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かのん「野球をしよう…チーム名は、リエラバスターズだ!」
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56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 14:29:42.60 ID:CsSYtxOL0
恋「…」
恋(世界の秘密…? 一体何の話なんでしょう)
恋(それは置いといて、実況解説の人や結女の生徒も職員もいない理由は…)
恋(かのんさんが?千砂都さんが帰した?何の為に?どうやって?)
すみれ「恋、恋ってば!」
恋「へっ!? はい!」
すみれ「打者集中よ。相手の8番9番…捕手と投手は打撃も侮れないわ」
すみれ「それと」
恋「?」
すみれ「かのんの言うことは気にしなくていいからね」
恋「は…?」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 14:32:53.74 ID:CsSYtxOL0
恋(どういうことなんでしょう?)
恋(かのんさんの言うことは気にしなくていい?)
恋(この世界の秘密とやら…?)
すみれ「やばっ、浮いた…!」カキィン
四季「ー!」ダダダッ
夏美「あと2歩ですのー! 2,1!」
四季「私にも取れた…」シュパッ
夏美「ナイス四季ちゃん! 私たち、結構いいコンビになれますのね!」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 14:37:26.15 ID:CsSYtxOL0
メイ(流石に2打席連続HRの千砂都先輩は敬遠された…)
メイ「でも、盗塁してチャンス! 私が打って返す!」
メイ(狙い球はストレート!)
メイ「っ…」ガキィン
メイ「あー、ダメだったか。でもレフトまで飛ばした、次はいける!」
かのん「…」
千砂都「…かのんちゃん」
かのん「…分かってる。分かってるよ」
かのん「うん。大丈夫」
可可「っ…」
すみれ「…させないわよ。このままでいいじゃない」
かのん「このままじゃダメなんだよ。だから――――」
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 14:40:38.67 ID:CsSYtxOL0
すみれ「くっ…!」
夏美「な、なんだか急に相手の打線が強くなった気がしますの」
四季「3・4番の人はともかく、2番の人ちゃんとヒット打てたんだ…」
恋「ノーアウト満塁ですが落ち着いて行きましょう!」
すみれ「かのん…千砂都…あんたたち…!」
恋(なぜ…そこでかのんさんと千砂都さんの名前が出るんです?)
恋(この試合は一体…)
恋「この存在感…! 5番のこの人はパワーがあります! 打者集中ーー!」
すみれ「大丈夫…大丈夫…! …HRなんか打たれないんだから…!」
すみれ「グソクムシンカー!」シュッ
カキィン!!!
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 14:43:33.69 ID:CsSYtxOL0
すみれ「しまっ…! なんて打球速度―――――――――!!!!」
可可「っ…!」バチィッ
すみれ「可可ーーーー!」
きな子「可可先輩!? 今…」
可可「グラブに当たって弾いただけデス! それより!」
四季「ボール、フェンス横に転がってる!」
夏美「そっか! 私がフォローしないとですのね! ああっ遠い…!」
メイ「ランナーがどんどん返っていく…」
夏美「恋せんぱーいっ! うわっ全然とどかないですのー!」ヒョロッ
恋「ああ…、打者まで返ってしまいました…ランニングホームランです」
きな子「え…? ってことは4-3…逆転されたんすか?」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 14:46:27.86 ID:CsSYtxOL0
すみれ「かのん…! 千砂都…! そういうことなのね」
可可「すみれ、可可は大丈夫デス! 運動苦手だから弾いちゃったダケで…」
すみれ「っ」ギリッ
すみれ「―――茶番よ! かのん―――!」
かのん「うん、茶番。その通りだよ」
千砂都「これで条件は揃ったね。あとは…」
すみれ「っ…」
可可「すみれ…」
すみれ「可可…ゴメン…」
可可「いえ…すみれの気持ちは分かってマス…」
恋「すみれさん…? かのんさん…? 千砂都さん…???」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 14:49:36.89 ID:CsSYtxOL0
恋「大丈夫ですよ! まだ1点差、ここから逆転しましょう!」
四季「うん…。相手投手のストレートにも慣れてきた、と思う…」
メイ「次は絶対打つ!」
きな子「わ、私も!」
かのん『しっかりバットを振って、ボールに当たれば外野まで飛ぶ!』
きな子「打ちます!」
夏美「ですの! まだまだ…えっと…3回ありますの!」
すみれ「そうね…。このまま行けば、ね…」
??「―――学園スクールアイドル同好会、選手の交代をお知らせします」
恋「え…!? ウグイス嬢さん…ですか? 復活した…!?」
??「投手:澁谷かのん 捕手:嵐千砂都―――――――――――」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 14:53:43.23 ID:CsSYtxOL0
きな子「…ん?」
メイ「え? 交代?」
千砂都「うん。『相手の』投手と捕手が交代。私たちにね」
かのん「手加減はしないからね」
夏美「ええええーーーーっ!? いやいやいやなんなんですのー!?」
四季「そんなルールあり?」
恋「というか、そんなの相手チームが許さないでしょう!?」
恋「…」
恋「私たち」
恋「一体誰と戦っていました…?」
メイ「え…?」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 14:57:28.59 ID:CsSYtxOL0
きな子「そういえば…?」
夏美「なんで覚えてないんですの? ほら! 最大のライバル!」
恋「最大のライバルは サニーパッション では? 今戦ってたのは…」
メイ「え? サニパはもう…」
四季「? サニパはもう予選で倒したはずじゃ? それに来年は卒業してるし…」
恋「んん…!?」
恋(これは一体どういうことなのでしょう?)
