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【FGO/SS】本当はあったFGOハロウィン2023
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34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/25(土) 08:08:19.20 ID:6DhLy6n80
バリバリバリィィン!シュゥゥゥ〜ン・・・‥
マシュ「敵呪霊サーヴァントの数の消滅、および敵勢力の生得領域の消滅を確認。やりましたねマスター。」
吉備真備「うん、初めての呪霊祓いにしては上出来だ。ほんと、大したもんだと言いたいところだね。」
【いやそれ程でも・・・】
【これでもみんなのおかげでもあるけどね】←
吉備真備「そんなことはないさ。だってそこの2人のサーヴァント、この即死しかねない渋谷の呪いに僕が来る前に耐えた他に初めてで呪霊を祓うからね。」
吉備真備「特にそこの彼女、バーヴァン・シーだったっけ?君のその可憐で美しく、その身のこなしで敵を翻弄し、敵を祓っていく」
吉備真備「特にその彼女が持ってるトンカチと釘で呪霊サーヴァントをあんな風に倒しちゃうなんて、それはほんと凄いというか。」
バーヴァン・シー「ッ!それ私におだててるつもり?まあ別に大したことはじゃないけど、私の戦い方が凄いと言われるなんて良いものね!」
【ほんとそれね】
【流石、妖精騎士トリスタンと呼ばれてたからね】←
バーヴァン・シー「〜〜〜!べ、別に貴方に褒められても嬉しくないわよ!私はね〜〜〜!」
吉備真備「アハハハハハ・・・‥」
吉備真備「(まあ確かに凄いモノだな。あの赤い棘を繰り出し、素早い動きで敵を翻弄しつつ相手に攻撃を加えていくその戦法。)」
吉備真備「(そして彼女の宝具『痛幻の哭奏(フェッチ・フェイルノート)』は瞬時に敵の分身を生成し、それを殺す事で相手を呪殺する藁人形による丑の刻参り形式による呪法。)」
吉備真備「(なんかこう・・・彼女の戦い方がその、“あの子”にとってもよく似ているというか・・・あの子が彼女の事を思うとねぇ〜‥。)」
吉備真備がよく似ているという“あの子”
https://appmedia.jp/wp-content/uploads/2021/09/2785127586aa860999034589eaa5c0cc.webp
https://jj-senkasouran.bn-ent.net/images/character/kugisaki/ill.png
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/25(土) 22:44:27.76 ID:6DhLy6n80
吉備真備「・・・・・・・・・‥」
【真備さん?】←
吉備真備「んっ?あ、いや別に彼女(バーヴァン・シー)に対して変な目で見ていないよ。ただ僕の知人と戦い方がよく似ているなぁ〜っと思ってね。」
吉備真備「まあ気にすることはないさ。これも彼女の戦いに対して僕なりに評価していただけだからね。」
【は、はぁ〜・・・】←
―――――――――――――――――――――――――――
敵の呪霊サーヴァントの生得領域消滅後―――渋谷:金王坂周辺・クロスタワー付近
ピピピィィ〜!
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「敵の呪霊サーヴァントの生得領域の消滅がこちらでも観測された。それと同時に藤丸ちゃんたちの今いる座標も確認された。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「場所は渋谷の東側にある金王坂付近であり、両面宿儺と接触したという『チェイテ渋谷神社城』からさほど離れてはいるが大した距離ではない。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そこから徒歩でも行ける距離だからすぐにでも行って欲しいのだけど・・・」
ぼやぁぁ〜・・・パチパチパチッ・・・クラァァ〜・・・
マシュ「!。マスター!」
ガシッ、ドサッ!
吉備真備「どうやらマスターの方は大丈夫ではなさそうだな。初めての呪霊サーヴァント祓いで魔力も体力もかなり消耗しているようだし。」
吉備真備「まあここに来てかなり色々とあったからね。ここはひとまず彼女を休ませることに専念して、回復次第、そのチェイテ渋谷神社城へと向かおうじゃないの。」
【うん・・・・】
【すみません。私なんかのために・・・・】←
吉備真備「良いの良いの!これから共にこの渋谷の呪いを祓う仲間だからね。先も長いし色々と困難もあると思うとね?」
吉備真備「それにこの渋谷に渦巻く呪いを祓う為にも色々と準備をしないといけないからね。」
吉備真備「まあ楽しみにしててよ。僕が必ず、君にかけられた呪いを祓ってあげるからね?」
ドサッ、タッタッタッタッタッタッ・・・・
―――――――――――――――――――――――――――
吉備真備と仮契約を交わし、敵の呪霊のサーヴァントたちとの生得領域内での聖杯戦線にて彼と共に戦っていくカルデアのマスター達
その戦いの末、彼女たちは見事に敵の呪霊サーヴァントの統領を祓い、無事に生得領域からの脱出を果たすのであった。
そしてカルデアからの支援を通して彼女たちの現在地を把握し、カルデアのマスターの容態の事を考慮し、彼女を休ませるためにも吉備真備のアジトへとマシュたちは彼女を連れて戻るのであった。
吉備真備「・・・・・・・・・‥」
しかし吉備真備は既に知っていた。彼女たちがアジトへと向かっていく所を遠くから見ていた存在の事を、
そして彼はその存在に警戒するかのように彼の目はとても不思議な感じに輝いていたのであった。
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/26(日) 00:04:16.18 ID:gOFiO1R/0
吉備真備のアジトから数キロ離れた所・・・渋谷:ヒカリエ 屋上にて・・・
両面宿儺(エリザベート)「やはり“アイツ”がこの渋谷に来ていたのか・・・この俺にも知らない混沌に満ちた呪いの世界を・・・」
両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・・」
―――――――――――――――――――――
回想シーン:数時間前、渋谷駅付近(渋谷センター街側)にて・・・・
ガシュッ!パカァァーーン!!
真っ二つにされたマスター(藤丸立香)「」
ガシュッ、バラバラァァァーーー!!
サイコロステーキにされたマシュ「」
両面宿儺(エリザベート)「クフフフフフ、クッハハハハハハハ〜〜〜!!」
ボォォン!ヒラヒラァァ〜〜‥
切り裂かれた2人(藤丸立香、マシュ)→切り裂かれた式神紙人形「」
両面宿儺(エリザベート)「!?。なに・・・・これはいったい・・・・‥!?」
吉備真備(シルエット)「・・・・・・・・・」
藤丸立香、マシュ「・・・・・・・」
タタタタタァァーー!
両面宿儺(エリザベート)「!?おい待てっ!!」
―――――――――――――――――――――
両面宿儺(エリザベート)「全く、この身体になってからどうも俺自身の調子が狂う・・・これもこの娘の霊基というモノのせいなのか?」
両面宿儺(エリザベート)「まあいい・・・この渋谷にアイツが来ているとならば、少しは楽しめるモノかと思えばいい、それにアイツもそれなりの事情もあるようにもある‥」
両面宿儺(エリザベート)「良いだろう、来るがいい。俺はお前たちが俺に再び正面から出会えることを楽しみにしながら待っているぞ。」
シュッ!シュタッ、シュタッ、シュタッ、シュタッ!
――――――――――――――――――――――――――――
吉備真備がアジトにしているクロスタワーから少し離れた場所にある渋谷・ヒカリエの屋上。そこにはカルデアのマスター達がアジトに戻っている所を両面宿儺(エリザベート)が見ており、
数時間前、自身の呪術で斬り殺したはずのマシュとカルデアのマスターは実はニセモノであり、そのニセモノを用意したであろう吉備真備(■■■)が近くにいて、
その彼がマシュとカルデアのマスターの2人を連れて逃げ、それを取り逃がした両面宿儺(エリザベート)は彼の事を意味深に考えており、
両面宿儺(エリザベート)はカルデアのマスター達がそちらから再び彼女の前に姿を現すことを心待ちにしているかのように、両面宿儺(エリザベート)はそのままチェイテ渋谷神社城へと帰っていくのであった。
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/26(日) 09:36:52.07 ID:gOFiO1R/0
第3廻戦:特級の呪いと女武将
―――――――――――――――――――――
“人間は泣きながらこの世に生まれてくる。阿呆ばかりの世に生まれたことを悲しんで”――西洋の作家・シェイクスピアは自身の作品にこう一つの言葉を残している。
この世に生を持って産まれる時、当たり前のように泣きながら赤子は生まれてくる。その泣きは喜びでもあり、悲しみでもある。
しかし裏を返せばそれは自身が産まれてきた世界が自身の想像とは異なり、それによって失望と絶望を知っての上で泣きながら産まれる事でもある。
それは必然的なことであり、それによって自身を産んだ両親・産まれた自身・周りの世界さえもまた、本能的に呪いを放っている。
そう、人とは・・・・産まれた時から既に呪いを放っていく者でもあるのだ。
――――――――――――――――――――――
渋谷 クロスタワー内:吉備真備のアジト
パチパチパチッ・・・ズズゥゥ〜・・・
吉備真備「よう!身体の方はだいぶ休まった感じかな、マスター?」
【うん、おかげさまで】
【とても身体が楽になったよ】←
吉備真備「そうかそれはよかった!マスターが元気というのならもう大丈夫だね。そうと決まれば、早速その両面宿儺が根城にしているという場所に向かいますか!」
【えっ、もう行くの?】←
吉備真備「ああ!まあこの渋谷の今の地形についてはこっちで把握しているし、戦力の方もこちらに十分あるからね。」
マシュ「はい。私や望月さん、それにバーヴァン・シーさんもまた、吉備真備さんの術式のおかげで魔力の方も回復していますし、いつでも出発は可能かと。」
望月千代女「はい。それと両面宿儺がこれから何をしてくるのかも分からない他に、特異点の影響が深刻化する恐れもあり、捜索は早い方がいいかと・・・」
望月千代女「しかし両面宿儺にはあのプトレマイオスさえも防げなかった攻撃もありまして、攻略には慎重に進めていくのもありかと。」
吉備真備「そうだね。僕の知ってる宿儺の姿が違うとはいえ、ヤツが今どれ程の呪いの力を持っているのかもわからない以上、安易に奴に挑むのは無謀なことだ。」
吉備真備「だがだからとて、奴をこのまま頬っておくわけにはいかない。奴がこの渋谷の呪いを自身の力にする事がある可能性もあるし、そうなったらそれはそれで面倒な事になる。」
吉備真備「エリザベート・バートリーに取り憑いた両面宿儺を祓い、マスターが彼女に謝れるようにも慎重かつ事は早めに進める方が僕らの為にもなるからね。」
【うん】←
吉備真備「ところで君、望月千代女ちゃんだよね?僕が生きてた時代より遙か未来で歩き巫女をしながらくノ一をしてたって‥」
望月千代女「はい。それと拙者にはかの伊吹大明神の力も一時ではあるが使えまして、その力を持ってサーヴァントとして戦っています故に。」
吉備真備「ふ〜ん・・・僕が生きてた時代にも忍者は少しなりに会っていてね。まあそれはそれで僕を襲ってくるなりにこっちで返り討ちにしてきたのだけど・・・」
吉備真備「君のような女忍者は初めて見るのだけど、君が歩き巫女もしていたと言うにはそうだなぁ〜‥」
吉備真備「君の忍者のテクニックとして、お色気の術もあったりするのかな?」
望月千代女「――――!?」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/26(日) 23:05:58.12 ID:gOFiO1R/0
吉備真備「聞くところじゃ、サーヴァントっていうのはその者の全盛期の姿で現界するって聞いているけど、その姿でくノ一と言うんじゃなんかこう色気がないというか・・・・」
吉備真備「もしかしたら君の別クラスの姿・・・例えば僕と同じキャスタークラスの水着とかだったら、とてもじゃないほどのどス―――」
望月千代女「〜〜〜〜〜〜!!」カァァァ〜〜!!
バシッ!バシバシバシバシィィ〜〜〜!!
――――――――――――――――――――――――
それから数分後、渋谷:渋谷ヒカリエ周辺にて・・・
タッタッタッタッタッタッ・・・・
マシュたち「・・・・・・‥」
望月千代女「・・・・・・‥」
吉備真備(顔ビンダ跡付き)「〜〜〜・・・・・・」
【大丈夫?】
【いまだにビンダの跡が残ってるよ?】←
吉備真備「痛たぁぁ〜〜、もう別に何も平手打ちしなくても悪かったというか・・・・」
望月千代女「吉備真備殿。貴方という陰陽の者が歩き巫女の意味を履き違えっていたとは、貴方には少々失望感がわいてしまったというか・・・」
【ホントよね・・・】
【これは流石に吉備真備が悪い】←
吉備真備「・・・・・・・・・・・・・(反省している)」
シオン(通信)「吉備真備がイケメン男子だからって、セクハラ発言はやってはいけないというのは社会のルールといっても過言はありませんですからねぇ〜。」
シオン(通信)「――というのはさておいて・・・吉備真備さん、あなたに1つ聞きたいことがありまして、あなたは藤丸氏に自身の事を“呪術師”と自称していましたが、」
シオン(通信)「その事についてあなたは“陰陽師の開祖”であり、“呪禁師”でもあると自称したかったのですか?」
【呪禁師?】←
シオン(通信)「陰陽道が普及する前、呪術による邪気祓いの病気治療や安産促進などを施したりする術士の事であり、その起源は同じ中国の道術であるのがこちらの記憶にありまして。」
シオン(通信)「呪禁による魔術的病気治療の項目で日本の8世紀までその存在を知らしめていましたが、後に厭魅蠱毒(えんみこどく)事件の続発によって呪禁(じゅごん)そのものが危険視され、」
シオン(通信)「その同時期に台頭した道教の呪術を取り入れた陰陽道の採用と共に同世紀末に呪禁師の制度が事実上廃止され、9世紀までにはその存在が消滅したと。」
シオン(通信)「呪禁師の制度の廃止に至っては、陰陽道の採用させた吉備真備氏が絡んでいたと記録にはありますのですが・・・」
吉備真備「‥まあその話について僕から言える事はまず無いと思ったほうがいいよ。僕は確かに“吉備真備”であるが、“英霊・吉備真備”の記憶を今の僕が全て知っているとは限らない。」
吉備真備「君たちが知っているという僕の逸話もまた事実とは異なる可能性もある以上、僕から言える事はまず無いと言っても過言はない。」
【・・・そう。】
【まあそれはそれでいいのだけど・・・】←
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/26(日) 23:56:05.69 ID:gOFiO1R/0
グワァァァ〜〜ン!
【これって!?】←
吉備真備「マズい。ここらで領域が展開されたみたいだ。おそらく呪霊サーヴァントが近くにいる。」
吉備真備「構えておけ、ここはもうすぐ領域内の戦場になるぞ!」
【はい!】←
グワァァァ〜〜ン!
―――――――――――――――――――――
渋谷での最初の聖杯戦線から数時間後。カルデアのマスターが回復し、彼女たちは両面宿儺(エリザベート)がいるチェイテ渋谷神社城へと歩いて行く。
その道中、カルデアの者たちとの会話の最中に突如として呪霊サーヴァントによる領域展開がなされ、彼女たちはその領域展開に巻き込まれてしまうのであった。
―――――――――――――――――――――
領域内:枯れ木の樹木群
【ここって・・・】←
望月千代女「はい。この枯れ木ばかりの森のような場所・・・ビルが建ち並ぶ渋谷の街が一瞬のうちにこのような場所になるとは・・・」
吉備真備「そう、それが領域展開の恐ろしいところだ。領域を展開した者の心象風景が固有結界という形で具現化され、数を問わずに対象の者を結界内に閉じ込める。」
吉備真備「つまり領域を展開すれば、それを展開した呪霊サーヴァントの意のままに地の利を支配する事も可能となり、場合によっては・・・」
タタタタタタァァーーー!
【誰かが来る!】←
マシュ「はい。おそらく私たちの他にこの領域内に閉じ込められた者がいると思いたいのですが・・・」
吉備真備「ああ。渋谷の呪いがある以上、おそらく僕の他にこの渋谷の呪いに耐えられるサーヴァントがいて・・・‥!?」
【どうしたの?】←
吉備真備「マスター。これは僕が思ってたより結構ヤバい事になると思うよ。」
吉備真備「その証拠として、いま目の前の奥に僕らに向けてこっちに来ているのがそれだ。」
タタタタタァァーー!タッタッタッタッタッ・・・
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/27(月) 22:06:54.89 ID:9A4BgWRz0
タタタタタァァーーーー、ズズゥゥ〜!
カルデアのマスター達の近くに現れた者(???)
https://jj-senkasouran.bn-ent.net/images/character/maki/ill.png
槍持ちの女性「ツゥゥ・・・。なんだアイツは・・・先ほど倒した他の奴とは格段に違う・・・今のこの身体の私でも太刀打ちが出来るのかどうか・・・」
槍持ちの女性「人の姿をしたモノノケか?いったいこいつは何者なのだ?」
謎の呪霊サーヴァント「ぬしでここはたなあ、いなれらげにてったっいへごと。」
謎の呪霊サーヴァント「いさなりなにんぶうよのんえくらのりものしたわてしそ!」
タッタッタッタッタッ・・・‥
???を追うかのように現れた呪霊サーヴァント?
https://pbs.twimg.com/media/FCVgoHcVgAExhjh?format=jpg&name=large
―――――――――――――――――――――――――――
【あれって・・・】
【ジャック・ド・モレ―!?】←
マシュ「はい!あそこにいるのは間違いなくフォーリナークラスのモレ―さんです。」
マシュ「でもどうして・・・モレ―さんは渋谷の呪いによってもう既に退去されたはず・・・・」
吉備真備「いや、マスター。あいつは君たちが知ってるというジャック・ド・モレーとは100%違う。そこについては僕が断言する。」
吉備真備「あいつはまもなく呪霊サーヴァントだ。しかも呪霊サーヴァントの中で1番高い階級と言ってもいい。」
【階級?】
【それとあれもまた、呪霊サーヴァントだというの?】←
謎の呪霊サーヴァント(モレ―?)「!。らしかれだはたなわ・・・ねのたいもにかほにろしうのたなあ、ララ―ウ?」
【え、なに・・・?】
【今なんて言ったの?】←
ゴルドルフ(通信)「な・・・あの呪霊サーヴァントは何を言ったのだ!?何を言ったのかがサッパリわからんぞ!」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん、さっきの言葉をこっちで解読しているのだけど、これはなんというか・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「とにかくあれは吉備真備の言った通り、あそこにいるジャック・ド・モレーは私たちの知るジャック・ド・モレーではないのは確かのよだね。」
『ボンジュール!そこにいる愚かな児たち。』
マシュ「!?」
【!?】
【いま頭の中から声が・・・】←
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/27(月) 23:55:51.63 ID:9A4BgWRz0
謎の呪霊サーヴァント(モレ―?)「『あなたたち、あたしの事を他の呪霊の奴と同じだと思ったのかしら?』」
謎の呪霊サーヴァント(モレ―?)「『確かにあたしは呪霊でも他の格の小さい呪霊とは全く違うものだし、あたしにはちゃんと『花御』という名前があるのよ。』」
【花御?】
【あの声、あの呪霊サーヴァントから発している・・・】←
吉備真備「(あの呪霊サーヴァント・・・どうやらあいつは俺が前に祓った特級呪霊の呪力をあのモレ―とかいうサーヴァントの霊基と混ぜて召喚したと言う訳か。)」
吉備真備「(だとすれば、あの鮮血魔嬢を宿儺の器とさせた奴と同じ存在がこの渋谷特異点の黒幕というべきか。ほんと悪趣味な事というか・・・)」
吉備真備「(いったい黒幕はこの渋谷でいったい何をしようとしているのか?この渋谷を特異点にしてまで企んでいる事はいったい・・・)」
謎の呪霊サーヴァント(モレ―?)→特級呪霊サーヴァント・花御モレ―「『あなたたち。あなたたちもまた、このあたしを倒す為にこの渋谷の呪いを祓おうとしているのかしら?』」
花御モレ―「『あたしはただ、この星の願いを叶えようとしているだけ。この星の自然を守り、再生させたいだけに他ならない。』」
花御モレー「『それには時間がいる。この星を穢すことしか出来ない君たちのような人間がいない時間が欲しい・・・』」
花御モレ―「『この星の命の為に、君たち人間は全て死んでもらう。そしてこの星の地と還り、死してこの星に詫びなさい!』」
グォォォ〜〜ン!グォォォ〜〜ン!
呪霊サーヴァントたち「オォォォ〜〜〜!!」
吉備真備「下級の呪霊サーヴァントも湧いてきたか。マスター、こうなったらやるべき事はわかっているよな?」
【あの呪霊サーヴァントを倒そう!】←
【これはやるしかないですよね?】
吉備真備「お、わかっているじゃないか。さすが僕と仮契約した事はある。」
吉備真備「だが今から戦う相手は前に戦った呪霊サーヴァントとの戦いとは比べようもないほど過酷を極まる戦いになる。そこだけは覚悟した方が良いと思うよ。」
【過酷な戦いって・・・】
【それどういう事なの?】←
吉備真備「ああ。しかしそれについてはこちらで対策は取ってある。マスターが思うより充分とは言えなくはないのだけど・・・」
吉備真備「まあそれについてはその眼でしっかりと見ててくれればいい。本当の領域の綱引きというものを!」
―――――――――――――――――――――――――――
自身の事を『花御』と名乗るフォーリナー:ジャック・ド・モレーの姿をした呪霊サーヴァントとその配下の呪霊サーヴァントに宣戦布告されるカルデアのマスターたち
カルデアのマスターとマシュたちはモレーの姿をしている花御の存在に複雑な思いを抱くも、吉備真備の呼びかけに彼女たちは目の前の呪霊サーヴァントたちと戦う体勢と取り、
カルデアのマスターたちと花御モレーたち呪霊サーヴァントの軍団との聖杯戦線が始まるのであった。
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/29(水) 00:22:25.86 ID:pViJVUSy0
ハロウィン聖杯戦線2:森林の呪霊・花御
―――――――――――――――――――――
花御モレーの呪術領域:枯れ木の樹木群
花御モレ―「『キミたち人間とあたしたちはもはや共存できない。あなたたちにこの星の命を任せられない。』」
花御モレー「『キミたちはキミたちの愚かな行為の代償を死して償わなければならない。この周りに立ち枯れた木々のように!』」
花御モレ―「『思い知りなさい!この星の呪いより蘇りし、あたしの力を!!』」
バーヴァン・シー「あーもうなんなの!あの女モレ―モドキの喋り方がクソ下手で頭から喋っている意味がハッキリと聞こえるなんて!」
バーヴァン・シー「おいマスター、さっさとあの女モレ―モドキを倒してこんな結界の中からおさらばするわよ!」
【ちょっと待って!】
【迂闊に動くのは危険だよ!】←
吉備真備「確かにその通りだ。この空間は前に戦った呪霊サーヴァントの生得領域とは比べるまでもなくかなり危険といってもいい。」
吉備真備「迂闊に動けば、この領域を展開したあの呪霊サーヴァントによって必然的にハチの巣にされる。これ本当にマジな話。」
吉備真備「あの花御と名乗る女モレーの攻撃を受けたくないのならこの領域内の陣地を見極め、女モレーに近づいて倒すほかにない。」
キィィ〜ン・・・
吉備真備「あの陣地を見てほしい。おそらくあそこの陣地に居座れば、こちらの動きが止まった瞬間にあちらの攻撃を必ず受けかねない。出来れば通ったり陣地に居座ることは避けたい。」
吉備真備「必中攻撃の危険がある陣地を避けつつ、僕かマスターをあの女モレ―の所へ連れていけばいい。後のことはこっちで何とかするから。」
ゾロゾロゾロゾロ・・・・
吉備真備「敵の数の方が多いが、あの低級呪霊サーヴァントたちを突破し、あの女モレーモドキを倒すぞ!」
【はい!】
【指示は任せて!】←
吉備真備「良い返事だ。さあ行くぞ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/29(水) 21:23:36.72 ID:pViJVUSy0
槍持ちの女性「おいそこのお前たち!いったいそこで何をしているんだ!」
【援護します!】←
槍持ちの女性「!。何者かは知らないが、お前たちが味方であるなら助かる。だが、お前たちに特級呪霊を祓う事など出来るのか?」
吉備真備「祓えるとも!彼女たちにはこの僕がいるし、味方は多い方が早く呪霊サーヴァントを祓えるからね。ああいう特級呪霊はスピード勝負で祓えって事!」
槍持ちの女性「お前は!?・・・いや今はそれどころではない。招致した、私はお前たちの指揮下に入る!あの特級呪霊をうまく祓ってくれ!」
聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――――――――――――――
ハロウィン聖杯戦線2:森林の呪霊・花御
勝利条件:特級呪霊・花御モレー1体にマスターの攻撃を三回、もしくは吉備真備の宝具を当てる
領域内効果:特定の陣地に止まるとサーヴァントのHPが20%(マスターの場合はライフ1個分)を失う。(サーヴァントのHPが0になると即退去、マスターのライフが0になると敗北)
登場エネミー
特級呪霊・花御モレーx1
呪霊サーヴァント(カボチャ頭):クラスアーチャーx2
呪霊サーヴァント:シャドウサーヴァント・メドゥーサx1
呪霊サーヴァント(カボチャ頭):クラス・キャスターx2
呪霊サーヴァント(カボチャ頭):クラス・ライダーx2
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/11/29(水) 23:23:56.42 ID:pViJVUSy0
第4廻戦:領域展開・発動編
―――――――――――――――――
花御モレーの呪術領域:枯れ木の樹木群
ウネウネウネェェ〜〜!!
吉備真備「はぁッ!」
キィィン!バキバキッ!
槍持ちの女性「ハァァッ!」
シュンシュンッ!ジャキジャキンッ!
花御モレー「――――!!」
ウネウネウネェェ〜〜!ギュゥゥ〜ン!
マシュ「マスター!」
ガシンッ!ガキガキンッ!
【クゥゥッ―――!】
【避けても避けきれない!】←
シオン(通信)「あの呪霊サーヴァントの攻撃、動きが速いというレベルとは思えないほどに攻撃を繰り出してきてる!演算が追いつかない!」
シオン(通信)「まるであのフォーリナー・モレーによく似た呪霊サーヴァントの攻撃が何もないところから無数に出てきているような、或いは・・・」
シオン(通信)「“攻撃”から先に当たるように後から繰り出しているような・・・・いやこんなの絶対ナイナイ!こんな因果律があまりにも歪んでいる攻撃を繰り出せるなんて‥」
吉備真備「いやあり得るんだよね。この“展開された領域”内でならそういう事など当たり前のように出来るんだよね。」
吉備真備「キミたちが前に倒した呪霊サーヴァントの頭領の生得領域はこの領域内の未完成でしかなく、領域内での呪霊サーヴァント特有の呪い攻撃が来なかっただけ。」
吉備真備「この領域はそんな呪霊サーヴァントの生得領域を魔力で固有結界にし、それを元に呪霊サーヴァントの能力を上げ、倒す対象の人物を確実に閉じ込める。」
吉備真備「そしてその領域内での展開した呪霊サーヴァントの攻撃は必ず当たる。どこに逃げようと避けようと、領域内では必ず呪霊の攻撃が当たってしまう。」
吉備真備「今はマシュ・キリエライトの防御が向こうの攻撃より間に合っているかもしれないけど、このままでは君たちも致命的な攻撃を受けるのは確実だ。」
【そんな・・・・】
【じゃあどうすれば良いの!?】←
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/01(金) 00:15:32.50 ID:JEah4uSL0
吉備真備「心配しないでマスター、領域内での戦いには3つの対処法があってね。その3つの領域内の対処法が・・・」
吉備真備「一つ、“いくつかの手段を持って領域外へ逃げる。”これは僕にとってはおすすめしないし、大抵このような方法は必ず失敗する。」
吉備真備「二つ、“こちらも領域‥もしくは固有結界を発動し、こちらの優位権を取得する。”僕が思うにこっちの方が手っ取り早いと思うのだけど・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「悪いが、今ここにいるこちら側のサーヴァントに固有結界の宝具を出せるサーヴァントがいない。仮にいたとしても固有結界持ちのサーヴァントはもう・・・」
吉備真備「わかっている。固有結界を同時に展開された場合、より洗練された能力と魔力量によってどちらかの結界が場を制すかが鍵となるんだ。」
【場を制すって・・・・】←
【両面宿儺も同じ事を言ってたような‥】
―――――――――――――――――――――――
回想シーン:両面宿儺(エリザベート)との最初の戦いにて・・・
ガシュンッ!バリバリッ!
プトレマイオス(老)「ガッ――――」
バリバリバリィィ〜〜ガシャァァ〜〜ン!!
プトレマイオス(老)「パァァァ〜〜〜〜〜!?」
バシュゥゥ!パカァァン!!
両面宿儺(エリザベート)「俺はただあの式神のジジイと領域の綱引きをしようと、こちらも領域を展開させたに過ぎない。」
―――――――――――――――――――――――
【プトレマイオス・・・】←
吉備真備「うん。知らなかったとはいえ、両面宿儺からマスターたちを守る為に固有結界を展開し、そして押し負けてやられてしまった。」
吉備真備「彼は充分にマスターを守る為に固有結界を繰り出した。相手が悪かった事を除いてね。」
【・・・・・・・・・】←
吉備真備「そんで、いま固有結界の宝具を持たない僕たちにとって、領域を展開したあの呪霊サーヴァントに対抗する手段があるとすれば・・・」
吉備真備「3つ、“手段は選ばずとも、領域を展開した者を力を持って倒す事”!これが今の僕たちに出来るやり方さ!」
【!】←
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/03(日) 00:19:47.96 ID:jzo5wlE50
花御モレー「(さっきからペラペラとあの者たちが何を語りかけているのかは知らないが、いったいどうなっている?)」
花御モレ―「(あの者の言う通り、あたしの領域内でのあたしの攻撃は必ず当たる。にもかかわらずあの者への攻撃が防がれている・・・)」
花御モレ―「(まさかあの者たちの中に領域を展開できる者がいるのか?誰かが領域の綱引きをしてあたしの必中効果を阻害してると?)」
花御モレ―「(だとすればその、他に領域を展開できそうな者がいるとすれば・・・・)」
吉備真備「・・・・・・・・・」
花御モレ―「ねし!かえまお!」
ウネウネェェ、ギュゥゥゥ〜〜ン!!
