京介「あやせ!シスカリやろうぜシスカリ!」あやせ「はぁ!?」

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97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 01:35:03.19 ID:XU4aPPx90
黒猫「ただの魔女としての勘だし、鵜呑みにしろとは言わないけれど」

黒猫「少なくともそれだけの原因でスイーツ(笑)2号が貴方にそんな事を口走るとは思えないって…それだけよ」

黒猫「ついこの間も言ったでしょ?あの子、少し機嫌悪そうだったって」

京介「……あ、まぁ…言われて、みれば」

黒猫「堪忍袋の尾が切れたのは、その諸々が積み重なった結果じゃなくて?」

京介「も、諸々でせうか…」

黒猫「とにかく、嫌われた原因がどうであれ、今後あの女との関係をどうするのかであれ…」

黒猫「何にしても貴方の勝手でしょうけど付けてしまったツケを払う位はしないと後味が悪いでしょう?貴方も、彼女もね」

黒猫「改めて話し合ってみたら?まぁ、話すだけが解決への糸口とは限らないでしょうけど」

京介「そうか…うーん、でもな」

京介「何というか、心当たりが無さすぎるというかありすぎるというか…」

京介「普段なら蹴りの1発位でなぁなぁにしてくれるあやせがここまで根に持つ位だからかなりやらかしてはいる筈なんだが…」

京介「こう、言い方はアレなんだが何をどう謝りゃいいのか俺にはよく分からん」

沙織「では京介氏は自分があやせ氏に対しどんな罪を犯したのか、具体的に答える事はできるでござるか?」

京介「そうだな…」

京介「プロポーズを今月5回もしたし、あやせの谷間を多分10回は見たな…跡そうそうどさくさに紛れて手を握ろうとしたり…」

黒猫「…」

沙織「京介氏…」

京介「な、何だ!その目は!何かその可哀想な生き物を憐れむような目で見る目は!!」

黒猫「いえ、ただ早急に浄化する必要性があるなと思っただけよ」

京介「人を悪魔扱いにするのはよしてちょうだい!!」

黒猫「そうして欲しいなら人として最低限の道徳心を持って相手と接するようにしてちょうだい」

京介「善処しまふ…」

沙織「収集がつかないでござるなぁ…」

98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 15:53:22.37 ID:XU4aPPx90
黒猫「もしあの子が怒っている理由がどうしも分からないというのなら…」

黒猫「『何故怒っているのか』ではなく『何をしたら悲しむのか』を考えてみたら良いんじゃないかしら」

京介「それってほぼ同じじゃね?」

黒猫「似て非なるものよ」

黒猫「それに、こちらの方が幾分分かりやすいでしょう?」

京介「…まぁ、でもな…」

黒猫「貴方達は友達なんでしょ?」

京介「…」

黒猫「出会って日が浅い私達が何を言おうと説得力に欠けるわ」

黒猫「でも貴方は違う、でしょ?」

京介「……友達、ね」

黒猫「まぁ、本当はこんな話私達なんかではなくあの渡米妹に相談すべきなんでしょうけど」

京介「っっったいにやだっ!!」

京介「隙あらば借り作って倍以上のリターン請求するぞあいつ!」

京介「あんなのに頼るなんて死んでもごめんだね!」

沙織「散々な言われようでござる…」

京介「…それに、あいつはさ…」

京介「知らねぇ土地で、誰にも頼れねぇで…1人で弱音吐かずに頑張ってんだ」

京介「兄がそんな妹に頼ってどうする」

沙織「…ごもっともな話でござる」

京介「何だかちょっと…ほんのちょっぴりだけど元気が湧いてきたわ」

京介「ありがとな、黒猫、沙織」

黒猫「別に…私はシスカリしたいだけで貴方の心配を…」ブツブツ

沙織「拙者はほぼ出る幕が無かったでござるが…」

京介「それでもちゃんと話聞いてくれるだけでも安心するんだよ」

京介「お前らには感謝してるんだぜ?」

沙織「いや〜それ程でも〜うへへ」

京介「…あやせが嫌がる事……か」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/12(水) 15:23:09.96 ID:tXJ1JzPX0
キーンコーンカーンコーン

京介「ふああ…ぁあ」

京介(とは言ってもあいつが嫌がる事ってなんだ?)

京介(やっぱりセクハラか?セクハラなのか?)

京介(ただただセクハラの度が過ぎただけなのか?)

京介(逆にそれ以外であやせの機嫌損ねた事は無い…筈。俺が見る限り)

京介(精々桐乃のオタク趣味がバレた時位だわなぁ)

京介「うーん…」トントン

赤城「おいどうした高坂。浮かない顔して」

京介「あ?いや…ちょっと考え事をな」

赤城「ほほう成る程成る程…さてはお前田村さんに愛想を尽かされたなぁ?」

京介「はぁ?」

赤城「そりゃまぁ仕方ねぇよ。お前いっつも田村さんに冷たかったんだもん」

赤城「最近部活にも入りやがって一緒に居る時間も減っちまっただろ?馬鹿だなぁ」

赤城「せめて田村さんも誘うとかよぉ…」

京介「待て待て待て。お前は色々と誤解をしている」

京介「別に俺は麻奈実とそういう仲じゃねえし、かと言って仲が悪い訳でも無ぇし、ゲー研はそれこそ無理矢理付き合わせる訳にはいかねぇだろうが」

京介「麻奈実はそういうの興味0だし」

赤城「んな事はねぇだろうよ」

赤城「内容とか関係なく田村さんはお前と楽しく部活でイチャイチャしたいって思ってるぜ?きっと」

京介「無い!断じて無い!天地が100回ひっくり返ってもあり得ないね!」

赤城「てめ…そういう事言うからなぁ…」

京介(あー、面倒くせ。また赤城の悪い癖が発動しやがった…)ガミガミ

京介「……」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/13(木) 21:02:01.85 ID:qPVX0qpR0
京介「…なぁ赤城」

赤城「あ?」

京介「女の子がキレやすい事って何かね」

赤城「はぁ?何の話だそりゃ」

京介「いやそのまんまだよ。訳もなく突然ふてくされちまってんの」

京介「……と俺の友達が言っていた」

赤城「…ほぉ…へぇ、そうかそうか」

京介(あ、ダメだ誤魔化せてないわこれ)

京介「んだよその訳知り顔は」

赤城「いやぁ?別にぃ?」

赤城「無粋な漢でも時が流れりゃ成長するもんなんだなと」

京介「しばき倒すぞ」

赤城「お〜?そんな態度取ってもいいのかぁ?」

赤城「愛する田村さんの心取り戻したくねぇのかよ」

京介「愛してねぇし心を鷲掴みした事もないわ!」

赤城「…」

京介「いや!愛してる!心の底から愛しております!」

赤城「よーしよしよし。お前の覚悟は受け取った」

赤城「相談に乗ってやろう」

京介(こいつロクな死に方しねぇぞ。いや俺がさせねぇ)
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/13(木) 21:25:14.73 ID:qPVX0qpR0
赤城「で、何だその悩み事とやらは」

京介「いや、さっき言った通りなんだけど」

赤城「へ?」

京介「だから、突然女の子がブチ切れて口聞かなくなってくれたんだよ!それだけだ」

京介「それで…どうして怒ってんのかな、と」

赤城「いや意味わかんねぇよそれ…いや分かりはするけど」

赤城「そん時の状況を詳しく言ってくれなきゃ答えようがねぇよ」

京介「いや、それは…その…その時の事で怒ってるわけじゃねぇっていうか…なんつーか」

赤城「はぁ?」

京介(2人でエロゲーやってる最中に言い合いになったなんて言えるわけがない…!)

京介「だからその…一般的な女の子が敏感な所というか…デリケートな部分っつーの…」

赤城「…一女子のベターな地雷って事か?要するに」

京介「まぁ多分、そういう事だと思う」

赤城「っかぁ…内容が抽象的すぎるし第一そんなもん俺に聞いてどうするんだよ」

京介「お前が事あるごとに茶々入れてくるからそういうのに詳しいと思っただけだよ」

赤城「んな訳ねぇだろ…俺は彼女いない歴=年齢だぞこの野郎…」

赤城「お前と住む世界のレベルが違うんだよ!くそぉ」

京介「……威張って言うもんじゃねぇしむしろ自虐ネタだしというかそんな台詞どっかで聞いた事あるな…」

赤城「まぁそうだな…カップルでよく揉める事っつーとやっぱり忘れ事じゃねぇの?」

京介「記念日ぃ?」

赤城「ほら、初めて手を繋いだ日〜とか初めて遊園地に行った日〜とかよ」

赤城「女子ってそういう些細な事にも神経尖らせてるもんだぜ?」

京介「はぁ…そうかいそうかい」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/01/13(木) 21:27:44.65 ID:qPVX0qpR0
>>101
赤城「まぁそうだな…カップルでよく揉める事っつーとやっぱり記念日とかの忘れ事じゃねぇの?」

って事でお願いします
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/14(金) 12:36:59.05 ID:8UrSKzym0
スタスタ…

京介「っはぁぁ…」

京介(あれから色々聞いてはみたもののどれも当てはまりそうにねぇなぁ)

京介(あの役立たず…ただ恥晒しただけじゃねぇかよ…)

