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【艦これ】提督「鎮守府が罠だらけ?」ニコ「その3だよ」【×影牢】
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748 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 22:56:46.07 ID:FOj89Oplo
今回は、最近の提督と、その能力について。
ちょっと閑話休題的なお話です。
749 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 22:57:31.56 ID:FOj89Oplo
* 数日後 *
* 墓場島鎮守府 執務室 *
提督「はぁ……」
霞「何よ、その溜息は。しゃきっとしなさい、しゃきっと」
提督「そうは言うけどよ……ろくに寝てねえんだぞ。来週も政府との会談控えてるっつうのに、毎晩誰かしら相手させられて……」ポ
霞「……」
提督「すげえんだぞあいつら。体がっちり抑えつけられて、何が何でも離れようとしねえし……」セキメン
霞「……」
提督「やっぱあいつら化け物だ……それを相手できてる俺も化け物だ……つうか、化け物じゃねえと生きてられねえ」カオマッカ
霞「……この……」
提督「ん?」
霞「このクズがぁぁぁああ!!」ドロップキック
提督「ぐあ!?」ゲシーッ
霞「なんて話をしてんのよ!! あんた自分が何を喋ってたか理解してる!?」ミミマデマッカ
提督「……ああ!」
霞「いま気づいたみたいなリアクションしてんじゃないわよっ!!」
750 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 22:58:16.37 ID:FOj89Oplo
提督「マジやべえな俺……感覚麻痺してるじゃねえか。俺の羞恥心、どこに置いてきた?」アオザメ
霞「一応はそういう危機感持ってるのね。完全に向こう側に行ったのかと思ったわ」ハァ…
提督「そりゃ、エロなんて大っぴらにしていいもんじゃねえからな……マジで悪かった。こりゃ俺も敷波に叱られるな」ウナダレ
霞「まあ、そうね。あんたですらそうなんだもの、みんながそういう話を吐き出せる場所を作ってあげないと……」
提督「なんか問題あったのか?」
霞「あったに決まってるわよ! あんたのせいで! あんたがそういうことを許容したから、その手の話をしたがる人が増えてるのよ!!」
提督「……」アタマカカエ
霞「キス程度の話ならともかく! 夜がどうだったとか、あんたの……その、ゴニョゴニョ……がどうだったとか!」セキメン
霞「食堂みたいなみんながいる場所で、そういう話で下手に盛り上がられると困るのよ……!」
霞「特に赤城さんとか! めちゃくちゃ顔を真っ赤にしてて、見てらんないっていうか、いたたまれない感じなんだから!」
提督「マジか……そりゃよろしくねえな。そういう話は、さすがに時と場所を選ばねえと……」
早霜「ないなら作りましょうか」ヌッ
提督「うお!?」ビクッ
霞「きゃっ!? い、いきなり現れないでよ!!」ビクッ
早霜「フフフ……ごめんなさいね」
提督「いつから潜んでやがった? ……いや、まあそれはいいや」
霞(深入りを避けたわね……)
751 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 22:59:00.84 ID:FOj89Oplo
提督「早霜、なんかいいアイデアがあるのか?」
早霜「はい。バーを作るのはいかがでしょう」
提督「……バー、ねえ」
早霜「静かで落ち着いた雰囲気の中でお話していただくには、相応しいと思います。無論、そういった席にはお酒も付き物でしょうし」
早霜「飲み屋のスタイルでは騒々しくなることが容易に想像できますので……しっとりとしたムードで語り合えば、騒々しくはならないかと」
霞「そうね……そういうことが好きな人は、そっちに行ってもらえると助かるわ。騒々しくなることは避けられない気もするけど?」
提督「やれるんなら任せたいけどよ。店主は誰に頼むんだ?」
早霜「それは私が。憧れていたんです……バーテンダーに」
提督「お前の希望でもあると?」
早霜「はい」ウナヅキ
提督「そういうことなら進めようぜ。お前が店主なら、お前のルールに従わせよう」
霞「それじゃ、早速場所を手配しないと。上下水道の準備も必要でしょ」
提督「ああ。取り急ぎ、明石とタチアナと泊地棲姫に声をかけるか」
神殿の扉<バーン!
リサーナ「面白そうなお話、聞いちゃったぞーぅ!」ピョーン!
霞「な、なに!? 次はなんなの!?」
752 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 22:59:46.54 ID:FOj89Oplo
提督「何しに来たんだリサーナ……」
リサーナ「うふふっ、ハヤシモちゃんだったかなー? このバニーさんがあなたのお店のお手伝い、してあげてもいいわよ〜?」
提督「いくらなんでも話が早すぎねえか。この部屋、盗聴器でも仕掛けられてんのか?」キョロキョロ
リサーナ「あら、リサーナちゃんはちょっと耳がいいだけよ〜? マスターのこととなればなおさら! ぜーんぶ聞き逃さないんだから!」
早霜「……司令官」
提督「ん?」
早霜「採用したいのだけれど、いいかしら」
リサーナ「キャー! 雇ってもらえるのぉ!? ありがとー!」ハヤシモニダキツキー
霞「ちょっと、いいの? 判断早すぎじゃないの!?」
提督「いや……確かに即決過ぎるが、意外と適任じゃねえか?」
提督「バーにいてもまあまあ不思議じゃねえ恰好だし、早霜ひとりで店を回せるかってのもあるしな」
リサーナ「さっすがマスター! 理解があるマスターで嬉しいわー!」テイトクニダキツキー
提督「お、おい、抱き着くな」
リサーナ「えー? いいじゃない、マスターと私の仲なんだし!」グイグイ
提督「そうじゃなくてだな……」セキメン
753 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 23:00:30.72 ID:FOj89Oplo
リサーナ「もう、マスターったらそんなふうに腰を引かなくても……あ」
霞「?」
早霜「ああ。司令官の主砲の仰角が」
霞「なにやってんのよこのクズがあああああああ!!!」ウシロマワシゲリ
提督「うおっ!?」カイヒ
リサーナ「きゃっ!?」
霞「避けてんじゃないわよ! 一撃入れさせなさい!」ヒャクレツキック
提督「リサーナまで巻き込んで蹴ろうとすんじゃねえよ! しかもどう見ても一撃じゃねえし! ここ最近マジで足癖悪ぃなお前!」ガード
早霜「霞さん、ごく一般的な男性の生理現象にそこまで怒るのは、少々行き過ぎではないでしょうか」
霞「時と場合を考えたら怒るべきよ!」
早霜「それから、そのように足を高く振り上げては、あなたの下着が見えてしまうと思うのですけれど」
霞「!!」マッカニナッテスカートオサエ
リサーナ「あー、そっかあ〜。マスターったら性欲らしい性欲がなかった、って、みんなによく言われてたものねぇ」
リサーナ「それであの子も安心して、足技を繰り出してたわけね? んもう、マスターったら罪づくりなんだからあ」
霞「……」プルプルプル
754 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 23:01:17.74 ID:FOj89Oplo
提督「俺は何も言ってねえし見ようともしてねえぞ……つっても、こういうのは理屈じゃねえしなあ」
提督「霞がブチ切れる前に対策するか。要は、男の体が反応しなきゃいいんだろ」
ズズズズ…
提督→女提督「……これでどうだ?」
リサーナ「!?」
霞「!?」
早霜「……なるほど、物理的にアレをなくしたと言うことですか」
女提督「ああ。体形は俺のおおもとになった深海棲艦準拠だが、そこまで不自然じゃねえよな?」
女提督「とりあえずこの姿なら、体がそういうもんに反応することもねえだろ。ちょっと慣れねえが、執務に支障は出ないはずだ」
早霜「良いのではないでしょうか。皆さんがその姿に納得してくださるかどうかは別ですが」
リサーナ「うーん、髪型はベリーショートのままかあ……似合ってるとは思うけど、伸ばしたほうが可愛いよ〜?」ホッペツンツン
女提督「別に可愛くするのが目的じゃねえからな。霞もこれで安心だろ?」
霞「……」アングリ
女提督「くっそ驚いてるな……」
霞「っ……ちょっと! 女になったんなら言葉遣いには気をつけなさいよ! くそとか言うのは禁止よ! 禁止!!」
女提督「なんでだよ面倒臭え……中身は変わってねえんだぞ」
755 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 23:02:00.95 ID:FOj89Oplo
リサーナ「……」
モニュ
女提督「!?」
リサーナ「うーん、お胸も控え目ねえ?」モニュモニュ
女提督「そ、そんなのはどうでもいいだろ!? 離れろおい!」セキメン
扉<コンコンコン ガチャー
リンメイ「師父ー! ワタシ新しいメガバズソーのワザ開発したカラ見て欲しアナタ誰ヨーーーー!?」ズギャーン!
