【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】

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132 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 23:47:53.29 ID:pp/KpTtw0


 ……明日。転入初日に見た時からたびたび空いていた席が浮かぶ。


小巻「明日、学校には来るのよね?」

キリカ「……行かないとダメ?」

小巻「駄目」

キリカ「だってこれでも気まずいんだよ」

小巻「悪いと思ってるなら逃げようとすんな」


 なんかへらへらした顔がムカついたのでげんこつを落としといた。

 悪いとは思ってるんだろうけど、全然本気で考えてはいなさそうだ。


キリカ「痛いんだけどっ!」

小巻「仕返しよ。これで済んでよかったわね」


 八つ当たりとか言ってたけど、思いつきみたいなもの?

 ろくに考えて行動してないんだろうなって気がした。ますます呆れる。


小巻「まだアンタとは色々話すことがあんのよ。あたしだけじゃなくてね。……今日はもう遅いし送ってく」

キリカ「そこまでしてもらわなくても……」

小巻「また変な気起こすかもしれないでしょーが! アンタの信用いま0だし、拒否権ないからね! で、道どっち!」

キリカ「……こっち」

小巻「本当にこれで済んで良かったわよ。魔法少女なんてろくでもない奴ばっかだけど、知り合いまでそうなったらさすがに気分が悪いんだから」



 ……道を教えてもらいながら、半ば強制的にキリカを家まで連行していった。

 それからあたしも帰宅した。



―7日目終了―


小巻 魔力[81/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
133 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/14(土) 23:52:57.56 ID:pp/KpTtw0
----------------------------
今回の更新はここまで
次回は15日(日)18時くらいからの予定

ついに…連休という特大バフが切れる…。久しぶりに集中して書けてこちらも楽しかったです。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/14(土) 23:55:45.49 ID:BBN0id1j0
乙です。

今週はほぼ毎日の更新お疲れ様でした。
こっちも参加できて楽しかったです!
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/14(土) 23:58:05.43 ID:QQzcY0K0O

136 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 18:52:33.30 ID:BQ6SUKXw0
――――――
8日目



 新しい制服が昨日のうちに届いていた。

 あたしも今日からは他の生徒と同じ服装だ。朝教室に入った時にはクラス中から色々な反応が返ってきた。


「あ、制服変わってる!」

「前のもよかったけどこっちも似合ってるねー」

小巻「ありがとう。これでやっと見滝原中の一員って感じね」


 ひととおり反応をもらってから、あたしの横にいる存在のほうにも目を向けられた。


「あれ? 一緒にきたの?」

キリカ「まあちょっと……」

小巻「つれてきた」

「え!?」



 ――――学校での魔法少女会議にも一人増えた。

137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/15(日) 18:58:49.05 ID:PSGGfAfS0
小巻の見滝原中の制服姿か・・・
スレ主さん、久しぶりですがイラストに描いていただけないですかね?
138 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 20:17:46.88 ID:BQ6SUKXw0

マミ「確かに私達と『他の魔法少女』がいるってことはキュゥべえも言ってたのよ」

マミ「でも、あなたが……」


 マミは疑いの目で見てる。

 ……あたしはこいつのことについて、隠したりせずにあったことを伝えた。

 八つ当たりで人を襲うような奴。あたしだって、知り合いじゃなかったらただのろくでもない奴としか思わなかったかも。


マミ「聞いておくけれど、私達から隠れてる魔法少女については知らないのよね。……それにあなたでもない、と」

キリカ「知らないし、私じゃないよ」

マミ「そう。私は断定はできないけど、それはキュゥべえに聞けばはっきりするでしょう。でも、それでなくてもあなたの行いは良いとはいえないわね」

マミ「ここは私の縄張りよ。私は危険な存在には対処すると言ったの」

キリカ「……じゃあ私退治されちゃうの?」

小巻「ちょっと、喧嘩するな。ていうかアンタね、やっぱり悪いと思ってないでしょ」


 受けて立つとでも言いたさそうだったから割って入った。……『説教うざい』って顔に書いてありそうだ。

 マミの言い方もわざわざ煽るように好戦的に見えたけど。


 そんな様子を見て、やっぱり本気で考えてないと思った。

 しかしキリカもまだ納得できてないらしく、引き下がらずに言い返してくる。


キリカ「私はキュゥべえから言われたとおり、ちゃんとヒーローしてたんだよ? 魔女だって使い魔だって倒してたしさ」

キリカ「結局何も起きてないじゃん。それに、ちょっとくらい魔が差したからって別にどうにかしてやる気もなかったのに」

139 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 20:57:38.41 ID:BQ6SUKXw0


マミ「それを本気で言っているの?」

マミ「魔女を殺すための魔法は、人に向けても命を奪える。……あなたにそれを完璧に制御できる自信があるの?」

キリカ「それは……」

マミ「そんなつもりはなかったとしても、殺したり殺されたりするかもしれない。安易に人に向けるものではないわ」

マミ「それに、襲いかかってきたあなたを意図的に『どうにかしてやろう』とする人もいるでしょうね」

キリカ「!」

マミ「残念だけれど、あなたが思う以上の悪人もたくさんいるのがこの世界なのよ」

マミ「そんな人には私が対処する。あなたが理解していなかっただけなら何もしないわ」

キリカ「……わかったよ。私が悪かったよ」


 マミの話を聞いて、キリカはまだふてくされたみたいなどこか暗い顔してるものの素直に謝った。

 いつまでもつまらない意地を張らないだけ、そういうところはちょっとだけ見直してやってもいい。


マミ「私達の使命は魔女を倒すことよ。でもそれだけしてればいいってわけじゃない」

マミ「人を救うのが目的なの。私はそう考えてる。やっぱり、それを共有できない人とは『仲間』には……」


 キリカのほうも見てみるが、特に反論はなしといったようだ。

 マミは魔法少女の使命ってやつにかなりこだわってるみたいだから。


小巻「……じゃ、戻りましょ。『魔法少女』としてどうでも、あたしは同じクラスの友達だから」



 マミと別れて、並んで教室に戻る。

 横から確かめるように、もしくは驚いたように、『友達……』と小さくつぶやく声が聞こえた。



――――
――――
140 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 21:47:16.43 ID:BQ6SUKXw0



 ――――放課後になると、キリカにつれられて屋上に向かった。

 何か話したいことがあるらしい。


 前にもこいつとはここで会ったことがあった。その時のことがちょっと浮かんだ。


小巻「どうしたの? こんなところまで来て」

キリカ「小巻にはちょっと話しておこうと思って……」


 またしょーもなさそうな悩みの続きだろうか。もうどうでもいいみたいな口ぶりだったけど。

 キリカの言葉の続きを待つ。


キリカ「私さ、契約する前の記憶がないんだ」

小巻「はあ!?」

キリカ「正確には、『契約する前の自分』……の」


 記憶喪失、だったら一大事だけどそうでもないらしい。

 それならここまで変わらず生活できていないだろうし。いや、本人にとっては変わるのか。


小巻「どういうこと?」

キリカ「私の願い事、『違う自分になりたい』って願ったらしいんだけど、そのせいか覚えてないこと多くてさ」

キリカ「何を思って契約したのかもわかんないし……キュゥべえに聞いても自分で願ったんだからって、全然とりあってくれなくてムカつくし」

小巻「……まああいつはちょっと融通聞かないとこはありそうよね」

キリカ「それでイライラしてたんだよね。……昨日も」


 一応、襲ったのは思いつきでもその奥に理由はあったらしい。

 前の悩みは解決してたわけじゃなかった。

 あの時何に悩んでたのかは今となっては誰にもわからずじまいで、そこに新しい悩みが取って代わってきたってこと。


キリカ「一応喧嘩売るんだから、反撃されて酷い目に遭わされるかもって、そのくらいは考えてはいたんだよ?」

キリカ「……でも、無意識のうちに、もう死んでもいいやって思ってたのかな?」

キリカ「なんか、私だけおこちゃまみたいでカッコ悪くってもう嫌になる……今の自分だって好きにはなれない」



 ふてくされたような不機嫌さは、自分に向けて――か。

 契約する前のこいつなんてこの学校に来て日の浅いあたしが詳しいわけないし、その時の心情なんて更にわからないけど。



1いつから契約してたの?
2マミには言わないの?
3自由安価

 下2レス
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/15(日) 22:23:14.20 ID:PSGGfAfS0
2+マミに今の理由だけでも話した方が良いと話す。

