【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

381 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 19:39:13.61 ID:ZEh2cF8AO


「で、どこまで行くんですかー?」

興奮を隠しきれない様子でデジタルが言う。助手席のカレンは少し引き気味だ。

「デジタルちゃん、ちょっと落ち着いて」

「これがテンション上げずにいられますか!?
バクシンオーさんにカレンちゃん、スプリント界のツートップとご一緒できるだけでも尊死できるのに、ひょっとしたら行く先に『ソダにゃん』がいたりするかも……はあ、ほんと無理……」

「いや、アイドルが一人でラーメン屋に並ばないと思うよ……ねえ、お兄ちゃん」

私は苦笑した。

「まあ、な。特に今日の目的地は、とても女性向けの店じゃないからな」

「そうなの?」

「まあ、行けば分かるが……辺鄙だし、雰囲気はまあまあ殺伐としている。しかも味は超ストロングスタイルだ。
女性が入りやすいラーメン屋はかなり増えてきたし、内装に凝る店も多いが、まあそういう流れには全く逆行する店だな」

「むう。カワイくないのはちょっとつまんないかも」

「その分味は間違いない。何せ普通の『特濃』を名乗る煮干しラーメンより、倍の量を使ってるからな」

後部座席のバクシンオーが「ハイッ!!」と手を挙げた。

「煮干しラーメンって何ですか!?」

「いやいやバクちゃん、それは煮干しを使ってるから煮干しラーメンって……」

「いや、重要な問いだぞ、カレン。そもそも、多くのラーメン店がスープに大なり小なり煮干しを使う。
そのスープの主成分が煮干しだから煮干しラーメンというわけだが、それも色々種類がある」

「そうなの?」

うんうんとデジタルが頷く。

「さすが天王寺トレーナーさん!『ソダにゃん』もそう言ってました」

「随分そのアイドルは詳しいんだな。しかしトレセン学園の生徒じゃないだろう」

「入学前って聞いてますよ。来年辺り入るとか入らないとか。ひょっとしたら海外に行くかもって聞いてますけど」

「私よりよく知ってるな……」

「そりゃあウマ娘ちゃんの情報なら、本格デビュー前から情報収集は怠りませんとも!」

デビュー前からアイドル活動、ということはジュニアアイドルか。芸能界にはどうにも疎くていけない。

※コンマ下85以上で……
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 19:39:34.12 ID:HViMzAV9o
むん!
383 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 20:00:27.32 ID:vvyyVwDcO
※特になし

「で、どういう種類があるの?煮干しラーメンって、もう一大ジャンルになってるけど」

カレンが訊いてきた。私はハンドルを板橋方面に切る。

「よく言われるのは青森ラーメン起源説だな。津軽海峡の漁師を相手にした食堂が、普段からたくさん取れる煮干しをスープに使ったのが始まりとされる。
透き通ったスープに濃くてしょっぱめの煮干しスープが定番だ。新宿の『凪』は、確かこの系統だな。
ただ、濃厚煮干しラーメンがここまでブレイクしたのは、別の理由があるんじゃないかと私は考えている」

「そうなの?」

「『伊藤』という店が濃厚煮干しに細くパツパツとした麺を合わせて流行したのが大きい。ここは元々秋田の角館にあるんだが、その店主の弟が東京でやってる。
煮干しの苦味やエグみも旨味として取り込んだスープが話題になってな。今は銀座や赤羽にも支店がある。このフォロワーが、煮干しラーメンを広めたってわけだ」

「じゃあ、今日はその『伊藤』に?」

「その近所だが違う。『伊藤』の方向性をさらに尖らせ、極めた店だ」

板橋本町インターが見えてきた。目的地まで、もうそう遠くもない。

※目的地には……

01〜75 誰もいない
75〜95 誰かいる(再判定)
96〜00 あ!ソダにゃんだ!(再判定)
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 20:07:56.68 ID:O0r5MW53O
バクシン!
385 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 20:16:32.63 ID:p9rWvgZuO
※通常進行

大きな公園近くの駐車場にアウディを停め、店に向かうと開店前というのに既に行列ができ始めていた。

「こんな所にラーメン屋があるんですねえ」

「『場所代をいかに抑えるかが美味いラーメンを作る秘訣だ』と、ある超有名店の店主が言ってたな。辺鄙な場所にある店は、大体美味い」

店の前には幾つも注意書きが書かれている。少し異様な雰囲気ではある。

「『本当に煮干しが好きな人向けの店です』……と。そんなに濃いの?」

「さっきも言ったが、『特濃』をうたう店の倍煮干しを使ってる。1杯辺り何グラムだと思う?」

カレンは少し考えて言う。

※何グラムでしょう?当たった場合、実食後に……
安価下のみ、制限時間10分です。
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 20:24:07.00 ID:HViMzAV9o
100g
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 20:24:37.90 ID:pgwQUzTqo
500
388 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 20:50:11.81 ID:p9rWvgZuO
※不正解、今回の○○の登場はなし

「100グラム、かなあ」

「残念、不正解だ」

「えー、確か『凪』で50グラムでしょ?その倍だからそのぐらいって思ったのに」

「まあ『凪』も濃い方だがな。ただ、ここ『中華ソバ伊吹』は別格だ。
最近量を増やして160グラムにしたらしい。スープの半分が煮干し、と聞いたらいかに狂ってるか分かるだろう?」

「……160グラム??そんなに使ったら、味も何も……」

私はニイと笑う。

「それが違う。まず、煮干しは全国から厳選された各種煮干しをブレンドして使っている。
しかも仕入れによって配合も変えてるらしいな。今日は……九十九里の背黒と長崎のアゴ煮干し、それと背黒二種とあるな」