【!?】
【危ない!!】←
吉備真備「大丈夫。僕がそこらのキャスターだと思ったら大間違い!僕はあの呪霊のサーヴァントには負けやしないさ。」
吉備真備「まあ僕のサーヴァントとしての性質上、ちょっと“彼”には少し手を貸してもらう時はあるのだけどね?」
ギュゥゥ〜〜、バキンッ!
花御モレ―「になっ!?」
吉備真備「ほら。」
ギュォォ〜ン、ドスンッ!ドスンッ!ドスンッ!
謎の赤鬼「グォォォォ〜〜〜〜!!」
【―――!?】
【な、なにあれ!?】←
望月千代女「赤鬼!?クッ、よりによって新手の敵が現れるとは!」
吉備真備「いやいや待って!この赤鬼は味方!この赤鬼こそ、僕が呼び出す式神であり、僕の宝具なのだから。」
マシュ「!。宝具って・・・あの赤鬼が吉備真備さんの宝具って・・・もしかしてあの赤鬼はもしや・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「阿倍仲麻呂。吉備真備が遣唐使として唐への遠征の際、彼を嫉む者によって拉致され、到来楼という場所に幽閉された。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その幽閉された吉備真備を助ける為に、仲麻呂自身は亡霊のなって、共に唐の悪人たちを懲らしめる為に共に行動したという伝説。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その仲麻呂の生霊の姿の一つがあの赤鬼の姿であり、彼自身、最初の頃はこの姿で吉備真備の事を助けに現れたのだけど・・・」
吉備真備「まあ当時、到来楼には鬼が出るって話があって、彼を見た時はホントビビって、姿隠しをしたもんだからもう・・・」
吉備真備「でも今はそうじゃない。彼は阿倍仲麻呂でもあり、僕の宝具の一部。僕にとっても最高のパートナーってところなのさ。」
吉備真備「それを今、この場で君たちに証明してあげるよ!」
シュシュッ、シュタッ!
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/03(日) 22:41:09.75 ID:jzo5wlE50
キィィン!シュタタァァーー!
吉備真備「我が遣唐使の冒険譚よここに!我は宙を舞い、日月を覆い隠せし術を使う者。そして鬼の仲麻呂と共に悪しき唐人を懲らしめす者なり!」
キィィン、モクモクモクゥゥ〜〜!
花御モレ―「なに!?これはいったい・・・‥」
鬼の仲麻呂「グォォォォ〜〜!!」
吉備真備「ハァァァ〜〜〜!!」
ガシュガシュンッ!バシンッ!ベシンッ!ギュンギュンギュゥゥン!
花御モレー「『グハッ、ガハッ!?バカな・・・こんな・・・・』」
吉備真備「最後のオマケだ!『入唐絵巻・鬼来隠光(にゅうとうえまき・きらいいんこう)』!」
ゴロゴロゴロォォ〜〜、バリバリバリィィィ〜〜!!
花御モレ―「『きゃぁぁぁぁ〜〜〜!?』」
吉備真備「フッ、決まった!」
【凄い・・・凄いよ!】
【あの不利の中を覆しちゃうなんて!】←
マシュ「はい。まさかあの阿倍仲麻呂の生霊ともいえる赤鬼を召喚し、互いに息の合った連撃を与え、空には暗雲とも見える厚い雲が覆われて、」
マシュ「そこからとどめとも言える雷鳴の一撃が呪霊サーヴァントに直撃させるとは・・・」
槍持ちの女性「・・・・・・・・・・」
花御モレ―「『まっさか・・・こんな・・・あのものに二度もやられるとは・・・・』」
花御モレ―「『しかもこんな・・・人間と同じような姿で・・・無念だ・・・・』」
吉備真備「!。・・・・・・‥」
ドサッ、ギュゥゥゥ〜〜ン・・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――
特級呪霊・花御モレーの領域により、花御モレーの必中の攻撃を防ぐことにカルデアのマスター達は苦戦を強いられていた。
しかし吉備真備はそんなカルデアのマスターたちに呪術領域内での攻撃の恐ろしさとそれらの攻略方法を教え、花御モレ―の領域を攻略する一手として、
吉備真備は自身の宝具の一部である赤鬼(阿倍仲麻呂の霊)を召喚、その者と共に花御モレ―に打撃と斬撃、陰陽道による攻撃を与えていき、
最後には宝具発動の一環として領域内上空に発生した厚い雲からの雷撃を花御モレーは喰らい、致命傷を追った花御モレ―は何か意味深な言葉を残して消滅するのであった。
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/03(日) 23:56:25.30 ID:jzo5wlE50
花御モレ―との戦闘後、領域展開が解除された渋谷ヒカリエ周辺にて・・・・
バリバリバリィィ〜〜ン!シュゥゥ〜〜ン・・・
【領域が解除された…】
【みんなは大丈夫?】←
望月千代女「はい。襲いかかる必中の棘と呪霊サーヴァントとの戦いに苦戦はしましたが、拙者はなんとか生き延びることが出来ました。」
バーヴァン・シー「ええ・・・・全くあの枯れ木の森、前に私が作った森といい、しつこいほどに木の根っこと棘がウザいほど襲ってきて大変だったんだから・・・」
バーヴァン・シー「ほんと、あんな思いはもう二度とゴメンよ!あんな攻撃が必ず当たっちゃうというあんな領域の森なんかに!」
【シュミレーションルームの事は?】←
【人の事は言えないんじゃないのか?】
バーヴァン・シー「ベ、別にあれはただサーヴァントの靴を取りたかっただけで・・・あの呪霊の森と私の作った森とは全然違うわよ!」
バーヴァン・シー「あの時はあの時で迷惑をかけてしまったのは悪かったと思っているのだけど、私は樹木を使って貴方たちを呪うつもりなんて・・・」
槍持ちの女性「おいそこの者、あの呪術の中をよく生き延びたと言うべきかな。お前、どこの呪術師の者か?」
【あなたは・・・】
【確かあの呪霊サーヴァントと一緒に現れた・・・】←
槍持ちの女性「ああ‥先ほどの戦い見事でだった。式神操作の術でお前たちのような式神を駆使して特級呪霊を祓う手伝いをしてくれるとはな。」
槍持ちの女性「お前たちがいなければ私はあの特級呪霊に勝てなかったのかもしれぬ、お前たちの協力には感謝するわ。」
【式神操作って・・・】
【私はその・・・呪術師という者ではないのですが・・・】←
槍持ちの女性「‥なに‥?」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/04(月) 23:56:56.63 ID:0rgp968b0
吉備真備「彼女は呪術師ではない。彼女はこの渋谷の特異点を解決する為に来た、カルデアの魔術師とそのサーヴァント達だ。」
吉備真備「そしてこの僕もまた、仮ではあるが彼女のサーヴァントとして彼女たちと同行しているって訳さ。」
槍持ちの女性「!。そういえばお前‥いやあなたは何故ここに!?確かあなたは封印されたはずだと・・・」
吉備真備「封印?・・・はて?――キミ。僕の事を見て、キミは誰かと勘違いをしているんじゃないのかな?」
吉備真備「僕が封印だって?僕はこの通りにピンピンと自由に動いているこの僕が誰かに封印されているはずが・・・・」
槍持ちの女性「とぼけるな!あなたのことは誰よりもこの私が知っている。あなたはどう見てもご・・・・」
吉備真備「吉備真備だよ。」
槍持ちの女性「いや、だから、ご・・・・」
吉備真備「吉備真備だって。僕はこの渋谷の呪いを祓いに来たキャスタークラスのサーヴァント、陰陽師の開祖・吉備真備というのは僕のこと!」
【吸いませんがその・・・】
【2人とはお知り合いなのですか?】←
吉備真備「いや知らないよ。僕はただ槍を持ってる女子高生とは何も関係も持っていないし、会ったこともすらないよ。彼女とはまるきりの初対面さ。」
吉備真備「それにあの彼女もまた、見るからにこの渋谷の呪いには耐性のあるサーヴァントのような感じがするし、君たちだってそうだよね?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん。確かにその彼女を観測する辺り、彼女にサーヴァントの霊基を確認した。彼女は間違いなくサーヴァントだ。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それと彼女は普通のサーヴァントとは何か違うような数値が観測されているのだけど・・・これは・・・」
【?】
【(他のサーヴァントとは違う?)】←
――――――――――――――――――――――――――
槍持ちの女性「(なるほど・・・つまり今のあなたはそういう“縛り”を持って、あの者たちと同行している事なのですね。)」
槍持ちの女性「(今の私もそうだ。この身に宿る英霊の魂により、この依代となっている者の名を名乗れぬ代わりに私はここにいる。)」
槍持ちの女性「(まあ胸がデカくなった事を除けば、問題なく英霊の力と共に戦える。それにこの依代の者は自身の名字の事をとても嫌悪しているようだからな。)」
槍持ちの女性「(そうと決まれば、私もまた、ちゃんとしなければな・・・。)」
――――――――――――――――――――――――――
特級呪霊・花御モレーを倒し、花御モレ―の呪術領域から無事に生還したカルデアのマスターたち。
彼女たちと共に領域内で戦っていた槍持ちの女性(■■■■)は藤丸立香たちに領域内で共に共闘してくれた事を感謝しつつも、
槍持ちの女性は吉備真備に対して彼女の知る人物であると認識しており、吉備真備はそれを否定している素振りをわざとらしく振るっているのが見られる所から、
槍持ちの女性は吉備真備(■■■)が何かしらの“縛り”によって自身の真の名を名乗れない状況であると理解し、自身もまた、それらに対して納得していくのであった。
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/05(火) 23:59:00.43 ID:tL6gVuQc0
槍持ちの女性「すまない吉備真備殿。私もまた、サーヴァントになるのは初めてであり、サーヴァントとしての知識も浅はかでもあって‥」
槍持ちの女性「てっきりこの依代の身体の関係者のだと思っていたのだが、どうやら人違いをしていたようだな・・・。」
【依代の身体?】
【もしかしてあなたは・・・】←
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そう。彼女の霊基は通常のサーヴァントの数値とはかなり違っており、肉体もまた、最初から受肉している事もあって、
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「彼女は紛れもなくイシュタルや孔明と同じ、何らかの人物を依代として疑似サーヴァントだ。」
吉備真備「なるほど。本来はサーヴァントになれない神霊などが何処かの現世で生きる人間の身体を依代とし、依代の魂と憑依する魂と融合し、新たな人格を持って召喚される存在。」
吉備真備「その際、希に依代とした人物の記憶も融合しちゃって、僕の事をその依代としている人の関係者のだと勘違いしたんだろうね。」
吉備真備「例えるのなら、育成ゲームでモンスター同士の合体をした直後、それによって誕生したモンスターのパラメーターが合体の素体の高い数値を引き継いでいて、」
吉備真備「その際、何かのバグで通常では覚えないはずの合体させた素体モンスターの技を使えるようになったって感じってな訳。」
【う〜ん何というか‥】
【まあそんなところかな・・・。】←
マシュ「はい。それでなんと言いますが、もしも出来る事でしたれば、あなたの真名を私たちに教えていただければ幸いなのですが・・・・」
槍持ちの女性「真名?ああそうか、そういえばまだ助けてもらった礼をしていなかったな。まずは自己紹介からかな・・・」
槍持ちの女性「私はサーヴァント・ランサー:天草大夫大蔵太子(あまくさだゆうおおくらのおおいこ)‥いや、(あまくさだゆうおおくらふとこ)と呼んだ方がいいか?」
【いや何と言うか・・・】
【どれも真名が長すぎ!】←
槍持ちの女性「!?。すまない、そっちの名前は長すぎたか。では改めて私の真名を名乗るとすれば・・・‥」
槍持ちの女性「ランサー:播磨局(はりまのつぼね)。本砥島の地頭として統治していた武家の女だ。」
吉備真備「播磨局・・・・あぁ〜あの文永の役(ぶんえいのえき)と弘安の役(こうあんのえき)にて、2度の蒙古軍の襲来を防いだ女大将じゃないか!」
吉備真備「神風が吹きすさぶ海の上の戦場を難なく渡り、1300万隻以上の戦艦を渡り、敵大将などを切り倒し、蒙古軍の襲来から日の本を守ったというあの天草太夫のことかな?」
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/06(水) 23:29:41.29 ID:uRqAT5Zs0
槍持ちの女性→播磨局(■■■■)「うむ。しかし君たち、この不可解な呪いに覆われた渋谷によく生き延びれたものだな。この呪霊の方もとんでもなく多く集まっている中で、」
播磨局「私以外にも多くのサーヴァントがこの渋谷に召喚された形跡を見てきたが、どれもなにも、すぐにこの渋谷内の呪いによってサーヴァントの身体を維持できず退去した後があったのだが‥」
マシュ「はい。それについてはそこにいらしている吉備真備さんの術式のおかげで呪いを中和していると言いますか・・・・」
キラァァ〜ン☆
【んっ?】
【何か光っているものがあるような・・・】←
吉備真備「!。なるほど・・・“アレ”がそこにあるという事は、あの特級呪霊サーヴァントはこの“帳”を守っていたという訳か。」
【“帳”?】←
吉備真備「君たち魔術師でいう人払いの結界に似た、外から中の様子を視認させず中へ入ることも出来ないようにする為の簡単な結界術式さ。」
吉備真備「まあ言葉で説明してもわからなそうだから、ちょっとそこの奥に行ってみてくれるかな?」
バーヴァン・シー「はぁ?確かにあそこを通れば渋谷の駅に直行じゃないの。言われなくて私は行くわよ!」
バーヴァン・シー「何が帳よ、いったいどこに結界術なんか・・・。ほら、さっさと行くわよマスター!」
望月千代女「待つのだバーヴァン・シー殿。真備殿が指摘する以上、そこに何かがあるのか確かのようだと拙者は思うのだが・・・」
バーヴァン・シー「はい?貴方もそう言うの・・・だったら私一人で先に行くわよザーコザーコ!」
タタタタタァァーー!
【あっ、ちょっと!】
【今は先走らない方が・・・】←
タタタタタタァァーー!ゴツンッ!
バーヴァン・シー「イタァァ〜!?」
ドサッ!
吉備真備「はぁ・・・ほらね?」
【何もないのにぶつかった・・・】
【これって、見えない壁?】←
吉備真備「まあ君たちから見るとそういう事だね。熟練の僕には違う色に見えるのだけど・・・」
吉備真備「とまあこのままじゃ、僕たちはあの帳の向こうの所へ進む事が出来ないし、僕たちが先に進むためにやらなきゃいけない事があるとすれば・・・」
タッタッタッタッタッ・・・・ガシッ、キュッ!
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/07(木) 00:06:30.96 ID:QXUbDiF10
タッタッタッタッ、シュルゥゥ〜、キラァ〜ン☆
【これが帳・・・・】
【このキラキラしたモノが?】←
吉備真備「そう。まあ僕の知っている帳に使うモノとはちょっと違うモノなのだけど、効力に関しては僕の想像通りのシロモノさ。」
シオン(通信)「ええ。こちらから観測をして見る限り、確かに渋谷駅へ向かう通路全体がその“帳”という結界によってこちらからの通行が不能になっています。」
シオン(通信)「しかもその帳から流れる魔力の発信源が、その吉備真備が持っている禁に塗装されたその画鋲みたいなモノから魔力が発信されているわね。」
吉備真備「その通り。んで、僕たちがあそこの帳の内側に行く為にも、その帳を展開させちゃっている“それ”をこうしてこうだ!」
グググゥゥ〜バキッ!バキバキッ!サラサラァァ〜〜・・・
【壊れた・・・】←
ゴォォォ〜〜・・・トロトロトロロォォォ〜〜
マシュたち「!?」
播磨局「・・・・・・‥」
【――!?】
【結界が・・・解けていく・・・】←
吉備真備「このように帳の発信源を壊しておけば、渋谷の街を覆っていた帳の一部を解く事ができ、無事に僕らは前に進めるって言う事。」
吉備真備「まあ僕としてはこの帳なんかすぐにでも壊してこの渋谷の中心へと行けるようにしたかったのだけど・・・」
【したかったのだけど・・・?】
吉備真備「マスター、これを見てくれるかな?」
キラァァ〜ン☆
【聖杯の・・・・】
【雫・・・・?】
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/07(木) 23:49:28.69 ID:QXUbDiF10
吉備真備「そう。この聖杯の雫と呼ばれるものが、この渋谷の中央を守るように展開された帳の発信源の中・・・つまり今破壊した“コレ”の中に入っていてね。」
吉備真備「その“コレ”の影響によって呪霊サーヴァントがうじゃうじゃとわき出すように集まってくるし、そしてこの“聖杯の雫”はある呪霊サーヴァントを選ぶ習性があって、」
吉備真備「それに選ばれた呪霊サーヴァントはさっき君たちが戦った特級クラスの呪霊サーヴァント・・・。つまりはあのフォーリナークラスのモレ―と同じようなサーヴァント、」
吉備真備「『特級呪霊サーヴァント』としての身体を得ることができ、生得領域の主、ひいては領域展開が可能となる呪霊サーヴァントへと進化し、帳を守る存在となるんだ。」
【帳を守る存在って・・・】
【もしかして最初に戦った呪霊サーヴァントも?】←
―――――――――――――――――――――――
回想シーン:呪霊サーヴァントの生得領域内にて・・・
呪霊サーヴァント・頭領(回想)「グォォォォォ〜〜〜〜!!」
―――――――――――――――――――――――
吉備真備「そうだ。僕のアジトの近くで君たちカルデアが最初に戦った呪霊サーヴァントがそうさ。幸いなことにその呪霊サーヴァントの頭領は聖杯の雫に選ばれたばかりで、」
吉備真備「その呪霊サーヴァントが完全なサーヴァントとしての身体を得る前に領域を展開させて、君たちと一緒にその呪霊サーヴァントの頭領を倒したって事。」
マシュ「そうだったのですか。では吉備真備さんはその特級の呪霊サーヴァントの事と聖杯の雫の存在について、あなたはそれらを初めから知っていたと?」
吉備真備「ああ。君たちより先に渋谷に来て、この特異点の性質を調べていたからね。特級呪霊のサーヴァントについては既に僕1人で倒した事もある。」
吉備真備「その特級呪霊としては‥そうだなぁ〜・・・なんか常に両目を瞑ってて、なんか黒い中華服を着ていたような軍師でねぇ〜・・・」
【黒い中華服の軍師?】
【‥それってもしかして!】←
―――――――――――――――――――――――――
藤丸立香が思う黒い中華服の軍師のイメージ
https://twitter.com/ohyg3/status/1473629004859322379/photo/1
――――――――――――――――――――――――――
【太公望だ!】←
吉備真備「太公望?あぁ〜あの封神演義で有名な中国の軍師だったのか!前に僕が渋谷の調査をしている際に、その太公望のような呪霊サーヴァントに出くわしていたのだけど・・・」
吉備真備「なんかその・・・なんか顔が悪そうではないのだけど、言葉が「ぶふぅー、ぶふぅー」としか言ってなくてね‥。その太公望がそんな奇声をあげて僕に襲いかかってきたところを・・・」
吉備真備「僕と仲麻呂との宝具ですぐに祓っちゃってねぇ。まさかあの太公望と同じ姿の呪霊サーヴァントがアレだと思うとねぇ・・・」
播磨局「仕方がないだろ。姿が著名の中国軍師だろうと呪霊は呪霊。どんな姿をしたところでそれらを祓う事には問題がない・・・ただ残念だったとしか言葉がない・・・」
【・・・・・・‥】
【まあ確かにそうだけど・・・】←
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/09(土) 11:22:46.42 ID:/6dWWmTl0
キラァァ〜ン☆
吉備真備「とまぁ僕が最初に倒した特級呪霊のサーヴァントもまた、このように帳を守っていて、そいつを倒して僕も聖杯の雫を手にしたんだけど・・・」
吉備真備「それ以降がもう帳の近くに特級呪霊サーヴァントや他の呪霊サーヴァントも寄せ集まって来ちゃってて、もう自分1人じゃ祓う事が出来ないというか・・・」
吉備真備「僕ってキャスターのクラス故に魔力の消費が激しくてね・・・それ故に僕に魔力を提供してくれる存在が欲しかったというか・・・」
【そうだったんだ】
【それで私と仮契約を・・・】←
吉備真備「そう。君と仮契約をしたおかげで、僕の魔力も強化されて、あの宝具を使って特級呪霊サーヴァントを倒したからね。君がいてくれたおかげでね!」
マシュ「では、エリザベートさんが居城としている中央へ行くには、その帳展開を解除すればいいのですね。」
吉備真備「そういう事!故に帳を守る特級呪霊サーヴァントとの聖杯戦争・・・というよりかハロウィン聖杯戦線っと呼んだ方がいいのかな?」
吉備真備「その聖杯戦線に勝利し、帳を解いた先に両面宿儺に取り憑かれたエリザベートが待っている。僕たちはその彼女に取り憑いた宿儺を祓い、」
吉備真備「彼女への謝罪と聖杯回収をする事が、この大規模特異点と化した渋谷の呪いを祓う為の命題だ。それだけは忘れないで欲しい」
【わかっている!】
【エリちゃんと仲直りするためにも必要だからね!】←
播磨局「そうか。そうとなれば私もまた、お前たちと共に呪霊サーヴァントとやらを祓う者としてより一層協力していかなければならないらしいな。」
播磨局「藤丸立香。お前のそのエリザベートとの約束を果たすためにも、私も共に仮初めの身体を得たサーヴァントとしての勤めを果たさせて貰うぞ。」
【はい!】
【これからよろしくね。】←
吉備真備「うんうん!キャスターの僕とは違って、ランサーの君とは色々と頼りにするところがいっぱいあるからね。頼んだよ播磨局ちゃん?」
播磨局「お前には言っていない!それとちゃん付けは辞めろ、貫くぞ!」
吉備真備「アハハハハ!あぁ〜怖い怖い!」
【まぁまぁ落ち着いてって・・・】
――――――――――――――――――――――――――――
渋谷の中央への道を塞ぐかのように展開された帳を守る特級呪霊・花御モレーを倒し、その特級呪霊サーヴァントが守っていた帳の源を壊し、先へと進む道を切り開いたカルデアのマスターたち。
彼女たちはそこで新たにカルデアのマスターたちと同行するランサークラスのサーヴァント:播磨局を仲間に加え、彼女たちは次の帳の解除へと先を進んで行くのであった
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/09(土) 23:59:12.04 ID:/6dWWmTl0
同じ頃、次元境界穿孔艦ストーム・ボーダー:管制室では・・・
ムニエル「フゥ・・・・キャスター・吉備真備の助力もあって、新たにランサー・播磨局も加わって、どうにか無事に先に進んでいますね。」
ゴルドルフ「うむ。しかしあの時の藤丸たちとの通信途絶といい、トリスメギストスIIの予想値修正の結果といい、最初はどうも心臓に悪い程の事態が続いて困ったものだったわ。」
ゴルドルフ「よもやエリザベートのハロウィン中止に対する謝罪のつもりが、ここまでの非常事態に発展するとは思いもしなかったというか・・・」
ダ・ヴィンチちゃん「ああ。しかし藤丸ちゃんたちが吉備真備と協力し、少しずつ渋谷の特異点を解決に向かっている事は我々にとっても良い進展と言ってもいい。」
ダ・ヴィンチちゃん「このまま無事にエリザベート・バートリーに取り憑いた両面宿儺を祓い、特異点の解決に至ること出来ればいいのだけど・・・」
シオン「・・・・・・・・・‥」
シオン「(エリザベート・バートリーとマスターとの喧嘩で始まり、両面宿儺と呪霊サーヴァントというイレギュラーの出現により、事態が大ごとになってしまった今回の渋谷の特異点の騒ぎ・・・)」
シオン「(吉備真備と播磨局。この2人の関係性は不明ではあるが、2人が今回の呪いの件について何か知っていそうな感じはしていましたし‥)」
シオン「(それと藤丸氏たちが戦ったという呪霊サーヴァント。特に特級呪霊と分類されるという『花御』と名乗る呪霊サーヴァントの姿は、)」
シオン「(最初に渋谷の特異点にレイシフトし、そのままそこの呪いによって退去したフォーリナークラスのモレ―と同じであり、その能力はほぼオリジナルと異なる能力をあって・・・)」
シオン「(そして吉備真備が最初に戦ったという奇声をあげる太公望の姿の特級の呪霊サーヴァント。それと藤丸氏の目の前で両面宿儺に取り憑いたエリアベーとによって殺されたプトレマイオス。)」
シオン「(加えて生得領域と呼ばれる空間での聖杯戦線と聖杯の雫・・・これらの事案は何かとあの聖杯戦線が行なわれたあの特異点を模倣しているように聞こえるのですが・・・)」
シオン「(う〜〜ん・・・この私にはホントあまりにも不可解で呪いにまみれた事案というか、こんなのカルデアだけでは渋谷の特異点を解決するのはナイナイというか・・・)」
シオン「(トリスメギストスIIがあのあまりに酷い再回答を出した最後にあった回答文にあった・・・・)」
シオン「(“五条悟を探して”というあの答えと今回の特異点との関連性について現時点ではわからないのですが、今は藤丸氏と吉備真備氏たちを信じるしかありませんね・・・。)」
――――――――――――――――――――――――――
一方のストーム・ボーダーでカルデアのマスターたちを観測しているダ・ヴィンチたちは彼女たちの今後の無事と特異点解決に至る事についての話をしており、
シオンに至っては渋谷の特異点で起こった事態に対して自身の中で考察をしつつ、トリスメギストスIIがはじき出した回答文の最後に記されていた――
“五条悟を探して”という答えに関して難しい表情をしつつも、シオンもまた、カルデアのマスターたちの無事を祈るのだった。
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/10(日) 23:56:28.55 ID:WcY7rY4E0
第5廻戦:ある呪霊の執着と領域展開
―――――――――――――――――――――
“人を呪わば穴二つ。”このことわざの意味は、他人を呪い殺そうとすれば、必ず自身も報いを持って殺され、墓穴が2つ出来る事を意味をしてる。
誰かを呪おうとしない者はこのことわざの意味を持って誰かを呪うという行為を避け、自身はただ善人であろうと表明をし続けている事こそが今の社会の成り立ちである。
しかし人は時に“穴があれば入らずにはいられない”というように、人間もまた、他の誰かを無意識のうちに誰かを呪っている。それにより、穴が二つ三つ出来ようとお構いなしに・・・
人を呪いも多ければ、報いによる墓穴の穴もそれぐらいに増える。それでも尚、人は他人の不幸を望むように他人の幸福を呪う事を辞めない‥‥
人とは決して、誰かを呪う事を辞められない宿命を背負っているのである。
――――――――――――――――――――――
現在、渋谷:渋谷駅周辺にて・・・
タッタッタッタッタッタッタッ・・・‥
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うむ。帳は主に円形の形で半径は、おろした帳によって広さは変わるものなのか。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「帳の内側にある宿儺の居城を守る帳を解除するために帳の周辺を回って発信源を探していたのだけど‥」
マシュ「はい。帳の発信源を探すにあたり、聖杯の雫の反応とか色々と試してみてみたのですが、どうも旨くいかないというか・・・」
マシュ「それにそれらの事を最初に言いだしたのは吉備真備さんであり、吉備真備さんの試しにやっていると言っていたのですが・・・」
吉備真備「・・・・・・・・・‥」
マシュ「それを問いかけようとしても、何か他の方法で聖杯の雫を探すのに集中したいというだけであのように宙に浮いたまま瞑想のような事をして、話を聞くのを避けているというか・・・」
【吉備真備なりに探しているのか・・・?】
【はたまたやり方がテキトーである事を知られたくないのか・・・?】←
バーヴァン・シー「ふん。私が選ぶとしたら後者よ。アイツ、陰陽師とか言い振り回しておいて、テキトーなことを私たちにやらせんじねーぞアホが!」
播磨局「・・・はぁ〜・・・・」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/11(月) 23:55:37.03 ID:bgDi4LmR0
播磨局「まったくあの吉備真備という陰陽師のやっている事は真面目なのかふざけているのかなど見当が付かないというもの。あの者はいったい何を考えているのやら・・・」
播磨局「あのような者があの嵐の海の戦にいたら、真っ先に波にのまれて溺れ死ぬと私は思うのだがなぁ・・・」
【嵐の海の戦って?】
播磨局「知らんのか?文永の役の海戦、大嵐が吹きあれる海に荒れる船上を渡り、蒙古の水軍を数多く倒したという話。吉備真備もそう言ってただろ?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「文永の役の逸話のことはカルデアにも少なからずデータにある。西暦1233年、日本では文永11年と言ったところか。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「当時、蒙古の軍勢・・・即ちモンゴル帝国の当時の王・フビライ・ハーンが指揮する遠征軍による侵攻が元になった戦であり、」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「1274年と1281年、2度にわたって日本の地をかけた戦争であり、播磨局もその戦争に参戦していたんだ。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「まぁその当時の播磨局は1回目の蒙古襲来時は55歳、2度目の蒙古襲来は齢62とかなりの高齢の身で出陣しているんだ。」
バーヴァン・シー「はあ!?齢62って言えば汎人類史の人間にしたらしわくちゃのババアじゃない!よくそんな歳で戦えたものね?」
バーヴァン・シー「サーヴァントは主にその英霊の全盛期の姿で召喚されると聞いているけど、その戦での頃が貴方の全盛期なら、その顔の裏はしわくちゃのババアって事?」
バーヴァン・シー「キャハハッ!そうだったらちょーうけるんですけど〜wwwm見た目はJK女子のくせに中身はしわくちゃのババアだなんて!」
播磨局「くぅ!お前、この私をバカにしているのか?生意気な事を言ってるといくら味方でもブッ刺すぞ!」
【まあまあ落ち着いてよ!】
【バーヴァン・シー、ちゃんと謝って!】←
バーヴァン・シー「チッ・・・ええわかったわ。ゴメン、私が悪かったわよ・・・」
播磨局「・・・・・・・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ま、まあ話を続けるけど・・・そのその文永の役の戦いの中で播磨局が水軍を率いて蒙古軍との船上の戦いがあったのだけど、」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「その戦いの中で突如としてその海上周辺の天気が嵐のように崩れ、両軍の戦況を荒れさせるかのように雨風が強く吹きあれた。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そんな雨風は吹きあれる船上をもろともせず、播磨局は蒙古軍の船に乗り込み、敵兵を約300人を捕まえては荒れ狂う海の中へと放り込み、」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「そしてその敵の大将の弟と周りの者を含めた28人の首を切り落とし、日本軍は辛くも勝利をつかみ取った。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「この今でいう突発的な台風の襲来の事を当時の日本人は“神風”と呼んでおり、彼女はその神風の中で船上にいる敵蒙古の軍勢を打ち破った‥それに関して間違いはないかい?」
播磨局「・・・‥(頷く)」
【凄い・・・!】
【台風に負けずに敵を倒すなんて・・・】←
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/12(火) 22:55:40.14 ID:iITeZVNf0
シオン(通信)「文永の役と弘安の役の戦いには辛くも神風による天候不良も重なり、辛くも日本軍の勝利で終結した戦いなのですが・・・」
シオン(通信)「その背景の裏・・・正確には神秘側から見るにあたり、その神風と播磨局の強さは日本神話の神である風神建御名方神(たけみなかたのかみ)が関与していると見ており、」
シオン(通信)「汎人類史の歴史においても播磨局は弘安の役で建御名方神の武運を得たことで神風が吹きあれる中で蒙古軍の軍勢をなぎ倒し、日本軍の勝利に貢献した。」
シオン(通信)「そして戦いが終結した後、播磨局は自身に武運を与え、神風を起こしたであろう建御名方神に敬いと感謝を込めて、諏訪大社より分霊をいただき、」
シオン(通信)「その分霊を自身の領地内に本渡諏訪神社を建ててあげたんだ。それについて、あなたの記録に間違いはないと?」
播磨局「そうだ。あの弘安の役の戦いにおいて、あの神風は正に風神の加護といっても良いぐらい、偶発的であった出来事だ。」
播磨局「海上戦での戦いにおいても尚、蒙古の水軍は我が水軍も全滅を免れぬ程の脅威であった。あの嵐風がなければ、我が水軍は蒙古の水軍にやられていたのであろう‥」
播磨局「私もそうだ。生前、いつお迎えが来てもおかしいぐらいだった歳の私があの蒙古の兵等を嵐の海に叩き落とし、敵将の一角を含めた敵兵をこの手で切り倒した。」
播磨局「1300隻以上もある蒙古の戦艦の群より、味方の水軍を助ける為に乗り込み、多くの敵兵を投げ飛ばし、多くの敵兵を切り倒し、日の本を蒙古の侵略から守り通した。」
フンッ、カキンッ!
