このスレッドは950レスを超えています。そろそろ次スレを建てないと書き込みができなくなりますよ。

【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:37:47.45 ID:cwdFBBsg0
食堂の横に併設されたカフェで飲み物を片手にカズミとバーネットは話していた。

「なるほど。頭では理解しようとしているが、それに気持ちが追いつかないと」

「はい...」

カズミは項垂れながらコーヒーを啜った。

「確かに私たちと違って、後輩は事情が色々と特別だからな...」

「それなら...バーネット先輩も、その、汚れ仕事をやる覚悟があるんですか?」

「ああ。後輩やエヴァ、一部の特殊な境遇の者を除けば、我々は皆その心積もりはできている」

「そう...ですか」

自分だけが未熟なのだと感じたカズミは視線を落とす。

「...はっきり言おう。今抱えている問題は一朝一夕には解決しない。その上、私は答えを与えてやれないし、克服できるのは本人だけだ」

(やっぱりそうだよね...。これは結局"私"の問題なんだ。どんな形であれ決着をつけられるのは私だけ...)

バーネットは紅茶を飲み終えてティーカップを置くと、口を開いた。

「しかし、だ。その手助けをする事なら私達にもできる。いいか、後輩。自分の問題だからといって1人で悩む必要はない。周りの助けを借りればいい、それだけの事だ」

未だ悩みの解決には至っていないが、その言葉を聞いてカズミの気分は少し晴れた。

「ありがとうございます!」

「先輩が後輩の面倒を見るのは当然のこと、構わんさ」

「コーヒーも奢っていただいてありがとうございました!」

「気にするな。気分も晴れたようだし、今日はここでお開きとしよう」

そう言うとバーネットは立ち上がった。

「ああ、それと。後輩よ、こういった時は自分を見つめ直すのがいい、深いところまでな」

カズミの返事を聞くと、バーネットはそのまま立ち去った。

↓1
01〜70 ボーナスなし
71〜90 +1
91〜 +2
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 21:42:57.57 ID:bFmFsg/q0
へい
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/26(日) 21:50:13.58 ID:cwdFBBsg0
57 ボーナスなし
バーネット 5 1/6→2/6


カズミ・アーディガン
白兵戦能力 熟練
操縦技能 エース

操縦技能(ポイントの獲得は同格以上の相手との訓練及び実戦での勝利、昇格に必要な最後のポイントは実戦のみ)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 1.5/4
バーネット 熟練 2.5/4
ガルー 熟練 1/4

白兵戦能力(同上)
シエラ=レオネ エース
オルデンリッジ 熟練 0.5/4
バーネット 熟練0.5/4
ガルー 熟練

好感度 (MAXは6)
エヴァ 4(大好きなお姉ちゃん!)
アダム 4 2/5(お気に入りのパイロット!)
バーネット 5 2/6(期待の後輩だ!)
ガルー 5 3/6(カズミになら背中を任せられるぜ!)
オルデンリッジ 4 2/5(真っ直ぐで良い娘だ)
シエラ=レオネ 3 3/4(素質は悪くないな)
リリス 2(ただのパイロット)

自由行動残り1回
↓1
1操縦技能の訓練(〇〇と〇〇という風に名前をお願いします)
2白兵戦の訓練(同上)
3コミュニケーションをとる(相手の名前と、指定があるならどんな会話をしたか、あるいはどんな事があったかもどうぞ)
4特に何もしない

今日はここまで。
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/27(月) 00:01:21.58 ID:pb/Hpe7To
おつおつ
お姉ちゃんの声聞きたい…電話する
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/27(月) 01:09:51.92 ID:q0TrohFH0
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/30(木) 21:09:27.32 ID:aJnFzVmt0
「ふぅ...ったく、デスクも人使いが荒い」

アルトは自分が務める報道機関のビルの窓から、星空を眺めていた。夜空に輝く光に目を奪われながらタバコの煙を吐く。
可愛い妹は何をしているのだろうかと、そんな考えがふと頭をよぎったその時、携帯が鳴った。

「もしもし?」

こんな時間にかけてくるなんてなんて非常識な奴だと思いながら電話に出ると、聞き慣れた妹の声が耳に入った。

「ああ、アンタか。どうしたんだいきなり?」

本人から明かされたわけでもないので相変わらず他人のふりをしながら尋ねる。しかしアルトには違和感があった。他人ぶって声色を変えている事を加味しても、いつもより妹の声の調子が低いのだ。

「声が聞きたかった?ただの他人の声をか?」

いつもの調子に戻してやろうとカズミを揶揄うが、今日ばかりは上手くいかなかった。

(こりゃ重症だな...)

以前にカズミがひどく落ち込んだのはいつだったかと記憶を探る。それは自分が気に入ってたぬいぐるみを、ピクニックの時にカズミが無くして以来だ、とアルトは思い出した。

「ところでアンタ、姉は居るのか?」

突然の質問にカズミは口籠った。

「よし、じゃあ仮に居るとしよう。妹が居たことがあるから分かるんだが、きっとお姉さんはこう言うだろうな」

アルトは親に反対されながらも記者になる夢を叶える為に家を出ると決心した時に、カズミに言われた事を思い出す。

「どうすべきか悩んでいるなら己を信じろ。その結果どんな事が起ころうとも、そのケツは姉であるアタシが拭いてやるってな」

あの時だけはいつもアタシに世話を焼かれていた妹が、逆に支えてくれたっけか、そんな事を思いながらアルトは微笑む。

アルトの言葉を聞いたカズミはしばらく黙り込む。
そして開いた口から発せられた言葉は短い返事だけだったが、その声には少し明るさが戻っていた。

「ハハ、元気出たか?なら良かったよ」

元気を取り戻したカズミはその後しばらくアルトと会話を交わすと電話を終えた。

「ったく、騒がしい妹だ」

その言葉とは裏腹にアルトの表情は明るかった。

「おっと、最後の一本か。仕方ない、これを味わったら仕事に戻るか」

タバコに火をつけるとアルトは再び星を見上げる。

「頑張れよ、カズミ」
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/30(木) 21:12:43.33 ID:aJnFzVmt0
──ブルトニアのどこか──

「成程、ヤツらの狙いはテルース教の禁足地か...」

豊かに蓄えた髭をさすりながらアルジオットは目を細める。

「目的地が分かっているなら話は早い...と、言いたいところだが」

アルジオットは窪んだ眼孔の奥で鋭く光る眼をシエラ=レオネにむける。

「はい。問題はその禁足地がガザレムの奥地に位置する事です。おそらく民間人や研究者に偽装しても近づくのは困難かと」

「ふむ...」

そう低い声で唸ると、アルジオットはニタリと笑う。その顔は酷く邪悪だったが、同時におもちゃ見つけた子供の笑顔のように純粋だった。

「ならうってつけだ。丁度考えていた良い計画がある」

「計画、ですか?」

「ああ。禁足地がガザレムにあって簡単に立ち入れないのなら、立ち入ることのできる理由を作れば良い」

「それは、そうですが...」

「確かカナアンとガザレムの国境付近では頻繁に小競り合いが起きていたな」

その言葉を聞いてシエラ=レオネはアルジオットが何を考えているのかを察した。

「それを利用するのだよ。貴様ら特務機関がガザレムの兵士に扮装、カナアンの前哨基地を襲撃しろ。それを受けて我々は同盟国であるカナアンの救援として、ガザレムに侵攻する。これなら世論も反対するまい。」

「...ですが、勝利の見込みはあるのですか?」

「...貴様の任務は口答えをする事じゃない。それに心配せずとも、軍部との擦り合わせは既に行なっている」

アルジオット大統領と軍部は犬猿の仲だったはず。にも関わらずこのような大規模な侵攻作戦に協力させる手筈が整っている。やはりこの老人の牙は衰えていないのだとシエラ=レオネは実感した。

「一つ、捕らえた捕虜は目的地が禁足地である事を我々に伝えるよう指示されていたようです。つまりは、罠かと」

その言葉を聞いてアルジオットは鼻で笑った。

「だからなんだ?罠だと分かったのなら綿密な対策を立て、それごと踏み潰すだけだ」

「...は。では作戦に移るため、私は失礼します」

「ああ。さっさと行け」
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/30(木) 21:17:32.77 ID:aJnFzVmt0
──カナアン、ガザレムとの国境付近──

「お姉ちゃん、元気だして?」

エヴァの呼びかけにカズミは上の空で答える。

(結局サノスさんを脅迫してまで手に入れたのは罠かもしれないって情報だけ...)

