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【シャニマス×ダンガンロンパ】シャイニーダンガンロンパv3 空を知らぬヒナたちよ【安価進行】Part.1
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517 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 21:30:22.93 ID:3ZURDa6iO
すすっ
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 21:30:49.32 ID:3ZURDa6iO
シビアだねぇ
519 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:31:56.58 ID:EJLX27IQ0
【コンマ23 14 93 32】
【NICE!】
【TEMPO UP】
あさひ「ルカさんを刺し直したら返り血がつくっす!」
あさひ「わたしの服には血はついてないっす」
あさひ「ロッカーに着替えをしまうのは誰でもできるっすよ」
あさひ「わたしはずっと教室にいたわけじゃないっすよ」
あさひ「わたしがクロだって証拠はないっすよ!」
【コンマ値20〜60を5レス以内に3回出せ!】
↓1〜5
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 21:33:38.91 ID:u4nefy1y0
でろー
521 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 21:34:32.47 ID:u4nefy1y0
今日はすごくコンマが厳しい
522 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 21:35:23.46 ID:u4nefy1y0
じゃん
523 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 21:35:51.35 ID:3ZURDa6iO
いけそう!
524 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:37:38.03 ID:EJLX27IQ0
【コンマ 91 47 46 35】
【GREAT!】
あさひ「……あははっ!」
【止めをさせ!】
あさひ「わたしが教室のロッカーに着替えを仕込んでた証拠なんかないっすよ!」
ろい/した/おし/凛世の/落と/
【正しい順番に並べ替えろ!】
↓1
525 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 21:38:50.16 ID:u4nefy1y0
凛世の落としたおしろい
526 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:40:39.26 ID:EJLX27IQ0
にちか「これで終わりにしてやる!」
【BREAK!】
にちか「一つ……可能性があるんだ。もし第二の犯人が本当にあのロッカーの中に着替えを隠していたんだとしたら」
にちか「そのロッカーは、この学園生活が始まった時に杜野さんが監禁されていたロッカーってことになる」
樹里「凛世の……ああ、そういえば! 確かにそうだ! 凛世ははじめ、地下階段前の教室に監禁されてたんだ!」
凛世「はい……左様でございますが……それが一体……?」
にちか「捜査の時に言ってたよね? 杜野さんは監禁されていた時に携帯していたおしろいをロッカーの中に落としてしまっていたって」
あさひ「おしろい……っすか?」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
凛世「その時に、ひょっこりあさひさんが教室から出てくるのを見たはずです……」
にちか「ああ、地下階段の手前の教室で……!」
樹里「地下階段手前の……教室……?!」
灯織「そ、そこに何があるんですか……?!」
凛世「凛世と樹里さんが、はじめに閉じ込められていた教室が……そこなのです……」
にちか「……え?」
樹里「ほら、この学園生活の始まりってロッカーに押し込められるところから始まっただろ? アタシと凛世はあの地下階段前の教室のロッカーに閉じ込められてたんだよ」
凛世「あの時は慌てに慌て……普段から携帯していた【おしろいもロッカーの中で紛失してしまう】始末……」
凛世「数日前なのに、なんだか懐かしく感じます……」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
527 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:41:19.86 ID:EJLX27IQ0
甘奈「お化粧で使うファンデーションみたいなものだけど……そんなものを落としたら粉が舞い上がっちゃうよ!」
真乃「もしかして、あのロッカーの中には……凛世ちゃんのおしろいの粉が充満してたってことですか……?」
にちか「充満とまでは行かなくても、粉が壁や床に付着してた可能性は高いです。そして、そんなところに衣服を置いていたら……」
めぐる「服にもおしろいの粉がついちゃうよー!」
あさひ「……」
にちか「ねえ、芹沢さん。あなた確かブラックライトを持ってたはずだよね」
にちか「今度はそれで、自分の今着ている服を照射して見てもらえるかな」
にちか「もし私の推理が正しければ……制服に付着しているおしろいの粉の粒子が光を反射して、輝くはずだから」
あさひ「……」
あさひ「…………」
あさひ「……………………」
528 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:43:13.10 ID:EJLX27IQ0
「あはは」
529 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:44:07.76 ID:EJLX27IQ0
あさひ「あははははは! すごい、すごいっすね! おしろいなんてわたし、全く考えもよらなかったっす!」
あさひ「にちかちゃん、わたしの予想してないところから責めてきてびっくりしたっすよ!」
夏葉「その反応は……あなたは認めるの? ルカを刺し直した犯人だって」
あさひ「そうっすね。わたしがルカさんを刺した犯人っす」
愛依「そん、な……」
あさひ「にちかちゃんがルカさんを刺して、隠し通路から逃走するのを見届けて、ルカさんにとどめを刺したっす」
あさひ「バレないと思ったけど、まさかドローンで写真を撮られるとは思わなかったんで……わたしの負けっすね」
(本当に……芹沢さんが……私の後に、ルカさんをもう一度……?)
にちか「なんで……! なんでそんなことを……!」
あさひ「ああ、待ってくださいっす。そういう話は全部終わった後にしたいっす」
にちか「はぁ……?」
あさひ「とりあえず、犯人はわたしだって決まったし……一度事件をここまで整理して欲しいんっすよ」
あさひ「その上でクロを指摘して、裁判を終わらせる。動機とか、色々な話はその後にして欲しいっすよ」
あさひ「短い話じゃ、ないっすから」
にちか「……」
にちか「わかった……そうする、そうします。私が行ったルカさんの殺害、そして芹沢さんのやった本当の殺害」
にちか「その両方を今全部振り返って、全員に認めさせる。それでこの事件を終わりにするから!」
530 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:48:28.45 ID:EJLX27IQ0
【クライマックス推理開始!】
【Act.1】
今回の事件、そのトリガーとなったのは【モノクマの提示した動機】だよ。
コロシアイのタイムリミット、二日後の夜時間までにコロシアイをしなければ参加者は全員死亡。
そんなとんでもない動機を前に私たちは1日は怯んで何もできなかったけど……その次の日にモノクマから追加で動機の提示があった。
それはおしおきの免除。
今回に限りコロシアイのクロは学級裁判で負けてもおしおきをされずに生き続けることができるし、シロが間違えてもそのペナルティはないというものだった。
それでも中々人を殺すなんて踏ん切りはつかないけど……ルカさんは違った。
むしろ自分の命と引き換えに他の全員を守るやり方を思いついてしまったんだ。
そんな中、ルカさんが自分を殺す役に抜擢したのは私、【七草にちか】。
学園生活で普段から一緒に過ごすことが多かったし、私はルカさんのいうことには従順だったので選ばれたんだと思う。
ルカさんは私を連れて女子トイレ奥の隠し部屋へ。そこで今回の凶器である包丁も確認したよ。
【Act.2】
そして決行当日。私とルカさんは図書室で落ち合う約束をしてそれぞれ別行動。
ルカさんは一人で図書室に行ったけど、私はアリバイの確保のために【食堂】で最後の晩餐を食べていたんだ。
他にはモノクマと戦うことを決めた有栖川さんのグループと、単独行動を決めた風野さん、甘奈さん、甜花さん……そして、今回の事件の犯人がいた。
しばらくすると学園中に【コロシアイ促進BGM】が鳴り響いた。
タイムリミットの夜時間まで1時間を切ったところで鳴り始めたこの音楽は、とてつもない爆音であらゆる物音をかき消してしまった。
今回の事件において、その役割はすごく大きい……犯人が暗躍できたのはこのBGMのおかげと言っても過言じゃないからだよ。
私は適当な言い訳をして一旦女子トイレへと抜け出すと、そのまま図書室へと向かう。
それとほぼ同時期に愛依さんがグループに引き入れるために犯人を探しに行ったけど、地上の教室はすでにもぬけのから。
犯人は既に【通気口】の中に入っていたんだと思う。通気口の中で図書室の中を伺っていた犯人は何かしらの手段で私とルカさんの計画を知っていたんだろうね。
531 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:49:22.75 ID:EJLX27IQ0
【Act.3】
隠し通路を抜けて図書室に現れた私は、すぐにルカさんをその場で刺した。
隠し通路は出ることは容易でも、図書室から隠し部屋に入るにはカードキーが必要だったから、とにかく迅速な犯行が求められたんだ。
だから私は大した確認もせずにその場を後にしてしまう
まさか、本当の犯人がこの後に現れるとも知らずに……
犯人は私がいなくなったことを確認すると通気口から図書室へと降り立った。
私に刺されて弱り切ったルカさんから包丁を一度抜き取ると、【もう一度同じ場所に深く突き刺した】。
直接の死因になったのはこの時の傷のはずだよ。床に散っていた血痕もこの時に撥ねたものだ。
犯人はルカさんの死亡を確認すると、また同じように通気口を使って脱出して、教室へと戻った。
とはいえそのままの格好で合流するわけには行かない。なんたって包丁を引き抜いた時の返り血や、通気口のダクトの汚れで服がめちゃくちゃだったからね。そこでロッカーにあらかじめしまっておいた新品の制服に着替えたわけだけど……犯人にとって大きな盲点があった。
それは、このロッカーは【かつて杜野さんが監禁されていたロッカーだった】ということ。
杜野さんは監禁されていた時に携帯していたおしろいを落としていて、ロッカーの中にはその粉が散らかっていたんだ。
だから、犯人の制服は今もおしろいに塗れたまま。
ブラックライトで照らされれば一発で正体がわかるはずだよ。
そうだよね、【超研究生級の博士ちゃん】芹沢あさひ!
【COMPLETE!】
532 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:50:14.73 ID:EJLX27IQ0
にちか「どうかな……これで全部証明できたと思うけど」
愛依「……マジなん? マジであさひちゃんが、犯人なん……?」
あさひ「……」
愛依「そんなん、嘘だって……うち、信じないから」
樹里「信じたい信じたくないより、ここは真実を優先する場所だ」
樹里「すべき行動は一つだと思うぜ」
愛依「……うぅ」
モノクマ「どうやら結論が出たみたいですね!」
モノクマ「それじゃあ行っちゃいましょうか、シロとクロの運命を分けるワックワクでドッキドキの……」
「「「「「「投票ターイム!!!!!」」」」」」
533 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:51:19.89 ID:EJLX27IQ0
-------------------------------------------------
【VOTE】
〔あさひ〕〔あさひ〕〔あさひ〕
CONGRATULATIONS!!!!
パッパラー!!!