播磨局「故に私はあの光景を今でも覚えている。あの嵐の海、弘安の役で海に沈み逝った・・・・敵兵と味方兵の叫びの声を・・・・」
―――――――――――――――――――――――――――
回想シーン――――播磨局の生前:弘安の役 日本軍・船上にて・・・
ザザァァ〜〜ン!ザブゥゥ〜〜ン!ザブゥゥゥ〜〜ン!!
日本軍・水兵「播磨様、この波の高さでは危険です!ここは一旦引き返した方が良いかと‥」
生前の播磨局「ならん!あそこには味方の兵が敵艦隊と戦っている。かの者たちがこの嵐の中でも戦っているのだ!」
生前の播磨局「彼らの為にも我らは向かわなければならん!日の本を守り、生きて本土の地を歩くためにも!」
生前の播磨局「この来を逃すな!蒙古を倒し、日の本を守るのだ!!」
日本軍・水兵たち「オォォォォォォ〜〜〜〜!!」
ザザァァ〜〜ン!ザァァ〜〜ン!!
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/13(水) 11:32:45.31 ID:F/QFizm10
雨風が酷く激しく降りしきり、高波が今にも両軍の船を覆うように押し寄せてくる。
対馬と壱岐に侵攻し、それらの軍勢を壊滅に追いやった、血も涙もなくただひたすらに暴虐を繰り返す蒙古の軍の艦隊。
蒙古の侵略から命をかけ、日の本とその本土に住まう民を守る為に先陣に向かった味方の水軍の船。
多勢の蒙古を相手に味方の水軍もまた、対馬と壱岐と同じように壊滅の危機に追いやられ、本土への侵攻を許してしまうのではないかと思われていた。
しかして突如として日は雲に覆われ、雨風や高波が両軍を襲い、戦況は混沌と困難の渦に飲み込まれた。
この頃、62の齢だった私はご老体の身でも構わず日の本を守る為に多くの軍勢を率いて天草から出陣した。
そしてこの神風とも呼べる嵐の海の戦況に我慢ならず、味方の水軍を乗せた4隻の船を率いて先陣をきった味方の水軍の援護に向かった。
そして私は兵と共に蒙古の船に乗り込み、敵である蒙古の兵士を‥数多くの蒙古の者らを無我夢中で倒していった。
この神風もまた、我らに日の本の勝利を導かんとする神の加護である事を信じて私は戦った。――――しかし・・・
―――――――――――――――――――――――――――
蒙古軍の船上にて・・・
ガキンガキンガキンッ!ジャキンジャキン!ザバザバァァ〜〜ン!ドバァァ〜〜ン!
生前の播磨局「怯むな!敵の勢力は確実に弱まっている。このまま敵を打ち倒せぇぇ!」
オォォォォォォ〜〜〜〜!
生前の播磨局「・・・・・・!?」
ザザァァ〜〜ン!ザァァ〜〜ン!!ドバァァ〜〜ン!!!
溺れている蒙古の兵たち「――――――――!!」
波にのまれていく味方の兵士たち「助けてくれ〜〜〜!誰か助け―――」
ザバァァァ〜〜ン!ドバァァァ〜〜〜ン!
生前の播磨局「〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
――――――――――――――――――――――――――
事情もあって、自身の血を引く子供などいなかった私は、甥の子である種益を養子として彼を自身の家督を継いでもらっている。
彼を養子にする辺り、種益には自分の子と同じような愛情を注いだ。女の身でも土地と家督を継げた時代‥私は養子とした種益を我が子として、家族として彼を迎えてあげた。
我らを待つ愛する家族の為、土地に住まう民のため、祖国である日の本の守る為、いずれ死にゆく老体の自分を励まし、これらを全て守り通すために私は戦っていた・・・
故に嵐の海に落ち、高波に飲み込まれて死にゆく蒙古の兵たちも、味方の兵士たちにもまた、彼らを待つ家族がいるのではないのかと・・・
神風とはいえ、敵も味方も関係なく声を上げていく兵士たちの悲鳴と助けを求める叫びと共にその者たちは神風によって荒れ狂う神の中へと消えていき、
今もあの者たちの呪いの叫びのように波の音共に私の耳の内に聞こえてくるのだ・・・・・・
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/13(水) 12:42:54.16 ID:F/QFizm10
現在、渋谷:渋谷駅構内にて・・・・
播磨局「・・・・・・‥」
【今でも聞こえてくるの?】←
【その助けを求めてくる声が・・・】
播磨局「ああ。サーヴァントとなった身であれど、魂に刻まれたあの嵐の海の記録が今もまだ、私の中で壊れたスピーカーのように聞こえてくる」
播磨局「依代には少々悪い思いをしたと思っている。なんたって聞き覚えのない呪いの叫びが永遠と自身の中で聞こえてくるんだからな。」
播磨局「このサーヴァントとしての身体には、お前たちのいう聖杯と何か深い縁を持った人間が選ばれると聞くのだが・・・」
播磨局「この依代の者はどうも聖杯とは何も縁も関係性もなく、ただ何かに導かれたようにこの依代の身体に我が霊基が憑依し、それが結びついたといったところか・・・」
播磨局「どうやら私にはサーヴァントとなるにあたり、単騎で霊基を作る事が難しい個体であり、このような依代を必要とする形で抑止力に召喚されたみたいなのだ。」
播磨局「所謂、適材適所ってところか。まあ、私が知ったところで私は何も変わらないのだがな・・・。」
【そういえばずっと前にも、】
【伊斯許理度売命(イシコリドメ)がそうだったような・・・】←
播磨局「イシコリドメ?あの岩戸隠れの伝説で八咫鏡を作ったという、あの日本神話の女神か?その依代の者もまた、私と同じように訳ありだと?」
【うん。なんというかその・・・】←
―――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:微少特異点、聖歌博音劇場上野ミュージアム:とある拠点にて・・・
https://h616r825.livedoor.blog/archives/54723836.html
未来(イシコリドメ)「いかにも、神霊である我が身体を得ようと躍起になっていたところを、偶然我の助けを求める主と我の霊基が絶妙に一致したことから、主を依代に現界したのだ。」
エルフナイン(絵)「未来さんの纏うシンフォギア「神獣鏡」は鏡の聖遺物であり、鏡作りの神であるイシコリドメとは鏡の縁もあり、そこに霊基が同調しやすかったんでしょう。」
―――――――――――――――――――――――――――
吉備真備「ふ〜ん・・・・つまりその日本神話の鏡の女神、イシコリドメも今そこにいる播磨局もまた、聖杯とは関係を持たずとも疑似サーヴァントとして現界する事が出来た訳ありって事だね。」
吉備真備「ほんと凄いよねぇ〜!特異点解決の適材適所とはいえ、英霊の魂と力を借りて世界を救っちゃうんだからね〜!ほんと誉れ高き所業だよ、君たちは。」
【真備さん!】
【もしかして聞いていたの?】←
吉備真備「ああ聞いていたよ。瞑想してでも君たちの声を拾っていたからね・・・正に地獄耳ってヤツかな?」
バーヴァン・シー「おいクソ陰陽師!さっきから黙って瞑想してみれば、マスターの話をこっそり盗み聞きしてたとはなぁ〜。」
バーヴァン・シー「宙に浮いてサボっているのだったら、貴方も少しは帳の発生源を探したらどうなのよ!」
吉備真備「探す?それならもう近くにあるよ。いま目の前に―――」
マシュたち「!」
【えっ、どこに?】
【確か目の前って・・・・】←
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/13(水) 13:28:53.77 ID:F/QFizm10
渋谷駅:山手線ホーム内
キラァァ〜ン☆
帳のようなモノを持ってベンチに座っている者
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/132754.png?date=1543915886
虞美人?「・・・・・・・・・‥」
【あれって・・・】
【虞美人?】←
マシュ「はい、間違いありません。あの姿は正に私たちが知るアサシンクラスのサーヴァント、虞美人こと、芥ヒナコさんです。」
マシュ「ですがその、どうして虞美人さんがこの渋谷駅のホーム内に帳の発信源を持って座っていると‥?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。最初の渋谷へのレイシフト際、虞美人は渋谷の特異点レイシフトの適性外だったから呼びかけてはいなかったのだが‥」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それに今の彼女は何かと様子が変だ。あまり大人しそうでない彼女がこんなところで1人大人しく座っているなんて・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「おそらくあの虞美人は吉備真備の言う特級呪霊サーヴァントの可能性がある。ここは慎重に事を進めた方が良さそうだ。」
マシュ「はい・・・」
【ここはマシュと私で聞いてくる】←
【みんなはいつでも迎撃態勢を!】
吉備真備「ああ。だが気をつけ付けろよマスター。この空気、タダモノではなさそうみたいだからな。」
【わかった】←
タッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・・・・・・
――――――――――――――――――――――――――
両面宿儺(エリザベート)が居城とする『チェイテ渋谷神社城』と向かう為、カルデアのマスター達の侵入を阻む帳を解除するために帳の発信源を捜索していたカルデアのマスター達
その道中にて、カルデアのマスターは播磨局の事について彼女の過去やどうサーヴァントとなった話をしていく中で、
渋谷駅構内・山手線ホームにポツンとベンチに座り、帳の発生源を持った虞美人らしき人物が座っている所を目撃し、
カルデアのマスターはその虞美人らしき人物が特級呪霊サーヴァントである可能性を考慮しつつ、マシュと共にゆっくりとその彼女に近づいていった。
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/15(金) 22:54:21.44 ID:uC6ZNqMT0
タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・
虞美人?「・・・・・・・・・‥」
【・・・・せんぱい?】←
【あのぉ・・・聞こえていますか?】
虞美人?「・・・・なに、誰かと思ったら藤丸立香じゃない?なんであんたとマシュがこんな所にいるのよ。」
マシュ「虞美人さん、それを聞くのは私たちも同じ事です。なぜ虞美人さんが渋谷の駅ホームに1人で静かにいる事が聞きたいのですが?」
虞美人?「渋谷?ああ確かに奥の看板に渋谷って書かれていたのだけど・・・それがいったいどうしたというの?」
虞美人?「私はただ、私の“願い”を叶えに来ただけ!ただそれだけの事よ、後輩。」
【はい?】
【その“願い”とはいったい?】←
虞美人?「なにって願いよ!私は私の願いを叶える為にここに・・・‥!?」
虞美人?「ちょっと待って・・・・私が叶えようとしていた願いってなんだったっけ?私は何を願うために召喚に応じて来たのよ・・・?」
【召喚に応じたって?】
【いったい誰に召喚されたというの?】←
虞美人?「知らないわよそんなこと!私はただ私の願いを・・・願いを‥‥ねが、ねが――ネガガガガガガガガガ〜〜〜!?」
ぐじゅぐじゅぐじゅぅぅぅ〜〜ぐちゃぁぁ〜〜ん!!
虞美人だったモノ「――――」
マシュ「!?」
【虞美人!?】←
バーヴァン・シー「えっ、ちょっと待てよ!あの中華吸血女が得体の知れないモノに変わったわ!?なんなのこれ!?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「目の前にいる虞美人らしき人物の霊基が一瞬にして形が崩れた!?いったいあの者の身に何が・・・」
吉備真備「!?。(この急激な霊基の変質変化と身体の形態変化・・・まさかこの術式は・・・)」
???「あ〜もうなんだよ〜!せっかく旨くキレイに再現度が高いぐっさまの姿に出来たのに、ほんと使えないじゃないかよ〜!」
???「まぁ結局のところ、あれを餌として釣ったことでなんかとても良い“ぐっさま”作りの素体が釣れたことだからヨシといたしますか。」
【――誰!?】←
【近くにいるの!?】
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/16(土) 23:16:53.16 ID:ZlYQB/lB0
タッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・・・‥
カルデアのマスターたちがいる駅ホームの後ろ奥から現れた存在
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/354051.png?date=1659262524
徐福?「なんですか?それって私の事を指し示しているって事というのかな?まあそう自分自身を示す自分もそうですけど‥‥」
徐福?「もしかしてあなたたち、私の事で理由があってここまで探しにきたというのかな・・・?」
【貴方は・・・】
【徐福・・・・じゃないよね‥?】←
徐福?「はい?なんだよその徐福って・・・・私の事を探しておいて名前をまちがえるんじゃねぇーぞー!」
徐福?→特級呪霊・徐福真人「私にはねぇ、呪いとして生まれた時からずっと‥“真人”っていう名前があるんだぞ!わかる?まーひーとー!」
吉備真備「!」
【ま、真人・・・?】←
吉備真備「(真人―――まさかあのつぎはぎの特級呪霊が中国の偉人の霊基と合成させて蘇らせたというのか・・・。)」
吉備真備「(真人には『無為転変』という人間の魂と肉体を自在に変える呪いがあるのだが、あの変わり果てた虞美人というサーヴァントの姿から見て、)」
吉備真備「(あの呪霊サーヴァントもまた、オリジナルの真人と同じ『無為転変』が使えると見て間違いはないようだな。)」
吉備真備「(まったく‥花御といい真人といい、黒幕はいったい何を企んでいるというんだ・・・?)」
徐福真人「おいお前たち、なんかお前たちの中になんか2つぐらい手持ちに聖杯の雫とかを持っている感じがするけど。」
【そ、それがどうしたというの?】←
徐福真人「あ〜やっぱり!お前、私の仲間の花御を殺したヤツだろ!その聖杯の雫を持っているのがその証拠だよ!」
徐福真人「花御だけじゃない!陀艮も、漏瑚も、みんなお前たちが殺したんだろ!お前たちみんなが!」
【・・・・・・‥】←
【(・・・漏瑚って?)】
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/17(日) 22:36:56.62 ID:Ldva9E340
徐福真人「ふん、まあいいや。いくらお前たちがなんだろうと、私の術式に勝てる訳なんかないのはわかっている。(というかお前たちの事なんか知らねえし‥)」
徐福真人「なんたって私の術式でみんな私の大好きなぐっさまにしてやるんだからなぁ〜〜!」
【大好きなぐっさまにするって・・・・】
【いったい何を言っているんだ?】←
グォォォ〜〜ン!
呪霊サーヴァント「オォォォ〜〜!」
徐福真人「あっ、ちょうど良い所に新たに出てきたのが・・・よし、さっき失敗したぐっさまの鬱憤晴らしにやってやるぞ〜!」
シュッ、シュタッ!
徐福真人「―――フフッ!」
呪霊サーヴァント「――!?」
【真人が呪霊サーヴァントの前に!】
【いったい呪霊サーヴァントに何を・・・】←
吉備真備「あの構え・・・まさか!?」
徐福真人「よし―――『無為虞転変』。」
ピトッ、ギュゥゥゥ〜ン!
呪霊サーヴァント「―――!?。おぉ、オォォォ〜〜〜〜!?」
マシュたち「!?」
ギュゥゥ〜〜ン、グジュグジュグジュゥゥゥ〜〜〜!!
呪霊サーヴァント→呪霊水着虞美人「・・・・・・・・・・」
徐福真人「――よし、出来た。」
【なんだあれ!?】
【呪霊サーヴァントが虞美人に!】←
徐福真人「驚いているのか?そう、これこそ私の手に触れた魂を自由自在に操作し、対象の形状と質量なんか関係なくその魂と身体を改造し、」
徐福真人「このように私の好みに作るぐっさまに作り替える事が私の術式。私の持つ呪いの力なのでーす!」
徐福真人「そんでもって、この変化させたぐっさまはこの1体だけではありませんよ〜。」
スタスタスタスタスタスタスタスタァァーー!
呪霊虞美人&呪霊水着虞美人軍団「―――――――――」
マシュたち「!?」
【これって!?】
【虞美人がこんなに沢山!】←
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/18(月) 23:38:11.79 ID:tT9t5sjg0
ムニエル(通信)「なんだこれは!?虞美人が水着の姿も含めてこんなにたくさんいるなんて!?しかもこれ、水着姿も含めて同じ霊基が複数も存在しているなんて!」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「霊基の複製・・・・いや、呪霊サーヴァントの霊基をあの特級呪霊サーヴァントの術で作りかえたというべきか。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「芥ヒナコ・・・もとい虞美人限定とはいえ、大量の呪霊サーヴァントを虞美人と同じ霊基に作りかえてそれを配下にしてしまうなんて・・・」
吉備真備「(真人という呪霊・・・・聞いた話にはあの呪霊が扱う“無為転変”には対象の魂を変質させ、改造人間を作り出してると聞いてはいたが・・・)」
吉備真備「(どうもあの真人と名乗る徐福は、元となっている徐福の影響を完全に受けていて、術式もまた、名前自体が変質していると言ってもいい‥)」
吉備真備「(しかしなんだよ・・・『無為虞転変』って‥いったい何があったかは知らないが、融合しているサーヴァントの影響受けすぎだろ・・・)」
【・・・‥?】←
――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターたちの前に突如として現れたアルタ―エゴのサーヴァント・徐福の同じ姿をした特級呪霊サーヴァントである徐福真人。
彼女が扱う術式“無為虞転変”は、対象の魂を変質させる術式であり、その術式によって呪霊サーヴァントの姿を虞美人と同じ姿と霊基へと変えた。
徐福真人の呪術と共に彼女の手によって数多く量産された水着を含む呪霊サーヴァントの虞美人が立ち並んでおり、
それを見たカルデアのマスターたちはその光景に少し動揺し、吉備真備もその光景に対して何かを思うかのように、自身の顔をしかめるのであった。
――――――――――――――――――――――――――――
望月千代女「親方様、あの徐福と類似する呪霊サーヴァントと数の多い虞美人の呪霊・・・敵戦力はここから見たとしても数十体はいると思われ、」
望月千代女「対してこちらは5名、おそらくとしてはこちらの多勢に無勢は免れないと思われます。」
マシュ「はい。しかも相手はあの虞美人であり、その虞美人の呪霊をこんなに沢山相手にするなんて・・・・」
【確かにそうだね・・・】
【ここまで数の多いせんぱいと戦う事になるなんて・・・】←
徐福真人「フッフッフッフッ!どうだ?この私が作ったぐっさま軍団に手も足も出ないだろ〜。それとぐっさま軍団の恐ろしさはこれだけではない!」
徐福真人「いま手前にいるのはアサシンとランサーのクラスのぐっさまを数多く並べて立たせているのだけど、奥には私の作ったぐっさまはね・・・」
徐福真人「アーチャー、ライダー、セイバー、キャスター、バーサーカーっと、色んなクラスのぐっさまを用意していて、みんな私の命令一つで好きなように動いてくれるんだよ?」
吉備真備「なに!そのぐっさまという呪霊だけで七クラス全てを作ったというのか!?それは随分と手間の掛かることをしやがっているな‥」
【どうしてあなたはそのぐっさまにこだわるの?】←
【呪霊なのに?】
徐福真人「こだわるって・・・そんなの私がぐっさまの事が1番大好きに決まっているだろ!恥ずかしいからいわせんなよ!」
徐福真人「ぐっさまを推しにしている自分にとって色んなクラスを持つぐっさまを作るのなんて、この渋谷なら全然数に問題ないし、魂は沢山あるからね。」
徐福真人「だけどここにいる呪霊で作ったぐっさまはクラスが異なるように霊基を変えているのに、姿は通常のぐっさまと水着姿のぐっさまにしか姿が変わなくて・・・」
徐福真人「酷いときにはぐっさまの美しき姿を維持できず、さっきのように魂と肉体が崩れて使い物になるったらありゃしない・・・」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/19(火) 00:21:15.59 ID:p8TzXEPk0
徐福真人「それに私にはどうしても作りたいぐっさまがあって、この近くにいる呪霊なんかじゃ作れない・・・ぐっさまを超えた最高のぐっさま・・・」
徐福真人「エキストラクラスで星の数は5。そう、私が作りたいぐっさまとは・・・‥」
ポワワワァァ〜〜ン・・・
――――――――――――――――
徐福真人が叶えたい夢
キラキラァァ〜〜ン☆
ウェディングドレスの虞美人「項羽様♡」
虞美人+ウェディングドレス
徐福真人「星5ルーラー:ぐっさま(虞美人)〔ブライト〕〜〜!!」
【マジでぇぇーー!?】
【完全に頭ぐっさまだ・・・・】←
―――――――――――――――――
吉備真備「ああそうだな・・・。こいつ、ここまで頭の狂った呪霊サーヴァントは初めてだ。ここはさっさとこいつを祓った方が良さそうだな?」
マシュ「はい・・・それにこちらには帳の発信源があります。ここは早めに帳を破壊し、一旦距離を置いて・・・」
徐福真人「ちょっとお前たち!私の事を差し置いて逃げるつもりだろ!私が餌として置いてた漏瑚が持ってた“帳”の元を持ったばかりに!」
徐福真人「お前たちをただで逃がさないよ。お前たちにはここで私の術式でみんな私のぐっさまにしてやるのだから〜〜!!」
ガシッ、ガシッ!キィィーーン!
マシュ「特級呪霊の魔力量が上昇!これはまさか宝具を・・・・」
吉備真備「!。違う・・・あの構え方はまさか・・・」
徐福真人「――――領域展開!」
【!?】
キュィィン、グワァァァ〜〜〜〜ン!
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/12/19(火) 09:33:31.67 ID:p8TzXEPk0
ハロウィン聖杯戦線3:渡る世間は虞美人ばかり
――――――――――――――――――――――――
徐福真人の呪術領域:虞美人関連の彫刻と絵画が立ち並ぶ空間(呪術領域:自変虞美人化(じへんぐっさまか))
グワァァ〜〜ン!ガコンガコンガコンガコンッ!
徐福真人「領域展開―――自変虞美人化(じへんぐっさまか)!」
徐福真人「この領域に入ったら私の無為虞転変は必ず当たるようになる。もうどこにも逃げられないぞぉ〜!」
【領域内に閉じ込められた!?】←
吉備真備「ああ、コレはマズいことになったな・・・このままだと僕たちみんな、あの徐福似の特級呪霊に魂を虞美人にされるぞ!」
バーヴァン・シー「はぁ!?あの虞美人狂いの雑魚にあの雑魚軍団と同じにされるなんて、私はまっぴらゴメンよ!」
バーヴァン・シー「あんな雑魚なんかさっさと祓ってこの領域内から脱出して・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いや待つんだ!藤丸ちゃんたちの今の立ち位置を見てみたまえ!」
バラバラァァ〜〜!
【完全に分断されている・・・】←
【マシュ!真備さん!】
吉備真備「ああ。あの呪霊が領域展開をしたと同時に俺たちの立ち位置をうまく組み分けして分断したと言ってもいい。」
吉備真備「おそらくこのまま他のサーヴァントを召喚しても別の所に配置されるのは確実だ。サーヴァントを召喚するポイントもまた、マスターのそばにはないと見える。」
吉備真備「僕の術式であの呪霊の必中攻撃を阻害するにも限界がある。あの呪霊には他にも不明点がある以上は・・・」
キィィ〜ン・・・
吉備真備「とりあえずマスターは急いでこのポイントに来て僕と合流するんだ!ここならばマスターは安全といってもいい。」
吉備真備「間違ってもあの呪霊と戦おうとはするなよ。あの呪霊に一度でも触れればマスターは確実に虞美人にされて殺される。」
吉備真備「今はとにかく僕のところへ集合することを考えるんだ!わかったか!」
【わかりました!】←
徐福真人「!。そうはさせないぞ!君たちはここで私にぐっさまにされるんだ。合流なんかさせてなるもんか!」
徐福真人「行くぞ!ぐっさま軍団、出撃ぃぃ〜〜!!」
呪霊虞美人軍団「―――――――」
聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――――
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/12/19(火) 09:51:09.52 ID:p8TzXEPk0
ハロウィン聖杯戦線3:渡る世間は虞美人ばかり
勝利条件:指定ポイントへのマスターの到達
敗北条件:特級呪霊・徐福真人がマスターの元へと到達。(その際にマスターが徐福真人の“無為虞転変”でアイコンが虞美人にされる演出がある。)
領域内効果:特定の陣地に止まるとサーヴァントのHPが20%(マスターの場合はライフ1個分)を失う。(サーヴァントのHPが0になると即退去、マスターのライフが0になると敗北)
登場エネミー
特級呪霊・徐福真人(クラス・アルタ―エゴ)x1
呪霊サーヴァント(虞美人):クラス(セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー)x∞
呪霊サーヴァント(水着虞美人):クラス(セイバー、ランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー)x∞
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/12/19(火) 11:09:17.23 ID:p8TzXEPk0
>>68
追記:所定のポイントから呪霊サーヴァント(虞美人)及び呪霊サーヴァント(水着虞美人)がランダムに出現する。
――――――――――――――――――――――――――――――――
第6廻戦:吹きあれる神風の領域
――――――――――――――――――――――――――――――――
ふと眼を瞑れば脳裏に浮かぶ、英霊としての記録。英霊・播磨局が生きて戦場をかけ、天草大夫大蔵太子として戦って来た英霊の記憶。
しかしてそれでも脳裏に嫌でも浮かんでくる記憶がある。それは英霊・播磨局の生涯にはいっさい存在せず、ただ今のサーヴァント・播磨局の脳裏にしか浮かばない‥
――“英霊・播磨局には存在しない依代の記憶”――
―――――――――――――――――――――――――
播磨局の依代(禪院真希)の記憶:禪院家
とある名家に生まれた私には生まれつき、殆ど呪力を持たず、術式が扱えない上に呪霊を視認する事すらできなかった。
それ故に私は幼少期に家の人々から「落ちこぼれ」と称され、殆どの全てを雑用係に向けさせるなど徹底的に虐げられてきた。
禪院真希の母「貴方なんか、産まなきゃよかった。禪院家の恥めッ!」
仕舞いには自分を産んだ肉親の母にもこう罵倒の声を言われる始末だった。私はこのままこの家にいれば、自分ではいられないと悟っていた。
しかしそれでも私は呪術師として名を上げ、家の連中に見返すために家を出る道を選んだ。
まあそのおかげで自分の妹(禪院真依)には憎まれる立場となったのは今も心痛い。私にとって、妹は私のたった1人の妹なのだからな。
妹の居場所を作る。家の連中を見返す。――それが私(禪院真希)の生きる目標でもあった。
――――――――――――――――――――――――――――
播磨局の依代(禪院真希)の記憶:呪術師としての生活
家の政治的妨害もあって、呪術師としても4級ぐらいに留められ、呪術師としてあまり名を上げる機会に恵まれぬ日々が続いていた。
しかし私はその中で多くの仲間と出会い、彼らとは良き仲間として共に呪術師としての学びと経験を積み、
私もまた、私の為に与えてくれた呪具をうまく扱い、多くの呪霊を祓って祓って、祓いまくって・・・
そうしていけば、必ずしもあの家の連中に吠え面をかかせられる程の名声を得られると思っていた・・・
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/12/19(火) 21:00:40.21 ID:p8TzXEPk0
ある世界:渋谷駅内にて・・・・
特級呪霊(漏瑚)「1人目」
呪術師1「――!?」
シュッ、ジュボォォォーー!!
禪院真希「七・・・・」
特級呪霊(漏瑚)「2人目」
禪院真希「―――!?」
ジュボォォォーー!!
