かりやすいくらいスライム
【性質】スライム属の中でも知能が低い種族。まともな言語も操れず、本能で動く。
【備考】戦闘力は雑魚だが、ぺしぺし体当たりされたり、粘液まみれの身体で触ってきたりと野宿してる時に遭遇すると最悪。簡単に人間が殺されることはないが、放置してると続々と群れの仲間が集まってくるわ、無性生殖で一匹がガンガン増えるわとイナゴの大群みたいな存在。基本的には本能で動く野生動物だが、上位スライムの命令にのみ忠実に従う。上位かどうかは感知する魔翌力総量で判断してるらしいというのが最近の学説。ペット人気がちょっとある。
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 20:05:04.66 ID:BkQ5zu/n0
【名前】フレメア=バイオレット
【種族】吸血鬼
【性別】女
【年齢】444歳
【容姿】赤毛ロングの幼女
【性格】普段は無口だが怒ると暴言をまき散らす
【魔法】巨大化魔法。全身は勿論一部分だけ大きくもできる。
【備考】フラナの腹違いの姉、こちらはより高位の魔族を血を受け継いだせいで理性をほぼ失っており、破壊衝動にかられており暴走状態になって彷徨っている。フラナ的には家族としての情は薄かったため話題にすることはなかった。


【種族】パラサイトソード
【分類】リビングソード(邪悪な意思が宿った剣)
【外見】禍々しい装飾が施された剣
【性質】握った者を意のままに操る。浮翌遊して移動することも可能。
【備考】宝箱に入っていたり店売りの剣に紛れ込むこともある。
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 20:14:32.68 ID:pBxejSw50
【名前】ドノヴァン・ホロゲイト
【種族】人間
【性別】男
【年齢】26
【容姿】黒いシルクハットに黒マント姿の男性。髪は長い銀髪で後ろで束ねている。イケメンなのだがどことなく胡散臭い。
【性格】ノリが良く、たまに寒いギャグを言っては自分でツッコんだりしている。しかし時折、常人とは思えない程の冷たい殺気を纏う事がある。
【魔法】空間魔法。主に転移やアイテムの格納に使うが、空間を削り取るなど攻撃的な使い方も出来る。
【備考】神出鬼没の謎の商人で、常に独特な口調(こちらの世界で言う関西弁)で話す。
各国に現れては巧みな話術で王族などの支配者層に取り入り、莫大な財を成しているという。
だが彼が扱う商品はとても一介の商人に仕入れられるとは思えない様な強力かつ貴重な武器やアイテムばかりであり、一体どうやって手に入れたのかや、その素性については一切謎に包まれている。
そのため実は〇〇のスパイなのではないか、各国に強力な武器やアイテムを流す事で戦争を引き起こそうとしているのではないか…などといった噂が飛び交い、これまで何度も身辺調査が行われてきたが、そのどれもが不発に終わっている。
現時点ではクロシュ達の明確な敵になるかは分からないが、恐らく味方になる事もないと思われる。
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 21:34:45.64 ID:GpGlts6fO
【名前】ザイル
【種族】魔族
【性別】男
【年齢】1000歳
【容姿】銀の長髪、中肉中背
頭にある二本の角、背中には黒い翼を持つ
それ以外は特徴を持たない普通の青年
【性格】泰然自若
知識を尊び、色んな物事に興味を示し、他者の話に良く耳を傾け、良く喋る
だが自身の価値観は頑なに譲らない
力こそ全てとし、力で意志と矜持を貫き通す
一方で身体が弱くても、強き心を持つものには敬意を払う
【魔法】圧倒的な出力の光魔法
【備考】産まれてから暫くの間、非力でそこらの村人より弱かった魔族
力なき故に他の魔族から虐げられ、飢えと渇きに苦しみながら、死にたくない一心で生き続け、鍛え続けてきた
ある時、長年自身を虐げてきた魔族を殺害。その魔族が貯め込んだ食料を喰らうことで、生まれて初めてのまともな食事にありつく
かつて自分より遥かに強かった魔族を倒し、飢えから解放されたことにより、力さえあれば飢えることもなく、尊厳も守れると力に執着していった
研鑽の日々の中、滅ぼされた村の生き残りの少女を虐げて楽しむ魔族を見つける
力こそ全て。ならば、少女が虐げられるのも弱いが故
そう考えるも怒りを覚えたザイルは魔族を屠り、少女を助けた
その後、助けた者の義務として少女を養う。始めは義務感のみで少女と接していたが、次第に情が移り兄妹のように仲良くなる
しかし、かつて虐げていたザイルが自分達より遥かに強くなったことを妬んだ魔族達が義妹(少女)が連れ去る
だがザイルの実力を見誤った魔族達は、義妹を人質にザイルを脅す間もなく皆殺しにされる
このことから、大切なものを守り通すにも力が必要と信じるようになる
やがて圧倒的な力と知識を手に入れたザイルは、繁栄も豊かさも平和も、人材すらも力で得られると、周辺の者を種族関係なく従える
そして自分の思う通りの法を整え、思い通りの国を作らせ、その国を亡き義妹の名前からリーリアと名付けた
かつての飢えの経験から、食事がなによりの楽しみ。一番の好物は義妹の得意料理だったシチュー
世界樹から放たれた光に、義妹と似た魔翌力を感じ、光を手に入れようと動き出す
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 22:57:33.28 ID:P2Jlc1kW0
【名前】エルザ・アーシェライト
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】18
【容姿】金髪お下げ髪
平均よりやや小柄、胸は結構大きい
優しげで幼さを残した顔立ちに、意志の強さを感じさせる眼
【性格】子供っぽさを残しつつも、真面目な頑張り屋
基本的に敬語
仕事に私情は挟まないとクールに振る舞おうとするも、すぐに人の良さや負けず嫌いなところが出てしまう
優秀ながらもどこかポンコツな女の子
【魔法】回復魔法
【備考】ユーシリア帝国軍所属
現皇帝に忠誠を誓う新米小隊長
皇帝と帝国のために世界樹の光を手に入れようと、皇帝に(半ば強引に)志願して四、五名の兵士を従え、遠征に出た
子供っぽさや嘘がつけない(すぐバレる)性格、皇帝と自分が恋仲になる妄想を度々していることなどから、ポンコツ感が漂う
でも、いざというときはきちんとした観察力や判断力、指揮能力を発揮するなど、なんだかんだ優秀
根の性格も優しいし、度々手料理を振る舞ったりしているため、本国でも遠征時でも兵士達からは敬われこそしないが慕われている
行く先々で人助けしてることで、帝国の評判を地味に上げ帝国に貢献している節がある(無自覚)
昔の英雄が使っていた弓を受け継いでおり、弓と回復魔法はなかなかの腕前
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 23:48:54.97 ID:MVBsYy+DO
【名前】レイ・アンバー
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】18
【容姿】長身だが猫背で地面につくほど長い灰色の髪をした陰鬱なオーラを醸し出してる女性 体中にタトゥーのように無数の魔法陣が刻まれている
【性格】根暗で対人恐怖症で常に不安と恐怖に囚われている
【魔法】体中に刻まれた魔法陣の影響でによって禁呪扱い・あるいは歴史の中で忘れ去られた魔法や呪術を含めて多数の魔法を使える
【備考】かつてはとある国(どの国かは作者に任せます)の孤児院で暮らしていた普通の少女だったが、その孤児院は邪神(とロイエ教では扱われている)を信仰するカルト教団が運営しており、彼女は邪神の器として選ばれてしまいその際に魔法陣が刻まれる。そして邪神を彼女に憑依させる儀式の直前にカルト教団を滅ぼすためにロイエ教原理派が襲撃。その混乱に乗じる+魔法陣によって使えるようになった魔法を駆使して脱走に成功したものの、カルト教団とロイエ教原理派双方によって全世界の冒険者ギルドに捕獲や討伐の依頼が出されお尋ね者になってしまい、常に怯えながら逃走生活を続けている。しかしお尋ね者でまっとうな職に就けないとはいえ盗みを働いて金や食糧を得たり、不安と恐怖が強すぎるあまり追手と勘違いして無関係の一般人を攻撃したりと単純な被害者とは言えない行動をしてしまっている。過去のことで善良な心が歪んでしまったのか、あるいは元から邪神の器に相応しい素質を持っていたのか……

【種族】ケイオス・パイダー
【分類】魔蜘蛛
【外見】平均体長約1メートルの色とりどりの蜘蛛
【性質】色によって違う能力を持ち、集団で狩りを行う
【備考】能力の違いの一例
赤色 鋭い爪や牙を持つ
青色 強い粘着力を持つ糸を放つ
緑色 毒液や治療液を使い分ける
黒色 希少かつかなり小型で、人や動物に寄生して乗っ取り同じ姿に油断した人や動物たちを狩場に誘い込む
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 23:53:31.49 ID:MVBsYy+DO
【名前】レイ・アンバー
【種族】人間
【性別】女性
【年齢】18
【容姿】長身だが猫背で地面につくほど長い灰色の髪をした陰鬱なオーラを醸し出してる女性
体中にタトゥーのように無数の魔法陣が刻まれている
【性格】根暗で対人恐怖症で常に不安と恐怖に囚われている
【魔法】体中に刻まれた魔法陣の影響でによって禁呪扱い・あるいは歴史の中で忘れ去られた魔法や呪術を含めて多数の魔法を使える
【備考】かつてはとある国(どの国かは作者に任せます)の孤児院で暮らしていた普通の少女だったが、その孤児院は邪神(とロイエ教では扱われている)を信仰するカルト教団が運営しており、彼女は邪神の器として選ばれてしまいその際に魔法陣が刻まれる。
そして邪神を彼女に憑依させる儀式の直前にカルト教団を滅ぼすためにロイエ教原理派が襲撃。その混乱に乗じる+魔法陣によって使えるようになった魔法を駆使して脱走に成功したものの、カルト教団とロイエ教原理派双方によって全世界の冒険者ギルドに捕獲や討伐の依頼が出されお尋ね者になってしまい、常に怯えながら逃走生活を続けている。
しかしお尋ね者でまっとうな職に就けないとはいえ盗みを働いて金や食糧を得たり、不安と恐怖が強すぎるあまり追手と勘違いして無関係の一般人を攻撃したりと単純な被害者とは言えない行動をしてしまっている。
過去のことで善良な心が歪んでしまったのか、あるいは元から邪神の器に相応しい素質を持っていたのか……


【種族】ケイオス・パイダー
【分類】魔蜘蛛
【外見】平均体長約1メートルの色とりどりの蜘蛛
【性質】色によって違う能力を持ち、集団で狩りを行う
【備考】能力の違いの一例
赤色 鋭い爪や牙を持つ
青色 強い粘着力を持つ糸を放つ
緑色 毒液や治療液を使い分ける
黒色 希少かつかなり小型で、人や動物に寄生して乗っ取り同じ姿に油断した人や動物たちを狩場に誘い込む

