しずく「ところで歩夢さんの話をしてもいい?」かすみ「もう勝つ気ないよね」

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21 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:02:03.39 ID:lBGY4EZO0
歩夢「だってしずくちゃん逃げるもん。私とくっつくのはイヤ?」
しずく「イヤではないんですけど!えっと……あ、当たって……///」
歩夢「……ああ、ふふ。そういうこと?」ムギュッ
しずく「〜〜!?///」
歩夢「そっかー、しずくちゃんはこういうのでドキドキしちゃうのかぁ〜……♪」

しずく「なっ、何を言って……!///」
歩夢「それならやめるわけにはいかないなぁ……もーっとドキドキして、私のことをすきになってもらわなきゃ?」
しずく「うう〜……もう勘弁してください……///」
歩夢「イヤでーすっ。付き合ってくれるまでやめませーん♪」
22 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:02:58.82 ID:lBGY4EZO0


かすみ「……今と全然変わんないし」
歩夢「そうかな?」
しずく「あの時からずっと、ドキドキさせられっぱなしですよ……///」
かすみ「その後はどうしたの?結局逃げ切った?」
しずく「逃げ切った……と言えるのかな」
歩夢「気付いたらお昼休みが終わってたから、そうかも?」

しずく「その日からです、本気で逃げようと思ったの」
歩夢「次の日に教室行ったらいないんだもん。びっくりしちゃった」
しずく「あの時はもう、心臓がどうにかなってしまいそうで……自分の身が大事でしたから」
かすみ「それで普通科の教室に逃げ込んで来たんだ……」
しずく「すぐに見つかっちゃったけどね……」
かすみ「ほんとビックリしたもん。突然しず子がダッシュで入ってくるし、後から歩夢先輩も来るしでさーー」
23 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:03:44.17 ID:lBGY4EZO0


しずく「あ、かすみさん!ごめんちょっと入るね!」
かすみ「どわぁしず子!?なになに、どうしたの!?」
しずく「説明してる時間はないのっ!隠れる場所……かすみさんの机どこだっけ!?」
かすみ「えっと、そこの……」

しずく「ここだね!?ちょっと借りるから頑張って誤魔化して!」
かすみ「誤魔化すって……はぁ!?一体どういう……」
歩夢「しずくちゃんはこっちかなー……あれ、かすみちゃん?」
かすみ「うわ歩夢先輩!?」
24 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:05:14.86 ID:lBGY4EZO0
歩夢「急にごめんね。しずくちゃんを見てない?」
かすみ「えっしず子!?えっと……!」
かすみ(しず子、まさか歩夢先輩から逃げてたの!?え、なんで?誤魔化してって言ってたけど……ええい仕方ない!)
かすみ「し、しず子なら向こうに行きましたよー?急いでたみたいだったかも……」
歩夢「そっか……うん、ありがとう。探してみるね!」

しずく「……ふぅ。ありがとう、かすみさん」
かすみ「それより、どういうことなの?」
しずく「訳あって、毎日お昼休みになると歩夢さんに追いかけられてて……どこに居ても見つかっちゃうから、今日は別の教室にって思ったんだけど」
かすみ「なんで追いかけられてるのか聞きたかったんだけ、……ど……」
歩夢「しずくちゃんが逃げるからだよ?」
しずく「!?」
25 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:06:19.85 ID:lBGY4EZO0
歩夢「もーしずくちゃんってば悪い子。かすみちゃんの教室で隠れようとするなんて」
歩夢「そんなしずくちゃんもだいすきだけど?」
かすみ「ど、どうしてここに……」
歩夢「そこにしずくちゃんがいるから、かな?……つーかまーえたっ?」ギュッ
しずく「ひぁ……は、離してくださいっ///」
歩夢「やーだっ?今日こそ私と付き合ってもらうんだから♪」
かすみ「へ!?」

しずく「だから考えさせてくださいって言ってるじゃないですかぁ!///」
歩夢「ゆっくり考えてくれていいんだよ?私は離れないけど?」
かすみ「は、はぁ!?付き合うってまさかそういう……!」
かすみ「……って、そんなわけないですよね。きっとどこか遊びに付き合うとかで」
しずく「ホントに毎日こうして告白されてるのぉ!助けてかすみさんっ///」
かすみ「そういうのだった!?え、いつの間に!?」
26 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:07:20.61 ID:lBGY4EZO0
歩夢「ふふ、しずくちゃんだいすき?やっぱり恋人になってほしいなぁ……♪」
しずく「それは分かりましたから、一旦離れて……!///」
歩夢「分かったってことは恋人になってくれるの?」
しずく「そういうことではなくてですね……!」
かすみ「な、なん……!?」
歩夢「なら離しませーん♪しずくちゃんすきすきーっ?」
しずく「か、かすみさんっ、助けて……」

