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【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】

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227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/20(水) 21:05:13.16 ID:Eq1y9QS90
三段アイスに心躍らない子供がいるわけがない
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/20(水) 21:44:54.29 ID:Prl/DTUc0
1 バーネット

「さて、今日は諸君らに任務を与える」

「任務、ですか?」

「ああ。前回の模擬戦はADMのテストを行った。今回はエヴァに異変がないか確認したい」

バーネットはカズミの横に立つエヴァにチラリと視線をやった。

「なるほど。しかし長官殿、どのようにして?」

「うむ。丁度うってつけの命令が来たのだ。どうやらブルトニア共和国北西部の峡谷地帯に少量ながらメルクリウスが埋蔵している可能性があるらしい。それを我々に、つまりエヴァに探らせろとの命令が下された」

「そういえばエヴァはメルクリウスの場所がわかるんだよね?」

「うん」

「従ってエヴァの様子をみる事も兼ねてメルクリウスの埋蔵地の特定を行なってもらう。カズミとエヴァは当然現地に向かうとして、バーネット、貴様には調査班及び2人の指揮監督を執ってもらう」

「はっ」

「特に脅威はないと思われるが、念のため武器は持っていけ。現地付近の都市、ヴェーダンまでは車両で移動、その後は任せる」

「身分等はどうなっておりますか?」

「民間の地質学研究チームであることを証明する偽造書類は用意した。PEMもひとまず武装を外し、調査用の機体としている」

「了解しました」

「質問はないな?以上だ」

そう告げるとシエラ=レオネは部屋から出ていった。

「バーネット先輩、頑張りましょう!」

「ああ。だがそう気負うことはない、なにせ今回は簡単な調査のみだからな。とはいえ何かあればその都度私に聞くといい。では10分後に第二ハンガーで集合だ」

「分かりました!」

そうしてバーネットも部屋を出ていき、カズミとエヴァだけが残された。

「調査だけみたいだけど、具合が悪くなったら直ぐに言ってね?」

「うん。お姉ちゃんもね?」

「アハハハ、私は元気が取り柄だから大丈夫!」

23時ごろに再開します。
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/20(水) 21:46:12.44 ID:Eq1y9QS90
一旦乙
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/20(水) 21:46:48.83 ID:D62Av9u00
一旦乙
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/20(水) 23:34:30.44 ID:Prl/DTUc0
遅れてすいません。

カズミ達はおよそ1日かけて車両でヴェーダンまで移動した。

休息を取った後目的地であるマール峡谷に入るまでは再び1時間ほど車両で移動、そこからはエヴァとカズミはADMに、バーネットはダートに搭乗した。

「では予定通り私は地上で調査班の警護及び先導を、後輩は空中で偵察及びメルクリウスの探査を行う」

「了解です!」

カズミはフライングボードでADMを空中まで移動させると、後ろのコックピットに座っているエヴァに尋ねる。

「それで、メルクリウスの場所は分かる?」

「うん。...えーと、ここからあっちの方かな」

「北だね。じゃあゆっくり移動するからハッキリ位置がわかったらまた教えてね」

「うん!」

「今回は僕の活躍はなさそうかな?」

「ま、調査だしね。そっちの方がむしろ良いよ。じゃあ、行くよ」

↓1 トラブルが...?
01〜40 起きた
41〜 起きなかった
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/20(水) 23:36:13.80 ID:Eq1y9QS90
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/21(木) 00:13:20.72 ID:RP+nkwXN0
80 トラブル発生せず

しばらく進んではエヴァに改めて場所を聞いて再び移動、という工程を数時間ほど繰り返した後、ようやくエヴァからOKの合図が出た。

「バーネット先輩、メルクリウスの埋蔵位置を特定できました」

「了解、そちらに直ぐ向かう」

深い谷の間ではあるが、幸いなことにエヴァが指し示した地点は開けた空間になっていたので地上を移動していたバーネットと調査班もすぐに到着することができた。

「ふむ...この地面の下か。よし、調査班は行動を開始しろ」

バーネットの言葉を聞いて調査班のメンバーは車両から降りると様々な機材を設置し始めた。中には調査、発掘用のPEMもあった。

「それにしても、エヴァはどうやってメルクリウスの位置を判別してるの?」

「あー、無駄だよカズミ。エヴァ自身よく分かってないらしい」

「うん。よくわかんないけど近づくと、ビビッとくるの」

「ふーん...」

すると通信用に付けていたイヤホンマイクを通してアダムが話しかけてきた。

「どうしたの?」

念のためカズミは声量を落とす。

「一応伝えておいた方がいいかと思ったんだけど、エヴァは何かを隠してる」

「え?」

「世界の命運を左右するような秘密を抱えた少女の返答が、なんとなくってだけで納得するような組織じゃないよ、特務機関は」

「そりゃそうだろうけど...」

「...長官は反対したんだけどエヴァには自白剤が投与されたことがある」

「そんな...!」

「その時も彼女はやっぱり何となくって答えた。でも、後々わかったんだけどそもそも彼女には自白剤の効果が及んでいなかったんだ」

「...」

「自白剤の成分からして普通の人間に効果がないなんてことはない。にも関わらずエヴァには効かなかった。しかも彼女はあたかも自白剤の効果を受けているフリをして、嘘をついた。これがどう言うことかわかるかい?」

「エヴァはメルクリウスについて秘密にしておきたいことがある...?」

「そうだよ。もちろん僕は彼女が敵だとか信用できないとかまで言うつもりはないけど、カズミも気には止めておいたほうがいい」

「...誰にだって秘密はあるよ。それに嘘をつかれてたとしても、エヴァのことを必ず守るって私の意志は変わらない」

「...だね」

「けど、ありがとう。私とエヴァのことを思って伝えてくれたんだもんね」

「どういたしまして。僕としても2人には仲良くしていてほしいからね」

今日はここまで。
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/21(木) 00:15:34.34 ID:jQKMEZ+40

