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研究員「安価でデジモンを進化させる」
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605 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/26(土) 01:16:51.49 ID:uBzwq81XO
ジャガモンは、2体のレベル4デジモンが融合して生まれたレベル5デジモンである。
目の前の敵デジモンは、技の威力を見るにレベル4相当であろう。
単純な実力では、負けることはないだろう。
だが、二体のデジモンは、予想外のことをしでかした。
なんと蜂型デジモンは、己の肉体をバラバラにして、竜人型デジモンへ鎧のようにくっついたのである。
https://i.imgur.com/yvPyxCG.jpg
…我々は言葉を失った。
いったいどんな肉体構造をしていれば、こんなことができるのだろうか。
合体したデジモンは、空中へ飛び上がると、腰にぶらさがった銃のような器官から凄まじい勢いで弾丸を連射した。
ジャガモンの甲殻が、激しい金属音を立てている。
あの丈夫な装甲から、少しずつ破片が散っている。
606 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/26(土) 01:21:44.60 ID:uBzwq81XO
あの丈夫な装甲を傷付けるとは…
まさか、あの合体デジモンもレベル5相当の実力を持っているのだろうか?
ただ蜂型デジモンを装甲として身に纏っているだけではないのだろうか。
ジャガモンは、空中の合体デジモンへ向かって、隕石のような勢いで岩を打ち込んだ。
ジャガモンは、こう見えて飛び道具は得意な方である。
合体デジモンには、ジャガモンの岩がいくらか当たっており、ダメージを与えることができているようだ。
合体デジモンは、撃ち合いでは分が悪いと判断したのだろうか…
空中で、いったん合体を解除した。
そして再び、蜂型デジモンを身に纏った。
今度は、竜人型デジモンよりも、蜂型デジモンの要素が強い姿となった。
https://i.imgur.com/f0HX7oN.jpg
607 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/26(土) 01:26:37.32 ID:uBzwq81XO
ジャガモンは、それがどうしたと言わんばかりに、合体デジモンへ岩を打ち込み続けた。
だが、新たな姿となった合体デジモンは、先程よりもはるかに素早かった。
空中を高速で飛び回る合体デジモンは、すべての岩をことごとく回避し続けた。
そうして合体デジモンは、目にも止まらぬ速さで地上に降り立つと…
…ブロッサモンの首へ、深々と腕を突き刺した。
一瞬の早業であった。
鈍重なジャガモンには、止める術はなかった。
ブロッサモンは、弱々しくも蔓を使って合体デジモンの腕を締め付け、腕を首から引き抜こうとする。
どうやら、合体デジモンのこの形態は、スピードがある代わりにパワーはそれほど強くないらしい。
合体デジモンの腕は、徐々にブロッサモンの首から引き抜かれていく。
608 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/26(土) 01:30:39.66 ID:uBzwq81XO
だが、合体デジモンはその場で蜂型デジモンの装甲を瞬時に組み換え、シームレスに別の姿へ変形した。
https://i.imgur.com/yvPyxCG.jpg
我々が最初に見た姿である。
合体デジモンは、恐ろしい怪力によって、一気に右腕をブロッサモンの首へ突き刺した。
先程までの姿と違い、凄まじい怪力を発揮した合体デジモンは、ブロッサモンの蔓を難なく引き千切った。
ジャガモンは合体デジモンのところへ駆け寄ろうとする。
何発も岩を飛ばす。
だが、合体デジモンは空いた左手で岩を防御すると…
右腕でブロッサモンの頭を、首から引き千切った。
609 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/26(土) 01:33:07.11 ID:uBzwq81XO
合体デジモンは、ブロッサモンの頭を持ち上げると、瞬時にスピード特化形態へ変形した。
https://i.imgur.com/f0HX7oN.jpg
そして瞬く間に飛翔し、ジャガモンの岩が届かない高さの上空まで飛んでいき、そのままブロッサモンの頭を奪い去っていった。
610 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/26(土) 01:38:56.62 ID:uBzwq81XO
…
合体デジモンは、やがて遠く離れた地へ降り立つと、合体を解除した。
竜人型デジモンと蜂型デジモンの二体へ分離したのである。
そして、表情一つ変えなくなったブロッサモンの頭を引きずり、どこかへ去っていった。
…先程ジャガモンと交戦した際の戦力は、間違いなくレベル5相当であった。
2体のレベル4デジモンがただ力を合わせただけでは、決して届かない戦闘力。
それを、この2体は、間違いなく戦闘中という一瞬だけ獲得していた。
信じ難い光景であった。
彼らは何故今、消耗したブロッサモンのところへ襲来し、その命を奪ったのであろうか…。
一体どこから来たのか。
目的は何なのか…。
全てはまだ不明である。
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/26(土) 01:41:53.87 ID:uBzwq81XO
…
ジャガモンは、辺り一面焼け野原となった真っ黒な森の真ん中で、首のないブロッサモンの肉体を悲しそうな目で眺めていた。
だがしばらくすると、その場にうずくまり…
再び休眠に入った。
やがて、小さな草食デジモン達がやってきて、ブロッサモンの死骸を食い尽くした。
…ジャガモンは、今自分がやるべきことは…
とにかく体力を回復することだと考えたのだろうか…。
612 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/26(土) 01:46:25.23 ID:uBzwq81XO
…
ボアモンは、木に引っかかっているハリモグモンを見つけると、木に頭突きをした。
枝が揺れ、ハリモグモンは地面に落ちてきた。
やがて二匹は一緒に歩き始めた。
散歩でもしているのだろうか。
歩いている途中で、二匹は大きな骨を見つけた。
先程食われたグラウモンの骨だ。
幼年期デジモンやゴキモン、ヌメモンが群がっている。
二匹はそのうち、肉の切れ端が少し残った骨をいくらか口に咥えて持ち上げると、それぞれの巣へと持ち帰った。
自分達の子供に与えるのだろうか…?
613 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/03/26(土) 01:49:46.21 ID:uBzwq81XO
続く
614 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/26(土) 01:57:41.36 ID:xqKlK4V+o
乙
次々に強いヤツが出てきてデジモン世界が地獄すぎる
弱い子は生き延びるの大変だろうな
615 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/26(土) 02:09:47.10 ID:cXJ/h8NgO
乙
このエクスブイモンは
>>140
で出たブイモンってことか……?
