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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】

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236 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 19:34:48.03 ID:mVRR9VNt0
>>235 誤字
ラナ→フラナ
237 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 19:35:37.12 ID:mVRR9VNt0
―魔族自治区近郊
 常闇の樹海 南部 浅層

 ホーホケキョ ポッポポーホー

イリス「こ、ここが……あの常闇の樹海……!!」

 木漏れ日「」キラキラ

イリス「全然暗くない!」

妖精「そりゃ浅層だもの。奥に行けばご期待に添えるんじゃない?」

ミスティ「妖精は知っているの?」

妖精「少しだけね。でも目的のキノコは浅層にあるんでしょ? さっさと見つけて帰ろうよ」


ローガン「……それにしても、反魂丹とは。魔王のこともそうだが、世には私の知らぬものごとで溢れているな……」

クロシュ「…………」

妖精「どうしたの、クロシュ」

クロシュ「あ、えと……。その……それって……燃えて、死んじゃった、生き物には……」

イリス「あ……」

ミスティ「……使用には、腐敗や劣化のしていない遺体が必要だそうよ。火に焼かれて炭化してしまった遺体には……」

クロシュ「…………」

ミスティ「……ごめんなさい」

クロシュ「……ううん……! 教えてくれて……ありがと……。わたしこそ……ごめんなさい……」ペコリ

イリス「……ミスティもクロシュちゃんも何も悪くないよ。もちろん、焼かれちゃった人たちも……。悪いのは、そうやって人も魔族も踏みにじる王国騎士の奴らなんだよ……!!」

妖精「うんうん。あいつらが全部悪いんだよね」ウンウン

イリス「だから、革命を成功させてあいつらを追い出そう! みんなで平和を勝ち取るんだ!」

妖精「おー!」

クロシュ「おー!」

ミスティ「……おー」

ローガン「……うむ」

↓1 探索判定
01-05 なんか暗くなってきてない……?
06-35 樹海オオカミだ!
36-65 普通に見つけた
66-95 森スライムの群生地
96-00 旅の仲間
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 19:36:54.39 ID:xxxIQRQq0
んお
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 19:44:46.40 ID:fmYUx3TnO
旅の仲間って何人まで増えるの? 見逃してたらごめん
240 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 20:55:15.46 ID:mVRR9VNt0
あと一人くらいまでは増える余地がありますが、それ以上は難しいかもしれません(>>1の限界)
241 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 20:55:43.10 ID:mVRR9VNt0
 マジカルマッシュルーム「」

イリス「あった! ねえ、あったよみんな!」

ミスティ「ふむ……紙に書かれているものと一致しているわね。妖精はどう思う?」

妖精「間違いなくマジカルマッシュルームだね」

イリス「よし! これで全種揃った!」

クロシュ「わあ〜」パチパチ

ローガン「常闇の樹海に行くと聞いた時は肝を冷やしたが、なんてことはなかったな」

妖精「浅いとこはこんなもんだよ。時々常闇領域からハグレ者が出てくることもあるけどね」

ミスティ「……出くわさなくて良かったわ」

 ◆
242 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 20:56:15.11 ID:mVRR9VNt0
―妖しい商店

 グツグツ…
 ポン!

 反魂丹「」ポン!
 反魂丹「」ポン!

フラナ「できたわ。はい、二つしかないから誰が持つかは慎重に決めなさいよね」

イリス「ふ、二つも……!!? フラナ師匠、本当にありがとうございます……!」

ミスティ「……本当に良いの? これほどの貴重品を」

フラナ「ええ。出費は痛いけど、平和になれば材料なんていつでも集められるもの」

ローガン「かたじけない……」

クロシュ「ありがと、ございます……」ペコリ

 *

ローガン「それで、反魂丹を誰が持つかだが……」

ミスティ「前線と後方支援で分けるのが良いんじゃないかしら」

イリス「そうだね。それが一番安心できるかも」

妖精「じゃあ一個はクロシュが持って」

クロシュ「ん」

ミスティ「それじゃあ前線の分は……ローガンさんが良いかしら」

ローガン「いや、盾役の私は自由に動けん。イリスくんかミスティくんにお願いしたい」

ミスティ「なら、イリスに持ってもらおうかしら」

イリス「……え!?」

ミスティ「複数属性なら対応力もあるでしょ? 私よりは自由に動けるはずよ」

イリス「そ、そうかな……」

ミスティ「ええ。だから頼むわね」

ローガン「それではイリスくんに任せよう。何かあった時は頼む」

妖精「使わないで済むのが一番だけどね」

 ☆クロシュとイリスが「反魂丹」を携行します

 ◆
243 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 20:57:35.28 ID:mVRR9VNt0
―魔族自治区 朝
 宿 客室

 チュンチュン

 バサッ

 風雪新聞「種さえ撒ければ誰でもいいのか!!?国王のふしだらな異性関係に迫る!!!!」ペラ

 風雪新聞「正義の炎!!!!悪徳冒険者が無様な消し炭となって発見される!!!!」ペラ

 風雪新聞「明日は季節外れの大吹雪が発生する予報が出ています。善良なる市民や旅人の方々に置かれましては、戸締まりをしっかりしていただくのが良いでしょう」ペラ

ミスティ「……相変わらずね、この新聞」

イリス「でも、明日戸締まりするように書いてある。あの風雪のルフって記者……」

ミスティ「……そういうことなんでしょうね」


クロシュ「むむ……」デロデロ

黒髪女騎士クロシュ「む……」ガシャン

妖精「よしよし、だいぶ慣れてきたね」

イリス「おおー、良い感じだね! でもちょっとかわいすぎるかな?」

ミスティ「……まあ、騙せれば良いのよ。この新聞みたいに、あることないこと言ってね」

イリス「正直、その作戦にはあんまり賛成できないんだけど……四の五の言ってられないもんね」

妖精「クロシュ、嘘はつけそう?」

クロシュ「が、がんばる……」


―革命決行日まであと[1日]
 ◆パーティメンバー
 ◇クロシュ 武:鉄の小盾  防:旅人のローブ(擬)
 ◇妖精   武:なし    防:妖精のレオタード
 ◇イリス  武:精霊樹の杖 防:魔術師のローブ
 ◇ミスティ 武:魔銀の短剣 防:旅人のローブ
 ◇ローガン 武:鋼の剣   防:鎖帷子

◯現在の目標
・フメイちゃんを探す
・自己強化の練習をする[1/3]
・革命の準備

□魔族自治区主要施設
表通り:宿、武具店、雑貨店、装飾品店、魔法店、工芸品店、大衆酒場、公衆浴場、他
裏通り:妖しい商店、娼館、薄暗い路地裏、他
旧市街:廃図書館、廃神殿、貧民街、他

今日は何をする?
↓1〜3 自由安価 行動終了後、革命に移ります
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 20:58:38.64 ID:8RtjJDL90
フラナ、力をつけるため特製人工血液を飲み干す
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:08:34.49 ID:quEnBUubO
皆で廃図書館で使えそうな物を探す
246 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 21:08:54.23 ID:mVRR9VNt0
>>244
申し訳ありませんが、パーティメンバーが関与しない内容のものは流石に最安価とさせていただきます。ご了承ください
なおこのレスも安価には含まれません
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:10:58.98 ID:D3RAru1DO
廃神殿を探索してみる
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:14:20.75 ID:fUHKYapUo
工芸品店を覗いてみる
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 21:15:21.58 ID:8RtjJDL90
>>244
それは失礼、では「イリス達が貧民街の子供たち(フラナの知り合い)と遊ぶ」でお願いします
250 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 21:24:35.24 ID:mVRR9VNt0
パーティメンバーが関与しないものはダメというルールを事前に通知していなかった>>1も悪いと思うので、今回は特例として>>249も採用させていただきたいと思います。申し訳ありませんでした
次回から、自由安価を書く際はご考慮くださいませ
251 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 21:59:45.60 ID:mVRR9VNt0
―旧市街 廃図書館