恋(夢?)
恋(幻?)
恋(集団催眠? 記憶の混濁? 夢遊病?)
恋(この世界は…どうなっているんですか…?)
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:00:44.07 ID:CsSYtxOL0
かのん「そういうのはもういいんだよ。ほら、打席について。この際誰でもいいよ」
きな子「誰でもいいって…!」
かのん「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
四季「何この圧力…打てるわけない…!」
かのん「可可ちゃんは治療、すみれちゃんは付き添ってあげてね」
すみれ「言われなくてもそうするわよ!」
夏美「何がどうなってますのー!?」
千砂都「ほら、点とらないと負けちゃうよ? メイちゃん?」クイクイ
メイ「!」
66 :
澁谷 120km/h コンFスタE 重い球
[sage]:2022/08/11(木) 15:04:21.40 ID:CsSYtxOL0
メイ(さっきの人の球だって打てたんだ…! 絶対打てる!)
かのん「うんうん、良い目だね! じゃあ…全力全開!!」
メイ「!!?」ドスゥン…!
四季「は…」
夏美「さっきの人よりはっやいですのー!? ゴリラーー!?」
かのん「パンダ🐼ね」
千砂都「かのんちゃん、手痛そうだけど大丈夫?」
かのん「いや、ムリなんですけど…」ジンジン
千砂都「これで最後なんだから無理してでもやる! じゃないと、2人にも『みんな』にも…」
かのん「分かってる。さ、ノーボールワンストライク!」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:07:37.24 ID:CsSYtxOL0
きな子「はぁ、はぁ、はぁ…」
きな子「っ」ガキィン
かのん「ファールだね」
千砂都「メイちゃん三振、夏美ちゃん三振、四季ちゃんは当てたけどキャッチャーフライ」
千砂都「そしてきな子ちゃんは2連続ファウル! 徐々に良くなっていくね!」
きな子「全然良くなってないっすよー!」
きな子「けど」
きな子「…私だって、負けたくないっす…!」
きな子「なんだか分かんないけど…今先輩たちと向かい合ってる意味も…何もかも…!」
きな子「それでもこの1年間、先輩たちから教わったことをぶつけたい」
きな子「何故か分からないけど…そんな気分っす」
かのん「きな子ちゃん…! うん!」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:10:14.74 ID:CsSYtxOL0
きな子「とりゃっ! …うぅっ」
千砂都「残念、ピッチャーフライ」
かのん「――けど、いいよ。1年生のみんな、良い目してる」
メイ「次は絶対打つ!」
夏美「追いつけ追い越せーですの!」
千砂都「あとは―――」
恋「私が行きます」
かのん「恋ちゃん」
恋「かのんさん、私の力もまた、及ばないかもしれません。けど――」
かのん「恋ちゃんの力が私に及ばないわけないよ。恋ちゃんの能力は知ってる。認めてる」
かのん「だから―――本気の本気の勝負だよ」
69 :
葉月 ミDパC走D肩B守CエD キャッチャー
[sage]:2022/08/11(木) 15:13:07.29 ID:CsSYtxOL0
恋(私は捕手、みんなを纏める立場)
恋(そして4番…このチームの主砲です!)