あんたが契約したのって前に屋上で話した時なの?
なんか次の日会った時に違和感があったもの。

あんたの悩みだけど、何かの拍子で思い出すかもしれないじゃない。
それにこの間パンケーキ食べてる時のあなたの笑顔、本当に幸せそうで良かったわよ?
記憶がなくても味の好みまでは変わらないと思うし、昔から甘党だったんでしょ?
だったら自棄にならずに自分を大切にしなさい?あんた自身の身に何かあったらそんなささやかな幸せだってなくなっちゃうんだから。

あと今の事は私の口よりあなたがマミにちゃんと話しなさい。
人を救う前にまずあなた自身を救わなきゃどうにもならないんだから、そのためにもマミから色々教えてもらった方が良いわよ。
あんたがしっかり今の自分と向き合って何とかしようと思うならあたしも助けてあげるから。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/15(日) 22:33:36.37 ID:VyDOjXB/O
143 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/15(日) 23:43:55.19 ID:BQ6SUKXw0


小巻「マミには言わないの?」

キリカ「言ってどうなるっていうのさ。私はああいうふうにはなれないよ」

小巻「そうね。アンタの場合、人を助けるより前に自分の気持ちのほうをなんとかしないといけなさそうね」

小巻「それでも事情くらいは話しておいたほうがいいと思うけど」


 マミは魔法少女として、同じ考えを持つ人を求めているようだった。

 助けを求めるとして、縄張りの主としての責任にこだわるマミがそこまでの度量まで持ちあわせているのかはわからない。


小巻「……あのさ、前に屋上で話したのって覚えてる?」


 問いかけても特段の反応が返ってこない。

 心当たりがないんだろう。でもむしろ、そのおかげで確信した。


小巻「契約した日くらいは覚えてるでしょ。先週の火曜の放課後だったりしない?」

キリカ「! そ、そうだけど……!」

小巻「やっぱり。次の日会った時に違和感があったもの。まさか契約したせいだとは思わなかったから流したけどね」

小巻「あの時のアンタは屋上で黄昏れてて、何か悩んでるんじゃないかって思ったのよ。その悩みが契約にも関わってるってこともわかったわね」

キリカ「肝心の内容がわからないんじゃ意味ないよ」

小巻「そんなの、なんかの拍子に思い出すかもしれないじゃない!」


 妙に弱気になってるので一喝してやる。

 こいつは考えなしで動くわりに立ち止まるとウジウジするらしい。

144 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/16(月) 00:08:26.24 ID:bgGujxpB0


小巻「それに、記憶がなくても味の好みまでは変わってないみたいね。前にもいくつも甘いお菓子買ってるの見たわ」

小巻「まさかあの時は休日一緒に過ごすとは思ってなかったけど」


 購買で会ったときのことだ。あの時も甘いものばっか買い込んでると思った。


小巻「パンケーキ頬張ってる時のあなたのお気楽な笑顔は、本当に幸せそうだったわよ」

キリカ「お気楽って!」


 カフェに行った時の様子見てたらそんなこと抱えてたことなんかまったく気づかなかった。

 本当にお気楽そうだったし。


小巻「自棄にならずに自分を大切にしなさい。あの時はイライラなんて忘れてられたんでしょう」

小巻「アンタ自身の身に何かあったらそんなささやかな幸せだってなくなっちゃうんだから」

小巻「あんたがしっかり今の自分と向き合って何とかしようと思うなら、あたしも助けてあげるわよ」


 キリカはなんともいえない表情をして、少し気恥ずかしげに笑ったあと……

 これだけ言った。


キリカ「…………またなんか食べにいこっか」

小巻「ええ。あたしも甘いものは好きよ」



―8日目終了―


小巻 魔力[81/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
145 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/16(月) 00:20:26.16 ID:bgGujxpB0
-------------------------
ちょっとだけ解説をしますと、
2日目で小銭落とす判定が出たことによりキリカの契約が予定よりも早まっています
今回は小巻主人公ということもありますが、かなりの運絡みの判定があるので元々原作同様の流れにはそうそうならない予定でした
そう考えると原作は小巻にとってもキリカにとっても、最悪の運を連続で引き続けてしまったって感じですね…

今回の更新はここまで
次回は20日(金)19時くらいからの予定です
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/16(月) 00:23:47.40 ID:4HK6YurD0
乙です。

なるほど、そういう裏の事情がありましたか。
原作であった2人があんなことにならなければ最悪に事態は避けられてたんですよね・・・
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/16(月) 00:38:31.86 ID:ulKazGtMO
連日更新乙
マミは融通が効かないとこあるけど小巻がいれば何とかなりそうか?
148 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/20(金) 22:26:34.21 ID:UvMAEuj40
――――――
9日目



 授業を終えて、鞄の中身を整え始める。



「浅古さん、今日ってこれから時間ある?」

「カラオケ行きたいねーって話してて、もしよかったら浅古さんもどうかなって!」

小巻「ごめんなさい、今日は用事があるの。あたしは今度にさせてもらうわ」


 今日も放課後は塾だ。

 少し余裕はできたけど、大きい予定は入れられない。


「あ、うん! じゃあまた今度ね!」

小巻「ええ、今日のところは二人で楽しんできて。それか他の人でも……」

キリカ「?」


 ふと、目が合った。


キリカ「カラオケ! たまにはいいよね!」

小巻「まあ、アンタは暇そうね」

「じゃあ呉さんも一緒に行こっかー」


 学校で用があれば集まれる魔法少女は増えたが、教室ではクラスメイトに魔法少女がいようと変わらずだ。

 キリカに対する反応も、最初こそわずかに意外そうな反応もあったもののそんな様子もすぐになくなった。

 ……それにしても、今街にいる魔法少女はみんな見滝原中の三年か。


小巻(案外、近いところに固まってるのよね)



*放課後〜余白時間*
1クラスメイトと話す
2校内移動
 a屋上
 b図書室
 cその他
3白女の友達とメール
4自由安価(校外の場所移動は時間がかかりすぎるので無理)

 下2レス
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/20(金) 22:36:24.35 ID:iPpcdvIb0
来ないね。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/20(金) 22:40:47.37 ID:iPpcdvIb0
失礼。
3+マミに会いに行く。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/20(金) 22:53:01.96 ID:exrhrDyKO
時間まで他に魔法少女がいないか校内をふらついてみる
152 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 00:11:17.36 ID:WLN/+a7f0



 あと、正体不明のだれかもいたっけ。そいつがどこの誰かは知らないけど。


 荷物をまとめて教室を出た。

 もう生徒が下校していく時間だ。段々と廊下からも人が減っていく。

 まさかこの中にいたりして。なんて考えて、すぐにそれを否定した。


 あたしたちは顔も知らないし、パッと見じゃ見つけようがない。でもキュゥべえは姿を見てる。

 大勢の人間の中から一人を見つけ出すことは難しくても、学校ならキュゥべえだってよく見てる。

 この学校に通っていればもうとっくに見つかっているんだろう。



―9日目終了―


小巻 魔力[81/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
153 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 00:18:08.37 ID:WLN/+a7f0
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今回更新はここまで
某獄激辛な焼きそばに挑戦したら結構ぺろっと食えたものの
後々腹壊したという間抜けな理由により微妙に本調子じゃない…