 図書館だった建物の瓦礫「」

イリス「ここが、魔族国立大図書館……だった場所……」

ミスティ「……見る影もないわね」

ローガン「魔族たちの文化、歴史を抹消する為に入念に破壊されたのだろう。これを掘り返すのはかなり骨が折れそうだが……」

イリス「仕方ないかあ……。墓荒らしみたいなことをするのも気が引けるし、ここは退散――」

妖精「イリスの地魔法なら掘り返せるんじゃない?」

イリス「え、ええ……」

ミスティ「……それは流石に、やめた方が……」

ローガン「大きな音を立てれば騎士が来るかもしれんぞ」

妖精「でも明日は命を賭けた戦いなんだよ? 遵法精神はご立派だけどそんなんで生き残れると思ってるの?」パタパタ

イリス「で、でも……」

妖精「ここを掘り返せば魔族国のすごい魔導書とかが出てくるかもしれないんだよ。生き残りたくないの?」

ミスティ「……それは、そうかもしれないけど……」

妖精「それに、もしここに埋まっている魔族の遺物があったとしたら、革命に役立たせてあげるのが正しさじゃない?」

ローガン「むう、確かに一理あるか……」

妖精「クロシュだって生き残りたいでしょ?」

クロシュ「う、うん」

妖精「なら決まり! 騎士の奴が来そうになったら私が撹乱しといてあげるから」パタパタ

ローガン「……仕方ない。イリスくん、頼めるか?」

イリス「わ、わかりました……。だ、大地よ……」


 ゴゴゴゴゴ…


↓1コンマ
01-50 瓦礫しかない
51-80 「正の魔法と負の魔法」
81-95 「星の魔力」
96-00 「影の魔王」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 22:02:00.81 ID:quEnBUubO
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 22:04:52.29 ID:cphb1nap0
これはイリスさんパワーアップフラグ?
254 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 23:09:44.47 ID:mVRR9VNt0
 ゴゴゴゴ

 本『星の魔力』パサッ

イリス「!」

ミスティ「これは……なんとか読めそうね。タイトルは……星の魔力?」

イリス「星の魔力かあ……星自身が内容する魔力についての本かな?」

ミスティ「……そうみたいね。目次は……星に流れる魔力……龍脈……」

イリス「おお、もしかしてけっこう実用的!?」

ミスティ「……これは星の魔力を利用する方法というよりは……星属性っていう希少属性の持ち主の為に書かれた本みたい」

イリス「なんだあ……じゃあ私たちには関係ないね……」

ミスティ「でも星の魔力なんて誰もがその恩恵を受けているのだから、知っておいて損はないと思うわ」

イリス「それもそうだね! もしかしたら私たちにも応用できるとこがあるかもしれないし……!」

ミスティ「ええ。とりあえず持ち帰るだけ持ち帰ってみましょう」

イリス「うん! 図書館を建てた魔族さん、そしてこの本を書いた魔族さん、ごめんなさい。ちょっとお借りしていきますね……!」

 ◇
255 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 23:10:18.03 ID:mVRR9VNt0
―旧市街 廃神殿

 神殿の廃墟「」ガラン

ミスティ「ここは原型を保っているのね」

ローガン「これほどの規模の建物だと、破壊を断念したのかもしれんな。邪教のシンボルとしてあえて残したということも考えられる」

イリス「……王国のやり方、聞けば聞くほどハラワタが煮えくり返りそうになる……」

クロシュ「……」サスサス

イリス「クロシュちゃん……ありがとう。怒りに囚われちゃだめだよね」

妖精「いつの間にかクロシュの方がお姉ちゃんになっちゃったの?」

クロシュ「?」

イリス「ど、どっちがお姉ちゃんでも妹でもないでしょ」

 *

―廃神殿 内部

 破壊された像「」ガレキ

ローガン「流石に像などは壊されているな……」

イリス「……ねえ、流石にここから物を持っていったりとかは……」

妖精「まあ、ここには流石に役に立ちそうなものもなさそうだしねえ」

ミスティ「……魔族の神々の力を借りる、とか言うと思っていたわ……」

妖精「そりゃ借りられるものがあれば借りたいけど、ないでしょここ」

ローガン「うむ……。図書館と違って、ここは知識の倉ではないし、戦いに向いた物品があるとも思えん」

イリス「そ、そうですよね。良かった」

クロシュ「……」

↓1
01-05 邪神
06-95 何もなし
96-00 魔神
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 23:12:25.74 ID:8RtjJDL90
257 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 23:15:36.15 ID:mVRR9VNt0
クロシュ「……」

妖精「クロシュ? 早く行くよ」

クロシュ「あ、うん」トテトテ

クロシュ「……」

クロシュ「……」クルッ

 神殿の廃墟「」ガラン

クロシュ「……」

クロシュ「……」トテトテ


 神殿の廃墟「」ガラン…


 ◆
258 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/20(土) 23:22:07.65 ID:mVRR9VNt0
本日はここまで。次回は貧民街の子どもたち編と工芸品編です

常闇の樹海は魔族自治区の少し北に広がる大規模な森林地帯です。どこの国にも属していない未開拓地域でもあります
浅層はうららかな木漏れ日の差す穏やかな森ですが、少し奥へ進むとその名の通り鬱蒼とした植物の生い茂り日光が届かぬ常闇領域に突入します
チカーバの街から冒険者や調査隊が何度か調査へと旅立っていますが、深層に足を踏み入れて帰ってこれた者はほとんどいません。数少ない帰還者も肉体か精神かその両方に異常をきたしている場合が多いです。それでも夢とロマンと美しき森の民(妄想)との出逢いを求めて樹海へ挑む命知らずは後を絶ちません
なおかつての魔族国は樹海奥地に住まう種族と交流がありましたが、現在の魔族自治区になってからは公的な連絡は途絶えているようです

また、手に入った『星の魔力』という本は、自由安価などで解読を試みることができます。しかし現時点でイリスは自分の属性をちゃんと理解しているわけではないので、本の内容をすぐに活かすことは難しいです

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 23:24:16.75 ID:cphb1nap0
乙です

レア属性の人って自分の属性どういう風に自覚しているんだろ
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/20(土) 23:36:12.93 ID:uMm3NP1m0

最後が意味深だけどクロシュは何を感じ取ったのかな
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 01:27:18.39 ID:GQRtrh4BO

前の新聞でも魔翌力欠乏死の冒険者が出てたし、フメイちゃんとアリシラさん魔族自治区入りしてるっぽい?
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 02:18:48.26 ID:u0GT1Lh2o
おつおつ
樹海の探索コンマからも美しき森の民は妄想ってガンガンに伝わってきますね……
263 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 19:24:06.10 ID:mTNUMBF+0
多数属性の人は検査などによって比較的容易に自分の属性を知ることができますが、希少属性の人は検査を受けても『多数属性に当てはまらない属性』ということしかわからないため、自力にせよ他力にせよいろいろと試したり研究したりといった過程が必要となります。まずは自分の属性が持つ性質を理解し、どのような運用が最も効率的であるかを探り当て、属性に適した術式を組み上げる――といった具合です。そういう点では複数属性に似た面を持つ星属性の本質を突き止めるのはとても難しく、気付かずに一生を終える人もかなりいると考えられます。まあ複数属性の時点で激レアかつ有能なので、気付かなくても困ることは殆どないです

クロシュちゃんは感受性が豊かなので、神殿の方に何かの気配を感じたのかもしれません。それが何なのかはわかりませんが、直ちに世界へ影響を及ぼすものではなさそうです

フメイちゃんとアリシラさんかどうかはわかりませんが、確かに魔族自治区で魔力枯渇死と焼死が発生したようです。革命に変な影響が出なければ良いけど、とフラナ氏が心配しているかもしれません

常闇の樹海深部は大陸内でもかなり上位に入る危険地帯のため、特に用がなければ近寄らない方が良いでしょう。向こうに用がある時は迂回していくのが無難です
264 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 19:24:39.81 ID:mTNUMBF+0
―魔族自治区
 貧民街 公園