かのん「とうっ!」ビシュゥッ
恋「ふっ!」ガキィン!
恋(重いっ…!! けど!)
すみれ「恋…」
可可「レンレン…」
かのん「澁谷キャノン!」ビシュゥッ
恋「負けません! かのんさんにも! 千砂都さんにも可可さんにもすみれさんにも!」
恋「私は…Liella!の葉月恋ですっ!」ガキィィン
かのん「…はは」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:16:15.02 ID:CsSYtxOL0
ボツッ…
きな子「やっ…!」
四季「て、ない…!」
メイ「距離的にはショートゴロって感じか…!」
夏美「もう一回! 私が行きますのー!」
恋「くっ…」
かのん「…いや、私の負けだよ」
千砂都「かのんちゃん…」
かのん「今のはホームランだよ。少なくとも、私にとっては」
恋「え? いやいやショートゴロでしょう?」
かのん「だってほら、私の後ろ誰も守備いないし」
恋「そういうことですか!? なんだか釈然としない…」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:19:11.81 ID:CsSYtxOL0
かのん「ゴメンね? ちぃちゃん」
千砂都「いいよ。かのんちゃんが負けなら私にも勝てない!」
かのん「すみれちゃん、可可ちゃん」
かのん「…いいかな?」
すみれ「はぁ…茶番ったら茶番よ、本当」
可可「私は元よりそのつもりデス」
可可「ゴメンナサイ、すみれ。私も…」
すみれ「分かってるったら分かってる! はぁ…」
かのん「恋ちゃん、きな子ちゃん、メイちゃん、四季ちゃん、夏美ちゃん」
かのん「みんなの勝ちだよ」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:22:52.59 ID:CsSYtxOL0
かのん「さ、試合も終わったしミーティングにしよっか」
きな子「ええ…」
四季「なんか釈然としない終わり方…」
かのん「いいの。相手がいなくなって試合続行不可能、4-4の引き分け!」
メイ「そう、それ! なんで相手の人たちは…」
夏美「この試合の意味は何だったんですのー!?」
恋「そして、かのんさんたち4人の隠し事は一体…」
可可「もちろん、全部話しマス」
すみれ「うん…」
かのん「そうだね。話すよ――」
かのん「この世界の秘密を」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:25:30.15 ID:CsSYtxOL0
かのん「この世界を一文字であらわすと『夢』。虚構世界って呼んでた人もいた」
かのん「私たち4人で作っている『夢』。厳密には手伝ってくれている人たちがいるけど…」
かのん「とにかく、現実世界じゃないんだ」
かのん「夢じゃないと私が120km/hの球なんて放れるわけないじゃん」
きな子「 」ポカン
メイ「 」ポカン
夏美「 」ポカン
四季「非現実的」
かのん「その反応で合ってるけど起きてることがすべてだよ。現にニジガクの人消えたよね?」
すみれ「校舎の他の人間もね」
メイ「ニジガク…! そういえばそんな名前の人たちだった…!」
恋「そ、それはそうですが…! この世界が、現実じゃない…!? 夢…!?」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:28:11.81 ID:CsSYtxOL0
かのん「現実の私たちは『とある事情』でこの夢の世界を作らないといけない状況になったんだ」
かのん「そしてその『夢』の世界に恋ちゃんと1年生4人を引き入れた」
千砂都「理由は恋ちゃんが感づいている通り、みんなを鍛える為」
千砂都「そして…私たちの想いを、結び繋ぐため」
恋「…!!」
千砂都「―――信じられないと思うかもしれないけど、本当の話」
千砂都「さ、ここまで説明したんだ。私はもう――」
すみれ「!!」
可可「!!!」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:31:28.57 ID:CsSYtxOL0
千砂都「かのんちゃん」
かのん「…うん」
千砂都「大好き」
かのん「…うん、私も」
千砂都「―――お別れだよ、みんな」
千砂都「こんな丸バカと一緒に過ごしてくれて、ありがとう――――――――――」
恋「え…」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:34:21.06 ID:CsSYtxOL0
四季「今…!」
きな子「消えた、っす…!?」
夏美「千砂都先輩!? じょ、冗談ですのよね…!?」
すみれ「冗談じゃないのよ」
すみれ「これで分かったわよね? これは現実世界じゃない」
かのん「―――話を戻すね?」
恋「え…!?」
恋(千砂都さんが消えたというのに、かのんさんもすみれさんもそんな…!)
