【安価スレ】堕ち行く光

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301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 01:45:51.45 ID:ctyFJJijO
「彼女はですね、天貫の霊峰で暮らしていたすっごく偉い大妖精さんなんです!」

「なんとっ!?」

「でも、そこに棲んでる魔物たちが縄張り争いを始めて環境が激変…新天地を求めて旅をしていた時に、悪い人に捕まっちゃって…。競りに掛けられる前に、助け出したんです!」

「今は世界中を旅して、安住の地を探してあげてる最中なんです。攫われた時のショックや故郷を離れた影響で、魔力の制御が出来なくなったので今は魔法を使えない…と本人は言ってました」

「たぶんいった。ようせいうそつかない」

「………!!??!!?」

面倒に思っていたのか、棒読みではあるが同調するマナ。無気力な彼女をここまでさせるとは、げに恐ろしきは人の欲である。
人と妖精は相容れない。ウィンディの言を肯定するマナを見て、その常識を覆された番人はショックを受けた。受けたのだが、逆にそれが彼の琴線に触れたようだ。

「妖精にも人を受け入れる器量があるとは…。そこら辺の話を詳しく!頼むぅ!!!!!」

などと言いながら鼻息を荒くする番人は誰がどう見ても変態だ。何故彼が太陽の元で暮らしているのか不思議でならない。
こんな変態は普通牢獄行きだと思うのだが。これが俗に言う魔法使い無罪なのだろうか。流石魔法使いにとっての聖地であるフェルリティアだ。法律が違う。
と、嘘八百を並べて誤魔化し続けるウィンディとそれを大真面目に受け取り仰天する番人を眺め、諦めの境地に至ったリヒトは思っていた。

その後、なんだかんだで入都を許可された。
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 01:46:50.83 ID:SZeL9S+GO
何をするかを↓2にどうぞ。
フェルリティアでの行動権は3回です。
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 02:06:16.88 ID:7QL59Wc4o
ksk
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/08/21(日) 03:08:20.74 ID:0HaORDzio
前衛職探そう
流石にリヒト一人は辛い
ここでも魔法剣士とかいるやろ
いるといいなあ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 03:32:07.91 ID:fE3Z2MBvO
近接捜索 判定↓1コンマ


01〜30:いない
31〜70:一人いた
71〜99:二人いた
00:???
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 03:58:23.31 ID:7Y8ndjrkO
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/21(日) 04:05:50.26 ID:ExIBf5/aO
仲間を一人募集します。テンプレートは以前のものをお使いください。
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 09:26:48.00 ID:SHqufQPJO
【名前】ニール・ライトホープ
【人種】人間
【性別】男
【魔法】闇魔法、精神干渉魔法
褐色肌で白髪、容姿端麗な青年。
何か面白いことを探して旅をしている。
他人とは常に敬語で接し、たまに意味深な発言をする。使用する魔法は一見普通に見えるが、この世界の理とは違う原理で発動しているようで、そのことは一部の者にしか分からない。
赤い線の装飾が施された黒い短剣を身に着けているものの、それを使わずに普通の剣を使用している。
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 10:57:18.43 ID:yoGgeyCDO
早い者勝ちかな?一応なんか思い付いたから書く

【名前】アザステア
【人種】 魔法生物
【性別】 不明
【魔法】属性複合魔法
とある魔法使いが造り出した魔法生物キマイラで人語も理解する
姿は黒い犬だが中身は複数の魔物を合成した肉体によって出来ている
主である魔法使いには従順だったが魔法使いが亡くなった為持て余されて封印されるが度々封印を破ろうとするので処分予定

主が亡くなって悲しい主が度々話して聞かせてくれた故郷に主の遺体を連れて行きたい人間が邪魔をするムカつく
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 15:21:57.49 ID:00g4RkQHO
【名前】シフ
【人種】狼の獣人
【性別】男性
【魔法】音波魔法
身長170cm程度。二足歩行している狼のような容姿。灰色の毛並みと瞳。細身ながらも筋肉質な体つき。防具は急所を守る程度の軽装。
流れの傭兵。普段は軽口が多く一見お調子者に見えるが、堅実で油断がなく確実に依頼をこなす。依頼で人がかわるタイプ。
剣術や投擲など戦闘の面では凡庸だが、情報通で洞察力に優れる。
相手の弱点を突きつつ長所を発揮させない戦術を得意とする。
音波を操ることでソナーのような探知や超音波で敵の感覚を乱すことができる。
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/21(日) 15:23:25.11 ID:00g4RkQHO
(よく見たら下3まで、とかじゃなくて「あっ」となった顔)
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 08:27:04.32 ID:v6sDx2+UO
フェルリティアに入ってまず目を引いたのは、ゴーレムの数が多いことだ。警備部隊は小隊長のみが人間であり、残りの全員はゴーレムで構成されている。
他にも街中で活動するゴーレムたちが多く見られる。荷運びに勤しむもの、接客を務めるもの、建物の修繕を担うもの。皆、用途に合わせた外観をしており、職務を忠実に全うしていた。
リヒトは依然変わりない街並みに安堵しつつも、掲示板にデカデカと貼り付けられている手配書に密かに中指を立てた。何が凶悪犯だふざけんな。

「………」

手配書を見たウィンディの目が曇る。恩師がこんな扱いをされているのだから当然ではあるが。不幸に見舞われっぱなしのウィンディを不憫に思いながら、リヒトは酒場に視線を向けた。昼間ではあるが賑わっており、客の中には冒険者も少なくない。

「…ちょっと情報とか人を集めてくる。二時間後に『スワローネスト』で合流しよう」

「分かりました。酔い潰れちゃ駄目ですよ」

「加減はするっての」

ヒラヒラと手を振りながら、リヒトは酒場へと入っていく。それを見届けたウィンディは、フェルリティア大書庫へと向かった。
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 08:27:43.81 ID:96P9T0XuO
店に入り、適当な安酒とつまみを注文する。あまり贅沢は出来ないのと高価な酒は口に合わないので、頼むのはいつも安いお酒だ。
つまみを齧りながら店内を一瞥するが、目ぼしい相手はおらず。人が入れ替わるまで静かにするべきか考えていると、異変が起きた。

「………?」

何かに"視られた"。身体を。心を。魂を。観察された。初めての感覚に少々狼狽えたが、すぐに平静を取り戻す。
興味を無くしたのか。それとも、見抜くことが出来なかったのか。謎の視線は一瞬で感じなくなった。
最悪の場合には聖剣を抜くことも吝かではない、とフェルリティアが戦場になる覚悟を決め、視線の主の来訪を待つ。
果たして、その時はすぐに訪れた。

「………!」

酒場に入店した一人の青年。褐色肌に白い髪、誰もが頷く超イケメンと街中を歩けば人目を引くこと請け合いの、そこまで派手な服装はしていないのに目立っている普通の男性だ。少なくとも、そう見えるように努めている。
リヒトの探るような視線を感じたのか、青年は喫驚とも感動とも取れる反応をした。とても普通ではない。
下がっていく視線の温度とは裏腹に、青年は高揚を隠そうともしない。彼が下手人と見て間違いないだろう。

「はじめまして旅の方。同席してよろしいですか?」

「どうぞお構いなく」

馴れ馴れしい青年に内心警戒しながら、リヒトはビールを一杯注文する。それを受け取った青年は謝辞を述べ、名を告げた。

「貴方のお恵みに感謝を。俺は『ニール・ライトホープ』。しがない旅人です」

「俺は『リュクス』。同じくただの旅人だ」

朗らかなニールと酒の席には似つかわしくない冷徹なリヒト。なんとも対照的な姿である。
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 08:30:52.88 ID:8Sk9FT3OO
ニールと何を話すかを↓1にどうぞ。

??? 判定↓1コンマ


01〜70:何もない
71〜99:???????
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/22(月) 09:21:02.41 ID:6pQpPPEr0
まずはお互いの旅先の話などを話し、彼の出方を伺う
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 14:33:24.38 ID:RGHzGkYaO
彼の魂胆が分からない以上、下手に出ても意味が無い。それがはっきりするまでは、無難に会話をして出方を伺う。
リヒトは努めて冷静に判断を下し、先手を打つ。