次回は21日(土)18時くらいからの予定
154 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 21:08:46.26 ID:WLN/+a7f0
――――――
10日目



キリカ「……充実してそうだよね、キミは」


 今日の最後の授業が終わった後、キリカがぽつりと言った。

 なんでいきなりそう思ったんだろう。思わず『は?』って返した。


キリカ「だって、小巻って大体忙しそうにしてるじゃん。今日も予定あるの?」

小巻「今日は……そうね、何もない日には優先的に魔法――……『仕事』を片付けに行ってるけど」


 ……危ないところだった。

 『魔法少女』とか『魔女』なんて、たとえ周りに聞かれてなくても恥ずかしくて教室で口に出来ない。


キリカ「『仕事』……ね。やっぱり小巻もマミみたいに誇りとか感じてるんだ」

小巻「……で、アンタの言う充実ってのは『忙しい』ことなわけ? だったらアンタも勉強するなり、何か予定を詰めたらいいじゃない」

キリカ「まあそれはそうなんだけど、そうやる気が起きないんだよ」

小巻「何事もやる気なさそうにしてるとそれだけで無意味なものに思えてくるものよ」

キリカ「そういうもんかなぁ」

小巻「とりあえず何でもいいからちょっとは本気出してみたらいいんじゃない。勉強くらいなら少し見てやってもいいけど?」

小巻「この前見た時かなり壊滅的だったし、どれもこれも答えが異次元に飛んでたわよ」


 ある程度下地がないと頑張ろうにも難しいものだろう。

 正直にいってこんなことを言い出させるくらい、ちょっと心配になる出来だった。


キリカ「あはは、ホントに……?」

小巻「ええ、壊滅的なのはホントだったわよ」

キリカ「いやそっちじゃなくて、ていうかそれはわかってるんだけど……忙しそうなのにこれ以上時間使わせるのも」

小巻「休憩時間にでも少しずつね。せっかく同じクラスにいるんだから」




 ――――……チャイムが鳴る。



*放課後*
1魔女狩り(一人)
2魔女狩り(マミを誘う)
3魔女狩り(キリカを誘う)
4【約束/いつでも】キリカと何か食べに行く
5たまには早く帰ってゆっくりしようかな

 下2レス
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 21:18:46.44 ID:CURvEfZHO
1
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 21:21:23.53 ID:rXQiB02f0
マミに連絡してから3
157 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 21:56:15.47 ID:WLN/+a7f0


 帰りのHRが終わると、キリカと一緒に学校を出た。


 放課後は魔女狩りだ。

 多分何もされないとは思うけど、正体不明の魔法少女のこともあるから一応出発前にマミにも連絡しておいた。


 ……何かあったらあっちも気づくでしょう、多分。簡単にどうにかされてやるつもりもないけど。


小巻「言っておくけど、あたしだってマミと同じじゃないわよ」

キリカ「え?」

小巻「マミは『魔法少女』として誇りや使命感があるのでしょうね。あたしはなんかこっ恥ずかしいし、やめられるならやめたいところよ」

キリカ「でも、こうして忙しいなか優先してやってるんでしょ」

小巻「自分で決めたことだってわかってるから」

キリカ「……」



 下1レスコンマ判定 1/3
0~20 使い魔
21~30 ※遭遇
31~40 魔女
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 21:58:56.59 ID:CURvEfZHO
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 21:59:31.79 ID:rXQiB02f0
ほい
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 22:01:16.02 ID:rXQiB02f0
1回目は何もナシっと。
161 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 22:34:46.08 ID:WLN/+a7f0


 こいつはそれを忘れてしまったからやる気が出ないし納得できないと言っていた。

 そこを除けばそんなに違うわけじゃない。


 けど、もしあたしがその立場だったとして、同じ行動はとっていなかっただろうとも思ってる。



キリカ「……今日は魔女さんも使い魔さんもいないのかなー?」

小巻「まだ始めたばかりよ」



 下1レスコンマ判定 2/3
0~20 使い魔
21~30 ※遭遇
31~40 魔女
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 22:44:04.55 ID:rXQiB02f0
ほいさ。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 22:44:54.47 ID:rXQiB02f0
うーん、コンマ運がないなぁ・・・
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 22:48:25.12 ID:CURvEfZHO
何もないとイベント未発生で消化不良になるんじゃね?
165 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 22:53:52.92 ID:WLN/+a7f0


 街を回っているものの、今日のところは気配がない。


キリカ「せっかくやろうと思ってもさ、すぐ戦えないのもダルいよね」

小巻「それはわかるわ。見つけたらぶちのめしてやれるけど、見つからないとどうにもできないもの」



 下1レスコンマ判定 3/3
0~20 使い魔
21~30 ※遭遇
31~40 魔女
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 23:09:08.78 ID:CURvEfZHO
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/21(土) 23:14:07.87 ID:CURvEfZHO
コンマだからしゃーないけどダルすぎる
168 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/21(土) 23:44:40.19 ID:WLN/+a7f0


小巻「ここまで来ても何もなし、か」

キリカ「きっともう誰かが倒しちゃったんだよ。今日は終わり!」

小巻「アンタねぇ…… まあでもこれ以上歩いてても遅くなるし」

キリカ「お腹空いてきたなぁ」

小巻「仕方ないわね、何か食べに行きましょ」

キリカ「えっ? きみも買い食いとかするの? お嬢様なんでしょ?」

小巻「その辺で売られているものとかはあんまり気が進まないけど、衛生面がきちんとしてるお店ならまあいいわ」


 小腹がすく時間なのも事実。

 万が一おなかでも鳴ったりしたら格好が悪いもの。


小巻「詳しいなら案内してくれない?」

キリカ「……それじゃあイチオシに連れてくから、文句言わないでよ?」

小巻「はいはい」


 入ったのはチェーン店のアイス屋だった。

 そういえば、この前の約束はこれで一応果たしたことになったんだ。


小巻「種類がありすぎて迷うわね」

キリカ「でしょー? 迷うのも楽しいんだよ」


 キリカの顔は言葉通り楽しげだった。 

 今日は魔女狩りはハズレだったけど、誰かと一緒ならこうして楽しめるなら、あたしもこれでこれでいいかなと思った。

169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/21(土) 23:51:36.45 ID:rXQiB02f0
うーん、マミの方で何か問題が起きてなきゃいいけど。
170 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 00:03:10.67 ID:Ho7VvXc60
>>168 【訂正】最後の行「これでこれで」→「これはこれで」
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小巻「そういえば、何事もなく魔女狩りが終わったってマミにも報告しておかないと」

キリカ「何事もなさすぎたね。まあよかったけど」


 マミにメールを打つ。


小巻「……アンタ、マミには言ったの? 自分のこと」

キリカ「言ったよ。ちょっと話す機会があったから」

小巻「で、どうだったの」

キリカ「『そう』だってさ。それだけ」



1マミのことどう思ってる?
2あたしからも何か言ってやろうか?
3自由安価

 下2レス
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/22(日) 00:50:19.24 ID:+7xyQDyt0
1+2

あんたは今後も魔法少女やっていくのよね?
だったらささやかな幸せを守るためには強くなる術をみにつけないとね。
マミはあたしよりも強いし責任感もある、あんたにその気があるならあたしとマミとの3人で魔女狩りしたりやアドバイスを聞くべきね。
まだわだかまりもあるだろうけど、マミの言う必要最低限のルールを守るのなら認めてはくれるはずよ。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/22(日) 01:24:46.86 ID:Tvw5rSB+O
173 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 01:43:44.96 ID:Ho7VvXc60
-----------------
今回更新はここまで
次回は22日(日)19時くらいからの予定
174 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 19:59:27.80 ID:Ho7VvXc60


