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桜木花道「マオーは俺が倒す!」流川「どあほう」
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47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:02:28.14 ID:mNhclihR0
ボワァァァン……
赤木の目の前に、包丁を持った板前が現れた。
赤木「なんだ!?」ビクッ
三井「なんかとんでもないもん呼び出しちまった!」
桜木「ゴリよりでけぇ! ボ、ボス猿!?」
板前は大根を剥きながら、赤木に告げる。
魚住「華麗な技を持つドラゴンは鯛……」
ドラゴン(俺は竜なんだけど……)
魚住「おまえに華麗なんて言葉が似合うと思うか。赤木、おまえは鰈だ。
──泥にまみれろよ」
赤木「!」
シュウウウウ……
魚住は帰っていった。
安西(三井君……ファインプレーですよ)
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:02:55.88 ID:mNhclihR0
赤木(そうか……)
赤木(俺が勝てなければ、このパーティは勝てないと思っていた)
赤木(だが、そうじゃない!)
赤木(俺にできることは、この体で他のヤツを活かすことだ!)
赤木(現時点で俺はドラゴンに負ける……。でも、勇者パーティは負けんぞ!)
ドラゴン(このゴリラ……目つきが変わりやがった!)
赤木「ぬおおおっ!」バッ
「飛び上がったぁっ!」 「なにする気だ!?」 「ま、まさか──!」
ドラゴン「俺より高く──!?」
赤木「フンガァ!」
バチィンッ!
ドラゴン「ぐごぁっ!?」
振り下ろすような凄まじい平手打ちが、ドラゴンにクリーンヒット。
宮城「よっしゃあ、ダンナ!」
桜木「ゴリ必殺のハエタタキだっ!」
三井「赤木のヤロウ、完全復活だな」ニヤッ
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:03:23.25 ID:mNhclihR0
赤木がドラゴンにキツイ一撃を与えたことで、他のメンバーにも力が宿る。
桜木「行くぞ、リョーちん!」
桜木「フンフンフンフンフンフンフンフンフン!」ブンブンブンブン
スライム「うわっ、なんだこれ!」
側近「なんというムチャクチャな剣だ!」
桜木が“フンフンオフェンス”で、敵の混乱を誘ったところに──
宮城「おりゃあっ!」
バキィッ! ドゴォッ!
スライム「うわぁっ!?」
側近「ぬぐぉっ!」
──強烈な飛び蹴りを浴びせる。
木暮(いいぞ……! 赤木のプレーでみんなに力が戻った!)
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:03:54.27 ID:mNhclihR0
流川VS暗黒騎士──
ギィンッ!
暗黒騎士(あの武道家が復調したら、コイツにも力が入り始めた……!)
流川「世界一の戦士ってどんな戦士だと思う……」
暗黒騎士「?」
流川「きっと世界を救う戦士だと思うんだよな。俺はそれになる」
流川「一歩も引く気はねーぜ」
ガギィンッ! ──ザシュッ!
暗黒騎士「ぐぅっ!?」
魔王(暗黒騎士が一太刀浴びるなど、何十年ぶりだ!?
いや一対一では、初めてかもしれん!)
魔王「側近、暗黒騎士をフォローしろ!」
側近「はっ!」
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:04:27.39 ID:mNhclihR0
三井「桜木、そいつに魔法を唱えさせるなぁっ!」
桜木(今こそ合宿での二万回の素振りの成果を見せてやる!)
桜木「おうよ、合宿スラッ──」
スライム「とうっ!」プルッ
桜木「おのれ、またジャマを!」
側近「さすがですよ、スライム。“召喚呪文(チャージドタイムアウト)”!」
宮城「くそぉっ、コイツ呪文の詠唱がとんでもなく早い!」
ズゴゴゴゴ……
側近の魔法で呼び出されたのは──
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:05:08.65 ID:mNhclihR0
流川の目の前に、大阪人が現れた。
南「おまえがエースや」
ガッ!
流川「ち……!」
流川の顔面にエルボーが決まり、片目を塞いだ。
南「うち薬局やねん」ヌリ…
流川(なんなんだ、いったい)
──が、すぐ治った。
宮城「よし、ラッキー!」
桜木「どうせなら毒を塗り込め!」
側近(これは……失敗してしまいましたね……!)
