このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】
- 703 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 20:49:45.59 ID:PKHgrFLn0
-
だけど、やっぱり摩美々さんの言っていた通りらしい。
そんなリスクは織り込み済み、だったようだ。
チョコ、雛菜、愛依さん……誰一人としてそのリスクを前にして震え上がるような素振りはなく、むしろ決意を新たにしたような面持ちだった。
智代子「いやはや……とうとうこの時が来ましたかって感じだね!」
雛菜「これで勝ったら雛菜たちも学園から出られるんでしょ〜? なら頑張るしかないよね〜〜〜!」
愛依「おっし、うち、なんか燃えてきた!」
摩美々「お、頼もしいじゃーん」
智代子「えへへ、摩美々ちゃんが地下に行ってからわたしたちも色々話してたんだ。この学園に来てからのこととか、外の世界のこととか」
雛菜「やっぱり、雛菜たちは外に出なきゃだめだよ〜。それが雛菜たちにみんなが託した願いでもあるんだしね〜」
愛依「それに、灯織ちゃんを守るためって思うとなんか勇気が湧いてくるし!」
灯織「皆さん……」
智代子「だから大丈夫! わたしたちの命がかかってるからって、変に気負わなくていいからね! 同じリスクを背負って一緒に戦う者同士、結束を高めて参りましょう!」
(すごいな、この学園で過ごすうちに、皆の表情もだいぶん様変わりした……)
(戸惑うばかりだった私たちも、今こうして武器をとれるようになった。これは成長といっても差し支えないんだろうか)
- 704 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 20:51:11.51 ID:PKHgrFLn0
-
雛菜「ね〜、それより〜」
灯織「……雛菜?」
雛菜「灯織ちゃん、なんだか臭いよ〜?」
灯織「えっ」
摩美々「ずっと地下にいたから匂いが染みついてるんじゃないー? ふふー、案外自分じゃ気が付かないものですしねー」
愛依「……摩美々ちゃん、言いにくいんだけど……摩美々ちゃんもちょっとだけ匂う……的な」
摩美々「えっ」
智代子「くんくん……ホントだ! 二人とも雨の中散歩した後のマメ丸やカトレアみたいな匂いがするよ!」
雛菜「この匂い雛菜好きじゃない〜〜〜……」
灯織「ご、ごめん……」
摩美々「……とりあえず、私たちはお風呂にでも入ろっか」
灯織「そうしましょうか……」
- 705 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 20:52:52.53 ID:PKHgrFLn0
- -------------------------------------------------
【灯織の部屋】
それから私たちはそれぞれの部屋に分かれ、ひとまず今晩はゆっくりと休むことにした。
明日はモノクマとの対決、どんな展開になるのかわからないし、きっと長丁場になる。
耐え忍ぶだけの体力はしっかりと回復させておかないとだめだろう。
……正直、怖い。
これまでの学級裁判だってずっと命はかけてきたし、合宿生活そのものだって殺されるリスクはあった。
でも、今回はそんな単純な生死のやりとりじゃない。
一度確定した結論をひっくり返し、そのうえですべての謎を解き明かすという難易度の高い要求が為されていて、その上に私たちの命がある。
私に本当にできるのだろうか、その自信があるかといわれると疑問符が浮かぶことは否定できない。
私は弱い人間だ。
もう引くことができないこの状況下で、まだ意志と覚悟とを固めることができないでいるんだから。
引っ張ってくださる皆さんにおんぶにだっこ。
以前摩美々さんは私のことをリーダーだと評してくれたけど、そこに自信が備わっているかといわれると不安はある。
____だから、もう少しだけ私には助けが必要だ。
私は自分の部屋の引き出し、そこにしまい込んでいた“それ”を取り出して、ある場所へと向かった。
- 706 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 20:54:51.49 ID:PKHgrFLn0
- __
____
_______
「……よし、誰もいない」
別に見つかってもよかったのだけど、この期に及んでまだこれに頼るのかと思われると少しだけこっぱずかしい。
道中誰にも出会わなかったのは幸運かな。
音をたてないように扉を閉めて、ゆっくりと近くの席に腰かけて、そのディスプレイの電源をつけた。
真っ暗な部屋に青白い光が仄かに浮かび上がる。
私がやってきたのは【視聴覚室】。
小糸の事件が起きるきっかけとなった動機ビデオ、それを見たのはこの部屋だった。
ほかには甜花さんの用意したゲームをあのモニターにつないで、ゲーム大会なんかもやったんだったっけ。摩美々さんに勝ったのは我ながら驚いたな。
もうそれも、少し前の記憶。この学園で過ごした時間もかなりになるのが物悲しく感じられてしまう。
そんな悲嘆を押し込むように、DVDプレーヤーに自室から持ち込んだものを読み込ませた。
少しばかりの機械音とともに装置は作動し、画面上にもぷつりぷつりと波が生まれだす。
そして、それは始まった。
- 707 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 20:55:59.18 ID:PKHgrFLn0
-
『大人気のアイドルユニット、イルミネーションスターズ。かわいらしく、華やかな彼女たちにはアイドルのステージが本当によく似合いますね』
画面上に浮かび上がるのは、私たち。
真乃とめぐると私、もう二度と揃うことのない私たちがステップを刻み、必死に歌っている。
そう、これは【動機ビデオ】だ。
私たちのパフォーマンスの映像ののち、プロデューサーの身に危険が迫る映像が流れ、私たちの動揺を誘ったあの映像。
実際この映像の真偽はいまだにわかっていない。
ここに流れている出来事を前にすると心がざわつくことは否定できないけど、今私がここで映像を見ている理由は、そこじゃない。
私は必死に耳を澄ました。
モノクマの悪趣味なナレーションを他所において、その向こうに聞こえる私たちの歌声に耳を澄ませる。
それは確かな厚みと存在感があって、ナレーションを上乗せしたところで打ち消せるようなものじゃない。
真乃とめぐるの確かな“命”がそこに存在している。
- 708 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 20:57:19.94 ID:PKHgrFLn0
-
≪ひらひら 織り重ねている
頭の中 今日までのキセキを
ふわふわ 舞い上がってゆく
幸せが溢れてしまいそう≫
今となっては随分と昔に感じられる、レッスンの日々。
ずっと隣で聞いてきて、自分の声を重ね合わせて作り上げてきたその全てが鮮明に呼び起こされる。
努力に葛藤、そして歓喜。共に過ごしたどの時間も他に代えがたい大切な宝物だ。
……でも、私はその感傷に浸るために来たわけではない。
≪ひとつのココロは些細なことで
潰されそうにもなるけど
重ね合わせれば 強くなれる そう教えてくれた≫
私はやっぱり弱い人間だ。
一人でモノクマに立ち向かう勇気なんて全く持っていないし、いざそうなっても膝はガクガクで体の震えも止まらないだろう。
今だって、逃げ出したい思いを必死に抑え込んでいる。
- 709 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 20:58:28.11 ID:PKHgrFLn0
-
≪大丈夫 泣いたりしないよもう
ちゃんと胸に 刻まれてる
あなたの優しい笑顔≫
それでも、折れたりなんかしない。
絶望がどれほど押し寄せようとも、不安がのしかかってこようとも、私たちには絆がある。
お互いを信じて、背中を託せる仲間がいる。私たちに思いを託してくれた仲間がいる。
……だから、戦える。戦わなきゃ、いけないんだ。
≪奏でるよ 私が 貰ってきた
輝きのハーモニー
ほら スマイルシンフォニア≫
「……真乃、めぐる。ありがとう」
最後まで聞き遂げた私はプレーヤーの電源を落として、部屋を後にした。
本当は、もっとずっと見ていたいし、聞いていたい。思い出の中の記憶に浸っていたい。
でも、二人はそんなことを望んでいないはずだ。
夜空を彩る星が二晩として同じ位置に出ることがないように、私たちの行く道に停滞はない。
星座ごと、夜空ごと、ゆっくりとでも着実に進んでいかなくちゃいけないんだ。
_____最高の輝きは、その行きつく先でこそ生まれる。
- 710 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:01:00.95 ID:PKHgrFLn0
-
___
_____
_______
【灯織の部屋】
キーンコーンカーンコーン……
モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ〜!』
モノクマ『今日、ついにオマエラとの共同生活も終わる……クックックッ、今日の晩酌が勝利の美酒になるか、敗北の苦汁になるか……ボクもドキがムネムネだよね!』
……ついに最後の朝が来た。
それは間違っても最期ではなく、【最後】。この学園で過ごす上での最後の朝だ。
昨晩は不思議とよく眠れた。寝る前に二人を見たからか自然と心臓の鼓動も穏やかで、むしろ落ち着いてすらいた。
やっと終わらせられるという安堵感のほうが強かったのかもしれない。
「……よし」
鏡の前で身だしなみを整え、大きく息をついた。鏡に映る私は顔色も悪くない、体調は万全みたいだ。
- 711 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:02:29.94 ID:PKHgrFLn0
-
ただ、少しばかり表情は硬い。
眉はセメントで固まったのかと思うぐらいに動かず、口元はへの字のアーチがかかっている。
「……これじゃだめだよね」
両の指で口元を吊り上げた。
無理やりに押し上げられた頬はニィっと不器用な微笑みになって、それが自分でも少し滑稽で思わず吹き出してしまった。
「……大丈夫、落ち着いていこう」
信じるべきものを信じて、疑うべきものを疑うだけ。
ちょっとばかり疑うことは苦手だけど、それを補ってくれる“仲間”だっている。
この合宿生活で犠牲になった皆さんの遺志を継ぐためにも立ち向かわないといけない。
その遺志をダイレクトに受け取り、前に進む覚悟を決めた“仲間”だっている。
学園の謎に迫ることで、不安や緊張にかられる場面だってあるかもしれないけど、逃げたりしない。
いつだって皆を気遣って精神の支えになってくれる“仲間”だっている。
協力して謎に挑めば、解けない謎なんてない。
私たちのことを認めてくれて、全幅の信頼を寄せてくれた、そんな勇気ある選択をしてくれた“仲間”だっている。
そんな仲間たちと挑む、いつも通りの戦いだ。何も身構えることはない。
「行こう……!!」
最後に鏡で確認した私の表情は、ほぐれていたと思う。
- 712 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:04:04.96 ID:PKHgrFLn0
- -------------------------------------------------
【食堂】
摩美々「さて、裁判に備えて作戦をしっかりと固めておこうかー。今回の目的は二つ、灯織の無実の証明と学園の謎の解明だよー」
智代子「だったらめぐるちゃんの事件を改めて調べる必要があるよね?」
雛菜「でももう死体も全部片づけられちゃってるよね〜?」
摩美々「だから別の方向性で捜査をしていくしかないねー。例えば円香の部屋を調べるとか、そういうのでー」