改行されてなくて読みにくくなっていたので、再投稿します
申し訳ありません
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/27(水) 23:59:20.14 ID:xhgFyQKpO
【名前】レイン・フォール
【種族】エルダーサキュバス
【性別】女
【年齢】120
【容姿】金髪オッドアイで黄色いパーティードレスを着たナイスバディ美人。泣きぼくろがチャームポイント。
【性格】気が強く孤高の寂しがり屋
【魔法】心理支配が最も得意で催眠や読心などを行える。
攻撃系統だと闇魔法も得意。触れたら消滅する強力な闇の塊を生み出し操るが、心理魔法ほど練度は高くない
【備考】かつて勇者サインと恋に落ちたサキュバス。勇者に一目惚れしてつきまとうようになり、いつしか勇者も受け入れてくれた。何故魔物である自分を受け入れたのか、そんな勇者の心は魔法をもってしても最期まで見透かすことができなかった。今はもう愛した勇者はいない。たった一人になった彼女は、勇者に誘惑催眠をかけたサキュバスと人類社会から烈火の如く憎まれ、勇者と仲良くしている裏切り者と魔物社会からも侮蔑の限りを尽くされていた。それらに抵抗するうちにいつの間にか国際指名手配の極悪人。賞金稼ぎに狙われ、傷つけられ、既に心は世界への復讐心にとりつかれていた。そのため、今では自分を迫害してきた社会に対して、悲しみと怒りをぶつける手段としてテロに興じる。
彼女はただの一度だって勇者に催眠をかけたことはない。あの時感じた純粋な恋心を魔法なんかで汚したくはなかった。
890 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/28(木) 00:06:00.37 ID:yIqV7jV30
皆さま、この度もたくさんのキャラクター案をありがとうございます。全員を登場させられるかはわかりませんが、機会があれば是非とも登場させていただきたく思います
例によって、世界観や設定に合わせて内容を若干程度変更させていただく場合がございます。ご了承くださいませ

それでは本日はありがとうございました。本編の更新は予定通り土日にかけて行いたいと思います。よろしくお願いいたします
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/28(木) 00:24:01.24 ID:PTvHYHdUo
おつおつ
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/28(木) 10:17:33.80 ID:dp/H2lzQ0

募集したキャラがどう登場するか楽しみにしてます。
893 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 21:24:53.65 ID:sxWb9StR0
彼ら彼女らがどのように登場するかは今後の展開次第となります。道中での偶発的な遭遇もあれば、宿命的な邂逅を果たしてしまうこともあるでしょう
敵対キャラクターなので、基本的には友好的でない出会いとなる可能性が高いです
894 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 21:25:48.02 ID:sxWb9StR0
―妖精のお宿 ロビー

ミスティ「……そういえば……魔王樹を討伐した後に、妖精のポケットにいつの間にか入ってたっていう種……あれ、どうしたの?」

妖精「ああ、あの精霊樹の種? 今も持ってるけど………フォレスティナに植えてくれば良かったね。持ち歩いても仕方ないし……」

ミスティ「こういうのって、種のまま放っておくのも良くないと聞いたことがあるわ……。大丈夫かしら……」

妖精「確かに種のままずっと放置してると死んじゃうけど、ニ、三年くらいは大丈夫だよ」

ミスティ「でも、出自が出自だし……普通の種と同じように考えて大丈夫かしら……」

妖精「そう言われると確かに心配かも……。私の感覚ではまだ元気な感じだけど、念の為早めに植えてあげた方が良いかもしれないね」

ミスティ「……でも、植える場所がないわよね……。勝手に緑の森に植えるのも良くないだろうし……」

妖精「う〜ん、まあそうだね……。これがもし魔王樹が遺した種だとしたら、万が一の可能性もあるし……」

ミスティ「……鉢とか、どうかしら……。まずは、様子見って感じで……」

妖精「多分大丈夫だと思うけど、念の為他の妖精の意見も聞いてみよう」

ミスティ「他の妖精……?」

妖精「長い事国外を放浪してた私より、ずっとこの森で暮らしてる妖精の方が今の精霊樹の栽培情勢に詳しいだろうし」

 *

お宿の妖精E「えっ、精霊樹の種の育て方?」

妖精「うん。精霊樹って鉢に植えても大丈夫だっけ?」

お宿の妖精E「大丈夫ですよ。鉢の大きさにもよりますが、一年くらいまでなら鉢で育てられると思います。むしろ鉢の方が、外敵が減る分安全に成長させられるかもです」

妖精「普通に世話してやれば良いの?」

お宿の妖精E「昼間は陽の光をいっぱいに浴びさせてあげて、夜は寒くなりすぎないように気にかけてあげてください。お水は朝か夕方にあげるのが良いです。あ、でも夏の日差しは幼い木にはつらいからほどほどに。妖精のあなたが見ていてあげれば大丈夫だと思いますが」

ミスティ「なるほどね……。一年後はどうすれば……?」

お宿の妖精E「栄養がいっぱいあって日当たりも良い土地に植え替えてあげてください。精霊樹なら精霊の祝福をいっぱいにもらって元気に育ってくれますよ」

妖精「植え替えまですれば後は普通の精霊樹と同じだね」

お宿の妖精E「そういうことです」

ミスティ「あ……精霊樹を植えた鉢を、ソリで運んだりしても大丈夫かしら……?」

お宿の妖精E「えっ、ソリですか? あまり揺らさない方が良いかと思いますが、ひっくり返したりしなければ大丈夫だと思いますよ」

妖精「ミスティのソリならあんまり揺れないし大丈夫じゃない?」

ミスティ「それなら良いけれど……」

 *

―お宿 庭

 精霊樹の鉢植え「」ポン

ミスティ「こんな感じで良いのかしら……?」

お宿の妖精E「うんうん、良い感じです。あとは先程申し上げたことをしっかり守って大切に育ててあげてくださいね」

妖精「うん。ありがとう」

ミスティ「でも、鉢まで頂いてしまって良いの……?」

お宿の妖精E「はい。元々はここで使う予定だった鉢ですけれど、もうすぐ無期限休業に入りますから……」

妖精「……」

お宿の妖精E「だから、遠慮せず持っていってください。新たな命を育む揺りかごになれるなら、その方が良いので」

ミスティ「……わかったわ……。大切に使う……」

 ☆お宿の妖精から妖精の鉢をもらいました
 ☆妖精の鉢に精霊樹の種を植えました

 ◆
895 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 21:26:27.12 ID:sxWb9StR0
―妖精のお宿
 ロビー

ローガン「すまないな、近接戦闘訓練に付き合わせてしまって」

クロシュ「んーん……。わたしも……訓練、しないとだから……」

ローガン「うむ……クロシュくんは立派だな。しかしあまり気負いすぎないように――」



お宿の売店妖精「閉館特売中だよ〜。そこの旅人さん、何か買ってかない〜?」

ローガン「む、特売か。せっかくだし見ていこうか?」

クロシュ「あ、うん」

 *

 フェアリーシロップが入った瓶「」
 お宿の焼き菓子「」
 シロップ漬け森林木苺「」
 保存どんぐり「」
 お宿の妖精たちが描かれた織物「」
 お宿の妖精たちを模した人形「」

クロシュ「わあ……」

ローガン「ふむ。前回は酒に酔っていてあまり見ていなかったが、いろいろあるな」

お宿の売店妖精「いらっしゃ〜い。安いよ〜在庫処分だよ〜」

ローガン「クロシュくんは何か欲しいものはあるかね?」

クロシュ「あ、えと……」


↓1〜3 自由安価 買うもの(特に指定がなければパーティの共有アイテムになります)
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 21:29:16.18 ID:0hpPKwgs0
焼き菓子
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 21:32:16.72 ID:YnyWimufO
織物
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 21:33:55.12 ID:kTp6qw+DO
お宿の妖精たちを模した人形
(フメイとアリシラの面影がある妖精の人形を見つけてクロシュ個人の持ち物として出来れば)
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 21:34:07.16 ID:+nV4hiwD0
フェアリーシロップ
900 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 23:52:54.88 ID:sxWb9StR0
クロシュ「ローガンさんは……?」

ローガン「私か? そうだな……私はこの焼き菓子を買おうかな。旅の補給食に丁度良さそうだ」

 お宿の焼き菓子「」

お宿の売店妖精「この焼き菓子に目をつけるとはお目が高いね〜。これは一枚一枚うちの妖精たちが丁寧に焼き上げた至高の逸品なんだよ〜」

ローガン「表面に描かれた妖精たちの絵もかわいらしい。優れた製菓技術をお持ちのようだ」

お宿の売店妖精「お、旦那さんも好きだねえ〜。それじゃあこっちの織物もどう?」

 お宿の妖精たちが描かれた織物「」キラキラ

ローガン「こ、これは……か、かわいらしいが……」

お宿の売店妖精「旦那さんが懇ろにしてた子もしっかり描かれてるよ〜。どう? どう?」

ローガン「い、いやしかしだな……」

お宿の売店妖精「お願い! 旦那さんが買ってくれないと廃棄処分になっちゃうかもしれないの!」

ローガン「うっ……廃棄処分は忍びないな……。わかった、買おう……」

お宿の売店妖精「わあい! 鋼の旦那さん、だぁいすき!」キャッキャ

ローガン「はは……」

お宿の売店妖精「大切にしてね! 飾るのも良いし、ふわふわの木綿だからブランケットにするのも良いと思うよ!」

ローガン「うむ……。我がパーティの女性陣なら似合うだろう……」



 お宿の妖精たちを模した人形「」

クロシュ「……」ジッ

クロシュ「……!」

 黒髪セミロングの女の子の人形「」
 薄茶髪の小柄な少女の人形「」

お宿の売店妖精「その人形が気になるの? それは丁度昨日ここに泊まってった二人組の――ってあれ!? あなただよ! 今日も泊まりに来たの!?」

クロシュ「あっ……え、えと……! これ……!」スッ

 フメイちゃんの迷子ビラ「」ピラッ

お宿の売店妖精「え、え……? つまり、どういう……?」

ローガン「うむ……。その子とこのビラの子は、生き別れの姉妹のようなものでな……。我々は彼女を追って旅をしているのだ」

お宿の売店妖精「そ、そうだったんだあ……。えっとね、その人形はうちの制作担当がその二人組を気に入っちゃってねえ。一晩で作ったんだけど、うちの従業員の人形じゃないからどうしよっかってなってたとこでえ……」

ローガン「そ、そうなのか……」

クロシュ「え、えと……これ……買っても、いい……?」

お宿の売店妖精「事情があるみたいだし、売り物としてもどうしよっかってとこだったから、今日のお買い物のオマケってことであなたにあげる!」

クロシュ「あ、え、えと……」

ローガン「売店の妖精さんもこう言っていることだし、ありがたく頂いておこう。クロシュくん。」

クロシュ「うん……」


クロシュ(フメイちゃん……アリシラさん……)

 ☆お宿の焼き菓子、お宿の妖精の織物を買いました
 ☆フメイ人形、アリシラ人形をオマケとしていただきました

 ◆
901 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 23:53:21.63 ID:sxWb9StR0
―朝
 妖精のお宿 客室

 チュンチュン

スライムクロシュ「……」モニョモニョ
 フメイ人形「」
 アリシラ人形「」


イリス「昨日売店でもらってきたっていうフメイちゃんとアリシラちゃんのお人形をずっと大事に抱えてるね、クロシュちゃん……」

ミスティ「やっぱり、寂しいのよね……。私たち、あの子の支えになれているかしら……」

妖精「……支えにはなってるよ、間違いなく。でも……私たちは、クロシュにとってのフメイの代わりには決して成り得ない」

イリス「……代わりにはなれないけれど、支えになれるなら……支えてあげないとね」

ミスティ「ええ……。次こそは、フメイを説得できるように……」

 ◆

―妖精のお宿 玄関

妖精女将「この度のご利用、誠にありがとうございました……」ペコリ

お宿の妖精A「鎖国が終わったらまた来てね〜」

お宿の妖精B「どうか、どうか、お達者で……」

お宿の妖精C「さよなら、黒いスライムさん!」

お宿の妖精D「またいつか、お越しになってくださいね……。鋼の旦那様……」

お宿の妖精E「精霊樹、大切に育ててあげてくださいね」

お宿の売店妖精「早く追いつけると良いね〜」



イリス「本当に良いとこだったねえ。首都の大樹の宿も良いとこだったし……」

ミスティ「鎖国、早く終わると良いけれど……」

ローガン「私が生きている内に終わることは……ないだろうな……」

妖精「まあ……王国っていう脅威が存在する限り鎖国は解けないからねえ……」

クロシュ「王国……」

妖精「クロシュが気にすることじゃないよ。私たちは世界樹の光を追うことに専念しよう」

 ◆
902 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/30(土) 23:55:34.94 ID:sxWb9StR0
―王国港湾都市への旅路
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)
……………………………………………………………………………………