-------------------------------------------------
534 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:51:53.91 ID:EJLX27IQ0
【学級裁判 閉廷!】
535 :
存外早く裁判が終わったので、このまま裁判終了パートもいっちゃいます
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:53:52.83 ID:EJLX27IQ0
------------------------------------------------
CHAPTER 01
ガールビフールフールガールズ
裁判終了
------------------------------------------------
536 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:55:26.67 ID:EJLX27IQ0
モノクマ「というわけで大正解! 超研究生級のカリスマ・斑鳩ルカさんをぶっ殺した犯人は……」
モノクマ「まさに漁夫の利! 弱り切ったところにトドメを刺した超研究生級の博士ちゃん! 芹沢あさひさんなのでしたーーーーー!」
裁判場内にモノクマの声が響き渡るも、私たちは困惑に呑まれたままだった。
突如としてクロに浮上したこともそうだけど、何より彼女の犯行は齢14の少女が成したものにしては邪悪なものを感じさせた。
私の行った殺害計画をそのまま利用し、私という存在を隠れ蓑にして罪を逃れようとしていた。
悪意という言葉で一括りにするのでは足りないような、底知れない異様さがあった。
あさひ「あーあ、負けちゃった。でも楽しかったっすね!」
愛依「なんで……なんでそんなことしたん?! あさひちゃん?!」
にちか「聞かせてよ、あなたには聞きたいことが沢山あるんだから」
あさひ「いいっすよ! 何から聞きたいっすか?」
屈託のない笑顔。
裁判の前と後でその表情に何ら変わりないのが余計に不気味だ。
537 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:56:30.59 ID:EJLX27IQ0
にちか「……あなたは私がルカさんを刺したことを知った上で裁判に挑んでいたんだよね? あの証拠の数々を途中まで見せなかったのは何故?」
樹里「そういやそうだよな……あの証拠を最初から公開していればにちかが犯人って話にはすぐ辿り着いていたはずだ」
あさひ「そんなの簡単な話っすよ。すぐに裁判が終わるんじゃ【つまんない】っすから」
甘奈「え……?」
あさひ「みんなで一緒に話し合って犯人を見つけ出す。それがこの学級裁判の醍醐味じゃないっすか」
(学級裁判を……楽しんでいる?)
(そ、そんなの……そんな思考ってまるで)
モノクマ「いや〜、芹沢さんはボクらにとってよき理解者だよね!」
真乃「り、理解者……?!」
538 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:57:40.89 ID:EJLX27IQ0
モノクマ「だってそうでしょ? 彼女だけがこの学級裁判の本当の意味を理解している」
モノクマ「学級裁判はエンタメなんだ! 人の生死がかかったこれ以上ないエキサイティングなエンターテイメントリアリティーショーだよ!」
あさひ「せっかくなら、他のみんなはどんな風に推理をするのか。自分が犯人だと思い込んでるにちかちゃんがどんな言い逃れをするのか、観察してみたかったんっすよ」
にちか「か、観察って……それじゃあなたは私たちをあなたの【研究対象】として見てたってこと……?」
恋鐘「うちらは実験台ってことばい?!」
あさひ「にちかちゃんはその点すごく面白かったっすよ! 色んな嘘をついてみんなを騙そうとしてて、予想外なこともしてくれたっす!」
灯織「……私はこの裁判で、人の持つ二面性を嫌というほど理解しました」
灯織「七草さんは私を利用して、罪から逃れようとしていた。人を信じることの危うさを見にしみて感じましたよ」
甜花「か、風野さん……」
あさひ「私が犯人だって最終的に突き止めたのもにちかちゃんだったし、にちかちゃんは私にとっていい遊び相手になってくれそうっすね!」
にちか「……」
539 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:58:39.23 ID:EJLX27IQ0
にちか「もう一つ、聞きたいことがあるんだ」
あさひ「なんっすか?」
にちか「あなたはいつから私とルカさんの犯行計画を知っていたの?」
めぐる「いつからって……通気口に潜んでたからじゃないの?」
真乃「ううん……あさひちゃんはもっと前から知ってたはずだよ」
真乃「そうじゃないと女子トイレに洗剤を散布したり、罠を仕掛けることなんて出来ないはずだから」
あさひ「……」
霧子「隠し通路の存在もそうだよね……」
霧子「いつからあさひちゃんは……知ってたのかな……」
にちか「どうなの、芹沢さん。私は……私とルカさんはいつからあなたに踊らされてたの?」
あさひ「……んーと、それはモノクマの方がよく知ってるっすよね」
にちか「え?」
モノクマ「……」
モノクマ「え?! ボク?!」
モノタロウ「な、なんでお父ちゃんが?!」
モノスケ「お父やん! あのメスガキとただならぬ関係なんか!?」
モノファニー「お父ちゃん、嘘よね! ペドでフェリアなアレじゃないのよね?!」
モノキッド「そうか、分かったぞ! この世界は全部電脳世界でみんな精密に再現されたデータだったんだ!」
あさひ「というよりも、モノクマの後ろにいる人っす。その人がぜーんぶ知ってるはずっすよ」
甜花「えっと、それって……どういう意味?」
540 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 21:59:20.40 ID:EJLX27IQ0
あさひ「このコロシアイの黒幕っすよ」
541 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:00:21.13 ID:EJLX27IQ0
にちか「……は?」
真乃「く、黒幕……?」
あさひ「みんなは疑問に思ってなかったんっすか? こんな大掛かりなコロシアイ、誰が仕掛けたことなんだろうって」
夏葉「当然疑問には思っていたわ……でも、それとどう繋がる話なの?」
あさひ「このコロシアイは16人も参加している大掛かりなデスゲームっす。武力があるとしても、下手に結託されてしまうと管理の手が追いつかないことだって考えられるっす」
あさひ「そうなると、コロシアイの参加者の中に黒幕と内通して、ある程度煽動する役割を担える人間がいた方が都合がいいはずっす」
あさひ「それに、例の動機っすよ」
凛世「コロシアイの時間制限のことでございますか……?」
あさひ「あの時にモノクマが言ってた文言を思い出して欲しいっす」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
モノクマ「コロシアイにタイムリミットを設けます!」
モノクマ「タイムリミットは明日の夜時間! それまでにコロシアイが起きなければ、殺し合いに参加させられている生徒は全員殺処分!」
モノクマ「モノクマーズの操るエグイサルを総動員してオマエラをスクラップにしちゃうよ〜!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あさひ「コロシアイに【参加させられている】生徒は全員殺処分。モノクマはなんでこんな回りくどい言い方をしたんっすかね?」
円香「……なるほど、コロシアイに自分から進んで参加した人間がいるから」
めぐる「そ、そんなのって……」
あさひ「そう、だからわたしは考えたっす。もしかしてわたしたちの中に黒幕の側の人間がいるんじゃないかって」
あさひ「で、見つけたんっすよ」
542 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:01:06.56 ID:EJLX27IQ0
あさひ「このコロシアイの黒幕を」
543 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:02:28.34 ID:EJLX27IQ0
にちか「……え?」
あさひ「よくよく思い返してみると、その人は変なことを時々言ってたんっすよね。コロシアイに参加させられた生徒とは思えない発言をしてたっす」
樹里「お、おい! ちょっと待てって! あさひ……今なんつった……?」
樹里「この【コロシアイの黒幕を突き止めた】……?」
あさひ「……? そうっすけど」
樹里「誰なんだよ! ソイツは! アタシたちをこのコロシアイに巻き込んだ黒幕って……!」
あさひ「やだなぁ、言うわけないじゃないっすか」
樹里「ああん?!」
あさひ「だって、そんなことしちゃったらつまんないじゃないっすか」
あさひ「せっかくこんな非日常に満ちたゲームが出来るんだから、もっと楽しまなきゃ勿体ないっすよ!」
私には、彼女がどこまでも理解ができなかった。
あさひ「で、話の続きなんっすけど。私は黒幕が分かっちゃったんで、その人に【直接聞いてみた】っす」
甘奈「ちょ、直接……?! そんな、危ないよ……!」
あさひ「大丈夫っすよ。コロシアイの参加者として黒幕も紛れている以上は勝手なことはできないはず。そんなことしちゃったらゲームとして成立しないっすもん」
544 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:03:41.00 ID:EJLX27IQ0
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あさひ「ねえ、あなたがこのコロシアイの黒幕なんっすよね」
『____________?』
あさひ「とぼけなくたっていいっすよ。あなたはこのコロシアイが始まった時から変なことを言ってたっすから」
あさひ「まあ、その違和感も別にそんなに大きなものじゃないっすけど……ここ最近はあなたの動きに注目してたんで」
『どうして__________』
あさひ「んー……まあ、これは交渉なんっすけど」
あさひ「わたしがあなたが黒幕だってみんなに言っちゃったらこのコロシアイは崩壊しちゃうっすよね。それってすごくつまらないっす」
あさひ「だから、あなたの正体を黙っておく代わりに……このゲームを【もっと楽しませてほしい】んっすよね」
『何を____________』
あさひ「わたしが面白くしてあげるっす」
『…………』
あさひ「一つお願いがあるっすよ。今回のコロシアイは処刑のペナルティを無しにして欲しいっす」
あさひ「わたしはこのコロシアイに乗るっす。だけど、流石にコロシアイの経験はまだ無いっすから。どんなものなのか一度試してみたいんっすよ」
あさひ「要はコロシアイのチュートリアルっすね。それをわたしにやらせてほしいっす」
『わかった____________』
あさひ「あはは、それじゃ頼んだっすよ! 約束っす!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