後ろからデジタルがスマホを覗き込んできた。

「ひょえー、その日の配合をウマッターにアップしてるんですねえ……淡麗と濃厚って?」

「淡麗は水から炊いたスープ、濃厚はそこに動物系スープを合わせたものだな。まあ、どちらも超が付くほど濃いぞ……っと、食券を買わないとな」

店員の呼び出しに応じて、店内に入る。店内には全国各地の煮干しが入った段ボールがそこかしこに積まれていた。

「にょわっ!!?この濃厚な匂いっ!!まさに煮干しっ!!」

「お客さん、お静かに」

目付きの鋭い、大柄な店主がバクシンオーを睨む。その威圧感に、バクシンオーは思わずたじろいだ。

「は、はいぃ……」

再び列に戻る。

「……なるほど、女の子向けの店じゃないね、お兄ちゃん」

「まあ殺伐としてるからな。ここに女の子一人で来るのは考えにくいな。
ただ、味は本当に全国のラーメンの中でも上位ベスト10には入る。そこは保証する」

「うう、『ソダにゃん』には会えそうもないですねぇ……」

デジタルが肩を落とした。店員がもう一度私たちを呼ぶ。順番であるらしい。
389 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 21:27:53.02 ID:p9rWvgZuO

濃厚と和え玉4枚を店員に渡す。いつもはハイテンションなバクシンオーだが、さっき注意されたからか珍しく大人しい。

「ウマスタにアップするのは?」

「着丼直後の撮影はいいそうだ」

「よかったー。にしても……すごいね」

カレンがちらりと隣の客の丼を見る。スープはどこまでも濃く、セメントのような粘度だ。

「食うとさらに驚くぞ。……と着丼だ」

丼の半分ぐらいが分厚いチャーシューで覆われている。そこに海苔と刻みタマネギ。煮干しのエグみを中和するのに、タマネギは欠かせない。

まずはレンゲでスープをすくう。ドロっとしていて、見るからに濃い。口に含むと……


パシーンッ!!


ワイシャツのボタンが弾け飛んだ。バクシンオーは「バック……」と叫びかけたが、自分で口を塞いでいる。


強烈、かつ鮮烈な煮干しの香りと旨味が口いっぱいに広がる。
しかし、一切の苦味やエグみはない。煮干し特有のしょっぱさは感じるが、それは煮干しの風味を損なわない、極めて微妙なバランスで留められている。


「「美味しい……!!」」

カレンとデジタルが同時に呟いた。この強烈な味は、理屈抜きで人にそう言わせるだけのものを持っている。

箸で麺をリフトアップする。細ストレート麺で、かなり硬めの茹で上がりだ。そこには特濃のスープが、ガッツリと絡んでいる。
啜ると、パキパキとした食感と共に煮干しがこれでもかと舌を刺激する。まるでスープを食べているかのようだ。
そのパワーに、箸が止まらなくなる。スープは飲んでもいないのにみるみる減り、あっという間に半分ほどになっていた。

ふと見ると、バクシンオーはほぼ食べ終えようとしている。……これは少しまずい。

「バクシンオー、スープがなくなる前に和え玉を」

「にょわっ!?でも、どう食べればいいのですか?」

「『高野』のように別に食べてもいいが、ここはつけ麺みたいに食べた方がいいな」

私もそろそろ頃合いだ。店員に和え玉を作ってもらうよう頼む。
390 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 21:48:53.73 ID:p9rWvgZuO

「お待たせしました」

麺の上に何かの粉末がかけられたものが出された。鶏肉のそぼろのようなものか。

これをスープにつけて啜ると、動物系の旨味が足され、味にさらに深みが増した。

「バクシンバクシン……!!」

小声で言いながら、物凄い勢いでバクシンオーが和え玉を食べている。箸が進むのも無理はない。

これまで放置していたチャーシューも口にする。まるで二郎系のような、存在感十分の豚だ。
噛み切ると柔らかく、味もしっかり染みている。これもまた上質だ。

「ううっ……」

見るとデジタルが泣いている。

「デジタルちゃん、どうしたの?」

「『ソダにゃん』にもこの味を食べてほしかった……こんな美味しい煮干しラーメンを知らないなら、それは悲しすぎましゅ……」

「彼女が入学したら、先輩として連れて行ってやればいいじゃないか」

「……!!それもそうですね!!ああ、その時を考えたら……!!推しとラーメン、いい……」

店主が溜め息をついているのが見えた。これはそろそろ撤収時だな。

「申し訳ない、ご馳走様」

「天王寺さん」

去ろうとした私を、店主が呼び止めた。

「……何か?」

「芹沢サン、戻ってくるんだって?」

「……!!なぜそれを」

「業界じゃ有名な話さ。トレーナーのあなたなら、詳しい話を知ってるんじゃないかってね」

「うちに復帰すると聞いてますが」

「……そうか」

安堵とも落胆とも取れる溜め息を、彼はついた。そうか、ラーメン界に復帰するとなれば、それは激震に他ならない。


「らあめん清流房」。かつて日本の頂点に君臨したラーメン店。
彼の復帰は、その復活を意味するからだ。

391 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 21:56:52.75 ID:p9rWvgZuO


「あー美味しかった!!雰囲気は殺伐としてましたが、本当に美味しかったですねえ!!」

「ハイッ!花マル、いえ花マル三重丸の美味しさだったでしょう!!」

「次来る時は声は抑えめにね……お兄ちゃん?」

はしゃぐ3人をよそに、私は物思いにふけっていた。


そうか、ラーメン界にも芹沢さんの復帰は伝わっていたのか。


彼は日本追放と共に、「らあめん清流房」も閉めた。
毒舌で知られる彼の店の閉店を一部の同業者は喜んだが、大半はそれを心より惜しんだ。私もその一人だ。

もし、彼が再び二足のわらじを履くなら、清流房も復活するかもしれない。
その時に、芹沢さんは何を作るのだろうか。


それは喜ばしい話のはずだ。しかし、妙に心がざわつく。
タキオンが言っていた「報い」とは、まさかラーメン界にも向けられているのではないか?