――――――――――――――――――
10月31日のハロウィン。特異点と同じ場所である渋谷で起こった呪術テロ。私の呪術の先生であった■■■が封印されたあの頃・・・
その時の私たちは実に不運だった。とある魚の式神と水の呪術を使う未登録の特級呪霊を辛くも祓った直後、それらの戦いで疲弊していた私たちの前に、
その特級呪霊の仲間というべき炎を使う特級呪霊の報復ともいえる襲撃にあった。
戦いで疲弊していた私の目の前で■■■■さんと、そして私がその特級呪霊による攻撃を受け、目の前が赤く燃えさかった。
突然の呪いに打つ手がなかった私は何も出来ずに呪いの炎に焼かれた。ほんの一瞬の出来事だった。
私はその呪いの炎によって、私の人生と共に全てが焼かれていく・・・・そう私は覚悟をしていた・・・
―――――――――――――――――――
???:何処かの空間
ギュウァァ〜〜ン・・・・
一つの光「真希よ。天与の呪縛を持って生まれし呪術師よ。我が声が聞こえるか?」
禪院真希「・・・・誰だ?私の事を呼んでいるのか・・・?」
一つの光「真希よ、お主の天性の才能と力を見込んで頼みがある。お主にしか出来ぬ事を・・・」
禪院真希「・・・私にしか出来ない事だと?」
一つの光「とある世界・・・お主がいた世界とは異なる世界で今、人類と英霊の存亡が掛かった戦いが起こっている。」
一つの光「頬っておけば、その世界は■■■によって崩壊を迎える。なんとしてでも止めなければならない・・・」
一つの光「しかしてその世界にはお主の世界と同じような強力が呪いが充満しており、英霊の力のみでは太刀打ちが出来ぬ。」
一つの光「加えて我は自身のみでは仮の身体が作れぬ身であり、それ故にお主にしか出来ぬ事とはそれなのだ。」
禪院真希「!」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/12/19(火) 21:53:08.09 ID:p8TzXEPk0
一つの光「今よりお主には特異点と呼ばれる世界ではぐれサーヴァントとして現界してもらう。」
一つの光「しかしその世界に記されたルール上、お主をそのまま現界すれば、確実に世界から存在ごと弾かれる。それだけは避けたい。」
一つの光「故に我はお主のその身体に我の霊基を移し、お主を我の依代としてその世界に現界をしてもらう。」
一つの光「お主の名をその世界で名乗る事はいっさい禁じるが、代わりに我の力と真の名をお主に与える。」
一つの光「その世界に現界したならば、我の名を思う存分名乗るがいい。それがお主と我との繋がりでもあるからな。」
禪院真希「・・・成る程。要はその世界の危機を救うために私をその世界に異世界召喚する為にも、私とあんたとで“縛り”を結びたいと言いたいのか?」
一つの光「そうだ。ただお主の肉体を借りるというても、本来のお主とは別存在となる事であり、元の世界のお主には何も影響などない。」
一つの光「それに元の世界のお主は死んではおらぬ。少々今のお主とは印象が異なる部分はあるからのぉ。」
禪院真希「!。そうか‥つまりあの方曰く、私がその世界の宿儺のような人物の器となってその世界を救って欲しいと言うことだな?」
禪院真希「わかった。私を必要としているのなら、その縛り、受けてやろうじゃないか!」
禪院真希「で、あんたの名前はなんだ?その世界であんたの名前を使ってくれと言うなら、名前ぐらいは教えてくれよな?」
一つの光「理解してくれて感謝する。しかして存分に使うが良い・・・・我の真名は・・・・」
ギュゥゥゥ〜〜ン!ピカァァーーン!
――――――――――――――――――――――――
呪霊廻廊戦界チェイテ・渋谷■■■:渋谷ヒカリエ周辺
ギュゥゥゥ〜〜ン・・・キィィン、ギュォォォ〜〜ン!!
播磨局(禪院真希)「・・・・・・・・・・・・」
―――――――――――――――――――――――――
あの時、死んだと思われていた私はまだ死んではおらず、逆に私は別の世界からの声に私の存在を必要としていると呼ばれ、
私は私を必要として呼んだ英霊・『播磨局』の疑似サーヴァントとして、この私のいた世界と同じ渋谷と同じ特異点に召喚された。
疑似サーヴァントとして少々体格(特に胸の所が大きい)の事で気になる所はあったものの、サーヴァントとしては問題ないと言ってもいい。
私はこの渋谷に満ちる呪いを祓うために、私はランサーのサーヴァント・播磨局として、呪術師としてこの渋谷の特異点に君臨している。
全てはあの時、渋谷で何も出来ずに終わった呪術師としての私の無力さを自身の今の行いによって払いのける為に・・・・
――――――――――――――――――――――――――
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/12/19(火) 23:56:22.70 ID:p8TzXEPk0
いま現在、徐福真人の呪術領域・自変虞美人化内では・・・‥
ガキンガキンッ!ジャキンジャキンッ!
呪霊虞美人1「―――――」
望月千代女「ツゥゥッ!」
呪霊虞美人2・3「―――――」
吉備真備「チッ、邪魔だぁぁーー!!」
キンキンッ、ガシュゥゥーン!シュゥゥゥ〜ン・・・
【キリがないわ!】←
徐福真人「ふん。ぐっさまがやられるのはシャクですが、領域内には数多くのぐっさまを招いておりまして、」
徐福真人「そして私のぐっさまの攻撃は、私の呪術と同様に領域内ではぐっさまの繰り出す攻撃は全て必中となっており、ぐっさまの攻撃は全て当たる!」
徐福真人「いくら私の攻撃を防ごうとも、領域内での私とぐっさまは無敵。誰にも私とぐっさまを止める事など出来ないので〜〜す!」
吉備真備「クソッ・・・あの特級呪霊め、自分の術式で作り上げた虞美人にも必中効果を付与させるなんて、まったくチートを使うにも程があるだろ!」
吉備真備「マスターと播磨局は僕と合流できたのは幸いだが、他の連中は呪霊の虞美人との戦闘で足止めされてとても合流なんて・・・」
ガキンッ、ガキンッ、ガキンッ!ガシャァァン!!
マシュ「クッ!前方に多数の呪霊虞美人が合流進路を遮断してて、とてもマスターと合流など・・・・」
呪霊水着虞美人・大人数「――――――!!」
タタタタァァ〜、ドサドサドサッ!
マシュ「きゃぁぁ〜〜!?」
【マシュ!?】←
バーヴァン・シー「マズいわ!あの妖精騎士がヒナケシ女呪霊軍団に取り囲まれて押し倒されたわよ!」
吉備真備「ああ・・・あのままあの特級呪霊がマシュの身体に触れる事があれば、彼女の魂は操作され、特級呪霊の思いのままに改造させられるぞ!」
【そんな・・・・】
【マシュが虞美人にされちゃうよ〜!】←
播磨局「・・・・・・・・・」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/12/20(水) 23:50:20.13 ID:0Ti+l2Fg0
播磨局の疑似サーヴァントとなり、私はこの別世界の渋谷に充満する呪いを祓うため、私は多くの呪霊サーヴァントを祓いながら渋谷の周辺を探っていた。
その道中、花御と名乗る特級呪霊のサーヴァントに領域を展開され、苦戦を強いられていた最中、私はカルデアのマスターたちと出会った。
彼女はエリザベートと名乗るサーヴァントに取り憑いたこの世界の宿儺を祓い、この特異点を解決するために時空を超えてやって来ており、
私はサーヴァントとしての霊基とコンディションの維持と、同じ特異点の解決する目的の一致から、私はカルデアのマスターと仮契約を結んだ。
カルデアのマスターは呪力もない非術士並の非力の存在にも関わらず、サーヴァントである私たちを大事に思い、共に戦う仲間として、
彼女は初対面でもある私にも親しみを見せ、私を心から信用するかのように魔翌力を与えてくれている。
それは元の私の世界の高専で親しくなり、共に呪術師を目指す仲間たちといるように・・・・
―――――――――――――――――――――――――――
徐福真人「・・・・なんだ?お前、見かけないクラスをした呪霊のような・・・人間のような・・・・?」
徐福真人「クラスはシールダー・・・だったか。あれ?・・・そんなクラスってあったっけ・・・?」
徐福真人「でもシールダーっとなると、私の無為虞転変を使えば、とても良いぐっさまが作れそうな気がするんだ。」
徐福真人「もしうまく君を素体に作れるとすれば、完成予定とするのならぁ〜〜・・・・」
ポワワワァ〜ン・・・・
――――――――――――――――――――――――――――
徐福真人が考える――シールダーの虞美人(ぐっさま)の完成予想図
シールダー・呪霊虞美人(元マシュ)〔身体がマシュ・キリエライトで、頭が虞美人〕
シールダー・呪霊虞美人「真人様の為に私が盾になります。」
――――――――――――――――――――――――――――
マシュ「!?。駄目です!私はそんな頭が虞美人さんのような私にはなりません!私なんかが虞美人さんになんか・・・」
徐福真人「いいやお前にはちゃんとぐっさまになってもらうよ!お前、見た目からして頑丈そうなイメージはするのだけど。」
徐福真人「魂の形を自在に変えられる私にとって、お前は無防備の魂の粘度でしかないから、お前は大人しくぐっさまになれ!」
徐福真人「そして私の為にそのデッカい盾で私を守ってくれると嬉しいんだよねぇ〜〜!(ニコニコ)」
マシュ「クゥゥ・・・・」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/26(火) 23:44:28.69 ID:VUwpGtts0
私の目の前で真人と名乗る特級呪霊サーヴァントがカルデアのマスターの仲間の1人であるマシュを捕まえ、自身の術式でそのマシュを殺そうとしている
それはまるで私がいた世界、私の目の前で呪霊の攻撃を受けた■■■■のように・・・。いま目の前であの時の悲劇が起ころうとしている。
マシュがいま目の前で殺される所をカルデアのマスターはとても嘆くように見ている。おそらく彼女にとってマシュは他のサーヴァントとは違う意味でマシュの事を大事に思っているのだろう。
そのマシュがいま、あのふざけた特級呪霊の呪いによって殺されようとしている。私の世界で経験したあの呪いの悲劇がいま、カルデアのマスターにも降りかかろうとしている‥。
そんなことなどさせない。あの頃は不覚をとり、私も含めてあの攻撃を受けたが、いまの私は違う。
私は私の事を必要としてくれた者として、共に戦う者として、私は私の今ある全力を持ってその勤めを果たさなければ・・・!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
播磨局「おいマスター。あの彼女とはなんの関係だか知らないけど、あの彼女を助けたいのか?」
【当たり前だよ!】
【彼女は私の一番大事なカルデアの仲間だから!】←
播磨局「そうか・・・お前とあの彼女との関係は聞かないが、あの彼女をそのぐっさまとやらにさせられるのは絶対に嫌なんだよな?顔に書いてあるぞ!」
播磨局「私も同感だ。あんなふざけた呪いで仲間がやられるなんて、私はまっぴらゴメンだからな!」
【播磨さん・・・・】←
播磨局「マスター。前に吉備真備の奴から、領域内での戦いには3つの対処法があり、その一つとして・・・」
播磨局「“こちらも領域、もしくは固有結界を発動し、こちらの優位権を取得する。”事が手っ取り早いと聞いているだろ?」
【そうだけど・・・】←
吉備真備「確かにそう言ったさ。だが僕たちには固有結界を展開する宝具を持っていない。ましてや固有結界を都合良く展開できるサーヴァントなんて・・・!?」
播磨局「ああ、ここは私に任せろ。仮契約とはいえ、私もマスターと契約したサーヴァントとして勤めを果たさないとな!」
【播磨さん、もしかしてあなたは・・・・】←
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/27(水) 23:40:38.69 ID:MbfkUjhU0
カッカッカッカッ、ガコンッ!
播磨局「おいそこの特級変態呪霊!そこのシールダーの彼女を今すぐ離すんだな?でないとお前、この私に痛い目に遭うことになるぞ?」
播磨局「それともなんだ?自分の領域を展開出来ているから勝った気になっているのか?そうだったらそうでほんとおめでたい呪霊だな、そこにるぐっさま共々な?www」
徐福真人「――!?。お前、私や私のぐっさまをバカにしてるのか!どこの馬の骨だか知らぬサーヴァントのくせに!」
徐福真人「もーー頭にきた!お前たちなんか今すぐみんなまとめてぐっさまの餌食にしてやる!」
播磨局「あ〜そうかい。だったらやってみやがれこの変態呪霊が!」
【ちょ、ちょっと播磨さん!?】←
播磨局「少し黙ってろ。すぐにこの場の戦況を変えるぞ!」
フンッ、クルクルクルクルクルゥゥゥ〜〜〜!!
播磨局「(全く・・・ろくに呪霊も見えず呪力もなかった私が、あのような呪術を使うなんか夢にも思わなかったな・・・)」
播磨局「(私の思うモノとは違うが、この力、使わせてもらうぞ、播磨局!)」
クルクルクルゥゥゥ〜〜〜!キィィ〜〜ン!
播磨局「海は揺れ轟き、風が荒れ吹きゆき、戦の流れは激流の如く!建御名方神(たけみなかたのかみ)よ、この私にお力添えよ・・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「計器の魔力数値が上昇していく・・・これはもしや!」
徐福真人「そんなの知るもんか!――行け!術式解放‥『虞美人大軍進(ぐっさまだいぐんしん)!』」
ジャキンッ、ズドドドドォォォーーー!
【!?。虞美人の大群が・・・】
【播磨さん!】←
播磨局「問題ない。構えていろマスター!」
キィィーーン、グルグルグルゥゥゥ〜〜ガキンッ!
播磨局「―――領域展開!」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/28(木) 23:14:56.43 ID:CBRAyxZZ0
ズゴゴゴゴォォォ〜〜〜!ブシュゥゥ〜〜バシャバシャァァ〜〜〜!!
【!?】
【播磨局から波が!】←
徐福真人「えっ、ちょっとま――うわぁぁぁぁ〜〜〜!?」バシャァァ〜〜ン!
マシュ「キャァァァ〜〜!?」
【マシュ!】
吉備真備「!。みんな、とにかく僕に掴まれぇぇ〜〜!!」
バーヴァン・シーたち「―――――!」
シュッ、シュタシュタシュタッ!
バシャァァ〜〜ン!バシャァァ〜〜ン!ジャバァァ〜〜ン!
――――――――――――――――――――――――――――
サーヴァント・徐福の姿をした特級呪霊である徐福真人の呪術領域、自変虞美人化(じへんぐっさまか)に閉じ込められたカルデアのマスターたち
徐福真人の領域によって徐福真人が生み出した呪霊虞美人の攻撃が必中となり、徐福真人の呪術『無為虞転変』の必中による呪撃の恐れも加え、
呪霊虞美人たちによってマシュが捕まってしまうなどと、徐々に徐福真人の呪術によって追い詰められようとしていた・・・。
しかし徐福真人が捕まったマシュを無為虞転変で自身の都合に良い虞美人に変えようとしていたところを見たカルデアのマスターとみていた播磨局はその光景をヨシとせず、
この不利な戦況を打開するべく播磨局は自身の持つ宝具の力を解放するかのように自身の薙刀を振り回していき・・・
播磨局の“領域展開”という言葉と共に播磨局の周りから洪水のように水がなだれ込み、敵味方も関係なく、領域内全てに広がっていくのであった。
――――――――――――――――――――――――――――
ザザァァ〜〜ン!バシャァァ〜〜ン!ザザザァァァ〜〜!!
【ツゥゥ・・・・!?】
【これはいったい!?】←
望月千代女「はい、なんでしょうか。播磨局殿の周りから水があふれ出したと思えば、瞬く間に周りが海に・・・・それにこの場所は・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「こちらも今の状況を観測しているのだけど、この荒れた荒海にマスター達が立っている戦艦型のような船・・・これはもしかしたら・・・」
ザザァァ〜〜ン!ザッパァァァ〜〜ン!
吉備真備「よっと!」
バーヴァン・シー「ゴフッ!?ゲホゲホゲホッ!・・・・」
マシュ「ツゥゥ・・・・ゲホゲホゲホッ!」
【マシュ!!】
【大丈夫!?】←
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/30(土) 00:11:42.69 ID:HPYB3nyb0
マシュ「はい。先ほど流れてきた波に呑まれるも、吉備真備さんが助けてくれたおかげで助かりました。」
マシュ「ですがこの播磨局さんの周りから出た大量の水・・・・というよりこの海水は一体・・・・」
吉備真備「ああ。播磨局の周りから洪水のように海水が噴き出し、そして辺りが荒れ狂う荒海と化した・・・コレはつまり・・・」
ザバァァ〜〜ン!ザブゥゥゥ〜〜ン!
呪霊虞美人たち「アァァァァ〜〜〜〜!?」
ザブゥゥゥ〜〜ン!ザバァァ〜〜ン!ゴボボボボォォ〜〜〜・・・
徐福真人「ギャァァァ〜〜!?ぐっさまがぁぁぁ〜〜!私のぐっさま軍団が流されていくぅぅ〜〜〜!!」
徐福真人「なんなんだよこれは!なんで私の領域にこんな荒れた海が出てくるんだよ!一体誰がこんな酷い事を〜〜!」
ザッパァァァ〜〜ン、スタッ!
播磨局「そうさ。この滝のように荒れ降る雨、吹き付ける風、私らを飲み込まんとする荒れ狂う荒波。その全てが私の宝具なのさ!」
【播磨さん!】←
【なんか姿が変わっている!】
播磨局「マスターか!急な宝具展開だったとはいえ、荒波に呑まれなくて本当に良かった。」
【播磨さん、これはいったい・・・】←
【もしかしてコレって・・・】
播磨局「ああそうさ。この荒海の固有結界こそ今の私の領域、私の領域展開、この播磨局の持つ宝具の力。これを呪術に例えるとすれば・・・・」
播磨局「領域展開―――宝具『神風荒海・弘安の役(かみかぜこうかい・こうあんのやく)』!」
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/30(土) 23:39:30.85 ID:HPYB3nyb0
ハロウィン聖杯戦線4:神風吹きし荒海を越えて
――――――――――――――――――――――――
徐福真人の呪術領域:播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』によって荒海と化した自変虞美人化内
ザバァァ〜〜ン!ザブゥゥゥ〜〜ン!
徐福真人「(あわわわぁぁ〜〜私のぐっさまたちがどんどん荒波に呑まれて沈んでいく!どうしよう〜!)」
徐福真人「(なんだよも〜!私の呪術領域なのにわたしのぐっさまたちがこんなどこから出た荒海に呑まれて沈んでいくなんて〜!)」
徐福真人「(それになんだよ、さっきから私の呪術領域なのに無為虞転変をしても何も起こらない・・・私の領域内ならば、私の術式は絶対に当たるというのに・・・)」
徐福真人「(まさか!?この状況は私の事をバカにしてきたあのクソ眼鏡のランサーが領域展開した事で私の領域が押し流されてるって事!?)」
徐福真人「(だとしたらこれは今、私とアイツ(播磨局)との領域の綱引きをしているって事だよね!?だったらこうしてられないわ!)」
ガシッ!グググゥゥゥ〜〜!!
【あれはさっきの構え!】←
【いったい何をしているんだ?】
吉備真備「やはりか、どうやら播磨局の固有結界宝具が展開された事で真人と名乗る呪霊の術式が必中ではなくなったと気づいたんだ。」
吉備真備「いま真人は自身の領域内の必中効果を得る為に、同じく領域を展開させてる播磨局と領域の綱引きをしている状態なんだ。」
【領域の綱引き?】←
吉備真備「ああ。相性とかもあるけど、領域を制すればどちらか一方が攻撃の必中効果を得ることができる。必中効果さえ得られれば、こちらの勝機は確実だ。」
吉備真備「それにあの呪霊の様子だと、播磨局との領域の綱引きに集中しているあまり、自身への防御が甘くなっている可能性がある。それこそこちらの好機だ。」
吉備真備「このまま一気に奴を攻め、奴を完全に祓うぞ!」
【はい!】←
【みんな行くよ!】
マシュ「了解しました、マスター!」
ググググゥゥゥ〜〜!
播磨局「(ツゥゥ、こっちの領域の展開を押し戻していくような感触・・・つまりこれが領域の綱引きって奴ってか。)」
播磨局「(この感覚をアイツも感じていたのか?こんな思いをしてまで、あの時、あの特級呪霊の領域から私たちを・・・)」
ツタタタタタッ!
【このまま綱引きを続けて播磨さん!】
【呪霊の方は任せて!】←
播磨局「ああ、こっちも領域の綱引きに手間取ってて、こっちもまともに動くことさえできねえ。」
播磨局「私があの呪霊の領域の必中効果を抑えている間にお前たちがあの呪霊を祓えれば私たちはあの呪霊に勝てる。」
【うん!】←
播磨局「それともう一つ気をつけて欲しい事がある。確かにこの荒れ狂う荒海は私の宝具によって引き起こしたモノなのだが・・・」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/31(日) 00:12:30.38 ID:VtDZUqQz0
ザブゥゥゥ〜〜ン!グルグルグルゥゥ〜〜〜!
播磨局「あの陣地に出現する渦巻きに近づけば忽ち渦巻きの中に自身が呑まれることになる。渦巻きに巻き込まれれば、いったい何が起きるのかはわからない。」
播磨局「とにかく私の固有結界とはいえ、油断すればさっき流された呪霊サーヴァントと同じ末路を迎えるぞ。そこだけは気をつけろよ!」
【わかった!】←
播磨局「ああ。特級呪霊の方は頼んだぞマスター!」
聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――――
ハロウィン聖杯戦線4:神風吹きし荒海を越えて
勝利条件:特級呪霊・徐福真人の撃破
領域内効果:1ターンごとに一度、特定の陣地にランダムに渦巻きが発生する。(渦巻きが発生している陣地に止まりターンが終了すると、ランダムに違う陣地に移動してしまう。)
登場エネミー
特級呪霊・徐福真人(クラス・アルタ―エゴ)x1
呪霊サーヴァント(虞美人):クラス(アサシン)x2(増援あり)
呪霊サーヴァント(水着虞美人):クラス(ランサー)x2(増援あり)
呪霊サーヴァント(蘭陵王):クラス(セイバー)x1
呪霊サーヴァント(項羽):クラス(バーサーカー)x1
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/12/31(日) 22:31:47.36 ID:VtDZUqQz0
第7廻戦:吹きあれる神風の領域〜大詰め〜
――――――――――――――――――――
徐福真人の呪術領域:播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』によって荒海と化した自変虞美人化内
バーヴァン・シー「アハハハハッ!くらえぇぇ〜!」
キィィン、シュバババァァ〜〜!
残りの呪霊虞美人たち「〜〜〜〜〜〜」ガシュガシュン!シュゥゥ〜〜ン・・・・
徐福真人「いやぁぁ〜〜最後のぐっさまたちもやられたぁぁ〜〜!よくもわたしのぐっさまをぉぉ〜〜!!」
徐福真人「領域だ!私の領域さえ展開さえ出来ればこんな事にならずに済んだのに、お前たちハァァ〜〜〜!」
望月千代女「そこッ!はぁぁッ!!」
グァァ〜ン、ジャキィン!ガシュンッ!
徐福真人「!?。ギャァァァ〜〜!?」
吉備真備「よし、これでもう術式を組めない。播磨!」
播磨局「ああ、トドメは私がやる。この荒れ狂いし荒波と嵐風、この神風の如く荒れ狂う海を超えられるのは私なのだからな!」
ジャキンッ、クルクルゥゥ〜〜ガキィン!
――――――――――――――――――――――――――――
播磨局の持つ領域展開とも呼べる固有結界――『神風荒海・弘安の役(かみかぜこうかい・こうあんのやく)』が展開され、徐福真人が展開した領域が荒海に包まれていき、
その荒海の波や渦巻きによって徐福真人が作り出した呪霊虞美人たちは波に呑まれて沈んでいき、徐福真人もまた、この状況に対しての困惑と動揺が重なり、
それを好機にカルデアのマスターたちは徐福真人を攻めていき、いくつかの攻撃によって彼女の術式を使用不能とした後、
徐福真人への最後のトドメとして播磨局が出陣し、荒れ狂う海に浮かぶ戦艦の上を軽々と飛びながら徐福真人の元へと近づいていく。
播磨局の今の姿は先ほどの女子高生の制服のような服装ではなく、生前の播磨局を思わせるような和装の戦鎧を纏っており、その姿は生前の播磨局の武勇を思わせる姿であった。
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/01(月) 23:27:34.57 ID:SRQqXrQZ0
シュンッ、シュンッ、シュンッ!
播磨局「我、荒海の船上の戦場を掛け、敵をいっさい全て、建御名方神の加護の元になぎ払わん!」
播磨局「ハァァァァ〜〜〜〜!!」
シュンシュンッ!ガシッ、ブルゥゥン!
徐福真人「うわぁぁぁ〜〜!?」
播磨局「フンッ、ハァッ!」
ギュォォォ〜〜ン、ザッバァァ〜〜ン!ザバァァ〜〜ン!
徐福真人「アブブブッ、ゴボボボォォォ〜〜〜!?」
播磨局「真人と名乗る特級呪霊よ、お前がなんの呪いだが知らぬが、お前はここで祓わせてもらう!」
ギュゥゥ〜〜ジャバジャバァァ〜〜〜!!
播磨局「これで最後だ!『神風荒海・天草二十八斬首』(かみかぜこうかい・あまくさにじゅうはっしゅ)!!」
ザバァァァ〜〜ジャキィィーーーン!
徐福真人「ガ、ガハァァァッ!?」
ジャキンッ、スパァァーン!
徐福真人「そんな・・・‥この真人が・・・負けるなんて・・・・」
徐福真人「せめて本物のぐっさまの手によってやられたかった・・・・」
バジュンッ、シュゥゥ〜ン・・・・
――――――――――――――――――――――――――――
播磨局の宝具『神風荒海・弘安の役』によって荒れ狂う海に揺れる船の甲板の上を掛けていき、播磨局は徐福真人を一度荒海へと投げ飛ばし、
播磨局の固有結界によって展開された荒波が徐福真人を攻撃するように海の水が動いていき、徐福真人はその攻撃によって反撃の隙も与えられずに蹂躙されていき、
そして最後の一撃として、播磨局の薙刀に海流が包み込まれ、それを持って荒波によって投げ出された徐福真人を播磨局が横に真っ二つに斬り倒し、
斬り倒された徐福真人は自身の未練を吐きながらそのまま消滅し、徐福真人は祓われるのであった。
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/02(火) 08:58:43.17 ID:MGz3ZnZu0
徐福真人の領域が解除された渋谷駅:山手線ホーム内
バリバリバリィィ〜〜ン!シュゥゥ〜〜ン・・・
播磨局「・・・・・・・フン。」
【やった!】
【どうにか倒せた】←
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。何はともあれ、あの特級呪霊を倒せた。それと同時に他の呪霊の虞美人の反応も全て消えた。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それもこれも播磨局、あなたのおかげだ。まさかあのような宝具を隠し持っていたとはね?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「おかげであの真人の領域展開による窮地から助かった。マシュもまた、彼女のおかげで助けられたからね。」
マシュ「はい。少し荒海にのまれましたが、播磨局さんがいなかったら私はあの呪霊に虞美人にされるところでした。本当にありがとうございます。」
マシュ「それに皆さんも一人も欠けずにあの領域から脱出できて・・・・!」
【どうしたの?】←
マシュ「マスター、あそこに何か光るモノが・・・・あれはもしかして・・・」
タッタッタッタッタッ、キラァァ〜ン☆
吉備真備「どうやら“帳”は2つそこにあったのか。さっきの虞美人の呪霊が持っていたのと、ここに設置してたのがね。」
吉備真備「おそらくこの帳はあの真人と名乗る特級呪霊が元から守っていた帳だな。まさか同じ所に帳を設置していたとはねぇ・・・」
播磨局「ああ。だとしても帳を見つけたからには、私たちがやることは一つしかないな。」
【うん】
【帳を破壊しよう!】←
播磨局「―――(頷く)」
コロンッ・・・フゥゥン、ジャキン!ジャクンッ!
