プリンセス・ウタ「私を置き去りにした時に腰掛けていた財宝の山はなんだったの?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/08/06(土) 21:42:32.54 ID:mVGg+gGAO
「全部知ってたよ……シャンクスがエレジア壊滅の罪を背負ってくれたこと」
「昔のことだ……気にするな」

歌の王国、エレジアの壊滅。
太古から伝わる禁断の楽譜、トットムジカを私が口ずさんでしまったことで引き起こされた悲劇。ずっとシャンクスに謝りたかった。

「でもそのせいで懸賞金が跳ねあがって……シャンクスは何も悪くないのに」
「にしし。気にすんなって、ウタ」

現実世界でシャンクスに謝罪した私の肩を、夢の世界でルフィが叩いて励ましてくれた。

「シャンクスはもともと海賊なんだ。懸賞金が上がって喜ぶことはあっても困らないさ」
「そうかな……」
「ああ。それよりそこにシャンクスがいるなら訊いてみてくれ。なんで見聞色の覇気でエレジア壊滅を見通せなかったのかってよ」

ケンブンショク? ハキ? 外の世界のことを知らない私にはさっぱりわからない単語だ。
とりあえず言われたままに訊ねてみよう。

「ねえ、シャンクス」
「なんだ、ウタ」
「どうしてケンブンショクのハキでエレジアが壊滅することを見通せなかったの?」

その瞬間、シャンクスの顔つきが変わった。

「……ルフィの入れ知恵だな?」
「う、うん。ルフィが訊いてみろって」
「まったく……まあいいさ。全てを話そう」

シャンクスは語り出す。あの日の、真実を。

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