―王国領
 平原 街道

 強化ソリ「」シャーッ

ミスティ「久しぶりの王国領ね……。道も視界も広いわ……」

妖精「街から離れた平原は景色も良いんだけどねえ……」

クロシュ「えと……そういえば……どうして、王国を通るの……?」

ローガン「王国はこの大陸で最も領土が広い。大陸南部を中心とした四分の一程度は王国領と言っても良いだろう。今回の目的地であるトコナツ火山島に行く場合、王国のウォーターポート以外の港を使おうとすれば大幅な遠回りになってしまうのだ」

クロシュ「そうなんだ……」

妖精「元々は大陸南部で興った小国だったんだよ。でも侵略戦争が上手くてさ、いつの間にか周辺国家を打ち負かして従えてどんどん領土を広げてったんだ。勇者が出現する前からそんなだったのに、勇者が出てきてからは……」

ミスティ「勇者……おとぎ話じゃ、世界を滅ぼそうとする魔王と戦う人間の英雄なのよね……」

妖精「王国の奴らが勝手に勇者だなんて言ってるだけで、実態は大量破壊兵器だよ。セインのやつがどうなのかはよくわかんないけど」

イリス「セインくん……。マーベルさんとも約束したし、ちゃんとお話してみたいな……」

クロシュ「……」

↓1 ランダムイベント
01-05 ??
06-15 強敵
16-30 敵襲
31-50 食料調達
51-70 発見(自由安価:物品またはスポット)
76-95 旅は道連れ
96-00 ??
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 23:57:32.60 ID:+nV4hiwD0
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 23:57:37.61 ID:YnyWimufO
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/03/30(土) 23:58:11.91 ID:VujD7bkx0
星の魔力は読み終わったのではないでしょうか?
906 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 00:00:23.74 ID:XhvIJ33c0
読み終わっていました。以下のように修正です

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[2/4](イリス)

◯仲間の目標
・星の魔力を読む[4/4](イリス)達成!

↓1 見つけた物品またはスポット
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 00:07:25.32 ID:WMskVGobO
勇者サインの銅像(手入れもされずさびれている状態)
908 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 00:10:54.27 ID:XhvIJ33c0
勇者サインの銅像を見つけたところで本日はここまでとなります
>>1の現実が今現在少々忙しく、更新のペースが遅くなってしまっています。明日も遅くなってしまうかもしれません。申し訳ありませんがご了承ください

精霊樹の鉢植えは、旅をしていれば芽を出すかと思います。一年後くらいには地面に植え替えてあげた方が良いのですが、その時くらいまでにクロシュちゃんの旅が終わるかどうかはまだわかりません
もし旅が終わらなくとも、信頼できる人の管理する場所に植えることはできます。今のところ、魔族国と緑の国が信頼できる安全な植え替え候補地として選択可能です

それでは本日もありがとうございました。上述の通り明日も遅くなってしまうかと思いますが、よろしくお願いいたします
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 00:16:11.25 ID:nFvL0/fQo
乙乙
いつまでも待つ
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 00:32:08.92 ID:3zqlNL5DO
おつ。妖精にもなにかしら武器がほしいな。縫い針を武器にした妖精がいる漫画もあるし。
911 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 21:08:47.18 ID:XhvIJ33c0
来月も更新が遅れる場合が多くなってしまうかもしれません。気長にお待ちいただければさいわいです

これまではクロシュのサポートをすることが多かった妖精ですが、世界樹の光を追うという目的を得た今なら武器を手に主体的に戦ってくれるようになるかもしれません
人間用の武器は大きくて重いため、もし武器を持たせたい場合は妖精用の武器を別途調達する必要があります。針などの暗器は隠密性や素早さに優れた妖精に適した武器と言えます
妖精の自然魔法を活かすのであれば、物理的な武器よりも魔法の補助具の方が良いかもしれません(なお本人は補助具を使うのは甘えだと思っているようです。参考:>>144
912 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 21:09:28.00 ID:XhvIJ33c0
―街道沿い
 廃村

 打ち捨てられた廃屋「」
 荒れた畑「」
 枯れた井戸「」
 野ざらしの農具「」
 地に刺さった剣「」
 割れた盾「」
 折れた槍「」


 強化ソリ「」スイー

イリス「ここは……」

ミスティ「廃村ね……」

ローガン「激しい戦いの跡が見えるな。遠目からでは詳しいことはわからんが……」

妖精「野盗の群れに襲われたか、あるいは人間に恨みを持つ魔族たちの報復か……。何にせよ、長居はしたくないね」


クロシュ「……あ」

イリス「何かあった?」

クロシュ「うん……あれ……」スッ

 寂れた勇者サインの銅像「」

イリス「あれは……大人になったセインくん! じゃなくて――」

ミスティ「勇者サインの銅像ね……。すっかり荒れ果ててるけれど……」

妖精「あれが壊されてないってことは、襲撃者が魔族の線は薄くなったかな」

ローガン「しかしイリスくんも言ったように、やはり似ているな」

クロシュ「セインさん……」


↓1 どうしよう
1.放っておく
2.手入れする
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 21:10:24.80 ID:nFvL0/fQo
2
914 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 22:02:54.47 ID:XhvIJ33c0
クロシュ「あの……。銅像さん、だけでも……」

イリス「そうだね。このまま放っていくのもかわいそうだし……」

妖精「ええ、掃除してくの? 勇者サインの銅像なんて放っておけば良いのに」

クロシュ「で、でも……セインさんに、似てるし……」

ローガン「はは、まあ良いじゃないか。銅像に罪はないのだし」

ミスティ「そういう問題なのかしら……? まあ、私は構わないけれど……」

妖精「わかったよ、仕方ないなあ……」

 *

ミスティ「この青いサビってどう取れば良いかしら……? 素人が削るのは危ないわよね……」

ローガン「いや、その青いサビは取らなくて良い。それが表面にあると内側への腐食を防いでくれるんだ」

イリス「へえ……! 流石ローガンさん、金属のことには詳しいんですね……!」

ローガン「そうだろうか……。とりあえず表面は砂や泥を拭き取る程度で良いだろう」

イリス「じゃあ私の水魔法で高圧洗浄します!」

 バシャバシャバシャ――

 *

クロシュ「雑草さんは……」

妖精「こいつらはただここで生まれただけなのに、像の見栄えなんかの為だけに殺すのはあまりに理不尽だ。そのままにしとこうよ」

クロシュ「うん……」

ミスティ「そうね……。生活の為とかならともかく、もう誰も住んでいない廃村に生える草を刈る意義なんて、ないものね……」

妖精「そうそう。自然のままにしとくのが一番だよ」


「あなたたち、その像に何をしているの?」


妖精「!?」
イリス「っ!!?」
ミスティ「!!」
ローガン「……!」
クロシュ「?」

淫魔の女「こんな、誰もいない村の銅像なんか掃除して……何になるの?」スタスタ


ローガン(……接近に全く気付けなかった。何者だ、この女……!)


イリス「あ、あなたは……?」

淫魔の女「質問に質問で返さないで。そんな像の手入れなんかして、何になるのかって聞いているのよ」スタスタ


ミスティ(な、なんかヤバいわ……。私たち、今かなり危ない状況なんじゃないかしら……)

妖精(じ、実際ヤバイ! あれ多分エルダーサキュバスだ! 魔族国にもほとんどいないめちゃくちゃ高位の魔族だよ……!)


淫魔の女「早く答えなさいよ……。さもないと――」スッ

 闇の塊「」ヴォン―


イリス(うわあああ!!! ヤバイ!!)
ミスティ(本当にヤバイわ……)
ローガン(くっ……! 私に防げるか……!?)

クロシュ「……」

↓1選択
1.銅像さんがかわいそうだったから
2.セインさんと友達だから
3.(自由安価)
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 22:06:00.93 ID:xZhd2rhDO
1
916 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 23:09:17.97 ID:XhvIJ33c0
クロシュ「え、えと……。銅像さんが……かわいそうだったから……」

淫魔の女「……銅像が?」

クロシュ「うん……。砂とか……泥とかで、汚れて……。誰もいないここで……独りぼっちで……」

淫魔の女「……銅像なんかに、意思も感情もあるわけないでしょう。ただの無機物よ」

クロシュ「でも……もし、あったら……。きっと、寂しい……」

淫魔の女「……」

クロシュ「……」

淫魔の女「……その像が模している人物を尊敬しているとか、そういうわけではないの?」

クロシュ「うん……。えと、勇者サインって人のことは……あんまり、知らない……」

淫魔の女「………じゃあ、本当に……銅像自体をかわいそうに思ったってだけ?」

クロシュ「うん……」

淫魔の女「……」

 闇の塊「」シュゥン…


淫魔の女「……そういう理由なら、好きにすれば良いわ。邪魔して悪かったわね……」クルッ

イリス「あっ……! あ、あの……あなたは、一体……」

淫魔の女「……レイン・フォールって名前――聞いたことあるかしら」スタスタ

ミスティ「え――」


 ヴォン―


妖精「消えた……。レイン・フォール……どこかで聞いたことがあるような……」

ローガン「レイン・フォール……はっ!! まさか、国際指名手配犯のレイン・フォールか!?」

イリス「え、えええ!!?」

妖精「あー……思い出した……勇者をたぶらかした、魔族の裏切り者のレイン・フォール……」

ミスティ「……ほ、本当に危ないところだったのね……。クロシュの返答のお陰で命拾いしたわ……」

クロシュ「え、えっと……」

妖精「はは……この赤ちゃんスライムは、きっと本心から言葉を返しただけだけどね……」

イリス「つ、つまりクロシュちゃんの正直さが私たちの窮地を救ったってことだね……!」

ローガン「うむ……。クロシュくんのおかげだな……!」

クロシュ「う、うん……」


クロシュ(でも……。あの人も……)

クロシュ(なんだか……寂しそうだった……)

 ☆国際指名手配犯レイン・フォールと出遭ってしまいました

 ◆
917 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 23:16:02.87 ID:XhvIJ33c0
―夜
 街道沿い 野営地

 即席岩風呂「」カポーン

イリス「みんな、湯加減どう?」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ デロデロ

ミスティ「丁度良いわ……。ありがとう、イリス……」

妖精「どこでもお風呂が作れるなんて本当に便利だよねえ、複数属性って」

イリス「あ〜……それなんだけど、実は昨日の夜に私の本当の属性が判明しまして……」

ミスティ「えっ、複数属性じゃないの?」

イリス「……私、星属性ってやつみたい……」

ミスティ「な、なんですって……!?」

妖精「……いや、言われてみれば確かに辻褄は合うかも……」

イリス「や、あはは……まあ、まだ属性がはっきりしただけで、魔法の運用についてはまだ更新できてないんだけどね」

ミスティ「むう……私が氷属性のコツを掴んだと思ったら……」

イリス「てへへ、私も日進月歩なんだよ……!」

妖精「でもイリスが星属性なら、世界樹探索にすごく良いかも。私の自然属性でもある程度は星属性を追えるけれど、やっぱり星属性そのものの持ち主の方が精度は高いだろうし」

イリス「ほんと!? よおし、それなら張り切っちゃおうかな……!」

ミスティ「私も負けてられないわね……。星属性でカバーできない氷は、私の領分よ……」

スライムクロシュ「〜」デロデロ

 *

 即席衝立の向こう「」キャッキャ

ローガン「……」

ローガン「くっ……やはり女性ばかりのパーティに男一人というのは体に悪い……」

ローガン「……」

ローガン「ええい! こんな時こそ回転ノコギリで素振りだ!!」ザッ

 回転ノコギリ「」ギャリギャリ


街道沿いの野営地で一泊します
↓1〜3 自由安価 野営中何をする?
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:17:00.62 ID:rGLtDq5x0
クロシュ、攻撃技習得のための個人訓練をする
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:17:43.43 ID:PfR/Nu9v0
で、星属性ってどんな属性なの考察
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:18:37.80 ID:nFvL0/fQo
クロシュ
スライム能力を極める
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:19:33.28 ID:nQKzZevZ0
回転ノコギリの練習
922 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/03/31(日) 23:49:47.53 ID:XhvIJ33c0
ローガン「むん! むん!」
 回転ノコギリ「」ギャリギャリ