一転して、今度は魔王軍のチームワークがチグハグになってきた。
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:05:39.46 ID:mNhclihR0
魔王(おのれ……赤木がドラゴンに一矢報いてから、流れが変わった!)
魔王(こうなれば……ワシが出るしかなかろう!)
ザッ!
「魔王が!?」 「ついに魔王が動いた!」 「ここからが本番だ!」
安西(そう、ここからが本番ですよ……)
側近「申し訳ありません、魔王様! 我らが不甲斐ないばかりに──」
魔王「シケたツラするでないわ! 観客が見ておるぞ!」
側近「はっ!」
魔王「さて、さっそく暴れさせてもらおうか!」
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:06:07.79 ID:mNhclihR0
魔王「“隕石呪文(アイチノホシ)”」
ヒュルルルル……
諸星「はっきりいって、自信なし」
ドガァッ!
上空から降ってきた諸星が、桜木を蹴り飛ばした。
桜木「ぐわぁっ!」
三井(あれほどの高等呪文をあっさり使うとは……!
魔王の名はダテじゃねーってことか!)
ドラゴン「グハハハハッ! さすが魔王様だぜぇっ!」
赤木「おのれぇっ!」
暗黒騎士「これはもう、キサマ程度に手こずってはおれんな」
流川「にゃろう……!」
側近「さて、私たちも魔王様に負けていられませんね」
スライム「はいっ!」
魔王の加入で、崩れかけていた魔王軍が瞬く間に立ち直った。
安西(ふむ、魔王が加わったことで、魔王軍にもさらなる力が宿りましたね……。
ここで流れを持っていかれては、勝ち目はなくなりますよ……)
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:06:36.74 ID:mNhclihR0
宮城「しっかりしろォ! 流れは自分たちで持ってくるもんだろがよ!」
魔王(む、あの盗賊は精神的にタフだな。先に叩いておくか)
魔王「なるほど、キサマが我が軍の軍備を次々に奪ってくれたという盗賊か……。
こんなチビだったとはな」
宮城「んだとぉ……!」イラッ
宮城が飛びかかるが、逆に足を掴まれてしまう。
魔王「キサマのすばやさは厄介だからな、先に始末しておこう」
ブオンッ!
魔王は壁めがけて、宮城を投げつけた。
宮城(やべぇっ!)
木暮「まずいっ!」
桜木「リョーちん!」ダッ
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:07:03.22 ID:mNhclihR0
バシッ!
壁に激突する寸前、桜木が宮城をキャッチした。
桜木「リバウンド王、桜木!」
魔王「なんだとっ!?」
宮城「すまねぇ、花道!」
桜木「ふははははっ、任せたまえ!」
魔王(アレが勇者、桜木花道か……。
勇者というわりに、赤木や流川には劣るという認識だったが──
あの瞬発力は、あなどれんな……!)
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:07:36.48 ID:mNhclihR0
赤木(こういうピンチの時こそ、俺がみんなを支えなければ!)
赤木「あーっ!!!」
ビリビリビリビリ……
「赤木が吼えたぞ!」 「すげぇ気迫だ!」 「あれで本当に人間なのかよ!」
ドラゴン「吼えたって何もやらせ──」
赤木「ウホッ!」
ドゴォン!
赤木は近くに落ちていた石を、ドラゴンの頭に叩きつけた。
ドラゴン「ぐおお……っ!」ガクッ
「出たぁっ!」 「ゴリラダンクだ!」 「効いてるぞ!」
赤木(これでしばらくドラゴンは動けん! みんなをフォローせねば!)
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:08:04.53 ID:mNhclihR0
まず赤木はハエタタキで、側近とスライムをぶっ飛ばす。
バチィンッ!
側近「ぐえぇっ!」
スライム「うぎゃっ!」
桜木「さすがゴリ!」
赤木「いや、さっきのおまえのリバウンドも見事だった」
赤木「俺も少しはいいところを見せんとな!」
さらに、三井にへばりついている巨大亀を持ち上げ──
巨大亀「なんだぁ〜?」
魔王「まさか──!」
赤木「ウホッ!」
ズガァンッ!
──巨大亀で魔王の頭にダンクを決めた。
ワアァァァァァッ!
