【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」美穂子「誰だって」【Part2】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

101 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 00:28:04.95 ID:ljd4ZLr10


―――【松実館】


灼の案内でやってきた松実館

熱波の中、5分ほど歩いたがそれだけで十分だった

上着は腕で持っており、既にネクタイはゆるめてボタンも二つ開けている


京太郎「だぁ……涼しぃ」

灼「サラリーマンみたいだね」

京太郎「暑くないんっすか?」

灼「暑いよ」


そう言いながら奥へと進んでいくと、温泉の暖簾をくぐる灼

暖簾には“女”と書いてあり足を止めるが灼が戻ってきた


灼「いいから」

京太郎「こんなことあります?」


暑さのせいだけでなく、京太郎の顔が少しばかり赤くなる

その意図を理解したのか、灼はジト目をむけた


灼「なに想像してるの」カァッ

京太郎「一緒にお風呂ってそれはちょっと」

灼「いいから」

京太郎「え、えぇ〜」


灼の後を追って、京太郎は恐る恐る暖簾をくぐった

102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/16(火) 00:28:11.29 ID:obEsYv+30
こりゃ汗でたぬきTシャツも透けてるな…
103 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 00:58:28.50 ID:ljd4ZLr10


さらに熱のこもった脱衣所を、靴下を脱いでから抜ける二人

あまりの暑さにさらに汗が噴き出すわ意識が持っていかれそうになるわ

判断力も衰えてきたのかもしれない

せっかくの女湯脱衣所、さらに風呂場もなんの感情もわかずに早く出たいと思うのみ


ガチャッ

灼「ただいま……!」

京太郎「!!?」


露天風呂に出ると、そこには―――水着姿の少女たちがいた


京太郎「この時期に水着回!!?」

晴絵「お〜京太郎〜」

京太郎「なにやってんっすか!」

晴絵「まぁまぁ」

憧「ちょっ、須賀も来るってきいてないんだけどっ!?」

穏乃「京太郎も入りなよー」

京太郎「なにも聞いてないし」


溜息をつく京太郎


灼「っ!」ヌギッ

京太郎「灼さん!?」


勢いよく服を脱ぎだす灼に驚愕する京太郎

やはり暑さでやられている。判断力とかその他もろもろ

服の下に水着を既に着ていたようで、そのまま“水の溜まった露天風呂”へと飛び込む

水しぶきが京太郎の足元に飛ぶ


京太郎「あ〜つめたぁ〜」

晴絵「幸せそうだなぁ」

京太郎「いや四人には負けますけど……宥さんは?」

晴絵「そこについての話も……とりあえず、入る?」

京太郎「入……らねぇっす」
104 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 01:36:23.68 ID:FQgXnxTH0


さんさん、否ギラギラ輝く太陽の元、京太郎は水の入った桶に足を突っ込んでいる

四人は水風呂に入ったままだ

それぞれが腕につけた端末を開いている


京太郎「太平風土記?」

晴絵「そういうこと、ほれこれ」

穏乃「禍破呑(マガパドン?)」

晴絵「いや、マガパンドン」

京太郎「魔王獣……」


息をついて頷く

どれも強力な力を持った怪獣たち

容易に勝てるわけでもなければ、その災害の規模は通常の怪獣の比でない


京太郎「……まさかこの灼熱も?」

晴絵「そういうこと」

憧「許せないわね……」

京太郎「宥さんが、メダルの?」

晴絵「たぶんね、最近寒いとか言ってたけど、それはそれで例年の比じゃなかったし」


いつメダルを入れられたのか、入っていたのかわからない

顔をしかめてサングラスの奥の瞳を細めつつ上空を見上げる


晴絵「あの偽りの日輪の中に、たぶんいる」

京太郎「それじゃあ」

灼「穏乃の、出番」

穏乃「おっす!」グッ

憧「……」

105 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 01:56:16.44 ID:EETzGWBm0


京太郎は松実館の玄関にいた

そんなガラの悪い男がいたら営業妨害甚だしい

しかして、現状の奈良では営業している意味すらないので特に関係もないだろう

でなければ露天風呂を水風呂になどできない


京太郎「あっちぃ……」

晴絵「暑いって言うなよぉ」


嫌々着替えたのだろう四人が出てくる

とりあえず目的は決まっているのだからと、歩き出す

太陽が、二つ


京太郎「……真上のがマガパンドンか」

晴絵「鬱陶しいったらないなぁ……魔王獣、闇のとかまで出てこないでしょうね」ハァ

京太郎「詳しいっすね」

晴絵「トシさんに仕込まれてるからね」


そう言われては納得せざるをえないだろう

歩き出す面々、すると憧が京太郎の隣を歩きながら口を開く



憧「ホントに、なんとかする方法ないの? シズが戦う以外で」

京太郎「嫌なのか」

憧「友達が命かけて戦うのが嫌じゃない奴がいんの?」

京太郎「そりゃそうだわな……でもこれは、穏乃が望んでることだ」

憧「わかってる。わかってるけど……」グッ

京太郎「……」

106 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 02:18:51.06 ID:EETzGWBm0


―――【特異課奈良基地前】


良く見れば日輪は、案外近くにあるようだった

高度はそれなりにあるようだが、無理でもない

巨大なライフルを持つ京太郎、晴絵


京太郎「二人は無理だろなぁ」

晴絵「まぁ私らでなんとかするしかないっしょ」

穏乃「大丈夫、私がみんなを守るから……!」


懐から、エスプレンダーを取り出す


京太郎「頼む」

憧「怪我すんじゃないわよ」

穏乃「応!」


周囲に人影は―――ない


穏乃「ガイアァァッ!!」


107 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/16(火) 02:26:08.62 ID:EETzGWBm0

てことで今回はここまー

次回は水曜にでもー
ガイアVSマガパンドンから開幕
それだけで終わらんけども!

そんじゃまたー
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/16(火) 07:29:42.24 ID:4ID573er0
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/16(火) 12:19:46.36 ID:NRQt4XOX0
やえさんの登場はまだ先ですかね
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/17(水) 21:26:23.72 ID:L8+wUfbC0
ニワカ怪獣は相手にならんよ!
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/19(金) 05:49:10.68 ID:W/jGL6v80

このイッチのことだし王者は強いのになってそう
112 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 22:08:02.68 ID:lKjl0k/y0

水曜できんかったー
やってくー

やえはもうちょい後になるんじゃ!
113 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 22:26:20.06 ID:lKjl0k/y0


赤き輝きと共に現れるのはウルトラマンガイアV2

両腕を上に上げて飛び立つ

京太郎たちが頷いているのが見えるも、穏乃―――いや、ガイアのいまの敵は、天にこそいる


ガイア「チャッ!」


その偽りの日輪に腕を構えて、光線【クァンタムストリーム】を放つ

放たれた赤き光線が真っ直ぐに日にぶつかると共に、放たれる熱波


穏乃『グッ! でも……今の私はッ!』


さらに力強く、光線が真っ直ぐに伸びる

偽り日輪が揺れていく

相手は松実宥、熱の力を持つ者

その力は良く知っている。それでも―――!!


穏乃『いけぇぇっ!!』


―――そして、爆発

114 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 22:37:35.89 ID:lKjl0k/y0


その偽りの日輪の爆発に、地上の京太郎たちが顔をそむける

すぐに嫌な予感がして京太郎は叫ぶ


京太郎「走れ! 南だ南!」


その言葉に明確な返事がないものの、走り出す音が聞こえる

眼を開いて顔を上げれば、憧が逃げ遅れているようだった

晴絵と灼は既に逃げているようで姿はない


京太郎「ッ!」

憧「ちょ、きゃぁっ!」


即座に憧を抱きかかえて走り出す


京太郎「さっさと逃げるぞ!」

憧「なにがっ……ガイア?」

京太郎「感じるのかよ、お前も!」


走る京太郎の背後、離れた場所に落ちてくるガイア


ガイア「グアァッ!」


その衝撃により京太郎と憧が吹き飛ばされた


京太郎「ッ!」ギュッ

憧「ふひゃっ!?」


できるだけ憧を抱いたまま丸々

吹き飛んだ京太郎が地を転がるも、吹き飛びながらも掴んだ鉄パイプを地面に突き立てる

両足と鉄パイプでブレーキをかけながら、そのまま止まった


京太郎「ッ!」

憧「あ、ありがとぉ」


そっと、憧を降ろす京太郎が鉄パイプから手を離す

肩で息をしながら立ち上がり倒れているガイアの方を見据える

起き上がるも、どこか疲労しているようにも見えた


京太郎「くるぞ、ガイア!」

ガイア「!」


背後を見やるガイア、その視線の先に降りてくるのは……


京太郎「マガパンドン……!」

115 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 22:57:58.67 ID:lKjl0k/y0


