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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】

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336 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 16:37:35.70 ID:957IQeFT0
―旧市街 教会

聖女「……」グッタリ

淫魔の幼女「おねーちゃん……」

魔族国スライム「……」モニョ…

魔族の子供「……クロシュちゃんと妖精さんは、これからどうするの……?」

妖精「とりあえず宿に戻って待機かな?」

クロシュ「……」

妖精「クロシュ? どうしたの?」

クロシュ「なんか……ざわざわ、する……」

魔族の子供「ざわざわ?」

クロシュ「…………」

クロシュ「……みんなのとこ、行かなきゃ」バッ

妖精「あ、こら! ちょっとくらい私に相談しなさい!」パタパタ

魔族の子供「あ……行っちゃった……」

 ◇
337 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 16:38:53.83 ID:957IQeFT0
―駐屯地

縛られた騎士たち「……」

縛られた部隊長マリー「……」

ムチムチラミア「生かしておくのはこれくらいで良いかしらぁ……?」

フラナ「ええ、良いわ。部隊長のマリー・セイントレア一人でも十分過ぎるくらいだしね」

竜人の女性「あー、王族なんだっけ?」

フラナ「ええ。人質としては最高のカードでしょ?」

竜人の女性「政治的な駆け引きはわかんねえ。フラナに任せるぜ」

フラナ「はいはい」

ムキムキオーク「王族ってことは、ロイヤルってことか!?」

フラナ「お前は何が言いたいのよ……」

ムキムキオーク「いやなに、この俺のムキムキ遺伝子をその女のロイヤル遺伝子とかけ合わせたいっていう提案なんだが……」

フラナ「王国の出方次第。今はまだダメ」

ムキムキオーク「くう、頼むぞ王国の外交……!!」

フラナ「入植者の奴らなら好きに使って良いわよ。王族や騎士ほどの価値はないから」

ムキムキオーク「俺はロイヤル遺伝子がいいの!!」

ムチムチラミア「駄々をこねる男ってキモいわぁ……」

 *
338 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 16:39:28.29 ID:957IQeFT0
マリー(ああ……どうして、こんなことに……)

マリー(……いいえ。わかっています……。魔族たちの反抗心を育てたのは……)

マリー(王国の、魔族を虐げる方針をどうにもできなかった私の……落ち度……)

マリー(私には……ここ魔族自治区を変えることのできる地位も、権力も、あったのに……)

マリー(精々、気休め程度に法整備を進めただけ……。しかも実際に取り締まる騎士たちは魔族に不利な裁定ばかりして……結局、何の意味もなかった……)

マリー(もっと他にも、できることはあったはずなのに……。私は結局、憂うばかりでそれ以上何もしなかった……。何もできなかった……)

マリー(今更後悔しても、手遅れ……。既に大勢の命が失われ……私自身もまた、人質になってしまった……)

マリー(この命が、魔族たちの外交カードとして使えるのなら……それが、最低限の贖罪になるのでしょうか……)

 *
339 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 16:40:17.02 ID:957IQeFT0

イリス「……」

ミスティ「……帰りましょう、イリス。私たちは十分戦ったわ」

ローガン「ああ、帰って休もう。クロシュくんたちもきっと待っている」

イリス「……うん」

ローガン「それではフラナ殿には私から伝えて――ん?」

ミスティ「ローガンさ――」

 キラッ―

ローガン「――伏せろ!!!!」

イリス「え――」

ミスティ「あ――」

フラナ「――!!!」バッ


 光「」キラッ―

 カッ――


↓1コンマ 死の光
01 フラナ完全消滅
02 イリス死亡
03 ミスティ死亡
04-05 ローガン死亡
06-15 フラナ死亡
16-20 イリス重傷
21-25 ミスティ重傷
25-35 ローガン重傷
36-85 フラナ重傷
86-95 全員無事
96-00 ??
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 16:41:19.39 ID:XdiBi5+H0
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 16:49:14.91 ID:IytsqXVrO
1割以上で即死とかこわいな
342 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 17:11:17.08 ID:957IQeFT0

 大きくえぐれた地面「」ゴゴゴゴゴ…


イリス「え……え!?」

ミスティ「な、に……が……」

ローガン「……はっ!! フラナ殿!!!」


両手を広げて仁王立ちするフラナ「――」シュゥゥゥ…


金髪碧眼の少年「…………」スタッ


フラナ「お……前、は……!!!」

竜人の女性「なん、で……生きてんだよ……!!!!」

フラナ「勇者ァァァァ!!!!」


勇者サイン?「……」スッ

 サイン?の掌に収束する光「」ヴゥン…


イリス「あ……あの、光、は……」

ミスティ「……ま、また……来る、の……?」

ローガン「馬鹿、な……」


 シュバッ
 ドンッ

勇者サイン?「!」ヨロッ

クロシュ「……!」シュタッ

勇者サイン?「……影の……スライム……?」

クロシュ「……」ジリ

勇者サイン?「まあ、いいか……」スッ

クロシュの懐にいる妖精(ああああ馬鹿馬鹿馬鹿!!! なんで前に出ちゃうのこのポンコツスライムはあ〜〜!!!!)

 サイン?の掌に収束していく光「」ヴゥン―

クロシュ「……!」ジリ


クロシュ(躱せない。防げない。どうにもならない)

クロシュ(でも……イリスさんたちが逃げ出す隙くらいなら、作れたと思う)

クロシュ(……どうせ、どうにもならないのなら……みんなのために、ここで終わったっていいや)

クロシュ(妖精さん、巻き込んじゃってごめんなさい)

クロシュ(……フメイちゃん……。一緒にいてあげられなくて……ごめんね……)

クロシュ(わたし……先に行くね……)

クロシュ(……集落のみんな……向こうに、いるかな……)



イリス「クロシュちゃん!!!!」

ミスティ「クロシュ!!!!」

ローガン「クロシュくん!!!」


 カッ――
343 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 17:12:50.89 ID:957IQeFT0

突然の業火に包まれる勇者サイン?「!!?」ゴオオオオッ!!!


「……ばか。なに、格好つけてるの……」スタスタ

クロシュ「え――」

フメイ「クロシュ……」

クロシュ「フメイ、ちゃ……」

アリシラ?「私もいるよお〜。魔力吸収〜〜!」ギュウウウン


業火に包まれている勇者サイン?「!!!」ギュウウン


イリス「え、え……!? あの子って……」

ローガン「人間形態のクロシュくんに似ているが――」

ミスティ「……フメイ。どうして、ここに……」



業火に包まれている勇者サイン?「……」シュバッ

 霧散する業火「」シュウン

勇者サイン?「……お前たちは……」

フメイ「……クロシュは殺らせない。帰って」

アリシラ?「魔力はもう空っぽでしょ? 退いた方が身のためだよお〜?」

勇者サイン?「……」

勇者サイン?「……」ヒュンッ

アリシラ?「ふえ?」


 超高速飛翔するナイフ「」ヒュオッ


縛られた部隊長マリー「え――」


↓1
01-95 マリー死亡
96-00 覚醒
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 17:13:22.73 ID:kxzDnWoDO
はい
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 17:13:41.16 ID:9rc+TPzJ0
し?
346 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 17:49:41.16 ID:957IQeFT0
 ストンッ―

額にナイフが突き刺さったマリー「」

 ドサッ…


勇者サイン?「……」シュバッ

 光の残像「」ヒュンッ―


ミスティ「あ……」

フラナ「く、そ……! 勇者、め……!!!」ググッ

フラナ「――」バタッ

イリス「ふ、フラナさん……!!」
347 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 17:50:28.27 ID:957IQeFT0

フメイ「……フメイたちも、もう行く」スッ

クロシュ「あ……フメイちゃん……!」

フメイ「……クロシュは、こんなとこいないで……もっと、平和なとこにいて……」

クロシュ「やだ……!! フメイちゃんが、一緒じゃなきゃ……!!」

フメイ「……。フメイは……人間を、許さない……。フメイやクロシュをいじめる奴らを、全部焼き尽くすまで……足を止めない……」

クロシュ「どうでもいい……! 人間も、魔族も……わたしたちをいじめる奴らなんてどうでもいいもん……!!」

フメイ「…………」

フメイ「……ごめん。全部終わったら……クロシュのとこに、帰るから……」

アリシラ?「クロシュちゃん、ごめんねえ……。クロシュちゃんのことを大切に思うフメイちゃんの気持ち、わかってあげてね……」

クロシュ「……」ジワッ

フメイ「……ごめん」

 ボンッ

アリシラ?「あ、もう! それ速すぎて追いつけないからやめてよお〜」ドタドタ

 *
348 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 17:53:07.66 ID:957IQeFT0
イリス(フラナさんは意識を失い、危篤状態らしい……。みんなを守る為に全力であの光を防いだんだ……克服したとは言え、光は吸血鬼の弱点……。消滅していないのが奇跡のような状態なのだとか……)

イリス(革命軍はとりあえずの勝利を収めたけれど……フラナさんの意識がなく、部隊長のマリー・セイントレアも死亡していて、魔族自治区は混乱の様相を呈し始めていた……)

イリス(あの勇者のような少年が何だったのか……? どうして突然現れ、マリー・セイントレアを殺害して去っていったのか……? わからないことは山積みだ……)

イリス(私たちは……どうすれば良いのだろう……)

 *

―駐屯地

竜人の女性「クソッ! 戦後処理って何すりゃいいんだ!? 全員ぶっ殺しゃいいのか!!?」

ムチムチラミア「落ち着いて……とにかく今は怪我人の手当をすべきよお……。革命軍にもかなりの被害が出てるわあ……」

ムキムキオーク「なんてことだ……俺のロイヤル遺伝子が……」ブツブツ

竜人の女性「うるせえ!! いつまでも死人のことを引きずってんじゃねえ!」ドカッ

ムキムキオーク「グワッ! でもよお……!! なんとかして生き返らせらんねえのかよお!? なんかこう、復活の呪文とかないのかよお!?」

竜人の女性「んなもんがあったら苦労しねえだろうが!!!」


イリス(復活の、呪文……? あ――)

↓1〜3多数決
1.マリーに反魂丹を使う(1つ消費)
2.使わない
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 17:54:29.82 ID:JLY2WE+WO
1
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 18:01:34.57 ID:c4E96k79O
1
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 18:05:26.41 ID:9rc+TPzJ0
352 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 18:06:46.09 ID:957IQeFT0

イリス「あ――あります!! 呪文じゃないけど……復活の薬なら……」

ムキムキオーク「何!!?」

ミスティ「……いけるかしら。幸い死体はかなり完全な状態に近いし、劣化も腐敗も進んでない……。ただ……頭に刺さってるのよね……」

イリス「……う、うん。でもやるだけやってみようよ……!!」

ミスティ「まあ、そうね……。この人が生きている方が……きっと、いろいろ良いのは確かだし」

イリス「……じゃあ、使うよ」

ミスティ「ええ、お願い」

ムキムキオーク「た、頼むぞ……!!」


 ☆イリスが所持していた反魂丹を1つ消費します

↓1
01-50 マリー、蘇生するも脳のダメージにより幼児退行
51-00 マリー、普通に蘇生
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 18:09:07.99 ID:XdiBi5+H0
354 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 18:51:37.98 ID:957IQeFT0