かすみ(歩夢先輩がしず子にガチの告白。しず子はなんでだか逃げてる。歩夢先輩はずっとこれ)
かすみ(いつから?言い方からしてしばらくやってる?というか超ベッタリ。頑張れば振り解けそうなのに)
かすみ(…………もう無理。かすみんには理解が追いつかない。ぴぴー、ががー)
かすみ「……、……」
かすみ「……購買行ってこよっと」
しずく「なに今の間!!え、本当に待って!?」
かすみ「ごめん、考えたけど無理だった。頑張って」
しずく「諦めないで!?ちょっと待ってよぉー!」
27 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:07:51.92 ID:lBGY4EZO0
しずく「い、行っちゃった……どうすれば……」
歩夢「ふふ、諦めて私と二人っきりでお昼ごはんにしようねー?」
しずく「そ、そうだっ。私も購買に行かないと……」
歩夢「それなら大丈夫っ。お弁当、二人分作ってきたから?」
しずく「……え!?」

しずく「ふ、二人分って……」
歩夢「うん、しずくちゃんに食べてほしくて。ダメ、かな……」
しずく「う……そう言われると、断れない……」
歩夢「やったぁ?ほら、行こっ?」
しずく「ぁ……は、はいっ」
28 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:08:59.63 ID:lBGY4EZO0


かすみ「あったあった。実際あの時、なんでしず子が隠れてるって分かったんですか?」
歩夢「ん〜……。勘、かな?」
かすみ「勘って……」
しずく「でも校内のどこにいても、お昼休み始まって10分くらいで見つかってたし……」
かすみ「ええ!?なんで!?」
歩夢「だから勘だってー。今日はしずくちゃんあの辺りにいるかな?っていう」
かすみ「ひえ……GPSかなにかですか……」

かすみ「……でも、しず子は徹底して逃げてたと」
しずく「うん。……かすみさんにはしてなかったね、その辺りの話」
かすみ「歩夢先輩のことは、あの頃から好きだったんでしょ?」
しずく「そうだよ。……それこそ告白される前から、ずっとね」
かすみ「やっぱり。そうじゃなかったらきっとしず子、告白された時にまず考えさせてくださいって言うもん」
29 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:10:13.10 ID:lBGY4EZO0
しずく「かすみさんは付き合ってからもたくさん相談に乗ってくれてるし。話してもいい、かな……」
かすみ「……告白されて、どう思った?」
しずく「好きだった人に告白されたんだもん、嬉しかったよ。本当はずっと私から告白したくて、出来なかったところに歩夢さんから来てくれたんだし」
しずく「最高に嬉しかった。弱い私にとって、理想通りの展開だった。……だからこそ、本当だって信じられなかった」
しずく「歩夢さんは勇気を出して告白してくれたのに、それすらも現実だと思えなくて……」

かすみ「翌日から歩夢先輩が付き纏ってたのは、そういうことですか?」
歩夢「むう、人聞き悪いなぁ。付き纏ってたんじゃなくて、追いかけてたんですー」
かすみ「いやそれ同じでしょ。で、どうなんです?」
歩夢「まあ、うん、大体そういうこと。少なくともしずくちゃんが、自分を責めてることはすぐ分かった」
歩夢「だってしずくちゃん、悩んでる時ほど自分のせいにして隠すから……」
かすみ「あー、分かりますそれ」
しずく「うぐ。何故でしょう、とても心が痛いです」
30 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:10:55.03 ID:lBGY4EZO0
歩夢「だから、今回もそうなんだろうなって。……しずくちゃんと付き合うためにも頑張らなきゃって思って、何が出来るか考えて」
かすみ「その結果があれというわけですか」
しずく「私、本当は少しだけ嬉しかったの。ああやって逃げていれば、歩夢さんが迎えに来てくれるんだ……って思えて」
しずく「返事をした瞬間に、ウソだったって言われるのが怖くて。ずっとこのままいられたらって思って……」

しずく「でも、そこまで考えてやっと気付いた。そのまま続けていたら……あと2年で、絶対に終わっちゃうって」
かすみ「2年?」
しずく「……歩夢さんの卒業だよ。その時にも返事をしなかったら、もう一緒にはいられないことに気付いたの」
しずく「終わりが見えてしまっているなら、せめて……歩夢さんに迷惑をかけない方を選ぼうとしたんだ」
31 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:11:39.60 ID:lBGY4EZO0


歩夢「お待たせ。……今日はしずくちゃんから連絡が来て、びっくりしちゃった」
しずく「いつも、探させてしまっていましたから。……私、覚悟を決めました」
歩夢「……お返事、くれるの?」
しずく「そう捉えていただいて構いません」
歩夢「分かった。……聞くよ」