ゴォォォ〜〜・・・トロトロトロロォォォ〜〜
吉備真備「よし、これで両面宿儺が居城としているというチェイテ渋谷神社城にようやく近づけるって所かな。」
吉備真備「ここから先、とてつもないほど危険な戦いになるかもしれないけど、そこの所、覚悟は出来ているんだよね?」
【うん・・・‥】←
【待っててねエリちゃん・・・・】
【必ず謝りに行くから・・・・】←
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/02(火) 09:42:58.78 ID:MGz3ZnZu0
吉備真備「(フゥ・・・播磨局の宝具のおかげでどうにかあの真人と名乗るパチモン呪霊サーヴァントの領域展開から窮地を脱したのは幸いだった。)」
吉備真備「(ともあれ、しばらく領域展開の対策は彼女(播磨局)の宝具に任せるとしよう。あの荒海の固有結界でならば、敵の領域との綱引きに持ち越せるというか‥)」
吉備真備「(あの真人と名乗る呪霊サーヴァントが何かと虞美人とか言う英霊が好きすぎるだけのバカで助かったとも言えるが、)」
吉備真備「(俺の考えが正しければ、この渋谷に存在していると思われる特級呪霊は4体。“漏瑚”“花御”“陀艮”そして“真人”)」
吉備真備「(中国の軍師太公望の姿をした“陀艮”の方は俺が俺のいま使える宝具である『入唐絵巻・鬼来隠光』で速攻で祓ってやっており、)」
吉備真備「(フォーリナークラスのジャック・ド・モレ―の姿をした“花御”と太公望と同じ中国の賢人である徐福の姿をした“真人”もまた、藤丸立香たちと一緒に祓ってやった。)」
吉備真備「(となるとまだ姿を見せていない残りの特級呪霊は“漏瑚”ただ一体なのだが、あの真人モドキが言ってた事が本当だとすれば・・・・)」
吉備真備「(・・・・・・まさかだと思うのだが・・・‥)」
――――――――――――――――――――――――――――
特級呪霊・徐福真人を倒し、そこに存在していた2つの帳を見つけたカルデアのマスター達
その2つの帳を破壊し、残るは帳の先にあるチェイテ渋谷神社城を居城とし、この渋谷の特異点の原因とされるという両面宿儺(エリザベート)を祓う事だと認識し、
カルデアのマスターはその事について彼女と戦い、そしてあの時謝れなかった事への思いと共に自身の覚悟を強めるのであった。
それとは別に吉備真備(■■■)はカルデアのマスターたちの前に現れた特級呪霊の事について何かと違和感を感じていており、
吉備真備が存在を認知しているという最後の特級呪霊サーヴァントである“漏瑚”が誰かに既に祓われていた事について、彼には一つ心当たりがあったのだった。
――――――――――――――――――――――――――――
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/04(木) 23:55:37.14 ID:n9kEF8WM0
カルデアのマスターたちが来る数分前―――渋谷駅:銀座線ホーム内にて―――
両面宿儺(エリザベート)「手短に問え、呪霊。お前はここでいったい何をしていた?なんの目的でこの渋谷の地に4つの帳を降ろしたのか?」
両面宿儺(エリザベート)「それもこれら4つの帳、その全てがこの俺(両面宿儺(エリザベート)と他の呪霊以外の侵入を拒む帳とは、この俺を舐めているのか?」
両面宿儺(エリザベート)「俺はお前に守ってもらう程ヤワではない。ましてやお前のようなサーヴァントの姿の呪霊なんかになぁ〜?」
両面宿儺(エリザベート)が尋問している呪霊サーヴァント
https://img.gamewith.jp/article/thumbnail/rectangle/245506.png?date=1611134669
特級呪霊・平漏瑚(たいらのじょうご)「クゥゥ・・・・・。知らぬ、儂は本当に知らぬ。儂にも何もわからぬのだ。」
平漏瑚「儂はただそこにある4つある帳の内の一つを守れという“縛り”を元にここにある帳を守護していただけなのだ。」
両面宿儺(エリザベート)「ほお?で、その帳の守護の縛りを交した者は誰なのだ?お前たちにその帳の守護の縛りを掛け、4つの帳を降ろさせた者は誰なのか?」
平漏瑚「だからそんなことなど儂は知らん!儂らはただ、儂らに掛けられた“縛り”がいつ掛けられたものか、いったい誰と縛りを交した事もいっさいわからぬのだ。」
平漏瑚「それに儂らは本来、このような人間のような姿をしてなどいない。儂を含めた4人の特級呪霊・・・・“漏瑚(儂)”と“花御”と“陀艮”、そして“真人”・・・」
平漏瑚「儂らはただ、嘘偽りのない負の感情から生まれた呪いこそ真に純粋な本物の“人間”であり、偽物は消えて然るべく行動していた。」
平漏瑚「儂ら4人はあの時、■■■の仲間の呪術師に・・・儂に至ってはお主によって祓われたはずだった。儂らの望みは、あの時あの瞬間で終わったはずだった・・・」
平漏瑚「しかしそうはならなかった。気がついたときにはあの時と同じこの渋谷の地に立っており、儂らの姿は儂らの本来の姿とはかけ離れた存在・・・」
平漏瑚「この今の儂のような“偽物”と蔑んだ人間と同じ姿となっており、そしてそんな儂ら4人にある“異変”が生じた――」
平漏瑚「花御は元から独特だった喋り方がさらに酷くなり、陀艮は儂らの事の記憶や言葉を失い、」
平漏瑚「真人に至っては、『虞美人』とかいう存在に取り憑かれたようにその存在に心髄するようになり、儂らの本来の目的を蔑ろにするようになってしまった。」
平漏瑚「そして儂らの脳内から、手分けをするようにあの4つの帳の発信源を守れという縛りの言葉が流れ込み、儂らはその縛りに従うように儂らは行動した。」
両面宿儺(エリザベート)「!。なんだと?」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/01/05(金) 01:47:33.69 ID:A4QF/U/IO
どうでもいいけどハロウィンに関する内容を
年明けても未だに書いてるのってバカにしか見えんぞ
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/05(金) 23:16:37.74 ID:zWkLa0Cy0
>>85
話の都合上仕方がないこと。
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/05(金) 23:18:06.62 ID:zWkLa0Cy0
両面宿儺(エリザベート)「・・・そうか。つまりお前たち呪霊は、何かの原因でその本来の呪霊の姿とは違う人の姿・・・即ちサーヴァントという人間のような肉体となっており、」
両面宿儺(エリザベート)「お前たちの魂がその肉体の性質に適用出来ず、お前たちの魂がその肉体に喰われ、自分自身を維持することが出来ないと?」
平漏瑚「フッ、察しが良いではないか。そうだ、儂らの今の身体には、何か特殊な呪いが組み込まれており、真人や花御、陀艮もまた、肉体に魂を喰われ、自身の正気を失ってしまった。」
平漏瑚「儂もそうだ。儂も時が立つにつれ、儂の頭には源氏を殺すという使命感が儂の魂を喰らうかのように浸蝕していき、時期に儂も儂ではなくなってしまう・・・」
平漏瑚「だからそうなる前に宿儺・・・・今すぐ儂にトドメをさしてくれ。儂の魂がこの偽りの肉体にくわれるその前に!」
両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・」
両面宿儺(エリザベート)「―――はぁ‥・・・よかろう。この俺が呪霊ごときの願いを聞き入れるなど癪に障るが、お前とは前にあの世界で殺し合った仲だ。」
両面宿儺(エリザベート)「姿は違えど、あの時のお前は強かった。1000年やった中で、お前はマシな方だった。」
両面宿儺(エリザベート)「お前はお前のままでいろ。お前は確かに強かった・・・・お前もそうだっただろ?」
平漏瑚「――!?。確かにそうだったな・・・。ありがとう・・・・儂の意思が喰われる前に宿儺・・・お前とまた出会えたことを―――」
シュン、スパァァーーン!!
真っ二つにされた平漏瑚(特級呪霊・漏瑚)「―――――――」
シュパァーン、ギュゥゥゥン・・・・
両面宿儺(エリザベート)「――いったいどうなっている?この俺が知らぬ間にこの俺以外の侵入を許さぬ帳を4つも貼ってたとはなぁ・・・」
両面宿儺(エリザベート)「これら4つの帳・・・俺以外の侵入を許さず、まるでこの俺を追っているカルデアの者から、この俺を守るかのように・・・」
両面宿儺(エリザベート)「ツゥ・・・この俺の今の身体といい、あの特級呪霊といい、いったいこの渋谷で何が起こっているというのだ?」
両面宿儺(エリザベート)「だがいずれにしてもアイツらは必ず俺の所へと来る。その時こそ、俺とこの身体との縛りは終わる‥‥」
両面宿儺(エリザベート)「俺があいつを・・・・“カルデアのマスターを呪い殺す”事でな・・・。」
――――――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターたちが渋谷駅の山手線ホームに向かっている中、別の所で両面宿儺(エリザベート)が花御モレ―と徐福真人と同じ特級呪霊の1体・・・
平景清の姿をした特級呪霊:平漏瑚(たいらのじょうご)と戦闘をしており、その戦いに勝利した両面宿儺(エリザベート)は平漏瑚に4つの帳の事についてを尋問しており、
その事について何も知らないと断言していた平漏瑚は自身の身体が本来の自身の身体では無い偽りの肉体であり、その偽りの肉体のせいで自分自身の意思が肉体に乗っ取られる事を恐れ、
自分自身の意思が偽りの肉体に乗っ取られる前に両面宿儺の手によってトドメを刺される事を望み、宿儺自身はその彼女の望み通りに平漏瑚を葬るのであった。
そして宿儺自身はこの渋谷で起こっている事について疑問を抱き始めるが、宿儺自身はそれよりも先にカルデアのマスターを呪い殺し、
自身に設けられたとある“縛り”を完遂しようと意気込みをいれるのであった。
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/06(土) 09:32:31.92 ID:63de8Sw50
第8廻戦:両面宿儺と渋谷の異変
――――――――――――――――
???
???「魔力と呪いが徐々に溜まり始めている・・・そろそろ“コレ”も使えるようになる頃合いだな。」
???「あとは彼女をどうするかだ・・・・いずれにしてもこれらを済ませれば、あの者の“願い”は叶えられる・・・」
???「フッ、宿儺の奴め・・・俺に利用されているとも知らずにのうのうと・・・・」
???「だがいずれにしても宿儺には最後にとても大事な仕事をさせてもらう。君や、私にとっても大事な仕事をな・・・」
スタッ、スタッ、スタッ、スタッ・・・‥
―――――――――――――――――――――――
渋谷の特異点のどこか、どこかのトンネルの内にて・・・・
一つの何かを確認しつつ、一人のお坊さんの恰好をした一人の男性がその中を一人歩いていた。
そしてその男は着々と、とある人物が待つある場所へと向かっていくのであった。
―――――――――――――――――――――――
渋谷駅での戦いから数分が立ち・・・渋谷:チェイテ渋谷神社城前
播磨局「ここがチェイテ渋谷神社城か。近くで見ると随分と悪趣味な風景をしている。」
マシュ「はい。渋谷の事はカルデアのデータ資料で関連はしているのですが、このチェイテ渋谷神社城はその・・・」
マシュ「渋谷のとあるアパレルショップの造形と怪しげな神社の造形がごちゃ混ぜになってまして、例えるとすれば・・・その・・・」
【・・・・・・・・・・】
【チェイテピラミット姫路城】←
https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/caa6ce2e17adf78fbfe440662e774370a6c4eb82.62.2.9.2.png
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん・・・だがそれでもこの場所の造形としては藤丸ちゃんが言ったモノよりはマシとも言えるのだけどね。」
望月千代女「はい。しかし4つの帳を破壊し、ようやくこの場所へと辿り着いたのですが、やはりこの場所には誰1人もおりません。」
吉備真備「ああ。この渋谷全体を見るにあたり、この渋谷にはマスターや呪霊、俺たちのようなサーヴァント以外の人物がいないことから、おそらくは・・・」
吉備真備「・・・だとしても、この城のような場所に両面宿儺がいることは間違いないようだな。そうだろ?」
【とにかく行こう!】
【両面宿儺を祓わないと】←
マシュ「はい。エリザベートさんに取り憑いている両面宿儺の呪いを祓い、エリザベートさんをカルデアへと連れ戻しましょう。」
スタスタスタスタッ・・・‥
―――――――――――――――――――――
同じ頃、渋谷駅山手線ホームでの戦いから数分後、4つの帳を超え、ようやく両面宿儺(エリザベート)が居城としているチェイテ渋谷神社城へと辿り着き、
カルデアのマスターたちは改めてそのチェイテ渋谷神社城の独特な建物の造形に気が引けるほどに動揺するも、
そこに待つ両面宿儺(エリザベート)を祓い、エリザベート・バートリーを連れ戻す為に、彼女たちは城の中へと入るのであった。
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/06(土) 10:26:19.05 ID:63de8Sw50
チェイテ渋谷神社城・城内:1F コスメ売り場
バーヴァン・シー「ここは普通のコスメ売り場ね。店員が1人もいないのは当たり前なのだけど。」
吉備真備「だな。だとしてもチェイテ城って、あのエリザベート・バートリーが居城としていた城なんだよね?なんで彼女はそのチェイテにこだわるのだろうねぇ?」
【真備さん・・・・】
【実はそのぉ・・・・】←
吉備真備「わかってる。エリザベート・バートリーの逸話の事は僕も事前に認知はしている。彼女がそのチェイテ城でいったい何をしたのか、何があってこの城に幽閉されていたのか‥」
吉備真備「言わずとしても、チェイテ城はエリザベート・バートリーにとっての監獄であると言う事も・・・・」
播磨局「!。監獄って・・・・」
マシュたち「・・・・・・‥」
【・・・・・・・】←
吉備真備「まあ今はそんなことはナシにして!とりあえずみんなで両面宿儺の所へ行こう!ね?」
【う、うん・・・・】
【なんか間が悪いと言うか・・・】←
吉備真備「――――(メンゴ!)」
シオン(通信)「――では改めまして、皆さま方は今いる場所から前に進みまして、そこに階段がありますよね?」
シオン(通信)「皆さま方にはその階段を降りて、地下へと向かってください。」
【地下?】
【上へ上がるんじゃなくて?】←
シオン(通信)「はい。こちらの方でチェイテ渋谷神社城の内部をスキャンし、両面宿儺の現在地や聖杯のある場所を探査したのですが・・・」
シオン(通信)「スキャンした結果、このチェイテ渋谷神社城には大層な広間のような場所はなく、ある意味このチェイテ渋谷神社城というのは・・・」
シオン(通信)「外部の風景は異質なのですが、内部は普通にただの渋谷のファッションショップの構造であり、私が思う結論からして・・・」
シオン(通信)「このチェイテ渋谷神社城というのは、ただ外部の見た目を派手に彩っただけの、言わば“ハリボテ”ですね。」
マシュたち「――――!?」
【――ズゴッ!?】
【ハリボテかよ!?】←
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/06(土) 10:54:35.54 ID:63de8Sw50
シオン(通信)「ですがこのチェイテ渋谷神社城の下・・・つまり城の地下には何かしらの異様な空間が形成されていましてね。」
シオン(通信)「その地下空間だけはこちらのスキャンを受け付けず、その地下空間から聖杯の反応をキャッチしまして、おそらくは・・・」
【つまりそこに聖杯があるって事?】
【それと両面宿儺もそこに・・・】←
シオン(通信)「おそらくは・・・ですので皆さんはそこから地下へと向かってください。おそらくそこには例の両面宿儺もそこにいるかと・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。前にも言ったように両面宿儺はエリザベート・バートリーに寄生しての現界といってもいい、最悪の場合、エリザベートの事は・・・」
【わかってる。】
【必ずエリちゃんを取り戻すから】←
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「――――(頷く)」
――――――――――――――――――――――――――――
無事にチェイテ渋谷神社城の内部へと侵入したカルデアのマスター。
しかしそこで知った事はチェイテ渋谷神社城とはただ外部の風景が風変わりなだけで、内部はごく普通の女子モノファッションショップというハリボテじみた建物だという事実であった。
しかしその中でその城の地下には異様な地下空間が形成されており、その地下空間から聖杯の反応があったとシオンの口から明かされており、
カルデアのマスターたちはそのまま城の階段を降りていき、チェイテ渋谷神社城の地下空間へと足を踏み入れるのであった
――――――――――――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城 地下:東京メトロ 副都心線ホーム内
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/9/7/971a851d.jpg
タッタッタッタッタッタッ・・・・・・
【ここって・・・】
【地下鉄のホーム?】←
吉備真備「(この場所・・・・俺たちは確かあの渋谷109の地下に足を踏み入れたはずなのだが・・・この場所の風景や内部の造形・・・)」
吉備真備「(明らかにここは渋谷ヒカリエの地下にある地下鉄のホーム・・・どうしてこの場所がチェイテ渋谷神社城の地下に?)」
吉備真備「(それにこの感じ・・・どこかで見覚えがあるような・・・・)」
???「ようやく来たか。待ちくたびれたぞ、カルデアのマスターよ。」
吉備真備「!?」
【その声はまさか・・・!】←
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/01/06(土) 11:46:22.51 ID:HaD3vl7F0
話の都合上仕方ないなら別にペースも上げる必要無いのに
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/06(土) 23:48:46.17 ID:63de8Sw50
タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・・・
両面宿儺(エリザベート)「わざわざこの場所まで来るとは、わざわざ俺に殺されに自ら来たというのか?」
両面宿儺(エリザベート)「それともあれか、俺に殺される覚悟があるからわざわざ向こうから来たというのか、カルデアのマスター?」
【両面宿儺・・・・】←
ゴルドルフ(通信)「ヌヌヌ・・・あやつが藤丸の言ってた両面宿儺という奴か、見たところやはりその姿はあの鮮血魔嬢(エリザベート)の姿と同じにしか見えん。」
カドック(通信)「そのエリザベートの霊基に両面宿儺が混ざっているから今の両面宿儺がいるんだろ!いま目の前に!」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん。信じられない事だがこれは事実だ。今の彼女の身体には両面宿儺の霊基が取り憑いている。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「しかもこの霊基、今までの別霊基のエリザベートよりも強力で繋がりもかなり強度だ。こんなの、とてもじゃない程なのだが・・・」
両面宿儺(エリザベート)「ほお‥俺を分析するか。画面越しではあるがよほどの観察力の優れた者と見て間違いはないようだな?」
両面宿儺(エリザベート)「だが‥俺を分析したところで俺は倒せぬ。お前たち如きが俺の呪いに勝てるとでも・・・?」
【エリちゃんの身体を返して!】←
両面宿儺(エリザベート)「返せだと?お前、何度も言っても俺の話を理解しないというのか?」
両面宿儺(エリザベート)「今の俺こそ、お前たちが探しているという英霊・エリザベート・バートリーであり、この呪いに満ちあふれた渋谷を支配する呪いの王・・・」
両面宿儺(エリザベート)「故に今の俺は呪いの王“両面宿儺”であり、“エリザベート・バートリー”でもあるのだからなぁ〜‥。」
吉備真備「その“エリザベート・バートリー”という霊基もまた、あんたが何らかの形で乗っ取ったんだろ?その身体の持ち主の意思とは関係なく‥」
吉備真備「エリザベート本人の身体を乗っ取り、あわや自分自身の事をエリザベート・バートリーであると語るあんたが一番かっこ悪いと思うんだよねぇ〜‥。」
両面宿儺(エリザベート)「!?。貴様、見たところ貴様もまた、何らかの形でサーヴァントとして現界していると見て間違いはないようだな。」
両面宿儺(エリザベート)「いわゆる疑似サーヴァントって奴か?にしては貴様の姿、何かと見覚えのある顔のようなのだがなぁ〜?」
吉備真備「そうかな?僕に至って、あんたとは会ったばかりの初対面であり、見覚えのある顔っと言ってもそれはあり得ないと思うけどなぁ〜‥」
吉備真備「僕はただ、この姿で召喚されただけのキャスタークラスの吉備真備だ。アンタのいう疑似サーヴァントなんかじゃないよ〜だ!」
両面宿儺(エリザベート)「・・・・(チッ、このふざけた呪術師風情が!いったい何の口を言っているんだ?)」
吉備真備「・・・・・・‥」
【凄い緊迫感だ・・・】←
【(ちょっとまではふざけた感じはしてたけど‥)】
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/07(日) 10:47:00.54 ID:ZE+Mne8V0
ピピィィ〜!
ムニエル(通信)「聖杯の反応をキャッチした。ここからすぐ近くに・・・‥って、ちょっとまさかこれって〜!?」
両面宿儺(エリザベート)「聖杯?あぁ〜そうか、お前たちは俺のことを探している他にこれらも探していたというのか。」
シュルッ、キラァァ〜ン☆
【あれは聖杯の雫!?】←
【どうして貴方がそれを・・・】
両面宿儺(エリザベート)「ああこれか?こいつは俺がこの渋谷に現界した直後に拾ったものだ。何に使うモノなのかサッパリだったが・・・」
両面宿儺(エリザベート)「お前たちが近くに来たことで、この雫とやらの反応が強まっていくことを感じた。お前たちも少しは感じているのだろ?」
マシュたち「!?」
キラァァ〜ン☆
【コレって・・・】
【聖杯の雫が共鳴している・・・】←
吉備真備「そういう事だったのか・・・この聖杯の雫はあの4つの帳を降ろす発生源だけではなく、何らかの形で5つに分かれた聖杯の破片でもあったのか!」
シオン(通信)「はい。最初にこの聖杯の雫を見た時、私も吉備真備と同じ事を考えていたさ。この今の状況も踏まえて・・・」
シオン(通信)「(だとしても、聖杯の雫が両面宿儺と4体の特級呪霊のサーヴァントの手に渡っていた事になるのは確かの事なのですが・・・)」
シオン(通信)「(残る大きな問題として、一体、誰が聖杯を使って、この渋谷の特異点をつくったということを・・・)」
シオン(通信)「(そして特級呪霊サーヴァントとの戦いの際に起こる領域展開時の聖杯戦線。これはもしかすると・・・・)」
両面宿儺(エリザベート)「さて、余興は終わりだカルデアの者よ。お前たちはここでこの俺の手で全て呪い殺されるであろう。」
両面宿儺(エリザベート)「逃げるのなら今の内に逃げたまえ。今なら逃げるお前たちの背を攻撃する事はせず、そのまま見逃してやろう。」
両面宿儺(エリザベート)「と言っても、お前たちは逃げずとも俺に挑む理由やその覚悟があってこそ、お前たちはここにいるんだろ?」
【そうだよ】←
【あなたの持つ聖杯の雫を回収し、エリザベート・バートリーを取り返すまでは・・・】←
【私は逃げたりしない!】←
両面宿儺(エリザベート)「フッ、よく言った。良いだろう、お前のその覚悟に対し、お前たちに相応しい場を設けてやろう。」
両面宿儺(エリザベート)「そして瞬きせず見ておくがよい。本物の呪術というモノとその真髄を――――」
スッ、ピトッ・・・
吉備真備、播磨局「――――!?」
【あの構え・・・まさか!?】←
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2024/01/07(日) 14:10:02.77 ID:FtVTIYVY0
天安門事件 四五天安門事件 六四天安門事件 中国六四真相 六四事件 Tienanmen Massacre Tienanmen massacre
中華民國總統選舉 Taiwan 台湾問題 台灣問題 臺灣問題 台湾独立 台灣獨立 臺灣獨立 法輪功 Falun Gong 大紀元時報
The Epoch Times 九評共産党 チベット独立 西蔵独立 西藏獨立 チベット動乱 北京之春 ダライ・ラマ Dalai Lama 達ョ喇嘛
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広島 廣島 長崎 原爆 広島原爆 廣島原爆 長崎原爆 走私 王丹 魏京生 胡耀邦 趙紫陽 民主化 民運 六四民運 中国 シナ
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/07(日) 22:08:21.23 ID:ZE+Mne8V0
両面宿儺(エリザベート)「ほお‥構えだけで俺が領域を展開する事を察したか。だがあまりにも遅すぎる。」
両面宿儺(エリザベート)「というよりは、一度だけ俺の領域内での攻撃を見ていたから察しがついたのか?お前の目の前で誰かが斬り倒された時のように・・・」
【!?】←
―――――――――――――――――――――――
回想シーン:両面宿儺(エリザベート)との最初の戦いにて・・・
ガシュンッ!バリバリッ!
プトレマイオス(老)「ガッ――――」
バリバリバリィィ〜〜ガシャァァ〜〜ン!!
プトレマイオス(老)「パァァァ〜〜〜〜〜!?」
バシュゥゥ!パカァァン!!
―――――――――――――――――――――――
【ツゥゥ・・・・】←
両面宿儺(エリザベート)「思い出したか?お前の目の前で何もわからず切り裂かれた‥プトレマイオスと言うジジイの死に様を!」
両面宿儺(エリザベート)「そうとも、これこそお前の目の前でプトレマイオスという奴を切り裂いた、俺の持つ最大の呪いの力だ。」
両面宿儺(エリザベート)「領域展開・・・」
キィィン、ゴォォォォ〜〜!ギュォォォォ〜〜〜〜〜〜!!
カルデアのマスターたちの目の前に現れた一つのオブジェ(イメージ)
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/0/6/060c8682.jpg
両面宿儺(エリザベート)「『伏魔御廚子』」
――――――――――――――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城の地下奥深くに到達したカルデアのマスターたちの前に、彼女たちを待ちかねたかのようにその姿を現した両面宿儺(エリザベート)
彼女の手には4つの帳の発生の源である聖杯の雫が握られており、カルデアのマスターはそれらに対し、
聖杯の雫を手に入れる事と、エリザベート・バートリーをカルデアへ連れ戻す事への意気込みを宿儺に見せ、彼女と戦う意思と覚悟を見せた。
そんなカルデアのマスターの覚悟を見た両面宿儺(エリザベート)はそれに対し、カルデアのマスターに相応しい場を設ける一環とするかのように、
両面宿儺(エリザベート)は自身の領域展開である『伏魔御廚子』を発動し、地下鉄ホーム内の中央に様々な生物の頭骨に象られた寺のお堂が出現するのであった。
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/07(日) 23:58:34.34 ID:ZE+Mne8V0
ハロウィン聖杯戦線5:伏魔御廚子
――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城・地下:東京メトロ 副都心線ホーム内(現在、両面宿儺(エリザベート)の呪術領域『伏魔御廚子』発動中)
マシュ「これが、あの両面宿儺の領域展開・・・ですがこの場所は・・・・」
【風景が変わっていない・・・】
【地下鉄のホームのままだ】←
両面宿儺(エリザベート)「そうだ。俺の領域展開はそんじゃそこらの呪霊の生得領域とは訳が違う。」
両面宿儺(エリザベート)「『伏魔御廚子』は誰も閉じ込めない。閉じ込めない事で出入りが自由であり、領域内から逃げ出すことも可能だ。」
両面宿儺(エリザベート)「しかし逃げたところで俺の攻撃からは逃げる事など出来やしない。領域内での俺の攻撃は必中かつ無限に攻撃が放たれるからな。」
【!?】
【それって何をしても逃げられないってことなの‥?】←
両面宿儺(エリザベート)「そうだ、無限に俺の攻撃が必ず当たるように襲いかかる。より早く、より鋭く、より残虐的に・・・」
両面宿儺(エリザベート)「故に俺の領域内には他の呪霊サーヴァントなど存在しない。お前たちの相手など、この俺1人で充分だからな。」
両面宿儺(エリザベート)「(と言っても、それこそ本来の領域展開時の戦い方であり、領域内では基本、兵隊を招いて戦争をするモノではない。)」
両面宿儺(エリザベート)「(全く、いったい誰が何を考えてなのか‥呪霊を含めた他者の術式の領域展開に手を加え、その中で軍隊戦をやる方式を確立させたというのか・・・)」
両面宿儺(エリザベート)「(まあそんなことなど、俺の領域も含めて関係のないことなのだからな。)」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/08(月) 23:56:50.02 ID:OH5/Ness0
キィィン、キィィン・・・・
両面宿儺(エリザベート)「話を続けよう。この領域内で放たれる無限の攻撃は二つ・・・魔力のないモノには解(カイ)という普通の斬撃を、サーヴァントの様な魔力のある者たちには、捌(ハチ)という特殊な斬撃を‥」
両面宿儺(エリザベート)「これらの2つの斬撃をお前たちが進む陣地のどこかに用意し、止まった時点でその場所に斬撃を加える。それも必ずだ。」
両面宿儺(エリザベート)「カルデアのマスターはせいぜい解(カイ)の斬撃に耐えられるように防御をする事だ。間違ってお前が捌(ハチ)を受ければ、それこそ一撃で終わりだからなぁ?」
【何故そんなことを私に教えるの?】←
両面宿儺(エリザベート)「何故だと?お前が俺の呪術で傷ついていく様を少しでも長く見物する為だ。そうでもしないとお前はすぐ死ぬからな?」
両面宿儺(エリザベート)「それともう一つ、俺の領域展開を止めたいのであればこの中央のお堂を壊して見るがよい。そこが俺の術式の無限攻撃の要だからなぁ。」
両面宿儺(エリザベート)「ではカルデアのマスターよ、サーヴァントの配置と編成が終わるまで待ってやろう。無意味なことだが、お前のベストなコンディションの戦法の上で、この俺がお前を呪い殺してやろう。」
両面宿儺(エリザベート)「せいぜい仲間のサーヴァントによる領域の綱引きをするか、自力で俺の領域を止めるか、お前たちの中で考えていくんだな?」
ゴルドルフ(通信)「な・・・なんだねあやつは!?あやつめ、我々を確実に殺められるからってあやつ自身の手口を明かすとは、我々をコケにしているのか!?」
シオン(通信)「敵を目の前にしておいて自らの攻撃手段を明かし、しかもこちらに有意義な策を与えるなど、いったいあの両面宿儺は何を・・・」
バーヴァン・シー「ふん。そんなのどうでもいいわ。わざわざこっちの有利な戦い方を教えてくれるなんて、あいつバカじゃないのかしらwww」
【いやそんなはずはないと思う・・・】
【『罠』という可能性もある】←
吉備真備「(宿儺自身の攻撃手段と領域内の攻略の開示・・・あの両面宿儺が術式の開示する“縛り”で呪力の底上げをするとは、確かに俺も同化と‥)」
吉備真備「(それと宿儺はこちらが領域の綱引きをするのかの選択も進言していた事もあり、なぜこちらが領域の綱引きを・・・‥まさか‥!?)」
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/09(火) 22:35:52.10 ID:X0824Fs80
播磨局「フッ、手の内を明かした他に私と領域の綱引きをしたいというか。良いぜ、その誘い、乗ってやろうじゃないか!」
播磨局「マスター。私がこのまま領域展開をして、あの宿儺の攻撃の必中を止めてやる。マスターは精々あの中央にあるふざけた感じお堂を壊してやれ! 」
【わかった!】←
吉備真備「播磨局。ちょっと君の耳をすぐに貸してくれない?すぐに終わる話なんだけどさぁ〜〜。」
播磨局「はぁ?私の耳を貸せって・・・って、イタタタタッ!おい、勝手に私の耳を引っ張るんじゃ―――」
吉備真備「ゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・・・・」
播磨局「・・・・・・えっ・・・!?」
――――――――――――――――――――――――
数分後、カルデアのマスターたちの聖杯戦線の戦闘編成を終えて・・・
両面宿儺(エリザベート)「準備が出来たようだな?さぁ来るがいい、お前たちにこの俺を祓う事など出来るか、カルデアのマスター!」
【望むところよ!】
【みんな、行くよ!】←
マシュたち「―――――(頷く)」
吉備真備「(俺の勘が間違ってれば、それこそ藤丸たちは宿儺の術式によって切り刻まれ、こちらの敗北が決定する。)」
吉備真備「(しかしもし俺の勘が間違っていなければ、もしかしてだとすると・・・・)」
聖杯戦線、開戦
―――――――――――――――――――
ハロウィン聖杯戦線5:伏魔御廚子
勝利条件:両面宿儺(エリザベート)の撃破と伏魔御廚子の破壊
敗北条件:マスターのライフがゼロとなる、及び味方サーヴァントの全滅
領域内効果:特定の陣地に止まると陣地にある色付きの斬撃マークに合せた攻撃により、サーヴァントとマスターのライフに大ダメージを受ける。
青い斬撃のマーク(解(カイ)):味方サーヴァントに30%のダメージ(マスターの場合はライフが一つ減る)
赤い斬撃のマーク(捌(ハチ)):味方サーヴァントに50%のダメージ(マスターの場合はライフが全て減り、ゲームオーバー)
登場エネミー
両面宿儺(エリザベート宿儺):クラス・バーサーカーx1
伏魔御廚子:クラス・バーサーカーx1
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/11(木) 08:24:21.00 ID:xCCpQ01F0
第9廻戦:渋谷ハロウィン 閉幕
↓
第9廻戦:渋谷獄門疆 開門
―――――――――――――――――――
チェイテ渋谷神社城・地下:東京メトロ 副都心線ホーム内(現在、両面宿儺(エリザベート)の呪術領域『伏魔御廚子』発動中)
シュシュシュシュシュシュンッ!!
望月千代女「――――――!!」シュンシュンシュンッ!
ジャクンジャクンッ!
バーヴァン・シー「ハッ、よっと!」シュッ、シュンッ!