 ☆クリティカルボーナス 事態が少し良い方へ向かいます

マリー「…………あ」パチッ

イリス「!! あの……大丈夫ですか!? 自分のこととか、わかりますか!?」

マリー「……わ、たし……頭に、何かが当たって……。ええと……マリー・セイントレア……セイントレア王国騎士団魔族自治区駐屯地の部隊長、です……」

ミスティ「……意識もはっきりしているし、記憶も大丈夫そうね。良かった……」

ムキムキオーク「ウオオオオオ!!! 良かったァァァァ!!!」オンオン

マリー「え、ええと……これは、どういう状況で……」

ローガン「うむ……それでは私から説明させていただこう……」

 *

マリー「……なるほど。私は、あの勇者に似た少年に殺されて……今、あなたがたの手によって蘇生を果たしたということなのですね……」

イリス「はい……。その……あなたの、捕虜という立場は変わらないのですけれど……」

ローガン「死んでいた方がマシだった、ということになる可能性もある。そうなった場合は申し訳ないのだが……」

マリー「……魔族自治区の反乱を招いたのは私の責任です。いかなる処遇も受け入れる覚悟はできております」

ムキムキオーク「おお……ますます俺好みの良い女だ……!」

竜人の女性「お前は黙ってろ。だがまあ、覚悟ができてるのは感心だな」


イリス「あ、あの……!! 私……この人を酷い目に遭わせる為に、生き返らせたんじゃありません……!」

竜人の女性「あ?」

イリス「……っ、ひ、人質にするのは……良いとしても……! 必要以上に、苦しい思いをさせたりとか……強姦、したりとかは……」

ムチムチラミア「そうねえ……。私もその意見に賛成よお」

イリス「!」

竜人の女性「ほう……理由を聽かせてもらおう」

ムチムチラミア「みんなあんまり知らないけど、この人もこの人なりに法整備とかいろいろ頑張ってくれてたのよお? 組織全体が腐ってたせいで殆ど意味なかったんだけどねえ……。そんな人を不要に痛めつけるのは、ラミア族の誇りに反するわぁ……」

竜人の女性「誇り、か……」

ムキムキオーク「……へへっ。誇りを持ち出されると弱っちまうな……」

竜人の女性「……そうだな。オレたちは……少々、誇りってやつを見失っていたかもしれねえ……」

ムチムチラミア「仕方ないわよお。みんなが、王国の人間にされたことを思えば……」

竜人の女性「だがオレたちは今、その王国の人間と同類の畜生に両足を突っ込んじまっている……。しかもフラナがノビている今、末端の奴らは歯止めが効かねえ……」

ムキムキオーク「……俺たちが見せなきゃなんねえってわけか。手本を!」

竜人の女性「そういうこった。オレたちはガキ共に見せても恥ずかしくない生き方をしなっきゃならねえ」

マリー「……」

竜人の女性「……まあ、その、なんだ。そういうわけだから……牢屋暮らしは変えられねえが、お前も含め人質の処遇はできる限り良いものにしようと思う。それで良いな?」

マリー「はい……ありがとうございます、魔族の皆様……」ペコッ


竜人の女性「フラナの弟子の……イリスか。礼を言うぞ。お前のお陰で、オレたちは最低の畜生に堕ちずに済んだかもしれねえ」

イリス「あ、え、えと……!」

ミスティ「……どういたしまして、よ」ニコッ

イリス「……ど、どういたしまして……!」

ローガン「フッ……」

 ◆
355 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:24:23.67 ID:957IQeFT0
―翌日
 宿

クロシュ「……」ボー

妖精「元気出しなって。革命に成功して、人質もがっぽりで、フラナも今朝目が覚めたんだからさ。オマケにイリスの提言で人質の扱いも良くなったって言うし、良いことづくめじゃん」

クロシュ「でも……フメイちゃん………」

妖精「全部終わったら帰って来るって言ってたし、それまで待ったら良いんじゃない?」

クロシュ「……でも、危ないことしてる……。殺されちゃうかも……」

妖精「そればかりはどうしようもないよ。フメイ自身が選んだ道だもん」

クロシュ「…………」

妖精「……まあ、仲間も増えてたみたいだし、多分大丈夫じゃない? 勇者の魔力を一気に奪える魔法なんて規格外も良いとこだよ」

クロシュ「アリシラさん……」

妖精「あの集落の生き残りなんでしょ? それなら安心じゃん」

クロシュ「……でも……なんか、様子が変だった……」

妖精「……まあ、うん」


 ガチャッ


包帯ぐるぐる巻きのフラナ「お疲れ様、二人共。見舞いに来てやったわよ」スタスタ

クロシュ「フラナさん……」

妖精「いや、どう身てもお見舞いされるべきなのはあなたでしょ……」

フラナ「大したことないわ。全身が光焼けでヒリヒリするだけだし」

妖精「そ、そう……」

フラナ「それで、とりあえずあなたたちの今後のことを聞こうと思ってね。今復興を手伝ってくれてるイリスたちにはもう聞いたんだけど、あなたたちにはまだ聞いてないから」

妖精「あいつらから聞いたんならそれで良いでしょ。仮にも同一パーティなんだから」

フラナ「……イリスたちは人間だけど、あなたたちは人間じゃないでしょ? だから、一応聞いておくべきだと思ったのよ」

妖精「……」

フラナ「この国に定住するか否か、ってね」

クロシュ「……」

フラナ「あなたたちなら歓迎するし、今回の働きを評価して土地と家屋と当面の生活資金を提供する用意はあるわ。それにスライムと妖精であるあなたたちにとって、きっとここはこの大陸のどの国よりも住心地の良い国になると思う。まあ、王国とかあの勇者モドキとか、いろいろ不確定要素がないとは言えないのが悔しいところだけど……」

クロシュ「……」

フラナ「どうする? ああ、別に急かしたいわけじゃないからゆっくり考えてもらってもいいけど」

妖精「どうするの?」

クロシュ「……」


 ※今はまだ定住を選択できません


クロシュ「えっと……わたし……フメイちゃんを、捜しにいきたいから……」

フラナ「そう、わかったわ。でもあなたたちならいつでも歓迎するから、気が変わったらいつでも私のところに気なさいね。それとフメイ捜しの方は当初の約束通り、ここに住んでも住まなくても手伝ってあげる予定だったからそこは安心して」

クロシュ「……ありがと、ございます……」ペコリ

フラナ「いいのよ。昨日ここに来たんでしょ? ならきっとあなたの近くにいるわ。早く見つけてあげましょう」

クロシュ「うん……」

 ◆
356 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:25:57.22 ID:957IQeFT0
―少し前
 入植街

 ワイワイ ガヤガヤ

竜人の女性「ここは無傷だな。再利用できそうなもんはどんどん再利用するぞ」

ムキムキオーク「うす!」

ムチムチラミア「力仕事は苦手よお……」


イリス「石材は任せてください。私の地魔法で解体します……!」

ローガン「鋼材は私に任せたまえ」

ミスティ「氷材は……ないわね。かき氷でも作っていようかしら……」


竜人の女性「あー……お前たちは無理に手伝わなくて良いんだぜ。人間なんだし……」

イリス「でも、私たちは革命軍の一員ですから。魔族国を復興する為に立ち上がった気持ちは、ずっと変わりません」

ミスティ「イリスリーダーの指示に従うだけよ」

ローガン「右に同じくだ」

イリス「え、私リーダーなの!?」

竜人の女性「フッ、そうか……。それならまあ、できる範囲で頼むぜ」


包帯ぐるぐる巻きのフラナ「ここにいたのね。探したわ」スタスタ

イリス「フラナさん!?」

竜人の女性「いや、寝てろよ! 吸血鬼っつーかミイラみたいだぞお前!」

フラナ「この大事な時に寝てる暇なんかないでしょ。まずはあなたたち、イリス、ミスティ、ローガンの今後についてよ」

ミスティ「私たちの……?」

フラナ「ええ。今回の働きを評価して、あなたたちは人間だけどここ魔族国の永住権を与えても良いと思っているの。住む場所も土地も当面の資金も提供できるわ」

ミスティ「……」

フラナ「ただ、まあ……あなたたちは人間だから、旅人としての滞在ならともかく、今のこの国に定住するとなるといろいろ大変なのは間違いないわ。多くの魔族たちの人間憎悪は根深いし、謂れなき攻撃に晒されることもあると思う。だから正直、あまりお勧めはできないのよ……。私としては歓迎なんだけどね」

ローガン「この少女二人だけでなく、私のような不審者にまでそのような計らいをしてくれるとは、身に余る栄誉だ。気持ちだけで十分ありがたい」

ミスティ「ええ……。あなたにそう言ってもらえるだけで、ここで戦った甲斐があったと思えるわ……」

イリス「はい……! 私は未だ修行中の身なのでここに定住はできませんが、フラナさんにそう言っていただけると凄く嬉しいです……!」

フラナ「ふふ。気持ちの良い断り方をしてくれるわね、あなたたちは。もし人と魔族の関係が今よりももっと良くなったら、改めてここに住むことを選んでも良いからね。あなたたちなら歓迎するわ」

竜人の女性「おう! 別に住まなくても良いからいつでも遊びに来いよな!」

ムキムキオーク「へへ、かわいいお嬢さんはいつでもウェルカムだ! 鋼のおっさんもな!」

ムチムチラミア「うふふ、あなたたちの活躍は子供たちにしっかり聽かせてあげるわあ……」

 ◆
357 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:27:10.90 ID:957IQeFT0
―旧市街 公園

聖女「皆さんこんにちは……」ペコリ


淫魔の幼女「おねーちゃん……」

魔族国スライム「……」モニョ

魔族の子供「やっぱり、ちょっと元気ないね……」


ハーピィ記者「号外〜! 号外だよ〜!!」バサッバサッ


 風雪新聞「」バササッ


聖女「新聞ですか……。昨日のこと……目を通しておかないと……」ペラ

 風雪新聞「魔族大革命!!!悪の王国を討ち滅ぼす正義の革命軍!!!!」ペラ
 風雪新聞「かわいい姿に正義の心!!!黒スライムのクロシュ氏、間一髪で聖女を救う!!!」ペラ
 風雪新聞「人でありながら悪を討つ!!!ダークヒーローイリス!!!!!!」ペラ
 風雪新聞「ダークヒーローイリス、人質の扱いに提言!!!我らが竜人姉貴、誇りを取り戻す!!!!」ペラ
 風雪新聞「革命軍総司令フラナ氏、突然降り注いだ天光により全身に全治一ヶ月の光傷!!!!!」ペラ