エヴァがだいぶやべー子な予感
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/21(木) 00:17:27.72 ID:UaGkFVuRo
おつおつ
カズミが世界の敵になっちゃうかも……
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/21(木) 00:21:15.84 ID:dHabLlD80
乙でした
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/22(金) 20:13:59.04 ID:sLSQyPPQ0
メルクリウスの採掘を開始してから数十分後、調査班の様子が騒がしくなってきた。
周囲の安全確保のため空中で偵察を行なっていたカズミにも通信越しにバーネットと調査班の会話が聞こえてきた。

「バーネットさん、メルクリウスを発見しました」

「よし。量はどれくらいだ?」

「多い、とまではいきませんがそれなりの量が埋蔵しているようです」

「分かった。メルクリウスの存在が確認できたのならそれでいい。この地点の座標を記録、機材は回収しろ。後は上が適切に処理するだろう」

「わかりました」

バーネットと調査班のメンバーの通信を聞き終えたカズミはコックピットの中で伸びをした。

「ふぁ〜、疲れた」

「疲れたって、カズミはずっと座ってただけじゃないか?」

アダムの言葉にカズミは頬を膨らませる。

「あのね、アダムには分からないかもしれないけど、フライングボードを使った滑空は神経を使うの」

「そうなのかい?」

「そうなの」

このまま何事もなく終わるかと思われた調査任務だったが、そうはいかなかった。

まず異変に気づいたのはエヴァだった。

「...お姉ちゃん、くるよ」

「はい?」

するとすぐにアダムが警告を発した。

「北西方面から所属不明のPEMが接近中!」

それを聞いてカズミはすぐにバーネットに通信を入れる。

「先輩、未確認のPEMがこちらに向けて接近中です!」

「数は!?」

「えーと...」

↓1
01〜30 1機
31〜80 2機
81〜 3機
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 20:17:26.88 ID:UqIMnEEro
@
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 20:18:50.23 ID:ezysSBLP0
おおっと
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/22(金) 20:33:02.10 ID:sLSQyPPQ0
88 ゾロ目ボーナスで繰り下げ 2機

「2機が接近中です!」

「同数か。しかしこちらには非武装の調査班もいる...」

バーネットからの指示を待ちながら様子を窺っていると、カズミの視界に所属不明のPEMが入った。

「相手を目視しました!どちらも武装しており1機は飛行中、もう片方は谷間を移動中です!」

「相手の詳細は分かるか?」

「両機ともアブマットです!」

「...ちっ、十中八九テロリストだな!私は地上の方を相手する。上空は任せたぞ、後輩!」

「はいっ!行くよ、エヴァ、アダム!」

↓1相手は?
01〜70モブ
71〜 ネームド
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 20:34:05.82 ID:2HFisX9T0
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/22(金) 20:50:34.53 ID:sLSQyPPQ0
82 ネームド

ということでキャラ募集します。
↓3まで募集
名前と性別、年齢、性格や特徴をお願いします。なお所属はガーディアンオブエデン(あるいは彼らに雇われた傭兵)で固定です。

それとそれぞれのコンマで操縦技能も判定します。表は以下の通り。
01〜20 素人
21〜40 兵卒
41〜60 熟練
61〜80 エース
81〜 エースオブエース
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 20:54:50.20 ID:2HFisX9T0
名前 ケヴィン・ハスラー
性別 男
年齢 18
性格 頑固な正義漢
特徴 カズミの幼馴染、長身でかなり鍛えているので目立ちやすい
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 20:57:06.92 ID:ezysSBLP0
カスケード
男 40
陽気だがどこか自暴自棄、戦場だけが己の居場所だと考え、PEMを愛している
元ブルトニア軍人。モルヒネ中毒。戦場で左手足を失い軍を退役、その後生活に困窮して傭兵になった。
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 21:08:20.57 ID:yaFNPrea0
名前 サノス・アイン
性別 男
年齢 25
性格 真面目で誠実だがそれ故の天然気味
特徴 そこそこのイケメン。友人の借金の保証人になってしまったが故危険だが高給なPEM乗りを選択。行方を眩ました友人を心配している
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 21:09:41.95 ID:/gBpUDBK0
名前 ライ・サンダー
性別 女
年齢 24
性格 真面目な優等生気質。悩みすぎる
特徴 黒髪ポニテ。テロで世界を変えられると思ってはいないし、無闇なテロで犠牲者を増やしたくないと考えている。しかし力がなければ潰されるだけだとも理解しており、矛盾の中で悩みながら戦っている
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/22(金) 21:21:09.26 ID:sLSQyPPQ0
テロ組織にパイロットの実力で負けている特務機関...大丈夫なのだろうか?

↓1相手は?
01〜25 ケヴィン・ハスラー
26〜50 カスケード
51〜75 サノス・アイン
76〜 ライ・サンダー
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 21:26:06.63 ID:za4lJ5Tj0
うーんこの
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/22(金) 21:45:10.06 ID:sLSQyPPQ0
63 サノス・アイン

サノスは向かってくる機体を確認すると、驚きで目を見開いた。

「なんだこの機体...事前情報にはなかったぞ」

彼は不確定要素の登場により一度撤退するべきか逡巡したが、戦うことを選択した。

「報酬のためにもここは引けない!」

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 兵卒
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 サノス 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら十の桁を参照、00ならもう一度
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 21:45:40.53 ID:ezysSBLP0
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/22(金) 21:52:28.29 ID:sLSQyPPQ0
カズミ3/3 遠距離
バーネット 3/3 近接
相性有利のため+10
操縦技能の差により−5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 サノス −1
71〜90 サノス −2
91〜 サノス −3
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 21:58:19.35 ID:/gBpUDBK0
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/22(金) 22:18:57.35 ID:sLSQyPPQ0
35+10−5=40 拮抗