545 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:04:45.91 ID:EJLX27IQ0
恋鐘「あん動機はあさひが出させたものだったばい?!」
モノタロウ「えー?! そうなの?! お父ちゃん、血迷ったかと思ったら!」
モノファニー「そんな! お父ちゃんが脅しに屈するなんて!」
モノスケ「ワイらが人質に取られてもビタ一文払わんって公言しとるお父やんが?!」
モノクマ「……」
あさひ「せっかくゲームをやるからには、長く、しっかり楽しみたいっすからね。勝手を理解した上で本気のゲームをしたいっす」
円香「それじゃあ今回の事件は、あさひにとって」
あさひ「予行演習みたいなものっすね。みんながどんな感じで事件に挑むのかよく分かったっす」
にちか「……っ!」
意識が追いついたのは、体が動いた後。
彼女の話を聞いていた私は、自分の中にこれまでに抱いたことのない熱を帯びていることに気がついた。
それは、私に向けられた、ルカさんの言葉を知っているからこそ走った衝動。
私に託された、ルカさんの気持ちが胸にまだ生き続けているからこその衝動。
目の前の人間が、それを踏み躙ったからこそ湧き立った激情。
奥歯を噛み砕かんばかりに力がこもり強張った身体は、理性を置いてけぼりにして、彼女の胸ぐらを掴み上げていた。
546 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:05:53.84 ID:EJLX27IQ0
愛依「ちょ、ちょっと……にちかちゃん……!?」
にちか「許さない……あなただけは、絶対に……!」
あさひ「く、苦しいっすよ……にちかちゃん……」
にちか「ルカさんがどんな思いで自分を犠牲にしたのか……ルカさんがどれだけ私たちのことを思っていたのか……」
あさひ「あ……ぐ……」
にちか「あなたは、最低だよ! ルカさんの決意も覚悟も、予行演習なんかにされていいものじゃない!」
にちか「ルカさんの命は、いつだって本番だったんだ!」
樹里「にちか……ちょっと落ち着け!」
夏葉「仕方ない……にちかを引き剥がすわよ!」
すぐに私は他のみんなに取り押さえられ、芹沢さんは私の締め上げから解放された。
取り押さえられてなお、眼球が飛び出るぐらいに芹沢さんのことを睨みつけ、この歯でその首元を食いちぎろうとする勢いで暴れる私に、彼女はこう言った。
547 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:06:37.17 ID:EJLX27IQ0
あさひ「ごめんなさいっす。別にルカさんのことを悪くいうつもりはなかったっすよ」
にちか「はぁ……?! 何を今更……!」
あさひ「予行演習ってのはあくまで私の目線でってことっす。ルカさんの気持ちを否定する気はないっす」
にちか「この……この……!」
あさひ「あ、そうだ。ルカさんを刺した時のことを、にちかちゃんに教えてあげるっすよ!」
にちか「……は?」
あさひ「にちかちゃんが刺した後、私が刺し直した時のことっす!」
548 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:08:03.99 ID:EJLX27IQ0
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「行け! にちか!」
冷たい感触と対極に、ズキズキと焼けるような痛みがずっと腹部から頭へと競り上がっていた。
生命の危機に瀕しているという信号は、耳鳴りがするほどまでにうるさいものらしい。
ガンガンと響く頭に耐えかねて、私は思わず本棚に背を預け、ずるずるとへたり込んでいった。
「はぁ……アイツ……ちゃんと、行ったよな……」
出血量が多いのか、視界がどんどん霞んでいく。
最後に見たにちかの背中だけは確かだったはずだと、何度も自分に言い聞かせた。
「あぁ……クソ……痛ェ……」
私のやっていることは間違いなんだろうか。
学生時代に、何よりも重い罪は自らの命を擲つことだと教わった。
「やっぱ……これ、死ぬんだよな……」
自分と関わってきた全ての人にとって私という存在は相互に関わるものであり、
それを一方的に取り上げるのは、財産を強奪する行為にも等しいという理屈。
私はそんな綺麗事の道徳には賛同しない。
人の命には価値と、それを使うべきタイミングがあると思う。
私みたいに、何事も為さず、諦め悪く燻っているだけだった人間が、こうして一人の未来ある若者を生かすことができるのなら、それは本望じゃないだろうか。
資源にもならない廃棄物をリサイクルしたのだから、褒めてもらいたいぐらいだ。
549 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:09:26.20 ID:EJLX27IQ0
「まあ、いいか……」
あぁ……なんだか息をするのもしんどくなってきた。
肺に穴は空いていないはずだけど、臓器を動かすための動力源が体外に溢れ出ているのだからそれもそうか。
持久走を走り終わった時みたいな動悸がどんどん早くなってきて、喉が焼けるようになってきた。
「これで、守れるん……だったら……」
そんな時、遠くにガコンという音が聞こえた。
本棚より小さくなってしまっている私にはその音の正体がわからない。
『……だ生き……っすか?』
それにもう耳はほとんど機能していない。ザーッという体が崩れていく音ばかりで、微細な音を聞き分けることはもう叶わない。
唯一感じられたのは、地面にくっついた手から伝わってくる振動。
赤べこみたいな可動域になった首をゆっくりと持ち上げる。
『よ……た! こ……で私……ロになれ……ね!』
目の前に黒い影が立っていた。死神だろうか。
『最……何か言い……ことはあ……っすか?』
「……何? 今……なん……つ……た……?」
死神はなんだかとても嬉しそうに、私に向かって手を伸ばしている。
『あー……も……ダ……か……』
その直後、慢性化していた腹部の鈍痛が、再び息を吹き返した。
ズキンという衝撃が全身に広がって、体が急速にそりかえる。
ああ、きっと死神に心臓を抜き取られたんだと思った。
『そ……じゃ……さよ……っす。ルカ……ん』
でも、そうじゃなかった。目の前の死神は、心臓でもなく、鎌でもなく、短い刃渡りの刃を握りしめて、笑っていた。
「ハッ……」
それが私の最後の記憶。
今際の際に見た、悪魔の顔だ。
550 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:10:00.67 ID:EJLX27IQ0
「にちか……生きろよ……」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
551 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:11:25.00 ID:EJLX27IQ0
あさひ「最後、わたしの声もほとんど聞こえてなかったみたいっすけど。死ぬ直前にそう言ってたっすよ」
あさひ「にちかちゃんは生きろって。最後の最後までルカさんはにちかちゃんのことを思ってくれたんっすね!」
……私は泣いていた。
ルカさん自身から要求されたことだったとはいえ、私がこの手でルカさんを一度手にかけたんだ。
心変わりして恨まれていることだってあるかもしれない。
もっと他の手があったんじゃないか、私は甘えすぎていたんじゃないか。
この裁判中もずっとそんな罪の意識が付き纏っていた。
この意識は間違いなんかじゃない。
この先一生、ずっと背負っていかなくちゃいけないものなのは確かだ。
でも、それと同時に……私はかけがえのないものを胸に抱いて生きていくことが許されたんだ。
ルカさんから向けられた、私を思う気持ち。
それは一点の曇りもなく、胸を張って本物だと言える。
この涙も、この胸の暖かさも、全部全部本物だ。
552 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:13:04.59 ID:EJLX27IQ0
めぐる「ルカさん……本当に、にちかちゃんのことを大切に思ってたんだね……」
夏葉「ルカ……あなたの犠牲は未来永劫に忘れないわ……」
甘奈「今甘奈たちが生きてるのも、ルカちゃんのおかげなんだもんね……」
霧子「ルカさんの想いは、ずっと胸の中で……トクン、トクンって……響き続けます……」
にちか「うっ……ううっ……ルカさん……」
ルカさんは自分のことをカリスマなんかじゃないって言ってたけど、そんなことない。
こんなにもたくさんの人に慕われて、その胸に存在が刻まれる人間なんだから。
私にとっては、ルカさんこそが一生の【カリスマ】なんだ……
553 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:14:40.70 ID:EJLX27IQ0
モノクマ「あーあ、どうすっかなぁコレ」
モノクマ「芹沢さんの要求を飲んでおしおきを免除とか言っちゃったせいで、この湿っぽい空気を打破できる手立てに欠けてるんだよね〜」
モノファニー「たまにはこういうのもいいんじゃないかしら。ラブアンドピース! みんな平和が一番!」
モノタロウ「終わり! 閉廷! 裁判なんてもう辞めよう!」
モノスケ「いや……そういうわけにもいかん! やっぱりギスギスや! ギスギスがなければコロシアイは成り立たんからな!」
モノクマ「おぉ! 愛しのモノスケよ! そう、そうなんだよ! コロシアイにはいつだってギスギスが求められているんだ!」
モノクマ「他人の不幸、惨たらしい惨状……! それがあってこそのコロシアイなんだ!」
モノクマ「というわけで……芹沢さん、ちょっといい?」
あさひ「……? なんっすか?」
モノクマ「オマエさ、ボクの正体を黙る代わりに……って色々やってくれちゃったけどさ」
モノクマ「ちょっとやりすぎなんじゃないの?」
554 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:15:29.05 ID:EJLX27IQ0
モノクマ「まあ七草さんの犯行を横取りしたり、裁判を撹乱したりはよくやってくれたと思うんだけどさ」
モノクマ「この中に黒幕がいるだとか、動機の提供は自分がやらせただとか内部情報までリークしちゃうのはちょっと出しゃばりすぎだよね!」
モノタロウ「そうだそうだ! AIから仕事を奪うなー!」
モノキッド「やっぱりみんな■■品な■だ! 本■は他■いるんだ!」
恋鐘「ま、待たんね! 何をする気ばい! おしおきの免除はモノクマの口を通じて提示されたルールばい!」
恋鐘「そいを捻じ曲げるようじゃルール違反になるけんね!」
モノクマ「やだなぁ、そんなことはしないよ! 芹沢さんにもこのコロシアイにはまだまだ参加してもらうよ!」
モノクマ「ただちょっと……【ペナルティ】ぐらいは受けてもらおうかなって」
愛依「ぺ、ペナルティ……?」
甜花「な、なに……? 何が起きちゃうの……?」
モノクマ「モノクマーズ! 例のブツをここに持って参れ!」
「「「「「あいあいさー!」」」」」
555 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:17:02.83 ID:EJLX27IQ0
モノクマが指示を出してから数秒。
モノクマーズが奥に引っ込んだかと思うとすぐに、それは姿を現した。
ヒューーーー
ドスン!
