【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索 Part 2【百合】

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/07(水) 23:52:15.33 ID:aoLMEO8to
申し訳ないお手間お掛けしました
103 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/08(木) 00:32:48.55 ID:i5FZIuCC0
―修学旅行2日目 夜
 運河沿い通り

 しんしん(雪の降る音)

リアン「わあ……。ライトアップされた運河に、雪が舞って……」

リエム「きれいです……リアンさま……」

アリム「……悪く、ないわね……」


リアン(修学旅行最後の夜ということで、私たちは再び運河沿いに来ていた)

リアン(人の造った運河と、光と、夜空から舞い降りる雪たちが織りなす――幻想的な光景――)

リアン(綺麗だ。とても……)


 ウーウーウー!!!!


リアン(!!!?!?!!?)

リアン(そんなしんみりした空気を切り裂いたのは、けたたましいサイレンの音だ……!)

リアン(い、一体何が……!?)


広報無線『運河に海竜が侵入しました。運河にいる方は速やかに岸へ上がってください。間もなく運河全域に防護魔法による結界が張られます。繰り返し――』


サーナ「い、一体何ですのこれは!?」

ノルン「こ、ここ時々海竜が侵入して暴れるんだって! 観光パンフレットに書いてあった!!」

ルウェリア「どうりで対応が手慣れてるわけだ……」

ヒーティ「けっこうよくあることなんですね……」


 防護結界「」ヴン―


エンシァン「結界が張られたようだな。なかなか強固そうだ」

シャーロット「まあ、綺麗な結界……。実用性だけでなく視覚的な美しさにも力を入れているのね」

アリム「この結界、フォルトの対魔法障壁にも引けを取らない完成度だわ……。やるじゃない、現代魔法」

ルル「あ。でっかい魚」


 バシャアアアアン――…


海竜「GYAOOOON!!!」バシャアン
104 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/08(木) 00:33:27.81 ID:i5FZIuCC0

リアン「わあああ!!! すごい!」

ルウェリア「うわわ、ものすごい迫力……! でも結界があるお陰で安全なんだ……」

エンシァン「なるほどな。結界で安全地帯を作ることにより、この海竜の襲撃を一種のエンタテインメント――観光資源に昇華してしまったというわけか。たくましいな、ノースオーシャンの民は」


 ベシン! バシン! ドゴン!


ヒーティ「ひいいい! 結界にすごい勢いで体当たりしてます……!!」

シャーロット「大丈夫よ。大丈夫じゃなければここは観光地になんかなってないもの」


 バゴン! ズガン! メキャッ!


サーナ「……な、なんかヤバくないですの? 今不穏な音がしたような……」

ノルン「あ、あはは……そんな、まさか……」


 バキャッ! ギャリッ!


ルル「……」シャキン

リエム「リアンさま。わたしの後ろへ」スッ

アリム「……来るわよ。全員、戦闘態勢!」バッ


 ガシャアン――…

 防護結界「」バチッ…シュウン…


海竜「GYAOOOOOONN!!!」


リアン「え……えええええええ!!!?!!?!?」
105 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/08(木) 00:34:24.77 ID:i5FZIuCC0
本日はここまで
次回、海竜大決戦編です。お楽しみに
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/08(木) 01:13:47.55 ID:pN20zN0Ko
おつおつー
コンマさえ暴れなけりゃランチは海竜だぜ
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/08(木) 23:05:09.09 ID:Ak7qh3sZ0
リアンちゃん優しいから、食べるのはかわいそうだよって逃してあげたら懐いてユリトー島まで泳いでついてきちゃってペットになるかもしれない……
108 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/08(木) 23:36:17.35 ID:i5FZIuCC0

 ※数の暴力と〈水の守り〉によって海竜からのダメージが1/4になる効果によりあっさり勝ちました

海竜「ぴぎ……」

 ―戦闘終了―


リアン「た、倒せ、た……?」

エンシァン「数の暴力だったな……」

ルウェリア「リアンちゃんが海竜の攻撃をことごとく捌いてくれたお陰だよ」

地域住民「つええお嬢さん方だなあ」

広報無線『防護結界の不具合により海竜の侵入を許し、皆さまに多大なるご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げ――』


海竜「ぴぎい……」


リアン「……ど、どうしよう」


↓1〜3多数決(リアンのメンタリティに関わる地味に重要な選択です)
1.食べる
2.逃がす
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/08(木) 23:37:10.58 ID:e+6eLEIc0
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/08(木) 23:37:33.52 ID:Ak7qh3sZ0
2
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/08(木) 23:38:02.60 ID:1/fC42zMO
2
112 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/09(金) 00:03:33.71 ID:1svyUt9M0
海竜「ぴぎーっ!」バシャバシャっっっ

地域住民「もう来んなよ〜」



リアン(私たちは……海竜を逃した……)

リアン(倒せたら美味しく調理してくれるらしかったけれど……それでも、逃した……)

リアン(防護結界さえちゃんとしていれば危険はないのなら、命まで奪う必要はないはずだ……)

リアン(…………)

リアン(……綺麗事だ。今ここで海竜を食べなくたって、私たちは普段から他の命を奪い、喰らって、生きている……)

リアン(ただ、自分の手で命を奪うのが……手を汚すのが嫌だっただけだ……)

リアン(本気で何一つ命を奪いたくないなら……自分の命を捨てるしかない……)

リアン(そんな覚悟も、意志も……私にはない……)

リアン(……生きるのは……かなしいこと、なのかもしれない……)

 ★リアンがかなしみを覚えました

 ◆
113 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/09(金) 00:10:14.34 ID:1svyUt9M0
―修学旅行2日目 夜
 大浴場

リアン「はあ〜……。旅行ももうすぐ終わりかあ……」プルン

ルウェリア「うん……。最後まで、めいっぱい楽しもう……!」ペタン

サーナ「今夜はパジャマパーティですものね!」バルン

ノルン「パジャマパーティかあ……。ふふ、楽しみ……!」ポヨン


生徒B「……」ジーッ

生徒B(リアンちゃんは相変わらずだねえ。ぷるぷるした瑞々しさがあってヨシ!)

生徒B(ルウェちゃんは小ぶりだけど、ないわけじゃないんよねえ。その僅かな膨らみに気付けるかどうかがポイントっしょ)

生徒B(最近牛さんという噂が立っているサーナちゃんは……ハリがあって堂々としてて良いねえ。大きさこそ正義と言わんばかりの力強さ!)

生徒B(そして注目すべきはノルンちゃん! もちもちした柔らかそうな巨峰が二つ! 普段はどうやって服の下に隠しているのか……)


シャーロット「ん……良いお湯ね……///」タプン…


生徒B「エッ!!!?!?!!?!?!??」

生徒B(だ、誰あのエロエルフ!? 一般の旅行者!!?)

生徒B(や、やばい……あれは、やばい……! あんなの見せられたら……!!)