しずく「……まず、私は歩夢さんに謝らなきゃいけません」
しずく「ずっと付き合わせてしまって、ごめんなさい。本当は、もっと早く気付くべきだったんです」
しずく「……どこにいても歩夢さんが迎えに来てくれる。それが嬉しくて、ずるずると続けてしまっていました」
歩夢「!」
しずく「でも、もう……終わりにするべきなんだと思います。これ以上、歩夢さんにご迷惑をおかけするわけにはいきませんから」
32 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:12:38.28 ID:lBGY4EZO0
歩夢「……どうして、そんな言い方するの」
しずく「どうしてでしょう……私にも、分かりません」
しずく「でも、私は言わないといけない。……歩夢さんの言葉を、聞かないと」
歩夢「私の、言葉を……?」
しずく「歩夢さんは、私を……今でも……」
しずく「……っ」

しずく(言わなきゃ……言わないといけないの。終わってしまうとしても、絶対に)
しずく(ああ、でも。このまま続けていればもしかしたらって、そう思っちゃう……そんなこと、あるわけがないのに)
しずく「すー、はー……」
歩夢「……、……」
しずく「歩夢さーー」

歩夢「ーー待って」
しずく「!」
33 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:13:45.48 ID:lBGY4EZO0
歩夢「……ごめんね、ひとつだけ嘘ついた」
歩夢「しずくちゃんのことならなんでも分かっちゃうって言ったけど……今まで、気付いてあげられてなかったね」
しずく「え……」
歩夢「でも、今やっと分かったよ。……まだ、迷ってるんだね」

しずく「……迷ってるなんて。私は今日、答えを出すためにここに」
歩夢「私に迷惑をかけないように、断ろうとしてるでしょ」
しずく「!」
歩夢「やっぱり。……しずくちゃん、分かりやすすぎるよ……」
しずく「……私は」
歩夢「ねえ、しずくちゃん。私のこと、好き?」
34 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:14:49.02 ID:lBGY4EZO0
しずく「す、好き、って……」
歩夢「答えて」
しずく「……でも、私の答えは」
歩夢「でもじゃないっ。私のこと、好き?」
しずく「ーー」
歩夢「……、……」
しずく「……っ」

しずく「……好き」
しずく「好きです、好きに決まってます!私だって歩夢さんのこと、ずっと前から好きだったんですよ……!」
歩夢「ずっと、って……」
しずく「ずっとはずっとです。……初めて告白された、あの時よりもっと前から」
35 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:15:30.76 ID:lBGY4EZO0
しずく「いつかは私から告白しようと思ってました。本当ですよ?最後まで勇気は出せませんでしたけど」
しずく「こんな弱い私が、歩夢さんと釣り合うわけがないんです。でも歩夢さんから好きって言ってくれた」
しずく「嬉しかったです、お受けしようと何度も思いました。でもなんとか踏みとどまっていたんです」
しずく「だってこんな私を、歩夢さんが好きだなんてーーそんなこと、あるわけがないっ!」
歩夢「!」

しずく「……一度は断って、歩夢さんが毎日私を追いかけてくれるようになって。ああ、これでずっと一緒にいられるんだって思いました」
しずく「でもそれだって、いつかは終わりが来る。ずっとこのまま続けていられたら良かったのに」
しずく「……最低ですよね、分かってます。だからせめて、覚悟を決めて終わらせてしまおうと」
歩夢「しずくちゃんの嘘つき」
しずく「っ」
36 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:16:11.90 ID:lBGY4EZO0
歩夢「……、……」
しずく「……嘘なんて、最初からついてないですよ。隠し事はずっとしてきましたけど」
しずく「でもそれも、今日で終わりです。もう嘘も隠し事も、何も残ってなんて」
歩夢「違うよっ!私にじゃない、しずくちゃんにだもん」
しずく「私、に……?」

歩夢「だって、しずくちゃんがどうしたいかを聞けてない。こうしなきゃいけない、迷惑をかけないようにって、そればっかり」
歩夢「私、すごく怒ってるんだよ?本当にこのまま断ったりしたら、一生しずくちゃんのこと追いかけ回すからね」
しずく「ふふ、それも良いですね。本当にそうなったらなぁ……」
歩夢「本気だよ、私」
しずく「……どうせすぐ、忘れちゃいますよ。2年も経てばいなくなるんですから」
歩夢「いなくなるも何も、毎日鎌倉まで通う方法を考えてるところなんだけど?」
しずく「っ」
37 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:16:52.59 ID:lBGY4EZO0
歩夢「定期買ってもいいけど、近くに引っ越した方が早いかな。進学先もそこから考えて……」
しずく「ちょ、ちょっと待ってくださいっ」
歩夢「……なに」
しずく「本当に、その……」
歩夢「だから言ってるよね、本気だって」
しずく「……、……」

歩夢「さっきまで話してて、なんとなく分かったよ。しずくちゃんの考えてること」
歩夢「ーー私は、どうすればいい?」
しずく「……え」
歩夢「しずくちゃんの不安がなくなるなら、何でもするよ。何回でも好きって言うし、望むことなんだってする」
歩夢「というかそのつもりで毎日追いかけてたんだもん、今更だよね」
38 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:18:05.99 ID:lBGY4EZO0
しずく「……本当に、何でもいいんですか」
歩夢「うん」
しずく「後悔しませんか」
歩夢「しないよ、少なくとも私はね」
歩夢「だからしずくちゃんも、してほしくないことは言わない方がいいと思うよ。……今から言ったら、本当にしちゃうから」
しずく「……っ」