女提督「ん? リンメイか? ここに来るなんて珍しいな」
初春「む……? 貴様、もしや提督か!?」
深海海月姫「ドウシタノ、ソノ姿」
リンメイ「ちょと待つヨロシ! なんで師父、女になたか!?」オロオロ
リサーナ「女の子に抱き着かれてもぉ、オトコノコの部分が反応しないように、ってことらしいわよー?」
リンメイ「なんでそんな話になたヨ! 理解デキナイネ!」アタマカカエ
初春「……ふむ、まさか貴様がその姿になろうとはのう」
深海海月姫「思ッテタヨリモ、可愛イワネ」
女提督「可愛いとか言うな、くすぐってぇ」アタマガリガリ
756 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 23:02:45.78 ID:FOj89Oplo
初春「髪は伸ばさぬのか? 似合うと思うがのう」
女提督「別におしゃれしたくてこの姿になったわけじゃねえからな。俺が男であるために起こり得る弊害を未然に防ぐためだ」
初春「ふむ、そうであったか……のう、提督よ。少ししゃがんでもらえんかの」
女提督「? なんだ?」シャガミ
初春「よいせ、と」ダキツキー
女提督「!?」
霞「!?」
初春「このままわらわを持ち上げてみるんじゃ」
女提督「な、何言ってんだお前」
初春「良いから頼む」
女提督「……」ヒョイ
初春「……うむ、悪くない。背丈も似ておるし、長門も不在。わらわが疲れた折には、こうしてもらおうかのう……」スリスリ
女提督「長門の代わりかよ……」セキメン
757 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 23:03:31.27 ID:FOj89Oplo
深海海月姫「提督」ズイ
女提督「……お前はどうした」
深海海月姫「前カラ思ッテイタケレド、アナタ、女ノ子ノ姿、可愛イワ」ピトッ
女提督「」
深海海月姫「デキレバ、ズットソノ姿デ過ゴシテモラエルト、嬉シイノダケレド」ギュ…
女提督「」
リサーナ「なんか、想定してたことと逆効果になってない?」
早霜「そのようですね……フフフ」
霞「……」アタマカカエ
ズズズズ…
女提督→提督「……」
初春「む? どうして戻ってしまうんじゃ!?」オロサレ
深海海月姫「残念……ドウカシタノ?」
758 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 23:04:16.19 ID:FOj89Oplo
提督「いや、いろいろとおかしいだろ。なんで俺が女の姿なのに引っ付いてくるんだよ」
初春「わらわはそれで良いと思うておるが?」
深海海月姫「私、可愛イモノハ好キヨ?」
提督「……おい霞」アタマカカエ
霞「諦めなさい。あんたはそういう星のもとに生まれたのよ」トオイメ
提督「……」
早霜「司令官、現実逃避も結構ですが、バーの新設についてはよろしくお願いしますね」
提督「くそ、わかったよ……つうか現実逃避って言うな。逃げてんのは霞も一緒だろ」
霞「誰も逃げてないわよっ!?」
リンメイ「師父が男でなくなたら、師父を師父と呼べないネ! 師母か? 師姉か? ワタシなんと呼べばいいかー!?」アイヤー!
リサーナ「マスターなら、もうもとに戻ってるわよ〜?」
759 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2024/10/12(土) 23:05:00.73 ID:FOj89Oplo
短いですが、今回はここまで。
760 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2024/12/20(金) 08:12:51.39 ID:OK09/+WcO
ほしゅ
761 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:01:33.68 ID:JxF4gpdbo
長らくお待たせしました、続きです。
登場人物が勝手にごちゃごちゃ動き回って、まとめるのが大変でした……。
762 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:02:19.18 ID:JxF4gpdbo
* 数日後 *
* 墓場島沖 海軍巡視船内 会議室 *
R提督「お久し振りです、提督」ケイレイ
提督「よう。堅苦しい挨拶は抜きで頼むぜ」
不知火「皆さん、お元気そうで何よりです」ケイレイ
隼鷹「久し振りだねえ、元気だった〜? 不知火は相変わらず真面目だねえ」ヒラヒラ
飛鷹「ちょっと隼鷹、あなたこそ真面目にしなさいよ! すみません提督、隼鷹が失礼な……」
隼鷹「飛鷹、大丈夫だって! 提督は普通に接してた方がいいんだよ〜」
飛鷹「あなたねえ……」
提督「いやいや、隼鷹の言う通り、楽にしてくれていいぞ。俺もこうなんだ、お前も逐一目くじら立てるのも面倒臭えだろ?」
飛鷹「そ、そういうことでは……というか、めんどうって」アッケ
不知火「飛鷹さんもどうかお気になさらず。司令は攻撃的でない限り、相手の態度に頓着しない方ですので」
隼鷹「それで提督、あたしたちがここに来た時点で、ある程度は察してくれたと思うんだけど」
提督「ああ、隼鷹たちも舞鶴だったんだよな。ってことは、矢矧たちの新しい提督になるのがR提督ってことになるんだな?」
R提督「はい、改めて私からご報告いたします。J少将とK大佐の配下の艦娘を、私どもが引き取ることになりました」
763 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:03:03.55 ID:JxF4gpdbo
R提督「先日この島に来ていたという阿賀野型や衣笠、そして彼女たちと仲の良い秋月型は我々の艦隊に編入する予定です」
R提督「理由は聞いていませんが、彼女たちからはこの島への往来を許可して欲しいという話を聞いています」
R提督「それならば、この島のことを知っている隼鷹もいる、私たちの鎮守府に来たほうが都合も良いでしょう」ニコ
提督「いいアイデアだけどよ……思ったんだが、本当にそれで良いのか? あんたたちを散り散りにして僻地へ飛ばした奴の部下だろ?」
R提督「それはあくまで私の落ち度ですので。それに、彼と彼の部下は別人です。何から何まで同じと言うわけではないでしょう」
R提督「勿論、我々の方針に賛同できない艦娘もいるでしょうから、その場合は、別の提督のもとへ行ってもらうことになりますが」
提督「舞鶴の中でも艦娘を率いてる提督が何人かいるんだよな? そっちに行かせるってことか」
R提督「はい。正直なところ、私がすべての艦娘を引き取るには少々手が足りず……というのも、少将の鎮守府はそれなりに大所帯でして」
R提督「そのため、艦娘の希望を確認したうえで、舞鶴にある他の鎮守府にも艦娘を引き取っていただくよう、協力をお願いしております」