炎ノ魔王獣マガパンドンは二つの頭を持った鳥獣

咆哮を上げ、その二つの頭の中心にマガクリスタルが輝かせている

ガイアが構えを取った


京太郎「穏乃……!」


放たれるマガパンドンの火球が二発

一つを拳で弾くも、もう一発を防げずに直撃

吹き飛んで、京太郎と憧の前に倒れる


憧「ッ……シズっ!」

京太郎「……」


倒れるガイアが、ゆっくりと起き上がる

少しばかり顔を後ろに向けて視線を京太郎と合わせた

静かに、京太郎は頷く


穏乃『私の、力はぁッ!!』


両腕を真上に上げた


離れた場所に、灼と晴絵がいる

食い入るように“友の戦い”を見る灼

その背後で、晴絵が口角を歪めた


晴絵「ヴァージョンアップを見せてよね」ハッ

116 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 23:23:16.67 ID:lKjl0k/y0


そしてガイアは両腕を胸の前にした

輝きがガイアの模様を変え、さらに体系すら変えていく

タイプチェンジとはまた違う


京太郎「ガイアが、ガイアが変わる……?」

憧「スプリーム・ヴァージョン……!」


ガイアが新たな姿へと変わった


京太郎「……ガイアと、アグルの力の融合か」


そう言うと、隣の憧が僅かに反応したのが見える

だが、何を言うでもなくその戦いを見守るのみ

最初期やV2ともまた違う構えを取るガイア


ガイア「チャァッ!」

マガパンドン「!!」


◆BGM:ガイアノチカラ【http://www.youtube.com/watch?v=FYIhZdbyY6U


再び放たれる二発の火球を、両方とも拳で弾く

接近すると同時に力強い拳でその胴を撃つ

咆哮を上げて、下がるマガパントンにさらに接近し、その体に膝蹴りを放つと胴体を掴んで背負い投げる


マガパンドン「!!?」

ガイア「ダァッ!」


地に叩きつけられるマガパンドンが、そのまま頭を掴まれさらに上空に持ち上げられてから地に叩きつけられた
117 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/19(金) 23:40:45.86 ID:lKjl0k/y0


さらにガイアがマガパンドンを持ち上げようとするも、耐える

超至近距離でマガパンドンが火球を放つ

さすがに魔王獣なのだろう

並の怪獣の比では無い


ガイア「グッ!」


怯むガイアだが、即座に溜めた拳をマガパンドンに打ち込む


マガパンドン「!!」


吹き飛んで、地に倒れたマガパンドンがふらつきながら起き上がる

マガパンドンの周囲のビルが溶けていく

至近距離で戦うこと自体も簡単ではないだろう


京太郎「スプリーム・ヴァージョン、並じゃぁないか」フッ

憧「シズっ」

ガイア「!」


走るガイアが、マガパンドンの火球を弾きながら接近―――マガパンドンを拳で打ち上げる

吹き飛ぶマガパンドンを見据え、両腕を真上で合わせる

輝きをその両手に集めて、腰をすえて足を構えて合掌するように手を前に……


京太郎「……」


そしてガイアが右腕をずらすと、そこから放たれる必殺光線【フォトンストリーム】

消耗が激しいが、絶大な威力を持つその一撃


京太郎「ッ!」

穏乃『ハアァァァァッ!』


空のマガパンドンが放つその火球すらも消し去り、その一撃はマガパンドンを飲み込む


京太郎「あれが―――!」

憧「私、は……」
118 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 00:04:19.00 ID:ZyjDcJxu0


その光の奔流の中、消し去られていくマガパンドン

今まで通りならばそれでも問題ないはずだ

光線を止めたガイアが、素早く飛び上がる


京太郎「穏乃!」


マガパンドンが“存在した場所にあった光”を受け取ると、京太郎たちの方に降りる

そっとその手を降ろすとそこには―――


京太郎「宥さん……」ホッ

憧「宥ねぇ」


倒れた宥、上着を脱ぐとそれをまくらにして寝かした

ゼットライザーは腰後ろに差し込んでおく

そっと握っている手をほどいて、メダルを取る


京太郎「マガパンドン……」

憧「宥ねぇ、大丈夫なの?」

京太郎「知ってるだろ。メダルの器にされた人間はそこまでの負傷は……」


瞬間、凄まじい音と共にガイアが呻く声が聞こえた


ガイア「グアッ!」

京太郎「シズ!?」

憧「な、なにっ!!?」


ふらつきながら、起き上がるガイア

京太郎と憧もそちらを見やるがそこには―――


憧「ガイア……!!?」

京太郎「偽物が良く出るな!」
119 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 00:24:12.21 ID:ZyjDcJxu0


離れた場所で、現れたニセガイアを見据える晴絵と灼の二人

突如現れたニセガイアに顔をしかめる晴絵

腕につけた端末が鳴る


晴絵「なに?」

『研究部にあったアパテーとアルギュロスのメダルが盗み出されて……』

晴絵「なるほどねぇ、金属生命体……ミーモス」チッ


現れたニセガイアはV2とは違うが、それでも披露しているガイア相手には十分なのだろう

両腕を額に合わせて、頭を後ろにする

その頭部から伸びるのはフォトンエッジ


京太郎「いきなり決める気か……っ」

憧「ガイアが弱ってるからって!」


ガイアが右腕を真上に上げると、そこから伸びるのは―――フォトンクラッシャー

京太郎が左手にゼットライザーを持つが、既に間に合わないだろう

二つの光線が同時に放たれる


穏乃『ハアァァァァッ!』


ガイアとニセガイアの間でぶつかる光線

しかし二つの力が生み出すのはただの衝撃波だけでなかった

その混じりあった光が、上空へと飛んでいく


ガイア「っ」


二体の光線が止まるが、ガイアが膝をつく

ニセガイアはまだ余力があるようだった


憧「こんな連戦でどうしろって……!」

京太郎「やれることをやるしかないだろ」


息を吐いて頷く

ふと、横になっていた松実宥が、眼を覚ました

たまたま視線が合うと、京太郎が軽く微笑む


憧「やれることって」

京太郎「憧、宥さんを頼む」

憧「須賀!?」

宥「きょ、ぉたろぉ、くん?」

120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/20(土) 00:26:24.74 ID:f4Bdwox+0
そういう組み合わせ方か
めっちゃ詰め込んでるな
121 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 00:33:28.76 ID:ZyjDcJxu0


晴絵がミーモスと呼んだニセガイアがゆっくりとガイアへと近づいていく

それはすなわち、京太郎たちに近づいていくに近い

溜息をついた京太郎が、トリガーを引くと正面にゲートが現れる

妙な感覚だが、言いたいことはなぜだか頭の中に浮かんでいた


京太郎「憧」

憧「へ、な、なに?」


上体を起こそうとする宥をささえている憧の眼が、顔だけを横に向けている京太郎と眼と合う


京太郎「お前は、光に選ばれてるんだよ。きっと」

憧「な、なに言って!」

京太郎「……」


真っ直ぐ立った京太郎が、歩き出す


京太郎「そろそろ俺も混ぜろよ!」

122 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 01:00:32.18 ID:VvTPz9k20


―――【インナースペース】


そこに立つ京太郎が、左手にゼットライザー、右手にカードを持つ

素早くアクセスカードを挿入


『kyotaro Access Granted.』


京太郎「さて、こっちも―――熱いやつで頼みます!」


手に持ったのは三つのメダル、ベリアルメダルに語りかける

そのベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く


京太郎「どくろ怪獣、古代怪獣……ベリアルさん!」


レッドキングとゴモラのメダルを挿入

落ちてきたベリアルメダルを取るとさらにそれを差し込んでブレードを可動させる


『 Red King. Gomora. Belial. 』


その赤い瞳が輝いた


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げる


『Skull Gomora.』


スカルゴモラ、降臨

123 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 01:30:22.10 ID:VvTPz9k20


ガイアの前、現れたスカルゴモラが咆哮を上げる

紅蓮の瞳がニセガイアことミーモスを見据えた

背後で膝をついているガイアがその背を見上げる


穏乃『きょ、京太郎……?』

京太郎『下がってろ、連戦じゃこいつはやれないだろ』

穏乃『ずっと、助けてくれてたんだね』


その言葉に返すことなく、スカルゴモラが走り出す

ミーモスがガイアのように手から光弾を放つも、ベリアル融合獣にその程度の攻撃通用するわけもない

ガイアが成長しているように京太郎も成長しているし、相手は消耗もしているのだ


京太郎『舐めるなァ!』


直撃するも、減速することなくそのままミーモスへと突撃

ミーモスが吹き飛ばされてスカルゴモラの背後に倒れた

止まるスカルゴモラが、素早くその脚に火球を出現させて蹴り飛ばす


ミーモス「グッ、ガアアァッ!」


苦しむミーモスにダメ押し

それによりさらに暴れ―――外装がはがれていく


京太郎『化けの皮がはがれたな根源的破滅招来体……!』

ミーモス「!」


立ち上がるミーモス、体のシルエットはガイアの時とまた変わっている

その肩や足に伸びる金属片

その黄色い三つ目でスカルゴモラを“睨みつけ”ている
124 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 01:51:19.30 ID:VvTPz9k20