ウィルス種集団とは協力関係にあったのか、それとも敵対してたのか……
616 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/26(土) 07:19:52.91 ID:sZfhxTnoo
仲間を守れなかったジャガモン悲しい…
617 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/03/26(土) 20:28:06.79 ID:HQnhhyMqo
続き待ってるぞ
618 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 15:03:35.26 ID:qH74J3v0O
…
四つん這いになって移動する、グレイモンの姿があった。
https://dotup.org/uploda/dotup.org2736618.jpg
グレイモンは、レベル5のブロッサモンとの戦いで全身にダメージを負い、ボアモンの頭突きによって脚を骨折している。
加えて炎を吐くエネルギーは枯渇してしまった。
まさに満身創痍といった状態だ。
グレイモンは山岳地帯へ向かって這いずっている。
こんな状態では移動することすら一苦労であろうに、わざわざ標高の高い山岳地帯へ移動するのは何故なのだろうか…。
グレイモンは、移動中に見つけた植物型の幼年期デジモンや、動きの遅いヌメモンを食って栄養補給している。
だが、腹はあまり膨れていないようだ…。
そこへ、ふたつの巨影が迫ってきた。
https://dotup.org/uploda/dotup.org2736560.jpg
https://i.imgur.com/fvX8kVi.jpg
大型岩石デジモン、ゴーレモン。
そして甲虫型デジモン、カブテリモンである。
619 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 15:24:52.35 ID:qH74J3v0O
ゴーレモンの体はボロボロに傷付いている。
このゴーレモンは、かつてモノクロモン及びスターモンと共に、グレイモン達3体の恐竜型デジモンに戦いを挑んだ個体である。
前回の戦いでは、こっぴどくやられてしまい、スターモンが時間稼ぎをしたおかげで逃げ延びることができたようだ。
一度力の差を思い知らされたゴーレモン。
普通ならば、生き延びられたのが幸運と思い、二度とグレイモン達に挑もうとは思わないはずだ。
だが、ゴーレモンはヒビの入った拳を握りしめ、グレイモンを殴りつけた。
腹部を打たれて、叫ぶグレイモン。
続いてカブテリモンが、プラズマの球体を発生させ、それをグレイモンの腹へ放った。
グレイモンは、転がってプラズマ弾を躱した。
…ゴーレモンとカブテリモンは、どうやらグレイモンを仕留めにきたようだ。
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 15:30:00.63 ID:qH74J3v0O
炎を吐く体力がなく、片脚がへし折れている満身創痍のグレイモンでは、これら2体のデジモンと戦うのは圧倒的に不利だろう。
なすすべなく倒されるだろう…。
そう思っていた。
だが。
グレイモンは恐ろしいくらい粘った。
ゴーレモンの強靭なパンチを、腕で受け止めて、尻尾攻撃でカウンターを決めた。
カブテリモンの突進攻撃を受け止め、そのまま持ち上げて地面に叩きつけた。
なんということであろうか。
グレイモンは、片脚が折れ全身に深い傷を負っても尚、純粋な格闘能力だけで2体のデジモン達と互角に渡り合っていた。
…いや。
ゴーレモンとの格闘戦に限って言えば、完全にグレイモンが上回っている。
グレイモンは、炎を吐けずとも、純粋な格闘戦能力だけでゴーレモンを遥かに上回っているのである。
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 15:33:18.09 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、カブテリモンの羽や右腕を噛み千切った。
ゴーレモンの左腕を尻尾攻撃で粉々に打ち砕いた。
恐るべき戦闘能力だ。
…だが、深いダメージを負って尚、カブテリモンとゴーレモンは、怯まずにグレイモンへ猛攻を続ける。
カブテリモンのプラズマ弾がグレイモンの頭部に当たったことで、戦況は徐々にカブテリモン&ゴーレモン側に傾き始めた。
とうとう持久力の差が出てきたようだ。
ゴーレモンとカブテリモンが、これだけ傷付きながらも戦いを続けるのは何故だろうか。
622 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 15:41:27.82 ID:qH74J3v0O
これは予想だが…
2体はスターモンの仇討に来たのだと、私は思う。
今はジャガモンの一部となっている、元祖スターモン…
その子供が、恐竜型デジモンとの戦いで火炎放射に身を焼かれて命を落とした、スターモン二世である。
このゴーレモンには、ゴツモンの面影がある。
おそらく、スターモン二世の子供か兄弟であろう。
そしてカブテリモンには、スターモンと共生して暮らすテントモンの面影がある。
スターモン二世は、ゴツモン達やテントモンを護りながら共に暮らしていたデジモンである。
グレイモンがその命を奪った代償は、あまりにも大きかった。
捕食や生存のためではない。
「義」と「復讐」のために、我が身を捨ててこの2体は戦いを挑んできたのだ。
グレイモンは狡猾な戦い方をしていた。
カブテリモンやゴーレモンの身体を欠損させることで、心を折って短期戦で追い払おうとしたのであろう。
合理的な戦い方である。
だが、理を超えた概念に基づく、捨て身の攻撃。
悪く言えば無謀や蛮勇とさえいえる精神が、グレイモンの力を超えたのだった。
623 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 15:45:14.83 ID:qH74J3v0O
地に伏したグレイモン。
かつてグレイモン達が焼き尽くした、黒焦げの木々の中に手を突っ込んでいる。
カブテリモンは、とどめの一撃といわんばかりに、プラズマ弾を放った。
…グレイモンは、木々の燃えカスの中から何かを掴み、目の前に掲げた。
それは、モノクロモンのものと思われる甲殻であった。
モノクロモンの甲殻は、プラズマ弾を防ぎ、粉々に飛び散った。
おそらく、ここはかつてモノクロモンのいち個体が、ある恐竜型デジモンと死闘を繰り広げ、差し違えた場所だ。
消化しきれなかった残骸の甲殻を、グレイモンは咄嗟に拾って防御に使ったのだ。
624 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 15:58:59.82 ID:HAbQ4K6ho
グレイモンの戦闘センスやべえ
625 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:05:38.60 ID:qH74J3v0O
カブテリモンのプラズマ弾は、再び撃てるようになるまでのクールタイムがかなり長いようだ。
それまでの間、ボロボロのゴーレモンが持ち堪えられるかは怪しい。
カブテリモンは、トドメを刺すために、グレイモンへと駆け寄った。
片腕を破壊されたゴーレモンは、残った方の腕でグレイモンを地面へ押さえつけた。
グレイモンは、焼け焦げた森の中に仰向けに押さえつけられる。
そして2体は、口を大きく開けた。
グレイモンへ致命傷を与えるために、首へ噛み付こうとしているのだ。
ゴーレモンとカブテリモンは、強靭な顎と鋭い牙で、グレイモンの首へトドメの一撃を放つ…!