灯織「可能性はわずかでも拾い集めなくちゃいけませんしね……」
愛依「学園の謎はどーすんの? これまでにも結構学園自体は調べてきたけどあんま手掛かりはなかったよね?」
摩美々「うーん……一応まだ未解禁なエリアはいくつかあったと思うケド……」
モノクマ「はいよ! もちろん解放してあげますよ!」
灯織「モノクマ……!!」
智代子「相変わらず突然だね……」
モノクマ「せっかく最終決戦をやるならフェアにいかないとね。お互い全力を尽くした勝負だからこそ、カタストロフィってあるわけじゃん?」
愛依「肩ローストロフィー……?」
モノクマ「だから情報の出し惜しみはしないよ! この学園の謎を最後まで解き明かしてもらうため、それに必要なものは全て調べられるようにしてあげます!」
雛菜「ってなると〜、寄宿舎エリアの2Fが開くの〜?」
灯織「あとこの学園で調べてないのはそれぐらいだよね……」
- 713 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:05:30.11 ID:PKHgrFLn0
-
モノクマ「チッチッチッ、それだけではございませんよ!」
摩美々「えー? でもこの学園って5階建てって話でしょー? もう階段もなかったし、ほかにどこを調べるっていうのー?」
モノクマ「その認識が間違ってるんでございますな! この学園は確かに地上5階建てですが……地下はまだまだあるんですぞ!」
灯織「え!? 裁判場だけじゃないんですか?!」
モノクマ「そういうわけでございますな!」
雛菜「え〜? でも地下に行く階段なんかないよ〜?」
(そうだ……地上にある階段は上に上るもののみ……地下階になんかどうやって行けば……)
モノクマ「ま、それは各々頭を働かせてよね! さすがにそこまでは面倒見切れないからさ!」
摩美々「えー……なにソレ、ケチくさー……」
灯織「……となると、当面の方針としては寄宿舎エリアの二階、学校エリア地下階の捜索……ですか?」
摩美々「だねー、特に地下階はこれまでに情報がないから見つけたらすぐに共有するコトー」
智代子「承知しました!」
モノクマ「ま、せいぜい頑張ってチョーダイ! ボクはオマエラをおしおきするための準備を進めておくからさ!」
モノクマはそう言い残すと姿を消した。最後に脅しを入れたつもりだろうか、おしおきなんて文言をわざわざ持ち出して。
ただそれに怯むはずもなく、私たちはお互いの目を見合わせて深くうなずいた。
- 714 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:06:48.88 ID:PKHgrFLn0
-
摩美々「……これが正真正銘最後の戦いになるから、出し惜しみなんかしたら承知しないからねー」
雛菜「は〜い! 全力で行きま〜す!」
智代子「あはは、なんだか雛菜ちゃんが言うと気が抜けちゃうかな」
灯織「ふふっ、でもそれぐらいリラックスしてやったほうがいいかも。変に肩の力を入れると、逆に視野が狭くなっちゃうかも」
愛依「あっ、それ急がば回れってやつ?!」
摩美々「多分違うと思うー……」
灯織「……皆さん、頑張りましょう。絶対に……生きて帰りましょうね」
さあ、ここからが正念場だ。
泣いても笑っても……いや、生きても死んでも、これが最後。
ありとあらゆる可能性を拾い集め、どんなに小さな疑問であってもそれを昇華する。
この学園にあるすべてのものを検討し尽くした果てに残るもの。
_____それが私たちに残された道、黒幕の首筋に突き付けられる唯一の武器になるはずだから……!
- 715 :導入が長かった……ここから安価になります ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:08:32.85 ID:PKHgrFLn0
- -------------------------------------------------
【捜査開始】
今回は捜査の労力もいつも以上だ。
すぐに私たちは個人で別れてそれぞれ別に調査することになった。
そうでもしないとこの学園のすべてを調べ尽くすのは困難だろう。
「ただし、危険を感じた場合はすぐにほかの人の助けを求めるコトー」
摩美々さんはそれだけ釘を刺していた。
もし、万が一ということがあれば私も他の皆さんを頼ることにしよう。
……さて、ひとまずは【寄宿舎エリアの2F】の捜査に、【学校エリア地下階】の捜索をしないとだよね。
寄宿舎エリアの2Fは今すぐにでも調べに行ける。
食堂からも近いし、これまでに一度も踏み入れてない場所。
地下階に関しては特に今のところ手掛かりはないから……とにかく調べ回らなきゃいけない、かな?
でも、地下に行けそうな場所って言うと一つぐらいしか思いつかないような……
-------------------------------------------------
☆最終章における捜査パートについて
最終章は非日常編から開始いたしますが、
新しい調査エリアに踏み込むたびに行動指定安価でコンマ判定を行い、
末尾と同じ枚数のモノクマメダルを手に入れることができます。
自由行動がないのにメダルだけ手に入れても意味がない?
……ん?それでは前回の裁判で手に入れたメダルの使い道がないのでは?
ご安心を、前回の裁判同様開始前に購買パートを挟む予定です。
購買パートで各種裁判を有利に働かせるアイテムを購入することもできますし、
前回習得した八宮さんのスキル【アップ・トゥ・ユー】でもメダルは使うことができます。
メダルの持ち腐れなんてことはございません、じゃんじゃん集めてくださいませ。
-------------------------------------------------
1.寄宿舎エリア2F
2.エレベーターホール
↓1
- 716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/09/30(木) 21:09:27.38 ID:1UTcyhAT0
- エレベーターホール
- 717 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:12:32.64 ID:PKHgrFLn0
- 【コンマ判定 38】
【モノクマメダル8枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル…51枚】
-------------------------------------------------
【エレベーターホール】
愛依「あっ、灯織ちゃん! お疲れ〜!」
灯織「愛依さん……もしかして、地下階に行く方法を探して?」
愛依「せーかい! 学校の地下に行くと言ったら、やっぱりここしかないと思ってさ! でもショージキ全然手掛かりもなくて困ってたんだよね……」
灯織「……ぱっと見では何もなさそうですね」
愛依「でしょ? なんか謎解きとかならうちは割とお手上げだしさぁ……」
灯織「まあまあ、ここはひとつ諦めずに調査を続けてみましょう。案外発見があるかもしれませんよ」
普段は閉まっている空間ということもあり、私たちが日常生活で偶然に地下階に行ってしまうこともない。
黒幕が存在を隠すならこの上なくうってつけの場所だ。
でも、エレベーター自体は裁判場に行く機能しか私の知る限りでは存在しない。
……ほかに、なにか方法が?
もう一度この部屋を隅々まで調べてみよう……何か新しい手掛かりがあるかもしれない!
1.観葉植物を調べる
2.エレベーターのパネルを調べる
3.置物を調べる
↓1
- 718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/09/30(木) 21:14:54.87 ID:FI0JBYoK0
- 2
- 719 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:20:49.37 ID:PKHgrFLn0
- 2 選択
-------------------------------------------------
【エレベーターパネル】
壁に取り付けられたこのボタンを押せば、すぐに扉が開いて裁判場への道が開ける。
でも逆に、それ以外の用途は見えないように思えるけど……?
愛依「……あれ? 灯織ちゃん、こんなところにタッチパネルなんかあったっけ?」
愛依さんの指さした先、そこには彼女言うとおり見覚えのないパネルが鎮座していた。
私たちがこれまで見てきたパネルがスライドしてその下にあったパネルが姿を現しているらしかった。
灯織「モノクマなりの譲歩ということでしょうか……私たちが地下階を見つけやすくなるようにした、とか」
愛依「せっかくならもう直接行けるようにしてくれたら早かった系なんだけど……」
灯織「それはそうですね……」
どうやらこのパネルはパスワード入力式らしい。
今の私たちの状況を見るに、差し詰め『地下に行きたいならこのパスワード』を解いてみろってところかな。
そっちがそのつもりなら私たちだって引くつもりはない。
この程度のパスワード、すぐに解いて地下への道をすぐに暴き出してやる!
-------------------------------------------------
☆学校エリア地下階について
学校エリア地下階に行くためにはパネルにパスワードを入力する必要があります。
パスワードは数字四桁、このエリア内にそれを特定する手掛かりが隠されております。
簡単な謎解き、ショートショート脱出ゲームのようなものとお考え下さい。
学校の謎という真実を解き明かす前に、このささやかな真実を明らかにしてウォーミングアップと参りましょう!
-------------------------------------------------
【謎解きパート開始】
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる
3.置物を調べる
4.愛依に相談する(ヒント)
↓1
- 720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/30(木) 21:24:45.11 ID:b8DDtyV00
- 1
- 721 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:27:33.89 ID:PKHgrFLn0
- ※パスワード入力を安価指定する際には合わせて四桁の数字も記載する形でよろしくおねがいします
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる
3.置物を調べる
4.愛依に相談する(ヒント)
再安価↓1
- 722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/30(木) 21:29:26.31 ID:b8DDtyV00
- 2
- 723 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:31:53.05 ID:PKHgrFLn0
- 2 指定
-------------------------------------------------
【観葉植物】
部屋に置かれたあまり見なれない観葉植物だ……。
葉っぱには極細い産毛のようなものが立っていてなんとも薄気味悪い。
あまりこれまで触れてこなかったけど、なにか手掛かりがあるのかも……
愛依「もしかして、その植木鉢を調べる感じ?」
灯織「ええ……もしかすると、なにかあるかもしれませんし……」
愛依「オッケー! それじゃあうち、こっち側持ち上げるわ!」
灯織「ありがとうございます、それじゃあいっせーのーでで行きましょう……いっせーのーで!」
思い切ってその鉢を持ち上げてみると……あった。
これは……暗号だろうか?