私は首を振る。考えすぎだ。




そのことが分かるまでに、そう時間はかからなかった。


第8話 完


392 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 21:59:33.08 ID:p9rWvgZuO
今回はここまで。そろそろ芹沢サンも出したいところではあります。

次回登場のウマ娘を決めます。
安価下1〜5で、コンマが最も大きいものとします。
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:00:15.18 ID:MmUJPZM60
ゼンノロブロイ
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:00:18.68 ID:hGRYtTUG0
流行りのキタサンブラック
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:01:21.12 ID:S5jsit9DO
マンハッタンカフェ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:01:32.31 ID:Q3suAGfzO
サトノダイヤモンド
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:01:47.57 ID:2oh21dDiO
チヨちゃん
398 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 22:12:06.89 ID:p9rWvgZuO
キタサンブラックに決定します。
設定上バクシンオーをお姉ちゃん呼びしますがご承知下さい。

テーマを決めます。安価下1〜5でコンマが最も大きいものとします。
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:13:56.90 ID:mFyKORj9O
富山ブラック
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:15:25.88 ID:MmUJPZM60
二郎系
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:16:09.10 ID:pgwQUzTqo
二郎系
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:18:45.37 ID:hGRYtTUG0
二郎系
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:19:11.59 ID:JOpMa3HCo
中山のど・みそ
404 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 22:24:14.49 ID:p9rWvgZuO
富山ブラックとします。ただ、東京にマトモな富山ブラックの店があるか次第ですね……
場合によってはずるい手段を使うかもしれません。富山ブラックでありながら富山ブラックでない、ある店を紹介する可能性があります。
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:28:16.05 ID:hGRYtTUG0
乙わっしょい
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:29:37.73 ID:pgwQUzTqo
おつおつ
ラハゲのウマ娘とバクシンオー(orカレンチャン)の対決あるか…?
407 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 22:33:17.30 ID:p9rWvgZuO
>>406
それは構想中です。誰を出すかはある程度決めてはいます。

富山ブラックでおすすめの店を募集します。ちょっと調べましたが、東京だとどうにも数が少ないですね。
もしないようなら、裏技を使います。今は限定を出してないようなので、記憶を引き出してやります。
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 22:40:21.01 ID:hGRYtTUG0
富山ブラックはカップ麺くらいしか食べたことない……
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/26(土) 23:37:19.13 ID:pgwQUzTqo
思いつかねえので裏技行こう
410 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/26(土) 23:57:34.11 ID:p9rWvgZuO
とりあえず明日までにリクエストがなければ裏技やります。
結果として○○系になるので高確率で○○○が出ます。
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/28(月) 08:15:51.59 ID:YLhsJVvA0
結局、裏技はどうしたのですかね?
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/28(月) 08:53:21.92 ID:F16PXIoXO
まだ一日しかたってないでしょうが
世界はお前中心には回ってないんだぞ
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/28(月) 12:56:59.45 ID:NI4vXnI/O
しつこく>>1に質問してばかりの末尾0くん、悪い意味でクソ目立ってるから自覚持った方がいいよ
414 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/02/28(月) 13:09:47.81 ID:pmgv1et0O
とりあえず店は某店で決定しました。
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/28(月) 14:36:24.32 ID:Dfq+vGFJO
了解ー
416 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/05(土) 20:35:38.30 ID:b/j2YtyNO
今週の更新は遅れるか、来週に延期になります。
仕事が多忙になりそうなので、更新頻度が今後減るかもしれません。
(ラーメン自体もそんなに食べに行けなくなりそうです……)
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/05(土) 21:01:13.28 ID:w83J2WYFo
リアル大事に
お仕事頑張って下さい
418 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/13(日) 14:42:02.44 ID:/UN7t0AIO
更新しますが、今日で終わらないかもしれません。
また、今はこのメニューを出していません。ご了承を。
419 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/13(日) 15:02:51.99 ID:/UN7t0AIO


「バクシンバクシンバックシーン!!!」


怒涛の勢いでバクシンオーがゴール板を駆け抜ける。2着のヒシアケボノとは3バ身もの差がついていた。
おお〜と、それを見ていた新入生から声が上がる。「ハッハッハ!!」とバクシンオーは胸を張ってそれに応えていた。

「バクちゃんすごいなあ。私も走りたかった〜」

カレンが口を尖らせた。私は軽く彼女の頭を撫でる。

「模擬レースは高等部の担当だからな。バクシンオーと一度本気でやり合いたいか?」

「うん!でも、カレンは高松宮記念も出れないんでしょ」

「香港スプリントのダメージがまだ抜けきってないからな。スプリンターズまで待つしかない」

「むむー。京王杯まで我慢、か〜」

トテトテと、誰かが近付く気配がした。黒い癖っ毛気味の小柄な少女だ。

「あ、あの……天王寺トレーナーさん、ですか?」

「ん、そうだが」

「はじめまして!あたし、キタサンブラックといいま「おお!キタちゃんじゃないですか!!」」

向こうから凄い勢いでバクシンオーがやってきた。キタサンブラックと名乗った少女の顔が明るくなる。

「あ、バクシンお姉ちゃん!!」

「おおっ!!あなたも私たちとバクシンするつもりなのですね!!いいでしょう、いいでしょうとも!!
短距離だろうが長距離だろうが、道はただ一つ!!ひたすらに鍛えてバクシンするのみですっ!!」

「あ、あのお……」

キタサンブラックはさすがに軽く引いている。私は咳払いをして割って入った。

「嬉しいのは分かるが、程々にな。ああ、キタサンブラックだったね。話は聞いている。私が彼女の担当トレーナー、天王寺だ」

「はい、よろしくお願いします!!お話はお姉ちゃんからかねがね聞いてます」

「話?」

「はいっ!とても優秀なトレーナーさんで、いつも美味しいラーメンを食べさせてくれるって」

※ゾロ目で……
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/13(日) 15:13:49.76 ID:znTVegcuo
こいぞろー
421 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/13(日) 15:36:02.17 ID:/UN7t0AIO
※特になし

「ははは……君にまでラーメンの話が行っていたか」

思わず頭を掻く。すっかり「ラーメンのトレーナー」になっている気がする。

「あ、もちろんそれだけじゃないですよ?トレーニングとか、すごくちゃんと鍛えられるんだって。
見た目はちょっと怖いけど、頼れる人だって聞いてます」

「むむむ」とカレンがキタサンを覗き込んできた。

「あの、この方は……」

すぐに表情をいつもの営業用スマイルに変えて、カレンが答える。

「カレンチャンです♪ヨロシクね♪」

「あ、この方がカレンチャンですね!いつもウマスタ見てます!!」

「見ててくれるの!?うれしいな〜」

といいつつも、目はそう笑ってもいない。意外とブラコンの彼女は、基本私に近付く異性を警戒する。
バクシンオーはあの性格だから、恋愛関係にはならないだろうと彼女も安心しているが。母を早くに亡くしたせいか、独占欲は強めなのだ。