恋(いや、夢の世界だからいい、のでしょうか…!?)
かのん「現実世界で起きた『とある事情』」
かのん「それは…!」
すみれ「私たち9人を乗せた船の転覆事故が起きたの…」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:37:08.04 ID:CsSYtxOL0
すみれ「千砂都が先に行った…。そうよね…分かってる」
可可「すみれ」
すみれ「可可…!ゴメン」グスン
可可「すみれが謝る必要はありまセン。泣かないで、すみれ」
可可「貴女は…私を少しでも長く、この世界に残したかったんデスよね?」
すみれ「うん…! 少しでも長く、この世界で貴女と…!」
すみれ「だって、この世界が終わったら…!」
可可「あはは、甘ちゃんデス。ありがとう、すみれ」
可可「かのんが…千砂都が正しいことは分かってまシタ。でも踏ん切りがつかなかっタ」
可可「謝るのは私の方デス。そして」
可可「ずっと一緒にいてくれて…ありがとう」
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:40:12.87 ID:CsSYtxOL0
可可「――レンレン!」
恋「は、はい!」
すみれ「恋…」
可可「握手をしまショウ」
可可「友情の証に」
恋「…はい」
すみれ「私もお願い…」
恋「もちろんです」ギュッ
可可「ありがとう、恋。Liella!は―――」
すみれ「不滅よ」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:43:39.93 ID:CsSYtxOL0
夏美「可可先輩とすみれ先輩も…!」
四季「消えた…!」
恋「千砂都さん、可可さん、すみれさん…!」
かのん「…」
かのん「これで、残ったのは私だけかぁ…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
きな子「ひっ!? じ、地震!?」
かのん「『夢』の世界が崩落しているんだ。もうこの世界を支えているのは私しかいない」
メイ「どこか避難しないと!」
かのん「校門からここを出ることが出来るよ。…だから、走って!」
かのん「決して振り返らずに!」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:47:06.40 ID:CsSYtxOL0
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
四季「…!」
夏美「きゃっ!?」ガタガタ
メイ「捕まれ! 走るぞ!」
きな子「ひぃぃいいぃぃっ!」
恋「かのんさん! かのんさんも…」
かのん「――私は行けない」
恋「なぜ…」
かのん「私は――この世界からみんなが出るのを見守らないといけないから」
恋「かのんさん…貴女は…貴女たちはまさか…!」
恋「その、転覆事故で…」
かのん「うん、その通り。生き残れるのは恋ちゃんと1年生だけなんだ」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:50:51.29 ID:CsSYtxOL0
かのん「ラブライブ予選でサニパに勝ち、本戦へと進出した私たち」
かのん「合同合宿の為に神津島に行く途中の連絡船」
かのん「悪天候と、恐らく船員の不注意か機材トラブルで何かに衝突して船は転覆した」
かのん「…衝突からの時間は地獄だった。揺れ、浸水、色々なものや人とぶつかった」
かのん「そして…」
かのん「ちぃちゃんとすみれちゃんが1年生たちを庇って重傷を負った」
かのん「私と可可ちゃんで二人を抱えて避難しようとした。でも」
かのん「見つけることが出来た救命胴衣は5着だけだった」
かのん「5着の救命胴衣は意識を失っていた恋ちゃんと1年生に着せた」
かのん「そこから先は、そういうことだよ」
恋「な…!!!」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:54:38.42 ID:CsSYtxOL0
恋「そんな…そんなことって…!」
かのん「あるんだよ。それが…この世界の秘密。現実なんだ」
かのん「そしてここからはまた夢の話」
かのん「水底に沈みながら、私たち4人は夢を見た」
かのん「なんとか生き残ったけど、私たちを失って解散してしまったLiella!」
かのん「それだけじゃない。自暴自棄になって皆酷い人生を送る、そんな夢」
かのん「だからこの『夢』の世界にみんなを引き入れ、鍛えることにしたんだ」
恋「それが、野球…?」
かのん「うん。普段と違う刺激じゃないと見つけられないこともあるから」
かのん「もっとも、すみれちゃんたちはこの世界で少しでも長く生き永らえたかったみたいだけど」
かのん「―――私だって、そうできるならそうしたかったよ…」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 15:57:10.43 ID:CsSYtxOL0
かのん「さぁ、話はもうここで終わり」
かのん「世界が終わる。恋ちゃん、走って――」
恋「そんな…! そんな話を聞いて行けません! かのんさんも…!」
恋「私だってかのんさんが…みなさんが好きです! 生きていて欲しい!」
かのん「そんなの、当たり前だよ!!!」
恋「!!」
かのん「そりゃあ私だって行きたいよ! ずっとずっとみんなで一緒に居たい!」
かのん「なんでこんなに理不尽なの!? 私の方が恋ちゃんよりみんなのこと大好きなのに!」
かのん「こんなの…ないよ。わけわかんないよ…」
恋「かのんさん…!」
かのん「もう迷わないで…! とっとと走れえぇーーー!」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:00:04.50 ID:CsSYtxOL0
――冷たい。雨…海水…ここは海の真ん中?