裁判上の遥か上から降ってきたそれは、まるでロケットみたいな形状をしていて、観音開きの扉の内側には……【無数の針のようなもの】が付いていた。
夏葉「こ、これは……【アイアンメイデン】?!」
愛依「ジャイアン皆伝……?」
円香「中世ヨーロッパの拷問器具です。ここに罪人や捕虜が閉じ込められ、ゆっくりと扉を閉じられていく。そうすることで針がどんどん肉体を突き破っていき……」
モノファニー「でろでろでろでろでろでろ……」
樹里「ま、まさかこれにあさひを入れるつもりじゃないだろな!」
モノクマ「そのまさかだよ! まあ心配しなくて大丈夫。これはオマエラが思ってるような物騒なモノじゃないからさ。ちゃんと見てみなよ!」
にちか「ちゃんと……?」
モノクマに促されるままにそれをじっくりと観察する。
よく見ると、モノクマのいう通りだ。
針のように見えたのは、ただの【電子ケーブル】。無数の電子ケーブルが、そのまわりの電子盤から伸びている。
556 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:18:11.59 ID:EJLX27IQ0
モノクマ「これはとある大物ギャンブラー同士の対決で使われた代物なんだけどね。【死を体験できる装置】なんだ」
灯織「死を……体験……?」
モノクマ「うん、インプットされた死の体験データがケーブルを伝って電気信号となり脳に到達する」
モノクマ「電気信号を受けた脳はあたかもその肉体に死が訪れたように錯覚するって寸法なんだ」
あさひ「……」
霧子「そ、それってまさか……」
モノクマ「やっぱりおしおき無しなんてつまんないよね! 芹沢さんには死んでもらうわけにはいかないけどさ、これで【仮死体験をしてもらう】よ!」
透「……やばいね」
愛依「そ、そんなんマジでゴーモンじゃん! ル、ルール違反っしょ!」
モノクマ「何が? どこも矛盾してないよね? これはおしおきじゃないんだ、ただのペナルティだよ」
モノクマ「ボクに変わってこのゲームをかき乱そうとした分のね」
あさひ「……」
557 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:19:17.83 ID:EJLX27IQ0
モノクマ「ま、せっかく超研究生級の博士ちゃんの才能に見合った処刑方法を用意してたんだから。それを腐らすのも勿体無いよねってことで!」
モノクマ「今から別のやつをそのおしおきにかけて、それと体験のデータを同期するから。これでおしおきを受けずにおしおきを受けることができる!」
モノクマ「いやぁ……ルールの穴をつくなんてボクってなんてスマートなクマ!」
夏葉「ちょ、ちょっと待ちなさい! 他の人間をおしおきにかけるって……」
にちか「もしかして……私?!」
モノクマ「違う違う、参加者は誰も死なさないよ! ほら、もっとうってつけな存在がいるでしょ?」
灯織「うってつけの存在……? な、なんのことですか……」
モノクマ「ま、やってみれば分かるよ! それじゃあ時間も押してきてますし、早速行きますか!」
あさひ「……」
558 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:20:25.02 ID:EJLX27IQ0
愛依「あ、あさひちゃん!」
あさひ「……愛依ちゃん?」
愛依「ごめん……うち、守ってあげられなくて……こんな苦しい思いをさせちゃうことになるなんて、思ってもなかった……」
あさひ「なんで愛依ちゃんが謝るっすか? 愛依ちゃんは何もしてないっす」
愛依「何もしてないからだよ!」
あさひ「……!」
愛依「うちが……もっとあさひちゃんのために動けてたら、こんなことにはならなかったのかもしんないし……」
愛依「あさひちゃんを一人で戦わせたりなんかさせたくなかった……」
あさひ「……もう手遅れっす」
559 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:21:27.90 ID:EJLX27IQ0
モノクマ「超研究生級の博士ちゃんである芹沢さんのために! スペシャルなおしおきを用意しました!」
モノファニー「い、一体誰が代わりにおしおきを受けるのかしら」
モノキッド「モノダムに決まってる! この世で一番価値のない存在だからなッ!」
モノキッド「まあそれはみんな一緒か! 所詮みんな■■タ! 紛■■の存■だしなッ!」
モノスケ「……往生せえや」
モノタロウ「ばいばい! モノキッド!」
モノダム「……」
モノクマ「それでは張り切っていきましょう! おしおきターイム!」
あさひ「……死ってどんな感じがするんっすかね?」
560 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:22:24.88 ID:EJLX27IQ0
-----------------------------------------------
GAME OVER
セリザワさんはおイタがすぎました。
おしおきをかそうたいけんしてもらいます。
-----------------------------------------------
561 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:23:34.54 ID:EJLX27IQ0
アイアンメイデンに閉じ込められた芹沢さん。
その感覚は、少し離れたところにいるモノキッドとリンクさせられています。
モノキッドは全身を拘束され、身を捩っても身動き一つできずにいます。
そんなモノキッドの体を……ロケットが飲み込みました!
さあ、ここから先はモノキッドを通して芹沢さんも夢の宇宙の旅!
今こそあの空の果てへと旅立つのです!
-----------------------------------------------
ウルトラスーパー宇宙旅行DX
超研究生級の博士ちゃん 芹沢あさひ処刑執行
-----------------------------------------------
芹沢さんを乗せたロケットにエンジン点火!
凄まじい勢いの炎で加速するロケットは急回転も伴ってどんどん学校を突き破っていきます!
屋上を超えて、空を超えて、成層圏を超えて。
あっという間に月にまでたどり着いたかと思うと……
まだエンジンの勢いは弱まることを知りません!
月にも風穴を開けて、火星も木星も土星も天王星も海王星も! 全部全部突き破って太陽系銀河の果てへ!
宇宙の旅はずっとずっと終わることなく……
やがてロケットは宇宙にできた不思議な穴に辿り着きました。
穴の向こうからは無数の輝きが溢れ出ており、ロケットはそこに吸い込まれていき……
_______ビッグバン。
全てを無に帰し、そして全てを始める創世の大爆発が起きました。
今も空の上から、彼女は私たちのことを見守ってくれていることでしょう。
芹沢銀河の一等星、アサヒの輝きは地球へと今も降り注いでいます。
562 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:24:30.70 ID:EJLX27IQ0
モノクマ「おーいおいおい! モノキッド……モノキッド……!」
モノクマ「愛しき我が息子よ! どうしてボクを置いて先に逝ってしまったのか……!」
モノタロウ「モ、モノキッドが宇宙の塵になっちゃった……!」
モノファニー「塵というより藻屑……」
モノスケ「藻屑というよりカス……」
モノダム「……」
モノダム「モノキッドハオイラタチヲ繋グ星座ニナッタンダヨ」
モノタロウ「モ、モノダムが喋った!」
モノダム「オイラタチハ仲良クアルベキナンダ。モノキッドハ身ヲ持ッテソレヲ証明シテクレタネ」
モノスケ「アホか! ギスギスしとってこそのモノクマーズやろが!」
モノダム「……」
モノスケ「まあええ、モノキッドがおらんくなった分モノダムにもしっぽり働いてもらうからな」
私たちは、芹沢さんが味わっている死の体験をモニター越しに見ていた。
モノキッドとかいう人形が受けた苦しみがそのまま芹沢さんに置き換わった映像がモニターに流れていたのである。
宇宙の重力にかき乱される臓物に、気圧差で昏倒する様子。爆発に巻き込まれ、肉体を損傷し、酸素のない空間で窒息していく様。
惨たらしいなんて言葉じゃ足りない。
死というのはどこまでも残酷なのだと、嫌というほどに理解させられた。
全てが終わってなお、口を開こうとする者は誰一人としていなかった。
563 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:25:33.11 ID:EJLX27IQ0
モノクマ「ま、これでボクも気が済んだかな。芹沢さんにもいいお灸が据えられたでしょ!」
モノクマ「お灸がちょっと熱すぎて廃人状態になってなければいいけど……うぷぷぷ」
【ばーいくま〜〜〜〜〜!!!!!】
モノクマたちがいなくなってから、アイアンメイデンが音を立ててその扉を開いた。
中からは凄まじい蒸気が溢れ出し、力無く重力に任せるままになった芹沢さんの体がそこから転がり落ちた。
真っ先に駆け寄ったのは愛依さんだ。
愛依「あさひちゃん! あさひちゃん! 大丈夫!?」
必死の呼びかけに、芹沢さんは答えない。
霧子「ちょっと、いいかな……?」
すぐに幽谷さんが横から割って入り、その心音と呼吸を確かめる。
霧子「うん……心臓は動いてるし、息もしてるよ……」
霧子「でも、大丈夫では……ないかも」
それも当然だ。脳は完全に一度死を体験してしまっている。
肉体がどれほど無事であろうとも、脳が自らの死を認識してしまっている限りは、正常には戻るまい。
あさひ「……」
愛依「えぐ……えぐ……」
沈黙に付す芹沢さんを前に、愛依さんの啜り泣く声ばかりが響いた。
564 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:27:03.13 ID:EJLX27IQ0
樹里「クソ……なんだってんだよ……マジで……!」
甘奈「甜花ちゃん……」
甜花「なーちゃん……大丈夫、甜花がついてるからね……」
私はというと、今や感情の向けるところが分からなくなっていた。
芹沢さんへの憎しみと怒りは間違いないものだ。
ゲームを楽しみたいなんて理由で、わたしたちを弄び、そしてルカさんの決意を踏み躙るような真似をした。
でも、そんな彼女は報いを受けて、もはやこちらの言葉が届かない人間になってしまった。
じゃあ、この握った拳はどこに振えばいい?
誰にこの感情をぶつければいい?
そして、手を汚したはずの私は報いを受けなくていいの?
この裁判場で今一番惨めで愚かしいのは自分だと思った。
565 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:28:01.08 ID:EJLX27IQ0
円香「……ひとまず、地上に戻りませんか? ここでこうしていても仕方がありません」
夏葉「……そうね、これでコロシアイは終わりじゃない。まだ私たちの学園生活は続くのだから」
樹里「愛依……あさひを連れて帰るぞ。アタシも手伝うから」
愛依「……ひっく……ひっく」
そうして、一人一人とエレベーターに乗り込んでいく。
地上に戻って、私たちは元の生活に戻らなくちゃいけないんだ。
またあの、コロシアイと向き合う日々が始まる。
にちか「……」
私はそれでも、動けずにいた。
566 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:29:18.62 ID:EJLX27IQ0
真乃「あ、あの……っ!」
にちか「……なんです?」
立ち尽くす私に話しかけてきたのは、櫻木さんだった。
真乃「えっと……正直、にちかちゃんがルカさんを……その……刺しちゃったのはまだびっくりしてて……」
真乃「許されることじゃないと、思う……けど……」
にちか「そんなの、言われなくたってわかってますよ」
真乃「で、でも!」
真乃「ルカさんがにちかちゃんに生きてほしいって……ずっとずっと思ってくれてたんだよね……?」
真乃「だとしたら、にちかちゃんはこれからを生きて……私たちと向き合ってほしいな……」
(……)
真乃「私は、にちかちゃんを信じてるよ……っ! 一緒に生きていける、【仲間】だって……っ!」
ふんわりとした羽で頬を撫でられたようなこそばゆさを感じた。
まさか凶行に走った自分にそんな言葉がかけられると思ってなかったから。
それだけの言葉をかけると、脱兎の如くかけていった櫻木さんの背中を見つめて、私は思わずため息が出た。
567 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:30:12.87 ID:EJLX27IQ0
さっきまでの茫然としていた自分の情けなさに、辟易とした。
ルカさんがいれば、背中をバチンと叩かれていたところだ。
「……」
ダッサイ、マジでダッサイ。
自分を追い込めば追い込むだけ、それで許されると思ってる。
自分で自分につける傷が深ければ深いだけ、反省している証拠になると思ってる。
他人からすればそんなこと知ったこっちゃないんだ。
傷の痛みも、思いも、傍目にはわからない。
唯一わかるのは【言葉と行動】だけ。
「……よし、いくぞ」
今の私の信頼が地に落ちていることは知っている。
それでも、僅かにでもまだ見てくれようとする人がいるのなら……それを掴もうとしないのは生きることからの逃避だ。
今度こそ、ルカさんを裏切ることになる。
「すみません、私も乗せてください」
そんなこと、絶対にやっちゃダメだ。
私がここから先やるべきなのは、生きること。
「あの……返事はいらないんで、これだけ聞いてもらっていいですか」
568 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:31:15.37 ID:EJLX27IQ0
生きて生きて……この学園から出ていくんだ。
「私……もう逃げません。戦いますんで」
この人たちと、一緒に。
569 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:32:06.46 ID:EJLX27IQ0
-----------------------------------------------
【???】
「……」
「…………」
「……………………」
「………………………………………………」
「………………………………………………………………」
570 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:33:11.42 ID:EJLX27IQ0
「ふわぁ〜……」
「あれ……ここ……わたしの部屋?」
「ああ……そっか、おしおきの追体験で意識を失って……」
「うぅ……まだ手足がピリピリする……なんか喉も痛い……」
「そっか……死ぬってあんな感じなんだ……」
「結構……」
571 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:33:54.59 ID:EJLX27IQ0
「大したことないかも」
572 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:34:51.80 ID:EJLX27IQ0
「あはは、こんなところで死んじゃいられないや。もっともっといろんなことを試したい」
「せっかくのゲームなんだからまだまだ楽しまなきゃ損だよね!」
「予行演習もできたし、ここからがコロシアイ学園生活の本番!」
「ワクワクの始まりだよね!」
573 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:35:58.57 ID:EJLX27IQ0
-------------------------------------------------
CHAPTER 01
ガールビフールフールガールズ
END
残り生存者数
15人
To be continued…
-------------------------------------------------
574 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:36:48.54 ID:EJLX27IQ0
【CHAPTER01をクリアしました!】
【クリア報酬としてモノクマメダル30枚を獲得しました!】
【アイテム:悔恨のロケットを手に入れました!】
〔ルカが生前大切にしていたロケット。ギュッと握りしめると心が安らぐような気がする〕
575 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/06/17(土) 22:42:13.49 ID:EJLX27IQ0
というわけで一章のお話はここまで。
今回のシリーズを書くにあたって、あさひを十神や狛枝のようにかき乱す枠として描きたいというのが最初にありました。
前シリーズではなんだかんだ彼女は大人しかったので、今回は存分に暴れてもらおうと思っています。
あさひに限らず、これまでのシリーズでは描き切れなかったアイドルたちの描きたい姿を今回のシリーズでは拾っていけたらな〜というスタンスです。
さて、二章なのですが、実はもうあらかた書き終わっているので近日中にまた更新できるんじゃないかと思います。
一二週間は準備の時間を貰おうかとは思うのですが、また物語を始めました際は安価のご参加など是非よろしくお願いします。
それではお疲れさまでした。
またよろしくお願いします。
576 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/06/17(土) 23:33:45.05 ID:u4nefy1y0
お疲れさまでした。
書き方的に何となく1章はルカはほぼ確実で、多分あさひも死ぬと思っていたので、
事件発生時には、なるほど今回はこのパターンで来たか……!と面白く思いながら話がどんどん進んでいき、
最終的には最初の予想が当たっていたうえで想像とは三ひねりぐらい違った展開になっててすごく驚きました。
今後の展開がすごく楽しみです。
577 :
◆vqFdMa6h2.