聖女「こ、これ本人らに許可は取っているのでしょうか……。少なくとも私は許可を出していないのですが……」ペラッ

 風雪新聞「ダークヒーローイリス、人質の扱いに提言!!!我らが竜人姉貴、誇りを取り戻す!!!!」ペラ

聖女「……! 王国の人質や捕虜の扱いを全面的に改善……健康で文化的な最低限度の生活を保証し、無用な暴力を禁ずる……!?」

聖女「こ、これは……」

ハーピィ記者「本当ですよ、ロイエ教の聖女さん」バサッ

聖女「きゃっ! き、記者さん!?」

ハーピィ記者「普段は誇張気味の記事を書いてますが、それは事実です。竜人の姐さんも、ガキ共に見せられない振る舞いはするなと魔族国全域にお達ししましてね」

聖女「……!」

ハーピィ記者「ふふ、案外良い方に向かうかもですよ。あんまり平和になり過ぎても記者的にはつまんないですけどね」

聖女「……」

ハーピィ記者「ほら、笑って笑って。子供たちのお姉さんであるあなたが沈んだ顔をしてちゃ、みんな暗くなっちゃいますから」

聖女「あ……は、はい……」ニコッ

ハーピィ記者「オッケーオッケー! それじゃあ私は次の現場に急行しますんで、また炊き出しよろしく!」バサッバサッ

聖女「あ……い、いってらっしゃーい……!」

淫魔の幼女「いってらっしゃーい!」

魔族の子供「いってらっしゃーい!」

魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ

聖女「皆さん……!」

淫魔の幼女「おねーちゃん、元気になった……?」

魔族の子供「えへへ、あのハーピィさんの新聞面白いもんね」

魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ

聖女「ふふ……はい」

 ◆
358 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:28:05.05 ID:957IQeFT0
―牢屋

旅行者の少女A「えええ!? お姉さん、マリー・セイントレア!!?」

旅行者の少女B「やっば、超有名人っつーか王族じゃん!!!!!!」

旅行者の少女A「さ、サインとかもらっていい系!?」

旅行者の少女B「てかあれっしょ! ドゲザ! ドゲザしなきゃ!!」

旅行者の少女A、B「ははーっ!!」ドゲザッ

マリー「い、いや……今はただの人質です。一般の方と一緒の部屋になるとは思っていませんでしたけど……」

旅行者の少女A「てことは、あたしたち王族と同格……ってコト!!?」

旅行者の少女B「やば!!! ウチら実質お姫様じゃん!!!」

旅行者の少女A「も、もしかして……マリーちゃん、みたいに呼んじゃっても良いとか?」

マリー「えっ……」

旅行者の少女B「や、それはまずいっしょ……! フケイザイだよフケイザイ!」

マリー「い、いえ……も、もう一回、お願いします」

旅行者の少女A「へ? ま、マリーちゃん?」

マリー「!!」

旅行者の少女B「マリーちゃん!」

マリー「!!!」


マリー(な、なんでしょう……。こんな風に呼ばれるのは、初めてで……)

マリー(私は……ずっと、憧れていたのかもしれません……)

マリー(みんなと、仲良くしたかったのに……王族だからって、みんな一歩引いて……)

マリー(……魔族なら、って思っても……王族だから、余計に嫌われるばかりで……)

マリー(でも、今なら……。ただの捕虜のマリーになった、今なら……)

マリー(誰かと……仲良く、なれるのかな……?)

 ◆
359 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:30:08.90 ID:957IQeFT0
クロシュ(それから……王国と新生魔族国は、いろいろと難しいやり取りを繰り返しているみたい……)

クロシュ(イリスさんが助けたはずのマリーさんが王国で死んだことになっているとか、本人が公式の場に人質として登場して王国内が大変なことになったりとか、いろいろ騒動はあるみたいだけど……政治のことは、よくわかんない……)

クロシュ(そして王国の騎士団に喧嘩を売ったわたしたちの罪は、ここ最近のゴタゴタで多分有耶無耶になった可能性が高いとかなんとか……)

クロシュ(とりあえず、安心して国の外に出ていくことはできそう……)

クロシュ(フメイちゃん……)

 ◆
360 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:31:11.88 ID:957IQeFT0
―数日後
 新生魔族国 表通り

 ワイワイ ガヤガヤ ダークヒーローイリス!!

包帯ぐるぐる巻きのフラナ「もう行っちゃうのね……」

イリス「はい……! 今までありがとうございました……!」ペコッ

クロシュ「ありがとう、ございました」ペコリ

妖精「魔族国がかつての栄光を取り戻せるよう陰ながら祈ってるよ」


ミスティ「……餞別って……本当に、こんなに良いの……?」

竜人の女性「おうよ! お前たち人間は体が弱ェ、それで美味いもん食ってしっかり肉を付けな!」

ムチムチラミア「こらぁ、女の子にお肉の話は厳禁よぉ……」

ムキムキオーク「ラミアはお肉付け過ぎだろ! 俺はもっとほっそりした体型の方が」

 ベギンッ

地に伏したムキムキオーク「」シュウウウウ…

イリス「あ、あはは……美味しいもの、いっぱい食べますね!」

ローガン「うむ……。ありがたく頂戴しよう。このパーティには育ち盛りが三人もいるからな」

ミスティ「……そうね。私も……少しは、脂肪を付けようかしら……」

 ☆お金をいっぱいもらいました
 ☆魔族国永久旅券(特定の国・地域では身分証明書としても使えます)を人数分もらいました

 *
361 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:32:13.94 ID:957IQeFT0
聖女「はあ、はあ……! クロシュさん!」タッタッタッ

淫魔の幼女「クロシュちゃーん!」タタタッ

魔族の子供「水臭いよー!」タタタッ

魔族国スライム「〜〜!」モニョニョ


妖精「あれは……聖女と、子供たちか」


聖女「はあ、はあ……。もう行ってしまわれるのですね……」

クロシュ「うん……」

淫魔の幼女「ずっとここにいれば良いのに……」

クロシュ「えと……」

聖女「聞きました……。大切なお友達を探しているのだとか……」

淫魔の幼女「えっ、そうだったの!?」

クロシュ「……うん」

魔族の子供「そ、そうだったんだ……。全然知らなかった……」

魔族国スライム「〜〜」モニョ

聖女「……クロシュさんが、一日も早くお友達を見つけられることをお祈りいたします……。どうか、ご無事で……」

クロシュ「ん……ありがと……」

聖女「そして……妖精さん」

妖精「え、私?」

聖女「私は……やはり、命は苦しめ合うばかりのものではないと、信じています」

妖精「……」

聖女「妖精さんの言い分ももっともです。しかし……ダークヒーローイリスの活躍で、魔族の方々の心証は少しづつ変化しつつあります……。苦しめ合うだけでない……互いに許し合い、憎しみを断ち切ろうとする、慈しみの心へと……」

妖精「……まあ、一時的にはそういうこともあるかもね」

聖女「私は……私たちは、これを一時的なもので終わらせはしません……! 必ず、この魔族国を、人と魔族が共に支え合い、助け合って暮らす国へと変えていってみせます……!!」

妖精「……そう」

聖女「だからいつか……またここに、来てくださいね。妖精さん自身の目で、心で、本当に変わったかどうか見届けてください。お願いします」ペコリ

妖精「まあ……いいけどさ……」

クロシュ「……わたしも……いい……?」

聖女「もちろんです……! クロシュさんも、是非いつかいらしてくださいね……! 待っています……!!」

淫魔の幼女「クロシュちゃんのこと、ずっと待ってるね……!」

魔族の子供「友達の子も、一緒に連れてきてね……!」

魔族国スライム「!」モニョモニョ

クロシュ「うん……!」

 *
362 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:33:11.80 ID:957IQeFT0
―新生魔族国 門

包帯ぐるぐる巻きのフラナ「気をつけていってくるのよー!!」

竜人の女性「死ぬんじゃねえぞー!!」

ムキムキオーク「また来いよー!!」

ムチムチラミア「元気でねぇ〜!!」

聖女「神のご加護を〜!!」

淫魔の幼女「ずっと待ってるからね〜〜!!」

魔族の子供「怪我しないでねーー!!」

魔族国スライム「〜〜!!」モニョモニョ!!



イリス「みんなも元気で〜〜!!」

ミスティ「さようなら……!」

ローガン「達者で……!」

妖精「……魔族国に、精霊の加護がありますよう」

クロシュ「……ありがと……!」


 強化ソリ「」シャーッ……


 ――魔族革命編 完
363 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:34:03.46 ID:957IQeFT0
クリアボーナス
↓1
01-60 運命賽(致命的な運命を辿った時、一度だけ直前の判定を振り直せる。一度使うとなくなる)
61-90 ↑+マジカルブラッドワイン
91-00 ↑+反魂丹
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 22:34:24.99 ID:9rc+TPzJ0
365 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 22:44:06.65 ID:957IQeFT0
というわけでクリアボーナスが欲張りセットに決定したところで本日はここまでです。魔族革命編、クリアおめでとうございます

いろいろと胸糞の悪いシーンの多い魔族国でしたが、なんとか後味の悪くなさそうな結末に着地したようで良かったです。酷い場合は炎上する魔族自治区から逃げるように脱出して次の国へ向かうルートなども想定されていたので、かなり良い感じに終わることができて本当に良かったです
次にどこへ向かうのかは、次の更新の時に選択肢などを提示しようかと思っております。もしかしたら国や地域、敵対ネームドキャラクター、汎用クリーチャーの募集などを平日にするかもしれません。その時はよろしくお願いします

それでは本日もありがとうございました。次回の本編更新も恐らく土日になるかと思います。よろしくお願いいたします
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 23:09:24.19 ID:9rc+TPzJ0

とりあえず穏便に済んでよかった・・・
マリー様本当はあっさり退場キャラだったのかな。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 23:15:10.79 ID:lTLlYz0FO
おつおつ
今後どうなるのかますます目が離せないですね
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 23:22:52.21 ID:JCIvASwGo
おつ
ダークヒーローイリス!ダークヒーローイリスさんカッコいい!
帰ってこれる場所が出来たのはクロシュパーティにとってとてもありがたい
まだ序章とはいえ綺麗にまとまってしかし謎は残りつつこれからも期待
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 23:25:01.69 ID:q05CC4mv0
乙です

予想以上にシビアな世界観&状況だけど、なんとかよくなった部分もあったし、ごく一部でも分かり合えたところもあって良かった
マリーさんもなんとか無事でなりより

ダークヒーローにされたり、いつの間にかリーダーになってるイリスさん、なんだか微笑ましい感じ
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/29(月) 00:08:46.34 ID:X4ModMSC0
乙です
なんとか色々あったけど何とかなって良かった
アリシラ?ちゃん性格変わってるぽいけどやっぱり別人格が乗り移ってるのかな
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/29(月) 01:13:39.81 ID:p4gyxvwiO

フメイちゃんも淫魔の幼女ちゃんもなんかクロシュちゃんに向ける感情が重いね?
いつもモニョモニョ言ってるスライム族がかわいいけど、どんな感じのスライムなんだろう
372 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/01(木) 00:01:44.26 ID:2Wg6n3hQ0
マリー様は本来あっさり死ぬか、生き残っても魔族たちにひどいことをされるかわいそうな運命を辿るはずでした
しかし反魂丹、イリスさんの精神性、復活時のクリティカル等、様々な要因が重なってかわいそうなことにはなりませんでした

多くの魔族にとって人間とは悪そのものであるため、人間でありながら人間を討つ決意をしたイリスはやや不可解な存在に映ったかもしれません。しかしそこで登場した『ダークヒーロー』という概念は魔族の子供たちの心を鷲掴みにしました
悪たる人の血を宿しながら、愛と正義に殉ずる哀しみの戦士イリス・プラネット。同胞を殺す度、心奥で流す血の涙は誰にも見せず。弱音も嗚咽も呑み込んで、彼女は悪を討つのでしょう――……