生徒B「ま、ママぁ……」

シャーロット「あら? ふふ、おっぱい欲しいの? はい……///」タプン…

生徒B「あう、あぅ……」

生徒A「あ、あわわわ!! 何してるの!!?」

ルウェリア「何してるんですか、准教授……」

 ◆
114 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/09(金) 00:12:34.48 ID:1svyUt9M0
本日はここまで
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/09(金) 00:16:50.65 ID:wNujlIoeO

リアンちゃんなら食べても同じ感想抱いた気がする
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/09(金) 00:32:50.35 ID:u3rKkfAso
おつおつー
コンマすら許され無かった海竜ドンマイ
悲しみを知る事でより強くなれるはず…
一般通過エロフ草
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/09(金) 11:54:19.32 ID:ZYANYon+0
おつ
魔鍵の時みたいにコンマに生死ゆだねるのは危険と判断したのか…
118 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/09(金) 22:46:22.32 ID:1svyUt9M0
食べた場合もリアンちゃんは似たような感想を抱くと言えば抱くのですが、最終的にはカニを食べた時のように命を背負っていく決意に変じていました。どちらが良いとか悪いという類のものではありませんので、今後もリアンちゃんの行方を暖かく見守っていただければ幸いです
海竜くんがあっさり負けたのは、人数が多すぎて戦闘を上手く書いたり処理したりするのが難しかったためという理由もありました……。海竜は美味しいらしいので当初は食す方向性で考えていたのですが、>>107さんのレスを見て確かにリアンちゃんなら逃しそうだなあと思い直し、選択式にした次第だったりします
119 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/09(金) 22:46:51.67 ID:1svyUt9M0
―修学旅行2日目 夜
 客室

リアン「パジャマパーティ in ノースオーシャン! 始まります!」(E:ひらひらネグリジェ)

ルル「わー!」パチパチパチ(E:スムースニットパジャマ)

リエム「わー」パチパチパチ(E:きぐるみパジャマ(コウテイペンギンのヒナ))

ヒーティ「わー!」パチパチパチ(E:赤ジャージ)

シャーロット「わー!」パチパチパチ(E:すけすけベビードール)

ルウェリア「なんてもの着て来てんですか准教授!!」(E:ルームチュニック)

ノルン「さ、流石ですね……。私は絶対着れない……」(E:ルームパーカー)

サーナ「わたくしもあそこまで強気なものは無理ですわ……」(E:キャミワンピ)

アリム「……シャーロットって痴女なの?」(E:ネグリジェ)

エンシァン「シャーロットは痴女だ」(E:ガウン)

 ◇

アリム「で、パジャマパーティって何をするの?」

リアン「それはね――」

↓1
1.恋バナだよ!
2.映画鑑賞だよ!
3.王様ゲームだよ!
4.その他自由安価
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/09(金) 22:48:36.77 ID:moq0s7u20
2
121 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/10(土) 00:27:49.66 ID:LjjtFWh90
リアン(私たちは、シャーロット准教授がオススメだと言う映画をみんなで視聴した)

リアン(それは、主人公の女の子が双子の女の子たちと三角関係になってしまう恋愛映画だった)

リアン(双子の一人は病弱で、もう一人は元気で……。そんな子たちとひと夏の出逢いから愛を育むも、病弱な子の症状が悪化し……)

リアン(誰も報われない、かなしい結末を迎えてしまうのだった……)

 ◇

サーナ「うっ……うっうっ……。あんまりですわ……あんまりですわ……」グスグス

ヒーティ「か、悲しすぎます……。誰も悪くないのに、何もかもが悪い方に噛み合って……」

ルウェリア「……どうしてこんな映画を見せたんですか。准教授……」

シャーロット「うふふふ。みんなにもこのかなしみを味わって欲しかったの♡」

ノルン「ううっ……道連れにしたんですね、准教授……!!」



アリム「…………」

アリム(フィクションだとはわかっているけど。やっぱり、リアンとわたしたちを重ねてしまうわね)

アリム(わたしたちも一歩間違ったら……あんな酷い結末を迎えていたのかもしれない)

アリム(……いや。わたしたちが生きて、共にあり続ける限り、そういう可能性が消えることは―――)

 ギュッ

アリム「え……?」

リアン「アリムちゃん……。今夜は……私たちと一緒に寝ない……?」

リエム「アリム……」

アリム「…………」

アリム「………うん」



エンシァン「…………」zzz

ルル「んへへ………」zzz

 ◆
122 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/10(土) 00:28:35.56 ID:LjjtFWh90
―修学旅行3日目 朝
 客室

 チュンチュン

リアン「ふわあ……」

リアン(昨日遅くまでパジャマパーティをしていたけれど、部屋の中は綺麗に片付いている。遺跡部にはものを散らかすような人はあんまりいないし、散らかしてもルウェリアちゃんやノルンさんがささっと片付けてしまうから散らからないのだ)

リアン(さて、そんな今日はとうとう旅行最終日……。お昼くらいにはまた飛行機に乗って、ユリトー島に帰ることになる)

リアン(残り半日……どう過ごそうかな)


―次の遺跡発見率[208/500](※修学旅行中は上がりません)
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・ルウェインを救出する
・魔鍵を追う
・エピカを止める

3日目朝〜昼の行動です。これが修学旅行ラストです
↓1〜3 自由行動または発生するイベント
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:29:49.10 ID:G90z39N00
海竜が女の子に変身してお礼に自分を召喚できる魔石をくれる
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:30:25.02 ID:SLbnbhX10
海竜くんが逃してくれた恩返しをしたそうに、リアンの近くに近寄ってくる
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:31:24.92 ID:dgYpbBkbO
せっかくだしみんなで記念撮影
126 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/10(土) 00:41:24.45 ID:LjjtFWh90
>>123>>124はほぼ同じ内容なので、追加でもうひとつ↓1
ちなみに野生を生きてきた海竜くんがその通りになってくれるかはちょっとシビアなコンマ判定が必要となります。ご了承ください
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:43:46.65 ID:119av6EuO
珍しくエンシァン先生と二人きりになる
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:43:50.68 ID:b2tTiIUOO
大っきな時計塔(観光名所)を見に行く
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 00:49:50.73 ID:veDzMECeO
長いようで短かったねえ
130 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/10(土) 01:04:34.33 ID:LjjtFWh90
―修学旅行3日目 朝
 ノースオーシャン地方 海岸

 ザァーン ザザァーン…


リアン「ノースオーシャンの海……粉雪が舞ってる。寒いけど、綺麗だなあ……」

リアン「なんとなく海を見たくなったから来てみたけど……来て良かったかも。寒いけど」

リアン「……いや、寒いよ! 朝の海めっちゃ寒い! なんで一人でこんなとこ来たの、私!」

リアン「帰ろ……ん?」


海竜「」ザバァン


リアン「あっ! あれはあの時の海竜……!?」

リアン「元気に泳いでる。凄い回復力だなあ。でも良かった……」


海竜「!」


リアン「あ……こ、こっち気付いた……?」


↓1
01-40 攻撃を完封されたトラウマ。逃げ出す
41-70 恐る恐るこちらに近付いてくる
71-90 堂々と近付いてくる
91-00 近付いてきて女の子の姿になる
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 01:05:49.02 ID:X1czC9CSO
せいや
132 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/10(土) 01:16:45.17 ID:LjjtFWh90
海竜「ぴぎぃーっ!!」バシャバシャっっっ


リアン「あっ……に、逃げてっちゃった……」

リアン「そりゃそうか……。あの海竜にとって私は、自分をぼこぼこに叩きのめした人間の一人だもんね」

リアン「お互い、平和に暮らせると良いね……」

 ☆リアンの水魔法は海竜すら畏怖するものとなりました
 〈水の守り〉の[水ダメージ1/4]が[水ダメージ無効]に変化しました
133 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/10(土) 02:01:25.63 ID:LjjtFWh90

リアン「海竜も行っちゃったし、やっぱり帰ろ――」


 ガオン―


リアン「えっ!? この遠くから響いてくる特徴的な魔法音は……!」

 ◇

―ノースオーシャン地方 海岸


 ガオン!

エンシァン「ふっ、はっ……!」

 ガオン! ガオン!

エンシァン「ぬんっ!」

 ガオンッ!!


