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安価とコンマで異世界転生!その9
- 279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/19(火) 21:14:53.47 ID:yHzcnpC+0
- >>278 すみません。 勘違いしてました
- 280 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 18:18:58.35 ID:bgDMdBTyO
- すみません寝落ちしました
やる気「……とても精神的に疲れた。また海でも見に行くよ」
男「ごめんな、呼びつけて」
やる気「いいってことよ。戦闘以外で役に立てるのは貴重だからな」
そう言って彼は船室のドアを開けて去っていった
- 281 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 18:21:20.87 ID:bgDMdBTyO
- 男が動かしたタンスを元の位置に戻していると、
人形が話しかけてきた
ふとそちらを見ると、
司書のコピーはもういなくなっていた
人形「あの」
男「どうした?」
人形「私、思い出せないんだ。私はこれまで十数年生きてきたように思っているのに、その記憶がないんだ」
男「……忘れろ、そのことも」
- 282 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 18:26:23.51 ID:bgDMdBTyO
- 人形「……分かってるよ、本当のことぐらい。さっき見せつけられたから」
男「もう考えるな」
人形「嫌だね。でもどうしたらいいのか分からない。……どうしてか涙も出ない」
男「………………」
船室は重い空気に支配された
しかし、それを打ち払うように人が入ってきた
>>下1「うぇぇぇぇ……」
どうやら船酔いがきついようだ
入ってきたのは
1.中華
2.氷魔
3.ぶりっ子
4.怪盗
5.狙撃少女
6.司書コピー
- 283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/20(水) 18:31:55.17 ID:98rIolQ20
- 3
- 284 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/20(水) 20:28:05.19 ID:05yKmE03o
- ぶりっ子「うぇぇぇぇ……」
彼女は嗚咽を漏らしながら船室に入ってきた
そしてあなたと人形を見て固まる
男「……船酔いか?」
ぶりっ子「……ナンパしたんですか?」
男「違う!最近なんかみんな俺のこと誤解してないか!?」
人形「無理やり連れ込まれました……」
ぶりっ子「うーわ……」
男「それはそうなんだけど……」
ぶりっ子「えっ本当なんですか!?……うーわ……」
- 285 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/21(木) 00:47:59.18 ID:JX3uCvjmo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 286 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/21(木) 19:55:37.15 ID:JX3uCvjmo
- 男「前もやったわこういうの!」
人形「再犯ですか」
男「ぐぉぉぉぉっ!!!」
ぶりっ子「……で、真面目に誰なんですかぁ?」
男「司書コピーの仲間か……同じ種族?まぁそんな感じだ。顔とかそっくりだろ」
ぶりっ子「そうですねぇ」
- 287 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/21(木) 20:29:55.25 ID:JX3uCvjmo
- 男「……丁度いい。彼女のこれからについて話し相手になってくれないか?」
ぶりっ子「えっ、私ですかぁ?」
男「適任だろう?……どうしてとは言わないが、覚えはあるはずだ」
ぶりっ子「……そう、かもしれませんねぇ」
人形「?」
男「そういう訳だ。後は二人でしっぽり頼むぞ」
彼は具体的なことは何一つ言わないまま、
船室を後にしてしまった
- 288 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 01:10:30.92 ID:fr86GrkIo
- ぶりっ子「強引ですねぇ……」
人形「そうだね」
ぶりっ子「で、これからのことってなんなんですかぁ?」
人形「いや、別にこれからについて話していた訳じゃないんだけれど……」
ぶりっ子「え?」
人形「私がなんなのか……ということです」
ぶりっ子「あぁ、なるほど」
- 289 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 01:29:37.31 ID:fr86GrkIo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 290 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 19:59:28.37 ID:fr86GrkIo
- 人形「……知っているんですね?」
ぶりっ子「そうですけど……」
彼女は後ろを向き、窓を眺めて話しだす
人形「私は彼にそんなことは忘れろと言われました」
ぶりっ子「あらら……そりゃ随分ひどい話ですねぇ」
人形「……そうなのでしょうか?」
ぶりっ子「ええ」
- 291 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/22(金) 20:25:25.76 ID:fr86GrkIo
- 人形「言うことが違いますね」
ぶりっ子「当たり前です、人間みんな意見が合わなくて当然ですからねぇ」
人形「……人間、ですか」
ぶりっ子「自分が人間か、というのは自分の心持ち次第ですよ。尤も、考えなければ気にしなくても済むから、男さんはああ言ったのでしょうけれど」
人形「誰かにそんなこと言われたところで……」
ぶりっ子「……ふふ、私も実はあなたのような存在なんですよ」