しずく「……なら。それなら」
しずく「なんでもすると、本当にそう言うのなら」
しずく(これは……叶わない夢の話。そして、それを諦めるための……)
しずく「……、……っ」
しずく(……いくら弱い私でも、現実を見ればきっと諦めがつく)
しずく「……。……キス、してください。唇に」
歩夢「!」
39 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:18:53.60 ID:lBGY4EZO0
しずく「……なんて、冗談でもそんなこと出来るわけがーー」
歩夢「ーー目閉じて。今からするから」ソッ…
しずく「!?な、何を」
歩夢「というか少し静かにしててくれないと、唇にキス出来ないんだけど」
しずく「あ、ぇ、ぁ……」
歩夢「分かったら目と口閉じて!」
しずく「ひゃ、ひゃいっ……」
歩夢「……ん、ちゅ」
しずく「〜〜っ!?」

歩夢「ーーぷぁ。次は何したらいい?」
しずく「え、え…………え……?」
しずく「な、……今の感触は、でもっ」
歩夢「足りなかった?ならもう一回するね」
しずく「へ?っ、んむ……!?」
歩夢「ちゅ、ちゅ……」
しずく「んぅー!?」
40 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:19:51.71 ID:lBGY4EZO0
しずく「……ほんと、え、なん……で……」ツー
歩夢「やっと信じてくれた?」
しずく「で、でも……だって……っ」
歩夢「……もう。まだそんなこと言うの?」ギュッ
しずく「ぁ……」
歩夢「すきだよ、しずくちゃん。だいすき。私の全部、しずくちゃんにあげるから」
歩夢「次は私にどうしてほしい?なんだっていいよ。しずくちゃんのお願い、全部叶えてあげる」

しずく「……もう、貰いすぎなくらいです。今更私が何かを望むなんて、とても」
歩夢「私がしたいの、してあげたいの。……だから、本当になんでもいいから……何か言ってほしい」
歩夢「私だって不安なんだよ?……もっと求めてよ」
しずく「……っ」
41 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:20:40.72 ID:lBGY4EZO0
しずく「……、……。……もっと、ぎゅっとしてください」
歩夢「ん……」ギュウウ
しずく「……えへへ……。ほんとに、ウソじゃないんだ……」
歩夢「ずっとそう言ってるのに」
しずく「じゃあキス、キスくださいっ」
歩夢「うん。するね……」
しずく「ちゅぅ……」

しずく「……ぷぁ。やっぱり、すき……すきです、歩夢さん」
しずく「歩夢さんは私のこと、すき……ですか?」
歩夢「うん。すき……だいすきだよ、しずくちゃん」
しずく「えへへ……そっか、そうなんだ……」
しずく「……もうちょっとだけ、お願いごとしてもいいですか?」
歩夢「何個でもいいよ。なぁに?」
しずく「私のこと、ずっと離さないでいて。ずっと一緒にいてほしいです……」
歩夢「……もちろん。ずーっと一緒だよ」
しずく「それと……私とお付き合い、してください」
歩夢「!……えへへ、もちろん。よろしくお願いしますっ」
42 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:21:22.23 ID:lBGY4EZO0


しずく「こうして思い返すと……あの時の歩夢さん、すごくかっこよかったです」
歩夢「えへへ……そうかな?」
かすみ「押して押して押し込んで、少し引いてからトドメにもう一押し。手際が良すぎません?新手のナンパですか」
歩夢「だから人聞き悪いって。しずくちゃんと付き合うために真剣に考えた結果ですぅー」プク

しずく「でも私、ちょっと強引な感じも好きですよ。歩夢さんに迫られると、ドキドキしちゃって……?」
歩夢「……へーえ?」
かすみ「あっ……」
しずく「……あ」
歩夢「しずくちゃん、実はそんなこと考えてたんだ?知らなかったなぁー……?」
かすみ「……また勝ちが遠のいたね、しず子」
しずく「分かってたけどせめて気付かないフリしててよぉ!」
かすみ「勝つ気ほとんどないくせに……」
43 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:22:42.12 ID:lBGY4EZO0
歩夢「私が、こんな風に近付いて……」グイ
しずく「きゃっ……///」
歩夢「ちょっぴり強引に迫ったりすると、ドキドキするんだっけ?」
しずく「ぁ、え、えっと……?」
歩夢「なぁに、その目。何をしてほしいのかな……?」サワサワ
しずく「ひゃぅっ?きす、キスしてくださいっ?」
歩夢「よく言えました?ちゅー……?」
しずく「んむ……?」