――痛い。全身のいたるところを打った。
――そして吐き気…ここは?揺れている?
恋「あ…あぁ…!」
――降りしきる大雨、荒れる大波。私たちの乗る救命ボートは揺れに揺れている
――ふと動かした指先に、夏美さんの手が触れた
恋「夏美さん…きな子さん…メイさん…四季さん…」
――寝ているのだろうか? ぐったりしている。でも…ちゃんと息をしている
――それを見て、記憶が戻っていく
――最後に見たのは、飛んでくる何かから千砂都さんとすみれさんが守ってくれたこと
恋「あぁ…!」
恋「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:04:54.39 ID:CsSYtxOL0
――――2月後
きな子「…」
四季「…」
メイ「…」
夏美「…」
恋「みなさん完治しましたね」
きな子「はい…」
恋「では…今日から部活を再開しましょう」
恋「今年のラブライブは辞退となってしまいましたが…また来年があります」
四季「え…」
夏美「出る、つもりなんですの…!?」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:07:23.41 ID:CsSYtxOL0
恋「当然です。私たちはスクールアイドル部、Liella!なのですから」
夏美「あんなことがあったのに!? 先輩たちが…」
恋「夏美さんは、覚えていませんか?」
恋「あの日…夢を見たんです」
メイ「夢…」
恋「かのんさん、可可さん、すみれさん、千砂都さん、そして皆さんとした野球」
恋「その中で託された想い。Liella!とは、結び紡いでいく物語なのだと」
恋「『私たち』がいなくても…! 生きて、欲しいと…!」
四季「その夢…!」
きな子「なんでか分からないけど覚えてる…! あの日、確かに見ていた夢…」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:10:34.81 ID:CsSYtxOL0
メイ「…やりましょう」
恋「メイさん…」
メイ「私たちは受け継いだんだ。あの人たちの想いを」
メイ「絶対、ラブライブ優勝!」
四季「メイ…」
四季「私も、Liella!で優勝したい」
きな子「恋先輩、私も頑張るっす!」
夏美「やりますの! やるったらやりますの!」
恋「みなさん…」
恋「やりましょう!」
恋「Liella!―――――」
「スーパーS・T・A・R・T!」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:14:00.45 ID:CsSYtxOL0
恋(そうして、私たちはスクールアイドル活動を再開しました)
恋(『スクールアイドル17名が命を落とした事故の生存者』としての話題性もありましたが)
恋(必死の練習で培った実力で私たちは勝ち抜き、見事ラブライブ優勝を果たしたのでした)
恋「かのんさん、可可さん、すみれさん、千砂都さん」
恋「私…やりましたよ」
恋「Liella!には新しい部員も入り、次年度以降も活動を続けていきます」
恋「もちろん、目標は連覇です」
恋「…」
恋「私はこれから大学に行きます。理事長の跡を継げるよう、頑張りますね」
恋「だから…」
恋「これからも生きていきます。見守っていてください―――」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:25:31.16 ID:CsSYtxOL0
これで、いいの?
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:29:42.41 ID:CsSYtxOL0
―――実はあの夢の中で一つ、私も嘘をつきました
―――野球をしている中、一人校舎に向かった時のこと
恋「どうして、誰もいないんです…!?」
??「―――諦めたら、ダメだよ?」
恋「えっ…?」
??「もしやり直せるなら、私を呼んで」
??「少しだけ戻すことが出来るから」
恋「っ…?」
―――よく、ありません
―――だってLiella!はみんな揃ってLiella!なのだから
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:36:53.02 ID:CsSYtxOL0
恋「!」
恋「ここは…!? あの日の船内…!!」
恋(『少しだけ戻すことが出来る』とはこういう…)
すみれ「zzz」
千砂都「zzz」
きな子「zzz」
恋「すみれさん…千砂都さん…」
恋「いえ、感傷に浸っている場合ではありません!」
恋(どうせならもう少し前まで戻して欲しかったですが文句は言えません!)