人形「え?」
- 292 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 03:30:01.83 ID:FsHeFSL5o
- ぶりっ子「私のこの体、母親の腹から産まれたものじゃないってことですよ」
人形「……よく、言えますね」
ぶりっ子「言いたくないですよ。でも、最近向き合うことができました」
人形「なぜですか?私にはそれが必要だ」
彼女は縋るような目でぶりっ子を見る
『それ』の指すところは広いが、
ぶりっ子は淀みなく話を続ける
ぶりっ子「それでも私はここにいていいからです。私は、受け入れられている」
- 293 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 03:43:14.17 ID:FsHeFSL5o
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/23(土) 07:14:25.74 ID:cbTNqVueO
- 乙
- 295 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 19:04:49.51 ID:z11wuvaIO
- 人形「……私にそれはあるの?」
ぶりっ子「探せばいくらでもありますよ」
人形「例えばどこに?」
そう聞かれると難しいので彼女は頭をひねった
そうしてからまた話し始める
ぶりっ子「ここです」
人形「船ですか?」
ぶりっ子「ここで働きたいって言えば、それなりの対応はしてもらえるんじゃないでしょうか。船長さんはいい人ですよ」
- 296 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 19:34:46.74 ID:z11wuvaIO
- 人形「あはは……それなんですけど、実は私密航してて……」
ぶりっ子「えぇっ!?」
人形「存在がバレたらアウトなんですよ」
ぶりっ子「……じゃ、私と謝りに行きましょう!」
人形「なんでですか!?」
ぶりっ子「あなたみたいな精神状態の人が悪いことしたら、もっと悪い方向に進んで行くんですよ!心にしこりを残さないように、絶対謝るべきです!」
- 297 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/23(土) 20:57:12.97 ID:FsHeFSL5o
- 人形「わ、分かった!分かりましたから!引っ張らないでぇ!」
ぶりっ子はかなり強引に彼女を船長室まて連れてきた
そして丁寧にノックをすると入るよう中から声がした
船長「おお、お嬢さん。いかがしたかね?」
ぶりっ子「こっちの子の話なんですけどぉ……ほら、言える?無理そうなら私から伝えておきますけど」
人形「……いや、言うよ」
ぶりっ子「流石です!さぁどうぞ!」
人形「私、密航してました。理由もひどいものです。……本当に、すみませんでした!」
そう言って頭を下げる
船長は驚いた顔をしてそれを見ている
船長「>>下1」
- 298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/23(土) 21:07:07.68 ID:4D43GjA10
- 密告か!? それよりも怪我とか無かったか!? 下手な事してたら出航前に死んでたぞ
- 299 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/24(日) 03:45:30.10 ID:xMFj44N/o
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 300 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/24(日) 18:49:36.11 ID:Dfu0fJL1O
- 船長「密告か!? それよりも怪我とか無かったか!?」
人形「え……いや……そんな」
船長「下手な事してたら出航前に死んでたぞ」
ぶりっ子「ほらね、そんな気負わなくていいんですよぉ」
人形「……まぁ、ヤバい奴との関係はもう切れたと思うんで、大丈夫です」
船長「……それならいいんだ」
- 301 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/24(日) 18:54:43.58 ID:Dfu0fJL1O
- 人形「……でも私、もう行くとこなくて」
船長「ふむ」
人形「一応密航したし……償いも兼ねて、ここで働かせて欲しいです」
船長「そうか……だが、海の仕事はかなりハードだ。肉体的に追い詰められる仕事が多いだろう」
人形「はい」
船長「見たところ君は華奢な部類のようだが……それでもやれるなら、歓迎しよう」
人形「……やらせてください。たとえなんだってやります」
- 302 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 02:23:29.59 ID:8fHYz2jGO
- 船長「そうかい?じゃあ夕食の配膳を手伝ってくれるかな。みんな早く食べたがるから、配膳を進んでしてくれる人がいないんだ」
人形「分かりました!お任せ下さい!」
そう言って彼女は船長に連れられ、
食堂へと向かっていった
ぶりっ子「よかったですねぇ……」
司書コピー「そうですね」
ぶりっ子「ひょわぁっ!?どこにいたんですかぁ!?」
司書コピー「ずっと見てましたよ」
どこがずれたその返事に、ぶりっ子は恐怖を覚えた
- 303 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 02:31:10.66 ID:8fHYz2jGO
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 304 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 18:56:57.85 ID:Zd/bKOuIO
- 夕食の準備がなされていることからも分かる通り、
今はもう夕暮れである
人食い岩を通過するのは今晩であり、
その時は刻々と迫ってきている
男「綺麗な夕焼けだけど、なんか不吉にすら見えてくるなぁ」
>>下1……何しよう?