もし、もしもっと重要な情報、例えばガーディアンオブエデンの目的や計画を聞き出す事ができたなら、カズミもここまで思い悩みはしなかっただろう。

(さらに今回の任務...これだって、酷すぎる。戦争を起こすための理由をでっち上げるなんて...)

「お姉ちゃん〜?」

カズミの膝の上に座るエヴァが頬を膨らませながら問う。

「ごめんごめん」

「しっかりしてね。...ふぅ」

息を吐いたエヴァの顔色はいつもよりも悪かったが、カズミは気分の落ち込み故にそれに気づくことができなかった。

「ほら、いつもより狭いんだからジッとしててね」

今回は任務の性質上ADMで来るわけにはいかなかったので、ブラックマーケットに流通していたスクエアに搭乗している。

「カズミ、調子は?」

↓1コンマ1桁
1〜3 バーネット
4〜6 オルデンリッジ
7〜9 ガルー
0 シエラ=レオネ
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/30(木) 21:33:52.24 ID:lIMH2DI6o
ヌッ
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/12/30(木) 22:01:41.80 ID:aJnFzVmt0
4 オルデンリッジ

「カズミ、調子は?」

無線越しにオルデンリッジが尋ねる。

「あ、はい。大丈夫ですよ」

「なら良い。所定の時間までに移動を終えなくてはならないからな、急ぐぞ」

「はい。...ガルー先輩とバーネット先輩は無事でしょうか?」

ガルーとバーネットはカズミ達とは別行動をとっている。その目的はカナアンの前哨基地に事前に潜入し、破壊工作の為に爆弾を設置する事だ。
その爆発を合図に、混乱に乗じてオルデンリッジ率いる奇襲部隊が"ガザレム軍"として攻撃を仕掛ける。

「連絡がないと言うことは上手くやっているということだろう。さて進むぞ。全機、周囲に警戒しながら前進だ」

そうして月夜に照らされながらオルデンリッジ達は鬱蒼とした森林を進んでいく。

暫く進んでいると、先頭を進むオルデンリッジのスクエアが停止した。合図を見て後続機はすぐに屈む。
すると上空からフライングボードの音が聞こえてきた。どうやらカナアンの哨戒機のようだ。

「全機、動くなよ」

↓1
01〜30 見つかった
31〜 見つからなかった

短いけど今日はここまで。
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/30(木) 22:03:26.32 ID:Tn5CMADBo
おつおつ
来年もよろしく
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/30(木) 22:12:28.76 ID:4HFJ3Vqv0
乙でした、良いお年を
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/01(土) 00:06:45.03 ID:nPKV5gTJ0
あけましておめでとうございます
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 18:30:47.05 ID:hrO/68gH0
明けましておめでとうございます。今年ものんびりやっていきます。


32 見つからなかった

木々の陰に身を潜めていると、やがて哨戒機はその場を去った。

「やり過ごしたな。よし、進むぞ」

その後も複数回カナアンの哨戒機に遭遇したが、全て見つからずに済んだ。
そしてオルデンリッジの先導のもと数時間後、カナアンの前線基地に到着した。

基地は森林の中を流れる川沿いの開けた所に建てられていた。

「よし、時間通りだ。後は合図を待つだけだな...」

すると地を揺らすような轟音と共に火柱が立ち昇り、基地は炎に照らされた。間もなく緊急事態を告げる警報音が鳴り響き、基地の内部が騒がしくなる。

「合図だ!作戦通り、複数に分かれ奇襲を仕掛けるぞ!今回の目的は殲滅ではなく混乱だ!深入りはせず、各自は機を見て撤退しろ!」

オルデンリッジの言葉を聞くと、特務機関の兵士達は隊を組み、基地へと向かって行った。

「俺たちも行くぞ!」

「はい!」

カズミとオルデンリッジは基地の東方面に向かう。2人はバーネット達の破壊工作によって崩れた壁から中へと侵入した。
するとすぐに敵が2人のもとへと向かってきた。

↓1 カズミ達に向かってきたのは?
01〜20 3機
21〜60 4機
61〜90 5機
91〜 6機
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 18:37:28.03 ID:vk28iRpzo
あけおめヌッ
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 19:00:30.53 ID:hrO/68gH0
03 3 機

3機のPEMが2人の前に立ち塞がった。それを見てオルデンリッジが呟く。

「カマエルが3機...想定より少ないな」

CH-929 カマエル──カナアン軍の制式機である。各地に離散していたテルース教の信者からなる国と言うことで、カナアンの国民は相対的には少ない部類に入る。従って戦力の大半をカマエルのような自律型無人PEMで賄っている。柔軟さ等では人間には及ばないが、物量でもってそれを補っている。

「とは言え念のためだ、油断はするなよ!」

「はい!」

カズミ エース オルデンリッジ 熟練
カマエル 兵卒
特務機関に対するカズミの疑心により−5
↓1
01〜30 被弾した
31〜 撃破した
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 19:05:08.26 ID:g54CH6wr0
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 19:22:49.89 ID:hrO/68gH0
26−5=21 被弾した

3機のカマエルはまずカズミの乗るスクエアに向かってきた。

「待てっ!」

そのうち1機はオルデンリッジによって道を塞がれたが、残りの2機はカズミのすぐそこまで来ていた。
カズミはスクエアのビームサーベルを起動すると、正面から向かってきたカマエルを斬りつける。

流石にその一撃はフライングボードにより防がれ、実体の刃にレーザーを纏ったソードでカマエルが切って返す。

「なんの!」

カズミはそれをいなすと、相手の胴体に一撃を加えた。

「よし!」

すると突然目の前のカマエルの腹部からソードが突き出してきて、攻撃を喰らってしまった。

「うそ!?」

もう1機のカマエルが味方ごとカズミを攻撃したのだ。

「これが無人機の闘い方...!」


カズミ エース オルデンリッジ 熟練
カマエル 兵卒
特務機関に対するカズミの疑心により−5
↓1
01〜10 撃破された
11〜30 被弾した
31〜 撃破した
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 19:52:19.03 ID:g54CH6wr0
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 19:53:06.62 ID:g54CH6wr0
うわ、>>26の連取りルールに従って取ったんだが、2連続でこれは、流石に申し訳ない……
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 19:56:32.52 ID:N6xrjp95o
序盤に似たポンコツ返りやな…懐かしい
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 20:17:58.49 ID:hrO/68gH0
03 撃破された

カズミは破損状況を確認しながら一度後退する。

「動力系は無事、だけどセンサーとカメラに不具合!」

やむを得ず、カズミは肉眼で視界を確保するためにコックピットのハッチを開ける。

「かなり危険だけどこうするしかない!」

そう言いながらカズミはオルデンリッジの方に視線をやる。
オルデンリッジは未だカマエルと格闘中のようだ。

それを確認して視線を正面に戻すと、相手が動き始めていた。

バルカン砲を放ちながらカマエルはこちらに走ってくる。すかさずフライングボードを構えて鉛弾を防ぐカズミ。

「見えない...けど!」

普段であればフライングボードを構えても頭部のモニターで状況を確認できるが、今の状況ではそれも叶わない。
しかしカズミはこれまでの経験と直感から接近する相手の位置を想定、ビームサーベルで薙ぎ払った。