ミーモス「!」


その体から、金属片が浮遊しブーメランへと形を変える

腕を振るえばその金属片はスカルゴモラへと飛ぶが……


『Eleking. Ace-Killer. Belial.』

京太郎『これでオーラスだ!』

『Thunder Killer.』


ベリアル融合獣の姿が変わり―――サンダーキラーが現れる

口から放つ円刃型の光線と左腕の電撃でブーメランを撃ち落とす

苛立つように両腕を振るったミーモスが走り出した


京太郎『さっきから妙な感覚がする……さっさと潰す!』


暗雲立ち込める空、見上げる余裕はない

接近して腕を振るうミーモスだが、サンダーキラーでそれを受け流す

素早く長い尾をその首に巻き付けた


ミーモス「!!?」

京太郎『さっさと決める!』

125 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 02:06:46.99 ID:VvTPz9k20


その尾に電撃を流しミーモスに攻撃をしながら、さらに左腕を振るう

鉤爪のついたその左手がミーモスの頭を掴む


京太郎『オォォォッ!』

サンダーキラー「!!」


独特の鳴き声と共に、サンダーキラーがミーモスの頭を掴んだまま持ち上げる

バチバチと音を立ててさらに電撃を放つサンダーキラー


京太郎『サンダーデスチャージッ!!』

ミーモス「!!?」


一層激しく電撃が放たれると共に、ミーモスが爆散する


巻き起こる―――爆煙

126 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 02:28:04.04 ID:apnivVzo0


広がる爆煙が斬り裂かれ、中からサンダーキラーが現れる


憧「す、べ、え、えっと……お、おーい!」

京太郎『憧?』


声のする方を見ると、新子憧がいた

その隣には京太郎のジャケットを羽織っている宥

上を指差す憧、ガイアもそちらを見ている


京太郎『空に……なっ!!?』


上空に―――巨大な渦、いや穴が開いていた

ワームホールのようななにか、原因は理解している

先ほどのガイア同士の攻撃のぶつかり合い


京太郎『ッ、そういや前にベリアルさんが止めてたなっ』

穏乃『あれ、一体……!』


視線を再び宥たちの方へと向けると、そこには―――


穏乃『なっ!?』

京太郎『っ……和!』


和「……」


原村和が、宥と憧の前にいた

鋭い瞳をサンダーキラーに向けたまま、隣に松実玄を連れてだ

127 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 02:58:28.10 ID:apnivVzo0


地上に立つ和に、攻撃はできない

こうなれば生身の方がやりやすいことこの上ないのだが……


和「ワームホールが開いた……さぁ、ようやく出番です」

玄「はぁっ……んっ、ぅぁっ……」

宥「玄ちゃんっ!」

憧「宥ねぇだめ!」


駆け寄ろうとする宥を止める憧

苦しそうに呻いている玄の口から、涎が垂れる

和こと、ゾグは笑みを浮かべサンダーキラーを見上げた


和「私の勝ちです!」

??「勝手に勝った気になってんじゃぁねぇよ!」


そう言いながら和の背後に現れるのは―――ジャグラス ジャグラー

ジャグラーがその刀を振るうも、和の背後にさらに現れる影

それは、グローザ星系人


ジャグラー「チッ!」

グローザ星雲人「!」


素早く腕を振るうと、ジャグラーは後ろへと下がる

刀を肩に当てながら真っ直ぐに立つ

和は笑みを浮かべたまま、その手に集めた闇を玄の胸に突き付ける


玄「アアァァアアァァ!!?」

和「さぁ蘇りなさい……これで終末です!」

宥「玄ちゃぁん!」

憧「ッ!」


黒い輝きが玄を包み、それは光の柱となって上空―――ワームホールへと伸びて消えて行った

もちろん玄もすでにそこにはいない

どこへ行ったかなど考える必要もない


京太郎『ワームホールを介して、なにが!!?』


ジャグラー「ドラゴンって感じじゃないでしょあれ……」

128 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 03:19:16.13 ID:apnivVzo0


巨大なワームホール、その向こうから―――巨大な顔が現れた


ジャグラー「ゾーリム……ね」


ドラゴンの頭のようにも、蛇の頭のようにも見える

少なからずその異形は頭だけをそこから覗かせていた

溢れる力はあまりに強大


京太郎『なん、だよ……あれは!』


和「さぁ、根源的破滅をォ!」


ゾーリム「―――!!」


憧「……っ」



巨獣ゾーリムが咆哮し、海を、大地を震わせる


129 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 03:28:08.58 ID:apnivVzo0


    第23話【偽りの赤き日輪】 END

130 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 03:47:12.30 ID:apnivVzo0


―――次回予告


京太郎:穏乃ォ!

憧:たった一人で!

晴絵:おもしろそうじゃん

穏乃:受け取れ!

京太郎:オレが、オレ達が潰す!


次回【復活の日】


憧:私は、戦いたいっ!

131 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 03:58:25.43 ID:apnivVzo0

今回はここまでー

そして今回は色々詰め合わせでしたー
タイミングによってはまた色々と変わったりしたり

次は明日ってか今日またやりたいとこー
そんじゃまたー
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/20(土) 04:12:51.31 ID:QzhRU7mOO
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/20(土) 04:39:57.55 ID:aAI2cw3g0
乙です
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/20(土) 21:14:52.49 ID:jrPoyvyH0

これどうにもならんやろ
135 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 21:55:04.98 ID:3416BMKl0

インスタンス・ドミネーション!
とか言いながらやってくー

円谷の供給過多でしぬ
136 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 22:09:10.91 ID:3416BMKl0


空を覆う暗雲

サンダーキラーが立ち上がり、ガイアも同じく立ち上がった

地上ではジャグラーを前にグローザ星系人は和を抱えて跳んで消える


ジャグラー「チッ、めんど……」


悪態をつきながら、ジャグラス ジャグラーが空を見上げた

ワームホールから顔を出しているゾーリム

そこに走ってくるのは―――鷺森灼


灼「憧、宥もっ」

憧「灼……」

宥「灼ちゃん、先生は?」

灼「はぐれちゃって……」


そう言う灼が、ジャグラス ジャグラーにガッツハイパーを向ける

肩をすくめるジャグラーを前に、宥が灼の銃に手をそえて降ろさせた


灼「なんで?」

宥「この、トゲトゲ星人さんは悪い人じゃないから……」

ジャグラー「悪い人じゃない、ねぇ……どうかな?」ハッ

憧「……あんた」


瞬間、空のゾーリムが再び咆哮する


ゾーリム「―――!!!」

137 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 22:32:31.88 ID:3416BMKl0


サンダーキラーで既に廃墟になっている場所へと向かう

被害はなるべく出ないようにしようとする故だ

だが空の敵ともなれば……


京太郎『タイラントか……?』


反動は凄まじい、また増援が来た時に対抗できるかはわからない

だが、かなり疲労しているガイアに空の巨獣を一人で相手させるわけにもいかない


京太郎(この距離からの攻撃……いけるが)

穏乃『京太郎、私が突っ込む! 援護を!』

京太郎『全力攻撃は撃てないだろ!』

穏乃『でもアイツやばいで―――』

京太郎『くるぞッ!!?』キュピンッ


上空のゾーリムが再び地を揺らすほどの咆哮

肌にビリビリとプレッシャーを感じ、京太郎は迷わずメダルを取り出す

リスク管理を考えてられる状況でもない


ゾーリム「!」


空のゾーリムが火炎を吐く


『Gomora. Tyrant. Belial.』

京太郎『ベェェリアァルッ!』

『Strong Gomorant』


現れるはベリアル融合獣、ストロング・ゴモラント

咆哮を上げるとその角を赤く輝かせる


京太郎『グラビトロンプレッシャァァァァッ!』


重力を、下ではなく上に向かって発生させる

放たれた火炎を、無理矢理重力のシールドで凌ぐ

だがその火力故なのか、徐々に押されていく


京太郎(もうちょっと日ぃ空けなきゃ無理かぁっ!!?)