京介「やっぱラブタッチの事謝るしかねぇのかなぁ…門前払いされそうだけど」

京介「……」サッ

京介「い…いかんいかん。あん時の名残でラブタッチ熱が蒸し返しそうだ…」

京介「…………あやかたんに癒してもらおうかな…もうこれ」

京介「綺麗さっぱり忘れた方が…」プルルル

京介「あ…?誰からだ…」パカッ

京介「…麻奈実か」ピッ

京介「もしもし?」

麻奈実『あっ…京ちゃん。部活終わった?』

京介「おう。今帰ってるとこ」

京介「悪いな。いつもなら途中まで一緒について行ってやってるんだが」

麻奈実『ううん。いいのいいの。京ちゃん黒猫さんとか他の皆と仲良くやれてて何よりだし』

麻奈実『そういう京ちゃんこそ、帰る時に寄り道ばかりしてるんじゃないのかな〜とか迷子になっちゃってるんじゃないかな〜って私心配してるんだよ?』

京介「お前は俺のお袋か」

麻奈実『うん!』

京介「うん!じゃねぇわ!即答すな!」

麻奈実『えへへ〜。やっぱり京ちゃんとお話してると楽しいな〜』

京介「……で、何だ?わざわざそんな事言う為に電話かけてきたんじゃねぇだろ?」

麻奈実『あ〜……えっと、あのね、京ちゃん…』

麻奈実『あやせちゃんの誕生日なんだけど…』

京介「………え?」

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/15(土) 17:49:21.85 ID:fjUqGAXR0
麻奈実『…その様子だと…やっぱり知らなかったんだ』

京介「そりゃおま…知ってる訳無いだろ。そういう間柄でもねぇし…」

京介「桐乃はいねぇし、加奈子とも滅多に会わねぇし…」

麻奈実『今月の初め…5/2ね、あやせちゃんの誕生日でそれで…』

麻奈実『あやせちゃんすご〜く楽しみにしてたんだけど』

麻奈実『それから話す時ちょっと元気無いなぁって思って…その時は気にしてなかったんだけど…』

麻奈実『まさか…って思ってね』

京介「え?いやいや初耳だよ俺!?」

京介「麻奈実知ってたの!?」

麻奈実『うん。ウチのお菓子をプレゼントしたんだ〜』

京介「嘘だろ…なんで俺に教えてくれなんだ!?」

麻奈実「だって…京ちゃんの事だから知らない筈無いだろうしん』

麻奈実『そういう事に首を突っ込むのは無粋かと思って触れてなかったんだよ…』

京介「変な所で気使うねお前!」

麻奈実『へ、変な所じゃないよ…だって京ちゃんにとっては大事な…』

京介「あーもう、分かった!分かったから!」

京介「とにかく教えてくれてサンキューな。ちょっと考えてみるわ」

麻奈実『え?そ、そう…ならいいんだけど』

京介「それじゃあな」

麻奈実『うん。じゃあね』

ピッ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/15(土) 21:02:40.57 ID:fjUqGAXR0
京介「…知らなかった……あやせの誕生日今月だったのかよ…」

京介「沙織のプレゼントとか部活の出し物で手一杯でそんな事想定してなかったぞ…」

京介「部活始めてあやせと会う回数少なくなったのも丁度そこら辺だったからなぁ…てっきりそれ絡みで機嫌損ねてるのかと…」

京介「あの野郎の助言もあながち間違ってなかったって事かよくそ!」

京介(にしてもどうしたもんか…)

京介(今更何か言っても聞いてもえるかどうか怪しいし、遅ぇし…)

京介(というかあやせがそんな事で拗ねるか?普通…)

京介(別にそんな事知らなくてもおかしくないしというか知ったら知っていたで『キモ!通報します!』の一点張りな気もする…)

京介(考え過ぎじゃないか?わざわざ蒸し返す事は……)

京介「……でもそんな事言い訳にしてなぁなぁなされる方が嫌、かなぁ…」

京介「少なくとも俺は気分悪くなる…かも」

京介「何か文句は言われるかもしれねぇけどこの間の詫びも含めて何か渡すか…」

京介「……女の子への誕生日プレゼントね……」

京介「さっぱり分からん!」クワッ

京介「せめてあやせの好きな傾向が分かりゃなぁ………」

京介「………またあいつかぁ?」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/17(月) 03:00:09.51 ID:2IRUW/lq0
加奈子「っかぁぁ…疲れた」

加奈子「ライブはまぁいいんだけどさぁ…っぱあのオタク共の相手すんのは精神的に来るわぁ…」

あやせ「お疲れ様、加奈子」

加奈子「あ〜、あやせー、茶ー」

あやせ「自分でやりなさい」

加奈子「けっ。ドケチ」

あやせ「加奈子ぉ?」

加奈子「さ、さぁてとかなかなちゃんはそろそろ支度を済ませてお家へ帰らなければいけない時間なのです〜」ガサゴソ

あやせ「寝惚けたこと言わない!今日は先方へのご挨拶もあるでしょ!?」

加奈子「え〜マジ?知らねぇwww」

加奈子「加奈子そういう暗記モノ無理なんだわ」

あやせ「昨日もここに来た時も散々予定確認したでしょうが…」ググッ

加奈子「ってかめんどいからキャンセルしていい?それ」

あやせ「いい訳ないでしょ!!いい加減にしないと蹴り殺すよ加奈子!!」

加奈子「まぁまぁそうカリカリしなさんなって…」

加奈子「彼氏に振られたが何かしんねーけどさ、あれだべ?」

加奈子「最近キレ気味っしょ。怒るとシワ増えるべ〜」

あやせ「余計なお世話だよ…!」

あやせ「はぁぁ…なんで私が加奈子のプロデューサーみたいな事してるんだろう…」

加奈子「プロデューサーっつーかもはやオカンだわなw」

あやせ「か〜な〜こぉぉおお!?」

加奈子「おっ」プルルルル

加奈子「もしもし〜」ピッ

あやせ「…っ〜」

加奈子「うん?うんうん」

加奈子「あ〜いいよ。加奈子その日空いてるし、うん」

あやせ(誰と話してるの…?)

加奈子「うん、かしこま〜。ほんじゃまたね〜」ピッ

あやせ「…加奈子、今かかってきたの誰?」

加奈子「ん〜、デートのお誘い」ガサゴソ

あやせ「へ〜そうなんだ。デートね…デー

あやせ「はあああああっ!?」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/17(月) 13:15:12.75 ID:2IRUW/lq0
〜数日後〜

あやせ「………」

あやせ「」キョロキョロ

<ママーヘンナヒトイルー
<シラナイフリシトキマショ

あやせ(くっ…マスクにサングラス…ブカブカの帽子…)

あやせ(側から見ればただの変質者じゃない…)

あやせ(で、でも加奈子がデートなんて言うから…)

あやせ(というか加奈子の男友達なんて聞いた事無いし)

あやせ(まさかとは思うけど…)

あやせ「……っ!居た…」

加奈子「あー、まだかなぁ」

ダダダ

加奈子「ん?」

京介「すまねぇ!遅れて悪かった!」

加奈子「んいや。加奈子も今来たとこだし気にすんな」

あやせ(やっぱりぃぃいぃ)

あやせ(お兄さんの馬鹿ぁっ!わ、わわ私を差し置いて…)

あやせ(……ふんっ!べ、別にあんなキモオタドスケベセクハラ野郎なんかに興味無いし?)

京介「で、今日はどこから回るんだ?」

あやせ「……」ジーッ

加奈子「んーと…」

あやせ(…き、聞こえない…!流石にこの距離からじゃ聞き取れない…)

あやせ(かと言ってこれ以上近づくのも…)

京介「じゃ、行くか」

加奈子「おー!」

スタスタ

あやせ「あっちょっ…待って!場所聞けてない!」ダダッ

<ナニアレストーカー?
<コエー
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/18(火) 17:49:44.54 ID:O/VmqHkx0
加奈子「これとかどーよ」

京介「うーん…」

京介「ちょっと地味…というかもう少しこうなんつーかなぁ…」

京介「日常的に使えそうなやつがいいんだよなぁ。ただのプレゼントとしてのプレゼントじゃなくてよ」

加奈子「注文細けぇな…」

あやせ「」ヒョコッ

あやせ(内容はあまり聞き取れないけど…)

あやせ(2人で楽しく買い物してる……っ)グググ

あやせ(あの加奈子が!男っ気が微塵も無いあの加奈子が!異性の人と戯れてる…)

あやせ(何よりその相手がお、おおおに、お兄さんだなんて…)

あやせ(私が駄目だと分かった途端他の女に移るなんて本っ当に最低です!!)

あやせ(………楽しそうだなぁ、本当に)

加奈子「なー腹減った。飯行こうぜ飯」

京介「そうだな。何処がいい?」

加奈子「お?奢ってくれんの?」

京介「お前にゃ色々世話になってるからな。この位しねぇと」

加奈子「へへ〜。マネージャーには色々貸しを作ってやってるからなぁ」

加奈子「飯の1杯や2杯で精算できると思うなよ〜?」

京介「一応忠告するがそうやって調子乗って食いまくるとブクブク太るぞ〜?」スタスタ

加奈子「んだと〜!?加奈子は成長期真っ盛りのアイドルだからいくら食っても良いんだよバーロー!」スタスタ…

あやせ「…」<マテー!
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/19(水) 18:29:58.84 ID:0OX8gG420
スタスタ…

あやせ(…あれからもう5時間以上街をぶらぶらしてるけど…)

あやせ(まだ買い物するの…?)