R提督「ちなみにK大佐の艦娘はJ少将の艦隊の別動隊扱いだったこともあり、K大佐の艦娘はごく少数です。阿武隈たちがそうですね」
提督「なるほど。で、その余所の鎮守府の提督連中は信用できるのか?」
R提督「そういう方々を募ったつもりですが……なかにはちょっと問題があると聞いている提督がいますね。例えば止准尉ですとか」
不知火「准尉?」
R提督「はい。なんでも、徹底的に夜戦を嫌い、結果として味方の損害を恐れて艦娘を出し渋って閑職に追いやられたと言う話でして」
764 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:03:49.40 ID:JxF4gpdbo
R提督「少し前に横須賀から舞鶴に移ってきた提督ということもあって、私も初めてお会いすることに……」
提督「待て待て、なんか聞いたことあるぞそいつ。確か、うちにいた川内や若葉が以前そいつのところにいたはずだ」
隼鷹「えっ、マジで?」
提督「ああ。若葉が言うには、命令に背いて夜戦に入って敵の輸送艦を潰したら馘を言い渡されたって。あいつら、それでうちに来たんだよ」
飛鷹「ええっ? 敵を見逃そうとしてたってことですか!?」
提督「見方によっちゃ、お前の言う通りなんだけどよ。そいつの場合はとにかく夜戦が怖い、夜が怖い、って話らしいんだ」
飛鷹「私も航空母艦ですから、夜が怖いというのは理解できますけど、提督がそれを言っては……それで提督業をやっていけてるのかしら」
隼鷹「今回の艦娘の受け入れの候補になってるんなら、まだ提督を続けてるはずだよねえ?」
提督「なんでそんなざまで提督続けてんだ? とっとと辞めりゃいいのによ」
R提督「私もそう思って、彼を知る方に提督を続けている理由を訊いているのですが、当人からは何の回答もないそうで」
不知火「お辞めになる気もないと?」
R提督「ないようですね。意地になっているのか、何が何でも提督を続けたい理由があるのか……」
R提督「逆に辞められない理由があるのかもしれませんね。その辺りを詳しく訊ければ良いのですが」
提督「なんだか面倒臭え奴だな……それじゃ艦娘もそいつんところには行きたがらねえだろ?」
R提督「そうですね。たとえ民間出身者であっても、艦娘を率いる提督業に就くのならば大尉として着任するのが通例です」
R提督「艦娘の立場から見ても、そんな提督のもとへ行きたいと思う艦娘はいないでしょうね……」
765 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:05:03.29 ID:JxF4gpdbo
提督「とはいえ、俺は俺で准尉で島を任されたんだがな。そういう前例があるから、そいつも解任されてないってことになるのかねえ」
R提督「いやいや、提督のケースこそ例外中の例外ですよ! 本来ならばそんなことはあってはならないことです!」
R提督「提督として着任したのに初期艦すらつけてもらえなかったと伺っていますし、どうしてそんな横暴が許されたのか……!」
隼鷹「提督の場合はホント例外としか言いようがないんだよねえ。妖精さんと話せる能力を疎まれて、それで島流しされたんでしょ?」
提督「だな。俺の直属の上官が、鎮守府内の妖精から手前の悪事や悪評をを聞き出して言いふらさないように、って話だからな」
R提督「……その件については、同じ海軍の人間として本当に申し訳ありません」
提督「謝んなくていいぞ。俺の着任の話にあんたが関わることはなかったんだし」
提督「それに、俺も都合がいいからと享受してた面もあったしな。山城じゃねえが、俺も不幸に慣れっこになってたんだ」
飛鷹「享受できるような事態があったんですか……?」
隼鷹「妖精とお話ししてても眉を顰められない環境は、提督にとっても居心地が良かったって聞いてるよ? だよね提督」
提督「ああ。海軍内でも、妖精と話ができる人間は珍しいみたいだから、変な目で見られてぶっちゃけ居心地悪かったしな」
飛鷹「そうなんですか……?」
隼鷹「まあ、あたしたちも見えない人たちからは気を使われてるよね。そういうところは、ちょっと一線引かれてる感じしない?」
飛鷹「私たちの場合はそれが当然だと思って、妖精さんたちともどもそれが慣れっこになっちゃってるけど……」
不知火「R提督は妖精さんが見えるのですか?」
R提督「いえ、残念ながら……」
隼鷹「あたしたちと付き合いが長いから、その辺は察してくれてるけどね。気を遣わせてると言えば、そうかなぁ」
766 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:05:48.65 ID:JxF4gpdbo
R提督「話がそれましたが……その艦娘の移籍先の振り分けのため、移籍先候補の鎮守府の提督が、明日、私の鎮守府に集まる予定です」
提督「明日?」
R提督「はい、各人どのような人物かを知るため、顔合わせも兼ねて懇親会を予定しました」
R提督「同じ舞鶴にいるにしても、なかなか顔を合わせる機会のない方もいますし……」
R提督「私もしばらく舞鶴を離れてましたので、私自身の顔見せも兼ねて、ということで」
提督「ふーん。集まるのは、艦娘が移籍する先の鎮守府の提督だけか?」
R提督「はい。戦力が十分に整っている鎮守府や、艦娘が多すぎて育成に余裕がない鎮守府などからは、不参加の連絡が来ていますね」
R提督「艦娘の振り分け自体は、その懇親会を経てから行うことにしています」
提督「……あんた、J少将の話はどこまで聞いてる?」
R提督「どこまで……と仰いますと、J少将が艦娘をよく思っていなかった、と言う話のことですか?」
提督「いや、それよりもっとやばい話だ。あいつが艦娘をどう利用しようとしていたか……」
R提督「利用……深海棲艦の武器化の話なら聞いています」
提督「……艦娘で実験をしていた、という話は?」
R提督「そこまで行くと、あくまでも噂で、というレベルですね」
R提督「過去に艦娘で実験していた提督が捕まったと聞いてからは、もういなくなったものだと思っていましたが……」
提督(……嘘はついてねえみたいだな。むしろ……)
767 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:06:33.68 ID:JxF4gpdbo
提督「まあ、あんたは知らないことの方が多いか。ショートランドに行かされてたんだもんな」
R提督「……お恥ずかしながら」
隼鷹「あ、もしかして、提督はJ少将みたいな、艦娘をどう扱うかわからない人のところに艦娘が配属するのを危惧してる感じ?」
提督「まあ、そうだな。行った先の鎮守府で不幸になって轟沈したんじゃ気分が悪い」
提督「たとえくそ野郎の部下であっても、話せばわかる艦娘たちなら、せめて行く先は吟味してやりてえな」
隼鷹「相変わらず艦娘には甘いねえ」ニヒヒッ
飛鷹「隼鷹、あまり茶化しちゃ駄目よ? 真面目に考えてくださってるんだから」
隼鷹「わかってるって。だから嬉しくて笑ってるんじゃないのさ」