626 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:12:16.43 ID:qH74J3v0O
…グレイモンは…
黒焦げの木々の中から、両手でそれぞれ、何かを掴んだ。
それは…
かつてこの場で、モノクロモンと死闘を繰り広げて散った、タスクモンの長い角だった。
グレイモンは、二本の鋭い角を掴み上げると、噛みつき攻撃を放っているカブテリモンとゴーレモンの口の中へ突き刺した。
ゴーレモンは、タスクモンの角によって頸椎を貫かれ、倒れ伏した。
カブテリモンは、刺された角が口を貫通して後頭部から突き出ていた。
夥しい量の体液が噴出し、絶叫するカブテリモン。
グレイモンは、ゴーレモンの口から角を引き抜くと、カブテリモンの脳天ど真ん中へ突き刺した。
カブテリモンは、地面に倒れて、ジタバタと暴れまわった。
後頭部と脳天を角で貫通されたカブテリモンは、方向感覚を失ったのであろうか。
空中へ何度もパンチやキックを繰り出している。
627 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 16:14:07.91 ID:G1vg9Bw+o
戦闘力も知能も高い
628 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:18:49.77 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、カブテリモンの頭部を尻尾で滅多打ちにする。
首と頭の傷を広げようとしているようだ。
だが、ピクリとも動かなくなったゴーレモンと違って、カブテリモンは頭部を破壊されてもなかなか死なない。
昆虫型デジモンは、思考中枢が脳だけに集中しているわけではなく、脊椎全体に神経系が分散しているようだ。
だが、方向感覚を失っている状態では、もはや勝機がないと察したのだろう。
羽を一本失ったカブテリモンは、残った三本の羽をばたつかせて体を浮かせながら、地面を這って遠くへ逃げていった。
満身創痍になりながらも、追っ手を撃退したグレイモン。
グレイモンは、ゴーレモンの岩のような硬い甲殻を剥ぎ取り、内部の筋肉や内臓などの軟組織を食った。
629 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:28:08.73 ID:qH74J3v0O
…
夜になった。
ゴーレモンを貪り食って、空腹を満たしたグレイモンは、折れた片足を引きずりながら、先程よりもハイペースで山岳地帯へと移動していた。
拾ったタスクモンの角を、登山用ピッケルのように使うことで、匍匐のスピードを上げているようだ。
なにせ、カブテリモンを取り逃がしてしまったのである。
頭部を滅茶苦茶に破壊されたカブテリモンにどこまでやれるかは不明だが、助けを呼ばれたら危険だ。
そのため、一刻も早くこの場を去ろうと焦っているのだろう。
グレイモンは、両手に握っているタスクモンの角を見つめている。
もしも、モノクロモンとタスクモンの残骸がこの場に落ちていなかったら…
グレイモンは自力では対処しきれず、ゴーレモン達によって確実に仕留められていたであろう。
そして、それ以前に…
ブロッサモンとの戦いでは、親であるタスクモン達が、グレイモン達のために命を賭して時間稼ぎをしてくれなければ、その場から逃げ切ることができず、ブロッサモンに倒されていたはずだ。
…かつてこの場で、モノクロモンへ異常な闘争本能をもって戦いを挑み、散っていったタスクモン。
そして、ブロッサモンとの戦いでグレイモンを逃したタスクモン。
それらの死が、今グレイモンを生かしているのである。
630 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 16:32:03.15 ID:G1vg9Bw+o
そういう思考をグレイモンもしているのか
631 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:32:07.82 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、山の麓へ辿り着くと、やがて睡眠を取った。
…
朝になると、やや脚の痛みが引き、体力が回復してきたようだ。
餌を探して、グレイモンはその場を徘徊し始めた。
…すると、聞き覚えのある羽音が、グレイモンへと近付いてきた。
頭と首に痛々しい傷痕が残ったままのカブテリモンが、追ってきたのである。
どうやら、方向感覚を取り戻したようだ。
632 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:38:23.53 ID:qH74J3v0O
カブテリモンは、プラズマ弾をチャージし、グレイモンへ向かって放った。
それに対して、グレイモンは…
火炎放射で迎え撃った。
グレイモンの火炎放射は、カブテリモンのプラズマ弾を飲み込み、そのままカブテリモンの身を焼いた。
熱さに絶叫するカブテリモン。
グレイモンは、カブテリモンへタックルを放ち、地面に押し倒した。
そして二本のタスクモンの角を掴み、カブテリモンの首へ両方突き刺した。
カブテリモンは、首へ突き刺されたタスクモンの角を、4本の腕で引き抜こうとしている。
グレイモンは、タスクモンの角から手を離した。
カブテリモンは、虫ピンで刺された昆虫標本のように、地面に留められている。
必死に起き上がろうとするカブテリモン。
だが、首へ突き刺された角はなかなか抜けない。
633 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:44:33.27 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、再びカブテリモンへ火炎放射を放った。
頭部へ向かって、集中的に。
…その一撃で、カブテリモンの頭部は炎に包まれて焼き尽くされ、完全に機能を失った。
カブテリモンの首に突き刺さったタスクモンの角は、グレイモンの火炎放射で焼かれ、ボロボロになっていた。
グレイモンは、カブテリモンを捕食しようとした。
だがカブテリモンは、なんと無理矢理起き上がった。
頭部を完全に失い、首が千切れたカブテリモン。
視聴覚を失い、もはや五里霧中となったようであり、あらぬ方向感覚へプラズマ弾を放っている。
グレイモンは、カブテリモンを尻尾で殴りつけて地面に倒すと、全身を食い千切って咀嚼した。
…
グレイモンは去った。
その場には、食い散らかされたカブテリモンの残骸と、燃え尽きたタスクモンの角が残っていた。
634 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:50:27.21 ID:qH74J3v0O
グレイモンは、脚の傷が癒えてきたようであり、身を起こして歩き始めた。
極めて強い、生への執着である。
そしてグレイモンは、山の麓でタマゴを3個産んだ。
タマゴから産まれたデジモンは、やがて進化して成長期デジモンとなった。
https://i.imgur.com/ysZftoi.jpg
翼竜型デジモン、ヴォーボモン。
https://i.imgur.com/iKwsl0I.jpg
ドラゴン型デジモン、ドラコモン。
https://i.imgur.com/7OIywm2.jpg
そして、鳥型デジモン、ファルコモンである。
635 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:51:52.44 ID:qH74J3v0O
強力無比な破壊者、グレイモンの遺伝子を継いだこれら3体の成長期デジモンは、これからどのように環境へ適応していくのであろうか。
そしてそれらの親である、グレイモン自身は…。
636 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 16:52:35.34 ID:G1vg9Bw+o
こんな化け物染みた強さのデジモンがどんどん増えてくかもしれないってこっわ
637 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 16:57:17.31 ID:qH74J3v0O
…
私はグレイモンの観察レポートをまとめ、研究チームへ提出した。
そして、チーム内でレポートを共有することにした。
どうやら、私以外にも、「あの戦いの後」についてレポートをまとめていた研究員がいたようだ。
私のレポート「グレイモン観察」。
その他に提出されたレポートは…
@ボアモンの観察
Aブロッサモンの死骸の観察
Bブロッサモンを倒した謎の合体デジモンの観察
この3つだ。
どの順番で見ていくか…?↓
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 17:01:28.14 ID:G1vg9Bw+o
2
1
3
639 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 17:04:17.40 ID:qH74J3v0O
次回は、ワタシがグレイモンを観察しているときに同時並行で起こった出来事を、A→@→Bの順で確認していくことにしよう。
640 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/09(土) 17:04:44.27 ID:qH74J3v0O
続く
641 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 17:05:57.20 ID:2t+4JeyVo
いつなんだろう次回
642 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 17:06:18.07 ID:G1vg9Bw+o
乙
643 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 17:45:55.40 ID:Y35jLN4Go
おつ
644 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 18:15:27.43 ID:yv7TlCmgO
来てた 乙
群像劇だな……
645 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 10:47:57.38 ID:E5yuUg1W0
来てたのか、乙
かたき討ちはできなんだか、仕方ないけどコレも弱肉強食のデジタルワールドの日常なのよね
646 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 15:50:40.62 ID:vkPQKBGYO
リーダーは私へ、至急レポート「ブロッサモンの死骸の観察」を閲覧するように指示した。
デジモンの死骸がどうしたというのだろうか…?