あやせ(というか回ってる店舗の数の割に全然買ってないけど…)

加奈子「なぁ〜いい加減決めろよな〜」

加奈子「優柔不断な男はモテないべ?」

京介「そうは言ってもよ…」クシャクシャ

京介「なんというかどれもピンと来ねぇんだよ」

加奈子「加奈子が選んでやってるモン全部そうやってケチつけてんじゃねーかよ!」

加奈子「あたしだって真剣に考えて提案してやってんだぜ?」

京介「いや、分かってるし滅茶苦茶ありがたいんだよ、正直助かってる」

京介「でも、最低限俺の中のあやせが納得しねぇんだ」

加奈子「はぁ?何言ってんのお前…」

京介「とにかく、これじゃ駄目なんだ。もっとこう…あいつが満足してくれるような物じゃねえと…」

加奈子「……まぁ、気持ちは…分からなくもねぇけどよ」

加奈子「そうは言ってももう夜だべ?そろそろ閉まっちゃうお店も出始めるけど」

京介「…まぁ、そうだな」

京介「加奈子、お前はもう今日帰れ」

加奈子「はぁ!?なんで!?」

京介「親御さんが心配するだろ?流石にこれ以上俺の用事に付き合わせられねーよ」

加奈子「付き合わせるって…何水臭い事言ってんだよ!別に多少遅くなったって姉貴にいくらでも言い分作れるしよ…」

京介「それでも、これ以上お前の迷惑をかけたくねぇ」

加奈子「……何だよそれ…」

あやせ(…何か、喧嘩してる?)

加奈子「へいへいわーったよ。邪魔者はとっととトンズラするに限るね」

京介「いやおま…そういうつもりじゃ!」

加奈子「どうだか、人を1日パシリにしてその言い草は流石のいしもどうかと思うね」スタスタ…

京介「ちょっ待てよ!」

加奈子「……」スタスタ
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/19(水) 18:44:54.17 ID:0OX8gG420
京介「加奈子ぉおおおっ!!!」

あやせ「ひっ!?」ビクッ

加奈子「…」ピタッ

京介「今日滅茶苦茶楽しかったからなぁぁあっ!!」

京介「また頼むかもしれねーけどよろしくなぁああっ!!!」

加奈子「………けっ」

京介「!」

加奈子「調子のいい事ばっか言いやがってあのクソマネージャー…」フリフリ…

京介「…手を振ってくれるって事はまぁ、そういう事なんだろうな」フリフリ…

加奈子「…ったく……」

加奈子「?」チラッ

あやせ「……………」

加奈子「…」ジーッ

加奈子「気のせいか。あやせみてーな奴が居ると思ったんだけど」

加奈子「ま、人のデートにコソコソ尾けるようなキメー奴じゃねーしなアイツ」スタスタ…

あやせ「…そっか…」

あやせ「やっぱりお兄さん、私の事忘れたいんですね」

あやせ「私との思い出、無かった事にしたいんですよね…」

あやせ「そうですよね…私お兄さんに酷い事ばっかりして……」

あやせ「私なんかと……もう関わりたくないですよね………」ポロボロ…

あやせ「…帰ろう」ゴシゴシ

あやせ「加奈子もお兄さんと仲良くなってくれれば私の負担も減るし、2人とも幸せだもんね、そうだよね…」クルッ

あやせ「これでいいんだ……これで………」

111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/20(木) 18:19:24.44 ID:3aCWji+A0
ガシッ

あやせ「えっ…」

京介「お前…あやせか?」

あやせ「………ぅ…ぅぅ」

京介「…え、あ、人違い?」

京介「すみません!誤解でし
ばぼっ!?」バキィッ
ドサッ

あやせ「気安く触るなこの変態!!」

京介「な……んだよ…やっぱりあやせじゃねえか!それならそうと早く答えろよ…本当に俺セクハラ野郎に成り下がっちゃうじゃん!」

京介「さっきチラッと見えたから急いで追いかけたんだぞ!?」

あやせ「ふん!名実ともに立派な犯罪者予備軍じゃないですか!」

京介「予備軍で済ませてくれるあたりまだ温情を感じる俺は感覚が麻痺してるのだろうか…」

あやせ「…ごめんなさい。ごめんなさい…」

京介「へ?」

あやせ「私がいつもこうだから…乱暴で自分勝手だから……嫌気がさしたんですよね?」ポロポロ

あやせ「おまけにストーカーまがいな事して…本当に私って最低、だ…」ゴシゴシ…

京介「あやせ…泣いてん、のか?」

あやせ「あれから帰って…冷静に考えて、お兄さんにあんな酷い事を言って…」

あやせ「次お兄さんに会った時どんな顔をすればいいのかなって…なんて言葉をかければいいのかって…」

あやせ「っ考えても考えてもよく分かんなくなって…頭の中がグチャグチャになって…ひっぐ…」

あやせ「どうずればいいがなって…っ!」

京介「……ああもういいって!そんなに泣くな」

京介「眼圧上がっちまうぞ?」ナデナデ…

あやせ「え…」

京介「………ごめん!」ペコッ

京介「俺もあん時俺も淫らな思いが無かった訳では無いっつーか、なんというか」

京介「とにかくふざけが過ぎた!俺もお前を傷つけちまった」

京介「だから俺の方から…謝らせてくれ……っ」

あやせ「……」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 00:59:53.99 ID:dB7SHekU0
あやせ「…で、でもお兄さんは加奈子とデートして…私はそれの邪魔を…」

京介「は?え?何?デート!?」

あやせ「加奈子が自分からそう言ってましたけど」

京介「……あの野郎、後で覚えてろ…」

あやせ「???」

京介「…こほん」

京介「あのな、あやせ。俺はお前の誕生日プレゼント探すのを加奈子に手伝って貰っただけだ」

京介「卑しい思いなんてこれっぽっちも無いから!な!?」

あやせ「……誕生日」

あやせ「…お兄さん、私に意地悪してたんじゃなくてやっぱり知らなかっただけだったんですね」

京介「おう…その、何というか色々悪かったな」

京介「俺もあやせが機嫌悪いのはいつもの事だからってそこまで気にしてなくてよ…」

あやせ「い、いえそんな…確かにちょっと……ほんのちょびっとだけですよ!?がっかりはしましたけど…」

あやせ「……よくよく考えると教えてもいない私の誕生日を知っていたらそれはそれで怖いなと」

京介「一応知る機会とか術は何度もあったのよ!?たまたま知らなかっただけだから!」

京介「そんな目で見ないで!」

あやせ「…」

あやせ「でも、お兄さんはそんな私の為に貴重な1日を無駄に潰しちゃったなんて…」

京介「無駄なんかじゃねぇよ。デートじゃねぇけど加奈子とブラブラ歩くの楽しかったし」

京介「それにこうやってまたあやせと話せるようになったんだ。それだけでお釣りが来る位だぜ」

あやせ「………お兄さん」

京介「何はともあれ…」

京介「誕生日おめでとう、あやせ」

あやせ「…ふふ」

あやせ「もう、待ってたんですからねお兄さん」

あやせ「…ありがとうございます」ニコッ
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/23(日) 04:17:52.21 ID:9StTBFME0
スタスタ…

京介「…さっきあんな事言っといてなんだけどよぉ」

京介「本当にどこも行かなくて良かったのか?無駄足だったんじゃねぇの?」

あやせ「お兄さんがもう暗いからさっさと帰れって言うからじゃ無いですか」

京介「いやだからそれは1人での話で行きたい所がありゃ俺がついていくって…」

あやせ「お兄さんは今年受験生でしょう?夜遊びなんかしてる場合じゃありません」

あやせ「それに……お兄さんと2人きりで買い物とか、その…」

京介「その?」

あやせ「凄く気持ち悪いじゃないですか」

京介「ナチュラルに言ってくれるね!躊躇する必要あったの!?今!」

あやせ「うるさいですね…気持ち悪いものは気持ち悪いじゃないですか」

京介「うぅ…いくら俺だってそこまで言われちゃ泣くぞ…しくしく」

あやせ「…その割には顔がニヤけてません?」

京介「んなこたぁない!」

あやせ「はぁ…そうですか」

京介「……」

あやせ「……」

京介「悪いなぁ。あやせ」

あやせ「?」

京介「1日中店歩き回ったのにお前のプレゼント買ってやれなかった」

あやせ「……いつもその位謙虚でいて欲しいんですけどねぇ、お兄さん」

京介「るせい」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/24(月) 01:39:25.08 ID:6GUpbV+00
あやせ「…別に。いいです」

あやせ「こうしてお兄さんと仲直り…なのかな」

あやせ「できたし…それに」

あやせ「お兄さんが妥協せず、私のプレゼントをやっきになって探していたの…」

あやせ「私、知ってるんですから」

京介「…あやせ」

あやせ「だからいいんですっ」

あやせ「ただし、それも含めてちゃんと埋め合わせしてもらいますからね!」ニッ

京介「へいへい」

京介(…でもなぁ……やっぱり何でもいいから物として渡さないと…スッキリしねぇというか、けじめがつかないというか…)チラッ

京介「…………」ピタッ

あやせ「?どうしました?お兄さん」

京介「…少し待ってろあやせ」ダダッ

あやせ「え、お兄さ…ちょっと!?」

115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/24(月) 01:55:10.23 ID:6GUpbV+00
あやせ「…お兄さん血相変えてまた似たようなお店に入っていったけど」

あやせ「どうしたんだろう…」

ウィィ…

あやせ「!」

京介「…ふぅ。滑り込みセーフ…」

あやせ「ちょっとお兄さん!急に1人で走ってまた私を置いて一体どういう
京介「まぁまぁまぁ…たんまたんま」

京介「…ちょっとだけ目つぶってくんね?」

あやせ「はぁ!?なんで…」

京介「いいから!早よ早よ!察してくれ!」

あやせ「さ、察せって…全く意味の分からない…」グッ

あやせ「これでいいですか?」

京介「よーし…いいって言うまで開けるなよ…」

あやせ「………」

あやせ(うぅ…髪弄ってる……気持ち悪………ん?)カチッ

あやせ(何か…当たってるような…)