小巻「アンタ、マミのことどう思ってる?」

キリカ「どうって言われてもね…… 向こうにどう思われてるかはわかるし」


 マミ自身がどう思うかまでは変えることはできない。その思いは、この前聞いたとおりだろう。

 自分のことをよく思ってないってわかってる相手にすり寄るなんて、そりゃしたくなくなる。こっちから願い下げってやつ。

 こいつだってどう見てもそういうことが出来るタマじゃない。


小巻「……まあそうよね。あたしは『仲間』だけど」


 マミは縄張りの魔法少女としては認めてる。その上で『仲間』になれるかっていうのはもっと感情的な問題だ。

 心から信じられない、気に入らないヤツなんか仲間とは思えないのも当然だ。


 ……でも、それでもなんかモヤっとくるんだ。


小巻「あたしからも何か言ってやろうか?」

キリカ「へ…… 何を?」

小巻「アンタだって契約したばっかでしょ。マミのがベテランで、街ごと仕切ってて、力も強いだろうに」

小巻「自分の眼鏡に適わなかったからって、早々につまづいた新人の手を取りもせず、いつまでも見放すような態度取ってるのは大人気ないってのよ」


 キリカはぽかんとしてた。

175 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 20:37:25.71 ID:Ho7VvXc60


キリカ「いや、でもそれは……」

小巻「それは、何よ?」

キリカ「私が悪いってのもあるし、仕方ないんじゃない?」


 言うと思った。後ろめたさか無関心か知らないけど、うんざりした気分だ。


小巻「あのね、あたしの嫌いな言葉教えてあげましょうか?」

小巻「仕方ない、って言葉よ。そういう言葉で片付けるのが一番嫌いなのよ!」

キリカ「で、でもさぁ……」

小巻「は!? 今度は何?」

キリカ「いや……なんでもないよ。なんか、すごい人だね、きみ」



 あたしはマミとは反発する理由もなかったけど、考え方については気になっていたところだ。

 普段聞けないことを話すのにはちょうどいい機会になりそうだ。



―10日目終了―


小巻 魔力[81/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/22(日) 21:18:07.14 ID:+7xyQDyt0
ほんとリーダーというかガキ大将の気質があるよね、小巻は。
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/22(日) 23:03:03.07 ID:+7xyQDyt0
来ないなぁ・・・
178 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/22(日) 23:21:03.78 ID:Ho7VvXc60
――――――
11日目



 マミのほうの報告が返ってきた後、あたしはすぐに明日話したいことがあるとメールを送った。

 昼休みになると、いつもの場所で向かい合っていた。


 言いたいことを一通り言ってやると、マミは少し意外そうに驚いた顔をしていた。


マミ「……少し驚いたのよ。ずっと一人だったからっていうのもあるけど、そういう風に言ってくれる人って初めてだなって」

マミ「前に仲間がいた時も、私についてきてくれるって感じだったもの……ね」


 いつの話かは知らない。

 その仲間はもう何かあっていなくなってしまったってことは雰囲気でわかった。


小巻「まあ別に、仲良くしろとか言うつもりは最初からないわ」

小巻「でも仲間って言ったって色々あるでしょ。結局同じ街でやってくんだし、のけ者みたいに拒絶されるのは誰だっていい気がしないわよ」

小巻「あたしのことは気にかけてくれるなら、それを少しでもアイツにもしてやったらって、こと」

マミ「でも……向こうは私のことどう思ってるのかしらね?」

小巻「それはマミにもよるんじゃないの? 向こうだって同じこと気にしてたわよ」

小巻「嫌われてると思えばそれなりの対応しかしないものなんだから、出方伺ったりしないで動けばいいのよ」

小巻「相手の気持ちを変えさせるつもりでぶつかれば、案外いつのまにか気の合う仲間になれてるかもしれないわよ」

179 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 00:18:21.89 ID:WrPWt3AP0


マミ「……そうね。もう少し接し方は考えてみるわ。もう少し歩み寄ったらわかり合えることもあるかもしれないしね」

マミ「でもやっぱり、私にとって同じ考えを持てる仲間は特別だわ。他の人ともそう……なれたらいいわね」


 マミの言葉は自信なさげにすぼんでいくようだった。


マミ「だって、仲間と思ってても途中で裏切られるかもしれないし、やっぱり嫌になったって言うこともあるかもしれない」

マミ「そう思うと……やっぱり、中途半端な人は信用できないって思っちゃうわ」


 ここまで言うのだから、『何か』はあるんだろう。

 自分の考え以外認めないタイプなのかと最初は思ってたが、それだけでもないのかもしれない。



――――
――――



*放課後*
1魔女狩り(一人)
2魔女狩り(マミを誘う)
3魔女狩り(キリカを誘う)
4たまには早く帰ってゆっくりしようかな

 下2レス
180 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 00:48:40.23 ID:WrPWt3AP0
---------------------------
遅筆さがやばいですが更新ここまで
次回は23日(月)20時くらいからの予定です
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 09:53:26.43 ID:U6G1NcckO
>>156みたいにしてから3
遭遇判定あったしキリカ1人だとやられるかもしれんしな
182 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 20:13:51.44 ID:WrPWt3AP0


 昨日は結局買い食いしかしてないから、今日の放課後もリベンジってことで街に出た。

 明日も明後日も予定が入ってるしやれる時にやらないと。


 同じようにマミにメールを打って、昼の会話を思い出す。


小巻「……言ってきてやったわよ。マミも疑り深いみたいだからいきなり好意的にはならないだろうけど、言わないよりはきっとマシよ」

小巻「アンタのことももう少しは気にかけてくれるようになるでしょ」

キリカ「あ、ありがとう?」


 なぜか疑問系のくっついたような返事がかえってきた。


キリカ「小巻はさ、嫌われたらどうしようとかは考えたりしないの? そっちはそこそこ仲良くしてたんでしょ」

小巻「考えない」

キリカ「うわあ、即答」

小巻「言いたいことを我慢してまで仲良くしたいわけ? それこそしょうもない」

キリカ「……言われてみればそうかも」

小巻「別に今回のこともアンタのために言ったってわけじゃないからね。あたしが言いたいことを言っただけ」



 下1レスコンマ判定 1/3
0~20 使い魔
21~30 ※遭遇
31~40 魔女
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 20:18:31.26 ID:v6c32YW4O
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/23(月) 20:26:12.37 ID:rhGVLSoh0
>>183

うおっ、まさかのピンポイント!
185 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 21:18:06.52 ID:WrPWt3AP0


キリカ「小巻ってなんていうか……」

小巻「?」

キリカ「……うーん、いいや、言っちゃおう。ツンデレって言われない?」

小巻「よくわかんないこと言ってないで、集中しなさいよ。魔女がいる」


 歩き続けて、かなり人気のない雰囲気になってきたと思ってたとこだった。

 魔力の気配を感じた。


キリカ「えっ、ホント」

小巻「さっさと入り口見つけて乗り込むわよ」



―鏡の魔女結界



 元がなにもないような場所だ。浮かぶ紋様はあっけなく見つかった。

 結界に乗り込んでみれば、キラキラと光る景色に飛び回ってあちこちを浮遊する鏡。

 目が痛くなりそうだった。


小巻「使い魔はいないのかしら? だったら手間もないんだけど」


 武器を構える。すると、鏡の中に映る使い魔が一斉にこちらを見た気がした。

 今まで虚像でしかなかったものが、実態を持って飛び出してくる。


小巻「……そんなことだろうと思った!」



小巻 魔力[81/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]