レポートは、ドキュメントと映像記録の2つで構成されている。
私はまず映像記録を確認した。
…
映像に映ったのは、ブロッサモンの死骸だ。
謎の合体デジモンに首を千切られて持っていかれてしまい、胴体が半分地面に埋まった状態である。
これがどうしたというのだろうか…?
…しばらく観察していると、ブロッサモンの胴体が蠢き始めた。
まさか、生き返るのか…?
次の瞬間、全く予想していなかったことが起こった。
ブロッサモンの胴体が引き裂かれ、中から何かが出てきたのである。
現れたのは…
上半身だけで地面を這いずる、全身ドロドロのデジモンである。
これは、既に面影がないが…
おそらく、
>>599
でブロッサモンに丸飲みにされたはずのティラノモンである。
私は目を疑った。
ばかな。
ティラノモンは死んだはずでは…!?
647 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 15:57:30.14 ID:+C87Jszfo
おや?今日も来たか!
648 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 15:58:32.19 ID:vkPQKBGYO
私はいったん映像を止め、レポートに目を通した。
なぜ、死んだはずのティラノモンが蘇生したのか…?
…いや。そもそも、死んだはずという前提が間違っていた。
我々は、ティラノモンが明確に「死んだ」ことを見届けていないのである。
改めて、ティラノモンが負ったダメージを再確認しよう。
>>574
では、ブロッサモンの花弁の刃では首を真横に切り裂かれ、夥しい出血をしながら倒れ、それっきり動かなくなった。
>>593
では、タスクモンの突進攻撃をくらい、
真っ二つに千切れ飛んだ。
そして、
>>599
ではブロッサモンに丸呑みにされた。
…これで死んだと思わない方がおかしいだろう!
頸動脈を切断されて、下半身が千切れ飛んで、何故死なないんだ!?
…いや、「まだ死んでいない」というだけのようだ。
胴体の傷から臓物を晒しながら、上半身だけで地を這い、胃液で溶かされた痛々しい姿を晒すティラノモン。
首からの出血は未だに止まっていない。
生への執着はすさまじいが、あのままでは…
やがて死ぬだろう。
649 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 16:04:27.82 ID:vkPQKBGYO
ティラノモンは、弱々しく地面を這っているが…
やがて、その力は弱くなっていった。
ついに、その場から一歩も動けなくなり、腕を動かすことが精一杯になった。
…ティラノモンはここまでだろう。
そう思った、その時。
ティラノモンの前に、大きなデジタルゲートがほど開いた。
…デジタルゲートとは、我々が研究室のサーバーからデジタルワールドへ、デジドローンを転送するときに空けるゲートだ。
ティラノモンは、最後の力を振り絞り、そのデジタルゲートへ入った。
ティラノモンが入ったデジタルゲートは、やがて閉じられた。
…以上が、1つめの映像ファイルである。
650 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 16:09:15.78 ID:vkPQKBGYO
これは…どういうことだ?
デジタルゲートを通じて、瀕死のティラノモンを我々のサーバーに連れ込んだということだろうか?
リーダーに確認したところ、なんと「あのゲートについては何も知らない」とのことである。
ばかな…
するとあのゲートは、我々が全く知らない、何者かによって空けられたということだろうか。
そして、その何者かは、瀕死のティラノモンを捕獲した…?
つまり、我々以外にも、誰かがデジタルワールドに干渉し始めたということだろうか…。
651 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 16:11:01.58 ID:o0u75C3Eo
おいおいおい
悪意ある奴が何かやらかしてデジモンが人間に敵意持ったら人間勝ち目無いぞ
652 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 16:28:01.19 ID:UQfGQe4K0
コレはアレか、デジタルペットの方の奴を不正に手に入れた連中の仕業か
653 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 16:29:38.48 ID:UQfGQe4K0
這いずる全身ドロドロのデジモンだしレアモンになってるのかな?
654 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 16:45:05.19 ID:vkPQKBGYO
このレポートを書いた研究員は、このとき空いたデジタルゲートを分析し、特有の信号パターンを記録した。
もしも今後、同じデジタルゲートを目撃したときは、照合することができるだろう。
…さて。
ティラノモンを助けた者は、何が目的なのだろうか?
憐れみからきたものなのか。
研究対象とするためなのか。
あるいは…。
655 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 16:54:27.69 ID:vkPQKBGYO
…レポートには、2つめの映像が添付されていた。
再生してみよう。
時期的には、グレイモンがタマゴを産み、それらが成長期まで育った頃のことだ。
ブロッサモンの死骸があった場所。
既に死骸はヌメモン達によって食い尽くされており何もなくなっていた。
その場に、例の信号パターンを示すデジタルゲートが開いた。
やがて、ゲートの中から何かが出てきた…。
https://i.imgur.com/2ObcB3n.jpg
こ…これは!?