「やった!」

見事、攻撃はブレードを持ったカマエルの右腕を切り落とした。
が、しかし。そこでカマエルは止まらなかった。カズミのスクエアに接近すると残りの左腕と両脚でしがみついたのだ。

「な、なに!?」

カマエルのエンジン部分から火花が走るような、不吉な音が聞こえ始めた。

「カズミ!?」

オルデンリッジは自らが相対するカマエルを斬り伏せるとカズミの方へと走る

↓1
01〜50 間に合わなかった
51〜 間に合った
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 20:21:36.33 ID:N6xrjp95o
ほい
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 20:57:46.05 ID:hrO/68gH0
ゾロ目なのでそれぞれのメリットとデメリットを公開した上で多数決します。

オルデンリッジが間に合った場合、カズミの負傷がなくなります。ただコンマ判定で20パーセントの確率でオルデンリッジが死亡します。
オルデンリッジが間に合わなかった場合、オルデンリッジは無事ですがカズミが敵に捕まります。

↓3まで多数決
1間に合わなかった
2間に合った
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 21:26:33.41 ID:98d2LKOU0
1
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 21:27:27.03 ID:vk28iRpzo
1
いのちだいじに
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 21:41:19.95 ID:g54CH6wr0
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/03(月) 21:55:29.79 ID:hrO/68gH0
1 間に合わなかった

カズミは咄嗟にコックピットを閉じると、エヴァを守るように抱き抱えた。
カマエルはエンジンをオーバーヒートさせて自爆。スクエアは全壊、カズミも爆発の衝撃で気を失った。

オルデンリッジは駆け寄ろうとするが、足を止めた。

「ちっ...!」

何処からともなくカマエルが陸と空に10数機は現れた。無人機だからこそ成せる物量と戦術、それこそがガザレムに睨まれたカナアンが未だ主権国家として存している理由である。

「ここで俺が死ねば、救出も叶わん...!」

オルデンリッジは唇を噛みながら、後ろ髪を引かれる思いでその場を離れた。

今日はここまで。
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 22:36:11.01 ID:N6xrjp95o
おつ
新年早々ピンチ
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/03(月) 23:22:58.67 ID:g54CH6wr0
乙でした
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 19:18:26.64 ID:IAxiRtZs0
目が覚めたとき、カズミはエヴァと共にカナアンの留置所に入れられていた。すぐに尋問室へと連れていかれ、所属や目的をカナアンの軍人に詰問された。

尋問室で飲まず食わすの状況で長時間拘束されたが、カズミが口を開かないでいるとやがて独房へと戻された。

そして寝て起きると尋問という日々を暫く過ごしていた。次第に拘束時間や尋問の方法が過激になっていく中、カズミは憔悴しきっていた。

「...」

その日も手酷い尋問を受けたカズミは床に座り込み、壁にもたれていた。

「お姉ちゃん...だいじょうぶ?」

エヴァがカズミの顔を覗き込む。

「ハハハ...へっちゃらだよ」

口ではそう言ったが、カズミの顔に笑顔は無かった。

「きっと...だい、ハァ...だいじょうぶ、だよ」

そう言うと突然エヴァが地面に倒れ込んだ。

「エヴァ!?」

先程までの疲れを忘れたかのようにカズミはエヴァに駆け寄る。

「酷い熱...!いつから!?」

「え...と、この国に...きてから、だよ」

エヴァは息も絶え絶えに返事した。

「な、なんでもっと早く言わなかったの!」

「だって、お姉ちゃんを、ふあんに...させたくなかった」

エヴァは笑顔でそう言った。

「くっ...!」

エヴァの異変に気がつくことができなかった自分に苛立ち、強く唇を噛む。
この熱はまずい、そう感じたカズミは看守を呼ぼうとする。

「誰か!エヴァが──」

しかしその声は爆発音で掻き消された。

「何!?」

するとカズミ達のいる独房の扉とは反対側の壁が音を立てて崩れた。

そこに現れたのは──

↓1
01〜90 ヘルミラー
91〜 RLTH
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 19:21:15.70 ID:XNoOX++U0
a
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 19:25:14.08 ID:nBUTNxcTo
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 20:16:28.26 ID:IAxiRtZs0
70 ヘルミラー

崩れた壁の向こう側には漆黒の装甲に身を包んだPEMが立っていた。

「へ、ヘルミラー!?どうしてここに!」

カズミは熱にうなされるエヴァを抱えると、ヘルミラーから距離を取ろうとする。
するとコックピットが開いて、パイロットスーツに身を包んだイヴが口を開く。

「居た。ノアの言う通り」

「やっぱりね。エヴァ姉ちゃん、しんどそうだね。ま、それは僕も同じだし早く行こうよ」

「分かった。ほら、カズミ」

そう言うとイヴはカズミに手を伸ばした。

その手を見てカズミは逡巡する。

(どうしてイヴがここに?)

それはいくら考えても分からないが、少なくともこのままでいるとカナアンに拘束され続けるのは確実だ。加えてこのような事態になってしまった以上、ここに残っても状況は悪化するのみだろう。

(イヴ達に助けられるのは嫌だけど、エヴァを助けるためにも...)

そしてカズミはイヴの手を取ることに決めた。2人がコックピットに入ったのを確認すると、ヘルミラーは直ぐに動き始めた。

どうやらイヴ達以外にもガーディアンオブエデンのメンバーが来ているようだ。周囲ではカニコフやカタラがカナアン軍と交戦している。

「どうしてここに?」

カズミの問いにイヴは沈黙で返した。

「そりゃ教えてくれるわけないよね...。この際それはどうでもいい、だけどエヴァを休ませないと!」

「...それは分かってる。直ぐにここから離脱する」

イヴの言葉通り、ヘルミラーは仲間の撤退を援護し終えると、あっという間に交戦地域から離脱した。
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 20:38:11.46 ID:IAxiRtZs0
そしてそのままカズミとエヴァは以前のように目隠しをされると彼らの隠れ家へと連れて行かれた。ただし今回は拘束される事もなく、落ち着いて過ごすことのできる個室を与えられた。

「...お姉ちゃん...」

すぅ、すぅ、と寝息を立てながらベッドで寝ているエヴァがそう寝言を呟いた。

椅子に座っていたカズミはその言葉を聞いてエヴァの方を見る。

「彼女は大丈夫かな?」

正面に座る男の言葉によって、カズミの意識はエヴァから引き戻された。

「はい。ありがとうございます...ゼウス、さん」

「なら良かったとも」

そう言ったゼウスの表情は笑顔だ。それでもカズミには彼の瞳の奥に何らかの激情が宿っているように思われた。

「ですが、どうして私とエヴァを助けに?そもそも何故あそこに居ると知っていたんですか?」

「何故、か。それは立場が異なるとはいえ、君もまたこの星を守ろうとしていると、以前話した時に感じたからさ。場所に関しては──」

ゼウスがチラリとエヴァを見る。

「ノア君が教えてくれたよ。詳しくは彼に直接聞くといい」

「そう、ですか」

「それで、君たちはこの後どうするつもりだい?」

思わぬ質問にカズミは目を見開いた。

「どうするって...貴方たちに囚われるんじゃないんですか?」

「ハハハハ。まあ、そうなんだけどね」

一瞬でも逃してくれるのではないかと考えたカズミは、そんな自分を諌めるようにため息をついた。

「ただ、このまま特務機関に居続けるのかい?」

「え?」

「君がどれだけカナアンに捕まっていたのか正確なところは分からないが、我々がその事実を把握してから少なくとも1ヶ月以上は経過しているよ」

「そんなに...!」

度重なる尋問によって時間の感覚を失っていたカズミは捕まってからそれだけの日が経っていたことに驚いた。

「これだけの時間が経っているにも関わらず、君を助けたのは我々だった。これが何を意味するか分かるかい?」

ゼウスは顎の前で両手を組むと、カズミの眼を見据える。

「分かるかい?君は見捨てられたのさ。いや、最初から捨て駒だったと言う方が適切かな。彼らは目的のためなら手段は選ばない。君にも思い当たるところがあるんじゃないかな?」