京介「うん、いいぞ。見てみろ」つガラケー(内カメ)

あやせ「……っ!」パチッ

京介「じゃーん」

あやせ「これって…桐乃の…」

京介「おう。まぁうろ覚えだしちょっとデザイン違ってるかもしれねぇけどよ」

京介「さっきたまたま見かけてさぁ。どうだ、綺麗だろ?ヘアピン」

あやせ「……それ普通に付けた人が聞くんじゃないんですかね」

京介「馬っ鹿お前、あやせは何着ても似合うし可愛いし天使だから最初から聞く意味無ぇだろ?」

あやせ「…うぇぇ」

京介「露骨に引くこた無いと思うよ!?」

あやせ「ふふ…」

あやせ「いえ…嬉しいですよ。桐乃とお揃い…えへへ」

あやせ「大事にしますから、私」

京介「…そっか。良かった」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/25(火) 00:10:43.43 ID:M+N8Oq080
京介(こうしてわだかまりもとけて、あやせとエロゲーを営む日々が帰ってきた)

京介(流石にラブタッチはしばらく厳禁ってきつく叱られちまったけど…まだ色々と教えられてない所もあったってのになぁ)

京介(まぁなんだかんだ色々騒がしくしてたんだが…)



スタスタ…

京介「…ふぁあああ」

麻奈実「何だかいつもよりおねむさんだね〜、京ちゃん」

京介「そりゃま、最近徹夜続きだからな…流石にあくびの1つや2つ出るわな」

麻奈実「また部活のお仕事?」

京介「そんなとこだ。あいつら…ってか赤城妹がとにかく新作出そうってうるさくてよ〜」

麻奈実「ちゃんとお勉強もできてる?最近その…京ちゃん……おおお女の子と遊ぶ事が多いから…」アセアセ…

京介「バッキャロー。そりゃ前提条件だ。この間の模試だってそれなりの成績は残してんよ」

京介「ま、油断は禁物だけどな」

麻奈実「そ、それならいいんだけど…」

麻奈実「……」

京介「?どした?麻奈実」

麻奈実「あ、ごめん。ちょっと忘れも…用事思い出しちゃった!あはは…」

京介「おいおい…まめな麻奈実が抜けるなんて珍しい事もあるんだか」

麻奈実「ごめんね〜。今日は先帰ってて!」

京介「いや今日は部活も無ぇし…普通に待つけど?」

麻奈実「だーめ。そしたらあやせちゃん待たせちゃうでしょ?」

京介「…あっ…」

麻奈実「えへへ〜。じゃあね、京ちゃん」ダダッ

京介「あ!ちょ!麻奈実!!」

京介「……っはぁぁ。なんだ、気遣わせちまったかなぁ…」ポリポリ

117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/26(水) 02:55:43.65 ID:mzDY7KnC0
プルル

京介「ん…?メール…?」パカッ

京介「…桐乃!?」ピッピッ

京介「…っ!!」

桐乃『アンタに預けたあたしのコレクション全部捨てて』

京介「捨ててって…あの馬鹿断固として連絡も寄越さなかった癖に何をふざけた事を抜かしとるんじゃ…」ピッピッ

京介「…」プルルルル

<おk
京介「メール来て即見たのに留守な訳あるか!!」ピッ

京介「どういうこった…」

プルルル

京介「はいはいはい、今度は何だ!?」ピッ

京介「あやせ…?」

ピッ

京介「へいもしもし」

あやせ「あっお兄さん!?良かった…繋がった…!』

あやせ『今喋れます!?』

京介「お、おう…かなり慌ててんな…」

あやせ『ええ。かなり急を要します』

京介「……桐乃の事か?」

あやせ『え?なんで分かったんですか!?』

京介「お前が気になる事といや9割方桐乃絡みだろ?」

あやせ『い、いえ…そんな事は…なくもないですけど』

京介「…それに、ちょっとこっちも今面倒な事が起きてな…」

あやせ『……もしかしてお兄さんにも?』

京介「まぁ多分、似たような事だな。それで、どうした?」

あやせ『私自身、桐乃と直接コンタクト取った訳じゃないですし…聞き耳立てただけですから、聞き間違いなんて可能性もあるとは思うんですけど』

京介「な、なんだよ…勿体ぶらずに言ってくれ」

あやせ『…私実は今お兄さんのお家にお邪魔しているんですけど…』

あやせ『さっき一階でお兄さんのお父さんとお母さんがなんというか…言い争ってて…』

あやせ『お父さんが言うには「桐乃に今までのトロフィーや賞状を捨てろってメールが送られた」って…』

京介「トロフィーも!?…あいつ、何考えてんだ……!?」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/27(木) 03:24:54.78 ID:6nPvRHow0
京介「それで?なんで親父がお袋と喧嘩してんだよ」

あやせ『それが…その、お義父さ…お兄さんのお父さん、仕事休んで桐乃の所へ行くって言って聞かない…らしいんですよ』

京介「あ〜…成る程」

京介「それでお袋が止めてると」

あやせ『はい…私が聞く限り、そういう事なんじゃないかと…』

京介「……まぁ、親父を説得させるのは後にするとして…」

京介「問題は桐乃がなんでこんな事言い出したのかだよなぁ」

あやせ『…』

京介「まぁその…言っちゃ悪いけどよ、『エロゲーは見られると恥ずかしいからやっぱり捨てろ!』っていうのは10億歩譲って納得してやるよ。してねぇけど」

京介「あいつの事だからそんな事絶対あり得ねぇけどよ」

京介「トロフィーとか賞状捨てたいってのは甚だおかしな話だと思わねぇ?」

京介「なんで桐乃が今まで頑張ってきた勲章とか証を捨てる必要があるんだよ…訳わかんねぇ」

あやせ『桐乃、陸上やる為にアメリカに行ったんですよね?』

京介「あ、あぁ…うん。その筈」

あやせ『もしかして、あっちで何かあって…それで……』

あやせ『それで陸上が嫌になっちゃったとか…』

京介「んな…そんな馬鹿な話があるかぁ!桐乃はああ見えてなぁ…」

あやせ『分かってます!分かってますよ!』

あやせ『桐乃は速いし、誰かに負けるとは思わないし…』

あやせ『仮に負けたとしても簡単に挫けるような子じゃないって…十分、理解してますよ…』

京介「あやせ…」

あやせ『でも…桐乃、私達にだんまり決め込んじゃって…勝手にでてっちゃって』

あやせ『それでも連絡をせざるを得ないって…相当切羽詰まっている状況なんじゃないのかなって……』

あやせ『そう思うんです』

京介「…………」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 16:57:59.89 ID:XTNoi+Ar0
京介「とは言ってもよぉ…今の俺達にはどうする事もできねぇよ」

京介「あいつは今アメリカに居るんだ。気軽に会って話せる距離に居ねぇ」

あやせ『で、でも…』

京介「勿論捨てはしねぇよ。トロフィーもエロゲも」

京介「あいつもガキじゃあるめぇし…何日か経てばほとぼりも冷めるだろ」

あやせ『そう、ですかね…』

京介「そういうもんなの。とりあえず折り入った話はまたウチで、な?」

あやせ(は、はい…』

京介「……」ピッ

京介「大丈夫だ。大丈夫。いつものあの馬鹿の気まぐれだ」

京介「放っておけばその内風化するさ…」

京介「だってあいつは、俺と違って優秀なんだから」




ガチャ

京介「たでーま」バタン

京介「…」ガヤガヤ

京介「俺学校出る前から喧嘩してるって言ってたのにまだ終わってねぇのかよ…」

京介「…?」キョロキョロ

京介「あやせの靴見当たらねぇな…」

京介「もしかして帰っちゃった?やべえ。急いで帰ってきた筈なんだが…」


120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 17:51:02.43 ID:XTNoi+Ar0
ガチャ

大介「…なんだ。帰ってきていたのか。京介」

京介「おう……まぁ、な」

佳乃「ちょっと京介!聞いて頂戴。桐乃が…」

京介「なんか色々捨てろって囃し立てられたんだろ?」

佳乃「え…何で知って…」

京介「俺も同じクチだからだよ。だから急いで帰ってきたの」

佳乃「そ、そう…まぁそれなら、良くないけど」

佳乃「それでお父さん、会社休んで桐乃に会いに行くって」

京介「はああ!?」

佳乃「同期や部下の人達にも迷惑かかるし止めろって言ってるのに聞く耳持たないのよ…」

大介「たかが1、2日抜ける程度で支障をきたすような腑抜けた連中ではない。ちゃんと了承も得た」

佳乃「そりゃお父さんが威圧かけて首を横に振る人なんて滅多に居ないってば…」

大介「とにかく大丈夫なものは大丈夫なんだ!俺の仕事先の心配などするな!」

佳乃「だったら桐乃の事を信じなさいって言ってるでしょ!あの子だっていい歳した子だし、こういう周り巻き込むような気分屋だって分かってるでしょ!?」

佳乃「しばらく様子見てれば桐乃も冷静になるだろうし…」

大介「歳がどうだろうと子は子だ!!何かなければあんなものを捨てろなんて罰当たりな発言は冗談でもせん!!!」

大介「俺には分かる!!」

佳乃「あーもう…アンタからもなんか言ってちょうだい京介!」

京介「…うーん」

121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/30(日) 00:19:55.15 ID:xnAYwBh40
>>120の修正