おぞましい姿のデジモンが、ゲートから這い出てきたのである。
656 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 16:59:23.90 ID:vkPQKBGYO
腐りかけたおぞましい姿。
下半身を失ったまま、腕だけでズルズルと這い回っている。
どうやら、機械のようなものが体に埋め込まれているようだ…。
まさか、これはティラノモンの成れの果てなのだろうか?
やがて、ゲートからはデジドローンが飛んできて、死にかけのデジモンを観察し始めた。
我々は、このデジモンをレアモンと名付けた。
レアとは、rare…『希薄な』を意味する単語に由来している。
途絶えかけた希薄な命を表す名である。
657 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 17:03:32.72 ID:vkPQKBGYO
レアモンの周りに、ヌメモンやゴキモン等のスカベンジャーデジモンが寄ってきたが…
レアモンは、それらにガスを吹きかけた。
するとヌメモン達は、体の表面が焼けただれていき、苦しんだ。
どうやらあのガスは、かつて炎を吐く力だったものの名残りのようだ。
硫酸かなにかだろうか…。
そしてレアモンは、己の肉片を千切ってヌメモンへ投げつけて攻撃した。
そして弱ったヌメモンを、己の肉片ごと食べた。
…おぞましい。
それ以外に、形容する言葉が見つからなかった。
658 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 17:10:06.78 ID:vkPQKBGYO
そのうち、ウッドモンやスナイモンが、レアモンを発見したが…
彼らはあまりの悪臭に耐えきれず、その場から離れた。
「あんなものを食ったら病気になる」と思ったのだろうか。
実際そうなるだろうな…。
そうしてレアモンは、悪臭によって外敵を退けながら、悪臭に惹かれてきたスカベンジャーデジモン達を捕食し続けた…。
果たして、こんな姿になったティラノモンは、今に満足しているのだろうか。
生き続けていて、辛くないのだろうか。
…その答えは。
あんな姿になっても尚、必死に生きようと足掻き続ける様が、全てだと言えるだろう…。
659 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 17:11:09.06 ID:vkPQKBGYO
…以上が、レポート「ブロッサモンの死骸の観察」である。
なんということであろうか…
この先レアモンは、どうなるのであろうか。
全く予想がつかない…。
660 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/10(日) 17:11:35.96 ID:vkPQKBGYO
つづく
661 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 17:14:15.88 ID:bUUlan5do
人間の手を加えられてデジタルワールドに放たれてしまったデジモンか
662 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 17:39:36.99 ID:UQfGQe4K0
乙
謎の連中はいったい何が目的なのか
663 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 18:46:46.97 ID:OAwxYHTuO
乙
獲物を引き寄せて外敵を遠ざける臭いって厄介なもんだ……
664 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 19:21:41.39 ID:UQfGQe4K0
でも嗅覚のないデジモン相手だと動きの遅い獲物かもしれんね、硫酸は厄介だけど距離とれば問題なさそうだし
665 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/04/11(月) 00:38:22.60 ID:dzyYCH8m0
ネトウヨ・保守(笑)・右翼(笑)・老害右派の大嘘
「太平洋戦争は白人に対するアジア解放の戦いだった」
↑これ大嘘です
news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200815-00193356
すべての侵略戦争にあった「大義名分」
「アメリカの経済制裁が気にくわないから」という理由だけでは対米開戦としての大義は弱いので、 日本は対米開戦にあたり「アジア解放(大東亜戦争)」をスローガンに掲げたのである。
当時アメリカの自治国であったフィリピンは アメリカ議会からすでに1945年の独立を約束されており、 日本軍の侵攻による「アジア解放」というスローガンは全く無意味として映った。 よって南方作戦で日本軍に占領されたフィリピンでは、そもそも日本の戦争大義が受け入れられず、 またアメリカの庇護下のもと自由と民主主義、そして部分的には日本より高い国民所得を謳歌していたフィリピン人は、 日本の占領統治に懐疑的で、すぐさまゲリラ的抵抗や抗日活動が起こった。
日本は、アメリカとの戦争の際「アジア解放」を掲げていたが、それよりさらに前の段階で、 同じアジア人に対し攻撃を加えていたのであった。よって多くのアジア地域では日本の戦争大義「アジア解放」は、美辞麗句で空疎なものと映った。 「アジア解放」を謳いながら、片方で同じアジア人である中国を侵略するのは完全な矛盾である。
「日本のおかげでアジア諸国は戦後独立した」
↑これも大嘘です。大日本帝国と関わりない中東やアフリカも独立してます。
「人種的差別撤廃提案で日本は唯一差別と戦った。白人は人種差別を支持した」
↑これも大嘘です。フランスやイタリアも日本に賛成してます。
https://w.wiki/4i4Q
日本国民自らが中国人を差別していることを思い起こすべきと主張し、吉野作造も日本が中国人移民を認めるだろうかという問いかけを行った。 事実、賛成しているのはどちらかと言うと移民を送り出す側の国であり、反対しているのが移民を受け入れる側の国である(イギリスも本国としては賛成だったが、オーストラリアの意向をくんで反対に回っている)。
「アメリカはドイツは人間として扱い、日本人を人種差別で猿や化け物扱いし、それが理由で原爆投下をした」
↑これも大嘘です。ドイツはアメリカに騙し討ちをしてませんから当然です。 開戦前に真珠湾騙し討ちで多くのアメリカ人を無差別攻撃した日本のイメージが最悪だっただけです。
https://w.wiki/4i4Z
原爆投下前に日本の風船爆弾でアメリカの民間人妊婦が殺害されています。ドイツより日本を恨むのは当然です。
「1945年5月5日、オレゴン州ブライで木に引っかかっていた風船爆弾の不発弾に触れたピクニック中の民間人6人(妊娠中の女性教師1人と生徒5人)が爆死した」
原爆投下は、本土決戦のアメリカ側の死者数(日本兵が降伏しないから)やソ連との日本占領競争が主な原因です。人種差別が理由ではありません。 アメリカは投下前に、原爆という新兵器の危険性のビラを撒き日本に降伏を勧めています(日本側は無視)。投下後の人体実験はしないよりする方が良いからついでに検査をしただけでしょう。
そもそも日本側も、アメリカ人やイギリス人だけを鬼のように扱っていました(鬼畜米英)。日本と開戦した連合国国家(オランダ等)は他にもあります。(自分らの差別は棚に上げる)
日本の戦争犯罪は戦場経験者でもある水木しげるさんが証言して漫画にしてます。 詳しくは「水木しげる 姑娘」「水木しげる 従軍慰安婦」で検索してください。 他には「スマラン慰安所事件」「バンカ島事件」で検索。
666 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/05/06(金) 17:57:36.70 ID:rYV+b3N9O
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
667 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2022/07/12(火) 15:00:47.31 ID:30QtnqJLo
やっぱエタったかな
668 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 21:06:45.63 ID:tDniYEo4O
ハリモグモンは海辺に沿って進みながら、寒冷な気候の土地へ向かって旅をした。
やがて、3個のデジタマを産み、幼年期デジモンが生まれた。
https://i.imgur.com/1Mf8HT6.jpg
四足歩行の哺乳類型デジモン。トコモンと命名された。
女性研究者達に大変人気である。
ハリモグモンは、海でプカモンなどの水棲小型デジモンを捕獲し、親子で分け合って食べた。
やがて、雪が降り積もる寒冷地帯へ移り住んだ頃に、トコモン達はレベル3へ進化した。
https://i.imgur.com/LfIxdqg.jpg
これまたアザラシのような姿。
ゴマモンと名付けられた。
669 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/29(月) 21:08:03.14 ID:SuSrkFRNo
ファッ!?!?