桜木「すげぇぞ、ゴリッ!」
木暮「赤木……!」
魔王(くぅぅ……っ! なんという屈辱だ!)
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:08:38.02 ID:mNhclihR0
赤木「今だ三井!」
三井「おうよ!」
ここぞとばかりに、魔法を唱えまくる三井。
三井「“攻撃力増強呪文(ホワチャア)”!」
パーティ全員の攻撃力が上がった。
三井「“防御力増強呪文(イケガミ)”!」
パーティ全員の守備力が上がった。
三井「“日焼け呪文(マキ)”!」
パーティ全員の肌が少しだけ黒くなった。
「出やがった!」 「三井の三連続魔法だ!」 「3ポイントだァーっ!」
巨大亀「すいません、魔王様ぁ〜!」
魔王「忘れろ! すぐに三井につくんだ、これ以上好き勝手やらせるな!」
三井の呪文でパワーアップしたパーティは、一気に戦況を盛り返す。
これで形勢は分からなくなった。
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:09:11.40 ID:mNhclihR0
試合開始30分後──
勇者パーティと魔王軍の戦いは全くの互角であった。
赤木は力勝負に固執しないことで、ドラゴン相手に善戦。
流川は暗黒騎士と一進一退の攻防を続け、
桜木、宮城、木暮も、魔王、側近、スライム相手にどうにかふんばっていた。
だが──
三井「ぜぇ……ぜぇ……」フラッ
桜木「ミッチー、大丈夫か!?」
三井「バカヤロウ、俺を誰だと思っていやがる……!」
三井の体力と魔力が、限界に近づきつつあった。
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:09:43.13 ID:mNhclihR0
三井(チクショウ……! このカメのしつこいマークと魔法の連発で、
ずいぶんスタミナをロスしちまった……!)
巨大亀(くっくっくぅ〜、そろそろかなぁ〜!)
巨大亀「甲羅アタック!」シュルシュル
三井「!?」
ズガァッ!
巨大亀が高速回転しながら、三井にタックルをかました。
三井「が、は……っ!」
ドザァッ!
十数メートル吹き飛んだ三井に、もはや立ち上がる力は残っていなかった。
桜木「ミッチー!」
赤木「三井!」
木暮「三井!」
宮城「三井サン!」
流川「先輩……!」
巨大亀「やったぞぉ〜!」
魔王「フハハハハッ、よくやったっ!」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:10:35.21 ID:mNhclihR0
これで人数が五対六になり、勇者パーティは一気に不利になった。
木暮「みんな、なんとか頑張るんだ!」
魔王「フハハハハッ! この差は頑張りでどうなるものではないわぁっ!
一気に決めてしまえっ!」
スライム「えーいっ!」プルン
ドガァッ!
木暮「うわぁっ!」
側近「これで大がかりな魔法を唱える隙もできますね」
側近「我らに仇なす者たちの“平常心”と“判断力”を奪い取り……
“自信”と“攻撃意欲”を消失させたまえ……」
側近「“能力減退呪文(ゾーンプレス)”!」
ズオオオオ……
勇者パーティ全員の能力が下げられた。
スライム(出た、側近様の最強補助魔法! これで決まりだ!)
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:11:05.42 ID:mNhclihR0
ただでさえ人数で不利な上に、能力を下げられた勇者パーティ。
魔王軍がここぞばかりに猛攻をしかける。
暗黒騎士「側近様のゾーンプレスが、だいぶ効いているようだな……。
一気に動きにキレがなくなったぞ……?」
ザシュッ!
流川「ちいっ……!」
ガギィンッ! キィンッ!
エース対決は、ここで暗黒騎士が一歩リードした。
ドラゴン「これで終わりだっ!」
ゴォアアアッ!
ドラゴンが吐いた炎を、動きが鈍った赤木がまともに喰らってしまう。
赤木「ぐああああっ!」
魔法使いが倒れ、エースと大黒柱が抑えられては、もはや手のうちようがない。
木暮(ここまでか……!)
宮城(ちくしょう……!)