体中に痛みが奔る


穏乃『京太郎!?』

京太郎『終わった瞬間っ、いくぞォ!』

穏乃『お、応ッ!!』

京太郎『オオォォォッ!!』

138 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 22:58:49.50 ID:3416BMKl0


放たれ続ける火炎を凌ぐ

瞬間、翼を広げてストロング・ゴモラントはゾーリムを見据える

ガイアも、走り出す


京太郎『いくぞォ!』

穏乃『オーッス!』


二体が同時に飛びたつ

上空のゾーリムが、火球を放つ

火炎は消耗が激しいのだろう


京太郎『まだ完全復活って感じじゃあなさそうだな!』

穏乃『いまの、うちに!』


放たれる火球を、ストロング・ゴモラントは口から放つ火炎で相殺する

ゾーリムに接近していくごとに、その大きさを実感させられていく

あまりの巨大さ、ダメージを与えるには―――


京太郎(こんな時にベリアルさんがいればな!)

穏乃『やろう京太郎!』

京太郎『ああ!』
139 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/20(土) 23:20:35.27 ID:3416BMKl0


ガイアがフォトンエッジを構える

ストロング・ゴモラントはハイパーデスファイヤーを撃つ構えだ


穏乃・京太郎『ウオォォォォッ!』



憧「あれは、光がっ!」


地上から見ればゾーリムのいる場所に凄まじい輝き


宥「穏乃ちゃんっ京太郎くん……っ!」

灼「っ……!」


だが、ゾーリムは健在


そして、落ちていくガイア


憧「しずっ!!?」
140 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 00:00:22.55 ID:UCKL5iVz0


ストロング・ゴモラントはゾーリムの前で浮遊している

落ちていくガイアに、ゾーリムが火球を放つ


京太郎『穏乃ォ!』


その射線上に出たストロング・ゴモラントが再び重力のシールドを張る


京太郎『グゥゥッ!』


歯を食いしばり、耐える

インナースペース内であろうとも汗が止まらないのを理解できた

もう一度放たれた火球によりシールドが破られる


京太郎『!!?』


直撃―――爆発


京太郎『だとしてもッ!』

『Arstron. Bemular. Belial』

京太郎『ベェリアァル!』

『Burning Bemustra』


爆煙の中、落ちていくバーニング・ベムストラ

口部に集まるエネルギー

ゾーリムは攻撃準備すらまだしていない


京太郎『ペイルサイクロォンッ!!』


その一撃が―――ゾーリムへと届く

141 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 00:09:35.52 ID:UCKL5iVz0


    第24話【復活の日】

142 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 00:44:18.92 ID:W9UFD85X0


―――覚醒


京太郎「!」バッ


眼を覚ました京太郎の視界にまず入ったのは天井

おそらく、いや十中八九特異課の基地内

右腕を動かそうとするも痛みが奔り少しびくつく


京太郎「あ゛〜」


痛みに顔をしかめながら起き上がる

すると、そこには―――


京太郎「宥さん……」


驚きながらも、そっと左手を伸ばしてその頭を撫でる

その目元に涙跡があるのがわかり、顔をしかめた

玄を助けられたとは―――思えない


京太郎(だけどここが無事ってことは……)

??「おはよう」

京太郎「……晴絵さん」

晴絵「起きたなら、状況説明しようか」


そう言いながら、晴絵が電気を点ける

眩しさに顔をしかめる京太郎


宥「ん……あ、京太郎くんっ!」

京太郎「おはようございます」フッ

宥「……だ、大丈夫!? どこも痛くない!?」

京太郎「大丈夫ですよぉ」

京太郎(体中痛ぇ……)

晴絵「はい、それじゃ」

143 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 01:03:34.23 ID:W9UFD85X0


晴絵からの状況説明を受けた


ゾーリムに関してはペイルサイクロンを受けた後に、ワームホール内に姿を隠したらしい

だがエネルギー反応は未だ強いようで、回復し次第出てきかねないとのことだ


穏乃は怪我をしていたそうだが無事で意識は既に取り戻している

一番重い部分が左腕の脱臼らしいがそこも数時間もすれば問題ないとのこと


京太郎に関しては全身打撲、一部内蔵に傷があるかもしれないということだった

やはりストロング・ゴモラントの反動ということだろう


京太郎「なるほどなぁ」

晴絵「まぁ大人しくしときなよ。奴でまた現れるまで」

京太郎「了解です」ハァ

晴絵「よそも大変らしいし……どうするかなぁ」ポリポリ


ぼやきながら、部屋を出ていく晴絵


宥「わ、私もいくけど大人しくしてなきゃ……めっだよ?」

京太郎「はい」フッ

宥「それと」

京太郎「?」

宥「私を、助けてくれて……ありがとぉ」フフッ

京太郎「俺じゃないっすけどね」

宥「それでも、だよ……助けようとしてくれた、でしょ?」

京太郎「そりゃ当然」

宥「えへへ、うれしいな」ニコリ

京太郎(結婚しよ)

144 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/21(日) 01:13:43.08 ID:W9UFD85X0

今回はここまでー
短いけどたぶんまた明日やるー

そんじゃまたー


◆安価!

1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音
17、新子憧
18、鷺森灼

◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用

145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 02:28:03.79 ID:KuMJCRGN0
17
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 03:36:13.82 ID:KYoGjAlQ0
5
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 04:21:45.08 ID:jisvhYGm0

京ちゃんめっちゃ無理するな
安価は14
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 04:50:34.36 ID:mLo8rGCqO
おつ。3
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/21(日) 05:17:02.48 ID:0Oa4wZTZ0
7
150 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 00:48:28.32 ID:ZC957Po00

おそくなったけどのっそりと

とりあえず安価は5と17ー
151 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 00:58:26.48 ID:ZC957Po00
5、東横桃子



―――【特異課奈良基地:休憩所】



ゆっくりと、椅子に腰を下ろしてコーヒーを啜る

ホットコーヒーが喉を通って降りてくる感覚


京太郎「ふぅ」


安静にしているわけもなく、京太郎は部屋を出ている

他の職員や、阿知賀勢以外にも特異課に協力している雀士などともすれ違ったのですぐに宥たちの耳に届きかねない

しかし―――


京太郎「コーヒー飲みたかったしなぁ」


誰もいない休憩所、おそらく対応などを会議していたりもあるのだろう

窓から空が見える

つまりは、ワームホールもだ


京太郎「あれを放っておくわけにもいかないし……」


よそは忙しいとのことだが、このタイミングを狙ってなのだろう


京太郎「ん〜……」

ピリリリ

京太郎「お、モモ?」


腕の端末が音を鳴らしていた

すぐに開いて、ボタンを押す


京太郎「おう」

桃子『あ、京さん……ってやっぱ怪我してる!?』

京太郎「やっぱってなんだよ」

桃子『やってる気がしたんっすよねぇ』

京太郎「失礼な、人がやらかしたみたいに」

桃子『やらかしてるんっすよ』ジトー

京太郎「……」メソラシ

152 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:13:13.80 ID:ZC957Po00


バツが悪いという風に、眼を逸らし顔をしかめる京太郎

チラリと視線をモニタに向けると桃子は頬を膨らませて怒っている


京太郎「悪いな、心配かけて」

桃子『いつだって心配なんっすよ……私の目の届かないとこにいるの』

京太郎「母さんのようなことを言う」フッ

桃子『茶化さないでくださいっす!』

京太郎「すまん」


いささか、そこまで心配されるとついつい茶化したくもなる

慣れていないこともある

そもそも自分が傷ついたところで、それほど心配する人間がいるなど思ってもいなかったのだ


京太郎「みんな、言うな……俺に」

桃子『みんな心配してるんっすよ』

京太郎「すまん」フッ

桃子『それでも、私は……』

京太郎「ん?」

桃子『うっ、なんでもないっす』カァッ

京太郎(歯がゆいな)


食い下がって聞いても良いが、そういう雰囲気でもない


桃子『なにはともあれ、ちゃんと安静にしてなきゃダメっすよ。怪我してもすぐ動くんっすから』

京太郎「安静にはするよ。できる範囲で」

桃子『絶対しないやつっす』

京太郎「よくわかってるようで」フッ

桃子『わかる努力はしてるつもりっす』クスッ

京太郎「お前みたいな子にそう言われるとときめいちゃうな」ハハッ

桃子『えへへ、良いっすよ』ニヘラ

京太郎(好きになるわ!)
153 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:21:08.94 ID:ZC957Po00