「……まあ、とにかく4月からよろしく頼む。うちのチームは短距離からマイルに特化しているから、君に合うかは怪しいが」

「そうなんですか?」

「私のトレーニングは速筋を中心に鍛えるものだ。何分、ボディービルダーとしての顔もあるものでね。
だから、長距離が得意な君に合うかは自信がない。それでも、というなら歓迎するが」

※キタサンの反応
01〜40 そうなんですか……
41〜70 でもお姉ちゃんと一緒がいいです!
71〜90 もう行くところは決めているんです(再判定)
91〜98 もう行くところは決めているんです
99、00 ???
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/13(日) 15:39:13.40 ID:ReZYTM+10
423 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/13(日) 16:08:22.62 ID:/UN7t0AIO
キタサンブラックは肩を落とす。

「そうなんですか……」

「遅筋を鍛えるメニューを組んでやれなくはないが……申し訳ない。ステイヤー寄りなら、塩田……いや、三田村トレーナー辺りかな。よかったら紹介しよう」

塩田トレーナーの名前を出しかけてやめたのは、あのチームがあまりに個性派揃いだったからだ。
パーマーはともかく、ゴルシや海外留学中の「あの2人」は教育上あまりよろしくない。

「三田村トレーナーさんですね!分かりました!」

「キタちゃん、そろそろ行くよー」

栗色の髪の少女がキタサンブラックを呼んでいる。「ダイヤちゃんが呼んでるので、失礼しますね!」と彼女は去っていった。

「お兄ちゃん、よかったの?」

「適性が合ってないチームに入れさせるのも酷だろう。基本は個人の意志だ。お前こそ、随分と警戒してたが?」

「むう、まあそうだけどー」

「流石にそういう趣味は私にはないぞ」

「そういうのじゃなくて。お兄ちゃんが可愛がっていいのは、私だけだもん」

「私も結婚適齢期を過ぎかかってるのだがな……」

まあ、そもそもこの図体と風貌では、相手もいないか。苦笑しつつ、一度部屋に戻ることにした。



「キタちゃんの歓迎会をやりましょう!」

トレーニングが終わると、おもむろにバクシンオーが手を挙げてきた。

「歓迎会?」

「そうです!チームに入れずとも、トレセン学園でともに過ごす仲間!ならば学級委員長として、導いてあげるべきでしょう!」

「まあ、構わないが。今週末なら、いつも通りチートデイをやるから、その辺りだな。彼女の好物は聞いているか?」

「ハイッ!!『富山ブラック』というそうです!!」

「『富山ブラック』?」

レッグプレスを終えたカレンが、汗を拭きながら訊いてきた。

「富山のご当地ラーメンだ。醤油が利いていてしょっぱく、ご飯のおかずにもなるようなものだが……」

「何かあまり冴えない表情だね」

私は頷いた。

「はっきり言えば、東京、いや首都圏にマトモな富山ブラックの店は、ないのだ」

424 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/13(日) 16:29:01.89 ID:/UN7t0AIO

「そうなの?」

「あるにはある。が、基本的にはチェーンだ。あと、富山ブラックは好き嫌いがかなりハッキリ分かれるからな……。本物の富山ブラックを食べたいなら、本場に行くしかない」

私は腕を組んだ。そう、それしか手がない。
ただ、できるだけウマ娘の望むもので、かつ良いものを食べさせたいというのが、私のチートデイの心情だ。
すっぱりと諦めて、別のジャンルにするか……


……そういえば。


私はスマホを手に取った。

「どうしたんですか、トレーナーさん!?」

「いや、ひょっとしてと思ってな……あ、やはりそうだ」

レギュラーメニューではない。富山ブラックとも違う。見た目が近い、全く別のラーメンかもしれない。
さらに言えば、これは恐らく、いや間違いなく女性向きの店ではない。キタサンブラックが引く可能性はそれなりにある。


だが、「首都圏で富山ブラックらしいものをを食べる」なら、ここしかない。


「……決めたぞ。キタサンブラックに連絡を入れてくれ」


425 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/13(日) 16:29:47.77 ID:/UN7t0AIO




第9R 「豚星。」



426 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/13(日) 16:30:17.04 ID:/UN7t0AIO
少し休憩します。
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/13(日) 17:16:23.04 ID:znTVegcuo
おつです
428 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/13(日) 22:54:08.01 ID:esHeLOBhO
後編に入る前に判定です。

※待ちあわせに来たのは……

01〜25 キタサンブラックだけ
25〜65 キタサンブラックともう一人(ウマ娘)
66〜98 キタサンブラックともう一人(人間)
99、00 キタサンブラックと……
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/13(日) 22:56:18.95 ID:kumqyHKDO
430 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/13(日) 22:58:30.45 ID:esHeLOBhO
※後編は明日以降になります。
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/13(日) 23:11:01.08 ID:znTVegcuo
おつおつ
トレさんか
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/13(日) 23:11:27.32 ID:znTVegcuo
?ぬけた
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/16(水) 22:17:03.39 ID:SZLjXS/U0
提督「嫌われスイッチ?」明石「はいっ」
http://hayabusa3.open2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1427368381/
提督「嫌われスイッチだと?」夕張「そうです!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428849410/
魔剣転生というスレの作者ですが、断筆する事に致しました。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1602503948/

外野の反応に負けてエタった先人たち
彼らの冥福を祈りつつ我々は二の舞を演じない様に注意しよう
434 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/17(木) 15:30:18.51 ID:2jUHBseOO
もう少々お待ち下さい。
本来なら実食すべきなのですが、モーニングのため思案中です。
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/17(木) 16:05:48.42 ID:yPBeUPJMo
はいよー
436 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 16:20:05.83 ID:LvGjNSGZO