仲間:
キリカ 状態:正常

敵:魔女Mirrastrece
  使い魔Twinker(鏡)×7
  鏡×12

1破壊的斬撃 :近接武器戦闘・斧(魔力-0)まともにヒットすれば必殺技レベルの威力を誇る
2投刃(魔力-5) :遠心力をつけて武器をぶん投げる。繰り出すのと武器再装備には時間がかかる。
3ガード(魔力-3〜5/1ターン) :攻撃に対処するための盾。格闘中の判定結果によって自動使用する
4バリアバインド(魔力-10) :敵をバリアに閉じ込める
・自分の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】
・他人の負傷を回復(部位・範囲によって消費変動) 【回復:B】

 下2レス
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 21:22:50.98 ID:v6c32YW4O
1
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/23(月) 21:24:57.71 ID:rhGVLSoh0
1
出来ればキリカにいつでも3をかけられるようにしながらで。
188 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 21:43:17.29 ID:WrPWt3AP0


 空気を裂くような軽い一閃ののち、鏡の割れる破壊音が響く。


キリカ「このくらいなら鏡ごと斬ってやれるよ!」


 キリカが使い魔の出てくる鏡に向けて、魔力の刃を袖ごと振るう。

 使い魔も素早いがキリカの反応も素早い。あたし一人じゃ反応は出来てもこうはいかない。

 数が多いのは厄介だけど、今日のところは二人いて助かったかも。


 割られた分の補充か、追加の鏡を取り出そうとした魔女めがけて、あたしは斧を振り下ろしにいった。



 下1レスコンマ判定 戦況
0〜(劣勢) < 99(優勢)

+一桁0クリティカル(優勢時は自分)
+ゾロクリティカル(自分)
+補正 自[格闘Lv2]*3
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 21:44:54.87 ID:v6c32YW4O
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/23(月) 21:47:41.13 ID:rhGVLSoh0


自分が安価取るより良いコンマ出してくれてサンクス!
191 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 22:00:59.85 ID:WrPWt3AP0
優勢:93



 鏡に刃がぶつかって砕ける。

 砕けた破片すら魔女の武器みたいなものだ。足を取られないように注意しながらもう一発分振りかぶる。


小巻(次こそ、狙って……!)


 あたしの一発は重い。する方も食らう方も。

 焦って中途半端な攻撃をするより、渾身の一撃を振るうチャンスを待ったほうが確実なことが多い。


 魔女の攻撃をガードする。

 ……そして、大抵、相手が攻撃した後にはその『チャンス』がやってくるんだ。


小巻「うらああああっ!!」


 ギラギラと光ってる鏡の鎧ごと砕いてやった。


 ――――砕けたガラスの破片と砂埃が舞う。

 結界が消える前、その奥に見知った姿を見た気がした。



小巻 魔力[78/100]  状態:正常
GS:3個
・[100/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/23(月) 22:04:40.52 ID:rhGVLSoh0
見知った顔?誰だ?
そしてGSは3個のままということは・・・
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 22:09:10.73 ID:v6c32YW4O
杏子じゃね?
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/23(月) 22:16:57.05 ID:rhGVLSoh0
まさか織莉子とか・・・?
195 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 22:24:28.31 ID:WrPWt3AP0


織莉子「小巻さん……?」


 ……やっぱり。なんでアンタがこんなところにいるのよ。

 そう思ってから結界が消えて、景色が戻った。


 あたしは慌てて変身を解いた。

 は? 見られた? こいつに? ……うっわ、サイアク。せっかく二度と会わないと思ってたのに。


小巻「てかアンタ、なんでこんなところにいるのよ!?」

キリカ「知り合いー?」

織莉子「そ、それは私が聞きたいのだけど……」


 ……魔女に取り込まれてた。

 そりゃこんだけ陰気くさい顔してるんだもの。何もおかしくはない。


 逃げ出したいけど、関わっちゃった手前放っておくわけにもいかない。

 放っといたらまたこんなことになるだろうし。追い込まれたら契約とかしちゃうかもしれないし。



1アンタがそんな顔してるからよ
2ちょっとついてこい!
3アンタは聞かなくていいの
4自由安価

 下2レス
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/23(月) 22:38:45.98 ID:rhGVLSoh0
1+2

織莉子を引っ張って行き怒ったあと織莉子が落ち着いたらどこまで現状を認識してるか確認。
織莉子が魔女や魔法少女の事を認識してて逆に問いかけられたりしたら、マミんを呼んでどうるするか助言を求める。
あと既に契約していないかどうか、手に待機状態のSGがあるかどうかを確認する。
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 22:45:08.54 ID:v6c32YW4O

追加で話してる時にきゅうべぇが営業に来たら織莉子に素質があるか聞く
198 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 23:10:10.74 ID:WrPWt3AP0


小巻「アンタがそんな顔してるからよ。ちょっとついてこい!」


 美国を引っ張っていく。ついでにさっきの魔女のグリーフシードはキリカに投げ渡した。


小巻「それはあげるから。今日は解散!」

キリカ「えぇっ、ええ!?」



 キリカを置いてこの場を離れる。

 適当にそのへんのカフェにでも入って腰掛けると――――あたしは怒鳴った。



小巻「アンタ、バカでしょ!? さっきも言ったけど、アンタがあんな場所にいることになったのはそんな景気の悪い顔してるからなのよ!」

小巻「あたしたちが来たから偶然助かったものの、下手すりゃ死んでたのよ! わかってんの!?」

織莉子「ええと……」

小巻「もう〜〜〜〜――ええとじゃないッ!」

織莉子「じゃあなんて答えたら……」


 美国に詰め寄ってたら、キュゥべえがテーブルの上に降りてきた。


QB「さすがにそれじゃ答えようもないと思うけど」

小巻「……キュゥべえ。口挟まないでくれる? ていうか何しに来たのよ。まさか……」


 さっきもうっすら考えたけど、美国に契約を迫りに来たとか言う気じゃ。

199 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/23(月) 23:38:45.66 ID:WrPWt3AP0


 たとえもう学校が変わって関係なくても、知り合いが魔法少女になるとかもう嫌。

 こいつが魔法少女になんかなったらむしろ関係ができちゃうし。

 考えただけでも腹がたった。


小巻「……いい? さっきアンタを襲ったのは魔女っていうバケモノなのよ!」

小巻「魔女は人を襲うしすっごい迷惑な存在よ! あたしはそいつらを狩る……魔法――」

QB「『魔法少女』だよ。なんでいつもそこで詰まるんだろうね……?」

小巻「うるさい! 中三にもなって魔法少女なんて、恥ずかしくて口に出来ないのよ! 同業者だけの場ならまだしも!」


 美国は首をかしげて見ている。その視線がムカつく。


小巻「とにかく、魔法少女になろうとか絶対にやめときなさい。恥ずかしいし危ないし同業者ったって変なヤツもいるんだからね」

小巻「で、アンタは何しにきたの? こいつの契約勧誘?」

QB「いや、違うよ。少し落ち着いてくれ」

小巻「え」


 カップを手にして口に運ぶ。……その手にも当然指輪もない。あるわけない。魔法少女じゃないんだから。


QB「魔法少女は誰でもなれるものじゃない。ボクのことが見える、素質のある少女じゃないと契約できないよ」

小巻「……なんだ。心配して損した」


 あれ? じゃあ今までの下り、こいつには全部あたしが何もないところに向かって一人芝居続けてたように見えてるってこと?