ガチャ

大介「…なんだ。帰ってきていたのか。京介」

京介「おう……まぁ、な」

佳乃「ちょっと京介!聞いて頂戴。桐乃が…」

京介「なんか色々捨てろって囃し立てられたんだろ?」

佳乃「え…何で知って…」

京介「俺も同じクチだからだよ。だから急いで帰ってきたの」

佳乃「そ、そう…まぁそれなら、良くないけど」

佳乃「それでお父さん、会社休んで桐乃に会いに行くって」

佳乃「同期や部下の人達にも迷惑かかるし止めろって言ってるのに聞く耳持たないのよ…」

大介「たかが1、2日抜ける程度で支障をきたすような腑抜けた連中ではない。ちゃんと了承も得た」

佳乃「そりゃお父さんが威圧かけて首を横に振る人なんて滅多に居ないってば…」

大介「とにかく大丈夫なものは大丈夫なんだ!俺の仕事先の心配などするな!」

佳乃「だったら桐乃の事を信じなさいって言ってるでしょ!あの子だっていい歳した子だし、こういう周り巻き込むような気分屋だって分かってるでしょ!?」

佳乃「しばらく様子見てれば桐乃も冷静になるだろうし…」

大介「歳がどうだろうと子は子だ!!何かなければあんなものを捨てろなんて罰当たりな発言は冗談でもせん!!!」

大介「俺には分かる!!」

佳乃「あーもう…アンタからもなんか言ってちょうだい京介!」

京介「…うーん」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/30(日) 00:30:19.79 ID:xnAYwBh40
京介「親父…いくらなんでも過保護じゃねぇの?」

大介「何だと?」

京介「お袋の言う通りさ、桐乃は自分で必要な金やりくりして自分の意思でアメリカに飛んだんだよ」

京介「そりゃ日本じゃねえし勝手が違う事もあるとは思うけどよ…」

京介「ちょっとやそっとの事でへこたれるような奴じゃねーだろ?あいつは」

大介「…」

京介「だからもう少しだけ見守ってやっても…」

大介「知るか」

京介「知るかって…おま」

大介「俺は支度で忙しい。無駄話なら帰ってきてからいくらでも聞いてやる」スタスタ…

佳乃「あっ…ちょっとあなた!」

京介「……」




ガチャ

京介「…はぁぁ」ボフッ

京介「……」ゴロゴロ…

京介「アメリカ、ねぇ…」

京介「そりゃ親父はいいかもしれねぇけどさぁ…」

京介「俺が直接会いに行くのは現実的じゃ、ねぇよなぁ…」

京介「そりゃまあ?留学黙ってた件とかあいつに聞きたい事や言いたい事はいくらでもあるけどよ」

京介「俺別に英語が得意って訳じゃねぇし」

京介「アメリカの事だって全然知らねぇし?」

京介「学校休むのも怠いし?評定に響くし?」

京介「第一俺受験生だしさぁ?そういうのに時間割くのもアレだし?」

京介「それにあいつ、俺の事心底嫌ってるんだし?行ったらむしろ迷惑だし?絶対あいつ俺の事見たらさぁ…」

桐乃『キモ!こんな所まで追っかけて来んな!死ね!帰れ!土に還れ!』

京介「って罵倒するに決まってるんじゃんねぇ…」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/30(日) 00:56:06.59 ID:xnAYwBh40
京介「…親父が行こうが行くまいが関係ねー」ゴロッ

京介「俺の知ったこっちゃねー」

京介「コレはあいつの問題なんだから」




「……介!京介!」ユサユサ

佳乃「京介!夕食もうできてるわよ!」

京介「おへ」

佳乃「ったく…帰ってきて早々寝っ転がって」

佳乃「風邪引いても知らないわよ?」

京介「わり、お袋。疲れてたのかいつの間に…」ゴシゴシ…

京介「親父は?」

佳乃「…要らないって」スタスタ…

京介「そっか……」

京介「…あやせも電話かけたっきりだし、後で色々謝んねぇとなぁ…」パカッ

京介「!黒猫……」ピッ

京介「やべえ…6回掛かってる!?」ピッピッ

プルルルル

黒猫『……何?』ピッ

京介「あ、黒猫…悪い!家帰って即寝落ちしちまったみてーでさ〜」

京介「無視してたとか、そんなんじゃねえから、な!?本当にすまん!」

黒猫『いいわよ…あなたはそういう事する人じゃないって重々承知の上だし』

京介「で、何だ?部活の話か?それともサークルで何か…」

黒猫『聞いたわよ。あの妹が何か騒いでいるらしいじゃない?』

黒猫『賞状だのゲームだのを捨てろと喚き散らしているとか』

京介「え、おま…なんでそれ……」

京介「まさかあやせが何か言ってたのか?」

黒猫『さぁ?悪いけど一々言葉を交わした下民の事なんか覚えてないの。私に聞かないで頂戴』

京介「下民て…」


124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/31(月) 04:13:10.10 ID:C5+kYw4Q0
黒猫『で、どうするの?』

京介「は?どうするって…」

黒猫『そのままの意味なのだけれど』

黒猫『まさか、あの女の言う通り妹の私物を捨てるなんて言うんじゃないでしょうね?』

京介「んな事する訳ねぇだろ!」

黒猫『あっそう…それで?結局どうするの?』

京介「は、はぁ?意味わかんねぇよ…何が言いたいんだ?黒猫」

黒猫『それはこっちの台詞よ…』

黒猫『あの生意気百リコン変態オタクが自分のゲームやグッズを捨てるって宣言しているのよ!?』

黒猫『普通何があったかとか聞きたいとは思わないの!?』

京介「そりゃそうだろ…あいつに聞きたい事も言いたい事も山程あらぁ」

黒猫『ならなんで連絡を取ろうともせずに呑気に寝惚けているのかしら』

京介「なんでって…そりゃ生理現象に勝るものなんてねぇだろ。睡魔に勝てるか!」

黒猫『はぐらかすんじゃないわよ!貴方は!学校の後輩を妹の代わりに見立てて優越感に浸って[田島「チ○コ破裂するっ!」]するような重度のシスコンでしょ!?』

京介「違う!全てにおいて違う!!」

黒猫『………』

京介「…まぁ、その…1、2割は事実…?なのかな?」

黒猫『…貴方は、今まであの女を甘やかしてきた』

黒猫『する必要も、義理も 理由も無いのに』

黒猫『本人が頼んですらいない事も勝手に自分から突っ込んで、救いの手を差し伸べた!』

黒猫『なのに…なのになんで貴方は今!見て見ぬふりをしているの!?あの子が心配じゃないの…!?』

京介「そりゃ…色々、思う所はあるけどさ」

京介「身近にいるのといないのとじゃ話が別だろ」

京介「俺は日本で、桐乃はアメリカだ。何もできねーじゃねーか」

黒猫『ええ。それが?何?』

黒猫『魔界に迷い込んだわけでもなく。地獄に堕ちたわけでもない』

黒猫『居る場所も分かって、そこへ行く手段もわかって、少し手を伸ばせばそれが可能な筈の貴方がどうして彼女に会おうとしないのか聞いてるのよ!』

京介「いや…だから行く必要がっつーかそもそも行く余裕が無いっつーか、なんつーか」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/31(月) 04:15:18.55 ID:C5+kYw4Q0
黒猫『で、どうするの?』

京介「は?どうするって…」

黒猫『そのままの意味なのだけれど』

黒猫『まさか、あの女の言う通り妹の私物を捨てるなんて言うんじゃないでしょうね?』

京介「んな事する訳ねぇだろ!」

黒猫『あっそう…それで?結局どうするの?』

京介「は、はぁ?意味わかんねぇよ…何が言いたいんだ?黒猫」

黒猫『それはこっちの台詞よ…』

黒猫『あの生意気百リコン変態オタクが自分のゲームやグッズを捨てるって宣言しているのよ!?』

黒猫『普通何があったかとか聞きたいとは思わないの!?』

京介「そりゃそうだろ…あいつに聞きたい事も言いたい事も山程あらぁ」

黒猫『ならなんで連絡を取ろうともせずに呑気に寝惚けているのかしら』

京介「なんでって…そりゃ生理現象に勝るものなんてねぇだろ。睡魔に勝てるか!」

黒猫『はぐらかすんじゃないわよ!貴方は!学校の後輩を妹の代わりに見立てて優越感に浸ってオナニーするような重度のシスコンでしょ!?』

京介「違う!全てにおいて違う!!」

黒猫『………』

京介「…まぁ、その…1、2割は事実…?なのかな?」

黒猫『…貴方は、今まであの女を甘やかしてきた』

黒猫『する必要も、義理も 理由も無いのに』

黒猫『本人が頼んですらいない事も勝手に自分から突っ込んで、救いの手を差し伸べた!』

黒猫『なのに…なのになんで貴方は今!見て見ぬふりをしているの!?あの子が心配じゃないの…!?』

京介「そりゃ…色々、思う所はあるけどさ」

京介「身近にいるのといないのとじゃ話が別だろ」

京介「俺は日本で、桐乃はアメリカだ。何もできねーじゃねーか」

黒猫『ええ。それが?何?』

黒猫『魔界に迷い込んだわけでもなく。地獄に堕ちたわけでもない』

黒猫『居る場所も分かって、そこへ行く手段もわかって、少し手を伸ばせばそれが可能な筈の貴方がどうして彼女に会おうとしないのか聞いてるのよ!』

京介「いや…だから行く必要がっつーかそもそも行く余裕が無いっつーか、なんつーか」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/31(月) 16:00:44.78 ID:C5+kYw4Q0
黒猫『……じゃあ、なんでそんな悲しそうな声出しているのよ』