滑空したままいよいよ両機が互いに接敵する。
直進してくるサノスに対して、カズミは距離を取るように右方向に迂回しながらレーザーライフルで数回射撃する。

「狙いが甘い!」

サノスはレーザーを全て避けるとカズミに急接近、横なぎにPEM用の手斧を振るった。

カズミは咄嗟に上体を逸らし、間一髪のところで攻撃を避けた。

「今のを避ける!?あの機体、マシン性能はこっちより上か!」

サノスは相対するPEMの性能に警戒を抱く一方、カズミもまた油断はできないと感じていた。

「あのパイロット...単純な実力なら私より上かも...!」

「大丈夫、カズミにはこの僕がついてるからね」

「私もね!」

2人の言葉を聞いてカズミは微笑んだ。

「だね、頼りにしてるよ!」

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 兵卒
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 サノス 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 22:23:07.77 ID:za4lJ5Tj0
1
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/22(金) 22:30:38.81 ID:sLSQyPPQ0
カズミ3/3 近接
サノス 3/3 滑空
相性有利+10
ゾロ目ボーナス+10
操縦技能の差により−5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 サノス −1
71〜90 サノス −2
91〜 サノス −3

少し早いですが今日はここまで。
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 22:31:45.16 ID:DRF1jhmQo
おつー
期待性能差かわエグ
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 22:31:51.21 ID:ezysSBLP0
乙でした
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 22:38:38.38 ID:2HFisX9T0

259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/22(金) 22:42:33.18 ID:za4lJ5Tj0
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 19:58:51.87 ID:e8pWsIxE0
16+10+10−5=31 拮抗

サノスは旋回しながらADMへと再接近すると、再び手斧を構えた。
それを見たカズミもブレードを起動し、アブマットの攻撃に備える。

すれ違いざまに互いの武器をぶつけ合う両機の様子はさながら馬上槍試合のようだった。

「ちっ!」

互いに有効打を与えるには至らず、サノスは舌打ちをする。


(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 兵卒
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 サノス 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 19:59:37.60 ID:R/RY/f0K0
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 20:01:29.00 ID:e8pWsIxE0
カズミ3/3 遠距離
サノス 3/3 遠距離
操縦技能の差により−5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 サノス −1
71〜90 サノス −2
91〜 サノス −3
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 20:04:41.36 ID:72JWgp2p0
そろそろ動きを
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 20:07:39.20 ID:vMI1EEZM0
逆にこの実力差で拮抗し続けるのは凄いわ
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 20:18:02.98 ID:e8pWsIxE0
36−5=31 拮抗

アブマットが通り過ぎたと同時にカズミは谷間に目をやった。
そこではバーネットが調査班を守りながら、もう一機のアブマットと銃撃戦を繰り広げていた。

(早く片付けて援護に行かないと...)

焦りを感じたカズミは、先程横を通り過ぎたアブマットの後を追い、背後につくとレーザーライフルによる射撃を行った。

「もう追いついてきたか!」

サノスはADMの加速性能に驚きながらも、動じることなくマシンガンによる銃撃を背後に放った。

しかし両機の攻撃は共にカスあたりのみで決定打には未だ至らない。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 兵卒
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 サノス 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 20:20:26.50 ID:dDyYh1950
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 20:28:04.29 ID:e8pWsIxE0
カズミ3/3 滑空
サノス 3/3 遠距離
相性有利により+10
操縦技能の差により−5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 サノス −1
71〜90 サノス −2
91〜 サノス −3

ちなみに質問なんですが今回みたいに膠着状態が続くのってどうでしょうか?好ましくないようでしたらコンマ表をいじろうと思います。
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 20:31:19.62 ID:R/RY/f0K0
コンマの結果で今回偶然膠着になっただけだし、コンマ表自体はいじらなくていいんじゃないかな
ただ膠着が続くとダレるのも事実だし、3〜4回膠着が続いたら>>1の判断でイベント起こしたりしてもいいんじゃない?
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 20:39:13.31 ID:vMI1EEZM0
必ず決着をつけなきゃいけないような戦いじゃない限りは何回か拮抗したら引き分け展開とかでもいいと思う
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 20:52:03.98 ID:e8pWsIxE0
意見ありがとうございます。ではとりあえず拮抗が3回程度続いたらコンマ表をいじる以外の何らかの方法で展開させるという方針で行きます。

62+10−5=67 サノス −1

「っ、アブマットじゃアイツは振り切れないな...」

一度ADMのライフルの射程圏内から脱し、それから体勢を整えて反撃しようとしたサノスだったが考えを変えた。

「少し危険だが、迎え撃つか!」

と、サノスが反転しようとしたその時。

「な、なんだ!?」

突然フライングボードが黒い煙を吐いたかと思うと、みるみるうちにアブマットの高度が下がっていく。

「ガーディアンオブエデンの奴ら、整備不良機を渡したな!これじゃできる仕事も出来ないだろ!」

アブマットのコックピット内でサノスがそんな悪態をついているとも知らずに、カズミは射撃トリガーに指をかける。

「よく分かんないけど、もらった!」

「お姉ちゃんって運いいよね〜」

「エヴァ、こういうのを運も実力の内って言うのさ」

2人の会話をよそにカズミが撃った一撃は見事、高度を下げていくアブマットの背中に直撃した。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 兵卒
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 サノス 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 20:56:06.07 ID:72JWgp2p0
1
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 21:01:29.03 ID:e8pWsIxE0
カズミ3/3 近接
サノス 2/3 滑空
相性有利により+10
操縦技能の差により−5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 サノス −1
71〜90 サノス −2
91〜 サノス −3
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 21:05:09.60 ID:R/RY/f0K0
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 21:22:33.24 ID:e8pWsIxE0
60+10−5=65 サノス −1