復活した!?
670 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 21:15:54.25 ID:tDniYEo4O
その愛くるしい姿は、研究所の中で大人気であった。
ゴマモン親子は、その強い防寒能力によって、寒冷地帯で生息域を広げることに成功した。
しばらくの間、敵無しで暮らしていたのだが…
やがて、そんなオアシスに外敵が侵入してきた。
https://i.imgur.com/nPLg0XG.jpg
https://i.imgur.com/qpLnttg.jpg
氷雪系のレベル4デジモン。
アイスモンとユキダルモンである。
おそらくゴツモン系統から進化したのだろう。
彼らは、ヒヤリモンと名付けられた幼年期デジモンの群れを連れていた。
https://i.imgur.com/MI42SRK.jpg
671 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 21:34:14.84 ID:dBhuTsBvo
アイスモン軍勢と、ハリモグモン軍勢は、出会ってしまった。
食糧がそう多くない、極寒地帯で。
どうやら、どちらの軍勢も争いは嫌いなようだ。
だからこそ、こんな局地へ適応する進化をしてまで、外敵のいない環境を選んだのだろう。
両軍勢は、できるだけ互いに関わらないようにしていた。
海で小魚デジモンを捕りながら、慎ましく暮らしていれば、争わずに済むだろうと…
その場の皆が信じていた。
…しかし、狩られる魚型デジモン達とて馬鹿ではない。
プカモンの数が減ったことで、彼らは「海の中から」発見されてしまったのである。
672 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 21:43:00.63 ID:dBhuTsBvo
やがて、ヒヤリモン達は進化した。
成長期デジモン、チクリモンである。
https://i.imgur.com/70zmHcs.jpg
たくさんのヒヤリモン達が皆成長期になったのだから、さらに多くの食糧が必要になった。
チクリモン達も、海に飛び込んで、プカモンを狩るようになった。
ある日のこと。
ゴマモン一匹と、チクリモン数匹は、いつものように海岸でプカモンを獲ろうとしていた。
そこへ、突然…
水面から何かが飛び出してきた。
https://i.imgur.com/Vw7HNtZ.jpg
https://i.imgur.com/0pxex1L.jpg
673 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 21:47:06.44 ID:dBhuTsBvo
一瞬のことであった。
水中から出現したレベル4デジモン、シードラモンとトビウモン。
彼らは、ゴマモンとチクリモンを丸呑みにすると、そのまま水中へと潜っていった。
…その様を見ていたユキダルモンとハリモグモンは、あ然としていた。
自分の子供が、一瞬で海に飲み込まれていったのだ。
それ以降も、群れがプカモン狩りをしていると、騒ぎを聞きつけてシードラモン達が飛び出してくるようになったのである。
…ふたつの群れは、完全にマークされていた。
674 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/29(月) 21:51:30.89 ID:qyt+O7xfo
帰還に感謝!
圧倒的感謝!!!
675 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 21:53:34.37 ID:dBhuTsBvo
このままではいけない。
協力して海の敵と戦おう。
そう決心した、ユキダルモン、アイスモン、ハリモグモン。
彼らは、大きな音を立ててシードラモンとトビウモンをわざとおびき出し、そして戦った。
戦いは熾烈を極めた。
戦いを避けてきたユキダルモン・アイスモン・ハリモグモンよりも、海の中で捕食者として暴れ回っていたシードラモン、トビウモンの方が、単独での戦闘力は高い。
それでも、陸上に陣取っているハリモグモン陣営は、地の利を活かして戦い、優勢に立ち回っていた。
もしかしたら、このまま押し切れば勝てるかもしれない!
アイスモンは氷の拳をトビウモンに叩きつけながら、そう思っていただろう。
…だが。
戦場に突如、ラッパのような音が鳴り響いた。
水中から顔を出したレベル4デジモン、シーホモンが雄叫びをあげたのである。
https://i.imgur.com/LRpH0KB.jpg
676 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 21:59:12.20 ID:dBhuTsBvo
シーホモンは、ラッパを吹き終えると、海に潜っていった。
…その数秒後。
海の中から、シードラモンが追加で5匹出現した。
これはまずい、とビビったハリモグモン陣営は、その場から一目散に逃げ出した。
6体のシードラモンから一斉に噴出された氷の矢によって、ユキダルモンは粉々に消し飛んだ。
…それ以来、海岸からはいつもシーホモンが顔を出していた。
ゴマモンがプカモンを狩るために海辺へ近づくと、シーホモンはすぐにラッパを吹いた。
シードラモンがやってくるのを恐れて、すぐに逃げた。
…そうして、局面は膠着した。
アイスモンやハリモグモン、その子供達は、まともに餌がとれなくなってしまったのだ。
677 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 22:22:37.07 ID:dBhuTsBvo
ハリモグモンは、それでも子供達のために餌をとろうとした。
シーホモンが見ていない隙を狙って、海に潜るハリモグモン。
だが、海の中では…
既にトビウモン数匹に待ち伏せされていた。
トビウモンのタックルを全身に浴びるハリモグモン。
背中を氷で防護しているハリモグモンといえど、これを受け続けたらやばい。
氷で身を包み、防御を試みた。
だが、トビウモン達は、氷の鎧で身を包んだハリモグモンを、水中へ引きずり込もうとした。
さすがに呼吸が続かないハリモグモンは、氷を融かし、泳いで水中から脱出した。
陸に上がったハリモグモンは、口を大きく開けて息を吸い込んだ。
その瞬間。
シーホモンのラッパが鳴った。
ハリモグモンが大きく開けた口の中に。
シードラモンが発射した氷の矢が、深々と突き刺さった。
ハリモグモンは口と後頭部から大量に出血し、倒れた。
678 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 22:23:19.80 ID:dBhuTsBvo
続く
679 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/29(月) 22:32:41.65 ID:qyt+O7xfo
おつおつ!