桃子『と、ともかく、みんな心配してるんっすからね!』

京太郎「ああ、俺も心配してるよ。みんなのこと」

桃子『そういうとこっすよね』ボソッ

京太郎「そっちも大変そうだからな」

桃子『ん、まぁ頑張ってくれてますよ。ティガも、みんなも』

京太郎「そうか、また戻る」

桃子『はい、待ってるっす!』ニコッ


そこから数言を交わすと、通信を切る

コーヒーを飲み僅かに痛む体に顔をしかめた

その瞬間―――


憧「だから大人しくしろって言われたのに」ジト

京太郎「どわっ! 急に出るなよ!」

憧「なんか話してたみたいだから」

京太郎「聞いてた?」

憧「最後の挨拶ぐらいは聞こえたけど」

京太郎「そ、そうか……」

憧「なに? 聞かれちゃまずかったの?」ニヤリ

京太郎「んなわけあるかよ」

154 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:30:04.17 ID:ZC957Po00


そう言って息をつく京太郎の向かいに座る憧

少しばかり気安くなっている気もするが……


京太郎「もしかして探しにきた?」

憧「ん、抜け出してるって話は聞いた……宥ねぇはたぶんここにいるって言ってたけど」

京太郎(パターンを読まれてる……)


そこまでいなかった気もしたのだが、そういうものなのだろう


京太郎「宥さんの方も心配だけどな……マガパンドンにされてたんだし」

憧「シズが助けてくれて良かったけどね」

京太郎「そういや穏乃とまだ会ってないな」

憧「あんたら一緒にしたら勝手に出かねないから合流させないって晴絵が」

京太郎「あ〜そうかぁ」トオイメ


否定はできない


憧「力を持ってるから、戦いたいたいの?」

京太郎「ん?」


ふと、雰囲気が変わる

その言葉の声音も込められた想いも、先ほどまで会話していた雰囲気とまったく違う

だがわかった。わからざるをえなかった


京太郎「さてな、人によるからな……」

憧「じゃあ、あんたは?」

京太郎「俺は……戦いたかったんだよ」フッ

憧「?」

京太郎「最初は成り行きだけどな、今は違う」


あの日から沢山の自問自答をした

結果、答えは見えた。今も見続けている答えは一つだと、思いたい


京太郎「穏乃は、守るためだ。憧たちを」

憧「それは力を持って」

京太郎「違うよ。ウルトラの光があろうとなかろうとあいつは同じように戦ったよ。命かけて」
155 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 01:40:20.95 ID:ZC957Po00


その言葉を理解できない憧ではない

だからこそ言葉はでてこなかった

なにかを言いかけては止まるを、三度ほどする


京太郎「まぁ人それぞれ違うからな。自分が戦う意味も、自分が力を持った過程も」


単純【うちはうち、よそはよそ】という理論

なんの解決にもならないが、他人が口を出して解決させるものでもない

ヒントは与えられるがそれ以上はないと、京太郎自身が知っている


京太郎「戦う理由を見つけて、力を手にするか……」


そっと、メダルを取り出す

そこに映るのは、ベリアル


京太郎「力を持った意味を求めて、戦う為の理由を探すか」


外を見て笑う京太郎

どこか寂しそうな笑みを浮かべる彼を見て、憧は頷く

答えは出ていない。だが―――


京太郎「良い顔してる」フッ

憧「……ふきゅっ!? せせせ、セクハラよ!?」

京太郎「そういう意味じゃねぇよ!?」

156 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:05:53.38 ID:ZC957Po00


それから一時間ほど経っただろうか……


こっそりとロビーを出て、街を歩く京太郎

空のワームホールには時折、稲妻が奔っていた

エネルギーが溜まってきているのを感じる


京太郎「厄介なことで」


憧との会話を通して思うところがあったのも事実だった

今更、迷うことなどない

だが―――


京太郎「しつけぇなぁ」


視線の先には、自分自身


京太郎?「言っただろう。俺はお前だって」

京太郎「俺が俺の邪魔するんじゃあねぇよ」

京太郎?「ハハハハハッ!」


自分自身と同じ笑い声のはずだが、やけに癇に障る声だった

右手でガッツハイパーを抜いて迷わず引き金を引く

放たれた弾丸を、“須賀京太郎”は回避する


京太郎「……」

京太郎?「忘れるなよ。俺はいつだっている。お前の傍に……」


そうとだけ言って去って行く

顔をしかめて、ガッツハイパーをホルダーに収めた

上空のワームホールが激しくスパークする


京太郎「くるか……?」

157 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:19:10.55 ID:ZC957Po00


上空のワームホールから、ゾーリムが顔を出した

町中に警報が鳴り響く

瓦礫に囲まれた場所に立つ京太郎


京太郎「痛っ」


顔をしかめながら、ゼットライザーを左手に持つ

上空のゾーリムが火炎を吐く

無差別なのか狙ってなのかはわからないが、京太郎の周囲にも炎が降り注ぐ


京太郎「やるしかねぇだろ……!」

??「無理、するねっ」

京太郎「……お前もだろ、穏乃」


振り返るとそこには高鴨穏乃がいた

左腕を首からかけた包帯で吊るして、顔にもガーゼが張ってある


京太郎「やめとけ」

穏乃「私もそっくりそのままお返しするけど」

京太郎「……」

?「いや二人ともに言いたいわそれ」

穏乃「っ、憧!!?」


そこには、新子憧がいた

京太郎と穏乃に近づいて、立っている

言葉を失う穏乃と、先ほどの会話もあってか苦笑する京太郎

158 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:27:55.81 ID:ZC957Po00


憧「戦うの?」


その言葉に、頷く京太郎と穏乃


憧「昨日はたまたま二人だったけど……でも、いつもあんたたちは!」


グッと拳を握りしめて、力強く言葉を紡ぐ


憧「たった一人で!」

穏乃「一人じゃないよ」

憧「え?」

穏乃「一人じゃない。いつだって私は……みんなと一緒に戦ってたから」


穏やかな笑顔を浮かべる穏乃

きょとんとしていた憧だったが、すぐに笑みを浮かべた

どこか寂しそうでもある


穏乃「私が戦うのは、みんなを守りたいからだから……」

憧「それがあんたが戦う意味?」

穏乃「うん」

憧「力を持った、意味?」

穏乃「わかんないけど、きっと……」

??「おもしろそうじゃん」


ふいに、誰かが現れた

それはジャグラス ジャグラーこと赤土晴絵

しかしてその正体を誰も知らないのだが……


穏乃「トゲトゲ星人……」

憧「トゲトゲ星人、さん……?」

ジャグラー「トゲトゲ星人って呼ぶんじゃねぇよ!」


そう言いながらも、名乗る気はない


ジャグラー「新子憧は、アグルの力を元々持ってたんだ」

穏乃「?」

京太郎「力を、受け渡せると?」

ジャグラー「ご名答」


ネットリとして声音でそう言うジャグラス ジャグラー

159 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 02:46:39.56 ID:ZC957Po00


その言葉を聞いて、穏乃は顔をしかめた

守りたい者の一人なのだ。自ら戦いに行かせるつもりはないだろう

だが……


憧「シズ……」

穏乃「憧」


その瞳を見て、わかることもある

親友だからこそわかることもあるのだ


京太郎「……」


故に口をはさむでもない

ジャグラス ジャグラーが隣に立って肩に手を置いてくるので軽く払う

その顔は変わっていないはずが、笑っている気がする


憧「私は、戦いたいっ!」


その言葉に頷くと、穏乃はエスプレンダーを前に出す

クリスタルに浮かぶのは赤と青の光

その青い光が、憧へと飛ぶ


穏乃「アグルの力……!」

憧「!」


それを手に取る憧

その右腕に装着されるアグレイター

さらに、赤い光が憧へと飛ぶ


憧「えっ、これは……」

穏乃「憧、受け取れ!」


強い言葉に頷くと、アグレイターで赤い光を受け取った

点滅するアグレイターのクリスタル

腕を前に出し、拳を真上に向ける


憧「アグルゥッ!」


アグレイターが展開し、回転した

そしてその身を光に、ウルトラマンへと変える

160 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 03:02:20.35 ID:ZC957Po00


青き輝きと共にウルトラマンアグルが現れる

腰を落とし片膝立ちをするような体勢

顔をそっと京太郎たちの方を向けてから、立ちあがった


穏乃「あれが、本当のアグル……」

京太郎「憧……」


その眼はピンク色ではない

前までのアグルと違うのはそこだけでなく、黒いラインも追加されているようだった



◆BGM:アグル降臨【http://www.youtube.com/watch?v=qTa7XrlYBR4



ウルトラマンアグルV2が空を見上げる

161 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/22(月) 03:16:06.44 ID:ZC957Po00

今回はここまでー
次はまた明日できればいいなー

ようやくアグル登場って感じで
京ちゃんも出番あるよー

そんじゃまたー!
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/22(月) 09:36:22.08 ID:jSbC0a/A0