「いえーい、ちょくげきー!」

狭いコックピットの中、カズミの背後でエヴァがバンザイをする。

「ちょちょ、落ち着いて!」

「カズミの言う通りだよ、まだ相手はやる気みたいだ」

アダムの言う通りアブマットに動きがあった。

先程まで低下を続けていたが、調子が一時的に回復したのか高度が安定してきている。

「畳み掛けるなら今しかない!」

そう判断したカズミはADMより低空にいるアブマット目がけて加速し始めた。

「こいつは...」

サノスは向かってくるADMに危機感を覚えた。あの加速力で、かつ降下のエネルギーをぶつけられてはまずい。

そう思ったのも束の間、ADMが猛スピードでブレードによる攻撃を加えてきた。

「このっ...!」

サノスはすかさず手斧で防御する。しかしブレードを受け止めた瞬間にアブマットの右腕が音を立てて軋み始めているのがわかった。

「いっけぇぇ!」

カズミの声とともに更に加速するADMによって、負荷に耐えられなくなったアブマットの右腕は肩の部分から持っていかれてしまった。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 兵卒
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 サノス 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 21:27:53.56 ID:xScYEFaio
1
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 21:32:04.70 ID:e8pWsIxE0
カズミ3/3 近接
サノス 1/3 遠距離
相性不利により−10
操縦技能の差により−5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 サノス −1
71〜90 サノス −2
91〜 サノス −3
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 21:33:30.45 ID:+ROC6Tew0
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 21:59:32.42 ID:e8pWsIxE0
45−10−5=30 カズミ −1

突如片腕を失ったことでバランスを崩したアブマットはそのまま降下していき、谷間に続く崖際に落下した。

「やった...?」

そんなカズミの期待を裏切るかのように、土煙の中からアブマットが立ち上がった。

「むー、しぶとい!」

「とはいえ、相手はかなり弱ってるはずだよ」

アダムの言葉を聞いてすかさず追撃を試みようとするカズミだったが、アブマットもただではやられまいとフライングボードで移動するADM目がけてマシンガンを放つ。

「あぶなっ!」

しかしカズミはそれらを回避、ダメージは受けなかった。

すると突然銃撃が止んだ。

「装填中だ、カズミ!」

「うん!」

好機と見たカズミはブレードで決着をつけに行こうとした。

しかし、アブマットの様子がおかしい。何の回避行動もとろうとしない。

えもいわれぬ不安を感じたカズミだったが、遅かった。

「うわわっ!」

いつの間に手にしていたのか、マシンガンを投げ捨てたアブマットの左手に握りしめられた岩を見てエヴァが声を上げた。

投げられた岩を避けようとしたが間に合わず、直撃した衝撃で体勢を崩したADMは谷間を挟んだ向こう側の崖に不時着した。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 兵卒
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 サノス 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 22:05:18.09 ID:R/RY/f0K0
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 22:08:12.49 ID:e8pWsIxE0
カズミ2/3 近接
サノス 1/3 滑空
相性有利により+10
操縦技能の差により−5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 サノス −1
71〜90 サノス −2
91〜 サノス −3
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 22:12:30.21 ID:xScYEFaio
はい
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 22:21:47.64 ID:e8pWsIxE0
21+10−5=26 カズミ−1

「いたたたた...」

「エヴァ、大丈夫!?怪我してない!?」

「う、うん」

その言葉を聞いてカズミはほっと息を吐く。しかしそう落ち着いている暇はなかった。

「カズミ、アブマットが来る!」

片腕を失ったにも関わらずアブマットはフライングボードに乗り、ADMの方へと向かってきていた。

「ホントにしぶといんだから!」

カズミはすかさずブレードを構える。

片腕を失ったことにより安定性を欠いたからかフラフラと不安定な軌道を描きながらもアブマットはADMに接近、振るわれたブレードにあわや直撃というところでアブマットはフライングボードから飛び降りた。

「うわっ!」

結果としてADMのみがフライングボードの直撃によるダメージを受けた。

(近接→滑空→遠距離→近接...)
↓1 カズミ 兵卒
1近接
2滑空
3遠距離

コンマ下1桁 サノス 熟練
1〜3 近接
4〜6 遠距離
7〜9 滑空
0なら10の桁を参照、00ならもう一度
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 22:30:17.47 ID:IdDMhUWo0
1
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 22:33:30.91 ID:e8pWsIxE0
カズミ1/3 近接
サノス 1/3 滑空
相性有利により+10
操縦技能の差により−5

↓1
01〜10 カズミ−2
11〜30 カズミ −1
31〜40 拮抗
41〜70 サノス −1
71〜90 サノス −2
91〜 サノス −3
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 22:34:41.23 ID:+ROC6Tew0
てい
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 22:35:23.10 ID:R/RY/f0K0
巻き返されたかぁ
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 22:47:20.20 ID:xKRaME/Uo
っぱり技能足りんかあ
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 22:51:17.09 ID:e8pWsIxE0
23+10−5=28 カズミ−1