妖精「わあ、ローガンも張り切ってる……。あの気持ち悪い武器がそんなに気に入ったのかなあ……」

クロシュ「……コツを掴んだミスティさんも……属性を見つけたイリスさんも……回転ノコギリの練習をするローガンさんも……みんな、すごくすごい……」

妖精「そうだねえ……。クロシュも、盾を使えるようになったし」

クロシュ「……でも……わたし……まだ、よわい……」

妖精「一般的な冒険者よりもちょっと強いくらいの実力はあると思うよ。赤ちゃんスライムなのにそれだけ戦えるのは十分すごいことだよ」

クロシュ「みんなよりは……よわい……」

妖精「強情だなあ……。じゃあ、クロシュもなんか特訓とかしてみる?」

クロシュ「うん……!」

 *

盾クロシュ「えい! えい!」ブンッブンッ

妖精「う〜ん……盾を振り回すのは、なんか違う気がする……」

盾クロシュ「えと……だめ……?」

妖精「だめってわけじゃないけど、盾って振り回すものじゃないからねえ。盾以外の装備は取り込めないの?」

盾クロシュ「えと……」

妖精「例えば……ここに置いてある、ローガンの鋼の剣とか」

 はがねのつるぎ「」シャキン

盾クロシュ「ん……!」スッ


 デロデロ…ポン!

剣士クロシュ「!」シャキーン!


妖精「おお! 鋼の剣を振り回す為に生まれた剣士の女の子みたい……! 見た目は十分良い感じだよ!」

剣士クロシュ「ん!」

妖精「せっかくだし実技の方もやってみよう。ちょっとここの土をこねこねして……」コネコネ

 土塊の王国騎士風ゴーレム「」ドン!

剣士クロシュ「わ……」

妖精「見た目だけの木偶の坊だけど、練習台には丁度良いでしょ。こいつと戦ってみて」

剣士クロシュ「う、うん……!」

 土塊の王国騎士風ゴーレム「」モゾモゾ

 ――模擬戦闘開始――

↓1
01-05 だめだめ
06-35 練習すればなんとか
36-65 ふつう
66-95 筋が良いらしい
96-00 天賦の才
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 23:51:51.32 ID:xZhd2rhDO
はい
924 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/01(月) 00:04:01.57 ID:B1BNW+yr0
剣士クロシュ「えい! えい!」ブンッブンッ

 土塊の王国騎士風ゴーレム「」ゴッゴッ

剣士クロシュ「えいっ!」ブンッ

 ドスッ

 土塊の王国騎士風ゴーレムに突き刺さった鋼の剣「」

剣士クロシュ「あっ……えと、えと……えいっ!」グイグイ

 土塊の王国騎士風ゴーレムから抜けない鋼の剣「」グイグイ

 土塊の王国騎士風ゴーレム「……」

剣士クロシュ「あっ、あっ……」ジワワ


妖精「そ、そこまで!! なんでそんな土塊相手に苦戦した上に剣が抜けなくなっちゃってるの!?」

剣士クロシュ「うぅ……」

妖精「全くもう……」パチン

 土に還るゴーレム「」ボロボロ

 はがねのつるぎ「」カラン

スライムクロシュ「」デロデロ…

妖精「……まあ突き刺す前までは、そこまで酷くなかったし……練習すればなんとかなるよ……。多分……」

スライムクロシュ「」デロロ……

 ☆クロシュの剣技が『微妙』レベルになりました

 ◇
925 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/01(月) 00:17:47.59 ID:B1BNW+yr0
本日はここまでです。次回は星属性の使い方編、クロシュの特訓Part2編です

指名手配犯のレイン氏は、勇者サインのことが大好きで、勇者サイン以外の大体全てが大嫌いな人物のようです。今後関わることがあるかはわかりませんが、関わる際は細心の注意を払いましょう
そしてクロシュ氏の剣技が微妙レベルだということが判明いたしました。一応クロシュちゃん自身はスライム特有の高耐久と物理耐性で前衛を張れますので、剣がへたっぴでもなんとかなります

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 00:23:33.06 ID:I0+RComoo
乙乙
セインと友達と言ってたら危なかったんかな
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 00:56:58.07 ID:CYjUSApDO
乙です
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 01:31:04.64 ID:cRVpjXDTo
おつおつ
ローガンさん紳士ですね…ごめんやっぱ草

ヤンデレサキュバスとはまだ敵対しないルートありそう
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 02:16:59.76 ID:jsUFyrbI0
乙でした

ローガンさんは紳士故に余計に肩身狭そう
というかパーティメンバーが皆良い人ばかりだからその点、クロシュちゃんに取ってなによりだよね
世界観が結構サツバツなところあるから尚更

そして敵対キャラ案が軒並みやべーやつらばかりである(妄想ポンコツ小隊長から目を逸らしつつ)
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/02(火) 18:42:01.35 ID:nf0fTVK1O

クロシュちゃん能力のポテンシャルは高いけどメンタルが戦いに向かなそうすぎる…
931 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:03:02.45 ID:6b3CAlvT0
セインくんと友達だと言っていた場合、誰そいつ……という感じになり、勇者サイン本人ではないということで見逃してもらえたかと考えられます
メタ的な話になってしまいますが、ファンブルイベントではないのでよほど酷い回答をしない限り事を構えるということにはならなかったかと思います
レイン氏は怖い人ですが、実際今のところ双方に敵対する理由はありません。今のクロシュちゃん一行には厳しい相手なので、理由がなければ敵対しないでおいた方が無難です

ローガンさんは亡き妻子を今でも強く想っているため、よほどのことがない限り他の女性に手を出すことはありません。しかしそれはそれとして、年齢的にはまだ枯れていないため、若い女の子ばかりのパーティにいる現状ではいろいろ持て余すようです

お人好しが多い現在のパーティは、実際クロシュちゃんにとって居心地の良いものであります。殺伐としたこの世界においては珍しい集団かもしれません

敵対キャラクターは皆恐ろしい方々ですが、上記のレイン氏のように時と場合によっては敵対せずに済む可能性もあります(時と場合に関わらず激突不可避のキャラクターもいます)。赤ちゃんスライムのクロシュちゃんは賢く立ち回りましょう
妄想ポンコツ小隊長さんは……恐らく敵対キャラクターの中では話が通じやすいと思われますが、目的がクロシュ一行とバッティングしているため、遭遇時は気を付けた方が良いかもしれません

クロシュ氏は実際、能力のポテンシャルで言えば輝きを秘めうると言えましょう。戦う決意もできてはいる……のですが、生来の優しさや臆病さが足を引っ張っているかもしれません
932 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:03:49.94 ID:6b3CAlvT0
―夜
 街道沿い 野営地

 焚き火「」パチパチ

ミスティ「……世界樹の光……星属性の塊、らしいけれど……。あれが何なのか、星属性のイリスにはわかるの……?」

イリス「あの本に書いてあったことと、あの日起きたことを照らし合わせれば……素人なりの推察はできそうかなあ。妖精さんに聞いた方が正確だと思うけど……」

ミスティ「今はクロシュと遊んでるわね……」

イリス「だねえ……。よし、じゃあおさらいがてらに私の見解を述べます!」

ミスティ「よろしくお願いします……」

イリス「妖精さんが言っていたように、あの光は世界樹の果実が宿した莫大な星の魔力……の欠片。地、水、火、風、光の五属性に分割されて、それぞれ別の方向に飛んでいきました」

ミスティ「氷はないのよね……」

イリス「氷は……星属性には含まれないみたい。星属性も全ての属性を含んでいるわけじゃなくて、氷と闇と、特定の希少属性やユニーク属性は含まないんだって。あの本にも少しだけ触れられていたけれど、本筋じゃないからかその辺りのことはあんまり書かれてなかったんだよね」

ミスティ「……仲間外れにされたてしまったわ……」

イリス「そ、そんなことないよ!? ミスティは私の友達で、私たちの大事なパーティメンバーだよ!!」

ミスティ「ふふ、冗談よ……。脱線したわね……それで、分割された星属性の光は各地に飛んでいったわけだけど……放っておくとどうなるの……?」

イリス「えっと、星属性というのはこの星が内包する大きなエネルギーで、この星を形作る資源でもあるから……あの光が落ちた場所では、エネルギーと資源が過剰になります!」

ミスティ「……つまり?」

イリス「なんか、大変なことになってると思う!」

ミスティ「そ、そうらしいわね……」

イリス「……ご、ごめん! 不勉強です!」

ミスティ「い、いいわよ別に……。まだ始めたばかりでしょ、勉強……」

イリス「そう言ってもらえると助かるよお〜……」
933 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:05:05.16 ID:6b3CAlvT0
ミスティ「それじゃあ……ちょっと話題を変えましょう。あなた自身の星属性について……」

イリス「えっ私?」

ミスティ「実際、星属性ってことがわかって、どう……? 魔力の使い方とかも変わるの……?」

イリス「そ、そうだねえ。今までよりは少し魔力効率が良くなるかもしれない」

ミスティ「星属性固有の魔法とかは書かれてなかったの?」

イリス「うん。あの本、前編らしくて。星属性についての概要と、他の属性に転用する場合の効率的なやり方とかは書いてあったんだけど、星属性固有の魔法とか運用については中編とか後編なんだって」

ミスティ「……ええと。それじゃあ、つまり……」

イリス「ちょっと効率が良くなったよ! 最近のミスティとおんなじだね!」

ミスティ「そ、そうなのね……」

イリス「でもせっかくだから、自分で固有の使い方を模索してみるよ。この前の世界樹の時に星属性の感触は覚えられたから、あとは術式を考えれば……」

ミスティ「……イリスは術式を自分で組めるのよね。羨ましいわ……。私は魔導書で学んだものと、それを自己流でアレンジしたものくらいしか使えないから……。アレンジも上手くいくことの方が少ないし……」

イリス「誰の教えも受けず独学で魔導書を読んでそれをモノにできるミスティも凄いよ! 私なんか、お師匠様……私の育ての親のお師匠様がいなかったら、きっと魔法なんて絶対に使えなかったもん」

ミスティ「そうかしら……。でも、私も誰の教えも受けてないわけではないわ……。ママ……母から、簡単な手ほどきは受けていたもの……。母が教えてくれなければ、私もきっと魔法は使えなかったわ……」

イリス「そっか……。えへへ……私たち、やっぱり似たもの同士なのかも?」

ミスティ「……ふふ、そうね……」



イリス「今思ったけれど、フラナさんを勝手に師匠呼びするのは……なんだか良くないよね」

ミスティ「そ、そうね……。まあ、フラナさん自身も師匠になった覚えはないと言っていたものね……」

イリス「だからこれからはフラナ先生と呼ぶことにします」

ミスティ「い、いいんじゃないかしら……」

イリス「うん!」

 ◆
934 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:11:21.32 ID:6b3CAlvT0

スライムクロシュ「」デロデロ…

妖精「クロシュは打たれ強いんだから、剣がへたっぴでもなんとかなるよ」

半スライムクロシュ「うゅ……」モニョニョ

妖精「納得できてなさそうだなあ……。クロシュにしかできないことは他にもいっぱいあるんだから元気出しなって」

半スライムクロシュ「わたしにしか、できないこと……?」モニョニョ

妖精「そう。例えば擬態とか、お絵かきとか。精霊の気配を纏うのも、精巧な絵を描くのも、クロシュにしかできないことだよ」

半スライムクロシュ「……!」モニョ

妖精「せっかくパーティを組んでるんだから、一人で何でもできるようになるより、得意分野を伸ばしてみんなができないことをカバーできるようになった方が良いんじゃない?」

半スライムクロシュ「とくいぶんや……」モニョモニョ

妖精「そうそう。お絵かきについてはもうお金を取っても良さそうなレベルだし、伸ばすなら擬態とかの方面かな」

クロシュ「……うん!」スクッ

 *

剣士クロシュ「!」シャキーン

妖精「再び鋼の剣を取り込んでみたわけだけど……やっぱり、クロシュ自身の属性も鋼に変化してるね。これがスライムの固有能力……同化とかマテリアライズって言うらしいね」

剣士クロシュ「まてりあらいず……」

妖精「今までは鉄の小盾と鋼の剣っていう、金属……つまり地属性に分類される物質を使ったわけだけれど……。これが例えば、他の属性の物質とか、あるいは生き物だったら? できそう?」

剣士クロシュ「んと……わかんない……。でも、生き物は……消化しちゃうかも……」

妖精「そりゃそうか……。まあ試すだけ試してみようよ。この野営地にもいろいろあるしさ」

剣士クロシュ「うん」


↓1 同化を試みる物質
1.精霊樹の杖 難度:易
2.魔銀の短剣 難度:易
3.雨乞い傘  難度:易
4.水     難度:普
5.空気    難度:難
6.焚き火   難度:超
7.自由安価  難度:?