魔族の子供「――」キャッキャ

淫魔の幼女「――」キャッキャ

魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ



イリス「クロシュちゃん、すっかり馴染んでるね」

妖精「イリスも混ざって来たら?」

イリス「や、人間の私が混ざったら嫌な気持ちにさせちゃうよ、きっと」

妖精「そりゃそうか」

ミスティ「世知辛いわね……。イリス自身は魔族を悪く思っていないのに……」

ローガン「個々の人格を見て判断して欲しいところだが、ここ魔族自治区でそれは不可能だろうな。ここから見える人間は、王国の暴虐者が全てだ」

イリス「……」グッ


フラナ「……いいえ。あの子たちなら、人間であるイリスも受け入れられると思うわ」スタスタ

イリス「フラナさん!」

ミスティ「……それは、どうして?」

フラナ「いろいろあってね。癪に障るけど、あの子たちは人間であっても個々の人格を見て判断できるわ。本当に癪に障るけど」

ローガン「……それは良いことなのでは? 貴女はあの子供たちに思考停止で人間を憎んで欲しいのか?」

フラナ「いくら個々を見て判断できるとは言ってもあの子たちはまだ子供。狡猾な輩には簡単に騙されてしまう。それなら初めから思考停止して拒絶した方がマシでしょう」

ミスティ「……王国の悪意が蔓延るここでは、確かにそれが一番かもね」

フラナ「でも、結局あの子たちは人間相手でも最初から完全拒絶はしなくなっちゃったわ。だから遊んで来ても良いわよ。あなたたちのことは信用しているから」

イリス「……はい!」

 *
265 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 19:25:21.09 ID:mTNUMBF+0

 即席ソリ「」スイー

魔族の子供「わああ!!」キャッキャ

淫魔の幼女「すべる〜」キャッキャ

イリス「飛ばすよ〜!」キャッキャ

ミスティ「も、もう少し速度を落として……!」



魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ

妖精「や、やめてえ……スライム同士で挟まないで……ひあぁ」モニョモニョ

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ



フラナ「すっかり馴染んでるわね」

ローガン「うむ……。しかし、なぜあの子たちは人間を毛嫌いしないのだ?」

フラナ「ああ、それはね――」



魔族の子供「あ! 黒い服のお姉さん!」

淫魔の子供「おねーちゃん!!?」

イリス「え?」

ミスティ「あれは……」


 スタスタ… ガラガラ…


聖女「こんにちは、旧市街の皆さん」ペコリ
266 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 19:25:54.64 ID:mTNUMBF+0

イリス「……シスター?」

ミスティ「あれは……ロイエ教の……?」


魔族国のスライム「!」モニョッ

スライムクロシュ「?」モニョ

魔族国のスライム「〜〜」モニョモニョ

スライムクロシュ「!」モニョモニョ


ローガン「リヤカーを引いた教会のシスター……? しかしあのリヤカー……」


 大鍋やパン類などの食料品が載せられたリヤカー「」ガラガラ


聖女「教会より炊き出しに参りました。お納めください、魔族自治区の皆様」


魔族の子供「ごはん!」ダッ

淫魔の幼女「おねーちゃん!」トテトテ

魔族国のスライム「〜〜」ズルズル


聖女「こんにちは。今日も元気にしていましたか?」

魔族の子供「うん!」

淫魔の幼女「えへへ〜」

魔族国のスライム「〜〜」モニョモニョ

聖女「ふふ。ご飯は逃げませんから、ゆっくり順番にね……」

 ワイワイ キャッキャ
267 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 19:26:24.78 ID:mTNUMBF+0

ローガン「……なるほど。あのシスターの影響、というわけか」

フラナ「そういうこと。自己満足だか自己陶酔だか知らないけど、ああやってお情けを与えてくださるのよ」



イリス「みんなに、ご飯をあげてる……!」

ミスティ「……そうみたいね」

イリス「昨日服屋で会った旅行者の二人もそうだけど……ああいう人もいるんだ……」

ミスティ「魔族の為に命をかけようとする旅人もいるくらいだもの」

イリス「あ、それは確かに……」



魔族の老人「おお、今日も炊き出しが……。ありがたや……」ノソノソ

竜人の女性「……今日もやってんのか。チッ……背に腹は代えらんねえ……」スタスタ

ハーピィ記者「おっ、やってますねえ炊き出し! タダなら私も貰ってこうかな!」パタパタ



妖精「続々と集まってきたね。空腹には抗えないか」

スライムクロシュ「〜〜」モニョモニョ

妖精「クロシュはだめ。十分に食べてるでしょ」

スライムクロシュ「……」ショボン

妖精「余らないだろうけど、もし余ったらそれを貰うくらいは――ん?」


 ザッザッザッ!

魔族の青年「……」ザッ!
馬頭の男「……」ザッ!
オークの若者「……」ザッ!
268 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 19:27:46.82 ID:mTNUMBF+0

聖女「こんにちは。炊き出しは順番を……」

オークの若者「フンッ!」ブンッ

 聖女の足元の地面「」ゴシャァッ!

聖女「……!」

淫魔の幼女「ひっ……!」ビクッ

 ザワザワ…

魔族の子供「な、なんだよ、おまえ……!」ザッ

魔族の青年「ガキはどいてろ」ゲシッ

魔族の子供「ぎゃっ!」ドテッ

魔族国のスライム「!!」モニョモニョ

オークの若者「汚えんだよ、下等魔族が!」ドカッ

魔族国のスライム「〜〜……」ベシャッ

聖女「やめてください! どうして、同じ魔族なのに……!!」バッ

馬頭の男「……じゃア……魔族じゃない、あんたには……何をシても、いいのカ……?」

聖女「えっ……」

オークの若者「」シャッ

聖女「きゃっ!」ガシッ

魔族の青年「いっつもいっつも、上から哀れみやがって……!! お前たちさえいなけりゃ、俺たちはこんな惨めに施される必要もなかったんだろうが!!」

聖女「……」

オークの若者「このままじゃおれたちゃあ満足に子孫すら残せねえ……。だからよお、おれたちの子供を孕んでくれよ聖女様よォ!!」

聖女「……それで、あなた方が、本当に救われるのなら――」

魔族の青年「…………ふざけんな。どこまで……どこまで上から目線なんだ、お前たち人間はァァァ!!!!」グググッ

聖女「……!」ギュッ


↓1〜3多数決 どうしよう
1.何もしない
2.止めようとする
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 19:28:16.73 ID:HeZNYqiG0
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 19:32:35.04 ID:D0SpGoM50
2
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 19:51:43.90 ID:vt+Z2bVyo
2
272 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 21:21:18.47 ID:mTNUMBF+0
イリス「……!」ザッ

ミスティ「やめなさい! 私たちが出ていけばこじれるどころじゃない!」

イリス「で、でも……!!」



スライムクロシュ「」シュバッ

妖精「あっバカ!」パタパタ



聖女「か……はっ……」ギリギリ

オークの若者「お、おい! それ以上は死んじまうだろ! この女には俺の子を孕んでもらわねえと……!」

魔族の青年「うるせえ! 子孫なんてどうでもいい! 殺してやるってんだよ!!」ギリギリ

馬頭の男「」オロオロ


スライムクロシュ「」シュバッ

 ドンッ

魔族の青年「おあっ!?」ヨロッ

聖女「あっ……」ドサ

スライムクロシュ「……」ジリ…

オークの若者「なんだァ!?」

魔族の青年「この野郎……下等魔族の分際でこの俺に……!」ゴゴゴ

馬頭の男「」オロオロ

魔族の青年「まずはテメェみてぇな魔族国の穀潰しからぶっ殺し――」

 ガッ

魔族の青年「オゴッ……」フラッ

竜人の女性「みっともねえ真似してんじゃねえよ、クソガキが」ゲシッ

魔族の青年「ゲウーッ!」ゴロゴロ

フラナ「はあ、全く……。こんな時に面倒事を起こさないでよ」スタスタ

オークの若者「ふ、フラナさん!?」

フラナ「お前たちの愚行のせいで私たち全員が迷惑すんのよ。そいつを殺したら王国どころか教会まで敵に回すとか想像できないの?」

オークの若者「うぐ……」

馬頭の男「」オロオロ

フラナ「魔族が単純な力だけで支配できる時代はもうとっくに終わってんのよ。頭を冷やせ、小僧」

魔族の青年「う、ぐううう……!!!」ポロポロ

竜人の女性「フラナ、こいつらどうする? 牢にぶちこんどくか?」

フラナ「いや、いい。牢を使うのにも騎士連中の許可が必要でしょ。下手するとこいつらが尋問されて余計なことを口走るかもしれないし」

竜人の女性「それもそうだな……。おいお前ら、今回見逃してもらえたからって二度目はねえからな? 次やったらオレがお前らを殺す。覚えとけ」

オークの若者「ひ、ひえっ……」ジョワァァ

魔族の青年「……」ポロポロ

馬頭の男「」オロオロ

 *
273 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 21:22:44.46 ID:mTNUMBF+0
聖女「あの……この度は、ご迷惑をおかけしてしまい……」ケホッ