エンシァン「くっ……ふう。そこそこ実用的にはなってきたか? あとは燃費さえ改善できれば――」


リアン「エンシァン先生!」タッタッタッ

エンシァン「むっ……リアンくんか」クルッ

リアン「おはようございます……! こんなに朝早くから訓練してるんですか!?」

エンシァン「グッドモーニング。なに、ラジオ体操のようなものだ。これをしないと1日が始まった気がしないのでね」

リアン「そ、そうなんですか」


リアン(久しぶりに先生の魔法を見たけれど、以前よりも動きや発動が洗練されているような気がする。実はかなりの修練を積んでいるのかもしれない)
134 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/10(土) 02:01:55.69 ID:LjjtFWh90

エンシァン「しかし珍しいな。君が一人でいるのは」

リアン「なんか目が覚めちゃって。みんなを起こすのも悪かったので、一人で海に来てました」

エンシァン「ククッ、君は大体いつも誰かと共にいるからな」

リアン「あ、あはは……。わざとじゃないんですけどね」

エンシァン「フッ……。遺跡部の中心的存在だからな、君は」

リアン「ええっ!? わ、私そんな大層なものじゃ……」

エンシァン「大層なものさ。遺跡部が盛り上がってきたのは、紛れもなく君が加入してからだ。君が加入してから、リエムくん、ルル、サーナくん、ノルンくん、アリムくん、ヒーティくんと、君に好意を持つ者たちが立て続けに入ってきたのだぞ? 全く、この魔性の女め」

リアン「まま、魔性!? 私、そんなんじゃないですよお……!」

エンシァン「ククク、自覚していないところもタチが悪いな……。っと、そうではなく……つまり、アレだ。私は君に礼を言いたかったのさ」

リアン「え、礼……?」

エンシァン「ああ。遺跡部に入り、熱心に活動してくれてありがとう――とな」


リアン(エンシァン先生はそう言って、軽く頭を下げた)


リアン「わ、私は……自分のしたいこと、すべきことをやっているだけですから……!」

エンシァン「ああ、わかっている。私も礼を言いたくて言っているだけだからな」

リアン「あ‥…なるほど!」

エンシァン「フッ、そういうことだ。これからもよろしく頼むぞ、リアンくん。何か困ったことがあったら私でもルウェリアでも他の誰でも良いから、抱え込まんようにな」

リアン「はい!!」


リアン(エンシァン先生……時々めちゃくちゃなことをしたりするけど、本質的にはやっぱり優しくて良い先生だ)

リアン(遺跡部の顧問がこの人で、本当に良かった……!)

 ◆
135 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/10(土) 02:02:23.88 ID:LjjtFWh90
本日はここまで
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/10(土) 13:42:32.19 ID:uFAiBQSAo
野生動物だし…再襲撃されないだけで有情か
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/11(日) 00:49:55.65 ID:DnBF3lmc0
今日はお休みかな
138 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/11(日) 21:16:46.58 ID:qwfglKI90
―修学旅行3日目 昼
 ホテル「アイスブレイク」ロビー

リアン(あと少しで私たちは空港に向かい、この地を離れることになる)

リアン(楽しかった修学旅行も、これで終わりだ……)


サーナ「もう終わりですのね……」

ノルン「仕方ないよ。いつまでも遊んでいるわけにはいかないし」

サーナ「ですわね。わたくしたちには、為すべきことがまだまだたくさんあるのですもの!」

ルウェリア「……うん」グッ

リアン「……ねえ。写真、撮らない? みんなが嫌じゃなければ」

ノルン「記念撮影だね……!」

サーナ「集合写真みたいなやつですの?」

リアン「うん。私の覚えてる限りじゃ、全員が写った写真って一回も撮ってないしさ。もちろん普通の集合写真みたいにカッチリしたやつじゃなくても良いんだけど」

ルウェリア「……そうだね。今年は一枚も撮ってないや」

リアン「でしょ? だから――」

ルウェリア「うん……! 撮ろう、みんなで……!」

 ◇
139 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/11(日) 21:17:17.19 ID:qwfglKI90
―運河沿い通り

ルル「きねんさつえい?」

リエム「遺跡探索部がこの日ここにいたことを証明する為の画像データを作成するということです、ルルさま」

ルル「へー。ルルも映るの?」

リエム「はい、もちろんです。ルルさまも遺跡探索部の一員ですので」

ルル「ん」コク


ヒーティ「これって自分も写って良いんですか……?」

リアン「もちろん! できればみんなで撮りたいから、写ってくれると嬉しいよ」

ヒーティ「そ、そうなんですねッ……! わかりました、頑張りますッ!」

ルウェリア「ふふ、学校に提出するとかじゃないから気楽にね」


アリム「まさかわたしが人間たちと一緒に記念撮影することになるなんてね」

ノルン「……改めて思うけど、アリムちゃんの治療が間に合って良かった」

サーナ「ええ。こうして旅行に来て、一緒に記念撮影できたんですもの……。本当に良かったですわ」

アリム「…………ありがとう」


エンシァン「フッ……。賑やかになったものだ」

シャーロット「去年までは私とエンちゃんとルウェリアちゃんの三人だけだったものねえ」

エンシァン「お前は不定期参加だったしな」

シャーロット「仕方ないじゃない! 准教授やりながら高等部の部活にも参加ってけっこう忙しいのよ?」

エンシァン「いや、感謝している。お前のお陰で今日の遺跡探索部があると言っても過言ではないからな」

シャーロット「ふふっ、それを言うならエンちゃんでしょ。あなたがいなかったら遺跡部は存在していないもの」

エンシァン「ははっ、それは間違いない」


生徒A「じゃあ撮るよー! 遺跡部のみんな、準備オーケー?」

「はーい!」「はい」「オーケー!」「はい!」「ですわ!」
「はいッ!」「うむ」「はあい!」「ん」「はいはい」

生徒B「ばっちこーい!」

生徒A「はいはい部外者はどいてねー! それでは3、2、1――」

 パシャッ―

 ◆
140 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/11(日) 21:17:47.90 ID:qwfglKI90
―帰路 飛行機内

 ゴゴゴゴゴ

リアン(飛行機がゆっくりと地上から離れていく)

リアン(窓の外を見ると、もう既に地上は遥か下だ)

リアン(ノースオーシャンの銀世界が遠ざかっていく)


リアン(楽しかった2泊3日の修学旅行も、これで終わり……)

リアン(そして明日から12月。ノースオーシャンほどではないにせよ、ユリトーも冷え込みが厳しくなっていく頃だろう)

リアン(ルウェリアちゃんのお姉さんのこと、魔鍵のこと、エピカちゃんのこと……)

リアン(そして期末テスト……)

リアン(立ち向かわなければならない問題は山積みだ)

リアン(でも大丈夫。きっと上手くいく。アリムちゃんが治ったように、他の問題だって、きっと……)

リアン(ううん。上手くいかせるために、頑張らなきゃ……!)

 ◆
141 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/11(日) 21:20:46.08 ID:qwfglKI90
―12月1週
 東区 新生・クロリアの工房

ルル「わあ……!」

ヒーティ「こ、これは……!」

アリム「いきなり案内されたかと思ったら……どうしたのよここ!?」

スイス「ルルちゃんたちが旅行に行ってル間、スイスたち、ここ直した……!」

クロリア「はい! アリムさんがルアン様の工房から多くのデータや資料を持ち帰ってくれたお陰で、なんとか形は元に戻すことができました……!」

量産剣「まさか土木や建築用の補助プログラムをインストールする羽目になるとはな……」

クロリア「本当にお疲れ様です、スイスちゃん、量産さん。今週はゆっくり体を休めてくださいね」

量産剣「そうさせてもらおう……」

クロリア「とりあえずは私たち三人が暮らす為の居住スペースと、不測の事態に備えるための人造種用医療設備だけ整えました。アリムさんたちも、何かあればすぐにいらしてくださいね」

アリム「助かるわ。工場やルアンの工房まではちょっと遠かったから」


スイス「旅行、楽しかっタ?」

ルル「ん。楽しかった」

ヒーティ「スイスちゃんたちにお土産買ってきたよ。はい」スッ

 冷凍カニ「」

スイス「わ……! カニさン……?」

量産剣「カニか……。食したことはないな」

クロリア「大きなカニ……! 本当に良いのですか……?」

ヒーティ「もちろんです! とても美味しかったので、三人で食べてみてくださいッ……!」

ルル「ルルも食べる!」

クロリア「ふふ! それじゃあ早速食べちゃいましょう!」


―次の遺跡発見率[208/500]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・ルウェインを救出する
・魔鍵を追う
・エピカを止める