「おはようございます!」

手をブンブンと振ってキタサンブラックがやってきた。その横にいる、眼鏡の女性は……

「おはようございます……天王寺トレーナー」

「三田村トレーナー?貴女もですか」

遠慮がちに彼女が頷く。三田村嬢も来るとは、やや予想外だ。

「キタサンブラックさんは、私のチームに入ることになりまして。それで朝練体験をしていたところ、天王寺トレーナーに朝ご飯をごちそうしてもらう約束だと……」

エヘン、とキタサンブラックが胸を張った。

「はいっ!『お助けキタちゃん』ですから!」

「お助け……?」

「あ!いや、その、何でもないです。あはは……」

三田村嬢の様子といい、何か変だ。まあ、彼女の同行を断る理由はどこにもないが。

「バックシーン!!皆さん、おはようございます!!」

「おはよー♪あ、三田村トレーナーさんもですか?」

遅れて朝練のクールダウンを終えたバクシンオーとカレンもやってきた。

「ああ、キタサンブラックが呼んだそうだ」

※2人の反応

01〜20 ヨ・ロ・シ・ク!お願いしますね……
21〜70 何もなし
71〜95 あー……なるほどお
96〜99 そうでしたか!
00 ???
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 16:25:28.44 ID:JVVHeIHd0
438 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 16:50:34.07 ID:LvGjNSGZO
※何もなし

「そうなのですね!分かりました!」

「よろしくお願いしますね♪あ、ライス先輩は一緒じゃないんですか?」

「……誘ったのだけど、レース前だからって断られてしまって」

ははは、とどこかぎこちない笑みを三田村嬢が浮かべる。何か隠している気がするが、気にするほどでもないか。

「そうですか。というかお兄ちゃん、なんで朝からなの?」

「理由は簡単だ。朝限定メニューだからだよ」

「朝限定?こんな早くからラーメン屋って開いてるの?」

「『朝ラー』というのがあってな。コロナで営業時間短縮を迫られた苦肉の策ではあるが、そこそこやる店は多いぞ。
ただ、今日行く所は朝にしてはややヘビーだが」

「ヘビー?」

「まあ行けば分かる」



行きの道中は妙な空気だった。後部座席の3人が和気藹々と盛り上がっている一方、助手席に座った三田村嬢はずっと無口でいたからだ。
何か言いたそうにはしているのだが、会話のきっかけが掴めない感じだ。私も女性慣れしているわけではないので、どうにも居心地が良くない。

かといって三田村嬢が嫌いとかそういうわけでもない。彼女は優秀なトレーナーであり、良い同僚だ。親睦を深めることの意義は小さくはない。
さて、どうしたものか……


……「彼」について話してみるか。事件があったのは、彼女が入る前だ。
何か知っているとは思えないが、彼女に芹沢さんのことを話しておくのは、後々の彼女のためにもなるだろう。


「……4月から来る、新しいトレーナーのことはご存知ですか」


01〜70 お話だけは
71〜85 ……!
86〜00 実は、もうお会いしてます
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 16:59:54.35 ID:FGmekT0DO
ほい
440 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 17:15:29.45 ID:LvGjNSGZO

「お話だけは。昔トレセン学園にいた方で、中国からこちらに戻られると。ご存知なのですか」

「ええ。私が新人の時にお世話になった……恩人の一人ですよ。ウマ娘との付き合い方、トレーニングのやり方は、彼から教わった」

「ラーメン……チートデイのやり方も、ですか」

私は頷いた。

「彼はラーメン屋店主としての顔も持っていましたからね。日本屈指の職人でもあった。
私の知識など、芹沢さんに比べたら赤子のようなものです」

「そこまでなんですか。でも、どうして一度辞めてしまったんですか」

「……ウマ娘に対するドーピング疑惑、と言われています。ただ、実際の所は分からない。
そしてなぜ今戻ってくるのかも。そこは、正直私も気になってます」

「……確かに。着任は、そろそろでしたね」

「もう日本に来ているかもしれませんね。会うのが愉しみでもあり……怖くもある」

そう。芹沢さんの心の内は読めない。タキオンにも詳しいことはまず話さないだろう。
プライドが高いあの人のことだ。本心は極力悟られないようにするはずだ。


車は首都高の汐入インターを降りた。ここから20分ほどで、目的地に着くことになる。

※店には……

01〜70 誰もいない
71〜98 誰かいる
99、00 !!?
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 17:31:40.04 ID:a3jsqwPGo
ほい
442 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 17:36:47.57 ID:LvGjNSGZO
少し休憩します。
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 17:38:25.89 ID:a3jsqwPGo
おつー
444 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 21:00:11.04 ID:Rzszyc7VO


「ここ……ですか?」

戸惑い気味にキタサンブラックが言う。それもそのはずだ。

「お兄ちゃん、ここって『二郎インスパイア』じゃない?」

訝しげにカレンが言う。店内はもう満席で、何人かの学生らしき客が山のように積まれた野菜を崩しながら麺を啜っている。三田村嬢も目が点だ。

「『じろうインスパイア』?」

「ラーメンの一ジャンル、ですよ。ラーメン二郎という系列のラーメンを真似た……というよりインスパイアした店のことです。
山盛りの野菜に大量の麺、そしてこってりとした豚骨スープにニンニク、そして豚の塊がデフォルトですね。
ただ、量の多さと殺伐とした雰囲気から女性向きじゃない。私が少し躊躇したのも、そこにあります」

「え……朝から、この量ですか……」

「量を半分に減らせば、普通の量にはなりますよ。あと、富山ブラックに近いものを食べさせるとなると、クオリティーの面からここしかなかった」

「……分かりました。ものは試しです、やってみます」

食券機で「ブラックデビル」を5枚購入する。
基本大食のウマ娘たちはともかく、三田村嬢には麺半分を勧めたのだが、なぜか「そのままでいいです」と譲らなかった。……まあ、残したら私を含めて誰かが食べればいいだろう。

「お兄ちゃん、そもそもこの『ブラックデビル』って何なの?」

「それを説明するには富山ブラックとは何か、を説明しないとな。
富山ブラックの特徴は、『濃度の高い醤油スープ』『ブラックペッパーによるインパクトのある味わい』そして『それらを支える鶏ガラスープ』にある。
スープは店によっては鰹節を入れることもあるらしいがな。元々は労働者のために、塩分補給を主としておかずになるラーメンを、ということで作られたらしい」