淫魔の幼女「おねーちゃん!」

フラナ「……あんたたち人間に恨みを抱いている奴は大勢いる。精々気をつけることね」

聖女「……はい」

フラナ「あと……餌だけ与えて後は何もしないっていう教会のやり方も気に入らないわね。私たちに自活する力を与えず、恩だけ押し売りたいって意図が透けて見える」

聖女「それは……しかし……」

フラナ「……あんたみたいな末端に言っても仕方ないことなのはわかってるわ。でも、そういう態度が今回みたいな怒りを生んだってのも覚えておきなさい」

聖女「…………はい」

淫魔の幼女「フラナおばさん!! おねーちゃんをいじめないで!!」ベシッベシッ

フラナ「いたっ! 私はどう見てもあんたと同年代くらいの幼女でしょうが!!」

淫魔の幼女「頭がおばさんだからおばさん!! どうしていつもごはんをくれてありがとうって言えないの!?」

フラナ「」グサグサッ

竜人の女性「はは、飯をくれることに変わりはねえからな。感謝の気持ちも抱けねえようになっちゃお終いだぜ」

フラナ「それはまあ、そうね……。意図は何であれ、この子たちやここの住民に食事を提供してくれていることにはまあ……感謝しているわ……」

聖女「……! はい!」



フラナ「それにしても、なかなかやるじゃない。あなた」

スライムクロシュ「?」モニョ

魔族国スライム「!」モニョモニョ

淫魔の幼女「うん……! クロシュちゃん、すっごくかっこよかった……!」

魔族の子供「てへへ……ぼくはカッコ悪かったなあ……」

竜人の女性「そんなことねー! クロシュもお前たちも見上げた根性だったぞ!」

妖精「ふふん、まあクロシュは私が鍛えてやってるからね。あれくらいは当然」

イリス「クロシュちゃんが飛び出してった時はびっくりしたけど……でも良かった!」

ミスティ「ええ……。とりあえず、酷いことにならなくて良かったわ……」

ローガン「最悪私が騎士鎧に変装して突っ込もうかと思っていたが、クロシュくんの勇気に助けられたな」

スライムクロシュ「……///」モニョモニョ
274 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 21:23:27.48 ID:mTNUMBF+0

聖女「あの、黒いスライムさん!」

スライムクロシュ「!」モニョ

聖女「……ありがとう、ございました」ペコリ

スライムクロシュ「……」デロデロ

聖女「!?」

黒髪幼女クロシュ「えと……。余計なこと、じゃなかった……?」

聖女「あ……ええと。はい。私は……本当は、怖くて……覚悟もできていなくて……。あのまま殺されていたら、何もかもを不幸にしてしまうところだったんです……」

クロシュ「……うん」

聖女「……あなたは、とても小さいのに……それを止めてくださった。あなたの勇気に、感謝を示します……」ペコリ

クロシュ「え、えと……」

妖精「あ、それならこいつに炊き出しの余り物をくれない? さっき物欲しそうに見てたからさ」

クロシュ「……///」モジモジ

聖女「……! はい、喜んで……!」

 ◆
275 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 22:04:10.32 ID:mTNUMBF+0
―魔族自治区 表通り

 スタスタ

妖精「いやー良いことをすると気持ちが良いね!」パタパタ

クロシュ「うん……!」

ミスティ「妖精は何もしていないじゃない」

妖精「クロシュは私の手足みたいなもんだから、私の手柄も同然ってこと」

イリス「あはは、都合が良いなあ」

ローガン「……」

イリス「ローガンさん、どうかした?」

ローガン「ああ、いや……少しこの国の工芸品が気になってな」

 看板「工芸品店」

妖精「魔族国の工芸品かあ。まあ、今のうちに見ておくのもアリかもね。明日以降どうなるかわかんないし」

ミスティ「そうね……。予算はもうあまりないけど、見ていきましょう」

 *

―魔族自治区 工芸品店

 カランカラン

イリス「これは……!」

 美しい文様の描かれた磁器「」
 淡い色合いの綺麗なガラス食器「」
 木彫りのドラゴン「」
 カニの置物「」

ミスティ「……凄いわね」

妖精「当たり前だけど、私には大きすぎるね」

ローガン「うむ……。どちらかと言えば、お土産用や観賞用の物品が多いな。我々のような旅人には不向きかもしれん」

職人オーク「冷やかしなら帰ぇんな」

イリス(職人の……オーク!)

ミスティ(そりゃオークにもいろいろいるでしょ)

ローガン「これは失礼した。我々は旅をしているもので、できれば旅に適した物品が欲しいのだ。ついでに言うと、予算もあまりない」

職人オーク「そりゃまた難しい注文だな……。こういうのはどうだ?」

↓1
01-50 丈夫な飯盒
50-85 ザリガニのお守り
86-95 ミスリルコイン(特化)
96-00 オリハルコイン(大特価)
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 22:06:44.56 ID:Q6jZZSkLO
277 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 22:37:33.28 ID:mTNUMBF+0
 ザリガニのお守り「」ポン

ローガン「これは……」

クロシュ「……ザリガニ?」

職人オーク「ザリガニの加護がかけられたお守りだ。守りの力と、水や泥への耐性・適性を僅かに得る。どちらも気休め程度だがな」

イリス「へえ〜凄い! ちょっと触ってみても良いですか?」

職人オーク「はいよ」スッ

 ザリガニのお守り「」

イリス「これは……」

ミスティ「何かわかるの?」

イリス「微かだけど、川の魔力を感じる……。凄い……! ザリガニだ……!」

妖精「本当? どれどれ……あ、本当だ。川の鼓動が聞こえる……」

ミスティ「え、イリスと妖精ってそういうのがわかるの?」

妖精「まあ私は妖精だからね。でもイリスもこういうのがわかるのはちょっと意外かも」

イリス「複数属性だからかな? なんかちょっとだけわかるんだよね、昔から」

ローガン「不思議なこともあるものだな。私は鋼属性しかわからん」

ミスティ「単純な属性の判別くらいは私もできるけど、川とかそういう……魔力の出身地? みたいなものは全然わからないわね……」

妖精「元を辿れば大体全部根っこは同じだけどね」

イリス「あ、星の魔力ってやつ!」

妖精「そ。自然界に存在する魔力の殆どは、星の魔力が源流だもん」

イリス「へえ〜、なんだかロマンがあるなあ……!」


職人オーク「……それで、買うのか?」

イリス「あ、買っても良い?」

ミスティ「私は良いわよ」

ローガン「異議なし」

妖精「良いんじゃない? 高いものでもないし、あって困るものでもないし」

クロシュ「うん」

イリス「じゃあ買っちゃうね……!」

 ☆ザリガニのお守りを買いました

 ◆
278 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 22:38:29.07 ID:mTNUMBF+0
というわけで本日はここまでです。次回より魔族自治区ステージクライマックス、革命編開始です

聖女様は、聖女という名前ではありますが、宗教的に優れた人物であるとか世界運命的に大きな役割を持っているとかではありません。精神性が聖女なので聖女の名を冠しているだけです
彼女との交流が吉と出るか凶と出るかは革命編におけるクロシュちゃんたちの行動次第であります。魔族自治区やそこに住まう人々がどのような運命を辿ることになるのかはわかりませんが、悔いのないように動きたいものです