フライングボードの直撃によろめきながらも、アブマットの方に向きを変えると、向こうは既に動き始めていた。

「まずい!」

この距離では滑空は間に合わない、そう判断したカズミはブレードを握りしめる。

「負けるもんかっ!」

「がんばれー!」

エヴァの応援を背中越しに聞きながら、カズミは突進してくるアブマットに突きをお見舞いする。

「ふっ!」

それを見てサノスはニヤリと笑みを浮かべると、左腕を犠牲にすることで突きの軌道を逸らした。

「と、止まらない!?」

アブマットはそのままADMにしがみついたまま走り、諸共崖から谷底に落下した。

「イタタタ...エヴァ...?」

落下の衝撃で視界が白ばむ中、後ろの席に座っているエヴァの様子を伺う。

「ん...」

少なくとも外傷はなさそうだが、気絶してしまっている。

「カズミ、しっかり!」

「う、うん...」

何とかアダムの呼びかけに返事をするが、正直意識を保っているのでカズミは精一杯だった。

↓1バーネットは?
01〜50 負けた
51〜 勝った
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 22:52:26.11 ID:vMI1EEZM0
無事でいてくれ
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/24(日) 23:13:19.24 ID:e8pWsIxE0
11 ゾロ目ボーナスで繰り上げ 勝った
操縦技能 バーネット 兵卒 1/3→2/3

一方バーネットは、調査班を何とか守り抜きながらアブマットを撃破していた。

「今の音は、後輩か!?」

急いで土煙の上がっている場所へと向かうバーネット。
しかし運の悪いことに殆どスクラップ同然とはいえサノスのアブマットは未だ健在だった。

「まだ動くか...しかし、これなら勝てる!」

そう判断したバーネットだったが、それはすぐに覆る。

バーネットがサノスに攻撃を仕掛けようとした時、突如上空に一機のPEMが現れた。

「ここで増援!?」

いよいよ死を覚悟したバーネットだったが、突如現れたPEMはADMを抱えるとすぐに撤退していった。それに伴ってサノスもその場から姿を消した。

その理由はすぐにわかった。

「こちらはブルトニア共和国陸軍だ、救難信号を発したのはそちらだな?無事か?」

当初はなんとかカズミと2人で処理する予定だったが、カズミの戦況が芳しくないのを察知したバーネットが調査班に救難信号を発するように命令したのだ。

もちろん軍部の厄介になるのは様々な危険性を孕んではいるが、2人まとめて死ぬよりはマシだろうと考えたのだった。

「くそっ!」

だが彼らの到着は一足遅かった。バーネットは拳をコントロールパネルにぶつける。

一方カズミは謎のPEMによって運ばれている最中だった。

薄れゆく意識の中最後に目にしたのは、ADMを運ぶPEMの、その姿だった。

「黒い...ADM...?」

今日はここまで。
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 23:14:57.25 ID:R/RY/f0K0
お疲れ様でした
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 23:17:40.42 ID:vMI1EEZM0

黒いADMのパイロットは果たして
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 23:19:42.73 ID:xKRaME/Uo
おつおつー
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/24(日) 23:58:23.77 ID:mBO/pbAS0
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/28(木) 19:20:28.49 ID:GlqIC2UX0
いくつか案を募集します。
まずはカズミの姉についてです。名前(姓はアーディガンで固定です)と年齢、性格や特徴をお願いします。
↓1

296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 19:33:04.97 ID:CwEJHfOl0
アルト・アーディガン
25
大雑把でガサツだが観察眼が鋭く、いざという時の頭も回る
ヘビースモーカー
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 19:39:22.10 ID:7KbxFW530
ミツキ=ガーディアン
22歳
メガネ姿のクールビューティ
髪はマスカット色の一本結び
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 19:41:17.29 ID:7KbxFW530
>>297
「ガーディアン」は「アーディガン」の誤りです(^^;
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/28(木) 19:48:54.86 ID:GlqIC2UX0
指定通り>>296の案を採用します。ただ確約はできませんが>>297の案も出せる場面があれば少し変更して出したいと思います。

ではアルトが今何をしているかコンマで決めます。
↓1
00 ?
01〜50 軍人
51〜98 記者
99 ?
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 19:55:34.51 ID:wOTdR5IN0
a
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/28(木) 19:59:50.42 ID:GlqIC2UX0
51 記者

ということでアルトは記者をやっています。ただ登場するのは割と後になりそうです。

次は黒いADMのパイロットを決めます。カズミのライバル枠ですね。名前、性別、年齢、性格や特徴をお願いします。
↓1
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 20:04:56.88 ID:oRA62cm50
名前:イヴ・リリヴェンス
性別:女
年齢:15
性格:クールだが無口無表情無愛想でミステリアスな雰囲気。実はリンゴ好き(しかし前述の通りもあり知る人はほぼいない)
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 20:06:58.97 ID:oRA62cm50
>>302
特徴の記入忘れ
特徴:銀髪セミショート赤眼、ふくよかとは言い難いがスタイルはいい
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 20:07:42.40 ID:wOTdR5IN0
名前 イル・トーエン
性別 男
年齢 20
性格 無口で冷酷、義理堅い
特徴 金髪の癖っ毛、孤独を好む。他人を信用していないが、一方で受けた恩はできるだけ返す主義
ただし、恩人を[ピーーー]必要があるならばそれを躊躇う事もない
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/28(木) 20:27:34.17 ID:GlqIC2UX0
ありがとうございます。先程と同じく>>304の案も出来る限り使える場面があれば使いたいと思います。そういえば書くのを忘れてたんですが操縦技能もコンマで判定します。

01〜20 素人
21〜40 兵卒
41〜60 熟練
61〜80 エース
81〜 エースオブエース

コンマ表は以上の通りなのでイヴはエースオブエースですね。これカズミ勝てるのか...?