魔族国永久旅券を持っている限り、魔族国にはいつでも自由に出入りできます。特に集落を失って間もないクロシュにとって、帰る場所があるというのはとても心強いことかと思います
魔族国はこれから、少しづつ変わろうとしています。その変化の灯火がこれからどうなるかは、フラナや聖女や、魔族国に生きる者たちにかかっています。妖精の悲観した通りになるか、聖女の夢見る理想に近付けるか――。魔族国を出て再び旅路につくクロシュたちも、その先行きを案じていることでしょう

イリスさんは元気で人当たりが良く感情も豊かなので、自然と人々の中心になりやすいのかもしれません
なお我らが主人公クロシュ氏は良くも悪くも控えめで感情表現も得意ではないので、目立ちにくい方の子かもしれません……

アリシラさんは……どうしてしまったのでしょうか。ぼんやりスライムのクロシュちゃんにすら『様子が変』と言われてしまうほど変だったようです

フメイちゃんも淫魔幼女ちゃんも、クロシュちゃんのことが好きなようです。クロシュ氏は控えめなようでいて幼女たらしの悪いスライムなのかもしれません

このスレに登場するスライムの容姿については、基本的にはデロデロのゲル状粘体のような姿を想定しております。幼いスライムは体の再構成能力が未熟なため、発声器官を上手く作ることができず、モニョモニョといういわゆるスライム語しか話せません。ある程度以上の力を持ったスライムは自分の形状を自由に再構成できるため、発声器官を作って人語を話すことができるのです
クロシュちゃんも今はまだ力のない幼いスライムなので、気を抜くとスライムの姿になってモニョモニョ言い始めます。クロシュちゃんが通常のスライムを逸脱した高度な擬態能力を有しているのは、反映魔法という特殊な魔法のお陰なのです
373 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/01(木) 00:02:37.09 ID:2Wg6n3hQ0
というわけで、国や地域を募集したいと思います。その中から今のクロシュたちが目指したり滞在したりするのに丁度良さそうなものをピックアップして次の目的地候補とさせていただきたいと思います。よろしくお願いします

↓1〜 23:59:59まで

〈国名〉
概要:
産業:
情勢:


■参考:
〈魔族国〉
概要:
 王国領北西にある独立都市国家。知性ある魔族たちによって統治されている。
 多様な種の魔族が協調して暮らしており、生活水準は高め。
産業:
 魔法、手工業、性産業、服飾が盛んだが、現在は国内での自給的な生産・消費に留まっている。
 特に蜘蛛絹を用いた衣料品が人気だったが、革命後は輸出量が大幅に絞られており、国外における蜘蛛絹需要は上昇傾向にある。
情勢:
 先日の魔族革命により駐屯していた王国騎士が壊滅し、主権を取り戻した。
 未だ革命直後の混乱が残っているが、治安は革命以前より大きく向上している。
 現在は王国との緊張状態が継続している為、出入国には厳格な審査を経る必要がある。

〈オノゴロ諸島〉
概要:
 大陸から遥か東の海域にある島国。代々続く姫巫女の血筋によって統治されている。
 大陸とは異なる独自の文化を発展させており、その独特の雰囲気から旅行者の間で密かに人気がある。
 忍術や妖術といったこの地域特有の魔法(?)もあり、これの習得や研究を目当てに訪れる者もいる。
 また、他の国とは異なる進化を遂げた魔の者妖怪≠ェ存在する。
産業:
 温泉、忍術、妖術、鉄鋼業(特に刀鍛冶)が盛ん。
 刀剣の品質は世界最高水準と言われており、それを求めてここを訪れる剣客も少なくない。
情勢:
 近年、国の中心に聳える霊峰の神域が荒廃し、その影響で闇に属す者どもが勢力を伸ばしつつある。
 当代の姫巫女は原因の調査や闇の勢力への対処に尽力しているが、今のところ芳しい成果は挙がっていない。
 未だ成果を挙げられない姫巫女の求心力も低下しつつあり、霊峰のみならず人心も荒廃し始めている。
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 02:01:46.64 ID:UWQm3qZuo
〈セクリエ・ロイエ〉
概要:全世界に信者を抱えるロイエ教の総本山。定住しているのは高位の神官を中心にそこまで多くなく、国内人口の大半は巡礼の一時滞在者。魔族の数は人口の1割ほどだが表立った対立はなく、同じ神を信仰している(魔族は力ある種族、高貴な種族が多い事も関係している)
産業:神の奇跡を込めたお守り。ちょっとした幸運を呼ぶものから死者を呼び戻す、世の理に触れるものまで。
外貨を得る流れは他に建築物の観光くらいで、あとはほぼ寄付で賄われている。
情勢:混乱を増す世界情勢に対し、今こそロイエ神の名の下に世界を一つにするべしという急進派が台頭し、穏健派の現教皇と裏で対立している
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 17:07:18.14 ID:zRi2fl6Ho
〈港湾都市ウォーターポート〉
概要:
王国南西部の海に面した大きな港町。王国内外をつなぐ主要な玄関口のひとつ
いつも多くの人で賑わい、外国の物や文化が入ってくるせいか、どことなく異国情緒が感じられる

産業:
王国の輸出入の要となっているほか、漁業も盛ん
ここを中継地点として利用する観光客や旅人も多いため、そういった人たちを狙った珍しい土産物屋や旅人向けの店も多い
世界中から多様なものが集まってくるため少し変わった品揃えが見られる

情勢:
噂では、近海にこの港を利用する船を狙った海賊が出没するようになり
それを恐れて輸送船も漁船も本数が減っているらしい
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2024/02/01(木) 19:06:30.47 ID:nRB60+y6o
〈トウゲン帝国〉
概要:王国から北方、海を挟んだ別の大陸を支配する中華風の国家
国を興した初代皇帝は魔族を后とし人・魔間の融和に努めたという建国神話が残されており、魔族も普通に国民として生活している(少なくとも王国ほど表立った差別や対立はない)
華美であることを美徳とする独自の価値観があり、地方都市であっても他国の中心都市に匹敵する程の発展ぶりを誇るが
その分貴族・裕福な市民とそうでない庶民の貧富の差は激しく、スラム街も各地に存在する

産業:宝石や金細工といった宝飾品、独自の食文化が特に有名
中でも最南端の港湾都市〈ミンコン〉は美食の街として名高く、絶品料理を味わうためだけにここを訪れる旅行者も多いとか

情勢:過激な人族、及び魔族至上主義者によって結成されたマフィアがスラム街を中心に小競り合いをしながら勢力を拡大しつつある
近年は都市部においても活動が確認されており、国軍も手を焼いているようだ
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 19:17:33.80 ID:MdQzoHHg0
リテン・ヘイブン
概要:
王国から北の海に存在する島 かつては王国の犯罪者の流刑地であったが、いつしか犯罪者達に占拠されて半ば独立国家のようになった過去がある 現在でも何らかの事情で故郷にいられなくなった犯罪者者や逃亡者や亡命者が最後の逃げ場所とばかりに種族問わず集まってきている歓楽街
産業:
場所柄だけに他の地域では非合法な商品・あるいは曰く付きな商品が集まり、普通の賭博を楽しめる表カジノ・時には命を賭け合う過激な賭博を行ったり見学できる裏カジノ、どんな性癖持ちも満足できる多種多様な娼館等といった他の地域では
中々楽しめない産業で外貨を稼いでいる また各地から特殊な事情を持つ人々が集まってる関係上ガセ情報から国家機密レベルの情報まで多種多様の情報も売り買いされている
もちろんそういった怪しい部分に関わらないで小規模な農業や漁業でひっそりと自給自足して生活している人たちや普通の飲食店や宿屋を経営している人達もいる
情勢:
ここを追われたら他に逃げ場所が無い者が多く集まっているためか治安は意外と安定している しかしそれは後ろ盾の無い一般人レベルの話で上位の財力を持っている者達は独自の私兵を用意して派閥を形成し緊張状態が続いており、
また観光客に扮したスパイや暗殺者が紛れ込んでおり、人や情報をめぐって密かに争いあっている
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 19:38:46.50 ID:sr/9NWia0
機械都市テンペスター
概要:王国の南に位置する都市、機械産業が発展しており工場が数多く立ち並び、日夜様々な兵器や武器が開発されている。

産業:ここで作られる機械仕掛けの武器や兵器の性能は高く、様々な国が国防のためにここの製品を求めている。

情勢:腕があれば種族問わず活躍できるため、治安は比較的良いが、武器を横流しする闇市場も少なからず存在する。
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 20:55:25.56 ID:pDxJG3ETO
温泉町トウゲン
概要:山奥にある温泉町。そこかしこから温泉が沸き、観光地として人気。
産業:温泉は勿論のこと、宿や美味い料理や酒も人気。
情勢:治安はいいが、最近温泉の出が悪くなっており、魔物の仕業だと噂されている。
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 20:59:54.21 ID:AqkISvtu0
芸術都市ミュージア

概要:王国西部に位置する都市。芸術、及び芸能活動が盛んで、美術館や劇場などが至る所に立ち並んでいる。
芸術家や役者、歌手などを志す者にとっては憧れの街であり、この街で成功した者たちは皆、巨万の富と名声を手にしている。

産業:最近では少年少女たちが歌って踊るステージが人気を集めており、彼らまたは彼女らは"アイドル"と呼ばれている。
人気のアイドルともなれば熱狂的ファンも多く、ステージを見に遠方から駆けつけるファンもいるほどである。

情勢:今までは平和そのものだったが、アイドル達の人気に伴い様々な迷惑行為をする過激なファンが増えているという。
そのため、最近ではそういう連中の対処を冒険者に頼む事も多いようだ。
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 21:10:24.22 ID:y4HN3Neno
〈国名〉大魔女帝国
概要:空中機動要塞上にある独立都市国家。大魔女と呼ばれる強大な独裁者によって支配されている。大魔女の魔翌力によって空中機動を含むインフラの全てが運営されている。国民は大魔女のファンであり、大魔女は国民のことを愛しているアイドル国家。洗脳国家ともいう。入国条件は各国に置かれた大使館に申請した上で大魔女への愛を語る面接にクリアすること、要塞が迎えに来てくれる。割りとガバガバ入国できる。

産業:エンタメ産業が発達しているが、作品は大魔女が主役の映画や漫画、オペラ、小説など偏りが見られる。また、大魔女の教えにより魔法アイテム産業が盛ん。

情勢:長命の大魔女による独裁のため、政治は非常に安定しているが、他国の日照権を奪うわ国民という名の信者が布教してくるわ迷惑国家の誹りを受ける。大魔女暗殺未遂など事件の大半は専ら外国勢力によるもの。
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 21:20:05.86 ID:BWniqWVDO
〈オリシン王国〉
概要:大陸北東部に存在する国。世界で最も長い歴史を持つ最古の国の一つであり、各地に古代の遺跡やダンジョンが存在している。
また一方で「本の国」とも呼ばれ、首都に存在する世界最大の大図書館をはじめ、見られない本が無いと言えるほど、古今東西の本が閲覧・購入が可能である