「...」

カズミの脳裏にサノスの面影がよぎる。彼女の心に揺らぎがあると見たゼウスは更に続ける。

「そもそも特務機関への参加だって本意じゃなかったんだろ?それなら、私たちに加われとは言わないが、改めて自分の存在理由を考えてみたらどうかな?」

その言葉をきっかけに何人もの言葉を思い出す。

『ああ、それと。後輩よ、こういった時は自分を見つめ直すのがいい、深いところまでな』

『どうすべきか悩んでいるなら己を信じろ。その結果どんな事が起ころうとも、そのケツは姉であるアタシが拭いてやるってな』

「私は──」

↓1
01〜20 カズミ、ガーディアンオブエデンに協力
21〜60 カズミ、独自路線へ
61〜 カズミ、特務機関に残り続ける
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 20:39:46.45 ID:Jd9obPBeo
ぬん
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 21:57:37.14 ID:IAxiRtZs0
45 カズミ、独自路線へ

『私は部下を見捨てるつもりはない、安心しろ』

普段のカズミならシエラ=レオネのこの言葉を思い出していただろう。

しかし今のカズミはサノスの件によって心の目とも言えるものが曇っていた。
そんな彼女に思い出されたのは次の言葉だった。

『何を勘違いしている』
『我々は正義の味方などではない。我々の目的はブルトニア共和国を守る事だ』

(だけど、私の目的、やりたい事は...)

カズミはエヴァに視線を移す。彼女の体調は大分良くなり、今は穏やかな顔で眠っている。

(それはあの時に誓った事、何もかも失った自分だけど、せめてエヴァだけは守る事。そしてそれは、特務機関に居なくたってできる)

ゼウスはカズミの思考を読んでいるかのようにニヤついていたが、彼女はそれには気づかなかった。

(...もしかすると、いつかは特務機関がエヴァに牙を剥くかもしれない。そうじゃ無かったとしても、私は特務機関のやり方に納得いかない。そんなモヤモヤしたままじゃ、エヴァを守ることもできなくなっちゃう)

無論カズミは、特務機関、というよりはシエラ=レオネやバーネット、オルデンリッジ、ガルーに対する引け目を感じてはいた。しかし、それ以上にエヴァを守りたいという意識が上回っていた。

(だけど、だからといってガーディアンオブエデンにも加わりたくない。誰にも制約されることなくエヴァを守る。その為にはADMが必要。だから──)

カズミは両頬をパチンと叩くと、ゼウスに向かい合った。

「結論は出たかな?」

「はい。私は特務機関を抜けます。ですが貴方たちにも参加しません」

「ほう...?」

「そして、1つ協力してほしいことがあります。ADMの奪取です」

「...何故、我々に参加するわけでもない人間をわざわざ助けなくてはいけないのかな?」

「はっきり言ってヘルミラーに対抗できるのはADMだけです。そして今の所ADMを動かせるのは私とエヴァだけです。ですが、もしもADMが特務機関のもとに在り続ければ、代わりのパイロットが現れるかもしれません」

カズミの言わんとする事を察したゼウスの目つきが鋭くなる。

「それよりは、第三者である私の手にある方が貴方たちにとってはマシじゃないですか?」

「...確かにあの組織の手中に、我々に対抗可能な戦力があるのは好ましくないね」

ゼウスは目を瞑って暫く考えた後、口を開いた。

「よし、協力しよう」
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/06(木) 22:03:55.99 ID:IAxiRtZs0
「ありがとうございます。ただ、1つ。貴方たちがするのは足止めだけ、誰も殺さないで下さい」

「...甘いね、甘い。自分の信念を貫くなら、雑念は捨て去るべきだよ」

そう呟いたゼウスの雰囲気は先ほどと少し違っていた。しかしすぐにいつもの、取ってつけたような優しい雰囲気が戻ってきた。

「それは呑んであげよう。ただコッチにも1つ条件がある。我々はいずれテルース教の禁足地に足を踏み入れる。その時がきたら、君たちも来るんだ」

「...何故、ですか?」

「そう心配せずとも君に危害はない。それに人類にとっても悪いことは起こらないよ」

正直なところこの条件を受け入れるべきか、カズミには分からなかった。とはいえ、拒むわけにもいかない。

「分かりました。その時が来たら私も禁足地を訪れます」

「うん。これで交渉成立だね。じゃあ細かい話し合いを進めようか」

そして2人は話し合いを始めた。

その話し合いの中でゼウスから聞いたところによると、特務機関の作戦は成功したらしい。つまりブルトニアとガザレムの戦争が既に始まっていたのだ。両国の同盟国や、利害に関わりのある国も巻き込み世界大戦の様相を呈しているらしい。
ガザレムはカナアンとブルトニアの同時侵攻により、本土へのブルトニアの上陸を許してしまったらしい。とはいえ中央大陸での反ブルトニア勢力によるサボタージュの影響もあって、今の戦況は一時的に膠着しているようだ。

話し合いを終えてゼウスが部屋から出て行くのを見届けると、カズミはエヴァが寝ているベッドに腰かけた。

「お姉ちゃん?」

するとエヴァが目を覚ました。

「エヴァ。もう元気?」

「うん!」

良かった、とカズミはエヴァを抱き締める。そしてエヴァの両肩に手を置くと、覚悟を決めて口を開いた。

「あのね、私、特務機関を抜けようと思うんだ。...その、エヴァはそれでもいい?」

「いいよ。エヴァはお姉ちゃんと一緒ならそれでいいよ」

エヴァは間を置くことなくそう答えた。

「...分かった。ずっと一緒だよ」


今日はここまで。
このスレを立てた時はこんな展開になるとは思っていませんでしたが、これもまたコンマスレの面白いところですね。
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 22:06:32.27 ID:nBUTNxcTo
おつおつー
部が変わったな
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/06(木) 22:07:29.00 ID:XNoOX++U0
乙でした
…二人きりになってしまったなぁ
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/07(金) 21:51:09.63 ID:p2hZkkiWO
いうて、特務機関も必ずエヴァを守るとは思えんし
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 19:26:29.39 ID:mWcnGKE40
カズミはゼウスからもらった携帯で、ある人物に電話をかけた。

「誰ですか、私は忙しいんですが」

「ミツキさん?」

「...その声はあの時の。確かカズミ、とか言いましたね」

「はい。その、安全な場所を用意していただけませんか?」

「ふむ...。何故?」

「それは──」

カズミはミツキの疑問に答えようとしたが、その前に彼女は話し始めた。どうやらカズミに対してではなく、自身に対しての問いかけだったようだ。

「特務機関を通してではなく、わざわざ一個人として連絡してきた。そして要求は安全な場所の提供。その上、戦争時にもかかわらず例の機体の情報は入ってこない。これが意味するところは──」

するとミツキは黙りこくってしまった。

「も、もちろん見返りはあります。ADMのこと、調べてもいいですよ」

「本当ですか!?」

あまりの大声にカズミは思わず携帯を遠ざけた。

↓1
01〜20 断られた
21〜 協力を約束してくれた
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 19:27:16.13 ID:UemAYB0lo
ヌッ
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 19:57:23.40 ID:mWcnGKE40
13 断られた

「コホン。すいません、取り乱しました。確かに特務機関は私に"絶対"見せてくれないでしょうね」

「なら──」

「ですが無理です。正直に言うと私はそのADMとやらの研究さえできればそれでいいんですが。ですが今は戦時中という事もあって国からの監視やら締め付けやらが厳しいんですよ」

「そんな...」

「こんな状態では貴女の要求を満たしてあげる事もできませんし、もしバレてしまえば恐らく私は一生PEM開発に携われなくなります。...ですので協力したいのは山々なんですが、今回の話は無かったことに」

「わかり、ました...」

カズミは電話を切ると深いため息をついた。

(まさかアテが外れるなんて...。こうなったらガーディアンオブエデンに用意してもらうしかないや。ゼウスさん達に居場所を知られちゃうし本当は嫌だったけど、そうも言ってられない!)