『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』
灯織「不規則な文字の並び方ですね……」
愛依「んー……なんか意味ありげなスペース、ここが区切りってことなんかな?」
灯織「となると、四つのブロックに分かれていることになりますね」
愛依「4……4……四文字熟語?!」
灯織「そもそも漢字じゃないですね……」
愛依「ありゃりゃ、そりゃそうか……」
でも、重要なキーワードであることは間違いないはず。
しっかりと覚えておいたほうがよさそう。
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる
4.愛依に相談する(ヒント)
↓1
- 724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/30(木) 21:32:36.05 ID:b8DDtyV00
- 3
- 725 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:34:36.27 ID:PKHgrFLn0
- 3 選択
-------------------------------------------------
【置物】
どこまでも自分のことが好きなんだなと思わずため息が出る。
これ見よがしに置かれたモノクマの銅像は気色の悪いセクシーポーズを決めている。
しかたない、これも捜査のためだ……
自分にそう言い聞かせて四方八方から見つめると……銅像の碑文に見せかけたプレートが実はそうではないことを発見した。
これはきっと……地下階に向かうために必要な手がかりだ。
『問26 8×3 余りは切り捨て』
灯織「これは算数の計算式……でしょうか……」
愛依「あちゃー……うち数学とか苦手だなぁ……」
灯織「愛依さん、落ち着いてください。数学じゃなくて算数です、できないと困るレベルの問題ですよ」
愛依「ホントだ! うち、これならわかるよ! 答えは24! ……ってあれ? 余り……?」
灯織「……どういうことなんでしょうか、掛け算に余りなんか生じないはずですが」
愛依「それに、問26って何? うちら、そんなに問題解いてきたっけ?」
……こうなったら、これは算数としてみない方がいいのかも?
何か別のメッセージでもあるのかな……?
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)
↓1
- 726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/09/30(木) 21:35:16.43 ID:FI0JBYoKo
- 4
- 727 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:39:19.12 ID:PKHgrFLn0
- 4 選択
灯織「愛依さん、どうでしょう……地下に行くためのパスワード、わかりますか?」
愛依「うーん……現状はサッパリかなぁ……観葉植物と置物、これ以外に調べるものは特にないし、【材料はそろってる】系だと思うんだけど……」
(愛依さんの言うとおり、この部屋でほかに目につくものはない)
『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』
『問26 8×3 余りは切り捨て』
(この二つでパスワード自体は導き出せるんだろう……)
愛依「でも、この暗号意味わかんないんだよね……よく家族で見るクイズ番組だと、問題文を別の見方すると新しい意味になる……とかありがちなんだけどね」
(別の見方……)
(算数の問題……これって本当に問題なのかな……)
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)
↓1
- 728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/09/30(木) 21:43:59.72 ID:1UTcyhAT0
- 4
- 729 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 21:48:46.80 ID:PKHgrFLn0
- 4 選択
愛依「ねえ、灯織ちゃん? ここまでで算数の問題なんか解いたことってあった系?」
灯織「い、いえ……特に身に覚えはないですが……」
愛依「じゃあ、なんでこの問題【26問目】なんだろう……ほかに問題なんかないのに……」
(26問目……そう、それが妙なんだよね……)
(1問目や2問目じゃダメだったのかな……? なにか26という数字に意味があるんだろうか……?)
(身近にある、26という数字から考えてみるのがいいかも……)
愛依「てか、8×3のケーサンも割と答えは26に近いよね」
灯織「……確かにそうですね、24ですからその差は2……」
(もしかして、余りって……?)
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)
↓1
- 730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/09/30(木) 21:54:18.05 ID:1UTcyhAT0
- 4
- 731 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/09/30(木) 22:02:03.61 ID:PKHgrFLn0
-
申し訳ない、突然の電話がかかってきて応対しているうちに10時になってしまいました……
大変区切りの悪いところで申し訳ないのですが一時中断いたします。
明日21:00〜よりまた再開予定です、すみません……!
- 732 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 20:55:01.65 ID:/fY6YMbW0
- 昨日は申し訳ありませんでした、謎解きの最中に電話が来るとは思わず……
愛依のヒントより再開しますが、一日経ちましたしもう皆さん答えは分かったかもしれませんね。
-------------------------------------------------
4 選択
愛依「あっ!うち、分かったかも……26って、アルファベットの総数と全く同じなんじゃん?!」
灯織「Aから数えてZまで……確かに全部合わせると26ですね」
愛依「問26って、アルファベットを使う問ってことなんだ!」
(アルファベットを使う問……!)
灯織「それと先ほども話したような、8×3に対する考察を含めると……」
愛依「アルファベットの総数との差は2……これが余りなんだとしたら、最後の二個を切り捨てる……的な?」
灯織「アルファベットの順序で言えば、YとZ、ですかね……?」
愛依「YとZ……YとZ……あれ?! よくみたらこっちの暗号にもYとZが出てきてないよ?!」
『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』
灯織「……どうやらここまでの推理は間違っていないようですね……!」
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)
↓1
- 733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 21:03:12.10 ID:unkD6adb0
- 4
- 734 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:10:42.36 ID:/fY6YMbW0
- 4 選択
灯織「……8×3、これが計算式でないのは薄々感じていましたが……」
愛依「列と行にしろってことだったんだ……!」
AIQ
BJR
CKS
DLT
EMU
FNV
GOW
HPX
愛依「うーん、でもこれじゃまだよくわかんないよね……」
灯織「愛依さん、算数の基本です! 掛け算は左右を入れ替えても問題ない、ですよね!」
愛依「そっか……!」
AB CD EF GH
IJ KL MN OP
QR ST UV WX
愛依「あ、こっちのほうが……なんか、見えてきそう……!」
灯織「アルファベットを8×3(3×8)に整列させて、あまりのYとZはないものとして考える……プレートのメッセージはそれを指していたんです!」
愛依「てなると……あとは、あの暗号だけだね!」
『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(ヒント)
↓1
- 735 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:31:01.50 ID:/fY6YMbW0
- 30分が来たので一部修正
ヒントとしてもさっきのが出せるのは最後になるかなといった形なので
4を自動進行にして再安価
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(自動進行)
↓1
- 736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 21:34:09.17 ID:unkD6adb0
- 1.パスワードを入力する【1234】
- 737 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:36:02.45 ID:/fY6YMbW0
- 1 選択
【1234】
灯織「とりあえず入れてみましたが……」
ブブー!
灯織「さすがに違いますね……」
愛依「まぁこれで通ったらセキュリティがガバいって感じだよね……」
(うーん……あと少しまで、出かかってるんだけどな……)
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(自動進行)
↓1
- 738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 21:42:19.90 ID:unkD6adb0
- 1.パスワードを入力する【1331】
- 739 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:44:27.87 ID:/fY6YMbW0
- 1 選択
【1331】
ブブー!
灯織「これも違うみたいですね……」
愛依「うーん、さっきの暗号をやっぱ読み解かなきゃいけない系だよね……?」
灯織「8×3で作った表、あれにも意味があるはずなんですが……」
-------------------------------------------------
1.パスワードを入力する【数字4桁】
2.観葉植物を調べる(済)
3.置物を調べる(済)
4.愛依に相談する(自動進行)
↓1
- 740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 21:45:30.05 ID:ahL0JSiRO
- パスワードを入力する 0816
- 741 :ヒントなし版のテキストになるので一部かぶります、ご容赦ください ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:47:01.22 ID:/fY6YMbW0
- 1 選択
『0816』
ピピッ
よかった、正解みたいだ。
なんとか導き出したパスワードを入力するとその液晶は緑色に光り、部屋のそこら中から駆動音が聞こえてくる。
これでようやっと、この学園最後のエリア・地下階に行けるようになる……!
愛依「灯織ちゃんスゴ! なんでパスワードわかったん?!」
灯織「いえ、そう難しいものではありませんでしたよ。あの算数の問題を、別の形のものだと捉えなおすとすぐに結論にたどり着けました」
愛依「算数の問題を……?」
灯織「3×8の計算式。あれは計算式ではなく、集合の形式を現していたんです」
愛依「シューゴー……?」
灯織「……ほかのところから説明いたしますね。問26、あれは問題番号が26なのではなく、『26』という数字がまつわる問いだという意味なんです。身近なもので26というと何か思いつきませんか?」
愛依「んー……?」
灯織「……アルファベットです。AからZまでその総数は26。これを3×8の形式で並べなおします」
愛依「……あっ! 余り2ってそっから?! 26個のものを3×8で並べなおすから!」
(よかった、なんとかついてきてくださっているようだ)
『アルファベットは26個存在しているが、これを無理やり3×8で並べなおす。その時発生する末尾のあまり2個の文字、YとZは【切り捨て】=【なかったもの】とする』
灯織「この規則に従って並べなおすとこのようになります」
AB CD EF GH
IJ KL ML OP
QR ST UV WX
愛依「……あれ、この並びって!」
灯織「そうです、ちょうど四分割すると、それぞれのブロックと重なるような並びになって植木鉢下の暗号と合致するんです。あとはあの暗号の通りにアルファベットをなぞっていくと……」
『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』
愛依「……あっ、『0816』!」
灯織「そう、ちょうどその軌跡が数字を現すことになるんです。デジタル時計と同じ要領ですね。それに従ってパスワードを入力すれば、無事解決といったところです」
愛依「は〜……すっご、よく考えつくわ」
灯織「そんな……大したことないですよ」
- 742 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:48:05.91 ID:/fY6YMbW0
-
べた褒めする愛依さんを前に謙遜していた、その時だった。
ついに準備が整ったらしく、地下階への入り口が開かれた。
……想定外の形で。
ドッカーーーーーーーン!!