※↓1のコンマにより成否が決定されます
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 21:11:53.09 ID:AfVrputDO
1
936 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 21:29:20.85 ID:6b3CAlvT0
 精霊樹の杖「」ポン

妖精「お、こんなところにイリスの杖。精霊樹を使った質の良い品だね。これとかどう?」

クロシュ「やってみる……!」

 デロデロ……ポン!


魔女っ子クロシュ「!」キラキラ


妖精「…………ええと。魔術師のローブっぽい衣装はまあ良いとして……その三角帽子はどこから出てきたの?」

魔女っ子クロシュ「?」

妖精「自覚なしか! うう〜ん……クロシュが無意識にイメージする、杖を持つ魔法使いがそんな感じってことなのかな……?」

魔女っ子クロシュ「??」

妖精「まあいいか……。精霊樹の杖、どんな感じ? 何か面白いことできそう?」

魔女っ子クロシュ「……」


↓1コンマ
01-35 鈍器
36-65 反映魔法を他者にもかけられます
66-95 ↑+なんか精霊魔法を使えます
96-00 ↑+???
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 21:30:38.94 ID:9a9l6VhFO
938 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 22:52:45.06 ID:6b3CAlvT0
魔女っ子クロシュ「えと……えいっ!」ブンッ

 岩「」ヴン
 勇者サインの銅像「」ポンッ

妖精「えっ……! い、今何したの!?」

魔女っ子クロシュ「えと……。あの岩を……お昼に見た、銅像に……見えるようにした……」

妖精「自分以外を擬態させられるってこと……!? それって私にも使えたり……!?」

魔女っ子クロシュ「うん。えいっ!」ブンッ

 ポンッ

スライム妖精「わわっ!」

魔女っ子クロシュ「わあ……!」

スライム妖精「か、体がデロデロのスケスケになっちゃった……! 私、スライムみたいな質感になってる……!」

魔女っ子クロシュ「えへへ……妖精さんも、スライム……」

スライム妖精「こ、これは凄いかも……。あ、でも視覚的な見た目が変わっただけで私自身の能力は特に変わらないみたい。宙も飛べるし自然魔法も使える……本当にスライムになったわけじゃないんだね」

魔女っ子クロシュ「うん」

 ポンッ

妖精「元に戻った……。や、やっぱり元の姿の方が落ち着くなあ……。でも凄いよクロシュ! なんかすっごい悪いことに使えそうじゃん!」

魔女っ子クロシュ「わるいこと……」

妖精「精霊樹の杖が、クロシュの魔法の潜在能力を引き出してくれたのかな?」

魔女っ子クロシュ「……あ。えっと……もう一つ……できそう」

妖精「へ?」


魔女っ子クロシュ「えいっ!」ブンッ

 つむじ風「」ヒュルルル

妖精「わわっ! それ、精霊魔法!? どこで覚えたの!?」

魔女っ子クロシュ「えと……この杖が……教えて、くれた……」

妖精「そ、そんなことがわかるの!?」

魔女っ子クロシュ「うん……。でも……これ、わたしも、初めて……」

妖精「そ、そうなんだ……。いやでも本当に凄いな……クロシュ、あなたもしかしたら凄い才能の持ち主かもよ」

魔女っ子クロシュ「そうなの……?」

妖精「いきなり習ってもない適性もない属性の魔法を使ったんだもん。普通じゃありえないことだよ、それ」

魔女っ子クロシュ「?? イリスさんと……杖さんの、おかげ……?」

妖精「あはは、そうかもね。その杖はイリスのだから、クロシュがいつでも使えるわけじゃないのが惜しまれるなあ……。次の街に行ったら、クロシュ用の魔法具を買ってみるのも良いかもね」

魔女っ子クロシュ「うん」

 ☆魔法補助系アイテムと同化した際、反映魔法を他者へかけられるようになりました
 ☆魔法系アイテムと同化した際、そのアイテムの潜在魔法を引き出せるようになりました

 ◆
939 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/06(土) 22:53:37.48 ID:6b3CAlvT0
―王国港湾都市への旅路
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
……………………………………………………………………………………

―朝
 王国平原 街道

 強化ソリ「」シャーッ


イリス「ウォーターポートにはあとどれくらいで着くの?」

ミスティ「地図を見る限りだと、今日の夕方には着きそうね……」

イリス「夕方かあ……! 海の見えるとこに行くのはすっごい久しぶりだから、ちょっと楽しみ……!」

ミスティ「私も海は久しぶりね……。ウォーターポートには行ったことないけれど、どんな街なのかしら……」

ローガン「ウォーターポートは王国の主要な玄関口の一つだ。大陸外の国との貿易の要でもあるゆえ、他国の文化や物品、人の出入りも多い。王国内でもかなり栄えた街の一つだと言えるだろう」

イリス「大陸外の文化や物品かあ……どんなものがあるんだろう……!」

妖精「うへぇ……王国の栄えた街だなんて、聞くだけでげっそりするよ……」

ローガン「まあ……ウォーターポートは人間以外の種の出入りもかなりあるはずだ。異種族に対する風当たりも他の王国の街よりは比較的穏当だろう」

妖精「でもその隣には機械工業都市があるんでしょ? 異種族を殺すための兵器を作ってるっていう」

ローガン「うむ……そちらの方については私もわからんが……特に用がなければ行く必要はないだろう」

ミスティ「そうね。私たちに必要なのはトコナツ島行きの船だもの……機械都市に用はないから大丈夫よ、妖精……」

イリス「そうだよ妖精さん……! 何かあったら私たちが守るから、安心してよ……!」

クロシュ「妖精さん……わたしの中に隠れてれば、大丈夫……」

妖精「守るのは私……と言いたいとこだけど、先走ってみんなに迷惑をかけた前科があるから何も言えない……。でも、ありがとね……」


↓1 ランダムイベント
01-05 ??
06-15 強敵
16-30 敵襲
31-40 食料調達(まずい)
41-50 食料調達(うまい)
51-60 発見(自由安価:物品)
61-70 発見(自由安価:スポット)
71-95 旅は道連れ
96-00 ??
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 22:54:04.23 ID:dG47LtOlo
こんま
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 22:57:11.34 ID:HSQZGo0Xo
敵襲!
942 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 00:14:50.52 ID:6rsMTgms0

赤いレッサースライムの群れ「」モニョモニョ


クロシュ「わ……」

妖精「あれは……レッサースライムの群れ? でもやけに赤いな……あんな種類いたっけ……?」

イリス「あはは、赤いのもかわいいねえ」

ミスティ「こうして遠くから眺める分にはかわいいものよね……」

ローガン「うむ……。ペットとして飼う者もいると――」


赤いレッサースライムの群れ「」フッ


クロシュ「!!?」

妖精「え――」

イリス「レッサースライムの群れが――」

ミスティ「消え――」

ローガン「!! 鋼よ!!」バッ


 巨大な鉄板「」ガゴンッ
 ドガガガガガガッ!!!!


イリス「うわわわ!!」

ミスティ「な、何が……」

ローガン「くっ……! だが間一髪……!」


「へえ、今のを防げるの?」ズズズ


イリス「れ、レッサースライムが集まって……」

ローガン「人型になっていく……!」

ミスティ「お前、は――」

クロシュ「――」


赤い髪の幼女「――ふうん。似た気配を感じたと思ったら、やっぱり」
943 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 00:16:14.08 ID:6rsMTgms0

クロシュ「……」

赤い髪の幼女「あたしを始末するために差し向けられたの? お前も哀れだね……」

クロシュ「……?」

イリス「あ、あなた……クロシュちゃんのこと知ってるの!?」

赤い髪の幼女「は? 人間の声とか聞きたくないんだけど」ズズ

 バシュンッ

ミスティ「氷よ!!」

 氷の壁「」ガガガガッ

イリス「あ――み、ミスティありが――」

ミスティ「まだよ!! こいつは――こいつは、話が通じる相手じゃない!!!」

赤い髪の幼女「……」

ミスティ「こいつは――こいつの声は!! 聞き間違うはずもない――!!!」

ミスティ「私の故郷を――パパとママを、返して!!!!」


 ――遭遇戦 血飛沫スライムのブラッド――


↓1コンマ
01-05 ??
06-30 劣勢
31-95 優勢
96-00 勝利
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 00:18:24.68 ID:DqtnuXKDO
はい
945 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 00:24:41.26 ID:6rsMTgms0
というわけでキリは悪いですが、コンマ判定優勢が出たところで本日はここまでです。次回は戦闘の途中から再開となります

突然始まった戦いですが、先ほどいただいたキャラクター案を見返していたところ、突発的にクロシュ一行を襲ってきそうなキャラクターがあまりいないことに気付きました……。いるにはいますが、今現在のクロシュちゃんたちが相手取るには厳しい強さの人ばかりだったため、今回は自動的に血飛沫スライムのブラッドさんの登場となったようです。ミスティさんは、無事に怨敵を討ち果たすことができるのでしょうか――

それでは本日はここまでです。次回もよろしくお願いいたします
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 01:02:48.05 ID:P8SerPaMo
乙乙
ランダムイベントの??はこれどっちもバッドイベントなんかな
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 02:44:49.29 ID:8vVC0zs4o
乙乙
お尋ね者系を捕まえられたとしてギルドに引き渡せば報奨金もらえるかも?
ミスティさん、属性とは裏腹に感情起伏がパーティで一番大きいね

ブラッドさんは>>875(自分用メモ)
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 13:56:50.39 ID:24W09jq/O

スライムの分裂能力便利そう
クロシュも使えるんかな
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 14:01:27.43 ID:jka2qhuC0

フラナ先生魔族自治区の子供たちにも色々教えてそう。
950 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 16:39:05.28 ID:6rsMTgms0
ランダムイベントの??についてですが、コンマの低いほうはファンブル、高い方はクリティカルとなっております。ファンブルの??は大変な悪いことが起こり、クリティカルの??はとても良いことが起きるかと思われます

お尋ね者をギルドに引き渡せば報酬をもらえるのはもちろんその通りなのですが、敵対キャラクターを捕縛するのは討伐するよりも遥かに難しいため、よほどクロシュ側が有利な状況でない限りあまり推奨されません
なお大抵の賞金首については、討伐した場合でもその証明さえできれば報酬を受け取ることはできます

ミスティさんは……基本的にはクールでドライな女の子のはずなのですが、最近は確かに感情的になる場面が多いですね……
ちなみに得意属性と性格や人間性に相関関係はありません。火属性で冷徹冷酷な人とかもいると思います
ただ、属性によっては周囲の人々からの扱いなどが変わることもあるため、それが人格形成に影響することはあります(闇属性の人は虐待やいじめの対象になりやすいため心が歪みやすい等)

高い技量を持ったスライムは自身の分体を作り出して操ることができるようです。現時点のクロシュちゃんにはまだ使えませんが、これはスライム類の種族特性でもあるため、研鑽を積めばいつか使えるようになるかもしれません

フラナ氏は教師というわけではありませんが、イリスとミスティに稽古を付けてあげた時のように、子供たちや保護者、聖女などから請われれば教鞭を取ることもあると思います
なお魔法についても薬学についても、弟子を取るつもりは今のところないようです
951 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 16:40:08.32 ID:6rsMTgms0

ミスティ「氷刃よ――!」ギラッ

 氷の刃「」ヒュンッ
 ドスッ

ブラッド「痛っ――とでも言うと思った?」ニヤ

妖精「ミスティ! 戦慣れしたスライムに物理攻撃はほとんど効かないよ!!」

イリス「で、でもあれは氷属性も入ってるんじゃ――」

ブラッド「――」ズズ

ローガン「! 氷の刃を取り込んで――」

氷刃ブラッド「」タンッ

ミスティ「な、速――」

 ガギンッ!!