1.中華に会いに行く
2.氷魔に会いに行く
3.やる気に会いに行く
4.ぶりっ子に会いに行く
5.怪盗に会いに行く
6.狙撃少女に会いに行く
7.司書のコピーに会いに行く
8.人形に会いに行く
- 305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/25(月) 19:06:53.49 ID:Ki/+y0gWO
- 7.司書コピー
- 306 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 20:48:27.17 ID:nHuVh/1+O
- 司書コピー「……人をつけ回して何の用ですか」
男「君も人形をつけ回してたじゃないか」
司書コピー「………………」
無言で睨まれる
センシティブな問題に対して臆さず物を言いすぎたようだ
男「すまんすまん。で、どう思う?あいつのこと」
司書コピー「それが私にどう関係するというのですか」
男「関係しかないだろ?」
- 307 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 23:27:04.24 ID:pGC3bnKvO
- 司書コピー「いいんじゃないですか?彼女が望むなら、私がなにか言うこともありません」
男「……」
彼女はとても葛藤しているが、
なぜ人形はあんなにもあっさりと道を決められたのか
男はそれがなぜか分からなかったので問いかけた
司書コピー「私が面倒くさい女だって言いたいんですか?」
しかし、これも地雷だった
男「いや、そういう訳じゃなくて……」
そんなことを聞く時点で面倒くさい女だろう、と言いたい気持ちをぐっと堪えて男は会話を続ける
- 308 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 23:31:48.71 ID:99uJk/lFO
- 司書コピー「……助けてあげよう、みたいな気持ちはありました。でも……多分それは余計なお世話だったんです」
男「それはないと思うが」
司書コピー「人形さんはそう思っていないでしょうね。でも……多分私がなにかしなくても結果は変わらなかった。結局私は怯えているだけだった」
男「………………」
司書コピー「とんだ道化です、私は。なぜ……なぜ、私はこんなにも……」
彼女の表情はほとんど変わらないが、
冷や汗を流して蹲る
男「それ以上はいけない。戻れなくなるぞ」
司書コピー「……あなたはなぜ、昨晩の私の脱走を否定しなかったのですか?なぜ、それなのに気遣う?」
- 309 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/25(月) 23:46:18.37 ID:A6ACs4v0O
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 310 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/26(火) 21:00:27.26 ID:wxPe/yuBo
- すみません遅れました
男「脱走しても行く場所がないとか言ってた君が、脱走するつもりになったってことは……それだけ人間社会に希望が持てたってことだろう」
司書コピー「っ!」
男「……素直になれてないだけなんだよ、君は……でもそれでいい。俺たちは、君が素直になれるまで君の面倒を見る」
司書コピー「………………」
男「どうだ?やってみたいことはできたか?」
司書コピー「>>下1」
- 311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/26(火) 21:05:48.65 ID:CPvtlAg60
- 本物の司書さんを見つけて仲良くなってみたい
- 312 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/26(火) 22:03:12.14 ID:wxPe/yuBo
- 司書コピー「本物の司書さんを見つけて仲良くなってみたい」
男「素晴らしいことじゃないか」
司書コピー「本当にそう思う?」
男「ああ。なにかやりたいことが出来たなら大丈夫だ。目的があって、感情がある。人間それで十分なんだ」
司書コピー「そうなんですか?」
男「……少なくとも俺はそう思う。じゃあいい図書館のある街に出会えることを願って旅を続けようじゃないか」
- 313 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 00:13:38.67 ID:EcR6C65Jo
- 司書コピー「いつもいる城下町より大きな図書館がある街ってあるんですか?」
男「うーん……俺はあまり世界に詳しくないからなぁ。まぁどっかにはあるんじゃないか」
司書コピー「適当ですね」
男「ギルドを始めてからはよく言われるようになったよ」
司書コピー「昔は真面目だったんですか?」
男「理由もなく、な」
- 314 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 00:51:56.35 ID:EcR6C65Jo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 315 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 18:25:23.55 ID:HEeET/PXO
- 二人で話し込んでいるともう夜になっていて、
真上には月が浮かんでいる
船長「おお、甲板にいたか」
男「船長。もしや……」
船長「ああ、人食い岩が見えてきたぞ」
彼は船の先の方に立つと、一点を指す
そこに人食い岩があるのだ
>>下1……人食い岩とはどんなものか
- 316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/27(水) 18:31:45.88 ID:KKYCXZSEo