680 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/29(月) 22:36:54.07 ID:SuSrkFRNo
乙
681 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 22:53:33.68 ID:dBhuTsBvo
〜オマケ〜
ところで、海にたくさんいる大量のプカモン達。
これらを見て、疑問に思わないだろうか。
「このプカモン達はなぜ、幼年期のままこんなにたくさんいるのだろうか」と。
プカモン達とて、食われるのは嫌なはずだ。
ならばさっさと成長期ヘ進化してしまったほうが、個体の生存率はぐんと上がるだろう。
しかし、プカモン達は進化せず、幼年期のままあちこち泳ぎ回って暮らしている。
…どことなく奇妙である。
我々はプカモンについて観察し、研究した。
682 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 22:58:31.30 ID:dBhuTsBvo
プカモン達の生活を見ていると…
プカモンの主食は、海藻であったり、水棲デジモンの死骸であったりするが…
プカモンよりさらに小型の幼年期デジモンである、ピチモンやポヨモンを食べる事もあった。
https://i.imgur.com/NrUhXcR.jpg
https://i.imgur.com/ZoXVNs8.jpg
…そしてプカモンは、なんと小粒のデジタマを大量に産んだ。
そして、プカモンが産んだデジタマからは、稚魚のようなデジモンが産まれた後、プカモンへ成長した。
…これは驚いた。
なんとプカモンは、幼年期のままデジタマを産むのである。
プカモンの餌となるピチモンやポヨモンも、プカモン同様に、幼年期のまま大量にデジタマを産み、親と同じ姿の子が孵化することが確認された。
683 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 23:04:30.94 ID:dBhuTsBvo
謎が解けた。
弱い被捕食者であるプカモンや、さらにその餌となるピチモン達が、なぜ幼年期のままあちこちにいるのか。
彼らは、幼年期を最終進化形態として、ハイペースで殖えることによって生存する種だということだ。
我々は仰天した。
陸上のデジモン達は、皆レベル4になって初めてデジタマを産んでいたからだ。
低レベルデジモンが、高レベルデジモンに勝る点…
それは「代謝量が極めて少ない」ことである。
消費カロリーが少ないから、僅かな餌だけで生き延びられる。
外敵に捕食されようが構わない。それら外敵の死骸が、増えたプカモンやピチモン達の餌となるから。
…そうした生活環を獲得したデジモンもいるということだ。
684 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 23:08:15.14 ID:dBhuTsBvo
もっとも、ピチモンやプカモンポヨモンの中には、成長期や成熟期へ進化をする個体もいるようだ。
彼らのDNAを調べたところ、幼年期のまま殖える個体群とは、大きく遺伝子配列が異なっていた。
同じ外観でも、DNAがぜんぜん違う。
だから生活環や成長の方向、デジタマを産むようになる年齢にも差異が出てくるのである。
水棲デジモンは、この傾向がかなり多い。
魚型デジモンであるスイムモンも、成長期のままデジタマを産むことが確認されている。
https://i.imgur.com/Ih3rbOG.jpg
685 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 23:10:24.06 ID:dBhuTsBvo
つまり、デジモンは。
産もうと思えばどんなレベルでも、デジタマを産めるのである。
それでも、陸上のデジモンはレベル4になるまでデジタマを産もうとしないことが多い。
これは、恐らくだが…
DNAに秘められた「強くなろうとする意思」が、陸上デジモンの方が強いのかもしれない。
686 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 23:10:59.18 ID:dBhuTsBvo
〜つづく〜
687 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/29(月) 23:11:35.73 ID:SuSrkFRNo
乙
688 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/29(月) 23:20:43.80 ID:dBhuTsBvo
ところで、これまでの報告を聞いてくれた皆様には、今まで出現した中で好きなデジモン、もっと観察したいデジモンはいるだろうか。
もしも挙げてもらえるならば、そのデジモンにフォーカスしてさらなる観察をしたいと考えている。
689 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/29(月) 23:32:47.40 ID:QPZgrHajo
乙
コマンドラモン
690 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/30(火) 00:12:00.08 ID:dDXhyRG20
まさか復活するだと……!?乙
手持ちデジモンがやっぱ気になるけど、それ以外だとジャガモン、グレイモンの子、農園、マッシュモンかな
691 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/30(火) 00:24:17.06 ID:KvfhLROEo
乙
グレイモン
692 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2023/05/30(火) 01:13:19.15 ID:9UjmJCQIo
おつ
ジャガモンを
693 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/30(火) 23:28:50.12 ID:zm1NUAgko
…
ハリモグモンの兄弟であるボアモンもまた、デジタマを4個産んだ。
そこから産まれたトコモンは、やがて4匹とも、レベル3へ進化した。
https://i.imgur.com/afT1gum.jpg
4匹の哺乳類型デジモン…バクモンは、森の中で草を食べながら生きた。
やがて4匹のバクモンは、それぞれ異なる姿のレベル4デジモンへ進化した。
牛型デジモン、ブルモン。
https://i.imgur.com/NVoWcCH.jpg
シマウマ型デジモン、シマユニモン。
https://i.imgur.com/aEtYNQ3.jpg
ヤギ型デジモン、ゴートモン。
https://i.imgur.com/YK9hxcl.jpg
ヒツジ型デジモン、シープモン。
https://i.imgur.com/G3YI28G.jpg
子供達の共通点は、親譲りの硬い蹄である。
走行に適した脚部を活かして、これら偶蹄類型デジモン達は、大地を駆け巡った。
…彼らについて特筆すべき点はない。
足が速ければ、生存に有利に決まっているからだ。
偶蹄類デジモン達は、森やサバンナ、山岳地帯、平原へ、それぞれ住処を移していった…。
694 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/30(火) 23:31:57.09 ID:zm1NUAgko
…さて。
ブロッサモンを倒した、竜人型デジモン…エクスブイモンと、蜂人型デジモン…スティングモン。
彼らは、ブロッサモンの頭部を運び、サバンナの方へ向かった。
そこには、大きな集落があった。
ディノヒューモン農園を中心として、原始的な文明ができていたのである。