愛依「え、えええええ?! か、壁が崩れ落ちたんだけど?!」
灯織「み、見てください愛依さん! あそこ、階段が見えます……下に下る階段が!」
てっきりエレベーターの行く先に地下階が追加されるものだとばかり思っていたけど、当てが外れた。
いや、モノクマならこういう意味のない裏の掻き方をしてくるものだとわかっていたのに。
すっかり騙されてしまったことが少し腹立たしい。
愛依「うち、みんなを呼んでくるね! 地下に行く階段が見つかったって!」
灯織「あっ、愛依さん……行っちゃった」
愛依さん、すっかり張り切って……制止する間もなく行ってしまった。
まだ崩れ落ちたばかりの壁からは砂煙が舞い上がっている。
……でも、私も愛依さんほどではないがどこか体が舞い上がっているようで落ち着かない。
この砂煙が収まるまで、なんて待っていられないのだ。
「……よし」
私ははやる気持ちを抑えることも知らず、そのままその中へ飛び込んでいった。
- 743 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:49:26.38 ID:/fY6YMbW0
- -------------------------------------------------
【学園地下階】
突如として現れた階段を下っていくと、ついにこの学園の最後のエリア・地下階にたどり着いた。
学園の地上階は一応は学園としての体裁を守ってはいた。
教室然とした教室に、実際学校といえばで名前の挙がる専門教室の数々。
希望ヶ峰学園という高次元の尺度でそれらが再現されていた。
……にも拘らず、地下階はそれらを鼻で笑うような。
「……なに、これは」
形容するなら研究所とでも言おうか。
あの目にどぎつい発色の電灯は廊下にも点灯していない、白を基調とした清潔感すら漂う内装。
それでいてどこかゴージャスな雰囲気もある装飾が為されている。正直地上とはまるで同じ建物とは思えない、こちら側が黒幕の趣味ということなのだろうか。
そんなこれまでにない雰囲気に気圧されながら、私は地下階の探索を開始した。
さて、どこから調べようか……
-------------------------------------------------
1.中央制御室
2.モノクマプライベートルーム
3.おしおきメンテナンスルーム
4.トレーニングルーム
5.技術開発室
↓1
- 744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 21:49:47.25 ID:ahL0JSiRO
- 1
- 745 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:52:50.87 ID:/fY6YMbW0
-
【コンマ判定25】
【モノクマメダル5枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…56枚】
-------------------------------------------------
【中央制御室】
地下階の文字通り中央に構えているのがこの大きな部屋。
円柱状のその間取りをはじめ理解しがたかったが、実際に足を踏み入れてみると即座にその意味を理解する。
この部屋は、学園の中枢なのだ。
私が十人以上縦に並んでも足りないだろう巨大な発電機が堂々と鎮座し、そこから枝分かれするような無数のケーブルが壁に接続している。
この学園の設備ははっきり言って規格外だ。
高校、大学、研究施設……そんなどころの話ではない、下手すれば一自治体レベルの電力が必要になるやもしれない。
それをこの発電機一つで賄っているんだろう。
モノクマ「どう? すごいでしょ、これがこの学園の心臓……中央制御室だよ!」
灯織「……やっぱりそうなんですね、この学園の設備はすべてここで?」
モノクマ「うん! 原動力となる電力はこいつが生み出してるし、ここから機械も制御できるよ? 試しに空気清浄機を暴走させて学園を真空にしてみようか?」
灯織「や、やめてください!」
(……まったく、油断も隙もありゃしない)
ひとまずこの学園にいるうちはこの部屋で暴れたりはしない方がよさそう。
巨大な発電機からは一度離れて、周囲を調べることにした。
- 746 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:55:15.93 ID:/fY6YMbW0
- -------------------------------------------------
【ジェネレーター】
部屋には中央の発電機から直接電力を引いている機械が置いてある。
これまた規格外のサイズ……だけど操作するモニターはかなり小さなものだ。触っては見たけど反応はない。
何かライセンス的なものが必要みたい。
「……あれ?」
操作はできないものの、ある程度いじることはできる。
手の届くところには透明なフィルター、その取っ手を引くとすんなりと開き……見覚えのあるそれが姿を現した。
これは……【思い出しライト】だ。
私たちがこの学園に踏み入る際にモノクマに奪われていた希望ヶ峰学園と第78期生の記憶。
それを取り戻すきっかけになった機械なんだけど、なぜこんなところに?
モノクマはここからこのライトを持ち出したのだろうか、と改めて機械を観察すると操作盤とは別にまたモニターを見つけた。
しかもこっちは点灯していて、何か文字を読むことができる。
『LOG:希望ヶ峰学園 78期生』
……これって?
コトダマゲット!【思い出しライト】
〔照射した相手の記憶を呼び起こす不思議なライト。中央制御室の一角に落ちており、その近くの装置のモニターには『LOG:希望ヶ峰学園 78期生』とあった〕
- 747 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:57:09.94 ID:/fY6YMbW0
- -------------------------------------------------
【マザーコンピューター】
正直なところ、触れるか触れまいかずっと悩んでいたんだけど……
この部屋には明らかに異質なものがもう一つ。
それはなんなら超巨大発電機よりも存在感を放っていて……今にもこちらに話しかけてほしそうに視線を寄せているのだ。
『巨大なモノクマの頭部』、そうとしか形容のできない物体がコードに繋がれている。
『おーい! いい加減ボクにもかまってよ! ここに人が来るなんてめったにないんだしさ、お話の相手ぐらい……ねえ、いいでしょ?! ウサギとモノクマは寂しいと死んじゃうんだよ?!』
灯織「うさぎが孤独だと死ぬなんてデマカセですよ……ただ病気が他の動物に比べてわかりづらいから飼い主が放っておくと死んでしまうケースが多くて、そこから誤解されたそうです」
『おっ! やっとこっち向いてくれたね! お話、お話ししようよ!』
(……しまった、ついマメ知識を披露してしまった……)
(まあ、いいか……どうせこれも調べる予定ではあったんだし)
灯織「……雑談の相手をしている暇はありません、我々の調査に協力していただけるなら少しの間聞き取りということで応じることはできますが」
『チェー、なんだか事務的だなぁ……風野さんって、情報通りの人なんだねー』
灯織「……情報?」
(今、何か気になることをこぼしたような……)
- 748 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 21:59:26.68 ID:/fY6YMbW0
-
(というか、このモノクマ……なんだか様子がおかしい、私たちが普段接するモノクマとまるで人格が違うような……そこまで不快感のない人懐っこさがあるというか……)
『うん、ボクはオマエラコロシアイ合宿生活の参加者全員のデータはインプットされてるけど、逆に言えばデータでしかオマエラのことを知らないんだ』
灯織「……あなたは黒幕とはまた別の存在、ということですか?」
『うーん……まあ、そういうことになるのかな? いや、でも黒幕って言えば黒幕なのかな……』
灯織「なんだか随分と歯切れが悪いですね……」
『うん、風野さんの言う黒幕の定義が今の文脈からではわからないんだ。ボクはこの学園の管理系統を指揮している、その意味合いでは黒幕ともいえるけど……コロシアイ合宿生活に招集した張本人ではないから、その意味合いでは黒幕ではないんだよ』
灯織「……え?」
『うーん、せっかくこの部屋に来てくれたお客さんだから正確な回答をしたいんだけど……なんだか難しいなぁ』
灯織「ちょ、ちょっと待ってください!? い、今あなたは……この学園を管理している、そう言ったんですか?!」
『うん、そうだよ。なんたってボク、モノクマはこの学園の学園長なんだからね!』
(それって……黒幕がすべてを管理していたわけではないってこと……?)
灯織「すみません、あなたの言う学園の管理、もう少し詳しくうかがえますか?」
『うぷぷぷ……興味津々って感じだね。いいよ、なんだかボクも話すのが楽しくなってきたところだから!』
- 749 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:00:43.10 ID:/fY6YMbW0
-
『このコロシアイ合宿生活の黒幕は当然だけど風野さんと同じく人間だからね。どうしても体力には限界があるし、休憩が必要になるタイミングがあるんだよ。だからそういうときに学園の監視を行っていたのはボクになるね!』
灯織「……! それはつまり、深夜などのタイミングなどは黒幕本人は監視していなかったってことですか?!」
『そうだね……一応、事件や異常が起きたら報告するプログラムになってるけどね。それ以外の情報は基本的にボクが預かる形かな。誰かが誰かを殺したり、脱出のために学園設備を破壊したり、そういうのはすぐに緊急事態として報告することになってたんだ』
(……それって、深夜なら一部黒幕の監視を免れることができたってことなんじゃ)
『あとはどうしても人間の力じゃ難しい物資の補給とかかな。黒幕の正体がうっかりばれてしまうリスクもあるし、ボクの管理のもとオートメーション化されてたんだよ、エッヘン!』
(……よくよく考えてみたら当然のことだ。もうここでの生活は一か月にも及ぶ。それを人間一人で管理しきれるはずがない)
(なら、必然的にそこに付け入るスキは生まれるはず……!)
コトダマゲット!【コロシアイ合宿生活の運営】
〔コロシアイ合宿生活の運営はすべてがすべて人力で行われていたわけではない。物資の搬入などはオートメーション化されており、深夜の監視は黒幕自身は行わずAIに任せていた〕
- 750 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:02:44.51 ID:/fY6YMbW0
-
灯織「ありがとうございます、大変有意義なお話が聞けました……でも、いいんですか? あなたは黒幕の側のコンピューターなのでは……?」
『大丈夫大丈夫! ボクは別にどっちの味方でもないんだ、だってそうでしょ? 完全に黒幕の側ならこんな情報を話しもしないし、キミたちの味方ならとっくにこの学園系統をすべて停止させて玄関ホールの扉だって開けてる』
『ボクはただ、このコロシアイ合宿生活を観測し続けるだけのAIなんだよ。本当にそれだけさ』
灯織「……なるほど」
なんだか不思議な体験をした気分だ。自立思考するAIとの会話なんて、テレビの中でしか見なかった……それでいえば貴重な体験なのかもしれないけど。ただ、このAIは本人が言う通り私たちにとって敵でも味方でもない。
私がすべきなのは、この体験に歓喜することでもAIに同情することでもない。
得た情報を使うべき使い方をするだけのことなんだ。
……だって、ほら。振り向いたらマザーコンピュータは黒幕と全く同じ笑みを浮かべているんだから。
-------------------------------------------------
この部屋で調べられるのはこれくらいかな……?