R提督「提督の心配もごもっともです。我々が、これから艦娘を任せる提督たちがどんな人物か、ちゃんと見抜く力を持たないと……」
提督「見抜く力ねえ……言っちゃ悪いがR提督、あんた結構なお人好しだろ? 大丈夫か?」
隼鷹「うーん。それはあるかもねえ?」
飛鷹「確かに、そういうところはありますね」
提督「だよな? ちょっと頼りねえ気がするな」
R提督「んむむ……」
不知火「皆さん手厳しいですね」
768 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:07:18.56 ID:JxF4gpdbo
提督「んじゃあ仕方ねえな……面倒臭えが青葉にも言った手前だ、俺が心配なら送る先の連中を俺がひとりひとり見てくしかねえよな」
隼鷹「へっ?」
提督「艦娘の安全を第一に考えるならそれしかねえ。悪いが半日……いや、3時間くらい待っててくれるか。舞鶴に行く準備をしてくる」ガタッ
飛鷹「えっ」
不知火「司令?」
提督「俺もその会合に出る。艦娘を引き取るっつう、そいつらの顔を見ておきたい。不知火、お前も準備できるか」
不知火「は、はい!」
隼鷹「どゆこと? 提督も舞鶴に来んの!?」
提督「ああ。これからだと舞鶴に着くのは多分夕方だろ? R提督の鎮守府で一晩寝泊りできると助かる。頼んでいいか?」
R提督「し、承知いたしました!」ビシッ
飛鷹「えっ、ちょっと、どういうこと!?」
R提督「てっ、提督の護送任務だ! 総員、第一級の警戒態勢!! H大将閣下へ報告っ!!」
隼鷹「あーそっかぁ、将来の国賓だもんねえ。すごいことになっちゃったなあ」
飛鷹「のんきに構えてる場合じゃないわよっ!?」
769 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:08:03.43 ID:JxF4gpdbo
* 翌日 早朝 *
* 舞鶴 R提督鎮守府内の一室 *
(シングルサイズのベッドを二つ繋げたベッドに3人が横たわっている)
提督「ん……何時だ」パチリ
提督「……5時15分。だいたいいつも通りだな」ムクッ
グイ
提督「ん?」
リ級「スヤァ……」テイトクニシガミツキー
提督「……」
不知火「んむ……! おはようございます、司令」ムク…
提督「おう、おはよう……おいリ級、お前も起きろ」
リ級「ンー……」スリスリ
提督「寝ぼけてる場合じゃねえぞ、ったく」
不知火「猫みたいですね」
770 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:08:48.43 ID:JxF4gpdbo
提督「こいつ、連れてくるときは真面目そうだったんだがなあ……泊地棲姫んところの古株だっていうし」
提督「場所が場所だけに、姫級連れてくるわけにもいかなかったから、人選として丁度いいかと思ってたんだが」
リ級「フワァ……モウ朝カ」メヲコスリコスリ
提督「本当に大丈夫かよ」
リ級「……任務ノコトハ忘レテイナイカラ、大丈夫ダ」ノビーッ
リ級「ソウイエバ、ココハ人間ノ鎮守府ダッタンダナ。イツニナク、安心シテ眠レタ気ガスル……」
提督「眠れた、って、お前、ここのほうが安心できるのか?」
リ級「ソウジャナクテ、ココニ丁度イイ抱キマクラガ、アッタカラダ」
提督「……」
リ級「私ダッテ人間ハ好キジャナイシ、人間ノ拠点ダカラ警戒モシテルゾ?」
提督「その割にはぐっすりだったじゃねえか」
リ級「ソコハ自分デモ驚イテル。スゴク安心デキタカラ、姫様ガ、オ前ニ執着スルノモ、ワカル気ガスルナ」
提督「加古みてえなこと言いやがる」
不知火「同じ重巡級ですから、感覚も似ているのではないでしょうか」
提督「そういうもんかね……」
771 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:09:33.45 ID:JxF4gpdbo
* その後 *
扉<コンコン
飛鷹「おはようございます、提督。朝餉の準備ができましたが、入ってもよろしいでしょうか?」
提督「ん、入ってくれ」
飛鷹「失礼いたします」チャッ ガラガラ…
提督「わざわざ持ってきてくれたのか」
飛鷹「はい、食堂に案内しても良かったのですが、注目されるのもお嫌かと思いまして」
提督「まあ、確かにな……」
飛鷹「提督は、和食と洋食とどちらになさいます?」
提督「2種類用意してくれたのか?」
飛鷹「はい。お好きなほうをどうぞ」
提督「んじゃ、俺はたまには洋食にすっかな……ふたりはどうする」
不知火「不知火は和食を希望します」
リ級「私ハ、パントコーヒーノホウガイイナ」
飛鷹「かしこまりました。少々お待ちください」カチャカチャ…
772 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:10:33.44 ID:JxF4gpdbo
リ級「ナンダ? ココデ調理スルノカ?」
飛鷹「ええ、簡単なものだけですが。本来なら言うべきではないのですが……お食事の中に毒が入っていては困りますでしょう?」ジュワ…
リ級「!?」
飛鷹「ですので、私もこちらでお食事をご一緒させていただきます」
提督「なるほど、最初から出来合いを盛り付けされてたんじゃ、食い物の中に何か仕込まれる可能性もあるから、と……」
提督「で、秘書艦のお前が同じものを食べるってことは、毒見役も引き受けてる、ってことか」
リ級「……大丈夫ナノカ?」
提督「俺たちに信用してもらうために、飛鷹が俺たちと同じものを作って食べるっつってんだ。そこまでやるなら心配しなくても大丈夫だろ」
飛鷹「私自身は信じていますが……ほかの誰が深海棲艦にどんな思いを抱いているかは、さすがにわかりませんし」
飛鷹「海軍の中に深海棲艦とは相容れないと考えている者がいるとお考えならば、このくらいのことはするべきかと」
提督「実際にここに来た時も、リ級が姿を見せた時は固まってた奴がいたもんな。恨まれてないとは言えねえか」
飛鷹「ええ。もしも姫級や鬼級といった深海棲艦が来ていたら、更に混乱していたと思いますよ?」
リ級「ン? ……私ハ、侮ラレテイル、トイウコトカ?」ムスッ
不知火「現実的な問題として、姫級は勿論、戦艦や空母の深海棲艦を、普通の鎮守府が受け入れられるかと言えば、厳しいと思います」
不知火「重巡クラスなら……失礼ながら、数を揃えればぎりぎり抑え込めそうな気はしますね」
リ級「……舐メラレテイルナ」ムスッ
773 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:11:33.08 ID:JxF4gpdbo
提督「そうは言うがお前、戦闘中は特殊装甲と黄色いオーラ出せるんだろう? 泊地棲姫に聞いたぞ?」
リ級「マア、出セルケド」
飛鷹「え゛っ、そうなの!?」ヒキッ
提督「いいリアクションしやがるな。ほれ、この飛鷹がこのくらいビビってるんだ」
提督「お前が本気出してたら、ここに寝泊りできたかどうかも怪しいもんだぜ? 言うだろ、能ある鷹は爪を隠す、って」