かすみ「ええ……」
歩夢「ふふ、満足?」
しずく「はぃ、満足ですぅ……?」
かすみ「人前で何してんですか……同好会のメンバーは事情を知ってるとはいえ、さっきのをせつ菜先輩とかに見られてたら……」
菜々「私がどうかしました?」ヒョコ
かすみ「どわぁぁぁ!?」
44 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:23:54.41 ID:lBGY4EZO0
歩夢「あれ、せつ菜ちゃん?メガネしてるんだね」
菜々「さっきまで栞子さんの手伝いをしていまして、今は菜々モードです。……しずくさん?」
しずく「ほわ……?」
菜々「えっと、これは」
かすみ「……そういうことです」
菜々「ここ最近は歩夢さんに勝ちたいと、張り切っていたように見えましたが」
歩夢「あれ、せつ菜ちゃんもその話知ってるの?」

菜々「はい。皆さんご存知なのかと……」
歩夢「たぶんしずくちゃん、秘密にしてるつもりだと思うよ?」
菜々「え、あれで……?」
歩夢「あれで。……ふーん、せつ菜ちゃんもそっち側なんだぁ。相談に乗ってもらって、信じてたのに……」
菜々「し、しずくさんに頼まれてしまって仕方なくですね……」
45 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:25:00.26 ID:lBGY4EZO0
かすみ「……あれ、歩夢先輩がせつ菜先輩に相談?」
菜々「はい、以前歩夢さんから話を聞いていまして。告白する前と、その後くらいですかね」
歩夢「ちょっと強引に押してみたのも、せつ菜ちゃんのアドバイスだったり……」
かすみ「ってことはせつ菜先輩が元凶じゃないですか!」
菜々「ええ!?私、何か変なこと言いましたっけ!?」
かすみ「自覚なしですか……まあ確かに、せつ菜先輩の発案なら納得ですけどね。ナンパもビックリの手際の良さでしたし」

菜々「な、ナンパ!?しずくさんの話を一度ゆっくりと聞いてみた方がいいとか、それで深く悩んでしまっているのなら強めに押してみた方がとか、そういうアドバイスはしましたけど……」
かすみ「それそれ、それですよ!もう、せつ菜先輩のくせに!」
菜々「どういう意味ですかそれ!?」
歩夢「まあまあ。私がこういうことするのは、しずくちゃんだけだから」ナデ…
しずく「ん……」
46 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:25:54.56 ID:lBGY4EZO0
かすみ「はぁ……というかせつ菜先輩、こっちの方に何か用事あったんですか?」
菜々「いえ。生徒会の手伝いが終わって、ぷらっと歩いていたら皆さんを見かけたので」
かすみ「つまり暇ってことですよね?じゃあかすみんの助っ人に入ってください」
菜々「助っ人?」
かすみ「この2人の相手、です」
菜々「そういうことでしたら、まあ……」
せつ菜「これで良しっと。隣、失礼しますね」
かすみ(あ、今モードチェンジするんだ……)

しずく「……、……あれ。せつ菜さん?いたんですね」
かすみ「あ、意外と復帰早かった」
せつ菜「全く気付かれていなかったんですね……」
しずく「ごめんなさい、ちょっと歩夢さんに意識を奪われていました」
かすみ「その言い方だとただの暴力じゃん」
せつ菜「暴力的ではあるかもしれませんね……あまりに強すぎる歩夢さんの魅力に、どう対抗するかという話はよく聞いていました」
歩夢「むぅー。私そんなに危なくないよ?」
かすみ「いや、もう既に危ないですよ色々と。……主にせつ菜先輩のせいで」
せつ菜「一周回って褒められているのではと思い始めましたよ」
47 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:26:42.95 ID:lBGY4EZO0
せつ菜「でも私、思うんですよ。しずくさんはまだ、歩夢さんの魅力の全てを把握しきれていないんじゃないかと」
しずく「それはちょっと聞き捨てなりませんね」
かすみ「いつも負けてる人がなんか言ってる」
せつ菜「本気で勝ちたいと願うなら、まずは相手との実力差を知るべきです」
しずく「……なるほど。つまり一度、歩夢さんの本気を受けてから対策を考えるべきだと。そういうことですね?」
かすみ「話がおかしな方向に……」
歩夢「?」

せつ菜「実際のところ、歩夢さん。本気でしずくさんを落とそうと思ったら何分かかります?」
歩夢「ええー……?落とすって言われてもなぁ……」
かすみ「そもそもの話、歩夢先輩は毎回そのつもりじゃないことを忘れてません?」
しずく「既に実力差を見せつけられている気がします……」
48 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:27:43.87 ID:lBGY4EZO0
かすみ「ほらあれですよ、しず子のことを本気でドキドキさせてみてください。さっきみたいな顔見たくないんですか?」
歩夢「あ、それは見てみたいかも」
しずく「ほ、本当にするんですか……?」
せつ菜「まずは勝つつもりでなくてもいいんです。実力を知り、鍛錬を重ね、そして勝ちを目指すための第一歩なんですよ!」
かすみ「勝てる未来は見えませんけどね……」