- 剣山のように海から何本も鋭く突き出している岩
- 317 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 20:36:04.77 ID:EcR6C65Jo
- そこはまるで剣山のようだった
釘のように鋭利な岩が海面から大量に突き出している
男「自殺者が出そうな岩だなぁ……」
船長「この岩々の隙間には魔物が住むと言われていましてな。いつも我々はこの付近を航行するとき、みな船内に籠るのだ」
男「……じゃあ船長も入っては?」
船長「はっはっは。みなさんなら倒せると信じておりますからな」
彼がそう言うとギルドの仲間たちも集まってきた
中華「信用しすぎですよ。そんな完璧な集まりじゃないんですから」
- 318 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 22:21:00.56 ID:EcR6C65Jo
- 船長「まぁそう言うな。だが、魔物に魅入られてしまった者は船の中にいても忽然と姿を消してしまうのだ」
氷魔「……それが……ここというわけですね……」
船長「そうだ。だからここを航行するときはいつもひやひやするのだよ」
しかし岩の間からはなかなか何も出てこない
それでも警戒し続けるしかない
- 319 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/27(水) 22:36:22.66 ID:EcR6C65Jo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 320 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/28(木) 19:28:03.36 ID:EqGGF/JIo
- やる気「居るなら出てこいッ!!」
彼は船から身を乗り出して岩々に叫ぶ
すると、岩から奇妙な音が聞こえてきた
ぶりっ子「……なんですかこの音!?」
怪盗「なにか素早い生き物が岩と岩の間を猿みたいに跳ね回ってます!」
ゴムのように岩の間を移動していたそれは、
ついに船にまで飛びかかってきた
>>下1……人食い岩に潜む魔物の正体
- 321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/28(木) 20:14:50.53 ID:Y5kFa9WPO
- 猿
- 322 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/28(木) 22:20:34.42 ID:EqGGF/JIo
- 猿「キキーッ!!」
そこから出てきたのは本当に猿だった
船に降り立ったそれを見て、一行は息を飲んだ
やはりただの猿にしか見えないからだ
狙撃少女「……猿?」
船長「どうやらそのようだが……」
男「こんな海上に猿が生息できるわけがない。なにかカラクリがあるぞ」
中華「どうする?こいつ」
- 323 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/28(木) 22:25:17.34 ID:EqGGF/JIo
- 氷魔「……むやみやたらに殺害するのは……気が引けます……」
やる気「確かにそうだな」
男「……仕方ない。航海に支障のないよう、早めに終わらせるしかないか」
船長「どうかしたのか?」
男「錨を降ろしてくれませんか?」
船長「なぜだ?」
男「探索します。この岩の群れの中を」
船長「まさか泳いで行くつもりか!?」
流石の船長も驚きを隠せないようだ
しかし、男にそのつもりはない
男「いえ、水上は歩けます」
- 324 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/29(金) 02:32:21.00 ID:8JgbhIGNo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 325 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/29(金) 19:39:54.12 ID:61jKKfLdO
- 海神『私の出番だね!?』
男「そうだな。行くぞっ」
男は船から飛び降りて着水する
その体は海に沈むことはなく、
アメンボのように立っている
船長「……理屈は分からんが、とにかく行けそうだな」
やる気「錨を降ろすなら俺も手伝おう」
- 326 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/29(金) 22:27:03.51 ID:8JgbhIGNo
- 男「みんなも降りてくるといい。今なら海神様の力で浮けるぞ!」
ぶりっ子「なんでもありですねぇ……っと!」
怪盗「いよっ!」
狙撃少女「海の上でもちゃんと狙撃できるでしょうか……」
口々に感想や懸念を言いながら、
ギルドの面々は全員海上へと降りてきた
- 327 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 02:19:32.14 ID:C7yCJDFio
- 男「なんか……声反響しないか?」
どうやら、人食い岩は普通の岩石ではないようで、
岩石群の中を歩く者の声がそれぞれによく反響する
中華「そうだね……他に猿はいなさそうだけど」
氷魔「……ちなみに……さっきの猿は……船長さんが預かってくれるそうです……」
やる気「船長には助けられっ放しだな」
- 328 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 03:49:13.22 ID:C7yCJDFio
- ぶりっ子「……あっ、見てください、あれ」
彼女が指す先には、人一人が入っていけそうなほどの洞穴の入り口があった
岩の一つがくり貫かれたようになっており
そこから入っていけそうだ