アコチャーモモいいね
思えばモモとの付き合いは長いな
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/22(月) 22:14:47.41 ID:tIOK0vV20
アコチャーがんばえー
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/23(火) 01:58:58.64 ID:WcA2KKgpO
おつ
本編とは逆なんだな
165 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/23(火) 21:39:17.45 ID:OinumlaN0

昨日できんかったー
今日もできんけど明日はやれるはずー

なんか知らんけど海の女になってしまった憧
でも焼いたアコチャーもみてみたい
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/23(火) 22:49:28.71 ID:Q4SPx/xc0
明日は明日の風が吹く
そういや奈良は海なし県だったな
167 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:01:08.89 ID:yTjWvDcp0

遅くなったけどやってくー

がんばるゾイ!
168 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:19:25.65 ID:yTjWvDcp0


現れたアグルが、上空のゾーリムに向かって構えを取る

神秘的な―――海を彷彿させる青の戦士

ゾーリムが咆哮し、炎を吐く


アグル「ハッ!」


放たれた火炎を、アグルが回避

即座に両腕に青い光を集めて、その手に波動弾を生み出す


アグル「ハアァッ!」


放たれたフォトンスクリューが真っ直ぐに上空のゾーリムに直撃

少しばかり怯ませる

地上で、穏乃がそれを見てガッツポーズをとった


穏乃「よっしゃぁ! ってあいたたっ」

京太郎「落ち着け、とりあえずはダメージを与えたみたいだけど……」

穏乃「ッ! アグル!」


その切羽詰まったような声にハッとしたアグルが、即座にその場から跳んだ

元々いた場所に突き刺さる氷柱

アグルが右腕に光刃ことアグルセイバーを出現させると、さらに放たれる氷柱を斬り裂き、弾く


京太郎「……あいつ」

穏乃「和と一緒にいた宇宙人!」


巨大なグローザ星系人がそこにはいた


グローザ星系人「アグルが現れようと、ガイアとベリアルの器は現れまいよ」

アグル「……」


腕のグローザブレードを構え、走り出す

グローザ星系人がブレードを振るうが、アグルはセイバーで相対する

数度の剣戟の後に、お互いに跳んで下がった


グローザ星系人「……」


目的は見えている

上空のゾーリムが咆哮した


京太郎「……時間稼ぎ、いやゾーリムとの二体一の構図か」

穏乃「そんなっ!」

京太郎「……」
169 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:29:43.58 ID:yTjWvDcp0


京太郎は、ゼットライザーを手に持ちトリガーを引いた

目の前に現れるゲート

だが、穏乃が京太郎の腕を取る


穏乃「ちょっ! そんな体でっ!」

京太郎「……いかせろ」

穏乃「ダメだって! 宥さんが泣くよ!」


そんな言葉に顔をしかめる京太郎

他人、誰かが泣く、そう言われて躊躇しないわけもない

だがそれでも……


京太郎「今いかなきゃもっと大勢が泣くだろ、それに……オレは、戦いたい」


そう言って笑みを浮かべると、穏乃の手を振り払いゲートに飛び込む


穏乃「京太郎ッ!」


叫び、顔をしかめる穏乃

輝きと共に、アグルの前に現れるのはベリアル融合獣―――スカルゴモラ

もぉ! と悪態をついて穏乃がその場を離れていく

そして瓦礫の影から一部始終を見守っていた赤土晴絵は深いため息をつく


晴絵「京太郎がどうにかなっても、結構泣く奴多いけどね」ハッ

170 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 00:43:25.01 ID:yTjWvDcp0


現れたスカルゴモラに、グローザ星系人が氷柱を放つ

頭部から放った振動波で迫る氷柱をすべて破壊

蒸発した氷柱により周囲が僅かに白ずんでいく


スカルゴモラ「!」シュー


周囲の冷気のせいか、スカルゴモラの真っ白の息を吐く


アグル「!」

憧『須賀!?』

京太郎『上のは頼んだ……コイツはオレがやる。オレがやりたいんだよ』

憧『……大丈夫なのね?』

京太郎『なにがなんでも倒すよ』

憧『生きてだから』


インナースペースで、京太郎はハッと笑う

もちろんそのつもりではあったのだが、そう言われるとまた心持ちも変わる


京太郎『当たり前だろ』

憧『……お願い、京太郎!』

アグル「デヤァッ!」


空へと飛び上がるアグル

スカルゴモラは再び白い息を吐きつつ、目の前のグローザ星系人を睨みつける

グローザ星系人は両腕のブレードを輝かせた


京太郎『テメェは、潰す!』

グローザ星系人『貴様になにができる!』

京太郎『できるさ、お前を倒して無事に帰るぐらい!』

171 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:05:39.14 ID:1OZd0DP40


走り出したスカルゴモラ

グローザ星系人が口からブレスを放つ

それは地上を氷漬けにしていき、スカルゴモラへと徐々に迫る


京太郎『ショッキングヘルボール!』


助走をつけたスカルゴモラの脚から放たれる赤いボール

それがグローザ星系人に迫るも、相手はそれを両手のブレードで凌ぐ

さらに、ブレードで接近をするグローザ星系人


グローザ星系人「死ねェベリアルの器ァ!」


『Eleking. Ace-Killer. Belial.』

京太郎『こいつでェ!』

『Thunder Killer.』


右腕を振るうグローザ星系人だが、そのブレードはサンダーキラーの鉤爪に凌がれる

さらに左腕を振るおうとするも、サンダーキラーは尾を巻き付けてその手の行動を制限した


京太郎『電撃でェ!』


放たれた電撃を受けるグローザ星系人


グローザ星系人「こんなものぉ!」


至近距離で電撃を浴びながら、グローザ星系人は冷気を放つ

それを受けるサンダーキラー

ここからは我慢勝負―――なのだが


京太郎『ぐぅっ!』

グローザ星系人「その程度ではなぁ!」


さらに冷気のブレスの勢いが増していく

足元から凍って行くサンダーキラー

そのせいか電撃も弱まって行く


京太郎『ぐっ!!?』

グローザ星系人「どうするベリアルの器!」

京太郎『器、器と……オレはベリアルさんの相棒、須賀京太郎ォだァ!』

172 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:18:27.39 ID:1OZd0DP40


―――【インナースペース】


脚が凍って行くかのような感覚を覚える

やはりこのレベルの敵となると今の自分で、今のスカルゴモラで勝てるわけもない

ならできることは一つ……


京太郎「っ」


ストロング・ゴモラントに必要な三枚のメダル

凄まじいパワーを感じるタイラントメダル

姉帯豊音でどうにか耐えられたレベルのメダルを自分が使っていること自体が分不相応なのだ


京太郎「でも、だとしても!」


その瞳が紅蓮に輝く


京太郎「タイラント!」


その声に呼応するように、タイラントの咆哮が聞こえる

そして隣のベリアルメダルが輝くと、タイラントメダルの輝きが変わる

メダルに描かれたタイラントの瞳が赤く変わる


京太郎「これは……」


脳裏に浮かぶタイラント

自らの―――


京太郎「ッ、そうか……ならばァ!」
173 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:23:48.94 ID:1OZd0DP40


前を向いて、敵を見据える


京太郎「面子は揃った!」


ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く

心地いい闇の中、握ったタイラントメダルの赤い瞳が輝く


京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」


落ちてきたメダルを取ると、三枚をセット

さらにブレードを可動させていく

バチバチと赤い稲妻が周囲に奔る


『Gomora. Tyrant. Belial.』


ゼットライザーを構えた


京太郎「これでオーラスだ!」


ゼットライザーを真上へと掲げる


京太郎「ベェリアァッル!」

『Strong Gomorant』

174 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 01:45:58.34 ID:1OZd0DP40


グローザ星系人と組み合いになっていたサンダーキラーが輝く

驚愕するグローザ星系人が吹き飛んだ

両足で着地しながらグローザ星系人がブレードを地に差して勢いを消して止まる


グローザ星系人「あの力をそう何度も!」

京太郎『やれるさ、支えてくれる奴がいる!』


現れたストロング・ゴモラントが咆哮し、尾を振るう

バラバラバテールがグローザ星系人を横から襲う

両腕を横にしてなんとか凌ぐグローザ星系人だが、羽撃たいたストロング・ゴモラントが接近と同時に拳を下から打ち込む


グローザ星系人「ガァッ!!?」


その一撃を腹部に受けたグローザ星系人が飛び上がる


京太郎『追撃ィ!』


同じように空に飛び上がるストロング・ゴモラント

空中で体を回転させてバラバテールでの攻撃

それをブレードで弾くグローザ星系人が冷凍ブレスを放つも、腹部で吸収


京太郎『こいつでぇ!』


さらに口から炎を吐きだすが、空中でグローザ星系人が回避、さらに氷柱を放つ

ストロング・ゴモラントは大きな翼で体を守る

攻撃が止むと翼を広げた


グローザ星系人「死ねぇ!」


目の前に現れたグローザ星系人を前に、ストロング・ゴモラントはさらに空中で縦回転


京太郎『視えてるんだよォ!』


尾での一撃で地へと落ちていくグローザ星系人

舞い上がる砂煙

だが、砂煙を即座に晴らしてグローザ星系人は氷柱のマシンガンを放つ


京太郎『!?』

グローザ星系人「消えろォ!」


凄まじい勢いで放たれるその氷柱に、京太郎が眼を見開く

175 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 02:03:29.61 ID:1OZd0DP40


