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【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】

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822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 20:43:41.37 ID:1BGnd+Ma0
おりゃ
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 20:48:19.71 ID:/UYrBmMRo
えい
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 20:50:05.15 ID:5Z8gsFev0
はい
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 20:51:24.74 ID:1BGnd+Ma0
もう一丁
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 20:52:07.25 ID:T9OBKp3do
はい
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 20:57:38.60 ID:O3dV2Ajso
828 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/26(木) 21:06:43.63 ID:3i77LfTq0
■キンイロリョテイ

▼レース展開
序盤(37):掛り(-25)
中盤(71):順調な出だし(0)
終盤(15):好走(0)
着順確定:74
――――――――――――
[-25]+[0]+[0]+[74]=49
49×[賢さ:G+]1.15=56.35 レース中達成値


▼作戦:先行(A) (スピード、スタミナに1.5倍の補正)
スピード:132(F)×1.5=198
スタミナ:129(F)×1.5=193.5
パワー :158(F+)
根性  :74(G+)
賢さ  :73(G+)
――――――――――――
[198]+[193.5]+[158]+[74]=623.5 能力値参照値



▼着順
[レース中達成値:56.35]+[能力値参照値:623.5]
+[バ場補正/芝A:100]+[中距離適正A:100]
+[やる気/絶好調:100]
=979.85 達成値
―――――――――――――
【固有スキル発動無しの為割愛】
―――――――――――――
[達成値:979.85]
[レース中全てのマイナス補正:25]
[補正後賢さ:73] 
―――――――――――――
[最終達成値:1004.85]

結果、キンイロリョテイ――3着!
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 21:15:57.65 ID:O3dV2Ajso
毎回メイクデビューが鬼門化するの芝枯れるけどバランス調整うまいなって
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 21:29:43.79 ID:5Z8gsFev0
緩和されたはずなのにクッソギリギリやなww
条件緩くて良かったな
831 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/26(木) 21:48:23.27 ID:3i77LfTq0

 正直に言えば、このレースでキンイロリョテイが条件を満たせないことはない、と思っていた。

 体格故のフィジカルの弱さはあるものの、それを補って余りある瞬間的なパワーと瞬発力。

 伸ばせばGTでも通用するであろうと思われる素質が彼女にはある。

 ……だが、レースが始まれば、俺はその認識を改めざるを得なくなった。


―――


「……走法と脚質が、合ってない」


 中盤に差し掛かり、キンイロリョテイの走り方に違和感を覚えた。今回彼女が取っている戦法は先行策。

 序中盤からある程度リードを保っておくことが重要な作戦だが、そもそも彼女の強さは瞬間的なパワーと瞬発力。安定した出力を求められる先行策には、あまり向いていないとも言える。

 そもそも彼女の固有スキルは追込で真価を発揮するものだ。そう考えると――そこにミスマッチさを覚えないわけにはいかなかった。

 ……第四コーナーから回って、最終直線に入る。各ウマ娘がスパートをかける中、キンイロリョテイは先頭集団には食いついていた。だが、それも少しすると離され――やがてゴール。

 三着という結果は悪い結果ではない。俺のループ条件にも引っかかってはいないものの――。


「アンバランス、だな」


 キンイロリョテイの持つ不安定さに、俺は憂慮を深めることしかできなかった。


―――

■下1〜5 リザルト
※コンマ分の能力値上昇
※ゾロ目の場合は追加ロール

スピード:下1
スタミナ:下2
パワー:下3
根性:下4
知識:下5
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 21:52:04.68 ID:s1bXCcPY0
ここで1200になるまでゾロ目を出せば永久機関の完成や
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 21:55:23.75 ID:5Z8gsFev0
せい
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 22:37:23.57 ID:s1bXCcPY0
珍しく埋まらない
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 22:38:14.22 ID:O3dV2Ajso
ぞろ
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 22:38:23.06 ID:5Z8gsFev0
んじゃもっかい
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/26(木) 22:55:27.87 ID:RCByDjFx0
>>835
有言実行やりますねぇ!
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 10:36:27.68 ID:/h/+Fg2lO
ここのリョテイは肉付きが高じて肉料理めっちゃ上手そう
839 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 11:56:38.25 ID:52at4mF80
下1 根性分の追加ロール
※ゾロ目の場合は追加ロール
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 12:01:08.46 ID:lhU7SlPe0
ほい
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 12:01:14.50 ID:vixnZFyWo
うまだっち!
842 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 12:42:13.65 ID:52at4mF80
[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:132(F)+68=200(E)
スタミナ:129(F)+75=204(E)
パワー :158(F+)+57=215(E)
根性  :74(G+)+22+46=142(F)
賢さ  :73(G+)+06=79(G+)
843 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 13:03:24.26 ID:52at4mF80
トレーナー「……お疲れ様」

リョテイ「くっ……無様なところ見せたな」

トレーナー「別に無様じゃなかった。三着だって十分な成果だからな」

リョテイ「……そうかい」

トレーナー「だが、反省しなければならないことがあるのは確かだが――それ以前に、一つ聞きたいことがある」

リョテイ「何だよ」

トレーナー「――君、俺がトレーナーにつくまで我流でトレーニングやってただろ」

リョテイ「……そりゃ、トレーナーが居ないんなら我流でやるしかないだろ?」

トレーナー「トレセン学園の先輩に教わったりしなかったのか」

リョテイ「……あいにく、私は人付き合いが得意な方じゃなくてね」

トレーナー「だからか……」

リョテイ「だからかって、何がだよ」

トレーナー「君がちぐはぐだという話だ、キンイロリョテイ」

リョテイ「――あ?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「……というわけで、教育する時間が必要なんですよ」

たづな「なるほど。確かにキンイロリョテイさんは、あまり他人と関わらないですからね……」

トレーナー「一応目標設定は……ここ辺りにするつもりですけど、構いませんか」

たづな「ええと、どれどれ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――


下1 目標設定
――――――――――――
・ホープフルステークス
ターン数:12
難易度:中
報酬:中
――――――――――――
・皐月賞
ターン数:20
難易度:高
報酬:高
――――――――――――
・日本ダービー
ターン数:25
難易度:特高
報酬:特高
――――――――――――
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 13:14:18.65 ID:znAXn+E/0
ホープ
皐月とかダービーは余裕あったら目標とは別で出ようか
845 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 13:55:33.98 ID:52at4mF80
たづな「――ホープフルステークス、ですか」

トレーナー「はい、さすがに十二月の末に至ればある程度改善は出来るかと」

たづな「いいですね、目標設定としても適切ですし、こちらから言うことは何もありません!」

トレーナー「ならよかった――」

トレーナー「……あ、たづなさん。それとは別件なんですけど、一つお尋ねしたいことがあるんです」

たづな「え? はい、何でしょうか?」

トレーナー「……おいしいラーメン屋、今度教えてくれませんか」

たづな「ふむ……。覚悟はおあり、なんですね?」

トレーナー「はい! ……え、覚悟?」

たづな「いいお返事ですね! それでは、都合のいい日にお声がけください! とっておきをお教えしますよ!」

トレーナー「え? ちょ、覚悟ってなんですか――!」

―――

▼[サブイベント:ラーメン道、その窮極に迫る――!]のイベントフラグが立ちました。

▼次の目標がホープフルステークスに定められました。

846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 14:02:28.00 ID:gqDGKvSM0
マヤノまでの3ルートはいわば「最初からバッドエンド確定の周回稼ぎルート」だったし
リョテイも周回特典もらえればラッキーくらいで最初から特高でいいと思うわ
URAはまだまだ無理ゲー設定だろうし
847 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 14:26:03.07 ID:52at4mF80
トレーナー「さて、キンイロリョテイ。今日はミーティングの日だ」

