【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その3だよ」【×影牢】

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778 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/07(金) 23:53:18.98 ID:eOSul5Hco
続きです。

今回はちょっと【影牢〜もう一人のプリンセス】要素が出てきます。
779 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/07(金) 23:54:04.17 ID:eOSul5Hco

 * R提督鎮守府内 会議室 *

飛鷹「みなさんこちらへどうぞ。H大将閣下、R提督麾下の飛鷹が、提督をお連れしました」コンコンコン

H大将「入ってくれ」

飛鷹「失礼いたします」チャッ

提督「よう。H大将も来てたのか」

H大将「……お前は相変わらずのようだな」

提督「まあな。俺がニコヤカな笑顔浮かべて仰々しく『よろしくおねがいいたします』なんてほざいたら気持ち悪いだろ?」ククッ

H大将「否定はしないが、それをお前自身が言うな」アタマオサエ

提督「まあ、俺みたいな見た目若造にタメ口利かれんのは面白くねえとは思うが、変に取り繕うのも今更って感じだしな。大目に見てくれ」

H大将「ふん……まあいい。俺も同じようなものだからな」

不知火「H大将閣下、ご無沙汰しております」ケイレイ

リ級「フーン、アイツガ、姫様ノ言ッテタ、話シ合イニ参加シテタ人間カ……」

北上「やっほー、提督久しぶりー。重巡の深海棲艦も連れてきちゃったんだ?」フリフリ

大井「北上さん!? そんなに砕けた挨拶して大丈夫なんですか!?」ギョッ!

提督「ああ、気にしなくていいぞ、俺はそのほうがいいし。北上は元気そうだな、霰たちも元気か?」
780 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/07(金) 23:54:46.96 ID:eOSul5Hco

北上「うん、今日は二人も一緒に来てるよ。今はR提督たちのお手伝いに回ってるけど、もうすぐこっちに来るんじゃないかな」

提督「そうか、とりあえず元気なら何よりだ。それにしても、H大将は急な話だったのに、よく来れたな? 呉に行ってたんだろ?」

H大将「お前が来るとなれば、来ないわけにはいかんだろう」

H大将「今のお前は良くも悪くも超重要人物なんだ、少しは自分の立場を理解して行動してもらいたい」

H大将「そういうお前こそ、人間嫌いを公言しておきながら、突発的とはいえまさか舞鶴に姿を見せるとはな。しかも、深海棲艦を連れて」

提督「J少将とK大佐んところの艦娘をあちこちに割り振るって聞いてな。どんな奴らが引き取るのか、見に来たんだ」

H大将「それだけのために、ここに顔を出したのか」

提督「そいつらの中に『あいつら』とつながってる奴らがいるとしたら、それを見逃すわけにはいかねえからな」

H大将「なるほど、だからこそ、か」

提督「J少将とK大佐の部下だった艦娘を引き取るんだ。あいつらとしても、動向を気にする奴はいるんじゃねえか?」

H大将「そうであっても、簡単に尻尾を出すとは思えんぞ。判別する方法があるのか?」

提督「まあな。詳しくは言えないが、つながってるかくらいは見てわかるぜ」

H大将「そいつも、魔神の力というやつか?」

提督「そういうこった。内緒に頼むぜ?」ニヤリ
781 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/07(金) 23:55:32.61 ID:eOSul5Hco

H大将「まあいい。で、その深海棲艦は、どういう意図があって連れてきたんだ?」

提督「こっちの鎮守府がどんなものか……まあ、興味本位みたいなもんだ。あとは、俺がこういう立場だってことを知ってもらうためだな」

北上「そういう意味ではインパクト抜群だったねえ」

リ級「……」ジーッ

提督「? どうした?」

リ級「アノ雷巡」

大井「!」

リ級「相当、ヤルヤツダナ」

提督「……興味あるのか?」

大井「な、なによ……やるっていうの!?」

リ級「イヤ、絶対ヤダ」

大井「」ガクッ

提督「嫌なのかよ」

リ級「ヤッタラ、オ互イ、タダジャ済マナイハズダカラ。ソレニ、提督ハ、余計ナ戦イハ、シタクナインダロウ?」

提督「まあ、そりゃそうだけどよ」

大井「な、なんなのよ、もう……びっくりさせないでよ」
782 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/07(金) 23:56:17.08 ID:eOSul5Hco