リ級「……ソウイウコトニ、シテオクガ」ムー
リ級「鷹……Hawk、トイウナラ、コノ艦娘ノホウガ、ソウナンダロウ?」
飛鷹「え?」
不知火「なるほど。飛鷹さんのお名前に『鷹』の文字が入っているから、ですか。よくお気付きですね」
リ級「姫様ガ、提督ノ母国語モ勉強シロ、ト、言ッテイタカラナ。身ニ着ケテイレバ、艦娘トノCommunicationモ捗ル」
リ級「漢字ノ勉強ガ、イチバン大変ダッタケド、意味ガワカレバ、オモシロイト思ウヨウニモナッタ」
提督「へえ、すげえなお前」
飛鷹「本当……こんなに勤勉だったなんて。見た目が普通だからと侮っていた自分が恥ずかしいわ」ウーン
リ級「フフ、モット褒メテイイゾ」ニッ
774 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:12:33.29 ID:JxF4gpdbo
不知火「……不知火も侮っていました。あなたがそこまで泊地棲姫を信頼していたとは思っていませんでした」
リ級「姫様モ言ッテルガ、チカラヲ持ツモノガ上ニ立ツノガ、私タチノ常ダ。ソシテ強イ個体ハ、必然的ニ知恵ヤ知識モ持ッテイル」
リ級「ダカラ姫様ノ言ウコトニハ、私モ従ッテイル。強イ者、賢イ者ニ従エバ、ソレダケ生存率モ上ガルシナ」
飛鷹「その言い方だと、忠誠と言うより、生存競争に生き抜くため、って感じがするのだけれど……」
リ級「ソノ認識デ、間違ッテイナイ。人間ニ対スル敵意ヲ抑エラレナイカラコソ、強イ個体ヲ頼ッテ、ソレヲ成ソウトシテイタ面モアル」
飛鷹「……!」
リ級「タダ、ソノ思考ガ、私ソノモノカラ出テイタモノカハ、定カジャナイ。強イ個体ニ影響サレル者モ、少ナカラズ、イルシ……」
リ級「コノ男ノオカゲデ、人間ト争ウ必要ガ、ナクナリツツアル。私ノ考エモ、今デハ変ワッテキテイル」
飛鷹「なるほど……興味深いわ。では、その話の続きは、朝餉を取りながら聞かせてもらえるかしら」コトッ
提督「目玉焼きか……長らく久し振りなものが出てきたな」
飛鷹「そうなんですか?」
提督「島じゃ卵もそれなりに貴重品でな。料理に使うことはあるが大量には使えないから、こうして一人一人に出すことがあまりないんだ」
提督「養鶏でもしようかと思ったが、それはそれで大量の飼料が必要になるし、狭い島の中じゃ限度がある」
リ級「……ナンダ? 初メテ見ルハズナノニ、食ベタ記憶ガアル……」ウーン
不知火「大丈夫ですか?」
提督「……それも、艦だったころの記憶かもな。とりあえず、冷めないうちにいただくか」テアワセ
775 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:13:18.32 ID:JxF4gpdbo
*
不知火「ごちそうさまでした」ペコリ
飛鷹「はい、お粗末様でした」
リ級「……コノコーヒー、酸味ガ強イナ……」
飛鷹「お口に合いませんでしたか」
リ級「イヤ、オイシイト思ウ。タダ、好ミカト言ワレルト、普段飲ンデイルコーヒーノ方ガ、飲ミヤスクテ好ミ、トイウダケダ」
提督「R提督はこういうのが好きなのか?」
飛鷹「はい。お気に入りの中でも、比較的飲みやすいものを選んだつもりです」
リ級「クセガアルガ、慣レレバ、コレガ好キトイウノモ、マアマア納得デキルナ」
提督「俺はもうちょっと濃いめに淹れたほうがいいな……」
リ級「エ……本気カ?」
不知火「司令は飲み物に関しては、渋めのほうが好みですから」
リ級「私ハ、苦イコーヒーハ、好キジャナイ……」
提督「あくまで俺の好みなんだから、お前はお前で好きなのを飲んでいいぞ? 俺の好みのほうが珍しいだろうし」
776 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:14:03.54 ID:JxF4gpdbo
提督「泊地棲姫んとこの深海棲艦は、いわゆるアメリカンコーヒーが好きな奴のほうが多いんだよな。米軍艦だった奴らが多いせいか?」
飛鷹「そうなんですか?」
提督「ああ。泊地棲姫自身も真珠湾にゆかりがあるらしいし、だからこそルーツに米軍艦が多い奴が集まったんじゃねえかと予測してる」
リ級「ダカラ、タ級タチモ、アアナッタ、ッテ話ダッタナ」
提督「もしかしたら、お前もそうなるかもしれないと思ってるんだが……泊地棲姫とは長い付き合いなんだろ?」
リ級「ソレハソウダガ、ドウダロウナ? マダ、コウ……明確ナ過去ノ記憶ハ、出テコナイナ」クビカシゲ
飛鷹「? 何の話ですか?」
不知火「あの島で暮らしている泊地棲姫の配下の深海棲艦が、何名か姫級や鬼級に変異したんです」
飛鷹「え゛っ」アオザメ
不知火「付き合いの長かったル級さんも戦艦水鬼に変異しましたし、もしかしたらリ級さんも……」
飛鷹「こ、ここでそうなるのはやめてくださいね!? 洒落にならないから!!」アセアセ
提督「大丈夫だろ、多分」
リ級「多分ネ」
飛鷹「ほ、本当でしょうねえ……?」タラリ
777 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/01/26(日) 20:15:51.89 ID:JxF4gpdbo
今回はここまで。
本来向かっていたはずのシナリオの辻褄があわなくなって、
いろいろ書き直しながら進んでいますので、このスレで終わるか怪しくなってきました……。
778 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/07(金) 23:53:18.98 ID:eOSul5Hco
続きです。
今回はちょっと【影牢〜もう一人のプリンセス】要素が出てきます。
779 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/07(金) 23:54:04.17 ID:eOSul5Hco
* R提督鎮守府内 会議室 *
飛鷹「みなさんこちらへどうぞ。H大将閣下、R提督麾下の飛鷹が、提督をお連れしました」コンコンコン
H大将「入ってくれ」
飛鷹「失礼いたします」チャッ
提督「よう。H大将も来てたのか」
H大将「……お前は相変わらずのようだな」
提督「まあな。俺がニコヤカな笑顔浮かべて仰々しく『よろしくおねがいいたします』なんてほざいたら気持ち悪いだろ?」ククッ
H大将「否定はしないが、それをお前自身が言うな」アタマオサエ
提督「まあ、俺みたいな見た目若造にタメ口利かれんのは面白くねえとは思うが、変に取り繕うのも今更って感じだしな。大目に見てくれ」
H大将「ふん……まあいい。俺も同じようなものだからな」
不知火「H大将閣下、ご無沙汰しております」ケイレイ
リ級「フーン、アイツガ、姫様ノ言ッテタ、話シ合イニ参加シテタ人間カ……」
北上「やっほー、提督久しぶりー。重巡の深海棲艦も連れてきちゃったんだ?」フリフリ
大井「北上さん!? そんなに砕けた挨拶して大丈夫なんですか!?」ギョッ!
