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しずく「あああっ!!!!」
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17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:31:07.76 ID:6nTFlglEO
璃奈「それも優しい歩夢さんらしい」
かすみ「うん でも、今回は割っちゃったのが侑先輩だったので、良くはないけど良かったんですかね」
侑「そうかもねぇ」
しずく(…違うッ!!!!!)
かすみ「喧嘩とかしないでくださいね…?」
璃奈「うん 辛い」
侑「大丈夫大丈夫 わざと割ったわけじゃないってことをちゃんと説明すれば、歩夢も許してくれると思うから」
かすみ「そうだといいんですけど…」
しずく(違う!!!わたしが歩夢さんに謝らなきゃ!!!!!!)
歩夢「しずくちゃん?」
しずく「…っ!?あ、歩夢さん?!」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:36:25.89 ID:6nTFlglEO
歩夢「どうしたの?部室の前でぼーっとして」
しずく「あ、いや、その…」
しずく(言わなきゃ…言わなきゃ…っ!!)
歩夢「…もしかして具合悪いの?」
しずく「…え?」
歩夢「顔真っ青だよ?」
しずく「あ、その…」
しずく(言わないと…謝らないと…!!)
しずく「……さ、寒くて!」
歩夢「確かに今日寒いよねぇ」
しずく「はい…」
しずく(違う…!こんなことを言ってる場合じゃないのに…!!)
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:38:18.57 ID:6nTFlglEO
しずく「…な、なので、温かい飲み物を買いに行こうとしてて…」
歩夢「そうだったんだ!」
しずく「はい…」
しずく(マグカップを割っちゃったことをちゃんと言わなきゃいけないのに…怖くて言えないよ……っ…)
歩夢「じゃあ早く帰ってきてね?」
しずく「…え?」
歩夢「実はね、クッキー焼いてきたんだぁ」
しずく「く、クッキーですか…?」
歩夢「うん!今日さ、3年生は進路指導で、せつ菜ちゃんは生徒会の仕事、愛ちゃんは日直でそれぞれ練習遅れるから、練習の開始時間がいつもより遅いでしょ?」
しずく「そうですね…」
歩夢「だから、みんなが集まるまで少しお茶とか出来ないかな〜って家でいっぱい焼いてきたの!」
しずく「そ、そうだったんですか…」
歩夢「だからしずくちゃんも早く帰ってきてね!今日のは自信作だからしずくちゃんにも早く食べてほしいから♪」
しずく「歩夢さん…」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:40:45.91 ID:6nTFlglEO
しずく(侑先輩も歩夢先輩も、どうしてこんなに優しいんだろう…)
しずく(そして、そんな優しい人たちを傷付けることをしてしまったわたしは…っ)
歩夢「じゃあわたしは先に部室に入ってるね?」
しずく「あっ…」
しずく(だ、だめ…!このまま歩夢さんを部室に入れたら、侑先輩は自分がマグカップを割ったって言う…)
しずく(そんなのはだめだよ…!割ったのはわたしだって…今言わないと…)プルプル
しずく「は、はい!わたしは自販機に行ってきますね!」
歩夢「うん!じゃあまた後でね〜」ガララッ
バタンッ
しずく「…」
しずく(…わたしは最低だ…っ)
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:42:45.23 ID:6nTFlglEO
歩夢「おはよ〜」
侑「あ、歩夢!?」
かすみ「お、おはようございます!」
璃奈「お、おはよう」
歩夢「? なんでみんな挙動不審なの?」
かすみ「べ、別にそんなことないですけど!」
璃奈「うんうん」
歩夢「そう?」
かすみ「はい!」
歩夢「ならいいんだけど…それより、今日クッキー作ってきたんだ!」
かすみ「クッキー?」
歩夢「今日の練習、始まる時間がいつもより遅いからお茶しよっかな〜って」
侑「…」ギクッ
璃奈「そ、それは楽しみ」
かすみ「そうですね!」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:44:17.68 ID:6nTFlglEO
歩夢「あとね、今日ミルクティーのパック持ってきたんだ」
かすみ「ミルクティー?」
歩夢「クッキーに合うかなって思って!だからみんなの分もわたしがいれてあげるね♪」
璃奈「…」