盾クロシュ「ううっ……!!」ズザザッ

ミスティ「クロシュ……!」

氷刃ブラッド「んん? 同類かと思ったけど……お前、力の使い方が全然なってないじゃん。ただのはぐれスライム?」

盾クロシュ「……?」

氷刃ブラッド「まあどうでもいいか。人間に与するなら死んでいいよ」スッ

 氷の刃「」シュビビビッ

盾クロシュ「あ、うっ、あっ……!」ズバババッ

妖精「クロシュ!!!!」パタパタ

イリス「やめろーっ!!!」カッ

 火球「」ボウッ

氷刃ブラッド「うわっ!」ボンッ

 ジュウウウウ……


ブラッド「いたいなあ……! 雑魚の分際で……!!」ギリッ

↓1コンマ
01-05 ??
06-30 劣勢
31-95 優勢
96-00 勝利
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 16:42:43.02 ID:P8SerPaMo
勝利
953 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 17:25:28.36 ID:6rsMTgms0
クロシュ「あ、う……」ドサッ

妖精「クロシュ! クロシュ!」


ローガン「攻め続けろ! クロシュくんを守れ!!」ババッ

 複数の鉄板「」ガゴンガゴン

イリス「クロシュちゃん……! 今はローガンさんの言う通り、攻め続けなきゃ……!」ゴゴ

ミスティ(私の安易な攻撃のせいで、クロシュが――いいえ、今は後悔している時ではない)

ミスティ(成形した氷での攻撃がダメなら――冷気そのものを浴びせれば――!)

 冷気「」キンッ

ブラッド「遅い!」シュビッ

イリス「そこ!」カッ

 雷撃「」バチッ

ブラッド「ああああ!!!」バリバリ

ミスティ「今度こそ! 凍れ!!」キラッ

 冷気「」キンッ

ブラッド「う、ぐ……この、この……!」カチン

ローガン「凍ってしまえば同化もできまい!! 容赦せんぞ!!」バッ

 回転ノコギリ「」ギュオオオオオ!!

ブラッド「」ギャリギャリ

 バリンッ…!!


ブラッドだったものの破片「」バシャッ…


ミスティ「はあ、はあ……!! た、倒せた……?」

ローガン「……うむ。再生する気配もない。倒せたと見て問題ないだろう……」

イリス「クロシュちゃ――」


 ヒュンッ


↓1
01-05 全滅
06-15 イリス
16-25 ミスティ
26-35 ローガン
36-65 クロシュ
66-95 覚醒(一時的)
96-00 覚醒(完全)
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 17:27:01.84 ID:kSiwqZQCO
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 19:57:03.77 ID:8vVC0zs4o
殺意たっかいなこいつ!
956 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:07:38.22 ID:6rsMTgms0
 ドスッ

ミスティ「――え?」

 ドスッ

イリス「あ――」

 ドスッ

ローガン「ばか……な……」

 ドサッ ドサッ ドサッ


 ズズズズ……


ブラッド「分体一つ潰した程度で勝った気になるなんて、人間って本当に愚鈍……」

ブラッド「……まだ息がある。刺しとこ、トドメ」スタスタ


クロシュ「……」ヨタヨタ

妖精「だ、だめだよクロシュ……。私たちじゃ……どうしようも……」オロオロ


ブラッド「なあに、まだいたのお前たち……。人間じゃないから見逃してやろうかと思ってたのに……」

クロシュ「……その人たちに……手を出さないで……」キッ

ブラッド「はあ……身も心も完全に飼いならされたペットスライムか。可哀想だから、ここで終わらせてあげる……」スッ

分体ブラッドA「」ズズ
分体ブラッドB「」ズズ
分体ブラッドC「」ズズ

妖精「あ、あ……」ジワ

クロシュ「……」

ブラッド「ばいばい」

分体ブラッドたち「」シャキン バッ
957 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:17:16.64 ID:6rsMTgms0
 カッ!

分体盾クロシュ「」ガギンッ
分体剣士クロシュ「」ギンッ
分体魔女クロシュ「」ゴウッ

 つむじ風「」ビュオオオッッ

分体ブラッドたち「!!」ズザザッ

クロシュ「……」キッ

ブラッド「!! お前……やっぱり……!!」

クロシュ「いなくなって……!! ここから……!!!」

分体盾クロシュ「」ザッ
分体剣士クロシュ「」シャキンッ
分体魔女クロシュ「」キラキラ

ブラッド「……その付け焼き刃であたしに勝つつもり? 舐めてるの?」

クロシュ「……」

ブラッド「……違うか。人間に飼いならされたお前は、もうそうする以外の選択肢がないってこと」

クロシュ「……」

ブラッド「はあ……いいよ、今回は見逃してあげる。人間に隷属してるとは言え、やっぱ同類を手にかけるのは気分良くないし」

クロシュ「……」

ブラッド「でも次に会った時にまだ人間のペットを続けてたら、容赦なく殺すから」

クロシュ「……」

ブラッド「じゃあね」トプン―

 ――戦闘終了――

 ◆
958 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:18:56.43 ID:6rsMTgms0
―街道沿い

イリス「――はっ!!!」ガバッ

ミスティ「イリス……!」

ローガン「イリスくん!」

妖精「良かった、気が付いた……」

イリス「あ、あれから……一体どうなったの?」

妖精「えっとね……」

 *

イリス「あの赤い子が分身を作って襲ってきて、クロシュちゃんも分身で対抗して、追い払った!?」

妖精「うん……。私たちが最初に戦った相手も、実は分身の一体だったみたい……」

ローガン「……後で判明したことだが、あれはギルドに指定された特級危険生物――通称ブラッドという存在だったようだ……」

イリス「と、特級危険生物って……!」

ローガン「うむ……命があるのは奇跡かもしれん……」

ミスティ「……悔しいけれど……私たちの手に負える相手ではなかったみたい……」

イリス「ひ、ひええ……。そ、それで……クロシュちゃんは……?」

妖精「寝込んでる……。外傷はほとんど治ってるけど、使ったことのない能力を無理矢理使ったから、体にかなりの負担がかかっちゃったみたい……」

イリス「……そう、なんだ」
959 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:20:33.63 ID:6rsMTgms0

イリス(……悔しい。幼いクロシュちゃんに負担をかけて……私は結局何もできなかった……)

イリス(でも……きっとミスティの感じている悔しさや怒りは、私なんかとは比べ物にならないはず……)

イリス(ミスティの家族の仇……。私も、大切な人を喪っているけれど……それは、誰かに殺されたわけじゃない……)

イリス(だから、ミスティの気持ちに本当の意味で共感してあげることが、できない……)

イリス(それが……それも、とても悔しい……)

イリス(私は……私に、できることは……)


ミスティ(……復讐なんて考えず、安息の地を見つけて平穏に生きていこうと……半ば、諦めていたのに……)

ミスティ(どうして……こんな時に、出てくるのよ……。ようやく私の居場所を見つけられた……今に、なって……)

ミスティ(ようやく……ようやく、あいつのことを考えずにいられるように……なってきた、のに……)

ミスティ(許せない……。殺したい……。パパとママだけでなく、私の大切なパーティのみんなをも殺そうとした、あいつは……絶対に、許さない……)

ミスティ(でも……復讐に囚われたら……私は……)

ミスティ(きっと……このパーティには……もう……)


ローガン(……何という不甲斐なさだ。前衛の腕を買われてパーティ入りを果たしたというのに……)

ローガン(仲間を守れず、生き恥を晒し続けた甲斐もなく、無様な死体と成り果てかけた)

ローガン(どうせ死ぬなら誰かを守って死にたい――だと? 結局、家族もパーティも、誰一人として守れてなどいないではないか――)

ローガン(こんな無力で無能な中年に、守れるものなど――――……)

ローガン(……いかんな。一応は、私がこのパーティを守る盾なのだ。皆が不安にならぬよう、私だけは堂々としていなければ……)

ローガン(例え、その盾にヒビが入っているとしても……)


妖精(……みんな、塞ぎ込んでるね……)

妖精(……正直に言えば、私も塞ぎ込みたい。本当に、心底から絶望して涙が出たのは……一体、何年……何十年ぶりだろう……)

妖精(みんなが無事で……本当に、良かった……。でも……私、本当に役立たずだなあ……)

妖精(無駄に歳ばかり重ねてる癖に……あんな事態に何もできずに狼狽して、挙げ句赤ちゃんスライムのクロシュに守られる始末……)

妖精(はあ……。でもくよくよしてるわけにはいかないよね。私が一番歳上で、みんなを導かなきゃならないんだから)

妖精(ティセリアたちには、訃報なんて絶対に届けたくないもん)

 ◆
960 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:22:10.77 ID:6rsMTgms0
―夕方

 強化ソリ「」シャーッ


スライムクロシュ「――…」モニョ

妖精「クロシュ……!」

イリス「クロシュちゃん!」

スライムクロシュ「?」モニョモニョ

妖精「うん……クロシュはあれからずっと寝てたんだよ」

イリス「えと……ありがとうね、クロシュちゃん。私たちを守ってくれて……」

ローガン「すまないな……本来は私が君を守らなければならなかったのに……」

ミスティ「ごめんなさい……今回はあなたに大きな負担をかけてしまったわね……」

半スライムクロシュ「あ、えと……いつもは、わたしがみんなに守ってもらってる、から……」モニョニョ

妖精「おあいこってことだね」

半スライムクロシュ「うん……」モニョ


イリス「……あ! 見て、みんな!」

ミスティ「え――?」

妖精「あ――」

ローガン「あれは――」

クロシュ「わあ……!」


 水平線に沈む夕日「」
 夕日にきらめく水面「」キラキラ


イリス「海だよ……!!」

ミスティ「海ね……」

ローガン「海だな……」

妖精「海だね」

クロシュ「海……!」


クロシュ(生まれて初めて見る海は、とてもきれいで、輝いていて……)

クロシュ(みんなと一緒に……生きて、これを見ることができて……良かった……)

クロシュ(…………フメイちゃんと、アリシラさんとも一緒に……これを、見られたら……)

 ◆
961 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:23:04.63 ID:6rsMTgms0
―夕方
 港湾都市ウォーターポート