それでは本日もありがとうございました。例によって平日更新は多分できませんが、次回もよろしくお願いします
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 22:42:18.79 ID:svRmRQ1SO
おつ
280 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/21(日) 22:43:44.71 ID:mTNUMBF+0
書き忘れていました。今回クロシュちゃんが悪漢に立ち向かう選択をしたので、勇気によって体組成が活性化し自己強化経験が[2/3]になりました。あと一息です
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 22:45:29.32 ID:HeZNYqiG0

クロシュちゃんも順調に成長してるな
やっぱ歳気にしてるっぽいフラナ氏可愛い
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/21(日) 23:22:09.96 ID:vt+Z2bVyo
おつ
スレがRに建ってなくて良かった案件
馬頭の圧倒的陰キャ感に笑うけど苦しくなるわ
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/22(月) 00:15:35.38 ID:yvBacxVDO

馬頭さん、オロオロしてるだけで何も悪いことしてなくて草
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/22(月) 19:50:01.00 ID:v+LHLowU0
乙 竜人ちゃん前作の子の平行同位体かな。
285 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 16:35:24.22 ID:4zvWjFzd0
劇的な成長というわけではありませんが、クロシュ氏も日進月歩です。お見守りください
フラナ氏は年齢についてはそこまで気にしているわけではないのですが、流石におばさん呼ばわりは堪えたようです

Rに建っていたらまあ、安価コンマ次第でちょっとかわいそうなことになっていた可能性はあります
馬頭氏自身はあまり攻撃的な人ではないのかもしれません。ただ、付き合う友達が悪かったというか……

竜人の女性さんは、前作の彼女がこの世界に生まれてこのような状況で成長したらどうなるか? という想定かもしれません
なんか書いていたらピッタリハマッてしまったという奇妙な偶然でもあります
286 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 16:35:52.94 ID:4zvWjFzd0
そして突然ですがここで王国の正式名称を募集したいと思います(『イングランド王国』のイングランドに当たる部分)
↓1〜3 コンマが高いもの(>>1が世界観にそぐわないと思った場合は次点採用となります。ご了承ください)
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 16:37:53.67 ID:LYWScLI70
セイントレア
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 16:39:48.22 ID:0+mBYahuO
クリムゾンマナ王国
289 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 17:03:10.66 ID:4zvWjFzd0
17:04:59まで。それまでになければ>>287を採用させていただきます
290 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 17:06:51.05 ID:4zvWjFzd0
というわけで王国の名前は「セイントレア王国」となりました。ありがとうございました

続けて、王国騎士団魔族自治区駐屯地の部隊長を募集します
彼または彼女は王国を統治する現セイントレア王の子息です。しかし王位継承順位は低めです(女性の場合は王位継承権自体がありません)
魔族自治区においては絶対的な地位と権力を有しています
※恐らくこの先ろくな目にあいません。ご了承の上でお願いします

↓1
【名前】
【種族】人間
【性別】
【年齢】
【容姿】
【性格】
【魔法】
【備考】
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 17:13:56.80 ID:0+mBYahuO
【名前】マリー
【性別】女
【年齢】24
【容姿】金髪ショート、スレンダー体型
【性格】真面目
【魔法】新大陸強化魔法が得意な他、雷魔法も使える
【備考】内心は皆仲良くできればな・・・と願っているがなかなかうまく行かない
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 17:15:43.18 ID:0+mBYahuO
>>291
すみません誤字りました。
新大陸→身体強化魔法です
293 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 17:32:54.72 ID:4zvWjFzd0
ありがとうございます。部隊長は>>291のマリーさんで決定です
それでは本編に移らせていただきたいと思います
294 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 17:33:28.76 ID:4zvWjFzd0
―夜明け前
 魔族自治区 裏通り

 ヒッソリ…

クロシュ(静か……)


イリス「……あと少しだね」

ローガン「うむ……。二人とも、無理はするな」

ミスティ「わかっているわ……」

イリス「ローガンさんも無理はしないでね……! 一番危ない役なんだから」

ローガン「心得ている」

イリス「妖精さんとクロシュちゃんも、頑張って……!」

クロシュ「うん」コク

妖精「まー私たちは後ろでコソコソするだけだから気楽だけどね」

ローガン「だが、君たちの働き次第で前線の我々も楽になる。しっかり頼むぞ」

妖精「はいはい。あることないこと吹聴して頑張るよ、クロシュが」

クロシュ「う、うん……」

ミスティ「でも、もし工作がバレたら私たち以上に危険な立場よ……。警戒は怠らないで……」

妖精「大丈夫大丈夫、私もこいつも隠れ潜むのは得意だから」

クロシュ「うん」


 コケコッコー!!


イリス「……! そろそろ行かなきゃ……!」ザッ

ミスティ「絶対に生きて帰るから。あなたたちも、死なないで」スッ

ローガン「クロシュくんを頼むぞ、妖精くん」ザッ

妖精「任せなさい。行くよ、クロシュ」

クロシュ「う、うん……!」

 ◆
295 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 17:35:01.85 ID:4zvWjFzd0
―夜明け前
 魔族自治区 全域


 コケコッコー!!


 魔族自治区全域を覆う巨大な紫の魔法陣「」フォン…


 夜勤明けの兵士A「んあ?」

 夜勤明けの兵士B「なんだ? 足元が光って……」

 夜勤明けの魔法兵A「……!!? 皆さん魔力防御を――」


 魔族自治区全域を覆う巨大な紫の魔法陣「」カッ!!!!


 夜勤明けの兵士A「がっ……」ガクッ

 夜勤明けの兵士B「な、にが……」ガクッ

 夜勤明けの魔法兵A「ぎっ……!」グッ

 夜勤明けの魔法兵A「ま、魔力が……奪われて……!」クラクラ

 ◆

―王国騎士団駐屯地 部隊長私室

 ワーワー ナンナンダアアアア!!

マリー「ぐっ……な、何が……」ハァハァ

マリー「これは……魔力を奪う、魔法……!?」ハァハァ

 扉「」バァン!

魔法騎士A「部隊長、ご無事ですか!!」ザザッ

マリー「じ、状況を……!」

魔法騎士A「魔族自治区全域に大規模な対人消魔陣が発動した模様!! 保有魔力の少ない人や抵抗力の弱い人は身動きが取れません!! これは――」

 ドゴオオオオン!!!!

マリー「!!?」

魔法騎士A「くっ……! ま、魔族の……反乱です……!!」

 ◆
296 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 17:36:38.21 ID:4zvWjFzd0
―魔族自治区 王国騎士団駐屯地

 夜勤騎士A「こ、これは……!!」ググッ

 夜勤騎士B「魔力が……!」ググッ


 ドガアァァァァァァアン!!!!


 夜勤騎士A「何――」グチャッ

 夜勤騎士B「あ、ああ……アバッ」グチャッ


 竜人の女性「返しに来たぜ……今までの借りを!!」メラメラ

 ムキムキオーク「姐さんに続け、野郎ども!!」ザッ

 ムチムチラミア「うふふ……殺すわぁ……」ユラッ

 魔族革命戦士たち「うおおおおおおお!!!」ダダダダッ

 *

 ウオオオオオオ!!
 グワーッ!グワーッ!アバーッ!