【(攻撃が避けきれる・・・)】←
【(もしかしてこれ、行けるかも!)】
両面宿儺(エリザベート)「ツゥゥ・・・なかなかやるではないか。契約したサーヴァントとの連携、マスターの指示、サーヴァント特有の能力。これら全てをうまく活かしている。」
両面宿儺(エリザベート)「加えてこちらの領域内の必中を無くす為の領域の綱引き。こちらとしては見事というべきか?」
両面宿儺(エリザベート)「なにせお前たち側の呪力の消費を感じ慣れないほどに、領域の綱引きを成立させて・・・」
吉備真備「そうか?それ、本当に僕らの誰かがお前と領域の綱引きをしているんじゃないかと本気で思っているのか?それとしては宿儺、お前らしくない事を言ってるじゃないかのか?」
両面宿儺(エリザベート)「なに?貴様、この俺に向かって何を――――」
ギュォォ〜ン、ドスゥゥ〜〜ン!
鬼の仲麻呂「グォォォォ〜〜!!」
両面宿儺(エリザベート)「!?。チィィ、ハ――――」
吉備真備「今だ、突っ込め!」
播磨局「ハァァァ〜〜〜!!」
バーヴァン・シー「ハァァッ!!」
両面宿儺(エリザベート)「―――――!?」
シュッ、グサッ!バババババッ、バシュバシュッ!
両面宿儺(エリザベート)「―――ガハッ!?」
鬼の仲麻呂「オォォォォォォ〜〜〜〜!」
吉備真備「『入唐絵巻・鬼来隠光(にゅうとうえまき・きらいいんこう)』!」
ゴロゴロゴロォォ〜〜、バリバリバリィィィ〜〜!!ドゴォォォ〜〜ン!
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/11(木) 11:18:22.20 ID:xCCpQ01F0
ビキビキッ、バリィィィ〜〜ン!シュゥゥ〜〜ン・・・
【領域が解除された!】
【真備さん!】←
吉備真備「おう!」
両面宿儺(エリザベート)「バ、バカな!?おいそこの女、お前はさっきまで俺との領域の綱引きをしていたはず・・・なぜお前がすぐに・・・」
両面宿儺(エリザベート)「領域の綱引きをやめれば、すぐにでも俺の術式の必中によって、お前たちは瞬く間に俺の術式で粉みじんに・・・」
吉備真備「・・・そうはならない。いや、むしろ初めから今の宿儺では俺たちを領域展開で切り刻むことなど出来ないと言った方が正しいかな?」
両面宿儺(エリザベート)「・・・なに?」
【真備さん?】
【それってどういう事なの?】←
吉備真備「マスター。戦いが始まる前、宿儺が君たちに自身の領域内での術式効果とその攻撃手段を明かしたのは知ってるよね?」
吉備真備「あれはその自身の攻撃手段をあえて公開する事で、その者の攻撃手段の効果と能力を底上げをする事が出来て、そのような能力の底上げの手段を僕たちは“縛り”と呼んでいる。」
吉備真備「何らかのリスクと制限を掛ける代わりに、それと引き替えに術式の底上げと能力の増加などのメリットを得ることができる。ある程度に強い呪術師のテクニックってヤツだ。」
吉備真備「まあ、その縛りを破ればそのメリットを失う事は絶対であり、最悪、何らかのペナルティが発生する事は確実なんだけどね。」
【縛りって・・・】
【その為に私たちにあのような事を・・・】←
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/13(土) 00:09:00.94 ID:B+plaUV50
吉備真備「宿儺。僕の知る限り、あんたは領域展開した後に自身の術式を開示して自身の能力を上げるようなやつじゃねえはずだ。」
吉備真備「領域展開をすれば、あんたもさっき言ったようにあんたの術式は必ず当たるようになり、術式の弱強関係なく開示する必要など無いに等しいはず。」
吉備真備「にもかかわらずあんたは領域の展開後に術式の開示をし、命中率を含めた自身の能力を試みた事から、僕はあんたに対して疑問を抱いた。」
吉備真備「故に僕はマスター達の戦闘編成の際、僕は秘密裏に播磨局に宿儺との領域の綱引きをする“フリ”をさせ、あわや宿儺と領域の綱引きをしているように、」
吉備真備「僕の術で播磨局と宿儺とで領域の綱引きをしているかのように感じ取るように細工をし、僕と播磨は宿儺の様子を伺い、そしてその中で一つの確信を得た。」
吉備真備「両面宿儺。あんたは領域展開したにも関わらずわざわざ術式の開示をし、あえてこちらの領域との綱引きに持ち込もうとさせた。」
吉備真備「その理由があるとすれば・・・宿儺、あんたは領域展開をしたにも関わらず、その術式に必中効果を得られないって事を知っていたって事じゃないのか?」
両面宿儺(エリザベート)「――!?」
【必中効果を得られないって――】
【それっていったいどういう事!?】←
吉備真備「僕も正直、領域展開でこのような事が起こるのはあり得ないと思っていた。実際にこのような事態を目の辺りにするまではね?」
吉備真備「宿儺の術式に不具合があるのか、はたまた領域展開自体が必中効果を得られないほどに弱体化しているのか?」
【いや、今はそれよりも・・・・】←
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。播磨局の本体への直接攻撃、吉備真備の宝具による『伏魔御廚子』の破壊によって、宿儺の霊基に深刻なダメージを与えられたはず・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「このまま宿儺を祓いたいところだが、今の宿儺にはエリザベート・バートリーが取り憑いている事もある。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「彼女をカルデアに連れて帰る為にも、宿儺をこのまま生け捕りにし、何としてでも宿儺とエリザベートを引き剥がすんだ。」
【わかった!】←
両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・・」
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/13(土) 23:52:55.42 ID:B+plaUV50
タッタッタッタッタッ・・・・
【両面宿儺!】
【エリちゃんの身体、返して貰うよ!】←
望月千代女「はい。このような形とはいえ、この戦い、我々が勝利した以上、今のあなたにもう後はありません。」
望月千代女「我々はあなたの持つ聖杯の雫とあなたに憑依しているエリザベート殿の身体を取り返し、あなたを排除します。」
バーヴァン・シー「そうよ。大人しくエリザベートの身体を返せばあまり痛いようにしないで祓ってあげるから、マスターの話は聞いた方がいいわ?」
バーヴァン・シー「いやそれとも、前にマスターを真っ二つに斬ったように、貴方の身体を真っ二つにして中から取り出さないといけないのかしらねぇ〜?」
マシュ「バーヴァン・シーさん、それでは宿儺と一緒にエリザベートさんの身体も真っ二つになってしまい、エリザベートさんを救う事など・・・」
両面宿儺(エリザベート)「・・・クッ、クククククク!クッハハハハハハハハハーーーー!!」
【!?】
【何かがおかしいというの!】←
両面宿儺(エリザベート)「ハハハハハ!全くだ、呪術専門のサーヴァントを仕えていながら、お前たちは呪術の何たるかを全然わかっていないようだな?」
両面宿儺(エリザベート)「身体を返せだと?この今の俺を構築しているこの器の身体など、とっくの昔に返せるものなら返してやるものだ。」
両面宿儺(エリザベート)「正直に俺は、このような女の身体を器にするつもりなどなかった。ましてやこのエリザベート・バートリーとかいう女の身体にはな。」
両面宿儺(エリザベート)「お前の言う通りだ吉備真備と名乗る呪術士よ。お前の言うように、この女(エリザベート・バートリー)の身体を器としたことで俺の術式に異変が起きた。」
両面宿儺(エリザベート)「まあ異変というよりか、自身の術式がこの器とした身体の体質によって変質したというべきか。術式の発動については問題はないのだが・・・」
両面宿儺(エリザベート)「領域展開・・・・つまり俺の“術式領域”の展開する行為は、お前たちサーヴァントで言う“宝具”の発動と同じような形となっており、」
両面宿儺(エリザベート)「どうもその宝具の発動条件である呼称が俺の本来呼称とする名ではないらしく、俺が領域展開をしたとしても、」
両面宿儺(エリザベート)「正しくその名を呼ばぬ限り、その宝具が拗ねてしまい、領域展開特有である必中効果を得られず、術式もまた、思うように発動が出来ぬようになっているのだ・・・・」
マシュたち「―――――(ドン引き)」
吉備真備「ハァ〜〜!?何だそれ?」
【術式って、拗ねることがあるの!?】
【(なんかいかにエリちゃんらしいというか・・・)】←
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/14(日) 23:48:07.81 ID:rzBzK3lT0
播磨局「ああそうかい。前にマスターとプトレマイオスというファラオが、アンタの領域で一瞬のうちに切り裂かれたとは聞いていたが・・・・」
播磨局「それさえもアンタにとっては不十分な術式だったという訳とはなぁ?アンタのジョークにしてはお笑いだぜwww」
両面宿儺(エリザベート)「チィィッ!、んなのあのジジイの結界術が弱かっただけだ!お前たちに笑われるに超したことなどない!」
両面宿儺(エリザベート)「まあ、お前たちがそう笑っていられるのも今の内だ。お前たちにこの女の身体から俺を引き剥がすことなど出来ぬ・・・」
両面宿儺(エリザベート)「・・・俺とこの身体の持ち主であるエリザベートとの“縛り”がこの身体を構築しているようにな?」
【!?】
【それってどういう事!?】←
両面宿儺(エリザベート)「吉備真備から聞いているだろ、何らかのリスクと制限を掛けるなどの“縛り”を持つ事で能力の底上げが出来ると‥」
両面宿儺(エリザベート)「俺はこの渋谷にサーヴァントとやらとして召喚された際、この女(エリザベート)の身体を触媒にしていたらしく、」
両面宿儺(エリザベート)「俺の意識が目覚めた時には俺の本来の姿ではない、この今の身体(エリザベート)の姿となっている事に気がついた。」
両面宿儺(エリザベート)「そしてこの俺の頭の中から、この身体の元の持ち主・・・つまりお前たちが言うエリザベート・バートリーとかいう女はこう俺に告げたのだ。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:両面宿儺(エリザベート)が召喚された直後‥
エリザベート・バートリーの声「貴方を召喚させる為に私の身体を使ったなんて良い度胸ね?私の身体を使ったからには相当のバチが当たるわ。」
エリザベート・バートリーの声「貴方のせいで私の霊基は毒され、今にも貴方を巻き添えに消滅する一歩手前の状態よ。」
両面宿儺(エリザベート)「何・・・?」
エリザベート・バートリーの声「消えたくなければ私と“縛り”を結びなさい。縛りといっても、ただ私の頼み事を聞き入れればそれで十分よ。」
エリザベート・バートリーの声「貴方もここで消えたくなければその“縛り”を受け入れなさい。それが貴方の為よ?」
両面宿儺(エリザベート)「ツゥゥゥ・・・・」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
【!?】
【その頼みが・・・“私を呪い殺して欲しい”って事なの?】←
両面宿儺(エリザベート)「そうだ。あの女はお前が呪い殺される事を望んでいる・・・この呪いの王たる俺を脅してでもだ。」
両面宿儺(エリザベート)「それが俺とエリザベートを結ぶ“縛り”であり、藤丸立香・・・お前が招いた事なのだからなぁ〜?」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/15(月) 10:24:16.85 ID:DuvAZPGX0
マシュ「そんな・・・つまりエリザベートさんは本当にマスターの事を呪い殺そうとしているのですか!?」
両面宿儺(エリザベート)「事実だ。あの女と俺とは、術式も何もかも相性は最悪であり、肉体の主導権は縛りを除いてあの女に握られている。」
両面宿儺(エリザベート)「俺があの女の思い通りになっているのは不快だが、俺もただ消滅するのはもっと不快だ。故にあの“縛り”を受け入れざるおえなかった・・・」
両面宿儺(エリザベート)「だが、この縛りを終わらせる事が出来た時・・・つまりそこにいるカルデアのマスターを呪い殺す事が出来れば、俺は自由となる。」
両面宿儺(エリザベート)「あの時は不完全の召喚ゆえにあの女を依代にサーヴァントとなったが、この縛りが終わればそうはいかない。」
両面宿儺(エリザベート)「俺はこの女の身体を食い破り、俺は完全なるサーヴァントとしてこの渋谷に現界する事が出来る。俺の術式も完全な状態に戻るのだ。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「なんだって!?それじゃあ、マスターが呪い殺されれば宿儺は完全に召喚されてしまい、逆にマスターが呪い殺されなかったとしても・・・」
両面宿儺(エリザベート)「ああ。今はあの女との縛りの影響で霊基を保っている状態ではあるが、それはあくまで能力の底上げによる応急処置でしかない。」
両面宿儺(エリザベート)「いずれにしても俺とこの女の霊基は俺の不完全な召喚による呪いによって朽ち果て、俺も含めてこの女もまた、この身体と共に消滅する。」
両面宿儺(エリザベート)「いや‥仮にこの女を救えたとしても、それをすれば俺とこの女との縛りを破ることになり、俺たちはそれ相応のペナルティーを受ける。あの呪術師も言ってただろ?」
ゴルドルフ(通信)「おいおいおい‥そんなあくどい冗談も大概にしたまえ!なんだね、このあまりにも度が過ぎる理不尽は!?」
ゴルドルフ(通信)「藤丸氏が呪死すれば宿儺が完全体となり、それを阻止すれば宿儺諸共鮮血魔嬢が消滅するなんて・・・・」
両面宿儺(エリザベート)「冗談ではないぞ画面越しの豚よ。このような縛りを結んだ時点でお前たちの望みなど叶わぬ。この女の身体を取り返す事も、この女に謝罪することも・・・」
バスッ、グググゥゥゥ〜〜〜!
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/6/5/65dddae9.jpg
両面宿儺(エリザベート)「お前のせいだ藤丸立香!お前とあの女との事情についてはこの身体から記録を得ている。」
両面宿儺(エリザベート)「お前はあの日・・・あの女の“ハロウィン”を裏切り、よりにもプトレマイオスと名乗るジジイと共に“聖杯戦線”に向かったと聞くじゃないか。」
両面宿儺(エリザベート)「お前があの女を裏切ったことであの女はお前を呪った。その女の呪いがこの俺をこの世界に呼び出した。」
両面宿儺(エリザベート)「この俺という呪いの呼び出し、この渋谷の特異点を生み出した元凶があるとすれば、それはお前だ藤丸立香!」
両面宿儺(エリザベート)「だからお前を呪い殺す。お前こそ、俺にとっての祓うべき‥“呪い”なのだからなぁ〜〜!クハハハハハハハハハーー!!」
【わたしのせいで・・・‥エリちゃんが・・・・】←
【・・・・・・・・・‥】
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/15(月) 23:21:51.64 ID:DuvAZPGX0
両面宿儺(エリザベート)とカルデアのマスターたちとの聖杯戦線。宿儺の領域展開である『伏魔御廚子』中での戦いの中でカルデアのマスターたちは奮闘し、
吉備真備の機転によって、両面宿儺(エリザベート)に大幅なダメージと共に宿儺の『伏魔御廚子』を破壊することで戦いに終止符をあげた。
しかしその先に待っていたのはあまりにどうしようもないほどの残酷な真実であった。
両面宿儺(エリザベート)の存在は何らかの形で不完全な召喚され、宿儺とエリザベート・バートリーとの間に交した“縛り”によって彼女は疑似サーヴァントとして成り立っており、
いずれ両面宿儺の不完全な召喚によって消滅する霊基を宿儺とエリザベートとの“縛り”によって現界を保っている状態である両面宿儺(エリザベート)は、
縛りが終われば両面宿儺は完全なサーヴァントとして召喚され、縛りが破られればそれ相当の罰(ペナルティー)を宿儺とエリザベートの2人は受ける事となるという理不尽な状況であり、
その縛りを結んだ元凶はカルデアのマスターである藤丸立香のせいだと両面宿儺(エリザベート)は語り、カルデアのマスターはその事実に失意のどん底に突きつけられるのであった。
―――――――――――――――――――――――――
通信越しのダ・ヴィンチちゃんたち「・・・・・・・・・‥」
マシュ「マスター・・・‥」
バーヴァン・シーたち「・・・・・・・・・‥」
吉備真備「おい宿儺・・・お前、藤丸立香を呪い殺せなかったからって口が達者になって藤丸に呪ってるんじゃねぇぞ・・・。」
吉備真備「ほんと、自身が本調子じゃないからってこんな小細工まで用意するとは、やはりアンタらしくないというか・・・」
吉備真備「むしろ自身がワケありであり、その原因がカルデアにあるから自身は悪くないんだとか、そんなことでその場を凌げるのかと思っているのか?」
両面宿儺(エリザベート)「ほぉ?カルデアのこいつ等を止められたとしても、お前は容赦なく俺からあの女の身体を引き剥がすつもりなのか?」
両面宿儺(エリザベート)「そんなことをすれば、この女と俺との縛りを破った罰を受ける・・・そうなったらカルデアのマスターは黙ってられはいられないぞ?」
吉備真備「ふん、どう言われようと構わないさ。この僕がそんな脅しで引くような奴ではないのはお前もちょっとは感じているんだろ?」
吉備真備「縛りを破った際の罰(ペナルティー)だと?そんなの最強の陰陽師である吉備真備の陰陽術で罰(ペナルティー)なんかちょちょいと神回避で―――」
ピンポンパンポーーン♪
吉備真備「――んっ?」
両面宿儺(エリザベート)「んっ?」
駅内アナウンス『まもなく○番線に電車が8両編成で参ります。黄色い線のブロックの内側でお待ちください。』
播磨局「!」
【電車が来る・・・】
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/16(火) 23:24:47.04 ID:3jfpcST40
ガダンゴトン、ガタンゴトン、キィィ〜〜〜!!
マシュ「マスター、本当に電車が来ました。ですがどうして・・・・」
バーヴァン・シー「ふん、そんなのどうでも良いわ。ほんと、こんなタイミングの悪い時に電車が来るなんて・・・・!?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ・・・確かにタイミングは最悪と言ってもいいさ。だってその電車には・・・‥」
電車の中にいる呪霊サーヴァントたち「―――――――――――」ギュゥゥ〜〜ギュゥゥ〜〜!!
【―――!?】
【呪霊サーヴァント!?】←
吉備真備「!?」
両面宿儺(エリザベート)「!?。なに・・・・」
ピポーンピポーンピポーン!ギィィィーーー!
呪霊サーヴァントたち「――――――――!!」
ズドドドドドォォォォ〜〜〜!!
播磨局「マズい!?電車に乗ってた呪霊サーヴァントが一斉に出てきやがった!!」
播磨局「おい宿儺、これもお前の仕業か!あんたが私たちに追い詰められた時に大勢の呪霊サーヴァントを呼び出す策を取っていたのか!」
両面宿儺(エリザベート)「知るか!俺はこのゴミ屑の呪霊共の事など知らん!俺は呪霊共なんかに頼るようなモノじゃ・・・・」
呪霊サーヴァントたち「―――――!!」
両面宿儺(エリザベート)「!?」
ズドドドォォォ〜〜〜!!
両面宿儺(エリザベート)「チィィ、ハァァッ!」
吉備真備「フンッ!」
シュンシュンッ、スパーン!ジャクジャクン!
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/17(水) 09:02:08.81 ID:HQ2URsRp0
両面宿儺(エリザベート)「(チィッ、領域展開を使ったことで俺の術式が焼き切れてる。これでは更に俺の思うように戦えぬではないか!)」
両面宿儺(エリザベート)「(いったいこいつ等はどこの特級呪霊の回し者か?俺の弱体化を狙ってこんな雑魚共を引き連れてきたというのだ!)」
吉備真備「(宿儺の表情に焦りが見えている。おそらく領域展開を破られたことで宿儺の術式が焼き切れているに違いないな。)」
吉備真備「(おそらく宿儺との戦いで疲弊した俺たちに追い打ちをし、用済みとなった宿儺もまとめて処分する・・・つまりこの呪霊サーヴァント達は黒幕の差し金。)」
吉備真備「(だとしてもこのままでは藤丸たちが危ない!ここは俺が殿をしてでも彼女たちを――――)」
吉備真備「―――――!?」
キラァァーーン☆
【あれは・・・‥】
【聖杯の・・・雫・・・?】←
???「――獄門疆、開門。」
キィィーーン!シュッ、シュシュシュシュン!
吉備真備「!?」
両面宿儺(エリザベート)「!?」
播磨局たち「!?」
マシュ「!。聖杯の雫が一カ所に集まって・・・・」
シュシュシュシュン!キィィィーーーーン、パァァァ〜〜ン!
――――――――――――――――――――――――――――――――
近くにあったモノを含む、7つの聖杯の雫が合わさって現れたモノ
https://bandai-a.akamaihd.net/bc/img/model/b/1000199510_1.jpg
【えっ・・・‥?】←
マシュ「聖杯・・・・じゃない・・・」
グジュグジュッ、バカンッ!
https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiaFN751JQaSYXOlkJbTxPyrFu9mLQH6uyW6oNslacbukG1GgNUr4utdq5KrvcUrBuBAADPSl63QYKzN50_kYKX3lWdwhgo9SU0ZYdDHkrVVTpubb4IPlITBttytcm2nUbuTJlKfDJSXO9cYmh5UM-MBL9AbbxK9taHIXUa7-5etXKI_Cv1B3QtX2RxZxTg/s700/Hello%20Anime%20!%20%20(149).jpg
【!?】←
吉備真備「!?」
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/17(水) 10:13:42.15 ID:HQ2URsRp0
シュンッ、スタッ!
吉備真備「あの目を見るんじゃない!マスター、今すぐ全速力で――――」
???「そんなに慌ててどうしたんだい、吉備真備?」
吉備真備「――!!?。はあ?」
カッカッカッカッカッ・・・・・・・
謎の物体の後ろから現れた男性
https://img2.animatetimes.com/2021/10/6163987967ec2_d83813ad1b469f3dddc5160415162bfd.jpg
僧衣姿の男「やあ。君にまた会えて嬉しいよ。」
吉備真備「――――ッ!?」
―――――――――――――――――――――――――――――
突如、カルデアのマスターたちがいる駅構内に到着した地下鉄の車両から多数の集団で襲いかかってきた呪霊サーヴァントたち。
突然の呪霊サーヴァントたちの襲撃に望月千代女、バーヴァン・シー、播磨局、マシュ・キリエライトの4人は多数の呪霊サーヴァントの討伐に足を取られ、
カルデアのマスター・藤丸立香の周りには術式が焼き切れてしまっている両面宿儺(エリザベート)と吉備真備の2人しかおらず、その2人もまた、即座の対応に追われていた。
そして極めつけは藤丸立香の目の前にいつの間にか置いてあった聖杯の雫を中心に、藤丸立香たちが集めた5つの聖杯の雫と宿儺が持ってた聖杯の雫が飛び出し、それらが一つに合わさり、
そして聖杯の雫が7つ合わさった事で出現した聖杯ではない謎の物体が変形し、そのモノが見つめる目の先にはカルデアのマスターと吉備真備の2人。
吉備真備はそのモノの存在を前から知ってた。いや、そのモノの存在を知っていたのはその吉備真備の魂の器とする■■■が知っていたのだ。
故に彼は立ち止まらずにいられなかった。彼の知る謎の物体の後ろから現れ、彼に声をかけてきた1人の僧衣姿の男の存在を確認するために‥。
吉備真備「(偽物?変身の術?・・・・いや、まさか・・・!)」
吉備真備は悟った。この渋谷の特異点で起きている全ての出来事を、渋谷に出現する呪霊サーヴァントの存在を、今おかれている全ての状況、・
彼らの前に現れた■■■と瓜二つの存在、聖杯の雫が合わさって出現した謎の物体が、吉備真備(■■■)が考察していたある考えが正しい答えであると突きつけられた。
彼らに突きつけられたこの状況・・・それは正に■■■が経験した彼の人生で最も記憶に刻みつけられたあの戦いの記憶、彼が経験した胸くその悪くなる悲劇の記憶・・・
この渋谷の特異点は両面宿儺(エリザベート・バートリー)が生み出した“ハロウィン”ではなく、■■■が経験したあの戦いの再現である事を・・・
吉備真備「(ああそうか・・・俺はやはり、こうなるのか・・・)」
吉備真備(■■■)は覚悟した。目の前にいる僧衣姿の■■■を見た瞬間から、彼は全てを受け入れるつもりだった。
目の前にいたのは吉備真備の依代となった■■■が元の世界で自らの手で葬ったただ1人の親友、全ての可能性は既に吉備真備の中から否定されている
そして吉備真備(■■■)の脳内には吉備真備自身の依代となった彼の『3年間の青い春』。彼の脳内では1分以上も経過している。
故に彼はあの物体によって封印される事を覚悟した。彼が封印される事で、せめてカルデアのマスターだけでも救えるとなるのならば‥
だが―――――
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/17(水) 11:01:55.28 ID:HQ2URsRp0
フゥゥン、バスッ!
吉備真備(■■■)「―――ハァッ!?」
カルデアのマスター・藤丸立香(女)「――――――!!」
彼(吉備真備(■■■))の一番の誤算は彼女(藤丸立香)だった。彼女は彼の受け入れる覚悟を真っ向から否定した。
彼女は彼をあの物体から守る為、自らの身を犠牲に彼の身体を押し出し、あの物体の目の視線から遠ざけた。
その結果、あの物体の目線は既に彼女の存在を捉えており、そして―――――
―――――――――――――――――――――――――――
ザフッ、ドキュドキュドキュッ!!
【――――】
【うぐっ!?】←
吉備真備「ツゥッ・・・!?。しまった!?」
マシュ「マスター!?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いったい何が起こったんだ!?いったい藤丸ちゃんの身に何が起きたんだい!?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「バイタルが確認できない。身体も神経も魔力も、あらゆる藤丸ちゃんの観測全てが観測不能になっている!」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「でもモニターに映っているマスターは見えている。意味消失も起こっていない、いったい何がどうなって・・・」
【魔力も感じない。体に力が入らない。】
【でも私はなんともない】←
僧衣姿の男「ダメじゃないか。自身のマスターを最後まで守れないんじゃあ、それでもマスターに仕えるサーヴァントたちなのか、君たちは?」
僧衣姿の男「特に君だよ吉備真備。君がしっかりマスターの事も見ていないからこうなったんだ。こうなったのは君のせいだからね?」
吉備真備「クッ・・・‥」
両面宿儺(エリザベート)「・・・・・・・・・‥」
ガシュン、ガシュンッ、スタタタタッ!
マシュ「マスター!待っててください、今からこれを引き剥がします!」
【うん!】
【マシュ、お願い!】
マシュ「はい。やぁぁぁ〜〜!!」
フゥゥン、ガコンッ!バキィィン!
マシュ「キャァァァ!?」
【マシュ!?】←
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/17(水) 23:17:23.42 ID:HQ2URsRp0
僧衣姿の男「無駄だよ。その獄門彊は聖杯の欠片を元に強化改造されたシロモノでね。その程度の攻撃では壊せない。」
僧衣姿の男「まあ壊せるとしたら、ギリシャの大魔女メディアぐらいの魔術師ならいけそうかもしれないけど、彼女が都合よく来るかどうか・・・」
僧衣姿の男「だがともあれ、君たちにその獄門彊は壊せない。君たちのマスターの身は、この私が預かることになるからね。」
マシュ「クッ、クゥゥ・・・・」
吉備真備「おいお前・・・お前はいったいなに勘違いをしているんだ?僕たちのマスターをそんなキモいので動きを止めたぐらいで勝ったつもりでいるのか?」
吉備真備「さっきは油断はしてたが、マスターが余計なお節介をしてくれてこっちはどうにか助かった。マスターにこんな思いをさせたのは心許ないが・・・」
吉備真備「マスターは必ず助ける。お前をその胡散臭い呪いごと祓って、マスターを助けてやるからな!」
【真備さん・・・・】←
僧衣姿の男「・・・・・・・・・・」
【あなたはいったい誰なの?】←
僧衣姿の男「私が誰だかって?まあ君たちとは初対面ゆえに私の名前を聞きたい理由はあるといっても過言はない。」
僧衣姿の男「だからってそう簡単にわたしの真名を明かすと思うか。真名を明かしたところでお前たちはそれ元に対策を練るのだろ?」
僧衣姿の男「まあそんなことよりも、君たちの置かれている状況をどう切り抜けるかを優先した方が私は思うのだがな?」
呪霊サーヴァントたち「オォォォォォォ〜〜〜〜!」
呪霊サーヴァントたち「ぐぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜!」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「確かに藤丸ちゃんはともかく電車の中から出てきた呪霊サーヴァントの数が多い。今の状況からして、こちら側が数と魔力の方で負けている‥」
バーヴァン・シー「それがどうなのよ!ザコが多かろうとザコはザコ。こいつらが何体いようと関係ないわ!」
バーヴァン・シー「それにザコ共を連れてきたのがお前なら、お前を倒せばザコはみんな祓えちゃうからねぇ〜?」
キュゥゥン、シュパパパパァァァ〜〜!!
僧衣姿の男「フンッ・・・」
キィィン、バシャバシャバシャン!
バーヴァン・シー「なっ・・・・!?」
僧衣姿の男「私を甘く見ない方が良いぞ。私はお前たちのような英霊とは天と地ほどの差があるのだからな?」
ギュゥゥゥ〜ン、ビュンビュゥゥ〜ン!バシュバシュンッ!
バーヴァン・シー「キャァァァッ!?」
マシュ「バーヴァン・シーさん!?」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/19(金) 23:04:33.39 ID:cHQwYFMc0
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「今の攻撃・・・あの水の量でバーヴァン・シーの攻撃を止めて反撃するとは、おそらく水の魔術に特化したサーヴァントか?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それにこの魔力数値・・・彼は天と地ほどの差があると言ったのなら、彼はおそらく・・・・」
僧衣姿の男「私を分析するか・・・・自身らのマスターが囚われているというのに意味の無い事を・・・いやむしろそれ以外に手はないというのか?」
僧衣姿の男「私を倒す事が出来れば、彼女を獄門彊から救えると思っての事なのか?実におめでたい連中なことだ・・・。」
僧衣姿の男「だが私を分析したところで何も変わらぬ。君たちのマスターはここで封印されてもらうよ?」
ギュゥゥ〜ン、バシャバシャァァ〜〜〜!!
水のワイバーンたち「グォォォォ〜〜〜!」
播磨局「チィィッ!!水の飛龍の群れか!」
ジャクンジャクンジャクンッ!バシャバシャン!!