 さっき首をかしげてたのもキュゥべえのことが見えてなかったからだ。

 …………一気に恥ずかしくなった。テーブルを全力で叩くと、美国は肩を揺らした。


小巻「美国!! 今の忘れなさい!!!」

小巻「ああ、でも前半は忘れなくていいから! そうやってウジウジしてるとひっどい危ない目に遭って死ぬかもしれないのよ!」

織莉子「……なんだかわからないけど、心配してくれてるのよね? ありがとう」

小巻「うるさい!」



 二人でカフェを出た。

 外に出てみると、すでに日が落ちかけていた。



小巻「あーあ、アンタのせいで今日の予定丸つぶれよ……」

織莉子「ごめんなさいね? 改めて礼を言うわ。小巻さんのおかげで助かったみたいだから」


 ……陰気くさい顔、やっぱりまだ直ってない。

 これはあれか、バカは死なないと治らないってやつか。でも死んだら手遅れだ。



1近況を聞いてみる
2家まで送ってく
3自由安価

 下2レス
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/23(月) 23:45:53.99 ID:rhGVLSoh0
1+2

織莉子は本当にキュウベェが見えてないのか?
何か原作でやってた演技くさいなぁ・・・
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/23(月) 23:50:13.59 ID:v6c32YW4O

追加で織莉子にあんな学校にいたら腐るから見滝原に来なさいと提案
別れたあときゅうべぇにさっき来た理由を聞く
202 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/24(火) 00:25:48.90 ID:n8jKs8QD0


小巻「そっちはどうなのよ、今」

織莉子「そんなに変わらないわよ。でも、小巻さんがいなくなって寂しそうにしている子もいるわ」


 さっきは一方的に喋っちゃったから、こいつにも話を聞いてみる。


 あたしに気を使ったのかしらないけど、あたしの周りのことなんて聞こうとしたわけじゃない。

 こっちはこっちであんな学校に頼らずとも友達付き合いは続けてるし。


小巻「アンタもまだ毎日懲りずに通い続けてるの?」

織莉子「ええ」

小巻「だから前から言ってるけど、あんな学校行かなきゃいいのよ。腐るわよ。それかこっち来たら?」

織莉子「学校にいるほうが落ち着くのよ。それに、あんなことになっても、今まで努力してきたものを全てを失うのは怖いの」


 役にも立たないみみっちいプライド。

 ……それに苦しめられてるんだだろうに。気づいても手放そうとしない。


小巻「……家まで送ってくわよ。また襲われたりしたらさすがに嫌だからね」

203 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/24(火) 00:30:01.24 ID:n8jKs8QD0


 美国を家まで送っていくと、その先にあったのは不審な人だかりだった。

 よく見れば窓ガラスも割れている。

 学校だけじゃなく、家までここまでされて。なんで澄ました顔でいられるんだ。


小巻「アンタたちなにやってんの!? 変なことしようものなら警察呼んでやるわよ!」


 人だかりに向かって怒鳴ってやると、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。


小巻「まったく、アンタもこの程度やってやればいいのよ」

織莉子「しつこい人にはそうすることもあったけど、もう慣れたから余計な力を使いたくないのよ」

小巻「そんなこと言ってるからつけあがらせるんだっての」

織莉子「……大丈夫。気にしてないわ。学校のことも、家でのことも」

織莉子「みんなのことを恨んだりもしていない。だから…… ね?」


 そう言ってやってもいつもと同じ、澄ました顔で。……どこか陰気くさくて。


小巻「アンタが口でなんて言おうと、大丈夫じゃないからあんな目に遭ったんだっての。やっぱり理解してないわね?」

織莉子「……」



 久しぶりにこんなヤツと会っちゃったからイライラする。

 どうにかしてやりたいのに、本人がそれを拒んでる。意味分かんない。

 こいつのことは、本当に理解できない。



小巻「……で、アンタはホント何しにきたの」

QB「ちょっとどんな話をするのか少し気になっただけだよ。学校を出た時からずっと見てはいたんだ。ボクの使命は魔法少女を見守ることだからね」

小巻「あっそ」


 ……あたしも帰ることにした。


―11日目終了―


小巻 魔力[100/100]  状態:正常
GS:3個
・[78/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
204 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/24(火) 00:34:38.66 ID:n8jKs8QD0
-------------------------
今回更新はここまで
次回は27日(金)20時くらいからの予定
>>192 GSが追加されてないのは分ける前だったからですね

見滝原制服verの小巻さん
http://i.imgur.com/eRv3Feh.png
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/24(火) 00:49:02.43 ID:TwN1XfjZO

きゅうべぇが見てた魔法少女って誰の事かねぇ
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/24(火) 08:37:56.80 ID:m/EBwDelO
>>204
リンク切れてるのか見れないね
207 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/24(火) 09:13:39.31 ID:n8jKs8QD0
リンクをクリックすると接続がリセットされましたってページが出ますね
アドレスをコピーして他タブに貼り付けて移動すると画像が表示されました

おそらくSS速報側の不具合と思われます
外部サイトのリンクに移動する時のリダイレクトが機能してないのかなと
画像に限らず他のリンクでも同じようでした
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/24(火) 20:18:56.30 ID:i3tNUlNV0
>>207
描いていただきありがとうございます!
アドレスを直接コピペして移動したら見れました。
白羽のセーラーも良いですが、見滝原の制服も小巻に似合ってますね^^
209 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/27(金) 20:19:51.20 ID:JyAycrcx0
――――――
12日目



 朝、教室につくと、昨日置いてけぼりにしてったキリカがまず一番に話しかけてきた。


キリカ「昨日の人って知り合いだったんだよね? あれから大丈夫だったの?」

小巻「知らないわよ!」

キリカ「えー……ご機嫌ナナメ?」


 あんなヤツに調子狂わされてる事自体ムカつく。

 ……でも、昨日のことを見てたら気づいちゃったんだ。

 絶対このままじゃいつかアイツによくないことが起こるって。


 魔女に食われて死ぬかもしれない。それとは関係なしに、もっと酷いことが起こるかもしれない。

 変わらないように見えて、現状維持なんてできっこない。あんな状態が続けば悪くなる一方だ。


小巻「そっちはどうだったの」

キリカ「あれから一人でもちょっと回ってたよ。使い魔倒した」

小巻「そういえば、昨日はマミにも連絡し忘れちゃったわね……」


 あとで会いに行ってみようか、そんなことを考えてるとキュゥべえが目の前に現れた。


QB「今まで正体不明だった魔法少女のことを見つけたよ。さっきマミにも伝えたところだ」

QB「詳しいことを話したいから、あとで集まることは出来ないかい?」

210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 20:28:52.85 ID:BH9rfJDV0
正体不明の魔法少女、いったい何ほむなんだ……
211 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/27(金) 20:32:31.86 ID:JyAycrcx0

キリカ「えっ!?」


小巻『あのさ、それはお手柄なんだけど』


 あんまり使うことのなかった魔法少女の力のひとつ、テレパシーをキュゥべえに向けて使う。


小巻『素質もないような人がいる前で出てくるのやめてくれない!? アンタのせいで恥かいたんだからね!』

QB「……わかった。気をつけることにするよ」


 キュゥべえはそれだけ言うと、どこかへ消えるようにしていなくなった。

 まったく、いつもどこから出てどこへ消えてくのかわからない。神出鬼没なヤツだ。


小巻「キリカも気をつけなさいよ」

キリカ「な、何?」

小巻『忘れがちだけど、キュゥべえは普通の人には見えてないし声も聞こえてないんだから』


 これもテレパシー。これからは多用することになるのかしら。

 ……便利と言えば便利な魔法だけどまどろっこしいのは嫌い。


キリカ「!」



 キリカは両手で口を押さえた。



――――
――――
212 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/27(金) 20:57:37.49 ID:JyAycrcx0