〈産業〉
基本的な産業は自国で補う自給率の高さが特徴だが特に、遺跡の観光や欲しい本を目当てに集まる観光客や遺跡の探索者を相手にした商業が盛んであり、たまに遺跡から発掘された掘り出し物がオークションで取引されていたりする。
〈情勢〉
政治的には最近国王が幼い兄弟姉妹を残して亡くなり、権力争いが起こっている。 なお、当の兄弟姉妹同士は仲良しでお忍びで街に遊びに繰り出していたりする。
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 22:33:45.86 ID:W8vOxtYzO
〈ユーシリア帝国〉
概要:王国の東にある帝国
遥か昔に死闘の末に魔王を討伐した英雄が初代皇帝となり、建国したと言われている
初代皇帝が魔王討伐時の仲間の一部が、筆頭貴族となり、その内のいくつかの家は現在まで存続しており、魔王復活に備え先祖の武具や魔法を代々伝承し続けているとされている
しかし現在は問題をいくつも抱えておりそれなり程度の国の一つとなっており、国際的な発言力も低下中

産業:国内に肥沃地帯や港を抱えており、近海に優良な漁場も抱えている
そのため、食料の輸出や交易が盛ん
現皇帝が各種産業への魔法技術の活用を推進しており、その分野で芽が出つつある
長い歴史を持つため、古い遺跡や文化遺産、書物・文物があり観光業や留学生受け入れも盛んだったが、国内情勢の悪化により減退しつつある

情勢:十数年前までは、圧倒的な武勇を誇り建国の英雄の生まれ変わりとまで言われ、国民から絶大な人気を誇っていた前皇帝のもと、安定した情勢を保っていた
しかし遠征中に魔王復活を叫ぶ魔族達の襲撃により殺害
ほぼ同じくして帝位継承第一位が病により倒れ、魔族の呪いと噂されるようになる
それにより、後継者としての教育を受けて来なかった現在の皇帝が急遽即位
即位してすぐに、魔族排斥を訴える国民達に対して軽はずみに魔族の排斥を止めるよう発したことで国民の反発を招く
そして帝国内の混乱を見た近隣各国が帝国の肥沃な土地と財産を求め侵攻、帝国はかなりの領土を失う
この一連の流れにより、現皇帝の国民からの信頼は完全に失墜
皇帝の座を欲して、魔族と手を組んで偉大な先帝と肉親を手に掛けたとの噂まで流れ、帝国史上最低の愚帝とまで言われるようになる
一方で、現在の情勢は先帝の無理な外征と、国内の発展や後継者教育を怠ったことが主要因とし、現皇帝はそのツケを支払っているだけと見る者
現皇帝は配下の才覚を的確に見分け、公正明大な国政を行い、先帝よりも優れていると見る者もいる
皇帝の人となりを知る近しい人からは、彼を強く信頼するものが多く見受けられる
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 23:24:28.25 ID:5QsuC29AO
国名:国際商業都市イスファハーン
概要:世界の半分と言われしめるほど富を集積した国際都市
そして世界で最も貧富の差がある国家でもあり、世界一の大富豪が在住している傍ら各地にスラム街が広がる
世界一の高さを誇るタワーがあり、それが国家と富の象徴
御三家と呼ばれる大富豪一族の合議制をとっている
国家の華やかさと暗部のコントラストが最も激しい通称欲望と絶望の国
産業:商業が発展しており何でも売っている
農作物や鉱物、果ては奴隷、兵器、内臓など誰かが欲しいと思ったものは必ず揃えられる
情勢:とある御三家の一角は兵器武器の輸出目的で各国の紛争の裏で暗躍しており、子飼いの諜報機関やテロリストも存在する
現在、御三家同士の権力争いが激化しており、様々な思惑が暗躍する不安定な状況にある
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 23:31:02.74 ID:F6CtSJ7VO
〈テラヌス・ウルス〉
概要:荒涼とした砂漠地帯に位置する国家。多様な部族が共生しており、各部族の首長による議会制をとっている。
魔族に対しては寛容で部族も存在するが彼らは少数派で影響力は低い。
産業:良質な魔石の鉱脈が存在し、それらを用いた魔道具や魔術と過酷な環境に鍛えられた屈強な傭兵で外貨を得ている。
国内には傭兵を鍛えるための錬兵場も存在し訓練を受けることもできる。
また性には開放的で風俗業も盛ん。
情勢:
各国に対し中立を宣言しているが近年は干ばつによる水不足が深刻化しており、水の安定供給のために中立を捨てるべきという派閥が台頭しはじめている。
国内の治安は現在良好だが、中立を捨てるなら人間と魔族の間で対立が発生する可能性はある。
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/01(木) 23:51:52.65 ID:ASEPbOy40
〈緑の国フォレスティナ〉
概要:王国のある大陸の巨大森林地帯にある、多種多様な種族が暮らす国
人間や亜人、妖精や魔族、精霊やはてはドラゴンまで、様々な存在がいる
四年に一度の選挙で代表者を選び政治を取り仕切る
森の中心には世界樹と呼ばれるてっぺんが見えないほどの巨大な木がある
一説には世界樹の上は天界に、根は星の中心に繋がっているとされる
世界樹近辺は聖域とされ、濃密かつ清浄な魔翌力が満ち溢れているが、世界樹の結界により一部の人物しか出入りできないようになっている
産業:森の恵みによる食料による自給自足が主
一部で食料や質の高い工芸品を輸出し、対価で森では手に入らない物資を輸入している
情勢:意外にも外からの来訪者にはそれほど排他的でもなく、国外から訪れる人もそれなりにいる
ただし森を荒らすと精霊達にポイッと追い出されるらしい
魔翌力が濃密で精霊と触れる機会も多いため、魔法の修行には最適
四年に一度の選挙ではいろんな種族の者たちが様々な手段で得意分野をアピールする、一種の大きな祭と化しており、それを楽しみにしてる人達も大勢いる
387 : ◆eAA16RTlRw2e [sage saga]:2024/02/02(金) 00:02:07.79 ID:+Cy+Pbt60
皆さま、たくさんの案をありがとうございます。全ての場所を登場させられるかはわかりませんが、是非とも使わせていただきたいと思います
また事後的な通告となってしまい申し訳ないのですが、世界観や設定に合わせて内容を若干程度変更させていただくことがあります。ご了承くださいませ(ダメな場合は早めに連絡をお願いします)

敵対キャラクターや汎用クリーチャーの募集もしようかと思っていましたが、そちらは展開に沿って都度募集をした方が良さそうな気がしたので今回は見送りといたします
本編の更新は予定通り土日に行いたいと思います。よろしくお願いいたします
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/02(金) 00:50:32.80 ID:53IQCQFbo
了解報告おつー
389 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:07:35.65 ID:3BZznijO0
 ◆

―数日前 夜
 新生魔族国 宿 ロビー

ローガン「魔族国を出たらこのパーティはどこへ行く予定なのだ?」

イリス「あー、ええと……実はまだ、決まっていないというか……」

ミスティ「……このパーティ、明確な目的地はないのよね。強いて言うなら、捜し人のいるクロシュだけど……」

妖精「クロシュの捜し人もどこにいるかわかってるわけじゃないしねえ。まあ、適当に近辺を巡って聞き込みでもすれば良いんじゃない?」

クロシュ「……えと……ごめんなさい……」

イリス「いやいやクロシュちゃんが謝ることなんて何もないって! 元からそういうつもりのパーティだもん! ね?」

ミスティ「ええ……。私も目下の目的があるわけじゃないから、付き合ってあげるわ……」

ローガン「うむ……。私も行く宛のない流浪の身だ。正式にパーティ入りした今、異論などあるはずもない」

妖精「だってさ。良かったねクロシュ」

クロシュ「……ありがと、ございます……」ペコ

ミスティ「いいのよ……」ナデナデ

ローガン「うむ……」

 *

イリス「……とは言っても、聞き込みだけじゃ埒が明かないんじゃないかなあ……」

ミスティ「地道にやっていたら何年もかかってしまうかもしれないわね……。フメイ自身も恐らく定住はしないでしょうし……」

ローガン「そのフメイ殿が人間の絶滅を望む炎魔法の使い手だというのなら、この先何らかの過激な行動を起こすかもしれぬ。その後を追うというのはどうか」

イリス「で、できれば何かを起こす前にお話したいです、私は……」

妖精「それなら占い師とかを頼ってみるのはどう?」

ミスティ「占い……。妖精はアテがあるの?」

妖精「ないわけじゃないけど……私の知ってる奴は屑だからやめといた方が良いよ。あなたたちは?」

イリス「うーん……運命に関わる属性は希少中の希少らしいし……」

ミスティ「私も知らないわ……。ローガンさんは?」

ローガン「私もわからぬ……」

イリス「ううーん……あ!! 大魔女とか、どうかな!?」

妖精「ええ……」

ミスティ「だ、大魔女って……」

ローガン「もしや、大魔女帝国の……」

イリス「そ、そう! 大魔女はあらゆる属性に精通してるって話だし、占術魔法も使えるんじゃないかな……!?」

ミスティ「……入国する為に各国の大使館を巡るの? 今から?」

イリス「あっ」

ローガン「トウゲン帝国やオノゴロ諸島といった大陸外の国の大使館まで巡らねばならんとなると……今から目指すのは現実的ではないな……」

妖精「……占いの線は厳しそうだね、こりゃ」
390 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:08:03.28 ID:3BZznijO0

 窓「」ガラッ
ハーピィ記者「どうもこんばんは!!」ヌッ

妖精「うわああ!!」コテッ

クロシュ「!」ビクッ

ミスティ「い、いきなり何!?」

イリス「あ、あなたは……私を勝手にダークヒーロー扱いしてる悪徳記者!!」

ハーピィ記者「心外だなあ、人と魔族の架け橋となる記事を書いてるだけなんですから大目に見てください」

イリス「ま、まあ嫌われてるわけじゃないから別に良いですけど……」

ローガン「……それで、ハーピィの記者殿がなぜここに? 号外というわけでもなさそうだが」

ハーピィ記者「そこのクロシュちゃんの探し人の目撃情報と、ついでに次の目的地を盗聴して来たのでそのご報告を」

クロシュ「!!」

ハーピィ記者「ふっふっふ、それはですね――」


↓1〜 先に2票入ったもの 道中イベントはどれも自由安価×1、ランダム×2で統一します
1.宗教国家セクリエ・ロイエ(>>374
2.ユーシリア帝国(>>383
3.緑の国フォレスティナ(>>386
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 18:10:16.68 ID:TioO6gXI0
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 18:14:22.82 ID:tYqeAADd0
3
393 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:41:54.44 ID:3BZznijO0
ハーピィ記者「――フォレスティナです!」

妖精「えええええ!!!!?」ドテッ

イリス「フォレスティナ……! 世界樹があるっていう……!」

ハーピィ記者「ええ、そのフォレスティナです。今現在、彼女らはそこを目指しているようです」

ローガン「……不可解だな。人を滅ぼすつもりなら他に人間が繁栄している国などいくらでもありそうなものだが……なぜよりにもよって人の多くない緑の国を……?」

ミスティ「……まさか、世界樹を焼き滅ぼそうなんてつもりじゃ……」

妖精「……フメイの火は強力だけど、世界樹を死に至らせるのは到底無理だよ……。だからその心配はいらないと思う……」

ハーピィ記者「それじゃあ私は伝えましたので! 皆さんの旅路が良いものであることを祈ってますよ!」バサッバサッ


クロシュ「……フォレスティナ……」

ミスティ「まあ何にせよ、次の行き先は決まったわね……」

ローガン「うむ。森歩き用の装備を整えねばな」

イリス「いざ、緑の国フォレスティナ!」


妖精「うげぇ……フォレスティナかぁ……」ドンヨリ

 ◆
394 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 18:46:58.46 ID:3BZznijO0
―とある夜
 街道沿い 野営地