しかし、一人だけ諦めていない男がいた。
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:11:31.76 ID:mNhclihR0
桜木「ふん、だらしねぇぞオメーら……。
やはりこの勇者がやらなきゃならねーようだな!」
桜木は大きく深呼吸をすると、大声で叫ぶ。
桜木「マオーは俺が倒す!」
流川「どあほう」
ザワザワ…… ドヨドヨ……
「なに考えてんだアイツ」 「まだ諦めてねぇのかよ」 「すげぇ……!」
観客がどよめく。
桜木「どうだオメーら、これでもう勝つしかなくなったぜ」
魔王(コイツ、これだけの差を見せつけてもまだ気力があるというのか……。
ふははははっ! 面白いッ!)
グオッ!
魔王が桜木にトドメをくわえんと、一気に迫る。
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:12:02.84 ID:mNhclihR0
桜木「庶民スラッシュ!」
ザシュッ!
桜木「ゴール下スラッシュ!」
ズバッ!
桜木「アーンド頭突き!」
ゴツンッ!
魔王「が……っ!」ドサッ
桜木の三連撃を受けた魔王が、初めてダウンした。
ワアァァァァァッ!
観客が沸き上がった。
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:12:29.59 ID:mNhclihR0
側近「おのれぇっ! よくも魔王様を──!」
すると桜木はスライムを片手で掴むと、そのまま思いきり側近の頭にぶつけた。
ブチャッ!
スライム「うぎゃあっ……!」
側近「あぐぅ……!」
「スライムダンクだっ!」 「スライムダンクが決まったっ!」 「すげぇっ!」
ワアァァァァァッ!
ギャラリーの盛り上がりが最高潮に達する。
桜木「どうだキツネ! テメーなんぞ、この俺の足元にも及ばねーんだ!
オメーは一生そのヨロイ男とたわむれてろ! がーっはっはっは!」
流川「…………」ピクッ
暗黒騎士(ん、コイツの剣に力がこもった……!)
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:12:55.95 ID:mNhclihR0
桜木の奮闘に影響されてか、流川の動きが一気によくなる。
ガキィン! キィンッ! ガィンッ!
暗黒騎士(なにぃ!? ゾーンプレスで、能力が下がったハズなのに……!)
流川「俺は世界一の戦士になる、おまえを倒してな」
キィンッ! ギャィィンッ! ゴキィンッ!
暗黒騎士「人間如きが……!」
安西「…………!」ブルッ
安西(見てるか谷沢……おまえを超える逸材がここにいるのだ……。
それも二人同時にだ……)
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:13:46.96 ID:mNhclihR0
かつて、安西は桜木たちの前に谷沢という戦士を育てていた。
本来の予定では、安西は彼を勇者にするつもりだったのだ。
しかし、安西の厳しい指導に嫌気がさした谷沢は、
まだ基礎もできていないのに勝手に勇者を名乗ってパーティを作り、
魔王討伐に出発してしまった。
谷沢は才能と体格に恵まれ、装備も高級品だったため、
最初のうちは順調に勝利を重ねた。
しかし、他国から送られてきた谷沢の映像を水晶で見た安西は──
安西(まるで成長していない……)
安西(ちゃんと地道な修業をして、レベルアップしているのか?)
安西(パーティメンバーともうまくコミュニケートできてないようだ)
安西(そもそもこのパーティはなんだ!?
ろくに回復をしない僧侶、後先考えず大魔法をぶっ放す魔法使い、
剣の性能に頼りきりの戦士……まるでまとまっていない)
安西(これじゃ谷沢は魔王軍に殺される!)
安西は谷沢と連絡を取ろうと努力したが、谷沢はつかまらなかった。
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:14:28.92 ID:mNhclihR0
その後──
いつかの国王の言葉が、近頃よく頭に浮かびます。
「おまえのためにパーティがあるんじゃねぇ、パーティのためにおまえがいるんだ」
このパーティは誰もぼくを回復してくれません。
国王やみんなに迷惑をかけておきながら、今おめおめと帰るわけにはいきません。
いつかぼくの剣で魔王を倒せるまで頑張るつもりです。
勇気ある者──その名を名乗るだけで、ぼくは強くなれると思ってたのかなぁ……。
安西のもとに一通の手紙が届き──
谷沢は魔王軍どころか、魔王軍に恐れをなしたパーティメンバーの裏切りで
命を落としたという悲報が入った。
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:15:06.93 ID:mNhclihR0
試合に戻り──
赤木がドラゴンの巨体を持ち上げ、地面に叩きつけた。
ドグシャアッ!