少しでも真相に近づけているならいいんだけど……
1.モノクマプライベートルーム
2.おしおきメンテナンスルーム
3.トレーニングルーム
4.技術開発室
↓1
- 751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:03:52.13 ID:unkD6adb0
- 2
- 752 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:07:12.28 ID:/fY6YMbW0
- 【コンマ判定13】
【モノクマメダルを3枚獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…59枚】
-------------------------------------------------
2 選択
【おしおきメンテナンスルーム】
部屋の名前を見た時から、背中に悪寒が走っていた。
真乃、樹里、霧子さん、凛世、そして私。
5人の人間に牙をむいて、私を除いた全員の命を奪ってきた最悪の存在。
それを管理し、維持するためだけに存在する空間。
今すぐにでも爆弾を放り込んでめちゃくちゃにしてやりたくなる。
この部屋にいる限り、彼女たちの死が心臓を内側から刺してならないから。
でも、この痛みをぐっとこらえて調査を進めるしかない。
私には武力も、黒幕を凌駕する知力もないから。
____それが彼女たちの死に報いる唯一の筋道だ。
- 753 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:08:58.47 ID:/fY6YMbW0
- -------------------------------------------------
【おしおきセット】
「…………」
真乃が命を落としたステージセットだ。
私たちがこの学園で最初に目撃することになった、『おしおき』……その光景は今でも焼き付いている。
おしおきの進行とともにステージと衣装とが華やかになっていき、最終的にはカラスに目をつけられて、その輝きごと啄み殺される。
私の目の前にある衣装セットにも真乃の流したであろう血液の赤黒いシミがついたままになっている。
「…………」
樹里のおしおきに使われた放クラの皆さんのお面だ。これをつけたモノクマたちに樹里は袋叩きにされて、その結果……
彼女が最期の最期、その一瞬まで仲間のことを思って戦い続けていたことを私たちはこの先一生忘れることはない。
「…………」
霧子さんを絞め殺した巨大なモーターだ。先端に取り付けられた棒にその体を拘束され、高速回転で帯を巻き取り、最終的には窒息死。
霧子さんは、人格を破綻させて事件を起こしてしまったし、おしおきの最中でさえもそれは変わらなかった。彼女は最後に、何を思っていたんだろう。
- 754 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:11:10.40 ID:/fY6YMbW0
-
「…………」
凛世が切腹に使おうとした短刀だ。
彼女は事件に踏み切るうえでとてつもない覚悟をしていたというのに、モノクマはそれを一蹴して、踏みにじるようなおしおきを行った。
あのとき、頬を撫でた爆風の冷たさがまだ感触として残っている。
「…………」
そして、私を裁断して殺そうとした巨大なカメラのシャッター。
もはやシュレッダーにも近しい鋭利な切断面、もしこれをまともに受けていたら私は骨一つとしてまともに残ってはいなかっただろう。
こうして遠目に見ているだけでも寒気が押し寄せる。
……この部屋には、この学園でこれまでに起きた事件がそのままに写し取られている。
この機械に命を奪われた彼女たちの苦悶と葛藤、それが空気中に漂い、呼吸をするだけでむせ返るような思いだ。
だけど、それに目を背けてはいけない。
死の証というのは裏を返せば彼女たちの生きた証でもある。
彼女たちの流した血は、彼女たちの味わった苦しみは、彼女たちの抱え込んだ絶望は、彼女たち自身を形作る要素の一つであることは否定できないのだ。
今ひとたび、そんな彼女たちに触れたことで一つ想起されたものがある。それは、【コロシアイの動機】だ。
彼女たちが事件を起こすきっかけ、命を落とすきっかけとなった事件の動機。
思えばモノクマはあの手この手でコロシアイに精力的でない私たちを無理やりに動かしてきた。
あれには、ただ動機としての意味以上のものを感じてしまう。ただコロシアイをさせたいだけなら食料を取り上げたり、睡眠を奪ったりしてしまえばいい。
そうではなくあくまで私たち自身の葛藤の中から殺意を引き出したことには何か目的意識があったのではないだろうか。
……もう一度、【動機】は確認しておいたほうがいいかも。
-------------------------------------------------
【捜査パートの行先に学園長室が追加されました!】
- 755 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:13:20.96 ID:/fY6YMbW0
- -------------------------------------------------
【管理者コンピュータ】
おしおきセットはいずれもケーブルのようなものと繋がっており、この一つのコンピュータで制御されているようだ。
専門的な装置なのだろうか、妙に仰々しい設備で触るのが少し気が引ける。
少し操作してみたけど、基本は私たちの良く知るコンピュータと相違はない。
インターネットには接続していないようで、データの保管とこれらおしおきセットの管理が目的のものらしい。
……流石におしおきセットをいじる気にはならない、保管されているデータを確認することとした。
中で確認できるデータは、一つのファイルのみ。しかも中身が暗号化されていて読むことができない。わかるのはそのファイルの名前のみだ。
暗号化されたファイルにも一応の目は通す。
データ自体は解析不可能、特殊な操作やパスワードが必要みたい。現状わかるのは、そのファイル名のみ。
ファイルの名前は……『方舟計画』。
方舟と聞くと、神話の『ノアの方舟』をすぐにイメージするけど、これって一体……?
コトダマゲット!【方舟計画】
〔おしおきメンテナンスルームのパソコンに隠されていた謎の計画のファイル。詳細は一切不明〕
-------------------------------------------------
この部屋で調べられるのはこれくらいかな。
……あんまりここに長居はしたくない、ほかのところに行こう。
1.モノクマプライベートルーム
2.トレーニングルーム
3.技術開発室
↓1
- 756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:15:41.24 ID:unkD6adb0
- 3
- 757 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:18:35.51 ID:/fY6YMbW0
-
【コンマ判定24】
【モノクマメダル4枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…63枚】
-------------------------------------------------
【技術開発室】
機械の駆動音が響き渡る中鼻を刺すのは化学薬品の香り。
かと思えば窓の向こうには手術台の姿が見える。一体ここは何を研究している場所なんだろうか、ジャンルがまるで分らない……
摩美々「とにかく詰め込みましたって感じだよねー……あんなたいそうなロボットアームじゃ手術なんかできないでしょー……」
灯織「摩美々さん……いらしてたんですね」
摩美々「まあねー、灯織が地下階見つけてくれたんでしょー? お手柄じゃーん」
灯織「い、いえ……そんな……」
摩美々「この部屋にも何かしらの手掛かりはあるだろうし、とりあえず協力してあそこでも漁ろうかぁ」
摩美々さんが指さした先は研究設備とはまた別の区画。
どうやらここで行われている研究について詳細に記した報告記録が集積されているらしい棚だ。
パラパラとめくっていくとどこか見覚えのある内容がちらほら。
摩美々「科学室の薬品ってここで作られてたんだねー、薬品A・Bの調合記録なんかもあるよー」
灯織「空気清浄機の整備記録もありますね……ロボットに改造した時の記録まで」
摩美々「……あれ、なんだったんだろうねー」
こちらの報告記録も化学も物理もないまぜになっていてまるでまとまりがない……
頭痛がしそうな記録を眺めているうちに、あるページに行きついた。ここに書いてあるのは……どちらかというと“生物”の内容みたい。
- 758 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:20:44.92 ID:/fY6YMbW0
-
『我々の開発も一定の成果をあげた。マウスによる生体実験も無事に成功、いよいよ続いての段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。彼女はもとより性格面で類似性があったためか、特に拒絶反応も発生することなく実験も成功した』
摩美々「『神経系統に基づく移植実験』……?」
灯織「これって一体……?」
摩美々「……なんだか変な記述だよねー、マウス実験の後の臨床実験っぽいケド」
灯織「はい……【性格面】だなんて、精神科の診断か何かでしょうか?」
摩美々「【全被験者への適用】……【性格面で類似性】……」
摩美々「なんか、藪蛇な気分だよー……なんか嫌な予感がする……」
(……なんなんだろう、この報告書は)
(摩美々さんの言うとおりだ……書いてあることはまるで理解できないのに、なぜか胸のあたりがざわつくような……)
コトダマゲット!【被検体α】
〔我々の開発も一定の成果をあげた。マウスによる生体実験も無事に成功、いよいよ続いての段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。彼女はもとより性格面で類似性があったためか、特に拒絶反応も発生することなく実験も成功した〕
-------------------------------------------------
この部屋で調べられるのはこれくらいかな。
なんだか情報が得られたような、そうじゃないような……
1.モノクマプライベートルーム
2.トレーニングルーム
↓1
- 759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:22:02.07 ID:unkD6adb0
- 1
- 760 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:24:57.32 ID:/fY6YMbW0
- 1 選択
【コンマ判定07】
【モノクマメダル7枚を手に入れました!】
【現在のモノクマメダル枚数…70枚】
-------------------------------------------------
【モノクマプライベートルーム】
学園内でも異質な地下階、その中でもさらに異質な部屋がある。
というよりもこれは場違いといったほうがいいだろうか。
胃もたれがしそうなほどにゴテゴテの装飾が為された扉にはへたくそな字で『モノクマの部屋』と書かれている。
これ一つで雰囲気ぶち壊しもいいところだ。
「……はぁ」
その残念なデザインセンスに対する失望なのかなんなのか。自分でもよくわからないため息とともにその扉を開けた。
「……うわぁ」
中に入ると更にどぎつい。床、壁、天井。360度すべてを覆い尽くすモノクマの顔。
世界一のナルシストでもなかなかこうはいかないだろうに、よくやるものだ。
モノクマ「ようこそ! ボクの勝負部屋へ!」
灯織「……はぁ」
モノクマ「はぁって何さ! なんなのさ! この部屋でボクがどれほど激しいプレイをしてきたと思ってるんだ!?」
灯織「ぷ、プレイ……って……やめてください、そういうの……」
モノクマ「ん? ボクはプレイとしか言ってないよ? ただちょっと格闘ゲームの“プレイ”が熱くなりがちだって……そういうお話なんだけど?」
灯織「……」
モノクマ「むきー! なんだよ、冷たいな! せっかく人がセクハラ弄りしてやってるのに!」
(……地獄だ)
- 761 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:26:18.02 ID:/fY6YMbW0
-
ガチャ
雛菜「あれ〜? 灯織ちゃんだ〜!」
灯織「雛菜……雛菜も捜査の途中?」
雛菜「うん〜! 地下室がいけるようになったって聞いたから〜、それでこの部屋に来たんだけど〜?」
モノクマ「市川さん、ようこそボクのしょ___」
雛菜「なにこれ〜! この部屋気持ち悪い〜〜〜〜〜〜!」
(……あっ)
雛菜「なんだかこの部屋に長くいたくないかも〜、雛菜もう行くね〜……」
灯織「えっ、ちょっ……雛菜?!」
モノクマ「」
(……二人きりにされてしまった)
なんとも気まずい思いだけど、モノクマが精神崩壊している今のうちに調べさせてもらおう。
モノクマの個人部屋だというなら、何か手掛かりはあるかもしれないし……
モノクマ「」
モノクマ自身に話を聞くのもありなんじゃないかな……
- 762 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:28:20.49 ID:/fY6YMbW0
- -------------------------------------------------
【アルバム】
手に取ってまず後悔した。部屋の節々から感じてはいたけど、ナルシストとかいうレベルの話ではなく自分に酔っている。
幼稚園のスモックを着ているモノクマ、サッカー部のユニフォームを着ているモノクマ、成人式でがちがちの袴を着ているモノクマ、マイクロビキニを着ているモノクマ……
どれも悪趣味な写真ばかり。あまり人の思い出に文句を言うものではないけど、深いという言葉をつけずにはいられない。
それでもこれも調査のうちと自分に言い聞かせてページをめくると……
助かった。ちゃんと有益な情報だ。
モノクマの写真の数々はカモフラージュ。木を隠すなら森の中、写真を隠すならアルバムの中。
モノクマの醜悪な写真には途中から私たち自身の写真が混じるようになっていた。
「……なに、これ」
しかし、その写真の悉くに見覚えがない。
恋鐘さんと屋外で料理をしている写真、果穂と川で草の船を浮かべて遊んでいる写真……樋口さんと一緒にバーベキューを食べている写真。
それは何も私だけではない、めぐるがあさひと一緒に木登りしている様子なんかこれまでに見たこともない。
ほかにも摩美々さんが冬優子さんにいたずらを仕掛けている写真なんかもあるし、283プロの全員が写真に登場しているのだ。
特に加工や編集がされたような痕跡も残っていない、この写真は素人目に見ても本物。それなのに、当の本人に記憶がないというのもおかしな話だろう。
そして、最後に見つけた写真は……
「真乃と、小糸の写真……これって」
-------------------------------------------------
灯織「写真……?誰が撮ったんだろう……?」
そう、純粋な興味で私はその写真を手に取った。
この学校に関係するものだろうか、外の世界に関係するものだろうか。ただそれだけの興味だった。
でも、そこに残されていたのは。
(……え?)