リョテイ「おう。で……その書類の束はなんだ?」

トレーナー「見てみるか?」

リョテイ「おう」

リョテイ「……おい、アンタ私を殺す気か?」

トレーナー「いや? 活かす気しかない」

リョテイ「殺人的な量のトレーニングを見せておいて、言うに事を欠いて生かす? ふざけてんだろ……」

トレーナー「だが、痛感しただろ? 君の得意戦術とする先行策で、あの結果……。他のウマ娘も強かったとはいえ、君のポテンシャルはあの中では一番だった」

リョテイ「……」

トレーナー「君は浪漫を追い求めている。だから同時に理解もしているはずだ」

トレーナー「――浪漫を追い求めるには、実力も必要だ、と」

リョテイ「……理解はしてるよ、理解はな」

リョテイ「……はぁ、わーったよ、やればいいんだろ、やれば……!」

リョテイ「それにアンタが無理して作ってんだ、それに応えなくて何がウマ娘だ」

トレーナー「……そんなに無理してるように見えるか?」

リョテイ「鏡見たことあるか? アンタの目の隈、私の黒鹿毛くらい真っ黒だぞ」

トレーナー「……そうか」

リョテイ「アンタも不器用だよなぁ。損する生き方だぜ、それ」

トレーナー「余計なお世話だ」

リョテイ「ま、どうとらえるかはアンタ次第だ。だけど――」

リョテイ「――だけどアタシは、そう言う生き方、嫌いじゃない」

リョテイ「じゃ、またな”トレーナー”」

トレーナー「お、おう」

トレーナー(……あれ、呼び名が変わった?)
―――――――――――――――――――――――――――――――
▼メインイベント[地に閃く黄金の旅程]が開始します。

・メインイベント[地に閃く黄金の旅程]開始後、行動安価に[メインイベント進行]が追加されます。
・当イベントはいくつかの進行度によりチャプター分けされており、キンイロリョテイの育成中のどのタイミングでも進行することが可能です。
―――――――――――――――――――――――――――――――
[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:132(G)
スタミナ:129(G)
パワー :158(G)
根性  :74(G)
賢さ  :23(G)
やる気 :絶好調
―――――――――――――――――――――――――――――――
下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと12ターン(当該ターン含む)。
―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
・「チーム結成」/当ターン終了後
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[ラーメン道、その窮極に迫る――!]/たづなとの会話
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――――――
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 14:31:55.41 ID:gqDGKvSM0
休憩
849 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 14:48:56.01 ID:52at4mF80
トレーナー「……今日は特にやることがないので休憩を取らせているわけだが」

リョテイ「……」

トレーナー「君は何をやっているんだ、キンイロリョテイ……」

リョテイ「何って、ルービックキューブだけど」

トレーナー「見たらわかる。君が何故トレーナー室でルービックキューブを弄っているか、という話なんだ」

リョテイ「トレーナーなんだから担当ウマ娘の行動くらい大目に見ろよな」

トレーナー「自室でやればいいのでは?」

リョテイ「バカ、アンタそそくさと自室に戻ってルービックキューブに励むやつがいるか!」

リョテイ「そんなことしたら根暗だって呼ばれるだろうが!」

トレーナー「いや、それだけで根暗って呼ぶ方にも問題があるような」

リョテイ「ともかく、私の世間体のためにも使わせてもらう」

トレーナー「……はぁ、もういいよ。邪魔はするなよ」

リョテイ「ああ」

―――

トレーナー「……」

リョテイ「なぁ、喉乾いたんだけど」

トレーナー「自分で飲み物買ってきたらどうだ?」

リョテイ「あ、こんなところに水あるじゃねーか。いただきます」

トレーナー「馬鹿、それ俺の飲みかけ――」

トレーナー「飲みやがった、なんて奴だ……」

リョテイ「結構トレーナー室って設備整ってるんだな」

トレーナー「……まぁな」

リョテイ「お、今度はクッキー発見」

トレーナー「来客用だ。クッキーが食べたきゃ食堂に――って、開けるなって言ってるだろ!」

リョテイ「何か言ったか?」

トレーナー「都合のいい時だけ耳が悪くなりやがる、コイツ……」

リョテイ「ま、わりぃとは思ってるけど、トレーナー」

リョテイ「ヒマだから許してくれよ」

トレーナー「俺は暇じゃないんだが……?」

リョテイ「私は暇なんだよ」

トレーナー「り、理不尽な――!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼休憩効果発動、次回トレーニング効果2倍
850 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 14:53:45.37 ID:52at4mF80
トレーナー「自分には向いてないってわかってても、どうしてもやりたいこととかあるよな」

トレーナー「あるいは辞められないこと。俺はいくつかある」

トレーナー「そのうちの一つが、トレーナー業なんだが……」

トレーナー「結局、勉強して知識を付ければどうにでもなってしまうところ、あるよな」

トレーナー「勿論才能はあるんだろうけど、基礎的なところは地道な努力で埋めてしまえる」

トレーナー「……まぁ、だからこそ努力する天才には勝てないとも言えるんだけどな」

トレーナー「キンイロリョテイは努力したらどこまで伸びるんだろうな、きっとどこまでも伸びるんだろうけど」

トレーナー「さて、今日は何をしようかな」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:132(G)
スタミナ:129(G)
パワー :158(G)
根性  :74(G)
賢さ  :23(G)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと11ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中、トレーニング効果2倍

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
・「チーム結成」/当ターン終了後
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[ラーメン道、その窮極に迫る――!]/たづなとの会話
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――――――
851 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 14:55:00.34 ID:52at4mF80
アッ、イベント挟み忘れてたので、安価取ったら先にイベント投げます。すみません……。
安価だったら下です。
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 14:57:46.69 ID:/h/+Fg2lO
休憩…のついでに 稟議書のことで後押しをもらった会長にお礼を言いに行こう
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 15:05:34.07 ID:znAXn+E/0
継承したステータス消えちょらんか?
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 15:08:53.33 ID:vixnZFyWo
賢さ73じゃなかった?
855 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 15:14:04.41 ID:52at4mF80
コピペミスしてました……後で訂正します!すみません!
856 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 18:26:33.46 ID:52at4mF80
「さて、今日は――チームメンバーを君に紹介するぞ」
「へぇ。そう言えば前に声を掛けたって言ってたな」
「ああ。もう彼女にはトレーナー室に待機してもらっている」


 知恵の輪を解きながら、特に興味がなさそうに「へぇ」と答えるキンイロリョテイ。

 だが、その本心は透けて見えた。何せ、彼女の耳はいつにもましてぴこぴこと動き、尻尾のゆらゆらは三割増し。

 そう言えば、彼女曰く青春は浪漫らしい。そりゃ気分は舞い上がるってものか。

 そんなことを考えていれば、いつの間にかトレーナー室の前に立っていた。

 ここまでくると、さすがのキンイロリョテイも緊張しているのか、今まで解いていた知恵の輪を片付けて頭の後ろに手を組んでいる。


「開けるぞ」
「……おう」


 いち、にの、さん。俺は扉を開いて――。


「おいっすー、ナイスネイチャでーす」


 新たな仲間を迎えた。

―――

▼チームを結成した

下1 チーム名

857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 18:30:18.82 ID:9IkyIp500
チームエルタニン
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 18:55:01.59 ID:zZ0QuK7Po
エルタニン(りゅう座γ星)、150万年後全天中最も明るい星になる(Wikipedia)のすき
859 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 18:56:20.18 ID:52at4mF80
「というわけで、俺たちの新たな仲間――ナイスネイチャだ」
「ほー。ここがチーム・エルタニンの拠点ですか〜」
「――チーム・エルタニン?」