ドラゴン「が……は……っ!」
ワアァァァァァッ!
「決まったぁーっ!」 「ドラゴンダンクだ!」 「ゴリ絶好調ーっ!」
魔王(くっ……!)
魔王(あの桜木のせいで、一気に勇者パーティが息を吹き返した……!
戦い方はシロート同然だが、さすがは勇者といったところか!)
魔王(仕方あるまい!)
魔王「ワシが宮城を倒すっ! 側近、巨大亀、スライムは三人がかりで
桜木をツブせっ!」
魔王「木暮とかいう僧侶は放っておいてかまわん!」
赤木「…………!」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:15:44.83 ID:mNhclihR0
魔王が宮城に襲いかかる。盗賊である宮城が勝てる相手ではない。
しかし、宮城も持ち前のスピードで粘る。
ブオンッ! ブウンッ!
魔王「おのれ、小僧がっ! ちょこまかと!」
宮城「へっ、当ててみやがれ!」ハァハァ
一方、三対一になった桜木は大ピンチだった。
側近「“針呪文(センドウ)”!」ビュビュビュッ
巨大亀「甲羅クラッシュ!」ドゴッ
スライム「とりゃあっ」プニュッ
桜木「この勇者に、よってたかって……!」グラッ
三人の幹部の猛攻で、桜木は瀕死になっていた。
だが──
赤木「木暮フリーだ、唱えろっ!」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:16:34.40 ID:mNhclihR0
木暮「“大回復呪文(フレーフレー)”」パァァ…
赤木「うおおおーっ!」
流川「お」
宮城「おっしゃあ!」
パーティ全員の体力が回復した。
魔王「な!?」
魔王(しまった──! あの僧侶、全体回復呪文など使えたのか!?
くそっ、真っ先に始末しておくべきだった!)
魔王(全体回復など、何度もできる呪文ではない……。
使うべきタイミングをずっと待っておったのか!)
魔王「ワシのミスだ……!」
魔王(アイツも僧侶として頑張ってきた男なんだ……。
侮ってはいけなかった……)
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:17:08.33 ID:mNhclihR0
三井「俺は……だれだ……?」フラッ
三井「“火炎呪文(ミッチャン)”……!」
ゴォアッ!
強烈な炎が、巨大亀にヒットした。
巨大亀「うわぁ〜っ! なんで三井が復活してるんだぁ〜!?
あの呪文で回復しきれるダメージじゃなかったはずだぁ〜!」
三井「おう、俺は三井……諦めの悪い男……」
巨大亀(コイツ、不死身かぁ〜?)ゾクッ
木暮の回復呪文で、ここにきて勇者パーティが一気に優位に立った。
──かに思われたが。
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:17:39.99 ID:mNhclihR0
ダウンしたままの桜木。
桜木「…………!」ハァハァ
回復呪文の直前に、桜木が集中攻撃で受けた傷は深かった。
赤木「大丈夫か!?」
宮城「花道!」
桜木(くっ、体が動かねぇ〜……せっかくメガネ君が回復してくれたってのに……!
ちくしょう、動けぇ……!)
木暮(マズイ……! 俺の少ない魔力じゃ、あの呪文を一発使ったら、
もう回復呪文は使えない──!)
流川「…………」
流川「もう立てないんなら、ジャマにならねーように寝てろ。
立てるんならさっさと立て」
桜木「────!」ブチッ
桜木「ざけんな、キツネ! この勇者がもう立てないワケがねーだろうが!」ガバッ
ワアァァァァァッ!
流川の激励(?)で、桜木も復活を果たした。
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:18:12.96 ID:mNhclihR0
スライム「落ち着こう。まだあわてるような場面じゃない」
スライム「あの僧侶の全体回復にはしてやられたけど、
アレであの僧侶はガス欠、魔法使いもフラフラのハズ。
こちらの数的有利は変わらない」
スライム「ここからが勝負だよっ!」
ドラゴン「おうっ!」
暗黒騎士「うむ」
巨大亀「了解ぃ〜!」
側近「分かりました」
魔王(よし、スライムのおかげで動揺は少なくて済んだ……。
もう互いに余力は少ない……おそらくあと数分で決着する!)