12月1週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/11(日) 21:21:18.01 ID:DnBF3lmc0
魔法体術の授業
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/11(日) 21:22:56.02 ID:elSKxhx9O
海竜撃退の件で生徒会に表彰される遺跡部
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/11(日) 21:23:14.30 ID://z3bYI70
みんなで勉強合宿
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/11(日) 21:24:27.69 ID:ENqFt7bS0
↑+金のトロフィーをもらって皆大はしゃぎ
146 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/11(日) 22:32:35.63 ID:qwfglKI90
―12月1週
 学院 生徒会室

リアン(その日、遺跡部の二年生は生徒会室に呼び出されていた)

リアン(一体どのような用件だろう……。まさか廃部の危機じゃ……)


生徒会長「本日あなた方を呼び出したのは、確認の為です」

ルウェリア「確認……?」

生徒会長「先日の修学旅行で、ウチの生徒が海竜を撃退した件で、ノースオーシャンの方々から我がユリトー魔法女学院宛に感謝状が届きました」

リアンたち「!」

生徒会長「目撃情報によると、海竜撃退に貢献したのはほとんどが遺跡探索部の部員だったそうですね」

ノルン「そ、それは……」

サーナ「ええ、そうですわよ! わたくしたちが撃退しましたわ!!」

リアン(わあ。流石サーナさんだ。はっきり言ってのけた)

生徒会長「それなら、この感謝状と謝礼はあなた方遺跡探索部のものです」スッ

 感謝状と封筒「」

ルウェリア「えっ、いいんですか?」

生徒会長「もちろん。あなた方への感謝なのですから、あなた方が受け取るのが筋でしょう」

ルウェリア「そ、そういうことでしたら……ありがたく頂戴いたします」スッ

生徒会長「はい。……海竜はとても獰猛で危険な生物であり、本来であれば専門の討伐隊が必要となるそうです」

リアン「え゛っ!?」

生徒会長「それをあなた方は圧倒し、難なく撃退せしめたそうですね……。流石は闘技大会ベスト4です」

ノルン「あ、ええと……海竜の撃退については、先生方や通りすがりの旅行者の方も手伝ってくれたので……」

生徒会長「通りすがりの遺跡探索部顧問と学外部員、でしょう?」

ルウェリア「いや、まあ……」

生徒会長「そういうわけですから、ささやかながら私たち生徒会からも表彰させていただきます。ノースオーシャンの街を守っていただき、誠にありがとうございました」スッ

 小さなメダル「」

ルウェリア「は、はい……。このメダルは……?」

生徒会長「賞状を一度に二枚も貰っても困るかと思って、私たちからはそのメダルに致しました。不要でしたら化学実験の材料にでもしてください」

ルウェリア「い、いやいやいや! 大事にします! ありがとうございます……!」

生徒会長「ふふ……これからも頑張ってくださいね」


↓1 謝礼の中身
01-30 カニ商品券
31-60 ↑+ガラス細工商品券
61-90 ↑+現金(エンシァンの給料一ヶ月分程度)
91-00 ↑+海竜の珠(リアン能力+)

↓2 メダルの材質
01-20 金メッキ(中身プラスチック)
21-40 銅
41-60 銀
61-80 金
81-00 プラチナ
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/11(日) 22:34:42.16 ID:Io8Xi61vO
うみたま〜
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/11(日) 22:39:34.93 ID://z3bYI70
プラチナ
149 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/11(日) 22:59:55.64 ID:qwfglKI90
―部室

ルウェリア「…………」

ノルン「お疲れさま、ルウェリアちゃん。紅茶淹れたよ」スッ

ルウェリア「えっ! あ、ありがとう、ノルンさん……」

サーナ「……どうしましたの? やけに思い詰めたような顔して」

ルウェリア「あ、ええと……」キョロキョロ

リアン「……?」

ルウェリア「……みんな、驚かないで聞いて欲しいんだけど……」

ノルン「う、うん」

ルウェリア「……このメダル……プラチナだ」

リアン「え……えええええ!?」

ノルン「う、嘘でしょ!? 銀メダルじゃないの!?」

ルウェリア「私、得意魔法の性質上、物質の組成とかわかるんだよ。だから、わかっちゃって……」

サーナ「い、言われてみれば……銀よりも白く輝いているように見えますわね……」

ルウェリア「とりあえず、先生に相談してみよう……」


リアン「ちなみにノースオーシャンの人からの謝礼は何だったの?」

ルウェリア「そっちはカニの商品券がたくさん入ってた」

サーナ「カニですの!? それじゃあまた遺跡部でカニパーティですわ!!」

ノルン「ようし、本場の人には劣るだろうけれど、私もカニ料理頑張ってみる……!!」

 ☆カニ商品券をたくさん手に入れました
 ☆プラチナのメダルをとりあえず部室に飾りました
150 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/11(日) 23:01:24.66 ID:qwfglKI90
本日はここまで
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/11(日) 23:52:11.70 ID:orQoORlKo

会長は話のわかる人っぽくて何よりだ
あと実家太そう
部室の実績トロフィーも随分増えたなあ
152 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/12(月) 21:29:31.39 ID:KZzGwePC0
部室も賑やかになってきました。試しに実績一覧を作ってみたのでご参考にどうぞ

☆実績一覧☆
・剣ルルが入っていた箱
・プチドラゴンのぬいぐるみ
・精霊樹の実の種
・海洋深層エーテル結晶
・草テニス大会のトロフィー(金メッキ)
・消火活動の感謝状
・学内闘技大会ソロ部門優勝トロフィー
・学内闘技大会ソロ部門準優勝トロフィー
・学内闘技大会デュエット部門優勝トロフィー
・携行魔導レーザー(未使用)
・ルアン工房の
・アクリルアイス入りガラス細工
・海竜撃退の感謝状
・プラチナのメダル
153 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/12(月) 21:30:09.42 ID:KZzGwePC0
―12月1週 某日
 校庭

体育教師「というわけで今日は魔法体術の授業だ」

生徒B「まほーたいじゅつ?」

体育教師「魔法を組み合わせた体術のことだ」

生徒A「まんまだね!」

体育教師「おう。つっても属性が違えば最適な動きもまるっきり変わってくるだろ? だからここで教えんのは普通の体術だな」

生徒B「じゃあ体術の授業じゃん!」

体育教師「教えるのは体術だが、お前たちには自分の体に魔力を通した状態で動いてもらう!」

生徒A「シンプル!」

体育教師「そういうことだ。とりあえずまずは足さばきから――」

 ◇

サーナ「フッ、ハッ、イヤーッ!」バヒュンッ

ルウェリア「うわっ!」コテッ

サーナ「ふふん、どうですの? わたくしの突風正拳突きは!」

ルウェリア「す、すごい風だったけど……」

ノルン「風で相手を飛ばすのが目的なら拳を突き出す意味はないし、拳で殴るのが目的なら風で飛ばしたら殴れないよ……」

サーナ「うぐぐぐ! 難しいですわね、魔法体術……!」

ノルン「リアンちゃんはどう……? やれそう……?」

↓1 リアンの体術
01-30 力任せ
31-60 割とやる
61-90 かなりやる
91-00 ウォーターキグルミカラテ
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 21:31:02.87 ID:c0rt0ccu0
155 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/12(月) 21:48:49.33 ID:KZzGwePC0
リアン(水きぐるみ)「――」ブンッ シュッ バシュンッ

体育教師「う、うおおお!」ガッ バシッ ドガガガガッ

リアン「――」ガッ ブオンッ

 バシャアン――…

体育教師(濡れ透け)「降参だ……」ビショビショ

リアン「ふう……。ありがとうございました……!」ペコ


ノルン「わあ……!」

ルウェリア「流石……!」

サーナ「やりますわね……!」


リアン「あ、あはは……まあ、水を纏って戦うのは昔からやってたから、魔法を使いながら体を動かすのは苦手じゃないのかも……」

ルウェリア「本当に頼りになるよ。攻防一体の水キグルミ……!」

サーナ「優勝者の実力は伊達ではないってことですわね……!」

ノルン「私も負けてられない……!」ヴン

サーナ「ようし、わたくしも……!」ヒュルンッ

ルウェリア「私だって……!」キンッ

 ◆
156 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/12(月) 22:14:57.35 ID:KZzGwePC0
―12月1週 週末
 大学部 研修棟