提督「ああ、気にしなくていいぞ、俺はそのほうがいいし。北上は元気そうだな、霰たちも元気か?」
780 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/07(金) 23:54:46.96 ID:eOSul5Hco
北上「うん、今日は二人も一緒に来てるよ。今はR提督たちのお手伝いに回ってるけど、もうすぐこっちに来るんじゃないかな」
提督「そうか、とりあえず元気なら何よりだ。それにしても、H大将は急な話だったのに、よく来れたな? 呉に行ってたんだろ?」
H大将「お前が来るとなれば、来ないわけにはいかんだろう」
H大将「今のお前は良くも悪くも超重要人物なんだ、少しは自分の立場を理解して行動してもらいたい」
H大将「そういうお前こそ、人間嫌いを公言しておきながら、突発的とはいえまさか舞鶴に姿を見せるとはな。しかも、深海棲艦を連れて」
提督「J少将とK大佐んところの艦娘をあちこちに割り振るって聞いてな。どんな奴らが引き取るのか、見に来たんだ」
H大将「それだけのために、ここに顔を出したのか」
提督「そいつらの中に『あいつら』とつながってる奴らがいるとしたら、それを見逃すわけにはいかねえからな」
H大将「なるほど、だからこそ、か」
提督「J少将とK大佐の部下だった艦娘を引き取るんだ。あいつらとしても、動向を気にする奴はいるんじゃねえか?」
H大将「そうであっても、簡単に尻尾を出すとは思えんぞ。判別する方法があるのか?」
提督「まあな。詳しくは言えないが、つながってるかくらいは見てわかるぜ」
H大将「そいつも、魔神の力というやつか?」
提督「そういうこった。内緒に頼むぜ?」ニヤリ
781 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/07(金) 23:55:32.61 ID:eOSul5Hco
H大将「まあいい。で、その深海棲艦は、どういう意図があって連れてきたんだ?」
提督「こっちの鎮守府がどんなものか……まあ、興味本位みたいなもんだ。あとは、俺がこういう立場だってことを知ってもらうためだな」
北上「そういう意味ではインパクト抜群だったねえ」
リ級「……」ジーッ
提督「? どうした?」
リ級「アノ雷巡」
大井「!」
リ級「相当、ヤルヤツダナ」
提督「……興味あるのか?」
大井「な、なによ……やるっていうの!?」
リ級「イヤ、絶対ヤダ」
大井「」ガクッ
提督「嫌なのかよ」
リ級「ヤッタラ、オ互イ、タダジャ済マナイハズダカラ。ソレニ、提督ハ、余計ナ戦イハ、シタクナインダロウ?」
提督「まあ、そりゃそうだけどよ」
大井「な、なんなのよ、もう……びっくりさせないでよ」
782 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/07(金) 23:56:17.08 ID:eOSul5Hco
リ級「……ヤッパリ、縄張リノ外ノ世界ヲ見ルノハ、イイコトダナ。強力ナ艦娘ノ存在ヲ知ルトイウノハ、重要ダ」ウンウン
北上「おお〜、なんか一目置かれてるよ、すごいね大井っち!」ヒトミキラキラ
大井「き、北上さんに言われると照れますけれど……なんだか複雑です」
H大将「そうだな。変に目をつけられても困る」
提督「そうか? 戦いたいわけじゃねえって言ってんだが」
扉<コンコン
隼鷹「隼鷹でーっす、入りまーす!」
飛鷹「ちょっと隼鷹!? 大将閣下がいらっしゃるのよ!? もうちょっと慎ましやかにできないのっ!?」
リ級「ナァ……アイツモ少シ、ウルサクナイカ?」ヒソヒソ
大井「……もう、なんで深海棲艦に指摘されてるのよ」アタマオサエ
H大将「……入ってくれ」アタマオサエ
隼鷹「失礼しまーす!」チャッ
R提督「失礼いたします! おや、提督もこちらにいらっしゃっていましたか」
飛鷹「もう、隼鷹ったら……R提督からもちゃんと注意してください!」
783 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/07(金) 23:57:02.65 ID:eOSul5Hco
満潮「失礼しま……! て、提督も来てたのね……!」
霰「んちゃ……」
提督「よう。満潮も霰も元気そうで安心したぜ」
荒潮「あらぁ、この人が噂の深海棲艦と一緒に暮らしている提督ね? 私、H大将の部下の荒潮です」
提督「おう、よろしくな。満潮たちと制服が似てるな、お前も朝潮型か?」
満潮「そうよ、荒潮は朝潮型の4番艦なの。こっちに来てからは、荒潮にいろいろ教えてもらってるわ」
提督「そうか。ふたりが良くしてもらってるなら言うことはねえ。これからもよろしく頼む」
荒潮「ええ、こちらこそ、よろしくお願いしますね〜、うふふっ」
リ級「……アイツモ、カナリ、ヤルヤツダナ」ボソッ
不知火「そうですね……」ウナヅキ
満潮「って、あんた重巡の深海棲艦も連れて来てたの!?」ギョッ
霰「びっくり、されなかった?」クビカシゲ
提督「まあ、それなりにされたな。けど、俺のスタンスを知ってもらうにはこれ以上ないだろ」
霰「ふぅん……リ級さんも、おつかれさま」
リ級「初メテ、ネギラッテモラエタ! オマエ、イイ子ダナ!」パァッ!