―――【インナースペース】


真下から放たれる大量の氷柱

空を背にしたストロング・ゴモラント

京太郎は目の前に浮遊するメダルを見る


京太郎「これは……デスレ星雲人のメダル?」


そのメダルが、手元のベリアルメダルと呼応する

タイラントと同じく、赤黒い輝き

そして描かれていたデスレ星雲人の黄色の発光体が赤く変わった


京太郎「ッ!」


そのメダルを掴むとゼットライザーにセット、ブレードを動かす


京太郎「デスローグさん!!」

176 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 02:14:29.70 ID:1OZd0DP40


迫る氷柱はすべてストロング・ゴモラントを目標にしている

だからこそ……


京太郎『ウオォォッ!』


ベリアルのかつての配下【ダークネスファイブ】の一人【炎上のデスローグ】の力

ストロング・ゴモラントの口から放たれる炎

それはハイパーデスファイヤーとはまた別、十字の炎が回転しながら地上のグローザ星系人へと迫る


グローザ星系人「なんだそれは!?」


迫る炎を、グローザ星系人が両腕で凌ごうとするも腕が溶かされて無くなる


グローザ星系人「舐めるなぁ!」


だが即座に、氷がグローザ星系人の腕を再生した

空のストロング・ゴモラントに向かって飛ぶグローザ星系人

変わらず氷柱は放たれていく


京太郎『もうちょっと、借りるぜデスローグさん!』


ストロング・ゴモラントの背後から放たれる火炎弾の数々

それらが氷柱を消滅させていく

接近していくストロング・ゴモラントとグローザ星系人


京太郎『オォォォォッ!』

グローザ星系人『消えろォォォォ!』

177 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/25(木) 02:31:03.01 ID:1OZd0DP40

今回はここまでー
次は明後日できればいいなーとか

ダークネスファイブ要素っていうかそこらへんも

キャラとの掛け合いももっとしたいなー

そんじゃまたー

178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/25(木) 10:11:09.13 ID:e9P9q6ye0

デスローグは色んな意味で熱い展開
179 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 01:01:16.79 ID:oS1D2HzI0

相変わらず遅いけどやってくー
だいたいこの時間になりそうねー

そんじゃ頑張るゾイ!
180 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 01:16:33.24 ID:oS1D2HzI0


ストロング・ゴモラントとグローザ星系人の二体

放たれる氷と炎、それが凄まじい勢いで蒸発と再生を繰り返していき濃霧を発生させる

そんな姿を後ろに、アグルはゾーリムを相手に手をこまねいていた


憧『にしたってこんなんどうすれば……!』

?『たく、あたしがやれば良いんでしょぉが!』

憧『誰!!?』


黒い光が、アグルの背後から飛んでくる

ゾーリムがその黒い光を相手に炎を吐くが、黒い光はそれを回避しゾーリムの横を通り過ぎていく


憧『あんたなにを!?』

?『たく、なんでまた遭遇しちゃうかなぁ須賀ァ!』

憧『須賀、京太郎の知り合い!?』


黒い光がどこか人型のように代わった

だが、その姿はどこか“不完全”のようにも見える


憧『あんた一体!』

?『偽物だよ。どこまでいってもただの贋物だ!』


黒い光は、ゾーリムの頭が出現しているワームホールギリギリまで接近すると黒い光を放つ

その一撃が真っ直ぐにワームホールへと入って行くと、その奥で爆発が起きているのが確認できた


ゾーリム「―――!!!」


咆哮するゾーリムだが、それはいつもと違うように聞こえる

憧は意を決すると、その口に飛び込んだ

181 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 01:41:40.03 ID:oS1D2HzI0


ゾーリムの口内を奥に突き進んでいき、ある程度の場所で着地する

奥は未だに見えないが、直感的に大丈夫だと思えた

アグルは両腕を真上に上げる


憧『私はやれる。シズと京太郎が守ってくれたなら、今度は私がぁァァァァ!!!』


ガイアがスプリーム・ヴァージョンに変身するのと同じプロセスを辿り―――アグルが変わる


憧『アグルゥゥゥゥッ!!』


そして、アグルの姿は変わった

前よりもマッシブに、そして胸や脇腹から腕にかけて赤い部分が増える

ガイアと同じく、アグルはスプリーム・ヴァージョンにヴァージョンアップした


◆BGM:Beat On Dream On【http://www.youtube.com/watch?v=OdO0lC77eT8


アグル「ハアァァァァッ!」


両足でしっかりと体を支え、両腕を大きく振るう

そしてガイアと同じく、両腕を真上で合わせた

輝きをその両手に集めて、腰をすえて足を構えて合掌するように手を前で合わせる


憧『これで、終われぇぇぇぇっ!!!』


右腕を縦にずらすと、そこから放たれる絶大の一撃【フォトンストリーム】

ガイアと同じその技は真っ直ぐにゾーリムの奥へ奥へと放たれる


ゾーリム「―――!!?」


―――そして、爆散

182 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 02:16:57.12 ID:sm/i/U1A0



炎と氷がぶつかりあった濃霧の中、ぶつかり合う二体

ストロング・ゴモラントとグローザ星系人が組み合っている

両腕を組み合い、その口から氷結のブレスと灼熱のブレスがぶつかり合う


京太郎『墜ちろよォォォ!』

グローザ星系人『凍れェェェ!』


二体が同時に離れた

お互いにブレスを止めて再び次の一手を打とうとしたその瞬間―――空で、大爆発が起こる

それが濃霧を吹き飛ばし、二体を月光の元に晒す


グローザ星系人『ゾーリムが!!?』

京太郎『ゾウリムシだかなんだか知らねぇがァ!』

ストロング・ゴモラント「―――!!」


荒々しく咆哮するストロング・ゴモラントと京太郎

素早く接近したストロング・ゴモラントがバラバテールを振るい、グローザ星系人を真上に吹き飛ばす

ストロング・ゴモラントのその角が輝く


京太郎『グラビトロン・プレッシャーァァァァ!!』


真上からの重力波によって下降していくグローザ星系人

だが、さらに真下からの重力波によってグローザ星系人はその場に固定される

上下からの圧に、グローザ星系人が苦しむ


グローザ星系人『ぐおぉぉぉ!!?』

京太郎『こいつで、トドメェ!』


その胸の紫色のカラータイマーが輝く


京太郎『食らえ大火炎ッ!! ハイパーデスファイヤーッ!!』


放たれる獄炎が、グローザ星系人へと迫る


グローザ星系人『皇帝ィよォォ!!?』


―――消滅

183 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 02:30:31.02 ID:sm/i/U1A0


上空に浮遊しているストロング・ゴモラント

その胸に、消滅したグローザ星系人から出現した光が吸収された

ストロング・ゴモラントの前に現れる―――ウルトラマン


京太郎『憧……』

憧『……お疲れ、それと……ありがとう』


アグルSVが頷く

ストロング・ゴモラントは何を言うわけでもするわけでもない

空の彼方へと去って行くアグル

ストロング・ゴモラントは黒い光と共に姿を消した

184 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 02:56:14.47 ID:x6Ov142L0

地上へと降りた京太郎が、膝をついた

ボタボタと落ちる血液

口と鼻から流れるそれを拭うと、歯を食いしばって立ち上がろうとする


京太郎「ッ!」


だが、力が入らずに仰向けに倒れ込んだ

体の奥から這い上がってくるそれを感じて、体を横に向けた

血塊を吐きだして、荒い呼吸のまま這って近くの木に背中を預ける


京太郎「……たく」


タイラントメダルはあの異変により、負担は確かに減ったのだろう

だから“この程度”ですんでいる


京太郎「もうちょっと、休んだら帰るか……」


右手に握っているのはグローザ星系人メダル

なのだが、黒い輝きと紫電、それと共にメダルに描かれたグローザ星系人の目の部分の発光体が赤に変わる


京太郎「……お疲れさん、みんな」

185 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 03:05:09.81 ID:x6Ov142L0


それから数十分は経っただろうか―――


「京太郎!」


そんな声で、ハッとする

自分を呼ぶ声に顔を上げれば、そこには瞳に涙をためている新子憧がいた

驚愕したのは自分にだ


京太郎「悪い、寝てた」

憧「寝てないわよ! 死にかけてたわよ!?」

京太郎「……そっか」


苦笑して、横を見る

そこには赤土晴絵

他にも鷺森灼と高鴨穏乃、松実宥もいた


京太郎「……松実玄、さんは?」

宥「大丈夫、保護されたよ……」

京太郎「なんでここにいるんっすか?」


そんな言葉に、晴絵がグッと京太郎の腕を掴む


晴絵「あんたホント……」

京太郎「なんっすかぁ」


大事な妹が帰ってきたのだ。そう思わざるをえない

晴絵に肩を借りて立ち上がる京太郎

先ほどよりもよほど体調は良い


京太郎(体おかしくなってないか?)