イリス「……」カタカタ

ミスティ「イリス!」

イリス「あ……」

ローガン「……今引き返しても、誰も咎めはせん」

イリス「……」

イリス「……ううん。怖いけど……魔族が……あの子たちが平和に生きていく為に……やれることを、やらなきゃ……!!」グッ

ミスティ「……わかったわ」

ローガン「足が止まりそうな時はすぐに言え。戦場では一瞬の迷いが命取りだ」

イリス「大丈夫……! 私……やれるよ……!!」ザッ


↓1
01 イリス負傷
02 ミスティ負傷
03-05 ローガン負傷
06-25 隊長格早期参戦、革命軍劣勢
26-95 革命軍優勢
96-00 イリスパーティ、電撃侵攻し部隊長マリーを捕縛
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 17:37:54.36 ID:LYWScLI70
298 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 17:56:18.35 ID:4zvWjFzd0
騎士C「あ、ああ、お、お助け――」

竜人の女性「そうやって命乞いした魔族を助けたことが一度でもあったのかよ、おい……!!」ゴウッ

騎士Cだった燃えカス「」プスプス



イリス「はあ、はあ……!! み、水よ……!」

 泡「」ポワン

騎士D「おわっ……! み、身動きが……!」ポワン

ムチムチラミア「上手よお、フラナちゃんのお弟子ちゃん……。あとは私が殺すわぁ……」ヒュッ

騎/士D「」バシャッ

イリス「……!!」カタカタ

ムキムキオーク「人間だって聞いてなんだそりゃって思ったが、流石はフラナさんの弟子だな!」

ムチムチラミア「人間なのに魔族(私たち)に付くなんて、道理のわかる子よねえ……うふふ……」



ミスティ「……イリス」

イリス「……た、戦えるよ!! 正しいことの、為だもんっ!!!」

ローガン「…………」

 ☆革命軍優勢+1

 ◆
299 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 17:57:48.85 ID:4zvWjFzd0
―魔族自治区 表通り

 駐屯地の方角「」メラメラ

 ザワザワ ナニガオキテイルンダ…

妖精「始まったみたいだね。私たちもやることやるよ、クロシュ」

クロシュ「う、うん!」

妖精「狙い目は、ここ表通りでざわつく住民や旅行者か……入植者たちのいる入植街だね。普通の人間は魔法陣の効果でまともに動けないけど、逆にその隙こそ嘘八百を刷り込むチャンスだよ」

クロシュ「……」


どこで活動する?
↓1選択
1.表通り(住民のざわめきが聞こえる……)
2.入植街(魔法陣で人間が倒れたからか、静かだ……)



妖精『状況は刻一刻と変化していく。最適解なんて、きっとない。だから、その瞬間瞬間であなたが最もすべきだと思ったことをするの。それで、例え取り返しのつかないことが起きたとしても……それは、そういう運命だったってだけだから』
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 18:00:33.62 ID:h1Z8nh/Io
1
301 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 18:11:43.53 ID:4zvWjFzd0
クロシュ「まずは……ここ」

妖精「まあ無闇に移動するものでもないか。じゃあ私はクロシュの懐からアドバイスするから」ススッ

クロシュ「ん……」

 *

ぐったりしている旅行者A「はあ、はあ……」グッタリ

ぐったりしている旅行者B「助けてください!! 朝の散歩をしていたら、突然魔力が……!!」

弱っている兵士「み、皆さん落ち着いてください!! もうすぐ騎士の方が来ますので、それまでは――」

黒髪女騎士クロシュ「」ヌッ

弱っている兵士「!! き、騎士様!」

妖精(よし、やれクロシュ!)


↓1コンマ
01-05 バレた
06-35 怪しまれつつもとりあえず遂行
36-65 なんとかやれた
66-95 好調
96-00 迫真
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 18:13:55.63 ID:rcMYjLLH0
303 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 18:32:08.37 ID:4zvWjFzd0
黒髪女騎士クロシュ「えっと……もうし訳ございません……。この魔法陣は……騎士団が、魔族をぎゃくさつするために、使おうとした実験のもので……」

弱っている旅行者B「ええ!? 虐殺って……!!」

弱っている兵士「そ、そんな……」

黒髪女騎士クロシュ「こ、国王様の要請で……実験を早めるように言われて……。すみません、誤発動してしまい……。人間には、魔力が減るだけで死んだりしないので……」

旅行者B「に、にわかには信じがたいけど……当の騎士様本人が言ってるし……」

黒髪女騎士クロシュ「旧市街の、神殿を緊急の救護所としておりますので……動ける方は、そちらへおねがいします」

妖精(救護所とか避難所を装った人質監禁施設だけどね)

弱っている兵士「わ、わかりました!! 動ける方は動けない方を背負って神殿へ向かいましょう……!」

旅行者B「と、とにかくありがとう!」ペコッ


黒髪女騎士クロシュ「…………」

妖精「よし、クロシュにしては上出来!」

黒髪女騎士クロシュ「…………うん」

 ☆革命軍優勢+1

 *

妖精「次はどこで活動する? まだここで続けるか、別の場所に向かうか」

↓1選択
1.ここ(表通り。そろそろ本物の騎士が来そう……)
2.入植街(戦いの音が聞こえる……?)
3.旧市街(子供たちと女性の声が聞こえる……)
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 18:33:07.86 ID:LYWScLI70
305 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 18:52:16.63 ID:4zvWjFzd0
―魔族自治区 革命中

クロシュ「……旧市街」

妖精「旧市街? あっちは魔族住民ばっかりだから嘘を吹聴する旨味はあんまりないと思うけど」

クロシュ「でも……なんか……気になる……」ヨタヨタ

妖精「そうなの? じゃあ行こっか」パタパタ

 ◇

―駐屯地

ムキムキオーク「むんっ!」ブンッ

 棍棒「」ゴオッ

騎士E「」ゴシャァ

ムキムキオーク「もう一匹!」ブンッ

 ガギンッ

ムキムキオーク「むっ!?」

精鋭騎士A「好き勝手やってくれるじゃないか、劣等種共が……!!」ギギギ

精鋭騎士B「本隊が遠征中の今を狙ってくるたァ、きたねェ奴らだぜ!」


竜人の女性「チッ、精鋭の奴らか……! 所詮は駐屯地の居残り組だ、叩き潰せ!!」

ムチムチラミア「ええ……殺すわぁ……」



ローガン「……! 彼らは一人ひとりが隊長格並だ! 消魔陣も殆ど効いていないと見える、油断するな!」

ミスティ「ええ……! イリス、いける!?」

イリス「……うん」スッ


↓1コンマ
01-05 イリス負傷
06-10 ミスティ負傷
11-20 ローガン負傷
21-50 革命軍劣勢
51-95 革命軍優勢
96-00 イリスパーティ、電撃侵攻し部隊長マリーを捕縛
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 18:53:50.46 ID:rcMYjLLH0
307 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 20:17:59.67 ID:4zvWjFzd0
精鋭騎士A「死ね劣等種共!!」シュビビッ

ムキムキオーク「ぐわあああああ!!!」ズババッ

竜人の女性「下がれ! 奴らの相手はオレがやる!!」シュバッ



イリス「はあ、はあ……! だ、大地よ……!」ゴゴゴ

精鋭騎士B「おっと!」ヒョイ

ローガン「――」シャッ

精鋭騎士B「ちっ!」キィンッ!

ミスティ「――」ブツブツ

 無数の氷柱「」ヒュンヒュン

精鋭騎士B「うおお!」サササッ

ミスティ「……!」

ローガン「この男……かなりやる……!」

精鋭騎士B「お褒めに預かり光栄……と言いたいところだが……お前ら人間だよな?」

イリス「!」ビクッ

精鋭騎士B「ペッ……。薄汚ェ劣等種より尚下劣で醜い人類の裏切者が。ただ殺すのもつまらねェ、本国に送って最下層奴隷に堕としてやんぜ」シャキン

 ◆
308 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 20:18:55.92 ID:4zvWjFzd0
―旧市街