歩夢「えー……でもさぁ」サワッ
しずく「ひぁっ!??ま、まっ……」
せつ菜「!?」
歩夢「はい、ぎゅーっと」
しずく「ぁ……あゆむさん……?」ポー
歩夢「ドキドキさせるも何も、しずくちゃんはもう私に夢中だし♪」
かすみ「うわ。何秒?」
せつ菜「……5秒経ってませんね」
かすみ「トラップ仕掛けてるの忘れてた……」
49 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:28:31.17 ID:lBGY4EZO0
かすみ「しず子ー?」
しずく「ぇへへ……歩夢さん……?」
かすみ「もぉー、一回離れてください。これじゃ話が進みませんよ」
歩夢「だってしずくちゃんが離してくれないんだもん?」
かすみ「トラップ使うの強すぎるので反則です反則」

せつ菜「なんだかゲームみたいですね……」
かすみ「じゃあ洗脳って言い換えたらいいですか?」
せつ菜「すみませんでした」
かすみ「そういうことです。……起きろしず子っ」
しずく「んがっ」
かすみ「歩夢先輩をドキドキさせる話はどうしたの!」
しずく「はっ。そうだった……あれ、今私は何を……?」
かすみ「重症……」
50 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:29:09.83 ID:lBGY4EZO0
かすみ「とりあえずほら、離れてっ」
しずく「う、うん……。……ぁ……」フラ…
かすみ「!?」
しずく「……」ポスッ
歩夢「……もぉ、しずくちゃんってば」ナデナデ
しずく「えへへ……♪」ギュ…

せつ菜「……」
かすみ「……」
せつ菜「……。私帰っていいですか?」
かすみ「かすみんを置いていくんですか!?」
せつ菜「だってしずくさんも完全にその気じゃないですか!それに、その……!」
かすみ「妙なところで恥ずかしがってないで、道連れになってください!」
51 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:30:11.35 ID:lBGY4EZO0
せつ菜「イヤですよ!というかかすみさんも、もうここにいる理由ないですよね!?」
かすみ「……、……。言われてみればそうですね」
せつ菜「ほらぁ!」
かすみ「よし、帰りましょうそうしましょう」
せつ菜「そういうことなので!お先に失礼しますっ!」
歩夢「え、あ、うん……?」

歩夢「……行っちゃった。おーい、しずくちゃーん」プニ
しずく「んぇ」
歩夢「しずくちゃーん?」ムニムニ
しずく「むぁぅぅ」
歩夢「ほっぺぷにぷにだ」
しずく「もう、遊ばないでください……」
歩夢「ふふ、ごめんね」
52 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:30:51.69 ID:lBGY4EZO0
歩夢「話してたら時間経っちゃったし、そろそろ帰ろっか?」
しずく「……あ、本当。もうこんな時間」
歩夢「映画はまた今度行こうね。ほら、起き上がって」
しずく「……、……」
歩夢「……。しずくちゃん?」
しずく「……むぅ」ゴソゴソ

歩夢「え、何私の鞄漁って……」
しずく「……。あった」
歩夢「あ、それ私の鍵っ」
しずく「……、……」ギュ
歩夢「え、なんで!?返してよ!?」
しずく「ヤです」
歩夢「ええ〜……?」
53 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:31:26.92 ID:lBGY4EZO0
歩夢「しずくちゃぁん……」
しずく「イヤ。返しませんっ」
歩夢「なんでぇ……?」
しずく「……だって、返したら」
しずく「これを返したら……またお別れですもん」
歩夢「……え」
歩夢(え、何それかわいい)

歩夢(家の鍵は空いてるだろうし、なくても帰れるんだけど……)
しずく「……///」プイ
歩夢「……寂しくなっちゃったの?」
しずく「っ」
歩夢(しずくちゃんが引き留めてきたの、初めてな気がするな……///)
54 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:31:52.65 ID:lBGY4EZO0
歩夢「しずくちゃーん?」ツンツン
しずく「う……///」
歩夢「言ってくれなきゃ分からないよー」
しずく「だってぇ……」
歩夢「もう、恥ずかしがっちゃって……そういうところもかわいいんだけど」

歩夢「でもほら、言わないと帰っちゃうよー?」
しずく「!」
歩夢「確か今日は閉め忘れちゃったかもだから、普通に鍵開いてると思うし……」
しずく「えっ!?待ってイヤですっ、行かないでっ」
歩夢「……ふふ、ウソ。鍵がないと帰れなくて困っちゃうなー」
しずく「ぁ……」ホッ
歩夢「……?」ゾクゾク
55 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:32:34.53 ID:lBGY4EZO0
歩夢「と、ていっ」パシッ
しずく「あっ!」
歩夢「じゃーん。鍵は無事に戻ってきましたー?」
しずく「……むぅー」ペシペシ
歩夢「そんなにこれがほしいの?」
しずく「っ」コクコク
歩夢「えへへ、そっかぁ。それならあげちゃおっかなー……?」フリフリ