リアン(週末、私たちは大学部の研修棟に泊まり込みで勉強会をすることになった)

リアン(期末試験の時は近い……。前回のような醜態を晒さないよう、頑張らないと)

リアン(ちなみにここは大学部の研修棟。学院生であれば格安で宿泊できるということをシャーロット准教授が教えてくれたのだ)

リアン(先週修学旅行を終えたばかりだけれど、またみんなと一緒に昼夜を共にできるのは楽しい)

リアン(……まあ、今回の目的は勉強だけど)


サーナ「シャワーに浴場にキッチンも完備……! こんなに優れた宿泊施設が大学部にあったんですのね……!」

ルウェリア「建物自体も新しめだからか綺麗だよね。内装も程良く無機質で勉強に集中できそうだし」

ノルン「准教授に感謝しなきゃね。部室もいろいろ揃ってはいるけれど、ベッドとかはないし」

アリム「じゃあ始めましょう。国語以外ならわたしに聞いてくれても良いわよ」

リエム「みなさま、がんばってくださいませ。ご飯はわたしが用意いたします」

リアン「よし、頑張ろう……!」

↓1 テスト勉強成果
01-60 次回テスト対策+++
61-90 次回テスト対策++++
91-00 次回テスト対策++++++
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 22:19:48.49 ID:dscKFcLxO
ほい
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 22:23:25.83 ID:FUIlg6GVo
やはり武闘派リアンちゃん
159 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/12(月) 22:39:16.77 ID:KZzGwePC0
―夜

リエム「夜分遅くまでおつかれさまです。ミルクココアをお淹れいたしましたので、よろしければお飲みくださいませ」スッ

リアン「わあ……! ありがとう、リエムちゃん……!」

サーナ「このタイミングで甘く温かいミルクココアは助かりますわ……!」

ルウェリア「体は温まるし、糖分も補給できる……本当にありがとう、リエムちゃん」

ノルン「流石だなあ……。ふふ、ありがとねリエムちゃん」

アリム「ふっ、わたしの妹分だもの。気が利くのは当然よ」

リエム「おねえさんはわたしです。アリムは妹、あるいはおばあちゃんです」



リアン(こうして夜が更けるまで、私たちは勉強を頑張った)

リアン(その後みんなでお風呂に入ったり、またパジャマパーティみたいな感じになったり……)

リアン(とにかく、楽しい合宿ができました)

リアン(成果はまあ、ぼちぼちかな?)

 ☆次回テスト対策が進みました
160 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/12(月) 23:02:36.71 ID:KZzGwePC0
―12月2週
 どこかの遺跡 モニタールーム

モニター『ジングルベールジングルベール』

魔鍵「…………」

ルウェイン「世間ではそろそろ聖夜のシーズンみたい」

魔鍵「聖夜……この時代における行事でしたか」

ルウェイン「うん。親しい人に、感謝の気持ちを込めて贈り物する日なの」

魔鍵「ふうん……それでこのお祭り騒ぎというわけですか」

ルウェイン「うふふ、私も魔鍵ちゃんに――」

モニター『』プツン

魔鍵「下らない」

ルウェイン「あっ……」

魔鍵「忌々しい人間共……。死ぬまで馴れ合っていろ」

ルウェイン「魔鍵ちゃん……」

魔鍵「休憩は終わりです。仕事に戻りますよ、ルウェイン」

ルウェイン「うん……」

―次の遺跡発見率[241/500]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・ルウェインを救出する
・魔鍵を追う
・エピカを止める

12月2週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります なお本日はここまで
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 23:04:09.26 ID:RqN+UGn+0
ヒーティ、リアンに特訓を頼む
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 23:05:50.83 ID:EeZiFelH0
聖鍵二人の姉妹対決が勃発
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 23:06:01.98 ID:dscKFcLxO
アリム、生徒会長の好みにドストライクする
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 23:12:36.36 ID:z+MkQgPMo
イエリア様引きこもってるみたいだけどこれ>>162通るか……?
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 23:17:50.54 ID:eWxolrGVO
>>1が特に何も言わなければ大丈夫なんじゃない?
イエリアもこの状況はもう長く続かないだろうと言ってたし、魔鍵側も世界滅ぼすの目的ならイエリア捜索くらいはするだろうし
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 23:52:08.29 ID:FUIlg6GVo
おつです
クリスマスはあるのかよっしゃ
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/12(月) 23:59:01.80 ID:pZ8/kvdo0
おつ
168 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/13(火) 20:09:53.26 ID:8xk/u4gO0
少し前であれば>>162の安価は無効となっていましたが、現在はいろいろ状況が変わってきているので有効になりました。聖夜ともどもお楽しみに
169 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/13(火) 20:10:21.33 ID:8xk/u4gO0
―12月2週 某日 放課後
 ユリトー南海岸 岩場

 メラメラ ボッ

ヒーティ「てやァッ」ゴウッ


 流木「」ゴオオオッ

 炭「」プスプス


ヒーティ「はあ、はあ……」


ヒーティ(以前よりも強くなってる。私の火力)

ヒーティ(でも、まだまだだ。先輩方の横に並ぶには、まだ足りない……)

ヒーティ(島を守る。先輩も守る。スイスちゃんたち人造種も守る。身の程をわきまえろって感じだけど、それでも私は全部守りたい)

ヒーティ(その為に、もっともっと強くならなきゃ……!)


ヒーティ「ようし、次! ファイアッ!!」ゴウッ

リアン「何してるの、ヒーティちゃ――」ヌッ

ヒーティ「り、リアン先輩!? 避け――」

リアン「!? バブルバリア!」ボワン

 ボシュウゥ――…

リアン「ひ、ひええ〜。ヒヤッとしたよお〜」ヘナヘナ

ヒーティ「りり、リアン先輩……! すみません! 怪我はないですか!!?」トタタッ

リアン「う、うん。水は火に強いから、全然平気だよ」

ヒーティ「よ、良かった……」ヘナヘナ


ヒーティ(……本当に、良かった。また自分のせいで誰かが傷付いたらと思うと……)

ヒーティ(うう……。火力は上がっても、周りが見えてなきゃただの危ない人だ……)

ヒーティ(昔から火力ばかり高くて細かい操作は苦手だったけど、このままじゃまたいつか誰かを焼いてしまう……)


リアン「ヒーティちゃん、一人で魔法の練習してたの?」

ヒーティ「あっ……は、はい……」

リアン「凄いなあ……! 努力家なんだねえ」

ヒーティ「そ、そんなんじゃ、ないです……」

リアン「ね、見学しても良い? ヒーティちゃんの魔法、あんまりしっかり見たことなくて」

ヒーティ「あっ……そ、それなら……!」


ヒーティ(リアン先輩なら、思いっきり私の火をぶつけても大丈夫だ。それなら――)


ヒーティ「特訓、手伝ってくださいッ!!」

リアン「へっ!?」

 ◆

↓ 特訓の成果
01-80 長所を伸ばした(ヒーティパッシブスキル獲得)
81-00 長所をさらに伸ばした(ヒーティ強パッシブスキル獲得)
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/13(火) 20:11:13.71 ID:rts4jKqE0
はあっ
171 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/13(火) 20:25:51.38 ID:8xk/u4gO0
リアン「精密な操作は苦手なんだねえ……」