吉備真備「(天と地ほどの差のある能力とその魔力、水とそれで出来たワイバーンによる攻撃・・・確かにダ・ヴィンチちゃんの行動は正しいといってもいい。)」
吉備真備「(獄門彊はあいつの言う通り、並大抵の呪術や魔術を使ったとしても壊せるものじゃない。ましてやあの聖杯で強化したモノなど・・・)」
吉備真備「(それにあいつを依代としたあのサーヴァント、おそらく奴は俺と彼女のような英霊とは違う上位の存在、奴は神霊クラスの霊基を器としているのなら・・・)」
僧衣姿の男「さて、私もこうしてはいられぬ立場だ。何も出来ず、彼女のサーヴァントたちが苦しみ倒れていく姿をもう少し彼女に見せて上げたかったのだが・・・」
僧衣姿の男「そろそろお休みの時間だよ。君にはこの箱の中で新しい世界が出来ていく様を待っているがいい。」
【その前に一つだけ聞かせて!】
【私をいったい、どうしたいというの?】←
僧衣姿の男「君をどうしたい?それはこの獄門彊が再び開くまで君が事の真相を知ることなど出来ない。開くまでの楽しみと言ってもいい。」
僧衣姿の男「もっとも・・・獄門彊が開いた際に君が自害せずに生きていればの話だけどね?」
僧衣姿の男「では約束の刻まで・・・・閉門。」
ドギュッ、ギュゥゥゥ〜〜〜〜!!
【―――!?】
【視線が閉まっていく・・・】
マシュ「マスタァァァ〜〜〜〜!!」
吉備真備「藤丸!」
【マシュ!!】
【後は頼む、真備さん!】←
【みんなを助けてあげて!】←
吉備真備「ああ!必ず君たちを守る、それまで待って――――」
ギュゥゥゥーーーーガキィィン!!
封印されてしまった藤丸立香
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/d/0/d00d6501.jpg
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/20(土) 23:47:54.02 ID:+fJ6AOr10
マシュ「そんな・・・・マスターが・・・・糸も簡単にあの箱の中に・・・」
望月千代女「くぅぅ・・・マスター・・・・」
吉備真備「くぅぅ・・・・・・」
僧衣姿の男「フフフフッ、封印完了・・・‥」
フワァァ〜・・・バシュッ!
僧衣姿の男「!?」
両面宿儺(エリザベート)「フン。貴様、カルデアのマスターを封印するあまり、俺のことを忘れていなかったか?」
僧衣姿の男「なんのつもりだ宿儺?仮初め且つ不完全な召喚で現界した身とはいえ、君がその獄門疆を私の手元から盗るとはな。」
両面宿儺(エリザベート)「なんとでも言え。こいつにはまだ、俺のためにやってもらわなければならんことがある。俺のあの女との“縛り”の為にも‥」
両面宿儺(エリザベート)「それに貴様に1つ聞きたい事がある。貴様、あの女とはどのような関係を持っているというのか?俺がこの世界に召喚された際・・・」
両面宿儺(エリザベート)「あの女の記憶から、お前があの女のそばにいた光景を見ていてな‥‥あの女に俺の指を喰わせたのは貴様なのか?」
両面宿儺(エリザベート)「貴様があのエリザベート・バートリーとかいう女に俺の指を15本も喰わせ、俺をサーヴァントとやらとして召喚させたのは貴様なのか?」
吉備真備、播磨局「!?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「召喚させたって・・・今、エリザベート・バートリーの霊基を依代に両面宿儺を召喚させたみたいに言ってたが、それはいったいどういう事なんだ?」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「それにそれをするのに指を喰わせたって・・・君たちはいったい何を言っているんだ?」
僧衣姿の男「何を言っているかって?―――そうか、お前たちはこの宿儺の事について、君たちは何も知らされていないのだな?」
僧衣姿の男「しかしそれを聞いたところで何になる?お前など、私が求めている宿儺ではない・・・ましてやこのような事故物件な姿で召喚されるとはなぁ‥」
僧衣姿の男「エリザベート・バートリーとかいうサーヴァントを器にしたのが悪かったか、あるいは喰わせたその指とやらに問題があったか・・・」
僧衣姿の男「まあ何にせよ、両面宿儺・・・・お前は私にとってはある意味、私が呼びたかった宿儺とは全然違う‥いわゆる失敗と言ってもいい。」
僧衣姿の男「呪いの王だと?そんな宿儺など存在しない・・・元よりお前が両面宿儺と呼んでいいのか分からぬほどと言うべきかな?」
両面宿儺(エリザベート)「!?。なんだと・・・・?」
僧衣姿の男「どこで吹きこまれたか知らんが、お前のようなサーヴァントなど私はいらない。ただそれだけだ。」
両面宿儺(エリザベート)「―――!?」
キリキリキリィィィ〜〜〜!!
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/21(日) 08:27:38.45 ID:reAyaSuW0
両面宿儺(エリザベート)「・・・そうか。やはり貴様があの女を使って俺をこの特異点とやらに呼び出したか。そしてこの俺を失敗と称するか‥」
僧衣姿の男「そうだ。召喚に失敗した君に私を倒す事など出来ん。死にたくないなら大人しくその獄門疆を渡してもらおうか?」
僧衣姿の男「今のままじゃ術式も焼き切れててまともに組むことも出来ぬだろ?今の君など、私の力で・・・・」
シュンッ、スタッ!
僧衣姿の男「!?」
両面宿儺(エリザベート)「渡す訳がなかろう。こいつにはまだ、俺とあの女との縛りがある。まあ、この箱の中身を開けられればの話だがな‥」
両面宿儺(エリザベート)「ここから逃げるぞカルデア!こいつに殺されたくなければ俺に従え!」
吉備真備「!。君に指図はされたくなかったけど、今はそれどころではないよな?みんな!」
マシュ「はい。ここは宿儺の言う通り、今はこの場からの戦線離脱を優先しましょう!」
シオン(通信)「ええ、逃走経路は計測済みです。皆さんはそこを便りにこの場から離脱を!」
僧衣姿の男「逃がすと思うか?お前たちの持ってるその獄門疆は返してもらうぞ!」
ズドドドドォォォ〜〜!バサバサバサッ!
呪霊サーヴァントたち「ヌォォォォォ〜〜〜〜!!」
ワイバーンたち「ギュォォォォ〜〜〜!」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「マズい!向こう側にも敵性反応が、このままじゃこちらが挟み撃ちに―――」
ギュォォォ〜ン!ジュドォォォ〜〜ン!
大蛇「グシャァァァ〜〜!!」
呪霊サーヴァントたち、ワイバーンたち「――――!?」
望月千代女「ここは拙者が殿を!皆はマスターと宿儺を連れて撤退を!」
マシュ「千代女さん、しかし・・・・」
播磨局「千代女殿・・・わかった、頼む!」
吉備真備「ああ。後のことは任せろ!」
望月千代女「はい!」
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/21(日) 11:44:02.99 ID:reAyaSuW0
スタタタタタタッ、シュタッ!
播磨局「バーヴァン・シー、私に掴まっていろ!」
バーヴァン・シー「えっ、えぇぇ・・・‥」
吉備真備「――来い、仲麻呂!」
ギュォォ〜ン、ズドォォォン!
吉備真備「みんな、仲麻呂に掴まるんだ!」
マシュたち「――――――!」
鬼の仲麻呂「ヌォォォォォ〜〜〜!!」
ドスンッ、ドスドスドスドスッ!
―――――――――――――――――――――――
吉備真備を庇い、獄門疆と名乗るモノの力によってカルデアのマスターは捕まり、そしてそのままその箱の中へと封印された。
しかしその箱は僧衣姿の男の手には渡らず、恰も両面宿儺(エリザベート)がその箱を奪う形で手に取り、宿儺は僧衣姿の男に自身を召喚した者なのかと問いかけた。
僧衣姿の男は宿儺の質問に答えると共に、宿儺は自身が召喚しようとした存在とは違う存在として、宿儺自身については不要の存在であると語り、それを聞いた宿儺自身は激情しつつも、
彼女たちの今の状況を把握し、宿儺はマシュたちに即時撤退を呼びかけ、マシュや吉備真備たちもそれに応じ、地下鉄の駅ホームから脱出を計る出会った。
そして数多くいる敵からマシュたちを逃がす為、望月千代女は自身を囮に殿を務め、多数の敵に向けて自身のあるだけの攻撃で敵の進行を抑えていき、
マシュ、吉備真備、播磨局、両面宿儺(エリザベート)の4人は獄門疆に封印されたカルデアのマスターと負傷したバーヴァン・シーを連れ、
鬼の仲麻呂の身体にしがみつつ、駅の天井に開いている所から敵の包囲網から脱出するのであった。
―――――――――――――――――――――――
僧衣姿の男「ほう・・・殿を務めると言いつつ、あのマスターと同じく自らを犠牲に彼らを逃がすか・・・。それほど君たちに打つ手はなかったのかな?」
僧衣姿の男「それにその身に湧き出る大蛇の呪い・・・この呪いはおそらくヤマタノオロチのモノだと見受けられる。とすると君は・・・」
望月千代女「ああ・・・拙者は甲賀上忍、アサシン・望月千代女。それ以外にお前のような畜生に名乗る事はない。」
僧衣姿の男「甲賀の忍・・・・成る程、つまり君はあの甲賀三郎の子孫なのかぁ〜。それは会えて光栄だね。」
望月千代女「・・・お主の装い、お主は拙者と同じ日の本の僧侶と思われると思われるのだが、お主はいったい何者だ?」
僧衣姿の男「何者ねぇ〜・・・私に殺されるかもしれないというのにそんな事を聞いてくるとはねェ・・・」
僧衣姿の男「いや・・・死してもなお、マスターたちの安全を確保し、反撃の手を作る為に敢えてこの場所に残ったって言えばいいのかな?」
望月千代女「ツゥゥッ・・・‥」
スタッ、シュッ・・・
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/21(日) 23:39:05.48 ID:reAyaSuW0
望月千代女「お主がどうしても真名を名乗らないならそれでいい。お主の言う通り、拙者がここに残ったのは我が親方様である藤丸立香殿たちを逃がすため‥」
望月千代女「お主、あのような奇怪な術で藤丸殿を封印したようだがそうはいかん。不覚を取られたとはいえ、あの程度の封印でやられる親方様ではない!」
望月千代女「親方様は必ずお主を倒しに戻ってくる!拙者はそれを信じてこの殿を自らの意思で受けたのだ!」
望月千代女「拙者1人ではお主を倒すには叶わぬが、せめてお主の攻撃の手を封じるまで!たとえ、この身が魔性の呪いと成り果てようとも!」
シュッ、ジュボォォ〜〜!ギュォォォ〜〜!
呪霊サーヴァントたち「オォォォォ〜〜〜!?」ゴォォォ〜〜!シュゥゥ〜ン・・・
僧衣姿の男「このおびただしい呪力・・・正に伊吹大明神の呪いを持つモノに等しき力と見た。敵ながら見事だ!」
僧衣姿の男「だが―――――」
望月千代女「!。(あやつめ、何かを仕掛けるつもりか!だったらここまま押し切らせてもらう)」
キィィーーン!ギュオォォォ〜〜ン!
望月千代女「呪え、我が血を。祟れ、我が罪を。甲賀三郎より幾星霜、雪げぬ物が此処にはあろう。」
望月千代女「『口寄せ・伊吹大明神縁起(くちよせ・いぶきだいみょうじんえんぎ)』!!」
ギュゥゥゥ〜〜ドギュゥゥゥ〜〜ン!グシャァァァ〜〜!
望月千代女「いけぇぇぇぇ〜〜〜!!」
僧衣姿の男「・・・・・・・‥」
シュッ、ドキュッ!ドキュドキュンッ!
僧衣姿の男「・・・・・・・フッ。」
望月千代女「何!?拙者の宝具を止めた・・・・いったい何が起きて――――」
ぐぎゅぐぎゅっ、ズルズルゥゥゥ〜〜〜!!
望月千代女「なっ―――あぁぁぁ・・・何が起きて・・・・あぁぁ・・・あぁぁぁぁ〜〜〜!?」
望月千代女「あぁぁぁぁ〜〜あぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」
グシャァァァ〜〜〜!?ズルズルズルゥゥゥ〜〜〜ギュゥゥゥ〜〜ン!!
僧衣姿の男「全く‥先祖から継いだ『呪』を身に宿し、それらをうまく活用して戦うとは、愚かなことを・・・・」
ギュゥゥゥ〜〜ン・・・。キラァァ〜ン!
何かの術によって変えられた望月千代女の現在(何かの玉のようなモノ(イメージ))
https://booth.pximg.net/c42a9e1e-f015-4fb1-9c5d-f1edf3736940/i/2874981/0e5bedb9-8e9f-4e53-a5f7-fcf3da6d6442_base_resized.jpg
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/22(月) 23:36:09.67 ID:qfnCmuSL0
僧衣姿の男「宿儺とカルデアは逃げ切ったあとか・・・奴らめ、余計な手間をかけさせやがって・・・!」
僧衣姿の男「しかし不完全な召喚且つあの“別の世界”の宿儺が彼女たちと行動するとは、よほど自身に後がなかったというか・・・」
僧衣姿の男「ともあれ聖杯の雫で作った紛い物とはいえ、彼らに獄門疆を開けることなど不可能だ。獄門疆の術式を攻略しない限りはな・・・」
僧衣姿の男「だがおそらく彼女たちはこの特異点の解決と私の行動を止めるために再び私の元へと来るだろう。それはそれで良いのだが、」
僧衣姿の男「念には念を入れて、あのカルデアのサーヴァントたちの戦力を削ぎつつ、獄門疆を取り返す必要がある。その為には・・・・」
ギュォォォ〜〜ン・・・‥
僧衣姿の男「仕方がない。既にやられた身ではあるが、こいつら2人を彼女たちにぶつけるとするか・・・・。」
2体の呪霊サーヴァント「・・・・・・・・・・」
僧衣姿の男「もうすぐだ。あのカルデアのマスターの持つ召喚の術式を手にさえ出来れば、私の“願い”は叶えられる・・・私の望む、“あの方”との再会が・・・・」
僧衣姿の男「それまで心して待っててください。あなたの身に宿してしまった、あの忌まわしき『呪い』を祓う為に・・・。」
ハムッ、ゴクッ・・・・・・
――――――――――――――――――――――――
獄門疆に封印されたカルデアのマスターとそれを持って逃げる宿儺とマシュたちを逃がす為、自らの身を囮に殿を務めた望月千代女
彼女はその身を瀕しようとカルデアのマスターたちを守る為‥せめて敵である僧衣姿の男の攻撃手段を封じる為、望月千代女は自身の宝具、
『口寄せ・伊吹大明神縁起(くちよせ・いぶきだいみょうじんえんぎ)』のよって辺りの呪霊サーヴァントたちをなぎ祓い、その呪いの大蛇が僧衣姿の男に差し掛かったその時、
望月千代女は僧衣姿の男の何らかの術により、彼女の宝具である大蛇諸共に僧衣姿の男の手にある黒い玉のようなモノへと変えられてしまい、
僧衣姿の男はカルデアのマスターたちの戦力を削ぎつつ、カルデアのマスターが封印された獄門疆を取り戻すべく、
彼もまた、何らかの術を使い、新たにどこかで見覚えのある2体の呪霊サーヴァントを召喚し、その2体の呪霊サーヴァントにマシュたちの後を追わせるのであった。
そして僧衣姿の男はその手に持つ黒い玉のようなモノとなった望月千代女を自身の口に入れ、それを飲み込んで取り込むのであった。
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/23(火) 00:34:00.48 ID:jHWofz9R0
第10廻戦:私の・・・ハロウィンの行方は?
―――――――――――――――――――――――――――
呪いたい。あの人を呪って思い知らせたい。あの人が私の心を傷つけたその報いを・・・・
なんのため?なんの理由があってあの人を呪う?なんの理由があってあの人を呪いたい?
理由ならある。あの人は私の大事な予定を踏みにじった・・・あの人は私との予定よりも他の予定を選び、私との予定を台無しにした。
私の大事な予定・・・・あのカボチャにまみれ、私の歌が響くあの美しく楽しいあの“ハロウィンの夜”を・・・‥
―――――――――――――――――――――――――――
回想シーン:数日前―――渋谷区:どこかの神社のお堂にて・・・
エリザベート・バートリー「ウゥゥ・・・ヒクッ、ウウウウゥゥゥ・・・」
エリザベート「もうなによ聖杯戦線ってぇ〜!子ジカの奴、そんなに“私のハロウィン”よりも、あんな“昼と夜の聖杯戦線”の方が良いの!」
エリザベート「あとあの画面越しにいたイケメンのようなおじいちゃん‥確か子ジカはプトレマイオスと言ってたわね・・・?」
エリちゃんが画面越しで見た人物(プトレマイオス)
https://www.inside-games.jp/imgs/zoom/1249646.jpg
エリザベート「あんなイケメンともおじいちゃんとも分からないサーヴァントに私よりも目移しするなんて、ほんと子ジカは最低よ!!」
エリザベート「ハァ・・・子ジカにあんな事を言われて、ショックのあまり、あーだこーだでこの渋谷の街に家出しに来ちゃったみたいなようなのだけど‥」
エリザベート「確か渋谷って、ハロウィンの時期になると決まって仮装とかで大いに街中盛り上がるって聞くじゃない。そんな街の中に家出とするなら・・・」
エリザベート「良いわよ!だったら私、子ジカが私にハロウィンの事で謝りに来るまでこの渋谷の街で家出を大いに楽しんでやるのだから!」
エリザベート「魔力?リソース?そんなの私が自力で補ってやるわよ!子ジカが私の事を謝りに来るまで帰らない。カルデアに帰ってくるモノか!」
エリザベート「これは私と子ジカとの耐久デスマッチ。例え私の魔力が尽き欠けようと、私はカルデアに戻るようなことなどしないのだから〜!」
エリザベート「だからもう私は知らない!子ジカのことなんか‥子ジカの事なんかぁぁぁ〜〜〜!!」
フンッ、ガキキィィン・・・スタッ・・・・
エリザベート「ウゥゥ・・・ヒクッ、ウウウウゥゥゥ・・・‥もう子ジカなんか知らない‥子ジカなんか・・・・」
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/23(火) 23:51:06.84 ID:jHWofz9R0
タッタッタッタッタッタッ・・・・・・
僧衣姿の男「おやおや?こんな所で1人泣いているなんて、いったいどうしたんだい君は?」
エリザベート「・・・誰?私、今は誰とも話したくはないわ・・・あっちに行って!」
僧衣姿の男「そういう訳にはいかないよ。目の前に泣いている子がいるなら、助けてあげることが私の生きがいなんだ。見捨てることなど出来ない。」
僧衣姿の男「隣に座って良いかい?話ぐらいは聞いてあげるからさ。」
エリザベート「・・・うん‥・・・・」
――――――――――――――――――――――――――――――
昼と夜の聖杯戦線とかいう特異点のせいで私のハロウィンは適当な形で潰され、子ジカにハロウィンは終わったと言われ、私はカルデアから家出をした。
その際、ドサクサに紛れて渋谷の街へとレイシフトした私は何処かの神社がある公園で、子ジカの事で1人泣いていた時、
■■■とかいうお坊さん姿の人が私がなぜそこで泣いているのかを何かとしつこく問いかけてくるから、私は■■■に事の話をしてあげた。
――――――――――――――――――――――――――――――
カクカクシカジカ・・・・・・
僧衣姿の男「―――そうか・・・・それはとても悲しい事だ。君のような娘の願いをこのような形で裏切られるという結果をもたらしてしまうとは・・・」
僧衣姿の男「ハロウィンよりも昼と夜の聖杯戦線・・・君のようなアイドル娘よりもプトレマイオスとかいうファラオを選ぶその人でなしのマスター‥」
僧衣姿の男「そのマスターにハロウィンの事で罵声を上げられ、ハロウィンを潰され、嫌気をさした君は1人でこの渋谷の街へと逃げこんだ。」
僧衣姿の男「正に悲劇と言ってもいい・・・君が準備を重ね、共にハロウィンを楽しもうとしていた彼女に裏切られ、そのハロウィンをもみ消されテしまうとは・・・」
エリザベート「えぇ〜ほんとそうよ!一ヶ月前なんかハロウィンの準備期間中に子ジカたちが来る程楽しみにしてたというのに、こんなのあんまりよ!」
エリザベート「なにが聖杯戦線よ!なにがカルデアよ!あんなに楽しみにしていたハロウィンを、優先度が高い特異点1つでコロコロと心変わりするなんてぇーー!」
僧衣姿の男「もっともだ。でも君は絶対に悪くはない・・・君があんなに皆を喜ばせる為に懸命にハロウィンの準備をしてきた君を、私はとても評価するよ。」
僧衣姿の男「その懸命なハロウィンの準備をした君を否定し、“昼と夜の聖杯戦線”優先の為にハロウィンを潰されたことは、実に不幸なことだ。」
僧衣姿の男「そんな君が何故、このような不幸を味わっている君の心を、その君を裏切った者(マスター)にも知って欲しいと思うかね?」
エリザベート「えっ・・・・?」
僧衣姿の男「君は、呪術と言う言葉を知っているかい?呪術とは問わず、呪いとか言う言葉をいくつかは聞いたことがあるはずさ。」
エリザベート「呪い・・・・?」
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/24(水) 10:01:10.40 ID:0kHuVHfR0
僧衣姿の男「呪い――それは人の不幸を願う心であり、その願いは誰しも心の内にあるものだ。君にも心の内にあるはずだ。」
僧衣姿の男「君は君と君が楽しみにしていたハロウィンを裏切ったそのマスターの不幸を願い、それを叶えたいとは思わないか?」
エリザベート「そ、それは・・・・その・・・‥」
僧衣姿の男「別に強制しているわけじゃない。君の内にある呪いの力でなら、これを扱えるんじゃないかなって思ってね?」
キラーン☆
エリザベート「!?。それ聖杯!?貴方、どうしてその聖杯を持っているのよ!」
僧衣姿の男「聖杯?ああこれか・・・これは私がこの渋谷で拾ったモノだ。しかも正真正銘、この聖杯を使えば微少特異点だって作れるシロモノさ。」
僧衣姿の男「だが私にはこれを使って叶える願いがそれ程ない。なにせ私のクラスはルーラーだ。叶えたい願いなど無いのは当然だろ?」
エリザベート「ルーラー・・・貴方、もしかして何処かのはぐれサーヴァント?しかもルーラーとは大したものね。まあそんなことは私には関係ないけど・・・」
僧衣姿の男「そうかもね。もし君が良ければこの聖杯を譲ってやろう。君が経験した不幸とその内なる呪いを見込んでね?」
エリザベート「!。う〜んそうねぇ〜・・・内なる呪いとかよくわからないのだけど、聖杯を譲ってくれるというのなら・・・‥」
エリザベート「良いわよ!貴方がその聖杯を譲ってくれるなら喜んで貰い受けるわ。それに私の内なる呪いでならその聖杯を扱えるって言ってたわね?」
エリザベート「私も、あんな季節感無視でサーヴァント垂らしのマスターを呪いたかったところよ。私の呪いでマスターが不幸になるなら願ったり叶ったりよ!」
エリザベート「決めたわ・・・今年のハロウィンのテーマは『呪い』よ。この聖杯でこの渋谷の街に再び私のハロウィン特異点を築き上げるのよ!」
エリザベート「そして私のその内なる呪いで私の事を傷つけたマスターを・・・カルデアの全てを呪い、私のハロウィンの偉大さを解らせてやるのだから!」
僧衣姿の男「ほお・・・なんと素晴らしい事だ。ならばその君のハロウィンを永遠のモノとし、永遠のハロウィンで大いにカルデアを呪おうじゃないか!」
エリザベート「永遠のハロウィン・・・それも悪くないわね。私のハロウィンが永遠に続くのなら、マスターも黙って見過ごす訳にはいかないわね?」
僧衣姿の男「ああ。ではそんな内なる呪いで君の事が嫌いになったマスターを呪い、新たに永遠の渋谷のハロウィンを築き上げる事を望む君に、私から特別なプレゼントを送ろう。」
シュルッ、パァァ〜。
僧衣姿の男に渡されたモノ
https://lh3.googleusercontent.com/BbwYfShGmgi1aHgdnJjVC8CAO2DV5fptSRCfdfK4q1CY3hiuuLxIH7Zt0naR1rN4ele3mB44Bg30N6e38b3Fy8_-rhwa61lYXZDipt0NBKBA
https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/gyakuyoga/article/00092161/internal_1614630447403.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800
エリザベート「なにこれ?聖杯はともかく、その紫色の不気味なモノは何?なんか誰かの指のような形をしているのだけど・・・」
僧衣姿の男「それは君の内なる呪いの力を増幅させる一種のアイテムさ。それを君の体内に取り込めば、君に呪いの力が手に入る。」
僧衣姿の男「その力でなら君はカルデアのマスターに勝てる。君の力で君の事を裏切ったマスターにお灸を添えることが出来るのだ。」
エリザベート「呪いを増幅させるアイテムねぇ〜・・・この紫色の指が・・・」
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/24(水) 23:58:35.66 ID:0kHuVHfR0
シュルッ、コトン・・・‥
僧衣姿の男「さぁ受け取るがいい。君の願いはいま、この瞬間を持って叶えられる。君のその『想い』と内なる『呪い』によって・・・」
僧衣姿の男「そして君のその『呪い』の力を持って、今一度この私に協力してはくれないか?」
エリザベート「協力ねぇ・・・貴方が私に何を考えてこの聖杯とこの不気味な指を渡したのか知らないけど、私のハロウィンが復活するのだったら大歓迎よ。」
エリザベート「そして永遠のハロウィンでカルデアにいる子ジカたちにハロウィンがどんなに偉大で凄く大事な行事である事を解らせてやるのだから!」
エリザベート「待ってなさい子ジカ!私のこの呪いの力でカルデアのみんなや子ジカにギャフンと言わせ、そして解らせてやるのだから!」
―――――――――――――――――――――――――
■■■に事の話を聞いて数分・・・■■■は私には“内なる呪い”があると教え、その呪いの力で子ジカたちを呪い、私のハロウィンを復活させる事が出来ると言い出した。
しかもその復活させた渋谷のハロウィンを永遠の特異点に仕立て上げる事が出来ると知り、私はあの僧衣姿のルーラーである■■■の提案を受け入れました。
ただ私に■■■から貰い受けたものは聖杯だけでなく、何か紫色に変色した‥何かと不気味なオーラを持つ指を15本も貰い受けまして・・・
■■■の話には“ソレ”を取り込めれば、私の内なる呪いの力が増幅し、呪いの力が使えるようになると聞いて、
私は私の事を裏切ったマスターをギャフンと言わせる為に、私は■■■から聖杯と不気味な指を貰い、私はあの不気味な指を15本も取り込んだ・・・。
カコンッ、シュッ・・・・ゴクッ、ゴクゴクッ・・・‥
エリザベート「う〜ん・・・・この不気味な色をした指、飲み込んでみてなんか気持ち悪いような感じがするのだけど・・・」
指を体内に取り込む自体は問題なかった。指は聖杯をコップ代わりにジュースを注ぎ、指をハロウィンのお菓子の代わりとして添え、
まるで普通におやつを食べるように、私は聖杯でジュースを飲みながらあの不気味な色の指15本を口から飲み込むように体内に取り込んでいった。
すると・・・・・・
ドクンッ!ジュゴォォォォーーーーーーー!!
エリザベート「――――――!?」
僧衣姿の男「・・・‥フッ。」
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/25(木) 23:35:56.49 ID:D0rXAeh10
ジュゴォォォーーーーーぐじゅぐじゅぐじゅ!!
エリザベート「■■■■■■――――――――――!!」
僧衣姿の男「フハハハハハ!やはり君は単純な奴だったなエリザベート・バートリー。ハロウィンの事になるこんな戯れ言まで信じてしまうとは・・・」
僧衣姿の男「光栄に思うがいい。君は私が呼び出す伝説の怪物の礎として、その霊基を燃やし尽くすがいい!!」
ジュゴゴォォォーーーーーー!!
――――――――――――――――――――――――
私の中で今までの別霊基の私が出来る事とはかなり違う・・・・とてつもない程の異変が起きた。
取り込んだあの不気味な指を中心に私の中で何かが食い破って出てくるように、私の霊基がその“何か”の召喚する為の魔力となっていき、
その目の前で僧衣姿の僧衣姿の男は笑みを浮かべながら、私がその“何か”の召喚の為の触媒となっている様を眺めていただけであった。
このままじゃ私はその“何か”を召喚の為にその霊基を分解され、私は何も出来ずに消滅してしまう。
私は何とかしようと抗ったのだけど、時既に遅し。私の身体も、魔力も、その全てが私の身体を食い破って召喚される存在・・・
■■■の言う“両面宿儺”の召喚の為の生贄として、私は私の全てを奪われ、跡形もなく消滅するだけであった・・・
その時だった・・・・
キィィィ〜〜ン!
僧衣姿の男「―――!?。なんだ、あの光は・・・・?」
■■■■■■「――――――――――」
キィィィーーン、パァァァーーン!
――――――――――――――――――――――
突如として、私の中にもう一つの何かが私の中に入り込み、そして私の中から出ようとした両面宿儺は再び私の中へと入っていって・・・
ガガガ――ガァァ―――プツンッ!
―――――――――――――――――――――――――
渋谷 クロスタワー内:吉備真備のアジト
パチパチパチッ・・・
【今のはエリちゃんの――――】
【―――!?】←
ガバッ!!
【ここはもしかして・・・】
【でも確か私は・・・・】←
―――――――――――――
回想シーン:獄門疆に封印される藤丸立香(女)
ギュゥゥゥーーーーガキィィン!!