 キンイロリョテイが疑問符を浮かべる。

 そう言えば説明していなかったな。


「チームを結成するにあたって、チーム名は最初に決めなければならない」
「へぇ、そんなルールがあったんだな。……で、エルタニンってなんだよ、エルタニンって」
「……過去のチームを見てみると、シリウスとかカノープスとか、星の名前を冠したものが多かったからな。エルタニンも星の名だ」


 りゅう座の中で最も輝く星――エルタニン。アラビア語で「龍の頭」を意味する。

 龍の如く雄々しく、力強いチームにしたいという願いからのネーミングだった。

 さて、気に入るかな――。


「……かっけぇじゃん」
「ネイチャさんはフツーの名前で良かったんですけどねぇ。こう、チーム星! みたいな……」


 好(?)感触のようだ。

 俺はほっと一息ついて、改めてチームについて解説を始めた。


「チームとはまあ、部活動みたいなものだ。所属するウマ娘どうしが研鑽しあうことで、より効果的なトレーニングを行うことを目的としている」
「浪漫があるなあ」
「あとは、まぁ。俺が二人のトレーニングの面倒を見ることになる。これは薄々察してたとは思うけど」
「あ、じゃあ一つ質問でーす」


 ナイスネイチャが声をあげたので、水を向ける。


「脚質とか全然違うと思うんですけど、メニューも同じだったりするんですか?」
「いや、それぞれにあったトレーニングメニューを作成している。安心してほしい」
「……それって、トレーナーさんの負担が二倍になるっていう意味じゃ?」
「承諾済みだ」


 ひえぇ、とナイスネイチャの口から声にならない音が漏れた。

 確かに負担は二倍だが、それ以上にメリットもある。

 スポーツなどの運動を行う際、グループの人数が多ければ運動のパフォーマンスが向上する。

 純粋に一人で行うよりも寂しくない、と言うのもあるだろうが、誰かが居ると気合は入る。

 だからこそ、俺はチームを組むことを決断した。……キンイロリョテイをURAファイナルズに導くために。


「……ともかく、明日からトレーニング開始だ。よろしくな、二人とも」

―――

このあとにチームについての詳細な仕様について記載します。
 
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspopsy/39/2/39_2012-1120/_pdf
https://www.titech.ac.jp/news/pdf/tokyotechpr20190219_takagi_esk7ijo2.pdf
860 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 18:58:53.89 ID:52at4mF80
あ、違う。「龍の頭」は別名ですね。
正しくはアラビア語で「蛇」です。
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 19:03:52.79 ID:RCbMECgS0
俺は墓地のサイバーモンスターを除外しサイバー・エルタニンを特殊召喚させてもらうぞ…
862 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/27(金) 19:06:25.28 ID:52at4mF80
―――――――――――――――――――――――――――――――

▼チーム:エルタニンを結成しました。

・トレーニングについて
チームを組んだウマ娘の数に応じて、トレーニング効果が増長します。
また、ウマ娘それぞれの適性に応じて、トレーニング効果の増加率が変化します。

―――――――――――――――――――――――――――

[増加率]
1人:全てのトレーニングに1.25倍
2人:全てのトレーニングに1.50倍
3人:全てのトレーニングに1.75倍
4人:全てのトレーニングに2.00倍

―――――――――――――――――――――――――――

[適性]
・ナイスネイチャ:パワー+1.2倍、賢さ+1.1倍

―――――――――――――――――――――――――――

・チームに所属するウマ娘について
育成ウマ娘と同様、出走レースが設定されます。
この際、ループ条件は設置されません。
レースの格や着順に応じて、チームメンバーの能力値に恩恵を与えます。

―――――――――――――――――――――――――――

・メンバー編成について
史実やアニメ、ゲームなどの関係性に着目して選んでみると良いことがあるかもしれません。

―――――――――――――――――――――――――――――――
※追記があった場合は追って補記します。
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/27(金) 19:26:13.92 ID:znAXn+E/0
エルタニンがなぜかナガタニエンに見えた
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 07:43:01.26 ID:YLLrtqMI0
よし、(リョテイから見て)嫁父のマックイーン所属させるかww
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 11:21:28.20 ID:leVCVWRUO
さて、チーム編成もすんだしこれからどうするか?

普通に攻略してくべきか?それともあくまでもループに関して追及さていくへきか?

他の人の意見あるならどうぞ。
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 11:25:39.94 ID:u9liotseO
攻略主体にして余裕あるならループ追求かな
その時々でベストを尽くしてURA目指していきたい
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 11:38:43.80 ID:Ax9pgApT0
捨て駒にするのはあんまり気分良くないもんな
感覚としてはウララ金策に近い
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 11:52:54.80 ID:zOB/v84X0
まぁ既に前3周は捨て駒だけどな
マヤノvsネイチャ戦の時点でクリア出来る想定の調整じゃなかったみたいだし
リョテイも捨て駒調整じゃないといいけど
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 12:36:10.05 ID:7ksBbrH+o
いけるとこまでいきたいよね
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 14:12:55.09 ID:leVCVWRUO
一応、694確認してもらって

ループにはこの現象について、ナイスネーチャーには確認取るべきだとは

思っているが確実に地雷だから、逃げ道は必要だろうとは思ってる状態
871 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/28(土) 22:25:03.27 ID:Np4W0XDc0
トレーナー「さて今日のことだが……今日はトレーニングはお休みだ」