では続いて犯罪組織(ギャングやマフィアでもOK)の案を募集します。
↓2まで
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 20:33:41.27 ID:CwEJHfOl0
組織
【名前】ハイオネル・ファミリー
【特徴】
西方大陸の巨大マフィア。大組織とはいえ一介の犯罪組織に過ぎなかったのだが、フロント企業がメルクリウス鉱脈を発見したのを契機に飛躍。PEM戦力にも充実した
ブルトニア軍と明確に敵対はしていないが、輸送会社を隠れ蓑に密貿易に手を染め、軍とも一部癒着している
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 20:35:52.69 ID:b10gb8s7o
デームロファミリー
メルクリウスの違法売買を行うマフィア
商売っ気が強く(法外だが)金さえ払えれば確実にメルクリウスを卸してくれる
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 20:41:24.60 ID:wOTdR5IN0
組織
【名前】セントラル・ソロニティ
【特徴】
ブルトニアに滅ぼされた中央大陸諸国の貴族達で構成される秘密結社。表向きブルトニアに恭順した者、他国に亡命した者、地下に潜った者など、人員は様々
反ブルトニアテロリストの後援者達と言い換えてもいい。だが、年月によって当初の目的は形骸化し、単に密輸や破壊工作を行う犯罪ネットワークに成り下がりつつある
出身国による違い、若い世代と古い世代、祖国解放を求める者と犯罪利益を求める者、さまざまに分かれ、内紛が絶えない
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/28(木) 20:43:03.49 ID:GlqIC2UX0
ありがとうございます。最後は西方大陸の国家を募集します。ガザレム首長連邦に参加してる国でもしてない国でもどちらでも構いません。

↓3までお願いします
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 20:51:04.42 ID:CwEJHfOl0
国家
【名前】レアド王国
【特徴】
ガザレム首長連邦の一つ、形の上では王国だが実態は民主制、そして実権を握るのは幾つかの大企業という商人の国
ブルトニアには中立の姿勢を示すが、自国は戦わず各国に武器などの重要物資を売り捌き利益を上げる
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 20:54:37.17 ID:oRA62cm50
スフィア連盟国
ガザレム首長連邦より小規模な小中国の集合体国家。首長連邦の政治方針に反発しており保守派の意見が強い傾向にある
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 21:02:12.13 ID:wOTdR5IN0
国家
【名前】グランスタイン帝国
【特徴】
歴史ある大国だったがPEM武力への転換に遅れて衰退し、ガザレム諸国の独立を許してしまった。近年は軍部による独裁の元、活気を取り戻しつつある
ブルトニアの貴重な同盟国だが、ブルトニアを利用してかつての支配圏を取り戻そうとしている節があり、信用ならない
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/28(木) 21:13:02.83 ID:GlqIC2UX0
ありがとうございます。では進めていきます、ただ会話等が続くので投下するのに少し時間がかかりそうです。
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 21:17:08.17 ID:CwEJHfOl0
了解
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 21:47:05.12 ID:b10gb8s7o
まつー
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/28(木) 22:41:43.31 ID:GlqIC2UX0
「ん...」

カズミは目を覚ました。といっても目の前は真っ暗で何も見えないが。

(エヴァは無事かな...)

本当は今すぐ駆け出して彼女を探したいくらいだったが、どうやら特務機関に捕らえられた時のように手脚は縛られており、どこかに繋がれているらしく自由には動けない。
おまけに目隠しをされているせいで周りの状況はさっぱり分からない。

少しでも何か手がかりを得ようとして耳を澄ませていると、扉の音がして、誰かが部屋に入ってきた。

「目は覚めたかな、お嬢さん」

聞こえてきたのは落ち着いた、だが酷く冷たさを感じさせる男性の声だった。

「私といた女の子、あの子には何もしないでください」

「...一言目がそれとは、よっぽど彼女のことが大事みたいだね」

カズミは男の言葉に返答しなかったので暫く沈黙が続いたが、男が口を開いたことでそれは破られた。

「安心しなさい、無事だよ。それよりも聞きたいことがある」

「テロリストに話すことは何もありません」

その言葉を聞いた男の乾いた笑いに部屋は包まれた。

「テロリスト、か。私に言わせれば君たち特務機関の方こそテロリストだ」

「っ!?」

「そうだろう?政治的な目的を暴力に訴えかけて解決する。特務機関も立派なテロリストだよ」

カズミは自身の聞き間違いかとも思ったが、確かに男は特務機関の名を口に出した。
ブルトニアでもその存在を知っている人間は、特務機関の人員を除いたら指で数えられる程度しかいないはずだ。

「あなたは何者ですか」

「私かい?ガーディアンオブエデンの...そうだな、ゼウスとでも名乗っておけば彼女にも分かるかな?」

「はい?」

「ああ、すまない、こちらの話だ。それで話してくれる気にはなったかい?」

「...いいえ」

ゼウスと名乗った男が何者であれ、自分達を攻撃してきたことには変わりない。それに、何を聞かれるか分からないが口を割ればそれで用済み、エヴァ諸共殺される可能性も否定できない。

「ふむ。君は何故そこまで特務機関に忠誠を誓うんだい?どうやって参加したのか詳しい経緯は分からないが、その年齢ならほぼ選択肢も与えられずに無理やり入らされたんじゃないかい?」

「...」

「例えば偽装された葬式とかね」

この男は特務機関のことをどこまで知っている?何故ガーディアンオブエデンという一介のテロ組織にすぎない人物が特務機関の事を?

様々な疑問がカズミの頭を駆け巡る。

「それに君も知っているだろう?メルクリウスの採掘は明らかにこの星の命を削っている」

確かにメルクリウス採掘による公害や環境問題は楽観視できるものではない。

「採掘のための乱開発による自然破壊、気候変動、自然災害や天変地異。これらがメルクリウス採掘による弊害であることは火を見るよりも明らかだ」

カズミもこの議論は教科書で見かけた。

「それに被害を被っているのはエデンだけではない。メルクリウス採掘のため、住み慣れた土地を追われ放浪者とならざるを得ない人々。メルクリウスから精製できる麻薬の餌食となる者たち」