 焚き火「」パチパチ…

フメイ「……」

アリシラ?「もー、落ち込むくらいなら無理矢理にでもクロシュちゃんを引っ張って来たら良かったのに」

フメイ「……落ち込んでなんか、ない」

アリシラ?「いやいや、どう見ても落ち込んでるよ〜。それにクロシュちゃんなら、フメイちゃんがもっと食い下がって無理を言えば一緒に来てくれたかもよ?」

フメイ「……クロシュの優しさにつけ込むのは、嫌。それに……優しいクロシュが、フメイたちと一緒に来たら……きっと、いっぱい傷付く……」

アリシラ?「頑固だねえ。フメイちゃんがクロシュちゃんを大事にしたいのはわかるけどさ……。人類殲滅もクロシュちゃんのためなんでしょ?」

フメイ「……別に、クロシュのためだけじゃない。フメイだって人間が嫌いだし、フメイたち以外にも人間に苦しめられている種はいっぱいいる。人間がいなくなれば……」

アリシラ?「人間がいなくなっただけで、本当に世界が平和になると思う?」

フメイ「……」

アリシラ?「うふふ……見たよね? 憎さのあまりに子供や赤ん坊ですら串刺しにしてげらげら笑っていた魔族たちの姿を……」

フメイ「………」

アリシラ?「あの残虐性が、はぐれ者のクロシュちゃんやフメイちゃんに向けられることはないって断言できる?」

フメイ「…………」

アリシラ?「フメイちゃんの敵はねえ……人間だけじゃないんだよぉ。フメイちゃんは、クロシュちゃんに害をなそうとする全てを焼き滅ぼさなきゃいけないの……」

フメイ「………わかってる」

アリシラ?「自分の力だけじゃ、敵を全て滅ぼすのが難しいのもわかってるでしょ?」

フメイ「…………」

アリシラ?「下劣で狡猾で残虐な輩は、どこにでも、いくらでも、この世界に潜んでるの。そいつら全てを焼き滅ぼさなきゃ、クロシュちゃんが本当に安心して生きられる日なんて永遠に来ないんだよ……」

フメイ「…………」

アリシラ?「うふふ……焼き殺したいよね? でも、それが難しいのもわかるよね? じゃあ……どうしたら良いと思う……?」

フメイ「…………わかん、ないよ……」

アリシラ?「ふふ……。じゃあ、教えてあげる。フメイちゃんがどうしたら、クロシュちゃんが平和に暮らせる世界を作れるか」

フメイ「……?」

アリシラ?「というわけで、次の行き先はフォレスティナに決まり!」

フメイ「……なんで?」

アリシラ?「うふふふ……その時が来たら教えてあげる……」

フメイ「…………」

フメイ「あなた……誰?」

 ◆
395 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 19:56:49.59 ID:3BZznijO0
―緑の国への旅路
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・自己強化の練習をする[2/3]
……………………………………………………………………………………
―街道

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「緑の国へは……常闇の樹海沿いの街道をずっと行くと、緑の大森林の入口に着くんだよね」

ミスティ「森林に入ったらソリはどうしようかしら……」

妖精「フォレスティナまでは森林内でも街道が整備されてるから普通にソリで走れるよ。前と変わってなければね」

イリス「妖精さんは行ったことがあるの? ていうかもしかして出身だったり?」

妖精「黙秘」

 *
396 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 19:57:17.09 ID:3BZznijO0
イリス「それにしても色々貰っちゃったなあ……。反魂丹まで……」

ミスティ「私たちが使うためのものだったのにマリーさんに使わせちゃったから、って言ってたわね」

ローガン「律儀な方だ。そういうところが人望に繋がっているのだろうな」

クロシュ「……この、赤いのは……?」

 赤い液体が入った瓶「」チャプ

イリス「これは……マジカルブラッドワインっていう吸血鬼用のお酒、なんだって……」

ミスティ「……まさか、血が入ってるんじゃ……」

イリス「あ、そこは大丈夫みたい! これは非吸血種の子供でも飲めるように血を使わないで度数もかなり低くしたものみたいだから」

ローガン「ふむ……。私は度数が高い方が好みだが、名前からするとこれは君たち魔法使いに適したものなのだろう?」

イリス「そうみたいです。飲むと一時的に魔力の生産量と出力量が大きく上がるんだとか。人間が使う場合は体への負担もあって多用は厳禁みたいなんですけど」

ミスティ「一本しかないのなら多用する心配はないわね。ここぞって時に使いましょう」

イリス「うん。フラナ師匠がくれた餞別の品、大事に使わなきゃね」


妖精「……ん? 餞別袋の底の方にまだ何かある」ゴソゴソ

 石の賽「」コロン

クロシュ「……? いし……?」

ミスティ「石の……立方体ね」

ローガン「面には何も描かれていないが、大きさからするとサイコロのようにも見えるな」

イリス「なんだか、不思議な魔力を感じる……。何だろう、これはフラナ師匠からも聞いてないけど……」

妖精「……何かの加護がかけられてるけど……何だったかな、この感じは……」

イリス「う〜ん……わかんないや! でも悪い感じはしないし、大事にとっとこう!」

ミスティ「そうね。フラナさんたちが悪いものを渡すとも思えないし、次に会った時にでも聞いてみましょう」


 強化ソリ「」シャーッ


↓1 ランダムイベント
01-05 野生の魔王が現れた!!!!
06-20 襲撃
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-65 自生する果物(おいしい)
65-80 良いもの発見(自由安価。道具限定)
81-95 良いもの発見(自由安価。道具に限らず人やスポットでも可)
96-00 旅の仲間
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 19:58:33.64 ID:7m/pgekFO
398 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 20:58:06.59 ID:3BZznijO0
 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「ふう……」

イリス「お疲れ様!」

ミスティ「あなたも。風魔法で移動を補助してくれてたでしょ?」

イリス「えへへ、まあ……。できることないかなって思って」

ミスティ「氷魔法は使えないの?」

イリス「だめみたい。氷と闇はどうにも……」

ミスティ「……言っては何だけど、あなたが氷まで使えなくて良かったと今思ってしまったわ」

イリス「あ、あはは……もし使えたとしてもミスティには敵わないよ。所詮は器用貧乏だからね」

ミスティ「平均レベルより上だと思うわ。何にせよ、とりあえず今は休憩にしましょう」

妖精「はーい」

スライムクロシュ「〜」モニョ

ローガン「私は周辺を警戒していよう」

 *

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「ん? なあに?」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「あっち? ああ、あれのこと?」

 森林木苺「」

スライムクロシュ「〜」モニョ

ローガン「おお、これは……!」

イリス「わあ、綺麗な木苺!」

ミスティ「美味しそうだけど……これは本当に木苺なの? 良く似た毒苺ってことはない?」

妖精「これは緑の大森林で採れるやつだね。人間が食べても大丈夫なやつだったと思う。多分」

ミスティ「多分……」

スライムクロシュ「〜〜」モグモグ

妖精「ほら、クロシュも平気で食べてるでしょ」

ローガン「クロシュくんはスライムだと思うのだが……」

イリス「……よし! 妖精さんが大丈夫って言ってるんだから大丈夫だよ!」プチッ

 モグモグ

イリス「あ……」

ミスティ「あ……?」

イリス「あま〜い!!」

 ☆森林木苺を食べて元気になりました
  この道中の次の戦闘時、コンマ+15

 ◆
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:11:24.71 ID:MsVjwJcEO
氷や闇は星と相性悪い? それともイリスの性質かな?
400 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 21:20:57.99 ID:3BZznijO0
―夕方
 関所 王国領側

 ワイワイ ガヤガヤ

露店A「安いよ安いよ〜」

露店B「今なら森歩きの靴がなんと銀貨一枚!!!」

露店C「マナポーションはいらんかね?」


 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「ここが……関所みたいね」

イリス「けっこう賑わってるなあ。観光地だからかな?」

ローガン「今年は四年に一度のフォレスティナ首長選挙があるらしい。それで人が多いのかもしれんな」

妖精「とりあえず王国領を出ようよ。私もクロシュも王国領にいると息が詰まる」

ミスティ「そうね……。それじゃあ妖精は隠れて、クロシュは犬か何かに擬態していて」

クロシュ「ん」コク

 *

―夕方
 関所 森林側

 木々「」サワサワ

イリス「わあ……こっち側はもうかなり森って感じだねえ」

ミスティ「地図によると、ここから緑の大森林……つまりフォレスティナ領ということみたいよ」

ローガン「ふむ。フォレスティナの首都までこの森林地帯が続くというわけか」

ミスティ「そういうことみたいね……。それにしても……」

 ワイワイ キャッキャ

森妖精A「フォレスティナにようこそ、旅人さん!」ヒラヒラ

森妖精B「えっへへ〜楽しんでいってね〜」ヒラヒラ

森妖精C「ねえねえ旅人さん、フェアリーシロップ欲しくない? ねえ欲しくない?」ヒラヒラ

森妖精D「妖精のお宿ですよ〜。妖精さんのせいいっぱいのご奉仕付きですよ〜」ヒラヒラ

 ワイワイ キャッキャ

ミスティ「……こっちもこっちで、賑やかね……」

イリス「そ、そうだね……。森の妖精さんは、積極的というか……」チラ

妖精「はあ……王国領にいるよりはマシだけどさ……」

ローガン「妖精殿は森の妖精が苦手なのか?」

妖精「別に……。ただ、相容れないってだけ……」

犬クロシュ「……」ペロペロ

妖精「うひゃあ! 急に舐めるな!!」


森の関所で一晩過ごします
↓1 どこに泊まる?
1.妖精のお宿(お金が減りますが、お元気になります)
2.野営(お金が減りません)
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:22:08.07 ID:65n6n0fxo
1
402 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 21:42:20.25 ID:3BZznijO0
イリス「今夜は妖精さんのお宿に泊まろうよ! 竜人姐さんも美味しいもんいっぱい食べろって言ってたし……!」