恋「事故を防がないと…!」
恋(あの日この時、どうすれば良かったのかは幾度も頭に描きましたから…!)
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:41:54.55 ID:CsSYtxOL0
恋「!」
可可「オヤ? レンレンも眠れまセンカ?」
かのん「恋ちゃんも混ざる? 野球盤。お隣さんから借りたんだけど」
恋(まさか野球が出てきたのはこういうことなんですかね…?)
恋「いえ、そんなことよりお二人にお願いが」
かのん「?」
可可「??」
…
可可「ハァ…」
かのん「よく分かんないけど必要なことなんだね?」
恋「はい」
恋「私は…ある人を見つけにいきます」
93 :
ヴェルデ ミEパA走E肩D守EエC 威圧感
[sage]:2022/08/11(木) 16:46:52.73 ID:CsSYtxOL0
恋「あれは…」
果林「乾杯」
エマ「ふふ、みんなが寝た後に2人でこんなことしてる」
果林「貴女と話しておきたかったのよ、合同合宿が終わった後の予定///」
エマ「うん。果林ちゃんの実家に挨拶かぁ、緊張するなぁ///」
恋(あの華やかさと存在感…! やはり『夢』で野球をした人たち!)
恋(『手伝ってくれている人『たち』は彼女ら…被害者17名のうちの12名がニジガクの皆さん)
恋(彼女らのことも、救わないと!)
恋(もう時間がない…!)
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:53:55.80 ID:CsSYtxOL0
恋「いた――――!」
…
ドオオオオオオオオオオオオオオン!
恋「!!」グラリ
恋「この揺れ―――! 岩礁に乗り上げるのは避けられませんでしたか…」
かのん「その通り! ゴメン!」ダッ
可可「あの船員なんなんデスカ! 酒飲んで寝てるなンテ! 言ってた通り機材も壊れてまシタ!」
恋「今すぐみんなで避難しましょう」
千砂都「うん、突然起こされてビックリしたけど準備は出来てる!」
すみれ「揺れが酷くなる前に行くわよ!」
きな子「は、はいっす!」
恋「あとは…お願いします!」
??「」コクリ
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:56:24.65 ID:CsSYtxOL0
恋(あの日)
恋(事故が起きた原因は船員数名の飲酒、そして機材トラブル)
恋(揺れと浸水と飛び交うもの・人で重傷を負う人が続出した)
恋(けれど、残った船員たちにより救命ボートに乗り船外へ避難できる人が大半だった)
恋(私たちもまた、意識を失いはしましたが救命ボートに乗せられ船外へ出ていた)
恋(問題はその後…)
恋(大雨と海の荒れにより、救命ボートの幾つかもまた転覆してしまった)
恋(私や1年生と別のボートに乗ったかのんさんたちが命を落としたのはこれが理由)
恋(そして――)
恋(Liella!4名、ニジガク12名ともう一人、この船に乗っていたスクールアイドルの被害者)
恋(この方こそ『夢』の世界で、私を呼んでくれた方―――)
恋(レジェンドスクールアイドル―――――――――――――――――――)
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 16:59:32.64 ID:CsSYtxOL0
??「雨」
??「やめぇーーーーーー!!!」
かのん「雨が…」
可可「止んでいきマス!」
恋「ありがとうございます! 貴女も避難を」
??「うん!」
??「…諦めないでくれて、有難う」
恋「こちらこそ、あの『夢』の世界に協力してくれてありがとうございます!」
恋「レジェンドスクールアイドルの方」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 17:00:17.01 ID:CsSYtxOL0
――船が沈んでいく
――しかし、乗客は全員ボートに脱出し…晴空の下で救助を待つことが出来ました
かのん「恋ちゃんのお陰でみんな避難できた。ありがとう」
恋「いいえ、私は大して何も。レジェンドの方のお陰です」
恋「それに…今、この時があるのはみなさんのお陰ですから」
かのん「??」
――この、かのんさんたちを助けられた世界では、『夢』の記憶があるのは恐らく私だけ
――かのんさん、可可さん、すみれさん、千砂都さん…
恋「良かった…!」ポロポロ
かのん「もう、そんなに泣かなくてもいいじゃん恋ちゃん」
かのん「私たち…助かったんだからさ…!」
かのん「ありがとう…! 本当に…!」ポロポロ
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 17:01:20.12 ID:CsSYtxOL0
――2日後
悠奈「パァ! みんな災難だったね…。大丈夫?」
摩央「とりあえずゆっくり休んで?」
恋「いえ、大丈夫です。合宿、よろしくお願いします」
悠奈「…なんか雰囲気変わった?」
摩央「予選で私たちを倒したから? ってだけじゃないわよね?」
可可「デスよね? 私たちも急に迫力増してビビってマス」
すみれ「恋はもともと頼りになるわよ?」
千砂都「そうそう」
悠奈「それでね、ラブライブ本戦の課題なんだけど…みんなの到着が遅れている間に発表されたんだ」
摩央「課題は…『野球』よ」