:2023/07/27(木) 21:36:33.57 ID:5pp+9EB+0
-----------------------------------------------
GAME OVER
イカルガさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
-----------------------------------------------
578 :
◆vqFdMa6h2.
:2023/07/27(木) 21:37:43.46 ID:5pp+9EB+0
他の人から羨望の眼差しを受ける存在、そうそれこそがカリスマ!
ファンはもちろん、同じステージに立つものですらも魅了する彼女のカリスマ性はもはや神がかってすらいます。
ただ、生まれた時代が良くなかった。
人智を超えたような力は時として、他者からは畏れを持ってみられることがあるのです。
斑鳩さんはその槍玉に挙げられてしまいました。
長く、険しい坂の頂上で、今彼女は磔にされています。
-------------------------------------------------
ロンリネスの槍
超研究生級のカリスマ 斑鳩ルカ処刑執行
-------------------------------------------------
579 :
◆vqFdMa6h2.
:2023/07/27(木) 21:39:45.74 ID:5pp+9EB+0
帝国の支配者モノクマが、兵士のモノクマーズに指示を出すと、一斉に5匹はその槍を構えました。
鏃には聖印が刻まれた、信仰の槍です。
それが“カミサマ”を貫こうとしているのだから皮肉なものですね。
ですが、彼女は悲嘆することも、みっともなく命乞いをすることもありませんでした。
彼女には強い芯があるわけではない、ただ一度悪路に外れたからには最後までその泥濘の中を進むと決めた意志がある。
頬を吊り上げ、目を細めてモノクマーズを見下ろしたかと思うと、その顔に向かって唾を吐きかけます。
そのことが誇り高き指導者モノクマの反感を買った!
モノクマが右手を下ろした瞬間、モノクマーズたちは槍を構えて突進!
磔になっている斑鳩さんは身動きを取ることもできず、その槍に四方八方から貫かれてしまいました。
ああ、カミサマ……
たくさんの人々に依存を受け、身勝手な投影を被り、救いをもたらさんとした……未来に息づくカミサマよ
私たちはそのお姿を見ることもなく、終わってしまうのですね。
と、その時!
近くの町内会でやっていたお祭りの神輿が処刑場に侵入!
参加しているクソガキどもはその神輿に神を乗せていることも、この馬鹿騒ぎも神へ捧ぐ興の一つだということもまるで理解せず、斑鳩さんの固定されている磔を倒して、踏みつけて、ズイズイと進んでいってしまいました。
____残ったのは、血に塗れてぐちゃぐちゃに踏み潰された哀れな人間の末路。
そこにカリスマらしい威光なんて、まるで見当たりませんでしたとさ。
580 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:41:49.47 ID:5pp+9EB+0
……カチッ
???『_____これ、ちゃんと撮れてるか?』
581 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:43:23.53 ID:5pp+9EB+0
ガタタ
???『あーあ、よし……いけてそうだな』
ガタ
ルカ『この映像を見てる私は今頃、何がなんだか訳分かんなくなってんだろうけど……安心しな。今の私は正真正銘のあんた、斑鳩ルカだ』
ルカ『この映像の記憶が今のあんたにはまるでないだろうけど……それは忘れちまってるからだ。それ以上でもそれ以下でもない』
ルカ『……っと、あんまり時間もないし用件だけ先に話させてもらうぞ』
ルカ『いいか? このコロシアイは避けられないコロシアイなんだ。これは私たちにとって決められていた道筋なんだ』
ルカ『だから逃げだそうだとか、抗おうだとか余計なことは考えるんじゃねーぞ』
ルカ『あんたが考えるべきなのはただ、このコロシアイを生き抜くということ』
ルカ『絶対に、死ぬんじゃねーぞ。死んだらあんたも……ほかの連中と【同じ】になっちまうからな』
___プツン
582 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:44:25.05 ID:5pp+9EB+0
------------------------------------------------
CHAPTER 02
退紅色にこんがらがって
(非)日常編
------------------------------------------------
583 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:45:40.09 ID:5pp+9EB+0
------------------------------------------------
【夜時間 1F 女子トイレ】
ルカさんの事件の裁判が終わり、芹沢さんを寄宿舎の個室に戻した後。
私たちは学園内の女子トイレに集結していた。
灯織「七草さん、全てを詳らかにしていただきますよ」
にちか「……」
夏葉「あなたが隠し通路の存在を隠匿し、私たちを欺こうとしたことは変えようのない事実。あなたにはその説明の義務があるわ」
にちか「わかってます」
地上に上がってすぐに、私の自供した犯行内容の検証が行われた。
というのも、犯行における最も重要なピースである隠し通路は私とルカさん、そして芹沢さんしか知らなかった存在であり、
私たちが辿り着いた真相の意味を確認する上で、その立ち合いが必要だろうということになったのだ。
私は他の人が見守る中で、用具入れの壁を強く押した。
ゴゴゴゴ
すると、聞き慣れた音と共に壁は横にスライドしていき……
空洞が現れた。
真乃「ほわぁ……ほ、本当に隠し通路があったんですね……っ」
甜花「す、すごい……トイレの隠し部屋なんて、どこかの魔法学校みたい……!」
にちか「ここを進めば図書室に出られます。ついてきてください」
私に続いてゾロゾロと通路を進む。コンクリートで四方を囲われた空間は足音が過剰なほどに反響した。
ムカデのような足音が続くこと数十秒ののち、あの悪意の部屋へとたどり着く。
584 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:46:58.99 ID:5pp+9EB+0
------------------------------------------------
【B1F 隠し部屋】
めぐる「……っ!」
円香「……何? ここ」
流石に初めて訪れた人たちは面食らった様子だった。
明らかにこの部屋は異質。前にいた人間の息吹が、残り続け、それが今にも自分たちの尋常を蝕もうとしてくるのだから。
にちか「そこの壁付の扉から図書室に出られます。扉からは一方通行で、向こうからは入れません」
霧子「図書室に行くためだけの隠し通路ってことなんだね……」
にちか「というより、向こうから入るにはカードキーが必要みたいで。そのキーは持ってないのでどうしようもないんですよね」
灯織「カードキー……」
私は粛々と説明に徹した。他の人からの視線には明らかに不信が混じっていることを悟っているからだ。
下手な作り笑顔なんかすれば反感を買うだけだ。
585 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:48:36.66 ID:5pp+9EB+0
透「……ね、あれって聞いていいやつ?」
凛世「凛世も、足を踏み入れし時より……気になっておりました……」
そして、関心は当然【あれ】に惹きつけられていく。
異様だらけのこの部屋で、一際目立つ異様。もはや異常と言ってもいいかもしれない。
私たちにコロシアイを強いり、生と死とを嘲笑うモノクマの巨大な頭部。気にならないわけがない。
にちか「私にも、あれがなんなのかはわからないです。ただ、ルカさんはあれに手がかりがあるんじゃないかって言ってました」
にちか「今は故障してしまってるみたいですけど、内部のコードが引きちぎれちゃってるだけなので、それさえ補修すれば元通りになるかも……と」
恋鐘「ルカはこいを修理する気やったとね?! 」
樹里「おいおい……そんなことして大丈夫なのか? だって、モノクマだぞ?」
にちか「リスクがあることは承知の上。それでもこのモノクマが私たちの知らない何かを握っていること自体は確かですから」
円香「ちなみに、そのコードっていうのは?」
にちか「あ、そこの電子盤に書いてあるんですけど……」
円香「【SHU-1ケーブル】【YM2ケーブル】【HR-MKケーブル】【K-Bケーブル】【SG-TMケーブル】この5種類が必要なんだ」
甘奈「えっ?! ちょっと円香ちゃん、それ直すつもりなの?」
586 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:50:33.81 ID:5pp+9EB+0
円香「……別に。興味本位で見てるだけ」
透「んー、でも直すのはありじゃん?」
樹里「はぁ? ナシだろナシ! こんなの敵の罠に決まってるって!」
夏葉「……いえ、そう断ずるのも早計だわ」
樹里「えっ?」
夏葉「今の私たちは少しでも情報が欲しい。自分自身が置かれている状況も、今何が起きているのかも何もわからないままだわ」
夏葉「それを知るためなら藁にもすがる思い。まさにこのモノクマの頭部はその藁になり得る材料だと思わない?」
愛依「毒をくらわば皿まで……ってことだね!」
樹里「それ使い方合ってるか?」
めぐる「わたしも賛成……! このモノクマを直したからすぐに襲われるってわけでもなさそうだし……やれることは全部やってみたいかな!」
にちか「……今の所、ケーブルは一つも見つけられてないです。本当にこの学園の中にあるのかもわからないんで、当てにはしすぎない方がいいと思います」
夏葉「……そうね、それぐらいのスタンスで行かせてもらおうかしら」
モノクマの頭部の修理は全体で仮で進める案件となった。
少しでもルカさんの遺志が残ってくれるのは、ありがたいかな。
587 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:52:57.29 ID:5pp+9EB+0
------------------------------------------------
【にちかの部屋】
女子トイレと図書室を繋ぐ隠し通路の確認を終えると、私たちはそのまま解散することになった。
何も失うことのなかったはずの学級裁判で、信頼という大切なものを落としてしまった私たちに長く語らう意欲は残されていなかった。