カズミはそう喝を入れると、再び電話をかけた。

「もしもし?」

「...お姉ちゃん」

カズミの言葉を聞いてアルトは思わず息を呑んだが、すぐに口を開いた。

「どうした、カズミ?」

なんて事ない、いつもの調子のアルトの返事を受けてカズミはどうして何も聞かないの、と言いそうになったがそれをグッと飲み込んだ。

「...私のせいでお姉ちゃんがブルトニアに追われるかもしれない」

「ブルトニアに?」

「うん。だから安全なところに──」

「それなら心配ない」

「へ?」

「今はガザレムの首都にいる、取材でな。流石のブルトニアもアタシのためだけにここに部隊は送らないさ。それにボディーガードも雇ってるしな」

「そ、そっか...」

それよりも、とアルトが続ける。

「父さんと母さんはいいのか?」

「それはもう考えてあるよ。準備が整ったらすぐに動くつもり」

「...そうか。最近は2人でゆっくり過ごしているらしいから、多分家にいるだろう」

「分かった。それじゃ──」

カズミはふと口をつぐんだ。今までにあった事を全て感情のままにアルトにぶち撒けたくなったのだ。だが彼女はそうはしなかった。

「気をつけてね」

「ああ。...カズミ、よく泣きべそをかいてたのに、成長したな」

「...うん。絶対に守りたい子がいるから」

「そうか...。とにかくアタシのことは心配いらない。それじゃあな」

そう言うとアルトは電話を切った。

「あとはADMだけ...」
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 20:22:31.55 ID:mWcnGKE40
──中央大陸、特務機関の基地付近──

「おねーちゃーん、まだー?」

「こ、こら、静かに!もうすぐで時間だから騒がないでね」

「はーい」

エヴァを落ち着かせながらも、カズミも少し不安を感じていた。

(ホントにきてくれるんだよね...?)

しかしそんなカズミの心配も杞憂に終わった。

カズミ達がいるのとは反対側の上空にカタラやカニコフが現れた。そしてすぐに銃弾や砲弾が飛び交う戦場へと移り変わった。

「きた!行くよ、エヴァ!」

「はーい」

そうして2人はガーディアンオブエデンが陽動を仕掛けている間に、特務機関への基地へと忍び込んだ。

↓1
01〜35 見つかった
36〜 バレずにADMまで辿り着いた
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 20:26:24.36 ID:tmFkk3vVo
それ
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:05:00.26 ID:zEFvfjPk0
あっぶね
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 21:05:35.97 ID:mWcnGKE40
36 バレなかった

道中かなり危ない場面はあったものの、2人は何とかADMのある格納庫まで辿り着いた。

「あった...。よし、早く乗ろう!」

「うん!」

幸いなことに今の特務機関には操縦どころか起動すらままならないためか、周りに人はいなかった。

2人は慣れた手つきでADMに搭乗、起動した。すると聞き慣れた声が耳に入った。

「あれ?カズミ、エヴァ!?な、なんでここに!?」

「アダム...」

「久しぶりだね〜」

「う、うん。で、これはどういう状況なんだい!?」

カズミが悲痛な面持ちで口を開く。

「アダム、私たち、特務機関を抜けるよ」

「それって──」

アダムは何かを察したかのように言葉を止めた。


好感度による補正+10
↓1
01〜40 警報を鳴らされた
41〜 見逃してくれた
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:06:33.62 ID:zEFvfjPk0
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 21:12:27.11 ID:mWcnGKE40
62 見逃してくれた

「...そっか。なら、僕を停止するんだ」

アダムの思わぬ言葉にカズミは面食らう。

「え?」

「もしこの機体が特務機関の意思に反して起動された場合、僕はその位置情報や日時を常時報告するようにプログラムされている。だから...カズミがエヴァを守りたいなら僕を停止するんだ」

「わ、わかったよ。それじゃあ、いつか、特務機関とのゴタゴタが終わったらまた起動してあげるね」

「うん。さあ、これを押せばいいよ」

カズミはアダムに言われたボタンに手を伸ばす。

そしてアダムはコックピット内のカメラを通して、カズミとエヴァの姿を記録に焼きつけていた。なぜなら、この場合の"停止"とはアダムの削除を意味していたからだ。
本来ならカズミとエヴァだろうと許可のない搭乗があれば上述したものに加え、操縦のコントロールがすぐに停止されるはずだった。だがアダムは自らのプログラムに抗った。2人に情を抱いていたのだ。

(これだからAIに人格を持たせるべきじゃないんだよ)

「じゃあ2人とも、元気でね」

そんなアダムの呟きと同時にカズミはボタンを押し終えた。

「...アダム?」

何とも言えない胸のざわつきを感じたが、それはエヴァによって遮られた。

「はやくいったほうがいいんじゃないのー?」

「だ、だね。こっからはスピード勝負だ、行こう!」

↓1 基地に居たのは?
01〜30 バーネット
31〜60 オルデンリッジ
61〜90 ガルー
91〜 シエラ=レオネ
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:16:02.54 ID:LVma8aFk0
a
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 21:17:22.37 ID:zEFvfjPk0
思ったより辛いルート入ってる気がする!
けど撃墜→特務機関離脱→ミツキに断られるで3回失敗してると考えるとこれも仕方ないか……
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/11(火) 21:48:25.59 ID:mWcnGKE40
54 オルデンリッジ

──特務機関の基地、敷地内──

「妙だな...。奴ら、攻め手に欠けているのか?」

オルデンリッジはそう呟いた。

奇妙なことに、ガーディアンオブエデンは奇襲を仕掛けてきたにも関わらず、その攻勢に激しさが見られないのだ。
戦時中のため特務機関も数多くの人員が前線に赴いている。ここに残っているのは後方部隊と支援要員のみ。つまり精鋭ではない。にも関わらず相手の押しが弱いことがオルデンリッジは引っかかった。

「そもそもここをどうやって知った...?」

すると仲間から通信が入った。

「オルデンリッジさん、ADMです!ADMが動いています!」

「何だと!?」

慌てて基地の方を振り返ると、崩れた壁からADMが飛び出してきた。

「無線の呼びかけは!」

「応答しません!どうしますか!?」

(アレを動かせるのはあの2人だけのはず...!一体誰が!)

「ちっ!素性が分からん以上仕方あるまい、撃ち落とせ!ただ損害はなるべく抑えろ!」

「了解です!」

↓1 腕前は?
01〜60 兵卒
61〜90 熟練
91〜 エース

↓2 向かってきた機体数
01〜55 1機
56〜90 2機
91〜 3機

今日はここまで。
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 22:01:58.84 ID:zEFvfjPk0
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 22:26:41.99 ID:7rAq+RT/0
おつ
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/11(火) 23:07:37.89 ID:tmFkk3vVo
おつ
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 19:21:16.96 ID:Lfolo81x0
84 熟練
99 ゾロ目ボーナスで繰り下げ 2機

フライングボードで戦線を離脱しようとしていたADMの前に2機のスパイヤーズが立ち塞がった。

「押し通るしかない...よね」

(命は奪わずに...できる?いや、やるしかない!)