_______真乃と小糸が二人で料理をしている写真だった。
(……な、なんで?)
めぐる「こ、これって……?」
モノクマ「わーーーーー!!なに見てるのさーーーー!!」
-------------------------------------------------
あの時、美術倉庫でモノクマに回収された写真そのものだった。
コトダマゲット!【キャンプの写真】
〔灯織を含む283プロ全員が登場しているキャンプの写真。加工編集がされたようには見えないが、灯織たちにその記憶は全く存在しない〕
- 763 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:29:48.79 ID:/fY6YMbW0
- -------------------------------------------------
【モノクマ】
……この合宿生活を引き起こした諸悪の根源。
私たちの命をそのエゴで奪い去り、人生そのものを勝手に踏み荒らしてきた憎き存在。
だが、この学園で唯一すべての真相を知る存在でもある。
それなら、話を聞かない理由はない。私たちが真実に少しでも近づくため、勝利をもぎ取るためにも……なんとしても有効な証言を引き出してやる!
灯織「モノクマ!」
モノクマ「」
灯織「話してもらいますよ……この学園の真相について……少しでも!」
モノクマ「……は!? しまった、センスを否定されたショックで思わず三途の川を反復横跳びしてしまっていた……!」
灯織「死にかけてるじゃないですか……そ、そんなことより! あなたにお伺いしたいことがこちらは山ほどあるんですよ!」
モノクマ「だろうね、ボクの魅力的なボデェを前にしたら質問の一つや二つや三億ぐらいは湧いてくるよね!」
灯織「モノクマ自身のことはどうでもいいです、それより学園生活についてです!……どうしてあなたは私たちをこの学園に集めてコロシアイをさせたんですか?! なぜ私たちを選んだんですか?!」
モノクマ「なんだよ、どうでもいいってさ。いじけちゃうよね、チェッ!」
灯織「誤魔化さないでください、今回ばかりは逃がしませんよ!」
モノクマ「むむむ……シリアスモードの風野さんはいつも以上にノリが悪いぜ……」
(モノクマの小ボケにいちいち反応している暇はない……!)
(一歩も引くな、風野灯織……!)
- 764 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:31:15.98 ID:/fY6YMbW0
-
モノクマ「……はぁ、しょうがないね。核心的な部分は教えてあげれないけどさ、オマエラを選んだことには確かに明確な理由が存在するよ!」
灯織「……! もちろん、聞かせてもらえるんですよね?」
モノクマ「いいかい? コロシアイ合宿生活に参加できるのはあくまで現役の高校生のみなんだ。だからオマエラ283プロダクションの人間でもお姉さん方やお子さん連中は参加できないんだよね」
灯織「それはこの生活が始まるときにも言っていたことですよね?」
モノクマ「うん、宣言したね。そしてこれこそがオマエラを参加者に選んだ理由でもある。オマエラが現役の高校生で、かつ283プロダクションのアイドルだったから……これ以上でもこれ以下でもないよ!」
灯織「……え?」
モノクマ「だからこの15人でなくてはならなかったってことだね! ほかの人間では替えが利かないんだよ!」
灯織「ちょっと待ってください、これじゃ前に伺ったのと何も変わらな……!」
モノクマ「まあもっといろいろ知りたいって言うんなら図書室の書庫でも調べればいいんじゃないかな? 現役の高校生アイドルにこだわった理由を推理するヒントになるかもね」
灯織「と、図書室の書庫……ですか……?」
モノクマ「今ボクからいえるのはこれぐらいのもんだよ、こっから先はモロに答えになっちゃうからね〜!」
灯織「あっ……ちょっと……!」
(だめだ……摩美々さんのようにはうまくはいかないな……)
- 765 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:34:25.26 ID:/fY6YMbW0
-
モノクマはすぐにその場を立ち去ってしまった。
聞き出せたのは、以前にも確認したとおりの内容。私たちが現役の高校生で、アイドルだなんてわかりきっていることだ。
灯織「……はぁ」
仕方ない、モノクマから情報を引き出すのはほかの方にお任せしよう。
……ん? ちょっと待って。
今回モノクマに改めて質問して、全く同じ内容が返ってきた。
……それってつまりは、それだけその情報に意味があることの証明にならないかな。
モノクマにとって、よっぽど【現役の高校生】で【アイドル】であることに意味があるっていうことなんじゃ……
大丈夫、自信を失うな風野灯織。
今の問答にだって、きっと意味があったに違いない……!
コトダマゲット!【モノクマの証言】
〔今回のコロシアイ合宿生活の参加者は、283プロの現役高校生アイドル15人のみ。そしてこのコロシアイはこの15人でなくては意味がなかったらしい〕
-------------------------------------------------
それに、モノクマは去り際に興味深い一言も残していた。
【図書室 書庫】、知りたければそこを調べなくてはならないらしい。
小糸の事件以来だ、ほこりのかぶった空間には悪趣味な事件資料の数々が収められていたと思うけど、そこに何か手掛かりが……?
余裕があれば向かうようにしよう。
【捜査パートの行先に図書室 書庫が追加されました!】
-------------------------------------------------
この部屋で調べられるのはこれくらいかな……
モノクマという存在、ますますわからなくなってしまった気がする……
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
【モノクマメダル獲得のためのコンマ判定を行います】
【直下レスのコンマ末尾と同じ枚数だけ獲得できます】
↓1
- 766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:36:06.40 ID:unkD6adb0
- どうもです!
- 767 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:37:39.37 ID:/fY6YMbW0
-
【コンマ判定40】
【モノクマメダル10枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…80枚】
-------------------------------------------------
【トレーニングルーム】
この一角は黒幕のプライベート用なのだろうか。
学校エリアの2階にもプール前の更衣室でトレーニングのできる空間はあったけど設備が段違いだ。
ルームランナーにベンチプレス、その他もろもろトレーニング器具が一通りそろっているし、壁は鏡張り。
肉体を仕上げるにはもってこいの設備が整っている。
智代子「ひゃ〜〜〜! なんだかここにいるだけでカロリーを消費しちゃいそうな部屋だね!」
灯織「チョコ、捜査の進捗はどう?」
智代子「うん、順調かな! ……それにしても、すごい部屋だよね! トレーニングジムが丸ごと一個入ってるみたい!」
灯織「うん……シャワーもロッカーもあるみたいだし、なんなら冷蔵庫にプロテインまで完備されてるよ」
智代子「……ん?」
(どうしたんだろう、チョコ……何か引っ掛かってるみたいだ)
(深く考え込んでる、ひとまずはそっとしておこう)
- 768 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:40:22.45 ID:/fY6YMbW0
- -------------------------------------------------
【ポスター】
部屋の一角には一枚のポスターが飾られている。
華々しいステージの上でパフォーマンスを披露するアイドルの写真、そのアイドルはこの国の人間ならだれもが知っている往年の伝説的なアイドルだ。
智代子「あっ、それって【VERTEX】のポスター?」
灯織「うん……どうしてここに……」
【VERTEX】、この業界の人間なら知らない人間はいない最高規模のオーディションだ。
最高とは文字通りの最高、優勝して得られる恩恵は並大抵のものではない。
アイドルはモチロン事務所も一気に注目が集まり、それだけで芸能の歴史に名を刻むことになるとまで言われる代物。
実際優勝者はいずれもアイドルを引退した後でもいわゆる“大御所”としての椅子を用意されて一生くいっぱぐれることはない。
だが、それゆえに優勝の道は険しく、審査員の判定も厳しい。開催は定期的に行われるものの、基本的に優勝者を出さないことのほうが多いのだ。
智代子「やっぱりアイドルになったからには一番の夢だよね、VERTEX優勝!」
灯織「うん……まだまだ私たちには遠い道のりだけど、いつかあの舞台で歌ってみたいな……」
智代子「やっぱりコロシアイ合宿生活の参加者がわたしたち283プロのアイドルだからこのポスターも貼ってあったのかな? 世間的にVERTEXは知名度はあるといっても、わざわざこんなポスターを貼るなんて……」
灯織「うーん……どうなんだろう、そもそもこの地下階ってもともとは隠されていた場所なんだし、私たちのために用意したのなら学校エリアの地上階に貼りそうなものだけど……」
智代子「そ、それもそうか……! あれ? それじゃあこのポスターは……?」
灯織「黒幕が、黒幕自身のために貼った……?」
コトダマゲット!【VERTEX】
〔アイドルのオーディションとして別格の規模を誇る最高峰のオーディション。これに優勝すればアイドルとその所属事務所は至上の名誉を得られると言われている。そのポスターがなぜか地下一階のトレーニングルームに貼られていた〕
- 769 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:43:15.50 ID:/fY6YMbW0
-
さて、地下階での捜査もひと段落かな。
少しずつだけど、黒幕の正体や学園の真実に近づけているような気がする。
まだ時間は少し残っている、悔いのないように最後まで調べ尽くさないと……!