 ワイワイ ガヤガヤ

露天商のおじさん「異国の装飾品はいかがかね〜」

行商妖精「綺麗な貝殻だよ〜。カニとかウニの殻もあるよ〜」

ターバンの褐色少女「芸術家御用達の画材ありま〜す! 港町に来た記念に一描きどうでしょう?」

観光エルフ「ああ、あれもこれも欲しいわ……。でも予算が……」

怪しい商人「へへへ、お姉さんほどの美人なら簡単な稼ぐ方法がありまっせ!」



クロシュ「うゆゅ……」グルグル

イリス「す、すごい……人が多すぎて目が回りそう……。クロシュちゃん、しっかりおてて繋いでようね」

クロシュ「うん……」

ミスティ「緑の国も賑わっていたけれど……同じ賑わいでも、ここはまた毛色が少し違うわね……」

ローガン「うむ……前にも言ったが、ここには大陸内外から様々な文化の人やモノが集まる。王国内では最も異文化に寛容な場所と言えるだろう」

妖精「そうみたいだね……。まさかこんなとこで商売をしてる妖精がいるなんて思わなかった……。仮にも王国なのにさ、ここ」

ミスティ「ふふ……良かったわね、妖精」

妖精「良かったのかなあ……」

 ◇
962 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:25:19.34 ID:6rsMTgms0
―港湾都市ウォーターポート
 宿「旅の船着場」

宿の看板娘「お泊りは四名――五名様でよろしいですか?」ニコニコ

妖精「ねえ、私は妖精だから数に数えなくても良いんじゃない?」

宿の看板娘「そういうわけにはいきません! 他の街はともかく、ここウォーターポートでは人間以外の種族の方も等しくお客様ですから!」

妖精「お客様扱いも考えものだね……」

イリス「ま、まあいいじゃない妖精さん。路銀は足りてるわけだし、お客様として堂々とサービスを受けようよ」

妖精「なんか私がケチで面倒な客みたいに思われそうだし、そうしよっか」

ミスティ(もう既にケチで面倒な客と思われてる気がするわ……)

宿の看板娘「それでは部屋割りは――」ニコニコ

 ◇
963 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:26:34.72 ID:6rsMTgms0
―旅の船着き場 客室

イリス「おお〜! ここからでも夜の海が見えるよ!」

クロシュ「わあ……」

ミスティ「良い部屋ね……。異国情緒を感じられるわ……」

妖精「まあ悪くはないかな……。意外と妖精用に調整された気配りも感じられるし……」


妖精「さて、とりあえずトコナツ島行きの船探しは明日にして、今日はいろいろと疲れもあるしゆっくり休もっか」

イリス「そだね……。全員死にかけてるし、今日は無理しない方が良いよ本当に」

……………………………………………………………………………………
―港湾都市ウォーターポート 滞在初日
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す

◯仲間の目標
・???(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
……………………………………………………………………………………
ウォーターポート滞在初日の夜です
↓1〜3 自由安価 何をする?(疲れているため、宿から遠くへは行けません)
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:27:07.37 ID:jka2qhuC0
温泉に入る
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:29:18.17 ID:DqtnuXKDO
食事処で食事
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:30:07.99 ID:kSiwqZQCO
到着の報を魔族自治区やフォレスティアに伝える
967 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/07(日) 22:46:22.63 ID:6rsMTgms0
安価が揃ったところで本日はここまでとなります。次回は入浴編、お食事編、お手紙編です

ついに港湾都市ウォーターポートに到着です。目的地への経由地ですが、クロシュちゃんたちはすんなりトコナツ島へ向かうことができるのでしょうか
ブラッドは実際とても殺意が高いです。彼女は敵対キャラクターの中でも特に対話が通じにくく、人間だけのパーティであれば問答無用で皆殺しにしようとします。今回はクロシュに興味を持ったため、すんでのところで見逃されることとなりました
今回はファンブルの影響で彼女の本体が来てしまうという最悪の事態になってしまいましたが、分体一体程度であればクロシュたちのパーティなら十分に勝てるはずの相手でした(実際勝っています)。しかし幸い犠牲者は出ず、クロシュちゃんも自身の能力の発展性を自ら学ぶことができたため、最終的には悪くない結果となったと言えるかもしれません
ただ、ミスティさんのメンタルが少々不安定になってしまっているようです。もし余裕があれば気にかけてあげた方が良いかもしれません

それでは本日もありがとうございました。次回も土日となるかと思います。よろしくお願いいたします
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:50:54.62 ID:P8SerPaMo
乙乙
強者相手には些かパーティの戦力不足がある
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 22:53:07.68 ID:uVz+q1urO

ブラッドはクロシュの知り合いっぽそうかと思ったらそうでもなさそうな雰囲気
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 23:38:25.53 ID:aADiY3e10

質問だけどクロシュは精霊樹の杖を取り込んで魔女ッ子クロシュになったけど雑貨店や武具店など買った物をクロシュに取り込んだら新たなクロシュが出来たりするの?
(例:弓でアーチャークロシュ、テディベアで着ぐるみクロシュなど)
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/08(月) 17:56:26.00 ID:x6YqPCwOO

スライムが強い世界観だ
972 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 18:39:15.22 ID:1FlrtliK0
現状のパーティでも平均的な冒険者パーティよりは強いのですが、強敵と相対するには実際少し力不足かもしれません。しかし皆まだまだ伸び代はたくさんあり、冒険の旅もまだ始まったばかりなので、彼らの成長を長い目で見ていただければ幸いです

ブラッドとクロシュは初対面のようです。しかし口ぶりからすると、ブラッドはクロシュの出自かあるいは種族について何か知っているのかもしれません。今のところクロシュの出自についての真相は闇に包まれています

クロシュは取り込んだものによって様々な姿に変化します。盾を取り込めば盾騎士に、剣を取り込めば剣士に、杖を取り込めば魔女っ子になるように、弓矢を持てばそれに応じた姿になるでしょう。テディベアは>>1にも予想が付きませんが……

人間の強さが各人によって様々なように、スライムの強さも個体によって様々です。今回登場したブラッドはスライムの中でも上澄みの部類に入る個体であり、平均的なスライムはあそこまで強くはありません
クロシュもどちらかと言えば弱い方の個体でしたが、ここ最近は実力を伸ばしつつあるようです。今後の成長に期待しましょう
973 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 18:39:43.38 ID:1FlrtliK0
―夜
 ウォーターポート 公衆浴場

 ワイワイ キャッキャ

 カポーン…

イリス「大浴場は良いねやっぱり!」

ミスティ「イリスの作る即席風呂も良いと思うわ……。人目を気にする必要がないし……」

妖精「私にとってはどっちも大浴場みたいなもんだし、人目に付かないイリス風呂の方が良いなあ」

イリス「そ、そうなんだ……。確かに、ここじゃクロシュちゃんも安心して溶けられないもんね……」

半スライムクロシュ「んゅ……?」デロ…

イリス「わ、わわわ! く、クロシュちゃん!」

ミスティ「溶けてるわ……!」

半スライムクロシュ「!!」

 キュッ

クロシュ「ん……」

妖精「一応ここは王国だから……なるべくスライムの姿を晒しちゃだめだよ、クロシュ」

クロシュ「う、うん……」

↓1コンマ
01-70 良い湯でした
71-00 湯は道連れ
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 18:40:36.93 ID:mWzqsve/0
975 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 18:45:31.48 ID:1FlrtliK0
旅人の気配があります

↓1コンマ
01-19 帽子をかぶった緑髪の少女
20-38 黒髪の無愛想な青年
39-57 赤髪ロングポニテの冒険者女性
58-76 銀髪ウェーブセミロングお嬢様
77-95 ボサボサ黒髪の若い傭兵
96-98 フメイ&アリシラ
99-00 セイン
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 18:48:53.06 ID:FggNe2o2O
ふんぬ
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 19:01:16.83 ID:XX+KlO0eO
ローガン「えっ…また女性……」
978 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 20:40:54.61 ID:1FlrtliK0
 カポーン…

メルル「……ん?」

妖精「……んん?」

メルル「あんたたち、いつぞや会ったソリの旅芸人!」

ミスティ「誰が旅芸人よ……」

イリス「あなたは……確かメルルちゃん、だよね?」

メルル「そーそー! 久しぶりだねェ」


妖精(あの時は王国の間者かと思ったけれど、結局何もなかったし違うっぽいね)

イリス(そうだね……。ただの旅人みたい)

ミスティ(疑って悪いことしたわね……)


メルル「ね、あの後魔族自治区行ったんでしょ? もしかして魔族大革命に立ち会っちゃったんじゃないの……!?」

クロシュ「え、えと……」

妖精「あー……まあそうだね。すごかったよ、うん」

メルル「ワオ! あたしも付いてけば良かったなァ〜歴史的瞬間に立ち会いたかった……」

イリス「……そんなに、良いものでもないよ」

メルル「そーなの? でもさァ、アレでしょ? ダークヒーローイリスっていう謎の人間が、バッタバッタと悪者騎士をなぎ倒して愛と平和を掴み取ったんでしょ?」

イリス(うへぇ……そういうことになってるのかあ……)

妖精「ダークヒーローイリスが革命後の魔族国の在り方について大きな役割を果たしたのは間違いないけれど……。本当の彼女は、心優しい普通の女の子だったよ。新聞で書かれるようなセンセーショナルな人物では決してない」

メルル「ええ!? もしかして会ったことあるの!?」

妖精「……まあ、うん」

メルル「そうなんだ! でも普通の女の子かァ……ちょっと親近感湧いちゃうなァ」

イリス(妖精さん……)

 *
979 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 20:42:00.18 ID:1FlrtliK0
―公衆浴場 待合室

 ワイワイ キャッキャ

ローガン(男風呂を出たら、何やら知らぬ顔の少女がパーティに混ざっている……)


メルル「それで、ソリ芸人の皆さんは何をしにウォーターポートへ?」

ミスティ「だからソリ芸人ではないわ……。ちょっとトコナツ島に行きたくてね……」

メルル「あ〜、ちょっと間が悪かったかもねェ。今は一部の漁船とか交易船を除いて、船はほとんど出てないんだよ」

イリス「えっそうなの!? どうして!?」

メルル「なんか最近海賊がめっちゃ出るんだって! ガチガチの武装船でもないと身ぐるみ剥がされて海の藻屑だから、どこの船も欠航ってわけ!」

妖精「何それ……! 王国の無能騎士団は何してんの!?」

メルル「自分で答え言ってるじゃん! 無能だから検挙できてないんだよ!」

妖精「ええ……」

メルル「そーゆーわけだから、今は海に出らんないよ。トコナツに行くならここじゃない別の海路を使うか、海賊が検挙されるのを大人しく待つかだね」

ミスティ「……さっき、一部の漁船とか交易船と言ったわね。ガチガチの武装船とも……。そういう船には乗れないの……?」

メルル「無理無理。公の武装船は一介の旅人なんか乗せてくれないし、闇船は裏にマフィアとかが付いてるから関わっちゃだめ」

イリス「ま、マフィア……?」

メルル「実際のところ海賊ってのもそのマフィア関係だと思うんだよね。なぜかマフィアの闇船は海賊に襲われないみたいだしさァ」

ミスティ「それが本当なら酷いマッチポンプね……」

メルル「ほんっとやんなるよねェ。悪い奴らってさァ」

 ☆メルル・マインドストーンと再会しました
 ☆欠航の情報を入手しました

 ◆
980 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 20:43:47.96 ID:1FlrtliK0
―夜
 食事処「ポートレストラン」