ヒーティ「はい……。誤って誰かを傷付けないか心配で……」

リアン「それなら大丈夫だよ! 私の水魔法でみんなを守るから、ヒーティちゃんは安心して火力を伸ばそう!」

ヒーティ「え、ええ!? でも……」

リアン「無理に弱点を克服しようとするより、強みをさらに伸ばした方が良いって何かの漫画で読んだことあるもん!」

ヒーティ「ま、漫画ですか……。でも、わかりましたッ!」

 ボッ ゴウッ ゴオオオッ

 ◆

ヒーティ「はあ、はあ……。や、やっぱり全力でやると操作が本当に危ういです……」

リアン「でも凄い火力だった……! 私の水も蒸発させられちゃいそうでヒヤヒヤしたよお〜」

ヒーティ「え、えへへ……自分、強くなれましたか……?」

リアン「うん! この調子でがんばっていこう!」

 ☆ヒーティがパッシブスキル〈暴れ火〉(コンマ5%不利、与ダメージ+2)を獲得しました

 ◆
172 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/13(火) 20:50:18.82 ID:8xk/u4gO0
―12月2週 某日
 生徒会室

生徒会長「……ところで、先日遺跡部を招集した時のことなんですが……」

生徒会員改め副会長「何か気になることでも?」

生徒会長「いえ、気になるというか……。遺跡部の二年生を呼んだつもりだったのですが、一人来なかった子がいましたよね」

副会長「ああ。あの赤い瞳の子だね。幼げで可憐な容姿を持ちつつも、纏う空気は氷の如し。一部の生徒たちから密かに人気のある謎の転入生、アリムちゃん――」

生徒会長「ええ、そうです。聞けば出席は最低限で、授業に出るよりも部室に入り浸っている時間の方が長いという噂もあります」

副会長「フフ、とんだ不良さんだ。それで会長さんは、アリムちゃんのことが気になる――と?」

生徒会長「気にならないと言えば嘘になるでしょう。ただでさえ話題注目の遺跡部在籍ですし、何より――」


↓ アリムちゃのどこがどストライクだったのでしょう
01-10 ??
11-40 容姿
41-70 性格
71-90 全体
91-00 ??
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/13(火) 20:54:03.66 ID:0t1JYDu0O
えい
174 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/13(火) 22:20:08.47 ID:8xk/u4gO0
生徒会長「――心の在り方が、とても好ましいのです」

副会長「心の在り方、と? わかるように説明してもらっても?」

生徒会長「ええ。私なりの考察ではありますが、お聞きください」


――
―――

 私の見ていた限り、ここに転入してきた当初のアリムちゃんは今よりも更に刺々しく冷たい意志を宿していたように感じられました。
 誰も信じない、信じられない――そんな目をしていたように思えます。その赤い瞳は、周囲全てに対する怒りと憎しみに燃えているようで――
 しかしその本当の奥底には、とても深い、かなしみが――静かに横たわっていました。
 生徒会長なりに彼女の苦しみをすくい取ってあげられたら、などと思いつつ――行動に移すことはできませんでした。
 きっと、生まれも育ちも恵まれた私などの言葉が、本当のかなしみを知る彼女に届くことはないのだろうと思ってしまったのです。
 そっとしておく思いやり。それもきっと間違いではないのでしょう。
 しかしそれでは、だめな人もいるのです。どうしようもない深みに嵌り、自力では自分をすくい取れなくなった人が――。

 でもアリムちゃんは、今は割と楽しそうじゃあないか。

 そうなのです。アリムちゃんをすくい取ってあげた人が、いたのです。

 リアンさんのことだね。

 その通り。リアンさんは不器用ながらも、必死にアリムさんに接し続け、ついにその心に触れられる距離まで手を届かせました。
 そしてここからが本題です。いくらリアンさんの温もりに触れたからと言って、アリムちゃんはすぐにかなしみを克服できたわけではありません。
 そもそも、かなしみは克服できるものではありません。どれほどの歓喜、享楽に包まれようとも、かなしみは消えないのです。
 アリムちゃんももちろん、そのことは承知しているのでしょう。依然として、彼女の瞳の奥には底しれないかなしみが見え隠れしています。
 しかしそれでも。それでも。それでもと。アリムちゃんは、かつてかなしみに屈した身でありながらも、今一度かなしみに抗う道を選んだのです。
 それがどれほどの苦難か。私には想像も及びませんが――。
 私はこの学院の生徒会長として。いえ、一人の人間として――彼女のひたむきな意志を、応援したいのです。

―――
――


副会長「なるほど……君がアリムちゃんにゾッコンだってことはよくわかったよ」

生徒会長「……すみません。夢中で喋ってしまいました」

副会長「良いとも。私も応援するよ。遺跡部と、アリムちゃんと、彼らを応援する君のことを、ね」

生徒会長「ありがとう……」

副会長「共に見守っていこう。彼らの行く末を―――……」

 ◆
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/13(火) 22:33:49.06 ID:NMZU5PDFo
会長めっっちゃ推すやん
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/13(火) 22:45:35.37 ID:xS6Nr7NCO
聖鍵対決どうなるどうなる……
177 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 00:45:58.88 ID:8cyb2Tnw0
―12月2週 某日
 庭園 寝室

イエリア「……」ピコピコ

 ドシュッ

 モニター『あなたは しにました』

イエリア「…………」

フィー「……イエリア様って下手ですよね。ゲーム」

イエリア「うるさい。飽きた、このゲーム」ポイッ

フィー「こら、コントローラを投げない」パシッ

イエリア「別のゲーム持ってきてよ。もっと面白いやつ」

フィー「仕方ないですね。倉庫から――」


 フォウン…


フィー「……イエリア様。私から離れずに」スッ

イエリア「……誰か、来たんだ」

フィー「ええ。招かれざる者が」

 ◇

―庭園

ルウェイン「樹海の奥に、こんな場所が……!」

魔鍵「あなたの熱心な捜索のお陰ですよ。帰ったら褒美を与えます」

ルウェイン「え、本当!? えへ、魔鍵ちゃんからのご褒美かあ……」

魔鍵「さて……。感じますね……聖鍵の波長を……」

ルウェイン「……! 下がって、魔鍵ちゃん!」ザッ


フィー「………お前たちは……」スタスタ

イエリア「……」ヒョコ


魔鍵「……ルウェイン、大丈夫です」スッ

ルウェイン「えっ……?」

魔鍵「……久しぶりですね、聖鍵イエリア。それと、インテリジェンスソード純粋種」スタスタ
178 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 00:49:54.94 ID:8cyb2Tnw0

イエリア「……何しに来たの?」

魔鍵「単刀直入に言います。大神殿を開く為の贄となりなさい」

フィー「……」シャキン

ルウェイン「!」ザッ

イエリア「フィー、納めて」

フィー「……」スッ

イエリア「……一応、話くらいは聞くけど……どうして大神殿を開きたいの?」

魔鍵「ストロードールと同じですよ。この世界を壊したくなった。それだけです」

イエリア「……どうして? あなたは、曲がりなりにもこの島の管理者として今までやってきたんだよね? あの時も、終わりかけてたこの島で、人造種を一挙に統制して滅びに抗ったんでしょ?」