怪盗「なにかありそうですね。お宝とかあるんじゃないですか?」
狙撃少女「屍のほうが沢山ありそうですが……」
男「入ってみれば分かることだ。ただ、警戒は十分にな」
- 329 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 04:34:02.31 ID:C7yCJDFio
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 330 : ◆cUhskXlNTw :2023/09/30(土) 19:49:27.66 ID:C7yCJDFio
- 洞穴の入り口に体をねじ込むと、
地下へと繋がる梯子がそこにはあった
中華「困ったね、こりゃ。完全に航海の予定狂わせちゃうかも」
予定外の冒険の予感に、中華がそう漏らす
氷魔「……そうですね……そのときは……賠償金でも払いましょう……」
一行はゆっくりと梯子を下っていく
>>下1……その先の空間はどうなっていたか
- 331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/09/30(土) 21:03:16.67 ID:krjWibD80
- 牢屋の様な鉄格子付き(開錠済み)の空洞が26ヶ所と地底湖みたいな泉が有在った
- 332 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 03:50:46.88 ID:/ExdaVkRo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 333 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 20:01:16.15 ID:X0pL8F+1O
- やる気「……広いっすねー」
そこは大きなトンネルのようになっていて
大量の空洞が空いていてそこには鉄格子がかかっていた
ぶりっ子「牢屋……?」
怪盗「でも、なんにもいないですし、鍵開いてますよー」
手癖の悪い彼女は鍵に類する物を見るやいなやとりあえずいじり始める
- 334 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 20:05:21.86 ID:X0pL8F+1O
- 狙撃少女「……この先、開けてるみたいですよ?行ってみませんか」
男「そうだな」
大量の空洞がある空間をまっすぐ歩き
そこに開けた空間へとたどり着いた
それは広大な地底湖であり、非常に透き通っているがあまり降りたくはないと思わせる不気味さがあった
中華「……さて、どうしようか?」
- 335 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/01(日) 21:04:07.98 ID:X0pL8F+1O
- 狙撃少女「んー……誰かいますね」
ライフルのスコープを望遠鏡代わりにしていた彼女がなにかを発見した
氷魔「……水上に……ですか……?」
狙撃少女「そうですね」
やる気「一体どんなやつだ?いかにも魔物らしいなら警戒しなければならないが……」
狙撃少女「>>下1」
- 336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/01(日) 21:25:59.61 ID:gupVilJH0
- 数十センチ程の小人?ですね
- 337 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 01:02:10.99 ID:yi0nMgPno
- 狙撃少女「数十センチ程の小人?ですね」
ぶりっ子「小人?」
狙撃少女「えぇ、そりゃ皆さんには見えないはずですよ。スナイパーのレンズを通さなければ見えません」
怪盗「どうしてこんな所に……?」
男「まぁ聞けば分かるだろう。小人なら軽いから水上に浮けるってことなのかな」
そういったことを考えながら身を翻し
空中で前転しながら着水する
中華「戦闘にはなるかもしれないから用心したほうがいいね」
- 338 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 01:03:30.63 ID:yi0nMgPno
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 339 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 19:16:01.71 ID:yi0nMgPno
- 一行は地底湖に着水した
湖だが、どうにも塩っぽいために海神の力が及んでいるようだ
氷魔「……こっちですね……?」
狙撃少女「はい」
最初は本当にいるのかと思われたが、
近付けばその姿が見えてきた
小人「!!!」
やる気「ん?」
小人「ひぃぃぃーっ!」
そこにいた小人は、一行に気付くや否や水面を疾走し一直線に逃げ始めた
- 340 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/02(月) 20:33:17.33 ID:yi0nMgPno
- ぶりっ子「敵意はなさそうですねぇ」
怪盗「分析してる場合ですか!?追いかけましょう!」
男「……思ったより速いぞ!?」
小人は滑走するように移動しており
走っても走っても距離は縮まらない
中華「埒があかないね!手分けして包囲しよう!」
氷魔「……そうですね……」
- 341 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 00:35:07.66 ID:5pr54CEco
- しかし湖は非常に広く、数人程度では高速で動き回る小人を包囲することは容易ではなかった
やる気「海神様の力でなんとかなったりしないか?」
男「うーん……どう?」
海神『えっ、無茶振り!?』
男「あぁ、無理かぁ」
海神『いえ、やりますよ!やりますとも!』