「俺は今までこの目で様々なものを見てきたんだが、興味があるなら聴くかい?」

「喜んで!」

思いの外食い付いてきたことに若干戸惑いつつも、過去の旅路を話す。聖女たちとの行軍や大賢者との放浪のことも話したが、彼女たちのことはぼかし、あくまで旅ということにしている。もしバレたらその時はその時だ。
青年は相槌を打ち、質問を数度挟んでくる。彼はなかなかの聞き上手で、ただこちらが話しているだけなのに楽しく感じそうになってしまう。最初に違和感を感じていなければ、この会話も楽しかったのだろうが。

そのまま会話を続け、攻守交代となる。次はこちらの番だ。

「貴方はどこを旅してきたんだ?」

「おっ、興味ありますか?」

「そりゃ、まぁ。旅人同士が酒の席に着いたなら、話題は一つだろ?」

「仰る通り。旅路を知ることで、彼の者の全てを知ることが出来ます。話したことが全て真実であるなら、ですが」

「………」

「ふふ。そう表情を険しくしないでください。俺は別に、貴方を咎めているわけではありません。誰にだって、話したくないものはあるのですからね。俺はそんなものが無いので、堂々と話させていただきます」

「…貴方の言が全て真実とも限らないだろうに」

「ええ。真実か否か。それを決めるのは、最終的には聞き手の意志です。真実を語ろうとも、虚構だと断じられればそこまでです。逆もまた然り。人間ってそういうものでしょう?」

「そうだな」

「だから俺は、面白ければ作り話だろうがなんでも良いんですよ。楽しむために会話をするなら真贋に意味は無い」

堂々とした宣言に、リヒトは警戒を緩める。まだ完全には信用出来ないが、警戒したまま会話をするのも疲れるのだ。
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 14:33:51.97 ID:mG8w2sNaO
「俺も世界各地、気になったところを片っ端から旅してきた行き当たりばったりマンでしてね。それはもう大変な目に遭いました。それも含めて、楽しかったから結果オーライですが」

彼の旅程をざっくりと聴く。レムカーナ→天貫の霊峰→ゴルギュリオ→緋桜郷→喰命のアギト→他の大陸へ渡航→大陸中を気ままに旅行→この大陸(イルステッド)へと帰還→フェルリティアという順に辿ったらしいが、なんともバラバラで規則性が無い。本当に好き勝手にしていらっしゃった。

「ああ、魔物の情報とかは俺に訊かれても困ります。そこまで強くないので」

そう言って肩を竦めるニール。彼の言う通り、雰囲気から感じ取れる実力は並あたりだ。
だが、これが彼の真の実力ではないことは解りきっている。先程感じた感覚からすると、自身と同程度かそれ以上。と、リヒトは冷静に分析している。

「今まで行った中で一番新鮮に感じたのは緋桜郷ですね。鬼が統治し、種族の坩堝と形容されるあの街は、一度でもいいから訪れた方がためになると思います。刺激が欲しい男性は特に、ね」

笑みを浮かべるニールは、ちょっと口にするのも憚られる下品なジェスチャーをしていた。
手で輪っかを作るな。リヒトは溜め息を吐き、答えとする。
ニールはゲラゲラと笑い、酒を飲み干した。何がツボに入ったのかてんで分からない。
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 14:34:17.60 ID:mG8w2sNaO
ニールと何を話すかを↓1にどうぞ。
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/22(月) 17:19:41.17 ID:weblx+hDO
世間話はもういいとほんの少しだけ殺気を向けつつ
で?俺に何か用でもあるのかと目的を探る
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 21:22:22.55 ID:S6YZRxrxO
「世間話はもういい」

茶番は終わりだと理解してもらうために、ニールに対して指向性を持たせた殺気を向ける。青年の眉がピクリと動いた。
この殺気に反応を示さないのは、よほど頭がおめでたい奴か、英雄級の向ける殺気を歯牙に掛けないほどの強者かの二択である。
常人であれば恐慌し、色々な液体が流れかねないそれを受けても涼しい表情をしているのは流石と言える。そこまで強くない、と弁明していた人間の反応とは到底思えない。

「俺に何か用でもあるのか?さっき俺を"視てた"だろ。黙秘権は使わせないからな」

冷ややかな視線を向けて問う。青年はなおも態度を崩さず、幽者を見据えていた。
武力行使に出るなら、こちらも出るとこに出る。決闘(デュエル)開始だ。と戦意を練り上げているリヒトに、ケロッとした表情でニールは答えを告げる。

「まぁ確かに、貴方の中身を視させていただきました。厳密には、この酒場の人全員を視ましたが。他の全員は簡単に内面を見透せましたが、貴方は違う」

「光に隠されたように。混沌に染まったように、視ることが出来なかった。格下相手であれば丸々お見通しなのですけど、貴方には通じなかった」

「故に、こうして面と向かって話をしているわけです。貴方の旅路を知りたい。その言葉に嘘偽りはありません。天地神明に誓いますよ俺は。もしこの言葉が嘘なら多少ボコられても文句は一切言いません」

「『真実か嘘かを決めるのは、聞き手の意志次第』…だったか。俺が嘘だと決めつければ、あんたは痛い目を見るわけだが…それでいいのか?」

「ええ。初対面の相手に心の中を視られるなんて、気味が悪いのは承知の上です。まぁ、貴方が初めて気づいたんですけどね!」

彼の言葉を信じるべきか、疑うべきか。リヒトは答えを出せずにいる。どうするべきかは、未来の自分が決めてくれるだろう。
そんな投げやりな考えをしながら、リヒトは殺意を消した。
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/22(月) 21:23:25.54 ID:S6YZRxrxO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。ニールとの交流を終了します。
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/22(月) 21:35:13.36 ID:6pQpPPEr0
俺の事を知りたいならまずは自分の事を包み隠さず話せと言う
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/25(木) 02:33:12.15 ID:VaPlR33SO
「…まぁ。変な奴だが敵意が無いことは解ったよ」

「それはよかった」

「だが、おいそれと自供は出来ないな。俺のことを知りたいなら、まずは自分の事を包み隠さず話すべきだ。そうだろ?」

「えぇーっと…」

苦笑いを浮かべたニールは、気まずそうに頭を掻く。何か隠し事があるのだろうか。

「俺、別に嘘なんて言ってないんですけどね…。自分の欲しい情報が無かったからって嘘認定されても困ります。これ以上俺を叩いても何も出ませんよ?」

と述べる青年の表情は真剣だった。嘘を言っているようには見えないが、彼の人となりを理解してはいない。故に、真実かどうかも判別がつかない。
ただ、リヒトもリヒトで、信用出来ない相手に馬鹿正直に過去を話すほど、頭がお花畑では(性善説を信奉しては)なかった。

「そうかい」

とだけ答え、リヒトは追加の酒とつまみを注文した。ニールは嘆息し、ビールを大量に注文した。
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/25(木) 02:35:26.62 ID:VaPlR33SO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。ニールとの交流を終了します。
また、継続する場合は今回の会話が最後となります。
325 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/08/25(木) 02:40:17.14 ID:IA2KeHgu0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/25(木) 02:59:54.40 ID:ca3OiFkDo
刺々しい態度を取ったことを謝罪し、お詫びにつまみを奢りつつ好きな食べ物の話をする
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:47:53.18 ID:p3mM9bulO
自棄酒を始めたニールを尻目に、リヒトはチビチビと酒を飲みつつ、つまみを味わう。
暫しの無言の間の後、不意にリヒトは口を開く。

「…悪かったな。変に疑ったり刺々しい態度を取ったりして」

「お気になさらず。俺もプライバシーに配慮してない行動をしてたので、弁解の余地は無いですから。…まぁ、そこまで信用されないかーとはなりましたけど」

「そんなに疑われるほど俺って胡散臭いですかね?」

「えーと…その…。最初に心を覗かれてなければ、ここまでつっけんどんな態度は取らなかったと思う…たぶん」

「つまり俺の自業自得ですね」

「…すまない。お詫びと言ってはなんだが、食べたいつまみがあれば奢るよ」

「食べ物で簡単に釣れると思ってませんか?ありがたく頼ませていただきますね」

「遠慮なくどうぞ」

「じゃあこのページの料理全部ください!!!!!」

「おい待て少しは遠慮しろ」

一切の遠慮なしに料理を注文するニールに、幽者は冷や汗を掻く。折角稼いだ金が無くなったら非常に困るのだ。
まぁ、酒場で頼む料理の単価などたかが知れているのだが、彼が大食いチャンピオンとかだった場合は軽く死が見えかねない。そうでないことを祈るばかりである。