「へえ。でもここって二郎インスパイアだよね?」

「そう。だからスープの骨格が違う。こっちは豚骨だから、味が本家よりマイルドだ。
さらに、野菜から来る甘みと豚の脂味が加わるので、また少し違う味だな。ただ、富山ブラックに近いものというと、ここしかなかった」

キタサンブラックが申し訳無さそうにうつむく。

「ごめんなさい、無理を言っちゃって……」

「何、構わんよ。美味しいものを好きなだけ食べる、これがチートデイだ。気にすることはない」

そう言っていると、まとめて席が空いた。私たちの順番のようだ。
445 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 21:11:04.53 ID:Rzszyc7VO

しばらく待つと、「ニンニク入れますか?」と訊かれた。

「え、ニンニク?」

「ああ、三田村トレーナーとキタサンブラックは二郎系は初めてだったね。要はトッピングだ」

上にはトッピング一覧が貼られている。ラーメンとつけ麺、まぜそばと辛麺とでそれぞれトッピングが異なるのも、ここの特徴だ。

「二郎系では『呪文』のようにトッピングを注文することもあるが、基本気にしなくていい。私は、ヤサイニンニクでお願いしよう」

「うーん、カレンはデフォにしよっかな。あまり積むとウマスタ映えしないし」

「ハイッ!!私は全部で「彼女もデフォで」」

「何で止めるんですかトレーナーさん!!」

私は無言で向こうの太めの客を見るようバクシンオーに促した。視線の先には、別盛りの野菜だけが入った丼と、すり鉢状の巨大丼がある。

「あれを食べられるのは、トレセン学園でもオグリとスペくらいだぞ」

「にょわっ!!?わ、分かりました……」

「というわけで、あとのもデフォで頼む」

しばらくすると、店員が丼を運んできた。うず高く積まれた野菜の下に、どす黒いスープが見える。豚は恐らく底に沈んでいるのだろう。

「これが『ブラックデビル』だ」
446 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 21:43:12.09 ID:Rzszyc7VO

「すごい量……というかこれって?」

カレンが細長く黒い物体を指差した。

「キクラゲだな。これもいいアクセントになる。じゃあ食おう「バックシーン!!!」」

すごい勢いでバクシンオーが食べ始めている。

「これはっ!しょっぱいですっ!!でもコクがあって……むぐっ、箸が、止まりません!!」

麺をリフトアップし、レンゲを使いながら野菜と位置を逆転させる。そして全体を混ぜた後、一気に太麺を啜り込んだ。


パシーンッッ!!!


ワイシャツのボタンが弾け飛んだ。……美味い。濃厚な二郎系ならではのスープに、醤油がしっかり絡んでいる。
普段のカネシ醤油とは違い、醤油そのものが強く主張する。そこにピリッとしたペッパーの刺激。
本家よりも、しょっぱさは感じない。いや、あるいはご飯の代わりを野菜がしているのか。野菜の甘さが、スープの強さを中和しているとでも言おうか。

「あっ!!……意外と、食べやすいです。それに、クドいかと思ったけど……飽きが来ないですね」

「はいっ!富山ブラックとは違うけど、これはこれで美味しいです!!でも、富山ブラックといえばご飯……」

「追い飯は頼めるぞ、無料で。……全部食べ切れるならだが」

「本当ですか!!じゃあ頼んじゃお♪」

キタサンブラックは上機嫌だ。しかし、このブラックデビルの問題は、ここからにある。
半分ほど食べたところで、やっと豚の頂上が顔を出した。そう、この豚は……

「ツァーッ!!?」

バクシンオーが奇声をあげた。箸には、巨大な豚のブロックがある。

「え……これって」

「『豚』ですよ。チャーシューに相当しますが、ここの豚はとにかくデカい。柔らかいし、脂多めなので実際食べる所は多くはないですが」

三田村嬢が顔を青くしている。一般女性客は普通の二郎系より多めの店だが、さすがにこれは刺激が強かっただろうか。

私も豚に取り掛かるとする。箸だけで千切れるほど、豚は柔らかく煮込まれている。噛むと脂がジュワッと広がった。このしょっぱいスープには、この脂がまたよく合う。
そしてクドくなった口内を、キクラゲで中和する。食感が違うのもいい箸休め。非常によく考えられた組み立てだ。

※三田村トレーナーは
01〜60 残した
61〜85 頑張って食べきった
86〜99 ごちそうさまです!
00 ???
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 21:49:03.41 ID:PZVCt/vY0
448 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 22:03:48.48 ID:Rzszyc7VO


「ごめんなさい、やっぱり忠告に従うべきでした……」

店を出ると、三田村嬢が申し訳なさそうに頭を下げた。結局半分強を食べた所でギブアップし、その分は私が食べたのだった。

「いや、最初からはなかなか難しいですよ。にしても、なぜ普通盛りを」

「それは……せっかくだから、同じものを食べてみたかったんです。でも、ご迷惑をおかけすることに……」

「ハッハッハ、この程度なら問題ないですよ。食べた分はトレーニングで燃焼させればいいだけのこと。
むしろ筋肉が喜んでくれたので、これはこれで問題ありませんな」

「フフッ、やはり、天王寺トレーナーは優しいですね」

「……優しい?」

「ええ。いつも人のことを第一に考えてくれます。キタちゃんのリクエストにも、なんとか応じてくれようとしましたし」

「そうですよ!本当に美味しかったです!!今度、お父ちゃんにもお店を紹介してあげたいくらいです!!」

キタサンブラックがピョンと飛び跳ねた。

「そうか、気に入ってくれたならよかった。……さて、まだ昼前だがどうする?休日だし、どこかに寄ってもいいが」

※その時……

01〜35 電話が鳴った
36〜70 じゃあ、せっかくだし中華街へ!
71〜90 えへへ、実は……
91〜00 誰か登場
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 22:04:23.06 ID:9s/1Jwt0O
そろそろ何か起きよう
450 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 22:23:21.88 ID:Rzszyc7VO


その時、電話が鳴った。……知らない番号だ。


何か胸騒ぎがする。スマホの通話ボタンをタップした。

「もしもし、天王寺ですが」


『久し振りだな、天王寺』


少し高めの、男の声がした。この声には、聞き覚えがある。……まさか。しかしどうやって?