- 342 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 00:50:27.91 ID:5pr54CEco
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 343 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 19:09:00.62 ID:5pr54CEco
- 男「無茶しないでくれよ」
海神『ふんぬぬぬぬ……』
彼女がなにやら唸り始めると、
水面もまたうねり始める
ぶりっ子「んっ?」
海神『そこですねぇーーっ!!』
その叫びとともに小人が走っていた水面が急に渦巻き
渦潮となって小人を捕らえてしまった
- 344 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 20:51:01.48 ID:5pr54CEco
- 小人「うわあぁぁぁぁ!!」
男「よし!みんな早く捕まえてくれ!」
そう言う男はと言えば、海神の奇跡を発生させるための魔翌力の支払いが嵩んできたために少々具合が悪そうだ
怪盗「お任せあれっ!」
彼女は右足で渦潮に飛び込みつつ小人を捕らえ
左足で跳ねて離脱する
- 345 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/03(火) 20:54:06.65 ID:5pr54CEco
- それから一行は捕まえた小人を湖のほとりに運んだ
小人「や……やめて……くれ……」
狙撃少女「待って下さい。私たちはあなたに危害を加えるつもりはありません」
小人「……そうなのか?」
男「あぁ。なぜ逃げたんだ?人間にトラウマでもあるのか?」
小人「>>下1」
- 346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/03(火) 20:55:52.68 ID:45YjCwDtO
- そうです
- 347 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 01:03:28.20 ID:8JzQckKVo
- 小人「そうです」
中華「そりゃ同族が悪いことをしたね」
小人「我々小人族はただこの地底湖で暮らしていただけなんだけど……何十年も前にこの近海で行方不明が多発するってんで濡れ衣を着せられ、乱獲されたんだ」
氷魔「……ひどい話ですね……あの牢獄はそのために……」
小人「もはや小人はほとんどこの地底湖には残っちゃいないけど……なんだってここを訪ねた?」
- 348 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 01:03:59.40 ID:8JzQckKVo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 349 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 19:47:28.21 ID:8JzQckKVo
- やる気「丁度その話だ。この近海で行方不明者が出るというので……その原因を捕まえてやろうと思ってな」
小人「ぼ、僕たちじゃないぞ!?」
ぶりっ子「でしょうねぇ。食べても美味しくなさそうですし」
小人「食べ……!?」
怪盗「あー気にしないで下さい。こっちの話ですから!それで、なんか知りません?この辺に変なやつとか……」
小人「>>下1」
- 350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/04(水) 20:02:50.68 ID:aVrbbrY1o
- そういえばどこからともなく歌が聞こえてくる時があるんだ
- 351 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/04(水) 20:42:13.91 ID:8JzQckKVo
- 小人「そういえばどこからともなく歌が聞こえてくる時があるんだ」
狙撃少女「歌?」
小人「うん」
男「具体的にどの辺か分かるとありがたいんだが……」
小人「多分、檻のほうだと思うよ……僕たちは檻には近付かないようにしてるから、どの檻かは分からないけど」
男「そうか、感謝する」
- 352 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/05(木) 00:37:28.20 ID:3ccNCUk+o
- 一行は湖のある地帯から戻って、
いくつも並んでいる鉄格子を確かめることにした
中華「出入りが多いやつが見分けられればいけそうだけど……」
氷魔「……そんな洞察力は……ないですね……」
やる気「状況や小人の話から考えるならば、いずれかの檻が知らない道へと続いているということだろう」
ぶりっ子「とりあえず一旦全ての檻を見て回りましょう」
- 353 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/05(木) 00:58:43.12 ID:3ccNCUk+o
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 354 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/05(木) 19:34:36.20 ID:3ccNCUk+o
- そのとき、ある一つの檻からすすり泣くような声が聞こえた
檻には誰もいなかったことは確かなので、
一行は不審がってその檻の前まで移動した
怪盗「おや?」
そこには誰もいなかったが、
牢の最奥の壁……そのレンガの隙間から声が聞こえていることが分かった
また、状況的にこれこそが歌ではないか、
数人はそう考えた者もいた