【地下階の捜査が終了しました】
【別のエリアの捜査に移行します】
-------------------------------------------------
1.寄宿舎エリア2F
2.学園長室
3.図書室 書庫
↓1
- 770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:44:49.90 ID:unkD6adb0
- 2
- 771 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:49:06.24 ID:/fY6YMbW0
- 2 選択
【コンマ判定90】
【モノクマメダル10枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…90枚】
-------------------------------------------------
【学園長室】
おしおきメンテナンスルームを調べた時から気になっていた。
なぜモノクマは回りくどい動機を渡してコロシアイを強いるんだろうか。
人の生き死にが見たいだけなら、いくらでももっと強制する方法はある。
あくまで私たちが自分の手で殺害を選ぶことに意味があるといわんばかりの動機の数々……
改めて検討して、モノクマの真意を探らないと……!
ショーケースを開けて、そのファイルを手に取った。
『コロシアイ合宿生活動機概要』、モノクマがわたしたちにぶつけてきた動機のその全てが収められている一冊だ。
『一つ目の動機は【疑心暗鬼】、あえて黒幕との接点を公開することにより必要のない疑いあいに持ち込む。お互いがお互いを信じ合えない状況下でアイドルたちは信頼をどんな形で発揮してくれるのか』
『二つ目の動機は【焦燥】、フェイク映像による近縁者の危機を告示する。この学園から出たいという意思を一層駆り立てた上で、真のアイドルになるための決断力を養成する』
『三つ目の動機は【才能】、各人の才能を伸ばすためのヒントを授ける。柔軟な思考力のもと、与えられた道具をどう活用するかに着目したい。
備考:当初の予定と異なり、コロシアイがそこまで精力的に行われなかったため一部変更。後の計画の予備実験としての役割も兼ね、被験体αに人格の移植を行う』
『4つ目の動機は【犠牲】、集団としての生存のために1人を切り捨てる決断を迫る。損得勘定と個人の感情との間のすり合わせを適正化し、これから先生き残っていく上での野心を研ぎ澄ますのも狙いの一つである』
こうやって改めて見直すとやはり殺意を抱かせる動機としては異質なものを感じる。
動機にそれぞれ題されたものはもちろんのこと、文章の結びにあるのは黒幕から私たちに対する期待や狙いといった記述なのである。
まるでこの合宿生活で私たち自身に成長を促しているかのような、教育者ぶった顔がよぎってしまうような書き方だ。
(……もしかして、このコロシアイって……)
いや、さすがに考えすぎだ……
このコロシアイで私たちはあまりにも多くのものを失いすぎている。その失ったものと引き換えに、何かを手にするなんて……そんな……
黒幕は、私たちに何をさせたいの……?
コトダマゲット!【コロシアイの動機】
〔これまでの事件の引き金となったモノクマ提供の動機の数々。
@【疑心暗鬼】黒幕が事務所の仲間内にいるという情報
A【焦燥】身近な人物の身に危険が及ぶフェイク映像
B【才能】それぞれに与えられたさいのうにかんれんする物品
C【犠牲】裏切り者の暴露
そのいずれにおいても黒幕には何かしらの期待や狙いが存在していると思われる〕
-------------------------------------------------
1.寄宿舎エリア2F
2.図書室 書庫
↓1
- 772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:51:43.89 ID:unkD6adb0
- 1
- 773 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:53:41.68 ID:/fY6YMbW0
- 【コンマ判定89】
【モノクマメダル9枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…99枚】
-------------------------------------------------
【寄宿舎エリア 2F】
「……っ!?」
踏み入れた瞬間に言葉を失った。学園内の他のエリアの中でも異質……このエリアは、荒らされている?
壁面は崩れかけ、鉄筋は剥き出し。床にはそこら中にコンクリ片が落ちている。
倒壊寸前だと聞いても信じてしまうだろう。
下手に捜査を行ってケガをしないようにしないと。
慎重な足取りで捜査へと向かった。
どこから調べようかな……?
1.ロッカールーム
2.学園長の個人部屋
↓1
- 774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:54:07.27 ID:unkD6adb0
- 1
- 775 :これいる? ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:57:32.26 ID:/fY6YMbW0
- 1 選択
【コンマ判定27】
【モノクマメダル7枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…106枚】
-------------------------------------------------
【ロッカールーム】
壮観な光景だ。部屋の右から左、所狭しと配置されているのは金属製のロッカー。
見上げるばかりの背丈のロッカーにはそれぞれカードリーダーが備え付けられていて、セキュリティも万全といった感じ。
……誰かのこじ開けようとした痕がなければ。
しかし、人の力でこんなことになるだろうか。
まるで鉄球をぶつけられたように歪曲した鉄の箱は言い知れぬ不気味さをにじませる。
まるで人よりもはるか大きな怪物が暴れたような……そんなことはあり得ないんだけども。
入室時にも確認したとおり、この部屋のロッカーにはすべてカードキーがついている。
つまりは持ち主本人でなくては開錠できない仕組み。
……【今の私では調べることは出来なさそうだ】。
-------------------------------------------------
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
【モノクマメダル獲得のためのコンマ判定を行います】
【直下レスのコンマ末尾と同じ枚数だけ獲得できます】
↓1
- 776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:59:15.39 ID:unkD6adb0
- むんっ
- 777 :そろそろ終了します…… ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:01:42.38 ID:/fY6YMbW0
- 【コンマ判定39】
【モノクマメダル9枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…115枚】
-------------------------------------------------
【学園長の個人部屋】
寄宿舎エリアの二階ということもあり、誰かの部屋がまた存在していることはある程度予想していた。
ただ、まさかここまでの部屋があるとは……
私たちの部屋とは大違い、部屋のサイズも倍以上で家具も一通りは整っている。
部屋の雰囲気もあの悪趣味な目につく刺激的な配色ではなく、落ち着いた大人な雰囲気すら漂っている。
摩美々「まるでホテルの一室だよねー……」
灯織「摩美々さん……いらっしゃってたんですね」
摩美々「寄宿舎エリアの2Fで一番目に付くのはここだからねー……ったく、私たちにあんなタコ部屋押し付けておいてこんな部屋にいた人間って何様なんでしょうねー」
灯織「タコ……?」
摩美々「……なんでもなーい」
さて、この部屋にも手掛かりは結構ありそうだ。
念入りに調べることにしよう。
1.パソコン
2.デスクの引き出し
3.ブックラック
↓1
- 778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 23:03:20.45 ID:unkD6adb0
- 3
- 779 :もうちょっとだけ… ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:06:22.71 ID:/fY6YMbW0
- 3 選択
【ブックラック】
木造シックなブックラックにはギチギチに教育書やビジネス書といった書類が詰め込まれている。
『経営者目線の学園運営』『褒めちぎり教育』……どれも字が小さくて、挿絵や図も見当たらない。読んでいたらかなりの時間がかかりそうだ。
摩美々「灯織、そんなの読んでても仕方ないでしょー? 将来の夢学校の先生だったりした感じー?」
灯織「あ、いえ……すみません」
摩美々「んー……ぱっと見重要そうなのは、これですかねー……」
私の脇から顔をのぞかせた摩美々さんが手に取ったのは白いファイル。ほかのファイルとは違って、ラベリングやタイトル付けがされていない。
摩美々「露骨に怪しいですねー」
パラパラとめくっていくと、目についたのは数々のスライドが小分けに収録されたページ。
わかりやすく大きな文字のタイトル付けで、文字の説明は最小限。何かの発表で使う、プレゼン用のスライドだろう。
『新時代のアイドルを生み出す革新的発想』
『希望を新たに生み出す新・希望ヶ峰的アプローチ』
『成功すればどんなに凡庸なアイドルでもトップアイドルへ』
『見違えるような成果』
『無から有を生み出す発想』
『アイドル…新しい自分との出会い』
『すべてのアイドルを過去にするアイドルの創造』
灯織「新時代の、アイドル……」
摩美々「希望ヶ峰学園といえば才能の研究……それを利用してアイドルの育成を行うってのはありそうな話ですよねー」
- 780 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:07:05.19 ID:/fY6YMbW0
-
灯織「摩美々さん、これって……前に話した『希望ヶ峰学園歌姫計画』の話なんじゃ……」
摩美々「え、それって確か男子トイレ奥のファイルで見たやつー?」
灯織「はい……あのファイルは、樋口さんによって回収されてしまったんですが……」
摩美々「ふーん、その計画に希望ヶ峰学園の学園長も絡んでたんだったら、やっぱり歌姫計画ってのは公認だったのかなぁ……」
灯織「……あれ? 摩美々さん、これって少し変じゃないですか?」
摩美々「んー?」
灯織「希望ヶ峰歌姫計画とこのプレゼン資料……似てるようで、矛盾があるような気が……」
摩美々「摩美々はそっちの計画のファイルを見たわけじゃないから滅多なことは言えないなぁ……」
(そうだ……実際にあのファイルを自分の目で確認した私だから気づいた違和感)
(これは、改めて確認しておくべきかもしれない……)
(いけるタイミングがあれば【樋口さんの部屋】を改めて調査しよう……!)
コトダマゲット!【プレゼン資料】
〔寄宿舎2Fの学園長の個室にあったプレゼン資料。新時代のアイドルを作り出すための計画について、プレゼンのスライドがまとめられている〕
-------------------------------------------------
【捜査パートの行先に円香の部屋が追加されました!】
-------------------------------------------------
1.パソコン
2.デスクの引き出し
↓1
- 781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 23:07:12.07 ID:W3yST3ds0
- >これから先生き残って
きのこる先生!きのこる先生じゃ…ないなお前誰だお前
メダルコンマがさっきからずっと高いな
これはちょっとした小金持ちですよ
- 782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 23:08:31.73 ID:unkD6adb0
- 2
にへへ、甜花、お金好き……
- 783 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:10:22.34 ID:/fY6YMbW0
- 2 選択
【デスクの引き出し】
デスク脇には私の腰よりすこし低いぐらいのキャビネットが備え付けられている。
実際にここで過ごしていた人間がいるのなら、何かしらの痕跡が残っているだろう。
一番上の引き出しから慎重に見ていくことにした……
うーん、一番上の段にあったのは【娘さんとの家族写真】、ぐらい?
紫髪の女の子が嬉しそうに高い高いをされている。
ほほえましい一枚だけど、手掛かりにはならなそうかな……?
合宿生活の黒幕はあくまで私たちと同じ事務所の人間だったはずだ。
こんな親族がいるなんて話は聞いたこともない。
続いての段は……黒いノート?