大井「あんなに表情豊かな深海棲艦、初めて見るわ……」
荒潮「本当ですねぇ」
784 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/07(金) 23:58:01.73 ID:eOSul5Hco
R提督「ひとまず準備が整いましたので、私はこれから艦娘の引き渡しの候補となる提督とその秘書艦を、こちらに案内いたします」
R提督「本来はすぐに会場へ通す予定でしたが、提督がいらっしゃるということで、一時的に別の部屋に集まって待機してもらっています」
隼鷹「それじゃ早速呼びに行ってきますかぁ! あ、何人ずつ呼んだらいいかな?」
H大将「出来ればひとりずつ通してくれ。他の提督がいると話しづらいことがあるかもしれん」
R提督「承知しました、隼鷹!」
隼鷹「任務了解! 行ってきまーす!」タタッ
飛鷹「隼鷹!? H大将閣下の御前だって言ってるでしょ!?」
H大将「……まあ落ち着け。余所で見た隼鷹や、あの艦娘に比べたらまともだ。うるさくしなくていい」
飛鷹「よ、よろしいんですか……?」
大井「余所の隼鷹さん……ああ、先日あの鎮守府で見た、あの酔っ払いまくりの」ウヘェ
荒潮「そこにいたPolaさんも、すごかったですよね〜。全裸でワインボトル抱えて歩いてたのは驚きました〜」
提督「なんだそりゃ……ポーラ? 海外艦か?」
大井「イタリアのZara級重巡洋艦娘です。なんでもお酒が入ってない日はないほどのお酒好きだそうで」
大井「彼女にはZaraという姉妹艦……ネームシップである姉がいるそうなんですが」
大井「その鎮守府にZaraさんがは着任していないためか、制御が利かないというか、自由を満喫しすぎてるというか」アタマオサエ
785 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/07(金) 23:58:46.68 ID:eOSul5Hco
提督「……ブレーキ役の姉妹がいなくて、好きに呑んだくれてるってか」
大井「彼女にお酒を控えるよう、鎮守府全体で抑え込もうとしたところを、そこの提督の秘蔵の数本を見つけられご機嫌に……」
大井「というのが、その鎮守府の秘書艦の言い訳でした」
提督「艦娘にもそういうとんでもない奴がいるんだな……けど、さすがにそいつは極端すぎる例じゃねえか?」
提督「下の下とも言えるそいつと今の隼鷹を比較されてマシとか言われてもなあ」
大井「まあ、そう言われてみればそうですね。とはいえ、私たちが出会う余所の隼鷹さんは、だいたいいつもお酒が入ってますし……」
提督「マジか……」
R提督「私どもの隼鷹も、私が処分される以前は、ちょっと怪しいところはありましたね……お恥ずかしながら」
飛鷹「まあ……そうね。今でこそ自制してるけど、以前の隼鷹もお酒にだらしなかったから……」ウーン
提督「酒が入ってんのが平常運転なのかよ」
H大将「……あの隼鷹も、あの島で生活していた一人だな? 何があったか、あとで教えてくれるか」
提督「それはできれば本人から聞いてくれ。余所の隼鷹や酒飲み艦娘の対応の参考にしたいんだろう?」
提督「俺が話すよりも、あいつ自身がどういう心境だったか、って面で正確な話が聞けるはずだ」
提督「それに本人不在で勝手に俺がべらべら話すのは、あいつにとっても心証がよろしくねえだろ」
H大将「……変なところが律儀だな、お前は?」
提督「そうか?」
786 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/07(金) 23:59:31.75 ID:eOSul5Hco
大井「H提督、それより面談の段取りを説明しませんと……」
H大将「ん、そうだな。と言っても、提督は俺の隣で基本何もせず座っていてくれればいい」
提督「それでいいのか?」
H大将「お前の見立てて怪しいと思ったときに俺に声をかけてくれ」
H大将「提督は見た目が若いから、俺が連れてきた下士官のふりをしても怪しまれんだろうし、お前もお前で目立ちたくはないんだろう?」
提督「……まあ、そうだな。わかった、俺は基本口を出さないことにするぜ」
H大将「不知火とリ級は、後ろの衝立の陰に隠れててくれるか? この場で不用意に深海棲艦が姿を見せたのでは混乱するだろうからな」
不知火「承知しました。リ級さんもよろしいですか」
リ級「……ワカッタ。従オウ」
* *
飛鷹「これで6組中、3組の面接が終わりですね」
H大将「どうだ、怪しい奴はいたか? ずっとだんまりなところを見ると、そういうことはなさそうだが」
提督「いまのところはそうだな。まあ、普通に新米っぽい若い奴ばかりで、違う意味で艦娘を任せるのが心配だけどよ」
扉<コンコン
H大将「入ってくれ」
787 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:00:17.56 ID:0p8QtWGlo
隼鷹「失礼しまーす! 止准尉をお連れしましたー!」ガチャッ
提督「止准尉……あいつが?」
止准尉「……失礼、します」
山城(止准尉の秘書艦)「失礼します……」
提督「……若えどころじゃねえな。ありゃ中学生か?」
大井「いいえ、今年二十歳になるそうですよ」
提督「夜が怖くて夜戦するなと言われてその命令に背いた川内たちを追放したのが2年くらい前だ。高校にいる間に提督になったのか?」
大井「いえ、そうではなく……」
提督「あ、悪い。その辺の事情は、聞かなくても、俺が視れば良かったんだ」メヲトジ
大井「は?」
提督「……ふーん……ん? これは……」
H大将「どうした?」
提督「……なんであいつが、そんなこと知ってんだ?」
H大将「……なにかあったのか」
788 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:01:16.92 ID:0p8QtWGlo
提督「ああ、本当ならちょっと良くねえな。範囲広げて探ってみるか……」
止准尉「……」
山城「あの……一体何の話なんですか」
H大将「ん? ああ、悪いな。とりあえず座って、ちょっと待っていてくれ」
山城「そうですか……呼び出されて待たされて、何の話かと思ったら、また待たされるなんて……」
山城「ただのお食事会と聞いていたのに、不幸だわ」ハァ
止准尉「……」
提督「……」
大井「さっきからずっと目を瞑って……なにをしてるんですか?」
H大将「まあ待て、様子を見よう」
提督「……」
リ級「……提督ハ気付イテイルヨウダガ、部屋ノ外カラ嫌ナ臭イガスルナ」
不知火「外?」
荒潮「……! 大井さん」ヒソッ
大井「荒潮も気付いたの? 誰かいるのね?」ヒソヒソ
789 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:02:01.88 ID:0p8QtWGlo
隼鷹「あ、確かになんか気配するね?」
飛鷹「隼鷹!」シーッ!
提督「……」
リ級「提督。私ガ出ヨウカ?」
提督「大丈夫だ、まあ任せとけ」
<ウオッ!?
H大将「!」ガタッ
大井「部屋の外から!?」
提督「飛鷹! そこのドアを開けろ!」
飛鷹「えっ!? は、はい!」ガチャッ
奇妙な仮面をかぶった男「ウグブブブ!!」ヨタヨタ
飛鷹「ひっ!?」
隼鷹「うわっ、なにこれ!?」
不知火「あれは……!?」
790 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:02:46.96 ID:0p8QtWGlo
提督「スクリームフェイスってやつだ。よし、お前ら全員動くな!」
UFO<プワワワワ…
男「う、うわああ!? なんだなんだ!?」フワー
大井「え、えええ……? UFOが男の人を連れてきたんだけど……なにあれ」
不知火「部屋の中に入ってきましたが、いいのですか?」
提督「ああ、問題ねえ」
ダツイクローゼット<バコン!
荒潮「えっ、あんな衣装棚、この部屋にあったかしら」
ダツイクローゼット<バクン! ガタガタ…
大井「男の人が飛んで入って……中に閉じ込められてる!?」
霰「人食い衣装箱……」ゾッ
ダツイクローゼット<ペッ!