↓1
01〜30 被弾
31〜40 拮抗
41〜 撃破
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 19:40:36.25 ID:noybljN60
a
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 20:09:49.89 ID:Lfolo81x0
25 被弾

迫り来るADMのブレードに対してスパイヤーズの1機がアックスで応戦している隙に、もう1機が横へと回り込んだ。

「そう来るよね...!」

ADMは迫りくるアックスを受け流し、素早く相手の姿勢を崩すと、横から飛んできた弾をジグザグに動いて避けた。
そのまま距離を取るとライフルを構えて狙いをつける。

(...少しでもズレたらレーザーはコックピットに直撃する。そしたら──)

そんな一瞬の迷いをついてスパイヤーズがロケットを放ってきた。
激しい爆風と共に飛んできた弾頭の破片が装甲に突き刺さる。

「くっ...!」

↓1
01〜10 撃破された
11〜30 被弾
31〜40 拮抗
41〜 撃破
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 20:10:55.75 ID:QTVrSIXA0
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 20:36:47.51 ID:Lfolo81x0
75 撃破

「エヴァ、大丈夫?」

「うん」

エヴァの返事を聞きながらカズミはモニターに目を移した。

「燃料、ここで消費はしたくなかったけど...!」

背に腹はかえられないと、カズミは出力を一気に上げた。

「決める!」

何か仕掛けてくると勘づいた相手は咄嗟に距離を取ろうとする。が、間に合わなかった。

「遅い!」

一筋の白い線が走ったかとおもうと、次の瞬間には2機のスパイヤーズはフライングボードを一刀両断され、地面へと落下していった。

「ふぅ...」

カズミは無事に乗り切ったことに安堵しながらも違和感を覚えていた。

(なんだか速さが格段に上がってるような...?いや、今は先を急ごう!)

↓1
01〜20 オルデンリッジが追いかけてきた
21〜 誰も追いつけなかった
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 20:54:13.35 ID:rMExc0+do
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 21:35:20.71 ID:Lfolo81x0
35 誰も追いつけなかった

「あの動き...いや、そんな筈は──」

オルデンリッジの脳裏にある顔が浮かぶ。

「にっ、逃げられます!」

「ちっ、俺が行く!」

ADMのスピードに追いつける見込みはほぼ無いと分かっていたが、オルデンリッジ、そして特務機関にとってあの機体を奪われるのだけは何としても避けなくてはならない。
そんな考えからADMの後を追おうとしたオルデンリッジだったが、1機のカニコフが立ち塞がった。

「押しつけられたとは言え、任務は任務。ここは通しません!」

そう意気込んだのはライだった。

本来ここに来るのはカスケードのはずだった。しかし命のやり取りのない戦場は己の居場所ではないとだけ言い残し、かわりに丸投げされたライがこの作戦の指揮を取ることになった。

「こんな時に!」

オルデンリッジは悪態を吐きながらカニコフへと向かって行った。

一方、カズミ達は全速力で特務機関の基地からそう遠くない場所にある街へと向かっていた。

「もうつく?」

「ここからそう遠くないし、この速さならあと30分くらいで着くよ」

「はーい」

カズミは改めてレーダーを見て追手がいない事を確認しながら、不安になる気持ちを抑えようとしていた。

(まだ私は捕まってると思われてるはず。だから、お父さんもお母さんも無事だとは思うけど...いつバレるか分からない。急がないと!)

そしてカズミの言った通り、30分程経過した頃には目的の街が見えてきた。

↓1
01〜10 特務機関がいた
10〜 誰もいなかった
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 21:36:30.66 ID:xOkM3uHFo
はい
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/16(日) 22:22:53.21 ID:Lfolo81x0
66 誰もいなかった ゾロ目ボーナスで次のコンマ判定緩和

街は特に兵士や警察の巡回や封鎖があるわけでもなく、いつもと変わらない日常を送っている様子だった。

「良かった、誰もいない」

安全を確認したカズミは街のはずれにある住宅地へと向かい、ある一軒の家の前で止まった。

「着いた...」

久しぶりの実家に思わず感慨深い思いが込み上げる。

すると家の目の前に突然1機のPEMが現れたという事もあって、事態を確かめようとカズミの両親が出てきた。

「お父さん、お母さん...!」

「へー、あれがお姉ちゃんの家族なんだ。そっくりだね〜」

見ない間に少し老けた両親の顔を見て涙が溢れそうになるがそれをグッと堪えると、コックピットを開けて2人に呼びかける。

「早く車に乗って!私が運ぶから!」

コックピットから現れた予期せぬ人物を見て、カズミの両親は涙を流しながらしばらく呆けていた。
その様子に釣られてカズミも一筋の涙を流したが、それを拭うと声を張り上げた。

「早く!」

それを聞いて先に動いたのは母親だった。

「ほら、聞きましたか!行きますよ!」

「あ、ああ...」

返事をしながらも脚が動かない父親の手を引っ張ると、母親は車に無理やり押し込んだ。
それを確認するとカズミもコックピットを閉め、両親が乗った車をADMで抱えるとその場を去った。

↓1 ライとオルデンリッジは?
ゾロ目ボーナス補正+5
01〜05 ライ、死亡
05〜20 ライ、負傷
21〜70 オルデンリッジを圧倒した
71〜 オルデンリッジを圧倒し、サノスも救出した

今日はここまで。
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 22:32:59.34 ID:noybljN60
乙でした
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/16(日) 22:39:25.09 ID:rMExc0+do
おつ
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/18(火) 19:26:39.18 ID:wwhSjM3L0
正規ルート外れた感はあるけど今全体としてはどこなんだろう、中盤くらい?
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 20:12:51.98 ID:Ue2MZXXh0
>>825
がっつり終盤ですね。ちなみに特務機関ルートならガザレムとの戦争をもう少し詳しく描くつもりでした。


34 オルデンリッジを圧倒した

「コイツら、何が目的だ...?」

ライとの戦闘の最中、オルデンリッジは疑問を口に出した。

2人の操縦技能の差はとても大きく、オルデンリッジは戦闘が始まって以来未だにライに一撃を与えることさえできていない。それどころかライにしてみればオルデンリッジを仕留める機会は何度もあった。にも関わらずオルデンリッジは未だに生きている。明らかに殺しを避けようとしているのだ。仮に何らかの目的の為の時間稼ぎだとしても、それは敵機を撃破しない理由にはならない。

そんな疑問に頭を悩ませながらもオルデンリッジは何とかその場を突破しようとする。

そんなオルデンリッジの攻撃を華麗に捌いているライにカズミからの通信が入った。

「ライさん、目的は達しました。もう退いて頂いても大丈夫です」

「わかりました。...我々との約束、忘れないで下さいね」

「分かってます」

「では、また会える事を楽しみにしてますね」

そう言うとライはカズミとの通信を終え、部下たちに指示を出して特務機関の基地から撤退していった。

追撃するだけの残存兵力も無く、悠々と去っていくガーディアンオブエデンの背中を、オルデンリッジはただ見ていることしかできなかった。

「なんと長官に報告すればいいんだ...」
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 20:15:07.32 ID:Ue2MZXXh0
──中央大陸、どこかの隠れ家──

「──と言う訳で、こんな事になりました」

無事に両親を隠れ家に連れてきたカズミは、これまでのことの経緯を説明していた。

「なるほど...」

父親が深刻そうな表情をしながら、ため息混じりに呟いた。そんな様子を見てカズミは叱責される事を覚悟した。

「...何はともあれ、お前が生きていて良かった」

「え?」

カズミは思わず間抜けな声をあげた。

というのも彼女の記憶にある父親は国家への忠誠心が強い、いかにも軍人といった気質だったからだ。実際、姉のアルトが記者になると言った際には、それなりの一悶着があった。