黒猫『本当は今すぐ会いに行きたい位不安なんじゃないの…?』

京介「…それは…そうかも、しれねぇ…けど」

黒猫『では一体何が貴方の脚を踏み留まらせていると言うの?』

京介「……俺は、さ…正直な所、あいつにはここに帰ってきて欲しいって思ってる」

黒猫『…』

京介「あいつが1人で心配ってのは勿論あるけどさ」

京介「それ以上になんつーかさ、俺の中の何かがすっぽり空いちまった感覚があってさ」

京介「ぶっちゃけ生きた心地がしなかった」

京介「多分、あやせの言う通りあっちで何か良くない事が起こって…だから色々焦ってるんだと思う」

京介「今、俺が説得したらすんなり桐乃も戻ってくるんじゃねぇかなって…馬鹿みたいな期待してる」

黒猫『ならなんで…』

京介「あいつは…桐乃は、一度決めた事は絶対に曲げないタチでさ…」

京介「それが災いして身体ぶっ壊しちまう事もある位だけどよ」

京介「だから俺が止めてやらなきゃ…守ってやらなきゃって、その…最近はそう…思ってる、と思う」

京介「でもさ、そうしていく内にあいつが諦めちゃっていいんだって、俺みたいに自分に自信が持ってなくなって…妥協していくようになっちゃって」

京介「それこそ、後少しで手が届く所を掴んで引き戻して俺が勝手にあいつの限界を決めつけて…」

黒猫『……でも…』
京介「分かってる…分かってるよ!俺が滅茶苦茶今大袈裟なこと言ってるって!」

京介「今回留学蹴ったら2度と走れねぇなんてんなアホな話があってたまるか!」

京介「そりゃそん時はそういった奴をぶん殴って、土下座して、何をしてでもあいつをまた陸上に出させる!」

京介「でも…でもよ!俺がそういう事やっていく内にああ諦めても家族が何とかしてくれるからいっかって逃げ道作っちまって!あいつの可能性を縮めちまってんじゃねーかって!」

京介「役に立とうって…支えているつもりが逆に桐乃の足枷になってるんじゃねーかって……」

京介「俺、もう……桐乃の顔見てなんて声かけりゃいいのか…よく分かんねえんだよ……!」

京介「色々考えたら…怖くなっちまって……」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/01(火) 12:47:24.80 ID:rgUt4nNdO
黒猫『……はぁ』

黒猫『本当に馬鹿ね。大馬鹿よ、あなた』

京介「…?」

黒猫『あなたが過去にあった事とか私にはよく分からないし、知りたいとも思わないけど』

黒猫『これだけは言ってあげる』

黒猫『あなたとあの子は違う』

京介「……」

黒猫『胸を張ってしんらいできるならそれで良し』

黒猫(あなたはあの子の兄なんだから』

黒猫『妹と付き合いが1番長いのはあなたの筈なんだから、あの子の事は1番よく分かっている筈』

黒猫『何も文句は言わないわ』

黒猫『…でも、本当に僅かでも引っかかる事があるなら迎えに行ってあげなさい』

黒猫『それが彼女の為であり、同時にあなたの為でもある……』

黒猫『私はそう思う』

京介「…………………」

京介「そっか…そうだよな」

京介「俺ちょっと気が動転してた…かも」

黒猫『そう…それで?』

黒猫『答えは出たの?』

京介「……決まってんだろ」ニコッ

京介「出張版【人生相談】。上等だこの野郎!」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/01(火) 12:49:05.03 ID:rgUt4nNdO
黒猫『……はぁ』

黒猫『本当に馬鹿ね。大馬鹿よ、あなた』

京介「…?」

黒猫『あなたが過去にあった事とか私にはよく分からないし、知りたいとも思わないけど』

黒猫『これだけは言ってあげる』

黒猫『あなたとあの子は違う』

京介「……」

黒猫『胸を張って信頼できるならそれで良し』

黒猫『あなたはあの子の兄なんだから』

黒猫『妹と付き合いが1番長いのはあなたの筈なんだから、あの子の事は1番よく分かっている筈』

黒猫『何も文句は言わないわ』

黒猫『…でも、本当に僅かでも引っかかる事があるなら迎えに行ってあげなさい』

黒猫『それが彼女の為であり、同時にあなたの為でもある……』

黒猫『私はそう思う』

京介「…………………」

京介「そっか…そうだよな」

京介「俺ちょっと気が動転してた…かも」

黒猫『そう…それで?』

黒猫『答えは出たの?』

京介「……決まってんだろ」ニコッ

京介「出張版【人生相談】。上等だこの野郎!」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/03(木) 01:42:19.49 ID:yeXpvpMt0
すいません。今日はちょっとお休みです…
更新ペースクソ遅になったのに相変わらず誤植が多いですがお許しを…
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 00:52:33.95 ID:EN/e+VCJ0
コンコン

京介「親父、居るか?」

大介「何だ。俺は明日の準備で忙しい」

大介「お前の無駄話を聞く余裕など無いとあれ程…」
ガチャ

京介「ほらよ」ピラッ

大介「…何だこれは」

京介「何ってこの間の模試」

大介「……むぅ、まぁ…いいんじゃないか?それで何g
京介「ん」ピラッ

大介「…今度はなんだ」

京介「この前の中間試験の結果」

大介「…いや、うむ。お前が勉学を怠っていない事は分かった」

大介「だからなんで俺が忙しい時にこんなk
京介「」つ携帯

大介「これは…」

麻奈実『分かったよ。京ちゃんが居ない間の分の授業の内容はちゃんと私が書き留めておくから』
赤城『他でも無い親友の頼みだ。何が何だか分からんが欠席した時の勉強内容なら後でいくらでも教えてやるわ!』
赤城『ただし見返りとして瀬奈ちゃんn
ピッ

京介「…俺はよ、ちゃんと今自分がやるべき事は分かってるし」

京介「仮に迷ったとしてもちゃんと俺に道標を教えてくれる頼もしい奴らがいる」

大介「何が言いたい」

京介「ぶっちゃけそういうのって親父より俺の方が適任じゃね?」

大介「………」

大介「ふんっ!」バキッ

京介「おべふ!」ドサッ
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/04(金) 01:03:37.51 ID:EN/e+VCJ0
大介「ふん。親に対して随分な態度を取るな」

大介「何様のつもりだ?」

京介「く、いてぇ…何故急に殴るし…」

大介「あまりに苛つく態度だったものでな、つい本気で殴ってしまった」

京介「つい殴ってしまったじゃねー!それでも警察官がこのヤロー!」

大介「…はぁ、全く」

大介「お前の腑抜けた態度を矯正しようと、その石頭に拳を振るったせいで」

大介「右手が痺れて思うように動かせん」

京介「…親父……」

大介「この状態で桐乃の所まで俺が1人で行くのは厳しそうだ…」

大介「……貴様、あれだけ大口を叩いたんだ」

大介「発言に責任は、持つんだぞ」

京介「……」

京介「ったりめぇだろ!」ニコッ

京介「任せとけ!」

ダダッ

大介「…本当は他人に迷惑をかけずに休日に行けと突っ込みたい所だが…」

大介「俺も人の事は言えんしな…」

大介「全く。手間のかかる奴らだ。本当に」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/05(土) 02:01:06.27 ID:hdk6DHum0
翌日


京介「…………とまぁ意気揚々と出陣したのはいいものの…」

京介「いざ飛ぶとなるとビビってきたぞ…おおぅ」プルプル

京介「適当に荷物詰め込んでほぼ勢い任せで来ちまったからな…」

京介「えーと…荷物検査は……」スタスタ…

京介「……ん?」チラッ

あやせ「……」

京介「あ…あやせ!?」

京介「おーい、あやせ!」ダダッ

あやせ「!?お、お兄さん!?」クルッ

京介「よう」

京介「一瞬見間違いかと思ったけど…なんだ、やっぱりお前だったのか」

京介「お前その荷物……まさか」

あやせ「………」

あやせ「仕方ないじゃないですか」

あやせ「お兄さんはああ言っていましたけど、私は不安で不安で夜も眠れなくて…」

あやせ「ヘタレなお兄さんの代わりに私が迎えに行ってあげようって急いで準備してきたんですから」

京介「お前学校は…?」

あやせ「お兄さんが言えた事ですか」

あやせ「それに私ははお兄さんと違って………」

あやせ「いえ、この話は今は控えておきます」

京介「???」

あやせ「とにかく!あー…もう」

あやせ「ここまで来たら一蓮托生です!不本意ですがお兄さんについていってあげます!」

京介「よっしゃあ!夢にまで見たあやせたんとの海外旅ごおぶっ!!」バキィッ
あやせ「旅行じゃ無いだろうが!!」

<オニイサンドコニノルンデスカ?
<オレココ
<ウワッオナジキタイノトナリノセキ…
<ソリャオレタチハウンメイノアカイイトデムスバレホゴハッ!?(ドッ
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/06(日) 01:46:54.80 ID:ohRPpx2q0
〜数時間後〜