ミスティ「私も同意するわ。せっかく頂いたお金だもの、有意義に使いましょう」

ローガン「私も異論はない。心地良い環境での休息は良き活力となろう」

妖精「まあ……良い寝床なのは確かだと思うよ、うん……」

犬クロシュ「ハッハッハ」

ミスティ「……もう人やスライムの姿に戻って良いわよ、クロシュ……」

 *

―妖精のお宿

お宿の妖精たち「せっせせっせ」パタパタパタパタ


イリス「わぁ〜、小さい妖精さんたちが一生懸命働いてる……! かわいいなあ」

妖精「そういう視覚効果を狙った宿だからね。かわいく見せてるんだよ」

イリス「そ、そういうこと言うのやめてよぉ〜」

妖精「事実だもん。これでお金を落とす妖精性愛者が後を絶たないんだから。下品な商売だよ」

ミスティ「妖精はもうちょっとこう……言葉を選べないのかしら……」

妖精「これでも選んでる方なんだけど……」

ローガン「ううむ……。かわいいと思ってしまうが……それが意図されたものだと聞かされると、なんとも言い難い痒さがあるな……」

イリス「あれ? そういえばクロシュちゃんは?」

ミスティ「……あそこでお宿の妖精たちに囲まれているわね……」


スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

お宿の妖精A「わぁ〜黒いスライムさんだあ〜」

お宿の妖精B「黒くて綺麗でかっこいいです、お客様……」

お宿の妖精C「スライムさん向けのマッサージしてあげるね」フニフニ

スライムクロシュ「///」モニョニョ


妖精「何をやっているのあの馬鹿スライムは……」

妖精のお宿に一泊します
↓1〜3 自由安価 宿泊中何をする?
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:43:39.13 ID:TioO6gXI0
女性陣、温泉タイム
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:45:29.37 ID:07D4fN/So
クロシュ変身能力を戦闘用に磨く
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:45:57.54 ID:7m/pgekFO
冒険者ギルドで依頼探し
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:46:28.59 ID:7cH0PawQ0
星の魔翌力を読んでみる
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 21:46:33.14 ID:kpzElX0qo
お宿の妖精とうちの妖精さんとの会話
(あくまでお客様対応なのか、同族ぶっちゃけトークとなるのか)
408 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 22:26:58.29 ID:3BZznijO0
―妖精のお宿 温泉

 カポーン…

スライムクロシュ「〜〜」デロデロ

妖精「だから溶けてるってば」ペチペチ

イリス「あはは、クロシュちゃんってお風呂でいつも溶けそうになってるよね」

ミスティ「ふふ、気持ち良さそうよね。私もお風呂で溶けちゃいたいって思うことが時々あるわ……」

イリス「えっ」

ミスティ「え……」

妖精「……」

ミスティ「……な、ない? そういうの」

イリス「……ど、どう、かな……。私は……ない、かも……」

ミスティ「……よ、妖精は……?」

妖精「大気に溶けちゃいたいって思うことはあるけど……お風呂はないかな」

ミスティ「そ、それは私もわからないわね……」

半スライムクロシュ「……えと……わたしも……溶けちゃいたいとき……ある、よ……」モニョ

ミスティ「クロシュ……! クロシュならわかってくれると思ったわ……!!」

半スライムクロシュ「え、えへへ……」モニョニョ

 *
409 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 22:27:40.61 ID:3BZznijO0
―同刻 男湯

 カポーン

ローガン「ふう……。若い女性ばかりのパーティの唯一の男というのは、誉れ高い立場ではあるが……しかし、気疲れするな……」

ローガン「考えても見れば、あの子らは皆未だ20にも満たない子供たちか……。私の責任は重いな……」

ローガン「……フッ。どうせ生きる価値などない身だ。命を賭して、あの子たちの盾となれれば本望……」

 ガラッ

お宿の妖精「お客様ぁ、熱燗をお持ちいたしましたぁ〜」パタパタ

ローガン「む、ありがたい……」

お宿の妖精「お注ぎいたしますねぇ」

 熱燗「」トクトク

ローガン「感謝する……。いただこう」グビッ

お宿の妖精「わぁ、良い飲みっぷりですぅ」

ローガン「はっはっは、温泉でやる一杯はやはり格別だ!」

お宿の妖精「うふふ……お客様ぁ……追加サービスに、お夜伽はいかがですかぁ……?///」ピラ

ローガン「…………」

ローガン「」グビッ

ローガン「君はとても可愛らしく美しい妖精だが……私が愛するのは、亡き妻ただ一人……。丁重に断らせて頂こう……」グビグビ

お宿の妖精「わぁ……素敵な旦那様ですぅ……///」

ローガン「フッ。私は鋼属性ゆえ、誘惑には強いのだ」グビグビ

 ◆

―夜
 お宿の庭

スライムクロシュ「……」モニョモニョ

 小盾「」

スライムクロシュ「……」モニョモニョ


妖精「温泉を出てから見かけないと思ったら、こんなとこにいたの」パタパタ

スライムクロシュ「!」モニョ

妖精「ああ、前に武器屋で教わったやつね。できそうなの?」

スライムクロシュ「〜」モニョ

妖精「あと少しなの? じゃあ見ててあげるから、やってみて」

スライムクロシュ「〜」モニョ


↓1
01-95 成功
96-00 ??
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 22:29:29.76 ID:7cH0PawQ0
411 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:01:49.94 ID:3BZznijO0
スライムクロシュ「……」モニョニョ…

スライムクロシュ「!!」

 カッ!

盾を背負ったスライムクロシュ「!」ジャキンッ!


妖精「へっ?」

盾を背負ったスライムクロシュ「?」

妖精「……なんか、かたつむりみたいになってるよ?」

盾つむりスライムクロシュ「??」モニョニョ


風呂上がりローガン「何やら鋼の気配を感じて来てみれば……素晴らしい姿ではないか、クロシュくん!!」ホカホカ

妖精「うわっ! なんかちょっと酒臭いんだけどローガン!」

風呂上がりローガン「はっはっは、気にするな! どれ、私が今のクロシュくんの鋼度を測ってあげよう!」

妖精「なんかテンションおかしいし……」

盾つむりスライムクロシュ「?」モニョ

風呂上がりローガン「ふむ……かたつむりのような見た目だが、実のところ全身が鉄の堅さを獲得している! 試しに私の拳をコンコンしてみると――」

盾つむりスライムクロシュ「?」コンコン

風呂上がりローガン「うむ、堅い!! これで君は、見た目だけでなく能力の擬態までできるようになったというわけだ!!!」

盾つむりスライムクロシュ「!」

風呂上がりローガン「その盾の堅さを保ったまま他の姿に擬態できたりはするかね?」

盾つむりスライムクロシュ「〜」デロデロ


盾士クロシュ「!」ジャキーン!

妖精「……!」

風呂上がりローガン「素晴らしい……!! まるで小盾を構える為に生まれてきた聖騎士のようだ……!! しかも頑丈さは継続している……!」

盾士クロシュ「……!」

妖精(く、悔しいけど……ちょっとかっこいいって思っちゃった……)

風呂上がりローガン「これが、スライムの潜在能力と反映魔法を組み合わせた、クロシュくんの新しい力というわけだ!!!!」

盾士クロシュ「わたしの……ちから……!!」ジャキーン!

風呂上がりローガン「うむ!! 近接戦闘の心得なら私がいつでも教えてあげよう!! よくやったぞ、クロシュくん!!!」

盾士クロシュ「うん……!!」

妖精「……慣れるまでは無理しちゃだめだよ。新しい力なんだから」

盾士クロシュ「う、うん……!」

風呂上がりローガン「はっはっは! 妖精くんの言う通りだぞクロシュくん! 体が慣れるまで禁物だ! 無理はな!!」

 ◆
412 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:03:18.19 ID:3BZznijO0
―お宿 ロビー

 冒険者ギルド出張所「」
 出張所受付嬢「……」コックリコックリ

ミスティ「こんなところに冒険者ギルドの出張所……?」

イリス「せっかくだし見ていってみようよ」

ミスティ「お金にはまだまだ余裕があるわよ。それにフォレスティナの首都に向かっている最中なのだから、ここで依頼を受けている暇はないんじゃないかしら」

イリス「ま、まあそう言わずに。納品依頼とかなら手持ちでできるものもあるかもしれないし」

ミスティ「まあ、イリスリーダーがそう言うなら……」


イリス「すみません」

出張所受付嬢「はっ! こ、こんばんは! 冒険者ギルド、フォレスティナ関所出張所です! 寝ていません!」ビシッ

ミスティ「……まあ、夜も遅いしね」

イリス「あはは……。ええと、ちょっとした簡単な依頼とかってありますか? 明日の朝には出発したいので、納品とかここの掃除とか……」

出張所受付嬢「むむ……そうですね」


↓1
01-70 都合の良い依頼はなかった
71-90 納品:蜘蛛絹
91-00 納品:ザリガニのお守り
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:03:37.34 ID:tYqeAADd0
414 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:31:10.15 ID:3BZznijO0
イリス「……まあ、流石になかったね」

ミスティ「さっきも言ったけど、餞別をたくさんもらってるからしばらくは大丈夫よ」

イリス「そだね。部屋に戻ろっか」

ミスティ「ええ」

 ◆
415 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/03(土) 23:31:36.09 ID:3BZznijO0
というわけで本日はここまでです。次回、フォレスティナ旅程後半から開始です

これはネタバレですが、氷と闇は他の属性とは実は若干成り立ちが異なります。星属性に含まれるのは火や光などの正の属性であり、負の属性である氷と闇は含まれていないのです
そしてクロシュちゃんの能力解放おめでとうございます。これで多分ちゃんと戦えるようになりました。あとは装備次第です。温かく見守ってあげましょう

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:36:12.15 ID:TioO6gXI0

そういやフラナ氏他人からの吸血は控えてるクチかな
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:37:28.23 ID:NlvUPGaRO
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/03(土) 23:38:33.26 ID:07D4fN/So
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 04:20:34.61 ID:akCfMb1to
おつー
クロシュちゃんこれで前線も張れるな!
妖精さん達のサイズ感はどのくらいなんだろう
420 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:02:51.00 ID:0AXMpM8i0
フラナさんは吸血鬼なので血液はちゃんと接種しています。血を吸わずとも直ちに死ぬことはありませんが、長期間接種しないと人間で言うところの栄養失調のような状態に陥り弱っていきます。そのため、よほど特殊な事情があったり変わった思想の持ち主でもない限り、血を吸わない吸血鬼はいないと考えられます

小盾を取り込んだクロシュ氏は軽量さを保ちつつ防御能力が向上しており、一般的な兵士や冒険者や下級騎士より少し強いくらいの戦闘力があるかと思われます。鉄の小盾を取り込んだため、属性が鉄属性に変化しています(鉄属性や鋼属性は地属性の派生です。ローガン氏が鋼の気配と誤認したのはこのためです)

妖精さんたちの大きさは、平均身長がだいたい20センチメートルくらいです。人間やその他の大きな種族を相手に宿泊業を営むのは大変そうに見えますが、実はそれほどの労力はかかっていません。お客様の前ではせっせせっせと一生懸命手作業で働いているように見せていますが、お客様の見ていないところでは高度に洗練された生活魔法を駆使して効率的に作業を行っています。意外としたたかな商売なのです

そして妖精性愛者とはそんな小さい妖精さんたちを性的に愛する変わった方々です
緑の国では妖精や他の知性ある種族の捕獲や略取は禁じられていますが、密猟の被害は少なからず出ています。緑の国の治安組織は捜査を行っていますが、末端の密猟者を捕まえることはできてもその大元を特定して根絶するには至っていないようです
緑の国住民の多くは、自国民以外を奴隷化するのが大好きな隣国の王国の仕業ではないかと疑っています。しかし決定的証拠はなく、また緑の国と王国は相互不可侵条約を締結しているため、治安組織は思い切った捜査に踏み切れないようです
421 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:03:38.17 ID:0AXMpM8i0
―朝
 妖精のお宿 玄関