「……あなたは」

『オイオイ、忘れたのか?まあ10年以上も会ってないから仕方ないか。それとも、俺のような人間は取るに足らないか』

間違いない。この、皮肉めいた言い方。この男は。


「……芹沢さん、ですね」


『やはり覚えていたか。まあ、さっきのは冗談だ。トレセン学園に来たら、お前は外出中と聞いてな。それでトキノ……じゃなかった、駿川君に電話番号を聞いて、連絡を取ってみたというわけだ。今、どこだ』

「元住吉です。戻るまでは、1時間以上かかるかと」

『元住吉……ああ『豚星。』か。大方チートデイってとこだな』

行動パターンを当てられている。いや、むしろ驚くべきはその知識だ。何年も日本を離れていたのに、有名店の情報が頭に入っている。

「流石、ですね……どうして電話を」

01〜50 お前に紹介したいウマ娘がいる
51〜95 いや、声を聞きたかっただけだ
96〜00 この後、飲みに行かないか
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 22:25:31.56 ID:JVVHeIHd0
452 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 22:34:36.68 ID:Rzszyc7VO

『いや、声を聞きたかっただけだ。俺もこの後、用事があるんでね。
何より、デートを邪魔するほど無粋じゃない』

クックック、という笑いが聞こえてきた。

「用事?」

『そうだ。まあそれはいずれ分かる。まだ着任までは間がある。その時になったら、また会おう』

そう言うと、一方的に電話は切られた。

「誰、ですか?」

心配そうに三田村嬢が訊いてきた。

「芹沢さん、です。今トレセン学園に挨拶に来たと。用事はそれだけのようでしたが」

「本当に、それだけですか」

ただ事ならぬ気配を察したのだろう。私は彼女に微笑みかけた。

「ええ、大丈夫です。……とりあえず、場所を変えましょうか」



その後、私たちはひとしきり中華街とみなとみらいで遊んだ。だが、心はどうにも晴れなかった。


何故芹沢さんは、私に連絡をしてきた?そしてなぜ、休日のトレセン学園を訪れていた?


それが分かるのは、しばらくしてのことだ。


第9話 完

453 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 22:37:00.25 ID:Rzszyc7VO
今回はここまでです。

予告した通り、4月から更新頻度が落ちます。
リサーチもしにくくなりますが、その点ご容赦下さい。
(都内特定箇所周辺は行きやすくなりますが)

次回のウマ娘を決めます。安価下1〜5でコンマが最も大きいものとします。
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 22:45:41.50 ID:JVVHeIHd0
ゼンノロブロイ
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 22:48:49.81 ID:a3jsqwPGo
おつう
ついに登場したなラハゲ……!

安価はシリウスシンボリ
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 22:51:04.41 ID:7zXZCFZ0o
ナリタブライアン
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 22:51:56.23 ID:FGmekT0DO
サイレンススズカ
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 22:57:16.21 ID:htFA6YAGo
サイレンススズカ
459 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/20(日) 23:17:14.48 ID:Rzszyc7VO
シリウスシンボリに決定します。

続いてテーマを決めます。安価下1〜5で最もコンマが高いものです。
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 23:19:10.63 ID:KEn7KePUo
海神
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 23:22:32.12 ID:PZVCt/vY0
豚骨
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 23:23:14.48 ID:htFA6YAGo
豚骨
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 23:28:08.92 ID:9s/1Jwt0O
むぎとオリーブ
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/20(日) 23:30:09.29 ID:2E/69pZPO
鶏白湯
465 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/21(月) 00:13:28.10 ID:EMvYMYFvO
むぎとオリーブにします。
ここなら実食は楽ですね。

更新は多分来週です。
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/21(月) 00:35:31.90 ID:kbwgvdoPo
おつでした
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/21(月) 06:30:05.05 ID:XM0C+jssO
ゾロ目だったのに、成功じゃないんかーい

後三田村さんと間接キスなのに、誰もその事を指摘してねーし
468 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/21(月) 09:29:15.76 ID:VLBVNdxvO
>>467
今回はゾロ目は00以外何もなしです。ご容赦下さい。
間接キスの件は意図的です(ハゲからの電話でイベントがなくなってますが)。
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/21(月) 12:52:17.34 ID:hCjvmmI2o
おのれハゲ!()
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/24(木) 11:26:51.68 ID:dz9KEzXxO
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
471 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/26(土) 20:20:23.18 ID:hkcM+VCQO
更新は多分明日です。
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/26(土) 20:23:25.25 ID:tc4EzctLo
おけー
473 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/27(日) 17:26:05.48 ID:BoA16JXGO

「……ふう」

私はバッグを机に起き、軽く息をついた。名古屋から日帰りでの強行軍は、流石に少々疲れる。
既に辺りは宵闇に包まれていた。高松宮記念後のライブと簡単な祝勝会を終えたバクシンオーは既に寮に帰させている。
私も自宅に戻ればいいのだが、生憎学園でやることがあった。


10年前、芹沢達也に何があったか。
過去の資料を、できるだけ目立たずに調べるには、深夜も押し迫ったこの時間帯しかない。


当時、私も学園にはいた。ただ、当時の真相は、ほとんど分からずじまいだ。
学園上層部が揉み消したというのがもっぱらの噂だ。だが、その上層部も秋川理事長の着任と共に一掃された。

かつて、ウマ娘の親族には裏社会の人間もいた。一部では八百長じみたことも行われていたという。
それを浄化し、今のような形に変えたのは秋川理事長だ。ウマ娘としては大成しなかったが、政治力を活かし巧みに今のトレセン学園を作り上げた才媛と言える。
見た目こそ幼いが、実年齢は私より上と聞く。ああ見えて、なかなか肚の底が読めない人だ。