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:18:46.37 ID:mNhclihR0
赤木「木暮のおかげで、なんとか俺たちの首が繋がった……」
赤木「いいかみんな、全てを賭けてくれ……!」
赤木「ここからの数分間、全てを出し尽くすんだ!」
赤木「数分後、コートに立っているのは俺たちだっ!」
桜木「おうっ!」
流川「うす」
宮城「もちろん!」
三井「分かってるぜ!」
木暮(頼むみんな……! 頑張ってくれ……!)
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:19:25.78 ID:mNhclihR0
『試合再開です!』
ピピピ〜〜〜〜〜!
ワアァァァァァッ!
赤木&三井&宮城&流川&桜木「うらぁぁぁぁっ!!!」
先ほどまでのように、各自マッチアップするかと思いきや──
勇者パーティは一斉にスライムめがけて突撃した。
スライム「なに──!?」
ズガァンッ!
スライム「ぐわぁっ!」
五人分の突撃を喰らい、スライムは壁に激突し──
スライム「ま、魔王様……す、みま……」ガクッ
──動かなくなった。
魔王(ぬかったわ! コイツら、ワシらのチームプレーの要となっていた
スライムを真っ先にツブしに来るとは……!)
魔王「だが、こちらの方がまだ戦力は上だっ! かかれぇっ!」
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:19:58.09 ID:mNhclihR0
側近「“睡眠呪文(ジュギョウ)”!」
流川「む……」クラッ
流川「…………」スースー
側近「流川を眠らせました! 今です、暗黒騎士!」
暗黒騎士「……もらった!」ブオンッ
──ガキィンッ!
刃は受け止められた。
暗黒騎士「!?」
流川「何人たりとも俺の眠りを妨げるヤツは許さん」
ズシャアッ!
逆に、寝起きの流川の一閃が暗黒騎士を斬り裂いた。
暗黒騎士「ぐはぁ……っ!」ドサッ
側近(なんという誤算! あの戦士、眠った方が強かったのですか!?)
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:20:35.98 ID:mNhclihR0
三井「テメーの相手は俺だぜ!」
側近「む!?」
三井「“召喚呪文(チャージドタイムアウト)”!」
側近「“召喚呪文(チャージドタイムアウト)”!」
二人は同時に召喚呪文を唱えた。
三井は鉄男を、側近は彦一を召喚した。
召喚獣同士の戦いが幕を開ける。
バキィッ!
彦一「なんてパンチ力……要チェックや……」ドサッ
側近「私の召喚獣が……!」
鉄男「次はテメェだ! モップクラッシュ!」
ドゴォッ!
側近「ぐふっ……こ、こんな……!」ドサッ
鉄男のモップをまともに喰らい、ついに側近も崩れ落ちた。
鉄男「じゃあな、マジックマン」シュウウ…
三井「これで俺の魔力も……すっからかんだ……」ハァハァ
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:21:06.59 ID:mNhclihR0
宮城が走りまわり、巨大亀とドラゴンの注意を引く。
ダダダダダッ!
ドラゴン「なんてスピードだ! 目で追い切れんっ!」
巨大亀「くっ、くそぉ〜っ!」
宮城「今だ、ダンナ!」
赤木「おうっ!」ガシッ
巨大亀「うわぁ〜!?」
赤木は巨大亀を持ち上げると、空高く飛び上がり──
赤木(もうこの一撃で俺は倒れてもいい……やっと掴んだチャンスなんだ!)
赤木「ウホォォォッ!」
ズガドゴォンッ!
──巨大亀をドラゴンの脳天に叩きつけた。
巨大亀「こ、こんな……」ガクッ
ドラゴン「バカ、な……」ドサッ
「うおおおーっ!」 「過去最高のゴリラダーンクッ!」 「すげぇ〜っ!」
「一撃で二人倒した!」 「スゴすぎるっ!」 「ゴリラだぁ〜っ!」
安西(これだ……! 勇者パーティにあって魔王軍にない爆発力……!)
ワアァァァァァッ!
安西(しかし、残る魔王は本当に手強いですよ……)
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:21:42.59 ID:mNhclihR0
魔王(くぅぅ……! スライムをやられ、混乱していたところを各個撃破されたか……)
魔王(いや、そもそも木暮を先に倒しておけばこんな事態には──!)