歩夢「どうかな、もらえるかなぁー♪」
しずく「……!」
歩夢「じゃかじゃかじゃかじゃか……じゃんっ。しずくちゃんにはこの鍵を進呈しまーす?」
歩夢「あーあ、帰れなくなっちゃった?困っちゃうなぁ〜……?」
しずく「……えへへ……♪」ギュウ
歩夢(もぉ〜?か〜わ〜いい〜っ?)キュンキュン
56 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:33:20.90 ID:lBGY4EZO0
歩夢「しずくちゃんはどうして離してくれないのかなぁ?」
しずく「……、……///」
歩夢「……ねえ、しずくちゃん?」
歩夢「私、明日も明後日も予定は入ってないの。どうしようかなーって思ってたところでね」
歩夢「だから……しずくちゃんのお願い、叶うかもしれないよ?」
しずく「!」

歩夢「ふふ、どうしたらお願い叶えてくれるかなー?たとえばー……」
歩夢「私がどうしても叶えてあげたいって思っちゃうくらい、とびっきりかわいくおねだりしてみる……とか?」
しずく「……かわいく、おねだり……///」
歩夢「できる?」
しずく「っ」コクコク
歩夢「そっかそっか?……しずくちゃん、がんばって?」
57 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:34:21.90 ID:lBGY4EZO0
しずく「歩夢さんが、叶えてくれるくらい……かわいく……」
しずく「……、……」
歩夢(ふふ?すごく真剣に考えてる……?)
しずく「……っ」キュ
歩夢「!しずくちゃん……?」

しずく「イヤ……やっぱりイヤです。離れたら、また寂しくなっちゃう……」
しずく「私、ちゃんといい子にしてますからっ。だから……お願い、いかないで……」
歩夢「っ」キュン
しずく「ちゅ、ちゅ……。まだまだ歩夢さんと一緒にいたいの……ダメ、ですか?」
歩夢「〜〜っ?」キュンキュン
しずく「んむっ!?……ふぁ、っ?」
歩夢「ちゅぅー……ちゅ、ちゅ……?」
58 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:35:09.73 ID:lBGY4EZO0
歩夢「ぷぁ。もう、もうっ!?しずくちゃんほんっとかわいいっ!?」
しずく「……かわいくおねだり、できてましたか?私のお願い、聞いてくれますか……?」
歩夢「もぉ〜聞いちゃうっ!?いくらでも聞いてあげちゃうよぉ?ちゅー?」
しずく「んぅ……!……、……えへへっ?」ギュウ
歩夢「今日はお泊まりにしちゃおうねー?ずーっと一緒……?」ナデナデ
しずく「ん……♪」スリスリ
59 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:36:08.19 ID:lBGY4EZO0


歩夢「って感じで!もうすっごくかわいいのっ!」
かすみ「あれ。かすみんあの後逃げたはずなのに、ループしてます?」
せつ菜「よくあるループ物ですね!」
歩夢「しずくちゃんの部屋についてからもずーっとくっついてるの。本っ当にかわいくてっ……?」
かすみ「週明けの授業終わって寄り道しようと思ったら、先輩に捕まって惚気話聞かされるかすみんの気持ち分かります?」

せつ菜「最近分かり始めました……ゲームで主人公とヒロインがカップル成立した後の話を聞かされる親友役って、ずっとこんな気分だったんですね……」
璃奈「せつ菜さん。そういうの隠さないと、そろそろやってるゲームがバレる」
せつ菜「えっ?」
璃奈「今までの情報を元にすると……せつ菜さんが言ってるゲームって、たぶんイチャラブ多めのエ」
せつ菜「ぎゃああなんでバレてるんですか!」
60 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:36:42.22 ID:lBGY4EZO0
かすみ「かすみんにはさっぱりなんですけど……」
せつ菜「そのままでいてください!お願いですからっ!」
璃奈「やっぱり……私の見立ては間違ってなかった。せつ菜さんもそっち側」
せつ菜「も、ということはつまり……」
璃奈「そういうこと。璃奈ちゃんボード『にやり』」
せつ菜「璃奈さん……!」