リョテイ「へぇ。じゃあ、私はちょっと買い出しに行くわ」

トレーナー「買い出し、ねぇ。怪我はするなよ」

リョテイ「ばーか、ンなもんしねーよ」

トレーナー「はぁ、ホントに分かってんだろうな……」

ネイチャ「トレーナーさんも大変ですな〜」

トレーナー「……もう慣れたよ。ナイスネイチャも好きに過ごしてもらっても構わない」

ネイチャ「ん〜……。今日はこの部屋で過ごさせてもらいますかね」

トレーナー「そうか。部屋にあるものは自由に使ってもらって構わない」

ネイチャ「了解。……ってことは、トレーナーさんはどこかに?」

トレーナー「ああ、少し話すことがあってな」

ネイチャ「ほいほい、いってらっしゃい〜」

―――

トレーナー「さて、シンボリルドルフはいるかな……?」

ルドルフ「おや、誰かと思えば。生徒会室前で何を?」

トレーナー「君に用事があってね。今時間は大丈夫か?」

ルドルフ「ええ。でしたら中にどうぞ」

トレーナー「ありがとう」

ルドルフ「して、どんな用事ですか?」

トレーナー「いや、用事というほどのものでもないんだ。ただ感謝したくてね」

ルドルフ「……ああ、先日のチーム結成についてですか」

ルドルフ「あれは私も必要だと思っていたから賛同したに過ぎません。慢性的なトレーナー不足は前々から指摘されていた問題ですから」

トレーナー「だとしても、あの稟議が通ったのは君のおかげだと思っている。ありがとう」

ルドルフ「……」

ルドルフ「貴方の力になれて、なによりです」

トレーナー「差し当って、何かお礼をしたいんだが……何か俺に出来ることはあるか?」

ルドルフ「……ふむ」

ルドルフ「……でしたら、一つお願いが」

トレーナー「どうぞ」

ルドルフ「もし良ければ、なのですが……チームのメンバーを増員するときは、私のことを誘っていただけませんか」

トレーナー「……意外だな。シンボリルドルフからそんな提案を受けるなんて」

トレーナー「でもわかった。次にチームメンバーを増やすときは検討するよ」

ルドルフ「ありがとうございます」

トレーナー「ああ」

トレーナー「……いつまでも仕事の邪魔をするのも悪いし、俺はこれで失礼するよ」

ルドルフ「ええ、またお話しましょう」

トレーナー「はは、そう言ってもらえるのは光栄だな。では、また」

ルドルフ「……」

ルドルフ「……ふぅ、行ったか」

ルドルフ「……」

ルドルフ「仕事に、戻らなくてはな」

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼休憩効果発動、次回トレーニング効果4倍
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 22:27:57.48 ID:Ax9pgApT0
おっとこれはカイチョーただの社交辞令ではないな…?
やっぱり”知ってる”のか、それとも>1のミスリードか
873 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/08/28(土) 22:32:14.61 ID:Np4W0XDc0
ちょい頭痛がひどいので更新亀になります、ご了承ください……!

―――――

トレーナー「本格的に雨が降り始めてきた」

トレーナー「梅雨はあまり好きではない……というか雨があまり好きじゃないんだよな」

トレーナー「いい所もあるとは思うけど、それ以上にマイナスなイメージが強い」

トレーナー「ああ、その他にももちろん理由はある」

トレーナー「トレーニングがしづらいんだよな、雨が降ってると……」

トレーナー「体育館とかジムとかを使うにも、人の多さを考えなければいけないし……」

トレーナー「……人が多いと、今は顔を合わせたくない人とも顔を合わせる羽目になるし」

トレーナー「さて、今日はどうしようかな」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:200(E)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと10ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中、トレーニング効果4倍

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
・「チーム結成」/当ターン終了後
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[ラーメン道、その窮極に迫る――!]/たづなとの会話
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――――――
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 22:40:06.96 ID:rZN+2VsY0
メイン進行
頭痛いなら寝んしゃい
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/28(土) 22:46:06.25 ID:Ax9pgApT0
この時期の頭痛は熱中症とかの疑いもあるから水分塩分補給はしっかりするんやで
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 00:12:03.01 ID:uVi8ZIpEO
理由はわからんが実はルドルフもこのトレーナーの元でループした回があるのに、トレーナーはそれを覚えていないとか…?
877 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/29(日) 00:59:31.94 ID:PyS3IW5H0

「キンイロリョテイ、君は君が思っている以上に――強い」
「突然なんだよ、気持ち悪いな……」
「だが、君は君が思っている以上に――弱い」
「喧嘩売ってんのか?」


 あんまりな言葉に、俺は思わず肩を落とす。

 時刻は夕方の4時。授業が終了し、トレーニングに差し掛かる前。

 俺はキンイロリョテイを捕まえて、トレーナー室で事前説明を行おうとしていた。

 と言うのも、これから行うトレーニングは特殊なものであり、説明が必須なものだったからだ。……まして、我流で練習を重ねてきた彼女には。


「君は、俺がレースの後に指摘した問題点を覚えているか」
「……ちぐはぐって話か?」


 俺は頷く。

 ……キンイロリョテイの走りに見えた不安定性。それは看過できるものではない。

 彼女の脚質は先行に大きな適性がある……と、俺の【眼】は告げている。

 だが、彼女の走法――固有スキルは、追込の時にのみ発動するものだ。

 脚質は先天的なものもあるが、後天的に鍛えられた結果伸びることもある。

 そして恐らく、彼女の脚質は――後天的に鍛えられたもので。


「キンイロリョテイ、はっきり言えば――君が追い求める浪漫を求めるならば、追込にシフトしたほうが良い」
「追込だ……?」
「ああ。君の中盤から後半にかけて強く差す脚は、序中盤でスタミナを求められる先行策とはあまり相性がよくない」


 怪訝な表情を浮かべながらも、特に言い返してこないのは……おそらく本人にも自覚がある、という事なのだろう。

 そもそも彼女ほどのポテンシャルを秘めているウマ娘を他のトレーナーが放っておくとも考えづらい。

 ……俺は数値的に彼女のことを評価できるからこそスカウトした。だが、他のトレーナーはそうともいかない。

 彼女には申し訳ないが――先行策を採るウマ娘であれば、彼女よりも強力な子はいる。

 そちらに目移りするのも、理解できる話だ。


「というわけで、これから君には――君に適した脚質を伸ばすトレーニングを課すことになる」
「……。話が見えてきた。トレーナーが殺人的なトレーニングを考案してたのは、全て私の浪漫の為ってワケだな」
「……まぁそうだな」
「ふぅん……」


 キンイロリョテイがそっぽを向いて、毛先を指で巻き始めた。

 何か気に障ることを言ってしまったのだろうか。


「……ま、特に異存はない。始めるなら始めるとしよう」
「キンイロリョテイがそれでいいのならば」 

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼[地に閃く黄金の旅程]
Chapter1.未だ見えぬ黄金色[1/5]
878 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/08/29(日) 01:11:58.81 ID:PyS3IW5H0
なんか寝て起きて蕎麦食ったら治りました

―――――――――――――――――――――――――――――――

トレーナー「……冷蔵庫に豆腐があるのに豆腐を買ってしまうこととか、よくある」

トレーナー「特に目も当てられないのは牛乳だ。1日で消費する牛乳の量なんてたかが知れてる」

トレーナー「卵も難しいな。でも卵は消費する方法が楽ちんだからまだましか」

トレーナー「……いつか、キンイロリョテイにも料理を振舞ってやれるくらいの気持ちになれるのだろうか」

トレーナー「……」

トレーナー「君の残滓を、俺はいつまで追いかけていられるんだろう、マヤノ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:200(E)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと9ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中、トレーニング効果4倍
※あと3ターンで夏合宿が開始します。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
・「チーム結成」/当ターン終了後
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[ラーメン道、その窮極に迫る――!]/たづなとの会話
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――――――
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 01:42:29.36 ID:WnYDNaGa0
たづなさんとラーメン食いに行こう!