「リヒトさんは好きな食べ物とかあります?」

「腐った食べ物じゃなければなんでも食う。腐ってても食う。死ななければセーフ」

「えぇ…」

「貴方はどうなんだ?」

「俺は濃いめの味付けなら大概の物が好きですね。あとは…郷土料理は好んで食べます」

「へぇ、洒落てるねぇ」

先程までの険悪な雰囲気は霧散し、雑談に興じる二人の姿があった。
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:48:36.06 ID:u7hc+aFaO
存外話が弾み、日が暮れ始めた頃。話と食事がひと段落した二人は席を立つ。話のお礼だとリヒト分を含めた食事代が差し出されたが、リヒトはこれを固辞する。

「不快に思わせたお詫びも兼ねてるからな。これで貸し借りゼロ…ってことにしたいんだ。俺の顔を立ててくれると助かるよ」

「…では、そのように。また縁があればよろしくお願いしますね」

「この広い世界で、また巡り合うとは思わないがな」

「ふふ…光と闇は紙一重。光があれば闇が生まれ、闇の中に光は出ずる。そういうものです。俺たちの関係も、きっと」

「…要領を得ないな」

意味深な発言をするニールに、リヒトは辟易する。難しい話が解るほど、リヒトは賢くない。
対するニールは微笑を以って返答とした。

「これ以上語るのは野暮というものです。やがて解る日が来ますよ」

「面倒事は勘弁してくれ…」

頭を抱え嫌悪感を露わにするリヒトを見て、ニールは笑みを深くする。そして、そのまま手を振った。

「それでは俺はこれで。無茶をして死んでも、良いことなんてありませんからね〜」

そんなことを言いながら、ニールは姿を消す。

「…俺の目的、バレてたのかな」

リヒトはそう呟き、瞳を閉じた。
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:49:35.33 ID:wy7+nsBJO
リヒトがニールと対話しているちょうどその頃。ウィンディは更なる知識を求めてフェルリティア大書庫を訪ねていた。安くない入館料を支払い中に入る。
成長のための必要経費と割り切り、決心と共に入館した少女は、目の前に広がる現実に圧倒された。

「………!!!」

本棚。本棚。魔法使い。本棚。一般人。本棚。猫。本棚。本棚。本棚。ゴーレム。そして、本棚。
万を優に超える数の書籍が、無数の本棚に保管されていた。魔法使いは魔法書を、主婦はレシピを、猫は魚図鑑を眺めており、ゴーレムは忙しなく客が読み終えた本の整理や、破損した古書の修復に勤しんでいる。

レムカーナ王立魔法学院にも図書館があったが、それとは規模が違う。設備が違う。価値が違う。数百年前の魔女が編み出した禁術を記した禁書すらも保管されており、危険性が著しく高いが故に閲覧権限を持つ権力者以外は保管室に入ることも叶わないが、世界で随一の品揃えであり、右に並ぶ図書館は存在し得ない。そう納得出来る未知の世界だった。

「ここでなら手掛かりが見つかるかな…」

ウィンディの抱えている唯一にして最大の弱点。一定以上の魔法を行使した場合、数日の休養を必要とするほどの負担が発生する問題。それを解決する方法を見つけるために、ウィンディは大書庫の門を叩いた。
他者よりも甚大なリスクを背負っている彼女は、どうにかしてその問題をクリアしたかったのだ。
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:50:10.57 ID:wy7+nsBJO
この体質があるせいで、学院では散々な目に遭った。思い出すことも憚られるほどに凄惨な日々を送っていた。
どんな魔法を行使しても一切疲弊しない、完璧な存在だったら陰口程度で済んでいただろう。
だが、ウィンディはそうではなかった。実習後に頻繁に体調を崩す彼女は、他者からすれば付け入る隙に見えていた。
優秀な人材を見下せる絶好の好機を、彼らが見逃すはずもなく。故に、ウィンディは学生生活を続ける間心を摩耗させていた。
シルヴィアとの関係も、その執拗な嫌がらせの原因の一端を担っていた。
成績優秀な子供が他国に名を馳せる大賢者に弟子入りしているなど、嫉妬されても当然の状況だ。
そして、その子供は事あるごとに体調を崩しては嫌がらせを受け、しかし決して反撃はしてこないいい子ちゃん(臆病者)だったのだ。
これで何もされずに生きていけるわけがない。学院を抜け出せた現状が最善という悪夢のような状況だった。
あの時リヒトに出逢っていなければ、ウィンディ・ヴァルマンウェは死んでいただろう。こればかりは運命の出逢いと言う他ない。

私は彼に何かをしてあげられたのだろうか。ふと、そんなことを思う。答えは言うまでもなかった。
何も出来ていないから、今ここにいる。弱さを克服し幽者の力となるために。その術を知るために。
意を決したウィンディは、一つの書籍を手に取った。
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:50:53.08 ID:6qvprJwvO
魔法の三元力というものがある。
一つは魔力。これ即ち、行使する魔法の器の大きさを定める力也。
魔力の大きさはそのまま、魔法の規模や影響を決める。魔力が大きいほど大規模な魔法を行使する原動力となり、より複雑な現象を起こし得る。
一つは想像力。これ即ち、行使する魔法の形を定める力也。
想像力はそのまま、引き出しの多さに繋がる。
想像力が豊かであればあるほど、多種多様な魔法を考え形に出来る。
一つは智力。これ即ち、行使する魔法を実現する力也。
智力はそのまま、魔法を行使する際に求められる精度となる。
賢い者ほど、魔法を構築する理論の無駄を省き、正しい姿にすることが出来る。不完全な理論故に魔法が不発になる事態、暴走する事態を避けられる。

この三元力と魔法の関係は、たびたび物作りに喩えられる。
魔力は材料の質と量であり、想像力は設計図の著者。智力は設計図の監修者兼製作者である。
魔力が少なければ大した作品は作られないし、著者が素人であれば歪な設計図が出来上がる。監修者の知識が不足していれば設計図の不備を訂正出来ないし、製作者が未熟であれば設計図通りの作品は作られず、駄作となり得る。

著:メチャ・インテリマン
『魔法の基礎知識−−これで君も初心者魔法使い−−』より抜粋


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「…うーん。こういう知識はもうあるんだけどなぁ」

パタンと本を閉じ、机に突っ伏す。初心者向けの教本を当てにするべきではなかったと、今更ながら反省する。
もしシルヴィアが生きていたら。そんなことを考えるが、それで何かが変わるわけではない。
全く先に進めないもどかしさを感じながら、ウィンディは次の本を開く。それでも、解決に向かって進むことは終ぞ無かった。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:51:34.51 ID:PTCNzisKO
フェルリティアで営業している宿泊施設『スワローネスト』。その一室には二人の男女が。
予め言っておくと、二人の間に恋愛感情は一切無い。現に、二人は机に倒れていた。

「「何の成果も得られませんでした…」」

リヒトとシルヴィアは二人して一語一句同じ言葉を漏らす。どちらも表情は死んでいて、呪詛のように呻き声が口から垂れ流しになっている。
これではただ酒を飲んで楽しく騒いできただけだとリヒトは頭を抱える。
これではただ読書をして楽しんできただけだとウィンディは頬杖を突いた。

「…こうなりゃ自棄酒だ。死ぬまで飲んでやる」

「後生ですからやめてください。酔っ払いの看病なんて嫌ですよ。寧ろ私の方がキャラ的には看病される側でしょう」

「キャラ言うな」

「はぁ…。どうしてこう、何をやっても上手くいかないんですかね…」

「…そういう時もある。とでも思わなきゃ、やってられないな」

「…ですね。明日の私たちに期待しましょう」

「ああ。諦めなければどうにかなるもんだ。頑張ろうぜ」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 00:52:04.34 ID:PTCNzisKO
何をするかを↓2にどうぞ。
フェルリティアでの行動権はあと2回です。
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 01:26:19.97 ID:tL+VRmL7o
狩猟…じゃなかった調伏対象の残り2匹の情報を集めよう
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/08/28(日) 03:49:41.03 ID:MVDfNddr0
調伏対象の情報を収集しつつ仲間探し
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 09:40:18.76 ID:zpg3kM12O
複数の行動を同時にする際は成功率が低下します。でないとAしながらBをして、ついでにCをする。とかの安価が強すぎるので…。
仲間捜索 判定↓1コンマ