自分も同じように、国を裏切るとは何事だ、と激怒されるかと思っていたが蓋を開けてみればこの態度で、カズミは驚きを隠せない。

「何だその顔は」

そんな父親の言葉を聞いて、母親がため息をつく。

「これまでの自分の態度を顧みたらどうですか?」

「む...。まあ、色々あったからな。考えも変わる」

「この人、あなたが軍に入るのを許可したこと、ずっと後悔してたんですよ。可愛い娘を手放すべきではなかったなんて言って」

「な、なにを!現に亡くなってなかったんだし、態々それを言わなくてもいいだろう!」

そんな2人の様子に釣られてカズミは思わず笑顔を浮かべた。そんな娘を見て父親と母親も互いに見合いながら微笑む。

「とにかくだ。お前の話し振りからも、決して半端な思いでこの道を選んだのではないことぐらい分かる。子供が自分でした選択なら、どんなものであろうとそれを受け入れるのが親というものだ」

「つまりは、好きにやっていいって事ですよ」

腕を組む父親の横で、人差し指を立てながら母親がそう付け足した。

「ありがとう、お父さん、お母さん!」

「ところで──」

すると不意に母親の視線がカズミの背後へと移った。

「ほえ?」

「あなたがエヴァちゃんね!とっても可愛らしいわ!でも少し髪がボサボサですね。...よし、一緒にお風呂に入りましょうか!それからお手入れをしてあげるから──」

そんな事を言いながら母親は有無を言わさずにエヴァを風呂場へと連れていった。

そんな様子を尻目に見ながら、父親が口を開いた。

「ところで、あいつは無事なのか?」

「お姉ちゃんのこと?それなら、うん。ガザレムの首都にいるらしいよ」

「そうか。なら良いが...」
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 20:16:34.55 ID:Ue2MZXXh0
──両親救出より、数週間後──

テレビを見ているカズミの目に思わぬ情報が飛び込んできた。

『ここで速報です。つい先程、ブルトニア軍がガザレムの山岳要塞を突破したとの報せが入りました。ガザレムの首都防衛の要衝となっていた山岳要塞が陥落した事から、ブルトニア軍のガザレム首都への侵攻が懸念されます。これを受けてスフィア連盟国は──』

「お姉ちゃん...!」

カズミあわてて携帯を取り出すとアルトに電話をかけた。

「カズミか?」

「お姉ちゃん、無事!?」

「ああ、無事だ。...ニュースのことだろ?」

「うん!きっと首都ももう安全じゃないよ!私が迎えに行くから──」

「アタシもそうして欲しいのは山々なんだか──」

↓1
01〜10 誰かに見張られている
11〜40 ガザレムの機密情報を知ってしまった
41〜 戒厳令で移動ができない
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 20:17:50.81 ID:XcCKaTyz0
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 20:33:15.66 ID:Ue2MZXXh0
81 戒厳令で移動できない

「戒厳令で移動が制限されててな、国外に移動できないんだ」

「...つまり、ガザレムに私が直接行かないといけないってことだよね。しかもガザレムとブルトニア、両方の軍を避けながら」

「まあ、そういう事になるな。だから別に来なくてもいいぞ。こっちはこっちで何とかする」

「な、何言ってるの!助けに行くに──」

「まあ、落ち着け。...お前には守りたい人が居るんだろ?ならそっちを優先しろ」

「でも...」

カズミの不安そうな声を聞いて、アルトは軽く笑った。

「心配するな。お前より頭はキレるからな、上手く立ち回るさ」

「...」

↓3まで多数決
1 助けに行く
2 助けに行かない
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 20:42:37.75 ID:XcCKaTyz0
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 20:44:15.82 ID:+D9DfnQdo
1
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 21:11:37.71 ID:Ue2MZXXh0
1 助けに行く

「確かに私には絶対に守りたい子がいる」

そう、自分の意思で入った訳じゃなかったけど、一緒に過ごしてきた人たちを裏切ってでも。

「分かってるよ。だから──」

「でもそれはお姉ちゃんを見捨てる理由にはならないよ」

「カズミ...」

もちろんエヴァのことは必ず守る。しかしエヴァの事を守った上で、せめて自分の手の届く範囲にいる人だけでもいいから守りたい。

それがカズミの導き出した信念だった。

「...カズミがそうしたいのなら、もう言うことはない。そうと決まればすぐにでも来てくれ。首都の国立図書館で待ってるから」

「分かった、すぐ行くね!」

カズミは電話を切ると両親、そしてエヴァに話の内容を伝えた。

「べつにいーよー」

カズミの母親の手によって綺麗になった髪を撫でながら、エヴァはいつもの調子で答えた。そして父親と母親が口を開く。

「...行ってこい」

「あら、そんな淡白な言い方をしなくても。あの娘を迎えに行く為にあなたがずっとあのPEMを動かせないか試してたの、知ってますからね?」

「い、言わなくていい!」

3人の言葉を聞いてカズミは頷いた。

「じゃあ、行ってきます!」

カズミは両親に一礼すると、エヴァに手を差し出した。

「それじゃあ行こう、エヴァ!」

「うん!」
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 21:32:41.62 ID:Ue2MZXXh0
──ガザレム首都──

カズミ達は首都を構成する特別区とその外側の地域との境目の上空を飛んでいた。

「やっぱり、もう戦いが始まってる...」

特別区を見下ろすカズミの目には無数の爆発や対空砲火が映っていた。
中でも一際目を引くのは特別区の中心に建てられた平和の塔と呼ばれるモニュメント兼通信塔だ。世界有数の観光名所として名を馳せていたが、今ではその面影は消え去り、改修によって強固な要塞として役割を果たしている。

「あそこが1番の激戦区みたいだね」

「お姉ちゃんのお姉ちゃんはどこにいるの?」

「お姉ちゃんがいるのは国立図書館だよ。地図で見る限り、特別区の北の端っこにあるっぽい」

それを聞いてエヴァは特別区の北側に目を向けた。

「あんまりさわがしくなさそうだね」

「うん。中心からは離れてる上に、戦略的な価値も余り無さそう。とはいえ、気は抜けないね」

それもそのはずでここに到達するまでにカズミは既に数回、ブルトニアの後続部隊や中継基地に出くわしている。
カズミの裏切りが特務機関にバレているのか、仮にそうだとしてブルトニア軍にどう伝わっているのかは分からない。いずれにせよ追手が来る可能性は高い。

「とにかく急ごう!」

↓1 遭遇したのは?
01〜50 ブルトニア軍
51〜 ガザレム軍
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 21:34:04.21 ID:PRNe5Yfto
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 21:34:11.80 ID:VAP2D9kV0
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/22(土) 22:04:27.59 ID:Ue2MZXXh0
21 ブルトニア軍

雑居ビルの屋上に設置された簡易陣地で2機のスパイヤーズが監視任務を遂行していた。

「異常は?」

「ねえよ。だいだいこんなとこ敵も通らねえだろ」

「まあな...。とは言え、気を抜いてるとコックピットをスナイパーに撃ち抜かれるぞ?」

「ハッ、折角ガザレムの奴らを殺せると思ったのにこんな風にお預け状態なら、そっちの方がマシかもな」

そんな風に暇を持て余していた2人に、未確認の機体が接近している事をレーダーが指し示した。

「お、敵か!?」

「分からない...なんだ、速いぞ?新型か?」

「こんなとこにそんな戦力を投入するか?お、目視出来たぞ」

そう言ってモニターを覗き込んだブルトニア兵の目に見覚えのある姿が入ってきた。

「お、おい、あれ!」

「あ、ああ!」

出発前のブリーフィングで見た、白く凛々しい姿が印象的なPEMだ。
詳細は機密事項として知らされなかったがもしこの機体を見かけることがあったら、現在遂行中の如何なる任務よりも優先して捕らえるようにとの命令が下っていた。