リョテイはその間ヒマだからネイチャと一緒にトレーナーを尾行するといいとおもうよ
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 01:58:08.25 ID:SJ4nrXjAo
蕎麦すげ
でも本当にご自愛下さい

「追いかけて"いる"んだろう」じゃなくて「追いかけて"いられる"んだろう」なのね……トレーナーくんも成長しているね…
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 05:48:53.75 ID:X65xwhsZO
残念ながら、現時点ではループならないうま娘はいない状態らしいからな。

つまり、あやしくても会長もナイスネーチャーもハズレって事。

882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 07:20:22.63 ID:+tpOe9190
どうでもいいけど名前は正確にな、ナイスネイチャだ
そのうちナースネーチャンとか言い出しそう
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 08:11:09.63 ID:WnYDNaGa0
ちなみにナイスネイチャンは実在したからナイスネイチャとは別個体の話になるぞ
サラブレッドじゃなくてポニーだけど
884 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/29(日) 13:37:50.74 ID:PyS3IW5H0
「よし、今日のトレーニングはこれで終わりだ」
「……え? これだけ?」


 意外そうな声をあげるキンイロリョテイ。

 確かに、通常課しているトレーニングの8割くらいしかこなしていない。その疑問は妥当なものだ。

 まぁ、通常の8割といっても、周囲のトレーニング量と比べるとかなりの量があるわけだが……。

 それでもキンイロリョテイは少し不満らしい。いつもより顔を5割増しで顰めている。


「おいおい、担当ウマ娘の育成をほっぽって何をやるつもりだよ」
「同僚と、少しな」
「……同僚?」


 間違ったことは言ってない。むしろ真実しか述べていない。


「……ふぅん。そうか。ま、だったらしょうがないよな」
「ありがとう」
「明日はよろしく頼むぜ」


 そう言いながら、俺のことを送り出してくれるキンイロリョテイ。

 だが、何故だろう――。

 俺の背を見送るその視線に、嫌な予感がするのは……。



「お待たせしました」
「いえいえ、私も今来たばかりですよ、トレーナーさん」


 校門前でたづなさんと落ち合う。

 恐らく俺よりも多忙なたづなさんが、俺よりも先に来る――。なんとなく、気合の入り方を感じる。

 多忙の中わざわざ時間を作る……。仕事中のたづなさんのことしか俺は知らないが、仕事中と同じく、趣味にも真摯に向き合っているのだろう。

 その姿勢に畏敬の念すら覚えて、背筋が伸びる。


「トレーナーさん? いきなりどうされたんですか?」
「いや、凄いなぁって……」
「は、はぁ……」


 たづなさんは苦笑を浮かべて息を吐く。

 何か変な行動をとってしまったのだろうか。

 俺が聞き返そうとすると、たづなさんは門の外を手のひらで指した。


「時間もあれですし、そろそろ外に出ましょうか」
「あ、はい」

 
 答えに困っているのを察したのか、たづなさんが率先して門を出た。

 これが大人の気遣いって……コト?!
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 14:23:30.36 ID:r8KU0fc6o
ちいかわ構文やめーや
886 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/29(日) 21:20:48.63 ID:PyS3IW5H0
「……おいネイチャ……ッ。もうちょっと右に寄れって……!」
「もう十分右に寄ってますってば……!」
「髪の面積が太ぇんだよ……!」
「髪の面積が太い……?」


 ……一方、トレーナーとたづなが商店街へ向かう頃。

 校門近くの木に隠れながら、二人の様子を見つめている影があった。

 言わずもがな、キンイロリョテイとナイスネイチャである。

 ……トレーニングが終了した後、キンイロリョテイはナイスネイチャに話を持ち掛け、尾行する流れになったのだが。

 ナイスネイチャはキンイロリョテイの押しの強さに半ば強引に連れてこられた形であり、トレーナーに少し悪いな、などと考えている。

 そんなことはつゆ知らず、キンイロリョテイはトレーナーが歩きだしたのを見て移動し始めた。

 むろん、ナイスネイチャの手を掴んで。


「担当ウマ娘をほっぽって、自分は同僚とデートですか、そうですか……」
「……そう言うわけじゃない、と思うんですけどねぇ、あたしゃ……」


 ここまで来たならば、もう乗っかるほかはない。ナイスネイチャはまんまとキンイロリョテイのペースに飲まれつつあった。

 ナイスネイチャは、押しに弱かった。……とても。





「というわけで到着しました、ここが私のイチオシです……!」
「ここが」


 思わず息を呑む。

 商店街の中でも、かなり奥まった場所に存在するラーメン屋。そこがたづなさんのとっておきだった。

 見れば見るほど、ここがラーメン屋だとは思えない。

 看板は黒ずんでいて文字すらろくに読めない、屋号をプリントしているらしき暖簾は、油にまみれて黄ばんでいる。

 お世辞にも衛生的だ、とは言えない佇まい。この店をラーメン屋として認識することが出来る人間は、そうそういない。


「ふふ、凄い顔してますよ?」
「……本音を言えば、ほんとにここが? という気持ちです」
「わかります。私もはじめはそんな感じでしたから」


 にこりと微笑むたづなさん。

 ……一体どんなところから、このお店についての情報を得たのだろう。滅多なことじゃ手に入りそうにもないけれど……。

 そんなことを考えているうちに、たづなさんは店の扉を開いていた。躊躇する暇もなく、俺はたづなさんと共に店の前に立つことになり――。


「わッ……」


 濃厚な豚骨の香りに、全身が歓喜に打ち震えた。

 そんな俺の反応をあらかじめ予測していたのだろうか、たづなさんは「行きますよ」と俺に声を掛けて、カウンター席へと座った。

 厨房では、いかにも”いぶし銀の職人”な佇まいの老人が、振り返ることなく「いらっしゃい」と呟いた。


「……豚骨バリ堅チャーシューマシ2つ」
「……あいよ」


 座って少しの間もおかず、たづなさんは注文した。


「勝手に頼んでしまってすみません。でも、このお店はこれが一番いいので」
「え、ええ。勝手がわからない上にメニューも見当たりませんから、助かりました」
「良かったです。……さて、少し待ちましょうか」


 野球中継のラジオのみが響く店内。俺は、この先に何が待ち受けるのだろうと、期待に胸を膨らませるばかりだった――。
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 21:33:56.00 ID:SJ4nrXjAo
(湿度?湿度?)
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 22:34:14.34 ID:rrrbjBif0
麺を茹でる湯から立ち上るカンスイ香る湯気…っ
数十年の時をかけ完成された、あるいは未だ成長途中の豚骨スープ…っ
湿度…っ!圧倒的湿度…っ!
889 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/29(日) 22:53:17.90 ID:PyS3IW5H0
「アイツら、裏路地に入ってったぞ……」
「こっちの方、何かあったっけ……?」


 一方そのころ、キンイロリョテイとナイスネイチャはトレーナーの跡をつけていた。

 途中でナイスネイチャが商店街の人たちに絡まれるという事件こそあったものの、尾行は順調。

 最終的に二人が辿り着いたあのラーメン店へとたどり着いたのだが――。


「……これ、入ったら絶対にバレるよな」
「そう、ですねぇ」


 明らかに小規模経営のラーメン屋だ。チェーン店ならいざ知らず、この手のラーメン屋は仕切りなどがなく、尾行は不可能。

 ここにきてキンイロリョテイとナイスネイチャの尾行は中断を余儀なくされた。


「いったい何をやってるんだ、アンタはよ……」
「いや、絶対ラーメン食べてるだけですってば」
「くぅ……」


 浪漫に走るきらいがある思考は、言い換えれば想像力が豊かであるという事で。

 キンイロリョテイはめくるめく大人の世界に、思わず生唾を飲むことしかできなかった。





「お待ち」


 差し出された器には、たっぷりと注がれた白濁色のスープ。

 沸き立つ煙からはこれでもかと豚骨の香りが漂い、その間に僅かに醤油の香りが混じる。

 メンマ、半熟煮卵、もやし……。そして、山盛りにされたチャーシュー。

 聴覚、視覚、嗅覚、触覚――食べる前から理解できる。これは美味しい――!


