佐藤和真「一応、父親だからな」

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8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/03/01(火) 23:55:40.74 ID:zvI7aI9oO
「大切なのは、何が出来るかだ。弱い俺でも魔王くらいは倒せた。俺よりも強い奴は大勢居るが、そいつらには魔王は倒せなかった」

父の言葉は難しい。難しいけど大切な言葉。

「ロロティーナ。俺が魔王を倒したように、お前にしか出来ないことをすればいい」
「僕にしか、出来ないこと……?」

なんだろうと考えてそして閃き耳打ちする。

「たとえば、怖くて漏らしちゃったから父上のボロ雑巾みたいなマントでお尻を拭くとか……?」
「フハッ!」
「おい、カズマ! 娘の前で下品だぞ!」
「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

父上は嗤う。高らかに。まるで魔王の如く。

「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

あんなに良いことを云って、格好つけていた父が愉悦を漏らしたのは僕の仕業。だからこれが自分にしか出来ないことだと理解した。

「ふぅ……まったく。残念なところもお母さんそっくりになっちまいやがって」
「おいカズマ。それはどういう意味だ?」
「外見だけなら文句なしって意味だよ」
「そう言ってまた私を孕ませるつもりか?」
「娘の前で下品なこと言うな」

母上と似ていることは嬉しい。何故ならば、今日母上に会いたかったのは僕だけではなく父上もそうだろうから。美しさが誇らしい。

「アイリス様にもそっくりって言われた」
「ロロティーナは美人だからなぁ」
「私に似てな」

じゃあ、そんな僕……私に、何が出来るか。

「母上に似てれば父上と結婚出来る?」
「ダクネスみたいな嫁は1人で充分だ」
「ふふっ。残念だったな、我が娘よ!」
「だったら私は父上に似てる人を探す」

父上みたいな人と結婚することなら出来る。


【この素晴らしい愛娘に良縁を!】


FIN
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