魔鍵「ただの虚しい生存欲と支配欲です。そんなのにこだわっていたなんて、今思うと本当に下らない日々でした」

イエリア「…………死にたくなったってこと?」

魔鍵「少なくとも生きる理由はないですね」

ルウェイン「ねえ、私は魔鍵ちゃんの生きる理由にならないかな?」

魔鍵「なりません」

ルウェイン「」ピシッ

フィー「……あなたの八つ当たり地味た自爆テロに、イエリア様まで巻き込むのはやめて欲しいんだけど」

魔鍵「イエリアを巻き込まないと自爆テロできないので。私が聖鍵として欠陥品だってことくらい知ってるでしょう?」

ルウェイン「魔鍵ちゃんは欠陥品なんかじゃないよ! 誰がそんなこと言ったの!?」

魔鍵「……ルウェイン。今は少し黙っていてもらえますか」

ルウェイン「……ご、ごめんね」スンッ

フィー「そもそも、世界を滅ぼすに値する理由があるの?」

魔鍵「逆に聞きたいのですが、この世界を存続させるに足る理由こそあるのですか?」

フィー「……生きたいと願う人たちがいる。それじゃあ不足?」

魔鍵「その下らぬ生存欲で他者を踏み躙る下劣な原生生物共など、それこそ生きるに値しない」

フィー「……平行線だね。見えている世界が違う」

魔鍵「穢れなき祈りから生まれた純粋種などにわかってもらおうとは思いません。しかし邪魔をするなら――」

イエリア「待って! あなたの思いはわかった。私もこの世界に対して思うところはあるから、全く理解できないわけじゃない」

イエリア「……正直に言うと、私もこの世界を存続させるに値する理由なんてわからないよ。終わらせるべき理由ならいくらでも思い付くけど」

フィー「い、イエリア様……」

イエリア「あっ……フィーには生きていて欲しいから、それは数少ないこの世界を存続させたい理由だけど……」

フィー「イエリア様……!」

ルウェイン「私も魔鍵ちゃんには生きていて欲しいよ! だから、どっちかと言うと世界を存続させたい派かな?」

魔鍵「ああもう……。それで、イエリアはどちらかと言うと世界を終わらせたいってことで良いのですか? それなら先程も言った通り、大神殿を開く為の贄になって欲しいのですが」

イエリア「…………それはそれで嫌」

魔鍵「……は?」
179 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 00:55:54.05 ID:8cyb2Tnw0

イエリア「だってそれじゃあ、私は世界が綺麗に終わる瞬間を見れない。そんなの、面白くないもの」

魔鍵「…………いや、でもあなたが犠牲になってくれないと終わらせられないのですが」

イエリア「……あなたが犠牲になれば?」

魔鍵「は? だから私は欠陥品で――」

イエリア「試してみたの?」

魔鍵「い、いや……もし成功したら死ぬでしょうが!!」

イエリア「でも成功すれば開くよね?」

魔鍵「そ、それはそうですが……」タジタジ

イエリア「じゃあ、こうしよ。今から私たち二人で真剣勝負して、負けた方が犠牲になるってことで」

フィー「イエリア様!?」

イエリア「ごめんね、フィー……。私たち聖鍵は……やっぱり、どうしてもこの世界を好きになり切れない種なの……」

フィー「…………」

魔鍵「……ククク……アッハハハハ! 良いでしょう! 一度あなたのことは思いっきりぶん殴ってやりたいと思っていたのです!!」

イエリア「……やっぱり、恨んでたの? 私のこと……」

魔鍵「いいえ。あなたを恨むのが筋違いだということくらい理解できてますよ。ただそれはそれとして、同じ生まれなのに大切に扱われているあなたが羨ましくて、妬ましくて、憎らしく思っていた時期があったのも事実です。もう風化した感情だと思っていましたが……ククク、今あなたを殴れると思った途端、久しぶりに湧き出てきましたよ……!!」

イエリア「そ、そうなんだ……。いやそれ恨んでるって言っても良いんじゃ……」

魔鍵「ふふん、こんなところにずっといた引きこもりなんかには負けません。ボコボコに殴って裸にひん剥いて土下座させてやる……!!」

イエリア「うへえ……」

ルウェイン「……くす。魔鍵ちゃん、楽しそう……」

 ◇
180 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 00:56:28.18 ID:8cyb2Tnw0
本日はここまで
次回、聖鍵対決です。対決の方法や判定はこれから考えます。お楽しみに
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 01:21:46.12 ID:p+OjSgsTo
おっつ
魔鍵様がイキイキしていらっしゃるw
そしてフラグをこれでもかと建てていくぅ!
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 13:04:22.20 ID:niut2rWQO
1年で締めた方が綺麗に終われそうだなこれ
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 13:37:57.34 ID:4UosJDCKo
変に引き伸ばしてグダるよりはきっちりシメた方が俺も好きかな
それはそれとしてこういう世界観好きだからまだまだ見たい気持ちはある
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 18:26:34.87 ID:cO48RaiL0
1年でとりあえずメインストーリー終わりにして後はいつやめてもいい状態にするのが良さそう
185 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 20:03:29.72 ID:8cyb2Tnw0
少し前にも書き込んだ通り、現在のシナリオは作中時間で3月までに決着する予定です(もっと早いかも)。そこを無理に引き伸ばしたりするつもりはありません
その後も続けるかどうかは、>>1の環境やモチベーションによるか、あるいは多数決などで決めることになるかと思います
186 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 20:04:44.65 ID:8cyb2Tnw0
フィー「……それで、真剣勝負とは具体的にどのようなことをするつもりなのですか?」

イエリア「ええっと……それは……」

魔鍵「何でも良いですよ。先程は殴ってやると言いましたが、それは物理でも魔法でも精神でも手段にはこだわりません。殴り合いでも魔法試合でも人造種の支配合戦でも、イエリアが好きに選びなさい。何が来ても万年引きこもりなどには負ける気がしませんからね」

イエリア「じゃあ、家庭用ゲームで……」

魔鍵「…………は?」

↓1 勝者
奇数 イエリア
偶数 魔鍵
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 20:05:08.63 ID:D4aZpQCD0
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 20:41:52.77 ID:p+OjSgsTo
流れ美し過ぎる…!
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 20:43:45.29 ID:cO48RaiL0
フィーが一番びっくりしてそう
190 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 21:33:13.66 ID:8cyb2Tnw0
 ピコピコ ベシッ バシッ バギャッ K.O.

魔鍵「あああああああ!!!!!」ジタバタ

ルウェイン「魔鍵ちゃん……!」

フィー「ええ……? イエリア様より弱いなんて……」

イエリア「はい、私の勝ち……。裸になって土下座、する……?」

魔鍵「あ……う、うぅ……!」

ルウェイン「やめて! 裸になって土下座なら、私が……!」バッ

魔鍵「! やめなさい、ルウェイン!」フォンフォン―

ルウェイン「あ――はい、魔鍵ちゃん……」スッ

魔鍵「大体、ズルじゃないですか!! 私が一度もやったことのないゲームを持ち出すなんて!!」

イエリア「選んで良いって言ったのはそっちだし……」

魔鍵「むむぅ……!」

イエリア「不服なら……もう一回やる?」

魔鍵「やる……。情けをかけたこと、後悔させてやる……!!」

 ◆

魔鍵「」

イエリア「はい、私の勝ち……。これで百連勝、かな? ゲーム下手だね」

魔鍵「」

イエリア「裸土下座はしなくて良いけど……」

魔鍵「……」ポロポロ

イエリア「えっ……あ、あ、えと……!」アタフタ

魔鍵「やっぱり……私は、試作の欠陥品だったんですね……。イエリアに、ただの一度も、勝てない……」ポロポロ

イエリア「あ……」

ルウェイン「……っ」

魔鍵「…………約束、してください。必ず、世界を滅ぼすと……」

イエリア「……うん。あなたの命を貰うんだもの。約束、絶対に守るよ」

魔鍵「……ふふ。それなら……良い、です……」

魔鍵「お願いします……私の、妹…………」

イエリア「……!」

魔鍵「スゥ、スゥ……」
191 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 21:34:04.96 ID:8cyb2Tnw0

イエリア「……寝ちゃった。可愛い寝顔……」

ルウェイン「魔鍵ちゃんは……活動可能時間が、あまり長くないから……」

イエリア「…………」

ルウェイン「……ねえ。イエリア、さん? どうしても、魔鍵ちゃんを犠牲にしなきゃ、だめなの……?」

イエリア「……うん。ごめんなさい。それが、私と、彼女の…………お姉ちゃんの、望みだから……。お姉ちゃんのことを想うなら、止めないでほしい」

ルウェイン「…………嫌だよ。どうしてもそうするしかないなら……刺し違えてでも、ここであなたを討つ――」スッ

イエリア「……ごめんなさい」フォンフォン―

ルウェイン「あ――――」フラッ

イエリア「……? あれ、あなた……お姉ちゃんに何かされたんだ。うーん……でも……」

イエリア「……勝手にいじったらダメだよね。とりあえず今は、お姉ちゃんと一緒に寝ててね」フォンフォン

ルウェイン「魔鍵、ちゃん……」カクン

イエリア「…………。本当、嫌な力……」
192 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 21:36:13.13 ID:8cyb2Tnw0