魔王(部下たちの敗因はこのワシ……ワシの部下は最高の戦いをした!)
魔王(だが、ワシがおる以上、魔王軍は負けてはおらぬ!)
魔王「キサマらが部下を倒しているうちに、準備は整ったっ!
まとめて片付けてくれるわ!」
魔王「“即死呪文(テクニカルファウル)”!」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:22:34.40 ID:mNhclihR0
これは魔の瘴気を発生させ、敵全体を死に追いやるという呪文である。
たとえ死なずとも、大ダメージは免れない。
赤木「ぐぅぅ……っ!」ガクッ
三井「ぐああっ!」ガクッ
宮城「なんだこりゃ……!」ガクッ
木暮「なんて呪文だ……!」ガクッ
魔王「さすがに即死はせんか……。
だが、消耗した体でこの呪文を受けるのはキツかろう!
ふはははは……!」
魔王「さて……」チラッ
魔王「かろうじてワシと戦う力が残っているのは、キサマら二人だけか」
桜木「一人で十分だ!」ハァハァ
流川「オメーがいらん」ハァハァ
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:23:07.26 ID:mNhclihR0
桜木「庶民スラーッシュ!」
スポッ!
桜木の剣は疲労のためかすっぽ抜け、どこかへ飛んでいってしまった。
桜木「あああーっ!」ガーン
流川「どあほう」
魔王「これでワシと戦えるのは流川とやらだけ、か」
流川「…………」
だが、暗黒騎士と長時間打ち合った流川に、魔王を倒すほどの体力はなかった。
魔王「そんなヘトヘトで、ワシの相手になれると思うか!?」
ドゴォッ!
流川「ぐぅ……っ!」
魔王「ふははははははははははっ!
剣のない勇者に、体力の残っていない戦士……勝負は見えたな」ニヤッ
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:24:15.75 ID:mNhclihR0
ズガァッ!
魔王の拳によって、ダウンさせられる流川。
流川「ぐ……!」
魔王「ふははははっ!」
魔王「ワシはな、こうやってワシに挑んだきた愚か者どもが、
地面に転がっているのを見下すのが好きなのだ!」
流川「よくしゃべるヤツだ……」ハァハァ
ギィンッ!
魔王「無駄だっ! 今のキサマでは、ワシに傷一つつけることすらかなわん!」
流川「…………」ハァハァ
魔王「トドメだっ!」
グオァッ!
魔王の爪が、流川を引き裂く寸前──
流川「!」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:24:59.05 ID:mNhclihR0
桜木「左手はそえるだけ……」
流川が放り投げた剣が──
パシィッ!
──桜木の手に渡った。
ズシャアッ!
魔王の爪に引き裂かれる流川。胸から血を噴き出し、崩れ落ちる。
魔王(あの天上天下唯我独尊男が、パスを出すとは!)
桜木「…………!」チャキッ
魔王(だが、勇者に流川ほどの剣の腕はないハズ!)ギロッ
桜木「ルカワの剣なんて死んでも使いたくねえけどよ──」
桜木「やっと……ダンコたる決意ってのができたよ」チャキッ
魔王「終わりだ、勇者っ!」グオオッ
桜木は試合前の一週間で身につけた、あの技を思い返していた。
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:25:26.69 ID:mNhclihR0
ザンッ!
桜木「おおっ、できたぜ! オヤジ!」
安西「ほっほっほ、ついに会得しましたね」
安西「二万回、素振りをした成果がありましたね、桜木君。
コツは左手はそえるだけ、ですよ」
桜木「おうっ!」
桜木「さっそくこの技に名前をつけねーとな!」
桜木「えぇと、合宿で身につけたから──」
87 :
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[saga]:2021/06/24(木) 15:25:59.48 ID:mNhclihR0
魔王「ぬぅっ!?」
桜木「合宿スラッシュッ!!!」
ザ ン ッ
桜木の一撃が、魔王を一刀両断にした。
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:26:28.35 ID:mNhclihR0
魔王「し、信じられん……!」
魔王「この、ワシがやら、れるとは……」
魔王「だが……これで終わりではない、ぞ……」
魔王「いつか必ず……はいあがってみ、せる……」
魔王「負けた、ことがある……と、いうのが……いつか……必ず……」
魔王「おおき、な、財産に……な……る……」
魔王「ふは、はははは、ははっ! ……は、は……!」
ブワァァァ……!