リ級「……ヤッパリ、縄張リノ外ノ世界ヲ見ルノハ、イイコトダナ。強力ナ艦娘ノ存在ヲ知ルトイウノハ、重要ダ」ウンウン

北上「おお〜、なんか一目置かれてるよ、すごいね大井っち!」ヒトミキラキラ

大井「き、北上さんに言われると照れますけれど……なんだか複雑です」

H大将「そうだな。変に目をつけられても困る」

提督「そうか? 戦いたいわけじゃねえって言ってんだが」

 扉<コンコン

隼鷹「隼鷹でーっす、入りまーす!」

飛鷹「ちょっと隼鷹!? 大将閣下がいらっしゃるのよ!? もうちょっと慎ましやかにできないのっ!?」

リ級「ナァ……アイツモ少シ、ウルサクナイカ?」ヒソヒソ

大井「……もう、なんで深海棲艦に指摘されてるのよ」アタマオサエ

H大将「……入ってくれ」アタマオサエ

隼鷹「失礼しまーす!」チャッ

R提督「失礼いたします! おや、提督もこちらにいらっしゃっていましたか」

飛鷹「もう、隼鷹ったら……R提督からもちゃんと注意してください!」
783 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/07(金) 23:57:02.65 ID:eOSul5Hco

満潮「失礼しま……! て、提督も来てたのね……!」

霰「んちゃ……」

提督「よう。満潮も霰も元気そうで安心したぜ」

荒潮「あらぁ、この人が噂の深海棲艦と一緒に暮らしている提督ね? 私、H大将の部下の荒潮です」

提督「おう、よろしくな。満潮たちと制服が似てるな、お前も朝潮型か?」

満潮「そうよ、荒潮は朝潮型の4番艦なの。こっちに来てからは、荒潮にいろいろ教えてもらってるわ」

提督「そうか。ふたりが良くしてもらってるなら言うことはねえ。これからもよろしく頼む」

荒潮「ええ、こちらこそ、よろしくお願いしますね〜、うふふっ」

リ級「……アイツモ、カナリ、ヤルヤツダナ」ボソッ

不知火「そうですね……」ウナヅキ

満潮「って、あんた重巡の深海棲艦も連れて来てたの!?」ギョッ

霰「びっくり、されなかった?」クビカシゲ

提督「まあ、それなりにされたな。けど、俺のスタンスを知ってもらうにはこれ以上ないだろ」

霰「ふぅん……リ級さんも、おつかれさま」

リ級「初メテ、ネギラッテモラエタ! オマエ、イイ子ダナ!」パァッ!

大井「あんなに表情豊かな深海棲艦、初めて見るわ……」

荒潮「本当ですねぇ」
784 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/07(金) 23:58:01.73 ID:eOSul5Hco

R提督「ひとまず準備が整いましたので、私はこれから艦娘の引き渡しの候補となる提督とその秘書艦を、こちらに案内いたします」

R提督「本来はすぐに会場へ通す予定でしたが、提督がいらっしゃるということで、一時的に別の部屋に集まって待機してもらっています」

隼鷹「それじゃ早速呼びに行ってきますかぁ! あ、何人ずつ呼んだらいいかな?」

H大将「出来ればひとりずつ通してくれ。他の提督がいると話しづらいことがあるかもしれん」

R提督「承知しました、隼鷹!」

隼鷹「任務了解! 行ってきまーす!」タタッ

飛鷹「隼鷹!? H大将閣下の御前だって言ってるでしょ!?」

H大将「……まあ落ち着け。余所で見た隼鷹や、あの艦娘に比べたらまともだ。うるさくしなくていい」

飛鷹「よ、よろしいんですか……?」

大井「余所の隼鷹さん……ああ、先日あの鎮守府で見た、あの酔っ払いまくりの」ウヘェ

荒潮「そこにいたPolaさんも、すごかったですよね〜。全裸でワインボトル抱えて歩いてたのは驚きました〜」

提督「なんだそりゃ……ポーラ? 海外艦か?」

大井「イタリアのZara級重巡洋艦娘です。なんでもお酒が入ってない日はないほどのお酒好きだそうで」

大井「彼女にはZaraという姉妹艦……ネームシップである姉がいるそうなんですが」

大井「その鎮守府にZaraさんがは着任していないためか、制御が利かないというか、自由を満喫しすぎてるというか」アタマオサエ
785 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/07(金) 23:58:46.68 ID:eOSul5Hco

