他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
真・恋姫夢想【凡将伝Re】5
Check
Tweet
125 :
一ノ瀬
◆lAEnHrAlo.
[saga]:2022/06/17(金) 22:32:46.21 ID:5pQtDyk00
俺には過ぎた兄弟さ。張紘も、沮授も。
じんわりと温かいものを感じながら振りかえれば既に夜半。満月が東屋を照らし出している。
白湯(さゆ)でも啜って寝るかな、とぼんやりと考える。張紘と馬鹿トークしながらあれこれ摘まんだし、食事はいいや、抜いてしまおう。
なんて考えていたんだが。何だか喧噪がやってくるぞ?俺に面会とかだったら先触れが少なくとも俺の意向を確認するもんなんだが……。
「二郎さん、観劇に行きますわよ?」
おーっほっほという笑い声――ただしめっちゃ高貴であり、生半可な楽曲では太刀打ちできないほどの芸術性を備えている――に反応する暇すらなく、俺は声の主たる麗羽様に連行されることになったのである。
観劇は恙なく終わり、併設された酒家を借り切って余韻を楽しみながら茶を啜る。いや、俺が呑むのは火酒だけどね。
なお、檄の内容については割と頭に入らなかった。だって。
「……二郎さん、その。ご迷惑でしたかしら?」
ちら、ちらと俺の様子を気にする麗羽様がいたからね!
「何言ってるんですか。
どのようなことであろうと麗羽様がお呼びとあらば即参上!です。
なんで、わざわざのお越しに恐縮至極だったりするわけですよ」
ちなみに演目は春秋戦国時代の仮面の美青年というお話でありました。仮面なのに美形とはこれいかに。
「なら、よろしいんですけど。
その、少しでも二郎さんの気晴らしになれば、と思ったんですけれども」
どこか甘えた風に、気にした風なお言葉がありがたい。
「これは参ったな、お気を使わせちゃいましたか」
確かにまあ、割と荒れてたからなあ、俺。
「いや、まあ、あれです。数で圧殺すれば楽勝と思ってたんですけどね。どうもそうもいかないみたいで」
なにせ、一声で十万の民が兵になるのだ。数で圧殺するのはいい。
だが、この戦いが終わったらば、幽州に民はいなくなり、残るのは焦土だろうよ。まったく腹立たしいことこの上ない!それを狙っての一手だと分かるだけに腹立たしさは倍率ドン!である。
……通商破壊は出来ても、焦土作戦には頷けないのはきっと俺の甘さなんだろう。
きっとそれが俺の限界なんだろうなあ、と思ってしまう。例えば華琳だったらどうするだろうか。なんて益体もないことを考えてしまう。
「まあ、世の中ままならんことばかり。いつものことですよ」
そうさ。これしきの逆風、大したことない。そう、自分に言い聞かせる。
いつだって時代は優しくないし、やることなすこと裏目に出るのは様式美。それでも、前を向いて、できることをするしかないんだよ。俺みたいな凡人は。
「二郎さん……」
気遣わしげな麗羽様の声がこの上なく癒しである。励みである。湧いてくる。気力が。そりゃもう、もりもりと。
「麗羽様の声に、すっごく励まされてます。
だから俺は頑張れます。頑張ります。そうです。そうなんです」
――麗羽を、よろしくね。
在りし日の袁逢様の声が甦る。そしてまだ幼い麗羽様を守ろうと決めたのだ、俺は。この、三国志にひどく似て、どこか歪なこの世界で。抗おうと。三国志なんてはじめさせないと、誓った。
最初は保身だけだった。でも、今は違う。違うと言い切れる。守りたいものができた。できてしまった。それも、たくさん。
375.23 KB
Speed:0.4
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)