01〜60:いない
61〜85:一人いた
86〜99:二人いた


情報 判定↓2コンマ


01〜60:手掛かりなし
61〜99:手掛かり発見
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 09:53:58.99 ID:tL+VRmL7o
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 10:12:00.17 ID:itsGC42e0
はい
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/28(日) 10:25:15.76 ID:CsrkmkIaO
仲間を二人募集します。テンプレートは以前のものをお使いください。前回の募集で出たキャラも可です。
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 10:57:59.99 ID:WKB2NwVtO
【名前】HALL-50Dn(愛称:ハリゴーディン)
【人種】ゴーレム
【性別】無
【魔法】使役者に倣う
自動反復魔法発動型ゴーレム。
使役する者がゴーレムにゴーレムが発動できる理論、魔翌力の魔法を記録させる事で、後は極小量の魔翌力を流せば自動的に魔法発動してくれる。
この機体はハイエンドモデルで大抵の人の魔法なら記憶可能。
問題は自分の魔法をわざわざゴーレムライクにイジりたい奴がいるのか、魔法発動までのタイムラグを許容できるのかといった所で、そこそこ高価な癖して打ち捨てられた機体に見向きもされないのを見るに好んで使役する人はいないようだ。
喋れるが声に抑揚はない、動きに感情がよく出る。
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 11:01:56.26 ID:YwPnFXeK0
【名前】デュンケル
【人種】魔族
【性別】男
【魔法】獄炎魔法
漆黒の長髪に、同じく漆黒のローブを身にまとった長身で浮世離れした雰囲気の青年。頭からは魔族である事を示す二つの角が生えている
生まれつき闇魔法と炎魔法を同時に使う事が出来、やがてその二つを組み合わせた獄炎魔法を編み出すに至った魔族の中でも屈指の実力者である
一時は魔族の頂点である魔王候補にも名前が挙がったほどだが、興味が無いと一蹴し長らく放浪の旅に出ていた
彼の行動理由は常に面白いか面白くないかであり、面白いと感じたならば相手が例え人間であろうと手を貸したりする事がある
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 00:25:34.22 ID:CkMzVlv9O
やること成すこと全てが失敗した日の翌日。気を取り直して行動を再開した二人は、情報屋の元を訪ねていた。

「グラトルスとゲイザリオンの情報が欲しい?俺に死ねって言ってんですかい?」

「まぁそうなるよな」

その結果がコレだ。論ずるに値しないほどの、完膚なきまでに無慈悲な門前払いを喰らう。
重ねて言うが、どちらのドラゴンも尋常の人間が挑むのは無謀と称される魔境に棲むものである。当然、それだけの実力を誇っているし、その魔境を棲家とする魔物も皆、相応の力を持っている。
そんな場所を情報屋が調査しているわけがない。彼らもお金は欲しいが、命の方が大事なのだ。

「だから俺に何を訊いたって、どれだけ金を積んだって、そんな化け物モンスターの情報なんかこれっぽっちも出せないですぜ。生息地の情報も同じく。これ以上訊くなら俺は逃げます!!!!!」

「分かった。分かった!もう訊かないから荷物を纏めるな!!!」

ここに留まっても埒が明かないことは明白だ。朝逃げをしようとする情報屋を引き留め、リヒトたちはドラゴンの調査を打ち切り裏路地から出た。のはいいのだが。

「なにこれ」

「なんでしょこれ」

なんということでしょう。たった数分裏路地にいただけだったのに、『廃棄品』と書かれたゴーレムが打ち捨てられているではありませんか。
ちなみに、ゴーレムは思いっきり稼働状態である。目には赤い光が灯っているし、『拾ってください』とゴーレム自ら看板を書いてその前で仁王立ちしている。全くもって意味が解らない。

『このままじゃスクラップにされてしまいます。ヘルプミー』

「え、最近のゴーレムって人工知能付いてんの?」

「レムカーナにゴーレムなんて無かったのでわかんないです」

どこからともなく取り出した白旗を振って猛アピールするゴーレムに、リヒトは心底困惑した。
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 00:28:01.57 ID:CkMzVlv9O
謎のゴーレム(HALL-50Dn)と何を話すかを↓1にどうぞ。
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/29(月) 00:32:08.95 ID:2FFjuhQpo
持ち主とか身の上話を聞いてみる
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 01:10:01.85 ID:DKiuXt2UO
「…えーと。とりあえず、なんで貴方ははそんなことになってるんです?」

「ゴーレムに敬語って嘘でしょリュクスさん」

「だってゴーレムと話したこと無えんだもん!」

『こちらをご一読ください』

対応に困っている二人をよそに、ゴーレムは書籍を差し出す。表紙には『HALL-50Dn取扱説明書』と書かれている。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


HALL-50Dn(以降ハリゴーディンと記載)には、独自の魔導機構が内蔵されています。専用に構築した理論と魔力を登録することで、スタンバイモードに移行します。
※この際に登録出来る魔法の種類は256種までです。限界以上に登録することは出来ないため、容量が限界に達している際は登録している魔法のうち、不要なものを削除してください。
スタンバイモード中のハリゴーディンに魔力を注入すれば、自動で登録した魔法を行使してくれます。
※この際に消費する魔力量は本人が魔法を行使する時の5%です。

『HALL-50Dn取扱説明書』より抜粋


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「???????????」

「あっ全然解ってないって顔してる」

『ワタクシHALL-50Dnを使えば、より経済的に魔法を行使出来ます。今なら無料で買えるので買わなきゃ損です。さあどうぞ』

「無料なのに買うとは…」

ずいっと契約書を見せるハリゴーディン。それを丁寧に返却し、リヒトは取扱説明書を読む。そして、少しずつ内容を咀嚼し、理解していく。そこで疑問に思った。思ってしまった。
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 01:10:46.86 ID:gH972KCvO
「ここに書いてることだけ読めば利点しか無いのに、なんで売れないんだ?」

『良い質問です』

ビシッと音が聞こえてきそうなほどに、ハリゴーディンは勢いよくリヒトを指差す。本当にゴーレムなのか疑わしいが、取説にもゴーレムと書いてるからそうなのだろう。

『ワタクシHALL-50Dnは『仕様が回りくどい』だの『人の仕事を奪うな』だの『貴重な素材がもったいない』だの散々にディスられてきました。完成してから今日までの二年間に、手に取ってから捨てられた取扱説明書の数は六冊です』

「少ないな」

『そもそも取扱説明書を見てくれる人がいないんですよ。人間なんだから察してください』

「ゴーレムに呆れられてる…」

やれやれ…と肩を竦めるハリゴーディンはリヒトを完全に舐め腐っていた。リヒトは本当にスクラップにしてやろうかと腕を鳴らす。
ウィンディがどうにかリヒトを宥めて事なきを得る。すっかり苦労人ポジションになったと感慨深げに涙を流すが、当の本人はこれっぽっちも嬉しくなかった。

「…けどまぁ、見向きもされない理由は解ります。なんでわざわざ自分が使える魔法をハリゴーディン用に理論を構築し直さなきゃならないんだってなりますし、魔力さえチャージしておけば自律稼働するならまだしも、魔力をチャージする度に時間差で魔法を行使しますからね。これなら自分でやった方が速いですよ。魔力消費を抑えられる点しかメリット無いですねこれ…」

『そういうことです』

拾ってくださいと言う割には欠点を理解していたり、なかなか図太いところがあるゴーレムである。これで心が無いのだから恐ろしい。

『つまりワタクシは、あまりに売れなくて維持費だけ掛かる金食い虫だったからポイされたわけです』

「話を聞く限りただの欠陥品だしな」

「開発者の顔が見てみたいですね」

『もうクビになってますよ』

現実は非情だと、哀れみの目をハリゴーディンへと向ける二人だった。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/08/29(月) 01:11:39.48 ID:gH972KCvO
HALL-50Dnと何を話すかを↓1にどうぞ。
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/29(月) 01:54:06.74 ID:/pnkQvsBO
即席でハリゴーディンに何か適当な魔法を発動させられないかとウィンディに頼んでみる
349 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2022/08/30(火) 03:01:25.81 ID:m63ZmH8q0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/02(金) 22:15:21.38 ID:8KexkTI6O
この人の神経を逆撫でするだけが取り柄の欠陥品におちょくられていたリヒトはふと、ある考えを浮かべる。
それは、実際に魔法を反復してもらったらどうなるのか。その検証である。