これらの話もカズミは聞いたことがある。だが実際に目にしたわけではないので危機感と言えるほどの感情を持っているわけではない。

「メルクリウス採掘はこの星に生きとし生けるものを、そして星そのものを殺さんとしている。それを止めようとしている我々は──」

男はそこで言葉に詰まった。

「...そう、星の守護者だ」

そして捻り出された言葉には自嘲の念が込められているように思えた。

「...話してくれる気にはなったかい?」

男の質問にカズミは無言で応えた。

「そうかい...まあ、いい。なら、君にはもう少し現実というものを見せてあげよう。その時にはきっと君も考えを変えるさ」

そう告げると男は部屋を出て行った。
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/28(木) 22:44:40.06 ID:GlqIC2UX0
ゼウスの話を聞いてカズミにも色々思うところがないではなかったが、それよりもただエヴァのことが気になった。そしてエヴァのことを考えている内に眠りに落ちていた。

「これがADMのパイロット?」

「そう、らしい...」

カズミは少年と少女の声で目を覚ました。いつのまにか目隠しは外されていたらしく、透き通った水のような髪色の少年と、銀に輝く髪にルビーのような瞳の少女がいた。
見た目からして少年はエヴァと同じくらい、少女はカズミと同じくらいの年齢だろう

「あっ、起きたよ、イヴ」

「見れば分かる」

「...あの、君たちは?」

カズミの言葉を聞いて最初に返事をしたのは男の子の方だった。

「ボクはノア」

「...イヴ」

「君たちもガーディアンオブエデン...?」

「そうだよー」

こんな小さい子供もメンバーだということにカズミは驚きを隠せなかった。

「...相手が子供でも、話すことは何もないよ」

「別にいい。話に来たわけじゃない。ただ見にきた、私と同じパイロットを」

「同じ...もしかして君があの黒いADMの?」

「ADMじゃない。ヘルミラー」

そう答えたイヴの声色は少し不機嫌なように聞こえた。

「でも分かった。あなたは私の足下にも及ばない」

「な、何おうっ!」

「確かにね〜。これじゃエヴァ姉ちゃんが可哀想だよ」

「はあっ!?」

カズミの耳がおかしくなければ、ノアと名乗った少年はエヴァ姉ちゃんと口に出した。

(まさかエヴァの弟...なの!?)

「ちょ、ちょっとどういう──」

カズミが全てを言い終える前にイヴは目隠しを被せてきた。

そして2人は背後から聞こえて来るカズミの数々の質問を無視して部屋から出て行った。

「何がどうなってるの!?」

彼女の問いかけに答えるものは誰もおらず、寂しく空間にこだまするだけだった。
そして色々な事を考えているうちにカズミは再び眠りに落ちた。

少ししか進んでませんが今日はここまで。
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 22:49:04.72 ID:CwEJHfOl0
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 22:56:14.51 ID:RtL2TsXV0
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/28(木) 23:28:54.99 ID:b10gb8s7o
おつおつ
321 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/10/29(金) 02:30:09.66 ID:EuStPG2u0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/30(土) 19:51:41.18 ID:xDV0gLOg0
次にカズミが目を覚ますと問答無用で銃を突きつけられ、ADMのもとまで歩かされた。勿論歩いている最中も目隠しが外されることはなかった。

そしてADMに乗り込まされると目隠しが外され、そこにはエヴァがいた。

「エヴァ!」

「お姉ちゃん、ぶじだった?」

「もちろん!」

カズミは強くエヴァを抱きしめる。

「そうだ、エヴァの──」

すると突然、無理やり一緒に乗り込んできた、漆黒の髪をポニーテールに結んだ女性が銃を突きつけてきた。

「おしゃべりはそこまでにして、準備してください」

「じゅ、準備って何のですか?」

するとADMに通信が入り、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「元気かな、お嬢さん?」

ゼウスだ。

「これから君に現実を見せてあげよう。ああ、もし逃げようとしたらそこにいるライ君が君たちを殺すからね」

ライと呼ばれた女性にチラリと目をやると、しっかりと引き金に指を掛け、こちらを狙っていた。

「今我々がいるのはガザレム首長連邦の一つ、レアド王国だ」

「ガザレムって...西方大陸じゃないですか!」

「ああ、君が寝ている間にADMと一緒に運んできたんだよ」

確かに時々ひどい揺れでカズミは睡眠から叩き起こされた。

「ここレアド王国は見かけ上は立派な民主制国家だが、その実、大企業による献金や賄賂、金銭を用いた票の操作が横行している国家だ」

レアド王国と言えば、過去に起きたガザレム首長連邦とグランスタイン帝国の間で起きた継承戦争において、表向きはガザレムに裏向きにはグランスタインにも武器や資源を売っていた国家だ。

その利益によって儲けを得たレアドは経済発展に恵まれ、戦争によって荒廃した土地に対する復興のための融資などで更に利益を得た事で知られている。
その経済的な力から表立って非難されることはないが、西方大陸ではあまり好まれていない。

「レアドの企業はありとあらゆる方法を用いて利益を求める。合法、非合法を問わずにね。何でも彼らには金銭こそが全てを救うという信念があるらしいが、はてさて。とにかく彼らの"事業"の一つを君に見せてあげよう。彼らについて行くんだ」

ゼウスの言葉を合図に、周囲のPEMが起動し、フライングボードに乗り込む。

その中には黒いADM──ヘルミラー──の姿もあった。

「では彼らの後に続いてください。下手な真似をすれば撃ちますので」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/30(土) 19:54:04.00 ID:xDV0gLOg0
ライに促され、ガーディアンオブエデンと共に乾燥した荒野を進む。数時間移動すると、周囲が見渡せる台地に到着した。

「東の方向、丘に囲まれた場所が見えるかな?」

ゼウスに従いそちらに視線をやると、いくつか施設が見えた。拡大してみるとどうやらメルクリウスの採掘地のようだ。

「ただのメルクリウス採掘地じゃないよ。よく見てごらん」

言われた通りに更にズームしてみるとより詳しい様子が見えた。

メルクリウスの採掘地にしてはやけに施設や設備が少ない。どうやらそれを補っているのは労働者達のようだ。勿論機械化されていないメルクリウス採掘地はあるにはある。だがここは──