マミ「それで、正体不明の魔法少女ってどんな人なの? どこにいたの?」

QB「この学校の二年生の、暁美ほむらって生徒だね。どうやら今日転校してきたみたいだ」

小巻「少なくともこの学校には『いなかった』って推測してたのは合ってたか。どおりで見つからなかったわけ」


 昼休みの会議。いつのまにかそこまで特定してきたらしい。

 やっぱり人探しとなるとあたしたちよりキュゥべえのほうが上手か。コソコソするの向いてそうだし。


QB「どうやって魔法少女の力を得たのかわからないって意味では正体不明のままだけどね」

QB「それに、さっき教室で声をかけたらものすごい剣幕で睨まれてしまったよ。『早くどこかへ行って、消えなさい』ってね」

キリカ「君が記憶にないだけで嫌われるようなことしたんじゃないの?」

QB「それは困ったね。ボクに原因があるなら言ってほしいな」


 キリカはあんな事情があるからか、キュゥべえのことはよく思ってないらしかった。

 その魔法少女のことも案外同じような理由ってのもありえるけど、だとしたら今起きていることは逆。


マミ「……確かに、それはただごとじゃないわね。あまり近づいたら危ないかも」

マミ「原因がなんだったとしてもそれは逆恨みよ。あなたが気にすることはないわ」


 対照的に、マミはキュゥべえのほうに入れ込みがち。これもマミの事情によるのだろうか。


キリカ「本当にそうかな? 肩持ち過ぎじゃない? 本当の理由もわかんないのに」

小巻「それはその通りよ。現時点で何もしてないなら、責めるのは事情がわかってからにするべきね」


 それについては今あたしたちで話してたところで答えは出ない。

 いったん区切りがついたところで、マミが動き出した。


マミ「ちょっと挨拶してくるわ。この街を仕切る魔法少女としてね」


1ついていく
2やめたほうがいい
3自由安価

 下2レス
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/27(金) 21:11:50.87 ID:+C5vUSTD0
1+マミが高圧的(?)な態度を取らないようフォローする

マミ、さっきも言ったけど暁美ほむらってのはまだ何もしてないんだからあんまり厳しくあたったらダメだからね?
見滝原の管理者としての責任感があるのはわかるけど、相手が外道働きな魔法少女だとはっきりわからないうちはとくにね。
相手にいきなり反感を持たれたら話も進まないから、初対面のときこそ慎重に行きましょ。
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 21:14:35.92 ID:yThpMb1aO
このほむらの態度はクーほむだな

安価↑
追加でキリカについてくるかを聞く、マミに昨日の報告を忘れたことを謝る
215 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/27(金) 21:45:34.10 ID:JyAycrcx0


小巻「あたしもついていくわ。キリカは……」

キリカ「購買行ってくるー。みんなでぞろぞろ話しに行く必要もないでしょ?」


 キリカは一足先に行ってしまった。

 またお菓子でも買いにいくんだろう。暁美ほむらには今のところは興味なしって様子だ。


小巻「じゃあマミ」

マミ「ええ」



 マミと二人で二年の階に向かう。

 廊下にいた人に少し聞いてみたらすぐにわかった。転校初日ながら、2年の間じゃすでに話題になっているみたい。



小巻「あいつ……か」


 腰まで伸びた黒い髪に、凛として澄んだ紫の瞳。

 クラスメイトに囲まれて話す姿を見てると、キュゥべえから聞いたような印象は感じられない。

 しかし、手元に注視すればたしかにあたしたちと同じ指輪があった。


小巻「マミ、さっきも言ったけどいきなりあまり厳しくあたったらダメだからね?」

小巻「責めるのは何かやらかしてから。反感を持たれたら話だって進まないわよ」

マミ「ええ……わかってる。敵意まで向ける気はないわ。今の時点ではね」


 教室の外から覗いていると、暁美の視線が一瞬こっちを向いた気がした。

 それから暁美はクラスメイトに一言断ると、椅子から立ち上がった。

 外に出るつもりだろう。あたしたちのいるほうへと歩いてくる。

216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 22:16:45.76 ID:yThpMb1aO
クーほむの時点でマミに反感持ってるからなー
217 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/27(金) 22:43:20.75 ID:JyAycrcx0


小巻(話しかけるなら今ね)


 そう思った矢先に、こちらから声をかけるまでもなく暁美は立ち止まった。

 暁美の視線は、今度こそ見間違えではなくマミのほうだけに向いていた。


ほむら「私に聞きたいことがあるのでしょう? 話せることだけ話すわ」

マミ「……ええ」


 マミが街を仕切ってるって知ってるのか。あたしのほうはガン無視か。

 暁美はあたしたちを先導するように早足で歩き、周りの生徒から離れた場所で足を止めた。


マミ「私のことを誰から聞いたの?」

ほむら「この街に前からいる魔法少女なのだから、知っていたっておかしくはないでしょう」

マミ「そうとも言えないのよね。他の街から来て魔法少女のことを知るとしたら、大体キュゥべえから聞くものでしょうし」

マミ「あなたはキュゥべえとも今朝出会ったばかりだもの。……それとも、これについてもどういうことか教えてくれるのかしら?」

ほむら「……」


 暁美は黙り込む。マミは焦れた様子だ。


ほむら「話せることだけ、話すと言ったわ」

マミ「じゃあ、話せないというのね?」


 あたしたちが知りたい核心はそこだ。

 結局核心については話す気がないと言われたようなもので、ぎこちない空気が漂う。

218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/27(金) 23:01:02.71 ID:+C5vUSTD0
これは大分拗らせてるクーほむくさいなぁ・・・
219 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/27(金) 23:35:26.83 ID:JyAycrcx0

小巻「ちょっと、あたしのこと無視してんじゃないわよ」

ほむら「別に無視したつもりではないけれど…… 巴マミに比べたら話す意味を感じなかっただけ」

小巻「そんなのアンタが勝手に決めないでくれる? 話が逸れたけど、あたしたちはアンタに挨拶をしにきたのよ」


 思ったとおり暁美はずいぶんと自分勝手なヤツらしく、これはこれで腹が立ってくる。

 マミがいなければあたしが代わりに怒ってたくらいだ。


 ……クラスメイトが相手のときは普通に話してそうだったのに。


マミ「そうね。といっても、自己紹介はもう必要がないみたいね」

マミ「挨拶ついでにあなたのことも聞かせてもらおうと思ってたけど、一番知りたいことは教えてくれないようだからこれだけ聞いておくわ」

マミ「あなたの目的は何?」

ほむら「別に目的なんて無いわ」


 暁美はそう言うが、マミは半信半疑のようだ。


マミ「……そうだといいのだけど。あなたがこのまま何も問題を起こさないのなら、信じてもいいわ」


1よろしく、と言っておく
2キュゥべえに対して恨みでもあるの?
3自由安価

 下2レス
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/28(土) 13:42:26.37 ID:Y/PZ3qJp0
1+自己紹介の後に以前マミに聞かれた魔法少女としてのスタンス、以前の結界での出来事を聞く。

挨拶に来た以上名前くらいは名乗っておくわ。
浅古小巻よ、よろしく。

目的はともかくあなたの魔法少女としてのスタンスはどうなのかしら?
まぁ、GSのためだけに魔法少女やってるわけじゃないみたいだけど。

以前私が先に入った結界でいきなり魔女を倒したのもあなたなんでしょ?
どうやったか知らないけど、あの時やろうと思えば私も魔女ごと葬られてたはずだけどあなたはしなかった。

マミ、彼女は大丈夫よ。
目的はともかくGSのために無闇に誰かを襲ったりするような人じゃないわよ。
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 17:01:36.10 ID:sqc4qIpx0

追加でマミに今日は3人での魔女狩りを提案
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 18:14:44.15 ID:sqc4qIpx0
あ、↑はマミ小巻キリカの3人
223 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/28(土) 21:08:05.18 ID:EMwjbPOJ0