「行くぞ!」

「ああ!こりゃ昇進のチャンスかもな!」

↓1 腕前は?
01〜60 兵卒
61〜90 熟練
91〜 エース

今日はここまで。
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 22:29:56.15 ID:XcCKaTyz0
乙でした
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 22:41:23.86 ID:PRNe5Yfto
おつ
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 19:50:10.85 ID:A6p/oEYU0
15 兵卒

↓1敵の数は?
01〜60 2機
61〜90 3機
91〜 4機
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 20:09:54.69 ID:/GsSRc52o
はき
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 20:21:23.94 ID:A6p/oEYU0
69 3機

上空を移動するADM目がけて、地上から弾丸が飛んできた。

「危なっ!」

それをサラリとかわすと、カズミは地上に目をやった。

「あれは...ブルトニアの」

ADMの速度で振り切ってしまうか、それとも念のために行動不能にしておくべきか。
カズミがそう悩んでいる間に、付近を巡回していた1機のスパイヤーズが異変に気づき、ADMの行く手を塞いだ。

「しまった...。なら、やるしかない!」

↓1
01〜15 被弾
16〜 敵撃破
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 20:24:28.48 ID:hRnXgPFH0
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 20:55:08.24 ID:A6p/oEYU0
48 敵撃破

「よし!トラバースがヤツの足を止めたぞ!」

「これで3対1だ、おまけに挟み撃ち!機密だか何だか知らねえが貰ったぜ!」

2人のブルトニア兵は鼻息を荒くしながらフライングボードを起動して上空へ移動すると、ADMへと向かっていく。十分近くまで背後に接近したと2人が思ったその時、ADMが動いた。

「なに!?」

「どこに──」

消えたADMの姿を見つけようと2人が辺りに目を向けていると、ADMの正面に位置取っていたスパイヤーズが突如地面へと落下する。それと同時にそのスパイヤーズの背後からADMが姿を現した。

「嘘だろ?」

そう兵士が呟き終えるのと同時にADMが動き出す。

「ま、まだ2対1だ!行くぞ!」

2機がかりでスパイヤーズはADMを攻撃するが、全て受け流されてしまう。そしてすぐに先程のスパイヤーズど同様にフライングボードを壊され、彼らは落下した。

そんな様子を見ながらカズミが呟く。

「私が言うのもなんだけど、こんな大事な戦いの時にあんな体たらくで大丈夫なのかな?」

「お姉ちゃんもつよくなったねー。はじめて会ったときとはおおちがい」

「まあね。というか私というよりは、殆どADMの性能のおかげな気もするけど。...と、とにかく、先を急ごう!」

↓1 道中敵に?
01〜30 遭遇した
31〜 遭遇しなかった
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 21:15:54.81 ID:/GsSRc52o
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 21:32:26.28 ID:A6p/oEYU0
81 遭遇しなかった

ひょっとすると先の戦闘で異変に察知されたかとも思ったが、追手は来ず、部隊にも会うことはなかった。

このあたりは主要な戦闘地域である中央部から離れており、また避難した民間人が多いことから、両軍ともに部隊は殆ど展開していないらしい。
実際ここに来るまでに着の身着のままで通りを歩く民間人を何度か目撃した。

「これが戦争か...」

そんな事を呟きながらもカズミは国立図書館へと向かい続けた。

そうして進み続ける事十数分後。

「着いた...ここが国立図書館」

↓1
01〜40 ブルトニアの部隊がいた
41〜 敵影なし
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 21:38:11.56 ID:hRnXgPFH0
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/28(金) 22:12:25.98 ID:A6p/oEYU0
56 敵影なし

「周りにもPEMの姿はなしっ...と」

周囲の安全を確認し、カズミはアルトに連絡を入れる。

「もしもし、お姉ちゃん?国立図書館まで来たよ」

「分かった。外に...何の音だ?」

「音?」

疑問に思いながら耳を澄ますと、地面の方から何かの音が聞こえてくる。

「ゆ、揺れだした?」

地面の揺れと音は次第に大きくなり、やがて大きな衝撃が辺りを襲った。

「じ、地震?」

「いや、これは──」

アルトが言い終えるよりも早く、轟音が鳴り響いたかと思うと国立図書館の一部が崩落した。

「お姉ちゃん!?」

通信機越しに聞こえてくるのはただの雑音だけだ。

「一体何が...」

「何かいるよー」

エヴァが崩落した国立図書館の方を指さした。

カズミが目を凝らしていると、土煙の中からPEMが出てきた。

「な、何アレ!?あ、アダム...って、今は停止してるんだった」

煙の中から現れたのは、まるで紅い鎧を身に纏った騎士のような風貌のPEMだった。その立ち姿は返り血を浴びた様で、見る者を畏怖させる。
そしてさらにその背後からは六角形に似たフォルムに砲身の長いキャノンが特徴的な白いPEMが現れた。

「あれは特務機関の資料で見た!確か...ヘキサ。ガザレムの砲兵部隊が使ってるPEMの筈...って事はあれはガザレムの部隊!?」

どうして、どうやってここに。そんな疑問が尽きないが、それよりも姉の安否がカズミには気掛かりだった。

すると真紅のPEMと目があった。

「攻撃して...くる?」

ADMの姿を認めると、紅いPEMはヒートランスを構えた。

「やっぱり、やるしかないか!」

↓1 腕前は?
01〜70 熟練
71〜90 エース
91〜 エースオブエース


今日はここまで。
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 22:14:04.88 ID:/GsSRc52o
おつおつ!
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/28(金) 22:14:47.49 ID:hRnXgPFH0
乙でした
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/29(土) 19:54:09.12 ID:Q022zQAd0
88 ゾロ目ボーナスで繰り下げ 熟練

目の前に立つ白銀の騎士を思わせるPEMを見てガザレム兵は唸った。

「見たことない機体だ...。新型か?ふっ、だがこのシュヴァリエルージュに勝てるかな?」

彼が口に出した機体、G.W.002 シュヴァリエルージュはガザレムの首脳部がブルトニアとの戦争に備えて製造させた機体である。バウエル・インダストリから流出した技術を採用しており物理、実弾だけでなく、ビーム兵器にも高い耐久性を発揮する。
機体の製造には多額の費用がかかるため精鋭部隊にしか配備されておらず、まさにガザレムにとっての虎の子である。

接近戦は不得意なヘキサが撤退したのを確認すると、シュヴァリエルージュはADMへと突っ込んだ。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 敵
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 20:19:50.92 ID:VOED10V8o
1
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/29(土) 20:30:03.74 ID:Q022zQAd0
カズミ 3/3 近接
ガザレム兵 3/3 近接
操縦技能の差により+5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜35 カズミ −1
36〜45 拮抗
46〜70 ガザレム兵 −1
71〜 ガザレム兵 −2
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 20:48:09.32 ID:rKHCLGR9o
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/01/29(土) 21:06:21.66 ID:Q022zQAd0
32+5=37 拮抗

シュヴァリエルージュはヒートランスの穂先をADMに向けながら突進する。

ADMはそれをひらりとかわし、ガラ空きになった敵の背中にブレードを振るった。
が、しかし、シュヴァリエルージュは素早く振り返りながらランスを振り回し、ブレードを払い退けた。続く振り下ろしをサイドステップでやり過ごすと、ADMは一歩下がった。

「止められた...」

見慣れない機体ということもあり、慎重を期すためにいつもより丁寧で遅めな振りかぶりではあったが、それでも十分速度のあるADMの攻撃が防がれた。
つまり、それは先程のブルトニア兵とは違って警戒する必要のある相手だという事を意味している。

「気は抜けない!」

姉のことが頭にチラつくが、そんな自分を戒めるかのようにカズミは声を張り上げた。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ エース
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 敵 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 21:15:37.50 ID:TB0wufFQ0
近接
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/29(土) 21:15:47.43 ID:n3cBZ2/t0
近接
497.97 KB Speed:0.8   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)