「嘘でしょ...」

そこで働いてるのは、というよりはむしろ働かされているのは老人や女性、中にはエヴァと変わらないくらいの子供もいる。当然児童労働はレアドでも違法だ。その上皆痩せ干せっており、どう見ても労働環境は劣悪だ。

「あそこで採掘しているのはデームロファミリーと呼ばれるマフィアだ。親のいない子供や借金で首が回らなくなった債務者を引っ張ってきては強制的に労働させている」

カズミは目の前の光景に衝撃を受けていた。年端も行かない子供たちがみすぼらしい格好で、武器を持った大人たちに脅されながら働かされている。

「だが不思議には思わないかい?たかが一介のマフィアがどうしてメルクリウスを採掘できる技術を持っているのか?それに何故レアド王国、つまりは大企業たちのことだが、これを見逃しているのか」

答えは簡単だ、とゼウスは言った。表情は見えず聞こえてくるのは皮肉な調子の声だけだ。

「それは彼らがメルクリウスを、表の市場よりもはるかに安価に販売してくれるからだよ。そしてレアドは犯罪組織から購入したメルクリウスを更に他国家へ輸出し、儲けを得る」

カズミは国家間の駆け引きや複雑な事情を考えるのは得意ではないが、それでも分かる。彼らは悪だ。

「これで分かってくれたかな?メルクリウスがもたらすものはどこまでいっても害悪のみだ。これから我々は無垢なる労働者たちを解放し、2度とメルクリウスが採掘できないようにあの地点を破壊する。お嬢さんも、手伝ってくれるかい?」

↓1
1手伝う
2手伝わない
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/30(土) 20:10:05.20 ID:cw9m5QRl0
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/10/30(土) 20:54:04.39 ID:xDV0gLOg0
カズミはふとエヴァを見る。彼女はキョトンとした顔で見つめ返してきた。

もしエヴァが特務機関ではなくデームロファミリーのような犯罪集団に見つかっていたら?どうなっていたかは想像に難くない。ひたすらメルクリウスの特定に駆り出されていただろう、それも劣悪な環境下で。

勿論実際にエヴァが被害を受けたわけではない。だが自分は彼らを許せるだろうか、カズミは自身にそう問いかけた。

「勿論許せないよ」

「ほう...?」

カズミは知らず知らずのうちに考えが口に出ていた。怒りで拳を握りしめながら、続けて言う。

「もちろんデームロファミリーがやってる事は悪です。でも今の貴方達がやっている事は私刑です。それでは彼らと同じ穴の狢です。キチンと正式な手続きで──」

カズミの言葉を聞いてゼウスは大きなため息をついた。

「だから言っただろう?その取り締まる側が彼らを容認しているんだよ。...まあいい、君はここで見てるといい。助けを求める人たちを無視しながら、ね。ああそれと、メルクリウスの違法な売買に関して、君の愛するブルトニアも例外じゃないとだけ言っておこう」

すると周りにいたPEMが次々と採掘地に向けて移動し始めた。その中には当然ヘルミラーもいた。

数分もするとマフィア側のPEMとの戦闘が始まり、銃声や爆音が響き始めた。

「あなたの気持ちもわかります」

突然、後ろにいるライが口を開いた。

「私たちのやっている事は行き過ぎた正義の暴走ではないかと、何度も自身に問いかけました。実際、悪辣なマフィア達にも守るべき家族は存在するのです。彼らからすれば我々こそ悪かもしれない」

ライは抑えていた何かを解き放つように心情を吐露する。

「それに我々がテロ行為を行なっているのも事実です。それでも...それでも傍観は正しいと言えるのでしょうか?誰かを助けられる力があるのにしがらみに囚われて、何かを言い訳にして、見過ごすなんて...」

カズミは何も言うことが出来ず、ただ聞いているだけだった。

「あなたを非難するつもりはありません。それでも私は目の前の人を助けたい、それだけです。...これは正義云々ではなく、ただ私の信条の話なのかもしれませんね」

ゼウスの捨て台詞とライの独白はカズミに深く突き刺さった。彼らは彼らで信じるもののために戦っている。自分にそれを否定することが出来るだろうか?

カズミはそんな事を考えながら、敵を殲滅するヘルミラーを眺める事しかできなかった。

戦闘と労働者の解放が終わり、採掘地が破壊されると、カズミはガーディアンオブエデンと移動し、目的地に到着すると再び目隠しをつけられ部屋に押し込まれたのだった。

それから数日間は何の音沙汰もなく、ただ監禁されるだけの日々が続いていた。

「はぁ...」

今日もただ空虚な1日を過ごすのかと思っていた時、突然地面が揺れた。続いて爆発音が聞こえる。

相変わらず縛られ、目隠しをされているので何が起きているのかわからないが、あまり穏やかな状況ではないことはわかる。

「エヴァは無事かな...」

「うん」

「えっ!?」

驚いているカズミの目隠しをエヴァが取る。

そこにはいつもと変わらないエヴァの姿があった。少なくとも酷い扱いは受けてなかったように見える。

「じっとしててね」

そう言うとエヴァは懐から小さなナイフを取り出し、カズミを縛る縄を切った。

「ど、どうやってここに!?」

「...ひみつ!それよりADMのとこにいこ?」

「う、うん」

未だに混乱しているカズミであったが、ADMの確保はエヴァの言う通り優先すべきことだと考え、部屋を後にした。

↓1
01〜40 見つかった
41〜 見つからなかった
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/30(土) 20:58:46.37 ID:7/4hlLGq0
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