提督「……ブレーキ役の姉妹がいなくて、好きに呑んだくれてるってか」

大井「彼女にお酒を控えるよう、鎮守府全体で抑え込もうとしたところを、そこの提督の秘蔵の数本を見つけられご機嫌に……」

大井「というのが、その鎮守府の秘書艦の言い訳でした」

提督「艦娘にもそういうとんでもない奴がいるんだな……けど、さすがにそいつは極端すぎる例じゃねえか?」

提督「下の下とも言えるそいつと今の隼鷹を比較されてマシとか言われてもなあ」

大井「まあ、そう言われてみればそうですね。とはいえ、私たちが出会う余所の隼鷹さんは、だいたいいつもお酒が入ってますし……」

提督「マジか……」

R提督「私どもの隼鷹も、私が処分される以前は、ちょっと怪しいところはありましたね……お恥ずかしながら」

飛鷹「まあ……そうね。今でこそ自制してるけど、以前の隼鷹もお酒にだらしなかったから……」ウーン

提督「酒が入ってんのが平常運転なのかよ」

H大将「……あの隼鷹も、あの島で生活していた一人だな? 何があったか、あとで教えてくれるか」

提督「それはできれば本人から聞いてくれ。余所の隼鷹や酒飲み艦娘の対応の参考にしたいんだろう?」

提督「俺が話すよりも、あいつ自身がどういう心境だったか、って面で正確な話が聞けるはずだ」

提督「それに本人不在で勝手に俺がべらべら話すのは、あいつにとっても心証がよろしくねえだろ」

H大将「……変なところが律儀だな、お前は?」

提督「そうか?」
786 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/07(金) 23:59:31.75 ID:eOSul5Hco

大井「H提督、それより面談の段取りを説明しませんと……」

H大将「ん、そうだな。と言っても、提督は俺の隣で基本何もせず座っていてくれればいい」

提督「それでいいのか?」

H大将「お前の見立てて怪しいと思ったときに俺に声をかけてくれ」

H大将「提督は見た目が若いから、俺が連れてきた下士官のふりをしても怪しまれんだろうし、お前もお前で目立ちたくはないんだろう?」

提督「……まあ、そうだな。わかった、俺は基本口を出さないことにするぜ」

H大将「不知火とリ級は、後ろの衝立の陰に隠れててくれるか? この場で不用意に深海棲艦が姿を見せたのでは混乱するだろうからな」

不知火「承知しました。リ級さんもよろしいですか」

リ級「……ワカッタ。従オウ」


 * *


飛鷹「これで6組中、3組の面接が終わりですね」

H大将「どうだ、怪しい奴はいたか? ずっとだんまりなところを見ると、そういうことはなさそうだが」

提督「いまのところはそうだな。まあ、普通に新米っぽい若い奴ばかりで、違う意味で艦娘を任せるのが心配だけどよ」

 扉<コンコン

H大将「入ってくれ」
787 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:00:17.56 ID:0p8QtWGlo

隼鷹「失礼しまーす! 止准尉をお連れしましたー!」ガチャッ

提督「止准尉……あいつが?」

止准尉「……失礼、します」

山城(止准尉の秘書艦)「失礼します……」

提督「……若えどころじゃねえな。ありゃ中学生か?」

大井「いいえ、今年二十歳になるそうですよ」

提督「夜が怖くて夜戦するなと言われてその命令に背いた川内たちを追放したのが2年くらい前だ。高校にいる間に提督になったのか?」

大井「いえ、そうではなく……」

提督「あ、悪い。その辺の事情は、聞かなくても、俺が視れば良かったんだ」メヲトジ

大井「は?」

提督「……ふーん……ん? これは……」

H大将「どうした?」

提督「……なんであいつが、そんなこと知ってんだ?」

H大将「……なにかあったのか」
788 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:01:16.92 ID:0p8QtWGlo

提督「ああ、本当ならちょっと良くねえな。範囲広げて探ってみるか……」

止准尉「……」

山城「あの……一体何の話なんですか」

H大将「ん? ああ、悪いな。とりあえず座って、ちょっと待っていてくれ」

山城「そうですか……呼び出されて待たされて、何の話かと思ったら、また待たされるなんて……」

山城「ただのお食事会と聞いていたのに、不幸だわ」ハァ

止准尉「……」

提督「……」

大井「さっきからずっと目を瞑って……なにをしてるんですか?」

H大将「まあ待て、様子を見よう」

提督「……」

リ級「……提督ハ気付イテイルヨウダガ、部屋ノ外カラ嫌ナ臭イガスルナ」

不知火「外?」

荒潮「……! 大井さん」ヒソッ

大井「荒潮も気付いたの? 誰かいるのね?」ヒソヒソ
789 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:02:01.88 ID:0p8QtWGlo

隼鷹「あ、確かになんか気配するね?」

飛鷹「隼鷹!」シーッ!