かすみ「意気投合してないで歩夢先輩どうにかしてくださいよ!」
歩夢「それでね?ご飯の時も隣の席じゃないとやだって、くっついたままおねだりされちゃって〜?」
璃奈「かすみちゃん。今、私たちは真剣な話をしてる」
かすみ「んなわけあるかぁ!」
61 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:37:34.01 ID:lBGY4EZO0
undefined
62 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:39:11.54 ID:lBGY4EZO0
歩夢「今まではされるがままだったんだけど、しずくちゃんの方から私に甘えてきてくれるようになったのは初めてなの!前から甘えていいよって言ってあげると飛び付いてきて、それもかわいかったんだけど。やっぱり私の迷惑にならないようにって意識があるのかな、何も言わないとくっつこうともしないんだよ。ずーっと私のこと考えてくれてて優しいしそういうところもだいすきなんだけど、でもやっぱりそんなのどうでもよくなっちゃうくらい夢中になっていて欲しいじゃない?だからこの前私を引き留めてきたのってすっごく寂しくて離れたくないって気持ちがあるからで、我儘だと思っててもそれをちゃんと言葉にしてくれたのがすっごく嬉しくて」
かすみ「ちょちょ早い早い、暴走特急にもほどがありますって。一人で爆走しないで、一旦スピード落としていただいてですね」
63 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:39:45.86 ID:lBGY4EZO0
歩夢「あのあと土曜に課題してた時にもね、横目で見たらしずくちゃんがじーっと見つめてきてるの。あれ絶対私の手が止まるのを待ってたんだよね、実際少し手を止めてしずくちゃんの方を見たらすっごく嬉しそうな顔してるの。どうやったら私に構ってもらえるのかなって考えてたんだと思ったら、私も嬉しくなっちゃって。その後ぎゅってしてあげたんだけどね、もーすっごく力が強いの。そのことを聞いたら、しずくちゃんなんて言ったと思う?『イヤ、絶対離しませんっ』って。私の方が力入っちゃったよ、本当に。で頭撫でてあげたらすぐ力抜けちゃってね、目もとろーんとして本っ当にかわいいの!それなのにちょっと腕を緩めたらすーぐ寂しそうな目を向けてくるし、とにかくずっとぎゅってしててあげないと落ち込んじゃうんだけど、それだけ私のことが大好きなんだなぁって思うと幸せというかなんというか」
かすみ(ひぇ……絶対しず子より歩夢先輩の方がヤバいよぉ……)

せつ菜「それでも続編ではちゃんと展開変わってたんですよね!前作では病気が回復しなかったけど続編ではちゃんと回復傾向っていうのが示されていて、最後には主人公との子供を含めた3人のCGがーー」
璃奈「確かにあれは感動だった。時空はパラレルワールドみたいなものとはいえ、前作を最後までプレイしてこその演出だしーー」
かすみ(こっちはこっちで同じくらい白熱してるし!このテーブルだけ無法地帯過ぎませんかね!?)
かすみ(そろそろかすみん泣いちゃいますよ?かすみんの味方はどこにもいないんですか……?)
しずく「ーー歩夢さんっ」
かすみ「四面楚歌!!!」
64 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:40:25.87 ID:lBGY4EZO0
歩夢「しずくちゃん?どうしたの、そんなに慌てて……」
しずく「っ」ギュウ
歩夢「わ、とと……。よしよーし」ナデナデ
しずく「んぅ……えへへ……♪」スリスリ
かすみ(歩夢先輩が止まったから、結果的には良かった……のかな?)
しずく「歩夢さんに会いたくて、急いで来ちゃいましたっ。……迷惑、でしたか……?」
歩夢「もぉー、そんなことないってば。嬉しい?」
しずく「あ、かすみさん。四面楚歌なんて難しい言葉よく知ってたね」
かすみ「今言うのそれ!?」

しずく「4人で何を話していたんですか?」
歩夢「しずくちゃんがかわいいって話?」
しずく「っ……もう、恥ずかしいですよ……///」
かすみ「かすみん以外誰も聞いてませんでしたけどね、その話」
歩夢「わ、しずくちゃんの顔ちょっと赤くなってる。うりうりー」
しずく「あぅ……///」
65 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:41:05.23 ID:lBGY4EZO0
かすみ「やっぱりしず子さ、もう歩夢先輩に勝つ気ないよね」
しずく「あるよ……あるもん……」
歩夢「ぷにぷにーっ。ふふ、しずくちゃんがんばれ?」
しずく「うー……がんばります……」
かすみ「どう見ても頑張ってるとは思えないんだけど。完全に脱力してるでしょ」
しずく「だってどれだけ私が頑張っても全部受け流されるんだもん。歩夢さんが全部悪いの!」
かすみ「理不尽すぎません?」

歩夢「ごめんね」ナデナデ
しずく「むー……はむ」
かすみ(また歩夢先輩の指咥えてるし……)
しずく「♪」
かすみ(え、今後これに付き合わされるの?ずっと?)
かすみ(……。……)
かすみ(……はぁ)
66 : ◆bncJ1ovdPY [sage saga]:2022/12/07(水) 05:42:03.58 ID:lBGY4EZO0
終わり。途中一回文字数かなんかでバグりましたが気にしないでください
あゆしずが止まらねえ
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/20(火) 01:59:24.69 ID:aYPLqZYeo
えろい
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/20(火) 02:00:15.21 ID:aYPLqZYeo
えろい
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/12/20(火) 11:32:30.18 ID:HhP1bmey0
読みにくい
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/12/20(火) 18:13:24.70 ID:KbBpFAuO0
醜いスレ
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