「ウィンディ、このポンコツに即席で魔法を登録出来ないか?」

「えー…。たぶん出来ますけど、リュクスさんはやらないんですか?」

「理論なんて考えたことがないから何一つ解らん」

「ええっ…。それでよくあんな凄い魔法を行使出来ますね…」

「なんとなく考えて魔力をぶち込むだけだからな。ごちゃごちゃ考えるのは苦手だ」

魔法の規模、威力と三元力の関係は乗算に近いと言われている。一部分で飛び抜けた才能を持つよりかは、満遍なく才能を持つ方が魔法使いとして優位に立てる。
故に、いずれも魔法使いには必須の力だ。
ごく稀に三元力のうちいずれかが欠如しているのに大成する魔法使いがいるが、それは他の要素で補っているからに過ぎない。

ウィンディは全ての要素を兼ね備えているが、まだ幼いため肉体が魔法の行使に足る領域まで追いついておらず、強力な魔法を行使する度に身体を壊してしまう。
リヒトは魔法の理論などを一切考えたことがないので、智力が致命的なまでに欠如しているが、変に豊かな想像力と無駄に有り余った魔力を以って、大規模かつ高威力な魔法を行使出来る。それでも、アークミノタウルスには毛ほどのダメージを与えられなかったのだが。
逆に言えば、智力を身に付け欠点を克服出来た時、魔法の分野で彼岸の大賢者の影を踏むことが叶う。シルヴィアと同じ領域に触れることが出来る。知識を身に付けることが逆効果になる可能性も否めないが。
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/02(金) 22:16:37.38 ID:8KexkTI6O
「なんとなくであれだけの魔法をお出しされちゃ敵わないですよっと」

若干不貞腐れつつも、ウィンディは理論構成をハリゴーディンに合わせて調整する。程なくして、ハリゴーディンの目が違う色に光った。

『『風穿(エアロレイト)』の登録が完了しました』

「はい、完成しましたよ。ターゲットはリュクスさんで良いですか?」

「ああ。他人に当てないように気をつけてくれ」

「了解。魔力を供給します」

ウィンディの手がハリゴーディンの脊部に触れる。人体を通して供給された魔力が、鋼鉄の身体を駆け巡った。
全身に刻み込まれた理論に基づき、魔力は正しい形で循環する。理論の導くままに形を変え、無秩序な魔力はあるべき解へと帰着する。

『死に晒せオラァ』

刹那、ハリゴーディンの口っぽい穴から放たれたのは、目に見えない旋風の矢。螺旋を描きつつ捻じ曲がった空気が、幽者の喉笛を狙い直進する。

物騒な言葉に顔を顰めつつリヒトは光を集め、繭の中に籠った。リヒトが思いついた実験は、微かに光の外殻を揺らす結果に終わった。

「まぁ威力は普通ですね」

「普通だな。これなら戦場で殺り合った奴らの魔法の方が怖いわ」

「戦闘ガチ勢謹製の対人特化魔法と比べないでください」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/02(金) 22:17:41.19 ID:8KexkTI6O
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。HALL-50Dnとの交流を終了します。
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/02(金) 23:31:29.40 ID:ACgnBvNio
他に出来ることはありますか?(面接官)
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/03(土) 02:04:35.41 ID:vjMt4ywPO
「…それで、他に出来ることはありますかハリゴーディンさん?」

訝しむ視線をハリゴーディンに向ける。ゴーレムは真顔で返答した。

『なにもないです。これこそが唯一のアイデンティティなので。だから捨てられたんですよ』

「…お、おう…なんかすまん」

『同情するなら買ってください。今はこんな無骨な格好ですが、外装を取り替えればイメチェンし放題ですよ』

そんなことを言いながら契約書を押し付けるハリゴーディン。油断も隙もあったものじゃないと、リヒトはその全てを裁断した。

『無駄に器用な真似しますね。光魔法で書類だけ切断するとは』

「この魔法は一番俺が愛用してるからな。これくらいなら朝飯前よ」

『光絶』によって微塵切りにされた紙は風に吹かれて空へと舞う。特に感動的でもない紙吹雪が三人を飾った。
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/03(土) 02:05:45.75 ID:vjMt4ywPO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。HALL-50Dnとの交流を終了します。
また、継続する場合は今回の会話が最後となります。
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/09/03(土) 02:25:40.24 ID:SL2OfOQm0
機体性能について
耐久性や運べる重量について聞きたい
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 01:42:49.26 ID:kCuY5RVRO
「しかし、随分と頑丈そうな見た目だな。いったいどんなスペックをしてんだか」

「あ、それは私もちょっと興味あります」

髪に引っかかった紙屑を取り除きつつ問う。ウィンディも同調を示し、視線をゴーレムに向けた。ゴーレムは取扱説明書を開き、あるページを指差した。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


ハリゴーディンのフレーム素材には超硬質メタライトを採用しており、本機に内蔵した自動修復魔法により、軽度の損傷であれば自動で修理されるため、日頃のメンテナンスは不要となっています。
ハイエンドモデルである本機は従来のゴーレムより基本性能が向上しており、馬車二台分の輸送力を保有しています。

〜〜〜中略〜〜〜

外装の取り替えなどといった大規模なメンテナンスを希望される場合は、フェルリティア公務庁工学課所属『イダ・ストラル』宛に申請書を送付してください。

『HALL-50Dn取扱説明書』より抜粋


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「こっちが本体じゃねえか何作ってんだ開発者頭おかしいだろ」

「魔法関連の機能をオミットして、基本性能を底上げしたら天下を取れてたのに。もったいない」

スペックの概要をざっと見た感想がこれだ。どう考えても力の入れどころがおかしい。開発者は馬鹿じゃないだろうか。
ぶっ壊れ産廃なクソ機能を搭載しているがその実、一般的なゴーレムと同等以上の基本スペックを実現していながら自動でメンテナンスをしてくれるので修理要らず。手間の掛からないガチのマジでぶっ壊れ性能のゴーレムだった。
余計な機能さえなければゴーレム界隈のシェアを総取り出来た気がするが、まあ開発者の頭がおかしかったから思いつきの機能でも突っ込んでゴミにしてしまったのだろう。
導きの門の番人の件もある。変人でないとやっていけないのがここフェルリティアという都市なのかもしれない。
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 01:48:20.94 ID:kCuY5RVRO
HALL-50Dnを購入する(¥0)かを↓1にどうぞ。

【HALL-50Dnのここがすごい!(スペック概要)】

・耐久性は上々。それなり程度の魔物の攻撃ならリジェネ込みでほぼノーダメ。
・物資はいっぱい運べる。そのパワーを利用してインファイトも可能。
・魔法都産品の標準仕様なので説明が省略されているが、魔法に対する耐性は非常に高い。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 03:06:46.02 ID:r23POOq2o
購入する
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 03:23:50.96 ID:40UeXs1DO
無料(タダ)より高い物は無い。世の中にはそんな素晴らしい格言がある。しかし、今目の前にいる廃棄処分目前のゴーレムは無料(タダ)で、所有者はもちろんいないので恩返しとは名ばかりの無理難題を突き付けられる心配は皆無だ。スクラップになりところだったのだから当たり前だが。

「人手不足だからな。タダならありがたく頂戴するよ。タダならな!!!!」

『ご愛顧いただきありがとうございます』

リヒトは慣れた手つきで契約書にサインをする。それを確認したハリゴーディンは、声色はそのままにガッツポーズをして天を仰いだ。
本当にゴーレムなのか甚だ疑問である。ここまで精巧な人工知能を創れるなら、開発者はさぞ引く手数多だっただろうに。