歩夢「えっと、わたしのマグカップがこれで、かすみちゃんと璃奈ちゃんのがこれで」カチャカチャ
歩夢「…あれ?侑ちゃんのマグカップは?」
侑「…」
しずく(っ…)
歩夢「もしかして今使ってる?」
侑「…あ、あのね歩夢!」
歩夢「どうしたの?」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:47:53.94 ID:6nTFlglEO
侑「…」ガサガサ
ガチャ
歩夢「…え」
侑「ごめん歩夢…マグカップ、割っちゃった…」
歩夢「……」
しずく(違う…割ったのはわたし…早く言わなきゃ…取り返しのつかないことに…)
しずく(なのに…足が震えて動かない…)プルプル
侑「わ、わざとじゃなかったんだよ!」
歩夢「…うん 侑ちゃんがわざとするようには思えないから…」
侑「本当にごめん」
歩夢「うん…」
侑「歩夢…」
侑(わかってくれたのかな…)
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:49:35.45 ID:6nTFlglEO
歩夢「そっか…思い出、割れちゃったんだ…」
侑「あ、歩夢…?」
歩夢「それじゃあもう…このマグカップもいらないよね…」ギュ
侑「!」
かすみ「あ、歩夢先輩!」バッ
歩夢「…」スッ
かすみ「だめ…っ!!」ガシッ
歩夢「離して…!」
かすみ「こんなこと間違ってますよ!!」ググッ
歩夢「かすみちゃんに関係ないでしょ!?これはわたしと侑ちゃん2人の問題なの!!」
かすみ「あっ…そ、それはそうですけど……」
歩夢「離して」
かすみ「っ……」グスッ
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:51:44.24 ID:6nTFlglEO
侑「ちょっと歩夢!そんな言い方はないじゃん!!」
歩夢「なに?!侑ちゃんはわたしを責めるの!?」
侑「責めるも何も、今のは絶対に歩夢が間違ってるよ!!」
歩夢「っ…」
侑「かすみちゃんに謝って」キッ
歩夢「……マグカップ割ったくせに」
侑「!」
歩夢「大事な…っ……わたしたちのマグカップを割ったくせ…!!!」
侑「それはちゃんと謝ったじゃん!!」
歩夢「謝って済ませられるほどわたしにとって軽い思い出じゃないの!!!」
侑「っ…」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:54:00.92 ID:6nTFlglEO
歩夢「…ねえ、覚えてる?このマグカップを買った時のこと…」
侑「…」
歩夢「中学生になったら、2人で夜中までお勉強会とかするのかなって…」
歩夢「そしたら、温かい飲み物がほしくなるねって…それで…2人で買ったお揃いのマグカップ…」
侑「…そうだね」
しずく()ダラダラ
歩夢「テスト前に必死に勉強した思い出…受験勉強をお互い励ましあって突き抜けた思い出…」
歩夢「2人で部屋でお菓子を食べながら楽しくおしゃべりした思い出…」
歩夢「そんな思い出が、このマグカップにはたくさん詰まってるんだよ…?」グスッ
侑「歩夢…っ」
しずく()ダラダラダラダラ
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 02:59:36.98 ID:6nTFlglEO
歩夢「だからわたしは部室に持って行きたくなかったんだよ!」
侑「それは…」
歩夢「家で使ってて割っちゃいそうになったことあった!?なかったよね!?」
歩夢「なのに、1週間だよ!?部室に持ってきて1週間で侑ちゃんは割っちゃったんだよ!?」
しずく(違う…割ったのは…割ったのは……)
侑「だからわざとじゃないって…」
歩夢「わざとじゃなくても!!マグカップは割れちゃったんだよ!!!?」
侑「っ…」
歩夢「粉々になっちゃったんだよ……」
侑「……」
しずく()ズキズキ
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 03:01:25.02 ID:6nTFlglEO
侑「………わたしだって……わたしだって辛いよ…っ!!!」
歩夢「!」
侑「こんな形で歩夢との思い出に傷が付いちゃって…辛いよ……」グスッ
しずく(っ……)
侑「でも…もうマグカップは割れちゃったんだよ…どんなに辛くても…元には戻らないんだよ……っ」
歩夢「そんなことわかってるよ…!!」
侑「なら!…受け入れるしかないじゃん!!」
歩夢「…っ」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 03:02:25.20 ID:6nTFlglEO
>>16
はミスです