爬虫類型デジモンと、蜂型デジモンか共生し、農作物を育成する巨大農園。
エクスブイモンとスティングモンは、ブロッサモンの頭をそこへ持ち帰ったのであった。
695 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/30(火) 23:36:43.65 ID:zm1NUAgko
エクスブイモンは、村の長であるディノヒューモンのもとへブロッサモンの頭部を届けた。
ディノヒューモンは、ブロッサモンの頭部を何度も切断し、細切れにした。
おおよそ500ピースほどに分離された。
それを乾燥させた後、石をくり抜いて作った容器の中へ入れて貯蔵した。
ディノヒューモンは、この乾燥ブロッサモンを何に使うのであろうか…。
696 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/30(火) 23:43:21.61 ID:zm1NUAgko
…
数日後。
ディノヒューモンは、群れのデジモン達に何かを指示した。
すると群れのデジモン達は、いっせいに森へ向かった。
そして木々を伐採し、材木にして、サバンナの集落へ持ち帰ったのである。
木材の有用性に気付いたということだろうか。
次々に木を切り倒していく集落のデジモン達。
怒ったレッドベジーモンが攻撃を仕掛けたが、フライビーモンやモスモンの集中攻撃を受けて倒された。
もしかしたら彼らは、ブロッサモンが倒れ、材木を収集しやすくなる機会を伺っていたのかもしれない…。
697 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/30(火) 23:46:46.63 ID:zm1NUAgko
…
その頃。
森の中では、ジャガモンとウッドモンが向かい合っていた。
ジャガモンは、自分の体の中から、大きな芋を取り出し、ウッドモンへ差し出した。
ウッドモンはその芋を食べた。
すると、ウッドモンの肉体は、急激に巨大化を始めた。
https://i.imgur.com/ydN30Hu.jpg
枯れ木そのものであったウッドモンは、青々と生い茂る葉に包まれた。
698 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/30(火) 23:51:27.05 ID:zm1NUAgko
その進化を見届けたジャガモンは、深くうなずくと…
体表を構成する岩石のような装甲が、ボロボロと剥がれ落ちていった。
ジャガモンの肉体はどんどん崩れていく。
やがて、ジャガモンはこぢんまりとした姿となった。
頭部から、根っこと枝、葉が生えた姿だ。
サイズは小さめの成熟期程度だ。
その小さな体になったジャガモンは、目を瞑り…
そのまま眠った。
しばらく観察したが、ジャガモンは目を覚まさなかった。
間違いなく生きてはいるが、太陽光を浴びてわずかに光合成するだけであり、動き回ったりはしないようだ。
699 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/30(火) 23:52:22.85 ID:zm1NUAgko
大木へ進化したウッドモンこと、ジュレイモンは…
休眠状態のジャガモンを一瞥すると、森の中心へと進んでいった。
700 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/31(水) 00:10:44.43 ID:LRT6okKKo
…ときに。
現在のデジタルワールドは、成熟期…レベル4デジモンを頂点とした生態系ではあるものの、個体数では成長期…レベル3デジモンの方が多い。
それは何故なのだろうか?
なぜデジタルワールドは、レベル4デジモンで埋め尽くされていないのだろうか。
デジモンはレベル4になれば格段に戦闘能力が増す。
それならば、どいつもこいつも成長期で留まっておらずに、みんなグレイモンやスターモン、モノクロモンといった戦闘能力の高いレベル4や…あるいはスコピオモンのようなレベル5になってしまった方が、個体の生存率は上がるはずだ。
しかしながら、デジモン達は誰も彼もが戦闘能力の高い姿を手にしたわけではない。
プカモンやヌメモン、ベジーモンのように、あえて弱い姿を選んで進化する個体も大勢いるのである。
それは一体、なぜなのか…?
701 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/31(水) 00:17:26.29 ID:LRT6okKKo
それは、高い戦闘能力をもつ肉体を維持するには、莫大な消費カロリーを必要とするからだ。
かつて出現したレベル5デジモン、スコピオモンを覚えているだろうか。
スコピオモンは、その強靭な肉体を維持するために、森林に住むデジモン達を乱獲した。
あのときは森林のデジモンの10〜20%が消え、生態系のバランスが変わったともいわれる。
もしもあのままスコピオモンを止めるものがいなかったら、どうなっていただろうか?
森林のデジモン達は絶滅していたかもしれない。
そうなれば、スコピオモンは間違いなく餓死していたことであろう。
故に、スコピオモンは。
圧倒的な強さを持ってはいたが、生存に有利かというと全くそんなことはなく、むしろとても脆い存在だったといえる。
702 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/31(水) 00:23:49.89 ID:LRT6okKKo
かつて我々の世界は、巨大生物であふれていた。
トンボの祖先は体長が30cmもあったといわれているし、全長20mを超える恐竜が陸上を闊歩していたこともあった。
しかしながら現在では、そんな巨大生物はほぼ存在しない。
トンボは小さくなり、恐竜は小鳥になった。
皆あえて大きさと強さというアドバンテージを捨て、小型化したのである。
そう、つまり。
大きく強くなることだけが進化ではない。
小型化し、弱くなることで、環境に適応しやすくなることもあるのだ。
それがデジモン達の進化の方向性のひとつだということである。
703 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/31(水) 00:26:46.28 ID:LRT6okKKo
では、デジモンにとってレベル5への進化は、死の病なのであろうか?
過剰なパワーと引き換えに強い空腹に襲われるだけの、誤った進化なのだろうか。
…そうとは言い切れない。
ひとつ、レベル5に到達しても、安定して生きていける系統がある。
それは、光合成によって体内で栄養を合成できる、植物型デジモンだ。
ジャガモンやブロッサモンがそうだ。
704 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2023/05/31(水) 00:31:40.09 ID:LRT6okKKo
あのブロッサモンは一体何者だったのであろうか。
ジャガモンとの関係は一体なんだったのだろうか。
我々の研究所は、ブロッサモンは『ジャガモンの後継者である』と仮説を立てた。
ジャガモンは、スコピオモンに対抗するために、スターモンとウッドモン、大勢のゴツモン達が融合して進化したレベル5デジモンである。
その戦闘能力は、これまで見てきたデジモン達の中で群を抜いて最強であった。
ジャガモンならば、グレイモン・ティラノモン・グラウモンの3体と戦っても、大してダメージを受けずに勝っていただろう。
だが、ジャガモンは戦闘能力が高すぎるあまり、消費カロリーが高く、『森の守護者』を担うにはオーバースペックだった。
単独の戦士として最強であっても、守護者としての役割に向いた肉体をであるかというと、そうとは言えないのだ。
だからジャガモンは、デジタマを産み、後継者であるブロッサモンを育てたのだ。
…だが。
そのブロッサモンは死んだ。
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