「えぇ…本当に買っちゃった…。無料だけど…。自爆とかしないよね…」

『自爆機能はもちろん搭載しております。漢のロマンだと開発者は仰ってました。ちなみに、爆発半径はフェルリティア全域です』

「絶対に使うなよ。前フリじゃないからな解ってるんだろうなおい」

『解ってますよ』

などと宣うハリゴーディンだが、顔はそっぽを向いているし吹けてない口笛を吹いていた。
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 03:28:24.97 ID:/N3ivKpAO
定期的に大きなイベント(というかストーリー)を組み込むべきなのか悩むこの頃。ご助言いただけると助かります。
思いついたキャラやプロットをメモ帳に書き殴ってますが、なかなか数が増えなんだ(まだマトモなのが一人しかいない)。


【現状用意出来てるキャラ】

【名前】シェリア・コルティオ
【人種】魔族
【性別】女性
【魔法】闇魔法及び治癒魔法
概要はヒミツ。とりあえず敵じゃない。
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 09:31:08.80 ID:pNewSLeDO
今の段階で大きいイベント来るとまた犠牲者出そうな気がしないでもない
戦力足りてるのかなこれ
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 11:54:43.89 ID:OgxnFW2Xo
破格性能ゴーレム手に入ったので運搬力としてのドラゴン要らなくなったかこれ
どっちもキャラ立ってそうだから会うだけは会いたいけど
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 12:43:46.18 ID:08ZHU38vO
現状のペースだと建国までめっちゃ時間かかりそうだし大きなイベントがあってもいいと思う
あと個人的には、マナがリヒトたちに歩み寄る切っ掛けになりそうな出来事もちょっと欲しいかも
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:14:23.79 ID:mwaECLQ1O
「ふぅ…」

スワローネストに戻り食事をする。ウィンディは今シャワーを浴びているので、リヒトのみが食堂を利用している。ハリゴーディンは自室に置いている。ゴーレムに食事など必要ないのだから当然の措置だ。

なんの変哲も無い、敢えて言うなら自分の手料理の数倍美味な食事を味わいつつ思考する。余談だが、リヒトの手料理は食えないわけじゃないが食いたくないとの評価を様々な人(総勢二名)から受けている。

「人手不足、か…」

魚のムニエルを切り分け、そう零す。リヒトに頼れる人は、もういない。
聖女は人の悪意の犠牲となった。嘗ての仲間は戦争で落命したか重傷を負い、平穏な生活に戻った。中には戦争を経ても健康な人もいたが、堕ちるところまで堕ちた自分に付き合う道理は無いだろう。
地道に繋がりを創り、人を集める。それこそが最善にして最短の道のりだと考えていた。が、未だに一桁台なことを鑑みるに間違っていると見た方が良さそうだ。だが。

「…分からないな。俺は馬鹿だし、不器用だから…」

困った時は隣にいた人に頼ってばかりだった。聖女然り、戦友然り、賢者然り。独りでは何も出来ないことが解っていたから、人を求めているのだ。

思考と共に進む食事。悩み事に困る頭。その割に動く口と手。傍目には難しい顔をした青年が爆速で食事に勤しんでいるようにしか見えない。
近寄り難い雰囲気を纏う幽者の元を、一人の来訪者が訪ねた。
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:15:28.93 ID:mwaECLQ1O
「席、借りても構わないか?」

「…どうぞ」

声に反応して着席を促すと、男性は軽い謝辞を述べて席に座った。頭からは一対の角が生えており、それが彼の種族を如実に表していた。
『魔族』。人類と同じように世界中に居住圏を広げている、人であって人でないもの。
人類と魔族間の関係は、良くも悪くも地域によって異なる。仲睦まじい地域もあれば、蛇蝎のようにお互いを恨み、嫌っている地域もあるのだ。

レムカーナは近辺に暮らしていた魔族と戦争をしていたので関係はとても悪い。リヒトもその戦争に大いに関係しており、終戦の立役者でもある。
まぁそもそも、イルステッド内で魔族との関係が険悪なのはレムカーナくらいなのだが。それも、人類側が一方的に嫌っているのだから救えない話だ。

そんな天敵とも共存関係とも言えない魔族の男性は、立派なステーキ肉を豪快に平らげていた。見ていてとても気持ちが良い食べっぷりである。

「『カロゥス』を陥した英雄と、まさか宿屋で相見えることになるとはな。数奇な運命とでも言えようか」

男性の言葉に、リヒトは僅かに視線を揺らす。その一瞬を男性は見逃さなかった。

「やはり、貴殿が件の勇者だな。その節は世話になったと、貴殿と遊んだ者より言伝を受け取っている」

「…待て待て待て待て。俺は魔族と遊んだ覚えは無いんだが」

突然何を言い出すのか、と今度は分かりやすく狼狽える。実際、リヒトに魔族と遊んだ記憶は無かった。だが、悲しいかな。リヒトが遊びと認識していなくても、相手も同じように認識しているとは限らないものだ。

「いるだろう?カロゥスを守護していた魔族が一人」

「…ごめん。まさかとは思うが、あの何度死に掛けたか分からない地獄の戦いを、あの女はお遊びだと言ってるのか?」

「………?初めからそう言ってるが…」

「うぇぇぇええ…。なんだよそれ心折れるわ…」

謎の魔族に突如カミングアウトされたのは、あの戦争が単なるお遊び、おままごとだったという衝撃の事実だった。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:16:00.39 ID:mwaECLQ1O
謎の魔族(デュンケル)と何を話すかを↓1にどうぞ。
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 22:26:34.39 ID:eDe2pEDw0
魔族について色々尋ねてみる
例えば今の魔王は誰なのかなど
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:36:12.45 ID:4cKMU3ODO
情報 判定↓1コンマ


01〜30:教えてくれなかった
31〜70:一人教えてくれた
71〜99:二人教えてくれた
00:???
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 22:44:48.77 ID:+WHaG9gMO
どうなるかな
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 22:49:44.97 ID:NwrTs0ShO
魔族に関する情報 判定↓1コンマ


01〜20:一つだけ教えてくれた
21〜60:二つ教えてくれた
61〜99:三つも教えてくれた
00:???
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/07(水) 23:11:41.95 ID:w9NgkRxgo
あーい
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/07(水) 23:24:29.99 ID:fnzsK3QpO
魔王を二人募集します。テンプレートは以前のものをお使いください。どこを支配しているとかは、記載しても大丈夫ですししなくても大丈夫です。
魔族関係で欲しい情報を三つ募集します。機嫌が良いデュンケルさんが教えてくれます。
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 00:10:17.72 ID:Jtg2W8iDO
【名前】エル・ヒュプティル
【人種】 魔王
【性別】 女
【魔法】精神魔法?
通称眠りの魔王
常に眠っていて起きる事はほとんどない
集合無意識に接続して人の夢の世界を渡り歩く存在
たまに預言をしたり助けたりもするが目的は不明
かつて無理に起こした他の魔王が居たらしいがその消息は今はわからな
見た目は黒髪ツインテの15歳くらいの少女
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 00:16:13.12 ID:p7veI9HDo
【名前】メリオゴストーグ
【人種】魔族
【性別】女
【魔法】重力魔法
紫のロングヘアーに頭の倍はある三日月型の角が生えた頭部。困り眉に笑顔はめったに見せないが兇器。ロリツルペタ
その庇護欲を唆る容姿だけで数多の魔族を従える魔王というか教祖。
本人は強くない、ぶっちゃけ弱い部類だが下僕の戦力が並の国を超える。
魔法は専ら大きくなりすぎた頭の角を支えるために使っている
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 01:16:10.03 ID:3GSilUvio
組織的な犯行と思われる略奪や大量略取・誘拐が頻発している
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/08(木) 01:40:00.69 ID:bwMt74WGO
書き方が悪かったですね。魔族の情報は『魔族の拠点について』や『魔王の動向について』といった形で、『魔族に関するどういう情報が欲しいのか』を募集しております。
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 02:20:08.04 ID:Jtg2W8iDO
魔王の上位…大魔王的なのは居るのか聞いてみる
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 04:00:10.36 ID:jAhzeMUro
魔族内にも差別や迫害はあるのか?
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/08(木) 08:07:38.41 ID:rMe8dGUpo
人間に友好的な者はいるか?
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:54:57.80 ID:51SJRoBxO
「俺の勝ちだな…!」