今はただ、現実に向き合うだけの体力を取り戻したい。
それが総意だった。
「……帰って、きちゃった」
私は学級裁判で勝てなかった。
ルカさんとの約束を果たすことができなかった。
それどころか、私ははじめから芹沢さんに出し抜かれていて、惨めに踊らされただけだったんだ。
他の人を欺いたことに後悔がないとは言わない。
風野さんが私に向けた視線の冷たさに私は初めて軽蔑というものを知ったし、愛依さんの涙交じりに無実を訴える声は今も耳にこびりついている。
588 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:53:59.85 ID:5pp+9EB+0
無力感と罪悪感は心臓を内側からずんずんと突き破ってきそうで、ベッドの上で何度も身を捩った。
その衝動に任せて、首を括りでもすれば楽になるんだろう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
真乃「ルカさんがにちかちゃんに生きてほしいって……ずっとずっと思ってくれてたんだよね……?」
真乃「だとしたら、にちかちゃんはこれからを生きて……私たちと向き合ってほしいな……」
真乃「私は、にちかちゃんを信じてるよ……っ! 一緒に生きていける、【仲間】だって……っ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
でも、そんな私のことをまだ信じると言ってくれた人がいた。
ただ、憎しむことができない不器用なだけな人なのかもしれない。私のように、口から出まかせを吐いただけかもしれない。そこに何の芯も通っていない空虚な信用かもしれない。
でも、その空洞は今からでも埋め尽くせることができる。贖罪なんて大層なものではない。約束一つ守れない人間が罪を注ぐことなんて不可能だ。
だからこれは、無謀な挑戦だ。今から信頼を取り戻すなんて絶対不可能な難題に、遮二無二に挑戦する。
たとえそれが叶わずとも、その挑戦の中で拓ける運命もあるかもしれないから。
そう盲信して突き進むしかない。
自分に何度も言い聞かせて、覚醒する瞳孔を何とか閉じさせた。
589 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:54:58.70 ID:5pp+9EB+0
------------------------------------------------
【School Life Day7】
------------------------------------------------
【にちかの部屋】
【キーンコーンカーンコーン……】
モノダム『キサマラ、オハヨウ』
モノダム『健全ナ学校生活ハ気持チノイイ挨拶カラ始マルヨ』
モノダム『キサマラモ、友達ニ会ッタラ大キナ声デ自分カラ挨拶ヲスルトイイヨ』
モノダム『ミンナ仲良ク、ネ』
みんな仲良く、なんて私から最も程遠い概念だ。
モノクマーズの放送でいきなり気が沈みかけたが、何とか自分を叩き起こして、ベッドから立ち上がる。
私は今の自分と向き合うって決めたんだ。
少しでも甘えている時間はないぞ。
いつも以上に忙しなく朝の支度をすると、私は食堂へと向かった。
590 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:56:09.68 ID:5pp+9EB+0
------------------------------------------------
【1F 食堂】
そして足を踏み入れた食堂で私は、予想だにしなかった光景を目にすることになる。
あさひ「あ、にちかちゃん。おはようっす!」
昨日学級裁判の終わりに、廃人状態に追い込まれたはずの芹沢さんが飄々と、いつも通りと言わんばかりに待ち構えていたのである。
591 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:58:05.73 ID:5pp+9EB+0
にちか「せ、芹沢さん……?! ど、どうして……?!」
あさひ「どうしても何も……ルカさんは死んじゃったっすけど、朝食会は続けるっすよね? いっつもこの時間には集まってたし、来ただけっすけど」
樹里「な……っ!」
あさひ「にちかちゃん、昨日はわたしが負けちゃったっすけど……次は負けないっすよ!」
みんな何かを言ってやりたいが、うまくまとまらず口籠る。
体を気遣うような言葉は仲間の仇にかけるには優しすぎるし、排斥するような言葉は自分たちよりも年下の少女にかけるには気が咎める。
とにかく厄介な立ち位置にいる相手だ。
あさひ「びっくりしたっすよ。目が覚めたら自分の部屋だったんで、あの裁判は夢だったのかと思ったっす」
甜花「いっそ、夢だったらよかったのに……」
あさひ「えー、ダメっすよ。あんなに盛り上がったのに勿体無いじゃないっすか」
夏葉「……あさひ、あなたが昨日やったことの意味と重大さは理解しているのよね?」
あさひ「昨日やったこと……ああ、ルカさんを殺しちゃったことっすか?」
甘奈「そ、そんな軽々しく言うんだね……」
あさひ「でも、あれって元はルカさん自身が望んだことじゃないっすか」
にちか「……!」
592 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 21:59:27.04 ID:5pp+9EB+0
あさひ「にちかちゃんにルカさんは自分を殺して欲しいって、そう言ったんっすよね? 自分の命を犠牲にして、わたしたちに生き延びてもらうのが元々ルカさんの希望だったはずっす」
あさひ「それで、わたしがルカさんを殺して何がダメなんっすか?」
その瞳はどこまでも真っ直ぐだった。
わたしがこの子に抱いていた第一印象は何一つ間違っていなかったんだと思う。
この場にいる誰よりも純真無垢。誰よりも等身大であり続ける彼女は、私たちの誰よりも早く、そして深くこの状況に適応してしまった。
彼女の白は、この学園に渦巻く悪意の色に染め上がっている。そのことに、彼女自身が違和感を抱くこともなく、疑問を持つこともなく。
あさひ「モノクマも言ってたっすけど、これはコロシアイのゲームなんっすよ? みんなはゲームに勝ちたくないんっすか?」
もはや生き死により先に、ゲームの勝敗が立つ。
彼女の底なしの好奇心は、歪な形に変えられてしまっていた。
円香「……」
霧子「……」
真乃「……」
私たちは彼女の瘴気に当てられたようで口を挟めずにいた。
彼女の発言は間違っている。必死に否定したい衝動は何度となく走るのだが、嫌なくらいに澄み渡った彼女の瞳がそれを許さない。
593 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:00:14.93 ID:5pp+9EB+0
愛依「ちがう……ちがうよ、あさひちゃん」
……だけど、一人だけは違っていた。
594 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:01:52.30 ID:5pp+9EB+0
愛依「こんなのゲームなんかじゃない、勝ち負けなんかないって!」
あさひ「愛依ちゃん? これはゲームっすよ? 他の人をいかに欺いて、自分だけが得をするかのゲームっす」
愛依「ちがう、ちがうって!」
あさひ「……ちがうって何がちがうんすか? ちゃんと教えて欲しいっす」
愛依「ちがう……何が、とかわかんないけど……今のあさひちゃんはずっと、間違ってるって!」
芹沢さんから向けられる、排他的な純真さを真正面から受け止めたその上で、怯むことなく手のひらを差し伸べ続けた。
口も立たない、理論もない。直向きに、ただ感情だけでぶつかっていった。
芹沢さんにはそれが響いているようには見えなかった。キョトンとした表情で、自分の方が正しいとまるで聞く耳も貸していなかった。
でも、傍目に見ていた私たちは違う。
和泉さんの無謀なその後ろ姿に、私たちは俄かに勢いづく。
恋鐘「自分の命も他人の命も、遊びなんかに使っていいもんじゃなか! もっとちゃんと……考えんね!」
夏葉「ルカが自分の命を賭したのはゲームに乗じたわけじゃない。あなたの独りよがりなプレーとは文脈を異にする覚悟よ」
真乃「あさひちゃん……お願い、今からでも考え直して……っ!」
あさひ「……あー、みんなはそういう感じなんっすね」
【おはっくま〜〜〜〜!!!!】
芹沢さんへの呼びかけで、勢いづき始めたところで、狙い澄ましたかのようにモノクマ達が割り込んできた。
私たちと芹沢さんの間に立つ連中。空気が読めないにも……いや、読めすぎているにも程がある。
595 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:03:36.42 ID:5pp+9EB+0
モノクマ「うぷぷぷ……キミはやっぱり面白いよ。今までにも色んなヤツがいたけど、そこまでゲームに真摯に向き合ってくれる奴は珍しいよ」
モノクマ「きっと芹沢さんは長生きするだろうね。このゲームではキミのようなヤツが強いんだ」
あさひ「えへへ、ありがとうっす!」
モノクマ「それに引き換えオマエラと来たら……さっきからなんだいなんだい! 命の価値だとかゲームに乗らないだとか!」
モノクマ「くだらないくだらない! オマエラの命の価値なんて、砂粒一つなんかよりも軽いんだよ!」
樹里「はぁ? アンタ、この前はアタシ達には未来があるって言ってたじゃねーか」
モノクマ「うぷぷぷ……そうだね、オマエラには未来があった。それは間違いないよ」
モノクマ「でもそれと命の価値はまた別の話だよ。何も為していない今のオマエラなんて、誰も必要としてないんだ」
めぐる「そんなことない! 人はみんな必ず……誰かに必要とされてるんだよ!」
モノダム「ソウダヨ。誰モガ、生マレテキタ意味ガアルンダ」
(えっ……!?)
モノダム「人ト人ガ巡リ合ッテ絆ガ生マレル。ソウシテ、意味ト価値ハ育ッテイクンダヨ」
モノタロウ「モ、モノダム! ダメだよ! そんなお父ちゃんに歯向かうようなこと言ったら!」
モノクマ「……」プルプルプルプル
モノスケ「あ、あかん! お父やんが怒りで体が震えとるで!」
モノファニー「いやー! 地震と雷と火事が同時にやってくるみたいだわー!」
モノクマ「モノダム……オマエと来たら……」プルプルプルプル
596 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:04:55.02 ID:5pp+9EB+0
モノクマ「なんて青臭くてかわいらしいんだ〜! 綺麗事を盲信して、厚顔無恥に演説するその姿!」ペロペロペロペロ
モノクマ「水彩画にしてリビングに飾りたいほどの愛らしさだよ〜!」ペロペロペロペロ
モノダム「ワァァァァ……」
(な、なんなの……? モノクマとモノクマーズは必ずしも意見が合致してるわけじゃないの?)