「うん、流石ですね!」
「これは……とても良いラーメンですね」
「ええ、私もそう思います。それでは――」


 いただきます。

―――――――――――――――――――――――――――――――

▼[サブイベント:ラーメン道、その窮極に迫る――!] クリア。

▼[サブイベント:全てはこの一杯の為に――!] 発生。
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 23:05:00.12 ID:xRE1+Ua4o
ネイチャとリョテイなんかいいな
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/29(日) 23:20:21.11 ID:ez4SZkGCO
もしかして:リョテイかわいい
892 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/30(月) 00:10:06.66 ID:A+ncv6B/0
トレーナー「最近の子はどんな曲を聞くのかな、と考える」

トレーナー「俺が若いころはこう、ロックとかが隆盛だった頃なんだけど、今の子たちはポップな曲にハマることが多いんだろうか」

トレーナー「テレビも見なくなって久しいし、そろそろ若者らしい曲を探さないと話題を合わせるのにも苦労しそうだ」

トレーナー「……」

トレーナー「冷静になって考えてみたら、キンイロリョテイもナイスネイチャも最近の曲を聞くタイプには思えないな」

トレーナー「解散!」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:200(E)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと8ターン(当該ターン含む)。
※休憩効果発動中、トレーニング効果4倍
※あと2ターンで夏合宿が開始します。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
・「チーム結成」/当ターン終了後
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/キンイロリョテイとラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――――――
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 00:16:08.39 ID:6Hum0UR60
トレーニング
894 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/30(月) 00:47:31.63 ID:A+ncv6B/0
トレーナー「さて、キンイロリョテイ。普段の脚質トレーニングと並行して、身体能力を向上させるためのトレーニングを行う必要がある」

リョテイ「……相変わらず殺人的なスケジュールだよな」

トレーナー「そうでもしなければ、GTでの勝利はもとより、URAファイナルズでの勝利など夢のまた夢だ。それに――それを了承したのも君だろう」

リョテイ「はいはい、わかってますよって」

ネイチャ「それにしてもトレーナーさん、さすがにオーバーワーク気味な気もするけど……」

リョテイ「気にすんなネイチャ、そうでもしなければ勝てないって言うのは解ってる」

リョテイ「……それに、仮にもコイツはトレーナーだろ? 私たちをブッ壊すわけにはいかないだろうし、心配しなくてもいいと思うぜ?」

ネイチャ「……」

ネイチャ「確かに、その通りかも……」

ネイチャ「アタシも、なんだかこの人だったら大切に育ててくれそう、って思ったからチーム入りを決断したわけですし……」

トレーナー「……そこまで褒められると、少し困る」

リョテイ「褒めてねぇよ」

ネイチャ「ま、リョテイさんはこういうとこありますからね〜。アマノジャクってやつ?」

リョテイ「誰がアマノジャクだ、誰が!」

トレーナー「……まぁ、キンイロリョテイの言う通り、俺は君たちを大切に育成しなくてはならない。君たちの夢の為にも、な」

リョテイ「ふん」

ネイチャ「で、トレーナーさん。今日のトレーニングはどのように?」

トレーナー「ふむ……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:200(E)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1 トレーニングの種類

スピード/スタミナ/パワー/根性/賢さ
※サポートカード[スペシャルウィーク]アクティブ。根性の成長率に固定値追加。
※チームメンバー補正:ナイスネイチャ【パワー1.2倍、賢さ1.1倍の増加補正】

―――――――――――――――――――――――――――――――

下2 トレーニングの効果量
※ゾロ目の場合は追加ロール
※休憩効果発動、トレーニング効果4倍
※チーム結成中、全てのトレーニングに1.25倍

―――――――――――――――――――――――――――――――
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 01:17:28.75 ID:6Hum0UR60
人おらんかね?
連だけど一応スピード
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/30(月) 01:18:55.54 ID:RhD1lORS0
えい えい むん
897 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/31(火) 00:49:10.18 ID:CPf3aVxE0
トレーナー「……速度はやはり、全てにおいて基礎である」

トレーナー「最終的にどこでどう抜け出すかの判断は確かに必要だ、だがそれ以前に――速度がなければ、抜け出すものも抜け出せない」

トレーナー「というわけで、今日は速度の練習を行う」

リョテイ「ふぅん。ま、速さを上げるってんならやってやる」

ネイチャ「にしても、何とも聞き覚えのある言葉ですなぁ……」

トレーナー「……そうか?」

トレーナー「まぁ、そんなことはどうでもいい。次の目標であるホープフルステークスまであと半年程度」

トレーナー「半年程度とは言え手は抜けん。油断なくトレーニングにあたるように」

リョテイ「はいはい。じゃ、まずは走り込みでもしてきますよっと」

ネイチャ「じゃ、アタシも〜」


――――――――――――――――――――――――――

▼キンイロリョテイのスピードが上昇した。
スピード:200(E)+{(54×4)×1.25}=470(C)

――――――――――――――――――――――――――
898 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/08/31(火) 00:54:02.29 ID:CPf3aVxE0
トレーナー「例えばの話だけど、という言い出しの後に続く言葉、だいたい許容できないお願い説」

トレーナー「例えばの話だけど、お金貸して〜って言ったら貸してくれる?」

トレーナー「例えばの話だけど、浮気してるって言ったら許してくれる?」

トレーナー「よっぽどじゃなければ許せない。例外はあるんだろうけどな」

トレーナー「なぜこんなことを考えているかというと、この前キンイロリョテイから同じようなことを言われたからだ……」

トレーナー「”例えばの話だ、私がトレーニングをサボりたいって言ったら許してくれるか?”」

トレーナー「場合によっては許そう、場合によっては……」

トレーナー「でもそれが、食道楽の為だと知っちゃあ、許せないよな……」

トレーナー「……今度また飯に連れていくべきか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/お出かけ/休憩/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)
※ホープフルステークスまであと7ターン(当該ターン含む)。
※あと1ターンで夏合宿が開始します。

―――――――――――――――――――――――――――――――
        【現在立っているフラグ】

■エクストライベント
・「????」/不明
―――――――――――――――――――――――――――
■メインイベント
・[地に閃く黄金の旅程]/開始中
―――――――――――――――――――――――――――
■メジャーイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■サブイベント
・[全てはこの一杯の為に――!]/キンイロリョテイとラーメンを食べに行く
―――――――――――――――――――――――――――
■プチイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――
■リミテッドイベント
なし
―――――――――――――――――――――――――――――――
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 00:58:36.46 ID:R7Yq1aRPo
メイケイエールイベント
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 00:59:25.14 ID:R7Yq1aRPo
おのれ予測変換

メインイベントですごめんなさい
901 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/08/31(火) 01:47:59.49 ID:CPf3aVxE0
「……おい、トレーナー」
「なんだ、キンイロリョテイ」
「――本当にこのトレーニング、効果が出てるんだろうな?」


 キンイロリョテイは汗を滴らせながら、俺に問いかけた。

 妙に鋭い視線が唐突に降り注いで、俺は思わず息を呑んだ。

 だが、この問いには明確な答えがある。俺は彼女のトレーナーであり、彼女の勝利の為ならば寝食を厭うことはない。

 ……ただ、そのことをはっきりと伝えてしまっては、下手すると好感度が上がってしまう。

 好くのも、好かれるのも。もうたくさんだ。


「おい、私を置いて自分の世界に浸るなよ」
「……すまない。トレーニングの効果があるのか、という話だったな」
「ああ、この地味で過酷なトレーニングに何の意味があるのかって聞いてんだ」