 ザワザワ ナニガオキテイルノ…

聖女「皆さん、どうか落ち着いてください……。教会を開放しています、不安な方は是非教会へ避難してください……」ハァハァ

魔族の子供「お姉さん、大丈夫……?」

淫魔の幼女「おねーちゃん、魔力が減ってる……」

魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ

聖女「だ、大丈夫です……。私にはロイエ神のご加護がありますから、これくらいは……」



魔族の若者A「おい、この魔法陣で入植者のクズ共が参ってるらしいぞ!! しかも今駐屯地の方でフラナさんたちがクソ騎士共とガチバトルしてるらしい!!」

魔族の若者B「マジ!? ついに反乱の時か!!?」

魔族の若者A「入植街でもバトってるらしいから加勢に行こうぜ!」

魔族の若者B「おっしゃ! 晴らそうぜ、鬱憤!!」

 ザワザワ

友達の家を壊された魔族の少年「……」グッ



聖女「……っ! と、止めに、行かないと……!」ヨロヨロ

魔族の子供「あ、危ないよ! お姉ちゃん、人間だし……殺されちゃうよ……」

淫魔の幼女「こ、ここにいよ……?」

魔族国スライム「〜〜!」モニョモニョ

聖女「……ありがとう。でも、行きます……。例え、どれほどの憎しみがあっても……殺して良い理由には……」


「こんな時までお花畑の綺麗事か?」


聖女「……あなたは!」

魔族の青年「……ケケケ。こんな状況だ、一介の聖職者様が一人死んだとこで単なる事故≠ノしかなんねえよな?」

聖女「やめてください……! 私を殺しても、何の解決にも――」

魔族の青年「うるせェ!!! 解決なんてどうでもいいんだよ!!!」シャキン

魔族の子供「や、やめろおお!!」

淫魔の幼女「いやあああ!!!」

魔族国スライム「〜〜!!!」モニョモニョ


 シュバッ
 ガギンッ


小盾を構えた黒髪女騎士クロシュ「……」ギギ
309 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 20:20:15.68 ID:4zvWjFzd0
魔族の青年「なんだ、てめえ……。騎士じゃねェ……まさか!」

聖女「あなたは……まさか……!」

魔族国スライム「!!」モニョモニョ!

淫魔の幼女「クロシュちゃん!?」

魔族の子供「クロシュちゃん!!」

 ギンッ

黒髪女騎士クロシュ「!」ズザザッ

魔族の青年「へっ……あの時の穀潰しスライムか。胸糞悪い騎士のコスプレまでしてくれるたあありがてえ。気持ち良くぶっ殺しせるってもんだ……!!!」シャキ


 ――ボス戦闘開始――


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-40 劣勢
41-95 優勢
96-00 覚醒
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 20:23:20.63 ID:h1Z8nh/Io
お前……お前ボスかよぉ!?
311 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 20:31:57.61 ID:4zvWjFzd0
魔族の青年「おらどうしたどうしたァ!! その格好は見掛け倒しかァ!?」ブンブンッ

クロシュ「っ!」ギンギンッ



魔族国スライム「〜〜!」モニョモニョ

淫魔の幼女「えっ! クロシュちゃんの擬態って見かけだけなの!?」

魔族の少年「見た目と感触だけで、実際に堅くなったり強くなったりしてるわけじゃないの!?」

聖女「そ、そんな……! た、助けないと……! あっ……」フラッ



クロシュの懐にいる妖精「〜〜」ブツブツ

クロシュ「!」フワッ

妖精「追い風の魔法。体が軽くなったでしょ? 負けないでよ、クロシュ」

クロシュ「!」コクッ


クロシュ「……!」シュバッ

魔族の青年「なっ、こいつ急に動きが……!!」ギンギンッ

クロシュ「!」ブオンッ

 ガッ!!

魔族の青年「オゴッ……!」


↓1コンマ
01-05 痛恨
06-40 劣勢
41-95 勝利
96-00 覚醒
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 20:32:47.84 ID:LYWScLI70
313 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 20:54:34.38 ID:4zvWjFzd0
クロシュ「!」ブンブンブンッ

魔族の青年「オゴッ! オゴッ! オゴッ!」ガッガッガッ

クロシュ「――」グオオッ



魔族の少年「振りかぶって……!!」

淫魔の幼女「やっちゃえー!!!」

魔族国スライム「!!!」モニョモニョ!!!



クロシュ「!!!」ブンッッ!!!

 ガゴンッ!!!

魔族の青年「ゲウーッ!!!」ゴロゴロゴロ


 ――勝利!

 *
314 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 20:57:39.11 ID:4zvWjFzd0
縛られた魔族の青年「」

魔族の子供「フラナさんに言いつけてやる!」プンスコ

淫魔の幼女「でもクロシュちゃんかっこよかったあ……。えへへ……好きになっちゃいそう……」

クロシュ「?」

魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ

クロシュ「!///」っっっ


聖女「……一度ならず二度も助けていただいて……。クロシュさんには、何とお礼を言ったら……」

妖精「いいよいいよ。クロシュが好きでやったことだからさ」

クロシュ「ん」コク

聖女「本当にありがとう……。今回は、何もお礼できなくてすみませんが……私も、もう行かないと……」ヨロヨロ

妖精「えっ、そんなフラフラなのにどこに?」

聖女「入植街の方で、争いが始まったそうなのです……。不要な殺生は止めにいかなければ……」

妖精「無駄だと思うけどなあ。それに当人らは不要だとは思ってないよ多分」

聖女「……そうだとしても。命を亡くしてしまえば、取り返しは付きません……。後悔も、反省も……何もできなくなってしまうのですから……」

妖精「考え方は立派だと思うけどね。まあ無理に止めはしないよ」

淫魔の幼女「無理に止めて! おねーちゃん死んじゃうよ!」

妖精「そんなこと私に言われても……」

クロシュ「……」


↓1〜3多数決
1.聖女を止める
2.聖女を止めない
3.聖女と一緒に行く
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 20:58:28.39 ID:LYWScLI70
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 20:59:29.95 ID:h1Z8nh/Io
3
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 21:02:59.87 ID:0+mBYahuO
3
318 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 21:45:36.26 ID:4zvWjFzd0
クロシュ「……わたしも、行く」

妖精「へ!?」

聖女「え?」

淫魔の幼女「クロシュちゃん!」



妖精(いやいやいや、ちょっと待って! 一緒に行ってどうするの!? 聖女はどっちかと言うと革命を止めたい側なんだよ!?)

クロシュ(……わたし……わかんない……。何が、正しくて……何が、正しくないのか……)

妖精(……)

クロシュ(一緒に行けば……わかるかもしれない……。わたしが、やってること……。やりたいこと……。やらなきゃ、いけないこと……)

妖精(……そっか。成り行きで革命に参加したけど、クロシュは考える時間もなかったもんね。まあ私たち二人がサボったところで大勢は変わらないだろうし、行ってみよっか)

クロシュ(うん)



聖女「……しかし、あなたをこれ以上巻き込むわけには……」

クロシュ「……スライムのわたしが一緒にいた方が……攻撃、されにくいと思う……」

聖女「それは、そうなのですが……」

妖精「じゃあ決まり。でも私たちはただ付き添うだけだからね。今何が起きているのか……見極めたいだけ」

聖女「……何から何まで……本当に、ありがとうございます。でも、もし危なくなったら私など見捨てて逃げてくださいね……」



魔族国スライム「〜〜」モニョモニョ

魔族の子供「ぼくたちは教会に避難してるから。お姉さんも、クロシュちゃんも、妖精さんも、気をつけてね……!」

淫魔の幼女「……死んじゃやだからね」

 ◆
319 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 21:47:23.37 ID:4zvWjFzd0
―駐屯地

竜人の女性「――」シュビビッッ

精鋭騎士A「チイッ! トカゲ人如きが調子に乗るなよ……!!」ガギンッ



精鋭騎士B「死ねィ!」ビビビッ

ローガン「くっ……! このままでは……!」ガガガッ

イリス「ローガンさん……!」

ミスティ「くっ……! 距離が近すぎて援護できない……!」

精鋭騎士C「では裏切者のお嬢様方はワタクシが味見してしまっても?」ヌッ

イリス「」ゾッ

ミスティ「――!」バッ

 無数の氷柱「」シュババッ

 パキンパキンパキンッ…

ミスティ「なっ……!」

精鋭騎士C「ハッハッハ! ワタクシの対魔法装甲にそんな脆氷が効くとでも?」シャキン

イリス「ッ! ミスティ……!!」ダッ

精鋭騎士C「ハッハッハ! もう遅い!!」シュバッ

ミスティ「っ!!」


 ゴッ…


精鋭騎士C「オボッ……」ドサッ

フラナ「ごめんなさい、遅れたわ」シュタ

ミスティ「……た、助かった、わ……」

イリス「あ、あ……フラナ、さん……」ジワッ

フラナ「……無理をさせたみたいね。あなたたちはもう下がって良いわよ」スッ

 フラナの手に現れる魔血の槍「」クルクル ブンッ

フラナ「始めましょうか。消化試合を――」


↓1コンマ
01-95 優勢
96-00 イリスパーティ、隙をついて部隊長マリーを捕縛
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 21:48:24.61 ID:taa8TZbZ0
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 21:48:25.65 ID:0+mBYahuO
かち
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 21:48:34.87 ID:h1Z8nh/Io
つよい
323 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 22:18:37.57 ID:4zvWjFzd0

フラナ「」ヒュンッ

精鋭騎士A「アバッ…」ザシュザシュッ ドサッ

竜人の女性「おいそいつはオレの獲物……って今はいいか! 早かったなフラナ!」

フラナ「首尾は上々よ。遠征騎士も王国の援軍ももうここには来れない。あとはこいつらの何人かを生かして捕虜にすれば完全勝利ね」ブンッ

 高速飛翔する魔血の槍「」ギュオオオオ!!
 ザシュッ!!