フィー「イエリア様」ヌッ

イエリア「わっ! フィー! どこ行ってたの?」

フィー「……私は、ここでお暇させていただきます」

イエリア「え……?」

フィー「元より、私の目的は滅亡を防ぐこと。あなたが滅亡を企てる側に回った以上、共にはいられません」

イエリア「あ……そう、だよね。その為に、私をここに隠したんだもんね……」

フィー「…………」

イエリア「……あ、あれ? てことは、今私って……絶体絶命……?」

フィー「そうですね。今ここであなたの首を刎ねれば、それだけでその目的が達成できます」

イエリア「…………でも、そうしないんだよね。フィーは」

フィー「ふふっ……世界を守る。あなたも守る。今の目的は、その両方ですから」

イエリア「じゃあどうするの? また私を攫って、どこかに隠しちゃう?」

フィー「いいえ。それでは、同じことの繰り返しですから――」

フィー「今度は、私と真剣勝負をしてもらいますよ」

イエリア「えっ……?」

フィー「大規模な地形変動によって、大神殿の場所もわからなっています。あなたたちが先に大神殿を見つけて、滅びの願いを叶えればあなたたちの勝ち。私が先に大神殿を見つけて、あなたたちを待ち伏せて捕らえれば私の勝ち。どうです? シンプルでしょう」

イエリア「……そうだね。シンプル」

フィー「私はお姉さんのようにはいきませんよ。今回は手加減なしでいきますので」

イエリア「望むところ……。ゲームで負け続けた恨み、晴らしてやる……!」

フィー「ふふ、また負かして差し上げます。それでは、大神殿で逢いましょう――」シュタッ

 *フィーがイエリアのもとを離れました
 *魔鍵とルウェインがイエリアと行動を共にするようになりました

 ◆
193 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 21:38:26.34 ID:8cyb2Tnw0
―12月3週
 部室

 コンコン

リアン「誰だろ? 部員ならわざわざノックなんてしないし」

アリム「んん……? この気配……人造種ではないけれど、人でもないし……どこかで……」

ルウェリア「とりあえず開けてみようか」

 ガラッ

フィー「どうも。あなたたちが遺跡探索部?」

リアン「え……!?」

アリム「あ、あんたは……!!」

ルウェリア「え、リアンちゃんとアリムちゃんの知り合い……?」

リアン「ま、前に魔導機械工場で……」

フィー「ああ、私の情報を元に造られた人造種のことかな……。その節は、迷惑をかけたようで……」

アリム「やっぱりあれは本人じゃなかったのね……! でもあんたが本人なら、どうしてここに……!?」

フィー「状況が変わったんだ。君たちのことを見込んで、頼みがある」

フィー「世界を守る為に、大神殿の捜索を手伝って欲しい」


―次の遺跡発見率[448/500]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+5)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+4、戦闘力+6、持続力+4)〈献身〉
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+4、持続力+2)〈不壊〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+4、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)〈暴れ火〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇アリム  (魔導兵装:踏破力+5、戦闘力+10、持続力+5)〈会心強化〉

☆現在の目標☆
・ルウェインを救出する
・魔鍵を追う
・エピカを止める
・大神殿を見つける

12月2週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 21:38:53.76 ID:TTo42bh+0
リアンとノルン、体育倉庫に閉じ込められる
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 21:39:52.21 ID:i32ZhbEDO
遺跡部、漫画研究会の題材にされる
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 21:44:19.76 ID:kZZRf7kp0
フィーから詳しく話を聞く(途中で目新しいお菓子に興味惹かれつつ)
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/14(水) 21:46:27.93 ID:TTo42bh+0
>>193

失礼、今週は12月3週では?
198 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 23:26:11.83 ID:8cyb2Tnw0
コピペしたのがそのままでした。脳内で12月3週に変換しておいてください
199 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 23:26:41.72 ID:8cyb2Tnw0
―12月3週
 部室

リアン(私たちは緊急ミーティングを行うことにした)

リアン(議題はもちろん、突如部室を訪れたインテリジェンスソード、フィーさんの話を聞くためだ)


フィー「……突然の訪問の上、このように時間まで取らせてしまい、誠に申し訳ない。旧ユリトー文明の古代遺跡攻略に定評のある君たちに、どうか協力していただきたいことがある」ペコ

アリム「前置きは良いわ。わたし以外はあなたの事情も知らないの。そういうところからわかるように説明してもらって良いかしら?」

フィー「わかった。なるべく簡潔に説明しよう――」


 説明中…


フィー「……というわけで、私と一緒に隠れ住んでいた聖鍵のイエリア様が、彼女の姉君……同じく聖鍵である魔鍵と共に、世界の滅びを目論んで行動し始めてしまったんだ。私は彼女たちを止めてそれを阻止したい。そこで遺跡探索のスペシャリストだという君たちに協力を仰ぎに来たというわけだ」

シャーロット「…………」ウズウズ

エンシァン「シャーロット、気持ちはわかるが抑えろ。はしゃいで良い場面じゃない」

シャーロット「わ、わかってるわよお……」

ヒーティ「で、でも世界の滅びだなんて……! どうしてその人たちは、そんなことを……!?」

シャーロット「そうですわよ! 世界が滅んでしまったら、自分たちの命だって終わってしまうんですのよ!?」

フィー「……魔鍵は、この世界に強い憎しみを抱いているようだった。魔鍵ほどではないが、イエリア様もこの世界を厭っている。世界を壊しても良いと思う程度には……」

リアン「…………」

ルル「…………」

アリム「…………チッ。魔鍵のやつ……」

フィー「しかし付け入る隙はある。魔鍵には一人の人造種が付き従っていたのだが、彼女は世界が滅びることも魔鍵が犠牲になることも望んでいないようだった」

ルウェリア「……それはひょっとして、私と同じような水色の髪をした、小柄な女性ではありませんでしたか……?」

フィー「確かにその通りだけど……まさか……!」

ルウェリア「……私の姉です。やはり……魔鍵と一緒に……」

フィー「……それなら、私もその女性の救出に協力しよう」

ルウェリア「! ありがとうございます……! 私も、大神殿探しに協力します……!!」

シャーロット「……私もよ。大神殿探し、是非とも協力させて」

 ワイワイ ワタクシモデスワ! ジブンモッ! ワタシモ…! ルルモ


 ガラッ

ノルン「皆さん、ミーティングお疲れ様です。スイートポテトを焼いたので、良かったらどうぞ」スッ

リエム「温かい飲み物も用意してありますので、スイートポテトとご一緒にお飲みくださいませ」スッ

 ワイワイ アリガトウフタリトモ! ウマイデスワ! ルルモタベル! ワルクナイワネ

フィー「…………」

ノルン「フィーさんも、長時間のお話お疲れ様です。おかわりもありますので、遠慮せず食べてくださいね」

フィー「え、あ……で、では……」スッ

フィー「……」パクッ モグモグ

フィー(あ、甘い……! これは……美味しい……!!)

フィー(こんなに美味しいものが食べられる世界なら……イエリア様と一緒に外に出れば良かったかもしれない。そうすればイエリア様だって、この世界のことを……)

フィー(……今更後悔しても仕方ないか)

フィー(でも。無事にあなたを止めることができたら、今度は一緒に食べましょう。イエリア様……)

 ◆
200 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/14(水) 23:29:02.71 ID:8cyb2Tnw0
本日はここまで
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/15(木) 00:23:48.95 ID:BelVsy9Lo
おつおつー
魔鍵様コンマ神にも愛されてるなぁ!
そしてクリスマス前に移籍探索ゲージもたまっていよいよ物語も佳境に……
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