小巻「アンタって、あたしの名前ももう知ってるわけ?」

ほむら「……いいえ」

小巻「あっそ。興味がないみたいだけど、ここまで来たんだから名乗っとく。浅古小巻、一応よろしく」

小巻「見たことはあるんでしょ? 結界の中で」

ほむら「……」


 あのときの魔女結界。

 あたしから見れば魔女も結界も丸ごといきなり消えたようにしか見えなかったような出来事。

 聞いてみても、暁美はまた黙り込んだままだ。こっちが根に持っていると思ったのかもしれない。


小巻「別に怒んないわよ。どうやったのかは知らないけど、アンタのほうが先にいたあたしより早く倒せたってのは事実なんだから」

小巻「それにあたしはグリーフシードが目当てじゃないから。無作法だとは思ったけど、直接喧嘩を仕掛けなかっただけまだいいわ」

小巻「アンタなら多分、それもできたんでしょうしね」

ほむら「……ええ、そうね。私もグリーフシードが必要なの」

マミ「それって、グリーフシードが目的ってこと?」

ほむら「あるに越したことはないけれど、争って求めるほどでもないわ。少なくとも私は貴女達に何かをする気はない」


 暁美は明らかにあたしやマミとは違う。

 キリカよりもさらに利己的な考えに近いスタンスのようだった。


小巻「まあ、こう言ってるんならいいんじゃない? そんなに警戒しなくても」

マミ「今のところはね」


 『仲間』にはできなくとも、今のところは争う理由もない。マミもそう判断したようだった。

 ――――休み時間も残り少なくなって、自分たちのフロアに戻っていく。

224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 21:24:46.03 ID:MjGIe/OBO
ほむらが転校してきたってことは原作スタート辺りか
225 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/28(土) 22:11:55.46 ID:EMwjbPOJ0


小巻「相変わらず堅い返事ね。向こうの態度も態度だけど」

マミ「何か起きてしまったら手遅れだもの。守らないといけない人もいる立場だから、常に疑いは持っていないといけないの」

マミ「特に暁美さんについてはわからないことだらけなんだもの。それを話す気もないのなら、すぐには信じられるはずもないわ」

小巻「わかんないでもないけど…… なんか疲れそうに思えるわよ。縄張りに人増えたときって、毎回こんなことやってたの?」

マミ「私はもう慣れてるから大丈夫よ。でも、そうね。疑うべきか信じるべきかを見極めるのは難しいことよね」


 マミの表情は、前にキリカのことで話した時に似た苦笑だった。

 多分、実際に裏切られたことでもあるんだろう。だから簡単には信じられない。そう言っているように聞こえた。


 廊下の途中でマミと別れて、自分のクラスへと戻っていった。


キリカ「おかえりー」


 教室では、あたしたちよりも先に購買から戻ってたキリカがお菓子をつまんでいた。

 こっちはこっちで相変わらずだ。

 勧められるまま一口サイズのチョコレート菓子をひとつ受け取る。……少し安っぽい甘い味がした。


キリカ「どうだったの?」

小巻「ある意味思ったとおりだったかも。ろくに秘密は話してくれないし。でもまあ、そんなに危険なやつでもなさそうよ」

キリカ「へえ」


 聞いておきながらやっぱり興味がなさそうな。害がなさそうとわかったらそれで十分って反応だった。


キリカ「こういうお菓子も食べるんだね!」

小巻「たまにはね。でも、あんまりこうやってもらったりあげたりすることはなかったかもね」



 授業がはじまるまでの少しの間、一緒にお菓子をつまみつつ、周りのクラスメイトとも世間話をして過ごした。


226 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/28(土) 22:41:26.73 ID:EMwjbPOJ0
――――
――――



 放課後。今日は習い事の日だ。

 朝から思いがけない魔法少女のことはいったん忘れて気持ちを切り替える。



 ――――用事の終わった帰り道、少しだけ寄り道をしてから帰路につく。

 昨日も通った道の近くを通っていることに気づいたからだった。

 ちょうど時間も同じくらいだろうか。あの荒れた家を遠目に見て、昨日の苛立ちが少しずつ蘇ってくる。


小巻(もう二度と会わないはずだったし、無関係になったって思ってた)

小巻(でも本当にこれからこのまま放っといていいわけ……?)


織莉子「小巻さん、どうかしたの?」


 そうしていると、後ろからムカつく声がした。


小巻「……なによ、今帰りなわけ?」

織莉子「ええ、そうだけど……」

小巻「何の用事が知らないけどね、アンタみたいのがふらふらうろついてたらまた昨日みたいなことになるでしょ!」

小巻「暗くなったらただでさえ変な奴が沸くのよ! 寄り道しないでまっすぐ帰りなさいよ! バカ!」

織莉子「え、ええ。そうね……できるだけそうするわ」


 なんでこんなこと言わないといけないんだか。

 それもこいつがこんな風にのんきにしてるせいだ。そう思うと、もう呆れてきた。


織莉子「小巻さんも気をつけて」

小巻「あたしはいざとなったら怪物だって変な奴だってぶっ飛ばせる力があるわよ。アンタなんかが心配すんな!」


 絶対にコイツ、状況をわかってない。

 話せば話すだけさらにムカついて……美国と別れて帰った。



織莉子「…………」


―12日目終了―


小巻 魔力[100/100]  状態:正常
GS:3個
・[78/100]
・[100/100]
・鳥かご[100/100]

◆ステータス
[魔力コントロールLv3] [格闘Lv2]
227 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/28(土) 23:11:49.77 ID:EMwjbPOJ0
――――――
13日目



 ……約束通り、この土曜日には妹の趣味にガッツリつきあわされていた。

 映画にショッピング、果てには水族館まで回ることになった。本当に、こんなのいつぶりだろうか。


小糸「あー、楽しかったね!」

小巻「それはいいんだけど、ちょっと一日に詰め込み過ぎじゃない? 結構慌ただしかったわよ」

小糸「だって、いつも遅くに帰ってきて忙しそうにしてるから。休みも大体どっか行っちゃうし」


 それだけ一緒にいる時間を貴重だと思ってるってことらしかった。

 家族なんて一番近くにいると思ってたから、いつも後回しにしがちになっていたんだろうか。


小糸「いつも何してるの? 塾とか習い事とかあるのは知ってるけど、それだけじゃないんでしょ」

小巻「それは……」



1友達づきあい
2散歩
3バイト
4人助け
5言えない
6自由安価

 下2レス
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/28(土) 23:13:06.44 ID:Y/PZ3qJp0
用に徘徊とか絶対に魔女狩りしてるなぁ、この織莉子。
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/08/28(土) 23:19:18.65 ID:Y/PZ3qJp0
失敬、4+3

別に悪い事をしてるわけじゃないわ、人助けのバイトみたいなことやってるのよ。
心配かけてるけど今はそれだけしか言えないのよ、ごめんね。
その代わりと言ってはなんだけどまた今日みたいに付き合ってあげるから。

230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 23:27:09.91 ID:MjGIe/OBO

追加で妹をキリカが教えてくれたアイス屋に連れてく
231 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2021/08/29(日) 00:05:50.70 ID:V2dq/C320


 正直になんて言えない。

 恥ずかしいし、危ないし、できれば関わらせたくない。心配もかけるだろうし。

 でも明らかな嘘もつきたくはなかった。


小巻「別に悪い事をしてるわけじゃないわよ。人助けのバイトみたいなことやってるの」

小糸「バイト……? そんなのするほどうち余裕なくないよ。なんでそんなことしてるの?」

小巻「そ、そうだけど、まぁお金じゃないっていうか? ……心配かけてるけど今はそれだけしか言えないのよ」

小巻「ごめんね。その代わりと言ってはなんだけど、また今日みたいに付き合ってあげるから!」

小糸「……」


 納得、できないか。


小巻「お腹すいてない? アイス食べにいこ! このまえ新しくできた友達に連れてってもらったところがあるのよ」

小糸「アイス? やった!」


 また機嫌とるみたいになったけど、ひとまず喜んでくれた。

 話せないことを少し心苦しく思いつつ、ごまかせたことに安堵した。

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