- 355 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/05(木) 20:35:37.78 ID:3ccNCUk+o
- 狙撃少女「……しかし、この中に人が入っていけるものなのでしょうか?」
レンガの隙間はとても狭く、
行方不明になった人物がここを通った可能性は低いだろう
男「だが、こっちから声がするならそれでいい。犯人に会えさえすればオーケーだ」
そう言うと男は力いっぱいレンガを蹴り飛ばす
するとレンガの壁が崩れ、その向こうに>>下1
- 356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/05(木) 20:55:59.69 ID:OIz728lNO
- 妖怪がいた
- 357 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/06(金) 02:31:25.74 ID:cYN54FGxo
- そこには妖怪がいた
その種族は定かではないが、
犠牲者のものとおぼしき人魂をいくつも鳥籠のような物体で保管していることからも妖怪であるように感じられた
妖怪「んん?……?」
中華「ここで何をしている!」
妖怪「お前らには関係のないことだよ」
氷魔「……私たちはあなたに用があるのですがね……」
- 358 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/06(金) 02:34:23.81 ID:cYN54FGxo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 359 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/06(金) 19:47:43.33 ID:cYN54FGxo
- 妖怪「なんだと?」
やる気「……貴様、自分が恨みを買っていないとでも思っているのか?」
妖怪「仇討ちか?」
ぶりっ子「身内がやられた訳じゃないですが……被害を出しているなら、ここで殺します」
妖怪「そりゃ怖いねぇ?。退散退散!」
そう叫ぶと霊体となって一行の合間を抜け、
檻を出て洞穴の入り口の方へと逃げ出した
怪盗「しまった!」
狙撃少女「追いかけましょう!」
- 360 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/06(金) 21:40:20.88 ID:cYN54FGxo
- しかし妖怪の逃げ足は速く、
洞穴の外へと逃げられてしまった
男「まずいな……」
高所から行方を探るために一行は船へと再び飛び乗る
船長「どうした!?……と言いたい所だが、それどころじゃない!あれを見ろ!」
妖怪「居所がバレちゃ仕方ない。まとめてぶっ潰してあげるよ!」
妖怪の高らかな声がする方へと向くと、
そこには見上げる程の巨大な>>下1がいた
1.船幽霊(船型)
2.海坊主
3.自由安価
- 361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/06(金) 21:42:07.47 ID:KWxxTbrNo
- 1
- 362 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/07(土) 03:11:00.24 ID:uUZKfw7Ro
- そこには大型の戦艦もかくやというサイズの巨大な船があった
おそらく船幽霊の類だろう
中華「もしかして、あれが妖怪の正体!?」
男「どうかな。船幽霊の中には、実際に船に化けられるやつもいるから……あれが真の姿じゃない可能性は高いぞ」
氷魔「……とはいえ……あの質量は脅威的です……どうにか対処法を考えないと……」
やる気「正面から破壊……は困難そうだな」
- 363 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/07(土) 04:10:55.88 ID:uUZKfw7Ro
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 364 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/07(土) 19:08:17.10 ID:uUZKfw7Ro
- 船幽霊「ぶっ壊しちゃうよ?!」
船幽霊はゆっくりと、だが確実に、
一行の乗り込む船へと向かってきた
ぶりっ子「燃やしても体当たりされてこっちまで燃え移るのは必至……これヤバくないですかぁ?」
怪盗「デカイのの相手は苦手なんですよ!」
狙撃少女「コアもなさそうですし……ライフルで一撃という訳にもいかなそうです」
- 365 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/07(土) 19:11:41.26 ID:uUZKfw7Ro
- 男「……一か八かだな」
そう言うと男はふらついた足取りで船幽霊に背を向け、
船内へと入っていった
船長「どうした!?」
男「船長がいてくれた方がありがたい。船員を全員集めてくれ!」
船長「……分かった!みんなは食堂だ!」
- 366 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/08(日) 01:51:49.05 ID:l5AG1ttZo
- 二人が勢いよく食堂に入ってきたので、
船員たちは露骨に驚いた
男「船員のみなさん!急いで甲板まで出てきてください!」
船長「船長命令だ!カレーは冷めるやもしれぬが……それどころではないのだ!」
船長が一喝すると、船員たちは慌ただしく動き始める
- 367 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/08(日) 02:24:38.92 ID:l5AG1ttZo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 368 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/08(日) 19:43:48.86 ID:ZrpdFMZzO