不気味な笑い声を響かせ、魔王は消滅した。
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:26:56.12 ID:mNhclihR0
疲労困憊ながらも歩く桜木、重傷を負いながらも歩く流川。
歩み寄る二人。
桜木「…………」
流川「…………」
そして──
この日初めて、水と油の関係だった二人がハイタッチを交わした──
桜木「…………」プイッ
流川「…………」プイッ
90 :
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[saga]:2021/06/24(木) 15:27:24.58 ID:mNhclihR0
三井「あの二人が、やりやがった……」
宮城「花道……流川……!」
木暮「やった……! やったぞ……っ!」
桜木「メガネ君、これで人類の寿命が延びたな」
木暮「泣かすなよ……勇者のくせに」
赤木「…………!」グスッ
桜木「さぁ、整列だ」
赤木「おう……分かっとるわ!」
流川「ま、名前だけとはいえ勇者なんだから、あのくらいは……やんないと」
桜木「ンだと!?」ガルル…
91 :
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[saga]:2021/06/24(木) 15:27:58.54 ID:mNhclihR0
魔王を除いた11名が、コートの中央に整列する。
『ただいまの対決、勇者パーティの勝ちです!』
「あ(りがとうございま)したっ!」
勇者パーティの奮闘によって勇気づけられた人間たちの軍は──
その後の魔王軍残党との戦いでウソのようにボロ勝ちした。
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:28:37.44 ID:mNhclihR0
こうして魔王軍は魔界へと追いやられ、世界に平和が戻った。
勇者パーティの面々もそれぞれの道を歩み始めた。
宮城は盗賊から足を洗い、三井とともに気ままな旅に出た。
宮城「なんでついてくるんすか、三井サン」
三井「なんだよ、なんか文句あるか」
宮城「いや、別に……」
三井「俺は赤木や木暮みたいに、マジメにってのはどーも性に合わん」
宮城「じゃあ、二人で財宝探しでもしますか!」
三井「おもしれぇ!」
〜
赤木と木暮は湘北国にて、各々の技能を生かし働いている。
木暮「よう」
赤木「おう」
木暮「赤木、道場の方はどうだ?」
赤木「どいつもこいつも根性が足らん! 一年後には、何人残っているか分からんな」
木暮「ハハハ、少しは手加減してやれよ」
赤木「おまえも教会で授業をやってるんだろ? 頑張れよ」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:29:12.49 ID:mNhclihR0
勇者桜木はというと、魔王戦でのムリがたたり、リハビリ生活を送っていた。
桜木(うぬぬ、おのれルカワめ……!
どっかの戦士団にスカウトされたらしいが、この勇者の補欠に決まってる!)
安西「ほっほ、元気があり余っているようですね。
それでは、今日のリハビリはキツめにいきますか?」
桜木「おうよ!」
安西「それでは、久々に“アレ”になるとしましょうか……」ゴゴゴ…
桜木「アレ?」
安西「桜木、ダッシュ200本いってこい」ゴゴゴ…
桜木「えっ」
安西「分かったのか? 分からんのか?」ゴゴゴ…
桜木「わ、分かった!」
白髪鬼安西の地獄のリハビリによって、桜木もまもなく復帰することができた。
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/06/24(木) 15:30:04.30 ID:mNhclihR0
やがて──
桜木「ルカワ、てめえ! この勇者を差し置いてまた出しゃばりやがって!
悪党どもをほとんど一人で倒しやがって、個人プレイヤロウめ!」
流川「だれかがモタモタしてたからだろーが、どあほう」
桜木「なんだと!?」
流川「敗北者め」
ドガッ! バキッ! ドゴッ! ベキッ! バキッ!
「またやってるよあの二人」 「だれか止めろよ」 「だれが止められるんだよ……」
桜木と流川は湘北の戦士団に所属し、末永く国の平和と安全を守り続けたということだ。
〜おわり〜
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/06/24(木) 23:36:29.50 ID:6ngKKuNkO
谷沢パーティーの僧侶クズすぎて草
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/06/26(土) 03:16:48.70 ID:jz5FzLb9o
乙乙
面白かった
スラダン最高や!
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