京介「……っああ!やっと着いた!」

京介「かれこれ半日以上かかっちまったけど…」

京介「来たぞ!自由な国アメリカーー!!」

あやせ「あの、恥ずかしいから大声出すのやめて下さい。冗談抜きで」

京介「お前の反応が薄すぎんだよ!お前だって来るの初めて……」

あやせ「……」

京介「…じゃないわよね。すげぇ手慣れてたもん」

あやせ「まぁ家が家ですから、何かと飛ぶ機会は何度かありましたけど」

京介「えーと、それで…確か桐乃のいる施設は確か…」ピラッ

グイッ

京介「えっおい?ちょっと!?何引っ張ってんのあやせたん!?」ズルズル…

あやせ「別に地図で調べる必要なんて無いですから。つべこべ言わず私について来てください」ズルズル…

あやせ「もう待たせちゃっているんですから!」

京介「待たせてって…いや誰よ?ここに知り合いでも居たの?」

「…あっ。来た来た」

「おーい!あやせちゃん!こっちよー!」フリフリ…

あやせ「すみませーん!少し遅れてしまいましたー!」

「…えっと…あれ、かしら」

「隣にいる人はあなたの…彼さん?」

京介「はい。私達ただ今絶賛婚約ぢゅべばっ!?」ガッ

あやせ「出まかせ言うな!!」

「あはは…まぁいいわ。貴方も乗ってちょうだい」

「つまる話はまた後で」
134 :修正版 [saga]:2022/02/06(日) 01:48:34.29 ID:ohRPpx2q0
〜数時間後〜



京介「……っああ!やっと着いた!」

京介「かれこれ半日以上かかっちまったけど…」

京介「来たぞ!自由な国アメリカーー!!」

あやせ「あの、恥ずかしいから大声出すのやめて下さい。冗談抜きで」

京介「お前の反応が薄すぎんだよ!お前だって来るの初めて……」

あやせ「……」

京介「…じゃないわよね。すげぇ手慣れてたもん」

あやせ「まぁ家が家ですから、何かと飛ぶ機会は何度かありましたけど」

京介「えーと、それで…桐乃のいる施設は確か…」ピラッ

グイッ

京介「えっおい?ちょっと!?何引っ張ってんのあやせたん!?」ズルズル…

あやせ「別に地図で調べる必要なんて無いですから。つべこべ言わず私について来てください」ズルズル…

あやせ「もう待たせちゃっているんですから!」

京介「待たせてって…いや誰よ?ここに知り合いでも居たの?」

「…あっ。来た来た」

「おーい!あやせちゃん!こっちよー!」フリフリ…

あやせ「すみませーん!少し遅れてしまいましたー!」

「…えっと…あれ、かしら」

「隣にいる人はあなたの…彼さん?」

京介「はい。私達ただ今絶賛婚約ぢゅべばっ!?」ガッ

あやせ「出まかせ言うな!!」

「あはは…まぁいいわ。貴方も乗ってちょうだい」

「積もる話はまた後で」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/07(月) 03:56:56.88 ID:YbmNf8jM0
ブルル…

京介「……えっとそれで、どちら様…なんでしょうか?あなたは」

「申し遅れました…こちらを」スッ

京介「はぁ…」つ名刺

京介「…エターナル…なんか見た事ある会社…ってか、え!?社長!?」

あやせ「藤真美咲さん。世界各国に飛び回っては様々な化粧品を開発し提供する…」

あやせ「私達の業界で知らない人は居ないと言って差し支えないでしょう」

京介「え、じゃあ…何?あれ?藤真さんはその…桐乃やあやせの上の人…って事?」

あやせ「まぁ、厳密には違いますけど…お世話になっている事には変わりませんし似たような感じなのかな」

藤真「ふふ…それにしても驚いたわよ」

藤真「興味本位で誘ってみたら、グイグイ来ちゃうんだもの。俄然やる気が出るわ」

京介「…えっと、話が上手く呑み込まないんですけど」

藤真「あ〜、お兄さん知らないんでしたっけ。あやせちゃんはね…」

あやせ「そ、その話はまた後で!ね!?お願いします藤真さん…」

藤真「ん〜、まぁそうね。あなたに伝える必要がある訳でもないし」

藤真「ただし、条件…分かっているわよね?」

あやせ「…はい」

京介「……???」

藤真「まぁまぁ、今日の所は話だけ聞いててくれればいいから」

藤真「それに……」

藤真「聞いた所、あなたの行動次第で私も方針を変える可能性が無きにしも非ず…だし」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/08(火) 04:11:34.13 ID:ZS+2mBVY0



キキィィ…

藤真「ほら、着いたわよ」

あやせ「わぁ…」

京介「親父やお袋に資料で説明されてはいたが…改めてすげえな、色々」

京介「洒落てるじゃん。ここに桐乃が…」

藤真「まぁ…しばらく立て込むだろうし3時間後にまた来るわ」

藤真「とりあえず今日はウチで泊まっていきなさい、あやせちゃん」

あやせ「あ…は、はい」

京介「え?何お前日帰りじゃないのね…」

あやせ「まぁ…桐乃と話す以外にも用事がありますし」

藤真「貴方はどうするの?一緒に来る?」

京介「いやぁ…桐乃とちょっと話してすぐ帰るつもりだったんで着替えも何も用意してないもんで…」

京介「あまりご迷惑をおかけしたくないと言いますか…」

藤真「何よ〜つれないわね。私は興味あるわよ」

藤真「天才美少女モデル、高坂桐乃の実兄…その実態」

京介「い、いやぁ…俺はそんな妹みてぇな大層な事は…」

京介「と、とにかく今日はありがとうございました!」ガチャ

藤真「ふふ。食えない男ね。あなたもそう思うでしょ?」

あやせ「…えぇ、まぁ…」

藤真「………」

藤真「もう、そんな辛気臭い顔しないで?貴方も行くんでしょ?桐乃ちゃんを迎えに」

あやせ「……」

藤真「例の件も、よろしくね」

あやせ「はい…」ガチャ
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/08(火) 15:33:19.27 ID:Ynl9/C2O0
はい
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/09(水) 04:56:26.29 ID:tM/hNMgX0
コンコン

桐乃「はーい…」ガチャ

京介「よっ」

桐乃「っ!?あ、あんた…」

京介「久しぶり…元気そうで何より」

あやせ「…桐乃」ヒョコ

桐乃「あ、あやせ!?なんであんた達ここに来て…」

京介「そりゃお前、あんなメール見たら誰だって驚くだろうが」

桐乃「だからって…わざわざこっちに来なくても……2人共、学校あるのにさ」

京介「そういうお前こそ、なんでこんな所に居るんだよ。今ってまだ部活とかそういうのやってる時間帯なんじゃねーの?」

桐乃「……」

京介「意地でも話さねー気か」

桐乃「うっさい。こっち来んな。ってか2度とくんなし」

京介「あ〜あ。そうかいそうかい残念だ」

京介「せっかくお前の為にこいつを持ってきてやったってのに」ゴソゴソ

桐乃「あぁ?」

京介「じゃじゃーん。しすしす全年齢版」

桐乃「あ、あんたっ…それってか全って…」

京介「お前が居ない間に発売されたんだよ。感謝しろよ?俺がわざわざ買ってきてやったんだぜ?」

京介「あーあ!お前が喜ぶと思って持ってきたのにな!酷い言い草だな!」

京介「一緒にしすしすらぶすどぶっ」ガシッ

桐乃「ば、馬鹿!叫ぶな!日本語分かる奴も居るんだから!タイトル読み上げんな!」チラッ

あやせ「…」ジーッ

桐乃「……っ……あーもう分かった!分かったわよ!入れりゃいいんでしょ入れりゃ!?」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/10(木) 02:34:01.78 ID:8xg3N+Uq0
あやせ「お邪魔します…」

京介「広いな…って思ったけどベッド2つあるのな」

京介「あれか。ルームメイトいる感じなのな」

桐乃「そ。あたしより年下でもうめちゃくちゃ可愛いおにゃのこでさぁ〜」クネクネ

京介「……」

桐乃「…少なくともそんな部屋に妹の持ってる妹モノのエロゲーを片手に海渡ってくるアホに白い目で見られる筋合いは無いんだケド」

京介「うーん。正論」

あやせ「お兄さん…」

桐乃「…え、で?何?」

桐乃「まさかとは思うけどそんな部屋であたしとエロゲーやろうっての?」

京介「じゃなきゃ持ってこないでしょうが」

桐乃「はぁぁ!?」

桐乃「え?あたし言ったよね?それ全部捨てろって!」

桐乃「それを何がどう解釈したら海外に居るあたしの所にまで来てやろうって考えになんの!?」

桐乃「どんだけ打ち所が悪い頭のぶつけ方したらそんな思考回路になる訳?」

桐乃「そ、それにあやせが居る目の前でやれってアンタ自分で何言ってんのか分かって…」

あやせ「」スッ

桐乃「…あやせ、ナニソレ」

あやせ「何って…シスカリだけど」ニコッ

京介「おっ。流石あやせ。俺と考えている事全く一緒だばっ!?」グイッ

桐乃「アンタ…コレどういう事?」

桐乃「何であやせがシスカリなんて持ってんのよぉおっ!?」

京介「い、いだいいたい!コレには深い深〜い事情がばっ!?」ブンブン

桐乃「嘘こけ!どうせあやせにロクでもない事吹き込んだに決まってるし!」

桐乃「あたしの知ってるあやせを返せ!このセクハラ狂い!!」ブンブンブンブン

京介「なんじゃそのあだ名は!」

あやせ(…どこかで見た事のあるようなないような…デジャヴ?)