 チュンチュン

妖精女将「またお越しくださいませ、旅人の皆様……」ペコリ

お宿の妖精A「また気てね〜」

お宿の妖精B「どうかお達者で……」

お宿の妖精C「体に気をつけてね、黒いスライムさん」

お宿の妖精D「またいらっしゃってくださいねぇ、鋼の旦那様ぁ」

 *

―緑の大森林 街道

 強化ソリ「」シャーッ

イリス「良いとこだったねえ」

ミスティ「また来ても良いかもね。ちょっとお高かったけど」

クロシュ「うん」

ローガン「うむ。良き宿であった」

妖精「すっかり酔っ払ってたもんね、ローガン」

ローガン「はは、昨晩はすまんな。可愛らしい妖精さんにお酌されてしまってな。つい酒が進んでしまったのだ」

妖精「……」タジ

ローガン「……安心していただきたい。やましいことは何もしていないし、私が愛するのは亡き妻ただ一人」

イリス「え……亡き……?」

ローガン「……過ぎた話だ」

ミスティ「…………。ローガンさんも、なのね……」

ローガン「私も、とは?」

ミスティ「……私も……家族はもうないわ。家族っていうか……故郷も、ね」

イリス「え………」

妖精「クロシュもだね。まあ、クロシュにはまだフメイがいるけど」

クロシュ「……」コク

イリス「……」

↓1コンマ
01-50 イリスの師匠、既に他界
51-95 イリスの師匠、存命
96-00 イリスの師匠大魔女説
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 16:04:29.15 ID:i5hN0SVl0
423 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:39:36.48 ID:0AXMpM8i0
イリス「……私も……地の繋がった家族も、師匠も……もう、いないんだ」

ミスティ「イリスも……」

イリス「でもね……。師匠は私に、家を遺していってくれたから……。私には……帰る場所が、ある……」

ローガン「……そうなのだな」

イリス「はい……。だから……その……」

ミスティ「……ふふ。大切にしなさいよ。あなたの……帰るべき場所を……」

イリス「あ……」

ローガン「私にはもう望めぬが……イリスくんには、それをすることができる」

イリス「……!」

妖精「まあでも、天涯孤独って点じゃみんな同じみたいだね?」

クロシュ「……フメイちゃん……」

妖精「冗談だよ。クロシュにはまだ……家族と呼べる人が残ってるんだよね」

クロシュ「うん……」

イリス「……なら! 絶対、連れ戻そう! フメイちゃんをクロシュちゃんのもとへ……!」

ミスティ「ええ……。失ってからでは、遅いもの……。クロシュは、フメイを取り戻さなきゃ」

ローガン「うむ……! まだ間に合うのなら、クロシュくんはこれ以上我々と同じ苦しみを味わうべきではない」

クロシュ「……!」

妖精「ふふ。良かったねクロシュ。みんなお人好しで」

イリス「妖精さんもね」

妖精「私はただの暇つぶしだもん」


 強化ソリ「」シャーッ


 ☆妖精のお宿に宿泊したことにより、今回の道中戦闘時にコンマ+20の効果を得ます
  おいしい果実の効果と累積し、コンマ+35となります

↓1 ランダムイベント
01-05 野生の魔王が現れた!!!!
06-20 襲撃
21-35 食べられる野草(まずい)
36-50 自生する野菜(まあまあ)
51-75 良いもの発見(自由安価。道具限定)
76-95 良いもの発見(自由安価。道具に限らず人やスポットでも可)
96-00 旅の仲間
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 16:40:36.65 ID:hTXBPt1mO
425 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 16:47:25.53 ID:0AXMpM8i0
見つけたもの(アイテム限定)
↓1 自由安価
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 16:48:56.77 ID:i5hN0SVl0
開くと雨が降る確率が上がる魔法の傘
427 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 18:42:50.89 ID:0AXMpM8i0
 強化ソリ「」シャーッ

妖精「……ん? ちょっと止まれる?」

 強化ソリ「」キキッ

ミスティ「何かあった?」

妖精「面白い気配がある」パタパタ

 *

―街道 道端

 打ち捨てられた傘「」

クロシュ「……?」

ローガン「……傘、だな」

妖精「何か感じない? イリス」

イリス「これ……微かだけど……雨の魔力……?」

妖精「うん。多分、これに込められているのは雨乞いの魔法。気休め程度のものだけど、これを開けば雨雲を呼び寄せやすくなるはずだよ」

ミスティ「傘なのに雨を呼んでしまうなんて……。なんだか本末転倒ね……」

イリス「じゃあ、雨が降っている時に開いたら?」

妖精「周囲の雨雲をさらに呼び寄せて、傘の周辺が集中豪雨になるだろうね」

ミスティ「ますます本末転倒じゃない……」

妖精「多分、イタズラ好きな妖精が作ったものだろうね。何も知らない旅人に拾わせて、雨の中でこれを差させるのが目的なんだと思う」

ローガン「な、なんと回りくどいイタズラか……」

イリス「……でも、使いようによっては凄い道具になるんじゃない? これ」

ミスティ「そうね……。任意に雨雲を呼べるっていうのは、かなり便利に思えるわ……」

妖精「肝心の雨雲が近くになければ意味ないけどね。使いようはあるって意見には同意」

イリス「じゃあ……拾わせる目的で置かれたものなら、遠慮なくもらっちゃおう!」

ミスティ「妖精の推測だけどね」

 ☆雨乞い傘を拾得しました

 ◆
428 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 18:44:59.70 ID:0AXMpM8i0
 強化ソリ「」スイー


クロシュ(森のトンネルを抜けて、一気に視界が開けると――)


 天を衝いて聳える世界樹「」キラキラ


 ワイワイ ガヤガヤ

妖精の露店「フェアリーシロップあるよ〜! 採れたてホヤホヤの新鮮なフェアリーシロップだよ〜」ヒラヒラ

馬頭の飛脚「オデ、荷物、運ベル。オ前、楽ニナル。オデ、儲カル。皆、シアワセ」

アルラウネの八百屋「野草、野菜、果物、なんでも揃ってるよ。私たちが丹精込めて育てた野菜、買ってかない?」

エルフの吟遊詩人「それでは聞いて下さい。魔族大革命の裏で暗躍した闇の英雄……ダークヒーローイリスの物語を……」ポロロン


クロシュ「――!」

イリス「――――わああ……!!」

ミスティ「これは……圧巻ね……!」

ローガン「なんと……森の中に、これほど美しく自然と調和した街並みが広がっているとは……!」

妖精「……変わってないか。良くも悪くも」


クロシュ(わたしたちは――緑の国フォレスティナの首都へ、到着した)

 ◆
429 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 18:46:10.99 ID:0AXMpM8i0
―緑の国 大樹の宿

イリス「わああ……! 大きな木の中に空洞があって、その中が宿になってるの……!?」

ミスティ「凄いわね……。でも、木の方は大丈夫なのかしら……」

妖精「ああ、うん……。中はくりぬかれてるけど、一応木の生命に影響は出ないようにやってるんだよ。木の方にも同意は得てるし、健康管理とかにも気を遣ってるからその辺の心配はいらないと思う」

ローガン「木の同意とは……。全く考えもしなかった世界だな……」


受付のアルラウネ「お客さん詳しいね。ここ出身の妖精?」

妖精「違います」

受付のアルラウネ「そう。まあ詮索はしないけど。部屋割りはどうするの?」

イリス「一人部屋と、三人部屋と、三人部屋にオプションの妖精付きをお願いします!」

受付のアルラウネ「はいはい。おじさんのハーレムかと思ったら違うのね」

ローガン「……私はそのような者に見えるのだろうか……」

 *

―大樹の宿 客室

 完全木造ベッド「」
 綿花のクッション「」
 光るキノコのランプ「」

イリス「おおお……! 内装も木! 植物! キノコ!」

ミスティ「徹底しているわね……。とりあえず、フメイ捜しは明日からにしましょう……少し疲れたわ……」

クロシュ「ん……」コク

妖精「クロシュがフメイの姿に擬態してれば聞き込みもしやすいし、意外と簡単に見つけられるかもね」

ミスティ「どちらかと言うと、見つけた後どう説得するかの方が難しそうだわ……」

イリス「た、確かに……。何か良い方法を考えなきゃね……」


……………………………………………………………………………………
―緑の国フォレスティナ
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人の服
 ◇妖精   武:なし    防:蜘蛛絹のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯所持アイテム
・鉄鍋+携帯調理器具
・蜘蛛絹の下着
・ザリガニのお守り
・魔術書「星の魔力」
・魔族国永久旅券
・マジカルブラッドワイン
・反魂丹×2
・運命賽
・雨乞い傘

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
……………………………………………………………………………………
□フォレスティナ首都 主要施設
郊外:緑の大森林、農園、果樹園、精霊の泉、他
首都:露店通り、大樹の宿、武具店、雑貨店、魔法店、工芸品店、八百屋、甘味処、食事処、他
聖域:世界樹 ※許可なき者は聖域に入れません


フォレスティナ滞在初日の夜です
↓1〜3 自由安価 何をする?
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:49:57.19 ID:hTXBPt1mO
宿のマッサージサービスを受ける
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:52:20.62 ID:lWQQQJT5O
フメイちゃんの迷子ビラチラシをばら蒔くように大量に用意する
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:53:38.34 ID:2hazS27NO
星の魔翌力を読んでみる
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:53:46.37 ID:m2mpVXVlo
精霊の泉へ行く
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/02/04(日) 18:53:53.52 ID:xleULxLA0
露店通りで買い物と散歩がてらフメイとアリシアの手がかりを探す
435 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/02/04(日) 19:37:05.19 ID:0AXMpM8i0
イリス「とりあえず今夜はここでくつろごうよ。私、この宿の雰囲気を満喫したい……!」

ミスティ「そうね。きっとこんな宿はここ緑の国にしかないでしょうし、しっかり味わっていきましょう」

妖精「悔しいけど、妖精である私にとってもやっぱり心地良い環境なんだよね……」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

イリス「あはは、クロシュちゃんも疲れちゃった? スライムの姿に戻ってる」

 コンコン

ミスティ「あら? ローガンさんかしら……」

イリス「ちょっと見てくるね」スクッ


イリス「はあい、どちら様?」

ドアの向こう「初日限定のマッサージサービスにお伺い致しております」

イリス「あ、そういえば受付の時に……」

ドアの向こう「はい。お時間の変更やキャンセルも受け付けておりますが、いかが致しますか?」

イリス「あ、いえいえ! せっかくなのでお願いします!」ガチャッ


マッサージ担当アルラウネ「かしこまりました。それでは、誠心誠意マッサージさせていただきます」スッ

 *

イリス「うう……服を脱ぐ必要があったなんて……///」

ミスティ「もう……タダだからって軽率に頼むからよ……///」

スライムクロシュ「」モニョモニョ

妖精「ねえ、スライムも受けられるの?」

マッサージ担当アルラウネ「もちろんです。私共のマッサージはスライムの方にも対応しております」

妖精「そうなんだ……」

スライムクロシュ「」モニョモニョ

マッサージ担当アルラウネ「それでは始めさせていただきたいと思います。まずはアルラウネオイルを全身にお塗り致します……」

 ヌリヌリ

イリス「ひゃっ……!///」ヌリヌリ

ミスティ「ひ、ひんやりするわね……///」ヌリヌリ

妖精「んっ……」ヌリヌリ

スライムクロシュ「!」モニョニョ

マッサージ担当アルラウネ「それでは、ここからが本番です。施術を始めます……」

 *

↓1 マッサージの効果
01-60 疲れが取れました
61-90 クロシュがアルラウネに擬態できるようになった
91-00 能力も含めて擬態できるようになった
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