「お見事」

何故か始まった特大ジョッキいっぱいに注がれた葡萄ジュース(ノンアルコール)の早飲み対決。軍配は幽者に上がり、魔族の男性は拍手喝采で対戦相手を讃える。
口元のジュースを紙ナプキンで拭い、リヒトはジョッキを厨房のおばちゃんに返却した。

「…で、なんでコレをチョイスしたんだ?お互い大人なんだから、てっきり酒にするかと」

「吾輩は葡萄ジュースが好物でな。勝負という名目でたらふく飲みたかったのだ。それに、アルコールを一気に摂取するのは身体に悪い。無闇矢鱈と身体に負担を掛けるのは良くないぞ。今は平気でも、未来の自分にその行為の代償が襲い掛かるからな」

「そんな出来の悪い子供を諭すように言わなくても…。はいはい俺が悪うござんした」

試合には勝ったのに勝負に負けた気分だと、リヒトは不快気にそっぽを向く。デュンケルと名乗った男性は微笑し、足を組んだ。
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:55:48.04 ID:+rCNWm98O
「まあ、なんだ。今の吾輩は気分が良い。今何か質問されたら、ポロッとデュンケルメモの内容を喋ってしまうかもしれんな」

「デュンケルメモ?」

「旅で得た知見を書き記した手帳だ。意外と役に立つ、と利用者には大好評だぞ」

「へー」

彼の言が真実か。それを確かめるべく、簡単な質問をすることにした。

「カロゥスを支配してた魔王の名は?」

「メリオゴストーグ。『メリちゃん最かわ教』の教祖であり、嘗て貴殿がカロゥスで繰り広げた激戦を観劇していた者だな。親衛隊の築いた強固な防衛陣形を突破し一太刀浴びせたその手腕は見事であったが、それも含めて彼女は大いに楽しんだようだ」

デュンケルの淡々とした読み上げに、リヒトは眉をひくつかせて質問する。拳に力が入っているのは、気のせいではないだろう。

「…ちょっと待てよ。さっきの話から薄々勘付いていたんだが、はっきりさせたいことがある」

「なんだ?」

「あの女は…生きてる、のか…?」

「ああ。元気に献上品のスイーツを貪っていたが」

「…まさか、殺せたと思っていたのか?」

「………」

沈黙は時に答えを示す。今回は正しくその時であり、何も為せていなかったことが心に深い影を落とす。
これでは道化だと、巨悪を討った虚像に踊り続けた哀れな勇者を幽者が嘲る。落胆を隠そうともしないリヒトを男性は一瞥した。
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:56:17.31 ID:+rCNWm98O
「彼女に統制された教団は、統率された軍すら凌駕する。貴殿が全力を振り絞って叩き込んだ一撃…それは確かに、彼女の生命を脅かした。だが、それ止まりだったのだ。正直吾輩も引くくらいに迫真の演技で偽りの死を悼み、瞬く間に…異常に手際良く逃散を始めた『メリちゃん最かわ教』に、貴殿も疑問に思ったのではないか?」

「…ああ」

リヒトはデュンケルの問いに首肯で答える。同時に、忌まわしき日を思い出した。
勇者が死に、幽者が生まれた日。弑逆が行われた晩餐会。その会場には、無数の物言わぬ肉塊が転がっていた。

その片隅には、肩を抱き合い怯える魔族の少女が数名いた。表向きは敗戦した『メリちゃん最かわ教』。その領土は接収され、人民はレムカーナに帰属した。したのだが。
数があまりにも少なすぎたのだ。人も。物資も。何もかも。あれほどの軍勢がいたのに、影も形も見当たらなかった。

当時は精神的に疲弊していたので何も気にならなかったが、時を経て多少の余裕が生まれた今なら解る。あの戦いの違和感が完全に無くなった。
そりゃ、リーダーが死んでないなら統率は乱れないわな。と、リヒトは納得する。

納得しつつも、戦いの無意味さに気付き、俯いた。
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:56:54.05 ID:iOX0ShxjO
「戦い自体には意味はあったさ。それは貴殿が一番知っていることだろう」

落ち込みに落ち込み、知らずのうちに冥光が身体から漏れ出しているリヒトを気遣ったのか、デュンケルは口を開く。

「その過程はどうあれ、レムカーナとカロゥスの戦争は終わり、一応の平和を迎えた。それだけは紛れもない事実だ。それに、遊びと捉えていたのはメリオゴストーグたちのみであって、貴殿ら人類は自身の存亡を懸け戦っていた」

「それで良いだろう。意味や理由など人によって違うのだから。自身が正しいと信じ行動したなら、それが正しいものさ」

「………」

なおも無言を続けるリヒトに、デュンケルは言葉を投げかける。程なくして、周囲に充満していく冥光は消滅した。

「…まさか俺が、魔族に慰められる日が来るとはな。あの人がいたら腹を抱えて笑ってるだろうな」

「割り切れ、とは言わん。だが、無意味だ無駄だと嘆く必要は無い。貴殿がそうやって諦観することこそが、犠牲になった命への侮蔑となる」

無駄だと嘆き無意味だと決めつけることが死者を侮蔑することになる。ライルといいデュンケルといい、哲学的なことばかり言われている気がするが、魔法都というロケーション故に知識人が集まっているからなのだろうか。
しかし、彼の言うことも一理ある。ここで自分が嘆くのがそれこそ、仲間の死への侮辱となるなら。彼らの名誉のためにも控えるべきだ。過去を悼むのと悔やむのは違うのだから。

精神状態を少し持ち直し、ピシャリと顔を引っ叩く。鋭い痛みが走り、弱っていた心を奮起させた。
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:58:30.53 ID:2KRYF7DyO
「…醜いところを見せたな、すまない」

「別に吾輩は気にしておらんよ」

ジュースにお肉にと食事を堪能しているとこらから見るに、全く気にしていないようだ。
彼はただメモ帳の情報を伝えているだけなのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが。

「気を取り直したところで、魔王に関する情報をもう一つくれてやろう。お口直しというやつだな」

「さっきみたいなのは勘弁だぞ」

「心配ご無用。今度は吾輩も気を遣っているのでな」

と宣言したデュンケル曰く、イルステッド最東端の『イミナの岬』と呼ばれる場所に屋敷があるらしい。
そこの主は『エル・ヒュプティル』。近郊の魔族を統べる女王にして、《眠りの魔王》の異名を持つ。その異名の通りほぼ年中眠りっぱなしで、一年のうち起きている時間は十時間にも満たないとの噂があるが、食事などはどうしてるのか気になるところである。
普段は集合的無意識内を漂い人の見る夢の世界を渡り歩いているらしく、気まぐれに人に預言をしたり悪夢から救ったりしているのだとか。
嘗て、無理に眠りから目覚めさせた魔王がいたらしいが、その後の消息は一切不明と恐ろしい話もある。
『モルちゃん』という名前のバクのぬいぐるみを肌身離さず持ち歩いて(抱きしめて寝て)いるという。

「destani destani dal viaggio infinito(目覚めよ 目覚めよ 終わりなき旅より)。醒めない悪夢に苦しむ時はこの言葉を二度呟くといい。これは魔族間では有名なおまじないでな。これを呟くことで、眠りの魔王が悪夢から救ってくれるのだ。吾輩は悪夢など見たことがない故、使ったことは無いが」

「人間が使っていいのか?」

「良いのではないか?」

半ば投げやりな返答に呆れつつも、リヒトはおまじないの言葉のメモを取る。もしかしたら、本当に効果があるのかもしれない。そんな僅かな希望を込め、ペンを走らせた。
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 21:59:41.22 ID:2KRYF7DyO
「しかし、人間の料理は美味いな。魔族にも料理上手な者はいるが、割合は比較にならん。どこで食べても一定水準の味が保証されるのは、健啖家な吾輩としては好ましい」

舌鼓を打つデュンケルにリヒトは同意を示す。食事というものには荒んだ心を癒す効能がある。
生きているものは皆腹が減る。どれだけ苦しい環境にいても。どれだけ心が傷ついていても。平等に。
そんな時に食う食事が不味ければ、より心は荒んでいくだろう。逆もまた然り。
故に、人類は料理に対する研鑽を怠らなかった。必ず食事をするのならより美味なものを味わいたい、と考えるのは当然だからだ。