提督「……」

リ級「提督。私ガ出ヨウカ?」

提督「大丈夫だ、まあ任せとけ」

 <ウオッ!?

H大将「!」ガタッ

大井「部屋の外から!?」

提督「飛鷹! そこのドアを開けろ!」

飛鷹「えっ!? は、はい!」ガチャッ

奇妙な仮面をかぶった男「ウグブブブ!!」ヨタヨタ

飛鷹「ひっ!?」

隼鷹「うわっ、なにこれ!?」

不知火「あれは……!?」
790 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:02:46.96 ID:0p8QtWGlo

提督「スクリームフェイスってやつだ。よし、お前ら全員動くな!」

 UFO<プワワワワ…

男「う、うわああ!? なんだなんだ!?」フワー

大井「え、えええ……? UFOが男の人を連れてきたんだけど……なにあれ」

不知火「部屋の中に入ってきましたが、いいのですか?」

提督「ああ、問題ねえ」

 ダツイクローゼット<バコン!

荒潮「えっ、あんな衣装棚、この部屋にあったかしら」

 ダツイクローゼット<バクン! ガタガタ…

大井「男の人が飛んで入って……中に閉じ込められてる!?」

霰「人食い衣装箱……」ゾッ

 ダツイクローゼット<ペッ!

男「ぐえっ!!」ベチャッ

飛鷹「ちょっ、なんで下着一枚になってるのよこの人!?」

 サラシダイ<ガシャッ!

男「ひいいっ!?」ガシャッ!!

提督「捕獲成功……これで良し」
791 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:03:33.74 ID:0p8QtWGlo

飛鷹「……い、いったい、なんなんですか!?」

H大将「こいつが魔神の力というやつか」

提督「あまり人に見せたくねえが、あいつらにつながってる手掛かりだ。出し惜しみはしていられねえ」

リ級「提督、メディウムハ、ドウシタ? 連レテキテナイヨナ?」

隼鷹「っていうか、こんな罠のメディウムいたっけ?」

提督「こいつは俺の力だ、まだメディウムにしてないやつだな。さてと……」スクッ

提督「舌を噛まれても面倒だ。とっととこいつの頭の中身を吸い出すか」アタマツカミ

男「な、なにを……ひぐっ!?」

提督「……」

男「ぐ、ぎ、ぐぇぇ……お、おっご、おほぉっ!?」ビクビクッ

北上「……頭の中を吸い出す? って……」

満潮「そんなことできるの!?」

提督「なんだこいつ、ろくな情報持ってねえな。下っ端もいいとこじゃねえか、つまんねえやつだ」
792 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:04:21.17 ID:0p8QtWGlo

不知火「何が目的だったんです?」

提督「止准尉があることについて喋ってないか、見張り目的で来たらしいな」

止准尉「……!」

提督「盗聴器やレコーダーも用意してたみたいだ。たったいま服と一緒にぶっ壊しちまったけど」

H大将「なんだと? 何を盗聴していたか記録は取れんのか」

提督「あー……どうだろな、破片で良ければこの辺に散らばってるが……ただ、止准尉はこいつの前では一言もしゃべってねえみたいだな?」

男「う、うげええ……」ガクガク

提督「さてと、こいつどうする? 始末していいならこのまま俺が殺っとくぞ」

H大将「簡単に始末などと言うな。そいつの身柄は海軍で預かる」

提督「そうか。なら断っておくが、こいつの頭の中身をまさぐったときに、ちょっとあちこち壊しちまってな」

H大将「なに?」

提督「嘘が付けない可哀想な頭にしちまった。まあ許せ、あんたたちにも都合がいいだろ」

H大将「……」アタマカカエ

山城「さ、さっきから何なのよ一体……何の話なの!? しかも、そっちに隠れてるの、深海棲艦じゃない!」アオザメ

リ級「ア、ヤバ。気付カレテタカ」

提督「心配すんな、と言いたいが、まあ状況が状況だしなぁ……」
793 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:05:16.98 ID:0p8QtWGlo