甘奈「ね、ねえ! 一体何しに来たの?! 今、甘奈たちは大切なお話をしてたんだけど……」
モノクマ「おっと、愛しの我が子の愛らしさに目的を見失うところだった!」
モノクマ「そう邪険にしないで欲しいな、今日はボクからオマエラに【プレゼント】があるんだ」
霧子「プレゼント、ですか……?」
モノタロウ「うん! キサマラの道を切り拓く、素敵なプレゼントだよ!」
597 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:06:29.12 ID:5pp+9EB+0
モノスケ「この才囚学園がずっとエグイサルで工事をしとったのはキサマラもよく知るところだと思うんやが……」
モノファニー「ぱんぱかぱーん! ついに一部のエリアの工事が終わったのよ!」
モノダム「キサマラガ行ケル範囲ガ広ガッタンダ」
凛世「行動圏内にいくつか閉まったままの扉がありましたが、そちらが開いたということでしょうか……?」
モノタロウ「えっとね、そうじゃなくてね。今までただの壁だったところの幾つかをエグイサルで取っ払ったんだ!」
灯織「か、壁を壊した……?」
モノファニー「具体的にいうと、一階の体育館前の廊下の横壁を取り壊したわ! これで行けなかった部屋もいくつか開放されてるのよ!」
モノダム「【二階】や【三階】ニモ上ガレルカラ、探索シテミテネ」
夏葉「……なぜ?」
モノクマ「はぬ?」
夏葉「なぜ、そんなことをするの? 私たちの活動領域を増やして……何が狙いなの?」
モノクマ「狙いなんかないよ、これはただの労い! オマエラは越えるべき障害をちゃんと超えてくれたからね。ソレに見合うだけのご褒美を用意したってだけのことだよ」
樹里「ご褒美なんて言われても信用ならねーよ、何か罠を仕掛けてるんじゃないのか?」
モノタロウ「そんなことないよ! むしろキサマラにとってプラスになる【宝物】も用意されてるからね!」
あさひ「えっ! 宝物っすか!? すごい、見つけてみたい!」
霧子「宝物ってなんなのかな……?」
モノクマ「それは見てみてのお楽しみ! 損だけはさせないから安心してよね!」
愛依「や、全然安心はできないけど……」
(絶対ろくなもんじゃないでしょ……)
【ばーいくま〜〜〜〜!!!!】
真乃「……行っちゃいましたね」
598 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:07:27.86 ID:5pp+9EB+0
樹里「なんかとっちらけになっちまったな……あさひのことでだいぶヒートアップしてたんだが」
あさひ「……?」
透「とりあえずは新しく行けるようになったとこ。見といた方がいいんじゃん?」
甘奈「甘奈もそれに賛成かな……手がかりは少しでも多いに越したことないよ」
愛依「あさひちゃんのことは大丈夫! うちがつきっきりで見とくから!」
あさひ「えー? 愛依ちゃん、わたしのペースにちゃんとついてきてくれるっすか?」
愛依「が、がんばるから……! もう、目は離さないかんね……!」
夏葉「愛依……ありがとう。あなたの想い、よく伝わってくるわ」
円香「……当の本人にそこまで伝わってないようですけどね」
灯織「監視というのなら、七草さんにも必要なのでは?」
にちか「……!」
灯織「前回の裁判、結論としては犯人はあさひでしたが……事実上の犯人は七草さんです」
灯織「そして何より、七草さんは私たちを欺き、裏切った事実がある」
出会った時から、壁を感じる人だとは思っていたけど今はそれとは比にならない。
風野さんとの間にできてしまった隔たりは、断崖のように大きい。
それほどまでにその口調は冷たく、鋭いものだった。
599 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:08:51.23 ID:5pp+9EB+0
真乃「だ、だったら……私がにちかちゃんにはついて行きます……っ」
灯織「さ、櫻木さん……?」
真乃「めぐるちゃん、今回は灯織ちゃんについていってあげてもらえるかな」
めぐる「う、うん……いいけど……」
(櫻木さん……この前の裁判の終わりから私に歩み寄ってくれてるけど、どうしたんだろう)
灯織「……なんで?」
誰も監視にはつきたがらないとでも思っていたのだろうか。
櫻木さんの申し出が余程予想外だったらしく、風野さんはしばらく面食らったような反応を見せていた。
まあ、それは私も同じこと。
櫻木さんのように、気が強いわけでもない、むしろ推しに弱いような女の子が殺人の前科がある私に寄り添おうとしているのかはよく分からない。
にちか「よ、よろしくお願いします……」
真乃「は、はい……こちらこそ……っ」
とはいえ、私には拒む権利もそんな気もない。
とにかく、自分に向けられたこの不信に挑み続けるとルカさんに誓ったのだから。
600 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:10:38.58 ID:5pp+9EB+0
探索のメンバー分担が終わると、すぐに全員が食堂を出て散策へと向かった。
残ったのは私と櫻木さんのただ二人。
……先に口を開いたのは櫻木さんだった。
真乃「なんで私が、にちかちゃんの監視を申し出たのかって……不思議に思ってますよね……?」
にちか「それは、正直……はい。私のこと、怖くないんですか?」
真乃「怖い……気持ちもあるかもしれません。でも、私が思ってるのは裁判終わりに言ったこととずっと同じなんです……っ」
(裁判終わりって……)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
真乃「あ、あの……っ!」
にちか「……なんです?」
真乃「えっと……正直、にちかちゃんがルカさんを……その……刺しちゃったのはまだびっくりしてて……」
真乃「許されることじゃないと、思う……けど……」
にちか「そんなの、言われなくたってわかってますよ」
真乃「で、でも!」
真乃「ルカさんはにちかちゃんに生きてほしいって……ずっとずっと思ってくれてたんだよね……?」
真乃「だとしたら、にちかちゃんはこれからの生きて……私たちと向き合ってほしいな……」
(……)
真乃「私は、にちかちゃんを信じてるよ……っ! 一緒に生きていける、仲間だって……っ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
真乃「あの、嬉しかったの……にちかちゃんが、今日の朝もちゃんと朝食会に来てくれたのが……」
真乃「私たちと向き合ってくれるんだ……これからも私たちと生きてくれるんだ……」
真乃「私たちの仲間であり続けようとしてくれてるんだって、そう思えたから……っ」
櫻木さんの目は潤んでいて、言葉の一つ一つを口にするのにも肩を震わせていた。
その怯えは、殺人犯と接することに向けられたものではない。
自分との間にできた縁が途絶えてしまうこと、その手から真っ白な珠がこぼれ落ちてしまう事を惜しむ畏れだったのだ。
ほんの数日前に会っただけ。たまたま同じ状況に居合わせただけ。
それだけの関係性の相手をこれほどまでに慈しみ、尊ぶことができるなんて随分とできた人物だ。
601 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:11:56.71 ID:5pp+9EB+0
にちか「私が櫻木さんが思ってくれてるほど、大層な決断を下したわけじゃないんです」
櫻木さんの太陽のような眩しさが、自分自身に影を落としているのを感じている。
私は、こんな風にはなれない。学級裁判で出し抜こうとした独善主義な人間が何を望むんだって話だし、憧れるのも烏滸がましい。
にちか「ルカさんが前に言ってたんです。不可能なことだとしても、挑み続けることで拓ける運命はあるかもしれないって」
だからせめて、彼女の邪魔にはならないようにしようと思った。
どれだけ騙されても他の人を信じ続けようとする、その不器用な実直さが歪められてしまうことがないように。
その軽やかな足取りが、段差に蹴つまずいてしまうことがないように。
にちか「私が殺人に手を染めた事実は変わらないですし、失った信頼はもう取り返せないかもしれない。それでも……誰かと歩んでいくことだけは諦めずに、挑み続けていたいんです」
___私はせめて、彼女の成功体験の一つでありたいとそう思った。
にちか「な、なんて! すみません、なんか長々と! 変なこと言っちゃいましたかね!? 言っちゃいましたよね?!」
真乃「にちかちゃん……ありがとう、嬉しいなぁ……っ」
(ああ、ずるいなぁ……そんな風に笑える人、本当に羨ましい)
602 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/27(木) 22:14:36.35 ID:5pp+9EB+0
ひとまず本日は2章を始めるところまで。
なんだかんだレインコードの発売や我儘なままの開催があり、再開が遅くなりました……すみません。
ただ、その分3章までの書き溜めも進んだので……何卒
明日辺りから行動の指定を取りつつ進めていけたらなと思っています。
これからまたよろしくお願いします。
603 :
ドタバタして放置気味でしたが、安価だけ出しておきます
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/29(土) 21:47:33.44 ID:m1BaiMcd0
------------------------------------------------
真乃「そろそろ私たちも探索に向かおうか」
にちか「そうですね、とりあえずマップを見てみますね……」
にちか「新しく行けるようになったのは……」
〔校内〕
【1F 超研究生級の占い師の才能研究教室】
【2F 超研究生級のブリーダーの才能研究教室】
【2F 超研究生級のドクターの才能研究教室】
〔校外〕
【プール】
【カジノエリア】
【中庭 超研究生級の文武両道の才能研究教室】
真乃「ほわっ……一気に行けるところが広がったね……!」
にちか「基本は才能研究教室の類っぽいですけど、学校設備で開放されたものもあるみたいです。こりゃ見て回ると結構かかるぞー……」
真乃「が、頑張ろうね……っ!」
(さて、どこから回ろうかな……?)
【選択コンマの末尾の数ぶんモノクマメダルを獲得します】
↓1
604 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/07/29(土) 22:32:38.41 ID:0am4jOZi0
占い師の研究室
605 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/29(土) 22:44:34.93 ID:Es4PfSJF0
【コンマ41】
【モノクマメダル1枚を手に入れた!】
【現在のモノクマメダル枚数71枚】
------------------------------------------------
【1F 超研究生級の占い師の才能研究教室】
体育館前の廊下の壁の突き崩された先に、袋小路のような形で設置された部屋。
扉には怪しげな紋様が描かれていて、他の教室とも雰囲気が少し異なる。
ちょっとだけ緊張しながら、その扉を開けた。
(こ、これは占い師の才能研究教室か……!)
部屋の中央にこれみよがしに置かれた水晶玉やタロットカード。
壁にはドリームキャッチャーや卜占術の表がくっついていて、エキゾチックな空間といった感じ。
なんとなくいるだけで、踵が浮くような感覚がする部屋だ。
めぐる「ねえ灯織! 灯織はここの道具を使って占いができるの?」
灯織「うーん……知識として、なんとなく知ってはいる範疇だけど……自信はないかな」
(……風野さん!)