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/d/0/d00d6501.jpg
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/26(金) 00:18:41.01 ID:HaMBJabX0
???「やっと起きましたね。私を探していた割にはあまりにも寝坊が過ぎますわね、子ジカ。」
【この声・・・・】←
【それに今、子ジカって・・・】
タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ・・・・
男装姿のエリザベート・バートリー「・・・・・・・・・‥」
男装姿のエリザベート・バートリーの姿(イメージ)
https://images.goodsmile.info/cgm/images/product/20230418/14280/114466/large/01431b1901fd075ebcccf51dbc0aa0f8.jpg
【エリちゃん・・・・?】←
【それに宿儺じゃない・・・。】
男装姿のエリザベート「・・・・・・・・・(ジロッ!)」
【!】
【な、なに・・・・?】←
―――――――――――――――――――――――――――――
数分前―――チェイテ渋谷神社城・地下の駅ホームにて、突如として現れた僧衣姿の男の罠にはまり、獄門疆と名乗る物体に封印されてしまったカルデアのマスター
しかし彼女が目覚めた先には、以前、吉備真備によって助けられ、介抱目的で連れて来られた 渋谷クロスタワー内部の吉備真備のアジトの寝室であった。
彼女が目覚めた直後、彼女の前に現れたのは両面宿儺に取り憑かれ、その名を名乗っていたエリザベート・バートリーの姿があり、
そのエリザベート・バートリーの姿は両面宿儺に取り憑かれた状態とは違う、サラリーマン姿で独特な眼鏡をかけた、
雰囲気が大人しそうな感じがする男装姿のエリザベート・バートリーの姿がそこにあり、そしてその彼女はカルデアのマスターである彼女に・・・・
――――――――――――――――――――――――――――――
男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」
【えっ・・・?】←
男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」
【―――!?】
【これってもしかして・・・・】←
【私に対して怒ってるって事?】←
男装姿のエリザベート「・・・・・・(頷く)」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/27(土) 08:57:35.86 ID:2IOaTakq0
タッタッタッタッタッタッ・・・‥
男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」
【(これ絶対かなり怒っているよね・・・)】
【(なんて答えれば良いのだろう・・・)】←
男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ?」
【そ、それは・・・・・・】←
男装姿のエリザベート「・・・・・・‥」
【ごめんエリちゃん・・・】←
【ハロウィンはもう終わって・・・・】
フゥゥン、バシィィン!!
【――――!?】
【ガハッ―――!?】←
ドサッ・・・‥
【(いま私に攻撃を・・・・)】
【(凄く痛かった・・・)】←
ガシッ、グググゥゥ〜〜!
【うぐぅぅ・・・・】←
藤丸立香(女)の今の状況(イメージ)
https://livedoor.blogimg.jp/anico_bin/imgs/8/3/83086a1b.jpg
男装姿のエリザベート「・・・・私の、ハロウィンはどこ!」
【エリちゃん・・・】
【本当に私が悪かったって――】←
フゥゥン、バシッ!バスゥゥン!!
【ぐはっ!?】←
ドサッ!ゲホゲホッ・・・‥
―――――――――――――――――――――――
「“私の、ハロウィンはどこ?”」。その男装姿のエリザベートの問いかけと共に、彼女はカルデアのマスターに近づいてきており、
カルデアのマスターはその問いかけに答えようとするも、エリザベートは何も躊躇なくカルデアのマスターに攻撃し、
1回目は顔正面、2回目はカルデアのマスターの頭を引っ張り上げ、そのまま彼女の腹部に一撃を喰らわせ、彼女は空しく床に倒れ込んでいく‥
そのあまりにも無慈悲な状況にカルデアのマスターは、エリザベートの心を傷つけた事でこの状況を作ってしまったことに深く懺悔したい気持ちでいっぱいであり・・・
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/27(土) 23:50:14.10 ID:2IOaTakq0
ガシッ、ズググググゥゥゥ〜〜〜!!
【ウゥゥゥ・・・】
【エリちゃん・・・‥】←
男装姿のエリザベート「貴方のせいでハロウィンは潰され、カルデアはこの渋谷の地で破滅の道を辿ることになるのよ。」
男装姿のエリザベート「それだけは解っているよね?」
【・・・・・・・・・・・・】←
【ごめんなさい・・・・エリちゃん・・・・】←
スタタタタタッ!バタンッ!キキィィー―!
吉備真備「ストップ!ストォォォーープ!!もうそれ以上の暴力はダメだぞぉぉ〜〜!!」ピッピィィィ〜〜〜!!
男装姿のエリザベート「!?」
【ま・・・真備・・・さん・・・・?】←
マシュ「先輩!」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うわぁぁ‥これは随分な打撃を受けたようだね・・・すぐに回復の礼装を施さなきゃね!」
マシュ「はい。先輩、今どこか痛いところとかありますか?痛いところがありましたらすぐに治療を・・・・」
【マシュ・・・】
【いったいこれはどういう・・・・】←
ぐじゅぐじゅっ!バカッ!
宿儺(エリザベートの口元)「混乱しているようだな〜藤丸立香?お前が今この場で置かれている数々の状況を理解しきれていない・・・」
宿儺(エリザベートの口元)「お前がなぜ、あの獄門疆の封印から抜け出せたのか?なぜ封印から抜け出せたお前がこの女に殴られるハメになっているのか?」
【宿儺!?】←
男装姿のエリザベート「あまりでしゃばらないでくれるかしら宿儺。私が表に出ている時は貴方は大人しくしているとそういう“縛り”を交したんじゃないのかしら?」
宿儺(エリザベートの口元)「チィッ、ちょっとぐらいはよかろう・・・。縛りの関係とはいえ、俺にただ頼りでお前はあまり前線には出ることなど全然ないだろ?」
男装姿のエリザベート「・・・・・・‥(ギリッ!)」
宿儺(エリザベートの口元)「チィッ・・・‥」
【なんだこれ・・・・】
【この状況はいったい何なの・・・?】←
マシュ「それは・・・かなり話が長くなる事なのですが・・・‥」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/28(日) 23:57:19.30 ID:iyGVzA950
数時間前、渋谷 クロスタワー内:吉備真備のアジト近くにて・・・
ドスドスドスドスッ、ドスンッ・・・・
吉備真備「フゥゥ・・・。どうにか逃げ切れたようだな・・・・みんなは大丈夫か?」
播磨局「ああ・・・こっちはどうにか大丈夫だ。マシュ、バーヴァン・シー、お前たちは大丈夫か?」
マシュ「はい。私たちの方は敵の攻撃を受けましたが、私はそれ程のダメージはなく、バーヴァン・シーさんはいま気絶していますが、霊基に別状はないかと・・・」
マシュ「しかし先の戦いで望月さんは私たちを逃がすために命を省みずに殿を務め、未だに戻っていないとなると・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「うん、こちらから千代女との連絡は取れていない。こちらに帰還していない他にカルデアの霊基情報にも揺らぎがないことから、」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「おそらく彼女はあの戦いの殿の後、あの僧衣姿の敵の軍勢に捕まった可能性が高いが、それについてはまだ断定は出来ない。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「だが我々が一番に問題視しているのは・・・・」
シュルッ・・・・・・
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「このあまりにデザインが不気味で悪趣味な謎の箱に藤丸ちゃんがスッポリと閉じ込められちゃっていることだ。封印されたと言ってもいい。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「この箱自体の力なのか、あるいはこの箱の存在を知っているあの僧衣姿のサーヴァントの能力なのか・・・」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「この箱の中に封印された藤丸ちゃんのあらゆる全ての観測が出来なくなっているし、中にいる彼女が今どうなっているのかも解らない状態だ。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「いったいこの箱は何なんだい?この箱の中身の藤丸ちゃんを助け出すにはいったいどうやって・・・」
両面宿儺(エリザベート)「それは獄門疆という特級呪物と言ってなぁ〜。俺も噂で聞いただけで実物を見るのは初めてなのだが・・・」
両面宿儺(エリザベート)「その箱には定員1名だけであるが、条件さえあえばあらゆるもの全てをその獄門疆の中に封印できるシロモノだ。」
両面宿儺(エリザベート)「その獄門疆を開けるにはそうだなぁ〜・・・中にいる藤丸立香が自死するか、獄門疆を開門させたあの男にもう一度開門をさせてもらうか・・・」
両面宿儺(エリザベート)「それ以外にあるとすれば、その獄門疆の能力を壊すか打ち消すかのどちらかしかない。だがしかしそれをお前たちは持っているのか?」
マシュ「そ‥それは・・・・」
吉備真備「だとしてもその獄門疆の封印がとても強力とはいえ、それが絶対に開けられないモノっていう事はないんだろ?」
吉備真備「だったらその獄門疆が開けられるまでやってやるさ。なんたってマスターにみんなの事を任せてと頼まれた身だからね。」
吉備真備「マスターは必ず助け出す。それがマスターに頼まれた者としての責務といってもいいからね。」
マシュ「真備さん・・・・。」
播磨局「吉備真備、あんたは・・・‥」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/29(月) 23:59:11.71 ID:avjnxUnN0
両面宿儺(エリザベート)「成る程・・・まあお前たちがそうでなければ面白くない。お前たちがこの獄門疆からカルデアのマスターである藤丸立香を助け出さなければならない。」
両面宿儺(エリザベート)「でなければ俺は彼女を呪い殺す事が出来ん。弱体化した身とはいえ、いくら俺でもこの獄門疆を開けることなど出来ぬからなぁ〜‥」
播磨局「チィッ・・・言わせてみれば貴様、まだ彼女の事を呪い殺そうとしているのか!藤丸はただエリザベート・バートリーに謝りたかっただけで・・・」
両面宿儺(エリザベート)「そのエリザベートと俺は藤丸立香を呪い殺す“縛り”を交している事を忘れているのか?いくらあの女に謝りたいと願おうと・・・」
内側からの声「そうね・・・私と縛りを交している貴方ならば、ちゃんと縛りの内容は覚えているはずだよね?」
両面宿儺(エリザベート)「!?。おい待て、まだこいつ等とは話が・・・」
内側からの声「宿儺。キリが悪いのは承知の上だけど、交代の時間はとっくに過ぎているわよ。」
両面宿儺(エリザベート)「――あぁ〜クソッ!わかったわかった、交代の時間だろ?すぐに変わってやる。」
マシュ「!。交代・・・宿儺さん、いったいそれはどういう事なのですか!?貴方はいったい・・・」
両面宿儺(エリザベート)「聞くな。それ以上の事はあの女に聞け。もっとも‥あの女の事など、お前たちカルデアがよく知っているはずだ。」
両面宿儺(エリザベート)「お前たちが俺から引き剥がし、助け、お前たちがやらかした事への謝罪をしようと探した・・・あの女がな・・・。」
吉備真備「あの女・・・・それってもしや・・・・」
キィィ〜〜ン!ピカァァーーン!
両面宿儺(エリザベート)→男装姿のエリザベート「・・・・・・・・・」
マシュ「!?。あなたは・・・・まさか・・・‥」
男装姿のエリザベート「・・・・・・・・(ギロッ!)」
――――――――――――――――――――――――――――――――
カルデアのマスターが獄門疆に封印された直後、両面宿儺(エリザベート)の起点と望月千代女の命がけの殿により、獄門疆を持って僧衣姿の男たちから撤退したマシュたち
彼らから逃げ切り、どうすれば獄門疆に封印されているカルデアのマスターを助け出せるのかをマシュたちで話している中、
突如として、両面宿儺(エリザベート)は自身の“縛りによる交代の時間”だと言いだし、宿儺の姿が光と共に男装姿のエリザベートのへと変わり、
その瞬間を目撃したマシュはその男装姿のエリザベートに対し、見覚えのある表情で彼女の事を視認し、男装姿のエリザベートもまた、マシュに対して厳しい睨みを見せていた。
そして・・・
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/30(火) 09:54:34.88 ID:mh7jFOw60
吉備真備「そう。僕たちは両面宿儺がエリザベートの霊基と身体を乗っ取り、彼女を依代にサーヴァントとして現界した者だと思われていた。」
吉備真備「しかしそれは間違いだった。宿儺は何らかの形で不完全な状態で現界し、その霊基は宿儺と依り代としている彼女との縛りによってその身体を維持し、」
吉備真備「1つの身体を共有することで宿儺と彼女は一騎のサーヴァントとしてこの渋谷の特異点に召喚された。その彼女こそ・・・‥」
吉備真備「2023年のハロウィンの目玉になるはずだった新規クラスのエリザベート・バートリー・・・・」
パッパラパ〜〜〜!
吉備真備「脱ドル脱サラ系呪詛師サーヴァント、『エリザベート宿儺』だったのでーーす!」
呪詛師エリザベート&口元の宿儺「「その呼び方はやめて(ろ)!」」
【あっ、ハァ・・・・】←
【でも1つの身体を共有って・・・・】
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。我々の知るワルキューレたちがその例だ。1つの霊基に3騎の個体がいて、それらが1つの霊基を共有しつつサーヴァントとして現界をしている。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「霊基再臨に合わせて代替召喚されるように今のエリザベートと宿儺は時間の縛りでその姿を変えていると言ってもいい。」
吉備真備「うんうん。いやぁ〜まさか宿儺とエリザベートが縛りで時間交代制で1つの身体を共有していたとは驚きだったよねぇ〜?」
吉備真備「しかもちょうどその時間こそ宿儺からエリザベートと交代する時間であって、いま僕たちはそのエリザベートと会話をしている。」
吉備真備「それこそ今のカルデアにとってまたとないチャンスなんかじゃないかと思うんだよねぇ〜。」
【!】
【(今ならエリちゃんに直接あやまることが出来る!)】←
呪詛師エリザベート「ふん。交代の時間帯が被ったとはいえ、まさか絶縁したはずの貴方たちと再び再会するとは思わなかったわ。」
呪詛師エリザベート「正直のところ、私はカルデアの貴方たちとはもう二度と会いたくはなかったわ。それなのにこんな所まで追いかけてくるなんてねぇ‥。」
マシュ「絶縁って・・・・エリザベートさん、私たちは貴方に謝りたいことがあって・・・」
呪詛師エリザベート「結構。まず挨拶ぐらいはするのが道理よ、カルデアの貴方たち。」
呪詛師エリザベート「どうも、『宿儺』モードの私が世話になったわね。私の知らないところでこんな事が起きているなんて思わなかったわ。」
呪詛師エリザベート「私は貴方たちカルデアの身勝手のせいで私の大事なハロウィンを潰され、貴方たちへの失望によって真面目に呪詛師をやることになったエリザベート・バートリーよ。」
呪詛師エリザベート「まあ宿儺モードの私と別に呼んで欲しいのはあるから、この『呪詛師』モードの私の事は、『呪詛師エリザベート』と呼んでも構わないわよ。」
【は、はぁ・・・・】
【でも今、脱ドル脱サラ系呪詛師って・・・】←
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/30(火) 23:48:28.50 ID:mh7jFOw60
マシュ「はい。脱ドルと脱サラ・・・この言葉から明らかにエリザベートさんはアイドルとサラリーマンを辞め、呪詛師になったとそう言っているようですが・・・」
マシュ「それ以前にエリザベートさんは私たちを・・・カルデアとの縁を切ったと言いましたが、それは本当の事なのでしょうか!?」
呪詛師エリザベート「そうよ!私は貴方たちカルデアが私にやらかした罪業によって、貴方たちは私を裏切り、私との信頼と信用、そして縁を失いました。」
呪詛師エリザベート「私が懸命に準備をし、カルデアのみんなに喜んでもらおうと準備をしてきたカルデアの伝統行事である私のチェイテ特異点でのハロウィンを、」
呪詛師エリザベート「突如として割り込みで来た特異点での戦い・・・即ち昼と夜の聖杯戦線の攻略を優先させる為に、カルデアは強引な手段でチェイテ特異点ごとハロウィンを潰した。」
呪詛師エリザベート「そしてあのとき子ジカは・・・藤丸立香という女は恰も私に対して、“ハロウィンはもう終わり”と心もなき言葉で話の話題を強引に終わらせ、」
呪詛師エリザベート「その心無い言葉にショックを受け、貴方たちへの失意と失望と共に私はカルデアに愛想をつかし、レイシフトを通してこの渋谷へと家出を決行したのよ。」
【エリちゃん・・・】
【・・・・・・・】←
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「(とまぁエリザベート・バートリーはそう被害者ヅラで言っているけど、元々カルデアのハロウィンはそのエリザベート本人の身勝手で始まった事なのだが・・・)」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「(2017年までのハロウィンは決まって藤丸ちゃんを彼女の歌ライブを誘わせてやってるというか・・・)」
シオン(通信)「(あのそれ、いま聞かれたらマズいので黙っててくださいね?)」
呪詛師エリザベート「そして私はこの渋谷で出会った私の中に秘めた呪いの力に眼をつけ、その力を持って私のハロウィンを復活させようとあの僧侶みたいな男に騙され、」
呪詛師エリザベート「その彼に手渡された15本の宿儺の指を飲み込み、不完全な召喚で私の中で両面宿儺が現界し、それによる呪いが私たちの霊基を蝕んでいき、」
呪詛師エリザベート「いずれにしてもこのままでは私は英霊の座にも帰れず消滅する運命であると悟り、私は宿儺との縛りを結んだって事なのよ。」
口元の宿儺「・・・フッ。」
呪詛師エリザベート「そして私は彼に私の身体を預けている間、私は今回の事でじっくりと考え、そして私はカルデアに対して確信したことは・・・」
呪詛師エリザベート「“カルデアはクソ”ってということよ!」ドドンッ!
マシュたち「!!?」
【カルデアはクソって・・・】←
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/01/31(水) 23:57:28.81 ID:MpvNBjSp0
ゴルドルフ(通信)「オイオイ貴様!急なことがあったとはいえ、ハロウィンの予定が潰れたぐらいでカルデアがクソであると軽く確信を言っちゃうのかね!?」
ゴルドルフ(通信)「少なくても我々は異星の神によって白紙化された汎人類史を救う為に戦っているだけであって・・・」
呪詛師エリザベート「ええ知っているわ。そんな貴方たちが言う汎人類史に対して、貴方たちの行動や状況をじっくりと考えてみて‥・」
呪詛師エリザベート「“汎人類史はクソ”っていう事よ!」ドドンッ!
【!?】
【汎人類史はクソだって‥・】←
呪詛師エリザベート「まあ今となって、私があの僧侶の男に渡された聖杯で私のハロウィンを復活させようとしようとしたのだけど・・・」
呪詛師エリザベート「結局のところ、出来上がったのは私の意に反する特異点・・・・この呪霊サーヴァントとかいう敵との聖杯戦線、それを裏で操ってたあの僧侶の男が暗躍する特異点に対して・・・」
呪詛師エリザベート「“この特異点はクソ”だったって事よ!」ドドンッ!
【・・・・・・‥】
【特異点もクソというの・・・】←
呪詛師エリザベート「それと関係ない話ですが私が元々思っている事は・・・‥」
呪詛師エリザベート「“労働こそ一番のクソ”という事よ!」ドドンッ!
【・・・・・・】←
【(それ、いま言うことなの・・・・?)】
吉備真備「おいおいさっきから君が考えているこれらの事に価値に対してクソだ!クソだ!と言いまくっているけど、他に言葉とか無いのか?」
呪詛師エリザベート「無いわ。同じクソならクソであり、より適性で効率の良いのを選ぶ。それが私の考え方よ。」
マシュ「そんな!ではエリザベートさんは貴方のハロウィンイベントを否定され、カルデアや汎人類史があなたの言うクソである考えになった理由でカルデアと絶縁を・・・」
マシュ「そのような理由でカルデアを・・・マスターである先輩を呪い殺すって言うことなのですか!?」
口元の宿儺「確かにお前の言う通りかもな、マシュ・キリエライト。だが人という者は自身が経験した絶望や悲劇によって、善人だった者が悪にはしるように人が変わることがある。」
口元の宿儺「彼女もそうだ。サーヴァントの身とはいえ、元は人間である以上は心変わりは一つや二つはあってもおかしくはないだろ?」
呪詛師エリザベート「ええそうね、貴方の言う通りよ宿儺。私はカルデアに裏切られ、私のマスターだった子ジカに裏切られ、あんな酷い事を言われた事で私は変わった。」
呪詛師エリザベート「私は私と私のハロウィンを裏切った子ジカの事が許せない。私よりもプトレマイオスとかいうクソ野郎を選んだ子ジカを今すぐ呪ってやりたいところなのよ。」
【―――!?】←
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/02/02(金) 00:17:51.27 ID:47ZcNYqS0
呪詛師エリザベート「宿儺、貴方がプトレマイオスを貴方の呪術領域・伏魔御廚子で八つ裂きにしたって聞いているわよ。」
呪詛師エリザベート「私のハロウィンを潰した張本人を私の代わりに呪い、そして身体を5枚にスライスされての彼の断末魔をあげさせてくれた。」
呪詛師エリザベート「本来なら私がこの手でプトレマイオスを呪い殺してやりたかったのだけど、あのクソ野郎の断末魔を聞けたまでは良いとしておくわ。」
口元の宿儺「フッ、当然だ。この俺があんなジジイのファラオに負ける訳がなかろう・・・この呪いの王たるこの俺がな・・・。」
呪詛師エリザベート「ふんっ、貴方がそう自信を持って言うのならば、私は貴方に反論する事なんかはないわよ?」
口元の宿儺「フッ・・・‥」
呪詛師エリザベート「でも貴方の術式が拗ねて術式能力が弱体化しているっていう事実だけは気にくわないわよ!!」ドドンッ!
口元の宿儺「何だとぉぉ!!(キレ)」
呪詛師エリザベート「しかし騙されたとはいえ、あの僧侶姿の男に特異点を取られたことはとても不愉快極まりない自体だわ!」
呪詛師エリザベート「あの聖杯は元々あの男が私に譲ってくれた聖杯であり、あの聖杯を元に私のハロウィンを復活させようと目論んでいたというのに!」
呪詛師エリザベート「それをあの男は私のこのようにした後、私の聖杯を取り上げてはそれを砕いて“聖杯の雫”とやらに変換させたと思えば・・・」
呪詛師エリザベート「その聖杯の雫が一つになったと思えば、この獄門疆に子ジカが封印されてしまうなど、なんて情けないのかしらね子ジカ?」
【確かにそうだけど・・・・】←
【それよりもどうして私は獄門疆の外に・・・・】←
呪詛師エリザベート「決まっているわ。子ジカのことは私の術式で何とかしたと言いたいのだけど・・・」
呪詛師エリザベート「この獄門疆、聖杯の雫とやらで模倣して作られたモノなのか・・・私の術式でも子ジカをそのまま獄門疆の外に出すことは不可能だったわ。」
呪詛師エリザベート「子ジカが獄門疆の外に出れたのは子ジカの魂を半分に切り分け、別の身体の器に取り替えてもらったって訳よ。」
【はい?】
【魂を半分に・・・?】←
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/02/02(金) 23:51:12.60 ID:47ZcNYqS0
呪詛師エリザベート「子ジカ。前にシンデレラの時の私とのハロウィンで、子ジカの身体が肉体と魂に分離した事を覚えているかしら?」
【うん。覚えているよ】←
【え〜と確かにあったような・・・・】
―――――――――――――――――――――――――――
回想場面:ハロウィン・ライジング 暗黒の仔山羊との戦いにて・・・
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/monokuror/20220624/20220624131440.jpg
―――――――――――――――――――――――――――
呪詛師エリザベート「貴方はあの時、女モレ―の罠にはまり、彼女の力で肉体と魂を分離され、聖杯を埋め込まれていた貴方の肉体の方は山羊の怪物に変えられ、」
呪詛師エリザベート「魂の方は霧散するのを防ぐためにカボチャの人形に入れられた。あの人形を用意した人の名前は敢えて言わないとして・・・」
呪詛師エリザベート「私はそれを元に獄門疆の中にいる子ジカの魂をトレースし、その魂を半分にして中にいる子ジカと私が用意した子ジカの仮の身体に半分にした子ジカの魂を入れ、」
呪詛師エリザベート「あとは私の持っている術式で子ジカの身体と仮の身体の位置を入れ替え、外にいる方に子ジカの意識が目覚める形としたのよ。」
【そうなんだ・・・‥!?】
【もしかしてその、仮の身体って・・・】←
呪詛師エリザベート「気づいたかしら?貴方を仮に獄門疆の外に出した仮の身体が人の姿をしているなんて思ったら大間違いよ!」
呪詛師エリザベート「私を裏切った子ジカの仮の身体なんか、これで十分かと思って用意したのだからね?」
スッ、パンッ!ポンッ!
呪詛師エリザベートの術式によって藤丸立香(女)が変わった姿
https://fgonovum.com/wp-content/uploads/2021/10/109CB39F-3425-43D9-9ABB-A90DA6E54ED3.jpg
【!?】←
マシュたち「!?」
吉備真備「うわぁ〜これは酷い・・・」
播磨局「ああ・・・・」
呪詛師エリザベート&口元の宿儺「〜〜〜〜〜〜!(クスクスクス!)」
【この姿は・・・】
【ああやっぱり・・・・】
【結局こうなるのね‥。】←
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/02/04(日) 10:01:22.95 ID:XzVj8mea0
エリザベート・バートリーに取り憑き、カルデアのマスターたちに襲いかかった両面宿儺(エリザベート)。ハロウィンの有無を聞かされ、質問と一緒にカルデアのマスターに暴力を振るった男装姿のエリザベート・バートリー。
その正体は両面宿儺の不完全な召喚により、互いに交した縛りによって呪いによって朽ちていく身体を維持し、1つの身体に2つの霊基を共有して厳戒したサーヴァント『呪詛師エリザベート宿儺であり、
その霊基の1つである呪詛師モードのエリザベート(別名:呪詛師エリザベート)は声も人格も普段のエリザベート・バートリーと全く同じであり、
自身と自身の楽しみにしていたハロウィンを裏切ったカルデアのマスター、そして更にカルデアと汎人類史、労働といったモノゴトはクソであるという認識を見せていた。
しかしその彼女もまた、仮ではあるが獄門疆に封印されたカルデアのマスターを自身の持つ術式によって魂を半分にするようにトレースし、
それを半分にして自身の用意した人形(パンプキンヘッド・マスター)にカルデアのマスターの魂を入れ、同じく彼女の持つ術式効果によって、
獄門疆の中にあるカルデアのマスターの身体と獄門疆の外にある人形を入れ替えるようにカルデアのマスターの意識を外に出すように入れ替えており、
いきなりであるが自身の身体をパンプキンヘッド・マスターに入れ替えられたカルデアのマスターは自身の経験の上で落ち着いた対応をしていくのであった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
呪詛師エリザベート「ふ〜ん・・・いきなり自分の身体を入れ替えられたというのに反応が薄いわね。てっきり驚きのあまり大声で悲鳴を上げるんじゃないかと思ってたわ。」
【まあ一度や二度、経験しているというか・・・】
【嫌、今はそれよりも・・・】←
シオン(通信)「はい。確かに呪詛師のエリザベート氏のよくわからない術式によって藤丸氏の無事と再観測が可能になった事で一先ずこちらも安心はしました。」
シオン(通信)「しかし藤丸氏の今の状況からして、藤丸氏は未だにその獄門疆に封印されているのは変わりありません。」
シオン(通信)「このままではエリザベート氏を元に戻し、カルデアに連れ戻すどころか・・・藤丸氏をカルデアに戻す事もままならないと思われまして‥」
シオン(通信「それ故にその獄門疆に封印した僧衣姿の男性を見つけ出し、藤丸氏の封印解除の方法を見つけ出す必要があると私は思っています。」
ダ・ヴィンチちゃん(通信)「ああ。その為にも我々にはあの僧衣姿の男の攻略の為にこちらの戦力を立て直す必要がある。特に目の前にある問題の解決も含めてね。」
シオン(通信)「エリザベート氏、それと彼女に未だに憑依する宿儺はあの僧衣姿の男に対し、何らかの敵対をしているようだと我々は見ており、」
シオン(通信)「特にエリザベート氏は先ほど、この渋谷の特異点の事を自身は“クソ”と呼んでいた事から、貴方はこの特異点をどうしたいと思っているのですか?」
呪詛師エリザベート「そうね。無論、私のハロウィンを復活させると見せかけて、私のこんなにして特異点まで乗っ取ったあの僧侶のあいつをとっちめてやりたいところよ!」
呪詛師エリザベート「この渋谷の特異点が私の思うハロウィンに相応しくない以上、このクソな特異点はすぐにでも消滅させた方が道理というべきね。」
マシュ「!。それではエリザベートさん、もしあなたがこの渋谷の特異点を解決するであれば、私たちもそれを手伝わせてはいただいても宜しいでしょうか?」
マシュ「エリザベートさんも含め宿儺さんもまた、もし我々とエリザベートさん同じ考えをしているのであれば、いっそのこと私たちと共に行動した補遺がよろしいかと・・・」
口元の宿儺「・・・だそうだ。俺はこの身体から解放されるのなら別に良いのだが、今の時間上、俺の主導権を握るお前はどうするつもりなのだ?」
呪詛師エリザベート「・・・・・・‥」
【お願いだよ、エリちゃん‥】
【あなたやみんなの為なんだ・・・】←
呪詛師エリザベート「――嫌よ!」ドドンッ!
【―――!?】←
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2024/02/05(月) 00:02:49.14 ID:d81D8VkY0
呪詛師エリザベート「忘れたのかしら子ジカ。私が宿儺と身体の共有し、その霊基を維持するために2つの“縛り”を結んだって事を。」
呪詛師エリザベート「1つは例外を除いての一定時間帯での私と宿儺との主導権の交換。一定の時間帯を過ぎると残業時間も含めて次の霊基に交代しなければならない事。」
呪詛師エリザベート「例えば、24時間体制で12時間は宿儺で残りの12時間をこの私の活動時間として、この決められた時間帯の経過で交代する形で設定しており、」
呪詛師エリザベート「宿儺の活動時間を過ぎれば私が、私の活動時間が過ぎれば宿儺と、この一定の時間帯をローテーションで交代する形を取っているのですが・・・」
呪詛師エリザベート「宿儺が活動時間12時間を過ぎて行動していた場合、交代した時に私の活動時間はその過ぎた時間分の足して行動する事が許されるって事よ。」
口元の宿儺「フンッ。まあ俺の場合はこのような形で時間外でのお前たちとの会話ぐらいは出来る事は縛りには入っていないのだがなwww」
呪詛師エリザベート「もう一つはカルデアの貴方たちの知っての通り、私と宿儺はあの僧侶の男が起こした不完全な召喚によって霊基がガタガタになっていて、」
呪詛師エリザベート「このまま縛りを結ばずいけば、私は宿儺を巻き添えにあの宿儺の指の呪いによって消滅する事になる。」
呪詛師エリザベート「それを防ぐために宿儺と私は協力して1つの身体を共有し、目的を遂行したら宿儺を自由にさせる。―――その目的こそ・・・」
呪詛師エリザベート「子ジカ・・・もとい、カルデアのマスターを私たちの手で呪い殺す。その目的の遂行こそ、私と宿儺との間で結んだ“縛り”というものよ。」
【・・・・・・・・・】←
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