回復が早すぎる


京太郎(まぁ、ベリアルさんの恩恵……か?)

宥「玄ちゃんもね、大事だよ」

京太郎「へ?」

宥「でも京太郎くんも、同じくらい……大切だから」ニコリ

京太郎「……え、好き」

宥「ふぇっ!!?」カァッ

晴絵「勢いでそーいうこと言うんじゃねぇよ!」

京太郎「すみません勢いで!」

灼「酷い話だね」

186 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/27(土) 03:14:30.20 ID:x6Ov142L0


今回はここまでー

無事戦闘終了ーからの京ちゃんも無事帰還
そして今回もすまんな王者
さすがに強キャラだから許してやってください

ネクサス的な変身負荷

次回場所移動ー
そしてワンチャン明日


◆どこへ向かう!


×、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海・白糸台)
3、大阪(千里山→姫松)
×、岩手(宮守)
5、北海道(有珠山)
6、長野(清澄・風越・鶴賀・龍門渕)
7、福岡(新道寺)
8、鹿児島(永水)
9、東京(プロ・アナウンサー)


◇1↓から5↓まででコンマが一番高いものを採用
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 04:57:35.39 ID:Bj/LkhLS0

アグルSVが出るのかてか京ちゃんヤベーな
安価は8で
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 07:36:52.89 ID:JOTgwf85O
6
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 08:16:46.94 ID:6QI/OUEF0
2
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 08:38:11.85 ID:03Tmzapy0
5
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 09:31:41.16 ID:G3N2oG4d0

7
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 12:31:31.29 ID:pvt8m7yT0
何気に行き先安価選択で8の永水が解放されてたな
何か条件満たしたのかな?
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 13:25:11.92 ID:FNnxJdkWO
おつ
べリアル融合獣のヒロイックな活躍いいね
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/11/27(土) 14:12:01.64 ID:D3xMyP7i0
永水は葵の出番あったとこ見るとネクサス関係とかありそう
195 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 01:45:10.86 ID:uQyCVJsP0
めっさ遅くなったけどちょっとやりけるー
196 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 02:10:22.73 ID:9hxbynWK0
2、東京(臨海・白糸台)



―――【特異課奈良基地:休憩所】


あれから一週間が経った

椅子に座ってコーヒーを飲む京太郎

怪我はほぼ完治、すっかりいつも通りだ


京太郎「さてと……」


そろそろ吉野の地を出る

晴絵への報告は済んでいるし、いつ出ても問題はない

それにここは十分任せることができる場所だ


京太郎「……」

?「京太郎くん!」ガッ

京太郎「うおっ!? く、玄、さん!」

玄「おはよ!」ニコッ


松実玄が、そこにはいた

あれから三日ほどして眼を覚まし、今ではすっかり元気満タン

経緯を知ったからか、やけに懐いているようだ


京太郎「ど、どうしたんっすか?」

玄「え〜タメ口で良いってば」

京太郎「いやいや」

玄「あ、そう言えばもう行っちゃうって?」

京太郎「え、ああまぁ」

玄「寂しいけど、京太郎くんは忙しいもんね」アハハ


どこか寂しそうに笑っている玄に、僅かに胸が痛む

しかし、京太郎としては気になる情報も得た

ここにとどまるわけにはいかない……


京太郎「すみません、また来ますから」フッ

玄「うんっ」ニコ

197 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 02:30:21.15 ID:Pp3puGBn0


玄と別れてから、京太郎はロビーへとやってくる

トシから送られてきたメッセージに返信をすると、ふと気づく

見回りから帰ってきた穏乃と憧に手を上げる


京太郎「おっす」

穏乃「あ、京太郎」

憧「出てくんだって?」

京太郎「まぁな、情報が入ったし」

穏乃「和!?」

京太郎「いや、咲」

穏乃「宮永さん……あの人も」

京太郎「まぁ助けるよ。咲も、和だってな……」


その言葉に、穏乃も憧も安心したようにうなずく

二人のやるべきことはここを守ることだ

守る者であり倒す者を追う、京太郎とはまた違う


京太郎「それじゃ」

憧「連絡、よこしなさいよね」フッ

京太郎「おう」

穏乃「ピンチになったら呼んでね、きっとかけつけるから!」

京太郎「ありがとな、二人共」


赤と青のウルトラマンたち

そんな二人に手を上げると、京太郎は基地を出ていく

198 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 03:07:11.69 ID:02LoGQb20


道を歩いていると、ふと松実館の前で立ち止まる

何度か世話になった場所であり、宥と玄の家

挨拶をしようとも思ったが、今生の別れでもないと、歩き出そうとする―――だが


「あ、京太郎くん」

京太郎「宥さん……偶然っすね」フッ


自分の行先からやってきた宥は、ビニール袋を持っている

食材かなにかだろうか……


宥「……東京に行くっていうのは聞いたんだけどね」

京太郎「はい」

宥「ちょっとさびしいけど、待ってるからね」フフッ


少し寂しそうだが、送り出そうと笑みを浮かべている


京太郎「まぁ、いつでも連絡は取れますから」

宥「うん、それにまた……帰って来てくれるでしょ?」クスッ


帰ってくるというのが正しいのかはわからないが、宥はそう言ってくれている

ここは自分の帰ってくる場所だと……

帰る場所があるというのはそれだけで、縛りにもなる

彼を良く理解しているからこその縛り


京太郎「はい」フッ

宥「ん、それじゃあ……」


そっと近づく宥が、片手をビニール袋から離してちょいちょいと手でしゃがむように言う

そのジェスチャーを察して腰を落とす京太郎

体勢を低くした彼の傍によると、少しばかり背伸びをして……


宥「んっ」

京太郎「へ?」

宥「そ、それじゃあ……ま、またねっ!」


慌てたように帰って行く宥

頬に手をそえて、京太郎は歩き出す

ふむ、と空を見上げた


京太郎「……やっこい」

199 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 03:27:58.49 ID:U8+Xwhn90


駅前で、京太郎は時刻表を確認して息をつく

あと十分ほどは余裕があるようだった

息をついて自動販売機に小銭を入れる


京太郎「どれにー……」

「コーヒーでしょどうせ」ピッ

ガコン

京太郎「……ご察しの通りですよ」


そう言って斜め下に視線を向ける


京太郎「灼さん……」

灼「ん、どういたしまして」

京太郎「ありがとうございます」

晴絵「因果の逆転だね」

京太郎「どういうことっすか」

晴絵「てことで私には?」

京太郎「ない」

晴絵「え〜」


抗議しようとする声を聴きながら、小銭を入れる

晴絵の方を見れば、満足そうに笑みを浮かべながら頷く

ピッとボタンを押して飲みものが出てくる


京太郎「灼さんは?」

灼「いいの?」

京太郎「もちろん」

灼「……じゃあ、お言葉に甘えて」

ピッ
200 : ◆dBIP2XuQhg [saga]:2021/11/28(日) 03:44:59.62 ID:2rzu0N6s0


三人同時に、缶に口をつけて傾ける

ふぅ、と頷いて時計を確認

空になった缶を放り投げてゴミ箱に入れる


京太郎「さてと、それじゃお世話になりました」

晴絵「ん、それじゃまたね」

灼「……あんまりに帰ってこないと、宥が心配すると思」

京太郎「わかってますよ」フッ

灼「ならよし」フッ


電車がやってくるのが見える


灼「それに、私もちょっとは……」カァッ

京太郎「なにかあったら、呼んでください」フッ

灼「……ん」コクリ

晴絵「それじゃ達者でな、それとあんまり無茶しないように」

京太郎「わかって」

晴絵「って言っても聞かないんだろうけど」


おわかりのようで、と苦笑して歩き出す

軽く手を振ると二人も軽く振りかえした

電車に乗り込んでベンチに座る


京太郎「……さて、次は東京か」


行くべき場所、再びの東京

392.21 KB Speed:0.5   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)