 ……彼女の抱く疑問は正当なものだ。

 確かに、俺が組んだトレーニングメニューは恐ろしく地味で、同じことの繰り返し。

 成果を出す機会が12月の末まで与えられないのであればなおさら。

 だけど、成果を出す機会を一定の水準以下で設けては、トレーニングの意味がない。

 故に。


「意味はある。だが、意味を説明すれば、君はそれを実践する。それでは意味がない」
「あ? 実践の何が悪いんだよ」
「――君は知る必要がないことだ。少なくとも、今は」


 ……とげとげしい言葉であることは十分に理解している。

 だが、こうでも言わないと――彼女の”問題”は解けることはない。

 キンイロリョテイ――孤独だからこそ生まれたその”問題”は、こうでもしなければ、解けることはない。


「そう、かよ」
「……不満か?」
「ああ不満さ、不満だよ! 何の説明もなくトレーニングを押し付けられる気持ちにもなってくれ」
「……良く理解している。だが、切に説明は出来ない」
「……チッ。まぁいいさ。アンタがトレーナーである限り、私たちは健全に育てられなくちゃならない。トレーナー、アンタがもし、このトレーニングに何の意味も持たせていないなら、その時は」


 キンイロリョテイは、俺の胸倉をつかんで、持ち上げる。

 ウマ娘の膂力は、人間の比ではない。俺の体は簡単に持ち上がって、首が閉まる。

 それでも、俺は浮かべた表情を消すことはない。

 そうして次の言葉を待たなければ、この仕打ちへの贖罪とはならない。


「――その時は、私がアンタを殺す」


 酷く鋭い視線で貫かれて、竦みそうになる足。

 それを何とか強く抑えつけて、ただ平坦に「ああ」と答える。

 ……今にでも出てきそうな弱音が、表情に出ていないことを祈る。

 やがて、解放。地に落ちた俺は咽そうになるのを無理やり止めて、去りゆくキンイロリョテイの背中に声を投げる。


「心配しなくても、君に浪漫を見せてやるさ」
「はん、言うだけ言ってろ」


 トレーニングを始めた時よりもいくばくか冷たい視線で、俺のことを見るキンイロリョテイ。

 その瞳を見て、しかし俺は喜び、確信した。

 やはりキンイロリョテイは、逸材なのだ、と。
―――――――――――――――――――――――――――――――
▼[地に閃く黄金の旅程]
Chapter1.未だ見えぬ黄金色[2/5] 
902 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/08/31(火) 02:01:27.87 ID:CPf3aVxE0

――遠く、遠く。カモメの鳴く声がした。


 本当であれば聞きたくなかった音。

 本当であれば感じたくなかった気配。

 本当であれば嗅ぎたくなかった香り。

 潮が満ちる、夏の気配が寄る、潮の香りが鼻を衝く。

 どうしてまた繰り返してしまったのだろう。

 どうしてあの場で、終わることが出来なかったのだろう。


――俺は過去を振り切れていない。


 生きながらにして死んでいる者が居るとするならば、それは俺だ。

 過去の時間は流れて消えてしまうのに、俺はそれに取りつかれていて。

 だから、俺は死んでいる。

 時間の中に、死んでいる。

 にんじん色の髪の毛。黄金の瞳。石鹸の香り。頬の赤。唇の紅。高い声。白い指。

 忘れられない。忘れたくない。

 記憶の稜線を辿る思考の雷は、その猛々しさとは裏腹に優しく頭を痛ませる。


――海が、近くなる。


 どうしようもなく吐き気がする、明確な気配に。

 俺はただ、合宿の始まりを感じるしかなかった。

 そこにあるはずのない、極彩色の記憶のフラグメントを辿る。

 忘れられない、夏が。

 始まる。

――――――――――――――――――――――――――

■夏合宿について
夏合宿中は以下のことが行えます
・トレーニング
・休憩(トレーニング効率2倍)
・探索
・メインイベント進行

■トレーニングについて
普段より効率のいいトレーニングを行うことができます。

■休憩について
トレーニング効率がアップします。また、やる気が下がっている場合は1段階上昇します。

■探索コマンドについて
夏合宿中、付近の探索を行うことができます。
このコマンドによって発生した進捗はループを経ても記録されます。
直接ウマ娘の成長に結びつくかどうかは運次第。ですが結びついた時のリターンは大きい、言わばギャンブルのような要素です。
また、探索の結果によっては次回ループ時に影響が発生する可能性があります。

■メインイベント進行について
夏合宿期間中、メインイベントの進行度は一度に2増えます。
これによって進捗を超過する場合、持ち越しなどはありません。

■アナウンス/[リミテッドイベント:追憶]の発生
夏合宿終了前(3ターン目終了後)、特定の条件を満たした場合イベントが発生します。

――――――――――――――――――――――――――

下1

今日は何をする?
トレーニング/休憩/探索/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)

――――――――――――――――――――――――――
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 02:05:04.85 ID:fZkIL1/L0
たんっさくっ
904 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/08/31(火) 02:18:44.18 ID:CPf3aVxE0
―――


■探索について

・探索とは?
夏合宿中にのみ行える特殊な行動です。
様々なスキルのヒントや、ループに役立つものなどが獲得できる唯一の行動ですが、時には何の成果も得られず終わる、いわばギャンブルのような行動です。
探索は13の探索度を有しており、一度探索するとその是非を問わず、探索度を1増やします。
※現在の探索度は[2/13]です。

・探索の特徴
探索は【ループしても探索度が保持されます】。
また、探索度を増やせば増やすほど、報酬を得る機会は増加します。
最終到達地点に到着すると、イベントが発生します。

・道中の判定について
下5コンマ安価を一気に取ります。
コンマの集計が終了した後、再度下5コンマ安価を取ります。
最終的に今までに集計した10コンマ安価を総合した数値によってリザルトを算出します。
道中の安価にも報酬が存在することがありますが、それなりに難度が高いものだと考えてください。
基本的にはコンマの数値が高ければ高いほど、ウマ娘やトレーナーにとって有用なものが入手できます。
コンマがゾロ目だった場合は、原則として終了後に追加ロールが発生するものとします。

・その他
追記すべき事項があれば都度追記します。
連取は性質上1分経過後であれば可能なものといたします。
ご協力のほどお願い致します――。


―――
905 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/08/31(火) 02:30:21.48 ID:CPf3aVxE0
リョテイ「……おいトレーナー、何処に行くんだよ」

トレーナー「散歩だよ」

リョテイ「あぁ? せっかくの夏合宿だってのにわざわざ”お休み”とかなんとか言いだしやがって」

リョテイ「第一散歩する場所なんて無いだろ、この島」

トレーナー「……君には関係ないことだろう」

リョテイ「……関係ある。アンタは私のトレーナーだ」

トレーナー「……」

トレーナー「一人にしてくれ」

リョテイ「……アンタの言ってた、事情って」

トレーナー「――君には必要のない情報だ」

リョテイ「……」

リョテイ「行っちまった」

リョテイ「……」

リョテイ「……クソ、アイツもアイツで大概だが、私も私で不器用だな……」

リョテイ「アンタのことは好きでも嫌いでもないが――そんな顔する奴が浪漫を語れるかってんだよ」

――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)