精鋭騎士B「な、に……」クシザシ

ローガン「!!」

フラナ「あなたもお疲れ様。イリスとミスティを下がらせたから、傍にいてやって」ギュオオ

 再びフラナの手で形作られる魔血の槍「」ジャキン

ローガン「う、うむ……」

 *

イリス(そこから先は、一方的だった)

イリス(フラナさんは、赤子の手をひねるように残存する兵士や騎士たちを次から次に殺戮していった……)

イリス(……これで良いんだ。魔族を命として尊重できない奴らなんて……死んじゃえば……いいんだ……)

イリス(…………)

イリス(……私……最低なこと……考えてる……)

イリス(もう……やだよお……)

 ◆
324 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 22:39:21.46 ID:4zvWjFzd0
―入植街

串刺しにされた兵士の死体「」メラメラ
串刺しにされた騎士の死体「」メラメラ
串刺しにされ恐怖の表情で固まった入植者の生首「」メラメラ

「ぶっ殺せ!ぶっ殺せ!」
「や、やめて……あぎっ」
「ギャハハハハ!!!クソッタレの人間どもめ!!!」
「女はいねえのかよ!?孕ませ奴隷にしてやる!!」
「おぎゃあ、おぎゃあ…」
「どうか、娘だけは……」
「人間の赤子だ!!蹴っ飛ばしちまえ!!!」
「あっははははは!!!私の子もあいつらに蹴っ飛ばされたなあ!!!」
「お前たちを壊したところで何も還って来ねェんだよォォォ!!!」
「まだまだ隠れてる奴が大勢いやがるぞ!!全員引きずり出せ!!!」
「殺せ!!殺せ!!!殺せえええええええ!!!!」


聖女「……!!」

クロシュ「……」

妖精「あーあ。やっぱりこうなるよね」

聖女「止め、させないと……」

妖精「人間のあなたが言っても、絶対に聞く耳なんて持たないよ。あの串刺し死体が一つ増えるだけ。運が良ければ孕ませ奴隷で済むかもね」

聖女「……っ」

妖精「よく見ておきなよクロシュ。これが命の本当の姿。生きることの本質なんだよ」

クロシュ「……」

妖精「苦しんで、苦しめ合って……最期の瞬間まで、誰一人として救われない。苦しむために生まれて、生きるために苦しんで、苦しめ合わなきゃ生きられない。そんな最低の存在なんだよ。私たちは」

クロシュ「…………」


↓1〜3 どうしよう
1.どうにもならない
2.それでも、この惨劇を止めたい
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 22:40:52.47 ID:LYWScLI70
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 22:41:48.00 ID:0+mBYahuO
2
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 22:45:39.33 ID:QXzonBD10
1
328 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 23:04:55.09 ID:4zvWjFzd0
クロシュ(……妖精さんの言う通りだ)

クロシュ(こんなの……どうにもならない……)

クロシュ(人も魔族も、こうやって苦しめ合わなきゃ生きられないのなら……)

クロシュ(…………)

クロシュ(……フメイちゃんに、会いたい……)



妖精「私たちにできることは終わった。撤収撤収」

聖女「そ、それでもっ……!! 命は……命は、苦しめ合うだけなんかじゃないと……私は……!!!」

妖精「自殺行為はやめてよね。寝覚めが悪くなる」

聖女「……く、クロシュさんは……」

クロシュ「……」

クロシュ「…………ごめんなさい」ペコリ

聖女「……」

聖女「……」ガックリ

妖精「クロシュ、この人に肩を貸してあげて。勝手に死なれたらあの子らが悲しむから、引きずってでも連れて帰るよ」

クロシュ「ん……」コクリ

 ☆クロシュの心境が変化しました

 ◆
329 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/27(土) 23:05:35.11 ID:4zvWjFzd0
本日はここまでです。クロシュの属性が中庸になりました。最も自由ですが、何らかの信念を持たないと単なる無軌道となってしまう属性でもあります

革命編はは恐らく次回の更新で終わります。今のところ身内に犠牲者が出ておらず、放って置くと魔族青年に殺されていた聖女&子供たちもしっかり助けたので、かなり好調な進行です。この調子で行けば反魂丹の出番もないかもしれません。使わないのが一番です

それでは本日もありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/27(土) 23:09:20.79 ID:LYWScLI70

フラナ氏の安心感よ。
血魔法は応用エグそうだしエネルギー源も現地調達できるし・・・ね
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 00:10:32.90 ID:F8NpDpswO

妖精さん、思想が強くて好き
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 00:33:28.93 ID:kxzDnWoDO

選択肢的には何を選んでも犠牲になるものは必ず出ただろうが、やはり少しやるせない
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 01:11:01.71 ID:JCIvASwGo

もうかわ穀なんて言わせない!
秩序属性のイリスには辛い展開だ……
聖女さん危なっかしいなあと思ってたら死亡フラグあってヒヤリ
自治区離れたら出番は終わりそうだけどナレ死せず慎ましく生き延びてくれ
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2024/01/28(日) 11:21:35.23 ID:aZAGhEvQO

イリスちゃん前作主人公ばりの曇りが・・・
フラナ氏は近接戦闘も行ける口かな
335 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2024/01/28(日) 16:36:17.61 ID:957IQeFT0
フラナ氏は実際とても強いです。もちろん近接戦闘もできます。彼女は以前の魔族国の幹部級の強さなのですが、実のところ勇者さえいなければ魔族国は王国などに負けることはなかったと言われています。その理由は今回のフラナ氏の活躍をご覧いただければわかるかと思います。このくらいの強さの幹部が複数いたので、魔族国は当時小規模な都市国家でありながら極めて高い軍事力を有していました

妖精さんはまあ、きっと人生で嫌なことがたくさんあったのでしょう。苦しい経験をした人が虚無主義や悲観主義を抱くのは珍しいことではありません

今回、人も魔族も一切犠牲にならない選択というものはありませんでした。どこかで妖精が言っていたように、最適解はありません。魔族自治区は物語開始時点の状況で既に平和的解決を目指すのは不可能でした。そんな詰んだ状況でクロシュちゃんとイリスさんはよくがんばっていると思います

イリスさんにとってはつらい状況が続いています。彼女には苦しい現実を受け流せるドライさも、正義に酔える愚かさも、自分で選んだことから逃げ出す無責任さもありませんでした。魔族のためだと自分に言い聞かせながら同族の人間を殺す加害者にならざるを得ない今の状況は実際とてもつらいものかと思われます。前作主人公もそうでしたが、曲がったことや理不尽から目を逸らすことのできない王道主人公気質であるがゆえに、人一倍苦しみやすいのかもしれません

ちなみにローガンさんの属性は秩序と中庸の中間くらいです。普段の発言は中庸っぽいですが、内心では秩序も重んじています。時と場合によって思考を切り替えられるタイプの人でもあり、根無し草の旅人をやっている今は中庸スタンスでいた方が都合が良い場合が多いため、結果的に口から出る言葉も中庸寄りのものが多くなってしまうのです

聖女さんの出番が今後もあるかはわかりませんが、もし出番がありそうなら名前とかを募集するかもしれません。余談ですが、彼女は見ての通り完全な秩序属性なのでイリスさんとは意見が合いやすいです
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