- 二人はどうにか甲板に人を集めたが、
船員のほとんどは迫り来る巨大な船にパニック状態だ
船幽霊の位置が都合よく船の正面ではなかったため、
どうにか別方向に船を動かして逃げているが、
追い付かれるのは時間の問題だろう
中華「人を集めてきたってことは……」
男「いよいよ神頼みだ」
船長「神?」
氷魔「……ええ……我々の信ずる神ですよ……」
- 369 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/08(日) 19:59:30.96 ID:ZrpdFMZzO
- 男は船首に登ると、
慌てふためく船員たちに声をかけた
男「みなさん!こうなってはもう神頼みしかありません!!祈って下さい!!」
男はそう呼びかけるが、人形などの一行と接点のあった人物とごく一部の船乗りしか祈ろうとしない
やる気「くっ……」
中華「それなら僕が!」
中華の求心力判定を行います
>>下1コンマ……33以下で成功
- 370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/08(日) 20:00:35.86 ID:LvkObunco
- ヌッ
- 371 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/09(月) 01:06:52.54 ID:rYtIJhhBo
- 中華は必死で人々に呼びかけたが、
それでもやはり混乱は収まらなかった
ぶりっ子「どどど、どうしましょう!?」
男「……海神様ぁぁぁぁッ!!!」
男は全力で叫ぶとともに、両腕を振り上げた
すると、船の両脇に水柱が立った
それにも驚き、船員たちは固まる
海神『ちょっと!?急に力使わないでってば!』
男「すまん……だが、こうするしかなかった。みんな!これが海神様の奇跡だ!みんなで祈るんだ!そうすればさらなる水を呼び、船幽霊を転覆させることもできるだろう!」
- 372 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/09(月) 01:47:14.29 ID:rYtIJhhBo
- 船員A「……なんだか分からないが、祈ればいいんだな!?」
男「誠心誠意祈ってくれよ!」
船員B「当ったり前だ!やらなきゃ死ぬんだろ!?」
男「ああ!みんなの信仰とエネルギーが海神様の権能をさらに高めてくれる!」
実際に奇跡を見せるのが手っ取り早く、
人々にその威光を知らしめることができる
ただしこの場合男がそれを避けた理由も存在はする
- 373 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/09(月) 01:52:15.38 ID:rYtIJhhBo
- 本日はここまでです
ありがとうございました
- 374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/09(月) 12:10:18.27 ID:7Hdq2XTuo
- 乙〜
船乗りって信心深いことが多いんだけどこの世界じゃそうでもないんだな
- 375 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/09(月) 20:16:22.82 ID:rYtIJhhBo
- すみません遅れました
しかし、海神の力を封じていた理由に言及されることもなく、時間は進んでいく
怪盗「よし、私たちも祈りましょう!」
その言葉を皮切りにギルドのみなも祈り始める
祈りやそれぞれの魔翌力が一点に集中していく
男「……よし!力を解放……あるいは顕現せよ!海神様よ!!」
- 376 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/09(月) 20:49:56.87 ID:rYtIJhhBo
- 祝詞の代わりとなるそれを男が高らかに叫ぶ
叫びすぎで明らかに声がガビガビになっているが、
構わず絶叫すると淡く発光する海神の姿がそこに現れた
海神「祈ってくれるのは嬉しいけど!あなが無茶しないで下さい!!」
男「あぁ……すまん……」
船幽霊「……ん?」
海神はマストの見張り台に瞬間移動すると、
へりに脚をかけて冒険家のようなポーズで船幽霊を指す
海神「あなたが船幽霊ですね!?あなたが人々を喰らっているのは男の中から確認させてもらいました!容赦はしませんよ!」
- 377 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/09(月) 22:45:39.73 ID:rYtIJhhBo
- 船幽霊「はーっはっはっは……お前が船に乗っている限り、私に勝つことはできないねぇ!」
船幽霊は蒸気船のようなうなりを上げて、
さらに速度を増す
海神「それはどうでしょう?あなたが海上にいる限り、私に勝つことはできませんよっ!」
船幽霊「何を言うか小娘!」
海神「じゃあ、見せてあげましょう!……『彼岸に帰るがいい!邪なる怪異よ』!!」
- 378 : ◆cUhskXlNTw :2023/10/09(月) 22:50:34.13 ID:rYtIJhhBo
- 海神が魔法のように文章を唱えると、
突如として水面がささくれ立ち、
無数の槍のように変化して船幽霊を貫いた
船幽霊「なんだとぉぉぉ……!」
海神「うふふ、いい気味です。私、産まれて初めて怒っているので。すっきりしましたよ!」
船幽霊「ああ……水が入ってくる……昏き底へと招かれる……」
海神「……おっと!あなたを海底に返すことはできませんね!海難事故で死んだ霊が大体あなたのような妖怪の元であるので、ここで祓ってしまいましょう!」
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