男「ぐえっ!!」ベチャッ
飛鷹「ちょっ、なんで下着一枚になってるのよこの人!?」
サラシダイ<ガシャッ!
男「ひいいっ!?」ガシャッ!!
提督「捕獲成功……これで良し」
791 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:03:33.74 ID:0p8QtWGlo
飛鷹「……い、いったい、なんなんですか!?」
H大将「こいつが魔神の力というやつか」
提督「あまり人に見せたくねえが、あいつらにつながってる手掛かりだ。出し惜しみはしていられねえ」
リ級「提督、メディウムハ、ドウシタ? 連レテキテナイヨナ?」
隼鷹「っていうか、こんな罠のメディウムいたっけ?」
提督「こいつは俺の力だ、まだメディウムにしてないやつだな。さてと……」スクッ
提督「舌を噛まれても面倒だ。とっととこいつの頭の中身を吸い出すか」アタマツカミ
男「な、なにを……ひぐっ!?」
提督「……」
男「ぐ、ぎ、ぐぇぇ……お、おっご、おほぉっ!?」ビクビクッ
北上「……頭の中を吸い出す? って……」
満潮「そんなことできるの!?」
提督「なんだこいつ、ろくな情報持ってねえな。下っ端もいいとこじゃねえか、つまんねえやつだ」
792 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:04:21.17 ID:0p8QtWGlo
不知火「何が目的だったんです?」
提督「止准尉があることについて喋ってないか、見張り目的で来たらしいな」
止准尉「……!」
提督「盗聴器やレコーダーも用意してたみたいだ。たったいま服と一緒にぶっ壊しちまったけど」
H大将「なんだと? 何を盗聴していたか記録は取れんのか」
提督「あー……どうだろな、破片で良ければこの辺に散らばってるが……ただ、止准尉はこいつの前では一言もしゃべってねえみたいだな?」
男「う、うげええ……」ガクガク
提督「さてと、こいつどうする? 始末していいならこのまま俺が殺っとくぞ」
H大将「簡単に始末などと言うな。そいつの身柄は海軍で預かる」
提督「そうか。なら断っておくが、こいつの頭の中身をまさぐったときに、ちょっとあちこち壊しちまってな」
H大将「なに?」
提督「嘘が付けない可哀想な頭にしちまった。まあ許せ、あんたたちにも都合がいいだろ」
H大将「……」アタマカカエ
山城「さ、さっきから何なのよ一体……何の話なの!? しかも、そっちに隠れてるの、深海棲艦じゃない!」アオザメ
リ級「ア、ヤバ。気付カレテタカ」
提督「心配すんな、と言いたいが、まあ状況が状況だしなぁ……」
793 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:05:16.98 ID:0p8QtWGlo
隼鷹「んじゃ、私が簡単に説明するよ。この人はねえ……」
* *
山城「……この男が、深海棲艦と一緒に離島で暮らしてる、ですって……?」
隼鷹「そういうこと。私も一時期、その島で提督にお世話になってたから、安心していいよ〜」
リ級「私ハ、コノ男ト一緒ニ、島カラ来テヤッタンダ」ドヤッ
山城「なんでそんなに偉そうなのよ……」
H大将「この男がここに来たのは、今後艦娘を任せるのに問題ない人物かどうかを見極めるためであり……」
H大将「そして、艦娘の保護を邪魔する者がいないか、いればそいつを捕縛するためだ。結果として、見事不審者が捕まったわけだが」
提督「この鎮守府の敷地の外に協力者がいたようだが、逃げたみたいだな。盗聴器を壊されたことに感付いて警戒したのかもしれねえ」
R提督「そんなことまでわかるのですか……」
提督「大まかに、だけどな。だいたい似たような気配を放ってるから、俺の『眼』の届く範囲にいればギリわかる」
提督「それよりH大将、悪いが止准尉と山城の衣服と艤装、それから身の回りのものを洗ってくれるか? ないとは思うんだが念のためだ」
H大将「……わかった。荒潮、今朝話しておいた部屋まで、ふたりの案内を頼む」
荒潮「は〜い、わかりました〜」
794 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:06:01.86 ID:0p8QtWGlo
山城「はぁ……今日はとことん不幸だわ。提督、行きましょ……」
止准尉「……」
H大将「北上はこの侵入者を別の部屋に連行してくれ。頼めるか」
北上「はーい。あ、一応、霰も一緒に来てもらっていい?」
霰「はい……!」
北上「んじゃ、連れてくねー」ヒョイッ
男「ぐえっ」カカエラレ
スタスタ…
H大将「やれやれ、嫌な予感は当たるものだな……」
提督「なんだ、予見できてたのか?」
H大将「貴様が来ると聞いた時点で、何か起こりそうだと薄々思っていた。とにかく、止准尉からはあとでゆっくり話を聞くとしよう」
満潮「ねえ提督、さっき洗うって言ってたけど……それって、あのふたりにも盗聴器が仕掛けられてるって思ったの?」
提督「いや、おそらく止准尉たちの衣服とかには、仕掛けられてないはずだな。じゃなきゃわざわざ侵入者が見張りに来るはずがねえ」
提督「ただ、止准尉があの通りだんまりだったからな。ありゃ自分たちが監視されてることを自覚してたからこそだと思ってる」
提督「となると、誰にも話せず抱え込んでいたんだろう、警戒心を解くためにもやっといた方がいいなって思ってたんだ」
満潮「ふーん……そういう判断なら、確かにやっておいた方がいいわね」
795 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:06:46.79 ID:0p8QtWGlo
H大将「ということは、ここへ申し込んできた目的も、艦娘の補充ではなくこの件を誰かに伝えるため、助けを求めて、と見るべきだな?」
提督「そうだな。臆病者が、臆病者なりに勇気を出してここに来たってことなんだろう」
R提督「……すみません、そうだとすると、この申込書の名前は……」ペラリ
H大将「ん? この名前……しばらく休職すると申し出のあった提督の名前だな」
H大将「さては、R提督がしばらく舞鶴から離れてたのをいいことに、わからないと思って余所の鎮守府の誰かの顔と名前を借りたか」
提督「ってことは、普通に招き入れていたら、H大将が気付いてたんじゃねえか?」
H大将「その前に逃げていたかもしれんぞ。あくまで目的が止准尉の監視であるならな」
R提督「……H大将閣下と提督にご足労いただいて、本当に良かった……私だけだったらどうなっていたことか。本当にありがとうございます」
飛鷹「それよりR提督、艦娘引き渡しで待たせている提督が、あとひとりいらっしゃいます」
H大将「よし、一応そいつの顔も見ておくか……なんだ、海外の泊地から来たのか?」ペラリ
R提督「はい。どうしても融通して欲しいとのことで、申し込みがありまして」
飛鷹「早速お呼びしますね」
提督(……ん? なんだこの厭な寒気は)ゾワリ
796 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2025/02/08(土) 00:07:35.75 ID:0p8QtWGlo
と言うわけで今回はここまで。
797 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2025/02/08(土) 00:27:45.93 ID:4eBspP6m0
おつやで
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