「デュンケルメモにはまだまだ余裕がある。貴殿が望むなら、食事一つで情報を与えよう。等価交換というものだな」

「ならこれとこれとこれを奢るんで情報をください」

「交渉成立である」

メニューから男が好きそうな料理を見繕い、注文する。とりあえず肉料理を選べばなんとかなるものだ。

「美味い」

なんとかなった。
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 22:00:33.76 ID:2KRYF7DyO
「魔王の更に上の存在…俗に言う大魔王ってのはいるのか?」

リヒトの問いに、口に含んでいたものを飲み込んだデュンケルは答える。メモ帳を見るまでもないようだ。

「全ての魔王が忠誠を誓う、大魔王という者はおらんよ。貴殿ら人類が同じように崇める人がいないようにな」

「なるほど」

「だが、それは今までの話だ。今後も生まれ得ないと誰が言えようか。未来のことは誰にも解らぬ。故に、今後も決して大魔王が生まれない…と断言はしない。もしかしたら、明日にでも出てくるかもしれんな」

国王が頭(こうべ)を垂れる相手がいないように、魔王が忠誠を誓う相手も存在しない。だがそれは現時点の話であり、今後どうなるかは解らないから敢えて断言はしない。
なるほど、至って普通な解答だ。子供でも解ることである。リヒトはまた一つ賢くなった。


「次は…そうだな。人類に友好的な魔族はいるか?」

「変なことを問うものだ。イルステッド内で魔族と敵対していたのはレムカーナの民くらいだろう。他は中立しているか友好的かのどちらかだ」

「まぁその要因は領土争いをしている最中に、魔族まで相手取っていては堪ったものではないからだろうが。自身を脅かす脅威を排除した後に、魔族と変わらず友好的に接するかまでは解らんな」

この世界には、未だどこの領土にも属していない土地が膨大にある。人類意志の統一などは全くされていないため、無数の小国が覇を競っているのが現状だ。ある意味ではリヒトたちもそのうちの一つとも言える。

「手っ取り早く魔族と交流するなら、緋桜郷に向かうが吉だな。あそこの頭領は鬼…魔族の一種族だし、多種多様な人種があの郷で暮らしている。治安も申し分ない」

「行ったことないんだよな俺。素性がアレだし」

魔族を散々殺してきた自分が、魔族の統べる街に行っていいのか。そういう後ろめたさもあって、緋桜郷に足を運んだことは無い。
多少の反感は承知で事を起こすのが、今の自分に必要なものだと言われればそれまでなのだが。未だに二の足を踏んでいるのは、殺めることの重大さを知っているが故か。

デュンケルと会話をしながら、リヒトはそんなことを考えていた。
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 22:01:39.25 ID:2KRYF7DyO
「あと一つ聴けるんだっけか。んー…なら、やっぱり魔族内でも差別とか迫害ってあるのか?」

「人類がそうするように、魔族でも同様のことはある。弱者は虐げられ淘汰される。それは、自然界でも当然起きていることだ。生命の背負う原罪とも言えよう」

「…されてる側はどうしようもなく辛いものなんだがな」

リヒトはそう呟き、デザートのプリンを口にする。トッピングされていたチェリーはマナに食べさせる。そこまで美味ではなかったのか、僅かに渋面を作っていた。

光の差し込まない部屋。音の聞こえない密室。規則正しい時間にのみ支給される食事。何を言っても。願っても。それは聞き届けられず、閉じ込められた。
忌まわしき記憶を思い出し、リヒトは微かに笑う。あれだけの苦痛によく耐えられたと、過去の自分を褒めちぎりたいくらいだ。

「だから俺は、助けたいと思った」

「虐げられている者を、か?」

首を振り答える。デュンケルは暫しの間黙考し、食事を再開した。その行為の意味をリヒトは考えることはせず、同様に食事を続けた。
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/11(日) 22:02:22.29 ID:2KRYF7DyO
デュンケルと何を話すかを↓1にどうぞ。
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/11(日) 23:35:34.36 ID:D3GgsJ0Mo
ドラゴン調伏にご興味ない?
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 00:21:22.62 ID:NVDkGHPVO
腹が膨れたので、ボードゲームやトランプに興じる二人。そのうち一人が嘗ての勇者だと思う人はいないだろう。
ちなみに、勇者と呼ばれる人自体はリヒト以外にも当然いる。いるのだが、この大陸に該当する者はリヒトしかいない。
別の大陸に行けば他にも数名いるが、イルステッドは魔族との関係がそこまで険悪ではないので勇者の数が少ないのは当然のことだ。

「ドラゴンの調伏、か。もちろん興味はあるし、試みたこともある。こう見えて、吾輩はそれなりに実力はあってな。吾輩に見合う力を持った龍に挑んだが、結果はお察しの通りだ」

と述懐するデュンケルの表情は、諦念を孕んでいた。どうやら手懐けることは出来なかったようだ。

「低級なものはともかく、ドラゴンの調伏には才能がいる。ドラゴンを打ち負かす実力は当然として、最も重要なのは気高い彼らを従える…従うに足ると認識させるほどの格調、即ちカリスマだな。これが無ければ始まらない」

「…当たり前だが、それを有する者は希少だ。故に、一般的な龍騎士たちは低級のドラゴンを従えているのだし、低級なものでさえ相応の才能を必要とされるのだから、数が少ないのだ」

「あんたがダメだった理由は?」

「推測でしかないが、吾輩には野心というものがさっぱり無くてな。他者を従え支配するよりも、この世に無数に点在する面白いものを探しに行く方が魅力的だったのさ。そういった部分を見透かされたのかもしれん」

「…なるほどね」

野心。カリスマ。実力。その全てが今の自分にあるのかは分からない。だが、やらないことには何も始まらないことを知っている。
ならば全力を尽くすだけだと、リヒトは調伏の決意を固めた。
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 00:22:26.69 ID:NVDkGHPVO
会話を継続する場合は話題を↓1にどうぞ。
終了したい場合は、その旨を記載してください。デュンケルとの交流を終了します。
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 01:36:06.36 ID:7lHh1H7Xo
色々教えてくれてありがとう、助かったとお礼して終了
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 02:26:33.80 ID:u2DzUdCbO
「色々教えてくれてありがとう。おかげで助かったよ」

「吾輩の知見が役に立ったのなら何よりである。健闘を祈っているぞ」

何杯目か知らないジュースを飲み干しつつ、デュンケルは手を振る。この出逢いに感謝を、と返し、リヒトは部屋に戻った。

「あれ、もうご飯終わったんですか?」

そこには、シャワーを終えたウィンディがいた。普段は二つ結びにされている長い緑髪は、髪留めで括られていた。風呂上がりなのもあって艶は一段と増しており、湯気で上気した肌は艶やかに見える。だがまだまだ彼女はお子様だ。他人を魅了する妖艶さは欠片も無い。

「ああ。寧ろ、君のシャワーが長すぎだ。ウィンディといいシルヴィアといい、女性は皆こうなのか?」

「女の子は色々とケアに気を遣うんですっ!マナちゃんも何か言ってあげてください」

ふくれっ面のウィンディはマナにも説教を期待するが、どうでもいいと一蹴される。賛同者がいないことに気づいたウィンディは、少ししょぼくれた。

「そうだよね、妖精だもんね。私の悩みを共有してくれる人がいない…これは前から変わってないけど…」

ご飯を食べてきますとだけ言い残し、ウィンディは部屋を出て行く。特にやることも無いので、適当にフルーツを買ってマナに与えることにした。
やはりと言うべきか、新鮮でないフルーツはお気に召さなかったようだ。
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 02:27:19.59 ID:u2DzUdCbO
何をするかを↓2にどうぞ。
この行動が終わると、フェルリティアを発ちます。
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 09:35:19.80 ID:bRIifRfDO
踏み
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 10:29:04.00 ID:opZHFnXKo
調伏対象について情報収集する
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/09/12(月) 12:09:42.70 ID:AWBZeGhoO
ゲイザリオン 判定↓1コンマ


グラトルス 判定↓2コンマ


01〜50:危険地帯の情報のため成果なし
51〜80:一種の情報を獲得
81〜99:奇数なら二、偶数なら三種の情報を獲得
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 12:29:35.89 ID:t2uy0HToO
00ならどうなる?
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/12(月) 12:38:07.86 ID:kK65/xV+o
こんにちはする
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