……まずったな。
この部屋の持ち主と早速出会してしまった。
向こうも視界の隅に私の存在を捉えたらしく、バツ悪そうに視線を逸らしてきた。
606 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/29(土) 22:45:26.71 ID:Es4PfSJF0
にちか「さ、櫻木さんこの部屋はもう見終わったってことで……」
風野さんの醸す敵対的な雰囲気にのされ、思わず及び腰な態度をとってしまう。
櫻木さんはそんな私の手を取って、静かに首を横に振った。
真乃「にちかちゃん……ルカさんの言葉、覚えてるよね」
にちか「ルカさんの言葉……」
真乃「灯織ちゃんともう一度仲良く……それは難しいかもしれないけど、そのことに挑み続ける価値はある」
真乃「大丈夫……私たちと向き合うって決めてくれたにちかちゃんなら……運命を切り開けるはずだよ……っ!」
にちか「……」
もう、勝手なことを言ってくれちゃうな。
一度啖呵を切った手前、引っ込みがつかなくなってしまっているのを見越してなのか、無自覚なのか。私の逃げ道を綺麗に櫻木さんは潰してしまった。
……いいよ、元からその気だ。
どれだけみっともなくても、どれだけ哀れでも、このスカスカの信頼に縋って生きていくと決めたんだから。
607 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/29(土) 22:46:22.09 ID:Es4PfSJF0
にちか「風野さん!」
灯織「……なんですか?」
にちか「ずっとずっと騙していて……ごめんなさい! 一番近くで、私のことを信じて、捜査を手伝ってくれていた風野さんにあまつさえ罪をなすりつけるような真似……」
にちか「どれだけ謝っても足りないのはわかってます! ですけど……私もこうして生き永らえてしまったからには……精一杯他のみんなのために出来ることをやるつもりなので!」
灯織「……それはなし崩し的な結論ですよね。学級裁判に負けてしまったから、この学園からの脱出に失敗したから。妥協の選択なだけです」
灯織「七草さんの言葉に信用もできません。なので、私はあなたの手を取ることも、あなたに手を差し伸べることもできないです」
めぐる「灯織……」
真乃「……」ギュッ
櫻木さんも八宮さんも言葉を挟まない。
これは当事者間の話だ、誰かに促されてその結論を歪めうるものではないし、そんなことは望まれない。
608 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/29(土) 22:48:21.49 ID:Es4PfSJF0
にちか「それでもいいです! 他の誰かから助けてもらう権利はとっくに失ってるのは理解してます」
にちか「一緒に歩むことが難しいのなら、その後ろをついて行かせて欲しいんです」
にちか「せめて、同じ道を行く存在ぐらいでは……いさせてもらえないですかね……?」
私に望めるのはこれくらいだ。仲間としての承認なんて高望みがすぎる。
下げた頭だって、風野さんの瞳には空っぽに映っているんだろうから。
灯織「……八宮さん、行こう」
めぐる「えっ!? う、うん……」
風野さんは傍に控えていた八宮さんに呼びかけた。
灯織「……勝手にしてください。七草さんがこれからどうするのか、それを止める権利は私にもないですから」
小走り気味に出ていくその背中を見ることは叶わなかった。
音が遠くに消えたのを確かめて、やっと顔を持ち上げる。
真乃「にちかちゃん……頑張ったね……っ」
にちか「頑張れた……んですかね、よくわかんないです」
真乃「きっと、今ので拓けた運命はあるよ。光も、音もしないけど……そんな気がしたんだ」
にちか「……ありがとうございます」
身に余る慰めを、胸にギュッと手繰り寄せた。
------------------------------------------------
〔校内〕
【2F 超研究生級のブリーダーの才能研究教室】
【2F 超研究生級のドクターの才能研究教室】
〔校外〕
【プール】
【カジノエリア】
【中庭 超研究生級の文武両道の才能研究教室】
【選択コンマの末尾の数ぶんモノクマメダルを獲得します】
↓1
609 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/07/30(日) 10:35:00.38 ID:eGye1jMx0
なるほどAAAはアナルのAだったのかー!なるほどなるほど
610 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/07/30(日) 12:37:07.80 ID:8psmUWKcO
ドクター
611 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/30(日) 20:35:17.42 ID:ZszPDsn20
【コンマ80】
【モノクマメダル10枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数81枚】
------------------------------------------------
【2F 超研究生級のドクターの才能研究教室】
よくドラマとかで見る診察室ってこんな感じだ。
レントゲン写真を白板に貼り付けて、微妙に薄暗い電灯の下、丸い椅子に座って深刻な表情。
ただ完全にそれと言い切れないのは、周りに人体模型やら骨格標本やら、はては正体不明のホルマリン漬けまでが並んでいることに起因する。
どこかの遊園地のお化け屋敷にこんな感じの内装もあったな〜と思う。
恋鐘「な、なんか幽霊とか出そうな雰囲気ばい……」
霧子「恋鐘ちゃん、怖らがらなくていいよ……この子たちはみんな、おやすみ中だから……」
恋鐘「今後目を覚ます可能性があるばい?!」
霧子「ううん……そうじゃなくて……みんな、未来に向けて……過去の中に眠ってるんだ……」
恋鐘「タイムカプセルみたいなもんやね! 霧子は賢かねぇ〜」
……とはいえ、そんな不気味さは騒がしい二人組でかき消されていた。
612 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/30(日) 20:36:58.39 ID:ZszPDsn20
真乃「霧子ちゃん……この部屋の設備はどう?」
霧子「うん……私も専門的なことはそこまで分からないんだけど……簡単なケガの処置なら問題なくできると思うな……」
霧子「一般的な市販薬も一通り揃ってるから、病気も問題ないと思う……」
にちか「そう長居する気もないですけどケガの処置が出来るのは助かりますね!」
(……っ!)
自分で言葉を発した瞬間あの時の光景がフラッシュバックした。
私の手に握る包丁がルカさんの腹を貫いた、あの赤と熱で満ちた光景。
肌にいまだ生きている実感と恐怖が、頭から足先に突き抜けた。
霧子「にちかちゃん……ゆっくり深呼吸だよ……」
にちか「へ、え……?」
真乃「にちかちゃん、大丈夫……! 私たちがそばにいるよ……っ!」
櫻木さんにギュッと両手を握られて、その時初めて自分の体の震えに気がついた。
613 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/30(日) 20:37:57.70 ID:ZszPDsn20
恋鐘「にちかにとっても、辛い経験だったはずたい……焦らず、ゆっくり向き合えばよかよ」
にちか「あ……」
霧子「大丈夫、一人じゃないから……」
真乃「にちかちゃん、大丈夫……大丈夫……」
私を囲んで、大丈夫と何度も声をかけてくれた。
澄み切ったその声が浸透していくごとに、心臓は少しずつ落ち着きを取り戻していき、やがて私の焦点はやっとブレずに静止した。
にちか「す、すみません……ご心配をおかけしちゃいました」
真乃「ううん……仕方ないよ、みんなにとってショッキングなことなんだもん……当事者ににちかちゃんは尚更だよ」
霧子「自分のことを大切にしてあげて欲しいな……必要以上に責めちゃうと、にちかちゃんの中のにちかちゃんも弱り切っちゃうから……」
にちか「……はい」
そうは言われても、早々自分を赦せるようになるとは思えない。
未だルカさんの言葉を飲み込んで手にかけた自分が正しかったのか、間違っていたのか。
その答えが私の中で出ていないから。
……長く苦しみ続けよう。
そうじゃなきゃ、嘘だ。
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〔校内〕
【2F 超研究生級のブリーダーの才能研究教室】
〔校外〕
【プール】
【カジノエリア】
【中庭 超研究生級の文武両道の才能研究教室】
【選択コンマの末尾の数ぶんモノクマメダルを獲得します】
↓1
614 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/07/30(日) 20:50:26.77 ID:G6LFs/j80
【2F 超研究生級のブリーダーの才能研究教室】
615 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/30(日) 20:53:04.83 ID:ZszPDsn20
【コンマ77】
【モノクマメダル7枚を手に入れました!】
【現在のモノクマメダル枚数…81枚】
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【2F 超研究生級のブリーダーの才能研究教室】
扉を開けた瞬間に鼻を撫でる獣の匂い。
ペットショップというよりは動物園の方が近いかもしれない。
動物が長くいる空間ってどうしてこう匂いが充満するんだろう。
犬や猫の類はいないけど、壁に埋め込まれているケージの数々には文鳥やインコがたくさん入っている。
真乃「ほわぁ……! 鳥さんがいっぱい……!」
にちか「櫻木さん、鳥が好きなんです?」
真乃「うん……! 休みの日には花鳥園に行くこともあるし、私自身仲良しの鳩さんもいるんだ……っ!」
真乃「セキセイインコさんにオウムさん、文鳥さん……! ハクセキレイさんにキジバトさん、シマエナガさんもいる……っ!」
(す、すごいはしゃぎようだ……)
夏葉「やはり動物との交流は癒しを与えてくれるわね。失ってしまった日常を少し思い出せるわ」
樹里「アンタ、ペット飼ってたのか?」
夏葉「ええ、カトレアという大型犬を飼っているの。人懐っこくて、そして気品ある子なのよ」
樹里「ふーん……」
有栖川さんに西城さん……ルカさんの裁判を受けて、かなり憤慨していた二人だ。
このコロシアイに屈してしまった私のこともよく思っていないだろうな……
616 :
◆vqFdMa6h2.
[saga]:2023/07/30(日) 20:54:07.28 ID:ZszPDsn20
夏葉「……あら? 真乃とにちかもこの部屋に来ていたのね」
にちか「ど、どうも……」
樹里「おいおい……そんな怯えなくてもいいって」
にちか「い、いやでも私はつい昨日の裁判で皆さんを裏切った人間で、そのことに大分お怒りなのでは……?」
夏葉「ええ、憤りはいまだに治まることはないわね。たとえルカ本人が望んだことであろうとも、あなたは人を殺めるという最もあってはならない罪を犯した」
夏葉「でもあなたはその罪に正面から向き合うと決めたのでしょう?」
にちか「……!」
樹里「にちかは逃げずに今日の朝食会にもやってきて、そしてルカのことであさひにも怒りをぶつけてくれたじゃねーか」
樹里「裏切ったことと、そのことはまた別だ」
夏葉「ええ、あなたは信頼を全て失ってしまったと思っているかもしれないけれど、私はこれからあなたという人間を見定めていくつもりよ」
にちか「有栖川さん……」
樹里「あさひに比べれば、にちかはちゃんと反省してる分まだマシだかんな……」
真乃「あさひちゃん……このコロシアイに乗り気な様子でしたけど……」
夏葉「これ以上の横暴は例えあさひのような少女だとしても看過できない……対策は考えておくべきね」
樹里「お、おい……手荒な真似をする気じゃないだろな……」
夏葉「そこまでのことは考えていないわ。少なくとも、愛依が見張ってくれている今のうちは……ね」
芹沢さんにどう対処するのか、目下の一番の課題だろうな。
それにしても、私のことを受け入れようとしてくれる人が櫻木さん以外にもいてくれることが分かったのはちょっと嬉しいかも。
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〔校外〕
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