そんな彼女が今芹沢さんを迎え入れる意図はどこにあるのか。そもそも、なぜ芹沢さんはハメられたのか。
それが分からないことには、彼がこれから何をやろうとしているのかも把握できない。
理事長に直接聞こうとも思ったが、彼の話は理事長も駿川嬢も避けているような気がした。恐らく、今の手持ちの材料では答えてはくれまい。そんな予感がした。

「……にしても、難儀だな」

資料はやはり乏しかった。当時在籍していたはずの生徒の名簿は、所々歯抜けになっていた。恐らく、芹沢さんに関連するウマ娘なのだろう。
特に高等部のものが酷い。当時の彼は高等部担当だったから、それに由来するものとは思うが……


「助けてやろうか?」


ハッと部屋の入り口を見た。そこにいたのは……


「シリウスシンボリ!!?」


ニヒルな笑みとともに、彼女はそこにいた。


474 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/27(日) 17:48:08.78 ID:BoA16JXGO

「どうして君がここに??というか、この時間ウマ娘は学園には入れないはずだぞ。どうやって寮を抜け出した」

「私にとって寮を抜け出すのはさしたる問題じゃない。そしてここに入り込むのも」

「手段を聞いているんじゃない。理由を聞いている」

彼女に近付くと、おどけたように手を上げた。

「おっとっと。ウマ娘にも腕力で勝てる天王寺トレーナーに襲われたら、私も敵わないかもなあ。
深夜に校舎で二人きり、私が大声を出せばセキュリティが飛んでくる。さあどうする」

「私を脅すのか」

「冗談だよ。私がアンタのとこに来た理由はちゃんと話す。協力してくれさえすればだが」

「……協力?」

「知りたいんだろ?芹沢達也のことさ」

血の気が引くのが分かった。動きが固まった私を見て、シリウスシンボリがクックックと愉快そうに笑う。

「……どうしてそれを」

「ルナの弱みでも握れないかと色々探っててね。あいつ、春に卒業できるはずだったのに何故か居残りやがった。大学に籍を置きながら、だがな。
アイツが理に適わないことをするわけがない。で、ピンと来たのさ。『これはこの春から戻ってくる、芹沢達也とかいうトレーナーに関連することに違いない』ってね」

「まさか君も、芹沢さんのことを探っているのか」

「10年前の事件のことなら、正攻法で調べても無駄だぜ。昔のトレセン学園のスキャンダルに関わることだから、理事長が完全に資料を消してる。
あんたがそうやって調べ物をしても無意味ってことさ。裏には裏の調べ方がある。
東大卒のお坊ちゃんであるあんたにゃ、それは無理ってものさ」

シリウスシンボリは笑いながらポンポンと部屋の中にあるベンチプレスを叩いた。

「何故君が芹沢さんのことを探ろうとしている」

「ルナは基本的に事勿れ主義だ。だが私は知っての通りそういう窮屈なのは嫌でねぇ。自由な学園の実現のためには、芹沢って奴に協力を仰ぎたいってとこさ。
だが、えらく偏屈で癖のある奴でもあるらしい。だから、私としても、奴の情報は知りたい」
475 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/27(日) 18:14:41.64 ID:4iD45xq8O


シリウスシンボリは挑戦的な笑いを浮かべている。私は思わず眉をひそめた。


トレセン学園には「問題児」と呼ばれるウマ娘が何人かいる。その多くは「トラブルメーカー」という意味だ。
ゴールドシップはその代表と言える。海外留学中の「あの2人」も同じベクトルだ。
ただ、彼女らは学園の秩序に挑戦するようなスタンスではない。あくまで好き放題やった結果がトラブルになっているだけだ。

シリウスシンボリは違う。彼女は明らかに「異物」だ。
彼女の親族がどういうものかは詳しくは知らない。ただ、相当な富豪……それも裏に近い立場の富豪であるらしいとは聞いていた。
そして、彼女はシンボリルドルフと何度も衝突してきた。昔馴染みとのことだが、犬猿の仲であるのは周知の事実だ。

そんな彼女が何を考えているのか。恐らくろくなものではないだろう。
むしろこの素行でよく今まで退学処分になっていなかったものだ。


私は溜め息をついた。


「君一人でやればいいだろう」

「いや、芹沢達也の知人で、ある程度心を許す存在であるアンタがいた方がスムーズに話が進むってもんさ。だからここに来た」

私は「必要ない」と言い掛けて止まった。


……芹沢さんは復讐を考えている。それはどういうものだ?
そしてそれが、トレセン学園を揺るがすものだとしたら?シリウスシンボリは、それを止めるためにここに来たのではないか?


断るのは簡単だ。だが、恐らく協力なしで芹沢達也の過去と狙いを知ることは、不可能に思えた。
彼女としても、芹沢さんに近付くには、私の力が必要なのだ。

「……分かった」

シリウスシンボリの笑みが深くなった。

「いいねえ。アンタなら分かってくれると思ってた。とりあえず、情報屋に会いに行く。明日、銀座6丁目の『Seraphim』というバーだ」

「情報屋?」

「私の家はまあ丸めて言えば『セキュリティーサービス』だ。このトレセン学園にも、私の実家の力は及んでる」

「セキュリティーサービス」……なるほど、そういう家か。

幸い、明日はレース明けのバクシンオーはトレーニングを休む。カレンもまだ本格的なランニングの許可は下りてない。

「……了解だ」

「ついでと言っちゃなんだが、一杯馳走してくれ。今回の依頼料代わりだ」

シリウスシンボリが、ニヤリと口の端を上げた。
476 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/27(日) 18:15:09.92 ID:4iD45xq8O



第10R 「むぎとオリーブ」



477 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/03/27(日) 18:29:27.73 ID:4iD45xq8O
一時中断します。オリジナル設定が多くすみません。
シンボリルドルフとシリウスシンボリの正確な関係は現状不明ですが、次回更新時にその辺りのオリジナル設定が出ますのでご注意下さい。
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/03/27(日) 18:45:11.20 ID:HVgJZ3vBo
おつです
ダークイケメンすこ
479 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/02(土) 18:50:50.56 ID:K4n9RmFgO
更新は明日です。
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/02(土) 19:48:39.13 ID:ivFUy7s1o
りょ
329.31 KB Speed:0.6   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)