隼鷹「んじゃ、私が簡単に説明するよ。この人はねえ……」

 * *

山城「……この男が、深海棲艦と一緒に離島で暮らしてる、ですって……?」

隼鷹「そういうこと。私も一時期、その島で提督にお世話になってたから、安心していいよ〜」

リ級「私ハ、コノ男ト一緒ニ、島カラ来テヤッタンダ」ドヤッ

山城「なんでそんなに偉そうなのよ……」

H大将「この男がここに来たのは、今後艦娘を任せるのに問題ない人物かどうかを見極めるためであり……」

H大将「そして、艦娘の保護を邪魔する者がいないか、いればそいつを捕縛するためだ。結果として、見事不審者が捕まったわけだが」

提督「この鎮守府の敷地の外に協力者がいたようだが、逃げたみたいだな。盗聴器を壊されたことに感付いて警戒したのかもしれねえ」

R提督「そんなことまでわかるのですか……」

提督「大まかに、だけどな。だいたい似たような気配を放ってるから、俺の『眼』の届く範囲にいればギリわかる」

提督「それよりH大将、悪いが止准尉と山城の衣服と艤装、それから身の回りのものを洗ってくれるか? ないとは思うんだが念のためだ」

H大将「……わかった。荒潮、今朝話しておいた部屋まで、ふたりの案内を頼む」

荒潮「は〜い、わかりました〜」
794 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:06:01.86 ID:0p8QtWGlo

山城「はぁ……今日はとことん不幸だわ。提督、行きましょ……」

止准尉「……」

H大将「北上はこの侵入者を別の部屋に連行してくれ。頼めるか」

北上「はーい。あ、一応、霰も一緒に来てもらっていい?」

霰「はい……!」

北上「んじゃ、連れてくねー」ヒョイッ

男「ぐえっ」カカエラレ

 スタスタ…

H大将「やれやれ、嫌な予感は当たるものだな……」

提督「なんだ、予見できてたのか?」

H大将「貴様が来ると聞いた時点で、何か起こりそうだと薄々思っていた。とにかく、止准尉からはあとでゆっくり話を聞くとしよう」

満潮「ねえ提督、さっき洗うって言ってたけど……それって、あのふたりにも盗聴器が仕掛けられてるって思ったの?」

提督「いや、おそらく止准尉たちの衣服とかには、仕掛けられてないはずだな。じゃなきゃわざわざ侵入者が見張りに来るはずがねえ」

提督「ただ、止准尉があの通りだんまりだったからな。ありゃ自分たちが監視されてることを自覚してたからこそだと思ってる」

提督「となると、誰にも話せず抱え込んでいたんだろう、警戒心を解くためにもやっといた方がいいなって思ってたんだ」

満潮「ふーん……そういう判断なら、確かにやっておいた方がいいわね」
795 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:06:46.79 ID:0p8QtWGlo

H大将「ということは、ここへ申し込んできた目的も、艦娘の補充ではなくこの件を誰かに伝えるため、助けを求めて、と見るべきだな?」

提督「そうだな。臆病者が、臆病者なりに勇気を出してここに来たってことなんだろう」

R提督「……すみません、そうだとすると、この申込書の名前は……」ペラリ

H大将「ん? この名前……しばらく休職すると申し出のあった提督の名前だな」

H大将「さては、R提督がしばらく舞鶴から離れてたのをいいことに、わからないと思って余所の鎮守府の誰かの顔と名前を借りたか」

提督「ってことは、普通に招き入れていたら、H大将が気付いてたんじゃねえか?」

H大将「その前に逃げていたかもしれんぞ。あくまで目的が止准尉の監視であるならな」

R提督「……H大将閣下と提督にご足労いただいて、本当に良かった……私だけだったらどうなっていたことか。本当にありがとうございます」

飛鷹「それよりR提督、艦娘引き渡しで待たせている提督が、あとひとりいらっしゃいます」

H大将「よし、一応そいつの顔も見ておくか……なんだ、海外の泊地から来たのか?」ペラリ

R提督「はい。どうしても融通して欲しいとのことで、申し込みがありまして」

飛鷹「早速お呼びしますね」

提督(……ん? なんだこの厭な寒気は)ゾワリ
796 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2025/02/08(土) 00:07:35.75 ID:0p8QtWGlo
と言うわけで今回はここまで。
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/02/08(土) 00:27:45.93 ID:4eBspP6m0
おつやで
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