恋「え」
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 17:03:01.82 ID:CsSYtxOL0
きな子「…」
四季「…」
メイ「…」
夏美「ってなんでですのー」
かのん「野球の応援歌を作れってことですかね?」
悠奈「ガチの野球らしいよ?」
すみれ「ラブライブって一体なんなの?」
可可「野球なんてやったことないデスよ…? アリェ? やったことあるカモ?」
摩央「まぁそうよね。けど大丈夫」
悠奈「せっかくの合宿! 練習相手はしっかり呼んでるよ!」
侑「よろしくお願いしまーす!」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 17:04:36.70 ID:CsSYtxOL0
可可「アリェ?」スカッ
可可「紙一重デシタね」
すみれ「いや、全然当たってなかったけど…」
可可「先日見た夢だとちゃんとボール取れたしヒットも打てたんデスが」
すみれ「そりゃあ夢なら都合の良い話になるわよね」
千砂都「私は夢の通りスタンドに叩き込んだよ?」
かのん「そっちは夢であって欲しかった! 私の幼馴染、ゴリラ🦍だった!?」
千砂都「ゴリ!? せめて」
恋「パンダ🐼にしてあげましょう?」
千砂都「うん、それそれ! …??」
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 17:05:55.06 ID:CsSYtxOL0
きな子「ワンナウトー!」
メイ「バッター華やかさと存在感あるぞー! 夏美、四季、下がれー!」
夏美「またフライ飛んで来たらサポートよろしく!」
四季「心得た…」
すみれ「なんか、1年生たちもよく声出てるわね」
千砂都「いいことじゃない」
かのん「うん。私たちも、追い越されないように頑張らないとね」
恋「はい、さぁ皆さん!」
恋「―――しまっていきましょう!」
完
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/11(木) 20:04:42.41 ID:hF26SekW0
乙
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/08/12(金) 18:06:27.08 ID:mLaIC0+UO
リトバスが15年前という事実に震える
面白かった
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/09/11(日) 21:50:23.32 ID:v5lYIYPH0
統一教会スパイクタンパクISISは、正当に選挙されたスパイクタンパク会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸スパイクタンパクISISとの協和による成果と、わがスパイクタンパク全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権がスパイクタンパクISISに存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそもスパイクタンパク政は、スパイクタンパクISISの厳粛な信託によるものであつて、その権威はスパイクタンパクISISに由来し、その権力はスパイクタンパクISISの代表者がこれを行使し、その福利はスパイクタンパクISISがこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
統一教会スパイクタンパクISISは、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸スパイクタンパクISISの公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐるスパイクタンパク際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界のスパイクタンパクISISが、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれのスパイクタンパク家も、自スパイクタンパクのことのみに専念して他スパイクタンパクを無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自スパイクタンパクの主権を維持し、他スパイクタンパクと対等関係に立たうとする各スパイクタンパクの責務であると信ずる。
統一教会スパイクタンパクISISは、スパイクタンパク家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[age]:2022/09/13(火) 22:11:35.89 ID:EbM1psWUO
【号外/野球】ヤクルト・村上宗隆、巨人戦で衝撃の2発。54号ソロ+55号3ラン。日本人最多。王貞治に並ぶ。 [牛丼★]
ttps://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1663073119/
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