140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/10(木) 17:24:37.70 ID:nJVV8/LDO
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 03:59:22.48 ID:m2R3oFQz0
京介「お前なぁ、これがお前にとってどれだけ大事なモノか分かってんだろ!?」

桐乃「分かってるよ。だからアンタに捨てろっつったの」

京介「いや意味分からんわ!」

桐乃「アンタが分かる必要無いの」

桐乃「アンタは、あたしの、言う事さえ聞いてればいいんだから」

京介「ふざけんな俺はてめーの召使いでもましてや飼い犬でもねぇ!」

桐乃「………?」

京介「え?何さも当然みたいな顔してんの?馬鹿なの!?馬鹿なのですか!?」

あやせ「????」

京介「お前もなんで首傾げてんだよ…俺の事どう思って…」

あやせ「ただのシスコン強姦魔ですけど」

京介「本当お前ら気が合うね相性ばっちしだよ畜生!!」

京介「あのなぁ桐乃!メダルとか、賞状とかなら100歩譲ってまだいいよ!」

京介「ぶっちゃけそんなもん捨てた所で大会の結果が無くなる訳でもねぇし、お前がそうしてぇならそれでいい!」

京介「でも、こいつに関しちゃ俺は納得がいかん!」つしすしす

桐乃「……え?普通逆じゃないの?」

京介「俺がこの1年弱どれだけお前に…こいつに振り回されてきたと思ってんだ…!」プルプル…

京介「お前のせいで変な奴らが絡んでくるわお前を庇う為にありもしないレッテルを貼られるわ…」

京介「俺がこんな身も心もすり減らしててめーに捧げてやったってのにそんな無下にされてたまるかこん畜生!」

京介「理不尽だ!意義あり!」

桐乃「んな大袈裟な…」

京介「大袈裟じゃねえ!お前は…俺のこの一年を否定する気かつってんだよ!」

桐乃「…」

京介「お前が…お前が滅茶苦茶楽しそうにしてて、大事そうにしてて…だから俺が身体張ってたんじゃねぇか!」

京介「なのに…その、なんだ……とにかくむしゃくしゃするんだよ!軽々しくそんな事言われるとよ!」

京介「ただでさえ俺に何の一言も無く勝手に家出ていきやがって腹たってるってのによ!」

京介「文句じゃなくてもっと他に俺達に言うべき事があるだろ!?」

桐乃「…」

あやせ「桐乃、私も知りたい」

あやせ「桐乃が留学黙ってた事。それに…」

あやせ「私と同じくらい大切にしてた…えっちなゲームを捨てろって言った理由」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 17:37:24.64 ID:m2R3oFQz0
桐乃「………」

あやせ「…」

京介「分かったよ。言わなくてもいいから…」

京介「せめてやり切ってないゲーム消化してから結論を出せ」

京介「しすしす。行く直前にちょっとやっただけだろ」

京介「流石に捨てれねぇよ…夜中に自転車漕いでわざわざ買ってきたんだぜ?」

桐乃「…分かった」


カタカタ…

桐乃「おっかしいなぁ…また普通のエンディング…」

桐乃「どうやったらお迎えできるの〜あさひちゃ〜ん」

京介「野郎すぐにエロゲーモードに切り替わりやがった」

あやせ「桐乃。りんこちゃんに出掛けた事を誤魔化すイベントあったでしょ?」

桐乃「うん」

あやせ「あそこ正直にあさひちゃんと海に行ったって言わなきゃ」

桐乃「え!?マジ!?殺されないそれ!?」

あやせ「別に殺しはしないでしょ…桐乃は…」

桐乃「いやまぁ…そりゃ私は……」

桐乃「ってな、何言ってんの!?あやせ!」

あやせ「え?ほら、りんこちゃんって桐乃と似てか…かわいいし」

桐乃「かわってええ!?」

京介(すげー微笑ましい)

あやせ「そ、それに!桐乃だってお兄さんに嘘つかれた方が殺意湧いてこない!?」

桐乃「それはそう」

京介「すげー恐ろしい」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/12(土) 14:22:02.91 ID:RBwgjJYO0
桐乃「おひょ〜ついにあさひちゃんと結ばれた〜」

桐乃「最っ高!エロいよ〜……」

桐乃「え!?おめでた!?おめでたエンドなの!?」

桐乃「やっば追加キャラなのに待遇がいいっていうか…」

桐乃「まぁでもエロいからいっかでへへへ…」

桐乃「…」チラッ

あやせ「?どうしたの?桐乃」

桐乃「いや、なんというか…引いちゃってないかなって」

あやせ「……うーん」

あやせ「正直怖いなってちょっと思ってる」

桐乃「」

あやせ「でもね…私もこのゲームやって単なる卑猥なゲームじゃなくて、ストーリーが面白かったりヒロインが可愛かったり…」

あやせ「私もやってて楽しかったから、桐乃がハマっちゃうのもなんとなく分かるかなって」

桐乃「…そっか」

桐乃「このバカの受け売りによっちゃタダで日本に帰らせないつもりだったケド」

京介「タダで帰らせない」

桐乃「…あやせもあたしの好きモノ、理解してくれて嬉しい」

あやせ「……ふふ」

桐乃「よーしそれじゃ最後にあさひちゃんのバッドエンド回収しよ〜っと」カタカタ

あやせ「え」
京介「い」

桐乃「…?どしたの?2人共」

あやせ「え、えっと…もう攻略は終わったんだからこっちは終わりでいいんじゃない?」

あやせ「ほら、私シスカリ持ってきたからさ、一緒にやろうよ〜あはは」
アセアセ

京介「そうだぞ桐乃!シスカリもあれから色々アプデしてなぁ!」

京介「それにあやせの奴、滅茶苦茶強くてよぉ!」アセアセ

桐乃「いやいや何言ってんの。確かにか弱い妹が可哀想な目に遭うのは見てるこっちも心が痛むけど」

桐乃「なんかこう、主人公とヒロインの葛藤というかさ!普通のエンディングじゃ味わえない背徳感があるわけよ!」グッ

あやせ「そうは言うけど…」

桐乃「エンディング全回収せずにエロゲーハンターを名乗れるかぁっ!」

桐乃「いざ行かん!」カチッ
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/16(水) 04:31:25.69 ID:atiweCDn0
桐乃「あ、ありのままに今起こった事を話すぜ…」

桐乃「あたしはクラナドをやっていると思っていたらいつのまにかゲームがスクールデイズにすり替えられていた!」

桐乃「何を言ってるか分からねーと思うがとりあえず一言」

桐乃「あさひちゃん、恐ろしい子…」ガクブル

あやせ「だから言ったのに…」

桐乃「いや何というか…途中から匂わせてたっていうかもしかしたら〜って予想できてたけど」

桐乃「こんな、えっちなゲームのえっちな部分抜いたただの妹モノのギャルゲーで後味が悪いというかやばいエンディングがあるとは思わないでしょ!?」

桐乃「やー、怖いわ〜」

桐乃「でも何というか、究極的に尽くしてくれるヤンデレ妹ってのもまた乙なものを感じますなぁくへへ」

桐乃「まぁ現実では絶対会いたくないけど」

京介「お前なぁ」

桐乃「あー面白かった」

京介「…それで?気は変わったか?」

桐乃「…………」

桐乃「楽し、かった」

桐乃「最初は、寂しくて辛くてもすぐにそれに慣れちゃうから大丈夫かな…って軽く考えちゃってたけど」

桐乃「善善そんな事なかった」

桐乃「何日経っても何ヶ月経っても、エロゲーやりたいって気持ちは変わらないし……」

桐乃「あやせとか、皆と馬鹿みたいに騒いで遊びたかった」

あやせ「桐乃…」

京介「何かあったんだな」

桐乃「…別に、何も無い」

桐乃「何も無かったからこそあんたらに連絡出来なかったワケ」

京介「はぁ?」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/02/19(土) 16:35:46.09 ID:nUhTNnHM0
桐乃「留学に使うお金はそりゃ、あたしが立てたんだし?あたしが何に使おうがあたしの勝手な訳だけど」

桐乃「半ば強引に押し倒したし、それなりの成果はあげなきゃって思ってたの」

桐乃「だからその、あんたらにはサプライズ…みたいな?」

桐乃「ちゃんと結果残せたんだよって…胸張って言えるまでは何も話さない事にしたの」

桐乃「その方がやる気も出るし…自分の中だけでもけじめをつけたかったから」

京介「…それで?結果は…」

桐乃「……最初はさ、あたしも慣れない土地で実力をフルで発揮できないだけなんだろうなって…」

桐乃「軽い気持ちで考えてた…でも……」

桐乃「1週間経っても、1ヶ月経っても…ずっと、頑張ってる、筈なのに…」

桐乃「あんた達に何も言えないままズルズル引っ張っちゃって、焦ってきちゃって!それで、怖くなって…」

桐乃「それで、今日、コーチからやすめって…無理言われて…っ…」グスッ

京介「桐乃…」

あやせ「大丈夫、大丈夫だよ…桐乃」ナデナデ

桐乃「っ…あやせぇ…」

京介(…サプライズだとか、けじめだとかそういう問題じゃねーだろって今すぐ1発殴ってやりてぇ所だけど)

京介(こいつはこいつなりに考えて、必死に今まで頑張ってきたんだよな…)

京介(桐乃はどれだけ無茶苦茶でも曲がった事だけは絶対しねえ性分だって…俺は知ってるから)

京介(だからあやせも、怒らに怒れねぇんだしな…)

京介「なぁ桐乃。お前はどうしたいんだ」

京介「皆お前を心配してる。帰ったって誰も咎みゃしねぇ」

京介「このまま頑張ってみるか、それとも引き返すか…」

桐乃「…っ……分かんない、分かんないよぉ…」

桐乃「あんたはそう言うけど、あんだけお父さん達に息巻いといてこのザマだって…」

桐乃「少なくともあたしは恥ずかしいし、悔しいし、嫌だし…」

桐乃「でも、これ以上自信無くしたらあたし…あたし………」

あやせ「……」ナデナデ
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 07:21:26.20 ID:SHUxHxf6o
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