 ワイワイ ガヤガヤ

クロシュ「わあ……」

イリス「おしゃれなレストラン……!」

メルル「良い雰囲気でしょ〜。料理も美味しいんだよここ〜」

ミスティ「当たり前のように混ざってるわね、あなた……」

メルル「そんなつれないこと言わないでよォ〜、旅は道連れ世は情けって言うでしょ?」

妖精「まあ……情報提供してくれたわけだしね」

メルル「そうとも! 奢ってくれても構わんよ?」

イリス「え、ええと……私は情報のお礼に奢ってあげても良いけれど……」チラッ

妖精「私もいいよ」

ミスティ「私も。メルルの情報がなければ何も知らず闇船のチケットを掴まされてた可能性もあるし」

クロシュ「うん……わたしも……」

ローガン「う、うむ……私も構わん……」

メルル「おじさん! おじさんって誰!?」

ローガン「だ、誰とは……」

メルル「前はいなかったよね!? どうして女の子ばっかりのソリパーティに混ざってるの!? ハーレムなの!?」

ローガン「ハーレムではない……! これにはいろいろ経緯があってだな……」

 *

メルル「へェ〜若い女の子たちに求められるがままに応じちゃったんだァ……」

ローガン「誤解を招くような言い方はよしてくれたまえ……」

メルル「にゃは、冗談だって! でも凄いねェ、あたしがおじさんの立場だったら煩悩爆発で追放待ったなしだよ多分!」

ローガン「私が愛する女性は妻だけだ。違えることはない」

メルル「カタブツだ! 今どき珍しいイケオジじゃん……!」

イリス「そうだよ! ローガンさんはイケオジなんだよ! ちょっと髪がボサボサでヒゲも適当だけど!」

妖精「素材は良いんだから、身なりを整えれば実際かなりハンサムだと思うんだけどねえ」

ミスティ「そう言われるとちょっと見てみたいわね……身なりを整えたローガンさん……」

ローガン「……まあ、気が向いたらな」


↓1〜2 食材を1〜2つ選択
肉類:トリ肉、ケモノ肉、オーク肉、触手肉
野菜:セイントレア草、王国キャベツ、ユーシリアカボチャ、海藻類、テラヌスアロエ(欠品中)、森ニンジン(欠品中)
穀物:ウルティ米、ヤマイモ、ふっくらパン、港湾パスタ、甘もろこし、ナッツ
魚介:カニ、海ザリガニ、異世エビ、アークサーモン、イクラ、ホタテ、ウニ、海竜(欠品中)
果実:リンゴ、モモ、トウゲンライチ(欠品中)、森林木苺(欠品中)、精霊樹の実(欠品中)、トコナツバナナ(欠品中)、トコナツドリアン(欠品中)、トコナツココナッツ(欠品中)
卵乳:トリの卵、ミルク、チーズ、バター、エルフ印の乳製品(欠品中)
特殊:スライムゼラチン、アルラウネオイル(欠品中)、フェアリーシロップ(欠品中)、きび砂糖(欠品中)、胡椒(欠品中)
※表にない調味料などが使われることもあります
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 20:46:26.13 ID:5YpGiHnDO
アークサーモン イクラ
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 20:47:35.14 ID:6xoDRcXwO
アークサーモン、港湾パスタ
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 20:47:38.40 ID:tlpYTxwjO
ケモノ肉
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 21:31:52.75 ID:StsjIwlko
サーモン旨そうだからね、皆頼むよね
985 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 22:13:47.10 ID:1FlrtliK0
イリス「……欠品中多いね。欠航の影響……?」

メルル「それもあると思うけど、何日か前に夜空を光が流れた日があったでしょ? あの光が落ちたとこはなんか大変なことになってんだって。食材の取引どころじゃないんじゃない?」

ミスティ「トコナツ島原産っぽい果物類も見事に欠品してるわね……」

妖精「まあトコナツの果物は現地に行けば食べられるだろうし、今はあるものを頼もうよ」

ローガン「うむ。であれば、せっかくだしこの港湾都市ならではのものを食べてみたいところだが――」

メルル「それだったらやっぱり魚介とパスタだね! 漁港ならではの新鮮な海の幸と、ここの職人が丹念に伸ばしたパスタでしょ!」

クロシュ「ぱすた……?」

イリス「えっと、パスタっていうのはね……小麦粉を棒状に伸ばしたものを――」

クロシュ「???」

ミスティ「口で説明するより実物を見てもらった方が早いと思うわ……」

 ◇

 サーモンとイクラのクリームパスタ「」ポン

クロシュ「わあ……!」キラキラ

ミスティ「これは……美味しそうだわ……!」

メルル「ささ、どうぞお嬢様方……」

妖精「奢られる立場でしょあなた……」

 *

クロシュ「〜〜♪」モグモグ

ローガン「これは……サーモンの旨味とイクラの塩気がパスタによく合っている……! そしてそれらを優しく包み込むクリーミーな味わい……!」モグモグ

ミスティ「……美味しいわ。メルル、センス良いわね……」モグモグ

イリス「クリームを絡めるとこんなにもパスタがまろやかになるの……!? メモを取っておかなきゃ……!」ガサゴソ

妖精「……へえ。これ、本当に美味しい……。パスタ、嫌いじゃないかも……」

メルル「フッフッフ、凄いでしょ? これが港町の味ってわけ……!」


イリス「ねえ、このアークサーモンって普通のサーモンとは何が違うの?」

ミスティ「それは私もちょっと気になっていたわ……」

メルル「アークサーモンっていうのは、その名の通りアークなサーモン――つまりでっかいサーモンのこと!」

妖精「そ、そのまんますぎる……」


 ☆サーモンとイクラのクリームパスタを食べて元気になりました

 ◆
986 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 22:15:03.25 ID:1FlrtliK0
―夜
 旅の船着場 客室

スライムクロシュ「……」zzz


 カキカキ…

イリス「……」カキカキ

ミスティ「……フラナ先生へのお手紙?」

イリス「うん。聖女さんにも。ウォーターポートに着いたことを報告するの」

妖精「マメだねえ」

イリス「そ、そうかな? 緑の国のみんなにも出したいんだけど、流石に鎖国中だし届けられないよね」

ミスティ「…………」

妖精「ああ、緑の国なら手紙より速くて簡単な方法があるよ」

イリス「え?」

 窓「」ガラッ

妖精「お〜いそこの風の精霊」

風の精霊『?』ヒュオ

妖精「緑の国のティセリアに、妖精一行が無事港町に着いたって伝えてくれる?」

風の精霊『』コク

イリス「そ、そんな裏技が……!」

妖精「他に何か伝えたいこととかある?」

イリス「あ、えと! そ、それじゃあ私たちは元気だからそちらもお元気でって……!」

妖精「ふふ、わかった。ミスティは?」

ミスティ「……」


↓1
01-05 ごめんね、と……あの子に……
06-35 私も……どうかお元気で、と……
36-65 何を言えば……良いのかしら……
66-95 私……どうすれば……
96-00 ……必ず、帰るから。心配しないでと、あの子に……
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:16:21.30 ID:mWzqsve/0
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:16:46.88 ID:Oa94jAdy0
989 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 22:47:48.06 ID:1FlrtliK0
ミスティ「私も……どうかお元気で、と……」

妖精「イリスとおんなじ?」

ミスティ「ええ……。元気でいてくれれば……何よりよ……」

イリス「うんうん、そうだよね。ティセリアさんたちも、あの森妖精の子も……みんなが元気でいてくれたら、それが一番だよ」

ミスティ「……ええ」

妖精「……わかった。風の精霊、お願いして良い?」

風の精霊『!』ヒュイッ

 ヒュオオッ

妖精「……行ったよ。すぐに届くと思う」

イリス「うん! でも良いなあ……私も精霊とお話できるようになりたい……」

ミスティ「……ふふ。なれるわよ……」

イリス「えへへ、そうかな?」

ミスティ「ええ……イリスなら、きっと……」


妖精「……」


 ☆魔族国と緑の国へ港湾都市到着の報を出しました

 ◆
990 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 22:51:36.03 ID:1FlrtliK0
―港湾都市ウォーターポート 滞在2日目
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:エルフのレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:精霊のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽×2
・雨乞い傘
・フメイの服の切れ端
・精霊の印
・精霊樹の実のジャム
・鋼の回転ノコギリ
・精霊樹の鉢植え
・フメイとアリシラの人形
・お宿の焼き菓子
・お宿の妖精の織物

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・世界樹の光を追う[0/5]
・トコナツ火山島行きの船を探す

◯仲間の目標
・???(ミスティ)
……………………………………………………………………………………
□港湾都市ウォーターポート 主要施設
大通り:旅の船着場、武具店、雑貨店、魔法店、鮮魚店、食品店、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他
裏通り:占い屋、怪しい露天商、暗黒商店、奴隷商店、他
沿岸部:港、造船所、魚河岸、灯台、他
隣接地:機械工業都市テンペスター
……………………………………………………………………………………

―朝
 旅の船着場 客室

 チュンチュン

イリス「トコナツ島行きの船が今は出てないわけだけど……ど、どうしよっか?」

妖精「あー……どうしようか……」

ミスティ「……海賊ってやつらを滅ぼせば良いんじゃないかしら?」

イリス「えっ!?」ギョッ

妖精「……」

ミスティ「そいつらが私たちのみならず皆を困らせる不届き者なわけでしょう。だったら、そんな奴らこそ海の藻屑にしてしまえば良いわ……」

ローガン「落ち着けミスティくん……! 王国の騎士団が未だに検挙できていない手練れの海賊団だぞ……!」

イリス「そ、そうだよミスティ! それにもし戦うにしても……問答無用で海の藻屑にしちゃうのは……だめだよ!」

ミスティ「……そうね。ごめんなさい、少し寝ぼけているのかもしれないわ……。顔、洗ってくる……」フラフラ



クロシュ「ミスティさん……」

イリス「ミスティ……やっぱり……昨日のことで……」


ウォーターポート滞在2日目です
↓1〜3 自由安価 何をする?
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:52:14.96 ID:mWzqsve/0
ギルドで依頼探し
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:52:33.42 ID:i8i+VCw9o
海賊対策に傭兵でも雇うか
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 22:52:44.50 ID:Oa94jAdy0
新たな仲間を探す(バランス的にセイン以外の男キャラ)
994 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/04/13(土) 23:09:05.70 ID:1FlrtliK0
というわけで本日はここまでです。次回は冒険者ギルドで傭兵またはパーティメンバー探し編となります

旅は道連れということで、メルルさんと親交を深めることができました。正式なパーティメンバーにならずとも、親交を深めたキャラクターは一時的にパーティ入りしたり助っ人として現れたりすることがあるかもしれません。パーティ外の人との交流は赤ちゃんスライムであるクロシュにとっても良い刺激となることでしょう
また、今回のようなランダムイベントだけでなく、自由安価行動でパーティ外の人物と交流することも可能です(今回の傭兵探しや仲間探しも近い結果になるかもしれません)。旅は道連れ世は情け、クロシュちゃんにとって良き出会いがあることをお祈りいたします

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
また、次回は次スレとなります。このスレの残りは質問や雑談やその他何でもご自由にお使いくださいませ
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 23:10:44.01 ID:mWzqsve/0

今回も女性陣の3サイズ設定とかあるのかな。
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 23:15:14.76 ID:n6BX70PhO
おつ。
過去作も見てみようかな。
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/13(土) 23:32:29.06 ID:6xoDRcXwO

女湯シーンで男性が選出されたらどうなってたんだろうか
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 00:39:13.13 ID:ERx9BvMDO
乙です
フメイ&アリシラ組やセイン&僧侶組にも道連れや仲間加入があったりするのかな?
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 01:01:30.32 ID:FZ6nPxc7o
おつおつ
メルル再登場はかなり薄い確率の所抜いててすごい
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/04/14(日) 02:42:52.75 ID:pNXy7EMUo

空飛ぶ魔法とか覚えたら海賊問題解決かね
1001 :1001 :Over 1000 Thread
                     ___, - 、
                    /_____)
.                    | | /   ヽ || 父さんな、会社辞めて小説で食っていこうと思うんだ
                    |_|  ┃ ┃  ||  
                   (/   ⊂⊃  ヽ)        /  ̄ ̄ ̄ \
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