――――――――――――――――――――――――――


下1〜5 探索安価

下1:コンマ値+10
下2:コンマ値−10
下3:コンマ値−10
下4:コンマ値−20
下5:コンマ値−25


――――――――――――――――――――――――――
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 02:32:15.10 ID:R7Yq1aRPo
トレーナーすーぐ顔にでちゃうのね…スペちゃん以降ことごとく担当ウマ娘に見抜かれてら
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 03:00:18.35 ID:R7Yq1aRPo
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 03:04:15.13 ID:tetuMJQX0
ほい
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 03:15:43.51 ID:fZkIL1/L0
マイナスぅ
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 03:23:10.52 ID:fZkIL1/L0
もっかい
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/31(火) 10:31:16.70 ID:WbG6SJVIO
トレーナーはマヤノと出会う前ほど想いを伝えることが苦手では無くなったけど、それゆえにリョテイ達に対して想いを隠すのが不器用になってるのが切ないな…
912 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/01(水) 01:20:18.84 ID:FgCx/5jm0
トレーナー「……何故着いてきた?」

リョテイ「アンタには関係ないだろ」

トレーナー「言い方を変えよう。帰ってくれ」

リョテイ「ヤだね。トレーニングしていない今、自分の意思で決めたことにアンタの意見を挟む余地なんてない」

トレーナー「……」

トレーナー「頼むから、一人にしてくれよ」

トレーナー「俺がお前のことを知らないように、お前は俺のことを何一つ知っちゃいない!」

トレーナー「お前の意思に俺の言葉の介在する余地がないように、俺の事情にお前が介在する余地はない……」

トレーナー「……なぁキンイロリョテイ、帰ってくれ」

リョテイ「はン。ようやく理解したぜ、トレーナー」

リョテイ「アンタ、さては迷子だろ?」


――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)

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下1〜5 探索安価

下1:コンマ値+10
下2:コンマ値−10
下3:コンマ値−10
下4:コンマ値−20
下5:コンマ値−25


――――――――――――――――――――――――――
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/01(水) 01:25:34.34 ID:vyAJAXMW0
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/01(水) 01:27:06.86 ID:vl72T5s3o
さて
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/01(水) 01:34:31.16 ID:PaDs5Nweo
ええぞ…リョテイ踏み込め……!
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/01(水) 01:42:12.74 ID:jEXJC7DE0
どうなる
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/01(水) 01:49:55.30 ID:gYAGmxYPo
ほい
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/01(水) 01:50:38.41 ID:J4DOXS97o
ほい
919 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/01(水) 02:21:46.39 ID:FgCx/5jm0
――――――――――――――――――――――――――

[10+10]+[35-10]+[13-10]+[51-20]+[52-25]=106
[34+10]+[86-10]+[16-10]+[74-20]+[30-25]=185

106+185=291

▼スキルヒント[垂れウマ回避]Lv1を獲得した。(100)

▼スキルヒント[がんばり屋]Lv1を獲得した。(200)

――――――――――――――――――――――――――


920 : ◆FaqptSLluw [sage saga]:2021/09/01(水) 02:24:03.92 ID:FgCx/5jm0
トレーナー「……迷子?」

リョテイ「ああ、アンタは迷子だ。それもドが付くほどの、な」

トレーナー「……馬鹿にしているのなら、今すぐに帰ってくれ」

トレーナー「難しいことは言ってない。簡単なことだ。君はここで踵を返し、太陽に向かって歩けばいい」

トレーナー「早く帰って――」

リョテイ「――そう言って逃げるつもりか?」

リョテイ「アンタは迷子だ。強い後悔を抱えて歩いている。その後悔を拭いたいけど、ぬぐえない」

リョテイ「その方法を知らない。どんな道を歩けばいいかわからない、子供――いや、大人だよ」

リョテイ「そしてアンタは逃げ出した。誰かを理解することを」

リョテイ「その結果がこれじゃないのか? 誰からも仔細を聞かれにくいように殻を作って事情とかなんとか嘯きやがって」

リョテイ「失礼にもほどがあるってモンだろ、こっちはアンタのことを理解しようとしているのに、アンタはこちらのことを理解することもなく、理解させる気もない」

リョテイ「その上なんだ? ”俺はお前たちのトレーナーです”?」

リョテイ「ふざけるのも大概にしろよ玉無しが」

リョテイ「これだからアンタみたいな大人ぶった人間は嫌いなんだ。私がアンタをトレーナーとして認めたのは――アンタが私の浪漫を認めてくれる、遊び心溢れる”オトナ”だったからだ」

リョテイ「くだらねぇ……。で、玉無し。何か言い返せよ」

リョテイ「そろそろ言いたいことの一つや二つ、出てきたんじゃねぇか? ん?」

トレーナー「……」

トレーナー「……お前に」

トレーナー「お前に何がわかる」

トレーナー「何か一つでも大きなことを失ったことがないお前に、一体何が解る?」

トレーナー「……例えばお前の脚が折れた時のことを考えろ。……例えばお前の両親が死んだときのことを考えろ。……例えばお前の浪漫が潰えた時のことを考えろ」

トレーナー「想像がつくかよ、お前に――この絶望が!」

トレーナー「いいか、よく聞け、この際だからお前に一つ教えてやる」

トレーナー「相互理解なんて真の意味で出来やしないんだよ、お互いの脳を混ぜ合うような時間しか、理解を形作ることは出来ないんだよ」

トレーナー「――その理解を失ったうえで、理解を説かれる?」

トレーナー「拷問だよ、キンイロリョテイ」

トレーナー「お前は俺のことを糾弾して、なんなら立ち直らせたいのかもしれない」

トレーナー「……でも無理だ。お前が俺のことを理解することは出来ない。まして、俺がお前のことを理解することも」

トレーナー「ああ、そうともさ――。俺がお前に持ち掛けたのは信頼とか理解じゃない」

トレーナー「――利益だ。そうだろ、キンイロリョテイ」

キンイロリョテイ「……」

キンイロリョテイ「アンタさ、自分で気づいてないみたいだから教えてやるよ」

キンイロリョテイ「――嘘つくとき、アンタ、手とか足が固まってるぜ」

キンイロリョテイ「何が嘘か本音か、私はもう理解できてるんだよ。アンタは理解させてないつもりかもしれないがな」

キンイロリョテイ「もう、お前の地雷がなんなのかも知ってんだ、こちとらよ」

キンイロリョテイ「あえて触れてないだけだとそろそろ気付けよ。触れてやってもいい所を、あえてお前から言わせる意味を考えろ」

キンイロリョテイ「……全ての言葉を撤回する気はないが、謝罪はするぜ。ただ――」

キンイロリョテイ「ただ、これが私の本音で、ラストワードだ。良く考えろよ、トレーナー」

キンイロリョテイ「頼むぜ」


921 : ◆FaqptSLluw [saga]:2021/09/01(水) 02:28:00.95 ID:FgCx/5jm0
トレーナー「――迷子」

トレーナー「俺が、迷子……?」

トレーナー「……わからない。わからないよ」

トレーナー「俺は……俺は……」

トレーナー「どうしたらいいんだ」

―――――――――――――――――――――――――――――――

[黄金探しの放浪者]キンイロリョテイ
スピード:470(C)
スタミナ:204(E)
パワー :215(E)
根性  :142(F)
賢さ  :79(G+)
やる気 :絶好調

―――――――――――――――――――――――――――――――

下1
トレーニング/休憩/探索/メインイベント進行/その他(良識の範囲内で自由に)


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エクストライベント点灯:3ターン終了後
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