でも、特に何も書いてないな、人の名前ぐらい?
どれも見たことも聞いたこともないような名前……『渋井丸』……?
変わった苗字だな……
最後の段にようやく一定の成果が出た。
これはカードキーだろうか。私たちの電子生徒手帳によく似ている。
摩美々「……それって、マスターキーなんじゃないー?」
灯織「マスターキー、ですか!?」
摩美々「学園長の部屋に意味ありげに保管されていたあたり、重要なものっぽいし……これなら今までにいけなかった部屋とか、閉まってる部屋とかにも入れるんじゃないかなぁ」
灯織「寄宿舎のそれぞれの個室なども調べられそうですね……」
摩美々「うわぁ……プライバシーゼロ発言、今言質とったからねー」
灯織「え、ええっ?!」
摩美々「冗談ですよー、多分灯織の言った通り……誰かの部屋を調べたりするのも重要、今回ばかりは手段も選んでられないでしょー」
(こんなところで思わぬ武器を手に入れちゃったな……)
(この学園の真実に近づく重要なカギだ、大切に扱おう)
(これがあれば、【ロッカールーム】も調べられるかな……?)
-------------------------------------------------
【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
- 784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 23:11:29.16 ID:unkD6adb0
- さ
- 785 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:13:47.68 ID:/fY6YMbW0
- -------------------------------------------------
【パソコン】
やはり調べるべきはパソコンだろう。
この部屋の持ち主が希望ヶ峰学園の学園長だというなら、それ相応の価値ある情報がこのパソコンには入っているはず……!
そう思ってキーを押したけど……だめだ、パスワードロックがかかっている。
摩美々「まぁ、そりゃそうだよねー……今時そんなセキュリティが甘いことなんてないかぁ……」
灯織「【7文字のパスワード入力】……」
摩美々「はぁ……しょうがない、ここはいったん諦め……」
灯織「……いえ、摩美々さん、やりましょう」
摩美々「えぇー?」
灯織「パスワードの解除、そのための糸口はどこかにあるはずです……ここで立ち止まるわけにはいきません!」
摩美々「……なぁんかカロリー使いそう……」
(つい先ほど地下階を解放するためのパスワードを私は明らかにしたばかり……)
(このパソコンのロックだって……なんとかなるはずだ……!)
- 786 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:17:38.49 ID:/fY6YMbW0
-
というわけで次回は二つ目のパスワード解除の謎解きより再開いたします。
今からやるとさすがに遅くなりそうなのでここで今日は終わらせていただきますね。
謎解きパート、回答がしにくいなどあれば安価の方法を変えたほうがいいですかね。
暗号など考えたのも初めてのことで難易度調整などよくわからず手探りでやってるので……
今回の捜査パートでだいぶんお話としては進んだ気がしますね、次回で非日常編の捜査パートも終われるかな……
次回更新は10/2 21:00〜予定です。またよろしくお願いします。
- 787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 23:19:05.57 ID:wmokhvKR0
- お疲れさまでした
- 788 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 20:48:57.25 ID:6uSYVKAc0
-
再開少し遅れます。
- 789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:00:27.07 ID:PI3NxXyx0
- 了解です
- 790 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:19:48.09 ID:6uSYVKAc0
- 所用で少し遅れてしまって申し訳ありません。
学園長の個人部屋、パソコンのパスワードキー開錠謎解きパートより再開いたします。
- 791 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:20:30.69 ID:6uSYVKAc0
-
【パスワードロック開錠】
摩美々「じゃあまずは状況の確認からしようかー、このパスワードは【7文字】入力するシステムになってるみたいだねー」
灯織「アルファベットか……数字でしょうか?」
摩美々「何か手掛かりが少しでもあるといいんだケド……」
(摩美々さんはガサゴソのデスクの上を漁っている……)
摩美々「あ、これっぽいねー。パソコンの裏側に貼ってあったよー」
灯織「パスワードを示したメモ……でしょうか?」
『たえそふえちく』
摩美々「うーん……これだけじゃ意味はわかんないかなぁ……」
灯織「何かの言葉なのでしょうか……?」
摩美々「机の上には他にも気になるものがあるし、それを踏まえて検討したほうがいいかもねー」
(これ一つで完結しない謎の可能性もあるってことか……)
摩美々「謎解きはここからって感じだねー、基本は灯織にお任せするケド、私も私なりに考えてはみるからぁ……相談したければ声をかけてよねー」
(なんとしてもこのパスコードロック……開錠して見せるぞ……!)
-------------------------------------------------
【開錠開始】
『たえそふえちく』
1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる
3.カレンダーを調べる
4.机の上を片付ける
5.摩美々に相談する
↓1
- 792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:22:09.00 ID:PI3NxXyx0
- 2
- 793 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:24:11.75 ID:6uSYVKAc0
- 2 選択
【パソコン】
さっき摩美々さんがこのメモ用紙を見つけてくれたんだし、何か他にも隠されたヒントがあるかも!
そう思って自分でもあちこち見てみたけど……特に変わった様子はないかな。
普通のノートパソコンで、モニターと【キーボード】があるだけ。
外付けの設備なんかもない、ごく最低限のものだ。
うーん……
最終的にはこのパソコンでパスワードを入力するんだけど、新しい手掛かりはなさそうかな……
『たえそふえちく』
1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる
4.机の上を片付ける
5.摩美々に相談する
↓1
- 794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:35:34.32 ID:PI3NxXyx0
- 3
- 795 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:37:29.91 ID:6uSYVKAc0
- 3 選択
【カレンダー】
卓上カレンダーだ。月が替わるごとにめくる形式のものらしいけど、これも特に変わった様子はない。
日付が一定の区間ごとに区切られて色が変わっているけど、これは【12星座】に基づく色分けみたいだ。私の誕生日は3月4日でうお座。
……うん、2月19日から3月20日の区間で着色されているあたり間違いない。
他には特定の日付にマークがされているような様子もないし、特に予定表なんかも書き込まれていない。
うーん、ここにヒントは特にないのかな?
-------------------------------------------------
『たえそふえちく』
1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる
4.机の上を片付ける
5.摩美々に相談する
↓1
- 796 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:38:16.81 ID:6uSYVKAc0
- 別に大きな意味で違いはないですが……
一応誤解を生まないように修正して再安価
-------------------------------------------------
『たえそふえちく』
1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる(済)
4.机の上を片付ける
5.摩美々に相談する
↓1
- 797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:43:22.11 ID:PI3NxXyx0
- 4
- 798 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:44:20.24 ID:6uSYVKAc0
- 4 選択
【机の上】
さっきからなんだか気になっていたけど、この机はなんだかごちゃついている。
ペンやメモが出しっぱなしだし、紙がくしゃくしゃに丸められたまんまなのも目につく。
……仕方ないので整理することにした。
ゴミを除けて、鉛筆やペンはあるべき場所へ。
よし、これでパソコン周りもきれいに……あれ?
さっきは気づかなかったけど、ペンケースの中に押し込められたぐしゃぐしゃの紙がある。
急いで取り出してその場に広げると……
『しか…1→
ふさ…5←
てい…□□』
こ、これって……何かしらのメッセージだよね……?
パスワードを読み解くうえで必要になるものに違いない……ちゃんと覚えておかないと……!
-------------------------------------------------
『たえそふえちく』
『しか…1→
ふさ…5←
てい…□□』
1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる(済)
4.机の上を片付ける(済)
5.摩美々に相談する(ヒント)
↓1
- 799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:50:16.87 ID:PI3NxXyx0
- 5
- 800 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:56:31.98 ID:6uSYVKAc0
- 5 選択
灯織「摩美々さん……とりあえず材料はそろったみたいですが何か思いついたことなどは……」
摩美々「えー、さっそく摩美々頼りですかぁ……?」
灯織「す、すみません……摩美々さんの頭脳が必要なんです……!」
摩美々「……まあ、一つ言えるのはあのカレンダーもこの意味深な暗号も全部全部無関係なはずはないってコトだよねー」
灯織「ええ、おそらくは……特にこちらの暗号はパスワードを求めるうえでは大きな役割を果たすのではないでしょうか……」
『しか…1→
ふさ…5←
てい…□□』
摩美々「……この左辺の二文字と繋がれた右辺の【数字と矢印】には何かしらの意味があるよねー、となるとこの左辺の二文字が何を指すのかを考えたほうがいいカモ……?」
灯織「確かに、クイズ番組などでもありがちですよね……意味不明に見える文字列が実は何かの頭文字だった、のように……」
摩美々「NEWSで北東西南……みたいなことだねー」
(……なにか『しか』『ふさ』『てい』が頭文字になるような組み合わせはあるだろうか……)
1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる(済)
4.机の上を片付ける(済)
5.摩美々に相談する(ヒント)
↓1
- 801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 22:13:42.54 ID:PI3NxXyx0
- 5
- 802 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 22:20:53.94 ID:6uSYVKAc0
- 5 選択
摩美々「……灯織、わかったかも」
灯織「摩美々さん、本当ですか?!」
摩美々「今摩美々たちの身近にあるキーワードで、ちょうどこの二文字ずつが頭文字になる組み合わせ……それって12星座なんじゃないかなー」
灯織「……!」
摩美々「わざわざこんな予定も空白な卓上カレンダーおいてる辺り妙だと思ってたんだよねー。このカレンダーの特徴ってば12星座ごとに色塗りされてることぐらいのものだしー」
灯織「となると……『しか』は『しし座』と『かに座』。『ふさ』は『ふたご座』と『さそり座』。『てい』は『てんびん座』と『いて座』……ですか?」
摩美々「多分ねー。で、そうなると、右辺の数字と矢印の意味も見えてこないー?」
灯織「……! もしかして、関係性、ですか……?!」
摩美々「そういうコト、かに座はしし座の一つ後。さそり座はふたご座の5つ前。……ほら、右辺の数字と矢印、それに一致するでしょー?」
灯織「となると『てい』の右辺に来るのは……二つ前、つまり『2←』なんですね!」
摩美々「……でも、問題はそれが何を意味するかってこと……この暗号の答えを、どこかで使うとは思うんだケド……」
-------------------------------------------------
『たえそふえちく』
『しか…1→
ふさ…5←
てい…□□』
1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
2.パソコンを調べる(済)
3.カレンダーを調べる(済)
4.机の上を片付ける(済)
5.摩美々に相談する(ヒント)
↓1
749.86 KB Speed:0.7
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
Check
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)