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キョン「で? へライザー統領ってのはなんだ」涼宮ハルヒ「……これ」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2022/08/04(木) 23:43:34.54 ID:yFIqENcuO
「つまり私はこう思うのよ。この世界で自己を保つためには外部からの情報を完全にシャットダウンするか自分自身が世界の敵になるしかないってね」
急にこいつは何を言い出すのかと疑問に思い振り返ると後ろの席の『無敵の人』こと、涼宮ハルヒは目が覚めるようなピンク色のウィッグを被って片手をあげて「ヘライザー」と呟いた。なんなんだよ、へライザーって。
「キョン、あんたもどうして私みたいなハイスペック超人が学校で孤立しているのか疑問に思ってるでしょ? その理由がこれ。そう、何を隠そうこの私こそが悪の秘密ぼっち……へライザー統領ってこと」
ハイスペック超人というよりもハイスペック狂人な涼宮ハルヒが天に向けて手のひらを翳して斜め上を見上げて台詞を締めくくった瞬間、俺の中で理性が崩壊した。くそうぜぇ。
「おい、ハルヒ」
「何よ。私のことはへライザー統領と……」
「ぼっちならぼっちらしく黙ってろ」
我ながら痛烈な罵倒だった。流石に罪悪感が募る。なにせあのハルヒがみるみるうちに涙目になっていくのだから。しかしそこはへライザー統領。奥歯を噛み締めて減らず口を。
「ふ、ふん。キョンの癖に怒るなんて。何様なわけ? だいたいあんたみたいなモブ代表みたいな存在がこのへライザー統領麾下の戦闘員1号を名乗れるのはそもそも誰のおかげだと思ってるのよ。その有り難みを理解出来ないほど低脳だとしたらなんて、かわいちょ」
「かわいちょなのはお前だ」
戯言に一切取り合わず吐き捨てると、ハルヒは涙目で「かわいちょくないもん……」と呟き、唇を噛んだ。不謹慎かも知れないがその様はなかなか、可愛かった。
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