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 03:06:32.95 ID:6nTFlglEO
侑「わたしと歩夢の間には、たくさんの思い出があるんだよ!!?マグカップだけじゃない!」
侑「それなのに、1個のマグカップなんかでわたしと歩夢の思い出に…わたしたちの仲に亀裂が入るなんて…わたしは絶対嫌!!」
歩夢「…」
侑「…はぁ…はぁ」
歩夢「……マグカップ"なんか"、か…」
侑「…」
歩夢「ねえ、侑ちゃん」
侑「なに」
歩夢「…侑ちゃんにとってこのマグカップは、数ある思い出の中のたった1つなのかもしれない」
歩夢「でも、わたしにとって…わたしにとって侑ちゃんの思い出は…」
歩夢「どんなに小さなことでも…1つ1つが宝物なんだよ…っ」
侑「…!」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 03:07:57.19 ID:6nTFlglEO
歩夢「…」グスッ
侑「歩夢……ご、ごめ…」スッ
歩夢「触らないで…!!」パシッ
侑「っ…」
歩夢「…こんなことになるなら…最初からこんな思い出、なかったらよかったんだ……」
侑「…やめて」
歩夢「マグカップなんて…買わなきゃよかった…」
侑「…やめて!」
歩夢「こんなもの…」
侑「やめろ…!!!」スッ
パアンッ
歩夢「……っ…」ヒリヒリ
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 03:10:21.45 ID:6nTFlglEO
侑「…はぁっ…はぁ……っ」ズキズキ
歩夢「っ……」ジンジン
侑「…それ以上…バカなことは言わないで…っ!」
歩夢「…じゃあわたしは何を言ったらいいの…?!どうしたらいいの!?」
侑「!」
歩夢「大切なマグカップが…思い出が割れちゃったって聞いて…まだ冷静にもなれてないのに…」
歩夢「それなのに…っ!!さっきからわたしばっかり………!!」
侑「そういうつもりじゃ…!」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 03:11:54.16 ID:6nTFlglEO
歩夢「……ううん、わたしがバカだからいけないんだよね…」
侑「…!」
歩夢「わたしがバカだから…マグカップ"なんか"でこんなに怒って…侑ちゃんと喧嘩して…」
侑「…っ」
歩夢「…わたしはバカだよ……でも…でも……っ!」
歩夢「わたしより侑ちゃんの方が絶対にバカだから…っ!!!」ダッ
侑「歩夢!」
ガララッ
侑「あっ…」
バンッ
侑「…っ……」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 03:13:42.63 ID:6nTFlglEO
しずく(部室内から聞こえてくる怒鳴り声)
しずく(同好会の誰もが認める仲良し幼なじみの侑先輩と歩夢さんが喧嘩する声)
しずく(そして、その喧嘩を引き起こしたのは、紛れもないこのわたし)
しずく(その事実を受け入れられず、ただ部室の前に立ち尽くすわたしを現実に引き戻したのは…)
しずく(勢いよく部室のドアが開くと同時に、涙を流しながら走り去って行った歩夢さんの背中と)
しずく(一瞬だけドアの隙間から見えた部室内の光景)
しずく(…顔をくしゃくしゃにしながら、必死に涙を拭っているかすみさん)
しずく(部屋の隅で、体を小刻みに震わせながら俯く璃奈さん)
しずく(そして、力なく崩れていく侑先輩の姿だった)
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2023/06/02(金) 03:26:34.06 ID:6nTFlglEO
しずく(全てが最悪のドミノみたいになっててかなしいです...)
しずく(どうしたらハッピーエンドになるのか分かりません…)
しずく(誰か……誰か救って下さい……)
二人は関係が悪化したまま卒業した
おしまい
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/06/02(金) 16:40:26.10 ID:S1AzXuWE0
続けなさいよ こんな終わり方は認められませんよ
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/02(金) 22:45:26.89 ID:4zq4o6PP0
続けなさいよ荒らしって他のスレには現れないよね
自演なのだろうか?
わざわざ上げて書き込んでるのも承認欲求を満たすためだと考えると
>>1
の思考回路と一致するしね
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